アビームコンサルティングは1月27日、企業のマーケティング部門のあるべき姿を示しマーケティング業務の変革・改善を継続的に支援するという「マーケティングBPRソリューション」の提供開始を発表した。初年度で5社程度への導入を目指す。新ソリューションは、マーケティング部門のデジタル化推進状況を含む包括的な課題・改善点を可視化するという「マーケティングオペレーションアセスメントサービス」をベースに、自社経営計画に基づくマーケティング戦略の立案や、マーケティング部門がすべき投資計画、組織・人事計画の実現に向けたロードマップの策定支援を行うという。また、実際にマーケティング部門のデジタル化実現に必要なデジタル・テクノロジーの選定から導入、それらを有効に活用するための新しい業務や制度の設計までをワンストップで提供するとのこと。同ソリューションにより、自社の経営方針に基づいた形のマーケティング変革を業務・IT・組織の面から継続的に推進できるよう支援するとしている。同ソリューションでは、8種類のサービスを提供する。「マーケティングオペレーションアセスメントサービス」は、マーケティング部門における業務のあるべき姿と現状のギャップを測定し、成熟度を可視化するもの。「全社マーケティング戦略ロードマップ策定サービス」では、企業の経営計画に基づくマーケティング戦略立案と実現ロードマップ及びマーケティング・ポートフォリオの策定を支援する。「マーケティング部門戦略ロードマップ策定サービス」は、企業のマーケティング部門における投資計画や組織・人事(採用)計画などの実現ロードマップの策定を支援する。「マーケティングテクノロジー導入ロードマップ策定サービス」は、マーケティング部門の投資戦略・計画に沿って必要なツールに優先順位を付け、導入に向けたロードマップの策定を支援するもの。「マーケティング部門業務・組織改善サービス」では、マーケティング部門のBPR(Business Process Reengineering)を継続的に実行可能とするチーム・組織作りを支援する。「マーケティングテクノロジー導入実行計画策定サービス」は、策定したテクロジー導入ロードマップ内の個々の案件について、導入計画の策定を行うもの。「マーケティングテクノロジー導入サービス」では、策定した構想策定や導入計画に沿って、マーケティング・テクノロジーを導入する。「モニタリング・リサーチサービスマーケティング効果」は、マーケティング部の取り組みや、当初掲げた目標との乖離などを継続的にモニタリングするもの。サービスの提供期間は企業規模や個別要望により異なるとしながら、マーケティングオペレーションアセスメントサービスでは2ヵ月程度を想定しているとのことだ。
2016年01月28日2015年の国内マーケティング・テクノロジー動向を振り返ると、マーケティングオートメーション(以降、MA)の概念とマーケティングプロセスを支援するソフトウェアの導入領域に関して、認知度が急激に高まった1年だった。特に、これまではB2C企業に比べ、企業活動におけるマーケティング活動へのIT化に積極的ではなかったB2B企業もリードマネジメントを行うため、MAツールの導入に関心を示している。こうした市場環境の変化を踏まえ、2回に分けて、デジタルマーケティング全般に関して、米国における2016年の展望と日本市場に向けての示唆を考えてみたい。○マーケティングテクノロジーの現状企業のマーケティング活動を支えるソフトウェアやサービス、そして提供ベンダーを整理した資料として知られているのは、Chief Marketing Technologist Blog編集長のScott Brinker氏が作成を監修する「Marketing Technology Landscape」である。本稿時点での最新版は2015年1月に発表されたものであり、43分類にわたり1876のベンダーがマーケティング・テクノロジー(以降、マーテク)に関与している。このMarketing Technology Landscapeによれば、マーテクにはMAやSFAのような顧客関係のマネジメントに関するアプリケーション、アナリティクス、レポーティングツール、CMS(Content Management System)のほか、DMP(Data Management Platform)や各種連携用ミドルウェア、データベースまであらゆるソフトウェア・サービスが含まれる。なお、類似の資料に「カオスマップ」として知られる「Marketing Technology LUMAscape」があるが、インフラストラクチャやミドルウェアまではカバーされていない。このMarketing Technology Landscapeで驚くべきは、2014年1月は約900だったものが倍増している点である。さらに、Brinker氏は、マーテクに関する2015年の予測を発表する際、2015年末に向け、Marketing Technology Landscapeは縮小するのではなく拡大し、この市場に参画しているベンダー数はさらに増加すると予測した。これ以上の混沌とした状況はマーケターにとって好ましいものではない。マーケティング・ソリューションの選択肢が多いのは良いが、自社が取り入れるべきテクノロジーのビジョンを描きにくい中、最善のテクノロジーを選ぶことは非常に難しい取り組みとなるだろう。この点についてどうすべきかは、後編で詳しく述べたい。○米国におけるテクノロジー・トレンド「アドテクとマーテクの融合」多くのマーテクの識者たちは、この混沌とした状況下でアドテクノロジー(以降、アドテク)とマーテクの融合が進行していると指摘する。アドテクとは、オンライン広告のターゲティング、配信、表示、およびそれら一連のプロセスのマネジメントを行うためのソフトウェアおよびサービスの総称である。アドテクとマーテクの違いはどこにあるのだろうか?アドテクは、共通の属性を持つ匿名のオーディエンスに対してメッセージを配信するためのテクノロジーである。これに対し、マーテクは相手が誰かを把握した上でメッセージを配信するためのテクノロジーである。アドテクとマーテクはこれまでは別々のものとして発展してきた。しかし、アドテクもマーテクも、お金を払ってメッセージを届ける(いわゆるペイドメディア)か、自社が運営するWebサイトからメッセージを届ける(ペイドメディアに対してオウンドメディア)かという配信チャネルの違いがあるだけで、適切なメッセージを適切なターゲットに届けるというテクノロジーの原理自体に変わりはない。融合に向かうだけの共通点も存在するわけであり、それはマーケターのニーズに基づいている。マーケターとしては、属性を理解することはもちろん、正確にオーディエンスを特定して適切なメッセージを届けたい。このニーズに対して、マーテクが提供するターゲティング機能はアドテクでも有効であるし、アドテクの中には広告代理店のためだけのものではなく、企業で活用できるテクノロジーも含まれるからだ。ちなみに、マーケティング・テクノロジー・コンサルティング会社のRaab AssociatesのプリンシパルであるDavid M. Raab氏は、アドテクとマーテクの融合をデータ、意思決定、配信チャネルの統合という観点から見ており、示唆に富む。○トレンドの背景にあるものこのトレンドはゆっくりとだが確実に進んでいる。なぜならば、これが一貫性のある顧客体験を提供するためには不可欠な変化だからだ。2つのテクノロジーがバラバラのままよりも統合されているほうが企業としてはうれしい。統合されたテクノロジーを導入するほうがマーケティング活動の投資対効果がより高まるためである。では、アドテクとマーテクの力関係はどうか。資本市場の関係者から見ると、アドテクよりもマーテクのほうが魅力的に見えるようだ。これはマーテクのほうがより消費者・顧客に近いテクノロジーと見られていることが大きい。両者の交差点となるテクノロジーはMAであり、Adobe Systems、IBM、Marketo、Oracle、Salesforce.comといった主要ベンダーの企業買収やアライアンスの動向を見ていると、マーテク・ベンダーによるアドテク・ソリューションへの接近の傾向が伺える。また、テクノロジー統合のためにはデータを連携するミドルウェアが成功のカギを握ることが予想され、その意味でも上述の5社の動きは今後も注目の必要がありそうだ。
2016年01月26日クロス・マーケティングは1月21日、脳波をマーケティングに活用する技術、ノウハウをもつセンタンと業務提携し、ニューロマーケティングサービスを提供すると発表した。ニューロマーケティングは脳科学を利用して生活者の意識を明らかにする手法で、生活者の深層心理(インサイト)を読み解き、“無意識”を明らかにする。センタンは、脳科学・認知神経科学の知見に基づいたマーケティングコンサルティングを強みとしており、視聴者の関心が高いと値が上がるθ派を計測し、これまで蓄積したデータと比較することで、TVコマーシャルが効果的に購買に結びついているかを評価することができる。クロス・マーケティングは今回の業務提携により、生活者の“無意識”を明らかにする手法を拡充すると同時に、リサーチからプロモーションまで一貫してサポートできる体制を整えたという。なお、今回の提携においては、クロス・マーケティングが営業活動を行い、実際脳波の計測よる調査などはセンタンが行う。
