12月25日(月)、26日(火)に大阪:近鉄アート館にて、DRUM TAO結成30周年を締めくくる特別公演が決定!コシノジュンコがこれまでにデザインした1000点を超える衣装の魅力を対談形式で紹介するトークショーとその代表的な衣装を纏っての特別公演を行います。コシノジュンコ×DRUM TAO■コシノジュンコ×DRUM TAO2012年共通の友人による出会いから、一瞬の意気投合、その時からTAOの衣装はすべてコシノジュンコデザインに生まれ変わった。伝統を現代エンターテイメントへ昇華させ、「かっこいい日本を世界へ」を掲げて活動してきたTAOに、コシノジュンコの衣装はモードの風を吹き込んだのである。あれから10年の時を経て、今ではTAOにとってなくてならない表現の一部になった。二者の出会いは衣装デザインにとどまらず、ファッションとアートとして数々の共演を行い国内外で披露するなど、その可能性はまだまだとどまることがない。コシノジュンコ×DRUM TAO 演出フランコドラオ スペシャル対談■近鉄アート館だけの特別な舞台今年30周年を迎えたDRUM TAOが、周年記念に最後に選んだ特別公演は、DRUM TAOにとって欠かせない衣装を作り続けていただいたコシノジュンコとのコラボ。コシノジュンコと演出家フランコドラオによるトークショーと、その紹介された衣装を身にまとっての演奏。普段セリフのないショーを行っていますが、今回はトークショーの後に演奏するということもあり、通常とは違うメッセージがお届けできるのではと期待しています。1000点を超える衣装から、特に思い出深い代表的な衣装をご覧いただけます。【衣装:コシノジュンコ】コシノジュンコ様1978年パリコレクション初参加。北京、NY(メトロポリタン美術館)、ベトナム、キューバ、ポーランド、ミャンマー、スペインなど世界各地でショーを開催。国際的な文化交流に力を入れる。オペラ、ブロードウェイミュージカル「太平洋序曲」(トニー賞ノミネート)、スポーツユニフォーム、花火のデザイン等を手掛ける他、国内被災地への復興支援活動も行っている。VISIT JAPAN大使、2025年日本国際博覧会協会 シニアアドバイザー、文化庁「日本博」企画委員、文化功労者。2021年 フランス政府より「レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ」受章。2022年 秋の叙勲にて「旭日中綬章」受章。【出演:DRUM TAO】DRUM TAO プロフィール写真世界観客動員数1000万人に迫る!伝統楽器である和太鼓を中心に圧倒的なパフォーマンスで表現する「THE日本エンターテイメント」2016年ニューヨーク・オフブロードウェイでは全公演SOLD OUTし、Newsweek誌は「TAOは日本を世界へ売り込む『顔』になる!」と絶賛。また2017年から東京常設劇場「万華響」を年500公演行い、2020年から阿蘇くじゅう国立公園内に絶景の野外常設劇場「TAOの丘」がオープン。2022年よりNEWプロジェクト「CLUB TAO」が始動し、東京・大阪でのロングラン公演や有名クラブに出演。総務大臣表彰、観光庁長官表彰、大分県文化功労賞、竹田市文化創造賞などを受賞。2023年A組・K組・S組の3班で国内外年約600公演を実施。【公演概要】名称 : 「DRUM TAO 2023 ファイナル特別公演」期間 : 2023年12月25日(月)~26日(火)※全3公演公演時間 : [25日]17:30開場/18:00開演[26日]13:30開場/14:00開演 17:30開場/18:00開演※18:00公演にはコシノジュンコ×フランコドラオトークショーあり会場 : 近鉄アート館〒545-8545 大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43あべのハルカス近鉄本店ウイング館8階主催 : JUNKO KOSHINO株式会社/株式会社タオ・エンターテイメント出演 : トークショー:コシノジュンコ・フランコドラオ(DRUM TAO演出家)スペシャルライブ:DRUM TAO(ドラムタオ) 公式サイト: <チケット情報>販売期間 :2023年11月25日(土)より好評発売中料金 :全席指定 12,000円(税込み)※コシノジュンコ展示会「原点から現点」入場券付き販売チャネル:TAOオンライン 【お問い合せ先】■タオ・エンターテイメント事務局092-721-2015(平日10:00~19:00)■JUNKO KOSHINO株式会社03-3406-3360(平日10:00~17:00) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年12月07日株式会社平和マネキン(本社所在地:大分県別府市、代表取締役:末次 広憲)は、2023年11月23日(木・祝)~2024年1月21日(日)まであべのハルカス美術館で開催される展覧会『コシノジュンコ「原点から現点」』にて、当社のマネキンが大分県立美術館につづき、採用されたことをお知らせいたします。本展は、常にモードの先端を走り新たな創造を繰り広げるコシノジュンコの活動の全貌を紹介する過去最大規模の展覧会です。(写真は2022年4月:大分県立美術館 コシノジュンコ「原点から現点」)■コシノジュンコ「原点から現点」概要開催地:あべのハルカス美術館大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16F開催日:2023年11月23日(木・祝)~2024年1月21日(日)ぜひお越しください。コシノジュンコ 公式ホームページ あべのハルカス美術館 公式ホームページ 【会社概要】名称 : 株式会社平和マネキン代表者: 代表取締役 末次 広憲本社 : 大分県別府市本部 : 東京都豊島区創業 : 1949年公式HP: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年11月24日10年以上前だったと思います。スタイリストさんから、「あの『しまむら』にコシノヒロコ氏のメゾン、HK DESIGN STUDIOとのコラボアイテムがあって、すごく良い!」と聞き、以来、シーズンごとにチェックしています。しまむら随一のブランド、根強いファンが多いんですよ! ファッション誌編集部出身のライター中田ぷうが紹介します。ブランド名は「HK WORKS LONDON」「しまむら」×コシノヒロコ氏のコラボ商品は、「HK WORKS LONDON(エイチケーワークスロンドン)」のブランド名で販売されています。写真はこのブランドのタグ。店内にも必ずコーナーが設けられているので、ぜひ探してみてください。そしてこのブランドの恐ろしいところは、コシノヒロコ氏のデザインチームが手がけているのに値段は、本当に“しまむら価格”なこと! そりゃスタイリストさんが、感動するはずですよね(笑)。今回、ご紹介するカーディガンもすべて1,000円台で買いました。薄手のカーデが高品質&痩せ見え効果抜群!こちらのカーデは1,639円だったか1,969円だったかです。デザイナーズであり得ない価格ですよね。見た瞬間、細かい編みとトロッとした質感の生地が「これは痩せ見えする!」とわかり、即購入!9月に買ったので、暑くて着る機会がありませんでしたが、10月の終わりになってやっと出番が来るようになりました。今年の夏は12万年ぶりの暑さと言われ、本当に異常でしたよね。それだけに、いつもなら発売と同時にあっという間に良い商品は売れてしまう「HK WORKS LONDON」ですが、今年は薄手のカーディガンなどまだまだ商品が置いてありました。更年期ファッションに欠かせない薄手カーデ私も今、更年期真っ盛りなのですが、とにかくホットフラッシュがすごい! なので秋冬になっても、薄手のカーディガンが大活躍なんです。厚手のカーデやニットなど着たら、電車や建物の中に入ったとき、もはや“荒地の魔女”レベルで汗をかいてしまい、怪しいわ、不快だわで大変!なので、脱ぎ着しやすく、かつ薄手で持ち運びのしやすい薄手カーディガンは、非常に重宝するのです。「ニットじゃダメなの?」と思いますよね。ニットだとやはりいくら薄手でも暑く、かつスタイルアップにつながるかというと難しい……。カーディガンは前にボタンがついているので、留めれば縦のラインを強調してくれますし、ボタンを閉めずに着ても生地が縦に落ちるので、どちらにせよ縦のラインを強調してくれるため、着痩せ効果を期待できます。いつものスタイルにさっと羽織るだけ11月になっても“夏日”と言われる日があり、今年はいまだ、私の“夏の制服”であるユニクロの「エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ(5分袖)」1,990円とユニクロのシャカシャカ素材のボトムスを着ています(笑)。そこに朝晩冷えるとき、HK WORKS LONDONを羽織るだけです。