「汚い」「バイキンがいっぱい」など、唾液にはあまりいいイメージがないかもしれません。しかし、唾液には非常に重要な役割があると力説するのは、『長生きする人は唾液が多い』(本田俊一、フォレスト出版)の著者。大阪で歯科医院を開業している現役の歯科医師だそうです。具体的にどのような役割があるのかといえば、まず唾液がたくさん出る人は虫歯もできない。そればかりかガンやインフルエンザを予防でき、病気知らずで長生きできるというのですから驚きです。つまり本書では、正しい唾液との秘密を明らかにしているわけです。■食後3分以内に歯磨きしても無意味?ところでそんな本書のなかで、著者は「333運動」について意外な事実を明らかにしています。ご存知の方も多いと思いますが、これは「食後3分以内に、1日に3回、3分間歯を磨こう」というもの。しかし食後に歯を磨く習慣があるのは、世界のなかでも日本をはじめとする少数の国だけなのだそうです。そしてその結果、人によってはドライマウスが進行したり、虫歯になりやすくなったり、食後しばらくしてから口臭がひどくなるケースが多発したのだとか。■飲食後の口腔ケアは歯磨きではないしかも海外の多くの国では起床直後に歯を磨くのに、日本人の多くは朝食後に磨くもの。しかしそもそも、ものを食べたら必ず歯を磨かないといけないのだとすれば、1日に何度も歯を磨かなければならないことになります。飲食後の口腔内は酸性に傾きやすい状態になるため、例外なく口腔ケアが必要。海外でもそれは同じですが、ただし決して歯磨きではないのだそうです。そして歯磨きには、唾液が大きく影響しているのだと著者はいいます。また、「333運動」がよくないのは、食後、口のなかが酸性に傾いているときにブラッシングをするべきではないから。そういう意味で食後の歯磨きは明らかに逆効果で、飲食後にブラシで歯垢を取る必要はなし。大切なのは、舌の上の食べかすや飲みかすを処理することと、pHをコントロールして、酸性化しやすい状態を中和してくれる唾液をいかに活用すること。■歯のためにタブレットやガムの利用を唾液の流れを確保するには、唾液腺から分泌された唾液を飲み込みつつ、唾液を分泌し続けるという舌の連続した動きが重要。そして食後は歯磨きよりも、唾液をしっかり出す方法を実践することの方が、歯の健康のためには有効。食べかすや飲みかすの処理を考えるならば、タブレットやガムを口に入れて転がし続けることが最適だそうです(ちなみに唾液をしっかり出す方法は他にもたくさんあり、本書ではそれもしっかり紹介されています)。逆に、歯磨きをして口をすすぐのでは、唾液は逆に喪失してしまうというのです。■虫歯予防でフッ素を取り込むべきか否かなお現在のほとんどの歯磨き剤には、虫歯の予防のためフッ素が入っています。たしかにフッ素は虫歯予防のために有効ですが、フッ素を口から取り込むことに反対する団体もあるのだといいます。また、日本の歯磨き剤メーカーの多くは、合成界面活性剤のメーカー。合成界面活性剤の成分のひとつであるラウリル硫酸ナトリウムとその誘導体については以前から人体への有害性が指摘されており、アレルギーを引き起こしたり発がん性があったりと、さまざまな問題が取りざたされているのだとか。また歯磨き剤には、たくさんの殺菌剤や薬品、有機溶媒のアルコールなどが配合されています。歯磨き剤は1日に何度も口に入れるものですから、長期使用の影響が懸念されても無理はないでしょう。しかも合成界面活性剤はいくらすすいでも残留しやすく、一度口に入ると、容易なことでは取り除くことができないというのですから恐ろしい話です。その結果、わずかではあっても、毎日、口腔内粘膜から吸収されてしまう。これが、歯磨き剤は少量にすべきだという考え方の根拠。つまり、合成界面活性剤の入っていないオーガニックな歯磨き剤を選ぶことが大切だということです。■ただし起床直後の唾液は危険なので注意なお、先に「海外の多くの国では起床直後に歯を磨く」と書きましたが、これには根拠があるようです。起床直後の唾液には、細菌や、細菌がつくり出した「内毒素」が飽和状態になっているというのです。これは、組織や骨まで破壊する威力を持っているもの。つまり起床直後の唾液は、一晩かかって口腔内で培養された最高濃度の細菌溶液のみならず、最高濃度の毒薬に匹敵するもの。そこで、起床直後の歯磨きが非常に大切なのです。逆に起床後、歯を磨かずに朝食をとるということは、菌を朝食と一緒に飲み込んでいるということになるわけです。*歯磨きとの関係だけを見てみても、唾液の重要性を理解できるのではないでしょうか?他にも知られざる唾液の秘密が満載されていますので、読んでおくべきだと思います。(文/書評家・印南敦史)【参考】※本田俊一(2015)『長生きする人は唾液が多い』フォレスト出版
2015年11月02日歯磨きはしっかりしていても、なぜか気になる口臭!?実は、口臭予防は、「唾液」がカギを握っているとのこと。「口」ストレッチを推奨する日本大学歯学部教授植田耕一郎先生にお話を伺いました。植田耕一郎(うえだ こういちろう)日本大学歯学部歯学科摂食機能療法学 教授気になる口臭の原因は?――口臭は、なぜ発生するのですか?植田先生:口臭の原因には、舌苔(ぜったい)と呼ばれる舌の表面につく苔状のものと歯周病が考えられます。舌苔や歯周病部分には細菌が生息しています。この細菌が、食べ物に含まれるたんぱく質やアミノ酸を分解し、腐敗させて口臭を発生させます。口臭を防ぐ秘けつとは?――どうしたら口臭を防げますか?植田先生:実は、この口臭を抑える役割をするのが唾液なのです。唾液には口の中を洗浄する機能があります。また、唾液に含まれる炭酸・重炭酸・リン酸などが細菌の異常な繁殖を抑える役割をはたしています。――唾液が分泌すると口臭が防げるということでしょうか?植田先生:そうです。「食べる」「話す」「呼吸する」「表情をつくる」の4つの行動を行うことで唾液が多く分泌されます。ただ、これらを日々意識して生活をしろというのは、なかなか難しいことです。そこで私が推奨しているのが「口」ストレッチです。感情を入れながらの「口」ストレッチが効く――具体的に教えてください。植田先生:唇をとがらせたり、頬をふくらませたり、すぼめたり。これらの簡単な口のストレッチで、唾液の分泌が促されますが、これに感情を組み入れることで一層の効果が期待できます。「口」ストレッチには、「微笑み口」「大笑い口」「怒り口」「大泣き口」などがあります。これらは、実際に嬉しい、悲しいといった場面を想像しながら、感情を入れてストレッチするのがコツです。――感情が大事なのですね植田先生:最近の研究では、表情をつくることが心身に影響を与えると言われています。「笑顔」が脳に伝達され、実際に楽しい、嬉しいと本当に思えるようになるのです。意図的に作った表情であっても喜怒哀楽の感情が生まれるとリラックス効果につながります。リラックスすると副交感神経が優位となり唾液も十分に分泌され、ごはんもおいしくなり、されに唾液が増加する。これにより口臭も防げるという好循環を生み出します。ストレスが口臭を招く――唾液が減ると口臭は発生しますか?植田先生:リラックスして副交感神経が優位のときは、さらさらとした唾液が十分に分泌されます。いっぽう、緊張しているなどのストレス状態では、交感神経が優位となります。唾液も、ネバネバとしてきて分泌量も少なくなります。例えば、プレゼンテーションの前など、緊張しているときに口臭が気になることが多いと思いますが、それは、唾液の分泌量が減少しているからなのです。口臭が気になるなら、唾液の効果や仕組みを理解することが大事です。唾液を十分に分泌させるためのちょっとした工夫をすることで、口臭は改善されるかもしれません。「口」ストレッチの詳細が掲載されています。「長生きは『唾液』で決まる!」植田耕一郎講談社+α新書