2016年01月21日エスキュービズム・テクノロジー(Sテック)は1月20日、電通と共同で開発・販売しているEC向けマーケティング・オートメーション・プラットフォーム/ECパッケージである「DECIDE」を機能拡張し、マーケティング・エンジンとして利用可能な新パッケージとして「DECIDE Omni」を提供開始した。新製品は、従来製品が連携可能であったECサイトに加え、同社が提供するオウンド・メディア構築CMSとの連携、タブレットPOSである「EC-Orange POS」とのデータ連携、会員証アプリである「Orange Clubアプリ」との連携を実現し、EC/オウンド・メディア/実店舗で利用客の行動情報に基づくマーケティング・エンジンとして利用可能にした。タブレットPOSレジの購買情報のDECIDEへの連携、会員データの共通利用機能、DECIDEからスマートフォン用アプリに対してプッシュ通知を実施するモジュールの追加により、ECサイトでお気に入り登録した商品の在庫情報を利用客のGPS座標に基づいて店舗に近付いた際にプッシュ通知することや、店舗で手に取ったが買わなかった商品をECで割引販売するといった、より有機的な相互送客の実現が可能になるという。店頭での購買顧客や店頭のみでの購買顧客などの情報を連携し、ECやオウンド・メディアで実行しているのと同様の、購買提案や顧客育成に向けたステップ・シナリオなどの顧客育成施策を店頭でも実行し、ファンを増加させることが可能になるとしている。さらに、キャンペーン登録システムとキャンペーン・キッカーとしての機能を用意すると共に、集計やKPI指標に基づく施策の評価までを実施しているため、店舗/EC/オウンド・メディアの区別をせず、実施したキャンペーンの施策実施評価が可能とのこと。これらにより、従来と比べてキャンペーン施策などをより容易に登録・実行・評価可能になり、オムニチャネル時代のキャンペーンに発生するというデータの分散や評価主軸の散乱といった問題を廃し、適切に施策評価を実施できるようになるとしている。
2016年01月21日電通は1月14日、デジタル・マーケティング領域を中心とする運用型広告のオペレーション業務に特化した新会社「電通オペレーション・パートナーズ」をりらいあコミュニケーションズとの共同出資により設立し、沖縄に開設する新会社のオペレーション・センターの営業を1月15日から開始すると発表した。新会社の設立には、デジタル・マーケティング領域のビジネス増加があり、従来には無かった大量のオペレーション業務に効率的かつ迅速に対応する必要が生じているとしている。具体的には、デジタル&ダイレクト・マーケティング、システム・ソリューション、またソーシャル・マーケティングやPDCA(Plan Do Check Action)運用業務などにおいて、データ入力や集計作業、レポートの作成、コールセンター業務、簡易コンテンツの制作など定型業務の増大に対応する良質な運用体制の強化・拡充が急務となっていたとのことだ。一方で既にBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の受託事業を行っているというりらいあコミュニケーションズは、デジタル・マーケティング関連サービスの拡充を目指しており、デジタル・マーケティング業務におけるBPO体制の強化を目指す電通と目的が合致したことから、互いにノウハウの提供をし合うJV(ジョイント・ベンチャー)を共同で設立することにしたという。新会社の電通オペレーション・パートナーズは、本社を東京都港区の電通本社ビル内に、オペレーション・センターを沖縄県那覇市の那覇新都心メディアビル内に置く。資本金は1億円で、出資比率は電通が70%、りらいあコミュニケーションズが30%。代表取締役社長には現在電通オペレーション業務マネジメント室に所属する岩井隆宜氏が就任し、従業員数は100人の予定。
2016年01月15日最先端のトレーニングに注目!株式会社ティップネスが展開するフィットネスブランド「ティップ.クロス TOKYO」の渋谷・新宿・池袋全3店舗にて、【呼吸】【心拍トレーニング】【バイクエクササイズ】をテーマにした3つの新プログラムが導入される。同社は、効率を追求し最先端のメソッドを取り入れた、本物志向のプログラムだと胸を張っている。アスリートも取り入れる最新メソッド【呼吸】にフォーカスを当てた「BREATH BODY CONTROL」は、トップアスリートも実践する最先端メソッド。呼吸に関連する筋肉のほぼ全てが姿勢を保つ機能を持っていることに着目、呼吸を改善することが正しい姿勢を引き出し、最大のパフォーマンス発揮を可能にする。体幹部も鍛えられ、美しいウエストラインへと繋がっていくのだという。心拍数を管理しながら行う【心拍トレーニング】にも注目。心拍数という具体的な数値を指標にした強度設定ができるため、安全で効率的なトレーニングだ。同社は従来のサーキット形式レッスンに心拍トレーニングを導入し、「HRサーキット」として進化させた。モニターで自分の心拍数値や効果的な心拍ゾーンをチェックしながらトレーニングができ、視覚的な楽しさもアップする。音楽に合わせれば楽しさ倍増!音楽と【バイクエクササイズ】を融合させた「FUSiON CYCLE」は、インストラクターが専用ミキサーを使ってリアルタイムで音楽をコントロールするという斬新なサイクルプログラム。バイクエクササイズの「入門編」程度のトレーニングになるので、体力や自転車のスキルに自信のない人でも楽しく体を動かすことができる。運動や活動量が落ちてしまうこの季節こそ、最新のトレーニングプログラムで効率的にエクササイズしてみては。(画像はプレスリリースより)【参考】・株式会社ティップネスプレスリリース・プレスリリース/PR TIMES
2016年01月08日セプテーニは1月4日、中国におけるインターネットマーケティング市場の開拓を目的とし、中国に現地法人「七域広告(北京)有限公司」(以下「七域広告」)を設立し、2016年1月4日より営業を開始したと発表した。同社はこれまで、シンガポール、サンフランシスコ、ハノイ、ロンドン、ソウル、ニューヨークに拠点を設立し事業を展開しており、「七域広告」は新たな市場開拓を目的として6カ国8拠点目の海外拠点として設立した。
2016年01月05日さて、突然ですが、あなたの会社には、マーケティング部門もしくはマーケティングの専任担当者は存在しますか? 存在する場合、営業部門との連携は上手くいっているでしょうか?本連載ではこれまで、4回にわたり、BtoBにおける営業活動を効率化する上でマーケティングが重要となることをお伝えしてきました。そして、マーケティングを行う上では、シナリオの設計などの戦略立案や実行、検証のフェーズにおいて、広告の運用など「作業の部分」をマーケティングオートメーションで効率化することで、マーケターは高速PDCAを回すことができると言いました。そして、これらを実行に移そうと考えた際、もう一度みなさんに振り返って考えていただきたいことがあります ―― それは自社の組織体制です。具体的に、どの部分を見直せば良いのか、そのポイントや心構えについて整理してみましょう。○営業プロセスの分業化で、個人のスキルを活かせる伸ばせる組織へまず、本連載で最初に問題提起させていただいたことを思い出してほしいと思います。BtoBにおける営業活動は、これまで、見込み顧客の発掘から受注契約まで、つまり営業プロセスの初めから終わりまでのすべてを、それぞれの営業マンが一人で行ってきました。しかし、これでは営業活動の成果が担当者一人ひとりのスキルに依存してしまうため、結果として、「教育に時間を要する」「(結果が出ない場合)離職してしまう可能性がある」「組織の拡大に時間がかかる」など、非効率さとリスクを伴ってしまいます。そこで、まず目指していきたいのが、「営業プロセスに合わせて分業化された組織」の実現です。始めに、自社の営業プロセスを図に起こして整理しましょう。その上で、それぞれの営業プロセスに部署と人員の配置を行い、分業化された組織を構築していきます。例えば、営業プロセスが下の1から◯までの工数で成り立っていると仮定します。▼営業プロセス (仮定)1 : 顧客の課題の顕在化2 : 購買意欲の醸成3 : 見込み顧客の獲得4 : アポイントメントの取得5 : 商談6 : クロージング7 : 契約この場合、(1)~(3)までをマーケティングの部門が担い、(4)~(7)までを営業部門が担当するといった組織を構成することができます。なぜ、分業化する必要性があるのでしょうか。それは、一人の営業担当が担っていたときと比較し、教育工数の削減とスキルの早期取得が期待できるためです。また、業務を細分化することで、個人の性格や特性に合わせた人員配置が可能になり、それぞれの得意分野に集中してもらうことで、組織全体のパフォーマンス向上につながるでしょう。○分業化する一方で、共通したKPIを持つまた、営業プロセスの整理とそれに基づいた分業化を行う際、同時に、プロセスごとの目標値(以下、KPI)の設定を行ってほしいと思っています。組織では一般的に、最終的な目標を達成するため、現状の受注率や商談化率等をもとに、獲得するべき受注数や商談数、リード数…と遡って想定の売上額や利益を算出していきます。これは、営業活動においても同様です。しかし、営業プロセスにそって分業化した場合、これらの数字が共有・共通事項となっていないというケースが発生します。すると、十分な効果測定を行うことができず、ひいては、部門間の連携や各業務の最適化を不可能にする原因にもなり得ます。必ず、共通のKPIを認識している必要があるのです。○マーケティング部門と営業部門が不仲にならないように一方で、分業化することによるデメリットもあります。よく聞く課題として「マーケティング部門と営業部門の不仲説」がありますね。売上が上がらないことに対して、マーケティング担当は営業担当の商談スキルや進め方が悪いと考え、営業担当はマーケティング担当の発掘する見込み顧客の質が悪いと考えているといった状況です。このようにお互いの活動に懐疑的な状態では、分業化したところで協働はできません。売上・利益を上げるという組織全体の同じ目標に向かって、協力して行動するべきです。分担されていているそれぞれの役割を理解し、情報共有を密に行い、目標に向けての改善を共に行っていく……こういった部門間の連携を強化することは非常に重要になってきます。