自分が子供の頃、好きだった絵本。お母さんが読んでくれて楽しかった絵本。我が子のお気に入りの絵本。ママたちの実際のエピソードと合わせてご紹介していきます。第3位五味 太郎さんまず第3位にランクインしたのは、五味太郎さん。「子どものころ、絵が好きで読んでいました。日本語が好きになったのはこういった知育絵本からかもしれません。特に『ことわざ絵本』はユーモアのある絵でわかりやすく説明してあり、何度も読み返した覚えがあります」(31歳女性/妊娠7ヶ月)「『正しい暮らし方読本』。ちょっとひねっている内容がおもしろい。自分が子どものころにとても興味を惹かれた」(32歳女性/お子さん2歳)「『あかのほん』。分かりやすいし、テンポよく読めて、絵のインパクトも抜群なので。(33歳女性/妊娠中/お子さん2歳)」など、個性ある絵のテイストや、お話の面白さに魅かれる方が多いようです。target="_blank" rel="noopener">target="_blank" rel="noopener">きんぎょが にげた (幼児絵本シリーズ)第2位かがくい ひろしさん第2位には、2007年発売の「だるまさんが」をはじめとする「だるまさん」シリーズの作者、かがくいひろしさんがランクイン!「『だるまさんシリーズ』は、繰り返しで分かりやすい。絵が柔らかい」(28歳女性/お子さん5ヶ月)「『だるまさんが』は、絵本を読みながらからだを揺らしたり、子どもと一緒に楽しめる」(33歳女性/お子さん11ヶ月)など、絵のテイストや、小さな子どもにも楽しめる「ストーリーの良さ」「面白さ」が人気のようです。target="_blank" rel="noopener">target="_blank" rel="noopener">だるまさんが第1位エリック・カールさんアメリカの絵本作家、エリック・カールさんが第1位!!「『はらぺこあおむし』が好き。自分も小さいころに好きだった絵本を、今自分の子どもに読んであげられることって、とっても素敵なことだと思うからです」(37歳女性/お子さん4ヶ月)「『はらぺこあおむし』は、デザイン、ビジュアル、表現力、感性が刺激される」(34歳女性/妊娠7ヶ月)など、「はらぺこあおむし」の人気が高く、特に独特の「絵のテイスト」に魅力を感じている方が多いようです。target="_blank" rel="noopener">target="_blank" rel="noopener">はらぺこあおむし エリック=カール作読み継がれる名作、新しい名作あなたのお気に入りの絵本作家はランクインしていましたか?♪他にもたくさんのママの声が届いているのでご紹介します。target="_blank" rel="noopener">【やさいさん】(tupera tupera:学研)「tupera tuperaさんは妊娠前からも好きな作家さんでしたが、他にも好きな作家さんがいたのですぐに手に取って買う絵本ではありませんでした。ですが「やさいさん」を息子に読み聞かせると大喜び!その様子を見てから家にはtupera tuperaさんの絵本やグッズがたくさん揃うようになりました♪」(24歳女性/お子さん6ヶ月)target="_blank" rel="noopener">【うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん】(ディック・ブルーナ:福音館書店)「私自身が祖母を好きだったのもあり感情移入できる作品なのですが、ブルーナさんのシンプルなイラストやストーリーの中に、深い意味を感じられます」(42歳女性/お子さん0歳、1歳)target="_blank" rel="noopener">【もうぬげない】(ヨシタケシンスケ:ブロンズ新社)「子ども目線で話が進んでいき、思いもよらない展開になるのが面白くて大好きです」(29歳女性/お子さん4ヶ月/2歳)target="_blank" rel="noopener">【ぐりとぐらシリーズ】(中川李枝子:福音館書店)「毎晩寝る前に読んで楽しんでいます。ぐりとぐらシリーズは、お話の中に歌が入っているので、読み手によって拍子が変わるのが子どもには楽しいようです。読んであげているうちに息子が話を覚え、オリジナルのリズムで歌ってくれたのが楽しかったです」(30歳女性/お子さん1ヶ月/4歳)ママが子どものころに読んだ絵本から、近年デビューした作者の作品まで、バラエティに富んだ絵本タイトルと、エピソードが挙げられました。【調査概要】・調査方法:妊娠・出産・育児サイト「ベビカム」で調査(インターネットのフォームより回答)・調査対象:妊活中、妊娠中、育児中の方・実施期間:2017年5月31日~6月6日実施・有効回答数:289件【調査内容】・選択肢: 自由回答・調査項目: 絵のテイスト、ストーリーの良さ、面白さ、テーマ性・ランキングの集計方法: 選択肢の中で回答者が「もっともよく利用する」と答えたものを、多かった順にランク付けしています。また、選んだブランドについて、「よく利用する」理由を、各「調査項目」の中から1つ回答してもらい、そのパーセンテージをグラフで示しています。情報提供元:ベビカム
2017年07月19日現在の小劇場界の最先端で活躍する人気劇作家たちが集結し、小劇場の聖地・下北沢を舞台に“人生最悪の一日”をテーマに書き下ろしたパニック・コメディー作品「下北沢ダイハード」が、テレビ東京金曜深夜のドラマ24にて7月より放送されることが決定。また案内人として、下北沢とゆかりのある舞台人、古田新太と小池栄子を迎えることも分かった。本作は、毎回設定も登場人物も変わる1話完結型のコメディー・ドラマ。古田さんと小池さんが、町のうらぶれたスナックの常連客とお店のママに扮し、2人が下北沢で起きた“人生最悪の一日”を語り始めるところからドラマがスタート。「違法風俗店で警察のガサ入れにあった俳優」「SMプレイでスーツケースに全裸で入ったまま、誘拐事件に巻き込まれた政治家」など、11通りのダイハードは本人にとっては大事件なのに、傍から見ていると爆笑必至のエピソードが繰り広げられる。そんな本作の脚本を手掛けるのは、映画『夜は短し歩けよ乙女』の脚本も手掛ける上田誠をはじめ、えのもとぐりむ、喜安浩平、西条みつとし、柴幸男、根本宗子、細川徹、福原充則、松井周、丸尾丸一郎、三浦直之といった11人の劇作家。また演出は、星野源の「SUN」のMVや、「Perfume」の作品を多く手掛ける関和亮、「マキシマムザホルモン」「でんぱ組.inc」などもMVを手掛けるスミス、『傷だらけの悪魔』の監督を務めた山岸聖太が担当する。今回案内人を務めることになった古田さんは、「おいらは(下北沢には)ほぼ毎日いるからね。ロケ地が全てわかるでしょ。絶対に聖地にならない所を狙って欲しいですね」と期待を抱き、撮影での楽しみを問われると、「終わってからの飲みですかね。いい作家が集まっています。ぜひご期待ください」とコメント。また小池さんは、「チャレンジングな企画に呼んで頂けるのは興奮しますね。色の違う11本の作品の良いスパイスになれるよう頑張りたいです」と意気込み、「皆が下北沢にもっともっと興味を持ってくれるキッカケになって欲しい」とメッセージ。さらに古田さんとの共演に「夢のよう」と話す小池さんは、「番組名物になるような、楽しいかけ合いが出来たら嬉しいです」と撮影を楽しみにしているようだ。各話の出演者には一体誰がキャスティグされるのか、そちらも期待だ。「下北沢ダイハード」は7月より毎週金曜深夜0時12分~テレビ東京にて放送予定。(cinemacafe.net)
2017年05月23日17世紀フランスの劇作家ジャン・ラシーヌの代表作『フェードル』が、大竹しのぶ主演、栗山民也演出で4月8日(土)より東京・シアターコクーンに登場する。過去にサラ・ベルナールやヘレン・ミレンなど、名だたる女優たちが演じた王妃フェードルの物語は、ラシーヌがギリシャ悲劇『ヒッポリュトス』(エウリピデス作)から想を得て創りあげた、激情あふれる悲劇の名作だ。アテネ王テゼ(今井清隆)の妻フェードル(大竹)は、義理の息子イッポリット(平岳大)への禁断の恋に身を焦がすが、イッポリットの思いは敵の一族の生き残りである姫アリシー(門脇麦)へ向けられて……。愛憎、欲望といった人間の感情を真っ正面からえぐり出す衝撃の舞台。音楽劇『ピアフ』など数々のヒット舞台を構築してきた大竹&栗山の最強タッグが、「人間精神を扱った最高傑作」と評される大作をいかに立ち上げるか、期待をこめて稽古場を覗いた【チケット情報はこちら】設えられていたのは、緩やかな傾斜と、さらに前面には段差のある張り出し舞台。奥には帆のような白幕が垂れ、若干傾いている太い柱が危うさを匂わせている。一幕一場から始まる立ち稽古を前に、平が膨大な量の台詞を身にしみ込ませるべく、懸命に言葉を繰り出していた。一方、大竹は乳母エノーヌ役のキムラ緑子と楽しそうに言葉を交わし、穏やかに開始を待っている様子。栗山が腕組みをして舞台をみつめる中、演出助手の合図で稽古がスタートした。半島の町を想起させる波音とともに、イッポリット、そして彼の養育係であるテラメーヌ(谷田歩)が登場。行方不明の父テゼを探しに国を出ようとしているイッポリットは、胸に秘めたアリシーへの恋心をテラメーヌに言い当てられて苦悩する。登場するや、平と谷田は熱量高く言葉を交わし合う。その圧倒的な集中が、日常とは違う、神話的世界の始まりを伝えてくる。徐々にせり上がる興奮をいっそう突き上げたのが、全身から苦痛の叫びを放って登場したエノーヌだ。ドラマチックなキムラの表現に目を奪われた後、ひっそりと黒布をまとって現れた大竹フェードルへと視線が移る。フェードルが誰のために恋の苦しみに打ちひしがれているのか、問いつめるエノーヌ。天を切り裂くような絶叫と、地を這うようなつぶやきと。大竹とキムラによる緊迫の対話は、瞬間、瞬間で駆け引きのように形を変え、強度を増していく。絞り出すように秘密を明かす大竹のささやきが、低く小さく、けれど明瞭に響き、空間を震わせる。栗山の合図で芝居が解かれると、見つめていた人々の深いため息が稽古場中に広がったように感じた。大竹もキムラもすぐにティッシュに手を伸ばし、涙にまみれた顔をぬぐう。栗山は舞台に上がり、フェードルの黒布をはぎ取る仕種、太陽のまぶしさに抗う表情など、自ら細かく演じてみせ、動きを提示。演出家の言葉に、大竹とキムラが笑い合う様子もうかがえた。この緩急の空気の積み重なりが、やがて骨太で直球のドラマを生み出すのだろう。まさに劇場でなければ味わえない、重量級の演劇がもたらす快感。全身で受けとめること必至である。取材・文:上野紀子
