35歳で初めての出産。いわゆる高齢出産に挑んだ筆者だったが、産前から妊娠糖尿病になりかけたり、体重コントロールに苦しんだりとそれなりに大変だった。そしていよいよやってきた出産予定日。計画出産だったので予定日の前日に入院し、次の日にはすこーんと産まれるものだと思っていた。○産後のことを考えて無痛分べんをここでこっそり告白するが、私は無痛分べんを選んだ。私たち夫婦の実家は遠方で、産後は継続的なサポートを期待できないので、産後の回復が早いといわれる無痛分べんを選んだ。入院してすぐに、背中から麻酔チューブが入れられる。「背中に麻酔!? あんなに肉がなくて痛そうなところに!?!? 」とビビる。麻酔ごときで怖がるなんて、これから出産を控えている者の発言とは思えないが。無事に麻酔チューブが入り、麻酔を効かせながら陣痛促進剤を打つ。陣痛は来ているらしいが、麻酔のおかげで全く痛みはない。この段階で、翌日の出産に何の疑いもなかったのだが、その日の夜になって「進行が遅いから、一旦麻酔を切ろう」と言われた。麻酔を切ったほうが進行が早くなるためだそうだ。○立ち合い出産で「妻を女性とみられない」麻酔が切れていくにしたがって、陣痛を感じ始める。下腹部を雑巾を絞るようにねじっているような激痛だ。初めは10分間隔だった陣痛が、夜には5分間隔になった。あまりの激痛に、「ギャー!!!」とか「ギギギ!!!」とか叫びたかった。でも妊娠中のある男性の一言が気になった。「妻の出産に立ち会ったんですけど、陣痛の時は獣かと思うようなうなり声、分べん室でもすごい叫んでいて、もう女性とは見られなくなりました」。それは困る。夫から「もう女性として見られない」なんて言われたらショックすぎて死んでしまいそうだ。なので、どんなに激痛が襲ってきても、夫に背中を向けて、歯を食いしばって声を上げずに我慢した。歯茎から出血し、口内は真っ赤になった。壁に爪を立てて必死で耐えていたので、爪が割れて指先からも出血した。夜中の出産はないとのことだったので、夫には帰宅してもらった。5分間隔でやってくる陣痛のせいで寝ることはできない。陣痛が収まって心細くなると、友達からの応援メールを見てやり過ごした。朝になり、医師の診察が始まる。あまりにグッタリしている私を見て、麻酔が再開された。あの激痛が嘘のように引いていく。しかしながら依然として進行は遅く、結果から言うと、結局予定日には産まれず、麻酔を入れたり切ったりしながら、予定日の翌日の夜に産まれた。無痛分べんを選んだのに、二晩も陣痛の激痛を味わう羽目になるとは想像もしていなかった。分べん時間は40時間越えだった。分べん室に入ってからは麻酔がマックスできいており、出産そのものは本当に無痛。出産費用は自然分べんの倍以上かかったが、産まれるその瞬間の痛みがなかっただけでもその金額を払う価値があると思った。そして出産直後は処置室に移され、産まれたばかりの我が子が運ばれてきた。なんだ、この子。無条件にかわいい。かわいい以外の言葉が浮かばないくらいにかわいい。夫と我が子を見ながら、至福の時を過ごした。しかし、徐々に麻酔が切れていく。自然分べんの方には申し訳ないが、「陣痛で痛いと言っていた私は何だったのか」と思うくらいの痛みのビッグウェーブに号泣した。痛すぎて体が震えた。看護師さんが母乳に影響しない痛み止めをくれたが、ラムネだったんじゃないの? って思うくらい意味がなかった。翌日の朝には若干痛みは治まり、病棟に移された。やっと寝られる……と思ったのもつかの間、看護師さんが「さぁ歩行訓練の時間です」とやってきた。肩をかしてもらって立ち上がるが、体中のあちこちが痛い。おまけに分べん時の出血量が多かったため、貧血でその場に倒れた。(続く)