では、連携を実現するために、営業部門とマーケティング部門はそれぞれ、何を実践する必要があるのでしょうか。下記では、一例として、マーケティング部門が取り組むべきことを記載します。ステップ1 : 現状分析マーケティング部門は、現在進行中のマーケティング施策(Web広告や展示会への出展など)のうち、「どの施策から得たリードが実際に売上に繋がったのか」を営業部門が公開する実績から把握しましょう。そして、そのデータをもとに、今後強化して取り組んでいくべき施策を検討します。ステップ2 : リードの選別次に、マーケティング部門は、実施したマーケティング施策によって取得したリードを、見込み度合いによって選別しましょう。獲得したリードには、今すぐ商談に至らないものが多く含まれています。これらを含んだすべてを営業部門に渡してしまっては、無駄な営業活動を増やしていまします。商談に発展する可能性のあるリードのみ提供することができるよう、リードの選別基準とそのフローを構築しましょう。ステップ3 : 営業活動の結果を受けた分析最後に、営業部門に渡したリードが、その後どれくらい受注に至ったのか、どの程度の売上になったのかを、営業部門が実際に行った活動と紐付けて分析します。これは、どのようなマーケティング施策で獲得したリードが売上につながるのかといった「成功パターン」を見付けるための取り組みとなります。これにより、再度、今後強化するべきマーケティング施策を検討します。つまり、ステップ1に立ち返り、マーケティング活動の最適化を続けるということです。このように、BtoB企業の営業活動においては、ひとつの共通したゴールに向け、役割を横断して連携し、組織的な知見を蓄積し、それぞれの活動を最適化し続けることが重要なのです。さて、これまで5回にわたり、BtoB企業の営業活動にはマーケティングの要素が必要であるというお話をしてきました。主に、考え方を中心にお伝えしてきましたので、実際に組織の編成や分業化を行うとなると、なかなか難しいことに気付くでしょう。しかし、長期的な企業戦略を考えた場合、避けては通れない取り組みだと思っています。本連載が、BtoB企業のマーケティング活動と営業活動がより進化していく一助になれば幸いです。○執筆者紹介株式会社イノベーション「BtoBマーケティングを変革する」を使命に、年間900社以上の営業・マーケティング支援を行う。提供サービスとして、有望商談を発掘することを目的に、企業Webサイトにアクセスした企業名と個人名を判明し見込みリードを生み出す「リストファインダー」を提供する。そのほか、自社運営メディアとして、「ITトレンド」や「BIZトレンド」も展開。これらを通じて"法人営業の仕組み化と効率化"を実現し、BtoBマーケティングを変革することを目指す。
2015年12月29日マーケティング担当者が2015年に最も注目したキーワードはビッグデータであり、今後注目したいキーワードではIoTが最多だった。ジャストシステムが12月24日に発表した「マーケティングトレンドに関するアンケート調査」による。同調査は、同社のセルフ型アンケート・サービスである「Fastask(ファストアスク)」を使用して、事前のスクリーニング調査において「企画、マーケティング、広報、販売促進、市場調査・分析(リサーチ)の職種に従事している」と回答した全国の20代~60代の男女200名を対象に12月18日から21日にかけて実施したもの。マーケティング関連のキーワードで2015年に注目したものを尋ねたところ、ビッグデータが19.0%で最多だった。以下、LINE(17.0%)、Instagram(12.5%)、定額制動画視聴サービス(12.5%)が続く。今後注目したいキーワードではIoTが21.0%と最多であり、以下Instagram(19.5%)、Web接客(19.5%)、ビッグデータ(19.5%)、動画広告(18.5%)の順だった。ビッグデータとInstagramは、2015年に引き続いて2016年もマーケティング担当者が注目するキーワードのようだと同社は見る。一日に最も接触している広告媒体を見ると、スマートフォンを除くインターネットが51.0%と過半数を占めるが、スマートフォンも22.5%で続いている。3番手はテレビで14.0%であり、新聞や雑誌、ラジオはいずれも1桁だった。直近の半年間でのSNS利用度を尋ねたところ、「毎日利用している」との回答が最も多かったのは40.5%のLINEであり、「時々利用している」を合わせると6割が利用している。Facebookを毎日利用しているとの回答は21.0%、Twitterは18.5%だった。コンテンツ・マーケティングに対する取組状況を尋ねると、「現在取り組んでいる」との回答が11.5%、「現在取り組んではいないが興味がある」が24.5%だった。
2015年12月25日イノーバは12月22日、同社が提供しているコンテンツマーケティング支援ソフトウェア「Cloud CMO」において、個人事業主・小規模企業をターゲットとした「Cloud CMO Lite」の提供を12月22日より開始すると発表した。同社は2014年9月から、主に中堅・中小企業のマーケティング担当者向けに、コンテンツマーケティング支援に特化したマーケティングオートメーションソフトウェア「Cloud CMO」の提供してきたが、個人事業主・小規模企業からの問い合わせが多いことから、より低価格なLite版を提供することにしたという。価格は従来の「Cloud CMO」(Standard)の月額79,800円に対して、Liteは19,800円。初期費用もStandardの30万円に対し、Liteは10万円(いずれも税別)となっている。「CMO Lite」は、「Cloud CMO」が持つアクセス解析、ブログ制作、SEO支援、SNS投稿、メルマガ配信、ランディングページ作成、リード管理、スコアリング、分析レポート機能など、コンテンツマーケティングに要する数々の機能をすべて兼ね備えたマーケティングオートメーションソフトウェア。Standardの機能は落とさず、利用できる数に制限を加えることで低価格化した。StandardとLiteの機能差
2015年12月22日ルビー・マーケティングは12月18日、外国人YouTuberが日本の文化を発掘して動画で全世界に発信しているMCN(マルチ・チャンネル・ネットワーク)であるYummy Japanと業務提携したと発表した。ルビー・マーケティングは2015年1月から「iCON CAST」という、YouTuberと企業を繋ぐマッチング・サービスを提供しており、これまで400社以上の企業が活用する動画ソリューションを展開しているという。一方、Yummy Japanには約60組の外国人YouTuberが所属し、これまでに3,000本以上の動画制作で培ったノウハウで、インバウンドのターゲットとなる外国人に最適化した動画を制作している。今回の提携により、訪日外国人観光客(インバウンド)の需要に対して新たな海外向けパッケージを展開し、iCON CASTの利便性を高めることで、中堅・中小企業でも気軽に利用できるパッケージ開発にも注力するという。日本から海外に向けて情報発信をしたい企業に対し、より効果的で効率的なソリューション提供が可能になるとしている。
2015年12月21日グリーは12月15日、都内にて動画マーケティングカンファレンスを開催し、グリーの100%子会社でメディア事業を展開するピンテが動画コンテンツの製作からキャスティングを一気通貫して支援するサービス「WOOZ(ウーズ)」の提供を同日より開始することを発表した。「WOOZ」は、グリーが培ってきたマーケティングのノウハウを活用し、動画広告の企画立案からタレントやモデルをはじめとするインフルエンサーのキャスティング、動画制作、配信先メディアの選択などのマーケティング施策の提案、動画広告としての運用代行、効果分析までをサポートするもの。まずは、タレント事務所や制作会社と連携・ネットワーク化し、動画コンテンツの制作をシームレスに行っていくほか、広告主が展開するWebサイトやLP(ランディングページ)だけでなく、ピンテが運営するメディア「GREE ニュース」やTwitter・Facebook・Instagram・YouTubeなどのSNSに動画広告として掲載・配信していく。今後は、同じくグリーの100%子会社となるGlossomが提供する動画広告配信プラットフォーム「AdColony」との連携も行う予定だ。同日に開催されたカンファレンスでは、Glossom 代表取締役社長の江川嗣政氏が登壇し、宮崎県小林市 移住促進PRムービー「ンダモシタン小林」などを紹介しつつ、マーケティングにおける動画の可能性を強調した。同社によると、動画広告市場は、米国において2012年からの5年間で約3倍の成長を見込んでいるほか、日本国内においても2017年には640億円規模となる見通し。これほどまで拡大を続ける要因として江川氏は、「インターネット環境の変化」と「動画マーケティング効果」「動画プラットフォームの出現」「若年層への動画浸透」があると説明する。「通信の高速化やデバイスの変化により、Webはテキストから画像、そして動画へと移行してきました。マーケティング施策における動画の活用においても、閲覧後の商品認知度として65%UP、内容の記憶として20%UPしたとの調査結果もでています。今後も、例えばデジタルサイネージやビデオコマース、VRのような360%動画の普及などでこの流れは加速していくと考えています」(江川氏)これを受けピンテは、今回の新サービス「WOOZ」の発表に至った。江川氏によるとすでに、ECやゲームなどを展開する事業者、企業の採用担当者などから引き合いがあるという。「動画広告における制作やキャスティング、運用などバリューチェーンごとに競合となるサービスはあるが、一気通貫して提供できるのはWOOZの強みだと考えています」と自信をのぞかせた。
