マルチな形で音楽シーンに新しい風を起こしているSKY-HI(日高光啓)。その彼は、世界を、そしてエンターテイメントをコロナ禍が襲った2020年09月に、「才能を殺さないために」マネジメント/レーベル会社「BMSG」を立ち上げた。そして「世界で活躍するボーイズグループ」を発掘するため、私財を投じてオーディション『THE FIRST BOYS GROUP AUDITION 2021』を開催。そのサバイバルの中から、7人組ダンス&ボーカルグループ「BE:FIRST」(SOTA、SHUNTO、MANATO、RYUHEI、JUNON、RYOKI、LEO)が2021年8月に誕生し、その実力の高さとたゆまぬ努力によって、ボーイズダンス&ボーカルシーンの中で中心的な存在となっている。また、オーディションの中で音楽的才能を見いだされたAile The Shota、edhiii boi、トレーニーとして研鑽を積むRAN、REIKO、RUI、TAIKI。そしてBMSGの立ち上げ時からレーベルに所属し、キャリアを重ねるラッパーのNovel Core。その総勢15人によって構成されるBMSGのメンバーが集結した、レーベル開設から2周年を記念した主催野外フェス『BMSG FES’22』が、9月17日と18日の二日間にわたり、山梨県「富士急ハイランド コニファーフォレスト」にて開催された。本稿ではその1日目を中心にレポートする。「新章突入」というこのイベントのキーワードや、「これは全て、今後への壮大な前振りにすぎません」というSKY-HIの言葉など、BMSGの大きな節目となることを予感させる『BMSG FES’22』。そのイベントを目撃しようと、日本全国から2日間で約3万人のオーディエンスがコニファーフォレストに集い、その物語の展開に注目する。またスタート前のアナウンスでは「このイベントは3時間を超えます」と発表され、会場からは驚きと期待の拍手が起こる。そして和太鼓のSEが流れ、それに合わせて起こる観客の手拍子に導かれるように、スクリーンには和を基調にしたビジュアルで撮影された15人のメンバーの映像が映写され、更にその手拍子の音は大きくなっていく。そしてライブはBE:FIRST「Brave Generation」からスタート。BE:FIRSTがZOZOマリンスタジアムにて、初めて有観客の前でステージに立った『SUPERSONIC 2021』から1年を迎える日に行われるこのフェス。そこでのBE:FIRSTは、この1年で高め続けてきたパフォーマンス能力を全解放するような気迫のこもったステージを最初から見せ、観客にその成長を提示する。そのままNovel Core、Aile The Shota、edhiii boi、RAN、REIKO、RUI、TAIKI、そしてSKY-HIがステージに登場し、BMSGフルメンバー15人での「Brave Generation -BMSG United Remix-」で、ライブのテンションは冒頭からトップギアに。客席内を走るトレーラーにメンバー全員が乗り込み、観客により近い形で披露された「Snatchaway」の「こんなイケてるチームなんざ他にない」という言葉や、「ナナイロホリデー」の「歓びにあふれてる」という歌詞は、BMSGメンバーの、そして会場にいる全てのリスナーの感情を代弁しただろう。ライブのメインアクトはNovel Coreに移り、「JUST NOISE」や「BABEL」をソロで披露。現在21歳ながら、ティーンエイジャーの頃から作品をリリースし、BMSGに移籍してからは「A GREAT FOOL」、そして今年8月には「No Pressure」とコンスタントなリリースを続け、その才能を開花させている彼らしい、タイトかつエネルギッシュなライブで観客を沸かせる。そして「まだ前半戦だろ!踊れるかい!?ここで大親友を呼び込もう!」という言葉で呼び込まれたAile The Shotaとともに「HAPPY TEARS feat. Aile The Shota」をステージの張り出しで二人でエモーショナルに歌い上げ、そのコンビネーションの良さをリスナーに届けた。その空気を切り裂くように、15歳にしてハードなラップを聴かせるedhiii boi、そして密度の濃いラップが印象的なSOTA(BE:FIRST)が登場し「118」。Novel Coreも細かくフロウしていくラップをビートに刻み、3人のラップがスパークするようなパフォーマンスを見せる。そのままedhiii boiがステージに残り、TAIKI、RUIが登場し、BMSGの15歳チームで「Anytime, Anywhere」「Nightmare」を披露。この日を「夏の集大成じゃん!」と振り返る、SKY-HIのツアーにも帯同した3人は、軽やかさとハードさの両面を表現したライブで、チームのこの先を十二分に期待させた。3人がステージを降りると、ランウェイにはTHE FIRSTの最終審査「クリエイティブNEO」でSOTA(BE:FIRST)、MANATO(BE:FIRST)、Aile The Shotaが結成したユニット「Show Minor Savage」が登場。「No Cap Navy」に加え、新曲となる「Thinkin’ bout you」をパフォーマンスし、特に「THE FIRST」オーディションから追いかけているファンを大いに喜ばせた。そのままAile The Shotaがメインとなるライブパートへ移行し、「常懐」や「Like This」などを丁寧に歌い上げ、その甘やかな歌声でオーディエンスを魅了。「俺にとってBMSG、そして仲間は誇りです。そんな存在、居場所を新しい次のステージに連れて行くのは俺です。今に見ておいてください」という力強いメッセージから、「IMA」や「AURORA TOKIO」に展開し、その言葉を証明するようなアーティストとしてのポテンシャルを、パフォーマンスとして形にした。ダンスボーカルグループとしての凄みを見せつけたBE:FIRSTそしてステージにはSKY-HI、JUNON(BE:FIRST)、LEO(BE:FIRST)、Aile The Shotaの「寅年生まれ」の4人が登場し、新曲となる「Tiger Style」。そのままSKY-HIがステージに残り、BMSGへの思いや、エンターテインメントを担う決意を楽曲に込めたメッセージが印象的な新曲「I am」を披露した。そしてステージにはSKY-HIの2014年に結成したハウスバンド「THE SUPER FLYERS」が登場し、「スマイルドロップ」「愛ブルーム」と、ド派手なセッションで観客を圧倒、観客の熱気は最高潮へ。また違った意味で観客を圧倒したのは「何様」だろう。そのシリアスな内容と鬼気迫るパフォーマンスに観客は手を振ることすら忘れ、SKY-HIの「飛べるか!」という言葉があるまで、魅入られたように彼を見つめる姿は、SKY-HIのライブならではの光景だろう。そして「Double Down」で発射された水しぶきで、観客同様びしょ濡れになったSKY-HIは、Aile The Shotaを呼び込み「Bare-Bare」、RANを迎えてタオルを会場一体となって振った「Tumbler」、スクリーンに写った1年前に撮影されたMVとはティーンエイジャーチームの顔つきとパフォーマンスがガラッと変わったことも印象的な「14th Syndrome feat. RUI, TAIKI, edhiii boi」、REIKOのソウルフルな歌声が会場に響きわたる「One More Day feat. REIKO」と、コラボ楽曲を連続披露し、この日のフェス感をより高めていく。BMSGの結成直後に発表され、MVは富士急ハイランドで撮影されたことからも、楽曲自体がこの日のフェスへの伏線でもあったNovel Coreとの「SOBER ROCK -Remix- feat. SKY-HI」では、SKY-HIとNovel Coreが目を合わせながらパフォーマンスを展開。その友情の深さと、有言実行ぶりを感じさせる。「昔は誰も認めてくれないと思っていたときもあった。でも今日ですべてが報われた気がする。あなた達と出会えて本当に嬉しい。命を賭けて俺がお前を応援するぜ!」とオーディエンスに呼びかけ、SKY-HIパートのラストは「To The First」のパフォーマンス。人差し指を立てたSKY-HIにピンスポットがあたり、その姿に大きな拍手が巻き起こる。その拍手に送られるようにSKY-HIとTHE SUPER FLYERSがステージをあとにすると、明かりの落ちたランウェイにはBE:FIRSTの7人の姿が浮かび上がる。そして曲のラストバース「その炎を燃やせ」という言葉をJUNONが受け継ぎ、BE:FIRSTのライブは「Shining One」で幕をあけ、横一列に並んだメンバーも、高々と人差し指を掲げた。「もう新人アーティストとは言わせません!新章突入の目撃者になってください!」というRYOKIの言葉から、ヘヴィなビートとRYOKIとSOTAのラップの絡み合いも印象的な「Move On」、JUNONとRYUHEIのアーティストとしての著しい成長を感じる「Betrayal Game」、深みと芯を増したSHUNTOのヴォーカルと、「他人に価値を決きめさせやしないぜ」というLEOのメッセンジャーとしての魅力、そしてそれらを統合させるようなMANATOの伸びやかなフックが響く「Scream」とライブは彩り鮮やかに展開。「いろんなフェスで披露させていただきましたが、このBMSGフェスで一番盛り上げましょう!」というMANATOの言葉に続いて、UKのプロデューサーであるジョナス・ブルーとのコラボ曲「Don’t Wake Me Up feat. BE:FIRST」、そしてライブ初披露の「Message」では再びトレーラーに乗り、感慨深げに会場の観客に視線を合わせながら歌う7人の表情が記憶に残る。「僕らを信じてください。みなさんがいれば僕らは怖くない。世界は僕らを待っています」というRYUHEIの言葉と、「本当に夢に見たこの場所に、現実にここに立てているのは、一歩踏み出した僕と、導いてくれたファン、そしてスタッフのおかげだと思います」と感謝を口にするJUNON。そして「Grateful Pain」の曲間では、「僕たちじゃなきゃできない挑戦をやっていくので、僕たちについてきてください」と涙を堪えながら話すSHUNTOの言葉に続き、「前が見えない時もあった。でも目の前がまっくらでも僕らは突き進みます」というSOTAの言葉に、会場全体を輝かすようなスマホライトの光で、観客は応える。そして「一人ひとりが主人公である人生が、こうやって共有できるのが本当に嬉しい。BE:FIRST、 BMSGのファンの皆さんの人生に寄り添っていきます。また会う日のために」というLEOの言葉に続いて披露された、ストリーミングは1億再生を突破し、現在のBE:FIRSTの代表楽曲である「Bye-Good-Bye」で、更に会場全体の感情は昂まっていく。ラストは彼らの原点である正式デビュー曲「Gifted.」。以前の姿よりも確実にビルドアップした、ダンスボーカルグループとしての凄みを見せつけるような圧巻のパフォーマンスで、BE:FIRSTのライブパートは幕を閉じた。そして再びステージにBMSGメンバー15人が上り、SKY-HIがそれぞれのメンバーの名前を読み上げ、「これが新章突入!」と宣言。この日のライブ終了後にサプライズリリースされた、BMSGメンバーがユニットの壁を超えてコラボを展開するBMSG ALLSTARSとしての新曲「New Chapter」で、この日のライブを締めくくり、楽曲の披露が終わると会場には花火が上がり、この日の成功を祝った。そして会場からの万雷の拍手に送られて、BMSGの15人は手を振りながらステージをあとにした。SKY-HI「今日のMVPはここにきたお前だ!お互い最高の人生を送ろう!」そして、台風14号による荒天も予想されたDay2。しかし、開始時には雲の切れ間から日がさすなど、天気も味方しての開演となり、SKY-HIの「晴れ男」ぶりには驚かされた。Day2のセットリストはDay1を踏襲する形で構成され、そこからも今回のライブ、そして楽曲とパフォーマンスに対するBMSGの自信と意気込みが感じられる。また今回のオープニング映像が、18日0時に解禁されたBMSG ALLSTARS「New Chapter」のMVに繋がっていたことも明らかになり、謎解きのような展開はリスナーに驚きを与えたことだろう。Day1と同様、リスナーの心を掴んで離さないエンターテイメント性に溢れた内容で進行していくDay2。同時に、「ずっと前から富士急でフェスをやるのが運命だったんじゃないかと思う。そしてその運命の日が今日だ!」というSKY-HIの言葉や、登場とともに降り出した雨が、パフォーマンスにさらなるドラマティックさを加えたBE:FIRSTのライブなど、同じ構成であっても、「同じ内容」のライブは二度無いと感じさせるような、随所に変化を感じさせたこの日。そのライブは、フルメンバーが登場し、各人のソロパートとユニゾンでのダンスを通して、メンバーそれぞれのオリジナリティとBMSGの絆の深さを表明する「New Chapter」で終幕。SKY-HIがBMSGメンバーの名前を読み上げ、その上で全員で「WE ARE BMSG!」と高らかに宣言し、それに続いて「今日のMVPはここにきたお前だ!お互い最高の人生を送ろう!」とSKY-HIはオーディエンスに呼びかける。各日とも51曲、そして3時間半以上にわたるライブを通して、SKY-HIの、BMSGの、そして所属メンバーの「イズム」がパフォーマンスとして結実させた『BMSG FES’22』。世界を視野に入れる彼らの目標は、決して夢物語でないこと、そしてその躍進を確かなものだと感じさせる、感動的なイベントは、こうして幕を閉じた。Text:高木"JET"晋一郎Photo:ハタサトシ<公演情報>『BMSG FES’22』9月17日(土)・18日(日) 富士急ハイランド コニファーフォレストセットリストM01. Brave GenerationM02. Brave Generation -BMSG United Remix-M03. SnatchawayM04. ナナイロホリデーM05. Mr. PsychoM06. PANIC! feat. SKY-HIM07. JUST NOISEM08. BABELM09. WAGAMAMA MONDAIJIM10. 独創ファンタジスタM11. HAPPY TEARS feat. Aile The ShotaM12. THANKS, ALL MY TEARSM13. 118M14. Anytime, AnywhereM15. NightmareM16. No Cap NavyM17. Thinkin’ bout youM18. 常懐M19. so so goodM20. Like ThisM21. IMAM22. AURORA TOKIOM23. Tiger StyleM24. I amM25. スマイルドロップM26. 愛ブルームM27. Sky’s The LimitM28. 何様M29. Double DownM30. Seaside BoundM31. Fly Without WingsM32. Sexual HealingM33. Bare-BareM34. TumblerM35. 14th Syndrome feat. RUI, TAIKI, edhiii boiM36. One More Day feat. REIKOM37. SOBER ROCK -Remix- feat. SKY-HIM38. カミツレベルベットM39. To The FirstM40. Shining OneM41. Be FreeM42. Move OnM43. Betrayal GameM44. ScreamM45. Don’t Wake Me Up feat. BE:FIRSTM46. MessageM47. Kick StartM48. Greatful PainM49. Bye-Good-ByeM50. Gifted.M51. New Chapterセットリストプレイリスト:<リリース情報>BMSG ALLSTARS「New Chapter」Now On SaleBMSG ALLSTARS「New Chapter」ジャケット配信リンク: ALLSTARS「New Chapter」MV関連リンクBMSGOfficial Website:::: Website::: blog:::: Website::(global):::::: CoreHP::::: The ShotaInstagram:::: boiInstagram::::::::
2022年09月19日1日目・9月17日(土)高橋優が主催する地元密着型フェス『秋田CARAVAN MUSIC FES 2022』が3年ぶりに開催された。秋田の夏の締めくくりにして秋を告げるイベントが帰ってきた。この時を待ちわびた人々の心にすっかり定着した秋田CARAVAN MUSIC FESも今年で5回目となる。このフェスの最大の特徴は、毎回会場が異なるということ。秋田県内にある13の市を巡って開催されることから秋田CARAVAN MUSIC FESと名づけられた。今回会場となったのは、北秋田市・大館能代空港周辺ふれあい緑地。自然豊かなロケーションが心地よい。北秋田市の津谷永光市長の開会宣言に続いて『秋田CARAVAN MUSIC FES 2022』で最初に音を出すのは、高橋優。会場に来てくれた人たちに弾き語りで1曲届けるのが恒例となっている。高橋が選んだのは、「ありがとう」。ステージと観客エリアの心の距離がグッと近づいたのが感じられた。「それでは3年ぶりに『秋田CARAVAN MUSIC FES 2022』はじまるよー!」高橋優このフェスには秋田県の南北それぞれに位置する山脈の名称を冠した2つのステージがあり、白神STAGEのトップアクトとして登場したのは川崎鷹也。高橋優の「少年であれ」が、東京に出て音楽をやるべきかどうか迷っていた自分を奮い立たせてくれたとMCで語った川崎鷹也。「音楽業界に引きずり込んでくれた高橋優くんに最大の愛とリスペクトを込めて」と言って始めたのが大ヒットナンバー「魔法の絨毯」だった。「またね、ヒーロー」「愛の灯」など、彼の歌はどれだけ多くの人がいる会場でも“1対1”で確実に届く。それを証明したステージだった。川崎鷹也鳥海STAGEは音楽を武器に笑わせる芸人さんをはじめ、バラエティ豊かな出演者が特色のステージだ。YouTuberとしても活躍するミュージシャン、ずま(虹色侍)は、その場でもらったお題から即興でオリジナル曲を作って披露するというスタイルが特徴だ。シティポップ風「東北新幹線」、ボサノヴァ風「羽を休めるトンボ」など、最後は「ババヘラアイス」をバラードで披露し、会場を盛り上げた。ずま(虹色侍)「ちっぽけな勇気」から始まったFUNKY MONKEY BΛBY’Sのライブはエネルギッシュに会場をひとつにしていった。歌とラップと語りと叫びで、心のうちに湧き上がったエモーションを一塊にして放っていく彼らの音楽は、フェスという場がよく似合う。「東北の空の下で歌えることをうれしく思っています。心の中の歌もしっかりと聴こえてるよ」とファンキー加藤が言って披露したのは、「あとひとつ」。ラストの「悲しみなんて笑いとばせ」ではタオルの花が咲き乱れ、高橋優と川崎鷹也がステージに乱入。フェスらしく、ファンモンらしく、ベストなセットリストで駆け抜けた。FUNKY MONKEY BΛBY’S真っ赤なドレスで鳥海STAGEに登場したのは青森県出身のりんごちゃん。「ff」(HOUND DOG)など昭和のフェス感満載の様相を呈していく中、新ネタの「SMILE〜晴れ渡る空のように〜」(桑田佳祐)に続いて「RYUSEI」(三代目J SOUL BROTHERS)に乗せてものまねメドレーを披露して果汁(汗)いっぱいのステージを締めた。りんごちゃん地元京都で『京都音楽博覧会』という音楽フェスティバルを主催しているくるりは『秋田CARAVAN MUSIC FES』初出演。アーティスト同士はもちろん、ローカルフェス同士の交流というものにも日本のフェス文化の成熟が窺える。現在のくるりを語る上で外せない曲「琥珀色の街、上海蟹の朝」から、初期のくるりを代表する曲「ばらの花」へのシームレスな繋がりにバンドの歩みの確かさとフェスなどで幾多のバンドと渡り合ってきた圧倒的な実力を感じた。「奥羽本線がずっと止まっているので(鷹ノ巣〜大館間18.0kmで、この会場の近くを通っている)、早く復旧すればいいなと車から見ながら思っていました」という岸田のMCからの『ハイウェイ』はしびれた。西日の照る中での「太陽のブルース」、北秋田市に響く「東京」、そうした奇跡としか思えないような瞬間を通過しての「ロックンロール」。素晴らしい音楽を目の前で当たり前に楽しめる日々が少しずつ戻りつつあることを実感できた。くるりどぶろっくの挨拶代わりの1曲は「魅惑のパンティライン」だ。「1回目に出演させていただいて、その後にキングオブコントで優勝しました。このフェスのおかげです」ということで代表曲の「もしかしてだけど」で恩返し。ムッツリ&ガッツリでスケベを丸出しにしたステージは、なぜか清々しさすらあった。どぶろっくヘッドライナーを務めるのはもちろん高橋優。ピアノソロから一転激しいバンドサウンドで一気に沸点に到達する「STARTING OVER」から始まった。3年ぶりのこのフェスに、そしていろいろとありすぎてへばり気味の世の中に対してもぴったりな曲だ。またここから始めればいいのだと。「いろいろ言いたいことはあったけど、曲で伝えたいと思います。この景色を想像しながら書いた曲です」というMCから今年2月にリリースしたシングル「HIGH FIVE」へ。イントロの印象的なシンガロングにマスクをしたオーディエンスのクラップが合わさる光景が胸を打つ。「風が吹くとこれはどこからきた風なんだろうと考えて、勝手にいろんな人の顔を浮かべる」と言ってパフォーマンスしたのは「勿忘草」。これが初披露となる新曲だ。例えば遠く離れたところから誰かを想う瞬間や、ふと何かのきっかけで思い出した誰かのことなど、日々生きている中で芽生える大切な人への気持ちをつながりとして描いている。まさに1年に1回開催される『秋田CARAVAN MUSIC FES』への想いも滲む。「BE RIGHT」「太陽と花」で盛り上げた後、続いて披露したのは「虹」。このフェスのアンセムのひとつと言ってもいい曲だ。ラストは「明日はきっといい日になる」「Piece」で未来への道筋をオーディエンスと確かめった。「高橋優のステージとしてはここで終わりなんですけど、3年ぶりの開催ということで『秋田CARAVAN MUSIC FES』のテーマソングを書かせていただいたんです。ここにいる皆さんと一緒に踊って最高のフィナーレを迎えませんか!」音頭、ケルト、フォルクローレなどの要素をごった煮したお祭りソング「秋田の行事」で会場は遅れてきた盆踊り状態に突入。3年ぶりの『秋田CARAVAN MUSIC FES』初日、熱狂のまま幕を閉じた。2日目・9月18日(日)3年ぶりの開催となった高橋優が主催する地域密着型フェス『秋田CARAVAN MUSIC FES 2022』、2日目も昨日に続き青空がのぞくフェス日和に恵まれた。開場中の会場内には秋田民謡が流れ、それが地元のお祭り感を盛り上げる。今年会場となった北秋田市の津谷栄光市長の開会宣言に続いて、高橋優による「one stroke」の弾き語りでスタートした。メインステージとなる白神STAGEとバラエティ豊かな出演者がパフォーマンスする鳥海STAGEの交互で繰り広げられる『秋田CARAVAN MUSIC FES 2022』、2日目全体のトップで登場したのは男性ボーカルユニットのC&K。DJにダンサー、ピアノを加えた編成でいきなりトップギアのパフォーマンスで会場をぶち上げる。一転、MC明けにはピアノと打ち込みのリズムに乗せてバラードの『Y』『嗚呼、麗しき人生』でしっとりとした雰囲気を作る。さすがライブ巧者の彼ら、「日本全国地元化計画という僕たちの野望がある」というのもうなずける。タオルの産地として有名な愛媛県今治と繋がったレゲエビートの「I.M.A」、ニューヨークとかけたスカビートの「入浴」など、“地元”を意識した『秋田CARAVAN MUSIC FES 2022』仕様のセットリストで会場を大いに盛り上げた。C&K「オリジナリティ」「アホウドリ」のオリジナル曲で表現力豊かな歌声と運動神経の良さを感じさせる音楽性を見せつけた松浦航大。次に披露したのは、彼の存在を一躍有名にしたものまねのメドレー。「シーソーゲーム」(桜井和寿 / Mr.Children)、「瞳を閉じて」(平井 堅)、『奏(かなで)』(大橋卓弥 / スキマスイッチ)など、J-POP男性シンガーの特徴を的確に捉えて歌唱できるのも、彼の音楽的センスゆえだろう。最後は「七色」で彼の歌声を届けた。松浦航大「9月中旬の秋田ということで、衣装を選んできたんですけど……暑い!」。1曲目「Look Back Again」に続いて披露したのは「Ring my bell」。アーシーで心地よいグルーヴは矢井田瞳のロック / ポップスの真骨頂だ。続く『駒沢公園』は9月7日(水) にリリースしたばかりのアルバム『オールライト』に収録されているナンバーで、未来を担う子供たちに寄せた想いを綴ったもの。確かに日差しは暑いが、会場を吹き抜ける風はどこか気持ちいい。そんな風のように心の奥にある大切なものに気づかせてくれる曲だ。矢井田瞳「My Sweet Darlin’」ではアコギを外してハンドマイクに持ち替え、ステージの左右いっぱいに動きながらパフォ―マンス。ラストは最新アルバムから「さらりさら」。〈聴かせて あなたの声〉――この歌のメッセージが3年ぶりに開催された『秋田CARAVAN MUSIC FES 2022』へ届けられたものに感じられた。センターマイク1本だけがそそり立つ鳥海STAEGEに登場したのはトータルテンボス。披露したのはもちろん漫才だ。ボケて突っ込んだ後に笑いではなく拍手が起こる今のフェスならではの空間の中をものともせず、ゆったりした間のボケを繰り広げる。“チャイルドランチフラッガー”、“オンリーワンレッドポインター”、“ファイナルジャッジメント”……、この日、彼らがクリエイトした職業は、どこか響きが音楽的だった。トータルテンボス「ついに来たね。この言葉の意味を噛みしめたい。すべてのものに感謝したくなるね」の言葉通り、ここまで自分を運んできてくれた飛行機や車、天候、イベント関係者、そしてここに集まったオーディエンスに「ありがとう」を述べてKREVAのステージが始まった。〈やっとあえたな…〉のリリックが突き刺さる。1曲目は「Finally」だ。転換中の通り雨に濡れた会場に「基準〜2019 Ver.〜」「ストロングスタイル〜2019 Ver.〜」と言葉の雨を降らしていく。「ここからの3曲は日々を生きるみなさんを元気づける歌」と言って「人生」「ひとりじゃないのよ feat. SONOMI」「アグレッシ部〜2019 Ver.〜」を立て続けに披露。オーディエンスも声を出せない中、“手で歌って”応える。「本当に後ろまでみんな手が揃ってる。今このフェスはひとつになってると思います」。「音色〜2019 Ver.〜」の言葉とメロディが秋田の風に溶けて、それをオーディエンスが吸い込んで吐いて、最高のライブだった。KREVA『秋田CARAVAN MUSIC FES 2022』と共にCOWCOWも3年ぶりに登場。もはや鳥海STAGEの主と言っても過言ではない彼ら。「女子バレーボール部のあいさつ」ネタを一緒にやるオーディエンスも。その輪が広がって会場のほとんどの人たちが「ダサい男はブロック!」で手を挙げて飛ぶというマジックが起きる。思わず「これはやりやすい。秋田に住もうかな」と多田。予定にないネタも飛び出し、来年の出場も濃厚だ。COWCOWこの日のライブは「パイオニア」から始まった。続く2曲目「虹」といい、『秋田CARAVAN MUSIC FES 2022』における高橋優のセットリストには、明確な意志がある。それは――大袈裟でも何でもなく――秋田に生きる人たちの心に火を灯し、明日の糧になる歌を届けるということだ。そもそもこのフェスを開催していること自体がそうなのだが、当日も主催者として運営面にも気を配り、他の出演者のステージを最初から最後まで袖で観ている彼の姿がある。この2日間、高橋優のすべては秋田に注がれる。「ここに集まっている皆さんと僕とで一生に残る思い出作りましょうよ!」このフェスのテーマソングとして書き下ろした「秋田の行事」だ。1日目は最後に披露した曲を2日目はここで投入。次に披露したのは、9月21日(水) に配信リリースされる新曲「勿忘草」。すっかり日の落ちた会場に優しくも切ないメロディが、頬に残った熱をそっと撫でる風のように吹き抜けていく。これから時間をかけてリスナーひとりひとりの心の中で育んでいく大切な曲になりそうな予感がした。「象」「こどものうた」「太陽と花」でアジテーションしまくり、「明日はきっといい日になる」で優しく元気づける。どちらの姿にも秋田への同じ愛を感じた。10月5日(水) にリリースされる8thアルバム『ReLOVE & RePEACE』に収録される「Piece」に続いて、「栄光時代、青春時代はいつですか?って言われたら、自信を持って“今です”って言いたい」と始めたのは「HIGH FIVE」。『秋田CARAVAN MUSIC FES 2022』の新たなアンセムだ。イントロや曲間のシンガロングを来年こそは全員で、大声で歌いたい。今は思い切りクラップで、今できる最大限で。また来年――。想いはつながった。その前に、「12月からは僕から皆さんに会いに行きます」、新たな全国ツアーが発表された。来年の『秋田CARAVAN MUSIC FES』に向けた道のりが見えた。Text:谷岡正浩Photo:新保勇樹<公演情報>秋田CARAVAN MUSIC FES 20229月17日(土)・18日(日) 秋田・大館能代空港周辺ふれあい緑地高橋優 セットリスト■9月17日(土)01. STARTING OVER02. 象03. HIGH FIVE04. 勿忘草05. BE RIGHT06. 太陽と花07. 虹08. 明日はきっといい日になる09. Piece10. 秋田の行事■9月18日(日)01. パイオニア02. 虹03. 秋田の行事04. 勿忘草05. 象06. こどものうた07. 太陽と花08. 明日はきっといい日になる09. Piece10. HIGH FIVE<リリース情報>高橋優 デジタルシングル「勿忘草」9月21日(水) 配信リリース高橋優「勿忘草」MV※9月21日(水) 0:00 プレミア公開高橋優 8th Album『ReLOVE & RePEACE』10月5日(水) リリース●初回限定盤A(CD+DVD):4,950円(税込)高橋優『ReLOVE & RePEACE』初回限定盤Aジャケット●初回限定盤B(CD+DVD):4,950円(税込)高橋優『ReLOVE & RePEACE』初回限定盤Bジャケット●初回限定盤C(CD+DVD):4,950円(税込)高橋優『ReLOVE & RePEACE』初回限定盤Cジャケット●通常盤(CD):3,300円(税込)高橋優『ReLOVE & RePEACE』通常盤ジャケット【CD収録内容】※全形態共通1. あいのうた2. STAND BY ME!!!!3. HIGH FIVE(NHK BS1 スペシャル『俺たちの栄光~野球日本代表 金メダルへの8か月』テーマソング)4. 勿忘草(テレビ朝日『お願い!ランキング presents そだてれび』9月度エンディングテーマソング)5. I LIVE YOU6. forever girl7. 沈黙の合図8. 氷の世界9. ever since(テレビ東京系 ドラマ24『生きるとか死ぬとか父親とか』オープニングテーマ)10. 雪の筆跡11. ピーナッツ(文化放送「おとなりさん」テーマソング)12. Piece(JICA海外協力隊CMソング)【初回限定盤A・DVD収録内容】■『10th Anniversary Special 2Days DAY1-黒橋優の日-』・こどものうた・陽はまた昇る・風前の灯・雑踏の片隅で・スペアキー・誰がために鐘は鳴る・人見知りベイベー・ボーリング・いいひと・オナニー・ほんとのきもち・room・CANDY・旅人・誰もいない台所・(Where’ s)THE SILENT MAJORITY?・象・ルポルタージュ・太陽と花・素晴らしき日常・駱駝・プライド【初回限定盤B・DVD収録内容】■『10th Anniversary Special 2Days DAY2-白橋優の日-』・ありがとう・現実という名の怪物と戦う者たち・靴紐・life song・花のように・産まれた理由・今、君に会いに行く・蓋・8月6日・友へ・サンドイッチ・微笑みのリズム・虹・おかえり・少年であれ・one stroke・BE RIGHT・明日はきっといい日になる・Piece・福笑い・BEAUTIFUL・リーマンズロック【初回限定盤C・DVD収録内容】■高橋優LIVE TOUR 2021-2022『THIS IS MY PERSONALITY』2021.11.9中野サンプラザ・RUN・八卦良・room・LIFE・DANCE WITH ME・CLOSE CONTACT・ORION・フライドポテト・ABC・本命・アスファルトのワニ・自由が丘・ever since・one stroke・東京うんこ哀歌・太陽と花・明日はきっといい日になる・虹・Piece・PERSONALITY・ロードムービー・ルポルタージュ・プライド【購入者特典情報】・Amazon.co.jp:メガジャケ※特典ナシのカートもございますのでご注意ください※各形態それぞれの絵柄を使用したデザインとなります・楽天BOOKS:オリジナル・クリアポーチ※各形態ともに同一のデザインとなります・セブンネットショッピング:オリジナル・巾着※各形態ともに同一のデザインとなります・タワーレコード:オリジナル・ステッカー(タワーレコード ver)※オンライン含む/一部店舗除く※各形態ともに同一のデザインとなります・HMV:オリジナル・ステッカー(HMV ver)※HMV&BOOKS Online含む/一部店舗除く※各形態ともに同一のデザインとなります・TSUTAYA RECORDS:オリジナル・ステッカー(TSUTAYA ver)※一部店舗除く/ TSUTAYAオンラインショッピング(予約のみ)※各形態ともに同一のデザインとなります・サポート店:オリジナル・ステッカー(サポート店 ver)※各形態ともに同一のデザインとなります※サポート店特典の対象店舗は後日発表いたします予約リンク:<ツアー情報>高橋優 LIVE TOUR 2022-2023『ReLOVE & RePEACE ~ReUNION 前編~』■2022年12月23日(金) 神奈川・よこすか芸術劇場開場17:00 / 開演18:00 ※FC限定公演■2023年1月13日(金) 兵庫・神戸国際会館 こくさいホール開場17:30 / 開演18:301月14日(土) 岡山・倉敷市民会館開場16:30 / 開演17:301月21日(土) 福岡・福岡サンパレスホテル&ホール開場16:30 / 開演17:301月28日(土) 千葉・市川市文化会館開場16:30 / 開演17:302月3日(金) 東京・中野サンプラザホール開場17:30 / 開演18:302月4日(土) 東京・中野サンプラザホール開場15:30 / 開演16:302月11日(土) 新潟・新潟テルサ開場16:30 / 開演17:302月18日(土) 静岡・静岡市清水文化会館マリナート 大ホール開場16:30 / 開演17:302月23日(木・祝) 秋田・あきた芸術劇場ミルハス開場16:30 / 開演17:302月24日(金) 秋田・あきた芸術劇場ミルハス開場17:30 / 開演18:302月26日(日) 山形・シェルターなんようホール(南陽市文化会館)開場16:30 / 開演17:303月30日(木) 大阪・フェスティバルホール開場17:30 / 開演18:303月31日(金) 大阪・フェスティバルホール開場17:30 / 開演18:30【チケット情報】指定席:8,800円(税込)※枚数制限:1人4枚 / 複数公演申込可※4歳以上チケット必要 / 3歳以下のお子様はご入場頂けません■高橋優オフィシャルファンクラブ会員先行価格指定席:7,700円(税込)枚数制限:1人4枚まで※12月23日(金) FC限定公演のみ1人2枚まで※4歳以上チケット必要 / 3歳以下のお子様はご入場頂けません■学生割引対象:高校生、中学生・当日、身分証明書・学生証のご提示で2000円を返金いたします。■キッズ割引対象:小学生以下・当日、身分証明書のご提示で4000円を返金いたします。※本割引は公演当日、会場での返金となります。※年齢が確認できる身分証明書をご持参ください。学生割引対象の方は学生証もご持参ください。※公演日当日、身分証明書、学生証をお忘れになられた場合には、いかなる理由がございましても返金の対象となりません。■高橋優オフィシャルファンクラブ「U are not alone」&「ゆあのんfamiliar」ファンクラブチケット先行受付W会員先行受付:9月19日(月・祝) 12:00〜9月25日(日) 23:59年・月会員先行受付:9月27日(火) 12:00〜10月4日(火) 23:59※年・月会員先行では年会員の方を優遇させていただきます。■高橋優 8th ALBUM『ReLOVE & RePEACE』アルバム封入先行受付期間:10月5日(水) 12:00〜10月16日(日) 23:59※アルバムに封入されているチラシをご覧ください。特設サイト:<イベント情報>『FM長崎開局40周年 フジオカ トヨタカロ-ラ長崎 presents 斉藤和義×高橋優 Special Live ーヒキガタリー』10月1日(金) 長崎・長崎ブリックホール関連リンクHP:レーベルHP:::
2022年09月19日緑黄色社会が、初の日本武道館ワンマンライブ『緑黄色社会×日本武道館 “20122022”』を9月16日・17日に開催。そのオフィシャルレポートが到着した。「みんな、ここが武道館だよ。連れてきてくれてありがとう!今日は、私たちの音と、みんなの気持ちで、この武道館をいっぱいにしたい。何にも心配しなくていいよ。私たちに全部預けて、心の底からこの空間を楽しんでね!」「Alice」「merry-go-round」「Bitter」と序盤から熱いクラップの輪を描き出したところで、長屋晴子(Vocal & Guitar)はそんなふうに満場のオーディエンスに呼びかけていた。そして、続く「始まりの歌」では場内のライトが目映く点灯して、歓喜に沸き返る日本武道館を鮮やかに照らし出していった――。長屋晴子(Vocal & Guitar)2012年のバンド結成から10周年を迎えた今年・2022年、緑黄色社会が9月16日・17日の2日間にわたって日本武道館で開催した単独公演『緑黄色社会×日本武道館 “20122022”』。自身初の武道館ワンマンとなる今回のライブは両日ソールドアウト。各日8,000人・トータル16,000人の観客とともに作り上げた今回のステージは、武道館という大舞台からさらに「その先」を志すバンドの冒険心を克明に伝えるものだった。今回の武道館公演では、「陽はまた昇るから」や「Shout Baby」、「sabotage」などシングルナンバーはもちろんのこと、「始まりの歌」「Re」といったインディーズ時代からの重要曲、さらには高校時代の4人が名古屋・大須のスタジオで初めて音を合わせて生まれた楽曲「マイルストーンの種」まで、10年間の歩みが2日間のセットリストの形へと結実していた。小林壱誓(Guitar)溌剌としたバンドアンサンブルが弾ける「始まりの歌」や「あのころ見た光」、晴れやかな包容力に満ちた「愛のかたち」、ミステリアスなドラマ性が滲む「LITMUS」(9月16日)、ピアノバラードからシューゲイザー的な荘厳な音像へと展開する「Re」、2020年代を代表するポップナンバーとなった「キャラクター」や「Mela!」……。4人全員が作曲を手掛け、類稀なる演奏力・表現力でジャンルの垣根を無効化してきた緑黄色社会。だが、今回の武道館公演から浮かび上がってきたのは、「自分たちだから作れる音楽」「どこにもない未知の音楽」「誰にでも届く音楽」という命題をひとつひとつ形にしてきた、4人の創造性と才気のスケールだった。peppe(Keyboard)《流行りは廃る/花は枯れる/全て終わってゆくのにな/どうして逆らいたいんだろう/果てる景色を愛したい》という真摯な歌詞を通して、不確かな時代に「確かなもの」を音楽で追求する意志を綴った「時のいたずら」。《流れた滴に/生まれた理由の味がした/ダメになってここからだ/位置につけ"Re"スタート》と不屈の挑戦精神をパンキッシュに突き上げた「S.T.U.D」。コロナ禍によって2ndアルバム『SINGALONG』CD盤発売延期とツアー中止を余儀なくされた2020年、CDに先駆けて配信リリースされた『SINGALONG』から国民的ナンバーとして日本全国で愛されることとなった「Mela!」。緊急事態宣言下で制作され、困難に屈することなく前進し続けた緑黄色社会の象徴として『SINGALONG』に加えられた「夏を生きる」(9月17日)……。激動の時代の真っ只中にあった緑黄色社会の10年史を、4人が自分たちの力でひとつひとつ栄光の歴史へと塗り替えてきた――という事実を、今回のライブは改めて明確に指し示していた。穴見真吾(Bass)2022年、今回の武道館2日間公演を目前に控えた8月下旬には、長屋の新型コロナウイルス感染がアナウンスされるという状況もあったものの、どこまでも伸びやかな歌を響かせた長屋をはじめメンバー全員が、多くのアーティストが名演を刻んできた武道館のステージで至上のアクトを繰り広げてみせた。今なお不安材料が山積する時代の中で、ひたむきに前進することで道を切り開いてきた4人の姿は、武道館という最高の場所で希望として映った。客席にはまだ歓声もシンガロングも鳴り渡ることはなかったが、ライブ全編で巻き起こっていた会場一面のクラップは、オーディエンスの「魂の合唱」そのものだった。ここをゴールだと1mmも思わない、むしろスタートだと思おう「高校生の時にこのメンバーに出会って、緑黄色社会のひとりとして音楽をスタートしました。それが、死ぬまで私の誇りで、唯一の人生の転機だと思っています」と、peppe(Keyboard)はバンドへの想いをまっすぐに語っていた。「ビートルズとか、神々のようなミュージシャンと同じステージに立てて、しびれるほど嬉しいですけど、『ここをゴールだと1mmも思わない、むしろスタートだと思おう』と心に決めていた」という言葉に、穴見真吾(Bass)は音楽家としての闘志をたぎらせていた。「3年前だったら武道館を埋められなかった」「何の意味もないバンド名に、みんなが大きな意味をくれた」という感慨越しに、小林壱誓(Guitar)はファンとともに成長してきた10年史を振り返っていた。そして、「今日ここに立ってみてわかりました。武道館って『決意の場所』なんだって」と初武道館の実感を語っていた長屋は、「私たちはバンドを組んだ頃から『国民的な存在になりたい』ってずっと言ってきました。こうやって武道館の日の丸の下でライブができたことで、その夢にまた近づけた気がします」と“夢の途中”のリアルな視線を伝えていた。《憧れていた自分になれたかな》――ライブ後半に披露された「あのころ見た光」では、メンバー4人のこれまでの数々のライブ映像が、武道館に立つ“今”の姿とともにLEDスクリーンに映し出されていた。“あのころ”の情熱や衝動を抱きしめたまま、自らの夢へと一歩一歩踏み出している緑黄色社会の在り方が、そんな場面にも凝縮されていた。《今見えてるあの光が/誰かが放ったものなら/ねぇ僕らが飛び込むその時/誰かの光になれるかな/照らし出すよ君を》というフレーズが、夢を糧に夢を追う4人の現在地が重なって、抑え難く胸が震えた。「私たちが初めて東京でライブをした日――まだみんな高校生だったんだけど、ある大会の決勝戦で、日比谷の野音のステージで歌いました。私、そこで言ったの。『私たちを、《ここでライブをしたバンド》で終わらせないでください』って。大口叩いてさ、笑っちゃうじゃん?でも、今でもね、すごいカッコいいこと言ったなって思う。そして今、あの時のまったく同じことを思ってる。『私たちを《武道館に出たバンド》、それだけで終わらせないでください』って。頼もしい、大好きなメンバーと、いつもあたたかい、愛おしいみんなと、もっともっと先に行きたい」焦燥の中から決然と意志を掲げた高校時代の思い出を、長屋は「今」と地続きのものとして語っていた。結成10周年記念日・7月4日に配信リリースされた最新楽曲「ブレス」の《諦めたい夢なんかなくて/手に触れて確かめたい》というラインが、この上なく切実なメッセージとして胸に響いた。1日目のライブ中にはバンド主催の自主企画ライブ『緑黄色夜祭vol.11』の開催が発表され、2日目の開演直前には新曲「ミチヲユケ」が日本テレビの10月期ドラマ『ファーストペンギン!』の主題歌に決定したことがアナウンスされ……といった具合に、武道館2日間の間にも新たな情報が次々に飛び出していた。そのたびに、「もっともっと先の景色が見たい」という長屋の言葉が、よりいっそう説得力をもって迫ってきた。「10年もあるとさ、いろんな決断をすることがあるよね。10年前――もうちょっと前だけど、メンバーに出会って、連絡したり、声をかけたり……『自分がしてきた決断は間違いじゃないよ』って、もちろん今までも何度も思ってきたけど、ここに2日間立って、改めて自信を持って、『間違いじゃなかったよ』って思えました」……武道館の歴史に新たな足跡を残した2日間を振り返って、長屋はそんなふうに語っていた。満場の観客とともに「緑黄色社会の10年史」を総括し祝福すると同時に、バンドの「これから」へ向けての新たなスタートラインでもある、金字塔的な名演だった。Text by 高橋智樹Photo by 安藤未優<公演情報>緑黄色社会×日本武道館 “20122022”9月16日(金)・17日(土) 東京・日本武道館セットリスト■9月16日(金)01. Alice02. merry-go-round03. Bitter04. 始まりの歌05. 真夜中ドライブ06. 陽はまた昇るから07. 愛のかたち08. inori09. LITMUS10. LADYBUG11. Shout Baby12. マイルストーンの種13. 時のいたずら14. Re15. SINGALONG16. sabotage17. S.T.U.D18. あのころ見た光19. キャラクター20. Mela!21. ブレス-BONUS STAGE-01. またね02. これからのこと、それからのこと■9月17日(土)01. Alice02. merry-go-round03. Bitter04. 始まりの歌05. アウトサイダー06. 陽はまた昇るから07. 愛のかたち08. inori09. 想い人10. 夏を生きる11. Shout Baby12. マイルストーンの種13. 時のいたずら14. Re15. Actor16. キャラクター17. S.T.U.D18. あのころ見た光19. sabotage20. Mela!21. ブレス-BONUS STAGE-01. またね02. これからのこと、それからのこと<ライブ情報>緑黄色夜祭 Vol.1111月12日(土) 愛知・Zepp Nagoya11月13日(日) 神奈川・KT Zepp Yokohama11月20日(日) 北海道・Zepp Sapporo11月26日(土) 福岡・Zepp Fukuoka11月27日(日) 大阪・Zepp Osaka Bayside12月4日(日) 東京・Zepp Haneda開場 / 開演:17:00 / 18:00(全会場共通)チケット料金:6,600円(税込)※ドリンク代別途必要※未就学児入場不可<番組情報>日本テレビ系10月期新水曜ドラマ『ファーストペンギン!』日本テレビ系にて毎週水曜22:00~ ※初回10月5日(水) 22:00~日本テレビ系10月期新水曜ドラマ『ファーストペンギン!』ビジュアル(C)日本テレビ出演:奈緒 / 堤真一 ほか番組公式HP:関連リンク緑黄色社会 オフィシャルホームページ緑黄色社会 公式Twitterアカウント緑黄色社会 公式Instagramアカウント緑黄色社会 公式LINEアカウント緑黄色社会 公式TikTokアカウント緑黄色社会 オフィシャルYouTubeチャンネル
