座りっぱなしを長時間続けると、体に悪影響があります。腰痛はもちろん、心臓病や糖尿病にもつながります。「1日に6時間座っていると死のリスクが40%増大する」なんて話も有名ですよね。とはいえ、デスクワークはどうしても一日中座ったままになりがち。不健康だとわかっていても、なかなか改善できないですよね。しかし今回、そんなオフィスワーカー方に朗報があります!なんと、1時間にたった2分のウォーキングをするだけで、座りっぱなしが体に与えるダメージから解放されると海外で話題になっているのです。20分歩くのは難しそうですが、2分だけなら簡単ですぐにできますよね。この健康法の詳細を一緒に見ていきましょう。■2分ウォーキングで死亡リスクが33%減るユタ大学が、アメリカの健康栄養調査のデータを元に“1時間ごとに2分間、周囲を歩き回ることを続けるだけで、座りっぱなしの健康リスクから解放される”という研究結果を発表しました。座りっぱなしで体を壊さないようにするためには、スポーツや激しいエクササイズが必要なイメージがありますよね。でも、苦労や我慢は一切不要!1時間に2分のウォーキングを実践すると、病気による死亡リスクが33%も軽減するのです。こんなに楽で健康的な体になれるなんて、嘘みたいですよね。一体なぜだと思いますか?それは、トータルを換算すると、意外とカロリー消費しているからなのです。■2分ウォーキングが毎週400kcalの消費に睡眠時間を8時間として、それ以外の16時間に2分ずつのウォーキングを実践すると、1日32分ですよね。これを1週間続けると、ざっくり400kcalのエネルギーを消費することになります。この、週あたり400 kcalの消費が毎週見込める点が、健康維持におおいに効果を発揮するのです!ちなみに、1時間のエアロビクスで400~600kcal、水泳だと400~800kcalの消費になります。1時間に2分歩くだけで、意外とエネルギーが消費できていることがわかりますね。このミラクル健康法の最大の利点は、無理なく実践できること。毎週エアロビクスや水泳に通うのは、少々根気が要ります。なかなかハードルが高く、意志が弱いと続けられないですよね。しかし、1時間ごとに立ち上がって2分間、周囲を歩きまわるだけなら、覚悟も根気も要りません。職場で企画を考えながら、プレゼンの最終確認をしながらでも、家庭では子どもとおしゃべりをしながら、テレビを見ながらでもできます。注意するべきことと言えば、“忘れない”ということだけでしょうか。忘れっぽい人は、“毎時●分から2分間”などと時間を決めておきましょう。研究結果を発表したユタ大学の研究者は、「この1時間ごとに2分のウォーキングをベースに、週末などを利用して2.5時間ほどの無理のないエクササイズを組み合わせれば、なおよい」と語っています。2分のウォーキングは、健康へのリターンが絶大!さっそく、今から始めてみませんか?(文/よりみちこ)【参考】※Walking For Two Minutes An Hour Can Offset Damage Done By Sitting-AskMen
2015年05月16日札幌グランドホテルはこのほど、糖尿病やメタボリック予防を応援するランチメニュー(ブルーサークルメニュー)の提供をホテル内レストラン3店舗で開始した。販売するメニューは、糖尿病専門の「萬田記念病院」と共同開発したもの。ホテルの料理長と萬田記念病院の栄養士長とが、おいしく食べられることはもちろん、量や栄養バランスにも配慮したメニューに仕上げた。総カロリーは500kcal以上~600kcal未満、食塩相当量は3g未満に収めている。ガーデンダイニング 環樂(本館4F)では、旬のグリーンアスパラガスのごま和えやかつおのたたき、季節野菜の炊合わせ、かれいの素焼などがセットになった「カロリーコントロール御膳」(エネルギー505kcal)を用意する。価格は2,200円。チャイニーズダイニング 黄鶴(東館2F)では、油を抑えた中華料理のセット「カロリーコントロールランチ」(エネルギー588kcal)を提供。くらげのサラダや根菜と豚肉の蒸し物、肉を使用しない麻婆茄子豆腐などを食べることができる。価格は2,200円。北海道ダイニング ビッグジョッキ(別館1F)からは、ボリュームがありながらヘルシーな「カロリーコントロールランチ」(517kcal)が登場。豚しゃぶ肉と春雨のサラダや小海老とほうれんそうのスープ、帆立貝ときのこの昆布蒸しなどがセットになっている。1日10食限定で、価格は1,300円。同ホテルでは、開発途上国の子供たちの学校給食への支援を行う『TABLE FOR TWOプログラム』に参画している。これらのメニューの販売数に応じ、1食につき20円を同プログラムに寄付するとのこと。※価格は税込
2015年05月13日ゴールデンウィーク前後は、5月病を発症しやすい時期です。新年度がスタートして約1ヵ月、今までと違った生活を送ることで、無意識のうちに感じていた緊張やストレス。それが5月に入り、連休が続くことで緊張の糸が切れ、5月病を発症する、というケースも珍しくありません。家族を支えるママがダウンしてしまうと、家の中はパニックになってしまいます。家族のためにも、そして自分自身のためにも、5月病には要注意です。ママが5月病にならないように、気をつけておきたいポイントをまとめました。■ママの5月病対策(1)ストレスや疲れを溜め込まない連休中に溜まった家事を一気にしようとしたり、今までやり損ねたことに挑戦しようとしたりする気持ちがあるかもしれませんが、まずは今まで蓄積された疲労やストレスを発散することを考えましょう。せっかくの休みを満喫するには、しっかりと休息をとって、体調を整えておくことが大切。くれぐれも無理をし過ぎないようにしてください。■ママの5月病対策(2)リラックス効果のあることを心や体をリラックス、リフレッシュできる方法は人それぞれ。体を動かすことでストレスを発散できる人もいれば、おうちでスイーツを作ったり、睡眠をたっぷりとったりすることでリラックスできるという人もいるでしょう。子どもが小さいうちは、外出すると余計に疲れてしまうので、おうちでできるリラックス方法を考えてみては? たとえば、香りのよい入浴剤を入れて、お風呂でゆっくり過ごしたり、ハーブティーを飲んだり、アロマを焚いたりするのもよいかも。自分にピッタリな対処法で、心と体をリラックスさせれば、きっと5月病予防に繋がるでしょう。■ママの5月病対策(3)家族との関わりを大事にする5月病対策には、人との関わりを持つということも有効です。子どもとのコミュニケーションを普段よりも大事にしたり、パパと過ごす時間を多くつくったりして、家族との関わりを持つようにしましょう。一緒に過ごすうちに、悩みを相談したり、普段感じていることを素直に話したりすることができるようになり、心のモヤモヤが解消されて、5月病とは無縁の体を手に入れられるはずです。イライラしたり、不安になったりしたなと感じた時は、とにかく気分転換をして、感情を溜め込まない工夫をしましょう。今回挙げたポイントを押さえて、ゴールデンウィークを楽しく過ごしてくださいね!