2017年03月29日若手映像作家の作品を上映する「調布 ショートフィルム・コンペティション(CHOFU SHORT FILM COMPETITON)」が、東京・調布市にある調布市せんがわ劇場にて2017年2月25日(土)・26日(日)に開催される。入場は無料。「ショートフィルム・コンペティション」とは、自主制作ベースで作られた30分以内の短編映画であれば誰もが応募できる、ジャンルもテーマも自由の映画コンペティション。調布から全国に向けて新しい才能を発信している。2月25日(土)は、短編映像の上映会「ムービーダイバー」を開催。JAXAの超高精細画像を、演出や音楽もつけない”生データ”として上映する。陸域観測技術衛生 ALOS(だいち)から送られた画像には地球の様々な表情が映し出され、眺めているだけで不思議な気持ちになるほど味わい深い。上映会では、映像作家の澤隆志とJAXAの度曾英教が、ALOSの性能や宇宙空間に関するトークを行う。翌26日(日)には、全国から集まった30分以内の短編自主制作映画のうち、入賞・入選した16作品が上映される。審査員には、映画『ディストラクション・ベイビーズ』の監督・真利子 哲也など3名が関わっている。グランプリ作品『光関係』は、多くの人に触れられず、誰かの生活の気配だけにしか触れられない臆病な若い2人の男女の時間を描いたもの。新しい才能や、新しい映像の楽しみ方を見つけることのできるイベントとなりそうだ。【詳細】「CHOFU SHORT FILM COMPETITON」日時:2017年2月25日(土) 15:00〜17:00、26日(日) 13:00〜19:30会場:調布市せんがわ劇場(定員120名)住所:東京都調布市仙川町1丁目21−5入場無料 ※先着順、事前申し込み不要。【問い合わせ先】公益財団法人調布市文化・コミュニティ振興財団 コミュニケーション課TEL:042-441-6171
2017年02月24日食事を楽しみながら演劇も楽しめる、「劇メシ」演劇をもっと身近に、気軽に楽しんでいただきたいという想いから始まった食事を楽しみながら観る演劇「劇メシ」。レストランを丸ごと舞台にし、客席で劇を行う。通常の劇場では一定の距離があるけれど、「劇メシ」は客席に役者が立つので、実際に体感する迫力が違います。レストラン全体が舞台。新感覚の360度演劇レストランの一角を使って演劇を行うのではなく、レストラン全体が舞台。店内360度で行われる演劇の中心で観ることができるので、まるでドラマの中に入り込んだような感覚を味わうことができます。岩手県のご当地アイドルとして話題の加村真美がヒロイン岩手県のご当地アイドルとして活動していた、加村真美が初の舞台に挑戦するところも魅力の一つ。圧倒的透明感を持つ彼女を間近で見れるのはこの劇メシだけ。その他にも、圧倒的演技力が印象的な横大路伸、元アイドリング!!のメンバーフォンチー、3年B組金八先生、ごくせんにも出演している佐々木仁など、実力派の役者が本当にその場にいるような演技を魅せてくれます。episode.04『なんでもないトマトなのに』本公演で4回目となる劇メシは、復讐系ミステリーに挑戦。とあるレストランに集まった7人の男女の過去に起こした事件がきっかけで起こる。毒が入っているかもしれないトマトをいきなりコックが提供し、「目の前に置かれたトマトを食べずにいられることができれば、あなた方の勝ちです」と意味深な一言をきっかけに、なんでもない晩餐が一人の少女の死をめぐる復讐劇へと変わっていきます。公演情報<購入方法>チケットは事前販売。こちらから購入することができます。<公演日・開演時間>11月20日(日)13:00/20:0011月22日(火)20:0011月23日(水)13:00/20:0011月25日(金)20:0011月26日(土)13:00/20:00※ 上演時間 約1時間<料金>5,724円チケット代・食事付(プレート・サイドディッシュ・スープ)※ ワンドリンク制<出演>横大路伸、加村真美、フォンチー、佐々木仁、荒川泰次郎、吉田俊大、木村竜也、K-SUKE、今井由希、SaUrI、西村彩有里、近藤カコ、木下桜<脚本>えのもとぐりむ<演出>私オム【演劇】×【レストラン】という新感覚リアルエンターテインメントをぜひ体感してみてください。
2016年11月20日映画『ふきげんな過去』が2016年6月25日(土)に公開される。主演は小泉今日子×二階堂ふみ、監督は異才の劇作家と称される前田司郎。五反田団を主宰し、演劇・小説・ドラマ・映画など、ジャンルを飛び越え活躍するマルチプレイヤー前田司郎。本作は、三島由紀夫賞、向田邦子賞受賞、岸田國士戯曲賞など錚々たる賞も受賞している彼によるオリジナル脚本の人間ドラマだ。自分が本当の母親だという叔母・未来子の出現によって、退屈していた女子高生の果子は、眩い生き生きとした世界を見てしまう。そんな二人のひと夏の物語を描く映画は、『毎日かあさん』以来5年ぶりの主演となる小泉今日子と、日本映画界の若きミューズ・二階堂ふみというタッグによって実現した。■ストーリー物語の舞台は北品川の食堂「蓮月庵」。果子(二階堂ふみ)は、毎日が死ぬほど退屈でつまらない。けれどそこから抜けだして他に行くこともできず無為な夏を過ごしていた。ある日、果子たち家族の前に、18年前に死んだはずの伯母・未来子(小泉今日子)が、突然戻ってきて告げる。「あたし生きてたの」。戸籍も消滅している前科持ちの未来子。そして自分が本当の母親だというが・・・。【作品情報】『ふきげんな過去』公開日:2016年6月25日(土) テアトル新宿他全国ロードショー出演:小泉今日子、二階堂ふみ、高良健吾、山田望叶、兵藤公美、山田裕貴/、大竹まこと、きたろう、斉木しげる、黒川芽以、梅沢昌代、板尾創路監督・脚本:前田司郎音楽:岡田徹©2016「ふきげんな過去」製作委員会
2016年05月29日芥川賞作家で、トークバラエティなどでも人気の羽田圭介が1月18日(月)に開催された映画『ブラック・スキャンダル』の試写会に出席。劇中のジョニー・デップの扮装で、ハゲヅラまで被るという体を張った芸で会場をわかせた。アメリカで新聞社のスクープによって発覚した汚職スキャンダルを映画化した本作。FBIとギャング、政治家が密約を結び、彼らにとっての敵を排除していくために手を汚していくさまがハードな描写と共に描き出される。この日は、タレントで政治好きとして討論番組などへの出演も多い春香クリスティーンも出席したがいつも通りの華やかな衣裳のクリスティーンさんとは対照的に、羽田さんは革ジャンにサングラスでジョニー・デップ演じるバルジャーになりきって登場!羽田さんは「(バルジャーは)寡黙な男なので、楽屋でも役作りで喋らないようにしてた」とのこと。映画については人間ドラマとしてギャングものが描かれていた」とこれまでにないギャング映画として称賛し、特にジョニーに関して「ジョニー・デップの映画の中で一番いい!『パイレーツ・オブ・カリビアン』とかどうでもいい」と過去作品をディスりつつ、ジョニーの最高傑作と称えた。“スキャンダル”を扱った映画とあって、最近の社会のスキャンダルについて司会者から話題を振られ、特にベッキーと「ゲスの極み乙女。」川谷絵音との不倫疑惑騒動について尋ねられると、羽田さんは「他人のことなのでどうでもいい。不倫された人には切実でしょうけど、別に周りは関係ない。何でみんな、そんなに関心持てるの?」とバッサリ。クリスティーンさんは同じくこの騒動について、「よく『ハーフ枠が減って』とか言われるけど、狙ってないし(笑)。お仕事増えるかと思ったら、討論番組に呼ばれるだけで関係なかった」と事件による“特需”にはありつかなかったと告白した。羽田さんは、話題を振られない限り、完全にマイクを下ろした状態で、ローテンションだったが、話題がクリスティーンさんのスキャンダルになるとがぜん、食い気味に!TV番組内でクリスティーンさんが年上の放送作家に告白して交際をスタートさせ、その後、5か月で別れたという経緯を聞くと興奮気味に質問を重ね、5か月での別れについて「5か月ってオイシイとこ取りって感じですね」と言いたい放題。一方で、「私の性格に難があったみたいです。どうしたらいいでしょう?」というクリスティーンさんの言葉には「知らない」とすげない返事で会場は笑いに包まれた。その流れで羽田さん自身の現在の“交際ステータス”や好みのタイプについて尋ねられると「(彼女は)いません。(好みのタイプは)誰でもいいけど…自立してる人。パートナーとか子どもを自慢しなくても生きていける人。自分が取り組んでいることに生きがいを持ってて、僕に頼らずに生きることができて、極端に言うと僕に関心がない人」と語り、会場は驚きに包まれる。「いままでどんな人とお付き合いを…?」というクリスティーンさんの問いには、タレントのように「そこはちょっと」とバツ印を提示。私小説で“自分”をさらけ出す純文学作家もいるが「私小説は、実は自分の分身を作って、核心をずらして自分を守ってる。さらけ出しているようでそうではない」と持論を語っていた。写真撮影では、ジョニー・デップのモノマネ芸人のハイメが登場したが、これに対し羽田さんは、キャラが被ることを危惧し、負けじと劇中のジョニーとおなじようなハゲヅラを被って再登場。芥川賞作家のなりふり構わぬ姿に会場は笑いに包まれた。『ブラック・スキャンダル』は1月30日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ブラック・スキャンダル 2016年1月30日より全国にて公開(C) 2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., CCP BLACK MASS FILM HOLDINGS, LLC, RATPAC ENTERTAINMENT, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
