古田新太マイホームパパ、銀行員、象やカワウソetc……演じることができない役はないというくらい、さまざまなキャラを演じてきた古田新太。演技に対する考え方、自身が語った“60歳定年”の真相など人気俳優のウラ側に迫ります!古田流・子役との向き合い方「もともと『デトロイト・メタル・シティ』が大好きで、この原作も知っていました。だけど漫画の内容が内容なだけに、どこまで再現するのかなと……」ニヤリと笑いながら、こう話すのは、古田新太(56)。映画でもヒットした『デトロイト・メタル・シティ』で知られる、若杉公徳の人気漫画を実写化した映画『KAPPEI カッペイ』で古田は、伊藤英明演じる主人公・勝平らを指導する師範役で出演している。山本耕史、小澤征悦、大貫勇輔ら個性派スターが作品をにぎわせている中でも異彩を放っている彼。現場でのウラ話から、自身が考える役者像まで語ってもらいました!「大人キャストは古い知り合いばかりだから楽しみにしていたけれど、残念ながら現場では彼らとほとんど会えずじまいでした」師範の出番は少年たちの特訓シーンが中心で、撮影は大半が子役相手のスタジオ収録。現場ではさぞ子どもたちに懐かれたと思いきや─。「おいらは子役が苦手で……」と歯切れが悪い。「話が通じないじゃないですか。ちょっと優しくすると大人はみんな子どもが好きなんだと思って調子に乗る。だから距離を取ります。現場ではほぼしゃべらないですね(笑)」とは言うものの、撮影時は子役たちに助言を与えるなど、映画同様、よき師範の一面も。「子どもに役の気持ちがどうこう言っても通じない。だから彼らにはテクニック的なことだけ伝えます。例えば間の取り方にしてもそう。こっちのセリフが終わった途端すぐしゃべろうとするから、“そうじゃない、セリフを言う前にまず一度大きく息を吸いなさい”と教えます。その結果、自然と師範の前で緊張している演技になるんです。そこまでいちいち子どもに説明はしないけど、勉強にはなっているんじゃないですか。実際喜ばれますよ、いい子役にはね(笑)」出る限りは絶対に面白くしたいシリアスからコメディーまで出演作のジャンルは広く、軽妙な演技で存在感を大いに放つ。自身が魅力を感じる役は?と聞いてみると、「そういうのはもうないです。若いころはイキがって“殺人犯とか悪役しかやりたくねぇよ”なんてほざいてたこともあリましたけど“こういう役をやりたい”と言ってる限り偏っちゃう。30歳を過ぎたころから“何でもやりますよ”というスタンスになって、そうしたら思いもかけなかったような役がくるようになりました。そのほうが面白いですね。マイホームパパ役なんてのも結構楽しかったりするし(笑)」マイホームパパに銀行員、女装家の教師、果ては象やカワウソ(!)まで、これまで演じてきた役は実に幅広い。その演技論は、独特のものだ。「どんな役も演じるうえではあまり変わらないです。だいたい象がどんな気持ちでしゃべっているかなんてわからないから、役作りなんてものはない。結局のところ象やカワウソも擬人化しているわけだから、そいつの中できちんと理屈が通っていればいい。重要なのはどこに納得するかということ」作品を選ぶ基準は「スケジュールが合うかどうか」で、どんな役もイヤとは言わず、オファーがあれば引き受けるという。役者としてのキャパがなければ到底なしえないスタンスだ。「ただ出る限りは絶対に面白くしたいという気持ちがあるから、どんな台本でも面白くする努力はします。大切にしているのは、監督や相手役とのコミュニケーション。それはおいらがもともと舞台出身だからというのもあります。舞台の場合は何か月かの稽古の中で、相手役がこうきたから自分はこういこうと芝居を作っていく作業になる。でも映像は、撮影開始の段階で台本が最後までできていないこともあるわけです。初めは戸惑いました(笑)」無類の酒好きでも知られ、飲酒は毎日欠かさずに仕事が終われば即晩酌タイム。「早く終わって早くお酒が飲みたいから、現場では監督の言うことをひたすら聞きます。監督は自身の思い描く作品を作ろうとしているわけで、それにみんながきちんと倣えば早く終わるはずだから(笑)」しかし今のご時世は自粛続きで、酒飲みにとってはかなりつらいものがあるのでは?「最近はもっぱら家で、ニュースを見ながら飲んでます。おいらは飲めさえすればどこでもいい。会食だとか仲間と飲みに行くのも全然興味がないから何も困らないんです。飲みに行っていたときもカウンターにひとりで座って飲んでるだけ。そうすると近くのテーブルで飲んでいる人たちが話す、いろいろな情報が耳に入ってくるわけです」そこでの時間は役者として大切な糧にもなるという。「役者仲間やスタッフと飲みに行くとどうしても作品の話になるじゃないですか。それより“社長の考え方が本当に腹立つんだよ”なんて話を聞いてるほうが面白い。役者は普段台本を読んで役の気持ちを想像しているだけで、実際のところはわからない。こういうことを考えているんだなとか、いい取材になります」定年後も枯れた演技はしたくない役者としての原点は、中学時代に映画館で見た『ロッキー・ホラー・ショー』。あれから数十年の時を経て、今では自身の代表作のひとつとして知られるように。今春には5年ぶりに主役のフランク・フルターを演じ、話題を集めた。ここでも座長として面倒見のよさを発揮している。「コメディーだからセリフのどこがお客さんに届けば笑いがくるかという計算が必要になってくるんです。ただキャストの中にはこういう芝居に慣れていない人も多いから、普通にセリフをしゃべってもダメなんだと教えてあげる。例えばツッコミの場合は出だしを強く発しなさいと。“どんだけ!”なら“D”を強調しろと教えるんです。彼らもそれで“ウケました!”なんて喜んでいて、われながらいい先輩だと思います(笑)」黒ガーター&ストッキングの妖艶な姿で圧倒的なカリスマ性を見せつけてきたフランク・フルターだが、演じるのはこれがラストだという。「最終的には日本版『ロッキー・ホラー・ショー』みたいなミュージカルをやってみたいという気持ちがあって。ロッキーやジャネットではなく、カズオやヤヨイが出てくるような(笑)。それでいてスピーディーで、カッコいい音楽があって、意味はわからないけど楽しかったと思えるような作品ができたらなと。そういうミュージカルがつくりたくてずっと劇団☆新感線にいますが、なかなか実現には至りませんね。だからといって『ロッキー・ホラー・ショー』をやっていたら本末転倒なんだけど(笑)」かねてから「60歳で役者定年」を公言してきた。現在56歳で、残すところあと4年。定年延長が望まれるが……。「劇団☆新感線の舞台は体力勝負。3時間超えは当たり前で、しかも落ち着いたシーンが一切ない。コメディーのセリフは出だしが大切で、どんどん上からかぶせていくからどんどんスピードが速くなる。その分体力が消耗していくわけです。あれだけのナンバーを歌って踊ってズッコケてツッコんで、というのはもういいかげんキツいですよ。メインでガツガツやる役は、そろそろフェードアウトしていけたらと。そうなると、せいぜい60歳までかなと思っていて……」では古田が描く“定年後”にはどんな役に取り組むのか?「セカンドとかサードの役、お爺さん役ならイケるかななんて考えてもみるけれど。でも枯れた演技はしたくない。渋いお爺さんというのも喜劇人としてはアリだけど、できれば伊東四朗さんみたいになりたくて。伊東さんはいまだに楽屋に来て“僕にも仕事ちょうだいよ”なんて普通にふざけますから。ああいうチャーミングな先輩になりたい。いつまでも“ニン!”なんてやっていたいですよね(笑)」“バンドTシャツ”、持っている枚数は200枚しかし現在も映画にドラマ、舞台と引っ張りだこ。その振り切った演技はまず映画『KAPPEI カッペイ』で。自身の見どころを聞くと……。「おいらの出番はすべてくだらないシーンばかり。子どもたちを特訓しながら、キャバクラに行ったりしますから(笑)。小澤君いわく、師範は短いながら回想シーンに、やたらちょくちょく出てきてそれが腹が立つんだと。みなさんもぜひ劇場で大いに腹を立ててほしいですね(笑)」●古田といえば“バンドTシャツ”取材日も着ていたのはアメリカのバンド『レッド・ホット・チリ・ペッパーズ』のTシャツ。最近整理したというが、「持っている枚数は200枚くらいかな。奥さんからは“着ないものは捨てなさい”って言われるけど、全部着るんだから!」『KAPPEI カッペイ』1999年7月、世界は滅亡を迎える─。ノストラダムスの大予言を信じ、乱世の救世主となるべく人里離れた地で修行に明け暮れる少年たち。しかし気づけば時は2022年。世界は滅亡の気配をみせず、師範はみんなに“解散”を告げる。その半生を修行に捧げてきた男たちは、右も左もわからぬまま大都会に放たれ……。3月18日(金)より全国東宝系にて公開。古田新太(ふるた・あらた)’65年12月3日生まれ。’84年に劇団☆新感線の『宇宙防衛軍ヒデマロ』に出演し、以降劇団の看板役者に。舞台以外の映画やドラマなどにも精力的に出演し活躍中《取材・文/小野寺悦子》
2022年03月14日山田涼介(Hey! Say! JUMP)と芳根京子の最強タッグで贈る4月新ドラマ「俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?」に、大橋和也(なにわ男子)、西田尚美、古田新太が出演することになった。キュンとすることが難しい、不器用な大人2人の遅すぎる初恋を描く本作。丸谷康介(山田さん)と真田和泉(芳根さん)が働くビールメーカーで、仕事ぶりを買われて関西支社から本社の営業1部に異動、山田さん演じる康介の後輩となる一ノ瀬圭役には、歌だけでなくバラエティー番組にも引っ張りだこの人気アイドルグループ「なにわ男子」の大橋和也が決定。裏表のない人懐っこい性格で康介を尊敬してやまない一ノ瀬だが、元気ハツラツでさわやか、誠実なキャラクターは、図らずも康介の“可愛い”を脅かす存在に…!?事務所の先輩・山田を脅かすキャラクターを演じるにあたり、「“僕でいいんかな!?”と思いました」という大橋さんだが、「(大西)流星(なにわ男子)の可愛さをマネしようかなって思っています(笑)。でも一ノ瀬は、あざと可愛いというより元気で可愛い人物だと言われたので、皆さんに愛されるよう元気よく演じたいです」と念願のドラマ出演に気合い十分で、フレッシュな若手社員を体現する。西田尚美が山田涼介の上司に!また、康介の上司で、ビールメーカーの営業1部部長・山室つかさを演じるのは、数々のドラマや映画、舞台などで幅広いキャラクターを演じることに定評のある西田尚美。「キレイな山田(涼介)くんに消費期限がくるという設定がすごく面白いですよね。今後どういう展開が待っているのか、会社の中でどんな人間関係が見えてくるのか…本当に楽しみです」と語る西田さんは、営業部のエースとして活躍する康介を若手社員・和泉の教育係に任命する敏腕上司を演じる。キラースマイルでクライアントを虜にする康介に何やら思うところがありそうなつかさだが、どうやら彼女も過去に「可愛い」の消費期限を身をもって経験したことがあるようで…!?「今後どういう展開が待っているんだろう、そして会社の中でどんな人間関係が見えてくるんだろう…と、楽しみなことが多いですね。でも、いま一番楽しみなのは、(古田)新太さんが演じる謎のおっさんとの絡みです(笑)」と西田さん。神出鬼没!古田新太は謎のおじさんに「劇団☆新感線」の看板俳優で、ドラマや映画、さらにはバラエティー番組でも活躍する名優・古田新太が物語のキーマンとなる“おっさん”役を演じる。この人はいたるところに現れ、康介の可愛さに悶える謎多き人物です。一体“おっさん”はなぜ康介につきまとうのか…その謎は第1話で明らかになる。ドラマ「左目探偵EYE」(2010)以来、山田さんと12年ぶりに共演することについて「久々なので、いま山田がどうなっているのかが楽しみ」と期待をのぞかせつつも、「このドラマはとにかく山田が可愛い!おいらは…皆さんをガッカリさせてやりますよ(笑)!」と、役柄同様に謎めいたコメントを残している。第1話あらすじビールメーカーの新商品発表イベント会場のステージで、カメラのフラッシュを一身に浴びている男――丸谷康介(山田涼介)、29歳。彼は生まれながらの「可愛さ」を武器に、勉強も仕事も恋も、求められれば120%完璧に打ち返してきた。さらに、取材まで受けることになった康介が大急ぎでエレベーターに向かうと、たまたま乗り合わせたおっさん(古田新太)が、康介の顔を見るやいなや「超絶可愛い!」と悶え始める。しかし次の瞬間、そのおっさんは切ない表情を浮かべて立ち去ってしまう…。翌朝、自信と余裕を取り戻し、さっそうと出社した康介は、所属する営業1部の部長・山室つかさ(西田尚美)から、異動してきた若手社員・真田和泉(芳根京子)と一ノ瀬圭(大橋和也)を紹介される。無表情で不愛想、無口と3拍子揃った和泉の教育係になった康介は、いつもの笑顔で心をつかもうとするが、あっさりスルーされてしまい…?その後、2人を連れて得意先にあいさつに向かった康介だが、一ノ瀬が痛恨のミス!すかさず康介がキラースマイルでフォローするのだが、後日得意先から衝撃の申し入れが…。動揺した康介は、気持ちを落ち着かせようと恋人の森保莉子に連絡するが、追い打ちを掛けるように別れを切り出されてしまう。何かがおかしい――突然人生の歯車が狂い始め、絶望する康介…をこっそり見ているおっさん! そして、“あざかわ”全開で仕事に取り組む康介をさめた目で見ている和泉。果たして、人生の絶頂期から少しずつ転がり落ち始めた康介の運命は…?「俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?」は4月、毎週土曜23:30~テレビ朝日系24局にて放送。(text:cinemacafe.net)
