日本の若手写真家たちの作品を展開する「LUMIX MEETS BEYOND 2020 BY JAPANESE PHOTOGRAPHERS #4」が、17年1月20日から29日まで東京・六本木にあるIMA gallery(IMA CONCEPT STORE内)にて開催される。同展は、日本におけるアートフォトマーケットの醸成を目的に、IMAメディアプロジェクトが主催を行っている展覧会。世界最大のフォトフェア「パリフォト(PARIS PHOTO)」と同時期にパリで開催し、その後日本へと巡回している。横田大輔や水谷吉法など、これまで同展で選出した写真家の多くが世界に羽ばたいている。また、今年は世界的アートフォトフェスティバルのひとつである「アン シーン・フォト・フェスティバル(UNSEEN Photo Festival)」の一環としてオランダ・アムステルダムでも開催し、海外でも注目を集めた。東京凱旋となる同展では、映像を軸に独自の世界観で物語を創出する東加奈子と、国際的な視野から現代社会をユーモラスに捉える石野郁和、即興的なスティルライフを生み出す宇田川直寛の3人が「LUMIX DMC-GX8」を用いて撮り下ろした作品を発表する。その他に、石橋英之、清水はるみ、駒瀬由宗も加わり、計6名で二次元を超えた写真表現の可能性に迫る。【展覧会情報】「LUMIX MEETS BEYOND 2020 BY JAPANESE PHOTOGRAPHERS #4」会場:IMA gallery(IMA CONCEPT STORE内)住所:東京都港区六本木5-17-1 AXISビル3階会期:17年1月20日~29日時間:11:00~19:00休館日:17年1月23日入場無料
2016年12月30日「写真家ソール・ライター展」が、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催される。期間は2017年4月29日(土・祝)から6月25日(日)までを予定。「私たちが見るものすべてが写真になる」。生涯、美の探究者であったソール・ライターはこの言葉を残している。1950年代からニューヨークで第一線のファッション・カメラマンとして活躍し、58歳で商業写真から退き、一度は世間から姿を消した彼。再び脚光を浴びるきっかけとなったのは83歳を迎えた2006年、ドイツのシュタイデル社によって出版された作品集だ。この写真集は大きなセンセーションとなり、展覧会開催や書籍出版、2012年にはドキュメンタリー映画の公開にも至った。本展は、ニューヨークのソール・ライター財団の全面的な協力を得て、同財団所蔵のモノクロおよびカラー写真、絵画作品、その他貴重な資料200点あまりを一堂に集める。天性の色彩感覚によって“カラー写真のパイオニア”と称されたソール・ライターの創造の秘密に迫る日本初の回顧展だ。同時に「Bunkamura ル・シネマ」では、彼の生涯を追ったドキュメンタリー映画『写真家 ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』を同時期に上映予定。彼の作品は、私たちが日常で見逃してしまいそうな些細な風景の中にある「美」の存在、そして、その「美」の発見が人の生涯を変えることもできるということを示唆してくれる。本展を通して聴こえる静かな彼の訴えは、あなたの心にも響くはず。【開催概要】ニューヨークが生んだ伝説「写真家ソール・ライター展」Photographer Saul Leiter: A Retrospective会期:2017年4月29日(土・祝)~6月25日(日)※5/9(火)、6/6(火)のみ休館。場所:Bunkamura ザ・ミュージアム住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)※毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)入館料:一般 1,400(1,200)円、大学・高校生 1,000(800)円、中学・小学生 700(500)円※()内は前売り及び20名以上の団体料金。団体の場合は電話で事前予約(03-3477-9413)。※学生券を購入場合は、学生証提示。(小学生は除く)※障害者手帳の提示で割引料金あり。詳細は窓口で。【問い合わせ先】ハローダイヤルTEL:03-5777-8600
2016年12月29日横浜美術館で「篠山紀信展 写真力THE PEOPLE by KISHIN」が開催されます。期間は2017年1月4日(水)から2月28日(火)です。篠山紀信の50年余年にわたる歴史の中から、彼自身が厳選した約120点の写真が展示されます。大迫力の大型パネル!美術館で「体感する」篠山紀信の写真写真家・篠山紀信の50余年にわたる膨大な仕事の中から彼自身が選んだ写真約120点が集結。大型パネルに仕立てられ、美術館の空間に展示されます。手元でひらく本のサイズでなく、メートル単位の巨大な大きさに仕立てられた写真の数々は圧巻です。ダイナミックな作品は観る人の思い出を生き生きと呼び覚まし、展示室を新たな出会いの場へと変えていきます。美術館の大空間と、圧倒的インパクトのある写真との対決、「写真力」対「空間力」の世界を堪能しましょう。5つのセクションで作品を味わおう●GOD鬼籍に入られた人々ジョン・レノン、三島由紀夫、勝新太郎、美空ひばりなど、多くの人にその死が惜しまれ、今もなお人々の心の中に生き続ける著名人が集められたセクションです。写真を撮る行為そのものが相手をリスペクトすることだと語る篠山紀信は、相手の最良の姿を写真にする姿勢を一貫して堅持しています。モデルが瞬間的にみせる絶妙なしぐさなど、決定的な偶然が作用した写真の美を堪能しましょう。●STARすべての人々に知られる有名人山口百恵、吉永小百合、AKB48、松田聖子など、1970年代から現在まで、その時々のグラビアや写真集を彩ったスターたちが題材のセクション。「写真は時代の映し鏡」と語る篠山紀信の仕事のベースはここにあります。撮影された時のモデルの顔つきやファッション、構図などから、撮影のコンセプトやストーリーがにじみでる作品です。スターたちのあのころのイメージに、観る人自身の過去を重ねることもできるでしょう。●SPECTACLE私たちを異次元に連れ出す夢の世界東京ディズニーランド、歌舞伎など、現実の中にありながら、そこには日常を超えた世界が展開する場も、篠山紀信の重要なレパートリーの一つです。観客が一人もいないディズニーランドに独自キャラクター「シノラマン」に扮して潜入した篠山紀信。そこで写したキャラクターたちの「休日」は、誰もが知るディズニーランドの、誰も知らないもうひとつの夢の世界です。複数の写真をつなげる篠山紀信独自のパノラマ写真「シノラマ」も見どころの一つ。複数のカメラを同時にリリースしたり、自在に遠近を使い分けて奥深い世界観を表現したり、制作の手法はさまざまです。情感豊かで新しい写真の世界を味わいましょう。●BODY裸の肉体-美とエロスと闘い樋口可南子、宮沢りえ、浅岡ルリ子などが被写体となっているヌード作品。写真にとって、ヌード作品は発明以来の重要なモチーフです。1968年に発表された「The Birth」をはじめとして、さまざまなヌードを手がけてきた篠山紀信。単身、集団、女、男、大都会、大自然。モデルとロケーションの組み合わせひとつひとつが濃密な絵巻となって、それぞれの時代に新たな美学が提示されてきました。その中でも、篠山紀信選りすぐりのショットを集めたセクションです。●ACCIDENTS2011年3月11日-東日本大震災で被災された人々の肖像2011年3月11日の東日本大震災で被災された人々を写した作品です。人知を超えた一瞬の大震災で家族、大切な人を失い、家をなくした数多くの人々。普通ではない理不尽を体験した人々の表情を、その時代を、写真家として残さないわけにはいかなかったと篠山紀信は語っています。写真は、話を聞いて心を開いてくれたと思う人にのみ同意を求め、撮影されました。背景をぼやかし、ピントを人物に集中させた写真は、大震災を人と人、人と場のつながりからとらえた作品です。開催されるコンテンツをチェックしよう●篠山紀信のアーティスト・トーク写真家・篠山紀信によるアーティスト・トークが開催されます。日程:2017年1月7日時間:15:00~16:30(開場14:30)会場:横浜美術館レクチャーホール定員:240名※当日13時30分より総合案内で整理券が配布されます。●学芸員によるギャラリートーク学芸員によるギャラリートークが開催されます。日程:2017年1月28日、2月11日、2月25日時間:15:00~15:30会場:企画展展示室●夜の美術館でアートクルーズ閉館後の美術館を参加者だけで独占できる特別な展覧会です。学芸員の解説とともに贅沢な時間を楽しみましょう。申し込みはウェブサイトの専用申込みフォームで可能です。日程:2017年2月4日時間:19:00~21:00会場:企画展展示室定員:18歳以上・60名参加費:3,000円コレクション展も合わせてチェック!横浜美術館では、「篠山紀信展 写真力」の開催に合わせて「写真」に焦点を当てた特集展示を行います。商業写真発祥の地・横浜に設立された美術館として、写真をコレクションの大きな柱に掲げて収集活動を行ってきた横浜美術館。