発達障害とは?発達障害は、発達障害者支援法では「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定義されています。具体的にわかりやすく言うと以下のような状態です。Upload By 発達障害のキホン発達障害はその発達過程やライフステージなどで困りごとや特性が強く現れ、初めて分かるケースがほとんどです。外見からはわかりにくく、大人になっても気づかない人もいます。その特性から「困った子」と捉えられてしまうこともありますが、その子が「困っている」ことに早く気づき、周りが理解し、一人ひとりに合った対応をすることがとても大切です。発達障害は特性や現れる困りごとによって、大きくASD(自閉症スペクトラム)・ADHD(注意欠陥・多動性障害)・LD(学習障害)の3つのタイプに分けられます。Upload By 発達障害のキホン発達障害の症状・特性と困りごとUpload By 発達障害のキホン診断基準によっては広汎性発達障害・自閉症・アスペルガー障害などの名前で呼ばれることもあります。知的障害や、言葉の遅れ、感覚過敏・鈍麻がある人もいます。子育ての違和感や園や学校、乳幼児健診での指摘で気づくケースが多いと言われています。自閉症スペクトラムについてもっと詳しく知るUpload By 発達障害のキホンこれらの特性は、幼い子どもには多く見られますが、成長するにつれ同年代の子に比べて特性が目立つようになります。そのために園や学校での集団生活が難しくなってしまったり、本人の努力不足や親のしつけの問題と誤解されることも少なくありません。についてもっと詳しく知るUpload By 発達障害のキホン全体的な知的発達に比べて、学習面で大きく目立って不得意なことがあります。読めるのに書けないなど、一部だけに困りごとが表れることもあります。授業についていけなくなる、宿題をこなせないなど、小学校に進学し学習が始まって明らかになるケースが多いと言われています。学習障害についてもっと詳しく知る発達障害は、その特性や症状が一人ひとり大きく違うことが特徴です。特性や疾患、合併症が重なっていることもあります。Upload By 発達障害のキホン上記のほか、てんかん、チック、トゥレット症候群、場面緘黙、吃音などが合併することもあります。「感覚過敏があって、音に耐えられず教室を飛び出してしまう」「言葉の遅れがあって気持ちをうまく伝えられず、癇癪を起こしてしまう」など、これらの合併症と特性は密接に関係し重なり合い、困りごととなってしまうこともあります。発達障害と定型発達の境目は明確にはありません。そのため診断基準は満たさない、あるいは未診断だが発達障害の傾向のある「グレーゾーン」と呼ばれる人もいます。診断がつかない=症状や困りごとも軽度だと考えられがちでが、明確な診断名がなく、外見からもわかりにくいので、理解や支援を受けにくいこともあります。分類や定義、診断の有無にこだわらず、一人ひとりの特性の傾向を知り、本人の生きづらさを減らすことに注力できるとよいでしょう。グレーゾーンについてもっと詳しく知る発達障害の原因は?発達障害は、生まれつきの脳の機能障害が原因となって現れると考えられます。以下に、発達障害に関係のあるのではないかと考えられている脳の機能を紹介します。Upload By 発達障害のキホン発達障害のある人の脳の場合、これらの部位が小さかったり、血流が弱かったりしてうまく機能しない傾向が報告されています。この機能障害を引き起こすメカニズムは、まだはっきりとは分かっていません。発達障害に関連がある遺伝子の発見や研究も進められています。ただし、遺伝子を持っていても必ずしも発症するわけではありません。また、親から子へ必ず遺伝するものでもありません。現在「様々な遺伝的要因と環境要因が相互に影響しあって発達障害の症状が表れる」という説が有力で、すべての方にあてはまるようなただ一つの原因はないといわれています。「親のしつけ方・育て方が悪い」「親の愛情不足」といった心因論も医学的に否定されています。発達障害かもと思ったら?症状チェック・検査・診断までの流れ発達障害のサポートは、家族や本人、周りの人が「特性のために困っている」「違和感がある」などに気づくことが、最初のきっかけになります。Upload By 発達障害のキホン専門機関の中には発達検査を行っているところもあります。相談や医療期間受診の後、療育的なサポートを受けたり、医療機関で治療を受けたりするなど、必要に応じた個別の専門的なサポートを受けることになります。診断を受けなくても発達相談や子育て相談、発達支援やペアレントトレーニングなどを受けることもできます。全国の相談窓口の情報を調べる|発達障害・支援センター発達障害診療医師名簿|一般社団法人 日本小児神経学会・子育ての違和感や子どもの困りごとに早く気付くことで、より早い支援につながる・自己診断は絶対にNG。その先の対処法や支援を知るためにもまずは専門家に相談を・専門機関に相談することで、必要であれば医療機関につないでもらえる・もし発達障害ではなかったとしても、子育て相談や発達相談などの支援を受けることもできる・検査で子どもの苦手と得意を把握することで、その子にあった対処法が見つかることがある・発達支援や療育を受けることで、症状や困りごとが改善する可能性がある・診断は必須ではないが、診断があることで受けられる公的サポートもあるなどが挙げられます。発達障害は治るの?発達障害は現在、根本から治療することは難しいとされています。ですが、症状を和らげるための薬物療法や、対処法を知るための応用行動分析学に基づく療育的アプローチなどを受けることで、困りごとが改善する可能性があります。発達障害を完全に治す薬はありませんが、症状を和らげるための薬がいくつかあります。人によって合う薬と合わない薬もあり、副作用などもあるなど、現在のところ、すべての人に必ず効果があるような薬はありません。また処方は6歳以上で、成人には認可されていない薬もあります。そのため、薬物療法を進めるときは医師の判断のもと、その人の症状や状態を慎重に見ながら行うことになります。薬で症状が和らいでいる間にスキルトレーニングなどを合わせて行うとよいでしょう。Upload By 発達障害のキホン子ども自身が何に困っているかやその背景などを探り、トレーニングをしてうまくいく方法を見つけ、得意な部分を生かします。また周囲の人の理解や環境の工夫によって、症状や困りごとの改善を図ります。そうして失敗体験を減らし、成功体験を増やして適応能力を伸ばしていきます。療育方法は様々なものがあります。子どもの場合、クリニックや発達障害外来などのほか、児童発達支援や放課後等デイサービスなどで療育的支援を受けることもできます。発達が気になるお子さまが利用できる施設を調べる|LITALICO発達ナビ施設情報発達障害の生きづらさと二次障害発達障害の特性が理解されないまま生きづらさが強くなると、心の病や行動の問題など、二次的な障害を引き起こすことがあります。以下に二次障害に陥りやすいプロセスをご紹介します。Upload By 発達障害のキホン二次障害を引き起こさないためにも、その子が困っていることに早く気づき、専門機関やサポートにつながることが大切です。発達障害の特性を理解し、その子に合った対処法と過ごしやすい環境を考えサポートしていきましょう。発達障害をもっとくわしく知るリンク集発達障害の診断・検査について知る発達障害の原因について知る障害者手帳の取得法、利用できるサービスを知る障害児が受けられる福祉サービスを知る障害者が受けられる福祉サービスを知る合理的配慮の受け方、具体例を知る親子のヒント参考:発達障害とは|LITALICOジュニア参考書籍:『DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引』(医学書院)参考書籍:『ICD-10精神科診断ガイドブック』(中山書店)
2018年08月28日子どもの発達が遅かったり、食が細かったりすると、「母親である自分が悪いのかも」と不安になりますよね。筆者も1人目はとても食が細く、離乳食の作り方を工夫をして30〜40分かけてあげても、食べてくれるのは3分の1ほどで悩みました。7歳長男、3歳次男、1歳長女と3兄妹をもつ今では、それぞれの発達や食欲、気質がバラバラな様子を見て、「母親が悪いのではなく個性が強い」ことを知りました。どれほど3人が違うのかをご紹介します。乳児期の発達・気質・食欲我が家の3兄妹は、寝返り・ハイハイ・一人歩きなどの発達が、平均と比べて上の子から「2〜3ヶ月遅い、平均と同じ、2ヶ月早い」状態でした。たとえば寝返りを始めたのは上から「7ヶ月、5ヶ月、4ヶ月」、一人歩きを始めたのは「1歳4ヶ月、1歳、10ヶ月」です。気質や性格は、上の子から「神経質でとても慎重・ヤンチャで後先を考えない・おてんばでマイペース」。長男は「石橋を叩いて壊してしまう」と例えられるほど慎重ですが、次男は「まず行動してから考えるタイプ」、長女はその中間です。離乳食に対する食欲は、上から「食が細い、食欲旺盛、普通」といった状態。長男はどんな調理法を試しても離乳食を食べてくれませんでしたが、次男は何でもすぐに食べてしまいました。今でも長男は食が細く、水分もあまりとりたがりません。ちなみに長男には数々の食物やハウスダスト、動物のアレルギー、花粉症や軽いアトピーがあり、次男にはありません。幼児期の遊び方もバラバラ幼児期の遊び方も、それぞれ異なります。長男は文字を書いたり、迷路や間違い探しが好きでした。集中力が高く、一つのことをやり続けるタイプです。一方でブロック遊びなど、立体的なものを自分で考えて作るような遊びはしませんでした。反対に次男は、ブロックや粘土で自由に物を作ったり、プラレールが好きです。好奇心旺盛ですが、集中力のないタイプ。迷路や文字を書くということは苦手なようで、嫌がります。長女は現在1歳4ヶ月ですが、長男と次男の間をとったような遊び方をしています。乳児期の発達だけでなく、妊娠中のつわりや食の好み、体調も3人共異なりました。「3人育てるとそれぞれの子がバラバラで、子どもに親の期待を押し付けなくなる」という話を聞いたことがありますが、それを実感しました。それでも1人目のときは、発達が遅いのも、食が遅いのも自分のせいかもと落ち込んだものです。親のせいではなく子どもの個性と捉え、どんなタイプの子なのか、その子らしさを観察することをお勧めします。PHOTO/Fotolia
2018年08月20日発達障害のある子どもや家族の困りごとを知り企業ができる可能性を探る!7月のミートアップ「LITALICO発達ナビ」では、発達障害に関するコラムの発信や、施設情報の提供などを通して、発達障害のあるお子さんや、保護者の方々の生活を取り巻く困難の解消に取り組んできました。現在は、月間300万人以上の方がサイトを訪れる規模となりました。多くのユーザーの方にとって、必要な情報と出合ったり、同じような悩みを持つ仲間との交流ができる場となっています。一方で、LITALICO発達ナビの力だけでは解消出来ない困難が多いことも事実です。そこで、発達障害にまつわるより多くの困りごとを解消していくため、さまざまな分野の企業とのコラボ企画・協業を進めていこうとしています。その一環として、始まったのが「LITALICO発達ナビ ミートアップ」。毎回、異なるゲストスピーカーをお招きし、講演や参加者の皆さんとLITALICOのスタッフでのディスカッションなど行なっています。4回目のミートアップは、2018年7月25日(水)に実施されました。LITALICO発達ナビ ミートアップの様子をレポート今回のミートアップにも、小売店、飲食店、メーカーなどから、自治体に勤務されている方まで、さまざまな業種の企業・団体などで働く方の参加がありました。4回目となった今回はゲストスピーカーとして、大人の「生き方」研究所 Hライフラボの岩本友規さんをゲストにお招きしました。Upload By 発達ナビ編集部講演に先立って、LITALICO発達ナビ編集長の鈴木悠平がLITALICOや「発達ナビ」のこれまでの取り組みとこれからについてを解説。ミートアップを開催する目的についても紹介しました。Upload By 発達ナビ編集部岩本さんは、3回の転職を経て携帯通信キャリアに勤務していた33歳のときにADHDとアスペルガー症候群の診断を受けました。その翌年から外資系企業でシニアアナリストとして活躍され、複業で発達障害のある人の「自立」や「主体性」獲得プロセスの研究や普及のための執筆、講演活動を行なっています。LITALICO発達ナビでは、以前インタビューさせていただいたこともあります。この日は、「〜いま伝えたい発達障害の私の生き方と研究〜」と題して、子どものころの発達障害による困りごとや社会人になってからの経験、現在の研究についてご講演いただきました。岩本さんの研究テーマは、自身が障害者雇用の枠で採用され、仕事する中で感じたことにありました。「配慮を受けているんだから」と言われると仕事を断れず、どんどん業務がたまってしまったそうです。配慮そのものへの疑問を抱き、「配慮がある社会」から配慮が当たり前になり、「みんながフラットに、お互いさまの精神で働く社会」になるための研究をしています。発達障害の「生き方」研究所|Hライフラボ発達障害の特性を自覚することなく過ごしてきた岩本さん。社会人生活がスタートしたとき、電話の対応でつまずきました。話を聞きながらメモをとることができなかったのです。先輩からの引き継ぎでも、メモを取れず、分からなくても聞き直したり、話しかけたりすることができないという困りごとに直面しました。疲労がたまり、うつ病で1年間休職することになります。当時は、発達障害の診断前。主治医が変わったことでうつ病ではなく、発達障害向けの薬を処方され、そこでようやく自分の状況を理解しました。しかし、「支援を受けましょう」「工夫して仕事をしましょう」というアドバイスしかなく、手探りの対策ではうまくいきませんでした。発達障害を周囲に開示していたものの、一般雇用だったこともあり、電車に乗れなくなるほど精神的に追い詰められました。このままではいけないと、「働かなければいけない」「こうであるべき」といった社会の価値観で行動するのではなく、自分にあった生き方を選択するために、障害者雇用枠で転職。「自立」「主体性」が発達障害の二次障害を防ぐという研究の目標は実体験から得たものでした。「いろんな人が、頑張って無理して一般社員として働いている。それを『おたがいさまだよね』と自然体で働ける社会をつくりたい」と発達障害がある大人の当事者が置かれている現状を変えようとしています。「『私とは違う人をどう理解するか』のスキルがあると、自分のこともよく分かる。自分のことが分かると、強み、何がやりたいかが明確になり、主体的になれて、クリエイティブになれたり、社会課題に目覚めたり…といった変化が出てくる」発達障害の有無にかかわらず、誰にでも必要とされるスキルであると考え、研修プログラムにできないかと、模索しているそうです。あったらいいサービスや商品は?各企業・業界の強みを振り返ってディスカッション!Upload By 発達ナビ編集部岩本さんの講演後は、参加者がグループワークに取り組みました。ディスカッションの前には、これまでコラムでも掲載してきた発達ナビと企業のコラボレーションの実績について事例を紹介しました。■非日常の状況でパニックを起こしやすいお子さんが、安心して空の旅を楽しめるサービス紹介の例発達が気になる子どもが安心して飛行機に乗るには?JALの子ども向けサービス活用法を徹底紹介!■服薬をしているお子さんが多く、服薬管理が大変だという声から、どのようなサービスがあるとよいかについてモニターによる意見を募集した例発達障害の薬物療法の疑問・悩みに応える情報提供を!電子お薬手帳harmo(ハルモ)×発達ナビ共同企画■さまざまな状況で迷子になる可能性があるお子さんの安心、安全のためのGPSサービス、対処法を紹介した例みんなの迷子の悩み・工夫をご紹介!迷子対策みまもり「GPS BoT」の抽選プレゼントも実施!■多様性を踏まえたマネジメントができるよう、社員向けに研修を行った例多様性を踏まえたマネジメントができるよう、社員向けに研修を行った例ワークは、会場を4つのグループに分けて実施。最初に「自社でできること・目指していること」を再確認するために、発達障害のあるお子さんや保護者が抱える課題を想定しながら理念、強み、注力領域を付箋に書き出しました。続いてグループ内で、一人ひとりが書き出した付箋を模造紙に張り出しながら、共通の課題などをグルーピングし、解決するためのアイデアをディスカッションしました。各グループでは、さまざまな業種、職種の参加者が、支援者側、当事者側からの意見を活発に交わしました。自社の商品やサービスの中に、今まで気づいていなかった価値があることに気づけたり、大人の当事者が働きやすい職場づくりの意識が高まったりしていました。LITALICO発達ナビ ミートアップは、毎月開催予定!Upload By 発達ナビ編集部ディスカッションで出た解決案について、各グループの代表者が一つずつ発表しました。「社内で発達障害の知識がないことが課題。そこが進めば個に合わせたコーチングができる。まずは上司の立場にあり、発達障害の認知ができていない人に対して、VRなど発達障害を疑似体験できるものを使いながら理解を広げられたらいいと考えた」「ファストフードなどの店舗の利用が初めてだったり慣れない人に対して、注文方法を図や動画で案内するツールがあれば安心できる。メーカーであれば、自分たちがつくっている商品を一緒につくる機会を設けることで、安心して使ってもらえるという意見が出た」全く違った分野の業界の人たちと言葉を交わしたことで、お互いにさまざまな気づきが生まれていました。LITALICO発達ナビは企業や団体の皆さんとつながり、新しいサービスや商品を作り出していきたいと考えています。また、実際にコラボレーションが実現した企画についても、LITALICO発達ナビ上で発信をしていきます。「LITALICO発達ナビミートアップ」は、これからも毎月開催予定です。それぞれの企業や団体が持っているサービスや商品の力で、社会をもっと生きやすいものにしたい!熱意のある人たちとディスカッションをしたい!という方は、ぜひご参加ください。Upload By 発達ナビ編集部次回のゲストは、株式会社ミュゼプラチナム社長室広報PR課、CSR推進室の柳沼政樹さまです。LITALICO発達ナビとミュゼプラチナムでは、昨年度より、「発達障害について正しい理解をすることで、日々のチーム運営、店舗運営に貢献する」を目的に、発達障害の理解と、一人ひとりの多様な特性のちがいをふまえたコミュニケーションのあり方について学ぶ、管理職向け勉強会を全国で実施してきました。ゲストトークでは、ミュゼプラチナムがなぜ発達ナビとの合同勉強会を実施するに至ったか、多様性理解に向けた企業としての思いや取り組み、勉強会を実施したあとの受講者の反響などをお話いただきます。実際に発達ナビとのコラボ企画実現に至った企業さまからの実践報告として、参加者の皆さんにご参考にしていただける点も多くあるかと思います。ぜひご参加ください!次回のミートアップは、8月29日(水)に開催します!【日時】8月29日(水) 19:00-21:30【場所】株式会社LITALICO東京本社〒153-0051東京都目黒区上目黒2-1-1中目黒GTタワー16F【交通案内】東京メトロ日比谷線・東急東横線「中目黒駅」東口より徒歩1分【対象】企業にお勤めの方で、発達障害のあるお子さまや保護者さまの抱える困りごとの解決に関心をお持ちの方、発達ナビとのコラボレーション企画を希望される方【参加費】2,000円※発達ナビに会員登録されている方は1,500円【プログラム】①発達ナビのこれまでの取り組みと今後の展望紹介②ゲスト講演:株式会社ミュゼプラチナム 柳沼政樹さま③質疑応答④企業の力で発達障害の課題解決を考えるワークショップ⑤参加者同士の交流・懇親会(ドリンク・軽食あり)【お申込み締切】2018年8月15日(水)15:00※応募者多数の場合、抽選とさせていただく場合がございます。※締切後、8月16日(木)〜8月20日(月)の間に参加可否の結果ご連絡をいたします。多くの方のご参加をお待ちしております!イベントは毎月開催しているので、8月の参加が難しい場合も9月以降のご参加お待ちしております。また直接イベントには参加できないけれど、「ビジネスの力で発達障害のある子どものために何かしたい!LITALICO発達ナビとこんなことができるのではないか?」という方は、ぜひ下記メールアドレスにお問い合わせください。◆お問い合わせ先info@h-navi.jp◆メール送付の際は件名に下記をご入力ください。企業アライアンス宛
2018年08月09日子どもへの声かけを学ぶ!『発達障害とグレーゾーン子どもの未来を変えるお母さんの教室』発達障害のグレーゾーンのお子さんがいるお母さんに、具体的なシチュエーションを想定して、肯定的な言葉がけができるテクニックや好ましくない行動をされたときの対応などをその理由とともに解説しています。幼少期に「体が弱く、手のかかる子」だったという著者の吉野加容子さん。自己肯定感が低かったそうですが、「苦しいよね。よく頑張ってるよ」と声をかけられてから、心が軽くなる経験をし、コミュニケーションや声かけの大切さを知りました。吉野さんは発達科学コミュニケーショントレーナー、臨床発達心理士。特別支援教育や発達心理学を学び、脳科学の研究を行っています。本の中では、「まずは3ヶ月やってみる」というスモールステップが設けられているので、始めやすいかもしれません。15年ほど発達支援に関わっていた吉野さんが、頑張るお母さんの気持ちに寄り添って声かけのアドバイスをくれます。(発行: 2018/7/1)子育ての気持ちが楽になるヒントを一問一答で!『「ウチの子、発達障害かも?」と思ったら最初に読む本』約20年にわたり、3,000人もの発達障害のある人と接してきた横須賀市療育相談センター所長で小児精神・神経科医の広瀬宏之先生の著書です。この本は、「発達障害かも?」と疑問を持ったり、発達障害の診断を受けて間もない子の保護者に向けられています。「診断されたら、何をしたらいいの?」「子どもの障害を受け入れるのがつらい」「保育園や幼稚園、学校にはちゃんと行けるの?」など、多くの保護者がぶつかる疑問や不安に対して、一問一答方式で、特性や困りごとへの対応などを紹介しています。1つの質問に対しての解説は1〜2ページにまとめられているので、気になる部分を中心に読み進められます。知らないことが多いと不安も多いですが、あらかじめ困りごとへの準備ができたり、先のことが分かると、いざというときに落ち着いて対応ができるようになりそうですね。(発行: 2018/7/10)保育者向け雑誌から発達障害の特集が登場!『PriPri特別編集発達支援「困った!」を抱える子の保育』これまで保育者向けの雑誌「PriPri」の中で数ページを使って連載してきましたが、10年の連載を経て現場からの強い要望から発達支援に特化した一冊として登場しました!子どもの困りごとの例やその対応をはじめ、園内研修向けの"困りごと擬似体験"の方法など、保育者が発達障害のある子どもに寄り添えるようなコンテンツがまとめられています。また、保護者と連携したサポートなども提案。巻末には幼稚園の指導計画の事例などもあり、実践のヒントになりそうです。同時に、食事やトイレの生活習慣をうながす絵カードの使い方も紹介されているので、さまざまな場面で活用したいですね。ほかにも、保育のノウハウだけでなく、特性を生かし、15歳でコーヒー焙煎士の道を選んだ岩野響さんや家族のインタビューなど、さまざまな内容が盛り込まれています。(発行: 2018/6/28)子どものころからの苦しみを救った自分へのメッセージ『ヘン子の手紙 発達障害の私が見つけた幸せ』自分と夫に宛てた作文「ヘン子の手紙」が第51回NHK障害福祉賞で最優秀作品に選ばれ、その後テレビでドキュメンタリーが放送されるなど話題になった著者・伊藤のりよさんの著書です。発達障害のある2人の子どもを育てる中で、36歳で自分にも発達障害があることに気づいた伊藤さんが、これまでの人生をつづっています。大人に怒られることが多かった子ども時代、生きる意味を見出せなくなったほどの特性による生きづらさ、葛藤もありのままに振り返っています。伊藤さんは生きづらさが発達障害のためだったと分かり、ホッとしつつも、対処が分からず精神的に追い込まれてしまいました。そこで自分への手紙を書いたことで抱えていたものと向き合うことができたそうです。発達障害のあるなしに関わらず、読む人が今の自分を見つめ直すことができる一冊です。(発行: 2018/7/31)医師であり発達障害当事者の著者が解説『自分の「人間関係がうまくいかない」を治した精神科医の方法』30代半ばにアスペルガー症候群とADHDがあると気づいた精神科医の西脇俊二さんが、自身の経験などから人間関係に悩みがある人へ解決のヒントを集めた本です。「なぜか相手をいつも怒らせてしまう」「学校や職場など、集団での生活が苦痛」といった悩みがある人に向けて、自身が行って改善があった対処法などを紹介しています。また、「人間関係がうまくいっていない人」とのコミュニケーションのポイントもシチュエーション別にまとめられています。当事者と夫婦や友人、部下、上司といった立場で関わりがあり、悩みを抱えている人も参考になりそうです。コミュニケーションにとらわれず、好きなことにのめり込むことで、社会に影響を与える仕事ができたり「特性は悪いことばかりではない」というメッセージも。自分がつまずいた経験があるからこその視点が詰まっています。(発行:2018/7/25)
