「堀北は翌日仕事だと、友達の誘いを断わって台本を読み直し、早く寝てしまうタイプ。14歳で芸能界入りして以来、事務所に厳しく教育されてきた。 だが山本は、忙しいなかでも友達と遊ぶことで演技の幅が広がると考える役者。結婚生活は堀北にとって、カルチャーショックだった」(堀北の知人) 堀北真希(28)が2月いっぱいで所属事務所との契約を満了、引退を発表した。2012年のNHK朝ドラ『梅ちゃん先生』などで知られる若手実力派女優のイメージは「優等生」。 彼女が変わったのは、2015年8月、山本耕史(40)の猛プッシュに負け結婚してからだ。 「堀北は芸能界入りしてから結婚するまで庶民的なラーメンを食べたことがなかった『箱入り娘』。山本は肉味噌から手作りしたプロ顔負けのジャージャー麺を振る舞い感激させた」(堀北の知人) しだいに堀北の気持ちは、主婦として夫を支えるほうに向き、事務所が打診する仕事を断わるように。最後のドラマとなった昨年1月期の連ドラ『ヒガンバナ~警視庁捜査七課~』の現場では、終始眠そうな顔を見せた。以前の彼女では考えられないことだ。 クランクアップ直後に妊娠、出産。今年2月末の契約満了を待って引退。すっかり「山本色」に染まった堀北は、つい最近、髪を生まれて初めて茶髪にした。(週刊FLASH 2017年3月21日号)
2017年03月07日女優の堀北真希さん(28)が2月末で事務所を退社し、芸能界を引退することを発表しました。堀北さんといえば、夫である山本耕史さん(40)との「交際0日婚」が世間を騒がせたことで有名。結婚後も妊娠出産を極秘に行うなど、徹底してプライベートを明かさない姿が何かと話題にあがっていました。 そこへきて今回の突然の芸能界引退。理由は「愛する家族を守るため」というもの。なんとなく予想していた幕引きに、世間も応援ムードが多いようです。 最近ではめずらしい子育てによる人気女優の引退。残念ではありますが、彼女の引退に際し、賞賛と同時に「ママタレとして活動するよりずっと潔い」という、ママタレ批判が混じっていたことも気になります。 近年、女優もタレントも子どもを産むと“ママ”という立場をキャラクターの1つにしたママタレに転向しがちです。良いか悪いかは別として、気づけばママタレ枠は飽和気味。 それでも、子どもを持ったらママ目線を売りにする人が増え続けるのはどうしてなのか。やっていることは普通なのに“ママキャラ”希望者が後をたたない現状はなぜ生まれるのか考えます。 ■嫌がられても“ママタレ”が増える理由 振り返ると、「ママタレ」というキャラクターはいつから当たり前の存在になったのでしょう。その昔はアグネス・チャンさん(61)あたりが有名だったのかもしれませんが、今や芸能界の子持ち女性をみると、あの人もあの人もママをアピールポイントの1つにしているような……。 タレントさんであればブログで食事や子供の成長記録を公開し、女優さんであればママ役を積極的に演じ「自分も母になって演じることで、いろいろ考えさせられます」なんてコメントを発するのが定番です。 飽和状態といわれているのに、それでも女性たちがママタレ枠を目指す。その理由の1つとして、ママキャラという生き方は「特別じゃないのに特別感を見る人に与えることができる」のだと思います。 具体例を出しますと「芸能人ママが作る我が家の食卓」という情報には、特別な準備は不要でもハタから見ると「芸能人の手料理を覗き見れた」というレア感が生まれるものです。同じように「うちの子育てルール」なども“芸能人”というちょっとしたラベルがつくだけで、ただ子育てをしているだけでもレア感のある情報になりやすいもの。 日常に“芸能人ママの~”という主語をつけるだけで、今すぐ共感とレア感を生むコンテンツになるのがママタレなのです。そんな楽なら、誰しもがママタレに移行したくなるのもうなずけます。 ■なぜ引退する女性は聖女扱いなのか 忙しいママにはもってこいの、美味しい要素満点のママキャラ(笑)。飽和するからこそ一部の人から叩かれるのだと思いますが、こと芸能人の場合、堀北さんのように子育て引退(休業)する女性に対して異常なまでの称賛が集まるのも気になります。 堀北さんに対しても「でしゃばるママタレよりずっと好感が持てる」なんて上から目線っぽいコメントも集まっております。専業主婦願望の強い一般人女性に対してはおおむね冷たい目線が集まるのに、芸能人が家庭を優先して引退するとホメるのはなぜなのか……と心底疑問が残ります。 女性には今の時代、国レベルで「生め!働け!輝け!」という追い風っぽいプレッシャーがかっているわけですが、そんな追い風の裏側には「でも男以上にでしゃばるのはナシね」くらいに思っている人が多いのかな、なんて思います。 その証拠が、芸能人という“ある意味でしゃばるのが仕事”の女性たちに対するママタレ批判、そして子育て引退称賛の空気なのかもしれません。 堀北さんの引退はとても残念ですが、彼女の引退が称賛される様子には若干男の幻想すらも感じた今回の話。 とりあえず堀北さんのニュースから「清楚で多くを語らない女の評価の高さ」を痛感したわけですが、結局いつもどおり長ったらしく、ネチネチと多くを語ってしまった女の私なのでした。
2017年03月03日堀北真希(28)が28日をもって所属事務所との契約を終了し芸能界を引退した。 堀北は事務所を通じて《これまでやってまいりましたお仕事から離れることを決意致しました》とコメントを発表。15年8月に山本耕史(40)と結婚して1児のママとなったが、契約が切れるタイミングで家庭に入ることを決断した。事務所も引退理由について「家庭に専念して暮らしていきたいという、本人の思いを尊重した」と説明しているという。 そうした家庭への強い憧れの陰には彼女の育った環境が影響しているようだ。堀北の実家は、東京郊外にあった。アパートの住人は当時についてこう明かしている。「堀北家は美人三姉妹として評判でした。真希ちゃんは長女で責任感が強く、いつも妹たちの面倒を見ていました。6畳が3部屋の2DKに家族5人暮らし。仲の良いご家族で、ケンカなどの怒鳴り声は一度も聞こえてきませんでした。真希ちゃんが女優になって引っ越した後も、ご両親は6年前までここに住んでいましたよ」たとえ狭い家でも、親子5人が仲よく肩を寄せ合う――。そんな家族のぬくもりに包まれて成長した堀北は「いつか自分の家族みたいな明るく温かい家庭を作りたい!」という願いを秘めていたのだろう。 前出のコメントに続いて、堀北はこう思いを綴っている。 《現在私は母になり、愛する家族と幸せな日々を送っています。このあたたかで、かけがえのない幸せを全力で守っていきたいと思います》
2017年03月01日女優の堀北真希が、2月末日をもって芸能界を引退することを発表。公式サイトでは直筆のコメントを載せ、現在幸せな家庭生活を送っていると心中を告白した。堀北さんは、2003年ごろから女優として活動をスタート。「ケータイ刑事 銭形舞」「電車男」などのドラマ出演を経て、2005年放送のドラマ「野ブタ。をプロデュース」で「KAT-TUN」亀梨和也&山下智久とヒロイン役で共演し大ブレイク。同年の映画『ALWAYS 三丁目の夕日』での演技が高く評価され、第29回日本アカデミー賞新人俳優賞。その後も数々の映画・ドラマで活躍し、2012年NHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」のヒロイン役で幅広い世代からの人気を集めた。最近では、「ヒガンバナ~警視庁捜査七課~」での主人公役が記憶に新しい。女優として確固たる人気を誇るなか、2015年に俳優・山本耕史と結婚。翌2016年には第一子を妊娠・出産を報告した。今回、公式サイトにて「この度、これまでやってまいりましたお仕事から離れることを決意致しました」と芸能界引退を発表。理由については「現在私は母になり、愛する家族と幸せな日々を送っています。このあたたかで、かけがえのない幸せを全力で守っていきたいと思っています」と説明した。「夫とも話し合い、私の気持ちを尊重してくれました。これからも2人で力を合わせ、愛情いっぱいの家庭を築いていきたいと思います」と抱負を述べ、「いつも応援してくださったファンの皆様、お世話になりました関係者の皆様、素晴らしい14年間を本当にありがとうございました」と締めくくった。所属事務所「SWEET POWER」からは、この度の引退について「長い間応援して下さった皆様には、突然のご報告となってしまい大変申し訳ございません。デビュー以来14年、皆様のお陰でたくさんの仕事に恵まれ、感謝の気持ちでいっぱいです」「今後、家庭に専念し暮らしていきたいという本人の思いを尊重して、彼女の人生を温かく応援して頂けますと幸いです」と堀北さんを慮るコメントを寄せた。(text:cinemacafe.net)
