親と同居しようと思っている人の中には、二世帯住宅を建てる人が多くいます。それらの人たちには、やがて介護という現実と向き合うことになります。では、介護者とどのようにして家に住めばいいのでしょうか?そこで、気になる介護がしやす住まい「介護住宅」についてご紹介します。■ 同居の最も多い理由は「親の老後が心配だから」日本人の平均寿命が90歳に迫りそうな昨今ですが、すべての人の老後が明るいわけではありません。なぜなら、2025年には65歳以上の人の5人に1人は認知症を発症するという現実が立ちはだかっているからです。つまり、今は大丈夫でも10年後、介護している可能性は高いということです。親と別々に暮らしていた息子や娘が、再び親との同居を考える理由として最も多いのが、「親の老後が心配だから」というもの。Ushico / PIXTA(ピクスタ)特に片親だけになってしまった場合、同居の可能性はより高くなります。ちなみに、父一人または母一人という片親比率について旭化成ホームズが調べたところ、50代・60代では2割ほどですが、80代になると8割にも達します。また、親子同居経験者に限ると、じつに7割以上が介護を経験しているという調査結果もあります。■ 介護がしやすい「共用型」二世帯住宅親世帯と子世帯が同居となった場合、二世帯住宅を新築するという人も多くいます。二世帯住宅には独立型と共用型があります。独立型はキッチン、浴室、玄関などすべてが親世帯と子世帯とで別々になっている住宅です。千和 / PIXTA(ピクスタ)親世帯が元気なうちは互いのプライバシーが保ちやすい独立型がよいかもしれません。一方の共用型は、基本的な生活空間を共用し、サブキッチンやサブリビングなどのサブ空間を設けた住宅です。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)3階建住宅では、2階に共有のLDKをつくり、1階に親世帯、3階に子世帯の居室をつくることがよくあります。2階で互いに交流するよう、メインとサブの空間を使い分けています。老親の介護に向いているのは、共有部分が多い共用型二世帯住宅でしょう。共用型は食事を一緒にとったり、リビングでくつろいだりと親を常に見守りながら生活することができます。■ 「娘夫婦同居」と「息子夫婦同居」の違いは何?同じ同居でも娘夫婦と息子夫婦とでは親子関係がかなり違ってきます。息子夫婦同居の場合、嫁姑問題に配慮して独立型にすることが多いようです。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)娘夫婦の場合もそれなりに互いの立場を考えなければならないでしょう。息子夫婦同居の特徴として、親は子世帯のところへあまり行かないという傾向があります。これは、お嫁さんへの気遣いの表れでもあります。いざ介護することになっても親は自分たちだけで介護することが考えられますので、一人だけで介護しないよう、協力しあうことを心がけましょう。■ 主介護者の負担を軽くするルールづくり認知症を発症すると実の親子でも仲が悪くなったり、介護放棄したりするなど、これまでの関係が悪化することがあります。意外にも血縁関係のない夫や妻のほうが介護しやすいこともあるでしょう。認知症の初期には親も元気なのでよく動き、いろいろな問題を起こしやすいので、見守りや付き添いで主介護者は心身ともに疲れます。freeangle / PIXTA(ピクスタ)家族みんなが協力できるところは分担し、主介護者の負担を軽くするようルールを作ることも大切です。家事や見守りは子どもでもできる部分はたくさんあります。つむぎ / PIXTA(ピクスタ)介護で家族が一つにまとまるチャンスであると考えれば、協力は得られると思われます。■ 移動のスムーズさがカギ!介護がしやすい加齢配慮の二世帯住宅現在の住宅は家族の成長に合わせて、間仕切りや空間が変化しやすいよう設計されていることが多いといわれます。同じように、二世帯住宅を新築する場合、加齢による体力の変化にスムーズに応じられる住まいであることが重要です。介護で最も問題なのは移動で、想定すべきルートは3つあります。トイレへの移動リビングへの移動外への移動トイレの中では車椅子が回転できる広さを得るため、洗面と間仕切りを設けないワンルームにするなどの工夫が必要です。shizuka / PIXTA(ピクスタ)リビングは家族との団らんを楽しむ場であり、できるだけ一緒に過ごせるよう通行しやすいルートにします。外出のルートは、デイサービスや病院のほかに買い物や行楽に出かけやすいよう、玄関、階段、玄関アプローチに配慮が必要です。YNS / PIXTA(ピクスタ)これらのルートについては、車椅子でも通れる幅であることが大切です。段差や障害物をなくして、スムーズに通れるようにしておきましょう。介護住宅について、まだまだ個々の家庭で対処している状況ですが、親との同居やリフォームを考えている方は、ぜひ参考にしてください。【参考】※旭化成ホームズ 二世帯住宅研究所二世帯同居・この10年※旭化成ホームズ 二世帯住宅研究所親子同居スタイル・多様化の実態
2018年10月05日今では、マイホームの選択肢のひとつが二世帯住宅になっています。二世帯住宅を検討する際の心配事は、一緒に暮らし始めたはいいけど本当にうまくいくの?という暮らし方の悩みから、生活費や税金、相続などのお金のこと敷地活用や間取りのこと、介護や孫とのコミュニケーションなど、多岐にわたります。今回は、二世帯住宅の間取りの特長から考える住まいのコツや暮らし方まで、専門家から聞いた快適に過ごせる住まいの基本のコトを紹介!また、二世帯住宅を考える際によくあるお悩みについてもQ&Aで解説します。■ 間取りから学ぶ二世帯住宅の基本タイプ~特長と暮らし方のコツ二世帯住宅は、多くが親の家の建て替えと合わせたタイミングがいいようです。初めて二世帯住宅を考える方へ、間取りの特長や暮らし方のコツを基本から解説します。間取りから学ぶ二世帯住宅の基本タイプ~特長と暮らし方のコツ二世帯住宅の基本のタイプから間取り別メリットと注意点など、知っておきたい基本のコトを紹介。間取りから学ぶ二世帯住宅の基本タイプ《あわせて読みたい実例記事》>築80年の実家をリノベ。古材を生かして、快適な二世帯に【住まいの設計】>あたらしい「バリアフリーリノベ」【リライフプラスarchive】■ うまくいく二世帯住宅の建て方・暮らしの秘訣今は義理両親ともうまくいっているけれど、二世帯住宅にしたら本当にうまくいくの?建築家の米倉拓生さんに「うまくいく二世帯住宅の秘訣」をお聞きしました。うまくいく二世帯住宅の建て方・暮らしの秘訣【建築家米倉拓生さんに聞きました】二世帯住宅を建てる際には、気にするべきポイントがいくつかあります。娘夫婦、息子夫婦のどちらと同居するかでも建て方は変わるようです。うまくいく二世帯住宅の建て方・暮らしの秘訣《あわせて読みたい実例記事》>安心感と好きなインテリアを両立させた二世帯住宅【住まいの設計】■ ハウスメーカー業務経験者が語る!二世帯住宅を建てる前に抱えやすい悩みと解消ポイント二世帯住宅を建てる際、ハウスメーカーに依頼するケースが多くあります。ここでは、ハウスメーカーに5年勤めた経験のあるライターの川添さんに、二世帯住宅を建てる前に多くの人が抱えやすい悩みや不安、その解消ポイントをお聞きしました。ハウスメーカーで二世帯住宅を建てる前に起きる多い悩みと解決法多くの人が抱えやすい悩みや不安の解消ポイントを解説。ハウスメーカーで二世帯住宅を建てる前に起きる多い悩みと解決法二世帯住宅で義両親・夫側と妻側がうまくいくカタチとは?Q&A二世帯住宅を建てる前に、夫側、妻側どちらの義両親のどちらの場合でも、うまくいく「住まい」のあり方について確認しておきたい基本ポイントを解説。夫側、妻側どちらの義両親と住んでもうまくいく「住まい」のあり方《関連記事》>「二世帯住宅」ってどう?住んでから分かるメリット・デメリット>「お金、家事、介護…etc.「同居」の前に親と話し合って決めるべきこと《あわせて読みたい親とのコト》>親の介護ではいい嫁になるな!妻が「介護うつ」にならない方法6つ>約55%が相続先が未確定!「実家の相続」親子のホンネとは?>実家の片付けは親を監督兼助手にするとうまくいく!?【実践編】>2025年には5人に1人が認知症に!介護問題って何から始めればいい?>「実家」が汚すぎて片付けが無理…という人は必見!親も納得する整理術とは?
2018年10月05日二世帯住宅の設計には細やかな心配りが必要です。あらゆる方向から物事を見る必要があるからです。二世帯住宅を建てるには、何から始め、何を考え、何に気をつければよいのか……。二世帯住宅を建てる際に、事前の心得やプランニング、一緒に暮らす際のルール決めなど、気にするべきポイントがあります。今回は、建築家の米倉拓生さんに「うまくいく二世帯住宅の秘訣」をお聞きしました。Q.二世帯住宅を建てる前に心得ておきたいことは?A.二世帯住宅を建てる理由を明確にしましょう「高齢の親の面倒を見るため」「病気になったときに子どもがそばにいてくれたら安心だから」「共働きなので、子どもの面倒を見て欲しいから」「親はまだ若く元気だけれど、今ある土地を活用できるから」…など、二世帯住宅を建てるきっかけはさまざまあることでしょう。maroke / PIXTA(ピクスタ)ここで気にとめておきたいことは、親子間に「依存」があるかどうかです。前者の3例は親子間に依存関係が生じますし、後者の1つは個々に独立した関係にあるといえます。この違いによって、二世帯住宅の建物の形態が変わってくるのです。依存関係がなければ、玄関もキッチンも浴室もすべてを分ける完全分離型も成立しますが、子どもの面倒を親に見てもらいたいという場合、また親に介護が必要な場合は、つながりを重視したプランニングを提案します。「二世帯住宅を建てる理由」をあやふやにせず、しっかりと確認をしておくこと。これができてから家づくりにとりかかることをおすすめします。Q.二世帯住宅のプランニングで考慮したい点は?A-1.せっかくの二世帯です。つながりをつくりましょう「一部をつなげる」「共有スペースをつくる」……。この場合、どこをどのようにつなげるかがポイントになります。また共有スペースをつくろうという場合、両親、息子、嫁の立場でそれぞれ思惑があり、意見に食い違いが出るケースが多いのです。例えば、両親側は「孫の顔が見たいから共有スペースをできるだけ多くしたい」、息子は「キッチンを分ければいいだろう」、嫁は「行き来ができるドアだけ設けて、キッチンや浴室はしっかり分けたい」……などと家族間で考えがまちまちということです。しかし、せっかくの二世帯住宅です。マンションのような個別のつくりでは、血のつながった親子ですし、近くに住んでいる意味がありません。下の2点のスケッチのように、吹き抜けやテラスなどに「呼びかけ空間」をつくったらいかがでしょうか。さりげないコミュニケーションが自然にとれます。「ほどよい距離でほどよい交流」が二世帯住宅の理想です。建物をコの字型にし、中央に共有できるテラスを設けた。1階が親世帯、2階が子世帯となっており、テラスがあることで孫も行き来しやすくなる。またこのプランは、都市の密集地の場合にも光と風を取り込むことができる1階と2階のそれぞれにLDKのある分離した二世帯住宅。1階の一部に吹き抜け空間をつくり上下で呼びかけができるようにしたA-2.特に注意したいのは生活音の問題です1階に親世帯、2階に子世帯が配されるケースはよくありますが、やはり特に悩まされるのは「生活音」の問題ではないでしょうか。子どもが走り回る音が気になったり、親世帯が寝静まったあとに、遅く帰った子世帯のシャワーの音が響いたり、といったことが考えられます。このほか、テレビの音、キッチンで洗いものをするときの音、トイレの音、ドアの開け閉めの音なども「生活音」です。また、音楽を聴きたくても遠慮しなくてはいけないようなら困ったものです。プラナ / PIXTA(ピクスタ)対策としては、水回りの上には水回り、寝室の上には寝室と、同じ用途の居室を上下階で重ねること。寝室の上がDKであったりすれば、椅子を引く音なども気になるかもしれません。遮音性のある床材を張れば、ある程度の効果は期待できます。freeangle / PIXTA(ピクスタ)もうひとつの対策としては、2階に親世帯、1階に子世帯を配することで、前述のような音の問題はある程度解決できます。Q.息子夫婦と娘夫婦で建て方は変わりますか?A-1.娘夫婦との二世帯も増加。同居型も多いですね女性が嫁いで長男の家に入るという風潮は、時代の流れで変わりつつあります。よって、娘夫婦と暮らす二世帯住宅もここ近年増えてきました。母娘なら本音で話し合えて、不満があってもためなくてすみます。家づくりの段階でも、一緒に住みはじめてからもそれはいえるでしょう。「娘がそう言うならいいわ」と、歩みよれるのです。結果、同居型でもうまくいく場合が多いのです。こちらの娘夫婦と暮らす二世帯住宅の間取り図は、玄関、キッチン、浴室のすべてを共有している娘夫婦との同居型の一例。とても仲のいい家族なので、米倉さんはあえて「気配の感じる」プランを提案し、それが実現しました。1階のLDKの隣には両親の部屋がありますが、普段から扉を開けて生活しているとのこと。広い納戸を間に置くことで、ゆるやかに空間分けがなされています。この家族は仲がいいので、特に子世帯のご主人の居場所をつくっていませんが、一般的にはご主人が息抜きできるように、狭くても書斎などを設けるようにするとよいでしょう。A-2.息子夫婦と同居する場合、分離したほうが無難嫁姑の関係は、今も昔もさほど変わるものではなく、現実を見据えて言えば意思の疎通はなかなか難しいものです。気の合う義母と嫁の場合は別にして、完全分離型にするほうが気遣いは少なくてラクでしょう。ですが、前述したとおり、子どもの面倒を見て欲しいとか、介護の必要があるといったときには、同居型もありえます。この場合、ご主人が奥さんを理解してあげることが大事だと私は思います。こちらの間取り図は、玄関、浴室を共有し、キッチンを別々に設けた、息子夫婦と暮らすプランの一例。「浴室を一緒にしたのは使用する時間帯がずれていた点と、奥さまの性格によるところが大きい」と米倉さん。奥さまの温和な性格によりこうした共有箇所を設けたとのこと。東側の親世帯はドアを閉めれば独立した空間になり、それぞれの時間を過ごすことができます。また玄関の上を吹き抜けにして、来訪者があれば2階からも確認できるようにしています。次ページ>Q.二世帯の暮らしのルールはどのように決めたらいいのですか?Q.バリアフリーのほかに高齢者に配慮する点は何かありますか?Q.二世帯の場合、登記はどのようになるのですか?