編み目が細かく、やわらかい素材なので、ストンと下に生地が落ちてボディラインをスッキリ見せてくれるんですよね~!次章ではさらに2アイテムを紹介します。カラーカーデも購入!HK WORKS LONDONは全体的に落ち着いたデザインのものが多いのですが、それだけにアラフィフにピッタリの落ち着いた色物もあります。こちらはきれいなグリーンのカーデ。白TシャツやボーダーTシャツに合わせて着ています。先に紹介したグレーのカーデとは違い、ゴールドのボタンになっており、ちょっとだけラグジュアリー路線なデザインです。これだけでも華やかな印象になりますよね。秋冬バージョンはちょっと厚手になって登場中!こちらは今年の秋冬バージョンで発売されたもの。白と黒の切り替えが利いた、ぱっと目を引くデザインのカーディガン、1,969円です。先に紹介したグレーとグリーンの薄手カーデよりも厚手な素材。ですが、編み目も細かく、非常にやわらかい素材なので落ち感もあり、着ていて心地が良いんです。真冬はこちらを着ようと思っています。新型コロナウイルスに関する規制も穏やかになり、今年の年末は人と集まる機会も増えそうですよね。そんなときHK WORKS LONDONのカーディガンはシルエットもきれいで、きちんと感もあるので、お役立ち。襟付きシャツやワンピースに合わせて活用してください。まとめ約10年前から、何かとお世話になっているHK WORKS LONDON。“しまむら価格”ながらシルエットやラインがきれいで、今も10年近く前に買ったニットが現役です。今回買った3着も長年着ることができそうな予感。でもそれだけ“デザインが良い”という証拠ですよね。他にも今季、ニットベストなどもおすすめなので、ぜひお店に足を運んでみてください。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事内の価格表記は、すべて消費税込みの価格です。著者/中田ぷう(50歳)業務スーパーやカルディ、コストコなどに詳しいフードジャーナリスト。著書に子どものごはん作りの闘いを描いた「闘う!母ごはん」(光文社)がある。育ち盛りな高校2年生と小学3年生のママ。
2023年11月10日大阪マリオット都ホテルから、展覧会「コシノジュンコ原点から現点」とのコラボレーションメニューが登場。2023年11月23日(木・祝)から2024年1月21日(日)まで、大阪マリオット都ホテル19階「ラウンジ プラス(LOUNGE PLUS)」ほかにて提供される。コシノジュンコのデザインコンセプト“対極の美”を表現した赤黒スイーツあべのハルカス美術館にて開催される展覧会「コシノジュンコ原点から現点」とのコラボレーションスイーツやカクテルでは、コシノジュンコのデザインコンセプトである“対極の美”を表現。展覧会とリンクする赤と黒のカラーを用いた「ア ラ モード(à la mode)」は、ベリーの赤とショコラの黒を組み合わせた1品に。球体の中に忍ばせたナッツやサブレ、アイスなど、味覚や食感においても“対極”を表している。赤&黒のカクテルもまた、19階の「バープラス(BAR PLUS)」では、カクテルを展開。赤のカクテル「真紅」は、丸みを帯びた赤のドレスとグラスの脚の部分には波紋を、黒のカクテル「琳」は、黒とゴールドのドレスを表現した。さらに、「ラウンジプラス(LOUNGE PLUS)」でのアフタヌーンティーや、ライブキッチン「クーカ(COOKA)」でのランチブッフェでは、鑑賞券付きプランも用意。レストランでの食事と鑑賞、どちらも楽しめる特別な機会となっている。【詳細】大阪マリオット都ホテル×展覧会「コシノジュンコ原点から現点」コラボレーションメニュー提供期間:2023年11月23日(木・祝)~2024年1月21日(日)住所:大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43■ア ラ モード場所:19階「ラウンジ プラス」提供時間:13:00~17:00(営業時間 10:00~20:00)料金:単品 3,000円/ドリンク付き 3,500円※コーヒーまたは紅茶/鑑賞券付き 4,300円※ドリンクは含まない■カクテル場所:19階「バープラス」営業時間:平日 17:00~24:00、土日祝 13:00~24:00料金:真紅 2,200円、琳 2,000円■鑑賞券付きプラン・19階「ラウンジ プラス」アフタヌーンティー 7,800円・19階 ライブキッチン「クーカ」ランチブッフェ 6,500円※写真はイメージ※仕入れ状況により材料を変更する場合あり※表示料金には、サービス料(15%)を含む【予約・問い合わせ先】TEL:0120-611-147(受付時間10:00~20:00)※携帯電話からは06-6628-6187
2023年10月21日デザイナー・コシノアヤコ(小篠綾子)の物語を映画化。映画『コシノアヤコの生涯』(仮題)として、2025年に公開される。日本のファッションデザイナーの草分け的存在・コシノアヤコ映画『コシノアヤコの生涯』(仮題)は、2011年の連続テレビ小説「カーネーション」でも題材とされた、コシノアヤコの生涯を映画化した作品。日本のファッション界に革命をおこし、昭和から平成を駆け抜けたデザイナーの“草分け的存在”であるコシノアヤコの物語を描く。コシノアヤコは、娘たちもまたファッションデザイナーとして活躍していることで広く知られている。コシノヒロコ、コシノジュンコ、コシノミチコの三姉妹が、それぞれ自身のブランドを立ち上げて国際的に活動している。映画『コシノアヤコの生涯』(仮題)の発表に際し、コシノヒロコは「お母ちゃんにまた会えるから、嬉しいなあ」と喜びをコメント。また、コシノジュンコは「お母ちゃんのパワーすごいよ!」と作品への期待を語り、コシノミチコは「この作品で、お母ちゃんにカンヌ映画祭に出てもらいます!」と意気込みを見せている。【作品詳細】映画『コシノアヤコの生涯』(仮題)公開時期:2025年製作総指揮:瀬古口精良脚本:池田テツヒロ監督:榎本次郎音楽:フジパシフィックミュージック撮影:曽根剛製作:TM JAPAN・テンダープロ・日本映画振興財団・日本TOYOエグゼクティブプロデューサー:井内徳次 ・ 友田ゆうき
2023年10月16日人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。6月のゲスト、デザイナー・コシノジュンコさんの4回目のお話は、日本文化の魅力と、それを伝えることのお話。その流れで、意外なテーマパークに夢中らしい…?!自分にしかできない、“使命”のような仕事をしたい。3年前の秋、伝統芸能の能とファッションを融合させたショーを開催しました。たまたまお招きいただいた能に私が夢中になったことがきっかけで、能とファッションという全く接点のないものを合体させ、互いに刺激をし合ったらどんな世界が生まれるのか…。ランウェイは能舞台にお囃子、モデルはウォーキングではなく足袋で摺り足。プロジェクションマッピングを使い、見たこともないショーを作り上げる。とても楽しい経験でした。私もこれまでたくさんの仕事をしてきましたが、この年齢になり、自分にしかできない“使命”のような仕事をしたいと、改めて強く思います。その一つが、日本文化を海外に発信すること。かつての日本は外国に憧れるのがあたりまえでしたが、改めて見つめ直すとこの国にも素敵な文化がたくさんある。羨望の眼差しで海の向こうを見る時代は過ぎ、今は自信を持って外に発信していく時期に来ているのではないでしょうか。「日光江戸村」の本気に、魅了されてしまいました。私には19歳の孫がいまして、彼の友達がよく遊びに来るんですが、若い人たち、おもしろいのよ。その中に一人「江戸時代に生まれたかった」と言う歌舞伎役者の卵がいて。それがきっかけで私も江戸時代に改めて興味が出まして、実は最近よく、日光江戸村に行ってるんですよ(笑)。正直、私も行くまでは「江戸っぽいテーマパークでしょ?行かなくても分かるわよ」って思っていたんですけれど、全然違った。実は私は、もともと忍者好きでもあるんですけれど、あそこは中にいる誰も彼もが全員本気で、全くチャラくない。忍者とか、すごいですよ。本当におもしろい。ちなみにその江戸好きの男の子に「江戸、あるわよ?」と誘ったんですが、「忙しい」とのことでした(笑)。いつかあの空間で、ファッションショーをやるのもいいなと思ってます。でもあちらは相当本気でやってますから、こちらも生半可な気持ちじゃダメ。頑張らないとね(笑)。コシノジュンコデザイナー。大阪府出身。19歳でデザイナーの登竜門といわれる「装苑賞」を受賞し、1978年パリコレクション初参加。以降、世界的に活躍をする。近著にエッセイ集『コシノジュンコ 56の大丈夫』(世界文化社)が。※『anan』2023年7月5日号より。写真・内山めぐみヘア&メイク・上田美江子(by anan編集部)