2018年08月08日平成30年7月豪雨での甚大な被害。避難者7,000人以上、約25万戸が断水2018年6月28日から発生した台風第7号や梅雨前線の影響により西日本を中心に多く発生した豪雨は「平成30年7月豪雨」と名付けられました。この豪雨により、各地で土砂崩れ、家屋倒壊、土砂流入、河川氾濫などの被害が相次ぎました。消防庁の発表によると、今もなお多くの方々が避難をされています。また厚生労働省によると、2018年7月11日時点で約25万戸が断水状態となっています。平成30年7月豪雨による被害状況等について(第15報) | 厚生労働省平成30年7月豪雨による被害状況及び消防機関等 の対応状況について(第20報)| 消防庁避難生活で発達障害のある子どもがおかれる環境豪雨による被害の拡大にともない、発達障害のある子どもを取り巻く環境についても、不安に思われる方は多いのではないでしょうか。発達障害のある子どもの中には、慣れない環境や集団での行動が苦手があるなど、避難所生活が難しい子もいます。感覚過敏や偏食などがあり、特別な配慮や対応が必要になる人もいます。しかし避難するにあたって、障害のある人に対する配慮が難しい場合や、見えにくい障害であることも影響して、なかなか理解を得にくい場合もあるようです。東日本大震災の際も、避難所生活をあきらめて車中生活を送った家族が少なくありませんでした。国立障害者リハビリテーションセンター研究所の発達障害情報・支援センターが東日本大震災(2011年)の翌年、岩手、宮城(仙台市を除く)、福島の3県で、発達障害がある人(もしくは、家族が代理で回答)にアンケートしたところ、276人が回答。避難所を利用した人は23%で、そのうち避難所で問題なく過ごせた人は18%にとどまった。偏食で配給食が食べられない▽見守りが必要で配給の受け取りに行けない▽夜中に目を覚まして声を出してしまう――など、障害特有の行動で、本人だけでなく、家族の負担も大きかった。周囲に遠慮し、避難所生活をあきらめて車中生活を送った家族もいた。朝日新聞デジタル, 帯金真弓「発達障害の人たちに理解と支援を避難所で孤立の恐れ」, 2016.04.20また、熊本地震でも避難所施設などでの問題も報告されています。住まいを失い、行き場を失った被災者がたどり着くはずの仮設住宅が、そこでトイレもできず、お風呂にも入れなかったりするなど、障害者への配慮はほとんどありません。ある避難所へやってきた車椅子の障害者が、「ここは階段ばかりだから」と断られたり、発達障害で自閉症があり、水の配給の列に並べない子どもの分を求めた親に、「平等ですから」ともらえなかったり、「迷惑をかけるから」と避難所を追い出されたり・・・。NHKハートネット,熊本地震「また取り残されるのか」被災地での障碍者支援の実態,2018,04,13避難所での配慮、知っておきたいポイント避難所での生活は、食べ物やトイレ、他人との距離感などが普段と大きく異なります。どんな方にとっても大変な状況であることは間違いありませんが、とりわけ発達障害のある子どもにとっては大きなストレスがかかる環境です。「走り回る」、「大声を出す」といった行動も、その子の不安の表れであることが少なくありません。限られたスペースのなか、少しでも不安やストレスを軽減するには、どのような配慮をすれば良いのでしょうか。以下では、発達障害のある方への避難所での配慮のポイントをご紹介します。発達障害は、見た目からはわかりにくい障害ですが、他人との関わりや集団生活で困りごとを抱えることも少なくありません。特に子どものうちは、困っていてもなかなか言葉で説明することができません。避難所を運営する方は、ご高齢の方や、病気や身体障害等のある方への配慮と同じく、発達障害によって特別な配慮が必要な方がいないかを、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。人が多く、にぎやかな所が苦手な子もいます。そこで、パーテーションや仕切りを設置し、視界的にさえぎられる場所を作りましょう。パニックになった時に落ち着ける場所としても活用できます。インターネット上などでも簡単な手作りパーテーションのアイデアが載っています。ぜひ参考にしてみてください。出典 : 特定の食べ物しか食べられない方やアレルギーのある方のために、避難所で支給する食べ物の配慮が必要です。避難所を運営する方は、食べ物への配慮が必要な方がいないか、ご本人やご家族に事前に確認すると良いでしょう。これから避難所に食料を送られる方は食材や成分のリストを添えるといったことも心がけましょう。また、どんな食べ物かわからない時は不安が大きくなり、食べられないことがあります。パンは袋から出して、飲み物はコップに注いで、実物が見える状態で渡すことで安心して食べられることもあります。発達障害のある子どものなかには、長時間立って並ぶことや、順番を守ることが難しい子もいます。列に並んでの物資の受け取りが難しい子どもやその家族に対しては、直接手渡しをすることをおすすめします。また、発達障害のある子どものなかには、指示の内容が理解できない、困っていることが伝えられない、人とコミュニケーションをとるのが困難な子もいます。そのような手助けが必要な子に対しては、一斉のアナウンスだけでなく個別に声掛けをしましょう。トイレやお風呂に強いこだわりがあり、みんなと同じ環境での排便や入浴が難しい子どももいます。簡易式トイレや洋式便座を用意する、入浴の際は付き添いの方がつく、など安心してトイレやお風呂に行けるような配慮すると良いでしょう。それでも、トイレに行けないという方のために大人用のおむつを避難所で用意しておくこともおすすめです。発達障害の特性があること、配慮やサポートが必要であることがわかりにくく、周囲の人に誤解されてしまう可能性があるかもしれません。どんな配慮や理解が必要か、周りに知らせるかどうかなどを本人や家族と相談した上で、周囲の人に理解を広げることも大切です。LITALICO発達ナビでは、災害時に避難所等で過ごす、発達が気になるお子さんの保護者さまや周囲の方々へ向け、避難所等でサポートが必要なお子さまの存在を知らせる「ヘルプマーク」を作成し、以下のリンクに設置しました(東京都申請済)。避難所での掲示などにぜひ、プリントしてご活用ください。Upload By 発達ナビ編集部出典 : お絵かき道具、本、音楽プレイヤー、ゲームなどお子さんが楽しめるものを用意できれば、不安やパニックを緩和しやすくなります。物資や電気・ネットが限られている環境では難しいことはありますが、身近なもので子どもの気をまぎらわせる方法がないか、ご家族と相談してみましょう。出典 : 暑さが本格化し始めるこの時期には、熱中症の危険性が高まります。気温・湿度が高い、風が弱いなどの場所では以下のポイントに気を付けてください。■症状めまい、立ちくらみ、手足のしびれ、筋肉のこむら返り、気分が悪い、頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感、いつもと様子が違う。(重度:返事がおかしい、意識消失、けいれん、からだが熱い)■水分補給こまめな水分補給などの調節は通常でも忘れやすいことなので、意識的にのどが渇いていなくてもこまめに水分・塩分・経口補水液の補給を促してください。■暑さ対策発達障害のある人は、体温調節が苦手であることなどで暑い場所にいつづけてしまう危険性もあります。感覚鈍磨がある人は、体調不良や痛みに気づきにくいことや、子どもの場合、体調不良をうまく人に伝えられないこともあります。健康状態をこまめに観察し、なるべく日陰や風通しの良い涼しい場所に移動するようにしましょう。厚生労働省がまとめている熱中症対策が以下のリンクにあるので参考にしてください。熱中症予防のために | 厚生労働省避難所生活を過ごされる方々の 健康管理に関するガイドライン | 厚生労働省避難所での生活は普段とは大きく異なるため、障害の有無に関わらず一般の方々も意識して留意すべき点がいくつかあります。避難されている全ての方衛生・健康面で気を付けるべき項目とポイントが載っているリンクを以下に載せます。■食中毒高温多湿な夏場では食材が腐りやすくなります。食中毒対策について以下のリンクを参照ください。厚生労働省|食中毒予防のために■エコノミークラス症候群多くの人がいる避難所や車中などにいる方は、思うように体か動かせなかったり一定の姿勢を強いられる状況です。軽いストレッチやマッサージを心がけましょう。以下のリンクに実践可能な予防策が載っています。厚生労働省|エコノミークラス症候群の予防のために■破傷風避難中のがれきや木片などでけがや切り傷がある場合、小さな傷であってもそこから感染症が広がる可能性があります。土砂災害の場合、破傷風の感染に注意が必要です。以下のリンクでは症状や注意点、対処法などが記載されているのでぜひ、参考にしてください。厚生労働省|破傷風についてのお知らせ一般避難所が難しい方のための「福祉避難所」があります障害などのさまざまな理由で一般避難所での避難生活が難しい方のために、「福祉避難所」が市区町村ごとに設置されています。ここでは、専門的なスタッフや物資・備品による支援が受けることができます。各自治体によって、福祉避難所の設置数や設置場所、相談窓口は異なるため該当する自治体のHPなどでご確認下さい。以下のリンクでは広島市、岡山県、愛媛県での福祉避難所がまとまって確認できます。参考にしてください。広島市広島市|福祉避難所について岡山県岡山県|岡山県内の福祉避難所の指定状況一覧愛媛県愛媛県|福祉避難所一覧車中泊の方の注意点出典 : 車中泊をすることになった場合は、配給リストから漏れたりする可能性があるため、以下の注意点をご参考にしてください。車中泊をしている家族の中には、配給の受け取りに行きたくても、子どもを置いて行けない、連れて行けないといった状況におちいる方々もいます。避難所を運営される方は、そういったご家族が近隣におられないかコミュニケーションをとり、直接配給するなどの配慮をご検討ください。適切な配慮で避難生活を乗り切りましょう発達障害のある子どもが避難生活を乗り切るためには適切な配慮が必要になります。避難所を運営される方や外部から支援に入られる方が、ここでご紹介した配慮のポイントをご参考にしていただければ幸いです。以下のリンクでご紹介しているハンドブックやマニュアルもご参照ください。みなさんのご無事と1日も早い復旧をお祈りしております。|災害時障害者のためのサイト社団法人 日本自閉症協会|自閉症の人たちのための災害ハンドブック国立障害者リハビリテーションセンター研究所|災害時 発達障害児・者支援エッセンス東京都福祉保健局|高次脳機能障害のある方のための災害時初動行動マニュアル
2018年07月12日外遊びが大好きな子どもたちですが、発達するにつれて、その遊び方は変わっていきます。発達に合わせて遊び方はどのように変わっていくのでしょうか。そしてその発達に親はどのような対応をしていけばいいのでしょうか。前回までは、外遊びが子どもの発達にもたらす効果と、親のかかわり方について聞いてきました。今回は引き続き、年齢別の外遊び方法について東京成徳大学の石崎一記教授にお話を伺います。【発達の専門家に聞いた外遊びの効果】 第1回 子どもの発達に外遊びは影響がない!? トータルで考える大切さ 第2回 ママのために遊ぶんじゃない、外遊びでの親のNG行動とは 外遊び、子どもの年齢別でどう変わる? -->■0~1歳の子が自然に触れる意味とは――0~1歳の赤ちゃんが、外で時間を過ごすことに意味はあるのでしょうか?発達にはもちろん影響がありますよ。3歳の子は0歳から1歳、2歳を経て、3歳になる…つまり連続性がありますから、必ず何か影響してくるはずですよね。この時期は、自然のある世界を味わうということだけでいいと思います。いっしょに木陰で気持ち良い風に吹かれる、鳥の声を聞く、気温の変化を肌で感じる、光を感じる、花を見る、水を触るなど、それだけで十分です。――家族で自然のなかで過ごす時間を楽しむだけでいいということでしょうか?そうです、家族で美しい自然の中で過ごすことによって、お母さんやお父さんたちに癒やされてほしいんですよね。0~1歳は一人では遊べないので、外遊びでは親子でいっしょに過ごしますよね。平日働いて忙しいお母さんたちも増えていて、なかなか家族でゆっくりと時間を過ごせないと思います。だから週末に1時間だけでも幸せで穏やかな時間を外で過ごしてもらいたいです。1週間のなかでそういった時間が少しでもとれるかどうかというのは、重要だと思います。■2〜4歳の「なぜ?」に親はどう受け止めればいいのか――2歳から4歳の子どもの外遊びには、どのような特徴がありますか?2~4歳の子どもたちは、「なんで?」とよく聞いてきますが、その不思議な気持ちにどうやって付き合うかが大切なんです。子どもたちが「なんで?」と聞いてくるのには、2つ理由があります。1つ目は自分が不思議に思ったということを知ってほしいから。2つ目は、本当になぜなのか答えが欲しいからです。1つ目の知ってほしいという気持ちは、必ずきちんと受け止めてもらいたいですね。そして、2つ目については、“本当に正しい答え”を教えてあげる必要はじつはないんです。――なぜ、正しい答えを教える必要はないのですか?子どもたちにとっては、本当の答えを知ることより、答えが出るまでになぜなのかを考えることが大切だからです。「なんで?」と聞かれたら、「何でだろうね、何でだと思う?」と聞き返してしまえばいいんです。そのあと子どもからデタラメな答えが返ってきたとしても、否定はせず、親もその答えを楽しんでしまえばいいんですよ。子どもたちのなかに不思議だなという穴のようなものがたくさん開いていると、知りたいという欲求につながり、理解できたときの喜びも大きくなります。長い目で見て、この時期に自然をいっぱい体験して、不思議な気持ちをたくさん持つことは大きな意味を持っていると思います。■5歳以上になると外遊びは変化する――では5歳以上の子どもたちは、どういった遊び方に変化していきますか? また、親のかかわり方は変わってくるのでしょうか?5歳以上になると、何かに挑戦するという遊び方が増えてきます。この時期になると、親がいっしょに遊ぶことは次第に減ってきて、寂しいと感じる人もいるかもしれませんね。安全確保はしっかりととり、共感してあげることも重要です。子どもに自分を重ねてしまい、ついつい心配しすぎてしまう人もいるかと思いますが、子どもには子どものやり方があるので、これくらいの時期からは自主性を伸ばしてあげることに注力してあげてください。その子らしい発達を促していかれるように、子どもが今何を感じているかということを一番に考えてあげてください。■外遊びにおいて一番大切なこととは――外遊びで持って行くといい道具があれば、ぜひアドバイスをお願いします!5歳くらいまでの子どもたちにとって“自ら遊びを作り出す力”が奪われてしまうので、ボールやラケットといった遊び道具は必要ないと思います。虫メガネは自然を観察するときにとても便利ですし、子どもも喜ぶと思うので、おすすめです。また、スケッチブックなどのお絵かき道具も、外遊びの時間を有意義にしてくれますよ。ビニール袋を持って行って、拾ったものを入れさせてあげるといいですね。拾ったものは、その日楽しかった体験の象徴です。安全かどうか確認したうえで、持ち帰らせてあげてほしいと思います。――石崎先生は外遊びで一番大切なのはどんなことだと考えていますか?外遊びというとお母さんにとっては大変なイメージがあるかもしれませんが、身近で気軽に行うのが一番です。無理に遠い公園に行こうなどと考えず、普段から遊んでいる近所の公園でも、工夫することで十分楽しく過ごすことができますよ。家族で自然の中で幸せな時間を過ごして、ぜひ外遊びを癒やされるような時間にしてもらいたいと思います。石崎一記さんプロフィール東京成徳大学応用心理学部教授。2000年4月より現職。発達心理学について、特に児童期の動機づけや感性の発達が専門。ガイダンスカウンセラー、学校心理士、1級キャリアコンサルティング技能士、日本シェアリングネイチャー協会指導者養成委員・トレーナー。千葉県社会福祉審議会委員や厚生労働省キャリアコンサルティング研究会委員なども務めている。※「石崎」の「崎」は正しくは「たつさき」)
2018年07月11日読み書きが苦手な人への支援のポイントがまとまった『ディスレクシア 発達性読み書き障害 トレーニング・ブック』医学博士の平岩幹男先生が、ディスレクシアのある子どもの「読み」「書き」の困難を改善させる効果があると考える学習方法を集めたトレーニングブックです。前半は「どうして診断と対応が必要か」「フォントのさまざま」など前置きとして知っておきたいことが解説されています。そして、ひらがな、カタカナ、ローマ字を読むための練習方法を例題として段階的に紹介。後半は、ひらがなの単語の音読から文章を読み、文脈を読み取るといった練習シートもあります。例題のページに練習の進め方のポイントもきちんと記載されているので、家庭でも気軽に取り組めそうです!また、この本自体が、読むことに苦手がある子どもにも読みやすいよう、書体をはじめ文字サイズや単語の選定といった細部に配慮を施しています。最初にそれが紹介されているので、支援する人にとっても、どんな配慮が必要か、課題が何なのかをイメージして読み進められそうですね。(発行: 2018年7月5日)スモールステップで自信をつける『誤学習・未学習を防ぐ! 発達の気になる子の「できた!」が増えるトレーニング』金銭トラブルやスケジュール管理といった生活面で、発達障害のある大人の人が壁にぶつかることがあります。これは子どものころの「誤学習」(間違ったやり方で覚える)や、「未学習」(知らない、教わっていない)があることが考えられるといいます。この本では、約30年の間、療育現場に携わる橋本美恵さんと成人の当事者支援をする鹿野佐代子さんが、「誤学習」「未学習」を防ぎ、子どもたちの「できた!」を増やすトレーニングを紹介!対象は主に幼児から小学生までで、「あいさつをしない」「好きなものだけを食べてすぐに席をはなれてしまう」といった具体的な困りごとに対し、どうしたらできるようになるかを、イラストも交えて分かりやすくまとめています。紹介されている方法が「うちの子には難しい」という場合でも、工夫のポイントが解説されているので、その子に合ったトレーニングを探してみてください。(発行: 2018/5/21)子どもの発達障害とは違った問題があるーー大人の発達障害の"今"を医師が語る『大人の発達障害ってそういうことだったのか その後』5年前に発行された『大人の発達障害ってそういうことだったのか』の続編です!一般精神科医である宮岡等先生(北里大学精神科学主任教授)と児童精神科医の内山登紀夫先生(よこはま発達クリニック院長)が自閉スペクトラム症やADHDといった大人の発達障害について対談形式で意見を交わしています。「大人」と一言で言っても大学生から高齢者まで幅広く、診断や治療は複雑。子どもの発達障害については、診断や治療についてある程度、精神医学としてまとまりつつある一方で、大人になってからの診断については議論の途中だといいます。当事者だけでなく、家族や職場なども巻き込んで、不確かな情報が一人歩きしていることも。前著以降の国内外の動向や最新事情を踏まえながら、過剰診断や過小診断、支援をめぐる混乱など浮き彫りになってきた問題点にも踏み込んでいます。大人の発達障害の今の課題を知り、これからの支援を考えるためにも手に取りたい1冊です!(発行: 2018年7月1日)当事者はもちろん、企業の工夫や大学の支援まで!インタビュー満載『発達障害の人が就職したくなる会社: 発達障害者の自立・就労を支援する本2』『発達障害と仕事』に続くシリーズの新刊です!特集1「特性と困難さを理解してサポートしている働きやすい職場の条件」では、当事者が悩んでいた過去や職場で行った働きかけを率直に語っているほか、企業側などの生の声をインタビュー!障害者を雇用するための専門の部署を設けたり、発達障害のある職員のキャリア支援に力を入れていたり、勤務時間の配慮をしたりとさまざまなな取り組みをしている企業の紹介も充実しています。また、特集2の「発達障害の学生が安心して学べる優しい大学」では、発達障害のある学生にまつわる全国の統計から、学生の大学生活を支援する組織・プロジェクトの具体的な実例までを掲載。ほかにも、ハローワークが行なっている取り組み、法律から見た発達障害がある人と働くためのポイントなど、あらゆる視点でまとめられています。就職活動中の人から雇用する企業、支援する学校など多くの人にとって学びと発見がありそうです。(発行: 2018年6月30日)
2018年07月11日最近は、「ゲームばかりで外遊びをしてくれない」といった声も聞かれます。反対に外遊びが大好きで、洋服は泥だらけ、ポケットが砂ばかりでため息ついているママも多いのではないでしょうか。筆者自身は、5歳と3歳の男の子の母ですが、「公園! 公園!」コールが始まると、「またか…」と内心ちょっとうんざりすることも…。なんとなく外遊びが大事だと聞いてはいるけれど、具体的にどんな効果があるのでしょうか。外遊びが子どもの発達に与える効果について、東京成徳大学の石崎一記(いしざき かずき)教授(「崎」は正しくは「たつさき」)に話を聞きました。■子どもの発達に外遊びは影響がない!?――子どもの発達において「外遊び」はどんな影響を与えるのでしょうか?そもそも子どもの発達は、「これをしたからこれができるようになる」という因果関係の中では起こりません。たとえば薬を飲んだら熱が下がるというような、わかりやすく結果が出るものではなく、さまざまな関わりのなかで子どもたちは発達していきます。外遊びについても、実際にそこで何かをしたから子どもたちがこうなるということではありません。そういう意味では、外遊びで何をするかというのはそこまで大きな問題ではないのかもしれません。――それでは、外遊びをさせることに意味はないのでしょうか?そういうわけではなく、外遊びをすることに十分意味はあります。ただ、外遊びをしたから、すぐに子どもがこうなるという考えは持たないでもらいたいんですね。お母さんたちが「外遊びをさせたい」と思う背景には、子どもの可能性を伸ばしてあげたいとか、子どもの笑顔を見たいとかいうことがありますよね。それ自体が、子育てにおいて重要なことなんです。「今日は天気がいいね、外にお出かけしようか」という語りかけのなかで、外遊びした日は子どもにとってスペシャルな日になるんです。実際に子どもと一緒に何かをするということ、一緒に過ごすことにこそ意味があります。そして、一緒に体験したあとでも思い出としてずっと共有できるのです。計画を立てることから、行くこと、そして思い出として大切にすることまで、トータルで外遊びは子どもにとって意味があるといえます。また、外遊びをすると、長期的に見てのちのちその効果が出てくることも多くあります。■外遊びの体験が子どもに与える効果の4つの視点――それでは、具体的に外遊びでどのような効果が得られるのでしょうか?視点は4つあります。まず、1つ目は感覚が豊かになるということ、2つ目は試行錯誤ができるということ、3つ目は、達成感や満足感を得られるということ、そして4つ目は、命のつながりを学べるということです。<1.子どもの感覚が自然のなかではより豊かになる>――1つ目の感覚が豊かになるということですが、具体的にはどういうことですか? また子どもの場合はとくに顕著だということでしょうか?感覚には、視覚や聴覚、嗅覚や触感、そして味覚などがありますが、自然のなかではとくにそれらが活性化される傾向にあります。たとえば、花を見てどんな種類だというように知識としてあれこれ考えるよりも、ただきれいだと感じるようなことが、感覚をより活性化するのです。そして、感覚というのは同時にいくつも使うほうが、より記憶に残るということがわかってきています。自然はそうした環境にはぴったりです。家にいるよりも、子どもたちにさまざまな感覚を体験させてあげることができます。<2.正解、不正解がない世界で試行錯誤ができる>――2つ目の試行錯誤ができると、どのような力が身につくのですか?自然は、公園の遊具のように子どもたちの体に合わせて作られていないため、工夫をして遊ぶ必要がありますよね。試行錯誤をすることで自分のやりたいことがはっきりして、子どもたちの意欲が引き出されていきます。教わったとおりにすることでは得られない、生き生きとした子どもたちの姿が見られるでしょう。こうすれば正解、不正解ということもなく、ゴールも決められていませんから、子どもたちの自主性も身についていきます。<3.達成感や満足感を得られると、自己肯定感につながる>――達成感や満足感が得られると、子どもたちのどのような部分が伸びるのですか?試行錯誤して遊ぶなかで、自然と目標が作られていき、できたときに達成感や満足感が得られます。やり方や遊び方が決められているおもちゃなどではなかなかそれが育ちにくいのですが、自然のなかだと自分自身で目標を決めやすく、それはより大きな達成感につながります。そして、それが最終的には自分のことを大切で好きだと感じる自尊心や自己肯定感にもつながっていくのです。<4.安心感の源になる、命のつながりが学べる>――4つ目に命のつながりという言葉がありましたが、これはどういった意味ですか?外遊びをすると、虫や植物など、さまざまな命と触れ合う機会があります。たとえば虫を捕まえたら、自分と虫だけでなく、虫とそのほかの自然とのかかわりについても考えるきっかけになります。その虫はどこから来たのか、その虫は何を食べているのか、その虫を食べるのはどんな生き物なのかなど、命が網目のように重なり合っていて、その仕組みのなかに自分がいるということを、無意識の中で感じるのです。ただ、それは今すぐに子どもたちが認識するわけではなく、理解できるのは小学校や中学校になってからになるかもしれません。小さいうちは、まずそのための材料をそろえていくということ。自分の存在に関しても、安心感の源のようになり得るでしょう。これは自然体験の圧倒的に素晴らしい部分だと感じます。次回は、外遊びをする子どもたちへの親のかかわり方について引き続き石崎教授にお話をお伺いします。親のするべきこと、してはいけないことはどんなことなのか、ご紹介します。石崎一記さんプロフィール東京成徳大学応用心理学部教授。2000年4月より現職。発達心理学について、特に児童期の動機づけや感性の発達が専門。ガイダンスカウンセラー、学校心理士、1級キャリアコンサルティング技能士、日本シェアリングネイチャー協会指導者養成委員・トレーナー。千葉県社会福祉審議会委員や厚生労働省キャリアコンサルティング研究会委員なども務めている。