横浜美術館開館以来の試みとして、全館での写真展示が行われます。「写真力」のチケットを持っている人は当日に限り、コレクション展を無料で観覧できます。ぜひ合わせて観覧してみてください。●昭和の肖像-写真でたどる「昭和」の人と歴史1926年から1989年の長きに渡った「昭和」の時代。関東大震災からの復興に始まり、二度に渡る世界大戦、敗戦からの再びの復興、高度経済成長を経てバブルへ。日本の歴史の中で最も揺れ動いた「昭和」を無数の写真とともに振り返ります。いきいきとした表情をうつしだす人物のポートレート、風景や風俗写真など興味深いものばかりです。●“マシン・エイジ”の視覚革命-両大戦間の写真と映像第一次・第二次大戦間はアメリカで「マシン・エイジ」(機械の時代)と称されます。この間に飛躍的進化と爆発的普及を遂げた写真と映像。この時代だからこその写真・映像芸術について、2つのメディアの関係性に焦点をあてながら振り返ります。●関連イベントもチェック●アーティストトーク沖縄在住の女性写真家、石川真生氏によるアーティストトークです。講師: 石川真生(写真家)日時: 2017 年2 月24 日(金) 18:30~20:00(開場18:00)会場: 横浜美術館レクチャーホール申込み・参加費: 不要(240 席)、無料●ギャラリートークさまざまな切口で学芸員やエデュケーターが作品の見どころや楽しみ方を紹介します。日時: 2017 年1月13日、1月27日、2月10日、2月24日いずれも金曜日、14:00~14:30会場: コレクション展展示室申込み・参加費: 不要、無料(当日有効の観覧券が必要)イベント概要名称:篠山紀信展 写真力THE PEOPLE by KISHIN開催期間:2017年1月4日(水)~2月28日(火)開催場所:横浜美術館開催時間:10:00~18:00※2月23日(木)は16:00、2月24日(金)は20:30まで(入館は閉館の30分前まで)休館日:木曜日※ただし1月5日、2月23日は開館チケット:一般1,500円(1,300円)、大学・高校生900円(700円)、中学生600円(400円)、小学生以下無料、65歳以上1,400円※()内は2017年1月3日(火)までの前売り価格※65歳以上は要証明書、美術館券売所でのみ対応公式サイト:名称:横浜美術館コレクション展2016年度第3 期開催期間:2017年1月4日(水)~2月28日(火)開催場所:横浜美術館開館時間 10:00~18:00 (入館は閉館の30 分前まで)※2月23日(木)は10:00~16:00、2月24日(金)は10:00~20:30休館日 木曜日 *2017年1月5日、2月23 日を除く観覧料 一般 500(400)円 大学・高校生300(240)円 中学生100 (80)円 ※小学生以下無料※企画展ご観覧当日に限り、企画展の観覧券でコレクション展もご覧いただけます。
2016年12月27日ベッカム家の長男ブルックリンが、まだ17歳という若さながら写真家としてフォトブックを発売することが明らかになった。本人が表紙の画像を「みんなが気に入ってくれるといいな」というコメントを付けてSNSに投稿した。タイトルは「what i see」で、来年5月4日(現地時間)に発売。出版元のペンギン・ランダムハウスの説明によると、フォトブックはブルックリンが自身の生活の中で撮影した300枚の写真とともに、章ごとに異なるエピソードが彼の言葉によって綴られているという。レンズを通してブルックリンが見たユニークでリアル、スタイリッシュなものの写真がセレクトされた1冊だそうだ。現在、オンラインにてプレオーダーを受け付けており、希望者はサイン入りの本を購入することもできる。発売月の来年5月には、ブルックリンがUKの各都市を回ってサイン会を開くことも告知されている。同出版社は、詳細についてはブルックリンがSNSで随時アップデートしていくとしているが、スペシャルコンテンツが追加され、通常版とは表紙も違う「特別版」の存在もにおわせている。ブルックリンは今年、人気香水「バーバリー・ブリット」のキャンペーンヴィジュアルの撮影も手掛け、話題となった。(Hiromi Kaku)
2016年11月30日ニューヨークが生んだ伝説の写真家、ソール・ライターの想像の秘密に迫る日本初の回顧展「写真家ソール・ライター展」が17年4月29日から6月25日まで、東京・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムにて開催される。1950年代からニューヨークで第一線のファッション・カメラマンとして活躍しながら58歳の年にスタジオを閉鎖、商業写真から退き世間から姿を消したソール・ライターはドイツのシュタイデル社から出版された作品集で再び脚光を浴びるとことなり、12年に公開されたドキュメンタリー映画「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」でその名と作品がさらに多くの人々の知るところとなった。今回開催予定の回顧展は、ニューヨークのソール・ライター財団の全面的な協力を得て、同財団所蔵のモノクロ、カラーの写真作品、絵画作品の他200点あまりの貴重な資料を一同に集めた日本初の回顧展となっている。【イベント情報】「写真家ソール・ライター展」会場:Bunkamuraザ・ミュージアム住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1会期:17年4月29日~6月25日予定
2016年11月25日現代の写真表現をリードしてきた写真家のトーマス・ルフによる日本初の本格的な回顧展となる「トーマス・ルフ展」が東京に続き、12月10日から17年3月12日まで石川県の金沢21世紀美術館にて開催される。トーマス・ルフは、デュッセルドルフ芸術アカデミーで、アンドレアス・グルスキーやトーマス・シュトゥルートらとともにベルント&ヒラ・ベッヒャー夫妻に学んだ「ベッヒャー派」の写真家。初期に発表した高さ約2mの巨大なポートレート作品で注目され、それ以降は建築、都市風景、ヌード、天体など様々なテーマの作品を展開してきた。同展では、トーマス・ルフの初期作品から初公開の最新作までを紹介する。ラインアップは、初期作品の「Interieurs」や、自身の評価を高めた「Portrats」、モダニズム建築を代表するドイツ出身の建築家、ルードヴィッヒ・ミース・ファン・デル・ローエによる建築作品を撮影したシリーズ「l.m.v.d.r」など。NASAの宇宙探査船が撮影した土星や火星などの画像を素材にした「cassini」や「ma.r.s.」、様々な数式がつくる線形を3Dプログラムによって再現し、コンピューター上の3次元空間で再構成した「zycles」も展示される。さらに、カメラを用いず感光紙上に物体を置いて直接露光し、その影や透過する光をかたちとして定着させる「フォトグラム」技法を使用した「photograms」や、日本の漫画やアニメなどから取り込んだ画像に原形がわからなくなるまでデジタル加工を繰り返した「Substrate」などの作品も出展。インターネット時代の視覚・情報空間を問う「nudes」や、デジタル画像の解体を主題とした「jpeg」、新作の「press++」シリーズなど主要な18シリーズ約160点が展開される。また、12月10日の14時から16時までは、トーマス・ルフ本人を招いてアーティストトークを開催する予定だ。【展覧会情報】「トーマス・ルフ展」会場:金沢21世紀美術館住所:石川県金沢市広坂1-2-1会期:12月10日~17年3月12日時間:10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)料金:一般1,000円、大学生800円、小中高生400円、65歳以上800円休館日:月曜日(17年1月2日、1月9日は開場)、12月29日~1月1日、1月10日
2016年11月23日写真家の森山大道とブックデザイナーの鈴木一誌の共著『絶対平面都市』と、森山の最新写真集『Osaka』の刊行を記念したイベント「写真家 森山大道 1996 路上の犬は何を見た?」が、11月25日の19時から21時まで東京・恵比寿のNADiff a/p/a/r/tにて開催される。森山大道は、『NORTHERN』や『犬と網タイツ』などを出版している写真家。一方、鈴木一誌は、杉浦康平のアシスタントを12年間務めた後1985年に独立したブックデザイナー。映画や写真の批評も手掛けており、著書には『画面の誕生』『ページと力』『重力のデザイン』『「三里塚の夏」を観る』などがある。今回のイベントはトークと上映会の二部構成となっており、前半では1996年に放送された、大阪で森山大道の撮影の様子を取材したドキュメンタリー番組「写真家 森山大道 1996 路上の犬は何を見た?」を上映。ブレイク直前であった58歳の森山大道が、撮影や暗室作業などに勤しむ様を目にすることができる貴重な機会となっている。後半では、森山と鈴木に加えて同番組のプロデューサーでもあり、日本テレビでルーヴル美の迷宮へシリーズ」などの美術系の番組制作を担当するプロデューサーの岩間玄を迎えたトークショーを開催。森山の写真家としての原点や、大阪の街を、『絶対平面都市』へと向かう森山の歩みなどについて聞くことができる。トーク終了後にはサイン会も行われる予定だ。【イベント情報】「写真家 森山大道 1996 路上の犬は何を見た?」会場:NADiff a/p/a/r/t住所:東京都渋谷区恵比寿1-18-4会期:11月25日時間:19:00~21:00