2015年05月05日毎日忙しく過ごしていると、ついつい外食に頼りがち。一人暮らしの方は、特にその傾向が強いのではないでしょうか?そこでご紹介したいのが、『ズボラでも脱糖尿病 血糖値 上がらないのはどっち?』(板倉弘重、浅野まみこ著、アスコム)。「血糖値なんか気にする年齢でもない」という人は少なくないでしょうし、サブタイトルにある「糖尿病」に関しては、なおさら縁遠く感じても当然です。とはいえ、日ごろの健康管理は将来に影響を及ぼすもの。気をつけて損はないので、ふだん何気なくたべている料理やスイーツを徹底比較した本書が役立つわけです。◼︎パスタならどっち?ここで比較の対象になっているパスタは、カルボナーラ(700kcal、食物繊維2.2g、糖質59.7g)、ナポリタン(679kcal、食物繊維4.3g、糖質69.6g)、そしてミートソース(603kcal、食物繊維4.7g、糖質67.1g)。コッテリとしたカルボナーラがよくなさそうな気もしますが、意外なことにカルボナーラが安全メニュー。なぜなら、卵、生クリーム、ベーコン、チーズなどが使われているカルボナーラは、脂質の多いパスタだから。ただし野菜が少ないので、サラダなどで食物繊維を補うことも大切。なお、よくないのは、糖質の多いケチャップを使っているナポリタン。(42ページより)◼︎サラダならどっち?ここに登場するのは、シーザーサラダ(238kcal、食物繊維1.0g、糖質6.5g)と根菜の蒸しもの(119kcal、食物繊維6.0g、糖質20.0g)。やはり意外なことに、よいのはシーザーサラダなのだそうです。なぜならシーザーサラダはチーズやドレッシングがかかるのでカロリーは高めですが、糖が多いのはクルトン程度だから。メインになるレタスには食物繊維が含まれているため、血糖値の上昇をゆるやかにするのだといいます。一方の蒸し野菜はカロリーを抑えることができ、食物繊維も豊富ですが、問題は根菜中心になってしまうこと。いもや根菜、コーンなどは糖質が多いので、食べ過ぎると糖質の上昇につながるわけです。とはいえ、適量なら問題なし。◼︎ケーキならどっち?ケーキは、小麦粉とクリームの使用量が少ないものを。ショートケーキ(344kcal、食物繊維—-、糖質26.1g)やチョコレートケーキ(501kcal、食物繊維—-、糖質40.1g)には、砂糖やホイップした生クリーム、チョコレートなどがたっぷり。生地にも小麦粉や砂糖を多く使い、高糖質なので注意が必要。その点、チーズケーキ(249kcal、食物繊維—-、糖質24.9g)は、チーズを多く含み、一般のケーキよりも糖質が少し抑えることが可能。またチーズはビタミンを多く含み、脂肪代謝に欠かせないビタミンB2も含まれるそうです。よりよいのは、カロリーを抑えたベイクドチーズケーキ。レアチーズは、クッキー部分に糖質が多いので要注意。このように日ごろ食べ慣れているものを比較しているので、少しだけ意識するだけで、食生活を改善できそうです。(文/印南敦史)【参考】※板倉弘重・浅野まみこ(2015)『ズボラでも脱糖尿病 血糖値 上がらないのはどっち?』アスコム
2015年05月04日5月になると、なんとなく体がだるくなる、仕事へのモチベーションが下がってしまう……そんな方も多いですよね。この症状を一般的に「五月病」と呼んでいますが、そもそも何が原因で起こるものなのでしょうか?特に今年から社会人として働き始める新卒の方は、その原因を知って早めに対策をしましょう!五月病ってどうして起こるの?五月病が起こる原因は、いくつか考えられます。たとえば、4月から始まった仕事に対して張り詰めていた緊張感が、5月になって一気に緩んでしまう、というもの。また、ゴールデンウィーク中の休み気分が抜けずにそれを引きずってしまう、というのも原因の一つとされています。その他にも、3~4月の間に溜まった疲れが5月に一気に押し寄せる、季節の変わり目によって身体の調整がうまくできないなど、考えられる原因はさまざまです。五月病は、仕事のモチベーションを低下させるだけでなく、食欲不振やめまいなど、心身にさまざまな症状を引き起こすもの。悪化させないためにも、早めの対策が大切です。五月病は快眠で改善しよう!睡眠には、単純に身体の疲れを癒してくれるだけでなく、心の疲れやストレスも取り除いてくれる役割があります。生活環境が変わると、自分でも気付かないうちにストレスを溜めてしまうもの。それを解消してくれるのが睡眠なんですよ。もちろん、普段もしっかりと眠ることは大切ですが、季節や生活環境が大きく変化する4~5月はとりわけ、いつも以上に睡眠には気を配ってあげたいところ。とくに、新しい仕事を始めたばかりのときは、覚えることが多く、脳も疲労してしまうものです。新卒者の方は、できるだけ早めに眠ることを心がけましょう!新卒者は、快眠のための対策を!早く眠りたいのに、仕事や生活環境の変化などで気持ちが落ち着かず、なかなか寝付けない……という方もいるかもしれませんね。そんなときは、積極的に身体を動かすのがおすすめです。「運動習慣がない人は不眠になりがち」と言われるように、運動と快眠は密接に関係しているんです。大切なのは、1日だけではなくできるだけ毎日続けること。気持ちが疲れているときだからこそ、軽く運動をして、ぐっすりと眠れるように身体を整えましょう。またお風呂に浸かって心身をリラックスさせるのも効果的です。春なので、湯船に桜を浮かべた「桜風呂」を楽しむ、なんていうのも良いかもしれませんね。新卒者は、生活環境の大きな変化でストレスを抱えることもあるかもしれません。しかし、不眠で身体が不調になれば、心身ともにどんどんと疲れていってしまうもの。せっかくの新生活。入社後に五月病でダウンしないためにも、早い段階から対策をしていきましょう!Photo by Linzi
2015年04月24日中国では、近年、経済成長に伴なう所得の増加や、生活水準が向上し平均寿命が延びたことによる高齢化の進展、ライフスタイルの変化で糖尿病などの生活習慣病が増加したことなどにより、医療費が増加しており、ヘルスケア(医療)市場も急成長しています。医療へのニーズが拡大する一方、中国では「看病難、看病貴」(医療機関にかかることが難しく、その費用も高い)といわれる社会問題が生じており、その対応として政府は、国民皆保険制度の実現を進めるとともに、医療機関の整備や高度化、民間・外国資本の医療への参入規制緩和などで、医療へのアクセスを改善する政策を打ち出しています。また、新たな産業育成の観点から、バイオ医薬品や中国医学(漢方薬)の育成・支援なども掲げています。特にバイオ産業は重点分野とされ、複数の国家バイオ産業基地が建設されているほか、3月に米製薬大手と中国のバイオ医薬品会社が提携するなど、取り組みが進んでいます。一方、政府は増加する医療費を抑制するため、国家基本薬品制度を創設し、一般大衆に必要と判断した医薬品をリストアップして指導価格を示し、公開入札することで薬価の引き下げを図っています。そのため、一部の薬価が大幅に値下がりするなど、医薬品メーカーの価格競争は厳しくなっており、6,000以上あるとされる国内医薬品メーカーの競争力強化に向けた再編につながる可能性も指摘されており、今後の動向が注目されます。足元で、中国の経済成長率は鈍化傾向にあるものの、国民生活の変化や政府の医療改革などにより、今後も医療費は増加が続くと予想されているうえ、対GDP比でみた中国の医療費は、主要先進国と比べ低水準にあり、成長余地が大きいと考えられることなどから、中国のヘルスケア市場のさらなる拡大が期待されます。(※上記は過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。)(2015年4月17日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。→「楽読」※1 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。※2 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