2023年07月01日年上の素敵なお姉様を迎え、お話を伺う「乙女談義」。デザイナー・コシノジュンコさんの第3回目は、ご自身の創作のコンセプトのお話です。なにやら妊娠した際のお腹の変化がきっかけだったとか。丸と四角。その対極関係が、創作のコンセプト。私の創作のコンセプトは、〈対極〉。例えば白と黒、東洋と西洋、そして丸と四角。私の中にこのコンセプトが生まれたのは、1980年に子どもを妊娠したときのことでした。’78年からパリコレに挑戦し始めて、本当にこれからというときに、お腹がまん丸くなってきて、そのときふと、「なんで丸?なんで四角じゃないの?」と思ったのが一番のきっかけです。そしてお腹の羊水、つまり水の中でなぜ子どもが生きていられるのか…。考えれば考えるほど、妊娠は不思議な経験でした。その前まで私は、世の中がどうとか、どこの国がかっこいいとか、創作のテーマを自分の外に求めていた。でも妊娠で丸と四角の概念に出合って以降は、私のものづくりのコンセプトはずっと〈対極〉。丸は完璧であり宇宙。一方四角は数字の世界。このコンセプトを持ったことで、クリエイションだけではなく、ブレない生き方をも手に入れられた気がしています。ポジティブ思考と好奇心が、人生を楽しくします。今年の3月、トレーニング中にアキレス腱を断裂してしまいました。手術をしたものの、しばらくは動けないし歩けない。でも、こういうときこそおしゃれをしようと思い、無理を言って真っ黒な車椅子を探してもらい(笑)、私らしい療養生活を送りました。断裂したその瞬間は、「なんで私がこんな目に?!」と思いましたが、根本的に私は物事をマイナーに考えないタイプ。実は私、救急車も入院も、この年で初めてだったんです。療養生活のおかげで、街に、人に、自分自身に、新しい気づきがたくさんあった。ネガティブになりそうなときこそ先入観にとらわれず、前向きに、好奇心を忘れないことが大事だと思います。ちなみにコロナ禍初期の外出禁止令が出ていた時期は、ここぞとばかりに絵をたくさん描きました。高校生のときの“画家になりたい”という夢が、今頃になって叶った!あの2か月は、これまでの人生の中で一番忙しく、精力的だったかもしれません(笑)。コシノジュンコデザイナー。大阪府出身。19歳でデザイナーの登竜門といわれる「装苑賞」を受賞し、1978年パリコレクション初参加。以降、世界的に活躍をする。近著にエッセイ集『コシノジュンコ 56の大丈夫』(世界文化社)が。※『anan』2023年6月28日号より。写真・内山めぐみヘア&メイク・上田美江子(by anan編集部)
2023年06月24日年上の素敵なお姉様を迎え、お話を伺う「乙女談義」。コシノジュンコさんの第2回目をお届けします。デザイナーの登竜門といわれる「装苑賞」。この賞を、史上最年少、19歳で受賞したコシノジュンコさん。さてその後就職をするのですが、実は年齢を偽った?!21歳を22歳と言ってでも、やりたい仕事だったんです。卒業前、受賞作の写真や記事などを持参し、知人の紹介で銀座の「小松ストアー」というデパートに、売り込みに行ったんです。そうしたらなんと、「仕事をしましょう」と言っていただけた。でも実は私まだ学生で、21歳だと言っていなくて。年齢を言ったら、「そんな若造に、こんな高いギャラの仕事、任せられない!!」って断られちゃうんじゃないかと不安で、とっさに嘘をついちゃったんですよ、「22歳です」って。その後仕事が始まってからも、年を聞かれるたびに「ご想像にお任せします」と煙に巻いていました。私は年齢で人を判断するのは好きではなく、上でも下でも気にせず付き合う人間です。ただ当時の私は“かっこいい大人の服”を作りたかったので、年齢で舐められたくなかったし、大人にならないと信用してもらえないと思ってもいた。本当は「25歳」って言いたかったんだけど、さすがにその勇気がなかったのは、今思うとかわいいわよね(笑)。かっこいい友人が、素敵な出会いを招く。昔も今も、私が憧れるのはかっこよさを持っている人。かっこよさにはいろいろな種類があって、ブリジット・バルドーのような粋なかっこよさがあったり、私が大好きなダイアナ・ロスは、かっこよくてチャーミング。でも一番かっこよかったのは、私の自慢のお友達、加賀まりこさんと安井かずみさんだと思います。私たち、おしゃれにしても、ボーイフレンドのチョイスにしても、お互いにすごくかっこつけ合っていたの。その空気感がとっても楽しかったのを覚えています。二人を通じて知り合う人は、華やかな職業の人が多かった。しかもその多くが芸能系。つまり、みんな洋服が必要なんです(笑)。そういう人たちの衣装を作らせてもらえたのは、とてもいい経験でしたね。その後のブロードウェイ、最近ではDRUM TAOの公演の衣装づくりにその経験が生きています。自分とまったく異なる要素を持つ人との交流は、いろんなものをもたらしてくれると思います。コシノジュンコデザイナー。大阪府出身。19歳でデザイナーの登竜門といわれる「装苑賞」を受賞し、1978年パリコレクション初参加。以降、世界的に活躍をする。近著にエッセイ集『コシノジュンコ 56の大丈夫』(世界文化社)が。※『anan』2023年6月21日号より。写真・内山めぐみヘア&メイク・上田美江子(by anan編集部)
2023年06月17日年上の素敵なお姉様を迎え、お話を伺う「乙女談義」。今週から4回連続で登場するのは、ファッションデザイナーのコシノジュンコさん!!出で立ちからもう、素敵すぎます…。第1回目をお届けします。母や姉と同じデザイナーにはなりたくなかったのに…。ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、私の母・小篠綾子は洋服のデザイナーで、3歳年上の姉もデザイナーを目指すべく、高校卒業後に文化服装学院に進学しました。一方、私は絵が好きだったので画家になりたく、美大進学を目標にデッサンをする毎日。反抗期は、「母や姉と同じ道には絶対進まない!!」と頑なでした。そんなとき、私の油絵を見たある人が、「なぜお母さんと同じ道に進まないの?」と言ったんです。最初は全く聞く耳を持たなかったものの、徐々に心が軟化。最終的には私も、姉と同じ文化服装学院に入りデザイナーへの道を歩き始めました。でも実は高校時代は油絵のおかげで制服も絵具まみれ。今思うと、家が洋裁店だったせいか、逆に“おしゃれしたくない”という気持ちが強かったような…(笑)。東京に来て、母や姉の価値観から解き放たれ、そこからやっと、自分の世界が始まった。“コシノジュンコ”のスタートだったのだと思います。どんな髪型にしても、結局おかっぱに戻る。特に今は世界中の情報が簡単に手に入る時代ですから、流行やブームに乗るのが簡単です。でも波は終わるし流行は廃れます。なぜならば、流行は“情報”で作っていたものにすぎず、そこにはオリジナリティがない。人の心を打つ、そして残るのは、オリジナリティがありなおかつマイペースな人が作るもの。自分らしくありたい、と思うなら、情報に惑わされないことがとても大事だと思います。ちなみに私のおかっぱヘア、最初にこの髪型にしたのは中学生のときでした。その後は三つ編みにしたりパーマをかけたり、東京に出てからはヘアデザイナーの友達が多く、彼らが私の髪を「ああしたい、こうしたい」といろいろやってくれました。でも正直なところ、何をやっても、何をやってもらっても、似合わなくて結局この髪型に戻るんです(笑)。自分を持つと、まっすぐ進むことができる。みなさんも“自分らしさ”を見つけ、情報に惑わされずに進むことを意識してください。コシノジュンコデザイナー。大阪府出身。19歳でデザイナーの登竜門といわれる「装苑賞」を受賞し、1978年パリコレクション初参加。以降、世界的に活躍をする。近著にエッセイ集『コシノジュンコ 56の大丈夫』(世界文化社)が。※『anan』2023年6月14日号より。写真・内山めぐみヘア&メイク・上田美江子(by anan編集部)
2023年06月11日ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO)の2023年秋冬クチュールコレクションが、2023年6月1日(木)に東京・原宿の「WITH HARAJUKU HALL」にて発表された。誰もが洗練された強い女性に日本のライフスタイルに寄り添った、高貴でエレガントなスタイリングを提案するヒロコ コシノのクチュールコレクション。デザイナー・コシノ ヒロコは今季、着る者誰もが洗練された強い女性になれるような美しいコレクションを展開する。ローウエスト×リラクシングなシルエット今季のムードを最も体現するのは、ローウエストでリラクシングなルックの数々。大きめのプリーツを施した深いブラウンのワンピースが、その好例だ。肩紐部分には刺繍をあしらい、ラグジュアリーかつ上品に仕上げている。また、ブラウンのパキッとした素材と、チェック柄のウール素材をドッキングしたコートやブルゾン、ワンピースも登場。質感の異なる素材を贅沢に用いて、流れるようなシルエットに仕上げた。キルティング生地を組み合わせて2023年秋冬コレクションに続き、中綿入りのキルティング生地が随所に散りばめられているのも印象的。前身頃にキルティング地を配したペプラムシルエットのワンピースをはじめ、裾にジッパーが付いたロングワンピース、直線が引かれたスカートなど、多彩なラインナップが揃う。神秘的なディテールさらに、前シーズンのテーマ“神秘的なエネルギー”を表す六芒星モチーフのボタンがあしらわれたコートや総柄のプルオーバーも披露された。ツートーンのプリーツドレスラストルックとして、オレンジとブラックのバイカラーを配したプリーツドレスが登場。ジャケットには、“結びの紐”を再現しているかのような刺繍をオン。鮮やかなカラーで軽やかにまとめられたルックは、ランウェイで一際存在感を放っていた。
