タムロンは9月2日、一眼レフ用の新作交換レンズ2本の発表会を開催した。この日発表されたのは、「SP 35mm F/1.8 Di VC USD」(Model F012)と「SP 45mm F/1.8 Di VC USD」(Model F013)。会場内には、さっそく試写を行えるタッチ&トライコーナーも設置され、その画質やフォーカスフィーリングなどを体験できた。○タムロンの顔、SPレンズ最初に登壇したのは、タムロン 専務取締役の大瀬英世氏。2015年で65周年を迎えるにあたり、タムロン製品の中でも秀でた光学性能と高機能、持つ喜びを満たす「SP(=SUPER PERFORMANCE)レンズ」を刷新すると発表した。タムロンのSPレンズ、と聞いて誰しも思いつくのが90mmマクロだろう。1978年登場の「SP90mm F2.5(Model 52B)」以来、90mmマクロはタムロンを代表するレンズとなった。また、2012年以降には、F2.8シリーズを発売。MTF(レンズ性能を評価する指標のひとつ)の全数検査を行うなど、品質への徹底した姿勢が好評を博した。そのSPシリーズを今回リニューアルする理由を、タムロン 上席執行役員 千代田路子氏は次のように語る。「現在、市場におけるデジタル一眼レフカメラの高画素化といった性能向上やユーザーの裾野の広がりに伴い、光学性能、アクチュエーターの進化、防振など新機能の搭載、デザインの向上といった開発課題がより重要性を増しています。そこで、SPレンズの強化をさらに推進する必要があると考えました」(千代田氏)また、「今後はSPの称号を高性能レンズとして確たるものにしたい」とも。そのため、今回のリニューアルでは外観にも力を入れたという。10年間にわたって親しまれたトレードマークの金リングも、意匠を変えた。「タムロンは他にないレンズの開発を常に念頭に置いています。オリジナリティを尊重し、写真ファンに新たな選択肢を提供することがレンズ専門メーカーの役目だと思っています」と、千代田氏は語る。確かに、35mmと45mm、それもF1.4ではなくF1.8のレンズを同時発売するなど、前代未聞かもしれない。○3つの特長「キレイ、寄れる、ブレない」続いて、タムロン 商品企画部 部長の佐藤浩司氏が登壇。各製品について説明した。まず、今回発表した「SP 35mm F/1.8 Di VC USD」と「SP 45mm F/1.8 Di VC USD」に共通する特長として「開放から使える高い描写性能」「新しい映像表現を可能にする短い最短撮影距離」「高画素機で目立ちやすいブレを抑える大口径用手ブレ補正機構の搭載」の3点を挙げ、佐藤氏は「キレイ、寄れる、ブレない」と言い換えてみせた。続いて、35mmと45mmという近い焦点距離のレンズを同時発表したことについて、以下の3つの理由を挙げた。タムロンはこれまで標準域の単焦点レンズを開発してこなかった。そこで、基本に立ち返ろうと考えた単焦点は標準域がほしいという要望が多かったフルサイズ用として考えると広角好き、標準好きどちらのユーザーにも常用レンズとして選んでもらえる。APS-C機で使えば、35mmは54mmの標準レンズとして、45mmは72mmの中望遠ポートレートレンズとしておすすめできる余談だが、質疑応答で千代田氏は、45mmという珍しい焦点距離について「50mmはすでに銘玉が数多く存在するが、他にないレンズの開発を目指しているタムロンとして、45mmのレンズを開発した」「開発者が45mm好き、というのもある」と、半分ネタのようなコメントも述べている。また、開放絞り値をF1.4ではなくF1.8とした理由について、佐藤氏は以下のように述べた。「前出の特長(キレイ、寄れる、ブレない)と、使いやすいサイズをベストなバランスで作り上げるためF1.8としました。特に防振については、大口径用の手ブレ補正ユニットをいかに収めるかに苦心しました。光学設計と機構設計のせめぎ合いを、工夫を重ねて乗り切っています。結果、非常に実用性の高いレンズとして仕上がったと思います」(佐藤氏)。手ブレ補正の効果については、SP 35mm F/1.8 Di VC USDが3.0段、SP 45mm F/1.8 Di VC USDが3.5段(ともにCIPA基準)とのこと。各製品の詳細な仕様等については、こちらの記事をご参照いただきたい。○新しいアイコン、ルミナスゴールドのリング千代田氏の言葉にもあったように、今回のSPレンズのリニューアルでは、その外観デザインも重要な要素となっている。デザインを担当したタクラム デザイン エンジニアリング代表 田川欣哉氏は、タムロンの開発者約50人と密に対話を繰り返し、以下の3つのポイントを導き出したという。高品質でトータルバランスの良いデザインひと目見てタムロンの製品と判るアイデンティティレンズキャップやボックスも含め、統一された世界観の構築特に、2つめのアイデンティティについては、ユーザーにお馴染みの金リングを一歩進める形で新たなデザインに昇華。新たなルミナスゴールドのリングとして、レンズ下端(マウント縁)に配置し、新たな意匠とした。「普通、こういったブランドリングは4~5mm幅ですが、今回はこれを8mmとしました。このブランドリングは、SPレンズの新たなアイコン(象徴)であると同時に、その位置からカメラとの結合性や、ユーザーとタムロンの契約、クオリティなどを表現したものでもあるんです」(田川氏)なお、このリング部分にはわずかに丸みを帯びた逆テーパーが付けられている。カメラを構えてレンズに左手を添えたとき、この逆テーパーが気持ちよく指に沿うのだ。また、AF/MF切り替えスイッチと手ブレ補正のON/OFFスイッチも親指の幅に合わせており、今までにない形であるだけでなく、ファインダーをのぞき込んだままのブラインド操作も可能にしている。○タッチ&トライ会場にはタッチアンドトライコーナーが設置され、多くの試用実機が用意された。筆者も実際に試写させてもらったが、フォーカスの迷いのなさ、静音性、手ブレ補正効果ともに十分納得できるレベル。開放値のピントに関しても、会場に用意されたフルサイズ機では見事な精度を見せてくれた。装着したカメラ個体とのマッチングによる精度アップの可能性を差し引いても、その実力は十分に期待できそうだ。
2015年09月03日運動会は子どもの成長を写真に収められるチャンス。ですが、速い動きや子どもとの距離がネックになって、撮影しづらいものです。今回は、人が多い場所でも子どもの魅力をくまなく写せる、カメラ初心者のための運動会撮影テクニックをご紹介します。 これだけは用意しておきたい、運動会撮影のための必須アイテム4つまずは、用意しておきたいアイテムを紹介します。(1)望遠レンズレンズの倍率は、望遠側が250mmや300mmくらいのものがあるとよいでしょう。もし「買うのが間に合わない」という場合は、お手持ちのレンズで撮影画質を最高にして、最大にズームし撮影した後、子供が写っている部分だけをトリミングするという手もあります。その場合、画素数は1,600万画素くらいに設定しておけば、拡大してもきれいに切り取れます。 (2)レンズ保護グッズ運動会はレンズにとって過酷な環境。砂ぼこりが舞う中を長時間、人混みの中から撮影するため、レンズには必ず保護フィルターをつけましょう。強過ぎる太陽光を遮り、光の写り込みを防ぐためにフードもあるとよいかもしれません。 レンズの先についている、花のようなかたちのものがレンズフード。強い日差しを避けたり、レンズを衝撃や汚れから守ったりする働きがあります。(3)予備バッテリー運動会は朝早くから山場が多く、カメラの設定を変えたり動画を撮ったりデータを確認したりと、電源をオンにしている時間が長い1日です。そんな時に電池が切れてしまっては、頑張って持って来たカメラも、ただ重いだけの邪魔ものになってしまいます。 年に一度の運動会、そうならないように予備バッテリーは必ず用意しておきましょう。 ちなみに予備のバッテリーは純正品以外でも良いですが、保証期間内に純正品以外を使用したことが原因で故障した場合は保証の対象外になってしまうことがあります。それを考慮すると、純正品で揃えておくのが無難かもしれません。 (4)SDカードSDカードは、写真のデータを保存する大切なカード。せっかく撮った写真のデータが消えてしまっては元も子もないですから、とにかく信頼できるメーカーのものを選びましょう。容量は、動画も撮る場合は32Gがおすすめです。読み込み速度はClass10くらいのものを用意できていると安心です。SDカードの読み込み速度については、 こちらの記事 で説明しています。初心者はスポーツモードが安心続いて、カメラの設定です。一番手軽に失敗なく、動く子どもを撮影できるのは、やはりオートモードの中でもスポーツモード! シャッタースピードが速く、連写もしやすく、「数打てば当たる」方式で良い写真が撮れやすいといえます。 ですが、機種によっては、連写している間は液晶が真っ暗になるものがあるので、最初にピントを確かめてから撮影しましょう。 スポーツモードがないカメラの時はもし、お手持ちのカメラにスポーツモードがない場合は、Sモード(シャッター優先)でシャッター優先を1/250以上に設定する と、スポーツモードに近い写真が撮れます。ISO感度は晴天なら100~200、曇りなら400~800の間で調節を。「ISO数値は、周りが明るければ明るいほど少ない数値」と覚えれば、わかりやすいですね。 コンティニュアスAF(AF追尾)を使おうなお、「半押ししてピントを合わせたのに、シャッターを切ったらブレていた」ということもよくあります。これは、半押しした時の距離でカメラがピントを合わせたのに、シャッターを切るまでに被写体が動いてしまったことで起きる現象です。 やり直しのきかない運動会で失敗せずに撮るには、コンティニュアスAF(AF追尾)という機能を使いましょう。 すると、シャッターを半押しした時に被写体との距離が変わっても、カメラが自動でピントを合わせ続けてくれます。 思い出に残る運動会写真を撮るためのコツ最後に、思い出に残る写真を撮るためのコツをご紹介しましょう。(1)会場全体の配置を把握し、写真を撮れる位置をチェックする運動会のプログラムを手に入れたら、最初に会場全体の配置を見ます。徒競走のスタート地点とゴール地点、ダンスを踊る場所、入場と退場する方向、待ち時間の位置など、どこから撮れるかを考えて、子どもにも伝えておくとよいでしょう。 そうすれば、子どももカメラに向かってサインやポーズを取れるはずです。<競技別おすすめの撮影ポイント>◇リレー子どもたちが走るコースのカーブ部分を撮影するのが、ドラマティックな写真を撮る意味でもおすすめです。順位によっては前の子たちとかぶってしまう可能性がありますが、子どもの「今ここで抜かす!」という真剣な表情を狙える場所でもあります。 また、ゴールテープ前は撮影する場所取りの競争率が高いスポットですが、子どもが走り込んでくる直前に、テープを持っている先生にピントを合わせてロックしておき、ゴールした瞬間、子どもに向けてシャッターを本押しすると、くっきり良い表情が撮れます。 ◇障害物競争、玉入れ、綱引き、大玉ころがし見返した時、動きのある楽しい写真を撮るには、たとえば障害物競走では子どもが障害物と相対している瞬間玉入れでは球がたくさん飛んで盛り上がっている場面綱引きは子どもの体重が後ろに行き切った瞬間の表情大玉ころがしは後半よりも前半 に連写すると、より動きがあって思い出に残るショットが撮れやすいでしょう。 (2)校庭や校舎など、全体の雰囲気がわかる写真も撮っておく望遠レンズやズーム機能に集中し過ぎていると、あとで自分の子どものアップや全身しか撮れていない写真ばかりになってしまうので、意識して時々背景の校庭、学校の雰囲気なども撮っていきましょう。 あとでアルバムにする時に、こうした写真が活きてきます。ほかにも、運動会に向けてはりきって練習している姿、運動会で使う小道具を家で構えてみた時の笑顔などを、練習がてら撮っておくのもよいかもしれません。さらに、運動会当日の早起きして作ったお弁当、支度でドタバタそわそわした子どもの様子、席取りをしている様子、運動会の飾りやポスターや学校の校門、お昼休憩にみんなでお弁当を食べている笑顔、普段撮れないたくさんの友達との交流なども押さえておくと、運動会に来られなかったおじいちゃんおばあちゃんにも、より臨場感ある楽しさが伝わります。 1年に一度きりしかない運動会、「撮影も失敗できない」と必死になり過ぎるよりも、子どもにとっては「家族が自分を応援してくれている。」ということが何より嬉しいものです。一緒に盛り上がって「楽しむためにカメラを使う」という気持ちで撮影できたらよいですね。 (森山亜美香)