2015年04月20日大阪市立大学は、糖尿病の血糖コントロールが悪化することで睡眠の質の劣化を伴う睡眠障害が引き起こされること、ならびに睡眠障害が早朝高血圧を起こすことで糖尿病の心血管障害の原因となることを明らかにしたと発表した。同成果は、同大大学院医学研究科代謝内分泌病態内科学の稲葉雅章 教授らによるもの。詳細は4月14日付でオープンアクセスジャーナル「PLOS ONE」に掲載された。糖尿病患者は、肥満に伴う閉塞性睡眠時無呼吸症候群を除いた場合でも一般人に比べ約2倍の不眠が見られると言われており、さまざまな原因が検討されてきた。また、近年の研究から、睡眠時間が短くなると糖尿病の有病率が上昇することや、睡眠障害を有する患者では2型糖尿病の発症確率が有意に高くなることから、睡眠障害による糖尿病増悪の可能性が示唆されていたものの、直接的な関与はよくわかっていなかった。今回、研究グループは、63名の2型糖尿病患者に対して脳波計を用いた精密な睡眠の質判定を実施。その結果、血糖コントロール指標であるHbA1cの増悪につれて、深睡眠の程度を示すレム睡眠潜時が短縮すること、ならびに血糖コントロール増悪により深睡眠の徐波睡眠相が減少することなどが判明したとするほか、深睡眠の障害が動脈硬化進展につながる可能性も示唆されたとする。これらの結果を受けて研究グループは、現在、睡眠障害により特異的に有効とされるオレキシン阻害薬を用いることで睡眠障害を改善させ、それによりどのような効果が得られるのかについての解析などを行っており、予備段階の研究では、睡眠障害による交感神経系の活動性低下や血糖コントロール改善が認められているとのことで、今後、患者数を増やして睡眠障害に対する治療の位置づけを確立することを目指した研究を進めていく計画だとしている。
2015年04月16日九州大学はこのほど、ウイルス感染による糖尿病発症に関わる遺伝子を発見したと発表した。同成果は九州大学大学院医学研究院保健学部門の永淵正法 教授と、生体防御医学研究所、宮崎大学医学部、佐賀大学医学部、大分大学医学部、愛知県衛生研究所、シカゴ大学医学部らの共同研究グループによるもの。4月7日付け(現地時間)の国際学術誌「Nature Communications」に掲載された。ウイスル感染によって糖尿病を発症する可能性はこれまでも指摘されており、糖尿病を誘発する脳心筋炎ウイルスD株(EMC-Dウイルス)が一部の系統のマウスのみに高率に糖尿病を誘発すること、さらにその感受性遺伝子は単一であることが知られていたが、その責任遺伝子はわかっていなかった。一方、近年の研究でEMC-Dウイルスの感染によって糖尿病になるかどうかは、自然免疫が重要であることが明らかとなっていた。今回の研究では、ウイルス感受性の高い系統のマウスでは、ウイルス感染の防御に働くインターフェロンの効果を発揮するために必要なTyk2遺伝子に異変が起きていることがわかった。また、これらTyk2遺伝子異変マウスの通常の細胞では、高濃度インターフェロン刺激によりウイルス抵抗性が回復したが、インスリンを作る膵臓のランゲルハンス島β細胞では回復力が少なかった。このことから、ウイルス感染を受けてもTyk2遺伝子が正常に働かず防御機能が低下し、インスリンを作るランゲルハンス島β細胞が破壊されてしまい糖尿病が発症していたことがわかった。今回の成果は、マウスに比べてよりウイルス感染に感受性が高いヒトにおいてもウイルス感染が糖尿病の危険因子の1つとなり得ることを示すもので、今後、ウイルス糖尿病の病態の解明、糖尿病を起こしやすいウイルスの発見、わらにはそのワクチンの開発につながることが期待される。
2015年04月10日理化学研究所(理研)と東京大学は4月9日、メタボリックシンドロームに関連する分子として注目されているアディポネクチン受容体の立体構造を解明したと発表した。同成果は理研横山構造生物学研究室の横山茂之 上席研究員と、東京大学大学院医学系研究科の門脇孝 教授、山内敏正 准教授らの共同研究グループによるもので、4月8日(現地時間)付の英科学誌「Nature」オンライン版に掲載される。アディポネクチン受容体は、細胞膜に存在する膜タンパク質で、脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンというホルモンによって活性化し、細胞において糖と脂質の代謝を促進し、抗糖尿病、抗メタボリックシンドローム作用を発揮する。タンパク質の立体構造を知ることは、創薬において有用とされる。特に、膜タンパク質は細胞外からの情報を細胞内へと伝達する役目を担っているため、薬の標的分子として注目されている。しかし、アディポネクチンは試料調整が難しく、その立体構造情報を得ることができていなかった。同研究では、高純度の膜タンパク質を大量に製造する手法や、結晶化手法などを使い、アディポネクチン受容体の結晶化に成功。この結晶を大型放射光施設「SPring-8」を用いてX線解析することでその立体構造を調べたところ、同受容体は現在までに知られている膜タンパク質とは異なり、膜貫通部位に亜鉛イオンを結合するなど新規の構造をしていることが判明した。今回の研究成果はアディポネクチン受容体の情報伝達メカニズムの解明につながるだけでなく、メタボリックシンドローム・糖尿病の予防薬や治療薬の開発に有益な情報となることが期待される。
2015年04月09日長瀬産業は3月26日から29日まで岡山県で開催された「日本農芸化学会2015年度大会」において、発酵オタネニンジンによる血糖上昇抑制効果などに関する新知見を発表した。健康食品などに利用されているオタネニンジン(高麗人参、Panax ginseng C.A. Meyer)は、抗ストレスや抗がん、糖尿病改善などさまざまな効果をもつことが知られている。そして、これらの効果はオタネニンジンの含有成分「人参サポニン」の作用によるものと考えられている。代表的な人参サポニンのひとつである「Rb1」は、摂取された後に腸内細菌によって代謝された成分「M1」になってから血液中に取り込まれて、さまざまな生理機能を行う。ただ、腸内細菌のこの代謝活性には個人差があり、Rb1をM1に代謝できずに十分なニンジンの効果を受けられない人が少なからずいる。そのため、同社はあらかじめM1を高含有する機能性食品素材「発酵オタネニンジン」を開発したという。同社は発酵オタネニンジンのストレス下での睡眠障害改善作用など、脳神経系に関わる効果を見いだしてきた中で、今回は「インクレチン」による糖尿病改善効果に着目した。インクレチンとは、消化管より分泌されるホルモン。膵(すい)臓のβ細胞からのインスリンの分泌を促進して血糖値を一定に保つ役割をもつため、糖尿病の予防・改善を考える上で近年、注目されているとのこと。同社が培養細胞を用いて試験した結果、インクレチンのひとつである「GLP-1」の分泌促進活性は、オタネニンジン抽出物よりも発酵オタネニンジン抽出物の方が強いことが明らかになった。また単一成分で比較した場合、Rb1と比べてM1の方が強くGLP-1の分泌を活性化することも判明しているという。今学会ではさらに、M1によるGLP-1の分泌促進の作用メカニズムを解析した結果について発表。M1はMAPK(細胞分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ)などを活性化し、これらを通じた細胞内情報伝達によってGLP-1の分泌が活性化されていることが示唆されたとのこと。同社は「発酵オタネニンジンに含まれる人参サポニン代謝物・M1は、消化管からのGLP-1分泌を活性化し、糖尿病の予防と改善に寄与することが期待できます」としている。
2015年04月07日武田薬品工業4月3日、同社のホームページにて糖尿病治療薬「リオベル配合錠LD」に通常とは異なる識別番号の刻印が施された錠剤の混入が確認されため、一部製品を自主回収することを明らかにした。同社によると、錠剤を製造している大阪工場において、「リオベル配合錠LD」(識別番号:382)の識別番号を刻印するきねの交換作業時に、誤って「リオベル配合錠HD」(識別番号:383)のきねを打錠機へ装着し、「リオベル配合錠LD」を生産したことが今回のトラブルの原因だという。同社は今回の誤った刻印がされた錠剤を、「リオベル配合錠LD」として服用した場合、健康被害が生じることはないとの認識を持っている。ただ、「異なる識別番号の記載により、『リオベル配合錠HD』として処方・服用された場合、有効性に問題が生じる可能性が否定できない」との考えから、一部の「リオベル配合錠LDの100錠包装品」および「リオベル配合錠LDの500錠包装品」の自主回収決断にいたったとしている。なお、詳細は同社のホームページでも確認できる。
