モロッコらしさが凝縮されたアラブの旧市街のフェズ。細い路地が入り組むスークには小さな露店が並び、行き交う人々の間をロバで荷物を届けているような場所。渋谷から東急田園都市線に乗って5分の三軒茶屋、駅近くのエコー仲見世という小さな商店街をフェズに重ね合わせ覗いたのは、モロッコレストランの「Dar Roiseau(ダール・ロワゾー)」。モロッコ料理は、クミン、ジンジャー、シナモン、コリアンダー、ターメリック、カイエンペッパーなど多数のスパイスを使いますが辛さはなく、素材を生かした味わい深い料理です。宗教上アルコールと豚肉を禁じているモロッコですが、ダール・ロワゾーは日本流にゆるく枠を広げたお料理を堪能することができます。ペンダントライトが照らす魅惑的な光、12席のこじんまりしたスペースは、ラピスラズリ色のモロッコタイルが印象的で、昼でも少し暗く夜の匂いが漂います。店主の石崎まみさんは「クスクスとモロッコの料理」という本も出版なさっているモロッコ料理のエキスパート、カウンター席には看板犬のクロちゃんがおとなしく座っています。クスクスとはセモリナ粉をこねて小さく丸い粒状にした物で、具材を盛り付けたクスクスに、スープをかけていただきます。最初はそのままで、次には辛いハリサを混ぜるとより味わい深いものになります。ブルーフェズ柄の平皿に盛られたサラダ。ランチはクスクスと日替わりの2品。トマートスープ、ミートボール、チキンケバブ、ラムケバブ、メルゲーズ、ラムチョップと全部を乗せた王様のクスクスの7種類。基本のスープはすべて同じ、トマトスープとチキンスープを合わせて4~5時間煮込んだもの、大根、ズッキーニ、人参などが入っています。クスクス メルゲーズは人気の一品、自慢のメルゲーズは香辛料を効かせた羊肉や牛肉を仔羊の腸に詰めて作るソーセージのこと、自家製です。ラムケバブ、スパイスを効かせたケバブはとてもおいしい。これは夜メニューの、牛肉のミートボールと落とした卵のタジン。玉子をソースにして食べるモロッコの定番のタジンです。昼から召し上がりたい時は予約してご相談ください。食後はデザートのレモンケーキとミントティー。ポットにたっぷりのミントと緑茶を入れ、ポットを高く持ち上げ、小さなモロッコグラスに勢いよく注ぐのがモロッコ流。フレッシュな香りと口に広がるミントのほのかな苦みとまろやかな甘さ、食後にほっとできるおいしい飲み物です。珍しいモロッコワインを片手に豆や野菜のモロカンサラダ6品、前菜とメインが各2種にドリンク付きの2,500円のお得なコース料理もある夜もオススメ、美味しいモロッコ料理に舌づつみ、話が盛り上がること間違いなしです。Dar Roiseautel.03-3418-8603東京都世田谷区三軒茶屋2-13-17 エコー仲見世商店街内12:00-15:00 18:00-24:00日・月一月不定休・ 公式サイト
2014年12月27日もとは和菓子屋さんだった下町の一軒家を改装した「カフェ オトノヴァ」。住所は西浅草、つくばエキスプレス浅草駅、田原駅、入谷駅の3つの駅を利用できるので遠回りしても訪ねたいカフェです。黒いテント、ガラス窓に書かれた文字、ステンドグラスがはめ込まれたドア、店内を包む暖かなオレンジ色の光、「カフェ オトノヴァ」の外観はパリを思わせます。ドアを開けると中央の吹き抜けに圧倒され、大きなテーブルの上にはガラス器に入ったアセビが葉を伸ばし2階に届く勢い、レコード店に勤務なさっていたオーナーの渋谷さんならではのDJブースも存在感があります。棚には趣味で集められたアナログ盤がずらり、ワールドミュージックを中心に真空管を通して音楽が流れます。店名の「オトノヴァ」は“音の場” と“ボサノヴァ”をかけて作った造語だそう、店内にはピアノや蓄音機、楽譜プリントのメニューなど、音を感じるものがたくさんあります。日が暮れ始めた時間帯、2階フロアは美しい青色に染まり始めていました。大きな窓から入り込む自然光は季節の移ろいを感じさせてくれそうです。黒いアイアンの手すりに吹き抜けのティアドロップ型のシャンデリア。1階で注文をしてお金を払うシステム、お水はセルフサービスです。テーブルの上にはお花、お隣の方を気にしなくて良いテーブルの距離感は、うれしい気配りです。メニュー構成はイタリアンが中心、ディナーをいただきました。ニース風サラダのツナは自家製、野菜もたっぷりでドレッシングもおいしい。パンチェッタとポルチーニのパスタ。パンチェッタのうまみと芳しいポルチーニの香り、濃厚なソースが、もちもちした太めのパスタ麺に絡んで抜群においしい。パスタ麺は浅草の「開化楼」がイタリアの低下水麺を再現したというもの、ラーメン好きに知られた開化楼ですが、このパスタ麺も素晴らしい出来です。イタリアのマンマ直伝の豚肉の赤ワイン煮は、とろけるほど柔らかく、何とも言えない香りが鼻にぬけ、フェンネルなどが使われているそう、赤ワインにもとても良く合います。スウィーツは美しい奥様担当、テラコーヒーの豆を使ったコーヒーといただいたのは、見た目もかわいい苺のショートケーキとクリームがたっぷり詰まったシュークリームで、どちらもおいしくいただきました。 渋谷さんご夫妻が作り上げた空間はどこを切っても絵になるほど素敵ですが、カフェ飯か…とあなどるなかれ、お料理もスウィーツも本格的で、真剣に愛情を込めて作っていらっしゃるのを感じます。ランチタイムはもちろんですが、ディナーにも心地よい音楽に耳を傾けながらゆっくり食事を楽しんでいただきたい「カフェ オトノヴァ」です。友人とふたり、私たちはご夫妻に笑顔で見送られ、お腹もいっぱい幸せな帰り道になりました。cafe otonovatel. 03-5830-7663東京都台東区西浅草 3-10-412:00-23:00 日・12:00-21:00、木定休 ・公式サイト
2014年12月20日今年もやってきました、忘年会シーズン。会社の忘年会の幹事を任せられた人や、友だちとワイワイ楽しめる忘年会を企画中の方は必読! 普通の居酒屋とは異なり、ユニークなパフォーマンスや食事が楽しめる都内の居酒屋をピックアップ。アルコールが得意じゃない…、忘年会のノリが苦手…、という方もこの3軒ならお酒以外のお楽しみが満載なので、心に残る忘年会が開けると思いますよ。■メディアに引っ張りだこ! 魚釣りができる居酒屋「釣船茶屋ざうお」「釣船茶屋ざうお」は、店内に大きな生け簀があり、自分で釣った新鮮な活魚が味わえる居酒屋。大きな船の席があり、船の上から魚を釣ることもできるので、海釣り気分が味わえます。忘年会にぴったりな魚釣り付きコースは、釣りチケット1枚と料理8品付きの3500円~(税抜)と、釣りチケット2枚と料理9品付きの4500円~(税抜)があります。釣りチケットは、アジやサザエは1枚、一番人気の鯛は4枚というように、釣れた魚と引き換えに渡すチケットになります。食べたい魚の近くに釣り糸を垂らして、獲物を狙いましょう。チケット1枚の獲物を狙うもよし、同僚や友だちとチケットを共有して高級魚を狙ってもOK。狙った魚以外のものが釣れてもリリースできないという、ガチさがまた盛り上がる! 釣れた魚は、半身ずつ違う調理法で提供してくれるので、刺身、寿司、塩焼き、唐揚げ、煮付けなど好きなものをオーダーしましょう。自分で釣ったピチピチの魚の味は格別です。飲み放題を付けるならプラス1500円(税抜)。コースは2名以上、席は2時間半制で、飲み放題は2時間制(30分前ラストオーダー)です。生け簀が見える個室もあります。■忍者がおもてなし!? エンターテイメントレストラン「NINJA AKASAKA」ハリウッドスターや日本の総理大臣が来店したことでも有名な「NINJA AKASAKA」は、忍者の隠れ里をイメージし、迷路のように入り組んだ店内で食事が楽しめます。エントランスで受付けを済ませると、手裏剣や刀を身に着けた忍者が席までご案内。この道中にもさまざまな仕掛けが施され、アトラクションを体験しているようなワクワクドキドキ感が得られます。池や滝、岩に囲まれた店内は、世界的に有名なデザイナーの相羽高徳氏によるもの。安土桃山時代の質実質素な建築様式を用いた、しつらえや趣の異なる個室やテーブル席が並びます。どの席に通されるかは、忍者任せなので当日のお楽しみ。コース料理は、8品提供される「くのいちコース」5500円(税抜)など、10種類以上から選べます。和食をベースにした創作料理で、忍者仕様の見た目も大変ユニーク。料理を席まで運んでくるのも忍者の仕事。途中、上級忍者がハイレベルな忍術ショー(テーブルマジック)を目の前で披露してくれるのも魅力です。アルコール類も、シャンパンやフローズンカクテル、日本酒など幅広くラインナップ。少々お値段は張りますが、店の凝った造りや忍者のパフォーマンス、料理のクオリティを考えれば、大満足間違いなしです。■昔懐かしの駄菓子が食べ放題 レトロな「池袋駄菓子バー」会社の忘年会の2次会や、気の置けない友だちとワイワイ楽しむなら「池袋駄菓子バー」がおすすめ。木の温もりあふれるレトロな店内は、昭和へタイムスリップしたような雰囲気。駄菓子コーナーがあり、テーブルチャージ500円(税込)で100種類以上の駄菓子が食べ放題。駄菓子焼き食べ放題込みのパーティーコース3500円(税込)は、駄菓子はもちろん食べ放題で、たこ焼き機でたこの代わりに、駄菓子を入れて焼く駄菓子焼きも楽しめます。さらに駄菓子を使ったオリジナルメニューなどの料理8品と2時間の飲み放題も付くので、大変リーズナブル。コースは2名以上で、席は2時間制、飲み放題は30分前ラストオーダーです。飲み放題メニューもビール、サワー、ワインなど全35品と豊富。30名以上なら貸し切りもOKです。忘年会の店選びは、宴会部長の腕の見せ所! エンターテイメント性抜群の居酒屋はどの店舗も人気なので、日程が決まったらすぐに予約を。満足感たっぷりの宴で、1年を締めくくりたいものですね。 釣船茶屋ざうお 公式サイト NINJA AKASAKA 公式サイト 池袋駄菓子バー 公式サイト