2018年10月04日二世帯住宅は、多くが親の家の建て替えと合わせたタイミングがいいようです。初めて二世帯住宅を考える方へ、間取りの特長や暮らし方のコツを基本から解説します。特に都市部の子世帯にとっては土地代なしで家を持てるメリットが大きく、さらに子育ての協力も得やすいため、検討する人が増えています。また、将来的に相続がスムーズになる点も見逃せません。今では、マイホームの選択肢のひとつが二世帯住宅になっています。費用面の優遇、子育てや家事などで協力し合える……と、メリットもいろいろあるようです。■ 二世帯住宅は、数年先より10年先、20年先を視野に入れた計画を!二世帯住宅は、誰と住むのか、その関係性で設計プランが違ってきます。妻にとって夫の親と暮らす場合、独立タイプが賢明です。妻側の親だと同居で大丈夫と思いがちですが、自分たちの空間にサブ的なダイニングキッチンやご主人がくつろげるスペースがあると良いです。もし親を呼び寄せて二世帯を建てる場合は、親が寂しくならない配慮が大切です。子世帯と顔を合わせやすい間取りを考えたいもの。さらに長期的な視野も入れ、いずれ部屋が空いた際、どう使うのか。例えば、ある程度の広さがあり玄関が2つで水回りも独立していれば賃貸転用も可能になります。数年先より、10年先、20年先まで予想して二世帯住宅を建てることをオススメします。■ 知っておこう!二世帯住宅の基本タイプ基本タイプは3つ。分離型の独立タイプと一部共有の共用タイプ、同居に近いけど専用空間も充実させた融合タイプとなります。独立タイプ壁で仕切り、あるいは上下で分けて外階段をつけ、完全に生活空間を分離させたタイプ。玄関をはじめ水回りや食事空間も別で、言わばマンションの隣同士に近いイメージです。千和 / PIXTA(ピクスタ)メリット家族がすぐ近くにいる安心感を持ちつつ、プライバシーを保ちやすい2世帯それぞれの生活時間のリズムや習慣を崩さず暮らしやすいここに注意!壁や天井で完全に仕切り、玄関も設備も2軒分必要になるので、建築コストがアップ!共有タイプ玄関、浴室などの設備を一部共有しながら、お互いの生活ゾーンを分離させたタイプ。同じ玄関を入り、1階に親世帯、内階段を上がった2階に子世帯が住むパターンが一般的K.M.S.P. / PIXTA(ピクスタ)メリット適度にプライバシーが保たれ、お互いの空間への行き来もスムーズ玄関や水回りなどの設備を共有するぶん、建築コストが抑えられるここに注意!設備を共有で使うため、お互いの生活時間帯や動線を邪魔しない間取りの工夫が必要!融合タイプ基本的な生活空間を共有し、家事・育児や生活コストの効率化を図るタイプ。それぞれサブリビングやミニキッチンなど専用空間も設け、完全同居とならない間取りが特長K.M.S.P. / PIXTA(ピクスタ)メリット共有部分が多いので、3タイプのなかで最も建築コストを抑えられる専用空間があるため、同居に近くても適度にこもれてストレスをためにくいここに注意!全員が集まる場所と専用空間のメリハリをつけ、とくに義理の間柄でも居心地よくできる工夫が必要■ 間取りから学ぶ二世帯住宅共用タイプ共有の玄関からホームエレベーターで昇降。親世帯を日当たりのよい3階に!玄関共有の二世帯住宅。親世帯は日当たりのよい3階、共働きと学校で昼間は家を留守にしている子世帯は1・2階とし、お互いの暮らしを尊重する住まいを実現しています。3階への移動はホームエレベーターの活用でラクラク!ゆったりとした2階の子世帯LDKにも行き来しやすく、3世代での食事も楽しめます。ポイント1. エレベーターで親世帯のムリのない3階住まいが実現以下の写真は、3階建ての外観。玄関ポーチを広く取り、親が近所の人と気軽に会話を楽しみやすい工夫になっています。そして、3階を親世帯に充てられたのは、ホームエレベーターがあるから。重い荷物運びにも大助かりなのです。ポイント2. 子世帯のLDK はアイランドキッチンで広々と開放的!3世代でゆったりと食事や会話を楽しめる2階の子世帯LDK。アイランドキッチンは数人で囲みやすく、壁沿いの長いベンチで大人数のホームパーティもOK!(設計/設計事務所アーキプレイスプロデュース/OZONE家design撮影/大槻夏路)融合タイプ小さくても専用空間を確保し、玄関と水回りは共有で気配がよくわかる親世帯は山が望めるよう角度をつけた平屋、子世帯は2階建てとした二世帯住宅です。両世帯の間に共有の玄関と水回りを設け、高齢の親の気配を感じつつ、子世帯の専用空間も十分にキープしています。親世帯は広いワンルーム仕様で、動きやすさと見渡しのよさが特長です。ポイント1. ゆったりとして動きやすい水回り。着替えもスムーズ!水回りは広めの設計で動きやすく、壁と天井にはサワラの板を張ってまるで和風旅館のよう。洗面室兼脱衣室に設けたベンチで、高齢の親も着替えがスムーズにできます!玄関ホールから子世帯と親世帯が視界に。親世帯は引き戸とフィックス窓の設置で、出入りしやすく、見守りもしやすいポイント2. 庭のテラスは二世帯が出会う共有のリビング親世帯はキッチンから、子世帯はリビングからそれぞれ出られるデッキと石張りのテラス。二世帯が顔を合わせてくつろげる、庭と一体化した第2のリビングになっています。(設計/熊澤安子撮影/大槻夏路)独立タイプ家を挟む2つの接道を生かし、それぞれの玄関を建物の反対方向に設置。将来は賃貸への転用も可能!高低差のある敷地に建てられた二世帯住宅です。東西2方向の接道を利用し、玄関を世帯別に設置。1階を親世帯、2階を子世帯の完全分離型を実現。子世帯南側のデッキは孫たちの遊び場になっていて、ここから1階の親世帯の気配を感じられ、声をかけられる仕組みになっています。ポイント1. 仲はいいけれど玄関は別にして、適度な距離をキープ親世帯は平らな西側道路、子世帯は高低差のある東側道路から外階段でアクセス、と振り分けて適度な距離をキープ。将来的に賃貸への転用も可能なように、生活機能を完全に分離させた設計になっています。ポイント2. 親世帯の暮らしを思いやるアイデアと仕様をプラス2階バルコニーは1階親世帯の天窓とつながり、明かりが消えると就寝の合図。子世帯は静かにするよう配慮されています。子世帯の廊下は床下に防音シートを敷き、音漏れを軽減しています。(設計/中村高淑 撮影/中村風詩人)次ページ>親世帯に配慮した最新設備を取り入れましょう!二世帯住宅とお金のメリット実はお得がいっぱい!
2018年10月03日二世帯住宅を建てることになり、夫側、妻側どちらの義両親と一緒に住むかどうかでも、いろいろと悩みがあるようです。今回は二世帯住宅を建てる前に、夫側、妻側どちらの義両親のどちらの場合でも、うまくいく「住まい」のあり方について確認しておきたい基本ポイントをご紹介します。実際、義両親とは良好な関係だけど、二世帯住宅をきっかけに仲が悪くなってしまうのではないか?価値観がまったく合わずストレスになってしまうのではないか?など悩みは耐えないもの。上下階か左右で生活空間を分けたとしても、同じ屋根の下に暮らすのですから不安があるのは当たり前です。だからこそ事前に話し合うなどをして準備をしておくことが大切なのです。■ 二世帯住宅を建てるときに、「義両親・夫側」と「妻側」とで考えておく基本ポイントKY / PIXTA(ピクスタ)ここでは、二世帯住宅を建てることを決めたら、建てる前に事前に考えておきたいポイントを紹介します。1.夫、妻共通のまず考えておく基本ポイントQ.二世帯住宅をどのタイプにするか?千和 / PIXTA(ピクスタ)二世帯住宅のタイプは、「完全同居型」「部分同居型」「完全分離型」の3つがあります。まずはどのタイプの暮らし方にするのか話し合いましょう。今までの事例として、夫婦が完全分離を検討していたところ、それを聞いた義両親はあまり良い思いをしなかったということもありました。お互いの考えや価値観に相違がないか、しっかり確認が必要です。Q.もし部分同居型なら、どの部分を共用するのか?部分同居型は多く選ばれるタイプです。どこを共用するのか話し合いが必要です。例えば、玄関は共用にすることで、出掛けたり帰宅する様子をお互いに把握できます。K.M.S.P. / PIXTA(ピクスタ)それがゆえに生活スタイルや時間が異なることでストレスになったり、気を使って暮らしにくくならないのか、どこまで許容できるのかを考えておかないければいけません。Q.電気・ガス・水道のメーターは分けるのか?一緒にする場合は月々の支払いをどうするのか?CORA / PIXTA(ピクスタ)光熱費は毎月かかるもの。事前に検討しておかないと、あとで分けたいと思っても、かえって手間がかかってしまいます。費用面は特にシビアなものなので、必ず話し合いましょう。Q.義両親世代の寝室の上は収納にする?両親は遅くまで起きている方もいますが、早く寝る方が多いのではないでしょうか。そんな中、二世帯住宅では気になるのが音問題です。特に親が寝ている中、足音などに気を使うのも疲れてしまいますよね。間取りを検討する段階で、親の寝室の上はあまり物音を立てにくい収納スペースや書斎、もしくは寝室にするなど考えておくといいでしょう。スムース / PIXTA(ピクスタ)Q.一階と二階の廊下の行き来は開放するのか、それとも扉をつけるのか?イグのマスタ / PIXTA(ピクスタ)基本的に二世帯住宅は一階と二階が行き来できるようにしないといけません。ですが、あまりにも開放してしまうのは嫌だという方もいますし、その逆もしかりです。扉をつけるのか、または鍵もつけるのかなど小さなことですが、意外と大切なところでもあります。Q.相続問題は解決できているか?吉野秀宏 / PIXTA(ピクスタ)二世帯住宅で懸念されるのが兄弟(兄妹)問題です。土地の名義や建物の名義をどうするか兄弟(兄妹)を含めて話し合いをしておかないと、相続が争続に発展することも珍しくありません。二世帯住宅にする上で1番大切な話し合いといっても過言ではありません。1-1. 同居するのが夫の両親の場合考えておく基本ポイントxiangtao / PIXTA(ピクスタ)夫の両親と住むパターンで、やはり義両親と妻がうまくいかないことが多いです。しかし事前に考えておくことで、軽減されますので、準備しておきましょう。キッチンを共有するかどうかを話し合うYUMIK / PIXTA(ピクスタ)キッチンは女性にとって1番大切なスペースといっても過言ではありません。もしキッチン部分を共用するならば、どちらに合わせるのか確認が必要です。例えば、人それぞれ快適なキッチンの高さや広さは異なります。どちらが長くキッチンに立つか?など確認しましょう。またキッチンを別々にするとしても、キッチンにどのような設備を入れたいのか、一緒にショールームに行って確認しましょう。息子夫婦が資金をすべて支払う予定なのに、妻がある程度我慢して、義両親が良いキッチンにしていて、納得がいかなかったという事例もあります。収納部分をある程度決めておくチンク / PIXTA(ピクスタ)収納はいくらあっても多すぎることはないほど大切なスペースです。決められた土地の大きさの中、お部屋を確保しつつも、収納もしっかりと確保しなければいけません。もし収納を共用すると、どちらか世帯が知らずのうちに占領してしまうかもしれません。譲り合う部分も出てくるので、それぞれが納得のいくまで確認しておきましょう。せっかく新しく家を建てたのに、かえって不満が増えた、という風にはなりたくないですよね。子育ての方針などを話し合うucchie79 / PIXTA(ピクスタ)もし妻も働いており、子どもの面倒を四六時中見れない場合は、義両親の理解も必要です。「忙しくて夜ご飯を作ってあげられない」「送り迎えに行けないときがある」など協力してもらいたいときもありますよね。どうしても気を遣ってしまうところではあるので、事前にどの程度面倒見てもらえるのか、といったことについて話し合うかどうか夫に相談しておきましょう。1-2. 同居する義両親が妻側の場合考えておく基本ポイントEKAKI / PIXTA(ピクスタ)プライバシー空間を検討するどうしても妻側の夫婦との二世帯住宅となると、肩身が狭くなる人もいます。夫が快適に暮らせるように、プライベートな空間を検討すると良いでしょう。二世帯住宅を建てる時の資金についてローンは夫婦で組むこともありますが、夫が組むことが多いのではないでしょうか?家族とはいえ、費用についてはシビアに考える必要があります。息子(夫婦)がほとんどの費用を支払うのか、援助はどの程度してくれるのか?また、その費用の割合で、どこまで自分たちのしたいことなどを主張できるのかまで話し合えたら理想的です。■ うまくいく二世帯住宅事例から見た、親夫婦との生活と関係性xiangtao / PIXTA(ピクスタ)お互いの距離感をうまく保っている家族の生活スタイルでまったく同じスタイルの家族なんてひとつもありません。お互いに理解をして、遊びにきたいときはいつでも来ても良い、くらいのスタンスで干渉しすぎないことが二世帯住宅のうまくいくコツです。コミュニケーションを大切にする深く関わるのはお互いに負担が大きくなりますが、朝の挨拶や子どもの誕生日のときは集まるなどして、メリハリをつけてコミュニケーションをとることで良い関係を保つことができます。■ まとめEKAKI / PIXTA(ピクスタ)筆者はハウスメーカーでさまざまなご家族の住まいづくりをお手伝いさせていただきましたが、ひとくちに二世帯住宅といっても、どのご家族も同じ暮らしはありませんでした。ですが、それぞれに悩みや不安を抱えつつも、大切な家族との暮らしを守るためにお互いに理解しようと努力している人がほとんどのようです。話し合えばわかること、話し合ってもわからないこともありますが、不満を抱えているよりも、しっかりと話し合えている家族の方が結局はうまく暮らしていけるのかな、と感じました。これから二世帯住宅を検討される方は、ぜひ参考にしてみてください。