2015年12月16日矢野経済研究所が12月14日に発表した「DMP(データマネジメントプラットフォーム)サービス市場/MA(マーケティングオートメーション)サービス市場に関する調査結果 2015」によると、2015年のDMPサービスの国内市場規模(事業者売上高ベース)は52億円、MAサービスは220億円となり、いずれも2014年と比べて30%強の成長となる見込みだ。DMPサービスに関しては、2014年の市場規模は事業者売上高ベースで40億円であったが、消費者のニーズが多様化しており、広告会社に頼るだけではなく企業が自社や第三者が保有するデータを利用して生活者の行動要因を突き止め、自社のマーケティング活動を最適化することへの意識が高まっていることなどから、DMPの構築や利用の動きが加速しているという。また、大手企業でのDMP利用事例が広がりを見せていることも、市場への追い風になっているとのことだ。MAサービスについては、2014年の市場規模は事業者売上高ベースで168億円であったが、最近では企業におけるマーケティング活動の費用対効果が強く意識されるようになったことや、顧客の詳細なニーズに基づいてパーソナライズしたコンテンツを提供する必要性が増したこと、チャネル別に入手したデータの急増によりオートメーション・ツールが無ければマーケティング業務に支障をきたすようになったことなどから、MAを導入する機運が高まっているという。また、製造業を中心に日本企業の海外売上比率が高くなり、海外営業を支援するためのグローバルなマーケティング・プラットフォームが必要になっていることや、引き合いを待つビジネス・スタイルからの脱却といった目的でMAを導入する動きが活発化していることも、市場拡大の一因となっているとしている。DMPサービスとMAサービスを合わせたデジタル・マーケティング・サービスは、中堅・中小企業では未だ情報収集段階の企業が多数派を占めるものの、大企業では本格的な導入・検討のステージに入っており、今後も市場は拡大する見通しだという。また、ITを始めとするテクノロジーの進展によりマーケティングをビジネスの中核として捉える企業が増加基調にあることや、企業のIT投資が管理・効率化から変革・成長へとシフトしはじめていることがデジタル・マーケティング・サービスに対する前向きな投資を生むといい、2020年におけるデジタル・マーケティング・サービスの市場規模(事業者売上高ベース)は、2014年に対して約2.7倍の559億円に達すると同社は予測する。
2015年12月15日カプコンは、2015年11月28日にリリースしたニンテンドー3DS向けハンティングアクション『モンスターハンタークロス』を国内で200万本出荷(ダウンロードカードおよびニンテンドーeショップでのダウンロード版販売実績を含む)したことを発表した。「モンスターハンター」シリーズは、雄大な自然の中で巨大なモンスターに立ち向かうハンティングアクションゲーム。インターネット回線や無線通信を介した通信協力プレイが若年層を中心に好評を博し、2004年に第1作を発売して以降、ゲームに留まらないさまざまなメディア展開もともなって、累計販売本数3,500万本(2015年12月3日時点)を誇る大ヒットシリーズに成長している。『モンスターハンタークロス』は、より自分なりのハンティングの可能性を提案する新作タイトル。従来のシリーズにおける世界観やゲーム性をベースとしながらも、「狩技」や「狩猟スタイル」といった新たな要素と、14種類の武器を組み合わせることで多彩且つ新鮮なプレイスタイルを実現する自由度の高さが特徴となっている。また、異業種とのさまざまなコラボレーションなどによりユーザーの話題を継続的に喚起した結果、発売後わずか6日間で200万出荷を達成した、と同社は分析。今後も継続的なダウンロードコンテンツの配信に加え、12月下旬にはアミューズメントカードゲーム機『モンスターハンター スピリッツ』の第03弾のアップデートを実施予定のほか、2016年には新作タイトル『モンスターハンターストーリーズ』の発売や、「モンスターハンター」で初となるTVアニメーションの放映が予定されるなど、長期的なブランド価値向上のため様々な施策を展開していくとしている。(C)CAPCOM CO., LTD. 2015 ALL RIGHTS RESERVED.
2015年12月03日ヤフーは12月1日、アプリ提供者向けのマーケティングツール「Yahoo! MOBILE INSIGHT」の提供を開始した。「Yahoo! MOBILE INSIGHT」は、スマートフォンアプリのためのマーケティングツールで、アプリ広告の効果測定機能やアプリのアクセス解析機能を備え、広告運用の最適化を支援する。アプリの新規ユーザーの獲得に対しては、限られたプロモーション予算を、アプリ提供者のビジネス目標に合わせて効率的に運用するために、プロモーション施策の運用実績をレポーティングする。また、ユーザーの属性やアプリ内の行動を把握するため、それらの分析指標を提供し、ユーザーの傾向にもとづいたアプリのサービス運営をバックアップする。なお、同社では、今後は、効果測定や分析結果を幅広いプロモーション施策に活用できるよう検討を進めていくとしている。
2015年12月03日ヤフー(Yahoo! JAPAN)は12月1日、スマートフォン用アプリ提供者向けのマーケティング・ツールである「Yahoo! MOBILE INSIGHT」を提供開始した。アプリ広告の効果測定機能やアプリのアクセス解析機能を備え、広告運用の最適化を支援する。同社はこれまで、クラッシュ解析ツールを提供するFROSKとアプリ開発環境支援に取り組む一方、アプリ・マーケティング支援サービスとして「Yahoo!アプリインストール広告」を提供するなど、アプリ領域を強化してきた。新サービスでは、アプリの新規ユーザーの獲得に関して、プロモーション予算を効率的に運用するためにプロモーション施策の運用実績をレポーティングする。この分析レポートの利用により、アプリ提供者はより効果的なプロモーション運用が可能になるとしている。具体的には、メディア(自然流入、アドネットワーク、リワード広告など)、キャンペーンごとにインストール数・CVR%・アクティブユーザー数・ARPU・ARPPUなどの指標を時間別・日別・月別にレポーティングする「KPIレポート」、キャンペーンごとにインストールからの経過日数に応じたアクティブユーザー数の割合をレポーティングする「リテンションレポート」、新規ユーザー数や起動回数、課金ユーザー数などのアプリ全体の基本KPI情報に加えて、利用地域・キャリア・言語・OSバージョンなどのユーザー分布をレポーティングする「ユーザー属性分布」、ログイン・会員登録・カート・購入・チュートリアル完了・レベル到達などの15を超えるイベントの発生数やユニークユーザー数などをレポーティングする「イベントレポート」などを提供する。同社では、ユーザーにアプリを長く利用してもらうためには、ユーザーの属性やアプリ内の行動を把握することが重要とした上で、同サービスはこれらの分析指標を提供し、ユーザーの傾向に基づくアプリのサービス運営をバックアップするとのことだ。プランには無償のオープンプランと、単価×月間アクティブユーザー数での課金となるプライベートプラン(単価は月間アクティブユーザー数が30万未満が0.3、30万以上100万未満が0.15、100万以上が0.1)がある。
2015年12月02日GMOアドマーケティングは、メディアを閲覧するユーザーの興味関心・行動やコンテンツ特性を自動解析し、関連記事を表示してユーザーの回遊を促進する、コンテンツレコメンドウィジェット「TAXEL(タクセル) byGMO(以下、「TAXEL」)」を2016年1月上旬より提供開始すると発表した。TAXELは、ユーザーがアクセスしたコンテンツの特性や、ユーザーの関心・行動分析、ソーシャルメディアでの話題性といったデータを組み合わせて自動解析し、独自のアルゴリズムに基づいて、コンテンツをユーザーにレコメンド表示する。これにより、ユーザーあたりのPV(ページビュー数)を増加させることが期待できるという。管理画面では、レコメンド施策のクリエイティブおよび表示方法と、ユーザーの回遊性の変化をA/Bテストで検証することが可能で、レコメンド施策導入前後の回遊性の変化、回遊性の向上による広告収益効率の変化、収益向上視点での関連記事と広告枠の掲載順序などが検証できるという。料金は、初期費用・月額費用は無料だが、広告収益に関するシェアが別途発生する。