2022年03月06日河原雅彦演出、古田新太主演の伝説のロックミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』東京公演が、2月12日よりPARCO劇場にて開幕した。1973年の舞台初演から間も無く50年。未だカルト的⼈気を誇りファンを熱狂させるロックミュージカルの⾦字塔『ロッキー・ホラー・ショー』(RHS)。2017年上演版では2011年版から6年ぶりに古⽥新太のフランク・フルターが復活。いのうえひでのりからバトンを受け取った演劇界きってのロック狂、河原雅彦が演出を手掛ける。振付をMIKEY(from 東京ゲゲゲイ)が⼿がけ、演奏には⽇本版RHSの伝説“ROLLY”を中⼼に、武⽥真治が参加するなど、新たな要素を盛り込んだライブ感溢れる演出で熱狂を呼んだ“河原版RHS”が、大阪公演、広島公演、北九州公演を経て、ついにラスト東京公演が始まった。マッドサイエンティストのフランク・フルターを演じるのは、もちろん、古⽥新太。5年ぶりのパーティーに、小池徹平、ISSA、ROLLY、武田真治、さらに岡本健一と、これまでのRHSを支えたユニークな実力派キャストたちが集結。加えて昆夏美、フランク莉奈、峯岸みなみとフレッシュな女優陣が初参加と、2022年初頭、清濁合わせ呑むようなキャスト陣で、舞台と客席が一体となる演出もそのままに、新たな「ロッキー・ホラー・ショー」を誕⽣させた。2020年にリニューアルオープンした新⽣・PARCO劇場の、舞台と客席が緊密な空間でさらなる熱狂を呼んでいる。さらに、はまり役でもあった古⽥新太のフランク・フルターは三度⽬にしてなんと今回がラスト。過去の「RHS」キャスト、また今回新たにパーティーに加わるニューキャストが⼊り混じり、フランク・古⽥̶の東京ラストランをめちゃくちゃに盛り上げていく。【東京公演初日オフィシャルレポート】ついに『ロッキー・ホラー・ショー』(RHS)が始まった。1973年から上演されてきたこの作品は観客参加型として有名だ。マスクをして、声出せないコロナ禍の今だが、ペンライトはもちろん、歓声やブーイング、光線銃などの音をボタン一つで鳴らせるボイスストラップなど、参加グッズも工夫されていて、みんなが、思いっきり楽しみながらも“感染症対策に余念がない”…新しい『RHS』の世界を見せてくれた。ピカピカ光るビスチェ姿で登場したフランク・フルター役の古田新太の圧倒的な存在感にワクワク感が止まらない。エロくてキュートな小池徹平(ブラッド)と昆夏美(ジャネット)のバカップルぶりをはじめ、ISSA、峯岸みなみ、フランク莉奈の振り切った変態ぶり。そして、出演者の歌のうまさがあるからこそ、『RHS』のバカバカしい世界がきらめくのだ。とにかく生バンドの音楽がカッコよく、ライブ感がハンパなく盛り上がる。エディ役の岡本健一のロックなシャウト、ROLLYのギターと武田真治のサックスのセッション、東京ゲゲゲイのMIKEYの振り付けの手の動きが特徴的なダンス、全員が入り乱れるフォーメーションダンス……ステージを見ていると自然に体が動き、笑顔になってしまう。心のなかでなら、思いっきり騒いでいい、自由に楽しめるんだということを、劇場にいたみんなが感じたに違いない。「楽しんでるかー」古田新太の声にみんながうなずき、ラストはステージも客席も一体になって名曲『タイムワープ』を踊りまくる。その光景は変態パーティーそのもの!そんなパンキッシュでキッチュなパーティーに巻き込まれ、とにかく元気がでる時間をもらった。この大騒ぎのパーティーがずっと続いてほしいと思う。【ストーリー】友人の結婚式の勢いに乗せられ、自分たちも婚約してしまったブラッド(小池徹平)とジャネット(昆夏美)。ふたりは恩師に報告しようと、嵐の夜、車を走らせていた。しかしタイヤがパンク。助けを求めた彼らは、人里離れた荒野に建つ古い城にたどり着く。困り果てた二人の前に現れたのは、不気味な執事リフラフ(ISSA)と使用人のマジェンタ(フランク莉奈)やコロンビア(峯岸みなみ)たち。その異様な雰囲気に呑まれて戸惑う二人をそっちのけに、城の中ではノリノリのパーティーが始まる。さらに、黒いガーター&ストッキング姿も妖艶な城の主・フランク “N”・フルター(古田新太)が登場。いかにも性倒錯者然の彼は、この城で秘密の実験を行っている科学者であると言う。その実験とは、人造人間を創り出すこと。まさにこの夜は、彼の輝かしい実験が最終段階を迎えようとしていたのだった。困惑する二人にフランクは、人造人間誕生の瞬間に立ち会うよう強要する。誕生したのは…フランク好みの美形の筋肉マン・ロッキー(武田真治)。城の住人たちが成功を喜んでいるところに、今度はつぎはぎだらけの謎の男・エディ(岡本健一)が乗り込んで来る。50年代のロッカー・スタイルでキメたエディだったが、身長が足りないため、あえなくフランクに始末されてしまう。邪魔者は消した。フランクはロッキーに抱かれ、新婚のカップルのように寝室へと消えていく。夜は静かにふけてゆく…はずだったが、ロッキーと寝室に消えたはずのフランクは、いつの間にかジャネットの寝室に押し入り…かと思うと今度はブラッドのベッドに現れ…。混乱したジャネットが城の中をさまよい歩くうちに、フランクから逃げ出したロッキーに出会い…そんなこんなで城の中は愛と欲望の大混戦。ドタバタの騒ぎの中、リフラフが城への侵入者を発見する。広間に誘導されてきたのはスコット博士(岡本健一)。彼はブラッドとジャネットの恩師であり、UFOを研究する科学者であり、なおかつエディの叔父でもあるというサービスぶり。だが、ロッキーをジャネットに盗られて怒り狂ったフランクは、スコット博士をブラッド&ジャネットもろとも捕らえてしまう。3人の運命は?フランクの目的とは?そして執事にしては何か一癖ありそうな、リフラフの正体とは?■公演概要パルコ・プロデュース2022『ロッキー・ホラー・ショー』脚本・作詞・作曲:リチャード・オブライエン演出:河原雅彦翻訳:高橋ヨシキ訳詞・音楽監督:ROLLY振付:MIKEY(from 東京ゲゲゲイ)出演:古田新太小池徹平ISSA昆夏美フランク莉奈峯岸みなみ東京ゲゲゲイTACCHIGENTAP→★UFO武田真治ROLLY岡本健一バンド:Gt:ROLLY吉本匡孝Ba:HOTORIDs:小畑ポンプKey:おおくぼけい(アーバンギャルド)Cho:原田千栄 高仲尚子/ Pf:大塚茜企画・製作:パルコ公式サイト: 東京公演公演日程:2月12日(土)~2月28日(月)会場:PARCO劇場(渋谷PARCO 8F)入場料金: 13,500円(全席指定・税込)U-25チケット:6,500円(観劇時25歳以下対象、要身分証明書、当日指定席券引換 / 「パルステ!」、チケットぴあにて前売販売のみ取扱い)チケットに関するお問合せ:サンライズプロモーション東京0570-00-3337(月~金12:00~15:00)公演についてのお問合せ:パルコステージ03-3477-5858(時間短縮営業中)
2022年02月14日「オミクロン株の急激な感染拡大のため、主催者側は稽古の段階から、出演者やスタッフに“外での飲食はなるべく控えてほしい”と注意喚起していました。ですが、13日からの神奈川公演開始前に公演関係者の陽性が発覚したため、神奈川で予定していた4日間の公演はすべて中止になりました」(演劇関係者)ドラマや映画、舞台で大活躍中の古田新太(56)。現在は主演舞台「ロッキー・ホラー・ショー」のステージに立っている。「73年にロンドンの小劇場で幕を開けた伝説的作品で、熱狂的なファンをもつカルト・ミュージカル。古城を舞台に城主と人造人間、カップルたちの破天荒な愛と欲望を描いたものです。古田さんは2017年に続いて、5年ぶりの登板となります」(前出の演劇関係者)古田はインタビューでこの作品についての思い入れを熱く語っている。「そもそも『R.H.S(ロッキー・ホラー・ショーの略)』みたいなことがやりたくてこの世界に入って、いまだに『R.H.S』みたいなことをやりたいなと思い続けている」(『ローチケ演劇宣言!』21年12月11日付け)しかし、主演の古田は、主催者側の注意もどこ吹く風だという。「古田さんは神奈川公演が中止になる前も後も飲みに出歩いているようです。飲み歩きは彼の“ライフスタイル”だそうです」(芸能プロ関係者)■「お酒、たばこ、芝居、どれも辞める気がない」そんな古田は19日放送の『突然ですが占ってもいいですか?SP』(フジテレビ系)に出演した際、ポリシーとして携帯電話を持たない理由をこう語っていた。「本当に縛られるのがイヤで。誰かに呼び出されるとかが面倒くさい」と打ち明け、一度携帯電話を事務所に持たされたエピソードを告白。「まだ大阪にいる頃で、関西テレビに入ろうと思ったら電話鳴って。『はい』って言ったら『大丈夫ですか?』って(マネージャーに)言われてムカッとしてパーンと捨てた。いるんだもん、テレビ局の前に。そんなことのためにコレ(携帯)を持つのか俺は…と思って」それ以降、携帯嫌いに拍車がかかり、二度と持つことをやめたというのだ。前出の舞台関係者は言う。「古田さんは典型的な職人気質の役者さんなんですよね。自らのライフスタイルにこだわりが強いんです。今回の舞台で、神奈川公演の中止後も古田さんが飲みに出歩いているという話が主催者側に伝わり、“本当に勘弁してください。舞台はこれからなんですから”と懇願されたそうです。どれだけ古田さんの心に響いているのか…」1月6日、『日刊スポーツ』のインタビューで古田は「(大好きな)芝居とお酒とたばこの中ならどれを選ぶか?」と聞かれ、キッパリこう語っている。「どれかを選ばないとってなったら、死にます。ハイ。お酒、たばこ、芝居、死ぬだったら、死ぬを選びますね。どれも辞める気がないので」主演舞台は1月29日、30日は広島、2月は北九州、東京で開催される。無事、完走できることを切に願うばかりだ。
2022年01月29日カルト的人気を誇る名作にして、近年では主人公のフランク・フルター役に古田新太を迎え、2011年、17年と上演されてきた『ロッキー・ホラー・ショー』(以後RHS)。そして来年、フランク・フルターならぬフランク・古田ーが、三度目にしてラストとなるRHSのステージに降臨する。「RHSみたいなことがやりたくてこの世界に入って、いまだにRHSみたいなことをやりたいと思っているんです」と切り出す古田。彼にとってそれほど特別な作品である理由とは?「ピクチャーショー(1975年の映画)はいまだに見ますから。やっぱり(脚本・作詞・作曲の)リチャード・オブライエンばかだなぁって思いながら(笑)。だってこんなに頭の悪い話はないですよ。最終的に宇宙人ネタで逃げるんですから、卑怯にもほどがある(笑)。歌って、踊って、お客さん弄って、しかも短め。それも含めて素晴らしい作品だと思います(笑)」11年にはいのうえひでのり、17年からは河原雅彦と、古田に匹敵するRHS好きが演出を手がけてきた。「いのうえさんの演出は、ピクチャーショーに対するリスペクトが前面に出ていた感じ。でもやっぱりライブでやる限りは、お客さん参加型であって欲しいなと。その点リーダー(=河原)は客いじりが大好きな演出家ですから。常にお客さんとどう遊ぼうかってことを考えている。そういう意味で非常に信頼出来ますね」古田の言うように、RHSと言えば超がつくほどの観客参加型舞台。だがそれと非常に相性が悪いのが、このコロナ禍だ。「ね!お客さんに『叫べ!踊れ!』って言えないご時世だからどうしようかなと。リーダーと作戦会議をして、いろいろと企んではいます。お客さんが歌わないで済む参加の仕方はないか?とか。あと最近、“お客さま同士の会話はお控えください”みたいな札を持った場内整理の人がいますよね?ああいうのでなにか遊べないかなとも思っています。やっぱりどこかこの状況を逆手に取らないとね」RHSではおなじみの男性キャストに、フレッシュな女性キャストを加えた、まさにRHS以外では実現し得ない個性的なカンパニーとなった。「初参加は昆(夏美)ちゃんと(フランク)莉奈ちゃんと峯岸(みなみ)さんかな。オイラもリーダーもかわい子ちゃん好きだから、満足満足(笑)。小池徹平とISSAには、『新しく君たちの役を構築しなければいけない』と伝えてますけど、似たようなものになってしまうと思います(笑)」公演は2022年1月13日(木)~16日(日)の横浜公演を皮切りに、大阪、広島、北九州と各地を巡演。その後、2月12日(土)~28日(月)の東京公演にてツアーフィナーレを迎える。取材・文:野上瑠美子
2021年12月01日仮面ライダー50周年記念映画『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』が12月17日(金)に公開される。この度、本作のポスタービジュアルとWEB予告映像、そして劇場版ゲストキャストが解禁となった。現在、毎週日曜日の午前9時よりテレビ朝日系にて放送中の仮面ライダー生誕50周年記念作品『仮面ライダーリバイス』を中心に、半世紀にも及ぶ仮面ライダー史を揺るがす、今までのすべてを超越(BEYOND)した予測不能な物語が今冬誕生。『仮面ライダーリバイス』は、主人公の五十嵐一輝(前田拳太郎)が大切な家族を守るために、一輝に宿る悪魔のバイス(声・木村昴)と契約を結び、一輝は“仮面ライダーリバイ”に、バイスは“仮面ライダーバイス”に変身し、人間と悪魔がバディを組んだ“ひとりでふたり”最強コンビの仮面ライダーだ。解禁となったポスタービジュアルで、まず目に飛び込んでくるのは、圧倒的な存在感を放つ仮面ライダーセンチュリーの姿。2071年の未来で誕生した敵か味方かもわからない、“謎多き仮面ライダー”。1971年に誕生した仮面ライダー1号の解剖図を、そして現代である2021年の仮面ライダーセイバーと仮面ライダーリバイスらを、まるで仮面ライダーの歴史を切り割くかのように破る姿が衝撃的なビジュアルとなっている。さらによく見ると、切り裂かれた破片には、仮面ライダーゼロワンや仮面ライダーBLACK RX、仮面ライダーウォズなど、様々な仮面ライダーのクレスト(紋章)が。どの仮面ライダーのクレストが映っているのか、皆さんの目で確かめていただきたい。そしてコピーの「未来、襲来」の“未来”とは、仮面ライダーセンチュリーのことを指しているのか…まだまだ全貌は見えない本作に期待したい。そして、本作の主題歌がTVシリーズも担当する、Da-iCEによる『Promise』に決定。12月17日配信開始、12月22日発売のCD『liveDevil』にも収録される。またWEB予告映像では、まず2071年の様子が映し出される。現代とは異なり、悪魔に支配され、荒廃した世界だ。そこに2021年からやってきたという、仮面ライダーセンチュリー。以前より解禁されていたビジュアルとは様子が違い、禍々しさを感じる。仮面ライダーリバイス、仮面ライダーセイバー、仮面ライダーブレイズらに襲い掛かる描写も見られ、彼はなぜ戦うのか、目的は一体何なのか。終盤では一輝、大二、さくら、バイス、さらに仮面ライダーセイバーの剣士たちが集結。「絶対に帰ってきて」「明るい世界のためにこの世界を守り抜くんだ」と、文字通り“100年にわたる壮大な物語が始まる”ことが予感される。そして世代を“ビヨンド”して、仮面ライダースーパー1、仮面ライダーZO、仮面ライダーアギト、仮面ライダーフォーゼら、今年10周年~40周年を迎えた数々の仮面ライダーをはじめ、平成、令和を代表する仮面ライダークウガ、仮面ライダーゼロワンと、数々のレジェンドライダーが集結。そこに立ちはだかるのは仮面ライダー王蛇や仮面ライダーエターナルら、ダークライダーの大群。仮面ライダーの歴史を賭けた壮大な戦いはどの様な結末を迎えるのだろうか。なおゲストキャストである百瀬龍之介・秀夫親子を演じ『仮面ライダー』作品に初の出演となる、中尾明慶と古田新太からのコメントは以下の通り。<百瀬龍之介役・中尾明慶>お話をいただいた時は、自分が特撮の世界に呼んでいただけるとは考えた事もなくまさか自分が!?という感じでした。このチャンスを逃すと、もう出演できる機会はないと思い、是非やらせて下さいという気持ちでいっぱいでした。現場では特撮ならではの初めて経験することも多くあり、とても勉強になりました。息子とふたりで映画館に行こうと思います。<百瀬秀夫役・古田新太>おいらが小学校1年生の時にそれは始まった。センセーションだった「変身」これはもうエポックだった。それまでのヒーローは宇宙人かロボットだった。カッコ良かったなぁ、もう50年も経つのか。そりゃ年もとるはずだ。しかしライダーに出演することで『ロボコン』『スーパー戦隊』と、東映特撮、3本制覇だぜ。映画『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』12月17日(金)より公開