2016年01月18日劇作家・演出家の長塚圭史にとって、『SISTERS』(08年)以来のパルコ劇場登板となる最新作『ツインズ』が大阪・森ノ宮ピロティホールで上演中だ。パルコ劇場での長塚作品といえば、『マイ・ロックンロール・スター』(02年)や『ラストショウ』(05年)のような、一見普通に見える家族の心理を血なまぐさい恐怖と笑いとで浮き彫りにする作品が印象的。今回も『ラストショウ』で怪演を見せた古田新太や、『SISTERS』に出演していた吉田鋼太郎など、おなじみの“長塚組”が出演。だがそこへ、舞台畑でも進境著しい多部未華子を投じることで、家族劇でありながらこれまでと異なる味わいの舞台となっている。「ツインズ」チケット情報舞台はリュウゾウ(吉田)と、看護師で家事をとりしきるローラ(りょう)、料理上手のトム(中山祐一朗)が暮らす海辺の家。そこへ、寝たきりで姿を見せない当主の余命がわずかと知り、リュウゾウの弟・ハルキ(古田)が娘のイラ(多部)を連れてやってくる。ハルキは父の遺産をもらい受け、娘を“この世界ではないどこか”で「人間らしい生活をさせ」るために台湾船に乗せたいと願っているのだ。そんなカネはないと突っぱねるリュウゾウとハルキの対立は悪化するが、彼らの甥夫婦・タクト(葉山奨之)とユキ(石橋けい)は他のことに気を取られている様子。そんなある日、夫婦の双子の赤ん坊がさらわれて…。父と娘、姉と妹、夫と妻などの関係性を、これまでは禁忌の淵をのぞきこむような濃密さで描いてきた長塚。観客に衝撃を与えた『SISTERS』から7年が過ぎ「外側から家族というものを見つめてみたい」(パンフレットより)と語っている通り、今回その筆致は大きな変化を見せている。ハルキたちの名前や「おはぎ」「八幡神社」といった単語から、どうやら日本が舞台のようなのだが、海の見えるリビングやトムとローラのたたずまい、トムが作るクラムチャウダーなどの料理によって、観客はしばしばそこが“日本ではないどこか”のような感触をもつ。「出歩かないほうがいい」「外でとったものを食べるな」といった意味のセリフは東日本大震災後の被災地を彷彿とさせるものの、物語はそんな安易な目線をはぐらかかすように、あくまでも家族の秘密に寄り添って進行する。古田は、和やかなリビングにバットを持って闖入する猥雑さを持ちながら、娘のイラには甘い笑顔を見せるという二面性のあるハルキを演じて面目躍如。対する吉田は、穏やかだが内面に深い闇を抱えるリュウゾウを繊細な持ち味で演じて、ドラマにリアリティをもたせている。そんな手練のキャストのなか、揺るぎない存在感を見せるのが、長塚作品初登場の多部だ。劇中「こんな世の中だから」というセリフが登場人物から何度か聞かれるが、くすんだ色のジャージを着て食べ物をぱくつく多部の眼差しを見るだけで“その国”が極度に荒んだ状態にあることがわかる。また鍵盤を弾く振りの場面では、パントマイムのテクニックは用いらず、むしろ技巧に依らないことでイラの心情が強く伝わってくることに驚いた。大阪、福岡、新潟、長野で上演。チケット発売中。取材・文 佐藤さくら
2016年01月06日東京都・新宿の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館は、新進作家の登竜門として知られる公募コンクール「FACE」受賞作家12名の近作・新作約90点を展示する「絵画のゆくえ2016FACE受賞作家展」を開催する。会期は2016年1月9日~2月14日(月曜休館、ただし1月11日は開館)。開館時間は10:00~18:00(入館は17:00まで)。観覧料は一般600円、大・高校生400円、中学生以下無料。同展は、2012年度に創設された公募コンクール「FACE」の3年間の、「グランプリ」および「優秀賞」受賞作家たち12名の、近作・新作約90点を一堂に会し、あわせて過去のグランプリ受賞作3点も展示することで、時代の感覚を捉えた作品の真価を問い、「絵画のゆくえ」を探るもの。「FACE」は、年齢・所属を問わない新進作家の登竜門として毎回数多くの応募があり、出品作品は美術評論家を中心とした審査員による厳正な審査のもと、将来国際的にも通用する可能性を秘めた作品を入選とし、さらに優れた作品には「グランプリ」、「優秀賞」等の各賞を授与しているという。また、同展では、各作家30分のアーティスト・トークが開催される。1月9日は堤康将、永原トミヒロ、近藤オリガ、田中千智、1月16日は川島優、二川和之、眞田勇、西村有、1月23日は宮里紘規、大橋麻里子、和田和子、村上早によるアーティスト・トークが開催される。各日とも開始時間は14:00~。また、休館日に貸切の美術館で、ボランティアガイドと対話をして楽しむ参加型の作品鑑賞会「ギャラリー★で★トーク・アート」が開催される。開催日時は2016年2月8日14:00~約2時間(対話鑑賞と自由鑑賞各1時間程度)。参加費は500円(観覧料不要、中学生以下無料)、参加する際の詳細に関しては同館Webページで確認できる。
2015年12月25日劇団リリパットアーミーII20周年記念のため、劇作家で演出家のわかぎゑふが手がけたゴシックホラーの名作を上演。男女入替劇に山本裕典ら実力派俳優陣が挑む。初日に先駆け、公開ゲネプロが行われた。ここにレビューを届けたい。舞台『夜の姉妹』チケット情報真紅が美しいエントランスから一歩入ると広がるのは、瀟洒で整然とした空間──ここは19世紀初頭のドイツ、バーデン大公国の深い森。新聞記者を志す女子学生のリンダ(佐藤永典)に招かれた、『椿姫』作者のアレクサンドル・デュマことアナベル(山本裕典)は秘密の婚約式に参加する。それはなんと、バーデン大公国皇太子ラインハルト(彩乃かなみ)とその子どもを授かった(!)情熱的なイタリア貴族令嬢ローザ(平野良)との誓いの場だった……しかし、この婚礼が血の悲劇を招く。謎に満ちた哀しみの物語だが登場する者たちは底抜けに楽しい!ゆえに辿り着く結末が切ない。制服姿の佐藤は理知的で愛らしく、同級生マリア役の原嶋元久がおそろしくキュート!同じく制服姿の宮下雄也はガバッとスカートをたくし上げ大暴れして場をわかし、隣の田中崇士をイジり倒す。そんな彼女たち(?)を厳しく躾けるのは仏頂面で距離感がおかしい、ヨゼファ役の黄川田将也。はしゃぐ女子学生たちにピッ!と鋭く笛を吹き鳴らし、静止させるやり取りはとてつもなく愉快だ。マルガレーテ王妃役の八代進一とアンナ・エグロシュタイン男爵夫人役の粟根まことが優雅で麗しい淑女を演じ、山本は機知に富む美人女流作家をカッコよく熱演!ローザ役の平野は、身重なのに愛するラインハルトことタカラジェンヌの彩乃を抱きかかえ熱烈なキッス……と、すかさず彩乃が「おっと、逆だよ」と粋に凛々しく、抱え直す。なんて倒錯的。一方で男爵夫人の館で働く、女中のハンナを演じる近江谷太朗はなぜか、時折アリを食べ(開場前の諸注意に注目!)慈愛に満ちた眼差しで、菊地美香演じる強がりで孤独な子ども、ビルトを見つめる。ふたりのつむぐ関係は、おそらくこの物語の救いだ。中野咲希の役についてはあえて伏せたい。しかし、その登場は見る者の心を掻き立てるだろう。「どんな子どもにも誇りはあるわ……」とハンナ。「あなたって、正しいわ」とヨゼファ。やがて、酒場で酔いどれていたアナベルは「人は本性と反対の仮面を好むものよ」という踊り子の言葉に、真実を見い出す。明かされた結末とうらはらにカーテンコールは圧巻だ。役者たちの誇らしく輝きに満ちた笑顔に魔法が解かれたようで、泣けた。本公演は12月11日(金)から20日(日)まで東京・品川プリンスホテル クラブeX、23日(水・祝)から27日(日)まで大阪・近鉄アート館にて。取材・文/おーちようこ
2015年12月16日カラオケスナック、清掃会社の休憩室、AVの撮影現場……。女性ばかりが集まる場所を舞台に、女同士の醜くも可笑しい生態や人間関係を細やかに描き出し、高い評価を受けている演劇ユニット「ブス会*」。毎回、脚本と演出を手がけるペヤンヌマキさんが、最新作のテーマに選んだのは、「母親」そして「姉妹」という血縁関係でした。11月19日から始まる第6回ブス会*『お母さんが一緒』の構想をはじめ、血のつながった関係ならではの業や、親子関係が恋愛・結婚に与える影響などをお伺いしました。○家族といるときの自分が一番みにくい――今回の新作舞台『お母さんが一緒』は、ペヤンヌさんが初めて「家族」をテーマに描いた作品だそうですが、どんなストーリーになるんですか?37歳、35歳、29歳と年の離れた三姉妹が、母親に親孝行をしようと温泉旅行に連れて行くのですが、そこで母親や、自分以外の姉や妹に対する複雑な思いが徐々にあらわになって……という話です。お母さん自体は温泉旅館の隣の部屋にいるという設定で、実際には登場しません。三姉妹の口から、それぞれ違う"母親像"が語られるという、いわば『薮の中』スタイルですね(笑)。それぞれ自分の生き方や、姉妹との関係の中に、色濃くお母さんの影響を受けてるんだけど、みんな「私はお母さんとは似ていない」と思いたがってるんです。――それはおもしろそうですね。そもそも、今回初めて「家族」をテーマに選ばれたのはなぜですか。家族って、他の人とはどうしても距離感や関係性が違う存在じゃないですか。そこに自分という人間性の根源が表れてしまうし、いつかは描きたいと思いつつも、実は怖くてずっと避けてきたテーマだったんです。でも、そろそろ描いてもいいタイミングなのかなと思って。――ペヤンヌさんにとって、他人とは違う家族の特殊性って、たとえばどんなところでしょう?私の場合、家族の前だと喜怒哀楽の沸点が低くなるというか、いきなり激怒したり号泣したり、感情をさらけ出してしまうんです。家族と接するときの自分が一番ブスだなあ、と思いますね。家族とは、どうしても自他の境界線があいまいになって、相手を"個"として見れない部分がある気がして。自分と同じように相手も感じているだろうと思い込んでしまったり、自分の嫌な部分を相手の中に見つけて、いらだちをぶつけてしまったり。――まさに近親憎悪ですね。「こいつ嫌いだな」と思う人をよくよく見たら、昔の自分に似ていた……なんてこと、ありますもんね。特に家族に対しては、それが強く出てしまう気がします。今回のタイトルって、文字通り「お母さんが一緒」の人たち="姉妹"というつもりで付けたんですが、稽古前に出演者で話し合っていたら、三姉妹の背後にそれぞれ常に「お母さんが一緒」にいる="お母さんを背負っている"という意味にも解釈できるなと気付いて、ゾッとしましたね(笑)。○"母に似ている私"が"父に似ている私"を責める――ペヤンヌさんご自身は母親からの影響をどう感じていますか? ペヤンヌさんの自伝的な著書『たたかえ!ブス魂』(KKベストセラーズ)には、父親の愚痴や悪口を言っているときが一番元気でいきいきしていたというお母さまのエピソードが出てきますが。やはり、かなり影響を受けてますね。とにかく母は、ネガティブなパワーを原動力に生きているような人で、特に父に対する愚痴や文句を、物心ついてからずっと聞かされて育ってきたんです。