E-girls兼Flowerのパフォーマー・坂東希(20)が、今年7月公開の映画『虹色デイズ』に出演することが12日、明らかになった。佐野玲於(GENERATIONS from EXILE TRIBE)、中川大志、高杉真宙、横浜流星が主演する本作。累計発行部数300万部を突破した同名漫画を原作に飯塚健監督がメガホンを取り、イケメン男子高校生たちの友情と恋を描く。坂東が演じるのは、男子4人のクラスメイトでバレー部の活発女子・千葉ちゃん。4人と一緒に笑ったり、助言したり、彼らの恋や友情を温かく見守る役どころだ。千葉ちゃんを演じる坂東希これまで、ドラマ『GTO』の常盤愛役や『HiGH&LOW』シリーズの伊集院仁花役などで演技経験を積んできた坂東。今回の出演を、「個性豊かなキャラクターの中、千葉ちゃんを演じさせていただきました」と報告し、「女子のバレー部のキャプテンをしていて、男の子の輪でも仲良くできてどんだけバランスのとれたいい子なんだ!とすごく思います。とにかく、誠心誠意頑張りました!」と撮影を振り返る。また、「男子4人を取り巻く日々を描いていますが、1人1人に時間というものがちゃんとあって、学生生活がすごく愛おしい日々だったんだなと感じました」と自身の青春時代も思い出したようで、「撮影していて、本当の学生生活のように気付かされたり、学んだりすることが多くて、本当にこの作品に携われてよかったです!とてもドキドキしますが、完成がすごく楽しみです!」と心境を語っている。そのほか、佐野玲於演じるなっちゃんが片想いする"杏奈"を吉川愛、杏奈の親友で大の男嫌い・毒舌な"まり"を恒松祐里、高杉真宙演じるつよぽんの彼女でコスプレ好きな女子高生"ゆきりん"を堀田真由が演じる。(C)2018「虹色デイズ」製作委員会(C)水野美波/集英社
2018年01月12日1月2日(火)より大阪松竹座にて上演される「坂東玉三郎初春特別舞踊公演」に向けて、玉三郎が記者会見を行った。「坂東玉三郎 初春特別舞踊公演」チケット情報玉三郎が大阪松竹座の初春公演を勤めるのは4年ぶりで、今回は中村壱太郎とふたりで「なるべく彩りに富んだ舞踊をお見せしたい」と語る玉三郎。新年の挨拶と自身の思いを伝える『口上』から始まり、元禄期の華やかな花見の風情を描いた『元禄花見踊(げんろくはなみおどり)』、美しい秋の情景を歌った長唄の名曲と、季節感あふれる舞踊が楽しめる『秋の色種(あきのいろくさ)』、女方の魅力が詰まった冬の名作『鷺娘(さぎむすめ)』、美しく気品にあふれた吉原絵巻『傾城(けいせい)』を上演。春夏秋冬の美しさを感じられる演目が堪能できる。また、共演の壱太郎については「近年はすっかり大人になられて、いろんな役に挑んでらっしゃる。大変勉強家で、分からないところがあればたびたび聞きにこられます。ゆだねられるところもあり、頼れる存在です」と信頼を寄せ、「以前博多座で演じられていた『芸道一代男(げいどういちだいおとこ)』では、裾をからげて芝居をしているときの足元がとてもきれいだったのが印象的でした。かなり踊りの勉強をされているのだろうと思いました」とコメント。壱太郎が勤める『鷺娘』についても高い期待を寄せた。「劇場ではお正月らしくにぎやかにお迎えしたい」と、獅子舞をはじめ、ロビーを華やかに飾るとのこと。新年の幕開けに、美しいふたりの共演を堪能したい。公演は1月2日(火)から26日(金)まで大阪松竹座にて。チケットは12月5日(火)より発売開始。