2014年12月20日空前の熟成肉ブーム到来中! その熟成肉にいち早く注目し、ブームに火をつけた名店「旬熟成」が、同店の隣に2号店となる「旬熟成hanare」を10月14日にオープンし、早くも注目を集めています。まずは熟成肉ってどんなものか、みなさんご存知ですか? 熟成庫内で最低4週間以上寝かせ発酵させた肉のことを言います。熟成が進むとともに、タンパク質が分解されアミノ酸に変質し、酵素の働きで肉質が柔らかくなるので、旨みがグーンとアップするんです! 一般的な熟成方法は「ウェットエイジング」「ドライエイジング」の2つ。ウェットエイジングは、真空パックや布などで肉を包み、乾燥を抑えながら低温で寝かせる方法で、ドライエイジングは、空気に触れる低温・高湿度の環境で肉を保管し、風を当てながら水分を飛ばして熟成させるという違いがあります。ヘルシーで高タンパク質、鉄分も豊富なので、美容と健康にも良いと評判になり、ここ最近、熟成肉を提供する飲食店が急増中。その中でも飛び抜けておいしい熟成肉が味わえると、多数のメディアで取り上げられるほど注目を浴びているのが、この旬熟成。人気の秘密をオーナーの跡部さんに教えてもらいました。「うちでは、ドライエイジング法より弱い、そよ風程度の風を当てて熟成する“旬熟成エイジング”という独自の方法を採用しています。肉に合わせて、一番良い湿度、温度を考え、時間をかけてじっくり熟成させていくので、肉へのストレスを省き、より安全に旨味を引き出しています。通常アメリカ産ビーフなら40日、和牛なら60日程度の熟成しかできないところ、この方法を使うと最高で140日間の熟成を重ねることができます。」こうしてゆっくりゆっくりと変化していく熟成肉は、抜群の旨みと甘み、柔らかさをもち、肉の融点が低くなるため、口に入れた瞬間まろやかに溶け出し、体に蓄積されにくいので食べやすく、胃にもたれないんだとか。あまりのおいしさにリピーター続出で、本店の旬熟成は、毎日40~150名ほどのお客さんをお断りするほどの人気ぶり。多くの人に本物の熟成肉を味わってもらいたいという、跡部さんの思いがきっかけで、「旬熟成hanare」が誕生しました。“ジャパンクオリティ-日本の良さを再認識”という、旬熟成のコンセプト通り、メインの熟成肉はもちろん、日本をテーマに食材を調達。契約農家直送の新鮮野菜、愛媛県「田中屋」の醤油や国産の粗塩などの調味料といったように、どれもこだわりが光ります。熟成肉以外にも、魚や野菜料理が充実しているのがうれしい。大変珍しい40日熟成させた和歌山県産天然イノシシも登場。全く臭みはなく、程よく脂がのり、牛肉とは違うサクッと歯切れの良さもたまりません! 「旬熟成hanare」は、お客さんから要望が多かった個室を完備。優雅な雰囲気で心置きなく熟成肉を味わうことができます。お店に行くのが難しい人は、オンラインショップで熟成肉を買うこともできますよ。旬熟成tel.03-5413-4018港区六本木5-11-32 第三岩崎ビル4F18:00~25:00、日曜定休 公式サイト
2014年12月06日西荻窪北口から5分、ネパール人のNeelさんと一級建築士の川井加代子さんが結婚して作り上げたネパール・インド料理のレストラン風のカフェ 「Sajilo Clove(サジロクローブ)」は、どこか懐かしいような異国の空気感が漂います。フランスの大きな邸宅で使用されていた鉄製のドアを開けると、思いのほか深い空間でたくさんのライトで作り出す陰影が、旅先にいるような錯覚を覚えます。ガラスにはネパール語で、“いらっしゃい”。白いタイルが貼られたクルミの木のキッチンカウンター、カツラのテーブル、アンティークショップや古道具屋、リサイクルショップで集めたという椅子、解体中に出てきた古い銅管を使ってNeelさんが作った赤サビのライト、フランスの古いスイッチなど、日本・ヨーロッパと国を問わず集められたモノたちで美しい調和が作られています。ネパール人のシェフが腕を振うのは、ネパールの一品料理と本場インド仕込みのマイルドなカレー、タンドール釜で焼かれたナン、ココナッツのアイスクリームなどのデザート、ワインも充実しています。ランチのAセット1,000円は、カレー1種。Bセット1,150円は、好みのカレー2種。どちらもサラダ、ナンorターメリックライスと自家製ラッシーorチャイが付きます。辛さのリクエストをオーダー時にできますが、 卓上のホットチリパウダーで調節します。ラッシーとアイスチャイ。この日はふたりでチキン、バターチキン、ベジタブル、マトンの4種にしました。カレーはまろやかなやさしい味、バターやギー塗っていない大きなナンはほんのり甘いです。「サジロクローブ」はおいしいのはもちろん、店名の由来にもなったスパイスのクローブのように魅惑的で五感を刺激する場所です。Sajilo Clovetel. 03-6761-8330東京都杉並区西荻北3-42-13 永谷マンション1F 11:30~15:00 18:00~23:00(土日祝は通し営業)水曜日定休 公式サイト
2014年11月15日5月15日オープン以来、多くの雑誌に取り上げられるほど注目を浴びているワイン専門店「THE WINE STORE」で角打ち体験してきました。角打ちとは、もともと北九州の方言で酒屋の店頭で酒を飲むこと。気軽に飲めるという角打ちの醍醐味をオシャレなワイン専門店で味わうことができるのです。場所は中目黒駅から徒歩6分。山手通りに面した店は、ガラス張りのウィンドウに鉄の扉が目を引く佇まい。なんでも築50年の鉄工所を現役時代の雰囲気を活かして改装したのだとか。鉄の扉を開くと、両壁や中央の棚にワインがズラリ。手前がセラーで、ガラスの仕切りの奥が角打ちのスペース。まるで友人の自宅に遊びに来たかのようなアットホームな空間に、ホッと心が和みます。店主の横川かおりさんは、かつて飲食企業でワインの管理を行う仕事に就いていた関係で、さまざまなワインと出会い、知っていくうちに、ワインの世界に興味を持ったとか。なかでも自然派ワイン「ヴァン・ナチュール」にドはまり。ヴァン・ナチュールは、無農薬・有機栽培で育てられたブドウだけを、野生の酵母だけで発酵したワインのこと。いつ飲んでも安定している大量生産のワインとは異なり、年ごとにその土地と生産者の個性が複雑に表現され、表情豊かなワインが味わえるのです。横川さんが、ワインインポーター「ヴィナイオータ」の太田社長がおっしゃっていたことを教えてくれました。ワイン造りは漫才みたいもので、ダウンダウンのふたりに例えると、松ちゃんがブドウで、浜ちゃんが造り手。松ちゃんは素晴らしいボケをかますけれど、スベるときもある。そのとき、その場がシラケるか、ウケるかは、浜ちゃんの腕次第。ワイン造りも同じなんだと。ブドウに与えられた環境が難しいときこそ、造り手の仕事の質が試される。造り手さんの思いが詰まった1本は、自然の旨みがたっぷりなのです。ここで販売している約300種類のワインは、フランスとイタリア産のヴァン・ナチュールが中心。お店のスペースが限られているので、人柄や生き方が好きな造り手や醸造家のワインをセレクトして置いているそう。横川さんはお客さんに、造り手のエピソードを交えながらワイン1本1本の特徴や味の説明をしてくれます。角打ちで楽しめるワインは日替わりで、赤・白合わせて8~10種類。30ml 110円~、60ml 200円~と、リーズナブルに試飲できます。取材日に試飲させていただいたのは、「レスカルポレット」というフランスの白ワイン。レスカルポレットとは、ブランコや振り子を表すフランス語で、ワイン造りもブランコのように楽しもうと思ったら漕ぎ続けないといけないという意味が込められているそう。皮と種も一緒に発酵させる赤ワインと同じ作り方を採用した白ワインは、芳醇な香りでしっかりとした余韻がたまりませんでした。購入したワインは、抜栓料500円を払って、店内で飲むことも可能。サラミやチーズ、オリーブ、ピクルスなど、手軽につまめるおつまみも充実しているので、ついつい飲み過ぎてしまうかも。角打ちは、1人で軽く飲みたいときも、友達と一緒にワイワイ飲みたいときも大歓迎。ワインの知識がない人もOK。一期一会のワインに出合える「THE WINE STORE」。懐の深い横川さんが笑顔で出迎えてくれるので、一度足を運んでみてはいかが? ・THE WINE STORE 公式サイト
2014年11月15日いざ、食欲の秋。仲のいい女友達や大切な人と食事をするひとときが、より一層楽しい時間になる季節ですね。そんなときはやっぱりとびきり美味しいものを食べたいもの。そこで、「羅豚ギンザ・グラッセ」で期間限定で提供中の、旬の厳選素材を味わう≪秋味限定メニュー≫を食してみるのはいかが?「羅豚」は、2005年に銀座という日本一、粋で華やかな街、銀座日航ホテルに記念すべき一号店をオープンし(現在はホテルの建替に伴い銀座7丁目に「羅豚本店」として移転)、「羅豚ギンザ・グラッセ」は5店舗目のお店。「羅豚」は、少人数から多人数まで、美味しいものを食べたいさまざまなお客様のTPOに応じたプランニングで楽しめる、『霧島黒豚しゃぶしゃぶ・せいろ蒸し』をメインとした黒豚専門店、“霧島黒豚~KUROBUTA~ダイニング”です。メインのお料理はもちろん、前菜・酒菜から、〆めのおそば、デザートまで一品一品が心をこめて調理されているうえに、本来の黒豚の持ち味を最大限に引き出し生かす調理法を用いています。そしてオープン当初から現在も変わらない “黒豚を愛でる=羅豚(LOVE)”というスピリットが美味しい黒豚を味わえる秘密。「羅豚」の『霧島黒豚しゃぶしゃぶ・せいろ蒸し』は 至宝のダシに柚子胡椒を入れたそばつゆで鍋たっぷりの葱と一緒に薄切りの黒豚をしゃぶしゃぶで食すというスタイル。“そばつゆに柚子胡椒を入れて食べる鹿児島スタイル”を東京に持ち込んだのは、「羅豚」が元祖なのだそう。霧島黒豚とは、宮崎県内で飼育された、バークシャー誕生の地イギリス・バークシャー100%の品種です。鹿児島黒豚などのアメリカ系の大型バークシャーと異なり、体系が小さく、肥育に時間がかかるため、生産性は悪いですが、肉質は細かく、 脂身の甘みが強くでるのが特徴。ぜひその甘みを楽しみたいですね。≪秋味限定メニュー≫は、『契約農家直送信州サラダ茸・京都丹波しめじ三昧』 (単価700円・税抜) と『マンゴーフルーツ羅豚特製風味だれ』(単価330円、2品セットで注文の場合は1,000円、いずれも税抜)。マンゴーフルーツ羅豚特製風味だれは、マンゴーと白ワインビネガーなどを合わせたトロピカルなタレには、黒胡椒をアクセントに 爽やかなフレッシュミントも添えて、黒豚しゃぶしゃぶを食べるもの。和食ではあまり登場しない、濃厚な南国の果物の王様マンゴーの甘みと旨味が、白ワインビネガーのキレのある酸味と程よくMIXされ、黒豚の新たな味と魅力を引き出しているとか。サラダ茸は、えのきだけを生で食べるという新発想の羅豚のORIGINALメニュー。“生で食せるえのきだけと京都丹波しめじ”秋のきのこを存分に楽しんで、季節をじっくり味わいたいですね。豚肉に含まれるビタミンB1は、疲労回復のためのビタミン。忙しい毎日のためにパワーチャージをするとともに、楽しく美味しいものを食べて心もリフレッシュできそうです。ぜひ女友達と、大切な人と足を運んで、心おきなく旬の味覚を味わっては?・羅豚 公式サイト