2021年11月24日ロックミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』が東京、大阪、広島、福岡で順次上演される。演出は河原雅彦が、主演は古田新太が務める。なお2022年1月13日(木)から1月16日(日)に開催予定だった神奈川公演は中止。ロックミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』とは?『ロッキー・ホラー・ショー』は、1973年に初演された“カルト的”人気を誇るロックミュージカルの金字塔。嵐のために車が使用できなくなってしまった1組のカップルが、助けを求めて訪れた古い城で過ごす“狂乱の夜”を描いた作品だ。河原雅彦×古田新太で再演日本では、2011年にいのうえひでのり、2017年に河原雅彦の演出により上演された。そんなロックミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』が、2017年版の演出を手掛けた河原と2011年版から主演を務めている古田新太が再びタッグを組み、上演されることに。小池徹平・ISSA・ROLLY・岡本健一も再集結共演にも小池徹平、ISSA、ROLLY、武田真治、岡本健一といったこれまでの『ロッキー・ホラー・ショー』を支えたユニークな実力派キャストが再集結する。<登場人物>ブラッド(小池徹平)…友人の結婚式の勢いに乗せられ、恋人・ジャネットと婚約してしまう。恩師に婚約報告をしようと出かけるが、嵐のために車が使用できなくなり、人里離れた荒野に建つ古い城にたどり着く。ジャネット(昆夏美)…ブラッドの婚約者フランク “N”・フルター(古田新太)…城の主リフラフ(ISSA)…フランク “N”・フルターに仕える執事マジェンタ(フランク莉奈)…使用人コロンビア(峯岸みなみ)…使用人ロッキー(武田真治)…人造人間エディ(岡本健一)…城に乗り込んでくる謎の男スコット博士(岡本健一)…ブラッドとジャネットの恩師であり、UFOを研究する科学者。エディの叔父でもある。振付に東京ゲゲゲイ・MIKEY、訳詞・音楽監督にROLLY振付は東京ゲゲゲイのMIKEYが、訳詞・音楽監督はミュージシャン・ROLLYが続投する。なお、古田新太が『ロッキー・ホラー・ショー』でフランク “N”・フルター役を演じるのは今回がラストとなる。公演概要パルコ・プロデュース2022『ロッキー・ホラー・ショー』脚本・作詞・作曲:リチャード・オブライエン演出:河原雅彦翻訳:高橋ヨシキ訳詞・音楽監督ROLLY振付:MIKEY(from 東京ゲゲゲイ)出演:古田新太、小池徹平、ISSA、昆夏美、フランク莉奈、峯岸みなみ、東京ゲゲゲイ、武田真治、ROLLY、岡本健一、ほかバンド:Gt ROLLY 吉本匡孝、Ba HOTORI、Ds 小畑ポンプ、Key おおくぼけい(アーバンギャルド)、Cho 原田千栄 高仲尚子、Pf 大塚茜<横浜公演・中止>※2022年1月13日(木)~1月16日(日)を予定していたが中止となった。会場:KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉入場料金:S席 12,500円、A席 9,000円、U-25チケット 6,500円(観劇時25歳以下対象、要身分証明書、当日指定席券引換/「パルステ!」、チケットぴあにて前売販売のみ取扱い)※未就学児の入場不可※営利目的の転売禁止※全席指定一般発売日:2021年11月27日(土)チケットに関する問い合わせ先:サンライズプロモーション東京TEL:0570-00-3337(月~金12:00~15:00)公演についての問い合わせ先:パルコステージTEL:03-3477-5858(時間短縮営業中)<東京公演>上演期間:2022年2月12日(土)~2月28日(月)会場:パルコ劇場(渋谷パルコ 8F)入場料金:13,500円、U-25チケット 6,500円(観劇時25歳以下対象、要身分証明書、当日指定席券引換/「パルステ!」、チケットぴあにて前売販売のみ取扱い)※未就学児の入場不可※営利目的の転売禁止※全席指定一般発売日:2021年11月27日(土)チケットに関する問い合わせ先:サンライズプロモーション東京TEL:0570-00-3337(月~金12:00~15:00)公演についての問い合わせ先:パルコステージTEL:03-3477-5858(時間短縮営業中)<大阪公演>上演期間:2022年1月20日(木)~1月23日(日)会場:森ノ宮ピロティホール入場料金:13,800円※未就学児の入場不可※営利目的の転売禁止※全席指定一般発売日:2021年12月12日(日)10:00問い合わせ先:キョードーインフォメーションTEL:0570-200-888(11:00~16:00※日祝は休業)<広島公演>上演期間:2022年1月29日(土)・1月30日(日)会場:上野学園ホール入場料金:12,000円、U-25チケット 6,000円(当日指定・要年齢証明書)※未就学児の入場不可※営利目的の転売禁止※全席指定一般発売日:2021年11月27日(土)チケットに関する問い合わせ先:・TSS事業開発部 TEL 082-253-1010(平日10:00~17:00)・キャンディープロモーション TEL 082-249-8334(平日11:00~15:00)<北九州公演>上演期間:2022年2月4日(金)~2月6日(日)会場:北九州芸術劇場・大ホール入場料金:12,000円、U-25チケット 6,000円(25歳以下対象・当日座席指定券と交換・要身分証明書)※未就学児の入場不可※営利目的の転売禁止※全席指定一般発売日:2021年11月27日(土)問い合わせ先:ピクニック チケットセンターTEL:050-3539-8330(平日12:00~15:00)
2021年10月23日河原雅彦演出、古田新太主演のミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』が2022年1月13日(木)より、KAAT神奈川芸術劇場(ホール)とPARCO劇場で5年ぶりに再演されることが決定した。1973年の舞台初演から間も無く50年。未だカルト的⼈気を誇りファンを熱狂させるロックミュージカルの筋字塔『ロッキー・ホラー・ショー』。2017年上演版では2011年版から6年ぶりに古田新太のフランク・フルターが復活。いのうえひでのりからバトンを受け取った演劇界きってのロック狂、河原雅彦が演出。振付をMIKEY(from 東京ゲゲゲイ)が手がけ、演奏には日本版『RHS』の伝“ROLLY”を中心に、バンド「女王蜂」、武田真治が参加するなど、新たな要素を盛り込んだライブ感溢れる演出で熱狂を呼んだ。この“河原版RHS”が5年ぶりに帰ってくる。フランク・フルターを演じるのは、もちろん古田新太。さらに小池徹平やISSA、ROLLY、武田真治、岡本健一と過去のRHSを支えたユニークな実力派が豪華に集結。加えて昆夏美やフランク莉奈、峯岸みなみとフレッシュな女優陣が初参加と、清濁合わせ呑むようなキャスト陣で新たな『ロッキー・ホラー・ショー』を誕生させる。2020年にリニューアルオープンした新生・PARCO劇場の、舞台と客席が緊密な空間でさらなる熱狂を呼ぶことになるだろう。はまり役、古田新太のフランク・フルター役は3度目にしてなんと今回がラスト。過去の『RHS』キャスト、また今回新たにパーティーに加わるニューキャストが入り混じり、フランク・古田のラストランを盛り上げてくれるはずだ。【河原雅彦(演出)コメント】R.H.Sは演劇じゃない。最高ロックなお囃子に乗せて変態を愛でる祭り。それ以上でも以下でもない。古田さんがまたまたフランクとしてステージに帰還する。変態好きにはたまらないやね。なので今回のテーマは『変態祭りの集大成』。これで決まりだ。祭りとコロナの相性は言うまでもなく最悪だ。だからなんだ。こちとら自慢の変態揃えて騒いでやる。客席から騒ぎ返せる術は俺が考える。もういいよ、せっかく劇場に来てるんだから。⼼にまでマスクすることないんだぜ。河原雅彦【古田新太(フランク・フルター役)コメント】三度⽬の正直 R.H.Sよ私もう56才よ 四捨五⼊で60よいやなフランクね 世界中探してもいないわよでも大丈夫 またもや最強の面子を集めたからキッチュでファンキーなワクチン受けに来てレッツ Do The Time Warp AGAIN!!■公演情報パルコ・プロデュース2022『ロッキー・ホラー・ショー』脚本・作詞・作曲:リチャード・オブライエン演出:河原雅彦翻訳:高橋ヨシキ訳詞・音楽監督:ROLLY振付:MIKEY(from 東京ゲゲゲイ)出演:古田新太小池徹平ISSA昆夏美フランク莉奈峯岸みなみ東京ゲゲゲイ武田真治ROLLY岡本健一 ほか<横浜公演>2022年1月13日(木)~1月16日(日)会場:KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉入場料金(全席指定・税込)S席:12,500円A席:9,000円U-25チケット:6,500円(観劇時25歳以下対象、要身分証明書、当日指定席券引換 / 「パルステ!」、チケットぴあにて前売販売のみ取扱い)※未就学児の入場不可※営利目的の転売禁止<東京公演>2022年2月12日(土)~2月28日(月)会場:PARCO劇場(渋谷PARCO 8F)入場料金(全席指定・税込):13,500円U-25チケット:6,500円(観劇時25歳以下対象、要身分証明書、当日指定席券引換 / 「パルステ!」、チケットぴあにて前売販売のみ取扱い)※未就学児の入場不可※営利目的の転売禁止<大阪公演>2022年1月20日(木)~1月23日(日)会場:森ノ宮ピロティホール入場料金 (全席指定・税込):13,800円※未就学児の入場不可※営利目的の転売禁止<広島公演>公演日程:2022年1月29日(土)・1月30日(日)会場:上野学園ホール入場料金 (全席指定・税込):12,000円U-25チケット:6,000円(当日指定・要年齢証明書)※未就学児の入場不可※営利目的の転売禁止<北九州公演>公演日程:2022年2月4日(金)~2月6日(日)会場:北九州芸術劇場・大ホール入場料金 (全席指定・税込):12,000円U-25チケット:6,000円(25歳以下対象・当日座席指定券と交換・要身分証明書)※未就学児の入場不可※営利目的の転売禁止
2021年10月20日映画『空白』(9月23日公開)の公開初日舞台挨拶が23日に都内で行われ、古田新太、松坂桃李、田畑智子、藤原季節、伊東蒼、寺島しのぶ、吉田恵輔監督(※吉はつちよし)が登場した。同作は吉田恵輔監督によるオリジナル作。スーパーの化粧品売り場で万引き現場を店主に見られ逃走した女子中学生が、乗用車とトラックに轢かれ死亡してしまい、父親・充(古田新太)は「娘が万引きをするわけがない」と信じて疑念をエスカレートさせ、事故に関わった人々を追い詰める。一方、事故のきっかけを作ったスーパーの店主(松坂桃李)、車ではねた女性ドライバーは、父親の圧力にも増して、加熱するワイドショー報道によって、混乱と自己否定に追い込まれていく。主演で重いシーンが多かった古田だが「非常に楽で楽しい現場でした。皆さん早く帰りたい人が多くて、なるべくNGをださないよう、滞りなく進むように」と振り返り、「特に桃李とのシーンとか、(田畑)智子とのシーンとか、いや全部そうか、季節とも花音とのシーンもそうなんだけど、ものすごい刺々しいシーンばっかりだったんで、(緊急事態宣言前だったため)その反動で終わったらすぐに飲みに行こうって感じでしたね。でも桃季は役作りする人なんであんまり仲良くしてくれなくてね」とぼやく。松坂は「毎シーン毎シーン、古田さんとのシーンのカロリー消費量が半端なくて、とてもじゃないけど飲みに行く気力がないというか。毎回僕は『お疲れ様でした』と疲弊してしまってホテルに帰ってたのですが、なぜ監督含め皆さん、飲みに行けるのか不思議でしたよ」と苦笑していた。同作で印象的なシーンについて、松坂が考え込むと、古田は「1番辛かったのは、(寺島)しのぶちゃんとのシーンでしょう?」とつっこむ。松坂は「学生時代にスーパーのバイトをしていたことがあって、寺島さんは当時のパートの人と雰囲気がすごく似ていて。距離感というか間合いがとてもリアルで、バイト時代を鮮明に思い出しました、そのままのリアクションでいけるというか……いや、すみません」と恐縮。寺島は「それは嬉しい。人間観察が好きで。今回草加部を演じるにあたり、『こういうおばさんがいたら絶対嫌だろうな』というのを集結させて演じました。でもスクリーンの中で生きている草加部さんはとっても必死なんです」と役作りを明かす。松坂に迫る古田と寺島の迫力について、古田自身は「めちゃくちゃ楽しかったよね。ゴジラVSコングだから、その間に人間が入ってくるわけだから、そりゃ大変だよ」と答え、松坂は「そうですね、その日は終わったらすぐに帰りたかったですね」と心境を吐露し、笑いが怒っていた。松坂について、吉田監督は「桃李も突然古田さんが現れたりとサプライズの多いシーンばかりで。テストで何回もやっていて、普通は回を重ねるごとに段々温度が下がっていくけど、毎回新鮮なまま芝居をしてくれて。技術力がすごいのか、単に忘れているのかわからないけど毎回新鮮な芝居をしているのがすごいですよね」と称賛。松坂は「忘れてるんだと思います。古田さんとここまでがっつりやるのは今回が初めてで。前回はクマとお父さんの関係で声の仕事だったので、今回は嬉しかったです」と語る。「実際にお芝居をしていると本当につらい気持ちになってくるんですよね、今回の関係性的にいうと。そういう芝居を共有するのは本当に楽しかった。今度は違う関係性で、もっと仲の良い関係性で次はご一緒したいなと思います」と今後の共演も希望した。
2021年09月23日江口のりこ主演の新木曜劇場「SUPER RICH」に、古田新太が電子書籍企業の独特なキャラの編集長役で出演することが分かった。本作は、幸せのカタチ=“スーパーリッチ”を追い求めるキャリアウーマン・氷河衛(江口さん)の波瀾万丈な半生を描く完全オリジナルドラマ。木曜劇場11年ぶりの登場となる古田さんが演じるのは、衛の会社「スリースターブックス」の電子書籍編集長・碇健二。最大のミッションは、「スリースターブックス」のオリジナル作品でヒットを出すこと。仕事に没頭するあまり周りが見えなくなることもあるが、ひょうひょうとした性格で、淡々と仕事をこなす碇。感情的な衛の無理難題をのらりくらりと交わしながらも、最高の職場環境を与えてくれた衛への恩義は忘れておらず、2人は特別な絆で繋がっている。また、若者の面倒を見ることも多い碇。春野優(赤楚衛二)や宮村空(町田啓太)、田中リリカ(志田未来)らインターンたちとのかけ合いにも注目だ。撮影に入ったという古田さんは「周りが若くてキラキラした役者さんばかりで戸惑っております。この間のりちゃん(江口のりこ)と一緒のシーンがあり、ホッとしました。今後はのりちゃんとのシーンも増えそうなので、楽しみにしております」とコメントしている。「SUPER RICH」は10月、毎週木曜日22時~フジテレビにて放送予定。(cinemacafe.net)