2015年09月02日アクト・ツーは7月31日、USBポートを2基備えた「iUSBport CAMERA 2」を発売した。キヤノンとニコンのデジタル一眼レフカメラと接続すると、USBメモリやUSB HDDのほか、スマートフォンにも撮影データをWi-Fi経由で保存できる。直販価格は税別34,800円だ。従来モデル「iUSBport CAMERA」のユーザー向け優待版は税別29,800円。iUSBport Camera 2は、付属のケーブルでカメラとUSB接続して使う。Wi-Fi(無線LAN)機能を持ち、スマートフォンなどへ撮影データを無線で転送可能だ。USBポートを2基備え、USBメモリやUSB HDDといったストレージを接続すれば、カメラ内にセットしたSDカードなどのメディアだけでなく、iUSBport Camera 2に接続したストレージにも撮影データを保存できる。カメラのホットシュー部分にセットできる専用ホルダーが付属。iUSBport Camera 2とWi-Fi接続したスマートフォンから、カメラをリモートコントロールできるアプリも用意。マニュアル設定を行えるほか、スマートフォンの画面上をタップすれば、任意の場所にピントを合わせられる。また、電波干渉の起きにくい5GHz帯を利用できるようにする「5GHz 300Mbps USBアダプタ」も付属。アダプタをiUSBport Camera 2のUSBポートに設置すると、より安定した通信が可能となる。カメラと接続していない際は、USBメモリやUSB HDDといったストレージとスマートフォンなどをWi-Fi接続してデータの送受信を行える。また、一方のUSBポートにSDカードなどをセットしたカードリーダー(別売)、もう一方にUSB HDDなどを接続すれば、SDカード内のデータをUSB HDDにコピーできる機能も搭載。そのほか、容量3,300mAhのバッテリーを内蔵し、モバイルバッテリーとしても使用可能だ。対応するカメラはキヤノンの「EOS Kiss X2」「EOS Kiss X3」「EOS Kiss X4」「EOS Kiss X5」「EOS Kiss X6」「EOS Kiss X7」「EOS 40D」「EOS 50D」「EOS 60D」「EOS 70D」「EOS 7D」「EOS 6D」「EOS 5D MarkII」「EOS 5D MarkIII」「EOS-1D MarkIII」「EOS-1Ds MarkIII」「EOS-1D MarkIV」「EOS-1D X」「EOS-1D C」、ニコンの「D5000」「D5100」「D5200」「D5300」「D90」「D7000」「D7100」「D300」「D300S」「D700」「D600」「D610」「D800」「D810」。サイズはW75×D24×H58mm、本体のみの重量は119g。USBポート×2のほか、microSDカードスロットを備える。USB接続して充電し、最大で約8時間の使用が可能だ。
2015年08月03日コンパクトカメラで撮影した写真と一眼レフで撮った写真の、もっともわかりやすい違いは「ボケ味の表現力」にあります。対象だけがくっきりと写り、背景はボケている。なんともいえない味があって、素敵ですよね。そんな写真を撮りたくて、一眼レフを買う人は少なくありません。しかし、そんな写真をうまく撮るには、こまかくあれこれ設定をいじる必要があります。調節手動ですべての数値を調節して撮影していくのは、初心者にはまだ難しい…。そこで今回は、一眼レフ初心者が、簡単にボケ味のある写真を撮るにはどうすればよいかについてご紹介します。 ボケ味のある写真を撮るための、もっとも簡単な方法オートモードでカメラを構えてシャッターボタンを半押しすると、ファインダーを覗いた時にAFフレーム(測距点)という四角い点のようなものが見えるでしょう。 これは撮影する際にどのポイントでピントを合わせるかを示してくれているもの。 シャッターボタンを半押しすると、「ここにピントを合わせますよ」と部分的に光って教えてくれるのです。 しかし、これだけでは、本当にピントを合わせたい、ねらった部分にピントが合わないことがあります。 本当はケーキにピントを合わせたいのに、手前にあるコーヒーにピントが合ってしまうなんて、よくあること。 このような場合は、自分でどこにピントを合わせるかを決める必要があります。 そのための方法は以下の通りです。まずは、フォーカスエリアを選択します。 AFフレーム選択を、画面の真ん中で常にピントが合うように切り替えましょう。そして、ピントを合わせたい被写体の一部分(ねらった部分)をファインダーの中央に持ってきてシャッターを半押し、もしくはカメラ機種によっては、AFロックボタンを押します。 こうしてピントを合わせたいところにフォーカスを合わせて、ピント位置をロックします。ピント位置をロックしたままカメラを動かし、自分の好きな構図にしてから、シャッターを深く押して撮影します。 この時、くれぐれも注意したいのは、カメラを真横にだけ動かすこと。 遠ざけたり近づけたりしてしまうと、せっかく合わせたピントがずれてしまいます。 被写体との距離は変えずに、素早くシャッターを押しましょう。 このフォーカスエリアの選択とフォーカスロック機能が使えるようになれば、初心者でも数値の調節なしにピントを手早く調節できます。ですが、あまりに被写体に寄り過ぎて、レンズの最短撮影距離を上回ってしまうと、ピントがまったく合わなくなることがあります。そんな時は、一旦被写体から少し離れて、ピントを合わせ直しましょう。 絞りと焦点距離を調節して、ボケ味のある写真を撮るカメラは絞りが開くほど(F値が小さくなるほど)ピントが合う範囲が狭くなり、立体感ある、ボケ味のある写真を撮ることができます。反対に、絞りが閉じれば閉じるほど(F値が大きくなるほど)ピントが合う範囲が広くなり、平面的でくっきりした写真が撮れるというわけです。 レンズの焦点距離でボケ味を出す最後にもうひとつ。 ボケ味を出した写真を撮るためにはレンズの絞り(F値)と同じくらい 、「焦点距離」というものが、とても大きな要素を占めます。 焦点距離は、使用するレンズによって異なります。焦点距離のミリ表示が小さいほど広い範囲を写すことができ、大きいほど遠くのものまで大きく写すことができるようになっています。つまり、この焦点距離が長ければ長いほど、同じ絞りでも大きなボケが作りやすくなるというわけです。 少し離れた場所に立つ子どもの写真に焦点を合わせて撮る場合は、焦点距離によって背景の写り方が変わり、写真そのものの雰囲気を変えることができるので、いろいろ試してみましょう。 もしも、2本レンズを持っていて「どちらのほうが、ボケ味が強く出るかな?」と思った時は、有効径を計算してみましょう。有効径は下記の計算式で出すことができます。レンズの焦点距離(~~mm)÷F値(F~~)=有効径この有効径が大きければ大きいほど、ボケが大きく出ると覚えておきましょう。 たとえば、F値=F10で、焦点距離が35mmのレンズと12mmのレンズで有効径を比べると、35mmレンズの有効径は、35÷10=3.512mmレンズの有効径は、12÷10=1.2つまり、この場合、35mmレンズのほうが、ボケ味が大きく出ることがわかりますね。パパやママが難しい顔をして、カメラの調節に四苦八苦しながら写真を撮っていると、子どもたちはカメラを意識してしまい、自然な表情を撮影しにくくなってしまいます。 撮影前に軽く練習をして、少しでもボケ味の出し方に慣れてから、本番の撮影に望みましょう。
2015年08月03日みなさんこんにちは☆タレント・モデルとして活動している古内杏沙です!! 今回は、一眼レフカメラを触ってみた感想をお話ししたいと思います。今回使用したデジタル一眼レフカメラは、Canon EOS70Dというものです。初めての一眼レフカメラはずっしりと重量があり、手にフィットする感じがして、撮る前からドキドキ!高価な物なので別な意味でもドキドキ!(汗)念願の「のぞき込みながらの撮影」ができるので、撮ってる感が感じられて、使っていてとても楽しかったです。1枚撮るたびに鳴る「ガチャ」というシャッター音がいいよね~♪なんて女子トークも出たほど、みんなもワクワクしていたのが分かりました! 画面もとてもきれいで見やすかったです。今回一番「へ~!!そうなんだ!」と思った点は、使い始めにSDカードをフォーマットするということ。今まで、同じSDカードをそのまま色々なカメラに使っていた私にとって、軽く衝撃的でした。一つひとつ丁寧に教えていただき、何とか撮影まで進める事ができましたが、カメラの機能のお話しになると段々と難しくなり…。絞り優先やシャッタースピード優先とか、理解はできても実際に撮ってみると思った通りに撮れなくて…なんとも悔しくなりました(笑)今回は、カフェで動かない物の撮影だったので、絞り優先で撮影しました。今まで携帯カメラで撮影をし、ぼかしは後からアプリで加工したりしていたので、カメラの撮影時にぼかして撮るというのがとても難しかったです。でも、携帯カメラと違って1枚1枚まったく違う雰囲気が出るのでとても面白く、好きになれる部分だなと思いました。まあ、何枚も失敗してしまいましたが(笑)前回の記事の1枚目!アイスコーヒーの写真は良い感じに後ろがぼやけて撮れたと思います♪どうでしょう?本当にまだまだカメラ初心者の私。少しずつうまくなれるのかな? 次回の撮影も本当に楽しみでしかたありません!!