2022年09月19日松本利夫(EXILE)主演による『舞台 FOCUS2022「アップデート」』が、9月17日銀座ブロッサム中央会館にて開幕した。ここではそのレポートとキャストコメントをお届けする。華やかなボールルームダンス(社交ダンス)で幕を開ける、この『舞台 FOCUS2022「アップデート」』。ダンサーたちは全員姿勢が良く、どれだけダイナミックに動いても頭がブレない。そのステップは細かく、そしてスピーディーだ。なにより素晴らしいのが、男女ペアのダンサーたちが、お互いを信じあって踊っている点である。女性ダンサーが男性ダンサーに重心を預けたり、どれだけ激しく動いても手は固く握られたままだったり。ボールルームダンスがいかに「パートナーとの信頼関係」によって成り立っているものかよく分かる。また、綺麗に揃った足さばきも見事である。テクニックはもちろんのこと、呼吸や気持ちが通じあっていないとこうはいかないだろう。ボールルームダンスのそういった特性を踏まえたうえで観劇すると、物語がより味わい深く感じられる。「独身のままで生きていく」と宣言しながら、老後の不安から結婚相手を探すことになる主人公・桑田慎太郎。ただ、なかなか理想の相手が見つからない。そんなときに出会ったのがA.Iパートナーのマリモ。若くて、見た目も良く、すべてが自分好みのマリモを迎え入れ、桑田は有頂天に。ところが一緒に暮らすうちに彼女に備わっている性格が気に障るようになり、開発者に何度も「アップデート」を要求することになる。同作の鍵は「パートナーの大切さ」である。桑田は、マリモの気持ちをちゃんと受け止めようとしない。自分本位で彼女の内面を変えようとする。その結果、ふたりの関係性が少しずつ壊れていく。お互い、違う“人間”同士なのだから、考え方や価値観が異なるのは当然のこと。違うからこそ、相手のことを理解するために歩み寄ったり、時には我慢したりする。気持ちを身勝手に押しつけたりするのではなく、喜びも不満も共有しながら過ごすことで、パートナーとの関係は築かれていく。桑田はその点、相手への思いやりに欠けていることが分かる。きっと成長しきれずに大人になったのだろう。結婚相手に求める条件も含めて、彼はまったくアップデートできていない人間なのだ。そういったストーリーにボールルームダンスを融合させたことで、「パートナーの大切さ」というメッセージがよりはっきりと伝わってくる。気持ちを通じあわせ、バランスをうまくとらないとボールルームダンスの形はすぐに崩れてしまう。ボールルームダンスがなぜ美しく見えるのかというと、お互い身も心もくっつけあって踊っているからにほかならない。恋愛もダンスも、相手とどれだけ向き合えるかが重要なのである。主人公の桑田は、人間性がねじまがっている。謙虚さがなく、世間体ばかり気にし、優しさに欠け、身勝手で勘違い甚だしい。そんな桑田に扮したのが松本利夫だ。クセの強いキャラクターをあまりに見事に表現しているため、松本自身の好感度が下がらないか心配になるほどだ。ただ物語が進むにつれて徐々に桑田の内面もあきらかになっていくと、わたしたち鑑賞者もハッと気づかされる。それは「自分も、もしかすると桑田と同じなのかもしれない」ということ。桑田は決して、他人事のようなキャラクターではないのだ。松本は、どこかシンパシーを感じるキャラクター像を絶妙な温度感で演じている。守屋茜は、桑田を一途に愛するマリモの健気さを丁寧にあらわしている。桑田からアップデートを何度も要求され、苦しみをかかえていくマリモ。内面がどんどん変化することで感情の浮き沈みも激しくなっていくのだが、守屋はその移ろいをさまざまなテンションで演じている。桑田にさまざまな現実を突きつける同級生役には春海四方、新垣幸三。桑田を翻弄する取引先のマドンナ役には土屋炎伽。桑田のイタさを陰で笑う部下役には春名真依、米山綾香。マリモを開発・修理する A.I エンジニア役に中島健。そしてマリモの理解者である婚活アドバイザー役には金井勇太。それぞれ笑いあり、そしてシビアさありの緩急を織り交ぜた芝居が光っている。また日本でトップクラスのタップダンサーであるHideboHが、謎の老人役で出演。劇中での彼のタップダンスが意味するものは、さまざまな考察ができるはず。ラストは出演者全員がボールルームダンスを披露。松本、守屋はこれまでさまざまなダンスをステージなどで見せてきたが、同作では新境地といえるパフォーマンスを見せている。桑田とマリモの感情を結実させたそのダンスは、きっと多くの鑑賞者の胸を打つことになるだろう。取材・文=田辺ユウキ■松本利夫(EXILE)コメントボールルームダンスは、今まで自分が携わってきたダンスとは全く違って、ペアで踊るという格段の難しさがありますね。二人三脚のように2人の息を合わせないといけないので、大勢のシンクロとも全く違いました。初めての社交ダンス、自分的には精一杯頑張りました。演じる役柄は、人間味がでるようにという面を考えながら演じています。芝居の展開も早いので、観ていただく方が感情移入できるように、ちょっとした仕草や表情、言葉の裏側など丁寧に表現していきたいと思います。とにかくダンサーの方々の圧巻のパフォーマンス、そして役者陣も豪華なキャストの皆さんが揃ってくださいました。チーム一丸となって頑張りますので、ぜひ楽しんで観ていただきたいなと思います。■守屋茜 コメント演じるマリモはAIなので、子供の感情表現と似ているな、と思って演じています。大人になったら感情を自分で調整しようとしますが、AIはアップデートされたことだけを忠実にやろうとして、ゼロか100か、というような激しい感情表現が多いので、テンションを上げて元気に表現して、マリモの天真爛漫で純粋さが伝わるように演じたいと思います。社交ダンスは覚えることがたくさんありましたが、プロのダンサーの方に色々と教えていただけてとても良い経験になりました。社交ダンスはずっと見ていられるくらい本当に美しいダンスです。毎日素敵なメンバーで試行錯誤しながら作り続けているので、最後まで気を抜かずに全員でいいパフォーマンスができるように、そして、社交ダンスの魅力を伝えられるように頑張ります。■春海四方 コメント作品自体が柔らかいお話なので、お客さんが見ていて楽しめるような芝居ができるように意識しています。松本さんを始め、カンパニーの皆さんがとても素直で気さくな方たちなので演技がしやすいです。ボールルームダンス界のエキスパートたちが集まっていてとても綺麗なダンスは、思わず見惚れてしまいます。そのまま出トチらないように要注意です……(笑)。今コロナで分断されていることが多い中、社交ダンスは人間が大事にしなきゃいけないことを大切にしているので、そういった所を表現できればと思います。今まで見たようなミュージカルともまた違った、ダンスのエキスパートたちの惚れ惚れするダンスとお芝居、両方楽しんでいただければと思います。■金井勇太 コメント最初は、一生懸命面白い芝居をしなきゃと意気込みすぎていましたが、お稽古を重ねて、面白いセリフを面白く喋ろうとしすぎない、自然な芝居を大事に、相手とのやりとりを楽しんでいます。ダンスはほとんど経験がなかったのですが、やってみるとそのすごさ、難しさを実感します。一流の方々のダンス、とても心強いです。この作品では畑違いのプロたちが集まっているので、ダンスの魅力に負けないように、俳優部の僕らも全力で表現できればと思います。ミュージカルとも音楽劇とも違う、新しい魅力のある作品です。演技を研鑽してきた俳優たちと社交ダンスの世界で活躍されているダンサーさんたちがどう絡み合って、お互いが刺激し合っていくのか、という人間の物語です。お互いの仕事を見てどうアップデートしていくか、楽しみにしていてください。■HideboH コメント社交ダンスの世界は独特の動きがあり、特殊技能に近いものと感じています。ミュージカルでダンスを覚えてみんなでユニゾンを踊る世界とも、ちょっとかけ離れていますね。「社交ダンス風に見える」ではだめなので見よう見マネになってしまわないように気を付けています。自分の役どころは、現実に生きる人物というより、色々な解釈ができる存在なので、皆様に想像してもらいたいところです。そして、少しですが感情をタップで表現する、ということにも挑戦しています。足を打楽器として使う、原点のような表現ですね。とても不思議な世界に仕上がっています。社交ダンスと芝居、その融合と世界観があまり見たことないという世界に誘いますので楽しみにしていただければと思います。■中島健 コメントこの作品で僕は、大先輩の金井さんと絡むシーンが多く、魅せ方や表現の仕方などたくさん教わりました。そんな2人の信頼感も見える舞台になればいいなと思います。ダンス自体あまり経験がなく、振り入れの段階から苦戦していました。お稽古を重ねダンスについてわかることが増えると、楽しい! もっと踊りたい! と、ハマってしまっています。社交ダンスの中でもジャイブというジャンルが好きで、劇中でもプロのダンサーさんが踊っているので、すごく見入ってしまいます。社交ダンスを経験して、もっと広まってほしいですし、こんなすごいダンスがあるんだと皆さんに知ってほしいと思いました。とてつもないものをお見せしますので、ぜひ劇場にお越しください。■土屋炎伽 コメントお客様に楽しんでいただくために、キャストの皆さんとトップダンサーの皆さんと試行錯誤しながら「まだまだ進化できる!」と信じて作り上げているので、緊張しつつも本番が楽しみです。ギリギリまでブラッシュアップしながら、これまでのFOCUSとはまた違った一面をお見せできるよう頑張りたいと思いますし、私自身ボールルームダンスが大好きですので、この魅力を心から、お伝えしたいと思います。ぜひ、いらして下さい!■春名真依 コメント私は初めて関西弁を使う役ということもあり、楽しんで演じられています。また、自分の役は少し腹黒い部分もあるのですが、それでもどこか愛しいとお客様に思っていただけたら嬉しいです。社交ダンスは、初めての挑戦なので難しさを感じています。今まで、映像などで社交ダンスを観ていたのですが、このお話を頂いて現場で、実際に生で拝見すると、まったく違う感動や迫力がありました。そして自分がお稽古に入り踊ってみると、先生方のステップや、上半身の使い方などすごい技術だなと、2重にも3重にも感動する毎日で、すっかり虜になっています! この華やかな世界観を皆さんにお届けしたいと思いますので、ぜひ劇場にお越しください。目でも耳でも楽しんでいただけたらと思います。<公演情報>『舞台 FOCUS2022「アップデート」』脚本:樫田正剛振付・監修:大竹辰郎振付・演出:大西大輔【出演】松本利夫守屋茜 / 金井勇太 / HideboH / 中島健 / 春海四方土屋炎伽 / 春名真依 / 新垣幸三 / ほか【東京公演】会場:銀座ブロッサム中央会館■2022年9月18日(日) 開演 11:00アフタートークあり:守屋茜 / 土屋炎伽 / 春名真衣■2022年9月18日(日) 開演 16:00スペシャルカーテンコール【チケット料金】SS席:19,500円(非売品グッズ・公演パンフレット付)SS席:18,000円(非売品グッズ付)S席:13,500円(パンフレット付)S席:12,000円A席:9,500円(パンフレット付)A席:8,000円※全席指定・税込※3歳以上有料、3歳未満膝上無料。但し、お席が必要な場合は有料。問い合わせ:info.focusstage@gmail.com(mailto:info.focusstage@gmail.com)チケットぴあインフォメーション:0570-02-9111(10:00~18:00)【大阪公演】会場:COOL JAPAN PARK OSAKA TT ホール■2022年11月18日(金) 開演 11:00 / 開演 16:0016:00回はアフタートークあり:松本利夫 / 守屋茜 / HideboH■2022年11月19日(土) 開演 11:00 / 開演 16:0016:00回はスペシャルカーテンコール【チケット料金】SS席:19,500円(非売品グッズ・公演パンフレット付)SS席:18,000円(非売品グッズ付)S席:13,500円(パンフレット付)S席:12,000円A席:9,500円(パンフレット付)A席:8,000円※全席指定・税込※3歳以上有料、3歳未満膝上無料。但し、お席が必要な場合は有料。■一般発売2022年10月8日(土) 10:00~チケットはこちら:問い合わせ:info.focusstage@gmail.com(mailto:info.focusstage@gmail.com)チケットぴあインフォメーション:0570-02-9111(10:00~18:00)■アフタートーク参加チケット詳細はこちら:■公演パンフレット販売開始日時:9月16日(金) 10:00~■ライブフォト販売開始日時:9月23日(金) 10:00~公式サイト:公式Twitter:
2022年09月18日6月にリリースされたスプリットEP『愛彌々』を引っ提げて始まったMONGOL800×WANIMAのツアーが、MONGOL800の地元沖縄のコンベンションセンター(劇場棟)でファイナルを迎えた。ただの対バンではない、この2組だからこそ実現した濃厚なライブは、とんでもなく特別なものだった。ステージに張られたスクリーンにMONGOL800・髙里悟(以下:サッシ)が書いた「愛彌々」の文字が映し出される。SEとともにスクリーンの向こう側にWANIMA、MONGOL800のメンバーが登場すると、会場は手拍子に包まれた。そこから鳴り響いたのはWANIMA・KENTAの声。オープニングはWANIMAの「THANX」だ。ツインドラムにツインベース、5人体制の「WANIMA800」でいつもよりも分厚く聞こえるサウンドに載せてKENTAが叫ぶ。「始まりました!『愛彌々』始まりました!」。そしてキヨサクとKENTAでヴォーカルをパスし合いながらいきなり熱演が繰り広げられていく。サッシも、KO-SHINとFUJIも、ステージ上の全員が笑顔を浮かべている。KENTAが「愛彌々」タオルを掲げる横で「ワニパチと一緒にあそびーましょー!」とキヨサクが叫ぶ。そして始まったのはMONGOL800「あなたに」。誰もが聴いたことのある、あのリフとメロディがいっそうパワフルに突き刺さってくる。ときおりアイコンタクトを取りながらキヨサクのヴォーカルにコーラスを重ねるKENTA。『愛彌々』の制作、そしてこのツアーを通して培ってきた信頼関係と親密感がステージから伝わってくる。早くも汗だくのKENTAが「やったー!」とマイクなしで叫んでいる。「今日は本当にありがとうございました!」ともうライブを終えるかのような挨拶をすると場内はあたたかな雰囲気に包まれる。「沖縄ファイナルでございます!もう、終わりたくないです」というキヨサクも満面の笑みだ。ここからはWANIMAとMONGOL800の単独パート。どちらが先にやるかはここまでジャンケンで決めてきたらしく、今回もサッシとFUJIのドラマー2人がジャンケン。サッシが勝ち、先攻はMONGOL800に決定だ。再びのキヨサク「あそびーましょー!」を合図にSEが鳴りだすと、なんとステージが回転して、先ほどのワニパチセットからモンパチセットに切り替わる。そしてステージ上にはキヨサクとサッシ、そしてサポートメンバーとしてギターを弾くのは、そう、WANIMA・KO-SHINである。1曲目は「PARTY」。軽快なロックンロールのリズムをKO-SHINのギターがさらに盛り上げる。歌い終えたキヨサクが「沖縄、サンキュー!」と叫んで「Love song」へ。心を揺さぶるようなメロディを情感豊かに歌うキヨサクの声、笑みを浮かべながらタイトなビートを叩くサッシ、そしてコーラスを取りつつ軽快にリフを鳴らすKO-SHIN。3ピースの醍醐味みたいな濃厚なサウンドが真っ直ぐに放たれる。「アロハイサイ!沖縄!」と挨拶をすると「今日はKO-SHINのライブと言っても過言ではないくらい、ずっと出ますから」とKO-SHINを称える。「このツアーめちゃくちゃ楽しくて。トータル5本、あっという間でしたけど、まだまだ終わらないんじゃないかな説が……」と早くも期待させるようなことを言いつつ、今回のセットリストがWANIMAのメンバーからのリクエストをもとに組まれていることを明かす。そして「KENTAからのリクエストです」と披露したのはモンパチらしさの詰まった名曲「愛する花」だ。KO-SHINも一部ヴォーカルを取って喝采を浴びると、続いてはそのKO-SHINのリクエスト曲「リリー」へ。ギターが引っ張ってパンキッシュに疾走する楽曲で、KO-SHINらしいチョイスだ。そこから一転、メロウに歌いかけるラブソング「星の数 月の数」(FUJIからのリクエストだったそう)をしっとりと聴かせる。「なかなかハードルの高いリクエスト3曲、ありがとうございました」とおどけるキヨサクだが、その表情はとても嬉しそうだ。「WANIMAから素晴らしい楽曲を提供してもらいました。久々のモンパチの新曲ですって紹介できるのが嬉しいです。もう返しません(笑)」とキヨサクが宣言して始まったのは、もちろんWANIMAが作りMONGOL800に提供した「てぃんがーら」。KENTAらしさ、WANIMAらしさとモンパチへの愛情が融合した優しくて大きな曲である。「神様」を経てKO-SHINのギターソロも炸裂する「face to face」を勢いよく披露すると、「どうですか、KO-SHINさん」とキヨサクがKO-SHINに問いかける。KO-SHINは「緊張しました……」と本音をポロリ。だがその顔はとても満足げだ。さて、モンパチパートは次の曲でラスト。最後はもちろん「小さな恋のうた」だ。モンパチの、というか、もちろんWANIMAも含め会場に集まったすべての人にとって大事な大事なこの曲。曲の途中でキヨサクは思わずマイクを客席に向ける。しかしまだお客さんに歌ってもらうことは叶わない。「本当は皆さんに歌ってほしいんですけど、そうはいかなくて。お客さんに頼りすぎていました。次のパート、5年ぶりぐらいに歌っています」と《夢ならば覚めないで》と歌い始めるキヨサク。オーディエンスは声の代わりに手拍子でその思いに応えてみせた。そして訪れた静寂の中に波の音が聞こえてくると、再びステージが回転。次はWANIMAか……と思いきや、またしてもWANIMA800のターンである。だが先ほどとは趣が違う。全員が椅子に座り、キヨサクはウクレレ、KO-SHINはアコースティックギターを抱えている。サッシとFUJIはパーカッションの前にスタンバイ。そしてそのキヨサクが歌い始めたのはWANIMA「1106」だった。『愛彌々』でもモンパチがすばらしいカバーを聴かせていたが、ライブではKENTAとキヨサクの声が重なり、楽曲にさらなる温もりを加えていく。先ほどまでのモンパチのライブを客席で観ていたというKENTAは「やっぱりモンパチが好きでよかったなって思いました。本当にかっこよかったです」と感想を口にする。すると今度はキヨサクが「『1CHANCE FESTIVAL』お疲れさまでした」と初の主催フェスを終えたばかりのWANIMAを労う。さらにアコースティックセットでMONGOL800「あるがまま」を披露。ステージ上にいる全員がめちゃくちゃ楽しそうで、曲が終わった瞬間にKENTAは「幸せ」と口にしていたが、観ているこちらもなんだか嬉しくなる。1曲ごとにまったりMCをするいい感じにゆるいところも、このツアーのムードを物語っている。ライブの前に目の前の海でちょっと泳いできたというKENTAがKO-SHINに「沖縄にぴったりなやつ」とオーダーして始まったのは……アレンジがまったく違うので最初気づかなかったが、WANIMAの「SLOW」だ。軽妙なバックビートを刻むギターに乗せて沖縄っぽい言葉を織り交ぜながら歌うKENTAは心からこの時間を楽しんでいるようだ。その証拠に曲を終えた瞬間「テンション上がるー!」と叫ぶKENTA。キヨサクは「2つのバンドじゃなくて『ワニパチ』という1つのバンド」と言っていたが、ステージで生まれているグルーヴは確かにコラボというよりもバンドそのものだ。改めて今回のコラボレーションがWANIMA、モンパチ双方にとってとても実りのあるものだったのだなと実感する。そしてアコースティックセットの最後はWANIMA「りんどう」。KO-SHINの弾く繊細なギターに乗せて、最初はKENTA、続いてキヨサクが丁寧な歌を紡いでいく。5人の音とコーラスが重なり、アコースティックとは思えないスケールの風景が広がった。「1つのバンド」になった5人そんな超スペシャルなアコースティックセットが終わると、今度はWANIMAのターンだ。ステージチェンジとともにSEの「JUICE UP!!のテーマ」が鳴り響けば、さっきまでのムードを一掃するようにKENTAは客席を煽り、FUJIはズバズバと鋭くドラムを叩き、KO-SHINはゴリゴリのリフを弾く。「沖縄にWANIMAが帰ってきたぞ!ノンストップで付いてくるんやぞ!」と「Japanese Pride」でスタートを切ると、「Cheddar Flavor」でさらにギアを上げる。ワニパチですでに温まりきっている3人はすでに汗まみれ。のっけからクライマックスのような熱いパフォーマンスだ。切先鋭い「リベンジ」で「沖縄手を叩け!」とオーディエンスのアクションを求め、「いいから」でさらなる一体感を生み出していくと、FUJIのキックが手拍子を呼び起こし、「めちゃめちゃ今日の日を楽しみにしてきたぞ!ありがとう!誰に支えられて今日このステージに立っているのか、何のために3人が音楽をしよるのか、忘れかけていたときにできた歌です」と「眩光」へ。WANIMAの根っこと幹をさらけ出すような、ひときわ熱く響く。このツアーに向けた彼らの気合と喜びがステージで爆発している。その後も「エル」、そして「雨あがり」とWANIMAの全力のライブは続く。「Hey Lady」で一面のジャンプを巻き起こして客席を揺らすと、最後は「僕ら3人が迷ったときに出会えた大切な曲です」と『愛彌々』でカバーしたMONGOL800「rainbow」。9曲にすべてを注ぎ込むような全力のライブは、それだけで2時間のワンマンライブを観るような濃密さだった。WANIMAがステージを去った後、スクリーンには今回のコラボのきっかけとなったラジオ番組収録時のKENTAとキヨサクの会話の模様、レコーディングやミュージックビデオ撮影の様子が映し出される。とくにスタジオでの5人の雰囲気は、リラックスした和気藹々としたムードの中にもプロフェッショナルどうしの緊張感があって新鮮だ。そしてその映像が終わると再び幕が上がり、ワニパチによる「愛彌々」が始まった。MONGOL800とWANIMA、2つのバンドの個性がすべて詰め込まれた渾身のコラボ曲が、ライブの場でその本領を発揮する。KENTAの声に合わせてサッシがキメ。KO-SHINも「愛彌々―!」と叫ぶ。「痺れるー!」とKENTA。キヨサクも「楽しいですよ、本当に。1つのバンドになれてるかなって思います」と手応えを口にする。そしてKENTAが「じゃあちょっと、キヨサクさんにベースお願いしようかな」と自分のベースを下ろし、ハンドマイクで客席を煽り立てながら「BIG UP」に突入する。身軽になったKENTAはステージ狭しと駆け回り、ダイナミックにパフォーマンス。レアな光景に客席も沸騰状態だ。その沸騰状態にさらに油を注ぐのはMONGOL800のキラーチューン「DON’T WORRY BE HAPPY」。ステージにはモンパチのライブでおなじみの粒さんこと粒マスタード安次嶺も登場し、最高のスマイルとダンスで盛り上げる。そのパフォーマンスを至近距離で見たKENTA、「WANIMAにもほしい!」と一言。しかし驚いたことに粒さん、モンパチが呼んだわけではなく、勝手に押しかけてきたらしい。いろいろと奇跡である。最後はKENTAが再会を誓って、このツアーを締めくくる最後の曲へ。演奏されたのは5つの音が熱く重なり合い、出会えた喜びと未来への希望をキラキラと輝かせる「ともに」だった。まさにキヨサクが言ったように「1つのバンド」になった5人によるメッセージは、どこまでもまっすぐに届いてきた。そしてツアー完走を祝っての集合写真を撮影し、KO-SHINの一本締めで大団円。WANIMAにとってもモンパチにとっても、そして目撃したお客さんにとっても特別づくしだったツアーはこうして幕を下ろしたのだった。文=小川智宏写真=SARU (SARUYA AYUMI) / Takimoto”JON...” Yukihide<リリース情報>MONGOL800×WANIMA スプレットEP『愛彌々』発売中価格:1,980円(税込)MONGOL800×WANIMA『愛彌々』ジャケット【収録曲】M1. 愛彌々 / MONGOL800×WANIMAM2. LAST PARADISE / WANIMA(MONGOL800提供曲)M3. てぃんがーら / MONGOL800(WANIMA提供曲)M4. rainbow / WANIMA(カバー)M5. 1106 / MONGOL800(カバー)「愛彌々」MV『愛彌々』配信リンク:『愛彌々』特設サイト:関連リンクMONGOL800 オフィシャルサイト: オフィシャルサイト:
2022年09月12日back numberのアリーナツアー『back number “SCENT OF HUMOR TOUR 2022”』のツアーファイナル公演が9月8日、千葉・幕張メッセにて開催された。4月2日:愛媛県武道館を皮切りに、大阪城ホール / さいたまスーパーアリーナなど全国12会場を舞台に25公演、計25万人を動員して行われてきた『SCENT OF HUMOR TOUR 2022』。ファンクラブツアーを除けば、back numberにとっては2019年の『NO MAGIC TOUR』以来約2年半ぶりの全国ツアーとなる。当初7月20日・21日に予定されていた幕張メッセのファイナル公演は、清水依与吏(Vo・G)の体調不良によって9月7日・8日への振替開催が決定。しかし、ツアーファイナルを最高の歓喜で飾ってみせたこの日のアクトは、清水自身「こんなにアクセルを踏み込んだことは人生でありません!」とアンコールのMCで語るほどエモーショナルな高揚感と、どこまでも切実な「back numberが音楽を伝える意味」に貫かれていた。ライブ冒頭の「怪盗」から巻き起こった満場のクラップを、続く「泡と羊」では清水自ら激しく煽り、「アップルパイ」「オールドファッション」と立て続けに楽曲を披露していく。「その節はご心配とご迷惑をおかけしました」とファイナル公演延期に触れつつ、「全然違う人生を歩んできたひとりひとりに、俺らがどんな想いで曲を作って、何を大切にしてきて……っていうのが伝わるように、全力でやろうと思っているので。最後までよろしくお願いします!」とまっすぐ呼びかける清水の言葉に、会場を埋め尽くした1万8千人の熱い拍手が一面に広がる。清水依与吏「今日は最初から全力で楽しむぞ!と意気込みすぎて、緊張しすぎてました。みんなに助けられてここに立ってます」(小島和也 / Bass)、「会場にいるみんな、誰一人欠けることなく、いいファイナルを一緒に作りたいと思ってます!」(栗原寿 / Ds)とメンバーそれぞれに万感の想いを語っていたこの日のライブ。「エメラルド」「HAPPY BIRTHDAY」「黄色」といったシングル曲群、「MOTTO」「003」などライブのキラーナンバーはもちろんのこと、「風の強い日」(2010年の1stアルバム『あとのまつり』収録)、「sympathy」(2009年の1stミニアルバム『逃した魚』収録)といったインディーズ時代の楽曲、さらにファンクラブツアーでのみ披露されていた未発表曲「赤い花火」まで幅広く披露。キャリアの隅々にまで手を伸ばすような選曲と、何よりサポートメンバー含め一丸の熱演ぶりが、客席の没入感を刻一刻と高めていく。小島和也ライブ終盤、珠玉のバラード曲「瞬き」の絶唱を受けて、割れんばかりに沸き起こる会場一丸の拍手に、思わず清水が涙を拭う場面も見られた。「あなたの人生のつらかったこと、悲しかったこと、痛かったこと……そういうのをチャラにするようなことはきっとできない。だけど、これから一生懸命、あなたに関係ある曲だけを作って、あなたの人生が特別だったんだっていうことを、俺らがきちんと証明してみせるんで!」……清水の力強い言葉が、観客の心を抑え難く震わせていく。そこへ鳴り渡ったのは「水平線」。2020年、「コロナ禍によるインターハイ中止」という事態に直面した高校生の悲しみに向き合って生まれた楽曲が、満場の幕張メッセを感動で包んでいった。栗原寿「高嶺の花子さん」「スーパースターになったら」でひときわ晴れやかな多幸感を描き出して本編を締め括ったback number。アンコールの「僕の名前を」「日曜日」でさらに一体感を高めたところで、最後は幕張メッセ一面のクラップとともに「そのドレスちょっと待った」で圧巻のフィナーレを飾ってみせた。「back numberってこういうライブをするんだね!『一緒に作る』ってこういうことだって教えてもらいました」……演奏終了後、サポート陣含め6人全員で手を取り合って語る清水の言葉は、至上のライブを実現したロックバンドの充実感に満ちていた。Text:高橋智樹Photo:佐藤祐介<公演情報>back number “SCENT OF HUMOR TOUR 2022”9月8日(木) 千葉・幕張メッセ国際展示場9・10・11ホールセットリスト01. 怪盗(日本テレビ系 水曜ドラマ『恋はDeepに』主題歌)02. 泡と羊03. アップルパイ04. オールドファッション(TBS系金曜ドラマ『大恋愛〜僕を忘れる君と』主題歌)05. エメラルド(TBS系日曜劇場『危険なビーナス』主題歌)06. MOTTO07. 赤い花火08. HAPPY BIRTHDAY(TBS系火曜ドラマ『初めて恋をした日に読む話』主題歌)09. 風の強い日10. サマーワンダーランド11. 恋12. 黄色(ABEMAオリジナル恋愛番組『虹とオオカミには騙されない』主題歌)13. 勝手にオリンピック14. 00315. 半透明人間16. sympathy17. 瞬き(映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』主題歌)18. 水平線19. 高嶺の花子さん20. スーパースターになったらEn1. 僕の名前を(映画『オオカミ少女と黒王子』主題歌)En2. 日曜日(TBS系ドラマ『スープカレー』主題歌)En3. そのドレスちょっと待った<リリース情報>back number「ベルベットの詩」Now On Saleback number「ベルベットの詩」ジャケットback number「ベルベットの詩」歌詞配信リンク:「ベルベットの詩」歌詞掲載ページ: number「ベルベットの詩」MV関連リンクback number official HP number Official YouTube Channel number Twitter number LINE number Instagram number 公式TikTok:
2022年09月09日声優アーティストの水樹奈々が、2022年8月21日、愛知・日本ガイシホールにて約3年ぶりのライブツアー『NANA MIZUKI LIVE HOME 2022』ファイナル公演を開催した。7月にリリースしたニューアルバム『DELIGHTED REVIVER』を引っ提げて、全国5都市10公演を展開してきたツアーの締めくくりとなるライブの模様をレポートする。タイトル「HOME」には、“自分達のホームグラウンドであるツアーが帰ってきた!”という思い、そして今ツアーで初の茨城県公演を実施し、ライブ開催地47都道府県制覇となったことから”日本を一周してホームベースを踏む”、という2つの意味が込められている。ステージにはアメリカ西部の街並みを思わせるセットが組まれており、荒野を旅して帰ってきた愛しきホームタウンをイメージしている。オープニングムービーでは旅を終えた水樹が“ROUTE 77”を通り、ホームタウンへと歩みを進める。映像が開けると、ステージ中央から伸びる花道“ROUTE 77”に白を基調としたカウガール風の衣装を纏った水樹が登場。会場に集まったファンへ手を振りながら、自らの愛しきホームであるステージへと歩いて行く。ライブのステージへと帰ってきた水樹が「帰ってきたぜ愛知ー!今日は最高の夜にしようぜ!!」と叫ぶと軽快なメロディーとポジティブな歌詞が印象的な「New Sensation」でライブがスタート。自身のイメージカラーであるブルーのペンライトが大きく揺れる中、続く「SUPER GENERATION」ではステージの端から端まで走りながら歌い、そして7月にリリースしたばかりのアルバム『DELIGHTED REVIVER』のリード曲「Go Live!」と、エネルギッシュな曲で開幕から一気に駆け抜けた。「みんなただいま!今日は“LIVE HOME”のツアーファイナルだよ!!」「落ち着かない中幕を開けたこのツアーですが、チーム一丸となって、ひとつひとつ幕が開く奇跡と喜びを感じながら歩みを進め、無事にここまで辿りつくことができ、そして皆さんに会うことができて本当に幸せです!」と、3年ぶりのツアー開催とファイナルを迎えられた喜びを叫んだ水樹。今回4年ぶりに訪れた日本ガイシホールだが、彼女がこれまで開催してきた“LIVE ○○”と冠するライブでは最多公演数のライブ会場とのこと。「まさにHOMEです!HOMEでのファイナル!」と告げると、「LIVE HOME 2022 ROAD10、行ってきまーす!」の掛け声で改めてライブ本編がスタートし、「ROMANCERS’ NEO」「スパイラル」とロックサウンドを熱く歌い上げる。お馴染みのバックバンド・Cherry Boysのコーナーのあと、水樹は蛍光色のストライプが華やかなレトロワンピース姿で再び現れる。スカートをふんわりと揺らしながら、「HOLY TALE」と「NAKED FEELS」を優しい歌声で会場に響かせた。ここで、ツアー恒例のお楽しみ企画「水樹奈々 初めての○○」のコーナーへ。今回の企画は2年前に開催を予定していたツアーで考えていた企画を「LIVE HOME」用にブラッシュアップしたとのこと。各公演で異なる楽曲を披露しており、これまでの公演では初めてのアニメ主題歌や、初めて人前で歌った曲、初めてのデモテープ曲などが歌われてきた。この日のテーマは「初めてのキャラクターソング」ということで、自身の声優デビュー作でもあるゲーム『NOëL ~La neige~』の門倉千紗都役として歌った「Girl’s Age」を披露。この企画について水樹は、 「ライブに時々登場する楽曲から、この先いつ登場するかわからないというマニアックな曲まで、10回にわたりお届けしてきました。HOMEというテーマに合わせて、初心に戻って皆さんに初々しい気持ちをお届けできたらいいなと思っていたので、今回聴いていただけて嬉しかったです。」と観客へ感謝と喜びを伝えた。「それでは時代を一気に元に戻して、最新アルバムから個性的な一曲を聴いていただきたいと思います!」と告げると、軽やかでトリッキーなサウンドと畳み掛ける歌詞が特徴の「ダブルシャッフル」を激しく体を揺らしながら歌い、「MARIA&JOKER」では艶やかな歌声でスリリングな世界観を表現してみせた。バックダンサー・team YO-DAのコーナーを挟み、ここで水樹のライブではお馴染みの“乗り物”がステージに登場。レトロなアメ車を模した“Nanallac(ナナラック)”に乗ってステージに現れた水樹はアメリカンポップ&スポーティーなギンガムチェックの衣装で、ダンスポップ曲「Reboot!」と、刺激的な歌詞とダンスが人気の「GUILTY」、そしてこれまでの水樹曲にはないラテン調のリズムに乗せた妖艶な振り付けが印象的な「DNA -Dance ’n’ Amuse-」をteam YO-DAとの息の合ったパフォーマンスで繰り広げた。「今日は熱い熱い楽曲をずーっとお届けしていきますけど、次の曲だけは唯一、清涼感を感じていただける曲になっています」という言葉の後に続くのは「Stand by you」。このライブ唯一のバラード曲をしっとりと聴かせると一旦ステージを後にする。続く幕間のムービーはツアータイトルにちなんだアメリカンホームコメディ風の映像に、会場ごとに異なるゲスト声優を迎えてアフレコをしていくという声優・水樹奈々ならではの企画。愛知公演のゲストには堀内賢雄が登場。さまざまなアニメキャラのネタや演技そっちのけで会話を始める2人の掛け合いに、会場には笑い声の代わりに拍手が何度も鳴り響いた。こんなに高まった気持ちのままじゃ帰れません!映像が開けてライブ後半戦がスタートすると、それまでの雰囲気を⼀転させる激アツなロックナンバーを連発。「FIRE SCREAM」「UNLIMITED BEAT」を熱唱し、トップスピードで後半戦を駆け抜けていく。「ここからも激アツ曲ばかりで、攻めに攻め続けていきたいと思います!」と、ここからさらに激しいライブになることを予告し、『DELIGHTED REVIVER』1曲目に収録された、アルバムのコンセプトでもある“エンターテインメントを復活させる”という想いを象徴する楽曲「MY ENTERTAINMENT」を力強く歌い上げる。「アパッショナート」ではステージ上に炎のナイアガラが降り注ぎ、続く「ETERNAL BLAZE」で“待ってました”と言わんばかりにペンライトが激しく揺れ、会場のボルテージは最高潮へと達する。「これからも楽しいこと、たくさんの夢をみんなで追いかけていきましょう!」と告げ、ライブ本編の最後を飾ったのは水樹が作詞を手がけた「全力DREAMER」。ノスタルジックなメロディーに乗せた前向きな応援ソングを会場全体に届け、ステージを後にした。鳴り止まない手拍子のアンコールに、ツリーハウスの秘密基地をイメージしたトロッコに乗った水樹がアリーナに登場。笑顔で観客に手を振りながらアリーナを外周し「レイジーシンドローム」「STAND UP!」を歌唱。定番の“シャッス”コールでは、声が出せない中でも水樹の掛け声に観客は大きく拳を突き出して応え、両者の掛け合いを楽しんだ。そして、今回のツアータイトルにもなった水樹作詞作曲の「HOME」を、今年1月に開催したライブ『NANA MIZUKI LIVE RUNNER 2020 → 2022』の映像をバックに披露。同ライブで感じた気持ちを歌にしたという楽曲を、会場中を埋め尽くすブルーのペンライトで作られた“地球-そら-より熱く青い海“の光景を前に、幸せを噛み締めるような表情で歌った。そしてここで、水樹から嬉しい発表が。『NANA MIZUKI LIVE HOME 2022』の本日行われたツアーファイナル公演と、今年1月に開催した『NANA MIZUKI LIVE RUNNER 2020 → 2022』2日目の模様を収録した映像商品『NANA MIZUKI LIVE HOME × RUNNER』の発売が決定。さらに、水樹の誕生日である来年1月21日と22日の2日間、さいたまスーパーアリーナでライブを開催することも明らかとなり、ファンとともに喜びをあふれさせた。アンコールラストには、「No Limit」を披露。ステージを端から端まで移動しながら観客との掛け合いを楽しみ、まっすぐ伸びやかな歌声を会場全体に届けていた。まだまだ興奮冷めやらぬ観客の拍手に、「戻ってきちゃった!」と再度ステージ上に姿を現した水樹。「こんなに高まった気持ちのままじゃ帰れません!もう⼀曲歌ってもいいですか?」と観客に問いかけると、一際大きな拍手が鳴り響いた。「みんなのモヤモヤした気持ちを吹き飛ばすような、自然と笑顔になれるような曲を歌いたいと思います!」と話し、ジャケット写真を名古屋で撮影したという、2014年発売の12th Album『SUPERNAL LIBERTY』から「Fun Fun★People」を披露。最後にパワフルで陽気な歌声をファンへと送るとこの日一番の盛り上がりの中でライブは幕を下ろした。前回の『NANA MIZUKI LIVE EXPRESS 2019』ファイナル、千葉・ZOZOマリンスタジアム公演から、実に1035日ぶりの開催で、“エンターテインメントを復活させる”という思いを込めたアルバム『DELIGHTED REVIVER』を引っ提げて行われた今回のツアー。その思いを体現するかのように、前に進もうと思わせてくれるポジティブな楽曲や、応援ソング、そして激アツ曲に溢れたセットリストでファンを楽しませてくれた。ツアーに参加したファンにとっても、この熱いライブこそが自分達の居場所だと思い出させてくれたツアーになったのではないだろうか。また8月6日に行われた、今ツアーのさいたまスーパーアリーナ公演のセットリストを元にしたプレイリストが各音楽サイトにて配信されているので、ぜひライブの余韻に浸りながら楽曲をチェックしてみてほしい。<公演情報>『NANA MIZUKI LIVE HOME 2022』2022年8月21日(日) 日本ガイシホール【セットリスト】01. New Sensation02. SUPER GENERATION03. Go Live!04. ROMANCERS’ NEO05. スパイラル06. HOLY TALE07. NAKED FEELS08. Girl’s Age09. ダブルシャッフル10. MARIA&JOKER11. Reboot!12. GUILTY13. DNA -Dance ’n’ Amuse-14. Stand by you15. FIRE SCREAM16. UNLIMITED BEAT17. MY ENTERTAINMENT18. アパッショナート19. ETERNAL BLAZE20. 全力DREAMER■ENCORE21. レイジーシンドローム22. STAND UP!23. HOME24. No Limit■W ENCORE25. Fun Fun★People『NANA MIZUKI LIVE HOME 2022』2022.08.06 さいたまスーパーアリーナ セットリスト 配信サイト:<ライブ情報>2023年1月21日(土) 開場 16:00 / 開演 18:002023年1月22日(日) 開場 15:00 / 開演 17:00会場:さいたまスーパーアリーナ<リリース情報>『NANA MIZUKI LIVE HOME × RUNNER』【収録内容】『NANA MIZUKI LIVE RUNNER 2020 → 2022』さいたまスーパーアリーナ 2022.1.4公演『NANA MIZUKI LIVE HOME 2022』日本ガイシホール 2022.8.21公演 ほか収録予定※その他詳細は後日発表『DELIGHTED REVIVER』発売中●初回限定盤【CD+Blu-ray】4,400円(税込)【初回限定盤特典】・特製BOX・スペシャルフォトブック・シトラスライムデジパック仕様【封入特典】・『DELIGHTED REVIVER』抽選キャンペーン応募シリアルナンバー●通常盤【CD Only】3,080円(税込)【封入特典】(初回製造分のみ)・『DELIGHTED REVIVER』抽選キャンペーン応募シリアルナンバー【CD収録】01. MY ENTERTAINMENT作詞:ヨシダタクミ(saji)作曲:ヨシダタクミ(saji)編曲:藤永龍太郎(Elements Garden)02. Red Breeze ※新世代リッチアニメRPG『COUNTER: SIDE』(カウンターサイド)主題歌作詞:藤林聖子作曲:上松範康(Elements Garden)編曲:藤永龍太郎(Elements Garden)03. スパイラル ※スマートフォンゲーム『鋼の錬金術師 MOBILE』主題歌作詞:ヨシダタクミ(saji)作曲:山下洋介編曲:山下洋介04. Reboot!作詞:藤林聖子作曲:岡澤知輝編曲:小山寿05. HOLY TALE ※TOKYO FM『水樹奈々のMの世界』エンディングテーマ作詞:岩里祐穂作曲:h-wonder編曲:h-wonder弦編曲:山下洋介06. ダブルシャッフル ※TV アニメ『トモダチゲーム』オープニングテーマ作詞:しほり作曲:サカノウエヨースケ編曲:渡辺徹×日比野裕史07. Get up! Shout! ※TVアニメ『SHAMAN KING』第2弾オープニングテーマ作詞:水樹奈々作曲:山本玲史編曲:加藤裕介08. ストラトスフィア作詞:松井五郎作曲:BOUNCEBACK編曲:ats-09. Link or Chains ※TVアニメ『Levius レビウス』オープニングテーマ作詞:しほり作曲:南田健吾編曲:南田健吾10. DNA -Dance ’n’ Amuse作詞:しほり作曲:平間光編曲:藤間仁(Elements Garden)11. FIRE SCREAM ※スマートフォンゲーム『戦姫絶唱シンフォギア XD UNLIMITED』新主題歌作詞:水樹奈々作曲:上松範康(Elements Garden)編曲:菊田大介(Elements Garden)12. Stand by you作詞:岩里祐穂作曲:Toshikazu.K編曲:藤間仁(Elements Garden)13. 全力DREAMER ※NHK松山『ひめDON!』テーマソング作詞:水樹奈々作曲:南田健吾編曲:南田健吾14. HOME作詞:水樹奈々作曲:水樹奈々編曲:藤間仁(Elements Garden)15. Go Live!作詞:ヨシダタクミ(saji)作曲:加藤裕介編曲:加藤裕介【初回限定盤Blu-ray収録】■NANA REVIVER FESTA 2022 特別編・リプレイマシン-custom-・残光のガイア・Don’t be long・STORIES・NEXT ARCADIA・Crystal Letter・恋想花火■「DELIGHTED REVIVER」 MAKING MOVIE配信リンク:アルバム特設サイト:関連リンクOFFICIAL HP公式Twitter