「お母さんみたいになりたくないな」と思っていたはずなのに、いつしか私も他人の言動へのツッコミやアラ探しが異常にうまくなってしまって……。ただ、そのおかげで今みたいな作風の戯曲が書けるようになったのかもしれませんけど(笑)。――そういうお母さまの態度が、父親像や男性観にも影響を与えたりは?していると思います。「お父さんみたいな人とは結婚したくない」と漠然と思っていたのですが、悪口を言わなくて済むような人と結婚して幸せになるロールモデルを知らないんですよ、見てないから。「両親みたいな夫婦が理想です」と言える人が羨ましかったです。父は上昇志向があってポジティブな人でしたが、外でいい人ぶって溜めたストレスを家族にぶつけるようなところがあって、物にあたるんです。反動で、そういう男の人は絶対選ばないようにしようと思っていたのに、気が付くと言葉の暴力を振るう人と付き合っていたり。――でも、ペヤンヌさんご自身にも、そんなお父さまから受け継いだ性質があるわけですよね?そうなんですよ。私は、褒められたくて努力するところや、外ヅラがよくて我慢するところ、カッとなったときの切れ方とかが父に似ていて。母と一緒になって父の悪口を言っているときはいいんですが、つらいのは、そんな父の性質が自分にもあると気付いたとき。父に似ているポジティブな自分を、母に似ているネガティブな自分が、自己否定・自己嫌悪するようになっちゃったんです。――そんな引き裂かれた自分を意識したのは、いつ頃ですか?高校卒業後に一人暮らしをして、親元を離れてから。そのとき初めて、母の言葉の暴力も異常だったんだということに気が付きました。実際以上に「お父さんは悪者だ」と洗脳されていたなって。家族と距離をとることで、親のありがたみもダメなところも客観的に見られるようになったというか。親といるときは常にイライラしていたのが、性格も穏やかになって自分本来のペースで生きられるようになった気がします。○「子供が欲しい」気持ちに隠されたエゴ――近年、「毒親」という言葉も浸透してきましたが、親の呪縛を断ち切るのって難しいですよね。それまで物理的・経済的に親に依存してきたという恩や借りがありますからね。わたしも、自力でがんばって勉強して東京に出てきたと思っていたけど、実際は親が大学に行く資金を出してくれていたわけで。子供の側も、どこかで自分を守ってくれること、味方してくれることを親に期待しちゃっているし、情があるから見放せない。親の呪縛から逃れなさいと言われて逃れられたら、とっくに逃れてますよね。――年を重ねて、お母さまに対する思いに変化はありましたか?お母さんの人生ってなんだったんだろうと考えてしまうときはあります。文句ばっかり言いたくなるような人と結婚して、専業主婦になって、子供だけが生きがいのような人生を送って……。それもあって、自分が母を喜ばせてあげなきゃ、みたいな変な義務感に駆られてしまっていた気もしますね。今は、母が年老いていくとともに幼児化しているというか、年々子供っぽくなってきていて。守ってもらう存在から、わたしが守らなきゃいけない存在になってきた。「お母さん」だと思うから腹が立つけど、「自分の気持ちをわかってほしい女の子」なんだと思うようにしたら、母のことを少しは受け入れられるようになりました。ただ、最近は「孫が見たい」という期待がプレッシャーで……。――親からの呪縛のタネは尽きませんね。親がただ「孫」と口にしたのを、私が過剰反応してプレッシャーに感じているだけなのかもしれませんけど。ただ、ここ10年くらい自分でも子供が欲しいと思うようになったんですが、その理由を突き詰めていくと、この先ひとりで年老いていって、家族がいなくなるのが不安だからというのも本音としてあるんです。自分が今、親のことを心配したり、死んだら悲しんだりという気持ちを、自分は子供がいない限り誰からも思われないのかあ……って考えてしまうんですよ。でも、それって私のエゴじゃないですか。結局、子供を自分とは違う“個”として考えられていないんじゃないかと思って、怖くなりましたね。* * * * *似ているからこそ憎み合い、離れられないからこそ傷つけ合ってしまう、家族という名の血縁関係。家族との適切な距離感や関係性を模索するには、自分とは別の存在として完全には切り離せないということを、まずは自覚するしかないのかもしれません。ペヤンヌさんの舞台は、そんな人間関係をときに辛辣に、ときにユーモラスに描きながらも、ささやかな希望を持たせてくれるものになるはずです。ぜひ観劇をおすすめします。第6回ブス会*『お母さんが一緒』2015年11月19日~30日 下北沢ザ・スズナリ脚本・演出: ペヤンヌマキ出演: 内田慈岩本えり望月綾乃加藤貴宏
2015年11月19日1936年にノーベル文学賞を受賞したアメリカの巨匠劇作家ユージン・オニール。その最高傑作『夜への長い旅路』には、麻実れい、田中圭、満島真之介、益岡徹のきらびやかな実力派が結集し、この4人を、濃密でドラマティックな舞台作りで注目を集める演出家・熊林弘高が束ねる。家族の悲劇を生々しく描くこの舞台の初日をレポートしよう。「夜への長い旅路」チケット情報うす暗い照明の下、濃い茶色の板の間が舞台中央に横たわる。その左右両脇に広がる灰色の砂。タイロン一家の別荘である。客席通路の階段を、満島真之介演じるエドマンドが無言で降りてきて、舞台は始まる。4人家族の壮絶ないさかいの記録。たった1日の物語。麻実れいが演じる妻のメアリーは、全身が一本の美しい線。知的でもの静かな女性だが、次男の結核を認められず、また、深刻な麻薬中毒に陥っていて、その言動は不安定だ。感情と視線と手の動きが、絶え間なく漂っている。静謐で、気高い狂気。田中圭の長男ジェイミーは、恐らく、この一家で一番、残酷な真実から目をそらさずにいる男だ。母の麻薬中毒についても、弟の結核についても、躊躇なく直言。田中圭が、まっすぐ俊敏なセリフと動作でこの男を描く。その言葉の刃は、家族も自分も傷つける。次男エドマンドの満島真之介。母メアリーと深い情愛でつながる。繰り返される母親との強いスキンシップ。へらず口は叩くが、家族全員に対して愛情を隠さない末っ子は、小さな咳が止まらない。死への恐怖か、時として、ふっと暗い表情で目を伏せる。多弁でエネルギッシュ、怒りっぽいのが益岡徹の父ジェイムズ。妻の麻薬中毒を心配し、次男の結核に心を痛め、長男の怠惰な生活を叱る。大きな声、まくしたてる口調、威圧的な物言い。複雑な人物を、ベテランが振れ幅の大きい演技で描く。言葉の応酬だけでなく、身体の接触を最大限に使う。熊林弘高の演出にはおなじみの光景だ。鼻が接触する距離で怒鳴りあう。つかみ合い、相手を床にねじふせる。胸に飛び込み、すがりついて甘え、頬に唇を寄せる。ラストの暗闇に消えていく、妻メアリーの長く哀しいモノローグが語るもの。それは、この家族の本当の崩壊か、それとも、再生の予感か。客席のひとりひとりが、大切な人のことを考えながら帰り道につく、そんな舞台だった。公演は9月23日(水)まで東京・シアタートラムにて。大阪公演は、9月26日(土)から29日(火)まで、梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。チケットは発売中。
2015年09月08日現在放送中のTVアニメ『それが声優!』の劇中歌を集めた「それが声優! E.P.スピンオフムービー主題歌集」の3曲目に釘宮理恵が本人役として歌唱した劇中劇『探偵喫茶スパイラルカフェ』の主題歌「この世はスパイラル!」が収録されることが明らかとなり、それにあわせて、試聴用のトレーラーも公開された。TVアニメ『それが声優!』は現役声優である、あさのますみが自身の経験をもとに声優業界の舞台裏を3人の新人声優の成長とともに描いた作品。アニメの中ではメインキャラクターの双葉・いちご・鈴の3人がアフレコに参加したり、オーディションを受けたりとさまざまなシーンが登場する。「それが声優! E.P.スピンオフムービー主題歌集」の3曲目に収録されることが発表された「この世はスパイラル!」は、釘宮理恵演じる釘宮理恵が主演を務める『探偵喫茶スパイラルカフェ』の主題歌としてアニメ本編で初公開された。YouTubeではコミックマーケット88の最終日8月16日(日)までの期間限定で『探偵喫茶スパイラルカフェ』のダイジェスト映像とともに楽曲試聴のできるトレーラーも公開されている。「それが声優! E.P.スピンオフムービー主題歌集」には、釘宮理恵(cv. 釘宮理恵)が歌う『探偵喫茶スパイラルカフェ』の主題歌「この世はスパイラル!」のほか、AKINO from bless4が歌う『仏戦士ボサツオン』の主題歌「愛と絶望のイデア」、堀江由衣(cv. 堀江由衣)が歌う『クロネコ・オブ・エターニャ2』の主題歌「ヒーローじゃなくていい」の3曲が収録される。そのほか詳細は、『それが声優!』コミックマーケット88ブース情報をチェックしてほしい。○「この世はスパイラル!」試聴用トレーラー(C)あさのますみ・畑健二郎/イヤホンズ応援団
2015年08月11日田口トモロヲ監督が監督を務め、多部未華子と綾野剛が共演する『ピース オブ ケイク』の劇中劇実際の舞台化「ツチノコの嫁入り」のキャストが発表され、主演を山本裕典が務めることが明らかになった。劇中劇「ツチノコの嫁入り」は、映画『ピース オブ ケイク』の中で、もともと衣装デザイナーを夢見ていた主人公の志乃(多部さん)が、劇団の衣装としてキャリアを積み始めるきっかけとなる舞台である。先日、「劇団 めばち娘」が実際に旗揚げされることが報じられたが、このたび発表されたのは9月17日(木)~9月27日(日)の期間、渋谷のCBGKシブゲキ!!で上演される「ツチノコの嫁入り」のキャスト陣。看板俳優の天ちゃんを演じるのは、舞台のみならず映画、TV、雑誌と幅広く活躍する山本裕典。座長の千葉は、演劇集団キャラメルボックスの阿部丈二が演じる。さらに、菜月チョビ、丸尾丸一郎といった劇団「鹿殺し」のメンバーをはじめ、THE CONVOY SHOWメンバー、ミスFLASH ファイナリスト、「アイドリング!!!」の元メンバー、元AV女優など、さまざまな経歴をもつ異ジャンルの面々が一同に集結。「劇団 めばち娘」旗揚げをより一層盛り上げる。舞台「ツチノコの嫁入り」は、自分たちの存在を認めない人類に対し、復讐を誓うツチノコの生き残りをかけた壮大な悲劇のストーリー。原作・映画の中では数シーンしか描かれていなかった今作を膨らまし、劇中劇の完全版を「劇団鹿殺し」の丸尾丸一郎 作・演出のもと上演する。映画とはまた違うディープな魅力を発揮するであろう本舞台。映画の公開と合わせて、上演を心待ちにしたい。『ピース オブ ケイク』は9月5日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。「劇団めばち娘」公演「ツチノコの嫁入り」 は、9月17日(木)~9月27日(日)にCBGKシブゲキ!!にて上演。(text:cinemacafe.net)
