勤怠管理や経費精算、工数管理を一体化したクラウドサービスを展開するチームスピリットは、セールスフォース・ドットコムのクラウドプラットフォーム上でマイナンバーを管理できる新サービス「TeamSpiritマイナンバーエンジン」を12月4日に発売すると発表した。本サービスは、「TeamSpirit」と「TeamSpirit人事マスター」にアドオンとして利用するマイナンバー管理専用のデータベース。セールスフォース・ドットコムのクラウドプラットフォーム標準のセキュリティ機能を利用するほか、クラウドならではのWサーバ形式を活用したマイナンバーデータのトークン化や、データへのアクセス履歴の記録といったセキュリティ強化機能を装備することで、マイナンバーの安全管理措置に対応する。さらに、「TeamSpirit」の専用アプリを利用することで、スマホのカメラを使って個人番号の通知カードを撮影した後、OCRを利用して番号登録を行ったり、本人確認書類も同時に画像で送付するなど、安全で手軽なマイナンバー登録が可能としている。「TeamSpiritマイナンバーエンジン」の初期登録料は15万円/組織。月額ライセンス利用料は、150名未満の組織の場合は1万8,000円/組織、150名以上の組織の場合は3万6,000円/組織。「TeamSpirit」の初期登録料は15万円/組織。月額ライセンス利用料は600円/1ライセンス。また、「TeamSpirit 人事マスター」は、初期登録料15万円/組織に、月額ライセンス利用料が1万2,000円/1ライセンス(いずれも税抜き)。
2015年11月25日FiNCは11月20日、ストレスチェック制度に対応した法人向け新ウェルネス経営サービスを提供開始した。同社では、医師による面接指導など同制度に対応したサービスを幅広く提供できるよう、全国37都道府県に1,000人以上の産業医/医師のネットワークもあわせて構築したとしている。同社のストレスチェックでは、厚生労働省準拠の57項目もしくは同社によって充実させた110項目の質問により、従業員のメンタルの状況を計測し、従業員にフィードバックする。また、高ストレス者への医師面談の勧奨から、医師面談の設定、意見書の取得などすべて同社のシステム上で完結させることができるほか、集団分析についても各社の要望に合致したものが提供されるという。スマートフォンや紙による受検にも対応しており、改善ソリューションとしてスマートフォンなどを通じたセルフケアや相談センターなどのサポートも提供される。さらに、産業医/医師のネットワーク構築により、産業医の選任支援や医師面談が必要な高ストレス従業員に対する産業医のスポット紹介なども提供される。
2015年11月24日インテリジェンス ビジネスソリューションズ(IBS)とランサーズは11月20日、業務提携し、中小企業を対象にした、業務課題の解決サポートサービスを開始した。本提携は、クラウドソーシングサービス「ランサーズ」に寄せられる、企業からのコンサルティング案件に対し、両社で課題解決に取り組むもの。具体的には、IBSの受託経験とプロジェクトマネジメント経験を持つコンサルタントをプロジェクトマネジャーとして、業務支援に関する経験を持つランサーズ登録者(ランサー)を含めたプロジェクトチームを結成し、現状分析や解決施策の提示、実務支援、アウトソーシングなど、課題解決に必要なさまざまなサポートを行うという。日本全国に在住するランサーと協力することで、大都市圏に限らず、各地の企業にもサービス提供するほか、従来のコンサルティングサービスよりも低価格でのサービス提供を実現するとしている。
2015年11月24日2016年1月から、マイナンバー制度がスタートします。ご存知の方も多いと思いますが、これは国民一人ひとりにID(個人番号)が割り振られるシステム。たとえば社会保険や税制度などの手続きを行う際、これからは個人番号が必要になるわけです。ところで『士業・コンサルタントのためのマイナンバーで稼ぐ技術』(横須賀輝尚、馬塲亮治著、飛鳥新社)は、この制度がスタートすることを「一発当てる絶好機」だと表現しています。■士業がマイナンバーで稼ぐ技術今後、国内企業はマイナンバー制度について担当者を置き社内周知を行い、情報管理規定をつくらなければならないことになります。しかしマイナンバー制度自体が初めての試みである以上、社内だけでどうすることができるはずもありません。だからこそ、対応するのは行政書士、社会保険労務士、税理士などの士業、そしてコンサルタント。つまり法律や税金、労務管理、経営に携わる士業やコンサルタントにとって、この制度の運用開始はビジネスチャンスになるということ。そこで本書では、マイナンバーで稼ぐための術が紹介されているわけです。■マイナンバーは国民全員の問題ただし、本書の価値はそこだけにあるわけではありません。士業にとってのメリットを説くための大前提として、「マイナンバーとはなにか」という根本的な部分にも焦点を当てているのです。マイナンバーが国民全員にとっての問題である以上、むしろ注目すべきはその点ではないでしょうか?どんな仕事に就いていようが、日本人である以上はこの制度を避けることは不可能だからです。そこで今回は、「マイナンバーとはなにか」という本質的な部分に焦点を当ててみたいと思います。■マイナンバーで情報統一されるマイナンバーとは、住民票を持つすべての人に対して、それぞれ12桁の番号をつける制度。社会保障、税制度、災害対策の3分野において、効率的に情報を管理しようというのがその目的です。正確には「社会保障・税番号制度」というそうですが、いずれにしてもこの制度の施行によってすべての国民に固有の番号を割り当て、税務署や年金事務所など、複数の期間に存在する個人情報を紐づけし、各機関の情報連携を可能にするというわけです。日本ではこれまで、基礎年金番号、健康保険被保険者番号、パスポート番号、納税者番号、運転免許証番号、住民票コード、雇用保険被保険者番号など、各機関が個人に対してそれぞれ別個に番号をつけていました。それがこの機会に統一され、ひとまとめに管理されるようになるのです。つまりは複数の期間に分かれて存在する個人情報が、同一人物のものであることが確認できるようになるということ。マイナンバーさえ照合すれば、個人の氏名や性別、住所、電話番号、出生地、生年月日はもちろん、社会保険関係の納付、納税、各種免許、口座番号、犯罪歴などの詳しい個人情報もわかるようになるというのですから、これは大きな変化です。そしてマイナンバー制度を導入する目的は、大きく分けると3つあるといえるそうです。■マイナンバー導入の3つの目的(1)行政の効率化先に触れたとおり、日本はこれまで基礎年金制度や健康保険被保険者番号などがそれぞれバラバラにつけられていました。「縦割り行政」と揶揄されたのはそのためです。つまり同一の個人情報が各機関に分散し、「重複していながら照合されない」という、非効率的な管理がなされていたわけです。しかしマイナンバー制度を導入すると、個人情報が番号ひとつで管理できるようになるため、無駄を省くことができるようになるのです。(2)国民の利便性の向上マイナンバー制度が導入されることにより、私たち国民もマイナンバーを使用し、社会保険や税関係などの行政手続きを簡単にできるようになります。たとえば引越しの手続きの際には、面倒な手続きが不要に。前の居住地の役所から所得証明書を取って送付するといった手間がいらなくなるのです。また、自分の年金や税金の振込記録、個人情報が役所でどのように使われたかなどのチェックも、インターネット上で確認できるようになるそうです。(3)公平・公正な社会の実現マイナンバーの導入により、個人の収入や、行政サービスの受給状況を国が細かく把握できるようになります。納税負担を不当に免れることや、年金や医療給付金などを不正に受け取ることを防止し、本当に困っている人にきめ細かな支援が行えるようになるわけです。一人ひとりの所得が正確にわかるので、その所得に対して税制控除や社会保険給付を組み合わせ、不公平をなくすための対策がとれるということ。いわばマイナンバーは、効率と公平の実現を目指す制度なのです。*しかしその一方、情報漏洩の危険性など、数々の問題点があることも事実。だとすれば必要なのは、正確な情報を入手することであるはず。つまり基本的な知識をつけるという意味でも、本書には多くの人にとって大きな価値あるわけです。(文/書評家・印南敦史)【参考】※横須賀輝尚、馬塲亮治(2015)『士業・コンサルタントのためのマイナンバーで稼ぐ技術』飛鳥新社
2015年11月22日TOKAIコミュニケーションズは11月20日、2016年1月より開始される社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)における企業の対応に向けて、クラウド型の「マイナンバーまるごとサポートサービス」を販売開始した。基本サービス(マイナンバー収集保管)の初期費用はいずれも従業員数100人の場合で5万円(税別)/社、年額9万6000円(税別)/社となり、支払調書オプションは初期費用5万円(同)/社、年額3万円(同)/社。なお、コンサルティングや導入支援、オペレーション教育、各種システム連携開発などの各種支援サービスは個別見積となる。同サービスはマイナンバーの収集から保管、利用、破棄までの一連の業務支援を基本サービスとして提供するほか、オプションサービスとして各種法定調書の帳票出力や社内規程作成支援、マイナンバー導入・運用に伴うコンサルティングなども提供。同サービスの特長はマイナンバー収集時点でデータを暗号分割し、分割データを同社の2拠点のデータセンターで分散保管するとともに、法定調書印刷などのデータをマイナンバー利用直前に復号化。この仕組みにより、利用企業側にはデータが一切保管されないことから、セキュリティ対策を実現しているという。また、クラウド型サービスのため従業員数に応じた柔軟な料金体系で提供。マイナンバー制度では源泉徴収票などに従業員のマイナンバーを記載するだけでなく、支払先の個人事業者のマイナンバーについても適切に管理し、支払調書を作成することが求められいるため、社員の法定調書に加え、支払調書までカバーする。さらに、利用企業の管理部門はさまざまな雇用形態の従業員のマイナンバーをどのような仕組みで収集すればよいか課題となっており、同サービスでは利用企業の運用実態に合致した収集方法を提供。そのほか、人事・給与・会計などの既存システムとの柔軟な連携を想定したさまざまなインタフェースを提供するため、利用中のシステムに対する改修コストは発生しないとしている。
2015年11月20日NECは11月18日、中堅・中小企業向けに人事・給与システムのセキュリティを強化する「マイナンバー安心セット」に、「機密ファイル保管サーバセット」を追加し、発売を開始した。新製品は、ファイルサーバとして「iStorage NS100Te」とファイル暗号化ソフトウェア「InfoCage ファイル暗号」、アクセス権管理ソフトウェア「NEC Information Assessment System(NIAS)」、アクセスログ管理ソフトウェア「ALog ConVerter for iStorage NS」をセットで提供するもの。これにより、検討や手配の時間を省き、マイナンバーを含む個人情報の保管先となるセキュリティ強化したファイルサーバの短期間導入を実現するとしている。価格は99万9,280円(税別)。新製品の特長として、ファイルサーバ管理ソフトウェア「NIAS」を導入することで、ファイルサーバのフォルダのアクセス権を一括で確認し、不適切なアクセス権を修正して、情報漏えいのリスクを低減する点が挙げられている。またアクセスログ監視ソフトウェア「ALog ConVerter for iStorage NS」を導入することで、ファイルサーバのアクセスログの監視、取得を可能にし、万が一、情報漏えいした場合でも迅速な原因究明を実現するという。