2018年09月30日家族のあり方も変化していき、最近では二世帯住宅も増えています。二世帯住宅が増えた理由は「女性の社会進出による子育ての変化」「親の介護」などさまざまです。それらを互いに支えるために二世帯住宅を検討する家族が増えました。しかし、義両親と住むことは必ずしもうまくいくわけではなく、悩みや不満を抱えているケースも多くあります。ハウスメーカーに5年勤めた経験から、二世帯住宅を建てる前に多くの人が抱えやすい悩みや不安、その解消ポイントを解説します。あわせて、うまくいくケース事例もご紹介。■ 義両親と同居、どんな暮らしになる?暮らし方が変わる二世帯住宅の種類千和 / PIXTA(ピクスタ)二世帯住宅における、義両親との暮らし方は以下の3つです。それぞれのメリットと実際の暮らしなどの本音も見てみましょう。完全同居型EKAKI / PIXTA(ピクスタ)個室以外、ほとんどの生活空間を共用するタイプです。コストはあまりかかりませんが、生活となると気を使う部分もあるそうです。部分同居型Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)玄関やキッチンなどの一部を共用しつつも、リビングなどは分けるタイプです。玄関などは、どの程度のスペースをお互いに使うのかを遠慮してしまいがちになるそうです。完全分離型千和 / PIXTA(ピクスタ)義両親との生活空間を完全に分けた暮らし方です。生活リズムがほとんど異なる義両親との生活ですから、完全に分離することで相手を気にせず済むようです。■ 二世帯住宅を建てる前、実際に多い悩みや不満U-taka / PIXTA(ピクスタ)1.光熱費の支払いの不満Naoaki / PIXTA(ピクスタ)家を建てると、ほとんどの方は住宅ローンを組むでしょう。月々の負担が増えるため、毎月支払う水道、ガスなどの光熱費についてもシビアになります。そんな中、二世帯住宅で義両親との共同生活において、光熱費について話し合えていなかったり、なかなか言えずにうやむやにしてしまったことで、不満が募っていくケースがあります。今後ずっと支払っていく光熱費ですから、事前に話し合うか、義両親であるがためになかなか言い出せない場合は、夫もしくは妻に相談して言ってもらいましょう。2.部分同居型にしたが、それに対する不満二世帯住宅では敷地が十分に確保できて、コストもかけられるのならば、完全分離型にしたい方が多いでしょう。ですが、なかなかそれが難しい方もおり、一部を共用スペースにします。多いのは玄関とキッチンと水回りです。YUMIK / PIXTA(ピクスタ)生活スタイルやリズムがそれぞれの世帯で異なりますから、どこを共用しても息の詰まるような気分になってしまうケースが多いです。例えば玄関を例に出すと、収納部分がどちらかの世帯の物で占領されてしまったり、または逆に占領してしまうことを気遣ってしまったりと快適に暮らせなくなる恐れがあります。言いにくいことでも、暮らしてから不満を抱いたり、もめ事が起きるよりも事前に確認しておく必要があります。3.建築費の支払いの割合freeangle / PIXTA(ピクスタ)どちらがどれだけ支払うか細かく話し合っていないパターンです。子世帯がほとんど支払うパターンや義両親が資金を一部援助するパターンもあるでしょう。支払いで不満が出る多くのパターンは、義両親が打ち合わせにて、知らず知らずのうちに最新設備を入れたり、窓を大きくしたり増やしていたりして、コストが上がっているパターンです。子世帯はそれを否定しにくいため、我慢してしまうケースが多いです。設備や建具など金額が増えそうな打ち合わせの際に一緒に打ち合わせをして、確認するのがオススメです。4.友人やママ友を呼ぶのに遠慮してしまうUshico / PIXTA(ピクスタ)自宅に頻繁に友人を招き入れる方は、話し声などの騒音で義両親に気を遣ってしまうケースがあります。二世帯住宅にしてからできなくなってしまっては不満が溜まってしまいますよね。こちらも一緒に住む以上、事前に理解してもらうことが必要です。5.義両親から干渉されてストレスを感じるFast&Slow / PIXTA(ピクスタ)いくら完全分離型の二世帯住宅にしても、一つ屋根の下に暮らしているわけですから、お互いの暮らしを監視しやすい面もあります。特に多いのが、子どもができてからの義両親からの干渉や口出しです。夫婦2人とも家を留守にしなければならないときなどは、すぐに頼めるので助かりますが、普段の暮らしも干渉されてしまうと不満の原因になってしまいます。直接言いにくかったら、遠慮せずに夫または妻に相談しましょう。■ 二世帯住宅で義両親と本当にうまくいくケース事例maroke / PIXTA(ピクスタ)ここで義両親との生活が成功したケースをいくつかご紹介します。1. 夫または妻がしっかりと仲介役になってくれる本当の親ではなく、さらにパートナーの両親には直接言いにくいこともたくさんあるでしょう。そんなときにしっかりと仲介役を引き受けてくれるパートナーだと、成功しているケースが多いです。2. どんなに仲が良くてもガスメーターは別々にしている義両親の理解もあり、事前にガスメーターを別々にする話し合いができている家族はあまりモメていません。3.共用されたら困る部分や、共用せざるを得なくなってもお互いのスペースを決める暮らし方は人それぞれですから、靴が大好きな人は玄関周りを占領してしまうでしょう。そういった譲れない部分は事前に伝えておく必要があります。4.家を建てるまでの打ち合わせは、一緒のときと別々の日を分けてするハウスメーカーで建てる場合は完成まで打ち合わせをします。毎回別々で打ち合わせをしていると知らない間に色々な設備を入れてしまったりすることもありますし、反対にいつも一緒だとそれぞれの本音を担当スタッフに言えないこともあります。スタッフに、分けたいときと一緒にしてほしい日などを事前に調整してもらいましょう。5.お金に関することを事前に話し合う費用はとても重要な部分です。どれだけ支払うのか、義両親が出してくれるのか納得するまで話し合いましょう。■ まとめYUMIK / PIXTA(ピクスタ)二世帯住宅の悩みや不満についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?事前に話し合うなど準備をしておかないと、どんなに仲の良い家族でも、もめ事に発展する恐れもあります。不満は少しのキッカケから生まれてくるものなので、それをお互いにスルーせず、お互いの快適な暮らしのためにも納得行くまで話し合いをしましょう。
2018年09月29日人には聞きづらい共働き夫婦の世帯年収。また、どうやりくりしているかも気になるところですよね。ただ、収入によって使えるお金・出ていくお金も変わってくるので一概には言えません。それぞれの家庭の生活レベルによっても変わってくることだと思います。そこで今回は、さまざまな人たちのデータをもとに、共働き夫婦の世帯年収の平均や年収別の家計簿内訳についてご紹介します。 共働き夫婦の平均世帯年収は?まず初めに、共働き夫婦の平均世帯年収についてご紹介します。統計局の2017年の家計調査「妻の就業状態,世帯類型別1世帯当たり1か月間の収入と支出」で、共働き世帯(夫婦2人のみが有業者)のデータを見てみると以下のとおり。なお、世帯主の平均年齢は46.5歳です。平均世帯月収:578,909円世帯主の平均月収:441,141円配偶者の平均月収:137,767円これに12ヶ月を掛けると、平均世帯年収は6,946,908円と700万円に届かないくらいです。こちらはボーナスや賞与を含めた額なので、20%を差し引くと手取り年収は約555万円。また、世帯年収は住居・生計を共にしている全員の年収を合わせたものです。税金や保険料が差し引かれていない額なので、実際に銀行に振り込まれる額はもっと少なくなります。 世帯年収別の家計内訳次に、世帯年収500万円~900万円の、世帯年収別の家計内訳を見てみましょう。年収500万円の場合厚生労働省の「平成28年国民生活基礎調査の概況」によると、平均所得金額は545万 8千円となっています。年収と所得はちょっと異なるのですが、それでもおおむね平均額くらいと言うことですね。夫婦2人なので、単純計算で1人250万ずつ。正社員同士で共働きならば、この金額をクリアしているかたも多いのではないでしょうか。手取り年収としてはおよそ400万円で月33万円ほど。毎月の家計内訳住宅:9万9千円生活費(保険・小遣い等含む):19万8千円貯金:3万3千円年収500万円で住宅ローンを借りようとすると、毎月約6万円の返済(35年ローン)で2500万円ほど借りられると言われています。ただ、35年後に何歳かという年齢を考慮する必要があります。年収600万円の場合冒頭で、共働き夫婦の平均世帯年収を694万6千円だとご紹介しました。共働きで世帯年収600万円はそう珍しくない金額だということですね。夫婦2人で割ると300万ずつ、手取り年収としてはおよそ480万円の月40万円ほど。毎月の家計内訳住宅:12万円生活費(保険・小遣い等含む):24万円貯金:4万円年収600万円で住宅ローンを借りようとすると、毎月約7万5千円の返済(35年ローン)で3,000万円ほど借りられると言われています。年収700万円の場合厚生労働省の「平成28年国民生活基礎調査の概況」によると、児童のいる世帯の平均所得金額は707万8千円なのだとか。子育てにお金が掛かるということで共働き世帯が多いのと、晩婚化により30代後半など所得が増えた世代が多いのだと考えられます。夫婦2人で割ると350万ずつ。手取り年収としてはおよそ560万円の月手取り46万円くらいになります。毎月の家計内訳住宅:13万8千円生活費(保険・小遣い等含む):27万6千円貯金:4万6千円年収700万円で住宅ローンを借りようとすると、毎月8万5千円の返済(35年ローン)で3,500万円ほど借りられると言われています。年収800万円の場合1人で年収800万円を稼ぐ人は国税庁の調査によると2.7%ほどしかいません。ただ、夫婦2人で考えると1人400万ずつなので、共働き夫婦の世帯年収としては30代の平均程度。手取り年収はおよそ640万円の月50万切るくらいになります。毎月の家計内訳住宅:15万円生活費(保険・小遣い等含む):30万円貯金:5万円年収800万円で住宅ローンを借りようとすると、毎月10万円の返済(35年ローン)で4000万円ほど借りられると言われています。年収900万円の場合年収1000万円に届きそうな年収900万円。統計の2017年「年間収入階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出全国・二人以上の世帯のうち勤労者世帯」によると、2人以上の世帯のうち勤労者世帯の中で6.5%。世帯数としては少ないようです。ただ、配偶者の有業率が58.3%と半数以上なので、共働き世帯が多いよう。世帯年収による単純計算ですが、夫婦で1人450万ずつならクリアできます。手取り年収としてはおよそ720万円で、月60万くらいになります。毎月の家計内訳住宅:18万円生活費(保険・小遣い等含む):36万円貯金:6万円年収900万円で住宅ローンを借りようとすると、毎月11万円の返済(35年ローン)で4500万円ほど借りられると言われています。 世帯年収1000万円は目指せる?世帯年収が1000万円もあれば、生活がもっと楽になりそうですよね。シンプルに考えれば、夫婦で年収500万円ずつ稼げば到達できますが、共働きで世帯年収1000万円を目指すことは可能なのでしょうか。統計局の2017年「全国・二人以上の世帯のうち勤労者世帯」のデータを見てみると、世帯年収1,000万円~1,250万円の世帯は、二人以上の世帯・勤労世帯の約9%。なお、世帯主の平均年齢は50.1歳で、有業人員は2人、配偶者の有業率は62.8%となっています。少なくとも2人は働いていて、半数以上が共働きと言うことですね。妻が正社員ならば、目指せる金額ではありそうです。どんな生活?世帯年収1,000万円といっても、税金等が引かれるため20%差し引いて、年間の手取りは800万円くらいになると思います。贅沢な暮らしができる、とまではいきませんが、節約にあくせくすることはなく生活することができるでしょう。ただ、車や家のローン、子どもの人数や習い事などの教育費などを考えると、それなりに家計管理をしていく必要はありそうです、 一般的な目安で生活費や貯金額を紹介しましたが、通常住宅ローンや車、教育費などで生活費の増減があります。ご自分がどこに重きを置くのかで中身も変わってくると思うので、家計簿などで優先順位を付けて家族で話し合ってみてくださいね。ただし、必ず毎月一定の貯蓄額を確保するようにしておきましょう。まずはご家庭の世帯収入を調べてみて、現在の収入でやりくりしていくのか、さらなる上の金額を夫婦で目指してみるのかを話し合ってみてくださいね。 出典:家計調査 / 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表家計調査 / 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表共働きで世帯年収1000万円の生活レベルは?住宅ローンや貯金事情住信SBIネット銀行平成28年国民生活基礎調査の概況平成29年賃金構造基本統計調査結果の概況
