現在公開中の『渇き。』『劇場版 仮面ライダー鎧武サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!』やCMなどで人気急上昇中の高杉真宙と、人気アーティスト「supercell」の「さよならメモリーズ」PVなどで注目された佐倉絵麻というフレッシュな2人が、なんとアニヲタと腐女子に扮する『ぼんとリンちゃん』。このほど待望の予告編が完成し、あわせてポスタービジュアルも解禁となった。ここではないどこかの地方都市に住む四谷夏子(佐倉絵麻)、通称“ぼん”は、16歳と42か月を自称する女子大生。彼女と友田麟太郎(高杉真宙)、通称“リン”は、ボーイズラブ(BL)やアニメ、ゲームが大好きというヲタつながりの幼なじみ。ふたりは、同棲中の彼氏から暴力を振るわれているという親友のみゆちゃん、通称“肉便器"を連れ戻しに東京へやってきた。名付けて「肉便器救出作戦」。ぼんとリンはネットゲームで知り合った会田直人、通称“べび”に協力をあおぎ、ロールプレイングゲームさながら肉便器の家へと突撃。リン曰く“ボス戦”に挑むのだが…!?長編映画デビュー作『ももいろそらを』(’13)が東京国際映画祭、サンダンス映画祭を始め世界14か国、20の映画祭で絶賛された小林啓一監督の最新作。ボーイズラブの同人誌で妄想をするのが大好き、常にオタク口調で親友救出の正義感に燃える “ぼんちゃん”を演じるのは、本作が映画初主演となる新星、佐倉絵麻。一方、そんなぼんちゃんを「ねえさん」と慕う男の子“リンちゃん”には、中島哲也監督の問題作『渇き。』の松永役や、「仮面ライダー鎧武」の仮面ライダー龍玄こと呉島光実役、さらにファブリーズのCMにも出演し、一気にブレイク男子の仲間入りを果たした若手イケメン俳優、高杉真宙。いままでとはまったく違ったヲタ演技を見せている。予告編では、ちょっと風変わりでコミカル、けれど誰もが一度は経験したであろう、理想と現実の挟間で迷い悩む等身大の若者たちの青春物語が展開。また、映像中に登場するオリジナル同人誌を、「おとめ妖怪 ざくろ」の人気漫画家・イラストレーターの星野リリィが担当するなど、ヲタク垂涎の最強の布陣が集結。さらに、ボーカロイドプロデューサーとして圧倒的人気を誇る、「虹色オーケストラ」の40mPが本作のために作詞作曲した主題歌「迷子のリボン」が本邦初公開されていることにも注目だ。『ぼんとリンちゃん』は9月20日(土)より新宿シネマカリテ、シネ・リーブル梅田ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2014年07月23日公開中の『渇き。』キャスト陣の中から小松菜奈、清水尋也、森川葵、高杉真宙の若手4名が7月15日(月)、都内劇場で行われた舞台挨拶に浴衣で登壇した。深町秋生の「果てしなき渇き」を原作に、突然失踪した娘を元刑事の父親が探す中で目の当たりにする、優等生と思われていた愛娘の知られざる素顔を赤裸々にセンセーショナルに描き出す。小松さんはヒロインの加奈子を、清水さんは彼女の元同級生でいじめられっこのボク、森川さんは同じく加奈子の高校の同級生の長野、そして高杉さんは加奈子を悪の道へと引きずり込んだ張本人と言われる少年・松永を演じている。これまで、一人もしくは監督や役所広司といった大人たちと舞台挨拶に登壇することはあったが、この日は同世代のキャストに囲まれ「新鮮で嬉しいです」と笑顔を見せる。浴衣は撮影などで着る機会は多いが、思い出を尋ねられると「中学の夏祭りで着たんですが、ルンルン気分でいたらドシャ降りになって、びしょ濡れのまま花火を見ました(笑)」と苦い思い出を明かしてくれた。清水さんは役柄の関係上、小松さんと過ごすことが多く、よく一緒に喋ったというが、内容については「全く覚えてない(苦笑)。よほどしょうもないことを喋ってたんだと思います。喋ってないといられなくて、他愛もないことを…」と語ったが、小松さんは「よく覚えていますよ」とニヤリ。「たまにうるさいと思うくらい(笑)、すごく喋ってました」と語り、会場は笑いに包まれた。森川さんは、劇中ではピンク色の坊主頭姿を披露している。