2017年12月05日日本の音楽シーンを引っ張り続ける松任谷由実と、人間国宝でもある歌舞伎俳優、五代目・坂東玉三郎の対談で話題になった「SWITCHインタビュー達人達」(NHK・Eテレ)。ふたりが初めて“共演”した番組が11月10日(金)深夜に再放送される。『朝陽の中で微笑んで』チケット情報異なる分野で活躍するふたりの“達人”が、互いにインタビュアーとゲストを「スイッチ」して語り合う番組。4年前の番組開始以来、番組がオファーを繰り返していたというふたり。今回が初対談となるが、お互いに「坂東玉三郎さんであればぜひ」「松任谷由実さんであればぜひ」と実現したのだそう。「玉三郎さんの何かまだ誰も触れたことのない部分を引きずり出せたらなと思って、意欲満々で歌舞伎座に向かいたい」と語る松任谷がインタビュアーを務める収録では、まず歌舞伎俳優としての玉三郎を「孤高の美意識の持ち主で、良い意味でみんなを寄せ付けないようなオーラがある」と評す。これに対する玉三郎の「お客様に夢のような時間というのを見ていただかなければならない、その夢を壊さないようにという気が、被害妄想的にあるんです」という言葉には松任谷も共感。「本当に華やかな舞台を大勢のお客様の前でやりながら、部屋にこもってポツンとする時がある」という玉三郎に松任谷も「選ばれし者の孤独みたいなものにちょっと酔っちゃう時もあります」と、長年第一線で活躍するふたりならではの思いも語り合った。玉三郎がインタビュアーを務める収録では、「私は意識していないんですけどね、『私自身はユーミンの奴隷なの』って言ってるんですよ」という発言も。「今、時々悲しいときもあるけど、ユーミンはどう考える?」と尋ねた玉三郎に対し「牛乳瓶に生けた1本の野の花がね、カサブランカよりも豊かかもしれないじゃないですか」「物量でお金をかけてしつらえをすごくしたということではなく、受け手のイマジネーションにどれぐらい訴えられたか、そういう魔法をかけるのが音楽の役目かなと思います」と松任谷は想いを語る。また、夫でありプロデューサーの松任谷正隆との作業について、玉三郎が「これは譲れないというところはあります?」と尋ねると「たいてい私、折れちゃいます」。「ゼロを1にした段階で、どういじられても変わらない」「歌手の場合は100%もう声で運命が決まっていると思うんですよ」と明かした。再放送は11月11日(土)午前0時(金曜深夜)、同じくNHK・Eテレにて。また松任谷由実は11月、自ら主演する舞台が控えている。作・演出を松任谷正隆が手掛ける舞台シリーズ第3弾・ユーミン×帝劇 vol.3『朝陽の中で微笑んで』で、11月27日(月)から12月20日(水)まで東京・帝国劇場にて上演。番組で興味を持った人はぜひチェックして!取材・文:中川實穗
2017年11月10日坂東玉三郎が太鼓芸能集団鼓童と出会って17年。2006年に上演された音楽舞踊劇『アマテラス』に続く共演2作目となる「幽玄」。東京、新潟、名古屋に継ぐ博多座公演の開幕直前、玉三郎と太鼓芸能集団 鼓童のメンバーに話を聴いた。【チケット情報はこちら】鼓童代表・船橋裕一郎は「玉三郎さんからは『お客様がどう感じるか』をまず考えなさい、と言われ続けました。太鼓は演者が出したい音で演奏する事も多くて、そこは大きな課題でしたね。稽古、公演を重ね、これまでとはひと味違うお客様の反応を感じた時、自分たちが太鼓の新しい領域に入っていけたのかなと感じました」。鼓童入団2年目の大塚勇渡は、今回が初めての玉三郎との共演。「ソロで玉三郎さんと共演するシーンがあるんですが、初めて冷や汗というか脂汗を体感しました(笑)。同じ舞台に立ちながら、日々玉三郎さんの存在の大きさを実感しています」と緊張感を感じながらも楽しんでいる様子。そして『アマテラス』では音楽監督・スサノオ役を務めた石塚充は「鼓童の舞台では、人間の汗とか息遣いを感じるような生活に即した民俗音楽を題材にすることが多かったんです。でも能楽は人間を超越していて、自分というものを排除しているイメージ。大きなハードルでしたが、修行のような稽古を重ねるうちに段々と“自分じゃないもの”に突き動かされているような、自分というものが離れていくような感覚に出会えるようになりました」この“自分から離れる”という事は、今作のテーマのひとつであった、と玉三郎が続けて語る。「人間の肉体とか直接の表現、自分たちが太鼓を叩くことを楽しむだけでは、舞台芸術として幅や奥行きが出ない。叩くということを見せるだけじゃなくて、お客様が違う世界にまで飛んでいけるような音楽を作らなければならない。そこは本当に考えましたね」。