2018年07月09日発達障害のある子どもや家族の困りごとに対してできることは?6月もミートアップを開催「LITALICO発達ナビ」では、発達障害に関するコラムの発信や、施設情報の提供などを通して、発達障害のあるお子さんや、保護者の方々の生活を取り巻く困難の解消に取り組んできました。現在は、月間300万人以上の方がサイトを訪れる規模となりました。多くのユーザーの方に、必要な情報と出合ったり、同じような悩みを持つ仲間との交流ができる場となっています。一方で、LITALICO発達ナビの力だけでは解消出来ない困難が多いことも事実です。そこで、発達障害にまつわるより多くの困りごとを解消していくため、さまざまな分野の企業とのコラボ企画・協業を進めていこうとしています。その一環として、始まったのが「LITALICO発達ナビ ミートアップ」。毎回、異なるゲストスピーカーをお招きし、講演や参加者の皆さんとLITALICOのスタッフでのディスカッションなど行なっています。3回目のミートアップは、2018年6月28日(木)に実施されました。LITALICO発達ナビ ミートアップの様子をレポート今回のミートアップにも、小売店、メーカー、セキュリティ会社などから、自治体に勤務されている方まで、さまざまな業種の企業・団体などで働く方の参加がありました。3回目となった今回はゲストスピーカーとしてBranch(ブランチ)代表 中里祐次さんをお招きし、スタート。Upload By 発達ナビ編集部講演に先立って、LITALICO発達ナビ編集長の鈴木が「発達ナビ」のこれまでの取り組みとこれからの展望についてを解説。ミートアップを開催する目的についても改めて紹介しました。Upload By 発達ナビ編集部Branchでは、生物、折り紙、数学、絵など様々な得意分野を持った東大の学生や専門知識を持った大人のメンターを発達障害のある子どもとマッチングし、好きなことを見つけ、伸ばしていていくことに特化したサービスを展開。「好き」で自信を創り、「好き」で社会とつながることをビジョンに掲げています。発達障害のある子どもたちは、独特な感性で興味関心のあることにとことん集中して、知識や技術を高めたりすることができたりします。一方で、その好きなことについて、友達や家族など周囲の人となかなか話が合わないこともあります。そんな子どもたちの「好き」に応えられるメンターをつないで、家庭への訪問やビデオチャットで1対1の交流を行っているのです。子どもたちは、発達障害の特性からコミュニケーションの課題や興味のあること以外の苦手が強く出ることなどで、自信をなくしてしまうこともあります。ですが、好きなことを突き詰めて話し合えたり、伸ばしてもらえる人との出会いによって、自尊心を育むことができると中里さんは語ります。講演は、「なぜやろうとしたか」「どんな相談がくるのか」「利用後の保護者の方の声」といった9つの項目がスクリーンに映し出され、参加者が聞きたいものを選んで、中里さんが回答していくスタイルで進行されました。Upload By 発達ナビ編集部Branchの構想は、アスペルガー症候群・ADD(注意欠陥症)と診断された中里さんの息子さんが、レゴが大好きで、東大レゴ部の学生と大学祭で交流して喜んでいたことで「これを自分たちが得意なインタネットサービスで開発しよう」と思い立ったのがきっかけでした。その後、発達障害のある子どもを育てる保護者、約100人に会って話を聞いたそうです。すると子どもが社会に溶け込むためのトレーニングを行っている人は多いものの、その子の突出した好きなことを伸ばす環境をどうつくればいいのか、どう自信を持たせてあげたらいいのかというところに課題を感じている人が多かったといいます。サービスを利用する保護者からは「好きなことを伸ばす」だけでなく、「好きなことを見つけて欲しい」といったことから相談が寄せられることも。最初から特別に突出した「好き」がなくても、一緒に好きなことを探していることから始めてくれます。また、利用者の子どもの中には学校でトラブルを抱えていることもあるそうですが、メンターとの交流を重ね、表情が硬かった子の笑顔が増えたり、好きな折り紙を極めていく中で学校でも折り紙好きな友達ができたりといった変化があった事例を紹介しました。「今は子どもとお兄さん、お姉さんのつながりだけど、同じ『好きなこと』を持っている子どもが東京と兵庫にいるといったことは分かっているので、いずれ離れた場所にいる子ども同士をつなぐこともできるな、と思っています」とこれからの展開についても語ってくれました。 公式サイト発達障がい児の孤独をなくし、「好き」で可能性を伸ばす:Branchのサービスについてあったらいいサービスや商品って?各企業・業界の強みからアイデアをディスカッション!Upload By 発達ナビ編集部ワークの前に、発達ナビと企業のコラボレーションの実績について事例を紹介しました。■非日常の状況でパニックを起こしやすいお子さんが、安心して空の旅を楽しめるサービス紹介の例発達が気になる子どもが安心して飛行機に乗るには?JALの子ども向けサービス活用法を徹底紹介!■服薬をしているお子さんが多く、服薬管理が大変だという声から、どのようなサービスがあるとよいかについてモニターによる意見を募集した例発達障害の薬物療法の疑問・悩みに応える情報提供を!電子お薬手帳harmo(ハルモ)×発達ナビ共同企画■多様性を踏まえたマネジメントができるよう、社員向けに研修を行った例ミュゼプラチナム×発達ナビ 発達障害への理解を深める勉強会を開催!ワークは、会場を5つのグループに分けて実施。最初に「自社でできること・目指していること」を再確認するために、理念、強み、注力領域などを一人ずつ付箋に書き出しました。「行動面」「他者とのかかわり」「過敏さ」といった発達障害のある子どもや保護者の課題の課題を確認し、どの分野に働きかけることができるか最初に書き込んだ付箋を貼りながらそれぞれの意見を交わしました。さまざまな業種、職種の参加者が、メーカー側、支援者側、当事者側からの意見などが活発に出され、自社の商品やサービスの中に、今まで気づいていなかった価値があることに気づけたり、温めていた構想の実現に気持ちを新たにする場面もありました。LITALICO発達ナビ ミートアップは、毎月開催予定!Upload By 発達ナビ編集部最後は各グループの代表者がディスカッションの内容を発表しました。「講演の事例を聞いて、『安心できる居場所』をつくってあげたいと思った。道路での飛び出し事故や思わぬけが、もしくは他害も大きな心配の原因。そうしたことを未然に防げるような場所を増やしていく必要があると思いました」「他者とのかかわりについて、大人数でのコミュニケーションが難しい子も1対1からなら始められそう。ITを活用したコミュニケーションは最初のステップとして有効なんじゃないかと考えました」全く違った分野の業界の人たちと言葉を交わし、お互いにさまざまな気づきなどが生まれていました。LITALICO発達ナビは企業や団体の皆さんとつながり、新しいサービスや商品を作り出していきたいと考えています。また、実際にコラボレーションが実現した企画についても、LITALICO発達ナビ上で発信をしていきます。「LITALICO発達ナビミートアップ」は、これからも毎月開催予定です。それぞれの企業や団体が持っているサービスや商品の力で、社会をもっと生きやすいものにしたい!熱意のある人たちとディスカッションをしたい!という方は、ぜひご参加ください。次回のゲストは、大人の「生き方」研究所Hライフラボ代表の岩本友規さまです。岩本さまは、33歳のとき発達障害の診断を受け、翌年から外資系企業でデータアナリストとしてご活躍された後、現在は精神的「自立」や「主体性」獲得プロセスの研究、普及のための執筆、講演活動をされています。イベントでは、発達障害の当事者というお立場から、多様性が活きる社会に向けてお話いただく予定です。LITALICO発達ナビでは、以前インタビューさせていただいたこともあります。■ゲスト紹介:岩本友規さまUpload By 発達ナビ編集部中央大学法学部卒業。3回の転職を経て、携帯通信キャリアに勤務していた33歳のとき発達障害の診断を受ける。翌年からレノボ・ジャパン株式会社のシニアアナリストを勤めつつ、複業で発達障害のある人の「自立」や「主体性」獲得プロセスの研究や普及活動を行う。2017年度厚生労働省委託事業「発達障害者就労支援者育成事業(南関東)」支援者向け交流会コーディネーター。2018年から明星大学発達支援研究センター研究員。日本LD学会正会員。著書に『発達障害の自分の育て方』(主婦の友社)。次回のミートアップは、7月25日(水)に開催します!【日時】7月25日(水) 19:00-21:30【場所】株式会社LITALICO東京本社〒153-0051東京都目黒区上目黒2-1-1中目黒GTタワー16F【交通案内】東京メトロ日比谷線・東急東横線「中目黒駅」東口より徒歩1分【対象】企業にお勤めの方で、発達障害のあるお子さまや保護者さまの抱える困りごとの解決に関心をお持ちの方、発達ナビとのコラボレーション企画を希望される方【参加費】2,000円※発達ナビに会員登録されている方は1,500円【プログラム】①発達ナビのこれまでの取り組みと今後の展望紹介②ゲスト講演:大人の「生き方」研究所Hライフラボ代表 岩本友規さま③質疑応答④企業の力で発達障害の課題解決を考えるワークショップ⑤参加者同士の交流・懇親会(ドリンク・軽食あり)【お申込み締切】2018年7月16日(月)15:00※応募者多数の場合、抽選とさせていただく場合がございます。※締切後、7月17日(火)〜7月18日(水)の間に参加可否の結果ご連絡をいたします。多くの方のご参加をお待ちしております!イベントは毎月開催しているので、7月の参加が難しい場合も8月以降のご参加お待ちしております。また直接イベントには参加できないけれど、「ビジネスの力で発達障害のある子どものために何かしたい!LITALICO発達ナビとこんなことができるのではないか?」という方は、ぜひ下記メールアドレスにお問い合わせください。◆お問い合わせ先info@h-navi.jp◆メール送付の際は件名に下記をご入力ください。企業アライアンス宛
2018年07月07日【イベント】車いすバスケにハンドアーチェリー、ボッチャなどパラスポーツの魅力を発信する体験会が開催!(茨城県)出典 : 年に茨城県で国民体育大会(国体)とともに開催される全国障害者スポーツ大会「いきいき茨城ゆめ大会」を前に、つくば市でパラスポーツ体験会が開かれます!つくば市が会場となっている車いすバスケットボールやハンドアーチェリーをはじめ、5種目の体験ができます。種目は、車いすバスケットボール、ハンドアーチェリー、ボッチャ、卓球バレー、ブラインドサッカー(シュートのみ)です。見たり聞いたりしたことがあるものから、「どんなスポーツなんだろう?」というものもあるかもしれませんね。パラスポーツに親しむ絶好の機会です!体験した種目を来年の大会で応援しに行くという楽しみもできそうですね。車いすバスケのみ事前申し込み制ですが、ほかの種目は当日参加自由ですので、気軽に会場に足を運んでみてください。【日時】2018年7月15日(日)13:00〜16:00【会場】桜総合体育館(茨城県つくば市金田1608番地)【内容】車いすバスケットボール、ハンドアーチェリー、ボッチャ、卓球バレー、ブラインドサッカー(シュートのみ)【持ち物】運動のできる服装、タオル、飲み物、体育館シューズ、熱中症対策に「凍らせたペットボトル」など【参加費】無料(車いすバスケのみ100円)【対象】障害の有無は不問(申込時に障害内容を確認)、車いすバスケのみ小学生以上【定員】参加自由(車いすバスケのみ定員50人、定員になり次第締め切り)【申し込み】申し込みフォームもしくは、国体推進課窓口にて直接申し込み(車いすバスケのみ)【問い合わせ】つくば市 市民部 国体推進課TEL: 029-883-1111FAX: 029-828-4966クリックするといばらき電子申請・届出サービスのページへ遷移しますつくば市パラスポーツ体験会いきいき茨城ゆめ国体・いきいき茨城ゆめ大会【ニュース】偏食や食物アレルギーなどがある子どもたちの栄養をサポート!「チョコレート味のサプリ」をつくるクラウドファンディングがスタートUpload By 発達ナビニュース発達ナビでも以前、コラムで紹介した「こどものサプリmog」が、チョコレート味のサプリメント開発に挑戦するため、クラウドファンディングを2018年7月29日まで実施しています!mogのサプリメントは、極度の偏食や除去食(アレルギーや代謝障害)、摂食障害(小食や嚥下困難)など、食事で十分な栄養をとることが難しい子どもたちのためにつくられたもので、現在はパイナップル味を製造・販売しています。食べられるものが限られ、栄養補給をサプリメントに頼らざるを得ない中で、パイナップル味の酸味が苦手という子もいました。しかし、そういった子どもでもかなりの確率で「チョコレートは食べられます」という声があったそうです。そして、より多くの子どもたちの栄養をサポートするため、今回のチョコレート味の開発が立ち上がりました!今回のクラウドファンディングで集まった資金は、開発に必要な実機試作の費用に充てられます。リターンは、応援のタイプによって6種類のコースを用意。実機試作で製造するサンプルなどがいち早く届けられます。「こんなのが欲しかった!」という人から「食事で栄養を摂るのが難しい子どもたちを応援したい」という人まで、プロジェクトを支持する人が集まって実現するといいですね。※クリックするとクラウドファンディングサービス「GoodMorning」のページへ遷移しますこども用サプリ【mog(モグ)】で、持病のある子に笑顔を!パパママに安心を!【イベント】自閉症、ダウン症などの最新の研究内容や音楽療法を紹介!NPO法人ヘルシーチルドレン・ヘルシーライブスが設立1周年記念講演会を開催出典 : 医師がレクチャーするキッチンワークショップのほか音楽療法、療育などを展開するNPO法人ヘルシーチルドレン・ヘルシーライブスの設立1周年を記念した講演会が開かれます。同NPO法人は「こどものときからの病気予防」をテーマに統合的なアプローチで活動を⾏うことを目的に、昨年7⽉に設立。当日は、小児科医・公衆衛生専門医の伊藤明子さんと音楽療法士の濱谷紀子さんが講師を務め、子どもの発達に関する医学的な最新情報や音楽療法について紹介してくれます!伊藤さんは、軽度から重度まで、発達にさまざまな課題のある子どもの体と脳の状態について、学術研究に基づいて紹介。また、自閉症スペクトラムについての脳の研究、ダウン症についての代謝系の研究など、最新研究の情報も解説してくれるそう。濱谷さんは心理的援助といった視点からも評価される音楽療法について、実際の事例に触れながら紹介します。発達が気になる子どもの支援に関わる医療者や福祉関係者、教育関係者、また保護者の方にオススメのイベントです。【日時】2018年7月15日(日)13:00〜16:00【会場】TKP赤坂駅カンファレンスセンター ホール13B(東京都港区赤坂2丁目14−27 国際新赤坂ビル 東館 13F)【参加費】3,000円【対象】医療、教育、福祉従事者、お⼦さんの発達に関して興味のある⽅【定員】180人【内容】伊藤明子氏「脳の発達・身体機能の強化と栄養」~発達障害・自閉症・ダウン症児の病態についての最新知見と対策~濱谷紀子氏「発達を助ける音楽療法」~心と身体、コミュニケーションに深くかかわる音楽療法~【申し込み】ホームページから申し込み可能【問い合わせ】NPO法人ヘルシーチルドレン・ヘルシーライブスTEL: 03-5562-8825FAX: 03-5562-8826Eメール: info@hchl.org※クリックするとNPO法人ヘルシーチルドレン・ヘルシーライブスのページへ遷移します法人ヘルシーチルドレン・ヘルシーライブス【ニュース】世界で初めての合同会議が広島で開催!「吃音・クラタリング世界合同会議 in Japan 2018」出典 : 「科学と吃音コミュニティ:ことばがつなぐ一つの世界」をテーマに世界で初めての吃音とクラタリング(早口言語症)の合同会議が日本の広島で開かれます!国際クラタリング学会、国際流暢性障害学会、世界吃音者連盟、日本吃音・流暢性障害学会、NPO法人全国言友会連絡協議会が主催。世界各国から研究者や当事者といった関係者が訪れて4日間にわたり、基調講演、交流会などが行われる予定です。ある複数の組織が吃音やクラタリングの体験や感覚、態度、認識などを共有し、効果的な連携の実現を目指すという画期的な取り組み!この合同会議によって、研究者主体の学会だけでなく、当事者団体を含む3つの国際組織と2つの国内組織による新しい連携が生まれることが期待されます。この会議は一般からの参加も可能となっています。最新の知見や海外の事例などこれまでになかった情報を得られる機会になりそうです。【日時】2018年7月13日(金)〜2018年7月16日(月)【会場】広島国際会議場(広島県広島市中区中島町1−5)【参加費】1日14,000円、4日間40,000円【基調講演】「癒しの社会基盤」Bruce Wampold博士「クラタリングの概念化に向けた3方面からのアプローチ(TPA-CC)」Florence Myers博士(ニューヨーク州ガーデンシティのアデルフィ大学)、Charley Adams博士(サウスカロライナ大学で臨床助教授)、Susanne Cook博士(吃音セラピスト)「吃音のある青年・成人に対する集団CBTアプローチの適用について」森浩一博士(国立障害者リハビリテーションセンター病院第三診療部長)「吃音・クラタリング当事者・臨床家・研究者間の協力・連携関係の育成」Annie Bradberry氏(国際吃音連盟会長)、Mitchell Trichon博士(米国音声言語聴覚協会 認定言語療法士)【申し込み】当日参加可能【問い合わせ】TEL:082-424-7179Eメール:registration@jointworldcongress.org世界合同会議ホーム【ニュース】病と向き合う子どもたちの姿に何を感じる?ドキュメンタリー映画「子どもが教えてくれたこと」が2018年7月14日に公開!Upload By 発達ナビニュース病と向き合いながら生きるアンブル、カミーユ、イマド、シャルル、テュデュアルという5人の子どもたちに密着したフランスのドキュメンタリー映画が今月、日本で公開されます!5人は動脈性肺高血圧症、神経芽腫、腎不全、表皮水疱症といった病をそれぞれ患っています。一人ひとり自分の病気についてよく理解し、そしてどう生きるかをその小さな体で考え、体現しています。懸命に日々を生きる姿から、家族や友人と過ごす時間がかけがえのないものだと改めて考えさせられます。監督はフランスの女性ジャーナリスト、アンヌ=ドフィーヌ・ジュリアン。監督自身、2人の娘を病気で亡くした経験があります。今作品は、伝統ある世界最大規模の子ども映画祭「ジッフォーニ映画祭」のGEx部門で作品賞を受賞しました。監督は作品について次のようにコメント。人生を一変させる試練というものは、自ら選んだものではないけれど、そうした試練をどのように生きるのかは自ら選ぶことができる。なぜなら人生をどのように導くか、決めることができるのは自分でしかないのだから。これもまた、彼らが気づかせてくれたことです。人の子どもたちが、見た人たちにきっと生きることへの気づきや新しい価値観を与えてくれるのではないでしょうか。(c)Incognita Films – TF1 Droits Audiovisuels【公開】2018年7月14日シネスイッチ銀座ほか全国順次公開【作品データ】監督: 脚本:アンヌ=ドフィーヌ・ジュリアン出演: アンブル、カミーユ、イマド、シャルル、テゥデュアル配給: ドマ/宣伝: VALERIA後援: 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本日本語字幕 : 横井和子字幕監修: 内藤俊夫2016年/フランス/フランス語/カラー/80分/ヴィスタサイズ/DCP原題: 『 Et Les Mistrals Gagnants 』映画『子どもが教えてくれたこと』公式サイトまとめさまざまなジャンルの話題を紹介しましたが、気になるニュースはありましたか?障害の有無に関わらず参加できるパラスポーツ体験会をはじめ、子どもたちのためのサプリメントの開発や、保護者にも開かれた講演会など…。こうした取り組みが盛り上がることで障害のある人のことを考えたり、誰もが暮らしやすくなるための活動が全国に広がるといいですね。今後も、毎月の発達障害などに関するニュースやイベントを紹介していきます。8月に全国各地で開催されるイベント・講演会などを募集します。ぜひ情報をお寄せください!
2018年07月01日「あれ?ひょっとして音読できない…?」長女の発達が気になり、いつもの小児科へ…出典 : こんにちは。『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て』著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。今回は、グレーゾーンの娘のお話をしますね。小学校入学を心待ちにしていた娘。勉強もやる気まんまんで、ひらがなの練習も自ら進んでしていました。ところが、入学してしばらく経ったころのこと。宿題の教科書の音読が、ひらがな文があやふやで、ひと文字ひと文字拾い読み。「あれ?ひょっとして音読できない…?まあ、まだ小さいから、ひらがな読めない子も他にもいると思うケド…」なんせ、うちには字が書けない・漢字が覚えられないことで、本当に学習面でしんどい想いをしてきた長男がいます。もしかして、長女にもLD(学習障害/学習症)のうちの「ディスレクシア(読字障害/発達性読み書き障害)」の傾向があるのかもしれない…という不安が私の頭をよぎりました。そこで、まずは、「いつもの小児科」へ。うちでは、余程のことがなければ、子どもたちの発達面で気になることは、「いつもの小児科」で、カゼやアレルギー症状での受診のついでに、3人まとめてこまめに相談しています(そして「余程のこと」がある場合には、先生から専門病院に紹介状を書いて下さいます)。小さなころから娘の成長を見守り続けてくれた「いつもの小児科」の先生は、今までの成長の過程や、普段の娘の様子、他の病気との関連なども合わせて判断することができます。また、併設の内科で私も夫も時折診て頂くため、家族関係などもよくご存知の上、数多くのタイプのお子さんたちを毎日診続け、総合的な診察ができるので頼りになります。長女のように、乳児健診などで発達について特に何も言われなかった場合でも、もしも日頃のお子さんの様子から「あれ?」と疑問や不安を感じたら、まずは「いつもの小児科」で、気軽に相談してみるのがいいのではないでしょうか。「子どもの心の診療ネットワーク事業」国立成育医療研究センター娘は「発達の時差」があるだけなのかも…出典 : 「いつもの小児科」の先生は、「ひょっとして、娘にLDがあるのでは…?」という私の不安に対して、その場で絵本を読ませたり、口頭で簡単な計算問題などを出して、長女の様子(目の動かし方や、考える時間、話し方など)を観察し…「お母さん、これはね、全然大丈夫。心配いらないよ」と断言して下さいました。要するに、「これくらいであれば、通常の成長の個人差の範囲内」ということのようです。そして実際に、数ヶ月経った夏休みの最中に、娘はある時すっと、ひらがな文の音読がすらすらできるようになりました。娘は学習面では万事この調子で、「あれ?ココができないなあ」と思っても、成長を少しの間待てば、ゆっくり部分の発達も自然と育つことができるタイプのようでした。長女の発達のしかたは、発達の凸凹差が大きく「障害物」になっていた長男とはまた違っていて、部分的にほんの数ヶ月だけ、平均的な発達との間に「時差」があるだけなのかも…私はそう思うようになりました。これは、小さなころは同学年の4月5月生まれの子より、例え健全に成長していてもなんとなく2月3月生まれの子を幼く感じてしまう、「早生まれ・遅生まれ」の差に、似ているのかもしれませんね。だから、私は「自然な成長を待てば、娘の場合は問題なし!」と、気楽に構えることにしました。ところが娘自身は、次第に学習に対する自信と意欲を失いかけていったのです。その理由は、「定型発達(ニューロティピカル)」に合わせた、学校の授業進行にありました。「定型発達症候群って何?」NHK発達障害プロジェクト「こんなハズじゃないのに…」学校でできない体験を積んでしまう娘出典 : 親バカな私から見れば、娘はよく機転が利く、しっかり者の利発な子です。言葉も達者で話がとても分かり易いし、観察力が鋭く、うっかり屋の私や長男が探し物をしていると、「あ、それ、ゲンカンに落ちてたよ」なんて、いつも教えてくれます。ですから、決して「勉強のできない子」ではないと思っています。…ところが学校では、ゆっくり部分が育つまでの「発達の時差」の間に、長女は「できない体験」を積み重ねてしまいます。大半の子がひらがな文をスラスラ読めるころでも、つかえつかえ、シドロモドロになって、悔しくて泣き出してしまう。それが自然とできるころには、クラスは漢字学習に入っていて、また「漢字混じりの文が読めない」となってしまう。"それができるころ"には、みんなはまた次の学習に…常にこの繰り返し。算数も同様に、数唱も、足し算も、繰り上がりも、みんなからワンテンポ遅れた「時差」がありました。出典 : テストでも、ひらがな文が音読で読めるようになってからも、どの教科もトンチンカンな答えでペケばかり。「こえに出してよめば、イミは分かるんだけど、テストのときは、おハナシしちゃダメでしょ。でも、アタマの中でこえを出すのが、◯子、まだむずかしいから、えを見て『たぶん、こうかな?』って、こたえかいてるの…」と、娘は半ベソで訴えます。私は、長男の経験から、テストが何点でも本人を責めないようにしていますが、それでも「こんなハズじゃないのに…ホントはもっとできるのに…」と、負けず嫌いな彼女はどこか納得いかずにいる様子。6歳の娘にだって、小さなプライドはあるのです。ほんの数ヶ月待てば自然とできるのに、「ティピカルな発達」に合わせた教科書どおりの一斉授業では、いつまで経ってもクラスの中で「できない体験」が続いてしまいがちです。大人になれば、100歳も101歳も大した違いではありませんが、小さな子にとっては、ほんの数ヶ月の部分的な「発達の時差」が、大きな違いに感じられてしまいます。実は、「障害」という診断がつく程ではなくとも、この「発達の時差」によって、娘のように人知れず、悔しい想いやできない体験を積み重ねてしまうお子さんは、通常学級の中にも一定の割合いるようです。私にはむしろ、なんでもまんべんなく、平均的に育ってゆく子のほうが貴重だとすら思えます。そしておそらく、娘のこの「発達の時差」は、同級生たちが成長期の終わりを迎えるころには、ほぼ自然に解消されるものと予想されますが、その間の10数年、「できない自分」というイメージを抱えたままになってしまうのは、なんとか避けたいところです。そのために、私は「今」何ができるのでしょう。ほんの数ヶ月の「発達の時差」の間にできること出典 : まず、大事なのは娘が「自分に対する自信と、勉強に対する意欲を失わないこと」です。ここを護ってあげないと、自分に否定的なイメージができたり、本来理解力のある子であっても、勉強に対する苦手意識ができてしまったり、興味が持てずに学習機会自体が減ってしまい、本当の「学力低下」へとつながってしまう可能性があるからです。これは、グレーゾーンの子であっても起こりうる、学習面での「二次障害」だと、私は思います。経験上、これだけはなんとしても回避したいところ。そのために…出典 : まず、担任の先生が、長女のテストの点などの印象だけで、「勉強ができない子」「サボっている子」などのマイナスイメージを持たないように、私は保護者面談などで、次のように伝えました。「◯◯クリニックの先生に診察していただいたところ、娘は発達面での心配はないとおっしゃっていました。一学期はできなかったひらがな文の音読も、自然とできるようになりました。、本人も勉強に対する意欲が強く努力家なので、テストや宿題の直しもイヤがらずに家でも頑張っています。◯子は、こういう成長のしかたをする子のようです」お子さんの発達の特徴については、「お医者さんがこう言っていた」「検査結果ではこうだった」「臨床心理士さんのお話では…」など、お医者さんや専門家の意見や、客観的な「証拠」があると、理解してもらいやすくなると思います(必要に応じて文書化すると良いでしょう)。また、親の感情ではなく「事実」を伝え、できないことや心配なことよりも、できるようになったことや本人の意欲など、ポジティブな情報のほうが多くなるように伝えます。