世に“名曲”と呼ばれる作品はたくさんあるけれど、モーツァルトとベートヴェンの“名曲”となると、これはまさに別格のイメージだ。しかもそれが、モーツァルトの天才性満載の「フルートとハープのための協奏曲」と、クラシック史上最高の有名曲であるベートーヴェンの交響曲第5番『運命』のカップリングとなれば、これは襟を正して聴くしかない。そんなコンサートが兵庫芸術文化センター管弦楽団(PAC)の定期演奏会で楽しめる。指揮は、元ベルリン・フィルのソロ・オーボエ奏者として一世を風靡したハンスイェルク・シェレンベルガー。近年その指揮ぶりに高い評価が集まる名匠だ。そして、モーツァルトの協奏曲でソロを務めるハーピストは、これまたベルリン・フィルのゲストハープ奏者としてその名を知られる名手、マルギット・=アナ・シュース。世界最高峰の音楽を知り尽くしたふたりの共演は、華やかさの極み。春の訪れを感じされる演奏に期待したい。今回のコンサートのもうひとつの呼び物が、シェレンベルガーの“吹き振り”だ。なんとタクトではなく、オーボエを手に、演奏と指揮を務める二刀流を披露するというのだから興味津々。“これは春から縁起が良い”!兵庫芸術文化センター管弦楽団 第148回定期演奏会シェレンベルガー モーツァルト&ベートーヴェン「運命」■チケット情報()2月9日(金)、10日(土)、11日(日・祝)15:00開演兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール●ハンスイェルク・シェレンベルガー(指揮・オーボエ)Hansjorg Schellenberger1948年生まれ。大変な音楽好きの両親の元で育ち、早くから音楽に強い興味を持った。13歳からオーボエを始め、その後、ミュンヘンとデトモルトにおいてオーボエ、指揮法、そして数学を勉強。ミュンヘンのARDコンクール(1972)を含む主要な音楽コンクールで入賞後、ケルン放響のソロ・オーボエ奏者を経て1980年1月から2001年夏までベルリン・フィルのソロ・オーボエ奏者を務める。退団後は、指揮者、ソリスト、教育者の仕事を中心に活躍している。これまでにソリストとして、カラヤン、ジュリーニ、アッバード、ムーティ、レヴァインなどの著名な指揮者と共演。室内楽奏者としては、アンサンブル・ウィーン=ベルリンを中心に多彩な活動をしてきた。また、1991年にはハイドン・アンサンブル・ベルリンを設立、芸術監督を務めた。2013年度から2022年3月末まで岡山フィル首席指揮者、2021/22 シーズンよりベルリンシンフォニカの首席指揮者に就任。マドリッドのソフィア高等音楽院で教授、3年に1回開かれる国際オーボエコンクール・東京の審査委員長を務めている。
2024年01月18日俳優の古川雄大と、SixTONESの京本大我が、ミュージカル『モーツァルト!』の主演を務めることが16日、明らかになった。○■ミュージカル『モーツァルト!』8〜9月に東京・帝国劇場他で上演タイトルロールのヴォルフガング・モーツァルト役を演じるのは、2018年シーズンから同役を務める古川。そして今回が初登場となるもう1人のヴォルフガング・モーツァルトは京本が務め、帝劇初主演となる。今作は2025年に閉館を発表している帝国劇場の、クロージングラインナップ作品でもある。3シーズン目を迎えることについて、古川は「このヴォルフガングという役はこれからのミュージカル界を背負っていくような、若さ溢れる俳優がやるべき役だと個人的には思っています。しかしながら、2度『モーツァルト!』に携わらせて頂き、この作品そして役の魅力を味わうとまた挑戦したいと思ってしまう、そんなかけがえのない役だと思います。いよいよ3度目、皆様に集大成をお見せすることができたらと思っています」とコメント。同作を「僕のミュージカル人生において今もなおひときわ大きく立ちはだかっている壁」と表し、「何より歌の難易度が高く、更にモーツァルトの人生を描く中で様々な表現を求められる」と難しさを説明する。「1度目は稽古に入るまで1年間準備してこの役に挑みました。傷だらけになりながら足掻いて足掻いた泥臭いヴォルフガングが仕上がったことを覚えています。2度目の『モーツァルト!』は自分としてはクオリティも上がり、安定感が増したと思っていましたが、関係者の方や共演者の皆さんに話を聞くと初参加のモーツァルトのほうがよかったらしいです(笑)」と意外な見解も。「やはり生まれたての新鮮な表現がモーツァルトには必要なんだと改めて思いました。3度目となる今回は自分自身のキャリアを捨てて、裸で挑もうと思います。そして、この高い壁を初めて乗り越えたいと思っています」と意気込んだ。Wキャストとなる京本については「大我くんとはルドルフでダブルキャストを務め、その後トートとしても向き合ってきた、いわば同志のような存在です。繊細かつ力強い表現でルドルフを全うしていました。様々な現場を経験され、座長としても作品を背負い素晴らしい活躍をされている、まさに勢いのある俳優。大我くんとダブルキャストを務めることは自分としても大きな刺激をもらえるので、楽しみで仕方ありません」と喜ぶ。「そして、様々な経験を積んだ大我くんがどんなヴォルフガングを作るのかということも、皆様同様にとても興味があります」と期待した。一方、京本は日本人5人目の同役となることについて「ヴォルフガングは僕にとって憧れそのものです。20歳の時に『エリザベート』に出演し、ミュージカルに魅了され、もっと勉強したいという思いからDVDや劇場を通して何十回も観させて頂いた作品がこの『モーツァルト!』です。(井上)芳雄さん、アッキーさん(中川晃教)、(山崎)育三郎さん、(古川)雄大さんという僕が大尊敬する先輩方が繋いできたこの大役を担うこと、本当にプレッシャーですが、今は不安や恐怖よりも、遂にこの役を演じさせて頂けるという喜びが大きいです。稽古が始まれば今まで経験したことのないようなハードな日々になると思いますので、今はこの喜びの余韻に浸っていたいです(笑)」とコメント。古川に対しては「僕が初めて挑戦したミュージカルでWキャストとして引っ張っていって下さったのが雄大さんなので、僕にとって特別で大切な先輩です。トートとルドルフという関係でも共演させて頂き、それからも雄大さんのヴォルフガングなど沢山拝見させて頂いているので、この度、またこうしてご一緒させて頂けることを心から嬉しく思います。僕にとってお兄ちゃんのような存在ですが、僕の大人になった姿も雄大さんに少しでも感じて頂けたらと思ってます(笑)」とメッセージを送る。ファンに対しても「僕がずっと夢だと公言してきた作品『モーツァルト!』に、ついに出演させて頂けることとなりました。それは、グループ活動だけでなくミュージカルに挑戦する姿も支えて下さっているファンの皆様のお陰だと思っています。一度観たら一生忘れられない作品であることは間違いないので、楽しみにしていて下さい。劇場でお待ちしております」と報告した。公演は8〜9月に帝国劇場(東京)、10月に梅田芸術劇場メインホール(大阪)、11月に博多座(福岡)を予定している。【編集部MEMO】ミュージカル『モーツァルト!』は、「才能が宿るのは肉体なのか? 魂なのか?」というテーマをベースにの高い音楽性と重層的な作劇で“人間モーツァルト”35年の生涯に迫り、2002年の日本初演以来、日本のミュージカルファンを魅了し続けてきた。ミヒャエル・クンツェ(脚本・歌詞)、シルヴェスター・リーヴァイ(音楽・編曲)のゴールデンコンビによる大ヒットミュージカルで、2021年以来約3年ぶりに上演される。
2024年01月16日本日発表された 帝国劇場のクロージングラインナップ() にて、音楽の天才モーツァルトの生涯を描いた大ヒットミュージカル『モーツァルト!』が、約3年ぶりに再上演されることがわかった。2002年の日本初演以来、日本のミュージカルファンを魅了し続けてきた、ミヒャエル・クンツェ(脚本・歌詞)とシルヴェスター・リーヴァイ(音楽・編曲)による大ヒットミュージカルで今回、ヴォルフガング・モーツァルト役を演じるのは、2018年シーズンから同役を務める古川雄大と、今回が初登場となる京本大我のふたり。古川は2023年に『LUPIN ~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』で初の帝劇単独主演を果たし、映像でも『はやぶさ消防団』『大奥 Season2』など話題のドラマに出演している。一方、京本は『エリザベート』『ニュージーズ』『シェルブールの雨傘』などで舞台経験を積み重ね、今回が帝劇初主演となる。ストーリーは、5歳で作曲の才能を開花させたヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトとその家族、そして彼が仕えたコロレド大司教との関係を中心に展開する。ヴォルフガングの才能と自由を求める心、そして才能と自由がもたらす葛藤と苦悩が描かれている。古川は「ヴォルフガングという役はこれからのミュージカル界を背負っていくような、若さ溢れる俳優がやるべき役だと思っている」と語りつつ、「2 度『モーツァルト!』に携わらせて頂き、この作品そして役の魅力を味わうとまた挑戦したいと思ってしまう、そんなかけがえのない役だと思います。いよいよ3度目、皆様に集大成をお見せすることができたらと思っています」とコメント。一方京本は「ヴォルフガングは僕にとって憧れそのもの。(井上)芳雄さん、(中川晃教)アッキーさん、(山崎)育三郎さん、(古川)雄大さんという僕が大尊敬する先輩方が繋いできたこの大役を担うこと、本当にプレッシャーですが、今は不安や恐怖よりも、遂にこの役を演じさせて頂けるという喜びが大きい」と意気込みを語る。今回、2025年に建て替えのために休館を発表している帝国劇場のクロージングとして上演される。記念すべきタイミングで主演を務めることについて、「帝国劇場は僕にミュージカルを教えてくれた場所でもあり、育ててもらった特別な劇場です。様々な試練を与えてくれ、それを乗り越えた先に最高の景色を見せてくれました。2012 年に『エリザベート』のルドルフ役で帝国劇場に立っていなかったら今の僕はないと思います。心から感謝しております。その思いを胸に、グロージングラインナップの『モーツァルト!』が有終の美を飾れる様に努めます」(古川)、「『エリザベート』以外でも小さい頃からお世話になっている想い出だらけの劇場です。振り返れば初めて帝劇に立たせて頂いたのは中学一年生頃だったと思います。おこがましい話ですが、いつかこの劇場で主演というのを、夢の一つとして、いつからか胸に秘めていました。それが改修工事が入る前にこうして叶うこと、本当に嬉しく思います。帝国劇場へのこれまでの感謝も込めて、ステージに立ちたいです」(京本)と、それぞれ劇場への熱い思いが滲むコメントを寄せた。ミュージカル『モーツァルト!』は2024年8・9月に東京・帝国劇場で上演。その後大阪・梅田芸術劇場メインホール(10月)、福岡・博多座(11月)にて上演を予定している。<公演情報>ミュージカル『モーツァルト!』脚本/歌詞:ミヒャエル・クンツェ音楽/編曲:シルヴェスター・リーヴァイオリジナル・プロダクション:ウィーン劇場協会演出/訳詞:小池修一郎(宝塚歌劇団)出演:ヴォルフガング・モーツァルト役(Wキャスト)古川雄大/京本大我2024年8・9月 東京・帝国劇場2024年10月 大阪・梅田芸術劇場メインホール2024年11月 福岡・ 博多座
