エムティーアイが運営する、女性のカラダとココロの健康情報サイト「ルナルナ」はこのほど、「子宮頸(けい)がんについて」の調査結果を発表した。同調査は2月、「ルナルナ」「ルナルナLite」ユーザー8,132名を対象にインターネット上で実施した。まず、「子宮頸がん」という病気をどの程度知っているか尋ねた。その結果、「名前だけ知っている」(61.3%)と「名前だけでなく病気についても知っている」(38.4%)をあわせると、疾患名はほぼ100%認知されていることがわかった。年代別で見てみると、30歳以上で「名前だけでなく病気についても知っている」の回答が高くなる傾向が見られる。特に35歳以上のユーザーにおいては半数以上と、年齢が高くなるにつれ原因や予防など疾患に対する理解が進んでいることがわかった。続いて、子宮頸がんの原因を知っているか聞くと、「よく理解している」(6.9%)、「大体知っている」(25.9%)をあわせても、3割程度にとどまった。一方で、「あまり知らない」という回答が47.9%、「まったく知らない」という人も19.2%と、半数以上のユーザーが原因については、正しく理解できていないことも明らかになった。予防方法について聞くと、「知っている」という回答は3割程度。年代別で見てみると、45歳以上の人は4割以上が知っていると回答した。子どもが子宮頸がんワクチンの接種対象と思われる母親世代の認知度が高くなっている。自身がワクチン接種の対象となる10代後半の認知度も33.6%で、20~30代前半より高かった。そこで予防方法について「知っている」と回答した人に、どのような予防方法を知っているか聞いたところ、1位は「子宮頸がんワクチンの接種」(80.6%)。次いで、2位は「避妊」(20.6%)、3位は「子宮頸がん検診」(15.8%)だった。子宮頸がんのほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因だという。HPVは、主に性交渉で感染することが知られており、約80%の女性がこのウイルスに感染していると考えられている。多くの場合、ウイルスは自分の免疫力などで自然に排除されるが、排除されず数年から数十年にわたって持続的に感染してしまった場合には、子宮頸がんの前がん病変(がんになる前の病変)や、子宮頸がんになることがあると考えられている。子宮頸がん検診の受診について聞くと、「1年に1回受診している」(15.2%)と「2年に1回受診している」(7.3%)をあわせて、22.5%が定期的に検診を受けていることがわかった。「不定期だが受診している」(10.6%)と「過去に1回だけ受診したことがある」(20.5%)を含めると、受診経験率は53.6%と半数を超えた。子宮頸がん検診の受診経験のあるユーザーに、初めて受診したきっかけについて尋ねた。その結果、「自治体からのお知らせ・クーポン」(40.4%)が最も多く、次いで「婦人科ですすめられて」(20.6%)、「自分の職場の健康診断の項目にあったため」(20.0%)と続いた。子宮がん検診を「受診したことがない」と回答した人に理由を聞くと、32.0%が「なんとなく面倒で」と回答。「婦人科に行くことに抵抗がある」(28.3%)という回答も多く、それぞれ約3割を占めている。
2016年03月09日近年、子宮頸(けい)がん検診や予防ワクチン接種などの情報提供がされるようになり、広く予防の重要性が訴えられるようになってきた。一方で、一度も検診を受けたことがない人や、定期的には受けていない人も多いのではないだろうか。そこで今回、子宮頸がんがどういう病気で、なぜ予防が大切なのか、そして女性の人生にどんな影響を与えるのかについて、女性ライフクリニック銀座の対馬ルリ子院長に伺った。前編と後編にわたってお届けしよう。○異変に気づいたら、もう初期ではない「子宮頸がん」は、子宮の入り口(子宮頸部)にできるがんで、20~40代でかかる人が多い病気だ。これに対し、子宮の奥(子宮体部)にできるがんを「子宮体がん」といい、閉経後の50代に多く見られる。恐らくどんな病気でも、気になる症状があってから初めて病院に行く人が少なくないはずだ。子宮頸がんの場合は、下腹部痛や不正出血、おりものの異常などの異変を見逃さなければ、初期の段階で発見できると思っている人がいるかもしれない。しかし、「症状が出てからでは、もう初期ではありません」と対馬院長は語る。「"症状があったら病院へ行きましょう"では、私はよくないと思います。子宮頸がんは、がんになる前に定期的な検診で見つけることが大切。症状があってから病院に行って、子宮頸がんが見つかったときには、それはもう初期がんではなく進行がんであることがほとんどですから」。○原因は主に性交渉によるHPV感染子宮頸がんの原因は、「ヒトパピローマウイルス(HPV)」の感染ということが明らかになっている。ただしHPVに感染しても自然消滅してがん化しない人と、数年から10年ほどの潜伏期間を経てがん化(突然変異)してしまう人に分かれることがポイントだ。「一生の中で80%ぐらいの女性が一度はHPVに感染しているといわれています。その中で自然に排除されずに持続感染する人は、約10~20%です」。また、どのタイプのウイルスに感染しているのかも重要だ。HPVはさまざまな型があるが、16型と18型はがん化しやすい"ハイリスク型"に該当する。ハイリスク型は20~30代の女性に多い傾向があるため、子宮頸がんは若い女性が特に注意すべき病気として扱われ、検診の重要性が叫ばれているのだ。○1回のセックスで感染することもそして、主に性交渉によって感染するといわれるHPV。このことからか、世間には「子宮頸がんになる女性は性交渉の回数が多い」という偏見もある。しかし、対馬院長は次のように正す。「性交渉を1回でもしたことがある女性であれば、子宮頸がんになる可能性はあります。逆に言うと、生涯で一度も性交渉をしない人でない限り、子宮頸がんにならないとは言えません」。さらに、HPVは性器以外にも手指などいたるところに存在しているため、コンドームでは感染を防ぐことができないという。性交渉の経験がある女性であれば誰にでもHPVに感染するリスクがある、と認識しておこう。○子宮頸がんのステージと手術内容HPVに持続感染すると、「異形成」というがん化する前の異常細胞(前がん病変)が生じ、異形成の中でもっともがん化する確率が高くなっているものを「高度異形成」という。がん化すると、進行に応じて0期~4期に分類される。0期は上皮(子宮頸部の表面)内に、1期は子宮頸部内にがんがとどまっている状態で、2期以降は子宮周囲の組織まで広がっていくことになる。また、0期は「上皮内がん」、1期以降は上皮以外にがんが広がっていることから「浸潤がん」と呼ばれている。治療では、高度異形成や上皮内がん(0期)で見つかった場合は、子宮頸部の一部を切除する「円錐(すい)切除術」が行われる。子宮が温存できるため、その後の妊娠・出産も可能だ。一方、通常の浸潤がんの治療では、子宮のほかに卵巣や卵管、リンパ節など子宮の周囲の組織も摘出する「広汎(はん)性子宮全摘術」が選択される。手術に、放射線治療や化学療法を組み合わせることもある。○たった1センチ進んだだけで……対馬院長は、子宮頸がんの治療を「ほんの数カ月の違いで運命が変わる」と表現。