豊田通商は1月23日、同社が出資する水稲生産技術研究所が権利を持つコメの新品種を軸とし、契約栽培から販売までを一貫して行う国内産コメ事業に参入すると発表した。豊田通商は2012年から、新品種の生産基盤の確立を目的として、各地の農協や農業生産法人と協力して試験栽培を実施してきた。2014には一定の増収を見込めるようになったことから、今年から商業栽培に切り替える。5年後には2700haの作付け、約2万トンを取り扱う計画だ。同事業における新品種はコシヒカリをベースとしたハイブリッド品種で、一般的な品種と比べて粒が大きく、1.3~1.5倍の収量が見込めるため、生産コスト低減につながる可能性がある。また、東北から九州まで広い範囲で栽培が可能なほか、初期成育が良く倒れにくい、一般品種の作期と大きくずれないため輸作体系への組み込みが可能などの特長を持つ。味はコシヒカリのおいしさと粘りを併せ持つという。同社はこうした新品種のポテンシャルに加え、生産者とともにITの活用や農法の見直し、農業資材の最適化などに取り組むことで、生産コスト4割削減を目標に生産者の経営安定化と所得向上を目指すとしている。
2015年01月23日トヨタ自動車と日野自動車は8日、新しい燃料電池システム「トヨタフューエルセルシステム(TFCS)」を搭載した燃料電池バス(FCバス)を開発し、9日から豊田市内を走る路線バス「とよたおいでんバス」の営業運行向けに提供すると発表した。TFCSは、燃料電池技術とハイブリッド技術を融合させ、燃料電池自動車(FCV)「MIRAI(ミライ)」向けに開発したシステム。今回のFCバスには、出力を高めるためにFCスタック及びモーターなどを2個搭載するほか、高圧水素タンクを8本搭載している。外部電源供給(V2H)システムは、2013年11月より開始した実証試験等の結果を活かして改良が行われており、燃料となる水素の充填はNEDO事業として「とよたエコフルタウン水素ステーション」を使用する。同実証試験は、経済産業省「次世代エネルギー・社会システム実証事業」として採択され「豊田市低炭素社会システム実証プロジェクト」の一環として2010年度から進めているFCバスによる公道走行試験および非常時における外部への電力供給実証の一部であり、豊田市の協力を得て行うもの。両社はFCバスの実用化に向けて、公共交通である路線バスの営業運行による実証試験を通じてFCバスの実用性や有用性を検証し、研究開発を進めていくとしている。
2015年01月08日近畿大学は11月26日、豊田通商が養成したクロマグロを「近大マグロ」に認定すると発表した。同大以外の施設で養殖されたクロマグロが「近大マグロ」に認定されたのは初めて。これにより、「近大マグロ」の供給量は1.5倍(80トン/2000尾→120トン/3000尾へ)に増加し、2020年には現在の3倍の供給量を目指す。両者は2010年からクロマグロ中間育成事業において業務提携を行っており、今年7月には、水産養殖事業推進に関する覚書を締結し、養殖クロマグロの種苗生産のさらなる安定供給と量産化に向け、取り組んできた。あわせて、「近大マグロ」のブランドマークも発表された。クロマグロの姿をシンプルにデザインし、高品質な近大マグロを工業製品のように安定して量産化するイメージと養殖技術の進歩を表現したものだという。豊田通商が養成した「近大マグロ」は、同大が運営する養殖魚専門料理店「近畿大学水産研究所」銀座店とグランフロント大阪店舗において、銀座店の開店1周年に当たる12月4日から、ランチメニューとして初出荷される予定。
2014年11月27日近畿大学(近大)は11月26日、豊田通商が養成したクロマグロを「近大マグロ」として認定したと発表した。今回の認定は同社と近大が2010年から行ってきたクロマグロ中間育成事業の業務提携を進めてきたもので、豊田通商が養成したクロマグロが高品質であり、近大直営料理店で実施した来店者へのアンケート調査にて高い評価を得られたことから認定がなされたという。これにより近大以外の施設でもクロマグロを養殖できることが示されることとなったほか、近大マクロの年間供給量は現在の80t(2000尾)から1.5倍となる120t(3000尾)となり、2020年には240t(6000尾)まで引き上げることが可能になったという。また両者はブランド価値の向上を目指し、「近大マグロ」のブランドマークを制定し、海外展開に向けた取り組みを進めていくとしている。なお、豊田通商が手掛けたクロマグロの初出荷は近大水産研究所銀座店開店一周年となる2014年12月4日~12月8日に「近大マグロづくし御膳」として一日20食限定で提供される予定だという。
2014年11月27日帰ってきた?いや、違う。多田と行天はこの3年ずっと、まほろにいたのだ。駅前のあの汚いビルの一室に暮らし、タバコを吸って、クセ者の依頼人の頼みごとにしかめっ面をしつつ奔走してきた。スクリーンの中で、当たり前のように肩を並べて歩く瑛太と松田龍平の姿を見てそう思った。三浦しをんの人気小説シリーズを原作に、2011年に大森立嗣監督の手で映画化された『まほろ駅前多田便利軒』、2013年に大根仁を演出に迎えて放送された連続ドラマ「まほろ駅前番外地」と30代のバツイチ・元同級生コンビの多田(瑛太さん)&行天(松田さん)の奮闘を描き、人気を集めてきた『まほろ』シリーズ。その第三弾として再び大森監督の手で映画化されたのが、まもなく公開となる『まほろ駅前狂騒曲』である。「『まほろ』らしさって何でしょうね…?」。3年もの歳月にわたり、形を変えながら作られてきた3つの『まほろ』に参加する中で、ずっと保ち続け、培ってきたものは?松田さんは少し考え込みつつ「でも…」と言葉を続ける。「僕が演じる上で、それを一番感じるのはやっぱり多田といる時ですね。そこに尽きると思います」。多田と行天あっての『まほろ』。親友でも盟友でもなく、ホモセクシュアルな関係でもない、イイ年の男2人が時に無理な依頼に文句を垂れ、時に言い合い、ああでもない、こうでもないと誰かのために走り回る姿が多くのファンの心を掴んできたのだ。もちろん、シリーズを通じて常に変化はもたらされてきた。1作目では、ある苦く切ない因縁を抱える2人の“再会”が描かれ、続く連ドラはそんな彼らの便利屋としての“日常”に重きを置いて綴られた。では、このシリーズ3作目のポイントは?本作では行天の遺伝子上の「娘」であり、これまで顔を合わせたことのなかった少女・はる(5歳)をしばらくの間、多田便利軒で預かることになる。瑛太さんは、この依頼をきっかけに生じる、多田と行天の関係性の“変化”を挙げる。「これまでは、行天の自由奔放さに多田がツッコむという関係だったんですが、今回の依頼を通じて行天の過去に触れる中で、多田にも困惑があって、目の前にいる行天に対して『実は、これまで知っているのとは全く違う人間性があるのでは?』と深読みしてしまうところもあって、そこから距離感が変わっていく。ボケとツッコミ、連ドラで描かれた日常的な関係性からもう一度、ひとりの人間と人間としてそれぞれが抱えるバックボーン(=背景)に迫らざるを得ない。行天の言動に単純に反応するのではなく、過去が絡んでいるからこそ一筋縄ではいかない。そこは演じていて新鮮でもありましたね」。いつも飄々として、人生への未練も後悔も感じさせない行天だが、形はともあれ血を分けた娘と向き合うことで、自らが抱える過去とも対峙することに…。そこには確かにこれまでにない行天がいる。松田さんは言う。「第1作の映画では、多田が自分の気持ちを行天に話す(※過去に愛する娘を失い、妻とも離婚するに至った過程を行天に告白する)というシーンがあったけど、今回は逆に行天が過去と向き合うことになる。『まほろ』は全体としてやはり“親と子”の話なのかな?というのは感じてます。行天はなぜ自分の子と一緒にいることを極端に恐れるのか?子どもに対して自分に何が出来て、何が最善なのかというのは、それぞれの価値観の問題であって誰も正解を持ってはないけど、その分からない中で答えを探さないといけない。行天は親から虐待を受けていて、そういう経験をすると、今度は自分が子どもにそういうことをするんじゃないかという恐怖、自分で自分が分からない気持ちがあるんだと思う」。自分で自分が分からない“グレー”な部分を描いている。それこそが『まほろ』シリーズの見どころであると松田さんは続ける。「分かりやすい敵がいて、それを倒す正義のヒーローがいるというわけではなく、誰もが悪になってしまう可能性があって、その中で正義を貫く。その正義は自分の中だけで存在するものではなく、いろんな人とのコミュニケーションの中で少しずつ、持つようになっていくものなんですね。原作の第1作の冒頭で、行天は包丁を持っていて、もしかしたら自分の親を殺そうとしていたのかもしれないという描写があるけど、そこで多田と出会って違う方向の生き方を見つけていく」。多田と行天は高校時代の同級生だが、瑛太さんと松田さんが初めて顔を合わせたのも10代の終わり頃。瑛太さんにとってはスクリーンデビュー作であり、松田さんが主演を務めた若者たちの群像劇『青い春』(豊田利晃監督/’02)の現場だった。多田と行天が十数年を経て再会するのとは違い、2人はその後もたびたび共演し、プライベートでも親交を温めるのだが。瑛太さんは、少し懐かしそうに当時をふり返る。「あの時、僕が演じた役は集団に馴染めない役で、僕自身も初めての現場でどうしていいか分からずに、ずっと教室の隅かグラウンドの隅にいたんですが、最初に声をかけてくれたのが龍平だったんです。学生ものの映画ということもあって、何となく俳優の間でもグループが出来てくるんですが、その中で龍平はどのグループにも入っていける存在で、僕とは一緒にサッカーしてました。それからご飯を食べに行ったり、一緒に電車に乗ったり…特に会話がなくても一緒にいられるんですよね。意識してというわけではなく、自然と一緒にいたという感じです」。会話がなくても一緒にいられる存在。そこから『アヒルと鴨のコインロッカー』、『ナイン・ソウルズ』と仕事を共にしながら歳を重ねる中で、言葉を通じて関係を深めていくようになる。「昔よりも今の方が、ひとつの物事に対してディスカッションが出来るようになったと思います。以前はもっと、言葉じゃないところで一緒にいる感じだったけど、いまは自然に自分の置かれた状況や作品、役柄について意見交換もできるし、そこに刺激と面白味を感じます。そういう意味で変わったと思うし、でも最初に出会った時から、意識しているわけじゃないけど一定の距離感というか、互いのベクトルの向き方とかがあって、そこは変わんないなとも思います」。「なんか変わったんだと思います…(笑)」――。少し照れくさそうに、松田さんもこの十数年の互いの歩み、関係の変遷に思いを馳せる。「10代の頃って、いろんな理想と現実みたいなものが直に、ストレートに来る年代で、それはいまもそうなんですけど――そんなモヤモヤしている頃に出会って、そこからいろんなものが削ぎ落としながら、自分なりに答えを探して来て、少しずつ形になってきたから、それについて少しは話せるようになったのかなというのは感じますね。いまはある程度、自分がやってきたことに対して自信やプライドが形になっていて、それを持ってやっていこうという感じなのかな?もちろん、まだまだなんですけど、でもそれが楽しいですね」。互いを「好き」であることに理由はない。松田龍平にしか表現できないこと。瑛太にしか作れないもの。それを互いの中に感じ、ただ強烈に惹かれ合う。たとえ今後、多田と行天を映像で見られなくなったとしても、瑛太さんと松田さんがこの先、やんちゃながらに年を重ねていく姿を見れば、まほろに生きる多田と行天のこの先の姿が想像できる。2人のやりとりを見ながらそう思った。(text:Naoki Kurozu)■関連作品:まほろ駅前狂騒曲 2014年10月18日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2014「まほろ駅前狂騒曲」製作委員会