2017年03月01日NHKで放映中の連続テレビ小説「べっぴんさん」がクランクアップを迎えた2月28日(火)、NHK大阪放送局のスタジオでヒロイン・すみれ役の芳根京子をはじめとしたキャストが出席するクランクアップセレモニーが行われた。この日は芳根さんが出演する最後のシーンを収録。芝居のモニターチェックが終了しスタッフがクランクアップを告げた瞬間、スタジオに紙吹雪が舞うというサプライズ演出で撮影がフィナーレを迎えると、驚きと感動で芳根さんは大号泣。ヒロインの夫・紀夫役を演じた永山絢斗をはじめ、ヒロインの母親を演じた菅野美穂、姉・ゆり役の蓮佛美沙子、ゆりの夫・潔を演じた高良健吾、ヒロインたちが立ち上げる子ども服メーカー「キアリス」の仲間を演じた谷村美月、百田夏菜子、土村芳が次々と登場し、約10か月に渡ってヒロインとしてドラマを引っ張ってきた芳根さんを労った。撮影が終了した芳根さんは「“あなたがヒロインです”と言われた日もすごく驚いて、こうして終わった今日もすごく驚いて、幸せだなぁと、すごく感じています。私は本当にこのチームが大好きです。今日もちょっとずつ、みんなの撮影が終わっていくのが、すごく寂しくて…。こんな未熟な私を支えて下ったキャストの皆さん、スタッフの皆さん、本当に感謝してもしきれません」と語り、撮影が終わった達成感と名残惜しさが混じった複雑な気持ちを表現。また涙で声を詰まらせながらも、セレモニーに参加したキャスト一人一人に感謝の言葉を口にした。約10か月に渡って共演した高良さんは「芳根ちゃんが現場に立っている姿はかっこよかったし、すごく立派でした。自分自身のことよりも芳根ちゃんのことを大切に思えたり、芳根ちゃんに嬉しいことがあったら自分のことのように喜べる、そう思わせてくれる主演俳優でした」とヒロインとしてドラマを引っ張った芳根さんを絶賛。またヒロインを支える良子を演じた百田さんは「撮影中にみんなで出かけることができなくて、京子ちゃんがずっと“食品サンプルを作りに行こう!”って誘ってくれていたんですけど、ずっと乗り気じゃなくって…(笑)。でも撮影が終わったので、いくらでも付き合いますので食品サンプルを作りに行きましょう!」と撮影中の裏話を交えたコメントで、セレモニーの場を和ませた。さらにヒロインの夫役を務めた永山さんは「こんなに可愛い奥さんをもらえるとは思ってなかったので、紀夫はハッピーでございます(笑)。何があっても前を向く芳根ちゃんの姿勢に勇気をもらいましたし、隣で頑張っている芳根ちゃんの姿を見て本当に励みになりました」と若いヒロインに感謝の言葉を贈った。クランクアップを迎えたこの日は、芳根さんの二十歳の誕生日ということで、セレモニーにはサプライズでバースデーケーキが登場。セレモニーに参加したキャスト、スタッフによるサプライズ演出に、またしても芳根さんが感動の涙を流す一幕もあった。(text:cinemacafe.net)
2017年02月28日NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』で主演を務めている女優の芳根京子(19)が19日、自身のブログを更新。最後のロケが終了したことを報告するとともに、徐々に終わりに向かう本作への思いをつづった。「ロケ。」と題したブログで、「昨日から神戸にいました。びゅーーん。今日でべっぴんさんのロケは最後かな?」と報告。昨年5月25日にクランクインし、同年10月3日から放送開始、今春4月1日放送に最終回を迎える本作について、「1日1日、最後だね。って言葉が増えて来て いろいろなところでもうすぐ終わるんだなーって実感」とつづった。続けて、「なんて呑気なこと言っても 最後まで容赦なく、笑スケジュールに『すみれ』の『す』の字が途切れることなくズラーっと並んでます」と、まだまだ撮影が詰まっていることを明かし、「朝ドラのヒロインってすごいな、すごいなって思ってる今日この頃です。笑」と感慨深げに記した。そして、「1日1日、必死に必死に。1日終わるごとにいろんなもの削ぎ落とされてる日々な感じですが、笑 ここで負けず、踏ん張って、這いつくばってでも、最後まで完走したいと思います。します。させます。するんです」と決意を新たにし、「ここからはどれだけ楽しめるかだと思ってます。ワクワクします。ドキドキします」と前を向いた芳根。最後は「書きたいことまた溜まって来た、、喜代さんのお話も、、また今度」と締めくくった。ファンからは「京子ちゃんが無事にクランクアップされることを願っております」「最後まで無事に完走できますように」「大変だけど…頑張って。。。」「素晴らしい作品、最後の最後まで... 全力投球で頑張って完成させてくださいね」「ゴールを笑顔で走り抜けてくださいね」「べっぴんさんもあと少しって考えると悲しいです…」「春が待ち遠しいけど べっぴんさんとの別れは 嫌」など、たくさんの応援メッセージや、早くも"べっぴんさんロス"の声が寄せられている。
2017年02月20日●ブログで近況を知る東京の家族NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』のヒロインを務める女優の芳根京子。月曜から土曜まで放送される朝ドラの撮影は、過酷なスケジュールで知られるが、芳根はそんな中でも、毎日欠かさずブログを更新し、「Ameba」で注目されたブログに贈られる「BLOG of the year 2016」の優秀賞を受賞した。撮影のオフショットなど、ありのままの日常を公開しているブログだが、毎日更新するバイタリティはどこから来るのか。まもなく終盤を迎える『べっぴんさん』への思いも含め、話を聞いた――。――Amebaの「BLOG of the year 2016」優秀賞おめでとうございます。毎日の更新を楽しみにしているファンから多くの支持が集まったそうですが、まずは受賞のご感想をお聞かせください。ブログは事務所に入ってまず最初に始めたことなんです。当時は何かお仕事があったわけでもないので、「とりあえずやることないからブログ書いてこっかー」っていう感じで(笑)。最初は私のブログなんて誰が読むんだろうとも思ったんですけど、マネージャーさんと「やるからには毎日書こう」と言い合いつつ、「3日坊主なんでたぶん続かないと思うんですよねぇ」と、ゆるーく始めたので、まさか自分でも4年間続くと思いませんでした。――ご自身の言葉で語られる日常が垣間見ることができるという点も、受賞理由にあるそうです。友達にメールするような感覚でやっているので、気づけばたくさんの方に読んでもらい、コメントをいただいているということも、自分としては本当にびっくりなんです。ブログではありのままの自分を出しているので、それを皆さんに良いと言っていただけるというのは、本当にうれしいなと思います。――今まさに『べっぴんさん』の撮影をされていてお忙しい中、本当に毎日更新されていて、大変そうだなと思うんですが…。私よりも毎日コメントしてくださる方のほうが大変だと思います(笑)。こっちは24時間のうちに更新すればいいと思ってるんですが、毎日コメントくださる方は私がいつ更新するか分からないのに、それにお付き合いしてくださるわけじゃないですか。なので、本当に大変だろうなぁと思いながらも、「今日も出し続けるよー」って感じで書いてます。――ブログのネタに困ることなどはあるのですか?ありますね。でも「あ、これブログに載せよう」と思ってよく写真を撮っていて、それが溜まって結構載せていないものがあるので、今日はどうしよう…と思ったら、まず写真のフォルダを見て投稿します。良いのがなかったら「もう今撮る!」っていう感じですね。――先日も「思い出アルバム。」と題して、『べっぴんさん』の撮影のオフショットを載せていましたよね。今後、どんな蔵出し写真が掲載されそうですか?この1年間はずっと大阪で『べっぴんさん』の撮影なのですが、撮影と放送の時期が結構ずれているので、「まだ載せらんない!載せらんない!」ってやっぱり写真は溜まっていく一方なんです。だから『べっぴんさん』のオフショットは、これからも載せたいと思います。――楽しそうなオフショット写真がたくさんありそうですね。楽しみにしています。ところで、先ほど毎日コメントをくださるファンの方がいらっしゃるというお話もされましたが、読者の方からもらって、これまでで特にうれしかったコメントはどんな内容ですか?まずはコメントをくださること自体がうれしいんですけど、「読みやすい」と言ってくださると、自分ではあんまり文章を書くことが得意ではないので、「本当ですか!?」って喜んじゃいます(笑)。それから「力になります」というコメントもすごくうれしいですね。私も何かを見たり読んだりして「がんばろう」ってパワーをもらうことがありますが、それと同じような感じで読んでもらってるんだと思うと、とてもうれしいです。――ブログを通じてのコメントとは別に、ご家族や周囲の方など、リアルでの反応はいかがですか?今、初めての一人暮らしを大阪でしているので、番組やイベントに出る情報を、東京にいる家族はブログで知っているみたいです(笑)。『べっぴんさん』が、ほぼ毎日放送されているということもありますけど、祖母にも「全然寂しくない」って言われます。仲のいい友達も見てくれているみたいで、一緒に遊んだときに「これブログ載せなよ」とか「これ撮りなよ」と言ってくれることも多いですね。