「子宮頸がんは膣の壁を這(は)うようにして進行し、がんがたった1センチ進んだだけで骨盤の底までえぐるように取らなければならなくなります。出血も多く、婦人科の手術の中でもっとも大きな手術です」。さらに、手術後の生活にも深刻な影響があると語る。「リンパの流れが悪くなることでリンパ浮腫(ふしゅ)を起こして下半身が極端にむくんだり、感染にも弱くなるので、蚊に刺されただけでも下肢全体が腫れたりします。また、広汎性子宮全摘術では、膀胱(ぼうこう)や直腸につながっている神経を切らなければならないので排尿障害や排せつ障害を起こします。尿意を感じない、上手に排便ができないなどといった普段の生活に支障が生じる障害と、一生付き合わなければなりません」。子宮頸がんは、がんのステージによって手術や治療の内容が大きく変わることをお分かりいただけただろうか。後編では、子宮頸がんの予防ワクチン接種と検診についてお伝えする。※画像は本文と関係ありません○記事監修: 対馬ルリ子(つしま・るりこ)現職対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座院長産婦人科医、医学博士専門は周産期学、ウィミンズヘルス経歴1984年、弘前大学医学部卒業後、東京大学医学部産婦人科学教室助手、都立墨東病院周産期センター産婦人科医長などを経て、2002年にウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック(現 対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座)を開院、院長を務める。2003年には女性の心と体、社会とのかかわりを総合的に捉え、健康維持を助ける医療(女性外来)をすすめる会「NPO法人 女性医療ネットワーク」を設立。理事長として、全国450名の女性医師・女性医療者と連携して積極的に活動しているほか、女性の生涯にわたる健康のためにさまざまな情報提供、啓発活動を行っている。現在、東京大学医学部大学院非常勤講師(母子保健)。「ウーマンウェルネス研究会 supported by Kao」の代表も務める。
2016年01月07日九州大学と日本医療研究開発機構は12月22日、肝内胆管がんや混合型肝がんの原因遺伝子を特定し、今年ノーベル賞を受賞した抗寄生虫薬イベルメクチンが肝内胆管がんの治療薬となりうることを発見したと発表した。同成果は、九州大学 生体防御医学研究所 西尾美希 助教、鈴木聡 教授ら、および九州大学病院別府病院 三森功士 博士、産業技術総合研究所 新家一男 博士らの研究グループによるもので、12月21日付けの米科学誌「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America(米国科学アカデミー紀要)」オンライン版に掲載された。同研究グループは2012年に、「MOB1」ががん抑制遺伝子として作用することを証明するとともに、このシグナルが皮膚がんの原因となることを示している。今回、MOB1をマウスの肝臓で欠損させることで、肝がんの中でも特に肝内胆管がんや混合型肝がんを発症すること、これらがんの発症には、このシグナルの下流で転写共役因子「YAP1」や細胞増殖の調節に関わる分泌タンパク質「TGFβ2/3」が増加することが重要であることを見出した。また、YAP1を標的とする抗がん剤を天然物ライブラリから探索し、抗寄生虫薬「イベルメクチン」や「ミルベマイシン」が実際に肝内胆管がんの治療に有効であることを、MOB1欠損マウスやヒト肝内胆管がん細胞移植マウスを用いて個体レベルで証明した。同研究グループによると、YAP1を標的とする薬剤として、イベルメクチンなどの既存の天然物だけでなく、新規天然物や新規低分子化合物も見出しつつあり、今後肝内胆管がんや混合型肝がんに奏功する治療薬を単離できる可能性が高いとしている。
2015年12月22日アイリックコーポレーションが運営する保険クリニックはこのほど、20~60歳の働く女性を対象に「女性のがん」について調査を実施し、結果を発表した。同調査は11月10日~13日にかけて行い、500人から有効回答を得た。がんは怖いと思うか聞いたところ、97.4%が「怖い」と回答した。女性がかかる「がん」として怖いと思うものは何か尋ねたところ、1位は「乳がん」、2位は「子宮頸がん」、3位は「卵巣がん」という結果になった。「乳がん・子宮がん・卵巣がん」が怖いと思う理由を聞いたところ、一番多かった回答は「がんは全て怖い」だった。2位は「女性特有のがんだから」、3位は「最近話題になっているから」となっている。怖いと思うがん5位だった「大腸がん」が怖い理由としては、「女性がかかる割合が高い」「便秘の人が多いから」が上位に挙げられた。子宮頸がん、乳がんの検診を受けているか尋ねたところ、「不定期に受けている」(31.4%)が最も多く、次いで「定期的に受けている」(28.6%)が続いた。「受けたことがない」は25.4%となっている。各年代別の受診率を見ると年代ごとに受診率が高くなるが、30歳代でも約3人に1人が受けていないのが現実のようだ。身近に「がん」にかかった人がいるか聞くと、68.4%が「いる」と回答した。その内訳を見ると、「父、義父 」が42.1%と最も多い。次いで「母、義母」(24.3%)、「友人、知人」(14.9%)となった。自分は「がん」にかかると思うか尋ねると、60.0%が「わからない」と回答した。「思う」は28.4%で、「思わない」(11.6%)の約3倍いる事がわかった。「思う」と答えた人に、がんを経験した人が身近にいるか聞くと、80.3%が「身近にいる」と答えた。
2015年12月10日インサイテック・ジャパンはこのほど、子宮筋腫の治療に関する調査結果を発表した。調査は4月25~28日の期間にインターネット上で行われ、直近20年以内に子宮筋腫であるとの診断を受けたことのある20~50代の女性あわせて1,032名から回答を得た。はじめに子宮筋腫との診断を受けた際、選択した治療法をあげてもらったところ、「開腹手術」(子宮全摘出および筋腫核手術)が40.9%と最も多く、次いで「内視鏡手術」(腹腔(ふくくう)鏡手術および子宮鏡手術/子宮全摘出および筋腫核手術)と「薬物療法」(ホルモン療法など)がそれぞれ19.3%だった。一方で年代別にみると、20~30代の若い世代では「内視鏡手術」(20代: 24.7%、30代: 31.5%)を受けた人の割合が増え、「開腹手術」(20代: 23.7%、30代: 33.7%)と同程度になっている。同社は「若い世代においては、より侵襲性が低く、回復までの期間も短くすむ腹腔(ふくくう)鏡手術が選択される傾向がみてとれます」と分析している。次に、治療の選択の際に重視するポイントを調査した。結果は、「治療成果」(症状の緩和)が55.1%と最も多く、次いで「妊娠・出産への影響」(32.9%)、「治療から仕事や日常生活への復帰までの時間」(24.1%)、「子宮を残せるか」(18.9%)が続いた。年代別に見ると、20~30代では「妊娠・出産への影響」(20代: 63.2%、30代: 48.4%)を最も重視していた一方で、40~50代は、「治療から日常生活への復帰までの時間」(40代: 29.5%、50代: 27.1%)が「治療成果」に次いで多かった。最後に、子宮筋腫と診断されて心配だったことについて質問した結果、最も多かった回答は「筋腫の拡大」(67.4%) だった。しかし、年代別に見ると20代は「妊娠・出産への影響」(64.7%)が「筋腫の拡大」(55.4%)を上回った。産婦人科が専門で、温知会 会津中央病院 病院長の武市和之氏は「子宮筋腫は35歳以上の女性の1/4に発見されると言われる病気ですが、その治療はこれまで手術療法、ホルモン療法、子宮動脈塞栓(そくせん)術など外科手術が主流でした」と指摘。その上で、「身体にやさしい低侵襲の治療に対するニーズは今後も増え続けると考えられ、今後多くの女性にとってMRガイド下集束超音波治療(体外から超音波を照射して、筋腫の組織を壊死(えし)させる治療法)が選択肢のひとつとなっていくことが予想されます」とコメントしている。