2015年07月13日「歯磨きをきちんとしていれば、むし歯は防げる」と思っている人は多いのではないでしょうか。確かに歯磨きは大切ですが、もっと重要なものがあります。それは「唾液」。唾液は、口の中でどのような役割をしているのでしょうか。日本大学歯学部教授 植田耕一郎先生に聞きました。――虫歯予防のための唾液の役割はどのようなものですか?植田先生:唾液の役割は、消化作用、抗菌作用、円滑作用などいくつかありますが、歯に直接かかわる作用は3つあります。口の中を洗い流す洗浄作用、歯の表面に皮膜をつくって歯の保護作用、虫歯になりかけた歯の再石灰化作用です。この唾液の役割はとても重要です。以前、脳卒中を発症して3カ月経つ患者さんの口腔ケアを行いましたが、ほとんどの歯が虫歯になってしまっていました。これは、歯磨きができなかったからだけではありません。筋肉の麻痺によって口の運動ができなくなり、唾液が出づらくなったり、口の中での唾液の循環が上手くいかなくなってしまったりすることが原因です。例えば、健康な人が3カ月歯磨きをしなかったとしても、食べる、話すなどの日常的な機能が働いていれば、そんなに簡単に虫歯はできません。また実際に、「ほとんど歯磨きをしないが虫歯はない」という人もいます。唾液の作用により歯が守られているからです。――どうすればきちんと唾液が分泌するのでしょうか。植田先生:最近はストレスなどで唾液の分泌が悪くなり、口が渇くという人もいるかもしれません。唾液を健康のバロメーターの一つとして、自分の体の声に耳を傾け、心身の調子を整える努力をするのもよいかもしれませんね。唾液は、副交感神経が優位になり、リラックスしているときによく分泌されます。唾液が少ないと思ったら、食事や会話を積極的に楽しみ、口によい刺激を与えてください。その際重要なのは、「おいしい」「楽しい」という豊かな気持ちです。食事でも、義務的に咀嚼するより自分の好きなものを食べる方が、ずっと唾液の分泌がよくなりますからね。――唾液を健康に保てば、歯磨きに神経質にならなくてもよいのですか?植田先生:歯磨きは確かに大切だと思いますが、回数を多くすればよいということでもありませんし、力を入れすぎるのも逆効果です。とくに、若い人の中には知覚過敏の人が増えていますが、力を入れ過ぎたり、回数が過度であったりしているからだと思います。ただ、ポイントを押さえて歯磨きをすることは重要です。人によって口の中の状態は違いますから、自分はどこが汚れやすくてどう歯ブラシを動かしたらよいのかなどを、かかりつけの歯科医などで教えてもらうのもよいのではないでしょうか。右利きの人は右側の裏を磨くのが苦手、などの傾向もあります。――唾液は重要なのですね?植田先生:唾液の役割はむし歯予防だけではありません。味覚を促進させたり、食べ物を飲み込む、消化吸収させやすくするなど、人間にとって欠かせない「食べる」機能に重要な役割を果たしています。また近年、歯周病になった部分からばい菌が血液中に入り、生活習慣病(糖尿病や心臓病、脳卒中など)の原因となることがわかってきています。唾液は歯周病菌の繁殖を抑える役割も持っていますから、病気予防の役割もしているわけです。唾液を意識する生活は歯だけでなく、全身の健康にとって重要です。植田先生のご著書(amazon)『長生きは「唾液」で決まる!』
2015年07月07日「唾液」を意識したことがありますか?空気と同じで、ふだん気にしていない唾液が、実は私たちの健康に大きく関わっています。虫歯や全身の健康に関わる唾液の役割について、日本大学歯学部教授 植田耕一郎先生にお話を伺いました唾液が全身の健康に関わる――唾液はどのような役割を果たしているのでしょうか。植田先生:唾液に抗菌・殺菌作用や虫歯予防の効果があることはよく知られていますが、食べ物を飲み込むのを促し、消化吸収を助けるのも大きな働きです。例えば、点滴から栄養を摂っていたときは体重が全く増えなかった患者さんが、口から食べるようになってから体重が増えたりします。唾液により消化吸収がよくなったからです。消化吸収がよければ、免疫力もあがってきますよね。そんな風に全身にも影響を及ぼします。口が渇き、ペットボトルが手放せない――唾液が健康でないというひとはどういうひとでしょうか?植田先生:若い人でも口が渇いてペットボトルが手離せないという人がいます。ストレスの多い生活をしているからでしょうか。いつも何か飲んでいたり、ガムやグミをかんでいないと口が渇くという人は、唾液の分泌が低下しているのでしょうね。唾液は、リラックスして副交感神経が働いているときにサラサラのものが多く出ます。緊張して交感神経優位のときはネバネバのものが少しだけ出ます。緊張とリラックスはどちらも必要なものですが、そのバランスを見直してストレスを取り除くなどの対処が必要でしょうね。――どうすれば、口の中を健康的な唾液で満たすことができるのでしょうか。植田先生:食べる、話す、呼吸する、表情をつくるなども口の機能なので、これらの刺激を取り入れることによっても唾液は増加します。ここで覚えておきたいのは、これらの動きを、感情を伴って実践すること。唾液を出すために機械的に噛むのではなく、食事をしながら、「おいしい」「幸せ」「楽しい」と感じることが大切なのです。そのためには、食物は全て“命”から生まれていますので「(命を)いただきます」、また食事を作ってくださった方に「御馳走様でした」と感謝と喜びを感じることが大事だと思います。食べたいものをおいしく食べることでリラックスして、唾液の分泌量は増加します。この効果はとても大きく、病気などで口から食事ができない状態になっても、その人が自分の好物を食べることをきっかけに、摂食機能が改善するケースもあるんですよ。硬いものがよいとか何回噛みましょう、などと推奨されることもありますが、まずは食べたいと思うものを食べ、口に楽しい刺激を与えて唾液を健康に保ってください。唾液がそのひとの人生を左右する!?――植田先生は、『長生きは「唾液」で決まる!』という本も出版されています。唾液が体に及ぼす影響は大きいのでしょうか。植田先生:私が唾液と健康の関わりに関心を持ち始めたのは、1990年東京都内のリハビリ専門病院に勤務し、患者さんの口腔ケアを始めてからです。多くの患者さんは体に麻痺などがある状態で、食べたものがそのまま口の中に残っていたり、歯がほとんど虫歯になり根っこだけの状態になってしまっていたりと、それは大変な状態でした。