2016年11月22日箱根のポーラ美術館では現在、企画展「ルソー、フジタ、写真家アジェのパリ―境界線への視線」が開催されています。期間は2017年3月3日(金)まで。19世紀末から20世紀へ、激しく変化していくパリに生きた3人の芸術家。それぞれのまなざしを通して、「時代の変貌」をさぐります。展覧会のみどころ20世紀初頭、パリの下町「モンパルナス」に住んでいたという共通項をもつアンリ・ルソー、レオナール・フジタ(藤田嗣治)、ウジェーヌ・アジェの3人。彼らは華やかな市街地ではなく、郊外に視線をむけました。都市と素朴な自然が交わる境界線を描くことで感じた、新世紀の詩情を表現しています。また、3人それぞれが非常に型破りな芸術家であったというバックグラウンドにも注目したいところ。ルソーは税関吏として、フジタは職人として、そしてアジェは記録写真家として、いわゆるアカデミックな芸術とは異なるアプローチで独自の芸術を生み出しました。既存のものにとらわれない独創的な作風に垣間見える、それぞれの人間性も魅力的です。パリの境界線にみた時代の変貌かつて壁や防塁に囲まれていた城砦都市パリ。20世紀初頭には、都市の周縁に移民や貧困者が住み着き、パリの街が拡張されてゆきました。ルソー、フジタ、アジェらは特に都市中心部ではなく郊外に目を向け、パリの変貌する姿をそれぞれの作品を通じて描き出していきます。3人の作品と同時代の作家の作品も合わせて紹介しながら、都市の境界線に映し出される「時代の変貌」へ向けられた視線をたどります。彼らの作品の一部を見てみましょう。こちらはルソーの作品です。大きな橋が印象的ですね。こちらもルソーが描いた橋の絵。パリの象徴、エッフェル塔も描かれています。美しい空にふわりと飛行船が飛んでいます。林のようにみえるものの向こう側にはどんな風景が広がっているのでしょうか。見えない部分を想像するのも楽しいですね。 最後はアジェの写真。パリ中心部の様子です。人が多く行き交う活気ある町の一瞬をとらえています。この企画展では、同じ時代を捉えた写真と絵画をいっしょに展示しているのが特徴です。また、3人それぞれの視点でみた街がどんなものだったのか。比べてみるのもおもしろそうですね。芸術の秋、箱根でアートを感じてみてはいかがでしょうか。イベント詳細名称:ルソー、フジタ、写真家アジェのパリ―境界線への視線開催期間:2016年9月10日(土)~2017年3月3日(金)※会期中無休入館料:大人1,800円シニア割引(65歳以上)1,600円大学・高校生1,300円中学・小学生700円主催:公益財団法人ポーラ美術振興財団ポーラ美術館作品点数:約130点会場:ポーラ美術館住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285お問い合わせ:0460-84-2111開館時間:9:00~17:00公式サイト:
2016年11月19日12月20日(火)にBlu-ray&DVDを発売する「乃木坂46 橋本奈々未の恋する文学 冬の旅」。この度そのジャケット写真が、北海道出身の写真家・岡田敦の撮り下ろし作品となることが決定。併せて岡田さんからコメントも到着している。「乃木坂46 橋本奈々未の恋する文学 冬の旅」は、今年2月~3月、北海道文化放送で北海道限定地上波放送した番組。「乃木坂46」の橋本奈々未が、故郷である北海道を題材にした1冊の本と一緒に、その舞台を旅する映像物語だ。取り上げる小説は、村上春樹の「ノルウェイの森」(第1話)や「羊をめぐる冒険」(第2話・3話)、桜木紫乃の「ラブレス」(第4話)、渡辺淳一の「阿寒に果つ」(第5話)といった人気作品。 グループの中でも本好きで知られる彼女が、人や絶景に触れる紀行ドキュメンタリーのほか、橋本さんが印象に残った一節を大自然の中で心を込めて朗読。自分の言葉で、本の魅力や影響を受けた生き方などを語るほか、 昨年秋から半年間の彼女の心情が綴られている。朗読の場面に挿入される、文学世界を表現したドラマのような美しい映像も見どころのひとつとなっており、北海道の絶景の中で、橋本さんが知られざる素顔を露わにしていく。そして今回、その番組が収録された Blu-ray&DVDのジャケット写真がお披露目!そのジャケット写真を手掛けるのは、木村伊兵衛写真賞を受賞した北海道出身の写真家岡田さん。岡田さんは本番組の第3話「羊をめぐる冒険」(後編)に出演しており、その出会いをきっかけに、現在放送中の「乃木坂46 橋本奈々未の恋する文学 夏の旅」の撮影にも同行している。今回は「Type A」と「Type B」2つのバージョンでの発売が決定しており、「Type A」はAmazon.co.jp(ディスクオンデマンド)で販売(Web予約受付中)、「Type B」は コーチャンフォーグループで販売(店頭予約受付中)となる。なお、「乃木坂46橋本奈々未の恋する文学 夏の旅」公式Webサイト上でも、岡田さんとのコラボが実現。ジャケット以外の写真も一部スペシャルフォトギャラリーとして展開中となってる。<岡田敦コメント>「花の名」撮影の現場はとても静かだった。指示もほとんどださず、無理に笑ってもらうこともしなかった。悲しい時でも笑顔をふりまくのがアイドルの生業なのかもしれないが、僕はアイドルとしての“橋本奈々未”ではなく、一人の女性として彼女の姿を撮りたかった。言葉で引きだす表情は、いっけん被写体との距離が縮まったかのように錯覚するが、実際には幾つもの見えない壁をつくってしまう。表層的な仕草や表情もまた、心の奥深くに刻まれることはない。北海道の大地に流れる静かな時間は、東京で生きてゆくために互いが身につけた業を、優しくほどいてくれたような気がする。演じるのではなくただそこに彼女が存在している。その姿は月あかりに照らされた一輪の花のように美しかった。岡田敦「乃木坂46 橋本奈々未の恋する文学 冬の旅」Blu-ray&DVDは12月20日(火)より発売。※予約受付中(cinemacafe.net)
2016年10月31日写真家の深瀬昌久による愛猫“サスケ”を題材とした新作写真集『Afterword』が、roshin booksより11月15日に出版される。愛猫家として知られ、生前に『ビバ!サスケ』『サスケ!!いとしき猫よ』『猫の麦わら帽子』といった3冊の猫を題材とする写真集を出版していた深瀬。今回は、そのうちの『サスケ!!いとしき猫よ』の巻末に収録されていた“サスケ日誌”に添えられていた作品で製作された写真集を発売する。深瀬が妻との離婚後に溺愛し、3冊もの写真集を出版することになったサスケは、アラーキーのチロちゃんと並ぶほど写真界では有名な題材。しかし、実はこのサスケは2代目で、最初に写真家の高梨豊から譲りうけた初代サスケは、当時住んでいた家の大家さんの意地悪のせいか深瀬の留守中にこつ然と消えてしまったという。そこで深瀬が捜索願いの張り紙を四方八方に張り巡らしたところ「これはサスケではないか」という連絡があり、深瀬はお礼のウイスキーを用意してサスケを待ち受けていた。しかし、深瀬の前に表れたのは初代より少し不細工な違う子猫だった。しかし、深瀬はそれをサスケと呼び、どこへ行くにも連れ回すようになったそうだ。今回は、そんなサスケを題材にした“サスケ日誌”のための写真原稿であるL伴サイズの小さな写真とそこに添えられていた深瀬の手書きのテキストをもとにした写真集を製作した。デザイナーには加藤勝也、プリンティングディレクターには熊倉桂三を起用。装丁は猫の毛並みを意識した手触りで、小口にはまるで猫の爪研ぎのごとくざくっとした裁断が施された。プレオーダー開始2週間時点で900部のうち700部は、既に世界中の書店と、個人への直売で売約済み。日本での取り扱いは、roshin booksオフィシャルサイト()をはじめ、shashasha、代官山蔦屋書店、青山ブックセンター、ブラインドブッ クス、ホホホ座など。
2016年10月30日風景をミニチュアのように捉えた写真で人気の写真家・本城直季による写真集『東京』が、10月27日に刊行された。本城直季は、雑誌や広告など幅広い分野で活躍している写真家。デビュー作である写真集『small planet』で第32回木村伊兵衛写真賞を受賞しており、その後、『Shinkirou』、『TREASURE BOX』、『京都 KYOTO』などの写真集を発表してきた。作品はメトロポリタン美術館や、ヒューストン美術館にも所蔵されている。今回発売される最新作の『東京』は、『small planet』から続く独特の手法を用い、クールな視点で“東京”を上空から捉えたもの。様々な建造物が地面を覆い、まるで基盤のように地平の彼方まで拡がる日本の首都・東京を、都市風景を撮り続けてきた本城ならではの視点で今、改めて見つめなおした。【書籍情報】『東京』著者:本城直季ブックデザイン:佐々木俊並製/64ページ/B4変型発刊:2016年10月27日価格:2,500円