――リアルでのコミュニケーションの話題にもなってるんですね。そうですね。番組のスタッフさんも「ブログ見たよ」と言ってくださる方が多くて、「今日は何書くの?」とか「この前作ってたあれ、おいしそうだね」とか「あそこ行ってたんだ!」とか、本当によく声をかけてもらいます。でもそれと同時に、「あ、あんまり下手なこと書けないな」って思ったりもしますけど(笑)――「友達とのメール感覚」のはずが、意外と周囲の大人に見られてたんですね(笑)それで「もうちょっとちゃんとしよう」って思ったりもしましたけど、スタイルを決めてしまうと続かないので、やっぱり"ありのまま"という感じで書いてます。●6歳のさくらに衝撃「でっかーい!!」――『べっぴんさん』の放送日には必ず、「見てくださった方、ありがとうございました。」と視聴者への感謝のメッセージを入れていますよね。ブログでは基本的にプライベートなことを書くのが多くて、出演作品の話は、あえて深いところまで書かないようにしているんですが、やっぱり見てくださる方にお礼が言いたいので、「毎日ブログ書いてるなら、毎日お礼言おう!」と思い立ってやっています。――すごく謙虚な人柄が伝わっています。さて、そんな『べっぴんさん』ですが、撮影もいよいよ終盤ですよね。ここまでを振り返ってみて、いかがですか?1日1日、1週間1週間で考えると、長かったなぁと思うんですけど、今振り返ると、あっという間だったなぁという感じですね。やっぱり、作品全部が明るいわけではないので、精神的につらい、苦しい時期がありましたし、肉体的にも眠いなぁとか、おなか空いたなぁといった時期はありましたけど、きっとこの経験は、これからの自分の中に絶対影響する、大切な1年だったなと思いますね。――具体的にはどんな影響があると感じているのですか?19歳という10代最後の1年間を、実家から離れて大阪に住み込み、役で学生時代から一生を演じるということは、やっぱり怖い部分というのがすごくありますけど、これが終われば「これ以上に怖いことってそれほどないだろうな」って思えるんです。冷静に考えると、19歳で44歳を演じるなんて、めちゃくちゃじゃないですか(笑)。そういう作品はなかなか無いと思うので、今後演じる上で怖いものがなくなるわけじゃないですけど、「あの時、お婆ちゃんまで演じたんだから大丈夫だよ! 無理って思うでしょ? でもできるんだよ!」って、自分に言い聞かせることができる経験ができたんだと実感しているんです。――自分の中の"限界"を超えることができたんですね。"限界"っていうのは無いんだと思いましたね。死ぬ気でやっても死なないですし、1週間のスケジュールを見て「こんなのムチャだよ~」と弱気になった週もありましたけど、無理じゃなかった。だから「ムチャなことはあっても、無理なことはない」…そう思えば、これからもっともっと頑張っていけるんだなと思いました。―――"ムチャ"と言えば、子供を持つ母親の役を、19歳で演じるというのも、なかなか大変だと思うのですが…。娘役のさくらちゃんは、2歳までは頑張れたんですけど、6歳のさくらちゃんが現れた瞬間に「あー! でっかーい!!」って戸惑いました(笑)。実年齢だと13歳で産んだことになりますから、台本を読んでも戸惑いましたけど、目の前に現れた瞬間、驚きましたね。でもなぜか、15歳のさくらちゃんが現れたときには、落ち着くことができたんですよ(笑)――6歳の衝撃が大きすぎて、慣れたんですか?どんなにあり得ない設定でも、私の中では初代の10カ月のさくらちゃん、2代目の2歳のさくらちゃん、3代目の6歳のさくらちゃんが、つながっていたんです。だから、大きな違和感とまではいかなくなっていたんですね。――それも"ムチャ"をした結果ですね(笑)そうですね(笑)。確かに、15歳のさくらちゃんが現れたときも「やっぱり大きいなぁ」とは思いましたけど、自然と「さくら、大きくなったね」という感覚になれて、6歳のさくらちゃんより、全然落ち着いてごあいさつできました(笑)●20歳になるタイミングでクランクアップ――『表参道高校合唱部!』(TBS系、2015年7~9月)で連ドラ初主演を果たしてから、まだ1年半ですよね。とても密度の濃い1年半を駆け抜けられたのではないでしょうか?『表参道高校合唱部!』は遠い昔の感じですね…。当時のメンバーで集まりたいねっていう話をしているんですが、みんな忙しくて実現してないんです。だから、私の記憶はあの時で止まっていて、頭の中には制服姿のみんなが出てくるので、不思議な感じですね。私は通信制の高校に行っていて、いわゆる高校生らしい高校生活がなかったので、あの現場は本当に学校みたいで一番の青春の場所だったなって思います。そこからお母さんの役なので、あまりにも振り幅がすごくて(笑)。『表参道』は、お兄ちゃん・お姉ちゃんに囲まれた現場で、今の『べっぴんさん』もそうなんですけど、いつまでも周りに頼ってばかりではいられないなという気持ちです。――今年は成人式を迎えられました。大人になっての今後の目標を教えてください。とにかく今は『べっぴんさん』を完走するということが一番の目標です。クランクアップが2月末から3月頭の予定で、自分の誕生日が2月28日なので、ちょうど20歳になるタイミングでクランクアップなんですよ! みんなで乾杯するのも、ジュースじゃないのかな?と楽しみにしてます(笑)――打ち上げが楽しみですね。今までみんなとご飯を食べに行ったときとは絶対違う感覚だと思います。『べっぴんさん』が終わってもここで女優生活が終わりではないですし、むしろここが始まりだと思っているので、20歳でクランクアップを迎えられるというのは、本当にちょうど良いタイミングだなと思います。――運命的なものを感じるんじゃないですか?そうですね。新たな気持ちで気を引き締めて、でも初心を忘れずに「ムチャなことはあっても無理なことはない!」と思って、精いっぱい駆け抜けていきたいと思います。●芳根 京子(よしね・きょうこ)1997年2月28日生まれ。東京都出身。2013年に『ラスト・シンデレラ』(フジテレビ系)で女優デビュー。2014年、NHK連続テレビ小説『花子とアン』で花子の親友の蓮子(仲間由紀恵)の娘役に。2015年『表参道高校合唱部!』(TBS系)でドラマ初主演。2016年10月からNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』でヒロイン・坂東すみれ役を務める。
2017年02月04日女優の芳根京子のオフィシャルブログ「芳根京子のキョウコノゴロ」が、「Ameba」の中で2016年に最も注目されたブログを表彰する「BLOG of the year 2016」の優秀賞に選出された。運営するサイバーエージェントが3日、発表した。「BLOG of the year 2016」は、著名人から一般の人まで、「Ameba」の中で2016年に最も注目されたブログを表彰するもの。昨年12月15日よりインターネット上で実施した一般投票では約8,000件の投票が寄せられ、その結果および、話題性、ブログ活用の先進性、独自性などの観点で審査を行い、「最優秀賞」「優秀賞」「ソーシャル話題賞」が選出された。現在放送中のNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』のヒロインとして活躍中の芳根は、2016年毎日欠かさずにブログを更新。ドラマ撮影中のエピソードからオフのリラックスした表情まで、ありのままの日常を毎日垣間見ることができる。ドラマ視聴者への感謝で締められるブログには、「毎日更新を楽しみにしている」という多くの支持が集まった。芳根は「この度優秀賞をいただきありがとうございます。ブログではありのままの自分を出しているので、それを皆さんに良いと言っていただけるというのは、本当にうれしいなと思います」と喜び、「まさか自分でも4年間続くと思いませんでしたが、たくさんの方に読んでもらい、コメントをいただきパワーをもらっています」と話している。「BLOG of the year 2016」受賞者は以下の通り。■最優秀賞小林麻央■優秀賞(オフィシャル部門)アレクサンダー&川崎希夫妻、大友花恋、柏崎桃子、佐野勇斗(TBSドラマ『砂の塔』ブログ)、福原愛、ぺこ、芳根京子■優秀賞(一般部門)「ヨメが勝手にアラームを止めちゃうんです。」「UNIQLOコーディネート日記」「吉田さんちのディズニー日記」■ソーシャル話題賞(Facebook話題賞)香川真司■ソーシャル話題賞(Twitter話題賞)平愛梨