2024年01月16日帝国劇場のクロージングラインアップが発表。古川雄大&京本大我のWキャストで「モーツァルト!」が上演される。2025年に建て替えのため、休館を発表している帝国劇場。今回発表されたのは、元日から開幕した新作「Act ONE」から始まり、休館する来年2月にかけてのラインアップ。すでに上演が決定している「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」「千と千尋の神隠し」「ムーランルージュ!ザ・ミュージカル」に加え、4・5月、11月には「Endless SHOCK」、10月には「DREAM BOYS」、12月~2月には「レ・ミゼラブル」、現・帝国劇場の最終公演として2月にCONCERT「THE BEST ~New HISTORY COMING~」が新たに上演されることが発表。そして注目は、8・9月上演予定の「モーツァルト!」。「才能が宿るのは肉体なのか?魂なのか?」という深遠なテーマをベースに、その高い音楽性と重層的な作劇で“人間モーツァルト”35年の生涯に迫り、2002年の日本初演以来、日本のミュージカルファンを魅了し続けてきた本作。ヴォルフガング・モーツァルト役には、2018年シーズンから同役を務める古川雄大と、帝劇初主演となる京本大我(SixTONES)がWキャストで出演。古川さんは「いよいよ3度目、皆様に集大成をお見せすることができたらと思っています」と意気込み、「大我くんとはルドルフでダブルキャストを務め、その後トートとしても向き合ってきた、いわば同志のような存在です。繊細かつ力強い表現でルドルフを全うしていました。様々な現場を経験され、座長としても作品を背負い素晴らしい活躍をされている、まさに勢いのある俳優。大我くんとダブルキャストを務めることは自分としても大きな刺激をもらえるので、楽しみで仕方ありません」とコメント。「ヴォルフガングは僕にとって憧れそのものです」と語る京本さんは、「僕が初めて挑戦したミュージカルでWキャストとして引っ張っていって下さったのが雄大さんなので、僕にとって特別で大切な先輩です。トートとルドルフという関係でも共演させて頂き、それからも雄大さんのヴォルフガングなど沢山拝見させて頂いているので、この度、またこうしてご一緒させて頂けることを心から嬉しく思います。僕にとってお兄ちゃんのような存在ですが、僕の大人になった姿も雄大さんに少しでも感じて頂けたらと思ってます。(笑)」と古川さんの印象も明かしている。「モーツァルト!」は8~9月帝国劇場、10月梅田芸術劇場メインホール、11月博多座にて上演予定。(シネマカフェ編集部)
2024年01月16日クラシック史上に残る謎“モーツァルトの死”をテーマにした興味深い朗読公演が開催される。謎の多い天才作曲家モーツァルトの人生の中でも、その死についての謎は、未だ解明されていない。何しろあれだけの有名人であったにも関わらず、その遺骨を納めた墓すら見つかっていないのだから不思議だ。他の作曲家たちとは全く違う“何か”があるのではないかと考えてしまう。特に昔から囁かれているのが、死にまつわる陰謀説だ。重要参考人であるサリエリとの関係性は、映画『アマデウス』にも興味深く描かれている。そこで注目されるのが、モーツァルトの妻コンスタンツェの存在だ。晩年のモーツァルトへの世間の冷遇や、葬儀の貧弱さについての責任が、すべて彼女にあるような言われ方をされることもあるようだが、これは果たして本当なのだろうか。さらには、コンスタンツェの再婚相手であるニッセンが手掛けたモーツァルトの伝記が軽んじられ、日本ではいまだに翻訳されていないという状況をどう見るのか。ここにはコンスタンツェによる貴重な証言も数多く含まれているとなれば実に気になる。今回の公演は、これらの“謎”をテーマにモーツァルトの魅力に迫るという画期的なイベントだ。元宝塚トップスターの貴城けい(朗読)と、曽根麻矢子(チェンバロ)&枝並千花(ヴァイオリン)の演奏という異色のコラボレーションにも興味津々。朗読と演奏が生み出す新たなモーツァルト像に期待したい。第2回ピエスモンテ公演「コンスタンツェ・モーツァルト〜その愛と苦悩」2024年1月12日(金)、13日(土)霞町音楽堂朗読:貴城けい/チェンバロ:曽根麻矢子/ヴァイオリン:枝並千花構成・脚本:渡部玄一【予定演奏曲目】モーツァルト:・ヴァイオリンソナタ K304・ロンド K250 ハフナー・セレナードより・タミーナのアリア・ジーグ K574 ほか
2023年12月25日モーツァルトと組み、『フィガロの結婚』『ドン・ジョバンニ』などの名作オペラを生み出した台本作家のロレンツォ・ダ・ポンテ。ダ・ポンテとモーツァルトとの出会いや別れ、その軌跡を描くオリジナルの音楽劇『ダ・ポンテ~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~』が初演を迎える。ダ・ポンテ役の海宝直人に話を聞いた。音楽劇『ダ・ポンテ ~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~』 チケット情報「音楽に詳しくない人でも曲は聞いたことがあるぐらいモーツァルトは有名なのに、ダ・ポンテは意外に皆、名前を知らない。彼について調べていくうちに、濃い人生を送った人だと知りました」と語る海宝。1782年のウィーンで、女好きで詐欺師のダ・ポンテは、その才覚と計算高さで宮廷劇場詩人の座までのぼり詰める。しかし、作曲家サリエリにオペラの処女作を酷評され、行き場を失う中、モーツァルト(平間壮一)と出会い意気投合する。「ダ・ポンテはとにかく名声や評価がほしくて、いろんな手段を使って這い上がろうとする。でも、あともう少しというところでタイミングを逃して、一向にうまくいかない。名声がないまま80歳を過ぎても諦めないで学校やホールを作り、自分の思いに貪欲に生きた。なかなかできない生き方ですし、そのアンバランスさとバイタリティに魅力を感じます」。自身との共通点は、好きなことを一途に追い続けるところだと言う。「僕も音楽やミュージカルが好きだから。こういう仕事は自分の思い通りにならなかったり、表現がつかめなかったりと、苦しみは分かるんです。モーツァルトに出会い、お互い刺激し合いながら、有名なオペラを作れたのは幸運ですよね」。7歳で子役としてデビュー後、『ライオンキング』の初代ヤングシンバ役に抜擢された。以来、伸びやかな歌唱力と表現力で様々な役を演じ、ロンドンでも舞台デビューを果たしている。最近では難解で有名な作曲家スティーヴン・ソンドハイムのミュージカル『太平洋序曲』に出演、その安定した歌声で観客を魅了した。海宝に歌えないジャンルはあるのだろうか?「何でも歌えるように頑張っていますけど、日本語で歌っていないのはラップですね。ロンドンではやったんですけど。うまくできたかというと、それは分かりません(笑)。ラップのミュージカルも増えているからチャレンジしたいなと思います」と意欲的だ。今作でもダ・ポンテにどんな光をあててくれるのか楽しみだ。「不遇な人だと思われがちですけど、素晴らしい瞬間もある。いろんなことがあるけれど、人生って生きるに値すると人間賛歌になる作品です。ぜひ、観に来てください!」。6月21日(水)から25日(日)まで東京・シアター1010にてプレビュー公演、7月9日(日)から16日(日)まで東京建物ブリリアホール、6月30日(金)・7月1日(土)愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール、7月20日(木)から24日(月)まで大阪・新歌舞伎座にて。取材・文:米満ゆう子
2023年05月19日時に詐欺師、時に傑作オペラの作家として、世を賑わせた詩人のダ・ポンテ。そんな彼が天才作曲家モーツァルトと組み、『フィガロの結婚』、『ドン・ジョバンニ』、『コジ・ファン・トゥッテ』という3本のオペラを生み出すまでの4年と6か月を描いた音楽劇『ダ・ポンテ~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~』が、6月から7月にかけて、東京、愛知、大阪で上演される。そこでダ・ポンテ役の海宝直人、モーツァルト役の平間壮一に、それぞれ本作にかける今の想いを語ってもらった。負のエネルギーを持った人ほど魅力的である――おふたりとも本作で初めてダ・ポンテの存在を知られたとのことですが、その生きざまに触れてみて、どんなところに魅力を感じられましたか?海宝すごく有名な作品を作っているのにも関わらず、意外と知られていないということにまず驚きました。そして調べていくうちに、とてもドラマチックな、数奇な人生を歩んでいる人だということがわかってきて。自分に正直というか、名声を求め、アーティストとして成功することを貪欲に、妥協せずに求めながら、それに見合うほどの結果が伴っていたわけでもない。ただその軌跡を辿っていくと、自分の人生を全力で楽しんだ人なのかなと。そして最終的にはアメリカに渡って、オペラという芸術文化を広めるべく精力的に活動し、自分が作ったオペラをみんなに聞いてもらいたい、観てもらいたい、認めてもらいたいと思いながら生き抜いた。これは非常に面白い人だなと思いました。平間僕はすごく苦しい人だったのかなと思います。モーツァルトに対する嫉妬があって、でも嫉妬って自分でも制御出来ないくらい、ものすごいパワーになりますからね。モーツァルトの陰ながらの存在でありながら、本当は認められたいと願っている。それは彼にとって非常に大きなエネルギーになっていったのではないかなと。それにそういう人って、とても魅力的だと思うんです。ステージ上でも、「僕を見て!」みたいな人物って僕はあまり惹かれなくて。それよりも負のエネルギーがちゃんとある人のほうが、人の心をつかめる気がする。そういう意味でも魅力的な人だなと思います。――本作では海宝さん演じるダ・ポンテと、平間さん演じるモーツァルトの関係を軸に物語が展開していきます。彼らにとって、お互いの存在はどのようなものだったと思いますか?海宝この作品においては、それぞれの欠けた部分がバチッとはまる出会いだったのかなと思います。モーツァルトはモーツァルトで、自分の音楽にインスピレーションを与えてくれるような脚本や詩を書ける才能を求めていて、ダ・ポンテはダ・ポンテで、自分の書いたものに見合う音楽を作れる才能を求めている。ただダ・ポンテのほうがものすごく不器用だったんでしょうね。彼がもう少しうまく立ち回れていたなら……。モーツァルトのように、歴史的に名の知られた人になっていたのかもしれません。平間ふたりの関係において、モーツァルトが自分勝手になってしまったところはあると思います。ただやっぱり、ひとりじゃどうにもならないよと。どんな天才でも、それを見せる人、聞かせる人がいなければ世の中は成り立たないわけで。だから最終的には、人間の話になれば素敵だなと思います。人生賛歌のような、前向きになれる作品に――ご自身がこの役に挑む上でのやりがい、面白みはどんなところにあると感じていますか?海宝あまりやったことがないタイプの人物なので、そういった役にチャレンジ出来るのは単純に面白いですよね。その分、説得力を持って演じなければいけない、という大変さも含めて楽しみだなと。まぁそんな時は、いつも逃げ出したくなるんですけどね(笑)。ただ僕は非常に負けず嫌いですし、終わった時の達成感というのはやはり大きなやりがいのひとつ。あとやっぱり調べれば調べるほど、ダ・ポンテって非常に魅力的なんですよ。ホイホイ知り合いの連帯保証人になっちゃって、借金を重ねてしまったり(笑)。なんだか憎めない人物というか。さらにこの作品では、なにかを残したいんだっていうダ・ポンテの想いが濃く描かれている。そこをうまく表現出来たらいいなと思います。平間もともと僕は、人から「変わっているね」とか「不思議だね」と言われることに対して、恐れていた部分があったんです。だからかつては、なるべくフツーの人でいないとなって思っていて。ただモーツァルトって、自分が変だとか1ミリも思わず、自分に自信を持って突き進んでいる人だと思うんです。そこにちょっとでも疑問を抱いてしまったら、きっとあそこまでの音楽は作れなかっただろうなと。つまり人のことは気にせず、とにかく音楽のことだけに悩んでいる。世界には自分と音楽しかない、みたいな。モーツァルトを演じるというのは、それぐらいの感覚でいいのかなと思っています。――では最後に、作品を楽しみにされている読者の皆様に、それぞれメッセージをいただけますか?海宝演出の青木豪さんや平間くんを始め、素晴らしいメンバーが集まった日本オリジナルの新作音楽劇です。自らの人生を生き切ったダ・ポンテという人物を通して、きっと人生賛歌のような、前向きになれる作品に仕上がっていくのではないかなと。また楽曲も盛りだくさんで、エンターテインメント性の高い作品にもなりそうなので、ぜひ楽しみに待っていていただけたらと思います。平間年を重ねるごとに、人間の難しさや愚かさを感じることが多くなってきました。でもそれに直面した時、自分たちは成長出来ると思うんですよね。とはいえそれを現実社会で体験するには、あまりにも辛いことが多い。だからこそ舞台上で起きている人間模様を見て、自分はこうしようとか、気をつけようとか思ってもらえたらなと。そんな観た方の力になれる作品だと思いますので、ぜひ劇場に足をお運びください。取材・文:野上瑠美子撮影:石阪大輔ヘアメイク=(海宝)友森理恵 / (平間)菅野綾香スタイリスト=(海宝)津野真吾(impiger) / (平間)岡本健太郎衣装協力=(海宝)ジャケット¥83,600税込・中に着たジャケット¥53,900税込・ニット¥37,400税込(すべてディーヒム)<公演情報>音楽劇『ダ・ポンテ~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~』【東京(プレビュー)公演】2023年6月21日(水)~6月25日(日)会場:シアター1010【東京公演】2023年7月9日(日)~7月16日(日)会場:東京建物 Brillia HALL※愛知・大阪にてツアー公演ありチケット情報ぴあアプリでは海宝直人、平間壮一のアプリ限定カットをご覧いただけます。ぴあアプリを ダウンロード(dpia-app://contentAll?contentId=26fd672c-5dd5-477b-b989-76ce8d72f9ff&contentTypeId=2) すると、この記事内に掲載されています。