2016年10月30日木曜日連載、アート・ブックショップ「NADiff(ナディッフ)」各店による今読むべき1冊。今週は、写真家・石川竜一の作品集『okinawan portraits 2012-2016』。恵比寿の東京都写真美術館内にあるミュージアム・ショップ、NADiff BAITEN(東京都目黒区三田1-13-3恵比寿ガーデンプレイス内 東京都写真美術館2F)によるご紹介です。■『okinawan portraits 2012-2016』石川竜一 沖縄生まれの写真家・石川竜一が、沖縄中でバイクを走らせ3,000人のポートレートを撮影した中から生まれた『okinawan portraits 2010-2012』。それから、まだまだ続いていた沖縄での撮影が、『okinawan portraits 2012-2016』という1冊となり、今年9月に出版された。石川の写真には、シャッターが押された時、そこに、その人が、その景色が存在した、という事実だけがある。それは確かに沖縄の人々で、沖縄の景色なのだが、そこに写っているものたちは、私たちの中に知らず知らずのうちに培われた「沖縄らしさ」というイメージを拒否する。被写体は、特別こちらに笑いかけてくるわけでもなく、何かを訴えかけているわけでもない。しかしそこには、人間の「生」本来の強烈さがある。あとがきにはこう書かれる。「たくさんの情報が錯綜する中、欲だけが膨らみ、僕らはいま、僕ら自身をも消費してしまおうとしている。本当に必要なのは、お金そのものでも、経済システムそのものでもない。存在の証明であり、それを共有するための媒体やシステムだ」。経験や、常識によって作られた「らしさ」という先入観をそぎ落とし、ただ目の前のものを見つめる石川は、写っているものの存在をむき出しにする。それは、どこを開いても生々しくて、私たちにそれを「沖縄らしい写真」として消費させてくれない。『okinawan portraits 2010-2012』のあとがきにて、「本当はただ、その人と、その場所で、その時にしかない、写真との出会い。それだけだ。そんな中で写真はいつも話しかけてきてくれる。「お前が探しているのはこれじゃないのか」と。しかし、それも断定はできないのだ。多分、永遠に。」と書いていたように、「okinawan portraits」は途切れることがない。その人と、その場所で、その時にしかあり得なかった出会い。そうした偶然は、死ぬまで、毎日続いていく。写真は、そうした偶然の結果であることを思い出す。「あなたはここまで来て、ここから行くのです」という石川の言葉の通り、『okinawan portraits 2012-2016』の写真は、「彼、彼女たちは」「いま」「ここにいる」という被写体の存在証明に他ならない。それは同時に、それを撮影する石川自身の存在証明でもあるのである。【書籍情報】『okinawan portraits 2012-2016』著者:石川竜一発行:赤々舎判型:ソフトカバー/288ページ/245×255mm言語:日本語価格:5,000円
2016年10月20日●ヌードで撮りたいと言ったら、美術館が「いいよ」写真家・篠山紀信が新たな試みを行っている。東京・品川区の原美術館内で撮ったヌード写真を、原美術館に飾る写真展『篠山紀信展 快楽の館』(9月3日~2017年1月9日)を行い、さらに写真集としても発売しているのだ。巨匠でありながら、これほどのフットワークの軽さを見せた真意、『快楽の館』といったタイトルに込めた思い、そしてなぜヌードだったのか。○美術館の持つ「色気」――今回の美術展が行われた経緯を教えてください。まず原美術館から「展覧会をやりませんか」という話がありました。ぜひやらせていただきたいと案内してもらったら、ふだんは一般の人が入れない裏庭に大きな門があったり、苔むしている庭があったり、入り口の庭に大きな木が立っていたり、全然、普通の美術館とはたたずまいが違うんです。聞いてみたら、名だたる建築家が約80年近く前に建てた邸宅で、いろんな歴史があるらしいんですよね。建物自身も割と球形で素敵ですが、それでも邸宅として住んでいたわけだから、窓も扉もあるし、いわゆる普通の”美術館”のような無機質な空間ではない。そういった、原美術館自身の佇まいをすごく気に入っちゃったんだよね。「ここで作品を作れないですか?」と言ったら、館長が「それは面白いじゃない、やってもいいよ」と言ってくれました。――原美術館自体の魅力が大きかったのですね。そこで裸を撮ろうというのはどういうお気持ちだったんでしょうか?写真は"場"というのがとても重要ですが、原美術館の場合は、"場"自身がいろいろな歴史を持ち、随所に魅力的な空間があって、色っぽいんですよね僕に言わせると。セクシーなんです。そういう場所でヌードを撮ったら面白いなと思って言ったら、館長が「いいですよ」と。これは簡単なようで、なかなかないですよ。公立の美術館だったら、作品の確認や評議委員会にかけなければいけないなどいろいろなプロセスがあるのに、館長の一声で「何やってもいい」「ヌードでもいい」と言ってもらえるなんて! それでも最初は半分くらい今までの写真を持って行こうかと思ったんですが、原美術館を見ているうちに、全部ここで撮った新作の方が面白いんじゃないかな、と言ってしまいました。撮るのは自分なので、大変な事を言ってしまったんですが(笑)。こんな自由が与えられるということは、今後も絶対ないと思っています。――裸で、『快楽の館』というのはかなりインパクトのあるタイトルだなと思いました。『快楽の館』というタイトルは、アラン・ロブ・グリエというフランスの小説家の作品を日本語訳にした言葉からとりました。原題をそのまま訳すと「ランデブーの館」、つまりいろいろな人が集ってきて、いろいろなドラマが生まれるみたいな意味なんです。日々違う人が来て、出会っていく館という。撮っている間も、綺麗なモデルさんたちが一糸まとわず次から次へと来て、写真を撮る快楽がありました。だから、『快楽の館』というのは、実は僕の快楽なんじゃないかというくらいに楽しかったですね。ただ、ポスターから見るように、怪しげな館にヌードの人が集まった、エロティックな饗宴じゃないか、と思っている人が見ると、ちょっと違う作品かもしれません。●実は、男性の方が"裸"を恥ずかしがる?○有名モデルも、作品の下に一律――ヌードモデルさんの中に、壇蜜さんなども出演されていますよね。ここに壇蜜さん的な人がいればとてもぴったりだなと思い、実際に出ていただきましたが、今回は作品の下にモデルの名前は一切載っていないんです。有名な方も随分いますが、全員素人の方の部屋もありますし、作品の全責任は私にあります。男性の写真もありますしね。オカダ・カズチカさんという、新日本プロレスで人気の方ですけど、これも「オカダさんのヌード」ではなく、「快楽の館」の一員として出演していただきました。――男性のヌードを撮るときと、女性を撮るときと、違いはあるんですか?構造的に、男性の体は出っ張ってますからね(笑)。隠すのになかなか苦労します。あとはどちらかというと、男性の方が恥ずかしがり屋ですよね。女性は10分もすれば、自分が裸であるかなんて忘れちゃうところがあるんですけど、男性の気持ちをほぐすのは大変です。お世辞を言ったりするわけじゃないけど、モデルになってくれてありがたいという気持ちを全面に出します。リスペクトする気持ちがないと、ダメですよ。――全体的にはどれくらいの撮影日数がかかっているんでしょうか?結局10日間で全部撮りました。モデルは33名、写真点数は76点。4点の作品を集めたものなどもありますから、細かく言うと90点くらいありますね。でも溢れるくらいイメージは湧いてきましたから、行き詰まってどう撮っていいかわからないということは、全然なかった。僕はフライヤーにも、「美術館は作品の死体置き場だ」と書きました。だけど今度の場合は、美術館で見た写真が「今、立ってるここじゃん」という感覚がありますし、作品も生まれたての赤ん坊みたいなもので、そこに立ち会うと、不思議な感覚にとらわれると思うんですよね。これは写真以外だったらできない。これも写真の持つひとつの表現の力で、極めて写真的な行為なんですよ。絶対安全圏の中から、作品を上から目線で見てやるということではなく、ひょっとすると作品が自分にのしかかってくるかもしれないという面白さがあると思います。○規制があるのは当たり前――ヌードということでは、規制やコンプライアンス問題なども、昨今は厳しくなっているのかなと思いますが……。全部自由な表現なんて、どこにもないんですよ。必ず制約がありますから、その中でやればいいんです。ただ、ヌードというもの全体に関して、世の中の規制が強くなっていることは事実ですよね。飛行機に、ヌードが載っている週刊誌は入れないとか、TVも乳首とヘアはいけないとか。僕は『ヨルタモリ』で乳首出しちゃった※けど(笑)。※2015年7月26日放送の『ヨルタモリ』(フジテレビ)にて、宮沢りえ写真集『Santa Fe』の未公開写真を紹介。例えばヨーロッパで、性器をモチーフにしたアートが掲載された雑誌が出せるような地域であっても、宗教的なタブーが存在する場合もある。いろんな場所と時代によって制約が必ずあるので、全く自由なものはどこにもない。でもそれを、かいくぐりながらやるのがいいんですよ。たまに警察が来る時もありますけど(笑)。――根本的な話になってしまいますが、どうして篠山先生はヌードを撮られるんですか?