2015年04月03日塩野義製薬はこのほど、糖尿病患者3,580名と医師298名を対象に実施した「糖尿病患者と医師の治療行動に関する意識調査」の結果を明らかにした。調査期間は2015年1月。医師を対象に、患者に対して「脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくなる」というリスクについて説明しているか尋ねたところ、93.3%が「行っている」と回答した。しかし、「説明を受けたことがある」と回答した患者は49.1%だった。そのほか、「腎障害(透析)になることがある」「失明することがある」「足を切断することがある」という合併症などのリスクに関しても、医師の「説明している」より、患者の「説明をうけたことがある」が下回っており、リスクに関する医師の説明が患者に認識されにくいことが明らかとなった。治療継続について尋ねたところ、糖尿病の治療について「継続しなければならない」と回答した患者は89.4%だったが「患者自身が治療を継続しなければならないと思っている」と回答した医師は62.1%だった。また「治療を続けることで合併症を予防できる」という質問に「そう思う」と回答した患者は84.6%であるのに対し、「患者はそう思っている」と回答した医師は57.6%だった。患者は医師が思っているよりも、"治療継続意識・合併症予防の必要性"を認識しているようだ。続いて、患者に「医師に指示された運動や食事の管理をやっているか」と尋ねたところ、「運動をしっかりやっている」は30.3%、「食事の管理をしっかりやっている」は32.5%だった。いずれも約3割にとどまり、医師が期待するほど生活習慣の改善は実践できていないという結果になった。糖尿病治療に関して、「医師以外に関わりのある医療関係者はいるか」という問いに対し、64.9%が「いない」と回答した。医師以外の医療関係者(看護師・栄養士・薬剤師など)にもっと相談したいと思うか尋ねたところ、「相談したい」と回答した患者は21.7%だった。
2015年03月30日文化放送は、4月に「文化放送 糖尿病予防キャンペーン」を実施するのにあわせ、新コーナー『ラジオ糖尿病講座』を開始する。同キャンペーンは、自身や家族のため、糖尿病を正しく知って、正しく向き合っていくことを目的に実施する。キャンペーンスピーカーには野村邦丸アナウンサーを起用。野村アナは、キャンペーンスポットCMを放送するほか、『くにまるジャパン』(毎週月~金曜、9時00分~13時00分生放送)内にて新コーナー『ラジオ糖尿病講座』も担当する。同講座は、全16回にわたり、日替わりで糖尿病に詳しい医師をゲストに迎えて放送する。「どんな人が糖尿病になるのか」「自覚症状」「家族ができること」「糖尿病予防のメニューのポイント」「高齢者の注意点」など、さまざまなテーマで展開する。毎回、医師から糖尿病に関するクエスチョンが出され、それに野村アナが答える形で進行する。放送日程は、4月1~3日、6~10日、13~17日、27・28・30日。放送時間は12時18分頃~28分頃(『くにまるジャパン』内)。
2015年03月27日生活習慣病を予防する可能性のある新規化合物を研究するフレグライド研究会はこのほど、「8年熟成恒順香醋」から肥満などの予防効果が期待される新成分「FRAGLIDE1(フレグライド1)」を発見したことに関する記者発表会を開催した。香醋(こうず)とは、もち米を原料に製造された中国の「黒酢」のこと。江蘇省鎮江市の名産品であり、中国国内の80%以上の香醋を江蘇恒順社が生産・販売しているとのこと。江蘇恒順社の香醋の中でも最高級とされているのが、8年間熟成させて作ったという「8年熟成恒順香醋」。その特殊な製法は、中国の無形文化財に指定されているほど。さらに、生産量も鎮江市で製造される香醋年間総生産量の0.2~0.3%とごくわずかであるため、中国国内では市販されておらず、政府などの御用達の品として取り扱われているという。8年熟成恒順香醋は、体内ではつくることができない必須アミノ酸8種類を含む17種類のアミノ酸を含有。その中でも、体内での消化・吸収に優れるといわれる遊離アミノ酸は、総アミノ酸量の30%以上を占めている。そして、江蘇恒順社の日本総代理店および8年熟成恒順香醋の独占販売企業として、2001年に設立されたのが日本恒順だ。同社は日本国内で「恒順香醋 8年熟成」(10ml×14本・税別1,800円 / 150ml・税別1,800円 / 500ml・税別4,000円)を販売する傍ら、同商品に含まれる有用成分の研究を行ってきたという。その過程で、北陸先端科学技術大学院大学 マテリアルサイエンス研究科の辻野義雄教授らの研究グループが、肥満などの生活習慣病を予防する可能性のある新規化合物を発見。香醋(fragrance vinegar)の「FRAG」とButenolide化合物の「LIDE」、今後も同様の機能性物質が見つかることを期待した「1」を組み合わせて、「FRAGLIDE1(フレグライド ワン)」と名付けたとのこと。そして今回、辻野教授ら5名が発起人となってフレグライド研究会が発足した。日本恒順は同研究会の代表企業を務める。日本恒順代表取締役社長・桝谷文武氏は、「私はこの15年間、8年熟成恒順香醋を毎日飲んでいます。職業柄、1日5回ほど会食をしていますが、糖尿病にもならずに健康です」とコメント。そして、「肥満で苦しむ人は日本だけでも約2,000万人いるといわれますが、その方々が本当に欲しいと思っているものを届けたいと思って研究してきました。今回フレグライド1が発見されたことで、これまでの"見つけるため"の研究から、砂糖や塩のように"供給するため"の研究に転換していきたいと考えています」と語った。○8年熟成恒順香醋にしか含まれない新成分「フレグライド1」とは?発表会では、同研究会代表を務める辻野教授が、フレグライド1の細胞実験(2010年)と動物実験(2014年)の成果について発表した。細胞実験の結果、フレグライド1が「PPARγ」を活性化させることを確認。PPARγとは、脂肪組織の細胞核内に多く存在するタンパク質のこと。これが活性化すると、インスリンの抵抗性(インスリンが正常に働かない状態)の改善を促し、肥大化した脂肪細胞を減少させ、代謝しやすい小型の脂肪細胞の増加を誘導するという。「この働きにより、メタボリック症候群、動脈硬化、高脂血症などの生活習慣病の予防や改善が期待できます」と辻野教授。さらにフレグライド1のPPARγの活性化作用により、「白色脂肪細胞」を「褐色脂肪細胞」へ変化させる効果が示唆されたとしている。白色脂肪細胞は皮下や内臓に多く見られ、体内では消費できなかったカロリーを脂肪として蓄積するとのこと。一方で褐色脂肪細胞は、鎖骨、肩甲骨、胸まわりに多く分布し、脂肪を燃焼させてエネルギーに変換させる働きを持つとされている。しかし褐色細胞の数は、新生児の頃を最多として成長とともに徐々に減少し、成人する頃には4割程度しか残らないという。褐色脂肪細胞には、脂肪を燃焼させる"工場"としての役割を持つミトコンドリアが数多く存在し、それを動かしているのが、タンパク質「UCP-1」だという。フレグライド1は、このUCP-1の発現量を増やす働きをするため、脂肪をより効率よく燃やすことが期待できるとのこと。○体重や内臓脂肪の増加などを抑制3カ月にわたって実施した動物実験では、高脂肪食を与えたマウスを「高脂肪食・フレグライド1投与群(以下フレグライド1投与群)」と「高脂肪食・フレグライド1非投与群(以下コントロール群)」に分け、通常の食事を与えた「ノーマル群」とともに比較した。なおフレグライド1の投与量は、人が食品として摂取する場合に非現実的にならないように配慮し、1日に1kgあたり0.037~10μgと設定した。