●地獄のヒントは居酒屋のテレビ6月19日に最終回を迎えた日本テレビ系ドラマ『ゆとりですがなにか』。「ゆとり第一世代」と呼ばれる1987年生まれの男女が、友情に、恋に、仕事に生きる姿を描いた。その脚本を担当したのが宮藤官九郎(45)。彼が『週刊文春』で連載している「いまなんつった?」の2016年3月3日号では、「問題は教育制度そのものではなく、それを受けた彼らが社会に出て感じている負い目の方じゃないか」と疑問を投げかけている。一方で、映画監督として4作目となる『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』(6月25日公開)で選んだ舞台が"地獄"。17歳でこの世を去った大助(神木隆之介)は、赤鬼キラーK(長瀬智也)率いるロックバンド"地獄図"に参加し、地獄からの生還を目指して奮闘する。宮藤監督の過去作を振り返ると、時代劇コメディーの『真夜中の弥次さん喜多さん』(05年)、パンクバンドをテーマにした『少年メリケンサック』(09年)、中学生の妄想を描いた『中学生円山』(13年)。ドラマを含めても、"宮藤監督ワールド"こそ独創性に優れているといえるのではないか。ゆとり世代から地獄のことまで。作品作りにおける彼の頭の中は、一体全体どうなっているんだろう。今回は、『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』の話題を中心に、「宮藤官九郎の映画脳」という一点に絞って彼の頭に"メス"を入れた。――いよいよ公開ですね。業界内での反響はいかがですか。まぁ、あの……関係者の方やスタッフは良いことを言ってくださるので(笑)、本当の評価は公開するまで分からないと思ってます。一般の人に観てもらった時にどこまでこの世界を楽しんでいただけるのか。気になりますね。――私が観た時の試写室は満員。補助席まで出る盛況ぶりでした。そうですか。よかったです。――個人的にツボだったのが、中村獅童さんのシーン。思わず吹き出してしまいました。役柄が明かされていなかったので……まさかあんな役だったとは(笑)。ありがとうございます(笑)。獅童さんから直接メールをいただいて、「精いっぱいやらせていただきます!」と。獅童さんにお願いして良かったです。――『週刊文春』の連載「いまなんつった?」を昨年から読んでいるのですが、今回の映画の話もたくさん取り上げていらっしゃいましたね。そうですね。去年はほとんど映画がメインになっていて、春から秋ぐらいまではずっと映画のことばかり考えていました。――今回は連載に書かれていた内容に沿って、お話をうかがいたいと思います。よろしくお願いします。――脚本を手掛けられた『GO』(01年)と『ピンポン』(02年)で、映画のスタンスが決まったそうですね。「原作と脚本」の関係性について書かれていたのですが、今回はオリジナル作品です。その点はどのように受け止めていらっしゃいますか。オリジナルの場合、いちばん必要なのは「説得力」です。企画を成立させるにあたり、協力してもらういろいろな人を説得しなければなりません。興味を持ってもらうために、自分のやりたいことをスタッフやキャストに伝えていくのですが、もし原作があれば「この本、面白いから読んでください!」で済むというか、だいたい共有してもらえますよね。でも、オリジナルはそれができない。僕のオリジナル作品では、大抵の人の興味はギャグやコメディ要素。ただ、作品を作っていく中でそれだけではないテーマが見えてきます。オリジナルだからこその難しさもありますが、好きなように作れる強みもあって。もともとの発想「0→1」は自分の中にあるもの。だから、僕にとってはとってもやりやすいんです。原作がある場合は、原作と映画の違いを意識しなければなりませんから。脚本だけを依頼される時は、また事情が変わってきます。原作があると進むべき方向が決まってやりやすい。ところが監督をやるとなると、今度はオリジナルの方がやりやすくなります。「この世で1つしかない」ものを作り出せるのは、オリジナル作品の監督だけなんで。――正直に打ち明けます。映画化決定のニュースを書いていた時点では、「この映画は大丈夫なんだろうか」と不安になるほどイメージをつかめていませんでした。「聞こえないふり」をする人はどのあたりから減っていきましたか。(1月の完成披露試写会にて「(周囲を説得する中で)聞こえないふりをする人が多かった(笑)」と発言)(笑)。皆さんちゃんと聞いてくださっていましたが、やっぱりキャストが決まってから反応は変わってきたんじゃないですかね。長瀬(智也)くんと神木(隆之介)くん。オリジナル作品で大事なことなんですけど、解釈の違いとか誤解から生まれるものも絶対にあると思います。原作を映画化するのは楽な部分もありますが、そういう発想の原点となる「誤解」はない。