麻痺によって口の機能が低下し、唾液が満足に出なかったり口の中で循環させることができなかったりする状況だったからです。唾液が健全に出る人なら、歯磨きが2~3カ月間できなかったとしてもこのような状態にはなりません。――加齢によって唾液が出にくくなるとも言われていますが。植田先生:高齢で唾液が出にくくなる原因の8~9割は薬の副作用によるものです。さらに薬は、眠気を誘発するものも多いです。寝ている間には唾液はほとんど出ませんから、悪循環ですよね。薬を飲まないと不安という場合もありますので、薬を急にやめるわけにもいかないでしょうが、唾液が出ないと味覚の機能も低下し、食べ物もおいしくなくなってしまいます。これでは生活意欲も低下してしまいますよね。――唾液が、口の中の健康を左右するのですね。植田先生:そう言っても過言ではありません。唾液は、心身の状態をみるバロメーターでもあります。リハビリ専門病院の勤務後、大学病院で集中治療室の患者さんを診る機会もありましたが、極端な例では、たとえ意識のない方でも口の中に刺激を与えたときに唾液が出れば、「この人は回復する」と確信できました。意識があっても口の中がカラカラの方は「危ないかもしれない」と思う。これはだいたい、予想通りの経過をたどることが多かったです。口の機能を健全に維持し自分の口から食べられるか、そうでなくなってしまうかは,その人生を左右するほどの大きな問題であり、それは唾液で決まります。植田先生のご著書(amazon)『長生きは「唾液」で決まる!』
2015年06月30日円滑にできていたコミュニケーションが、ある日を境にできなくなってしまった。そんな方はいませんか? 実は、寝不足がコミュニケーション能力の低下に繋がるというデータがあるのです。心当たりのある方は、日々の生活リズムを見なおしてみてはいかがでしょうか。コミュニケーション能力が落ちるメカニズム寝不足が引き起こすトラブルは多岐にわたり、一般的には「ストレスがたまる」「太りやすい」「疲れやすい」といった問題が起こることで知られています。ほかにも、注意力や判断力、共感性などが薄くなることをご存じでしょうか?その結果、相手の話が頭に入ってこなかったり、怒りやすくなったりして、普段よりもコミュニケーション能力が低下してしまうと言われています。しかも、自身がコミュニケーション能力の低下に気づくより前に、会話の相手が気付くケースがほとんど。そうなると、ビジネスをはじめとしたさまざまな場面で、大きな支障が生じてしまいます。思い当たる節のある人は、大きなトラブルに発展する前に、早期の解決を目指しましょう。日本人は寝不足とコミュニケーションへの不満を感じている人が多い2013年、イケア・ジャパン株式会社が実施した「睡眠と生活に関する意識調査」によると、5都市(ロンドン、ストックホルム、ニューヨーク、パリ、東京)のなかで平均睡眠時間が最も短い都市は東京で、睡眠満足度も最下位だということがわかりました。また、同調査で「自分の生活のなかで不満を感じるところはどこか?」という質問に対し、東京の約3~4割の人々は、「家族や友人とのコミュニケーションに不満を感じる」と回答しています。これらの調査からわかるとおり、寝不足とコミュニケーション能力の低下には密接な関係があるようです。きちんとした睡眠時間を確保しよう勤労世代をはじめとし、日本人には寝不足に悩まされている人が多いと言われています。ほかの国との睡眠時間差も明らかになっており、社会問題のひとつとしてメディアに取り上げられるケースも少なくありません。寝不足が慢性化すると、疲労回復が難しくなり、コミュニケーション能力にも影響が出てしまいます。今はまだ問題を感じていない人でも、次第に家族や友人とのコミュニケーションに不満を感じはじめ、やがては日常生活を送る上で大きなストレスを抱えてしまう可能性があるのです。寝不足に悩む方のなかには、仕事や勤務形態の都合で、睡眠時間を確保しづらい方もいるでしょう。しかし、できるだけきちんとした睡眠が取れるように心がけ、人付き合いを円滑に行えるよう改善を目指してみてはいかがでしょうか。それが日々の不満の改善につながるかもしれません。photo by Pedro Ribeiro Simões
2015年06月17日歯は、虫歯菌などの働きにより歯の成分であるリンやカルシウムが溶け出す「脱灰」と、唾液中に含まれるリンやカルシウムが結晶化して再び歯に戻る「再石灰化」を繰り返しています。この再石灰化の力が弱くなると次第に虫歯に進行してしまいます。日々の歯磨きでこの再石灰化を助けて虫歯を予防する歯磨き粉が登場しました。歯の再石灰化のための最先端技術を取り入れた歯磨きペースト「クリンプロ」(90g・参考価格1,180円)がスリーエム ジャパンから発売。6月2日から歯科専用のケア製品として販売が開始されます。歯磨きペースト「クリンプロ」(90g・参考価格1,180円)クリンプロには、再石灰化の成分となるリンとカルシウムの結晶体「fTCP」を配合。さらに、これらを歯に戻す働きをするフッ素も同時配合。両者の働きによって、歯の石灰化を強力に進めます。これまで、フッ化物のみを配合した歯磨きペーストは多く出ていますが、分子の性質上、フッ化物とリン、カルシウムを同時配合して効果を発揮することはできませんでした。同社は独自の技術により、これらを同時配合して再石灰化を高めることに成功。実験では、フッ化物のみ配合したペースト、fTCPのみ配合したペーストと比べて、両者を配合したクリンプロは最も高い再石灰化率となりました。製品担当のスリーエム ジャパン ヘルスケアカンパニーの相川光広さん歯を守るために重要な唾液は通常、1日に1~1.5リットル分泌されていると言われていますが、ストレスなどで唾液が出にくく、再石灰化の働きが悪くなって虫歯ができやすい状態になってしまっている人も多くいます。再石灰化を促すクリンプロのケアで、少しでも虫歯予防をしませんか?※クリンプロ取り扱い歯科医は、6月下旬から下記ウェブサイトでご紹介します。Tooth! Navi 歯と健康を考えるサイトクリンプロについてのお問い合わせ(フリーダイヤルマーク)0120-332-329(平日9:00~17:00/スリーエムジャパン歯科用製品事業部)Photo by ND Strupler
2015年06月15日明治はこのほど、はっ酵乳(ヨーグルト)とオリゴ糖の摂取が、胃酸分泌低下によって生じる骨強度の低下を予防することを動物試験で確認したことを明らかにした。同試験は、高齢者に多く認められる胃酸分泌の低下が骨強度に及ぼす影響と、はっ酵乳とオリゴ糖の摂取が骨強度に及ぼす影響について検討したもの。試験には、高齢者の胃酸低下状態を模倣するために、胃酸分泌抑制剤を投与したラットを使用。通常食を摂取した場合と、はっ酵乳・オリゴ糖を摂取した場合の骨の強度を比較した。その結果、通常食を摂取したラットは、曲げやねじりの力に対する変形しにくさの度合いを示す骨強度の低下が見られた。しかし、はっ酵乳とオリゴ糖を摂取した際には、この影響が抑制されることが確認できたという。同研究から、胃酸分泌が低下すると骨強度が低下することと、はっ酵乳とオリゴ糖を摂取するとその悪影響を予防できることが明らかになった。同社ではこの研究結果を、5月14日~18日に神奈川県横浜市で開催された「第12回アジア栄養学会議」(会場:パシフィコ横浜)で発表している。