この日は、自前のかんざしを挿して、映画の中とは全くタイプの異なる涼やかな浴衣姿で登場。加奈子に惹きつけられていく少女を演じたが、「私自身、小松菜奈に惹かれました。小松菜奈が持っている全部が『いいな』と思えるぐらいすごいんです。自分なのか、長野なのか分からないまま演じていました」と語る。高杉さんも、劇中の“ワル”な感じを微塵も感じさせない爽やかな浴衣姿で来場。「(劇中の姿が)普段と違い過ぎて、映画を観た友だちから『どこにいた?』と言われるので、ぜひ僕を探してください!」とアピールし、笑いを誘っていた。この日は、松永と同じく加奈子を悪の道へと誘いつつ、彼女に魅了されていく少女・遠藤を演じた二階堂ふみが、電話にて舞台挨拶に参加。自身の役に付いて「現場はハードだったんですが、(出演シーンが本編では)カットされていて、出ていなかったりする。(中島哲也)監督と話したい」と電話越しに不満を漏らし、会場は再び笑いに包まれた。『渇き。』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:渇き。 2014年6月27日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開(C) 2014「渇き。」製作委員会
2014年07月15日宝塚歌劇宙組公演『ベルサイユのばら-オスカル編-』の東京公演が6月20日、東京宝塚劇場にて開幕した。初日に先立ち19日には最終舞台稽古が報道陣向けに公開されるとともに、主人公オスカルを演じる宙組トップスター凰稀かなめ、トップ娘役実咲凜音が会見を開いた。宝塚歌劇宙組 公演情報池田理代子の人気漫画を原作にし、いまや宝塚歌劇の代名詞となった『ベルサイユのばら』。この名作が劇団創立100周年であり、初演から40年目の節目の年に堂々の登場だ。宝塚歌劇はこれまでに『オスカルとアンドレ編』『フェルゼン編』など様々なバージョンで上演を繰り返しているが、今回は男装の麗人オスカルを主人公にした『オスカル編』。オスカルに扮する凰稀はその美しいビジュアルを存分に活かすとともに、フランス革命の動乱の中、鮮やかに生きたオスカルの一生を情感たっぷりに繊細かつ力強く演じ、これぞ決定版と言えるオスカル像を作り上げた。作品的にもオスカルの誕生シーンなど新たな場面も追加されるなど、見どころ満載。宝塚の伝統たる“ベルばら”の良さは存分に見せながらも、洒落たフィナーレナンバーなど新鮮さもあり、歌劇団100周年に相応しい一作となっている。会見で、今回の宙組版の魅力を問われた凰稀は「私がここに存在していられるのは、宙組の仲間や、今まで私を支えてくださった人たちの影響があったから。オスカルも同じで、そういう人たち…宙組の仲間が演じる衛兵隊や市民たちに出会い、彼らの気持ちや思いやりがあって、そこにいられるのだと思う。その部分が今回、すごく出ていると思います。オスカルが主役として立っていますが、私はこの作品は民衆が主役だと思っている。私もいろんな人たちの影響を受けて、最後まで生き抜き、散っていきたい」と語った。オスカルを慕う少女ロザリーに扮する実咲も「私も『オスカル編』ということでオスカル様の一生のお話だと思ったのですが、周りにいる人たちがオスカル様を思う気持ちがそれぞれ違うので、それをどれだけ色濃く描けるかで、オスカル様が引き立つ」と話し、現在の宙組の団結から生まれる充実感を垣間見せた。また凰稀は今月、退団発表をしたばかりだが「主演男役としてどこまでいこうかと考えながらも、悔いのないようにここまでやってきましたし、今の宙組だったら次に繋げてくれると思った。でも今はまったく実感がないですし、辞めるということを口にしたくない気持ち。それは(退団公演『白夜の誓い』『PHOENIX 宝塚!!』ラストデイの)2月15日までとっておきたい。今はお客さまに楽しんでいただけるように、100周年という記念すべき年にこうして自分もいられたという感謝の気持ちをこめて、毎日公演をしていきたい」と心境を話していた。『ベルサイユのばら-オスカル編-』東京公演は7月27日(日)まで上演。