2022年08月22日櫻坂46が出演する『W-KEYAKI FES.2022』が8月19日&20日、富士急ハイランド コニファーフォレストにて行われた。昨年同会場で初開催された『W-KEYAKI FES.』は、1本の欅から生まれ、それぞれ自分たちの坂を駆け上がってきた櫻坂46と日向坂46が、かつて『欅共和国』を行ってきた“聖地”ともいうべき富士急ハイランド コニファーフォレストに集結するという合同野外ライブ。当初、今年は7月21~24日の4日間にわたり、1日目と3日目を日向坂46、2日目と4日目を櫻坂46が単独ライブを行う予定だったが、櫻坂46メンバーのコロナ感染により日向坂46公演の1日目と3日目のみ実施。約1カ月を経て、同会場での櫻坂46振替公演が行われることとなった。直前の体調不良により残念ながら関有美子がこの2公演を欠席することになり、卒業を控えた尾関梨香&原田葵を含む21人でライブに臨んだ櫻坂46。快晴のもと、けやき坂46/日向坂46の鉄板曲「NO WAR in the future」カバーに加え、「タイムマシーンでYeah!」「摩擦係数」といった1stアルバム『As you know?』収録の新曲をライブ初パフォーマンスするなど、ボリューミーな内容で大成功を収めた初日から一転、20日の公演は小雨が舞う中で開演を迎える。尾関&原田の影アナ、「伝説は、1本の欅から始まった」というメッセージから始まるオープニング映像を経て、桜色ジャケットと白いスカートという出立ちのメンバーがステージに現れ、「太陽は見上げる人を選ばない」からライブを開始。先月の日向坂46公演と同じオープニング、同じフォーマットの衣装などからも「伝説は、1本の欅から始まった」の意味が強く伝わる演出に、早くもBuddies(=櫻坂46ファンの総称)から盛大な拍手が贈られた。曲のクライマックスではウォーターショットが盛大に打ち上がり、キャプテンの菅井友香が「一度は断念せざるを得ないと思っていたこのフェスですが、たくさんの方々のおかげで開催することができました。今日は一緒に最高の夏の思い出を作りましょう!」と挨拶して、会場のBuddiesや生配信を観ている視聴者と一体感を作り上げていく。その後「Overture」を経て、桜色をあしらった新衣装に着替えたメンバーは「Buddies」で、本格的にライブに突入。センターの山﨑天が〈Yo! 元気かい? 君に会いたかったよ〉と笑顔で歌い始めると、会場の空気は一気に高揚感を増すことに。続く「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」の曲の盛り上がりに合わせてウォーターショットが何度も打ち上がり、早くも“夏の恒例イベント”らしい場面が展開されていった。最初のMCでは菅井が1カ月前の延期に触れつつ、「あのとき、日向坂46のみんながつないでくれたバトンを受け取ることができて、こうして最終日を迎えられて、本当にうれしい気持ちでいっぱいです」と感謝を伝える。また、欅坂46時代にMCでのお約束であった「尾関はどう?」が菅井から振られると、この日がラストステージとなる尾関は「来たね、必殺技(笑)。これも今日で最後だよ。寂しい気持ちもあるんですけど、今はBuddiesの皆さんとメンバーと、すべての皆さんでたくさん笑って過ごしたいなと思います」と現在の心境を吐露。原田も「メンバーと配信ご覧になっている皆さんとここにいるBuddiesの皆さんと、雨を吹き飛ばしたいなと思います!」と意気込みを口にする。その後は「Microscope」「それが愛なのね」と前日披露されなかった楽曲が立て続けに繰り出され、トロッコを使った演出やウォーターショットやメンバーによる放水など、野外の大会場ならではの試みで夏らしい光景が広がっていく。また、櫻エイトによるしなやかなダンストラックを経て「偶然の答え」へ突入すると、序盤のハッピー感の強い空気から一変。ブルーを基調にした照明と切ない曲調に合わせて、センターの藤吉夏鈴が繊細さを伴うパフォーマンスと機微な表情の変化で楽曲の世界観を見事に表現していく。続く「五月雨よ」では徐々に強まっていく雨と歌詞の内容とが相まって、この瞬間ならではの特別な空間が作り上げられた。その一方で、「思ったよりも寂しくない」ではウォーターショット&放水が加わることで、再びパーティー感が向上。そこから緩急を付けるように始まった「無言の宇宙」では、卒業した渡邉理佐に代わり原田がセンターを務めるというサプライズも用意され、陽が落ち始めた富士急の環境と雨というシチュエーションとともに、この曲の持つ幻想的な雰囲気が増すこととなった。ライブ中盤では卒業する2人のインタビュー映像が上映され、最後に披露したいリクエスト曲が明かされる。「一緒になって楽しんでほしい」「悔いのないよう届けたい」というメッセージとともに始まったのは、欅坂46時代のユニット曲「コンセントレーション」と「カレイドスコープ」。2曲とも欅坂46の『THE LAST LIVE』(2020年10月)にたった一度のみパフォーマンスされた楽曲で、当時は無観客配信だったこともあり、観客の前で披露するのはこの日が初めてのこと。「コンセントレーション」では尾関を中心に、難易度が高い大人びたパフォーマンスが繰り広げられ、「カレイドスコープ」では一期生の原田や上村莉菜が頼もしく成長した二期生とともにキュートなダンスを展開した。ウォータースクリーンを用いた幻想的な演出の「ブルームーンキス」、情熱的な曲調に合わせて会場が赤く染まる「恋が絶滅する日」に続いて、白いワーゲンの助手席の乗った森田が会場に登場。サブステージでメンバーと合流すると、そのまま「車間距離」で会場の熱量をどんどん高めていく。さらに、激しくキレの強いダンストラックからの流れで「流れ弾」へ突入すると、会場の熱量は沸点まで急上昇。ウォータースクリーン演出を用いた「BAN」でその盛り上がりは最高潮を迎え、ライブ本編は幕を下ろした。卒業する「おぜさん」「あおたん」へのサプライズアンコールではまず、原田の欅坂46加入時から現在までの振り返り映像が上映され、続いて白いドレスを着た原田がステージに再登場。彼女は「3年前にこの場所で復帰したとき、多くの方が拍手と歓声とともに、温かく待っていてくださったことが本当にうれしかったです。そのとき、絶対にファンの皆様に直接お会いしてお礼を言って、笑顔になってもらうまで卒業しないぞと思い、グループに復帰しました」と、同会場で行われた『欅共和国2019』で休業から復帰したことを振り返り、「ここにいなかったら出会えていなかった人や場所、感情がたくさんあって、ここにいたからこそ手放したくない宝物がたくさんできました。ですが、もっともっと成長するため、一人の素敵な人となれるよう、卒業してからも精一杯真っ直ぐ歩いていきたいと思います。そして、これからはグループがもっともっと成長していく姿を、陰ながら応援していたいと思います。これからも櫻坂46、尾関梨香、原田葵をよろしくお願いいたします」と涙ながらに挨拶した。その後、自身の振り返り映像に続いて赤いドレスを身に纏った尾関がステージに姿を現すと、満面の笑みで客席に手を振り始める。彼女も用意してきた手紙を読み上げ、「7年前、グループに加入した私は、皆さんが思うアイドルらしさ全開ではなかったかもしれません。もっと可愛らしくいたいなと、時には自分のキャラクターに悩んだこともありました。だけど、皆さんとお話しすると『いつも自然のままの尾関が好き。ありのままでいてね』と言ってくださったので、ずっとずっと私らしい“尾関スタイル”で居続けることができました」とBuddiesに感謝を伝える。さらに、「メンバー、Buddiesの皆さん、今ここにいる皆さん、配信を観てくれている皆さん、みんなひとりの人間です。生きていく上でたくさんいろんなこともあると思いますが、どんなときも自分を大切にして、ずっと笑っていてください。約束です。それから、大好きな櫻坂46をこれからも、Buddiesの皆さんで守り続けてください。心から本当に皆さんに出会えて幸せでした」と彼女らしいメッセージが贈られた。その後、尾関は小池美波とともに欅坂46時代のユニット曲「音楽室に片想い」「バスルームトラベル」をトロッコに乗って披露し、「バレエと少年」では原田と上村も加わり可愛らしくも華麗なパフォーマンスで観る者すべてを魅了した。このあとには、卒業する2人へのサプライズとしてメンバーからメッセージと花をプレゼント。後輩からも「おぜさん」「あおたん」の愛称で親しまれる2人に対し、笑顔で感謝を告げる者、涙で言葉にならない者などさまざまだったが、一期生や二期生問わず誰からも2人に対する強い愛が伝わる。持ち前の愛くるしい2人のキャラクターがいかにグループにおける潤滑油になっていたか、このやりとりの中からも十分に感じ取ることができたはずだ。最後に菅井が「私たちみんなファミリーだから。そういう気持ちで2人のこれからを皆さんと応援して、見守っていけたらなと思います」と挨拶すると、しんみりした空気をぶち破るように「危なっかしい計画」へと突入。会場一面が欅坂46カラーの緑色に染まる中、尾関と原田はトロッコに乗って会場中のBuddiesに向けて挨拶していく。サビではタオルを回して一体感を高め、ウォーターショットの連発と雨でびしょ濡れの中、ライブは終了した。菅井が「みんなの妹であり、お姉ちゃんであった2人の応援、そして櫻坂の応援をよろしくお願いします!」と叫ぶと、頭上に盛大な花火が打ち上がり、1カ月越しで実現した『W-KEYAKI FES. 2022』振替公演は大成功のうちに幕を下ろした。奇しくも、休業からの復帰の場となった富士急ハイランドが最後のステージとなった尾関と原田。(尾関は『W-KEYAKI FES. 2021』、原田は『欅共和国2019』)。一時は諦めざるを得なかったが奇跡的に振替公演が実現できた今年の『W-KEYAKI FES. 2022』は、2人にとってはもちろん、メンバーやBuddiesにとっても忘れられない2日間になったはずだ。それぞれ別の道を歩むことになったが、櫻坂46は秋に控えた全国ツアー、そしてツアーファイナルの東京ドーム2DAYS公演へ向けて、ここからも前進を続けていく。この2日間の経験を糧に、どこまで成長した姿をこの先見せてくれるのか、今から楽しみでならない。文=西廣智一<公演情報>櫻坂46『W-KEYAKI FES.』振替公演2022年8月20日(日) 富士急ハイランド コニファーフォレスト【セットリスト】01. 太陽は見上げる人を選ばない-Overture-02. Buddies03. なぜ 恋をして来なかったんだろう?04. Microscope05. それが愛なのね06. 偶然の答え07. 五月雨よ08. 思ったよりも寂しくない09. 無言の宇宙10. コンセントレーション11. カレイドスコープ12. ブルームーンキス13. 恋が絶滅する日14. 車間距離15. 流れ弾16. BANEn-1. 音楽室に片想い~バスルームトラベルEn-2. バレエと少年En-3. 危なっかしい計画セットリストプレイリスト:<リリース情報>1st Album『As you know?』発売中●完全生産限定盤【CD+BD】6,800円(税込)豪華フォトブックレット付き / 特別仕様ジャケット応募特典シリアルナンバー封入 / メンバー生写真(各形態別21種より1枚ランダム封入)『As you know?』完全生産限定盤ジャケット【CD収録】01. Overture ※新録02. 摩擦係数 ※新曲03. 五月雨よ04. 僕のジレンマ05. 車間距離06. 流れ弾07. Dead end08. 無言の宇宙09. ソニア10. BAN11. 偶然の答え12. 思ったよりも寂しくない13. Nobody’s fault14. なぜ恋をして来なかったんだろう?15. Buddies16. 条件反射で泣けて来る ※新曲17. One-way stairs ※新曲【Blu-ray収録】■「摩擦係数」MUSIC VIDEO■『Sakurazaka46 1st TOUR 2021 FINAL at さいたまスーパーアリーナ』・Overture・Opening・Dead end・Plastic regret・半信半疑・Microscope・君と僕と洗濯物・偶然の答え・ブルームーンキス・最終の地下鉄に乗って・思ったよりも寂しくない・それが愛なのね・ソニア・Nobody’s fault・なぜ恋をして来なかったんだろう?・Buddies・BAN・流れ弾・Ending・無言の宇宙・櫻坂の詩●Blu-ray付【CD+BD】5,800円(税込)三方背デジパック仕様 / フォトブックレット付き※Blu-ray付き初回仕様応募特典シリアルナンバー封入 / メンバー生写真(各形態別21種より1枚ランダム封入)『As you know?』Blu-ray付ジャケット【CD収録】01. Overture ※新録02. 摩擦係数 ※新曲03. 五月雨よ04. 僕のジレンマ05. 車間距離06. 流れ弾07. Dead end08. 無言の宇宙09. ジャマイカビール10. BAN11. 偶然の答え12. 思ったよりも寂しくない13. Nobody’s fault14. なぜ恋をして来なかったんだろう?15. Buddies16. 条件反射で泣けて来る ※新曲17. タイムマシーンでYeah! ※新曲【Blu-ray収録】■「摩擦係数」MUSIC VIDEO■『W-KEYAKI FES.2021 -DAY1- at 富士急ハイランド コニファーフォレスト』・Overture・Opening・Nobody’s fault・Microscope・半信半疑・君と僕と洗濯物・偶然の答え・最終の地下鉄に乗って・Plastic regret・思ったよりも寂しくない・ブルームーンキス・それが愛なのね・なぜ恋をして来なかったんだろう?・Buddies・BAN・Ending・櫻坂の詩●通常盤【CD only】2,800円(税込)※通常盤初回仕様フォトブックレット付き / ワイドジュエルケース / 応募特典シリアルナンバー封入『As you know?』通常盤ジャケット【CD収録】01. Overture ※新録02. 摩擦係数 ※新曲03. 五月雨よ04. 僕のジレンマ05. 車間距離06. 制服の人魚07. 流れ弾08. Dead end09. 無言の宇宙10. BAN11. 偶然の答え12. 思ったよりも寂しくない13. Nobody’s fault14. なぜ恋をして来なかったんだろう?15. Buddies16. 条件反射で泣けて来る ※新曲17. ずっと春だったらなあ ※新曲購入リンク:『As you know?』(Complete Edition)配信リンク:「摩擦係数」配信リンク:「摩擦係数」MV櫻坂46『W-KEYAKI FES.2021 -DAY1- at 富士急ハイランド コニファーフォレスト』ダイジェスト映像櫻坂46『Sakurazaka46 1st TOUR 2021 FINAL at さいたまスーパーアリーナ』ダイジェスト映像<ツアー情報>『2nd TOUR 2022 “As you know?”』9月29日(木) 大阪府・丸善インテックアリーナ9月30日(金) 大阪府・丸善インテックアリーナ10月5日(水) 広島県・広島サンプラザホール10月6日(木) 広島県・広島サンプラザホール10月15日(土) 宮城県・セキスイハイムスーパーアリーナ10月16日(日) 宮城県・セキスイハイムスーパーアリーナ10月21日(金) 愛知県・日本ガイシホール10月22日(土) 愛知県・日本ガイシホール10月25日(火) 福岡県・西日本総合展示場 新館10月26日(水) 福岡県・西日本総合展示場 新館11月8日(火) 東京都・東京ドーム11月9日(水) 東京都・東京ドーム関連リンク櫻坂46 OFFICIAL WEBSITE:櫻坂46 OFFICIAL Twitter:
2022年08月21日8月9日に東京・渋谷CLUB QUATTROで開催されたライブイベント『CLAPPERBOARD -Enjoy the weekend!- vol.9』のオフィシャルレポートが到着した。次世代の音楽シーンを担う気鋭のアーティストが競演する『CLAPPERBOARD -Enjoy the weekend!-』。第9弾目となる今回は、yutori、ヤングスキニー、ねぐせ。、クレナズムの4バンドが出演。独創的・個性的なバンドサウンドと感情豊かな歌が響き合う、充実のステージが繰り広げられた。yutoriyutori注目の若手バンドが揃った今回の『CLAPPERBOARD -Enjoy the weekend!-』。イベントのトップを飾ったのは、平均年齢19歳の4ピースバンド、yutori。2020年末に活動をスタートさせ、1年半の間に発表した4曲のストリーミング再生が500万回を越えているニューカマーだ。ステージに登場したメンバー4人は“グータッチ”を交わし、まずは「ショートカット」を放つ。気持ちがすれ違う恋人たちの姿をリアルに映し出す歌、疾走感に溢れたバンドサウンドが広がり、10代後半~20代前半のオーディエンスが手を挙げて応える。続く「音信不通」「キミニアワナイ」もそうだが、現時点における4人の軸である“恋愛の痛みや切なさを描いた歌詞”と“性急にしてエモーショナルな音像”が真っ直ぐに伝わり、心と体を揺さぶられてしまう。少しハスキーな佐藤古都子(Vo/Gt)のボーカルに絡む、内田郁也(Gt/Cho)の鋭利でメロディアスなギターフレーズも素晴らしい。焦燥にも似た高速のビートとともに、孤独や葛藤をストレートに響かせる新曲「ワンルーム」も鮮烈。そして、「こんなにたくさんの人の前で歌えるのはめちゃくちゃ幸せです」(佐藤)というMCの言葉とともにラストの「君と癖」へ。叙情性と激しさをぶつけ合うメロディ、サビの歌詞は、目の前の観客ひとりひとりに突き刺る表現力は、このバンドのポテンシャルの高さを証明していた。ヤングスキニーヤングスキニー続いては、ヤングスキニー。シンガーソングライターとして活動していた“かやゆー。”(Gt/Vo)がSNSでメンバーを募集し、2020年夏に結成。TikTok、YouTubeなどを中心に音楽ファンの注目を集めてきたバンドだが、この日4人は、ライブバンドとしての魅力を見せつけた。1曲目は「憂鬱とバイト」。学校にも行かず、バンドは上手くいかず、週6のコンビニバイトを続けている状況を彼らは、ヒリヒリとした葛藤を滲ませながら、生々しくも朗らかに響かせる。すべての言葉が明確に聴こえてくるボーカル、歌詞を際立たせる演奏からも、“歌を届けたい”という意思が伝わってきた。8月10日にリリースされた新曲「コインランドリー」は、夏の夜の風景、恋人たちの揺れ動く関係をテーマにしたミディアムチューン。鍵盤の音をとり入れたネオソウル系のアレンジ、穏やかに洗練された旋律は、この楽曲に初めて触れた観客をしっかりと魅了したようだ。「東京」では、都会のなかで自分を見失いそうになりながら、それでも“やりたいこと”をひたむきに貫く姿を熱唱。そして個人的にもっとも印象的だったのは、「らしく」だった。“僕は僕らしく、君は君らしく”という率直なメッセージにこんなにも強い説得力を与えられることこそがヤングスキニーの魅力であり、大きな武器なのだと思う。「夏休みだからね。どっか遠くに行きたい!という曲です」(かやゆー。)というMCに導かれたラストの「ロードスタームービー」の開放感も最高だった。ねぐせ。ねぐせ。バンドの楽しさ、音楽の素晴らしさを存分に感じさせてくれたのは、名古屋発の4ピースバンド、ねぐせ。。ステージに登場した瞬間からメンバー全員が笑顔。音楽のポジティブなパワーを高らかに歌う「グッドな音楽を」、自分を愛することの大切さをメッセージする「ベイベイベイビー!」の2曲で、会場全体を温かく、穏やかな雰囲気に包み込んだ。りょたち(Vo)によるフレンドリーな歌声、ゆったり身体を揺らしたくなるバンドグルーヴも心地よく、バンドのロゴが入ったタオルを肩にかけた観客にも自然と笑顔になっていく。「自分たちの話なんですけど、この体制になってからもうすぐ2年。葛藤の2年だったので、こんなに大勢の人の前でやれるのはうれしいです」(りょたち)というMCのあとは、フォーキーな手触りのロックンロールとともに大好きな“君”への思いをストレートに綴った「猫背と癖」、4つ打ちのビート、煌びやかなギターフレーズが響き合うポップチューン「愛煙家」などを披露。オーガニックな音像と色彩豊かな音楽性、そして、日常のなかにある素朴で大切な思いを描いた歌によってオーディエンスを魅了した。最後は「みんなが幸せそうな笑顔だと、僕も幸せになります。ありがとう」(りょたち)というコメントに導かれた「スーパー愛したい」で多幸感を演出。まさに“宇宙で一番あったかいバンド”と呼ぶにふさわしいアクトだったと思う。クレナズムクレナズムイベントの最後に登場したのは福岡の4人組バンド、クレナズム。My bloodyValentineの楽曲をSEにした4人は、激しいフィードバック・ギターから1曲目の「白い記憶」を放つ。強烈な爆音と美しいメロディラインが共鳴し、一瞬にして会場を独創的なサウンドで染め上げた。歪んだノイズを響かせながら暴れまくるギタリスト・けんじろう(Gt)は、若き日のサーストン・ムーア(Sonic Youth)のよう。厚みのある轟音を突き抜ける、萌映(Vo/Gt)の凛としたボーカルも強烈だ。続いては7月にリリースされた新曲「明日には振り向いてよ」。80’sシンセポップの要素を取り入れたアレンジ、華やかさと切なさを共存したメロディ、“好きな人に振り向いてほしい”と願う心情を表現したリリックが一つになったこの曲は、明らかにクレナズムの新機軸。観客は手を左右に振りながら踊り、ナチュラルな一体感が生まれた。「わたしの生きる物語」も強いインパクトを残した。シューゲイザー直系のギターを中心にしたアンサンブル、そして、ポエトリーリーディングを交え、生きることへの辛さと葛藤、それでも前に進んでいこうとする意思を込めた歌。その真摯な表現と圧倒的なカタルシスはまちがいなく、すべてのオーディエンスの記憶に強く刻まされたはずだ。最後は、繊細な感情の移ろいを叙情的にして狂おしいサウンドに乗せた「青を見る」。ハイブリッドな音楽性と震えるような詩情を共存させた音楽性をダイレクトに示した、素晴らしいステージだった。Text:森朋之Photo:新保勇樹<公演情報>『CLAPPERBOARD -Enjoy the weekend!- vol.9』8月9日(火) 東京・渋谷CLUB QUATTROセットリスト■yutori01.ショートカット02.音信不通03.キミニアワナイ04.ワンルーム05.煙より06.君と癖■ヤングスキニー01.憂鬱とバイト02.8月の夜03.コインランドリー04.東京05.らしく06.ロードスタームービー■ねぐせ。01.グッドな音楽を02.ベイベイベイビー!03.猫背と癖04.愛煙家05.彩り06.スーパー愛したい■クレナズム01.白い記憶02.明日には振り向いてよ03.ひとり残らず睨みつけて04.花弁05.わたしの生きる物語06.青を見る<公演情報>『CLAPPERBOARD -Enjoy the weekend!- vol.10』10月11日(火) 東京・渋谷CLUB QUATTRO開場18:00 / 開演18:30『CLAPPERBOARD -Enjoy the weekend!- vol.10』出演アーティスト出演:idom / クボタカイ / Myuk / 八木海莉チケット料金:3,500円 ※ドリンク代別途必要■プレイガイド先着先行:9月19日(月・祝)まで受付URL:イベント公式Twitter:
2022年08月19日LDH発の3人組ガールズユニット・iScreamが、初のワンマンライブ『i2022』を8月17日に神奈川・横浜MMブロンテで開催。そのオフィシャルレポートが到着した。昨年6月のデビュー以降、バラエティに富んだ楽曲を発表し、今年4月には1stフルアルバム『i』もリリースするなど、精力的な活動でファンを獲得してきた3人。昼夜2公演が行われたこの日の昼公演では、リリースされたばかりのシングル『Catwalk』からの楽曲も披露され、初々しくも気合の入ったパフォーマンスでオーディエンスを魅了した。3人のヒストリーをぎゅっと凝縮したオープニング映像が終わると、暗転したステージにスッと現れたRUI、YUNA、HINATA。1曲目「So Bright」はいきなりアカペラで歌い始めるという演出で、3人の迫力あるボーカルが会場中に響き渡った。フレッシュでしっかり芯もあって、前向きな気持ちにさせてくれるような歌声だ。オーディエンスを見つめる表情はとびきりの笑顔。ファンと同じ空間にいられる喜びを噛み締めているようで、見ているこちらも自然と笑顔になった。「『i2022』へようこそ。今日は最高の思い出を作りましょう!」RUIが元気に挨拶し、2曲目「Sugar Bomb」へ。キュートだけどセクシーさもあり、パワフルなだけでなくポップな魅力も顔を出す。1曲の中でいろんな表情を見せてくれる楽曲だ。続く「Pendulum」「Secret Love」では少し大人っぽいニュアンスも加わり、iScreamの振り幅の広さと表現力の豊かさがしっかり伝わってくる流れになっていた。RUI最初のMCでRUIは「昨年『iScream Debut Online LIVE Show Case』を行ったこの場所で、夢だった有観客ワンマンライブが開催できて本当に嬉しい」と感謝を伝え、HINATAは「みんなでひとつになって今日のライブを作っていきたい!」と笑顔を見せた。またYUNAはこの日がシングル『Catwalk』の発売日ということで、「『Catwalk』はリリースイベントなどを通してたくさんの方がiScreamと出会ってくれた、思い入れのある曲」であることも伝えていた。HINATAその「Catwalk」はトレンドのポーズを取り入れたパフォーマンスも楽しく、3人のしなやかなダンスが印象的な楽曲。YUNAのホイッスルボイスで始まる「つつみ込むように…」、エッジの効いたダンスパフォーマンスをガッツリ披露した「Scream Out」とテンポ良く繋いでいき、オーディエンスの前のめりな気持ちをさらに高めていくような選曲で楽しませてくれた。YUNA中盤の「Diamond」と「Maybe… YES」では真っ白の椅子が登場し、3人はリラックスしたムードで歌を届ける。簡単な手元の振り付けを一緒に楽しんだりして、メンバーとオーディエンスの距離がグッと縮まったような雰囲気だ。早いものでラスト2曲。メンバーの動きと映像をリンクさせる演出が取り入れられていた「愛だけは・・・」では、このライブで初披露だというピアノバージョンで歌唱。本編最後となった「茉莉花 -Jasmine-」は3人の歌の表現力に圧倒される仕上がりで、音源とはまたひと味違う深みのようなものを感じることができた。アンコールではまず、『Catwalk』のカップリング「恋するプラネット」を初披露。軽やかに体が揺れるようなサウンドが心地よく、ファルセットやフェイクなど、3人の多彩な声の表情を堪能することもできた。最後のMCでは今日のライブを振り返り、アルバム『i』をたくさん聴いてくれたファンへの感謝や、ファンがいるからこそ今の自分達があるという思いを口々に伝えた3人。RUIは“愛を叫ぶ”というグループ名の由来に触れ、「自分達のパフォーマンスを日本中・世界中に届けたいという夢がある。でも愛を叫ぶって簡単なことではないし、10代の自分達に愛を伝えることができるのか、みんなを自分達の歌で幸せにできるのかと思ったりもします。だけど私たち3人なら、いつも皆さんからもらっている愛を歌として返して届けることができると信じてこれからも歌い続けます」と語っていたが、その覚悟も気迫もこのライブにはしっかり刻み込まれていたと思う。咲き誇るひまわりの映像に負けないくらいパワフルな歌声を響かせていた「himawari」、そして最後はファンへのメッセージも込められた「Meant to be together」へ。言葉を大切に、そしてオーディエンスとしっかり心を繋ぐようにパフォーマンスを届けたiScream初の有観客ワンマンライブは、温かい拍手とたくさんの笑顔に包まれながら幕を閉じた。<リリース情報>iScream ニューシングル『Catwalk』Now On SaleiScream『Catwalk』ジャケット●初回生産限定盤(CD+豪華撮り下ろしミニフォトブック):1,500円(税込)●通常盤(CDのみ):1,000円(税込)【CD収録曲】1. Catwalk2. 恋するプラネット配信リンク:<配信情報>『iScream LIVE「i2022」』PPV配信見逃し配信:8月28日(日) 23:59まで『iScream LIVE「i2022」』PPV配信 告知画像【チケット情報】価格:2,500円(税込)※無料会員を含むCLの会員であればご購入いただけます。販売期間:8月28日(日) 23:59まで※PPV購入後のキャンセル・変更はできません。詳細はこちら:「CL」トップページ:関連リンクiScream オフィシャルサイト: Twitter: Instagram: YouTube: TikTok: Facebook:
2022年08月18日6月1日(水) に発売したアルバム『ザ・ハイライト』を引っ提げた、Sexy Zone初のサマーツアー『セクシーゾーン ライブツアー2022 ザ・アリーナ』の横浜アリーナ公演が開催。『ザ・ハイライト』は80‛s、90‛sを意識して制作された1枚で、本ツアーのセットや演出もそのコンセプトに基づいたレトロな世界観。今までにない新たなチャレンジとアプローチで会場を大いに盛り上げた。横浜アリーナ最終日の8月14日(日) 昼公演は、開演定刻に中島健人、菊池風磨、松島聡の3人がツアーTシャツを着用し歩いてステージに登場。11日(木) から佐藤勝利が新型コロナの療養・経過観察期間に入り、以降は佐藤を除くメンバーで公演を行っており、そのことをまず自分たちの言葉で説明する。メンバー同士で話し合い、佐藤の想いの分までしっかりとステージに込めると話す3人は、拳を突き合わせて円陣を組み、「頑張っていきまショウリで、行きマリウス!」と不在メンバーの名前も盛り込んで気合い入れ。温かい拍手に見送られて一旦裏に戻り、その後、ライブ本編がスタートした。メインステージ上部には、往年の音楽番組で使用されていたタイトル表示方法を現代風にアレンジした“セクシーフラップ”を設置。公演を通してすべての楽曲タイトルがそこに表示される仕組みだ。鮮やかな原色が目を引くスタイリングで登場し、「SUMMER FEVER」で客席をクギヅケにすると、その後もセクシーかつスタイリッシュな楽曲で畳み掛けるSexy Zone。〈昭和アイドルコーナー〉では、デビュー曲「Sexy Zone」などのヒットシングルを80‛s風にアレンジしてお届け。ノースリーブに短パン、ハチマキなどで80‛sアイドルに扮した彼らは、途中、ローラースケートのパフォーマンスも。しかし、不慣れなへっぴり腰に場内から笑みがこぼれ、アクロバットの大技をやりそうでやらない……というユニークなフェイントでも楽しませた。コンサート裏から中継をつないだ早着替えを挟み、次は裸にキラキラと光るシルバージャケットを羽織った衣装で登場。『ザ・ハイライト』のリード曲「THE FINEST」、センターステージの天井から紗幕を垂らした「君がいた夏に・・・」など夏らしい曲を洒落たムードでパフォーマンスする。ファンにクラップのリズムをレクチャーして始まった「ROCK THA TOWN」は、声が出せない状況の中でも手拍子のリズムで会場の一体感を作り上げた。MCはジャニーズJr.時代の懐かしいエピソードで盛り上がり。先輩のバックでも大胆に投げキッスをしていたという中島を菊池が再現したほか、ダンス中にとにかく腰を振りがちだったという若かりし日の松島のエピソードも。トークが一旦落ち着くと、暗転した場内のモニターに“緊急速報”と浮かび、“さぁ行こう次のSTAGEへ”の文字が。そして、息を飲んで見つめる会場の目に飛び込んだのは“ドーム公演決定”の特大ニュース。ファンが歓喜のどよめきに包まれる中、3人は自然と抱き合い、「やったー!!」とガッツポーズ。さらにそのまま肩を組んで花道の奥までダッシュし、中島と菊池は感無量の表情を、松島は大きな瞳を潤ませた。ドームの発表後は一人ずつ今の思いをコメント。「11年間いろいろありましたけど、Sexy Zoneはずっと“挑戦し続ける”という選択をしてきました。そして今回また“挑戦し続ける”というきっかけを、このような形で作ってくださったのは皆さんです。改めてお礼を伝えさせてください。本当にありがとうございます」(松島)、「(東京ドームは)僕たちの一つの夢でした。10年、11年、皆さんにはちょっとお待たせし過ぎちゃったかなとも思いますが、こうしてここで発表できることを誇りに思います。Sexy Zone第二章、皆さん、ついてきてください」(菊池)、「(しみじみと)お待たせ。10年越しの片思いがようやく実ったよ。10年待った、10年経った、10年願ったそのドーム公演にオレたちSexyがたどり着きました!オレたちは最高のコンサートを作ります。なのでSexy Lovers(ファン)は最高の思い出をドームで作ってください。オレたちは、Sexyドームを盛り上げます!」(中島)。佐藤からのメッセージを預かった松島は、涙声で代読。「ドーム、決まったよ!10年以上かかったけど、デビュー当時からの夢が叶ったよ。みんなを待たせちゃった分、命を懸けて幸せにするよ。横浜アリーナにいれなくてごめんね。すぐ元気になってステージに戻るね。ドームで待ってるよ」。改めて、会場中が割れんばかりの拍手に包まれた。念願のドーム公演決定の発表で、会場中が沸く中、バラード曲をしっとりと歌い上げて突入した後半戦。バーカウンターのセットがステージに現れ、ジュークボックス、アーケードゲーム用シューティングゲーム機などレトロアイテムが脇を彩る。ファージャケットでゴージャスに決めた3人は、EDMナンバーでノリノリにダンス。センターステージの床に水が張られ、その中で踊った「Freak your body」はメンバーが躍動する毎に、勢いよくしぶきが上がる夏らしい演出で魅了した。80‛s女性アイドルに変身してチャーミングに歌うブロックではメンバーが初期の箱型携帯電話を下げて歌うユニークなシーンが登場。ビジネススーツに眼鏡で登場した〈サラリーマンコーナー〉は再びステージ上での生着替えで沸かせ、ラストスパートはグリーンのセットアップで華やかに。水の演出で魅せた「Forever Gold」、力強い「RUN」のステージは圧巻で、本編ラストソングとなった「Dream」はSexy Zoneの絆を感じることが出来る演出で、壮大な景色が胸に焼き付いた。最後の挨拶では、「一生に一度しかないドーム公演の発表。たどり着いたその大きなステージに、Sexy Loversと一緒に愛情をたくさん持って突き進んでいきたいと思います」(中島)、「今日は勝利のファンもマリのファンも一緒に盛り上げてくれてありがとう。生きづらい世の中かもしれないけど、うれしいこと、幸せに感じることもあると思います。その幸せに感じることを僕たちと一緒にシェアしていきませんか?今日はみんなの愛、たくさん届きました。それをたくさん返していけるように、これからもこのステージで輝き続けたいと思います」(松島)、「一つの夢をみんなで共有できたこと、それが僕はうれしく思いますし、誇りに思います。“今”が一番大事だと思います。明日から普通の日々がまた始まりますが、そんな普通の日々に僕たちSexy Zoneが寄り添えるような、そんな活動をまた明日からできたらいいなと思っています」(菊池)と、それぞれに感謝とドーム公演への意欲を語った。サマーソングやレトロポップを中心に、“8変化”の衣装やバラエティ富んだ企画・演出で盛り込んだ約2時間半。一瞬も飽きさせない秀逸な構成でアリーナツアーを盛り上げた次なる一手は、いよいよ悲願の初ドーム。“夢の場所”に向かって勢いを増し続けるSexy Zoneを、今、見逃す手はない。『セクシーゾーン ドームツアー2022 ザ・ハイライト』は、12月16日(金)・17日(土) に東京ドーム、12月24日(土)・25日(日) に京セラドーム大阪で計4日間にわたり開催される。Text:川倉由起子Top J Records 公式サイト:
2022年08月15日今年7月に音楽活動20周年を迎えた柴咲コウが、8月4日(木) に東京・ビルボードライブ東京にて、ファンに向けて感謝を伝えるバースデーライブ『KO SHIBASAKI Birthday Party 2022「HINOMIKO UTAGE ~陽の巫女の宴~」』を開催した。1日2公演で、1st Setはメンバーシップ「KO CLASS」会員限定となっており、2nd Stageはチケットの一般販売に加え、U-NEXTでの独占生配信も行われた。俳優、歌手、アーティストとしての活動に留まらず、近年は地球環境に配慮した衣類や化粧品のプロデュースなども行っている柴咲コウ。有観客でのワンマンライブは、2019年5月にファッションと環境をテーマに行った、歌と芝居で織り成す全国コンサートツアー『EARTH THE KO』以来(FC限定では、2019年8月にBIRTHDAY PARTY『GOURMET THE KO』をENEKO軽井沢にて開催)、実に3年ぶりで、アーティストデビュー20周年のアニバーサリーイヤーの幕開けを飾るライブということもあり、大きな注目を集めていた。オープニングを彩ったのは、ひぐらしの鳴き声と優美かつダイナミックな箏(こと)の演奏。続けて、星が瞬く夜空のような長羽織を身に纏った柴咲コウがステージに上がると、本格的にライブがスタートした。黒幕に月が浮かぶ中で、2005年12月にリリースされた2ndアルバム『ひとりあそび』の収録曲で、闇夜に満月を待ちわびる「漆黒、十五夜」を身体全体を使って表情豊かに歌い上げた彼女は、「ようこそお越しくださいました。素敵な場所で歌を唄えることをとても嬉しく思っています。みなさん、思い思いにゆっくりとお過ごしください」と穏やかな表情で挨拶した。その後も、自身が主演を務めた大河ドラマ『おんな城主 直虎』で、一人の役を1年間演じた経験を満たされた月夜である十六夜に重ねた「いざよい」、2003年に公開された映画『黄泉がえり』の主題歌で、RUI名義でリリースして大ヒットした「月のしずく」と“月”をモチーフにしたバラードを情感豊かに歌唱。MCでは、「しっとりとした月の曲が多いですし、陰と陽でいうと、陰の歌詞が多かったりするんですが」と前置きした後で、「私自身が明日、8月5日が誕生日で夏生まれ。太陽のパワーや力強さの中で生まれたというところで、皆さんが太陽のエネルギーを感じて、そこはかとなく元気になれるようなコンサートにしたいという思いで、このタイトルをつけました」と、「陽の巫女の宴」というライブタイトルについて解説。さらに、「私にとって歌詞や言葉を紡ぐこと、歌うことは“祈り”に近いものがあります。和の世界観が好きということもあり、恐れ多いのですが、祈りや願いを込めて歌うという思いで“巫女の宴”と名付けました」と明かし、「それぞれの心に届いて、豊かな気持ちになってもらえたらいいな。もしも傷があるんだったら、癒やされてほしいなという思いで歌っております」と語ると、満員の客席からは、彼女の祈りの歌が心にまっすぐに届いてることを伝えるかのような温かい拍手が湧き上がった。さらに、近年の多岐にわたる活動について振り返り、「体は1つですが、やりたいことはたくさんあって。一生は一回きり。この魂とこの身体でここにいるのは1回きりなので、後悔のないように生きたいと思って、いろいろと挑戦しています。もがきながら、楽しみながら、日々を過ごしています。できれば、そうやって蒔いた種が、点ではなく線となって、輪っかになって、みんなの心とも繋がっていけばいいなと思っています。その中に音楽活動もあって、できる限りコンサートを開いて、皆さんの目の前で歌を、思いを届けていきたいなと思っています」と音楽活動への強い意欲を示した。ここで、彼女は何も言わずに、8月5日の誕生花であるひまわりを花瓶に刺した。1stセットでは3本、2ndセットでは11本。前者の花言葉は「愛の告白」で、後者は「最愛」。1stセットでは、MuseK名義でリリースした英語詞の世界デビューシングル「Blessing」の日本語バージョンで愛を歌い上げ、観客一人一人の顔を見つめながら<ずっと育てていこうみんなで>というメッセージを届け、2002年7月にリリースされた記念すべきデビューシングル「Trust my feelings」はアグレッシヴにパフォーマンス。2ndセットでは、ドラマ『ガリレオ』の劇場版『容疑者Xの献身』の主題歌として福山雅治が作詞作曲、プロデュースを手掛けたKOH+名義の「最愛」で、ピアノとウッドベースの弦弾きによる美しく物悲しい調べにのせて、<おなじ月の下で/おなじ涙を流した>あなたへの無償の愛を切々と歌い上げて、観客の涙を誘い、竹内結子主演のドラマ『ストロベリーナイト』の主題歌「EUPHORIA」は激しく強い歌唱を見せた後、「一聴すると攻撃的ではあるんですけど、実は赦しの歌です。相手を許さなかった自分を確かめて、受け入れて、手放すこと。自分自身を解放して赦しあげることが大切なんじゃないかなって思います」と語った。20周年の目標は今をとことん楽しむことライブの後半に入ってからは、真っ白なレースのトップスと巫女のような緋袴風スカートに着替え、3rdシングル『眠レナイ夜ハ眠ラナイ夢ヲ』のカップリングで、来ぬ人を待ちながら月を眺め、やがて夜明けを迎える「浮雲」に続き、ドラマ『世界の中心で愛をさけぶ』の主題歌として多くの人に親しまれている「かたちあるもの」では、心の奥底から湧き上がってきたような美しくも力強い歌声を響かせた。そして、歳を重ねるごとに自分自身や楽曲が育ち、成熟し、さまざまな捉え方ができるようになったとしみじみと語りかけた彼女は、追憶をテーマにしたピアノバラード「My Perfect Blue」を歌唱。大きな愛で会場全体を包み込むように本編を締めくくった。大きな拍手を受けた柴咲がステージに戻ってくると、2ndステージでは黒幕がオープン。東京の夜景が広がる前で、過去を振り返りながらも、今、ここから力強く歩いて行くという意思を込めたロックナンバー「wish」を歌唱。1stセットでは、「私の性格はついつい、今よりもちょっと未来に行きがちだったりするんですが、今、生きていること、今、みんなと会えてること、今、楽しめてることを、全力で心で感じながら生きていきたい。それが、20周年の目標かな。今をとことん楽しむ1年を走っていきたい」と決意を表明。2ndセットでは、「ほんとに世界中でいろんなことが起こっていて。鬱々としがちなんですけど、だからこそ、人間にはエンターテインメントが必要だと尚更に思います。勇気づけられたり、元気付けられたり、力をもらう。そういうエネルギーの交換ができるライブは大事だし、たやしてはいけないなとつくづく思います。これからも長く音楽活動を続けていきたいなと思いますのでよろしくお願いします」と更なる音楽活動への意欲を表明した。そして、2011年3月の東日本大震災を受けて作った「また、うまれるころには」を通して、改めて歌を届けていくんだという意思を伝えた彼女は、「20周年のスタートということで、今日1日限りでなくて、1年中、何か面白いことをやっていきたいな思います」と約束し、笑顔でステージを後にした。なお、8月12日(金) にはビルボード大阪で2公演が行われ、U-NEXTで独占生配信された2nd Stageでファイナルを迎えた。大阪2nd Stageの模様はU-NEXTで8月14日(日) まで視聴する事が出来る。また、柴咲コウは、9月16日に公開される『ガリレオ』シリーズの最新作『沈黙のパレード』に出演。福山雅治とのユニットKOH+による主題歌「ヒトツボシ」を収録したEP『ヒトツボシ〜ガリレオCollection2007-2022〜』が9月14日にリリースされる。文=永堀アツオ写真=網中健太<配信情報>『KO SHIBASAKI Birthday Party 2022 HINOMIKO UTAGE ~陽の巫女の宴~@ビルボードライブ大阪』2nd Stage見逃し配信:〜8月14日(日) 23:59まで視聴はこちら:<リリース情報>EP『ヒトツボシ ~ガリレオ Collection 2007-2022~』2022年9月14日(水) リリース●映像付き限定盤【CD+DVD+ブックレット+三方背ケース】価格:4,400円(税込)【CD収録】※曲順未定・ヒトツボシ(映画『沈黙のパレード』主題歌)・KISSして(フジテレビ系連続ドラマ 第1シーズン『ガリレオ』主題歌)・最愛(映画『容疑者xの献身』主題歌)・恋の魔力(フジテレビ系連続ドラマ 第2シーズン『ガリレオ』主題歌)・99 -New Era Remix-(『ガリレオ』シリーズ劇中曲)・ヒトツボシ Acoustic Arrange ver.【DVD特典映像】■Music Video ※曲順未定・ヒトツボシ・KISSして・最愛・恋の魔力※新たに撮り下ろした「ヒトツボシ」のほか、「KISSして」「最愛」「恋の魔力」のデジタルリマスター映像を収録。■Live Movie・KISSして(『KANPAI JAPAN LIVE 2017』ver.)・最愛(『KANPAI JAPAN LIVE 2017』ver.)※KOH⁺としては初のライブ作品となる、『KANPAI JAPAN LIVE 2017@東京ドーム』での貴重なライブパフォーマンス映像を収録。■Making Movie・Recording Making & Interview・Art Work Making・Music Video Making※「ヒトツボシ」レコーディング時のメイキング&インタビュー映像のほか、アートワーク&ミュージックビデオのメイキング映像を収録。●フォトブック付き限定盤【CD+ブックレット+三方背ケース+フォトブック+フォトカード】価格:3,700円(税込)『ヒトツボシ ~ガリレオ Collection 2007-2022~』フォトブック付き限定盤ジャケット【CD収録】※曲順未定・ヒトツボシ(映画『沈黙のパレード』主題歌)・KISSして(フジテレビ系連続ドラマ 第1シーズン『ガリレオ』主題歌)・最愛(映画『容疑者xの献身』主題歌)・恋の魔力(フジテレビ系連続ドラマ 第2シーズン『ガリレオ』主題歌)・99 -New Era Remix-(『ガリレオ』シリーズ劇中曲)・ヒトツボシ Acoustic Arrange ver.【特典アイテム】・フォトブック(24P)・フォトカード(歌詞朗読作品「Dramatical Lyric Reading 〜ヒトツボシ〜」付き)※「ヒトツボシ」アートワークの世界が、数々の写真と共に表現された「フォトブック(全24P)」「フォトカード」を付属。※フォトカード裏面に掲載されているQRコードをスマートフォンで読み込むと、福山と柴咲による歌詞朗読作品「Dramatical Lyric Reading 〜ヒトツボシ〜」が鑑賞可能。●通常盤【CD Only】価格:2,500円(税込)『ヒトツボシ ~ガリレオ Collection 2007-2022~』通常盤ジャケット【CD収録】※曲順未定・ヒトツボシ(映画『沈黙のパレード』主題歌)・KISSして(フジテレビ系連続ドラマ 第1シーズン『ガリレオ』主題歌)・最愛(映画『容疑者xの献身』主題歌)・恋の魔力(フジテレビ系連続ドラマ 第2シーズン『ガリレオ』主題歌)・99 -New Era Remix-(『ガリレオ』シリーズ劇中曲)・ヒトツボシ Acoustic Arrange ver.●FUKUYAMA MASAHARU オフィシャルファンクラブ限定「BROS.」盤【CD+DVD+三方背ケース+フォトブック+フォトカード】 ※数量生産限定価格:4,400円(税込)予約受付期間:8月5日(金)18:00~8月15日(月) 23:59先行予約特典:オリジナルポストカード(5枚)※上記受付期間にご予約いただいたオフィシャルファンクラブ会員の方全員に、【早期予約特典】として「オリジナルポストカード(5枚)」が付属されます。■注意事項・本作品は福山雅治オフィシャルファンクラブ「BROS.」「BROS.+(WORLD FAN CLUB)」「福山雅治モバイル(Fモバ)」会員の方のみご購入いただけます。・ファンクラブ限定「BROS.」盤はアーティストオンラインショップ「アスマート」のみでの取り扱いとなります。・数量限定生産につき、ご予約の受付期間を設けさせていただいております。・受付締切間際はアクセスが集中する場合もございますので、お時間に余裕を持ってご予約ください。・クレジット決済のみとなります。【CD収録】※曲順未定・ヒトツボシ(映画『沈黙のパレード』主題歌)・KISSして(フジテレビ系連続ドラマ 第1シーズン『ガリレオ』主題歌)・最愛(映画『容疑者xの献身』主題歌)・恋の魔力(フジテレビ系連続ドラマ 第2シーズン『ガリレオ』主題歌)・99 -New Era Remix-(『ガリレオ』シリーズ劇中曲)・ヒトツボシ Acoustic Arrange ver.・vs. ~知覚と快楽の螺旋~(guitar×piano ver.)-Bonus Track-【DVD特典映像】■Live Movie ※曲順未定・ヒトツボシ(『お前と密会 2022』ver.)・KISSして(『WE’RE BROS. TOUR 2022 “光” -HIKARI-』ver.)・vs.2022 〜知覚と快楽の螺旋〜(『WE’RE BROS. TOUR 2021-2022 “Promise for the Future”』ver.)・最愛(『WE’RE BROS. TOUR 2021-2022 “Promise for the Future”』ver.)・恋の魔力(『WE’RE BROS. TOUR 2014 HUMAN』ver.)・覚醒モーメント(『福山☆冬の大感謝祭 其の十一』ver.)※『お前と密会 2022』で披露された「ヒトツボシ」、『WE’RE BROS. TOUR 2022 “光” -HIKARI-』で披露された「KISSして」、『WE’RE BROS. TOUR 2021-2022 “Promise for the Future”』での「vs.2022 〜知覚と快楽の螺旋〜」「最愛」の最新ライブ映像のほか、2011年以降に披露された「恋の魔力」「覚醒モーメント」のライブ映像を収録。【特典アイテム】・フォトブック(24P)・フォトカード(歌詞朗読作品「Dramatical Lyric Reading 〜最愛〜」付き)※「ヒトツボシ」アートワークの世界が、数々の写真と共に表現された「フォトブック(全24P)」「フォトカード」を付属。※フォトカード裏面に掲載されているQRコードをスマートフォンで読み込むと、福山と柴咲による歌詞朗読作品「Dramatical Lyric Reading 〜最愛〜」が鑑賞可能。【予約購入者特典】■A!SMART(アスマート)オリジナル特典:A5クリアファイル■Amazon.co.jpオリジナル特典:メガジャケ(24×24cm)■楽天ブックスオリジナル特典:コルクコースター■TSUTAYA RECORDS 全国各店/TSUTAYA オンラインショッピングオリジナル特典:A2ポスター■タワーレコード 全国各店 / タワーレコードオンラインオリジナル特典:ジャケットステッカー■UNIVERSAL MUSIC STOREおよび上記以外の店舗・オンラインショップ共通特典:ポストカード『ヒトツボシ ~ガリレオ Collection 2007-2022~』特設サイト:映画『沈黙のパレード』特設サイト:関連リンク柴咲コウ オフィシャルサイト / オフィシャルファンクラブ “KO CLASS”柴咲コウ YouTube「レトロワグラースch.」
2022年08月13日Jr.EXILE世代のアーティストを主役とした次世代総合エンタテインメントプロジェクト『BATTLE OF TOKYO』のスペシャルライブ『BATTLE OF TOKYO ~TIME 4 Jr.EXILE~』が、7月21日から24日にかけて埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催された。3年ぶりに行われた本公演には、Jr.EXILEと呼ばれるGENERATIONS、THE RAMPAGE、FANTASTICS、BALLISTIK BOYZと、今回新たに仲間入りを果たしたPSYCHIC FEVERを加えた総勢45名が参戦。日替わりのスペシャルバトルコーナーも実施され、『BATTLE OF TOKYO』の舞台“超東京”をイメージしたステージに無数の世界が交差する、新感覚のエンタテインメントショーとなった。『BATTLE OF TOKYO』の物語の舞台となる「超東京」は、世界的な大嵐“IUS”に見舞われながらも、最先端の複製技術=通称「コピー」で奇跡的な復興を遂げた、別次元の未来都市。神出鬼没の怪盗団MAD JESTERS(≠GENERATIONS)、最強無比の用心棒組織ROWDY SHOGUN(≠THE RAMPAGE)、変幻自在のイリュージョン集団Astro9(≠FANTASTICS)、風況無頼のハッカーチームJIGGY BOYS(≠BALLISTIK BOYZ)という4チームが、コピーできないオリジナルの品“ファイナル・ファクト”に隠された謎を解くため“スキル(異能力)”を用いたバトルを繰り広げる。初日公演では第5の戦力として、闇の武器商人DUNG BEAT POSSE(≠PSYCHIC FEVER)の存在も明かされた。またオープニングでは、実際のメンバー・キャラクターイラスト・声優によるキャラクターボイスで構成された演出も。MAD JESTERSのPARTE(≠関口メンディー / CV.木村昴)・ZERO(≠白濱亜嵐 / CV.梶裕貴)・SherRock(≠片寄涼太 / CV.内田雄馬)、ROWDY SHOGUNのBAILEY(≠RIKU / CV.岡本信彦)・LUCAS(≠吉野北人 / CV.堀江瞬)・LUPUS(≠川村壱馬 / CV.石川界人)、Astro9のTEKU(≠世界 / CV.武内駿輔)・ITARU(佐藤大樹 / CV.小野賢章)、JIGGY BOYSのFuture(≠深堀未来 / CV.木村良平)・Skeet(≠砂田将宏 / CV.細谷佳正)が先陣を切って登場。声優陣のキャラクターボイスもさることながら、キャラクターを投影したメンバーの絶妙な表情と仕草が、この3年、彼らが重ねてきた俳優としてのキャリアを物語る。ステージを占拠した治安維持組織“ブルーシールド”から超東京を奪い返すべく現れたメンバーを追って、外周ステージの四隅には各チームが集結。彼らが“ブルーシールド”を威圧するように場内を練り歩く様は、まさに“ヒーロー登場”といった雰囲気だ。アリーナ席を取り囲むように設置された外周ステージと、アリーナ中央に設置されたメインステージが、観客を“超東京”に誘う中、1曲目を飾ったのはGENERATIONS、THE RAMPAGE、FANTASTICS、BALLISTIK BOYZによる「24WORLD」だった。小説のプロローグをなぞるように、MAD JESTERS(≠GENERATIONS)はスタイリッシュな「LIBERATION」で華麗に観客の心を奪い、肉体派のROWDY SHOGUN(≠THE RAMPAGE)は「CALL OF JUSTICE」を勇ましく叫び、Astro9(≠FANTASTICS)は「PERFECT MAGIC」で場内に笑顔を咲かせていく。GENERATIONSTHE RAMPAGELibra(≠奥田力也)の強気な煽りがリードしたJIGGY BOYS(≠BALLISTIK BOYZ)は、7色の歌声と存在感が光る「VIVA LA EVOLUCION」を披露。MAD JESTERS(≠GENERATIONS)・ROWDY SHOGUN(≠THE RAMPAGE)による初披露曲「Alternate Dimension」の後、満を持して登場したDUNG BEAT POSSE(≠PSYCHIC FEVER)も、「RICH&BAD」と「PSYCHIC FEVER!!」で堂々としたパフォーマンスを見せつけ、場内を自分たちのカラーに染め上げた。PSYCHIC FEVERライブ前半では、『BATTLE OF TOKYO』で描かれる伝説のバトルステージ“バビロニウム”も登場し、FANTASTICSの「Summer Bike」やGENERATIONSの「チカラノカギリ」といった最新のオリジナル曲も挟みつつ、4チームが総当たりで白熱したバトルを繰り広げた。最初のゴングを鳴らしたのは、Astro9(≠FANTASTICS)vsJIGGY BOYS(≠BALLISTIK BOYZ)の「SHOCK THE WORLD」。間奏のダンスパートでは、KANE(≠木村慧人)&TEKU(≠世界)ペアによる重力を操ったような空中キックが目を引いたAstro9に、JIGGY BOYSがダイナミックなアクロバットの複合技で応戦するシーンも。FANTASTICSROWDY SHOGUN(≠THE RAMPAGE)vsJIGGY BOYS(≠BALLISTIK BOYZ)のバトルでは、外周ステージで「Dead or Alive」を歌い始めたROWDY SHOGUN(≠THE RAMPAGE)を、JIGGY BOYS(≠BALLISTIK BOYZ)がセンターステージから余裕たっぷりの表情で挑発する。その直後にオリジナル最新曲「ラストダンスに BYE BYE」を切なく歌い上げるギャップが、ここが多次元の世界線が交差する場所なのだと改めて印象づけた。お互いの信念を胸に激突し、時に共闘してきた4チームの関係性やストーリーを体現するように、バトルの組み合わせによって表情やフォーメーションを変えていくメンバーたち。MAD JESTERS(≠GENERATIONS)vsROWDY SHOGUN(≠THE RAMPAGE)による「SHOOT IT OUT」では、地面に拳を打ちつけるようなMARINE(≠武知海青)のアクションに合わせ、ROSSO(≠中務裕太)&Chatter(≠小森隼)がバク宙を決めるなど、激しい戦闘シーンを肉体で表現。それでも曲が終盤に差しかかる頃には、肩を並べながら共に熱狂を生み出していく2組の姿があり、その貫くような鋭い視線はJr.EXILEの未来をしっかりと見据えていた。BALLISTIK BOYZ『HiGH&LOW THE STORY OF S.W.O.R.D.』の名場面を呼び起こすスペシャルバトルコーナーもその後も、渡邉廉のビートボックスで助走をつけたPSYCHIC FEVERが「Tokyo Spiral」で観客を巻き込んでいく場面や、日増しに熱量を増していった“PERFOMER BATTLE”などを展開。4ラウンド用意されていた“PERFOMER BATTLE”には、5チームからそれぞれ、「①浦川翔平、岩谷翔吾、佐藤大樹、奥田力也、陣、与那嶺瑠唯、LIKIYA、鈴木昂秀、堀夏喜、深堀未来、小森隼」「②白濱亜嵐、神谷健太、澤本夏輝、渡邉廉、中西椋雅、JIMMY、木村慧人、海沼流星、砂田将宏、加納嘉将、藤原樹」「③佐野玲於、長谷川慎、武知海青、関口メンディー、龍、日髙竜太、瀬口黎弥、後藤拓磨、WEESA、剣、半田龍臣」「④小波津志、松井利樹、山本彰吾、世界、中務裕太」が参戦。各々の持ち味を活かしたダンスバトル対決だけでなく、煽るように腹筋を見せつける藤原樹や、意気揚々と上裸で登場した佐野玲於&関口メンディーコンビ、そんな2人に煽られて服を脱ぎ捨てた日髙竜太、瀬口黎弥……と、自慢の肉体対決に客席が沸く。各グループのエースを選出したと思われる④チーム目のステージも圧巻で、熱いバトルの末に肩を組みながら笑顔を輝かせるパフォーマーたちが印象的だった。中盤に設けられたスペシャルバトルコーナーは、バビロニウムからマルチバースの扉が開かれた別次元の世界に行ってしまうという設定で、毎日違った企画が届けられた。初日の『BATTLE OF HiGH&LOW』は、GENERATIONS・THE RAMPAGE・FANTASTICSによる「HIGHER GROUND feat. Dimitri Vegas & Like Mike」(『HiGH&LOW THE MOVIE』の主題歌)、GENERATIONSによる「RUN THIS TOWN」から始まった。だが、『HiGH&LOW THE STORY OF S.W.O.R.D.』の冒頭シーンで鬼邪高校の不良たちから逃げていたはずのチハル(佐藤大樹)が“多重郷次元”という名のステージに迷い込んだことから、物語は思わぬ方向へ。鬼邪高校の番長・村山良樹だと言い張る砂田将宏、関虎太郎だと言い張る奥田力也、White RascalsのROCKYだと言い張る松井利樹、達磨一家の日向紀久だと言い張る深堀未来が続々と参上。自称RUDE BOYSのスモーキーたち(加納嘉将・海沼流星・日髙竜太)と、自称“SWORDのS”としてレディースチーム苺美瑠狂になりきった木村慧人・堀夏喜まで名乗りを上げ、客席からも思わず笑い声が溢れた。一瞬だけ現れたペヤングラシアス(八木将康)に、「きっと彼らは本来の『HiGH&LOW』の世界で、その人物に強く憧れていたんだ。その想いがこの世界で叶えられたんだ。この時間を受け入れろ」と無理矢理丸め込まれたチハル(佐藤大樹)と同じ困惑顔で、理想の姿を手に入れたBALLISTIK BOYZが「JUMP AROUND ∞」を、個性豊かな美女で構成された苺美瑠狂(FANTASTICS)が「STRAWBERRY サディスティック」を歌いながら回遊する姿を見守る。続いて「SWORDのSは山王連合会だろうが!」と言いながらも、『HiGH&LOW』シリーズではあまり日の目を見なかった山王連合会のヒカル(山本彰吾)・ケン(岩谷翔吾)と、初期の頃は注目されていなかったという鬼邪高校の辻(鈴木昂秀)・芝マン(龍)による演劇パートに突入。「Do or Die」(FANTASTICS / PSYCHIC FEVER)や数原龍友のソロバラード「Nostalgie」が、『HiGH&LOW THE STORY OF S.W.O.R.D.』の名場面を呼び起こした。また、『HiGH&LOW THE WORST』シリーズの最新作『HiGH&LOW THE WORST X』の新たな出演者として、鈴蘭男子高校の山口孫六役を八木勇征、伊東カムイ役を木村慧人、鳳仙学園の徳山門司役を堀夏喜が演じることが発表されると、客席からは一際大きな拍手が。それぞれのキャラクターになりきって現れたFANTASTICSの3人のもとに、本シリーズの主人公・花岡楓士雄(川村壱馬)が現れ、THE RAMPAGEのターンに繋ぐ。お決まりの名台詞「行くぞ、てめぇら!」を合図に、『HiGH&LOW THE WORST X』主題歌「THE POWER」へ。前作から引き続き高城司を演じる吉野北人や、一足先に新キャラクターとして発表されていた鎌坂高校の氷室零二役・藤原樹、江罵羅商業高校の鮫岡章治役・長谷川慎&風神役の陣なども顔を揃える中、新たに解禁となった挿入歌「Slam That Down」や、前作の主題歌「SWAG & PRIDE」で会場を盛り上げた。三輪車やタイヤ引き、アツアツおでんなど、普段は見られないメンバーの姿『BATTLE OF KINGDOM』と題して行われた2日目は、①スピードスターリレー、②10種目障害物リレーから成る“RELAY KINGDOM”を実施。司会担当の小森隼・陣・佐藤大樹・加納嘉将の進行のもと、CL内で開催された「DODGEBALL KINGDOM」「KITCHEN KINGDOM」で2連覇中のBALLISTIK BOYZの独走を食い止めるべく、GENERATIONS、THE RAMPAGE、FANTASTICSが立ちはだかった。なお中務裕太は小学生さながらの体操着姿、数原龍友は「KITCHEN KINGDOM」で活躍した中華料理人・陳幸龍スタイルをしているが、“本気”で参戦している。冒頭ではPSYCHIC FEVERが各チームの応援係を務め、JIMMY団長は「PASION」でBALLISTIK BOYZを、WEESA団長は「M.V.P.」でFANTASTICSを、剣団長は「THROW YA FIST」でTHE RAMPAGEを、廉団長は「BIG CITY RODEO」でGENERATIONSにエールを贈る。その結果、ステージを降りて外周2周分を駈け抜けた①スピードスターリレー(人数の少ないBALLISTIK BOYZとGENERATIONSには、PSYCHIC FEVERのJIMMYと渡邉廉が助っ人参加 / THE RAMPAGEは2チームに分散)ではBALLISTIK BOYZが圧倒的な速さで優勝し、賞品の沖縄旅行をゲットした。陸上経験者の武知海青や龍、スタート前に準備体操を念入りに行っていた川村壱馬など、小森隼曰く「勝つために足の速いメンバーをAチームに集めたのでは?」というTHE RAMPAGEは残念な結果に。サッカー経験者揃いで優勝候補と思われたFANATASTICSの中島颯太は、普段から仲が良い陣に「惜しかったね?」と話しかけられ、「惜しかったね」とあざと可愛い笑顔を見せる。年長組の世界は「若いエネルギーってすごいよね」としみじみ語っていた。一方、各グループから5人の精鋭を選出して臨んだ②10種目障害物リレーでは、三輪車やタイヤ引き、パン食い競争、アツアツおでん、足ツボ縄跳びといった壁がメンバーの行く手を阻む。後半には、2人の身体を使った風船割り・缶積みといったペア競技もあり、普段は見られないメンバーたちの姿が観客を楽しませた。第一走者で先陣を切ったのは、三輪車で爆走していった藤原樹。早々にパン食い競争エリアに突入したものの、なかなかパンに顔が届かず、一生懸命に背伸びをする奥田力也には「可愛い」と呟く声も聞こえてきた。後半のペア競技では、数原龍友&中務裕太のコスプレペアが独走するかと思いきや、佐藤大樹&木村慧人ペアに最後の缶積みで追いつかれそうになったり、2組が必死に缶積みをしている横をLIKIYA&与那嶺瑠唯ペアが颯爽と一抜けしたり……とドラマティックな展開に。スピードスターリレーで圧倒的な強さを見せつけたBALLISTIK BOYZは、おっとりした印象の松井利樹&加納嘉将ペアが風船割りに苦戦し、他のチームに応援されながらなんとかゴール。「チームワークの良さで勝ててよかったです」(LIKIYA)と語った勝者THE RAMPAGEには、賞品の食事券と中務裕太先輩からの「お前ら、後で楽屋来いよ!?」という優しい(?)お祝いコメントが贈られた。3日目の『BATTLE OF iCON Z』では、LDH JAPAN史上最大規模のオーディション『iCON Z ~Dreams For Children~』男性部門の第二章が開幕することが発表され、第一章グランプリのLIL LEAGUEと、第二章への参加が決まった22名が登場した。ライブ前半には『~夢のオーディションバラエティー~ Dreamer Z』(テレビ東京系)から誕生したZ FACTION、CROONERZ、KIDMATIC、LIL LEAGUEがオーディション時の課題曲をパフォーマンス。LIL LEAGUEは最新曲「Coloring Book」も披露し、カラフルな歌声で次なる夢へと虹を架ける。さらに第二章からは、すでにプロダンスリーグ『D.LEAGUE』で活躍しているプロダンサー古嶋滝・佐藤陽・伊東弘之助(SEGA SAMMY LUX)・桑原巧光・田中彰(CyberAgent Legit)と、EXILE ATSUSHIの夢応援プロジェクトでグランプリを受賞した佐々木陸、DEEP SQUADのメンバーとして活動している宇原雄飛・杉山亮司・比嘉涼樹もオーディション参加を表明。各々の魅力を伝えるべく、ダンスステージやソロ歌唱、美しいハーモニーを届けた。想定外の展開に突入したファッションショー対決最終日、4日目の『BATTLE OF SUMMER』は、夏曲メドレーからスタート。甚兵衛を身に纏ったBALLISTIK BOYZが、潮風を感じる「WAVIN’」を歌いながらゆったりと外周ステージを回ると、さいたまスーパーアリーナは一気に夏ムードに包まれた。続くFANATASTICSは「Flying Fish」を軽やかに歌いながら、太陽のようなビッグスマイルの瀬口黎弥を中心に、カメラに向かって思い思いにアピール。センターステージに登場したTHE RAMPAGEは「WELCOM 2 PARADISE」で無邪気に笑い合う。甚兵衛姿の16人が踊る様はまるで盆踊りのようで、鈴木昂秀のダンスをみんなで真似したり、RIKUが岩谷翔吾にマイクを向けて歌わせたりと実に賑やかだ。Jr.EXILEの長男としてどっしりと構えた印象のGENERATIONSは、甚兵衛姿が妙にいかつい数原龍友が「僕だけ、みんなとなんか違くない?恐くない!?」とおどける場面もありながら、笑いを流し去るほどの爽やかな美声で「Brand New Story」を熱唱。さらに大輪の花火をバックに、「secret base ~君がくれたもの~」(ZONEのカバー)をボーカル2人がしっとりと歌い上げた。「『BATTLE OF SUMMER』、盛り上がってますかー!?」という陣のハイテンションな呼びかけから始まった、謎多きバトルステージの後半戦は、ファッション対決ならぬ、夏服の着こなしセンスをチェックするファッションショーが開催された。第1弾の『夏祭りは、これで決める!浴衣対決!!』には、片寄涼太&吉野北人、木村慧人&瀬口黎弥、川村壱馬&長谷川慎、海沼流星&深堀未来&松井利樹が参戦。最初に現れた“王子コンビ”の片寄涼太がふいに吉野北人のほっぺにキスをすると、会場に激震が走る。木村慧人と、グッズの“超天晴黎弥扇子(ちょうあっぱれいやせんす)”を持参した瀬口黎弥は、シックな色味の浴衣姿に反して、ギャルピースで陽気に登場。陣曰く、THE RAMPAGE随一の人気コンビだという“かずまこ”はキメ顔で寄り添い、「いやぁ、夏ですね。みなさん、楽しんでますか? 俺もすっごく楽しいです」(川村壱馬)とにっこり。海沼流星&深堀未来&松井利樹も三者三様の浴衣でランウェイを歩き、3万人もの熱い視線を全身に浴びた。しかし、第2弾の『夏のビーチは、これで決める!水着対決!!』からはまたしても想定外の展開に突入する。このブロックでは白濱亜嵐、八木勇征、武知海青、日髙竜太という“脱ぎたがりたち”のカッコいい水着姿が見られる予定だったが、トップバッターの白濱亜嵐は、露出皆無のあまちゃんファッション(伊勢エビ持参)でステージに登場。武知海青は、ジャージの背中に「ROWDY水泳部 全国制覇」と殴り書きした競泳選手スタイルで、北島康介ばりの「ちょー気持ちいい……」を披露。日髙竜太はサーフボードを片手に現れ、大喜利のような仕上がりに。そのため、唯一企画意図通りの格好で現れた“マッスルプリンス”八木勇征が、パーカーの下に忍ばせた肉体美を解放すると、待ってました!とばかりの拍手が湧き起こる。ファッションショーという性質上、明確な勝敗はつけないはずだったが、「テーマは大樹くんの好きな色のサーフパンツです」とコメントする八木勇征の手を上げながら、佐藤大樹が「完璧でしょ、ウチの勇征!」「優勝だよ!」とドヤ顔で叫んだ。第3弾の『真夏のデートは、これで決める!夏服対決!!』も、“大阪のおばはん”になりきった中務裕太と阪神ファンコーデの奥田力也の“大阪被り”など、笑いに走るメンバーが続出した。同じ地元愛でも、岡山産デニムのセットアップを着こなした山本彰吾とは方向性がかなり違い、その振り幅に驚かされる。神谷健太は“TikTokにたまに出てくるヤリラフィー”になりきり、アロハシャツにサングラスを身につけた砂田将宏はまさに夏男といった風貌。一見オールブラックのペアコーデでオシャレに見せていたFANTASTICSの中島颯太と澤本夏輝(澤本はヨウジヤマモト社のGroundYと『BATTLE OF TOKYO』のコラボシャツを着用)だが、中島が実は真冬の服装というボケを投入しており、カメラを手に「(デートで撮った写真を)10年後も一緒に見ような」と客席に語りかける。さらに、小森隼が「玲於がいないんだよ。玲於!?」と呼びかけると、那須川天心が『THE MATCH 2022』で着用していた衣装に身を包んだ佐野玲於が、格闘家さながらのポーズでセンターステージに入場。終始笑いの絶えないファッションショーだったが、佐野の後を追うようにゲストとして現れた那須川本人の「緊張してますけど、なんかあったら全員倒せるので(笑)」という最強の一言が、真の『BATTLE OF TOKYO』の幕開けを告げた瞬間でもあった。そんな『BATTLE OF SUMMER』を締め括るのは、浦川翔平と与那嶺瑠唯が振付をしたという盆踊り「超東京音頭」。メンバーたちは時折振付を間違え、照れ笑いを浮かべながらも、楽しそうに外周ステージを踊り歩いた。憧れのEXILEの楽曲をパフォーマンスするJr.EXILEたちの勇姿ここからは再び本編へ。見た物や人を解析し、他者のスキルさえも自分のものにできるというJIGGY BOYSの「スキャニング」能力を使い、4チームはEXILEをスキャニング。EXILEのデビュー20周年を記念した企画『EXILE TRIBUTE』から、「Touch The Sky」(BALLISTIK BOYZ)、「Each Other’s Way ~旅の途中~」(FANTASTICS)、「No Limit」(THE RAMPAGE)、「SUPER SHINE」(GENERATIONS)を届けていく。かつてEXILEに憧れてアーティストになることを夢見ていたJr.EXILEたちの勇姿に様々な想いが駆けめぐる中、最後は「Summer drops」「SUMMER HYPE」「Fandango」「AGEHA」でヒートアップ。本来の立ち位置がわからなくなるほど自由に盛り上がるメンバーの笑顔と、そんなメンバーの想いに応えるように激しくリズムを刻むフラッグが、3時間半にわたる公演のフィナーレを彩った。数原龍友の進行のもと、毎日各グループから1人ずつ感想を述べてきた最後のMCタイム。初日には砂田将宏が「この3年間で成長したBALLISTIK BOYZを見てもらいたいという想いで、パフォーマンスさせていただきました」と語り、2日目にはWEESAが「PSYCHIC FEVERは3年前の『BATTLE OF TOKYO』で発表されたグループなので、こうしてたくさんのお客さんと素敵な先輩方の前でパフォーマンスできて幸せです」と声を弾ませる。『iCON Z』第二章開幕が発表された3日目のMCでは、担当メンバーが挑戦者たちへエールを贈る中、数原の推しメンだという吉野北人が「夢に向かって頑張ってる人たちってカッコいいなって思いました。自分たちも夢に向かって走り続けて、輝き続けていけたらと思います」と宣言した。なお最終日には、初日に「龍はダメでしょ?」とマイクを向けられ、照れながらダメポーズをしていた龍が「ありがとう~~~!」と感謝を叫ぶという、見事な伏線回収も。片寄涼太も「それ、みんな思ってた!」と力強く頷いていたが、そこに沸き起こった温かな拍手が、45名のメンバーと観客の心を今一度強く結びつけた。ラストは、壮大なプロジェクトのエンディングにふさわしいミディアムバラード「UNTITLED FUTURE」を初披露。順番に歌い繋ぐフレーズに想いを馳せながら、仲間や観客と互いに微笑みを交わしながら、ゆったりと手を振るメンバーの眩しい姿が印象的だった。<公演情報>『BATTLE OF TOKYO TIME 4 Jr.EXILE』会場:埼玉・さいたまスーパーアリーナ7月21日(木) 開場16:30 / 開演18:30スペシャルバトルコーナーDAY1「BATTLE OF HiGH&LOW」7月22日(金) 開場16:30 / 開演18:30スペシャルバトルコーナーDAY2「BATTLE OF KINGDOM」7月23日(土) 開場15:00 / 開演17:00スペシャルバトルコーナーDAY3「BATTLE OF iCON Z」7月24日(日) 開場14:00 / 開演16:00スペシャルバトルコーナーDAY4「BATTLE OF SUMMER」■出演GENERATIONS from EXILE TRIBETHE RAMPAGE from EXILE TRIBEFANTASTICS from EXILE TRIBEBALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEPSYCHIC FEVER from EXILE TRIBE「BATTLE OF TOKYO」×「Ground Y」コラボレーションアイテムの詳細はこちら:
2022年07月26日YG ENTERTAINMENTに所属するボーイズグループiKON(アイコン)が、2019年12月に開催された『iKON YEAR END LIVE 2019』以来、約2年半ぶりにジャパンツアー『iKON JAPAN TOUR 2022〜FLASHBACK〜』を開催。7月2日(土) 兵庫・神戸ワールド記念ホールからスタートし、計6公演を行った今ツアーは、7月10日(日) 東京・国立代々木競技場第一体育館で大盛況の中、感涙のファイナルを迎えた。12,000人の満員に膨れ上がった観衆が放つKONBAT(iKONスティックライト)の赤い光に染め上げられた国立代々木競技場第一体育館のステージに、黒のスパンコールが散りばめられたゴージャスなジャケットで登場したiKON。オープニングナンバー「KILLING ME -JP Ver.-」から「BLING BLING -JP Ver.-」「SINOSIJAK -JP Ver.-」と勢いを加速させ、観客のテンションを一気に引き上げた。「本当に会いたかったよー!」(JAY)「久しぶりの東京コンサートですね。僕たち頑張りますので、みなさんも思いきり楽しんでくださいね!」(CHAN)JAY(ジェイ)、BOBBY(バビー)、SONG(ソン)、JU-NE(ジュネ)、DK(ディーケイ)、CHAN(チャン)のメンバーからなるiKONは、7月13日(水) 発売・3年4カ月ぶりの日本作品となるニューアルバム『FLASHBACK [+ i DECIDE]』収録曲を中心に全32曲(アンコール含)を披露。待ち望んでいたiKONIC(ファンの名称)と熱い再会を果たした。iKONの新境地を見せたアルバムタイトル曲「BUT YOU -JP Ver.-」では楽曲同様、キャッチーで軽快な振り付けで会場の空気を一変。哀愁漂うメロディーの「Dive -JP Ver.-」では、リズムに合わせて観客も一緒にジャンプ。BOBBY、JAY、DKが制作に参加したiKONを“龍”に例えた力強いナンバー「DRAGON」、WINNERのMINOが楽曲提供した強烈なヒップホップ曲「AT EASE」では滴る汗を飛び散らせながら、白熱のパフォーマンスを繰り広げた。ステージコンセプトは“ノアール”。火柱などの特効や上昇するステージなどの演出はあったが、「iKONの男らしい、カッコいい姿を見せたくて、盛り上がる曲をたくさん準備しました」と何よりも今回初めて生バンドが加わったことにより、楽曲はもちろん、歌やダンスがよりダイナミックに彩られた。「久々にみなさんの前でコンサートをするので、特別なステージを見せたかったんです!」(SONG)とメンバーのソロ&ユニットステージも披露し、BOBBYは自身のソロ曲「HeartBROKEN PlaYBoY」「DeViL」で変幻自在のラップを繰り広げ、ひたすら観客を圧倒。歌い終えると「ゲームをしたい」とBOBBYが叩くビートに合わせて観客が拍手をするというコール&レスポンスに変わる歓声が制限された中でのコミュニケーションを楽しんだ。JU-NEはBOBBYとのユニットステージでアコギを弾き語りしながら、「DEEP NIGHT」というタイトルが表す深淵な世界を表現。観客の琴線を揺らした。そして、ソロステージのラストを飾ったSONGはゴールドの煌びやかな衣装とコミカルな動きで、トロット(韓国の演歌)曲「キルキパパ」を熱唱。「iKONの吉幾三さんです」とJU-NEに紹介されるなど、新たな魅力を開花させ、会場を沸かせた。JAYはMC中に旺盛なサービス精神と饒舌な日本語で終始トークを引っ張り、同じく日本語が堪能なJU-NEのボケ(?)にツッコミを入れるなど、絶妙な掛け合いで会場の笑いを誘った。ライブ中盤から後半にかけては、iKONのもうひとつの魅力といえるバラードゾーンへ。なかでも「NAME」はDKの類まれなサウンドセンスが光る1曲であり、メンバーはハードなパフォーマンスを封印し、スタンドマイクで歌に集中。その歌声に観客は酔いしれた。そのほか韓国で歴史的大ヒットを記録した「LOVE SCENARIO -JP Ver.-」や「DUMB & DUMBER -JP Ver.-」、CHANのラップが際立った「BEAUTIFUL」「RHYTHM TA -JP Ver.-」などライブでおなじみの楽曲を惜しげもなく披露。改めて今回のライブを通してiKONというグループの多様性、無限大の可能性を感じさせた。iKONICからのサプライズに涙を流す場面もアンコールステージにメンバーが登場するとiKONICからスローガンのサプライズが。<私たちはどこにも行かないよ 永遠に一緒にいよう>と書かれたスローガンを見てこらえ切れず涙を流すメンバーたち。「我慢しようと思ったけど(涙が)出ちゃった……いつも素敵な愛をもらっているから。本当にありがとうございます……これ以上は言葉が出ないです」(JU-NE)「これ(スローガン)は強かったな~。JU-NEさんまで倒した。危険だったよ、僕も(笑)。言葉も文化も違うし、多分ほとんど違うけど、音楽でiKONとiKONIC、こんなにいろんな人たちが一緒にいるのが本当に不思議です。こんな奇跡なモーメントをプレゼントしてくれて本当にありがとうございます。でも、強かったな~」(BOBBY)「このスローガンのコメントがめっちゃ感動的で、僕たちどこにもいかないから永遠に一緒にいましょうってことですよね。それがすごくうれしくて(涙で言葉を詰まらせる)。2年半ぐらい離れていたけど、これからもずっと一緒だから……たくさん会いましょうね。僕たちすぐ戻ってくるんで、ちょっとだけ待っててね」(JAY)「今日はみなさんのおかげで言葉で表現できないぐらい幸せでした。この瞬間を一生大事にします」(SONG)「これからもiKON頑張っていきますので、絶対応援してください」(CHAN)「またすぐに会いに行きます。今日は来てくれて、本当にありがとうございます」(DK)会場が温かな一体感に包み込まれるなか、メンバーはiKONICと再び会う約束をした。なんと最終日はWアンコールが行われ、最後までハイテンション&フルパワーでステージを楽しみ、2年半ぶりの『iKON JAPAN TOUR 2022〜FLASHBACK〜』は最高潮を迎えたまま幕を閉じた。そして、同時にこの公演の模様はdTVでも日本全国に向けて生配信された。また、『iKON JAPAN TOUR 2022〜FLASHBACK〜』の開催を記念し、3年4カ月ぶりの日本作品となるニューアルバム『FLASHBACK [+ i DECIDE]』を7月13日(水) にリリース。こちらにもぜひ期待していただきたい。文・星野彩乃<公演情報>『iKON JAPAN TOUR 2022~FLASHBACK~』7月10日(日) 東京・国立代々木競技場第一体育館セットリスト01. KILLING ME -JP Ver.-02. BLING BLING -JP Ver.-03. SINOSIJAK -JP Ver.-04. Ah Yeah05. BUT YOU -JP Ver.-06. BEAUTIFUL07. Dive -JP Ver.-08. DRAGON09. AT EASE10. RHYTHM TA -JP Ver.-11. JERK -JP Ver.-12. HeartBROKEN PlaYBoY / BOBBY13. DeViL / BOBBY14. DEEP NIGHT / BOBBY & JU-NE15. キルキパパ / SONG16. NAME17. GOODBYE ROAD18. APOLOGY19. I MISS YOU SO BAD20. MY TYPE21. LOVE SCENARIO -JP Ver.-22. DUMB & DUMBER -JP Ver.-23. FREEDOM24. WHAT’S WRONG? -JP Ver.-25. B-DAY -JP Ver.-ENCORE26. FLOWER27. JUST ANOTHER BOY -JP Ver.-28. WORLDWIDE -JP Ver.-29. RHYTHM TA -JP Ver.-30. DON’T LET ME KNOWDOUBLE ENCORE31. LOVE SCENARIO -JP Ver.-32. DUMB & DUMBER -JP Ver.-<リリース情報>iKON JAPAN NEW ALBUM『FLASHBACK [+ i DECIDE]』Now On Sale●CD+DVD+スマプラ:8,470円(税込)●CD+Blu-ray+スマプラ:8,470円(税込)iKON『FLASHBACK [+ i DECIDE]』CD+DVD+スマプラ / CD+Blu-ray+スマプラ BOX外観iKON『FLASHBACK [+ i DECIDE]』CD+DVD+スマプラ / CD+Blu-ray+スマプラ ジャケット●CD+スマプラ:3,410円(税込)iKON『FLASHBACK [+ i DECIDE]』CD+スマプラ ジャケット●iKONIC OFFICIAL SHOP / YGEX OFFICIAL SHOP / mu-mo SHOP / iKON Weverse Shop JAPAN限定盤iKON『FLASHBACK [+ i DECIDE]』iKONIC OFFICIAL SHOP / YGEX OFFICIAL SHOP / mu-mo SHOP / iKON Weverse Shop JAPAN限定盤 ジャケットiKON『FLASHBACK [+ i DECIDE]』iKONIC OFFICIAL SHOP / YGEX OFFICIAL SHOP / mu-mo SHOP / iKON Weverse Shop JAPAN限定盤 付属アクリルスタンド・CD+アクリルスタンド / JAY Ver.:4,510円(税込)・CD+アクリルスタンド / BOBBY Ver.:4,510円(税込)・CD+アクリルスタンド / SONG Ver.:4,510円(税込)・CD+アクリルスタンド / JU-NE Ver.:4,510円(税込)・CD+アクリルスタンド / DK Ver.:4,510円(税込)・CD+アクリルスタンド / CHAN Ver.:4,510円(税込)【CD収録内容】※全形態共通01. BUT YOU -JP Ver.-02. DRAGON -JP Ver.-03. FOR REAL? -JP Ver.-04. GOLD -JP Ver.-05. NAME -JP Ver.-06. Ah Yeah -JP Ver.-07. Dive -JP Ver.-08. All The World -JP Ver.-09. Holding On -JP Ver.-10. Flower -JP Ver.-11. Why Why Why -JP Ver.-12. AT EASE(CD ONLY)【DVD / Blu-ray収録内容】■MUSIC VIDEOBUT YOU -JP Ver.-Dive -JP Ver.-Why Why Why -JP Ver.-■『iKON YEAR END LIVE 2019』@横浜文化体育館(2019.12.24 第2部)OPENING MOVIEFREEDOM -KR Ver.-B-DAYMC 1EVERYTHINGLOVE SCENARIOMC 2ONLY YOU -KR Ver.-RUBBER BANDVCR 1ロード / JU-NEIN LOVE -KR Ver.- / BOBBY声をきかせてDance PerformanceMC 3M.U.PJUST GOAPOLOGYVCR 2KILLING MERHYTHM TA REMIX(ROCK Ver.)SINOSIJAK REMIXMC 4WHAT’S WRONG?DUMB & DUMBERMC 5DON’T LET ME KNOW -KR Ver.-<ENCORE>MC 6WORLDWIDEMC 7B-DAYMC 8Just Another BoyMC 9SINOSIJAK REMIXiKON「BUT YOU -JP Ver.-」MViKON「Dive -JP Ver.-」MViKON「Why Why Why -JP Ver.-」MViKON『FLASHBACK [+ i DECIDE]』トレーラー映像アルバムの詳細はこちら:購入リンク:配信リンク: オフィシャルサイト:
2022年07月13日King Gnuが、初のファンクラブ会員限定ツアー『King Gnu Live Tour 2022 CLUB GNU EDITION』を5月から6月にかけて大阪・大阪城ホールと千葉・幕張メッセ9・10・11ホールで開催。幕張メッセ公演は各日約20,000人が来場し、King Gnu史上最多の動員数を記録。ツアー全4公演では計約60,000人が来場した。本記事では、幕張メッセ公演のオフィシャルレポートをお届けする。圧巻の景色だった。King Gnu公式モバイルサイト「CLUB GNU」会員限定ライブ『King Gnu Live Tour 2022 CLUB GNU EDITION』で繰り広げられたスキルフルなプレイ&生歌の凄さは、ポップの基準を塗り替え、ライブ・エンタテインメントを進化させた。この数年、パンデミックによってライブシーンは大きな痛手を食らった。King Gnuもまた、コンサート収容人数に制限が設けられるなど歯がゆさを感じていただろう。しかし、幕張メッセ公演は、そんな思いを吹き飛ばす1日となった。青い光と煙に包まれながら2万人に向けられたオープニングは「カメレオン」。静かにたおやかに、美しい旋律を奏でていくメンバー。続いて、まさかの2曲目とは意表を突かれた「Hitman」。煌めくイントロダクションから儚さが放出され、一気にフロアの空気感が変わっていく。井口理ここで井口理(Vo.Key.)が今日はじめてのMC。「“CLUB GNU EDITION”、お越しの皆さんこんにちは!King Gnuです。楽しんでますか?ファンクラブだけで2万人いるということは、すごいことらしいですよ。僕たちと皆さんとで、こんなしあわせな時間があるなんて。今日もよろしくお願いします!」と挨拶しながら「BOY」へ。まさに、心あたたかなポップソングだ。続いて、勢喜遊(Drs.Sampler)によるカウントからポップにビートが疾走する「Sorrows」をプレイ。怒涛のロックパート「Vinyl」、「F.O.O.L」、「Flash!!!」をアッパーかつエモーショナルにキメていく。でかい会場であればあるほど、胸に響く安定感のある新井和輝(Ba.)、そしてアタック感の強い手数の多いプレイが炸裂する勢喜による圧巻のリズム隊が映える。ここで、メンバーが一旦はけて第一部パートが終了。常田大希突如、どこかで聴いたことのあるフュージョン・ソングにのせて、カートに乗った4人が参上。会場中央に突如浮き上がったセンターステージまで常田大希の運転で移動。センターステージに上がると4人が向き合いながらCLUB GNU会員限定ライブらしく、『RADIO GNU』としてお客さんから事前に募集したお便りに答えるコーナーへ突入。とてつもなくゆるい、ファンクラブならではの信頼感で通じ合ったフリーダムなトークに会場中が笑顔へ。ライブでのワイルドかつクールな世界観とは裏腹に、珍回答が続出するのもまたKing Gnuの魅力のひとつだ。そして、魔法めいたポップセンスを嗅ぐわせるナンバー「Don’t Stop the Clocks」、アコースティックにリアレンジされた「ロウラヴ」、「白日」、「傘」を演奏。向き合って演奏をする、4人のアイコンタクトに注目するのもまた楽しい。メロディーが活き活きと優しげに響いていく。ラストへ向けてのハイライトは、常田が拡声器を片手にステージを闊歩しながらシャウトする「Slumberland」から火蓋を切る。ドラムソロからはじまるイントロダクションがインパクト強い、よりオルタナティブかつノイジーなアレンジに変化したライブ・バージョンだ。続いて、会場中が揺れ動く一体感でいっぱいのヘヴィなロックチューン「飛行艇」、ギターハーモニーがせつなきイントロに心を奪われる「Prayer X」、水面をたゆたうが如くドープなサウンドがたまらない「泡」、オペラのように物語がストーリーテリングされていく「三文小説」。そして、七色のレーザー照明とステージ上に掲げられたロゴの輝きがシンクロするポップアンセム「Teenager Forever」で完全にスパークするステージ。はち切れんばかりの感情、高鳴る思いを解き放つオーディエンスからこぼれ落ちる笑顔。そう、人は人智を超えた最高の演奏と歌声と向き合ったとき、鳥肌とともに思わず笑みが溢れるのだ。これだけの人が好きになって、集まってくれるのはとても嬉しい鳴り止まない拍手で表現されるアンコール。メンバーが再びステージにあらわれ、井口が語り出した。「アンコールありがとうございます。やっぱ、等身大で4人でやってきたんですよ。自然な感じで、カッコつけもせず、無理もせず。そんな中、これだけの人が好きになってくれて。集まってくれるというのはとても嬉しいです。今回、大阪と東京の4公演でしたけど、愛されているなと。今後も変わらずこのままの4人でやっていきます。」アンコールでは、ロック・オーケストラとでもいうべき分厚いサウンドに没入していく「逆夢」。歌詞における“訳もなく涙が溢れそうな 夜を埋め尽くす 輝く夢と成る”のフレーズが今夜の心情とも重なり合う。勢いそのままにラストは、CLUB GNU会員限定ライブということもあり、今夜はKing Gnu とファンの関係性を歌ったかのようにも聴こえた「一途」をプレイ。レーザーが縦横無尽に飛び交い降り注ぐ会場。サウンドとシンクロする光の美しさ。常田のギターカッティングが牽引するビート、そしてギターソロで爆裂する高揚感のヤバさ。力の限りを出し尽くす、ヒートアップするステージに目と耳と心を奪われっぱなしのオーディエンス。ものすごいライブを2万人が目撃したのだ。新井和輝勢喜遊思い出すのは、King Gnuのバンド名の由来でもある動物、ヌー(臭覚が鋭いといわれ、草食性で食料となる草原を求めて集団で大移動することで知られる)の存在だ。そう、King Gnuの群れは、仲間を巻き込んでどんどんデカくなってきた。その通過点のひとつがFC限定ライブ『King Gnu Live Tour 2022 CLUB GNU EDITION』である。そして、今年は夏フェスへの怒涛の出演、さらに伝説となるであろう東京ドーム公演へ向けて、さらなる快進撃がはじまろうとしている。Text:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)Photo:Tomoyuki Kawakami / Kosuke Ito<公演情報>King Gnu Live Tour 2022 CLUB GNU EDITION5月31日(火)・6月1日(水) 大阪・大阪城ホール6月25日(土)・26日(日) 千葉・幕張メッセ9・10・11ホールセットリスト1. カメレオン2. Hitman3. BOY4. Sorrows5. Vinyl6. F.O.O.L7. Flash!!!8. Don’t Stop the Clocks(Acoustic)9. ロウラヴ(Acoustic)10. 白日(Acoustic)11. 傘(Acoustic)12. Slumberland13. 飛行艇14. Prayer X15. 泡16. 三文小説17. Teenager ForeverEN1. 逆夢EN2. 一途<ライブ情報>King Gnu Live at TOKYO DOME会場:東京・東京ドーム11月19日(土) OPEN16:30 / START18:3011月20日(日) OPEN15:00 / START17:00【チケット情報】SS席:12,000円(税込)※SOLDOUTS席:10,000円(税込)A席:8,000円(税込)※全席指定関連リンクOfficial HPオフィシャルモバイルサイト「CLUB GNU」
2022年06月27日Saucy Dogが6月16日、大阪・大阪城ホールで初のアリーナツアー『Saucy Dog ARENA TOUR 2022 “Be yourself”』ファイナル公演を開催した。6月9日・10日の東京・日本武道館、14日の愛知・ガイシホールを経た終着点である大阪城ホールは、ステージ後方に壁どころかバックドロップもなく、バンドの一挙一動を360°から見渡せるようなレイアウト。開場中にはSaucy Dogが影響を受けてきたであろうフェイバリットアーティストの楽曲がBGMとして流れ、開演が近づくにつれそれが波の音へと切り替わる。みるみるうちに埋まっていく客席からこぼれる期待感と緊張感にシンクロするように、激しさを増していくSEの荒波。舞台上に吊るされた三面スクリーンには深い海へと落ちていく楽器の映像が映し出され、石原慎也(Vo,G)が一撃でライブの始まりを告げるソリッドなギターをかき鳴らす!1曲目の「BLUE」からどこまでも伸びやかなボーカルを広大な大阪城ホールに響かせ、まるで海の中のようなスモークが漂う幻想的な光景に石原とせとゆいか(Ds,Cho)のコーラスが溶け合う、神秘的で力強いオープニングだ。石原慎也(Vo,G)石原が「Saucy Dog初めてのアリーナツアー、“Be yourself”始めます!」と改めて開幕ののろしを上げ、貫く閃光が映えた「メトロノウム」に「僕が言われて悔しかった言葉」と導いた「煙」、切なさと甘酸っぱさが共存するポップソング「シーグラス」と、彼らをここまで連れてきた珠玉のグッドメロディを連発。さらにライブの定番曲「雀ノ欠伸」、地元大阪のFM802で2018年5月度ヘビーローテーションに選ばれた「真昼の月」と、曲名がごとくまばゆいミラーボールに照らされながら躍動感いっぱいに盛り上げ、石原はこう語る。「すごい景色じゃない!?武道館2DAYS、ガイシホールがありまして、1日の最大キャパがここ大阪城ホールで。たくさんの人が来てくれて、後ろの方まで本当にありがとう!背中を見せてしまうって今までにしたことがないやん?よくゆいかの方を見て変顔してたのもできひんね(笑)。僕たちは大阪で結成したバンドで、こうやって帰ってこれて、大阪城ホールでワンマンライブができるのが本当にうれしいです。ツアータイトルの“Be yourself”は、自分らしく、あなたらしくという意味なんですけど、明日からも頑張っていこうとちょっとでも思えるようなライブができたらなと思ってます。何度も間違えて、ずっと後悔してるんじゃなくて、何度間違えても、次に進んでいこうという曲ができました」ツアータイトルと同名であり、新曲の「Be yourself」は、目の前にいるオーディエンスはもちろん、今Saucy Dogにこんな絶景を見せてくれている全てのファンにささげるようなメッセージに胸を打たれる一曲で、新たな代表曲となるポテンシャルも十分。「シンデレラボーイ」では、サビで火柱が上がる特効でも魅せ、胸を締め付けられるあのざわめきを呼び起こすラブソング「今更だって僕は言うかな」には、息をのむような熱い視線が観客から注がれる。たった3人で大阪城ホールを見事に鳴らし切る姿からも、Saucy Dogがこの景色にたどり着くまでにかけた時間がにじみ出る。秋澤和貴(Ba)せとゆいか(Ds,Cho)ここで、「楽しんでいただけてますでしょうか?ここからはスペシャルバージョンのSaucy Dogをお届けしたいと思います。スーパーピアニスト、ムラジュン~!」という石原のコールにより、せり出しからグランドピアノと共に村山☆潤が登場。人気YouTubeチャンネル“THE FIRST TAKE”でも共演した頼もしいサポートメンバーと送る「魔法にかけられて」では、楽曲の持つドラマをピアノが彩り増幅。そのままワンマンライブでは恒例のアコースティックコーナーへと続く。「煙草とコーヒー」では、せとがメインボーカルを取り、満場の手拍子と温かなムードを作り上げていく。MCでは、せとが昨年2月の初の日本武道館公演についても振り返り、コロナ禍に翻弄された日々を乗り越えての、フルキャパでのソールドアウトに感謝を述べる。続けて、「感慨深いですね。ライブ中にちょっと泣きそうでした」と言う秋澤和貴(Ba)に、「早ない?その話(笑)」と返す石原のやりとりもほほ笑ましい。「いつもの帰り道」では、ここ2年の紆余曲折の感情を、せとの優しい歌声が包み込んでいく。そして、「結」ではストリングスを迎え、切なきミドルナンバーを最高の編成で披露。「ノンフィクション」では一転、カルテットの旋律が疾走感とスリルを加速させていく。Saucy Dogの音楽が少しでも長く、みんなの心の中で生きていけたら後半は再びスリーピースで、せとの強烈なドラミングがいざなう「リスポーン」から幕開け。「雷に打たれて」では、秋澤のワイルドなベースラインからいざ突入かと思いきや、石原の機材トラブルでギターの音が鳴らず思いがけず長尺のイントロに。だが、ハプニングにも動じることのないどっしりとしたパフォーマンスで逆に見せ場を作り、極彩色のライティングが高揚感を演出。そして、噴き出す炎のさなか「ライブってハプニングがあるから楽しくない?(笑)」と石原が言ってのけ、「ゴーストバスター」へ!みずみずしいバンドサウンドを構築する音響、ド派手な光でライブにエモーションを加える照明と、チームの総合力をまざまざと感じるシーンだ。その後も石原が、“こんな時代だからこそ、こんな世界だからこそ、あなたに届けたい歌”と訴えた新曲「優しさに溢れた世界で」、“会場にいるみんなと僕らも一緒に並んで歩いていくことはできるんじゃないかな”と届けた「バンドワゴンに乗って」と、Saucy Dogの世界観を端的に表したような思いもろとも畳み掛ける。「大阪でライブがあると、やっぱり帰ってきた感が変わらずにありますね。ここに来てくれてるみんなもそうだし、陰ながら支えてくれてる人たちがたくさんいて……このツアーを通して、改めてそれを実感してます。こうやって多くの人を巻き込んで、音楽を作って、ライブができるのは当たり前じゃないなって。大阪城ホールは僕にとって思い出深い場所で、今日はチラシをくれる人とか、物販でグッズを売ってくれる人とか、柵を押さえてくれる人がいたでしょ?僕も昔はそういうバイトをしていて。当時のバイト仲間から昨日、「マジ感慨深いわ」って連絡が来ました。そうやって、ようやくここに立つことができてるのも、みんなのおかげだと思ってます。Saucy Dogの音楽が少しでも長く、みんなの心の中で生きていけたら……この曲を聴いて、意外と僕たち、私たちに近いんじゃないか、自分一人じゃないんだなと思ってもらえたらうれしいです。最後は笑っていこうね!」そんな石原の願いを込めた「猫の背」では、自分の歌がみんなの歌になる運命の巡り合わせをかみ締め、本編は終了。長い拍手に呼び戻された幸福なアンコールでは、会場の奥の奥にまで手を振る石原も「すごく幸せな空間に包まれたライブだと思いました」と感無量の表情。大阪で生まれたSaucy Dogが、小さなライブハウスで歌っていた「いつか」が、満員の大阪城ホールに鳴り響いた日。「グッバイ」でも石原の歌声がスタンド最上段の最後列までぶち抜き、三位一体で全てを出し切るような迫真のライブアクトぶり。最後は「今日は本当にありがとうございました!」とメンバーが生声で伝え、全スタッフの名前が流れるエンドロールが夢のような一夜を締めくくる。関西出身のミュージシャンにとって、大阪城ホールは日本武道館以上に身近で、特別な場所だとも言える。Saucy Dogの偉大なる通過点が、こうしてまた一つ刻まれた。なお、今後のSaucy Dogは、7月4日(月) 東京・Zepp DiverCity(TOKYO)で『Saucy Dog「サニーボトル」リリース記念ワンマンライブ Supported by VANS』を開催、2日後の6日(水) には6thミニアルバム『サニーボトル』をリリース。各地のイベントや夏フェスに出演後は、10月25日(火) 神奈川・KT Zepp Yokohamaを皮切りに、全11公演にわたる全国対バンツアーをスタート。各公演のゲストアーティストは後日発表される。また、2023年には、過去最大規模となる全国ワンマンホールツアーの開催が決定。1月13日(金)、石原の出身地である島根・島根県民会館 大ホールより、4月28日(金) 東京・東京国際フォーラム ホールAまで全27公演を行う。取材・文:奥“ボウイ”昌史撮影:日吉“JP”純平<リリース情報>Saucy Dog 6th Mini Album『サニーボトル』2022年7月6日(水) リリース価格:1,980円(税込)Saucy Dog『サニーボトル』ジャケット【収録曲】M1. 404.NOT FOR MEM2. あぁ、もう。※森永製菓DARS(ダース)コラボ楽曲 / テレビ朝日 TELASAスペシャルドラマ『デキないふたり』主題歌M3. 君ト餃子※サントリー「ザ・プレミアム・モルツ 〈香る〉エール」ショートドラマ『上京エール』主題歌M4. 優しさに溢れた世界で※フジテレビ『めざましどようび』テーマソングM5. 魔法にかけられて※ABEMA『恋する♡週末ホームステイ 2022春』主題歌M6. ノンフィクション※『WOWOWオリジナルドラマ 神木隆之介の撮休』主題歌M7. Be yourselfボーナストラック:ころもがえ※CDのみSaucy Dog「優しさに溢れた世界で」MV【初回プレス封入特典】・Saucy Dog 対バンツアー2022(仮) CD封入先行抽選申し込みシリアルナンバー応募期間:7月6日(水) 12:00〜7月18日(月) 23:59まで・Saucy Dog HALL TOUR 2023(仮) CD封入先行抽選申し込みシリアルナンバー応募期間:7月6日(水) 12:00〜7月18日(月) 23:59まで【先着購入者特典】タワーレコード:オリジナルポストカード(タワーレコード ver.)Amazon.co.jp:オリジナルポストカード(Amazon.co.jp ver.)Saucy Dog Online Shop:オリジナルポストカード(Saucy Dog Online Shop ver.)一般CDショップ:オリジナルポストカード(一般CDショップ ver.)「優しさに溢れた世界で」配信リンク:『サニーボトル』Pre-add / Pre-saveリンク:『サニーボトル』特設サイト:<ツアー情報>Saucy Dog HALL TOUR 2023(仮)『Saucy Dog HALL TOUR 2023(仮)』告知画像■2023年1月13日(金) 島根県民会館 大ホール開場18:00 / 開演19:00(問)YUMEBANCHI(岡山):086-231-35311月14日(土) 島根県民会館 大ホール開場17:00 / 開演18:00(問)YUMEBANCHI(岡山):086-231-35311月21日(土) 寒河江市市民文化会館開場17:00 / 開演18:00(問)EDWARD LIVE:022-266-75551月28日(土) 静岡市民文化会館 大ホール開場17:00 / 開演18:00(問)サンデーフォークプロモーション静岡:054-284-99991月29日(日) なら100年会館開場17:00 / 開演18:00(問)GREENS:06-6882-12242月4日(土) 北陸電力会館 本多の森ホール開場17:00 / 開演18:00(問)キョードー北陸:025-245-51002月5日(日) 新潟テルサ開場17:00 / 開演18:00(問)キョードー北陸:025-245-51002月17日(金) 大宮ソニックシティ 大ホール開場18:00 / 開演19:00(問)DISK GARAGE:050-5533-08882月19日(日) まつもと市民芸術館開場17:00 / 開演18:00(問)キョードー北陸:025-245-51002月23日(木) 岡山市民会館開場17:00 / 開演18:00(問)YUMEBANCHI(岡山):086-231-35312月25日(土) 広島文化学園HBGホール開場17:00 / 開演18:00(問)YUMEBANCHI(広島):082-249-35712月26日(日) 熊本城ホール メインホール開場17:00 / 開演18:00(問)キョードー西日本:0570-09-24243月4日(土) 岩手県民会館開場17:00 / 開演18:00(問)EDWARD LIVE:022-266-75553月5日(日) 仙台サンプラザホール開場17:00 / 開演18:00(問)EDWARD LIVE:022-266-75553月11日(土) 名古屋センチュリーホール開場17:00 / 開演18:00(問)サンデーフォークプロモーション:052-320-91003月12日(日)名古屋センチュリーホール開場16:00 / 開演17:00(問)サンデーフォークプロモーション:052-320-91003月17日(金) 神奈川県立県民ホール開場18:00 / 開演19:00(問)DISK GARAGE:050-5533-08883月27日(月) 香川 レクザムホール 大ホール開場18:00 / 開演19:00(問)DUKE(高松):087-822-25203月28日(火) 高知県立県民文化ホール オレンジホール開場18:00 / 開演19:00(問)DUKE(高知):088-822-44883月30日(木) 松山市民会館開場18:00 / 開演19:00(問)DUKE(松山):089-947-35354月8日(土) 旭川市民文化会館 大ホール開場17:00 / 開演18:00(問)WESS: info@wess.co.jp(mailto:info@wess.co.jp)4月9日(日) 札幌文化芸術劇場 hitaru開場17:00 / 開演18:00(問)WESS: info@wess.co.jp(mailto:info@wess.co.jp)4月13日(木) 大阪 オリックス劇場開場18:00 / 開演19:00(問)GREENS:06-6882-12244月14日(金) 大阪 オリックス劇場開場18:00 / 開演19:00(問)GREENS:06-6882-12244月16日(日) 福岡サンパレス開場17:00 / 開演18:00(問)キョードー西日本:0570-09-24244月27日(木) 東京国際フォーラム ホールA開場18:00 / 開演19:00(問)DISK GARAGE:050-5533-08884月28日(金) 東京国際フォーラム ホールA開場18:00 / 開演19:00(問)DISK GARAGE:050-5533-0888チケット料金:5,500円(税込)Saucy Dog 対バンツアー2022(仮)『Saucy Dog 対バンツアー2022(仮)』告知画像10月25日(火) KT Zepp Yokohama開場18:00 / 開演19:00(問)DISK GARAGE:050-5533-088810月26日(水) KT Zepp Yokohama開場18:00 / 開演19:00(問)DISK GARAGE:050-5533-088811月2日(水) Zepp Fukuoka開場18:00 / 開演19:00(問)キョードー西日本:0570-09-242411月4日(金) Zepp Nagoya開場18:00 / 開演19:00(問)サンデーフォークプロモーション:052-320-910011月6日(日) 仙台GIGS開場17:00 / 開演18:00(問)EDWARD LIVE:022-266-755511月9日(水) Zepp Osaka Bayside開場18:00 / 開演19:00(問)GREENS:06-6882-122411月10日(木) Zepp Osaka Bayside開場18:00 / 開演19:00(問)GREENS:06-6882-122411月17日(木) Zepp Sapporo開場18:00 / 開演19:00(問)WESS: info@wess.co.jp(mailto:info@wess.co.jp)11月30日(水) Zepp Nagoya開場18:00 / 開演19:00(問)サンデーフォークプロモーション:052-320-910012月6日(火) Zepp DiverCity(TOKYO)開場18:00 / 開演19:00(問)DISK GARAGE:050-5533-088812月7日(水) Zepp DiverCity(TOKYO)開場18:00 / 開演19:00(問)DISK GARAGE:050-5533-0888※対バン相手は後日発表■前売チケット1Fスタンディング・2F指定:4,800円(税込)※ドリンク代別途必要<ライブ情報>Saucy Dog『サニーボトル』リリース記念ワンマンライブ Supported by VANS7月4日(月) 東京・Zepp Divercity(TOKYO)開場 18:00 / 開演 19:00前売:4,000円※チケット購入方法は『サニーボトル』特設サイトをご確認ください。Saucy Dog オフィシャルサイト:
2022年06月21日現在公開中の映画『流浪の月』の主演を務めた広瀬すず(松坂桃李とW主演)と李相日監督を迎え、6月15日にスペシャルトークイベントが行われた。そのオフィシャルレポートが到着した。実力と人気を兼ね備えた俳優・広瀬すずと松坂桃李の2人が紡ぐ物語は、2020年本屋大賞を受賞し、同年の年間ベストセラー1位(日販単行本フィクション部門、トーハン単行本文芸書部門)に輝いた凪良ゆうによる傑作小説が原作。10歳の時に、誘拐事件の“被害女児”となり、広く世間に名前を知られることになった女性・家内更紗(かないさらさ)を広瀬が、その事件の“加害者”とされた当時19歳の青年・佐伯文(さえきふみ)を松坂が演じる。また、事件から15年経った現在の更紗の恋人・亮を横浜流星が、癒えない心の傷を抱える文に寄り添う看護師・谷あゆみを多部未華子が演じ、加えて、趣里、三浦貴大、白鳥玉季(子役)、増田光桜(子役)、内田也哉子、柄本明らが共演に名を連ねている。2人の限りなく稀有な関係性をスクリーンに描き出すのは、デビュー以来そのエモーショナルで骨太な作風で観客の心を鷲掴みにしてきた『フラガール』『悪人』『怒り』などの李相日(リ・サンイル)監督。公開から間もなく1カ月が経つ現在でもSNS上では感想の声が日々発信されているが、今回はそんな本作を見たばかりの観客にむけて、ここでしか聞けないトークを展開。会場に詰め掛けた鑑賞直後の観客に向けて、今だから言える撮影時の話など様々な話題が飛び出し、笑いと拍手に包まれたイベントとなった。この日のイベントは司会者を立てることなく李が広瀬に質問するスタイルで展開。広瀬は、更紗の現在の恋人・亮役の横浜流星との距離感について、お互い人見知りゆえに「距離は縮まるけれど知ることができない感じがあった」としながらも「撮影しながら触れ合う瞬間に一気に何も隠すことも遠慮することもなくなった。肌と肌が触れ合う瞬間に私自身が信用できるようになったというか、飛び込めるというか。それを感じたからこそ余計に信頼できたのかもしれません」と打ち明けた。また李から物語後半で距離が近づいていく松坂演じる文との関係について「文(松坂)とのシーンでは『桃李さんが遠い』と悩んでいたよね?」と明かされると、広瀬は「亮君との距離が近くなる中で、文=桃李さんを想うことに対して距離ができてしまい、気持ちの切り替えが難しかった」と告白。更紗と文の関係性はその複雑さゆえに、広瀬が「桃李さんとは撮影現場では朝の挨拶と出る時の挨拶以外は喋っていなくて。スタンバイも別々のところにいました」と打ち明けると、李も「文と更紗の関係に気を使っていたのかも。劇中で会話を交わすまでの緊張感も必要だからね」と理解を示していた。話題はクランクアップの日に撮影した重要な“寝顔”シーンについて。広瀬は「色んなものを含めた2カ月半をあの文の寝顔で思い出しました。こんなに誰もいない場所で寝顔を見るという……寝てるときって自分でコントロールできないじゃないですか。そんな姿を見てるということで『信用してもらっている人間としての喜び』を私自身が感じたのを覚えています」と濃い撮影期間を振り返ると李からは「クランクアップだ!せいせいした!というよりは『悔しい』という感情を残してた気がするんだけど?」と鋭い指摘。それに対し広瀬は「間違いなく『終わったー!』というのはありました。『怒り』の時は一生終わらないくらいの気持ちに思っていたので、きっと今回も同じ感覚になるだろうと思っていました。ですが今回は「今だ!」と冷静に実感したシーンもあったので、もしかしたらそうじゃないシーンもあったのかな?と思うと一気にスッキリしたというよりは不安の方が大きかったです」とクランクアップ時も手探りなまま不安な気持ちを感じたことを告白。さらに「桃李さんや流星君のお芝居を目の前で見てたからこその焦りと不安をあんなに感じたのは初めてなんじゃないかと思うくらい感じましたね。最後のシーンは私自身のメンタルがズタボロな感じでした」と共演者たちの熱演を目の当たりにし、より不安を感じたことを明かすと、李は「広瀬すずは技術的に上手にやる人とはちょっと違う感じがする。自分の感情と何かが繋がった時に波を起こす人だと思うので、そういったことが今回見れた気がします。自信持ってください!」と広瀬を激励。広瀬も「このタイミングで李組に参加出来て本当に良かったです。ほかのキャストの方が命を削りながらやっているような姿が刺激的でした」と2度目のタッグで感じた成長を振り返った。また最初の段階で4時間あったという本作のカットされたシーンの話題になると、更紗と文が電車に乗って旅立っていくという幸せを予感させる幻のラストシーンの存在が明らかに。広瀬は「完成した本編を観て『ラストシーンどこいった!?』とビックリ。『えー!』みたいな」とまさかの未使用に驚いたと言うも、李は「あれがあると満たされてしまっているというか、余韻がなかった。二人の見たい姿を見せて終わってしまった気がして。その後の二人の姿はお客さんが自分の映像として見てほしいシーンだったと撮影後に気づきました。電車を借りて撮影するのは大変なのにね!」と苦笑いしながら解説し「ソフト化の際には特典映像として入れますので」と予告して広瀬と観客を喜ばせていた。最後は6月19日に24歳の誕生日を迎える広瀬に、李からサプライズで花束贈呈。李の「誕生日おめでとう!」の発声に「え?李さんにお祝いしてもらうなんて嬉しい!」と喜色満面の広瀬。『流浪の月』への参加について改めて「自分の中で大きな何かが生まれて、頑張ろう!と思えた」とし「24歳になっても頑張りたいというか、李監督ともっともっとご一緒できるように努力をしていかなければいけないなとクランクアップからずっと思っています」と未来への抱負を述べていた。李とじっくりと語り合ったこの日のトークイベントに広瀬は「こんな斬新なトークイベントは初めて!」と嬉しそうで「私もまだラストシーンのワンカットを見られていないので、ソフト化の際の特典が楽しみです!」と期待。すると李は前作『怒り』に続いてのタッグとなった広瀬に「二度あることは三度……ありますか!?」と聞くと、広瀬は驚いて肩をすくめながらも「え?いいんですか!?……という気持ちが大きいですが……ぜひ!」と快諾して客席から拍手喝采を浴びていた。『流浪の月』公開中
2022年06月16日flumpoolが“今”対バンしたいアーティストを招いて行う『対バン Tour 2022「Layered Music」』。6月11日(土)・12日(日) にTOKYO DOME CITY HALLで開催した第4弾の対バン相手は、14年来の関わりを持つシンガーソングライターの高橋優。イレギュラーだが初日は主催のflumpoolが先攻を務め、2日目は入れ替わって高橋優が先攻、本ツアー初の生配信も実施した。アンコール曲は初日が高橋の楽曲、2日目はflumpoolの曲を選び、変化を付けてファンを楽しませた。レポートするのは初日の模様である。6月18日(土)・19日(日) にフレデリックとの対バン(大阪府 オリックス劇場)を最終公演に残しているため、flumpool側のライヴ内容を完全に明かすのは控えるが、序盤からテンション高く畳み掛け、一体感を掴んでいくアプローチ。ヘヴィーなバンドアンサンブルを「覚醒アイデンティティ」で聴かせたかと思えば、パーティーチューン「夏Dive」では振り付けやジャンプを交えフレンドリーにパフォーマンス。山村隆太依然として客席での声出しは禁止されているが、集まっている人々が心底ライヴを楽しんでいることは、身体の揺れや力のこもった拍手、手拍子から十分に感じ取ることができる。山村隆太(Vo)、阪井一生(G)、尼川元気(B)、小倉誠司(Ds)は頻繁にアイコンタクトしたり、向き合って音を鳴らしたり、メンバー間で密にコミュニケーションを取っている姿が印象的だった。高橋もflumpoolも共に近年、所属していたアミューズから独立し、新しい道を歩み始めたばかり。対バン実現に対し「めちゃくちゃうれしい」と感無量な様子を見せながら、山村は高橋と初対面した、上京後間もない時期を回想。渋谷のライヴハウスでの対バン(※関係者向けのコンベンションライヴと思われる)で受けた高橋の印象を、「あの鋭い目付きですよ。当時は更に尖ってましたからね」と山村。尼川は「闇しかなかった(笑)」、阪井は「漆黒の……(笑)」と付け加え、「『絶対この人とは友達になれないだろうな』って(笑)」(山村)と笑った。阪井一生その後14年を経て、共に紆余曲折の末にこの場所に辿り着き、「リハで感極まるものがあった」と山村。今では「親友」だとも表現した。尼川に「まだ振り返るの?」とツッコまれるほどの長いトークに発展。小倉もドラムセットで笑っていて、阪井には「いっぱいありすぎてね、想い出が……次の曲行こか(笑)?」と促された。山村は「優くんは人を楽しませることに徹してくれますよ。盛り上げようとして、たまにそれがtoo muchになることもあるんですけど(笑)。カラオケに行って朝まで帰してくれない時もある」との激白が、後の高橋のMCへと発展していくことになる。「皆さん楽しんでいってください。今日は帰しませんよ?」(山村)との呼び掛けから演奏を再開。アッパーな序盤とは打って変わって、中盤ではニューアルバム『A Spring Breath』からの表題曲など、等身大の魅力を気負わずナチュラルに伝えるような、穏やかな楽曲群を披露していく。尼川元気山村のヴォーカルに寄り添うような阪井と尼川のコーラスも秀逸で、春の陽だまりのように温かく響いた。MCのタイミングごとに、高橋への想い、感謝の言葉を溢れさせる山村。「優くんって1人やん?シンガーソングライターとして戦ってる。俺たちはバンドで、優くんは個で。一人でやっているからこそ周りを大事にして、名前の通り優しい」と絶賛。「一人じゃ何もできない。でも、仲間がいると何でもできる。そんな気持ちで独立後に書いた曲」との紹介から「その次に」を届けた。その日の対バン相手によってメンバーの心に沸き起こる想いは異なり、MCで語る言葉も変わることで、同じ曲がまた新たな意味を帯びて聴こえてくるのだった。バンドとして打ち出して行きたい新機軸と、「星に願いを」「君に届け」といった代表曲群とを織り交ぜた、幅広いリスナーが集う場に適したバランスの良いセットリスト。その一方で、熱い気持ちが迸って止まらない山村のMCは良い意味でバランスを欠き、そんな山村に対して絶妙なツッコミを入れ、笑いに変えていくメンバーもまた温かい。flumpoolというバンドは外側は整っているように見えて内面は人間臭く、まさに重層的(Layered)。コアファンならば知っているそんな彼らの魅力を、対バン相手のファンの前で露わにすることも、このツアーの実は重要な意義ではないか?と思う。小倉誠司これからもflumpoolが生きるこの地球上で歌っていきたい転換後、後攻の高橋のアクトがスタート。SEに乗せ、サポートメンバーに続いて最後に登場した本人に、大きな拍手が送られた。1曲目の「こどものうた」から、心を射抜き深く抉っていくような、圧倒的な歌声が響いていく。「象」ではファンもメンバーも拳を突き上げ、声は出さずとも熱狂。「会いたかったよ、東京!」と高橋はラストで短く叫び、搔き回しの後にフィニッシュ。「flumpoolと高橋優の出会いは、隆太が全部しゃべってくれたね」とMCで切り出すと、付け加えるなら、と当時を振り返り「ギターの一生くんがソバージュだった。元気くんは社交的だった、今はクール目だけど(笑)。誠司くんは謎だね!今も昔も謎のまま。今日は、エレベーターが開いたら体育座りで座ってた。怖っ!こういう感じ?“Layered Music”ってこういう感じの迎え方なの?!」とテンポよくトーク。コロナ禍でなければ爆笑したくなる内容と巧みな話術である。高橋優「カラオケに行くと隆太のほうがしゃべってたりするのに、さっき言ってたよね。『ちょっとtoo muchな時もあって(※山村の口調を真似て)』。そんなこと思ってたんだ?!」とショックを受けた様子。「《どうせ帰るんだろ?》っていう歌詞があるから、聴いてください(笑)」と次曲「room」へと繋げた。跳ねたビートに乗せてもつれた色恋沙汰と心模様を歌うラブソングに、山村とのカラオケ飲み会の情景が重なって聴こえたのも、この一夜だけの特別な音楽体験として心に刻まれることだろう。続く「太陽と花」からはより深く広い楽曲の世界へと惹き込んでいき、とりわけ「虹」では高橋の歌の凄みが炸裂。身動きできなくなるほどのパワーと表現力。歌詞とリンクして、七色の光がステージに広がる美しい照明演出も相乗効果を生み、力強くも優しい、エモーショナルな歌を真っ直ぐに送り届けた。大拍手を受け止め、「温かい拍手をありがとうございます」と感謝を述べながら、「目が怖いですか?漆黒の黒ですか?」と、flumpoolメンバーのMCを引用して自虐。想いを迸らせていた山村の様子を「察するに、エモくなってる状態」と評した。flumpoolとの関係をライバル関係とは位置付けず、「14年経つと『あ、今日の隆太はこんな感じなのかな』って分かるようになってきた」と、長年の深い関わり合いがあってこそ辿り着いた、相互理解の境地を語っていたのが興味深かった。「『最初はこんな奴と仲良くなれると思ってなかった』と隆太が言ってたけど、俺も思って。特にソバージュの人と仲良くなれる気がしなかった(笑)」と語ると会場は大拍手。「だけど、こうやって呼んでもらって今を迎えられてることも素晴らしいことの気がするし、ここで終わらせちゃいけないってことが一番大切なことで。僕も、これからもflumpoolが生きるこの地球上で歌っていきたい。そういう長い時間が経てば経つほど、関係が変わっていったりするものもある、でも変わらないものもあるのかな?と想って書いた曲です」との紹介から「ever since」へ。ブルージーであり童謡のようにも聞こえる温もりに満ちた歌が、じんわりと染み渡っていく。曲が終わり、「君へ届け」のイントロを取り入れて奏でながら、「ここからアゲアゲのやっていいですか?」と煽る高橋。「出しちゃダメなのは声だけです。全部僕にぶつけてください。君に、君に届いてほしい想いを込めて歌います!」との前振りから「現実という名の怪物と戦う者たち」のイントロへ切り替え。ヒット曲「明日はきっといい日になる」を連打してラストスパートを掛けると、ピアノイントロで幕開けた「Piece」では高橋自らクラップし、エモーショナルな歌声を響かせた。「やっぱライヴっていいね」と笑顔を見せた高橋は、「次会える日が来て、その時は一緒に歌えたらいいなって。音程なんてどうだっていいから叫んで、という曲」と語り、最後に新曲「HIGH FIVE」を放った。《栄光は今君とここにいること》とフロアを指し示しながら、力強く叫ぶように歌った。お互いが生きている証を刻んだ「リーマンズロック」アンコールで先頭に高橋、その肩に手を置いて後ろに山村が続いてメンバーが再登場。高橋は「flumpoolのライヴなんだから、flumpoolが先に出てこないと。出たらえーやん!みたいな」と語り、山村の勧めでこうなったのだと説明。「熱い人なんですよ、隆太っていう人は。アンコールどうする?っていうのを我々二人で話したんですけども、『今日はどうしても高橋優の曲をやりたい』と言ってくれて」(高橋)と言葉を続けた。「優くんとは……」と再び語りモードに突入した山村は、「あ、(もう曲に)行くつもりやった(笑)?」と空気を読んで留まろうとしたが「この曲をやりたいって言った理由だけ言わせて?」と懇願。高橋は「もちろんもちろん!これから3時間ぐらい話してもらって。『今日は帰さんぞ!』って言ってたよね?」と笑った。山村は「声が出なくなった時にね、カラオケ行って、ちょっと僕が歌うだけで優くんが泣いてくれたとか。声出なくて苦しくてもう音楽辞めようかな?と思ってた時にこの曲を聴いて、大したことないぞ、と。絶対前へ進んでいける、自信持って行こうって言うのを、この曲からはいつも勇気をもらってたので。この曲を、またステージに戻って来られて、今日ここまで来られたし。優くんとflumpool、いい関係でまたしのぎを削って、時にはライバルで、時には戦友で。時には癒やし合って、また進んでいけたらいいなと思って、この曲を皆にも聴いてほしいな、と思いました!」と熱く語った。その曲とは、「リーマンズロック」。生きている証を刻むこと、働くことを歌った、泥臭くも温かな人生讃歌である。山村がまずは歌い始めて、高橋はギターでコードを奏でて寄り添った。続いて高橋もヴォーカルを執り、メンバーはその間1コーラスは手拍子で二人を支えていく。やがてバンド全体での演奏に移行。山村は高橋の肩に手を回しながら、うれしそうに歌唱。互いに「flumpool!」(高橋)「高橋優!」(山村)と讃え合うように叫んで、大拍手の中曲を締め括った。全員集合して客席をバックに記念撮影して初日は終了。一列に並んでステージを去っていく最後の瞬間まで、笑顔に満ちた対バンライヴだった。生きてくる中で紡いできた物語が、他者の物語と出会った時、何が生まれるのか?この対バンツアーはライヴであると同時に人間ドラマであり、ただ2つのライヴを連続して観る以上の相互作用と化学反応に満ちている。大阪でのツアーファイナルへの期待が膨らむ、エモーショナルな東京公演だった。取材・文:大前多恵Photo:山川哲也『Layered Music』見逃し配信の詳細はこちら:
2022年06月16日田中雅功(たなか・がく)と髙田彪我(たかだ・ひょうが)からなるフォークデュオ・さくらしめじが、結成記念日である6月14日(火) に東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEで『さくらしめじ結成記念ライブ「しめたん」〜8年目。もう20歳だし少しは大人に。苺みたいに甘酸っぱい恋を。〜』を開催した。さくらしめじは4月1日(金) に東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASUREで演劇を取り入れたワンマンライブ『春しめじのお花し 二冊目』を行い、5月2日(月) には同会場にて、新企画として、隔月ワンマンライブの第一回目となる「新種しめじの定期便~5月の味覚~」を開催。本公演は実に3カ月連続のワンマンライブとなっており、タイトル通りにコンセプトを“ラブソング”に限定。さらに、全19曲中半分の9曲が新曲、もしくは未音源化の楽曲という意欲的なセットリストで様々なラブストーリーを届け、満員の観客の胸をキュンとときめかせた。開演前の場内には、J-POPの歴史に刻まれてきた数々のラブソングが流れていたが、定刻を5分ほど過ぎた頃に客電が暗転。200本以上のキャンドルが並べられたロマンチックなステージに登場した二人は、向き合って気を合わせ、7年前、13歳の時にリリースした1stシングル「いくじなし」で甘酸っぱい恋の物語をスタートさせた。さらに14歳の時にリリースし、永野芽郁主演の恋愛ドラマ『こえ恋』の主題歌に起用された「ひだりむね」や「はじまるきせつ」と、目が合うだけでドキドキするようなピュアな片想いソングを連発。観客は1曲目から立ち上がり、彪我が首にぶら下げて叩くタンバリンに合わせてクラップを鳴らし、ペンライトを振って盛り上がり、伸びやかな歌声には大きな拍手が贈られた。ここで、彪我は「今日は全曲恋歌でお送りしていきます。皆さんにはキュンキュンしていただきたいと思っております」と元気よく挨拶。「自分たちの今の思いも曲にしたいなと思って」と続けたところで、雅功に「恋歌で、今の気持ちって言ったら、それ、誤解されるやつだよ」と突っ込まれると、客席に目をやって、「みんなの気持ちだから」と弁明。歓声と拍手が上がる中で、恋の喜びだけでなく、痛みや苦しさも込めた新曲「素直」を初披露。さらに、初恋にも失恋にも聞こえる「きみでした」、離れている“君”への想い綴った「天つ風」と、相手のことを思いやる視線を感じるラブソングをステージの左右の端に置かれた椅子に座ってパフォーマンス。女性視点のラブソング「ストーリーズ」では、観客全員がペンライトをピンクにして会場をハッピーなムードで染め上げ、夢の中でしか話しかけられない妄想ラブソング「きのうのゆめ」では爽やかな歌声でオーディエンスを魅了した。田中雅功「実は僕、人見知りなんだ。意外かもしれないけど。君を見つけてから、僕は僕なりに変わろうと思ったんだ。僕が変わらないと君が誰かに取られちゃう気がして」そんな彪我の告白を経て、シンガーソングライターのコレサワ提供の前向きな失恋ソング「届けそこねたラブソング」を熱唱すると、“恋を叶えてくれる月”と呼ばれている六月の満月をモチーフにした「ストロベリームーン」では二人ともアコギを置き、雅功がタンバリン、彪我がピンクのペンライトを持って客席を煽り、フロアの熱気を上昇させた。演奏後には雅功が今日、この日がストロベリームーンであることを語り、「好きな人と見たらその恋が叶うって言われてるけど、外は雨っぽいですね。今日は僕たちがストロベリームーンです」と宣言。さらにここから、言葉とは裏腹の気持ちが表出する「大嫌い」、“でもね”を繰り返しながら心の奥底にある言えない思いを語る「でもね」を情感豊かに歌い上げ、「先に言うね」では、告白直前の心境をドラマチックに表現した。さらに、新曲「推したい」の披露前には、彪我が「“推し活”を始めた思いを歌にしました」と語り、「親には黙ってますが、抱き枕カバーを買っちゃいました」と告白。画面の先にいる“推し”の幸せを願う楽曲を朗らかに歌い、ゆず史上最も“ゆず”らしからぬ夏のエッチな衝撃ポップチューン「いちご」をカバーして観客を驚かせた。そして、Twitterで募集した甘酸っぱい恋愛エピソードを元に制作した「エピソード」では恋の煌めきを放ち、雅功の二十歳の生誕ライブで披露されたロックチューン「愛はまだ」のさくらしめじバージョンでは、《恋なんて簡単でしょ》と吐き捨てるように歌唱した。髙田彪我そして、雅功が「本当はもっとロマンチックで、本当はもっと面白くて、本当はもっとカッコよくて、本当はもっとアーティストっぽくて……。って、君の理想通りになるほど、僕は何者でもなくて。君と出会わなければよかった。君を好きにならなければよかった。君に好きだなんて伝えなきゃよかった」と告白。ルーパーを使ったメロウなR&B「別れた後に僕が思うこと」で失恋後の未練や後悔を吐露。恋の始まりから片想い、恋から愛への変化、そして、別れまでを描いたラブソング集は、《ありがとう。好きだよ。ごめんね》という切ないフレーズで締め括られた。これからも僕たちの恋人でいてくれますか?アンコールでは、8年目にして初となるファンクラブの発足を発表すると、場内から大きな歓声と拍手が湧き上がった。さらに、夏の全国ツアーもアナウンス。最後に、雅功は「僕らにとってラブソングなのかな?これも一種の愛の歌です」とかなり、解散危機をテーマにした『春しめじのお花し 二冊目』の劇中で二人で作り上げた「辛夷(こぶし)のつぼみ」を静かに熱く歌唱。《僕は君で君は僕だから》という夏のツアータイトルにもなっているフレーズには、隣で歌っている相方への思いが込められているだろう。終演後には雅功が「20年目も30年目もみんなと一緒に楽しく生きていきたいと思います」と語ると、彪我は「これからも僕たちの恋人でいてくれますか?」と呼びかけ、「みんなで一緒に歳を重ねていきましょう」と約束し、笑顔で手を振りながらステージを後にした。なお、7月22日(金) にはSHIBUYA PLEASURE PLEASUREで隔月ワンマンライブの第2弾として、『新種しめじの定期便~7月の味覚~』を行うほか、7月30日(土) からは夏の全国ツアー『さくらしめじ 2022夏ツアー「僕は君で、君は僕」』もスタートする。Text:永堀アツオPhoto:鈴木友莉<公演情報>さくらしめじ『さくらしめじ結成記念ライブ「しめたん」〜8年目。もう20歳だし少しは大人に。苺みたいに甘酸っぱい恋を。〜』6月14日(火) 東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEセットリストM1. いくじなしM2. ひだりむねM3. はじまるきせつM4. 素直M5. きみでしたM6. 天つ風M7. ストーリーズM8. きのうのゆめM9. 届けそこねたラブソングM10. ストロベリームーンM11. 大嫌いM12. でもねM13. 先に言うねM14. 推したいM15. いちご / ゆず(カバー)M16. エピソードM17. 愛はまだM18. 別れた後に僕が思うことEN. 辛夷のつぼみ<ツアー情報>さくらしめじ 2022夏ツアー『僕は君で、君は僕』7月30日(土) 宮城・K-port1部:開場13:00 / 開演13:302部:開場16:30 / 開演17:007月31日(日) 宮城・誰も知らない劇場1部:開場14:15 / 開演15:002部:開場17:45 / 開演18:308月6日(土) 大阪・バナナホール1部:開場14:15 / 開演15:002部:開場17:45 / 開演18:308月7日(日) 愛知・名古屋 Club Quattro1部:開場14:15 / 開演15:002部:開場17:45 / 開演18:308月14日(日) 神奈川・Yokohama Bay Hall1部:開場14:15 / 開演15:002部:開場17:45 / 開演18:308月27日(土) 広島・Live space Reed1部:開場14:15 / 開演15:002部:開場17:45 / 開演18:308月28日(日) 福岡・BEAT STATION1部:開場14:15 / 開演15:002部:開場17:45 / 開演18:30【チケット情報】全自由6,600円(税込)※3歳以上チケット必要。※3歳未満のお子様は大人1名につき1名まで膝上に限り無料。但しお席が必要な場合はチケットが必要です。※ご入場の際、別途ドリンク代をいただきます。※ご入場は整理番号順となります。さくらしめじ オフィシャルサイト:
2022年06月15日スターダスト☆レビューが、デビュー40周年記念ライブ『スタ☆レビ40周年 東西あわせて108曲 煩悩ライブ』の大阪公演を6月11日に大阪・大阪城ホールで開催。そのオフィシャルレポートが到着した。6月4日に行った埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演に続いて、大阪公演でも計59曲を披露。この日つめかけた8500人のファンとともに、とてつもない試みを達成してみせた。13時すぎ。ほぼ定刻通りに照明が落ちると、スタ☆レビファンであり35周年記念ライブにゲスト出演もした、松たか子がナレーションを務めるオープニング映像へ。続いてステージに、根本要(Vocal&Guitars)、柿沼清史(Bass&Chorus)、寺田正美(Drums&Chorus)、林“VOH”紀勝(Percussion&Chorus)というスタ☆レビの面々、サポートメンバーの添田啓二(Keyboards&Chorus)、岡崎昌幸(Acoustic Guitar,Keyboards&Chorus)が登場する。「みんな楽しんでってくれよー!」そんな根本の呼びかけからの1曲目は、東西公演共通の「僕らの本能」。そこから「もうチョットだけ何か足りない」「今夜こ・れ・か・ら」「もっとそばに来て」と軽やかなナンバーを続け、81年5月25日に、アルバム『STARDUST REBUE』と同時にリリースされたデビュー曲「シュガーはお年頃」(※東西共通曲)へ。根本要そこからこの日最初のMCに入り、根本は「大阪で僕たちのライブは育てられました。いつかやりたい思っていた周年ライブを、ここでやれてうれしいです」と感慨深げ。「今日のライブは6時間を予定してるけど、終わるはずがない。ある意味、修行です。自分のペースでゆっくり楽しんでください」と、笑わせながらファンを気遣った。今回のライブは、東西共にテーマを添った曲目を集めたパートを連ねることでセットリストを構成。まずは作品ごとの顔とも言える曲を選りすぐった“アルバム1曲目”コーナーで、ホーンセクションも交えて、「Thank You」「All I Do」「BEATに愛を込めて」とにぎやかに並べていく。MCを挟み、続いては“アルバム2曲目”コーナーと銘打ち、「夏のシルエット」「Lovers In The Sky」「Heaven」。ストレートな1曲目とは異なり、バラエティ豊かな曲が連ねられる。心情を叩きつけるように歌う、やや彼ららしからぬ曲「Heaven」を終えると、引き込まれていた観客を前に「…どうするんだよ、この重たい雰囲気(笑)。ちょっと今、後悔しています」と根本。ふっと、空気を緩ませてみせるあたりもさすがだ。柿沼清史そして40周年ライブらしい企画“MVやLIVE映像とともに40年を振り返る”コーナーへ。背後に当時の映像を映し出されるのと合わせ、目と耳で、彼らの歩んだ道をたどる。89年の万博お祭り広場ライブ映像を収めた「Be My Lady」から、「君のすべてが悲しい」(90年)、「Joanna」(02年)、「今日もいい日でありますように」(12年)、「はっきりしようぜ」(20年)。「Be My Lady」で、当時のスタ☆レビの姿(色の異なるスーツを着、根本はもちろんサングラス着用。シティ・ポップを奏でるオシャレなバンドというイメージもあった)や、ファンの姿(ちょっと大人びた女性が多かった)などといったことに、懐しい思いを重ねたファンも多かったはず。しかし加えて印象的だったのは、最後に流れた「はっきりしようぜ」だ。これはコロナ禍のまっ只中で制作された楽曲。これまでの流れた月日と共に、あらためて私たちが生きている、今という時代を思うことともなった。次は“おばかソング”コーナー。「さ、休憩タイムです」と笑った根本は「アマチュアのころから、ウケたくて作ってきた。ここ大阪でもやらせてもらってきたけど」と紹介。なお、「せっかくそんな曲を聴いてもらうんだし」ということで、ここの間は携帯電話での写真撮影自由。「恋はバレーボール」「今年の夏こそは」「ニッポンの汗」と、おばかというより“能天気に楽しい”楽曲が続いた。そこから一転、彼らのもうひとつの真骨頂とも言えるバラードのスタ☆レビ。“人生の悲哀を歌った悲しい曲”のコーナーと題して、「Crying」「涙」「1%の物語」をしっとり、じっくりと聴かせる。バイオリンの調べ、メンバーのコーラスワークが、聴く側の感情を増幅する。演奏後に会場に満ちた、これまでとは違う、しずやかに降り積もるような拍手もまた印象的だった。彼らの幅広い音楽を一通りなぞったと思えるこのタイミングで、根本は「そろそろ飽きてきてませんか?いや、俺たちは平気だよ。そもそもやれる曲を全部やろうと企画したライブだし」と客席に笑いかける。しかし返ってくる拍手は「私たちも平気」と答えているよう。そこからは前半最後のコーナー“歌い回し”。メンバー間で歌い繋ぐ曲を連ねていく。「Rock’n Roll Blues」「銀座(あらため大阪)ネオン・パラダイス」「恋は医者でも治せない」、そしてサンバのリズムに乗せて全員がステージ前に展開して踊る「オラが鎮守の村祭り」(※東西共通曲)。ここまでで約3時間。26曲を演奏し終えて、30分間の休憩となった。メンバーとファンの思いが交わった“アコースティックバージョン”のコーナー16時10分過ぎにライブが再開。コーラスが響き渡り花道から根本を筆頭にメンバーが現れる。アカペラでの「トワイライト・アヴェニュー」だ(※東西共通曲)。ここからは、センターステージでの“アコースティックバージョン”のコーナー。アコースティックバンドセットは、そもそも要望があれば全国津々浦々に音楽を届けたいスタ☆レビが、もろもろの都合で通常のセットを持っていけない場合への対応として編み出したもの。「クレイジー・ラブ」「月の輝く夜に」、再度アカペラでの「ジャスミン」を挟んで、荒井由実のカバー「翳りゆく部屋」。こちらは伴奏がピアノのみ。アカペラに続いて、彼らのコーラスワークが輝いていた。そして「2011年の震災を忘れたくないとの思いから」と、13年のチャリティライブでも披露した「Farewell Night」。さらには、これももちろん東西共通曲の「木蘭の涙~acoustic~」。バイオリンの響きが重なることで、センターステージを核として、メンバーとファンの思いが交わり、増幅していくような感覚が会場を覆った。後半のコーナー分けもスタ☆レビらしい。“期待に応えられずすみません”のコーナーでは、タイアップ・CM曲でありながら、ランキングが振るわなかった曲を披露。「もう一度ハーバーライト」(86年「コンフェクショナリーコトブキ」のCMソングで、オリコンの最高位は62位)、「心の中のFollow Wind」(87年のアニメ映画『バツ&テリー』の主題歌で最高位は66位)、「Nothern Lights-輝く君に-」(89年のオーツタイヤのCMソングで最高位は38位)と続けたが、どの曲もライブで映えるスタ☆レビ印の良質な楽曲たちだ。続いては、根本以外のスタ☆レビメンバーがリードボーカルを務める“俺にも歌わせろ”。柿沼が自身のありようを切々と訴える「B型を愛してください」、林がファルセットを存分に聴かせる「星になるまで」、寺田正美が音頭をとるコミカルな「アカペラな夜」。スタ☆レビというバンドの懐深さ、奥行き、仲の良さを十全に示した。寺田正美そんなバンド自体にもっとフォーカスする流れで、次はそれぞれメンバーがチョイスした楽曲を演奏する“美味しいところを見繕って”コーナー。寺田が根本と歌詞を書いた「言葉じゃいえないLonliness」、林もこれまた根本と二人で歌詞書いた「この胸で泣けばいい」、柿沼は「ギターソロがいい」という理由で「君のために・・・」、根本は、「『木蘭の涙』の歌詞も手掛けた山田ひろしさんの歌詞がカッコいい」と理由で「少年」をチョイス。また、長年のサポートメンバーである岡崎による「海月~UMIZUKI~」、添田が挙げた「ワイン恋物語」を披露したところで、最後にもう1曲。根本が敬愛するエリック・クラプトンの波乱の人生を思って書いたという「Gently weeps」を、「みなさんへのメッセージとして」と添えて歌いあげた。実は彼らは、6月4日の公演の前、5月21日に2021年1月からスタートした40周年ライブツアー『「年中模索」〜しばらくは、コール&ノーレスポンスで〜』を終えたばかりでもある。全部で102公演、スタ☆レビ史上最長期間にして、最多公演数だった。根本は共に走り抜けてきたスタッフへ、あらためて感謝を示す。そこから、次のコーナーは20代から70代までと幅広い“スタッフリクエスト”。「Find My Way」「ふたり」「もう一度抱きしめて」「愛してるの続き」とシングル曲を披露した。林“VOH”紀勝東西合わせた総曲数が100曲を超え、いよいよ終わりが見えてきた。「最後は盛り上がっていきましょう」と、まずは「夢伝説」(※東西共通曲)。そこからまさに怒涛のように、「君は大丈夫!」から「HELP ME」「太陽の女神」「と・つ・ぜ・ん Fall In Love」「還暦少年」と、これまでの歴史で生み出してきたライブで盛り上がり必至のキラーチューンを惜しみなく連発する。ファンは声は出せなくても身体では示せるぞ、と言わんばかりに拳を振り上げ、飛び跳ね、手を叩く。みんなの心に届けられたことがぼくたちの最大のヒット残すところあと2曲。「みんなも、心の中だけで歌ってくれ」と呼びかけ、「愛の歌」(※東西共通曲)を歌い出すや感動的な光景が。観客が携帯のライトを掲げ、振り出したのだ。根本は「すげえな!」と声を上げ歌い進めながらも、目の前の景色に感極まったように顔を覆う仕草を見せる。鳴りやまない拍手もこの空間のかけがえのなさを物語っていた。根本が語る。「僕らは、スタ☆レビ好きのみんなとできるだけ一緒にいたかった。いつもは3時間で、あっという間。みんなが楽しんでくれてる顔を見て、僕らも楽しくなって歌ってると終わっちゃうんだよ。40周年だし、もうちょっと一緒にいようよ、じゃあ60曲歌ってみようかって」。そして絞り出すように「やってみて、本当に幸せなバンドだなと。こんな言葉で申し訳ないけど……ありがとう」。最後の58曲目は「悲しい詞だけど、笑顔で聴いててくれたらうれしいです」と、「今夜だけきっと」。背後には、過去の同曲のライブをつなぎ合わせた映像が映し出され、会場はさまざまな思いと、それでいて幸福な感情で満ち溢れた。最後の最後。「ノーカウントということでさ。もう1曲、聴いてく?」と根本。これまた彼が敬愛するグラハム・ナッシュの言葉を引きながら、会場に語り掛ける。「普通に暮らす楽しさをひとりひとりが見つけられたら、いざこざなんて起こらない、国同士で争うこともないだろうなって。おおげさかもしれないけど、僕らには何の力もないけど、それを伝えることしかできないだろうと思います。だからこそ、みんなの心に届けられたことがぼくたちの最大のヒットです」。そこから万感の思いを込めて、「めぐり逢えてよかった」(※東西共通曲)。携帯のライトがきらめく会場を見渡しながら、根本は時折、目をぬぐっていた。「幸せなバンドに育ててもらいました。どうお礼を言っていいかわかりません。でも僕らはまだまだ大器晩成バンドとして、上を目指したいと思います。こうなりゃ最後まで添い遂げてください」。そうして最後の最後の最後に一本締め。すると根本は、いいや言っちゃおうといった感じで「早いうちに次のツアーをやろうと思ってるんです!」。彼らと同じく、今日も結局“もう終わっちゃった”と感じていたファンからの喝采を浴びた。『スタ☆レビ40周年 東西あわせて108曲 煩悩ライブ』は、これにて大団円。公演時間は予定をやはりオーバーし、時刻は19時50分を指していた。Photo:加藤正憲セットリスト:大阪城ホールの配信チケットはこちら:
2022年06月15日私立恵比寿中学の小林歌穂が、6月13日に神奈川・KT Zepp Yokohamaで生誕ソロライブ『ぽーランド7!!!!!!!』を開催。そのオフィシャルレポートが到着した。自身のニックネーム「ぽーちゃん」にちなんだ夢の国「ぽーランド」をテーマにした小林のソロライブも今年で7回目。今回も6月12日に22歳のバースデーを迎えた小林による、“ぽーちゃんワールド”あふれる世界が展開された。オープニングでは交響曲のようなポップでワクワクする音楽とともに、イラストメッセージがスクリーンに映し出され、訪れたファミリーへの感謝を伝えるとともに、ファミリーを一瞬にして「ぽーランド!」の世界へ導いた。自身のメンバーカラーでもある黄色のワンピースで登場した小林は、2017年リリースのアルバム『エビクラシー』に収録された「感情電車」でライブをスタートさせた。続いて、お母さんの十八番でもあるという松任谷由実の「中央フリーウェイ」を優しく歌い上げ、会場を和ませた。その後、自己紹介でトークが始まり「小林歌穂!22歳でーす!」と元気よく小林らしいあいさつの後には、「ぽーランド」おきまりの国歌斉唱のコーナーへ。初挑戦したというパラパラ漫画風のイラストを繋ぎ合わせたオリジナル映像とともに披露され、「ぽーランド」ならではの世界観に会場は楽しい時間となった。「今日はみんなゆっくり過ごしていってね」という優しいメッセージのあとに、ポルノグラフィティの「ジョバイロ」をカッコよくきめ、続いて2015年リリースのエビ中のユニットアルバム、さいたまスーパーアリーナ盤に収録された「ぐらりぐら想い」を披露。そして兼ねてから趣味と公言しているウクレレの弾き語り初披露へと入る。ウクレレを始めてちょうど1年が経つという小林は「とっても緊張していますが、ポッとあったかい気持ちになってもらえたら嬉しいです」と緊張混じりに話し、Vaundyの「踊り子」が始まると彼女からのメッセージがスクリーンに映し出された。「大人になるってむずかしい。大人1年生でした。笑」と21歳の自分の振り返りのような直筆メッセージが映し出され、小林らしいファミリーへのメッセージは会場を和ませた。「踊り子」を甘く歌い上げると、続く「君をのせて」「龍」「日記」を歌い上げ、和やかなムードをつくりながらも、洗練された弾き語りはファミリーを釘付けにしたようだ。その後、尊敬する吉澤嘉代子の「ゆりかご」、エビ中の最新アルバム収録曲「宇宙は砂時計」を披露。歌い始めると同時に会場は暗くなり、サビになるとミラーボールが登場した。ファミリーがもつペンライトの光とミラーボールが放つ光は、まるでたくさんの星が瞬いてる宇宙のような空間を演出させた。小林はその宇宙空間で、柔らかな声で力強く歌いあげた。多彩な演出はまだ続き、ステージを覆いつくさんばかりのシャボン玉とともにMrs. GREEN APPLEの「Hug」を披露すると、最後に最新アルバム収録曲「ハッピーエンドとそれから」を披露し、7回目のソロライブを締めくくった。<公演情報>小林歌穂『ぽーランド7!!!!!!!』6月13日(月) 神奈川・KT Zepp YokohamaセットリストM01. 感情電車 / 私立恵比寿中学M02. 中央フリーウェイ / 松任谷由実-MC1--自己紹介 / 国歌斉唱-M03. ジョバイロ / ポルノグラフィティM04. ぐらりぐら想い / 小林歌穂-箸休めVTR-M05. 踊り子 / Vaundy ※ウクレレ弾き語りM06. 君をのせて / 井上あずみ ※ウクレレ弾き語りM07. 龍 / 岡崎体育 ※ウクレレ弾き語りM08. 日記 / 私立恵比寿中学 ※ウクレレ弾き語り-MC2-M09. ゆりかご / 吉澤嘉代子M10. 宇宙は砂時計 / 私立恵比寿中学M11. Hug / Mrs. GREEN APPLEM12. ハッピーエンドとそれから / 私立恵比寿中学-MC3-<配信情報>私立恵比寿中学「青春ゾンビィィズ」Now On Sale作詞・作曲:TAKUYA 編曲:EFFY配信リンク:<リリース情報>私立恵比寿中学 7th FULL ALBUM『私立恵比寿中学』Now On Sale●完全生産限定盤A(CD+BD):11,000円(税込)LPサイズジャケット盤 / 金箔押しシリアルナンバー入り・BD:大学芸会2021~Reboot~ライブ映像(約150分)・大学芸会ライブメンバーソロポスター9種・トレーディングカード10種類のうち1種ランダム封入●完全生産限定盤B(CD+BD):9,000円(税込)LPサイズジャケット盤 / 銀箔押しシリアルナンバー入り・BD:シン・EVERYTHING POINT 2/2(ちゅうおん2021~大学芸会2021)(約90分)・メンバーデザインポスター9種・トレーディングカード10種類のうち1種ランダム封入●初回仕様通常盤(CD):3,300円(税込)・アナザージャケット封入・トレーディングカード10種類のうち1種ランダム封入【CD収録内容】※全形態共通01. Anytime, Anywhere作詞・作曲:大橋ちっぽけ 編曲:岩崎隆一02. イエローライト作詞・作曲・編曲:田村歩美03. きゅるん作詞:高橋久美子 作曲:COMiNUM, Myko ISLAND, Ryo Ito 編曲:TomoLow04. ハッピーエンドとそれから作詞・作曲:石原慎也(Saucy Dog) 編曲:板井直樹05. トキメキ的週末論作詞:児玉雨子 作曲・編曲:山﨑佳祐06. シュガーグレーズ作詞・作曲・編曲:TORIENA07. さよなら秘密基地作詞・作曲・編曲:けんたあろは08. ナガレボシ作詞:Giz’Mo(from Jam9) 作曲:ArmySlick, Giz’Mo(from Jam9) 編曲:ArmySlick09. 宇宙は砂時計作詞・作曲:キタニタツヤ 編曲:笹川真生、キタニタツヤ10. イヤフォン・ライオット作詞:児玉雨子 作曲:杉山勝彦 編曲:野村陽一郎【完全生産限定盤A・Bのみボーナストラック】11. 「なないろ - from THE FIRST TAKE」12. 「ジャンプ– from THE FIRST TAKE」(私立恵比寿中学 with 石崎ひゅーい)アルバム特設サイト:<ライブ情報>私立恵比寿中学 10th Anniversary Tour 2022 ~drawer~※終了分は割愛6月17日(金) 東京・TOKYO DOME CITY HALL ※4月17日(日) の振替公演6月18日(土) 千葉・市川市文化会館 大ホール6月26日(日) 福岡・福岡市民会館 大ホール7月3日(日) 神奈川・カルッツかわさき(川崎市スポーツ・文化総合センター)7月9日(土) 東京・LINE CUBE SHIBUYA安本彩花生誕ソロライブ『歌って踊って歌謡show!!!安安』6月14日(火) 神奈川・KT Zepp Yokohama6月27日(月) 大阪・なんばHatch私立恵比寿中学 Major Debut 10th Anniversary 2MAN Zepp TOUR『放課後ロッケンロール』7月21日(木) 愛知・Zepp Nagoyaゲスト:超特急7月22日(金) 愛知・Zepp Nagoyaゲスト:気志團7月25日(月) 東京・Zepp Haneda(TOKYO)ゲスト:岡崎体育7月26日(火) 東京・Zepp Haneda(TOKYO)ゲスト:アンジュルム8月22日(月) 東京・Zepp Haneda(TOKYO)ゲスト:ビッケブランカ8月23日(火) 東京・Zepp Haneda(TOKYO)ゲスト:純烈9月1日(木) 大阪・Zepp Osaka Baysideゲスト:後日発表9月2日(金) 大阪・Zepp Osaka Baysideゲスト:後日発表10月17日(月) 東京・Zepp DiverCityゲスト:後日発表10月18日(火) 東京・Zepp DiverCityゲスト:後日発表エビ中 夏のファミリー遠足 略してファミえん in 山中湖 20228月6日(土)・7日(日) 山梨・山中湖交流プラザきらら シアターひびき私立恵比寿中学 オフィシャルサイト:
2022年06月14日Coccoが全国ツアー『Cocco Live Tour 2022“プロム”』の最終公演を6月7日にTOKYO DOME CITY HALLで開催。そのオフィシャルレポートが到着した。約2年半ぶりのツアーとなった『Cocco Live Tour 2022“プロム”』は、愛知、福岡、大阪、東京と巡り、6月7日、TOKYO DOME CITY HALLでファイナルを迎えた。Coccoは今年デビュー25周年を迎え、「強く儚い者たち」など初期曲の魅力にもさらなるスポットが当たる昨今だが、今回のツアーのセットリストは、『クチナシ』(2021年)、『プロム』(2022年)という2枚のアルバムからの選曲(+新曲が1曲)のみで構成。ライブ終盤に「こんなにサービス精神のないセットリストを受け入れてくれて、ありがとう」と語ったCoccoだったが、今この時代にこそ鳴らされるべき『クチナシ』そして『プロム』の深く多彩な楽曲たちをライブで堪能できるのは、ファンにとっても望むところであった。楽曲が終わるたびに起こった、長く大きな拍手がそれを如実に物語っていた。このツアーでのCoccoのモードは完璧に「今」にある。椎野恭一(Drums)、根岸孝旨(Bass)、長田進(Guitar)、藤田顯(Guitar)、渡辺シュンスケ(Key)という編成で紡ぎ出される圧倒的なバンドサウンドと歌声が終始共鳴し合い、かつてないほどロックでダイナミックなCoccoを魅せた。『クチナシ』の1曲目に収録されている「White dress」でライブスタート。光と影を映し出す照明の妙で、Coccoの纏うネオンピンクのドレスが「白」にも「黒」にも見え、その美しい演出にも心を奪われる。続く「ひとひら」のバンドサウンド。その心地好いヘヴィネスに後押しされるようにCoccoの歌声も強さを増していく。そして、Coccoのクールなラップから沖縄の風を呼び込むようなサビの歌唱へと続く「コバルト」、ジャジーでフリーキーな展開にダークなCoccoの歌声が面白いように転がる「True Lies」と、アルバム『プロム』の中でも抜群にオルタナティブな楽曲が続き、序盤はその歌世界に圧倒される。「今年、沖縄の本土復帰50周年で、意識してなかったけど『プロム』に沖縄(の音)がダダ漏れなのって、そういうことなのかなあって気づいた」とCoccoが語っていたように、オーガニックに柔らかくグルーヴする「ラブレター」にも、やさしい歌声に癒される「ままいろ」にも、そして藤田がコーラスをとり美しいハーモニーを響かせた「結い」(アルバム音源ではスガ シカオと共演している)にも、沖縄が色濃く滲む。「恋い焦がれて」の情熱的なラテンサウンドにも沖縄民謡のグルーヴがミックスされ、その多幸感に歌い終わったCoccoが思わず笑い声をあげる場面も。《もう力が残ってないそんな力は残ってない》と歌う「PROM」は、その歌詞と裏腹にこの日とても力強く響いた。続く「潮満ちぬ」の荒波のようなバンドアンサンブルも、その中を自由に泳ぐように歌うCoccoの姿がまた感動的だった。このバンドの音が、Coccoをまた歌へと、ライブへと向かわせるのだと感じた。ライブ後半は、ヘヴィなギターリフをバックに深く低く響く歌声で披露した新曲を皮切りに、「夜喪女」「Rockstar」と“ダークサイドクイーン”たるCoccoの真髄がさらに露わになっていく。その流れのなかにあって「光溢れ」のあたたかさ、強さが際立ち、続く「7th floor」の激しいロックサウンドにも包み込むようなあたたかさを感じた。長田の光のようなギターソロやフィードバックノイズまでもが不思議な癒しを感じさせ、Coccoの歌がその音に触発されるようにさらにエモーショナルに響いていく。ラストは美しいピアノサウンドとギターアルペジオに彩られた、圧倒的な光を感じさせる「L-O-V-E」から、ギターのディレイが空間を満たすエーテルのように鳴り響いた「星の子ら」へ。やさしく強く耳に沁みわたるCoccoの歌声、その深みは、まさに今最盛期を迎えていると確信した。終演後、バンドメンバー全員と手を取り合って客席に向け挨拶する姿が微笑ましい。そして最後はステージ中央で最高に優美なレヴェランス(お辞儀)。すべてを出し切ったCoccoはその場でペタンと座り込んでしまうが、明るい照明のもと、はじけるような笑顔が印象的だった。Coccoがこのタイミングで、『クチナシ』と『プロム』をフィーチャーしたツアーを行ったこと、そして鉄壁のロックバンドの布陣で臨んだのは必然だった。25周年という節目をセレブレイトする前に、このツアーはCoccoが“今”を刻むための重要な“プロム”だったのだ。そしてこの“プロム”を終え、11月からは『25周年ベストツアー』が開催されるというニュースも飛び込んできた。今回のライブのMCでCoccoが「次回(のツアー)はサービスします(笑)」と宣言していたように、おそらくはオールタイムベスト的な選曲で、また違った祝祭感に溢れたライブになるのではないだろうか。次なるライブにまたもや期待が膨らむところだ。Text:杉浦美恵Photographer:西槇太一<ライブ情報>『Cocco Live Tour 2022 “プロム”』ファイナル公演6月7日(火) 東京・TOKYO DOME CITY HALLOPEN 18:00 / 19:00セットリスト1. White dress2. ひとひら3. コバルト4. True Lies5. アイドル6. ラブレター7. ままいろ8. 結い9. 恋い焦がれて10. 女一代宵の内11. PROM12. 潮満ちぬ13. ※新曲14. 夜喪女15. Rockstar16. 光溢れ17. 7th floor18. 嵐ヶ丘19. L-O-V-E20. 星の子らセットリストプレイリスト:<ツアー情報>Cocco 25周年ベストツアー 〜其の1〜11月8日(火) 神奈川・KT Zepp YokohamaOPEN18:15 / START19:0011月11日(金) 大阪・Zepp NambaOPEN18:15 / START19:0011月14日(月) 愛知・Zepp NagoyaOPEN18:15 / START19:0011月24日(木) 東京・Zepp Haneda(TOKYO)OPEN18:15 / START19:0011月29日(火) 福岡・Zepp FukuokaOPEN18:15 / START19:0011月30日(水) 広島・広島 クラブクアトロOPEN18:15 / START19:0012月6日(火) 宮城・仙台 GIGSOPEN 18:15 / START 19:0012月9日(金) 北海道・Zepp SapporoOPEN18:15 / START19:00【チケット料金】全席指定:税込8,000円 / スタンディング:税込7,500円※別途ドリンク代必要<リリース情報>Cocco 25周年アニバーサリー作品『プロム』Now On Sale●初回限定盤A“25周年2525(ニコニコ)セット”:13,778円(税込)・豪華缶BOX仕様・CD+Blu-ray(紙ジャケ入り)・Cocco 25周年Tシャツ(サイズはLのみ。身丈:71cm 身巾:53cm 肩巾:46cm 袖丈:21cm)・Cocco 25周年タオル※2,525限定販売Cocco『プロム』初回限定盤A 展開写真Cocco『プロム』初回限定盤A 展開写真●初回限定盤B(CD+Blu-ray):7,150円(税込)Cocco『プロム』初回限定盤A・Bジャケット●通常盤(CD):3,300円(税込)Cocco『プロム』通常盤ジャケット【CD収録内容】1. 光溢れ作詞・作曲:Cocco / 編曲:根岸孝旨2. コバルト作詞・作曲:Cocco / 編曲:ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)&澤村一平(SANABAGUN.)3. てぃんさぐぬ花 ※沖縄民謡編曲:辺土名直子4. True Lies作詞・作曲:Cocco / 編曲:大西順子5. ラブレター作詞・作曲:Cocco / 編曲:Curly Giraffe6. PROM作詞・作曲:Cocco / 編曲:トオミヨウ7. ままいろ作詞・作曲:Cocco / 編曲:BEGIN8. 恋い焦がれて作詞・作曲:Cocco / 編曲:ディアマンテス9. 結い作詞・作曲:Cocco / 編曲:根岸孝旨 / ゲストボーカル:スガ シカオ10. 星の子ら作詞・作曲:Cocco / 編曲:亀田誠治11. 嵐ヶ丘作詞・作曲:Cocco / 編曲:根岸孝旨【Blu-ray収録内容】※初回限定盤A、Bのみ■「Cocco ミュージックビデオ総集編」・カウントダウンDir. 竹内鉄郎(1997)・やわらかな傷跡Dir. UGICHIN(1997)・強く儚い者たちDir. 竹内鉄郎(1997)・RainingDir. 竹内鉄郎(1998)・あなたへの月Dir. UGICHIN(1998)・SATIEDir. UGICHIN(1998)・雲路の果てDir. 竹内鉄郎(1998)・樹海の糸Dir. UGICHIN(1999)・ポロメリアDir. UGICHIN(1999)・水鏡Dir. 是枝裕和(2000)・けもの道Dir. UGICHIN(2000)・星に願いをDir. 井上哲央(2000)・羽根 ~lay down my arms~Dir. 竹内鉄郎(2001)・Drive you crazyDir. 伊藤有壱, 増山淳也(2001)・風化風葬Dir. UGICHIN(2001)・焼け野が原Dir. 竹内鉄郎(2001)・RainbowDir. 井上哲央(2001)・音速パンチDir. 井上哲央(2006)・陽の照りながら雨の降るDir. 是枝裕和(2006)・Swinging nightDir. 増山準哉(2006)・甘い香りDir. 斉藤哲夫(2007)・ジュゴンの見える丘Dir. 井上哲央(2007)・絹ずれDir. 井上哲央(2009)・ニライカナイDir. 井上哲央(2010)・玻璃の花Dir. UGICHIN(2010)・花柄Dir. Cocco(2011)・群青の谷Dir. Cocco(2011)・パンダにバナナDir. UGICHIN(2014)・ありとあらゆる力の限りDir. 井上哲央(2014)・ドロリーナ・ジルゼDir. UGICHIN(2014)・有終の美Dir. 井上哲央(2016)・海辺に咲くばらのお話Dir. TON TON GARNET(2019)・願い叶えばDir. Yuzuki(2019)・潮満ちぬDir. UGICHIN(2021)・ひとひらDir. UGICHIN(2021)・女一代宵の内Dir. Cocco(2021)・青葉Dir. Cocco(2021)・強く儚い者たち Cocco 25th ANNIVERSARY ver.Dir. UGICHIN(2022)・強く儚い者たち DANCE ver.Dir. UGICHIN(2022)・光溢れDir. UGICHIN(2022)関連リンクOfficial Site:::: アパレルブランドサイト:
2022年06月08日怒髪天の全国ツアー『古今東西、時をかける野郎ども』が6月2日、3日、東京・恵比寿LIQUIDROOMにてファイナルを迎えた。今年3月より始まった本ツアーは故郷・北海道から上京して30年、“東京30年生”を記念し、これまであまり演奏されてこなかったレアな楽曲を中心としたセットリストで怒髪天のロックバンドとしての生き様を見せつけた。そして、この情勢の中で集まったオーディエンス、俺達界隈(怒髪天ファンの呼称)との絆を深めた2日間でもあった。「マスクしててもわかるよ、いつも来てる顔」“痛快!ビッグハート維新’21 ~遅すぎたレコ発ツアー~”と銘打たれた1日目。「よく来たぁ!」若き日を思い出すよう肩まで伸ばした長髪を振り乱す増子直純(Vo)の威勢よい掛け声から、「江戸をKILL」でライブの口火が切られた。巧みなアンサンブルとグルーヴに圧倒された「ソウル東京」、続けざまに「酒燃料爆進曲」でダミ声を高らかに恵比寿の夜に響かせる。増子直純「今日はレア曲祭りですから。今後10年20年単位でやらないだろうという曲もいっぱいありますから」この日は昨年12月にリリースした、廃盤となったインディーズ時代の再録アルバム『痛快!ビッグハート維新’21』収録曲を軸にレア曲を次々と投下。タイトル通りの坂詰克彦(Ds)による屈強なリズムで始まった「マテリアのリズム」、上原子友康(Gt)は「チャレンジボーイ」で小気味良いカッティングギターを聴かせ、「己DANCE」ではシュレッドなギターソロをキメていく。「何があっても俺のせいじゃない、逆恨みこそ青春」と、若かりし時のスタンスを増子が振り返る。昔の曲をあらためて披露することは、“恥ずかしい若い頃の写真を見せて笑ってもらうような感覚”だといい、この状況下でもライブに来てくれるのは近しい人であり、安心できる場所であると集まってくれたオーディエンスに感謝の意を述べた。上原子友康「人前で何を言ってるんだ。3、4人しかいないのに」と当時を振り返りながら、若すぎた2人を歌ったミディアムテンポのラブソング「夕立ちと二人」を丁寧に歌い上げ、降りしきる雨は清水泰次(Ba)の魅惑のベースフレーズで始まる「優しい雨」となり、《耐えて咲かせる 花もある》《今日という日を生き抜いて 僅かながらも笑えたら》と、「明日の唄」へ繋げた。「ロックコンサート中だった、忘れてました」というほど、少々勘違いしてた若気のファッション談義に花を咲かせ、古い曲だけど楽しい曲だと「新宿公園から宇宙」へ。本編ラストは「星になったア・イ・ツ」。最後のキメフレーズ《お前は輝く星となれ》を「俺がやりたい(清水)」「俺も(上原子)」「最後だから俺が(増子)」「じゃあ俺が(坂詰)」「どうぞどうぞ」の流れで請け負った坂詰が、華麗なフィルを叩きながら「コ・マ・オ・ク・リ・モ・デ・キ・マ・ス・ヨ」と想像の斜め上を行く昭和懐かしCMネタで締めた。アンコールは札幌時代の秘蔵曲だという「遠くの君から」、最後は働く人に送るほろ酔いソング「赤ら月」で締めくくった。「つたなかった時代の(曲)を見せたから、もう親友ですよ。マスクしててもわかるよ、いつも来てる顔。コンビニであだ名つけられるタイプだから(笑)」フロアいっぱいの俺達界隈(怒髪天ファンの総称)の顔を1人ひとりゆっくり見渡しながら、増子の優しい言葉で1日目は終了した。50代なんてひよっこで、まだまだ怒髪天はぶっ飛ばしていきます関ジャニ∞への提供曲「あおっぱな」でスタートした2日目は“タイムリープ’22 ~あなたのド髪きっと生えてくる~”。ハードコアな「天誅コア」、暗い世界情勢へ向けた「セイノワ」でピースサイン掲げると、「それではお手を拝借!」と増子の言葉を合図にフロアいっぱい高く上がった両手が右へ左へ大きく舞う「オトナノススメ」へとなだれ込む。坂詰克彦「昨日で呪縛は解かれた部分があるので、今日は楽しくやりたいと思います」レア曲オンパレードの昨日とは打って変わって、と思いきや、怒髪天最古の曲「YOUNG DAYS」や「青嵐」「うたごえはいまも…」と再録アルバムからの選曲を立て続けに披露。再来年40周年を迎えるロックバンドは増子の例えを借りれば、“老舗和菓子屋”級だという熟練の引き出しの多さで魅せていく。上原子の力強いストロークに合わせて歌い始めた「はじまりのブーツ」。《どんな日もコイツといれば 少しだけ心強かった》それはバンドのことであり、応援してくれる俺達界隈のことでもあると。歌は作ったときの意図とは変わった形で育っていくと増子がしみじみと口開く。「コロナ禍前の状況に戻るとは思ってないんだ——」他に楽しみを見つけた人、家にいることを選んだ人もいる。だから一からやり直す覚悟でいたけど、今日これだけ集まってくれたら一ではないと感謝した。メンバー同士でもあり、バンドと界隈とのことでもある「欠けたパーツの唄」、己を奮い立たせる「孤独のエール」、硬派にキメた男の歌「ハナオコシ」、飾り気なしの怒髪天節が炸裂する「ド真ん中節」と、男らしいナンバーをビシッとキメていく。清水泰次「永ちゃんなんて70歳過ぎて50周年で全国ツアー、海外ではローリングストーンズが80歳近いのにバリバリロックンロールをやってる。50代なんてひよっこで、まだまだ怒髪天はぶっ飛ばしていきますんで。もっともっといい曲作って、もっとカッコいいバンドになります!」そう語った上原子の意気込みを表すようにロックバンドの本懐を歌い上げた「HONKAI」、そして最後は怒髪天というバンドをこんな端的に表した言葉があっただろうかと思うほど、時世に捧げた新しいアンセム「ジャカジャーン!ブンブン!ドンドコ!イエー!」を派手にぶちかました。アンコールは寺嶋由芙に提供した「夏’n ON-DO」を茶目っ気たっぷりにセルフカバー。ラストのラストは「俺様バカ一代」で大団円。「バンド最高!怒髪天最高!(俺達)界隈最高!」増子が強く口にすると、最後はいつものセリフ「生きてまた会おうぜー!」が高らかに響いた。声援もシンガロングもないが、ライブを取り巻く状況は徐々に良くなっている。それを象徴するような笑顔に包まれたピースフルな2日間であった。Text by 冬将軍Photo by 菊池茂夫(DYNASTY)<リリース情報>怒髪天 LIVE DVD『怒髪天 古今東西、時をかける野郎ども』2022年8月10日(水) リリース※レーベルオンラインサイト限定盤商品形態:DVD3枚組価格:8,800円(税込)※3種類のセットリストが存在するツアー『古今東西、時をかける野郎ども』のライブ3本分をパッケージしたDVD3枚組<ライブ情報>怒髪天 presents 湯ナイテッド・アワーヅ 20226月11日(土) 石川県・粟津演舞場 “愛ラブ湯”6月12日(日) 石川県・粟津演舞場 “湯ラブMe”B.M. I LOVE YOU※the pillowsとのツーマンライブ7月15日(金) 名古屋 DIAMOND HALL7月17日(日) なんば Hatch ※なんばHatch 20 th Anniversary ~Hey Music! Let’s Change the World!!~7月21日(木) 渋谷 Spotify O-EAST怒髪天 presents YOKOHAMA オトコまえ 20228月20日(土) ・8月21日(日) 横浜F.A.D怒髪天 presents 中京イズバーニング 20228月27日(土) ・8月28日(日) 名古屋CLUB UPSET<イベント情報>6月19日(日) YATSUI FESTIVAL! 20228月12日(金)・13日(土) RISING SUN ROCK FESTIVAL 2022 in EZO9月10日(土)・11日(日) 風とロック芋煮会 2022 風とロック イモニー号関連リンクオフィシャルサイト::::