2014年10月17日豊田合成は、国内第3の自動車生産地域として今後成長が見込まれる東北地域に顧客のニーズと地域産業振興への貢献を狙い、オートモティブシーリング製品のうちウェザストリップを、セーフティシステム製品のうち、エアバッグを生産する新工場を建設する。また、TG東日本株式会社は2015年4月に社名を「豊田合成東日本株式会社」へ変更し、豊田合成株式会社岩手工場を統合することで、東北地域の事業強化を進めていく。
2014年05月09日映画『クローズ EXPLODE』が公開を迎え、4月12日(土)に行われた舞台挨拶で主演の東出昌大、勝地涼、永山絢斗、「3代目 J Soul Brothers」のELLY、岩田剛典らが裸での疾走シーンやプール突き落とし、ゴミ処理場での決戦シーンなど撮影秘話を明かした。『クローズ ZERO』『クローズ ZERO II』と続いた不良映画のヒットシリーズの新章。前作の主人公たちが卒業した後の鈴蘭高校で頂点(テッペン)を目指す新たな世代の戦いが繰り広げられる。東出さんと勝地さんは銭湯シーンでの“裸の付き合い”を述懐。旋風雄(東出さん)と小岐須が銭湯にいるところを襲撃され、裸のままで商店街を疾走するということで女性ファンにとっては“サービスカット”も満載のシーンとなっている。勝地さんは「2月の極寒で素っ裸で走るのはきつかった!」と苦笑しつつ、「このシーンのおかげで役柄も近くなったし、東出くんとの距離も縮まったと思います。お尻も見れたしね」とニッコリ。東出さんは「旋風雄としても嬉しかったシーンですね。青春しました」と笑顔を見せた。ELLYさんはお下品発言連発の不良を演じたが「多くの人にああいう発言を見られるって照れくさいですね…」と恥ずかしそう。印象深いシーンとして、東出さんにプールに蹴り落とされるシーンを挙げ「2回やりました。実際に(足が)当たってはいるんですが、どうしたらリアルに見えるかと考え、2人で息を合わせて良いシーンになったと思います」と充実した表情を見せた。岩田さんは、永山さんとのゴミ処理場での戦いのシーンに触れ「監督からは『好きにやれ』と言われて、アドリブで15分くらいやってました。(開始の合図の)カチンコが鳴った瞬間、テンパってグチャグチャでした」とふり返る。永山さんは「(岩田さんは)体力があるからなかなか終わらず大変でした」と苦笑い。岩田さん本人も「自分でも分かってなかったです」と語り、豊田利晃監督は「本当は(上映された長さの)5倍くらい長いんです」と2人の“激闘”を称えた。こうした若手俳優陣の“生”のやりとりに、前シリーズからの続投となる最年長のやべきょうすけも大いに刺激を受けたよう。当初、新章の話が来たとき「(前作までで)もう良い幕が引けたんじゃないかと思っていた」と明かしつつ、「これだけ月日が流れて、若い俳優さんたちとの出会いが嬉しかった。今回はまだ“紹介”しただけ。ぜひ続編を!」とさらなる続編への意欲を口にし、会場は期待を込めた拍手に包まれた。『クローズ EXPLODE』は全国東宝系にて公開中。(黒豆直樹(cinema名義))■関連作品:クローズEXPLODE 2014年4月12日より全国東宝系にて公開©: 2014高橋ヒロシ/「クローズEXPLODE」製作委員会
2014年04月13日分刻みのスケジュールで各媒体の取材に応える中、「1つのインタビューが始まるたびにお茶を出していただくんですけど、せっかく入れてくださったんだし、全部飲み終えなくちゃなって。なので、もうお腹が水分でパンパン(笑)」とお腹をさする東出昌大。「僕、素直なんです」と本人は冗談のつもりで笑うが、冗談ではなく、素直にも程がある。そんなほっこりキャラ(?)で場を和ませる彼が、『クローズ』シリーズの新章、『クローズ EXPLODE』で主演を務めるという。舞台は、『クローズZERO II』の1か月後、新年度を迎えて“頂上(てっぺん)”が不在になった鈴蘭高校。登場するのは喧嘩上等と意気込む不良たち。持ち前の柔和な魅力、それに伴うイメージとは一見かけ離れているように思えるが、かつての東出少年も原作コミックの作品世界に魅了されたひとりだったそうだ。「どちらかと言えば、僕は(『クローズ』の続編にあたる)『WORST』を読んでた世代。カッコいいな、こいつら。強いっていいなって。男の子なら誰でも持ち得る気持ちみたいなものを感じながら読んでいました。高橋ヒロシ先生の世界観が大好きだったんです」。ただし、その世界観をベースにした映画に主演するのは「また話が違ってきます(笑)」。オーディションを経て獲得した主人公・鏑木旋風雄を演じるにあたっては、「憧れだけでは役になれない。もちろん、プレッシャーもありました」と認める。「プレッシャーなんて感じずにやろうとは思っていたんですけど、終わってふり返ってみると、やっぱりあったなって。でも、考えても仕方がないという言い方は間違ってるかもしれないけど、だんだんプレッシャーに対応できるようになってきている気はします。『桐島、部活やめるってよ』のときも感じたし、『ごちそうさん』のときも感じたし、それに上手く付き合っていきたいなって」。監督の豊田利晃からは「映画なんて人の生き死にに関わるものじゃないんだから、軽い気持ちでやればいいよ」と言われたそうだが、「でも、そう言う監督の目は全然笑ってなくて(笑)」と述懐。「きっと、この人は生き死にでやってるんだろうなって思いましたね。監督の今までの作品を観ても、それが分かる。現場でもその気迫たるや凄まじく、カッコいいなと思いつつ、絶対にしがみついていこうという気持ちでした」。「東出昌大を一切捨てて、旋風雄になることを豊田監督は求めていらっしゃいました」という言葉にも納得。作品の中には、眼光鋭く、世を拗ねた高校生がいる。「将来に対する不安やふと感じる寂しさ、何もしていないときの憤り。そういった思春期特有の感情を投影させた部分はありますけど、基本的に自分は捨てて。ただ、マイペースで、ちょっと抜けてる性格は似てなくもないのかなあって、後になってから気づきました(笑)」。そんな旋風雄が鈴蘭高校に転入してくるところから物語は始まるが、身体も大きく、喧嘩に強い彼を同級生たちは放っておかない。だが、当の旋風雄は“頂上”を巡る争いに無関心。周りから求められる自分と、こうありたい自分がせめぎ合う。ただし、“こうありたい自分”が彼の本心なのかも微妙なところ。「要は旋風雄ってウジウジしていて、本気で人と向き合う、暴力と向き合うということをしないんです」と東出さん自ら鋭く斬る。「自分にはそれしかないのに。挑戦するのが怖いんですよね。でも、本当の願望に対してウジウジしてしまうのは、誰にでもあること。そこは共感できるところでした。ただ、僕は彼ほどウジウジはしないかな…。少なくとも今の自分は。負けず嫌いだし、オーディションだっていつも受かりたいと思って受けに行くし。なので、僕からしたら『若いんだし、思うことにちゃんと向き合って思う存分やりなさい!』って思うんですけどね」。その力強いアドバイスは、「みんなが負けず嫌いで、みんながライバルでした」という撮影現場を経験してこそのものでもあるよう。「譲れないところは譲れない」。そんな思いが、怒涛の乱闘シーンにも表れている。「本当に人を殴るわけじゃないから、お芝居に嘘ができるわけじゃないですか。そんな中、豊田監督は『本当に殴っちゃっていいから』ってぼそっと言っていなくなるんです(笑)。かと言って、本当に殴っちゃうと撮影が続かなくなる。要するに、豊田監督の求める“生(なま)”にどれだけ近づけるか、嘘をなくすことができるか、なんですよね。もちろん、うっかりパンチが入っちゃうこともあるし。みんな攻めたところでやっていました」。東出さんが原作に魅了されたように、映画の中で闘う男たちの姿にときめく女性も多いはず。「女性かあ…」と呟きつつ、おすすめのポイントを挙げてくれた。「正々堂々と戦っている連中だってところかな。卑怯な人も出てきますけど、卑怯な人は卑怯な人として描かれている。上辺だけでなく、根っこからカッコよくなろうとしている男たちを見て、古き良きものを感じてほしいです。でも、ちょっとくらいは女性のキャラクターと絡みたくなかったか?無理ですよ!ただでさえウジウジしてるのに、これで女性の問題まで抱えたら、旋風雄はきっとワケが分かんなくなっちゃいます(笑)」。「ごちそうさん」が好評のうちに幕を閉じたのが3月。初の主演映画となる本作の公開が4月。東出さんの快進撃は今後も続いていく。「新しいことをし続けるのがこの仕事だし、いい意味でも悪い意味でも不安定。そんな中、与えられた仕事をきっちりとやり、人様の前でもしっかりしていなきゃなって。それはモデルの頃と一緒で、“オレ、雑誌に出たんだ”なんて自信満々になる人はすぐに足元をすくわれていました。現状を客観的にとらえずに、ここでもし僕に驕りが生まれて“うん!食っていけそうだ!”なんて思い上がったら、たぶん一気に仕事はなくなるはず。だから芝居の上でも、もっともっとしっかりしないと。でも、今は焦りもあります。まだ始めて2年なのに恵まれているからこそ、実力が伴っていないと判断されたときはガッと落ちるだろうし。その危機感と上手く付き合っていくことも、今の僕には必要だなって思います」。(text:Hikaru Watanabe/photo:Nahoko Suzuki)■関連作品:クローズEXPLODE 2014年4月12日より全国東宝系にて公開©: 2014高橋ヒロシ/「クローズEXPLODE」製作委員会
2014年04月09日江戸川区平井。下町に親しみのある人ならともかく、普段都心部を中心に動いているとあまり縁のない場所だろう。JR総武線の平井駅から徒歩5分。そこに、わざわざ行くべきお店がある。1971年創業の「大衆酒場 豊田屋」だ。SNSに画像をアップすると、みんなの食いつきがハンパない写真がこの鍋。冬季限定の鮟鱇鍋が絶品で、かつ激安なのだ。鍋のメニューは他にも、ねぎま鍋、牡蠣鍋、タラチリ、牛鍋などもあるが、なんと言ってもオススメは鮟鱇鍋。 1人前~5人前まで、好きな鍋を組み合わせてオーダーができる。この画像は5人前で、鮟鱇2、あん肝2、白子1という割合になっている。何度か通ううちに極めた黄金比率と言ってもいいかもしれない。生々しく、ある意味グロテスクとも言えるヴィジュアルだが、煮込むうちにあん肝が溶け出し、スープにコクがうまれる。白菜はクタクタになってスープを吸い込み、やや濃い目ではあるが口に運ぶスピードは増すばかりであっという間になくなってしまう。 豊田屋での鍋奉行は大将なので、決して鍋を触ってはいけない。頃合いを見計らって、菜箸とレンゲで鍋の中をぐるりとひっくり返してくれるので、鍋が運ばれてきたら、出来上がるまでは大将に身をゆだねよう。 鮟鱇は深海に生息する海水魚で、山口県下関と茨城県大洗が産地として有名だが、豊田屋では、北海道の余市から直送される鮟鱇を使用している。 肝が大きくなる11~2月が鮟鱇の美味しい時期と言われており、豊田屋では3月下旬頃まで楽しむことができる。タイミングが良ければ、店先で鮟鱇をさばく姿が見られるかもしれない。 皮、身、肝、内臓、エラ、ヒレなど全てを食べることから、捨てるところがない魚と言われ、部位それぞれの食感の違いを楽しむことができる。低カロリーなのに栄養価が高く、皮は特有のぬめりをもちコラーゲンを多く含む。臭みがなく、皮のブルンとした食感と、むっちりと弾力のある身はやみつきになるだろう。 味噌ベースで提供されるお店も多いが、豊田屋は醤油ベースのあっさり系で飽きずに食べられるため鍋のお替りを頼む人も多い。また、大衆酒場というだけあって、つまみも豊富で安い。壁にずらりと並ぶメニューから選ぶだけで楽しくなる。メニューの下に洗濯バサミがついているものは売り切れのサインになっている。こちらは、ハムステーキ。 下町ならではの酒場らしく、酒も安くて濃い。もちろん飲めない人にもウーロン茶やコーラなどが用意されているのでご心配なく。 冬場は特に1か月先まで予約が埋まった状態。コンロの数も限られているため予約は必須。 豊田屋tel. 03-3618-1674江戸川区平井6-15-2316:30-23:30、日曜定休