2014年10月27日「たすけたい つつみたい 按田餃子でございます」按田餃子(あんだぎょうざ)のキャッチコピーはユニーク。店のオープンは料理研究家の按田優子さんの著書『冷蔵庫いらずのレシピ』の撮影中、写真家 鈴木陽介さんが、メニューのひとつだった水餃子のおいしさに、「餃子屋をやろう!」と言いだしたのがきっかけだったそうです。代々木上原駅から1分、古いガラスの引き戸の入口、6席のカウンターにボックスシートがひとつ、コンセプトは乙女の雀荘だそうですが、キッチュな中国風の置物や保存食が並び、台湾? 中国? 不思議な空気感です。料理はアジアの屋台飯風。水餃子が看板ですが、単品もいろいろ、自家製コーラ、きくらげジュース、二日酔いにはオレンジターメリックジンジャー、ライムを搾っていただくスイカジュース(季節限定)など、聞くのも初めてのドリンクがあります。 有機ハトムギを殻ごと粉末にして配合した皮を使った水餃子は、少し茶色、ハトムギは血液浄化作用があるそうです。餃子あんは、鶏と豚の各2種。大山鶏は香菜と胡瓜、キャベツと生姜。岩中豚はカレー風味の人参と生姜、搾菜と大根。あんによってココナッツや干しエビが隠し味、個性的で複雑な味わい、しっかりした皮によく合います。水餃子定食は、4種の餃子、豚そぼろが隠れているご飯にあらめスープで1,000円。チープな食器も異国空間作りに一役買っています。卓上調味料は餃子のタレ、味の要、醤油、黒酢。味の要は、コリアンダー、クミンシードなど、様々なスパイスをブレンドした万能調味料で、ご飯にも餃子にもちょい足しして自分好みの味を作ります。きくらげいっぱいのラゲーライスは青菜のお浸しとあらめスープ付きで800円。単品の香菜と胡瓜の水餃子は450円で一番のお気に入り、10日もするとまた食べたくなります。溶けるほど柔らかく煮込まれた豚肉にきくらげ、金針菜に玉ねぎ、塩と醤油だけで味付けされたとは思えない深い味でとてもおいしい。金針菜は、忘れな草の蕾を乾燥させたもの、ほうれん草の20倍の鉄分やミネラルが入っています。美容にも良い乾物を取り入れた食事は栄養満点、お一人さまでも気兼ねなく利用できます。 按田餃子tel.03-6407-8813東京都渋谷区西原3-21-2 1F11:30~23:00(LO22:30)月・火定休 公式サイト
2014年10月18日渋谷から井の頭線でひとつ目の神泉駅から山手通りに向かって5分、山手通り沿いに「クンバ ドゥ ファラフェル(Kuumba du Falafel)」があります。目立つ看板もなく、一見すると倉庫のよう、ガラス越しのカウンターを見逃すと通り過ぎてしまいそうです。最近はひとつのものに特化した専門店が増えましたが、食の世界でも同じ、中東はもちろん、ニューヨーク、パリ、オランダ、ドイツなどで親しまれているピタパンのサンドイッチ、ファラフェルサンド一本で勝負しているのが、クンバ ドゥ ファラフェルです。石灰岩の床、テーブルはなく、デーツやマンゴーなどのドライフルーツが並んだカウンターでいただきます。ドリンクはオーガニックレモンライム&ビターをオーダーしましたが、ラベルのデザインも個性的な茨城の常陸野のビールが人気です。ランチはハーフのファラフェルサンドとレントスープのセットの1種類のみで1,000円、単品もありますが、セットが初来店の方にオススメです。レントスープは玉ねぎとクミンシードが入った少しスパイシーで奥深いレンズ豆のスープです。美しい野菜のブーケのファラフェルサンド。天然酵母のピタパンに挟まれているのは、すりつぶしたひよこ豆にスパイスを加えたコロッケ(ファラフェル)、揚げなす、トマト、紫キャベツ、葉野菜、ひよこ豆のペースト(フムス)に手作りの胡麻ソース(タヒニ)やパセリとオリーブオイルで作ったグリーンソース、好みで唐辛子のホットソースをつけますが、これがまた癖になるおいしさです。揚げたてのファラフェルの中は柔らかで表面はザクッ、新鮮な野菜と甘く素朴な味わいの豆は相性抜群で食べ終わった後の唇に残る唐辛子ソースのピリッとした感じもいい、絶品サンドです。テイクアウトも可能ですが、外のベンチでは、メンズ誌で活躍しているモデルさんがグローブサイズのファラフェルサンドにかぶりついていました。クンバ ドゥ ファラフェル Kuumba du Falafeltel. 03-6418-8396東京都渋谷区神泉町23-11 1階11:30-14:30 /17:30-21:00(LO20:30) 日曜日、祝日 11:30-19:00月曜日定休 公式サイト
2014年08月23日美味しくて、たくさん食べられて、健康になれる、そしてちょっとステキなお店だったりすると、つらかった仕事のことも忘れちゃう。働く女性のために心も体も満たされる、ご褒美レストランを紹介。この1食が、あなたの明日を救います。■目黒川沿いに佇む古民家、大きな窓から季節の景色が楽しめる空間今、夏木立の緑がまぶしい目黒川沿い。そこにひっそりと佇む古民家レストラン『N_1221』。長い時間を経て風合いが増した柱や擦りガラスの内装は、田舎のおばあちゃんの家に遊びに来たような、懐かしい錯覚を呼び起こす。不揃いなアンティークの椅子や、手作りの照明など、インテリアの一つ一つにもハンドメイドの温かみが感じられる。「都心の中目黒に、ゆったりくつろいでいただける空間を作りたかった」とバーマネージャーの神川麻梨子さん。『N_1221』という店名は、「中目黒」「ナチュラル」の「N」に、店舗住所である「1-22-1」を縮めてくっつけたのが由来。飾らない素朴な雰囲気が、店の名前にも表れている。1Fの大きな窓から目黒川を臨み、春には桜、夏には緑を楽しむことができるとあって、季節が変わるごとに訪れたくなるお店だ。 ■素材の魅力を120%引き出す焼き野菜、季節感たっぷりの料理を五感で味わう実は『N_1221』は、中目黒にあるナチュラルレストラン『N_1155』の姉妹店。『N_1155』と同じように厳選した旬の野菜を、よりカジュアルに味わえるのが特徴だ。グリルやボイルもおいしいけれど、最もシンプルに素材の味を活かすため、鉄板焼きを採用した。強火でさっと焼き上げた野菜は、中までしっかり火が通り、香ばしい匂いや焼き色が食欲をそそる。「野菜のどこを活かすか、いつも考えています。例えば、甘みを引き出すためにタマネギを低温でじっくり焼いたり、カボチャをホイルに包んでローストしたり。トマトやオクラなどの生でもおいしい夏野菜は、強火でさっと焼き、香ばしさを強調しています。みずみずしさや香り、酸味など、野菜によって魅力はさまざまなので、調理方法も変えなければなりません」 >>続きを読む
2014年07月26日高級レストランでは気軽に食べられない料理を、リーズナブルに提供し、フレンチ・季節感・遊び心を大切に、世界各国のワインをグラスで楽しめるビストロ、がコンセプトの「La LUNA LUNA (ルナルナ)」。野菜ソムリエと栄養士の資格を持つ、イケメン鈴木シェフが作り出す、鎌倉野菜を中心とした全国各地から届く珍しい野菜と、旬の食材をたっぷりと使った料理が魅力。季節のコースメニューは前菜からメイン、デザートまでの8皿と、食後の飲み物までついて4000円。アラカルトメニューも色々揃っており、お1人様用に少しずつ盛り合わせてもらうこともできる。コースにも含まれるバーニャカウダは、なかなかその魅力を十分に伝えることができない、カメラ泣かせの立体的なビジュアル。名前を聞いたこともないような野菜ばかりがパフェのように盛り付けられてくる。うずまきビーツ、白茄子、紫獅子唐、フルーツパプリカ、オレンジズッキーニ、佐助茄子、式部茄子、カレイドスコープ、スターオブデイビット、サラダゴーヤ、バナピーなど、季節により内容が変わる。アツアツのソースも美味。アラカルトメニューから、「とりあえずはちょこちょこ盛り合わせ(4種)」。富山県産ほたるいかと菜の花の和え物 卵黄ソース、静岡県産生マッシュルーム、蒸し鶏と白ネギのマリネ、白人参と人参のキャロットラペと、4月に訪問した際には、春らしい食材がふんだんに入った盛り合わせとなっていた。「この時期一番サラダ」は、佐賀県産ホワイトアスパラ、山形県産生で食べられるグリーンアスパラ、高知県産みやびトマト、水茄子など、産地直送のフレッシュでみずみずしい野菜の素材を引き立たせるドレッシングでいただくシンプルなサラダ。「名物! 焼きウニぎり」は浅利の出汁で炊いたおにぎりを、醤油を塗って香ばしく両面を焼き、生雲丹をたっぷり乗せたシメの名物。数量限定なので早めに注文しておきたい。恵比寿と広尾のちょうど中間に位置し、恵比寿駅から歩くと10分弱かかる同店、乗ってきたタクシーの領収証を出すと730円をキャッシュバックしてくれるというステキなサービスがある。帰りは満腹なお腹をかかえて散歩するにはちょうど良い距離。行けば必ず珍しい野菜に出会えること間違いなし。女性1人でも訪れやすいので、事前に予約をして、野菜とワインを楽しみに気軽に寄ってみてほしい。 La Luna Luna(ルナルナ)tel: 03-5789-3411東京都渋谷区恵比寿3-3-2 New-K Crescent3F18:00~24:00、日曜定休 公式サイト