2014年06月23日宝塚歌劇宙組公演『ベルサイユのばら-オスカル編-』の制作発表が3月12日、都内にて行われた。登壇者は主人公オスカルを演じる宙組トップスター凰稀かなめ、宙組トップ娘役実咲凜音、アンドレを役替わりで演じる朝夏まなと、緒月遠麻ら。『ベルサイユのばら-オスカル編-』チケット情報池田理代子の人気漫画を原作にしたこの作品は、1974年に初演。以降上演を重ね、今回の公演期間中には観客動員数が500万人を超える見込みであるなど、今や宝塚歌劇の代名詞となったこの名作が、劇団創立100周年の節目の年に登場する。40年のあいだ『オスカルとアンドレ編』『フェルゼン編』など様々なバージョンで上演を繰り返しているが、今回宙組が上演するのはフランス革命の動乱の中、将軍家に生まれ軍人として生きる男装の麗人オスカルを主人公にした『オスカル編』。脚本・演出の植田紳爾は「とにかく100周年に相応しい『ベルサイユのばら』を作りたい。原作が非常に大きく、まだまだ(舞台で)使っていない場面がたくさんある。そういう場面を掘り起こし、一部は全体的に脚本を書き直し、今回は初めてオスカルの誕生シーンからやります」と構想を語った。そのオスカルを演じるのは、「彼女の声を聞いた瞬間、これがオスカルの声だと思った」と植田に称された、凰稀かなめ。少女マンガから抜け出たような美しいビジュアルを持つスターだ。凰稀は「こんな記念すべき年に、宝塚の代表作である『ベルサイユのばら』をやらせていただけることが大変光栄」と語り、「オスカルをイメージする言葉は“自ら咲く場所を選ぶ一輪のばら”。そのイメージを崩さないようにしたい。また、なぜ彼女が“白ばら”と呼ばれているのかというところも重要だと思う」と話した。会見では他にも植田の口から「小林一三先生が100年前に宝塚を作った時、一番の目標は“親子で楽しめる娯楽”だった。子どもたちが宙を飛ぶ馬や馬車を見る時のキラキラした目が忘れられないので、子どもたちも喜んでもらえるようまた新しく工夫をしています」「池田さんの原作に、ペガサスに乗っているオスカルの姿がありますので、それを再現したい」「フィナーレでは『愛の讃歌』をボレロにして全員で大階段で踊ってみようかなと思っている」等々の見どころが飛び出した。100年目に宝塚歌劇団が満を持して贈る『ベルばら』、伝統に留まらず、歌劇団の新たな挑戦が楽しめそうだ。公演は5月2日(金)から6月2日(月)まで兵庫・宝塚大劇場、6月20日(金)から7月27日(日)まで東京宝塚劇場にて。チケットは兵庫公演が4月5日(土)、東京公演が5月18日(日)に一般発売を開始する。
2014年03月14日宝塚歌劇宙組の新トップスター・凰稀(おうき)かなめのお披露目公演『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』が8月31日、兵庫・宝塚大劇場にて開幕した。1982年の刊行以来累計1500万部の売り上げを誇る、田中芳樹のベストセラーSF小説を原作とするミュージカルで、原作ファンからも注目を集めている。宝塚歌劇宙組『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』のチケット情報名将ラインハルト率いる「銀河帝国」とヤン・ウェンリー擁する「自由惑星同盟」の対立を軸に、個性豊かなキャラクターたちの人間ドラマが絡み合う本作。多彩な登場人物、宇宙戦争が起こるまでの経緯など、ストーリーを追うのに必要とする膨大な情報を、映像を駆使してスマートに紹介していく。そしてその映像に重なるように登場する、ラインハルト役の凰稀。その颯爽とした格好良さ、凛とした佇まいに一気に引き込まれる。クールビューティな凰稀の個性が生きる役柄だ。ラインハルトの参謀、オーベルシュタイン役の悠未(ゆうみ)ひろは妖しげなオーラをまとい、ヤン・ウェンリー役の緒月遠麻(おづき・とうま)は、軍人ながら温かみのある雰囲気を放つ。ラインハルトの腹心の部下・キルヒアイス役の朝夏(あさか)まなとは、誠実さと優しさを際立たせて演じるなど、個性豊かで粒ぞろいのメンバーが、それぞれのキャラクターを生かした演技で魅せている。