2017年02月03日女優の芳根京子が16日、オフィシャルブログを更新。おにぎりを持った動画撮影のオフショットを公開すると、ファンから「『ドキッ』としました!」といった声が寄せられた。芳根は、JR東日本の各駅を中心に展開するコンビニ「NewDays」のイメージキャラクターを務めているが、この日のブログでは、そのおにぎりがリニューアルされたことを告知する動画撮影のオフショットを公開。肩にカピバラのぬいぐるみを乗せた真顔ショットや、アンパンマン柄のおにぎりを持った写真などが次々に掲載され、ファンから「真顔で見つめてるショットが、『ドキッ』としました!」「安定のかわいさでずっと癒されてます」「可愛いおにぎり!!」などといった喜びのコメントが集まった。なお、今月30日まで、おにぎりリニューアルを記念した山手線の1編成を特別ラッピングした「おにぎりトレイン」が運行されており、芳根はブログで「特別ラッピングの山手線が(^^)芳根がいっぱいの山手線、是非見つけて乗ってくださいね~!!」とアピール。最後には、ヒロインを務めるNHKの朝ドラ『べっぴんさん』の視聴を感謝するメッセージのショットも掲載している。
2017年01月18日女優の比嘉愛未と長谷川京子が13日(金)、都内でWOWOW「連続ドラマW 本日は、お日柄もよく」のトークイベントに参加した。伝説のスピーチライター役として長セリフに挑戦した長谷川さんは「撮影初日は緊張して、顔や首が赤かったみたいで監督から笑われました」と苦労を滲ませると、比嘉さんは「京子さんが毎回完璧。長いセリフもNGがなかった。本番一発で決めちゃうから」と女優魂を絶賛。それに長谷川さんは「いやいや、それまではボロボロ。本番は『これで決めなければ無理!』って感じだったからできた」と謙遜していた。40万部突破の原田マハ氏による同名ベストセラー小説のドラマ化。ひそかに想いを寄せていた幼なじみの結婚式に傷心のまま出席した二ノ宮こと葉(比嘉さん)が、伝説のスピーチライター・久遠久美(長谷川さん)と出会う。比嘉さんは「結婚式で久美が登場するシーンでの、喋る前にじっくりと会場を見回す間。いきなり喋り出さず、これから何を喋るのかと興味を自分に引かせるという部分はすぐに使えると思った」と実践をおススメ。あえて声を低く演じたという長谷川さんは「低音の音の波に乗ってセリフを言うと心地よくて、説得力がある。低い声は人に聞かせる力があると思った」と新発見していた。WOWOW「連続ドラマW 本日は、お日柄もよく」は、1月14日(土)22:00スタート。(text:cinemacafe.net)
2017年01月13日女優の芳根京子が10日、オフィシャルブログを更新し、成人式の振袖姿を披露した。来月28日に20歳を迎える芳根は、この日のブログで「成人式」と題し、前日に成人式に出席したことを報告。「まだまだ先だと思っていた成人式が ついに来たー。って感じ!です。笑」と心境を明かした。現在、NHKの朝ドラ『べっぴんさん』でヒロイン役を演じている芳根だが、「たくさんおめでとうのコメントありがとうございます! まだ来月までは19歳ですが、成人式を迎えたということで気を引き締めて頑張って行きたいと思います!」と気持ちを新たにした。ブログでは、白と淡いピンクベースで梅や菊が咲き誇る振り袖姿を披露。この姿にファンからは「「り袖凄く似合ってますね!」「日本の三大美女だわ~成人おめでとう~♪」「祝!成人!」「大人への第一歩だね。」「とっても、素敵です!」といった称賛するコメントが寄せられている。
2017年01月10日女優の長谷川京子が、本日12月26日(月)放送の「となりのシムラ#6」に初登場することが分かった。「となりのシムラ」は、志村けんが“座長”を務めるコント番組。志村さん演じる“どこにでもいそうな普通のおじさん”が、笑いと感動を巻き起こす大人のコメディーで、従来の志村さんのコントとは異なり、ドラマスタイルとなったコントが好評を得ている。これまで山本美月や笛木優子、吉田羊、染谷将太、中村蒼ら豪華キャストたちが出演してきた本番組だが、今回初登場するのは、今年は「臨床犯罪学者 火村英生の推理」「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」「ふれなばおちん」など様々な作品で活躍した長谷川さん。今回彼女は「飲まない人」のコント内で女性社員役として、「一杯だけ」のコントではバーの女性客を演じるという。志村さんとの共演に長谷川さんは、「まさかご一緒させてもらえる日が来るとは思いもしなかったので、とても嬉しかったです」と喜び、「志村さんから出て来るアドリブの数々に、そして子どもの頃から聞き慣れているギャグが出る度に思わず叫んでしまいました。また、ご一緒させてもらいたいです」と大興奮の様子。先日、自身のインスタグラムにも志村さんとの2ショット写真がアップされ、ファンからは「ステキ」「放送楽しみにしてます」「絵になる2ショット」などコメントが寄せられ、反響を呼んでいる。長谷川さんのほかにも、原日出子、小林聡美、野間口徹、波瑠、浜野謙太、萩原聖人、川栄李奈らも参加する。「となりのシムラ#6」は12月26日(月)22時~NHK総合にて放送。(cinemacafe.net)
2016年12月26日女優の長谷川京子が、きょう26日(22:00~)に放送されるNHK総合のコント番組『となりのシムラ』で、お笑い芸人の志村けんと初共演を果たす。この番組は、志村演じる「どこにでもいそうな普通のおじさん」が、笑いと感動を巻き起こすというコメディ。今回、長谷川は、「飲まない人」と「一杯だけ」というコントに出演し、それぞれ女性社員、バーの客を演じる。長谷川は、志村との初共演に「まさかご一緒させてもらえる日が来るとは思いもしなかったので、とてもうれしかったです」と大喜び。「志村さんから出て来るアドリブの数々に、そして子供の頃から聞き慣れているギャグが出るたびに、思わず叫んでしまいました」と感激の様子で、「また、ご一緒させてもらいたいです」と再共演を熱望している。先日には自身のインスタグラムに志村との2ショット写真を掲載しており、ファンからは「ステキ」「放送楽しみにしてます」「絵になる2ショット」といった反響が寄せられている。
2016年12月26日NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』でヒロイン・すみれを演じている女優の芳根京子が14日、自身のブログを更新。同日放送された37話で、戦地から帰らぬ夫・紀夫(永山絢斗)を思って「会いたいね」と涙したシーンに込めた思いを明かした。「上手く言葉にして伝えることがあまり得意ではない」という芳根は、ドラマについてブログで書くことによって違う伝わり方をしたり、視聴者の見方が変わってしまう可能性があると考え、「あんまり撮影の時の話って今まであまり書いてこなかった」と伝えた上で、「今日のべっぴんさんの『会いたいね』のシーンの事を少しだけ」と、37話について書き出した。この日は、夫・紀夫の両親から「息子は戦死したかもしれない。どうかもう待たないでくれ」と告げられたすみれが、背中で寝ている長女のさくらに夫の思い出話を語り、「会いたいね」と涙を流すシーンがあった。芳根は、このシーンの撮影日が発表されたとき「この日を意識せずにはいられなかった!笑」と振り返り、「前日の夜はソワソワが止まりませんでしたが。笑」と伝えた。そして、「演出のもじりさんのご配慮で、テストでの力の抜き方が下手で、さらに台本に『泣く』と書いてあるお芝居が苦手な私のために一発本番でやらせてくださいました」と明かし、「きっと同じ空の下で繋がってるよね、ってそんな希望を持ちたくて振り向いてから心に溜めていた紀夫さんへの全ての想いをこの1回に、最後の『会いたいね』に、出てくる気持ちそのまま出しました」と、この一言に込めた思いをつづった。さらに、「本番直前に背中で寝てくれたさくら。おんぶすると、いつもコテン。と寝てしまっていたの」と続け、「安心してくれてるんだなーって凄く嬉しかったし、この子を守る。っていう自分では未知だった私の母性心を引き出してくれました。私を母にしてくれました」と心境の変化を説明。「紀夫さんのお父様、お母様に苦しい事を伝えられて、月曜日から沈んだ気持ちになってしまっているかもしれませんが、いつか、すみれの笑顔が復活する事を信じて、見守っていてください」と呼びかけた。