2015年11月18日帝国データバンクは11月17日、企業のマイナンバー制度への対応および見解について調査の結果を発表した。2015年10月時点でマイナンバー制度に対する認知について尋ねたところ、「内容も含めて知っている」と回答した企業は75.0%と、マイナンバー制度の内容まで知っている企業は4社に3社となった。これは、2015年4月(43.5%)から半年で31.5ポイント増加しており、「言葉だけ知っている」という企業は23.8%となり、4月(52.4%)から28.6ポイント減少した。「内容も含めて知っている」企業を業界別に見ると、『金融』が82.4%で最も高く(4月:66.9%)、『サービス』『運輸・倉庫』『製造』など8業界が7割を超えている。逆に、『不動産』だけが6割台にとどまっており、マイナンバーに対する認知が最も遅れているようだ。従業員数別では、最も高い「101~300人」(84.7%)と比べて「5人以下」(55.5%)の企業への浸透が進んでおらず、29.2ポイントの開きがある。小規模企業から中堅企業にかけて認知度が高まる傾向があるものの、「301~1000人」「1000人超」と従業員数が多くなるにつれて、マイナンバー制度の認知度が再び減少する傾向が見られたという。自社におけるマイナンバー制度への対応状況は、「完了した」という企業は6.4%と、依然として1割に達していない状況が浮き彫りとなった。対応を検討・進めているとした「対応中」は65.9%で、対応完了と合わせると7割超の企業が何らかの対応を進めている。他方、21.6%が「予定はあるが、何もしていない」としており、10月時点でもマイナンバー制度への対応を開始していない企業も多いようだ。ただし、同制度への対応状況について、現時点の進捗率は平均47.6%となっており、4月時点(8.9%)と比較すると38.7ポイント上昇した。そのほか、主な調査結果として、マイナンバー制度へのコスト負担額は1社当たり約61万円と推計され、同社は「対応が徐々に進むにつれ、費用面での不安も低下していることは好材料」としている。法人番号を活用する「予定がある」企業は2.8%で、「検討中」(20.8%)と合わせても2割程度にとどまった。他方、「予定はない」が40.5%、「分からない」も35.9%となり、自社の企業活動で法人番号を活用することについてイメージの湧かない企業は多い。
2015年11月18日凸版印刷は、同社が運営する電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」の「電子チラシ」を配信する仕組みを活用して、自治体向けにマイナンバー制度に関する情報配信を行う際に活用できる「マイナンバー告知特別プラン」を11月13日より販売すると発表した。「Shufoo!」が持つ郵便番号単位でユーザーに情報を配信できる特性を活かして、 市区町村ごとに異なっている個人番号カードの交付申請や、 カードの受け取り方法などの告知を可能とすることで、 各自治体の情報発信をサポートする。「Shufoo!」は、2015年10月末時点で、月間ページビュー数が約2億1千万、月間690万のユニークユーザーが利用しており、スーパーやドラッグストアをはじめとする流通企業などのチラシの配信に加え、自治体の広報誌や政党や選挙管理委員会に対して「電子チラシ」サービスを提供している。「マイナンバー告知特別プラン」では、20~40代の主婦層への情報到達が可能で、買い物情報などの他の電子チラシと一緒に届くことで閲覧機会を拡大できるという。また、市区町村別の配信が可能で、希望により、自治体圏内外へのPUSH配信も可能。価格は、基本費用が10万円(配信回数:10回)で、オプションでコールセンターなどの電話番号を記載し、 発信機能を利用して電子チラシから直接電話で問い合せ可能する機能を1電話番号あたり約3万円で提供する
2015年11月13日日立システムズは11月12日、社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)への対応に必要な業務をワンストップで代行する、事業者向け「マイナンバー対応BPOサービス」の内容を拡充し、提供を開始した。価格は個別見積もり。具体的には、すでに提供している従業員などのマイナンバー収集・登録から廃棄までの管理や、関連書類の印刷処理、ヘルプデスクの各サービスに加え、今回、日立トリプルウィンとの協働により、給与計算や年末調整業務、および社会保険労務士が実施する社会保険関係帳票作成業務、税理士が行う税務関係帳票作成業務まで、それぞれ有資格者と連携の上提供できるようになった。同サービスを利用することで、事業者はマイナンバー管理・運用および給与計算・各種届出業務にリソースを割くことなく、本来業務に専念することが可能となる。例えば、源泉徴収票については、税理士連携・指示のもと、従業員の支払額の算出などを日立トリプルウィンが代行し、その後のマイナンバーの附番、各種関係書類の印刷、封入・封緘までの業務を事業者あるいは日立システムズが実施するという。社会保険関係書類については、提携先の社会保険労務士を通じて行政機関へ提出されるため、事業者の手を煩わすことなく手続きを済ませることができるとしている。また今回、日立グループ内で従業員向けに提供しているマイナンバー制度に関するeラーニングコンテンツも、必要な期間のみ月額課金制で利用可能なSaaS型のクラウドサービスとして提供される。
2015年11月12日アールピージー・ラボ(RPGLABO)は11月9日、毎月の従業員への給与支払いデータなどから、マイナンバーの提出と受領を処理できる「マイナンバー収集キット」の提供を開始したと発表した。同キットは、収集のために必要なハードとソフトがすべて一緒になったもので、クラウドシステムなど不要で、初期費用のみで運用できる。大きな特徴としては、既存の業務フローで発生する「当月給与支払いリスト」「当月報酬支払いリスト」「年末調整宛名データ」といった給与関連のデータを、収集キットをインストールしたPCに読み込ませると自動的にQRコードを生成し、マイナンバーを収集する際に、そのデータとマイナンバーを紐付けることができる点が挙げられる。収集担当者は提出された書類をOCRリーダーで読み込むだけで登録できるので、手入力の必要が無い。一方、マイナンバー収集対象者も「通知カード」「マイナンバー付き住民票」などの必要書類をコピーして提出するだけなので、負担が少ないという。価格は160万円(税別)。キットに含まれるものは、マイナンバー収集システムインストール済パソコン(Windows7 Professionalを搭載)、収集アプリ設定済み iPad(iPad mini2 SIMフリー版)、数字(マイナンバー形式)/QRコードの読み取りに対応したOCRリーダー。また、オプションとして、パソコンの設置が難しい営業所など、遠隔地でのデータ収集のために、iPadとOCRリーダーをセットにした追加オプション(価格は25万円)を用意している。
2015年11月10日全国の市区町村からのマイナンバー通知が本格化してきました。以前にもご紹介しましたが、地方公共団体情報システム機構が運営する個人番号カード総合サイトでは、各市区町村の郵便局への通知カードの差出し状況を確認できます。ここをみると10月20日を皮切りに、順次マイナンバー通知カードが発送されていることが分かります。そして、11月中にはすべての住民票を有する個人にマイナンバーの通知カードが届く予定です。これまで、中小企業のマイナンバー対応の遅れだけでなく、個人レベルでのマイナンバー制度への認識も進んでいない状況が報道されていましたが、マイナンバーが届くことで個人レベルでの制度への認識が一気に進めば、おのずと中小企業のマイナンバー対応も加速せざるを得ない状況になってくると予想されます。今回は、最新の中小企業のマイナンバーへの対応状況を確認しつつ、遅れた状況を取り戻すために、やるべきこと、できることを考えてみます。○中小企業のマイナンバー対応状況最新調査から10月にはいって公表された日本経済新聞の調査では、中小企業のマイナンバー対応状況について、「おおむね完了」6.6%、「作業中」15.5%、「計画中」20.4%と、対応準備を進めている中小企業がまだ50%に達していないことが報道されています。この調査では、準備が進んでいない中小企業は、「対応すべきことはわかっているが着手できていない」26.6%、「対応の必要があるかどうか分からない」24.0%、「対応することを考えていない」6.9%となっています。「対応の必要があるかどうか分からない」や「対応することを考えていない」という回答からは、制度への理解が進んでいない状況がみえてきます。まだ、この状況にある中小企業では、1人でも従業員を雇用していれば源泉所得税や社会保険に関連した業務のために、従業員および扶養親族のマイナンバーを収集し取り扱うことになることを、まず次の政府公報オンラインサイトなどで確認してください。そして、「対応すべきことは分かっている」という状況になったら、マイナンバーへの対応をできるところから、早速着手していきましょう。○まずは担当者を決め従業員へマイナンバーの提供を求める案内を以前上記の政府公報オンラインサイトの、準備のための「6つの導入チェックリスト」を検討した際にも確認しましたが、まずマイナンバーを取り扱う担当者、責任者を決めましょう。また、担当者や従業員の教育用にご利用をお勧めした政府インターネットテレビの事業者向けのマイナンバー制度案内の番組に、「マイナンバー導入のチエックポイント【事業者向け】」として「6つの導入チェックリスト」に基づく内容の番組が追加されています。この連載でご紹介した「マイナンバー 社会保障・税番号制度が始まります」<事業者向け編>とあわせて、まずは、担当者、責任者はこれらを視聴し、制度概要を理解しましょう。その上で、急ぎ実施したいのが、従業員への案内です。従業員への案内では、まず、マイナンバーの利用目的を提示して、従業員に本人および扶養親族のマイナンバーを企業に提供する必要があることを認識してもらいましょう。そして、実際に従業員からマイナンバーの提供を受けるまでのあいだ、届いた通知カードを扶養親族分も含めて失くさないように保管しておくよう案内しましょう。自宅に不在のため通知カードを受け取れなかった従業員がいる場合は、再配達の申し込みで勤務先に配達してもらうこともできます。また、従業員の10月5日現在の住所地が住民票住所と異なる場合、郵便物の転送手続きをしていても通知カードは転送されませんので、現在の住所地の市区町村に転入届を出し、その上で通知カードを受け取れるように手続きする必要があります。こうした情報も従業員に提供して、すべての従業員がマイナンバー通知カードを確実に受け取り保管できている状況、いつでも従業員などのマイナンバーを収集できる状況にしておきましょう。○マイナンバーの収集・保管どういう方法で集め、どこで電子にする?