2018年05月14日築80年の木造2階建てを二世帯住宅にリノベーションした石渡・中村邸。古い材を所々で生かしながら、家族5人が快適に暮らせるよう、驚きのアイデアがちりばめられています。改装したのは、かつて宮大工が手がけたという妻の実家。リノベーション費用は1265万円でした。1階は父と母の個室のほか、水回りとみんなが集えるリビングダイニングを配置。2階は娘夫婦とその長男のプライベートスペース、という間取りです。■ 南向きの縁側と日当たりのいいダイニングに家族全員が集うリノベーションを依頼されたショセット建築設計室の山川紋さん。1階北東にあったダイニングキッチンを、家の中で一番日当たりがよく、縁側がある南側に移動するプランを提案しました。縁側や建具など、以前の家の雰囲気を残しながらも、シンプルでモダンなテイストでまとめられたLDKは、家族全員が集まる場所です。床に座るタイプの低いダイニングテーブルは掘りごたつ式。脚を外して天板で蓋をすれば、フラットになる優れものです。大きな開口部が南を向いているため、明るく暖かいリビングとなりました。今回、予算の都合で外壁や庭には手を加えませんでした。一見すると昔ながらの普通のお宅ですね。玄関脇にあったトイレを別の場所に移動したことで、広くなった玄関。神棚も設置しました。右手奥には階段とその先に洗面室・浴室があるため、視線を遮れるようロールスクリーンを設置しています。■ 古材を上手に活用して、雰囲気のある「和モダン」な空間に!「宮大工が手がけた家ということで、とても立派なつくりだった」と山川さん。大きな柱や建具など、古い材の良さを生かしているのも今回のリノベの特徴です。こちらの写真は、リビングから玄関方向を見たところ。葦簀(よしず)を再利用してつくった建具の奥は、収納スペースです。葦簀が風を通すので、収納の中に湿気がこもらず快適。左手の扉の中には仏壇が収められています。リビングと縁側を仕切る建具や欄間は既存を利用。知り合いの建具屋さんに洗ってもらい、障子を貼り替えたらすっかりきれいになりました。キッチン横の柱につぎはぎのような跡が見えるのも、古材を再利用した証です。柱をそのまま残して、梁を補強することにしたため、柱にいくつか穴ができてしまいました。その穴に埋め木を施してあるのです。年月を経た柱のあめ色がいい雰囲気ですね。ちなみに、座って過ごすことの多い家族のため、床を中心に断熱材を入れたり、北側の窓は2重サッシにしたりと、温熱環境もしっかりと整えました。■ 刷新された水回りと、父母がそれぞれのんびり過ごせる個室構造上の問題で位置は変えられなかった洗面室とバスルームは、設備を一新して快適に。そのすぐ横に階段があるので、「遅く帰ったときでも家人に迷惑をかけずにお風呂に入れます」と夫は言います。母と娘がふたりで立てるようにと要望してできたオリジナルキッチン。キッチンの裏に部屋がある父がトイレに行くときの動線にもなるため、通路を広めに取ってあります。キッチンカウンターや吊り戸棚も造作しました。カウンターのリビング側には棚を設けて食器などを収納しています。1階の北側には父と母の個室を配置。着物のリメイクが趣味、という母の部屋には作業台を、北向きの父の部屋には大きなWICと小窓を設けました。階段が親世帯と子世帯の生活の場を分けている石渡・中村邸。階段の途中にある小さな収納が、いかにも昔ながらの家、という雰囲気です。■ 2階は10坪に3人が暮らすためのアイデアが満載!2階は中村さん親子3人が暮らすプライベートスペース。10坪(33平米)の広さしかなく、小さくてもキッチンやトイレ、子ども室もほしい、との要望だったため、山川さんは様々な工夫を凝らしました。階段を上るとそこは、親子3人のミニLDK。コンパクトなキッチンがあり、造作したダイニングテーブルは何と壁に収納できる折りたたみ式です。キッチン側からLDKを見るとこんな感じ。右手が夫婦の寝室、左手が子ども室となっています。引き戸で仕切っているので、開け放てば大きなワンルームに。奥には音楽鑑賞が趣味の妻のために、レコードが楽しめるスペースが設けられています。右手前にダイニングテーブルが折りたたんであるのも見えますね。寝室は空間を広く使えるよう畳敷きに。奥にはWICがあり、キッチン側に通り抜けできるようになっています。引き戸を開ければリビングの延長のように使え、寝転がってのんびりできるので「畳にしてよかった」と妻。ミニキッチンにはエレクトロラックス社の2口IH調理器を採用しました。窓に面しているので明るく、コンパクトながら心地よい空間となっています。階段横にあったトイレは位置をそのままに設備を一新しました。リビングには、折りたたまれたテーブルが(写真右手)。収納式にしたことで、使わないときは広々と使うことができるのがわかります。たくさんの作品が置いてあるのは、工作が大好きな長男の部屋。「いっそみんなで一緒に住んだらいいんじゃない?」という夫のひと言から始まった、二世帯住宅へのリノベーション。すぐそばに家族の気配を感じながら、3世代が仲よく暮らす家に生まれ変わりました。設計/ショセット建築設計室(山川紋、伊藤康行)撮影飯貝拓司【住まいの設計2017年7・8月号】
2018年04月11日平成30年4月から、新たな用途地域として「田園住居地域」が創設され、従来の12種類から13種類になります。「田園住居地域ってどういう地域?」「何のために創設されるの?」と疑問に思う人も多いと思います。そこで今回は、まず用途地域の解説から田園住居地域とは何か、田園住居地域創設の背景などを、わかりやすくご説明します。用途地域とは?用途地域とは、都市計画法によって定められた12の地域(平成30年3月現在)のことをいいます。都市計画法は都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的として定められているものです。わかりやすくいうと、住宅専用地域に深夜営業の店舗や施設はできてほしくないものです。また、騒音や匂いを発する工場などが建てられても困ります。このようなことのないように、都市計画法では用途地域を区分して、用途地域内で建築可能な建物や規模などを規制しています。用途地域は、以下のように7つの住居系地域、2つの商業系地域、3つの工業系地域に分けられています。【住居系】・第一種低層住宅専用地域・第二種低層住宅専用地域・第一種中高層住宅専用地域・第二種中高層住宅専用地域・第一種住居地域・第二種住居地域・準住居地域【商業系】・商業地域・近隣商業地域【工業系】・準工業地域・工業地域・工業専用地域それぞれの用途地域内では建築物や工作物の用途が制限されています。例えば第一種低層住宅専用地域は、用途地域の中で最も厳しく規制されていて、低層住宅や低層の共同住宅・幼稚園・小中学校・高校・公衆浴場・診療所・図書館・寺社・老人ホーム・巡査派出所やその他公共上必要な建築物に限り建築可能となっています。新たに創設される田園住居地域とは?農業の利用の増進を図り、農地と調和した低層住宅に係る良好な住居環境の保護を目的として田園住居地域が創設されました。農地を都市の構成要素として本格的に位置づけられた制度で、これまで7つであった住宅系地域が8つになります(全体では13になる)。都市農地の保全と活用のため、生産農地法・都市計画法・建築基準法において以下のように改正されています。・生産緑地地区の一律500㎡の面積要件を300㎡に引き下げ。・低層住宅専用地域をベースに農業用施設(直売所や農家レストランなど)の設置を限定的に許容。・田園住居地域の創設により、地域の特性に応じて建築規制・農地の開発規制を行い、従来の生産緑地買取り申出(都市計画決定後30年経過により所有者は市町村に買取り申出が可能になる)を10年先送りする特定生産緑地指定制度(所有者の意向を得て)を創設。10年経過後も改めて所有者の同意を得て、繰り返し10年延長できる。田園住居地域創設の背景田園住居地域創設の背景には、2022年問題があります。2022年問題とは、生産緑地として指定されている全体の8割の農地が2022年に、30年間の営農義務から解かれることになり、自治体に買取りを申請できるようになります。自治体が買取りをした場合は公園等に整備されますが、現在の自治体の財政状況では買取りが困難なため、税制の優遇がなくなった生産緑地は、固定資産税が払えない、農業の後継者がいないなどの理由により、多くの農地が宅地として市場に放出されることになるでしょう。そうなれば都市周辺の環境が激変し、緑がなくなってしまうことになります。また、土地が供給過多になり地価が下落するとともに、既にさまざまな対策が必要とされている住宅ストック問題や空き家問題が一層深刻化する可能性につながります。田園住居地域は、都市周辺の生産緑地を残すための具体策のひとつとして創設され、田園住居地域に指定されたものについての農地課税は、現行制度と同様の措置を講ずるとされています。国は高度成長期、都市部の宅地不足を補うために、農地を宅地化することを推進してきましたが、現在は逆に農地保存のための施策がとられています。とはいえ、2022年はもう目の前。農作物の生産だけでなく、都市の住環境の維持や災害時の避難場所としての役割を担う都市周辺の農地は、今後どのように変化していくか注視したいですね。
2018年03月13日完全分離型二世帯住宅を、自分達で設計しました。間取りのパターンによるメリット・デメリット、間取りを決める時にぜひ考慮して欲しいことなど、大切だと感じたことをまとめてみました。実際に住んでいる二世帯住宅の間取りも、すこし公開します。完全分離型二世帯住宅の間取りパターンわたし達夫婦は、完全分離型二世帯住宅を自分達で設計して建てました。一級建築士の資格を持っていても、それまで住宅の設計にはまったく縁がなかったわたし達。いろいろ試行錯誤しながら、設計を進めていきました。完全分離型二世帯住宅の間取りにも、いろいろなパターンが考えられます。上下分離型左右分離型よく想定されるのは、1つの建物を上下または左右で分ける方法でしょうか。その他には土地の広さや予算に余裕があれば、まったくの別棟で建てるという方法も考えられます。家は田舎で土地には余裕があったので別棟という案もありましたが、費用や維持のことなどいろいろ考慮した結果、最終的には親世帯は1階で子世帯は2階という上下分離型に近い間取りとなりました。上下分離型の間取りのメリット・デメリット住宅の設計において間取りは、住みやすさなどに直接影響するとても大切なもの。そして二世帯住宅の設計では、単独の世帯の住宅の設計する場合とは違った考え方も必要となりました。親世帯・子世帯それぞれの暮らし方が異なるため、間取りの点でも気をつけなければならないことがあります。まず二世帯住宅では、いずれ高齢者となる親世帯と住むことを配慮した間取りにすることが必要だと思いました。上下分離型では親世帯のスペースを1階に配置することができ、この点ではメリットになります。また各世帯の主たる部屋がワンフロアで完結するため、それぞれが平屋のような生活動線の短いコンパクトな間取りを実現することができます。逆に上下分離型では、2階の音が1階に伝わりやすいというデメリットもあります。親世帯と子世帯では、生活習慣に大きな違いが生じることもあります。入浴時間や就寝時間の違いなど生活時間帯の違いを考慮し、間取りに反映させることが大切だと感じました。二世帯住宅を建てたあとお互いに気持ちよく過ごせるように、間取りの決定には十分な配慮が必要です。上下分離型の間取り例では実際の我が家の間取りを、少しご紹介します。家は玄関ポーチを共有し、1階にそれぞれの玄関を設けました。子世帯が1階に設けたのは、玄関と納戸のみとなっています。玄関から階段を上ると、子世帯のLDKが広がります。2階に設けた、子世帯のLDK+子供部屋の間取りです。LDKの先には、もう1つの子供部屋・寝室・トイレ・浴室などを配置しました。このワンフロアの間取りは、子供は小さい時期こそメリットが多いと感じました。ドアを開ければLDKとひと続きの空間になる子供部屋の存在は、おもちゃの収納や幼稚園・学校の準備のために大活躍してくれています。さらになにかとお世話が必要な乳幼児期は、お風呂やトイレがワンフロアにあることが本当に便利でした。ほぼすべてがワンフロアで完結する間取りは、上下分離型の二世帯住宅だからこそ実現できたものだと思っています。まとめ二世帯住宅の設計には、間取りにおいても何かと制限や考慮しなければならない点が多くなります。そして二世帯住宅というと、何かとデメリットのイメージが先行することも多いと思います。実際に二世帯住宅を建てたと話すと、真っ先に「大変でしょう?」と聞かれることがとても多いです。でも二世帯住宅だからこそのメリットもあると、わたしは感じています。二世帯住宅を建てる方には、ぜひ1つでもメリットを感じることのできる二世帯住宅を建てて欲しいと思っています。ライター:usagi works1級建築士の夫婦が自分たちで設計した、こだわりの2世帯住宅に住んでいます。住まい・インテリア・収納など日々の暮らしを、ライブドア公式ブログ『usagi works』にて綴っています。ブログ:usagi works家購入の決め手や近居に関する人気記事⇒【メリット・デメリット】完全分離型二世帯住宅の費用は2倍!子育て面ではメリットも⇒【体験談】新築マンション購入の決め手は横長リビングの間取り!妥協点は日当たりでした⇒【体験談】妻の実家から徒歩8分の近居に家購入はメリットしかない
