“包むこと”を通じて日本人の生活や社会を考える。展覧会「包む-日本の伝統パッケージ」とは?アートディレクターが稀有だった戦前から、日本の伝統的なパッケージの収集と研究を続け、「TSUTSUMU(包む)」という言葉とともにその美しさを海外に広く知らしめた、デザイナー岡秀行。「最初は形の見事さに惹かれた。けれど次第に形の奥に呼吸している人間の暮らしへと関心が移っていった」と生前、収集の動機を語っている。彼は、現代社会においてのパッケージを、商品を売るためのテクニックであり広告産業の一部と考えた。つまり新しい包み方は新しい生活を意味し、包み方の変化は生活自体の変化だというのだ。彼にとって、日本人とは何か、生活とは何か、社会とは何かを考える上で「包む」ことの意味は広く、重大。そんな想いから岡氏が見出したのは、それぞれの伝統パッケージに脈打っているのは日本人特有の自然観であるということだった。日本人はすべての自然に神様が宿ると考え、それに包まれるものは大切なもの、清らかなものであると捉えている。だからこそ伝統パッケージには一種の折り目正しさがあり、見る者をハッとさせるほどの格調があるのだと断言している。そんな岡氏の意思を反映した今回は木、竹、笹、藁など日本の風土に育まれた自然素材や陶器、和紙、絣かすりなど、日本人に馴染みある素材別にデザインを紹介。デザイン的な観点からいえば「生活の知恵として生み出されたシンプルな造形」を紹介した作品と、日本人の職人技というべき「職人のプライドと手技の美を持つ品」の2種に大別される。プラスチック容器全盛の昨今、本物の自然が宿る日本の伝統パッケージは、心に潤いを与えてくれる。サステナブルが叫ばれる今こそ、再びこうしたパッケージに目を向ける時が来たのだと考えさせる内容だ。《卵つと》山形県撮影:酒井道一(岡秀行著『包』毎日新聞社、1972年 所収)農民生活の長い歴史から生まれた、卵を安全に運ぶ入れ物「卵つと」。生活の知恵が洗練され、見事な造形となった。藁素材の特性をフル活用している。《岡山獅子》岡山県/中尾正栄堂撮影:酒井道一(岡秀行著『包』毎日新聞社、1972年 所収)古い須恵器(陶質土器)の伝統を受け継ぐ由緒ある備前焼のお菓子パッケージ。岡山ではメジャーな商品で、中にはきびだんごが入っていた。現在はもう製造されていない。《釣瓶鮓》奈良県/釣瓶鮓弥助撮影:酒井道一(岡秀行著『包』毎日新聞社、1972年 所収)釣瓶鮓(つるべずし)は奈良の郷土料理で、曲げ物桶に鮎の熟れ鮓を詰めたもの。1000年以上の歴史を誇る由緒ある逸品で、現地でも長く愛されてきたが、現在は製造されていない。《ささらあめ》宮城県/熊谷屋撮影:酒井道一(岡秀行著『包』毎日新聞社、1972年 所収)仙台の郷土菓子であるささら飴を竹ひごの先に付け、筒に差し込んだシンプルなデザインが見事。熊谷屋の商品であったが、現在この形での販売は終了している。包む-日本の伝統パッケージ目黒区美術館東京都目黒区目黒2‐4‐36開催中~9月5日(日)10時~18時(入館は17時半まで)月曜(8/9は開館)、8/10休一般800円ほかTEL:03・3714・1201※『anan』2021年7月21日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2021年07月16日イタリア・ローマの伝統菓子「マリトッツォ」が、ホテルオークラ東京ベイで発売されます。「マリトッツォ」は、パンの間にたっぷりの生クリームを挟んだ、コロンとした可愛らしいフォルムも目を惹くイタリア・ローマ発祥の伝統スイーツ。ホテルオークラ東京ベイでは、“プレーン”と季節限定のフレーバー“シーズン”の2種類の味で提供されます。通年での提供となる“プレーン”は、ホテルオリジナルブレンドの生クリームを存分に味わえる一品。しっとりと焼き上げたパンと軽やかなくちどけの生クリームのハーモニーを堪能できます。また、5月31日(月)までの期間で提供される“シーズン”のフレーバー“バラとラズベリー”は、バラの生クリームの中にラズベリージャムを忍ばせた限定味。クリームの上にはさらにラズベリーをトッピングし、甘酸っぱい果実の味覚を楽しめる一品に仕上げられています。【詳細】ホテルオークラ東京ベイ「マリトッツォ」販売場所:ホテルオークラ東京ベイ カフェレストラン テラス売店販売時間:13:00~22:00住所:千葉県浦安市舞浜1-8価格:プレーン 450円(税込)、シーズン“バラとラズベリー” 500円(税込)※2021年5月11日(火)までは14:00~21:00での販売。※事前予約可。※シーズン“バラとラズベリー”は5月31日(月)までの販売。【予約・問い合わせ先】ホテルオークラ東京ベイ カフェレストラン テラス売店TEL:047-355-3348(直通)
2021年05月12日3月2日、新国立劇場は2021/2022シーズンの舞踊ラインアップを発表、吉田都芸術監督による説明会を実施した。「芸術監督就任後、6カ月とは思えないほどの濃い日々を過ごさせていただいています」と、コロナ禍の中でスタートした今季前半を振り返る吉田。「いろいろな方が手を差し伸べてくださった。私たちに何ができるかといったら、質の高い、いい舞台を作るべく努めること」。来季の上演リストには、その強い思いを映すかのようなチャレンジに溢れた作品が並んだ。まず10月のオープニングでは、ライト版『白鳥の湖』に再挑戦。昨年、吉田の芸術監督就任第1作として期待されるも、感染拡大の影響により実現できずにいたが、「ダンサーたちは今、私がどんな表現を求めているかということを少しずつ感じてくれるように。より深い作品づくりができるのでは」と、1年の延期を前向きに捉える。その後のクリスマス・シーズンは、恒例の『くるみ割り人形』(イーグリング振付)の上演だが、初の試みとして、新年3日までなんと計12回もの公演を実現。続く「ニューイヤー・バレエ」は、吉田が敬愛する振付家、アシュトンの『夏の夜の夢』に初挑戦。バランシン『テーマとヴァリエーション』とのダブルビルだ。2月の〈吉田都セレクション〉は、鬼才フォーサイスの『精密さによる目眩くスリル』、オランダの巨匠ファン・マーネンの『ファイヴ・タンゴ』、プティの小粋なセンスが光る『こうもり』より「グラン・カフェ」と、大人の雰囲気。「新国初のフォーサイス作品は、かなりのチャレンジになる」とも。来年4月〜5月の『シンデレラ』に先立ち、エデュケーショナル・プログラムvol.1として「ようこそ『シンデレラ』のお城へ!」を2月に実施。「舞台が作られていく過程をお見せし、舞台をより身近に感じていただけるように」と準備を進める。6月の『不思議の国のアリス』は、海外からゲストを迎えての再演だ。またダンス公演では「DANCE to the Future: 2021 Selection」(11月)、小野寺修二 カンパニーデラシネラ『ふしぎの国のアリス』(2022年3月)、森山開次による『新版・NINJA』を予定。開幕公演前の今年7月に上演する、こどものためのバレエ劇場2021『竜宮』も森山の作品だ。あらゆる年齢層に訴える多彩な作品が揃う来シーズン。吉田芸術監督の采配に、今後も注目していきたい。文:加藤智子
2021年03月04日舞踊家の近藤良平が彩の国さいたま芸術劇場の次期芸術監督に決定したことが発表された。彩の国さいたま芸術劇場は、優れた舞台芸術等の芸術文化に身近に接する機会を提供し、及び埼玉県民の芸術文化活動を支援すること等により、芸術及び文化の一層の振興を図り、真に豊かさとゆとりを実感できる県民生活の実現に寄与することを目的とした劇場。2006年からは蜷川幸雄芸術監督の下で、演劇、ダンス、音楽を中心に芸術性の高い作品を創造・上演してきたほか、「さいたまゴールド・シアター」や「さいたまネクスト・シアター」など公共劇場ならではの取り組みを実施するなど、「創造する劇場」として埼玉から日本全国、世界に向け芸術文化の発信を行ってきた。この度、蜷川幸雄前芸術監督の後を引き継ぐ新しい劇場のリーダーとして選任された近藤は、1996年に自身のダンスカンパニー「コンドルズ」を旗揚げ。以降、振付家・ダンサーとして舞台や映像の分野で幅広い支持を集めている近藤はこれまで、コンドルズ埼玉新作公演や障がい者ダンスチーム「ハンドルズ」公演などを通じて、埼玉県の芸術文化に貢献したことを評価され、次期芸術監督の決定に至った。今後は近藤次期芸術監督の下、彩の国さいたま芸術劇場が次代の芸術表現を果敢に切り拓く創造拠点として、また社会や地域に開かれた広場として、あらゆる人々が自由闊達に交わりアートを創造・発見する劇場を目指していく。 また、近藤は2022年4月の芸術監督就任に先立ち、2021年4月1日から次期芸術監督として、2022 年度以降の劇場の新たな創造発信の方向性やプログラムの策定にあたる。なお、彩の国シェイクスピア・シリーズは吉田鋼太郎が「シリーズ芸術監督」として続投するとのことだ。近藤良平コメント令和3年となり、未だ続く安心できない時代の中、彩の国さいたま芸術劇場の芸術監督就任のお話をいただきました。その驚くべき任命と決定に心から謝意を申し上げます。大学で「ダンス」に出会い「舞台」という場所を知り「コンドルズ」をはじめました。たくさんのダンサー、役者、舞台関係者に出会い、そして蜷川幸雄さんにここ彩の国さいたま芸術劇場で出会い、転がるように時間が過ぎ今この場所にいます。思いかえすと劇場には、人が人を呼びさらに人へと繋いでいくそんな景色が見えます。僕も決して一人でかけあがってきたわけではありません。みんなと共にやってきました。劇場の扉をあけるとそこは楽しいところです。間違いありません。様々な人が行き交う場所、風が気持ちよくぬける劇場に、僕はしてゆきたいと思います。まずは次期芸術監督として、この彩の国さいたま芸術劇場と一緒に動き出したいと思います。なにとぞよろしくお願いいたします。 近藤良平※財団HPでは近藤の動画コメントも公開中www.saf.or.jp<次期芸術監督に関連する事業予定(2021年度)>●「コンドルズ埼玉公演 2021新作」公演日:6月5日(土)・6日(日)