2016年11月15日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「経済波及効果」です。***「広島東洋カープ優勝による経済波及効果が331億円」だとか、映画『君の名は。』のヒットで聖地に多くの人が訪れ「モデルとなった飛騨市への経済波及効果が100億円を超える予想」など、経済波及効果という言葉をよく耳にしますね。これは、何かものごとが起きることにより商品が売れ、生産者や直接の関係者の所得が増える。周辺の関連業界への好影響、さらにその人たちの消費が伸びることで、無関係の産業でも利益を生む、二次的波及までを含めた予測を指します。総務省のホームページには、経済波及効果を算出する「産業連関表」が掲載されています。この産業連関表は1936年、アメリカの経済学者のレオンチェフ博士が最初に発表。第二次世界大戦後のアメリカの経済を予測し、高い精度を示したことから、活用されるようになりました。日本の産業連関表は1951年に、当時の通商産業省によって作成されました。経済波及効果があったと報じられれば、人々の投資意欲や消費意欲を高めますよね。そうやって景気を良い方に向かわせるのはよいことなのですが、国が経済波及効果という言葉を持ち出したときには、少し懐疑的になったほうがよいかもしれません。なぜなら、推し進めたい政策を通すための説得材料として、都合のいい情報だけを流している場合もあるからです。日本銀行の算出によると、2020年までの東京五輪開催の経済効果は、訪日観光者数が約3300万人に達し、1人当たりの消費額も増加、建設投資総額は10兆円に。実質GDP成長率も'18年まで毎年0.2~0.3ポイント押し上げると予想されています。しかし、あくまで試算ですから、そこまで楽観視してよいかはわかりません。TPPに関しても、政府は日本が参加すれば、貿易が盛んになり生産性が上がり、賃金も雇用も増え、貯蓄や投資にお金が回り…と、良い循環が生まれると言っています。しかし、良い面だけでなく、農林水産省のホームページでは、農林水産物の生産減少額が1300億~2100億円と予想されています。このマイナスの経済効果の報道は、あまり聞こえてこないんですね。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年11月9日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年11月06日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「アフリカ開発会議」です。***8月に第6回アフリカ開発会議(TICAD)がケニアで開かれました。アフリカの開発支援のために、日本が世界に呼びかけて1993年に始まった会議で、5年に一度開催され、今年初めてアフリカで行われました。アフリカは人類発祥の地といわれ、ナイル文明など、豊かな文化や歴史があります。ところが19世紀に欧州諸国が肥沃な土地を奪い合うようになり、アフリカを勝手に分割統治、植民地にしてしまいました。その後、アフリカ諸国は独立しはじめますが、欧州各国によって決められた国境は、先住民族の文化や生活を無視した線引き。その問題は現在の内戦や民族紛争にもつながっています。また、アフリカはほかにも、食糧不足や干ばつ、感染症、教育を受けられない子どもたちなど、多くの問題を抱えていますね。近年のボコ・ハラムやアルカイダなど、テロ組織の暗躍も、根底にあるのは貧困や教育問題。経済を好転させることで解消される問題は多い。今年のTICADではテロとの戦いと国際協調が訴えられ、安倍総理は日本から3兆円の支援をすることを約束しました。これに対して、中国は「国連の常任理事国入りをしたい日本が、アフリカ諸国を味方につけようとTICADを政治利用している」と批判しました。近年、中国は、アフリカに携帯電話を普及させ、携帯電話による送金システムを輸出するなど、ものすごい勢いでアフリカに進出してきているんですね。水道も電気も通ってない地域で、携帯電話だけは使われているという異様な光景も。ほかにも道路や港を作る支援をし、代わりにレア・メタルの採掘権を得ようとしています。発展途上のアフリカには、たくさんのビジネスチャンスが眠っています。日本も開発支援だけでなく、民間企業がもっとアフリカと密接につながるといいのですが、距離的な問題もあり少々及び腰です。それでも、日本で消費されるバニラビーンズやカカオ豆、蚊取り線香に使われる除虫菊はアフリカ産がほとんどなんですよ。今後、アフリカと日本は、ますます結びつきが深くなっていくことでしょう。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年11月2日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年10月30日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「消費者物価指数」です***「消費者物価指数(CPI)」とは、全国の消費者が購入する商品やサービスの価格の変動を時系列で測るもので、5年に一度、基準年を定めて、それと比較して算出します。毎月、総務省統計局が発表しており、景気が良いかどうかの判断基準になるので、「経済の体温計」ともいわれています。消費者物価指数を見て、政府は経済政策や年金の改定などを行うのです。日本経済の最大課題は、デフレからの脱却ですよね。デフレとは、物の値段(物価)が下がると、企業の収益も下がることになるので、企業は賃金を上げられない。なので、懐の冷えた消費者は物を買うのを控えるという状態。物が売れないので企業はさらに商品を安くする…という連鎖が起きます。これがデフレスパイラルです。改善策として、政府は金融緩和を行います。日本銀行が市場にお金を多く流して、相対的に円の価値が下がる状態に誘導するのです。市場に円があふれれば、自然と円安になります。希少価値のものは値段が高くなるけれど、世の中にたくさんあるものは安くなる、というのと同じ原理ですね。日本の主要産業は輸出産業なので、円安になれば企業は儲かります。トヨタなどの輸出企業は利益を増やし、「景気は良くなった」「アベノミクスは成功した」ともいわれますが、多くの一般市民にはあまり良くなった実感がありません。そこで実態を知るのに有効なのが「消費者物価指数」です。消費者物価指数が下がっているということは、市民が前よりも物を買わなくなった(買えなくなった)ということ。2015年の基準年に対して、今年は総合的に消費者物価指数が毎月下がり続けています。これは、一部の企業が好調でも利益が社員に還元されていない(賃金が上がっていない)ということ。非正規雇用者にはもっと回ってきていませんね。政府はこの状態を認識しており、企業に対して賃金を上げるように働きかけ、消費税増税も先送りにしました。消費者物価指数が上がれば、本当に景気が良くなっているという証拠です。毎月ニュースで発表される消費者物価指数を見ながら、自分の体感景気とぜひ比べてみてください。◇ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年10月19日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年10月18日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「ドーピング」です。***リオ五輪の開催前、ロシアの国家ぐるみのドーピング隠蔽行為が発覚し、問題になりました。世界にドーピングの衝撃が走ったのは、1988年のソウルオリンピック。100m走で、ベン・ジョンソンがカール・ルイスに勝ち、人類初9・8秒台を切るタイムを叩き出しました。ところが、ドーピング検査で陽性になり、ジョンソン選手の金メダルは剥奪されてしまいました。ほかにも陽性の選手が後を絶たず、これをきっかけに1991年にジョンソンの祖国、カナダでアンチ・ドーピングの機関が誕生。1999年には世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が設立されたのです。ドーピングは必ずしも、選手が故意にしているとは限りません。たまたま飲んだ薬の中に禁止成分が入っていて、引っかかるケースも。テニスのマリア・シャラポワ選手が2年間の出場停止処分になりましたが「禁止薬物とは知らなかった」と提訴しています。禁止成分は随時更新されますから、ドーピングを避けるには、選手だけでなく、チームやコーチ、医師や薬剤師も正しい知識が必要。WADAやJADA(日本アンチ・ドーピング機構)はそれぞれの立場での注意を促しています。ドーピングは、製薬会社のビジネスとも密接な関わりがあると指摘する声もあります。合法的に運動能力が上がる薬となれば、ビッグビジネスになりますよね。最近はWADAと大手製薬会社が情報を共有してドーピングを未然に防ごうとしていますが、これも諸刃の剣。規制をすり抜ける新薬が開発され、後にその成分が規制されるというイタチごっこにもなってしまいます。今回のリオ五輪で、IOC(国際オリンピック委員会)が、ロシアの参加を全面禁止にしなかったことに対して、処分が甘いという意見もありました。しかし、五輪は平和の祭典。開催期間は休戦し、人種や国境を超えて皆が参加すること、五輪を続けることに意義があります。大国ロシアが抜けてしまったら、その秩序が崩れてしまう可能性も。そもそも、スポーツとは何を競い合うものなのか?原点に立ち戻り、清い戦いを見せてほしいですね。フェアな戦いこそが感動を与えてくれます。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年9月21日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年09月21日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「東京都知事」です。