2023年03月24日「2023年こそはオペラに親しみたい!」とお考えの方にピッタリの公演が開催される。ミューザ川崎の人気企画「モーツァルト・マチネ」の、“川崎市・ザルツブルク市友好都市提携30周年記念”企画と題された公演が、モーツァルトの傑作オペラ『魔笛』となればこれは嬉しい。おとぎ話のような楽しさ満載の物語にモーツァルトならではの美しい音楽がふんだんに散りばめられたこの作品は、大人から子供まで楽しめるオペラ史上屈指の名作だ。「オペラは観たいけれど長いからなあ」と敬遠されていた方でも大丈夫。今回の公演は、作品のエッセンスのみを上演するハイライト版なので、上演時間は休憩なしの1時間10分程度と極めてコンパクト。さてさて、この時間の中でどのような物語が展開されるのか乞うご期待。川瀬賢太郎の指揮のもと、日本を代表する歌手たちが集結したこの公演は、オペラ入門にピッタリ!モーツァルト・マチネ~川崎市・ザルツブルク市友好都市提携30周年記念2023年1月21日(土) 11時開演ミューザ川崎シンフォニーホール指揮:川瀬賢太郎共演モーツァルト・シンガーズ・ジャパン(MSJ)演出/ナレーション:宮本益光タミーノ:澤原行正パミーナ:嘉目真木子夜の女王:針生美智子パパゲーノ:近藤 圭パパゲーナ:鵜木絵里管弦楽:東京交響楽団■チケット情報
2022年12月27日モーツァルトの3本の傑作オペラ『フィガロの結婚』『ドン・ジョヴァンニ』『コジ・ファン・トゥッテ』の台本を書いた、イタリアの詩人で台本作家ロレンツォ・ダ・ポンテの奇想天外な"逃げる"人生を描いた音楽劇『逃げろ!』が、来年2月より上演されることが決定した。舞台はウィーン。1779年にヴェネツィアを追放され逃げ出してきたダ・ポンテが、オーストリア・ウィーンで桂冠詩人として成り上がり、そしてヨーゼフ2世の死とともに追い詰められ、ウィーンも逃げ出すはめになる彼の人生の栄枯盛衰をドラマ化。ダ・ポンテ(自称天才)とモーツァルト(真の天才)、対照的なふたりがドタバタとぶつかり合いながら3作もの傑作オペラを生み出すに至ったその背景や、サリエリやヨーゼフ2世、ダ・ポンテを嫌ったレオポルト2世なども登場し、ウィーン時代のダ・ポンテの生きざまを浮かび上がらせる。ダ・ポンテを演じるのは、A.B.C-Zの橋本良亮。そして天才モーツァルト役は佐藤流司が務める。本作は、モーツァルトのオペラをクラシック形式そのままではなく、ロックテイストにアレンジしスピード感あふれる楽曲やオリジナル曲も含め、バンドによる生演奏やキャストたちの歌によって厚みのあるステージを作り上げる。2023年2月10日(金) から2月12日(日) 福岡・キャナルシティ劇場、2月17日(金) から2月19日(日) 大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ、2023年2月21日(火) から3月1日(水) 東京・新国立劇場 中劇場にて上演される。■橋本良亮(A.B.C-Z)コメントこの度、音楽劇『逃げろ!』の出演が決まりました。僕はダ・ポンテ役をやらさせて頂きます。演出家の鈴木勝秀さんとはもう3度目のタッグとなります。鈴木さんのオリジナル作品にまた出演できるという事で、お話を頂いた時は、いい緊張感といいプレッシャーを感じながら、よし、やってやる! と気合いが入りました。また、オリジナルミュージックもあるという事なので今から心待ちにしています。そして、クラシックとロックを重ねるという試みもとても楽しみです。「ヘラヘラしてる、おっちょこちょい、調子もの役」とお伺いしたので、自分なりのダ・ポンテをどう演じられるのか? 今からすごく楽しみです。橋本良亮が舞台で輝いてる所が好き! という方は是非遊びにきてください! ステージ上の僕は裏切りません。是非。■佐藤流司 コメントモーツァルト役を演じさせて頂きます。まずは見てください、過激と興奮で彩られたヴィジュアルを。モーツァルト本人も吃驚していると思います。そして感じて下さい。『逃げろ!』というタイトルから感じる力強さを。人生においてモーツァルトを演じる機会もそう無いと思いますので、本当に幸甚に存じます。さて、モーツァルトと言えば「レクイエム」「魔笛」「アイネクライネナハトムジーク」などが有名ですね。クラシックを部屋で流して寝落ちする程度のミーハーな私でも知っているレベルの言わずと知れた天才。その天才を平成が産んだ天才が演じます。謙遜したいんですけどこればっかりはしょうがない。天才なのですから。天才なのだから。といった具合に、常識や社会性が欠如している役どころだと演出のスズカツさんより教えて頂きました。楽しみです。■上演台本・演出 鈴木勝秀 コメントダ・ポンテのことは、3年前にプロデューサーから渡された資料で知り、すぐにウィーン時代をカットアップした芝居の構想が浮かんだ。だが、ダ・ポンテとモーツァルトのキャスティングには時間をかけた。生命力の塊ダ・ポンテと天才モーツァルト。このツートップは実力だけではなく華が不可欠。しかも、僕の戦術をよく理解していることも外せない。そこで様々な組み合わせを試行錯誤して、ダ・ポンテに橋本良亮、モーツァルトに佐藤流司を決めた。主軸が定まってからは一気に走った。そしてサッカーで言うところのプレイメーカーに篠井英介さん(サリエリ)がいて、最終ラインの中心に村井國夫さん(ヨーゼフ2世)を要する最強のキャスティングが叶った。こうなったからには、『逃げろ!』を、この数年様々なスタイルで取り組んできた、"ROCKバカ芝居"の集大成にしたいと思っている。<公演情報>音楽劇『逃げろ!』~モーツァルトの台本作者ロレンツォ・ダ・ポンテ~上演台本・演出:鈴木勝秀音楽:大嶋吾郎■出演ロレンツォ・ダ・ポンテ:橋本良亮(A.B.C-Z)ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト:佐藤流司ココ:渡邉美穂バレッラ:弓木大和ラザロ:内河啓介カサノヴァ:細見大輔サリエリ:篠井英介ヨーゼフ2世:村井國夫■ミュージシャン大嶋吾郎(Vo / G / Syn)YOKAN (Reeds / Brass)GRACE (Ds / Per / Vo)●福岡公演2023年2月10日(金)~2月12日(日) 全4公演会場:キャナルシティ劇場問合せ:キョードー西日本0570-09-2424(月曜日~土曜日 11:00~15:00)●大阪公演2023年2月17日(金)~2月19日(日) 全4公演会場:梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ問合せ:キョードーインフォメーション0570-200-888(平日・土曜 11:00~18:00)●東京公演2023年2月21日(火)~3月1日(水) 全9公演会場:新国立劇場 中劇場問合せ:キョードー東京0570-550-799(オペレーター平日11:00~18:00 / 土日祝10:00~18:00)■チケット料金全席指定:10,000円(税込)※料金は、福岡公演、大阪公演、東京公演ともに共通。※ご購入後の返金・クレーム及びお席の振替は一切お受けできません。一般発売開始日:2023年1月15日(日) 10:00より公式サイト:公式Twitter:
2022年11月04日“人類の遺産”というべきモーツァルトの優れた音楽を昼間から楽しもうという「ミューザ川崎シンフォニーホール」の素敵な企画「モーツァルト・マチネ」が第50回を迎える(2022年9月3日:ミューザ川崎シンフォニーホール)。このメモリアルなタイミングに披露されるテーマは「神童×神童」。円熟期のアマデウス・モーツァルトと、若きフェリックス・メンデルスゾーンの作品に挑むのは、このシリーズでもお馴染みのピアノの名手、小菅優だ。共に神童と呼ばれ、ピアノを得意とした2人の作曲家の作品の中から選ばれたのは、モーツァルトの「ピアノ協奏曲第13番ハ短調K.415」と、メンデルスゾーンの「ピアノと弦楽のための協奏曲イ短調」。過去の共演においても、息のあった名演を聴かせてくれた東京交響楽団との新たなコラボやいかに。オーケストラをドライブする小菅優の弾き振りにも注目したい。なにはともあれ、昼下がりのアマデウスタイムは極上のひとときを提供してくれること間違いなし。ぜひご堪能あれ!●モーツァルト・マチネ●公演概要「モーツァルト・マチネ 第50回」2022年9月3日ミューザ川崎シンフォニーホールピアノ(弾き振り):小菅優管弦楽:東京交響楽団
2022年08月19日JASM主催、『鈴木茉莉花 ピアノリサイタル ~モーツァルト、ブラームス、シマノフスキの夕べ~』が2022年10月8日(土)にムジカーザ(東京都渋谷区)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて6月20日(月)10:00より発売開始です。カンフェティにて6月20日(月)10:00よりチケット発売開始 【PROGRAM】モーツァルト:ピアノソナタ変ロ長調KV281モーツァルト:ピアノソナタイ短調KV310ブラームス:ピアノソナタ第2番嬰ヘ短調op.2シマノフスキ:変奏曲変ロ短調op.3プロフィール鈴木茉莉花(すずきまりか)3歳よりピアノを始める。2003年、跡見学園中学校を経て、跡見学園高等学校卒業。2003年、桐朋学園大学音楽学部音楽学専攻入学。大学2年次より休学(2005年に中退)し、ポーランド国立フレデリクショパン音楽大学ピアノ科(旧ショパンアカデミー )に、2004年10月入学。2009年、学士課程を経て、同音楽大学を芸術修士(magister sztuki)を取得し、卒業。2006年、第2回ブダペスト国際ショパンピアノコンクールファイナリスト、ディプロマ賞受賞。(入賞該当者なし。ハンガリー)2006年、大学主催のモーツァルト生誕250周年記念コンサートシリーズにソロおよびピアノ四重奏で2回にわたり出演、2006年、アントニン音楽フェスティバルに出演。2007年、ポーランド日本大使館主催日本ポーランド国交回復50周年記念コンサートに出演、などを含め、ポーランド各地のコンサートに多数出演。2019年、聖グレゴリオ教会(東京)でソロリサイタル。2021年、東京オペラシティリサイタルホールにおいて、ソロリサイタル。2005年、ワルシャワ国際ピアノ夏期セミナー修了、レギナ・スメンジャンカに師事。ザルツブルグ国際夏期アカデミー修了(2010年、2015年)、ロバート・レヴィン、アンドレア・ボナッタに師事。マスタークラスにおいて、ジャック・ルヴィエ、ヴォルフガング・ヴァッツィンガー、シュテファン・アーノルドの各氏に師事。大学在学中、室内楽を3年間学び、修了。ピアノ三重奏、ピアノ四重奏、ヴァイオリン、チェロ、サックス、声楽とのデュオを組み、演奏。これまで、ピアノを岡本美智子、渡邉康雄、有賀和子、テレサ・マナステルスカ、パヴェウ・カミンスキの各氏に師事。室内楽をクリスティーナ・マコフスカ=ワヴリノヴィチ、ヨアンナ・ワヴリノヴィチの各氏に師事。開催概要『鈴木茉莉花 ピアノリサイタル ~モーツァルト、ブラームス、シマノフスキの夕べ~』開催日時:2022年10月8日(土)18:30開場/19:00開演会場:ムジカーザ(東京都渋谷区西原3-33-1)■チケット料金前売:2,500円当日:3,000円(全席自由・税込)【後援】日本モーツァルト協会ポーランド広報文化センター 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年06月20日明日海りおが主演するミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』が10月10日、東京建物Brillia HALLにて開幕した。