ユニットコムは24日、同社の「iiyama PC」より、「Adobe Lightroom」でのRAW現像や写真編集に向けたデスクトップPCを発売した。エントリーモデルの価格は税込み97,179円から。写真家である澤村徹氏に監修を依頼。澤村氏へのヒアリングを基にLightroomの動作に最適なスペックを検討し、試作機での検証を経て、最終的なスペックを決定した。用途や扱う写真の枚数に応じて、「エントリー」「スタンダード」「プロフェッショナル」の3モデルを用意した。エントリー構成「Sen-S2AM-A10K-DZW-DevelopRAW」は、APUがAMD A10-7870K(3.9GHz)。チップセットがAMD X88(ASUS A88XM-A)、メモリがDDR3-1600 8GB、ストレージが120GB SATA SSD(OS用) + 240GB SATA SSD(カタログ用) + 1TB SATA HDD、グラフィックスがAMD Radeon R7 Graphics(統合GPU)、光学ドライブがDVDスーパーマルチドライブ、OSがWindows 10 Home 64bit。本構成の価格が税込み97,179円から。スタンダード構成「Sen-S19R-i5K-NXW-DevelopRAW」は、CPUがIntel Core i5-6600K(3.5GHz)。チップセットがIntel Z170(ASUS Z170-A)、メモリがDDR4-2133 16GB、ストレージが120GB SATA SSD(OS用) + 240GB SATA SSD(カタログ用) + 1TB SATA HDD、グラフィックスがNVIDIA GeForce GTX 750 Ti 2GB、光学ドライブがDVDスーパーマルチドライブ、OSがWindows 10 Home 64bit。本構成の価格が税込み154,419円から。プロフェッショナル構成「Sen-S19R-i7K-NXZ-DevelopRAW」は、CPUがIntel Core i7-6700K(4.0GHz)。チップセットがIntel Z170(ASUS Z170-A)、メモリがDDR4-2133 16GB、ストレージが256GB M.2(PCIe 2.0) SSD(OS用) + 256GB SATA SSD(カタログ用) + 512GB SATA SSD(作業データ用) + 2TB SATA HDD、グラフィックスがNVIDIA GeForce GTX 750 Ti 2GB、光学ドライブがDVDスーパーマルチドライブ、OSがWindows 10 Home 64bit。本構成の価格が税込み248,379円から。
2015年11月25日『好奇心ガール、いま101歳』(小学館)は、2011年に『好奇心ガール、いま97歳』(小学館)でその名を世間に知られた女性報道写真家、笹本恒子さんのいまを伝える一冊です。年齢に臆することなく、夢や恋、おしゃれやおいしいものに貪欲に生きる人生の大先輩から、しあわせに長生きするヒントがきっともらえるはずです。■笹本さん流「ピンチの乗り越え方」97歳で一世を風靡した後、2014年の11月に、笹本さんは自宅で転倒、大腿骨と左手首を骨折して人事不省に陥ってしまいます。ひとり暮らしのため、誰にも気づかれないまま22時間が過ぎた後、ようやく救出。幸い、大事には至らず、すぐに入院してリハビリの日々が始まりました。本書には笹本さんのリハビリ中の貴重な写真が掲載されているのですが、これが素晴らしいのです。歩行器を押しながら、前へ、前へと進もうとする彼女の顔には夢みるような、笑みとも取れる表情が浮かんでいます。大変なリハビリも、「まだしたいことがいっぱいあるからまじめに」こなし、「自由に歩けるようになりたい、いえ、なります」といい切ります。また、着るものに無頓着にならず、リハビリ中もスカーフを巻いたり、マニキュアを塗ったり、おしゃれであることがひと目でわかります。■どこにいても自分らしく暮らす姿勢骨折の一件が起きるまで、笹本さんは一貫して「老人ホームには入らない」とかたくなに拒んできました。ところが、リハビリ中にさらにもう片方の大腿骨も骨折してしまい、周囲の説得もあり、ついに老人ホームに入ることを決心したそうです。そのときも、「どうせ自分なんかみんなに迷惑をかけるだけだし……」なんてことはつゆにも思わないのが笹本さんです。老人ホームが鎌倉にあることから、「手紙を出すとき、自分の住所を『鎌倉』と書くのが楽しみだと考えればいいわ」と自分を納得させたというのですから、本当にそのポジティブシンキングには頭が下がります。老人ホームに入った後も、習慣の食後のワインや香水といった心の楽しみは手放さず、「どこでも自分らしく過ごせるように折り合いをつけていくことが大事だ」という笹本さん。「老人ホームは、姥捨て山ではなく、復活山」という言葉は、けだし名言です。■苦労しても顔に出さないようにするもちろん、1世紀も生きていれば、つらいことも悲しいこともあったと思います。実際、笹本さん自身も「本気で自殺したいと思ったことは2回あった」とあとがきで書いています。ですが、彼女はいいます。「悲壮な顔をしていても、母親以外は誰も抱きしめてはくれない、だから陰で泣いても明るくしていた方がいい」と。そうすることで、「もうだめだ」というところまでいったとき、周りの人に助けられたことが何度もあったそうです。今回、老人ホームに入るきっかけとなった骨折事件で救出が間に合ったのは、彼女の強運としかいいようがありません。「運も人も、明るいところに集まるのではないでしょうか」と彼女は述懐しています。*老人ホームで暮らすようになっても、「今日はなにをしようかしら」と一日を好奇心で始める笹本さん。好奇心やときめきを忘れず、なにが起こっても前向きに立ち向かう気持ちがあれば、年齢を重ねることは恐れるに足らない、というメッセージがびしびしと伝わってくる一冊です。(文/Kinkiii)【参考】※笹本恒子(2015)『好奇心ガール、いま101歳』小学館
2015年11月24日オランダの写真家、ヨハン・ファン・デル・クーケンの日本初個展が東京・恵比寿のPOSTで11月23日より開催される。ヨハン・ファン・デル・クーケンは作家、ドキュメンタリー映像作家としても活躍した写真家。42年間に渡るキャリアのなかで55のドキュメンタリーを発表し、そのうちの6作品は8つの賞を受賞している。ヨハン・ファン・デル・クーケンが17歳のときに初めて制作した小型写真集『Wij zijn 17』が発売されてから60周年にあたる今年、IMA PHOTOBOOKSとPOSTの共同出版レーベル、フォーサイ・プレス(Foci Press)から同写真集の英日版が出版されることになった。彼の友人たちを被写体にしたモノクロ写真は、構図や光の入り方などに細かい配慮が行き渡りながらも、自然な様子がそのまま伝わるかのような作風で、当時17歳だったとは思えないほど卓越したセンスが見てとれる。また、合わせて同時期に撮影していた未発表作をまとめた『Les Copains』も刊行。どちらもPOSTにて取り扱われる。【イベント情報】「Johan van der Keuken / Wij Zijn 17」会場:POST住所:東京都渋谷区恵比寿南2-10-3会期:11月23日~12月13日時間:12:00~20:00定休日:月曜日(※祝日の場合は通常営業)