その結果、フレグライド1投与群は最小投与量0.037μgで、「体重変化」「内臓脂肪量」「血中アディポネクチン濃度」「レプチンの分泌量」「インスリンの分泌量」において、良好な結果が得られたという。まず体重に着目すると、コントロール群は実験期間中に継続して体重の増加が見られたのに対し、フレグライド1投与群は増加を約26%抑えることができた。また、フレグライド1投与群はコントロール群と比べて、そけい部の皮下脂肪の増加が約35%抑制されていた。加えて精巣周囲脂肪、腎臓周囲脂肪、腸間膜脂肪といった内臓脂肪の増加も、平均で約15%抑えられていた。さらに、脂肪細胞から分泌されるタンパク質である「アディポネクチン」の濃度にも変化が見られた。アディポネクチンは、細胞内の脂肪を減らしてインスリン受容体の感受性を上げる作用のほか、動脈硬化抑制、抗炎症などの作用が報告されている。その血中濃度を比較したところ、コントロール群では血中濃度が低下したのに対し、フレグライド1投与群では大きな減少は見られなかった上に、投与量の増加に比例して分泌量が増加することがわかった。続いて、レプチンの分泌量を比較。レプチンは肥満の抑制や体重増加の制御の役割を果たすペプチドホルモンだが、過剰分泌すると血圧を上昇させるといわれている。実験の結果、フレグライド1投与群で過剰な分泌は見られず、その副作用は起こらないと判断できるとのこと。最後に、血糖値の上昇を抑える働きを持つという「インスリン」の分泌量に異常がないかどうかを調べた。結果として、コントロール群では過剰分泌が確認されたのに対し、フレグライド1投与群では分泌量が下がり、あわせて血糖値の上昇を抑えることが示唆された。なお、投与量を変えて毒性の有無についても調査を行ったところ、1日の最大投与量を1kgあたり10μgにした群でも、副作用などの問題は見られなかったとしている。同研究結果は、3月28日に岡山大学・津島キャンパスにて開催する「日本農芸化学会2015年度大会」で発表予定。辻野教授は、「フレグライド1は、まだ実験や効果検証が始まったばかり」としながら、今後について「引き続き肥満や糖尿病について実験で効果を検証し、臨床実験では有効性や安全性を検証していく予定です。将来的には、健康食品や機能性食品、医薬品などにも展開できればと思っております」と期待を込めて話した。
2015年03月26日OTC医薬品ハイチオールCホワイティア2015年3月3日、エスエス製薬は、1日2回で内側からシミ・そばかすなどの肌トラブルを治す「ハイチオールCホワイティア」を同日、全国のドラッグストア、薬局・薬店を通じて新発売したと発表。ハイチオールシリーズエスエス製薬はL-システインを配合した薬剤をハイチオールシリーズとして販売している。既にシミ・そばかすや日常の疲れやだるさを感じている人向けのハイチオールCプラスや更にビタミンB2・B6を配合した肌あれ・ニキビの緩和に効くハイチオールBがある。ハイチオールCホワイティアL-システインは、用法・用量を守り、継続的に服用することによって、効果が発現しやすい。そのため、従来のハイチオールCプラスに比べて、継続しやすくなるよう、朝と夜の1日2回の服用へと改良し、服用回数を減らすことにより、飲み忘れを防ぐ工夫をしている。また、L-システインの量をハイチオールCプラスの1.5倍量を配合しながら、錠剤の直径は8.7mmと飲みやすい小型化に成功。ハイチオールCホワイティアによって、シミ・そばかすが治った肌が成長して表面に出てくるまでには3か月が目安となる。しばらく服用しても、効果が現れない場合には、医師、薬剤師等に相談し、継続するかどうかを決めることを勧めている。L-システインとビタミンCハイチオールCホワイティアの有効成分はL-システインとビタミンC。メラニンの生成を抑え、黒色メラニンを無色化し、メラニンの排出を促すことによって効果を発揮する。L-システインはアミノ酸の一種で、髪、爪、肌に存在し、それらの代謝をサポートしている。この力はL-システインのもつ「抗酸化作用」と「代謝を正常化する作用」による。(画像はプレスリリースより)【参考】・エスエス製薬プレスリリース
2015年03月06日岐阜大学は3月3日、国際基準を満たす治験薬製造設備を設置し、同設備によりクロイツフェルト・ヤコブ病(ヤコブ病)の治験薬の開発を進めると発表した。治験薬製造には無菌状態が不可欠で、国際基準を満たす必要がある。今回設置された設備はそれを満たすもので、高温高圧下の環境で数十種類の有機化合物を合成して製薬し、無菌状態の設備内で分包することができる。こうした設備を大学で導入するのは世界で初めてとのことで、大学内で人体へ使用可能な治験薬を製造することが可能になる。ヤコブ病は数カ月にわたる進行性痴呆や視力障害、錯乱、めまい、無感情などの症状が見られ、発病から3~12カ月で死亡する希少難病。原因は神経細胞に存在する「プリオン」と呼ばれるタンパク質が破壊され、異常構造となり毒性を帯びて神経細胞を殺すためとされているが、現在のところ有効な治療法は確立されていない。同大学の大学院連合創薬医療情報研究科の桑田一夫 教授を中心とした研究グループはこれまでの研究で、プリオンタンパク質の正常構造を安定化させ、異常構造への変換を抑制する化合物「メディカルシャペロン」を治験薬として開発している。新設備の設置により人体への治験が可能となることで、ヤコブ病を始めとするプリオン病の治療法の確立へとつながることが期待されるほか、アルツハイマー病など他の認知症の治療薬研究にも役立つと考えられている。なお、ヤコブ病に対する治験は2年後を予定している。
2015年03月03日メニエール病という病気をご存知でしょうか? 最近、人気男性アイドルがメニエール病と診断されたというニュースが話題になったので、名前だけは聞いたことがあるという人もいるかもしれません。今回は、メニエール病と睡眠の関係についてお届けします。メニエール病とは?メニエール病は、めまい・耳鳴りなどの症状が繰り返し起こる病気で、場合によってはうつ病を併発することもあると言われています。冒頭の男性アイドルは、ある日を境にめまいなどによって立ち上がることもできなくなってしまったそうです。メニエール病は原因不明の病気と言われています。ただ、現在では耳の中にリンパ液が溜まることが一因という報告もあるのです。睡眠障害がメニエール病を引き起こす原因に?一見すると睡眠と関係なさそうなメニエール病ですが、この病がじつは「睡眠障害から引き起こされている可能性がある」という論文が発表されました。その論文の根拠になった実験は、メニエール病の患者、数十人に入院してもらい、睡眠中の呼吸や脳波を測定するというもの。その結果、睡眠時間は健康な人よりも30分ほど長かったものの、ノンレム睡眠(深い睡眠)が少なく、レム睡眠(浅い睡眠)が多いということがわかったそうです。このことから、メニエール病の患者は1~2割の確率で睡眠障害も併発している可能性がある、と考えられています。早期発見のためにも検査を!確かに、常にめまいや耳鳴りに襲われている状態を想像すると、ぐっすり眠ることはできなさそうですよね。この結果を踏まえてメニエール病患者に専用マスクと食事指導で治療を行ったところ、半年間ほどでめまいや睡眠時無呼吸などの症状は改善されたそうです。夜の睡眠中にはさまざまな難病を治すヒントが隠されているとも言われています。検査を受けることで、思わぬ病気の早期発見につながるかもしれません。気になる症状がある方は早急に医師に相談するようにしましょう。photo by Robo Educational Toys BV