2015年07月29日写真家の桐島ナオ氏が講師を務める「猫が邪魔する一眼レフ教室」が、8月から10月にかけて開催される。日程は8月15日、16日、29日、9月12日、22日、23日、10月3日、18日、25日。時間はいずれも13時から17時半頃を予定している。場所は、東京キャットガーディアンが運営する保護猫カフェ「大塚シェルター」。同イベントは、初心者を対象とした一日カメラ教室。一眼レフをフルマニュアルで使いこなす技術の習得を目指すとのこと。定員は5~6名。ミラーレス一眼での参加ももちろん可能。ただし、通常のカメラ教室とは異なり、開催場所が猫カフェであるため、講師の桐島氏は「猫たちがものすごくかわいいので、講義に集中できなかったらごめんなさい! 」と語っている。参加を希望の場合は、公式HPの下部からの事前の申し込みが必要。参加費はテキスト代込みで5,000円(一部、保護猫カフェの運営費として寄附される)。
2015年07月24日マンフロットは14日、iPad Air 2 / iPad Airを一眼レフカメラの撮影サポートツールとして利用できる製品「Digital Director」を発表した。本体価格は75,000円(税別)で、7月31日から順次発売する。○Digital Directorの概要Digital DirectorはAppleの認定製品。無償で提供されるiPadアプリと連携することで、iPad上で一眼レフカメラのマニュアル設定が行える。ライブビューのモニタリング、正確なフォーカスの確保、撮影した画像のiPadへの保存、画像の編集、写真の即時シェアなどが可能。対応する一眼レフカメラは、キヤノン製とニコン製の一部機種(2015年7月現在)だが、対応機種は順次拡大されるという。○iPad内のマイクロチップと連動マンフロットは、三脚、バッグ、ライトといった撮影機材を数多く取り扱っている。グローバルで展開しているが、なかでもアジアを最重要市場として、今後も新製品の開発や積極的な投資を行っていくという。マンフロット 代表取締役社長の川崎剛氏は、「スマートフォン、ドローン、アクションカムを含めて、様々なカメラの撮影機材、ソリューションの開発を行っていきたい。新しい撮影スタイルを提案していく」と話し、Digital Directorにも大きな期待を寄せた。続いて、プロダクトマネージャーのソフィア・ブラッジオ氏が登壇し、Digital Directorの詳細な機能を説明した。Digital Directorの強みは、Appleが認定した信頼性の高いマイクロプロセッサ「ARM Cortex-A8 plus」を搭載している点。iPad内のマイクロチップと連動する高性能CPUを搭載したことによって、高いパフォーマンスを実現した。前述の通り、Apple Storeで無償提供されるDigital Directorアプリでは、リアルタイム「ライブビュー」モニタリング、キヤノン製、ニコン製カメラのリモート撮影、マニュアル設定の確認と変更、静止画をiPadへダウンロード、簡単な画像の編集、画像のシェアなどが利用可能だ。iPad Air 2 / iPad Airの大きくて高解像度のRetinaディスプレイを通して、露出、ISO、シャッタースピード、絞り、マニュアルフォーカス、ホワイトバランスなどの調整も行えるので、フォトグラファーは画作りに集中できる。撮影に際しては、iPadのディスプレイ上で任意の位置をタッチして、フォーカシングが可能。選択したポイントを拡大表示して、より正確なフォーカスを得ることもできる。このほか、フォーカスの位置を赤色にハイライトする「フォーカスピーキング機能」も持つ。なお、Digital Directorと一眼レフをつなぐUSBケーブルは、最大で10mタイプまで対応。長いケーブルを利用すれば、カメラ本体から離れた位置でもシャッターを切れる。撮影後の静止画は、アプリ内で色やコントラストの調整、トリミングといった簡単な編集が行える。また、Facebook、TwitterなどのSNSへの投稿、Eメールへの添付などにも対応している。Digital Directorは、「Digital Director iPad Air用」、「Digital Director iPad Air 2用」に分かれており、本体価格はともに75,000円(税別)。発売日はiPad Air用が7月31日、iPad Air 2用が8月予定となっている。出席した記者から「キヤノンとニコン以外のカメラには対応しないのか」と質問があがると、ソフィア・ブラッジオ氏は「現在はキヤノンとニコンのカメラのみに対応しており、他社のカメラをつないでも動作することはない」と回答。ただ、こうした要望は多く寄せられているとのことで、「これからの検討課題」として今後の展開に含みをもたせた。
2015年07月14日●絞り開放値F1.8を生かしてボケ表現を楽しむ一眼レフの入門者にとって、標準ズームの次に選ぶべきレンズは何か。キットレンズとは違った写りを味わいたいなら、開放値の明るい単焦点レンズがお勧めだ。中でもキヤノン EOSユーザーなら、これを選べば間違いない。そんな入門者向けの新しい定番レンズ「EF50mm F1.8 STM」の写りと使い勝手をレポートしよう。キヤノン「EF50mm F1.8 STM」は、今年5月のリリース以来、好調な売れ行きを続ける人気レンズのひとつ。1990年に発売されたロングセラー「EF50mm F1.8 II」の後継機種であり、気軽に持ち歩けるコンパクトさを維持しながら、外装のブラッシュアップやAFの静音化、操作性の向上などを図っている。いちばんの魅力は、実売1万円台の低価格ながら、絞り開放値が明るく、ボケを生かした表現が気軽に楽しめること。下の写真は、絞り優先AEモードを選び、開放値のF1.8で撮影したものだ。ピントを数メートル先のレールの中間あたりに合わせたが、そこから前後にふんわりとしたボケが生じ、奥行きを感じる写真となった。一方で、絞りを絞り込んだ場合には、被写体のディテールをくっきりと再現する精細な写りとなる。下の写真は絞りF8で撮影。シャープネスの高い描写が得られた。レンズの焦点距離は50mmで、対角線画角は46度。昔ながらの由緒正しい標準レンズの画角であり、光学的な誇張が目立たず、眼前の風景を自然なフレーミングで切り取ることが可能だ。ここまでの3枚はフルサイズ機「EOS 6D」を使ったが、APS-Cサイズ機に装着した場合には、焦点距離80mm相当の中望遠レンズとして利用できる。次の写真は、APS-Cサイズ機「EOS 70D」を使って、絞りF2.8で写したもの。バリアングル液晶を生かしてローポジションにカメラを構えることで、背景だけでなく近景にもボケを写し込み、主役であるウミネコを際立たせた。開放値の明るさはボケの表現だけでなく、暗所撮影に有利という側面もある。下の写真は、展示された航空機のコクピットを捉えたもの。かなり暗いシーンだったが、絞りをF1.8に、シャッター速度を1/25秒に、感度をISO5000にそれぞれ設定することで、手持ちでブレを起こさずに撮影できた。また、ここでも前後のボケによって奥行きが生まれ、臨場感のあるイメージとなった。注意したいのは、絞り開放値における画像周辺の光量落ち。こうした薄暗いシーンではあまり目立たないが、日中の明るい空などを撮ると周辺減光が気になる場合がある。RAW現像時に補正する、またはもう少し絞り込んで対処しよう。今後、同社から補正データが公開されれば、カメラ内機能での自動補正も可能になるだろう。●進化した外観デザインと近接性能○進化した外観デザインと近接性能レンズの全長は39.3mmで、質量は約160g。従来モデルに比べて30g重くなったが、それでもフルサイズ対応の単焦点レンズとしては小型軽量といえる。カメラバッグに常時入れておいても大きな負担にはならないだろう。外装も従来モデルから大きく改良され、樹脂主体ながら高品位な作りとなっている。マウント部は樹脂製から金属製に変更になり、剛性感が向上。高級と呼ぶのはさすがに言い過ぎだが、チープな印象は払拭されている。基本的な光学設計は従来モデルを継承する。そのうえで、デジタルカメラでの撮影に適したコーティングを適用したり、絞りを5枚羽根から円形絞りの7枚に変更するといった改良を加えている。円形絞りを採用したことで、絞りを1~2段絞り込んだ場合でも、丸ボケの角が目立たず、木漏れ日や光源などを正円に近いボケとして表現できるようになった。下の2枚は、新旧の2本を使って、絞りF2.8のボケ具合を比較したもの。従来レンズのボケは五角形だが、新レンズでは正円に近い滑らかな丸ボケとなっている。個人的には、五角形のボケも効果のひとつとして悪くないと思うが、一般的には丸ボケのほうが自然に感じるはずだ。なお、円形絞り/非円形絞りの違いとは別に、新旧の2本とも口径食の影響は見られる。そのため、画面周辺の丸ボケに関しては、F1.8~F2.8あたりでは、ラグビーボールのようなややつぶれた円形になる。このあたりはフルサイズ用の明るいレンズでは一般的なレベルだ。操作面では、フォーカスの駆動方式が変わったことが大きい。従来レンズはDCモーター駆動だったため、ジーコジーコと鳴るAF駆動音がうるさかった。新レンズではギアタイプのSTM(ステッピングモーター)を採用することで、比較的静かなAF駆動を実現した。まったくの無音ではないものの、AF作動中はくくくーという小さな音に抑えられている。AFスピードについてはあまり変わらず、大きなストレスを感じるほど遅くはないが、かといって超高速ともいえない。STMレンズとしては標準的な速度だ。測距点を被写体に確実に重ねることができれば、下の写真のような動きの瞬間でも、狙った位置にきっちりと合焦する。マニュアルフォーカスは鏡胴部のリング回転によってスムーズに作動する。ほかのSTMレンズと同じく、フォーカスリングはどこまでも回転し続ける仕様だ。距離目盛りはない。使い勝手を高める進化といえるのは、最短撮影距離が従来の45cmから35cmに短縮されたこと。最大の撮影倍率は0.21倍。フルサイズ機の場合、一万円札を画面の横いっぱいに写せるくらいの倍率だ。下の2枚は、そんな近接性能を生かして、植物をクローズアップで捉えたもの。外部ストロボ「600EX-RT」を半逆光気味に当てることで陰影をつけ、暗闇から浮かび上がるような表現を狙った。APS-Cサイズ機を使った場合には、35mm判換算の撮影倍率が高くなり、より小さなものを大きく写せるようになる。キット付属の標準ズームのほうがもっと近寄れるので、本レンズの撮影倍率自体には大きな驚きは感じないかもしれない。だが、開放値が明るい単焦点の標準レンズでここまで近寄れるのは希少といっていい。下の写真では、明るさと近接性能を生かし、薄暗い水槽内の金魚を画面いっぱいに捉えてみた。「EF50mm F1.8 STM」は、開放値の明るさと携帯性のよさ、価格の求めやすさを兼ね備えたレンズだ。AFスピードには多少もの足りなさを覚えるが、価格を考慮すれば許せてしまう。キット付属の標準ズームや望遠ズームに追加して使うことで、より幅広い表現が可能になるだろう。しかも50mmという焦点距離は、撮り方の工夫次第で広角的も中望遠的にも使える応用力の高い焦点距離だ。あえてこの1本のみを持ってスナップ撮影に出掛けるのも楽しいはず。そして使えば使うほど、単焦点レンズの面白さに夢中になる。そんなレンズである。
2015年07月08日キヤノンは6月25日、一眼レフカメラ / ミラーレスカメラ用アクセサリー「スピードライト 600EX-RT」を偽る模倣品が出回っていることを公表した。模倣品はキヤノンが設計、生産したものではなく、安全基準を満たした製品ではないため、購入時に注意するよう呼びかけている。キヤノンによれば、同社のロゴ・商標を不正に表示した「スピードライト 600EX-RT」の模倣品が、海外のインターネットサイトで販売されている。模倣品は純正品に搭載されている電波通信ワイヤレス機能などを備えていない。また、模倣品はキヤノンが設計・生産した製品ではなく、安全基準も満たしていないため、発火・発煙などのおそれもあるとしている。模倣品と純正品はLOCKレバーの解除位置、ファンクションボタン1<Zm / C.Fn<を長押しした際に表示される「カスタム機能画面」のちがいで見分けられるとしている。