2018年03月08日完全分離型の二世帯住宅を建て、今まさに住んでいる筆者。メリットとデメリット、二世帯住宅を建てる前にぜひ考えておいて欲しいことなど。わたしが実体験にもとづいて、大切だと感じたことをまとめてみました。二世帯住宅を建てることになった経緯2010年に、二世帯住宅を建てました。結婚後は夫の実家から近い場所にアパートを借り、夫婦二人で生活していました。その後娘が生まれたことから幼稚園入園前に、そろそろマイホームをと考え始めました。夫は長男でいつかは家に入るものだと思っていたのを知っていたので、わたしもこの機会に夫の実家で暮らすことに同意しました。そして始まった、夫の両親との話し合い。夫の実家がちょうど建て替え時期だったこともあり、自然と二世帯住宅を新築する方向で話しは進んでいきました。二世帯住宅の形態一言で二世帯住宅とはいっても、その形態は様々です。・完全同居型:寝室などの個室以外を全て共有・部分共有型:玄関や浴室など一部の設備を共有・完全分離型:全く設備を共有しないわたし達夫婦は、同居の条件として完全分離型を提案しました。といっても実は、夫は玄関くらい共有してもいいと思っていたようですが。でもわたしは、中途半端に共有することでお互いに気を使うと考えていたため、完全分離型しか想定していませんでした。そんなふうに夫婦でも意見の違いがでるくらいなので、親世帯との話し合いは慎重に時間を掛けて行いました。お互いの譲れない部分を主張しあって、妥協点を探すことが大切だと思いました。費用は全て通常の2倍?完全分離型のメリット・デメリットお互いのプライバシーを保ちやすいことが、最大のメリットとなる完全分離型。そのデメリットは、やっぱりお金だと思います。家の費用の中で大きな比率を占める設備が、すべて通常の2倍。そしてやはり床面積も大きくなるので、基礎や屋根などの費用も大きくなります。費用が安くなることが二世帯住宅のメリットと考えていた場合は、注意したほうがいいかもしれません。二世帯住宅でどの形態を選ぶにしても、そのメリットとデメリットをよく理解したうえで、形態を選ぶことがとても大切だと思いました。どの形態を選ぶかで、その後の暮らしは大きく変わると思います。意外と忘れがちで大切な電気・ガス・水道・電話の分離そして、完全分離型の二世帯住宅の設計が始まりました。設計では間取りが決まると一安心してしまいがちですが、まだ忘れてはいけないポイントがあります。それが、電気・ガス・水道・電話などの分離です。間取りを分離してもそれらの設備を共有していると、毎月の光熱費を共有することになります。せっかく完全分離型を選んでも光熱費の請求が一緒だと、生活するうえでお互いに気を使うことになりかねません。もちろんメーターの設置費用や基本料金がそれぞれ掛かるなど、デメリットもありますのでそこでもよく検討が必要です。でも家が完成してしまってから分離することはなかなか難しい部分なので、十分な検討を設計段階でしておくべきだと思います。二世帯住宅に住んでみて、率直な感想二世帯住宅に住んで、約7年が経ちました。普段はお互い干渉しすぎず、それぞれの生活スタイルで生活できています。そして二世帯だからこそ、子供達は自然と親世帯と関わり見守られて大きくなっています。それも完全分離型のおかげと感じることも多く、完全分離型を選んで本当によかったと思っています。違う世帯が一緒に暮らす二世帯住宅は、通常のマイホームを建てる場合よりも考えなければいけないことがたくさんあります。気持ちよく一緒に暮らすことができるように、設計前に話し合いをたくさんしてお互いの考え方を伝えることがとても大切だと思います。これから二世帯住宅を建てる方の、参考にしていただけたら嬉しいです。ライター:usagi works1級建築士の夫婦が自分たちで設計した、こだわりの2世帯住宅に住んでいます。住まい・インテリア・収納など日々の暮らしを、ライブドア公式ブログ『usagi works』にて綴っています。ブログ:usagi works家購入の決め手や近居に関する人気記事⇒【体験談】新築マンション購入の決め手は横長リビングの間取り!妥協点は日当たりでした⇒【体験談】妻の実家から徒歩8分の近居に家購入はメリットしかない
2018年02月22日二世帯住宅の定義二世帯住宅と聞くと、おそらく「親世代と子世代が同居することのできる住宅」と想像されると思います。しかし正しくいえば、「長屋」と称されます(建築基準法)。長屋とは、1つの建物に独立した住戸が連なり、これらが「敷地の外に出られるような構造」を指します。一般的な長屋では、1階建てのものが多く、それぞれの住戸が直接道路に面するよう造られています。しかし二世帯住宅のような2階建てのものに至っては、専用の階段を設けて、外に出られるような構造をとります。これを「重層長屋」といいます。昔ながらのイメージがある長屋ですが、実は最近話題の「テラスハウス」なんかも、この長屋にあたります。二世帯住宅は、法律的な定義でいえば「重層長屋」と称しますが、建物の運用上、これを「二世帯住宅」と称しています。そんな二世帯住宅は、2種類に大別することができます。二世帯住宅の種類同居型完全同居型完全同居型は、キッチンやお風呂などの設備を共有する形のことをいいます。また設備のみにとどまらず、家計簿も一括管理するのが特徴的といえます。これにおけるメリットとしては、キッチンやお風呂などの設備を2つ用意する必要がないので、住宅取得費を安く抑えられることが挙げられます。しかし同時に、そこにプライバシーがないといったデメリットも存在します。部分同居型部分同居型は、キッチンやお風呂などを部分的に共有する形のことをいいます。完全同居型と比べ、まだ多少なりとも自由の効く点が特徴といえます。たとえば表札や郵便ポスト、玄関を別共有として、リビングなどそれ以外の部屋・設備は共有とする、などがこれにあたります。別居型完全分離型ともいえるでしょうか。それぞれの住空間を別に切り分ける形をいいます。そのため、プライバシーを保つことができます。居住自体は隣り合わせなので、いつでも顔を合わせることができます。近年、このスタイルの需要が高いです。また完全分離とまではいわずともリビングのみ共有するなど、別居型でも一部の居室をシェアするスタイルも、最近では需要が高いです。親世代(子世代)と応相談したうえで、建築士や担当営業マンと打ち合わせするようにしましょう。二世帯住宅のメリット・デメリットメリット・デメリット双方において、生活面や精神面においては上記でも挙げたように想像は容易です。ここでは、少し専門的なメリット・デメリットについてご紹介したいと思います。メリット税金を軽減できる【不動産取得税の場合】たとえば中古住宅を購入し、二世帯住宅にリフォームしたいとします。通常、物件を取得する場合には「不動産取得税」というものがかかります。もしこの物件が、床面積50㎡以上240㎡以下で居宅要件を満たす場合には、1,200万円が控除されます。しかし今回のような二世体住宅にリフォームする場合は、1,200万円ではなく、なんと『2,400万円』が控除されます。かなりおトクですね!【相続税の場合】二世帯住宅の場合、相続税の課税価格の計算の特例である「小規模宅地等の特例」の適用対象となります。これにより、被相続人が自己の名義の土地を同居している子が遺産分割を整えたうえで相続し、かつ相続税の申告期限までに居住と所有を継続するとこの特例が適用され、評価額を最大80%減額することができます。デメリット売却しにくい二世帯住宅は一般の住宅よりも特殊なため、どうしても売却が難しくなります。理由としては、「間取りが特殊な中古物件」であることが挙げられます。中古物件を求めている買手が、二世帯住宅を求めているとは限りませんし、一般の住宅と比べて間取りも特殊なので、通常より買手が見つかりにくいといえます。「二世帯住宅から一世帯住宅にリフォームする」といった考え方もありますが、もとよりリフォームによって設置した機能等を撤去することはこのうえなく、生産性がないといえるでしょう。これを行うには、膨大な費用がかかるためです。まとめ二世帯住宅におけるメリットは多くありますが、それに伴ったデメリットを無視することもできません。親世代・子世代ともにストレスのかからない生活を送るには、共有部分と専有部分とをしっかりと区別するなど、話し合いを重ねて居住スタイルを決めるのが良いでしょう。
2017年12月13日子どもを持たない共働き夫婦“DINKS”は、子どものためにお金を使う必要がないため、通常であれば子持ち世帯よりも多くの貯蓄をすることができるはずです。実際に、私の友人にも1年で300万円以上は貯金しているという夫婦もいます。しかし、中には高収入にも関わらず貯金が全くできていないという夫婦も……。同じDINKSなのに、お金の使い方や家計の管理の仕方によって大きな差が出てしまうようです。そこで今回は3世帯のDINKSに、家計について生活費の分担や貯金方法などを教えていただきました。貯められる夫婦と貯められない夫婦の違いも見えてきますよ。●夫の収入だけで生活しているKさん夫婦の場合『うちは夫婦ともに公務員で同期なので収入に大差はありませんが、固定費も変動費もすべて生活費は夫の収入でまかなっています。私の収入はすべて夫婦の共通口座へ入れて貯金 しています。生活費が余った場合はたまに旅行費用として使いますが、それ以外は共通口座へ貯金 です。気付いたらかなりの額が貯まっていて、住宅ローンも6年で完済しちゃいました』(30代女性/夫・妻ともに公務員)二人とも公務員で収入が安定しているKさん夫婦は、お互いの収入も独身時代の貯金額もすべてオープンにした上で、夫婦共通の貯金口座を開設。そのため、お金の収支が夫婦間でしっかり把握できているのだそうです。夫婦どちらか一方の収入で生活し、もう一方の収入は全額貯金という家計管理はラクですし、自然にお金が貯まっていくのでいいですね。●固定費は夫、変動費は妻の負担というTさん夫婦の場合『夫のほうが収入が多いので、家賃や光熱費、通信費、保険料などの固定費は夫負担。食費や被服費、レジャー費、その他雑費など変動費は私の負担です。貯金は月いくらくらいすると大体は決めていますが、あまりその通りになっていないですね。それぞれの生活費分担額を給与から引いて残った額を貯金 する、という感じです。貯金は共通口座ではなく、それぞれの口座にしているので、正直、お互いに毎月いくら貯金に回せているのかは把握していません。聞かれたら自己申告する程度です。年末に1年の貯金額を報告し合っているくらい。だから年末にならないと世帯としての正確な貯金額はわかりません 。実は夫が全然貯金できてなかったという年もありました』(40代女性/夫・会社員、妻・フルタイムのパート勤務)固定費と変動費を分けている例ですね。夫婦で収入に差がある場合、このように生活費の分担を分けている場合が多いのではないでしょうか。一見、健全な家計管理のように見えますが、夫婦で毎月の貯金額を正確に把握できていないという点は落とし穴。年末になって「貯金できていなかった」と気付いても遅いので、毎月の貯金額を把握し、貯金できなかった月の次の月は何が何でも多く貯金する、というように月単位で調整していったほうがお金は貯まります。また、給与から生活費を引いて残った額を貯金に回すという方法はやってしまいがちですが、あまり貯まらないものです。確実に貯金していくためには、やはり毎月給与から決まった額を貯金専用の口座へ移してしまうというのがおすすめ。「給与−生活費=貯金」ではなく、「給与−貯金=生活費」と考える のがベストです。●生活費は折半でお互いの収支には干渉しないというMさん夫婦の場合『お互いの収入や貯金は結婚する前にざっくりと報告しあいましたが、それきり ですね。二人ともそこそこ収入が高いので生活費に困ることはないし、趣味にも旅行にもけっこうお金を使えています。たまに「貯金してる?」「してるよ」くらいの会話で終了です(笑)。家も持ち家より賃貸派なので購入予定はないし、都心で自由気ままな生活をしているのが気に入っています。