京都にある世界遺産・下鴨神社で2016年8月17日(水)から8月31日(水)まで、「下鴨神社 糺(ただす)の森の光の祭」が開催されます。ウルトラテクノロジスト集団・チームラボによって、下鴨神社の境内がアート空間へと変貌するイベントです。見どころをチェックしていきましょう。異能集団チームラボが世界遺産、下鴨神社とコラボレーション!プログラマやCGアニメーター、建築家、グラフィックデザイナーなど、デジタル社会におけるさまざまなスペシャリストによって構成されているウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」。アート、サイエンス、テクノロジーの境界を取り除き、さまざまな分野で活動を行っています。2015年のミラノ万博では日本館で二つの部屋の展示制作を担当し、数々の賞を受賞したことでも話題となりました。そんなチームラボがこの夏手掛けるイベント「下鴨神社糺の森の光の祭」は、世界遺産である下鴨神社を舞台に「呼応する木々」、そして「呼応する球体」の二つの展示を展開。世界遺産を最先端のアート技術を駆使して演出します。●森の参道を光のアート空間に。「呼応する木々」参道沿いに展示される「呼応する木々」は、人が近づくと参道の木々がライトアップされます。さらに光の色が変化したり音が響いたりする仕組みで、光の変化が隣の木々へと徐々に伝搬。木々の光はそれぞれ自律していて、まるでゆっくりと呼吸するかのように安らかに明滅する光を体験できる作品です。●下鴨神社の楼門の中を光る球体で満たす「呼応する球体」「呼応する球体」は、楼門の空間にただよう光の球体が「呼応する木々」の光と同じように、自律的に輝いたり消えたりしながら幻想的な光の空間が作られます。球体は叩いたり押したりして衝撃を与えると、光の色を変化させながら独特の音色を響かせるのが特徴です。その光は周囲の球体にも伝搬し、同じ色の光に変化していきます。球体の光は近くの木々にも呼応し、木々の光はさらに楼門を超え、楼門の外に伸びる参道に設置された「呼応する木々」にも伝搬。辺り一帯を一つの光の現象で包み込みます。なお「呼応する球体」は、8月17日(水)、および土日のみの開催ですのでご注意ください。■スポット情報名称:下鴨神社 糺の森の光の祭会場:下鴨神社(賀茂御祖神社)京都府京都市左京区下鴨泉川町59アクセス:京阪電車・叡山電車の出町柳駅より徒歩で約10分期間:2016年8月17日(水)~31日(水)(「呼応する球体」は8月17日(水)、および期間中の土日のみ開催)時間:18:00~21:30(ライトアップ)公式ページ:
2016年08月17日4月に過失による多量投薬で他界したプリンスの遺産管理費用が、すでに約200万ドル(約2億340万円)に達しているようだ。プリンスが遺書を残していなかったことで、遺産管理を担当するブレマー・トラストは、スティンソン・レオナルド・ストリート・ファームの1社だけでの190万ドル(約1億9,300万円)を含む多額費用を法律事務所数社に支払う許可を裁判所に求めているという。同社は自社に対する手数料の支払い許可も裁判所に求めているというが、その金額は公表されていない。そんな中、プリンスがビバリーヒルズ、ニューヨーク、ミネソタに所有していた自宅などが売りに出されている。TMZによれば、法廷書類にはその物件が市場価値の90パーセント以上のオファーだった場合にのみ売却すると記されているようだ。それに対して法廷は、一部の物件の売却を遺産管理団体に許可したようで、ミネソタの自宅だけでも3,000万ドル(約30億円)はくだらないと言われている。また死後間もなくには、プリンスが1,200万ドル(約12億円)相当の別荘をタークス・カイコス諸島に所有していたことが明らかになっていた。プリンスは10寝室をも要するその豪邸を2010年に購入していたというが、実際に住むことはなかったという。その家は家具は全てそろっていないながらも、映画『パープル・レイン』で使用された鏡や椅子などが備えられていると言われているが、今回の売却物件に含まれているかどうかは分かっていない。(C)BANG Media International
2016年08月03日photo:世界遺産イェーイ!ご存じ!東南アジアで最も有名な世界遺産、アンコール・ワット!東南アジアにはバラエティに富んだ世界遺産がたくさんあり、どれもオススメなのですが、やはりアンコール・ワットの存在感は圧倒的です。ちなみに、世界遺産として登録されているのは、アンコール・ワットだけではありません。世界遺産「アンコールの遺跡群」は、9~15世紀にかけてインドシナ半島のほとんどを支配していたクメール人の王国、アンコール朝の遺跡群で、その最高傑作がアンコール・ワット。世界遺産の登録範囲は40000ha、東京ドーム約855個分!という広大な敷地に600を超える石造りの遺跡が残されています。アンコール・ワットの次に有名と言われている、仏教的要素が強いアンコール・トム、巨大な樹木が遺跡にからみついたタ・プローム、東洋のモナリザと言われるデヴァター(女神)像で有名なバンテアイ・スレイなど、アンコール・ワット以外にも見所は満載です。バイヨン寺院の四面仏塔@アンコール・トム photo:世界遺産イェーイ!さて、今回はアンコール・ワットでこれだけは押さえておきたいスポットを時系列にご紹介致します。朝日や夕日を絶対に見たいので、アンコール・ワットは観光する時間帯が重要なのです! アンコール・ワット観光の1日はこんな感じ!1. 5時:アンコール・ワットの朝日2. 8時:第一回廊のレリーフ(浮き彫り)観光3. 10時:シェムリアップの街に戻ってブランチまたは他の遺跡観光4. 14時:アンコール・ワット再び5. 17時:プノン・バケンかプレ・ループから夕日 1. 5時:アンコール・ワットの朝日西参道北側の聖池の前からパシャリ photo:世界遺産イェーイ!アンコール・ワットまでやってきたら、絶対に見たいのが朝日!前日までの移動で疲れているかもしれませんが、暗いうちに起き出して、次第にはっきりと姿を現す暁のアンコール・ワットを目に焼き付けましょう。アンコール・ワットは、12世紀後半アンコール朝のスールヤヴァルマン2世によって約30年かけて造営されたビシュヌ神を祀るヒンドゥー教寺院です。クメール語で「アンコール」は「街」を「ワット」は「寺院」を表します。そんなアンコール・ワットは、ヒンドゥー教の宇宙観を元に建てられており、だいたい以下で構成されています。・お堀・東西南北の門・東西の参道・経蔵・聖池・第1回廊・十字回廊・第2回廊・第3回廊・中央塔を含む5つの尖塔「中央塔」は世界の中心とされる伝説の山、須弥山(しゅみせん:メール山)を象徴し、中央に行くに従って高くなる3重の回廊は「山脈」や「大陸」を表し、お堀は「大海原」を表しています。何とも、神秘的ですね!アンコール・ワットの全体像を見るにはやっぱり空からが一番!「アンコール・バルーン」という気球に20USドルで乗ることができます。気球はロープにつながれたまま200m真上に上昇します。横の移動がないため、比較的安全で怖くありません!人気なので、事前の予約は必須です。ちなみに、アンコール・ワットの観光は原則早朝5時半からとなっています。アンコール・ワットの中に入れなくて朝日が見られないという可能性は低いと思うのですが、念のため日の出の時間と観光開始時間を現地のホテルなどで確認してから行きましょう!観光の拠点となる街はシェムリアップ。シェムリアップの街からアンコール・ワットまでは車で約15分です。早朝の車の手配などは念のため前日までにしておきましょう! 2. 8時:第一回廊のレリーフ(浮き彫り)photo:世界遺産イェーイ!さて、日の出の後は第一回廊のレリーフ(浮き彫り)を見に行きましょう!この時間帯は、朝食を食べにホテルに戻る観光客が多いので、人が少なくて観光しやすいのです!この時間にレリーフを観光した方が良い理由はもう一つありまして、午前中は逆光となるため外観よりはレリーフなど内部の見所がオススメなのです。午後は順光となるので外観は午後に観光することにしましょう。中央塔を四角く囲んでいる第1回廊の壁面には1辺に2個ずつ物語をモチーフにしたレリーフがあり、壁面が浮き彫りでびっしり埋め尽くされてます。普通に歩いてくると西側の回廊から入ることになりますので、以下の順番に反時計回りで回るのが一般的です。1. 西側の南:マハーバーラタ(クルクシェトラの戦い)2. 南側の西:創建者スールヤヴァルマン2世の軍隊3. 南側の東:天国と地獄4. 東側の南:乳海攪拌(にゅうかいかくはん)5. 東側の北:ヴィシュヌ神の悪魔征伐6. 北側の東:クリシュナと魔王7. 北側の西:神々と悪魔の戦い8. 西側の北:ラーマーヤナ(ランカの戦い)マハーバーラタ@西側の南 photo:世界遺産イェーイ!古代インドの叙事詩「マハーバーラタ」。北インドの名門バーラタ族の覇権争いがテーマ。こちらのレリーフはパーンダヴァ軍とカウラヴァ軍が王位を争っている戦闘シーン。乳海攪拌(にゅうかいかくはん)@東側の南 photo:世界遺産イェーイ!ヒンドゥー教の天地創造神話を描いた「乳海攪拌」は、不老不死の妙薬「アムリタ」を手に入れる為に、神たちが色々な努力をするお話です。その中に、神々と魔人が大蛇の胴体を綱として引き合うシーンがあり、こちらの写真はまさに引っ張っているところなのです! 3. 10時:シェムリアップに戻ってブランチ、他の遺跡観光など一旦アンコール・ワットを出て宿があるシェムリアップに戻りブランチなど食べながら休憩しましょう!ブランチの後は最も暑い時間帯になります。早起きした疲れをマッサージで癒したり、プールでのんびりしたり、昼寝して休憩するのも良いでしょう。せっかくシェムリアップまで来たからには、昼寝なんてしてないでもっと遺跡を観光したい!という方にオススメなのはアンコール・トム!アンコール・ワットとアンコール・トムは車で約5分。アンコール・トム自体は3~4時間で全てまわることができます。遺跡の周辺には売店や軽食を食べられるところがありますので、そこでさくっと休憩して、観光を続けるのもアリです。くれぐれも水分補給は忘れずに!! 4. 14時:アンコール・ワット再びさて、アンコール・ワットに戻ってまいりました!夕日は別のところで見るので観光時間は17時までの3時間!効率良く行ってみましょう!・お堀と西参道photo:ひさほ ゆうまずは、お堀を見ながら西参道をテクテク歩いて行きましょう!奥に見えるのがアンコール・ワット最大の門、中央西塔門! ここをくぐって、いよいよアンコール・ワットの境内に入ります!photo:世界遺産イェーイ!西門の裏側には、彫りの深いデヴァター像がたくさんあります! ・聖池photo:世界遺産イェーイ!門から本堂入口の十字型テラスまで参道があります。その両側に経蔵があり、その先に聖池が2つあります。向かって右手の池には水がないのですが、左手の池には水が残されています。この左手の池が写真スポット!水面にアンコール・ワットが映る絶景をぜひとも写真に収めましょう!朝日の写真もここがオススメです! ・十字回廊photo:世界遺産イェーイ!第1回廊と第2回廊をつなぐ十字回廊に出てきました。十字に区切られた空間には4つの沐浴池があります。十字回廊の北側の真ん中のちょっと出っ張ったところにエコーが響く場所があります。壁を背にして胸をたたくと音が反響します!ツアーの皆さまがドーンドーンと胸をたたいていらっしゃるので、きっとわかるはず。一度やってみましょう!そしてこの十字回廊での一番の見所は「森本右近太夫」さんの落書き!1632年に仏像を奉納にやってきた右近太夫さんの落書き、現在は上から墨汁が塗られていて解読が難しいのですが必見です。落書きは十字回廊の南側、東側の沐浴池と西側の沐浴池の間にあります。 ・第2回廊photo:世界遺産イェーイ!第2回廊までやってくると、高さが結構高くなります。回廊の内部は第1回廊とは異なりガランとしており、頭部のない仏像が並んでいたりします。 ・第3回廊&5つの尖塔photo:ひさほ ゆう第2回廊を超えると、第3回廊、そして5つの尖塔の前に抜けることができます!中心にそびえる中央祠堂は4つの塔とそれをつなぐ第3回廊に囲まれた中心に立っています。日によっては第3回廊に登ることができます。急な階段ですので、足元に注意しましょう! 5. 17時:プノン・バケンorプレ・ループから夕日夕日は運なので難しいのですが、ベストシーズン乾季の11月~5月は比較的美しい夕日を見られる可能性が高いです!それでは、夕日スポットオススメ遺跡を2つご紹介致します! ・プノン・バケンアンコール・ワットから車で5分くらいのところにある夕日スポットNo.1と言われている「プノン・バケン」。高さ60mの小高い丘の上に建てられたヒンドゥー教寺院です。photo:世界遺産イェーイ!こんな感じでえっちらおっちら登って行きます。結構大変。そして、現在は入場制限などの規則があるそうなので、早めに行った方が良さそうです。photo:世界遺産イェーイ!頂上の様子です。photo:世界遺産イェーイ!頂上からは、アンコール・ワットが見下ろせます!photo:世界遺産イェーイ!私たちが見た夕日はこんな感じでした!幻想的ですがちょっと曇ってますね。これは10月に行ったときの写真です。うーん、夕日は難しい! ・プレ・ループアンコール・ワットから車で10分弱くらいの「プレ・ループ」。夕日スポットとしても有名なピラミッド寺院です。photo:世界遺産イェーイ!プレ・ループとは「体の変化」という意味で、火葬が行われていたことに由来するそうです。写真中央に見えるのが火葬に使われていた石槽です。photo:世界遺産イェーイ!少々曇っていますが、こちらが夕日!と、こんな感じで、真っ赤に燃える夕日を見るのは難しいですし、朝日と比べるとアンコール・ワットをバックにするわけではないので、ちょっとイメージとは違うのかもしれないのですが、何とか美しい夕日を見たいですね! 以上早朝からのアンコール・ワットを堪能する1日いかがでしたでしょうか。アンコール遺跡はまだまだあります!翌日もたくさんの遺跡を観光するために早寝しましょう! 世界遺産豆知識!■アンコールの遺跡群 (文化遺産)登録:1992年登録基準:「人間がつくった傑作」、「文化交流」、「文明の証拠」、「建築技術」・アンコール・ワットへのアクセス日本からカンボジアまでの直行便はないので、タイのバンコク、またはベトナムのホーチミン経由が一般的。【バンコク経由】日本からバンコクは直行便で約6時間半。バンコクからシェムリアップは約1時間。【ホーチミン経由】日本からホーチミンは直行便で約6時間。ホーチミンからシェムリアップまで飛行機で約1時間。 ※ 記事中の情報は、全て2016年7月現在のものです。(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 <上・下> 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』】 4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラム
2016年07月31日近代建築の巨匠、ル・コルビュジエが設計した国立西洋美術館。世界遺産に登録するかどうかを決める審議が明日15日から17日にかけて行われるため、世界中で話題となっています。上野公園のなかにあって動物園にも近く、お散歩コースにもぴったり。せっかくだから、子ども一緒に芸術を楽しんでみませんか?■ル・コルビュジエ建築を体感できる国立西洋美術館とは、フランス美術コレクションを専門に展示している美術館です。館内の展示絵画はもちろん、敷地内では、ロダンの彫刻作品を鑑賞できます。あの有名な「考える人」は、入り口近くに展示されています。さらに本館は、ル・コルビュジエが設計した国内で唯一の作品。1階部分を柱だけにした「ピロティ」や、ら旋状の回廊などがその特徴です。世界中の人たちがうらやむコルビュジエ作品を実際に見て触れて体感できるのは、日本ではココだけです。■子どもと楽しむなら常設展がおすすめ企画展はほぼ毎日、全国から訪れる人たちで大混雑。でも、常設展であれば、ゆったりと鑑賞できます。常設展には、クロード・モネやルノワール、ゴッホ、ピカソ、ゴーガンと、知名度の高い作品群が展示されているので、美術に詳しくない人でも十分に楽しめるはず。親が足を止めてじっと鑑賞する作品に、子どもたちはどう反応するのでしょうか。大きなキャンバスに圧倒されたり、力強いタッチに魅かれたり、描かれた人物のポーズをマネしたり、動植物に興味を示したり…。さまざまな反応を見せてくれるはずです。そして、これらの作品を見ながら、子どもとの会話を楽しみたいですね。■子どもと鑑賞するときのポイント展示の案内順通りに回らなくても、作品ひとつずつをじっくり見なくても、いいと思います。初めて見るモノもあれば、自分が知っているカタチとちがうと気づくこともあるでしょう。子どもが興味のある作品を見つけることを大切にしてあげたいですね。子どもの意外な反応や、親の知らなかった好みを発見するなど、子どもだからこその感性や感覚に驚かされることも多いはずです。また、子どもが興味のない作品がある場合は、特別理由などを聞かずに、あっさり通りすぎてしまいましょう。■子どもと鑑賞するときのマナー広い空間やいつもとちがう雰囲気に、子どもたちは大興奮することも。美術館に来ている人たちが気持ち良く鑑賞するためにも、守りたいマナーがあります。・作品にさわらないこと・館内を走らないこと・おしゃべりは小さな声で美術館にはとっても大切な絵が展示されていることをしっかりと伝えて、子どもの気持ちを整えてから入れば大丈夫です!■親子でアートに親しむプログラム国立西洋美術館では、年に2回、春と秋には、子ども向けのファミリープログラム「どようびじゅつ」を開催しています。6~9歳の子どもと同伴の大人を対象に、常設展の鑑賞に加え、描いたり貼ったり切ったりといった創作活動を通して参加者たちがアートに親しむプログラムです。次回は9月開催、申込開始は8月ごろで先着順とのこと。また、毎年12月には、「美術館でクリスマス」を開催しています。クリスマスキャロル・コンサートやリース、ツリーをつくるワークショップなど、楽しいイベントがめじろ押し。家族みんなですてきなひとときを過ごせそうですね。美術館は子連れにはハードルが高い、なんて思っていてはもったいない! お散歩がてらに子どもと一緒にアートを楽しんでみるのもいいものです。親子で新たな発見があるはずですよ。
2016年07月14日©TRIPPING!インドネシア・ジョグジャカルタで最も有名なストリートといえば「マリオボロ通り」。 同市を南北に貫く目抜き通りで、王宮へとつながる道は、かつて特別な行事の時に花で飾られていたことから「花飾り」の意味を持つ「マリオボロ」と名付けられたという説がある。©TRIPPING!通りにはホテルやショッピングモールが並び、「MAL MALIOBORO」は、地元の人に人気。地下1階には、スーパーマーケット「HERO」もあるので、食材やお菓子、お茶などをお土産で買うなら立ち寄りたい。MAL MALIOBORO ©TRIPPING!©TRIPPING!通りには他にも、屋台やハンドメイド・クラフトからローカル向けの洋服店、土産店まで、どの店も商品で溢れ、歩道も露天で埋め尽くされているほどだ。特にインドネシアの民芸品であるバティックは専門店が多く、色も柄も豊富。衣服やバッグだけではなく、テーブルクロスやクッションカバーなどのインテリアとしても映え、眺めているだけでも楽しい。お土産探しなら、バティック以外の雑貨もたくさん揃うミニデパート「ミロタ・バティック」も観光客に人気。©TRIPPING!夜は路上に屋台が出現し、ストリートミュージシャンなどで華やかに賑わう。屋台は「レセハン」と呼ばれる、テント内に広げられたマットに座りこむスタイルが主流で、ジョグジャカルタの伝統料理でジャックフルーツを使ったカレー、グドゥッや定番のナシゴレンなど、様々なローカルグルメを味わってみては。©TRIPPING!ショッピングで名が知られている「マリオボロ通り」だが、歴史を感じさせる建築物も目を引く。北門近くには現在、中央郵便局とダカン・ネガラ銀行が入居する、コロニアル調の大きな建物がお目見え。歩き進めると、独立直後に大統領の官邸として使用されていたゲストハウスがある。ジョグジャカルタで最も古いホテル「ガルーダ・ホテル」もあり、古き時代の趣が残る。マリオボロ通りの散策はもちろん徒歩で。一日中賑わっているが、特に夕方は人通りが多い。アクセスはタクシーなど。トゥグ駅からも徒歩で行くことができる。
2016年06月08日歌手プリンスさんの遺産を巡り、新たな2人の相続人候補が現れたようだ。相続人を名乗る1人目のノーマン・イエイツ・カーテンズさんは今年4月に亡くなったプリンスさんの養子であると話しており、それを証明した遺書があること記した書類を遺言検認裁判所に提出した。ノーマンさんはプリンスさんが自分のために700万ドル(約7億5,400万円)の遺産を残していると主張しているが、現在その遺書がどこにあるか職員たちに話すことはできないとしている。また、もう1人のレジーナ・ソレンソンさんは、プリンスさんの異母兄弟であると主張しているとTMZが報じている。プリンスさんは遺書を残していなかったことから妹タイカ・ネルソンが相続財産管理人になっており、プリンスさんの残した遺産は推定3億ドル(約320億円)といわれている。タイカは自身の半分血のつながった兄弟たちアルフレッドとオマーと今年4月、ミネソタ州でプリンスさんの遺産についての話し合いを行ったが、タイカが葬儀にアルフレッドを呼ばないという決断を下したことにアルフレッドが腹を立て、2時間の話し合いはけんかで終了してしまったようだ。タイカの兄弟たちは、タイカが遺産を多くを受け取る権利があると思っていると感じたといわれている。ミネソタ州の法律では、6人のプリンスさんの兄弟たちは平等に遺産を受け取る権利が与えられるという。プリンスさんの家族たちは、現在もペイズリー・パークにあるプリンスさんの自宅に保管されていた何百万ドルもの価値があると言われるプリンスさんの未公開の作品を含めた全ての遺産を巡り、争いを繰り広げているところだ。(C)BANG Media International
2016年06月08日ワット・スラ・シー(城壁内) photo:世界遺産イェーイ!仏教遺跡や仏像が好きな方に絶対オススメの世界遺産スコータイ!タイ初の統一国家スコータイ朝が築かれた古都には、多くの寺院が残されています。 タイの仏教遺跡と言えば先日ご紹介したアユタヤが有名ですが、タイの歴史を肌で感じたかったらスコータイが絶対オススメ!!観光客が多いアユタヤよりもスコータイの方が喧騒から離れてゆったりと古都に思いを馳せることができます!スコータイまではタイの首都バンコクから北へ飛行機で約1時間半。5日間くらいの休みがとれてタイに行こう!と思ったら、バンコクともう一都市行きたいところですよね!そんな時、遺跡でも見ながらのんびりすごしたいな~という方はぜひスコータイを選びましょう!それでは、そんなスコータイで外せない寺院10をご紹介致します! 1. ワット・マハータート(城壁内)photo:世界遺産イェーイ!スコータイ最大の寺院「ワット・マハータート」! 城壁の真ん中にある最も重要な寺院であります。増築を繰り返したので作りが複雑なのが特徴。広大な境内には200以上の大小の仏塔が並んでいます。もともとは屋根があったのですが、現在は石の柱と仏像だけが残されています。ここで、ちょっとだけスコータイの地理について説明します。世界遺産「スコータイと周辺の歴史地区」は、メインの「スコータイ」、そして少し郊外にある「シー・サッチャーナライ」と「カンペーン・ペット」この3つの都市遺跡が世界遺産として登録されています。メインの「スコータイ」だけでも約70平方km(東京ドーム約1,500個分!)とびっくりするくらい巨大!その中でも遺跡の中心となるところは、東西約1,800m、南北約1,600mの城壁に囲まれたメインエリア、城壁北エリア、城壁西エリア、城壁南エリア、城壁東エリアの5つのエリアに分かれています。ホテルやレストランが多いスコータイ市内から遺跡までは西に約12kmです。ソンテオ(小型トラックの荷台に屋根と座席をつけた乗り合いバス)で移動しましょう。遺跡をまわるのは自転車かトゥクトゥクがオススメ!ソンテオが到着したところにはレンタルサイクル屋さんやトゥクトゥクの客引きがたくさんいます。photo:クスクスさん(自転車) 世界遺産イェーイ!(トゥクトゥク)のんびり旅情を感じながらまわれる自転車。料金交渉がないのが楽ちん!道が整備されているので運転しやすいです。ただ日影が少ないスコータイでは常に直射日光にさらされることになるので、帽子と水分と日焼け止めは忘れずに!涼しい早朝から観光して、一番暑い時間帯は休憩しましょう!トゥクトゥクを利用する場合は、行きたい寺院をリストアップしてLet’s料金交渉!予めホテルなどで相場を聞いておくと交渉しやすいです。屋根のあるトゥクトゥクに乗っている間は、日の当たらないところに座っていられるので、体力のない方にはオススメです。雨季などでスコールが来ても安心! 2. ワット・シーサワーイ(城壁内)photo:世界遺産イェーイ!3基並んだトウモロコシのような仏塔(クメール式)が残されている寺院。細かい彫刻も必見! 3. ワット・トラパン・ングン(城壁内)photo:世界遺産イェーイ!「銀の池」という意味を持つ寺院。池の中に浮かぶ小島と池をはさんだ西側の遺構から成ります。こちらの写真はスコータイ美術で特徴的な遊行(ゆぎょう)仏。仏陀の歩く姿を描いてます。ほっそりとして流れるような体の線が美しいスコータイ様式の仏像は歴代で最も美しい形とされています。 4. ワット・スラシー(城壁内)photo:世界遺産イェーイ!池に浮かぶ小島にある寺院。こちらの写真の奥に見える仏塔はスリランカ様式の釣鐘型です。 お次は城壁の外に出てみましょう!城壁の外でもいくつかの寺院は自転車で行くことができます。 5. ワット・シーチュム(城壁北)photo:世界遺産イェーイ!屋根のない本堂に、高さ約15mの巨大な座仏像(アチャナ仏)がいらっしゃいます。 6.ワット・プラパーイルアン(城壁北)photo:世界遺産イェーイ!スコータイで最も古いと言われている寺院。トウモロコシのようなクメール様式の仏塔が特徴です。これら2つの寺院は城壁の北側から約500m~1.5kmのところにあるので、自転車でも行くことができます。 7. ワット・トラパントーンラン(城壁東)photo:世界遺産イェーイ!今はこんな四角い建物だけが残っている遺跡なのですが、かつては美しいブッダのレリーフがあったのです!ブッダの説法の様子などのレリーフが彫られていました! 8. ワット・チャーンローム(城壁東)photo:世界遺産イェーイ!釣鐘型の仏塔を32頭の象さん達が支えています!この2つの寺院は城壁の東側から約1kmのところにあります。こちらも自転車で行くことができます。 9. ワット・チェートゥポン(城壁南)photo:世界遺産イェーイ!城壁の南側から約1.5kmのところにあり、本堂の四方には、座像、立像、臥像、遊行像の4体の仏像がありました。この写真は立像。かすかにお姿が見えます。 10. ワット・サパーンヒン(城壁西)photo:世界遺産イェーイ!城壁の西側にあるワット・サパーン・ヒン。ここは少々遠いので覚悟して行きましょう。トゥクトゥクで行っても途中で丘を自力で登らなければなりません。また観光客が少なく少々治安が悪いのでグループで訪れるなどしましょう。こちらでは赤いレンガで支えられている高さ12.5mの「アッターロ」と呼ばれる右手を挙げた仏像が有名!スコータイの中では一番行くのが大変な寺院ですが、上まで登ると畑や木々の緑あふれる風景を眺めることができます。 スコータイで外せない寺院に続いて、スコータイからは少し離れてしまうのですが、世界遺産に登録されているスコータイ郊外の遺跡をちょっとだけご紹介します。 シー・サッチャーナライphoto:ひさほゆうスコータイから北へバスで約1時間20分のところにあるシー・サッチャーナライ。スコータイ朝時代には、スコータイに次いで第二の都市として発展したところでもあり、現在も14の寺院が残っています。こちらの写真は「ワット・プラ・シー・ラタナー・マハータート」。クメール式のトウモロコシのような塔が特徴です。 カムペーン・ペットスコータイから南西へバスで約1時間のところにあるカムペーン・ペット。カンペーン・ペットとは「金剛の城壁」という意味を持つのですが、その名の通り高さ約5m、総距離約5.8kmの城壁にぐるりと囲まれた軍事都市でした。城壁の中の王室寺院「ワット・プラケオ」にある巨大な涅槃像は必見です! スコータイは街ものんびり楽しい話は戻ってスコータイ市内のお話です。観光客がそこまで多くないスコータイ。おしゃれなカフェも多いのでのんびり読書したり、夕方からにぎわう市場の屋台でつまみ食いをするのも楽しいです。photo:世界遺産イェーイ!私がスコータイで夜な夜な食べていたのが、こちらのおつまみセットです。北部のソーセージとピーナッツと生唐辛子としょうが、なのですが、どれも美味しくてポリポリ食べてしまいました。タイ北部のソーセージは酸っぱくて辛くて歯ごたえがあって、ビールのつまみにぴったりなんですよ!スコータイでは早朝からせっせと汗をかきながら遺跡を観光!暑くなって来たらおしゃれなカフェで休憩。夕方からは美味しいつまみをかじりながらビールをガブガブ飲んじゃいましょう! 世界遺産豆知識!■スコータイと周辺の歴史地区 (文化遺産)登録:1991年登録基準:「人間がつくった傑作」、「文明の証拠」スコータイ朝は、カンボジアのアンコール朝の支配から独立し、タイ人初の独立国家となりました。スコータイとは「幸福の夜明け」という意味です。このスコータイ朝は、後にアユタヤ朝に併合され幕を閉じることになります。スコータイ朝は、ラームカムヘーン王の時に最盛期を迎え、仏教が伝わると多くの寺院が建立され仏教国として繁栄しました。そのため現在でも多くの寺院が残されています。スコータイの遺跡はアユタヤの遺跡よりも古いのですが、アユタヤよりも保存状態が良いものが多いです。スコータイの遺跡はれんが造りのものが多いので、木造が多いアユタヤよりも完全な状態で残っているのです! ・スコータイへのアクセス日本からバンコクまで直行便で約6時間。バンコクからスコータイまで飛行機で約1時間半。 ※記事中の情報は、全て2016年5月現在のものです。(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』】 4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラム
2016年06月02日お笑いタレントの明石家さんま(60)が、18日に放送されたフジテレビ系バラエティ番組『ホンマでっか!?TV』(毎週水曜21:00~)で、遺産について語った。今回、「死後の世界」をテーマに放送。その中で、「自分が死ぬ前にお金をどうするか」について、出演者が「家族に残す派」と「全部使い切る派」に分かれてトークを展開した。さんまは「家族に残す派」。「IMALUと二千翔が苦労しないで済むくらいあげたい」と2人の子供の名前を出し、「でも今考えてる。渡そうか、渡したらダメになるんじゃないかとか」と迷っている最中だと明かした。そして、「あとは寄付しようと思っている。最後の最後に残った金は寄付するよ」と続け、「子供には少ない少ない!」と話した。また、「使い切る派」のマツコ・デラックスは、「家族いないもんね。無趣味だし、友達もいなしし、どうやって使ったらいいかわからない」と吐露。さんまは思わず、「泣いてまうわ!」とツッコんだ。
2016年05月18日著者撮影Wedang Uwuh(ウェダン ウウー)ジョグジャカルタの伝統茶のご紹介です。ジャワ語で、Wedangは“温かい飲み物”、Uwuhはなんと“ゴミ”!乾燥させた葉や木の皮などが、まるでゴミみたいだからという、かわいそうなネーミングですが、体が温まるおいしいドリンクです。著者撮影中身は、しょうが、クローブ、シナモンの葉、カルダモン、サラムリーフ、赤いドリンクの正体は、自然染料としても利用されるsecang(セチャン)と呼ばれる木の皮と黄色い氷砂糖。スパイス類を、さっと水で洗ってから、すべての材料にお湯をそそぐだけで、完成します。1杯分ずつに個包装されていますが、日本人の口には1杯だと甘すぎるので、2杯くらいがちょうどいいです著者撮影添付されているしょうがは、生タイプのものと乾燥させたパウダータイプがあります。お土産には乾燥させたタイプが安心ですね。マリオボロ通りにある有名なお土産屋さん「ミロタバティック」やブリンハルジョ市場などで、購入可能です。
2016年05月11日photo:世界遺産イェーイ!街の世界遺産ホイアン!ぷらっと街を歩けば、それは世界遺産散歩!ホイアンは小腹が減っておやつを買いに行くだけで世界遺産が堪能できてしまう素敵な街なんです。ベトナム中部にあるホイアンは国際貿易港として繁栄した街で、様々な国の文化の影響を受けたノスタルジックな街並みが魅力です!成田から直行便があり人気急上昇中の都市ダナンからホイアンまで車で1時間とアクセスの良さも素敵です。それでは、ホイアンでマストな観光スポット6個をまわるモデルルートをご紹介致します! 1. 来遠橋photo:ひさほゆうホイアンで最もメジャーな観光スポット「来遠橋(らいおんばし)」からホイアン散歩を始めましょう!ベトナムの2万ドン札にも印刷されている来遠橋は、日本の職人が作ったと言われています。朱印船貿易の中継地点として多くの日本人がホイアンに移住し、最盛期には1,000人もの人々が暮らしていたそうです。 2. フーンフンの家(馮興家)photo:ひさほゆう来遠橋から歩いて1分のところにあるフーンフンの家!ホイアンでは古くからある木造のお家を見学することができます!こちらのフーンフンの家は約200年前に貿易商人の住居として建てられた家。建物の中は中国っぽいレトロな雰囲気で素敵なので、ぜひ部屋の中も見学して下さい。2階からは来遠橋を見ることができますよ! 3. クアンタンの家(均勝號)フーンフンの家からチャンフー通りを東に歩くと数分でクアンタンの家に到着です!このチャンフー通りには古い町並みが残っているので、のんびり歩いて世界遺産散歩を楽しみましょう。photo:ひさほゆうクアンタンの家は平屋でホイアンの典型的な住宅と言われています。こちらの写真は中庭。このようにホイアンには中庭のある造りの住宅が多いんです!繊細な美しい彫刻も見逃せません。 4. 海のシルクロード博物館photo:ひさほゆうクアンタンの家の斜め向かいにある海のシルクロード博物館は2階建ての民家がそのまま博物館になっており、内部には沈没船から引き上げた遺物などが展示されています。朱印船貿易で日本との関わりが深かったホイアン。朱印船の絵巻の写真なども残されています。 5. 福建会館photo:世界遺産イェーイ!クアンタンの家からチャンフー通りをぷらぷらと数分歩くと、中国南東部にある福建省出身者達が建てた集会所、福建会館に到着!中国っぽい華やかな色使いが鮮やかです。 6. タンキーの家(進記家)photo:世界遺産イェーイ!福建会館を出たらチャンフー通りの1本南を走るグエンタイホック通りを西に戻りましょう。グエンタイホック通りもチャンフー通りと同様ノスタルジックな風景が広がっていますので、カメラ小僧も大満足!パシャパシャしながらグエンタイホック通りを10分くらい歩くとタンキーの家(進記家)に到着です。こちらは200年前に建てられた中国広東省出身の漁師の家。 ホイアン三大名物は外せません!タンキーの家の周辺には、お洒落なカフェやレストランがたくさんあるのでここまで来たら一休みしましょう!すぐ近くのアンホイ橋を渡った対岸にも、トゥボン川に面した眺めの良いカフェがあるのでそちらもオススメ!実はホイアンは食も有名なんです!ホイアン三大名物の「カオ・ラウ」、「ホワイト・ローズ」、「揚げワンタン」はどれも絶品!他の街ではなかなか味わえないホイアン名物をぜひ味わってみて下さい。左上:カオ・ラウ右上:ホワイト・ローズ左下:揚げワンタンどれもビールとの相性が抜群です! photo:世界遺産イェーイ! ホイアンは夜もい~んです!photo:ひさほゆう街の世界遺産ホイアンは、早朝、昼、夜、全ての時間でそれぞれに違った趣のある姿を見せてくれるのですが、私のオススメは夜のホイアン!ホイアン名物のランタンに彩られたロマンチックな風景は日程に余裕がなくとも一度は見ておきたいところです!photo:ひさほゆう先ほどご紹介した来遠橋も夜はライトアップされて、幻想的になります! ホイアン観光どこに泊まって楽しむ?昼間のお散歩も夜のそぞろ歩きも楽しいホイアン!どこに泊まってホイアンを楽しめば良いのか悩むところです。ホイアンを観光するには、ホイアンもしくはダナンを拠点とすることになるのですが、私のオススメはダナンのリゾートホテル!ホテルからホイアン1日ツアー、もしくは夜のホイアン散策&ディナー付きのナイトツアーなどもあるので、リゾートライフも満喫しつつ、効率よくホイアンを楽しむことができます。世界遺産大好き!写真撮りまくりたい!!という方はホイアンを拠点とした方が早朝、昼、夜と色々なホイアンの姿を見ることができて楽しいです。ホイアンの街中には小さいホテルが多いですが、雰囲気のあるブティックホテルなどもありますよ!またダナンからは「ミーソン」という遺跡の世界遺産にも車に乗って2時間程度で行くことができます (ホイアンからミーソンは車で約1時間半) 。ダナン、ホイアンから半日ツアーがあるので、ホイアンとは全く趣の異なる、緑に囲まれた神秘的な遺跡を見てみましょう!ミーソン聖域 photo:世界遺産イェーイ!午前中はミーソンで汗をかきながら遺跡観光、ホテルのプールで一休みして夕方からはホイアンでノスタルジックな雰囲気を味わうなんて過ごし方も素敵ですね。 世界遺産豆知識!■古都ホイアン (文化遺産)・登録:1999年・登録基準:「文化交流」、「伝統的集落」全盛期はヨーロッパ、インド、中国、日本などの船がたくさん寄港し、国際貿易港として栄えた街ホイアン。前回の記事でご紹介したアユタヤも同じく国際貿易港として栄華を極めました。どちらも朱印船貿易で日本との関わりも深く、その面影を現在も残しています。世界遺産を500件以上まわってきた私も大好きな街の世界遺産ホイアン。あまり気負わずにのんびり散策するのが楽しいですね。東南アジアでは金ピカの寺院が美しいラオスのルアン・パバンなども同じく街の世界遺産です。どちらも街をぷらぷら歩いたりするのが好きな方におすすめです。・ホイアンへのアクセス日本からダナンまで直行便で約6時間。ダナンからホイアンまで車で約1時間。 ※記事中の情報は、全て2016年4月現在のものです。(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』】 4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラム
2016年04月30日ワット・プラ・シー・サンペット photo:世界遺産イェーイ!国際貿易都市として約400年間栄えたアユタヤ。神格化された歴代の王たちは多くの仏像やチェディ(仏塔)、寺院などを築きました。しかし1767年にビルマ軍の侵攻により絢爛豪華な仏像や寺院は破壊され、現在は切り落とされた仏像、崩れ落ちた仏塔、土台のみの王宮などが残されています。 バンコクからアユタヤへの移動手段アユタヤはタイの首都バンコクからのアクセスが良いことでも有名です!日本からバンコクまでは飛行機で約5時間半。バンコクからアユタヤは電車やバスで約2時間と、バンコクから日帰りも可能なのです。バンコクからアユタヤへの移動手段は、ロットゥー(ミニバス)、電車、タクシーチャーターなどがあります。ロットゥーは、バンコクの戦勝記念塔から出発してアユタヤの主要な寺院のすぐ近くに到着するので何かと便利。バンコクの戦勝記念塔まではBTS(スカイトレイン)で行くことができます。タクシーチャーターは少々高くつきますが何人かでシェアできると割安に楽に行くことができます。またバンコクからの日帰りツアーも数多く出ており、行きはバスで帰りはチャオプラヤー川をクルージング!というツアーもあります。photo:世界遺産イェーイ!個人的には雰囲気たっぷり旅情たっぷりの電車が好きです。少々便利さではロットゥーに劣りますが、タイの風に吹かれながら(エアコンなしも多い)、ガタゴト行くのも楽しく、車内販売でアイスやお菓子が買えるのも魅力的です。 アユタヤで絶対に見たい寺院5つ!1. ワット・プラ・マハータートphoto:ひさほゆうアユタヤで最も有名と言っても過言ではないこちらの仏頭!ビルマ軍の侵攻により仏像が破壊され、長い年月をかけて仏頭が木の根に取り込まれこのような姿になりました。かつては44mの黄金の仏塔があったと言われていますが、現在残っているのは、こちらの仏頭、そして壊された仏塔だけです。 2. ワット・プラ・シー・サンペットphoto:ひさほゆうアユタヤ王朝の王室守護寺院として建てられた寺院。スリランカ様式の3塔の仏塔には歴代のアユタヤ王朝の王3人の遺骨が納められています。(スリランカ様式:仏塔の先が鋭くとがっているのが特徴) 3. ワット・ロカヤ・スターphoto:世界遺産イェーイ!インパクト大!な草原に横たわる全長28m高さ5mの涅槃仏!頭の方にいる人と比べてみて下さい。遺跡の側を、象が歩いているんですよ! photo:世界遺産イェーイ! 4. ワット・ヤイ・チャイモンコンphoto:ひさほゆうアユタヤの島の外側(南東)にあり、島の内部の遺跡からは少し離れています。高さ62メートルの仏塔を囲むようにずらーりとたくさんの座仏像が並んでいることで有名です。 5. ワット・ラチャブラナphoto:世界遺産イェーイ!クメール様式の寺院。大きな仏塔は途中まで上ることができます。アユタヤ時代の壁画なども仏塔内部に残されているのでぜひ上ってみましょう!(クメール様式:仏塔の先端が丸みを帯びているのが特徴) 5つの寺院をトゥクトゥクで回ろう!アユタヤの中心部は3つの川で囲まれて島のようになっていて、今ご紹介した5つの寺院のうち「ワット・ヤイ・チャイモンコン」以外は島の中にあります。アユタヤは暑いので効率よく体力を温存して楽しむにはトゥクトゥクで回るのをオススメします!アユタヤで半日あれば大丈夫です! モデルルートはこちら!アユタヤ駅またはロットゥー乗り場↓ワット・ラチャブラナ↓ワット・プラ・マハータート↓ワット・プラ・シー・サンペット↓時間に余裕があれば「ワット・プラ・シー・サンペット」の近くにある屋台でご飯!↓ワット・ロカヤ・スター↓ワット・ヤイ・チャイモンコン↓アユタヤ駅またはロットゥー乗り場タイのオムレツは美味しい photo:世界遺産イェーイ!もう少し時間があれば、朱印船貿易で栄えていた日本人町や、アユタヤから南へ約20kmのところにあるバーン・パイン宮殿などにも行ってみたいところです。夜のワット・プラ・シー・サンペット photo:世界遺産イェーイ!以上バンコクからの日帰りを押してきましたが、実はアユタヤは泊まっても楽しいんです!いくつかの寺院は夜ライトアップされ、昼間とは違った幻想的な雰囲気を見せてくれます。夜はかなり暗く、人もほとんどいないので安全面を考え旅行代理店や泊まっているホテル主催のナイトツアーに参加しましょう!・アユタヤへのアクセス日本からタイの首都バンコクまで直行便で約5時間半。バンコクからアユタヤは車、電車で約2時間。 アユタヤと周辺の歴史地区 (文化遺産)・登録:1991年・登録基準:「文明の証拠」 ※記事中の情報は、全て2016年3月現在のものです。(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』】 4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラム タイ中部の世界遺産!アユタヤの遺跡と、貴重な動物に会える自然遺産!