作品は、日本オリジナルミュージカルの創作にこだわり続け、近年ミュージカル人気が増すにつれ再評価の機運が高まる「音楽座ミュージカル」の代表作(原作は福山庸治の漫画『マドモアゼル・モーツァルト』)。小室哲哉が音楽を手掛けた話題性なども相まって1991年の初演当初から人気が高く、音楽座では幾度も再演されている作品が、初演から30年の節目の年に、東宝製作版として生まれ変わった。演出は同じく音楽座の名作『シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ』の新演出版も手掛けた小林香。ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』よりモーツァルト/エリーザ役:明日海りおミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』よりモーツァルト/エリーザ役:明日海りお(左)、父・レオポルト役:戸井勝海(右)物語は音楽の才能を持ちながらも、女性が音楽家になれなかった時代ゆえに父レオポルトから男の子として育てられた少女エリーザが主人公。彼女が音楽家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトとして成功していくと同時に、男として結婚したこととその才能ゆえに、妻コンスタンツェや宮廷作曲家サリエリ、弟子のフランツら様々な人の人生をも巻き込んでいってしまう物語。ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』よりコンスタンツェ:華 優希(左)モーツァルト/エリーザ:明日海りお(右)人気のあまり音楽座では同じ原作をもとに脚本、音楽の異なるアザーバージョンも存在するが、今回上演されるのは初演の流れを汲むバージョン。天才音楽家モーツァルトの人生、その実際のエピソードが「モーツァルトが実は女だった」という大胆な設定の上に語られる面白さがストレートに描かれる。主演は、元宝塚歌劇団花組トップスター明日海りお。この設定の物語を宝塚の男役出身の女優が演じるというのは、「その手があったか!」と納得のキャスティングだ。ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』よりカテリーナ:石田ニコル(左)モーツァルト/エリーザ:明日海りお(右)しかもトップスターとして絶大な人気を誇り、一時代を築いた明日海の持つ天性の華は、誰をも魅了してしまうモーツァルトの天才性を違和感なく体現。エリーザは、女性ではあることを除けば“無邪気な天才”という一般的なモーツァルト像とさほど乖離はない。その天真爛漫さ、無自覚な天賦の才を、明るい笑顔で軽やかに演じる明日海の姿が印象的。もちろん、本来の自分の姿ではないことの葛藤なども描かれるが、明日海のエリーザ=モーツァルトは、ある種性別を飛び越えた境地にいる。性別など関係のない“才能のある一個人”として、自由に羽ばたく姿は、まばゆい。白を基調とした舞台セットに、リフトが多用された浮遊感あるダンスも、彼女のどこまでも自由な精神世界を象徴しているようだ。モーツァルトが女性であることに狂わされていくのはむしろ周りの人間たちだ。モーツァルトの才能に嫉妬し、女性の姿でモーツァルトの従姉妹と偽るエリーザに恋をする宮廷作曲家サリエリは平方元基。ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』よりサリエリ:平方元基(左)モーツァルト/エリーザ:明日海りお(右)こちらも才能との葛藤という心理も丁寧に描きつつ、切ない恋心にキュンとさせてくれるのがさすが。この時代のコスチュームが似合う美しい立ち姿も良い。ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』よりサリエリ:平方元基夫が女性であることを知り傷つき、しかしやがてエリーザの理解者になっていくコンスタンツェは、宝塚時代に明日海とトップコンビを組んでいた華優希。“悪妻”とも言われるコンスタンツェだが本作での彼女は純真な少女の姿から始まる。華の持つ可愛らしさが役とマッチし、またその芯の強さが作品をしっかりと支えている。ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』よりコンスタンツェ:華 優希(中央)ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』よりコンスタンツェ:華 優希(左)モーツァルト/エリーザ:明日海りお(右)ほかのキャストもいずれも適材適所の配役だが、中でも目を惹いたのは新時代のオペラを作ろうとモーツァルトに持ち掛けるシカネーダー役の古屋敬多。その見せ場「NEW WAVE」はパッションに溢れ、突風のように物語の中を吹き抜けた。ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』よりシカネーダー役:古屋敬多(Lead)(左)モーツァルト/エリーザ役:明日海りお(右)モーツァルトは“音楽に愛された天才”と称されることが多いが、明日海のモーツァルトは受け身ではなく誰よりも“音楽を愛した”天才であるように映り、それがなんともポジティブで爽やかだ。わずか35歳でその生涯を閉じてしまうが、どこか光を感じさせる終わり方なのもいい。小室哲哉が作ったオリジナル曲はもちろん、モーツァルトの楽曲がロック調にアレンジされ、そこに日本語の歌詞が乗っていたり、音楽的にも派手で楽しい。改めて純粋に「いいミュージカル」だと思った。日本産ミュージカルの素晴らしさに光を当てる公演になることは間違いない。公演は10月31日(日)まで。チケットは公演公式サイトにて確認を。取材・文・撮影:平野祥恵
2021年10月11日8月11日に発売されたばかりの新譜『モーツァルト:ホルン協奏曲全集/福川伸陽&鈴木優人』の熱さを生で体験する機会が目前だ。ミューザ川崎シンフォニーホールの第46回「モーツァルト・マチネ(8月22日)」に、福川伸陽&鈴木優人が登場するのは嬉しい限り。オール・モーツァルト・プログラムの中で、ホルン協奏曲第3番と第1番が披露される。アルバム制作に伴う写真撮影直後に収録した彼ら2人のインタビューがあまりにも楽しくあまりにも興味深いので、ここにご紹介しておきたい。まずは名盤揃いの同曲を今ここで録音する経緯を聞いてみた。福川(以下F):最初は僕の中にロマンがあったのです。モーツァルトはロイドゲープという親友のホルン奏者のためにこの曲を書いたのです。コンサートを開くに当たり、「曲書いたからお前でろよ」という感じでロイドゲーブに接してたんじゃないかと思ったのです。その際にモーツァルトは親友がホルンを吹くのに黙って聴いているだけのはずがない。絶対に楽器を弾きながら参加したんじゃないかと思うのです。これはもちろん全部ロマンティックな想像で、事実であるという証拠もなければ、そうじゃないという証拠もありません。そこから始まって、モーツァルト役を僕の親友である鈴木優人くんにお願いしようと考えました。彼は作曲もするし指揮もするしチェンバロも弾きますからね。鈴木(以下S):モーツァルトのようにはいきませんけれどね(笑)。今回の録音プロジェクト全体が練りに練ったというよりも、友達同士の意気投合でバッと作った感じなのは間違いありません。そこにエネルギーを感じます。オーケストラもN響とバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の混合チームで、これがまたもの凄く上手かったのです。F:そうそう、今まで聴いたモーツァルトのどのオケの演奏よりも上手かった。●それは凄い。本来は存在しないチェンバロが加わっているのも印象的ですね。S:あれは通奏低音でチェンバロも一緒に弾いてほしいと福川くんが言ってきたのです。モーツァルトの時代は通奏低音の時代なので、チェンバロが入ってることは交響曲でもあり得ます。しかし、実際やるかどうかについては半信半疑なところもありました。でもやってみたらよかったんです。F:チェンバロを加えることは僕の強い希望でした。音楽の中で証拠として無い部分は、奏者自身の解釈に委ねられるところもあると思っています。そこは僕自身のロマンで固めた感じですね(笑)S:やってみたところ、すごく納得できたし、ベース部分にパルスが生まれる。弾くのは大変なんですけど、福川くんが切り開いていくアクティヴなモーツァルト像に似合っていると思いました。●この名曲を録音するタイミングとしてはいかがでしょう?F:ずっと録音したいと思っていた作品です。練れば練るほどいいものができるかもしれないし、歳を重ねればさらに良いものができるかもしれない。でもそんな事を言っていたらいつの間にか音楽家人生が終わるかもしれない。その意味では今回できて本当に良かったと思っています。解釈や考え方についても、優人くんと出会ってBCJの中で色々経験させてもらい、フーガやバロック・古典の考え方に自分でも興味を持って勉強していたところだったので、自分なりのモーツァルト感ができてきたところだったのです。その意味では僕の中でベストのタイミングでした。●本来はナチュラルホルンのための作品ですが、今回はどのような楽器を使ったのでしょう?F:名盤の誉れ高いデニス・ブレイン(カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団)盤と同じB♭シングルの楽器を使いました。ナチュラルホルンでやることも考えたのですが、アルバムのコンセプトがばらばらになりそうだったので、今回はB♭シングルです。ナチュラルホルンの方はBCJと一緒にやりたいですね。●優人さんはこの曲を何度も演奏していますか?S:1番については、この曲を元ネタにして福川くんのためにバリエーションを書いたことがあります(アルバム『ラプソディホルン3』に収録)。この1番というのは実は謎の大い曲で、失われた部分をどういう復元でやるかによって曲自体が変わってきます。4番もやったことがありますが、2番&3番は今回が初めてです。問題は、2,3,4番が全部変ホ長調で似ていることです。F:その通り。ホルン奏者でも途中でどの曲やってんのかなと思うぐらいです(笑)S:それぞれの個性がちゃんと出せるかが課題ですね。楽器編成が多少違うのですが、今回は自然の流れの中で、結構色鮮やかな演奏ができたと思っています。●テンポやリズムはどのように決めたのでしょう?F:「こんな感じ?」といった雰囲気ですね。モーツァルトがロイドゲーブと遊んでる中で生み出された作品だと思うので、今の僕たちの雰囲気の中で自然に決まっていった感じです。S:はい、厳密にこうだというよりも、阿吽の呼吸でした。●参考にした演奏はありますか?F:モーツァルトをやるとなった時点で、過去の演奏は聴かないことにしました。耳にこびりついているので、逆にそれを取り除きたいと思ったのです。録音が終わった後でデニス・ブレインの演奏を聴いたところ、「ああやっぱり素敵だな」と思うところと、「僕らのほうが良かったな」と思うところの両方がありました(笑)。●モーツァルトが楽譜に書き込んだ言葉についてはいかがでしょう?F:先程1番の復元の話が出ましたが、1番は初稿を使って演奏したのです、その初稿には、モーツァルトがロイトゲーブに向けて書いた言葉が全部反映されているのです。初稿を使用した理由は、モーツァルトとロイトゲープの一番新鮮な感覚を取り入れたかったからです。まさにモーツァルトならではのギャグの連発です(笑)●そういえば、ロイドゲープはモーツァルトの父レオポルドと一緒にチーズ屋を開いて成功しているんですよね。まさに家族ぐるみの付き合いだったように感じられます。F:そうそう、僕もそのうちチーズを作ろうかと思ってます(笑)S:モーツァルトがロイドゲーブの家に泊まったときの手紙が残っているのですが、「彼の奥さんがん僕にネクタイを作ってくれた」なんて書かれているのです。モーツァルトは彼と一緒にいて本当にリラックスしていた様子が伝わってきます。●それは素敵ですね。オーケストラのメンバーはどのように選択したのでしょうS:急なプランニングだったのですが、いろいろ考えました。まずは使用楽器を決めなければなりません。