凰稀が公演前のインタビューで「男祭になりそう」と言っていたように、各登場人物にも物語がしっかりと組みたてられ、見どころがある。娘役新トップスターの実咲凛音(みさき・りおん)も、ラインハルトを敬愛するヒルダを真っ直ぐに、知性をのぞかせながら演じている。原作では2巻までのストーリーを、130分の上演時間にギュッと凝縮しているが、演出・小池修一郎の手により、壮大なSF作品に、華やかで美しい宝塚歌劇の魅力がうまく合致。基本は原作に忠実でありながら、ラインハルトとヒルダのラブロマンスのように、宝塚歌劇として膨らませるところはより深く描き出す。宝塚ファンはもちろんのこと、原作ファンも楽しめるであろう、美しくも迫力ある新たな『銀河英雄伝説』が生み出された。兵庫公演は10月8日(月・祝) まで上演中。また、10月19日(金)から11月18日(日)まで、東京宝塚劇場にて上演される。東京公演のチケットは9月9日(日)より一般発売開始。取材・文:黒石悦子
2012年09月06日総合光学機器メーカーのビクセンは、星空の観望におすすめの双眼鏡に、オシャレなケースやイラスト付きのガイドブックなど、星空に関心を寄せる女性たち“宙(そら)ガール”のための7つのアイテムをセットにした「ソラプティ」シリーズ(2種)を発売した。「もっと見てみたい」と本気モードに入った“宙ガール”に向けた、初の商品となる。双眼鏡は、天体望遠鏡のようなセッティングが不要で、気軽に天体を観察できるアイテム。また両眼で見るので立体感が得られ、月面などを独特の味わいを持って観察できる。同社では、特に天体を見るのに適したスペックの既売品の双眼鏡2機種をピックアップし、付属のケースやストラップなどを“宙ガール”仕様に変更、さらに星空ビギナー向けのガイドブックなどを加え「ソラプティ」シリーズとして発売した。同シリーズの双眼鏡「アトレックHR8×32WP」「ニューフォレスタHR8×42WP」はいずれも、レンズとプリズムにコーティングを施して光の損失を最小限に抑え、暗い夜空でも鮮明に星が見える性能を誇る。倍率はいずれも8倍で、女性が手で持って星をじっと見つめていても手ブレがおきにくくて使いやすく、天体の魅力を実感できるちょうど良い倍率となっている。「アトレックHR8×32WP」は、幅12cm足らずで重さはわずか390g。天体観察のほか、トレッキングや観光など、どこへでも気軽に持っていけるサイズで、コンパクトさを優先したい人に向く。「ニューフォレスタHR8×42WP」は、有効径42mmの対物レンズを採用し、明るくワイドな視界を確保。目的の天体を視野に入れやすく、星空をくまなく見て回るにも使い勝手の良いタイプ。ケースやストラップは、ナチュラル&個性を意識したオシャレなデザインに変更し、双眼鏡本体をふくためのクロスは、星を描いた大判タイプに。双眼鏡の使い方や基本的な星空の知識を、イラスト満載で優しく解説したガイドブックも付属している。価格はいずれもオープン。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月24日宝塚歌劇の宙組トップスター、大空祐飛(おおぞらゆうひ)、野々すみ花(ののすみか)の退団公演『華やかなりし日々』『クライマックス-Cry-Max-』が4月13日、兵庫・宝塚大劇場で幕を開けた。宝塚歌劇宙組『華やかなりし日々』のチケット情報『華やかなりし日々』は、狂騒の時代と称された、1920年代のニューヨークが舞台。貧しい移民として生きてきた過去を持つ天才詐欺師、ロナウド・フィリップスが、ブロードウェイの劇場を手に入れる夢を実現すべく画策していく様や、その中で出会った娘との愛をドラマチックに描き出している。タカラヅカの集大成となる作品で大空が演じるロナウドは、頭がキレる大人の男で、男役のダンディズムが随所に見られる役柄だ。クールな佇まいに、積年の野望を胸に生きる姿は大空にぴったりのハマり役で、余裕を感じさせる演技で見せていく。一方、相手役の野々すみ花は、ブロードウェイで注目を集めるレビュー『ジーグフェルド・フォーリーズ』の舞台に立つ夢を見る娘、ジュディ・レイン役。