2016年04月03日俳優の鈴木亮平が世界を冒険する紀行ドキュメンタリーの第2弾「鈴木亮平“世界ミステリー遺産”に挑む!~カリブ海縦断4800km!7日間の大冒険~」が2日(土)今夜放送となる。鈴木さんといえば「世界遺産検定1級」を持つことでも知られる“遺跡マニア”。そんな鈴木さんが7日間にわたる冒険に出発する。今回の舞台は中南米・カリブ海の国々。コロンビアの平地に突如現れる聖なる巨岩やマヤ文明最後の都市と言われるベリーズの巨大神殿をはじめ、メキシコの湖に浮かぶ謎の水上都市などロマンあふれる風景や神秘の世界を鈴木さんが探訪する。昨年7月の第1弾ではアドリア海沿岸を旅した鈴木さん。世界遺産が本当に好きな鈴木さんだからこそ醸し出せる本気の感動や興奮が視聴者からも好評を得て、第2弾が待望されていた。出演は鈴木さんのほか、ナレーションを本上まなみが担当する。「鈴木亮平“世界ミステリー遺産”に挑む!~カリブ海縦断~」はNHKBSプレミアムで2日(土)21時~23時の放送。(笠緒)
2016年04月02日ベトナム中部の世界遺産、「ミーソン遺跡」。近年ビーチリゾートとして注目集まる都市・ダナンから2時間ほどで訪れることが出来るということもあって、人気の観光スポットだ。 謎が多く残された、ジャングルの中に佇む遺跡©TRIPPING!特長的な煉瓦づくりの建物が深いジャングルの中、静かに佇む神秘的な光景は、歴史好きならずとも観たいもの。国内8つの世界遺産のうちのひとつで、ヒンドゥー教シヴァ派の聖地であることから「ミーソン聖域」とも呼ばれる。©TRIPPING!緑濃い山々と、港町ホイアンへと続くトゥーポン川に囲まれた自然豊かな地。4世紀から13世紀にかけて建てられた建造物は古代チャンパ王国初期の政治的、宗教的中心を担っていたとされる。20世紀初頭、フランスの考古学者らにより発見され、修復、補強が進められたが、大部分は戦争により破壊。 特にベトナム戦争時の爆撃によるダメージは大きく、その爪あとは展示されている発掘品にも見ることが出来る。1975年の南北統一後から修復は本格的に行われ、1999年にはUNESCOの世界文化遺産に登録。今なお修復は続けられていて、なかなか進まない地雷撤去作業が発掘を阻んでいることもあり、手がつけられていない部分は多数。まだまだ謎が多く残された遺跡なのだ。©TRIPPING!大小71か所にも及ぶ遺跡群は集合体ごとにA~Hまで、8つのグループに区分されている。セメントや漆喰などの接着剤を使わずに積み上げられた煉瓦作りの建物は、当時のチャンパ人の建築技術の高さを示すもの。ヒンドゥー教の女神や象徴的シーンが描かれた繊細なレリーフが刻まれ、訪れる人を魅了する。©TRIPPING!最も注目されるのはグループAの中心にある煉瓦積み祠堂。比較的保存もよく、インドなどから影響を受けたチャンパ美術、美しい装飾文様をじっくり観ることが出来る。©TRIPPING!敷地内にある演舞場では、一日に3回(9:30、10:30、14:30)、伝統舞踊が披露されている。アクセスはダナンから車で2時間、ホイアンから1時間ほどで、ツアーを利用するのがおすすめ。また現在「ミーソン遺跡」の石像の一部はダナンの「チャム彫刻博物館」に展示されているので、時間が許せば合わせて覗きたい。 ミーソン遺跡(My Son Sanctuary)・住所: Duy Phu Commune, Duy Xuyen District, Quang Nam Province・入場時間: 6:30~17:00・入場料: 100,000VND
2016年03月30日©TRIPPING!インドネシア、ジョグジャカルタを訪れるなら外せない観光名所といえば、世界遺産「ボロブドゥール遺跡」。世界最大の仏教遺跡とあって、国内外を問わず連日多くの観光客で賑わっている。 遺跡公園内のホテル「マノハラ・ホテル」でランチ©TRIPPING!ジョグジャカルタから車で1時間半ほどの場所に位置するボロブドゥール遺跡。ちょうどお昼時に訪れるなら、遺跡を眺めながら優雅にランチタイムを過ごすはいかがだろうか?そこで、今回ご紹介するのが、遺跡公園内にロケーションする、マノハラ・ホテルのレストラン「Witarka Resto」。オープンエアーになったダイニングエリアは、美しい芝生の庭に面していて、その先にはボロブドゥール遺跡を望むことができる。 リーズナブルに楽しめるインドネシア料理料理は、伝統的なインドネシア料理が中心。ホテルのレストランというと、価格設定に驚いてしまうこともあるが、こちらのレストランは良心的なのでご安心を。©TRIPPING!・ナシゴレン スペシャル マノハラ(Rp.45,000 =約390円)・ミーゴレン ボロブドゥール(Rp.42,500=約360円)・ビンタンビール(瓶)(1本 Rp.40,000=約340円) ゆっくりとした時間の流れるマノハラ・ホテルのレストランで一息ついてから、いざ世界遺産巡りへ繰り出してみよう! こちらも合わせてCheck!“世界の七不思議”にも選ばれた世界遺産「ボロブドゥール遺跡」
2016年03月25日ジョグジャカルタへは、バリから飛行機でやってくるという旅行者の方も多いと思います。それでは、ジョグジャカルタ観光後バリへの帰路は、飛行機ではなくカーチャーターで、東ジャワを横断しながら帰るというのはいかがでしょうか?見どころたくさんの東ジャワ島では、美しい大自然を満喫することができます。今回は外せない2大スポットをご紹介いたします。 ブロモ山著者撮影ブロモ山といえば、サンライズ。インドネシア人が一生に一度は見てみたいという絶景です。サンライズスポットの途中までは馬車などに乗ることも可能です。著者撮影四駆車で広い大地をかけめぐるのは爽快。 イジェン火口湖著者撮影幻想的なブルーファイヤー。世界でアイスランドとこのイジェンでしか見れないものだそうです。ブルーファイヤーを見るには、深夜からトレッキングをスタートします。道は険しく、ブルーファイヤーに近づくにつれ、臭いも強烈、目も滲みるほど。そんな辛いトレッキングですが、このブルーファイヤーを見ると感動で一気に疲れなんて忘れるほど。夜明け後のイジェン火口湖も、美しいです。著者撮影青い炎の正体である硫黄。普通に歩くだけでも大変なのに、約70kgもの硫黄を運ぶ現地の方々。運んだ硫黄は、型に流してお土産品になったり薬品になったりするそうです。著者撮影 いかがでしたか?尚、ジョグジャカルタ発、バリ着は、2泊3日見て頂くといいと思います。ただ、ブロモも朝日鑑賞のため早朝起き、さらにイジェンは夜中からトレッキングなので、ゆったりされたい方は、プラス1泊どこかでされるのもいいのかもしれません。 自然が好きで、足腰に自信のある方は、是非行かれてみてください!