そして、診断がつく程でもないグレーゾーンの子であっても、「こういう成長のしかたをする子です」と伝え、それが「本人の努力不足」や「親の育て方のせい」などではなく、個性の一部であることを分かってもらえるまで、丁寧に説明するのがいいでしょう。出典 : また、ゆっくり部分に「発達の時差」がある間、本人は宿題にすごく時間がかかったり、今の学習単元の内容が難しく感じられると思います。この負担を減らすために、長男同様、長女の場合も「一時的に」ツールを使い、私も宿題サポートをしています。こういった、補助的なツールやサポートは、負担の大きな時期だけして、できるようになったら卒業すればいいのです。例えば、宿題の音読の負担が大きな時は、長女は「耳からの情報」は良く受け取れるので、・最初は私が文を一節ずつ読み、その後を長女が復唱する。慣れてきたら文章を次第に長くしていき、最終的には全部一緒に読む。(例:母「むかしむかし」娘「むかしむかし」→母「あるところに」娘「あるところに」→…)・よく読み間違えるところにラインを引いたり、単語を◯で囲ったりする(娘の好きな色でOK!)…など。この場合のポイントは、教科書の文字をペンや指でなぞりながら「文字と音をセットで入力し、体感して読む」ことだと思います。長女が字を目で追わずに、私の声だけを頼りに読んでいたなら、手を添えたり、「字も一緒に見てね」と声かけしました。お母さんやおうちの方が一緒に読んでくれるだけでも、負担感がずいぶん違うと思います。Upload By 楽々かあさん同様に、計算ドリルの宿題も、指やブロック、お菓子、ビーズなどは好きなだけ使って良いことにし、必要があれば、私の両手も両足も、その辺に寝転がっている次男の足の指も使いました(笑)。LDのある子に限らず、小さな子は数や量の感覚が未発達なことが多いので、「その子のタイミング」が来るまで、実物を見て、触って、確かめながら考えればいいんです。そして、長男の時の反省を活かし、長女が「宿題イヤだな、つらいな」とならないよう、「なるべく」明るく楽しいイメージでできるように心がけました(とはいえ、私もいつもニコニコしながら気長につき合えた訳ではありませんので、ご安心下さい)。そうしているうちに、「きょうは1人で読めるよ」「あ、これはユビつかわなくても、◯子わかる!」が増えてきました。出典 : そして、私の想像上の生き物である「フツーの一年生」とではなく、長女自身との比較で、「その子なりに」できるようになったこと、頑張れていること、小さな進歩などを、キモチ大盛り気味で伝えています。「最近、漢字が入ってる文も、読めるようになってきたね」「テスト、よくがんばったね。ペケのとこも意味は合ってるモン、かあちゃんならマルにしちゃう(長女の手のひらに◯)」「◯子は本当に丁寧でいい字を書くね。かあちゃん、この字大好き!」…とか。そして、学習以外のところでも、「◯子は本当に細かいことによく気がつくね。観察力がある証拠だね」「なるほど〜、さすが◯子の話は分かりやすい!賢いなあ(ナデナデ)」「◯子は踊りをすぐ覚えちゃうね。身体の動きの記憶力がいいんじゃない?」…などと、学校のテストや成績表には反映されにくい、長女のいいところ、すごいところ、素敵なところを、できるだけその都度言葉にして伝えるようにしています。長女が自分のことを肯定的に思え、好きでい続けられるのなら、私は喜んで親バカになります。たった一度の、わが子の育児です。謙虚さや奥ゆかしさが「美徳」とされる国であっても、親がわが子の素晴らしさを本人に伝えるのに、誰に遠慮することもありません。大人たちには「今」何ができるだろう出典 : 長女は今、宿題に進んで取り組み、教科書以外の勉強も自分で沢山発見しては、私に教えてくれます。それでも、「きょうはつかれてるから、がっこう休みたい。ママといっしょにいたい」と、くっついて離れないときもあります。学校のテストや成績表だけで、子どもが「自分は勉強ができない」と思い込んだり、進学を諦めたり、将来の夢が消えてしまったり、大人になっても「勉強=つらくて苦しいもの」と苦手意識を持ってしまうのは、あまりにもモッタイナイことだと、私は思います。「成長のしかたの違い」だけで、無限に広がるその子の可能性の芽が間引かれていかないように…。「個性の違い」だけで、未来を担う子どもたちのキラキラした瞳が曇らないように…。私たち大人には「今」何ができるでしょうか。
2018年06月21日最近は発達障害の情報が多く提供されていることから、「我が子も?」と心配なママも多いのではないでしょうか?発達障害の症状や、診断された場合親が注意すべき点、改善のためどんなことが出来るのでしょうか。発達障害がありながら活躍している人も沢山います。子どもの可能性を広げるために親が出来ることは?専門家にお話を伺った「ママテナ」の記事からまとめました。その1●発達障害とは?おもな発達障害は自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)、発達性協調運動障害の4種類があります。それぞれの症状を詳しく解説しています。また「発達障害かな?」と心配になった時の相談先を紹介しています。▼続きはこちら▼その2●「グレーゾーン」と診断された時親が注意しなくてはいけないこと最近は「グレーゾーン」と診断されるケースも増えています。専門家に、この背景や、「グレーゾーン」と診断された時にとってしまいがちな親の行動や注意点を伺いました。発達障害であることを受け入れられず、特別支援学級ではなく、通常学級に通わせることで、問題が複雑化するケースもある、と言います。▼続きはこちら▼その3●発達障害改善のための方法発達障害と診断された場合、「療育」という障害をもつ子どもが社会的に自立することを目的として行われる治療と保育があります。医師の診察後、検査などでお子さんの状態を把握し、診断が出てから、作業療法士や言語療法士などによる訓練を療育センターで受けることになります。また習い事は改善に効果があるのか、専門家に聞きました。また学校で身近な「道具」を使う事で子どもの負担が軽減する方法もあります。▼続きはこちら▼その4●子どもの可能性の芽を摘まないためにできることアインシュタイン、トム・クルーズ、スティーブン・スピルバーグ、ジョン・レノン、これらの有名人の共通点は、知的には問題ありませんが、読み書きに著しい困難がある学習障害「ディスレクシア」として知られている人たちなんです。学習障害と診断された場合、子供の可能性を親はどのように育ててあげればいいのでしょうか?専門家にお聞きしました。▼続きはこちら▼
2018年06月16日発達障害のある子どもや家族の困りごとを解消するために!5月もミートアップを開催「LITALICO発達ナビ」では、発達障害に関するコラムの発信や、施設情報の提供などを通して、発達障害のあるお子さんや、保護者の方々の生活を取り巻く困難の解消に取り組んできました。現在は、月間300万人以上の方がサイトを訪れる規模となりました。多くのユーザーの方に、必要な情報と出合ったり、同じような悩みを持つ仲間との交流ができる場となっています。一方で、LITALICO発達ナビの力だけでは解消出来ない困難が多いことも事実です。そこで、発達障害にまつわるより多くの困りごとを解消していくため、さまざまな分野の企業とのコラボ企画・協業を進めていこうとしています。その一環として、先月に引き続き、2018年5月22日(火)に「LITALICO発達ナビ ミートアップvol.2」を実施。ゲストスピーカーによる講演や、さまざまな企業や団体で活躍されている皆さんとLITALICOのスタッフでのディスカッションなどを行いました。LITALICO発達ナビ ミートアップの様子をレポート今回のミートアップにも、IT企業、旅行会社、小売店、セキュリティ会社などから、保育園や学校に勤務されている方まで、多種多様な業種の企業・団体などで働く方の参加がありました。ミートアップでは、まずLITALICO発達ナビの鈴木編集長からの媒体紹介がありました。続いて、ウェブマガジン「greenz.jp」のビジネスプロデューサー・小野裕之さんによる講演が行われました。Upload By 発達ナビ編集部ウエブマガジン「greenz.jp」を運営するNPO法人グリーンズは、「一人ひとりが『ほしい未来』をつくる、持続可能な社会」を目指しています。この理念のもと、ウェブマガジンの発行のほか、さまざまなイベントを主催しています。また、「社会の中にある違和感」を解消するための取り組みを行う起業家らをメディアで取材したり、そうした人と企業や自治体とつなげて一緒にプロジェクトを行ったりもしています。例えば、次のような事例があげられました。■地方移住をしたい人、その人をサポートし地域活性化をしたい地方の鉄道会社をつなぎ、「移住者サポートつきコワーキングスペース」をオープン参考:あそこに行けば、面白いことをやってる。西日本鉄道・宮﨑泰さん×福岡移住計画・須賀大介さん×グリーンズ小野裕之が語る「HOOD天神で“はじめる”未来」■こだわりのお米を仕入れて販売しているお米屋さんと、日本橋の街づくりを担う会社をつなげ、おむすび屋さんというリアル店舗を開店。おいしいおむすびを食べながら、人と人との接点もつくりだせる場所に参考:グリーンズとトラ男が日本橋に、本屋とイベントスペースもあるけど「普通の」おむすび屋をオープンします。このように、日常生活の中にある課題に気づくだけでなく、そこから人と人・企業・行政などをつなぎ、いろんな生き方や価値観があってもいいということを体感できる場所づくりも、ビジネスとして成り立つ形で行っています。LITALICO発達ナビも、さまざまな課題に気づき、発信するだけでなく、企業や行政などとつながり、障害のない社会という「ほしい未来」をつくっていきたいと感じることができた講演でした。 By 発達ナビ編集部鈴木編集長からは、現在どのような企業とのコラボレーション実績があるのかなどについて紹介がありました。■非日常の状況でパニックを起こしやすいお子さんが、安心して空の旅を楽しめるサービス紹介の例発達が気になる子どもが安心して飛行機に乗るには?JALの子ども向けサービス活用法を徹底紹介!■多様性を踏まえたマネジメントができるよう、社員向けに研修を行った例ミュゼプラチナム×発達ナビ 発達障害への理解を深める勉強会を開催!■障害のある子どもの保護者の方の意見を取り入れて制作された商品紹介の例障害のある子どもの「ママたちの声」を生かして開発!3つの「お出かけ便利グッズ」がフェリシモから新発売あったらいいサービスや商品って?グループディスカッションで意見交換Upload By 発達ナビ編集部会場を5つのグループに分け、各グループごとに「自社のリソースと理念」をまず書き出すワークを行いました。そして、発達障害がある人の困難の例を参照しながら、「それぞれの会社のリソースでできる解決策」についてディスカッションを行いました。さまざまな業種、職種の参加者が、メーカー側、支援者側からの意見などが活発に出され、自社の商品やサービスの中に、今まで気づいていなかった価値があることに気づけた場面もありました。例えば、IT技術を活用することで、ARメガネを使って勉強することが当たり前になるかもしれないーそんな意見に、支援の仕事をしている参加者からは、「発達障害があることを保護者が受け入れるのは難しい場合もある。でもIT技術を活用し、特性によって困難になっていることをポジティブに解決できる可能性があることに気づけた」という意見も。障害のある子どもの支援をしている人や当事者・保護者と、技術を持っている人がつながる。旅行会社と工場をもつメーカーなど、異業種でもコラボレーションの可能性がある企業がつながる。それぞれの経験や技術を組み合わせることで、よりニーズにあった商品やサービスが生まれるのではという希望が、より高まるディスカッションでした。LITALICO発達ナビ ミートアップは、毎月開催予定!Upload By 発達ナビ編集部ミートアップでは、グループディスカッション後に懇親会も行い、皆さんが交流できる場を設けています。ディスカッションで興味を持った事業内容についてより深く聞くことができたり、ほかのグループの参加者とも話すことができます。参加者からは、次のような感想をいただきました。「多種多様な企業の方のお話をききながら、自分の問題の整理ができました」「いろんな人に会って、どういう想いで何をしようとしているのかも知りたいし、逆にニーズや困りごとについても知りたいです」さまざまなアイディアを実際に社会の中に生み出し、より生きやすい世界にするために、LITALICO発達ナビは企業や団体の皆さんとつながり、新しいサービスや商品を作り出していきたいと考えています。また、実際にコラボレーションが実現した企画についても、LITALICO発達ナビ上で発信をしていきます。「LITALICO発達ナビミートアップ」は、これからも毎月開催予定です。それぞれの企業や団体が持っているサービスや商品の力で、社会をもっと生きやすいものにしたい!熱意のある人たちとディスカッションをしたい!という方は、ぜひご参加ください。次回のゲストは、Branch代表の中里祐次さまです。Branchとは、発達障害のある子どもと、その子ども達が興味を持っている分野の学生や専門家などをマッチングさせ、その子の可能性を伸ばすことに取り組んでいるWEBサービスです。代表の中里さまは、発達障害のあるご自身のお子さまと過ごす中で着想を得て、Branchを立ち上げられました。イベントでは、発達障害にまつわる課題をWEBサービスの力で解決することをテーマにお話いただく予定です。■ゲスト紹介:中里祐次さまUpload By 発達ナビ編集部2007年、早稲田大学卒業後、㈱サイバーエージェント入社。子会社の㈱サイバー・バズにて広告クリエイティブのディレクションを担当し東京インタラクティブ・アド・アワード受賞。広告プランニング/商品開発経験後、子会社の㈱プーペガール取締役に就任。その後Amebaにて、ソーシャルゲームのスマートフォン対応、プラットフォームのオープン化担当、プロジェクト責任者などを経て独立。次回のミートアップは、6月28日(木)に開催します!【日時】6月28日(木) 19:00-21:30【場所】株式会社LITALICO東京本社〒153-0051東京都目黒区上目黒2-1-1中目黒GTタワー16F【交通案内】東京メトロ日比谷線・東急東横線「中目黒駅」東口より徒歩1分【対象】企業にお勤めの方で、発達障害のあるお子さまや保護者さまの抱える困りごとの解決に関心をお持ちの方、発達ナビとのコラボレーション企画を希望される方【参加費】2,000円※発達ナビに会員登録されている方は1,500円【プログラム】①発達ナビのこれまでの取り組みと今後の展望紹介②ゲスト講演:Branch代表 中里祐次さま③質疑応答④企業の力で発達障害の課題解決を考えるワークショップ⑤参加者同士の交流・懇親会(ドリンク・軽食あり)多くの方のご参加をお待ちしております!
2018年06月05日行き先の確認は念入りに…「用意周到」を求められるレジャー出典 : 発達障害の息子と一緒に旅行やレジャー施設などに行くとき、私たち家族は常に先回りして施設の特徴を調べ、息子にとって苦痛な刺激がないかどうかを確認します。大きな音や明るすぎる照明がないか。疲れたときに休ませる場所はどこにするか。混み具合はどうか。泊まりにしたほうが良いか日帰りにしたほうが良いか。息子は刺激に弱く、すぐに「疲れた」と言って座り込んでしまいます。そんな息子が無理をすることなく、「楽しかった」と言って終わってくれるようなラインを探ります。こんなとき、「このレジャー施設は発達障害のある子どもにやさしいよ」「このホテルは発達障害の特性に理解があるよ」というようなことが体系的にまとめられている情報があったら、とても助かりますよね。今回、諸外国の事情を調べていたときに、アメリカでは発達障害のある子どもにやさしい施設に認定を与えていることを知ったのです。認定された施設をまとめてくれている「Autism Travel」というページを見れば、ホテルやレジャー施設などの一覧を見ることができます。 Travel - 自閉症者向け旅行サイト(英語)アミューズメントパークとしては初めて!「セサミプレイス」とは出典 : 「発達障害のある子どもにやさしい施設」の認定は、アメリカのIBCCES(International Board of Credentialing and Continuing Education Standards 資格認定・継続教育基準国際委員会:筆者訳)という団体が行います。同団体の定める条件をクリアすると、「認定自閉症センター(Certified Autism Center)」として認められ、レジャー施設やホテルであればAutism Travelのページに掲載されます。この「認定自閉症センター」に初めて認められたアミューズメントパークが、アメリカ・ペンシルバニア州にある「セサミプレイス」です。ここは、アメリカの子ども教育番組「セサミストリート」のキャラクターのテーマパーク。「セサミストリート」といえば自閉症の女の子のキャラクターが登場したことも話題になりましたね。セサミストリートに自閉症の新マペット登場!番組制作の背景は?日本では視聴できるの?アメリカで「認定自閉症センター」として認められるには、働いているスタッフが発達障害についてしっかりと教育を受けている必要があるそうです。では、「セサミプレイス」のスタッフは、実際にどのような訓練を受けたのでしょうか。公式ホームページに記載されている内容によると、スタッフは発達障害の特性にかかわる以下の点について特別なトレーニングを受けているそうです。・感覚刺激に関する認識・運動能力・自閉症に関する基本的知識・各種プログラムの作成・ソーシャルスキル・コミュニケーション・環境設定・感情についての認識また、スタッフがその人の特性に配慮して、乗ることのできる乗り物をピックアップしてくれたり、刺激で疲れてしまった人のためのコームダウンの部屋を準備してくれていたりします。聴覚過敏の人のためにヘッドフォン貸出が行われているほか、パレードでは、身体を触れられることが苦手な人は、キャラクターが直接ハグしたりすることのない列に案内されるのです。セサミプレイスホームページ ー 世界で初めて「認定自閉症センター」に認定される(英語)「分かっている人がいる」という安心感出典 : 今でこそわが家の息子は感覚刺激が不快になると、自分から休憩するようになりました。成長するに従って、自分の限界を認識することができるようになってきたからです。けれども、幼いころはそうはいきませんでした。水族館に行けば、ボヤボヤとした光と、館内から響く独特の音にやられて、床に這いつくばって動かなくなりました。動物園では、動物の臭いにめまいがしてきてしまい、ずっとおんぶで移動したこともあります。顔は真っ青でした。お祭りに足を運べば、太鼓の音と人混みに吐き気がしてしまい、泣きながら帰りました。心配して「どうしました?」と声をかけてくださるスタッフの方もいましたが、「すみません、発達障害で…」と答えても「?」という顔をされることが多かったのです。そうすると、なんだか申し訳ないことを言ってしまったような気分になり、「大丈夫です。ちょっと疲れたみたいで」と、そそくさとその場を去ったものです。そんな時、具体的に何かをしてくれるわけではなくとも、「セサミプレイス」のようにいまパニックを起こしている人が何に苦しんでいるのか「分かっている人がいる」ということ、それがどんなに心強いことか想像に難くありません。私たち親も、特に何かを配慮をしてもらいたいわけではなく、「知っておいてもらえると、それだけで気持ちが楽」なのです。日本にも、このような認定制度があったら、旅行計画をするときに、もっと気楽に楽しい気持ちでできるかもしれませんね。
2018年05月28日「みんなが当たり前にできていることが自分にはできない」「ママ友とよく原因不明のトラブルになってしまう」…。発達障害が広く世間に認知されるようになり、「もしかして自分も?」などと感じている方も少なくないのではないでしょうか?そんな大人の発達障害(グレーゾーン含む)に悩む人のために、日常生活を上手に過ごすための具体的なノウハウを紹介したのが 「ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に暮らすための本」 (翔泳社)。著書の村上由美さんは現在、言語聴覚士として活躍されていますが、実は4歳まで音声言語を話さなかったASD(自閉症スペクトラム)当事者です。そして、村上さんの旦那さんは、ASDに加えてADHD(注意欠陥・多動性障害)やLD(学習障害)の傾向もあり、大人になってからようやくそのことに気づいたそうです。そんな、当事者でもあり、家族でもあり、支援者でもある村上さんが、3つの視点から編み出した、発達障害の人が日々の暮らしがラクになるためのアイデアをうかがいました。お話をうかがったのは… 村上由美さん上智大学文学部心理学科、国立身体障害者リハビリテーションセンター(現・国立障害者リハビリテーションセンター)学院聴能言語専門職員養成課程卒業。重症心身障害児施設や自治体などで発達障害児、肢体不自由児の言語聴覚療法や発達相談業務に従事。現在は、自治体の発育・発達相談業務のほか、音訳研修や発達障害関係の原稿執筆、講演などを行う。著者に「声と話し方のトレーニング」(平凡社新書)、「アスペルガーの館」(講談社)、「ことばの発達が気になる子どもの相談室」(明石書店)、「仕事がしたい!発達障害がある人の就労相談」(明石書店、共著)、「発達障害の人が活躍するためのヒント」(弘文堂、共著)がある。■断捨離「モノが捨てられない」悩みを解決!――著書を読んで、「発達障害と長くつき合うのは、愛情じゃなくてスキルが必要」という言葉に「なるほど!」ととても納得しました。そのスキルをまとめたのが、本書というわけですね?村上由美さん(以下、村上さん):私は、かねてから、発達障害者の自立のカギは「時間、モノ、お金の管理ができること」と思っていて、最近ではそれに加えて「他人と協力できる場を持てること」「生き延びるための体力」も必要だと思っています。これらは、発達障害の人がこの三次元の世界で生きるための接着剤のようなもの。これらを介さないと、この世界の人やモノとは繋がれないので、それぞれの苦手項目を解決するためのスキルをまとめました。――今回はその中から、「モノの管理(片づけ)」についておうかがいします。というのも、発達障害グレー気味というママからは「片づけができない」というお悩みが圧倒的に多かったからです。村上さん:発達障害の人は、空間やモノへの捉え方が一般の人とは感覚的に異なるので、「片づけが苦手」という方がとても多いです。片づけについては、まず、自分にとってどういう状態が片づいているのかを明確にすることが大事です。例えば、ホテルのような整然とした部屋が良いのか、多少散らかっていても日常生活に支障がない状態なら良いのか、などというふうに。――確かに、人によって定義が全然違いますものね。でも、自分の片づけのイメージ通りに「モノを捨てられない(減らせない)」という悩みも多いようですが、これはどうしたら?村上さん:発達障害の人はモノの判断基準があいまいで、自分にとってのモノの役割を認識できていないため仕訳が苦手です。例えば、ADHDの傾向が強い人は、興味や関心に惹かれてつい使わないモノに手を伸ばしてしまいがちですし、ASD傾向が強い人は、そもそも片づけの意味や必要性を認識していないことや、人から押しつけられるとうまく断れず不要なモノが増えてしまうことも多いのです。発達障害の傾向が強い人は、自分の好みに合わないモノとつき合うのがそもそも苦手という特性を認識して、ある程度試してみて不要だとわかったら手放す覚悟が必要だと思います。――具体的な対処法としては?村上さん:まず、似たようなモノ同士をまとめます。集めたモノを比較すると、モノ本来の目的や自分の判断基準が明確になります。そこから不要なモノを間引きするのですが、判断に迷ったらいったん保留にし、モノ本来の評価と自分の感情を表などに書き出して整理しましょう。例えば、「使いにくいけど高価なモノ」は、モノ本来の評価は「使いにくい」、自分の感情は「高いから捨てるのがもったいない」になり、どちらが勝っているかがわかりやすくなるので決断しやすくなります。また、「〇〇したら使うかも」などと、条件つきで判断に迷うモノは、実際に使ってみることで結論がでます。例えば、「修理が必要なモノ」は「お金をかけて修理してまで使いたいのか?」「そこまでするのは面倒なのか?」で判断ができるはず。また、捨てるにはもったいないけど自分では使わないモノを処分するには、リサイクルショップや寄付などを利用するのが良いでしょう。 ■子どもの大量プリントやスケジュールはIT管理――家の片づけに加えて、子どもの片づけや学校の用意も加わって、お手上げ状態のお母さんもいたのですが、子どものモノの片づけはどうしたら良いでしょうか?村上さん:基本はどの片づけもだいたい同じなのですが、まず「この部屋で何をするか?」というルールを決めることが大事です。例えば、リビングは家族のパブリックスペースで、たくさんの個々人のモノが持ち込まれるので散らかりがちですが、「ごはんを食べる」「仕事をする」「勉強する」「遊ぶ」などと目的を決めると、だいたいの作業エリアが決まるので、そのために必要なモノを配置しやすくなります。子どもが勉強するなら、テーブル回りに筆記用具の引き出しや勉強本の棚を設置したり、それにまつわるモノが回る仕組みをつくります。また、子どもが片づけやすい状況になっているかも大事です。引き出しにラベルを貼って中身をわかりやすくしたり、きょうだい児がいる場合は棚を色分けするなど工夫しましょう。…とはいえ、子どもがいる場合は、そもそも整然としたホテルのような部屋を目指すのは難しいので、ある程度の妥協は必要だと思いますよ。――なるほど。また、子どもの片づけといえば、学校からの大量に配られるプリントの管理もありますが、こちらの対策は?村上さん:どんどんデジタル管理して、用済みの紙は捨てることです。紙情報は、処理して捨てるまでの流れを仕組みにしないと、どんどん積み重なって“地層化”になる一方ですよ。また、紙は検索できませんが、データなら検索できるのでとても便利。ちなみに、私はクラウド・サービス「 Evernote(エバーノート) 」を利用していますが、ほかにもプリント管理に便利なスマホのアプリなどたくさんあるのでぜひ検索してみてください。きょうだい児ごとにタグづけすれば簡単ですよ。また、IT管理は子どものスケジュール管理にも便利です。家族行事は、夫婦でGoogleカレンダーを共有し、子ども用には、プリントアウトしたモノを目につきやすいところに貼っておくことをおすすめします。子どもには、情報をITで理解するのはまだ難しいので、紙という具体化したモノで見せることが大事です。――スマホのアプリで管理するのは便利そうですね。村上さん:パソコンやスマホ、インターネットは、発達障害者にとっては三種の神器のようなもの。世の中のIT化により、社会の仕組みが発達障害の人たちが苦手とする三次元の世界から、得意な仮想空間の世界へとシフトしてきています。これらの情報機器をうまく活用すれば、生活の質を上げていくことができるでしょう。――ちなみに、ITオンチのお母さんはどうしたら良いでしょう…?(汗)村上さん:ITが苦手なお母さんは、トレイで管理することをおすすめします。目につきやすいところに「ママに渡すモノトレイ」を設置して、そこに子どもにプリントを入れてもらい、見たら即仕分けたり返事を書く、手帳やカレンダーに記入するというルールを決めましょう。また、子どもがちゃんとプリントを出せたら、たとえ内心、当たり前と思っていても、ちゃんと言葉に出してほめることが大事。できなかった時に叱るのではなく、できた時にほめることで、子どもにプリントを出す行動が定着します。■「お客様」意識のパパ、「私がやらなければ」意識のママ――なるほど。でも、いろいろお話をうかがって、これらを全部お母さんひとりでやるというのも大変ですよね…?村上さん:本当にその通りです。お母さんがやるのが大前提になってしまっていますが、これはお母さんだけの課題ではありません。協力して助け合うのが、家族の大事な役割なのですから。でも、日本の家庭は、たいてい奥さんが「プログラマー」になって細かくプログラムを組まないと、夫がうまく動いてくれないですよね(苦笑)。だから、「そんなの面倒くさくてやってられない!」と全部自分でやってしまうから、夫婦ケンカになってしまう。――おっしゃる通り(笑)。村上さん:私が思うに、多分、大半の夫は家庭に対して「お客様」感覚でいるのだと思いますよ。でも、夫は家族の一員なのだから、それは違いますよね? ですから、夫に家庭での「お客様」意識を改めてもらうことが必要です。そして同じように、お母さんも育ってきた環境や社会に求められて、家のことはすべて自分がやるものだと思いがちですが、そういう意識も変えていく必要があると思います。で、先ほどの、子どもができたらちゃんとほめるという話は、自分に対しても同じ。できて当たり前ではなく「できた私ってえらい!」と自分をきちんとほめてあげてくださいね。片づけや家事は「できて当たり前」と思われがちなうえに、消耗する行為が多いもの。でも、できて当たり前ではないこと、できたら自分をほめてあげる習慣をもつことで、自分自身にも片づけの習慣が定着するかもしれません。後編では、ママ友との「コミュニケーショントラブル」についておうかがいします。参考図書: 「ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に暮らすための本」 (翔泳社)大人になってから発達障害の症状に悩む人が増加しています。ここ10年で「発達障害」の知名度が飛躍的に上がったことで、「もしかして自分も…」と成人になってから気づく人が増えたのが最大の要因と思われます。発達障害の人には、「同時並行作業力が弱い」「段取りが取れない」「ケアレスミスをする」「コミュニケーションが苦手」といった特徴があり、そうした症状に悩む人のために、上手に日常生活を過ごす方法を解説。イラスト/高村あゆみ取材・文/まちとこ出版社N