商業的な場合は、様々な要望もありますからね(笑)。今度の場合で言えば、本当は服を着ていてもいいんですよ。凝ったヘアメイクとファッションで、いろんなことしてもいいんです。ただそうすると、表現の主体がそちらになってしまうじゃないですか。原美術館が持つ魔力、磁力、場所の持つ色気みたいなことを、直截に表現しようとした時に、あんまり何もない方がいいんですよ。裸の肉体がふっと出てきて、僕がいろいろそれを写真的に工夫することによって、思ってるものをストレートに出せるというのが、ヌードなんですよね。――同時に今回、講談社さんから写真集も発売されていますね。図録的な意味で作ってたんですけど、図録をはるかに超えちゃって、すっごく素敵な写真集になっちゃった(笑)。珍しく、僕が撮っている現場の写真も入っているんですよ。3台のカメラを使って撮る方法とか、秘密を種明かししていますからね。――展覧会が終わったら、飾ってある写真はすべて捨ててしまう、とも伺いました。壁にべたっと貼ってあるから、破くしかないんだもの(笑)。ありがたい作品を保存し、それを鑑賞し、というのではなく、見たら終わり・期日が来たら終わり。それも新しいよね。だからこれは鑑賞でなくて体感だと思うんですよ。ネットでわかった気にならないで、ぜひ作品を見て体感してもらいたいですね。なんてったって、作った僕が一番最初に見るのを楽しみにしていたんだから。■書籍情報篠山紀信『快楽の館』(講談社 3,500円+税)写真界の巨匠・篠山紀信が壇蜜をはじめとする美しき裸体30名を新撮! 2016年9月3日~2017年1月9日まで品川区の原美術館で行われる個展「快楽の館」の図録/写真集。美術館には展示されない貴重なカットやメイキングに加え、美女たちのヌードがズラッと並ぶ圧巻の"シノラマ"も特別収録。■展覧会篠山紀信展 快楽の館会期:2016年9月3日~2017年1月9日会場:原美術館 〒140-0001 東京都品川区北品川4-7-25
2016年10月04日異なる分野で活躍する2人の“達人”によるクロスインタビュー型対談番組「SWITCHインタビュー達人達(たち)」。10月8日(土)放送回では俳優の松坂桃李と写真家で映像作家の奥山由之がお互いについて語り合う。「侍戦隊シンケンジャー」で俳優デビューを飾るとNHKの連続テレビ小説「梅ちゃん先生」で一気にブレイク。大河ドラマ「軍師官兵衛」などへの出演でその知名度をさらに高めた。自身のルーツともいえる『ガッチャマン』のようなヒーローはもちろん、『今日、恋をはじめます』のようなコミック原作のラブストーリー、『日本のいちばん長い日』のシリアスな演技から『劇場版 MOZU』で見せた“狂気”。一方でドラマ「ゆとりですがなにか」では奥手の小学校教諭を演じるなど、主役はもちろん脇役でもその存在感を発揮、あらゆるジャンルをこなす演技派として、いまや若手トップ俳優の一角を担うまでに成長を遂げた松坂さん。そんな松坂さんが今回「一番話してみたい人」と指名した奥山さんは、ファッション誌や広告写真の世界で活躍する気鋭の写真家。デジタル撮影が主流になった現在にあえて使い捨てカメラなどの“フィルムカメラ”を使うことで「被写体の世界観」の表現にこだわりファッション誌の写真でもメインの被写体であるはずの服からピントを外すなど、セオリーを無視することもいとわない彼の手法は、篠山紀信からも「勇気ある実験」と高く評価されている。2人の関係は雑誌に掲載された奥山さんの写真に惚れ込んだ松坂さんが、自らのカレンダーの撮影を依頼したことから始まった。当初はお互いの“普通”な感じに強く惹かれ合ったという両者だが、松坂さんが奥山さんのアトリエを訪問、奥山さんが松坂さんの主演舞台の稽古場を見学するなかで、考え抜いてシャッターを切る奥山さんの撮影スタイルや、連続ドラマでは10数話分の台本を常に持ち歩くという松坂さんの演技へのこだわりが明らかになっていく。2人がお互いの情熱の源とは何かについて探り合う貴重な対談をお見逃しなく。松坂さんは映画最新作となる『真田十勇士』が現在公開中。堤幸彦監督が舞台版に続きメガホンをとり映画化した本作、関が原の戦いから10年、天下統一を目の前にした徳川家康と復権を狙う豊臣家の対立が深まるなかで名将として世間から尊敬を集めていた男、真田幸村だが実はただの“腰抜け男”だった!?という奇想天外な設定と、大規模なセットで撮影された迫力ある“大阪冬の陣”の映像など見どころ満載。本作で松坂さんが演じるのは寡黙でクールな実力派忍者・霧隠才蔵。中村勘九郎演じる猿飛佐助とともに真田幸村を天下一の武将に仕立て上げる「真田十勇士」として活躍する。さらに松坂さんは出演作『湯を沸かすほどの熱い愛』が10月29日(土)から新宿バルト9ほか全国にて公開。宮沢りえ演じる死期の迫った母親が「絶対にやっておくべきこと」を実行に移す姿を通して残される家族の愛と絆を見つめ直すヒューマンドラマである同作は10月6日(現地時間)より開催される韓国・第21回釜山国際映画祭の「A window of Asian Cinema(アジア映画の窓)」部門への正式出品が決定。松坂さんは宮沢りえ演じる死期の迫った母親・双葉が旅先で出会うヒッチハイカーを演じている。常に俳優としての可能性に挑戦し続ける松坂さんと気鋭の写真家が内に秘めた熱い想いを語り合う「SWITCHインタビュー達人達(たち)」アンコール放送は、NHK・Eテレで10月8日(土)22時~放送。(笠緒)
2016年10月01日写真家の永瀬沙世が9月23日から10月8日まで、“切り絵”を用いた新作写真シリーズを展示する個展「CUT-OUT」を東京・南青山のGALLERY 360°にて開催する。今回永瀬は、“CUT-OUT(切り絵)”に挑戦。大きな紙を幾何学的な形に切り抜いていき、大量に切り取ったその紙の中で戯れる女性を撮影した。永瀬の新たな世界観を楽しめる個展となっている。永瀬は同展について、「どうやって世界を見るのかを教えられる前の子どもの頃の私たちは、人やものごとの裸をみることができるし好奇心が溢れるまま自分の未知の力で自由に未来を創造できる。アンリ・マティスがアトリエでcut outを制作している映像をみてインスピレーションを刺激された。彼は絵画をやめ、78歳で新しい手法cut out(切り紙絵)に行き着いた何かから解放された彼のアトリエがあまりにも自由に満ちていてびっくりした」とコメントしている。また、同展に合わせて10枚のアルミ板にプリントしたポートフォリオと銀紙に印刷された写真集も同時刊行される。なお、どちらもサインと限定番号入りとなっている。【イベント情報】永瀬沙世「CUT-OUT」会場:GALLERY 360°住所:東京都港区南青山5-1-27 2階会期:9月23日~10月8日時間:12:00~19:00定休日:日曜日、祝日
2016年09月23日オランダ人写真家のシャルロット・デュマによる写真展「Stay」が、10月7日から12月25日まで東京・港区のギャラリー916(Gallery 916)にて開催される。現代社会における動物と人間との関わりをテーマにした作品を発表しているシャルロット・デュマ。今回開催される写真展では、全国に8品種現存する“日本在来馬”を撮影するプロジェクト「Stay」の集大成として、北海道・長野・宮崎・与那国島など8カ所を巡って撮影した約50点の大判プリントとポラロイド作品を展示する。また、併設スペースのGallery 916 smallでは、映像作品の特別上映も実施。その他、同展を記念した写真集の発売や、会期中10月8日(土)にはシャルロット、上田義彦、twelvebooks・濱中敦史によるトークセッション&ブックサイニングも行われる。【イベント情報】「Stay」会場:ギャラリー916住所:東京都港区海岸1-14-24 鈴江第3ビル6階会期:10月7日~12月25日時間:11:00~20:00(土日祝日は11:30まで)料金:一般800円、大学生/シニア500円、高校生300円、中学生以下無料休廊日:月曜日(祝日を除く)
2016年09月19日写真家・ホンマタカシのドキュメンタリー映画が、渋谷のシアター・イメージフォーラムで2016年11月に一挙公開されることが決定。現代の写真表現において第一線で活躍し、国際的に注目されている日本人写真家・ホンマタカシ。この度、2002年より14年間、主に美術館やギャラリーなどでインスタレーションとして発表されてきた彼の映像作品を、劇場用に再編集して上映する。また、最新作のドキュメンタリー『After 10 Years』も公開。同作は、スマトラ沖地震のツナミによる甚大な被害を被ったホテル「ヘリタンス アフンガラ(Heritance Ahungalla)」の10周年追悼式典までの一週間を追ったものだ。なお、ホンマタカシの作品の劇場上映は、2004年に公開された『きわめてよいふうけい』以来12年ぶりとなる。【詳細】ホンマタカシニュードキュメンタリー映画特集上映公開日:2016年11月末場所:シアター・イメージフォーラム住所:東京都渋谷区渋谷2-10-2制作:between the books配給協力・宣伝:mejiro films(C)Takashi Homma New Documentary