2014年05月24日「とんかつ」というと、豚肉に衣をつけ、油で揚げる料理として誰もが知る料理だが、チェーン店を含め、とんかつを専門にするお店はたくさんある。豚の産地にこだわったり、揚げ方にこだわったりと、流派も色々。「とんかつ」で忘れてはならないのは、キャベツ、ご飯、味噌汁。豚肉の美味しさはもちろん、その全てがバランス良く美味しくて、店内が綺麗で、接客も感じ良い。と、文句なく全てが揃った、お気に入りのとんかつ屋がある。それが高田馬場にある「成蔵(なりくら)」だ。昼も夜もピーク時間ともなると、外まで並ぶのは当たり前の人気店。特に休日のランチタイムは、閉店の時間まで行列が絶えないこともある。豚肉は栃木県の霧降高原で飼育されている、厳選した霧降高原豚を使用しており、ロースは並(1,000円)、上(1,500円)、特(2,000円)の3種類。ヒレは2種類で、「特ヒレ」と呼ばれる「シャ豚(トン)ブリアン」(2,100円)が何と言ってもオススメ。(価格は全て税抜)ヒレの中でももっとも柔らかい部分を使用したシャトンブリアンは、低温でじっくりと揚げ、余熱で中までしっかり火を通すため、他のメニューに比べて時間がかかる。衣の色を見てわかる通り、茶色ではなく、黄金色と言ってもいいほどの薄い色になっている。低温でゆっくりと揚げているため、焦げが生じていない証拠だ。パン粉のために専用に焼いてもらっているという、生の食パンを使っており、ほどよい水分量を含んでいるので油切れが良いのが特徴。さらに揚げ油はオレイン酸を多く含むラードを使用しているため、カラッと揚がる。限定で入荷する沖縄産の「琉球アグー豚」も見逃せない。天然ハーブの抽出物を添加したこだわりの飼料を使い、一般的な豚に比べて脂質とコレステロールが少なくビタミンB1とオレイン酸を多く含んでいる。月間の出荷頭数が約80頭と希少性が高いため、運よく入荷していたらぜひ食べてみてほしい。豚の甘味、旨味に加え、なめらかな肉質と上品な肉汁を感じることができる。単品で海老フライ(530円)や、牡蠣フライ(330円・期間限定)などもある。値段に違わぬ立派な海老や牡蠣、計算された火の入れ具合を実感するだろう。とんかつの名脇役とも言えるキャベツは、細かく千切りにされ、栄養素を逃さないために水にさらしていないという。ソースがいらないほど甘味のあるキャベツは、柔らかくしなやか。また、とんかつ屋の豚汁というと、豚肉ばかりで野菜が少ないということもあるが、成蔵の豚汁は、野菜がたくさん入り、丁寧に作ってある。掃除の行き届いた清潔な店内は、ハイヒールでもつるっと滑ることはない。女性1人でも気兼ねなく、美味しいとんかつを堪能できる、綺麗なお店というのも嬉しい。とんかつ 成蔵tel. 03-6380-3823新宿区高田馬場1-32-11 小澤ビル地下1F11:30~14:00. 17:30~22:00、火曜定休
2014年04月23日赤ちょうちんがぶら下がり、煙がもくもく出ているような焼鳥屋とは一線を画した、スタイリッシュな焼鳥屋が六本木の裏通りにある。カウンター10席のみ。料理はコースのみ。ドリンクはワインを中心に作り手の顔が見えるものをそろえている、というこだわりのお店、「やきとり 心香(しんか)」鶏肉や調味料など、店主の目利きにかなったものだけを使用し、これまでの焼鳥の概念を覆すような、一つ一つ素材を引き出した料理として、丁寧に提供している。焼鳥の有名店で長らく修行を積んだ店主だが、修行先を伺っても合点が行かないほど、その枠をはみ出たオリジナリティを感じるコースになっている。料理は、6,000円のおまかせコースのみ。その他、一品料理や〆のご飯もの、デザートは別途追加でオーダーとなる。コースの一部を抜粋して紹介してみます。コースのスタートは天城軍鶏のレバーパテから。温めたバゲットにのせながらいただく臭みのないなめらかなレバー。金ゴマのキャラメルが香ばしさと甘さをプラス。軟骨は、不知火を数滴たらして。青磁のお皿も美しい。サビ焼は半生でしっとりとした焼き上がりで上品。野菜焼は、北海道アイコトマト、鳴門金時、蕪、岡山のマッシュルーム。トマトには紫蘇のペーストにオリーブオイルがかかっている和洋折衷な味付け。もも肉の西京味噌焼にカンボジアの生胡椒を添えて。味噌の風味を纏ったジューシーなもも肉は、香ばしさがアップし、肉汁と味噌と生胡椒が絶妙にマッチしている、驚きの美味しさ。ぼんじりには衝撃を受けた。外側のカリカリした風味と、中からほとばしる肉汁は是非体感してほしい。追加でオーダーした、ミニサイズの親子丼には感動を覚えるほど。いままで食べてきた親子丼とは全く違う食感。半生でとろとろで程よい味付け。コースの〆に親子丼はマストオーダー。スタイリッシュで美しく、こだわりのやきとりコースをぜひ。やきとり心香tel:03-3479-0388港区西麻布1-4-4-1階18:00~売切れ次第終了、日曜、第2第4土曜日定休 公式サイト
2014年04月19日「ウルトラマン」と言えば、誰もがどこかで目にしているキャラクターではないだろうか。そんなウルトラマンに毎回やっつけられている怪獣たちが憂さ晴らしに訪れる居酒屋がある。「怪獣酒場」と呼ばれ、今まで世にはばかるように営業してきたが、1年間の期間限定で地球人に向けて営業することになった、というのがコンセプト。入り口を入ると、あやしく光る大きな「ゼットン」に迎えられる。ウルトラマンを倒した怪獣として尊敬されているそうだ。反対側には「ジャミラの真実の口」があり、地球防衛隊員や、ヒーローに変身できる能力がある人でないかどうか、この真実の口に手を入れて入店チェックをされる。座席は場所によってテーマがあり、今回通されたのは「怪獣無法地帯」という座敷エリア。怪獣の書いた書も飾ってある。コースターやお皿など全て怪獣酒場のオリジナル。嬉しいのは特製箸置きが持ち帰りできることだ。チャージ料金に含まれているので、気兼ねは不要。お酒や料理はオリジナルメニューがたくさんあるが、味については全般的に期待しない方がいいだろう。特にお酒類は、炭酸が抜け、酒の味もあまりしないようなものだったのはご愛嬌。ビジュアル重視でオーダーしたのは、「グドンのおすすめツインテールフライ」想像通りの味わいであることを念のためお知らせしておく。実は入り口付近に、誕生月の人だけ入れるというヒミツの部屋、「野望の部屋」がある。厳重に施錠されているところに、ちょうど誕生日を迎えたばかりの私は、IDを見せて上がりこんできた。野望の部屋は、モロボシ・ダンがメトロン星人を説得した名シーンのひとつを再現しており、壁には地球人の書いた野望が貼ってある。内定や結婚など世知辛いものから世界平和と壮大な野望まで色々だ。写真撮影も可能なので、誕生月に行くというのも記念になる。怪獣酒場の店長は、「バルタン星人」がつとめているが、残念ながら地球人向けの営業時間には怖がらせないために登場しないことになっているようだ。1年という期間限定ではもったいないほど凝った店内は、ウルトラマンが大好きな人もそうでない人も、童心に返って楽しめること間違いなし! 2015年3月までの期間限定営業なので、お早めに。怪獣酒場tel:044-210-5565川崎市川崎区駅前本町3-1 NOF川崎東口ビルB1階16:30~24:00(フードLO23:00、ドリンクLO23:30 )年中無休 公式サイト
2014年04月12日南青山の「よろにく」と言えば、上質な肉とサービス、落ち着いた空間で、「焼肉」をスタイリッシュにいただけるお店として、有名すぎるほどの存在。そのよろにくの新店舗が末広町徒歩0分の場所に2/9 ニクの日にOPENした。大きな「肉」の暖簾が目印の、「生粋(なまいき)」だ。よろにくはスタッフが焼いてくれるのに対し、生粋ではセルフで焼くという違いがあるが、焼き方の難しい七輪ではなく、完璧に煙を吸い込んでくれるロースターと、素晴らしい肉質と、繊細なタレにより、シロウトが焼いたってウマイということには変わらない。嬉しいことに、青山のよろにくに比べ値段設定は控えめで、驚きのお得なセットメニューもある。何と言っても目玉は「生肉」! 店名が「生粋」とある通り、生肉を粋に食べさせてくれる。焼肉といえばユッケを必ず頼んでいたという生肉ラバーには朗報の、正式な認可を受けた生肉がメニューに堂々とあるのだ。よろにくクオリティーの肉を使ったユッケは、文句なく美味しいのに、納豆ユッケ、ユッケの白和えなど、変化球メニューも考案している。生肉はユッケにとどまらず、肉寿司や、シルクロースを生で食べる、「生シルク」などは悶絶級の美味しさ。スネ肉のチマキと呼ばれる部位の刺身も味が濃厚で思わず唸るだろう。(日によっては入荷がないこともあるのでご了承を)タン元は珍しいカットで登場。この薄さで手切りをしているというから驚きだが、さらに驚くことに京都の塩昆布を合わせていただくと、タンの上品な脂と、塩昆布の旨味が一体となり、今まで食べたことのないタン焼を味わえる。肉の王様、シャトーブリアンを忘れてはなるまい。非の打ち所のない美しい肉目とカットにはため息がもれる。脂が多く、甘味の強いザブトンはおろしポン酢でサッパリと。よろにくと言えば、デザートはカキ氷。新フレーバーのバジル風味が焼肉後にピッタリで何杯でもいけそうだ。アラカルトメニューのほかコースもあり、一週間前までに相談すれば予算に応じてオマカセで1人5000円~応対可能。コースにしてしまえばメニュー選びで困ることがないので、接待にももってこい。個室が大小複数あるのでプライバシーも保たれ、蔵前橋通りを見下ろしながら、ベンチシートに座ってシッポリできるカップル個室も完備している。デートから接待まで色々な用途に利用できること間違いなしだろう。焼肉不毛のこの地で旋風を巻き起こすのは時間の問題だ。生粋(なまいき)tel. 03-5817-8929東京都千代田区外神田6-14-7 2F17:00~24:00(LO23:00) 不定休
2014年03月17日アメリカでニューヨークをはじめ7店舗を展開する大人気のステーキハウス、「ウルフギャング・ステーキハウス by ウルフギャング・ズウィナー」が2014年2月、日本に初上陸した。肉好きの間では名店として知れ渡る、1887年創業のステーキハウス「ピーター・ルーガー」でヘッドウェイターとして41年間活躍したウルフギャング・ズウィナー氏が、2004年にニューヨークでオープンしたのがはじまり。場所は六本木駅から徒歩8分ほど。外苑東通りから鳥居坂方面に向かう道に面しており、ディープレッドのハザードが浮かび上がる。座席数は約170席と、都内でも大型のレストランと言えるが、オープン前から話題騒然となっており、予約を開始した1月には、早くもオープンから2週間先まで予約が埋まっていたほどだ。2月の中旬に行ってみると、店内は満席で活気に溢れ、ゲストが帰っても次から次へと新しいゲストがやってくるという、回転しっぱなしの状態だった。メニューや肉の仕入れ、焼き方は本場アメリカと同様にこだわり、使用しているアンガス牛は、アメリカ農務省(USDA)で最上級と認定されたプライムグレードのみをアメリカから空輸している。輸送コストがかかっているから仕方ないが、アメリカの店舗に比べ全体的に設定された価格は高い。空輸された牛肉は、温度と湿度を管理された乾燥熟成庫で28日間熟成させている。つまり今流行の熟成肉である。アメリカが発祥のドライエイジングという手法を使い、肉を熟成させることでたんぱく質が分解され、肉の繊維が柔らかくなりアミノ酸、つまり旨味成分が増すのである。USビーフと聞くと、カタイとか、味がないとか、思う人も多いと思うが、熟成させることにより、肉質は柔らかく、肉の旨味も多くなる。最近流行りの熟成肉、とくに和牛の長期熟成を食べなれた人にとっては、28日という短い熟成期間の肉にはやや物足りなさを感じるかもしれない。