2021年02月16日人口約2.67億人のインドネシアには、300以上もの異なる民族が暮らしているそうです。3年前から約2年半の間、私たち家族は夫の転勤によりインドネシア第二の都市スラバヤ市に滞在していました。首都ジャカルタの大都会のイメージと違い、繁華街以外は一軒家がぎっしりと立ち並ぶのどかな住宅街でした。そんな常夏の国で穏やかな人々の生活に触れるうちに、日々の生活における心の持ちようを学びました。たくさんのインドネシア人との出会い私がインドネシアに滞在していたのは、40~42歳のとき。そこで出会ったインドネシア人は、夫の会社スタッフ、運転手、語学学校の先生、ヨガの先生、医師、たくさんのお母さんたちでした。皆、驚くほど元気で穏やか。この性質は出会ったどのインドネシア人にも共通していたので、国民性なのかもしれません。そして、多くの大人が子ども好きなのを感じました。例えばマンションの管理スタッフの方はいつも子どもの名前を呼んであいさつしたり、話しかけたりしてくれました。運転手さんも、わが家の子どもをまるで自分の子のように大切にしてくれました。ただ、はじめの6カ月は水道管が破損する、部屋が突然停電する、エアコンの吹き出し口から大量の水が落ちてくるなどトラブルの連続で、言葉もちゃんと話せず不安なときもありました。でも、インドネシアの方はおおらか。ニコニコしながら来て、鼻歌交じりで修理する方が多かったです。常夏の環境だからなのか、私が出会ったインドネシア人はゆったりしていて、きちっとしたことが当たり前の日本人の私にとってやきもきすることも度々ありました。でも、それ以上に子どもへの温かい愛情が伝わってきました。歌って踊って、とにかく陽気なインドネシア人インドネシアの方々はとにかく陽気です。ショッピングモールやレストランなどに行くと、どこかしらの場所で歌声が聞こえたり、レストランでダンスイベントをしていたり、誕生日のお祝いもレストランを半分以上貸切って盛大にしていたりと楽しいことが大好きです。一度、インドネシア人同士の結婚パーティーに出席したことがあるのですが、親戚、友だち、職場の仲間、近所の方まで200人近くの方が順番にお祝いのあいさつに来ていました。厳粛な結婚の儀式は家族でおこない、パーティーは盛大にする方が多く、結婚する2人に関わる多くの方がお祝いに出向くそうです。正装はインドネシア特有のバティック(ろうけつ染め)の生地で作られた服で、男性は長袖のシャツ、女性はワンピースなどを着て参列します。家族全員でおそろいのバティックの生地で服を作って着ていた家族も多く、仲の良さを感じました。インドネシア女性は本当にたくましい!インドネシアに来て、インドネシア人はたくましくておおらかという印象を受けましたが、なかでも私は同じ女性として、インドネシア人の女性がタフなことに驚きました。お母さんがバイクに子どもを3人乗せて大渋滞の道路をスイスイと運転している様子を日常的に見かけましたし、ランチやお茶をご一緒することの多かった語学学校の先生からは「インドネシアでは出産2日目には退院するのよ。インドネシア女性は強いのよ」と聞いたりしてびっくりしました。また、たまたま話に出た私の誕生日を覚えていてお祝いしてくれたときには、思いやりの気持ちを感じました。インドネシアに滞在している日本人の友人も、ヨガの先生や運転手さんにお祝いしてもらったと聞きました。家族を交えて食事したときも子どもに寛容で、子どもができたことはどんなに小さなことでもちゃんと褒めたり認めたりしていました。私でしたらついつい間違えを指摘したり、できたことをただ見守ってしまうだけになってしまったりするので、私自身ももっと子どものできたことを見つけて褒めて認めていけるようにしたいと学びました。まとめインドネシアの滞在は、家族の大切さや自分自身の心の持ちようなどを改めて考えさせられる機会となりました。以前の私は、子どもの成長や喜びを仕事と家事の忙しさで忘れがちでした。また、なんでもきっちりおこなわなければいけないと自分で思い込んでいました。でも、インドネシアの方々と触れ合うことで、気持ちが穏やかになりました。きっちりすることが大切なのではなく、一つひとつの喜びや幸せを見つけるのが得意になった気がします。また、子どもたちと過ごす時間が増え、家族一緒にインドネシアで貴重な経験がたくさんできました。異国の地で暮らすことに不安はありましたが、たくさんの学びがあった充実した滞在生活でした。これから年を重ねていくなかで、インドネシアで学んだことを胸に日々を過ごしていきたいと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2021年02月09日日本舞踊協会が映像作品公演『地水火風空 そして、踊』を製作し、2021年1月2日(土)よりPIA LIVE STREAMにて配信されることが決定した。コロナ禍により舞台での上演に制限や制限がかかり、先行きの見えない不安に晒されている日本舞踊家。そんな中、公益社団法人日本舞踊協会が『地水火風空 そして、踊』を通じて長い歴史を持つ日本舞踊の魅力を発信する。作・演出を務めるのは、スーパー歌舞伎やラスベガスでの歌舞伎海外公演の振付など多方面で活躍する尾上流家元。若手日本舞踊家の藤間爽子が主演を務め、演奏・作曲・プロデュースと多岐に渡る活躍で知られる藤舎貴生が音楽を担当。作品のラストには、自身が作曲した「幸魂奇魂」を新たにリミックスした楽曲が使われる。この度、日本舞踊協会は作品のコンセプトを表現するため、オールロケ撮影を敢行。松本白鸚の祈りを神々しく描く冒頭では東京・乃木神社、潔斎のシーンは、奇跡の清流と言われる高知県仁淀川で、そして今回ロケ撮影の中心となったのは、世界的な現代美術作家杉本博司氏が設立した神奈川県・小田原の江之浦測候所だ。芸能の原点回帰ともいえる祈りに焦点をあて、踊り・音楽・豊かな自然が織りなす新感覚の映像舞踊作品『地水火風空 そして、踊』に期待してほしい。<作・演出尾上菊之丞コメント>「私たち日本舞踊家にとって、五大や五輪と言われる五つの要素、地・水・火・風・空の他にもう一つ、『踊』という要素が生きていくために必要である。」これこそが作品タイトル「地水火風空そして、踊」に込めた思いです。日本の踊りは古来より五穀豊穣や子孫繁栄、病気平癒といった人々の祈りと願いを、人間の身体を通して表現し神仏に捧げたものです。踊りの原点ともいえる祈りと願いを、映像芸術として観客の皆さまに届けることに挑戦しました。踏みしめる足は大地を鎮め、祈りの跳躍は炎を揺らす、突き上げる手は風を呼び込み、流れる水に清められた乙女は、天女となって空高く舞い上がる。そして、私たちはまた踊りだします。【公演概要】公益社団法人日本舞踊協会 映像作品配信公演『地水火風空 そして、踊』配信日時:2021年1月2日(土)12:00〜1月15日(金)23:59配信メディア:PIA LIVE STREAMチケット:3,500円(税込)※チケットの購入には、会員登録(無料)が必要です※別途チケット発券手数料がかかりますチケット販売期間:2020年11月21日(土)12:00~1月14日(木)23:59チケット購入ページ: 出演者:雨乞いの乙女・天女 / 藤間爽子神官 / 市山松扇、花柳寿楽、若柳吉蔵、僧/猿若清三郎、西川大樹、花柳寿美藏、若柳里次朗雨乞いの乙女たち / 花柳喜衛文華、花柳笹公、花柳秀衛、坂東はつ花、藤間眞白、藤間蘭翔田植え踊りの男たち / 花柳輔蔵、花柳昌鳳生、藤間豊彦、藤間涼太朗祭司 / 松本白鸚
2020年12月22日家の中で楽しめるエンタメや流行を本誌記者が体験する“おこもりエンタメ”のコーナー。今回は、伝統舞踏団を舞台に、ジョージアンダンスを通して若者の葛藤を描く映画『ダンサーそして私たちは踊った』をご紹介。■映画『ダンサーそして私たちは踊った』Blu-ray&DVD発売中。Blu-ray4,800円、DVD3,800円(ともに税別)。発売・販売元/ファインフィルムズジョージアという国をご存じですか。かつてグルジアと呼ばれた東欧の国で、料理がおいしく、ワイン発祥の地としても知られています。なかでもジョージアンダンスという伝統舞踏が有名で、記者は昨年、そこで学ぶ日本人ダンサーを取材しに、10日間首都のトビリシに滞在しました。その国立舞踊団がこの映画の舞台です。両親が離婚し、アルバイトで家計を支える貧しい若者メラブ。唯一の生きがいは、幼少期から兄と習っているジョージアンダンス。ダンスでペアを組むマリは幼なじみで、友達以上恋人未満の関係です。ある日、才能豊かな青年イラクリが入団し、メインキャストの枠を競い合うライバルになります。猛練習を重ねるうち、2人の間にある感情が芽生え始めますが……。イラクリもメラブもそれぞれ彼女のような存在がいるのに、お互いを思う気持ちを抑えきれず、その情熱をダンスにぶつけます。ジョージアンダンスは、男は戦士のように剣舞などで強さを誇示し、女は優美に舞うダンス。保守的な世界で、同性愛はタブーなのです。それでも殻を破り、初めて自由を感じたときのメラブのキラキラとした瞳がとても純粋で印象的です。ラストのオーディションでメラブは、伝統的な衣装に身を包み、堂々と前衛的なダンスを踊ります。そのほとばしるエネルギーに、目が釘づけになることでしょう。(文:西元まり)「女性自身」2020年9月22日 掲載
2020年09月14日「ノワ・ドゥ・ブール()」の代表商品“焼きたてフィナンシェ”は、数ある有名なフランス伝統菓子の中のひとつです。今回、「ノワ・ドゥ・ブール」では、普段ご紹介していないフランス伝統菓子を身近に味わっていただきたいという想いから、期間限定で4種類の焼き菓子をそれぞれ計4回販売いたします。●第1回 9月19日(土)~10月2日(金)ポンヌフ / イル・ド・フランス(パリを中心とした地域圏)の伝統菓子とは【お菓子の由来について】『ポンヌフ』は、1604年に架橋されたセーヌ川にかかるパリ最古の橋(セーヌ川に浮かぶ「シテ島」を横切ってかけられている橋)の名前が由来となっているお菓子です。お菓子の表面の十字のパイの部分が橋を、その他の生地がシテ島を表していていると言われています。【お菓子について】サクサクのパイ生地にアーモンドクリーム、カスタードとシュー生地を合わせたアパレイユを重ねて焼き上げた、フランボワーズジャムの赤色と粉糖の白のデコレーションが特徴の可愛いお菓子です。『ポンヌフ』の生地の中には、フルーツのソースやフルーツが入っており、フランスではお店それぞれの味で仕上げられています。ノワ・ドゥ・ブールでは、生地の中にグリオットチェリーソースとグリオットチェリーを1粒しのばせ、フランボワーズとグロセイユを合わせたジャムで仕上げました。生地のもっちり感、サクサクのパイ生地、グリオットチェリーの酸味がバランスよく味わえます。【商品名称】 ポンヌフ【 サイズ 】 直径約7cm【販売価格】 税込486 円 (本体価格450 円)【販売期間】 9 月19 日(土)~10 月2 日(金)【販売店舗】 ノワ・ドゥ・ブール 新宿伊勢丹店・日本橋三越店・銀座三越店◆第2回2020年10月3日(土)以降の予定●第2回 10月3日(土)~10月16日(金)・ミルリトン / イギリス海峡に臨むフランス北西部ノルマンディー地方●第3回 10月17日(土)~10月30日(金)・ガトー・バスク / フランスとスペインにまたがるバスク地方●第4回 10月31日(土)~11月13日(金)・コンベルサシオン / イル・ド・フランス(パリを中心とした地域圏)■「 ノワ・ドゥ・ブール」とはノワ・ドゥ・ブールとは、株式会社三越伊勢丹のオリジナルブランドとして、2011年3月にオープンした株式会社エーデルワイス(本社所在地:神戸市中央区/代表取締役:比屋根祥行)が展開する焼き菓子を中心とした洋菓子ブランドです。パティシエたちの大切な3つの想い 。つくりたてをお届けする、素材の風味を生かす、心こめてつくることを軸に、それぞれのお菓子の一番「美味しい」瞬間をお召し上がりいただける商品を取りそろえております。(HP)企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年09月14日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優、日本舞踊家の藤間爽子さんです。「自然が大好き。森などに行くと踊りたくなります」と語る藤間さんの素顔に迫りました。女優と日本舞踊家の顔を持ち華やかな舞台で活躍!女優を志したきっかけは、幼い頃の学芸会。「演技を褒められた経験が忘れられなくて。小学校の卒業文集には、日本舞踊もできる女優になりたいと書いていました」。その夢を見事実現。「日本舞踊は個人戦、お芝居は団体戦だと思います。心配性で事前に役を作り込みがちだけど、お芝居では独りよがりにならないように相手を意識しています」。最近は意識の変化も。「日本舞踊の世界は先輩が多くて私は若者だけど、現実主義の友達は、『もう大人なんだから…』って(笑)。持ち物から意識しています!」江戸の話の現代語版コミックスが面白い!ここから影響を受けている日本舞踊の演目もあると知りました。アイスコーヒーにハマりだしました。1年前は飲めなかったのに、今はおいしいと感じるのが不思議~!フレンチブルドッグをずっと飼いたかった!父が雨男なので、晴れが増えるようにと願いを込めて、名前は晴男です。ふじま・さわこ1994年生まれ。幼少より祖母・初世家元藤間紫に師事し、現在は日本舞踊家としての活動と並行して女優としても活躍中。劇団「阿佐ヶ谷スパイダース」に所属。※『anan』2020年8月5日号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣花(by anan編集部)