能の代表的な演目「羽衣」「道成寺」「石橋」を題材にしている本作。なんとなく敷居が高いイメージだが、玉三郎は「夕焼けが綺麗だな、というような心地よい時間を自由に楽しんで欲しい」と語る。「私たちは能そのものを演じることはできません。様式は生かしながら楽しんでもらえる演奏にして、お客様には自由に空間とか時間を遊んでいただきたいですね。舞台の基準というか到達点もその時々によってずれていきます。だからきっと初演のオーチャードホールからも変わっているんじゃないでしょうか。そうじゃなきゃ芸能じゃないんです。今回、幽玄という言葉では表現しづらい世界ですが、実際に観ていただければ、劇場の空間全体の音や雰囲気を楽しんでいただけると思います」と、新たな挑戦に自信を覗かせた。博多座公演は9月18日(月・祝)まで上演中、ロームシアター京都メインホール公演は9月21日(木)から23日(土・祝)まで。チケットは発売中。
2017年09月04日歌舞伎俳優の坂東巳之助が、窪田正孝主演の映画『東京喰種トーキョーグール』(7月29日公開)に出演することが26日、わかった。同作は、石田スイによる同名コミックの実写化。これまでTVアニメ化、舞台化、ゲーム化など、さまざまなメディアミックスが展開され話題を呼んできた。物語の舞台は、食人の怪人"喰種(グール)"が潜む東京。ある喰種に襲われたことで、半喰種と化してしまった大学生・金木研(カネキ/窪田)が自分自身と向き合っていく。坂東が演じるのは、マスク屋を営むウタ役で、原作でも人気キャラクターのひとり。多くの喰種のマスクを作成し、半喰種となってしまったカネキのためにもマスクを作る。スーパー歌舞伎II『ワンピース』でのボン・クレー役がはまり役と話題になった巳之助だが、今回は頭の左半分を大胆に刈り上げたワンサイドのツーブロックという髪型に、ピアス、全身タトゥー、パンク・ファッションという個性的な見た目に挑んだ。○坂東巳之助コメント正直、最初にお話を頂いた時はすごく迷いました。ウタさんと自分の共通点なんて、眉毛がない事とサイドが刈り上げな事くらいなので…。ですが、タトゥーにピアス、服装から常時赫眼に至るまで、スタッフの皆様が完璧なウタさんセットを用意して下さったので、腹を括って演じさせて頂きました。僕自身が原作の大ファンなので不安もありますが、同じ原作ファンの方々にも受け入れて頂けるウタさんになれていたら幸いです。(C)2017「東京喰種」製作委員会(C)石田スイ/集英社
2017年05月26日歌舞伎俳優の坂東玉三郎と太鼓芸能集団・鼓童の共演作『坂東玉三郎×鼓童 特別公演幽玄』が5月に上演される。その制作発表会見が行われ、坂東玉三郎、鼓童の石塚充、中込健太、北前船代表取締役社長の青木孝夫が登壇した。『坂東玉三郎×鼓童 特別公演 幽玄』チケット情報2000年に初めて鼓童の演出を手掛け、12年からは鼓童の芸術監督も務める玉三郎。その玉三郎と鼓童の共演作は『アマテラス』(06年・13年)に次ぐ2作目。本作では世阿弥が見た世界を「羽衣」「道成寺」「石橋」などの能の代表演目を題材に表現し、不世出と評される玉三郎の優雅な舞と世界の絶賛を浴びる鼓童の太鼓に、花柳壽輔をはじめとする花柳流舞踏家の舞踏が華を添える。玉三郎が「“鼓童とも歌舞伎とも違った世界に”という意味で、『幽玄』を題材にさせていただきました」と話す本作は、鼓童創立35周年記念ツアーの締めくくりの公演でもある。「『みんなどんなものが創りたいの?』という話になったときに『“日本のもの”をやりたい』と。それからいろいろ考えて、一昨年から“日本のもの”に向かって創りはじめました。もちろん和太鼓は日本のものなのですが、日本の様式のものをやるというのは大変難しい。和太鼓の世界であればそれなりのものができますが、“日本の様式を持った美しさ”のある舞台を創るのは大変なことだと思っています」と、一つの挑戦であることを明かす。今回は鼓童のメンバーが謡(うたい)をうたうなど、今までにない演出も。