2015年11月30日●ソフトウェア分野では大きな伸びが期待IDC Japanは「2015年 国内企業のマーケティング活動とIT利用実態調査」を11月5日に発表した。企業のマーケティングに対する考え方や活動はどのように変化しているのか、国内558社を対象にしたこの調査を担当したアナリストである、IDC Japan ソフトウェア&セキュリティマーケットアナリスト もたい洋子氏に聞いた。日本のIT市場は、すでに飽和状態にあり、どの分野でも大きな伸びは望めないともいえる状態だ。その中でわずかながら伸びているのがソフトウェア市場であり、さらにその中で大きく伸びているのがマーケティングソフトウェアだという。「企業の利用するソフトウェアというとERPなどいろいろなものを含みます。そのため、右肩上がりというほどではありませんが、2~3%程度は伸びると考えています。ただ、こういったものはすでに定期的な刷新はあるものの、爆発的に伸びるというものではありません。それに対してマーケティングソフトウェアはこれから本格的に入って行くもので、今後大きな伸びがあると考えました」と、もたい氏は語る。調査結果発表時に公開された概要では、今後2019年までにおけるマーケティングソフトウェア市場の年間平均成長率は10.5%とされている。同時期のアプリケーションソフトウェア市場全体の年間平均成長率が3.1%であることと比べて非常に高い数値だ。「マーケティング分野はこれまで、CMO(Chief Marketing Officer)のような全体を牽引する役割の方がおらず、部門ごとの予算をやりくりして、マーケティングやそのシステムというものが進んできました。しかしデータ分析の需要もありますし、今後パーソナルデータを活用するということになれば管理システムも必要です。全社で大きなお金を使ってまとめていかなければならないということもあるため、そういう部分での成長もあると見込んでいます」と、もたい氏は説明した。○CIO/CDOの激増と全社横断組織設置済企業の多さに感じる意欲企業の取り組みは、まず基本的な外枠を作るところから着手している状態のようだ。もたい氏が昨年から行った調査の中で、CMOおよびCDO(Chief Data Officer)が社内に存在すると回答した企業はいずれも3割程度あったという。「こんなにCMOが存在するのかと驚きました。ただし私見ですが、CMOは営業本部長兼務、CDOはCIO(Chief Information Officer)の兼務、というような状態ではないかとも思います。場合によっては、社長兼務ということもあるでしょう。結果を出すための役職というよりは、まず形として選任したという形です。しかし、数年前まで日本にはCMOがほとんどいなかったことを考えると大きな進歩です(もたい氏)同じく企業の多くが保有していることに驚いたというのが、データ分析を行うための全社横断的な組織だ。「相当数の企業が横断的な組織を持っていました。こちらもまだ何をしているというわけではなさそうですが、縦割りからは変えていかなくてはならないという意識が出てきたのでしょう」と指摘。従来の日本企業におけるマーケティング活動は、部署ごとに独立した活動であることが多かった。部門ごとに予算の中でマーケティング活動を行い、それぞれが分析するという形だ。営業部門が販売推進目的で行うものが多く、全社的にデータ活用を行うことはできていなかった。「部門ごとに小さく進んできたものが、横断的に対応していかなければならないという流れができてきています」と、企業の意識変化をもたい氏は語った。●今後、企業は何をしたいのか?では、企業は枠作りをした後、何をしたいと考えているのか? 調査の中では2015年度に行いたいことと、その後3年でやりたいことを分けて質問している。「2015年度は、新規顧客開拓や市場データ収集にとてもフォーカスしており、そこにアクセスしていく"面"を確保したいという傾向になりました。そしてその後は、そこからマネタイズすることや客単価の最大化といった方向へ深掘りしたい意向が見えます。つまり、今はシステム投資の段階で、来年以降がアクションの段階です」(もたい氏)当面の目標とされているのは、社内データの活用だ。特にECサイトを持つ企業の場合は、実店舗のデータとECサイトのデータで同一顧客の情報が二重登録されている場合も多い。そうしたものを「名寄せ」して、社内に実のあるデータを作り、分析の材料とすることが最初の一歩だといえる。「現在使っているマーケティングシステムは何ですかという問いには、圧倒的に管理システムという回答があがっています。顧客管理システムや販売管理システムなどです。ビッグデータなど外部データを活用するよりもまず、お客様データの可視化が注目されているため、管理システムは今後もまだ伸びるでしょう。新規システムとして導入検討されているのは、マーケティングオートメーションやウェブ会議・チャットなどです」ともたい氏。社内データが整理できていない状況からの脱却を目指しているという状況とともに、社内データ活用が進むであろうと分析される理由はもう1つある。それは、データ活用の準備が整っていないという実情だ。社内横断的な組織を構築し、CMOやCDOといった役職を設置しても、現実にデータ分析をできるスキルがないという回答が少なくない。「何が課題かという設問への回答は、人と組織に関わるものが多くあがりました。スキルがない、何をしていいかわからないというようなものです。分析する人材も足りませんが、その手前に存在すべきである、何をすべきなのかという意志も固まっていません。データ分析に必要なのは仮説と検証です。まず仮説を立てて、検証を行う。将来的にはシステムが自動化してくれるかもしれませんが、現状は仮説を立てて分析を行える人がいなければ始まりません。そういう意味でも、まずは目の前にある顧客情報の名寄せのようなものからスタートする形になるでしょう」(もたい氏)●マイナンバーは法人番号活用から積極展開企業の回答から見える傾向としては、パーソナルデータ活用への強い興味も窺える。特にマイナンバーがスタート間近であることから、注目が高いようだ。しかしマイナンバーの活用には、難しい面も多い。「個人番号に関しては、匿名化して使えるものではありませんし、使いたいような情報も今はないはずです。将来的にカードのチップに利用したいような情報が入り、法的に利用可能だということになれば意義はあると思います」と語るもたい氏が、利用を推奨するのが法人番号だ。ソーシャルマーケティングサービスなどが比較的投資対象になりやすかったのは、効果測定が容易だからだ。一方で、全社的にはデータが整理されていないこともあり、効果測定が行いづらかった。展示会で資料を配付した、セミナーを開催した、デモンストレーションを行った、といろいろなアプローチをしても、それが誰に届いたのか、購買につながったのかどうかが判断しづらい。「法人番号は支店単位などで発行されるものではありませんが、企業として統一されます。これを利用すれば、資料請求した人と、セミナーに参加した人、検証依頼をした人、契約した人がすべて分かれていても、成約につながったものの流れや、離脱状況が把握できるわけです。効果測定しづらかった部分が見えてきますし、企業単位での名寄せにも役立ちます。特にBtoBのビジネスを展開している企業にとっては有益なはずです」(もたい氏)○現状は法整備待ち、中小企業のデータ活用には事業者側の発進が必要マイナンバーに限らず、オープンデータや自治体のローカルデータ、各種ビッグデータなどを活用したいという意向を企業は持っている。それを阻んでいるのは技術的な面よりも、法律的なものの方が強いという。「先進的な企業はプラットフォームの準備を進めています。法的に匿名化して限られた用途にならば使っていいとなれば利用するでしょう。どこも勇み足を踏みたくないため、待っている状態です。ただ、このままだと大手企業だけが先行する形になるかもしれません。日本の場合企業側にITの知見が少ないため、ベンダーやサービス事業者がもっと積極的に、これを使えば何ができます、ということを発信して欲しいですね。そうでないと、中小企業は自分たちにも手が届くものだと感じないかもしれません」(もたい氏)
2015年11月30日カプコンの大ヒットタイトル『モンスターハンター』シリーズの最新作となる、ニンテンドー3DS用ソフト『モンスターハンタークロス』が11月28日に発売された。同日の早朝午前6時40分からは、東京・新宿のビックロ ビックカメラ新宿東口店にて発売カウントダウンイベントが開催され、550人を超える長蛇の列が見られた。列は前日27日の朝8時ごろからでき始め、28日午前6時ごろには170人に。カウントダウンイベント終了後には550人の列ができ、昨年の『モンハン4G』発売イベント以上となるファンが集結した。前日の8時ごろから並び始めたという双剣使いの男性ハンターは、「今回はハンマーを使い、その後色々な武器を試してみたい。ブシドースタイルと『狩技』に注目しています」と新要素も楽しみな様子。また、本ソフトの体験版をプレイしながら列に並んだという女性ハンターは「やっぱり弱いけど、ニャンターでプレイして、自分とほかのハンターを癒したい」など、新たな「ニャンターモード」を楽しみにしているファンも多かった。カウントダウンイベントには、『モンスターハンター』シリーズの辻本良三プロデューサーと、『モンスターハンタークロス』の小嶋慎太郎プロデューサーが登場。辻本氏はソフト発売の喜びを伝えた後、2016年1月10日から開催される「モンスターハンターフェスタ’16」と、『モンハン』のイラストコンテストの募集(2015年12月3日~2016年1月4日まで)を告知し、今後もイベントが盛りだくさんであることをアピールした。さらに、『モンハンクロス』のテレビCMに出演中のお笑いコンビ・次長課長の井上聡とタレントの武井壮もサプライズゲストとして登場。MCからの「『モンハンクロス』をプレゼントする予定はありますか?」という質問に武井はハンマー投選手の室伏広治氏を挙げ、「あの屈強な体でプレイしているところを見てみたい」とコメントし、笑いを誘った。また、井上は「年配の方にプレゼントして、超高齢者ハンターを生み出すのはどうか?」と、コミュニケーションツールとしての提案をし、プロデューサーたちも「なるほど」と関心を示していた。最後に辻本氏は「前作より遊びやすくなっているので、ぜひ狩まくってください」とコメントし、イベントは終了した。『モンスターハンタークロス』は、2004年に1作目が発売されて以来広く人気を獲得し、ビッグタイトルに成長したハンティングアクションゲーム『モンスターハンター』シリーズの最新作。本作では基本行動が特化される「ギルド」「ストライカー」「エリアル」「ブシドー」という4つの狩猟スタイルを用意するほか、"狩技ゲージ"をためることで「狩技」が発動し、強力な技が繰り出せる。また、シリーズでおなじみのオトモアイルー・ニャンターを操作してクエストを進められるのも大きな特徴となっている。(C)CAPCOM CO., LTD. 2015 ALL RIGHTS RESERVED.