2021年09月10日松坂桃李(左)と古田新太(右)撮影/高梨俊浩映画『空白』で、古田新太は万引き未遂がきっかけで娘を失い、モンスターのように暴走する漁師の添田充役に。松坂桃李は添田の娘の万引き未遂を目撃し、追いかけたことで車にひかれる原因をつくったスーパーの店長の青柳直人を熱演。物語は“娘が万引きなどするはずがない!”と迫り来る狂気の添田が、青柳が土下座して泣いても決して許さず、その怒りの矛先は家族や周囲の人々にも向かい人生を握りつぶしていくヒューマンサスペンス。実写映画は初共演という2人に、撮影秘話から近況までたっぷりと聞いた。■なじみ方が尋常じゃない――古田さんと松坂さんの共演は声優を務めた『パディントン2』(’18年)以来です。古田録音は一緒じゃなかったんですけど、あのときは、桃李がパディントンでオイラがブラウン家のお父さんの役。すごく愉快な作品だったけど、今回はもう追い込んで追い込まれてで。松坂パディントンから比べたらもうギャップでしかないですよ。あれだけ受け入れてくれたお父さんが、全然受け入れてくれないんですから。古田アハハ。――今回、実写で初共演されて、お互いの印象についてはいかがでしたか。松坂僕はみなさんより少し遅れて撮影に入ったんです。蒲郡で撮影したんですが、現場に入ったら、古田さんの漁師姿が違和感がなさすぎてびっくり。ここにずっと住んでいたのかなというくらい(笑)。古田映画を撮るときは、3件くらい居酒屋さんをローテーションで回り、そこの常連さんと仲よくなって地元の空気感を感じるというのがいつものパターンかな。松坂もう最初からなじみ方が尋常じゃないと思っていたら、店を回って役作りをされていたんですね(笑)。古田桃李とは今回、敵対する役じゃないですか。たまに撮影の合間に話しかけると“役柄的にはそういうのはちょっと”って言う俳優さんもいらっしゃるんですよ。実名は出しませんが(笑)。松坂僕は何も言えません(苦笑)。古田なので、本番以外はオフれる人でよかったなと思いました。■古田が松坂に缶ビールを投げつけた!?――撮影は過酷なシーンも多かったと思います。松坂僕は結構きついシーンが多かったですね。寺島しのぶさんがスーパーの店員役で出演されているんですが、古田さんとしのぶさんに挟まれて演じるシーンは、すごい迫力でしんどかったです。古田そうだったんだ。松坂大変でカロリー使うなって思いましたし、毎回、おふたりとのシーンがあると思うと憂うつでした(笑)。古田オイラは楽しかったですね。各女優陣を怒鳴れましたし(笑)。あと、夜道を早足で逃げる桃李を“おい!”って言いながら追いかけて缶ビール投げつけたのは楽しかったな。松坂あれは嫌でした。基本、怖いシーンが多いんですけど、スーパーから出てきて古田さんがただ佇んでいるだけとか、何げない場面が地味に恐怖を感じましたね。――今回はハードな関係の役でしたが、次回共演するならばどんな役を演じたいですか。松坂次回作は『パディントン3』がいいですね。古田しかも実写版で。松坂ということは、僕は実写版パディントン役ですね。古田ハートウォーミングな感じがいいよね。お父さん役をオイラが演じると、こう変わるというのをぜひ見せたい。松坂それはぜひ見たいです。最終的には家族になるみたいなのもいいですし。古田今回、これだけ対立したから、最終的には家族になって2人で伊豆に行くみたいな展開にしよう(笑)。最近の至福の時間古田基本的には居酒屋で知らない人としゃべっているのがいちばん楽しいけど、それがいまは叶わないので……。松坂本当、できないですよね。僕は家にいる時間が増えたので、海外のドラマとか見るようになりました。見たことなかったんですよ。韓国ドラマとか自分の中でピンとくるものがなかったですけど、周りが面白いって言われて見たら、すごく面白くて。古田そうなんだ。オイラもゾンビものとか、いくつかすすめられて見たけど、全然面白さがわからなくて。海外ドラマ見るより、映画を見るかな。松坂映画もいいですけど、面白いので今度見てください。『空白』9月23日(木・祝)全国公開配給:スターサンズ/KADOKAWAPG-12 (C)2021『空白』製作委員会ヘアメイク/田中菜月(古田)、AZUMA(松坂)スタイリスト/渡邉圭祐(古田)、カワサキタカフミ(松坂)
2021年09月08日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は俳優・伊東 蒼さんです。ダンス、絵、ギターなど。多趣味なアクティブガール!映画『空白』では、物語を動かす重要な役を熱演。「走るシーンは距離がかなりあったのと、松坂桃李さんに追いつかれないように、日頃からジョギングをして体力をつけました!父親役の古田新太さんは、撮影の合間も優しく話しかけてくれて本当のお父さんみたいでした」。特技はダンス。「K‐POPにハマり中。YouTubeでBTSやITZYの曲の振りを覚えて、家でいつも踊っています」。今後演じてみたいのはアクション。「父に教えてもらって、まわし蹴りができます(笑)。殺陣にも挑戦したいな」ステイホーム中はスマホで絵を描いていました。6時間くらい集中して一気に描きました!普段から絵を描くのが大好き。小説は100冊以上もコレクション。特にお気に入りの小説たち。竹宮ゆゆこさんの作品は全部読んでいます。ギター部に入ってMyギターを購入。自宅でも弾いて練習中。あいみょんさんの曲を弾けるようになりたいな。いとう・あおい2005年生まれ。6歳のときにデビューし、ドラマや映画など多数出演。数々の賞を受賞している。9月23日公開の映画『空白』では、主人公の娘・花音を演じる。※『anan』2021年9月8日号より。写真・土佐麻理子ヘア&メイク・伏屋陽子(ESPER)文・松下侑衣花(by anan編集部)
2021年09月07日来たる9月8、9日を「空白の日」と銘打ち、全国各地での一斉試写やメディア向けプレミアトークイベントを開催、YouTubeなどを使った企画も用意している映画『空白』より、初公開となる本編シーンとメイキング映像に併せて、主演の古田新太と共演の松坂桃李のインタビュー映像が収められた「空白の日」特別映像が解禁された。本作は、第43回日本アカデミー賞で三冠を獲得した『新聞記者』、『MOTHER マザー』『ヤクザと家族 The Family』など、意欲的・挑戦的なテーマの作品を次々と生み出しているスターサンズ・河村光庸プロデューサーが企画。『ヒメアノ~ル』『BLUE/ブルー』などの吉田恵輔監督オリジナル脚本で、現代の「罪」と「偽り」、そして「赦し」を映し出す。今回公開された本編シーンからは、予告編で狂気の顔を見せていた古田さん演じる娘を亡くした主人公・充の弱さや父親らしさが垣間見え、ポツリと呟くセリフに胸が締め付けられる。また登場人物たちに辛いシーンが多い本作の撮影について、古田さんと松坂さんは「カットがかかるとヘラヘラしていた」と笑顔。その言葉を裏付けるように、充が花音の葬儀にきた松坂演じるスーパーの店長・青柳の胸ぐらに掴みかかり怒鳴り散らすという見ているだけで身震いするほどの迫力があるシーンでは、カットがかかった瞬間に笑顔になるふたりの貴重なメイキングも収められている。ほかにもひとつの事件から人生が狂わされ、全員が加害者にも被害者にもなる登場人物について古田さんは「全員かわいそうな人。でも、普通に生きている人」とコメント。松坂さんは鑑賞時に登場人物と自身を重ねる部分もあったと話し、「皆さんにも(重ねる部分が)あるかもしれないので、是非作品を見てその気持ちを紐解いて欲しい」とコメントしている。『空白』は9月23日(木・祝)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:空白 2021年9月23日より全国にて公開(C)2021『空白』製作委員会
2021年09月07日古田新太と松坂桃李が共演するヒューマンサスペンス映画『空白』より本予告映像が公開された。今回の映像は、古田さん演じる添田と娘・花音(伊東蒼)が共に夕食をとるシーンからスタート。続けて、松坂さん演じる青柳に追いかけられ、花音が事故に遭ってしまい、添田が詰め寄る場面が映し出される。さらに、轢いた運転手、加害者の母(片岡礼子)、前に進む前妻(田畑智子)、弟子の漁師(藤原季節)、娘の元教師(趣里)、正義感の店員(寺島しのぶ)など、父の狂気が周りの人たちを追い詰めていく。また、青柳が謝罪する一方で、ワイドショーの取材に「逃げ出した相手を追いかけて何が悪いんだ」と答える場面も。そしてそんな青柳に、「昔、痴漢で捕まったらしいな」と添田は迫る。映像ラストでは、涙する添田の姿も確認することができ、胸が締め付けられる予告編となっている。『空白』は9月23日(木・祝)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:空白 2021年9月23日より全国にて公開(C)2021『空白』製作委員会
2021年07月13日古田新太と尾上右近をW主演に迎えた「ミュージカル『衛生』〜リズム&バキューム〜」(脚本・演出:福原充則)の開幕を控える7月8日、東京会場となるTBS赤坂ACTシアターで取材会が行われた。昭和30年代を舞台に、「利益を出すためなら、殺人もいとわない」という方針で汲み取り業者“諸星衛生”を経営する親子(古田、尾上)が、欲望の赴くまま泥臭くのし上がっていく姿を描く異色ミュージカル。福原と古田による発案から生まれ、共演者には咲妃みゆ、石田明(NON STYLE)、ともさかりえ、六角精児ら個性あふれるキャストが顔をそろえる。古田は「連日のリハーサルで疲れています、明日(初日)はきっとヘトヘト」と笑いを誘い、「こういうご時世ですけど、お客さんの前でやれるのが楽しみですね。反応によって、僕らの芝居も変わってきますし、待っていてくださる方がいるので、やる気満々です」と意気込み。「感染対策をしたなかで、思いきり“汚い”ことをやって、それをミュージカルだと名乗ってしまえと(笑)。批判も喜んで受けますし」と自信をのぞかせた。東京では4度目となる緊急事態宣言の発出が決定的となったが「こちらも、(感染対策を)クリアする努力、楽しんでもらう努力をしているので、ぜひお気楽に楽しみながら『ばかだなあ』と、マスクの下で笑ってほしい。はつらつな気持ちで帰っていただけるはず」と前向きな姿勢を示した。ミュージカル初出演を果たす尾上は「歌舞伎以外の経験はまだまだですし、違いに戸惑うことも」と本音も。それでも「人間の生きる力をどういう角度で描くか。歌舞伎にも共通している部分があるので、皆さんに助けていただきながら、強く生きる姿を演じたい」と意気込んだ。ヒロイン役の咲妃は、「舞台人生で経験したことない出来事が、日々巻き起こっています。稽古の段階からアワアワですが(笑)、ようやく初日にたどり着いた」と安どの表情。石田とともさかは、ミュージカル初挑戦で「1度はがっつりお断りしたんですが、『最悪、歌わなくていい』と言われて。でも、実際はめちゃくちゃ歌わされています。詐欺にあった気分」(石田)、「ミュージカルの大ファンなので、今まではこの聖域をおかしてはいけないと…。それを破ってしまい、反省気味ですが、不思議な感動と爽快感があるミュージカル」(ともさか)と話していた。また、「レ・ミゼラブル」に続き、矢継ぎ早にミュージカルに挑む六角は「今年はミュージカルに包まれている」とにんまり。稽古中はマスク着用だったため、「舞台稽古で初めて、マスクを外し『あっ、この人、こんな顔なんだ』って思った瞬間、間(ま)を外してしまう」と振り返った。尚、会場となるTBS赤坂ACTシアターでは、紫外線殺菌装置(空気に高出力の紫外線を照射し、常に殺菌・ウィルス不活性化する装置)を日本の劇場では初めて取り入れ、キャスト・スタッフ・劇場、それぞれで万全の感染対策をとって公演に臨んでいる。取材・文・写真=内田涼(舞台写真)撮影:引地信彦ミュージカル『衛生』〜リズム&バキューム〜脚本・演出:福原充則音楽:水野良樹 (いきものがかり)/益田トッシュ振付:振付稼業air:man出演:古田新太、尾上右近、咲妃みゆ、石田 明(NON STYLE) 、村上航、佐藤真弓、ともさかりえ、六角精児他【東京公演】2021年7月9日(金)〜7月25日(日)会場:TBS赤坂ACTシアター【大阪公演】2021年7月30日(金)〜2021年8月1日(日)会場:オリックス劇場【福岡公演】2021年8月9日(月・祝)〜2021年8月11日(水)会場:久留米シティプラザチケット情報
2021年07月08日ミュージカルといえば、美しい旋律に乗せて愛や生の悦びを歌い上げるイメージ。しかし今回の舞台を企画した古田新太さんの感性を通ると、まったく違うものになるよう。なんとミュージカル『衛生』~リズム&バキューム~は“汚いミュージカルをやろう”が発端。物語の軸になるのは糞尿の汲み取り業を営む家族。その彼らが軽やかに悪行を重ねていく物語というからすごい。尾上右近さんに話を聞いた。“汚いミュージカル”に意欲満々。「周りの期待を裏切っていきたい」「いまって、コンプライアンスの網目がどんどん小さくなっている時代ですよね。エンターテインメントの中でタブーを描くには、たぐい稀なる技術とセンスを持った者じゃないと容易にすり抜けられなくなっている。古田さんは、それを舞台という場所でとことんやりたいとおっしゃっていて、僕自身も以前からそこに踏み込んでみたいと思っていたので、願ったり叶ったりでした」と話すのは、古田さんと共に主演に名を連ねる歌舞伎俳優の尾上右近さん。「そもそも歌舞伎自体がアングラだったり、グロテスクな題材とかタブーに触れたりしているんでね」と、涼しげな顔を見せる。「人って怖いもの見たさというか、どこかに悪に惹かれる気持ちがある。この作品にはこれでもかっていうくらい悪者ばかりが登場するんですけれど、その悪者たちがごもっともなことを言ったりするんですよ。じゃあなぜ悪がダメなのか。そういうことを考えさせられたりもするはず。光と影とか陰と陽とか、ふたつでひとつを構成する要素は多くあるけれど、どっちも知らないとその大切さってわからないと思いますし」先月右近さんが歌舞伎座で演じた『三人吉三』に代表されるように、歌舞伎も悪役が主役の演目は数多い。「悪役は真っ当な役以上に役者の人間としてのパワーとか迫力が必要とされるんですよね。目の奥までしっかり悪に染まらないとカッコよくならないし、説得力もない。変な話、誠心誠意やらないと難しいんです」しかも今回は、歌ありダンスありのミュージカル仕立て。いきものがかりの水野良樹さんらによる楽曲は「ブラックミュージックが基調となっている」そう。「そもそも華やかなミュージカルを予想されている方はいないと思いますけれど、それでも想像を軽々と超えた感じになっていると思いますよ」右近さん自身、子役時代から身を置く歌舞伎はもとより、家業である日本の古典音楽・清元、さらに現代劇やミュージカル、テレビのバラエティと、さまざまな分野を軽やかに行き来している印象。しかし本人は「毎回テンパっていて、首の皮一枚で繋がってる感覚」とか。飄々と見えるが、「首の皮がだんだん厚くなってるだけです」と苦笑する。「新しい歌舞伎座ができた頃から、肩書より個人の力が大事だという思いが強くなりました。僕はまだまだ立場的に歌舞伎役者として踏襲、継承するものがないし、ある意味好きにやってもいいんだと思ったとき、ヒリヒリした状況に身を置く方が自分には合っている気がして(笑)。