2015年07月03日20世紀のアメリカ現代演劇を代表する作家、ユージン・オニールが自身の家族を描いた『夜への長い旅路』が上演される。ユージンを重ねた次男のエドマンドを演じるのは満島真之介。今年はじめの『ハムレット』など、舞台での活躍も目覚しい注目の役者に、ピュリッツァー賞を受賞し、演劇史上最高の自伝劇といわれる作品に臨む思いを聞いた。『夜への長い旅路』のチケット情報この自伝劇で描かれるのは、実にすさまじい家族の関係である。かつては有名なシェイクスピア俳優だった父。過去のつらい出来事から抜け出せずモルヒネ中毒に冒された母。酒に溺れて自堕落な生活をしている兄。そして、肺病を患い引きこもっているエドマンド。この行き場のない4人が、ある日、夜までの長い時間を不協と対立のなかで過ごすことになる。「台本を読んだだけでもキツかったです。これを演じたら現実世界に戻れないんじゃないかと思うぐらい。でも、たぶんこの家族は、愛ゆえにこうなってしまったところがあると思うんです。僕自身も結婚して新しい家族ができたので、家族の愛とは何なのかということを、演じながら考えさせられるんじゃないかなと思っています」。ユージン・オニールは、この戯曲があまりにも赤裸々な内容のため、死後25年間は発表することを禁じていた。それほど強い思いを持って書いた作品に、作者自身の役として登場するとなればプレッシャーも半端ないだろう。しかし、「プレッシャーよりも、素晴らしい場を与えられたという喜びのほうが大きい」と、満島はきっぱり言う。今回の出演は、彼のデビュー作である『おそるべき親たち』の演出を手がけた熊林弘高から、「当然やるよねという感じで声をかけられて(笑)」決まったものでもある。「デビューから5年。心も体もいろんなものを乗り越えてきた自分として、新たなステージに立てるのが楽しみ」と頼もしい。母親役にそのデビュー作で親子役を演じた麻実れい、父親役に益岡徹、兄役に田中圭が扮する。この4人で何が生まれてくるのか。「痛いけど、やさしく、きれいな、愛に包まれた空気になるんじゃないかなと思うんです。根本には絶対的な愛情があるから。それに熊林さんが、“こんなことできないって思うようなことも気づいたらやっちゃってる”という演出をなさるので(笑)。きっと本当に家族として生きている感覚になると思います」。その生々しさは、きっと客席をも侵食するに違いない。舞台だからこそ得られる快感である。東京公演は9月7日(月) ~ 23日(水・祝)までシアタートラム。また大阪公演は9月26日(土) ~ 29日(火)まで梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演。ともにチケットは発売中。取材・文:大内弓子撮影:福井麻衣子スタイリスト/伊藤省吾ヘアメイク/戸田和樹
2015年06月16日優れた若手映画作家の発掘と育成を行うプロジェクト「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」が今年も募集を開始した。本プロジェクトは数々の映画監督を輩出しており、今月末公開の『グッド・ストライプス』の岨手由貴子監督、6月公開の『トイレのピエタ』の松永大司監督も本プロジェクトの出身だ。その他の写真「ndjc…」は文化庁の委託事業で、NPO法人 映像産業振興機構が2006年から行っているもの。団体から推薦を受けた作家の中からワークショップ参加者を決め、同一の課題・条件下で5分間の短編を制作。その中から製作実地研修に参加する作家を決定する。参加者はプロのスタッフやプロデューサーの指導・助言を受けながら2か月かけてオリジナルの脚本を執筆し、約30分のオリジナル劇映画を製作する。ポイントは撮影が35ミリフィルムで行われることで、自主映画では予算の関係からなかなか導入することが困難な35ミリフィルム撮影で新作映画を製作することができる。完成した作品は発表会・講評会が行われた後に一般公開され、国内外の映画祭への出品や劇場での上映の働きかけも行われる。本年度の募集はすでに始まっており、今月21日(木)には募集説明会も開始。今年も映画祭や学校などから推薦された才能あふれる若手映画作家が数多く集まる予定だ。
2015年05月19日高橋一生、瀬戸康史が出演する舞台『マーキュリー・ファー Mercury Fur』が2月1日、東京・シアタートラムで開幕した。英国の劇作家フィリップ・リドリーの作品を本邦初演。2005年のイギリス初演時には、その荒廃した世界観と挑発的で過激な描写が客席を騒然とさせたという話題作だ。舞台『マーキュリー・ファー Mercury Fur』チケット情報暴力と略奪がはびこる街を舞台に、過酷な状況下で、生きること、愛することを渇望するふたりの兄弟の姿を描く本作。高橋と瀬戸はその兄弟役を演じる。初日の公演を終えて、主演のふたりは次のようなコメントを寄せている。■高橋一生(兄・エリオット役)2005年に発表されたこの作品を預言書のようだと感じていますが、そのような過酷な世界になったとしても何を守り、大切にし、信じていくか。最後の牙城は人間の愛だと思いました。また改めて舞台に立って感じたのは、これは希望の物語だということです。俳優として、希望の物語にしなくてはいけないのだという使命を感じました。お客様に少しでも伝わればと思います。■瀬戸康史(弟・ダレン役)この作品はタイムリーで、世界で起こっていることと重なっているようでもあります。自分が出演していることは運命的で、意味がある。そして責任があると感じられる作品です。全27公演をひとつひとつ大切にしていきたいですし、その時のダレンがどう生きているかということを演じていきたいと思います。さらに演出を手がける白井晃からもメッセージが寄せられた。リドリー作品を演出するのは今回で4作目。白井は日本でリドリー作品を手がける唯一の演出家だ。■白井晃(演出)初日が終わってこのように震える思いになったのは初めてです。この作品が持っている意味、演劇が持っている意味というものを改めて感じることができました。俳優たちが必死にこの時間を生きようとしているのを見て、演出家として非常に嬉しく思いましたし、一緒に舞台上で息をしているような気持ちになりました。凄い作品だと改めて思いましたし、多くの観客にこの空間を感じて色んな感想を持ってもらいたい、そのように思いました。舞台は2月22日(日)まで。チケット発売中。
2015年02月04日アメリカの劇作家ニール・ラビュートの戯曲をもとに2012年に上演され、若い男女4人のリアルな会話劇が大きな話題を呼んだ『カワイクなくちゃいけないリユウ』。待望の再演となる今回は、その続編ともいうべき『シアワセでなくちゃいけないリユウ』との一挙同時上演が決まった。キャストは好評を博した前回と同じく、村井良大、植原卓也、吉川友、村川絵梨の4名で、演出も深作健太の続投となる。膨大なセリフが2倍という高いハードルに挑む村井良大に、意気込みを聞いた。公演チケット情報はこちら恋人のグレッグ(村井)が自分をどう思っているか気になるステッフ(村川)は、ある日、グレッグが他意なく言った「君の顔は並み」という言葉にコンプレックスを刺激され、大ゲンカになってしまう。友人カップルのケント(植原)とカーリー(吉川)はあきれ顔だが、どこか共感するところもある様子。“彼氏・彼女って何?”“本当の恋って?”“外見を気にする私ってバカみたい?”等々、複雑に揺れ動く4人は本音を吐き出しながら、少しずつ成長していくのだが…(『カワイクなくちゃいけないリユウ』)。続く『シアワセでじゃなくちゃいけないリユウ』は、その3年後。少しだけ成長した4人の、変わった部分と変わらない部分をテンポよく描く。多くの舞台作品でメインキャストを務める村井だが、初演時は特別な苦労があったようだ。「ラブコメディで4人芝居なので、スピーディーな会話のやりとりがメイン。でも日本語に訳してフィット感がないセリフだと気になってしまうから、どういう言い方で演技をするか皆ですごく考えました。たとえばケンカのきっかけとなる『並み』というのは、原作では『regular』なんです。“悪くないけど…”っていうなんとも絶妙な言い回しを(笑)、グレッグとしてどう表現するか。初演の稽古場では翻訳家さんに原文の意味を教えていただいたりして、かなり考えたので、終わった時は達成感を感じましたね」と村井は振り返る。グレッグのひと言が女子を敵に回してしまうのはいかにも納得だが、一方で村井は「グレッグは基本的に愛すべきヤツ。でも“浅いヤツが深いことを言おうとした結果、浅くなっちゃってる”って、誰でもあることですよね。そんなポイントは劇中でたくさん出てきますし、僕自身も“あっ”と感じることがありますよ(笑)」と話してくれた。それだけ本作がリアルな恋愛事情を描いているということだが、本作のもうひとつの魅力であるコメディ部分については、「見る側もやる側も笑って楽しんで幸せな気持ちになれるから、コメディは大好き。2作合わせて5時間の長丁場ですけど、楽しいパワーをお客様に伝えられたら」と村井。緊張のなかにも充実の表情が印象的だった。公演は2015年1月22日(木)から2月1日(日)まで東京・新国立劇場 小劇場にて。チケットの一般発売は11月8日(土)午前10時より。チケットぴあではインターネット先行抽選も実施中、11月4日(火)午前11時まで受付。取材・文佐藤さくら