2014年02月01日豊田自動織機とデンソーは1月16日、成長する中国自動車市場に対応するため、中華人民共和国 山東省 烟台市に、カーエアコン用コンプレッサを生産する新会社「烟台首鋼豊田工業空調圧縮機(YANTAI SHOUGANG TD AUTOMOTIVE COMPRESSOR:YST)」を設立し、2013年12月より営業を開始したことを発表した。YSTは、烟台首鋼電装(YANTAI SHOUGANG DENSO:YSD)のコンプレッサ事業を分離し、その生産を継承する企業で、2014年度はコンプレッサ200万台を生産する計画だという。また、中国市場向け拡販を通じ、2016年度には年間250 万台にまで生産能力を引き上げる計画としており、現地調達率の引き上げによる、競争力の向上を図っていく予定だという。なお、YSTの概要は以下のとおり。会社名:烟台首鋼豊田工業空調圧縮機所在地:中華人民共和国 山東省 烟台市資本金:36.8億円出資比率:豊田自動織機50.1%、首鋼総公司29.9%、電装(中国)投資20.0%事業内容:カーエアコン用コンプレッサの製造工場規模:敷地面積6万7000m2、建屋面積 4万m2従業員数:750人(営業開始時)生産台数:200万台/年(2014年度計画)
2014年01月17日瑛太×豊田利晃監督がタッグを組んだ映画『モンスターズクラブ』が来年3月2日(土)にDVD発売される。その他の情報本作は、規制に縛られた日本社会への警鐘として、企業に爆弾を送り続けるひとりの男(瑛太)が、雪山の中で遭遇するあるできごとによって運命を狂わせていく姿を描いた人間ドラマ。瑛太のほか、窪塚洋介、RIZEのベーシストKenKen、草刈麻有、アーティストのピュ~ぴる、松田美由紀、國村隼が出演している。このほど発売されるDVD初回生産特典には、瑛太、窪塚、豊田監督が製作の裏側を語るメイキング映像や、映画製作のきっかけとなった豊田監督×ピュ~ぴる出演の『ヌーヴェルヴァーグ プロモーション映像』などが収録されるほか、16ページに及ぶブックレット、松本大洋氏が描き下ろしたポストカードが封入される。全米を震撼させた爆弾魔ユナボマーにインスパイアされたという本作。豊田監督は、「ユナボマーの犯行声明文『産業社会とその未来』を読み、彼が危惧していた社会システムの末路は日本の現状そのもののように思えた。正しい行いとは何なのか? 正しい生き方とは? そのことを見つめたくてこの映画を作った」といい、「この映画が現代社会を生きるすべての人の心の憂いに届くことを祈っています」とコメントを寄せている。『モンスターズクラブ』2013年3月2日発売DVD4410円(税込)発売・販売元:ポニーキャニオン
2012年12月11日JR東日本八王子支社は11月24日、東京都日野市の豊田車両センターを一般公開する「豊田車両センターまつり」を開催する。車両の展示やメンテナンス作業の実演、鉄道模型の展示・走行、鉄道グッズの販売などの催しが予定されている。車両展示には、115系(中央本線)、209系(武蔵野線)、E231系0番代(中央・総武線各駅停車)、E231系800番代(東京メトロ東西線直通用)、E233系(中央線快速電車)の各車両が登場する予定。一部時間帯のみだが、特急「あずさ」「かいじ」に使用されるE257系、特急「スーパーあずさ」に使用されるE351系も展示予定だ。検修庫内では115系とE233系を使用したメンテナンス作業の実演やジャッキアップ車両の展示を実施するという。その他、E5系ミニ新幹線の運転や子ども向けの写真撮影コーナーなどが企画されている。「豊田車両センターまつり」の開催日時は、11月24日10:00~15:00(入場は14:30まで)。雨天決行。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月21日豊田利晃監督の最新作『I’M FLASH』が9月1日(土)に公開を迎え、豊田監督に主演の藤原竜也、松田龍平、水原希子、仲野茂、永山絢斗、板尾創路、原田麻由、大楠道代の総勢9名が揃い。テアトル新宿にて舞台挨拶を行なった。あるスキャンダルで離島への逃避を余儀なくされた新興宗教のカリスマ教祖、彼を守るために派遣されたボディガードの交流を描き出す。念願の豊田作品への出演を果たした藤原さんは「多くのスタッフとキャストが集まって、短い期間に行なった過酷な撮影でした。思うところがすごくあります。形にできて良かった」としみじみ。豊田監督も「僕と竜也の2人で話したことにみなさんが乗ってくれたことがミラクルであり、フラッシュ!」と感慨深げに語った。松田さんにとっては9年ぶりの豊田作品となったが、「豊田さんと早くやりたいと思ってたので嬉しかった。藤原くんとは初めてだけど、台本を読んでイメージしていたルイ(藤原さん)といい意味で違って、一緒に芝居してて影響されました。僕も迷っていたところもあって、一緒にやることで分かったことがあって楽しかった」と語った。水原さんは「オファーの1週間前に(豊田監督の)『青い春』を観て、こんな素敵な監督に撮ってもらいたいと思っていたので運命を感じた」、永山さんも「僕は映画に興味がなかったけど、10代で『青い春』を観てこんな面白い作品があるのかと役者という仕事に興味を持った」とそれぞれに本作、そして豊田監督への特別な思いを明かしてくれた。大楠さんは藤原さんに持ちかけられた仰天の“相談”の内容を告白!「(撮影が)終わった途端に『相談があります』って言われて、『監督をぶっ殺したいんですが…』と言われました。普通なら『まあまあ』とでも言うところですが、私も『やれば?』と言ってしまいました(笑)。役者の代わりはいないけど、監督の代わりはいくらでもいるので。これで私は藤原くんが大好きになりました」とあっけらかんと明かした。監督はこのやりとりを大楠さんから聞かされたという。当の藤原さんは「結構、限界に来てて大楠さんが車で帰られるときに『ここしかない』と思って真面目な心の叫びを聞いていただきました」と、晴々とした表情で大楠さんへの感謝の思いを口にした。『I’M FLASH』はテアトル新宿、ユーロスペースほか全国にて公開中。■関連作品:I’M FLASH! 2012年9月1日よりテアトル新宿、ユーロスペースほか全国にて公開© 2012「I’M FLASH」製作委員会
2012年09月02日沖縄を舞台に人生の歯車が狂い始めた男たちの運命を描く、豊田利晃監督の最新作『アイム・フラッシュ!』。本作で初共演を果たした藤原竜也と松田龍平が、豊田組の現場と作品を回想するとともに、本作を観ることで豊田監督が込めたメッセージと挑戦の真意をすくい取ってほしいと口を揃えて語った。その他の写真藤原と松田が演じたキャラクターは、新興宗教のカリスマ教祖ルイと、彼を護るボディガードの新野。ルイはある晩出会った謎の美女、流美(水原希子)が事故で瀕死の重傷を負ったことを契機に教団を辞める決意をするが、それを認めない教団は新野に新たな指令を下す。生と死の狭間で奔走するルイを演じた藤原は、「ルイは孤独を抱え、ひとりで戦っている男。大変な人生を味わいますが、それに立ち向かう姿勢が好きでした」と魅力を説明。ルイと対峙する新野役の松田は「新野は感情を出す男ではないので、脚本の段階ではよく分からなかった」と戸惑ったものの、「現場に入って藤原君と一緒に演じて、新野とルイとの関係性がよく分かった。上手く出来ましたね」と現場でのシナジーに救われたことを明かした。また、数々の名匠と仕事を重ねた藤原だが、豊田組は初参戦。その体験を以前「憎悪と尊敬」と表現したが、「役者を追い込み、余計なモノをそぎ落とす斬新な演出をする監督は多くないので、貴重な出会いでした。自分の中で新しい発見もありましたね」と今では感謝の想いが勝っているという。一方、豊田監督とは旧知の仲である松田は久々の豊田組は「エンターテインメントを作ろうという豊田監督の挑戦を感じた」と言い、「視界を広げていいものを作りたいという想いを感じたから、自分でも意識しました。新野役を演じることでお手伝いになれば、いろいろな人が観て楽しめる作品になると思いました」と豊田監督の想いを感じ取ったことを告白。「映画を観れば分かると思います(笑)」と藤原も同調した。藤原と松田の会話を聞けば、国内外の映画ファンだけでなく「センスがよくて、鋭く物事を考えている人」(藤原)と映画人たちも強烈にリスペクトする豊田監督に対して、猛烈に興味が沸く。最後に人となりについて尋ねてみると「言葉にすることがちょっと難しくて」(松田)と返ってきた。「たとえば不器用な人って言ってしまうと、そういうイメージになってしまいますよね。本人としては違うかも知れないのに。自分を知ってもらうために映画を作っていることもあると思うから、そのためにも今回の映画を観てほしいですね(笑)」。『アイム・フラッシュ!』9月1日(土)より、テアトル新宿ほか全国ロードショー取材・文・写真:鴇田 崇