2015年11月23日12月上旬、写真家ソール・ライターから学ぶ人生のエッセンスが詰まったインタビュードキュメンタリー映画が公開される。ニューヨーク ロウアー・イースト・サイド、1952年からこの土地に住み、写真を撮り続けたソール・ライターは、40年代後半からカラー写真に取り組んだ先駆者の一人。1953年には、ニューヨーク近代美術館の新進作家展「Always the Young Stranger」に選ばれ、その後「ハーパーズバザー」や「ヴォーグ」など有名ファッション誌の表紙を飾る。しかし、写真に芸術性よりも商業性が強く求められはじめた80年代、表舞台から姿を消した。ところが2006年ドイツ シュタイデル社から、それまで封印されていた個人的な写真などをまとめた初の作品集『Early Color』が出版されると、80歳を超えた“巨匠の再発見”と世界に熱狂的に迎えられ、多くの国で回顧展や出版が続いた。ストリートで発生する何気ないシーンを切り取った写真の数々は、街に佇む空気をそのまま取り込んだような奥行きがあり、その光と色、構成に独特の個性を発揮している。映画は、彼の住居兼アトリエでのインタビューではじまり、彼の日常の時間の流れとともに進行していく。物に溢れた部屋でチェックのシャツにチェックのマフラーを無造作に合わせ、少し皮肉めいたことを真顔で言うソール・ライター。偏屈で頑固なのか、と思わせるが、その後、間を置いて見せる笑顔でその印象は何度も煙に巻かれてしまった。「有名人を撮るより、雨に濡れた窓を撮るほうが私には興味深いんだ」という発言どおり、時折彼が街に出て撮影するのは、そこに偶然通りかかった人や子供や猫や鳥、風景など誰もが選ぶことができる被写体だ。高齢で動きがゆったりしているがゆえに、ときにシャッターチャンスを逃す姿はユーモラスで、世界の“巨匠”が写真を撮る姿が、あたたかく、その風景自体に溶け込むように自然なことに気付き、驚かされる。助手とともに片付けようとしても、片付かないアトリエ。そこにある膨大なフィルムや妻の品を発見しては手にとり、独り言のように思い出を語る。そして物に溢れたままの部屋を去りながら「人生で大切なことは、何を手に入れるかじゃない。何を捨てるかということだ」と語り、また笑ってみせるソール・ライター。写真界の巨匠から、というより猫背のおじいさんから、ぽつぽつと発せられるじんわりと心に響く人生観に出会える感覚こそ、ソール・ライターという人、そしてこの映画が持つ魅力だろう。テクノロジーの発展で、写真がとても身近になった現代、ソール・ライターの作品が人々の心に強く響くのはなぜか。その人生が映画という媒体をとおして優しく私たちに語りかける。『写真家ソール・ライター急がない人生で見つけた13のこと』の上映開始は12月上旬を予定。会場はシアター・イメージフォーラムほか全国劇場にて順次公開。
2015年11月15日東京都・渋谷の「PARCO GALLERY X」(渋谷パルコ パート1・B1F)にて、写真家・鋤田正義氏による写真展「鋤田正義写真展「競輪×人生」が開催される。会期は11月20日~12月6日。開場時間は10:00~21:00。入場無料。鋤田正義氏は、デヴィット・ボウイ、YMOなど数々の著名人のポートレートや広告を手がけたことで知られる写真家。パルコとの関係も深く、1979年にはパルコの企業広告に起用された沢田研二氏の撮影を、2012年には渋谷パルコを皮切りに全国のパルコを巡回した写真展「きれい」を開催している。そんな同氏が今回被写体として選んだのは「競輪」。同展では、テレビCM「競輪×人生」のディレクターでもある箭内道彦氏がアートディレクションを手がけた写真集「競輪×人生」から端を発し、写真集に収録されている作品を中心に構成。鋤田氏が写真集を作る際に最もこだわったという、細かい色味や風合いを間近で見られる内容となっている。なお、関連イベントとして、11月25日には、競輪愛好家として知られる友川カズキ氏と、テレビCM「競輪×人生」シリーズのディレクター・箭内道彦氏をゲストに招いたトークショーを開催(会場: 吉祥寺 “QUATTRO LABO)。そのほか、関連催事などは同展のWebページにて。
2015年11月10日ディオール(Dior)が、一流写真家たちの作品とともにメゾンの歴史を紐解く写真集『Dior : New Looks』を発売する。過去から現在に至るまで、様々な一流写真家のビジョンによってメゾンのクリエイションの素晴らしさを表現してきたディオール。同書では、リチャード・アヴェドン、ジェローム・ゴティエなど一流写真家たちの芸術作品とともに、ニュールックが誕生した1947年から現代までのメゾンの歴史が語られている。ラインアップは、リチャード・アヴェドンが撮影した伝説の写真「ドヴィマ・ウィズ・エレファンツ」や、ウィリー・ヴァンデルペールによるラフ・シモンズのクリエーションをとらえた空撮写真、セシル・ビートンが撮影したミッツァ・ブリカール、ジャン=バティスト・モンディーノが撮影したマリオン・コティヤールなど。アイコニックな作品や極めてプライベートなショットまでを含む貴重な作品の数々が収録された。
2015年10月28日世界を代表するフォトグラファーであるテリー・リチャードソン(Terry Richardson)が10月26日、最新写真集『Volumes 1 & 2: Portraits and Fashion』の刊行を記念したサイン会を代官山蔦屋書店3号館2階の音楽フロアにて開催する。最新写真集『Volumes 1 & 2: Portraits and Fashion』では、テリー・リチャードソンの20年に渡るキャリアを網羅。広告キャンペーンなどのファッションフォトや著名人のポートレートなど活動初期作品を含めた600点以上の写真が収録されている。ラインアップは、グッチ(GUCCI)、イヴ・サンローラン(Yves Saint-Laurent)、クロエ(Chloe)、アー・ペー・セー(A.P.C.)などの広告キャンペーンや、『ヴォーグ(VOGUE)』、『ハーパーズ バザー(Harper’s BAZAAR)』を始めとした有名雑誌のエディトリアルページとインタビューなど。滅多に見ることが出来ない廃刊となった雑誌での仕事も見ることが出来る貴重な写真集となっている。今回は、『Volumes 1 & 2: Portraits and Fashion』の刊行を記念してサイン会を実施。同イベントは、テリー・リチャードソンにとって日本で開催する約7年ぶりの公式イベントとなる。参加券は、『Volumes 1 & 2: Portraits and Fashion』を代官山蔦屋書店店頭、オンラインストアにて購入した人、または電話にて予約した人に配布。定員は70名となっている。【イベント情報】テリー・リチャードソン『Volumes 1 & 2: Portraits and Fashion』出版記念ブックサイニング会場:代官山蔦屋書店3号館2階 音楽フロア住所:東京都渋谷区猿楽町17-5会期:10月26日時間:20:00~21:30【書籍情報】『Volumes 1 & 2: Portraits and Fashion』著者:テリー・リチャードソン出版社:Rizzoli New York言語:英語288ページ(Vol.1)、360ページ(Vol.2)/240mm×318mmイベント特別価格:1万6,200円(通常価格:1万9,440円)
