Creepy Nutsと菅田将暉によるコラボ楽曲「サントラ」が、本日7月1日より配信開始された。2019年8月『菅田将暉のオールナイトニッポン』にCreepy Nutsがゲスト出演した際、菅田の「今夜はブギー・バックのような曲にチャレンジしたい」という発言に盛り上がったことに端を発したこのコラボ―レーション。SNS上でも大きな話題となり、番組リスナーだけでなく、幅広い音楽ファンの注目を集めていた。この楽曲は日本テレビ系『スッキリ』 7月テーマソングとして1日の放送から使用される。■リリース情報Creepy Nuts × 菅田将暉「サントラ」作詞:R-指定作曲/編曲:DJ松永配信日:2020年7月1日
2020年07月01日映画を観ていると流れてくる音楽が印象に残って、サウンドトラックを購入して聴いてみたことがある人もいるのでは?実は、作中で使用されている音楽は、監督のメッセージを伝えたり、作品をひもとくヒントが隠されているなど重要な役割を果たしているんです!その読み解き方や注目すべきポイントを、サントラにまつわる本を記した長谷川町蔵さんに聞きました。「映画で流れる音楽は、以前は歌詞のないインストゥルメンタルが主流。雰囲気を盛り上げるために、音の面での演出として機能していました。でも、ここ20年、特にクエンティン・タランティーノ監督以降に増えたのが、歌詞でメッセージを伝えるなど、音楽を“第二の脚本”として使う手法です。たとえば『レディ・プレイヤー1』では、主人公がヒロインと会ったときに、テンプテーションズの『ジャスト・マイ・イマジネーション』が流れますが、これは片想いソングの代表格。観客はそれを聴くだけで“主人公はヒロインに恋しているな”ということが、セリフがなくてもわかっちゃうんですね。この手法が増えた背景のひとつには、映画で描かれる世界が多様化したことがあります。昔は映画で描かれる世界は、現実と離れた純文学的なものが多かったけど、今は、映画と現実が地続きという設定が普通になり、既存のヒット曲も流れるようになりました。また、同じ製作チームが手がけた『ラ・ラ・ランド』と『グレイテスト・ショーマン』は、共にブロードウェイに原作がないオリジナルミュージカル。それがヒットするのは、新しい流れといえます。ミュージカルの作家が世代交代をしたことでメロディがキャッチーで覚えやすい挿入歌を書く人が増え、観客にアピールする力を取り戻してきたんだと思います。ちなみに、監督が選ぶ音楽は、脚本を書くときにパッと思い浮んだ、体に染み付いたものを選ぶ人が多いもの。リアルに耳にしていた世代の音楽もあれば、自分の世代とは離れたものをオマージュとして使う場合もあります。だから、“なんでこの曲なんだろう”と調べると、映画の本質が見えてくるかも。気に入った映画がある人は、調べると面白いと思います。『ベイビー・ドライバー』「エドガー・ライト監督が、曲のテンポに合わせてカット割りしたといわれる作品で、’80~’90年代初頭の曲の引用が多い。作中ずっと流れるほど、究極的に曲を使っています」『ベスト・オブ・ボンド』「映画『007』の歴代テーマソングを収録したアルバム。“歌は世につれ、世はボンドにつれ…”じゃないですが、各時代のカッコよかった音楽が、今作を通じて見えます」『レザボア・ドッグス オリジナル・サウンドトラック』「曲でメッセージを伝える手法を確立したクエンティン・タランティーノ監督。今作のオープニングで『リトル・グリーン・バッグ』が流れたときの衝撃は、忘れません」長谷川町蔵さん文筆家。映画やアメリカンカルチャーに精通。近著に『サ・ン・ト・ランド サウンドトラックで観る映画』(洋泉社)。※『anan』2018 年7月18日号より。取材、文・重信 綾(by anan編集部)
2018年07月13日岡崎体育の「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「サウンドトラック」です。僕の母親がイージーリスニング好きで、『image』シリーズをずっと買っていたんです。リラクシング系、癒し系の音楽を集めたオムニバスアルバムです。小学生時代、僕もそれにどハマりしてずっと聴いていたのが、サウンドトラックを嗜む入り口だったのかなと思います。『image』といえば“情熱大陸のメインテーマ”です。僕にとってはこの曲は『image』シリーズを象徴するような曲で、いちばん気に入ってよく聴いてました。