2020年08月08日ベルギー王室御用達チョコレートブランド「ヴィタメール」は、6 月1日よりベルギー伝統のバターサンド『ミゼラブル』を販売いたします。ミゼラブルはベルギー三大伝統菓子の1 つで、アーモンドスポンジにバタークリームをサンドした、素朴な味わいながら現在もベルギーで愛されているお菓子です。ミゼラブルとは、フランス語で「みすぼらしい」「悲惨な」という意味の言葉ですが、これは、バタークリームに牛乳ではなく水を使うことに由来しています。ヴィタメールのミゼラブルもバタークリームに水を使っていますが、バニラビーンズを入れることで香りを豊かにし、食べやすく仕上げています。また、1 つずつ個包装していますので、ちょっとした手土産やおやつにオススメです。【種類】 バニラ、ラムレーズン、フランボワーズ【本体価格】 各240円*店舗により販売日、販売商品が異なる場合がございます。詳しくは販売員にお問い合わせください。■「 ヴィタメール」とは…1910 年、ベルギーの首都ブリュッセルで創業した、ベルギー王室御用達の老舗チョコレートブランドです。1990 年日本出店。関東・関西の百貨店を中心に22 店舗を展開し、ショコラ、ケーキ、贈答用の焼菓子など、ベルギー伝統の味を販売しています。 (HP)企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年06月05日俳優やダンサー、ミュージシャンに、能楽師や書道家、美術家といったジャンルレスなアーティストと、アイヌ古式舞踊や琉球舞踊といった日本各地の土地に根付いた伝統の芸能をミックス。東京都の文化イベントとして、2015年の東京・駒沢からスタートし、さまざまな土地で開催されてきた「東京キャラバン」。東京スカパラダイスオーケストラ(以下、スカパラ)は、’16年のリオデジャネイロで行われた東京キャラバンに参加している。じつはきっかけを作ったのが谷中敦さん。旧知の松たか子さんを通じ、企画の発案者であり、総監修の立場から演出を手がける野田秀樹さんに自ら出演を志願したとか。「日本には土地土地の文化が根付いていて、それがすごく面白い。東京オリンピックという世界の注目が日本に集まる時に、自分の国のカルチャーを研究して海外に向けてアピールすることが必要なんじゃないかと思っていたんです」さまざまなカルチャーをミックスさせるという東京キャラバンの趣旨は、スカパラにも通じるとも。「“スカ”という音楽ジャンルは基本的にはジャマイカ発祥ですけれど、スカパラはいろいろな土地、いろいろな時代の音楽のエッセンスを取り入れながら“トーキョースカ”という独自の音楽を作ってきました。もともと日本って、海外で生まれた文化を磨き上げて独自に発展させるインプルーブが巧い国。僕はスカパラはその延長線上にあるように感じていて、だからこそ東京キャラバンにもぜひ参加させてください、と」しかし出演は決まったものの、実際に何をやるのかは、リオに着いてからも「ほとんど全体像が見えないままでした」と苦笑い。「公開ワークショップをやりますと説明されて、練習しているところを見せるなんて、面白いしカッコいいなと思ったんです。こんな異国の地でイチから始めていいのかなとは思ったけれど、僕らは基本的にその場その場に合わせていくインプロビゼーションには慣れているし好きなんで、楽しかったですね。最初の日に、野田さんからA4の紙数枚の文章が書かれたものが配られて、それを読んだ時、これはお芝居というより詩なんだなって思ったんです。いろいろなパフォーマンスを退屈せずに観てもらえるよう、心に刺さったり笑えたりするような詩でひとつのエンターテインメントにまとめる。映像詩人という言葉がありますけれど、芝居詩人なんだと感じました。でも、その言葉には受け取った人が考えたり想像したりする余地が残してあって、自分で最後のピースをはめて完成されるようになっている。それって、お客さんの想像力を喚起させて感動を呼ぶ、普段の野田さんのお芝居にもちょっと近い気がしたんですよね」違うものを受け入れるほど、自分たちの存在が明確に。ワークショップには、ブラジルで活動するさまざまなアーティストたちも参加し、即興でコラボレーションがおこなわれた。「現地の音楽家たちと演奏できたのは楽しかったですね。間の感覚とかも違うはずなのに、違和感はまったくなくて、自然とミックスできて。その僕らが演奏しているステージの真ん中で津村禮次郎さんが能を舞う姿を見た時には、日本人として誇らしい気持ちにもなって、ものすごく感動したんです。世代も文化も全然違う人たちが、ブラジルという異国に集まって、そこに現地のアーティストが参加して自然な形で成立させちゃえるのが野田さんのすごいところだし、文化の可能性も感じました」スカパラ自体、これまでに菊地成孔さんや宮本浩次さん、aikoさんなどのほか、関ジャニ∞やさかなクンまで、ジャンルを問わず多くのアーティストたちとコラボレーションを果たしてきている。「僕らの曲に『Paradise Has No Border』というものがあるんですが、そのタイトルを考えたのがメキシコなんです。その時は、アルゼンチンのロス・ファブロソス・カディラクスというスカバンドのライブ出演だったんですが、会場の6万人のお客さんが大合唱しているのを見た時、歌声が届く範囲は全部楽園なんだって思ったんです。アルゼンチンのバンドが、ジャマイカで生まれた音楽をメキシコで演奏して、それを日本人の俺らが見てる…とっても素敵なことじゃないですか。そうやって境界線を作らずにやっていきたいという考えからの“ノーボーダー”です。外のものを受け入れていくのって最初は怖いと思うんです。僕らの演奏に、アイデンティティがなくなっちゃうんじゃないかと心配する人もいましたし。でもじつは、逆に違うものを受け入れれば受け入れていくほど、自分たちの存在意義が明確になってくるんですよ」大切なのは、お互いをリスペクトし合うこと。「コラボレーションって、お互いが持っている手の内を全部見せ合って、共有しないとうまくいかない。そういう意味では、お互いに勉強させてもらう感覚で臨むのが大事なんだと思っています」音楽にとどまらず、伝統芸能やドラァグクイーンなど、カルチャーという線上でノーボーダーに交わる場所が東京キャラバンだ。「ブラジルでも、その後に参加した六本木でも、いろんなアーティストの方とお話をさせていただいてたくさん感銘を受けました。これからも、勉強させてもらう機会が来ることを期待しています」’16年、リオデジャネイロではスカパラと現地のパフォーマーたちがセッション。やなか・あつし1966年生まれ、東京都出身。昨年デビュー30周年を迎えた東京スカパラダイスオーケストラのバリトンサックスを担当するほか作詞も手がける。新曲『倒れないドミノ』が先月配信リリースされた。東京キャラバンは、東京オリンピック・パラリンピック開催により世界からの注目が日本に集まるタイミングで、東京を文化の面から盛り上げるために立ち上げられた。発案者である劇作家・演出家・役者で東京芸術劇場の芸術監督を務める野田秀樹さんが提唱するのは、多種多様なアーティストが東京キャラバンの旗印のもとに集い、ジャンルを超えて交わることで、新たな可能性を見出す場を作ること。’15年の東京・駒沢を皮切りに、これまでにリオデジャネイロや、東北、京都、九州、四国、岡山、富山、北海道など各地を旅しながら、様々なアーティストが集い、全16か所で開催。出演するのは、俳優、ダンサー、ミュージシャンなどのほか、地方に根付いた伝統芸能の担い手やパフォーマーたち。あらゆる表現が入り乱れたパフォーマンスは、各地で観客を熱狂させている。今年5月に予定していた公演は延期となったが、今後の開催が注目されている。※『anan』2020年5月27日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE)取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年05月26日“STAY CONNECTED" vol. 3NARSの、日本の伝統芸能 歌舞伎の洗練された芸術性にインスパイアされたブラシコレクション。どのブラシもコンセプトと機能の両面において、伝統とモダンさを融合させ、何世紀にも渡る伝統的なフォルムに現代的な解釈を加えて生まれました。■『NARS カブキ イタ』6,500円ミニマルかつユニークなシェイプの『カブキ イタ』は、チークの輪郭を際立たせ印象的な立体感をつくります。チーク、ハイライト、コントゥアーにおすすめ。「毛足の短い直線的なブラシが、広がりすぎる事なく頬骨にピタッとフィット。シェープに見せたいときのシェーディングにおすすめです!」ー NARS シニアメーキャップアーティスト 青木 睦■『NARS カブキ クドキ』 4,900円独特な角度の『カブキ クドキ』は、目もとの輪郭を際立たせたり、まつ毛の際に使用してスモーキーアイを作るのに最適。スムースでソフトタッチな柄は持ちやすさも抜群で、思いのままにモダンな目もとへと仕上げます。「アイシャドー用のブラシですが、実はアイブローにもとても便利なんです! 斜めにカットされたブラシで、難しい眉頭のぼかしも簡単にでき、ノーズシャドーを入れたような立体感が出せます。」ー NARS シニアメーキャップアーティスト 茂登 春奈■『NARS カブキ ヤチヨ』 6,500円プロフェッショナルの愛用率も高い多機能ブラシ。チークにはもちろん、ハイライトを入れたり、目もとのカラーをなを馴染ませたり、ぼかしたりとマルチに使用可能なドーム型ブラシです。ユニークなシェイプの柄を、短く持つか長く持つかで力の加減も自由自在にコントロールできます。「毛が柔らかく、ブラシ先端がラウンド型にカットされているので、肌なじみの良い色から鮮やかな発色まで自然に頬に馴染ませることができる万能なブラシで重宝しています。