2015年05月20日イギリスでは結婚しないカップルや、子供を生まないカップルが増えています。少子化は世界的な社会問題で、日本にとっても他人事ではありません。また、結婚率の低下も、子供に悪影響を及ぼしていると話題になっています。今回は、イギリスのニュースサイト『the telegraph』から、詳細をご紹介します。■既婚以上に未婚の親が急増イギリスでは、今後10年ほどで、両親が結婚していない子供が、結婚した夫婦の子供の数を上回るだろうという専門家の予測が立てられています。子供がいる夫婦の割合は、1980年の88%から30年ほど減少傾向にあり、2012年にはついに最低の53%になりました。両親が結婚していない子供は、1950年代には20人に1人、1970年代には10人に1人以下でしたが、家族の在り方が変わり始めた1980年代には44%になりました。この数字が50%を超えるのは時間の問題だろうと専門家の間では言われています。働き方や社会の在り方が変わり、家族の形も変化しているのです。さらに、カップルが結婚する割合が低くなっていることも指摘されています。女性が社会でキャリアを積みやすくなったことで、結婚しないで一人で生きる女性や子供を産まない女性も増えています。女性が自由に生き方を選べるようになったのはいいことです。けれども、子供を産まない女性が増えているのは、子育てしにくい制度も原因の一つではないかと言われています。自分の選択として子供を産まないのならいいのですが、子供を産みたいのに仕事や経済的な環境のせいで子供が産めないという人も多いのです。行政や社会として、女性だけでなく男性の働き方も自由にしていく必要があります。あと、家庭内別居など、家族内の問題も増加中です。女性が社会的地位を上げたことでこうした問題はなくなるのではないかと言われていました。しかし、結果としては増加の一途をたどっています。その原因は結婚率の低さにあると専門家は指摘しています。子供ができた時点で結婚してなかったカップルがその後15年以内に離婚する率は、そうでない夫婦の倍にもなるのだとか。こうした問題を解決できるのはもはや行政だけだと言われています。結婚しやすい環境づくりや、税金の緩和などでの解消が期待されます。■両親の不仲は子供に悪影響イギリスでは、数値上はまだですが、すでに婚外子がそうでない子供の半数にまで上っていると言われています。それはこの数値には、結婚して子供を生んでいることがほとんどの“移民の数字”が含まれているから。イギリスでは多くの専門家が、結婚率の低下を指摘し、それによっておこる家庭崩壊、またそれが子供に与える悪影響を心配しています。イギリスの元大臣のティム・ラフトン氏は、結婚する人を増やすことは社会の基盤作りにおいて重要であると語っています。結婚しないで作られる人間関係は、出入りが自由で長持ちしないというのです。両親の関係がうまくいっていない子供は、学校での成績が伸び悩むことが多く、精神的、身体的に健康でなくなることが多いといいます。自分の居場所となる家庭が安定していないと、子供の心も安定しないといわれています。子供が安心して生活できる環境づくりも求められています。家族の在り方が多様化している今だからこそ、こうした問題について考えていかなければならないのかもしれません。(文/和洲太郎)【参考】※Most births will be ‘out of wedlock within 10 years’-Telegraph
2015年05月11日MMD研究所は、「2015年4月格安スマホ通信速度調査」を実施し、4月23日にその結果を発表した。同調査によると、格安スマホは昼になると通信速度が低下し、携帯キャリアの回線とダウンロードスピードに差がでることがわかった。同調査では、NTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンクモバイルなど国内主要キャリアとMVNO(仮想移動体通信事業者)企業のサービスが提供する格安スマホ(計10社)を比較。2015年4月9日、10日、13日~15日の平日5日間に東京・恵比寿のMMD研究所事務所内において、10時~11時、12時~13時、17時~18時の3つの時間帯で計測し、通信速度に違いがでるか調べた。なお、通信速度は「RBB TODAY SPEED TEST」アプリを利用して計測。平日5日間、朝・昼・夕の時間帯で各5回計測し、最大・最少の値を除く3回の平均値を記録した。調査の結果は次の通り。まず午前の10時~11時の時間帯において、携帯キャリアの通信速度はドコモが18.0Mbps、auが24.1Mbps、ソフトバンクが30.0Mbpsだった。一方でドコモ回線を利用したMVNOではIIJmioが11.7Mbpsで最も速く、au回線のMVNOではmineo、UQmobileが共に10.0Mbpsだった。回線提供元の通信キャリアと格安スマホのダウンロードスピードを比較すると、IIJmioとドコモの通信速度差が最も少なく6.3Mbps。次いでb-mobileが7.8Mbpsだった。トラフィックが集中すると言われている昼の時間帯、12時~13時では、両者のダウンロード平均スピードに差が出た。ドコモ、au、ソフトバンクの3キャリア平均が27.6Mbpsだったのに対し、MVNO 10社の平均は1.8Mbpsだった。UQ mobileとb-mobileを除いては1Mbpsを切るまでに速度が低下し、格安スマホにおいて朝、昼、夕でダウンロード平均スピードに差がでる結果となった。一方、通信キャリアは、朝、昼、夕でのダウンロード平均スピードに大きな差は見られなかった。夕方の時間帯、17時~18時は、MVNOによってダウンロード平均スピードに差が出た。最も速かった楽天モバイルおよびUQ mobileは10.3Mbpsで、最も遅かったぷららモバイルLTEの0.5Mbpsと比較すると、9.8Mbpsの差となった。一方で、アップロードスピードについては、MVNOと携帯キャリアに大きな差はなかった。