2015年11月12日ゼンハイザージャパンは10月8日、独Sennheiserの設立70周年記念パーティーを都内で開催した。独本社からはCEOのダニエル・ゼンハイザー氏が来日。真空管アンプとコンデンサー型ヘッドホンをセットにした未発表製品をお披露目し、報道陣の注目を集めていた。ゼンハイザーはヘッドホンやマイク製品などで世界的に知られるオーディオメーカー。パーティー会場にはステージが設けられ、著名アーティストによるパフォーマンスが行われた。ステージで使用されているマイクなどの機材は、もちろんゼンハイザー製だ。ダニエル・ゼンハイザーCEOもステージ上からスピーチを行い、ドイツと日本の共通項に触れながら、同社の歴史について紹介。スピーチの最後に、壇上に設置された台のベールを取り、開発中の次世代マイルストーン(Next Mile Stone)製品を披露した。次世代マイルストーン製品は、8本の真空管を搭載したヘッドホンアンプとコンデンサー型ヘッドホンを半ば一体化したシステムにしたもの。まだ開発段階であり、製品名や発売時期、価格などは「まったく未定」とのことだが、台座に大理石を使用しているなど、かなりプレミアムな存在となりそうだ。8本の真空管は、電源オフの状態では台座の内部に収まりフラットな形状だが、電源を入れると自動的にせり上がる。また、ヘッドホンケースのふたも同時に開くというギミックに驚かされる。現時点で判明しているのは、ヘッドホンはバランス駆動タイプで、ヘッドホンアンプにはUSB DAC機能を装備していること。インタフェースには、バランス、アンバランスのアナログ入出力(XLR)と、同軸デジタル音声入力、光デジタル音声出力を備えていたが、これが実際の製品でも同様に搭載されるかは決まっていない。○ダニエル・ゼンハイザーCEOのスピーチ要約70年前、Sennheiserは北ドイツで生まれました。1945年、私の祖父が7人のエンジニアと電圧計を作ったのがその始まりです。日本と同じように1945年、ドイツはすべてを失いました。革新を生み出す社風と技術革新への情熱により、Sennheiserはサウンドの録音と再生を追求し、1958年に初めてドイツテレビにワイヤレスマイクが採用されました。その後、1968年に世界初のHiFiヘッドホンをリリース。2006年の「HD800」など、オーディオの歴史に名を残す製品を送り出してきました。製品だけでなく、ゼンハイザージャパンを2007年に設立したことも、我々にとって大きな出来事でした。完璧なサウンドの追求はSennheiserだけでは不可能です。製品を使用するユーザーの要求が私たちを前進させてきました。日本法人の設立によって、ユーザーの声をすばやくくみ取り、製品に反映させることが可能となったのです。
2015年10月09日年々、若い女性の発症率が上がっているといわれる子宮頸(けい)がん。定期的な検診を受けることで、早期の発見・治療が可能とされる病気ですが、「検査の内容がわからない」「恥ずかしい思いをするのでは? 」といった不安から、検診に足を運べずにいる女性も多いのではないでしょうか。そこで今回、マイナビニュース会員である20~39歳の女性300名を対象に子宮頸がん検診に関するアンケートを実施しました。○子宮頸がん検診の受診率は約6割まず、「子宮頸がんというがんの存在を知っているか」という質問に対して、「知っている」と回答した女性は89.3%でした。次に、知っていると回答した人に「子宮頸がんがどのようながんか、具体的に知っているか」を尋ねたところ、「詳しく知っている」と回答した人は約3割にとどまりました。がんの存在は広く知られていても、詳しく知っている女性は少ないようです。続いて、「子宮頸がん検診を受けたことがあるかどうか」を聞いてみると、39.0%の女性が未受診であることが判明。子宮頸がん検診の認知度は上がってきている一方で、まだ検診の受診にまで至っていない人が4割近くいるというのが現状のようです。では、子宮頸がんは具体的にどんな病気で、どうして検診が必要なのでしょうか?子宮がんには、子宮の奥(子宮体部)にできる「子宮体がん」と、子宮の入り口(子宮頸部)にできる「子宮頸がん」の2つがあります。子宮体がんが閉経後の50代以降の女性に多く発症するのに対し、子宮頸がんは20~30代の若い女性に増えている病気です。現代の日本では、1日におよそ10人もの人が子宮頸がんで命を落としているというデータも報告されています。子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染であることが明らかになっています。HPVは主に性交渉によって感染するウイルスですが、1回でも性交渉の経験がある女性であれば感染するリスクはあるといわれています。ただしHPVは、感染しても自然に排除される人と、長期間の持続感染を経てがん化する人にわかれます。そのため、定期的な検診を受けて、がん化する前の状態、がん化しても早期の段階で見つけることが重要といわれているのです。早期発見であれば子宮を温存できる可能性も高まりますので、女性にとって大切な臓器を守るためにも、ぜひ検診に行ってみましょう。○子宮頸がん検診って、どうやって受けるの?それでは、実際に子宮頸がん検診を受診した女性たちは、どのようなきっかけで検診を受けたのでしょうか?詳しく聞いてみたところ、もっとも多かったのは「市区町村でのがん検診時に申し込んだ」(65.0%)という回答でした。続いて、「職場のがん検診時に申し込んだ」(32.2%)、「自発的に医療機関に申し込んだ」(15.3%)という回答があがっています。気になる検診結果に関しては、「異常なしだった」人が97.3%を占め、「異常ありだった」人はわずか2.7%でした。そして、「異常あり」という結果が出た女性からは、次のようなコメントが寄せられています。・「3カ月に一度ずつ経過観察をしてもらっています。診てもらえている安心感があるため、不安なく日常生活を送っています」(26歳/学校・教育関連/事務系専門職)このように、子宮頸がん検診をきちんと受けることは日々の安心感にもつながるようです。なお最近では、自治体ごとに子宮頸がん検診の無料クーポンも配布されています。