2015年02月19日東芝は2月16日、糖尿病が重症化する可能性が高いハイリスク者を抽出・分析し、その結果に基づく保健事業の立案、実行、効果検証までのPDCAサイクル全体を支援するサービスを健康保険組合向けに2月末日から開始すると発表した。今回、保険者の健診データとレセプトデータを独自の手法により分析することで、糖尿病でありながら医療機関において十分な治療を受けていない、あるいは未受診であるハイリスク対象者を高精度に抽出する手法を開発した。また、透析治療、インシュリン治療、投薬治療の治療ステージごとの状態の人数変動を確率として算出し、保健事業にかかる費用を算定する手法も合わせて作成した。さらに、開発した手法を適用し、東芝健康保険組合と共同で糖尿病ハイリスク対象者の抽出および受診推奨などの介入を行う実証を実施した。その結果、高精度にハイリスク者を抽出することで介入の効率性が高まり、約90%の介入対象者が治療を開始するとともに健診値の改善が確認できたという。一方、厚生労働省は、全ての健康保険組合に対し、健康診査(健診)やレセプトなどの健康医療データの分析、それに基づく加入者の健康保持増進のための事業計画である「データヘルス計画」の作成・実施を義務化している。そこで今回、「データヘルス計画」を作成する健康保険組合を支援するための新サービスを開発したという。今後は、まず糖尿病ハイリスク者分析から保険者向け保健事業支援サービスに参入し対象疾病を拡大していくとともに、地域包括ケアも見据えた事業へと展開していくとコメントしている。
2015年02月17日DeNAライフサイエンスはこのほど、バレンタインデーに向けてチョコレートと糖尿病の関係性について明らかにした。東京医科大学とハーバード大学の研究チームによると、チョコレートには糖尿病になるリスクを低減させる効果があるとのことで、栄養学の国際誌であるアメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション誌のオンライン版にも同研究内容が報告されている。同研究グループは、米国の健康な男性1万8,000人以上のデータを分析し、チョコレートと糖尿病発症についての関係を調査した。その結果、チョコレートを多く食べている人は、全く食べない人と比べて糖尿病のリスクが低くなっていることが判明した。糖尿病リスクを板チョコに換算すると、月に半分~1枚半摂取で7%減、週に半分で14%減、週に1枚で17%減となった。週に板チョコを1枚食べると、糖尿病のリスクが最大で17%も減少できる可能性がある計算になる。ただ、このような効果が見られたのは、65歳以下でBMIが25以下の健康な標準体重の男性だけであったため、注意が必要とのこと。そのほかにも、チョコレートに含まれるカカオ・ポリフェノールは、糖尿病の危険因子となるインスリン抵抗性や酸化ストレス、炎症に対して予防効果があることも報告されているという。同社のアドバイザーの高橋陽子管理栄養士によると、チョコレートはカロリーや脂質が高いため、継続的な食べすぎは肥満のほか脂質異常症や糖尿病などの生活習慣病を引き起こしかねない、としている。「健康効果を期待するのであれば、カカオ含有量の多いものをあくまでも『適量』食べるようにしましょう」とコメントしている。
2015年02月12日まだ身近でない?漢方薬「漢方薬」と聞くと、「身体に良さそう」などの漠然としたイメージがある一方で、実際購入して使用するには馴染みがなく、戸惑ってしまうこともあるのではないでしょうか。漢方薬は女性の味方!株式会社ナンブが展開する楽天市場の和漢方薬ショップ「40歳からの女性の和漢薬・加味逍遥(かみしょうよう)」では、同ショップで人気の漢方薬トップ3を発表しました。第3位は、「ホノミ フラーリンQ錠」。当帰芍薬散と当帰建中湯を合わせた薬となっており、月経痛や月経不順に悩みをもつ女性の中で、できれば西洋薬から離れたい、というニーズから人気の出た商品とのことです。第2位は、「ツムラ加味逍遥散(かみしょうようさん)」。店名にもなっている「加味逍遥散」とは、イライラなどの不定愁訴、便秘、肩こりなどに効く漢方で、柴胡(セリ科の根)、当帰(セリ科の根)、芍薬(シャクヤクの根)など、複数の素材が入っている漢方となっています。第1位は、「ホノミ チョウケイ錠」。こちらの商品も加味逍遥散エキスを主原料とし、冷え、月経痛、更年期障害などの女性特有の症状に効果のある漢方となっています。問い合わせの対応、啓蒙活動にも力を「40歳からの女性の和漢薬・加味逍遥」では、漢方に関する問い合わせにも対応しており、「漢方薬の選び方がわからない」という問い合わせなどに対して、薬剤師による丁寧な電話相談や小冊子の配布、SNSの活用を進めているとのことです。婦人病に悩んでいて、漢方に興味のある女性は、一度ネットショップを覗いてみては。(画像は「40歳からの女性の和漢薬・加味逍遥/楽天市場」より)【参考】・40歳からの女性の和漢薬・加味逍遥/楽天市場・株式会社ナンブ プレスリリース/PR TIMES
2015年02月01日昼食後、会社での仕事ってどうしてあんなに眠くなるのでしょうか。とはいえ、眠くても眠れないのがビジネスマンのつらいところ。今回は食後の眠気と糖尿病との関係についてご紹介します。食後の眠気は、昔はなかった!?人類は、農耕を始める前は「食後の眠気」とは無縁だったという説があります。農耕が始まってから食事による糖質摂取→食後に高血糖になる→眠気が起こるというパターンになったと言われています。食後の眠気とは無縁だった時代は、獣などの外敵に襲われるリスクも少なくなかったのでしょうね。現代でも、糖質制限食にすると食後の眠気がなくなるという人も実際にいるようです。逆に、普段は糖質制限食を主食としている糖尿病患者が糖質を摂取すると、血糖値が上がり眠気やだるさを訴えることもあるのだとか。糖質は眠気と深いかかわりがあるということが分かります。糖尿病の症状?なかには低血糖でも眠気が出る人がいるのだそうです。私たちの身体は、糖質を摂取すると一時的に血糖値が上昇しますが、インスリンを分泌することで血糖値を下げようとします。通常は、血糖値が100mg/dlを切るとインスリンの分泌は止まるものですが、そのまま分泌が続き、結果的にインスリンを渇上に蔓延させてしまうタイプの人もいるのだそうです。このようなタイプの人を機能性低血糖症と呼びます。この病気の患者は食後数時間すると血糖値が60mg/dlを切り、低血糖になって眠気、動悸、だるさなどを訴えるのだそうです。糖質制限食をお試しあれ健康な人は、インスリンの分泌が途中で止まるので低血糖になることはないのだそうです。ただし、健康の過信には要注意。糖質をとれば、程度の差こそあれ、食後に高血糖になるため、眠気は生じるようです。つまり、高血糖でも低血糖でも、健康な人でも糖質を摂取すれば食後は眠くなるということです。食後の眠気に悩んでいる方には、米やパン、麺類、イモ類などの糖質が主成分のものを控える糖質制限食がおすすめです。一度試してみてはいかがでしょうか。Photo by Chloe Hague
2015年01月22日米国ポテト協会はこのほど、米国医師会雑誌(「ジャーナル・オブ・アメリカン・メディカル・アソシエーション」)に掲載された研究結果を踏まえ、健康に対するポテトの有益性を発表した。同研究では、「GI値」(食後の血糖値の上昇度を示す指標)は、すでに健康に良い食事をとっている人にとって最終的にはそれほど重要ではない可能性があることが示されたという。具体的には、低GI食は、血圧の低下、血中コレステロール値の改善、インスリン感受性の向上につながらないことが明らかになったとのこと。これらはすべて心血管疾患と糖尿病のリスク要因として知られている。米国のジョンズ・ホプキンス病院およびブリガム・アンド・ウィメンズ病院の研究グループは、体重過多で高血圧の成人163名を対象に、GI値(高または低)と炭水化物含量(高または低)が異なる4つの食事療法における心臓の代謝効果を研究した。健康に良い「ダッシュ食(DASH、Dietary Approaches to Stop Hypertension:高血圧を防ぐ食事法)」の食事パターンに従って、すべての食事、軽食、飲料が研究参加者に提供された。ポテトは、避けるべき高GI食品として分類されることが多いが、同研究では低GI食および高GI食の両方で使用されたという。5週間の食事療法が終了した時点で、高GI食を摂取した参加者と比べても、低GI食を摂取した参加者の血圧、インスリン感受性、血中脂質レベルには、大きな改善は見られなかったとのこと。同協会栄養顧問および炭水化物代謝の専門家であるキャサリン・ビールス博士(管理栄養士、米国スポーツ医学会フェロー)は、「GI値の支持者は、低GI食は糖尿病と心血管疾患のリスク要因を削減できると主張しています。しかし、これらの研究結果からは、健康に良い食事においては、GI値はあまり関係ないことがわかりました。インスリン感受性、HDL/LDLコレステロール値、収縮期血圧の改善という点で、低GI食は高GI食よりも効果があるわけではありませんでした」とコメントしている。なお、中サイズの皮付きポテト1個(約150g)のカロリーは約110キロカロリーで、バナナ1本分よりもカリウムが豊富(620mg)に含まれ、ビタミンCの1日の摂取量の約半分(45%)を摂取することができるという。さらに、脂肪、ナトリウム、コレステロールは含んでいないとのこと。