2022年06月08日昨年40周年を迎えたスターダスト☆レビューが、6月4日に彼らの地元である埼玉県のさいたまスーパーアリーナにてデビュー40周年記念ライブ『スタ☆レビ40周年東西あわせて108曲 煩悩ライブ』を開催。そのオフィシャルレポートが到着した。6月11日の大阪城ホール公演と合わせ、2公演で全108曲を披露するという途方もないマラソンステージ。この日だけで通常のライブ2本分を優に超える長さだ。108曲とはタイトル通り煩悩の数に引っ掛けたもの。彼らはデビュー20周年の2001年に、静岡県のつま恋多目的アリーナで『つま恋100曲ライブ』を行っており、24時間で最も楽曲を多く演奏したバンドとしてギネス世界記録にも認定されている。あれから20年、メンバーは全員還暦を超えたが、彼らの新たなる挑戦を支持し40周年を祝福する数多くのファンが会場を訪れた。ステージ後方には巨大スクリーンが配され、客席に向けて花道が伸び、アリーナ中央にサブステージが用意されている。黒と赤の着物姿という個性的な衣装で登場したメンバーたちは、気負うこともなくいつも通りのスタンスでステージに立った。序盤「Baby, It’s You」に続いて「Magic~手をつなごう~」では観客も両手を左右に振って、早くもメンバーとファンの一体感が生まれている。リーダーの根本要はノリノリでギター・ソロを披露。「たそがれラプソディ」では華麗なギターカッティングも魅せる。5曲歌い終えたところで最初のMC。今回のライブは曲を演奏するだけでも5時間あるというが「私のMC次第で8時間にも9時間にもなります(笑)。しかし、それは許されることではありません」と笑いを取り、トークは3分と決めていると宣言しつつ、早速の約束破り。3分オーバーの合図を告げる演出があり、会場は大爆笑に包まれた。さすがに58曲となると全体の曲構成をどうするのか気になるが、彼らはパートごとにテーマを決めて演奏する形をとった。まずは“アルバムの1曲目コーナー”ということで、ホーン・セクションとともに「噂のアーパー・ストリート」「街まで50マイル-My Old Friend-」「KEEP ON ROLLIN’」。MCを挟んで今度は“アルバムの2曲目コーナー”で、「ラッキーレイン」「未来は今に」「昔話を繙くように」と、やや通向けの渋い3曲を。根本要前半戦のハイライトと呼べるのが、“MVやLIVE映像とともに40年を振り返るコーナー”で、根本曰く、「PVで見る老化現象(笑)」。バックのスクリーンには当時のメンバーたちの映像が映し出され、現在のメンバーがステージで演奏するという仕掛けだ。1985年の「想い出にかわるまで」は、スタ☆レビの初PVで、東京郵便貯金ホール(現ゆうぽうと)での公演の模様。黒のイタリアンスーツに赤のシャツ、サングラスにネクタイ姿のメンバーは、クールでスタイリッシュ。途中から85年の根本と現在ステージで歌う根本の映像が切り替わり、ルックスよりもファッションの変化に目が行ってしまう。地元・埼玉ロケを敢行した97年の「何やってんだろう」は行田、羽生、熊谷とメンバーゆかりの地を歩くアットホームな映像だが、ソバージュのロングヘア姿の根本が映し出されると客席から軽いどよめきが起きる。続く2000年の「What is Love?」では、ブルージーな楽曲に合わせ、スタイリッシュなモノクロ映像に。2010年の「夢への地図」は再び埼玉が舞台。地元の中学を訪れ、メンバーが学生たちと一緒に歌ったりギターを演奏したりと温かい交流が映し出される。そして最新アルバム『年中模索』から「偶然の再会」に。柿沼清史次のコーナーは“おバカソング!”こういったコミカルなレパートリーも彼らの得意とするところ。「村長さんの娘」「若い二人は恋人同志」と続け、KANがプロデュースに参加した22作目のアルバム『SHOUT』に収録の「セガホ」に。小柄な根本をいじった「背が欲しい」男の歌で、このスウィンギンなサウンドもまたスタ☆レビの魅力だ。ここからは一転、“人生の悲哀を歌った悲しい曲のコーナー”へ。中村 中が作詞、根本の作曲というコラボで生まれた09年の「潮騒前夜」をしっとりと。多ヶ谷樹が奏でるバイオリンの響きも物悲しく、「どうして」「涙のエピローグ」と名バラードが続く。前半戦最後は“歌いまわしのコーナー”。少しは俺を休ませろ!ということで、根本以外のメンバーがヴォーカルをつとめる。「デェラ・シエラ・ム」はCHAGE&ASKAとのコラボ曲をドラムの寺田正美、ベースの柿沼清史、根本、パーカッションの林“VOH”紀勝、そしてサポートメンバーのキーボード添田啓二とアコギの岡崎昌幸がリレーで歌い継ぐ。さらに「月光列車(ムーンライト・ロコモーション)」「大渋滞」と続き「4曲目は内緒です!内緒ですって曲じゃないよ(笑)」とジョークを飛ばし、その内緒の4曲目を歌い終え前半戦が終了。ここまでですでに26曲を歌い終え、3時間近くが経過。ライブ1本分を軽く超える長さだが、実はまだ予定された楽曲の半分も終わっていないのである。最大のヒットはファンの皆さんと出会えたこと30分の休憩中には映像によるグッズ紹介が行われ、観客はロビーで軽い食事をとったりトイレに行ったりと思い思いの時間を過ごす。そして時計の針が17時に近づく頃、後半戦の開始となった。ピンクのジャケットと赤いパンツ・スタイルに着替えた根本が再び登場。他のメンバーもラフないで立ちで、後半はアリーナ中央のサブステージに移動してのアコースティック・コーナーからスタート。「What A Nite!」は、小編成で行われる小さな会場のオープニングでよく演奏される曲。出だしを根本が間違えるハプニングもあったが、次の「Spice of Life」では、スパニッシュ風の楽曲に合わせ、間奏でメンバーのソロ・プレイで繋いでいく。個々のプレイヤーの凄腕ぶりがダイレクトに伝わる名演だ。ホンキートンクな「ダンスはいかが?」を歌い終え、ここでスタ☆レビのライブでは欠かせないアカペラへ。そのハーモニーの力量を見せつける「不思議なチ・カ・ラ」と、唯一のカヴァー曲「オリビアを聴きながら」を披露。後半戦もユニークなコーナー分けが控えている。まずは20曲近いタイアップ作品の中から、TVアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』のエンディング主題歌「うしみつジャンボリー」、カネボウ化粧品90年春のキャンペーン・イメージソング「君のキャトル・ヴァン・ディス」、そしてメニコンソフト MAのイメージソング「Stay My Blue-君が恋しくて-」を。このあたりからシティ・ポップ寄りのナンバーが続き、その流れのまま、根本以外のメンバーがヴォーカルを担当するコーナーへ。まずは柿沼のヴォーカルによる軽快なカリビアン「Moonlight Party」、次いで林がファルセットを駆使し、トロンボーンとの艶っぽいコラボで歌うメロウ・スウィート・ソウル「さよならの足音」、そして寺田がファンキーな16ビートを刻みながら歌う「Cassiopeia」。楽曲もサウンドも演奏も、彼らの高い音楽性を証明するナンバーが続く。寺田正美さらに、アルバムに収録された名曲たちを披露するコーナー。珠玉の隠れ名曲たちは「BAD MOONに誘われて」「星空のアリーナ」「夜更けのリフ~midnight riff」「Endless Dream」の4曲。バラード人気が高い彼らならではの選曲で、一度MCを挟んで「空がこんなに青いはずがない」、そして根本自身が選んだ2曲のバラードへ。「時の隙間」からファンの間でも名曲の誉れ高い「春キャベツ」へ。ピアノ1本でスタートしたこの歌ではスクリーンに歌詞が浮かび上がる。優しく暖かい言葉で紡ぎ出される、スタ☆レビから観客へのメッセージ。その等身大の視線は、彼らと観客が同じ地平に立って常に歩み続けてきたことを証明するかのようだ。歌い終えて天を仰ぎ、万感の拍手で迎え入れられた根本は、一瞬、言葉を失い、感極まって涙ぐむ。コロナ禍の中「僕らツアーを回りながら、こんな時期にやっていいんだろうかと思った時期もあったんです。でも、こんな時期だからこそみんなに会いたかった」。そして会場に来れなかった、スタ☆レビを応援してくれる人に届けたい、という思いで選んだ1曲であった。今度は彼らのスタッフが選んだシングルの名曲群。「Single Night」や夏の野外公演での定番「7月7日」、そして「いのちのこたえ」「追憶」と、さらなる名曲を連打。バラードだけでもこれほど豊富なレパートリーがあることに、改めて驚かされる。林“VOH”紀勝ライブもついに終盤戦。「ここからはガン!ガン!ガン!と盛り上がらせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか!」その言葉の通り、再びホーン・セクションを加えて、「Baby,とりあえずもっと」。続く「AVERAGE YELLOW BAND」は、WE ARE THE BANDという歌詞の通り、彼らのテーマソングともいうべき楽曲。この時点で53曲目だが、疲れもみせず、逆に一層パワーアップしていくステージングには驚愕させられるばかり。特に、歌って、喋って、ギターを弾きまくって、フロントに立ち続ける根本要は、悲壮感もみせず安定した高いパフォーマンスを披露。その精神力の強さ、サービス精神の旺盛さに応えるかのように、次の「働きたい男のバラッド」では観客が拳を振り上げてノリまくる。「Goin’Back To 1981」は、ライブこそ命、町から町へと演奏を届けに行く、彼らのツアー・バンドとしての生活を歌ったロックンロール・ナンバー。コール&レスポンス・スタイルも、観客はマスク着用で声が出せない分、思い切り腕を振り上げて応える。「No! No! Lucky Lady」では、両手を高く上げ、観客とバンドが一体化した。56曲を歌い終え、ついに残すところ2曲となった。ラストの楽曲はシークレットにしておくが、57曲目に選ばれたその曲で、満員の観衆からメンバーたちへの、思いがけず温かいサプライズ演出が届けられ、根本はじめメンバーも感無量の面持ち。「スターダスト☆レビューは幸せ者です!」と語った根本は「最大のヒットは皆さんと出会えたことかもしれません。本当に、本当にどうもありがとう」。常にファンと同じ目線に立ち続け、40年間ライブ・バンドとして休むことなく活動し続けてきた彼らでしか言えない、本音の言葉だろう。デビュー40年の軌跡を振り返るかのようなこの鉄人ライブも、気負うことなくいつも通りのスタイルで臨んだスターダスト☆レビューは、おまけの1曲を加えた全59曲を歌い終え19時30分に無事完走。伴走し続けてくれたファンへ最後に厚い感謝の気持ちを込めて、6月11日の大阪城ホール公演へと繋げた。Photo by 渡部 伸<ライブ情報>『スタ☆レビ40周年東西あわせて108曲 煩悩ライブ』6月4日(土) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ開場11:30 / 開演13:00(19時終演予定、休憩あり)同時開催:さいたまおっさん展(スタ☆レビ展:内容は関西と同じ)6月11日(土) 大阪・大阪城ホール開場11:30 / 開演13:00(19時終演予定、休憩あり)同時開催:関西おっさん展(スタ☆レビ展:内容はさいたまと同じ)【チケット情報】■ライブ入場チケット ※全席指定 / 未就学児入場不可・さいたまスーパーアリーナ入場チケット大阪配信視聴チケット付き 一般:13,000円(税込)配信視聴チケットなし 一般:12,000円(税込)・大阪城ホール入場チケットさいたま配信視聴チケット付き 一般:13,000円(税込)配信視聴チケットなし 一般:12,000円(税込)・入場通し券(さいたま・大阪配信視聴チケット付き)一般:24,000円(税込)■配信視聴チケットのみ・さいたま 配信チケット:3,000円(税込)視聴期間:6月4日(土) 13:00 〜 6月12日(日) 23:59発売期間:6月12日(日) 16:00まで・大阪 配信チケット:3,000円(税込)視聴期間:6月11日(土) 13:00 〜 6月19日(日) 23:59発売期間:6月19日(日) 16:00まで配信視聴チケットの購入はこちら:特設サイト:公式サイト:
2022年06月07日森山直太朗がデビュー20周年記念ツアー『素晴らしい世界』の初日公演を6月5日に東京・吉祥寺のLIVE HOUSE曼荼羅で開催。そのオフィシャルレポートが到着した。“全国一〇〇本ツアー”と銘打って行われる『素晴らしい世界』は、約3年ぶりのコンサートツアー。森山にとって吉祥寺は井の頭公園などメジャーデビュー前にストリートライブを行っていた思い出の地。初日は原点回帰の意味を込め、この吉祥寺からたった1人ステージに立つ“弾き語り”として行われた。メジャーデビュー後初となるLIVE HOUSE曼荼羅での公演、さらに記念すべきツアー初日の座席数は25席。幸運にもそんなプラチナチケットを手に入れることができた観客と、3月にリリースした20周年オリジナルアルバム『素晴らしい世界』の抽選特典で当選した500名がオンラインで見守るレアな公演となった。スタート時刻の18時にステージにたった1人森山が登場すると会場からは大きな拍手が沸き起こり、1曲目の「日々」からライブがスタート。昨年配信リリースした「カク云ウボクモ」の後、昨年リレコーディングしたことで新たな注目を集めた「花」、そしてアルバム『素晴らしい世界』に収録されている新曲「papa」を続けて熱唱。その後「ご挨拶遅れました、森山直太朗です!」と自己紹介をすると、会場からは大きな拍手。森山のルーツでもある弾き語りや思い出の吉祥寺、デビュー前の思い出を語った。そして「デビュー当時の話をしたので、、」と歌い始めたのは、デビュー前によく歌っていた「ソフィー」「ポロシャツ」。そしてMCを挟み初期の頃のアルバム「いくつもの川を越えて生まれた言葉たち」に収録されている「マリア」など、当時を知るファンには垂涎のナンバーが続く。さらに、ドラマのために書き下ろした名バラード「愛し君へ」、アレンジャーでありギタリストの石川鷹彦氏との当時の楽曲制作やエピソードとともに「泣いてもいいよ」「フォークは僕に優しく語りかけてくる友達」を続けて歌唱。後半には、最新アルバム収録曲の「boku」、「君は五番目の季節」ではファンのハミングで会場が一体となり、新曲「素晴らしい世界」をギターではなくステージ上に置かれていたピアノの弾き語りで披露。新旧織り交ぜた選曲に客席には涙するファンの姿も。最後にブルースハープとギターのイントロから始まる「明けない夜はないってことを明けない夜に考えていた」、ツアー初日の公演を曼荼羅で迎えられたことを「とても有意義な時間だった」と語り「土曜日の嘘」を熱唱。演奏中に使用したメトロノームの音だけ残してステージは幕を閉じた。森山史上最大規模の“全国一〇〇本ツアー”にして、このツアー中最も小さい会場となった「曼荼羅」公演。全16曲はこの日だけのために用意されたセットリストで20周年の始まりにふさわしい特別な夜となった。Photo by Asami Uchida<公演情報>森山直太朗 20thアニバーサリーツアー『素晴らしい世界』6月5日(日) LIVE HOUSE 曼荼羅OPEN17:30 / START18:00セットリスト1. 日々2. カク云ウボクモ3. 花4. papa5. ソフィー6. ポロシャツ7. マリア8. 愛し君へ9. 泣いてもいいよ10. フォークは僕に優しく語りかけてくる友達11. boku12. 金色の空13. 君は五番目の季節14. 素晴らしい世界15. 明けない夜はないってことを明けない夜に考えていた16. 土曜日の嘘<ツアー情報>森山直太朗 20th アニバーサリーツアー『素晴らしい世界』■前篇スケジュール※終了分は割愛6月10日(金) 北海道 利尻町交流促進施設 どんと6月12日(日) 北海道 富良野演劇工場6月14日(火) 北海道 新冠町 レ・コード館 町民ホール6月17日(金) 鳥取 境港シンフォニーガーデン(境港市文化ホール)6月19日(日) 香川 土庄町立中央公民館 大ホール6月23日(木) 神奈川 大さん橋ホール6月26日(日) 兵庫 淡路市立しづかホール6月27日(月) 大阪 大阪市中央公会堂7月3日(日) 宮城 七ヶ浜国際村 国際村ホール7月5日(火) 愛知 千種文化小劇場7月6日(水) 静岡 浜松市天竜壬生ホール7月8日(金) 熊本 八千代座7月10日(日) 長崎 壱岐の島ホール7月16日(土) 沖縄 石垣市民会館 大ホール7月18日(月・祝) 沖縄 宮古島市マティダ市民劇場7月23日(土) 新潟 佐渡中央文化会館(アミューズメント佐渡)7月30日(土) 鹿児島 奄美市市民交流センター マチナカホール■中篇スケジュール8月14日(日)・15日(月) 東京 ブルーノート東京8月19日(金)・20日(土) 大阪 ビルボードライブ大阪8月25日(木)・26日(金) 東京 COTTON CLUB9月4日(日)・5日(月) 東京 ブルーノート東京※ツアースケジュールは随時更新されますので、ツアー特設サイトをご確認ください。※チケットのお申込み方法・詳細はツアー特設サイトをご覧ください。ツアー特設サイト:<リリース情報>森山直太朗 20周年記念オリジナルアルバム『素晴らしい世界』Now On Sale●初回限定盤(CD+詩歌集):5,500円(税込)・CD(全12曲+ボーナストラック3曲)・『森山直太朗 詩歌集』(全100曲、222ページ)※紙ジャケット&スリーブケース(192mm×141mm)仕様『素晴らしい世界』初回限定盤ジャケット●通常盤初回プレス(CD):3,300円(税込)・CD(全12曲)※ダブル紙ジャケット仕様※初回プレス出荷終了次第、同価格の通常仕様に切り替わります。『素晴らしい世界』通常盤初回プレスジャケット【収録曲】01. カク云ウボクモ ※映画『心の傷を癒すということ 劇場版』主題歌02. 花(二〇二一)※公益社団法人 日本芸能実演家団体協議会 「2021年度 JAPAN LIVE YELL project 」テーマ曲03. 愛してるって言ってみな04. 素晴らしい世界05. boku06. papa07. 落日(Album Ver.)※映画『望み』主題歌08. すぐそこにNEW DAYS09. 最悪な春(Album Ver.)10. さくら(二〇一九)※日本テレビ系水曜ドラマ『同期のサクラ』主題歌11. されど偽りの日々12. それは白くて柔らかい ※テレビ東京系ドラマ24『スナック キズツキ』エンディングテーマ■ボーナストラック13. ありがとうはこっちの言葉 ※アニメ『ソマリと森の神様』オープニング主題歌14. 最悪な春(弾き語り)15. さくら(二〇二〇合唱) ※カロリーメイトCM「見えないもの」篇CMソング※ボーナストラックは初回限定盤とファンクラブ限定盤のみ購入リンク:周年記念特設サイト『素晴らしい世界』:関連リンク森山直太朗 オフィシャルサイト:森山直太朗 Twitter:森山直太朗スタッフ Twitter:森山直太朗 Facebook:森山直太朗 TikTok:森山直太朗 UNIVERSAL MUSIC オフィシャルサイト:森山直太朗 YouTube:森山直太朗のにっぽん百歌:
2022年06月06日押尾コータローが5月27日に『EX THEATER ROPPONGI presents 押尾コータロー 20th Anniversary Live Special Prologue “My Guitar, My Life”』を開催した。2002年7月にメジャーデビューした押尾コータローの20周年の始まりまで2カ月を切った。タイトルに“Prologue”とあるように、今夜はアニバーサリーイヤーの“前奏・序章”を告げるライヴである。開演時間の19時。今回の公演のために自身が制作したSEが流れる中、ステージ下手側から客席に手を振りつつ登場した押尾。ステージ中央に立った彼は、弦を叩きスピーディなリズムを生み、そして弦を弾いてキラキラとしたメロディを紡ぐ。1本のギターから同時に複数の音を鳴らして奏でたオープニングナンバーは「GOLD RUSH」だ。躍動的で心の奥底でうごめく衝動を刺激する低音と、澄んだ高音がスリリングに、時に祝福を讃えて響き、聴く者の“楽しさ”を軽やかに解放していく。満員の客席ではハンドクラップが鳴り、リズムに合わせて体が揺れている。「20周年です」1曲を演奏し終えた押尾が、この時間を共有できることの喜びと、20年の感謝を温かな声のトーンに乗せて伝える。感染症対策で声を出せない観客は拍手で祝う。「おめでとう」の気持ちを込めた横断幕を広げているグループもいた。「インディーズの頃、初めてちゃんとインストを作ろうと思って制作した曲です。当時、サビのワンフレーズしか思いつかずそれを延々、3時間……5時間、ずっと弾いていた」というエピソードを話してから演奏に入った「Blue sky」。サクソフォン奏者・上野耕平氏を迎えてリアレンジされ、MBS『お天気部 春のテーマ曲』に使われた曲でもある。クリアで伸びやかな音色、晴れやかなフレーズに乗せて、同じ空の下にいる大切な人まで想いが届く、そんな映像が脳裏に浮かんだ。押尾本人が出演したこともある『六甲のおいしい水』のCMで使われた「オアシス」は、豊かで広大な自然と長い時間を内包した演奏が胸に沁みてくる。このCMはボーカル入りバージョンもあるのだが、制作当時を振り返って、実際にボーカルが乗った状態をシミュレーションした時の声色を再現してみたり。『徹子の部屋』出演後の周りの反応を明かしたり。トークでは笑いを誘って和ませ、演奏で魅了する。次にハイチェアーとともに登場したのは、ギブソンのオールドギター。サウンドホールの前に立てたマイクが拾う音からは、ギターが持つ響きと、奏者である押尾の人柄がリアルに伝わってくる。このギターでは、師である中川イサト氏の曲「Chotto Tropical」と「その気になれば」、石田長生氏の「Pushing Tail」を繋げて披露。今は故人である恩師へのリスペクト、そして師の心が、豊かな音色と賑やかな演奏に滲んでいる。CDで「Pushing Tail」はプラスチック素材のギターを使っていただけに、フル・アコースティックギターでの演奏は、コントラストがついて、違った温もりが伝わってきた。ステージ上方から下りた数本の柔らかな照明の光が、天使の梯子を彷彿とさせる。そんな中、凜としたフレーズがゆっくりと紡がれる。曲は映画『戦場のメリー・クリスマス』で使われた坂本龍一氏の「Merry Christmas Mr. Lawrence」。インディーズ時代にカヴァーして以来、押尾がライヴでほぼ毎回、披露してきたナンバーである。静寂を帯びて始まった演奏は曲の中盤で激しい一面を覗かせ、エネルギーの奔流が渦まく。“バチン”、弦を叩いたエッジーな音に意識がハッと釘づけになる。そして再び静けさを纏う。その音色には人の体温が宿っていて、希望を重ねずにはいられなかった。続いた「ナユタ」は、2011年にリリースしたアルバム「Hand to Hand」に収録した曲。その年の全国ツアーでは義援金を集めながら音楽を届け、東日本大震災の被災地へも演奏に出かけた。そんな時間を経て今は東北へのラブソングになり、ライヴでは欠かせない楽曲になっている。1音1音紡いでいく雄大で美しいメロディ。それは幼少の頃に観た景色、最近テレビで観た綺麗だった街並……心の中に焼きついたままの景色と結びついていった。大切な人を想いながら聴いてほしいと願い、奏でられた「MOTHER」押尾コータローはアコースティックギター1本で、曲のアンサンブルのすべてをリアルタイムに奏でる。そのスタイルをエンタテイメントに昇華。ベース、エレキギター、津軽三味線、ドラム…全パートをそれぞれアコースティックギターで再現する“メンバー紹介”で、ライヴはクライマックスに向けて加速する。ライヴでやってみたい、という動機から生まれた「Snappy!」は、ハンドクラップでオーディエンスが参加。このクラップは、難易度高めのリズムパターンなのだが……。観客が打つそれはバッチリと合い、アンサンブルの一翼を担う。2009年に「Snappy!」が発表されてからの年月の積み重ねを感じる一幕だった。鳴り止まない拍手に応えたアンコール。明るく、開けた空気を持つ「Together!!!」では、オーディエンスが打つ手拍子が響く。観客はマスクをしていてもまだ声を出せない。それでもホールには、音楽を奏でる喜び、聴く喜び、生の音を浴びる喜びが満ちていた。コロナ禍での閉塞感や、テレビやネットが伝えてくる凄惨なニュースとそれに対してなにもできないという無力感……日常には、痛み、哀しみが転がっている。もちろん喜び、楽しみを与えてくれる刺激もある。アコースティックギターのインストという押尾コータローの音楽は、日々生きていく中で蓄積するポジティヴな感情を増幅し、負の感情を薄れさせてくれる。少なくともライヴ会場にいる時間だけは、楽しいと心から感じさせてくれる。彼の人柄、エンターテイナーとしての美学、在り方がそうさせてくれるんだと思う。押尾がコミカルな語り口で、少し照れながら家族への愛を伝える。そして、大切な人を想いながら聴いてほしいと願い、奏でられた最後の曲は「MOTHER」だった。スローテンポなナンバーは、どこまでも穏やかで、その深い音色と旋律、観客の涙する音が会場内で静かに響いていた。20周年イヤー第一弾のライヴはこうして幕を閉じた。この日のMCで押尾は、7月31日に大阪・フェスティバルホールでライヴを行なうことと、アルバム制作中であること。さらにツアーもやりたい、という希望を語った。そして今夜、5月27日のライヴは“Prologue”である。20周年のアニバーサリーイヤーは、これから。まずは、7月の地元大阪、フェスティバルホールでのライヴ。どんな楽曲を披露し、そのコンセプト、演奏はどんな景色を見せてくれるのか。期待せずにはいられない。Text by 大西智之 / Photo by sencame<公演情報>EX THEATER ROPPONGI presents 押尾コータロー 20th Anniversary Live Special Prologue “My Guitar, My Life”5月27日(金) 東京・EX THEATER ROPPONGI開場18:00 / 開演19:00セットリスト01. GOLD RUSH02. Blue sky03. オアシス04. 彼方へ05. Pushing Tail06. 黄昏07. Merry Christmas Mr. Lawrence08. ナユタ09. メンバー紹介10. Snappy!11. Legend~時の英雄たち~12. 翼~you are the HERO~13. Cyborg-アンコール-Together!!!MOTHER<ライヴ情報>押尾コータロー20th Anniversary Special Live "My Guitar, My Life"7月31日(日) 大阪・フェスティバルホール開場16:00 / 開演17:00チケット料金:全席指定7,500円(税込)チケット発売日:6月11日(土) 10:00〜お問い合わせ:GREENS(06-6882-1224)関連リンク押尾コータロー オフィシャルサイト:押尾コータロー YouTube:
2022年06月01日5月21日(土)、22日(日) の2DaysにわたりL’Arc~en~Cielが東京ドームで『30th L’Anniversary LIVE』を開催、全国から10万人のファンが詰めかけた。2021年5月、結成30周年の記念日当日とその前日に行われた『30th L’Anniversary Starting Live “L’APPY BIRTHDAY!”』を起点とし、9月からは『30th L’Anniversary TOUR』を実施。この東京ドーム公演を終着点とした1年間、新型コロナウイルス感染症対策を厳重に施しつつ、観客、メンバー、スタッフの安全に配慮しながらライヴ活動を推し進めてきた。そのフィナーレはL’Arc~en~Cielの魅力を存分に味わえる最高の内容だった。進化した新公式キャラクター、ルシエルちゃんが開演前にステージに登場。お披露目の後、定刻を15分ほど過ぎて場内は暗転。横長の巨大スクリーンには「1991.05.30」というL’Arc~en~Cielの“生年月日”が出現、日付は高速で現在へと移行。2021年におこなってきたライヴとは全く違った新たなオープニングである。スクリーンには、作品のリリースやライヴ日程など30年の史実を刻むタイポグラフィー、ジャケット写真やミュージック ビデオのコラージュが怒涛の勢いで映し出された。L’Arc~en~Cielの名が大きく映し出されると、1曲目の「ミライ」がスタート。hyde(Vo)、ken(Gt)、tetsuya(Ba)、yukihiro(Ds)の姿がLEDヴィジョン越しに透けて見えた。《今虹がかかり》という歌詞のタイミングで、東京ドームに新たに導入され話題となった常設LEDヴィジョンには大きな虹が弧を描き、照明も七色で広大な会場を輝かせた。飛沫感染防止のため禁じられている声援に代えて、ファンは、公式グッズのバットマラカスライトを手に、光を七色に切り替え、音を鳴らして想いを届ける。30周年記念シングル第一弾での幕開けは、暗闇に希望の光を灯そうとする、強い意志の表れのように感じられた。hyde(Vo)続いて「READY STEADY GO」が始まると、ここでメンバーの顔が初めて大写しになり、観客は全身に喜びを溢れさせる。「New World」では、様々な言語で書かれた「愛している」の文字が折り重なるようにしてスクリーンに充満。今回のライヴは全体を通して、様々な手法で文字、言葉を活かした演出が強い印象を残すこととなる。「『30th L’Anniversary LIVE』へようこそ!L’Arc~en~Cielです」とhydeが第一声。「30周年の最後に辿り着いたこの場所、東京!まだかわいい口は(マスクで)見えませんが、ハミングしたり、体中を使って楽しんでください」と呼び掛けて、「一緒に楽園へ行きましょう。どこにあるか知ってる?ここにあるんだよ!」のシャウトから「SEVENTH HEAVEN」へ。メタリックなフィギュアがダンスする映像と極彩色の照明が、ゴージャスな祝祭空間を演出。「Lies and Truth」は歌と演奏が小気味よく絡み合い、生き生きとしたエネルギーを放出していた。静寂の後、ストリングスのイントロが流れ始めると、ヨーロッパの深い森を彷徨うような映像をバックに、「叙情詩」を約10年ぶりに披露。木漏れ日や樹々の揺らめきといった自然界の美と、誰かを想い慕う人間の心の機微、それら全てを音楽に昇華するL’Arc~en~Cielの真骨頂を体感できる、至宝の1曲だった。「L’Arc~en~Ciel、三十路になりました」という、一連の30周年公演で発し続けてきた挨拶の後、艶めかしく「X X X」を披露。続く「fate」は、北極圏の針葉樹林を思わせる映像と共にパフォーマンス。更に、荘厳なオルガンのイントロが鳴ると、それが「finale」だと察知したファンは大拍手。フルサイズでの披露は約22年ぶりとなるレア曲であり、ホラー映画の主題歌に起用されたダークバラード。赤とピンク、液体と水泡が混ざり合うような幻想的なイメージ映像を背に、ミステリアスに歌い奏でた。暗闇に霧が掛かったようなステージに一人佇み、kenがギターソロを奏で始める。稲光と雨音の後、「MY HEART DRAWS A DREAM」のリフを爪弾くと、太陽の光が差し込んで曲へ突入。「TOKYO、ハミング!」(hyde)との呼び掛けに応じ、かつては合唱していたパートでファンはハミング。この時代に行われたツアー、ライヴの象徴として、将来振り返る一場面になるだろう。続いて、kenが独自のクイズを出し、ファンがバットマラカスライトの色で答えるという、これもまたコロナ禍の時代を象徴する新しいコミュニケーションの形を育んだ恒例MCコーナーの後、エンジン音を合図に「Driver’s High」へ。高速走行、ドリフトでスクリーンから飛び出しそうな車の映像も相まって、凄まじい疾走感に高揚。tetsuyaがkenに接近してプレイする場面も目を引いた。tetsuya(Ba)hydeは「TOKYO、ジャンプ!」とファンを煽り、自身も飛び跳ねながら歌唱。yukihiroはパワフルにドラムを叩き終えると、最後の一打は「Pretty girl」へと直結。スクリーンにはグラフィティーアート、ダンスする女性のシルエットが映し出される。tetsuyaのベースソロから「STAY AWAY」が始まると、不二家のペコちゃんが合成されたコラボレーション キャラクターが画面内で激しくダンス。ハチミツの海が広がるような映像と共に披露した「HONEY」では、颯爽と駆け抜けていくような、ロックバンドらしい熱いアンサンブルを聴かせた。楽しさと開放感をもたらした後、ピアノイントロと共にステージには揺らめく炎が出現。体感温度が下がったように感じるほど、瞬時にムードが変わった。「いばらの涙」である。ドラマティックな歌唱と演奏は圧巻。業火に焼かれるように燃えていく茨の映像、ステージで噴出する火柱、鮮血のような照明、ファンが灯す光の海。全てが世界を赤く染めていく。直前までのお祭りムードは、もう思い出せないほど遠くへ消え去っていた。そのまま「Shout at the Devil」へと切り込むと、スクリーンには赤い目をした不気味なアニメーションが蠢く。hydeは手にした旗を激しく床に叩きつけながら熱唱。最後に幾度も爆ぜた火薬は爆撃音か銃砲のように聞こえ、重いメッセージを投げ掛けているように感じた。yukihiroは一人残り鬼気迫る形相でドラムを乱打。燃え尽きたように立ち上がり、ステージを去った。こんな綺麗な景色、辞めてたら見られなかった色鮮やかな星々が浮かぶ宇宙がスクリーンに広がり、1999年リリースのアルバム『ark』のジャケットに描かれていた宇宙船がそこから飛び出したかのように、アリーナ上空に出現。やがてアリーナ後方に“着陸”するとスモークが噴出、メンバーがその下から姿を現したのは東京ドーム公演らしい壮大な仕掛けだった。円形のサブステージに上ると、「ark号に乗ってまいりました」とhyde。「1999年、ノストラダムスの大予言がありましたから、あの宇宙船で逃げようと思ってたんですけど(笑)。今年やっと完成しました」と解説。サブステージ1曲目の「Sell my Soul」も驚きの選曲で、コロナ禍でなければ大歓声が沸き起こっていたはずである。yukihiroのドラムセットの前にhyde、両隣にken、tetsuyaが近い距離感で座ってジャジーに歌い奏で、そんな4人の映像はメインの巨大スクリーンに赤いドレープカーテンに縁取られた仕様で映し出されていく。続いて、hydeがメンバーに次曲のイメージを尋ねるとkenは青、yukihiroは赤、tetsuyaは黄色、そして自身はセピア色だと答えた「LOST HEAVEN」にもオーディエンスは大歓喜。色のイメージは見事にバラバラな答えだったにも関わらず、歌と演奏は呼吸が合っていてエモーショナル。L’Arc~en~Cielらしさを実感する場面でもあった。yukihiro(Ds)スマートフォンのライトを灯すようhydeがリクエストして一面が白い光に包まれると、「素敵な星空を是非ここで」とコメント。「コロナが収束するような雰囲気があるというのに、世の中は物騒な雰囲気になっておりますが……」と昨今の時世を憂いながら、祈りを捧げるように「星空」を届けた。あまりにも美しくドラマティックな歌唱と演奏であり、壮観な眺めだった。ark号が再び上空に現れ、メンバーはサブステージを去っていった。しばらくの静寂の後、スクリーンには「WAVE GAME」というタイトルとピクトグラムが表示。ウェーヴを開始する座席位置がブリンクし、文字と図によってファンは順路の指令を受けるのだが、瞬時に全てを理解して美しいウェーヴを成したことに驚いた。スタンドから始まって中央で折り曲がり、アリーナ最前列まで辿り着くと、それを合図に「FOREVER」がスタート。L’Arc~en~Cielの現在のバンドロゴが表示され、30周年第二弾シングルである最新曲を瑞々しくパフォーマンスした。間髪入れず始まったのは、1993年にリリースした1stアルバム『DUNE』から約18年ぶりに届けた「予感」。現在のロゴから、初期の書体に切り替えられたロゴ。愁いを帯びたメロディー、華のある展開、どこを切り取っても魅力の衰えない名曲。時空を行き来しながらオーディエンスの心を揺さぶって、同時期に生まれた1stシングル曲「Blurry Eyes」をMusic Clipのメリーゴーランドの映像と共に投下。曲間のブレイクでtetsuyaは、「アニバーサリー、今日と明日で終わっちゃうから寂しいよね?」と語り掛け、30周年についての考え方について、「僕たち“結成”30周年でやってたんですけど、“デビュー”30周年っていうの、どう?」と提案。hydeは「2年後ですか?」と応えた。「『いい』と思う人、赤!」とtetsuyaが問うと、もちろんファンはライトを赤一色に灯して賛同、「目標ができた」とtetsuyaはうれしそうに笑った。ken(Gt)観客がブルーに戻したライトの海の中で「Blurry Eyes」を終えると、「GOOD LUCK MY WAY」をエネルギッシュにパフォーマンス。スクリーンにはメンバーの、おそらくオフショットであろう姿も交えた過去の貴重映像が映し出されていく。様々な出来事に立ち向かいながら、走り続けてきた30年という歴史に自然と思いを馳せてしまう演出だった。「次、最後の曲です」と語り始めたhydeは、「今日一番のクライマックスは、ウェーヴが帰って来たところ。『かわいい、さすが!』と思った。本当にうれしかった」とファンを誇りに思っている様子。感染防止対策に努めながらのツアーだったことを振り返り、観客に改めて感謝を述べた後、メンバーが感染せずに完走できたことにも「よく頑張りました」と労い、メンバーは笑顔を見せた。「ここまでの30年、様々な困難があってね。戦ったり交わしたりしながら、山あり谷あり、皆がいてくれなかったらとてもじゃないけどできなかった。こんな綺麗な景色、辞めてたら見られなかった」と、継続の尊さについて想いを述べていく。「虹って言うのは、雨が止む時にできるでしょ?」との言葉から、最後は「虹」を披露。ヴィジョンには大きな虹が描き出されていて、七色に分けられた帯状の照明がステージから観客へと伸びていく。大きな虹の中に会場中の全員が溶け込んで一体化していくような、圧倒的な美しさだった。自撮り棒を手にInstagram LIVEをしながら、tetsuyaは端から端へと動き回ってファンに挨拶。「ありがとう!まった明日ね~!」と手を振ってステージを去った。虹の中で幕開け、虹の中で幕を閉じる。初日公演を振り返って、東京ドーム公演に彼らはそんなセットリストを選んだのだ、と気付いた。平和への祈りを込めた「星空」Day2も初日同様「ミライ」で幕開け。「Lies and Truth」まで勢いよく駆け抜けると、一瞬の静けさの後、重厚なストリングスサウンドが響き渡った。Day1の「叙情詩」に代わり披露されたのは「瞳の住人」である。美しくも複雑に乱高下する歌のメロディー、一音一音が奥行きたっぷりに響くサウンドに陶酔。初日より1時間早い開演で、かつ快晴だったため天井からは日光が差し込んでおり「まだ明るいですね、外は」とhyde。「だんだん大人の時間になってくるよ?」と語り、「X X X」の世界へと誘っていく。射すくめるような鋭い眼差しで曲が終わり、静寂の後に始まった「fate」の表現は、初日以上にも増して凄みに圧倒された。終わりの見えない争い、分からなくなっていく真実。時代に翻弄されながらも愛を貫く人物の想いが、原曲とは節回しを少し変えたエモーショナルな歌唱と、抑えきれないほどの昂りを感じさせる演奏から熱く迸っていく。美しくも壮絶なパフォーマンスの名残の中、続いて披露された「finale」は、より重厚でシリアスな表現になっているように感じた。初日以上に深い水底に沈むようなダークなパートがあってこそ、「MY HEART DRAWS A DREAM」で紡がれるkenのギターソロ、やがて浮上して浴びる眩い光のイメージは、その対比で一層鮮やかなものになっていた。優しいタッチで絵筆を置くような、ゆったりとした優しい歌声を響かせたhydeは、「TOKYO、ハミング!」とシャウト。yukihiroのキックが刻むリズムとピアノをガイドラインとして、ファンは控え目にハミング。イヤーモニターを外して耳を傾け、kenは顔をほころばせた。もっともっと!と煽るように手を動かすtetsuya。ハミングから得たパワーを声に注ぎ込んだかのように、伸びやかなフェイクを交えながらhydeは歌い終えた。「Pretty girl」では持て余すように長い脚を台に乗せ、ノリに乗ったプレイを見せたken。「いばらの涙」では、tetsuyaのハイトーンコーラスが圧巻。黒いグローヴをしてマイクを握り締めて絶唱するhydeの両手は、祈りを捧げているかのように見えた。「Shout at the Devil」のラスト、高速で腕を大きく動かす渾身のプレイを見せたyukihiroは、まるで阿修羅の化身のよう。この2日間はメンバーが歌に、演奏に、曲の世界に深く没入する姿が多々見られる公演であり、それこそが実は、L’Arc~en~Cielというバンドが30年という長きにわたって第一線を走り続けているシンプルな理由ではないか?