2016年09月18日国内外の優れた写真家が手掛けたファッションブランドの“過去のヴィジュアルブック”を展示・販売する期間限定イベント「写真家が捉えた服の力」が、東京・青山の「ブルーム&ブランチ(BLOOM&BRANCH AOYAMA)」で、FNOの実施日である2016年9月10日(土)から、9月19日(月/祝)まで開催される。その後は大阪、熊本にも巡回予定。「写真家が捉えた服の力」では、1980年代から2010年代にかけて制作された貴重なヴィジュアルブックおよそ30冊を展開。その一冊一冊は、すべて世界的な写真家が撮影を担当、古書とも言えるアイテムが店頭に並ぶ。また、本展の企画に携わった、リリーファースト ヴィンテージ(LILY1ST VINTAGE)と2001年キャノン新世紀優秀賞、特別賞を受賞した経歴をもつ写真家・中西博之が共同制作した写真集『いまだあるもの』も店頭に並ぶ。本書は、“服の底”に沈殿している人間の精神描写や自然風景、服の根源的な力の表現を試みたもの。銀座にある“一冊の本を売る書店"森岡書店でも取り扱われ話題になった。なお、ブルーム&ブランチ 青山では、書籍に関連したオリジナルプリントも同時に販売する予定だ。【イベント概要】「写真家が捉えた服の力」■日程・2016年9月10日(土)〜9月19日(月/祝)ブルーム&ブランチ 青山住所:東京都港区南青山5-10-5第一九曜ビル 101TEL:03-6892-2014 営業時間:11時〜20時(BLOOM&BRANCH AOYAMA)・9月24日(土)〜10月2日(日)floraison住所:大阪府大阪市中央区南船場4-13-1TEL:06-6245-1245・10月8日(土)〜10月16日(日)Attic.住所:熊本県熊本市中央区練兵町42TEL:096-354-1770■中西博之について1979年 福井県生まれ。2001年キャノン新世紀優秀賞、特別賞を受賞。2002年 東京都写真美術館にて開催された新世紀10周年展に参加。大阪芸術大学写真学科卒業後は、ヨーロッパ各地を周り、1年間フランスパリに移住。2010年に帰国した。2011年 フリーランスとして活動を開始し、2016年9月“一冊の本を売る書店"森岡書店銀座店で発売された写真集を発売。■リリーファースト ヴィンテージについて2010年パリ、ロンドンを中心にヨーロッパで買い付けたヴィンテージ衣服をセレクトショップで展開するファッションブランドとして設立。1800年代から1990年代までの様々な年代に生まれたヴィンテージ服の純粋な服としての価値を再考し、再提案を行う。現在当服は、東京/ロンドン/大阪/福岡/熊本/岐阜/沖縄/埼玉のセレクトショップで展開中。
2016年09月13日写真家の石橋英之による個展「Presage / Connotations」が、9月24日まで東京・六本木のイマ コンセプトストア(IMA CONCEPT STORE)にて開催されている。フランス北部にあるリールを拠点に活動する石橋英之は、ファウンドフォトを使ったコラージュやアプロプリエーションの手法を用いた作品で知られる写真家。13年に東京・神田にあるBTギャラリーで個展「Presage/予兆」を開催し、15年には同作の写真集『Presage』を刊行。同年にフランス・マルセイユでも個展「Presage」を開催し、オランダ・アムステルダムで新作「Connotations」を発表し、高い評価を得ている。「Presage」は、蚤の市で購入した古写真やポストカードの断片を精巧に繋ぎ合わせ、コラージュによってひとつのイメージを作り上げた作品。一見すると複数のイメージで構成されていることが分からない程に手を加えることで、一枚の絵としての完成度が高まっている。また、制作の過程で入ったホコリなどの異物はあえてそのまま残すことで作品に奥行きが与えられている。新作の「Connotations」は、「Presage」で用いた“イメージの盗用”と“再構築”というアプローチをさらに発展させたシリーズ。石橋英之の友人であるアメリカ人女流詩人が自身の恋愛経験を綴った極私的な詩に喚起されたポートレイトとなっており、インターネットのハッシュタグ検索で抽出した無数のイメージを用いてコラージュすることで架空の男性を具象化させている。そこに、典型的なファッション広告のようなイメージをも加えることで個人の私的な経験を超え、より社会に対して開かれたイメージへと昇華させた。この試みは、文学と写真の融合のみならず、現代社会における写真と集団的記憶の関係を問いかけている。今回の個展では、ふたつのシリーズのもととなった写真のオリジナルコラージュも同時公開し、その制作の軌跡を辿る。【イベント情報】「Presage / Connotations」会場:イマ コンセプトストア住所:東京都港区六本木5-17-1 AXISビル3階会期:7月29日~9月24日時間:11:00~19:00入場無料休館日:日月曜日、祝日
2016年08月30日イタリア人写真家夫妻による知識の伝承をテーマとした写真展「TRANSMISSIONS people-to-people」が、9月2日から30日まで東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールにて、9月2日から9月22日まで伊勢丹新宿店本館4階のセンターパークにて開催される。2010年より5年以上に渡り、知識の伝承をテーマとした写真プロジェクトに取り組んできたティツィアーナとジャンニ バルディッツォーネ夫妻は、ヨーロッパからアジア、アフリカの各地へと旅をするなかで40種類を超える分野で100人以上の師弟に出会ってきた。そしてその関係性を深く探り、知識が伝えられていく過程で見られる感情や、創造への感動、個々の関係、交流から絆が芽生えていく様子などを、細かい表情の変化や動きの中にとらえ、写真におさめている。それぞれの写真は唯一無二でありながら、知識伝承という行為にある共通の不変性を鮮やかに描き出しており、伝統と革新、世代を超えた交流、文化的な多様性、遺産の保護など、見るものに様々な広がりを持って思いめぐらすきっかけを与えてくれる。同展では、そんな人類の文化的多様性の原動力となる、無形の文化と有形の技術を体現する人々の姿が写し出された作品の数々が展示される。【イベント情報】「TRANSMISSIONS people-to-people」会場:シャネル・ネクサス・ホール住所:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4階会期:9月2日~30日時間:12:00~20:00入場無料会場:伊勢丹新宿店本館4階 センターパーク住所:東京都新宿区新宿3-14-1 伊勢丹新宿店本館4階会期:9月2日~22日時間:10:30~20:00入場無料
2016年08月22日写真家・石川寛とパティシエ・ショコラティエの辻口博啓がコラボレートしたチョコレートの写真展「CHOCOLATE HEAVEN」が、2016年8月20日(土)から9月11日(日)まで、ル ショコラ ドゥ アッシュ銀座本店で開催される。会場では、チョコレートの国際大会において7アイテムが金賞・銀賞・銅賞に輝いた話題のチョコレートバーを石川寛が撮影した作品シリーズをメインに展示。また、展示期間中は辻口のショコラティエの世界観をイメージした特別ドリンクが会場にて提供されるほか、8月20日(土)と9月10日(土)には、辻口博啓×石川寛によるトーク&テイスティング限定イベントも予定されている。「味覚」と「視覚」で、まったく新しいチョコレートの世界を堪能してみてはいかがだろう。【開催概要】写真展「CHOCOLATE HEAVEN」開催期間:2016年8月20日(土)〜9月11日(日) ※営業時間に準ずる会場:ル ショコラ ドゥ アッシュ銀座本店住所:東京都中央区銀座 6-7-6 銀座細野ビル 1F入場料:無料営業時間:月〜土 11:00〜21:00 LO 20:30、日・祝日最終日 11:00〜19:00 LO 18:30定休日:不定休(写真展会期中は無休)■トークイベント開催日時:8月20日(土)、9月10日(土)1部 /14:00〜15:00 限定20人、2部 /17:00〜18:00 限定20人応募方法:店頭、FAX、またはメール(info-lcdh@fortissimo-h.jp)で申し込み。参加料金:1人 8,000円+税※1ドリンク付き。好みのタブレットをお土産としてプレゼント。