その主旋律は葉加瀬太郎さんのバイオリン。でも、そこであえて主旋律とは全然違うギターの音だけ聴き込んで、家にあったミニギターを抱えて一緒に弾いている真似をしたりしてましたね。あと記憶にあるのは、袴田吉彦さんが声優として主人公の吹き替えをされていたディズニーのアニメ映画『ダイナソー』。はじめて映画館で買ってもらった映画のサントラはこれだと思います。このアルバムの8曲目くらいに、木の上で生活している猿たちがむっちゃ踊りだすっていうのがテーマの曲があって。アップテンポなその曲が大好きで、この曲も猿になりきって踊りながら聴いたりしていました。だから僕にとってサントラは、その世界に没入して“なりきれる”楽しさがある音楽なんですよね。大人になってもサントラはそういう聴き方ができる音楽だと思います。歌モノ聴いて気分を上げるっていうのもいいですが、ピアノだけのエレジーな感じの曲とかをプレーヤーで流して電車に乗っていると、あたかも自分が物語の主人公になったような気分に浸れる。僕の最新アルバムにも「電車で聴くと映画の主人公になれる曲」というのがあるので、ぜひ試してみてほしい。めっちゃ、気分いいですから。そんな僕ですから、自分でサントラ作ってみたいという思いがあります。…ここで、ずっと温めているアイデアを発表していいですか?まだ、レコード会社にも話してないのにええのかな。てか、言って真似されたらイヤやな。ここで言っておけば真似されないか。あのですね、架空の映画のサントラ集を作っています。主題歌とか挿入歌とかもちゃんと作って、本格的に。最終的には、ポスターとかチラシも作って、予告編くらいまでは作ってみたいですね。…あ、でも、もちろん、ほんまの映画のサントラのオファーもお待ちしています!おかざき・たいいくNHK Eテレ『天才てれびくんYOU』に出演中。全国6会場7公演、ワンマンツアーが3/25・仙台を皮切りにいよいよスタート!※『anan』2018年3月21日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年03月17日2016年2月24日に発売される『「普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。」ソング&サントラアルバム~ウィンター&スプリング~』の試聴動画が公開された。本作は2015年12月24日にTBSほかにて放送された『「普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。」OVAクリスマススペシャル「みんなでお祝いしてみた。」』のOPテーマやEDテーマなどを収録したもの。本日公開された試聴動画では、OPテーマ「レインボーバトン」やEDテーマ「聖なる夜に」のTVサイズ、「ふるさとのうた」といった収録楽曲を聴くことができる。このほかCDには、BGMや「聖なる夜に」の奈々子(cv. 伊藤美来)・縁(cv. 三澤紗千香)・ゆい(cv. 吉岡麻耶)・みらい(cv. 水瀬いのり)によるそれぞれのソロバージョンも収録される。○アルバム『TVアニメーション「普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。」ソング&サントラアルバム ~ウィンター&スプリング~』ダイジェスト試聴さらに本日2月10日は「名都借みらい」の誕生日ということで、Twitterではハッシュタグ「#名都借みらい生誕祭」をつけたお祝いメッセージを募集する誕生日企画も実施中となっている。各詳細については公式サイトや特設サイトをチェックしてほしい。『「普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。」ソング&サントラアルバム~ウィンター&スプリング~』は、2016年2月24日の発売予定で、価格は2,500円(税別)。(C)小杉光太郎・一迅社/流川市ふるさと振興課