この作品もですけれど、周りの期待や想像を裏切っていきたいんです」『衛生』~リズム&バキューム~社長の良夫(古田)と息子の大(右近)が営む、し尿汲み取り業者「諸星衛生」は、金のためなら殺人も厭わないという経営方針でのし上がってきた。そんななか従業員の麻子(咲妃)が大との間に子供を授かり…。7月9日(金)~25日(日)TBS赤坂ACTシアター脚本・演出/福原充則出演/古田新太、尾上右近、咲妃みゆ、石田明(NON STYLE)、村上航、佐藤真弓、ともさかりえ、六角精児ほかS席1万3500円A席1万円キョードー東京 TEL:0570・550・799大阪、福岡公演あり。おのえ・うこん1992年5月28日生まれ、東京都出身。歌舞伎俳優。清元栄寿太夫の名で歌舞伎の伴奏音楽の唄方としても舞台に立つ。昨年には『ジャージー・ボーイズ・コンサート』にも出演。カットソー¥14,300(KURO/KURO GINZA TEL:03・6274・6257)ブルゾン¥19,800(TOWN CRAFT/C.E.L STORE TEL:03・6459・3932)パンツ¥31,900(CULLUNI/SianPR TEL:03・6662・5525)※『anan』2021年7月7日号より。写真・中島慶子スタイリスト・三島和也(Tatanca)ヘア&メイク・白石義人インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2021年07月06日尾上右近撮影/吉岡竜紀「うれしかったですね。“待ってました!”って感じだったので」7月9日に幕が上がるミュージカル『衛生〜リズム&バキューム〜』。古田新太とともに主演を務めるのは、尾上右近だ。昭和33年、し尿汲み取り業者“諸星衛生”。社長の良夫(古田新太)&息子の大(尾上右近)は殺人すらいとわぬ経営方針でのし上がっていく……。「悪者をやってみたい思いはありました。かつ、胸が痛むような題材。お客さんに何か問題提起するような作品を、とかねてから思っていたので“ぜひ、やらせてください”とお受けしました」“生きること=悪いことをしてお金を稼ぐこと”。演じる大は、そんな英才教育を受けて育った息子だ。「罪悪感はなく、むしろ楽しいことをしている感覚のほうが強く。でも第2幕(昭和50年)になると大は成長し、稼ぐための悪が父親とは食い違っていく」地上波ではまず見かけない悪者っぷりは、1周まわってすがすがしいほど!「舞台ならではでしょうね。そして演じ手としてはたまらないですね(笑)。基本的には悪に憧れるって、人間どこか、プログラミングされてるようなところがあると思うんです。悪は自分にはないものだったり、封印しているもの。何か根にあるエネルギーのかたまりだと思うんです。だから、大は人々の憧れ的存在であるような、若々しくて勢いもある強くて悪いカッコいい男だと見ていただけたらうれしいですね」生でやる臨場感、そして客席の反応や嫌がる顔が何より楽しみだとニヤリ。「言葉はおかしいかもしれないですけど、心の交感が客席とできたらいいなと思っていますね。これは演劇の根源的なものだと思うんですけど、役者は舞台の上だけでお芝居をつくるわけじゃなくて。お客さんがいて初めてできるもの。それを含め、楽しい舞台にしたいと思っています」■歌舞伎と清元、ふたつにひとつ歌舞伎の伴奏音楽のひとつ、清元。その宗家に生まれる。「3歳のときに、曽祖父・六代目尾上菊五郎の『鏡獅子』という映像を見て、雷に打たれたような気持ちに。“これになりたい!”と一瞬で魅了されました。それが歌舞伎というジャンルのものという感覚もありませんでした」まずは日本舞踊の稽古が必要だとわかり、すぐに始めたという。「そのときに、“あなたのお父さんは歌舞伎の歌を歌う仕事だから、歌のお稽古も”と言われ、同時に始めました。そんな中で、ウチの父の従兄である十八代目の(中村)勘三郎おじさまが“舞台に出してみよう”と言ってくれて」7歳で初舞台を踏む。「100回の練習より1回の実践というか。このまま役者をやりたいと強く思いました。次、いつ舞台に出られるのかが最大の関心事で。もし“いい”と思ってもらえたら、また出られるんじゃないかという期待感。オファーをいただく日がいちばん幸せで、千穐楽が寂しい日。そんな感覚がずっとあって(笑)」周りの大人から“清元はどうするのか?”と尋ねられたときには戸惑ったという。「“えっ、役者やってたら清元できないんですか?”と。そういうものだと知ってからは、質問されるたびに返事に困る時期はありました」自分が継げなくても、何かしらの形で清元の責任を取れればいい。役者として清元を引っ張っていく存在になれれば。そんな思いが固まっていったという。「ずっと“ふたつにひとつ”と言われ続けてきたので、自分の発想にはなかったんですが、父が役者をやりながら清元を継ぐことを提案してくれて。師匠の(尾上)菊五郎おじさまは、自分の役者としての向き合い方を認めてくれたうえで、“清元もやっていい”とお許しをくださって。逆に役者としての自信がつきました」’18年に“清元栄寿太夫”を襲名。今では“歌舞伎界の新プリンス”と呼ばれ、役柄も年々大きく。一方で本作のようなミュージカルだけでなく、大河ドラマ『青天を衝け』では孝明天皇を好演中。10月公開の『燃えよ剣』では映画初出演を果たすなど、活躍のフィールドをどんどん広げている。「歌舞伎界の新プリンスですか?困ったものですよね、ありがたい(笑)。今回の『衛生』での役はそのイメージを払拭というか、混乱させることになると思うんですが、それはすごく大事なこと。“プリンスがこんなことやって!”と思われたら、逆にうれしい」歌舞伎は娯楽。そして、その歴史にはパンク精神が宿るものだと前置きし、「だから、人がやらないことや賛否両論あることを堂々とやる。それが、歌舞伎のプリンスなどと言っていただける自分こそ果たすべき本当の役目。きれいごとだけやっているイメージにはなりたくないし、“伝統を背負って歴史の中で生きてる人”にもなりたくないです」■理想の女性は“梨園の妻”とは真逆「20歳くらいから、ずーっと結婚願望があります。“タイミングさえ合えば”って言い続けて9年たってますけど(笑)」先月29歳に。家庭を持ちたくてしかたがない、と笑う。「子どもも欲しいし、DNAの循環みたいなものにすごく興味があって。自分をつくってくれた家族がいるということは、自分もまた家族をつくることへつなげたいって、すごく思っていて」どんな女性にパートナーになってほしい?「仕事して、自分の人生をちゃんと歩いている人がいいなと思いますね。自分も刺激を受けないと、尊敬できないだろうし。だから“梨園の妻”とは真逆というか。“奥さん業に徹します”っていうことじゃない気がしますね、自分にとっては」マツコ・デラックスもお気に入り「マツコさんに“可愛い”って言ってもらうの、本当に励みになるんですよね。不安になったとき、“大丈夫ですかね?”って聞くと、“あなたは可愛いから大丈夫”って言ってくれて。“ハイ!”ってなります(笑)」ミュージカル『衛生〜リズム&バキューム〜』【期日】東京=7/9〜7/25(TBS赤坂ACTシアター)、大阪=7/30〜8/1(オリックス劇場)、福岡=8/9〜8/11(久留米シティプラザ)【チケット】S席1万3500円、A席1万円(税込み、全席指定)発売中【問】キョードー東京0570-550-799(東京公演)【詳細】
2021年06月27日主演に古田新太、共演に松坂桃李を迎えた吉田恵輔監督の映画『空白』から、撮影現場から緊張と緩和が入り交じるメイキング映像が解禁された。漁師としての腕はいいが、人生に対して不器用な男・添田充(古田新太)は、ある日突然、ひとり娘の花音(伊東蒼)を失う。唯一の目撃者であるスーパーの店長・青柳直人(松坂桃李)を、彼の神経がすり減るほどに追い詰め、被害者の家族である自分が加害者になるまで、周囲の人間を巻き込んでいってしまうシーンが緊張感漂う現場で日夜撮影されていた。メインのロケ地でもある愛知県蒲郡市の多大な協力もあり、無事に撮影が完了。この度解禁されたメイキング映像では、古田さんが自身の演じた充という男の人物像を淡々と的確に言葉を紡いで語っている。さらに、充の元妻・松本翔子(田畑智子)、充の弟子として一番近くで充に寄り添う野木龍馬(藤原季節)、花音の担任教師・今井若菜(趣里)、事故加害者の母親・緑(片岡礼子)、そして青柳を最後まで擁護するスーパーの店員・草加部麻子(寺島しのぶ)といった錚々たる顔触れが、現場でぶつかり合い、異様な熱量の高さが感じられる現場を垣間見ることができる。また、古田さんのインタビューでは、この映画の見どころは「真相を暴くサスペンスではない」と語っており、本作の真意にも触れられた映像となっている。『空白』は9月23日(木・祝)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:空白 2021年9月23日より全国にて公開(C)2021『空白』製作委員会
2021年06月25日俳優の古田新太が主演、松坂桃李が共演する映画『空白』(9月23日公開)のメイキング映像が25日、公開された。同作は吉田恵輔監督によるオリジナル作。スーパーの化粧品売り場で万引き現場を店主に見られ逃走した女子中学生が、乗用車とトラックに轢かれ死亡してしまい、父親・充(古田新太)は「娘が万引きをするわけがない」と信じて疑念をエスカレートさせ、事故に関わった人々を追い詰める。一方、事故のきっかけを作ったスーパーの店主(松坂桃李)、車ではねた女性ドライバーは、父親の圧力にも増して、加熱するワイドショー報道によって、混乱と自己否定に追い込まれていく。漁師としての腕はいいが人生に対して不器用な男・添田充(古田新太)が、或る日突然1人娘の花音(伊東蒼)を失い、唯一の目撃者であるスーパーの店長・青柳直人(松坂桃李)の神経がすり減るほどに追い詰め、被害者の家族である自分が加害者になるまで、周囲の人間を巻き込んでいってしまうシーンが、緊張感漂う現場で日夜撮影された。メイキング映像では、充の元妻・松本翔子(田畑智子)、充の弟子として一番近くで充に寄り添う野木龍馬(藤原季節)、花音の担任教師・今井若菜(趣里)、事故加害者の母親・緑(片岡礼子)、そして青柳を最後まで擁護するスーパーの店員・草加部麻子(寺島しのぶ)といった錚々たる顔触れが、現場でぶつかり合い、異様な熱量の高さが感じられる現場が垣間見れる。一方で、葬式のシーンで「それでは一曲聴いて下さい」とエキストラを笑わせる神対応も。本人の撮影当時のインタビューでは、この映画の見どころは「真相を暴くサスペンスではない」といった本作の見どころなどにも触れている。(C)2021『空白』製作委員会
2021年06月25日古田新太主演、松坂桃李共演の映画『空白』が、9月23日(木・祝)に公開される。この度、撮影現場よりメイキング映像が公開された。本作は、第43回日本アカデミー賞三冠を獲得した『新聞記者』『ヤクザと家族』など、意の作品を生み出しているスターサンズ・河村光庸プロデューサーが企画し、『ヒメアノ〜ル』『BLUE / ブルー』などの吉田恵輔が監督した、オリジナル脚本による映画作品。本作に登場するのは、漁師としての腕はいいが、人生に対して不器用な男・添田充(古田)。ある日突然ひとり娘の花音(伊東蒼)を失ったことで、唯一の目撃者であるスーパーの店長・青柳直人(松坂)の神経がすり減るほどに追い詰めてしまう。被害者の家族である自分が加害者になるまでに、周囲の人間を巻き込んでいってしまう姿が描かれていく。さらに充の元妻・松本翔子(田畑智子)、充の弟子として一番近くで充に寄り添う野木龍馬(藤原季節)、花音の担任教師・今井若菜(趣里)、事故加害者の母親・緑(片岡礼子)、そして青柳を最後まで擁護するスーパーの店員・草加部麻子(寺島しのぶ)と、出演陣には豪華な顔触れが揃った。メイキング映像では、出演者たちが現場でぶつかり合うなど、異様な熱量の高さが垣間見れる。また、動画の中で見られる古田の撮影当時のインタビューでは、「真相を暴くサスペンスではない」といった、本作の見どころにも触れられている。『空白』9月23日(木・祝)公開
2021年06月25日古田新太がまたもオモシロ舞台を企てた! 7月に東京、大阪で、8月に福岡で幕を開ける、「ミュージカル『衛生』~リズム&バキューム~」だ。脚本・演出を担うのは、古田とは『いやおうなしに』(2015)以来、二度目のタッグとなる福原充則。その内容は、“悪者”だらけの“汚い”ミュージカルになるという。そこでこの問題作の首謀者・古田に、企ての詳細をじっくりと訊かせてもらった。発展途上国の日本が先進国を目指すバイタリティ――福原さんと一緒に本作の構想を立ち上げたそうですね。別の作品で一緒になったときに、ふたりでまた、別のパターンの作品でやりたいねって、あと福ちゃん(=福原)が「そのときは演出もやりたいです」って言うから、じゃあそれで企てようって話になって。せっかくなら福ちゃんに新しい戯曲と詞を書いてもらって、曲も書き下ろして、ミュージカルにしようぜってことになりました。――“汚い”ミュージカルにしたい、というのも古田さんのアイデアだと聞いています。「ミュージカル『衛生』〜リズム&バキューム〜」チラシ下ネタがやりたいというのはありました。リーダー(=河原雅彦)とか宮藤(官九郎)とはセックスの話はやっているけど、糞尿ものはやってないなと(笑)。そうしたら「バキュームカーの世界って面白いらしいですよ」という話になって、それにオイラも福ちゃんも食いつきました。昭和30年代、高度成長期前の日本って面白いんです。終戦直後はまだまだ自分たちの糞尿を畑に撒いていたんだけど、それをGHQに怒られて、汲み取り屋さんが出来て、下水道が発達していって。敗戦のショックはあるけど、そこから這い上がろうっていうバイタリティ、マンパワーも強い。機能的にはまだまだ発展途上国だけど、先進国になる!って勢いは感じるというか。海賊王よりも説得力がある。「先進国に俺はなる!」みたいな(笑)。この親子は自分たちのことしか信用していない――そもそも古田さんが汚いもの、悪いものに惹かれる理由とは?幼稚なんです。ウンコ、チ〇コ、マ〇コって言ってたら楽しい、みたいな(笑)。そういうのを嫌がる人たちもいるけど、オイラはそれを笑いたい。よく「下品」とか言うよな、人間みんなすることじゃねえかよ、と(笑)。あとこの作品には夜這いなんかも出てきますけど、かつては日本でも普通にあったこと。でもそういうのを隠蔽しようとする風潮はよくないんじゃないかな。歴史は、事実を知った上で勉強していくことが大事だと思うから。で、福ちゃんはそういったことも含めて、ポップに描くのがうまいんです。――古田さんは、息子の大とし尿汲み取り業を営みつつ、徐々にのし上がっていく良夫を演じられます。非常に打算的というか、誰とつき合えば得で、誰とつき合えば損で、みたいな考え方が出来る男だと思います。それでも良夫はちゃんと順番を踏もうとするタイプですけど、大はぶん殴った方が早いと思っているタイプ。でも大はそんな良夫に対してリスペクトがあるし、良夫も大を頼もしいと思っている。だからあの親子は、自分たちのことしか信用してないんでしょうね。――息子の大を演じるのは、歌舞伎界のプリンス・尾上右近さんです。