不器用ながらも真っ直ぐに生きる姿を、自然体で演じている。最大の見せ場である終盤のレビューシーンでは、タカラヅカのフィナーレを思わせるような、とびきり豪華なレビューが展開。その影で大空がひとりで去りゆく様は、退団公演ならではの哀愁漂う演出だ。また、先日、宙組次期トップスター就任が発表された凰稀(おうき)かなめは、ニューヨーク市警の敏腕刑事で、ジュディとは幼馴染のアーサー役。ある事件に巻き込まれたロナウドとの出会いから、次第に彼への疑念が生じていく心情の変化や、ジュディへの純粋な気持ちを剛柔織り交ぜながら丁寧に表現している。第2部の『クライマックス』は、まさにクライマックスの連続を楽しめるような、見応えたっぷりのショー。宙組の印象に合った大人っぽい雰囲気を感じさせる内容で、ワルツ、ジャズ、スパニッシュ、黒燕尾の群舞など、ドラマチックかつスピーディーに繰り広げられ、瞬きをするのも忘れるほど。大空と野々による息ぴったりのデュエットも、思わずため息が漏れる。男役、娘役をとことん追求してきたふたりのラストステージは、より一層の輝きを放っていた。また、本公演では第98期生39名が初舞台を踏み、今後の舞台生活への思いを込めた口上やフレッシュなラインダンスを披露。さらにミュージカルのレビューシーンにも登場し、ステージに一層花を添えている。兵庫公演は5月14日(月)まで上演。また、6月1日(金)から7月1日(日)まで、東京宝塚劇場にて上演。東京公演のチケットは4月29日(日・祝)に一般発売開始。取材・文:黒石悦子
2012年04月19日クランクイン直前に東日本大震災が発生し、液状化の被害を受けた千葉県・浦安で撮影された感動作『カルテット!』が浦安・シネマイクスピアリでの先行公開に続き、1月7日(土)、ついに全国公開された。同日、東京・丸の内ピカデリーで高杉真宙、剛力彩芽、鶴田真由、由紀さおり、三村順一監督が初日舞台挨拶に登壇。剛力さんは「震災が起きてしまって、私も何か力になれればと思って撮影に臨んだが、逆に多くのみなさんに支えられた」と感激の涙で、作品の船出に感無量の面持ちだった。父親(細川茂樹)のリストラを機に不協和音が響く家族が、“カルテット”結成を通して、絆を確かめ合う姿を描いたヒューマン・ドラマで、「宮城出身のスタッフには、震災で家族を失った人も。撮影はまず黙とうで始まった。液状化の影響でロケ地探しをやり直し、俳優さんやスタッフには変則的なスケジュールで苦労をかけた」(三村監督)。将来を有望視されている中学生バイオリニストを演じたのは、約300人の中からオーディションで選ばれた高杉さん。役柄とは裏腹に「バイオリンを弾いたこともなければ、音符も読めなかった」というが、約2か月に及ぶ猛練習の成果もあり、劇中では見事な演奏を披露。「初主演のプレッシャーもあったが、みなさんに音楽を楽しんでいただきたいと思っていた」と誇らしげに挨拶していた。一方、剛力さんは弟へのコンプレックスでフルートを辞めようとする姉を演じ「テーマは『家族』。一緒にいられることを当たり前だと思っちゃいけないんだと実感した」。チェロ演奏者だった母を演じる鶴田さんは「震災直後に、しかも被災地で撮影して本当にいいんだろうか、失礼じゃないかと思うことも」と複雑な胸中を明かしながら、「完成したいまは『やって良かった』という気持ちでいっぱい」と胸を張った。そんな“カルテット”を見守る祖母を演じた由紀さんは「家族というものが捉えにくい時代。それに悲しい出来事に見舞われたこの国に暮らすすべての人たちが、手に手を取って前へ一歩進もうというときに、こういう映画ができたことは大きな意味がある」と作品への思いを熱弁。童謡「故郷(ふるさと)」を観客と共にアカペラで熱唱し、会場を温かな感動で包みこんでいた。『カルテット!』は丸の内ピカデリーほか全国にて公開中。■関連作品:カルテット! 2012年1月7日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2011映画「カルテット!」プロジェクト