今回はモダンホルンでやることになったのですが、モーツァルトのスタイルに馴染みがあって、典型的なものとして片付けないような人とやりたいと思ったのです。モーツァルトはこういうふうに弾くもの、ではなく、音符と向かい合えるような人ですね。その意向に沿って、ヴァイオリンの白井圭くんに声をかけたのです。そして彼とも相談しながら、N響の若いメンバーとBCJのプレーヤーを選び、管楽器も同じような感じで信頼できるメンバーを集めました。普段はみんな所属するオーケストラで真面目に演奏しているような人たちがハメを外しながら演奏したということで、もしかしたらソリストよりもはしゃいでいたんじゃないかな。すごく楽しい雰囲気でした。一期一会の集まりでしたけど、このメンバーでもう一度再現できたらいいなあ。●今回の録音の目玉といえばカデンツァですね。優人さんも含めた3人の名だたる作曲家が提供してくれています。S:はい、藤倉大さんのカデンツァは、「ナチュラルホルンでもふけるように」というオーダーを、いわば逆手に取ってナチュラルホルンの自然倍音列を必要以上に強調するという作品です。特に平均律の音程にはまらない自然倍音の動きの中で、突然法螺貝のような響きが入ってきたりして(笑)F:当時のナチュラルホルンでも可能だったテクニックを使って、藤倉さんのカラーで作られたあたりがとても面白いですね。自然倍音を生かして、時代に逆行していくような曲。モーツァルトよりももっと前の時代に行ってる感じもします。藤倉さんのやっているのは現代音楽なんだけれど、モーツァルトだって当時は現代音楽だったという考え。その意味でバトルしているような感覚が面白かったですね。●優人さんのカデンツァについてはいかがでしょう?F:優人くんが書いた3番のカデンツァについては、吹いていたらモーツァルトが勝手に入ってくるような曲をお願いしたのです。なのでチェンバロ入りのカデンツァですね。S:その通りです、最初は比較的オーソドックスなカデンツァを吹いているところに、僕がいたずらのように入っていく感じですね。「あれ?」みたいな(笑)F:そこで僕が「入ってきたらこう吹こうかな」みたいなね。S:途中上下交代しながら、猫がじゃれ合ってるみたいな感じです。最後はトリルが波のようにして終わります。イメージは「シーブリーズ・アット・葉山」ですね。F:これは僕が狙っていたとおりでしたね。ロイトゲーブとモーツァルトが遊んでるような雰囲気です。彼らの関係は、僕と優人くんの関係にすごく近いなと思うのです。同じような目線で、彼らが喋ってるような感じのカデンツァにしてもらった。ここでは共演ですからね、ただただ楽しかった。2人のハーモニーがサントリーホールの素敵な響きの中に消えていくというのはたまらない体験でしたね。●狭間美帆さんのカデンツァはいかがでしょう?F:彼女のは、意外とオーソドックスに始まるのです。しかしだんだん彼女の色が出て来るのがすごく面白い作品です。特になにもオーダーせずに作ってもらった作品でテイストもお任せな感じですね。時間指定もまったくなしです(笑)。演奏する上では、ここが狭間さんのポイントだってのを見つけながら吹くのがすごく面白かった。普通に音階を吹いているようでいて、ここにアクセントを入れると多分彼女が思っているようなニュアンスになるんだろうなというような感覚ですね。●それぞれ素敵なカデンツァで、そこに来ると耳と心が引っ張られますね。F:でしょう。いろいろな作曲家にカデンツァを委嘱するのは名案だったと思います。まさにこのディスクの1つのアクセントになりました。最初から僕の大好きな作曲家3人に依頼しようと思っていたことなのです。それが今回の3人で、これまでにも僕のために曲をたくさん書いてくれています。●実際にカデンツァを作ってみた感想はいかがですか?S:福川くんのために作曲するのならば、楽しみながら限界に挑戦できるものにしようと考えました。決していじめてやるという感覚ではないけれど、既存の枠の中には収まらない奏者である福川くんが予想もつかないものを書いてみたいなと思ったのです。とてもクリエイティヴな時間でしたね。●作曲にはどのくらいの時間をかけたのですか?S:今回は短い作品なので15 分くらいかな。もちろん構想自体はずっと考えていたけれど、実際に書いた時間は15 分ですね。F:出来上がったのが録音する前日ですよ。モーツァルトみたい。モーツァルトはトイレに行ってトイレットペーパーに書いたりしてたわけですからね。でも結果的にものすごく面白いカデンツァになったわけです。催促しなかったしね。S:僕の結婚式で、福川くんにファンファーレを吹いてもらったのですが、そのとき楽譜を渡したのは当日だったから1日進歩したと思います(笑)●今回の試みを拝見していると、音楽家にとって20世紀末よりも今の時代のほうがモーツァルトの時代に近いことが起きやすいように思いますがいかがでしょう?F:奏者として動かなかったら何も起きない。その意味では僕からアプローチすることの重要性ですね。作曲家に曲を書いてもらって、その作曲家と上手くコラボレーションできるようになっていい関係性になると、作曲家の方も、自分の作品の中でのホルンの使い方などを僕を通じて活用してくれる。そこからいろいろなものが生まれてくるように思います。お互いにとって良いことだと思うし、僕にとっては最高にプラスです。S:福川くんのスタンスが、今回はモーツァルトだからいいけど、来週は現代曲なのでやだなあ、みたいな感じがまったくない。その中で何をやってやろう、どうやって楽しもう、という音楽に向き合う態度が素晴らしいのです。僕自身もそういうふうになりたいと思っています。よくいわれる言葉に、「だめな曲はない、だめな奏者がいるだけだ」というのがありますが、どんな曲でも活かすのは演奏者なので、そういう気持ちは大切ですね。F:振り返ってみて、今回の録音ほど幸せだったことはありません。モーツァルトだからというのもありますけどね。モーツァルトの全集を出せるホルン奏者ってなかなかいません。それが実現できたということだけでも凄いことでした。なんと熱い言葉の連続なのだろう。モーツァルトとロイドゲーブの友情が、デニス・ブレインとカラヤンを経由して、福川伸陽&鈴木優人によって再現される。その素敵な時間が目前だ。(取材・文:田中泰)【アルバム情報】モーツァルト:ホルン協奏曲全集/福川伸陽&鈴木優人2021/08/11発売、3,300円(税込)、KICC-1580【コンサート情報】8月22日(日)ミューザ川崎シンフォニーホールモーツァルト・マチネ 第46回
2021年08月15日「モーツァルトが実は女だった」という福山庸治の同名コミックスを原作とした、日本オリジナルミュージカルを牽引してきた音楽座ミュージカルを代表する名作『マドモアゼル・モーツァルト』が、東宝製作により10月10日から東京建物ブリリアホールにて上演決定。モーツァルト役には、明日海りおを迎える。上演決定、キャスト発表と、新しい情報が出るたびに話題を集め大きく注目されている本作だが、この度メインキャストが揃い踏みの新ビジュアルが発表された。明日海を中心とした華やかで透明感のあるビジュアルに、公演への期待が高まる。天才モーツァルトの一生をドラマティックに描き出す本作に引き続き注目してほしい。【公演概要】ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』公演予定:2021年10月10日(日)~31日(日)会場:東京建物 Brillia ホール<出演者>モーツァルト/エリーザ:明日海りおサリエリ:平方元基 コンスタンツェ:華 優希シカネーダ―:古屋敬多(Lead) カテリーナ:石田ニコルフランツ:鈴木勝吾 レオポルト:戸井勝海 他<チケット情報>一般前売開始:8月28日(土)チケット料金:S席 13,800円、A席9,500円、B席 4,500円(税込)チケットは東宝ナビザーブ、としまチケットセンター、各プレイガイドにて取扱いあり。詳細は公式サイトをご確認ください。
2021年07月21日「モーツァルトが女だった」という内容の福山庸治の同名コミックスを原作とした、音楽座を代表する舞台『マドモアゼル・モーツァルト』が、明日海りお主演で10月10日から東京建物ブリリアホールにて上演される。この度、モーツァルトの妻・コンスタンツェ役が元花組のトップ娘役・華優希に決定したことが発表された。本舞台の主人公は、天賦の音楽の才能を持って生まれた少女エリーザ。女性が音楽家になれなかった時代ゆえに、父レオポルトから男の子“アマデウス・ヴォルフガング・モーツァルト”として育てられる。そして、瞬く間に時代の寵児として宮廷でもてはやされることに。モーツァルトが下宿しているウェーバー家の母親は、彼の成功にあやかろうと娘のコンスタンツェと彼を無理矢理結婚させてしまう。モーツァルト役に明日海、サリエリ役に平方元基、シカネーダー役を古屋敬多が演じるほか、サリエリの恋人でオペラ歌手のカテリーナ役の石田ニコル、モーツァルトの弟子・フランツ役の鈴木勝吾、そしてモーツァルトの厳格な父、レオポルト役の戸井勝海がキャストに配されたことが、これまでに発表されていた。華が演じるのは、モーツァルトが女ということを知らずに結婚し、真実を知り悩み、しかしモーツァルトを心の底から愛し抜いていくコンスタンツェ。宝塚歌劇団在団中にトップコンビを組んでいた明日海りおと華による共演が実現することになる。『マドモアゼル・モーツァルト』2021年10月10日(日)〜31日(日)東京建物 Brillia ホール出演:モーツァルト / エリーザ:明日海りおサリエリ:平方元基シカネーダ―:古屋敬多(Lead)フランツ:鈴木勝吾コンスタンツェ:華優希カテリーナ:石田ニコルレオポルト:戸井勝海音楽座ミュージカルオリジナルプロダクション総指揮:相川レイ子演出:ワームホールプロジェクト脚本:横山由和、ワームホールプロジェクト作曲・編曲:小室哲哉、高田浩、山口琇也ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトアントニオ・サリエリ製作著作:ヒューマンデザイン一般前売開始:8月28日(土)チケット料金:S席13,800円、A席9,500円、B席4,500円(税込)チケットは東宝ナビザーブ、としまチケットセンター、各プレイガイドにて取扱いあり。詳細は公式サイトにて
2021年07月12日女優の明日海りおが主演を務める、ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』のキャストが11日、明らかになった。同作は福山庸治による同名コミックスを原作としたミュージカル。「モーツァルトが実は女だった」という設定で、天から与えられた音楽の才能に恵まれ常にその喜びに溢れていたモーツァルトが、父を愛しながらも男として育てられたことへの葛藤、偽って結婚した妻との関係、そして本来の自分の姿に悩みながらも、音楽と共に生きる決意をし、音楽と共に果てていく一生をドラマティックに描き出す。日本オリジナルミュージカルを牽引してきた音楽座を代表する名作で、1991年に初演されこれまで幾度も上演されてきた。モーツァルトの楽曲が使用されているのはもとより、小室哲哉が音楽を担当していることでも大きな話題を呼んだ。この度、モーツァルトの妻・コンスタンツェ役に、4日に宝塚歌劇団を退団したばかりの元花組トップ娘役・華優希が決定。愛らしい容姿と観る者の心を打つ確かな演技力でファンを魅了してきた華が、モーツァルトが女という事を知らずに結婚し、真実を知り悩み、しかしモーツァル トを心の底から愛し抜いていくコンスタンツェを演じる。また今作では、宝塚歌劇団在団中にトップコンビを組んでいた明日海りおと華による共演が実現する。葛藤を乗り越えて深く結びつく2人をどのように演じるのか、注目となっている。公演は東京建物 Brillia ホールにて10月10日〜31日。