2015年04月23日フィリップス エレクトロニクス ジャパンはこのほど、全国の30代~50代の男女600名と歯科医師・歯科衛生士100名を対象に実施した「お口の乾燥と唾液に関する調査」の結果を明らかにした。唾液には、口内の細菌の繁殖を抑える「緩衝作用」や口内の細菌の活動を抑える「抗菌作用」など、オーラルケアの観点からさまざまなメリットがある。ただ、年齢を重ねるにつれて、唾液の分泌量が減少したり、サラサラの唾液からネバネバの唾液へと変わり質の低下が起こったりするという。実際、同社が日常的に口の中が乾燥していると感じることがあるか尋ねたところ、一般人の5割以上が「よくある(9.2%)」「たまにある(45.5%)」と回答した。歯科従事者でも約4割が「よくある(5.0%)」「たまにある(34.0%)」と回答している。全体でも52.4%と、約半数が日常的に口の中が乾燥していると感じていることがわかった。口を潤すためにしていることについて聞くと、全体のトップ3は「飲み物を飲む(70.4%)」「口をゆすぐ/うがいをする(45.6%)」「水を口に含む(43.7%)」だった。歯科従事者は、「舌を動かす(32.0%)」「唾液線マッサージをする(28.0%)」「アゴを動かす(24.0%)」など、口の周りを動かして唾液の分泌につながる方法を実践している人が多かった。医療法人社団誠敬会 誠敬会クリニック内科・歯科の田中真喜先生は、「飲み物を飲むことで口内を潤すことができる一方、糖分を含んだものは虫歯や糖尿病のリスクを高めます。舌や唇を動かしたり、唾液腺マッサージをしたりするだけでなく、食事の際に咀嚼(そしゃく)回数を増やして口の周りを動かす習慣をつけることが大切です」と指摘している。これまで唾液の作用について知る機会はあったか尋ねると、「まったくなかった(9.8%)」「ほとんどなかった(60.0%)」と一般人の約7割はそのような機会に恵まれなかったと回答した。唾液についてもっと知りたいと思うか聞くと、一般人は「とても知りたいと思う(17.2%)」「少し知りたいと思う(63.0%)」と答えた。歯科従事者では「とても知りたいと思う(56.0%)」「少し知りたいと思う(35.0%)」 と、9割以上が興味を示している。
2015年04月08日国立がん研究センターは4月2日、乳がんの脳転移にがん細胞から分泌される微小な小胞エクソームが関わっていると発表した。同成果は分子細胞治療研究分野の富永直臣 研修生、落合孝広 分野長の研究グループによるもので、4月1日付けの米科学誌「Nature Communications」電子版に掲載された。乳がんは比較的予後の良いがんとして知られる一方、治療後、長期間を経て脳転移が認められることがある。脳への転移は予後に大きな影響を及ぼしQOLを著しく低下させるが、そのメカニズムについてはわかっていなかった。同研究では、がん細胞が分泌する直径約100nmの顆粒(エクソーム)が、脳血管で物質透過を制限しているBBBという生体バリア構造を破壊していることを突き止めた。エクソームに含まれるmiR-181cというマイクロRNAがBBBの構造を変化させた結果、バリア機能が失われ、がん細胞が容易にBBBを通過し、脳転移を引き起こしていると考えられるという。がんの脳転移メカニズムを明らかにした今回の成果は今後、早期発見および新規治療法の開発への応用が期待される。
2015年04月02日睡眠の質は、眠りホルモンであるメラトニンの分泌量によって左右されます。でも、周囲が明るいとメラトニンがうまく分泌されず、ぐっすり眠ることができません。質の良い睡眠を確保するためには、照明の明るさだけでなく、色にも注意すると良いようです。メラトニンの分泌量は光に左右されるLED電球が一般家庭に普及し、部屋につける照明の選択肢は増えました。オシャレな寝室を演出したいという人もいると思いますが、眠りの質を左右するので、慎重に選ばなければなりません。本来、人間は眠るときに脳内で大量にメラトニンを分泌し、起きると分泌は抑制されます。でも、寝る直前まで周囲が明るいと、正しい働きができなくなってしまいます。その結果、眠りの質が下がってしまうのです。実は、メラトニンの分泌は、照明の明るさだけではなく、色にも影響されているのではないかと考えられ、研究が進められています。ぐっすり眠るには、寝室の照明を選ぶときにメラトニンの分泌を邪魔しない色にする必要があるのです。リラックス効果が期待できる照明の色が判明仙台医療センターの実験によると、メラトニンの分泌を邪魔しない照明の色はオレンジ色のようだという結果が出ました。オレンジ色は光の波長が長く、リラックス効果が期待できるそうです。色彩心理学では、オレンジ色のような暖色系は気持ちを盛り上げる作用があると考えられています。そこで、心を落ち着ける効果が期待できる、青色を取り入れようと思う人もいるかもしれません。でも、青色の光は瞳孔を収縮させるので、人にまぶしいと感じさせる効果があると言います。身体が睡眠モードに入るのを邪魔してしまうので、まぶしい照明を寝室に置くのは控えましょう。オレンジ色の光で快眠しようアナタの寝室の照明は何色ですか?もし、ぐっすり眠りたいのであれば、照明の明るさだけでなく、色にも注意するとよいでしょう。オレンジ色の照明は、脳に対する刺激が低め。柔らかい明かりがメラトニンの分泌を促してくれます。間接照明やダウンライトを使えば、脳が自然と眠りに入っていけるはずです。食事が済んだら、できるだけオレンジ色の光がある部屋で過ごすといいかもしれません。オシャレな照明器具もたくさん登場しているので、インテリア気分で選ぶのもおすすめ。オレンジ色の照明を取り入れて、ぐっすり眠りましょう。Photo by Lulu Lovering
2015年02月12日睡眠不足によって免疫力が低下し、年中風邪をひいている若者が多いようです。今回は、いまどきの風邪についてご説明します。冬は特に風邪をひきやすいので、しっかりと対策しましょう。現代人の風邪について現代人の風邪というものは、以前よりも長引き、症状が強い傾向にあるようです。それは、ライフスタイルの乱れからくるものと考えられます。特に20代に多いのが、年中風邪をひいていて、なかなか治らないというもの。それは睡眠不足などが続き、体が治る環境に置かれていないことが1つの原因だと考えられます。また病院へ行くのではなく、市販薬で済ませようとする若者が多いようです。しかし、長引く場合は、しっかりと病院へ行き、診察してもらいましょう。重病の可能性もゼロではありません。睡眠不足が続く中で麻痺する感覚睡眠不足が続くと、今自分が睡眠不足の状態であるかも麻痺していきます。通常睡眠時間が短い場合、それが自分にとっての最適な睡眠時間だと錯覚してしまうのです。しかし、そうではありません。睡眠不足が続いているから、風邪が治らないのです。頻繁に風邪をひくのは20代が多いようです。効き目の強そうな市販薬を使って、どんどん免疫力を低下させていっているため、自然治癒力が逆に低下し、風邪をひく頻度が増えていってしまっているのです。店頭でも、自己判断で薬を決めるのはなく、薬剤師さんに相談して薬を決めるようにしましょう。風邪予防のための3つの取り組み風邪をひかないために日頃から心がけていることはなんですか?風邪予防のための3つのポイントをご紹介します。(1)手洗い&うがい、そしてマスク手洗い&うがいは基本ですね。手に付いたウイルスや鼻や口から入ったウイルスを外に出してくれます。(2)睡眠睡眠不足の状態が一番ウイルスをもらいやすい状態といえます。しっかりと睡眠をとりましょう。(3)栄養補給しっかり食べること!冬は太りやすいとも言われていますが、ダイエットばかり気にかけていると、風邪をひいてしまいますよ。以上3つのポイントを頭に入れて、健康にこの冬を過ごしたいですね。Photo by Drew Herron