2015年10月25日ディオール(Dior)より、ブランドと近しいコラボレーターの一人であるフォトグラファーのリチャード・アヴェドンによる写真集『Dior by Avedon』が発売された。発売日は、フランス、イギリスが9月23日、アメリカが10月27日。リチャード・アヴェドンは、クリスチャン・ディオールの最初のオートクチュールコレクションショーが行われた1947年からディオールの撮影を手掛けるフォトグラファー。当時のフェミニンで大胆なクリエーション、それらが与えたセンセーショルなど、ニュールックの本質を忠実にレンズ越しに捉え、力強く弾けるような作品を生み出した。リチャード・アヴェドンはクリスチャン・ディオール亡き後もメゾンとのつながりを続け、イヴ・サンローランのポートレートなど多くの作品を残した。また、新人の発掘にも熱心で、チャイナ・マチャドやジーン・シュリンプトンを見出し、1964年にディオールの装いに包まれた姿を撮影している。一方で、当時の一流モデルたちとの仕事も好み、ディオールを纏ったツイッギー、ヴェルシュカ、ペネロペ・ツリーらを、永遠の時の中に刻み込んだ。今回発売される写真集は、アイコニックなイメージを通してリチャード・アヴェドンとメゾンの関係を回顧させるもの。著者であるイギリス版『ハーパース バザー』編集長のジャスティン・ピカディによる序文から始まり、150点の写真と、当時のモード界の象徴でソーシャライトでもある、ジャクリーヌ・ドゥ・リーブの回想に沿って進んでいく。あとがきは、ガリエラ・モード美術館館長で歴史家のオリヴィエ・サイヤールが担当した。【書籍情報】『Dior by Avedon』著者:ジャクリーヌ・ドゥ・リーブ、ジャスティン・ピカディ出版社:Rizzoli206ページ発刊:フランス・イギリス 2015年9月23日、アメリカ 10月27日価格:150ユーロ、115ポンド
2015年10月23日クリステン・スチュワートが、世界的に活躍する写真家、マリオ・テスティーノによる撮影で、全裸にタオル姿で被写体となった。長年にわたって世界の一流セレブたちを撮り、英国王室のシャーロット王女の洗礼式の公式カメラマンも務めたテスティーノは、「タオル・シリーズ」と題して、ヌードになったモデルがタオルを身体にかけた姿をテーマにした作品を撮り続けている。これまで登場したのはアマンダ・セイフライドやセレーナ・ゴメス、ジャスティンビーバー、マイリー・サイラス、ケンダル・ジェンナーなど。ブレイク・ライヴリーやケイト・モス、ジジ・ハディッドとコーディ・シンプソンらがモデルを務めたこのシリーズに、クリステンも登場。左胸を手で隠し、右肩から身体を隠すように大きな白いタオルで覆ったモノクロ写真がテスティーノのインスタグラムにアップされた。(text:Yuki Tominaga)
2015年10月19日ニューヨークを拠点に活躍する多才な写真家、サム・カプラン(Sam Kaplan)のプロジェクト「Pits and Pyramids」が公開された。今回、発表されたプロジェクトは彼の得意とする食べ物を被写体としたもので、題名の通り「穴」と「ピラミッド」を表現したもの。写真を見ると、これは本物なのか?と疑いたくなるが、実際に彼が調達してきた食べ物をひとつひとつ並べて撮影したものなのだという。どこにでもあるような身近なクッキーやキャンディー、サンドイッチを用いているのだが、対称に並べられ構成された穴とピラミッドはサイケデリックな色彩を放ち非現実感がある作品に仕上げられている。今年15年の夏から構想を練り始め、秋のプロモーションとしてリリースされたこれらの作品。彼はモノを並べてパターン化することを今まで平面で表現をしてきたが、今回は立体で表現したいという目的のもと実現されたそうだ。合成加工などは一切なしで、ワンカットでそれぞれの作品を収めることを大事にしたという。それぞれの作品は、知人のフードスタイリストや写真家の協力を得て完成した。一緒にスタジオの近所のお店からクッキーを買い占めたり、サンドイッチを大量に作り用意したりと準備を進めたそう。クッキーの穴とピラミッドは2日間、サンドイッチのピラミッドは約14時間、キャンディの穴は数週間の作業の合間の休憩時間に少しずつ進めて完成したそうだ。この作品の写真を一つにまとめたプロモーション用の冊子は400部限定で印刷された。※本記事は (引用元: に許可を得て、翻訳・執筆を行っております。
2015年10月13日オランダの現代写真家ポール・コイカー(Paul Kooiker)の個展「Nude Animal Cigar」が、10月3日から11月22日まで東京・恵比寿のG/P galleryにて開催される。ポール・コイカーは、女性のヌードをモチーフに、窃視や羞恥心、距離を持った“見る” という行為から派生するテーマを基にした作品を発表している写真家。これまでに世界各国で個展やグループ展を行っており、96年には「the Prix de Rome」、09年には「A. Roland Holst」賞を受賞した。日本国内では、ファッションデザイナーのリック・オウエンス(Rick owens)とのコラボレーションでスペシャルブックを制作したことでも話題を集めた。今回開催される個展は、ポール・コイカー自身の本質に最も近いモチーフである“ヌード”、“動物”、“シガーの吸い殻”をタイポロジー的に撮影した作品が展開される。作品は、iPhoneを使用して即興的に撮影を行いながらも、セピアカラーと絵画的構図を基にしており、逆説的に懐古的写真趣味と権威主義を皮肉ったシニカルな作品となっている。【イベント情報】「Nude Animal Cigar」会場:G/P gallery恵比寿住所:東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 2階会期:10月3日~11月22日時間:12:00~20:00休館日:月曜日