2021年07月11日「モーツァルトが女だった」という福山庸治の同名コミックスを原作とし、音楽座を代表する舞台『マドモアゼル・モーツァルト』が、東宝の製作により10月10日から東京建物ブリリアホールにて上演される。この度、本作のビジュアルと追加キャストが発表された。本舞台の主人公は、天賦の音楽の才能を持って生まれた少女エリーザ。女性が音楽家になれなかった時代ゆえに、父レオポルトから男の子“アマデウス・ヴォルフガング・モーツァルト”として育てられる。そして、モーツァルトは瞬く間に時代の寵児として宮廷でもてはやされることに。宮廷作曲家サリエリはモーツァルトの音楽に否定的だったが、一方で目をそらせない存在でもあった。モーツァルトが下宿しているウェーバー家の母親は、彼の成功にあやかろうと娘のコンスタンツェと彼を無理矢理結婚させてしまう。だが、女であることがすぐにバレてしまい、モーツァルトを愛していたコンスタンツェは大きなショックを受ける。悩みながらもモーツァルトに寄り添おうと決意するが、弟子のフランツと惹かれ合い、子供を授かってしまう。そんなある日、モーツァルトのもとに、父が亡くなったという知らせが届く。モーツァルトは、幼い頃から自分を縛ってきたものから解放され、“エリーザ”としてドレスを着て演奏会へ参加することにするが……。またモーツァルトは、仕事の面では、大劇場支配人のシカネーダ―からオペラの作曲依頼を受けてもいた。新しい音楽を生み出そうと、劇中では、ひたすら譜面に向き合う姿も描かれる。モーツァルト役に明日海りお、サリエリ役に平方元基、シカネーダー役を古屋敬多が演じることが発表されていた本作。この度決定したのは、サリエリの恋人でオペラ歌手のカテリーナ役の石田ニコル、モーツァルトの弟子でコンスタンツェと許されない関係に落ちるフランツ役の鈴木勝吾、そしてモーツァルトの厳格な父、レオポルト役の戸井勝海だ。なお、コンスタンツェ役は7月中旬の発表を予定している。『マドモアゼル・モーツァルト』2021年10月10日(日)〜31日(日)東京建物 Brillia ホール出演:モーツァルト / エリーザ:明日海りおサリエリ:平方元基シカネーダ―:古屋敬多(Lead)カテリーナ:石田ニコルフランツ:鈴木勝吾レオポルト:戸井勝海音楽座ミュージカルオリジナルプロダクション総指揮:相川レイ子演出:ワームホールプロジェクト脚本:横山由和、ワームホールプロジェクト作曲・編曲:小室哲哉、高田浩、山口琇也ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトアントニオ・サリエリ製作著作:ヒューマンデザイン一般前売開始:8月28日(土)チケット料金:S席13,800円、A席9,500円、B席4,500円(税込)チケットは東宝ナビザーブ、としまチケットセンター、各プレイガイドにて取扱いあり。詳細は公式サイトにて
2021年07月02日女優の明日海りおが主演を務める、ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』のビジュアル&第2弾キャストが2日、明らかになった。同作は福山庸治による同名コミックスを原作としたミュージカル。「モーツァルトが実は女だった」という設定で、天から与えられた音楽の才能に恵まれ常にその喜びに溢れていたモーツァルトが、父を愛しながらも男として育てられたことへの葛藤、偽って結婚した妻との関係、そして本来の自分の姿に悩みながらも、音楽と共に生きる決意をし、音楽と共に果てていく一生をドラマティックに描き出す。日本オリジナルミュージカルを牽引してきた音楽座を代表する名作で、1991年に初演されこれまで幾度も上演されてきた。モーツァルトの楽曲が使用されているのはもとより、小室哲哉が音楽を担当していることでも大きな話題を呼んだ。すでにモーツァルト役・明日海りお、サリエリ役・平方元基、シカネーダー役・古屋敬多が発表され大きな反響を呼んでいる同作。第2弾キャストとして、サリエリの恋人でオペラ歌手のカテリーナ役を石田ニコル、モーツァルトの弟子でコンスタンツェと許されない関係に落ちるフランツ役を鈴木勝吾、モーツァルトの厳格な父レオポルト役を戸井勝海がそれぞれ演じることが明らかになった。コンスタンツェ役は今後の発表を予定している。また、それぞれの役と出演者本人のキャラクターが融合し表現された華やかな扮装ビジュアルも解禁され、個性豊かな人物たちがドラマティックなモーツァルトの物語を彩っていくこととなる。公演は東京建物 Brillia ホールにて、10月10日〜31日。
2021年07月02日4月8日に東京・帝国劇場にて開幕したミュージカル『モーツァルト!』のライブ映像配信が決定した。本作は、「才能が宿るのは肉体なのか?魂なのか?」という深遠なテーマをベースに、“音楽の天才”レモーツァルトの35年の生涯に迫ったミュージカル。2002年の日本初演以来、日本のミュージカルファンを魅了し続けている本作が、3年ぶりに帝劇に帰ってくる。ミュージカルの世界にとどまらず活躍の場をますます広げる人気俳優・山崎育三郎と古川雄大がWキャストでタイトルロールのヴォルフガング・モーツァルト役を演じるほか、モーツァルトの前に立ちはだかる権力者・コロレド大司教役には山口祐一郎、モーツァルトの父・レオポルト役には市村正親。今注目を集める若手人気俳優二人と、日本のミュージカル界に君臨するレジェンドたちとの夢の競演が実現する。帝国劇場公演は当初5月6日まで上演する予定だったが、緊急事態宣言の発出により4月27日の公演をもって中止に。5月14日〜17日の北海道・札幌文化撃術劇場hitaru公演は無事に全日程を完走下が、5月25日初日開幕の予定だった大阪公演も緊急事態宣言の発出および延長により、初日から5月31日までは公演中止。6月1日(火)〜6月7日(月)千穐楽までの平日は有観客での上演、6月5日(土)、6日(日)の昼の部・夜の部は公演中止となった。よって、この度6月6日(日)夜の部は<無観客によるライブ映像配信>となることが決定。2002年の日本初演以来、初のライブ映像配信となる。本日6月1日12:00 よりチケットが発売開始となるので、ぜひ自宅から豪華競演を楽しんでほしい。【ライブ映像配信概要】ミュージカル「モーツァルト!」脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ / 音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ演出・訳詞:小池修一郎(宝塚歌劇団)オリジナル・プロダクション:ウィーン劇場協会後援:オーストリア大使館/オーストリア文化フォーラム製作:東宝・梅田芸術劇場(大阪公演)<キャスト>ヴォルフガング・モーツァルト:山崎育三郎、古川雄大コンスタンツェ(モーツァルトの妻):木下晴香ナンネール(モーツァルトの姉)和音美桜ヴァルトシュテッテン男爵夫人:涼風真世、香寿たつきコロレド大司教:山口祐一郎レオポルト(モーツァルトの父):市村正親 ほか<LIVE 映像配信スケジュール>・2021年6月6日(日) 17:00 開演ヴォルフガング・モーツァルト役:山崎育三郎ヴァルトシュテッテン男爵夫人役:香寿たつき・2021年6月7日(月) 12:00 開演ヴォルフガング・モーツァルト役:古川雄大ヴァルトシュテッテン男爵夫人役:涼風真世<本編のタイムテーブル>第一幕 1時間15分幕間休憩 25分第二幕 1時間20分視聴券HP: 映像配信の視聴券発売日時:6 月1日(火)12:00 より開始配信商品販売期間:6月7日(月) 15:00 まで※クレジットカード決済、auかんたん決済のみとなります。※東宝ナビザーブ・テレザーブ、劇場窓口では配信商品のご購入やお手続きはいただけません。視聴券料金:各回 5,500円(税込)※Go To イベント適用で各回 4,400円(税込)になります。配信開始日時:各開演時刻の 30 分前より開始アーカイブ配信(視聴チケットのご購入者を対象とした期間限定の事後配信(アーカイブ配信)を予定しております。)・6月6日(日)17:00 公演 → 6月7日(月) 1:00〜6月8日(火) 23:59 まで・6月7日(月)12:00 公演 → 6月7日(月) 21:00〜6月8日(火) 23:59 まで※LIVE 配信後、アーカイブ配信開始時間までは本編視聴は出来ません。※6月8日(火) 23:59 を過ぎるとその時点で視聴途中であっても視聴できなくなります。配信商品に関する問い合わせ URL:
2021年06月01日福山庸治の「モーツァルトが実は女だった」というフィクションを描いた同名コミックスを原作としたミュージカル「マドモアゼル・モーツァルト」が、2021年10月に東京建物 Brilliaホールにて上演されることが決定した。「マドモアゼル・モーツァルト」は1991年に初演され、多大な人気を博し幾度も上演されてきた音楽座を代表する名作。モーツァルトの楽曲が使用されているのはもとより、小室哲哉が音楽を担当していることでも大きな話題を呼んだ。そして初演から30年が経つ本年、東宝製作により新たな「マドモアゼル・モーツァルト」が誕生することに。女として生まれながら音楽の才能を活かすために男として育てられたモーツァルトを演じるのは、宝塚歌劇団でトップスターを務め、退団後は連続テレビ小説『おちょやん』や『コントが始まる』など、話題作に次々と出演している明日海りお。透明感のある美しさで惹きつける明日海が、退団後初のオリジナルミュージカルに挑む。そして、モーツァルトを敵視しながらも惹かれるサリエリは、話題作に次々と出演し確かな歌唱力と美しい立ち姿で観客を惹きつける実力派のミュージカル俳優・平方元基、俳優・劇場支配人・脚本家など多彩な面を持つモーツァルトの友・シカネーダ―を演じるのは、音楽活動のみならず近年は幅広い舞台でも活躍するLeadの古屋敬多。天から与えられた音楽の才能に恵まれ常にその喜びに溢れていたモーツァルトが、父を愛しながらも男として育てられたことへの葛藤、偽って結婚した妻との関係、そして本来の自分の姿に悩みながらも、音楽と共に生きる決意をし、そして音楽と共に果てていく。天才モーツァルトの一生をドラマティックに描き出す本作に注目してほしい。■モーツァルト / エリーザ役:明日海りお音楽座作品は、昨年「シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)まで飛んだ」を知って大変興味がありましたので、お話しをいただいて嬉しく思っております。今作では、ヴォルフガング・モーツァルト、男として育てられたエリーザを演じます。私の場合は宝塚時代に、葛藤などなしに好き好んで男役を演じておりましたので、その経験が生かされるかと言うと、少し違うかもしれませんが、ただ、エリーザが、初めてドレスに身を包む時の恥じらいや、女性として扱われた時に目に映る景色は、きっと誰よりもリアルに、自身とリンクして演じられるのではないかと、楽しみにしております。この作品以外にも、ミュージカル等で様々な描かれ方のある、モーツァルト。彼と彼が魂を捧げた音楽、彼とそれぞれ登場人物、ピュアでありながら壮絶な関係性を、歌に、お芝居に乗せてお届けできたらと思います。私にとりましては、難関への挑戦が目白押しになりそうですが、どうぞご期待下さいませ。【公演概要】ミュージカル「マドモアゼル・モーツァルト」原作:福山庸治『マドモアゼル・モーツァルト』 / 演出:小林香出演者:モーツァルト / エリーザ:明日海りおサリエリ:平方元基シカネーダ―:古屋敬多(Lead)※モーツァルトの妻となるコンスタンツェ役は、7月中旬の発表を予定しております。公演日程:2021年10月10日(日)~31日(日) 東京建物 Brilliaホールお問合せ先:キョードー東京 0570-550-799(平日11:00~18:00)