2015年01月16日近年、若い女性に増えているのがドライマウスという症状です。唾液の分泌量が減ってしまい、口臭をもたらします。また、口呼吸の人も増えているようです。今回は、口呼吸とドライマウスの原因と対策についてご紹介します。寝起きの口臭が気になる!ドライマウスが原因寝起きの口臭が気になっている方は意外と多いのではないでしょうか?ケアしていても気になってしまう寝起きの口臭。この原因はなんでしょうか?口臭は、唾液の量によって変わります。唾液は日中に多く分泌されますが、睡眠中は分泌が減少します。唾液には口のなかをきれいに保つ役割があるため、唾液が減ることで細菌が増えてしまうのです。このように、唾液の量が減ってしまう状態をドライマウスといいます。最近では、ドライマウスの原因の一つはストレスや睡眠中の口呼吸だと言われています。睡眠中に口呼吸になっていませんか?睡眠中に口呼吸になっていても、なかなか気付けないかと思います。よだれやいびきがひどい方は要注意です。口呼吸になるとドライマウスになり、細菌が繁殖しやすい環境になってしまうのです。睡眠時に口呼吸から鼻呼吸に切り替えるためには、正しい姿勢での睡眠と鼻の通りをよくしておくことが必要です。それだけでなく、日々のストレスなど別の原因がある可能性があります。気になるようならば、早めにお医者さんに相談しましょう。口呼吸やドライマウスを侮ってはいけません。女性のドライマウスはストレスが原因?女性のドライマウスは、主に更年期で50代以上の女性に多く、加齢やホルモンバランスの影響だと考えられてきました。しかし、今では40代以下の女性でもドライマウスに悩まされています。若い女性のドライマウスの原因は、不規則な生活とストレスだと言われています。自律神経のバランスを崩すことで唾液の分泌量を低下させているのです。ケアしているのに口臭が気になってしまう場合は、ストレスを疑ってみてもよいかもしれません。このように、唾液量は不調のサインでもあります。これらのサインを感じたら、早めにケアしていきましょう。Photo by clappstar
2014年12月31日睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンは、海外では健康食品もあるほどですが、実は身近な食品からも摂取できるって知ってましたか?また、実は朝の散歩もメラトニンの分泌を促すそうです。今回は、聖マリアンナ医科大学麻酔学教室講師・内田和秀先生のお話を紹介します!カイワレダイコンなど野菜類に多くのメラトニンが!メラトニンの健康食品は、安全で自然な睡眠が得られることで、米国でブームになりました。しかし、中毒患者が新聞報道されるなど、安全性が疑問視されています。そこで、錠剤の服用に不安を感じる人におすすめしたいのが、食品からメラトニンをとる方法です。メラトニンを多く含むのはカイワレダイコンやシュンギク、アシタバなどの野菜だといいます。とはいえ、メラトニンを多く含む食品も、錠剤と比較するとメラトニン含有量はきわめて微量で、多量に食べたとしても効果はなかなか期待できません。メラトニンの前駆体、トリプトファンを含む食品ならたくさんあり!そこで、メラトニンを食べなくても代用できる方法があります。それは、メラトニン生合成の前駆物質、すなわち私たちの体内で、日常メラトニンがつくられるときの「材料」であるトリプトファンを食品から摂取する方法です。メラトニンに比べて多量に食品に含まれています。しかも、トリプトファンを摂取することにより、体内のメラトニン量が増加することが、実験で証明されているそうです。トリプトファンとは、必須アミノ酸の1つ。トリプトファンを比較的多く含む食品には、ふ、クルミ、ゴマ、落花生、ゆば、カジキ、カツオ、カツオ節、サンマ、タラコ、ブリ、トリレバー、チーズ、ノリ、ココアなどがあります。これらも、普段の食生活に取り入れることはそんなに難しくなさそうです。快眠のためにバランスの良い食生活を心がけましょう。午前中の散歩は夜間のメラトニン分泌を促す食品以外で快眠に有効な方法が、午前中の散歩です。午前中の散歩は、体内のメラトニン分泌に影響を及ぼします。なぜなら、午前中に散歩して太陽にあたると、目の網膜から神経連絡された信号が、メラトニンの合成器官である脳の「松果体」に運ばれ、メラトニン合成を強く抑制するからです。これにより、日中のメラトニン分泌が低下し、夜間のメラトニン分泌が上昇します。一部のホテルなどで時差ボケ対策として用いられている光療法は、この原理に基づくものです。なお、夜間、入眠直前まで強い光にあたるのは、メラトニンの分泌を低下させる原因になりますから、寝室は暗くしておくのが良いでしょう。散歩の効用は、メラトニン分泌の抑制のみならず、適度な運動の確保と食欲増進にも貢献し、しかも気分転換といった精神的効果も期待できるので、ぜひ日常生活に取り入れましょう。Photo by Francisco Osorio
2014年11月08日ポーラは、女性がファーストネームで呼ばれると、“美のホルモン”と呼ばれるオキシトシンの分泌量が増加するという実験結果をこのほど公表した。同実験は、新商品「RED B.A」を発売する同社が19人の女性を対象に行ったもの。同社では、結婚、出産などのライフステージに応じて「お母さん」や「ママ」などの呼び方が変化することに注目。ファーストネームで呼びかけられるよりも役割で呼ばれることにより、女性が感じるストレスや美しさの本能が奪われるのではないかという仮説に基づき、体内の2つのホルモンの変化を、ふだんファーストネームで呼ばれていない母親を対象に調べた。その結果、ファーストネームで呼ばれた時の被験者女性たちの体内中のオキシトシンの量は平均15.9%増加。また、唾液中に含まれる“ストレスホルモン”と呼ばれるコルチゾールの濃度はファーストネームで呼びかけ後に平均13%減少する傾向がみられた。この実験結果から、自分の名前で呼ばれるという小さなアクションにより、女性に宿る“美しさ”の本能に変化が起こると結論づけている。なお、今回の実験結果を公開している「RED B.A」のWebページでは、実際にファーストネームで呼ばれた女性たちの様子を紹介した動画を掲載。自分の名前で呼ばれるというちょっとしたアクションにより、自身に宿る美しさの本能が目覚める女性たちの生き生きとした様子が紹介されている。