2012年08月30日互いの関係性について「言うほど仲良くはないですよ」と藤原竜也がさらりと言えば「表面的な付き合いですよね(笑)」と松田龍平がポツリと返す。演技や作品について語るのと全く変わらない口調に、冗談と知りつつ妙なリアリティとおかしみを感じてしまう。タイプは違えど同世代の俳優たちのトップを走る2人が念願の初共演を果たした『I’M FLASH!』がまもなく公開となる。世間からの逃避を余儀なくされた新興宗教のカリスマ教祖と金で雇われたそのボディガード。孤島で対峙し奇妙な関係性を紡いでいく男たちを演じながら、藤原さんと松田さんは何を感じ、何を築き上げたのか――?豊田利晃監督の魅力「とにかく俳優を揺さぶる」藤原さんは、以前より豊田利晃監督作品への出演を熱望していた。きっかけは松田さんも出演した『ナイン・ソウルズ』(’03)。これまでに何度かチャンスはあったものの最終的に実現に至らず、ようやく本作で10年近くの歳月を経て悲願を実現させた。藤原さんが感じていた豊田作品の魅力とは?「予想外というか、飽きさせないんですよね。人間の心の動き、揺れのようなものを表現するのが非常にうまい。僕は決して映画や監督という仕事の技術的な詳しいことが分かるわけじゃないけど、どこかすごく斬新で見入ってしまうんですよ。ひと目見たときに『カッコいいな。この人、才能あるな!』って思って、一緒にやってみたいぞと思ったんです」。だが実際に体験した豊田監督の現場は、これまで映画や舞台で数々の演出家のもとで作品作りを経験してきた藤原さんをして「毎日が地獄だった」と言わしめるほど過酷だった。映画が完成したとき、藤原さんは「憎悪と尊敬」という言葉で豊田監督への思いを表現している。「とにかく俳優を揺さぶるんですよ。僕は40~50回もテイクを重ねるのに、龍平がパッと芝居したら『はい、OK。いいね』って。そうやって揺さぶって俳優をイラつかせて、ひとりにして追い詰めていくというのが監督の手法なんだと思う。そうやって新しいものを引き出そうとする手法はアリだと思うし、揺さぶりはありがたいんだけど、こっちもそういう手法だろうって考えちゃうからね。『俺はまんまとそんな手に引っかからねぇぞ』とか考えてイライラしたり(笑)。それを踏まえて“尊敬と憎悪”ですね。でも感謝してますよ。ものづくりの原点のようなものを感じながら仕事させてもらいました」。一方の松田さんにとっては『青い春』、『ナイン・ソウルズ』に続く3度目の豊田作品。常連とはいえ9年という長い時間を空けての再会だったが、松田さんは「豊田さんは変わってなかった」とふり返る。「『豊田さんはこういう人です』と言えるキーワードが少ないんですよね。あえて言うなら不器用な人。というか、俺の中で『こういう人』と決めつけたところでやっているわけではなくて、作品を通して豊田さんという人を見せてもらい、認識していますね」。では、特に本作の中で松田さんが感じた豊田監督らしさとは?「台本に書いてある『こうなるだろうな』というシーンを現場で180度変えることができるんですよね。例えば砂浜でルイ(藤原さん)と新野(松田さん)が対峙して砂をかけるシーンがあるんですけど、最初は全然違ったし、そこでシーンのニュアンスごと変えてしまうんです。それは自分で脚本を書いているからというのもあるけど、何より現場第一で臨機応変に撮影できる方だから。俺は感覚でやって、あまり決めごとを作らずにやることが多いので、現場で柔軟にやってもらえると楽しいですね」。共演しての感想、特に現場で対峙してみての印象を聞いてみると、藤原さんは称賛を込めて現場で感じたこんな思いを明かしてくれた。「やっぱり龍平が抱えているものはすごく大きいと思います。そこには葛藤を含めいろんなものがあるんだろうし、それを表に出さずにやっていくって大変でしょう。そういう面を含めて、きちんと自分のスタイルを保っているなと感じましたね」。松田さんは「そんなことはないですよ(笑)」とかぶりを振る。一方で、新野という役を演じる上での藤原さんの存在の大きさについて語ってくれた。「『青い春』で演じた九條もそうだったけど、引いたところで見ている役なんですよね。周りに答えを求め、問い続けている役。新野は自分なりの決め事を作って生きている人物だけど、どこかでそれを壊してくれる人物を求めているんですよね。そういう意味で、最初に台本を読んだとき、ルイという男をすごく得体の知れない人物のように感じていたんです。でも、現場で藤原くんが演じたルイは、すごく人間臭くて感情的で自暴自棄にもなる気分屋の男だった。そこで新野が何を思ってルイと生活を共にしていたのか、というのが自分の中ですごくつじつまが合って理解できたんです。そういう意味で、藤原くんとやれたことにすごく意義があったと感じています」。過去はふり返らず、毎日の小さな変化を重ねていく“カリスマ”と崇められることに疲れを感じながら、ルイは「ふり返ってみて初めて気づくきっかけを見過ごしてきた」と漏らす。おそらくそれは彼だけでなく多くの人に当てはまる言葉だろう。藤原さんも松田さんも常に求められ、次から次へと新たな作品へと出演しているが、ふと立ち止まったときにルイのような感慨に襲われるようなことはないのだろうか?そんな問いに藤原さんは「僕はふり返らないですね。まだそこまで生きてないかな。まだふり返るほどのものはないですよ」と白い歯をのぞかせる。一方、松田さんは「オレも『あのときはこうだった』なんてふり返ることはないですね」とうなづきつつ、こんな思いを口にした。「実際には分かりやすいきっかけがあるものではないと思いますね。日々の中で小さすぎて自分では気づかないけど、そういう些細なことを繰り返して積み上げている感じはあります。この仕事をしていると、どうしても一つの作品の始まりと終わりという区切りがあって、周りは作品ごとの区切りに対してどう思うかって考えるかもしれないけど、実はそれはあまり関係ないし、それだけじゃない。仕事以前に自分が生きているってことも全部含めてなので。その中でいろんな人に出会って、酒飲んで、話して…そういう全てをひっくるめたところで少しずつ自分でも気づかない小さな変化を重ねていくんだろうと思います」。本作は新興宗教のカリスマ教祖を軸にした内容となったが、藤原さんは以前から「究極のエンターテインメントを書いてみたら?」と豊田監督に語っていたとか。「監督も『それもいいね』って言ってたんですよ。みんなでワイワイって感じのね(笑)。きっと豊田さんの中にはまだまだ引き出しがあると思う。それをどんどん開けさせるのも俳優の仕事だよね」。松田さんは藤原さんとの再共演について「今回も実は藤原くんとはそれほど一緒のシーンは多くなかったので、もっとしっかりやりたいよね」とラブコール。今回とはまた違った関係性で躍動する2人の姿をぜひ見てみたい。(photo/text:Naoki Kurozu)■関連作品:I’M FLASH! 2012年9月1日よりテアトル新宿、ユーロスペースほか全国にて公開© 2012「I’M FLASH」製作委員会
2012年08月29日互いの関係性について「言うほど仲良くはないですよ」と藤原竜也がさらりと言えば「まあ表面的な付き合いですね」と松田龍平がポツリと返す。演技や作品について語るのと全く変わらない口調に、冗談と知りつつ妙なリアリティとおかしみを感じてしまう。タイプは違えど同世代の俳優たちのトップを走る2人が念願の初共演を果たした『I’M FLASH!』がまもなく公開となる。世間からの逃避を余儀なくされた新興宗教のカリスマ教祖と金で雇われたそのボディガード。孤島で対峙し奇妙な関係性を紡いでいく男たちを演じながら、藤原さんと松田さんは何を感じ、何を築き上げたのか――?豊田利晃の魅力「とにかく俳優を揺さぶる」藤原さんは、以前より豊田利晃監督作品への出演を熱望していた。きっかけは松田さんも出演した『ナイン・ソウルズ』(’03)。これまでに何度かチャンスはあったものの最終的に実現に至らず、ようやく本作で10年近くの歳月を経て悲願を実現させた。藤原さんが感じていた豊田作品の魅力とは?「予想外というか、飽きさせないんですよね。人間の心の動き、揺れのようなものを表現するのが非常にうまい。僕は決して映画や監督という仕事の技術的な詳しいことが分かるわけじゃないけど、どこかすごく斬新で見入ってしまうんですよ。ひと目見たときに『カッコいいな。この人、才能あるな!』って思って、一緒にやってみたいぞと思ったんです」。だが実際に体験した豊田監督の現場は、これまで映画や舞台で数々の演出家のもとで作品作りを経験してきた藤原さんをして「毎日が地獄だった」と言わしめるほど過酷だった。映画が完成したとき、藤原さんは「憎悪と尊敬」という言葉で豊田監督への思いを表現している。「とにかく俳優を揺さぶるんですよ。僕は40~50回もテイクを重ねるのに、龍平がパッと芝居したら『はい、OK。いいね』って。そうやって揺さぶって俳優をイラつかせて、ひとりにして追い詰めていくというのが監督の手法なんだと思う。そうやって新しいものを引き出そうとする手法はアリだと思うし、揺さぶりはありがたいんだけど、こっちもそういう手法だろうって考えちゃうからね。『俺はまんまとそんな手に引っかからねぇぞ』とか考えてイライラしたり(笑)。それを踏まえて“尊敬と憎悪”ですね。でも感謝してますよ。ものづくりの原点のようなものを感じながら仕事させてもらいました」。一方の松田さんにとっては『青い春』、『ナイン・ソウルズ』に続く3度目の豊田作品。常連とはいえ9年という長い時間を空けての再会だったが、松田さんは「豊田さんは変わってなかった」とふり返る。「『豊田さんはこういう人です』と言えるキーワードが少ないんですよね。あえて言うなら不器用な人。というか、俺の中で『こういう人』と決めつけたところでやっているわけではなくて、作品という形で豊田さんという人を見せてもらい、認識してます」。では、特に本作の中で松田さんが感じた豊田監督らしさとは?「台本に書いてある『こうなるだろうな』というシーンを現場で180度変えることができるんですよね。例えば砂浜でルイ(藤原さん)と新野(松田さん)が対峙して砂をかけるシーンがあるけど、最初は全然違ったし、そこでシーンのニュアンスごと変えてしまうんです。それは自分で脚本を書いているからというのもあるけど、何より現場第一で臨機応変に撮影できる人だから。俺は感覚でやって、あまり決めごとを作らずにやることの方が多いので、現場で柔軟にやってもらえると楽しいですね」。共演しての感想、特に現場で対峙してみての印象を聞いてみると、藤原さんは称賛を込めて現場で感じたこんな思いを明かしてくれた。「やっぱり龍平が抱えているものはすごく大きいと思います。そこには葛藤を含めいろんなものがあるんだろうし、それを表に出さずにやっていくって大変でしょう。そういう面を含めて、きちんと自分のスタイルを保っているなと感じましたね」。松田さんは「そんなものはないですよ」とかぶりを振る。一方で、新野という役を演じる上での藤原さんの存在の大きさについて語ってくれた。「『青い春』で演じた九條もそうだったけど、引いたところで見ている役なんですよね。周りに答えを求め、問い続けている役。新野は自分なりの決め事を作って生きている人物だけど、どこかでそれを壊してくれる人物を求めてるんですよね。そういう意味で、最初に台本を読んだとき、ルイという男をすごく得体の知れない人物のように感じてたんです。藤原くんのこともほとんど知らなかったので。ところが藤原くんが演じたルイは、すごく人間臭くて感情的で自暴自棄にもなる気分屋の男だった。そこで新野が何を思ってルイと生活を共にしていたのか?というのが自分の中ですごくつじつまが合って理解できたんです。そういう意味で、藤原くんとやれたことにすごく意義があったと感じてます」。過去はふり返らず、毎日の小さな変化を重ねていく“カリスマ”と崇められることに疲れを感じながら、ルイは「ふり返ってみて初めて気づくきっかけを見過ごしてきた」と漏らす。おそらくそれは彼だけでなく多くの人に当てはまる言葉だろう。藤原さんも松田さんも常に求められ、次から次へと新たな作品へと出演しているが、ふと立ち止まったときにルイのような感慨に襲われるようなことはないのだろうか?そんな問いに藤原さんは「僕はふり返らないですね。まだそこまで生きてないかな。まだふり返るほどのものはないですよ」と白い歯をのぞかせる。一方、松田さんは「俺も『あのときはこうだった』なんてふり返ることはないけど」とうなづきつつ、こんな思いを口にした。「実際には分かりやすいきっかけがあるものではないんだろうなと思います。日々の中で小さすぎて自分では気づかないけど、そういう些細なことを繰り返して積み上げている感じはあります。この仕事をしていると、どうしても一つの作品の始まりと終わりという区切りがあって、周りは作品ごとの区切りに対してどう思うかって考えるかもしれないけど、実はそれはあまり関係ないし、それだけじゃない。仕事以前に自分が生きてるってことも全部含めてだから。その中でいろんな人に出会って、酒飲んで、話して…そういう全てをひっくるめたところで少しずつ自分でも気づかない小さな変化を重ねていくんだろうと思います」。本作は新興宗教のカリスマ教祖を軸にした内容となったが、藤原さんは以前から「究極のエンターテインメントを書いてみたら?」と豊田監督に語っていたとか。「監督も『それもいいね』って言ってたんですよ。みんなでワイワイって感じのね(笑)。きっと豊田さんの中にはまだまだ引き出しがあると思う。それをどんどん開けさせるのも俳優の仕事だよね」。松田さんは藤原さんとの再共演について「今回も実は藤原くんとはそんなに一緒のシーンは多くないし、もっとガッツリやりたいね。藤原くんは舞台の方が多いから舞台やろうか?」とラブコール。今回とはまた違った関係性で舞台上を躍動する2人の姿をぜひ見てみたい。(photo/text:Naoki Kurozu)■関連作品:I’M FLASH! 2012年9月1日よりテアトル新宿、ユーロスペースほか全国にて公開© 2012「I’M FLASH」製作委員会