2015年11月28日野村総合研究所(NRI)とペガジャパンは今日、高度なデジタル・マーケティングの分野において協働を開始すると発表した。両社はまず国内の顧客に特化して、企業と消費者の様々な接点を最適化し、マーケティング改革を推進するソリューションの開発と、コンサルティングから運用までのサービス・メニュー開発を行うという。両社は2011年から、アライアンス・パートナー契約を締結して複数のシステム導入などの共同プロジェクトを実施してきたが、ソリューションの共同企画・共同開発は今回が初めてであり、またペガジャパンにとっては国内初の協業になるとのことだ。ペガのアプリケーションである「Pega Marketing」は、消費者の属性・状況・好みなどを分析し、見込み顧客に対して最適な情報を最適なタイミングとチャネルで提供する機能を持つという。今回NRIは、ペガに対してシステム・インテグレーション(SI)関連技術を提供すると共に、日本独特の商習慣や、顧客(業界)ごとに必要とされる業務知識などのノウハウを、同製品に追加するとのこと。一方、ペガはNRIに対して同製品に関する技術提供と、グローバル・トップ企業への導入実績で培ったというアプリケーション利用のノウハウを提供する。これにより、日本市場に特化した、高い品質と柔軟性を持ちながらも汎用的なデジタル・マーケティング・ソリューションを両社で開発・提供していくとしている。今後、協業を通じて開発するサービスは、顧客企業の経営戦略を始めとする上流工程から、具体的なソリューションの導入・運用までをトータルでサポートするものになるという。つまり、マーケティング戦略とそれを踏まえたシステム化計画、ソリューションの開発と提供、システム導入支援、及びPDCAを含む運用サービスまでを、ワンストップで支援する。両社は今後、多様な業界向けに、精度の高いテンプレートを準備すると共に、プロモーションを共同で行なうなど、日本での市場拡大に向けて活動していくという。
2015年11月25日グーグルは11月24日、伝統的工芸品産業振興協会が行ったYouTubeを利用して行ったデジタルマーケティングの事例を紹介するセミナーを、東京・六本木の本社で開催。セミナーでは、グーグル 新規顧客開発本部 Account Executive 田島弘教氏が、同社の広告商品や国内のデジタルマーケティングの市場について説明した。田島氏は、まず、同社のデジタルマーケティングプラットフォームには、検索連動型広告、Google Display Network(GDN)、YouTube TrueViewの3つがあり、GDN、YouTubeは広く一般に認知してもらうプラットフォームとして、検索連動型広告は興味を持つユーザー向けた広告として効果があると説明した。最近の消費者の動向について田島氏は、テレビを見ながらオンラインデバイスを利用するなど、さまざまなデバイスを同時に利用しており、オンラインユーザーの92%がスマートフォン、PC、タブレット、テレビなどのスクリーンメディアを利用しているという調査結果を紹介した。また、スクリーンメディアの中心はこれまでテレビであったが、2015年現在では、インターネットがテレビを逆転。インターネットは2010~2015年で64%増加しているという。年代別に見ると、上にいくほどインターネットの割合が低く、男性より女性のほうがテレビに接触する比率が高い。ただ、高齢者に対するメディアとしてテレビのほうかいいのかといえば、60歳以上のシニア層のインターネット利用も直近5年で16%伸びているという。そのほか、セブン&アイ、Google、インテージの3社が共同で行った、動画コンテンツを視聴したユーザーが、店舗でより多くの商品を購入するという調査データを示し、「デジタルマーケティングはパーソナライズされたデバイスであるモバイルと、動画に注目する必要がある」(田島氏)と指摘した。その上で、デジタルマーケティングのメリットとして、ターゲット(年齢、地域、性別、時間など)が絞れる点と、数字で可視化できるため、数字を見て、次の展開を考えることができる点を挙げた。そして、伝統的工芸品産業振興協会のYouTubeを使ったデジタルマーケティング事例を紹介した。伝統的工芸品産業振興協会は、全国の伝統的工芸品産業の振興促進と、伝統工芸 青山スクエアの運営を行っている。同協会は、従来、新聞を中心に広告を展開していたが、50歳以上中心という広告・宣伝による訴求ターゲットが狭い点と、情報量が限られている点が課題だったという。そこで、若年層と外国人への認知拡大のため、YouTubeでの動画広告を開始、モバイル対応するHPリニューアル、ツイッター/YouTube/facebook/Google+などのソーシャルメディアの活用、イベントの動画中継、青山スクエアをバーチャル体験できるGoogleインドアビューの導入などの施策を行ったという。伝統的工芸品産業振興協会 企画部 福田直樹氏は、「私どもは、50歳以上など、これまでターゲットを絞っていたわけではありません。オンラインにすることで、広告の結果を見たい点ことで1昨年から、動画を使った広告を開始しました。それによって、想像以上に幅広い年齢層の方にクリックいただいています」と効果を語った。
2015年11月25日ソニーは11月19日、コンシューマー向けAV製品の販売・マーケティングにおいて、グローバルレベルの機構改革を実施すると発表した。2016年4月1日付けで、現在ソニー・ヨーロッパのプレジデントである玉川勝氏がグローバルセールス&マーケティングオフィサーとして、その指揮にあたる。また2016年4月1日より、これまで日本国内のみで活動してきたソニーマーケティング株式会社に、全世界におけるコンシューマー向けAV製品の販売・マーケティング本部機能を追加。玉川勝氏は、2016年4月1日付けでソニーマーケティングの代表取締役会長 兼 グローバルセールス&マーケティングオフィサーに就く。これまでソニーは、欧州や北米などの地域ごとに販売・マーケティング戦略を進めていたが、それを一新する形となる。玉川勝氏は欧州において3年の間に、液晶テレビのシェアを4%から12%に、コンパクトデジタルカメラのシェアを14%から24%に、デジタル一眼カメラでは24%から33%に高めた実績を持つ。また、ソニーのコンシューマー向け事業においては、欧州の売上比率が最大規模であるという。なお2016年4月1日以降、ソニーマーケティングは社内にソニーマーケティングジャパンを設け、日本国内における販売機能を持ち続ける。ソニーマーケティングの社長は現在の河野弘氏が継続して務める。
2015年11月19日セガゲームス セガネットワークス カンパニーとLINEは、ゲーム事業において、マーケティングパートナーとして協業すると発表した。この協業により、セガネットワークスが持つスマートフォンゲームにおける実績と、LINEのスマートフォンユーザー基盤やゲームプラットフォームとしての実績を活かし、良質なスマートフォンゲームコンテンツの開発・展開を実現するという。具体的には、セガネットワークスが発売元となり、開発、企画・運営を担当したコンテンツをLINE GAMEプラットフォーム上で展開し、LINEがマーケティング部分を担当していくという。第一弾タイトルとしては、今冬にアクション共闘RPG「フォルティシア SEGA×LINE」のリリースが決定しており、事前登録を開始している。このタイトルの展開を皮切りに、今後更なる連携強化を推進していくという。
2015年11月18日ライトアップは11月9日、メールマーケティングに特化したCRO(コンバージョン・レート・オプティマイゼーション)の提案・提供を11月9日に開始したと発表した。このサービスは、STEP1として顧客DBから成功要素を洗い出し、STEP2で成功要素をもとに、訴求点の違う複数のメールを制作、STEP3で検証結果をレポート、STEP4で成功パターンをノウハウとして蓄積する。顧客DBからコンバージョンに最重要の成功要素を抜き出し、訴求点を複数用意。訴求点ごとにメールを複数制作し、配信後に評価を実施する。評価レポートから仮説を検証し、成功パターンをノウハウとして蓄積。PDCAサイクルをまわし、顧客DBからの抽出条件を精度高くするとともに、顧客DBの強化を行う。また、メールの飛び先となるランディングページ制作や、ランディングページに仕込むエントリーフォームの構築(EFO)をオプションで提供する。価格の目安は、HTMLメールバージョンが1巡目が55万円前後、2巡目以降が40万円前後。テキストメールバージョンは、1巡目が31万円前後、2巡目以降は16万円前後。