2023年06月04日ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO) 2024年春夏コレクションが発表された。「Timeless Collage」をテーマにシーズンテーマに掲げた「Timeless Collage(タイムレス コラージュ)」の言葉が意味する通り、今季はコラージュのテクニックを駆使したコレクションを展開。“好きな生地を切って、張り付けて……。”そんな洋服作りの楽しさを感じさせながら、ひとつひとつの造形美にこだわった、アーティスティックなピースを提案する。コラージュの奥行きを映し出してコラージュが持つ複雑な表情を、最も引き立てていたのが、シースルー素材を使用したポロシャツだ。ブルーやホワイト、オレンジなど、様々なカラーがランダムに折り重なるシアー生地は、コラージュが持つ奥行まで映し出しているかのよう。またその複雑な表情に対して、トップスそのもののシルエットは直線的で、端正にカットされているのも印象的だ。“まるでアート”なプリントピースコラージュ画をそのまま、洋服に落とし込んだような大胆なピースもランウェイに。水玉やグラフィカルなモチーフを合わせた賑やかなプリント地に、ゆるやかな曲線が走るシュールな造形をコンビネーションしているのが特徴だ。複雑なカットによって、洋服の個性を引き出した、アーティスティックな仕上がりとなっている。また一つのプリント柄を、モノトーンで転写したような、ユニークなコラージュ柄のドレスも登場。色使いは至ってシンプルにも関わらず、柄同士がせめぎ合うプレイフルなデザインが印象的。さらに黒で縁取りを加えた特徴的なレースを大げさに飾りたてることで、二次元世界に迷いこんだような独特な表情を生み出している。優雅なドレスもラストにかけては、エレガントなドレス群も登場。中でもひと際目を惹いたのは、裾にかけてピッチの幅が絶妙に広がっていく優雅なプリーツドレスだ。首元はスクエアネックできりりと端正に。またドレスと繋がるトップスは、アーティスティック曲線を加えることで、今季らしいムードも随所に醸し出していた。
2023年04月06日あべのハルカス近鉄本店では、ファッションデザイナーとしてだけでなく、アートクリエイターとしても活躍されているコシノジュンコ氏の作品を展示する<JUNKO KOSHINO ART EXHIBITION 「光のカタチ」展>を開催します。今回の個展のために描かれた新作を含め約70点の作品を展示し、その作品の魅力と世界観をお伝えする貴重な機会となります。2025大阪・関西万博ではシニアアドバイザーに就任されており、さらに世界的な注目度が高くなることが予想されるコシノジュンコ氏のコンテンポラリーなアートに注目です。【開催概要】■期間:2023年4月12日(水)→18日(火)※4月12日(水)・13日(木)および最終日は16:00で閉場■場所:あべのハルカス近鉄本店 タワー館11階 美術画廊■作品数:約70点展示作品例「金色の勢い 2」 40×20cm「銀の渦 2」 40×40cm 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年04月05日ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO)の2023年秋冬コレクションが発表された。魔法や光の神秘的エネルギーが着想源「MAGICAL MYSTERY HIROKO TRIBE」をテーマに掲げる今季は、魔法や光、未知の星などの神秘的なエネルギーが、ヒロコ コシノのインスピレーション源。過去・未来の時間軸を超え、自分で新しい世界を切り開いていくような、未知数のパワーに包まれたコレクションを展開する。多彩なカラーのうねり模様今季目を惹くのは、中綿入りの生地にピンクやパープル、ブラックなどのカラーを不規則に並べたアイテムの数々だ。シルエットは全体的にリラクシングな印象で、多彩な配色のうねり模様と相まって神秘的なムードに。また“魔法陣”にも見えるモチーフが背面をはじめ、スカートやアーム部分など様々な場所に、キルティングで表現されているのが特徴。ミニワンピースやアウターのアパレルに加えて、ネックウェアやバッグなどのアクセサリー類も用意する。個性的な柄で輝きを放つキャッチーな幾何学的デザインも見逃せない。好例となるのは、ハートを連想させるグラフィカルなタートルネックとパンツ。ピンク生地にブルーの線で描いたデザイン総柄を施し、鮮やかなパープルのコートで締めている。フューチャリスティックなストリートを漂わせているので、異星に降り立った際、さぞ輝きを放つことだろう。過去×未来をドッキングさらに、異なる柄や異素材を多くドッキングしているのも今季のポイント。中でも、菊模様×松模様に絵画のようなデザインを合わせたワンピースは、サイドに光沢のある素材を採用し、過去と未来の時空を行き交う様を、衣服に描き出しているようだ。ニット×モヘアを合わせたベロアが主役のワンピースも同様だ。次なる世界へカラーパレットは、ブラックやグレーなど落ち着いた色味をベースに、鮮やかなレッドやパープル、グリーンでアクセントをプラス。パステル調のピンクは、次の世界へ向かうキーカラーとして多くのワードローブに散りばめられている。
2023年03月17日ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO)の2023年春夏コレクションが、発表された。自然界の力強さや逞しさにフォーカス「Natural Miracles」をテーマに掲げた今シーズン。デザイナー・コシノ ヒロコの心を捉えたのは、花びらや果物、草木など。連綿と命を繋いできた、自然界の生き物たちの力強さや逞しさを表現した、エネルギッシュなコレクションを展開する。植物や果物モチーフのドレスコレクションの中でも今季を象徴するのは、フルーツの種や植物の葉脈のようなデザインのドレス。グリーンやイエロー、パープル、オレンジなどの多彩なカラーを用いることで、多様な生命が存在する、混沌とした自然の世界を思わせる。また自然界に見られる規則性”フィボナッチ数列”を連想させるデザインも目を惹く。果物の種のようなモチーフを均等にあしらったノースリーブのトップスや、葉脈を思わせるデザインをシンメトリーに描いたロングドレスなどが、その最たる例だ。躍動感のあるシルエット生命力あふれる植物のように、躍動感のある自由なシルエットも今季ならでは。果物の実や花、植物などの刺繍をセットしたドレスは、袖をふんわりと絞ることで、個性的な表情に。またノースリーブのワンピースは、裾を左右非対称にバランスをずらして配することで、有機的なシルエットを生み出している。遊び心あふれるディテール自由でエネルギッシュなムードを加速させるのは、遊び心あふれるディテール。複数の穴をランダムに施したノースリーブベストやワンピースをはじめ、ネクタイを切り取ったようなユニークなデザインのロングドレスなどが登場する。アクセントを加える小物たちルックに遊び心を加えているのが、バッグやアクセサリー。フルーツの実や植物をモチーフにしたショルダーバッグやハンドバッグ、イヤリング、ネックレス、ベルトなど、ウェアとリンクしたデザインのピースが、華やかなコレクションをより一層引き立てている。