2016年02月10日昨年10月より放送開始となった「ルパン三世」新TVシリーズのサントラ第2弾『ルパン三世 PART IV オリジナル・サウンドトラック~MORE ITALIANO』が2016年3月23日に発売されることが決定した。価格は3,500円(税別)。大野雄二氏が新TVシリーズのために書き下ろした約250曲もの楽曲から、昨年発売された『ルパン三世 PART IV オリジナル・サウンドトラック~ITALIANO』には収録されていない「ルパン三世のテーマ」のFUNKY & WILDバージョンやおなじみのサブタイトル、さらにはアイキャッチ数種など、選りすぐりの49曲を2枚組に収録。前作と同じくBlu-spec CD2にて高音質でアニメの世界観を楽しめる内容となっており、ハイレゾでも同日配信開始となる。さらこちらの商品は、大野雄二氏率いる「Yuji Ohno & Lupintic Five」結成10周年記念キャンペーン対象商品で、同日発売となるYuji Ohno & Lupintic Five with Fujikochan’sのライブDVD・Blu-ray『ルパン三世コンサート~LUPIN! LUPIN!! LUPIN!!! 2015~』と同じく、最後のキャンペーン対象商品となる。原作:モンキー・パンチ (C)TMS
2016年01月20日シネマカフェがおすすめするサントラ入門盤紹介。第5回目の今回は、“芸術の秋”の訪れを感じる日々におすすめしたい、どっぷりと映画と音楽の世界に浸れる3枚をご紹介。■『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』“ベルセバ”こと「ベル&セバスチャン」のフロントマンとして活躍するスチュアード・マードックが初の脚本・監督デビューを果たした本作は、もともとスチュアートが2009年にソロプロジェクトとして発表した同名アルバムをもとに、映画として語り直したもの。少女“イブ”を主人公に、ミュージカル映画としてポップな楽曲が全編を彩っている。これまでにもさまざまなミュージカル映画のサウンドトラックをご紹介したけれど、本作はもともとはひとつのアルバム作品として発表されている楽曲ばかりで構成されているということもあり、楽曲それぞれがストーリーを語りながらも、それぞれに独立した魅力を放っている。それになにより、スチュアートの書く楽曲はまったくぶれることなく、スウィングするリズムに豊穣なハーモニー、そしてメランコリックに響くメロディには終始うっとりさせれらる。劇中で結成されるポップグループが鳴らすサウンドは、どれもどこか懐かしくて、胸を躍らせるようなものばかり。それは、この映画の最後にジェームズが言う“この夏は僕の最高傑作だ”という言葉のように、いつか過ごした夏に思いを馳せ、当時の胸の高鳴りを気恥ずかしさと切なさが混ざり合ったような感覚と共に思い出すような、そんな気持ちにさせられる音楽ばかりだ。この夏に過ごした時間を思い出しながら、少しずつ訪れる秋を感じるためのサウンドトラックとしてぜひ手にとってほしい一枚。■『ラブ&マーシー』「ザ・ビーチ・ボーイズ」のメインソングライターとして、数多くの名曲を世に送り出したブライアン・ウィルソンの生涯を描く本作。もちろんサウンドトラックには「ザ・ビーチ・ボーイズ」の豊かなサウンドやハーモニーが堪能できる楽曲の数々が収録され、インストゥルメンタルパートはアッティカス・ロスの楽曲が並んでいる。アッティカス・ロスといえば、フェイスブックの創設者マーク・ザッカーバーグを描いたデヴィッド・フィンチャー監督作『ソーシャル・ネットワーク』の音楽を「ナイン・インチ・ネイルズ」のトレント・レズナーと共同で手掛けアカデミー賞を受賞したほか、同じくデヴィッド・フィンチャー監督作『ゴーン・ガール』や『ドラゴン・タトゥーの女』の音楽を手掛け、どちらかといえばシリアスでミステリアスな作風が特徴。爽やかな「ザ・ビーチ・ボーイズ」を描く映画に、なぜアッティカス・ロスが?と鑑賞前は思ってしまうかもしれないけれど、本編で描かれるブライアンをすっぽりと包む孤独や彼の心の闇には、アッティカス・ロスの緊迫感のあるトラックとてもマッチし、物語に情感を与えている。多くの幻聴に悩まされていたブライアンが、実際に聞いていたであろう“音”を想像して制作されたという楽曲の数々は、サンプリングされた「ザ・ビーチ・ボーイズ」のさまざまな楽曲の断片を再び再構成するというかなり実験的な内容。そこにアッティカス・ロスならではの空間を包み込むようなメランコリックな空気が加わり、「ザ・ビーチ・ボーイズ」の楽曲と並べられた本作の中でも聞き応えのあるものばかり。とはいえ、まずなによりブライアンの楽曲はどれもすばらしく、本作をきっかけに「ザ・ビーチ・ボーイズ」のアルバム(特に本編で制作される「ペット・サウンズ」をぜひ)や彼のソロ作に手を伸ばすことを強くおすすめする。