藤で巻かれた柄が、まるで芸術品のように美しく、手に持つたびに気分が上がります。 」ー NARS コミュニケーションマネージャー 福島 まどか企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年05月26日俳優やダンサー、ミュージシャンに、能楽師や書道家、美術家といったジャンルレスなアーティストと、アイヌ古式舞踊や琉球舞踊といった日本各地の土地に根付いた伝統の芸能をミックス。東京都の文化イベントとして、2015年の東京・駒沢からスタートし、さまざまな土地で開催されてきた「東京キャラバン」。この企画の発案者であり、総監修の立場から演出を手がけるのが野田秀樹さん。「もともとは、東京オリンピック・パラリンピックに向けて日本各地から盛り上げていくことを目的として、文化の観点から何か立ち上げられないかという発想から始まっているプロジェクトです。僕は東京都が運営している東京芸術劇場の芸術監督という立場で会議に参加していたんだけれど、じゃあ一体何をやるのかという具体的なアイデアが一向に出てこない。それで僕が、例えとして出したのが“文化サーカス”というもの。日本にあるいろんな文化がクロスする場を用意すればいいんじゃないかと思ったんですよね。もともと文化ってそういうものだからって。そしたら、じゃあ野田さんがやってくださいと言われてしまったという、ね(笑)」文化サーカスとしてイメージしたのは、ロンドンに住んでいた時に年に一度家の前でおこなわれていた移動遊園地。「毎年6月に来るんだけれど、設営の準備で2~3日前から賑わいだす。そろそろだなって思うと、何だかすごくワクワクしたりして。そういう、街角に神出鬼没に現れて、何が始まるんだろうなって周りの興味を惹きながら本番を迎えて、終わったら跡形もなく去っていく。あの感じがいいなと思ったんです」容易に混ざるけれど完全に混ざらないのが面白いなと。とはいえ引き受けた当初は、漠然とイメージはあったものの、新しい“試み”すぎて、すべてが手探り状態で、困惑のほうが大きかった。それでも、「関わるうちに、だんだん自分のなかで前向きに変わっていった」そう。「何より、集まってくれたパフォーマーたちのクオリティの高さですよね。事前にいろんな場所に行って土地に残る伝統芸能をたくさん見せてもらったんですが、当たり前の話なんだけど、長く残ってきている芸能ってとてつもないパワーに満ち溢れていると改めて思い知ったことも大きいです。秋田の竿燈(かんとう)なんかは、あまりの迫力に演出家であることを忘れ、ただのおっさんとして感動したし。そういう、通常交わらないもの同士が交わった時、普段なら絶対に観られないようなパフォーマンスが生まれてくるんです。回を重ねていくうちに、この企画で一番得をしているのは、じつは俺かもしれないと思うようになりました」パフォーマーとして参加した人のなかには、松たか子さんや、谷中敦さんの所属する東京スカパラダイスオーケストラのほか、宮沢りえさん、木村カエラさん、EGO‐WRAPPIN’の中納良恵さんら、一線で活躍するアーティストたちが多く名を連ねる。「’18年の秋田でのキャラバンでは、ニューヨークで活躍しているタップダンサーの熊谷和徳さんと民謡の人たちとがコラボレーションしたんです。最初はやっぱりお互いに慣れないものだから、戸惑いもあって。でも、やっていくうちにお互いに『こんなふうにやってみたらどうか』とアイデアを出し合い歩み寄って、みるみる良くなっていくわけです。キャラバンをスタートさせたばかりの頃は、この“混ぜる”っていうことをおっかなびっくりやっていたんだけれど、回を重ねるうちに、それぞれが持っているリズムを掴んでしまえば容易に混ざるんだっていうことがわかってきた。それでもやっぱり完全には混ざらない部分があって、そこもまた面白いんですよ。終わった後に、パフォーマーのなかに『いままで経験したことがなかったけれど、こういうことをもっとやってみたくなった』って言ってくれる方がたくさんいて、また『全然違うからこそ面白かった』って言われたり、そういう言葉を聞くたびに自分の力になっているし、喜びを感じています」誰もがお祭りや遊園地と同じ感覚で気軽に立ち寄って体験できるのが東京キャラバンの魅力だ。「演劇やダンスのようなカルチャーとか、パフォーマンスに興味のなかった人が、ちょっと覗いて、こういう面白いものがあるんだって気づいてくれるかもしれない。その人が興味を持って、観る側もしくはやる側に回ってくれるかはわからないけどね。普段クラシック音楽を聴かない人が、バイオリンって生で聴くとこんなにいいものなんだって、まずは知ってもらうことが大事だと思っています。日が暮れて夕景のなかで見ると、さして興味のなかったものが素敵に見えたりもするっていう効果もあるだろうし」もうひとつ、野田さんがここで目指していることがある。それは東京と地方との文化をつなげていくということ。「東京芸術劇場の芸術監督に就任した時から、自分のなかで柱にしてきたことがいくつかあるんです。若い演劇人の育成、海外の優れた舞台芸術の招聘…もうひとつあるのが、東京と地方とのラインを作りたいということ。僕は演劇しか知らないけれど、作品も観客もやはり東京に集中しがちです。地方は面白いものもあるけれど、あまり注目されないために、自分たちのやっていることへの誇りを失いかけている人もいる。キャラバンを通じて多くの人に観てもらう機会を増やすことで、少しでも地方の文化に活力がみなぎればと思っています」’17年、京都・亀岡で2日間にわたっておこなわれたワークショップ。撮影:井上嘉和のだ・ひでき1955年生まれ、長崎県出身。劇団夢の遊眠社を結成。’80年代に日本の小劇場ブームを巻き起こす。NODA・MAPを率い、国内外で演劇を創作する。さらに東京芸術劇場の芸術監督も務め、精力的に演劇界を牽引している。東京キャラバンは、東京オリンピック・パラリンピック開催により世界からの注目が日本に集まるタイミングで、東京を文化の面から盛り上げるために立ち上げられた。発案者である劇作家・演出家・役者で東京芸術劇場の芸術監督を務める野田秀樹さんが提唱するのは、多種多様なアーティストが東京キャラバンの旗印のもとに集い、ジャンルを超えて交わることで、新たな可能性を見出す場を作ること。’15年の東京・駒沢を皮切りに、これまでにリオデジャネイロや、東北、京都、九州、四国、岡山、富山、北海道など各地を旅しながら、様々なアーティストが集い、全16か所で開催。出演するのは、俳優、ダンサー、ミュージシャンなどのほか、地方に根付いた伝統芸能の担い手やパフォーマーたち。あらゆる表現が入り乱れたパフォーマンスは、各地で観客を熱狂させている。今年5月に予定していた公演は延期となったが、今後の開催が注目されている。※『anan』2020年5月27日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE)ヘア&メイク・赤松絵利(esper.)取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年05月21日ニューバランス(New Balance)は“ニッポンの伝統色”を使用したスニーカー「EDO-IRO 2020」を発売する。“ニッポンの伝統色”使用“和”スニーカーニューバランスの新作は、ブランドの定番メンズシューズ「CM996」とウィメンズスニーカー「WL996」を“和顔”にアレンジ。使用したのは、ニッポンの伝統色にインスパイアされた、落ち着きのあるカラーだ。メンズスニーカー「CM996」メンズスニーカーの「CM996」は、“江戸の鼠色”の代表といわれる素鼠(すねずみ)と、漆器などに用いられる青漆(せいしつ)の2色で展開。特に、素鼠のカラーは、赤や青などの色味を帯びていない素のグレーで落ち着きのある佇まいだ。アッパーは、メッシュとピッグスエードを掛け合わせ、ヒールにはヌメ皮風レザーを起用して高級感を演出。インソールには、筆文字で「にゅーばらんす 九九六」と記し、和のエッセンスをプラスした。ウィメンズスニーカー「WL996」ウィメンズスニーカーの「WL996」は、江戸のグレーの中から2色の灰色系アースカラーをチョイス。明るいグレーの白鼠(しろねずみ)と、江戸で好まれた茶色がかったグレーの江戸鼠(えどねず)をメインカラーとして選んだ。インソールには、吉祥文様の一つである「青海波」を採用して和のムードを演出。また、同デザインで檳榔子黒(びんろうじぐろ)も展開。こちらは、青みを帯びたブラックで、パンツスタイルもスカートスタイルにもマッチする上品な仕上がりだ。なお、これらのモデルは雑誌『Begin』『LaLa Begin』とのコラボレーションモデルとなっている。【詳細】ニューバランス「EDO-IRO 2020」発売日:2020年3月12日(木)・CM996 15,180円(税込)カラー:グレー、グリーンサイズ:D/ 25.0~29.0cm・WL996 10,230円(税込)カラー:ブラック、オフホワイト、ライトブラウンサイズ:D/ 22.5~25.5cm取り扱い店舗:ABC-MART、ビギンマーケット、ララビギン ドライグッズストア【問い合わせ先】株式会社ニューバランスジャパンお客様相談室TEL:0120-85-0997
2020年03月16日名古屋・御園座では、1月2日(木)から4日(土)まで、『坂東玉三郎 御園座新春特別舞踊公演』が催される。新春を寿ぐ華やかな舞台だ。幕開けには『お年賀口上』が付き、玉三郎が挨拶をする。舞踊の演目は地唄の『雪』『鐘ヶ岬』で、間に『三曲糸の調べ 阿古屋琴責』が入る。『雪』は、今は仏門に入った芸妓が、かつて雪の夜にひとり寂しく恋人を待ちわびたことを思い起こす姿を描く。『鐘ヶ岬』は道成寺もののひとつで、釣鐘ごと安珍を焼き殺した清姫「安珍清姫伝説」の後日談。女の執念や艶やかさを詩情豊かに浮かび上がらせる。『阿古屋琴責』は、源平合戦で平家が滅んでも、なお源頼朝の命を狙う平家方の男・景清の居場所を白状させようと、景清の子を身ごもっている遊君阿古屋を詮議する場面。源氏方の重忠が、阿古屋に琴・三味線・胡弓の三絃を弾かせ、もし「景清の居場所を知らぬ」と言うその心に偽りがあれば音が曇るはずだと耳をそばだてる。阿古屋を演じる女方にとって、舞台の上で実際に琴・三味線・胡弓をひとりで演奏する難役だが、玉三郎は1997年から阿古屋を演じ素晴らしい演奏を続けてきた。とりわけ胡弓の音色には、重忠ならずともうっとりと聞き惚れてしまう。豪華な衣裳にも注目したい。文:仲野マリ
2020年01月01日年末もにぎわう浅草寺の界隈で「浅草伝統文化まつり」が開催される。落語や芸妓による舞、羽つき大会など伝統文化の一端に気軽にふれることのできるイベントが多数予定されている。毎年、この時期の浅草は“羽子板市”の名でも親しまれている「歳の市」が浅草寺境内で開催される。今年は12月17日(火)から19日(木)の日程で、色鮮やかで美しい羽子板が並び、訪れた人は今年を振り返り、来年も良い年になるように願う。そして、この「歳の市」にあわせて開催されるのが「浅草伝統文化まつり」だ。北海道鹿追町より伝説の白蛇が舞い来たる「白蛇姫舞」をはじめ、金原亭馬生師匠による落語、浅草芸妓連によるおもてなし舞、太神楽、羽根つき大会が開催されるほか、縁起根付けの配布(※無くなり次第終了)も予定されている。浅草伝統文化まつり12月17日(火)、18日(水)開催日時は催しにより異なる浅草寺界隈イベント事務局03-5811-1929