2015年06月25日DxOは6月18日(米国時間)、iPhoneやiPadとLightning接続して使用するカメラ「DxO ONE」を発表した。発売は2015年第4四半期で、直販価格は79,900円。DxO ONEは2,020万画素の1型CMOSセンサー(裏面照射型)を搭載するiOS端末用のカメラユニット。32mm相当(35mm判換算時)で開放F値1.8のレンズを搭載する。Lightning端子を持つiOS端末を接続し、iPhoneやiPadなどのディスプレイをファインダーとして利用(単体でも撮影自体は可能)。無料の専用アプリから絞りやシャッタースピード、ISO感度を設定可能だ。自動モードのほか、シャッター優先、絞り優先、マニュアル撮影モードを用意する。DxO ONEにセットしたmicroSDメモリーカードだけでなく、iOS端末側のカメラロールに直接静止画や動画を保存可能だ。動画は1080p/30fpsまたは720p/120fpsでの記録に対応する。主な仕様は、撮像素子が有効2,020万画素の1型CMOSセンサー(裏面照射型)で、対応感度がISO100~ISO51200、シャッター速度が1/8,000秒~15秒。最短撮影距離が20cm。レンズは焦点距離11.9mm(35mm判換算時:32mmに相当)、開放絞りがF1.8、最小絞りがF11、絞り羽根枚数が6枚。記録フォーマットはJPEG、RAW(DNG、Super RAW)、MOV(H.264)。Super RAWでは、連写した4枚のRAW画像を1枚に重ね合わせてノイズを低減する。充電はmicroUSBポートから行う。最大撮影枚数は約200枚だ。本体サイズはW48.85×D26.25×H67.5mm、重量は108g。製品には期間限定で写真編集ソフト「DxO OpticsPro」と「DxO FilmPack」のElite版がライセンスフリーで付属する。対応するiOS端末はiPhone 5/5c/5s/6/6 Plus、iPad Air 2、iPad mini 3、iPad Air、iPad mini 2、iPad(第4世代)で、対応OSはiOS 8以上。
2015年06月22日こんにちは、モデル、女優として活動させて頂いています伊藤歩美です。今回は、初めて一眼レフカメラに触ってみた時のことを振り返りたいと思います。○一眼レフ初体験を熱く語る今までの私は、コンパクトカメラや携帯電話を使った簡易な撮影をしてきました。この企画で初めて一眼レフカメラで撮影を体験し、これまでと違うと強く感じたのは、なんとも言えない重量感でした。ズッシリと手から感じる重量感で、カメラへの緊張感や集中力が高まりました!また、レンズをのぞいた時に見えた景色は、小さな枠の中に小さな世界がぎゅっと詰め込まれているといった感じでした。のぞいた先に、自分の写し出したい物が明確に見えてきたのです。慣れないながらも撮影して行く中、シャッターを降ろした後の"カシャッ"という音。緊張感の後にやってくるその音によって、撮れた!気持ちいい!という高揚感を与えてくれました。と言っても…実は、試しに撮影をしていた時は、距離感も分からずフォーカスを定めることもなかなかできず、いざ撮影をしようと思ってもシャッターが切れない! しかし、スタッフの方に渡してみるとシャッターが下りる! と拍子抜けしてしまうようなことも何度かありました(笑)今回は本当に初めての試みということで、まずはカメラの持ち方やボタンの説明といった基本中の基本から教えていただいていた上で、その後に明るさの調整やぼかしなど技術的なことを教わりました。少しずつ重量感に慣れて、コツをつかみ、撮影を繰り返していき、周りをぼかす強度やどこにフォーカスを当てるかによって、写真の見せ方が全く変わるのだということは、単純ではありますが、とても新鮮なことでした。さて、今回はカメラについて熱く! お話させていただきましたが、次回は撮影後のソフトレクチャーについても紹介して行きたいと思います。伊藤 歩美1991年5月21日生まれ。東京都出身。身長158cm・B78cm・W56cm・H80cm・S23.0cm。趣味は読書・映画鑑賞。特技は料理・日常英会話。これまでに、映画『ハニーフラッパーズ』(2014年)に出演している。公式ブログはこちら。
2015年06月22日パパやママが一眼レフカメラを買って、一番に撮りたいのは「子ども」のはず。どうすれば、子どもの自然な姿をカメラに収めることができるのでしょう? 今回は、初めての一眼レフカメラで子どもを撮影する時に心がけておきたい、ちょっとしたポイントをご紹介します。■子供を自然に撮るためのポイント(1)フラッシュは使わないプロ以外の人が室内でフラッシュを使って写真を撮ると、不自然な写真になることが多いもの。そのため、なるべく自然光で撮影するのがおすすめです。室内であれば窓際でカーテンを開けて、サイドから光が入るように撮りましょう。自然光は一番子どもの肌をきれいに写してくれます。 屋外ならば木陰での撮影がおすすめ。夜の場合は、露出を明るめにして撮るときれいに写ります。 ■子供を自然に撮るためのポイント(2)子供と同じ目線、もしくは低いところから撮る(ローアングル+広角のマジック)立ったまま子どもを撮影すると、子どもを見下ろしている構図の写真ばかりになってしまいます。それでは背景が地面ばかりになり、立体感も臨場感も薄くなりがち。そんな時はまず、子どもと同じ目の高さから撮ってみてください。しかも、子どもの正面や斜め前から。 歩き始め頃のよちよち歩きの写真や、しゃがんでいる子どもを撮る場合は、子どもの目線よりも低く、足元に近いところから撮ってみるのもよいでしょう。ポイントはカメラのレンズ設定を広角にセットして、ズームを使うのではなく、子どもに実際に近づいて撮影すること。そうすることで、小さな赤ちゃんを写真の中では大きく生き生きとした表情で写せたり、子どもがカメラを覗き込む時の笑顔や思わぬ表情を捉えられたりできます。また、下から撮ると、被写体である子どもの背景が青空になることも多く、その結果、写真全体が明るくなる効果もあります。たまにはこんな風に、子どもの目線で写真を撮ってみるのも、バリエーションが増えて楽しいでしょう。 ■子供を自然に撮るためのポイント(3)ポイントになるアイテムや周囲の風景も忘れずに撮っておこう子どもの写真を撮影していると、つい子どもばかりを追いかけがちですが、バースデーケーキやクリスマスツリーといった、その日のポイントとなるアイテムや風景も必ずカメラに収めておきましょう。そうした写真があると、後で振り返った時に「これは何の時の写真か」というのがわかりやすいですし、フォトブックやアルバムにまとめる時にも、意外と重要な役割を果たしてくれるものです。あえて泣き顔も撮ったり、お友だちも一緒に撮ったりしておくと、「あの時は2人ともこーんなに小さかったんだねー」と思い出話も弾みますよ。 ■子供を自然に撮るためのポイント(4)スポーツモードと連写で、躍動感のある写真を走り回る子どもたちの撮影は、スポーツモードで連写するのがおすすめです。「スポーツモード」とは、シャッタースピードを高速にしてくれるモードのこと。これにより、風や水しぶきまで感じられそうな、躍動感ある写真を撮ることができます。この時、ファインダーに写る数値をチェックしておくと、「この数値だと、これくらいの明るさに写る」「シャッタースピードがこれくらいだと、こんな感じに撮れる」という勉強にもなります。 ■子供を自然に撮るためポイント(5)データ整理はその日のうちに撮った写真は、できるだけその日のうちに整理しましょう。 たとえば連写した写真すべてを残すのは容量が多くなり過ぎますし、後で見返そうと思っても、面倒に感じられて、嫌になってしまうものです。「これ!」と思うもの以外をその日のうちに削除しておくだけで、後々とても写真整理がラクです。写真整理と同時に振り返りもできるので、どんな風に撮るとうまく撮れるかという、撮影手法に関する記憶も残りやすくなりますよ。子どもの写真を撮ったり見たりするのは、周りの大人にとっての楽しみだけでなく、子ども自身の楽しみにもつながります。「あなたがいてくれてうれしい」と見つめられ、愛されていると感じている子どもの笑顔は、何より自然でかわいらしいもの。子どもが大きくなってから、そうした写真やアルバムを眺めた時、「私はこんなに愛されて育ったんだな」と背中を押されるような気持ちになり、自分を信じる柱のひとつになるかもしれません。 写真には、「親が子どもを見つめる目」が現れています。その時その場にある子どもへの愛を丸ごと写すつもりで撮るのが一番です。
2015年06月17日これまで、「 一眼レフカメラの選び方 」や、「 カメラと一緒に購入すべきもの 」をご紹介してきました。それらを読んで、一眼レフカメラを買ったという人も中にはいるかもしれませんね。一眼レフに慣れてくると、新しいレンズが気になってきます。けれど、まったく知識のないままいきなりお店へ新しいレンズを買いに行くのは、戦場に丸腰で乗り込むようなもの。そこで今回は、そんな時のために「新しいレンズを買う時は、これを知っていれば大丈夫」というポイントをご紹介します。■35mm単焦点レンズは、一眼レフカメラの入口単焦点レンズとは、その薄さから「パンケーキレンズ」とも呼ばれ、「焦点距離の変更、つまりズームができないレンズ」のことをいいます。ズームの代わりに、自分の足で動いで撮影するため、初心者にとっては構図の勉強になりやすいレンズといえます。比較的安価な上、暗い場所でもシャッタースピードを稼ぎやすいためブレにくく、近い距離から子どもを撮る時に重宝します。また、背景のボケが作りやすいので、料理を撮ってもおいしそうに写すことができますし、ペットの毛の立ち上がりも、今にも触れそうな距離感で撮ることができます。それに何よりレンズ自体が薄くて軽い! 1本は持っていたいレンズ、それが35mm単焦点レンズです。■一眼レフカメラのレンズの種類と選び方ですが、「大きな公園や運動会でも使えるズームレンズが欲しい」「集合写真や建物全体が写るレンズが欲しい」と、撮りたいものが明確になってきたら、選ぶレンズは変わってきます。レンズを選ぶ時にはまず、レンズ周りに書いてある「mm」の数値を見てください。これは焦点が合う距離を示しています。フィルムカメラ時代は、フィルムの大きさは35mmが基準でした。そのため、今もその名残で、35mm判換算の数値でレンズの型番が定められています。数値が低い方からどんなレンズがあるか並べてみると…・8mm 超広角レンズ(高層ビルや遊園地を近くから撮影しても広範囲が写るレンズ)・12mm 魚眼レンズ(犬の鼻のアップ写真などに使う、画像が丸くゆがむレンズ)・18mm~30mm 広角レンズ(お店の内観や集合写真を撮るのに向いているレンズ)・35mm~85mm 標準レンズ(人の視界と最も近い感覚で撮れるレンズ)・10mm~300mm 望遠レンズ(運動会や入園式で活躍する望遠レンズ)・300mm以上 天体撮影によく使われるほどの高い望遠能力。ほとんどのコンパクトデジタルカメラは広角レンズと同じ、少し広めの範囲が写る規格になっています。集合写真で全員を写しやすい利点もありますが、撮った写真は実際に目で見えているより小さく写るため、リアリティーが薄く感じられるというデメリットがあります。その点、標準レンズは一眼レフならではの「被写体に触れそうな距離感」で撮れるので、コンパクトデジタルカメラとの差を肌で感じられます。そして望遠レンズは1つ持っておくと、300mmであれば30m先くらいの距離まで自在にズームできるので、便利です。運動会では遠くで踊るお子さんの、発表会でのお子さんの表情まで撮ることができるようになります。このように、数値だけで見てもレンズにはたくさんの種類があります。また、お値段もそれなりにします。「子どもの良い表情を撮りたいけれど、できるだけ安価に、少ない本数で収めたい。」レンズ選びはいつもこの思いと数値のせめぎ合いです。中には24mm~120mmなど、広角から望遠まで広範囲でカバーできるレンズもありますが、「近くから教室全体くらいまで撮ることができる18mm-55mmのレンズくらいが手頃かも!」など、撮影環境や予算によってレンズを選ぶのも、一眼レフの楽しみのひとつ。家族でワクワクしながら、一眼レフカメラとレンズを選べるとよいですね。次回はママならではの距離感から、子どもの生き生きとした表情を撮るため、実際に使えるテクニックをご紹介します。