とも感じた。ark号でサブステージに到着した4人。ファンがバットマラカスライトを切り替えて曲に合わせて色を選ぶのだが、「次の曲は何色か?この曲はもう、これしかないんじゃない?」とhyde。青系が2色あるということで「水色にしようか」とhydeは色をあらかじめ伝えると、透明な傘を開き「雨が降って来た」と手をかざす。オーディエンスのざわめきの中始まったのは「Singin’ in the Rain」。『HEART』(1998年)収録の人気曲だが、以来ライヴ披露の機会はほぼなかったレア曲である。ジャジーなフィーリングと艶やかなサウンド、洗練されたアンサンブル、柔らかな歌唱。「僕は雨が好きなんで。家にいると、とても心が洗われる。音も好き」と語ったhydeは、「この曲で(雨を)少しでも好きになってくれれば」と語った。「LOST HEAVEN」は、「歴史を感じるような歌詞の内容だったので」と述べ、このライヴに向けたファンによるリクエスト投票でも「比較的上位やったのと、この雰囲気に合うかなと思って選びました」とのこと。また、「星空」を披露する前のMCには、Day1よりも明確に「平和を願って」との言葉を加えていた。エレキとアコースティックのハイブリッドであるアコースタソニック ストラトキャスターでkenが爪弾く音色は、切なさと希望の両方を宿したような、繊細な奥深さ。4人は、ファンが灯す光の大海に浮かぶ小さな島のようなサブステージで、大きな夢を奏でていた。《目覚めたら変わっていると良いな争いの終わった世界へと》――切なる願いを乗せた美しい音楽が、美しい光景とともに、いつまでも心に残り鳴り響いた。「FOERVER」に至るWAVE GAMEでは、座席エリアごとのライトの色分け指示を、初日で学習したファンが的確に読み取ったのか、虹色にブロック分けされた状態での美しいウェーヴが実現。眩い光景が広がった。「予感」から「Blurry Eyes」へ入るところで珍しくyukihiroが演奏を間違え、何度も頭を下げて平謝りするレアな場面も。「今何があったの?」とhydeは驚き、メンバーもファンも楽しそうな笑顔。再度スタートし直すと、よりリラックスした明るいムードが会場を満たしていった。ブレイクではtetsuyaが、虹色のウェーヴを振り返って「さっき虹っぽくなってたよね?すごいね。『すっごい綺麗やな』って見惚れてたら、演奏間違えました(笑)」と告白。「皆さんご存じ?」と語り掛けると、L’Arc~en~Cielはフランス語で虹を意味すると説明しながら、「こういうことができるのも、L’Arc~en~Cielっていう名前があるからじゃない?つけてよかった」と命名者としての喜びを語った。「30年も愛され続けるバンドになれてうれしいなって。皆、一回しか言わへんから聞いて?L’Arc~en~Cielを好きになってくれてありがとう!」と叫んだ。皆がいたからここまで辿り着けたファンの灯す光が輝く会場を見つめながら、hydeは「どうもありがとう、すごいいい眺めだね!」と感慨深そうで、「この光はただの光じゃなくてね、一つ一つがそれぞれいろんな背景があってね、ここまで辿りついた光なので、ただの光と違うんだよね。そこがまたこう、胸に刺さるというか、ここまで来てくれてね……うれしいなと思って。また遠くへ帰っていくんだろうと思うんですけど、それぞれの光がね。でもこうやって5万人が集まってるというのが、もう既に感動的でね、いい眺めです。本当にありがとう」と感無量な様子。「この30年、いろんな出来事がありまして。ここまで来るにはなかなか、奇跡的ないろんなものが重なってね、いろんな人に助けられて、皆努力しながら辿り着いた。そして皆がいたから、ここまで辿り着けたと思います」と平坦ではなかった道程を振り返った。更には「辛い時に辞めてたら、悲しい記憶だけ、悔しい記憶だけ残るけど、乗り越えると、こういう素敵な景色が待ってたんだなと思ってね。それも皆がいてくれたから、支えてくれたからだなと思います。連れてきてくれてありがとうございます!」と挨拶。「この30周年、1年ライヴしてきましたが、世界的にもすごく大変な時に重なってしまって……僕らも皆も大変だったんですけど、虹っていうのは、雨が止む時にできるんですよ。最後に『虹』を聴いてください。どうもありがとうございました」との言葉から、曲がスタート。kenの奏でる、光が降り注ぐような慈しみ深いアルペジオ。地を踏みしめて真っ直ぐに歩き出すようなyukihiroの凛としたドラミング。hydeは涙ぐんで声を震わせているように思えたがしっかりと丁寧に歌い遂げ、tetsuyaのベースが温かく歌を包み込むように寄り添った。4人は最後向き合って音を止め、全曲の演奏が終了。「また会えるまで、皆元気で過ごしてください。次のライヴ、一緒に歌おうね!」と投げキッスを幾度も繰り返したhyde。一旦全員がステージから去り、再度戻って来たtetsuyaは初日同様スマートフォンで撮影しながら、最後「初めて言うけど……ホント、一回しか言わんからよく聴いてね?皆!ラルクを好きになってくれてありがとう!まったねー!」と挨拶。一回しか言わない、と断りながらこの日だけでも2度熱く感謝を伝え、笑顔でステージを後にした。振り返れば、8年ぶりのツアー『ARENA TOUR MMXX』がコロナ禍で中断、4公演が中止を余儀なくされる、大きな傷を負った2020年。2021年5月の幕張公演、9月からのツアーも、上述の通りコロナ禍の状況に左右されながら決行。2022年にこうしてフィナーレに辿り着くには、平坦ではない長い道程があった。コロナ禍に加え、hydeがMCで触れていたように世界情勢は悪化し、安らぎを見出しづらい時世となっている。そんな中で行なわれたこの東京ドーム公演は、ツアーで披露した楽曲群を中心としながらも意外な選曲を加え、演出も新たに、バンドの真髄をより堪能できる内容にアップデートしてファンに届けた。このライヴで胸を打たれたのは、L’Arc~en~Cielの描き出す美しい世界が、平和への希求と結びついていたこと。怒りの拳を突き上げるのではなく、連帯を直接的に呼び掛けるのでもなく、美しい光景を死守するというスタンスで人間の尊厳を保ち、無慈悲な暴力に抗おうとしているように見えた。その芸術的な祈りの捧げ方が有効であることは、L’Arc~en~Cielが30年以上に渡り求められ続け、世界中のファンの心の拠り所であり続けていることが証明している。この先の彼らがどのような一歩を踏み出していくのか、新たな報せを楽しみに待っていたい。Text:大前多恵Photo:Takayuki Okada / Toshikazu Oguruma / HIdeaki Imamoto / Yuki Kawamoto / Hiroaki Ishikawa<リリース情報>L’Arc~en~Ciel 30th L’Anniversary『L’Album Complete Box -Remastered Edition-』Now On SaleL’Arc~en~Ciel 30th L’Anniversary『L’Album Complete Box -Remastered Edition-』展開画像●完全生産限定盤(11CD+GOODS):41,800円(税込)【収録内容】・オーロラ色に輝く豪華専用BOX仕様・スペシャルブック(復刻版ブックレット)・11色カラートレイ&ピクチャーレーベル仕様 リマスターアルバム『Tierra』(Remastered 2022)『heavenly』(Remastered 2022)『True』(Remastered 2022)『HEART』(Remastered 2022)『ark』(Remastered 2022)『ray』(Remastered 2022)『REAL』(Remastered 2022)『SMILE』(Remastered 2022)『AWAKE』(Remastered 2022)『KISS』(Remastered 2022)『BUTTERFLY』(Remastered 2022)・思い出を持ち運べる歴代ジャケットアクリルキーホルダー(チャーム全11種+ワイヤー付)・オリジナルロングスリーブTシャツ購入リンク:配信リンク:関連リンクL’Arc~en~Ciel オフィシャルサイト:’Arc~en~Ciel オフィシャルファンクラブ「LE-CIEL」:’Arc~en~Ciel デジタルファンクラブ「LE-CIEL」:
2022年05月24日櫻坂46 渡邉理佐の卒業コンサートが5月21、22日に国立代々木第一体育館にて行われた。2015年8月に欅坂46 1期生としてグループに加入して以降、現在の櫻坂46に至るまで約7年にわたり最前線で活躍してきた彼女。今回卒業コンサートの会場として選ばれたのは、2017年4月に欅坂46がデビュー1周年記念ライブを行ったほか、2020年10月に欅坂46がラストライブを実施した縁のある場所。そんな思い出深い会場で、セットリストに渡邉の意見が反映された、彼女のアイドル人生における集大成的ライブが展開された。渡邉にとって櫻坂46最後のライブとなった22日公演では、「Overture」が爆音で流れたかと思うと、続いて水の滴る音とともに静寂が訪れる。すると、宮殿のようなステージセットに櫻坂46メンバーが姿を現し、最後にアーチから渡邉が登場。その彼女がセンターを務める「無言の宇宙」から、ライブはゆったりとスタートした。渡邊理佐儚さと壮大さを併せ持つこの曲は、彼女のラストステージの幕開けにふさわしいものであり、渡邉のメンバーカラー=青&白のペンライトとともに、早くも特別な空間が作り上げられる。また、曲のエンディングでは欅坂46時代から現在に至るまでの思い出の写真がスクリーンに映し出され、エモーショナルさがさらに増していった。最初のMCでは、渡邉は卒業を控えた現在の心境について「少しずつ実感が湧いてきたんだけど、さっき裏で待機しているときに昔の映像を観ていたら、懐かしいなと最初からジーンとしてしまいました。今日は最後まで楽しんでいけたらと思います」とコメント。そこから「Nobody’s fault」「最終の地下鉄に乗って」と緩急に富んだ楽曲が連発されると、会場の熱量は徐々に高まっていく。「それが愛なのね」では渡邉がアリーナ中央に設置されたタワーで天高くまでリフトされ、会場中のBuddies(=櫻坂46ファン)に笑顔を振り撒き続ける。そして、「流れ弾」で観客のボルテージは最高潮に達し、早くもこの日最初のクライマックスを迎えた。このクライマックスは、その後も曲ごとに更新され続けることに。2期生によるMCを経て、ステージにひとり現れた渡邉。スクリーンに映し出された欅の木を見つめていると、そっと手を上げて欅坂46の名曲「二人セゾン」に突入する。この意外な選曲に、客席から驚きの声が漏れ始める。現在グループに在籍する1期生9名で披露されたこの曲では、明るくも切ない曲調とともに、心の底から湧き上がるメンバーの笑みが印象に残り、落ちサビでのソロダンスを渡邉が担当するなど、彼女のラストステージにふさわしい演出も用意。また、「僕たちの戦争」では渡邉、上村莉菜、土生瑞穂というユニット“FIVE CARDS”のオリジナルメンバー3人が、トロッコを使って会場を回遊。この演出は「青空が違う」にも引き継がれ、渡邉と菅井友香が客席に向けて笑顔を送り続ける。1期生が再びステージに勢揃いすると、自身の青春時代を振り返るような「制服と太陽」でノスタルジーに浸り、「世界には愛しかない」では一面青く染まった会場に向けてステージからポジティブなメッセージが届けられた。モデル / 女優の新木優子や『そこ曲がったら、櫻坂?』のMCを務める土田晃之&澤部佑と、渡邉と馴染みのある面々からのメッセージ映像に続いて、スクリーンには青い月が映し出される。すると、ステージ上空から釣られたブランコに乗る渡邉が姿を現し、そのまま「ブルームーンキス」に突入。曲中のセリフパートでは、センターの森田ひかるが渡邉に抱きつき「理佐さん大好き!」と仲睦まじい姿をアピールする一幕もあり、再び会場は和やかな空気に包まれていく。また、「偶然の答え」ではセンターの藤吉夏鈴が憂いに満ちた表情で楽曲の世界を表現。続く「なぜ恋をして来なかったんだろう?」でも、さらに頼もしいパフォーマンスを提示していく。これは彼女に限ったことではなく2期生全員に言えることで、その佇まいや堂に入ったパフォーマンスからは渡邉に安心して卒業してもらおうとする彼女たちの成長と優しさが伝わってきた。松田里奈を中心としたMCを経て、いよいよ最終ブロックへ突入。最新シングル「五月雨よ」では力強くまっすぐな山﨑天の歌声が、ドラマチックなアレンジとともに会場を優しくも切ない空気で包み込む。その流れで「思ったよりも寂しくない」「Buddies」といったスケールの大きな楽曲が連発され、客席は感動的な空気で充満していった。いよいよライブ本編最後の曲へ。欅坂46オーディション時から現在までを振り返る映像とともに、「周りの支えがあったからここまで来れた全ての出会いにありがとう。」「最後の曲は大切な23人で、大切な皆さんへ」とのメッセージがスクリーンに表示されると、ステージに勢揃いしたメンバーが「僕のジレンマ」をパフォーマンス。曲中では渡邉がメンバー1人ひとりと絡む振りも用意され、まさに彼女を笑顔で送り出すような優しさが伝わるも、1期生が渡邉に抱きつくクライマックスでは渡邉がこらえきれずに涙を流す。彼女と同じように多くのメンバーが瞳を潤ませる中、最後はメンバーに見送られる形で、渡邉が登場時のアーチを再びくぐってステージをあとにし、ライブ本編は幕を下ろした。こんな自慢したくなるようなグループにいられたことが本当に誇りアンコールでは、白いドレスに身を包んだ渡邉がBuddiesに向けてスピーチを始める。彼女は「卒業発表をしてから今日この日を迎えるまで、メンバーや自分自身が笑顔でいられるようにと約半年くらい過ごしてきましたが、思い出を振り返れば振り返るほど、これまでの活動がキラキラと輝いていたので、離れたくないと思ってしまうぐらいにグループのことが大好きだったんだなと改めて感じました」と口にし、続けて「こんな自慢したくなるようなグループにいられたことが本当に誇りだし、これから私が新しく羽ばたいて他の道へ進んでも、櫻坂46にいたんだぞと胸を張って言える気がします。本当に約7年間、こうして愛おしい時間を皆さんと共有できたことを、心からうれしく思いますし、感謝の気持ちでいっぱいです。これからも櫻坂46と渡邉理佐の応援をよろしくお願いいたします」と感謝の言葉を伝えた。続いて、ステージに合流した1期生が渡邉にメッセージを送る。上村や齋藤冬優花、尾関梨香、小林由依がそれぞれの思いと感謝を口にすると、その流れで渡邉と菅井がユニット“青空とMARRY”の楽曲をメドレーで披露。2人寄り添って回廊を歩きながら歌うその姿は、この貴重な時間を心底楽しんでいるように映る。メンバーが再び勢揃いすると、「太陽は見上げる人を選ばない」でグループの絆をアピールし、最後は渡邉の「みんなで騒げー!」を合図に「危なっかしい計画」で笑顔を振り撒きながらライブは終焉。会場のBuddiesに向けて挨拶をすると、客席からは「7年間ありがとう」のメッセージが添えられた用紙が掲げられるサプライズが。驚きつつも喜びの笑みを浮かべる彼女は、トロッコに乗ってスタンド席を一周する。そこからステージに戻ると、今度はヒマワリの花を一輪ずつ持ったメンバーの姿が。何も聞かされていなかったこのサプライズに驚きの声を上げるも、そのまま渡邉はメンバー1人ひとりから感謝の言葉とヒマワリの花を受け取り、約3時間におよぶグループ初の卒業コンサートは幕を下ろした。常にメンバーのことを大切に思い、グループ躍進の功労者として約7年にわたり活動してきた渡邉理佐。この先、渡邉と櫻坂46は互いに別の道を進むことになるが、どちらもさらなる活躍に期待したい。と同時に、櫻坂46としての歩みはこの先も続いていく。菅井が「理佐が残してくれたものを大切にして、より高みを目指していきます」と語ったように、ここからの飛躍にも期待したい。文・西廣智一撮影:上山陽介<公演情報>櫻坂46 渡邉理佐 卒業コンサート5月21日(土) ・22日(日) 国立代々木競技場 第一体育館5月22日(日) 公演セットリストOverture01. 無言の宇宙02. Nobody’s fault03. 最終の地下鉄に乗って04. それが愛なのね05. 流れ弾06. 二人セゾン07. 僕たちの戦争08. 青空が違う09. 制服と太陽10. 世界には愛しかない11. ブルームーンキス12. 偶然の答え13. なぜ恋をして来なかったんだろう?14. 五月雨よ15. 思ったよりも寂しくない16. Buddies17. 僕のジレンマEn1. 青空とMARRYメドレー(割れたスマホ~波打ち際を走らないか~ここにない足跡~青空が違う)En2. 太陽は見上げる人を選ばないEn3. 危なっかしい計画<リリース情報>櫻坂46 4thシングル『五月雨よ』Now On Sale●TYPE-A(CD+BD):1,900円(税込)櫻坂46『五月雨よ』初回仕様限定盤TYPE-Aジャケット【CD収録内容】1. 五月雨よ2. 僕のジレンマ3. I’m in4. 五月雨よ -OFF VOCAL ver.-5. 僕のジレンマ -OFF VOCAL ver.-6. I’m in -OFF VOCAL ver.-【Blu-ray収録内容】1. 五月雨よ -MUSIC VIDEO-2. Documentary of Risa Watanabe●TYPE-B(CD+BD):1,900円(税込)櫻坂46『五月雨よ』初回仕様限定盤TYPE-Bジャケット【CD収録内容】1. 五月雨よ2. 僕のジレンマ3. 断絶4. 五月雨よ -OFF VOCAL ver.-5. 僕のジレンマ -OFF VOCAL ver.-6. 断絶 -OFF VOCAL ver.-【Blu-ray収録内容】1. 五月雨よ -MUSIC VIDEO-2. Sakurazaka46 3rd Single BACKS LIVE!! ~Center Performance Collections~オープニングVTR / ソニア / BAN -Day1- / 半信半疑 / なぜ恋をして来なかったんだろう? / 最終の地下鉄に乗って / 君と僕と洗濯物 / Microscope●TYPE-C(CD+BD):1,900円(税込)櫻坂46『五月雨よ』初回仕様限定盤TYPE-Cジャケット【CD収録内容】1. 五月雨よ2. 僕のジレンマ3. 制服の人魚4. 五月雨よ -OFF VOCAL ver.-5. 僕のジレンマ -OFF VOCAL ver.-6. 制服の人魚 -OFF VOCAL ver.-【Blu-ray収録内容】1. 五月雨よ -MUSIC VIDEO-2. 僕のジレンマ -MUSIC VIDEO-3. Sakurazaka46 3rd Single BACKS LIVE!! ~Center Performance Collections~BAN / 偶然の答え / 思ったよりも寂しくない / 美しきNervous / Dead end -Day1- / 流れ弾 -Day1-●TYPE-D(CD+BD):1,900円(税込)櫻坂46『五月雨よ』初回仕様限定盤TYPE-Dジャケット【CD収録内容】1. 五月雨よ2. 僕のジレンマ3. 車間距離4. 五月雨よ -OFF VOCAL ver.-5. 僕のジレンマ -OFF VOCAL ver.-6. 車間距離 -OFF VOCAL ver.-【Blu-ray収録内容】1. 五月雨よ -MUSIC VIDEO-2. 車間距離 -MUSIC VIDEO-3. Sakurazaka46 3rd Single BACKS LIVE!! ~Center Performance Collections~インタビューVTR -Day1- / インタビューVTR -Day2- / 無言の宇宙 / Buddies / Nobody’s fault / Dead end / 流れ弾【初回仕様限定盤・封入特典】・応募特典シリアルナンバー封入・メンバー生写真(各TYPE別23種より1枚ランダム封入)●通常盤(CD only):1,100円(税込)櫻坂46『五月雨よ』通常盤ジャケット【CD収録内容】1. 五月雨よ2. 僕のジレンマ3. 恋が絶滅する日4. 五月雨よ -OFF VOCAL ver.-5. 僕のジレンマ -OFF VOCAL ver.-6. 恋が絶滅する日 -OFF VOCAL ver.-櫻坂46「五月雨よ」MV櫻坂46「僕のジレンマ」MV櫻坂46「車間距離」MV櫻坂46「Documentary of Risa Watanabe」予告編櫻坂46「Sakurazaka46 3rd Single BACKS LIVE!! ~Center Performance Collections~」ダイジェスト映像配信リンク:関連リンク櫻坂46 OFFICIAL WEBSITE:櫻坂46 OFFICIAL Twitter:
2022年05月23日渋谷すばるが、4月26日に『babu会 vol.1』KT Zepp Yokohama公演を開催した。ここではそのオフィシャルレポートをお届けする。2022年4月26日KT Zepp Yokohama。『babu会 vol.1』として3公演目となったこの日は、3年前の2019年4月26日にオフィシャルファンクラブ『Shubabu』が発足した日であった。自身初のファンクラブイベント『babu会 vol.0』は、2019年10月9日の1stアルバム『二歳』でのデビュー日とも重ねて10月8日・9日に大阪・なんばHatch、東京・品川ステラボールにて行われており、2回目の開催となった『babu会 vol.1』は、4月19日・20日のZepp Osaka Bayside、4月26日・27日のKT Zepp Yokohamaと全4公演で行われた。渋谷は、『babu会 vol.0』の東京公演が行われた同日の10月9日にリリースされた1stアルバム『二歳』でソロデビューを果たし、アルバムを引っ提げ、翌年の2020年1月28日からソロアーティストとして初のライヴツアー『渋谷すばる LIVE TOUR 2020「二歳」』をスタートさせたのだが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、3月に予定されていた初の海外公演だったアジア4公演とツアーファイナルの大阪での野外公演『二歳と364日』が中止を余儀なくされてしまったのだ。その後、何度も仕切り直して有観客でのライヴを試みるも、来てくれるお客さんの安全を考え断念。そこから約2年近く、有観客イベントへの出演はあったものの、有観客でのワンマンライヴを再開することが出来ずにここまで来たのである。新たな人生を踏み出したばかりの渋谷にとって、それがどれほどまでに悔しい出来事であったかは、聞かずとも想像が付く。アルバム『二歳』に詰め込まれた渋谷の想いを深く読み取れば読み取るほど、はやる気持ちを押さえるのがどれほどまでのものであったかは、痛いほど伝わってきた。そして。2022年4月19日。渋谷は待ち焦がれた瞬間でもあった有観客ライヴの再開に、ファンクラブイベントである『babu会 vol.1』を当てたのだ。渋谷いわく“家族みたいな存在”という『Shubabu』。その再会に必然を感じた。何よりも1番近くで応援してくれるファンの安全を願って断念してきたライヴだった故、最初の再会が、渋谷が1番大切に思う“家族みたいな存在”である『Shubabu』のみんなであったことを、必然と思わざるを得なかった。そしてもう一つの必然を感じたのは、渋谷の唄の変化だった。ライヴが出来なかった時間が、渋谷の唄をより強く、そして、優しく、丸く、変えていたのだーーーーーー。19時ちょうど。定刻通りに客席の照明が落とされると、驚くほど自然体な渋谷がステージ下手からふらりと1人で登場した。この日はファンクラブライヴだったこともあり、ライヴの開始前にトークコーナーが設けられていたのである。あまりにラフな登場に意表をつかれたファン達は、驚きのあまり一拍遅れてしまった拍手で渋谷を迎えた。久しぶりに会う渋谷が目の前に居るのに声を出すことが許されない状況とあり、トーク中に客席に問いかける渋谷の言葉にも拍手で答える姿は、とてももどかしいそうだった。渋谷もまた、自らの名前を呼ぶ声も歓声も無い講演会の様な慣れない空気の中でのトークに時折戸惑いを見せ、照れ臭そうな表情を浮かべながらも、久しぶりの再会の喜びを噛み締めていた。ファンクラブイベントならではの近い距離のトークコーナーを終えると、ステージに張られていた紗幕が落とされ、バンドセッティングが姿を現した。スタジオでジャムった音源をそのまま録音した様な、のほほんとしたSEをバックに、塚本史朗(G)、安達貴史(B)、茂木左(Ds)、本間ドミノ(Key)と、渋谷すばる(Vo)が登場した。この面子でのライヴは今回が初。幕張メッセで観た『渋谷すばる LIVE TOUR 2020「二歳」』とは違うバンド編成である。広いステージを敢えて有効活用せず、中央にギュッと集めてセッティングされたバンドセットは、小箱のライヴハウスを切り取ったかの様な光景だった。1曲目に選ばれていたのはなんと新曲。2020年の11月にリリースした自身2作目となるフルアルバム『NEED』を披露するはずだった2021年4月からの2度目となる全国ライヴツアー『渋谷すばる LIVE TOUR 2021』も新型コロナウイルスの影響により全公演中止となっている為、まだ『NEED』での有観客ではライヴを行なっておらず、更には2021年9月22日には自身3作目となるフルアルバム『2021』もリリースしており、まだまだライヴで披露していない曲達のストックはたくさんある中で、渋谷は久しぶりのライヴの1曲目に新曲を選んでいたのである。きっと“いち早く新曲を聴かせたい!”という、紛れのない『Shubabu』愛であったに違いない。定位置に着いた塚本、安達、茂木、本間は、SEを遮る様に力強く放たれた渋谷のブルースハープの音を合図に、“OK! 準備は出来てるぜ!”と言わんばかりにそれぞれの楽器を掻き鳴らして応えると、茂木のシンバルの4カウントと掛け声からイントロのユニゾン4カウントへと繋げ、曲をスタートさせた。ピタリと息の合った力強いカウントに、ゾクゾクさせられた。“俺はここにいるぜ!”の歌詞を載せたサウンドが最高にロールしまくるロックは、オーディエンスの体を自然と揺さぶらせ、会場の温度を一気に上げた。渋谷が単独で音楽を始めてから、最強のパートナーとして渋谷のサウンドを支えてきた塚本のガレージ色が色濃いロックン・ロールギターを軸とし、絶妙な脱力感で、低音に重心を置いたバックビートの抜けを実に個性的なスタイルで放つ茂木のドラムに、最高のグルーヴとうねりを上げる安達のベースプレイが絡みつき、そこに本間のブルーススケールを使いこなしたロックン・ロールピアノがバンドサウンドを華やかに導き、唯一無二の輝きを与えていた。塚本、安達、茂木、本間が織りなす息の合ったバンドアンサンブルのリズムの重心は最強のノリを作り上げ、渋谷のブルースハープは、そんな極上のロックン・ロールの中で叫びを上げた。4人が発するサウンドとリズムの極上の波に、天性の感覚で飛び込んで唄を絡ませていく渋谷の感性も言わずもがな最高だ。間奏で暴れまくる個の音のぶつかり合いの強さといったら、最高なんて言葉じゃ収まらない。最高以上の表現があったらその言葉を記したいほど、それは圧巻と高揚の連続だった。茂木は絶やすことなくリズムを刻み続け、間髪入れずに「ワレワレハニンゲンダ」へと繋がれていった。人間として生きる自由をシニカルに唄う渋谷に、メンバー全員による“ニンゲン! ニンゲン!”という、渋谷の叫びへの同意的なコーラスが載る。叫びの中に込められた人間として生きる意味の深さと人間が人間を思いやること、尊重すべきことの大切さを考えさせられる1曲だ。掻きむしられる感情を表現したかの様な塚本のギターと鬱血した感情を表現したかの様な渋谷のブルースハープの重なり合う音像には、歌詞に落とし込まれた憤りを爆発させた凄みがあった。体を揺らさずには聴けないリズミックな「BUTT」への流れも、ノリを止めずに繋がれた。5人は、途中にMCを設けることなく、曲間に繋ぎ目を持たせないスタイルで、音を途切らすことなく届けていくという、実にストイックな流れを作っていったのである。アクの強いプレイヤー達が音をぶつけ合い、目まぐるしく曲を変化させて掻き回していった今回の座組でのライヴは、『二歳』のときに幕張メッセで観たバンド編成でのライヴとは全く異なるものだった。どちらが良いということではなく、どちらもそれぞれの良さはあるのだが、言葉にして記すとするならば、幕張メッセで観たバンド編成は、“渋谷すばるという個”をとても素晴らしく引き立てていた様に思う。一方、今回の編成で強く感じたのは、“渋谷すばるバンド”としての“バンドパワー”だった。敢えて“アクの強いプレイヤー達”と記したのだが、渋谷すばるというボーカリストも最上級レベルに“アクの強い唄い手”である。今回の塚本、安達、茂木、本間という“アクの強い編成”は、そんな渋谷の“アク”を、見事にサウンドに中和させていたのだ。プレイヤー個々のアクの強さが、渋谷のアクの強さと思いがけない科学変化を起こし、想像を絶するほどの合致を創り上げ、この5人でしか出すことの出来ない相性の良さを生み出したのだ。個々が相当強い個性を放つプレイヤーであることから、正直、ここまでまとまりのある一つの個体を創り上げられるとは想像していなかったのだが、いやいや、これはすごいことになった。荒々しいまでの音像と感情の抑揚を音に置き換えたサウンドのループで攻め立てた塚本、安達、茂木、本間、渋谷は、紛れもない“バンドパワー”を見せ付けてくれたのだった。歌詞に描かれる渋谷すばる独特の感性そして。渋谷らしさといえば、やはり他にはない感性で描かれる歌詞である。中でも特有の持ち味を放つ「来ないで」。最初にこの曲を聴いたとき、また随分と赤裸々な歌詞を書いたものだとハラハラしたのを覚えているのだが、この歌詞の結末を知ったときは、なんとも心地良い脱力感に包まれ、肩ガックリと落として、その“渋谷らしさ”を笑った。ゆっくりとしたコード進行で魅せていくミドルテンポなこの曲は、“我が強い僕だけど 君にはもうこりごり”という歌い出しから始まり、サビでは“もう来ないでくれないか 二度と僕の目の前に”と唄われる。“一度だけの口づけが こんなに脳裏に焼き付いて”とも記されていることから、特別な存在であった特定される“君”に唄われていることが分かる。が、しかし、結末に渋谷によって叫ばれるその“君”の名は……パクチーなのだ。こんなにも時間と手間と最高のロックバンドを使ってまで“パクチー嫌い”を叫ぶ贅沢さよ。これこそが渋谷すばるなのである。大きく構えた抜けの良い茂木のドラミングのフロアタム使いは格別で、和音から始まりメロにそっと寄り添うルートベースを奏でる安達のプレイも、塚本の強過ぎない心地良いバッキングも、うっすらと楽器隊の上を滑らせる様な奏法の本間の柔らかな鍵盤音も、気怠い感じの渋谷のハープと、極大工脳を切々と唄う渋谷の唄も、ラストに置かれた“パクチー嫌い”を叫ぶ為に在ったのかと思うと、なんとも心地良い脱力感に包まれるのだ。この日の「パクチー」も、いや、「来ないで」も最高だった。そして、更に心を奪われたのは、本間のどこまでも優しい鍵盤ソロから、塚本のアコースティックギターに繋がれて始まった「レコード」。重心を落としレイドバックさせて唄われたこの曲は、渋谷の人間性を浮き彫りにした。とことん熱くて真っ直ぐな渋谷が時折見せる寂しげな表情と似ている優しい唄も悪くない。安達と茂木の音での掛け合い、いや、もはや音での会話だったソロ対決を挟み、ライヴは後半戦へ。安達の瞬間的にミュートを感じさせるサムと、気持ちの良いアタックが癖になるプルが絶妙な相性で共存したスラップが会場を踊らせた「きになる」も、ただただ同じ言葉が繰り返される実に気になる歌詞が意味深である。が、しかし、歌詞の意味などどうでも良くなるほどに最高にファンキーで踊れる1曲なのだ。もはやこの曲の渋谷の唄は楽器だ。「レコード」からの空気感を一変させた展開の忙しさも、ギュッと詰め込まれたファンクラブならではのセットリストの醍醐味を感じさせるものだった。渋谷は本編のラスト前に、ハイスピードで音と言葉を激しくぶつけ切った新曲を届け、最後の曲に移る前に、初めてMCを取った。「ありがとうございました。最後にメンバー紹介させて下さい。ギター塚本史朗、ベース安達貴史、ドラム茂木左、鍵盤本間ドミノ」本当にメンバー紹介だけの短いMCだったのだが、渋谷にとって、1番伝えたいことだったのだろう。この日のサウンドを一緒に作ってくれた1番大切な仲間をちゃんと紹介したかった渋谷の想いが伝わってきた。この面子がこのタイミングで出逢い、渋谷の久しぶりのワンマン有観客ライヴを支えたことは、きっと必然。今もまだ続く日常の当たり前を変え、大きく世界を変えたコロナという最悪な時間は、偶然なんかではなく、必然に繋がる気付きの時間だったのかもしれない。そう思えた。渋谷が本編の最後に選んでいた「素晴らしい世界に」を聴いたとき、本当に心からそう思えたのだ。“どんな事にも 意味があるなら これの意味は 何”。辛いことが起こる度に誰もが自問するであろうこの言葉を、渋谷はこの曲の唄い出しに置いている。そして彼は、最後にこの想いが素晴らしい世界に続いていくと唄っている。渋谷の唄が心に響くのは、その全てがノンフィクションだからだろう。そこにある痛みも喜びも、全て自らが体感した感情だからだろう。鳴り止まない拍手に応えたアンコールで、渋谷はバンドメンバーと、スタッフ、集まってくれたファン達に向けて拍手を募った。そして、最後に「ぼくのうた」を届け、次の『babu会』での再会を約束し、ステージを後にしたのだった。渋谷を大きく変化させることとなったに違いない『babu会 vol.1』の経験が、この先の彼をどう変化させていくのかも、実に楽しみなところである。今ツアー終了後に、9月14日の福岡サンパレスホテル&ホールを皮切りに『渋谷すばる LIVE TOUR 2022』を全国7カ所14公演で行うことを発表した渋谷。フルサイズでのワンマンライヴツアーでは、いったいどんな渋谷すばるを魅せてくれようとしているのだろう?今から楽しみで仕方ない。取材・文=武市尚子<公演情報>『babu会 vol.1』2022年4月26日(火) KT Zepp Yokohama【セットリスト】01. 新曲02. ワレワレハニンゲンダ03. BUTT04. 来ないで05. 爆音06. レコード07. きになる08. 塊09. 新曲10. 素晴らしい世界に■encore1.たかぶる2.風のうた3.ぼくのうた<ツアー情報>『渋谷すばる LIVE TOUR 2022』9月14日(水) 福岡サンパレスホテル&ホール9月15日(木) 福岡サンパレスホテル&ホール9月21日(水) 名古屋国際会議場 センチュリーホール9月22日(木) 名古屋国際会議場 センチュリーホール10月12日(水) 広島文化学園HBGホール10月13日(木) 広島文化学園HBGホール10月17日(月) 仙台サンプラザホール10月18日(火) 仙台サンプラザホール10月24日(月) カナモトホール(札幌市民ホール)10月25日(火) カナモトホール(札幌市民ホール)10月31日(月) 東京ガーデンシアター11月1日(火) 東京ガーデンシアター11月5日(土) 大阪城ホール11月6日(日) 大阪城ホール■渋谷すばる オフィシャルホームページ
2022年05月14日5月2日(月)~3日(火)、すとぷり初の有観客バーチャルライブ『すとぷり バーチャルライブ「Strawberry Party!! in 日本武道館」』が開催された。すとぷりのライブには様々な形式が存在するが、昨年新たに加わったのが3Dモデルを使ってパフォーマンスするバーチャルライブ。本来予定されていた様々なライブの中止が続いていく中で、「それでもみんなに楽しいを届けたい」という思いからはじまった配信ライブシリーズ『すとろべりーめもりー in バーチャル!』も好評を博した。『Strawberry Party!! in 日本武道館』は、すとぷり初の試みとなるリアル会場での有観客バーチャルライブ。5月2~3日の2日間、バーチャルな姿の5人が画面を飛び出して日本武道館で1日2公演、計4公演を行なった。各公演には「Rock Party」「Night Party」「Prince Party」「Endless Party」という異なるテーマが設定され、4公演それぞれに違う演出や選曲で、メンバーがDJとともに生でパフォーマンスを行なった。初日の昼公演「Rock Party」と最終日の夜公演「Endless Party」を中心に新たな挑戦となった2日間をレポートしたい。初日の昼公演「Rock Party」ではバーチャルなお城を模したステージ上部にある「Strawberry Party!!」という文字が2つに割れて、今回の公演のために用意した白王子衣装を着たメンバーがゴンドラで降りてくる演出でライブがスタート。「Streamer」を経て「START」ではお城自体がメンバーカラーに光り、3次元のダンサーとも共演して早速会場を盛り上げた。以降は楽曲がノンストップでミックスされるDJパーティー形式のライブへ。公演テーマの「Rock Party」に合わせて、「僕らだけのシャングリラ」「Move On!」「苺色夏花火」「ギンギラ銀河」が繋がり、「ロックでポップなパーティー」が会場に広がっていく。その後も、少しMCを挟んでふたたびノンストップで「大宇宙ランデブー」「ホワイトプロミス」「ストロベリー・レボリューション」「ストロベリー・プラネット」を披露。「ストロベリー・レボリューション」では歌詞の「出発進行・ファイヤー!」に合わせて火柱が吹き上がった。中盤には各メンバーのソロパートもスタート。ここでもDJが楽曲を繋ぎ、さとみによる「恋をはじめよう」、ころんの「敗北ヒーロー」、るぅとの「君と僕のストーリー」、ジェルによる「虚」、莉犬の「ルマ」が途切れることなく自然に繋がっていった。その後再び全員で登場した「青春チョコレート」では、5人の衣装が黒王子衣装に一瞬で切り替わり、観客が驚く中トロッコでメインステージから観客席の中央へと移動。リスナーに囲まれて、会場の中心でライブを行なった。通常、有観客でのバーチャルライブで客席側にメンバーが移動することはほぼほぼない。この中盤のパフォーマンスは、「バーチャルな姿でももっとみんなの近くに向かいたい」という気持ちが伝わってくるような瞬間だった。最後は全公演共通となるライブの定番曲を、バーチャルならではの演出も交えながら披露。トロッコで向かった客席中央から観客の頭上に設けられた五角形のスクリーンにパッと瞬間移動して披露した「スキスキ星人」や「はりーはりーらぶ」を経て、メインステージに戻ってパフォーマンスした「Prince」では、5人で円陣を組んだ後ふたたび衣装が白王子衣装に変わり、「ずっと一緒だよ」と語りかけて会場がヒートアップ。最後は「プロポーズ」や「大好きになればいいんじゃない?」「おかえりらぶっ!」を経て、アンコールで「マブシガリヤ」と「StrawberryPrinceForever」を歌い、最後に紙吹雪が舞ってライブを終えた。古今東西の様々な「楽しい」が集まったバーチャルライブ一方、ディスコをイメージした「Night Party」や、王子様風ライブをイメージした「Prince Party」を経て開催された2日間の最終公演「Endless Party」は、クラブサウンドを全開にした「終わらないパーティー」がテーマ。会場の照明 / 演出もレーザーを多用したEDMフェスのような雰囲気で、2日間の熱気をさらに盛り上げていくような雰囲気が印象深い。この日は序盤に「終わらない夜をキミと」という歌詞が印象的な「Night of Fantastic」と「START」でライブをはじめると、DJパーティー形式のコーナーでは、「僕らだけのシャングリラ」「Don’t Give Up!!」「Party Light」「Day by Day」をミックス。MCを挟んでふたたび「GO GO CRAZY」「シンドロームラブ」「Very」「パンピじゃないのよッ!!」を披露し、「パンピじゃないのよッ!!」では虹色のレーザーがぐるぐる回るド派手な演出で盛り上げた。ちなみに、『Strawberry Party!! in 日本武道館』ではすとぷりのライブとしては初めて、会場に観客が集まるライブを配信でも楽しめるような環境が整っていた。どちらの公演も見た限り、ライブ会場ではバーチャルな5人がこちらにやってきてくれるような楽しさがある一方で、配信ライブではメンバーのパフォーマンスの細かい部分が楽しめたり、配信ならではの映像が重ねられたりしていてバーチャル空間に遊びに行くような楽しさがある。それぞれの方法で、5人の魅力でもある気さくな距離の近さが表現されているような印象だ。最終日のソロパートではジェルの「ポーカーダンス」、るぅとの「僕は雨に濡れた」、ころんの「レイジークレイジー」、さとみの「アサルトラブ」、莉犬の「ルマ」を次々に披露し、以降は公演を通して披露してきた代表曲を次々にパフォーマンス。アンコールではメンバーがそれぞれ「この景色を一緒につくってくれてありがとう」「新しいすとぷりを届けることができて本当に嬉しいです」とリスナーへの感謝の気持ちを伝え、「ナミダメ」と「StrawberryPrinceForever」を歌って2日間4公演のバーチャルライブを締めくくった。4つのテーマに分かれたバーチャルライブで改めて感じられたのは、すとぷりの楽曲が様々なジャンルを横断していること。活動を通してオリジナル曲が増えていった今のすとぷりだからこそ、楽曲の中にはロックもあれば、ディスコもあり、正統派アイドルソングもクラブ・ミュージックもある。また、バーチャルライブならではの演出もふんだんに盛り込まれ、ハッとするような驚きも感じさせてくれる。『Strawberry Party!! in 日本武道館』は、バーチャルな姿で楽曲をテーマごとに披露することで、古今東西の様々な「楽しい」が集まる場所としてのすとぷりの魅力を伝えてくれるようなライブだった。すとぷりは5月4日(水)~5日(木) の2日間、自身最大規模のツアー『すとろべりーめもりー Vol.Next!!!!』の最終公演として、グループ史上初となる東京ドームのステージに立っている。このライブは2020年に開催を発表するも、当時の情勢を鑑みて中止となった公演のリベンジの舞台。5人はきっと、ここでも最高のライブを届けてくれることだろう。文:杉山仁撮影:林晋介、東美樹<公演情報>すとぷり バーチャルライブ『Strawberry Party!! in 日本武道館』5月2日(月)・3日(火) 東京・日本武道館セットリスト■5月2日(月) 昼公演 PARTY #01「Rock Party」1. Streamer2. START3. 僕らだけのシャングリラ4. Move On!5. 苺色夏花火6. ギンギラ銀河7. 大宇宙ランデブー8. ホワイトプロミス9. ストロベリー・レボリューション10. ストロベリー・プラネット11. 恋をはじめよう / さとみ12. 敗北ヒーロー / ころん13. 君と僕のストーリー / るぅと14. 虚 / ジェル15. ルマ / 莉犬16. 青春チョコレート17. スキスキ星人18. はりーはりーらぶ19. Prince20. プロポーズ21. 大好きになればいいんじゃない?22. おかえりらぶっ!en1. マブシガリヤen2. StrawberryPrinceForever■5月3日(火) 夜公演 PARTY #04「Endless Party」1. Night of Fantastic2. START3. 僕らだけのシャングリラ4. Don’t Give Up!!5. Party Light6. Day by Day7. GO GO CRAZY8. シンドロームラブ9. Very10. パンピじゃないのよッ!!11. ポーカーダンス / ジェル12. 僕は雨に濡れた / るぅと13. レイジークレイジー / ころん14. アサルトラブ / さとみ15. ルマ / 莉犬16. 青春チョコレート17. スキスキ星人18. はりーはりーらぶ19. Prince20. プロポーズ21. 大好きになればいいんじゃない?22. おかえりらぶっ!en1. ナミダメen2. StrawberryPrinceForeverアーカイブ配信の詳細はこちら:関連リンクすとぷり 公式サイト公式Twitter公式ECサイト『いちごのおうじ商店』公式TikTok公式Instagram株式会社STPR 公式サイト すとぷりちゃんねる
2022年05月04日