2015年01月20日米国ポテト協会はこのほど、米国医師会雑誌(ジャーナル・オブ・アメリカン・メディカル・アソシエーション)に発表された研究結果をもとに、健康に対するポテトの有益性について発表した。ポテトは栄養が豊富な食材の一つ。皮付きの中サイズ1個(約150g)の大きさで、一日の摂取量の約半分(45%)のビタミンCや、バナナ1本分よりも多いカリウム(620mg)を摂取することができる。しかも脂肪、ナトリウム、コレステロールは含んでおらず、カロリーも110キロカロリーと低めとなっている。一方、ポテトはグリセミック・インデックス(GI値)が高い食品として分類されている。GI値は食後血糖値の上昇度を示す指標のことで、高GI食品は、一気に血糖値を上昇させるため、血液中の糖の処理に多量のインスリンが分泌されたり、分泌が追いつかなくなったりするとされている。そのため、心血管疾患や糖尿病のリスク要因とも考えられてきた。しかし今回、同誌に発表された新たな研究結果によると、GI値はすでに健康に良い食事を摂(と)っている人にとっては、最終的にはそれほど重要ではない可能性があることが示されたという。研究グループは、体重過多で高血圧の成人163名を対象に、GI値(高または低)と炭水化物含量(高または低)が異なる4つの食事療法における心臓の代謝効果を研究した。健康に良いダッシュ食(高血圧を防ぐ食事法)の食事パターンに従い、全食事、軽食、飲料を研究参加者に提供。避けるべき高GI食品として分類されることの多いポテトは、低GI食および高GI食の両方で使用した。5週間の食事療法が終了した時点で、低GI食を摂取した参加者の血圧、インスリン感受性、血中脂質レベルは、高GI食を摂取した参加者に比べて大きな改善は見られなかった。この結果から、低GI食は血圧の低下や血中コレステロール値の改善、インスリン感受性の向上につながらない可能性が示唆された。米国ポテト協会栄養顧問のキャサリン・ビールス博士は、「GI値の支持者は、低GI食は糖尿病と心血管疾患のリスク要因を削減できると主張している。しかし研究結果からは、健康に良い食事においては、GI値はあまり関係ないことがわかった」とコメントしている。
2015年01月19日東京大学は12月9日、ヒト白血球抗原(HLA)の安定性を解析し、1型糖尿病のかかりやすさに関連するHLA遺伝子型が、安定性が顕著に低いHLAタンパク質を作ることを見出したと発表した。同成果は同大学大学院医学系研究科の宮寺浩子 助教(研究当時)、徳永勝士 教授らの研究グループによるもので、12月8日付(現地時間)の「The Journal of Clinical Investigation」オンライン版に掲載された。1型糖尿病は主に免疫系の細胞が、インスリンを生産する脾臓のβ細胞に対して免疫応答を起こすことによって発症し、特定のHLA遺伝子型を持つと1型糖尿病の発症率が高くなることが報告されている。同研究グループは、HLAのタンパク質の安定性が自己免疫疾患のかかりやすさに関わる可能性に着目し、HLAタンパク質の安定性を推定するための測定手法を構築した。その手法を用いて約100種類の主要なHLA遺伝子型の安定性を測定したところ、1型糖尿病のかかりやすさに関連するHLA遺伝子型が、安定性が顕著に低いHLAタンパク質を作ることを発見した。さらに、HLAタンパク質の安定性制御に関わるアミノ酸残基を変える遺伝子多型を同定し、その遺伝子多型が1型糖尿病のかかりやすさに強く関連することを明らかにした。同研究グループは「HLAのタンパク質安定性という、これまで着目されてこなかった特性も自己免疫疾患の発症率に大きく影響を与える可能性が示されたことは、従来の定説とは異なる発症機序が自己免疫疾患に関わる可能性を示唆します」とコメントしている。
2014年12月09日過食や高脂肪食のとり過ぎなどが原因とされる「糖尿病」。そして塩分のとり過ぎや飲酒などが主な要因となる「腎臓病」。これらの治療には投薬と併せて行われる食事療法が不可欠とされている。食事療法で提供される食事は、カロリー制限がしっかりされてしまって…というイメージをお持ちの方も多いと思うが、中にはゼリーやジュースなど、一般的には制限した方がよさそうな甘いお菓子類を「病態対応食」として販売している食品メーカーもある。今回、病態対応食であるジャネフのハイカロシリーズを展開するキユーピーの家庭用本部武井宏さんに、病態対応食について聞いてみた。○通常の食事をとりづらい方に――病態対応食であるジャネフは、どのような経緯ではじまったのでしょうか。そして、そもそも「病態対応食」とは何でしょうか「昭和30~40年代の高度経済成長期に、日本の食生活が大きく変化したことから”成人病”が注目されるようになりました。健康を気にされる方が増加したことに伴い、昭和38年に果汁やジャムなどを「キユーピーヘルスフード」として販売したことが、ジャネフのはじまりです。「病態対応食」とは、食事療法が必要になった方に対して、病院などの医療機関や施設で提供される食事のことです。主に食事療法が治療の基本と考えられている糖尿病食、腎臓病食が一般的に病態対応食と言われています。当社では、糖尿病の方向けにカロリーを低減した商品や、腎臓病の方向けにカロリーを増やした商品、たんぱく調整の商品を中心に、減塩食やカルシウム強化食などもジャネフとして販売しています。特にハイカロシリーズは、腎臓病の方向けの商品となっています」――病院・施設用食品であるジャネフは、通常売られているような御社のジャムやマヨネーズなどとどのような点が異なるのでしょうか。「一般商品との違いは、食事療法をされている方や、通常の食事をとりづらい方に特に配慮して開発している点ですね。ただ、塩分・たんぱく質などの栄養素に配慮しながらも、通常の食品と変わらないおいしさにこだわっています」――病気のために美味しさをあきらめていた人にとっては、嬉しいこだわりですね。ハイカロシリーズのパッケージを拝見しますと、「パラチノース配合」などと記載されています。使用されている原材料などはどのような基準で選定されているのでしょうか。「最近、糖尿病から腎臓病に移行する方が増えていることから、高カロリーにするために配合する糖質については、できる限り血糖値を急激に上げない機能性のある糖質を選定し、安心してお召し上がりいただけるように配慮しています。パラチノースも、腎臓病患者様でも安心して召し上がっていただけるというのが理由で配合しています」腎臓病への対策としては、たんぱく質を摂取することで起こる尿素窒素等の排泄を抑制し、腎臓への負担を和らげることが肝要となる。そのためにはたんぱく質をとり過ぎないことが大切になってくるのだが、一方でエネルギーが不足してしまうと体内のたんぱく質が分解されてしまう。そのためその作用を起こさないためにも高いカロリーの食事をとる必要がある。パラチノースとは、砂糖と同じ1gあたり4kcalの“糖“でありながら、小腸での吸収がゆっくりなため血糖値が急激に上昇しない特性を持つ天然の糖質のこと。すなわち、血糖値を急激に上げすぎないながらも、砂糖と同じカロリーが摂取できるパラチノースという機能性糖質の配合は、腎臓病患者向けの病態対応食として有用であるというわけだ。いくら病気を治療するための食事とはいえ、あまりにストイックになりすぎると辟易してしまう。その「普通の食事」と変わらない食事を実現してくれるのが、ジャネフ ハイカロシリーズのような病態対応食であり、それを可能にするのがパラチノースなのだ。