2015年05月24日●新開発「ハイブリッドCMOS AF III」の実力をチェックキヤノンの「EOS Kiss X8i」は、一眼レフカメラのエントリー機として人気の「EOS Kiss」シリーズの最新モデルだ。曲面を多用したボディデザインを従来製品から継承しつつ、2,420万画素センサーを新搭載。AFやファインダー、画像処理エンジンを改良するなど大幅な進化を遂げている。今回は、新しくなったライブビューやAFの使用感を実写を交えながらレポートしよう。EOS Kiss X8iを試用してまず気に入ったのは、ライブビュー撮影時の操作感が向上したこと。はっきりと体感できるほどライブビューAFがスピードアップしたことに好印象を受けた。これまでのEOS KissシリーズのライブビューAFを振り返ると、2012年発売の「EOS Kiss X6i」や2013年発売の「EOS Kiss X7i」では「ハイブリッドCMOS AF」を、同じく2013年発売の「EOS Kiss X7」では「ハイブリッドCMOS AF II」を搭載。AFシステムのバージョンアップのたびに高速化していたことは確かだが、人物など動いている被写体を撮るには非力であり、軽快とはいえなかった。だが、今回のEOS Kiss X8iが新搭載した「ハイブリッドCMOS AF III」では、人物くらいの動きであればストレスなく合焦する。ライブビュー時のサーボ連写に非対応という点で、同時発売の上位モデル「EOS 8000D」とは少し差があるが、それでも既存モデルに比べるとライブビューAFは格段に快適になったことを実感できる。下の写真は、バリアングル液晶を生かしてカメラを高い位置に構え、ライブビューで撮影したもの。歩行者がバランスよく密集した瞬間を捉え、凝縮感のある画面構成を狙った。次も同じくライブビューで撮影したもの。水槽の外から撮っているためシャープ感はやや不足気味だが、薄暗いシーンでの動体撮影という厳しい条件ながら、狙いどおりのピントで撮影できた。撮影直後の液晶表示レスポンスが改善されたことにも注目だ。既存モデルではレリーズ直後に液晶モニターが一瞬暗転してからアフタービューが表示されるが、EOS Kiss X8iは撮影直後の液晶ブラックアウトが非常に短い。そのため、単写でも連写でも、テンポよくライブビュー撮影が行える。この撮影後の液晶表示レスポンスという点では、上位モデル「EOS 70D」さえも上回っている。また同じAFシステムを採用したミラーレスカメラ「EOS M3」に比べてもライブビューの快適さは勝る。下の写真は、外部ストロボ光を横から当てることで、陰影のある立体的な描写を狙ったもの。ライブビュー時のスピーディなAFは、こうしてストロボを使って植物などを接写する際にも重宝する。右手だけでカメラを支えながらAFで素早くピントを合わせられるので、左手に外部ストロボを持って光を当てる、といった動作を手持ちでスムーズに行える。同じくハイアングルからライブビュー撮影したもの。上からストロボ光を当てることで、素材の質感を際立たせた。ローアングル&ローポジションで撮影。上位モデル「EOS 8000D」とは異なり水準器機能を搭載していない点は少々残念だ。ライブビュー上のグリッド表示は可能なので、それを目安に水平をチェックするといいだろう。●動きの瞬間が撮れるオールクロス19点位相差センサー一眼レフカメラの本領であるファインダー撮影での操作感もよくなった。EOS Kiss X8iは、EOS Kissシリーズでは初めて「インテリジェントビューファインダー」を採用。ファインダー内に組み込まれた透過型液晶によってAFフレームやグリッド、アスペクト比などの情報を、必要に応じて表示または非表示に設定できる。ファインダー撮影時のAFには、オールクロス19点の位相差AFセンサーを搭載。多少薄暗いシーンや動きのある被写体に対しても、ストレスなくてきぱきとピントが合う。下の写真は、測距エリア選択モードを「ゾーンAF」に、AFモードを連続的にピントが合う「AIサーボAF」にセットして撮影したもの。走り回る馬の姿を狙いどおりのタイミングとフレーミングで捉えることができた。次は、通過する航空機を望遠ズームレンズでスナップしたもの。AFモードは「ワンショットAF」を、測距エリア選択モードは「任意選択」を使用。任意選択でAF測距点を切り替える際は、いったん専用ボタンを押して設定画面を呼び出し、十字キーまたはダイヤル操作で選ぶ、という手順になる。この点はこれまでのEOS Kissシリーズと同じだ。個人的には、ダイレクトに選択できないのが少々もどかしく感じる。同じくダブルズームキットに付属する望遠ズームレンズで撮影。キットレンズは2本ともSTM(ステッピングモーター+リードスクリュー)タイプであり、AF駆動音はほぼ無音に近い。逆光ながら意図した部分に素早くピントを合わせることができた。ホワイトバランスは日陰にセットしたうえで、さらにホワイトバランス補正機能を使って赤みを強調している。●シリーズ最多画素数となる2,420万画素センサーを搭載撮像素子にはAPS-Cサイズ相当の有効2,420万画素CMOSセンサーを、画像処理エンジンには「DIGIC 6」をそれぞれ搭載する。感度はISO100~12800を1EVステップで選択でき、拡張設定としてISO25600が用意されている。実写では、遠景の細部までをシャープに描く解像感の高さと、彩度とコントラストをバランスよく高めた見栄え重視の発色を確認できた。ノイズを目立たないよう低減した高感度の性能も良好だ。画質面での満足感は高い。○まとめ今回の試用では、いっそう実用的になったライブビューと、高速化したAF、さらに精細化した描写性能を十分に味わうことができた。細かい部分では、個人的な不満はいくつかある。例えば、ISO感度の選択が1EV刻みであることや、カスタム機能の乏しさなどだ。もちろん、そもそもエントリー向けの製品なので、あまりマニアックな要望をするのは筋違いだろう。ただ、本機のライブビュー性能と描写性能は中級者以上にとっても満足できる内容であるだけに、細部の操作面にもさらなる練りこみを求めたくなる。EOS Kiss X8iは、オールクロス19点AFや2,420万画素センサー、インテリジェントファインダーなど数年前なら中級機と呼べるくらいの高スペックを小型ボディに凝縮したカメラだ。動きのあるシーンを快適かつ精細に撮影したいエントリーユーザーにおすすめできる。
2015年05月22日ニコンは、天体撮影に特化したデジタル一眼レフカメラ「D810A」を5月28日に発売する。価格はオープンで、推定市場価格は税込420,000円前後だ。2015年2月10日の製品発表時、5月下旬とされていた発売日が今回正式に決定した。D810Aは、有効3,635万画素のニコンFXフォーマットCMOSセンサーを搭載した「D810」をベースに開発された製品だ。CMOSセンサー前面にある光学フィルターのHα(エッチアルファ)線透過率を、D810の4倍に高めたことによって、赤く発光する星雲をより鮮やかに撮影できる。天体撮影向けの機能として、長時間露光マニュアルモード「M*」を新搭載。最長900秒のシャッター速度設定を可能としたほか、設定秒時を実制御秒時として比較明合成写真を撮影しやすくした。
2015年05月15日●想定ユーザーを一眼レフ所有者にシフトキヤノンから3月26日に発売された最新ミラーレス一眼カメラ「EOS M3」。発表直後から前評判も高く、BCNランキングの調査による販売台数シェアは、発売当日は全モデルで1位(24%)、発売週のミラーレスカテゴリでも1位(19%)と最高のスタートを切った。その後も同社の予想を超えて売り上げを伸ばしており、EOS M3のWebページには出荷に関する説明文が掲載されているほどだ。キヤノンが本気でミラーレス一眼カメラのナンバーワンモデルを目指して開発したEOS M3。その特徴はマイナビニュースで永山昌克氏が詳細にレビューしている通りだが、ここでは製品投入にあたっての「仕掛けの舞台裏」をレポートする。どうやってEOS M3の"本気度"をユーザーに伝えようとしたのか、EOS M3の商品企画を担当したキヤノンマーケティングジャパン カメラ商品企画第一部 課長 西小原暢文氏に話を伺った。今回のインタビューで西小原氏がまず最初に述べたのは、一眼レフカメラとミラーレスカメラ市場におけるキヤノンのシェアについてだ。「おかげさまで2014年は、一眼レフカメラとミラーレスカメラを合わせたレンズ交換式カメラにおいて3割以上のシェアをいただくことができましたが、ミラーレスに限ると10%強という状況でした。そこで、何としてもキヤノンのミラーレスのシェアを上げることを最大の目標に据えました」(西小原氏、以下同)そして、EOS M3のマーケティングにおいては、EOS MとEOS M2の導入実績を踏まえ、ゼロから戦略を見直すことにしたという。最大のポイントは想定ユーザーの変更だ。○想定ユーザーを一眼レフ所有者にシフト「従来はコンパクトカメラやスマホからのステップアップとして、レンズ交換式カメラの完全新規ユーザーを想定していましたが、EOS M3では銀塩フィルムで一眼レフの経験がある方と、すでにデジタル一眼レフを所有している買い替え・買い増しユーザーにフォーカスしました」「また、それにともなって、購入者属性も男性比率を約80%、年齢構成は40~60代を約70%と想定し、製品開発においては操作性や機能を向上させることを重視しました」ちなみに、今までのEOS MやEOS M2では、女性比率を約40%、年齢構成は20~30代を約60%と想定し、簡単に使える機能性に重点を置いていたという。●「AFが遅いよね」「キヤノンの本気が見えない」の声に応えてEOS M3を開発するにあたり、ユーザーからの要望を集めたところ、次のような意見が多く見られたそうだ。「AFが遅いよねとか、キヤノンの本気が見えない、といった声がありました。その一方で、画質がいいよね、という話もありました」とくにAFに関してはユーザーからの要望が多かったようで、EOS M3でも最重要改善ポイントとして性能向上が図られている。「EOS Mはお客様からAFスピードについてのご意見を多数いただいたこともあり、AF速度を向上させた本体ファームを公開しました。EOS M2ではさらにAF速度を改善したのですが、EOS M発売当初のイメージを払拭できなかったと思っています。今回のEOS M3は、これらを覆す性能を持っていると自負しています」AF速度以外にも、ユーザーからの要望をふんだんに盛り込んだのもEOS M3の"本気度"の表れだ。「『キヤノンの本気が見えない』というご意見は、写真愛好家の皆様の期待の現れだと考えており、真摯に受け止めています」というだけあって、EOS M3はEVFを取り付け可能にし、操作性を向上させるモードダイヤルに露出補正ダイヤル、片手でも握りやすい大型グリップを搭載するなど、「本格的でとにかくいいものを」という狙いをもって設計されている。キヤノンが自信を持って開発したEOS M3だが、「今度はお客様に知ってもらうというのが大命題になります」というように、色々なコミュニケーション戦略が練られた。ポイントは発表から発売までの1カ月半を最大限に生かし、ネット上でのクチコミの拡散に注力したことだ。クチコミによる製品の評判が売上に直結するとあって、手厚くプロデュースしていったことが話の中でもうかがえた。○EOS M3の情報をネット上に拡散してもらうために「今回の想定ユーザーである一眼レフ所有者はカメラファンと呼べる方が多く、情報発信力が高い」という点を生かして、発売時の話題最大化を目指してマーケティング施策を次々に行った。2月6日に新製品発表会、3月19日にも妻夫木聡さんを招いた新CM発表会をプレス向けに開催し、メディアを通した情報拡散を狙った。また、発表直後の2月12~15日に開催されたCP+2015ではEOS M3を多数展示、3月21~22日にも大阪で関西地区のカメラファン向けにユーザー体験会を主催した。また、この期間に有力ブロガーやSNSユーザーなどのインフルエンサー向けに撮影体験会や開発者座談会も実施している。「EOS M3に興味を持っていただいた方が体験可能な機会をできるだけ多く用意しました。CP+や大阪の体験会では想定以上の方に実機に触れてもらえました」と多くのカメラファンに体験してもらえたことが、クチコミの拡散につながったようだ。○サービスセンターにもデモ機を配備イベントを活用して多くのユーザーに触れてもらうのが購入してもらうための近道なのだが、どうしても日時や場所が限定されてしまう。そこで、サービスセンターにもデモ機を配備した。