骨を挟んで2種類の部位、サーロインとヒレを一度に楽しめる、「Tボーンステーキ」が看板メニュー。それぞれ、STEAK FOR TWO(2名用 15,000円)、THREE(3名用 22,500円)、FOUR(4名用 30,000円)と人数によって大きさと金額が異なる。バターを塗った皿は表面に焦げがつき、オーブンから出てきたアツアツの状態でテーブルに運ばれる。小さなプレートを逆さに置き、傾斜をつけてその上に肉の皿をおくことで、バターや脂が端に寄る。そこに肉をディップし、お好みで特製ソースやワサビなどをつけても良いが、オススメはそのまま。既に適度な塩をふってあるので、溶けたバターのみで十分肉が楽しめる。(画像は4名用)900度の高温で一気に焼き上げたステーキは、表面は香ばしく程よく肉汁が滴り、意外にも軽くサクサクと食べられるので人数よりやや多目に注文するのがオススメだ。4人で4名用を注文したが、実際に食べられる部分は1人あたり200gもないくらいなので、肉が好きな人は、2人で3名用ぐらいがちょうど良いのではないだろうか。店内には巨大なワインセラーがあり、1000本以上のボトルが揃っているので、肉に合わせてワインを楽しむこともできる。本場アメリカで人気のステーキを日本で体験するチャンス! ウルフギャング・ステーキハウス 六本木tel. 03-5572-6341東京都港区六本木5-16-50 六本木デュープレックス M's1F17:30~23:30(22:30 LO) ※ランチ営業3月開始予定 無休 公式サイト
2014年03月05日銀座コリドー街近くにあるビルの2F。エレベーターはあるが、エレベーターが止まらない2階にある、TRATTORIA GANZO(ガンゾ)。BGMは適度な音量で流れるハードロック。ファンキーなTシャツに身を包んだ高田シェフは、本場イタリアや銀座のイタリアンで腕を奮っていたキャリアを持つ。銀座のど真ん中でありながら、ディナーコースは5,800円で楽しめる、驚きのコース価格。アミューズ、前菜、パスタ、魚料理、グラニテ、肉料理、デザートの全7皿で、しかも本格派という大満足な内容になっている。22時まではコースのオーダーが必須だが、22時以降はアラカルトにも対応しており、ワインとチーズだけでワインバーとしても利用できる。コースの前菜とパスタはそれぞれ2-3種の中から好きなものを選択し、メインはグループで同じ料理を選ぶ。メインに用意されている肉料理は何を食べても美味しいので、おおいに迷って決めてほしいところ。コースのはじまりの合図を告げるアミューズは、「カリフラワーのポタージュとフォアグラサンド」ビスキュイ生地に挟まっているフォアグラは、小さな一口サイズなのに口の中で濃厚な風味が広がる。4種の前菜から選んだのは、「白子のソテーとキノコのマリネ、イタリア産黒トリュフ添え、サラダ仕立て」冬場ならではの、白子の表面を香ばしくソテーして、ナイフを入れるとトロンと溶け出すのがたまらない。パスタは手打ち。「つまむ」という意味を持つ、「プリン」という名前のパスタ。中にチーズなどが入っている小さなラビオリのよう。魚料理は真鯛のソテーをあさりのスープ仕立てで。グラッパのグラニテでお口直をしていよいよ肉料理。アルコールが苦手な方はこのグラニテで酔ってしまわないように注意。肉料理は和牛クリのロースト、アイスランド産子羊のロース、北海道産蝦夷鹿の3種から蝦夷鹿内もものローストを選択。火入れが絶妙で、ナイフを入れて断面を見れば美しいルビー色に感嘆の声があがるに違いない。肉料理をグループで統一するのは、肉は絶対に大きい塊で焼いた方が美味しいから。2人前以上のポーションで火を入れることでぐっと肉の旨味が増すのだ。デザートはジェラートかタルトの2択。ゴマが超濃厚なゴマジェラートにヘーゼルナッツのリキュールをかけていただくとゴマの風味がさらに濃厚に感じる、オトナなデザート。ワインはグラスもボトルも揃っており、ワインがまだ残っていれば珍しいチーズもあるのでデザートの前にオーダーするのも良いかも。大満足の内容でリーズナブルなお値段は心配になるほど。カウンター6席と、テーブル席が2つの小さなお店なのでお忍びにもオススメ。深夜まで開いているのもありがたい。TRATTORIA GANZOtel. 03-6228-5768中央区銀座6-3-12 数寄屋ビル 2F(エレベーターは止まりません)18:00~ 26:00(24:00L.O.)日曜定休
2014年02月26日アンティークショップや古書店が多い西荻窪駅の北口から歩くこと10分、木枠の大きな窓、古びた愛らしいポスト、店名が書かれた鉄のスプーンに白いドアが目印のお店がイタリアの家庭料理とワインの食堂くしまです。白いドアを開けると意外なことに天井は高く、6席のカウンター、8人掛けの大きなテーブルと店内全てが見渡せます。空間デザインはアンティークス・タミゼの吉田昌太郎さん、タミゼホワイトと呼ばれる柔らかなホワイトが基調で清潔で洗練された印象です。飴色になったイギリスの学校で使われていたアンティークの椅子は背もたれがないので圧迫感もなく、お客さんを迎える準備が整えられたテーブルは美しい規律に満ちています。ランチはパスタかスープの2種類で前菜とバゲット付き、野菜が中心で身体が重くならずにスッキリ食べられ、野菜のおいしさを活かしたイタリア料理を礎としたメニューです。休日なので自然派ワインの白、マルク・ペノ「ラ・ボエーム」をいただきました。ベルギーの漫画「タンタンTINTIN」を描いたエルジェのエチケットはお洒落です。前菜は、皮付きのにんじんの旨みがぎゅっと詰まったクミン煮、甘さと爽やかさがひとつになったさつまいものコリアンダージンジャーサラダ、食欲がわいてきます。きのことトマートクリームソースのペンネ、豆乳が入ったソースはまろやかなやさしい味わい。白い息、地上に落ちた淡い雪、冬の景色を思わせるような白いスープ。たっぷりの野菜はカリフラワー、皮付きれんこん、玉ねぎ、セロリ、長芋、白いんげん、白菜、カブ。調和の取れた滋味に富む深い味で見た目も美しく、身体に染み入ります。香りがだんだんと広がっていくコーヒーの待ち時間はとても安らぐ時間、ろばやの有機栽培のコーヒー豆を使ったミディアムブレンドはやわらかな苦味でした。しっとりと焼かれたにんじんとキャロブチップスのケーキは甘味が控えめで、ろばやのコーヒーによく合います。丁寧に作られた料理からは、道具、空間のつくり方、食材へのこだわりなど、くしまけんじさんの美意識が伝わってくるようです。ほっとするおいしさの隠し味は、くしまけんじさんのやさしさみたいなものかもしれません。友達でも恋人でも大切に思う人と一緒に味わいたい食堂くしまの料理です。食堂くしまtel. 03-6913-9313東京都杉並区西荻北5丁目26-17 万代荘1階12:00-15:00(LO14:30) 18:00-22:00(LO21:00)夜は要予約月・火曜日定休 公式Twitter
2014年02月22日嚴島神社と原爆ドーム、ふたつの世界遺産を擁する広島。なかでも嚴島神社のある宮島は「恋が叶うパワースポット」としても知られ、たくさんの女性が訪れています。そんな広島のご当地グルメといえばお好み焼き。 県内に数ある店のなかから、「この店の味を知らずして広島のお好み焼きは語れない!」という超有名店・3軒とその人気メニューをご紹介します。行列覚悟で行ってみましょ。 ■広島お好み焼きのスタイルを築いた名店 まずご紹介するのは、1950(昭和25)年創業の「みっちゃん 八丁堀総本店」。麺を入れる、ヘラを使って食べるなど、現在は当たり前になっている広島お好み焼きのスタイルを考え出したという老舗店です。変わらぬ味と品質が保たれている理由は、キャベツ担当、仕上げ担当など、分業制でメニューが作られていること。カウンターとテーブル席があり、常に多くの人でにぎわうので、確実に入店するなら開店直後がおすすめです。ここの人気No.1メニューは生イカ、生エビが入ったスペシャルそば950円(税抜き)。No.2は特製スペシャルそば1140円(税抜き)、No.3はカキ入りそば肉玉1140円(税抜き)だそう。■職人の焼きの技術が光る一品をめしあがれ 次に紹介するのは、広島市内にある行列店「八昌」。産地にこだわった甘みと水分たっぷりのキャベツを約20分かけて蒸し焼きにした後、押し焼くのが特徴。シンプルで飽きのこないメニューは多くの地元客がラブコールを送る。 平日は地元客が多く、休みの日になると9割が観光客になるそうで、18時までの入店が狙い目! そば肉玉、野菜肉玉、うどん肉玉の3種のみの厳選メニューで、なかでもダントツ人気のメニューはお好み焼きそば肉玉800円(税抜き)だとか。■駅ビルASSE2階で1日中にぎわう注目店 広島を出発する前に、おいしいお好み焼きを食べたい!と思ったら、迷わず広島駅直結の「麗ちゃん」へ。ここは広島駅の駅ビル内にあり、行列が絶えない店として知られています。 季節ごとに異なる産地のキャベツを使用するなど、素材はとことん厳選。注文はメニューに記載の番号で伝えて。こちらの人気No.1メニューは生スルメイカや生エビがたくさん入ったスペシャル(生イカ・生エビ)1143円(税抜き)。No.2はそば・豚肉・玉子入り695円(税抜き)、No.3はイカ天・そば入り790円(税抜き)とのこと。みっちゃん 八丁堀総本店 tel.082-221-5438 広島県広島市中区八丁堀6-7 広電八丁堀電停から徒歩5分 11:00~14:00LO、17:30~21:00LO (土・日・祝は11:00~14:30LO、17:00~21:00LO) 水曜定休 八昌 tel.082-248-1776 広島県広島市中区薬研堀10-6 広電銀山町電停から徒歩10分 16:00~22:30(日・祝は~21:00) 月、第1・3火曜定休 麗ちゃん tel.082-286-2382 広島県広島市南区松原町2-37 ASSE 2階 JR広島駅直結 11:00~21:30LO 不定休 「旅で元気になる」をコンセプトにしたガイドブックシリーズ、 『地球の歩き方Cheers!』 。 『地球の歩き方Cheers! 広島・宮島・せとうち2014』 では、嚴島神社と原爆ドーム、ふたつの世界遺産はもちろん、地元の人がこっそりが教えるおいしいお好み焼き、宮島カキ、売り切れ続出スイーツなどとっておきの情報が満載。瀬戸内のゆる~い港町のお散歩マップも見逃せません。詳しい情報は 『地球の歩き方Cheers! 広島・宮島・せとうち2014』 をチェック!