でも私個人で言うと、ほぼ毎日外食だったりコンビニ弁当だったりで食費がかさみ、洋服代もけっこうかかっているので、収入に対して貯金は少ししかできていません。もし相手も同じような感じだったら、ちょっとマズいなとは思っています。なので、定期的に収支報告をし合おうかなと考え中です』(30代女性/夫・妻ともに会社員)保険会社に勤めるMさん夫婦は、一般的な同世代よりもともに高収入。そのため、さぞたくさん貯金しているんだろうなと思いきや、奥さん個人は「そうでもない」とのこと。生活費は完全に折半しているものの、お小遣いの額や使い道、貯金額にはお互いノータッチ。これは「自分が貯金できていなくても相手がしているだろう 」という思い込みからお互いに貯金ができていない可能性もあるので危険です。収入が高いから大丈夫という余裕もあり、収支に無頓着になってしまっているのも危険。収入の高いDINKSは支出も多くなりがちです。一度上がってしまった生活水準を下げるのは一苦労なので、万が一のこと(どちらかが病気やケガで働けなくなるなど)があった場合、たちまち生活が破綻してしまう可能性も。そうならないためには世帯としての収支をしっかり把握し合い、ムダがないか、貯金はしっかりできているかを確認し合う必要があるでしょう。----------いかがでしたか?3組の家計管理方法について見てきて思ったことは、やはり世帯としての収支を把握していない家庭はなかなかお金が貯まらないものなのだなということです。生活に余裕がある分どうしても出費が多くなりがちなDINKSだからこそ、収支を二人で把握し合い、貯金も目標金額を定めて着実にしていく必要があります。子どもがいないことで自由に使えるお金は多いですが、老後に面倒を見てくれる人がいない分、老後資金をしっかり貯めておく必要もあるでしょう。夫(妻)の収入と貯金額がわからないというご家庭は、一度二人で話し合いをすることをおすすめします。●文/パピマミ編集部●モデル/貴子(優くん、綾ちゃん)
2017年07月30日今や1,000万世帯を超えると言われている共働き世帯。「男は仕事、女は家事」という概念が主流だった時代は終わりを迎えようとしています。夫婦で共働きだと経済的な余裕が生まれますが、それぞれ別の収入源を持つことになるため、お金の管理方法も多様化する傾向にあります。「妻に一任している」という昔気質な人もいれば、「収入は別々で管理している」という人もいるでしょう。そこで今回は、パピマミ読者の共働き世帯に「お金の管理はどうしているか」という質問をしてみました!●共働き世帯に質問! お金の管理はどうしていますか?・1位:妻がすべてを管理……50%(91人)・2位:項目別に負担するものを決めている(夫は家賃、食費は妻など)……19%(34人)・3位:家計管理はしていない(なんとなく払っている)……9%(16人)・4位:夫がすべてを管理……8%(15人)・5位:夫婦で折半……6%(10人)・6位:二人の口座を作り一定額を入金(残りは個人のお金)……5%(9人)・7位:家賃や光熱費など共用部分のみ折半(残りは個人のお金)……3%(6人)※有効回答者数:181人/集計期間:2016年7月12日〜2016年7月14日(パピマミ調べ)●妻がお金を管理している世帯が一番多い結果に『うちは妻に一括管理してもらっています。どちらか一方が管理した方が全体を把握しやすく無駄が少なくなるから 』(30代男性/営業)『夫は別々がいいと言っていたけど、どうせろくなことに使わないだろうから一括で管理させてもらってます。毎月お小遣いを渡していますが、いまだに夫は不服そうです笑』(20代女性/接客)共働き世帯の半数が妻にお金の管理をしてもらっているようです。女性は男性に比べて節約上手な人が多いので、自然とお金の管理を一任されやすいのかもしれません。また、家計の全体像を把握したいために自ら志願する女性も少なくないようです。それぞれの収入を一括で管理すると、支出や貯蓄の状況が一目で分かるため、無駄使いを減らしたりお小遣いの金額を適切に設定できたりといったメリットがありますね。計画的に管理しやすい特性から、とくに子育て世帯に向いている管理方法かもしれません。●2位:項目別に負担するものを決めている世帯は2割『わが家は財布を別々にしていますが、夫婦間で収入の差が大きいので、夫が家賃と光熱費を払い、私が食費と娯楽費を払っているという感じです。余ったお金はそれぞれ好きに使っています』(30代女性/広告)『結婚する前に「それぞれ毎月○万円貯金しよう」と約束したのですが、収入の少ない妻にとっては不利な制度なので、なるべく負担の比率が同じになるように工夫しています。家や車のローン、主な生活費は私が持ち、その他の細々としたものは妻にお願いしています』(40代男性/公務員)費用項目別に分担して負担しているという世帯は約2割という結果になりました。全体的に収入に差のある夫婦に多く見られる管理方法のようです。収入の多い方が家賃や光熱費などの固定料金を支払い、少ない方が日用品や食費を担当するというケースが多く見られました。この管理方法のメリットには、収入のバランスに合わせて負担する金額を柔軟に変えられる ことや、自分の収入を自分で管理できることが挙げられます。自分の負担分を出せばあとは自由に使えるので、一括で管理するよりもお互いの不満が生まれにくい方法だといえます。しかし、財布を別々にしていることから家計の全体像が見えづらく、計画的な貯蓄にはあまり向いていないかもしれません。子どもがいる家庭がこれを採用する場合は、二人の毎月の貯金額をきちんと設定しておく必要があるでしょう。●家計管理をしていない家庭も1割いる『家賃は必ず折半!とか毎月これぐらい貯金しよう!とかキッチリ決めてません。一応折半みたいな形にはなってますけど、大体僕の方が少し多く払っていますし、明確なルールみたいなものはありません』(20代男性/建築関係)『うちは夫が一旦すべての費用を払って、あとから「これぐらいちょうだい」と請求されるので、その分を渡しています。きっちり家計管理とかはしてません』(20代女性/美容師)意外にも家計管理をしていない世帯は1割近くもいるようです。これは 信頼関係あっての管理方法 ですね。どちらかに負担が偏って不満が募りやすい方法ですから、よっぽど関係性がよくないとできないでしょう。また、支出した額が不透明なため、計画的な貯金にも不向きです。とはいえ、人によってはきっちりルールを設けられるのが嫌という場合もあるので、そういう人同士であれば良い選択なのかもしれません。----------いかがでしたか?共働きだと収入が増えて貯金しやすいように思えますが、財布を別にすることで浪費が増えてなかなか貯金できないというケースも多いといいます。自分たちに適した方法でお金を管理するようにしたいですね。【参考リンク】・【アンケート結果(1位〜7位)】共働き世帯に質問! お金の管理はどうしていますか?()●文/パピマミ編集部
2016年07月15日渋谷区内にある福山雅治さんのマンションに侵入したとして、2016年5月21日、コンシェルジュとして勤務していた女性が住居侵入の容疑で逮捕されました。この事件はマンションのコンシェルジュが合鍵を使って侵入するという特殊なケースではあるものの、 近年、住居侵入の手口が巧妙化しており一般の人も油断はできません。いざ犯人と自宅で鉢合わせてしまうようなことになると、相手がどのような行動に出るか分かりません。自分の身を危険から守るためにも、普段から気をつける必要があるでしょう。そこで今回は、住居侵入の手口と対策 について紹介したいと思います。●住居侵入の手口●戸締まりしない家意外と多いのが、戸締まりをしていないドアや窓からの侵入です。特にマンションなどの共同住宅で多く、侵入が容易というのが最大のメリットといえます。ゴミ出しをするときや家族を近くまで見送るときなど、短時間だからと油断してカギをかけずに出かける人 は要注意。入念な下見を繰り返し住人の生活パターンを把握することで、たとえ数分のあいだだとしても行動に移せるようになります。●ガラス破り住居侵入の手口は、周りにバレにくいスマートな方法とは限りません。犯人が恐れるのは侵入に時間がかかってしまうことであり、わずかな時間で侵入が可能であれば多少荒っぽい方法も使ってきます。その典型的なもののひとつがガラス破り。カギ周辺を割るだけならほんの数秒で済んでしまい 、周囲から見えづらい場所であれば目立つこともなく簡単に侵入されていしまいます。●住居侵入の対策●防犯フィルム住居侵入のおよそ6割が窓からの侵入と言われており、まずは窓ガラスに対策を施すのが重要です。防犯ガラスに交換するのが最も効果が高いですが、費用がかかるため全てを交換するのは難しいということもあるでしょう。そんなときに有効なのが防犯フィルム。今ある窓ガラスにはるだけで強度を上げる ことができ、手軽に防犯対策をすることができます。また、窓にシャッターなどが備え付けられている場合は、家を留守にするときは閉めるようにすることも大切です。●窓の高い位置に補助錠犯人がベランダから侵入しようとする場合、周囲から見られないようにかがんで作業することになります。このとき、窓の高い位置に補助錠を設置しているとそれを解除するために立ち上がって作業しなければならなくなる ため、犯人が嫌がるのです。また、見える位置に防犯グッズを備えていることで、「防犯意識の高い家」と思わせることができ抑止力となります。----------自分の身を守るためにも、念入りな対策をすることが必要不可欠。侵入されてから慌てても遅いのです。「うちは大丈夫」と油断せず、できるところから防犯対策を行っていきましょう。【参考リンク】・手口で見る侵入犯罪の脅威 | 警察庁()
2016年05月28日写真提供:タイ国政府観光庁タイのシルク王と呼ばれ、古美術の収集家としても有名であったアメリカ人、ジム・トンプソン。タイ文化を愛した彼の美しい住居が、現在はミュージアムとして公開されている。 タイシルク事業で成功を収めたジム・トンプソン氏写真提供:タイ国政府観光庁1906年アメリカ・デラウェア州に生まれたトンプソン。アートに興味を持ちながらも、ニューヨークで建築家としてのキャリアを重ねる。第二次世界大戦中に兵士としてタイに派遣された彼は終戦後も残り、タイシルクの事業化に貢献。そのクオリティは世界にも知れ渡り、タイで生活を送った20年あまりの間、華々しい成功を収めた。1967年、友人らとマレーシアを訪れ、ジャングルに足を踏み入れたまま行方がわからなくなっている。写真提供:タイ国政府観光庁多くのタイセレブたちが集ったバンコクの住居跡は、ほぼそのまま保存され、現在は博物館として一般公開されている。豊かな緑に囲まれた住宅は、もとは6棟のヴィラが集まり建てられたもので、チーク材を用いたタイの伝統的な建築様式が取り入れられた。 写真提供:タイ国政府観光庁木々のぬくもりが感じられる家は、まるでトンプソンの人生を象徴するように“イースト・ミーツ・ウェスト”が体現され、木製の仏像やタイ各地の寺院から譲り受けた壁掛けがディスプレイされていると思えば、ベルギー製のシャンデリアが輝き、床にはイタリア製のタイルが施されている。写真提供:タイ国政府観光庁古美術コレクション見学の後は、カフェスペースもあるので、都会にいることを忘れてしまう自然溢れる空間を、ゆったりと楽しめる。緑や花々が美しい庭はどこを切り取っても絵になり、フォトスポットとして人気だ。写真提供:タイ国政府観光庁併設のショップにはジムトンプソンブランドを代表する品々が並び、プリント柄も豊富に揃う。シルクのネクタイは1300バーツから、おしゃれなメンスシャツは2400バーツ。トンプソンの人生やライフスタイルに触れることで、お土産の品もより感慨深いものになるかもしれない。アクセスはBTSナショナルスタジアム駅より徒歩10分ほど。尚、日本語でのガイドツアーも実施されている。 ジム・トンプソンの家(Jim Thompson’s House)・住所:6 Kaseman Soi 2, Rama 1 Road Bangkok 10330・開館時間:9:00~17:00、無休・入場料:大人100バーツ、子ども50バーツ
2016年03月26日日本生活協同組合連合会は3月17日、「生協組合員の世帯負担消費税額」の調査結果を発表した。対象は34生協585世帯(給与所得世帯が349世帯、年金世帯が211世帯)。期間は2015年1月~12月。○生協組合員の世帯負担消費税額、1世帯あたり年間平均25万6,267円2015年の年間消費税額は、1世帯あたり平均25万6,267円となり、2014年の平均24万893円から1万5,374円増加した。消費支出に占める割合は5.76%、収入に占める割合は3.83%となった。さらに、世帯別の負担率では「年金世帯」が4.94%、「給与世帯」が3.49%となり、「年金世帯」の負担率が「給与世帯」を上回った。所得階層別の消費税負担額は、最多の「1,000万円以上」世帯が42万674円。次いで、「800万~900万円台」世帯が30万3,222円、「600~700万円台」世帯が27万3,069円。以降「400万~500万円台」世帯が21万4,495円、「400万円未満」世帯が16万8,660円と続いた。収入に占める消費税負担の割合をみると、「年収400万円未満」世帯が5.44%で最多に。最も低かった「年収1,000万円以上」世帯の3.12%と比較すると、1.74倍となった。