玉三郎は「能楽の楽器を使うわけではなく、ひとつの様式というものを学んで、鼓童の楽器あるいは演奏法に翻訳していくわけですから、そこが大変ですね」。石塚も「演奏や音楽の形式として日本のものを扱うのは初めてです。普段、鼓童は人間が生活の中で自然に歌うように出てきた音楽を土台にすることが多かったのですが、今回はなにか人間じゃないところにいく、ということをすごく要求されている。お能のお囃子の間の取り方、声の出し方、先生方の呼吸の仕方も、人間であるというところを超えているような印象がありまして、そこを目指しているのがすごく大変なことです」、中込は「例えば音と音の間が尋常じゃないくらい長く感じたりとか、自分たちにないテンポ感とか音楽の形を耳で聴いて解読するところから始まりました。能は物語があるということで、音の出し方も違うと感じています。能の謡を合わせたとき、自分たちの太鼓の音が全然違う風に聞こえてきたところは驚きでした」と話すなど、玉三郎と鼓童の新たな姿を楽しめる公演になりそうだ。公演は5月16日(火)から20日(土)まで、東京・Bunkamuraオーチャードホールにて上演後、新潟、愛知、福岡、京都を巡演。取材・文:中川實穗
2017年02月03日「20歳までの容姿は親がくれたものだけれど、20歳以降の容姿は自分の責任」とはよく言われることですが、年を重ねてから「昔はモテた」と過去を自慢げに話す女性がいます。でもそのモテが若さや見た目だけからくるものであったならば、年を重ねてからモテなくなるどころかイタい女性になってしまう危険があります。そこで坂東眞理子さんの『30代あなたに伝えたい人生で大切なこと』より「いつまでもモテ女でいたいなら気を付けておくべきこと」についてご紹介します。■1.女子を卒業する「女子枠でなく、立派にどこでも通用するプロフェッショナルを目指しましょう。試練にあって、必要とされて、初めて女性も自分の中にある力を自覚し、発揮することができます。(中略)女性自身、女子扱いされていると、気楽で責任がなく自由で居心地がよいものです。しかし、40代になってもその境遇を続けようとすると少し「イタい」。」「女子」という言葉が流行し「女子会」「女子力」という言葉がここ数年で話題になりましたが、実際は何歳まで「女子」という言葉を使うのが許されるのでしょう?使っている本人たちも「もう女子っていう年じゃないんだけど・・・」と言いながら使っていることもあります。「女子」という言葉が持つ子どもっぽさを武器にしていると、大人になるに連れて周りからは「イタい女性」として見られてしまいます。「女子」を卒業して「女性」になれる女性だけが、年を重ねてもモテ続ける女性と言えます。■2.気を使われるより気を使う人になる「気を使われる存在でなく、気を使う人でいましょう。何を言っても許されるようになったら、黄色信号。言いたいことを言うだけでなく、どういう言い方をしたら伝わるか、独りよがりになっていないか、気をつけましょう。」若いうちは若いというだけで何かと周りから気を使われて可愛がってもらえるものですが、いつまでもその立場に甘んじていてはいつか年齢に負けてしまう時がきます。そうなると「あの人、もう○歳なのにまだあんなことも知らないなんて」と周りから疎まれてしまいます。若さが武器になるのは若いうちだけで覚えておいて、むしろ若さが武器なうちに「気を使える女性」を目指しましょう。■3.自分に足りないことを学んでおく「自分のできることに自信を持つだけでなく、自分に足りないと自覚していることを学ぶことが大事です。女性が輝く社会とは、女性たち一人一人が自信を持って仕事を遂行し、自分の守備範囲を広げていくことでもたらされます。」年を重ねるに連れて新しいことを始めるのに躊躇してしまうものです。年を重ねた女性から「もっと前頃からやっておけば良かった」という声を聞くこともよくあります。若い時であれば吸収も早いので、自分に足りないことに早めに気づき学んでおけば、年を重ねてから苦労することが少なくなりますよ。■4.褒める力を磨く「自分がほめられると嬉しいように、相手も自分に関心を持ってほしい、自分のいいところをわかってほしいと願っています。