従来のようにショールームだけにデモ機を置いたのでは、大都市圏だけに限られてしまうのだが、「サービスセンターなら北海道から福岡県までありますので、より多くの人に体験していただけます」というように、実機に触れられる機会をより多く提供することで、購入を検討する人も必然的に増えるという流れを導いた。「EOS M3ではとにかくキヤノンの本気度を見てもらいたい。そのためには何が必要なのか」と西小原氏が何度も話していたことからも、これらのイベントや展示施策は当然の成り行きだったことがわかる。●人気キャンペーンは早々に予定到達発表から発売までに多くの露出を図ったことで、EOS M3はみごとスタートダッシュに成功する。「いろいろな施策を行ったことが奏功しました」と西小原氏。発売に合わせて実施したキャンペーンの役割も重要だった。展開したのは、先着5,000名のアクセサリープレゼント、対象レンズやアダプターとの組み合わせで最大18,000円のキャッシュバック、限定25,000台のEVFキット、といった3つのキャンペーンだ。アクセサリープレゼントはWebから事前エントリーするもので、「今どれだけのお客様がこの商品に注目しているのか周りの皆さんにもわかるように」といった仕組みで設計されていた。現在の予約状況が一目でわかるうえ、申し込んだユーザーがSNSに情報を拡散することで、さらなる購入検討者がキャンペーンサイトを訪れるという流れができあがったそうだ。中でもアクセサリープレゼントについては発売後9日で予定数の先着5,000名に到達。「こんなに早く終わるキャンペーンの設計ではなかったのですが (笑)」と、早々に終了したのも驚きだ。実際の予約数は非公開だが、EOS M2の10倍以上の予約を受注したようで「ミラーレスでここまで予約が殺到したのはこちらとしても驚いています」というほどの大成功を収めた。○購入層は想定通りでデジイチのサブ機として活用EOS M3の購入層については、「デジタル一眼レフカメラを使用していた方が77%で、そのうちEOSユーザーが73%となっています。さらに細かく見ると、EOS 5D系、EOS 6D、EOS 7D系でおよそ半分の47%を占めています (Canon Image Gateway登録者アンケート)」というように、写真を本気の趣味として楽しんでいるユーザーであり、同社の想定通りとなった。ミラーレスカメラの所持率に関しては、EOS Mユーザーが27%、EOS M2ユーザーが13%、他社からの乗り換えが9%、まったく所持していなかった人が51%。半数以上の人が初めてのミラーレスカメラとしてEOS M3を新規に購入したことが伺える。また、今後の使い方の予定を聞いたところ、48%の人がEOS M3を一眼レフカメラのサブ機として使いたいとした。こちらのデータからも、同社の想定通りのユーザーに購入してもらえたことがわかる。購入の決め手については、「EVF対応だから」が1位で46.5%。「こちらが考えていた以上にお客様がEVFを望んでいたというのがわかりました。EVFキットを用意したことで、お客様の背中を押せたと実感しています」とのことで、今回、EOS M3発売の舞台裏を聞いた中で印象的な話だった。以上のように、キヤノンがシェアを取りにきたEOS M3は、西小原氏が何度も口にしていた"本格感"という言葉が非常によく似合うカメラだ。また、その製品のよさを多くの人に伝えるためにさまざまなイベントを展開、「ナンバーワンにするんだ!」という同社の強い意気込みも伝わってきた。デジタル一眼レフユーザーからも支持されて最高のスタートダッシュを切ったEOS M3は、今後もまちがいなく購入者を増やしていくことだろう。
2015年05月12日「一眼レフ? コンデジ? 子どもたちの成長を残すカメラの選び方」 では、一眼レフとコンデジ(コンパクトデジタルカメラ)の違いや、カメラを買うならば今は一眼レフがおすすめ、といったことをお伝えしました。今回はその続きです。いざ一眼レフカメラを買って「さぁ撮りに行こう!」となる前に、できればカメラと一緒に購入して、準備しておきたいものがあります。今回は、その中でも一眼レフの使い始めから本当に必要になるもの4つを、厳選してご紹介します。■カメラ本体と同時に購入しておきたいもの(1)記録媒体カード(SDHCカードなど)写真を撮るにも動画を撮るにも、まずは記録する媒体が必要です。一眼レフ本体に付属してきたSDカードでもよいのですが、できればある程度書き込みや読み込みの速さが速いものがおすすめです。SDカードの書き込みや読み込みの速度は「スピードクラス」という指標で表されます。カードの表面に書かれている「Class8」「Class10」といった数字がそれです。数字が大きくなるほど速度が速くなり、おすすめは「Class10」以上のものです。容量は16Gから32Gあれば充分でしょう。Class10で16G~32GのSDHCカードの場合、価格はだいたい1000円から1700円くらいです。ただし、撮影したデータは都度PCに保存して、できるだけSDHCカードの容量は空けておくようにしましょう。最近は「Eye-Fi」や「FlashAir™」といった「撮ったデータをそのまますぐWi-Fi経由で携帯やPCに転送できる」機能がついたSDカードも販売されています。カメラ本体にWi-Fi転送機能がない場合は、こうしたSDカードのほうが便利かもしれません。■カメラ本体と同時に購入しておきたいもの(2)カメラ用フィルター(レンズのプロテクター)レンズプロテクターとは、交換レンズの先に取り付ける薄いガラスのカバーで、レンズそのものの保護や、ホコリやゴミなどの侵入を防ぐ役割があります。コンパクトデジカメと違い、一眼レフカメラのレンズは本体から飛び出ているので、撮影時や移動時に誤ってレンズの先端をぶつけてしまい、レンズに傷をつける可能性があります。そんな時、プロテクターがあれば、プロテクターのみの交換で済むので、付けておくと安心です。保護だけでなく、PL(偏光)フィルターのように、撮影時に光の反射を抑えて、より美しく映えるフィルターや、特殊効果を得られるフィルターもあります。価格は、プロテクト用途のみの場合、58mm径で2,000円くらい。PLフィルターは3,000円くらいから購入できます。購入時には必ず本体のサイズをチェックしていきましょう。■カメラ本体と同時に購入しておきたいもの(3)予備のバッテリーもし充電を忘れたまま出かけてバッテリーが切れてしまったら、その日1日をとても悲しく過ごすことになってしまいます。「毎回充電して使い切るから大丈夫」と考えるより「撮影前日か当日に充電を忘れても大丈夫」という余裕を持つことが大切。撮影できない一眼レフは漬物石のようにただ重いだけなので、ぜひ予備のバッテリーはひとつ用意しておきましょう。■カメラ本体と同時に購入しておきたいもの(4)モニターの保護フィルター液晶モニターやコントロールパネル部の保護フィルターも、購入直後につけておくとよいかもしれません。特に小さな子どもがいる家庭の場合、液晶モニターをタッチパネルのようにこすられたり、棒状のもので突かれたりすることも想定しておかなくてはならないからです。モニターのサイズはたとえ同じメーカーのカメラであっても機種ごとに違うので、必ずサイズと対応型番をチェックしてから購入しましょう。取り付けはお店でやってくれることが多いので安心です。以上が、一眼レフカメラ本体購入と同時に必要なもの4つです。すぐに新しいレンズも欲しくなるかもしれませんが、まずは付属レンズと本体の扱いにある程度慣れて、撮りたい画や用途が定まってからレンズを購入するのが、失敗しないコツです。レンズ選びについては次回詳しく取り上げますので、お楽しみに! それでは、楽しいカメラライフを!
2015年04月26日リコーイメージングは4月23日、Kマウントのデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-3 II(ケースリーツー)」を発表した。価格はオープンとなっている。パッケージはボディのみのものと、交換レンズ「smc PENTAX-DA 18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF] DC WR」が付属する「18-135WR レンズキット」、交換レンズ「HD PENTAX-DA 16-85mm F3.5-5.6ED DC WR」が付属する「16-85WR レンズキット」の3種類が用意される。推定市場価格はボディのみが130,000円前後、18-135WR レンズキットが17万円台半ば、16-85WR レンズキットが19万円台半ば(いずれも税別)。ボディのみと18-135WR レンズキットは5月22日、16-85WR レンズキットは近日に発売される。PENTAX K-3 IIは、2013年11月に発売されたデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-3」の後継モデルで、Kシリーズのフラッグシップ機に当たる。手ぶれ補正機構の改良や超解像技術「リアル・レゾリューション・システム」の搭載、GPSユニットの内蔵など大幅なブラッシュアップが図られた。センサーシフト方式による手ぶれ補正機構「SR(Shake Reduction)」を引き続き内蔵。高精度ジャイロセンサーを採用したことで、Kシリーズで最高となる4.5段分の補正効果を得られるようになった。ジャイロセンサーの搭載によって、ユーザーが流し撮りしていることを自動で検知。SRユニットを制御して最適な撮影を行える。イメージセンサーユニットを1画素ずつ微細に動かしながら、4回撮影した画像を1枚に合成する「リアル・レゾリューション・システム」を新たに搭載した。1画素あたり1つの色情報しか取得できない従来のベイヤー方式に対して、リアル・レゾリューション・システムでは画素ごとにRGB各色の情報を取得できるため、解像感が高く、色再現に優れた画像を得られる。また、リアル・レゾリューション・システムは、高感度撮影時のノイズ低減効果も持つ。GPSとQZSS、SBAS(WAAS/EGNOS/GAGAN/MSAS)に対応し、アウトドアでの撮影をサポートする。撮影画像には緯度、経度、高度、UTC(協定世界時)、方位情報を記録できるほか、方位をモニターで確認できる電子コンパス機能や移動の軌跡を確認できるGPSログ機能を装備。GPS情報と手ぶれ補正機構のSRを連動させることによって、カメラだけで簡易的な天体追尾撮影が行える「アストロトレーサー」機能を実現した。AFモジュールは27点測距(中央部25点はクロス測距)が可能な「SAFOX 11」を引き続き搭載。AFアルゴリズムと「ペンタックス リアルタイム解析システム」は刷新し、コンティニュアスAFにおいて動体へのAF追従性能を向上させた。K-3と同様、「ローパスセレクター」機能を備える。ローパスセレクターは、露光中にイメージセンサーをサブピクセル精度で微小駆動させることで、光学ローパスフィルターと同様のモアレ軽減効果を得られる機能。光学ローパスフィルターと異なり、効果のオン・オフ、強弱を切り替えられる点が特徴だ。92カ所のシーリングによる防塵・防滴構造となっており、-10℃まで動作する耐寒性能も持つ。ボディ上下と前後の外装には軽量かつ堅牢なマグネシウム合金を採用した。主な仕様は、マウントがペンタックスバヨネットKAF2 マウント、撮像素子が有効約2,435万画素・23.5×15.6mmサイズのCMOSセンサー、対応感度がISO100~ISO51200、シャッタースピードが1/8,000秒~30秒となっている。画像処理エンジンはK-3と同様の「PRIME III」。連写速度は最高で約8.3コマ/秒。ファインダーは視野率が約100%、倍率が約0.95倍のペンタプリズムファインダー方式だ。背面の液晶モニターは3.2型・約103.7万ドット表示。利用可能な記録メディアはSD/SDHC/SDXCメモリーカードで、記録形式は静止画がRAW、JPEG、動画がMOV(MPEG-4 AVC/H.264)で、動画の最大記録画素数は1,920×1,080ドット(フルHD)/60i。バッテリーはリチウムイオン充電池で、CIPA準拠の撮影可能は約720枚。サイズは約W131.5×D77.5×H102.5mm(突起部を除く)、重量は本体のみで約700g、電池とSDカードを含む状態で約785g。