しかしアンケートの結果から、クーポンの存在を「知らなかった」という女性が33.7%もいることが分かりました。まだ検査を受けていないという人は、ぜひ一度、お住まいの市区町村のがん検診の担当窓口に問い合わせをしてみることをお勧めします。○子宮頸がん検診の方法は?最後に、子宮頸がん検診の内容について説明したいと思います。検診は、大きくわけて次の4つの手順で行います。1.問診健康状態、既往歴(これまでにかかった病気)や家族歴、月経の周期や状態、妊娠・出産の有無、自覚症状などを問診票に記入します。問診票をもとに、診察室で医師からの質問に回答します。2.視診膣鏡という器具を膣内に挿入して子宮頸部を目で観察し、おりものの状態や炎症・裂傷の有無などを調べます。3.内診医師が手で触れて膣の状態を確かめます。片方の手の指を膣に入れ、もう片方の手でおなかを押さえる方法で、子宮や卵巣、子宮周辺を触診します。4.細胞診子宮頸部や膣部の粘膜細胞をブラシなどでこすり、痛みが伴わないように採取します。その後、採取した細胞を顕微鏡で観察します。アンケートの結果から、検診の必要性を感じていても、痛みや恥ずかしさが気になって受診をためらう人が半数以上いることがわかりました。しかし、子宮頸がん検診について正しい知識を持てば、安心して検診を受けられるはずです。大切な自分の体を守るために、まずは子宮頸がん検診についてよく知ることから始めてみてはいかがでしょうか。写真と本文は関係ありません調査時期: 2015年9月2日~9月5日調査対象: 20~39歳のマイナビニュース女性会員調査数: 300名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2015年09月16日ミックスウェーブは7月1日、米Cypher Labsのポータブル真空管アンプ「AlgoRhythm Trio」を国内向けに発表した。発売は7月2日で、希望小売価格は83,500円(税別)。AlgoRhythm Trioは、仏Thomson(現Thales)のサブミニチュア管「6111」を使用したポータブル真空管ヘッドホンアンプ。アナログ入力専用機で、入力端子、出力端子ともφ3.5mmステレオミニジャックを1系統装備する。周波数特性は30Hz~100kHz(±1dB)で、出力は32Ω負荷時が220mw、50Ω負荷時が140mW、300Ω負荷時が80mW、600Ω負荷時が40mWとなっている。Hight/Lowの2段階のゲイン調節も可能だ。充電はUSB経由で行い、約4時間でフル充電される。効率95%の電源回路を採用しており、真空管を使用したポータブルアンプでありながら、約8時間の連続動作が可能だ。本体サイズはW118×D69×H24mmで、質量は約243g。充電用MicroUSBケーブル、ステレオミニケーブル、ACアダプター、キャリングケースなどが付属する。
2015年07月01日TOKYO FMが推進している子宮頸がん予防啓発プロジェクト「Hellosmile」はこのほど、同プロジェクトの拠点番組が7月よりJFN全国38局ネットに拡大し、内容もリニューアルすることを明らかにした。子宮頸がん予防啓発プロジェクト「Hellosmile」は、若い女性に急増している「子宮頸がん」の予防啓発を推進するプロジェクト。多くの企業や団体、学校等とともに子宮頸がんの正しい情報発信と検診の勧奨を行っている。7月からは同プロジェクトの拠点番組が放送曜日、時間を変えてリニューアルする。番組名は『Hellosmile Lounge』(日曜日23:30~23:55)で、放送もTOKYO FMをはじめとするJFN全国38局ネットに拡大。パーソナリティーには、子宮頸がん予防啓発プロジェクト「Hellosmile」をTOKYO FMと一緒に立ち上げた小巻亜矢さんに、モデルの菅野結以さんが新たに加わる。番組では、少し話しづらい女性ならではの健康・メンタルの悩みなどについても盛り込むという。さらに、日本の若い女性に増え続けている子宮頸がんの検診も呼びかけていく。
2015年06月30日富士フイルムは5月27日、内視鏡システム「LASEREO」用スコープとして初めて、イメージセンサーに高解像度CMOSセンサーを搭載した、下部消化管用拡大スコープ「EC-L600ZP」を、5月29日より富士フイルムメディカルを通じて販売すると発表した。「EC-L600ZP」は、高解像度CMOSセンサーと、粘膜表層の微細血管のコントラストを高めて強調して表示する「Blue LASER Imaging(BLI)機能」や粘膜表層の微細血管のコントラストを高めた画像に対し赤色領域のわずかな色の違いを画像処理で見やすく表示する「Linked Color Imaging(LCI)」を組み合わせることで、従来製品に比べて低ノイズで高解像度な画像を実現。また、最短1.5mmからの近接観察が可能となる新設計のレンズが採用された。このほか、通常用いられる「連続ズーム動作モード」に加え、簡単なボタン操作で段階的に拡大できる「ステップズーム動作モード」を搭載したことで、拡大観察時にピントを合わせやすくなった。検査中の患者の身体的苦痛を低減するための細さ・軟らかさと、操作者の手元側の操作の微妙な力加減を効率的に先端に伝えることができる硬さの両立を追求しており、軟性部に高い弾発性を持つ新素材を採用し、屈曲部が多い大腸へのスムーズな挿入をサポートすることで、検診から精密検査まで幅広いシーンで患者の身体的苦痛の低減と検査効率の向上が期待できるという。
2015年05月27日アンジェリーナ・ジョリーが3月24日(現地時間)、「ニューヨーク・タイムズ」紙に寄稿、卵巣と卵管の切除手術を受けたことを公表した。遺伝子検査を受けた際、がん発症リスクが高いことが判明したことから、2年前に乳房切除手術を公表したアンジェリーナ。乳がんのリスクは87%、卵巣がんは50%だったが、母親と祖母、叔母をがんで亡くしていることから、決断したという。2週間前、年に1度受けている血液検査で気になる点があった。PET/CT検査を受けた結果、異常なしだったが、この時に決意し、1週間前に手術を受けた。同様のリスクを抱えた女性たちと情報を共有したいと考えていたアンジェリーナは、術後の自分に更年期の症状が訪れていることや、肉体的な変化が起きるだろう、と綴っている。切除手術以外にも選択肢はいくつかあることを強調したうえで、アンジェリーナは「アドバイスを求めて、選択肢について学んで、自分にとって正しい判断をすることはできます。知識は力です」と締めくくっている。(text:Yuki Tominaga)