2012年08月29日藤原竜也が主演する豊田利晃監督作『I’M FLASH!』の外国特派員協会主催記者会見が20日に都内で行なわれ、藤原と豊田監督が本作にかける熱い思いを語った。その他の写真映画『I’M FLASH!』は、新興宗教団体の若きカリスマ教祖(藤原)が、ある事件をきっかけに辿ることになる過酷な運命を描いたヒューマン・ドラマ。藤原のほか、松田龍平、水原希子、永山絢斗、北村有起哉、柄本佑、中村達也、大楠道代ら豪華キャストが出演する。豊田監督は「この映画は2011年に撮った映画なんです。3.11という出来事を撮るには早すぎる…。でもその影響下からは逃れられない…。そういう死の連鎖を断ち切ろうとした決意表明なんです」とコメント。雪山を舞台にした前作『モンスターズクラブ』から一転して、沖縄で撮影を行なった今作について「沖縄を選んだのは天国に近い気がするというか、日本固有の神道というんでしょうか、そういう死生観を感じさせたかったんです」と話した。5年前から熱望していたという豊田監督との初タッグを実現させた藤原は「撮影現場は30回、40回テイクを重ねてもOKが出なくて大変でした(笑)。僕が演じたルイは、やるべきチャンスやタイミングを逃さず、背負い這い上がっていく姿が監督と重なりました」と撮影を振り返った。また、記者から「敢えてこうした難しい役柄を選んだのは何故か」と質問されると、「確かに安全な役を選んだ方が良いのではないかという思いはありました。でも、僕は楽な方より挑戦し続ける仕事の方が自分にとって良いと思ったんです。今までもそういう環境で育ってきましたし、何かに反発するとか、人と違うことをやってみるだとか、そういう事の方がおもしろく感じてます。自分の選択に間違いはないかな」と語った。『I’M FLASH!』9月1日(土)テアトル新宿ほか 全国ロードショー
2012年08月21日俳優の藤原竜也が8月20日(月)、東京・有楽町の日本外国特派員協会で開催された主演最新作『I’M FLASH!』の記者会見に、初タッグを組んだ豊田利晃監督(『青い春』、『空中庭園』)と共に出席した。同日、英語字幕付きの上映会も行われ、外国人記者からは2人に対し、さまざまな質問が投げかけられた。以前から豊田監督と仕事がしたかったという藤原さんが、本作で演じるのは新興宗教の若きカリスマ教祖・ルイ。信者からの崇拝を受け、セレブとしてメディアからも注目を浴びる存在だったが、ある事件をきっかけに人生を再考。教団を辞める決意をするが、それを許さない教団側は暗殺者(演じるのは初共演を果たした松田龍平)を差し向ける。藤原さんは「監督と出会って5年ほど経ち、ようやく実現したので本当に嬉しかった。ルイというキャラクターは監督自身を投影していると思える人物で、その分やりがいも大きい役」と感激しきり。それでも「40回、50回とテイクを重ねてもOKが出ない過酷な現場でした」と苦労をふり返った。一方、豊田監督は「撮影したのは昨年の9月。いま映画を撮るという場合“3.11”の影響からは逃れられないし、僕自身の周りでも俳優の原田芳雄さんが亡くなったりした。死の連鎖を断ち切るという決意表明を込めた作品」と熱弁。テーマはあくまで死生観だと言い、「その上で宗教というのはいいモチーフだと考えた。宗教そのものを描きたかったわけではないし、例えば主人公はプロ野球球団のオーナーでも良かった」とコメント。主人公・ルイの人物造形には南インド生まれの宗教家で、“星の教団”を設立したクリシュナムルティという人物が影響を与えているそうで「若い頃の写真が、藤原竜也そっくりなんですよ」と明かした。ある外国人記者からは「日本の俳優は、所属事務所に守られていて、リスクのある仕事はしないというイメージがある」と指摘されると、藤原さんは「興味深い質問ですね。そういう思いは僕にもありますが、僕の場合は挑戦し続けられる環境にいるし、今回も僕のわがままを(所属事務所の)ホリプロのスタッフが聞いてくれたので」と真摯な発言。これに対し、豊田監督も「お金も集めてくれたし、本当にすばらしい会社です」と感謝を示した。『I’M FLASH!』は9月1日(土)より全国にて公開。■関連作品:I’M FLASH! 2012年9月1日よりテアトル新宿、ユーロスペースほか全国にて公開© 2012「I’M FLASH」製作委員会
2012年08月21日『青い春』や『空中庭園』の豊田利晃監督が藤原竜也を主演に迎えて贈る最新作『I’M FLASH!』の公開に先駆け、8月7日(火)、本作の完成披露試写会が行われ、主演の藤原さんを始め、松田龍平、水原希子、板尾創路、仲野茂、そして豊田監督が舞台挨拶に登壇。撮影裏話や共演の感想など赤裸々トークを繰り広げ、詰めかけた多くの女性ファンたちを沸かせた。藤原さんが本作で演じるのは新興宗教のカリスマ教祖・ルイ。交通事故で同乗していた女性・流美(水原さん)に瀕死の重傷を負わせてしまったことをきっかけに、教団を辞める決意をするが、それは同時に教団に背くことを意味しており…。舞台挨拶の前から会場は女性ファンの興奮で満たされており、元「ミシェル・ガン・エレファント」のチバユウスケを中心に結成されたバンド「I’M FLASH! BAND」の激しい音楽と共に、劇中のルイを意識したのかのような真っ白の衣裳の藤原さん、スーツでビシッと決めた松田さんを始めとするキャスト陣と豊田監督が登場すると、黄色い歓声が会場中を覆い尽くした。かねてより豊田監督作品への参加を熱望していた藤原さんは「5、6年前からずっと仕事を一緒にしたいと言っていて、ようやく1本完成させていただいた。長年の夢が叶いました」と挨拶。すると、すかさず豊田監督から「その割には、9月しか(スケジュール)空いてなかったよね」と鋭いツッコミが。それに応戦とばかりに藤原さんは「才能のある監督の下でやるというのはこんなに大変なんだなと思いました。まず、OKが出ない。龍平とか希子ちゃんなんかはパッと来てすぐOKが出て、僕はNGばかりで本当に憎しみのこもった現場でした(笑)。15日間の撮影の中で、平均睡眠時間45分くらいの本当に過酷な撮影でした…」と恨みのこもった(?)撮影裏話を明かした。一方、「龍平は寝てたけどね」と監督から暴露された松田さんは「豊田監督との思い出はあんまりないですけど(笑)、10年ぶりに監督と仕事ができて嬉しかったです」とマイペースな語りぶり。それに輪をかけて撮影を楽しくふり返るのは板尾さん。「みんな忙しくしているのに、沖縄でボーッとしてるだけだったのですごく楽しかったです」。豊田監督の『青い春』を観て撮影に臨んだという水原さんは藤原さんとの共演シーンがほとんどだったそうだが、「現場では、私も藤原さんもいっぱいいっぱいだったので、あんまり喋ってないです」と告白。どうやら片思いであった藤原さんは「えっ!?そうだった?」とショックを隠せずにいた。さらに、松田さんとの危険なシーンの撮影に話が及ぶと、「龍平だけ褒められてた…」といじける藤原さん。これには「いや…別にオレも褒められてないよ。被害妄想なんじゃ…」と松田さんが返せば、板尾さんも「沖縄に行って、あんなに嫌な思いする人もなかなかいないよな(笑)」とフォローする始末であった。『I’M FLASH!』は9月1日(土)より全国にて公開。■関連作品:I’M FLASH! 2012年9月1日よりテアトル新宿、ユーロスペースほか全国にて公開© 2012「I’M FLASH」製作委員会
2012年08月08日俳優の藤原竜也が8日、都内で行われた主演最新作『I’M FLASH!』の完成披露試写会に共演する松田龍平、水原希子、仲野茂、板尾創路、メガホンをとった豊田利晃監督とともに出席した。その他の写真藤原にとっては、念願だったという豊田監督(『青い春』『ナイン・ソウルズ』)との初タッグ作品。昨年9月、沖縄で15日間というタイトなスケジュールで撮影が行われ、「朝から晩までNGの連続で、なかなかOKが出ない。毎日平均45分くらいしか寝させてもらえず、憎しみにあふれた現場でした。今後、僕の中でずっと残る作品」(藤原)。それだけに壇上でのPRにも熱がこもったのか、終始汗が止まらない状態で、舞台挨拶中3度も中座し「どうもすみません。それくらい熱い映画です」と恐縮しきりだった。藤原が演じるのは新興宗教のカリスマ教祖・ルイ。愛する女性(水原)から衝撃的な事実を聞かされ、教団をやめる決意をするが、それを許さない教団側はルイのボディガードである新野(松田)に秘かに教祖暗殺を命じる。初共演となる藤原vs松田の壮絶な演技バトルも大きな見どころで「役へのアプローチはまるで対照的。龍平との出会いは大きな収穫」(藤原)、「共演できて良かった。楽しい撮影でした」(松田)と手応えは十分。松田は『ナイン・ソウルズ』以来9年ぶりの豊田作品で、藤原とは対照的に涼しい表情を見せていた。水原は「自分の世界に入り込んでいたのか、(藤原さんに)話しかけても返事がこないことがありました」と現場での藤原の様子を暴露。一方、豊田組の常連である板尾は「みんなが忙しくしている中、沖縄でぼーっとしてるのが楽しかった。居心地のいい喫茶店のおばちゃんと仲良くなって、メニューにないものを作ってもらったり(笑)」とこちらはのんびりモードで撮影に臨んだようだ。連続爆破犯にインスパイアされた『モンスターズクラブ』に続き、野心作を放った豊田監督は「去年の3.11の1週間後、竜也と下北で飲んで『年内に一緒に映画を撮ろう』と話していた。その約束を果たすことができた」と感無量の面持ち。映画には藤原ら登壇者に加えて、永山絢斗、北村有起哉、柄本佑、中村達也、大楠道代ら豪華なキャストが顔を揃える。『I’M FLASH!』9月1日(土)テアトル新宿ほか 全国ロードショー