2012年01月08日倉本聰が1992年に執筆したオリジナル脚本を映像化した「學」が来年元日にWOWOWで放送される。11月21日(月)、カナダ大使館で制作発表会見が行われ、倉本さんに仲代達矢、高杉真宙、八千草薫に監督の雨宮望が出席した。「北の国から」で知られる倉本さんが、20年ほど前に書き上げた幻の脚本をWOWOW開局20周年記念作品としてドラマ化。少女を殺してしまったことで感情に蓋をしてしまった14歳の少年が、元南極越冬隊の祖父に連れられて行ったカナダのロッキー山脈で自然に向き合い、生を取り戻していくさまが描かれる。倉本さんは約20年前に書いた本作について「『北の国から』のネガティブバージョンとして、違った視点で若者たちを書きたかった」と説明。コンピュータなど文明の利器に囲まれて他人とのコミュニケーションや自然との触れ合いを失っていく若者が描かれるが「改めて取り出してみたら、いまの時代に合ってきちゃったかな」と残念そうな表情も。高杉さんは演技面での監督からの厳しい指導に加え、自然とも対峙する過酷な環境に身を置いたが「最初は僕で大丈夫かと思った」と言いつつ「(監督に)厳しく接していただいて、成長できたと思う」と充実した表情を見せた。「こんな素敵な作品が20年も放送されなかったのが不思議」と語る仲代さん。“孫”の高杉さんについて「15歳で監督の過酷な要求に対して頑張ったね」と称賛する一方で「僕はもうすぐ80で60年も俳優やってるけど変な商売。俳優なんて商売やらない方がいいよ」とも。大先輩からの思わぬアドバイスに高杉さんは神妙に耳を傾けていた。八千草さんは倉本作品の登場人物について「滑稽と言うと変ですが、おかしさやかわいさを持っていて、その人の内側に隠されている明るさを感じる」とその魅力を説明。それを聞いた倉本さんは「本人を見てるとそういうのが(脚本に)自然に出てくるんです。(八千草さんも)間が抜けているところがあるし、品が良くて面白い素材です」と笑顔で語った。一方で倉本さんは、高杉さんについて聞かれると「(本作が)初めてですからこれからだと思います」と語るにとどまり、司会者の「具体的には?」という問いかけにも「遠慮します」。最後に作品の魅力を尋ねられても「作り手が自分の作品の魅力なんて恥ずかしくて言えないよ」と毅然とした表情。完成した作品を見てくれという強い思いと自信をうかがわせた。ドラマWスペシャル「學」は2012年1月1日(日・祝)、WOWOWにて放送。ドラマWスペシャル「學」
2011年11月21日浦安を舞台に家族の再生を描いた映画『カルテット!』が、10月22日(土)より開催される第24回東京国際映画祭の特別招待作品に出品されることが決定した。映画『カルテット!』は、『海峡を渡るバイオリン』や『Little DJ~小さな恋の物語』などで知られる浦安市在住の小説家・鬼塚忠が浦安市を舞台に、父親のリストラを機に壊れた家族関係が、クラシックのカルテットを結成することで再生していく姿を描いた物語。長男を高杉真宙、長女を剛力彩芽、母親を鶴田真由、父親を細川茂樹が演じるほか、教師役に田中美里、父親のライバルとして東幹久が出演する。浦安での撮影準備を進めていた本作は、東日本大震災で市域の86%が液状化被害を受け、一時は制作中止の危機にあったが、「こんな時だからこそ、みなで力を合わせよう」と、クランクインを延期して3月29日に制作を開始。被災した市民を含め700名以上がエキストラとして参加するなど、被災地の爪痕が残る中、市民の情熱で完成を迎えた。本作はすでに海外からも注目を集めており、先ごろロシアで開かれた芸術の祭典“ウラジオストク・ビエンナーレ”の映画部門に開幕作品として招待され、出演者の鶴田、細川のほか、三村順一監督らがオープニングセレモニーに参加。東京国際映画祭では“ウラジオストク…”に出席したメンバーに加え、高杉、剛力らを加えた主要キャストの参加を予定しているという。「第24回東京国際映画祭」10月22日(土)から30日(日)まで開催『カルテット!』2012年1月7日(土)より全国ロードショー12月17日より浦安シネマイクスピアリにて先行公開
2011年09月16日