***新しい東京都知事が、初の女性知事・小池百合子さんに決まりましたね。東京がどれほどの大都市なのか、数字の面から見てみましょう。2016年度の東京都の年間予算は、13兆6560億円。日本の国家予算総額が96兆7218億円ですから、比較しても相当な額というのがわかります。また、この東京の予算額は、スウェーデンの国家予算に匹敵する(!)規模です。GDP(国内総生産)では、東京都は2015年度見込みで92兆9000億円=約1兆1326億ドルです。世界のGDP順位を見ると、1位はアメリカ約18兆ドル。2位中国、3位日本が4兆ドル台。数字上では東京は12位に匹敵し、スペインやメキシコのGDPより勝っているのです。都市別に見ると、2014年の1位は東京。2位NY、3位ロサンゼルスと続きます。東京は経済的には、国レベルといってもいい大きさなんですね。日本の総理大臣は議会が選びますが、都知事は直接民主制によって、私たちが直接選べます。つまり、東京都知事は東京という一つの国の大統領のようなもの。また、東京には、日本の全人口の約1割が集中。大企業の本社や外国企業の5割は東京にあり、日本の税収のうちの約4割は東京から集められています。これだけの人とお金が動いている少なくないんです。たとえば、石原慎太郎さんが都知事だったとき、東京の空気の浄化のために、ディーゼル車の走行を規制しました。これにより、自動車メーカーは、世界一基準の厳しい排気ガス規制に対応できるクリーンな自動車を開発。日本の技術力を上げるきっかけになりました。石原都知事はほかにも、日本史を都立高校の必須科目にしたり、横田基地の返還要請をし、航空管制の一部を返してもらうなど独自の政策を実行していきました。近年は任期が短くて、実績を残す機会は減っていますが、都知事は日本全体にも少なからぬ影響を与える存在ということに変わりはありません。予算が膨らむ東京五輪問題や土壌汚染を抱える築地市場移転問題など、小池流改革手腕でバッサリ切り込んでいってほしいなと期待しています。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年9月7日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年09月06日女優・芳根京子が5日、NHK 連続テレビ小説『べっぴんさん』(10月3日スタート 毎週月~土曜日 8:00~8:15)の完成試写会に、共演の生瀬勝久、渡邉このみとともに出席した。同作は、会社経営者の家に生まれたヒロイン・坂東すみれ(芳根)が、戦後の混乱の中、赤ん坊を抱えて「子ども服作り」を始め立ち直っていく姿を描く。すみれの父・五十八を生瀬、母・はなを菅野美穂、すみれの子ども時代を渡邉が演じる。最近の”朝ドラ”といえば、『あまちゃん』の「じぇじぇじぇ」、『あさが来た』の「びっくりぽん」などヒロインの口ぐせも話題となっているが、芳根はヒロイン・すみれの口ぐせが「なんか、なんかなあ」だと明かした。すみれは「自分の言いたいことがなかなか口に出せない女の子」だが芯が強く、成長するにつれ行動力を発揮していくという。芳根はこの口ぐせについて「これから何度も何度も出てきます」と予告し、「『なんか、なんかなあ』というセリフを言うと、周りの人たちが『出た! すみれお嬢様の”なんか、なんかなあ”!』と思う言葉」だと説明した。そして自ら「隙を見つけると『入れてもいいですか』と監督に相談して、積極的に取り入れるようにしています」と役作りについて語った。また芳根は印象的なできごととして、生瀬と向き合うシーンの撮影中に「深く考えすぎるのではなく、思いを伝えて」とアドバイスをもらったことを振り返った。そして「考えすぎちゃったところがあったので、一度忘れてしっかり思いを伝えようとぶつけたら、監督からも『今のすごく良かった』と言われた」とエピソードを披露。しかし生瀬は自分が芳根にアドバイスしたことを忘れており、「覚えてないけど、出たんでしょうね!」と苦笑。「すみません!」と謝っていた。
2016年09月05日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「イギリスのEU離脱」です。***6月にイギリスは、EU離脱の是非を問う国民投票を行い、離脱派が勝利。残留派のリーダーだったキャメロン首相は辞任し、テリーザ・メイが首相になりました。投票結果は残留派48%、離脱派52%の僅差。EU離脱の選択は、世界に衝撃を与えましたが、実はイギリス国内でも「まさか本当に離脱になるとは!」と驚きの結果だったのです。離脱に傾いた大きな理由は、難民問題。離脱派の元ロンドン市長ボリス・ジョンソンは、「難民が流れ込んだせいで国内の失業率が上がり、テロの脅威にさらされている。EUを離脱し、イギリスは主権を取り戻すべきだ」と主張しました。EU(欧州連合)とは一つの大きな国のようなものです。第一次、第二次世界大戦で大きな犠牲を払ったヨーロッパは、資源争いによる敵対をやめ、まとまる必要に迫られました。EUを立ち上げ、資源を分かち合い、関税を取り払って、人・もの・お金が自由に行き来できるようにしました。ヨーロッパ全体で協力し合うことで、安全保障と大きな経済成長を得たのです。しかし、EU加盟の恩恵は国ごとに差があります。イギリスやフランスは借金の多い国々を助ける役回りになり、経済的負担は少なくありません。また、EU内には法律があるので、国内で勝手に物事を決められない不自由さも出てきました。ジョンソンが「主権を取り戻す」と言ったのはそういう理由です。ジョンソンは有力な次期首相候補でしたが、離脱が決まると立候補を取り下げてしまいました。他にも、国民投票後に現場を退いた離脱派の政治家もいました。つまり、覇権争いのために、離脱の主張をしていた議員が少なからずいたということ。それだけ、国民の不満は募っており、支持を得るには格好のテーマだったのです。首相のなり手はなかなか見つからず、残留派だったメイが名乗りをあげます。メイ首相は22人の閣僚のうち7人に、ジョンソンを含む離脱派の閣僚を据えました。離脱のニュースの後、ポンドは下落、円高ドル高の流れに。世界経済にも影響を及ぼしています。イギリスがEUを離れ、どんな政策で問題解決していくのか世界が注目しています。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年8月31日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年08月30日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「核なき社会」です。***みなさんは、8月6日、9日が何の日かわかりますか?71年前のこの日、世界で初めて、原子爆弾が投下されました。8月6日は広島に、9日は長崎に。一瞬にして街は焼け焦げ、その年の12月までに広島では約14万人、長崎では約7万人の方が亡くなりました。数年後に白血病やガンを発症したり、子供に原爆症が出るケースもあり、総被害は数知れません。日本は原爆の恐ろしさを知る、唯一の被爆国なんです。現在、核保有国はアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国、インド、パキスタン、北朝鮮、イスラエルの9か国。これほど恐ろしい兵器を、なぜ皆持ちたがるのか?悲しいことですが、核を保有することで、敵対する国同士の抑止力になっている、というのも現実なんです。とはいえ、核兵器がこのまま増え続けたら、地球規模の危機に晒されます。2009年、オバマ大統領はプラハで、核保有国として初めて「核なき社会を目指そう」と国際社会に訴えかけました。その後、アメリカ・ロシア間では核軍縮の合意が取れ、処分後もテロリストに核兵器が渡らないよう、注意を払っています。一昨年、国連総会で「核兵器使用禁止条約」がオーストリアから提案されました。化学兵器や生物兵器は国際条約で、使用したら戦争犯罪として裁かれることになっています。それに核兵器も加えようという提案。賛成125か国、反対50か国、棄権7か国で可決されましたが、実は日本はこのとき棄権しました。日本は自国では核兵器を持ちませんが、同盟を結ぶアメリカに、中国や北朝鮮の脅威から守ってもらっている立場。その手前、賛成することができなかったと言われています。今年5月、アメリカの現職の大統領としては初めて、オバマ大統領が被爆地の広島を訪れ、平和を訴えましたね。これが実現したのも、毎年、原爆記念日に世界に向けて平和のメッセージを発信し、核保有国の首脳に手紙を送り続けた広島市の不断の努力の賜物です。原爆の惨劇を伝えられるのは、世界で日本だけです。戦争体験者が次々いなくなる今後、二度と悲劇が起こらないよう、8月6日、9日のことを私たちは忘れてはいけないと思います。