2019年12月17日“グロテスクさと美しさの融合”と評される独特の舞踊言語でコンテンポラリー・ダンス界を牽引するフィンランドの振付家テロ・サーリネンと、伝統的な韓国舞踊を紹介するとともに現代的要素を加えた作品にも取り組んでいる韓国国立舞踊団。そんな二者が2014年に組んでソウルで初演し、以降世界各地で上演され続けている話題作『VORTEX(渦動)』を、KAAT 神奈川芸術劇場が初めて日本に招聘する。昨年度よりKAATが展開している、“アジアの身体”にフィーチャーしたダンスシリーズの一環だ。サーリネンは舞踊団からの呼びかけを受け、北欧と韓国の文化・伝統が出会い、組み合わされ、時には激しく衝突するようなイメージを持って振付を施したという。タイトルが意味するのはそんな両者の“渦”であり、またソロからデュエット、群舞へと多彩に変化していく踊りの“渦”でもある。その“渦”が観る者をも巻き込むスリリングな舞台と評判の『VORTEX』は、本日10月25日から27日(日)までKAAT 神奈川芸術劇場 ホールでの上演(25日は貸切公演)。チャン・ヨンギュ率いる音楽バンド「Be-Being」によるライブ演奏にも注目だ。文:町田麻子
2019年10月25日2018年12月、国立劇場にて、舞踊家 有馬和歌子(坂東寛十胤)が代表をつとめる「子供舞踊塾」の企画公演『アーヤ物語』が開催された。同公演は満席の観客を迎え、業界内外から大きな反響を得て注目を集めた。「子供舞踊塾」は、3歳~12歳までの子どもたちを中心にした舞踊教室で、"子供たちへ、日本の美と技術を"をコンセプトに、日本の伝統文化を子どもたちへ伝え、一生を通じて美しさを見る目を養う教育的アプローチを目的として運営されている。プログラムには日本舞踊業界に留まらず、企業や個人作家・アーティスト(過去実績:老舗和菓子店「榮太樓總本鋪」、友禅作家 鈴木三千絵、「パレスホテル東京」の協力)などの異業種、異業界とのコラボレーションを展開するなど、斬新な取り組みも展開している。今秋、10月22日(火・祝)に待望の第二回目の企画公演が決定し、日本橋公会堂にて昼夜2回公演を開催する予定だ。有馬和歌子(坂東寛十胤)の父で日本舞踊家の坂東寛二郎による「七福神」に始まり、子供舞踊塾生らが口上(こうじょう)に挑戦する他、古典舞踊をメドレー形式で披露し、有馬和歌子(坂東寛十胤)の「新鹿の子」などの演目を構成する。現在、3歳~12歳までの子どもを対象に、定員30名の出演者を募集中だ。日本舞踊というと敷居が高いイメージがあるが、事前知識も経験も問わない。同塾の子どもたちの大半が日本舞踊に初挑戦だ。約半年間の稽古の成果を本格的な舞台で観客に披露する経験は、同塾ならではのプログラムの醍醐味だ。また、本公演には日本舞踊業界以外の企業からも注目されており、子供舞踊塾との取り組みに共感する他業界からの協賛企業も続出。今後の同塾とのコラボレーションの展開にも期待が寄せられている。(text:Miwa Ogata)
2019年04月22日アイドルグループ・KAT-TUNの上田竜也が6日、舞台『ポリティカル・マザーザ・コリオグラファーズ・カット』のフォトコールに登場し、中村達也、TOKIE、舞踊家ホフェッシュ・シェクターとともに取材に応じた。同作は、現在舞台界で最も注目を浴びる舞踊家ホフェッシュ・シェクターが振付・音楽を担当して世界各国で絶賛されている。41名のアーティストが出演し、轟音と静寂、光と影が交錯し、圧倒的エネルギーとフルスピードの疾走感に溢れた75分の公演を行う。シェクターは同作について「とにかくたくさんのエネルギーに溢れてます。政治的に抑圧されたような背景もあるんですけど、そういった人たちはおそらくヘヴィ・メタルだったり音楽、あるいは支配者を見つけて従う、あるいは政治に完全につぶされてしまうということがあると思うんですが、基本的にはこの作品のエネルギーを感じていただけたらと思います」と語る。3人のアーティストについても「すぐに大好きになった」と明かし、「上田さんはすごくカリスマ性がありますし、トータルとしてのすばらしいパフォーマーだと思います。とてもパワフルなエネルギッシュなパフォーマンスを見せてもらっています」と称賛。「中村さんは、とてもグループのあるサウンドで、これだけの方がこの作品のためにものすごく時間を費やして貢献してくれました。TOKIEさんも素晴らしい音ですし、素晴らしいグルーブのある方です」と印象を表した。主人公を演じる上田は、初演を前に「とにかくわくわくしてます。いかにお客さんが入ってステージ上で暴れられるかが楽しみで、早く(公演時間の)9時にならないかなと思ってます」と意欲十分。一方中村は「緊張しちゃって」と苦笑する。TOKIEが「ここ一週間ちょっとリハーサルも自分なりにがんばって、あとは楽しむだけなので、私も上田くんと同じく、早く9時にならないかなと思ってます」と意気込むと、中村は「(楽しみにできて)いいなあ~」と羨ましがっていた。「自分が演説するシーンがある」という上田だが、演出としては「好きにやっていいという要望だった」と振り返る。「強いていうなら、いかに政治家らしく胸をはって、脚を揃えて、姿勢正しくやるというのは、教えていただきました」と語り、「本能のままに感じていただき、おとなしく見るというわけじゃなく、音で体で感じて、正直に表現を出してくれれば僕たちも嬉しいですし、この舞台の楽しめるとこかなと思う」と見どころをアピールした。公演はBunkamura オーチャードホールにて4月6日~11日。
2019年04月06日最年少棋士の藤井プロや、小学生の天才囲碁少女により将棋・囲碁ブームとなっています。大人だけではなく子どもが通える教室も人気が高まっていたり授業に取り入れられたりと、将棋や囲碁の学ぶ力が注目されていることが伺えます。将棋も囲碁も両方とも長い歴史のあるものですが、簡単なルールは知っていてもどんな点でメリットがあるかということまでは意外と知らないかもしれません。今まで興味のなかった方もどんな面でプラス効果があるのかを知ることで興味がわくかもしれません。大人も子ども楽しめる将棋・囲碁について調べました。将棋も囲碁も長い歴史のある伝統文化将棋の起源は古代インドと考えられており、日本に伝わったのは中国を経由して6世紀頃と言われています。が、諸説ありはっきりとしたことは分かっていません。しかし最古の駒として平安時代のものが発掘されており、日本でも長い歴史があることは確かなようです。盤上は9×9マスで8種類の駒を操り、王将を取られたら負けとなります。日本の将棋人口は1,200万人以上と言われています。一方囲碁は、約4千年前に中国が発祥と言われています。日本には奈良時代に伝わったと言われていますが、平安時代になると貴族の遊びとして親しまれました。一般的な基盤は、縦横に19本ずつ線が引かれた「19路盤」と呼ばれるものです。黒と白の二色の石を、盤上の縦線と横線が交差した場所に交互に置いていきます。場所を取ったり相手の石を取ったりして、最終的に相手より多くの陣地を作った方が勝ちとなります。将棋・囲碁に共通するメリットとは将棋や囲碁を学ぶことで得られる力・メリットとはどんなものでしょうか。(1) 先読み力例えば将棋において「何手先を読めるか?」ということが言われます。プロ棋士などは、文字通り数百・千も先の手を読みながら対局しています。しかしそれだけではなく、先を読む力の神髄は「有力なアイデアを読む力」「それに対する相手の差し手を推測する力」なのです。先を読むことで、アイデア力・推測力が向上します。(2) 負けて成長できる勝負事なので、負ける対局に当たることも出てきます。その時なぜ負けてしまったのか、次はどうすれば負けないのかを振り返り勉強することで成長できます。負けを知ることは、負けた側の気持ちも理解できるようになるので、相手を思いやる優しい心を育てます。(3) 集中力静かに真剣に対局に取り組むことは集中力を養うのに効果的です。さらに対局中の戦略を練ることや、教室での講義を聞く時間などの繰り返しは集中力を向上させます。(4) コミュニケーション力将棋や囲碁は世界中で競技されていることから、国際的なコミュニケーションの手助けとなります。言葉が通じなくてもコミュニケーションが取れる点は、スポーツとも似ています。年代も幅広い為、普段話す機会のない年配の人などと話すことが人間的成長につながります。また、対局中に相手の意図を読む必要があるため、人の気持ちを考えられるようになることが期待されます。(5) 礼儀将棋や囲碁の教室の多くが、挨拶や敬語を大切にしており礼儀作法を重視しています。礼に始まり礼で終わる習慣により、礼儀が身につくことが期待できます。将棋か囲碁か似ているように感じる将棋と囲碁ですが、伸ばせる力は若干異なります。(1) 将棋は負けず嫌いな子に向いている?まず将棋は王を取り合うゲームです。様々な戦法があるため、どの戦法で戦うかという駆け引きを楽しみながら論理的思考を司る脳の部位や働きを活性化させます。王を取られたら終わりなので、負けず嫌いな子に向いています。駒には種類がありそれぞれが特徴的な動きをするので、動き方で試合を大きく変えることができるのが魅力です。1手が大きく状況を変えることもあるため、いきなり逆転できるという可能性があります。途中であきらめなければ逆転勝利をつかむことが出来る可能性のあるゲームであり、諦めない心を育むことが出来ます。(2) 囲碁は美的感覚が鋭い人に向いている?一方、囲碁は盤面全体を使った陣取りゲームです。広い盤面で自由に打ち合うので新たな発想を見出す創造力が刺激されます。対局中は常に盤面全体を見渡すことで空間認知能力が養われ、最終的な盤面がどうなるかを想像することで判断力が身につきます。何もない盤面に石を置いていく囲碁は、美的感覚が鋭い人に向いておりそういった力を伸ばす面もあります。「将棋にはまったけど囲碁ははまらなかった」またはその逆、という人も多くいます。より子どもの能力を伸ばせる方を選ぶと良いでしょう。しかし前述したように、両方に共通するメリットもたくさんあります。教室などに通う前に、まずは自宅で遊びとして両方覚えることがオススメです。その上で子どもが興味を持ったら、教室に通うなどを検討してもいいでしょう。筆者の小1の息子は、友人が将棋を指すことから少し興味を持ち、将棋が出来るゲームボードを欲しがりました。学童でも定期的に近所の高齢者を迎えた将棋塾が開催され、まだ参加したことはありませんが将棋と触れ合う機会があります。私自身将棋のルールは分かりますが囲碁は関わったことがありません。しかし購入したゲームボードは囲碁など数多くのゲームが遊べるタイプのものなので、これを機会に親子で囲碁にも触れてみたいと感じています。ブームになっているから、ということではありませんが、こういう時期だからこそ触れ合う機会も増えるかもしれません。今までやったことのないという方も、是非親子で楽しんで取り組んでみてはいかがでしょうか?