2015年10月02日ヴィヴィアン・マイヤーという写真家のことは、もちろんご存じありませんよね? 生涯で15万枚以上の作品を残しながら、一度も発表することなく、乳母や家政婦として働き、2007年、オークションで偶然ネガが発見されるまでは、その存在をまったく知られることなく、2009年に83歳でこの世を去った、変わり者の女性のことは。彼女のネガを競り落とした青年が、写真の一部をブログにアップすると爆発的な人気が出て驚き、プリントを売って製作費を稼ぎながら、謎だった彼女を探す旅に出て、彼女を知る人々のインタビューも含め、ドキュメンタリーで描いたのがこの映画。まさに、事実は小説よりも奇なり! 今まで、こんな不思議な魅力の映画は観たことがありません。乳母だった彼女が死後、写真家として脚光を浴びるまでの旅路その青年がシカゴ在住の監督、ジョン・マルーフです。歴史の資料としてシカゴの風景写真を探している時、地元のガラクタや中古家具を扱うオークションハウスで、古い革張りの箱に入ったネガを落札。撮影者はヴィヴィアン・マイヤーとあるけれど、知らない名前で、検索してみても1件もヒットなし。初めてヒットしたのは、それから2年後、彼女がつい数日前に亡くなった、という死亡記事でした。そこから、彼は生前のヴィヴィアンを知る人物を探し当てるのですが、その人はなんと「彼女は僕のナニー(乳母)だった」と…。乳母だった人が、なぜこんなに優れた写真を撮影できたのか? 彼のヴィヴィアンを探す旅が始まります。生涯独身だった彼女の晩年の生活を援助していたのは、かつて彼女が乳母を務めていた家族でした。彼らのおかげで、さらに膨大なネガ、未現像フィルム、8mmや16mmの映像素材、カセットテープ、それどころか、ブラウス、コート、帽子、靴、レシートに書いたメモの類いまでを入手。そして、ジョンの旅はフランスにまで及びます。20世紀最高のストリート写真家の謎めいた数奇な人生彼女を知る人々は、口々に「変り者」「秘密主義」「孤独な人だった」と語りますが、彼女が写真を大量に遺していたことは誰も知りません。フランス訛りから、フランス人だとも思われていたヴィヴィアン。彼女の両親は、彼女が幼い時に離婚しているのですが、ある時期、ヴィヴィアンは母親の母国であるフランスと行き来していたことが判明します。ジョンが南フランスの村を訪ね、彼女が現像屋に「光沢でなくつや消しで」などと、プリントの指示を細かく出していたことを知り、発表するつもりがなかった写真を世に出してしまって悪かったかも… と懸念していた彼が勇気づけられるシーンは印象的でした。プロの写真家たちから「彼女は真の写真家」「驚くべき洞察力」「発表していれば成功できたのに…」と評されるヴィヴィアンの写真。ニューヨーク、ロンドン、パリを始め、世界各地を巡回中の展覧会は、その美術館史上最高の動員となったり、全米での写真集の売り上げNO.1を記録したり。なぜ発表しなかったのか、謎は深まるばかりです。引きこもって溜め込んだ新聞紙に埋もれて暮らした晩年ザンバラ髪に男物のシャツとだぶだぶのコート、足元はアーミーブーツで、愛機ローライフレックスを首から下げ、ファインダーを上から覗き込み、被写体に体当たりで撮影していたヴィヴィアン。彼女が好んで撮るのは、スラム街の人々、泣いている子供、堵殺場など、人間の負の側面を思わせる写真。ただの浮浪者にしか見えない男の写真を購入した、俳優ティム・ロスの「最貧の姿の男なのに幸せそうなんだ」という言葉が刺さります。ハッとさせられる視点や構図は、ダイアン・アーバスやブラッサイを思わせますが、長く住まわせてもらっていた部屋には、美術関係の書籍はなく、足の踏み場もないほど新聞が堆積していたとか。グロテスクで不条理な事件、人間の愚かさが露呈した事件に興味津々だったという彼女には、ジャーナリスティックな感性、作家のカポーティめいた好奇心があったのかもしれない、と思ったり。アーティストとしてはアウトサイダーだったヴィヴィアンの人生が、ミステリアスなまま、心の奥底に沈殿して離れません。作品を公表していたら、20世紀の写真史を変えていたかもしれないヴィヴィアン・マイヤーを、この映画を観て、あなたも探す旅に出てみませんか? 「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」▼予告編監督:ジョン・マルーフ、チャーリー・シスケル出演:ヴィヴィン・マイヤー、ジョン・マルーフ、ティム・ロス 他2015年10月10日(土) シアター・イメージ・フォーラムほか全国順次ロードショー
2015年09月29日トッズ(TOD’S)のバッグの今秋冬シーズンプロモーションを英国の写真家デビッド・ベイリー(David Bailey)が撮影している。「THE CAPE ATTRACTION」と題されたこのコラボレーションは、「トッズ ケープ バッグ」をアイコンに、D・ベイリーが独自の解釈で表現したものとなった。D・ベイリーにとって、今回が初めてのバッグが主役の作品となり、「女性とこの特別なバッグとの独特な関係を見せたかった。それは親密で深い関係であり、強く妖艶である。バッグは女性の欲望の対象であり、彼女の宝物と秘密を最も忠実に守るもの」とコメントしている。今回の企画は、兼ねてから親交のあったトッズ会長兼CEOのディエゴ・デッラ・ヴァッレからの依頼で実現したという。D・ベイリーとしては珍しく、バックステージ・ショットも公開されている。トッズのアイコンバッグとして今秋冬で2シーズン目を迎える「トッズ ケープ バッグ」はレザー同士を重ね合わせ、サドルを巻き込んだようなデザインが特徴。■text : 野田達哉
2015年09月28日フランスの有名ファッション誌などでファッションスナップを手掛けてきた、写真家ボードワン(Baudouin)の写真展「パリジェンヌたちのルームスナップ展」が、10月5日まで西武渋谷店B館8階の特設会場にて開催されている。ボードワンは、フランスの出版界で活躍するフリーランスの写真家。これまで、ファッション誌『エル(ELLE)』や『WAD』などの写真を手掛けてきた。08年には、初の個展を開催している。今回開催された写真展は、パリで暮らす様々な職業の女性の部屋をボードワンが撮り下ろした写真集『75 PARISIENNES』を基にしたもの。総勢75人の女性たちのファッションやライフスタイルを見ることが出来る。【イベント情報】「パリジェンヌたちのルームスナップ展」会場:西武渋谷店B館8階の特設会場住所:東京都渋谷区宇田川町21-1会期:10月5日まで入場無料
2015年09月25日9月2日から、キヤノンオープンギャラリーにて「ボケフォトファン グループ展」が開催される。写真のボケ味を愛好するグループ「ボケフォトファン」が、ボケ味を主役にした作品を展示する写真展だ。入場は無料で、開催期間は9月17日まで。ボケフォトファンは、1,400名以上のボケ味愛好家が所属するFacebookグループ。写真展では、一眼レフならではのボケ味、デジタルカメラならではのゴースト現象、レンズの収差によるボケ味、オリジナルの技法で発生させたボケ味を主題とした作品が84点展示される。