マイナンバーの収集を紙で行う場合、ひとつの方法として年末調整に際して従業員から提出される扶養控除等申告書にマイナンバーの記載をもとめ集めることが考えられます。実際に、この方法を考えている中小企業が多いと思われます。ただし、この方法をとると扶養控除等申告書は企業に保管義務があるため、マイナンバーが記載された書類として厳重な安全管理措置が必要となります。扶養控除等申告書安全管理措置への負担軽減のために平成28年以降もマイナンバーを記載しない方法も認めるこの扶養控除等申告書については、平成28年分を今年中に提出する場合、法令上もマイナンバーの記載義務はありません。ただし、平成28年1月以降に提出する扶養控除等申告書には、法令上マイナンバーの記載が義務づけられています。この件に関し、10月28日あらたに公開された国税庁のFAQの「源泉所得税関係に関するFAQ」のQ1-9では、平成28年1月以降に提出する扶養控除等申告書でも、給与支払者(事業者)と従業員とのあいだの合意に基づき、従業員が扶養控除等申告書の余白に「個人番号については給与支払者に提供済みの個人番号と相違ない」旨記載し、給与支払者がすでに提供を受けている従業員などの個人番号を確認し、その旨を扶養控除等申告書に表示すれば個人番号は記載しなくても差し支えないとしています。つまり、扶養控除等申告書でマイナンバーを集めるのではなく、別の方法でマイナンバーを収集しマイナンバー管理システムに登録しておけば、来年以降も上記の方法により、従業員から提出される扶養控除等申告書にマイナンバーの記載は不要となります。これで、マイナンバーが記載された書類を保管する必要もなくなります。このQ1-9では、(注)として、「この取扱いは、原則として税務署に提出されることなく給与支払者が保管することとされている扶養控除等申告書について、給与支払者の個人番号に係る安全管理措置への対応の負担軽減を図るために、個人番号の記載方法として認めるものである(後略)」としており、政府としても中小企業等の負担軽減を考えて、こうした方法を認めているわけですから、これを利用して紙でのマイナンバー保管は一切行わないようにすることが安全管理面ではより良い方法といえます。マイナンバーの収集はクラウド活用ででは、どのような方法でマイナンバーを収集し、マイナンバー管理システムに登録するのか? この点は、前回・前々回とマイナンバー管理システムについて検討してきましたが、クラウドのマイナンバー管理システムであれば、従業員本人がスマートフォンなどからマイナンバーを入力、通知カードなどの本人確認書類も画像データとしてアップロードできるので収集・本人確認もシステムで対応できます。マイナンバーが記載された紙をやり取りする必要もなくなるため、できればこうしたシステムを選択したいものです。ただし、中小企業ではリソースも少なく、ITに通じた人材がいないケースもあり、システム選択から導入まで自社で行うことが困難なことも想定されます。そのような場合は、前回提案したようなクラウドでマイナンバー管理が行える税理士に、マイナンバーの取り扱いを委託することも選択肢として考えてみることをお勧めします。著者略歴中尾健一(なかおけんいち)アカウンティング・サース・ジャパン株式会社取締役1982年、日本デジタル研究所 (JDL) 入社。30年以上にわたって日本の会計事務所のコンピュータ化をソフトウェアの観点から支えてきた。2009年、税理士向けクラウド税務・会計・給与システム「A-SaaS(エーサース)」を企画・開発・運営するアカウンティング・サース・ジャパンに創業メンバーとして参画、取締役に就任。マイナンバーエバンジェリストとして、マイナンバー制度が中小企業に与える影響を解説する。
2015年11月09日エプソンは11月4日、マイナンバー制度導入に向け、個人番号の収集業務支援として、「個人番号一括収集システム」に、同社独自とするスキャナOCR技術と、同社の「給与計算システム」の連動による、個人番号の自動入力機能を追加した。「個人番号一括収集システム」は、11月9日よりダウンロードにて無償で提供される予定だ。今回追加された個人番号の自動入力機能は、マイナンバー通知カードの原本と、「給与計算システム」の従業員・家族マスターデータの情報が記載された「仕切紙(読み取りシート)」を重ねてスキャンし、同社独自とするスキャナOCR技術によって実現させているという。同社によると、マイナンバー通知カードの原本をOCR処理することで、精度の高い個人番号入力の自動化を実現し、手入力作業に発生しがちな個人番号の入力・確認ミスを削減でき、個人番号入力業務の効率化を図ることができるとしている。OCRの読み取りミスがあった場合は、エラーメッセージが表示されるため、マイナンバー通知カードの画像を画面で確認しながら修正することも可能となっている。対応スキャナはA4シートフィードスキャナ「DS-560」とA4モバイルスキャナ「DS-40」。
2015年11月05日ビデオ会議システムや音声会議システムなど、世界中で40万以上のユーザーがソリューションを利用しているポリコム。その日本法人であるポリコムジャパンでは、制度改革やオフィスの効率化などをふまえて自社製品を活用したテレワークを実践している。テレワークを支援するソリューションの提供を本業とする同社の取り組みについて取材した。○震災後、テレワークを全社員対象に自社の製品自体がテレワークを可能とするものだけに、ポリコムジャパンでは以前から海外とのやり取りや、営業スタッフ、地方にいるスタッフなどとはテレビ会議をはじめとする自社のユニファイド・コミュニケーション製品を用いてテレワークを行っていた。しかし同社が全社員規模にまでテレワークを拡大したきっかけは、2011年3月11日に発生した東日本大震災だった。震災の直後、社員全員が自宅に待機することとなったが、そうした状況下で各社員は自主的に自分のパソコンに入っているビデオ会議アプリケーションや内線を受けられるIPフォンなどを駆使して業務を継続させていった。一週間、一人も出社することなく事業を継続できたことで、テレワークの意義を改めて認識した同社では、翌4月には全社的にテレワークが行える環境を整えたのである。ポリコムジャパン ビジネスオペレーションズのシニアマネージャー、藤井浩美氏は「震災以前からテレワークを拡大したいという意向はあったのですが、オフィスにいない社員との連絡のとり方や人事面での評価をどうするのかなど課題もあってなかなか全社員を対象にするまでには踏み込めませんでした。それが震災後にいざ実践してみると、業務の滞りもなく、またオフィスにいなくても社員のプレゼンスやステータスが確認できるため、全員が“見えている”状態にできることが実感できたことから、全社展開が決まりました」と言う。社員のスケジュールはOutlookのカレンダーで社内に公開されているため、お互いに確認しながら動きを同期させることも容易に行えたという。○テレワークのための制度改革を実施ポリコムジャパンでは、全社員がテレワークを行うための制度改革として、テレワーク・フレックス制度や育児サポート関連、介護サポート関連といった3つの制度を新たに整えた。このうちテレワーク・フレックス制度は、以前から実施していたフレックス制度にテレワークに必要な要素を盛り込んだもの。全社員を対象にテレワークを許可し、上長の許可を得ることで誰でも利用が可能(総務・特定技術職は状況に応じて)としている。またコアタイム(11時~15時)以外の時間は、開始時間と終了時間について8時間の間で自由に設定可能とした。育児サポート関連の制度としては、最長1年間、育児休業を取得可能とするとともに、産前・産後の休暇や子どもの看護のための休暇も実施。このうち育児休暇と子どもの看護のための休暇は男性でも取得することが可能だ。こうした整備の拡充により、現在、育児休業からの復帰率は100%となっている。そして介護サポート関連の制度では、まず最大93日まで介護休業の期間を設け、配偶者や父母、子ども、配偶者の父母、その他会社が認めた人への介護に対して申請可能とした。これと合わせて別途時短勤務制度も整えている。○オフィススペースも50%削減ポリコムジャパンにおける、こうしたテレワークを軸とした多様な働き方の実践は、同社の「ダイバーシティ推進戦略」に基づいたものだ。「生産性の向上と業務の効率化、事業継続・リスクマネジメント、経費の削減をきっかけに、テレワーク活用を中心戦略とした柔軟な職場環境の構築を目指すのがダイバーシティ推進戦略です」と藤井氏は説明する。また同戦略に基づきテレワークを推進するための3つの柱として、先に挙げた制度改革と合わせて、インフラ・運用ルールの整備、オフィスの最適化を掲げている。このうち運用ルールとしては、Microsoft Lyncによる労働時間中のプレゼンス表示、Outlook利用でのスケジュール開示、セキュリティに関する社員の意識向上など6項目が必須として定められている。そしてオフィス最適化を象徴するのが、2014年6月9日に移転した東京・東新宿の新オフィスである。新オフィスでは、必要時のみオフィスに出勤する「テレワーク特化型」の仕事環境へとシフトするべく、フリーアドレス型のオフィスとして個々の固定デスクを廃止(技術職などの専門職を除く)。また資料など私物保管用のロッカーを設け、社員のニーズに対応しながら、仕切りのある席やオープンスペースなど用途に合わせて利用できる設計とした。「さまざまなライフステージにいる社員の自由な働き方を支援するために、これまで当社で培われてきたノウハウをベースにしながら新たなオフィス環境を構築しました」(藤井氏)社長室についても、社長が不在の際は会議室として利用可能とするなど、徹底的なオフィススペースの最適化を図った結果、前オフィス比で約50%ものスペースを削減することができた。そうして、顧客やパートナーへのサポートを強化するための「東京カスタマーエクスペリエンスセンター(TCEC)」を同オフィス内に新設することができたという。○テレワークが自然と可能になる技術の提供をポリコムジャパンの代表執行役社長、三ッ森隆司氏は、自社でのテレワークの取り組みについて次のような見解を示す。「われわれ自身が離れた場所にあるPCやモバイルからでもコミュニケーションを行うための技術手段を提供しているわけですが、それがあることで自然とテレワークやモバイルワークが実践可能なのだといった効果や意義を実感することができました。それとともに、テレワークを活用する社員自身のプロフェッショナルな業務遂行と高い意識も、テレワークを成功させるポイントであることも再認識しました」「お客さまを見渡すと、出張旅費の削減など、最初は目に見える効果を動機として当社の製品を導入いただき、その後、効果を実感しながらワークスタイル変革へと広げていくケースが多いようです。自社でテレワークを実践することで、ワークスタイルの部分に拡大していく際のサポートも充実できればと思っています」(藤井氏)今後ポリコムジャパンでは、さまざまな場所で働くことができるワークスタイルを普及していくというミッションのもと、自ら製品を活用し実践しつつ、自然とそうした働き方が浸透していくような展開を目指していくという。