壮絶な日々が描かれた物語のラスト、ブライアンとメリンダが見つめあう中で流れる「素敵じゃないか」に涙したひとも少なくないのではないだろうか。■『フリーダ・カーロの遺品―石内都、織るように』佐野洋子の名作絵本『100万回生きたねこ』のドキュメンタリー作品『ドキュメンタリー100万回生きたねこ』で注目を集めた小谷忠典監督の新作として公開された本作。前作ではコーネリアスが音楽を担当していたが、本作ではギタリストの磯端伸一がサウンドトラックを手掛けている。ギターという表現の境界をすり抜けるように、美しくミステリアスで透明感のある磯端伸一のサウンドは、夏の終わりに振る雨のようにひんやりと、スピーカーから空気の中に溶け込んでいく。繊細なメロディが流れはじめたかと思えば、思わぬ方向へとハーモニーが展開していく静謐なギターの音色と、薬子尚代が弾く瑞々しいピアノが絡み合う本作は、長雨の続く秋に室内でゆったりと過ごすのに最適な一枚としてぜひおすすめしたい。(text:Toshihiro Horiai)
2015年09月23日シネマカフェがおすすめする、“いま”聞いて欲しいサウンドトラック紹介「シネマカフェ的サントラのすすめ」。夏休みならではのラインナップで映画館が賑わう中、残りの夏のBGMとしてもオススメの3枚を紹介する。■『バケモノの子』日本を代表するアニメ映画監督として新作が待望される細田守監督作『バケモノの子』のサウンドトラックは、前作『おおかみこどもの雨と雪』に引き続き高木正勝が音楽を担当している。劇場公開作品の音楽を高木正勝が担当しているのは、前述の『おおかみこども』をはじめ、蒼井優主演の『たまたま』や、ジブリのドキュメンタリー『夢と狂気の王国』など。その中でも特に『おおかみこどもの雨と雪』での、どこか母性的でやわらかいピアノを基調とした美しいメロディの数々は、映画を確かに感動的に彩っていた。これまでの細田守監督作の中でも、冒険譚として大きくファンタジー映画への舵取りをしたような本作のサウンドトラックは、ファンファーレのように鳴り響く管楽器や流麗なストリングスがめまぐるしく展開し、高木正勝のディスコグラフィの中でも屈指の力作と言えるほど素晴らしい一作。オーケストラを全面にフューチャーしたサウンドは、冒険譚をドラマチックに演出し、前作で感じられた母性から、本作では少年性が表現されているような、わくわくさせられるような楽曲ばかりだ。コンピューターを用いたエレクロニカ路線から、生演奏中心のアコースティックへとシフトしていった高木正勝だが、『バケモノの子』では電子音楽的な粒だったメロディや散りばめられたようなリズム感覚を、生楽器で演奏しているのが面白い。さらには、物語の舞台となる「渋天街」の、どこかオリエンタルな雰囲気を彩る笛の音色やお囃子のようなリズム、さまざまなパーカッションの音色やハンズクラップに至るまで、色彩豊かな本編と同様にカラフルな音色が楽しめる。そしてなにより高木正勝ならではピアノの旋律は、とにかく暖かい。今年の映画音楽の中でも、傑作に数えられる一枚だろう。■『躍るアイラブユー♪』陽光眩しいリゾート地を舞台としたミュージカルという点では『マンマ・ミーア!』を彷彿とさせる本作は、80年代ヒットソングの数々がフューチャーされたとにかく楽しい一作。以前紹介した『イミテーション・ラブ』のサウンドトラック同様、80年代の楽曲はリアルタイムで聞いたことがなくても、映画やドラマ、テレビなどで耳にしたことがあるようなものばかり。俳優たちの歌声が何よりの聞きどころなのがミュージカル映画のサントラだが、セリフ的な歌唱であったり、シーンの中での感情とともに表現されたりといったものが多い中、本作はほとんどが歌そのものをきっちり聞かせる作りで、サントラだということを忘れて聞くと、オムニバスアルバムを聞いているような感覚が味わえる。レオナ・ルイスの参加がひとつの聞きどころではあるが、特に本作は演奏がいい。80年代的なシンセサイザーに、切れのあるエレキギターやパーカッションなど、歌の背景になることなく80年代の雰囲気が現代的な演奏で楽しめる。遅めに起きた休日の朝を、マドンナの”Holiday” からはじまる本作はきっと気分を晴れやかにしてくれる。■『奇跡の2000マイル』アリス・スプリングスからインド洋まで、オーストラリア西部の砂漠を4頭のラクダと一匹の犬と共に2000マイル横断した女性の実話を、ミア・ワシコウスカ主演で描く本作。