2018年05月24日発達障害があるなしに関係なく、子どもの就学は親にとって大きなイベントですが、障がいのある子を持つ親にとっては、就学先を考えることに加えて、さらにもうひとつ大きな問題があります。それは、放課後の過ごし方。学童に問題なく通える子はいいけれど、障がいの程度によっては、学童利用が制限されることがあります。そこで代わり通うのが放課後等デイサービス(※)です。筆者の息子(自閉症スペクトラム)も、来年は小学生。就学先と並行して、いろいろな施設を見学に行っている最中です。そんな中で知ったのが、パソコンを学んだりサッカーができるという 放課後デイサービス「あいだっく」 。普通の施設とは一風変わったプログラムを実施していることに興味を感じ、取材に行ってきました。代表の上田宏樹さんにお話を伺いました。※放課後等デイサービスとは、障がいのある就学児(小・中高校生)が放課後や長期休暇中に通うことができる施設のこと。対象は、障がいのある子ですが、障がい者手帳がなくても、専門家などから必要が認められれば通うことができます。単に預かるだけでなく、子どもが楽しんだり成長したりできる場所を提供したい―― 御社はもともと福祉系ではなく、様々なサービス業をしていますが、放課後等デイサービス(以下、放課後デイ)事業に参入したきっかけを教えてください。上田宏樹さん(以下、上田さん):私はサービス業が大好きで、世の中に独自の新しいことを作っていきたいという思いがあります。ある時、ふとしたきっかけで、放課後に行き場がなくて困っている子どもたちがいることを知り、「じゃあ、我々で居場所を作ろうよ」と、この事業に参入しました。―― はじめの放課後デイで、絵を描く「アトリエあいだっく」を始めたのはなぜですか?上田さん:それまで放課後デイ事業は、単なるお預かり事業のような側面がありましたが、弊社がやるならば単に預かるのではなく、子どもたちが楽しんだり成長したりできる場所にしたい、と思ったからです。そして、働くスタッフもやりがいを感じられるような働き方をしてほしいと思いました。もともと弊社がデザイン会社からスタートしたというのもあり、「子どもたちが自由に楽しく絵を描ける場所をつくろう!」と。民間独自のアイディアで福祉業界に新しい風を吹き込んでやろう! という意気込みもありましたね。―― 子どもたちは絵を描くことが大好きですものね。上田さん:それが、私たちの予想に反して、最初の頃はみんなぜんぜん絵を描かなかったんですよ(笑)。でも、スタッフの情熱と子どもへの上手な働きかけ、子どもたちの成長で、少しずつ興味を持ってくれる子が増えてくれました。「アトリエあいだっく」で子どもたちが描いた作品。ここでは絵画や工作などの作品作りを通し、時間や決められた流れに沿った集団行動を継続して行えるよう、サポートしている。 「アトリエあいだっく」詳細はこちら >> とはいえ、やっぱり絵には興味を持てず、体を動かす方が好きな子もいます。そこで、そういう子も楽しめるように、歌やダンス、楽器が楽しめる「スタジオあいだっく」を設立しました。「スタジオあいだっく」では、通常活動や年二回の発表会を通し、歌、ダンス、楽器を集団行動で行うことをサポート。仲間たちと協力し合いながら活動することで、他者との関わりや集団で行動することの楽しさ、思いやりの心を養う。 「スタジオあいだっく」詳細はこちら >> その後、パソコンが好きな子もいたので、生徒全員がパソコンに触れられる「パソコンあいだっく」も設立しました。「パソコンあいだっく」では、いろいろなソフトやハードを使用して、子どもたちが自分自身で「やりたいこと」を見つけて、タイピングの技術向上につながるようサポート。長時間課題に取り組める集中力も養える。また、作品発表や質問をすることで、自己主張や表現力の向上にもつながるという。 「パソコンあいだっく」詳細はこちら >> ―― 子どもたちのニーズに応えて、どんどん進化しているのですね! 月曜から金曜日まで、ワンパッケージで子どもたちはさまざまな体験ができますし、「あいだっく」として全体で情報共有して支援体制を考えられるのも、保護者にとっては心強いですね。上田さん:「はじめると決めたら赤字になってもつぶさない!」という覚悟で運営していますよ。飲食業のような他のサービス業と違って、運営が立ちいかないからといって、子どもたちを追い出すようなことは絶対にしたくないですからね。チャンスは、すべての子どもに平等であるべき―― 放課後デイの運営にあたって、「あいだっく」が大切にしていることは何でしょうか上田さん:子どもの表現方法の幅を広げることを大事にしています。障がいがある子たちは、いろんなことが制限されがちですが、そこを広げて、今までできなかった表現方法を見つけられる機会を提供できたらと思っています。例えば、パソコンに関しては、よく保護者から「パソコンの練習するんですか?」と聞かれるのですが、そうではなくてパソコンはあくまでツール。パソコンで小説を書く子もいますし、絵を描く子もいますし、動画を作る子もいますし、話すのは苦手だけどチャットならコミュニケーションがとれる子もいます。パソコンは “自己表現の幅を広げるきっかけ” にしてほしいと思っています。――なるほど。上田さん:他の子どもたちは、放課後は自分で自由に遊びにいけますし、習い事にも行けます。でも、障がいがある子たちは、行動が非常に制限されてしまいます。でも、同じ人として、それは違う。チャンスはすべての子どもに平等にあるべきだと思うのです。―― 本当にそうですね。お友達のお子さん(自閉症スペクトラム)で、水泳教室の入会を断られた方がいました。水泳は命に関わる危険もあるので、受け入れ側も体制が整っていない場合は難しいのかもしれませんが、こうして様々なチャンスが奪われてしまうのは非常に悲しく残念でして…。上田さん:だから、弊社は「サッカーあいだっく」も作ったのです。オリンピック開催が決まってこれからスポーツが盛り上がるという時に、他の子と一緒になって盛り上がれるように、と。また、サッカーをはじめたもうひとつの理由は、保護者のためです。自分の子どもの試合を観戦することは、親の最大の楽しみ。そんな機会がないことも、親にとっても機会損失です。試合をした時に、私が何より感動したのは、お母さんたちの熱狂具合でしたよ(涙)。ルールを守り、集団の中の一員という意識を持ちながら運動活動することを学ぶ「サッカーあいだっく」。サッカーを通して、探求心や協調性、コミュニケーション能力の向上を目指す。 「サッカーあいだっく」詳細はこちら >> いろんな人がいて当たり前な世の中になってほしい――「あいだっく」では、文化祭や卒業式などのイベントもしているそうですね?上田さん:成果がわかる発表の場があるというは、子どもにとってもスタッフにとっても、やりがいのあることだと思います。みんなとても張り切って楽しそうでした。卒業式では、毎年号泣してしまいますね。今、卒業後もみんなが生き生きとしたつながりを持てる場を作れればと、例えば劇団なんかどうだろう? といろいろ考えているところです。――「ただのお預かり施設にはしたくない」という上田さん思いが、ここにも表れているのですね。上田さん:正直、僕はこの事業をはじめるまで、障がいのある方と身近に接する機会がなかったんです。だから、みんなにはもっと外に出て欲しいし、まわりの皆さんにも知ってほしいです。隣にいろんな人がいて当たり前、そんな世の中になってほしいと思います。最近、盲目の方がR-1で優勝しましたけど、あんなふうに、障がいを持った人がどんどんいろんな場に出て、本人も笑いのネタにしちゃうくらいの自信を持って生きてほしい。そのために弊社ができることは何だろう? と、常に自分に問いかけています。取材に同席してくださった、現場責任者である柴岡康大さんからは、「『あいだっく』では障がい者手帳のあるなしにかかわらず、専門の相談支援員がさまざまな相談に電話でお答えしているので、いつでも気軽にお問い合わせくださいね」との心強いお言葉もいただきました。実際、診断が出ていないグレーゾーンの方からのお問い合わせはとても多いそうです。「すべての子どもに平等のチャンスを提供したい」という「あいだっく」の熱い思い、福祉業界の枠を超えて、世の中にどんどん広がっていってほしいと思います。 放課後デイサービス「あいだっく」 >> 相談支援事業所「あいだっく」 >> 取材・文:まちとこ出版社N[PR] 放課後デイサービス あいだっく
2018年05月23日5/26 (土)「ちゃんと知りたい!子どもの発達障害」すくすく子育て×ウワサの保護者会 コラボスペシャルの内容は?Upload By 発達ナビニュース2018年5月26日(土)にEテレで発達障害特別番組「ちゃんと知りたい!子どもの発達障害」すくすく子育て×ウワサの保護者会 コラボスペシャルが放送されます。幼児の子育ての悩みや疑問に専門家が答える「すくすく子育て」と、小・中学生の保護者が教育について尾木ママと語り合う「ウワサの保護者会」が初コラボ。最近は、若い親世代の間で発達障害が知られてきています。それによって、「言葉がなかなか出ない」「他の子と比べて落ち着きがない」など少しでも気になる様子が子どもにあると、「もしかして発達障害かも…?」と心配をする親も増えているといいます。しかし、発達障害は社会性や人間関係に表れる特性のため、乳幼児の間は診断ができないことが多いとされています。「様子を見ましょう」という医師の言葉に不安と期待を抱きながら過ごす時期は、心も揺れ、どう対応するべきか分からずかえって苦しい思いをしている場合も…。今回の番組は、乳幼児期から就学にかけての年齢の子どもたちを育てている保護者にぴったりな内容です。 Eテレ「すくすく子育て」「ウワサの保護者会」乳幼児期から就学にかけて…成長の段階で変わっていく不安や悩みは?Upload By 発達ナビニュース番組の前半では、乳幼児期の「もしかして発達障害?」という悩みを専門家と一緒に考えます。■発達障害のある子もない子にも共通する子育ての基本■初めての集団生活である幼稚園や保育園でできる対応などを紹介しながら、発達障害とは何かを小児科医の榊原洋一先生が解説します。後半は、発達が気になる子の就学にはどんな支援があるのか、現在の特別支援教育についてを詳しく解説。■発達が気になる子の就学、どんな支援がある?現在の特別支援教育についてなどの疑問にも答えてくれます。また、「地域の中で、他の子どもたちと関わりながら一緒に育ってほしい」「将来の自立のために、手厚い支援を受けさせて能力をのばしてあげたい」という思いを当事者の親が語り合い、発達障害のある子どもにとって、必要な教育とは、学校とはどうあるべきなのか?を考えます。どちらを選んでも感じるジレンマ。その選択は悩ましいものです。そのどちらの思いも両立する「インクルーシブ教育」に向けて、親と行政と学校が手を組んで始まっている取り組みについても、番組内で取り上げられます!同じ悩みや不安を共有するだけでなく、先進的な事例も知ることができそうです。番組の詳細はこちら!Upload By 発達ナビニュース【番組名】Eテレ「ちゃんと知りたい!子どもの発達障害」すくすく子育て×ウワサの保護者会 コラボスペシャル【放送日時】2018年5月26日(土) 21:00~21:54、2018年6月2日(土)12:00~12:54【出演者】司会:尾木 直樹(教育評論家)、高山 哲也(アナウンサー)、山根 良顕(お笑いコンビ「アンガールズ」、優木 まおみ(タレント)、専門家:汐見 稔幸(東京大学名誉教授)、榊原 洋一(お茶の水女子大学名誉教授)、ナレーター:笠間 淳、鈴木 麻里子発達障害プロジェクト
2018年05月22日私はアスペルガー症候群。発達障害という言葉が浸透しているとは感じるものの、まだまだ偏見や生きづらさを実感します。人が生きていくうえでの幸せとは何なのか、その答えは出せないままです。文・七海結婚するつもりもなかったし、子どもを産むつもりもなかった発達障害は遺伝性だという説は、よくいわれます。アスペルガー症候群当事者として生まれ、当事者として生きてきました。人それぞれなのは重々承知ですが、私は生きづらさを感じてきました。コミュニケーションのうえで成り立つ人間関係はとても難しく、それを築くのが苦手だと痛感しています。比喩がわからず額面通り行動してしまったり、暗黙の了解がわからず不快な気分にさせてしまったり。努力してきたつもりだし、今も努力しているつもりなのですが、知らず知らずのうちに人間関係に亀裂を入れてしまっていたように思います。学生時代はいじめに遭った経験もありますし、集団行動になじめずクラスでも1人浮いていました。そういった生活のなか、躁鬱病などの精神疾患も併発しました。全てをアスペルガー症候群の特性のせいにするつもりはありませんが、人間関係が基盤になる社会を生きるうえでは、ハンディキャップな障害であるように感じます。また、発達障害当事者に対する風当たりは非常に強いと実感します。例えば「アスペかよ」といった罵り言葉を聞くことがあります。相手がアスペルガー症候群であろうがなかろうが、当事者を差別しているからこそ出てくる言葉なのではないかと思います。「だってアスペは空気が読めないし面倒だから」と言われそうですが、その考えが偏見や差別の根本なのだと考えています。アスペルガー症候群は遺伝性の可能性がある、と聞いたとき、私は子どもを産まないと決意しました。ある種のハンディキャップを持って生まれる可能性が高いとわかっているなら、子どもにつらい思いをさせたくないと考えたのです。だから、出産の話につながるような結婚もしないつもりでした。理解ある男性と出会って結婚。その後のプレッシャー結婚はしないという前提で交際していたことはよくあります。結婚願望がないことも、最初に伝えていました。そんななか、病気にも私の価値観にも理解がある男性に出会いました。私は彼に、「子どもを産むつもりはないし、一緒にいたいなら事実婚が良い」と伝えました。それでも彼は結婚したいと言い、結婚したときの法的メリットを挙げてくれました。話し合うなかで、結婚という道でともに生きるのも良いものだと理解し、入籍に至ったのです。しかし結婚についてあまり考えてこなかった私は、入籍後のプレッシャーに悩むようになりました。それは、両家の親から出産を望まれるということです。私のなかで結婚は、私と相手との問題でした。「結婚したら次は子どもがほしいのだろう」と、身内からも自然に思われるのだという感覚が抜けていたため、実親や義親たちが当然のようにそう考えるということを考えていなかったのです。義親はとても良い人です。主人と一緒に家にお邪魔し、よくお話します。世間話の延長線上で義母からこう言われました。「これから家族を作っていくうえで大切なことよね」と。言われた瞬間、その意味を理解できませんでした。私と主人は入籍していて、もう家族なのに。家族を作っていくって何だろう? しばらくして気づきました。暗に孫を望んでいるのだ、と。多分、それが当たり前なのだ、と。実親には学生の頃から結婚しないと宣言していました。子どもを作る気がないことも、それで伝わるだろうと思っていました。しかし、いざ結婚すると、孫を望んでいるのではないかという言動が気になるように。「子どもは作らない」と伝えましたが、心根でどう考えているのかはわかりません。子どもを作らない選択肢を取る夫婦もいるのはわかっていますが、子どもを産むことが幸せだという風潮では、当たり前のように子どもを作りたいのだろうと思われるのだと気づいたのです。義親が良い人なぶん、申しわけなさが増しました。遺伝性といわれている病気でも産む人は産む。幸せのあり方はゆっくり考えよう発達障害以外にも、遺伝性だといわれている病気はたくさんあります。その病気はハンディキャップになり得たり、生きづらさを感じたりするものかもしれません。なかには、発病したら死に至るような病気もあるでしょう。それでも、産みたい人は産んでいるのです。私は決してそれを否定しません。発達障害から話は逸れますが、私も主人も癌家系です。癌は今のところ完全な予防が難しく、治療も大変で、死亡率も決して低くはありません。癌もすべてではないですが、遺伝性のものがあるといわれているので、彼との子どもは癌に罹患する可能性も高くなるのではないかと思います。私がもし発達障害でなかったとしても、夫婦ともに癌家系であれば妊娠への思いを踏みとどまったのではないかと考えています。しかし、同じ境遇の夫婦でも、子どもを産む人はいるだろうと思います。私は ”幸せ” が何なのかを、改めて考えてみることにしました。幸せだと言うことは簡単です。不幸だと言うことも簡単です。だけど、私は自分自身の幸せをきちんと理解していないのだな、と感じています。今のところ、私は「生まれてきて良かった」と思えていません。「生まれてきて良かった」と感じられるとき、私は幸せなのだと断言できるような気がします。自分が幸せだと感じられたときに、初めて子どもを幸せにできる第一歩を踏み出せるような、そんな気がするのです。アスペルガー症候群当事者として、生きづらさを感じてきました。癌家系に生まれ、いつか私も癌になるのかもしれないな、とも思っています。だけど、それ以上に、生きていて幸せだと感じられることがあれば、きっと子どもにも、幸せを感じてほしいと期待や希望を持てるような気がしています。幸せのあり方は人それぞれです。出産への考え方も人それぞれです。私は今、自分自身の幸せのあり方と、ゆっくりと向き合っていこうと考えています。正解なんてないんだろうけど、自分と、私を大切にしてくれている人と、生まれてくるかもしれない子どものことを想って。©Highwaystarz-Photography/Gettyimages©KatarzynaBialasiewicz/Gettyimages©chameleonseye/Gettyimages
2018年04月28日発達障害のある子どもの遊び場探しは超難関!出典 : 発達障害がある子どもを自由に遊ばせる場所…、実は結構探すのが難しかったりしませんか?わが家の息子(自閉症スペクトラム障害・ADHD診断済)の場合は、社会性という意味でも、感覚という意味でも、遊び場の選択が難しかったです。社会性という意味では、順番が待てない、お友達の物を衝動的に取ってしまう、「返しなさい」と言うと癇癪を起こして泣き叫ぶ等の問題がありました。感覚という意味では、大きな音楽やまぶしい光で疲れてしまうため、デパートなどに入っているプレイスペースは苦手でした。結果どうなったのか…?私たち家族は、長いこと家に引きこもっていたのです。息子のパニックや癇癪が怖くて、どこへも出かけたくなかったのです。それだったら、家のなかでDVDを見ていたほうがずっとマシ。家にいれば、他人の冷たい目にビクビクしながら、頭を下げて逃げるように帰宅する必要もない…。息子の幼少期、私たち家族は一日中DVDを流しっぱなしにして、家の中で過ごしていたのでした。理想の遊び場を実現しちゃった!?NYのある夫婦出典 : そんな発達障害のある子どもの遊び場探しに頭を悩ます親の気持ちは、世界共通のようです。2017年の11月、ニューヨークのレイサムに、発達障害のある子ども向けのプレイルームがオープンしたことがアメリカで話題になっていました!Ring Around The Spectrum - Facebook Pageこのプレイルーム、Ring Around The Spectrum(リング・アラウンド・ザ・スペクトラム)は、発達障害のある子どもの感覚統合や感覚過敏に考慮したつくりになっています。(リンク先にプレイルームの写真と動画があります。)リング・アラウンド・ザ・スペクトラムでは、普通のプレイルームのように大きな音で音楽がかかっていたりしません。発達障害のある子どもの聴覚過敏に配慮しています。強い明るさの照明もついていません。全てのおもちゃや道具類は、作業療法士が選んでいます。感覚過敏に考慮したつくりになってるだけでなく、感覚統合を促せる遊具やクラスが設置されています。ざっと見回しただけでも、ゆらゆら揺れるスイング、バランスボール、ロッククライミング、ビーズクッションなど、発達障害児の感覚刺激に良さそうな遊び道具が沢山置かれています。さらに、少し明るさを落としてあるクールダウン用のスペースには、キラキラ光る泡のチューブや柔らかな光を放つチューブがあります。このプレイルームを開設したのは、支援が必要な二人の子どもを育てる、アッベ・ロバーツ(Abbe Roberts)とケン・ロバーツ(Ken Roberts)夫婦です。ロバーツ夫妻はある日、こんなことを思ったのだそうです。「地域にこの子たちが遊べる場所が欲しい。この子たちが非難されることなく心から楽しめる場所が欲しい。この子たちが支援の必要のない子どもたちと一緒に遊べる場所が欲しい…」そして、ロバーツ夫妻はこのリング・アラウンド・ザ・スペクトラムという場所を開設したのでした。「この子たちが非難されることなく心から楽しめる場所が欲しい」という夫妻の言葉にグッときたのは私だけではないでしょう。私も息子が幼少の頃は、いつも同じことを考えていました。「白い目で見られずに遊ばせる場所が欲しい」「発達障害のある子どもが、楽しみながらさまざまな経験を積んだり、力をつけることができる場所が欲しい」と。その想いは世界共通。そして、そんな想いを形にしたのが、このプレイルームなのです。New gym for children with Autism opens in Latham (訳:「自閉症児向けのジムがレイサムに新規オープン」)どの子どもたちも一緒に楽しく!こんな遊び場が日本にもあったら…出典 : リング・アラウンド・ザ・スペクトラムは、発達障害のある子どもに限らず、多くの子どもたちを歓迎しているそうです。遊具などは、発達障害のある子どものニーズに対応していますが、定型発達の子どもも遊ぶことができます。また、発達障害のある子どもの体幹トレーニングや衝動性コントロールなどに効果がありそうな、ヨガやマインドフルネスなどのクラスもプレイルーム内で開講しています。普通のクラスに連れて行くことが難しくても、このプレイルームでのクラスであれば、気軽に連れて行くことができそうですね。料金は一回の利用が12ドル(およそ1,300円程度)で、時間制限はありません。こんなプレイルームが日本にオープンしたら素敵だなあと思うとともに、遊び場探しに苦慮して自宅に引きこもっていた昔の辛い記憶も蘇ります。「この子たちが非難されることなく心から楽しめる場所が欲しい」。同じような想いを持って、こうしてプレイルームをつくった保護者がいる…。国境を超えて同じ想いを共有していることに、私は少しジーンときました。日本でもいつか、同じ想いを抱くご家族のために、こんな素敵なプレイルームがつくられる日がくるかもしれませんね。