2015年11月05日メディアドライブは2日、スキャナや複合機、スマートフォンのカメラで撮影したマイナンバーカードの画像をOCR処理(文字認識)でテキストデータに変換する「マイナンバーカードOCRライブラリ」を発売した。マイナンバー用に特化させたOCRエンジンを搭載しており、このエンジンにより各種自治体から配布される通知カードや個人番号カード(表・裏)に記載された個人番号、氏名、住所、生年月日、性別、発行日などをテキストデータに変換する。姓名や住所項目の認識は、辞書を利用した知識処理により精度を向上させているほか、チェックデジット機能をにより、個人番号の誤読や捏造を防止している。スマートフォンでの撮影にも対応するため、カメラの撮影環境の変化に対応した画像処理技術を搭載した画像補正を搭載。これにより、カメラで撮影した画像からカード部分だけを自動でトリミングしたり、撮影時の歪みなどを自動で補正してから認識したりすることができる。また、切り出した画像はJPEG/PNG/TIFF/Bitmap形式のファイルに出力することも可能。ラインナップと価格は、開発キットが50万円、開発キット年間保守サービスが10万円、Server OS対応版開発キットが90万円、Server OS対応版開発キット年間保守サービスが18万円(いずれも税別)。同製品を使用した製品の再配布については、別途ライセンス費用が必要。なお、個人番号カードの読み取りは、2016年2月頃の対応を予定している。
2015年11月04日ソリマチは、業務ソフト「会計王シリーズ」の最新バージョン「会計王17シリーズ」を11月27日に一斉発売することを発表した。最新版では、マイナンバー制度を中心とした各種制度改正に対応。マイナンバー制度対応に関しては、取得から保管・利用・廃棄・安全管理措置など、マイナンバーガイドラインに即した、5つのシーンを想定した機能を搭載。そのほか消費税のリバースチャージ方式への対応、給与所得控除の上限の見直し、年末調整への対応などを実施している。価格は下記の通り。
2015年11月02日「フリーキャリア総研」を運営するもしもは28日、インターネットで収益をあげる"フリーキャリア"を副業で行っている人を対象に実施した「マイナンバー制度」に関する調査結果を発表した。それによると、マイナンバー制度が始まったら、「会社に副業が発覚しやすくなると思う」と考えている人は3割以上に上った。○半数以上が「理解できていない」マイナンバー制度について理解できている自信はあるかと尋ねたところ、「あまり理解できていない」は45%、「全く理解できていない」は9%で、半数以上が「理解できていない」と回答。それに対して、「まあまあ理解できていると思う」は41%、「理解できている自信がある」は5%となった。マイナンバー制度が開始されたら、副業が会社に発覚しやすくなると思うかとの問いに対しては、32%が「YES」、41%が「わからない」と回答。一方、「NO」は27%にとどまり、不安を感じている人が多いことが浮き彫りになった。同社広報は「マイナンバー制度の内容を正確に理解できていないことが、不安につながっているのではないか」と分析している。調査対象はもしもドロップシッピング利用者。調査期間は2015年9月17日~25日、有効回答は23人。
2015年10月28日10月5日のマイナンバー制度の施行以来、マイナンバーがニュースになることが増えてきました。そうしたなかで、家電量販店にマイナンバー対応の給与計算パッケージソフトやシュレッターが揃えられたマイナンバーコーナーが設置、マイナンバー商戦が本格化してきたことを告げる報道がありました。大手ITベンダーなどがマイナンバー管理システムを、リリース前の早い時期から売り込んできたのに対し、中小企業などで利用されることの多い給与計算パッケージソフトなどは年末調整にも対応しており、マイナンバー対応のバージョンアップ版リリースが間近になって、ようやく本格的な売り込みにはいってきたようです。マイナンバー対応が遅れているといわれる中小企業では、そうしたコーナーに足を運び、そのまま給与計算パッケージソフトなどを購入する、または現状利用している給与計算パッケージソフトをバージョンアップすることでマイナンバー対応に備えることが多くなると考えられます。ここから制度がつづく限り管理していかなければいけないマイナンバーについては、システム選びはきちんと選択の軸を設けたうえで行いたいものです。今回は中小企業向けにも出揃ってきたマイナンバー対応のシステムについて、システムの選択によって、安全管理措置などマイナンバー対応の運用がどのように変わってくるのか、その点に焦点をあててみていきましょう。○店頭販売の給与計算パッケージソフトバージョンアップでマイナンバー管理に対応現在、家電量販店のソフトウェアコーナーでは、給与計算パッケージソフトを前面にならべ、「今購入すればマイナンバー対応版に無償バージョンアップ」とのうたい文句で販売促進がはかられています。実際にこれらのソフトウェアのマイナンバー対応版のリリースは10月末から11月にかけてとなっているため、デモンストレーションが行われているわけでもなく、家電量販店のソフトウェアコーナーでのマイナンバー商戦が本格化するのは、まだ先のことになると考えられます。これらパソコン用給与計算パッケージソフトのマイナンバー対応ですが、以下のような機能が追加され、基本的に製品による大きな差異はみられません。・あらかじめ給与計算ソフトウェアに登録されている従業員および扶養親族のマイナンバーを入力・登録できる機能・マイナンバー取扱担当者の登録、担当者のみマイナンバーの登録・編集・閲覧などが行えるようなアクセス制御・登録されたマイナンバーデータの暗号化・源泉徴収票等へのマイナンバーの印刷・マイナンバーに対する操作などのアクセスログこうした機能で、マイナンバー対応は十分といえるのでしょうか。○マイナンバー対応に給与計算パッケージソフトを利用する場合の課題収集は紙ベースが基本受け渡し・保管には十分な注意が必要これらのソフトウェアでは、事業所内に設置されたパソコンにマイナンバー取扱担当者が従業員などのマイナンバーを入力することが基本となっているため、マイナンバー取り扱いの入口であり、一番手間のかかるマイナンバーの収集や本人確認は、システム外で行う作業ということになります。そのため、マイナンバーの収集は基本的に紙で行うことになりますが、収集用に従業員本人および扶養親族のマイナンバー記入用紙をサプライ品として販売しているベンダーもあります。この場合は、マイナンバーが記載された用紙と本人確認のための通知カードのコピーなども一緒に収集することになり、これらの紙資料を従業員から企業への受け渡す際や、マイナンバー入力まで保管しておく際に、紛失や漏えいに備えた安全管理措置をきちんと講じる必要があります。なお、マイナンバーのCSVデータの一括取り込みなどの機能が用意されているソフトウェアもありますが、この機能を利用するには、従業員がパソコンなどでマイナンバーを入力し、そのデータをCSVに出力して企業に受け渡す必要があり、ここでも紛失や漏えいに備えた安全管理措置をきちんと講じる必要があります。提出も紙ベースが基本必要なマイナンバー対応の支払調書に未対応のものも・・次次にマイナンバー取り扱いの出口である源泉徴収票など法定調書や給与支払報告書の提出については、電子のまま税務署や市町村に送信できる電子申告・申請まで対応したソフトウェアは少なく、電子申告・申請に未対応のソフトウェアでは紙に印刷して提出することが基本となります。ここでも、持ち運ぶ際に紛失や漏えいに備えた安全管理措置をきちんと講じる必要があります。特に、給与支払報告書は従業員の居住する市町村が複数にわたり、これらの市町村への提出を郵送で行ってきた企業が多いと思われますが、今後郵送する場合は、安全のために簡易書留にするなど従来よりも手間や費用がかかることになります。また、源泉徴収票を添付して提出する「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」では、多くの中小企業が源泉徴収票のほかに「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」や「不動産の使用料等の支払調書」なども作成、添付して提出しています。これらの支払調書でも支払先が個人の場合は、支払先からマイナンバーを収集しマイナンバーを記載した支払調書を作成する必要がありますが、そもそも、給与計算パッケージソフトではこれらの支払調書に対応していないものもあります。そうしたソフトウェアを使用している場合は、中小企業が税の分野でマイナンバーの記載を義務づけられるすべての帳票にシステムでは対応できないことになり、紙の支払調書に手書きして提出することになります。そして、これらの支払調書に記載するマイナンバーは、紙で収集後、紙で保管するしかなく、収集から保管、利用、提出とすべて紙で行うことになります。そのため、これらのソフトウェアを使用する場合は、源泉徴収票に記載する従業員などのマイナンバーはパソコンで電子データとして管理し、支払調書に記載する支払先のマイナンバーは紙で管理することとなり、マイナンバー対応としては二重に負荷のかかる中途半端な対応と言わざるをえません。マイナンバーの保管は事業所内のパソコンでパソコン利用状況に応じた安全管理措置が必要給与計算パッケージソフトでは、基本的に事業所内のパソコンにマイナンバーを保管することになります。そのパソコンがいろんな業務で利用されている場合は、マイナンバー取扱担当者以外の従業員もパソコンを操作することになります。本来であれば、マイナンバーを保管し給与計算や年末調整に利用するパソコンは、担当者以外の従業員が立ち入ることができない場所に設置し、担当者のみしか操作できないようにするのがベストです。それが難しい場合は、担当者しかマイナンバーにアクセスできない機能を使って、担当者以外の従業員がマイナンバーを閲覧などできないようにすることです。このような利用方法でマイナンバーを利用して源泉徴収票などの書類を作成する作業を行う場合は、・画面を覗き見できないようにパソコンを配置しなおす・画面を開きっぱなしにしたまま席を立たない・担当者のアクセス制御のためのID・パスワードは本人が厳格に管理する・マイナンバーいりの書類を印刷する場合はプリンタから印刷されたらすぐに回収する・パソコンの盗難防止のためセキュリティワイヤで固定するなどの措置をとるようにすべきです。また、給与計算パッケージソフトを利用する場合、先に見たようにマイナンバーが記載された紙の書類も取り扱うことになりますので、それらの書類は常に書棚などに施錠保管し、鍵の管理も厳重におこなう必要があります。以上みてきたように、中小企業の多くが利用する給与計算パッケージソフトでは、収集、利用、提出、保管といったマイナンバーの取り扱いプロセスのすべてにおいて、電子データおよび紙の書類に対して安全管理措置を講じた取り扱いが必要となります。中小企業がこれらのソフトウェア利用でマイナンバー取り扱いの負荷を軽減できればよいのですが、実際にはそれ相応の負荷がかかってくることは避けられません。次回は、システム選びの選択肢として、マイナンバー管理に特化したシステムを検討していきます。著者略歴中尾健一(なかおけんいち)アカウンティング・サース・ジャパン株式会社取締役1982年、日本デジタル研究所 (JDL) 入社。30年以上にわたって日本の会計事務所のコンピュータ化をソフトウェアの観点から支えてきた。2009年、税理士向けクラウド税務・会計・給与システム「A-SaaS(エーサース)」を企画・開発・運営するアカウンティング・サース・ジャパンに創業メンバーとして参画、取締役に就任。マイナンバーエバンジェリストとして、マイナンバー制度が中小企業に与える影響を解説する。