2016年03月21日まだ気温の寒暖差はあるものの、徐々に春らしくなってきました。すでにお花見の予定を入れている方も多いかと思います。日本の世界遺産には、美しい桜が咲き誇る場所がいろいろとあるのですが、今回は桜にちなんだ"女神様"を祀った神社をご紹介します。2013年に「富士山」が文化遺産として登録されたことはまだ記憶に新しいところですが、実は25カ所もの資産から構成されています。そのひとつに富士宮市にある「富士山本宮浅間大社」があります。富士山の噴火を鎮めるために創建されたことを起源とする、全国に1,300社ある浅間神社の総本宮です。ここには「木花之佐久夜毘売命(このはなさくやひめのみこと)」という女性の神様が祀られています。木花(このはな)という御神名から桜が御神木とされており、境内には500本の桜が植えられています。神界で最も美しいとされる女神で、恋愛運や、特に玉の輿運にご利益があるそうです!しっかりお参りして富士山と桜を愛でた帰りには、富士宮焼きそばもお忘れなく。○世界遺産データ富士山本宮浅間大社(文化遺産・「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」に含まれる)。2013年。静岡県富士宮市○筆者プロフィール: 本田 陽子(ほんだ ようこ)「世界遺産検定」を主催する世界遺産アカデミーの研究員。大学卒業後、大手広告代理店、情報通信社の大連(中国)事務所等を経て現職。全国各地の大学や企業、生涯学習センターなどで世界遺産の講義を行っている。○世界遺産検定とは?世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。主催:世界遺産アカデミー開催月:3月・7月・9月・12月(年4回)開催地:全国主要都市受検料:4級2,670円、3級3,900円、2級5,040円、1級9,250円、マイスター1万8,510円、3・4級併願6,060円、2・3級併願8,220円解答形式:マークシート(マイスターのみ論述)申し込み方法:インターネット又は郵便局での申し込みその他詳細は世界遺産検定公式WEBサイトにて
2016年03月21日●世界遺産が抱える事情今年の登録を目指していた「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の推薦取り下げ。審査を行うユネスコの諮問機関イコモスは、推薦内容を“禁教期”の歴史的文脈に焦点を当てたストーリーに、と示した。なぜ“教会群”は再考を迫られたのだろうか。背景にある「世界遺産」全体がおかれた状況も理解する必要がある。○そもそも「世界遺産」とは何か観光資源としての絶大なブランド力を持つようになった「世界遺産」。ペルーのマチュピチュやエジプトのピラミッド、中国の万里の長城など誰もが知っている遺跡などが名を連ね、日本では、1993年に法隆寺など4件が登録されて以降、昨年の「明治日本の産業革命遺産」まで15の文化遺産と、4つの自然遺産が登録されている。登録されれば、国内だけでなく海外での知名度もあがり、押し寄せる観光客による経済効果は莫大な額になる。人口減少、地方格差がいわれる今、地元で大事に守ってきた遺産をより多くの人に知ってもらいたいという思いと同時に、地方復活の起爆剤としての期待値は高まっている。国内推薦を待っている世界遺産暫定一覧には、文化遺産で10件。さらに「その次」を目指す資産も出てきている。○世界遺産が抱えるジレンマ世界遺産は、「文化遺産」「自然遺産」「複合遺産」に分類される。それとは別に、開発や紛争などによって重大な危機にさらされている遺産は「危機遺産」に登録されることもある。現在だと、過激派組織「イスラム国」(IS)による破壊の脅威にさらされている、シリアの世界遺産などがこれに登録されている。過去には、こんなこともあった。ドイツのドレスデンで、住民の生活のために橋をかけようとしたところ、世界遺産としての景観にそぐわないと待ったがかかり、結局地元は世界遺産から除外される道を採った。これは極端な例だが、住民にとって、“生活”か“遺産”か、折り合いをつけることが大きなテーマになってくる。一方で世界遺産登録による“観光客の増加”も資産そのものへの脅威となりうる。「人類共通の宝」である世界遺産の理解を広めるいいきっかけとなる一方で、資産の老朽化などを招き、世界遺産の意義にそぐわないことになっているのも事実で、それをどうマネジメントするのか、世界遺産を抱える団体は開発への備えも事前に検討し、ユネスコに提出する推薦書に盛り込む必要がある。世界遺産を推薦した国は、その遺産について維持する責任がある。定期的なチェックも行われる。そこで問題があればドレスデンのように世界遺産から外れる可能性もあるのだ。○“教会群”が進めてきた観光客対策2007年に世界遺産の暫定一覧に登録された“教会群”だが、離島に点在するため地理的な課題がある。過疎化の進行が早く、世界遺産としての文化的景観の維持や、教会の信徒の減少に不安がある。元々大きなコミュニティではないので、道路などの道幅も狭く、観光客が増加すれば、住民の生活に影響が出る恐れも考えられる。そのため、資産を持つ自治体は登録を目指し始めてから、推薦内容をつめるほかに、長い期間かけて、地元の整備を進めてきた。駐車場対策やトイレ、看板の整備などほか、教会については、誰でも入ることができるが、内部の見学希望者はインフォメーションセンターのホームページから事前の連絡をお願いするというシステムを始め、さらに見学者にマナーを呼びかけたり見学人数をコントロールしたりするために、昨年から「教会守」という見守役を設けるようにしている。このシステムの狙いは、教会での葬儀が入ったときに見学人にその時間見学に入れない旨の連絡を入れたり、使用されていない教会に見学希望があれば鍵を開けたりと、臨機応変に対応し制御できることにある。このように自治体だけでなく地域をあげて世界遺産登録に向かってきた。●登録へのハードルは高くなっている○世界遺産の登録のハードルはどんどん高くなる現在191カ国、つまり国連に加盟しているほとんどの国が締結している世界遺産条約は、締結国の増加、世界遺産に対するブランド意識が高まったことなどで申請件数が増加し、現在では1000件を上回る数になっている。この現状にはいくつかの課題がある。1つは、件数そのものの増加だ。すでに主要な遺産は登録済みといわれる中、このまま件数を伸ばすことはどうなのかということ。2つ目は、専門家であるイコモスが登録にふさわしくないと勧告しているものに対して、政治力で登録に転じているケースが増えていること。さらに3つ目は世界遺産の登録件数の国による偏りだ。世界遺産のあり方については、今まさに議論が求められているところだ。○“教会群”が登録を目指す環境は、元々厳しいまだ1つも遺産を持っていない国の初めての申請は通りやすくなっているものの、世界遺産登録に向けた審査のハードルはどんどんあがっている。そのため、いくつかの遺産をまとめて1つのストーリーとして申請する「シリアルノミネーション」タイプの遺産が増えている。先に述べたストーリーが大事ということもこういった背景のもとにある。また、13年に登録された「富士山」の時には「鎌倉」とあわせて2件の文化遺産が日本から推薦されたが、翌年の「富岡製糸場」際には、1件のみに絞られた。また、今後1つの国からの推薦は、毎年はできなくなる方向になりそうだとの話も出ている。●“教会群”は幸運か○審査の透明性を高める改革をはじめたイコモス教会群は、本当は幸運だったといえるのかもしれない。イコモスの審査は、実際に世界遺産委員会で審議される前の年の夏から秋頃に現場の調査を行った後、非公開での審議が続けられる。申請者は、この間イコモスからの質問内容などからしか審査の状況を推し量ることができない。勧告が出るゴールデンウィーク頃まで中身がわからない、いわば“密室”での議論には以前から批判があった。しかし今年の推薦案件の審議から、公開の場で申請者へのヒアリング機会を設けることになり、中間報告も出た。“教会群”については昨年の11月30日、政府と関係自治体の担当者がパリで公開のヒアリングに臨んだ。1月に出てきた中間報告ではそのときの日本側の説明は、結果的には「受け入れられなかった」(馳文科相)ものの、2年後、3年後の国内推薦への締め切りである3月末までに時間がある段階だったことは幸いだったといえる。もし中間報告が出ず、ゴールデンウィークシーズンまで勧告の感触がわからなかったら、登録されるのがさらに遅くなるのだ。しかも、先にも述べたように、今後毎年推薦できなくなる可能性もあるからなおさらだ。また“教会群”はイコモスとのアドバイザー契約を2月24日に結んだ。イコモスの指摘に則って推薦内容を見直すことになるため、イコモスのお墨付きとなる。そのため、登録へのハードルが高い中にあっても、可能性はグンと高くなるのだ。○“教会群”はどう課題と向き合うか今までに登録された遺産の事例を考えると、ストーリーの変更があれば、資産とされる遺産の数や名前に変更が生じる可能性はあるだろう。さらには、世界遺産として保護されるべき範囲の変更も考えられる。実際14の資産のうちイコモスが焦点を当てるべきといっている「禁教期」の資産はうち4つだけで、半数以上の8つは禁教が解けた後に立てられた教会だ。これはそもそも教会群を世界遺産にという動きからスタートしていることにも関係あるだろう。そこに集落や城跡なども入っていったのだ。長崎県の担当者は、「イコモスに話を聞いてからでないとわからない」としつつも、「遺産の普遍的価値の自体は認められていますから、禁教期にスポットを当て、そことの関係性などを中心とした推薦書に変える。資産の数は今のところ減らしたりすることは考えていない」と話す。イコモスからの助言でどの程度の推薦書の変更になるのか……。遺産を持つ長崎県や熊本県などの自治体にとって時間のない中での戦いが強いられる。
2016年03月14日●受難か救済か、復活をかけ取り下げに踏み切った“教会群”ここ数年、登録の可否が大きな関心事となっている世界遺産。「明治日本の産業革命遺産」の場合、10年あまりの歳月を費やし、もめにもめた末、昨年登録された。「軍艦島」などがある長崎市は観光客の増加に沸いている一方、同県にはもうひとつ、世界遺産を目指す「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」があるが、2月に推薦取り下げとなった。2つ目の世界遺産登録に向け再スタートを切った長崎の行く先は……。○3月末に控える国内推薦の公募締め切り「時間がないですし、プレッシャーはありますが、攻めの取り下げです」2月中旬、電話越しにそう答えたのは、世界遺産候補「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の長崎県の担当者。今年の登録を目指し準備を進めてきたが、ゴールまであともう少しのところでの仕切り直しとなり、再来年の登録に照準をあわせ、国の推薦獲得に向けた公募締め切りである3月末に推薦書の素案を間に合わせるべく奔走していた。連日のニュースで悲観的な見出しが躍る中、予想外に電話の声に悲壮感はなかった。○「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」長崎やその周辺の地域といえば、大陸から近いため、古来より海外との交流の窓口となってきた。キリスト教は戦国時代にフランシスコ・ザビエルによって日本にもたらされ、この地にイエズス会の本部が置かれ布教の重要拠点とされた。天草・島原一揆後は禁教とされながらも、信徒は隠れて教えを継承した歴史がある。そのため、長崎周辺には全国的にみても特出して多い、約130もの教会が存在する。こういった、日本独自のキリスト教の歴史を特に顕著にあらわすものとして14の資産が選ばれ、世界文化遺産に登録しようとしている。○推薦引き下げのわけ「『急がば回れ』という趣旨です」。2月9日「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の推薦取り下げが閣議了解されたことを受けて、馳文科相は会見で記者の質問に答えた。取り下げの理由について、馳文科相はユネスコの諮問機関イコモスから出された中間報告で“教会群”は世界遺産になるにふさわしい唯一無二の価値があるとされる「顕著な普遍的価値」が潜在的にあるとお墨付きを得た一方で、現状での推薦内容には問題があり、見直すべきだと示されたと説明した。公開の場で文化庁や関係自治体が、推薦内容について説明をしたものの、意見が覆ることはなかったため、先送りを決めたという。なぜ取り下げとなったのか。再考を迫られた推薦内容そのものと、「世界遺産」全体が置かれている状況を知る必要がある。●ストーリーが大事な推薦書○“ストーリー”と“推薦内容”と“名前”推薦内容の“良し悪し”とはどういうことだろうか。教会など個々の資産そのものの歴史的価値が高く、きちんとした姿で残っていることが大事なのではないかと、思う方もいるだろう。資産そのものの価値ももちろん大切だが、さらに個々の資産をつなげるストーリーに世界遺産にふさわしい価値があるかということも、大きなポイントになってきている。そのため、登録をめざす自治体などは、専門家の助言を受けながら、世界遺産の資産になりそうな遺跡や建造物の調査や、類似する別の世界遺産などとはどう違った価値があるのか、比較検討し、いかに唯一無二の「普遍的価値」があるものか証明するストーリーをつくることに力を入れている。そしてそれにもっともふさわしい遺産の名前をつけている。○イコモスの存在世界遺産の登録までには、国からユネスコに推薦書が出された後、イコモスによる審査がある。この審査の勧告内容を踏まえて、世界遺産委員会で正式に可否が決定する流れになっている。記載されるには、このイコモスによる勧告が重要で、登録にふさわしいとされる「記載」から「情報照会」、「記載延期」、登録にふさわしくないとされる「不記載」までの4段階の勧告がある。「情報照会」や「記載延期」から「記載」に転じたケースは近年増加しているが、今まで「記載」の勧告が出たもので、登録されなかったものは1件しかなく、逆に「不記載」で、登録された例もほとんどない。イコモスを納得させる推薦内容に仕上がっているかどうかが登録に向けた天王山なのだ。○事例1 富士山今まで登録された世界遺産ではどうだったのか。たとえば、2013年に登録された「富士山」は最初、自然遺産での登録を模索する動きがあったが、自然遺産にふさわしい価値をもってないことがわかり、文化遺産での登録に舵を切った。信仰の山として人々に崇められてきた歴史、その美しい姿から国内外の芸術に与えた影響の大きさ。富士山のそういった側面が世界遺産にふさわしいと、遺産の名称には、「信仰の対象と芸術の源泉」という言葉が追加された。そして富士山の信仰にかかわる場所や、芸術に影響を与えた富士山の姿が見られる場所など25資産が選定された。