2015年03月24日機能性食品「AHCC」の研究・製品化などを行っているアミノアップ化学は17日、女性特有の病気である「子宮頸がん」の基礎知識をはじめ、子宮頸がんの予防効果が期待できるAHCCの最新研究結果や予防方法のアプローチなどをまとめたニュースレター「AHCC通信 Vol.3」を発行した。子宮頸がんは、毎年約3,000人以上が亡くなっているといわれる深刻な病気。とりわけ、がんの中でも330代までの若い患者が多く、重症になると子宮摘出など大がかりな手術が必要となり、妊娠をすることができなくなったり、手術後の障害も多いといわれている。また、がんになっても進行するまで無症状であることが多く、予防・早期発見には若いうちから定期的に子宮がん検診を受けることが大事とのこと。子宮頸がん患者の99%は、HPV(ヒトパピローマウイルス)に感染していることから、HPVが原因ウイルスであると考えられている。HPVは女性の約80%が知らない間に感染しているといわれ、20~40代の若い年齢での感染者数が増加しているとも言われている。こうした子宮頸がんに対して、予防効果が期待されているのが「AHCC」だ。AHCC(Active Hexose Correlated Compound : 活性化糖類関連化合物)は、シイタケ属に属する担子菌の菌糸体培養液から抽出されたα-グルカンに富んだ植物性多糖体の混合物。健康食品・サプリメントとして、日本のみならず、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、オセアニアなど広範囲で販売されており、現在では統合医療の一手段としても取り入れられている。2014年10月29日に米国・ヒューストンで行われた「第11回アメリカ癌統合医療学会(SIO2014)」においては、「ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染した女性にAHCCを投与するとウイルスが死滅する」という研究結果も発表され注目を集めている。HPVを除去する医薬品は未だ開発されていないため、この研究では更に大規模な試験を計画しており、AHCCの作用とHPV死滅の因果関係解明が期待されている。なお、3月28日に神戸学院大学にて「ハイリスクHPV感染に対するAHCCによる治療の可能性」に関するセミナーが行われるほか、大阪大学にて「サプリメントの臨床応用への薬剤師の役割」に関する講演が29日に実施される予定となっている。
2015年03月23日コルグと、ノリタケカンパニーリミテドは、蛍光表示管の技術を応用した新しい真空管「Nutube」を共同開発したと発表した。今回新たに開発されたNutubeは、従来の真空管と同じく、アノード・グリッド・フィラメントの構造を持ち、完全な3極真空管として動作する。また、従来の真空管と同様、真空管特有の豊かな倍音を生み出す。ノリタケカンパニーリミテドのグループ会社であるノリタケ伊勢電子の蛍光表示管の技術を応用することによりその構造を工夫し、従来の蛍光表示管に比べて従来真空管の2%以下の電力という大幅な省電力化、容積比で従来の真空管に対し30%以下となる小型化、連続期待寿命3万時間の長寿命を実現するなど、品質向上に成功したとのことだ。なお、現在開発している「Nutube 6P1」は、コルグの楽器作りの経験を活かし、楽器に使用した際に豊かな倍音を生み出すようチューニングされている。Nutubeを搭載した製品は2015年中の発表を目指して現在開発中。
2015年02月06日イーケイジャパンは27日、同社の「ELEKIT(エレキット)」ブランドから、フォノイコライザーアンプを搭載する「真空管プリアンプキット(TU-8500)」を発表した。価格は48,600円。アナログレコードの再生に必要なフォノイコライザーアンプを搭載した、真空管プリアンプの組み立てキット。工作時間は約4~5時間としており、はんだごて、はさみ、ラジオペンチ、ニッパーなどが必要と、工作の難度は若干高い。イコライザーアンプには、音質を重視したCR型を採用した。カートリッジはMM(LOW)型とMC(HIGH)型に対応し、背面スイッチでモードを切り替える。ノイズが少ないオペアンプ「NJM2068DD」×2基を搭載しており、ソケット式なのでオペアンプの交換も可能だ。フラットアンプは真空管「12AU7(ECC82)」×2本を使用し、利得は3倍と1倍を切り替えられる。電源には低漏洩磁束のRコアトランスを、B電源にはFETリップルフィルターを採用した。また、真空管を直流点灯することによって、ハムノイズも抑えている。カップリングコンデンサは、大型のものに交換可能。イコライザーアンプ部の主な仕様は、利得(1kHz)がMM型で37dB、MC型で63dB、SN比がMM型で108dB、MC型で88dB、入力抵抗がMM型で50kΩ、MC型で100Ω。フラットアンプ部の主な仕様は、利得が3.1倍(9.8dB)または1.15倍(1.2dB)、周波数特性が2Hz~70kHz / 2Hz~280kHz、SN比が122dB / 129dB。音声入力インタフェースはRCA×4系統、3.5mmミニジャック。音声出力インタフェースはRCA×1系統。本体サイズはW252×D270×H73mm、重量は約3.1kg。
2015年01月29日ドスパラは26日、真空管を採用した小型のヘッドホンアンプ「DN-11623」を、同社直営の「上海問屋」限定で発売した。価格は10,999円。「Electro Harmonix 6922EH」真空管を搭載した、コンパクトな据え置き型ヘッドホンアンプ。従来モデル「DN-84335」のマイナーチェンジとなり、真空管が「Philips 6922」から変更されるとともに、ボディカラーがゴールドになった。オペアンプは「TI NE5532」で、刺さるような高音や余剰な低音がないナチュラルなサウンドに仕上げた。真空管ならではの暖かみある音はそのままに、体感と艶のある音楽を楽しめるとしている。入力はステレオRCAとステレオミニジャック、出力はステレオミニジャック。入力インピーダンスは10kΩ、最大入力は+18dBV、再生周波数帯は25Hz~150000Hz(±3dB)、出力は300mW/ch(16Ω)および102mW/ch(300Ω)、最大増幅音量は20dB/ch。電源には付属のACアダプタを用いる。本体サイズはW67×D118×H79mm。
2014年09月28日(画像はイメージです)子宮体がんとイソフラボンの摂取女性のがんに関しては、胃がんは低下しているのに乳がん、子宮体がんは大きく増加しています。子宮体がんの発現にはエストロゲンが抑制方向の作用を持つため、早い初経、遅い閉経、未産婦などがリスク要因と想定しています。大豆食品にはイソフラボンは化学構造がエストロゲンと似ていることから、子宮体がんの発生には予防的に働くことが予想されますが、いくつかの疫学的調査では結果が一致せず、前向き研究もありません。JPHCによる検討国立がん研究センターの「多目的コホート(JPHC)研究」で大豆摂取とイソフラボンの関連を調べ、その結果をBJOGで発表。対象は45-74歳の女性約4万人、観察期間は平均12年。大豆食品の総摂取量は、アンケートに含まれている豆腐、納豆、みそなどの8項目から算出。追跡期間中に、対象者集団のうち112人が子宮体がんと診断されました。イソフラボン摂取量を低摂取、中摂取、高摂取の群に分けて低摂取群に対するハザード比を計算しました。大豆食品量も同じ計算を行いました。結果は、イソフラボン摂取量、大豆食品摂取量共に子宮体がんのリスクには有意な変化はありませんでした。可能性としては,日本人においては大豆食品やイソフラボンの摂取量は元々高いこともあり、大豆食品やイソフラボンの摂取量と子宮体がんの関係を明らかにするには、更に大規模な研究が必要と結論。【参考】・国立がん研究センタープレスリリース・BJOG文献