2014年02月21日江戸川区平井。下町に親しみのある人ならともかく、普段都心部を中心に動いているとあまり縁のない場所だろう。JR総武線の平井駅から徒歩5分。そこに、わざわざ行くべきお店がある。1971年創業の「大衆酒場 豊田屋」だ。SNSに画像をアップすると、みんなの食いつきがハンパない写真がこの鍋。冬季限定の鮟鱇鍋が絶品で、かつ激安なのだ。鍋のメニューは他にも、ねぎま鍋、牡蠣鍋、タラチリ、牛鍋などもあるが、なんと言ってもオススメは鮟鱇鍋。 1人前~5人前まで、好きな鍋を組み合わせてオーダーができる。この画像は5人前で、鮟鱇2、あん肝2、白子1という割合になっている。何度か通ううちに極めた黄金比率と言ってもいいかもしれない。生々しく、ある意味グロテスクとも言えるヴィジュアルだが、煮込むうちにあん肝が溶け出し、スープにコクがうまれる。白菜はクタクタになってスープを吸い込み、やや濃い目ではあるが口に運ぶスピードは増すばかりであっという間になくなってしまう。 豊田屋での鍋奉行は大将なので、決して鍋を触ってはいけない。頃合いを見計らって、菜箸とレンゲで鍋の中をぐるりとひっくり返してくれるので、鍋が運ばれてきたら、出来上がるまでは大将に身をゆだねよう。 鮟鱇は深海に生息する海水魚で、山口県下関と茨城県大洗が産地として有名だが、豊田屋では、北海道の余市から直送される鮟鱇を使用している。 肝が大きくなる11~2月が鮟鱇の美味しい時期と言われており、豊田屋では3月下旬頃まで楽しむことができる。タイミングが良ければ、店先で鮟鱇をさばく姿が見られるかもしれない。 皮、身、肝、内臓、エラ、ヒレなど全てを食べることから、捨てるところがない魚と言われ、部位それぞれの食感の違いを楽しむことができる。低カロリーなのに栄養価が高く、皮は特有のぬめりをもちコラーゲンを多く含む。臭みがなく、皮のブルンとした食感と、むっちりと弾力のある身はやみつきになるだろう。 味噌ベースで提供されるお店も多いが、豊田屋は醤油ベースのあっさり系で飽きずに食べられるため鍋のお替りを頼む人も多い。また、大衆酒場というだけあって、つまみも豊富で安い。壁にずらりと並ぶメニューから選ぶだけで楽しくなる。メニューの下に洗濯バサミがついているものは売り切れのサインになっている。こちらは、ハムステーキ。 下町ならではの酒場らしく、酒も安くて濃い。もちろん飲めない人にもウーロン茶やコーラなどが用意されているのでご心配なく。 冬場は特に1か月先まで予約が埋まった状態。コンロの数も限られているため予約は必須。 豊田屋tel. 03-3618-1674江戸川区平井6-15-2316:30-23:30、日曜定休
2014年02月01日「焼肉ジャンボ」といえば、誰もがその名前を知る有名店。「焼肉」というカテゴリを広め、今や多くの焼肉店で食べられる、「希少部位」の認知度を上げた功績を持つ店の1つだろう。本店は江戸川区篠崎。やや東京の中心から離れた場所にあるが、そのカリスマ性は未だ衰えず。文京区本郷に支店を構えたのが3年前。またたく間に予約が取れなくなり、現在も数日前では席を確保するのは難しい。そのジャンボ本郷店の斜め前に、2013年9月、「ジャンボはなれ」がOPENした。 メニューは本店や本郷店と同じく、希少部位を取り揃えたおなじみの「裏メニュー」も各種揃っている。今後は焼肉というカテゴリにこだわらず、オリジナルの肉料理も提供していくそうだ。ジャンボと言えば、甘味とコクのあるタレが特徴的だが、この日は特に、このタレの風味に文字通り舌をまいた。肉のカットの丁寧さはもちろんのこと、部位に合わせて鰹や昆布などの出汁を合わせ、甘さのある特徴はそのままに、和風のエッセンスを加えて、奥行のある味わいになっていた。焼肉の一品目と言えば、「タン塩」を注文する人が多いと思うが、ほどよい厚切りで脂ののったタン元は、じっくりと肉汁をとじこめながら焼き上げたい。(画像は上タン塩)ジャンボと言えば、「野原焼き」を思い浮かべるほどの、代名詞のような有名メニュー。サーロインを特製のもみだれにつけ、サッと炙って卵の黄身にジャブンとくぐらせる。サーロインの脂とタレ、黄身が三位一体となる至福のメニュー。もちろん白飯と合わせるのも最高だ。内ももの一部で、亀の甲羅に似た見た目から、「カメノコウ」と呼ばれる赤身は、肉のもつ甘味を引き立たせる上品なタレでいただく。お肉の王様とも呼ばれる 「シャトーブリアン」。この部位はお店の方に焼いてもらうのが良いだろう。繊細な食感と味わいを引き出すためにも焼きすぎは禁物だ。楊枝で切れるというパフォーマンスも必見。〆には切り落とし肉が贅沢に入ったカレーがオススメ。数量限定なので早めのオーダーが必要だ。どうして焼肉店で食べるカレーはこんなに美味しいのだろう・・・。特等席は間違いなくカウンターだが、巨大なワインセラーのある地下には、可動式の間仕切りで様々な人数に対応可能な個室があるため、肉好きな人を満足させたい接待などにも重宝すること間違いなしだろう。ジャンボはなれtel. 03-5689-8705京都文京区本郷3-27-9 アンリツビル17:00-24:00、不定休 公式サイト
2014年01月02日ヨーロッパを思わせるレンガ造りの建物の地下にある「Au Temps Jadis(オ・タン・ジャディス)」は、渋谷の繁華街から離れた静かな裏通りにあり、クレープ発祥の地、フランスのブルターニュ地方のガレット&クレープを味わえる専門店です。緑のアーチをくぐりレンガの階段を下り始めると甘い香りが漂ってきます。大きなフランス窓を開けると梁のある天井に漆喰の壁、懐かしさを感じる赤と白のギンガムチェックのクロスがフランスの田舎の家庭的な雰囲気を作っています。店の奥の緑に囲まれたレンガ敷きの明るいテラス席は、犬連れも利用することができます。オーダーしたのは本日のガレット、サラダ、ヨーグルトアイスのはちみつがけ、シードルのランチセットに甘いクレープとエスプレッソ。オ・タン・ジャディスのガレットはそば粉の生地で作る塩味、クレープは小麦の生地で甘味と使い分けられています。クレープリーに来たらフランス流に、シードルをいただきます。シードルとはワイン造りに適さなかったフランスの北の土地で栽培しやすいりんごで作った発泡酒で、りんごの香りが残るシードルはガレットと好相性です。グリーンサラダが入ったかわいいアンティーク風のボウルなどブロカントの雑貨は、2階の雑貨屋さんで購入できます。オ・タン・ジャディスのガレットの定番のひとつである卵、チーズ、トマトは、ピンクペッパーとパプリカが味のアクセント。生地はサクッと香ばしく焼かれ、ナイフをいれると半熟の卵がとろりと流れだし、切りながら具材と絡めながらいただくのが最高、食事としても十分満足できます。クレープの一番人気は塩バターキャラメルだそうですが、私のお気に入りはバターとグラニュー糖。折り紙のように畳まれたクレープは厚めの生地でもちもち、シャリッとしたグラニュー糖に塩気のあるバターが溶け出して、うっとりするおいしさです。クレープを無性に食べたくなる時があり、オ・タン・ジャディスにはひとりでも足を運びますが、今までたくさんの友人を誘って出かけました。来年オープンして20年を迎えますが、店の持つ温かい雰囲気、笑顔になれる信頼の味、ずっと変わらずそこにあって欲しいと思うクレープリーです。Au Temps Jadistel.03-3770-2457東京都渋谷区神南1-5-4 ロイヤルパレス10211:00~20:00(L.O.19:30)、水曜日定休日 公式サイト
2013年12月27日吉祥寺にある、現在予約2か月待ちの「肉山」。オーナーが1人で切り盛りし、赤身肉を存分に堪能できる肉料理屋さんをご紹介します。 コースのみで、お値段は5000円。ビール、ワイン、焼酎他、高級酒を含むドリンクの飲み放題をつけると10,000円という破格な値段設定。馬ヒレ刺身とにかく豪快な店主。思う存分に肉と酒を味わってもらいたい! という気迫さえ感じるコースと料金設定だ。 提供される肉は、馬・豚・牛の赤身ばかりを使用し、脂でもたれることもなく、食後感が軽い。控え目な塩のみで味付けされており、店主が厳選した調味料(タスマニア産マスタード、柚子胡椒、胡椒の塩漬け、コチュジャン、実山椒など)で好みの味にアレンジし変化させながら楽しむ。馬ヒレロースト怒涛の肉コースは熊本産馬ヒレの刺身からスタート。馬は元々脂肪分の少ない肉。その淡泊な風味に黄身醤油でコクをプラス。馬ヒレは後ほどローストでも提供される。生と火を入れた状態の違いも楽しめる。北海道産の豚は低温でじっくりと火を入れている。パサつくこともなく旨味がギュッと閉じ込められていた。北海道産の豚熊本産あか牛ももとランプのロースト。赤身肉ならではの美しい断面にもウットリ。脂がほとんどない部位なので、アッサリサッパリしている。あか牛ももあか牛ランププチトマトときゅうり、アスパラとエリンギなど、野菜類も新鮮でみずみずしく味が濃い。野菜シメはTKGかハヤシライスからのチョイス。TKGは出汁醤油とゴマ油の組み合わせが絶妙すぎてサラサラと食べてしまう。TKGなかなか予約が困難なお店ではあるが、肉を思う存分に食べたい! という方はこの肉山登頂にチャレンジしてみてはどうだろう。肉山tel. 0422-27-1635東京都武蔵野市吉祥寺北町1-1-20 藤野ビル2F金土日の夜定休※完全予約制につき時間は要問合わせ