2019年03月08日0歳から活躍モダンに、でもきちんと伝統行事を伝えたい小黒三郎作のおひな様年を重ねたからなのか、子を授かったからなのか。昔より、日本の伝統行事や文化への想いが強くなった気がします。伝統行事のひとつといえば、おひな様!女の子ママにとっては、一大イベントですよね。でも、時代とともに住居環境も変わり、昔ながらのおひな様を飾るのは難しいといった現実問題も。そこで、組み木デザイナー小黒三郎作のモダンなおひな様をご紹介。納品まで1年待ちともいわれる人気の品ですが、待つ価値ありです!お雛様だけでなく五月人形もあるので、男の子ママもチェックしてみてください。《 紹介者 》主婦なつこさん4歳の女の子と9カ月の男の子のママ。趣味の洋裁で作った子どもたちの服や幼稚園グッズ、子どもたちとの日々の瞬間を切り取ったインスタ(@_____sn.ii)をアップ。洋裁歴2年とは思えないセンスのいい素敵な作品たちを見ることができます。そのモダンさにひとめ惚れ!長女がまだお腹にいるときから、「ひな人形どうしよう?」と、祖父母も交えて家族みんなで盛り上がっていました。時間があれば、ネット検索をしたり。ただ、昔ながらのひな人形に少し抵抗が……。私自身が小さい頃、和室に飾られたひな人形を見て怖いなと感じた記憶が残っていて。親として、日本の古き良き伝統行事を娘に伝えたいという思いはあるけれど、ピンとくるものに出会えずにいました。そんなとき、たまたまインスタで目にしたのが組み木デザイナーの小黒三郎さんのひな人形でした。かわいい見た目に娘も愛着たっぷり▼公式サイト 遊プラン私の思いが見事にハマったのか、かわいい見た目のおひな様を娘はとても気に入ってくれました。4歳になった今年は、ひとりで飾り付けも楽しんでいました。積み木感覚で飾って、パズル感覚でお片づけをして。その一連の過程を親子で楽しめるのがとても魅力的です。そのおかげか、娘のひな人形への愛着もひとしおで!片づける際は、いつも名残惜しそうにしています。最初、親世代には少しビックリされましたが、今となっては毎年おひな様を待ち遠しそうにしている娘の姿に、このひな人形を選んで良かったねと話しています。マンション住まいの人におすすめデザインに加えコンパクトな点も、このひな人形を選んだ理由のひとつです。マンション住まいで大きなひな壇を飾るスペースがないので、このコンパクトさは本当にいいですね。しかも、ナチュラルなインテリアにも、自然と馴染む柔らかな色合いで。昔ながらのひな人形も色鮮やかでキレイですが、我が家のスタイルにはこの小黒三郎さんのひな人形がぴったりです。娘のときも注文から半年ほど待ったのですが、いまはさらに人気のようです。息子のために、同じシリーズの五月人形を注文した際は、納品まで1年以上かかりました。でも、そこまで待ってでも欲しいと思わせる魅力が、小黒三郎さんの作品にはあると思います。Text:Kyoko Isobe
2019年03月03日ディオール メゾン(Dior MAISON)より、2019年クルーズコレクションでマリア・グラツィア・キウリによって再解釈された“トワル ドゥ ジュイ”にフィーチャーしたカプセルコレクションが発表された。ノートブック 大(125x180mm 7,000円)、小(100x125mm 5,600円)トワル ドゥ ジュイとは、フランスを代表する伝統的なテキスタイル。1946年、クリスチャン・ディオールは室内装飾家のヴィクトール・グランピエールにモンテーニュ通り30番地のディオール第一号店の内装を依頼。ディオールの親友でもある画家のクリスチャン・べラールのアドバイスを得て、“小間物屋”を意味する「コリフィシェ(Colifichets)」と名付けられたこのブティックの壁を18世紀のモチーフであるトワル ドゥ ジュイで飾った。これを始まりとして、現在に至るまで数々のアーティスティック ディレクターがトワル ドゥ ジュイを再解釈し、独自のモダンな視点を吹き込んでいる。プレート 直径21cm(1万2,500円)マリア・グラツィア・キウリによる今回のコレクションでは、タイムレスで伝統的なテキスタイルに野生動物のライオンやサル、ヘビといったモチーフがプレートやテーブルクロス、ノートブック等に描かれ、ブルーやレッドの“トワル ドゥ ジュイ”が家の中を明るく彩る。取り扱い店舗は、銀座のハウス オブ ディオール ギンザとなっている。
2019年01月09日シューズブランドJalan Sriwijaya(ジャラン スリウァヤ)は、もともと創業者のテデ・チャンドラによって1919年にインドネシアで誕生した靴工場。当時オランダの植民地だったインドネシアで、外国人向けのミリタリーブーツを作り始めました。その後、経営者の息子であるルディ・スパーマンがイギリスのノーザンプトンで修行を積み、紳士靴生産が可能に。ノーザンプトンといえば、最盛期では200以上の靴工場があった革靴の聖地。そこで彼は伝統的な手作業によるハンドソーンウェルテッド製法を習得し、さらに皮革生産で世界一のフランスで皮革の生産を学びました。 ほとんどがハンドメイド。職人の技が込められた製法高級ビスポークシューズに用いられるハンドソーンウェルテッド製法は、アウトソールの縫い付け以外は全て職人によるハンドメイドで作られ、履いていくうちに自分の足の形に沈みが生まれるつくりになっています。莫大な時間と労力がかかり大量生産が困難な製法のため、ハンドソーンウェルテッド製法の靴はとても希少。工場や職人も減少の一途を辿っている現状ですが、軽い履き心地と自分の足にぴったりとフィットした革靴は、世界中で愛されています。また、リペアサービスも行なっており、壊れたり傷んだ革靴をプロの職人が丁寧に手作業で修理をしてくれます。 定番革靴はやっぱりブラック5625 BLACK ¥32,000(税別)生後6ヶ月以内の子牛の皮をなめした少量しか採れない貴重で高価なカーフレザーを使用したブラックの革靴。 繊細で柔らかいカーフレザーは、肌めが細やかで触り心地もしっとりとしています。女性らしいカーブが美しく、ブローギングの入ったデザイン。ブラックなのでどんな服とも相性が良いですが、あえてデニムやワイドパンツに合わせて抜け感のあるスタイルがおすすめです。 大人のためのエレガントなローファー98689 AMBRA ¥34,000(税別)シューズの甲部分に施されたゴールドのビットが高級感を与える一足。琥珀色のカラーが、カーフの柔らかさをさらに際立たせます。ローファーは革靴の中ではカジュアルで靴紐もなく履きやすいため、オフィスカジュアルとしてちょうどいいデイリーに愛用できるシューズです。 遊び心あるタッセルローファー98826 BORDO ¥32,000(税別)1940年代後半、当時のハリウッド俳優ポール・ルーカスがイギリスで購入した房飾り付きの革靴をシンプルにしてほしいとオーダーして生まれたというタッセルローファー。深みのあるボルドーのレザーは、長く履いていくうちに味が出てきます。ただし、カーフレザーはとても繊細なので、お手入れは十分ご注意を。インソールとのカラーコントラストも楽しめる一足です。水と汚れに強い革靴なら98611 BLACK PATENT ¥32,000(税別)皮の表面をエナメル加工したパテントレザーを使用した革靴。アメリカの発明家が水に強い革を作ろうと開発して特許を取ろうとしたことから「patent(特許)」という名前がつきました。表面がコーティングされているため、耐久性があり光沢感があります。加工がない革ほど履いていくことで革が柔らかくなったりしませんが、お手入れが簡単なレザーです。 女性のための革靴98677 BLACK ¥34,000(税別)1830年代半ばにヴィクトリア女王のために作られたブーツが起源のサイドゴアブーツは、紳士向けの革靴の中では珍しい女性のためのレザーシューズ。履きやすさとフィット感が女王だけでなく夫君・アルバート公までも虜にしたこのブーツは、現代女性も魅了するに違いありません。他の革靴よりもヒールが高めなので、さらに女性らしさを感じさせます。 職人の手仕事と伝統を履く手頃な大量生産の革靴はたくさんありますが、生き物の皮を使った靴ならば人の手のあたたかさを感じたくなります。イギリスやフランスにも負けない品質と職人技が光るインドネシア発Jalan Sriwijayaの革靴は、足元に品のある佇まいと存在感を与えてくれます。海外のビスポークシューズよりもずっとお手頃な価格なので、数足揃えてシューズボックスを彩ってみてはいかがでしょうか。 Jalan Sriwijayawww.jalansriwijaya.com text:和田典子
2018年12月13日伝統を感じる京町家をスタイリッシュに改装京都・下京区にある「ロビンソン鳥丸」お店の外観は、伝統的な京町家。そのドアをくぐると、和の雰囲気を残しつつ、シャンデリアなどの洋風エッセンスが加えられた、斬新でおしゃれな空間が広がっています。ダークトーンのインテリアからはノスタルジックな雰囲気も感じられ、どこかホッとする雰囲気も感じるお店です。この独特の空間で、ランチからディナーまでを楽しめます。京町屋で本格イタリアンを楽しもう!築120年という長い歴史を持った京町家を改装し、誕生したお店。オリジナリティあふれるおしゃれな空間でいただけるのは、本格イタリアン。自慢のパンやパスタなど、存分にイタリアンが楽しめます。ランチメニューやコースメニューなど、シーンに合わせた多彩なメニューもこの店の大きな特徴。広々した空間なので、パーティーなどでも利用できます。イチ押しメニューは「鮮魚と彩り野菜のカルパッチョ」カラフルに盛りつけられた「鮮魚と彩り野菜のカルパッチョ」は、その日に獲れた魚の中で、一番いいものを厳選して仕入れているため、日によって内容が違うこだわりの一皿。シンプルな料理だからこそ、素材選びにもこだわっています。新鮮な食感と味わいを堪能できるイチ押しメニューで、訪れるたびに注文しても飽きのこない逸品。彩りも豊かなので、女子会にもおすすめです。こだわりの人気メニューは「本日のおすすめパスタ」こちらもカルパッチョ同様、日ごとに内容が変わる「本日のおすすめパスタ」。パン職人が焼き上げたこだわりの焼き立てパンとマッチングするように作られています。パスタの豊潤な香りを楽しみながら、焼き立てパンとのコラボレーションも楽しめる一品です。2種のパスタから好きな方をチョイスできるプランもあるので、気分に合わせて選んでみてください。大人女子必見! 和と洋を感じる「ロビンソン鳥丸」和の雰囲気と洋風の雰囲気を併せ持ったオリジナルの雰囲気は、特に大人の女子の心をくすぐります。そんなおしゃれな空間でいただけるのは、こだわりの素材で作ったイタリアン料理。メニューの種類も豊富で、女子会におすすめのコースや、お得に楽しめるランチなどがあります。おしゃれな空間とおいしい料理が楽しめる、贅沢なお店です。OsakaMetro烏丸線「四条駅」を下車後、6番出口から徒歩2分ほどの場所にあります。広々したおしゃれ空間でイタリアンを堪能したくなったら、ぜひ「ロビンソン鳥丸」を訪れてみてください。スポット情報スポット名:ロビンソン 烏丸住所:京都府京都市下京区仏光寺通烏丸西入ル釘隠町238-240電話番号:075-353-9707