2014年10月30日宮藤官九郎が草なぎ剛を主演に迎え手がけた『中学生円山』で描かれた劇中劇「愛そしてチャンジャ」のフルバージョンを、DVD&Blu-ray発売前にシネマカフェが先行して緊急鑑賞!その全貌が分かった。「愛そしてチャンジャ」は、主人公・円山克也(平岡拓真)の母(坂井真紀)が夢中になっている架空の韓流ドラマのタイトル。母はDVD-BOXを買うほどの熱心なファンで最終話近辺まで到達したものの、不具合が生じて映像がストップしてしまう。劇場公開時は「愛そしてチャンジャ」の全貌が知りたいという要望が出たほど、気になるインパクトだった。このほど判明した“「愛そしてチャンジャ」フルバージョン”は、ヤン・イクチュン演じる財閥一家に解雇された使用人・ヨンス、彼のチャンジャを食べて記憶が戻った貧しい村出身の娘・ミヨン、ミヨンとの生活に未練がある財閥の車椅子の御曹司が、一堂に会す緊迫した場面だ。真実を知ったミヨンがヨンスに想いをブチまけ、その時ヨンスは…というまるで本物の韓流ドラマのような展開で、「愛そしてチャンジャ」の結末も気になってしまう。この“「愛そしてチャンジャ」フルバージョン”は、デラックス・エディション(豪華版)の特典ディスクに収録予定。本編の世界観を補完する高いクオリティーをあなたも堪能してみて。『中学生円山』DVD&Blu-rayは2014年1月15日(水)より発売。※レンタル版同時リリース『中学生円山』DVD&Blu-rayリリース情報【セル】デラックス・エディション(豪華版)DVD デラックス・エディション¥5,985(税込)【本編DVD+特典DVD】 2枚組Blu-ray デラックス・エディション¥7,035(税込)【本編Blu-ray+特典DVD】 2枚組【セル】スタンダード・エディション(通常版)DVD スタンダード・エディション¥3,990(税込)【本編DVD】 1枚組Blu-ray スタンダード・エディション¥5,040(税込)【本編Blu-ray】 1枚組発売元・販売元:ポニーキャニオン(C) 2013 『中学生円山』製作委員会(text:cinemacafe.net)■関連作品:中学生円山 2013年5月18日より全国にて公開(C) 『中学生円山』製作委員会
2014年01月07日『パリ、テキサス』や『フール・フォア・ラブ』などで知られる劇作家で、俳優としても活躍するサム・シェパード。そんな彼の傑作『TRUE WEST~本物の西部~』が、ブロードウェイで活躍中のスコット・エリオットの演出により今秋上演される。そこで主軸の兄弟役を演じる内野聖陽と音尾琢真、さらに菅原大吉と吉村実子に話を訊いた。舞台『TRUE WEST~本物の西部~』チケット情報粗野で無学な兄のリーと、脚本家で堅実な弟のオースティン。本作では、生き方も性格もまったく違うふたりの兄弟の葛藤、嫉妬、憧れを、めくるめく会話のやり取りによってあぶり出していく。まず脚本に惚れ込んだというリー役の内野は、「まずせりふ劇として素晴らしいなと思いました。演劇ならではの観応えのあるものになるでしょうし、ぜひ挑戦してみたいと思ったんです!」と熱く語る。同じく作品に強い興味を抱きながらも、少し不安げな表情を浮かべるのは、オースティン役の音尾。「やる側としては、とんでもなく恐ろしい舞台ですよ。俳優の一挙手一投足が、物語に大きな影響を与えるわけですから」と話す反面、「その分とんでもなくやりがいのある、俳優冥利に尽きる舞台だとも思います」と、役者魂をのぞかせる。本作の出演者は4人だが、ほぼ兄弟によるふたり芝居。その相手役について内野は、「本当に音尾くんでよかったと思います」と切り出し、「テレビドラマでも共演しましたが、とにかく芝居が好きな、真っすぐでいい奴。そんな音尾くんとなら妥協なく、しっかり稽古を重ねていけると思います」と、音尾に全幅の信頼を寄せる。一方音尾は内野のことを、「嘘のない芝居をされる方」と表現し、「そんな内野さんに飲み込まれないよう、こちらも全力でぶつかっていきたいです」と目を輝かせる。プロデューサーのソウル・キマー役を演じる菅原は、「キマーというのは、仕事上の関係だけで兄弟の間に入ってしまった男。だから脚本とは違うかもしれませんが、ちょっと日和見な、どっちつかずな感じが出せればいいかなと思います」と、現段階での構想を明かす。また兄弟の母親役を演じる吉村は、役と同じくふたりの息子を持つ母親でもあり、「アメリカでも日本でも、母親というものにそう違いはなくて、やっぱり心の底では家族を愛していると思うんです。だからそういう母親の部分を、ちゃんと出せればいいですね」と抱負を語った。また内野は堅苦しいと思われがちな翻訳ものであることに触れ、「少しだけ変わってはいますが、ある兄弟を中心とした、どこにでもありそうな家族劇になると思うんです。僕ら兄弟のやり取りでも、『バカだねぇ』なんて笑える部分も多いですし(笑)。だから変に構えず、気軽に観に来て欲しいなと思います」。9月29日(日)から10月13日(日)まで東京・世田谷パブリックシアター、10月17日(木)から20日(日)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティなど全国で公演。チケットの一般発売は8月3日(土)午前10時より。チケットぴあでは、東京・大阪公演の先着先行を8月1日(木)午後6時まで受付中。取材・文:野上瑠美子
2013年07月18日放送作家になりたい! という人は結構多いそうです。放送作家の頂点として誰もが思い浮かべるのは秋元康大先生でしょうが、いきなりあんな風にはなれません。駆け出し放送作家はどんなことをやってるのでしょうか。2012年の5月に某芸能事務所所属の放送作家になった、松下トモヒロさんに聞いてみました。――放送作家になって3カ月ぐらいだそうですが、どんな仕事をしているのか教えてください。松下さん最近の1週間はこんな感じです。■月曜日●14:00~17:00先輩作家の担当している(某大手Y社所属若手による)お笑いライブの企画会議。■火曜日某企画のリサーチ。テーマは「過去に犯罪を犯してしまった芸人」、「過去に脱いでいる芸人」。1日中やる。■水曜日●21:30~22:30若手ライブの企画。5組10人が出るのでネタ見せ会議。■木曜日単行本の企画のリサーチ。テーマは悪役の名セリフ。1日中調べる。■金曜日●12:00~17:00所属事務所の芸人さんのネタ見せ会議。■土曜日依頼されたニュースサイトの仕事をする。1日中■日曜日●15:00~17:00所属事務所のライブ。夕方は10組から1組を選ぶ選抜ライブ。選ばれた1組は夜の部に出られる。●18:00~20:00所属事務所のライブ。夜の部。14組が出場。――この1週間で収入はどのくらいになりますか。松下さん収入になったのは土曜日のサイトの仕事だけですね。10,000円ですよ(笑)。――リサーチの仕事ってお金もらえないんですか?松下さんリサーチの結果が番組で採用されて、放映されてやっとお金もらえるって感じです。仕事を手伝ってと僕に振ってくれた先輩にまずお金が入らないと僕のところにまで届かないです(笑)。――放送作家も最初は徒弟制度なんですね。松下さんやっぱり先輩に仕事の仕方を教えてもらいながらじゃないと。だって業界のこと何も知らないわけですから。仕事もらえるルートも先輩に紹介してもらわないといけませんし。――「ネタ見せ会議」っていうのは何をするんですか?松下さん若手の芸人さんが、ライブにかけるネタを会議室で順番に演じるんです。で作家数人が見て、「こうしたらいい」とか「こういうネタどうですか」みたいに意見を出すんですよ。ネタを練る場ですね。――いきなりそういう仕事もするんですね。松下さん事務所によって違うんでしょうけども。自分が提案したネタを芸人さんに採用してもらった時はウレシイですよ。ネタ書いてる時はやっぱり楽しいですし。――松下さんの目標は何ですか?松下さんまずは「放送作家です」と名乗れるようになること(笑)。今のままでは無職と言っても過言ではないですから。将来的には、漫才やコントが書けて、番組では新しい挑戦のできる作家になりたいです。放送作家の世界は本当に実力主義。駆け出し作家は収入面が大変なようです。それでもなりたい人が多いのは「その仕事に夢がある」からでしょう。みなさんは放送作家という仕事をどう思いますか?(高橋モータース@dcp)
2012年10月29日映画監督・劇作家・脚本家として絶大な人気を集める、日本が誇る喜劇の名手・三谷幸喜が、昨年行った「三谷幸喜生誕50周年大感謝祭」の締めくくりとして発売した小説「清須会議」(幻冬舎刊)。その映画化にあたり、このほど役所広司や大泉洋ら豪華なキャスト陣の参加が発表された。三谷監督の第6作目となる『清須会議』は、自身初となる“時代劇”。天下統一を目前にしながら、明智光秀の謀反によって、本能寺で命を絶った織田信長。その信長亡き後、織田の継嗣問題と明智光秀の領地配分を議題に、日本史上において初めて会議の席上で歴史が動いたと言われる「清須会議」をテーマに、猛将・柴田勝家vs羽柴秀吉の頭脳戦を軸にそれぞれの思惑の中、絶妙に絡み合う人間模様を三谷監督ならではのコメディタッチで描き出す。今回、発表されたキャスト陣は三谷監督の意気込みが伝わる超豪華な面々。織田信長の筆頭宿老にして羽柴秀吉との織田家後継争いを繰り広げる実直な猛将、主人公・柴田勝家役には、『THE 有頂天ホテル』以来7年ぶりの三谷映画となる名優・役所広司。その敵役となる、巧みな人心掌握術で勝家に相対する羽柴秀吉役に三谷映画は初出演となる大泉洋が扮する。さらに、勝家&秀吉と共に清須会議に出席する織田四天王の策士・丹羽長秀役に小日向文世、会議の行方を左右する池田恒興役に佐藤浩市と日本映画界を支える主役級の俳優たちが集結。しかし、もちろんそれだに留まるはずもなく、信長の跡継ぎ候補になる次男・織田信雄役には妻夫木聡、三男・信孝役に坂東巳之助。信長の弟・三十郎信包役に伊勢谷友介、長男・信忠役に中村勘九郎という奇跡のようなキャスティングが実現した。一方の女優陣には、信長の妹・お市様役に鈴木京香、秀吉の妻・寧役に中谷美紀、信忠の妻で未亡人の松姫役に剛力彩芽と、もはや映画版“大河”(?)の様相だ。このほかにも、浅野忠信、松山ケンイチ、でんでん、寺島進、篠井英介、梶原善、染谷将太、近藤芳正、戸田恵子、瀬戸カトリーヌ。そして“忍びの者”役に天海祐希、また奇しくも同時代を生きていた『ステキな金縛り』の更科六兵衛を演じた西田敏行も登場し、劇中では濃密なドラマが展開すること必至だ!日本映画・ドラマ・演劇・歌舞伎界から結集した、まさに“鉄壁の布陣”で挑む本作だが、今回の撮影にあたり、スタジオセットでハリウッド顔負けのスタジオセットが話題となった『ザ・マジックアワー』を上回る大規模なセットを現在制作中だという。果たして、三谷監督の新境地はどんな笑いと感動を見せてくれるのか?期待して続報を待ちたい。『清須会議』の撮影は11月よりクランクイン、公開は2013年秋を予定している。■関連作品:清須会議 2013年秋より全国東宝系にて公開© 2013フジテレビ東宝