2018年04月28日入学や進学など、年度切り替えのこの時期は、障害があるなしに関係なく、親がナーバスになる時期。でも、発達障害のある子を持つ親にとっては、さらに頭を悩ませる時期なのではないでしょうか?通常学級、通級、支援級、支援学校…わが子が安心して楽しく通える環境はどこなのか? 親は、就学問題に長い時間と労力を費やし、時には夫婦で揉め心をすり減らしながら、やっとの思いでわが子にベストと思える居場所を決めます。でも、そんな親の努力をすべてひっくり返すような、無理解な担任の先生に当たってしまったり…。そんな思い悩むことが多いこの時期、再びNHK総合テレビで発達障害をテーマにした特番 「超実践!発達障害 困りごととのつきあい方」 が放送がされます。番組では、寄せられた約4000通の体験談から「感覚過敏」「忘れ物・片付けが苦手」「読み書き計算が苦手」「コミュニケーション」という代表的な4つのテーマを取り上げ、発達障害の当事者はもちろん、家族やその周囲がすぐに実践できる「対処法」「周囲への助けの求め方」などをできるだけ具体的に伝えていく。さらに、「困りごと」「周囲の無理解」からどうやって人生を好転させたのか、その転機をとなった方法や出会いを描くほか、栗原類さんをはじめ一般の発達障害当事者8人をスタジオに招き、一人ひとり微妙に異なる困りごとに対する対処法をトーク。「どうすれば困りごとに対処できるか」「どうすれば人生楽しくなるか」「発達障害の人とそうでない人が共存するにはどうすればいい?」などを生放送で話し合う。■「発達障害」に対する社会の認知は高まってきたけれど…ここ数年で、発達障害に対する社会の認知は高まって、園や学校ではずいぶんと理解が進んだように思います。でも、当事者や家族の目線から見ると、依然としてサポート体制が不十分で必要な配慮が受けられなかったり、相談したはずの困り事が放置されたままだったり、個々人の対応はまちまちだったり……まだまだ難しいと感じることが多いのが現実です。今回の特番担当プロデューサーからも、「これまで発達障害については何度も放送してきましたが、無関心層へのリーチはまだまだだと感じています。しかし、そうした層に届かない限り当事者の困り事は解決しないため、繰り返しを恐れず伝えたいとも思っています」とメッセージをいただきました。これ、まさに、その通りだと思うのです(冒頭でお話した、すべてをひっくり返すような無理解な先生がいることもしかり)。でも、みなさん、日々自分の生活でいっぱいいっぱい…。当事者や家族でない限り、「大変そうだけどよくわからない」とか「障害を言い訳にしてない?」などとスルーされてしまうのも仕方ないことなのかもしれません。■自分が生きやすくなるためには「相手のことを知る」が一番の近道そんな私も、息子が自閉症スペクトラムと診断されるまでは、「大変そうだけど、結局よくわからない」の人でした。障害について理解する前は、「親子でがんばればなんとかなる!」などと、ワケのわからぬ根性論で発達障害を改善しようとしていた時期もありました。そして、息子に無理強いをさせては、それが自分に跳ね返って、ますます自分自身がイライラしてしまう、そんな悪循環に陥っていました。結局、無理解は相手だけでなく、まわりまわって自分自身をも辛い状況に追い込んでしまうのです。私は、息子を通して、「基本的に人(子ども)を変えることはできない」という当たり前のことを改めて思い知りました。相手(子ども)に自分の価値観を強いることは、トラブルと双方のストレスのもと。喜びや苦しみは現実と期待とのギャップで生まれ、相手(子ども)にできないことを求める行為は、結果、自分に対するストレスを生むことになります。■「発達障害の人のため」ではなく、「自分自身のため」にちょっと変な言い方かもしれませんが、今回の放送、「発達障害の人がより生きやすくなるために」というような道徳的な視点よりは、むしろ、「自分自身がより生きやすくなるために」という自分視点で見た方が、より幅広い方々に響くのかもしれません。発達障害は、今や40人学級で2~3人の割合でいると言われているほど。子どものクラスメイト、親戚、会社、ママ友仲間にも、障害とまではいかなくても、グレーな方を含めれば「もしかして…?」と思われる方も少なくないでしょう。もはや避けては通れない問題です。「なんであの人は、いつもあんな嫌な言い方をするんだろう?」とか「どうしていくら説明しても、あの人には話が通じないんだろう?」など、あなたが苦手に思っている人との、上手な付き合い方のヒントが得られるかもしれません。また、番組で語られる、コミュニケーションが苦手な方や生きにくさを感じている方が、自身の人生を好転させるために編み出したノウハウには、私たちの生き方にも参考になるところがあるのではないでしょうか?今回、私は、息子のためではなく、自分のためという視点で、番組を見たいと思っています。文:まちとこ出版社N【NHK 発達障害プロジェクト】超実践! 発達障害 困りごととのつきあい方放送日時:2018年4月30日(月・祝)午前8:15~9:59 NHK総合テレビMC:中山秀征さん、近江友里恵アナウンサーゲスト:栗原類さん(「あさイチ」で自分が発達障害であることを告白)ほか、発達障害のご本人(一般の方)8人と専門家
2018年04月28日「発達が気になる子のママ、仕事をしてる?」66%が”働いている”、約20%が”働きたい”という結果にUpload By 発達ナビ編集部「発達が気になる子のママ、仕事をしてる?」というテーマで2018年4月19日(木)~27日(金)に、みんなのアンケートを行い、900名以上のユーザーから回答がありました。現在働いている人は66%、働いていないが働きたいと思っている人が19%、働いていない人が15%という結果でした。みんなのアンケート「働いていない」「働いていないが、働きたい」人の理由は?出典 : %と一番割合が低かった「働いていない」場合。この理由としては、子どものサポートのために時間が取れないというものが多くあげられました。”娘が中学校に入る前まで働いていました。(中略)仕事を辞めてからは娘優先で生活できる様になって、気持ちが落ち着きました。娘に障害がなかったら仕事は続けていたと思います。””今後のことを考えると働きたいなぁ…と思いますが、息子のSTとOTで月2回、これから通院も予定してるので、息子関係でどのくらい時間が取られるのかまだ見えません。”「働いていないが、働きたいと思っている」人は約2割いました。子どもの支援や療育に通うために仕事を断念したけれど、理解してくれる職場があれば働きたい、探している、という声も多く寄せられました。”働いてたし、働く気でいましたが子どもの状態が良くなくて保育園追い出されそうで、様子見のため何も動けないです。子どもに手が掛かるのはしかたないけど、自分のやりたい事を諦めることもしたくありません。自分の人生は自分のものですしね。”その他、次のようなコメントもありました。■子どものリハビリに専念するため働くことをあきらめた。子どもの障害を理解してくれる職場があれば働きたい■子どもに発達凸凹があり、復職出来ないまま時間がたってしまったが、働ける場所があるなら働きたい■子どもが不登校。放課後等デイサービスの利用も拒否するため働けないでいる「働いている」人は66%。フルタイムやパート、家庭の事情などで仕事の形態は異なる出典 : フルタイム勤務の場合は、家族や園、支援機関などの協力が欠かせないようです。働くことで、気持ちの切り替えができているというママも多いようです。■実家の母に泊まってもらい、夜勤有の病院勤務をしているが、母も自分も体力的にきつい■保育園で加配をつけてもらったり療育を利用。夫と分担してこなしている。いろんな人の手を借りて育てたほうが煮詰まらないフルタイムは難しいが、パートで働いているという人も多くいました。■子どもに発達障害があることが分かり、常勤は無理なのでパート勤務に変更。金銭的には苦しいけれど、家庭の安定をとった■半日パート勤務。もっと働きたいが、自分に余裕がないと家庭が崩壊しそうなので自分のためにも働きたい、家計のために働かなくてはいけない、でも子どものサポートが十分とは言えなくなってしまうことで悩んでいるという声も寄せられました。”長女のさみだれ登校が続く中、縛られてしまうのは逆に良くないかとパートに出ました。(中略)長女については対応できていたのですが、LD傾向にある次女と三女の宿題が滞るようになってきて生活リズムも崩れるようになり、8ヶ月勤めたもののこの春に辞めました。(中略)家計の事を思うと本当はフルで働きたい。でも今はついてあげてサポートしてやらないと…。すごくジレンマがあります。”次のようなコメントも寄せられています。■仕事をしていることで精神の安定を得られている。でも子どものために勤務に支障が出てしまうと周りの声や視線が気になる■シングルマザーなので働かなくてはいけない。でも引きこもりの娘を1人きりにしなくてはいけなかったり、息子が自分のいないところで暴れてしまい困っているどんな働き方なら、発達凸凹の子どもを育てながら、無理せず働ける?出典 : 子どもを育てる中で、働き方を変えて、自分にも子どもにも無理ないよう調節しているという声も寄せられました。その中でも多くあげられたのが在宅ワークをはじめとする「テレワーク」です。時間や場所に縛られずに働くことで、自分らしく働く、子どもの療育などとの調整もしやすい、という利点があるようです。”自宅でグラフィックデザインの仕事をしています。ネットで受注、納品まで完結するので何かあってもすぐに対応出来るのが魅力的です。今少しずつプログラミングの勉強していて、徐々に移行していけたらなと考えています。””子どもが保育園のうちは、外でシフト勤務。職場の同僚や上司から理解が得られたので、とても働きやすかった。(中略)子どもが就学後は、在宅ワーク。収入は減ったけれど、同僚や上司に謝る必要もなく、子どもと過ごす時間が格段に増え、睡眠時間も確保できるし、育児・療育を中心にすえて生活できるのがいい。””パートですが、テレワークをしています。数年前までは働きに出ていましたが、会社の都合で勤めていた支社がなくなりテレワークを認められました。通勤や出かける準備に時間をとられないし、何より子どもを見守れるので、今の私にとってはベストな働き方です。”テレワークとは?「EmpoweredWomanJAPAN」でも提案された、フレキシブルな働き方Upload By 発達ナビ編集部アンケートへの回答にもあった「テレワーク」という働き方。これは、どのような働きかたなのでしょうか?2018年4月17日(火)、霞が関の霞山会館で「EmpoweredWomanJAPAN」が開催され、「いつでもどこでも誰でも、働き、学べる世の中へ」をコンセプトに、女性の多様な働き方についてディスカッションが行われました。その中で、テレワークについて大きく取り上げられました。テレワークとは、ICTの発達により可能になった働き方で、次の3つの特徴があります。1. いつでも(いつでも時間にとらわれずに柔軟に働ける)2. どこでも(会社に出社しなくても働ける)3. だれとでも(家族の近くで働ける、仲間とコワーキングスペースなどでも働ける)日本では現在、終身雇用が当たり前ではなくなりつつあり、転職する人も多くいます。また、少子高齢化、特に地方の高齢化が進んでいます。このような社会情勢の中、従来通りの働き方だけでない多様な選択肢があることで、さまざまな人が、ライフステージや状況に合わせて自分らしく働くことができる必要性が問われるようになってきました。このイベントでも、テレワークによる働き方や生き方の幅が広がる可能性について話し合われたり、実際にテレワークを行っている人による体験談が語られました。テレワーク化が進めば、子育て中、高齢者、障害のある人、病気療養中の人、近隣に働ける場所がない人など、さまざまな人が働くことができると言います。また、人材不足に悩む地方の企業が、遠く離れた場所に住む人材と出会い、働いてもらうことも可能になります。参考:EmpoweredWomanJAPAN(日本マイクロソフト)テレワークの意義・効果 | 総務省テレワークで働く女性の声も。テレワークプログラムについてのディスカッション日本では、約350万人の女性が、場所や時間などのさまざまな理由で働きたいけど、働けない状態でいるといわれています。一方、人材獲得に課題を感じている企業が全国で増え続けているそうです。日本マイクロソフトでは、このような状況をテレワークによって解決できないかと、テレワークプログラムを実施しています。このプログラムに参加し、地方企業に就職して在宅でテレワークを行っている入谷真紀さんによる発表もありました。入谷さんは千葉県流山市在住で、通勤時間も考えると都内での勤務は難しい、でも自宅の近くでは自分のスキルを生かして働ける場所はない状況でした。何より一番大切にしたいのは、子どもの夢をサポートすること。そのためには、自分が働くことをあきらめなくてはいけないと思っていたそうです。入谷さんは、プログラムに参加してテレワークのスキルを学び、オンラインでの面接を経て徳島県の企業に就職。テレワークでの業務なので、引っ越しも通勤も不要です。「テレワークなら自分も働きたい気持ちをあきらめなくてもいいのかもしれないと思い、プログラムに応募し、現在の仕事に就きました。テレワークで働くことで可能性が広がり、自分の仕事や生き方について考えられるチャンスがもらえた。もっとテレワークで働ける企業が増えるといいなと思う」(入谷さん)入谷さんの住む千葉県流山市は「子育てしながら働ける街に」と目標を掲げ、このプログラムに参画しています。井崎義治市長は「流山市はベッドタウン。人口増加率は全国1位です。でも、雇用はとても少ないのが現実です。起業やテレワークなどの主体的な動きを積極的に応援したい」と言います。入谷さんを雇用した株式会社ダンクソフトの代表・星野晃一郎さんからは「企業の経営戦略としても、テレワークは重要です。優秀な人材がいないと企業経営は難しい。人材のネットワークを全国規模で持っていることは重要」と、経営側からもテレワーク活用の必要性について発言がありました。Upload By 発達ナビ編集部参考:ウーマンテレワーク体験プログラム(日本マイクロソフト)『LIFE SHIFT』著者、リンダ・グラットン氏が語る、人生100年時代の働き方、学び方、生き方Upload By 発達ナビ編集部イベントでは『LIFE SHIFT』の著者、リンダ・グラットン氏の講演もありました。寿命が延び、今までのように学校を卒業したら働き、60歳で定年を迎えてリタイア…という生き方が成り立たなくなっていると言うリンダ氏。それぞれのライフステージや家族の状況に合わせて、学び、働き、育児をしたり再度学んでスキルを身につけ、また働くというフレキシブルさ(マルチステージ化)や、次のステージで活躍できる意思やスキル(変身資産)が重要になるー。「AI技術が進歩する中で、長時間ロボットのように働くというやり方は合わなくなっています。知識集約型の経済では、長時間労働は生産性が落ちます」製造業の発展の中では、長時間労働が必要とされる時代もあった。でも、これからの人間に求められているのは、考える力だろうと、リンダ氏は語ります。「人口が減少する日本で、人口の半分を占める女性が働けないのは理にかなっていません。また、男性もフレキシブルに働け、家族と一緒に過ごす時間を持てることが必要です」人間はロボットではない。今までの働き方を見直すことで、人間らしい暮らしを取り戻そう、もっと家族で過ごそうという力強い講演でした。柔軟な働き方なら、子どもに寄り添いながら自分らしく働けるUpload By 発達ナビ編集部最後に登壇した、野田聖子大臣(総務大臣・女性活躍担当大臣・内閣府特命担当大臣)は「私自身、子どもを出産したときは、テレワークで働いていた。障害のある人も含め、ライフステージに合わせて柔軟に働ける世の中にしたい。経団連などに対しても、女性の採用やテレワークの活用の推進をお願いしている」と意欲を示しました。また、7月24日はテレワークデイに設定されており、2017年度は6万人、900団体が参加したそうです。野田聖子大臣は「2018年度は、テレワークウィークとして、複数日に渡ってテレワークに取り組めるようにしたい。来年度はテレワークマンスとしたい」とも語りました。発達の凸凹がある子どもの子育ては、学校への訪問や療育・医療機関へ通う、子どもが学校に行けない時に寄り添う必要が出てくるなど、物理的に時間が必要となることも多いものです。その育児を、母親が一手に引き受けると、自分らしく働くということは難しくなりがちです。母親が時間や場所に縛られずに働ける環境はもちろん、父親もフレキシブルに働ければ、ともに子育てに関わることができます。また、人生100年時代と言われる中で、いったん子育てで仕事を離れた人や、高齢者などが再度働ける環境も必要でしょう。「電車や車で自宅から離れた職場に通勤し、決められた時間帯に働く」以外の働き方への取り組みは、少しずつですが始まっています。発達が気になる子どもを育てる保護者や、自身に障害がある人はもちろん、どんな人も自分らしく働ける世の中へと、選択肢はこれからもっと増えていくのではないでしょうか。
2018年04月27日発達障害のある子どもや家族の困りごとを解消するためにUpload By 発達ナビ編集部「LITALICO発達ナビ」では、サイトがオープンしてからの2年間で、発達障害に関するコラムの発信や、施設情報の提供などを通して、発達障害のあるお子さんや、保護者の方々の生活を取り巻く困難の解消に取り組んできました。一方で、LITALICO発達ナビの力だけでは解消出来ない困難が多いことも事実です。そこで、発達障害にまつわるより多くの困りごとを解消していくため、さまざまな分野の企業とのコラボ企画・協業を進めていこうとしています。その一環として、2018年4月19日(木)に「LITALICO発達ナビ ミートアップvol.1」を実施。ゲストスピーカーによる講演や、さまざまな企業や団体で活躍されている方とLITALICOのスタッフでのディスカッションなどを行いました。LITALICO発達ナビ ミートアップの様子をレポートUpload By 発達ナビ編集部今回のミートアップには、起業や団体などで活躍されている方27名が参加してくださいました。発達障害について、どのような特性や困りごとがあるかなどについて、学びたいという参加者も多かったため、まずゲストによる講演や、ゲストと編集長による対談で、当事者や保護者の思い、発達障害のある子どもや家族をめぐる状況などについて理解を深めていきました。白砂さんは、企業のWEBサイトのコンサルタントをされています。また、発達障害のあるお子さんを育てています。今回の講演では、プロの視点と保護者の視点から、保護者としてどのような不安や悩みを抱いたのか、どのように「LITALICO発達ナビ」に出会ったのか、そしてLITALICOワンダーに通うようになるまで、実体験をもとにお話いただきました。お子さんが発達障害だと気づかないまま、悩みながら子育てをする中で、友人に「発達障害なんじゃない?ADHDがあるのでは?」と指摘されたことがきっかけでネット検索を行い、LITALICO発達ナビの記事にたどり着いたのが、最初の出会いだったそうです。それまでは、発達障害やADHDという言葉も知らなかったそうです。世の中にはまだまだ発達障害についての情報が少なく、知識と出会うことができないで悩みを抱えている保護者も多いので「障害名ではなく、特性による行動についての記事が増えることで、より情報に接触できる人が増えるのではないか」という意見もいただきました。参考:5分で理解!オウンドメディアとは? ~事例とともに分かりやすく説明します~参考:株式会社Faber Company「発達障害のある子どもを育てるご家庭には、さまざま生活課題があります。その解決を、企業タイアップで目指そうと、いくつかの取り組みがスタートしました」と、鈴木編集長から今までに行った企画について紹介がありました。■非日常の状況でパニックを起こしやすいお子さんが、安心して空の旅を楽しめるサービス紹介の例発達が気になる子どもが安心して飛行機に乗るには?JALの子ども向けサービス活用法を徹底紹介!■服薬をしているお子さんが多く、服薬管理が大変だという声から、どのようなサービスがあるとよいかについてモニターによる意見を募集した例発達障害の薬物療法の疑問・悩みに応える情報提供を!電子お薬手帳harmo(ハルモ)×発達ナビ共同企画■多様性を踏まえたマネジメントができるよう、社員向けに研修を行った例ミュゼプラチナム×発達ナビ 発達障害への理解を深める勉強会を開催!上記以外のタイアップ企画についても紹介がありました。Upload By 発達ナビ編集部ゲストの白砂さんと鈴木編集長による対談では、どのような支援やサービスが必要かについて、会場からの質問なども受けながら話が進みました。鈴木編集長(以下、鈴木)LITALICO発達ナビと出会って、白砂さんの中で変化はありましたか?白砂さん原因が分かってすっきりしましたね。原因が分かれば、どう対応すればいいのかなども考えることができますよね。2歳前後の一番大変な頃に、どのように対応したらいいのかという情報に出会えていたらもっと楽だったろうなと思います。電車に乗るのも外食するのも無理でしたから…。鈴木現在お子さんは小学校に通っていらっしゃいますが、お出かけや外食など、社会の中で困りごとはありますか?白砂さん5歳くらいからはだいぶ落ち着いてきたので、外出できるようになってきました。ゲームが好きなので、ゲームさえあればなんとかなります。鈴木夢中になれるものが見つかったことが、困りごとの解消に役立ったということですね。白砂さんはい。夢中になれて、かつ脳によい刺激があるゲームがあるといいなと思います。息子は「LITALICOワンダー」(ロボット教室)に通っていますが、ワンダーに通うことで、得意を伸ばせる環境を整えられていると思います。鈴木では逆に、どのようなサービスが足りていないと感じていますか?白砂さんサービスというか…学校教育ですかね。息子は通常学級に通っていますが、先生1人に生徒35人で、せかせかしている息子は授業中ヒマだと言うんです。通常学級でも、子どもそれぞれの進度に合った教育ができるようになるといいなと。ーここで、会場からの質問を受けました。会場発達障害についてよく知らないという一般の人も多いと思います。どのような取り組みをすれば、発達障害についての認知が進むと思いますか。認知が進めば、小学校でも発達障害のある子どもへの接し方への理解が深まると考えられるので…。白砂さんすでにLITALICO発達ナビがさまざまな情報を発信してくれているとは思いますが…(笑)例えば、学校で配布される「コミュニケーション教室開催のお知らせ」には、発達障害という言葉がまったく載っていません。「苦手を克服しよう」という言葉が使われています。これはとても気になっていて、発達障害と言うのは隠すべきことなのかと疑問を感じています。学校でも、テレビなどのマスコミでも、きちんと取り上げたり、こうした言葉はタブーではないと、ポジティブな考えにならないと認知が広がらないのではないかと思います。鈴木発達障害がある子の特性がずっと一緒かというと、違うんですよね。それぞれのペースで発達するし、周囲の環境によっても変わってきます。かかわり方、学びやすさでも子どもは変わります。学校はもちろん、レストランや空港など、世の中のさまざまなところで、それぞれの子どもの立場に立つということが広まって欲しいと考えています。外食で癇癪を起こすにしても、子どもなりの理由がある。癇癪を起こすという行動の表面だけを見るのではなく、その背景について社会全体が理解を深める必要があるんですね。こうした、社会全体での理解の促進は、一人だけの力では難しいかもしれませんが、一人ひとりが、そしてさまざまな企業が認識し、行動することで変わっていくと、LITALICO発達ナビは考えています。そこで次に、各テーブルごとにディスカッションを行いました。あったらいいサービスや商品って?グループディスカッションで意見交換Upload By 発達ナビ編集部LITALICO発達ナビと企業とのタイアップで、発達障害のある子どものいる家庭の生活課題を解決する取り組み例を紹介した後、あったらいいサービスや商品についてディスカッションをしました。それぞれが働く企業のリソースを使ってできそうなことを出し合うグループも。最後に、各テーブルで話し合った内容について全体に共有をしました。その一部を紹介します。■発達障害への対応について親和性がある企業が単独で行動するだけでなく、親和性がある企業同士がつながって、「発達障害のあるお客さまに対して、積極的な姿勢を取る」と、社会に対してアナウンスしていくことが大切■障害のある・なしもスペクトラムで、明確な境界はない。もっとボーダレスな世の中になればいい■体幹を鍛えられる自転車を販売している。自転車の乗り方講座がペアレントトレーニングに通じる。親子で、スモールステップで取り組むことで、保護者は適切なサポートの仕方を学べ、子どもは自己肯定感を育めそう■AIやチャットボットなどのテクノロジーを活用し、子どもが得意なことを伸ばすサポートができそう■子どもの取扱説明書的なアプリがあると特性を気軽にシェアできそう■保護者自身の安全基地を作りたい。人と人をつなぐプラットフォームがあるといいさまざまな業界の参加者による提案は、どれもワクワクするものばかり。LITALICO発達ナビと企業とのタイアップで実現できることは、すぐにスタートしていきたいと感じました。LITALICO発達ナビ ミートアップは、毎月開催予定!Upload By 発達ナビ編集部こうしたアイディアを実際に社会の中に生み出し、もっと生きやすい世界にするために、LITALICO発達ナビは企業や団体の皆さんとつながり、タイアップして新しいサービスや商品を作り出していきたいと考えています。また、ミートアップなどを通じてタイアップが実現した企画についても、LITALICO発達ナビ上で発信をしていきます。LITALICO発達 ナビミートアップは、これから毎月開催の予定です。それぞれの企業や団体が持っているサービスや商品の力で、社会をもっと生きやすいものにしたい!熱意のある人たちとディスカッションをしたい!という方は、ぜひご参加ください!来月のミートアップは、5月22日(火)に開催します!5月のゲストは、ウェブマガジンgreenz.jpのビジネスアドバイサーを務める小野裕之さんです。小野さんには、「ソーシャルな課題に対して企業とメディアにできること」などについて、実際にご自身がプロデュースされた事例紹介を交えながら語っていただきます。■小野裕之(ビジネスプロデューサー)Upload By 発達ナビ編集部岡山県生まれ。中央大学総合政策学部を卒業後、ベンチャー企業に就職。その後、ソーシャルデザインをテーマにしたウェブマガジン「greenz.jp」を運営するNPO法人グリーンズの経営を6年務め、2018年、同法人のソーシャルデザインやまちづくりに関わる事業開発・再生のプロデュース機能を事業会社として分社化、代表に就任。メディア経営で培ったネットワークを活かし、社会的な事業づくりやスタートアップの育成を行う。greenz.jpビジネスアドバイザー。ジュエリーブランドSIRI SIRI共同代表。おむすびスタンドANDON共同代表。【日時】5月22日(火) 19:00-21:00【場所】株式会社LITALICO東京本社〒153-0051東京都目黒区上目黒2-1-1中目黒GTタワー16F【交通案内】東京メトロ日比谷線・東急東横線「中目黒駅」東口より徒歩1分【対象】企業にお勤めの方で、発達障害のあるお子さまや保護者さまの抱える困りごとの解決に関心をお持ちの方、発達ナビとのコラボレーション企画を希望される方【参加費】2,000円※発達ナビに会員登録されている方は1,500円【プログラム】①発達ナビのこれまでの取り組みと今後の展望紹介②ゲスト講演: NPO法人グリーンズ小野裕之さま③ゲストと編集長による対談: 発達障害の困難さに対して企業にできることは?④発達ナビとのコラボ企画を考えるワークショップ⑤参加者同士の交流・懇親会(ドリンク・軽食あり)参加を希望される方は、以下のフォームよりお申込みください。多くの方のご参加をお待ちしております!