2015年08月27日世界的に有名な写真家・アニー・リーボヴィッツの女性肖像画にフォーカスした新作写真作品の展示会「アニー・リーボヴィッツ世界巡回展」が、16年1月より開催されることが決定した。世界有数の金融グループUBS主導のもと、1年を掛け、世界10都市を巡る同展はロンドンを皮切りに、東京、サンフランシスコ、香港、シンガポール、メキシコシティ、イスタンブール、フランクフルト、ニューヨーク、チューリッヒを舞台に開催される予定だ。今回、巡回展のために新たに制作された作品群は、約15年前に作家でエッセイストのスーザン・ソンタグとの共作で出版された肖像写真集『Women』をきっかけとしたプロジェクト「リーボヴィッツ」の続編として撮りおろされた。『Women』は出版に伴い、ワシントンD.C.にあるコーコラン美術館で展覧会も開催され、高い人気を誇る不朽の写真集となった。新たに制作された作品群には今回の巡回展でもタイトルに『Women』と付けられ、現代における女性の役割の変化を反映したものとなっている。なお、入場料は無料。また、同展に併せて世界各地の文化機関と連携した学習プログラムも実施。同プログラムでは、地域社会の若者たちと協力し、写真を通じて物事の見方や捉え方を探求していく。
2015年08月25日本年度アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた“発見された”天才写真家に迫るドキュメンタリー『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』。この度、本作のメインビジュアルがひと足先に公開された。2007年、シカゴ在住のある青年がオークションで偶然発見し、380ドルで落札した大量のネガ。その一部をブログにアップしたところ、熱狂的な賛辞が次から次へと寄せられる。この奇跡の大発見を世界の主要メディアが絶賛、写真集は全米売り上げNo.1を記録し、NY・パリ・ロンドンでいち早く開かれた展覧会には数多くの人々が押し寄せるほど。その写真の撮影者の名前は、ヴィヴィアン・マイヤー。すでに故人であり、15満点以上の作品を残しながら、生前1枚も作品を公表することはなかった。本作では、彼女のミステリアスな生涯と人物像が、関係者のインタビューや系図学者のリサーチによって徐々に明かされていく。監督を務めるのは、世紀の発見の張本人であるジョン・マルーフと、『ボウリング・フォー・コロンバイン』(マイケル・ムーア監督)のフィールド・プロデューサーを務め、エミー賞ノミネートのテレビドキュメンタリーの脚本家・プロデューサーのチャーリー・シスケル。本作は、世界各国の映画祭で上映され、本年度アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされ大きな話題となっている。決して素性を明かさずナニーとして働いてい彼女が、なぜこれほど優れた写真を撮ることができたのか?そしてなぜ誰にも作品を見せなかったのか?作品が発表されていたら、20世紀の写真史は変わっていたかもしれないとも言われる“発見された”天才写真家の生涯を覗いてみて。『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』は10月、シアター・イメージ・フォーラムほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年08月14日死後、才能が世に認められるということは、アートの世界では時として起こるーー近年、その顕著な人物として挙げるならば、女性写真家ヴィヴィアン・マイヤーだろう。そんな彼女の物語を収め、本年度「アカデミー賞」にて長編ドキュメンタリー部門にノミネートされたアート・ドキュメンタリー映画『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』が今秋、日本で公開されることが決定した。物語の発端は、07年、シカゴ在住の青年ジョン・マルーフがオークションで大量の古い写真ネガを購入したことに始まる。その一部をブログにアップしたところ、熱狂的な賛辞が続々と寄せられた。この現象を世界各国のメディアは大々的に報じ、さらにその才能は広く知られるところとなり、その写真をまとめた写真集は全米売り上げでNo.1を記録。ニューヨーク、パリ、ロンドンで展覧会が開かれると人々が押し寄せた。写真の撮影者の名前は、ヴィヴィアン・マイヤー。話題になった当時はすでに故人、生前の職業はナニー(乳母)だった。15万点以上の作品を残しながら、1枚も公表することがなかったという。ヴィヴィアン・マイヤーが大きな注目を集めた理由は、優れた写真の才能の他にもう一つある。不詳であることーー生前、偽名を使って素性を隠していたことで、彼女が何者で、どこから来て、どんな想いでシャッターを切っていたのか、そのミステリアスな人物像も彼女の魅力となっている。「何故、これほど優れた写真を撮ることができたのか?」、「なぜ誰にも作品を見せなかったのか?」、その才能の痕跡だけが現在に残されたのだ。20世紀の写真史を変えていたかもしれない、と言われるヴィヴィアン・マイヤー。本作は、ヴィヴィアンが誰にも見せることが無かった15万枚にもおよぶ、当時のニューヨークを収めた貴重なポートレイトの数々を紹介。さらに彼女のミステリアスな生涯を、関係者のインタビューや系図学者のリサーチによって紐解いていく。監督は、ヴィヴィアン・マイヤーという才能を見つけ出した張本人ジョン・マルーフと、マイケル・ムーア監督作『ボウリング・フォー・コロンバイン』(’02)でフィールド・プロデューサーを務めたチャーリー・シスケルが務めている。映画『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』は10月、シアター・イメージ・フォーラムほか全国にて順次公開。
2015年08月14日キヤノンマーケティングジャパンは7日、若手写真家の発掘・育成を目的としたワークショップ「第5回キヤノンフォトグラファーズセッション」の開催を発表した。実施スケジュールは2016年1月23日、3月26日、5月14日の全3回。参加者募集期間は9月1日から10月31日まで。キヤノンフォトグラファーズセッションは、2010年に初めて開催された若手写真家発掘ワークショップ。写真家のハービー・山口氏と瀬戸正人氏を講師に迎え、ポートフォリオのレビューなどを通して若手写真家の活動を支援する。修了後の特典として、キヤノンオープンギャラリーで合同写真展を開催するほか、同社のフォトブック編集サービス「PHOTOPRESSO」を使って写真集を制作する。また、全参加者のうち2名を「キヤノン賞」とし、銀座と梅田のキヤノンギャラリーで受賞者の写真展を実施する。このほか、副賞として「EOS 5D Mark III EF24-105L IS U レンズキット」が進呈される。フォトグラファーズセッションの応募資格は40歳以下であること。プロ・アマチュアは問わない。募集人数は10人で、各講師が5人ずつ選考する。応募にはポートフォリオ、400字程度の作文(テーマ:自分にとって写真とは)、参加申込書の提出が必要だ。今回のフォトグラファーズセッション開催に先立ち、ハービー・山口氏、瀬戸正人氏によるフォトレビューとトークイベントを開催。日程は10月3日の13時30分から18時までで、会場はキヤノンプラザ銀座だ。入場料は無料で、応募期間は9月1日から9月30日まで。