自分がほめられるのを求めるのではなく、自分から進んで人をほめることができる女性になりましょう。」若いうちは周りから「可愛いね」「若くていいね」「元気でいいね」と褒められること多々あると思います。褒められているうちに「自分がどんなことを言われて嬉しかったのか」という褒め言葉をたくさん貯めていき、誰か他の人に使うことで相手との関係を良好に保つことができます。褒められているうちに、褒めポイントを見つけて、褒める力を磨いておきましょう。■おわりに「年齢を重ねる度に素敵になっていく女性」を考えた時に、確かにこれらのことがカバーされている気がします。逆に言えば、これらのことができれば、若い頃はモテなかった女性でも女子力ではなく女性力を磨くことで魅力的になることが可能ということかもしれません。どれも一朝一夕で身につくものではないので、ぜひ気づいたその日から始めてみてください。参考図書:坂東眞理子『30代あなたに伝えたい人生で大切なこと』海竜社(栢原 陽子/ハウコレ)(新部 宏美/モデル)(柳内 良仁/カメラマン)
2015年05月02日12月、「坂東玉三郎特別公演」として、泉鏡花作『日本橋』が上演される。日本橋の花柳界を舞台に、お孝と清葉のふたりの芸者、医学士・葛木、お孝の馴染みの男・伝吾それぞれの姿を描いた名作だ。今回、玉三郎は斎藤雅文と共同で演出を手がけ、また、1987年の新派公演以来25年ぶりにお孝を演じる。玉三郎に本作への思いを訊いた。坂東玉三郎特別公演「日本橋」 チケット情報「『日本橋』は、ずっと上演したいと思いながら、なかなかできずにいました。というのもこの作品は、お孝、清葉、葛木、伝吾を演じる俳優が4人、きちんと揃わないと出来ないと思うのです。今回は経験のある方々が集まってくださいました」と玉三郎。奔放で艶やかなお孝と対照的に奥ゆかしく誠実な清葉を演じるのは、高橋惠子。また、清葉に思いを寄せながらもかなわず、やがてお孝と恋仲になる葛木役に、松田悟志。身を持ち崩しながらお孝に執着し続け、最後はお孝に殺される伝吾役には、永島敏行が扮する。「鏡花にとって、理想的な女性である清葉と、全てを持ち合わせた女性であるお孝は、ふたりでひとりの女性なのだと思います。醜いドロドロとした感情が制御されているのが清葉、全ての感情を持ち合わせているのがお孝。同じように、葛木と伝吾も、ふたりでひとりの男性です。鏡花はそうやって、別々のキャラクターとして表現しながら、結局はひとつの魂の境地を書いています」。独自の美学に貫かれた『日本橋』の世界。「花柳物であるとか男女の物語であるといったことより何より、その魂の在り方を観ていただきたいのです」との言葉に、作品への深い思いがうかがえる。「鏡花は芸術家と医者を尊敬していました。清葉は笛の達人ですから芸術家、葛木は医学士です。彼らは純粋な魂を持っていますが、お孝は人間の煩悩に翻弄されます。葛木も一瞬、お孝によって煩悩の世界へ引き入れられるけれども、出家することで断ち切って行くわけです。そして葛木と清葉は生き残ります。一方、お孝は、伝吾を殺し、自分自身をも殺すことで、伝吾と自分の煩悩を退治して魂を浄化して行きます。そして、清葉の笛の音、つまり芸術の手引きによって、あの世へと旅立つのです」。こうした鏡花ならではの境地が今回、日生劇場という空間で新たに表現されるのも見どころだ。「一石橋での朧月や、雪の情景など、非常に陰影の深いものになると思います。美術には、淡彩を基調とする、ある意味で抽象的な美術も考えています。幻想的な世界を、ぜひ皆さんに楽しんでいただきたいですね」。公演は12月3日(月)から26日(水)まで東京・日生劇場にて上演される。チケットは9月20日(木)より一般発売開始。 なおチケットぴあでは観劇とディナーがセットになった「ぴあ12月年忘れスペシャルディナーセット」のチケットをWEB限定で発売する。取材・文:高橋彩子