しかし「三保松原」について、イコモスは富士山から物理的に遠いという理由からこの資産を除外しての「記載」勧告を出した。だが、最終的には、ユネスコの世界遺産委員会にかけられ、21の委員国の決議によって決まる。富士山の時、三保松原は、この場所から見る美しい富士の姿が芸術に与えた影響や富士山と精神的なつながりがあることを世界遺産委員会で認められ、全資産を含めた「記載」決議に転じた。○事例2 平泉イコモスから条件が付けられる例は、ほかにもあった。2011年、震災後の被災地に久しぶりの明るいニュースをもたらした平泉の登録。一度「登録延期」となってからの再チャレンジだった。推薦内容をブラッシュアップさせ、「浄土思想」とのつながりがより明確な6つの資産に絞った。しかしイコモスは、1つの資産について、「浄土思想」との直接的な関連性が薄いとその資産を除外して「記載」勧告を出した。結局、5資産で世界遺産に登録された平泉は、除外された遺跡の拡張登録に向け準備を進めている。●世界遺産候補「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の推薦内容○指摘をうけた推薦内容長崎の件に戻ろう。14の資産は「1:伝播した教えが普及していった『伝来と繁栄』時代」、「2:禁教となって弾圧されながらも信仰が継承された『弾圧と潜伏』時代」、「3:禁教が解かれ教会が建てられるようになった『潜伏・復活』時代」、3つの時代に分類される。1にあたる遺産としては、「島原・天草一揆」の際に、2万人以上の民衆が立て籠もった長崎県南島原市の「原城跡」など、2は隠れキリシタンが潜伏していた集落の景観を残す「平戸の聖地と集落」などがある。3については禁教が解けた後に建築された国宝の「大浦天主堂」など8つの教会があり、西洋の伝統的な教会建築の様式を引きつぎながら、石のほかに木や土などで造られていて、特異な文化的な伝統を証明しているとされている。そしてこれらの遺産群全体について「450年に及ぶ西洋の価値観の交流の中で生じた日本における『キリスト教の伝播と浸透のプロセス』に世界遺産としての価値がある」(長崎県のホームページより)と、説明されている。一体何が問題とされたのか。○“禁教期が日本のキリスト教史の特徴”とイコモスここでポイントになってくるのは、3期間に分けられる独自の歴史の「流れ」や「東西文化の交流」を表していることなどに価値があるとされているところだ。イコモスは先日出した中間報告で「日本のキリスト教の特徴は、禁教とされた時代があったことであり、禁教期に歴史的文脈をあてた形で推薦書を見直すこと」とある。つまり、「禁教期」に焦点をあてたストーリーに変えるべきということだ。なぜストーリーづくりが大事なのか。「世界遺産」をめぐる状況については、後編で述べたい。
2016年03月10日三島由紀夫の最後の戯曲『ライ王のテラス』が、演出・宮本亜門、主演・鈴木亮平で、47年ぶりに上演されている。世界遺産「バイヨン寺院」を建設したカンボジア王の物語に三島が託したものは何だったのか。3月4日に開幕したばかりの舞台の模様を報告する。舞台『ライ王のテラス』チケット情報この戯曲が誕生したのは、三島がアンコールトムを訪れたことがきっかけだ。カンボジア最強の王と語り継がれるジャヤ・ヴァルマン七世の美しい彫像を目にした三島はすぐに、その完璧な肉体が病に冒されていく物語を着想したという。ゆえに、王を演じる鈴木に求められたのは、まずは肉体の美しさだった。幕が開くと、その期待は否応なく高まる。宮本が自らカンボジアでオーディションをして選んだダンサーたちが民族的な舞踊を見せながら、王が見事に戦勝した様子が影絵を使って語られるのだ。カンボジアの音楽が流れ、劇場が中世のカンボジアの空気に包まれるなか現れる凛々しい王の影。そしていよいよ、第二王妃(倉科カナ)と第一王妃(中村中)が待つところに、彫像のような肉体に仕上げた鈴木が登場する。説得力は十分である。しかし、真骨頂はそこからである。民のためにと「バイヨン寺院」の建設を始めるとともに病魔に冒される王。第二王妃は献身的に支え続けるも、王の美しさが蝕まれていくことに耐えられないと彼を避ける第一王妃が王の苦悩を深くする。舞台ではもちろん肉体自体を変えることはできない。にもかかわらず、その存在に何とも言えない心もとなさがにじむ。健やかで自信にあふれた大きな王から、瞬時に見せた鈴木のその変化。“演じる”ということが見せてくれるものの力を、改めて感じることができる。王の肉体が崩壊していくに従って、観世音菩薩を模したバイヨンが完成していく様を、三島は、自分の全存在を芸術作品に移譲して滅びてゆく芸術家の人生に重ねたのだそうだ。舞台の上で、なぜ自分は病になったのかと自問自答する王の姿は、人は何のために生きるのかと、観客に問いかけてくるようでもある。王の病を利用して国の転覆を目論む宰相(神保悟志)や、愛する息子が苦しむ姿を見ていられないと毒殺を企てる王太后(鳳蘭)の人間の業にも、揺さぶられる。宮本曰く、「人間の本質を見たくないところまでえぐり出す」という三島文学の魅力を、まさにナマの肉体が体現した舞台であった。公演は3月17日(木)まで、東京・赤坂ACTシアターにて。取材・文:大内弓子
2016年03月08日三島由紀夫の最後の戯曲『ライ王のテラス』が、演出・宮本亜門、主演・鈴木亮平で、47年ぶりに上演されている。世界遺産「バイヨン寺院」を建設したカンボジア王の物語に三島が託したものは何だったのか。3月4日に開幕したばかりの舞台の模様を報告する。舞台『ライ王のテラス』チケット情報この戯曲が誕生したのは、三島がアンコールトムを訪れたことがきっかけだ。カンボジア最強の王と語り継がれるジャヤ・ヴァルマン七世の美しい彫像を目にした三島はすぐに、その完璧な肉体が病に冒されていく物語を着想したという。ゆえに、王を演じる鈴木に求められたのは、まずは肉体の美しさだった。幕が開くと、その期待は否応なく高まる。宮本が自らカンボジアでオーディションをして選んだダンサーたちが民族的な舞踊を見せながら、王が見事に戦勝した様子が影絵を使って語られるのだ。カンボジアの音楽が流れ、劇場が中世のカンボジアの空気に包まれるなか現れる凛々しい王の影。そしていよいよ、第二王妃(倉科カナ)と第一王妃(中村中)が待つところに、彫像のような肉体に仕上げた鈴木が登場する。説得力は十分である。しかし、真骨頂はそこからである。民のためにと「バイヨン寺院」の建設を始めるとともに病魔に冒される王。第二王妃は献身的に支え続けるも、王の美しさが蝕まれていくことに耐えられないと彼を避ける第一王妃が王の苦悩を深くする。舞台ではもちろん肉体自体を変えることはできない。にもかかわらず、その存在に何とも言えない心もとなさがにじむ。健やかで自信にあふれた大きな王から、瞬時に見せた鈴木のその変化。“演じる”ということが見せてくれるものの力を、改めて感じることができる。王の肉体が崩壊していくに従って、観世音菩薩を模したバイヨンが完成していく様を、三島は、自分の全存在を芸術作品に移譲して滅びてゆく芸術家の人生に重ねたのだそうだ。舞台の上で、なぜ自分は病になったのかと自問自答する王の姿は、人は何のために生きるのかと、観客に問いかけてくるようでもある。王の病を利用して国の転覆を目論む宰相(神保悟志)や、愛する息子が苦しむ姿を見ていられないと毒殺を企てる王太后(鳳蘭)の人間の業にも、揺さぶられる。宮本曰く、「人間の本質を見たくないところまでえぐり出す」という三島文学の魅力を、まさにナマの肉体が体現した舞台であった。公演は3月17日(木)まで、東京・赤坂ACTシアターにて。取材・文:大内弓子
2016年03月08日photo:世界遺産イェーイ!ベトナム屈指の世界遺産ハロン湾!海に浮かぶ奇岩の幻想的な風景はベトナムまで来たら絶対に外せません。そんなハロン湾はベトナムの首都ハノイからのツアーで楽しむのが便利です。今回の記事では、ハノイからの日帰りツアーについての詳細をご紹介致します。ハノイとハロン湾は車で片道4時間弱と少々遠いのですが、日帰りだと日程に余裕がなくても大丈夫ですし、ハノイでナイトライフを楽しめるのも魅力です!ツアーは現地で手配ベトナムでは現地でツアーの手配をするのがお値打ちで旅情も味わえるのでオススメです!ホテル街や市内に旅行代理店がたくさんあるので、簡単に予約することができます。気になる言語も片言の英語や身振り手振りで大丈夫。ただし、値段とツアーに何が含まれるのかはしっかり確認して下さいね。私は英語で話すのが苦手なので、値段やツアーに含まれるものやランチの有無などをメモ帳に英語で書き出して代理店のスタッフに確認していました。ただし現地で結構時間を取られてしまいますので、時間に余裕がない場合は日本で手配していきましょう!ツアーの概要とスケジュール私たちが予約したツアーに含まれていたのは、ハノイからハロン湾のバス往復と、船上でのランチ、ハロン湾遊覧、ティエンクン洞窟観光、そして英語ガイドでした。スケジュールはこんな感じ!08:00ホテル出発バスでハロン湾へ12:00ハロン湾到着船に乗って出発!13:00船上でランチ14:00ティエンクン洞窟到着下船して鍾乳洞観光15:00再び乗船16:00ハロン湾到着バスでホテルへ20:00ホテル到着ハノイからハロン湾までは車で約4時間なので、実は日帰りだと少し忙しいです。時間に余裕のある方はハロン湾の船上で1泊するツアーなどもオススメです。いよいよハロン湾ツアーへ出発です!photo:世界遺産イェーイ!朝8時に泊まっているホテルにバスがお迎えに来てくれます。私たちの時はこんなマイクロバスで行きました。photo:世界遺産イェーイ!ハ・ロン湾に到着すると船が待っていました。私たちが乗った船はこじんまりとした船でしたが、豪華客船もあります。船の種類は予算に合わせて選ぶことができます!photo:世界遺産イェーイ!船に乗り込み、いよいよ奇岩に向けて出発です!photo:世界遺産イェーイ!しばらく進むと、にょきにょきした奇岩が見えてきます!あっちもこっちも奇岩だらけの中を、クルーズで抜けていきます!約11万5,000年前の氷河期に石灰岩台地が沈み、海上に残った部分が風化してこのような景観が生まれました。お待ちかねのランチタイム!photo:世界遺産イェーイ!船の中でランチを頂きます。ゴージャスなツアーでは、エビやカニなどのシーフードが楽しめるようです。photo:世界遺産イェーイ!ご飯を食べてお腹いっぱいになったら、再び出発です。奇岩がたくさんあるのですが、その中には、変わった名前をつけられているものもあります。こちらはゴリラ岩。他にも魔法使い、幽霊?などと名前がつけられているものがあります!photo:世界遺産イェーイ!しばらく進むとティエンクン洞窟に到着です。ここでは下船して洞窟の中を歩いて見学することができます。実は中は蒸し暑くて、汗だくになりました。ティエンクン洞窟を見学した後、再び乗船し、船着き場へ戻り、バスに乗ってハノイのホテルまで行きます。早起きなので、帰りのバスはツアーメンバーのほとんどが爆睡していました。以上、ハロン湾ツアーの詳細でした!私たちは比較的お値打ちなツアーを選んだのですが、他に船やランチがゴージャスなものや、カヤックで奇岩の中を進むオプションツアーなどもあるので、時間と予算に合わせて楽しいツアーを選んで下さいね!ハ・ロン湾(自然遺産)・登録:1994年・登録基準:「自然の景観美」、「地球の歴史」・アクセス羽田からハノイまで直行便で約5時間半。ハノイからの日帰りもしくは1泊2日のクルーズツアーに参加するのが一般的。日帰りの場合は、8時頃に出て20時頃に戻ってくるツアーが多い。ハノイからハロン湾の船乗り場まではバスで4時間弱。※記事中の情報は、全て2016年2月現在のものです。(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 <上・下> 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』】4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラムその他の記事はこちら>こちらも合わせてCheck!ベトナム北部の世界遺産!奇岩、洞窟、遺跡を楽しもう!
2016年03月01日©TRIPPING!「美しい庭園」の意味を持つジョグジャカルタの宮殿「タマンサリ」。「水の宮殿」としても知られている。現在も王族が暮らす王宮「クラトン」から程近いこの宮殿には、スルタン(王)に仕える女性たちが水浴びを楽しんだと言われる石造りの入浴場があり、現在も見学することができる。周りをとり囲む花園は、優雅で華やかな宮廷時代を彷彿させる。様々な役割を持つ離宮©TRIPPING!ジョグジャカルタの中心に位置するクラトンから西へ1キロ行ったところに、水の宮殿「Tamansari(タマンサリ)」がある。1758年、Sultan Hamengkubuwono I(ハメンクブウォノ1世)が、王室のレストハウスとして、また専用の庭園としてこの宮殿を創建。ボートや鹿狩り、伝統的な舞踊、ガムラン音楽を楽しむ多目的施設として利用された。また医療設備や大砲を有する2つの要塞もあり、スルタンを守るシェルターの役割も果たしたと言われている。1867年に大地震でダメージを受けるも、入浴プールを始め、一部の施設は復元されている。タマンサリの2つの建物©TRIPPING!この敷地には大きく2つの建築物がある。一つは、入浴場が併設する宮殿「Umbul Binangun」。スルタンに仕える女官たちが水浴びを楽しんだと言われるこの屋外入浴プールの周りには、何種類もの樹木や花が囲み、華やかな時代を思わせる。©TRIPPING! 3階に位置する部屋の小窓から眺めたプールプールの南側に隣接する3階建てのタワーには、スルタンの個人的な寝室や風呂の他、女官たちの水浴びを眺める小窓も。スルタンは、ここから気に入った女性を選び、夜を共にしていたと言われている。©TRIPPING! スルタンと女官が夜を共にしたとされる寝室もう一つは要塞の役割を持つ「Pulo Kenongo」と呼ばれる離宮。「Kenongo」とは花の名前で、その豊かな香りは宮殿中に広がったと言われている。宮殿と同様に、居間や寝室の他、伝統的なバティック(ろうけつ染め)を作るための部屋、伝統舞踊「Bedoyo」や「Srimpi」を披露するホールを擁する。ここから伸びる人工運河はクラトンにつながり、有事の際はここから脱出を図ったと言われている。ゲートや、兵士の待機するボックスなど、かつて要塞の役割を物語る設備も。©TRIPPING! 宮殿の敷地内にあるワヤン・クリの土産店敷地内には他にも、王が瞑想に使用したと言われる神秘的な場所や、地下通路などの見どころも。伝統工芸品を扱う土産物店も点在する。©TRIPPING!華やかな宮廷生活が偲ばれる美しい宮殿タマンサリ。ジョグジャカルタを訪れた際は、クラトンと合わせてぜひ足を伸ばしたい。Tamansari(タマンサリ)・時間:8:00~15:00・拝観料:Rp 15,000 ※カメラ持ち込み料金は追加でRp 2,000・アクセス方法:クラトン(王宮)より徒歩約15分。