2014年11月28日NTTデータはこのほど、レセプト(診療報酬明細書)データ等を活用した糖尿病性腎症重症化予防対策を埼玉県にて開始したことを明らかにした。糖尿病は現在、1,000万人が罹患(りかん)している病気だが、初期は自覚症状が出にくく、医療機関を受診しない人が4割近くいるという。そのまま放置して病状が進むと、目のかすみや手足のしびれ等の症状が出るだけではなく、重症化すると人工透析等のリスクも高まる。人工透析に移行すると週3回(1回当たりの治療時間4~5時間)ほどの頻度で治療をする必要が生じ、QOL(生活の質)が低下する可能性もある。さらに重症化すると、失明や壊疽(えそ)による足の切断などのリスクも高くなる。糖尿病の重症化を予防することは、生活の質を維持するとともに医療費適正化の効果もある。そこで埼玉県下18市町(※1)在住の国民健康保険の被保険者約100万人を対象に、糖尿病性腎症重症化予防対策事業を行う。すでに10月から糖尿病の重症化リスクが高い人を抽出する準備を進めており、今後、医療機関未受診者や治療中断者に対する受診勧奨および通院中の方に対する食事・運動等の生活指導を行う。このように、レセプトデータ等を活用して複数の市町村が共同して実施する糖尿病性腎症重症化予防対策事業は、全国で初となる。※1川越市、所沢市、飯能市、狭山市、羽生市、鴻巣市、上尾市、草加市、朝霞市、志木市、和光市、新座市、八潮市、三郷市、日高市、鳩山町、幸手市、さいたま市の計18市町(入間市は市単独で4月から同様の事業を行っている)。
2014年11月26日フィリップス エレクトロニクス ジャパンはこのほど、全国の30~60代の糖尿病患者300名を対象に実施した「食事制限に関する調査」の結果を明らかにした。調査実施日は10月30日~11月4日。同調査は、世界保健機構(WHO)が定めた11月14日の「世界糖尿病デー」に際して実施したもの。調査は、食事制限を行っている糖尿病患者を対象に行った。まず、食事制限で過去に挫折した経験はあるか尋ねたところ、6割以上が「ある」(64.7%)と回答した。挫折の理由について聞くと「食事量が少ないから」(40.7%)、「カロリー計算が面倒だったから」(39.7%)、「ごはん・パン・麺などの主食があまり食べられなかったから」(37.1%)が上位を占めている。食事制限中に最も強く食べたいと感じる料理は何か聞くと、最も多い回答は「ごはん」(29.7%)で、「麺料理」(25.3%)がそれに続いた。主食を満足いくまで食べたいという欲求が高いことがうかがえる。次いで「揚げ物料理」(18.7%)、「肉料理」(16.3%)となっている。現在行っている食事制限の方法について尋ねると、一般的な「食事全体のカロリーを管理する」(66.7%)、「主食の量を減らす」(58.7%)が多くを占めたが、4割が「低糖質の食品を選ぶ」(40.0%)と回答している。カロリー計算や食事量が原因で、食事制限に挫折したことがある患者が多い中、「糖質制限」という選択肢が増えつつあることがわかった。食事制限において求めることを聞くと、「美味しい料理が食べたい」(57.7%)に続き、「糖質の低い食品が、もっと手軽に購入できるようになって欲しい」(40.3%)が挙げられた。手軽に購入できる「糖質の低い食品」が増えつつあり、そのニーズが高まっている現状がうかがえる。
2014年11月20日協和発酵キリンはこのほど、妊娠中の女性特有の病気である「妊娠糖尿病」の病気の症状や原因、リスクの現状について明らかにした。厚労省によると、日本国内で糖尿病と糖尿病予備群の総数は2,050万人と推計されている。糖尿病患者の増加とともに、最近増えているのが「妊娠糖尿病」である。妊娠中は胎児に糖を与えるため、母体はインスリンが効きにくい状態になる。食生活や生活習慣に気をつけていても、糖のバランスが取れず血糖値が高くなり、軽度の高血糖をきたすことがあるという。妊娠糖尿病の診断基準は2010年に大きく変化し、世界共通の診断基準が提唱された。現在、「妊娠中に初めて発見、または発症した糖尿病にいたっていない糖代謝異常である」と定義されている。妊娠糖尿病の罹患(りかん)率は、全妊婦の10%前後だという。妊娠中に血糖のコントロールができなくなる状態が続くと、早産や尿路感染症、妊娠高血圧症候群、羊水過多症などのリスクが上昇。また、胎児が巨大児になり難産となったり、出生後の赤ちゃんが低血糖を起こしたりする可能性も高くなる。同社では妊娠糖尿病になりやすい主なリスクファクターとして、「糖尿病の家族歴」や「肥満」「35歳以上の高年齢」などを挙げている。「巨大児分娩既往」「原因不明の習慣流早産歴」「原因不明の周産期死亡歴」「先天奇形児の分娩歴」を持つ場合も注意が必要だ。「尿糖強陽性または2回以上反復する尿糖陽性」「妊娠高血圧症候群」「羊水過多症」も罹患するリスクが高いとのこと。妊娠糖尿病は、定期的な検診と適切な治療で血糖値を管理していくことが重要となる。出産後には血糖値は元に戻るが、将来、糖尿病を発症するリスクが高いことが報告されている。
2014年11月18日(画像はイメージですHans Splinter)パルミチン酸が悪玉、それと戦う女性ホルモン受容体テキサス大学サウスウエスタン医学センター(米)はチリ大学などとの共同研究で、高脂肪食を取ったときの脂肪酸の代謝および運動機能低下等の肥満に対する男女差にはパルミチン酸代謝が原因であることを明らかにしました。研究内容はCell Reportsにオンライン版で2014年10月16日から公開されています。研究内容高脂肪食は肥満と中枢神経系の炎症を引き起こします。(画像は文献Graphical Abstractより)エストロゲンとエストロゲン受容体アルファ(ERアルファ)は閉経前女性を炎症による代謝系の合併症と肥満関連の疾患になることを防御。今回の研究によると高脂肪食をマウスに与え続けると、体重の増加に雌雄差はありませんでしたが、中枢神経におけるパルミチン酸とスフィンゴ脂質はメスに比べてオスで有意に増加したとのこと。ERアルファを過剰発現することでパルミチン酸由来の炎症を抑えることも見いだしています。高脂肪食を与え続けたオスでは筋肉機能が低下したのに対し、メスでは筋肉機能の低下は認められないとのこと。考察閉経前の女性は高脂肪食による肥満になっても肥満の合併症が少ないことが疫学的に知られています。今回の研究ではその一つの原因は視床下部における脂質代謝の違いであることが分かりました。パルミチン酸が悪玉として働くのをエストロゲンやエストロゲン受容体アルファが防御しています。閉経後には肥満による合併症が増えることが疫学的に証明されていることから、パルミチン酸の産生を抑える薬剤は、肥満の合併症を抑える可能性があることを今回の研究は示唆しています。【参考】・Cell Report 文献Hypothalamic PGC-1α Protects Against High-Fat Diet Exposure by Regulating ERα
2014年10月24日神奈川県と漢方デスクが「未病チェックシート」の活用に包括協定締結2014年10月7日、漢方デスクは神奈川県作成の「未病チェックシート」を活用して、「未病を治す」ために必要な情報提供を行うために、神奈川県と包括協定を締結したことを明らかにしました。(画像はイメージです病草子「風病のおとこ」)未病チェックシート神奈川県が「健康寿命」日本一の達成に向けた取組として作成したのが、「未病チェックシート」。パソコンやスマートフォンで未病チェックシートにアクセスし、自分の体調、体質などの質問に答えて、自分の「証」を知ります。また、その証に基づいた健康状態のアドバイスを得ることができます。「証」とは自身の体質、体調などの心身の状態を漢方のものさしで評価したものです。このシステムは慶應義塾大学SFC研究所が神奈川県からの依頼で、3万件を超える症例の解析に基づいて作成したとのこと。漢方デスクの取組漢方デスクは漢方や薬膳のポータルサイトを展開しています。神奈川県の作成した「未病チェックシート」の「証」に基づいて、詳しい体質改善アドバイスを行います。具体的には食事療法(おすすめ食材、注意すべき食材、おすすめレシピ)、ツボ療法、生活習慣の改善(おすすめの生活習慣、避けた方が良い生活習慣)あるいは一般薬局でも購入可能な漢方薬の紹介を行っています。
2014年10月14日