2018年04月27日特別番組「超実践!発達障害 困りごととのつきあい方」の内容は?Upload By 発達ナビニュース2018年4月30日(月)8:15からNHK総合テレビで特別番組「超実践!発達障害困りごととのつきあい方」が生放送されます。NHKが昨年5月から「あさイチ」など10番組で展開している「発達障害プロジェクト」の一環です。特設ホームページでは、「感覚が過敏」「片付けが極端に苦手」「感情のコントロールができない」といった発達障害による困りごとの解決策を募集してきました。すると、当事者や家族などから4000通を超える体験談が寄せられたそうです!今回は、その中から多くの人が悩んでいた「感覚過敏」「片付けが苦手」「読み書き計算が苦手」「コミュニケーション」の4つのテーマを中心にピックアップ。当事者をはじめ、家族や周りの人がすぐに取り入れられる具体的な「対処法」「周囲への助けの求め方」などが紹介されます!また、「困りごと」「周囲の無理解」をどう好転させたのか、実際に経験した転機となった方法や出会いも取り上げます。発達障害プロジェクト「対処法どうしてる?」出演者がスタジオで生トーク!!視聴者の意見も募集Upload By 発達ナビニュースステジオには、モデル・俳優の栗原類さんのほか、一般の発達障害当事者の方8人と専門医などをゲストに招いて、一人ひとり異なる「困りごと」への対処法をトークします。さらに、生放送中にも視聴者からのメールやFAXを募集。リアルタイムで「どうすれば困りごとを解決できるか」「どうすれば人生は楽しくなるか」などを話し合います。事前にホームページでも体験談や意見を募集しています。あなたも「こんな工夫をしてみたらうまくできた」「周りの人にこうしてもらえたらもっと助かる」といった声を送って番組に参加してみましょう。Upload By 発達ナビニュース番組にたくさんの意見が集まることで、より内容の濃いトークが聞けそうですね。これまで、困りごとを誰にも相談できずにいた人も、番組から改善の糸口が見つかるかもしれません。当事者の方だけでなく、身近に困りごとがありそうな人に心当たりがある人も、参考にしてみませんか?【番組名】NHK総合テレビ特別番組「超実践!発達障害困りごととのつきあい方」【放送日時】2018年4月30日(月)8:15〜9:59【出演者】MC:中山秀征、近江友里恵、ゲスト:栗原類ほか、一般の発達障害の当事者8人、専門家「困りごとのトリセツ(取扱説明書)」も一読を!Upload By 発達ナビニュースこのプロジェクトでは「困りごとのトリセツ」と題して、発達障害のある人が感じやすい「困りごと」を整理・解説し、当事者や周囲の人の体験談、要望を集めています。毎週金曜日に情報が更新され、多くの意見が掲載されています。30日の特別番組の予習・復習として目を通してみてはどうでしょう。また、投稿に参加することで、同じ悩みを持つ人の困りごとを軽くすることもできるかもしれません。
2018年04月25日発達障害への薬物療法は向き合い方がポイント!出典 : 発達障害の特性によって、家庭生活、学業、友人関係に支障をきたしてしまう…そんな子どもに対しては、さまざまな支援や医療的なケアを利用することができます。その中で、親として最も判断に迷うものに、薬物療法が挙げられるのではないでしょうか。薬物療法を始めても、「薬物療法が本当に良い決断なのか、子どものためになるのか」「副作用などでかえって子どもを苦しめてしまわないか」など、迷いや不安があるのは当然だと思います。薬物療法に対しては、さまざまな考え方や意見があります。中には判断に迷う情報もあるでしょう。そんな中大切なのは、不安な気持ちのまま薬物療法を進めるのではなく、疑問を解消して自分なりに「薬との向き合い方」を考えていくことです。そこで今回、「薬との向き合い方」を考えるうえで感じることの多い不安や疑問を、発達障害や子どもの薬物療法に詳しい、名古屋大学医学部親と子どもの心療科准教授の岡田俊先生にお聞きしました。その答えを一問一答形式でご紹介していきます。【Q.1】薬を飲むメリット・デメリットって?出典 : 前提として、発達障害を根治したり、その特性を消失させるような薬物療法はありません。薬物療法では、発達障害の特性の一部・発達障害のある子どもに伴うことの多い症状を軽減させることができます。例えば、注意欠如・多動性障害(ADHD)の子どもに見られる、不注意や多動性-衝動性が薬によって緩和されたり、自閉症スペクトラム障害(ASD)の子どもに多く見られる、かんしゃくやこだわりをやわらげたりすることに効果があります。これらの薬物療法の効果によって、その子の生きづらさが軽減されるだけでなく、親や教師がより適切なかかわりをしやすくなることもあるでしょう。薬に関する副作用や、それに伴う安全性への懸念は、多くの方が感じていると思います。ですが副作用は、どの薬にもあるものです。例えば、ADHD治療薬によって、いらだちが強まったり、こだわりが増強したりするほか、食欲の低下などの副作用が見られる子も少なくありません。また、ASDに対する抗精神病薬の使用で、眠気が増す、そわそわとした感じが出現する、月経不順、体重増加といった副作用が現れる子どももいます。あらかじめ子どもが飲む薬の副作用にはどんな症状が考えられ、万が一起きた時はどう対処すればよいのかを把握しておくことが大切です。以上のことを踏まえ、薬物療法においては、常にメリットとデメリットを天秤にかけて検討することが大切です。何を目標として薬物療法を受けるのかを、明確にしておく必要があります。発達障害の治療に関して、薬物療法が唯一の治療法ではありませんし、薬物療法によって改善しうる症状は、その子の抱える問題のほんのわずかな部分に過ぎません。・他の治療に比べて薬物療法を実施するメリットがあるのか・その他の治療と組み合わせることで相乗効果が得られるのか・薬物療法をいつまで続けるのかこの3点を中心に考えながら、薬物療法を進めることが重要です。【Q.2】薬物療法って、途中でやめられるの?出典 : 精神科の病気に用いられる薬には、一度服用すると、再発を予防するために薬物療法を続ける必要があることがあります。そのイメージが強いためか、発達障害の薬物療法でも「一度始めたらやめることができないのでは?」と考えている親御さんが少なくありません。確かに、子どもの様子を見て、薬の力が継続的に必要であれば薬物療法を続ければよいでしょう。しかし、薬物療法の標的となっていた症状がすでに改善しており、薬物療法を中止しても、概ねその状態が維持できるのであれば、薬物療法を続ける理由はありません。そのためにも、どんな症状を標的として薬物療法を開始したのかを明確にしておくことが、不要な薬物療法を漫然と継続しないためにも大切なのです。服薬を継続することのメリットやデメリットは、子どもであっても感じ取っているものです。親御さんの意見だけでなく、その子の服用感を大切にしながら、継続を検討していくとよいでしょう。【Q.3】薬物療法に対する意見が周囲と合わない時、どうすればいい?出典 : 薬物療法を巡って、子ども本人、親御さんにも迷いがある場合も少なくないのですから、ご家族の意見が一致しないことがあるのも当然のことです。自分の中でようやく決心に至ったのに、家族の意見で、また気持ちが揺れ動いてしまい、煩わしいと感じることもあるかもしれません。賛否を議論していても、何も決まりません。それよりも、現在の状況について、どのように考えているのか、服薬に際して何を期待し、何を心配しているのかを明確にすると、意外に対立点はないはずです。また、家族は薬物療法を開始したいという気持ちで一致しても、当の子ども自身が納得しないことがあります。あなたや周囲の大人がいかに困っているかを話して薬物療法の同意を取り付けようとする前に、子どもが薬に抵抗する理由を聞いてみると、「薬を飲むと自分が変わってしまうように感じる」「薬をのむと自分が病気であることを認め、どこか負けたように感じる」「とにかく特別なことはいやだ」など、その子ならではの理由があるものです。その背景には、発達障害をどのように受け止めているか、発達障害とともに育ちゆくことにどのような経験や思いを重ねているかなど、さまざまな認識が影響しています。薬を飲む・飲まない、ということから離れて、そういう思いの一つひとつを時間をかけて扱うことが大切でしょう。【Q.4】セカンドオピニオンを受けることも有効?出典 : セカンドオピニオンは、かつては「主治医の診断や治療方針に納得がいかないときに受ける」というような印象があり、患者の側も遠慮しがちに希望を申し出ていたところがありました。しかし、今日では、セカンドオピニオンは、安心して医療を受けてもらうため、医療側から見ても歓迎すべきプロセスとなっており、大学病院などでは重要な役割となっています。発達障害の診断は、その特性の程度により、どこから診断閾値を超えていると考えているか、医師によって若干異なることも考えられます。また、発達障害の場合、薬物療法を行うか否かは、診断の有無よりも、現在の状況を改善するためにどのような工夫が可能かという見立てによることが多いです。そのため、これまでの子どもの経過を最も知る主治医が適切な提案をできるとは思いますが、セカンドオピニオンで別の医師の意見を求めることも有益なことがあります。いずれにしても、発達障害の診療にあたる医療機関は限られています。そのため、通院中の医療機関に安心してかかるための工夫の一つとして、セカンドオピニオンも位置づけるとよいでしょう。【Q.5】子どもに対して、服薬をどう伝えればよい?出典 : まず、前提として、服薬の説明にしても、障害の告知にしても、親御さんのみで進めるのは避けましょう。障害の告知は、本来、その子の得意なところや苦手なところなど、子ども自身がさまざまな特性について自己理解を進めるうえで行われます。また、障害告知に関しては、単に障害名が伝えられるだけでは不十分です。その障害特性を踏まえて、直面している問題について可能な工夫を考えたり、新たな問題が生じても、そのことについて医師や学校の先生、家族と一緒に取り組んでいってもらえる安心感のある状況の中で行われたりする必要があります。薬物療法の提案も、その工夫の一つの方法として提案されることが大切です。服薬を説得するために告知をする、というのは、大きなマイナスの結果をもたらす可能性があります。もし、子どもへの伝え方が、1. その子どもが抱えている問題が現状では解決できない2. 解決できない理由はその子のもつ発達障害にある3. そのために薬物療法が必要であるこのような順序になると、「薬物療法を受け入れる=周囲とさまざまな問題を抱える発達障害特性がある」ということを、子どもに受け入れるように迫るということになり得ます。発達障害だから問題と直面せざるを得ないわけでも、発達障害だから服薬をしないといけないわけでもないのです。ですので、服薬のために障害を告知するというタイミングはよくありません。このノウハウは、医師がさまざまな経験のもと蓄積していますので、医師に任せて、親はどのようにそのプロセスに参加すべきか相談していくのがよいでしょう。出典 : その子どもの年齢や能力などを踏まえ、その子に応じた説明を行い、同意を得る必要があります。未成年の場合には、薬物療法の実施にあたり、保護者の同意(インフォームド・コンセント)が必要になりますが、親だけが納得していても子どもは服薬してくれませんし、同時に子どもの思いや決断も尊重する必要があります。そのために、その子の理解力に応じた説明を行い、同意(アセント)を得る必要があります。しかし、アセントを取得するにあたって、どのような説明を行うかは、医師の裁量に委ねられており、そこはその子の理解力を踏まえた医師としての力の見せ所ともいえる一方、そのような説明のもとに行われたアセントが本当に同意といえるかは悩ましいところでもあります。そのような説明と同意の現実をまず踏まえておくことが大切でしょう。その子の困りごとを整理し、その解決に薬物療法がどのように役立ちうるかと、薬物によって生じうる副作用を伝え、薬物療法を希望するかどうかについて子どもと話し合うことになります。その子の困りごとは、その子の視点からみた困りごとでなければなりません。「友達と仲良くなりたいと思っているのに、ちょっとしたことでキレてしまい、けんかになってしまう」「お母さんのことは好きなのに、早くしなさい、といわれるとかっとしてしまい、思わず物を投げてしまう」…これらのことに対して、本人ができる工夫、周囲ができる工夫など、いろいろあると思います。それらを行ってもうまくいかない時に、薬にも助けてもらうかどうかが話題になるわけです。薬には助けてもらうだけで、結局大切なのは本人の努力や工夫です。もし、薬物療法がとても有効であっても、薬ではなく、その子どもの頑張りを褒めてあげることが大切です。【Q.6】子どもの成長につれて、薬を拒否するようになったらどうする?出典 : 薬は対症療法にすぎませんから、その標的とした問題が解決すれば、中止を試みることになります。このような試みは、必ずしも医療主導とは限りません。ご本人やご家族の判断で、週末はやめてみた、長期休みなので飲まなかった、飲み忘れた日があったが問題なかった、など、いろいろなパターンがあります。一度、中止をしてみて、服薬を続けることのメリット、デメリットを再確認するのはよい方法です。服薬開始時点で、「何歳になったら卒業、薬に頼るのをやめよう」などという提案をされたという親御さんの話も聞きますが、このような表現は、薬を使用することが何かよくないことのような響きを持ってしまいます。本当に必要な薬であれば続けたらよいですし、現実には、そのような限界を設定しなくても、その年齢の前にやめてみようという試みが、ご本人やご家族からあることの方が多いものです。子どもが急に薬を飲むのを嫌だと言い出した、というケースもあります。その時には、なぜと問い詰めるより、その思いになったきっかけを確認することが大切でしょう。自意識が高まって「人と違うことはいやだ」と思うようになったのかもしれませんし、「何に対して自分は薬を飲んでいるんだろう」と思い、障害の受容をめぐって揺れ動いていることもあります。その場合、薬の服用については、本人の思いを尊重していったんやめてみることが多いです。ですがそのことよりも、そのような子どもの心の揺れ動きについて、診察のなかで扱うことが大切です。最後に、大切なことは、医師が服薬を薦め、子どもがそれに従う、という関係ではなく、薬物療法を含め、さまざまな話題を医師・親・子どもで一緒に考えていけるような関係性です。そのような関係性のもとでは、服薬をやめたいと思う、といったこともオープンに話し合えます。医師の処方通りに服用していないことがあるのは、医療全体にいえることです。しかし、抗うつ薬のように自己中断が離脱症状をもたらす薬もあります。「医者に通うこと=薬をもらうこと」ではない治療関係であれば、薬をめぐるオープンな話し合いができ、服薬の中止についても医師との相談のうえで、計画的にすすめていくことができるでしょう。まとめ出典 : 親としては、自分の子どもが一定期間にわたって薬を服用することに対し、どうしても不安やためらいを感じずにはいられないと思います。薬物療法の開始を決定した後でも、子ども本人にどう伝えるか、周囲とどのように意見をすりあわせていくかなど、さまざまな悩みが生まれることでしょう。あくまでも薬は対症療法の1つであり、メリットだけでなくデメリットもあります。薬を飲むことがどのような意味をもつのかを基準に考えることが重要です。また、薬を使うことは他の支援方法を諦めるということではなく、常に並行して考えていく必要があります。その子が発達障害とともに育つ、そして発達障害のある子を育むという歩みの中で、医療とどう付き合い、利用していくのか、こういった視点の中で、自分なりの薬に対する向き合い方を考えていきましょう。
2018年04月09日発達が気になるお子さんや、障害のあるお子さんがサポートを受けることができる場所である、「放課後等デイサービス」や「児童発達支援事業所」。発達ナビでは「施設情報」のコーナーから、お住まいの地域の教室を簡単に探すことができます。また、各教室の特徴や、利用者の声も合わせて知ることができるので、お子さんにぴったりの教室を探すことができます。今回は、大阪府で情報をアップデートしてくださった教室をピックアップ!気になる施設を見つけたら、「ページを見る」をクリックして、詳しい情報をチェックしてみてくださいね。発達ナビ「施設情報」大阪府 放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報放課後等デイサービス サニーは、五感に働きかけるプログラムを通して、自己効力感を高め将来の可能性を拡げる支援を実施。管理栄養士によるクッキング教室やワークショップ等を毎月実施し、2月からはロボットプログラミング教室も開講しています。Upload By 発達ナビ施設情報運動療育のはじめのいっぽは、40種類以上のプログラムの中から一人ひとりにあった選択のできる運動サポートを行っています。小集団で思いっきり身体を動かし遊ぶことで、子どもたちが本来もっている力を引き出すように努めていきます。Upload By 発達ナビ施設情報めだか千代崎は、知育学習や体験学習などを通して、日常生活における基本的な動作の指導、集団生活への適応訓練を行っています。また中高生へは、就労準備の支援・訓練もあわせて実施しています。Upload By 発達ナビ施設情報歯科のサポートも行なっているアイオライトは、子どもたちの自然な行動を通して、発達を促していく支援を実施。また、目で捉えたものを脳で処理し体を動かすことで身体機能を高めるトレーニングも行っています。Upload By 発達ナビ施設情報ばうむくうへんでは、たのしいこと・やるべきこと・みんなでいっしょにやるべきことなど、日常生活でのメリハリや社会性を養いながら充実した生活を送れるよう支援・指導しています。特に、ソーシャルスキルトレーニングや個々に合わせた学習支援に力を入れている教室です。Upload By 発達ナビ施設情報風・福祉会は、ソーシャルトレーニングに力を入れており、お買い物や図書館での学習支援を通して日常生活に必要なマナーを身につける支援などを行っています。教室内には駄菓子屋が設置されており、楽しくお釣りの計算の練習をすることができます。大阪府の「放課後等デイサービス」を探す!大阪府 児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報ウキウキあーるさやま教室は、個別学習支援のほか、買い物支援や調理実習などを通じて子ども達が将来自立して生活できることを目指しています。一人ひとりに役割を持ってもらい、社会性を身につけられるよう支援を行なっています。大阪府の「児童発達支援事業所」を探す!おわりに出典 : いかがでしたか。気になる施設がありましたら、「~のページを見る」のボタンを押してみてくださいね!教室の先生たちが書いているブログや、利用者の方が投稿した口コミなどを見ることもできます。「空き状況を知りたい!」「教室見学をしたい!」と思ったら、WEB上からもお問い合わせを行うことができますので、ぜひ試してみてください。今後も掲載数がどんどん増えていきますのでお楽しみに!
2018年02月06日思春期を迎える発達障害の娘。心身の変化、どう伝える?出典 : 発達障害のある女の子は、特性ゆえの困りごとや、女の子ならではの困りごとに悩んでしまうことがあります。特に思春期を迎えると、心身の変化や、異性・同性の付き合い方の違いに戸惑いを感じてしまうことが多くあります。そのため、母親や祖母などの身近な女性が、子どもの特性に合わせて、心身の変化への対処法や必要性を教えたり、交友関係での困り感をサポートすることが重要です。一方で、きちんと教えなければいけないと分かりつつも、デリケートかつプライベートな思春期の諸問題を、どう伝えるべきか迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。また、年ごろの子どもには聞き入れてもらえない場合もあるかもしれません。加えて、発達障害のある子どものなかには、特性として、抽象的な話し方が理解しにくい子や、視覚優位の子もいます。そのような場合、口頭で教えてもうまく伝わらない場合があります。そこで今回、女の子の発達障害や第二次性徴、性教育が取り上げられていて、思春期を迎える女の子のサポートに役立つ本をご紹介します。特性がある子どもにとっては、本の文章や図、イラストの方が、口頭で説明されるよりも理解しやすいかもしれません。これらの本を通して親が思春期の子どもについての理解・知識を深める、本を親子で一緒に読んでみる、本を子どもに手渡してみるなど、活用してみてはいかがでしょうか。保護者が発達障害のある女の子を理解するのに役立つ本出典 : はじめに、発達障害の女の子がいる保護者が、女の子の発達障害の特徴や、思春期を迎えた際のサポートを学べる本を2冊ご紹介します。そもそも発達障害とは何なのかという基礎情報に加えて、女の子ならではの特性について分かりやすく解説しています。女の子に多く見られる特徴や、女の子ならではの困りごと(友達関係、身だしなみなど)についても詳しい原因や対処法を紹介しています。乳幼児期から思春期まで網羅されているので、子どもがどの年齢でも役立つ情報が得られる一冊です。この本では、自閉症スペクトラム障害の女の子が、思春期を迎えて困ってしまいがちな、生理との向き合い方や生理用品の使い方、胸の発達に合わせた下着の選び方、性に対する考え方に関して、実例をまじえながら説明しています。特性に合わせた実践サポート術が豊富に紹介されているので、生理や下着、性に関することを教えるときに非常に役立ちます。また、自閉症スペクトラム障害のある女の子は、先のことが想像しづらい、予期しないことが起きるとパニックになりやすいといった場合があります。そのため、思春期を迎える年ごろの女の子がいる親御さんはもちろん、将来に備えて低年齢のお子さんの親御さんが読むこともおすすめです。これから子どもに起こり得る変化をあらかじめ把握し、いつどのように教えていくかを考えるきっかけにもなる本です。発達障害の女の子が思春期を迎えたときに読んでほしい本出典 : 続いて、思春期を迎えた発達障害の女の子向けに、自分や周りの心身の変化などに関して知ることに役立つ本を4冊ご紹介します。この本を手に取ると、自分にはどんな特性があり、それがどんな困りごとをもたらしているのかを把握できます。また、親には聞きにくいけど知りたい体の変化や、心の変化に伴う異性・同性との付き合い方、性に関することを自分で情報収集することが可能です。親子で一緒に読むのも良いですし、子どもにそっと渡してみるのも良いでしょう。この本は、自身も29歳でアスペルガー症候群と診断を受けた当事者であり、現在は自閉症の研究に従事する女性、デビ・ブラウン氏によって書かれた本です。主に著者よりも若い思春期の女の子たちに向けて、恋愛や性のこと、またそれに伴う危険から身を守る方法について、丁寧に述べられています。性や恋愛に関することは、通常すみずみまで教えられることは少なく、同世代の友達との会話やドラマ・漫画などからの情報収集、実体験から自然に把握・習得することがほとんどではないでしょうか。ですが、自閉症スペクトラム障害、アスペルガー障害の女の子たちは、この「自然に把握・習得」していくことが苦手な傾向があります。そのため、性や恋愛で悲しい思いや危険な目に遭うことが多いといいます。なかなか説明しにくい性・恋愛のことや、そこからくる危険や辛さから身を守り、癒す方法をこの一冊を通して伝えてみてはいかがでしょうか。こちらは女の子の体の変化について詳しく学べる、ワークブック式の本です。自分の体がどのようになっているのか、どう変わっていくのか。そして、徐々に女の子から女性になっていく中で、どんなことに気をつけるべきなのか、具体的に学ぶことができます。また、この本には「着せ替えふろく」もついており、女の子の体の仕組みと思春期を迎えるにつれて現れる変化を、手を動かしながら理解することができます。アスペ・エルデの会/著『おとなになる女の子たちへ』アスペ・エルデの会このハンドブックは、知的障害の方の支援を行う「全国手をつなぐ育成連合会」が出版した、主に性行為に関して取り上げたものです。子どもが読んでも理解しやすい表現で、親の口からはなかなか説明しにくい性に関することが書かれています。男女の体の仕組みから、性行為が遊びではないこと、重要なことであるという内容が分かりやすくまとめられています。支援者向けの解説も記載されているので、子どもに性のことをどう説明すればよいか分からないという親御さんも手に取ってみると、参考になるかもしれません。全国手をつなぐ育成連合会/著『自立生活ハンドブック16性・SAY・生(せい・せい・せい)』さまざまな発達の遅れで、性に関する理解が難しい子ども向けに、男女の体の仕組みや性行動、性的人権などについて、分かりやすい文章とイラストで解説されています。子ども1人でもある程度読むことが可能な本ですが、内容が盛りだくさんなので、「まずはこの部分を読んでみて」など、親が特に読んでほしい部分を事前に話して渡したり、付箋を貼ったりするなどして気軽に読めるように工夫してあげるのもよいでしょう。この本は、発達障害の女の子に特化しているわけではありませんが、女の子に訪れる心と体の変化について、漫画形式で説明されています。生理の始まりのような体の変化や異性への興味など、親から直接教えにくいことが、読みやすく優しい語り口と、かわいらしいイラストによって、子ども1人で読んでも理解しやすくまとまっています。また、同じ著者から『15歳までの女の子に伝えたい自分の体と心の守り方』も出版されています。子どもの年齢にあわせて選んであげるとよいでしょう。大人になったらどうなる?女性の発達障害が分かる本出典 : 発達障害の女の子がいる親御さんの中には、「この子が大人の女性になったとき、どうなるのだろう」「就職や結婚、子育てなどできるのだろうか」など、子どもの将来に関して漠然とした不安を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。わが子が女の子から女性になるとき、どんなサポートが必要なのか…発達障害の女性を対象に書かれた本を手に取ってみるのも、子どもの将来をイメージするうえで、重要なヒントになるかもしれません。発達障害の女の子は、男の子より問題行動が現れにくく目立たない、という特徴があるため、子どもの頃に発達障害だと気づいてもらいにくいことが多くあります。そして成長し、成人になると就職や結婚、子育てといったより複雑で高度なスキルや社会性を求められるようになり、ますます生きづらさや困りごとを感じてしまう女性が少なくありません。このタイミングで医師やカウンセラーに相談し、自身が発達障害だと分かることも多いようです。この本では、冒頭に「家事ができない」「子育てが苦手」「男性との距離感が分からない」「仕事がうまくいかない」といった、具体的な生活の場面における困りごとが紹介されています。この部分から、「大人になるとこんなシーンで困ることがあるのか」と納得したうえで、読み進めることができます。このような困りごとの対処法はもちろん、女性ならではの発達障害の特徴や幼児期から老年期までの特徴も網羅されています。ADHDの特性がある、働く女性を主人公にした一冊。漫画形式なので、スムーズにストーリーを追うことができ、読み終えるころにはADHDの特性とそのサポート方法が理解できるようになる本です。仕事の「困った!」、片付けの「困った!」、感情・体調の「困った!」の章には、共感できる方も少なくないと思います。ADHDのある女の子を育てる親御さんにとっては、子どもが就職し、一人暮らしをする場面でどんな困りごとが起こるのか、イメージするにも役立ちます。この本は、40代になって発達障害の診断を受けた星野あゆみさんが、社会生活を送るうえで感じた困惑と、折り合いの方法を自ら語る内容になっています。転職を繰り返しながら、仕事や生活のさまざまな困りごと・生きづらさと向き合ってきたエピソードは、女の子の親御さんにとっても参考になること間違いなしです。エピソードは漫画形式で紹介されているので読みやすく、また漫画のイラストは「発達ナビ」でもおなじみの、かなしろにゃんこ。さんが担当されています。気軽に手に取れる一冊ではないでしょうか。まとめ出典 : 「発達障害って何?女の子と男の子でどう違うの?」「思春期の女の子への性教育、子どもの特性に合わせて行うには?」「娘は将来どんな女性になるのだろう?」など、発達障害の女の子を育てる親御さんは、さまざまな不安を抱えていることと思います。また、女の子自身も、成長するにつれて「どうして周りの友達みたいに普通のことができないんだろう」「どうして友達がなかなかできないんだろう」「体の変化に戸惑い、誰かに相談したいけど恥ずかしい」というような悩みを抱えることもあります。そんな親子それぞれの不安を解消する方法の一つとして、この記事で紹介したような本を一緒に読んでみたり、子どもに手渡してみたりすることをおすすめします。ぜひ、気になった本を手に取り、親自身の女の子の発達障害の理解や、自分の成長に戸惑う女の子のサポートに役立ててみてください。