2015年10月26日ペンタセキュリティシステムズは10月22日、国内でマイナンバー制度が始まったことを受け、セキュリティ企業の観点からマイナンバーの暗号化についてブログで解説した。データの暗号化は、情報セキュリティの分野において、データを安全に守るためには必須な措置で、マイナンバー制度下においても例外ではない。完全なデータ暗号化のためには、データに対する暗号化、暗号化・復号の鍵に対する安全な管理・運用、データ閲覧に対するアクセス制御および監査など、情報セキュリティ全般にわたる技術が求められる。マイナンバー制度においては、国家はマイナンバーで個人を特定できるようにしている。国家は個人の情報はさまざまなアトリビュート(属性)に抽出して分類する。分類方法もさまざまで、万一の漏洩時にいかに致命的な影響を及ぼすかなどの基準なども設けられるほか、業務や分野によっても分けられる。一方の個人の場合は、マイナンバーで自分の個人情報を照会することができない。照会する場合は、マイナンバーとは別の「認証情報」が必要となる。認証情報とはその人のみ知っている知識、その人のみ持っている所有物、その人のみ有する行為の特長や生体情報などで、パスワードのようなものだ。マイナンバーと認証情報のを安全に管理するには、データそのものに対する暗号化が必要だ。具体的には、状況に応じて適切に選択し適用できるようにAES、TDESなど安全性、機密性、効用性が既に十分立証された多様なアルゴリズムと鍵の生成方法などすべてを含む「暗号化方式」を支援する総合的なデータ暗号化システムが必要となる。データベースにアクセス可能し、個人情報のデータを不正に閲覧できたり修正できたりすることはあってはならいないこと。そのためには、それぞれのデータを別途暗号化して管理できる「カラム暗号化」などの安全装置が必要となる。同社は、データベースの暗号化におけるポイントを以下のように述べている。許可されていない者は暗号文の復号ができないようにし、許可されている者にのみ暗号化・復号の鍵とセキュリティの核心となる媒介変数に対するアクセスを許可する機能を用意することデータベースの管理者であっても、あらかじめ許可を受けていなければアクセスできないようにすることデータベース管理者と情報セキュリティ管理者はまったく違う概念であり、重要データへのアクセスはユーザ権限、アプリケーション、アクセス時間、期間、曜日など条件を付けて制限できるようにし、そういった「アクセス制御」のポリシーも許可された者のみ修正できるようにすること円滑な「セキュリティ監査」のために、すべてのデータは操作に対する履歴、結果、主体、テーブル名、カラム名などクエリーのタイプによって検討可能にすることパスワードなどの認証データはそれを推測することを未然に防ぐためにSHA-256といったハッシュアルゴリズムなどの「一方向暗号化」が必須要件となる。また、すべての認証情報はできる限り個人を特定する識別情報とは物理的に完全に分離された場所に保管することさらに同社は、すべてのシステムをデータは暗号化・復号の鍵を統合管理するため、各種セキュリティポリシーを実務に適用する鍵管理システムは、すべてのシステムを効率的に運用するためのインタフェースであると主張している。市販されている暗号化ソリューションの多くは、単なる暗号化システムに一方向暗号化とカラム暗号化、そしてデータベースへのアクセス制御ソリューションなどの付加装置の追加により、ある程度の機能は備わっている。しかし、全体の仕組みが複雑になるにつれてパフォーマンスが低下し、各要素の間で衝突が発生するなど、技術の根本的な問題は避けては通れないという。
2015年10月23日●日本が抱える課題世間ではマイナンバー制度に関するニュースが多数報道されているが、今年の12月から施行される重要な法律があることも忘れてはいけない。改正労働安全衛生法に基づく、ストレスチェック制度である。従業員50人以上の事業場では、今後年に1回全従業員へストレスチェックを実施し、従業員のストレスの状況について検査を行わなければならない。マイナンバー制度への対応に向けて、業務も費用も企業にとって負担が生じるなか、この法律も重荷に感じている企業も少なくないだろう。しかし、この法律の背景には、日本の経済力を高めることを目的とした政府の考えがある。10月13日、メンタルヘルス関連サービスを展開するアドバンテッジ リスク マネジメントは、ストレスチェック制度に関するセミナーを開催した。当日は同社の代表取締役社長である鳥越慎二氏が講演。当日の講演内容についてお届けしよう。○職場におけるメンタルヘルスの状況警察庁による自殺者数の調査では、総数は減少傾向にあるものの、「被雇用者・勤め人」にあたる労働者の自殺者数は横ばいで推移している。平成26年度では、総数が25,427人に対し、労働者の自殺者数は7,164人で、全体のおよそ28.2%を占める高い割合となっている。自殺の理由はさまざまであるが、「その多くが鬱状態ではないか」と鳥越氏は推測する。ちなみに、交通事故による死亡者数は平成26年度で4,113人となっている。比較すると、労働者の自殺者数は交通事故死者数の1.7倍となっていることがわかる。また、厚生労働省による精神障害などの労災補償の調査では、平成26年度の労災請求件数は1,456件、認定件数は497件、うち自殺件数は99件となっており、いずれの件数も過去最多となっている。従業員がメンタル不調などで休職・退職することによって、実は大きなコストがかかっている。休職前後の周囲の従業員が手伝う残業代や、休職中の本人への手当、周囲の業務調整、事務対応など、さまざまな場面で人件費が発生し、内閣府によると一人の従業員(年収約600万円想定)が6カ月間休職した場合に発生するコストは、422万円にのぼるという。さらに、その従業員が退職し、新たな人材を採用するためのコストは、約180万円(年収×30%で試算)だと言われている。これらの状況を受けて、政府は企業の健康経営の推奨やブラック企業の是正など、さまざまな施策を実施・検討している。●ストレスチェック制度のポイント○ストレスチェック制度の目的は?鳥越氏は、ストレスチェック制度のポイントとして次の3点を挙げた。50名以上の事業場について、医師・保健師などによる全従業員へストレスチェックを実施し、実施した医師・保健師より従業員へ直接チェック結果を返却高ストレス状態かつ申し出を行った従業員への医師による面接指導の実施面接指導の結果に基づき、医師の意見をふまえて必要に応じた就業上の措置これは、法律で定められている基本的なポイントとなる。しかし、鳥越氏も参加していたという法案公布後の審議会では、法律で触れられていない点に対して付け加えを行ったという。鳥越氏は「ストレスチェックを実施するだけでなく、ストレス問題を改善することが重要」とし、さらに3つのポイントについて説明した。まず、「企業の集団分析」である。ストレスチェックの結果を部署ごとに分析し、企業は職場環境改善のために活用するよう求められている。集団分析は努力義務とされているが、鳥越氏は「"努力義務"とは、"努力することが義務"なので、これはほぼ義務ということ。ストレスチェックを行っただけでは、改善されない。改善するためにはストレスチェックの結果を利用し、企業が努力することが必要」と説明した。2つめは、「相談窓口の案内」である。ストレスチェックを行った結果、高ストレス判定を受けた従業員は、その後会社に対して医師による面接指導の申し出を行う必要がある。「高ストレス状態の人が、果たして自分で申し出をするものか?」と鳥越氏は疑問を投じる。そこで、医師面談とは別にカウンセリングなどが受けられるような環境の整備をすることが、推奨されている。3つめは、「労働基準監督署への報告」である。企業はストレスチェックの実施日・チェックを受けた人数・フォロー状況を、労働基準監督署に報告することが義務付けされている。「この報告内容によって規制や取り締まりは行わないとされているが、十分に注意した方がよい。政府はこの報告内容をブラック企業対策の参考にすると考えられる」と鳥越氏は促す。「ストレスチェック義務化の目的は、労働者のメンタルヘルス不調の未然防止が主な目的であって、ストレスチェックをすることが目的ではない。この目的のために、ストレスの原因となる職場環境の改善を行うことが、企業が求められている対応である」(鳥越氏)●ストレスチェック制度で求められる対策○企業と従業員、双方に求められる対策ストレスチェック制度の実施にあたり、企業が行わなければならないこととして、まず、衛生委員会などで調査審議を行い、社内規定を定め、従業員に周知する必要がある。また、実施する医師は誰にするのか、帳票の回収やデータ入力など、ストレスチェック結果を出力するまでの情報を扱う実施事務従事者を誰にするのかなど、体制を決めていく必要もある。鳥越氏は「事業者はストレスチェック制度に対する基本方針を決める必要がある。それによって、対応の仕方が変わってくるからだ」と話す。今回の法令に遵守するレベルで考えるのであれば、ストレスチェックの実施と医師面接の実施を行えばよい。しかし、メンタル不調者の未然予防も考えるのであれば、前出の外部相談窓口の設置についても検討する必要が出てくる。さらに、メンタルヘルス対策にとどまらず、組織改善や活性化をはかり、企業の生産性を向上させようと考えるのであれば、しっかりとした組織分析・改善施策の実行が必要となってくる。また「企業だけでなく、従業員も意識を変える必要がある」と鳥越氏は話す。「政府が推奨するストレスチェックに関する57の質問項目はNIOSH職業性ストレスモデルを参考にしてつくられている。しかし、このモデルにあって、ストレスチェック推奨項目に欠けているのが、『個人的要因』に関するチェックだ。個人の性格などを抜きにしてストレス対策を進めても、効果が出ないケースがある。ストレスは客観的には存在しないもの。個人の受け止め方によってストレスに変わる。従業員も刺激に強くなるために努力する必要がある」(鳥越氏)鳥越氏は、ストレスチェック制度の実施にあたって「自分の会社がどういった対応をするのか、従業員は会社を判断するきっかけになる」と言う。きちんと運用できる体制で、従業員の期待に応える制度運用を行うことが、望まれる。
2015年10月21日大日本印刷(以下、DNP)は10月19日、証明写真機「Ki-Re-i (キレイ)」を使って、顔写真の撮影からマイナンバー制度における「個人番号カード」の申請まで行うことができるシステムを開発したと発表した。同システムでは、まず、Ki-Re-iの画面メニューで「マイナンバー 個人番号カード交付申請」を選択し、個人番号カード交付申請書に記載のある2次元コードを所定のスキャナーで読み取ったのち、画面に表示する23ケタの申請書IDが正しいことを確認する。その後顔写真を撮影し、申請書IDと撮影画像の最終確認を行い申請ボタンを押すと、手続が完了する仕組みだ。また、同社によると、23ケタの申請書IDと顔写真を暗号化し、セキュリティ性の高い通信環境を使用して地方公共団体情報システム機構のサーバへ送信するため、安全性が高いという。加えて、直接電子申請する以外にも、Ki-Re-iで撮影した顔写真データをスマートフォンに保存したのち申請することも可能となるほか、撮影・プリントした写真を個人番号カード交付申請書に貼って郵送することもできる。同サービスは、DNP関連会社となるDNPフォトイメージングジャパンにより、10月20日から提供が開始される。同社は今後、2016年1月までに1,000台、3月までに累計1,500台のKi-Re-iに個人番号カード申請の機能を追加し提供する予定だ。