2021年05月06日女優の明日海りおが、ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』に主演することが5日、明らかになった。同作は福山庸治による同名コミックスを原作としたミュージカル。「モーツァルトが実は女だった」という設定で、天から与えられた音楽の才能に恵まれ常にその喜びに溢れていたモーツァルトが、父を愛しながらも男として育てられたことへの葛藤、偽って結婚した妻との関係、そして本来の自分の姿に悩みながらも、音楽と共に生きる決意をし、音楽と共に果てていく一生をドラマティックに描き出す。日本オリジナルミュージカルを牽引してきた音楽座を代表する名作で、1991年に初演されこれまで幾度も上演されてきた。モーツァルトの楽曲が使用されているのはもとより、小室哲哉が音楽を担当していることでも大きな話題を呼んだ。初演から30年が経つ本年、東宝製作により新たな『マドモアゼル・モーツァルト』が誕生。女として生まれながら音楽の才能を活かすために男として育てられたモーツァルトを明日海が演じる。宝塚歌劇団でトップスターを務め、退団後は連続テレビ小説『おちょやん』、ドラマ『青のSP―学校内警察・嶋田隆平―』『コントが始まる』など話題作に次々と出演する明日海が、退団後初のオリジナルミュージカルに挑む。モーツァルトを敵視しながらも惹かれるサリエリ役には、話題作に次々と出演し確かな歌唱力と美しい立ち姿で観客を惹きつける実力派のミュージカル俳優・平方元基、俳優・劇場支配人・脚本家など多彩な面を持つモーツァルトの友・シカネーダー役には、音楽活動のみならず近年は幅広い舞台でも活躍するLeadの古屋敬多が決定した。公演は東京建物 Brillia ホールにて、10月10日〜31日。○明日海りおコメント音楽座作品は、昨年『シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)まで飛んだ』を知って大変興味がありましたので、お話しをいただいて嬉しく思っております。今作では、ヴォルフガング・モーツァルト、男として育てられたエリーザを演じます。私の場合は宝塚時代に、葛藤などなしに好き好んで男役を演じておりましたので、その経験が生かされるかと言うと、少し違うかもしれませんが、ただ、エリーザが、初めてドレスに身を包む時の恥じらいや、女性として扱われた時に目に映る景色は、きっと誰よりもリアルに、自身とリンクして演じられるのではないかと、楽しみにしております。この作品以外にも、ミュージカル等で様々な描かれ方のある、モーツァルト。彼と彼が魂を捧げた音楽、彼とそれぞれ登場人物、ピュアでありながら壮絶な関係性を、歌に、お芝居に乗せてお届けできたらと思います。私にとりましては、難関への挑戦が目白押しになりそうですが、どうぞご期待下さいませ。
2021年05月05日ミュージカル『モーツァルト!』の開幕前日取材が7日に東京・帝国劇場で行われ、山崎育三郎、古川雄大が登場した。同作は音楽家のヴォルフガング・モーツァルトの生涯を描き人気のウィーン・ミュージカル。2002年の日本初演以来再演を重ね、今回が3年ぶりの上演となる。山崎は「コロナ禍ということでマスクをした状態での稽古。今までに経験したことのない現場で、舞台稽古に入って始めてマスクを取って声を出したので、鍛えられますね。山でトレーニングするような感覚です。貧血になるくらい、マスクをつけっぱなしでの稽古がしんどかったので、逆に強くなった気がします」と苦笑する。Wキャストで天才を演じるということで、互いの天才だと思うところを聞かれると、古川は山崎について「お芝居ももちろんですけど、歌の部分がずば抜けてると思っています。色んな方がいますけど、育三郎さんはミュージカルの歌とポップスの歌、両方出来る。そんな方を僕は見たことがなくて、天才だなと思います」と絶賛。一方、山崎は古川について「ストイックで、努力の天才だなと。それが1番だと思うんです。デビューからの年々進化がすごくて、僕は若い時から『(古川が)ヴォルフガングをやるだろうな』と思ってたんですけど、想像を遙かに超えた表現力を自分でつかみにいっている。すごく努力家ですね」と讃えた。改めて山崎は「今回、コロナ禍ということで、本当に1回1回の公演が千秋楽、明日何が起こるかわからない時代の中で、『立つのはこれが最後でいい』と思うようにやりたい」と力強い言葉を残す。他の出演者についても「市村(正親)パパ(※ヴォルフガングの父親・レオポルト役)は11年ずっと一緒にやらせていただいてるんですけど、今回が1番艶がある声で、どんどん声が出る。びっくりするんですよ、若返り!」と驚いた様子。古川も「市村さんはいつもそうですけど、今回気合いが入ってるというか、まだ成長が……」と表すと、山崎から「成長!?」とつっこまれ、「成長というか、進化が止まらない」と言い直す。「あの年齢になってもまだまだ止まらないというのは恐ろしいなと思いますし、そういう風になりたいなという憧れでもあります」と先輩のすごさを実感していた。最後に山崎は、「今、こういう状況だからこそ届けられるものがありますし、劇場に足を運んでくださる方皆が戦っている状態。ヴォルフガングが自分の人生をまっとうする、自分の運命と戦っていく姿に元気づけられ、"エール"をもらえたらいいなという気持ちで、頑張っていきたい」と意気込む。古川も「3年ぶりの上演で、僕自身も作品としても進化していると思います。たくさんの方に見ていただけたらと思いますので、ご期待ください」とメッセージを贈った。
2021年04月07日約3年ぶりに帝国劇場で上演されるミュージカル『モーツァルト!』の初日(4月8日)を控えるなか、ダブルキャストでタイトルロールのヴォルフガング・モーツァルトを演じる山崎育三郎、古川雄大が取材に応じ、意気込みを語った。“音楽の天才”モーツァルトが駆け抜けた、歓喜と苦悩に満ちた35年の生涯を描き、日本のオーディエンスを魅了し続けている大ヒットミュージカル。2002年の日本初演以来、演出を手掛ける小池修一郎による最新演出バージョンが帝劇に帰還する。NHKの連続テレビ小説『エール』での共演を経て、再びヴォルフガング・モーツァルトを演じることになり「朝ドラも含めて、これまでの経験を活かし、高め合ったものを発揮できれば。こういう状況だからこそ、ヴォルフガングが運命と戦い、人生を全うする姿から“エール”を送れれば」(山崎)、「ダブルキャストとして、頼れる先輩と一緒に高め合えたら。3年ぶりで小池先生にもより良い演出をつけていただいた。僕自身も作品も進化している」(古川)とアピールしていた。おなじみの衣装で登場したふたりだが、実は今回の再演のために“新調”したものだといい、山崎は「僕はこの役を11年やっていますけど、ずっと先輩の衣装で……。雄大も含めて、朝ドラ効果で、やっと自分の衣装が(笑)。これを着ると気持ちも高まります」と笑いを交え、喜びのコメント。古川も「そうですね、朝ドラ効果で(笑)」とうなずき、初日を前に背筋を伸ばした。コロナ禍での稽古について、山崎は「ずっとマスクをした状態での稽古は、経験したことがない。しんどかったですが、まるで山でトレーニングしているようで、逆に強くなった気も。舞台上でマスクをとって、声を出すとそれがわかる」と苦労と引き換えに得た手応えに誇らしげ。帝劇公演後、北海道と大阪での公演も予定されており「何が起こるかわからない状況ですが、毎回の公演が千秋楽のつもりで、これが最後だと思える舞台をお届けできれば。無事にゴールしたい」と決意を新たにした。山崎&古川という活躍著しい若手キャストと、山口祐一郎(モーツァルトの前に立ちはだかる権力者・コロレド大司教役)、市村正親(モーツァルトの父・レオポルト役)といった日本のミュージカル界に君臨するレジェンドたちが夢の競演を果たす。古川は「市村さん、気合いが入ってらっしゃるというか、おこがましいですが、進化が止まらない」と敬意を示し、山崎は「市村パパは、今回が一番キラキラ艶のある声をしていて、感動しました」と話していた。取材・文・撮影(会見写真):内田涼公演情報ミュージカル『モーツァルト!』【東京公演】2021年4月8日(木)~5月6日(木)会場:帝国劇場【北海道公演】5月14日(金)~5月17日(月)会場:札幌文化芸術劇場 hitaru【大阪公演】5月25日(火)~6月7日(月)会場:梅田芸術劇場 メインホール脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ演出・訳詞:小池修一郎(宝塚歌劇団)出演:山崎育三郎/古川雄大(Wキャスト)、木下晴香、和音美桜、涼風真世/香寿たつき(Wキャスト)、山口祐一郎、市村正親他チケット情報
2021年04月07日紀尾井ホールの開館25周年と紀尾井ホール室内管弦楽団の創立25周年を祝うアニバーサリー公演は、モーツァルト最晩年の傑作尽くしだ。なにしろ公演タイトルにもなっている生涯最後の傑作「レクイエム」を筆頭に、モーツァルトにとって“宿命のト短調”の響きが切ない「交響曲40番」に、短くもはかなく美しい「アヴェ・ヴェルム・コルプス」の3本立てとなれば、これは贅沢の極み。料理に例えてみれば“ステーキにハンバーグ&フォアグラ添え”といった豪華さだ(*音楽はこんなに油っこくはない)。しかも演奏は、チェンバロ奏者・指揮者として名高い古楽の権威トレヴァー・ピノック率いる紀尾井室内管弦楽団であり、会場は響の良さで定評のある800席の紀尾井ホールとなれば、これは文句のつけようがない。モーツァルトの魅力がたっぷり詰まった時間がここにある。映画「アマデウス」にも描かれていたように、自らの死を覚悟しながらなお、これらの傑作を書き続けたモーツァルトの思いや如何に。紀尾井ホール室内管弦楽団ソプラノ:望月万里亜アルト:青木洋也テノール:中嶋克彦バス:山本悠尋●公演概要2月8日(土)、9日(日)紀尾井ホール紀尾井ホール室内管弦楽団トレヴァー・ピノックのモーツァルト「レクイエム」
2020年02月03日宝塚歌劇星組によるフレンチ・ミュージカル『ロックオペラモーツァルト』が、本日11月20日、大阪・梅田芸術劇場 メインホールで開幕する。この公演は、前トップコンビ、紅ゆずると綺咲愛里の同時退団に伴い、新たに星組トップスターに就任した礼真琴と、同じく新トップ娘役に就いた舞空瞳のプレお披露目公演で、大阪では27日(水)まで。続く12月3日(火)から15日(日)までの東京公演は、池袋にできた新劇場、東京建物ブリリアホール(豊島区立芸術文化劇場)のこけら落としシリーズの一環として上演される。お披露目が重なり、新トップコンビにとっては幸先のいいスタートになりそうだ。『ロックオペラモーツァルト』は、35歳で夭折した作曲家、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのドラマティックな半生を、妻のコンスタンツェや、彼の才能に嫉妬するイタリア人の宮廷楽長、アントニオ・サリエリらとの関係と絡めて描いたミュージカルで、音楽は、『太陽王』『1789』『アーサー王伝説』、そして『CASANOVA』の楽曲で宝塚ファンにはお馴染みの、ドーヴ・アチアが手がけたオリジナルのロックサウンドと、モーツァルト本人が作曲したクラシックの調べで構成されている。2009年にパリで初演された後、フランス国内ツアーやヨーロッパツアーでも大ヒットを記録し、それを受けて世界各地で上演。日本では2013年に、フィリップ・マッキンリーの演出で、山本耕史と中川晃教がモーツァルトと敵役のサリエリを日替りで交互に演じ、話題になった。今回の宝塚版では、芝居とショー、どちらの演出にも実績があるベテランで、『アーサー王伝説』の潤色・演出も手がけた石田昌也が、再びドーヴ・アチアの作品を担当する。モーツァルトを演じる礼真琴は、宝塚屈指の歌唱力に加え、抜群のリズム感とダンス力で、今、宝塚でもっとも“ロックオペラ”が似合うトップスターだろう。妻コンスタンツェの舞空瞳もダンスが得意な娘役で、世界三大悪妻のひとりと言われる女性をどう魅力的に描き出すか、注目が集まる。さらに、モーツァルトの才能を誰よりも認め、憧れ、それ故に激しく嫉妬する難役、サリエリに挑む専科の凪七瑠海も、歌唱力には定評があり、礼とのデュエットは聴き応えがありそうだ。文:原田順子
2019年11月20日音楽が飛沫になって弾けるようなモーツァルトと、音が思惟の深みに沈潜してゆくようなイザイ。スペシャルなプログラムでデビュー20周年記念リサイタルを開くのは、オランダと日本を拠点に活動するヴァイオリンの米元響子(2019年3月2日(土) 東京・浜離宮朝日ホール)。【チケット情報はこちら】イタリアのパガニーニ国際コンクールで史上最年少入賞を果たした翌年、1997年秋の初リサイタルも同じホールだった。「同時にいくつもの曲を披露するのは初めてでした。当時の私にとっては、2時間という、とてつもなく長い時間を担う緊張感。体力的にも難しかったのを憶えています」それから20年余。対照的なふたりの作曲家を並べたプログラムが興味深い。モーツァルトは、ヴァイオリン・ソナタ第32番ヘ長調K.376、第40番変ロ長調K.454、第42番イ長調K.526。かたやイザイは、〈ポエム・エレジアック(悲劇的詩曲)〉と無伴奏ヴァイオリン・ソナタの第4番と第6番を弾く。「小さな頃から大好きな作曲家ですが、年齢を重ねるごとにいろんな意味を見つけ出して、小細工だったり余計なものを付け過ぎてしまい、逆に作曲家から遠ざかってしまうのかなと思ったり…。子供の頃の方が何気なく弾けてしまったのかもしれません。難しく考えることを1度オフにして、天真爛漫に、シンプルに弾きたいです」頼もしい共演者に、モーツァルトをライフワークとするスペシャリスト菊池洋子を得た。「3年前に初めて共演して、スケールの大きい音楽づくりに感激しました。演奏する度にいろんなインスピレーションを与えてくれます」と信頼を寄せる。一方のイザイを初めて弾いたのは、ちょうどデビュー翌年のこと。しかしまだ少女の彼女には「すぐには理解できない作曲家だった」という。「でも、それがすぐに知りたい気持ちに変わりました。決定的だったのは去年。イザイの生地リエージュ(ベルギー)の音楽院の図書館で、無伴奏ソナタの手稿譜を見せていただいたのです。鉛筆で、ボウイングや指づかいも几帳面にきれいに書かれた楽譜。書き直した跡などを見て、作曲家の本来の意図を考える楽しい経験でした。複数の直筆の浄書譜が残されているのですが、最近発見されたブリュッセルの図書館に置いてあるものや出版譜とも見比べて、最終的に私なりにイザイの意思を尊重したヴァージョンで演奏します」けっして大げさなものではないというが、いわば「響子版」だ。それを用いて、イザイの無伴奏ソナタ全6曲を収めたアルバムも制作中(発売:キングインターナショナル)。最近話題の新発見のソナタも収録されるというから、こちらも大きな注目を集めそうな、これが彼女の初CDとなる。「石橋を叩いても渡らないような慎重な性格だったので。これからは、いろんなことにチャレンジしたい」今年、サントリー芸術財団より貸与されたストラディヴァリウスを手に、新たな1歩を踏み出した。20年の蓄積はもちろん、彼女の変化を感じるリサイタルになりそうだ。取材・文:宮本明