2012年10月22日“劇作家が純粋に、いま伝えるべきこと、伝えなければならないこと、描きたいこと”を時間をかけて形にしていく、東京・世田谷パブリックシアターのプロジェクト〈劇作家の作業場〉。『4 four』は、そこから立ち上げた戯曲を舞台作品として上演する第1弾で、11月5日(月)に開幕する。川村毅が書いた戯曲を白井晃が演出し、キャストには高橋一生、田山涼成、須賀貴匡、野間口徹、池田鉄洋と個性的かつ技量のある面々が揃う。稽古中の白井、高橋、池田に話を訊いた。罪と罰を巡る奇妙な物語が、登場人物と俳優の身体との間を縫うように展開する。登場人物は、裁判員に選ばれた大学職員と、法務大臣、刑務官、死刑囚、そして“男”。出演者は各々が「F」「O」「U」「R」「男」として舞台に存在し、登場人物たち個々による膨大なモノローグを時に役柄を交換して演じていく、という二重構造となっている。かつては、川村が第三エロチカ、白井が遊◎機械/全自動シアターを主宰し、小劇場ブームの中でそれぞれに潮流を作ったが、ふたりがタッグを組むのはこれが初めて。「両劇団が全く違う系譜に連なっていたので、本当に接点がなかったんです」と白井。戯曲については、「現実の事件を思わせるリアルさが川村さんらしいし、ところどころにウジェーヌ・イヨネスコ(不条理劇で知られるフランスの劇作家)のような上質な喜劇性もあったり。稽古は各モノローグと全員が集まる会話の部分とを交互にやっているんですが、繰り返すうちに役者が少しずつ変化していくのが面白いです」と新鮮に受け止めている様子だ。高橋は言う。「モノローグは山に登るような苦しさがありますが、会話の場面では全員が下山して一斉に持っているカードを出すようなワクワク感がある。こういう風に時間軸も場所も人物も、次々に飛び越えていくような作品は演劇でしか表現できないもの。テーマはシリアスですが、稽古はひたすら楽しいですね」。一方の池田は「笑いの要素がない芝居もモノローグも、実は苦手。でも白井さんに誘われたら、自分を追い込みたくなって」と笑わせつつ、「一見複雑な物語だけれど、話が進むうちにある結末に向かっているのがわかってくる。演じる側にはそれを伝える緻密さが要求されると思うので、稽古場でもっと苦しみたい」と対照的な表情を見せた。「高橋君には内在した狂気がある。池田君には内面に孤独感がある」というのが、白井によるふたりの印象。劇作家と演出家、俳優たちがピースを埋めていく。そして物語を最後に完成させるのは、私たち観客なのかもしれない。11月5日(月)から25日(日)まで東京・シアタートラムで上演。チケット発売中。取材・文:佐藤さくら
2012年10月19日“史上初の推理『推理作家ポー 最期の5日間』動画作家”とも言われるエドガー・アラン・ポーを主人公にした映画『推理作家ポー 最期の5日間』が本日から日本公開され、11月1日(木)からは南北戦争を戦ったアメリカ第16代大統領リンカーンを主人公にしたアクション大作『リンカーン/秘密の書』が日本公開される。ジャンルのまったく違う2作品だが、両作には意外な共通点があるようだ。公開中の『推理作家ポー…』は謎の死を遂げたポーの生涯にインスパイアされた製作たちが今も全貌が解明されていない彼の“最期の5日間”に迫るサスペンス。彼の小説を模倣する犯人との息つまる頭脳戦が見どころだ。一方、『リンカーン/秘密の書』は、奴隷解放に尽力したリンカーン大統領は実は、夜になるとヴァンパイアたちと戦っていた!という奇想天外なドラマを描くアクション作。ティム・バートンが製作総指揮を務めている。両作はまったくジャンルの違う作品だが、いずれも実在の人物の実際に起こった出来事をイマジネーションの源泉にしながら、予想もしなかった斬新なフィクションを描いている。そしてそれらはいずれも単なる“借りもの”ではなく、執筆に苦悩し、何度も不幸に見舞われながら執筆を続けた作家ポーと、どんな苦境にも負けることなく信念をかけて全身全霊で戦い抜いたリンカーンの“人生哲学”を、フィクションを用いることで伝えようとしている。ちなみにポーとリンカーンはどちらも1809年生まれの同年齢。ポーはボストンで、リンカーンはケンタッキーで生まれたが、ふたりは同時代にアメリカで暮らし、史料には「作家として国際的な人気を集めたポーが、ホワイトハウスに招かれた」という記述もあるという。ふたりが実際に出会っていたかどうかは不明だが、19世紀の初頭はアメリカという国家が大きく揺れ動き、多くの制度が整い始める一方で、社会は依然として不安定で、“闇”が人々の心に影をおとしていた。そんな時代を生きたポーとリンカーンが映画でどんな活躍を見せるのか気になるところだ。『推理作家ポー 最期の5日間』公開中(C)2011 Incentive Film Productions. LLC All Rights Reserved.『リンカーン/秘密の書』11月1日(木) 全国ロードショー※3D/2D同時公開(C)2012 Twentieth Century Fox
2012年10月12日戯曲、演出家、俳優の斬新かつ魅力的な顔合わせから質の高い作品を放ち続けるシス・カンパニーが、現代アメリカ演劇を代表する劇作家、スーザン・ロリ・パークスのピュリッツァー賞受賞作『TOPDOG/UNDERDOG』を上演する。翻訳・演出を手がけるのは、近年目覚ましい活躍を続ける演出家・小川絵梨子。11月30日(金)に東京で幕を開け、来年1月には大阪、福岡、長崎と全国公演が続く。兄弟の愛憎を描いたこのふたり芝居に挑む、堤真一と千葉哲也に心境を訊いた。『TOPDOG/UNDERDOG』チケット情報今はなきベニサン・ピットを拠点としたtpt作品で共演以来、千葉いわく「なぜかウマが合う」というふたりの付き合いは20年近い。各々キャリアを積む中、ここ数年で「ふたりで芝居がしたい」という思いが高じてきたと堤は語る。「僕は劇団に所属しているわけではないから、“帰るべき場所”がない。それなら自分で“ベース”を作らなきゃと思った」。小さな空間、少人数での芝居創りは、堤にとっての原点だ。千葉はこれまで、演出家として俳優・堤真一に向き合ってきた。そして今回、いよいよ俳優同士として対峙することになる。癖のある人物を演じて強烈な印象を残してきた千葉だが、「今までは演出家で偉そうにしていたのに、役者に戻ったら“全然出来てねぇじゃねぇか!”ってなるかも」と笑う。舞台は現代のアメリカ。黒人社会の底辺でもがく兄弟の物語だ。白塗りをし、暗殺されたリンカーン大統領を演じる遊園地のバイトで食い扶持を得る兄(千葉)。生活能力のない弟(堤)は、居候の兄に生活費をすべて払わせ平然としている。果たしてどちらがトップドッグ(勝者)で、どちらがアンダードッグ(敗者)になるのか。「互いに嘘をついているのか本音を言っているのかわからない」と堤が言うように、微妙なバランスで成り立つ兄弟の関係には徐々にほころびが生じていく。「たとえ兄弟でも相手の腹の中は読めないもの。ふたりが何を隠し、どう嘘をついているのかがきちんと出せると面白いのでは」と千葉が語れば、堤は「どちらがトップでもアンダーでも、しょせん犬は犬。そんなちっぽけな世界でも比較対象がないと自分の位置が計れないところが、人間の哀しさだと思う」と、人間の本質に思いを馳せる。兄弟ゆえに愛憎はより深く、滑稽で切実なパワーゲームの行方は、最後の瞬間まで予断を許さない。演出の小川絵梨子とはふたりとも初の顔合わせ。「男の兄弟の話だから、女性の演出家に客観的に見てもらえるのは大きい。何より、小川さんが訳した上演台本が面白い!」と堤は力を込める。男盛り、脂が乗った俳優ふたりの真剣勝負を小川がどう捌くのか、注目が集まる。公演は11月30日(金)から12月28日(金)まで東京・シアタートラム、2013年1月4日(金)から8日(火)まで大阪・松下IPMホール、1月10日(木)から13日(日)まで福岡・西鉄ホール、1月16日(水)から18日(金)まで長崎NCC&スタジオにて上演される。チケットは10月28日(日)より一般発売開始。取材・文:市川安紀
2012年10月12日“史上初の推理作家”とも言われるエドガー・アラン・ポーを主人公にした映画『推理作家ポー 最期の5日間』が10月12日(金)から公開される前に、本作を手がけたジェームズ・マクティーグ監督がインタビューに応じた。その他の写真本作は、『黒猫』『モルグ街の殺人』『盗まれた手紙』などの著作を発表し人気を得るも、1849年に謎の死を遂げたポーが、彼の小説を模倣して殺人を繰り返す犯人と頭脳バトルを展開するフィクションだ。これまでアラン・ムーアの人気コミックを映画化した『Vフォー・ヴェンデッタ』や『ニンジャ・アサシン』などハイテンションなアクション演出で好評を集めてきたマクティーグ監督だけに、謎が謎を呼ぶサスペンス要素がたっぷりとつまった本作も「ひとつのジャンルに固執するのはイヤだった。この映画はサスペンスや謎解きの要素はあるけど、アクションやスリラーでもあるんだ。だから俳優たちにはあえて『謎解きに気をとられずにストレートに役柄を演じてくれ』と伝えたんだ」と振り返る。そんなリクエストを受け、徹底的にリサーチを重ねて伝説の推理作家を直球勝負で演じたのは、ジョン・キューザック。アート映画から超大作まで幅広いジャンルで活躍する名優だ。「僕はずっとジョンのファンだったんだ。彼はとても頭がいい人だから、ポーを描く際にはジョンの“知性”が必要だった。難しい役柄ではあるけど、彼には現場でたくさんアイデアを出してもらったよ」。劇中でポーは、自身の想像力が現実の殺人につながってしまうという事態と向き合い、模倣犯と対決する。「僕も過去にはダークでバイオレントな作品もつくってきたけど、その影響はアーティストにとって計り知れないことだ。すべての芸術家は現実の環境から逃れることはできないし、僕はそのことで責任が問われるとは思わないな」。ちなみに監督がこう語るのには理由がある。彼の初監督作『Vフォー・ヴェンデッタ』に登場したテロリスト、ガイ・フォークスのマスクは現在では、国際的なハッカー集団”アノニマス”のシンボルとして全世界で知られているからだ。「僕はアノニマスの一員じゃないよ!」と豪快に笑うマクティーグ監督は「個人的にはあのマスクを被って抗議しているのはいいことだと思っている。あの映画の大切なメッセージは”なぜ人は反逆を起こさなければいけないのか?”だったからね。あのマスクの権利をとっておけば今ごろ大儲けできたのに!とは思うけど」と笑顔を見せる。自身が手がけた映画が現実の世界に影響を与えてしまったマクティーグ監督が、自身の想像が生み出した殺人トリックに立ち向かう推理作家ポーの物語を描いたことは少し奇妙な偶然ではないだろうか。『推理作家ポー 最期の5日間』10月12日(金) 全国ロードショー(C)2011 Incentive Film Productions LLC. All rights reserved.