2015年10月20日ノークリサーチは、2015年の国内中堅・中小市場における「給与・人事・勤怠・就業管理システム」の利用実態とユーザー評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。調査対象は、全国・全業種の年商500億円未満の中堅・中小企業で「情報システムの導入や運用/管理の作業を担当している」もしくは「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」社員。調査実施時期は2015年7月(有効回答数は1,300社)。導入済み製品・サービスの導入社数シェアを2014年の調査と比較したところ、シェア率・順位とも大きな変動は見られない。中堅・中小企業における給与・人事・勤怠・就業管理システムの利用は、売上増やコスト削減といった戦略的な事由よりも、法制度対応が主な役割となることが多いため、製品/サービスの選定においても「費用負担を抑えて現状を維持する」という方針になりやすいと同社は見ている。導入済み製品・サービスに対して抱えている最も重要な課題については、「導入後の保守/サポート費用が高価である」「導入時の初期費用が高価である」「バージョンアップ時の費用負担が高価である」といった項目が多く挙がっており、現状の課題においても 費用負担を抑えることが優先事項となっていると同社は分析する。ただし、最も多く挙がった項目でも1割程度にとどまる一方、「課題は全くない」との回答が約3割に達している。そのため、給与・人事・勤怠・就業管理システムを開発/販売するベンダーや販社・SIerにとっては「現状で解決すべき課題」という点からシェアの獲得・拡大を図るアプローチはあまり有効でない可能性が高いと同社は分析する。同社は、現状維持志向が強い状況の中でも新たな差別化ポイントを模索する取り組みが将来的には非常に重要になると指摘している。今後のニーズについては、年商50~100億円未満の企業では、費用に関する項目(「バージョンアップ時の費用負担が安価である」など)や法制度対応に関する項目の回答割合が高い。2015年の調査結果では「マイナンバーに求められる業務に対応できる」の高さが目立つ。しかしこれは新たなIT投資を意味するものではなく、現状の給与・人事・勤怠・就業管理システムのバージョンアップ内での対応を想定しているという。「バージョンアップ時の費用負担が安価である」の回答割合が最も高いことから、マイナンバー対応を契機に製品・サービスの移行・刷新や高価なオプション・サービスの利用を訴求することは難しいと同社は見ている。マイナンバー制度はセキュリティ関連ツールなど、一部のIT活用領域では需要増も期待されるが、給与・人事・勤怠・就業管理システムを開発・販売するベンダーや販社・SIerにとっては「自社の顧客を失わないために、顧客側の費用負担を最小限に抑えつつ的確な対応が求められる取り組み」となってくると同社は予測する。また、15.1%に上る「プログラミングを伴わずに機能の追加/変更をユーザー自身が行える」など、費用関連や法制度対応関連だけではないニーズも垣間見えるという。少子高齢化などによって今後は有能な人材の確保が難しくなると予想され、中堅・中小企業としても多様な働き方や評価制度を導入し、働く側にとって魅力的な職場作りが求められるという。そのためには給与・人事・勤怠・就業管理システムにおける機能を追加/変更できる仕組みが重要になると同社は分析する。年商帯によっては、費用に関する項目や法制度対応に関する項目以外のニーズも存在するとしている。
2015年10月20日日立ソリューションズは、同社が提供している人事総合ソリューション「リシテア」シリーズに、人事・給与ソリューション「リシテアHR/PR Powered by Generalist」を新たに追加し、11月2日から販売を開始することを発表した。価格は個別見積もりとなっている。新「リシテア」シリーズは、就業管理や各種申請業務など、従業員が行う間接業務を支援する従来のラインアップに、人事部門が行う人事管理や給与管理などの業務効率向上を支援する「リシテアHR/PR Powered by Generalist」を加えることで、人事業務をワンストップで支援するソリューション。人事部門と職場のシームレスな情報連携によって、企業は人財の育成や活用、人事業務の効率化などをより適切に行えるようになり、従業員や組織の能力を最大限に生かした経営が可能となるとしている。新サービスの主な特長として、業務運用に合わせて画面を自由に編集できる点が挙げられている。企業が管理したい人事情報や各担当者の業務運用に合わせて、入力項目の追加や削除、入力チェックを追加した画面を作成・編集することができるという。また、人事・給与データは、自由な条件や出力項目で検索と出力が可能だとしている。昇格候補者などのリスト化や人員統計表などの各種集計、グループ企業を横断した検索にも対応しており、さまざまな視点での経営指標の検索と出力ができるという。マイナンバー対応に関しては、従業員とその家族のマイナンバー管理、源泉徴収票などの出力から保存期間終了後の削除までがサポートされている。個人番号の暗号化や各操作における監査ログの取得など、セキュリティ機能も提供し、同一サーバ構成、別サーバ構成などニーズに合わせた管理方式での提供を可能としている。そのほか、人事部門のみが把握していた従業員の職務経験や資格取得、研修・表彰歴などのキャリア情報を現場の管理者に公開することができ、人事部門と現場管理者によるタイムリーで最適な人財マネジメントを実現するものとしている。
2015年10月19日シーイーシーは10月19日、2016年1月から運用が開始されるマイナンバー制度に対応するため、マイナンバー関連サービスを拡充・体系化し、「マイナンバーワンストップサービス」の名称で提供を開始した。同サービスは自治体と民間企業の双方に向けたサービスから構成されており、新たに「民間企業向けマイナンバー運用支援サービス」が開発され、民間企業や団体の対応が求められるマイナンバーの収集、保管から法定調書代行出力、セキュリティ対策などを含むマイナンバー関連業務の代行サービス(BPO)にも対応した支援サービスを提供する。マイナンバーワンストップサービスのラインアップは民間企業向けマイナンバー運用支援サービスのほか、「自治体向けマイナンバー導入支援サービス」「従業員のマイナンバー収集代行サービス」「マイナンバー業務のアウトソーシングサービス」「SmartSESAME MultiScan!(マイナンバー対応サービス)」「 SmartSESAME SecurePrint!」「マイナンバー制度セキュリティ対策ソリューション」「マイナンバー管理・保管クラウドサービス」となっている。自社員での対応が難しい企業向けに用意された「マイナンバー業務アウトソーシング」では、マイナンバーの追加、廃棄から、法定調書の印刷まで一貫した業務の代行サービスを提供。同サービスでは、従業員のマイナンバーデータを、他の社内システム(人事システムや給与システムなど)から切り離されたセキュアなデータベースで管理し、必要に応じてシステム連携を図る。「SmartSESAME MultiScan!(マイナンバー対応サービス)」は複合機で、短期間・セキュアにマイナンバー情報を電子化し、「SmartSESAME SecurePrint!」は本人のみが印刷文書を手にできるICカード認証プリントで、印刷物の取り間違えや置き忘れによるマイナンバー情報の漏洩を防ぐ。そのほか、人事・給与システムなどの既存システムとの連携機能や法定調書出力機能、クラウド環境対応も標準装備し、現在の業務内容を大きく変更することなく、より効率的なICT環境を導入するとしている。
2015年10月19日10月5日のマイナンバー制度施行に伴い、政府のマイナンバー関連のホームページが改定され、あたらしい情報が出てきています。前回みましたマイナンバーの通知時期についても、政府広報オンラインの「社会保障・税番号制度<マイナンバー>特集サイト」が更新され、「10月20日頃から概ね11月中にあなたにもマイナンバーが通知されます」と掲載されています。また、個人番号カード総合サイトでは、通知カードの郵便局への差出し状況も全国の市区町村別に確認できるサイトを設け、各市区町村がいつ郵便局へ通知カードの簡易書留を差し出したかわかるようになっています。そして、「差出日から概ね7日から20日程度でお届けできる見込みです」としています。この原稿を書いている10月9日現在、この差出し状況の確認サイトには、差出日が掲載されている市区町村はいまだ一つもありませんが、順調に通知カードの発送準備が進めば、この記事が掲載される頃には、差出日が掲載されている市区町村が増えていると思われます。いずれにしても、当面はこの通知カードの発送や受け取りをめぐる話題が多くなってくるものと想定されますが、マイナンバーの利用開始は平成28年1月からと間近に迫っています。その一方で、まだ準備ができていない中小企業も多いことが報道されています。「何をすれば良いか分からない」という理由で準備が進んでいないとすると、より具体的に何をすれば良いかを確認することから始める必要があります。○チェックリストで準備しなければならないことを確認する政府が広報してきた事業者向けの解説も当初の頃にくらべると、よりシンプルにまとめられたものが増えてきました。先にとりあげた政府広報オンラインの「社会保障・税番号制度<マイナンバー>特集サイト」の「事業者のみなさまへ」というサイトでは、「どんな準備が必要なの?」というコーナーに、「まずは対象業務を洗い出した上で、組織体制やマイナンバーの利用開始までのスケジュールを検討し、対応方法を決定してください」として「6つの導入チェックポイント」が掲載されています。これを確認しながら、今からでも始められるマイナンバー対策について考えていきましょう。○担当者を決めるまず、最初のチェックポイントは「マイナンバーを取り扱う担当者を決めましょう」です。人事担当などがいない小規模な企業では、給与計算を担当している従業員を担当者にすることを考えてみてください。それでもマイナンバー取扱担当者に適切な人材がいない場合は、社長自らがマイナンバー取扱責任者兼担当者になるしかありません。まずは、決めることです。○マイナンバーを収集する次のチェックポイントは、「マイナンバーを従業員から取得する際は、利用目的を伝え、番号の確認と身元の確認をしましょう」です。ここでは、年内に収集することを前提に考えてみます。2つのステップで考えましょう。まず、従業員へ本人および扶養親族のマイナンバーの提供を求める案内文を作成し、そこに利用目的を明記しておきましょう。中小企業など事業者が従業員などのマイナンバーを記載しなければならない提出書類は、源泉所得税に関する書類と、社会保障-社会保険関連の書類ということになりますので、利用目的は“「源泉徴収票等作成事務」、「雇用保険届出事務」、「健康保険・厚生年金保険届出事務」の諸手続きのため”というような内容を明示することになります。そして、次のステップとして、従業員からマイナンバーを取得するさいに、番号の確認と身元の確認をすることになります。まず、どのような書面でマイナンバーを取得するのか、そして何で番号確認や身元確認を行うのかを明確にしましょう。