ロードムービーと言えばフォークソングやロックンロールなどの軽快なサウンドトラックが全編を彩る、というのが映画のひとつの定番としてあるが、カナダのダブルベース奏者であるGarth Stevensonが手がける本作の音楽は、どちかといえばアンビエントと呼ばれるような、空間的で広がりのある美しい音楽が全編で展開される。肌を焼く太陽のオレンジや、途方もなくどこまでも続いていくような砂漠、そして巻き上がる砂塵に汚れていく衣服、そんな美しいも険しいオーストラリアの景観の中で映画全体に漂う“渇き”に、すっと透き通るようなみずみずしいGarth Stevensonの音楽は、映画そのものに潤いをもたらしているような感覚をもたらす。そして、映画ではあまり明確にされることのない”旅にでる理由”や、登場人物たちが抱く感情や孤独に、この音楽は神秘的なまでの美しさを与えている。優しく控えめなピアノや繊細なフルート、ストリングス、そしてぼろりとならされるダブルベースの音色は、夏の午後に差し込む夕日との相性もきっといいはず。(text:Toshihiro Horiai)
2015年08月26日シネマカフェが“いま”聞いて欲しいサントラを紹介する「シネマカフェ的サントラのすすめ」。第三回目の今回は、伝説のアニメシリーズの新劇場版サントラや、この夏おすすめの是枝監督最新作のサウンドトラックなどをご紹介。■『新劇場版攻殻機動隊』ハリウッドでスカーレット・ヨハンソンを主演に映画化されることも決定している、日本が誇るSFシリーズ『攻殻機動隊』。今年で25周年を迎える本シリーズは、これまで、押井守監督による『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』および『イノセンス』、神山健治監督による『攻殻機動隊S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D』が劇場作品として公開されており、『新劇場版攻殻機動隊』は4作目の映画作品となる。これまでの川井憲次、菅野よう子に変わり、本作および劇場版へと続くストーリーを描いた「ARISE」シリーズからは、音楽をコーネリアスが担当。過去にコーネリアスが映画音楽を手掛けたのは、『攻殻』と同じく士郎正宗原作による『EX MACHINA』で音楽監督を務めた細野晴臣とのコラボ楽曲と、ドキュメンタリー映画 「100万回生きたねこ」など、意外にも少ない。しかしながら、辻川幸一郎が手掛けるミュージックビデオや、映像とのシンクロナイズを目指した数々のショーなど、映像作品と彼の音楽の相性は折り紙つきであり、NHK「デザインあ」でのサウンドトラック提供は、彼のサウンドの特徴であるデザイン性の高さを見事に体現した例だと言える。これまでの『攻殻』においては、作品の持つ情報量の多さに呼応するかのように作りこまれた川井さん、菅野さんの音楽が作品の魅力に寄与する部分が大きかったが、コーネリアスのサウンドデザインの整然としたたたずまいや、激しさのなかにも同時に感じられる統率された静けさは、新シリーズのまた新しいユニークな魅力を演出している。特に、コーネリアスの音楽の特徴である、適切に配置された音やノイズの数々が生み出す響きは、劇場のサラウンドシステムによって鳴らされると独自の快楽性が生まれ、映画に音楽的な魅力を加えることにも成功している。ともに国内外で高い評価を得ているアニメとミュージシャンのコラボレーションとして、注目したい一枚。■『海街diary』是枝裕和監督の最新作『海街diary』では、上述の『攻殻機動隊』のほか、数々のアニメやCM音楽などを手掛ける菅野よう子が音楽を担当している。これまで実写映画としては、中島哲也監督『下妻物語』や、小栗旬が監督し話題を呼んだ『シュアリー・サムデイ』、桜井翔主演『ハチミツとクローバー』、『tokyo.sora』『好きだ、』『ペタル ダンス』といった石川寛監督のすべての作品などを手掛けてきた菅野さんの音楽は、作品によって大きく趣向が異なるのが特徴。『海街diary』においては、これまでの是枝監督作品と同様に、そこまで音楽が多用されるわけではなく、物語の舞台となる鎌倉の風景を照らす光のように、すっと空気に溶け込むような優しい音楽が鳴らされる。広範な音楽性の中でも特に特徴的な菅野さんはピアノはどこまでもやわらかく、クラシカルな風格漂う和音は途方もなく美しい。夏の清涼剤としてもおすすめしたい一枚。■『ハッピーエンドが書けるまで』前作『きっと、星のせいじゃない。』