2012年09月18日歌舞伎俳優で人間国宝に認定された坂東玉三郎が主演・演出する舞台『日本橋』の制作発表会見が8月27日行われ、玉三郎と共演の高橋惠子、松田悟志、永島敏行、斎藤菜月が登壇した。本作は、1914年(大正3年)に小説として発表された泉鏡花の名作『日本橋』を舞台化したもの。物語は大正初期の日本橋を舞台に、医学士を巡ってふたりの芸者の意地の逢引を軸に描かれる。玉三郎は気風が良く奔放で妖艶さを持った主人公の芸者お孝を、彼女と相対する純粋で清楚さを備えた芸者・清葉を高橋が演じる。また、医学士の葛木には松田が、お孝と馴染みの男・伝吾には永島が扮する。今回が初舞台で、鼓童のメンバーだった斎藤は雛奴・お千世を演じる。玉三郎は「鏡花の芝居は『天守物語』『海神別荘』とたびたびやってまいりましたが、『日本橋』はなかなか上演する機会がなく、こんなに日にちが経ってしまったなという思いがございます」と感慨深げに語る。それもそのはず、玉三郎は1978年に初めて同役を務めてから過去4度演じているが、前回の上演(1987年)からは実に25年ぶりとなる。また本作への思いとして「ふたりの男とふたりの女を中心にした花柳界の話ではありますが、実はそこを借りて人間の本能と言いますか、煩悩というか、理想というか、そういうものを突き詰めた作品だと思うんです。ですからそこを楽しんでいただければと思います」とコメントした。今回、新人の抜擢も話題に。玉三郎からのオファーに斎藤は「最初お電話でお誘いいただいたときは、間違い電話なんじゃないかと、相手を間違っているんじゃないかと思いました」と当時の素直な気持ちを語ると、横で聞いていた玉三郎からも思わず笑いが。その後、「稽古を重ねていくうちに、舞台から見える景色がやっぱり好きで、この景色を見たいなと思いましたのでやらせていただくことを決意いたしました」と力強く語った。公演は12月3日(月)から26日(水)まで東京・日生劇場にて上演される。9月20日(木)より一般発売開始。
2012年08月28日東京・赤坂ACTシアターにて今秋上演される『ふるあめりかに袖はぬらさじ』の製作発表が都内で行われ、出演者の坂東玉三郎、檀れい、松田悟志らが記者会見を行った。有吉佐和子が劇作を手がけ、杉村春子の主演で『ふるあめりか~』が初演されたのは、1972年のこと。杉村の当たり役となった芸者・お園役は、1988年に玉三郎に受け継がれた。今回が10度目の出演となる玉三郎は、「新しい顔ぶれならではの新しい舞台ができれば。赤坂ACTシアターという空間の使い方を意識して、この戯曲をできる限りお客様に身近に感じていただけるようにしたい」と意欲を見せる。物語は、開港まもない幕末の横浜を舞台に展開する。通辞・藤吉(松田)とのかなわぬ恋に身を焦がす遊女・亀遊(檀)。彼女が自害すると、やがて、“外国人から操を守るためだった”という説が流れるように。亀遊の最期に居合わせたお園は、事実は違うと知りながらも、攘夷派の思惑にのせられ、そのプロパガンダに加担させられてしまう。檀が「すばらしい女優さん(波乃久里子、宮沢りえ、寺島しのぶら)が演じてこられている役なので、私もそれに負けないように、一生懸命取り組んでいきたい」と緊張気味に語る一方で、松田は「お話をいただいたとき、まず“どうして僕なのか”と思った。それで玉三郎さんに“僕に出来ますか?”とお訊きしたら、“大丈夫です”とのことでしたので、それを鵜呑みにしてがんばることにしました」とどこまでも屈託がない。玉三郎はそんなふたりについて、「檀さんは、劇団(宝塚歌劇団)で十分に経験を積んでいらっしゃる。優しいイメージの奥にある芯の部分が本番では出てくると思う。松田くんは、この記者会見で皆さんが持った印象どおりの人。そこをあの時代(幕末)にうまく持っていくことが大事だと思う」と語った。すでに玉三郎と松田は、5月3日から6日まで愛知・御園座、5月12日から27日まで京都・南座にて同作品を演じており、檀のみが東京公演からの参加となる。公演は赤坂ACTシアターにて、9月28日(金)から10月21日(日)まで開催。チケットぴあでは、6月1日(金)23:59までインターネット先着先行プリセールを受付中。一般発売は6月2日(土)より。