2016年08月08日6名の日本人写真家の日常を16ミリフィルムで追ったドキュメント映画『TRACES OF A DIARY-日記をたどる』の再上映を記念して、同作にも登場したふたりの写真家のドキュメンタリー映画の特別上映が、8月15日、16日に東京・原宿のヴァカント(VACANT)にて行われる。『TRACES OF A DIARY-日記をたどる』は、ポルトガル人アーティストのアンドレ・プリンシペ(Andre Principe)とマルコ・マルティンス(Marco Martins)が、6名の日本人写真家の日常を追ったドキュメント映画。約1年半かけて行われた撮影を通じて、日本人写真家たちのイメージの制作プロセスやストーリーテリング、日記式表現の本質を追求。シナリオを設けずに偶発性を取り込みながら写真家たちの日常を記録した映像作品となっている。6月29日から7月1日の3日間限定で行われた特別上映会が好評を得て、今回の再上映が決定した。今回は再上映会を記念し、同作に登場する中平卓馬と森山大道、それぞれのドキュメント映画の特別上映を開催。中平卓馬は、1960年代から70年代にかけて先鋭的な写真と言葉で“政治の季節”を牽引したものの、写真家としてはスランプに陥り、77年には病に倒れた。病により記憶と言葉の大部分を失うこととなったが、それ以降は写真を撮ることが生活のすべてとなった。今回上映されるドキュメンタリー『カメラになった男-写真家 中平卓馬』では、そんな中平卓馬に3年間密着し、横浜の自宅周辺を日々撮影する姿や失われた記憶をなぞるようにかつて訪れた沖縄へと向かう姿を追った。一方、森山大道の『森山大道 記録 | MOVIE IN LONDON』は、12年秋にロンドンのテート・モダンにて開催されたウィリアム・クラインとの展覧会から半年間、長期密着取材を敢行し、森山大道の伝説的な個人写真誌『記録』の軌跡を追ったドキュメンタリー。ロンドンの街でのスナップの現場、ウィリアム・クラインとの劇的な出会い、『記録』シリーズが生まれたきっかけとその制作過程などの映像から森山大道の辿った半世紀を振り返る。なお、当日は12時から14時の第1部、15時から17時の第2部、18時から20時の第3部に分けて上映され、15日の第1部と16日の第2部には『カメラになった男-写真家 中平卓馬』が、15日の第2部と16日の第1部には『森山大道 記録 | MOVIE IN LONDON』が、両日第3部には『TRACES OF A DIARY-日記をたどる』が上映される。また、『森山大道 記録 | MOVIE IN LONDON』の上映回では同作の上映に加え、今年の2月から6月にパリのカルティエ財団現代美術館で開催された森山大道展「DAIDO TOKYO」のキュレーターによる作家解説映像や森山大道へのインタビューなどの映像も合わせて上映される予定だ。【イベント情報】「TRACES OF A DIARY-日記をたどる」再上映記念「カメラになった男-写真家中平卓馬」「森山大道記録 | MOVIE IN LONDON」特別上映会会場:VACANT住所:東京都渋谷区神宮前3-20-13 2階会期:8月15日、16日時間:第1部・12:00~14:00、第2部・15:00~17:00、第3部・18:00~20:00(各回30分前開場)料金:当日1,500円、前売り1,300円(※1ドリンク付き)45
2016年08月07日カンペール(CAMPER)の2016-17年秋冬より、写真家の小山泰介とコラボレーションした「CAMPER by TAISUKE KOYAMA」が登場。小山の作品をプリントした、バッグと小物を製作した。グリーンのランダムな模様が特徴の本シリーズ。『LIGHT FIELD(2015)』は、フラットベッドスキャナーとハンドスキャナーという2つの入力デバイスの光源を被写体とした作品だ。フラットベッドスキャナーの上に皺をつけた偏光セロファンをセットし、移動するスキャナーの入力光をハンドスキャナーを用いてスキャンすることによって、イメージを入力するための光の情報そのものを可視化している。『REFLECT VAGUE(2015)』は、偏光性のコート紙をハンドスキャナーでスキャンすることによって、光量不足のテクスチャーとスキャナーのノイズが合成されたイメージを可視化することを試みたものだ。生地は、紙のような張りと生地本来の柔軟さを兼ね備えたオリジナルファブリックを開発。幅広いシーンに対応した全面プリントの大ぶりなバッグ、バッグ生地よりも薄く仕上げられた紙のようなファブリックで作られた小物は、写真のかたまりを彫刻したような存在感を放つ。【詳細】CAMPER by TAISUKE KOYAMA発売時期:2016年7月末販売店舗:カンペール 一部直営店舗※公式オンラインストアでは8月中旬の発売を予定。価格:・メッセンジャーショルダー 27,000円+税・バックパック 26,000円+税・トート 25,000円+税・ウォレット 12,000円+税・パスケース 5,000円+税【問い合わせ先】カンペールTEL:03-5412-1844(月曜日~金曜日、10:00~18:00) ※祝祭日と年末年始を除く
2016年08月04日フランスの国民的写真家・ロベール・ドアノーの写真展「ロベール・ドアノーと時代の肖像 -喜びは永遠に残る」が、9月15日から17年1月17日まで静岡県のベルナール・ビュフェ美術館にて開催される。ロベール・ドアノーは、日常の小さなドラマを絶妙に捉え、“イメージの釣り人”と評されるフランスの国民的写真家。パリの恋人たちや子どもたちの豊かな表情、ユーモアや風刺の効いた街頭の一場面など、人間に対する無限の愛情と好奇心に満ちた写真作品の数々を生み出している。また、ロベール・ドアノーを語る上で欠かせないのがポートレート。鋭い洞察力と観察眼に裏打ちされた芸術家のポートレート群は、ロベール・ドアノー自身の見る喜びを見事に体現した作品となっている。同展では、アルベルト・ジャコメッティ、ピカソといった画家や彫刻家をはじめ、イヴ・サン=ローランなどのデザイナーや作家、思想家、舞踊家、美術批評家など、あらゆる分野の“時代の肖像”約70点を展示。未公開作品を含むこれらのポートレートを通して、当時の文化的背景を探ると同時に、ロベール・ドアノーによる写真表現の真髄を紹介する。また、遺族が設立したアトリエ・ロベール・ドアノーで管理されている膨大な作品の中から精選した代表作30点も展示される他、ロベール・ドアノーの憧憬する小説家、ジャン・ジオノへのオマージュとも言える作品「ある羊飼いの物語」も登場する。【展覧会情報】「ロベール・ドアノーと時代の肖像 -喜びは永遠に残る」会場:ベルナール・ビュフェ美術館住所:静岡県長泉町東野クレマチスの丘515-57会期:9月15日~17年1月17日時間:10:00~17:00(11月~1月は16:30まで、入館は閉館の30分前まで)料金:一般1,000円、高大生500円、中学生以下無料休館日:水曜日(祝日の場合は翌日休)、12月26日~17年1月6日
2016年08月03日香港で生まれた「トイカメラの王様」、HOLGAがデジタルになって登場。写真家、モデルなど様々な肩書きでインフルエンサーとして活躍する新世代のitガール、信岡麻美がHOLGA digitalで日常を切り撮った。HOLGA digitalとはHOLGAは1982年に香港で生まれた人気のフィルムトイカメラ。2016年1月に待望のデジタル版が発売され、昔からのファンはもちろん、インスタ世代の若者からも人気を集めている。アスペクト比は4:3の長方形、正方形を選ぶことができ、絞りは晴天か曇りで設定が可能。単三電池2本で動き、SDカードでデータを保存できるので撮影した画像の確認も楽々。フィルムカメラのようなザラザラとした質感、周辺光量の落ちたレトロ感が簡単に表現できる。HOLGA digital¥9,800 (+tax)別売りの専用アタッチメントを装着すれば3面反射やカラーフィルターの加工も簡単。初心者にも使いやすいシンプルな設計も魅力の一つ。画素数は800万画素とトイカメラの中では高く、色味がしっかり出るのが特徴。ボディのカラーはピンク、ミックス、ホワイト、ブラック、限定のブラック&シルバーの5色。スマホのアプリで加工するのもいいけど、自分の手で切り撮った景色には独自の味が染み込んでいるはず。HOLGA digital × Asami Nobuoka越境レディ「鏡越しにライトを当てながら撮ったらぶれぶれでした(笑)これもまた味でしょうか」GHG3「好きな映画 Got help the girl のポスターをフィルターを使って撮影」どこでもドアはレンズの向こう「デザイン事務所れもんらいふには面白いものが沢山あります。これはドラえもんのシャンデリア(!)」E.T.は知っている「社員の如く鎮座するE.T.」光へ「なんとなくシャッターを押したらグネッと曲がってしまったヒカリエ...」女の子はお花「れもんらいふで働く友達を撮影。お洋服も珊瑚柄で可愛かったので写真映えすると思いドライフラワーと一緒に」 − HOLGA digitalを使用して「どう撮れているか分からないフィルムのサプライズ感はそのままに、デジタルになったことによって枚数を気にせず沢山シャッターを切れるのが良かったです。トイカメラならではの露出オーバーで、思うように写っていなかったりするところも癖になりますね。小さくて持ち運びも便利なので、従来のトイカメラとは違う気軽さが持ち味だと思います。」 信岡 麻美93年生まれ、18歳より日常のスナップを撮り始める。自身で撮影した写真を用いたグッズの販売、シブカル祭への出展でパルコミュージアムで写真の展示を行う等その活動は多岐に渡る。tumblr / InstagramEdit. Azu Satoh