2022年09月08日人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。8月のお客様は、長くトータルビューティクリエイターとして活躍される川邉サチコさん。30代で離婚を経験し、女手一つで仕事と子育てに邁進してきた川邉さん。へこたれずに頑張れた、その理由はいったいなんだったのでしょうか?第3回目をお届けします。離婚をして直面した、“男社会”の壁…。私は35歳で離婚をしたのですが、当時は離婚に対する視線は冷たく、実家に帰ることもできず…。だからこそ食べていけるようにならなければと、道を整えました。なんとか自立して仕事ができるようになりたい…と頑張り、そして8年目に、とあるCM撮影の仕事が来たんです。ギャラは当時のお金で20万円。そのギャラに、それまで貯めていたお金を合わせ持ち、娘を連れて家を出ました。そこから母一人娘一人の生活が始まりました。離婚するまで、私は男女格差を実感したことはなかったのですが、一人で仕事を始めてからは、いろんな壁が立ちはだかりました。どこもかしこも男社会。一番大変だったのが銀行。融資のお願いに行くと、「女がそんな商売できるの?女なのに返せるの?」と。こっちは返せる自信と計画があるから来てるのに、なんなんだか…。女性が一人で生きるのは大変だと実感しましたが、同時に、これも楽しんでしまおうと思いました。友人でライバル、同世代の仲間に励まされました。でも、そんなことでへこたれてる場合ではありません。生きる勇気を奮い立たせるのも、自信をつけるのも、結局自分。その気持ちは今でも変わっていません。そしてもう一つ、あの頃の私の支えになったのは、同世代の友人たち。私はラッキーなことに、才能にあふれる友人たちに恵まれ、彼ら彼女らの存在がとても大きかった。ファッションデザイナーの三宅一生さん、コシノジュンコさん、コシノヒロコさん、アートディレクターの石岡瑛子さん…。みんな職業は異なるけれど、ライバルみたいな存在でした。彼らを見ていると、こんなことでへこたれちゃダメだと、心の底から思ったものです。文字通り、切磋琢磨の関係性だったと思います。「ヘアアーティストなのに、結髪(けっぱつ)って書かれた…」って、ウジウジしてる場合じゃなかったんですよ(笑)。私は年を取ることにはネガティブではありません。でも仲間たちが少しずついなくなってしまうのは、やっぱり寂しいですね。かわべ・さちこトータルビューティクリエイター。1938年生まれ、東京都出身。’60年代よりヨーロッパのオートクチュール、国内外トップデザイナーのヘアメイクを担当。現在は自身の名を冠したサロンを運営しながら、様々な雑誌に登場。※『anan』8月17‐24日合併号より。写真・中島慶子(by anan編集部)
2022年08月21日第35回「東京国際映画祭」が10月24日(月)~11月2日(水)に日比谷・有楽町・銀座エリアで開催される。この度、本映画祭の会場拡大とポスタービジュアルが発表された。初日のオープニングセレモニーは、初となる東京宝塚劇場で行われる。さらにクロージングセレモニーは東京国際フォーラム ホールC、上映劇場は昨年の角川シネマ有楽町、シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ有楽町、TOHOシネマズ シャンテ、有楽町よみうりホールに加え、TOHOシネマズ 日比谷(昨年はクロージングセレモニーのみ使用)、丸の内TOEI、丸の内ピカデリーと大型劇場が並ぶ。これにより上映本数も拡大へ。また三井不動産、三菱地所といった日比谷・丸の内地区の有力企業ともより連携を深め、千代田区などの行政側とも協力体制を敷き、全銀座会等の地元団体とも様々なコラボレーションを図る。エリア展開も含めた街ぐるみの映画祭となるもようだ。さらに海外からも多くのゲストが参加するという。ポスタービジュアル監修は、昨年に引き続きコシノジュンコが務める。今回は「飛躍」をテーマに躍動感あふれるデザインに仕上がり、8月19日(金)から各劇場で掲出される予定だ。<コシノジュンコ・コメント>映画祭はファッション、モードといったものと縁遠かった気がしますが、このビジュアルを見てもらうと映画祭に広がりができるかなと思います。ここから今年はちょっと面白いことになりそうな気がしています。今コロナで溜まった文化の爆発が起きていて、ファッションも映画もクリエイティブな爆発が楽しみです。■イベント情報第35回「東京国際映画祭」10月24日(月)~11月2日(水)日比谷・有楽町・銀座エリアの各映画館やホールなどで開催公式サイト:
2022年08月18日10月24日(月)~11月2日(水)にリアル開催を目指す、第35回東京国際映画祭。昨年から会場を日比谷・有楽町・銀座エリアに移したが、今年は大幅に会場を拡大。新ポスタービジュアルも完成した。10月24日(月)のオープニングセレモニーに関しては、初の会場となる東京宝塚劇場で行うほか、クロージングセレモニーは東京国際フォーラム ホールC、上映劇場は昨年の角川シネマ有楽町、シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ有楽町、TOHOシネマズ シャンテ、有楽町よみうりホールに加え、TOHOシネマズ 日比谷(昨年はクロージングセレモニーのみ使用)、丸の内 TOEI、丸の内ピカデリーの大型劇場が加わる。これにより上映本数も拡大予定。また、三井不動産、三菱地所といった日比谷・丸の内地区の有力企業ともより連携を深め、千代田区などの行政側とも協力体制を敷き、全銀座会などの地元団体とも様々なコラボレーションを図り、エリア展開も含めた街ぐるみの映画祭を目指していく。また、あくまで新型コロナウイルスの感染状況次第としながら、今年は海外からも多くのゲストの参加を予定しているという。さらに、昨年から映画祭ポスターのビジュアル監修をコシノジュンコが担当、従来とは異なるビジュアルを打ち出したが、今年も引き続きコシノさんがポスターを手掛け、「飛躍」をテーマにした躍動感あふれるビジュアルが完成。8月19日(金)から各劇場で掲出予定となっている。■コシノジュンココメント映画祭はファッション、モードといったものと縁遠かった気がしますが、このビジュアルを見てもらうと映画祭に広がりができるかなと思います。ここから今年はちょっと面白いことになりそうな気がしています。今コロナで溜まった文化の爆発が起きていて、ファッションも映画もクリエイティブな爆発が楽しみです。第35回東京国際映画祭は10月24日(月)~11月2日(水)、日比谷・有楽町・丸の内・銀座エリアの各映画館やホールなどで開催。(text:cinemacafe.net)
2022年08月18日ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO)の2022-23年秋冬クチュールコレクションが、2022年6月17日(金)に東京・原宿の「WITH HARAJUKU HALL」で発表された。今、残していきたいもの日本のライフスタイルに寄り添う、ラグジュアリーでモダンな洋服を展開しているヒロコ コシノのクチュールコレクション。「困難なことが続く時代だからこそ、しっかりと残していかなくてはならない」と語るデザイナー・コシノ ヒロコが今シーズン提案するのは、見る者・纏う者の心を揺さぶるアートのように美しいコレクションだ。クラシック音楽の生演奏や能面メイクを施したモデルなど、伝統を感じさせるエッセンスが散りばめられたショーは、終始高貴なムードに包まれていた。鮮烈な朱色のファーストルックファーストルックは、鮮やかな朱色のルックからスタート。リュクスなメタリックパーツがあしらわれたコートに同色のワンピースを合わせ、その鮮烈な色味を際立たせた。手元に添えたグローブとクラッチバッグの輝きが、上品なムードを加速させている。美しいレース使いクチュールコレクションらしい、美しいレース使いにも注目したい。たとえば、通常であればカジュアルな印象を与えるダウンコートには、花々の細かい模様をあしらったレースを合わせることで、繊細で上品な一着に。チュールレーススカートは、小花や葉が1つ1つ丁寧に表現された可憐な佇まいが魅力だ。メタリックな刺繍そんなエレガントなコレクションをより一層盛り上げるのは、メタリックな輝きを放つ立体的な刺繍。全体に幾何学模様の刺繍があしらわれたノーカラーコートや、大輪の花が咲くノースリーブワンピースなどが展開された。“結び”のディテール和の要素を感じさせる“結び”のディテールが散見されたのも印象的。ジャケットやコート、ワンピース、トップスなどコレクションを構成するあらゆるアイテムに施し、見る者の視線を掴んで離さない華やかな一着へと昇華させた。
2022年06月20日ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO)の2022年秋冬コレクションが、楽天ファッション・ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)期間中の2022年3月15日(火)に発表された。優しくも果敢な女性へと贈る2022年秋冬コレクション「Graceful Soldiers」をテーマとした今季は、優しくも勇敢、そして美しい女性たちに捧げるコレクションだ。冬の過酷な環境にも屈せず、凛と生きるような女性たちを彷彿とさせるルックには、機能美と繊細なエレガンスが入り混じる。スポーティーなウェアは、フェミニニティを香らせたスタイルへと再解釈。コンパクトなベストは、ウエストマークが施され、タック入りのエレガントなワイドパンツとの組み合わせで洗練されたムードへと昇華されている。すっぽりと身体を覆うオーバーサイズのドレスは、軽やかな機能素材によって、しなやかさとタフさを両立するモダンなドレープが生まれている。まるで冬の風景を落とし込んだようなニットやジャカードの遊びは、今季のポイントだ。まるで高貴な絵画を見るように、色と柄が溶け合うパターンはヒロコ コシノならでは。温かみのあるグラデーションのニットと、わずかな光沢をもったタフタの対照的なテクスチャーは、それぞれに深みのあるカラーで表現され、凛としたふるまいに欠かせない存在となっている。一方で、ミニマルなルックからは、さらに優雅なソルジャーたちの異なる一面を垣間見る。特徴的なのは、ラグランラインから延長されたスタンドカラーのような襟元、重力を味方にする大胆なタックなど、直線的かつ幾何学的なディテール。そして、和の要素も感じられる“結び”のデザイン。ベースがクラシックかつシンプルだからこそ、小さなギミックの存在感が際立っている。さらに高貴なムードを漂わせたのは、ブラックとゴールドのコントラストだ。雅びやかなタペストリーを連想させるボタニカル柄のトップスや、繊細なゴールドの刺繍が施されたジャケットなど、まるで貴族の風貌さえ感じられるルックが登場している。2色が織りなす世界は、今季のテーマが行きつく最高潮とも言えるだろう。