2015年08月07日“神の眼”を持つと言われている偉大な報道写真家セバスチャン・サルガドの足跡を名匠ヴィム・ヴェンダースが紐解く、壮大なドキュメンタリー映画『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』。写真家として、一人の男として歩んできた波乱に満ちた半生。その裏に隠された想いが明らかになります。ブラジルに生まれ、写真に魅了されたセバスチャン・サルガドは、各地で起きている戦争や難民、虐殺といった世界の闇を長年にわたって撮り続けていた。数多くの賞を受賞し、世界中に大きな影響を与え続けてきた報道写真家であるサルガドだったが、2004年に今までの作風とは全く異なるプロジェクト「GENESIS(ジェネシス)」に取り組みはじめ、地球に残る未開の地を訪れるようになる。人間の苦しみや絶望を見つめ続けてきたサルガドが見つけた新たな希望とは一体何か。そして、「私から地球への“ラブレター”なのです」と語るサルガドがこのプロジェクトに込めた想いとは……?サルガドが撮影した写真一枚一枚の背景にはそれぞれ語りつくせないストーリーがあり、思わず言葉を失うような衝撃の光景と目を背けたくなるような現実が写し出されています。しかし、そこにはサルガドの壮絶な体験や人間の闇が根底にあり、それらの写真が私たちに多くのことを訴えかけているのです。被写体と真摯に向き合ったサルガドだからこそ撮影することのできた圧倒的な写真の数々。一枚の写真が持つ力と想像を絶する迫力に心を揺さぶられます。そして、サルガドが新たに写し出す美しい自然とそこに見出した希望の光を感じてください。今回、Bunkamuraル・シネマでは本作の公開を記念して、ヴェンダース監督の過去作『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』も7月25日から3週間限定でリバイバル上映されます。15年前の日本公開時には、なんと約7カ月間に及ぶロングラン大ヒットを記録した傑作。貴重な35ミリフィルムでの上映となるので、こちらも合わせてお見逃しなく!イベントデータ:『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』公開表記:8月1日(土)、Bunkamuraル・シネマ他にて全国公開配給:RESPECT(レスペ)×トランスフォーマー©Sebastião Salgado ©Donata Wenders©Sara Rangel©Juliano Ribeiro Salgado
2015年07月30日ドイツ出身の写真家ヴォルフガング・ティルマンスの西日本で初となる大規模な個展「ヴォルフガング・ティルマンス Your Body is Yours」が、7月25日から9月23日まで国立国際美術館地下2階の展示室で開催される。ベルリンとロンドンを拠点に国際的な活動を行うヴォルフガング・ティルマンスは、自身を取り巻く日常的な光景をとらえた写真で90年代初頭から注目を集め、雑誌『i-D』や『Interview』への掲載で知られるようになった。近年では、世界各地で発生している事象や、世界を旅する中で目にした場面をイメージの群として露にすることで、政治経済の問題や技術の進歩という地球上で繰り広げられている様々な出来事に対する自身の見解を示した写真集『Neue Welt』(新しい世界)を発表している。00年には現代美術界で重要な賞の一つであるイギリスの「ターナー賞」を受賞し、今年は偉大な業績を上げた写真家に贈られる「ハッセルブラッド国際写真賞」の受賞も決定している。04年に東京オペラシティアートギャラリーで開催されて以来、日本の美術館では11年ぶりの個展となる同展では、ヴォルフガング・ティルマンス自身がデザインした展示空間に、近作や新作を中心とした約200作品を展示。日本初公開となる写真作品や、昨年の「ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展」で発表された2台のプロジェクションによる映像インスタレーション「Book for Architects」なども登場し、これまでにヴォルフガング・ティルマンスが出版した写真集もすべて展示される予定だ。また7月25日の14時からは地下1階の講堂で、ヴォルフガング・ティルマンス本人によるアーティストトークが実施される。定員は100名で、当日10時から整理券を配布予定。【イベント情報】「ヴォルフガング・ティルマンス Your Body is Yours」会場:国立国際美術館地下2階の展示室住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-5会期:7月25日~9月23日時間:10:00~17:00、金曜は19:00まで(入場は閉館の30分前まで)休館日:月曜日(9月21日は開館)料金:一般 900円、大学生 500円(※20名以上の団体は一般600円、大学生250円。高校生以下、18歳未満、心身に障害のある方とその付添者1名無料)
2015年07月23日パリ7区にあるケ・ブランリ美術館を会場に2016春夏コレクションのショーを発表したイッセイ ミヤケ メン(ISSEY MIYAKE MEN)。デザイナーの高橋悠介は、写真家の水谷吉法の作品を取り込みながら、イッセイ ミヤケ メンらしいアーティスティックな世界観を描き出した。東京に生息する野生のインコを撮影した水谷吉法による「TOKYO PARROTS」をモチーフにしたシリーズでは、色鮮やかなプリントコットンシャツや、写真を緻密に表現したジャカードのジャケットが登場。写真をプリントした不織布でスリット糸を作り、その糸を織り込んだ軽量のツイードやニットも、このブランドらしい革新性を感じさせるアイテムだ。メキシコの建築家、ルイス・バラガンやメキシコの街並みからインスパイアされたヴィヴィッドなカラーブロックのシリーズでは、ヘンプやコットンリネンのアイテムを組み合わせ、春夏らしい色鮮やかさも加わって強い印象を残した。東京の街を断片的に撮影した水谷吉法の「COLORS」を引用したシリーズでは、コットン素材にインクジェットでプリントし、グラフィカルなストリートスタイルを提案。アート写真とファッションのミクスチャーを巧みに表現して見せていた。