2015年04月23日写真家の桐島ナオ氏が講師を務める「猫が邪魔する一眼レフ教室」が5月、開催される。日程は5月5日、6日、10日で、時間はいずれも13時から17時半頃を予定している。場所は、東京キャットガーディアンが運営する保護猫カフェ「大塚シェルター」(東京都豊島区)。同イベントは、初心者を対象とした一日カメラ教室。一眼レフをフルマニュアルで使いこなす技術の習得を目指すとのこと。定員は5~6名。ただし、通常のカメラ教室とは異なり、開催場所が猫カフェであるため、講師の桐島氏は「たくさんの猫たちが撮影の邪魔をしにきます。あと、猫たちがものすごくかわいいので、講義に集中できなかったらごめんなさい! 」と語っている。参加を希望の場合は、公式サイト内ページからの事前の申し込みが必要。参加費はテキスト代込みで5,000円(一部、保護猫カフェの運営費として寄附される)。
2015年04月21日キヤノンは、デジタル一眼レフカメラ「EOS 7D Mark II」「EOS 70D」購入者を対象に、「一眼レフで写真+動画キャンペーン」を実施している。期間は2015年6月30日まで。2015年6月30日までに「EOS 7D Mark II」または「EOS 70D」を購入したユーザーが対象のキャンペーン。対象商品の購入後にWebフォームから申し込むと、グラスバレーのムービー編集ソフトウェア「EDIUS Neo 3.5」のダウンロードサイトURLと製品シリアル番号が贈られる。申し込みは7月10日まで受け付ける。対象商品はEOS 7D Mark IIのボディー、EF-S18-135 IS STMレンズキット、EF24-70L IS USM レンズキット。EOS 70Dのボディー、EF-S18-55 IS STM レンズキット、EF-S18-135 IS STM レンズキット、ダブルズームキット。「EDIUS Neo 3.5」は世界中の放送局や映画制作で採用されている「EDIUS」の独自技術や高画質エンジンを継承したムービー編集ソフトウェア。対応OSはWindows 7(SP1) / 8 / 8.1。
2015年04月15日ニコンは4月14日、デジタル一眼レフカメラ「D800」「D4」「D7100」の不正改造品が同社の修理に持ち込まれたと公表した。不正改造品や模造品がインターネットオークションなどで流通していることに注意を呼びかけている。ニコンは2014年12月にもD800にD800Eのカバーを取り付けた不正改造品について注意を呼びかけていた。今回は、D4にD4Sのカバーを不正に換装したもの、D7100にD610の銘版などを不正に換装したものについても注意を呼びかけている。いずれも、カメラの液晶モニターにて、1コマ表示モードから「統合表示」にした際、右上に正しいカメラ名が表示される。ニコンは、この方法によって真贋を見分けられるとしている。
2015年04月14日誕生の瞬間から初めて歩いた時、そして入園、入学や運動会など、子どもの成長は大切に写真に残していきたいもの。「カメラにこだわりたい」という人も多いでしょう。きれいな写真が撮れるカメラといえば、デジタル一眼レフカメラ。でも、「難しそう」「大変そう」と敬遠してしまいがちでは? しかし、最近は初心者でも十分扱いやすいものになってきました。今回は、デジタル一眼の良さに触れながら、「デジタル一眼レフカメラとコンパクトデジタルカメラの違い」について、説明していきましょう。■一眼レフとコンデジの違いは、カメラの心臓部「イメージセンサー」の違いコンパクトデジタルカメラ(以下コンデジ)と一眼レフの一番の違いは、イメージセンサーと呼ばれる、レンズから入る光を取り込むセンサーの大きさです。一般的に一眼レフに使われているイメージセンサーの大きさは、23.5mm×15.7mmの「APS-C」というサイズ。対してコンデジに使われているのは6.2mm×4.6mmと、一眼レフの1/3以下の、小さなサイズのイメージセンサーなのです。そのため、一眼レフのほうがより多くの光を取り込めて、美しい写真が撮れるということになります。美しい写真というと、画像の容量が気になるところですが、そのあたりも問題なし。容量が大きいRAWデータでの撮影もできますが、普段はセンサーの大きさを生かしつつ、コンデジとほとんど同じ容量で撮れるため、写真の保存にも困りません。ではここで、デジタル一眼レフカメラならではのよさをいくつかご紹介しましょう。■デジタル一眼レフには、赤ちゃんが生き生きと立体的に撮れる ボケ味の深さがあるスタジオで撮ってもらったフォトブックや雑誌などには、背景が美しくぼやけて、子どもが今にも触れられそうなほど近くに感じられる写真が数多くあります。これはイメージセンサーが大きい一眼レフでないと出せない効果。最近のコンデジでもある程度背景をぼかせますが、一眼レフに比べるとセンサーの大きさの違いから、どうしても深さが出せません。■デジタル一眼レフは、レンズを交換することで、雰囲気も一緒に写真におさめられる一眼レフはレンズを取り替えて「その時の雰囲気ごと写真に写したい」と感じた時に、思った通りの写真を撮ることができます。・暗い室内でも背景をぼかしながら日常をきれいに撮れる「単焦点レンズ」・遠いものを近くに引き寄せたように美しく撮影できる「望遠レンズ」・子どもの目線でのびのびと、広がりを持たせた写真が撮れる「広角レンズ」・花や子どもの産毛などに思い切り近づいて、より愛おしい写真が撮れる「マクロレンズ」ざっと挙げただけでも、これだけの種類のレンズがあります。たとえば運動会や入園式には望遠レンズ、日常の食卓やリビングでは単焦点、砂場では広角レンズ、寝顔にはマクロレンズなど、場面に合わせてレンズを取り替えていくだけで、生き生きとした写真を撮ることができます。■気軽に撮れるようになってきた一眼レフ、短所はその重さ最近はオートモード内蔵で、簡単に美しく撮れるデジタル一眼レフも増えてきました。ですが、だいぶ軽量になってきたとはいえ、コンデジと比べると、かさばって重たいという欠点があることは否めません。荷物を持ち歩かなくていい車での移動や、ベビーカーに積めるという時の持ち運びには適していますが、徒歩での移動の場合は、一眼レフカメラが邪魔に感じてしまうこともあるでしょう。■一眼レフとコンデジ、選ぶなら…結論としては、メモやスナップとして使いたいならコンデジ。家族でのお出かけや旅行など、思い出を雰囲気ごと切り取りって残したいならデジタル一眼で撮ることをおすすめします。どちらも一長一短。最近では、携帯電話やスマホで代用してしまうという人がほとんどかもしれませんが、だからこそ、デジタルカメラにしかない便利な機能を備えた機種もたくさん売られています。ぜひ、カメラならではのよさに触れてみてください。さて、次回からは、デジタル一眼レフカメラを購入しようと考えている人に向け、実際にデジタル一眼を選ぶ時のポイントや、子どもを撮るテクニックをご紹介していきますので、どうぞお楽しみに。
2015年03月26日●4枚の非球面レンズなどで世界最広角を実現キヤノンから超広角ズームレンズ「EF11-24mm F4 L USM」が登場した。一眼レフカメラ向けとしては世界最大という非球面レンズを使うことで、35mmフルサイズ用では、魚眼レンズを除いて世界最広角を実現。対角線方向の画角は126度をカバーし、人間の視界のほとんどをワンショットで収める驚異的なレンズである。その描写と使い勝手はどうなのか。実写レビューをお伝えしよう。EF11-24mm F4L USMを手にしてまず感じるのは、丸いガラスが大きく膨らんだ前玉部分の迫力だ。レンズの先端部が丸く突き出た製品は、超広角ズームでは珍しくはない。だが、その中でも特に径が大きく重量もあるので、外観に漂うモノとしての存在感は際立っている。EF11-24mm F4L USMの重量は1,180gで、全長は132mm、最大径は108mm。外装は金属素材で、防塵防滴構造となっている。多くの「L」レンズと同じく、しっかりとした剛性が感じられる高品位なデザインだ。内部にガラスや部品がぎっしりと詰め込まれたような凝縮感も伝わってくる。フードは固定式で、レンズキャップはロック機構付きでかぶせ式のものが付属する。フィルターはレンズ前面には装着できないが、レンズ後部にはゼラチンフィルター用のホルダーを備えている。レンズ構成は11群16枚。世界最大という非球面レンズを含む、4枚の非球面レンズによって、11mmという超広角を実現しつつ、歪曲収差を抑えている。また、スーパーUDレンズおよびUDレンズによって色収差を補正し、独自のコーティング「SWC(Subwavelength Structure Coating)」や「ASC(Air Sphere Coating)」によってゴーストなどを軽減しているという。今回使用したボディは「EOS 6D」。キヤノンのフルサイズ機では最小最軽量のモデルであり、フットワーク重視の選択だ。この組み合わせだとレンズのほうが重く、少々フロントヘビーに感じるが、レンズの全長はさほど長くないので、ホールドバランスが悪いというほどではない。●11mmというこれまでにない圧倒的な画角が味わえるAFはスムーズに作動し、MF時はフォーカスリングは滑らかに回転する。ズームリングについてはトルクはやや重め。ズーミングを行うと、一番前のレンズ群が光軸方向に動く。最短の撮影距離は焦点距離によって異なり、焦点距離11mmで32cm(撮影倍率0.06倍)、焦点距離16mmで29cm(撮影倍率0.10倍)、焦点距離24mmで28cm(撮影倍率0.16倍)となる。写りは絞り開放値からシャープネスが高く、ズーム全域でくっきりとした画像が得られる。超広角ズームで生じやすい倍率色収差や歪曲収差は目立たないように軽減。光学性能のレベルは非常に高いといっていい。希望小売価格は税別450,000円。フルサイズで11mm対応のレンズはほかにないので比べるのは難しいが、超広角ズームの中では高価なレンズである。とはいえ、業務または高級な趣味として、風景や建造物、インテリアなどを撮る人にとっては、これまでにない画角と画質が大きな魅力になるはずだ。人とは違った写真を目指す人にもお勧めできる。
2015年03月21日リコーイメージングは3月5日、同社のデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-S2」(以下、K-S2)のスマートフォン向け専用アプリ「Image Sync」の対応OSなど詳細を発表した。アプリは近日公開予定で、ダウンロードは無料だ。Image Syncは、無線LAN(Wi-Fi)に対応したデジタル一眼レフカメラK-S2の専用アプリ。K-S2とWi-Fi接続したスマートフォンやタブレットでは、Image Syncアプリを通じてリモート撮影できるほか、絞りやシャッタースピード、ISO感度などの設定も調整できる。カメラからスマートフォンへのデータ転送もワイヤレスで可能だ。アプリの対応OSはAndroid 4.4~5.0、iOS 7.1~8.1。Google PlayもしくはApp Storeから無料でインストールできる。K-S2は、100カ所に施されたシーリングによって防塵・防滴性能を持つデジタル一眼レフカメラ。防塵・防滴仕様のデジタル一眼レフカメラとして世界最小のボディを実現している(同社調べ)。そのほか、ペンタックスの一眼レフカメラでは初めてバリアングル液晶モニターを搭載するなど、"自分撮り"向けの機能も持つ。発売は3月6日で、ボディのみの市場想定価格は税別90,000円前後だ。