従業員からマイナンバーの提供を受けるその場で電子データとして入力できる環境があれば、別な書面にマイナンバーを記入してもらうのではなく、番号確認のため通知カードのコピーを提示してもらい、それを確認して入力すれば、むだにマイナンバー記載の書類を増やす必要はなくなります。この方法を取る場合は、扶養親族の通知カードのコピーも用意してもらえば、扶養親族も含めてより正確なマイナンバーの入力・確認が行えることになります。では、身元確認はどうするのか、採用時に番号法で定めるような身元確認(運転免許証のような顔写真付きの証明書などによる確認)が行われていれば、マイナンバー取得時に身元確認書類の提示は不要ということになっています(国税庁「国税分野における番号法に基づく本人確認方法」例6参照)。身元確認までおこなう必要があるかどうか、採用時にどこまでの確認をしていたかを確かめた上で、身元確認書類まで提示をもとめるのかどうかを決めましょう。こうしたことを確認したら、利用目的とあわせて、どのような方法でマイナンバーを提供してもらうのかも、マイナンバーの提供を求める案内文に盛り込んでおきましょう。○マイナンバーの適切な管理次のチェックポイントは「適切に管理しよう!」ということで、3つのチェックポイントが掲げられています。マイナンバーが記載された書類は、カギがかかる棚や引き出しに保管しましょうこれについては特にコメントはありません。このとおりにしてください。そして、誰でもがそのカギを使用できるようでは意味がありませんので、責任者や担当者しかカギを使用できないようにきちんと管理することが大事です。ウィルス対策ソフトを最新版にするなど、セキュリティ対策を行いましょうこれはパソコンなどを使用してマイナンバーを管理する場合のセキュリティ対策についての話ですが、ウィルス対策ソフトを導入し常に最新版にアップデートすることは当然のことです。では、これだけで良いのでしょうか。ガイドラインで物理的安全管理措置や技術的安全管理措置として事業者向けに示されてきた指針がチェックポイントとしては記載されていません。最低限のこととして、物理的安全管理措置として画面などを覗き見されないようにパソコンを配置することや、技術的安全管理措置として責任者や担当者しかマイナンバーにアクセスできないようにすることは、「適切な管理」のためには必要なことですので、このチェックリストに加えて準備していきましょう。退職や契約終了で従業員のマイナンバーが必要なくなったら確実に廃棄しましょう「適切な管理」ということでは、必要がなくなったマイナンバーを確実に廃棄することは大事なポイントではありますが、今取り急ぎ利用開始を前にして、マイナンバーを取り扱うための準備を進めなければならない中小企業にとっては、優先度の低いチェックポイントといっても良いでしょう。現時点では、マイナンバー管理のシステムを選択するさいに、マイナンバーの削除・廃棄の機能が備わっていることを確認すること、また利用開始後は必要がなくなったマイナンバーをすみやかに削除するような運用をおこなうことを確認しておけばよいでしょう。○マイナンバー制度を理解するそして、6つめのチェックポイントは「理解しよう!」ということで、「従業員にマイナンバー制度周知のための研修や勉強会を行いましょう」ということが掲げられています。中小企業でスムーズにマイナンバーの取り扱いをおこなうためには、責任者や担当者だけでなく従業員全員がマイナンバー制度を理解しておくことは大事なことです。制度を理解するため研修や勉強会をおこなう場合は、以前にも紹介しましたが、「政府インターネットテレビ」の「マイナンバー 社会保障・税番号制度(事業者向け編)」(約20分)および「マイナンバー 社会保障・税番号制度(個人向け編)」(約15分)が、制度の内容を簡潔にまとめられていて教育ツールとして利用できますので、これらを視聴されることをお勧めします。政府広報オンラインの「社会保障・税番号制度<マイナンバー>特集サイト」の「6つの導入チェックポイント」をベースに、今から準備するために行わなければならないことを整理してみました。では、具体的なマイナンバーへの対応方法として、求められる安全管理措置を満たすために、どのようなシステムを選択し、どのような管理を行えば良いのでしょうか?次回は、中小企業向けのマイナンバー管理のシステムに焦点をあてて具体的な対応方法を考えてみます。著者略歴中尾健一(なかおけんいち)アカウンティング・サース・ジャパン株式会社取締役1982年、日本デジタル研究所 (JDL) 入社。30年以上にわたって日本の会計事務所のコンピュータ化をソフトウェアの観点から支えてきた。2009年、税理士向けクラウド税務・会計・給与システム「A-SaaS(エーサース)」を企画・開発・運営するアカウンティング・サース・ジャパンに創業メンバーとして参画、取締役に就任。マイナンバーエバンジェリストとして、マイナンバー制度が中小企業に与える影響を解説する。
2015年10月19日内田洋行は10月15日、都内で「内田洋行 ITフェア 2015 in 東京」を開催。このイベント中では、10月5日にスタートとしたマイナンバー制度に関するセミナーを開催。牛島総合法律事務所 パートナー 弁護士 影島広泰氏が「いったい他社はどう取り組むのか? マイナンバー法に対応した情報管理と企業が取り組むべきテーマ」と題して講演を行い、実務上の重要なポイントについて解説した。○マイナンバーの本人確認いよいよ10月5日からマイナンバーの配布作業が開始され、企業も番号の収集・保管作業をスタートさせる。ここで重要なのは、本人確認だ。影島氏は本人確認の役割について、「本人確認では、番号確認と身元(実在)確認の2つをやらなくなくてはなりません。番号確認では、提出書類の番号を書き間違えていないという番号自体の確認、身元確認は、本人が実在するかということを、顔社員付の身分証明書で確認することです」と説明。身元確認するための書類としては、①来年1月から希望者に配布されるICカード「個人番号カード」1枚で行う場合②10月5日から配布が開始される通知カードと、運転免許証 or パスポート等で行う場合③②の通知カードの代わりに住民票を利用する場合の3つがあるという。すでに10月5日以降の住民票にはマイナンバーが印字されており、通知カードの到着を待たずに、自分の番号を確認することが可能だという。社員の中には、通知カードのなくしてしまったという人も出てくると思うが、その場合は、住民票で代用できるということだ。また、代理人に本人確認の提出を委託する場合は、上記の本人の番号確認書類のほかに、委任状(代理権の確認)と代理人の身元(実在)確認書類(運転免許証 等)が必要だという。影島氏は、身元確認で具体的に何をするのかについては誤解している人が多く、顔を見比べることではなく、個人識別事項(氏名、および住所または生年月日)と、身元(実在)確認書類に記載されている個人識別事項が一致しているかどうかを確認することだと説明した。企業は、従業員本人だけでなく、配偶者や扶養親族のマイナンバーを集める必要もあるが、影島氏は「こちらにほうが難しい」と指摘した。基本的には、企業は従業員本人を通じて家族の番号を収集することになるが、この場合、従業員は家族の代理人ということになるので、本人分の種類以外にも、前述した代理人として書類の提出が必要になるという。またこの場合、従業員に対して会社が行う業務を委託するという手続きになるため、従業員に対する「委託する」という文書と、従業員が情報漏えいしないよう監督する義務が必要になるという。ただ影島氏によれば、もう少し簡単に家族のマイナンバーを集める方法があるという。それは、毎年、年末調整用の資料として提出する「扶養控除等(異動)申告書」を利用する方法だ。「扶養控除等(異動)申告書」には、平成28年度から家族の番号を記載する欄が設けられるので、ここの家族分の番号を記載してもらえば、家族分の番号を取集できるという。この方法がなぜ簡単なのかといえば、「扶養控除等(異動)申告書」は従業員本人に作成義務があるため、家族の番号収集を集める義務は従業員本人に発生し、会社は、従業員の本人確認のみで済むためだという。○マイナンバーで収集における実務上の注意点セミナーの中では、マイナンバーで収集における実務上の注意点として、マイナバーの番号が変更(情報漏えい等により)された場合と、番号の提出を拒否された場合の対応についても解説された。マイナバーの番号が変更された場合、企業はそれをどうやって把握するかについては、マイナンバーが変更されたときは事業者に申告するように従業員などに周知しておくことが重要で、番号を収集する際に従業員に配布する文書に、このことを記載しておくとが重要だという。一方、番号の提出を拒否された場合の対応については、法定調書にマイナンバーを記載することは会社の義務なので、個人番号の記載は、法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務であることを番号を収集する際に従業員に配布する文書に記載することが重要だという。その上で、なおも提供を拒まれた場合には、空欄のまま提出し、経緯を記録・保存し、書類の提出先である行政機関等の指示に従えばよいという。
2015年10月19日SCSKは10月15日、自社開発のERPパッケージ「ProActive E2」において社会保障・税に関わる番号制度(マイナンバー制度)への対応を行い、同日から「個人番号管理システム」と「法人番号管理」機能を提供開始したと発表した。「個人番号管理システム」では、各社の個人番号収集方針に応じて選択できる3種類の番号登録方法に対応。従業員によるシステム入力は「セルフエントリー機能」により支援し、従業員から収集した個人番号を確認後に特定個人情報の取り扱い担当者が登録する業務を想定した機能として「個人番号届出用紙」「取込データ生成ツール」を提供する。ProActive以外のシステムで収集した情報や「取込データ生成ツール」で生成したデータを一括登録は「個人番号データ取込機能」によって対応する。全管理措置への対応として、CRYPTREC暗号リストによるデータ暗号化が可能なほか、ProActiveログイン時、個人番号管理システム起動時、個人番号管理機能利用時に求められる3層のパスワード管理とワンタイムパスワードによりセキュリティを強化できる。加えて、「いつ」「どこで」「誰が」「誰の番号を」「どのような目的で」「どのような操作をしたのか」を把握できるアクセスログを取得し、個人番号管理システムの利用者を特定するアクセス制限が行える。適切な番号廃棄については、不要となった個人番号を漏れなく廃棄することを支援する個人番号の保管期限到来者の抽出と廃棄対象者の一括削除機能を提供する。そのほか、法人番号管理への対応として、償却資産税申告書などへ記載するための自社の法人番号管理に対応、取引先の法人番号管理を行うためのマスタ管理項目を追加を行っている。ライセンス費用は50万円から(税別)で、ProActiveを利用中で保守契約を締結済みの利用者が「個人番号管理システム」を利用する場合、ライセンスは無償で提供される。