2015年07月16日イッセイ ミヤケ メン(ISSEY MIYAKE MEN)から、写真家・藤原聡志とのコラボレーションシリーズ「Code Unknown」が発売された。藤原聡志は2012年にベルリンを拠点に活動を開始した若手の写真家。これまでにドイツ、オーストラリア、スイス、スウェーデン等で展覧会実績を持ち、2014年にはジャパンフォトアワード2014のステラ・スッチ賞を受賞している。今回のコラボレーションシリーズは、藤原が映画監督ミヒャエル・ハネケへのオマージュとして、個人を特定できないギリギリのラインを狙い、撮影、編集を行った作品群「Code Unknown」をインスピレーション源にしたもの。これらの中から3作品をインスピレーション源にしたダイナミックなプリントを、シャツ、Tシャツ、バッグに施した。また9月初旬にオープンする阪急MEN’S OSAKAでは、藤原の作品から新たに3点を追加し、このショップだけのオリジナル商品を展開する。さらに現在、東京・銀座の「エルトブ テップ イッセイ ミヤケ / ギンザ(ELTTOB TEP ISSEY MIYAKE / GINZA)」では、藤原聡志による特別展示「Code Unknown」が開催されている。この特別展が表現するものは、メディアとしての写真の危険性と可能性だ。写真というメディアに特有の肖像権侵害の危険性と、撮影方法やデジタル画像処理などによりこの問題を超える事のできる可能性を、藤原は、個人を特定しづらいように画像処理されたポートレイトをデジタルに複製し続けることで表現している。こうした作品を店内に氾濫させることで、藤原が撮影地であるベルリンで感じた雑多な雰囲気を創出した。【イベント情報】Code Unknown会 場:エルトブ テップ イッセイ ミヤケ / ギンザ住 所:東京都中央区銀座4-4-5会 期:8月5日まで時 間:11:00~20:00
2015年07月12日写真家・鈴木理策の個展「鈴木理策写真展 意識の流れ」が、東京オペラシティ アートギャラリーにて、7月18日より開催される。9月23日まで。1963年和歌山に生まれた鈴木理策は、1980年代半ばから写真を媒体に創作活動をはじめた。故郷の熊野をテーマとした初の写真集『KUMANO』(1998年)など、連続性のある写真手法や物語性のある表現が評価され、2000 年に第25回木村伊兵衛写真賞を受賞。熊野での撮影をライフワークとしながら、南仏のサント・ヴィクトワール山やセザンヌのアトリエ、桜や雪など、様々な対象を異なるアプローチからとらえ続けてきた。2006年にニューヨークで、2011年にチューリッヒで個展を開催するなど、国際的に活動の場を広げている。本展のタイトル「意識の流れ」は、「見るという行為に身をゆだねると、とりとめのない記憶やさまざまな意識が浮かんできて、やがてひとつのうねりのような感情をもたらすことがある」という鈴木自身の経験に基づいてつけられたものだという。「『見るということ』そのものを提示したい」と語る彼の言葉の通り、説明的ではなく抽象的で、感覚と視覚により訴える作風が鈴木の写真の特徴だ。それを観る者は、写真を見る時間の流れの中で鈴木のまなざしを追体験し、さらに純粋に「見ること」へと導かれていくだろう。2007年以来、約8年ぶりの大規模個展となる本展は、新作および未発表作品を中心に写真作品約100点と映像作品3点を展示する。なお映像作品3点は、鈴木が近年関心を寄せるデジタルカメラで撮影されたもの。“スティル写真”、“動画”、“動画の静止画”による構成からは「見ること」と「見ている時間」をめぐる鈴木の実験精神がうかがえる。【イベント情報】「鈴木理策写真展意識の流れ」会 場:東京オペラシティ アートギャラリー会 期:7月18日~9月23日時 間:11:00~19:00(金・土は20:00まで、最終入場は閉館の30分前まで)休館日:月曜日(祝休日の場合は翌火曜日、ただし9月22日は開館)、8月2日入場料:一般1,200円、大・高生800円、中学生以下無料
2015年07月10日パイ インターナショナルは7月13日、海洋写真家・古見きゅう氏の写真集『THE SEVEN SEAS』(1,900円・税別)を発売した。古見氏は、独特な視点から海の美しさやユニークな生き物の姿を追い続け、『ナショナルジオグラフィック』誌などの雑誌や新聞で作品を発表しているという。その姿は、テレビ番組『情熱大陸』(TBS系)にも取り上げられた。同書では、インド洋や南太平洋、日本海、南極海など、同氏が旅した世界の9つの海洋を地域別に紹介する。同氏の集大成とも言える写真集となっており、サンゴ礁やアザラシなどの海洋生物、クジラやサメなどの姿も収録しているとのこと。また、8月1日には、「湘南 蔦屋書店」(神奈川県藤沢市)にて同書の発売記念トークとサイン会を行う。水中写真家の鍵井靖章氏を特別ゲストに迎え、互いの作品を鑑賞しながら対談するとのこと。開催時間は18:00~20:00。申し込み方法など、詳細は湘南T-SITEの公式サイトにて。
2015年07月03日モダニズムの巨匠として知られる建築家ル・コルビュジエの『没後50年「写真家としてのル・コルビュジエ」展』が、7月6日から8月2日まで早稲田大学會津八一記念博物館で開催される。パリを拠点に画家として活動した後、35歳で建築事務所を設立したル・コルビュジエ。建築の知識はほとんど独学で、1927年にジュネーヴの国際連盟本部の設計コンペティションに当選したことをきっかけに名前が知られるようになる。「現代建築国際会議(CIAM)」の中心メンバーとして、いくつもの都市計画案を提示。独自の尺度「モデュロール」を用いて、集合住宅「ユニテ・ダビタシオン」や「ロンシャンの礼拝堂」などを手掛けた。13年には自身が設計を手掛けた東京・国立西洋美術館で「ル・コルビュジエと20世紀美術」展が開催されている。『没後50年「写真家としてのル・コルビュジエ」展』では、ル・コルビュジエが生前に空間的思考の道具として撮影していた写真を展示。パリのル・コルビュジエ財団の協力を得て、数ある写真の中から約350枚を一挙に公開する。写真作品の他、16mmで撮影された動画の上映も行われる。また、同展に合わせて2つのシンポジウムを開催。7月11日に行われる「ル・コルビュジエの眼差し」には、多摩美術大学学長の建畠晢や、早稲田大学會津八一記念博物館館長で法学学術院教授の塚原史、早稲田大学理工学術院教授で建築家の古谷誠章が登壇。インタビュー映像には建築家の鈴木恂も登場する。7月16日に行われる「ル・コルビュジエとフォトグラム」では、ル・コルビュジエ財団、研究資料室室長のアルノー・デルセルを始め、白石哲雄、塚原史、古谷誠章などが登壇する。【イベント情報】没後50年「写真家としてのル・コルビュジエ」展会場:早稲田大学會津八一記念博物館住所:東京都新宿区 西早稲田1-6-1会期:7月6日~8月2日時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)休館日:日曜、祝日(7月20日、8月2日は開館)入場無料