2022年03月18日展覧会「コシノジュンコ『原点から現点』」が、大分県立美術館にて、2022年4月15日(金)から5月29日(日)まで開催される。創作の原点から現在まで、活動の全貌を紹介世界的なファッションデザイナーとして知られる、コシノジュンコ。新人デザイナーの登竜門とされる装苑賞を最年少の19歳で受賞したコシノは、東京を拠点に活動を開始。1978年から2000年まではパリコレクションに参加するほか、北京やニューヨークなど世界各地でショーを開催するばかりでなく、スポーツユニフォーム、オペラやブロードウェイ・ミュージカルなどの衣装を手がけるなど、多岐にわたる分野に携わってきた。近年では、ファッションのデザインにとどまらず、インテリアや食、花火のデザインから、ファッションや音楽、ダンスが競演するアーツライブのプロデュースに至るまで、その活動の領域を切り拓き続けている。「コシノジュンコ『原点から現点』」は、コシノジュンコの過去最大規模の展覧会。創作の原点でもある大阪・岸和田の高校時代に描いたデザイン画や装苑賞の受賞作から、60年代のブティックの風景、70年の大阪万博のユニフォーム、そして「対極」「宇宙」「合理」「永遠」などコシノがファッションを通じて生みだした世界観まで、その活動の全貌を一挙に紹介する。展覧会概要コシノジュンコ「原点から現点」会期:2022年4月15日(金)~5月29日(日) 休展日なし会場:大分県立美術館 1階 展示室A住所:大分県大分市寿町2-1開館時間:10:00~19:00(金・土曜日は20:00まで)※入場は閉館30分前まで観覧料:一般 1,400円(1,200円)、大学・高校生 1,000円(800円)、中学生以下 無料※( )内は前売および有料入場20名以上の団体料金※大分県芸術文化友の会 びびKOTOBUKI無料(同伴者1名半額)、TAKASAGO無料、UME団体料金※障がい者手帳などの提示者とその付添者(1名)は無料※学生は入場の際、学生証を提示※コシノジュンコ「原点から現点」の会期中に限り、本展の半券提示でコレクション展を無料で観覧可【問い合わせ先】大分県立美術館TEL:097-533-4500
2022年02月10日「第34回東京国際映画祭」が10月30日(土)~11月8日(月)、日比谷・有楽町・銀座地区で開催される。この度、本企画より新たなポスターが発表された。昨年まではソフトバンクのCMなどで有名な佐々木宏がクリエイティブ・ディレクターを務め、蜷川実花の写真をあしらった形のデザインでポスターを展開していた「東京国際映画祭」。しかし今年からは日比谷・有楽町・銀座エリアへの移転や部門の改変などもあり、東京国際映画祭が新たに生まれ変わる年ということで、ポスタービジュアルも人をフィーチャーした形のこれまでにないものに刷新されている。そして、今回のビジュアルを手掛けたのは世界的なデザイナー・コシノジュンコ。彼女が自身で作った伊藤若冲のニワトリの画をモチーフに、衣装をまとった女性が風を切って歩いていくイメージで作り上げたという。本映画祭の今年の大きなテーマのひとつとして「越境」があり、コロナによるコミュニケーションの断絶や男女差別、経済格差、国際紛争、色々な問題を乗り越えて、その先にある映画の姿を観てほしいという狙いがある。発表されたポスターも、そういったコンセプトをビジュアライズしたものとなっている。<コシノジュンコ・コメント>映画祭は憧れなので、今回のお話を頂いたときはびっくりもしましたがとても嬉しかったです。今回のビジュアルはかっこいい女性が、コロナも吹っ切れて、前に向かう、風を切って向かうというイメージが今回の東京国際映画祭のある意味でのビジョンでもあるかと思いました。そういう意味で、理屈ではなく、見てわかるというような、風を切って歩いて行くというような、そういったイメージで作りました。<東京国際映画祭チェアマン:安藤裕康・コメント>コシノジュンコさんとは、これまでもパリ、ニュ-ヨーク、アジアの国々など世界中のあちこちで仕事をご一緒してきましたが、その国際感覚の豊かさと前向きなエネルギーにいつも圧倒されてきました。そういうコシノさんにこのたびデザインを担当頂くことになって、東京国際映画祭が国際色を一段と強め、ステップアップしていければと思っています。■イベント情報「第34回東京国際映画祭」10月30日(土)~11月8日(月)会場:日比谷・有楽町・銀座地区公式サイト: TIFF
2021年09月07日ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO)の2022年春夏コレクションが、2021年8月31日(火)に発表された。テーマは「Mindset Revolution」シーズンテーマは「Mindset Revolution」。自分で定めた限界や、無難な定番を選ぶことの安心感から抜け出し、冒険心を発揮しよう。従来の思考パターンを変え、新しい自分に出会おう。そんなデザイナー・コシノ ヒロコのポジティブなメッセージを込めた今季は、荒れ狂う時代の中でなお、軽やかに身をこなし、新しい風に乗ろうとする、強く優しい女性像が描かれている。しなやかなパワーウーマン強さと優しさが同居する今季のムードを象徴するのは、力強さをダイレクトに主張するパワーショルダーと、透け感のあるセンシュアルなマテリアルをコンビネーションするアプローチ。パワーショルダーのロングドレスやダブルジャケットのスリーブに、それぞれメッシュ素材やシアーなファブリックを組み合わせて、しなやかさのあるパワーウーマンを表現している。自由な風に乗り軽やかに新しい風を纏っているかのように、アクティブで軽快なピースも。生地をたっぷりと使ったブラックドレスは、風を受けて空気を含むと、ふわりと宙に舞っているかのように軽やか。躍動感のあるドローイングに鮮烈なイエローを差し込んだシャツも、歩くたびにゆらゆらと揺れ動き、自由なエネルギーに満ち溢れているようだ。新しい自分に出会う新しい自分に出会えるような、自由で斬新なスタイリングも魅力。ノースリーブのワンピースにはオフショルダーのニットをルーズに合わせて、リラクシングに。ジャケット&パンツのセットアップにはベアトップをレイヤードして、大胆に。グラフィカルなスリムパンツにはストライプのシャツワンピースを重ね、個性をぶつけて。ファッションは、もっと自由に、臆することなく楽しんで良い。そんな風に背中を押してくれているかのようだ。なお、今シーズンはコレクションにメンズモデルも起用。「ファッションは誰にでも平等に、公平にシェアされるものである」という考えのもと、性別を問わず“ファッションを愛する人々”に対してヒロコ コシノのクリエーションを届けた。
2021年09月03日ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO)の2021年秋冬コレクションが、2021年3月16日(火)に発表された。オーソドックスを自由な心で再構築シーズンテーマは、「BREAKTHROUGH:正統派の崩し」。オーソドックスを崩し、壊して、自由な心で組み立て直すことで、遊び心あふれるクリエーションに仕上げている。テーラードジャケットの襟は、裏地がちらりと覗くようなアシンメトリーデザインに。ワンピースのショルダー部分には、生地をツイストさせたかのような立体ディテールを施して、ひねりの効いたシルエットへ導いている。スタイリングも臆することなく自由に“正統派を崩す”というアプローチは1つのアイテムの中だけでなく、スタイリングにも及んでいる。温かみのある素材感のチェック柄×アニマル柄ジャケットには、フラワーモチーフを施したシースルースカートをレイヤード。既存のルールに捉われない自由なスピリットで、臆することなく異素材ミックスを楽しんでいる。ふっくらとしたキルティングのスカートには、ふんわりとボリューミーなファーコートをスタイリング。マテリアルのコントラストが、森の中で心地よいそよ風を受けているかのように軽やかなムードを運んでくる。にじみ出るような自然のエネルギーカラーパレットは、オフホワイトやブラウン、グレーといった温かみのあるニュートラルカラーをベースに、こっくりとしたレッドやグリーン、ナチュラルなピンクなど。ヒロコ コシノが得意とするグラフィカルな模様や、極彩色のコンビネーションはやや控えめだ。しかしながら、内側からあふれ出てくるようなエネルギーが感じ取れるのは、自然からインスピレーションを得たモチーフを散りばめているからかもしれない。ヒョウのイラストを大胆に配したドレスや、ボタニカルパターンを刺繍したジャケットなどが目を惹いた。なお、今シーズンは、東京ファッションウィークの期間中、オンライン上でコレクションを発表。優雅なピアノの音色とともに、森の中をモデルたちが思いのままに歩いたり、踊ったり...既成概念に縛られることなく、自らのスタイルを楽しむ自由で力強い女性像を映し出しているように感じられた。