2013年12月25日美味しくて、たくさん食べられて、健康になれる、そしてちょっとステキなお店だったりすると、つらかった仕事のことも忘れちゃう。働く女性のために心も体も満たされる、ご褒美レストランを紹介。この1食が、あなたの明日を救います。■“カワイイ”が詰まった朝ごはんカフェ表参道駅から徒歩7分、外苑西通りを神宮前に向かって進むと、右手にやわらかいイエローの壁が見えてくる。一日中、世界の朝ごはんが食べられるカフェレストラン『WORLD BREAKFAST ALLDAY』だ。オランダのアンティーク雑貨や布地で飾り付けられた店内は、さながら“外国のリビング”のよう。ユニークなデザインのビール瓶を窓際に並べたり、提供している料理が生まれた国の民芸品を飾ったりと、親しみやすい雰囲気にあふれている。テーブルは、大きな長机が一つだけ。知らないお客さん同士でそれを囲めば、まるで一家団欒のような気分で食事が楽しめるのだ。 ■外国のリアルな朝ごはんから見えるものWORLD BREAKFAST ALLDAYでは2カ月に1回、テーマとなる国が変わり、メインやドリンクのメニューもリニューアルする。取材をした10月はベトナムで、その前はメキシコ、ヨルダン――いつも新鮮な気持ちで来店できるのがうれしいところだ。コンセプトを朝ごはんとした理由は「その国の文化がよく表れるから」。さまざまな国に出かけても、ホテルの朝食はイングリッシュブレックファストが主流だが、本来は各国にバラエティー豊かなメニューがある。「日本なら米に味噌汁、焼き魚、スペインならプレッツェルとホットチョコレート、韓国はビビンバ……。そういった各国の伝統的な“朝ごはん”を提供することで、お互いの国に興味を持ってもらい、コミュニケーションが生まれたらいいな、と思っています」と、ディレクターの柴田智子さんは話す。 >>続きを読む
2013年11月18日自由が丘駅前から歩くこと10分、自由通り沿いの2階建ての一軒家がカフェL'atelier de maison de campagne(ラトリエ・ドゥ・メゾン・ドゥ・カンパーニュ)です。一見雑貨屋さん風で通り過ぎてしまいそうですが、階段を上ったらすぐ入口、シェフの奈緒美さんが「こんにちは~」と、大きな笑顔で迎えてくれます。白い店内は1階にキッチンがあり、テイクアウトもできる自家製の天然酵母のパン、季節のジャム、フルーツタルトやピクルスなどが並んでいます。2階のカフェは自然光が入り、中心には大きなテーブル、奥にはヨーロッパで買い付けした食器やガラス瓶などがディスプレイされ、まるで蚤の市のようです。ランチのキッシュのプレートには、パンチェッタ、マッシュルームの入りのグリーンサラダ、人参のラペ、トリュフオイルがかかったキャベツのマリネ。じゃがいもとレンズ豆のキッシュは、ふんわり口の中でとろけます。洋雑誌の中のテーブルのようなスープセット。選んだ飲み物は赤ワイン。スープの具にはグリルした塩豚、白インゲン、人参、キャベツ、セロリ、ベーコン、かぶ。野菜の旨みがたっぷり出たスープはしみじみしたおいしさです。セザンヌのような絵のような色合いが美しい、いちじく、プラム、洋ナシのタルト。ふと気がつくと、窓から入り込む黄色い日差しの中で、“羊毛とおはな”が歌うPerfectが流れていました。パリのアトリエ風の空間に風のような歌声がとても似合います。料理はフランスの田舎料理風。胃袋だけが満たされるのではなく、食べる人を喜ばせたいと思う奈緒美さんの気持ちがお皿に上に添えられているようで、幸せな気分にしてくれます。落ち着ける雰囲気なので本を広げ、ひとりでゆっくりお茶をする方も多いそうですが、私にとって大事にしたいカフェのひとつです。L'atelier de maison de campagnetel.03-6421-3940東京都目黒区自由が丘1-19-2310:00~19:00(土日9:00〜19:00)、水曜日定休 公式ブログ
2013年11月16日2013年7月にOPENした「楽記」。店名はラッキ(Lucky)と読む。香港の広東式焼物(シュウメイ)と自然派ワインをウリにしており、香港に行かずして本場と同じ料理を楽しめる、今までになかったニュータイプの中華料理屋だ。キラー通りから小路を入った突き当たり、g.g.Luckyの赤いネオンが光る一軒家。扉を開けるとガラス張りのキッチン前に吊るされた、アヒルやカモが目に飛び込んでくる。香港から取り寄せた大きな釜で焼き上げる焼物は、空気の対流を利用し、炭焼きなのに蒸し焼きになるという。ここで楽しむべきは、この焼物とワインで、野菜のメニューは1つしかない。自然派ワインはその製法ゆえ、旨味やえぐみを強く感じるものもあるので、好みについてはお店のスタッフと相談するのが良いだろう。グラスワインはもちろん、ボトルも幅広い価格帯のものが揃っている。燒鴨:炭火釜焼アヒル1/4羽(1,900円)美しい焼き色がついた皮目は、まさにパリッパリと表現するにふさわしいパリパリ感。アヒルの旨味がぎゅっと閉じ込められている。シンプルに調理されているので、パイナップルと梅干とガリを使った醤をつけると、甘酸っぱい風味が加わって変化が楽しめる。脆皮燒肉:皮付き豚バラ肉のクリスピー焼き(1,300円)クリスピーな衣をまとい、噛むほどに絶妙な塩梅で味付けされた豚バラの旨味がにじみだす。脂身も甘く、さっと口の中で消える軽さがある。蜜汁叉燒:炭火釜焼きチャーシュー(1,300円)見るからに甘い、照りのあるソースに囲まれているが、しつこさがなく、むしろどんどん箸が進んでしまう。肉はしっとりと、ジューシーに仕上がっている。貴妃鶏:鶏の特製醤漬け1/2羽(1,500円)特製の醤がしっかりと染み込み、骨からほろりと身が離れる。ネギ塩のタレがついてくるが、合わせるとやや塩辛く感じたため、個人的にはそのままいただくのが好みだった。海鮮清蒸し:本日の魚の蒸し物(時価)その日のオススメの魚を丸ごと蒸し揚げ、スープに溶け出した旨味を全ていただく豪快かつシンプルな料理。ここにご飯を投入しても旨そうだ。咸魚鶏粒炒飯:ハムイ入りチャーハン(1,400円)こんなに「パラパラ」という単語がピッタリな炒飯に今まで出会ったことがあっただろうか。日本の米よりやや細長い米の一粒一粒に、ハムイ(発酵させた塩漬けの魚)特有の、塩気のある風味がしっかりとついている。どうしたらここまで水分を飛ばせるのだろう、と考えながらどんどんレンゲが進んで行き、あっという間になくなってしまった炒飯だった。香港の雑多な雰囲気とは異なり、店内は洗練されている。現地で味わった料理を回顧するかのような、比較的年齢が高めの客層で、落ち着いている。クオリティを考えると値段は決して高くなく、満足度が高いと言えるだろう。現地に行ったことがある人も、まだ行ってない人も、東京のど真ん中で香港を体験してみてはどうだろう。楽記(ラッキ)tel. 03-3470-0289東京都渋谷区神宮前3-7-418:00-23:00(土曜15:00-21:00)日曜定休
2013年11月15日池袋、赤坂、銀座、六本木、神田と東京の中心に店舗を展開中のKollabo (コラボ)。Korea+Collaboration = Kollabo という店名の通り、韓国で人気のある有名店11店舗と提携し、現地のレシピをそのままに、本場韓国の味を楽しめる。韓国の飲食店は、それぞれメインとなる看板メニューがあり、それだけを主に扱う専門店であることも多い。そんな名物料理を一度に味わえるのが、ここコラボだ。オーナーのイム氏は日本で働く金融マンだったが、日本で食べられる韓国料理にガッカリして脱サラ。その金融マン時代の人脈を随所に活かしている敏腕オーナーだ。1号店は池袋のヤマダ電機総本店内のレストランフロア。この場所への出店もヤマダ電機社長とのお付き合いゆえである。単品でもコースでも必ず食べてほしいのは、カンジャンケジャン(生の渡り蟹の醤油漬け)。現地でも有名な「プロカンジャンケジャン」だが、その創業4姉妹の長女直伝レシピによる秘伝のタレに漬かっている。この秘伝タレはオーナーのイム氏のみが伝授された、門外不出のレシピ。カニ味噌をご飯に乗せてタレをたっぷりかけ、刻み海苔をまぶして食べるのも最高。海鮮チヂミは今やどこでも食べられるメニューだが、具沢山で外側はカリッと、中はフワッと仕上がっている。飽きのこない、サッパリしたタレも特徴。焼き物の中ではずせないのは、コラム最初の画像のサムギョプサル。厳選した国産豚を使い、燻製しているので香りがいい。豚肉は表面が少しカリッとするまで焼くのがポイント。ネギと味噌をたっぷりのせた肉をサンチュとエゴマの葉に巻いていただく。みすじやザブトンなどの希少部位は岩手と山梨から直送でA4/A5のみを使用している。程よい脂が口の中にやわらかく広がる。店舗によっては個室も多数あるため、宴席にもピッタリ。昼のランチはリーズナブルに提供しており、夜は単品やコースの他に定食もあるので、夜のお1人様でも気軽に寄ってほしい。しかも定休日は元日のみの年中無休、通し営業と使い勝手も良い。訪韓歴15回を超える私が太鼓判を押せる、本場韓国の味。 Kollabo(コラボ) 池袋本店豊島区池袋1-5-7 ヤマダ電機LABI7Ftel. 03-5944-921111:00-23:00赤坂店港区赤坂3-12-2tel. 03-6426-5693平日11:00-04:00、土日祝12:00-22:00六本木店港区六本木7-14-3 Xeビル3Ftel. 03-5785-292511:30-23:00銀座店中央区銀座3-4-18 大倉別館ビル1Ftel. 03-5524-0383平日11:30-23:00、土日祝12:00-23:00神田店千代田区内神田3-9-6tel. 03-5298-257712:30-22:00