2013年12月05日高齢者への「化粧の心理的効用」に着目資生堂は6月9日、高齢者施設にて有償で実施する「化粧療法プログラム」を開発し、今年度より事業化することを発表した。既に首都圏の11施設で開始しており、2012年度より全国展開を目指す。資生堂はこれまで、特別養護老人ホームや入院中の高齢者に対し、美容サービスや身だしなみセミナーを実施。病院側が「化粧の心理的効用」に着目し研究を行った結果、症状の緩和やQOL向上の効果が認められ、「化粧療法」として注目され、全国の病院や高齢者施設に広がった。現在、資生堂は、社員が無償で行う「資生堂ライフクオリティー ビューティーセミナー(SLQセミナー)」を積極的に展開、2010年度の開催実績は日本全国で延べ約3,000件、延べ約46,000名が参加したという。脳を活性化させる科学的知見に基づいた「化粧療法プログラム」「化粧療法プログラム」は、高齢者施設の要望に応じてビューティーセラピストが上記活動を実施することで高齢者のQOLを更に向上させる有償の美容サービス活動。「化粧療法プログラム」は、「お化粧教室」と「化粧療法講座」の2種のプログラムで展開する。●「お化粧教室」専門教育を受けたビューティーセラピスト(BT)が、高齢者のQOL向上の科学的根拠を取得した「化粧療法プログラム」を高齢者施設にて実施する化粧アクティビティ。(1回20,000円を開催施設にご負担いただきます。●「化粧療法講座」BTが高齢者施設スタッフに対し、「化粧療法プログラム」の理論と「お化粧教室」(簡易版)の実践を有料で教育する講座。3ヵ月後のフォロー講座も実施。(1回10,000円を開催施設にご負担いただきます。なお、これまで開催してきた「資生堂ライフクオリティー ビューティーセミナー(SLQセミナー)」は、高齢者福祉・障がい者施設を中心に新規での実施を主眼に、継続して展開していくという。元の記事を読む
2011年06月29日高齢者福祉の研究助成日本興亜損害保険株式会社は4日、同社が1991年に設立した財団法人「日本興亜福祉財団」が行っている、高齢者福祉の研究助成事業の成果を冊子としてまとめ、発行したことを公表した。今回発行されるのは非売品の『ジェロントロジー研究報告 No.9』(B5判、149ページ)と題されるもので、2008年5月下旬から7月にかけて、全国の大学や研究所、高齢者福祉施設の現場関係者などを対象として行われた助成と、そのおよそ1年にわたる研究の結果がおさめられている。助成への応募は全部で51件あり、助成件数は16件。助成の総額は793万円で、平均助成金額は49万円であった。研究は共同のものが7件、個人研究が8件。※画像はイメージ身近で切実なテーマ個別の研究を見ると、目をひくものに富山福祉短期大学看護学科に所属する荒木晴美氏の共同研究「在宅療養者を介護している人の自分自身の終末期への思いへの影響」という切実なものがある。また山梨大学教育人間科学部に所属の岡林春雄氏による個人研究「認知症高齢者は、若者との関わりによってどのように変容するのか」など、全体的にきわめて興味深いテーマが並んだ。本格的な高齢化社会の中、誰もが身近に存在する問題への研究助成事業と言えるだろう。
2010年11月06日高齢者安否確認条例の制定に関して意見を募集大阪府池田市で高齢者が安全で安心に暮らせる社会を実現にむけて、高齢者の安否確認について新たに条例を制定します。池田市に住む方などを対象に、10月19日(火)から11月8日(月)までホームページや市役所で条例に関して意見を募集しています。条例の特徴として条件を満たせば、職員が高齢者の住居などに立ち入ることを認め、調査や質問を行うことが出来ます。池田市のホームページによると民生委員協議会等が高齢者の安否確認ができないと市長に報告した場合に おいて、特に必要があると考えられるときに、市の職員が立入調査ができると規定と条件を規定しています。高齢者の安否確認については一般的に、一定の年齢を超えた場合に健康保険や介護保険などの使用状況を確認する方法等が見当されています。また、立入りや調査を行う際に職員は身分証明書を携帯し、請求があった場合には提示しなければならないと規定しており、プライバシーに関しても一定の配慮がしてあります。
2010年10月23日