2015年10月16日スマイルワークスは10月15日、マイナンバー制度の施行にともない、従業員やその扶養家族の個人番号の収集・保管・利用・提供などを全てクラウドで実現するマイナンバー収集管理サービス「ClearWorksマイナンバーワークス」の事前予約受付を開始、11月下旬より提供することを発表した。同サービスは、従業員・アルバイトなどが自分自身の番号情報を直接データセンター上のシステムに登録する「自己登録機能」を備えており、データセンターに保存される個人番号は暗号化保存されるため、仮にデータセンターからデータを不正に持ち出された場合でもデータ自体は漏洩しないとしている。また、マイナンバー管理担当者用にマイナンバー専用の権限を付与することで、権限者だけが特定個人情報の管理を行うことが可能な仕組みとなっている。また、権限者であっても画面上では個人番号は全て「伏せ字」で表示されるため、仮に画面をのぞかれたり、携帯などで撮影された場合でも個人番号が漏洩することを防ぐという。さらに、通常の印刷においても個人番号は印字されずに出力されるため、実務担当者が紙の書類で実務的なチェックを行うことが可能となっている。個人番号の印字は、行政手続きに提出する帳票を印刷する時にのみ行われる仕様となっている。さらに、マイナンバーの「取得」「保管」「利用」「提供」の各プロセス全ての操作履歴が自動的に記録・保存される。同サービスは、10月15日より事前の利用登録が受付開始となり、11月末日までに申し込みをするとキャンペーン価格(通常の基本使用料1万円・月額費用3,000円がそれぞれ半額の5,000円・1,500円。価格は税別)が適用される。また、標準で30人分の自己登録IDが付属されているが、扶養家族や代理登録(管理者による一括登録)分は無制限となっている。
2015年10月15日大日本印刷(以下、DNP)は10月13日、スマートフォンで個人番号(以下、マイナンバー)の通知カードや個人番号カードを撮影するだけで、勤務先や金融機関などに申告できる「DNPマイナンバーWEB収集サービス」を開発したと発表した。企業の従業員や顧客のマイナンバー収集を代行するBPO(Business Process Outsourcing)サービスの一環として、2016年1月より提供を開始する。同サービスでは、DNPが企業から従業員や顧客のデータを預かり、同社BPOセンターにて、申告書とマイナンバー収集の趣旨を説明するチラシ、申告方法・注意事項などを記載した書類を同封し、各従業員や顧客に発送。受け取り主は、申告書に表示のある二次元コードをスマートフォンで読み取り、自分専用の申告画面にアクセスする。規約に同意後、生年月日で本人確認を行い、スマートフォンのカメラで通知カードもしくは個人番号カードと、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類を撮影することで申告が完了する仕組みだ。なお、企業のWebサイトにて、口座開設など手続きの一環でマイナンバーを申告する場合は、二次元コードを印刷した申告書を郵送する方法に切り替えることで対応。企業のWebサイトを経由し申告画面のURLにアクセスすることができるほか、スマートフォンだけでなくパソコンでも申告することが可能となる。加えて、扶養家族の申告が必要なケースを想定し、扶養家族のマイナンバーを入力する画面も用意。ネットワーク通信およびサーバー保管の際は、通知カードや個人番号カードなどの画像データを暗号化し、安全性を確保するという。これにより、従業員や顧客は申告書類を郵送する手間が省け、マイナンバー申告時の利便性が向上する。また企業は、郵送コストの削減や、記入ミスによる処理遅延防止などの効率化を図ることができる。DNPは今後、同サービスにより、2017年度までの3年間累計で3億円の売上を目指す。
2015年10月13日いよいよマイナンバーの通知カードの送付が始まります。また、マイナンバー制度のもうひとつの番号、法人番号の通知、公表も始まり、ここからマイナンバー制度がスタートします。その一方で、内閣府が9月に公表した世論調査では、マイナンバー制度について「内容まで知っていた」と答えた人の割合が43.5%と5割にも満たない現状が明らかになっています。そのほか民間企業などの調査結果では、マイナンバーの取り扱いが必須となる中小企業の取り組みの遅れも明らかになってきており、平成28年1月から利用が開始されるマイナンバー制度がスムーズにスタートできるのか懸念の声もあがっています。今回は、最新の情報を整理、確認してみましょう。○通知カードの送付および個人番号カードの交付申請最新情報整理総務省のお知らせ「個人番号の通知に係るスケジュールについて」によると、マイナンバー通知カードの「お届けの時期」について「概ね10月中旬~11月中を予定」としています。住民票を有するすべての個人(約1億2,800万人)にマイナンバーを付番した後、世帯単位(約5,600万世帯)に簡易書留で送付するわけですが、これだけの数の簡易書留が送付されること自体、前代未聞のことですので、さすがに一時期に集中して送付することは難しく、1カ月以上の時間をかけての送付となってしまいます。また、簡易書留での送付ですので、届け時本人不在の場合は再配達が必要となったり、土日に地区の郵便本局へ引き取りにくる人が殺到したり、受取人不在のまま市区町村まで返送されるものも多数でることが想定されています。返送されたマイナンバーの通知カードは再送付が行われることになっているようですが、住民票を有するすべての個人がマイナンバーを受け取るまでには相当の混乱が起きてしまうことが予想されます。送られてくる通知カードですが、図1のように、マイナンバーの通知カードと個人番号カードの交付申請書が一体となった様式で送られてきます。通知カードは氏名、住所、生年月日、性別の個人4情報とともにマイナンバーが記載されています。顔写真が掲載されていないため身元確認には使用できませんが、番号確認が必要なシーンでは個人番号カードを取得するまで、この通知カードを使用することになりますので、大事に保管しておく必要があります。また、個人番号カードを申請する場合は、この交付申請書書に顔写真を添付して書面で申請するのが基本ですが、パソコンから指定のWebサイトに進み、申請書に記載されている「申請書ID」を入力して申請する方法や、申請書下部のQRコードをスマートフォンで読み取ってWebサイトへ進み申請する方法なども用意されています。○法人番号の通知・公開法人番号の通知・公開のスケジュールも法人番号の付番機関である国税庁より、図2のとおり公表されています。こちらも10月下旬から11月中くらいの期間に通知書が発送されるとともに、国税庁の法人番号公表サイトに法人名称・所在地・法人番号の基本3情報が公表される予定です。法人番号は公表される番号ですから、いつでも入手可能ではありますが、取引先などの法人番号を記載しなければならない書類の提出時期までには、確実に入手できるように段取りだけはつけておく必要があります。○今年中にマイナンバーを収集するために考慮しておくことこの連載では、中小企業のマイナンバー取り扱いの入り口となる従業員などからのマイナンバーの収集を、マイナンバーが送付される10月から11月にかけての期間で行うことを提案してきました。それは、来年の年末調整時期以前にもマイナンバーの利用が必要となるケースもあること、また来年のこの時期に収集しようとすると必ず通知カードを失くした従業員や扶養親族が出てくることが想定されることを考慮した提案でした。先に見たとおり、市区町村によっては送付時期が11月下旬までかかってしまうことや、最初の送付で受け取れず再送付を待たなければならない従業員も出てくることを想定すると、従業員などからの収集に12月までかかることは想定の上で、収集スケジュールを組み直す必要があります。すでに、従業員へのマイナンバー提供依頼の案内や収集したマイナンバーの安全管理措置など必要な準備を整えている場合は、通知カードが手元に届いた従業員から順次収集していくほうが、一斉に収集することにくらべると非効率のようでも実際的な対応方法といえます。また、現時点でマイナンバー制度への対応準備が充分にできていない中小企業の場合は、あわてて従業員などからのマイナンバーの収集を始めるのではなく、マイナンバーの利用分野である税や社会保障の専門家である税理士や社会保険労務士に相談して、まず制度への理解を深めるとともに、自らの企業規模に応じた方法として、これら外部の専門家にマイナンバーの取り扱いも委託する方向で相談していくことが、対応準備の近道となります。そのうえで、信頼できる税理士などにマイナンバーが必要となる源泉徴収票作成業務とあわせてマイナンバーの取り扱いを委託する場合は、税理士事務所と企業との役割分担を決め、企業がうけもつ役割に応じて安全管理措置を講じてから、従業員などからのマイナンバーの収集を開始しても、遅くはないのではないでしょうか。著者略歴中尾健一(なかおけんいち)アカウンティング・サース・ジャパン株式会社取締役1982年、日本デジタル研究所 (JDL) 入社。30年以上にわたって日本の会計事務所のコンピュータ化をソフトウェアの観点から支えてきた。2009年、税理士向けクラウド税務・会計・給与システム「A-SaaS(エーサース)」を企画・開発・運営するアカウンティング・サース・ジャパンに創業メンバーとして参画、取締役に就任。マイナンバーエバンジェリストとして、マイナンバー制度が中小企業に与える影響を解説する。
2015年10月13日日本デジタル研究所(JDL)は10月8日、マイナンバー制度や改正e-文書法への対応など、大幅に機能アップした企業経理向けPC「JDL Benny 9」の販売を開始することを発表した。新製品は、コンパクトサーバー「JDL Benny μSERVER 9」とPC「JDL Benny A3」をセットにしたシステム構成。財務システムを標準搭載し、各支店や顧問会計事務所との緊密な連携処理を行う、企業の基幹業務を支えるセンターマシンとなっている。不正なアクセスは自動で遮断し、インターネットの実務活用にセキュアな環境を構築するファイアウォールやマザーボード、電源ユニット、UPS(無停電電源装置)など独自開発した機器をコンパクトなサーバに集約し、データを安全に一元管理した運用を実現するとしている。レシートや契約書などの書類を、スキャナで読み取り電子化して一括管理・保存することも可能としている。e-文書法の要件にあるタイムスタンプにも対応しており、コスト削減を見据えた業務フローをすぐに構築できるという。また、レシートを電子化した「eレシート」を作成し、画面に表示・参照しながらデータ入力することも可能。入力したデータとeレシートは自動で関連付けて登録されるため、レシート整理から入力、保管まで一連の作業を簡素化するとしている。さらに、 各支店に、記帳ソフト「JDL IBEX BookKeeper」を配付すると現場での記帳を推進できるようになるという。支店のデータは、インターネットを通じて本店で受け取り、そのまま全社の会計処理に活用、顧問会計事務所への監査依頼、財務帳表・経営資料の作成と、一連の処理を双方が連携してタイムリーに行えるようになるとしている。「JDL IBEX BookKeeper」は支店に無償で配付できる。マイナンバー関連では、専用シートとOCRにより収集した個人番号を厳正に管理する「マイナンバー管理システム」を使い、給与計算などの関連システムとも連動することで、的確な運用を可能にするとしている。なお、本システムは、平成28年3月末まで無償提供キャンペーンが実施される。「JDL Benny 9」の価格は77万円(税別)。10月中旬より出荷を開始する予定となっている。
2015年10月09日