においても、サントラの良さに定評があったジョシュ・ブーン監督。新作『ハッピーエンドが書けるまで』においても選曲のセンスがよく、耳なじみのいい楽曲が並ぶサウンドトラックに仕上がっている。ちなみに、ケイトがラスティにプレゼントするCD「Fevers and Mirrors」は、劇中に流れるインストゥルメンタルを手掛けたマイク・モーギスとネイト・ ウォルコットがかつて在籍したバンド「ブライト・アイズ」のサードアルバムであり、そのボーカリストであるコナー・オバーストの楽曲が劇中で使用されるなどと、分かる人からするとちょっとニヤリとしてしまう選曲もいい。他にも、雨の振る夜に車の中でリリー・コリンズ演じるサマンサとルイスが聞くエリオット・スミスの「Between the Bars」など、物語の中で音楽がドラマチックに絡んでくるので、本作に感動したひとならぜひ手にとってほしい一枚。(text:Toshihiro Horiai)
2015年07月28日“いま”聞いてほしいサントラを紹介する【シネマカフェ的サントラのすすめ】。第2回目の今回は、サントラ界の大御所のニュースコアや、ヴァラエティ豊かな楽曲の数々が楽しめるサントラをご紹介する。サウンドトラックといっても、歌の入っていない所謂“インストゥルメンタル=インスト”ものから、劇中のセリフがまるまるトラックとして入っているものや、劇中に流れる既存の楽曲がまとめられたものなど、作品によってそのあり方は大きく異なる。今回紹介するのは、いかにもサントラ然としたインストものから、劇中に流れる楽曲集、そして、作品のコンセプトに則ったコンピレーションアルバムの3枚。■『チャッピー』SF映画界最注目株であるニール・ブロムカンプ監督最新作『チャッピー』は、映画音楽界きっての巨匠ハンス・ジマーが音楽を担当している。映画音楽に興味がある人なら、何度も彼の名前がクレジットに明記されるのを見たことがあるのではないだろうか。現在までに100作品を優に超えるスコアを手がける彼は、これまでにアカデミー賞をはじめゴールデングローブ賞など数々の受賞暦を持ち、名実共に映画音楽界の巨匠と言えるだろう。近年では、クリストファー・ノーラン監督『インターステラー』にてアカデミー賞にノミネートされたのが記憶に新しい。SF界の新鋭ブロムカンプと巨匠ハンス・ジマーのコラボレーションとして大いに注目が集まるであろう本作のサウンドトラックは、ハンス・ジマーにとっては彼のサウンドの中核ともいえるシンセサイザーによる電子音がふんだんに使用されたエレクトリックな楽曲で展開される。劇中ではほぼ音楽が鳴りっぱなしの本作において、どれだけジマー氏の音楽が重要な位置を占められているかが分かるほど、かなり映画のテンションをぐいぐいと引っ張っていく楽曲が続き、聞いていると劇中の緊張感や躍動感がおのずと頭の中で再現される。本作は人工知能という最先端のテーマを扱いながらも、チャッピーをはじめ登場するロボットたちはどこか懐かしさを感じる造詣であり、サウンドトラックにおける楽曲の中でもどこかレトロな電子音の散りばめたりと、効果的な演出がなされているのも聞いていて面白い。サントラの世界に足を踏み入れる上では、ある意味では避けては通れないほど大きな存在であるハンス・ジマーの入門盤として、話題の本作から入るのもいいかもしれない。■『フォーカス』既存の楽曲を劇中で効果的に使用するのも映画音楽のあり方のひとつだが、そういった作品のサウンドトラックは、オムニバスアルバムのようにさまざまなアーティストの楽曲を聴くことができるため、新しい音楽に出会うことができるいい機会だ。これまで『フィリップ、きみを愛してる!』『ラブ・アゲイン』においても、センスのいい楽曲が劇中を彩っていたグレン・フィカーラ&ジョン・レクア監督。最新作『フォーカス』においてもそのセンスは健在で、ジャズやファンクなどのブラックミュージックを基調としながらも、全体としてバラエティに富んだサウンドトラックとなっている。60年代のシンガーであるバーバラ・ルイスの楽曲から、「Edward Sharpe & The Magnetic Zeros」といった00年代以降のファンクミュージック、さらに劇中で興奮のギャンブルシーンで流れる「Iggy Pop&the Stooges」の名曲“Gimme Danger”や、60年代のサイケデリックコンビIt’s A Beautiful Dayの楽曲など、楽曲セレクトのセンスが光る。