2014年10月06日(画像はプレスリリースより)代謝の低下に着目したサプリ「ダイエットしてもなかなか体重が減らない」、「食生活は変わっていないのに、体型が変わってきた」など、年齢を重ねるごとにダイエットをしても、「結果が出にくくなってきた」と悩む方も多いのではないでしょうか?そんな方に注目のダイエットサプリ「大人のカロリミット」が6月20日より、ファンケルヘルスサイエンスより発売されます。ファンケルヘルスサイエンスは年齢とともに落ちてくる基礎代謝や活動代謝、食事誘発性熱生産などの、代謝を高める事がダイエットのポイントと考え、食事のカロリーコントロールと代謝の低下をサポートするサプリメント「大人のカロリミット」を開発しました。食事のカロリーにもアプローチダイエットの大敵とされている炭水化物、糖質、脂質にカロリミットにおける5つの成分の「ギムネマシルベスタ」や「桑の葉」、「鳩龍緑茶(キュウロンリョクチャ)」、「キトサン」、「インゲン豆」が多角的に働きかけて、気になる食事のカロリーにアプローチします。また、気になる代謝の低下には、注目されている「ブラックジンジャー」を配合して、代謝全体に働きかけます。配合成分をすばやく、そしてしっかりと届ける為に「即感にこだわるコーティング製法」を採用して、サプリメント内部だけでは無く、表面にも「ブラックジンジャー」を配合したコーティングで、すばやく溶けて、しっかりと体内で働きかけます。「大人のカロリミット」は1袋30日分2800円(税込)で2014年6月20日より、通信販売、全国の直営店、一般流通で新発売されます。【参考】・株式会社ファンケルヘルスサイエンスプレスリリース/PR TIMES
2014年06月15日京都大学は1月30日、すい臓の「ランゲルハンス島(すい島)」において、血糖値を下げる効果のある唯一のホルモンである「インスリン」分泌における重要因子である細胞内ATP(アデノシン三リン酸)濃度と、カルシウムイオン濃度の動態を同時に可視化することに成功し、インスリンを分泌する細胞は血糖値(血中ブドウ糖濃度)の変化に伴った細胞内ATP濃度の変化を鋭敏に感知することにより、インスリン分泌を制御していることSを明らかにしたと発表した。成果は、京大 白眉センターの今村博臣特定准教授、同・大学院 生命科学研究科の垣塚彰 教授、同・大学院 医学研究科の稲垣暢也 教授らの共同研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、1月24日付けで米生化学・分子生物学会の学術誌「The Journal of Biological Chemistry」に掲載された。食事後に血糖値が上がると、ランゲルハンス島の大部分を占めるβ細胞がそれを感知してインスリンを分泌し、肝臓や筋肉などに作用し、これらの組織において血中のグルコースの取り込みを促進し、結果として血糖値を下げる。β細胞からのインスリン分泌がうまく行かなくなると糖尿病となるため、インスリン分泌の仕組みを理解することは糖尿病の予防や治療を考える上でとても重要だ。これまでの研究によって、ブドウ糖が細胞内で分解された時に作られるATPがインスリン分泌の直接の引き金である細胞内カルシウムイオン濃度を制御する重要因子であると予想されていた。しかし、実際にATP濃度がβ細胞内でどのように変化するのか、そしてカルシウムイオン濃度の複雑なパターンの形成に関与しているかは不明だったのである。今村特定准教授らは、以前に開発していたATP濃度に応答して蛍光色が変化するバイオセンサをマウスより単離したすい島の細胞内に導入して蛍光顕微鏡でイメージングすることにより、生きたすい島細胞内のATP濃度の変化をリアルタイムに追跡する方法を確立した。また、同じ細胞に蛍光のカルシウム指示薬を導入することによって、インスリン分泌の直接の引き金である、すい島細胞内カルシウムイオン濃度も同時に測定。この測定系を用いて、さまざまな条件ですい島細胞内のATP濃度とカルシウムイオン濃度が変化する様子が調べられた。その結果、ブドウ糖濃度が上昇することによって急速に細胞内ATP濃度の上昇が引き起こされることが実際に確かめられ、このATP濃度の上昇が初期のカルシウムイオンの濃度上昇に必要かつ十分であることも実験的に示されたのである。一方で、ブドウ糖刺激後しばらくしてから生じるカルシウムイオン濃度の振動期においては、ATP濃度の明瞭な振動は起こらず、ATPが高い濃度で保たれていることがカルシウム振動の維持に必要であることを示す新たな知見が得られたという。糖尿病になることで、すい島細胞内におけるATPとカルシウムイオンの動態がどのように変化するかを詳細に調べることによって、糖尿病が発症する仕組みの解明や新たな治療戦略につながると期待されるとした。
2014年02月06日肌年齢に大きく影響するといわれているエストロゲン。エストロゲンにはお肌の水分保持や、ハリ&弾力に必須なコラーゲンを増やす等の働きがあります。また、お肌の新陳代謝を活発にし、アンチエイジングにも効果的なのが成長ホルモン。これらの美肌の鍵を握るホルモンの分泌を促すためには、実は睡眠がとても大切なのです。女性ホルモンのエストロゲンは卵巣から分泌されますが、不規則な生活や睡眠不足は卵巣機能に悪影響を与え、エストロゲンの分泌を低下させてしまう場合も。自律神経やホルモンバランスの乱れもエストロゲン分泌に悪影響を及ぼす原因になるので、ストレスの少ない規則正しい生活と十分な睡眠を心がけることが大切です。成長ホルモンは睡眠中に分泌されて肌の修復作業をサポートしますが、眠りが浅いと成長ホルモンの分泌が妨げられてしまいます。成長ホルモンの分泌は睡眠直後の3時間が最も盛んなときなので、その時間帯の睡眠の質を高めるのが美肌キープのためには重要。また、成長ホルモンは体内時計の影響が強いと言われていて、寝る時間が不規則だと成長ホルモンがスムーズに分泌されなくなることも。睡眠時間だけでなく、規則正しい生活も心がけたいところ。特にお肌のゴールデンタイムと呼ばれる夜の10時~午前2時に熟睡していると美肌効果が高いので、遅くても夜の11時までにはベッドに入る習慣をつけましょう。私も仕事柄、深夜まで仕事を続けたり徹夜をしたりもしょっちゅうでしたが、最近はなるべく11時頃までには就寝し、朝早く起きて仕事をするなど朝型の生活に変えてから、お肌の調子がグッとよくなりました! 一番わかりやすい変化としては、お風呂から出た後のまだ何もつけていない状態のお肌が、ツヤツヤと光るようになってきたんです。20代前半くらいまではお風呂上がりにお肌がツヤッと光ることはありましたが、20代後半を過ぎたあたりからは激減。年齢のせいと諦めていましたが、実は不規則な生活や睡眠時間が深夜になってしまっていることが影響していたのかもしれません。規則正しい生活を送りお肌のゴールデンタイムには熟睡。良質な睡眠を心がけることで美肌系のホルモン分泌を促して、内側から輝くようなキレイな肌を手に入れてくださいね。