2012年08月08日2003年に公開された豊田利晃監督の『ナイン・ソウルズ』のニュープリント版が6月23日(土)に公開初日を迎え、豊田監督と松田龍平が舞台挨拶に登壇。本作の主演で、昨年この世を去った原田芳雄との思い出など当時をふり返った。刑務所から脱走した9人の男たちがある目的のために旅を続ける過程で生きる意味を見つめ直していく姿を描いた本作。『ポルノスター』で鮮烈なデビューを果たし、本作が長編4作目となった豊田監督にとって「全てを出し尽くそう」と考えて手がけた作品だったという。監督は、最近見た夢に主演を務めた原田さんが出てきたことを告白。「ウナギの骨をかじって『来るのが遅い』って(笑)。9年前の7月19日に公開されたんですが、7月19日は芳雄さんの命日なんです。(ニュープリント版の公開は)芳雄さんが仕掛けてるのかなと思います」と少し寂しそうに語った。松田さんは当時、まだ10代で9人のメインキャストの中で最年少。「僕だけ10代で、(年齢が)倍くらい上の人たちと一緒にいました。(自身が演じた)未散に繋がる状態で現場にいましたね」と懐かしそうに述懐する。当時は若かったこともあり、あまり周囲の共演陣と言葉を交わすこともなかったそうで「(弟役の)瑛太が出てくるところで、憎しみ合う役なんですが、アイツとは年が近いので、一緒のときはホッとしましたね」と明かした。そんな中で松田さんは、亡き父・松田優作の盟友でもあった原田さんから誕生日プレゼントをもらったとか。「『車やるよ』って言われて『マジで?』と思ったら赤いフェラーリの模型でした(笑)。いまも持ってますよ」とニヤリ。「どこかで親父に近いものを感じてました。その頃は特に一緒に仕事する方から親父に近いものを感じたかったんですが、その中でも芳雄さんは特別でした」と当時を思い返した。監督は「芳雄さんは現場に木刀を持ってやって来ました。僕も負けちゃいけないと次の日から木刀を持っていき、それ以来、現場に木刀を持っていくようになりました」とエピソードを明かす。監督という立場から「アウトローの芳雄さんが見たくて、現場でも口をきかずケンカ態勢でやった映画です。かなり芳雄さんを追い込んだつもりで終わった後に『勝てた』と思ってたけど、芳雄さんがインタビューで『俺はまた一から始めないと』と言ってたのを見て『負けたんじゃないか。器がデカい!』と思いました」と語り、故人を偲んだ。『ナイン・ソウルズ』は渋谷ユーロスペースにて公開中。なお、豊田監督の最新作で松田さんも出演する『I’M FLASH!』も9月1日(土)よりテアトル新宿、ユーロスペースほかにて公開となる。■関連作品:ナイン・ソウルズ 2012年6月23日より渋谷ユーロスペースほか全国にて順次公開© 2003「ナイン・ソウルズ」製作委員会
2012年06月25日『青い春』、『空中庭園』の豊田利晃監督の最新作『I’M FLASH!』のマスコミ向け完成披露試写会が5月17日(木)に都内で開催され、上映前に豊田監督と主演の藤原竜也が舞台挨拶に立ち、映画さながらの愛と憎しみの交じった“舌戦”を繰り広げた。新興宗教のカリスマ教祖・ルイ(藤原さん)が、交通事故で同乗の女性に瀕死の重傷を負わせ、ほとぼりが冷めるまで孤島に逃れるが、そこでの日々が彼を少しずつ変えていく。やがてルイは教団を辞することを決意するが、それは教義に背くことを意味していた…。豊田作品への出演を以前より熱望していた藤原さんは「夢が叶った」と満足そう。2003年の『ナイン・ソウルズ』以降、ずっと監督にラブコールを送り続けており、実現しかけた企画もあったが結局なくなってしまったため、およそ10年の歳月を経て夢を結実させた。監督は「昨年の震災の後、藤原くんから電話がかかってきて『年内に1本撮ろう』という話になった。でも藤原くんは9月しか空いてなくて、GOサインが出たのは6月。『何を作ったらいいのか?』と思いましたが震災で多くの人が亡くなり、僕も身近な友人を3人亡くしました。“死”をテーマにエンターテイメントが作れないかと思った」と作品について語った。過酷なスケジュールも去ることながら、撮影自体もかなり厳しいものだったよう。藤原さんは「いまふり返っても、毎日地獄でした。『ここまでOK出ないか?』というくらい出ない」と監督の演出を述懐。「(松田)龍平なんてちょっと喋ったら『はいOK』ってなるのに。雨上がりにサンダルで水中銃を持って走るシーンがあって、滑るんですが監督に『もう少しスピード出せる?』と言われて、『やります』と猛ダッシュした。龍平は革靴で後ろから追いかけてくるんですが、終わった後、監督が近づいてきたので初めて褒められるのかと思ったら、僕はスルーして龍平に『よかったよ』って(苦笑)。僕は現場に対して真面目でいよう、挨拶とかもしっかりしようと思ってたけど、そのとき、この現場は勝手に来て勝手に帰ればいいって心に誓った。才能ある監督と仕事するのはここまで自己否定しなくちゃいけないものなのかと思った」と恨みつらみをぶちまけ、「憎悪と尊敬の念だけでやってきた」と明かした。当の監督は藤原さんの演技についてサラリと「最高でしたよ」と絶賛。「舞台で百人や千人の前で芝居するのと、映画でひとりの前で芝居するのは違う。藤原くんは“蜷川の呪い”が掛かり過ぎてるので、それを解くのが僕の仕事だった」と語った。藤原さんの恨み節はさらに続き「『蜷川の舞台じゃない』とか『カイジ』じゃないよ、とボソッとボディブローで攻めてくるんです」と告白。当然、そこまで追い詰められたからこそ充実感も感じているようで、特に松田さんとの共演については「面白かった。龍平との出会いはこの映画での大きな収穫」と語り、「久しぶりに一流の映画人に囲まれて、ドロドロにもまれて撮影できた」と晴れ晴れとした表情を見せていた。『I’M FLASH!』は9月1日(土)よりテアトル新宿、ユーロスペースほか全国にて公開。
2012年05月17日山小屋で隠居生活を送りながら、小包爆弾を送り全米を震撼させたという、数学者ユナボマーにインスパイアされ、『青い春』『空中庭園』の豊田利晃がメガホンを執った最新作。本作で4度目のタッグを組む豊田利晃監督×瑛太の2ショットインタビューをお届けする。●10年という付き合いの中で、お互いの印象、変わった部分、変わらない部分瑛太:僕が初めて出演したのが『青い春』だったんです。映画はこうやってできていくんだ、とか、現場ってこういうものなんだというのをはじめて知った場でした。監督はそのころから何かに怒っている、というところが変わらないかな。社会に怒っているのか、自分自身に怒っているのかはわからないけど。どの作品でもその感覚は豊田さんの作品からはすごくいつも感じますね。ただ、映画から想像させるものが今回はまた違った感じがしていて、観終わったあとの「灰汁」みたいなものが違うような気がします。自分が出ているから客観性はないにしても、今回は僕自身の奥のほうにある何かよくわからないみたいなものを明確に見つめるというか、また違った観点で訴えかけてくる作品だなあと感じました。監督:『青い春』で初めて瑛太を起用したんですが、彼の役は台本にはなかったんです。瑛太がオーディションに来て、いいなと思ったので使いたいなと。無理やり役を作って出てもらいました。なにか、はかなさのようなものを感じたんです。もともと、『青い春』も何十年後かにはスターになっているような人をキャスティングしたいと思っていて。『荒野の七人』に出ていたスティーブ・マックイーンみたいな。だから、瑛太に関してもそのときからすでに光るものは感じていましたね。その頃からの変わらない部分は、「変わろう」と常にしているところかな。窪塚さんとの共演について監督:リズムが全然違うので、何がうまれるんだろうと、僕自身が楽しみにしていました。合わないわけがないという確証はあったので、7分くらいのワンカットをふたりに任せました。瑛太:ずっと作品をみてきた俳優さんなので、一緒にできると決まったときは嬉しかったですね。でも、窪塚洋介という人を観るのではなく、ユキとしてみようと、雑談とかは一切しないようにしようと思って入りました。その長いワンカットのシーンも、演じ方とか窪塚さんの放つ言葉の強さが今までとは違った感覚で入ってくるのがわかって、それがすごく面白い反面、怖かった。「すごいんだな、この人は」と。どういう風にぼくは受けの演技をするべきなのか。発信するのか。飲みこむのか。テイクのたびに毎回違うから、すごい札をたくさん隠し持って、用意してきたんだなと。監督:そう言う瑛太も毎回返しを変えていましたからね。窪塚君もそうやって毎回変えてくることがすごくよかったと言っていました。お互いにタイミングを外していくので、毎回新鮮な演技になる。撮影する方は大変だけど、こっちがきちんと用意さえしていれば、素晴らしいものが撮れるというのはありましたね。作品について瑛太:あまり言葉にはしたくない部分もあるけど、この状況の中で豊田さんとこの作品をできたっていうことが嬉しいですね。俳優をやってきて本当によかったと思います。監督:すごくストレートに映画を作ったなと。予算とかスケジュールに限りもあったし、すべてを語れる作品にはならないってことはわかっていましたから、その中でいかに最善を尽くすか、っていう。72分という尺も狙っていました。クライマックスまで体力がある映画にしたいと思って。この作品ではそれ実現できたんじゃないかな。作品情報『モンスターズクラブ』監督:豊田利晃出演:瑛太、窪塚洋介、KenKen、草刈麻有、ピュ~ぴる、松田美由紀、國村隼配給:ファントム・フィルム4/21(土)より、ユーロスペース他にてロードショー!(C)GEEK PICTURES
2012年04月23日俳優の瑛太が4月21日(土)、東京・渋谷のユーロスペースで行われた主演作『モンスターズクラブ』の初日舞台挨拶に、メガホンを取った豊田利晃監督、共演する草刈麻有、ピュ~ぴると共に舞台挨拶に立った。豊田監督が全米を震撼させた爆弾魔“ユナボマー”にインスパイアされ、オリジナルのシナリオを書き上げた本作。現代社会を捨て、雪山の小屋で自給自足の生活を送りながら、テレビ局や企業に爆弾を送り続けている良一(瑛太)はある日、森で出会った奇妙な“怪物”に導かれ、さらなる闇の世界へと誘われる。瑛太さんは豊田監督の『青い春』(’02)で映画デビューし、その後『ナイン・ソウルズ』(’03)、『空中庭園』(’05)と豊田作品に出演。今回、4度目のタッグにして満を持しての主演起用で、狂気と繊細さを持ち合わせる複雑な主人公を熱演した。「デビュー後、わりとドラマへの出演が増えたんですが、たまに豊田監督に会うと『お前、なんだよ』『そんなんでいいのか』って辛口の意見をいただいて…」と瑛太さん。自身にも「成長したい、変わりたいという気持ちがあった」と言い、「今回は自分の思いを全部さらけ出し、監督に見てもらいたいという気持ちだった」と作品に賭ける熱意は格別だ。「俳優としての原点を作ってくださった」と豊田監督への感謝も忘れなかった。豊田監督は「昨年2月に雪深い山形で撮影した。悲しいこと、楽しいこと、スリリングなことがたくさんあった撮影で、一言で言えば辛いものがあったが、こうして初日を迎えることができてありがたく思っている」。兄妹役で共演した草刈さんは「役作りのうちから、セットに泊まったり、すごく意識が高い方。私も見習いたい」と瑛太さんの役者魂に感服した様子。現代アートのパフォーマーとして活動し、今回、映画に初出演したピュ~ぴるさんは「普段はひとりで物作りしているので、大勢のスタッフや役者さんとの共同作業はすごく新鮮。自分自身が成長するための新たな要素をもらえた」と語った。『モンスターズクラブ』は公開中。■関連作品:モンスターズクラブ 2012年4月21日よりユーロスペースほか全国にて公開© GEEK PICTURES■関連記事:豊田利晃監督×瑛太×窪塚洋介インタビュー映画のほうからやって来る「風」水原希子「運命を感じました!」豊田利晃監督作で藤原竜也と競演!瑛太「辛いことあったけどずっと一緒にいてくれた」と窪塚洋介への感謝の思い明かす瑛太×窪塚洋介の競演!『モンスターズクラブ』完成披露試写会に10組20名様ご招待藤原竜也、念願の豊田利晃作品に主演で松田龍平と共演!