2016年07月18日世界各地を巡り、ストリートからファッション写真まで様々な写真を撮り続ける新進気鋭の写真家、嶌村 吉祥丸による写真展が開催されます。会場は表参道・根津美術館の近くにあるマンションの一室。今回の写真展"The Room"では、ロンドン・パリ・ベルリン・ワルシャワなどヨーロッパ各地で撮影したファッション写真から、タイ・ラオス・カンボジアなど東南アジア地域での旅の写真を中心に展示。また、生活空間における作品展示により生み出される新たなコミュニケーションと自然なつながりをテーマとして掲げ、写真展"The Room"と並行して特別展示も開催する予定です。初日の7月1日にはオープニングレシセプションも。思わずじっと見つめてしまう独特な世界観を持つ写真たちに、時間を忘れて浸ってみてはいかがでしょうか。嶌村 吉祥丸東京生まれ。ファッション写真を中心に、雑誌、広告、カタログ、アーティスト写真など幅広く活動。[過去の活動]2014: "Unusual Usual" (Portland)2015: 「東京男子」(Tokyo)2015: "You are good" (Tokyo)2016: "Inside Out" (Warsaw)写真展 "The Room"会期:2016年7月1日(金) 〜 7月4日(月) 12:00 〜 20:00場所:東京都南青山 6-1-32 南青ハイツ518号室オープニングレセプション:7月1日(金) 18:00 〜 21:00HP / FB / Contact
2016年07月15日mame(マメ)と写真家の荒木経惟がコラボレーションした作品「アラマメ」が2016年7月13日(水)から24日(日)まで、銀座の森岡書店で展示・販売される。期間中は、荒木がmameを着た女性を撮影し、出来上がったポジフィルムを別のポジフィルムと手作業で貼り合わせることで生まれた写真作品が揃う。また、これらの作品を収めた作品集『アラマメ』も7月下旬の一般販売に先駆け、同書店において先行販売される。なお、今回のコラボレーションはmameのデザイナー・黒河内がシーズン毎に発表しているルックブックとは異なる方法で、ブランドの意思をより強く表現したいと考えていた時に、荒木経惟の作品「アラキリ」と出会ったことがきっかけとなっている。「アラキリ」とは、異なる写真2枚を中央で切断し、貼り合わせて1枚の作品に仕上げたもので、黒河内は「荒木氏の作品を実際に目にすることで感じる美しさや色気は、mameを通して表現したい事と共通性を感じた」とコメントした。【詳細】展覧会「アラマメ」開催期間:2016年7月13日(水)〜24日(日)時間:13:00〜20:00 (会期中無休)会場:森岡書店 銀座店住所:東京都中央区銀座 1-28-15 鈴木ビル 1階TEL:03-3535-5020作品点数:10点プリントサイズ:縦 27.9×横 35.6 cm価格:300,000円(額装費抜き)■作品集『アラマメ』発売日:2016年7月下旬 ※森岡書店で先行発売価格:3,700円+税掲載点数:16点
2016年07月02日ブルーの作業着ジャケットに肩から掛けたカメラバッグ、自転車がトレードマーク。ストリートでファッションスナップを撮り続けた伝説の写真家ビル・カニンガムが6月25日(現地時間)に亡くなった。脳卒中で入院していたという。「The Hollywood Reporter」などのメディアが伝えた。ビルは名門ハーバード大学を2か月で中退、兵役を経て「Chicago Tribune」紙にファッション記事の執筆を開始。1967年に初めてのカメラを手にするとニューヨークのストリートの人々を撮り始めた。ある日、ストリートで撮影した大女優グレタ・ガルボの写真が注目を集め、一躍有名に。「The New York Times」紙の写真家として、ファッション界に多大なる影響を与えてきたのだった。そんなビルにセレブたちから次々とお悔やみの言葉が届いている。ジジ・ハディッドは「ビルが初めて私の前にカメラを持って現れたのを覚えている。「スターに出会えたって気分だったわ。彼の写真は現実世界のファッションを語ってきた。彼の魂は永遠に業界に生き続ける」とSNSに投稿。ナオミ・キャンベルの追悼コメントによると、ビルとは30年来の知り合いだったそうだ。「美しい心を持った素晴らしいあなたを失うのは本当に辛いこと」と嘆いた。ヴェラ・ウォンはファッション界への多大なる貢献、ビルの情熱と人間味あふれる精神を称賛。ビルは日本でも2013年にドキュメンタリー映画『ビル・カニンガム&ニューヨーク』が公開され、話題になった。(Hiromi Kaku)
2016年06月27日写真家の永瀬沙世による写真展「スプライト(SPRITE)」が、6月28日から7月7日まで東京・恵比寿のALにて開催される。永瀬沙世は、これまでに7冊の写真集を制作している。そのうち、『PINK LEMONADE』、『Asphalt & Chalk』は、パリを拠点とするストックホルムのLIBRARYMAN社から出版されるなど国内外で活動を行っている。同展は、永瀬沙世が今夏2年ぶりに発表した同名の写真集をもとに開催。11年に起きた東日本大震災の直後に撮影しその5年後の16年に仕上げられた『スプライト』に収録された、“未知なる世界、導き手のいない新しい場所に足を踏み入れたときの瞬間”を収めた写真作品の数々が展示される。【展覧会情報】「SPRITE」会場:AL住所:東京都恵比寿南3-7-17会期:6月28日~7月7日時間:12:00~19:00【書籍情報】『SPRITE』写真:永瀬沙世デザイン:米山菜津子協力:YYY PRESS、KiKi inc.発行:Yomogi books並製/80ページ/297×205mm/カラー edition 400部価格:4,500円
2016年06月27日気鋭の写真家・永瀬沙世。海外のクライアントやギャラリーと仕事をすることが増えた近年、永瀬は作品を言葉にするのは難しい、しかし文化の成り立ちが違う人たちに伝えるためのアーティストステイトメントの重要性を再認識しているという。後編では、永瀬自身の言葉と共に、彼女の作品集に込められたメッセージを読み解きたい。前編はこちらから■『WATER TOWER』(2011)『WATER TOWER』は古代がテーマになった作品だ。この世界にある、どこでもないどこか、そんな光景が続く。日本国内でも確かなものは何か、本質的な価値を知りたいという見えない欲求が高まった2011年にこの作品集が刊行されているのも興味深い。女性的な光やシルエットが横たわるようなカットもあれば、水を抱いてそびえ立つ水の塔もある。相反する存在が存在する世界を永瀬の視点で切り取った作品に思える。「これは(東日本大)震災の1週間前に出来上がった写真集です。古代は大きな木の下に長老がいて、そこが不安になった時の心の拠り所になっていたんだと思います。大きな塔や木に宿る神様や精霊を拝むような気持ち。みんなが指標にする何かが分からない時代になってきたな、という思いで撮ったのがこの『WATER TOWER』です」(永瀬)■『White Flowers』(2012)『White Flowers』と題された作品は、実は“免疫”がテーマ。どこにでもありそうな日常のシーンの中に、度々登場する白い花々。この可憐な花こそが、永瀬を苦しめる存在だったとは...。そんな世の中の不条理を切り取った作品といえるかもしれない。「もともとこの白い花が気になって撮りはじめたのが、この花を目の前にすると具合が悪くなってしまって...。結局、この花の花粉症だったんです。この花が好きなのに、自分の白血球はこの花粉を異物だとみなして攻撃するからくしゃみも出れば、鼻水も出る。そこで、免疫って何だろうって...。だから、一番最後のページに暗号のようなメッセージを残しました。“Your hay fever has nothing to do with your thoughts.”って。花粉症は思い過ごしだよって思うことで、この花を好きなことを肯定したかったんです」(永瀬)■『Pink Lemonade』(2013)色の三原色(シアン、マゼンダ、イエロー)のマゼンダが“ピンク”、イエロー が“レモネード”というイメージで作られた写真集。 真逆のものが惹かれ合い、近づいたり離れたりしながら生きていく感じが伝わってくる。「わたしは暗室でプリント作業する時、マゼンダとイエローという逆の光を少しづつ混ぜていき微妙に色をつくってるため、 色を考える時、頭の中がそのパズルを解いている感覚になっているのです。モデルのヘアスタイルも黒髪とピンクの髪だったり、真逆の色を隣合わせる面白さがある。それは、感覚的なようでありながら、ロジカルでもある。モデルはアメリカと日本のハーフ。あえて日本的要素である畳の上で撮影したり、 アメリカで買ったスニーカーを履かせて東京郊外の街で撮影したり。イエローとマゼンダのように、異なるものを同時に溶け合わせていく作業から生まれた作品」(永瀬)永瀬の写真に映るのは“みんなが見ているのに、気づいていないものたち”なのだろうか...。ぜひ一度、彼女の作品の前に立って、その気配を感じてもらいたい。【イベント情報】2年振りとなる永瀬の写真集『 スプライト(SPRITE)』の発売を記念して、同タイトルの写真展が代官山で開催される。永瀬沙世 写真展 “SPRITE”会場:代官山「AL」住所:東京都恵比寿南3-7-17会期:6月28日から7月7日時間:12:00から19:00【永瀬沙世プロフィール】1978年兵庫県生まれ。2016年、2年振りに写真集『SPRITE(スプライト)』を発表 、個展も同時に開催される。今まで7冊の写真集を製作し、『PINK LEMONADE』『Asphalt & Chalk』は、パリを拠点とするストックホルムのLIBRARYMAN社から出版された。
2016年06月20日