育ちが良いし、真面目だから、なにをしても綺麗におさまるんです。セリフの語尾にしても、「お前ら」であって、「お前ぇらぁ~」にはならない。別におさめる必要はないし、真面目なことが書いてあっても、真面目に言う必要はないんだからなってことを、福ちゃんもオイラもよく言ってます。逆に見得の切り方とかは教えてもらったりしてますけどね。それは(歌舞伎の見得を切りながら)こうじゃなくて、これ(すしざんまいのポーズ)でいいんだよ、なんて教え合ったりして(笑)。かなりふたりのバディ感は出てきたと思います。COWCOWくらいのバディ感は(笑)。観客がスカッとした気分になれる作品に――ほかにも共演者には、咲妃みゆさん、NON STYLEの石田明さん、ともさかりえさん、六角精児さんなど、実力派がそろいました。ケンケン(=右近)が梨園で、ゆうみちゃん(=咲妃)がタカラジェンヌでしょ?このふたりはやっぱり背筋が伸びてますね。オイラとか六角さんは猫背だから。出自の違いがすぐバレる(笑)。インディーズとメジャーの。ゆうみちゃんと石田くんのシーンはすごくかわいくていいんです。他が下品なシーンばかりだから、このふたりのシーンが清涼剤になっていると思います(笑)。りえぼう(=ともさか)は信頼出来ます。ドッカンドッカンじゃない笑いの取り方がうまい。しかも笑いを取りにいってないように見えるのがまたうまいんです。――音楽にいきものがかりの水野良樹さんが入られているのは意外でした。福ちゃんのひどい歌詞が、いきものがかりみたいになればいいのにと思って水野に頼んだんですが、水野がこっちに寄ってきちゃった(笑)。オイラは(吉岡)聖恵が歌いそうな曲を歌いたかったのに(笑)。作品のテーマ曲がわりとブラックミュージックに寄せた感じで、六角さんとのデュエット曲はわりと壮大な感じ。なんでこのふたりでデュエットやねん!とは思うけど。今のところ福ちゃんしか喜んでないですから(笑)。――密かに楽しみにしているファンの方は多いと思いますよ。そうですか?(笑)まぁ観に来てくれたお客さんには、スカッとして帰って欲しいです。絶対にくたばらない奴らの話だから、よーし明日もまた頑張るぞ!って。そんなふうに思ってもらえたらいいですね。取材・文:野上瑠美子撮影:源賀津己ミュージカル『衛生』〜リズム&バキューム〜脚本・演出:福原充則音楽:水野良樹 (いきものがかり)/益田トッシュ振付:振付稼業air:man出演:古田新太、尾上右近、咲妃みゆ、石田 明(NON STYLE) 、村上 航、佐藤真弓、ともさかりえ、六角精児他【東京公演】2021年7月9日(金)〜7月25日(日)会場:TBS赤坂ACTシアター【大阪公演】2021年7月30日(金)〜2021年8月1日(日)会場:オリックス劇場【福岡公演】2021年8月9日(月・祝)〜2021年8月11日(水)会場:久留米シティプラザチケット情報
2021年06月22日俳優の古田新太が主演、松坂桃李が共演する映画『空白』(9月23日公開)の場面写真が18日、公開された。同作は吉田恵輔監督によるオリジナル作。スーパーの化粧品売り場で万引き現場を店主に見られ逃走した女子中学生が、乗用車とトラックに轢かれ死亡してしまい、父親・充(古田新太)は「娘が万引きをするわけがない」と信じて疑念をエスカレートさせ、事故に関わった人々を追い詰める。一方、事故のきっかけを作ったスーパーの店主(松坂桃李)、車ではねた女性ドライバーは、父親の圧力にも増して、加熱するワイドショー報道によって、混乱と自己否定に追い込まれていく。今回解禁となった場面写真は、1人娘の花音(伊東蒼)を失った父親・添田充(古田新太)が、スーパーの店長・青柳直人(松坂桃李)の胸ぐらを掴んで追い詰めるシーン。さらに謝っても土下座しても許してもらえない青柳、充の元妻・松本翔子(田畑智子)の無念の叫び、充の弟子として一番近くで充に寄り添う野木龍馬(藤原季節)、花音の担任教師・今井若菜(趣里)の苦悩、事故加害者の母親・緑(片岡礼子)の懺悔、そして青柳を最後まで擁護するスーパーの店員・草加部麻子(寺島しのぶ)といった錚々たる顔触れの場面写真が公開された。
2021年06月18日6月18日公開の映画『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』公開直前トークイベントが9日、都内で行われ、主演の田中圭が出席した。1998年の長野オリンピック、日本中が歓喜に沸いたスキージャンプ団体で大逆転の金メダルを獲得して日本に感動を与えた日本代表の選手たち。本作は、その栄光を陰で支えた25人のテストジャンパーたちの知られざる感動秘話を、主演の田中圭ほか、土屋太鳳、山田裕貴、眞栄田郷敦、小坂菜緒(日向坂46)、古田新太など豪華キャストで映画化。4人の代表選手と25人のテストジャンパー、それを支える家族や関係者たちの想いを知った時、誰もが心を打たれるヒューマンドラマを描く。昨年6月、今年5月と2度の公開延期を経て、ようやく公開を間近に控えた本作。主演の田中は「この作品は2度公開延期になってしまったので、まずはほっとしています」と安堵の表情を見せ、「ほっとしているんですが、まだどこかでもう1回延期になるんじゃないのかなと思ってしまうぐらい色々あった作品ですが、ようやく皆さんにお話を知っていただけてうれしいです」と公開が待ち遠しい様子。「6月18日は岡田准一くんの『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』と公開日が重なりますが、感動したかったりパワーが欲しい時は『ヒノマルソウル』を見てていただけたらと思います」とアピールした。イベント中には電話を繋いで声のみの出演となった古田新太とともに、共演者にまつわるエピソードを披露。「キャストの中で最も隠れソウルだった人は?」という質問に「小坂菜緒」と回答した田中は「最初は大丈夫かな? と思うぐらいのところから最終的に圧倒されるぐらいまでのお芝居をしてくださった菜緒ちゃんの熱いものが分かりました。普段は大人しく見せないんですけど、(熱いソウルが)ダダ漏れているのは菜緒ちゃんでしたね」と小坂を絶賛。また、何度も共演している土屋太鳳には新たな発見があったそうで、「太鳳ちゃんが『圭さん一緒に行きます?』と言ってくれたので一緒に(ヒット祈願の)ご祈祷に行きました。太鳳ちゃんは自分の関わった作品に行ける時はちゃんと行ってヒット祈願をしているんですよ。人知れず一人で行っていることにビックリしました。作品への愛や思いがすごくある子ですね」と明かしていた。映画『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』は、6月18日より全国公開。
2021年06月10日今春、東京・大阪にて上演された劇団☆新感線の舞台、Yellow/新感線『月影花之丞大逆転』のディレイビューイング(ライブビューイングの録画上映)開催が決定した。『月影花之丞大逆転』は、1996年、2003 年に上演された『花の紅天狗』のスピンオフ作品を座付き作家の中島かずきが書き下ろし、かつて木野花が演じた爆発的なテンションの月影花之丞が再び登場する、新感線らしく笑いにあふれる作品。主演を務めたのは、劇団の看板俳優・古田新太。共演に、本作が劇団☆新感線には5度目の出演となる阿部サダヲ、初参加の浜中文一、西野七瀬というフレッシュな二人に加えて、劇団員からは河野まさと、村木よし子、山本カナコ、中谷さとみ、保坂エマ、そして安定の村木仁。月影花之丞はもちろん木野花が演じた。新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の発出により、大阪公演は残念ながら公演途中で休演となってしまったが、いのうえひでのり演出の王道、歌あり、笑いあり、強烈キャラ満載の、楽しくスカッと元気になれる作品を全国に届けるべく、50館以上の映画館でディレイビューイングを開催する。ディレイビューイングでは、突然の千穐楽となった4月26日(月)の公演より、大阪公演での演出変更シーンや、カーテンコール、ご挨拶などを15分程度にまとめた“おまけ映像”も本編上映後に楽しめる。また、会場ではオリジナル公演グッズである『Yeah郎くんペンライト』を用いて、観客と舞台が一体となって作品を盛り上げていたことから、この興奮をディレイビューイングでも体験できるよう、映画館でも『Yeah郎くんペンライト』を使用して鑑賞できることが決定した。ぜひ、貴重な映像とともにペンライトを使用したYellow/新感線『月影花之丞大逆転』ディレイビューイングを楽しんでほしい。【ディレイビューイング概要】2021年劇団☆新感線41周年春興行 Yellow/新感線『月影花之丞大逆転』ディレイビューイング上映内容:本編の上映後に、大阪千秋楽(4月26日(月)公演より)の様子を“おまけ映像”として上映予定。上映時間:約145分 本編映像(125分)+おまけ映像(15分〜20分ほど)日時:2021年6月24日(木) 各劇場1~2回上映(予定)会場:新宿バルト9他、全国映画館50館以上にて上映(予定)※最新の上映館情報は公式サイトをご参照ください。※上映回数や上映時間は各劇場によって異なります。各劇場 HP、または各劇場へ直接お問い合わせください。※大阪府では条例により16歳未満の方で保護者同伴でない場合、終映が19:00を過ぎるためご入場いただけません。チケット料金:3,800円(全席指定・税込み)販売:各上映館公式サイト・窓口にて公式サイト:
2021年06月08日古田新太と尾上右近のW主演ミュージカル『衛生』〜リズム&バキューム〜が2021年7〜8月、東京・大阪・福岡にて上演される。古田新太と福原充則の「汚いミュージカルをやろう」という発案から始まった本作。福原が、自身初となるミュージカル作品を書き下ろす。排泄物を肥料として扱う業者一家の悪行三昧を、ポップかつグロテスクに、それでもあっけらかんと、音楽に乗せて描いていく異色のミュージカルになるという。本作で、古田と尾上が演じる親子のライバル業者・瀬田好恵役を演じるのは、ミュージカル初挑戦のともさかりえ。どんな作品になりそうか、そして、このコロナ禍でどんなことを感じたのか。語ってもらった。福原さんの「大丈夫です」を信じて――出演にあたってはどんな気持ちですか?すごく後悔しています(笑)。――それはミュージカルが初めてだからですか?私はミュージカルファンなので、絶対に、その神聖な場所だけは踏み入れてはいけないと思っていたんですね。それなのに、どうして引き受けたんだろうと、稽古の開始直前に自問自答を繰り返しています。――それでも出演を決められたのは?(本作で脚本・演出を務める)福原(充則)さんの『俺節』(2017)が大好きで。劇場で大感動したんです。こんな素敵な作品を作る人といつかご一緒してみたいなと、密かに憧れていた方だったので、今回、脚本・演出が福原さんと聞いて「え!!」と目が輝いたんですけど、ミュージカルと聞いて、「え〜」と思って(笑)。お声がけいただいたのは嬉しかったんですけど、本当に役割が果たせるのかな、簡単にお引き受けしていいものなのかと悩んでいたんです。それで、福原さんとお話させていただく機会を作ってもらって、何か具体的なお話が聞けるかなと思ったんですけど、福原さんがとにかく「大丈夫です」としか言わない(笑)。まぁ、でも、福原さんが「大丈夫です」というのなら、大丈夫なのかなと、自分の中で都合よく前向きに解釈をしました。「何かダメだったら、福原さんのせいにしよう!」って(笑)。それぐらい開き直らないと、歌があるということは、自分の中でなかなかハードルが高いことだったので。正直、あまり思い出さないように過ごしてきたんですよ、だいぶ先の話だと思っていたので。そうしたら、こうやって取材を受けたり、台本をもらったりして、どうやらこれは現実らしい、と。最近受け止め始めているところです。――あらすじを読んでも、なかなか斬新なストーリーですが、ともさかさんが脚本をお読みになった時の印象は?私が最初にお話しいただいたときは、福原さんと、古田(新太)さんのお話ししか聞いていなかったんですが、でもこのふたりが組むということは、多分普通の芝居ではないんだろうなということは思っていて(笑)。おふたりが組んでいらっしゃった『いやおうなしに』(2015)も大好きだったので、なんとなくの方向性は想像していて、きっと一筋縄ではいかないお芝居になるんだろうなと思っていたんですよ。それで脚本を読んだら、1ページ目から笑ってしまって。悪い人ばかりが次から次へと出てくるんですけど、それぞれ「悪い」方向性が違って、面白いんです。「ミュージカル『衛生』〜リズム&バキューム〜」チラシ出ている役者さんが格好いい役者さんばかりなので、きっと格好いい舞台になるんだろうな、劇場でこのチラシを見たら、観に行きたいと絶対思うな、とも思って。そこに参加させていただけるのは、ありがたいですよね。――ともさかさんは2曲ほど歌うご予定があるそうですね。まさに今日楽曲をもらったんですけど、私の役のテーマ曲が1曲と、みんなで歌う曲が1曲あります。結構歌うなと思っています(笑)――今の段階で、演じられる瀬田好恵(せた・よしえ)役についてはどう捉えていますか?本当にいろいろな悪い人が出てくる中で、多分私が演じるキャラクターは、「あ、いい人出てきた」と思うような、人当たりが一瞬いいんですよ。やさしい口調で、人当たりがいい感じだけど、すごくひどいことを言っている、みたいな。いろいろなアプローチがあると思うんですけど、一瞬善人のように見えて、悪い人。私はそういう役回りなのかなぁと想像しています。稽古前に台本が全部ある!(笑)――そもそもこの公演が始まったのは「汚いミュージカルをやろう」という発想だそうですが、その点、ミュージカルファンとしてはどう思いますか?面白いですよね、やっぱり。よくこんなこと思いつくなぁと思います(笑)。『俺節』を観たときも思ったんですけど、福原さんの中では、劇中で音楽を使ったり、歌を取り入れたりすることが、すごく重要なんでしょうね。私がミュージカルが好きな理由も、楽曲にすごく惹かれるから。メロディに乗せて心情を吐露されると感動が倍増するし、メロディの威力を感じるんです。今回はまだ自分が関わる楽曲しか聴いていないですけど、みなさんそれぞれいろいろなタイプの曲を歌われると思うので、それもすごい楽しみですね。多分普通のミュージカルではないんだろうなと思いつつ(笑)、どんな舞台になるのか、楽しみです。――共演者の方とのエピソードや期待していることはありますか?古田さんと六角(精児)さんは以前舞台でご一緒したことがあるんですけど、その他のみなさんは初めてです。どうなるんですかねぇ。私はそんなに舞台経験ないんですけど、稽古前に台本が全部あるという現場をあまりやったことがなくて。だいたい稽古初日は全くゴールが見えないところからスタートするんですよ(笑)。それはそれで面白くて、私は好きなんですけどね。今回は台本がすでに全部あるので、自分なりに「この方はこんな風にセリフを言うのかな」とか「古田さんってこういうセリフ似合うよな」とか(笑)、自分なりに妄想しながら読んでいます。早くみなさんが動いていらっしゃるところを見たいですね。――ともさかさんは、事前に役を作っていくタイプですか?稽古場で作っていくタイプですか?