2012年04月23日「映画は作ろうと思って作るのではなくて、映画のほうからやってくるものだと思う」――。彼の作りだす映画には、予測不能でありながら常に「今」という時代を突く衝撃が伴う。『蘇りの血』で鮮烈なカムバックを果たしてから3年、豊田利晃監督が送り出す新たなる衝撃作『モンスターズクラブ』。その時を待っていたかのように、10年越し、4度目のタッグにして待望の初主演作を実現させた瑛太、そして豊田組初参加を果たした窪塚洋介と共に、本作について語ってもらった。どこまでも白く、奥深い雪山。社会と断絶した場所でひとり孤独に生きる主人公・良一(瑛太さん)。彼のモデルになっているのは、18年間全米を震撼させ続けた爆弾魔“ユナボマー”ことセオドア・ジョン・カジンスキーだ。産業の発達によって導き出された現代社会への憂いを、良一は爆弾にしたため告発している。だが、最後の目的を果たしたそのとき、彼のもとに自殺したはずの兄・ユキ(窪塚さん)が姿を現し――。社会に対して、絶望と怒りを抱えて生きる良一。そして彼に「生きる」ことを教える存在であり、越えられない絶対的な存在である兄・ユキ。兄弟以上に特別な絆で繋がれた2人に、瑛太さんと窪塚さんを抜擢した理由は?監督:「映画は作ろうと思って作るのではなくて、映画の方からやってくるものだと思うんです。そしてそのときにいい風が吹いてないと僕は映画を作れない。今回、この風の中に現れたのが瑛太であり、窪塚くん。これだけのキャストが揃ったら、喧嘩は絶対勝てそうですよね(笑)」豊田監督とは10年来の付き合いとなる瑛太さんは今回、自ら本作への参加を熱望。7年ぶりとなる豊田組の現場に対して並々ならぬ思いがあったようだ。また、初めての参加となる窪塚さんも、その独特の緊張感を語らずにはいられない。瑛太さん:「自分の映画デビュー作が豊田さんの作品だったということもあり、豊田組は自分の中のどこかで還ってくる場所だと思っていました。しっかり気を引き締めないと、すべてがバレてしまう場所。『青い春』(’01)で“オバケ”という原作にはない役をもらったときから、いつか豊田さんの作品のど真ん中に立って演じるんだと密かに思っていましたし、あとは反応していくだけだと。監督の『よーい、スタート』の掛け声はすごく迫力があっていつも緊張します。この緊張感は豊田組ならではだと思います」窪塚さん:「監督とは初めてでしたが、何も言わずに突然刺しそうな、通り魔的な狂気を感じました。それがこの作品にとって良い風に出たと思います。僕は3日間だけの撮影だったのですが、短い分、良い意味で、監督の霊気が際立っているように感じました」実際の撮影現場では、本読みや役作りについての話し合いもせず、脚本を読んだときの役者の“直感”に委ねるという豊田監督。一方、瑛太さんは今回の役作りにおける苦悩を明かす。瑛太さん:「ユナボマーについての本を読みましたが、正直、僕には分からないことがたくさんありました。彼の“ぶっ壊したい”気持ちは分かりますが、彼の起こした事件では実際に人が死んでいるんで…。頭だけでは理解できないところはありますね」全編オールロケで撮影が行われたのは山形・最上町の雪積もる山中。氷点下での撮影への挑戦は多大な苦労を伴ったようだが、瑛太さんはそれを超える恐怖を体験したとか…。瑛太さん:「撮影に入る前にセットの山小屋にひとりで一泊したのですが、夜が更けて、映画に出てくる『P』みたいな白塗りのオバケがいきなり現れたんです。それは、豊田監督に行けと言われた助監督だったのですが、それがすごく怖くて、事前の役作りなんか全然できなかったです(笑)」そんな恐怖(?)も経て、良一の絶望と怒りを通して「生きる意味」を見事に体現させた瑛太さん。本作の最後には、そんな良一の人生最大の“決別”が描かれている。そこに宿る、新たな感情とは――?3人は力強く言葉に込める。監督:「今の時代をどうやってサバイブしていくか、この作品を通して少しでも考えてもらえれば嬉しいです」窪塚さん:「自分がやりたいことを自分らしくやり続けるために何か邪魔なものがあるんだったら、それをぶっ壊すことのできる作品になればいいなと思います」瑛太さん:「自分の思い通りにいかないことは誰にでもあると思います。でも結局、道を切り拓いてくのは自分自身。行く道を決めあぐねているときに観てもらい、何か引っかかってくれれば嬉しいなと思います」(Interview:Yuka Kinbara)■関連作品:モンスターズクラブ 2012年4月21日よりユーロスペースほか全国にて公開© GEEK PICTURES■関連記事:水原希子「運命を感じました!」豊田利晃監督作で藤原竜也と競演!瑛太「辛いことあったけどずっと一緒にいてくれた」と窪塚洋介への感謝の思い明かす瑛太×窪塚洋介の競演!『モンスターズクラブ』完成披露試写会に10組20名様ご招待藤原竜也、念願の豊田利晃作品に主演で松田龍平と共演!瑛太が「おれを出せ」と直談判!豊田利晃監督が最新作の秘話を明かす
2012年04月20日4月21日(土)より公開される豊田利晃監督の新作『モンスターズクラブ』のトークイベントが28日に代官山にある蔦屋書店で開催され、豊田監督と出演者の窪塚洋介が登場した。その他の写真本作は豊田監督が“ユナボマー事件”と呼ばれる爆破事件を起こした実在の人物にインスパイアされて描いた作品。社会と断絶した環境に身を置き、企業に爆弾を送り続ける主人公を瑛太が演じ、窪塚はその兄という重要な役どころで出演している。豊田監督は本作の根底にあるもののひとつとして「競争社会の中で利己的に生きるべきではない。利他的というか、そのように世の中が作られていない」とコメント。窪塚は「世の中や社会のシステムに対しての怒りや、不条理へのどうにかしたい気持ちを共有できた」と言い、昨年2月の極寒の中で行なわれた撮影を「神社のように神聖な空気がある撮影現場だった」と振り返った。さらに「窪塚くんとは一緒に仕事がしたいと思っていた」という豊田監督は、窪塚を「役者という範疇におさまらない希有な人。フレームからはみ出してしまう、まるで現代のショーケンのよう」と絶賛。司会者より「本作を観る前にオススメの作品は?」と聞かれると窪塚は「世の中の仕組みを暴いている作品」とマイケル・ムーア監督の『華氏911』などをあげ、豊田監督は『男はつらいよ』シリーズと回答した。豊田監督は「今はフィルムで撮影してフィルムでかける映画館が少なくなっていて、2年後にはもうないかもしれない。だから映画館に観に来てください」と呼びかけ、窪塚は「モンスターズクラブに入りに来てください。映画館で待ってます」とPRした。『モンスターズクラブ』4月21日(土)ユーロスペースほかにてロードショー
2012年03月29日『空中庭園』、『モンスターズクラブ』の豊田利晃監督が、藤原竜也を主演に迎えて贈る最新作『I’M FLASH!』。本作のキーマンとも言えるミステリアスな美女を、ファッションリーダーとして女性から圧倒的な人気を集めるモデルで女優の水原希子が演じることがこのほど明らかとなった。圧倒的なカリスマ性で連日マスコミに取り上げられる、新興宗教団体「ライフイズビューティフル」の若き3代目教祖・ルイ(藤原竜也)。そんな毎日に辟易した彼はミステリアスな美女・流美と出会い、ドライブに出かけるのだが、バイク事故を起こしてしまい、容疑者として追われる羽目に…。独特の世界観と演出力で絶大な人気を誇り、“映画界の異端児”と称される豊田監督。キャスティングにも相当のこだわりを持つ監督が今回ヒロインに抜擢したのが、水原希子。『ノルウェイの森』(’10)での瑞々しい演技が記憶に新しいが、7月公開予定の蜷川実花監督作『ヘルタースケルター』に続く大抜擢となった。水原さんが本作で演じるのは、藤原さん扮するルイに近づく謎の美女・流美。彼女の魅力に取りつかれたルイは予想だにしない運命に翻弄されていく。ミステリアスな魅力が必要とされる難役だが、豊田監督は水原さんのキャスティングについて「彼女はエレガントな野生の馬のような人なので、それを追いかけるような撮影方法を取りました。彼女の素晴らしさを捕まえることができたことに満足しています」と喜びのコメント。一方、水原さんは本作の出演に運命を感じたといい、というのも「このお話をいただく1週間くらい前に、たまたま『青い春』を観ていいな!と思っていました。豊田監督のほかの作品も観てみようと思っていた矢先に、出演のお話をいただき運命を感じました!」とのこと。また、初共演となる藤原さんについては「ジェントルマンで、リードしていただいたので、安心して身を置いて演じられました。ただそれだけでなく、緊張感もあってパートナーとしてとても良かったです」と、先輩俳優にすっかり身を委ねた様子。果たして、謎の美女・流美がストーリーにどんな影響をもたらすのか?女優・水原希子の今後の活躍にも注目したい。『I’M FLASH!』は9月、全国にて公開。■関連作品:モンスターズクラブ 2012年4月21日よりユーロスペースほか全国にて公開© GEEK PICTURESヘルタースケルター 2012年7月14日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012 映画『ヘルタースケルター』製作委員会■関連記事:竹中直人&蜷川実花、フランス観光親善大使就任で熱い“フランス愛”を激白下着姿で佇むエリカ様、掟破りの過激さ!『ヘルタースケルター』特報映像が解禁瑛太「辛いことあったけどずっと一緒にいてくれた」と窪塚洋介への感謝の思い明かす蜷川実花撮り下ろし!肩出しエリカ様が挑戦的に見つめる『ヘルタースケルター』ポスター完成瑛太×窪塚洋介の競演!『モンスターズクラブ』完成披露試写会に10組20名様ご招待