2015年06月23日展覧会「写真家 小浪次郎PHOTO EXHIBITION」が6月28日まで、東京・白金台のビオトープ(BIOTOP)で開催されている。小浪次郎は、東京工芸大学在学中に写真集『ディム・ザ・ライト(Dim the light)』を出版、卒業後は写真展やグループ展などで作品を発表し、「アートアワードトーキョー(ART AWARD TOKYO)2010」のシュウウエムラ賞などを受賞した経歴を持つ気鋭の若手フォトグラファー。また、雑誌『ギンザ(GINZA)』や『スイッチ(SWITCH)』などの他、「ビームス(BEAMS)」や「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」、伊勢丹などのカタログや広告も手掛けてきた。同展では、小浪次郎がオーストラリアで同展のために撮り下ろした作品を厳選して展示。特別額装作品(2万円から10万円)を始め、小浪次郎の作品がプリントされたポスター(3,000円)やTシャツ(5,800円)も数量限定で発売される。なお、販売作品は残りわずかとなっている。【イベント情報】「写真家 小浪次郎PHOTO EXHIBITION」会場:ビオトープ住所:東京都港区白金台4-6-44会期:6月12日~28日時間:11:00~20:00
2015年06月15日写真家に密着したドキュメンタリー番組「The Photographers 2 -心を揺さぶる光景を求めて-」が、BS朝日で6月15日(月)と6月22日(月)に放送される。本稿では、その試写会で観た第1回の内容などをお届けしたい。結論から言うと、前回よりもドキュメンタリー色が増し、写真家の生き方と素顔に迫った、必見の内容となっている。「The Photographers 2」の放送日時は、「空の色編」が6月15日(月)21:00~23:00、「光の海編」が6月22日(月)21:00~23:00。登場する写真家は、「空の色編」が竹沢うるま氏、米美知子氏、中西昭雄氏、「光の海編」が尾崎たまき氏、GOTO AKI氏、吉村和敏氏。番組の提供はキヤノン。6人の写真家が、最新の高解像度一眼レフカメラ「EOS 5Ds」や「EOS 5Ds R」で描いた作品も見ることができる。○竹沢うるま×キューバ試写会で観た第1回、最初に登場したのは竹沢うるま氏。世界5大陸、103の国と地域を旅して撮影した写真集『Walkabout』(小学館)で日経ナショナル ジオグラフィック写真賞2014を受賞した新進気鋭の写真家だ。番組では、竹沢氏のキューバでの取材に密着。「偶然何かに出会うまで、歩いて歩いて歩き続けます」という竹沢氏は、なぜ写真家になったのか? そして、米国との国交正常化に向けて時代の節目を向かいつつあるキューバで、竹沢氏が写し出した情景にも注目だ。○米美知子×自然風景米美知子氏は日本を代表する自然風景写真家。「風景はおじさんばかりだった、そんなところに出てきた」とは、米氏のファン。番組では、桜が咲き始めた季節、車中泊をしながら撮影する彼女の飾らない姿を追っていく。なかなか見ることのできない愛車の内部や車内で聴くお気に入りソングもわかるなど、"ヨネラー"にとっての見どころ満載。エレクトーン講師だった米氏は、なぜ写真家になったのか? その覚悟を決めたエピソードも。○中西昭雄×天体「天体写真は寒さとの戦いです」という天体写真家の中西昭雄氏。番組では中西氏の自宅も取材。家族との日常も含め、天体写真家としての人生に触れていく。大学卒業後、電機メーカーに就職した中西氏をプロの天体写真家に導いたきっかけとは?そして、2015年4月4日、日本中が不安定な天候に見舞われた皆既月食の日、中西氏が取った作戦とは? そして、その結果はいかに? ときにお茶目な中西氏を描きながら、ハラハラドキドキの展開は目を離せない。○写真展も開催また、今回番組に登場する6人の写真家がEOS 5Dシリーズで"描いた"作品を展示する写真展も開催される。タイトルは番組と同じく「The Photographers2 -心を揺さぶる光景を求めて-」。入場は無料で、開催スケジュールは下記の通りとなっている。キヤノンギャラリー銀座 2015年6月25日(木)~7月1日(水)キヤノンギャラリー梅田 2015年7月 9日(木)~7月15日(水)キヤノンギャラリー福岡 2015年8月20日(木)~9月 1日(火)キヤノンギャラリー名古屋 2015年9月10日(木)~9月30日(水)
2015年06月12日東京都・渋谷区のディーゼルアートギャラリーは、2012年に逝去した写真家・深瀬昌久の写真展「救いようのないエゴイスト」を開催する。会期は8月14日まで。入場料は無料。本展は、日本の写真界に影響を及ぼした写真家・深瀬昌久の7年ぶりとなる写真展で、代表作はもちろん、数十年の沈黙を続けてきた貴重な未発表作品までも公開する。1974年、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催された写真展「New Japanese Photography」では、土門拳や東松照明、奈良原一高、森山大道らと並んで世界に紹介された深瀬昌久。彼の写真は、妻や家族、あるいはカラス、猫など、常に身近なモチーフにレンズを向けながらも、「自分とは何者か?」という問いを追い求めるものだったといい、元妻・洋子も1973年発刊のカメラ誌に寄稿した原稿の中で「彼の写した私は、まごうことない彼自身でしかなかった」と語ったという。本展タイトルは、この原稿の題名『救いようのないエゴイスト』から付けられたとのこと。会期中は、展示作品に加え、今回が半世紀ぶりの公開となるという1963年の作品『屠』をまとめた写真集(3,780円)などを部数限定で販売するほか、展示作品からピックアップしたポストカードも4種用意される(各216円)。なお、本展キュレーターは、深瀬が遺した写真作品の普及管理活動にも携わるアートプロデューサー、トモ・コスガが務める。
2015年06月02日キヤノンは6月25日から、女性写真家3人の作品を順次展示する特別企画展「“She’s”~3人の写真家。彼女たちの写真展2~」を開催する。会場はキヤノンギャラリーSで、入場は無料。「She’s」は、Namiko Kitaura氏、角田みどり氏、森本美絵氏の作品を、3つの会期に分け1人ずつ展示する企画展だ。第1弾は、Namiko Kitaura氏による個展「Recollection」。特別企画展の会期は以下の通り。Namiko Kitaura 写真展2015年6月25日~8月3日角田みどり 写真展2015年8月6日~9月19日森本美絵 写真展2015年9月26日~11月2日
2015年06月02日