2014年06月23日生理痛が重い、セックスで挿入時に痛みや違和感がある・・・・・・。そんな症状をお持ちの方は、もしかすると子宮後屈かもしれません。子宮後屈という言葉、初めて聞いた方もいるのではないでしょうか。通常、子宮はおへそ側に倒れています。一方、子宮後屈の子宮は、背中側に倒れています。子宮が後ろに倒れているせいで、セックスで挿入されても、子宮の裏側と腸管との間に当たり、気持ち良いどころか痛みを伴ってしまいます。子宮後屈は昔だと不妊の原因とされ、手術も行われていましたが、現在では病気ではないとされています。ただ、セックスの際に痛いのは困りますよね。そこで、女性の性に関する取材も行っている筆者が、子宮後屈の女子でもセックスで気持ち良くなれる方法をご紹介いたします。■1.体位は騎乗位体位は断然騎乗位です。正常位だと、ちょうど痛い部分に当たってしまいます。騎乗位は少し、足腰が疲れてしまうデメリットもありますが、逆に言えば、自分の好きなように動けるので痛い部分を避けることができます。また、男性側も、胸が揺れる様子を下から見上げるのは興奮するとのことです。■2.前戯をしっかり挿入であまり快楽を得られない場合、前戯をしっかりして前戯でイクという手もあります。前戯をしっかりしてもらうためには、彼にもしっかり前戯をしてあげましょう。挿入前にイチャイチャしている時間の方が、良いコミュニケーションになるかもしれませんよ。■3.物足りない場合はローターを使う騎乗位でもあまり快感を得られず物足りないという方は、挿入しつつローターを当てる方法もあります。これだと高確率でイクことができます。恥ずかしいかもしれませんが、その恥ずかしさも快感に変わるはずです。■4.深く挿入し過ぎない深く挿入すると、どうしても子宮に当たってしまうため、彼には深く挿入し過ぎないよう頼みましょう。よく、AVなんかでは「もっと奥を突いて~!」などと女優が叫んでいるものもありますが、それはファンタジーだということを男性に理解させる必要もありそうです。■5.彼にきちんと痛い部分を伝える何より、一番重要なのが、彼に子宮後屈であることを伝えること。痛い部分や痛い体位はしっかりと伝えましょう。お互いが気持ち良く、愛情を確かめ合えるセックスが一番です。そのためには、セックスだけでなく、普段から彼とスキンシップによるコミュニケーションをとったり、思いやって行動し合ったりすることが大事です。■おわりに女性の2割~3割が子宮後屈とのこと。健康に支障はきたさないとされている子宮後屈ですが、子宮内膜症のせいで後ろに倒れていることもあります。その場合はすぐに治療を行わないと、激痛に悩まされるだけでなく、不妊の原因にもなってしまいます。婦人科に行くのに抵抗がある方もいるかもしれませんが、自分の子宮は健康だと思っている方も、一度婦人科検診を受けてみてくださいね。自分の体のことが分かれば、自分により合ったセックス法が見えてくるはずですよ。(姫野ケイ/ハウコレ)
2014年04月07日岡山大学は、正常な黄体細胞がリンパ管を通じて卵巣外へ流出することによって黄体が卵巣から消失することを発見したと発表した。同成果は、同大大学院環境生命科学研究科 動物生殖生理学分野の奥田潔教授らによるもの。詳細は米国オンライン科学雑誌「PLOS ONE」に掲載された。多くの哺乳類において排卵後の卵巣に形成される黄体は、黄体ホルモンを分泌することで雌の体を妊娠できるようにするが、妊娠に至らなかった場合、黄体は卵巣から消滅し(黄体退行)、妊娠可能な状態が解除され、次の排卵を待つこととなる(ヒトでは月経が生じる)。これまで黄体退行は、黄体を構成する黄体細胞がプログラムされた細胞死(アポトーシス)ならびに黄体へ侵入したマクロファージによる貪食作用(死細胞の除去)によると考えられていた。しかし、研究グループでは、アポトーシスと貪食による卵巣からの黄体細胞除去には5日程度掛かる健康なウシに、薬剤(プロスタグランジン F2α)を用いて人為的に黄体退行を誘導した場合、約24時間で黄体が卵巣から消えるが、黄体細胞除去に働くマクロファージの数は生理的な黄体退行時と変わらなかったことから、従来の説に疑問を感じ、新たなメカニズムの探索を行ったという。その結果、卵巣から採取されたリンパ液中に多数の生きた黄体細胞を発見したほか、リンパ液中の黄体細胞の数は黄体退行時に急激に増加し、特に黄体が卵巣上から完全に消滅する際に黄体細胞の流出が重要であることが判明したという。今回の「黄体細胞がリンパ管を通じて卵巣から流出する」という成果について研究グループでは、リンパ管を通じて細胞が流出する現象はがん転移の際に観察されていたが、そうした細胞流出が生理的な器官の消失に関与するという報告はなく、今回の発見は生物学的に重要なものとなると説明するほか、ウシの人工授精では排卵のタイミングをコントロールする必要があるが、排卵には前の排卵時に形成された黄体の消失が必須条件となるため、今後、大量の黄体細胞を任意のタイミングでリンパ管へ流出させる技術を開発することで黄体退行を人為的に制御できるようになれば、効率的に排卵を促し人工授精を行うことが可能になるとコメントしている。
2014年03月24日浜松ホトニクス(浜ホト)は10月17日、MEMS製造技術により量産対応が可能で、小型な次世代光電子増倍管マイクロ光電子増倍管(PMT)を開発し、機器に組み込み易い電圧分割回路を内蔵したマイクロPMTアッセンブリ「H12400-01-01」と、小型高圧電源を内蔵したマイクロPMTモジュール「H12402/H12403」シリーズを発表した。 同製品では、300~850nmまでの広い波長域で、近赤外域に感度を広げたマルチアルカリ光電面のPMTに、電圧分割(デバイダ)回路を内蔵したアッセンブリと、新設計の駆動用小型高圧電源を内蔵し、従来品に比べ約1/3の容積にしたモジュールがラインナップされている。モジュールには、機器設計の自由度を考慮して、奥行きが薄いタイプ「H12402」シリーズと幅が狭いタイプ「H12403」シリーズがある。アッセンブリは、駆動用高圧電源を接続することで動作し、検出部を極力小さくして機器に組み込みやすくしている。モジュールは、+5Vの低圧電源を接続することで動作するので、PMTの扱いに慣れていないユーザーなどにも使い易くなっている。 マルチアルカリ光電面マイクロPMTの主な仕様は、有効面1mm×3mm、量子効率20%(最高感度波長420nm)、増倍率10万倍以上となっている。マルチアルカリ光電面は、昨年11月にサンプル出荷が開始された可視域に感度を持つバイアルカリ光電面と並びPMTの代表的な光電面である。マルチアルカリ光電面は、アンチモン(Sb)にナトリウム(Na)、カリウム(K)、セシウム(Cs)を反応させたもので、300~850nmまで広い波長域に感度を持ち、分光光度計やバイオ・遺伝子関連分野での蛍光計測など幅広い用途に利用されている。バイアルカリ光電面は、SbにK、Csを反応させたもので可視域に感度を持っている。この光電面の分光感度特性は、ヨウ化ナトリウム(NaI(Tl))シンチレータの発光波長と良く一致していることから、シンチレーションカウンティングによる放射線計測などに広く応用されている。 