2016年03月22日日本の世帯数が約5,000万世帯として、資産1億円以上の富裕層は100万世帯。そんななか、「お金持ちになりたいけれど、上位2%には入れるわけがない」とあきらめてはいないでしょうか?『使えば使うほどお金が増えるお金の使い方』(中桐啓貴著、ワニブックス)の著者は、会社員時代から経営者になった現在まで、富裕層を中心とした顧客に資産運用のアドバイスを行ってきたファイナンシャル・プランナー(FP)。たくさんのお金持ちのお金の使い方を目の当たりにしてきた人物です。著者によれば、ほとんどのお金持ちはただ“お金を生むお金の使い方”をしていた結果、お金持ちになったというのです。さっそく本書から、“1代でお金持ちになる人”が守っている8つの絶対ルールをチェックしましょう。■1:お金を増やす「習慣」をつける著者は、多くのお金持ちは“お金を増やすためにお金を使う”ことが習慣になっているといいます。問題はその使い方。無理のない金額を賢く使っていくことで、お金はどんどん増えるもの。使うことを恐れてはいけないのです。■2:今の預金残高は気にしない著者のクライアントはほとんどが富裕層ですが、みな若いころはお金がなかったという人ばかりだそう。むしろお金がない経験をしているからこそ、新しいアイデアを生む力が身につき、弱い立場の人の気持ちがわかるようになるのだと著者はいいます。お金がないということは、将来お金持ちになるためのステップなのです。■3:お金がないうちから貯蓄をがんばりすぎない著者は「過度な貯蓄はおススメしません」といい切ります。支出をギリギリに抑えて貯金するよりも、自分の価値を高めるために使うことの方が大事。少額でも、自分の専門性や人間関係の充実のためにお金を使えば、やがてほかの誰にもできないモノを生み出すことができ、収入も増えるという考え方。お金を貯めるのはその後で大丈夫なのです。■4:自分のお金で社会の変化を感じる社会はものすごいスピードで変化しているもの。変化を感じることは、自分自身の価値を高める助けになります。海外などへ出かけて見聞を広めるのもそのひとつ。著者自身、創業後すぐのお金がない頃から身銭を切ってアメリカに毎年視察に行き、いまではアメリカの事情に詳しいFPとして業界でも知られるようになったそう。■5:月収の5%は自己投資するお金を生むお金の使い方といえば投資が浮かびますが、著者にいわせれば、金融商品や不動産よりも効果が高いのは“自分自身への投資”。お金持ちには、若いころから収入の5~10%を自己投資に向けていた人が多いとのこと。収入アップに結びつけたいなら、あまりマニアックすぎないものがベター。中国語やスペイン語など使う人の多い言語を学ぶ、汎用性の高いパソコンスキルを身につける、などです。■6:目標をわかりやすく言い換える著者が考えるお金持ちとは「お金を稼ぐ力がある人」のこと。漠然と「お金持ちになりたい」と考えるより、「自分の価値を高めてお金を稼ぐ力を身につけよう」と考えた方が現実的です。いわゆる富裕層とは資産1億円以上の人。だいたい年収1,500万円を超えれば、資産1億円が見えてくるそう。お金持ちになる=年収1,500万円以上稼ぐためのスキルを身につけること。すると、お金持ちになるためにはどうすべきかが具体的に見えてきます。■7:自分に還ってくる「生き金」を見極めるお金には「生き金」と「死に金」がある、と著者。生き金とは、自分に還ってくるお金の使い方です。生き金になる使い方の目安は、「仕事の専門性を高められるか」、「人間性を高められるか」。そして「人間関係を構築できるか」、「ワンランク上の体験ができるか」、「モチベーションアップにつながるか」。1つめと2つめは文句なしの生き金ですが、あとの3つは、やりすぎたり使い方を間違えるとただの浪費(=死に金)になってしまうので注意が必要。見極めるには、将来どんなかたちで自分に還ってくるかをイメージすることが大切です。■8:浪費を「投資的」に使うお金持ちほど、浪費を投資に変えるのがうまいと著者はいいます。たとえば贅沢なランチを食べに行ったとして、「あ~、おいしかった」で終わってしまったら浪費ですが、そこに目指すスキルを身につけた先輩を誘って話を聞いたり、ランチの経験からアイデアを得れば、それは投資になります。浪費はなかなか減らせないもの。投資的に使えないかという視点を持つことが、お金持ちになるお金の使い方のポイントです。*「攻撃は最大の防御」という言葉がありますが、お金についても同じことがいえます。貯めるためには、稼ぐこと。そのためには積極的に使うことが有効。数多くのお金持ちを見てきた著者の考え方は一貫していて、説得力があります。8つのルールのうち、納得できたもの、実践できるものから取り入れていけば、“お金が増えるお金の使い方”を実感できるのではないでしょうか。(文/よりみちこ) 【参考】※中桐啓貴著(2016)『使えば使うほどお金が増えるお金の使い方』ワニブックス
2016年03月19日山梨県は平成28年度から、所得税によって定められている国基準保育料額の第5階層(推定年収640万円)までにあたる子育て世帯を対象に、第2子以降(3歳未満児)の保育料を無償化する方針を固めた。今回の政策立案の背景には、県のどんな意図があるのか。担当者に聞いた。○平均世帯がすべて対象になるように同事業は、国基準保育料額の第5階層までにあたる子育て世帯を対象に実施するもの。推定年収640万円未満の世帯が該当するとされ、議会で承認されれば平成28年度から第2子以降で3歳未満児の保育料が無料になるという(認可保育所利用者のみ)。政府も今年4月から、年収約360万円未満の世帯を対象に第2子の保育料を半額、第3子以降の保育料を無償化する方針を固めている。しかし、同県の事業では政府の補助以上に対象者を広げ、さらに第2子から無償化を進めるなど支援が手厚くなっている。なぜこのような事業を進めようと考えたのか。事業の趣旨について、後藤斎・山梨県知事は「小さい子どもを持つ両親が、安心して預けられるのが保育の趣旨。そこに財源を充当し、社会全体で若いお父さん、お母さんの第2子以降の子育て環境の充実をしたいというのが一番の強い思いです」と語っている。さらに対象世帯の推定年収を政府より高く設定したのにも、深い理由があった。県によれば、国の調査や同県の調査では、子どもを持つ30代夫婦共働き世帯の平均年収は約600万円と推定されているとのこと。この上限設定であれば、第2子がいる約8割の世帯が対象になるという。子育てと仕事の両立を支援するため、平均世帯がすべて対象になるようにしたいという県の思いが込められている。○「2人以上子どもが欲しい」という希望に応えたい「第2子以降」の保育料を無償としたのも、子育て環境に対する県民の要望を色濃く反映させてのことだ。平成27年5月、50歳未満の既婚者あわせて2,518名を対象に県が行った調査によれば、夫婦にとって理想的な子どもの数は「2人」(46.4%)が最も多く、次いで「3人」(42.2%)と続いている。一方で、「理想的な子どもの数」より「実際に持つつもりの子どもの数が少ない」と回答した人を対象に行った調査では、全体の約半数を占める理由として「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」(51.4%)という回答があがっている。県の担当者は、「人口減少対策として、また子育て支援策として、2人以上子どもが欲しいという希望に応えたい」と語ってくれた。同調査では人口確保対策のために行政が取り組むべき施策として、55.0%の人が「子育てしやすい環境づくり」をあげている。県によれば、第3子以降の有無にかかわらず、第2子から保育料が無料となる取り組みは全国で初めて。子育て世帯の要望に真摯に向き合った取り組みが他の自治体でも広がっていくことを願いたい。
2016年01月19日厚生労働省は6日、2015年10月分の被保護者調査の結果を発表した。それによると、10月時点の生活保護受給世帯は前月比2,723世帯増の163万2,321世帯となり、2カ月連続で過去最多を更新した。前年同月比では1万7,081世帯増加した。○「高齢者世帯の増加が全体を押し上げている」生活保護受給者数は前月比2,435人増の216万6,019人と、2カ月連続で増加した。前年同月比では2,374人減少した。世帯別(保護停止中を含まない)にみると、高齢者世帯(男女とも65歳以上の世帯、またはこれらに18歳未満の未婚者が加わった世帯)が全体の49.4%に当たる80万2,492世帯で最多。以下、働ける世帯を含むその他の世帯が27万2,427世帯、傷病者世帯が25万3,374世帯、障害者世帯が19万316世帯、母子世帯が10万4,967世帯と続いた。同省は「母子世帯やその他の世帯などでは、ほぼ横ばいまたは若干減少して推移しているが、高齢者世帯の増加が全体を押し上げている」と分析している。
2016年01月06日LIXIL住宅研究所 アイフルホームカンパニーはこのほど、「二世帯住宅に関する調査」の結果を発表した。調査は4月10日~9月8日、全国の男女100名を対象に行われた。○二世帯リフォームは「キッチン」を新しくはじめに、30代女性を対象に「将来両親と二世帯で住むとしたら、最も新しくしたい設備はなんですか?」と質問したところ、およそ5割の女性が「キッチン(46%)」と回答。理由については、「きっと母もキッチンに立ちたいと思うので、広いキッチンにリフォームして、2人で料理を楽しみたい」という声が寄せられたほか、「キッチンは女の縄張りとも言われているので、双方が快適に過ごせるような設備を取り入れたい」という考えも見受けられた。以下、「バス(36%)」「トイレ(16%)」「洗面化粧台(2%)」と続き、いずれも手すりやバリアフリーなどの設備を整え、安全で使いやすいようにリフォームしておきたいという意見が目立った。続いて、「将来夫の両親と一緒に住むとしたら、現在の家には何が最も不足していると思いますか?」と尋ねたところ、「部屋の数(52%)」が断トツの1位に。「自宅の部屋数が現在の家族分しかなく余っている部屋がない」「客間がなくなってしまう」などの意見のほか、「今のままではプライバシーが保てない」といった声も多く、義両親も自分たちも安心して暮らすために、部屋の増築、もしくはマンションから一戸建てへの住み替えの必要性を感じている人が多くいることがわかった。○実家の二世帯リフォーム、費用は「自分」が多め!?次に、男女100名(年齢不問)に対し、親と同居するために実家を二世帯用にリフォームすることになった場合に、誰がお金を多く出すのか尋ねた結果、「自分(38%)」が最も多く、次いで「半々(32%)」「両親(30%)」と意見が分かれる結果となった。「自分」と回答した人からは、「自分たちの方が長く住むから」「両親に負担をかけたくない」「実家は両親が購入しているので、リフォームには自分が多く支払いたい」といった声が多く寄せられた。対して「両親」と答えた人は、「二世帯住宅にするのなら喜んで出してくれると言っているので」「両親の方がお金を持っているから」といった意見だった。そして「半々」と回答した人からは、「多く出した方に家の権限があるような感じになってしまうから」「折半の方が後々のことを考えても気持ち良い」といった意見が寄せられた。○男性66%が、両親よりも「奥さんの意見を重視する」と回答最後に、男性100名(年齢不問)を対象に、実家を住みやすくリノベーションするとしたら、両親と奥さん、どちらの意見を重視するか聞いたところ、66%の男性が「奥さん」と回答。「奥さんの不満が溜まって大きくなると、離婚を考えそうで怖いから」という人や、「一緒に過ごす時間の多い妻の意見を重視しますね。両親が使用するところは両親の意見も尊重しますけど」と、何とか折衷案を探ろうとしている人も。また、「基本的には嫁さんだと思うが、両親が多くお金を出す状況なら、両親の意見を尊重すべき」といった意見もあり、基本的には奥さんの意見を重視し、部分的に両親の意見を取り入れる、というのが落としどころとした意見が目立つ結果となった。