2021年03月19日ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO) 2021年春夏コレクションが、2020年10月15日(木)に発表された。テーマは、“Surreal inhabitants(シュールな住人たち)”。プレイフルなカラーパレット“シュールな住人達のファンタジー”を描いたという今シーズンは、実に楽し気で、プレイフルなムードに満ちている。イエローやピンク、ブルーなど、自由でカラフルなカラーメイクを楽しむ“住人”たち同様、コレクションに行き交うのは、まるで規則のない多彩なカラーパレット。好きな絵の具を大胆にミックスしたようなドレスには、丸く繰り抜いた図形的な袖口を組み合わせることで、“どこか違う世界”の洋服を見ているかのような、ファンタジックなムードを纏っている。ニットを主役にそんな自由なパレットと呼応するように、様々な素材も散見された。透け感のあるシフォンのトップスや、レースを贅沢にあしらったジャケット、春夏らしいコットンのTシャツなど。そんな中でも特に印象的だったのが、“ニット”を使用したワードローブ。さらりと羽織ったタンクトップやビキニといった、春夏ならではのスタイルは、カラフルなニットで再解釈。また足の“半分”まで覆ったユニークなソックスも、鮮やかなニット共に提案された。生命力溢れるモチーフ自然界の生命が息づく春夏の訪れを祝して、植物や動物といったモチーフもコレクションに彩りを添えている。ショート丈のニットウェアのショルダー部分には、鮮やかな羽根を持つ不思議なインコをデコレーション。またメッシュのような、網目模様が目を惹くミニドレスには、カラフルな木を生い茂らすことで、森を彷彿させる生き生きとしたビジュアルに仕上げた。ドラマティックなドレスラストに現れたのは、胸元に大きなリボンを飾ったロマンティックなドレス。床をなぞるほど長いプリーツ入りのスカートは、しっとりとした落ち感のある生地も相まって、エレガントな佇まいをみせている。しかしひとたびモデルがぐるりと回ると、その豊かな布地は命を得たように広がり、ドラマティックな表情をみせる。そのシルエットは、フェミニンな要素の中に潜む、力強さを感じさせてくれるものだった。
2020年10月18日「僕は運がよかったんですよ。それに自分でいうのもなんだけど、いざとなると、開き直ってしまって……。いい意味での図々しさは持ち合わせていると思いますね」72年7月、本誌でこんな成功の秘訣を語っていたファッションデザイナーの高田賢三さん。20年10月4日、新型コロナウイルスの合併症によって死去した。81歳だった。人気ブランド「KENZO」の創業者である賢三さんの功績は大きく、モデルの冨永愛(38)はInstagramで《悲しみに暮れています》と投稿。また布袋寅泰(58)や辻仁成(61)、さらには加藤勝信官房長官(64)が追悼コメントを発表している。賢三さんは00年8月にも本誌に登場している。当時30年にもわたり務めてきたデザイナー生活に一旦ピリオドを打った時期であり、そのタイミングで自身の半生を回想している。兵庫県姫路市に生まれた賢三さんは、姉の影響で少年時代から洋服やデザインに憧れていたという。「僕は小学校に入った年に終戦を迎えたんです。子どものころは綺麗なものが何もなかった時代だったので、綺麗なものに憧れを抱いていたんです」地元に男子を受け入れる服飾学校がなかったため、やむなく神戸市外国語大学に進学。しかし、その数ヵ月後に東京の文化服装学院が男子学生を募集するという広告を発見した。そして、両親の反対を押し切って上京。同学院への入学を果たし、コシノ・ジュンコ氏(81)など、のちにファッションシーンをリードする顔ぶれと共に学ぶこととなった。卒業後はアパレルメーカーに勤めていたが、そんななか25歳の時に転機が訪れる。住んでいたアパートが建て直しとなり、住民に多額の立退料が支払われたのだ。そこで「フランスのファッションを自分の目で見てみたい」と渡仏を決意する。「フランスで仕事ができるなんて、出発前には想像もしていませんでした。パリで太刀打ちできるわけない、と」しかし、オートクチュールの名門「ルイ・フェロー」にデザイン画を持ち込んだところ大評判に。雑誌「ELLE」でも高い評価を受け、仕事先まで紹介された。すると渡仏から4年後、コシノ氏らが東京で店を持ち始めたというニュースが。同級生の活躍に刺激されたことで、70年に「ジャングル・ジャップ(KENZOの前身)」をオープンした。“和”のエッセンスを取り入れたセンスはファッション界を席巻し、大成功を収めることに。いっぽうで、賢三さんはこう話す。「つくることには喜びがあったんですが、お金のことは……。創作やショーのことばかり考えていて、月末になるとお金が足りないことに気づいて、借金をしてスタッフに給料を支払うと、僕の分はなくなってしまう。そんなことが何年も続いたんです」また80年代にボディコンブームがやってきた。「ボディコンは男性から見た女性の魅力を際立たせる服作り。僕はそうした異性にこびる服はもうやめようと登場したわけだから、全く違う方向性の服作りに焦ったし、恐怖心さえ覚えました」と回想している。苦悶の日々を仲間に励まされ乗り越えたが、90年代に入ると公私にわたってパートナーだったグザビエ・ドゥ・カステラさんが死去。“右腕”だったパタンナーの近藤淳子さんも脳梗塞に倒れた。賢三さんは社員500人を抱える「KENZO」の経営に忙殺され、創作との狭間で思い悩むことに。さらに銀行の所有していた株が知らないうちに売却され、93年にルイ・ヴィトンなどを擁するLVMH社の傘下に入ることとなった。「その辺りから区切りをつけたいという気持ちが出てきました。ファッションを少し離れたところから見てみよう、と……」そして99年、LVMH社とのデザイナー契約を“更新しない”と決意。そのため、賢三さんは当時「無職なんです」と笑っていた。夢へと突き進みながらも、苦境に立たされることも決して少なくはなかった賢三さん。「今まで難しい決断を幾度も迫られてきました」と述べつつも、こう続けている。「でも、大きな冒険をしている時の決断はうまくっているような気がするんです。夢に向かって下した決断はうまくいっている。夢を諦めなくてよかった、手放さなくてよかった、と若いころを振り返って思います」その後、02年にその名も「YUME」というブランドを発表。近年では16年にセブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武及びイトーヨーカドーのプライベートブランド「SEPT PREMIERES」を展開し、今年1月にも「K3」を立ち上げていた。「賢三さんは晩年も『若い人との仕事をもっとしたい!』と意欲的で、空間デザインへの興味もありました。また『自分が着たいと思えるメンズ服をデザインしたい』とさらなる夢も語っていました」(ファッション関係者)夢を追い続けた賢三さん。81年の生涯を通して、多くのものを生みだした。
2020年10月06日ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO) 2020年秋冬コレクションが発表された。“Being Punky”をテーマに“Being Punky”をテーマにした今シーズン。ヒロコ コシノが描き出したのは、従来のパンクが意味する、既存のものへのアンチテーゼではなく、“混沌と整然”が両立する新しい領域だ。ブラックのレザーシューズに、エッジをきかせたワードローブという、どことなくパンキッシュな表情を映し出しながらも、洗練された美しさを同時に宿したコレクションが幕を開けた。フォーマルウェアをベースにフォマールウェアをベースにしたショーの序盤は、端正なシルエットはそのままに、アームや肩にカッティングをいれることで、パンキッシュなムードをプラスする。またうねるようなフリルが横断するパンチのきいたワンピースには、クラシカルなグレンチェックを起用。チェック柄=パンクのコードではあるものの、禁欲的なモチーフを採用することで、本来とは相反するシックな表情へと引き寄せているのが面白い。計算されたカラーショーの中盤に差し掛かると、イエロー、ピンク、グリーン、レッド、ブルー…と鮮やかなカラーがランウェイの上へと姿を現す。本来ノイジーな印象をもたらす、こうしたカラーのドッキングも、計算された色構成によって、バランスのとれた表情に仕上げているのが印象的。グリーン×レッド×ネイビーを合わせた一見エキセントリックな絵柄のスカートも、同じカラーで構築されたニットとスタイリングすることで、統一感のあるスタイリングに仕上げている。シルエット×柄で遊んで既存のルールにとらわれない、自由な精神で溢れた今季のコレクションは、シルエット×柄の組合せにも一捻り。モデルの体躯を無視したかのような、ユニークなラウンド型のシルエットのカラージャケットやトップスには、その布端に黒のステッチをほどこすことで、独特なフォルムを強調。一方でアウターに差し込んだストライプ柄のニットは、身体のラインを美しく整える対照的な役割を担っているのだ。クチュールとミックスブラックで染め上げたショーの終盤は、クチュール的要素とパンクを組み合わせたスタイリングが散見された。フロントに上品なキルティングをあしらったレザージャケットは、パンツの上にチュールスカートをレイヤードさせることでドレッシーな表情へと引き寄せる。また大ぶりなボーダー柄のグラフィックドレスには、センシュアルなレースを重ねることで、フェミニンなムードをプラスしていた。