時と場合によるんですけど、そもそも稽古初日に台本5枚しかないというシチュエーションだと、予測が立たないじゃないですか(笑)。なので、何かプランニングをしてやるというよりは、その瞬間瞬間、与えられたものの中で、自分なりにイメージ膨らませながらやっていった結果、全然違うところがゴールだったという経験が結構あるんですよね。今回は、逆に緊張しますよ。台本がもう全部あるんだもの(笑)。事前に準備する時間が与えられているので、いろいろと想像を膨らませてはいます。でも、福原さんの演出を受けるのが初めてですし、私がなんとなく想像している方向性と、福原さんが想像していることが果たして一致するのかどうか。答え合わせがこれから始まるわけですよね。「全然違った!」ということもあるので、その辺も含めて楽しんでいけたらいいなと思います。先輩たちの背中を追いかけて――ドラマや映画でご活躍される一方、舞台にも出演されています。ご自身の中では、何か違いはありますか、それとも通ずるものがありますか?やはり別物だなと思います。もちろん演じるという意味においては同じものですけど、映像はあくまで編集されたもの。編集の力によって、よく見せていただいたりとか、違う魔法がかかったりするけど、舞台のあのライブ感は、映像をずっとやってきた身としては、全く別物というか、本当に特別だなと思うんですよね。舞台は今その瞬間の自分がまるごと試される場だと思います。古田さんはじめ、先輩たちを見ていると、本当に当たり前のように舞台に立っていらっしゃるけど、それがいかに難しいことなのか。自分が舞台に関わるお仕事をする度に、反省の連続ですよ。でも、格好いい先輩の背中を見ながらお仕事ができるのは幸せなことなので、そこは存分に力を借りながら楽しんでやりたいですね。――このコロナ禍で演劇界は多大な影響を受けました。ともさかさんご自身はこのコロナ禍で、どんなことを感じていらっしゃったのでしょう?去年の春頃は私も完全に仕事がストップして、再開の目処がついていなかったんですよね。役者は役やセリフを与えてもらって、初めて成立する仕事。もちろん、その中でできることもあるという方もいらっしゃると思いますが、役者の本質としてはすべてが断たれたなとその当時思っていて。舞台の公演なんてできるのかな、ずっと稽古してきたものが、全く日の目を浴びないなんて、そんな絶望ないよなと思って。だから、この作品も本当にやれるのかなと去年は正直思っていました。誰にも分からないじゃないですか、明日どうなるかなんて。でも、久しぶりに劇場に行って、ミュージカルを観る機会があったんです。高校の同級生でもある水樹奈々ちゃんが帝国劇場で主演していた『ビューティフル』。それを観た時に、やっぱり生はいいなぁ、この感動は配信では絶対に味わえないものだなぁと改めて思ったんですよね。もちろん今の環境下で配信などの選択肢があると思いますけど、生で、客席でみんなで感動を共有してというあの感覚は、やっぱり唯一無二のものだなぁと思いました。私にとって、コロナ禍ではこれが初めての舞台出演です。無事にみんなで元気に最後まで乗り切れたら。それだけを今は祈っています。――コロナ禍で、仕事でもプライベートでも変わったことありますか?大したことではないのですが、去年の自粛期間中に、Instagramでインスタライブをやり始めました。マメにやっているわけではないのですが、こういうタイミングだからこそ、全く演じていない素の自分みたいなものを見てもらってもいいのかなと思って。それで、やったらすごく楽しくて! やっぱり私たちの仕事って、何か演じている姿を見てもらう仕事じゃないですか。取材でも、作品を通しての話がメインだから、なかなか自分のことを語る場がありそうでなかったりする。それをリアルタイムでみんなでシェアできるのは面白いなと思いましたね。――最後に、公演を楽しみにされているお客様に一言お願いします!いわゆるザ・ミュージカルを想像して来てくださるお客様は、ちょっとざわざわするかもしれないです(笑)。けど、本当にカッコいい人たちばかり登場しますし、この福原さんの唯一無二の世界観をぜひ劇場で一緒に共有できたら嬉しいです。この生の面白さは観ていただかないと絶対伝わらない。ぜひ気軽に観に来てくださったら嬉しいです。取材・文:五月女菜穂撮影:藤田亜弓ヘアメイク:伴まどかスタイリスト:斉藤くみワンピース¥39,600/デ•プレ シューズ¥25,300/トゥモローランド イヤーカフ¥35,200•リング¥25,300/ブランイリス エストネーション六本木ヒルズ店(ブランイリス)お客様お問い合わせ先:デ•プレ/0120-983-533・トゥモローランド/0120-983-511・ブランイリス エストネーション六本木ヒルズ店/0120-503-971公演情報ミュージカル『衛生』〜リズム&バキューム〜脚本・演出:福原充則音楽:水野良樹 (いきものがかり)/益田トッシュ出演:古田新太、尾上右近、咲妃みゆ、石田 明(NON STYLE) 、村上 航、佐藤真弓、ともさかりえ、六角精児他【東京公演】2021年7月9日(金)〜7月25日(日)会場:TBS赤坂ACTシアター【大阪公演】2021年7月30日(金)〜2021年8月1日(日)会場:オリックス劇場【福岡公演】2021年8月9日(月・祝)〜2021年8月11日(水)会場:久留米シティプラザ★5月29日(土)10:00より東京公演チケット一般発売開始!
2021年05月29日住んでいた場所は違っても、年齢が近ければ「そうそう!わかる」って盛り上がれるのが、青春時代に影響を与えられた映画の話。各界で活躍する同世代の女性と一緒に、「’80年代」を振り返ってみましょうーー。「私にとって“忘れられない’80年代”といえば、高校時代に映画館で見た『フラッシュダンス』(’83年)。あの作品に出合わなかったら芸能界に飛び込む勇気は持てなかったし、いまの自分はなかったって思うんです」そう話すのは、女優の羽野晶紀さん(52)。映画館で見た『フラッシュダンス』は大きな一歩を踏み出すきっかけとなったという。物語はダンサーを夢見る18歳の女性が主役。養成所のオーディションにチャレンジしたいが、バレエ経験がないために臆してしまう。だが、さまざまな人との出会いと別れのなかで成長し、オーディションに臨むというもの。「当時、住んでいた宇治から河原町まで、京阪電車で30分くらいかけて映画を見に行っていました。その途中の駅にジャズダンス教室の看板があるのは、いつも電車の窓から見ていたのですが、あるとき、『フラッシュダンス』の影響もあって、“私も習ってみたいな”って思ったんです。でも何だか恥ずかしくて、親にも友達にも内緒でバレエ用品を売っている『チャコット』に行って、ダンスシューズと、映画の主人公そっくりの黒のレオタードを買いました。そして体験教室にーー。おっかなびっくりでしたが、実際にチャレンジしてみると、すごく楽しくて『来週から来ます』ってレッスンに通うことにしました。月謝は6,000円くらいだったかな」さすがに親に黙っているわけにはいかないので、「絶対にお父さんには言わないで」と母親にだけ告白。「洋楽のヒット曲に先生が振りをつけてくれて踊るのですが、それがすごく楽しくて、MTVがはやっていたこともあって、洋楽もダンスも大好きになりました」学校でも、渡り廊下の窓ガラスに自分の姿を映し、ダンスの振りを練習した。「バンドを組んでボーカルもやりました。SHOW-YAやレベッカ、男子のメンバーとアルフィーを歌ったり」ダンスと歌に明け暮れた高校時代。卒業後、大阪芸術大学のミュージカルコースに進学したことで、さらなる転機と巡り合う。「劇団に所属していた先輩から学食で『公演でダンサーが必要だから参加しないか』と毎日のように誘われたんです。でも、劇団のお芝居は見たことがなくて。アングラっぽいイメージがあるじゃないですか。あまり興味がなくて断っていたんだけど、さすがに毎日ずっと断り続けるのも無理ってなって、1回だけのつもりで見学に行ったんです」それが、古田新太らが所属する「劇団☆新感線」との出合いとなった。「大音量でヘビメタやハードロックを流し、お芝居をしながら踊りを取り入れるのが特徴。“アレ?想像していた演劇じゃなくて、ハードロックで踊るの?”と。だから初舞台はダンサーだったんです。そのうちセリフがもらえて、MTV世代だから、ロックで踊るのがめちゃくちゃ楽しくて、“ああ、自分のやりたいことって、ここにあったんだ”って、のめり込みました」間もなく、劇団の公演を見に来たテレビ局の関係者から、バラエティ番組のオファーが舞い込み、仕事が次々と決まっていった。忙しくなり、大学にはほとんど行けず、2回生のときに中退。そのまま芸能界に進むことに。「テレビの仕事、劇団☆新感線、ダンスや歌との出合い、ジャズダンス教室への入会……遡っていくと、芸能界に続く道の原点に『フラッシュダンス』があるんです」「女性自身」2021年6月1日号 掲載
2021年05月24日父に千葉真一さん、兄に新田真剣佑さんを持つという芸能一家に生まれ、ロサンゼルスで育った眞栄田郷敦さん。役者デビューしてわずか2年で、社会現象を巻き起こした話題のドラマに次々に出演するなど、その勢いは止まりません!新たな出演作である映画『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』では、長野オリンピック・スキージャンプラージヒル団体で、日本初の金メダルの獲得のために命懸けで戦った、テストジャンパーを演じています。中高時代はサックスのプロを目指していました。――ところで、寒いのは苦手ではないというのが意外で。眞栄田さんはLAのビーチで生まれ育ったようなイメージがあるのですが…?眞栄田:あはは(笑)。両方好きです。子供の頃は毎年、冬は家族でカナダにスキーをしに行き、夏はLAのビーチで遊んだりもしました。――やはり華やかな幼少期なんですね。どんなお子さんでしたか。眞栄田:ずっと兄の真似をしてる子でした。お兄ちゃんが言ったこと、やりたいこと、お店で頼んだものまで全部。お兄ちゃんにすごい憧れがあったんだと思います。でも、ケンカもすごくよくしましたけど。あとはめちゃくちゃよく食べて、よく泣いて、すごくたくさん寝る子だったらしい。小学校の時は空手に打ち込みつつ、アメリカはストリートのスポーツが盛んだったから、バスケやスケボーをやったりも。中学入学とともに日本に移り京都に住んだのですが、そこから本格的にサックスを始めました。――サックスはプロ級の腕前だと聞きました。眞栄田:プロを目指していたのは本当です。アメリカにいる時にバンド演奏の授業があって、そこで2年間ぐらいサックスをかじったんですね。だから日本の中学に“部活”というのがあると聞き、それならサックスを続けてみようということで吹奏楽部に入部して。ちなみに最初はテナーサックスから入り、バリトンサックスに替え、中2の時にプロを目指そうと決めてアルトサックスにしたんですが。その時すでに東京藝術大学に入りたいと思っていて。高校はプロを目指せるコースのある岡山の学校に決めて、吹奏楽部で部長を務めながら大学受験のために頑張っていたんだけど受験に落ちちゃった。その当時は結構強気だったから、もう一回受ける気はなくて。とんがっていたんですよ…はい。――とんがった眞栄田さんも見てみたいです(笑)。眞栄田:あはは(笑)。そういえば、この前ふと思い出した父からの言葉があって。それが「わからないことはどんどん質問をしなさい」だった。聞いて怒る人はいないからって。「やるならてっぺんを目指してとことんやれ。嫌なら辞めろ」というのもよく言われた言葉。――かなりハードルの高い言葉ですよね。でもお父さまが言うから説得力があるというか。眞栄田:父は現在、元気な82歳。いまだにやりたいことが尽きないし、常に夢を抱いてる超人です。まあてっぺんを取れっていうより、てっぺんを取るぐらいの努力をしろ、ということですよね。小さい頃から言われてきたので、それが僕の軸としてあります。だからサックスを頑張れたところもあります。――サックスのプロを諦めて、すぐに役者に?眞栄田:大学受験には失敗したんですが、いったん上京しようと思って東京に来た時にちょうど、映画『ちはやふる-結び-』をやっていて、そこで初めて兄の映画を映画館で観たんです。実は子供の頃に映画を観たり映画館に行ったという記憶がほとんどなければ、父からも観せられたなんてこともなくて。僕が中学で日本に来た時に兄はアメリカに残ったので、6年ぐらい会っていなかったんですね。だから兄の姿をスクリーンで見た時に「ああ、これが兄貴か」って不思議な感じでした。同時に別人に見えて、いろんな人物を演じる役者ってすげーって素直に思ったんです。ちょうど映画『小さな恋のうた』への出演の話をいただき、やってみようと思いました。父から役者の道を勧められたことは一度もなかったんですが、役者になると言ったらすごく喜んでくれて。兄は「やれば?でも大変だぜ」みたいな反応だったと思います。――自分で役者に向いていると思いますか?眞栄田:思わないです。いつか“向いてる”って言える日が来るのでしょうか…。デビューして間もないのに次々に役をいただけるのはもちろんありがたいと思いながら、父の言葉じゃないけど、上を目指してまだまだ磨いていかないとなって。実力をつけていかないと。――アメリカと日本、どんなところに違いを感じていますか?眞栄田:まず日本に来てびっくりしたのが、学校の先生が進路や将来に向けての生き方をすごく熱心にケアしてくれること。日本の先生たちは素晴らしいなって感動したし、いろんなことを僕に教えてくれたのですごく感謝しています。特に中学時代の恩師に出会っていなければ今の僕はいないと言えるぐらい。その先生とは今でも仲が良くて京都に帰ると必ず会いに行きますし、先生の家で先生の家族とごはんを食べたりします。高校時代の担任は書道家でもあり、今でもよくごはんに行ったりしますね。僕の芸術のライバルだと思っています。高校時代は寮生活だったというのもあって、先生方にすごくお世話になりました。――すごい、そんな生徒は滅多にいないと思いますよ。眞栄田:そうなんですか?知らなかった(笑)。まあ僕は結構生意気だったので、気にかけてくれたんでしょうね。それにもともと、師匠を大事にしたいという思いが幼少期から強くあるんですよね。だから空手の先生もサックスを教えてくれた先生たちも、これからも大事にしたいと思っています。ちなみに、アメリカの女性と比べて日本の女性はすごく素朴でいいとも思いました。京都に住んでいたので、方言も好き。驚いたり喜んだりと、感性が豊かで、感情を素直に出せる女性は素敵だなって思っちゃう。結婚するなら、僕は日本の女性がいいですね。――これからの人生、どう生きていきたいですか?眞栄田:好きなこと以外はやりたくない性格で。だからその時どきでやりたいと思ったことを、叶えられるような環境を30歳ぐらいまでに整えたいですね。それは役者の仕事に限らず。あと、最近、知り合いとか同級生が結婚したり、子供が生まれたりしているのを見ると羨ましい!昔から結婚願望は強い方なんですが、子供も可愛くて好きだから、僕も早く結婚して子供が欲しいです。まえだ・ごうどん2000年1月9日生まれ、米・ロサンゼルス出身。現在放送中のドラマ『レンアイ漫画家』で、フジテレビの連ドラに初出演。