2018年12月03日ファーファー(FURFUR)の2018年秋冬コレクションから新作を紹介。モーツァルトが生きた時代の洋服に着想音楽家・モーツァルトの人物像に迫る映画『アマデウス』にインスピレーションを受けた今シーズン。モーツァルトが生きた時代のファッションを着想源に、クラシカルなのにどこかモダンな雰囲気を纏ったコートやブラウス、ドレスなどを展開していく。フリルを贅沢にあしらったトレンチコートやパンツは、ラッフルや装飾を贅沢に重ねた当時のファッションへのオマージュ。パステルカラーのストライプが特徴的なブラウスも、当時の紳士服をイメージしている。コルセットのディテールを落とし込んだフェミニンなドレスは、柔らかなピンク色が印象的。ドレスの下に重ねたカーディガンは、立体的なパターンを施したふんわりとしたスリーブが美しい。モーツァルトの楽曲にインスパイア楽曲や、音楽にまるわるモチーフにインスパイアされたピースも用意。モーツァルトの名曲「キラキラ星」を彷彿とさせる"ミルキーウェイ"ドレスは、縫い付けられた装飾が、空に瞬く星々のように美しく輝いている。譜面を連想させるチェック柄のドレスには、異なるピッチのチェック柄インナーが付属。パターンの重なり合いが、動くたびに異なる表情を覗かせる。ロゴで遊び心を加えて"Genius Amadeus"の文字で遊び心を加えたアイテムも。裾にロゴ刺繍をあしらったトップスや、スポーティーなロゴTシャツを取り揃える。【詳細】ファーファー 2018年秋冬コレクション新作発売中 ※2018年8月現在アイテム例:・トレンチコート 37,000円+税・ブラウス 18,500円+税・パンツ 22,000円+税・シューズ 27,000円+税
2018年08月11日幼少期より神童と崇められた天才音楽家、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの歓喜と苦悩に満ちた35年の生涯を鮮烈に描き出す、ミュージカル『モーツァルト!』が4年ぶりに上演される。『エリザベート』で火がついたウィーン・ミュージカル人気を不動のものとした記念碑的作品。以降も日本では、脚本・歌詞ミヒャエル・クンツェ、音楽・編曲シルヴェスター・リーヴァイ、演出・訳詞小池修一郎という黄金トリオが数々のヒット作を量産する。昨今のミュージカルブームの先駆けとなった名作が初演から16年を経て新演出版として登場する。ミュージカル「モーツァルト!」チケット情報美術、音楽、脚本がブラッシュアップされる中、主演には山崎育三郎とのダブルキャストで新顔の古川雄大が大抜擢。その妻コンスタンツェには前作からの続投で平野綾、さらに生田絵梨花、木下晴香の若手ふたりが初役で挑む。演出の小池から「若手ふたりの見本となるように」と託されたという平野は「期待に応えたい!」と気合い十分だ。平野は東京児童劇団の出身。アイドルや声優の活動を経て、近年は舞台女優として着々と評価を高める。『レディ・ベス』『レ・ミゼラブル』『ブロードウェイと銃弾』など出演作も幅広く、とりわけ小池修一郎、福田雄一演出作への出演が続く。「小池先生には常に一挙手一投足を見られている緊張感があり、だからこそ自分を高められる。また福田さんには毎日アドリブをプレゼンしなくてはいけないという質の異なる緊張感があります。近年はおバカな役、正当派ヒロインが交互に続いたこともあり、役の幅が広がりました(笑)」デビュー20周年、30歳の節目となった昨年は思いきって仕事をセーブしNYへ留学。ボイストレーニングではアレクサンダー発声法を座学から学び直した。「いかに自分の体を酷使せず最高のパフォーマンスを引き出せるか。息の長い役者をめざし、骨格や筋肉の仕組みから学びました」。帰国直後の主演舞台『レディ・ベス』では小池から「歌が全く変わった」と太鼓判を押された。今作でも成長の一端を感じられるはずだ。「今回のコンスタンツェでは女の業や憎悪みたいな部分を表現したい。前回は技量や当時の年齢感もあり、迫力を出し切れなかったことが一番悔しかったので。4年でどう変わったのか自分が一番知りたいですし、いろんなものを総動員して若手の見本となるような演技をお見せしたいです」平野は同じ作詞・作曲家が手掛ける作品群の中でも『モーツァルト!』が一番好きだという。「主人公が男性で音楽家でもあるので、作品が持つ魂の叫びみたいなものは、そのままクリエイター陣の本心でもあるのかなと。そのパワーにすごく引き寄せられる感覚があるので。私は天才に寄り添う凡人の悩みや胸中を深く掘り下げて演じたい。ネットで全世界と繋がれる今の時代だからこそ、ここでしか味わえない生の舞台の特別感やドキドキを一緒に楽しんで頂ければと思います」公演は、5月26日(土)から6月28日(木)まで東京・帝国劇場、続いて大阪・梅田芸術劇場メインホール、名古屋・御園座でも上演。チケットは発売中。取材・文:石橋法子
2018年05月15日3年半ぶりに上演されるミュージカル『モーツァルト!』の製作発表会見が2月15日に開催された。ウィーンで誕生し、日本でも2002年の初演以降上演を重ねる人気作。主人公のヴォルフガング・モーツァルトは山崎育三郎と古川雄大がWキャストで務める。ミュージカル「モーツァルト!」チケット情報音楽の天才・モーツァルトの35年の人生を綴る物語。日本では今回が6度目の上演となるが、ハンガリーでの上演時に追加になった新曲も加わり、舞台ビジュアルもリニューアルされるとのこと。初演から演出を手掛ける小池修一郎はこの日の会見は欠席ながらビデオメッセージを寄せ、「もともとの日本版は、ウィーン版とハンブルク版を混ぜて作ったので、尺が少し長い。テンポを出し、少し過剰と思われるところは圧縮し、新たな『モーツァルト!』をお届けしたい」とリニューアルの意図を語る。具体的な演出プランはこれからと断りを入れつつ「もちろん必要なものは出てきますが、基本、ピアノ1台ですませたいというのが私の願い。1台のピアノのまわりで起こる様々な人間の葛藤、そしてモーツァルトの才能の戦い、(妻の)コンスタンツェとの愛の物語にご期待ください」と構想を話した。ヴォルフガング役は、3度目の登板になる山崎と、今回初挑戦となる古川。山崎は「8年前に初めてこの舞台に立ちましたが、緊張で足が震えていた初日を今でも覚えています。でもこの作品は、舞台に一歩出たら、作品自体が(自分を)ヴォルフガングにしてくれて、ラストまでその波に乗っていける。今回は僕も30代になり、今の自分がどう役と向き合えるのかなと考えています。演出も新しくなるので、ゼロから向き合い、新しいヴォルフガングに出会いたい」と意気込みを。そして16年間で井上芳雄、中川晃教、山崎と3人しか演じてきていないヴォルフガング役に、帝国劇場初主演で抜擢された古川は「いつかこういう大きな作品でこういう役が出来るようになりたいなという目標がありましたが、まさかこんなに早くチャンスをいただけるとは。自分で“4人目のヴォルフガングを作る”という目標を作りました。がむしゃらに稽古をして、頑張っていきたい」と話した。古川はこの日は少し緊張気味のようだったが、山崎からは「雄大がヴォフガング役に決まる前から、僕は『雄大がなるんじゃないかな』と本人に言っていました。何度も言った。決まった時は、やっぱり! と思いました」と背中を押す発言も飛び出した。ヴォルフガングの妻・コンスタンツェは平野綾、生田絵梨花、木下晴香のトリプルキャスト。乃木坂46の現役メンバーでありながらミュージカル界でも躍進を続ける生田は「私は11年前、10歳のときにこの作品を観ていました。その時は“(子役が演じる)アマデをやりたいな”と思っていたので、あの時の自分にコンスタンツェを演じると告げたら本当にびっくりすると思います」と笑顔で語っていた。公演は5月26日(土)から6月28日(木)まで東京・帝国劇場、7月5日(木)から18日(水)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールで上演。8月に愛知公演も有り。
2018年02月19日ミュージカル『モーツァルト!』の製作発表記者会見が15日、都内で行われ、山崎育三郎、古川雄大、平野綾、生田絵梨花、木下晴香が登場した。同作は音楽家のヴォルフガング・モーツァルトの生涯を描き人気のウィーン・ミュージカル。2002年の日本初演以来再演を重ね、上演回数は500回以上を数える。会見では古川が「僕こそ音楽」、生田&木下が「ダンスはやめられない」、山崎&平野が「愛していればわかり合える」を披露した。演出の小池修一郎はビデオメッセージで「これまでの『モーツァルト!』で使用してきた舞台美術は比較的小さいサイズの劇場で上演するためのものでした。そこで今回は帝劇用の新たなバージョンの舞台美術を作ろうということになりました」と変更点を説明。また、ハンガリー版にあるコロレド大司教とヴォルフガングの対決のデュエットなど新たな曲を加える意図も示した。山崎は初演の大変さについて「初めての1回目の通し稽古の1幕終わった段階で立てなくなりまして。2幕もできないと思うくらいにしんどくて、小池先生から『育よ、市村(正親)さんが主演のミュージカルにしか見えないんだよ!』と言われて」とモノマネを交えながら振り返った。「(山口)祐一郎さんが優しくて『いいよ〜かっこいいよ〜大丈夫だよ』と支えていただいて」とさらにモノマネを披露。「みなさんに支えていただいて乗り越えた」と語った。一方、古川は「曲数が多くすべて難しいので、課題はたくさんあると思っています。ずっと舞台に出ずっぱりで山崎さんもぶっ倒れたとおっしゃってたので、体力作りも」と課題を明かすと、山崎は「倒れた」と上品に訂正。さらに古川は小池から「君はちょっと悲劇なんです。モーツァルトは天真爛漫で明るいキャラクターなので、どう持ってくか」と言われたことを明かし、「表現の部分でもたくさん壁があるので、がむしゃらにぶつかっていきたいと思います」と意気込んだ。古川は山崎について「常にオンの方のイメージがあります。オフの姿を見たことがない。常にスイッチが入っている方だと思います」「ミュージカルブームの最前線にいた人で、一つ下の世代の僕からしたら憧れの人」と表す。一方で山崎は古川について「常にオフな印象があります。雄大はごはんもあんまり来てくれないんですよ」と笑いつつ、「秘めたエネルギーを持っているという印象ですね。発声や筋トレをずっと一人でこもってやっている姿も見てますし、自分のシーンが終わると、舞台袖を走って録音した自分の声を確認している姿を見ているので」と称賛した。"4年ぶり"の再演にかけて平昌オリンピックの注目選手について聞かれると、古川は「スノーボードの平野(歩夢)選手。今日、ちょうどやられてるんですかね?」と回答。14日に銀メダルを取ったことが知らされると、「とったんですか!?」と驚いていた。また山崎は「羽生(結弦)選手。金メダル取ってほしいですね」と希望を語った。東京公演は帝国劇場にて5月26日〜6月28日、大阪公演は梅田芸術劇場にて7月5日〜18日、名古屋公演は御園座にて8月1日〜19日。
2018年02月15日