2018年05月31日気配りのできる人は、ふとしたタイミングさえ大切にするもの。例えば、手紙を渡すときや感謝の気持ちを伝えるとき。まずは粋な伝統小物や文房具を持つことから始めてみては?大人の女性として、ひとつ持っておきたい。薄い和紙の上で、カラフルな蝶々がひらひら。よく見ると「てふてふ」の文字も舞っていて、遊び心も満載。お菓子を載せたり包むのはもちろん、ちょっとした手紙にも。ポーチに入れておくと重宝するはず。懐柄紙 30枚入り¥400(渋谷ロフト)遠く離れたあの人に、香りもお届け。手紙の中に忍ばせるだけで、ほのかな梅の香りがふわっと広がる。和柄だけれどポップなデザインは、ずっと取っておきたくなる!小物入れや引き出しに入れて、ポプリ代わりにも。文香 各¥800(スパイラルマーケット TEL:03・3498・5792)外国の方へのプレゼントにもぴったり!お金やちょっとした小物を渡すときに便利なぽち袋。ユニークな英文プリントがインパクト大!裏面にはぽち袋やのしの簡単な説明書きがあり、日本文化のちょっとした勉強にもなりそう。3枚セット¥530(スパイラルマーケット)日本古来の縁起物が、キュートなチャームに!鮮やかな色みの水引チャームタグ。縁起の良いものを意味する「富士」、富や財運を象徴する「宝袋」など、用途に合わせて選びたい。贈り物に添えるもよし、タグだけをプチギフトにするもよし。ふくこより 各¥280(銀座・伊東屋 TEL:03・3561・8311)※『anan』2018年4月18日号より。写真・多田 寛(DOUBLE ONE)スタイリスト・仲子菜穂(by anan編集部)
2018年04月16日石川県・金沢市にある金沢21世紀美術館では、インドネシアの現代アーティストであるアイ・チョー・クリスティン(Ay Tjoe Christine)の日本の美術館での初個展となる「アイ・チョー・クリスティン 霊性と寓意」を4月28日から8月19日まで開催。《Too Many Fishes》2013 Oil on canvas 170×200cm©Ay Tjoe Christine, courtesy of Ota Fine Artsアイ・チョー・クリスティンはインドネシアの西ジャワ州バンドン出身の、インドネシアで活躍する現代アーティスト。彼女はドライポイントなどの凹版印刷の技術を習得した後、テキスタイルデザイナーとしてキャリアを積み、2000年頃からアーティストとしての活動を本格的にスタートさせた。2001年に、フィリップ・モリス・インドネシアン・アートアワードで入賞したのを皮切りに、2009年には香港アートフェアにおいてSCMP アート・フューチャー・プライズを受賞、また2015年にはプルデンシャル・アイ・アワード(絵画部門)を受賞するなど、着実にアーティストとしての地歩を築いている。キリスト教の説話や精神的主題に基づいて表現を行うアイ・チョーの作品は、人間の不完全性や二面性についての深い洞察に裏付けられている。とりわけ絵画における飛び散るような色彩の断片は自身の揺れ動く感情の在りようを示す一方、カンヴァスの余白との魅力的な調和をみせる抽象化されたイメージには、万物と人間との関係性を探求するアイ・チョーの真摯な姿勢が現れている。本展は、活動初期のドライポイントやドローイング、具象から抽象の間で表現の可能性を探求してきた油彩画群、ソフトスカルプチャーや大規模なインスタレーション、さらに本展のために制作された新作の大型絵画など、約50点の作品を通して、およそ20年にわたる多角的な創作活動の成果を紹介する。《Lama Sabakhtani #01》2010 430x250x400cm ミクストメディア・インスタレーション©Ay Tjoe Christine, courtesy of Ota Fine Arts多民族、多言語、多宗教の東南アジア地域では、じつにダイナミックで多様な文化が育まれてきた。本展では、アジアのまなざしが映し出す多様性を通して、自由の希求、アイデンティティ、成長とその影、コミュニティ、信仰と伝統、歴史の再訪など、東南アジアにおける現代アートの特徴とその発展の一端を垣間見ることができる。また、「世俗の時代」あるいは「理性の時代」と呼ばれる現代において、今に生きるアーティストの多くは自己の理性や感性に基づく作品を次々に生み出している。その一方で、アイ・チョーはキリスト教の聖書、すなわち「外」の世界に着想を求める。宗教に起因するものばかりではないが、宗教という「人」を見つめるまなざしを内包するアイ・チョーの作品は、人間存在の本質や生きるうえで重要な価値や意味を見いだすきっかけを今の時代に与えてくれるのかもしれない。近年、ますます多様化するアートの表現方法。その中において、時に彫刻やインスタレーションに挑戦しながらも、純粋に絵画表現を追い求めるアイ・チョーの姿勢は、現代美術館として常に考えていかなければならない、「芸術とはなんであるか」という問いを我々に投げかけているかのようでもある。《I need your hand #2》2009 135x170cm アクリル・カンヴァス©Ay Tjoe Christine, courtesy of Ota Fine Artsアジアとヨーロッパの歴史や文化、宗教のはざまで独自の創作活動を展開するアイ・チョー・クリスティン。彼女の20年におよぶ活動を回顧する展覧会を、東アジアをはじめとするアジア圏の多様な文化を受容し、またその独自の文化を世界に発信してきた国際都市・金沢において開催することは、世界各国の都市に対する理解や協働を絶えず模索するこの街で、多様な文化や宗教について理解を深めるきっかけとなるだろう。初日となる4月28日には、同館レクチャーホールにてアーティスト・トーク「 アイ・チョー・クリスティン 霊性と寓意」を開催。アイ・チョーは、自身の作品について語る際に、しばしば「霊性」や「寓意」(あるいは寓話)といった形而上的な言葉を用いる。それらは、彼女自身の宗教観あるいは人間観に基づいて端的に発せられた言葉だと思われるが、気ままで無秩序にも見える彼女の作品の第一印象とは大きなギャップを感じさせる。アーティスト・トークでは、人生の普遍的な問題に常に向き合ってきたアイ・チョー芸術の特質を、本展出品作品を通して作家自身が解き明かす。なお、定員は80名、参加無料。4月6日より、ウェブサイトで先着順にて申込み受付を開始する。【展覧会情報】アイ・チョー・クリスティン 霊性と寓意会期:4月28日~8月19日会場:金沢21世紀美術館 展示室7~12、14住所:石川県金沢市広坂1-2-1時間:10:00~18:00(金曜・土曜は20:00まで、チケットの販売は閉場30分前まで)料金:一般1,000円 大学生800円 小中高生400円 65歳以上800円休館日:毎週月曜日(ただし4月30日、7月16日、8月13日は開場)、7月17日アーティスト・トーク「 アイ・チョー・クリスティン 霊性と寓意」日程:4月28日会場:金沢21世紀美術館 レクチャーホール時間:14:00〜15:30料金:無料定員:80名申込方法:ウェブサイトにて4月6日 10:00から申込み受付開始(先着順)※逐次通訳付き
2018年04月06日KAAT神奈川芸術劇場の若手舞踊公演「SUGATA」の最終公演が行われる。『二人三番叟』『雙生隅田川』チケット情報中村鷹之資、中村玉太郎ら若手歌舞伎俳優の研鑽の場として、衣裳も化粧もなしの“素踊り”での新作舞踊劇を上演してきたこの企画も、今回が最終回。『二人三番叟』と、勘十郎作・演出・振付『雙生隅田川(ふたごすみだがわ)』を上演する。公演を前に、記者懇親会が開かれ、勘十郎、鷹之資、玉太郎、種之助が出席した。勘十郎は、「今回は“卒業公演”として、新たな課題に取り組んでもらいます。舞踊で『二人三番叟』が踊れるのは一人前の証拠。今後の課題をみつけるためにもしっかりと踊ってもらいます。『雙生隅田川』は三代目市川猿之助さん、今の猿翁さんが復活上演なさった演目で、今回は舞踊劇として上演します。どこの劇場でみたものよりも面白かった、と言われるような舞台を目指したい」と語る。鷹之資は「この3年間、色々な踊りや立ち回り、押し戻し等を経験させていただき、『新説西遊記』シリーズの猪八戒ではお客様に笑っていただく難しさも学びました。資料や先輩方の舞台を拝見して勉強するのとは違い、実際に舞台に出て演じてみないとわからないことは多いので、貴重な経験となりました。三番叟は大変難しい曲ですし、『雙生隅田川』では、今回は初めて早替りにも挑戦させていただきます。瞬時に主従の役柄を演じ分けるという大きな課題に全力で向き合いたいと思います」玉太郎は「『新説西遊記』シリーズでは沙悟浄としてお客様の笑いも誘うという、普段経験できないことをさせていただきました。そして今回は三番叟という大役と、吉田少将行房の家来である小布施主税役。(後者は)侍なので、品もあるようにしたいです。義太夫のところも演技力が問われるので、力を入れて取り組みたいです。このSUGATAのシリーズで、お芝居のことを自発的に考えるようになりました。3年間で学んだことを、いつか本興行で活かせる日がくるとよいなと思います」初参加の種之助は、「大人になる前の時期に出演させていただいたのが、ご宗家演出の『趣向の華』という公演。長い立ち回りや、ちょうど先月やった切腹も、最初に経験させていただいたのがその公演でした。おこがましいようですがその恩返しの気持ちもあり、また僕自身としては、女方にも挑戦させていただくので一緒に勉強する気持ちで臨みます。鯉魚の精は宗家の演出に出来る限り応えたいと思います。お客様に、この公演を観たことを誇りに思ってもらえるような舞台にしたいです」研鑽の場とは言いながら、純粋に楽しめるスペクタクルが展開するのも「SUGATA」の魅力。勘十郎や尾上菊之丞ら名手の踊りも観られるほか、口上や早替り、宙乗りも。白熱の舞台に期待しよう。公演は3月24(土)から27日(火)までKAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオにて。取材・文:高橋彩子