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年8月10日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年08月05日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「ふるさと納税」です。***ふるさと納税とは、好きな自治体に寄付をする制度です。寄付をすると、その額から2000円を引いた額が、所得税と住民税から控除されます。日本は東京が中心となり、大都市ばかりに人もお金も集まってしまっています。地方にお金が回るようにと、ふるさと納税制度は2008年に公布されました。寄付した人には地方の特産品などのお礼の品が送られます。理念は素晴らしいのですが、年々、自治体ごとの寄付金獲得競争が加速、返礼品がエスカレートして豪華になってきてしまいました。自治体の方でも返礼品が重荷になったり、返礼で受け取った金券を転売する寄付者が出てくるなど、本末転倒な事例も。公布から8年たち、そろそろ制度の見直しが必要なのかもしれません。また、ふるさと納税を使って、高額所得者が高額の寄付をし、寄付額がほとんど還付される、節税対策に使われていることを問題視する人もいます。いわば、日本のタックスヘイブンです。ただ、都市と地方の格差は広がる一方。地方は財源を得るのが本当に大変です。ですから、たとえタックスヘイブンになったとしても、地方にお金が回るのは良いことなんじゃないかと思います。最近では被災地にふるさと納税する人も増えていますね。熊本への寄付金も増えて、復興に役立っています。問題は、寄付をする側の姿勢ですね。ただの節税対策や、返礼品目当てのショッピングモールになってしまうのは残念。集まった寄付金の使い道は各自治体で公開していますので、寄付をしたら、ぜひチェックしてください。また、一度その土地に足を運んで、実際に見てきてほしいですね。都市部はどうしても消費が中心。地方が生産を支えています。農業、林業、水産業の「生産者を守る」という意識で地方を応援していきたいですね。実際に生産の現場の大変さを知ると、無駄な消費をしなくなります。日本はレストランでもコンビニでもたくさん食品を捨てていて、食品ロスが多いんです。過剰な消費から生まれる社会問題は少なくありません。生産と消費、都市と地方のいいバランスを目指していきたいですね。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年7月20日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年07月17日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「参議院選挙」です。***皆さんは「三権分立」を覚えていますか?法律は立法権を持つ国会で作られ、法律に基づいて政治を行う内閣は行政権を、法律に基づいて裁判する司法権は裁判所にあります。これらは暴走しないように互いに監視し合う、ということになっていますが、実際は行政府と立法府が一本化しているよう。内閣が望む法案が、成熟した討議のなされないまま、数の論理で決まることが多い印象があります。国会答弁の数は与党が1割、野党が9割と割合が決まっていますから、これには反論する野党側の責任も少なくありません。大統領と上院下院が対等に、緊張感を持って存在し、常に意見を戦い合わせているアメリカとは大きく違いますね。日本の場合、総理大臣や各大臣は、立法府(国会)で議席を多く取った党内から選ばれます。また、「党議拘束」といって、党員は政党の方針に従わねばならないという規則があります。自分が所属する政党と違う意見に票を入れると、体制に逆らったと罰せられたり、党の公認を得られなくなったり、除名処分になることも。そのため、全体が数の多い与党の意見に流れることが構造的に起きてしまうんですね。国会には衆議院と参議院があって、衆議院で可決された法案を、参議院で再討議します。参議院は衆議院のように途中で解散することなく、任期は6年。半期ごとに半分の議員が選挙で選ばれます。衆議院とは別の角度からじっくり法案に取り組むことが求められています。しかし、党議拘束は参議院にもかかりますから、残念ながら、衆議院との役割の違いがあまり見えてきません。選挙前には国民が喜ぶような聞こえの良い法案が掲げられたり、結局、「選挙に勝つための政治になっていないか?」という疑問も拭えず、国民の政治離れが進んでしまいました。7月10日は参議院議員通常選挙の投票日です。代表演説やマニフェストをチェックして、ぜひ政策の中身で政治家を選んでください。日本は、お上の決定に民が従う歴史が長かったものですから、政治を政治家にまかせる慣習が染みついています。でも今、当事者意識を持って、政治家に働きかける積極性が求められているんです。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年7月13日号より。
2016年07月11日「岡崎京子展 戦場のガールズ・ライフ」が、7月30日から9月11日まで、伊丹市立美術館(兵庫)で開催される。『pink』『東京ガールズブラボー』『リバーズ・エッジ』などで知られる漫画家、岡崎京子。下北沢の理髪店に生まれ育ち、短大在学中にデビュー。1985年に初めての単行本『バージン』を刊行した。以後、漫画雑誌をはじめ、週刊誌やファッション誌、音楽雑誌を舞台に次々と作品を発表してきたが、1996年に不慮の事故によって活動を休止。それ以後も、未完作品の出版や復刊が相次ぎ、2012年には、蜷川実花がメガホンをとり『ヘルタースケルター』が映画化されるなど、現在も新たな読者を獲得し続けている。昨年、東京・芦花公園の世田谷文学館でも開催されて話題を集めた本展は、女の子たちの夢や憧れを紡ぐ少女漫画とは対照的な、都市に生きる少女の日常、変容する家族像、高度資本主義下における女性の欲望や不安といった、時代の現実を果敢に描き続けた岡崎京子の、これまでの仕事を取り上げる大規模な展覧会。会場では、幻の単行本未収録作品も含む300点以上の原稿や原画をはじめ、学生時代のイラストやスケッチ、1980年から1990年代の作品掲載誌などが展示される。また、祖父江慎とコズフィッシュがデザインを手掛け、多数の原画や単行本未収録の作品、よしもとばなな、小沢健二らによるエッセイなどを掲載した約400ページにおよぶ展覧会公式カタログも販売される。なお、本展は12月3日から2017年の1月22日まで、福岡の三菱地所アルティアムに巡回する。【イベント情報】「岡崎京子展 戦場のガールズ・ライフ」会場:伊丹市立美術館住所:兵庫県伊丹市宮ノ前2-5-20会期:7月30日~9月11日時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)料金:一般800円、大高生450円、中小生150円休館日:月曜日
2016年07月10日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「待機児童」です。***条件を満たし、入所申請をしているにもかかわらず、保育所に入れない「待機児童」の数は2015年4月の段階で約4万5000人。キャンセル待ちの多さに諦めて、最初から申請していない家庭もあるので、潜在的な待機児童数を含めるとその数はもっと多くなるでしょう。待機児童問題は、保育所の数を増やすだけでは解決にはなりません。というのも、保育士さんの数が足りないんですね。保育士の資格を持ちながら現場を離れた「潜在保育士」の数は全国で約80万人。離職した大きな理由は、賃金の低さと言われています。保育士の賃金は、35歳平均で月額21.9万円。全産業の平均は33.3万円ですから、かなり下回っています。安倍総理は4月に一億総活躍社会の一環として、保育士の賃金を2%、月額約6000円アップを宣言。潜在保育士をなんとか呼び戻そうと対策を立てています。保育所が足りないのは、近隣の反対により建てられないというケースもあります。「子供の声がうるさい」といったクレームも聞きますが、それだけではなく、道が狭くて、子供の送り迎えの車や自転車が来ると住民の移動ができないという切実な理由も。街づくりやインフラ面から抜本的に変えなければいけません。また、保育所開設の規制緩和も必要でしょうね。企業内に保育施設がもっと開設できれば助かりますよね。待機児童問題は、すぐには解決しないでしょう。これから就職や転職を考えている方は、育児休業のあるなしだけでなく、バリエーションをチェックしてみてください。1年フルに休めなくても、時短で働ける時期を長く取れる方がありがたい場合もあります。今から約100年前に母性保護論争が起きました。女性解放運動家の平塚らいてうは「子供を産み育てることは国のためでもあるから、国が保護するべき」と主張。対して歌人の与謝野晶子は「女性は男性にも国にもよりかかるべきじゃない。自立して稼ぎなさい」と意見しました。子育てのお金は、国か個人、どちらが出すべきなのか。子供は誰のものなのか?100年前の論争の答えはまだ出ていないんです。