2020年04月24日ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO)の2020年春夏コレクションが、2019年10月15日(火)、東京都現代美術館にて発表された。インスピレーションは"楽器"から今季、コシノヒロコがインスピレーションを得たのは、“楽器”。鋭い直線、優美な流線形など"楽器"の持つ美しいシルエットを洋服たちに落とし込んだ。そんな着想源をベースにした洋服たちの中でも特に目を惹くのが“ピアノ”のモチーフ。モノクロカラーの鍵盤を滑らかな生地感のドレスやスカート、ジャケットなど様々なアイテムに描いた。直接的に鍵盤を表現したものから、モノクロカラーで鍵盤を想起させるパターンなど、その取り入れ方は様々。まるで一つのコラージュアートのようなワンピースドレスには、体躯を斜めに大きく横断するモノクロのボーダーを配した。絵画と音楽という2つの芸術的要素をミックスしたシャツのインパクトも大きい。水彩画タッチのパターンを総柄で描き、スタイリングの主役となるアイテムを生み出した。楽器が奏でる優美な音はフォルムに“楽器”そのものだけでなく、それらが奏でる美しい音たちも重要な着想源となった。コレクション内に散見される、直線と曲線を組み合わせ、ゆったりとなだらかなフォルムを描くピースはその好例。直線と曲線を組み合わせることで、一つの楽曲の中に共存する異なったリズムを表現しているように思える。平面と立体の交差“楽器”以外にも、コシノが注目した要素が“平面と立体の交差”だ。テキスタイルの平面に描く、立体的な造形物のモチーフ。本来相対する性質を持つ2つの要素を掛け合わせることで、コシノが思い描く美学を表現している。蛇腹状に構築し、本物の鍵盤の様に立体感を演出したスカートや、裾だけレイヤードで仕上げたシャツなど“立体×平面”はあらゆる部分に反映されている。絶妙なバランス感覚でミックスした相対する2つの性質が、より表情豊かなスタイリングを作り上げる。ビビッドなカラーがアクセントモデルたちが纏ったエレガンスな雰囲気の中にアクセントとして取り入れたのが、ビビッドなネオンカラー。バッグやシューズといったアクセサリーを中心に、ウェアのパーツの一部など様々な箇所にワンポイントでグリーンやイエロー、ピンクのカラーを挿した。
2019年10月18日熊川哲也率いるKバレエカンパニー『マダム・バタフライ』が開幕。プッチーニのオペラに熊川独自の目線を加えて送る新作だ。初日のもようをレポートしよう。【チケット情報はこちら】舞台上には、月岡芳年や喜多川歌麿の美人画を思わせる洋装と和装の女性が二重写しになった、オリジナルの幕。実際、和洋の対比は、この作品の大きな特徴となっている。プロローグで、目隠しをした少女の傍らでひとりの武士が短刀で自害する。この少女こそ幼き日のバタフライ。蝶々夫人の父が帝から短刀を下賜されて切腹して娘に短刀を遺し、その短刀で蝶々夫人が自害するというオペラのエピソードを発展させた場面だ。続く1幕1場の舞台は、アメリカ海軍士官学校。卒業を控えた水兵の卵達が、若々しく喜びに満ちた踊りを見せる。教官のピンカートン(堀内將平)が颯爽と登場。敬礼も織り交ぜたダンスが小気味良い。やがて、ピンカートンの恋人のケイト(小林美奈)、さらに色とりどりのドレスに身を包んだ女性達も現れ、男女の踊りの輪が広がっていく。だがピンカートンには長崎行きの辞令が下る。1幕2場は、来日したピンカートンが仲間と遊郭を訪れる場面。小部屋に入った女性達が買い手を待っている。女性達をきびきびととりまとめるスズキ(荒井祐子)。やがて花魁道中が始まった。優美に扇をひらめかせる夜の蝶達の中心にいる花魁(中村祥子)は、憂いを帯びた圧倒的な美しさだ。と、そこにバタフライ(矢内千夏)が飛び出してくる。さくらさくらのメロディで天真爛漫に踊るバタフライに、すっかり魅了されるピンカートン。道化的な斡旋人ゴロー(石橋奨也)の仲立ちで二人の”結婚”が決まり、その場は祝祭モードに。ここまでが、オペラにはない、いわば熊川が創った前日譚だ。2幕以降はオペラをベースに、クライマックスまで、息を呑むような美しく哀しい人間ドラマが展開する。バタフライとピンカートンの結婚式。矢内のバタフライからは、これまで信じてきた宗教を変える戸惑いと、アメリカ人の妻としての誠を捧げようと心を決めるいじらしさが手に取るように伝わってくる。幼馴染のヤマドリ(小林雅也)も祝福するが、バタフライの叔父ボンゾウ(遅沢佑介)はピンカートンに刀を向ける。すると、バタフライがその前に立ちはだかり、さらにあの小刀がボンゾウを止めるのだった。その後のバタフライをいたわるピンカートンとの甘やかなパ・ド・ドゥは感動的。しかしそれは束の間の愛に過ぎず、ピンカートンは帰国。洋装もすっかりさまになったバタフライは、愛の結晶である一子を育てながらその帰りを待つが、彼女を待ち受けるのは悲しい運命だったーー。バタフライが凄絶な覚悟を決めるラストシーンでの、能さながらの舞は必見。なお、この日のレッドカーペットには、三田佳子、コシノ・ジュンコ、斉藤由貴、トリンドル玲奈、デヴィ・スカルノ、瀧川鯉斗も登場。『マダム・バタフライ』世界初演という特別な日を彩った。10月10日(木)~10月14日(月・祝)まで東京文化会館大ホールにて公演。チケット発売中。取材・文:高橋彩子
2019年10月04日ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO)の2019年秋冬コレクションが、2019年3月22日(金)に恵比寿ガーデンプレイス内 ガーデンホールにて発表された。ファッション、音楽、アートがクロスする、今ここにしかないひと時ファッションと音楽、アートが混ざり合う今季のコレクション。コシノヒロコは、デザイナーとして、そしてアーティストとしてあらゆる創造性をクロスして、ショーの創作に挑んだ。音楽はピアニスト横山幸雄による即興的インスピレーションの生演奏。今、この時にしかない音とシンクロする服のカタチを披露した。今季は、3Dの構想を2Dで練り直し、その後3Dに戻すという作業から製作している。完成した服は、途中過程の2Dの名残がある。平面的部分が多く、中には折り紙のように折り重なるディテールも見受けられる。ワンピースは一枚の布を巻きつけたようなものもあれば、すっぽりかぶるようなものもある。袖の部分は、敢えて縫い合わせることをせず2D要素を残したままだ。ストールはわざと平面を強調するかのようなスタイリング。立体と平面が混ざり合う構造は、体にまとう服の概念を超越する。そこに乗せられていく、コシノヒロコ流の絵画。俯瞰して見るとまるで美術館を巡っているかのようなショーだった。油絵のように濃厚な色味から柔らかな水彩画の色味まで、すべてが存在する。現代アートのような奇抜な表現も、モダンなグラフィックも、印象派のように優しい表現も、時代を超えて並列されているみたいだ。金色の糸がとびでた、和の要素を匂わせるトップスやチュニック、オブジェのような、赤色の立体的ジャケットは、シアー素材やニットなど滑らかなテクスチャーのファブリックとともに合わせられた。その異素材の組み合わせから生まれるデザインやフォルムは、前衛的なニュアンスを醸し出している。
2019年03月25日ファッションデザイナーのコシノジュンコがパーソナリティーを務めるTBSラジオ『コシノジュンコ MASACA』(毎週日曜 17:00~)。16日の放送では、お笑い芸人・ブルゾンちえみがゲスト出演する。「一卵性の母と娘か」と言われるほど雰囲気が似ており、過去にはNTTドコモのCMでも共演を果たしている。実はブルゾンが「35億」ネタでブレイクする前から、コシノと出会っており、そのときにコシノがかけた言葉が明かされる。また、CMの裏話などについても語られる。
2018年12月11日