2015年03月05日ニコンは3月2日、デジタル一眼レフカメラ「D7200」を発表した。発売は3月19日で、価格はオープン。パッケージは本体のみのものと、交換レンズ「AF-S DX NIKKOR 18-140mm f/3.5-5.6G ED VR」が付属するレンズキット、「AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-5.6G ED VR」が付属するレンズキット、バッテリーパック「MB-D15」が付属するバッテリーパックキットの計4タイプが用意される。推定市場価格は本体のみが149,000円前後、18-140mmレンズ付属のものが189,000円前後、18-300mmレンズ付属のものが224,000円前後、バッテリーパックキットが165,000円前後となっている(いずれも税込)。なお、バッテリーパックキットは数量限定での販売だ。2013年3月に発売された「D7100」の後継機で、光学ローパスフィルターレスのDXフォーマット(23.5×15.6mm)CMOSセンサーを搭載する上級者向けモデルだ。センサーの有効画素数は2,416万画素。ローパスフィルターを省略することで、センサーの高い画素数やNIKKORレンズのシャープな描写力を最大限活かせるとする。AFシステムは、「D750」と同じ「アドバンストマルチCAM 3500IIオートフォーカスセンサーモジュール」を採用した51点AFシステムを搭載する。フォーカスポイントはD7100と変わらないが、AFの低輝度限界は-3EVまで対応し、暗所でのAF性能を向上させた。高速な画像処理エンジン「EXPEED 4」と内蔵バッファメモリーの容量を拡大したことによって、撮影範囲DX時には秒間6コマの速さで100コマ(JPEG)までの連続撮影が可能となった。14ビットロスレス圧縮RAWでも同じ速度で18コマまでの連続撮影が可能だ。通信機能として、IEEE802.11b/g準拠のWi-Fi(無線LAN)を搭載。NFC(近距離無線通信)も備え、対応のスマートフォンなどとカメラのWi-Fi接続をワンタッチで行える。そのほか、DXフォーマットレンズの焦点距離の約1.3倍の画角で撮影を行える1.3×クロップ機能の搭載、ファインダー内の高輝度・高コントラストな有機EL表示素子の採用、上面と背面にマグネシウム合金を使用した高耐久なボディなどの特徴を持つ。主な仕様は、マウントがニコンFマウントで、撮像素子が有効2,416万画素のDXフォーマット(23.5×15.6mm)CMOSセンサー、対応感度がISO100~ISO25600。シャッタースピードは1/8,000~30秒となっている。ファインダーは視野率が約100%(DX時)、倍率が約0.95倍(50mm f/1.4レンズ使用、∞、-1.0m-1時)、背面のモニターは3.2型・約122.9万ドット(RGBW)の液晶方式。利用可能な記録メディアはSD/SDHC/SDXCカード、記録形式は静止画がRAW、JPEG、動画がMOV(H.264/MPEG-4 AVC)、動画の記録画素数は最大1,920×1,080ドット/60pだ。バッテリーはリチウムイオン充電池で、CIPA準拠の撮影可能枚数は約1,110枚。本体サイズと重量はD7100と変わらず、約W135.5×D76×H106.5mm/約675g、バッテリーとSDカードを含む重量は約765gとなっている。
2015年03月02日2月12日から神奈川県・パシフィコ横浜で開催されている「CP+2015」。タムロンはタッチ&トライコーナーをブースの中心に配置し、一眼レフ向けの交換レンズを多くの人が手に取れるようにしている。○15-30mmの超広角ズームレンズ2014年12月に発売された「SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD」がひとつの目玉。35mmフルサイズ対応の超広角ズームレンズで、このクラスでは初めて手ブレ補正機構を搭載しているのが特徴だ。現在は生産が追い付かないほどの人気という。○16mmからの高倍率ズームレンズタムロンはフィルムカメラ時代から、高倍率ズームレンズで高い評価を得ているメーカーだ。その最新モデルが「16-300mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD MACRO」で、広角端が16mm、望遠端が300mmの18.8倍ズーム比率を誇る。こちらもタッチ&トライコーナーに各メーカー用レンズが用意されていた。○最高画質の超望遠ズームも「SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD」も、2013年12月にキヤノン用、2014年4月にニコン用が発売されて注目を集めた製品だ。ブース中心あたりに展示されているが、超望遠レンズのため、ここではその良さが分かりにくいかもしれない。そこで、会場を見下ろす場所でも(ブース隅にある階段を上がる)、この製品を試用できるようになっていた。ここならある程度は遠くまで見渡せた。ちなみに、超広角ズームレンズの「SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD」も試用できるようになっている。○レンズクリーニングコーナーCP+のタムロンブースではおなじみのレンズクリーニングサービス。タムロンレンズを持参すると、レンズとボディ部を無料で掃除してくれる。
2015年02月13日●防塵防滴仕様の軽量コンパクトな一眼レフ神奈川・パシフィコ横浜で2月12日から開催されている国内最大級の写真イベント「CP+2015」。リコーブースでは、発売を来月(2015年3月)に控えた話題の新製品「PENTAX K-S2」と「WG-5 GPS」をはじめ、リニューアルして人気の「RICOH THETA」などを展示。レンズバーも、発表されたばかりの「HD PENTAX-D FA★ 70-200mmF2.8ED DC AW」や「HD PENTAX-D FA 150-450mmF4.5-5.6ED DC AW」を手にとって試せるとあって盛況だ。○主役は一眼レフ「PENTAX K-S2」と最新レンズひときわ目を引いたのが、一眼レフ「PENTAX K-S2」の展示だ。コンパクトなボディにKシリーズ初のバリアングルモニターや内蔵Wi-Fi、NFCを搭載。しかも防塵防滴仕様の本格派だ。従来の一眼レフのイメージとは一線を画した特徴的なカラーリングをラインナップする(オーダーカラーサービスも提供)。デザインはK-S1の雰囲気を継承しつつ、より洗練された印象だ。センサーは有効約2,012万画素のAPS-CサイズCMOSセンサー、そして視野率約100%、倍率約0.95倍のペンタプリズム方式ファインダーを奢る豪華仕様である。タッチパネルは非搭載だ。レンズ展示も注目を集めている。PENTAXユーザー待望の★印望遠ズーム「HD PENTAX-D FA★ 70-200mmF2.8ED DC AW」や「HD PENTAX-D FA 150-450mmF4.5-5.6ED DC AW」に加え、発表されたばかりのコンパクトな沈胴式標準ズーム「HD PENTAX-DA 18-50mmF4-5.6 DC WR RE」も試用可能。当然ながらK-S2との相性も良く、取り回しの良さや、静かで暗所にも強いAFなどを実感できる。●噂のフルサイズ機がついにベールを脱ぐ…!?○噂のフルサイズ機がついにベールを脱ぐ…!?かねて噂のあった35mmフルサイズ一眼レフ機も、参考出品という形でついにベールを脱いだ。とはいえ、実際には装着されていたsmc PENTAX-FA 31mmF1.8AL Limitedのみが本物で、肝心のカメラ本体は形状検討用のモックアップ。形状からは内蔵フラッシュを持たないことやチルト式モニター装備らしき可能性も伺えるが、この状態ではあくまで推測でしかない。なお、クロップ機能によりDAレンズが使えるようになるとのことなので、レンズマウントに大きな変更はなさそうだ。2015年中の発売を目指して開発中とのこと。一方の技術展示では、カメラやレンズのカットモデル(なんと「PENTAX 645Z」や望遠レンズが真っ二つ!)や、HDコーティングの技術展示もあり、興味深い。○大人気が続く「RICOH THETA」ワンショット全周パノラマカメラ「RICOH THETA」。すでに発売中ながら、ポップな新色と低価格化、そして最大3分間の360度動画対応といった新要素で人気が沸騰、市場ではバックオーダーを抱えるほどの品薄状態だが、CP+では心ゆくまで触ることができる。特設撮影ブースでの体験撮影も可能だ。●頑丈コンデジにアクションカム、さらにフィルム時代の展示も○頑丈コンデジにアクションカム、さらにフィルム時代の展示も来月発売のタフネスコンパクト最新モデル「WG-5 GPS」、メカニカルなデザインが男心をくすぐるアクションカム「WG-M1」も展示。カメラ本体のタッチ&トライはもちろん、使用シーンを広げる数々のマウントも併せて試すことができる。このほかにも、双眼鏡・望遠鏡コーナーや、コアなリコー、PENTAXファンにはたまらないグッズを扱うオンラインストア関連の展示なども充実。フィルム時代の初代Kマウント機「K2」のイラストが入ったマグカップが当たる来場者限定のキャンペーンなども行っているので、ぜひリコーブースへ足を運んでみてほしい。
2015年02月13日ニコンは2月10日、天体撮影に特化したデジタル一眼レフカメラ「D810A」を発表した。5月下旬の発売を予定しており、価格はオープン。推定市場価格は税込420,000円前後。D810Aは、有効3,635万画素のニコンFXフォーマットCMOSセンサーを搭載した「D810」をベースに開発された製品だ。D810AはD810に比べ、CMOSセンサー前面にある光学フィルターのHα(エッチアルファ)線透過率を4倍に高めたことが特徴。Hα線の波長で赤く発光する星雲をより鮮やかに撮影できる。天体撮影向けの機能として、長時間露光マニュアルモード「M*」を新搭載。最長900秒のシャッター速度設定を可能としたほか、設定秒時を実制御秒時として比較明合成写真を撮影しやすくした。また、夜間の撮影環境を考慮して、ファインダー内に撮影設定情報を表示。水準器の表示設定時は常時赤く点灯させる。ライブビュー撮影では、30秒のシャッター速度を想定したプレビューを表示できる。リモートコードやマルチパワーバッテリーパックなど、天体撮影に便利なアクセサリー類もオプションとして用意する。
2015年02月10日リコーイメージングは2月10日、同日発表のデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-S2」のオーダーカラー受注サービスを開始した。K-S2の発売は3月6日だが、受注は2月10日から。パッケージは通常モデルのK-S2と同様、本体のみのものと、交換レンズ「smc PENTAX-DA L 18-50mmF4-5.6 DC WR RE」が付属する「18-50RE キット」、さらにもう一本の交換レンズ「smc PENTAX-DA L 50-200mmF4-5.6ED WR」が付属する「ダブルズームキット」、交換レンズ「smc PENTAX-DA 18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF] DC WR」のみが付属する「18-135WR キット」の4種類が用意される。推定市場価格は本体のみが90,000円前後、18-50RE キットが110,000円前後、ダブルズームキットが120,000円前後、18-135WR キットが130,000円前後(いずれも税別)。「PENTAX」ブランドのカメラでは恒例の豊富なボディカラーから選べる受注サービス。リコーイメージングで注文を受け次第、最短2週間程度で取扱店に出荷が行われるシステムとなっている。K-S2のオーダーカラー受注サービスでは、アウトドアユースを意識した「ネイチャーコレクション」と「スポーツコレクション」を用意する。ネイチャーコレクションはフォレストグリーン、デザートベージュ、ストーングレーの3種類、スポーツコレクションはホワイト×ライム、ブラック×ピンク、ホワイト×レーシングストライプ、ブラック×レーシングストライプの4種類。ちなみにレギュラーカラーはブラック、ホワイト、ブラック×オレンジの3色だ。K-S2は、2月10日に発表されたKマウントのデジタル一眼レフカメラ。防塵・防滴構造を持つデジタル一眼レフカメラとして世界最小のボディを実現した(同社調べ)。ペンタックスの一眼レフカメラで初となるバリアングル液晶モニターも採用している。
2015年02月10日写真家・桐島ナオ氏が講師をつとめる「猫が邪魔する一眼レフ教室」が開催される。日時は2月11日の13:00~17:30頃。場所は、東京キャットガーディアンが運営する保護猫カフェ・大塚シェルター(東京都豊島区南大塚3-50-1 ウィンドビル5F)だ。参加を希望の場合は申し込みが必要。参加費はテキスト代込みで5,000円。通常のカメラ教室と異なる点は、開催場所が猫カフェであるため、講義中に猫が邪魔しにくるということ。桐島氏は「猫達がものすごく可愛いので、講義に集中出来なかったらごめんなさい!」と語っている。この教室では、全くの初心者の方がカメラと写真の基礎から、撮影方法を一日でマスターすることができる。猫好き・写真好きな方が猫撮影を楽しめるコースとなっている。詳細は公式HPにて確認を。
2015年02月10日