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年6月22日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年06月19日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する、雑誌『anan』で連載中の「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「タックスヘイブン」についてです。***タックスヘイブンとは日本語で「租税回避地」。税金を免除、またはとても低い税率にして、海外資本を獲得している国や地域のことを指します。ヨーロッパの小国、モナコ公国やサンマリノ共和国、カリブ海の英領ヴァージン諸島やケイマン諸島などが有名です。それらの国や地域が税率を下げるのは、もともと産業や鉱物資源がなく、税金をとる先がないからなんですね。海外企業を誘致できれば、雇用が生まれ、富裕層が集まれば消費が活発になり、その地域の利益につながります。企業にとってみれば、世界に展開するのに、本拠地をタックスヘイブンに登記し、収益を集約できれば、国によって税率が異なることを気にせず、円滑に取引が進められます。必ずしも誰しもが税金逃れのために使っているわけではないんです。ただ、麻薬や人身売買、テロ、政治家の汚職などのマネーロンダリング(資金洗浄。口座を転々とさせて、資金の出所を不明確にする)の温床になりやすいのも事実。北朝鮮やロシアなど、欧米諸国から経済制裁を受けている国のお金のやり取りに使われているともいわれています。4月に「パナマ文書」がニュースになりました。パナマの法律事務所から、タックスヘイブンを利用する企業の、過去40年分の膨大なデータが流出。それによると、約21万の企業の関係者リストのなかに、プーチンや習近平、アイスランドの首相など、国の要人も含まれていました。文書はドイツの新聞社と国際調査報道ジャーナリスト連合に送られ、現在詳しく調べている最中ですが、リストのデータベースは誰でも見られるよう5月にネット上で公開されました。タックスヘイブンに集められた企業の税逃れ額は、約500兆円あるとか。それらが国税として支払われれば、社会保障に使えますよね。日本では早い時期からタックスヘイブン対策税制を設け、法人税率20%以下の国に登記している会社は、国税庁に届け出ることになっており、国内の子会社から、相応の税がとられています。世界の格差問題につながるテーマ。今後、各国がどう対策をとるのか、要注目です。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年6月15日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年06月14日レスリングの浜口京子選手が、テレビ朝日のミニ番組『おべんとレター』(6月4日スタート、毎週土曜16:25~16:30/関東ローカル)で、人生で初めてのお弁当を両親に作る。『おべんとレター』は、大事な人に気持ちを込めたお弁当を、番組が代わって届けていくという新番組。浜口選手は、6月4日・11日の2週にわたり登場し、父・アニマル浜口と母・初枝さんへのお弁当を作る。初のお弁当作りに、浜口選手は「本当に作れるかどうかちょっぴり不安だったんですが、チャレンジ精神で、父と母のことを考えながら作らせてもらって、すごくいい経験になりました」と充実の様子。お弁当で気持ちを伝えるということには「相手のことを考えながら作ったお弁当を、お渡しして、相手に食べてもらう。食べるってこと、味わうって、すごく相手に伝わるんじゃないかなと思いました」と手応えを語っている。今回作ったお弁当は「気持ちをたっぷり詰め込みました!!」という自信作で、200点満点でもそれを大きく超える「500点くらいの出来栄えです!!」。「喜んでもらえる自信があります!」と胸を張っている。
2016年05月31日10月より放送開始されるNHKの連続テレビ小説「べっぴんさん」が、本日25日(水)、神戸・北野異人館街「萌黄の館」にてクランクイン。ヒロインの芳根京子をはじめ、蓮佛美沙子、谷村美月らが登場し、意気込みを語った。ドラマは、戦後の焼け跡の中、娘や女性のために子供服作りにまい進し、日本中を元気に駆け抜けていくヒロイン・すみれとその家族、そして彼女の仲間たちが夢へと向かう物語。キャストには、ヒロイン・坂東すみれ役に抜擢された芳根さんをはじめ、すみれの3歳上の姉・ゆり役の蓮佛さん、坂東家女中のマツの娘・小野明美役の谷村さんらが出演する。この日撮影されたのは、戦時中に出産したすみれ(芳根京子)が、すみれの姉・ゆり(蓮佛美沙子)の友人のクリスティーナから粉ミルクを分けてもらい、ベビーナースである明美(谷村美月)が、おしめの巻き方を指導する子育て教室を聞いていかないかとすみれを誘うシーン。主演の芳根さんは「ついに、この日が来たという感じ」とクランクインの日が本当に楽しみだった様子。また「不安とかプレッシャーとかは、もちろんあるんですけども、今日もこうして撮影をしていて、本当にほっとします」と心境を語る。さらに「きっと10か月頑張れるなというふうに、もう確信している自分がいます」と心強いコメントを残した。一方、10か月の撮影に全然ピンと来ないと語ったのは、“朝ドラ”初出演の蓮佛さん。今回のクランクインでは、頭のシーンから関西弁と英語を喋るという難シーンに挑んだ蓮佛さんは「自分の中ですごくハードルが高いことを初日からやっていて、なかなかできない貴重な体験をさせていただいています。そういう“挑戦するぞ!”っていう気持ちをずっと持ちながら、そして、芳根さんを支えながら、一緒に頑張っていけたらいいなという思いでいます」と意気込みを語った。また、堺市出身の谷村さんは「同じ関西でも神戸はやっぱり違うと思っています。関西人の私からしても(笑)」と語り、「私個人としては、(神戸での撮影は)すごく身が引き締まります」と想いを述べた。さらには「29日にちょっと大変なシーンがいっぱいあるので、そこに向けてちょっと自分の気持ちを…と思っています」と話しており、早くも気持ちは先へ向かっているようだ。平成28年度後期連続テレビ小説 「べっぴんさん」(全151回)は、10月3日(月)~2017年4月1日(土)放送予定。(cinemacafe.net)
2016年05月25日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する、雑誌『anan』で連載中の「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「一億総活躍社会」についてです。***去年の10月に第3次安倍改造内閣が発足したときに内閣は「一億総活躍社会」というプランを掲げました。安倍政権の経済目標の一番大きい規模のものって、何だかわかりますか?それは2020年までに日本のGDPを600兆円に引き上げるというものです。現在、日本のGDPは500兆円前後。‘80年代の後半に400兆円の大台を突破し、約15年かけてやっと500兆円になりました。バブル期を含んだ成長ですから、今から4年で約100兆円を上げるというのは、簡単ではない数字なんですね。GDPを上げるには方法は2つ。移民に積極的に働いてもらうか、国内に眠っている労働力を掘り起こすか。安倍さんは保守派ですから、移民の受け入れにはあまり積極的ではありません。そこで、女性やお年寄り、障害のある方、難病の方などでも、働ける人を総動員して、国の経済成長を促したいと考えているんです。バブル崩壊後、リーマンショックの起きた2008年頃までは、働きたくても働き口がない、という状況でした。けれども今、日本は人手不足です。サービス産業、製造業、介護や医療の現場で働き手を求めています。「一億総活躍社会」は言い換えてみれば「一億総労働社会」。少子高齢化で、働く年代の人口が減っているのに歯止めをかけたいんですね。今後は定年も延び、年金の受給開始年齢も引き上げられるでしょう。ただ、見方を変えれば悪いことばかりではありません。家庭、地域、職場で個性を生かした多様な働き方を社会全体で支援する。男性女性、障害のあるなし、年齢に関係なく、皆がいきいきと働ける社会を目指すということ。これから日本の労働環境が大きく変わるのかもしれませんね。政府は緊急政策として、「希望出生率を1.8」「介護離職ゼロ」を掲げ、保育や介護のサービスの拡大を目指しています。今、日本では、働いても生活が楽にならないという貧困の問題がありますね。一億総動員はするものの、市場原理にのまれて、ただ安い賃金で働かされ、ちっとも暮らしが豊かにならない、というふうにならないことを祈りたいですね。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年5月18日より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年05月15日