また二階堂藤悟を演じている同番組のスピンオフドラマ『レンアイ格闘家』(FOD)では、主演を務めている。ほかにも出演映画『東京リベンジャーズ』が7月9日公開予定。スポーツジャケット¥158,000パンツ¥118,000(共にメゾンマルジェラ/マルジェラ ジャパン クライアントサービス TEL:0800・000・0261)1998年長野オリンピック・スキージャンプラージヒル団体で悲願の金メダルを手にしたスキージャンプチームだが、そこには陰で支える25人のテストジャンパーたちが起こした奇跡があった。『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』は公開中。出演:田中圭、土屋太鳳、山田裕貴、小坂菜緒(日向坂46)/濱津隆之、古田新太ほか。※『anan』2021年5月19日号より。写真・斎藤大嗣スタイリスト・MASAYA(ADDICT_CASE)ヘア&メイク・Misu(ADDICT_CASE)インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2021年05月15日19歳で映画『小さな恋のうた』でスクリーンデビューすると、ドラマ『ノーサイド・ゲーム』や『私の家政夫ナギサさん』等、話題作に出演し、たちまち注目の役者となった眞栄田郷敦さん。ロサンゼルスで生まれ育ち、父に千葉真一さん、兄に新田真剣佑さんを持つという華やかなプロフィールも知られている。そんな眞栄田さんの、新たな出演作は映画『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』。長野オリンピック・スキージャンプラージヒル団体で、日本初の金メダルの獲得のために命懸けで戦った、テストジャンパーたちの物語だ。――テストジャンパーの存在が広く知られるようになったのが’98年の長野オリンピックでしたが、眞栄田さんはご存じでしたか?眞栄田:当時はまだ生まれていなくて。このお話をいただき、台本を読んだ時に日本選手団がどういう流れで金メダルを獲り、その裏側で何があったのかを知りました。初めて、テストジャンパーという人たちの存在を知り、胸が熱くなりました。僕が演じる南川は、代表候補に選ばれるほど実力のあるジャンパーなので、代表から外れてテストジャンパーの一員になった最初の頃は、怪我のトラウマを受け入れられずに鼻につく態度ばかり。イヤなやつという印象ですが、それが後半では心を入れ替えていくんです。――感情表現の切り替えがなかなか難しい役柄ですね。眞栄田:そうですね。前半と後半では差をつけたかった。最初は人の目を見ずに、余裕ぶって顎が上がっている感じ。誰かと話す時にも片側重心で何かにもたれているスタイルでしたが、後半は目の色を変えて、真っすぐに人を見るように意識しました。でも多かれ少なかれ、誰もが自分を良く見せよう、大きく見せようと思った経験はあると思っていて。そういう意味で南川は人間味があって、感情移入しやすい人物だと思います。――眞栄田さんもそういう経験はあったのでしょうか。眞栄田:やっぱり中高生の時は…(笑)。自分をカッコよく見せるために髪の毛をセットし始めたり、ファッションに興味を持ち始めてアクセサリーなどもつけだしたり、そういう時期がありました。恥ずかしいですね(笑)。でも高校を卒業してから、無理に飾っても仕方がない、肩の力を抜いてそのまま過ごせばいいと気づきました。南川とは方向性は全然違うんですが、でも弱い部分を隠そうとする、そんな気持ちに共感はできましたね。――雪が降り積もる極寒の地での撮影。俳優としては、集中力をキープするのが大変だったのでは?眞栄田:確かに寒かったですが、寒いのは苦手ではないんですよね。それに現場に日替わりでお味噌汁やスープを用意していただけたので、それを飲んで体を温めていました。みんなで、近くのジンギスカン屋によく行ったりもして、楽しい思い出も多い現場で。(田中)圭さんも山田(裕貴)さんも初共演だったんですが、お二人がガンガンきてくれたので人見知りの僕としてはとても助かりました。いろんな場面で引っ張ってくれたなぁと思っています。――そういえば、役作りで20kg近くの減量をされたとか…。眞栄田:その前に出演していたドラマ『ノーサイド・ゲーム』で85kgまで体重を増やしたのもあったので……。って、この映画を撮影したの、ずいぶん前のことのように感じる。公開の1年延期を経て、ようやくみなさんに観ていただけるのがうれしいですね。まえだ・ごうどん2000年1月9日生まれ、米・ロサンゼルス出身。現在放送中のドラマ『レンアイ漫画家』で、フジテレビの連ドラに初出演。また二階堂藤悟を演じている同番組のスピンオフドラマ『レンアイ格闘家』(FOD)では、主演を務めている。ほかにも出演映画『東京リベンジャーズ』が7月9日公開予定。スポーツジャケット¥158,000パンツ¥118,000(共にメゾンマルジェラ/マルジェラ ジャパン クライアントサービス TEL:0800・000・0261)1998年長野オリンピック・スキージャンプラージヒル団体で悲願の金メダルを手にしたスキージャンプチームだが、そこには陰で支える25人のテストジャンパーたちが起こした奇跡があった。『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』は公開中。出演:田中圭、土屋太鳳、山田裕貴、小坂菜緒(日向坂46)/濱津隆之、古田新太ほか。※『anan』2021年5月19日号より。写真・斎藤大嗣スタイリスト・MASAYA(ADDICT_CASE)ヘア&メイク・Misu(ADDICT_CASE)インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2021年05月14日キスシーンはスポーツ感覚でやっていました(笑)年齢を重ねるほど、艶が増し、深みをたたえていくのが、“いい男”の条件だとしたら、俳優・桐山漣もまた“いい男”のひとりだろう。2006年の俳優デビュー以降、着々と経験を積み上げ、気づけばいろんなドラマでその顔を見る存在に。今年に入ってからも『青きヴァンパイアの悩み』『カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。~』と出演作が続き、5月13日より放送開始のMBSドラマ特区『ラブファントム』では、容姿端麗のエリートホテルマン・長谷慧役で主演を務める。「毎回極甘Kiss満載の溺愛ラブストーリー!」というキャッチコピーに違わず、作中ではさまざまなキスシーンが登場する。「台本を開くと、1話につき2~3回くらいはキスシーンが出てきます。このソーシャルディスタンスの時代に攻めたドラマだなと思いました(笑)。特に印象的だったのはお姫様抱っこをしながらのキスシーン。あとは、冷蔵庫ドンなんていうのもありましたね」横顔の美しさ、危うげなまなざし、指先の角度など、男の色気がたっぷり堪能できるキスシーン。その裏側には、監督の並々ならぬこだわりがあった。見た目のケアにはそれほどこだわりはありません「はじめは僕の方でもどんなふうにしようかなと考えていたんですけど、現場に入ったら監督の中でしっかりイメージが固まっていて。首から上だけのマネキンを持ってきて、ここのキスはこういうふうにやってくださいと細かく指導をしてもらいました。なので、どっちかと言うと、ダンスの振りに近い感じですね。僕もスポーツ的な感覚でやっていました(笑)」その完璧さから「怪人」とも呼ばれる長谷。“完璧彼氏”の長谷を体現することは、桐山にとっても容易ではなかった。「僕自身は隙だらけの人間なので、演じるにはハードルが高いなと。特に今回の作品は原作があるので、原作ファンの方からするといろんなイメージがあると思うんですね。その中でも誠心誠意を尽くして役と向き合いたいというのが僕の想い。なので、まずは所作を美しくしたいなと思って。ホテルマンの所作を勉強するためにいろんな動画をチェックして、お辞儀の角度とか、立っているときの姿勢とか、そんなところに気を配りながら演じていました」ちなみに、長谷は38歳という年齢を感じさせない“美魔男”キャラ。桐山漣も36歳には見えない容姿だが、意外にも見た目のケアに関してはそれほどこだわりがないのだそう。「美容液と乳液の違いがよくわからないレベルです(笑)。だから、ずっと化粧水と乳液だけ塗って寝るという感じだったんですけど、別の作品の役づくりのために念入りにケアをするようになりました。毎日パックをしたり、見たこともないクリームを塗ったり(笑)」クールに見えて、わりと庶民的。その親しみやすさも、桐山漣の魅力のひとつだ。「パックは大容量のものを買って。ついてるピンセットでつまんで貼るんですけど、余ったのは手に塗っています(笑)。そういうことをやっている自分はなんだかちょっと新鮮ですね。はじめは面倒くさいなと思っていたんですけど、やればやっただけ効果があるんだっていうことがわかって、ちょっと楽しくなったり。これを毎日きちんとされている女性はすごいなと改めて尊敬するようにもなりました」キャリアを重ねるにつれて感謝の気持ちがより大きくなった『仮面ライダーW』で知名度を高め、以降、数々のドラマや映画に出演してきた桐山。近年は『これは経費で落ちません!』『いいね!光源氏くん』『おじさんはカワイイものがお好き。』など良作での好演が目立ち、俳優としてネクストフェーズへ突入しつつある。だが、本人の胸にあるのは、満足や慢心ではなく、感謝の気持ちだ。「たくさんの俳優がいる中から選んでいただいて初めて成立するのが役者という仕事です。そう実感しているからこそ、選んでいただけることへの感謝は強いし、選んでいただいたからにはきちんと結果を出さなきゃという気持ちがありますね」特に「キャリアを重ねるにつれて、感謝の気持ちがより大きくなった」と言う。「デビューしたての頃はまだ20代前半で正直ツンツンしているときもありました。そういう時期を経て今の僕がいる。たとえばこんなふうに取材をしていただくことも含めて、仕事は人との出会いで成り立っているもの。だから、1回1回の出会いに対し、ちゃんとありがとうございますという気持ちを伝えたいと考えるようになりましたし、100の期待に対し120、130、あるいはそれ以上の結果でお返しするというスタンスで、ひとつひとつの仕事と向き合うようにしています」よく友達から「その話、前も聞いた」って言われています(笑)ここ数年は特にコメディでの演技が光っている。転機は、『俺のスカート、どこ行った?』。主演の古田新太からは大きな影響を受けた。「新太さんから言われて覚えているのが、『練習をするな』という言葉です。最初に聞いたときは、どういうことだろうと思ったんです。練習をしないって、それだけ聞いたらダメなことじゃないですか。でも改めてその言葉を噛み砕くうちに、きっと真新しい気持ちでやることが大事なんだって意味じゃないかなと考えるようになりました」真新しい気持ちでやる。それは、俳優としていくつもの現場に立つ中で感じたことだ。「たとえば本番前のテストが良かったりすると、どうしても本番でもテストでやったことをなぞってしまいそうになるんですね。だけど、そうやってテストをなぞったときほど、テストの方が面白かったのにということになる。どんなにテストが良くても、本番でまた新鮮な気持ちで臨まないと、いいものは生まれない。そういうことを新太さんはおっしゃっていたんじゃないかなと思います。だから、コメディにしても、そうじゃない作品にしても、常に本番では真新しい気持ちでやる。特にコメディなら隙あらばアドリブを入れるチャンスをうかがったり。そこは貪欲にやっています」目指すのは、振り幅の広さ。どんな役でも硬軟自在に演じる俳優像を思い描いている。「僕自身、クールだったり、冷たそうというイメージを持たれることが多いので、コメディをやることで役者としての幅を広げられたのかなと。だから、『俺のスカート、どこ行った?』しかり、『探偵が早すぎる』しかり、あの時期の僕をコメディに引っ張ってくださった方たちには感謝の気持ちがあります。今回の長谷という役も、今までにやったことのないようなキャラクター。新しいタイプの役を任せてもらえることがありがたいですね」そう何度も感謝の言葉を口にする姿に、今、桐山漣が多くの作品で求められる理由の一端を見た気がした。大人の色気と、謙虚で誠実な姿勢。その両方を内包しているから、桐山漣は “いい男”なのだ。最後に、「僕自身は隙だらけ」と言う桐山の「隙」はどこか聞いてみた。「物忘れが激しいところですね(笑)。仕事に行くときも、よく携帯を忘れて家を出ちゃうし。あ、やばい忘れたと思って取りに帰ったら、今度は手に持っていた車のキーを置いて出ることも(笑)。そのたびに、『俺はいったい何をやってるんだ…』ってなるんですけど、なかなか治らないんですよね。友達に同じ話をして、『その話、前も聞いた』って言われることもしょっちゅうだし。仕事に関しては違うスイッチが入るのか、台詞を覚えるのも全然平気なんですけど、プライベートはまったくダメ。脳トレが必要だなと思っているので、何かいい方法があったら教えてください(笑)」そう恥ずかしそうに頬をかくところもギャップ満載。その魅力にまた多くの人が心を掴まれていくことだろう。30代半ばを迎え、ここからが桐山漣の黄金期。あらゆる経験を糧に、桐山漣はますます“いい男”に進化していく。※桐山漣の「漣」はさんずいへんに連が正式表記桐山漣さんのサイン入りチェキを2名様にプレゼント!ぴあアプリを ダウンロード(dpia-app://contentAll?contentId=7408aa27-e7e4-46ac-852f-1b39a0746903&contentTypeId=2) すると、この記事内に応募ボタンがあります。撮影/岩田えり、取材・文/横川良明
2021年05月13日古田新太主演、現代の罪と偽り、そして赦しを映し出すヒューマンサスペンス『空白』の特報映像と追加キャストが公開された。映像では、中学生の花音をスーパーの店長・青柳直人(松坂桃李)が全速力で追いかけるシーンから始まる。そして、追いつかれそうになった瞬間に車道に飛び出し、青柳は驚き唖然とする。一方、父・充(古田さん)は霊安室で娘の死に慟哭し、暴走がスタートする。また新たに、田畑智子、藤原季節、趣里、伊東蒼、片岡礼子、寺島しのぶの出演が明らかに。田畑さんが充の元妻松本翔子。藤原さんが漁師である充の弟子・野木龍馬。趣里さんが充の娘・花音の中学校の担任教師・今井若菜。充の娘・花音役は、『湯を沸かすほど熱い愛』で第31回高崎映画祭で最優秀新人女優賞を受賞した伊東さん。花音をはねた女性ドライバーの母・中山緑を片岡さん。青柳が店長を務めるスーパーアオヤギのパート店員・草加部麻子を寺島さんが演じる。加えて、本作のキービジュアルも到着。「父、暴走。」のコピーと充の顔が全面に映し出されたビジュアル、青柳の横顔と、追う者&追われる者のインパクトある一枚に。さらにチラシは、2人の顔が両面見開きとなり、中面は花音の後ろ姿と「はじまりは、娘の万引き未遂だった――。」の文字で構成されている。『空白』は9月23日(木・祝)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:空白 2021年9月23日より全国にて公開(C)2021『空白』製作委員会
2021年04月27日