2012年03月27日豊田利晃監督の最新作『モンスターズクラブ』のプレミア試写会が23日に都内で行なわれ主演の瑛太、窪塚洋介、草刈麻有、KenKen、ピュ~ぴると豊田監督が舞台あいさつに登壇した。その他の写真本作は豊田監督が“ユナボマー事件”と呼ばれる爆破事件を起こした実在の人物にインスパイアされて制作した作品。瑛太は社会と断絶した環境に身を置き、企業に爆弾を送り続ける主人公を演じている。「運命みたいな必然性が目の前にやってきたのでそれにしっかり応えたいと思った」と瑛太。豊田監督は「瑛太の今まであまり出していなかったストイックな部分を引き出せるのではないかと思った。この映画は瑛太でよかった」とキャスティングの理由を明かし、「サバイバルをテーマにした映画なので過酷なところを選んだが、寒すぎた」と昨年2月に敢行した山形県最上町での撮影を振り返った。「豊田監督とずっと前から一緒に仕事をしたかった」という窪塚は「世の中に対する怒りや憤りだとか、役者をやっていてもこんな台詞を言えるチャンスは一生ないと思った。光栄です」と述べ、「今だからこその映画になったと自負しています。この作品が世界を変える爆弾になれば」と胸を張った。最後に瑛太は「撮影中は辛いこともあったけれど、窪塚さんがずっと一緒にいてくれたことで救われた。死生観ってなんだろうとかいろいろな話をした。僕の背中を押してくれたのは監督であって窪塚さんだった。僕は何かと決別できたんじゃないかと思う」と作品への並々ならぬ想いを語った。『モンスターズクラブ』4月21日(土)ユーロスペースほかにてロードショー
2012年02月24日映画『モンスターズクラブ』のプレミア試写会が2月23日(木)に都内で開催され、主演の瑛太を始め、窪塚洋介、草刈麻有、KenKen(RIZE)、ピュ~ぴる、豊田利晃監督が舞台挨拶に登壇した。瑛太さんと豊田監督にとって4度目のタッグとなる本作。アメリカの連続爆弾魔“ユナボマー”の事件に着想を得て製作され、雪深い山奥にこもり爆弾を作り続け、日本社会のシステムを破壊しようとする男のドラマを描き出す。豊田監督は瑛太さんの主演への起用について「俳優の新井浩文に電話したら横に瑛太がいて、こんな映画をやるという話をしたら『おれがやりたい』と言ってくれた」と経緯を説明。「瑛太はストイックなものを持ってるけど、それをいままで(映画で)出してないので、新たな魅力が作れると思った。瑛太で良かったです」と満足そうに語った。瑛太さんも「新井くんの横にいて良かった(笑)。やるべきものが目の前にやってくる…運命というか必然としてやって来たと思うので、それに応えたかった」と頷いた。ちょうど1年前の2月に撮影されたが、そのさなかに瑛太さんは実父を亡くすという不幸に見舞われた。瑛太さんは具体的な言及は避けつつも「撮影中、辛いこともあったけど窪塚さんがずっと一緒にいてくれた。待合室の狭い空間で、2人とも何時間も無言の時間があったり、この人に全部話を聞いてもらいたいと思って聞いてもらったり。それで僕は救われた」と静かに、しかし力強い言葉で窪塚さんへの感謝の思いを口にした。それに対し窪塚さんは「(瑛太さんは)すごく凛としてて、胸を張って現場に居続けた。おれだったらできない」と語り、2人の間の強い絆をうかがわせた。窪塚さんはさらに「ライヴでも感じるけど、3.11を境に僕自身の心構えが変わったとは思わないけど、世界が変わったと思う。すごい勢いで世界が変わり、古い時代がぶっ壊れていってる。この映画がそのきっかけ、爆弾になればと思っています」と力を込めた。草刈さんは『蘇りの血』に続いての豊田作品出演となったが、監督は「男ばかりの中で“イノセンス”を感じられる女優が欲しかった。前作よりもちょっと大人になってます」と太鼓判を押す。オファーした時点で草刈さんは短期留学中だったそうだが「(オファーの話を)聞いて、速攻で『帰ろう』と思いました」と強い思い入れを明かした。『モンスターズクラブ』は4月21日(土)よりユーロスペースほか全国にて公開。■関連作品:モンスターズクラブ 2012年4月21日よりユーロスペースほか全国にて公開© GEEK PICTURES■関連記事:瑛太×窪塚洋介の競演!『モンスターズクラブ』完成披露試写会に10組20名様ご招待藤原竜也、念願の豊田利晃作品に主演で松田龍平と共演!瑛太が「おれを出せ」と直談判!豊田利晃監督が最新作の秘話を明かす
2012年02月23日藤原竜也が『青い春』、『空中庭園』の豊田利晃監督の次回作『I’M FLASH!』に主演。松田龍平と共演を果たしていることが明らかになった。豊田監督と言えば松田さん主演で松本大洋の漫画を映画化した先述の『青い春』が激賞され、その後も『空中庭園』、『蘇りの血』と異彩を放つ個性的な作品を発表。今年のゴールデンウィークには瑛太主演で窪塚洋介らも出演する、アメリカの爆弾魔“ユナボマー”をモチーフにした『モンスターズクラブ』の公開も控える日本映画界の“異端児”。以前より監督の作品のファンで、数年前より親交もあった藤原さんは、インタビューなどでもたびたび豊田作品に出演したいという思いを吐露しており、今回、念願かなって主演を務めることとなった。藤原さんが演じるのは、新興宗教団体“ライフイズビューティフル”の若き三代目教祖・吉野ルイ。そのカリスマ性でマスコミにもたびたび取り上げられ、注目の的となっていたが、ある夜、ミステリアスな美女・流美を乗せて車で飛ばしていたところ、バイクとの接触事故を起こしてしまい、流美は植物状態に…。若きカリスマが起こした事故にマスコミは群がり、ほとぼりが冷めるまでルイはやくざ崩れの3人のボディガードと共に南海の孤島に避難することになる。そこでルイはある決断を下すが、それは教団の陰謀を明らかにすることに…。やがて魔の手が忍び寄り、ボディガードたちをも巻き込み衝撃の結末を迎える。3人のボディガードを演じるのは松田龍平、永山絢斗、仲野茂。松田さんにとっては『ナイン・ソウルズ』以来、8年ぶりの豊田作品出演となる。永山さんは初の豊田組参戦。兄の瑛太さんは豊田作品の常連だが、永山さんが独特の空気感を放つ豊田作品でどんな存在感を放つか楽しみなところだ。ほかに教団内で強い権限を誇る、ルイの母を大楠道代、教団を継がずに性転換したルイの兄を北村有起哉が、そしてルイの母に絶対服従の秘書を『ナイン・ソウルズ』にも出演している板尾創路が演じている。『蘇りの血』に続いてスタイリストを伊賀大介が務めており、衣裳も注目を集めそう。「今回の作品は僕にとって豊田利晃監督と出会ってからの念願でした」と語る藤原さん。「撮影期間や撮影環境は本当に大変なものでしたが、スタッフ・キャスト不眠不休で走り抜けました。いまこの時代にオリジナル脚本で勝負できる喜びや、豊田組常連であり同世代の俳優としてぜひ共演をしてみたかった松田龍平くんと対峙できる喜びを噛みしめながら全身全霊で挑みました。また、俳優としてもいままでの経験を根底から覆されるくらいの壁にもぶつかりました。不安な反面で出来上がりがとても待ち遠しいですし、きっと新しい藤原竜也が観られると思います」と作品への強い思い、己の新たな一面について語ってくれた。松田さんは「久しぶりの豊田組でしたが、楽しんで撮影が出来ました。藤原くんを始め、今回が初めての共演になるキャストの方も多かったので、より新鮮な気持ちがしました。アクションシーンも見応えのあるものになっていると思います」と自信をのぞかせる。そして豊田監督は「竜也とはいままでずっと映画を撮りたいとお互いに話し合ってきました。2011年の3月、震災から一週間後ぐらいに呑んだときに『グダグダ言ってないで、とにかく年内に一本、一緒に映画を作ろう』と約束しました。その約束を果たすことが出来ました。竜也の新しい魅力を引き出せたのではないかと思っています。それをご覧いただけたらうれしく思います。龍平とは8年ぶりの映画でしたが、時間が経った気がしませんでした。ついこの前、一緒に仕事をしたような居心地の良さがありました。たぶん、僕と龍平との距離感が会ったときからいままで変わっていないのかもしれません。龍平は映画に向かう姿勢が以前よりもストイックになってきたと思いました」と2人について語る。撮影は昨年の9月、10月に全編沖縄ロケで行われた。完成は4月を予定。辰年に藤原“竜”也、松田“龍”平のコラボレーションが実現!また『I’M FLASH!』というタイトルが意味するところは?『I’M FLASH!』は9月、公開予定。■関連作品:モンスターズクラブ 2012年GW、ユーロスペースほか全国にて公開© GEEK PICTURES■関連記事:瑛太が「おれを出せ」と直談判!豊田利晃監督が最新作の秘話を明かす
2012年01月10日