2012年05月28日喜劇役者の藤山直美と歌舞伎俳優の坂東薪車が出演する舞台『年忘れ喜劇特別公演』が12月1日、東京・新橋演舞場で開幕する。この興行は、年上女房・おかつと甘えん坊の若い夫・清之助の物語を、笑いと涙でたっぷり描いた上方人情喜劇の名作『銀のかんざし』と、薪車が領主前田能登守と盗賊の赤鞘主水の2役を演じ、大立廻りもある『殿様茶店の恋日和』の2本立てだ。初日前日の11月30日、『銀のかんざし』の稽古を終えた藤山と薪車が取材に応じた。『年忘れ喜劇特別公演』チケット情報藤山は「おかつと清之助は今流行りの年の差夫婦なんですけど、薪車さんは“じじい”っぽいんですよね(笑)。本当は私の方が年上ですけれど、普通にやっております」と笑いを誘い、新車は「じじい、じじいってねぇ(笑)。見た目がちょっと老けているのかな」とおどけてみせた。また藤山との共演は「年上ってこんなにも心地良いものかとお芝居を通して改めて感じています。100%信頼して思いっきりやらせていただいています」と話し、『銀のかんざし』については「男の夢がつまっています。人間の絆、夫婦の絆というものを観ていただきたい」とみどころをアピール。藤山も、もう1本の『殿様茶店の恋日和』について「薪車さんの15分もあるすっごい立廻りは見物です。思わず『音羽屋!』(坂東薪車の屋号)と大向こうをかけたくなります」と力強く語った。そして「お芝居をご覧になったお客様が面白かったなぁ、楽しかったなぁと言っていただけるのが頂点の喜びです」と締めた。公演は同劇場で12月25日(日)まで上演。チケットは発売中。
2011年12月01日10月に東京・日生劇場で行われる『特別舞踊公演』に向け、坂東玉三郎が都内で記者会見を行い、現在の心境を語った。演目は、『傾城 吉原絵巻』『藤娘』『楊貴妃』の3本。『傾城~』は、広間での「くどき」の前に華やかな花魁道中を挿入した新たな構成の舞台で、移ろいゆく四季を風情豊かに表現する。初夏の彩りが目に鮮やかな『藤娘』、七夕を背景に描く『楊貴妃』と、いずれの演目も季節との結びつきが強い。坂東玉三郎特別舞踊公演チケット情報「春から急に夏になり、秋から急に冬になる。今の日本、特に東京では、春夏秋冬が感じられなくなってしまいました。でも、舞踊は本来、季節感に重ねて心情を表すものだし、衣裳も季節を考えてあつらえます。そこを意識することで、季節を感じにくい今のお客様に四季を疑似体験していただきたい。それが、まだ季節感のあったかつての東京を体感している僕の役目だと思います」2009年1月から2010年4月まで16か月にわたった〈歌舞伎座さよなら公演〉以降、芝居への出演が減った理由については、こう明かす。「さよなら公演で、力を使い果たしたんです(笑)。大きな節目ということで、ちゃんとしたものをお見せしなければならないという気持ちがあり、没頭しましたから。しばらくは、芝居から離れて、客観的になりたいなと。一方で、これからは、“若い”“きれい”ではない、新しい役に取り組んでいきたいという思いもあります。でも、次のステップに行くためには、続けながらだとわからないし、一度、自分を緩めてやりたかった」。久々に玉三郎の表現を心ゆくまで味わえる機会が、今回の舞台だ。舞踊公演への取り組みには、格別の思い入れが感じられる。「今は、歌舞伎俳優が中幕で踊る以外、どんどん舞踊の水位が低くなっています。そんな中で、舞踊単独の公演を1か月行うということを認知していただければ。そして、舞踊の専門家には、自分も公演をやりたいという気持ちを持ってもらえたらと思います。古典芸能にとっては非常に難しい時代だと思いますが、危機感を持っているだけではしょうがない。やるしかないんです」。『坂東玉三郎特別舞踊公演』は、10月2日(日)から26日(水)まで。1976年の『マクベス』以来、数多くの公演で登場した縁の深い場所ながら、日生劇場で玉三郎が舞踊公演を行うのは16年ぶりとなる。チケット発売中。
2011年09月16日