2015年12月17日沖縄県はこのほど、低所得のひとり親世帯に対して認可外保育施設の利用料を補助する制度を導入した。背景には同県のひとり親家庭が置かれている厳しい貧困の状況がある。同県は何を課題と捉え対策を考えているのか。担当者に聞いた。○母子世帯割合は全国平均の2倍以上同制度は、ひとり親世帯のうち児童扶養手当を受給しているなど低所得の世帯を対象としたもの。認可保育所の利用料と同等になるように、子ども1人あたり月額2万6,000円を上限として、認可外保育所の利用料との差額分を補助する仕組みになっている。導入の背景として担当者がまずあげたのは「待機児童」の問題だ。特に那覇市では待機児童数が539人と全国3位(平成27年4月 保育所等関連状況取りまとめ)になるなど、認可保育所の不足が課題になっているという。「ひとり親世帯の入所は優先しているが、年度途中だと難しいのが現状」と指摘。せめて認可外でも、認可保育所と同じ料金で利用してほしいとしている。さらに全国平均と比べて母子世帯数の割合が高く、世帯収入が少ないことも大きな要因となっている。厚生労働省が平成23年に実施した「全国母子世帯等調査結果報告」の結果をもとに計算すると、全国の母子世帯数の割合は2.65%。一方で、平成25年の沖縄県の調査では5.46%と、調査年が異なるため単純に比較はできないが、2倍以上になっている。また世帯年収を同調査で比べてみても、母子世帯の全国平均世帯年収が181万円であるのに対し、同県平均は155万円と低くなっている。○中国語講座も! 沖縄ならではのひとり親支援同県はこの現状にどう向き合っているのか。ひとり親を対象にした施策には、沖縄ならではの事情を考慮したメニューがそろっていた。このうちの1つが雇用面の支援として行っている「中国語講座」だ。参加者が8カ月にわたって講座を受講し、中国語検定3級の取得を目指す内容となっている。近年、クルーズ船の入港などで中国人の観光客が増加。サービス業に従事するひとり親からのニーズが高く、参加者は資格取得によって職を見つけたり、待遇改善につなげたりしているという。ほかにも自立支援のため、ひとり親世帯に対し、1年間無料で民間のアパートを貸し出すという取り組みも実施。同県では、ひとり親の持ち家率が低く家賃が自立の足かせとなっていることや、市町村が設置する母子生活支援施設の数が少ないことなどから導入された。さらには、ひとり親に対して必要な支援を組み合わせて助言をくれるコーディネーターも配置。個人の問題に丁寧に向き合う同県の姿勢がうかがえる。○子育て環境の整備に注力これだけの施策を打っていても、同県の担当者は「ひとり親世帯の状況は、切羽詰まっている」と指摘。その上で、担当者の実感として「しわ寄せが子どもたちにいっている」と答えてくれた。ひとり親世帯の子どもたちの中には、親の目が届かないところで非行に走ったり、深夜徘徊(はいかい)をしたりするケースが目立つ。「検討段階」としながらも、担当部署では学童保育の夜間の部を創設するなど、夜の子どもたちの居場所を作れないか思案しているという。地域によっても状況が異なるひとり親世帯の貧困問題。それぞれの自治体による実態に即した支援が求められている。※写真と本文は関係ありません
2015年12月14日厚生労働省は2日、2015年9月分の被保護者調査の結果を発表した。それによると、9月時点の生活保護受給世帯は前月比874世帯増の162万9,598世帯となり、過去最多を更新した。増加は2カ月ぶり。前年同月比では1万7,645世帯増加した。○高齢者の受給世帯、初の80万世帯突破生活保護受給者数は前月比228人増の216万3,584人と、2カ月ぶりの増加。前年同月比では1,325人減少した。世帯別にみると、高齢者世帯(男女とも65歳以上の世帯、またはこれらに18歳未満の未婚者が加わった世帯)が全体の49.4%に当たる80万301世帯と、初めて80万世帯を突破し最も多くなった。以下、働ける世帯を含むその他の世帯が27万2,564世帯、傷病者世帯が25万3,386世帯、障害者世帯が18万9,752世帯、母子世帯が10万4,723世帯と続いた。同省は「高齢者世帯において、年金が足りずに生活保護を受給する世帯が増えている。今後も高齢者世帯の受給世帯は増加すると予想している」と分析している。
2015年12月02日厚生労働省は7日、2015年7月分の被保護者調査の結果を発表した。それによると、7月時点の生活保護受給世帯は前月比2,964世帯増の162万8,905世帯となり、3カ月連続で過去最多を更新した。前年同月比では1万9,911世帯増加した。○高齢者の単身世帯、年金が足りず生活困窮生活保護受給者数は前月比2,150人増の216万5,278人で、2カ月連続の増加。前年同月比では1,562人増加した。世帯別にみると、高齢者世帯(男女とも65歳以上の世帯、またはこれらに18歳未満の未婚者が加わった世帯)が全体の49.3%に当たる79万8,609世帯(前月79万6,455世帯)で最多。以下、働ける世帯を含むその他の世帯が27万3,469世帯(同27万3,823世帯)、傷病者世帯が25万4,843世帯(同25万4,936世帯)、障害者世帯が18万8,896世帯(同18万8,161世帯)、母子世帯が10万4,682世帯(同10万4,399世帯)と続いた。同省は「高齢者の単身世帯において、年金が足りずに生活が苦しくなって生活保護を受給する世帯が増えている」と分析している。
2015年10月07日総務省は28日、2015年7月の「家計調査報告(2人以上の世帯、速報)」を発表した。それによると、1世帯当たりの消費支出は28万471円となり、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比0.2%減少した。前年を下回るのは2カ月連続。○その他の消費支出、住居、教育が減少消費支出の内訳を見ると、前年同月比(実質)は全10項目中、7項目で増加、3項目で減少。増加した項目は、教養娯楽が同5.6%増、家具・家事用品が同3.7%増、光熱・水道が同3.1%増など。一方、減少した項目は、その他の消費支出(諸雑費、交際費など)が同7.3%減、住居が同5.3%減、教育が同3.9%減となった。消費支出(住居等除く)は1世帯当たり24万4,817円で、実質では同1.1%増加し、2カ月ぶりのプラスとなった。勤労者世帯の実収入は1世帯当たり58万7,156円で、実質では同5.4%増加し、4カ月連続のプラス。可処分所得は47万2,058円で、実質では同5.0%増加し、同じく4カ月連続のプラス。消費支出は31万4,788円で、同0.7%増加し、2カ月ぶりのプラスとなった。
2015年08月28日凸版印刷は8月4日、レコメンド・システム「VIENES(ヴィエネス)」を利用するサービスにより各世帯のエネルギー使用診断レポートを作成する実証実験を、2015年7月から2016年1月まで実施すると発表した。具体的には、各世帯別にエネルギーの使用状況を可視化すると共に、エネルギータイプ診断などを記載したレポートを発行し、同サービスの受容性の効果を検証する。VIENESは、家庭のエネルギー・データからエネルギーの使用状況や生活行動を予測し、個人の購買行動やプロファイル・データと紐付けることで新しいマーケティングを実現するという、2013年12月に富士通と共同開発したレコメンド・システム。同社はこれまで、経済産業省や環境省などの実証事業を通じ、エネルギー事業者と一般需要家とのコミュニケーションを図ることを目的に、可視化にとどまらない新しいサービス・プラットフォームを追求しており、実証実験への導入を通じ知見を積み重ねてきたという。2015年度は「iエネ コンソーシアム」メンバーとして、2014年度に引き続き、経済産業省が実施する「大規模HEMS情報基盤整備事業」に採択されたという。今回の実証実験では、HEMSで収集した電力データを元にサービスを提供する「HEMSデータ利活用事業者」として、HEMSを設置したモニター世帯から取得した電力データと、他のHEMSデータ利活用事業者が提供する各種データを元に、各モニター世帯のエネルギー使用タイプ分類・エネルギー使用量ランキング・エネルギー使用量の可視化などを実施し、レポートとして発行する。なお同社は、HEMSデータ利活用事業者の1つである東京ガスにVIENESの一部機能を提供しているとのこと。同実験を通じて同サービスの受容性の効果を検証することで、HEMSデータを利用する新しいサービスの可能性を見極め、同サービスをマーケティングで利用する際の有効性を確認するという。また同社は今後も、効率の良いエネルギー・マネジメント・システムの開発・事業化を顧客コミュニケーションの側面から支援することを目標に、エネルギー・サービス提供事業者に有効なソリューションを提供していくとしている。
2015年08月05日労働政策研究・研修機構は27日、「子どものいる世帯の生活状況および保護者の就業に関する調査2014(第3回子育て世帯全国調査)」の結果を発表した。それによると、ひとり親世帯で低所得世帯の割合が増加していることがわかった。○ひとり親、多子世帯の暮らし向き厳しく現在の暮らし向きのゆとり感を尋ねたところ、「大変苦しい」と回答した割合は、ふたり親世帯では11.8%、ひとり親世帯では27.3%、全体では13.7%に上った。子ども数で見ると、「子1人」では12.4%、「子2人」では13.0%、「子3人以上」では17.0%が「大変苦しい」と答えており、ひとり親世帯や多子世帯の暮らし向きは比較的厳しい状況にあることがうかがえる。「税込所得300万円未満」の低所得世帯は、ふたり親世帯では4.6%で、2011年の第1回調査(7.2%)、2012年の第2回調査(6.0%)から減少。一方、ひとり親世帯では過半数の59.9%を占め、第1回(52.8%)、第2回(48.0%)調査より増加していた。保護者が望む公的支援は、1位「金銭的援助」、2位「保育サービス」。世帯別に見ると、ふたり親に比べてひとり親は「金銭的支援」を選ぶ割合が高くなっていた(ひとり親世帯82.2%、ふたり親世帯74.9%)調査期間は2014年11~12月、有効回答は、ふたり親世帯1,416票、母子世帯724票、父子世帯53票、その他世帯4票。
2015年07月27日総務省はこのほど、2015年5月の家計消費状況調査(2人以上の世帯、速報)の結果を発表した。それによると、1世帯当たりのスマートフォン・携帯電話等本体の支出額は実質で前年同月比54.5%増となり、9カ月連続で増加した。○ネットショッピング利用世帯の平均支出額は2万8,371円自動車(中古車)の支出額(実質)は同46.3%増、エアコンは同27.9%増、洗濯機は同27.4%増。一方、パック旅行費(外国)は同30.2%減、庭・植木の手入れ代は同27.0%減、スポーツ施設使用料は同19.2%減、航空運賃は同13.3%減となった。ネットショッピングを利用する世帯の割合は全体の28.3%で、平均支出額は2万8,371円、利用世帯の支出総額に占める割合は7.7%。ネットショッピングを利用しない世帯も含めた全体での平均支出額は8,029円、支出総額に占める割合は2.6%だった。ネットショッピングにおける支出額の割合を見ると、旅行関係費が22.8%、食料が13.9%、衣類・履物が11.0%などとなった。
2015年07月06日厚生労働省は2日、「2014年 国民生活基礎調査」の結果を発表した。それによると、生活が「苦しい」(「大変苦しい」と「やや苦しい」の合計)と答えた世帯は62.4%となり、過去最多を更新した。○平均所得は1.5%減世帯別の生活意識を見ると、「苦しい」の割合は、65歳以上の「高齢者世帯」では58.8%、18歳未満の未婚の子どもを持つ「児童がいる世帯」では67.4%と全体平均を上回った。1世帯当たりの平均所得は528万9,000円で、前年比1.5%減少。中央値(所得を低いものから高いものへと順に並べて2等分する境界値)は415万円で、平均所得以下の割合は61.2%に上った。世帯別の平均所得は、高齢者世帯が同2.8%減の300万5,000円、児童のいる世帯が同3.4%増の696万3,000円となった。世帯総数は5,043万1,000世帯。このうち高齢者世帯は1,221万4,000世帯(構成比24.2%)で、児童がいる世帯の1,141万1,000世帯(同22.6%)を初めて上回った。また、平均世帯人数は2.49人(前年2.51人)と、減少傾向にあるという。調査期間は2014年6月~7月。集計回答数は、世帯に関するものは46万804世帯、所得に関するものは6,837世帯。
2015年07月03日KADOKAWAのブランドカンパニーであるメディアファクトリーはこのほど、書籍『世帯年収600万円でも諦めない! 夫婦で年収5000万円になる方法』を発売した。午堂登紀雄氏、秋竹朋子氏の夫妻による共著。価格は1,404円。同書は、「夫婦(パートナー)」という家族単位で稼ぐ、21世紀の新しい働き方を解説したもの。「どんな夫婦でも年収アップの可能性を秘めている」とし、共働きで稼ぐことで目指せる「ワンステップ上の夫婦のあり方」を紹介している。午堂登紀雄氏は1971年岡山県生まれ。中央大学経済学部卒。米国公認会計士。大学卒業後、東京都内の会計事務所などを経て、アーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。2006年にプレミアム・インベストメント&パートナーズ、2015年にデュビジョンを設立。著書に『お金がどんどん増える人 お金がたちまち消える人』(学研パブリッシング)などがある。秋竹朋子氏は福岡県生まれ。東京音楽大学ピアノ演奏科コースを経て、聖徳大学大学院音楽文化研究科修士課程卒。「超絶対音感」を持ち、ボイストレーニングスクール「ビジヴォ」代表として、「声」「話し方」「歌声」に問題を抱えるビジネスパーソンの指導を行っている。著書に『秋竹朋子の声トレ!』(ワニブックス)などがある。
2015年06月22日