2015年11月09日博報堂は11月6日、マーケティングツールとして利用可能な会話エンジンを開発し、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(以下、DAC)の「DialogOne」と連携させることで、LINE公式アカウント上でも利用できるマーケティングサービスの提供を開始した。博報堂が開発した会話エンジンでは、スマートフォン上で動作するメッセンジャーアプリや各種Webサービス、IoTデバイスなどとインターネット経由で連携させることで、ユーザーからの問いかけに自動で応答するアプリケーションの開発などが可能になる。一方「DialogOne」とは、LINE上で企業とユーザーが相互のコミュニケーションを行うことができるメッセージ管理ソリューション。高いリーチを獲得するだけでなく、ユーザー一人ひとりに対して最適なメッセージ配信が可能だ。同社によると、LINEにおける会話エンジン利用事例として、同社クライアント企業が運用するLINE公式カウント向けにアンケート型の対話応答システムを提供。LINEユーザーと直接対話することで、ユーザーが好む商品や買う場所などを自然な会話の中で引き出すことができるほか、会話を通じて取得したヒアリング結果をデータベースに蓄積することが可能だという。質問の言い換え例としては、「会話ロボット : 好きな動物は?」「ユーザー : 分からない」「会話ロボット : 今までに動物を飼ったことはありますか?」という具合に、基本的な質問文でユーザーから回答を引き出せない場合でも、会話を継続することでユーザーインサイトを探っていく。
2015年11月09日デジタルマーケティング・ソリューションに対する需要が活況を示している。そこで、そのソリューションの1つである「Data Management Platform(以降、DMP)」を活用して、マーケティング担当者がデータ指向でマーケティング活動を進めていく方法を考えてみたい。前編では、プライベートDMPはマーケティング担当者が適切なターゲットオーディエンスを特定するためのデータプラットフォームであることを解説した。後編となる本稿では、企業のプライベートDMPと顧客エンゲージメント形成から維持に至るプロセス全体との関わりについて解説する。事業会社のマーケティング担当者がプライベートDMPシステムを導入する目的は、「オーディエンス・マネジメント」とマーケティング・オートメーション(Marketing Automation。以降、MA)製品と連携しての「キャンペーン・マネジメント」に大別される。以下、それぞれについて説明しよう。○オーディエンス・マネジメントマーケティング・アナリティクスについて解説した際、カスタマー・インサイトとはマーケティング担当者の意思決定に必要な見込み顧客(リード)や顧客の行動や態度に関する兆候を検知し、適切なアクションに結び付けることと述べた。プライベートDMPはオーディエンス・インサイトを得るためのデータプラットフォームであり、ブランドがターゲットとするオーディエンスを見込み顧客や顧客の行動データから明らかにする。ターゲット・オーディエンスの特定方法には、オーディエンスの特徴を簡単な文章にまとめたペルソナもある。ペルソナはマーケティング・チーム間で共有する分には便利だが、デジタル・マーケティング環境での活用は難しい。これに対し、プライベートDMPでは通常ダッシュボードが提供され、属性データを基にブランドのターゲット・セグメントを可視化してくれる。ここで重要なのが属性の多様性である。文章で詳細に記述する代わりに、属性を基にオーディエンスを分類すれば、システムでターゲットセグメントを可能な限り詳細に特定できるからだ。さらに、キャンペーンの実行結果を基にターゲット・セグメントの精度を高めるための微調整を行うことも容易になる。○キャンペーン・マネジメント通常、マーケティング・キャンペーンは複数同時に展開されることが多く、マーケティング担当者はセグメントごとに最適なチャネルを選んで実施する。キャンペーン実行中は、状況に応じて各セグメントのオーディエンス・インサイトから、提供しているコンテンツやチャネルが適切かを財務的な視点から確認したい。そして、キャンペーンのROIを最大化するための判断材料を提示してほしいと考える。つまり、DMPにはオーディエンスを理解するためのキャンペーン・アナリティクスを包括する基盤としての役割も求められている。しかし、DMPの多くはターゲット・セグメントの特定に焦点を当てており、ダッシュボードは提供されているが、キャンペーンのROIを最大化するための高度なアナリティクス機能までは備わっていない。また、オフラインを除く顧客接点は、Webサイトのほか、ソーシャルメディアやモバイルアプリケーションまで拡張している。モバイルアプリケーションの利用状況のトラッキングは適切なアクションを促すうえで重要性を増しつつあるが、Webサイトでのトラッキングとは異なるテクノロジーを用いる。考えられる顧客接点すべてから行動データを収集しようとすると、モバイル連携に対応したMA製品との連携も必要になる。○MAやSFAとの相違マーケティング担当者にとってわかりにくいのが、プライベートDMPとMAやSFA(Sales Force Automation)との区別ではないだろうか。最近では、優れた顧客エクスペリエンスを提供することを目的としたMA導入が国内でも進みつつあり、デジタル・マーケティングのためのプラットフォームならば、既存のSFAとMAを連携させればいいのではないかと思うかもしれない。また、DMPのほうがMAよりも先に注目を集めていた経緯もあり、プライベートDMPを導入すればすべての課題が解決すると思うかもしれない。「プラットフォーム」という言葉の乱用がプライベートDMPの価値に関する理解を難しくしていることも問題だが、MAやSFAが顧客エ ンゲージメント獲得から維持までの一連のプロセスに関わる業務効率化を支援するアプリケーションであるのに対し、DMPはマーケティング・ミドルウェアである点が異なる。ミドルウェア単独を機能させることは難しいが、アプリケーションと一緒に使えば価値を最大化させることができる。○求められるIT部門との協業精度の高いセグメンテーションを行う能力は、見込み顧客や顧客を深く理解することにつながっており、市場競争の激しい環境で生き残っていくために不可欠である。プライベートDMPを構築しようとする事業会社は、マーケティング・キャンペーンの実行状況と効果を測定・監視するMA製品やアナリティクス製品との統合を視野に入れることになるだろう。国内では、ビジネスユニットがビジネスシステムのデータオーナーとしての役割を担う企業が少なく、社内のデータマネジメントはIT部門に集中している企業がほとんどと思われる。また、前編でも述べたとおり、個人情報やプライバシーの保護に配慮しながら、積極的なデータ活用を進めるのは簡単な道のりではない。MAの導入には必ずしもIT部門の協力が必要なわけではないが、マーケティング担当者がデータ指向でデジタル・マーケティングに取り組むならば、大企業ほどIT部門やデータを保有している他部門との協業が必須になるだろう。
2015年11月04日デジタルマーケティング・ソリューションに対する需要が活況を示している。そこで、2回にわたり、デジタルマーケティング・ソリューションの1つである「Data Management Platform(以降、DMP)」を活用して、マーケティング担当者がデータ指向でマーケティング活動を進めていく方法を考えてみたい。前編となる今回は、「オープンDMP」と「プライベートDMP」の違い、DMP導入のポイントとして改正個人情報保護法の動向を紹介しよう。○DMPとは何か?DMPを日本語に直訳すると、データのマネジメントを行うプラットフォームという漠然としたものになるが、ここでのデータとは自社のビジネスにおけるターゲット・オーディエンスを明確にするためのデータを表している。米Forrester Researchは、2011年に発表したレポート「The Data Management Platform: Foundation for Right-Time Customer Engagement」でDMPを以下のように定義している。DMPとは、ファーストパーティー・データ(自社が保有するデータ)、セカンドパーティ・データ(パートナー企業が保有する自社に関するデータ)、サードパーティー・データ(外部が保有するデータ)を集約・正規化・セグメンテーションを行った見込み顧客や顧客のデータを、マルチチャネル環境で利用できるようにした統合化されたテクノロジープラットフォームである。適切なオーディエンスを特定するためのセグメンテーションは、マーケティング・キャンペーンのROIを最大化するうえで重要なプロセスである。この定義を見ると、マーケティング担当者にとってのDMPは、「適切なオーディエンスを特定し、適切なタイミングで、適切なアクションを実施する」というデジタル・マーケティングの基本原則を忠実に実践するためのデータ・プラットフォームであることがわかる。○「オープンDMP」と「プライベートDMP」データの種類と量が爆発的に増加するビッグデータのトレンドは継続しており、マーケティング担当者はデータをどのように自社の業務に生かすべきかに苦心している。