2018年03月14日「日本には、何百年も続いていると思われている伝統がたくさんありますが、それらの多くは、けっこう由緒の“あやしい”ものだったりするんですよ……」 こう教えてくれたのは、『「日本の伝統」の正体』(柏書房)の著者である、放送作家の藤井青銅さん。たしかにここ最近のニュースを振り返ってみても、日本には伝統がたくさんあることがわかる。 たとえば、昨年から連日のようにワイドショーをにぎわせてきた、元横綱・日馬富士の暴行に端を発する一連の騒動。多くのメディアで、“国技”としての相撲の在り方がクローズアップされた。 年明け早々には、100人以上もの新成人が“成人式”に振り袖を着られない事態が発生。さらについ先日には、“恵方巻”の大量廃棄も大きな問題となり、もはや日本では「伝統にあらずばニュースにあらず」といった風情である。 「こうした“伝統”にまつわる事件やトラブルというのは、それが大昔からつづく由緒正しいものだと、多くの人たちが信じているからこそ起きるんです。古くからつづいているものだからいいものに違いない、という思い込みに振り回されてしまうんです」(藤井さん・以下同) 藤井さんによれば、伝統だと思われている行事や習慣の多くは、実は明治期以降に新しく“発明”されたものだという。それでは、こうした日本の伝統はいつ、どのようにつくられ、どのように受け入れられてきたのだろう。藤井さんが解説してくれた。 ■「お歳暮」は単なる「お中元」の便乗商法 百貨店の商魂が生み出した伝統が“お歳暮”。夏の“お中元”は、道教で罪を許す日とされる「中元」の日に、仏教の祖先を供養する「お盆」がくっついたもので、祖先への供物が転じて贈り物の習慣となったそうだが、暮れの“お歳暮”は……。 「お世話になった人へ贈り物をするようになったのは、江戸時代からですが、お歳暮については全然根拠がない。道教にも『歳暮』なんて言葉はなく、単に“年の暮れ”という意味なのですが、なぜかお中元とセットで広がります。“お歳暮”が一般的になったのは、日本で最初の百貨店である三越ができた明治30年代に入ってからですから、その起源は推して知るべしですよね」 ■セブン-イレブンが広めた新顔の伝統「恵方巻」 節分にその年の恵方を向き、巻きずしを丸かぶりするという関西ローカルな風習だった恵方巻が、これだけ全国的に認知されたのは、平成に入ってから。平成元年に、セブン-イレブンの一部店舗で「関西ではこういうことをやっています」と売り出したら、これがウケたという。 「そもそもの由来は大阪・船場の旦那衆の花街遊びだといわれていますが、始まった時期や由来、根拠も諸説バラバラの非常にアバウトな習慣なんです」 そもそも、日本人はミーハーで、新し物好きだと藤井さんは言う。 「それなのに、『その新しいものには実は古い伝統がある』となると、安心してしまうんです(笑)。伝統というのは、正統性を裏付けてくれる便利な言葉。伝統があるというだけで、権威があって、価値があるように感じられるから不思議ですよね」 たしかにお歳暮にせよ、恵方巻にせよ、伝統をうまく活用したビジネスは爆発的な広がりを見せた。 「伝統に従うも従わないも、信じるも信じないも、尊敬するも笑い飛ばすも個人の自由です。季節のイベントとして楽しんだり、和の心を体験することで日本人としてのアイデンティティを再確認するのも悪くはないでしょう。たくさんの伝統があるということは、それだけ日々の生活に彩りが加わり、豊かになることでもあるといえます」 ただし、伝統はひとたび権力と組み合わされると危険な存在にもなりかねない。伝統という言葉を安易にうのみにしていると、「伝統だから従わねばならない」という思考停止に陥る可能性もあると藤井さんは指摘する。 「伝統というだけで『由緒正しい』と妄信するのは危険です。情報過多の時代だからこそ、正しい情報に基づいた『伝統リテラシー』を身につけることが必要でしょう」
2018年03月10日先日、アカデミー賞2部門を受賞した陽気でカラフルな“死者の国”を舞台に大冒険を描くディズニー/ピクサー最新作『リメンバー・ミー』。この度、本作にはメキシコの伝統工芸品“アレブリヘ”からインスパイアされたキャラクターたちがたくさん登場していることが分かった。主人公の少年ミゲルが迷い込んだ死者の国は、ミゲルのご先祖ガイコツたちが楽しく暮らしているほか、独創的な姿をした“アレブリヘ”という不思議な動物たちも住んでいる。大きすぎる耳を持つキツネのような動物や、羽が生えた恐竜のような生物、角が生えたトラみたいな動物など、同じデザインは一匹として存在しない。さらに彼らには不思議な特殊能力があり、芸術家フリーダ・カーロのアレブリヘの猿は、自由に体の色を変え火を吹くことができる。そして特に活躍を見せるのが、雄ヒツジの角、トカゲのような尻尾に鷲の翼と爪、さらに頭と腕はトラという不思議な姿のペピータ。“亡くなった人の魂を死者の国に導く存在”として登場する重要なキャラクターで、ミゲルのひいひいおばあちゃんイメルダに忠実に仕えている勇敢な性格だ。メキシコの伝統工芸品の一種であるこのアレブリヘ。リー・アンクリッチ監督がリサーチのためにメキシコに訪れた際に取り入れたいと思ったそう。キャラクター制作に携わったアロンソ・マルチネスは「アレブリヘはペドロ・リナレスという人物が、熱にうなされたときに見た夢がきっかけだった。彼は夢の中で森の中にいて、翼を持ったロバとか鳥の頭を持った鷲とか、不思議な動物と出会ったんだ。その動物たちが『アレブリヘ!アレブリヘ!』と唱え始めたそうで、目が覚めた彼はその動物たちを紙張子で作り、いまではメキシコの最も有名な民芸品の一つになったんだ」と誕生した歴史を明かしている。またアレブリヘは宗教や神話に出てくる動物ではないため、色々なアーティストたちが自分なりの独創的な個性を取り入れ、ピクサーも世界に一つだけの独特なキャラクターを誕生させた。さらに、エイドリアン・モリーナ共同監督が来日した際、「日本の凧の博物館に興味があるよ。日本の博物館や美術館を見て回りたい。もしかしたら次のアイデアが思いつくかもしれないね」と明かしており、凧やこけし、赤べこなど、日本の伝統工芸品がピクサーのキャラクターになる日がもしかしたら来るのかもしれない。『リメンバー・ミー』同時上映『アナと雪の女王/家族の思い出』は3月16日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:リメンバー・ミー(2018) 2018年3月16日より全国にて公開©2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2018年03月10日「日本には、何百年も続いていると思われている伝統がたくさんありますが、それらの多くは、けっこう由緒の“あやしい”ものだったりするんですよ……」 そう教えてくれたのは、『「日本の伝統」の正体』(柏書房)の著者である、放送作家の藤井青銅さん。たしかにここ最近のニュースを振り返ってみても、日本には伝統がたくさんあることがわかる。 たとえば、昨年から連日のようにワイドショーをにぎわせてきた、元横綱・日馬富士の暴行に端を発する一連の騒動。多くのメディアで、“国技”としての相撲の在り方がクローズアップされた。 年明け早々には、100人以上もの新成人が“成人式”に振り袖を着られない事態が発生。さらについ先日には、“恵方巻”の大量廃棄も大きな問題となり、もはや日本では「伝統にあらずばニュースにあらず」といった風情である。 「こうした“伝統”にまつわる事件やトラブルというのは、それが大昔からつづく由緒正しいものだと、多くの人たちが信じているからこそ起きるんです。古くからつづいているものだからいいものに違いない、という思い込みに振り回されてしまうんです」(藤井さん・以下同) 藤井さんによれば、伝統だと思われている行事や習慣の多くは、実は明治期以降に新しく“発明”されたものだという。それでは、こうした日本の伝統はいつ、どのようにつくられ、どのように受け入れられてきたのだろう。藤井さんが解説してくれた。 ■相撲が「国技」なのは、建物が「国技館」だから!? まずは先にも触れた話題の“国技”相撲だが、そもそも日本には法令で「国技」と定められたものはない。 「相撲そのものが太古の昔から存在していることは事実で、『日本書紀』にはすでに『相撲』の文字があります(720年)。しかし、相撲=国技の始まりは、明治42年と、ずいぶん最近のこと。しかも、屋根のある相撲の常設館を建設した際に、その建物を両国“国技館”と命名したことによるんです。つまり、“国技”のための施設だから国技館と呼ぶのではなく、国技館という建物でやっているから“国技”になったわけです」 ■関連する各業界に御利益をもたらした「初詣で」の風習 旧暦でも新暦でも「一年のはじめ」は必ずあり、神社仏閣も古くからある。とすれば、“初詣で”も大昔からあったと思うのは当然だが、現在のように好きな日に好きな寺社にふらっとお参りするスタイルが定着したのは120年ほど前からだという。 「明治時代に入り鉄道の敷設が始まると、気軽に地方の寺社参詣ができるようになりました。そこで、当時の新産業である鉄道会社が考案したのがいまの初詣で。そして、こちらも当時の新産業であった新聞社に『初詣では◯◯へ』と広告を掲載。寺社、鉄道会社、新聞社すべてに商売上のメリットがあり、初詣での習慣が定着していったんですね」 ■「重箱にお節料理を詰める」のは百貨店の販売戦略 節会(祝いの日)の料理としての「お節料理」は奈良時代からあった。いっぽう重箱は室町時代からあったが、一般庶民に広く使われるようになったのは江戸時代から。 「正月のお節料理を重箱に詰めるようになったのは、幕末からですが、完全に定着したのは明治時代になってからのことで、百貨店による販売戦略がきっかけなんですよ。料理をそれっぽくお重に詰めるとなれば、自然と豪華なものになってきますからね。ですから『一の重には口取り、二の重には焼き物……』といったしきたりも、基本的には『売らんかな』のたまものだといえます(笑)」
2018年03月10日