2016年02月22日ジョグジャカルタの世界遺産「プランバナン寺院群」で上演される伝統舞踊「ラーマヤナ舞踊劇」の2016年の公演スケジュールが発表された。本格的な伝統舞踊を、荘厳な世界遺産を背景に観覧できる贅沢な舞台。時期によって上演場所やストーリーの構成が異なるので、事前にチェックしておきたい。世界遺産の下、幻想的な夜を写真提供:インドネシア共和国観光省ユネスコ世界遺産にも登録されるインドネシア最大級のヒンドゥー寺院「プランバナン寺院群」。ジャワの伝統的な「ラーマヤナ舞踊劇」を観劇できるのは、この寺院群の中心に位置する「ロロ・ジョグラン寺院」に隣接する舞台だ。年間を通じて、2、3日に一度の頻度で繰り広げられるステージは、雄大な世界遺産の背景と共に観光客には見逃せない贅沢な時間だ。満月の夜は特別な公演にシーズンによって公演の場所が異なるラーマヤナ舞踊劇。屋外での公演は、2016年5月~10月の期間ロロ・ジョグラン寺院西側に位置する野外ステージにて、晴れた日のみ行われる。(雨天の場合、屋内ステージにて上演。)その他の11月~4月の期間は、屋内ステージにて上演される。ラーマヤナ舞踊劇は全4幕で、通常は全ての幕をコンパクトにまとめたダイジェスト版(Full Story)の上演がされているが、野外ステージ期間中(5月~10月)は、毎月満月の日の前後の4日間に限り、1幕(Episodic Story)ずつ、4日間を通して全幕が上演されるという構成になる。上演の時間はいずれも19:30から21:30。月明かりの下、ガムランの響きの中、悠然と佇む世界遺産を目の前にして繰り広げられるパフォーマンスは、観る者を幻想的な世界へと誘うことだろう。2016年のスケジュールはこちら>
2016年02月10日2月4日、2016年の世界遺産登録を目指していた「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎県、熊本県)の推薦を政府が取り下げる方向で検討しているとの報道が流れた。筆者は世界遺産アカデミーの研究員としてこの遺産については各所で「まず大丈夫」と太鼓判を押してきたため、驚きをもってこのニュースを見ていた。実際、なぜ「推薦取り下げ」が検討されているのか、世界遺産登録への道筋も含めて説明したい。○用意していた「ストーリー」への指摘この遺産は、日本においてキリスト教がどのように伝わり、広まり、根づいていったかというプロセスを14の構成資産で示している。まず、フランシスコ・ザビエルが1549年鹿児島に上陸し、やがて平戸を拠点に日本国内での布教活動を展開。その後450年にわたり、キリシタン大名下での繁栄、秀吉に始まる取り締まり以降の激しい迫害と弾圧、各地キリシタンの潜伏と復活、という世界宗教史上まれにみる激動の歴史を重ねて来た。そのストーリーを大浦天主堂や五島列島などにある教会群、島原の乱の舞台となった原城跡などの資産で示している。一般的に世界遺産に登録されるには、「いつの時代の誰が見ても文句なしに素晴らしい」という「顕著な普遍的価値」をもつことが求められる。最近登録される遺産の多くは、単体の建造物で「顕著な普遍的価値」を示すのではなく、文化や歴史的背景などが共通する複数の資産をひとつの遺産として、「顕著な普遍的価値」を有するとみなし登録する手法が増えている。専門用語で「シリアル・ノミネーション(連続性のある遺産)」と呼んでいるが、2015年に推薦された『明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業』はこの手法で登録された。「長崎の教会群」も同様の手法である。「シリアル・ノミネーション」で登録する場合には、「顕著な普遍的価値」をもつストーリーをしっかりと組み立て、時代や性質の異なる遺産を一連のものとして過不足なく含めることが求められる。そうした意味で筆者の個人的見解ではあるが、「長崎の教会群」が語るストーリーや、日本と西洋の価値観の交流、弾圧からキリスト教解禁を経て静かに受け継がれた信仰の思いは、十分に「顕著な普遍的価値」を有していると思っていた。しかし、文化遺産の調査を行う諮問機関であるイコモスの見解は、「長い禁教の歴史の中で信仰を守ってきたことが日本の特色で、そこに焦点を絞る形」にする方が良い、というものだった。すなわち、弾圧や禁教の歴史に特化した内容への修正を促してきたというものであり、長崎が用意していたストーリーの中で「伝来」と「復活」のプロセスには「顕著な普遍的価値」がない、という判断だったのではないかと考えられる。○世界遺産に求められる代表性・独自性歴史上のプロセスについては、価値のありなしの判断というのは非常に難しいものがあり、立場によっても変わってくる。文化財の専門家から見て、キリスト教の「伝来」や「復活」のプロセスは世界の他の土地でも起こったことであり、日本独自のものではないと捉えたのであろう。世界遺産の申請・登録をする際には、すでに登録されている似たような遺産との比較を必ず行い、代表性のあるものを登録することで、独自性や唯一性を持たない遺産はなるべく排除する、という側面がある。キリスト教関連というジャンルは、これまでに全世界で非常に多くの物件が登録されているが、それぞれが建築技術上もしくは歴史上において類をみない独自の価値をもつものとして登録されている。とは言え、西洋的価値観が重視され、教会の登録が多すぎるのではという意見もある。「長崎の教会群」の推薦においても、当然関係者は十分に他の教会との比較検証を行っており、専門家から「このストーリーなら大丈夫」というお墨付きももらっていたはずだ。2013年に『富士山-信仰の対象と芸術の源泉』を推薦した際に、イコモスから「三保松原を構成資産から外すように」との勧告を受けたことがあった(結果、三保松原も含めての登録となっている)。しかし今回は、特定の構成資産を外すかどうかということではなく、「ストーリーや構成資産を見直しなさい」というもののため、非常に重い指摘と言えるだろう。○地元の想いとの乖離に疑問ところで、「推薦の取り下げ」とはどういうことなのか。世界遺産登録の可否が審議される世界遺産委員会は2016年、7月にトルコのイスタンブールで開催される。世界遺産の申請には時期や手順が細かく決まっており、「長崎の教会群」は7月の審議に向けてこれまできちんと手順を踏んできたのだが、「推薦の取り下げ」ということは「世界遺産委員会で審議されることを取りやめる」ということだ。これから内容を練り直して再推薦となると、早くて2018年の委員会に推薦することになる。審議は21カ国からなる委員国が行うのだが、諮問機関の指摘はこの審議に大きく影響する。諮問機関が「この遺産は世界遺産に登録されるには不備がある」という勧告を行いながらも、会議の場でひっくり返されて登録、ということもあるにはあるのだが、そのための推薦国のロビー活動や諮問機関と委員国の見解の食い違いは、近年大きく問題視されている。「長崎の教会群」に関しては、イコモスの指摘通りに修正するとしても7月までには調整が間に合わないし、登録勧告されない状況での推薦といった危ない橋を渡るのはやめよう、という政府の判断があるのかと思われる。筆者が危惧しているのは、イコモスの指摘通りに修正することが本当に望むことなのかどうかということだ。今回推薦しようとしていた14の構成資産は、いずれも国や自治体、地元の人々が世界遺産として守るべきものであると真剣に切実に考えていたはずである。もしイコモスが言うように「弾圧や禁教の歴史に特化した内容への修正」を行った上で再推薦するならば、かなりの構成資産を入れ替え、かつ、キリシタンが殉教したり拷問を受けたりした場所等を加える必要も出てくるだろう。それらは、世界遺産として守るべきものというよりは、ストーリーを優先して後付けで選んだ、という懸念を生む。筆者はこれまで、構成資産をもつ自治体で講演をし、現地の歴史や魅力をたくさんの人たちに伝えていきたいと願う関係者や地元ガイドの方々と交流をしてきた。その人々が今、どれだけの衝撃を受け、不安を感じているのかと思うと言葉を失う。2月8日の週に行われる閣議で最終決定した後に公式発表があるかと思われるため、まずはそれを待ちたい。○筆者プロフィール: 本田 陽子(ほんだ ようこ)「世界遺産検定」を主催する世界遺産アカデミーの研究員。大学卒業後、大手広告代理店、情報通信社の大連(中国)事務所等を経て現職。全国各地の大学や企業、生涯学習センターなどで世界遺産の講義を行っている。
2016年02月05日©TRIPPING!現在もジョグジャカルタの王族が暮らす王宮「クラトン」。インドネシアの伝統とヨーロッパ文化が融合したジャワ建築の最高傑作とされ、その一部は博物館として多くの調度品や楽器、バティックの衣装などが展示されている。ジョグジャカルタの生きた歴史と文化を目の当たりにできる貴重なスポットだ。歴代君主の住む王宮©TRIPPING!ジャワ島中心部の南岸に位置する都市ジョグジャカルタ。その中心に位置する王宮「クラトン」は、ジョグジャカルタを統治する歴代のSultan(スルタン、君主)の住居として1790年に完成した。インド洋を背景に、メラピ火山に向かって北向きに伸びるマリオボロ通りの端に位置している。ここには現在もSultan Hamengku Buwono X(ハメンクブウォノ10世)が住まうが、一部は博物館として一般に公開。定期的に宮廷舞踊や民族音楽などの伝統芸能が上演される、ジョグジャカルタを代表する観光スポットの一つだ。©TRIPPING!博物館ジャワ建築の最高傑作©TRIPPING!都会の喧騒が嘘のように、ひっそりと穏やかな時間が流れるクラトン内。入場チケットに含まれているガイドツアーに参加すれば、優雅な王族の暮らしを垣間見ることができる。ガイドツアーで始めに案内されるのが、かつて王族や軍の公式の集会場所であったパビリオン。見事な彫刻が施された柱が印象的なオープンエア構造で、現在では伝統芸能を上演する舞台として使用されている。その後ろには「Elevated Ground」と呼ばれる、いわゆる「戴冠式場」が。新たに王位を受けるスルタンの緊張感が伝わってくるよう。そして最も印象的なのが「Bangsal Kencono(金の王座のパビリオン)」。屋根は赤いヒンドゥー様式で飾り付けられ、金色で仏教の蓮の花が描かれる。柱には緑色と金色のアラビア文字でコーランを引用。あらゆる宗教や文化が融合したこの建築は、多様性を特徴とするジャワ建築の最高傑作の一つと言われている。©TRIPPING!王宮の南側と東側には多目的ルームがいくつかあり、その中には、朝のティータイムの準備をする専用の部屋がある。運が良ければ、スルタンのために女中たちがせわしなく準備に取り掛かる様子を見学できるかも。あちらこちらで見受けられる馬車は、ほとんどがヨーロッパ製で、オランダのパトロンから贈答されたもの。中には、亡くなったスルタンの棺を墓地まで運ぶ特別な役割を持つものまであるそうだ。見学は午前中に©TRIPPING!クラトンでは、ガムラン演奏や伝統舞踊が毎日上演され、各月の最終日曜には影絵劇のパフォーマンスも。午後になると閉館し、伝統的な衣装を身にまとった女性たちが、お清めの水と花を柱にかけてまわる。ゆったり見学するには午前中の早い時間がおすすめだ。©TRIPPING!クラトンを訪れる際は、節度を心掛けた服装が求められ、念のため帽子などの被り物は取るなど、神聖な場所であることを意識したい。©TRIPPING!王宮で働く男性はバティックの衣装で正装歴代君主の栄華と生きた文化を感じることができる数少ないスポット、クラトン。そこには多様な宗教と文化が融合する、独自の世界が息づいている。The Kraton(クラトン)・営業時間:8:30~12:30(日-木)8:30~11:00(金-土)・アクセス方法:マリオボロ通り中心からタクシーで5分程
2016年02月04日アンコール・ワットの夜明け photo:世界遺産イェーイ!さて、今回は東南アジアの至宝アンコール・ワットを有するカンボジア、そして2014年に国として初めての世界遺産が登録されたミャンマーを取り上げます。カンボジアには、「アンコールの遺跡群」とタイとの国境近くにある「プレア・ビヒア寺院」の2件の世界遺産があります。ミャンマーの世界遺産は1件で、ミャンマーの先住民ピュー族の繁栄を伝える古代の遺跡が登録されています。アンコールの遺跡群 (文化遺産)登録基準:「人間がつくった傑作」、「文化交流」、「文明の証拠」、「建築技術」アンコール・トムのバイヨン寺院 photo:世界遺産イェーイ!「アンコールの遺跡群」は、9~15世紀にかけて繁栄したクメール人の王国、アンコール朝の繁栄を伝える都市遺跡で、600を超える遺跡が世界遺産として登録されています。その中でも最も有名なものがヒンドゥー教の寺院アンコール・ワット!クメール美術の最高傑作と称されており世界中の観光客を魅了しています。そして外せないのが都市遺跡アンコール・トムの中にあるバイヨン寺院!優しいクメールの微笑みをたたえる仏像の四面塔が有名です。木々の生命力を感じる「タ・プローム」 photo:世界遺産イェーイ!アンコール・ワットはヒンドゥー教、アンコール・トムは仏教(大乗仏教)となっていますが、長い年月でみると両宗教で混在して使われていたようです。このように宗教に対して寛容なのがカンボジア、そして東南アジアの世界遺産の特徴でもあります。密林に埋もれたままの姿のベン・メリア photo:世界遺産イェーイ!実は私は過去に3回アンコールを訪れているのですが、毎回まわりきれない寺院があって残念な思いをしています。とにかく見どころ満載で時間がいくらあっても足りないのです!後ほど紹介するカンボジアのもう一つの世界遺産「プレア・ビヒア寺院」に、今後世界遺産に登録されるかもしれないと噂の「ソムボー・プレイ・クック」なども加わり、シェムリアップの日々はますます忙しくなりそうです!・アクセス現在カンボジアへの直行便はないので、ベトナムのホーチミンかハノイ、タイのバンコク、シンガポール、韓国などを経由することになる。人気のベトナム経由だと日本からホーチミンまで飛行機で約7時間。ホーチミンからシェムリアップまで飛行機で約1時間。アンコール・ワット、アンコール・トム、タ・プロームなどはシェムリアップ市内からタクシーで約30分前後。ベン・メリアなど郊外の遺跡は市内から約1時間~1時間半。プレア・ビヒア寺院(文化遺産)登録基準: 「人間がつくった傑作」photo:ひさほ ゆうカンボジアで2番目に登録された世界遺産「プレア・ビヒア寺院」は、タイとカンボジアの間にあるダンレック山地の頂上、高さ約600mの崖の上に6世紀頃に建てられたヒンドゥー教の寺院です。photo:ひさほ ゆう5つの塔門が800mに渡って一直前上に配置されています。