単に各種データソースからデータを集めるだけでは意味がない。マーケティング担当者が必要としているのは、さまざまな属性を基にデータを整理し、ブランドがターゲットとする顧客セグメントという形式に変換して提供するソフトウェアあるいはサービスである。DMPは「オープンDMP」と「プライベートDMP」の2種類に大別される。ちなみに、上記の2011年の定義ではデータの所有者に基づきデータソースを整理しているが、最近ではデータの所在(社内/社外)でDMPが議論されることが多く、セカンドパーティー・データが意識されることは少ない。オープンDMP外部が保有するサードパーティー・データを、年齢や性別といったデモグラフィック属性、興味・関心・嗜好といったサイコグラフィック属性、よく利用する購買チャネルなどのビヘイビアル属性を基に、購入企業がターゲットとして利用できる顧客セグメントの形式に変換されたデータ、およびその顧客セグメントを活用する仕組み。プライベートDMPサードパーティー・データとファーストパーティー・データ(自社で保有している顧客情報や商品情報といったトランザクションデータ)を統合し、ターゲットとして利用できる顧客セグメントの形式に変換されたデータ、およびその顧客セグメントを活用する仕組み。DMPは、アドテクノロジーの領域で注目され、広告代理店、メディア企業、事業会社の広告宣伝部門がターゲットに最適な広告を配信するためのテクノロジーとして発展してきた。そのため、オープンDMPもしくは単にDMPと呼ぶ場合は、広告配信を最適化するための仕組みという意味合いが強い。一方、社内外のデータを統合するプライベートDMPは、ブランドのターゲットをより正確に理解するための仕組みである。広告はオーディエンスに対するアクションの一部であることを踏まえると、プライベートDMPは広告代理店や広告宣伝担当者向けのものではなく、データ指向でマーケティングキャンペーンを運用したいと考える事業会社のマーケティング担当者のためのデータマネジメント環境と考えたほうがよいだろう。○DMP導入にあたって注目すべき「改正個人情報保護法」DMPを利用する企業が最も気になるのは、サードパーティー・データのプライバシーやセキュリティが担保されているかどうかである。この点に配慮したDMPの導入にあたり、見過ごすことのできないのが改正個人情報保護法の動向である。2015年9月3日、衆院本会議で同法案が可決・成立し、2年以内に施行開始となる見通しである。法改正の目玉の1つは、「匿名加工情報」の流通が可能になることである。匿名加工情報とは、「特定の個人を識別すること及びその作成に用いる個人情報を復元することができないように個人情報を加工したもの」を指す。現行法では個人情報を第三者に提供する際は、利用目的を特定し、本人の同意を得ることが原則である。しかし、本人の同意を得ることは、データ活用を積極的に行いたい事業者にとっては大きな負担になる。そこで、個人情報とは異なる「匿名加工情報」という新しいパーソナルデータの区分が定義され、データ活用への道筋がついた。その一方で、企業はこれまで以上の保護の強化とデータの有効活用という難しいかじ取りを迫られる。匿名加工情報を活用する領域として真っ先に考えられるのは、新規顧客開拓の業務であり、すでに自社で保有している既存顧客のデータ以外の詳細なデータを入手したいと思うはずだ。個人情報・プライバシーの保護とビッグデータ有効活用の両立は、今や日本だけでなく世界的な課題である。サードパーティー・データを提供する事業者でグローバル展開している場合は、特にこの2つのバランスに腐心している。簡単ではないが、プライベートDMP導入を希望する企業は、自社の匿名加工情報に関する運用ポリシーの整備を行わなくてはならない。また、自社に必要なデータの種類や利用目的を明確にすることが求められる。
2015年11月02日スターティアラボは、企業向けインバウンドマーケティング支援サービス「Cloud Circus (以下 クラウドサーカス)」を 、11月2日より販売開始すると発表した。本サービスでは、スターティアラボが提供するAR(拡張現実)作成ソフト「COCOAR(ココアル) 」や電子ブック作成ソフト「ActiBook(アクティブック)」をはじめとする複数の企業向けソフトウェアを定額で利用できる。月額費用は、50,000円(税別) (サーバー利用料、サポート、バージョンアップ費用含む)。具体的には、以下のソフトを利用できる。・AR(拡張現実)作成ソフト「COCOAR(ココアル)」・店舗向け o2o 集客アプリの制作代行支援ソフト「App Goose(アップグース)」・電子ブック作成ソフト「ActiBook(アクティブック)」・社内文書管理ツール「ActiBook Docs(アクティブック ドックス)」・WEB サイト管理ツール「CMS BlueMonkey(シーエムエス・ブルーモンキー)」・簡単商品データベース「plusDB(プラスディービー)」・記事作成ツール「Knowus(ノウアス)」・マーケティングオートメーションツール「BowNow(バウナウ)」(1 月予定)スターティアラボでは、専任のマーケティング部署のない、中堅・中小規模の製造業を中心に販売を行っていく予定。
2015年10月30日米IBMは10月22日(現地時間)、マーケティング担当者が顧客の行動や好みに基づいてパーソナライズした顧客体験を容易に提供でき、顧客とのエンゲージメントをより高めることが可能というデータ・エクスチェンジ・プラットフォームを発表した。具体的には、「IBM Marketing Cloud」の主要コンポーネントである「IBM Universal Behavior Exchange」において、IBMおよびパートナー・ソリューション間でデータを瞬時に接続可能にしたもの。クラウド・ベース・サービスである同サービスを使用すると、マーケティング担当者は既存のソリューション間でデータを容易に接続し、よりパーソナライズした適切な顧客との対話を生み出すことができるという。このデータ交換から得た洞察により、FacebookやWeb上でより効果的なキャンペーンを推進可能になるとしている。ソーシャル/モバイル/CRM/有料広告ソリューションを含む認定パートナーのオープン・エコシステムが、同サービスをサポートしているとのこと。リリース時点でこのエコシステムには、MediaMath、Spredfast、MutualMind、SugarCRM、Exchange Solutionsといった、各分野のリーディング・カンパニーが参加しているという。同サービスはクリックで接続できる統合機能を備えており、マーケティング担当者は、既存の全てのソリューションのデータへ容易にアクセスして利用可能になるとのこと。また、事前に統合したパートナー・ネットワークを持ち、有料チャネル/所有チャネル/アーンド・チャネル全体で、幅広い顧客の行動・イベント・対象者のデータとすばやくシームレスに統合できるという。さらに、顧客の行動を高度にパーソナライズした対話に変換できる機能により、全てのチャネルで一貫した体験を提供できるとしている。これらの特長によって、マーケティングの俊敏性が高まるとのことだ。
2015年10月27日カプコンとTSUTAYAは、シリーズ累計で30タイトルを発売し、3,200万本を販売している「モンスターハンター」シリーズの最新作、『モンスターハンタークロス』をデザインした「Tカード (モンスターハンタークロスデザイン)」のTSUTAYA店頭発行を2015年11月13日(金)より開始する。「Tカード (モンスターハンタークロスデザイン)」は、11月28日(土)に発売される、「モンスターハンター」シリーズの最新作『モンスターハンタークロス』に登場する4大モンスターである「ライゼクス」「ディノバルド」「ガムート」「タマミツネ」をカードデザインに使用したTカード。「Tカード (モンスターハンタークロスデザイン)」を所持するT会員は、限定企画として、「Tカード (モンスターハンタークロスデザイン)」に貯まったTポイントを使って、4大モンスターのビジュアルを用いた、特大ジグソーパズルやタペストリーなどの毎月登場する限定オリジナル特典に応募できる。今後も「Tカード (モンスターハンタークロスデザイン)」を所持するT会員向けに、TSUTAYAならではの特典が用意されるという。さらに、TSUTAYAでは、店舗へニンテンドー3DS本体を持ち込み、ニンテンドーゾーンへアクセスして「TSUTAYAでDS」をタッチすると、キャンペーンに参加できる『モンスターハンタークロス』とのコラボレーションを実施し、オリジナルオトモアイルーの配信なども予定している。「Tカード (モンスターハンタークロスデザイン)」の申込み方法やキャンペーンなどの詳細は、公式サイトなどをチェックしてほしい。(C)CAPCOM CO., LTD. 2015 ALL RIGHTS RESERVED.
2015年10月20日