PMTは、極微弱な光の粒(フォトン)までを検出する光センサで、物理や生物など最先端のサイエンスの発見で役に立っている。通常の製品は、小型のもので直径1.5cm、長さ5cm程度の筒状の真空管で、ガラス管の中に光電面と電子増倍部、陽極で構成されている。従来のPMTは、電子増倍部などを構成する数十点もの部品を1本ずつ人の手で組み立てていたために、量産対応や小型化が困難だった。マイクロPMTは、シリコン基板を2枚のガラス基板で挟み込んだ、わずか3つの部品で構成されたシンプルな3層構造で、シリコン基板をエッチングで削り、従来の電子増倍部の電極配置と同様な構造を高い精度で形成できる。性能も、従来の光電子増倍管と同じ真空管で同じ動作原理のため同程度を確保。半導体製品と同様にプロセス処理する製造方法を採用しているため、大量受注にも対応できる。今回、独自の半導体製造技術、電子軌道設計技術、真空気密パッケージ技術、真空プロセッシング技術を総合的に利用した。中でも、MEMS技術によるところが大きいという。エッチングでは900μmの深堀加工を実現した。また、MEMS技術の陽極接合を用いてシリコン基板とガラス基板を貼り合わせている。これらにより、小型、軽量で衝撃に強いデバイスが実現し、高性能な携帯型分析機器などの開発に最適としている。 マイクロPMTの具体的な応用例としては、小型分析機器や、迅速診断キットを用いて患者の近くで診療中に簡単に測定でき、病院内の検査室で行う検査と同じ結果を得られるPOCT(臨床現場即時検査)が想定される。例えば、開業医の診察室や病棟の入院患者のベッドサイドで患者の目の前で行う検査、病院の救急救命センターや手術室での患者モニターなどがある。POCTは、迅速検査だけでなく、治療の過程や予後のモニタリング、携帯機器が開発されれば、健康維持のための予防に役立ち医療費の削減につながる。また、蚊に吸われた程度の量で血液検査ができるようになることで、患者負担が軽減されるとともに、検査時間も大幅に短縮される。このように、POCTは、医療費削減や医療の質の向上が期待されている。 また、生化学分析においては、試験管や容器あるいはキャピラリー(毛細管)に代わる、固体の表面に配列したナノ構造体が開発され、医療検査機器の小型化・高機能化が進んでいる。μ-TAS(Micro-Total Analysis Systems:微小化学分析システム)は、MEMS技術を用いて、チップ上に微小な流路や反応室、混合室を設け、1つのチップもしくはデバイスで血液やDNAをはじめ、さまざまな液体や気体を分析する生化学分析デバイスであり、マイクロPMTはμ-TASにも有用という。 さらに、DNAマイクロアレイなどにより、数十万の遺伝子発現を瞬時に網羅的に取得できる研究が進められている。これが実用化されれば、遺伝子で個人の体質を診断し、個人の遺伝子情報から医薬品の有効性や副作用の出ない量などを調べ、個人に適切な薬を適量投与して治療を行なうことや、個人の体質に合った病気の予防をするテーラーメード医療が実現する。テーラーメード医療により、副作用による医療費の節減、病気の重症化の回避、重症化によって働けなくなることも避けられるため社会福祉費用の節減、生活の質の向上、労働力の確保にもつながっていくと考えられている。マイクロPMTは、DNAマイクロアレイの光センサとしても有用である。 一方、水質や大気などの環境測定用分析機器は、大型で高価なものだったが、近年、モバイル分析機器が製品化され始めている。環境測定の対象としては、近年関心が高まっている放射線計測をはじめ、健康への影響が懸念される微小粒子状物質PM2.5、雨水、河川水、土壌水などの環境水、製造工程で使われる廃水、自動車の排出ガス、工場の排煙、廃棄物の焼却排ガス、火山活動や黄砂の粉塵など様々である。これらに含まれる多成分な物質を、オンサイト(現場)でリアルタイムに、高速で高精度、高効率に同時分離して定量計測するには、高感度でSN比の良い低ノイズな光センサが必要となる。マイクロPMTは、環境モニタリング機器にも役立つ。 なお、価格はマイクロPMTアッセンブリの「H12400-01-01」が7万2450円、マイクロPMTモジュールの「H12402-01/H12403-01」が8万850円、マイクロPMTモジュールの「H12402/H12403」が6万900円。11月1日よりサンプル出荷を開始する。
2013年10月18日医療用医薬品などの輸入・製造・販売を行うMSDは、”子宮頸(けい)がん”の予防ワクチン接種を呼びかけている。費用を国と自治体が補助する「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業」の助成制度は平成24年度末(2013年3月末)までであり、半年間に3回のワクチン接種(同種)の必要があることから、早めの接種を推奨している。接種方法は筋肉注射で、小児科、婦人科・産婦人科、内科などで接種が可能。通常2回目の接種は初回接種から1、2カ月後で、3回目は6カ月後となっている。なお、助成制度については自治体ごとに異なるため、自治体や最寄りの医療機関に問い合わせる必要があるとのこと。子宮頸がんは乳がんに次いで罹患(りかん)率が高く、特に20代から30代のがんでは第1位だという。そのため、HPVに感染している可能性が低い、低年齢での接種がより有効であると考えられている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月26日メドピアはこのほど、同社が運営する医師コミュニティサイト「MedPeer」で、「消化管閉塞(へいそく)がない場合の栄養療法」に関する調査を実施した。調査期間は5月9日~15日で、有効回答数は2,592件。「経口摂取困難な脳転移再発症例に対し、どのような栄養療法を行いますか?」という質問に対し、53%の医師が「胃瘻(いろう・PEG)造設」と回答。「管理しやすく誤嚥(ごえん)等少ない」「経鼻胃管は苦痛」「転院、自宅管理することを考えたら、PEGしかない」といったコメントがみられた。また、「経管栄養法」を選択した医師は30%で、「予後は限られているので、あえてPEGにする必要はない」「最も侵襲(しんしゅう)の少ない、そして合併症が少ないと思われる方法を選ぶ」といったコメントが寄せられた。さらに、「中心静脈栄養法(末梢(まっしょう)静脈栄養)」は6%、「その他」は11%。「長期の余命が期待できないのなら中心静脈栄養が良い」「積極的な治療の適応がない」といった意見がみられた。一方で、栄養補給自体に否定的なコメントもみられ、「予後とご家族の希望を考えて対処する」といった声も少なからずみられたという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月28日4月9日、銀座の洋菓子店『ブールミッシュ銀座本店』にて、都内の女子大生たち(お茶の水女子大学、慶応義塾大学他)による子宮頸がんの予防啓発イベントが行われた。このイベントは、大学生向け情報サイト『メンター・ダイヤモンド』に所属する女子大生たちが「子宮頸がんの正しい知識を同じ女子大生たちに知ってもらいたい」という主旨で企画したもの。