2012年09月27日1849年10月7日、ひとりの作家が不可解な言葉を残してこの世を去った。ゴシック風の怪奇・幻想小説などで一世を風靡し、世界初の推理作家として名を刻む孤高の作家、エドガー・アラン・ポー。彼の最期の5日間を軸に、夭逝した若き天才作家の死にまつわる謎を解き明かす映画『推理作家ポー 最期の5日間』の日本公開が決定!そのスリリングでミステリアスな予告編と最新ポスタービジュアルが到着した。現在も謎に包まれている、ポーの死の真相と最期の日々。本作では史実を基にして、19世紀半ばのアメリカ・ボルティモアを舞台に、ポーと彼に魅せられた小説模倣犯の命を賭けた5日間の壮絶な戦いが描かれる。「アッシャー家の崩壊」、「モルグ街の殺人」など数多くの名作を世に残した彼の功績は、没後160年の年月を経たいまもなお語り継がれており、コナン・ドイルや江戸川乱歩、そしてティム・バートンなど、世界中の推理小説や映像エンターテインメント、果ては音楽にまで影響を与えている。そんな偉大なる作家・ポーを演じるのは、ミドルエイジの渋みを効かせるジョン・キューザック(『シャンハイ』)。彼と一緒に連続殺人鬼に挑む刑事・エメットには『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』のアラミス役が記憶に新しい注目若手俳優ルーク・エヴァンス。『シャーロック・ホームズ』のホームズとワトソン博士に負けぬコンビネーションを見せる。さらに、ポーの美しき婚約者・エミリーを新進女優のアリス・イヴ(『メン・イン・ブラック3』)が演じる。今回、解禁となった予告編では、自身の著した推理小説になぞらえた殺人事件の連続、さらに恋人・エミリーを奪われ、翻弄されるポーの姿が!犯人を追い詰め激化するポーと犯人の息もつかせぬ攻防戦の一幕が確認できる。また、ポスターにはポー、エメット、エミリーの3人の後ろに飛び立った鳥の影が落ち、不吉な黒い羽が舞い散っているが、果たして黒い影は何を意味しているのか?「この謎を解けるか?」という、目に見えぬ犯人の声はまるで観客に向けられているかのよう。命を賭けた5日間の頭脳ゲームにあなたはついてこられるか!?『推理作家ポー 最期の5日間』10月12日(金)より全国にて公開。※こちらの映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:推理作家ポー 最期の5日間 2012年10月12日より全国にて公開© 2011 Incentive Film Productions, LLC. All rights reserved.
2012年07月27日“史上初の推理作家”とも言われるエドガー・アラン・ポーの謎の死をモチーフにしたミステリー映画『推理作家ポー 最期の5日間』の予告編映像がこのほど公開された。『推理作家ポー 最期の5日間』予告編ポーは、1809年生まれの米国人作家。『黒猫』『モルグ街の殺人』『盗まれた手紙』などの著作を発表し人気を得るも、1849年に謎の死を遂げている。映画は、今もなお解明されていない彼の死をモチーフにしたフィクションで、ポーと、彼の小説を模倣して殺人を繰り返す犯人の頭脳バトルを描く。ポーを演じるのは『2012』のジョン・キューザック。また『三銃士~王妃の首飾りとダヴィンチの飛行船』のルーク・エヴァンスや、『メン・イン・ブラック3』のアリス・イヴが出演する。このほど公開された予告編は、物語の概要を手際よく紹介しながら、物語の舞台となる1849年のアメリカ・ボルティモアの影のある風景と、登場人物たちの迫真のドラマの一端を垣間見ることができる内容。見るもおぞましい死体、本作の原題にもなっている“不吉なカラス(Raven)”、ポーの婚約者エミリーに迫るの魔の手など、物語を盛り上げる要素も数多く差し込まれており、ダイナミックな映像と、先の読めない謎解きの両方が楽しめる予告編になっている。『推理作家ポー 最期の5日間』10月12日(金) 全国ロードショー
2012年07月27日作家・映画監督・ミュージシャンと多彩な表情を持つ辻仁成が音楽劇に挑戦。自ら脚本、楽曲を書き下ろし、演出を手がけた音楽劇『醒めながら見る夢』が16日、東京グローブ座で幕を開ける。今年デビュー10周年を迎えたCHEMISTRYの堂珍嘉邦が、初舞台にして主演を務めることにも注目だ。前日の公開リハーサルで行われた会見では、辻が「最初は正直、不安でしたが激しい稽古をした成果は出ていると思う。手応えはすごくあります」と自信のほどを見せると、堂珍も「自分がこれまで出したことのないものをこの舞台では出せると思う。新しい発見がきっとあります」と力強くうなずいた。『醒めながら見る夢』チケット情報作曲家のユウジ(堂珍)と歌手志望のアキ(村川絵梨)、愛しあうふたりの姿が綴られた物語だ。しかしその世界はどこか現実味に乏しく、幸福の絶頂にいるはずのふたりの間には、つねに謎めいた不安定な空気が流れる。やがてユウジが失ったものの存在、ひたむきに取り戻そうとする愛の意味が明らかになっていき……。辻が「根性がある。スターが生まれる瞬間に立ち会えて光栄」と絶賛する堂珍は、壊れかけた心を持つユウジのナイーブさを真摯に体現。劇中歌では甘く透き通った声でその心情を見事に増幅させる。村川の真っ直ぐな言葉と演技が好印象で、ふたりの愛の純粋さ、はかなさを際立たせていた。辻は当初「笑って泣けるコメディ」を準備していたが、東日本大震災の後に脚本、楽曲をすべて書き直したという。「復興に向かっている今、日本人にとって何が大事かを考えました。つらい経験を乗り越えていく人間の強さ、命の尊さを描き、勇気を与えられるようなものを作りたかった。皆が忘れがちになっている未来や希望をもう一度、取り戻せるように」。苦悩するユウジの背中を優しく押し出すアキの言葉には前向きな希望の光が、情感あふれるメロディにはシンプルでいて強く、あたたかい愛のメッセージがこもる。いつまでも胸に残るそのフレーズをぜひ劇場で確かめて、持ち帰ってほしい。公演は9月16日(金)から25日(日)まで東京グローブ座にて上演後、10月10日(月・祝)長崎市公会堂にて、10月14日(金)広島市文化交流会館にて、10月15日(土)福岡・キャナルシティ劇場にて、10月21日(金)から23日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて行われる。チケットは発売中。取材・文上野紀子
2011年09月16日大奥や吉原など女性の世界に興味津々「時代劇はあんまり得意じゃない」という女性も、最近はテレビドラマや映画で見る機会が増えているのでは?時代劇では身分や困難な事情を乗り越えて結ばれた恋人たちも描かれています。女性の視点で「読みたい時代劇」は何なのか、20代の女性467名に聞いてみました。>>男性編も見るQ.読んでみたい時代劇マンガは?(複数回答)1位『JIN-仁-』42.1%2位『大奥』33.9%3位『バガボンド』23.0%4位『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』21.5%5位『さくらん』13.7%■『JIN-仁-』派は……・「ドラマが面白かったし、医学に関心があるので勉強にもなる」(28歳/学校/研究開発)・「テレビでもすごく話題になっていたので、原作のマンガがとても気になる。現代の医療が江戸でどこまで通じるのかなど、設定も興味深いから」(26歳/官公庁/医療系専門職)・「ただ単に面白いだけではなく、ストーリー展開や主人公の思いの強さがどう表されているのか読んでみたいから」(26歳/生保/営業)■『大奥』派は……・「大奥って、どんな世界なのか興味ある。あと、女性の物語が好き。やっぱり恋愛に関することが読みたいから」(22歳/商社/営業)・「華やかでありながら陰湿さもある世界を見てみたい」(23歳/福祉/営業)・「映画を見て、独特の世界観にひかれたから」(27歳/公益法人/企画開発)■『バガボンド』派は……・「『SLAM DUNK』が面白かったので、気になる」(24歳/医療/医療事務)・「以前テレビで作者のドキュメンタリー番組を見たので、とても読みたいと思った」(24歳/人材派遣/財務)・「宮本武蔵が好きだから」(23歳/建築/総務)■『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』派は……・「昔読んでいたが、ストーリーを忘れてしまったのでもう一度読んでみたい」(25歳/アパレル/販売)・「作品名や人気があったことは知っているが、読んだことがなく興味がある」(25歳/医療/サービス)・「結構ありえない技をどうやって表現するのか興味があるから」(23歳/官公庁/財務)■『さくらん』派は……・「時代劇ものや女性特有の人間関係がモデルになっているものは面白そうだから」(24歳/金融/事業開発)・「女性ならではのストーリーがあるから」(25歳/小売/販売)・「映像化されたものが面白かった」(27歳/コンサルティング/マーケティング)■他にも読みたい時代物は……・『銀魂』:「銀さんがかっこいい!! 土方と沖田もかっこいい」(26歳/生保/金融系専門職)・『へうげもの』:「文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞していたから」(24歳/マスコミ/営業)・『お~い!竜馬』:「今年、NHK大河ドラマの『龍馬伝』が流行ったから」(24歳/ IT/ SE)総評1位は男性と同じく、テレビドラマで高視聴率をキープした『JIN-仁-』。時代劇というだけではなく、最近注目の“医療系マンガ”としても興味を持っている人が多いようです。2位は少女マンガということもあり、男性編ではランク外だった『大奥』。二宮和也さん、柴咲コウさん主演による映画化で話題を集めた“男女逆転”大奥の物語が、知られざる世界に興味津々の女性の関心を引き寄せました。『さくらん』は男性誌での連載作品ながら女性に人気のマンガ家・安野モヨコ氏の作品であり、『大奥』同様、知られざる世界の遊郭を取り上げていることから見事5位にランクイン。時代劇に描かれた世界で、同性である女性たちがどんな思いで暮らしていたのか、女性はそんなところに興味を持ったようです。(文・塩澤真樹/C-side)調査時期:2010年11月25日~12月6日調査対象:COBS ONLINE会員調査数:女性467名調査方法:インターネットログイン式アンケート■関連リンク映画などのエンタメに関するコンテンツは『コブタメ』でCHECK!!【女性編】原作(マンガ)よりも面白かったドラマランキング(2000年代編)【女性編】名作と思える少女漫画ランキング完全版(画像などあり)を見る
2011年01月05日