2013年11月01日世界一予約の取れなかったレストラン、スペインの「エル・ブリ」。 2011年7月に突如閉店し、今となっては伝説でしかない。ごく一握りの選ばれた人だけがそこで働くという権利を与えられ、その貴重な経験を持つ日本人はわずか数名。 そのうちの1人、チョイ悪な風貌の永島氏がオーナーシェフをつとめる、 完全予約制、全8席のレストラン、「81(エイティーワン)」。 2012年11月にOPENし、店名は日本の国番号である81に由来する。エル・ブリでの経験に、日本固有の食材と、永島氏のインスピレーションを融合した新しい枠組みの料理は、 今もてはやされている料理へのアンチテーゼにも近い。19:00スタートのディナーのみ、全8席、コース1本、ペアリングワイン付で15,000円。料理に合わせ、スパークリング、白ワイン、赤ワイン、デザートワインが提供される。 メニューには日本語はなく、英語の単語のみ。余計なインプットをなくし、想像力を掻き立てるという意味を込めるが メニューを見ながら食べるのではなく、帰宅後に再度メニューをながめて料理を反芻してほしいそうだ。ネタバレしてしまうと楽しみが半減するので、ここで料理について多くを語るのはやめておこう。 写真からどのような料理なのか想像して訪問する日を楽しみにしてほしい。9月某日、6名で貸切をさせてもらったが、1名の到着が少々遅れていた。 それを見たシェフが即興で作った一皿からスタート。試験管に入れられた細長い物体は、オーブンから出てきたアツアツの状態。スパークリングが進む、スターターにふさわしいスナック。この食材の正体を知ったら驚くに違いない。トマトのカクテルと命名され、温冷それぞれの温度の違いを楽しめる。 温度が変化しないように急ぎながらも、隠れた食材を見つけるべく、慌てずに味わいたい。卵をそのまま使ったこの料理は、カルボナーラ。 崩した卵と、その下に潜む食材とを合わせながら食べ進める。密閉できるポットは81で定番として使われる食器の一つ。 蓋を開けると、閉じ込められていた香りが瞬時に広がる。 ポットの中身は日によって変わるのもお楽しみ。エスプーマに隠れた料理と、野菜だけを使ったスープを挟み、いよいよメイン。魚料理は秋鮭。あえて皮目とは反対側に胡麻をたっぷりとつけている。 ソースはコントラストが綺麗なピンクとグリーン。どちらも日本特有の素材を使っている。岩手短角牛が本日のメイン。レアに仕上げ、赤ワインとホースラディッシュのエスプーマをソースにしている。 このソース、肉の火入れ途中にシェフが突然思いつき、エスプーマを作る機材を貸し出していた、 近所のレストランまで走って取りに行くという、予想外のハプニングもあった。料理を作りながら常に発想し、アレンジを即興で加えていくという、その日だけのオリジナル料理でもある。 シェフの情熱や哲学を間近に感じ、計算された料理を体験してもらいたい。2名から訪問可能だが、シェフとの近い距離感と、店の空間全てとの一体感を楽しむには ややハードルは高いが、6-8名貸切がベストだと思う。あまり情報をインプットせずに、そのまま飛び込んで体感するのがオススメだ。81(エイティーワン)tel. 03-6909-4850東京都豊島区西池袋5-25-2 B1F18:30 Door Open、19:00 Dinner Start日曜、祝日定休
2013年10月07日フードコーディネーターの長尾智子さんが料理のデレクションをなさったカフェが葉山に出来ました。道中、どんなお料理が味わえるのかワクワク、友人との会話も弾みます。一色海岸のそば、セレクトショップSUNSHINE+CLOUDの店の一角にカフェがあります。虎屋の保養所をリノベーションした建物は、一般住宅のようでうっかりすると見逃してしまうところでした。店内は高い天井に庭が見えるたくさんの窓が開放的で、海の暮らしに似合いそうなバッグ、サンダル、着心地が良さそうな服が並んでいました。花も植物も売り物です。ビーチはもちろん、買い物にもよさそうなカゴがありました。2階の事務所に続く階段下には料理、アート関係が並ぶブックコーナー。もちろん長尾智子さんの料理本もあります。表紙とガラス器に入ったほおずきがオレンジつながり、さりげなくセンスがいいですね。店につながる大きなガラスの向こうがカフェの「オーバーイージー」。「オーバーイージー」とは、両面焼きの目玉焼きのこと、おおらかで気楽そうな響きから名付けたそうです。ワンコはカフェには入れないので、アインは入口で待っていました。白い壁、大きなテーブルと椅子にオープンキッチン、こんな空間大好きです。友人が注文したドリンクはWジンジャーソーダ。底に沈んでいるのはジンジャージャム、ピリッとした辛味が刺激的で暑い日に最高です。朝焼けのような美しいドリンクはスペシャル梅ソーダ、爽やかな酸味が美味しい。2人とも一気に飲み干してしまいました。食器も長尾智子さんセレクト。メニューは地元の食材を使った4種。サンドイッチ、季節のポタージュ、カレーなどの中から、私たちは冷たいトマトのポタージュ+スローベイクドベジタブルにしました。ゴーヤとズッキーニが添えられた完熟トマトのポタージュは細胞が喜びそうです。スローベイクドベジタブル。イタリアの業務用のお皿の上には1本の人参、玉葱、トマト、万願寺唐辛子、じゃがいも、いんげん。オーバーイージーの湘南玉子をトッピング、長尾智子さんの料理を知らない友人は、野菜の大胆な料理方にびっくり、感動していました。野菜はじっくりと時間をかけてロースト、旨みが引き出されていました。玉葱はトロッと甘く、じゃがいもはほっくり、シンプルに素材を活かして調理する、やっぱり長尾さん流です。ずばぬけておいしかったのは、ふんわり、しっとりの自家製スコーン。オレンジのバターナイフは、蜂がついたジャンデュボで、そんなちょっとしたこだわりも素敵です。苦味が強い山コーヒーはイッタラのカップに、日替わりで海コーヒーもあるそうです。デザートは、バニラアイス+パッションフルーツ+奄美ハニー奄美のはちみつ、おいしいですねー。 午後3時からはハッピーアワーになるそうです。朝寝坊をした日はひとりでふらっと出かけ遅めの食事をとる。オヤツから夜に入る時間帯は大きなテーブルを囲んで友達とおしゃべりしながらゆるゆると過ごす。海の近いせいかのんびりした葉山時間をオーバーイージーでは過ごせそうです。季節ごとの長尾智子さんのメニューが楽しみ、寒くなったらまた出かけましょう。OVER EASY(SUNSHINE+CLOUD内)tel. 046-876-0746神奈川県三浦郡葉山町一色2151-111:00~18:30(L.O.)、月曜日定休 ・公式サイト
2013年10月03日JR新宿駅東口から徒歩5分。新宿伊勢丹のB2Fに、“健康と美”をテーマにした「ビューティーアポセカリー」という専門店街があるのをご存知だろうか。さまざまなオーガニックの食品やコスメが並ぶフロアでひときわ賑わっている『HATAKE CAFÉ』が、今回紹介するご褒美レストランだ。■“健康と美”を作る野菜たっぷりのデリカフェ地下にあるものの、木漏れ日をイメージした天井の細工やプリザーブドグリーンをあしらった壁が、まるで自然光が降り注ぐオープンカフェのような雰囲気を演出。伊勢丹内で最も大きい90席のイートインスペースに加え、テイクアウトできるデリの販売コーナーも併設しており、一日中客足の絶えない人気店だ。 ■野菜の仕組みや旬を熟知しているからおいしい料理が作れるHATAKE CAFEの料理は、その名のとおり野菜がウリのイタリアン。長い付き合いの生産者や信頼できる仲卸を通じて、毎日新鮮な野菜を仕入れている。「旬を外さないことが、おいしい料理を作る第一歩」と話すのは、総料理長の神保さんだ。コーンスープひとつ取っても、夏に収穫したてのとうもろこしで作るのと、冬に缶詰を使うのとではまったく味が違う。夏の大根は自分を暑さから守るために辛くなり、冬は凍らないように糖度を強めているから甘くなる。暑い場所で育つ茄子やピーマンは冷蔵庫で保管しない――そういった野菜の仕組みや旬の味を理解することで、本来の美味しさを100%活かせる料理が作れるのだという。 >>続きを読む
2013年09月30日