2013年12月08日ジャック・ニコルソンが俳優業を引退していた、と芸能サイト「RadarOnline.com」が報じている。同サイトに関係者が語ったもので、理由は記憶力の低下だという。ニコルソンは今年76歳だが、以前のように長い台詞を覚えることは不可能になってしまったという。1950年代に映画界入りし、『イージーライダー』や『ファイブ・イージー・ピーセス』などアメリカン・ニュー・シネマを象徴する俳優となり、その後は『カッコーの巣の上で』と『恋愛小説家』で「主演男優賞」、『愛と追憶の日々』で「助演男優賞」、とアカデミー賞を3度受賞したニコルソン。「主演賞」、「助演賞」を合わせて12回のノミネートというのはオスカー史上最多記録だが、今年6月の男性誌「Esuquire」イギリス版のインタビューでは、自身について「非常に完璧主義者」と語り、常に過大評価されていると感じ続けていたと明かしていた。近年は映画出演の機会も減り、最後に出演したのは2010年公開の『幸せの始まりは』。今年のアカデミー賞授賞式では「最優秀作品賞」のプレゼンターをミシェル・オバマ大統領夫人と共に務めたが、いつも会場の最前列に陣取っていた授賞式に姿を見せない年もあった。はっきりと引退を宣言して大騒ぎになるのを避け、フェイドアウトしていくことを選んだようだ。関係者によると、俳優業は引退するものの、隠遁生活に入るつもりはないらしい。これまでのようにハリウッドのパーティや、NBAロサンゼルス・レイカーズ戦のコートサイドでの観戦、映画賞授賞式への出席などは続けていくそうだ。(text:Yuki Tominaga)
2013年09月05日一生でスプーン1杯分しか分泌されないのに、女性ホルモンが心と体に及ぼすパワーは絶大。ちょっとバランスが乱れただけで、私たちはすぐに不調を引き起こします。特に最近は、美をつかさどるエスちゃん(エストロゲン)が脚光を浴び、テレビや雑誌でも話題に上ることが増えました。でも、実はエスちゃん(エストロゲン)には、肌や髪の調子をアップし、アンチエイジングを後押ししてくれるうれしい作用がある一方、乳がんや子宮体がんといった怖い病気になるリスクを上げる側面もあるのです。過剰なエスちゃん(エストロゲン)増加は、大切な健康を損なう危険性があるということもちゃんと理解して。妊娠どころか結婚もしていないし、果ては彼氏さえいないというアラサー女子にとっては、受精卵が子宮内膜に着床しやすいようにせっせと準備を進めるプロちゃん(プロゲステロン)は、あまりありがたくない存在かも。生理前になると体がむくみやすくなったり、体重が増えたり、乳房がはったりするのは、すべてプロちゃん(プロゲステロン)の仕業なのですから。でも、このプロちゃん(プロゲステロン)こそが、エスちゃん(エストロゲン)のマイナス作用を和らげてくれる大切な調整役。つまり、この2つのホルモンは体の状態に合った絶妙なバランスを保たなくてはダメ。単に量を増やしても意味がないのです。とはいえ現代社会では、特に分泌量を増やそうと努めなくても、自然とエスちゃん(エストロゲン)優位な状況に陥りやすくなっています。厚生労働省のデータによると、第1子出生児の母の平均年齢は2011年には30.1歳となり、ついに30代に突入。高齢出産が進むということは、若い女性がなかなか妊娠しないということです。妊娠中はプロちゃんが大活躍するのですが、プロちゃん(プロゲステロン)の出番がどんどん減っているのが現代なのです。【連載】 ・女性ホルモンのバランスを整えて、身体の不調やイライラを改善 ・女性ホルモンを脅かす、アラサー女子の大敵とは? ・私たちの卵子も「老化」するって本当?! 協力:ホルモンを整えて潤い美女になる! 1日1ケアメンテBOOK監修:関口由紀 ・ホルモンを整えて潤い美女になる! 1日1ケアメンテBOOK ・女性向けコミック満載!無料WEBマガジン<コミックエッセイ劇場>
2013年08月10日精麦加工の最大手であるはくばくは、大麦(もち大麦)の持つ食物繊維が女性の内臓脂肪を低下させることなどを試験により明らかにした。その試験結果を踏まえ、9月10日にエビデンスページをオープンしている。1日2食、「もち大麦」を30%配合した麦ごはんを摂取する成人女性5名(「もち大麦」30%配合群)と、「もち大麦」を50%配合した麦ごはんを同じ頻度で摂取する、BMI25以上成人男女各5名(「もち大麦」50%配合群)の2グループを対象に、12週間試験を行った。試験結果として、「もち大麦」を50%配合した米飯を摂取することで、BMIおよび腹囲周囲径が有意に減少。「もち大麦」の配合量については、50%配合群だけではなく、30%配合群においても有意差はなかった。女性50%群では、体重の減少効果も大きいことを確認。「もち大麦」配合の米飯を摂取する前に比べ、2.0kg体重の減少が見られた。以上を踏まえ、男性・女性ともに「もち大麦」の摂取がダイエットに有効であることが確認できた。「大麦の機能性の一つとして、皮下脂肪面積よりも内臓脂肪面積の減少に対してより効果的であることが概報として報告されており、大麦(もち大麦)の食物繊維は、ダイエット効果はもちろんのこと、メタボリックシンドローム対策にも有効である」と、同社は考察している。なお、本試験結果は、8月29日から8月31日に開催された「第59回日本食品科学工学会」で発表されたとのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月11日アサヒグループホールディングスとカゴメは、飲酒時にトマトを一緒に食べることで、血中のアルコール濃度が低下することを、ヒトによる試験により明らかにした。同研究結果は5月18日~20日の、第66回「日本栄養・食糧学会大会」(宮城)にて発表された。アサヒグループとカゴメは2007年2月に業務資本提携し、2009年よりアルコールと野菜の関係について共同で研究に取り組んでいる。これまで、両社の共同研究によって、トマトの投与がアルコール代謝を促進させることが動物実験によって明らかとなった。今回はヒトでの効果の検証と、そのメカニズムの探索を行ったもの。ヒトにおいてトマトジュース缶3本(約160ml×3本)と焼酎甲類(ストレート約100ml)の同時摂取試験を適正飲酒量にて実施したところ、トマトジュースを飲んでいない場合(対照として水と焼酎甲類を摂取)と比較して、血液中のアルコール濃度が顕著に(最高血中濃度として約3割)低下することを確認した。また、計算上、体内にとどまるアルコール量が約3割減少した。さらに、トマトジュースを飲んでいない場合ではアルコール消失に5時間要したのに対し、トマトジュースを飲んだ場合では4.2時間となり、約50分早まった。以上の実験により、飲酒時のトマト摂取は、急激な体内アルコール濃度の上昇を抑えることで酔いの回りを緩やかにし、生理的な影響を緩和できる可能性と酔い覚めを早くする可能性が示唆された。また、ラットにトマトの水溶性成分を摂取させ、その後アルコールを投与し、肝臓中のアルコール代謝に関連する酵素の活性を測定。その結果、アルコールおよびアセトアルデヒドを代謝する酵素の活性を高める傾向が見られ、さらにアルコールの代謝を促進する上で重要な酵素であるLDHの活性が有意に高まった。この結果で、トマト摂取後のピルビン酸の上昇とともに、肝臓中のLDHの活性が高まることで、アルコールおよびアセトアルデヒドを代謝する酵素(それぞれADH、ALDH)の働きをスムーズにする補酵素NADが供給され、アルコールの代謝がより促進されたことがわかった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月30日