数字の並びが子宮と読めることから「子宮頸がんを予防する日」に制定されている4月9日に合わせて開催された。イベントでは、ブールミッシュ銀座本店・中村昭生シェフの協力のもと、490個のマカロンを使い49の文字を描いた巨大オブジェを制作。また、オブジェ公開の後は、子宮頸がんのワクチン接種を経験した女子大生と産婦人科医・江澤佐知子先生による子宮頸がんに関する講義が行われた。イベント終了後は、参加した女子大生がお茶の水女子大学や早稲田大学など、都内5大学の構内や通学路で、子宮頸がんに関するメッセージが添えられたオリジナルマカロンを配布。新入生や在校生に子宮頸がん予防を大切さをアピールした。今回制作されたマカロンのオブジェはブールミッシュ銀座本店にて期間限定で公開される。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月10日ダイヤモンド社は、大学生による大学生向け情報サイト「メンター・ダイヤモンド」において、4月9日の「子宮の日」にちなんだアンケート調査を行った。子宮頸がんの正しい知識を広めるべくして行われた同調査の調査対象は、子宮頸がんのワクチン接種において公費助成の対象外である女子大学生300名。「子宮頸がん」という病気について、女子大学生の99%が「知っている」と回答したが、「実際にワクチンを接種した人」は7%と少なく、「検診を受けた人」も9%にとどまった。接種しない理由のトップは、費用の高さ(64%)。抗体をつくるために必要とされる接種は全部で3回、その費用は合計で約5万円といわれている。この金額は、公費助成の対象外である女子大学生にとって大きな負担だ。このため「親に費用(の一部)を負担してほしい」と回答する女子大学生は74%にのぼった。子宮頸がんは、性交渉で感染するヒトパピローマウイルス(HPV)が主な原因となって発症する女性特有のがん。しかしHPVを予防するワクチンの接種と定期健診で、予防が可能な唯一のがんといわれている。自治体により対象年齢は若干異なるものの、2010年10月以降、中高生の一部には公費助成によりワクチンの接種が受けられるようになっている。性交未経験者への接種が効果的だという観点から、この年齢層に限って助成が行われるが、同がんは20~30代の女性で発症率1位といわれ、死亡率と罹患率も増加傾向にある。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月05日会社の婦人科検診で子宮が2つあると言われました。もしかして、妊娠できないのでしょうか?(ユミ/22歳/会社員)これまで自覚症状はなく、検診で初めてわかったとの相談者さん。手術は必要なのか、そして妊娠できるのかといったことを心配しています。女性専門クリニック「私のクリニック目白」の平田雅子院長に詳しくお聞きしました。(以下、平田雅子先生)実は子宮は奇形が起こりやすい臓器なんです。子宮は、お母さんのおなかの中で胎児だったころに、ミュラー管という子宮のもとになる器官が左右から癒合してできあがります。形成の途中で癒合がうまくいかなかった場合、このような奇形になります。子宮奇形は女性の約5%にあるといわれ、決してまれではありません。奇形にはさまざまなタイプがあります。■重複子宮(左右のミュラー管が癒合せず、それぞれ独立して子宮になったもの。子宮口も膣(ちつ)も2つ)■双角子宮(子宮の上のほうが動物の角のように2つに分かれているもの。膣(ちつ)は1つ、子宮口は1つの場合と2つの場合がある)■中隔子宮(子宮の内腔に壁があるもの)■単角子宮(形成過程で片方のミュラー管が消滅したり発育不良になってしまったりしたもの)でも、子宮奇形であっても、妊娠していなければ、普段どおりの生活ができます。特に症状がなければ、治療の必要はないのです。ただ奇形の種類によっては、生理痛や下腹部痛、Hの時の痛みの原因になることがあります。こういった場合は、専門医に相談したほうがいいでしょう。それから、習慣流産や不妊、早産、難産の原因になることもあります。とはいえ、多少変形していても、子宮が十分に発育していれば、正常に妊娠・分娩(ぶんべん)できることも少なくありません。個人差が大きいものだから、診断と治療については、できれば子宮奇形の専門医にお願いしましょう。特に妊娠と出産を希望するときは、担当医とよく相談して指導を受けてください。(ビューティ&ダイエット編集部)
2012年01月25日子宮頸がん・ヒブワクチン接種費の半額負担に山口県長門市は、子宮頸(けい)がん予防ワクチンと乳幼児の細菌性髄膜炎を防ぐヒブワクチンの接種費用を助成するため、「すこやかながとワクチン基金」を設立、来年度から接種費用の半額を助成するとのこと。これは、朝日新聞が報じたもの。基金の設立を働きかけた市内の医療法人社団成蹊会岡田病院の岡田和好院長らが4日、市役所を訪れ、南野京右市長に原資として病院が500万円、成蹊会職員一同(290人)が30万円を寄付したという。病院開設50周年を記念して寄付をしたという岡田院長は、「地域医療に役立ててほしい」と話しているという。国内で承認されている両ワクチン、若年接種が効果的子宮頸がんは20~30代の女性に多く、国内で年間約1万5千人が発病、約3500人が死亡している。また細菌性髄膜炎は、5歳以下の子どもが罹り易く、国内で年間約600人が発症し約5%が死亡、20~30%に難聴やてんかん、発育障害などの後遺症が残るとされる病気だ。いずれのワクチンも国内で承認され、子宮頸がん予防ワクチンは小学生から中学生の間に、ヒブワクチンは乳幼児の頃に接種すれば効果的といわれている。一般の医療機関で接種できるものの、現時点では保険の適用がなく、任意接種となっており、費用は子宮頸がんワクチンが計3回接種で約4~6万円、ヒブワクチンは計4回接種で約3万2千円という。現在、全国的に接種費用の公的負担の動きが出てはいるが、長門市では来年度、市の持ち出しも含め、中学3年生の女子約170人と乳幼児約1400人を助成対象にするといい、子宮頸がん予防ワクチンへの助成は県内初、ヒブワクチンへの助成は宇部市に次いで2例目とのことだ。
2010年10月07日香港財経事務及庫務局の陳局長は、香港に独立した保険業監管局を成立のためパブリックコンサルテーションを行っており、10月中旬まで続けられるという。陳局長は、金融危機の経験から保険業の監督・管理制度は一刻の猶予も許さない業務であり香港の保険業を国際的レベルに上げるためには独立した保険監督局を設立が必要だと考えているようだ。「保険監督局の設立により、資源や人材の柔軟な確保、および金融市場の急激な変化や保険加入者の保護へ効果的な対応を行うことで、市場の持続的発展と保険業の競争力を強めることができる。」と、その考えを明かしている。金融管理局に保険規制・管理の権限を与える陳局長は、現在の業界関係者による自制制度を変えることで消費者の保険に対する信頼を勝ち取ること、香港金融局へ権限を与えることで銀行での保険商品の販売活動を規制・管理できる体制を整えること、金融管理局と保険監督管理局に同等のガイドライン・法の執行力を確保することが重要だと考えているようだ。
2010年09月19日