2018年02月01日『子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方』著者の立石美津子です。みなさんは、「就学猶予(就学義務の猶予)」という制度についてご存知でしょうか?これは、病気などの理由で、就学年齢になったけれど小学校入学が難しい場合に、治療・療養をし、教育を行けられる状態になるまで入学を遅らせることができる制度です。ですが、持病はないけれど子どもの発達が遅い場合に、この制度を利用し、1年間しっかり訓練して周りの子ども達と同じようにできるようになってから小学校に入学させようと考える保護者さんもいるようです。つまり、1つ下の学年の子ども達と一緒に小学校に入学するのです。私自身にも、自閉症の息子がいますが、自閉症のある子どもの家庭がこの制度を活用することに、疑問を感じています。1年間しっかり訓練してようやく追いついたとしても、入学後に同級生と同じようにできるでしょうか?また、子どもはつらい思いをしないでしょうか?「就学義務の猶予」とは?出典 : そもそも、「就学猶予」って何?特に持病がない自閉症児の場合でも使えるの?と疑問を持つ人もいらっしゃると思うので、まずこの制度について説明したいと思います。日本では明治時代の中期ごろから義務教育の基盤が出来上がり始めました。でも、当時は障害のある児童が学校で義務教育を受けるための環境はほとんど整備されていませんでした。そのため、障害のある子どもの保護者は「就学義務の猶予又は免除」を受けることとなり、結果として、障害のある子どもたちは教育をほとんど受けられませんでした。つまり就学義務の猶予や免除は、その制度の確立当初、重い障害がある子どもが義務教育を受けられない場合に利用されてきたのです。1970年代に養護学校(現・特別支援学校)が義務化され、特殊学級(現・特別支援学級)も増設されました。これ以降、就学猶予や免除を利用する必要のある家庭の数は大幅に減っています。つまり、障害があっても、学校に通える子どもが増えたのです。ちなみに、就学義務が猶予や免除される事由については、次の通りです。日本国民に対して、この就学義務が猶予又は免除される場合とは、学校教育法第18条により、病弱、発育不完全その他やむを得ない事由のため就学困難と認められる場合とされています。ここでいう「病弱、発育不完全」については、特別支援学校における教育に耐えることができない程度としており、より具体的には、治療又は生命・健康の維持のため療養に専念することを必要とし、教育を受けることが困難又は不可能な者を対象としているところです。参考URL:文部科学省|養護学校の義務制実施への道発達が「ゆっくり」と「凸凹」の違いは?出典 : ある幼稚園の園長先生が、発達障害児を育てている保護者に、何気なく次のような言葉をかけていました。「発達がゆっくりなのだから、焦らないで、のんびりと長い目で見て育てましょう」園長先生が意図して言ったわけではなくても、親御さんの中にはこの言葉で誤解してしまう人もいます。「ゆっくり」という表現には、兎と亀の昔話のように、歩みの遅い亀でも地道に努力して頑張れば…・必ずゴールに到達する・いつかは追いつくというニュアンスを私は感じます。「マラソンでゆっくり走っていても、途中棄権することなく完走すれば、いつかは皆と同じゴールに達する」と解釈して、「頑張らせれば、いつかはほかの子と同じことができるようになるだろう」と考える方もいらっしゃるでしょう。もちろん、ゆっくり発達し、障害のないお子さんに追いつくお子さんもいるかもしれません。でも、発達障害のある子どもは、能力のバランスや凸凹が大きいことが多く、単に「ゆっくり育つ」というのとは少し意味が違うのではないかと、私は考えています。1年遅れで、子どもを小学校に入学させた知人の選択出典 : 年以上前の話ですが、私の知り合いの自閉症児の保護者がこの制度を利用して、子どもに幼稚園の年長クラスを2年間経験させてから、小学校へ入学させました。自閉症以外「病弱である」などの遅れはありませんでした。知人は「年長さんを2年も経験すれば、ほかの子と同じことがきっとできるようになるに違いないわ」と言っていました。当時は自治体によってこの制度が自閉症児にも一部適用されていたようです。特別支援学校のことを養護学校、特別支援学級のことを特殊学級とまだ呼んでいた時代で、発達障害とかアスペルガー症候群の言葉もまだ理解されていなかった時代でした。その知人の選択を否定するつもりはありませんし、実際に1年遅らせることでできることが増える部分もあったかもしれません。でも、同じく自閉症のある子どもを育てる親である私は、心の中で「1年遅らせたからといって、同級生と同じようにできるようになるのだろうか…?」とも思っていました。特別支援教育についてありのままに受け入れ、子どもに合う教育を選ぶことの大切さ出典 : 特別支援教育が浸透している現在では、自閉症があることだけを理由に、就学猶予が認められることはそれほど多くはないようです。でも、幼稚園や保育園や療育関係者から「お子さんは発達がゆっくりなのですね」と言われると、「うちの子は少し発達がゆっくりなのだ。だから1年遅らせてその間に頑張らせれば、何とか追いつくだろう」と考え、この就学猶予を検討する人もいるかもしれません。発達がゆっくりであることと、凸凹があることとは、違うのではないかと思います。まず、「子どもに合った教育は何か」「その選択は、子どもに無理をさせすぎはしないか」ということを考えてほしいと思います。そのうえで、通常学級か特別支援学級か特別支援学校かを吟味するのがよいのではないでしょうか。保護者が子どもを「ありのままに受け入れる」ことは、子どもの育ちにとって、とても大切なことです。「できるだけ健常児に近づけよう」とすることは、保護者の願いであって、子どもに必要な環境や学びとは重ならないかもしれない。ありのままを受け入れたうえで、子どもにとって最適な道を選択をしていってほしい、私はそう願っています。
2018年01月30日いつでも、どこにいても、子どもの発達について学び支え合える場所をつくりたいー2周年を迎えた発達ナビのこれまでとこれからUpload By 鈴木悠平(発達ナビ編集長)「私の住んでいる地域には、支援を受けられる施設も少ないし、発達障害の親の会もないんです。LITALICOはいつになったらうちの地域にも教室を出してくれるんですか」このような声をいただいたのが、「LITALICO発達ナビ」をはじめたきっかけのひとつでした。発達ナビを運営するLITALICOは、子どもの発達をサポートする教室「LITALICOジュニア」を関東・関西にて運営していますが、まだまだ全国各地に教室を出すには至っていない状況です。それでも、全国各地には困っている子どもたちや保護者の方々がたくさんいる。教室は出せなくても、なんとかサポートすることはできないだろうか。インターネットなら、場所や時間を問わず情報を届けることができるし、ユーザーさん同士で交流や情報交換をすることもできる。全国どこにいても、子どもの発達について学び支え合えるコミュニティをつくりたい。そんな思いから、「みんなでつくる発達障害ポータルサイト」として、LITALICO発達ナビは始まりました。2016年1月26日にリリースし、本日がちょうど、2周年の節目となります。いまでは、月間約240万人の方に訪問していただけるようになり、また会員登録ユーザーさんの数も10万人を超えました。この記事では、発達障害を取り巻くこの2年での社会の変化や発達ナビの歩みを振り返ると共に、サービスの今後の展望と、ユーザーの皆さんにサービスを届ける上での運営スタッフの思いをお伝えできればと思います。高まる社会の「発達障害」への関心。より深く、よりきめ細やかな情報を届けるには?出典 : 年は、NHKが番組横断での通年企画として実施した「発達障害プロジェクト」をはじめ、これまで以上に、さまざまなメディアが「発達障害」に注目した情報発信を行った年であったように思います。比例して、世の中の人々が発達障害に関連したキーワードでインターネット検索をする頻度も大きくなり、発達ナビに訪れる人の数もますます増えていきました。プレスルーム: 5月21日(日)放送 NHKスペシャル「発達障害~解明される未知の世界~」の制作にLITALICOが協力しました。発達ナビに限らず、多くのメディアが発達障害を取り上げるようになったことで、少しずつ、発達障害に対する認知は広がってきているように思います。一方で、発達障害と一口にいっても、一人ひとりの特性は千差万別です。特性の凸凹の大きさ、診断の有無、どのような環境にいて、どのような支援を必要としているか…「発達障害だから」と十把一絡げにするのではなく、一人ひとりの「ちがい」を踏まえたかかわりあいが何よりも大切です。実際に子育てをしている保護者の方々、ご自分の発達特性に悩まれる方々に対して、一般論に留まらない、具体的で参考になる情報をどのように届けられるか。他のメディアではカバーされない、発達ナビだからこそできる情報発信はどのようなものだろうか。そんなことを議論しながら、2年目の発達ナビでは、さまざまな新しい取り組みを行いました。たとえば「コラム」コーナーでは、基礎情報や体験談だけでなく、より深く専門的な解説や、実際の保護者・当事者の多様な声を取り入れながらの特集を企画していきました。自分の子どもに合った発達支援施設を探し、問い合わせができる。「施設情報」のリニューアルUpload By 鈴木悠平(発達ナビ編集長)また、「コラム」を中心とした情報発信だけでなく、全国各地で、困っているご家庭が必要な支援につながりやすくなるための機能の開発にも取り組んできました。昨年の大きな変化としては、「施設情報」コーナーをリニューアルし、全国の発達支援施設の検索・比較や問い合わせができるようになりました。発達が気になる子ども向けの通所施設「児童発達支援事業所」や「放課後等デイサービス」は、行政の認可を受けて運営される施設のため、お住まいの自治体の役所に行けば、近隣にある施設表などを受け取ることはできます。しかし実際は、一つひとつの施設には違った特色があり、さまざまな方針やプログラムで支援が提供されています。また、近隣の施設に空きがあるかどうか、見学が可能かどうかも、保護者の方が問い合わせをするタイミングによってまちまちです。そういった施設ごとの詳しい特徴や現在の運営状況までは、自治体への問い合わせでは確認することが難しいのが現状です。発達ナビでは、施設を運営する事業所の方々にもヒアリングを重ねてきましたが、具体的な運営情報を保護者へと届ける方法に困難を感じているという声も少なくありませんでした。そこで、「子どもの発達を応援したい」という発達支援施設と、「自分の子どもにあった施設を見つけたい」という保護者をつなぐサービスとして、「施設情報」の機能拡充を行いました。発達ナビと掲載契約をしてくださった施設のページでは、より詳しい運営情報、写真やブログ、問い合わせボタンなどが表示され、保護者の方々がより具体的な情報収集をし、自分の子どもを通わせる施設の比較検討・問い合わせができるようになっています。(掲載契約をしていない施設についても、自治体に登録されている全国の基礎情報を掲載しています)発達ナビ「施設情報」はこちらからUpload By 鈴木悠平(発達ナビ編集長)発達ナビに詳細情報を掲載いただいている施設数は、2018年1月26日現在、450施設以上となりました。今後も引き続き、多くの施設の方に発達ナビ上で情報発信をしていただけるよう、全国の施設の方々と交流を重ねていきたいと思います。※発達ナビへの掲載を希望される施設運営者の方は、以下のページからご連絡ください。発達ナビへの情報掲載ご希望の施設さま向けお問い合わせページ保護者同士の交流と、発達支援施設選びの方法をお伝えする「発達ナビ保護者会」も全国各地で実施しています。以下のコラムと、メールマガジンでお知らせしていますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。便利なアプリ・グッズや、生活の困りごとを解消するサービスを、企業とのコラボで企画中旅行やお出かけ、食事や栄養、学習や運動、身辺自立に服薬管理…発達障害のあるお子さんが大きくなっていく上で、さまざまな生活場面で困難に直面することが予想されます。学校や発達支援施設でのサポートも重要ですが、発達障害のある人たちが過ごしやすい社会を作るためには、民間企業の力も取り入れながら、便利なアプリ・グッズを企画・発信したり、住まいやお店、交通機関などの環境を過ごしやすく変えていったりと、生活環境全体を変えていくことが必要だと考えています。そこで、発達ナビでは昨年から、発達障害のあるお子さんやご家族をサポートするコラボ企画を企業の皆さんと一緒に企画・実施しています。新たな商品・サービスの共同開発や、発達障害のお子さんに役に立つ商品・サービスの紹介記事、ユーザーの皆さんの声を企業に届ける交流・モニター企画などなど、これから様々な企画を実施していく予定です。※発達ナビとのコラボを希望される企業さまは、以下からお問い合わせください発達ナビとの共同企画をご検討の企業・団体さま向けお問い合わせページ一人ひとりの「ちがい」を、これからも大切にできる場所であるように出典 : 「ここでは安心して悩みを吐き出せる」「嬉しいことも、辛いことも、自然体で共有できる」タイムラインやコミュニティなどの投稿コーナーを利用される発達ナビユーザーさんから、そんな声をいただくことがあります。私たち発達ナビは、これからもユーザーのみなさんが「安心」して、自然体で過ごせる場所であり続けたいと思っています。発達障害や、発達特性の凸凹による困りごとは、何か一つの解決策で一朝一夕になくなるものではないことがほとんどです。生きている中で、うまくいくこともあれば、落ち込むこともある。一人ひとりが、自分の特性と向き合い、社会の中で他者とかかわりあいながら、自分自身の物語を紡いでいくものなのだと思います。そして、私たちはその長く続く人生の「過程」にこそ、寄り添えるサービスでありたいと思うのです。発達ナビ編集部とともに、コラムを執筆してくださるライターさんの中には、1年, 2年と長期にわたって連載を続けてくださっている方もいます。新しいお子さんが生まれたり学年が上がって環境が大きく変わったりお子さん自身が発達障害に関心を持って自分のことを知ろうとしたり受験や進学、就職と、自立に向けた人生の節目を迎えたり…ライターさんの連載中には、ライターさんとそのご家族に、たくさんの変化がありました。また、発達ナビの中にも、30名強の運営スタッフがいて、一人ひとり違った背景を持ってこの場に集まっています。自分の子どもを発達支援施設に通わせている保護者もいれば、私のように最近子どもが生まれたばかりの新米保護者もいます。発達ナビで働く中で、自分自身の発達特性に気づき、自分とより深く向き合うようになったスタッフもいれば、今から発達障害について知りながら、社会に貢献できる仕事を考えていきたいという大学生インターンもいます。福祉や教育の現場を経験したスタッフもいれば、まったく違う業界から飛び込んできたスタッフもいます。立場や背景は違えど、発達障害を取り巻く社会環境をより良くしていきたいという思いは変わりません。ですが、発達ナビのこれからのサービスのありようは、私たち運営スタッフが「答え」を決めるものではないと思っています。ユーザーの皆さんも、連載ライターの皆さんも、私たち運営スタッフも、一人ひとりが変わり続ける人生を歩んでいくなかで、関わり合い、対話を重ねながら、一緒につくりあげていければ嬉しいです。2周年に際しては、ユーザーの皆さんからもたくさんのお祝いと、そして今後のサービス進化への期待の声をいただきました。一つひとつ拝見し、今後のサービス企画・改善の参考とさせていただきます。これからもご意見をお寄せください。【発達ナビ2周年!】発達ナビでのお気に入りのサービスを教えてください!【発達ナビ2周年!】「発達ナビにあったらいいな」と思うサービスを教えてください!最後に、とある専門家の先生にいただいた言葉をご紹介して結びとさせていただきます。「人は一生、発達していく。発達に終わりはない」人生は長期戦のマラソン。これからもみなさんの日常に、長く、長く寄り添い続けられるサービスであればと思います。
2018年01月26日2周年を迎えたLITALICO発達ナビ、ユーザーの皆さんの声を募集しました!Upload By 発達ナビ編集部LITALICO発達ナビは2016年1月26日、発達障害ポータルサイトとしてオープン!本日2018年1月26日で2周年を迎えました。会員数も2018年1月26日現在、10万人を超え、多くのユーザーの皆様にご利用いただいています。ココで現在、発達ナビにはどんなサービスがあるか、見てみましょう!【タイムライン】…ユーザーさんが自分の気持ちや日々の出来事をつぶやき、ほかのユーザーさんと交流できます【みんなのアンケート】…テーマや質問に回答。みんなの回答も見られるコーナーです【Q&A】…ユーザーさんが自分の聞きたいことや悩みを質問。投稿に対して他のユーザーの回答が集まります【コラム】…当事者ママの体験談や専門家のコラム、発達障害についての概説コラムやニュース記事が読めます【コミュニティ】…「共通の趣味や話題がある人とつながりたい」ユーザー同士が交流できるコーナーです【親子のヒント】…子どもの困りごとに関して、臨床心理士や作業療法士の専門家がヒントを紹介!イラストもたっぷりで対処法がわかります。【施設情報】…発達が気になるお子さまが利用できる全国の施設が検索できるコーナーです。ほかのユーザーさんがどんなふうに発達ナビを使っているのか、どこが気に入っているのか、気になっている人もいるのではないでしょうか?今回は2周年を機に、ユーザーの皆さんのお気に入りのサービスや活用法を「みんなのアンケート」で聞きました!アンケートの回答から、いくつかご紹介します!Upload By 発達ナビ編集部【発達ナビ2周年!】発達ナビでのお気に入りのサービスを教えてください!「私は一人じゃない!」発達ナビで会えるみんなとのつながりが心地いい出典 : 会員さん同士の交流を楽しめるタイムラインやコミュニティの機能。「ここに来れば仲間がいる」そう感じて、育児で孤軍奮闘しているとき、仕事で疲れたとき、たあいのない会話をして笑ったり、日常の小さな報告をしているとの声をたくさんいただきました。コミュニティ、Q&A、タイムラインをみて、みんな真剣に生きている姿勢、パワーをひしひしと感じ、自分1人ではないと、力をもらってます。タイムライン。真夜中のテンションで書くとおかしな事になりそうなので実況はしませんが子供が夜中に起きた時に更新されていくのを見て孤独ではないのだな、と勇気づけられています。みんなのアンケートやタイムラインが好きです。皆さんからの投稿を読み、私だけではない…と思え気持ちが楽になります。何度も読み返してます❤️発達ナビに登録して8ヶ月ほど。はじめは「親子のヒント」の続きが見たくての登録だったけど、利用し始めると、「タイムライン」が興味深い。あとは「Q&A」。勉強になる。やっぱり好きなのはタイムラインとQ&Aです。出会いの場であり、気付きがあり、それから息子の成長記録。気持ちを分かってくれる仲間がここにいる。ここでの繋がりが、すごく力になっています。「ココでだけは本音が言える」自分の気持ちを吐き出せる場所に出典 : 普段は弱音を吐かずに頑張っているけれど、発達ナビでは「疲れた」「悩んでいる」そんなふうにちょっとネガティブなことや愚痴、本音を言っても大丈夫、そんなふうに感じているユーザーさんも。交流するユーザーさん同士が、いろんな人の立場や気持ちを尊重して寄り添える。そんなタイムラインやQ&Aの風通しの良い雰囲気が、みなさんの本音を引き出しているのかもしれません。なかなか定形の方たちには理解して頂けない悩みや気持ちを理解して下さる方がここにはいるという事。これが1番大きいです。勉強させて頂ける事が大変多く有り難い存在です。タイムライン辛い気持ち、本音を遠慮なく吐き出せるところ。初めてこのサイトを利用して、本音をぶちまけたら多くの方が嫌な顔せずに共感して下さってホッとしました。使い方を誤らないようこれからもちょくちょく色んなことを書いていきたいですタイムラインや他のコミュニティーに参加させて貰い、他愛ない会話や時には愚痴、悩み事を相談させても頂きました。慣れないせいか、自分自身のコミュ力にも落ち込み、私の特性上にも初めの時にはリタリコでも気を遣い過ぎていた時期、勝手ながら私のコミュニティーを作らせて貰い、主に呟き場やリアルな本音を吐き出す場所として利用させて貰いました。「知りたい情報がココにある」知識を得るのに活用中!出典 : コラムや親子のヒントでは、専門家によるコラムや、子どもの困りごとに即した対処法をわかりやすく紹介しています。また、当事者や保護者のリアルな体験談コラムは、「うちの子もおんなじ!」という共感や「そういう接し方もあるんだ!」という発見があると人気です。かなしろにゃんこ。さんのマンガは、息子本人の障がい受容の助けに大変お世話になりました。m_ _mかなしろにゃんこ。さんのマンガを見たがるので、「これを見たいなら、お母さんの話を真剣に聞きなさい」と言って、自閉症スペクトラムとは何か、ADHDとは何か、あなたにも同じようなところがあるけれど、苦手なことをほったらかしにしないで、ちゃんと向き合わないといけない。と話しました。ムダなプライドを、私が色々言って下手に刺激するよりも、かなしろにゃんこ。さんの息子さんのリアルなお友達との対応やエピソードの方が、本人のSSTの復習や同学年の子との接し方のヒントになっているようです。楽々かあさんさんは、私はぺアトレを受けたのですが、小学校高学年になってからでしたので、効果はあるにはありましたが息子本人にも難しかったですし、自分の思考改革にもすごく時間がかかりましたし、今もガチガチなので、具体的で効果的な声掛けの復習や気づきに大変お世話になっています。「コラム」が好きです。息子の症状に見合うような内容のコラムであれば尚のこと。そうでなくとも、知らぬ情報が出てきていることも多いので、ここへきてまず最初に開くのは「コラム」と決まってます(^^)息子が未就園の頃は「親子のヒント」に本当~に助けられてました。いまは「コラム」が一番のお気に入りです。以前は「ADHDブログマンガ」とかで検索していろいろ読んでましたが自分で検索するとどうしても当たり・ハズレがあるのでコラムで良質なブログがまとめて読めるのはとてもイイ!です。子どもが成長してることに気づいた!出典 : 「親子のヒント」を利用しているうちに、息子さんの成長に気づいたという嬉しい回答もありました!久しぶりに「親子のヒント」のページを覗いてみたけど、はじめてここにきたときに読みたかった「発語・会話」のページ、今見てみると、読みたいテーマが変わっていることに気付きました。そっか、息子が出来ることが増えたから、読みたいものも違うんだ!そうやって間接的に感じた息子の成長です。「どうしたらいい?」気軽に聞ける!回答で新たな考え方に気づく!出典 : 【Q&A】私もアンサーを書かせて頂く事があるのですが、他の回答者の方の答えがとっても、役立っており、私の拙い回答以上に得るものが大きいです。また、質問されていた時は元気がなかったユーザーさんが、他の方の質問には回答者として、しっかり親身に答えているのをみて、元気になったんだなぁーと勝手に嬉しくなったりしています★「みんなのアンケート」さりげないテーマに沢山の方から色んなアンサーが出る…って言う所を楽しく感じています。当事者・家族・関係者…それぞれ事情は違えど「発達障害」て繋がり、一人一人違う答えや反応があることに面白さを感じています。支援機関や病院などでは受けられないアドバイスや新たな発見があります。先生や支援の方に言いにくい事や相談しても分かってもらえない事に気づいてくれました。自分が神経発達症でよかったとは思わないけど自分がADD.ASD ではなかったら発達のことも含めて色んな方とお話しが出来なかったと思います。「発達ナビにあったらいいな」と思うサービスのアンケートもUpload By 発達ナビ編集部発達ナビにあったらいいな、というアイデアも募集しています!よりよいサイトを目指して。3年目の発達ナビにもご期待ください!2周年おめでとうございます(⌒▽⌒)やっぱり、コラムが一番見ますけど、Q&Aや、コメントが付くと「お知らせ」で知らせてくれるなど、利用者目線な作りがお気に入りです。少しずつでも確実に、使いやすく探しやすく紹介しやすいサイトへと改良を重ねて下さっているスタッフさんには頭が下がります。これからも宜しくお願いします(∩_∩)アンケートでは使ってくださっている皆さんの活用法や感想などの嬉しいご意見や、「こうしてほしい!」というご意見もたくさんいただきました。まだまだアンケートでは皆さんのご意見を募集中です!ユーザーの皆さんのお役にたてるサイトを目指して、発達ナビではたくさんのコラムやニュース、サービスをお届けしたいと考えています。3年目を迎える2018年も、どうぞよろしくお願いします!
2018年01月26日発達が気になるお子さんや、障害のあるお子さんがサポートを受けることができる場所である、「放課後等デイサービス」や「児童発達支援事業所」。発達ナビでは「施設情報」のコーナーから、お住まいの地域の教室を簡単に探すことができます。また、各教室の特徴や、利用者の声も合わせて知ることができるので、お子さんにぴったりの教室を探すことができます。今回は、北海道で情報をアップデートしてくださった教室をピックアップ!気になる施設を見つけたら、「ページを見る」をクリックして、詳しい情報をチェックしてみてくださいね。発達ナビ「施設情報」北海道 放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報放課後等デイサービス ひばりんは、学習支援のほか、職場体験や地域交流活動など、ソーシャルスキルを高める指導に力を入れています。教員経験者が多数指導にあたっており、現場での経験を生かし、先を見通した的確な指導を行っています。Upload By 発達ナビ施設情報将来に向け、生活スキルや社会性スキルの向上を目指すぴすと学舎では、曜日毎にテーマの異なる自立プログラムを実施。働く・働き続ける、暮らす・暮らし続けるための専門的なアプローチを通して、自己実現を可能にするサポートを行っていきます。Upload By 発達ナビ施設情報放課後等デイサービス アミティエ平岡では、子どもの個性に合わせた個別学習支援や運動支援を行っています。公共施設見学などの社会見学も行いながら、将来の自立をサポート。子ども達が伸び伸び過ごせる環境の元、より良い福祉を目指しています。北海道の「放課後等デイサービス」を探す!北海道 児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報児童発達支援 きゃんぱすは、人との関わりを大切にしながら子ども達が将来自立した生活が送れるよう、集中力や認知能力、集団生活力を育む支援を行っています。一人ひとりの個性に合わせた支援計画のもと、子ども達が本来の力を発揮できるよう取り組んでいます。児童発達支援・放課後デイサービスこっこ川沿は、楽しみながら自然と相手を思いやれる気持ちや、社会性を育む支援を行なっています。スノーモービル等のアクティビティーのほか、草花療法や箱庭療法など、気持ちを穏やかにする取り組みも行なっています。Upload By 発達ナビ施設情報北海道の「児童発達支援事業所」を探す!おわりに出典 : いかがでしたか。気になる施設がありましたら、「~のページを見る」のボタンを押してみてくださいね!教室の先生たちが書いているブログや、利用者の方が投稿した口コミなどを見ることもできます。「空き状況を知りたい!」「教室見学をしたい!」と思ったら、WEB上からもお問い合わせを行うことができますので、ぜひ試してみてください。今後も掲載数がどんどん増えていきますのでお楽しみに!
2018年01月26日