物語の舞台がブエノスアイレスに移ると流れはじめるアルゼンチンなどいった南米のミュージシャンの楽曲も作品に色を沿え、サウンドトラックというよりかはむしろミックステープのような感覚で楽しむことができる一枚だ。■『イニシエーション・ラブ』”あの頃カーステから流れていた80’S BEST HITS”という副題がつけられた堤幸彦監督作『イニシエーション・ラブ』のコンピレーション・アルバムは、監督自身が監修を務めた2枚組というボリューム満点な一作。寺尾聰「ルビーの指輪」や、森川由加里「SHOW ME」など、物語の中で効果的に使用される楽曲だけでなく、80年代のヒットソングの数々が収録されている。収録曲がヒットした80年代のリアルタイムにそれらの楽曲を耳にすることがなくても、たとえば安藤裕子による「君は1000%」のカバーや、「木綿のハンカチーフ」の椎名林檎、「そして僕は途方に暮れる」のハナレグミなど、現代のミュージシャンによるカバーによってこれらの楽曲に慣れ親しんでいる方も多いのかもしれない。本作品に収録されている楽曲は、時間を経たいまでも歌い継がれているという事実からも、歌としての“強度”を感じるものばかりだ。さらには、80年代特有サウンドとしてのシンセサイザーやリバーブといった“あの感じ”を十分に味わうことができ、2010年代の現在においてはその懐かしさが新鮮な感覚として耳に入ってくる。劇中ではカセットテープを吹き込んで楽曲がカーステから鳴らされていたが、映画『はじまりのうた』のように、iPhoneに入れて彼や彼女やともだちと街を歩きながら聞くのもまたいいかもしれない。(text:Toshihiro Horiai)
2015年06月05日劇中を彩る音楽から、映画の新たな魅力を発見することができる「サウンドトラック」の世界。今年に入ってからだと、『はじまりのうた』、『セッション』のサントラがヒットを記録するなど、サントラへの注目がますます高まりつつある。名作映画の影に名曲あり、といったように、映画を観ているあいだだけじゃなく、日常の生活の中でも映画を彩った楽曲に触れることは、また違った楽しみが見出せるものだ。ここでは、今までにサウンドトラックを手に取ったことがない人や、日ごろ馴染みない人でも、気軽にその世界を楽しめるような、シネマカフェイチオシのサントラを現在公開中の作品の中から紹介する。■『セッション』話題沸騰の“狂気”の音楽映画『セッション』のオリジナルサウンドトラック。発売週にはiTunesMusicStoreにてジャズ・チャートのトップ10圏内にもランクインし、公開前より本作品の取り扱いを開始する劇場もあったほどで、4月最も話題の一枚と言えるだろう。他のジャンルの中でも、特に音楽の占める位置が重要となってくる音楽映画。『セッション』の場合、少し変わった構成のサントラになっている。3つのパートに別れた楽曲群は、登場人物たちがバンドで演奏する楽曲、狂気のレッスンの日々の背後で流れるサウンドトラック、そして主人公とフレッチャーが憧れたであろう黄金期のジャズをイメージした楽曲と、作品の中での時系列に沿った並びではなく、映画の中での音楽の意味付けによってセクションが別れ、それぞれが異なる魅力を放っているのが大きな特徴だ。中でも、最初のパートにおける、本作の原題となった「Whiplash」はもちろん、映画をご覧になった方ならだれでも熱狂するであろう“あの”シーンでの「Caravan」は必聴。■『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』『バベル』でアカデミー作曲賞を受賞したグスターボ・サンタオラヤとこれまでタッグを組んでいたアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督だが、新作『バードマン、あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』では、パット・メセニーのバンドにも所属するアントニオ・サンチェスを起用。ドラムオンリーで構成されるかなりストイックな楽曲が、劇中で縦横無尽に鳴り響いている。ドラムの音だけと聞くと、少しとっつきにくいのではと思われるかもしれないが、アントニオ・サンチェスのドラムは実に雄弁、時にはメロディアスなまでに豊かなサウンドで劇中を彩っている。『セッション』を観て「ドラムってカッコいい!」と思った方にもぜひおすすめしたいところ。