山頂へ向けて階段を登りながら観光して行きます。登るのは大変ですが、山頂からは素晴らしい絶景が見られますよ!photo:ひさほ ゆう長年カンボジアとタイとの領有権問題で緊張状態が続いていましたが、近年少しずつ緊張が和らいできています。シェムリアップから日帰りもできるので、アンコール遺跡とはまた違ったヒンドゥーの秘境な遺跡の観光もいかがでしょうか!アンコール遺跡群のひとつ「ベン・メリア」と「プレア・ビヒア寺院」を一緒にまわる日帰りのツアーもあります。事前に情勢の確認は忘れないようにしましょう!・アクセスシェムリアップからプレア・ビヒア寺院まで車で片道3時間~4時間。シェムリアップの現地旅行代理店などでツアーに申し込むと、シェムリアップのホテルへの送迎もついて便利。ピュー族の古代都市群(文化遺産)登録基準: 「文化交流」、「文明の証拠」、「建築技術」スリ・クシュトラにある「ボーボーヂー・パヤー」 ©ASEAN-Japan Centreミャンマー中部にある「ピュー族の古代都市群」は紀元前200年頃から9世紀にかけて1,000年以上栄えたピュー王国の遺跡です。「スリ・クシュトラ」、「ベイタノー」、「ハリン」の3つの都市遺跡が世界遺産として登録されています。いずれもレンガ造りの城塞の中に王朝の宮殿後やストゥーパ(仏塔)などが残されており、約2,000年前に東南アジアに仏教が伝来したことを示す貴重な遺跡です!ミャンマーにはピュー族の遺跡以外にもゴールデンロックや、バガンの寺院など魅力的な観光地が満載です!現在成田からヤンゴンまで毎日直行便(約8時間)が飛んでいて実はアクセス良好な国ミャンマー。またタイのバンコクからヤンゴンまでは1時間20分と近いので、LCCなどを利用して安く行くこともできますよ!・アクセス成田からヤンゴンまで直行便で約8時間。それぞれの遺跡への行き方は以下の通りです。-スリ・クシュトラヤンゴンからピイまで列車やバスで約6時間~7時間。ピイからタクシーなどで約30分。-ベイタノーネーピードーからタクシーをチャーターして片道約3時間30分。-ハリンマンダレーからシュエボーまでバスで約3時間。シュエボーからバイクタクシーなどで約1時間。※記事中の情報は、全て2016年1月現在のものです。(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 <上・下> 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』】4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラムその他の記事はこちら>
2016年02月02日©TRIPPING!一生に一度は訪れたい憧れの観光地「アンコール遺跡群」。歴史的地理的意義とそのスケールの壮大さで、名実ともに東南アジアを代表する世界遺産の一つ。今回は60以上の遺跡群の中から、ぜひ押さえたい人気の遺跡5か所をご紹介!遺跡群の代名詞「アンコール・ワット」©TRIPPING!東京都23区ほどの広大な土地に悠然と立ち並ぶ数々の遺跡群の中でも、圧倒的な人気と知名度を誇る観光名所「アンコール・ワット」。12世紀前半に30年もの歳月をかけて建築された、石造りとしては世界最大のヒンズー教寺院だ。日の出とともに、太陽の逆光を浴びて水面に浮かび上がるシルエットは、息をのむほどの絶景。アンコール・ワットの記事はこちら>王宮を囲む古代都市遺跡「アンコール・トム」©ASEAN-Japan Centre 南大門一辺3キロの外壁に囲まれた正方形の古代都市遺跡「アンコール・トム」。12世紀後半に造営された、クメール王朝最後の都市だ。構内の仏教寺院「バイオン」の塔や第一回廊の浮彫は、見応え満点。アンコール遺跡群が一望できる「プノン・バケン」の絶景スポットなども有する。アンコール・トムの記事はこちら>多くの謎を残す「アンコール・トム」内の「バイヨン寺院」©ASEAN-Japan Centre古代都市遺跡「アンコール・トム」の中央に位置する仏教寺院「バイヨン寺院」。54基にも及ぶ塔の四面には、巨大な観音菩薩の顔が。その顔には笑みが浮かび、“バイヨンの微笑” “クメールの微笑”と呼ばれる。建造期間は3つの王朝に渡り、その回廊や構造は複雑。そもそもの原型や、寺院建立の意義は現在でも謎に包まれている。「バイヨン寺院の記事はこちら>樹木に覆われた寺院遺跡「タ・プローム」©ASEAN-Japan Centre東西約1000m南北約700mのラテライトの壁に囲まれた寺院遺跡「タ・プローム」は、アンコール遺跡群の中でも最大規模。12世紀末、ジャヤヴァルマン7世が母を弔うために建てられた。内戦の間、長きにわたり放置された遺跡の周辺や下には、樹木が根を張り、遺跡を押しつぶす形に。樹齢300年とも言われるこの樹木は現在も成長中。まるでおとぎの国に迷い込んだようなファンタスティックな雰囲気も味わえる。タ・プロ-ムの記事はこちら>サンセットが美しい「プノンバケン寺院」©Tourism of Cambodiaアンコールの最初の都が置かれた地プノンバケン丘の頂上に立つのは「プノンバケン寺院」。約60メートルの丘に聳えるヒンドゥー寺院は、「アンコール・ワット」を一望できるビュースポットとしても有名。360度のパノラマビューが広がるピラミッド型の寺院の頂上から望むサンセットの圧巻の美しさは、訪れた人々を魅了する。プノンバケン寺院の記事はこちら>
2016年01月17日ワット・ヤイ・チャイモンコン@アユタヤphoto:世界遺産イェーイ!タイには5件の世界遺産があります。前回は、タイ北部にある世界遺産2件を紹介しました。今回は、首都バンコクからのアクセスも良くタイで一番メジャーな世界遺産アユタヤの遺跡と、手長猿や象など貴重な動物に会える自然遺産2件をご紹介致します!アユタヤと周辺の歴史地区(文化遺産)登録基準:「文明の証拠」ワット・プラ・シー・サンペット3基の大仏塔が有名 photo:世界遺産イェーイ!アユタヤは「平和の都」という意味で、約400年間栄えたアユタヤ朝の都です。3つの河川の合流地点にあるアユタヤはかつて「水の都」とも呼ばれ、商業と文化の中心地として栄えていました。アンコール朝を滅ぼし、スコータイ朝を併合したりして17世紀には国際貿易都市に発展するも、1767年のビルマ軍侵攻によって都は徹底的な略奪と破壊にあってしまいました。この際に仏像の頭部が切り落とされたりしたわけです。ワット・プラ・マハータート菩提樹の木に覆われた仏頭 photo:世界遺産イェーイ!仏教を信仰した歴代のアユタヤ朝の王たちが築いた美しい仏像や寺院を楽しむことができるアユタヤ。首都バンコクから北へ約80km、バスや電車に乗って約1時間半で行けることから多くの観光客を集めているアクセス良好な世界遺産でもあります。私たちはレンタサイクルでまわりました! photo:世界遺産イェーイ!前回の記事でご紹介したスコータイも巨大な遺跡でしたが、こちらのアユタヤも広い!!世界遺産に登録されている寺院はたくさんあり、点在しているのでレンタサイクルやトゥクトゥクでまわりましょう!暑いので水分補給はしっかりと!バンコクから日帰りでも十分観光できますが、アユタヤにもホテルがたくさんあるので何泊かしてのんびり寺院巡りをするのもオススメです。ワット・ラー・ジャブーラナ@アユタヤ砲弾系の塔は必見です! photo:世界遺産イェーイ!・アクセス日本から首都バンコクまで飛行機で約6時間。バンコクからアユタヤまでバスか電車で約1時間半~2時間。ドン・パヤーイェン-カオ・ヤイの森林群 (自然遺産)登録基準:「絶滅危惧種」カオヤイ国立公園で出会ったトカゲの一種 photo:世界遺産イェーイ!世界遺産、「ドン・パヤーイェン‐カオ・ヤイ森林群」は、カオヤイ国立公園など4つの国立公園と、ドンヤイ野生生物保護区で構成される広大な山岳地帯です。運が良ければ象やトラが見られる野生動物の宝庫で、トレッキング、バードウォッチング、自然観察、キャンプなどを楽しむことができます!バンコクから日帰りツアーで行くこともできますが、私たちはせっかくなのでバンコクから電車で約4時間のところにあるパクチョンという街に泊まって観光しました。パクチョンにある宿で開催している1日トレッキングツアーでカオヤイ国立公園を満喫しました!ヒルが多いのでこんなのを履いて出発! photo:世界遺産イェーイ!トレッキングをしていると様々な動物に会うことができます。こちらは、ガイドさんが望遠鏡越しに写真を撮ってくれた手長猿!photo:世界遺産イェーイ!トレッキングの最後ではこんな滝で水遊びをすることもできます!photo:世界遺産イェーイ!山歩きを楽しみながら、珍しい動物に会ったり、滝つぼで水遊びをしたりと自然を満喫できる世界遺産カオヤイ!バンコクから少し足を延ばしてみてはいかがでしょうか。・アクセスバンコクからパクチョンまで電車で約4時間。パクチョンのホテルでツアーを申し込む。バンコクからのツアーもある。トゥンヤイ-ファイ・カ・ケン野生生物保護区 (自然遺産)登録基準: 「自然の景観美」、「固有の生態系」、「絶滅危惧種」「トゥンヤイ-ファイ・カ・ケン野生生物保護区」は、タイ北部、ミャンマーとの国境沿いに位置し、東南アジア最大級の動物保護区でもあります。インドゾウなどの珍しい植物を見ることができます。現在野生動物保護区は人の立ち入りが禁止されているため、なかなか見学するのが難しいですが、周辺の国立公園で自然を少し楽しむことはできます。バンコクや、バンコク近郊のカンチャナブリーから、ツアーで観光することができます!・アクセスバンコクやバンコクからバスで約2時間のところにあるカンチャナブリーからツアー。※記事中の情報は、全て2015年12月現在のものです。(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 <上・下> 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』】4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラムその他の記事はこちら>
2016年01月05日○世界遺産データ「中尊寺(『平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群-』)」(文化遺産)。岩手県。2011年登録。いよいよ大晦日が近づいてきました。皆さんさまざまな形で年末年始をお過ごしになることと思いますが、今回は「世界遺産で聞く除夜の鐘」をテーマに、筆者のオススメのお寺をご紹介したいと思います。1105年、藤原清衡(きよひら)によって再興された「中尊寺」。金ぴかのお堂と言えば、ピンとくることと思います。そう、総緊迫貼りの「金色堂」があるお寺です。清衡がどのような趣旨で中尊寺を建立したのかを示す史料に、このような文言があります。「中尊寺の鐘の音が、世界の果てまで響きわたり、生きとし生けるもの皆の苦しみを払い、安楽をとどけてくれますように……」。度重なる戦をくぐり抜けて東北を平定した清衡のことばだからそこ、重みがあります。現在使用されている梵鐘は1975年に作られたものですが、創建当時と同じ思いで響く鐘の音は、きっと心を安らかにしてくれるものと思います。なお、中尊寺では元旦0時30分より、有料で一般参拝者も鐘を撞くことができるそうです。他にも、京都や奈良など、世界遺産に登録されている寺院を含めたさまざまな寺院で除夜の鐘を撞くことができます。奈良の東大寺では、先着順(要整理券)に8人ずつ程の組になって綱をひきます。興味のある人はお近くの寺院を調べてみてくださいね。それではまた来年も、引き続きよろしくお願いします。○筆者プロフィール: 本田 陽子(ほんだ ようこ)「世界遺産検定」を主催する世界遺産アカデミーの研究員。大学卒業後、大手広告代理店、情報通信社の大連(中国)事務所等を経て現職。全国各地の大学や企業、生涯学習センターなどで世界遺産の講義を行っている。○世界遺産検定とは?世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。主催:世界遺産アカデミー開催月:3月・7月・9月・12月(年4回)開催地:全国主要都市受検料:4級2,670円、3級3,900円、2級5,040円、1級9,250円、マイスター1万8,510円、3・4級併願6,060円、2・3級併願8,220円解答形式:マークシート(マイスターのみ論述)申し込み方法:インターネット又は郵便局での申し込みその他詳細は世界遺産検定公式WEBサイトにて
2015年12月28日○世界遺産データ「始皇帝陵と兵馬俑坑」(文化遺産)。中国。1987年登録。1974年の「20世紀最大の考古学的発見」をご存知ですか? 干ばつがひどい土地で農民が井戸を掘り始めたところ、陶器の破片のようなものが出てきたのです。これが中国の西安郊外にある「兵馬俑坑」発見のきっかけでした。兵馬俑坑がある場所から1.5km離れたところに始皇帝陵がありますが、兵馬俑坑は始皇帝陵の副葬品として、8,000体近くの等身大の兵士や馬の俑(「俑」とは粘土を焼いた焼き物)が埋められたものです。始皇帝といえば、紀元前221年に史上初の中国統一を成し遂げた人物として知られています。不老不死を切望し、その薬を探す使者は日本にもやってきたと言われています。現在、東京国立博物館で開催されている「始皇帝と大兵馬俑」展(2016年2月21日まで開催。その後は福岡と大阪を巡回)では、始皇帝や秦王朝に関する貴重な史料や、本物の兵馬俑を見ることができます。とても充実した展示ですし、間近でみる兵馬俑はとても迫力があるのでオススメです!そうそう、大発見した農民のおじさんのその後ですが、わずか数百円程度の報償(?)をもらっただけでしたが、博物館の「名誉館長」との身分を与えられました。字が書けなかったので特訓して、売店で売っている写真集にサインをしているとか。兵馬俑はおじさんの人生をも一変させたのでした。○筆者プロフィール: 本田 陽子(ほんだ ようこ)「世界遺産検定」を主催する世界遺産アカデミーの研究員。大学卒業後、大手広告代理店、情報通信社の大連(中国)事務所等を経て現職。全国各地の大学や企業、生涯学習センターなどで世界遺産の講義を行っている。○世界遺産検定とは?世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。主催:世界遺産アカデミー開催月:3月・7月・9月・12月(年4回)開催地:全国主要都市受検料:4級2,670円、3級3,900円、2級5,040円、1級9,250円、マイスター1万8,510円、3・4級併願6,060円、2・3級併願8,220円解答形式:マークシート(マイスターのみ論述)申し込み方法:インターネット又は郵便局での申し込みその他詳細は世界遺産検定公式WEBサイトにて
2015年12月14日