16曲のドラムトラックの後に続くサウンドトラックの後半パートでは、グスタフ・マーラー、チャイコフスキー、ラヴェル、ラフマニノフなどクラシックの楽曲が続く。『バードマン』という映画全体に漂う新しさと、ある種のクラシカルな名作としての風格は、この二つのパートにわかれたサウンドトラックからも十分に感じ取ることができる。クールなドラムに痺れる前半と、うっとりする楽曲が続く後半、それぞれ堪能できる充実の一枚だ。■『ラスト5イヤーズ』ミュージカル映画のサウンドトラックというのは、いままでサントラを聞いたことがないひとにとって入門盤ともいえる一枚も見つけやすいジャンルと言える。『レ・ミゼラブル』や『バーレスク』、『ドリームガールズ』観て、はじめてサントラが欲しいと思ったという方も多くいるのではないだろうか。二人の男女の出会いから別れまでを、それぞれ別の視線で描くミュージカルラブストーリーである『ラスト5イヤーズ』のサウンドトラックは、もし劇中の楽曲にこころを動かされたなら買いの一枚。全編に渡ってこれまでかというほどのキャッチーなメロディとポップソングとしての豊かなアレンジを施された楽曲の数々は、思わず劇中のシーンを思い出しながら躍りだしたくなったり、涙ぐんでしまうようなものばかりだ。二人が辿る時間と、二人が歌うメロディ、それらはもちろん映画の中で効果的に演出が施され、それらがどのように交差し、どんなハーモニーが生まれるのかというのがこの映画では大変重要な意味を持つことになる。はじまりから終わりへ、終わりからはじまりへと交差するこの物語のサウンドトラックは、聞き終わったあとにまた振り出しに戻るような感覚が生まれ、思わずなんども繰り返し聞いてしまうだろう。(text:cinemacafe.net)
2015年05月08日サントラストは7日、スペインOzone社のゲーミングマウス「OZONE NEON」の取り扱いを発表した。ブラック / ブルー / レッド / ホワイトの4色を用意。11月12日より発売する。価格はオープン。店頭予想価格は6,980円。ゲーミングモデルとしては珍しい、左右対称デザインのゲーミングマウス。本体の左右にサイドボタンを2個ずつ装備する。ボタン数は8で、128KBのメモリを内蔵。各ボタンにプログラムを割り当てることができ、5つの独立したプロファイルに保存可能。最大解像度6,400DPIのレーザーセンサーを搭載し、800 / 1,800 / 3,500 / 6,400DPIの4段階で調整が可能。ポーリングレートも125 / 250 / 500 / 1,000Hzの4段階で調整できる。プログラム設定用ソフトウェアが付属。インタフェースはUSB、ケーブル長は約1.8m。表面は滑りづらいラバー加工となっており、重量は約120g。対応OSはWindows XP / Vista / 7 / 8。
2014年11月07日プリンスとレディー・ガガが、レオナルド・ディカプリオ主演最新作『華麗なるギャツビー』のサントラに楽曲を提供する可能性が出てきた。同作のキャストの1人であるアデレイド・クレメンスによれば、プリンスとガガの方から自ら、同作を手掛けるバズ・ラーマン監督に楽曲提供の話を持ちかけた模様で、アデレイドは「『華麗なるギャツビー』のサントラの準備中のようね…何人かの大物ミュージシャンたちがバズに話を持ちかけているみたいだけど、ワーナー・ブラザースがプリンスとレディー・ガガを門前払いするとは思えないじゃない」と「The Playlist」に語っている。しかしアデレイドは「私がこれ以上の話を明かしていいか分からないわ」と口を閉ざしており、それ以上の情報は明かさなかったため、プリンスとガガが個々に曲を制作しているのか、もしくはコラボ曲を制作中なのかは分かっていない。もし今回の話が実現した場合、ガガにとっては初めて映画のサントラに楽曲を提供する機会となる。一方のプリンスは1989年の作品『バットマン』の主題歌「バットダンス」でUSチャート1位を獲得しているほか、2006年公開のアニメ映画『ハッピー フィート』の主題歌「ソング・オブ・ザ・ハート」でゴールデン・グローブ賞にて最優秀オリジナル主題歌賞を受賞している。■関連作品:華麗なるギャツビー 2013年夏、全国にて2D/3Dで公開© 2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
2012年10月16日