オリジナルは解釈の違いから「そういう見方もあるのか」という発見につながって、そこから僕もまた広げられる。「そっちの方が面白い!」と飛びつくことができるし、やっぱり僕はオリジナルの方がやりやすいですね。――企画したのが2012年で、脚本を書き始めたのが2014年。"地獄"の撮影場所を悩んだ末、近所の居酒屋のテレビで『楢山節考』(58年)を見て閃きがあったと。ええ。ヒントとなった木下惠介さんの『楢山節考』。これは地獄の話ではなく、姨捨山をモチーフにした話なんですが、今から60年前くらいの作品です。すべてセットで撮っていて、昔はオールセットで撮影している作品が結構あった。地獄の映画をやることをは決めていたんですが、そのビジュアルまでは自分の中で見えていなかったんですよね。ロケで撮るのか、あるいはグリーンバックで合成で撮るのか。でも、どちらも何かしっくりこない。それはそれで見たことある感じになりそうだし、それをやるのであれば僕よりも上手な映画監督がいっぱいいると思ったので、何か面白いアイデアないかなと思った時に、『楢山節考』を見て、大きなスタジオに地獄のセットを作れば、珍しい映画になるんじゃないかと思ったんです。●書かないと思い出せないアイデアはいらない――いろいろな作品を並行して進めていらっしゃいますが、そういうアイデアの管理は? 居酒屋での偶然の出来事も、何かに書き留めているとか。メモることはあまりないです。並行してやっている期間が長い時、例えば再来年、来年、今年の作品を同時に進めている時とかは、整理しないといけないから後で思い出せるように必要なことを書き出すことはあります。でも、書かないと思い出せないようなことであれば、それだけひらめきのインパクトとしては弱いんだろうなと思うので、よっぽど忘れちゃいけないことだけメモったりしています。あとは打ち合わせ中に、後で絶対に必要になることなどは書いておくようにしたり。でも、今回の作品ではほとんどありませんでした。――五感を通して伝わってきたものが、自然と脚本や映画の世界観に生かされているわけですね。そうですね。脚本は考える時間がいくらでもありますけど、現場での撮影はその日その場の判断でしかできないこと。そこで監督はジャッジしなきゃいけないから、決断力を強いられる時は、やっぱり今までの自分の経験しかないですよね。経験をもとに、瞬間的に判断する。だから、忘れないように書き留めておくことはあまり意味がない。やっぱり、その場その場で変わっていきます。今まではカット割りを考える時に楽しい時ときつい時がありました。そうすると大体スタッフの方が「現場で役者の芝居を見てから考えてもらって全然いいですよ」と言ってくださるのでお言葉に甘えて臨んでいたんですが、現場で何も思いつかない時もあるんですね。でも、今回は全カット絵コンテを書いたんです。全シーン全カット絵コンテを書いたら、現場で全く悩みませんでした。なおかつ、違和感があった時に絵コンテがあると、それを壊すこともできる。前もって考えていたビジュアルが1つあると、そこから変化させることもでできる。それに気づけたのは発見でしたね。――今後も同じような方法でやっていくつもりですか?うーん、分からないですね(笑)。今回は、たまたまビジュアルにすごく頼る作品だからそうしましたけど……今後それをずっとやるのか(笑)。できればやったほうがいいんだとは感じました。――最初は2時間33分の作品だったそうですが、最終的には2時間5分に。率直にどちらの方が気に入っていますか?それはもちろん2時間5分です。もちろん諦めたシーンとかあるし、その30分をカットしたんですけど、台本上大きくカットしたシーンはありません。だから、出てない役者さんもいない(笑)。これも絵コンテ書いていてよかったなと思うところで、多めに素材を撮っていったんです。今までは「撮ったつもり」になっていたこともありました。今回は撮れてないカットが1つもなかったので、そういった意味では最初に思い描いていたとおりの映画に近づいたんじゃないかなって思います。編集の方がつないだ2時間30分を見た時に、意外と完成度が高かったことがちょっとショックでした。そこからカットしないといけないのかと(笑)。でも、今まで4本撮って、現場がいくら楽しかったり盛り上がったりしても、日が経ってその映画を見た時に、「このカットはいらないな」とか「この間は必要?」とか、そういうところが出てきて。今回はそこを意識して、2時間5分にまとめました。だから、「尺の都合」で泣く泣くカットしたシーンはありませんし、短くしたことで良くなっているところはたくさんあります。――その話にも関連するのですが、映画の尺がだいたい2時間前後であることについてどう思いますか? 連載でも書かれていました。先日、『ストレイト・アウタ・コンプトン』(15年)というラッパーの映画を観ました。2時間47分の作品なんですが、全然退屈しなかったんですよね。やっぱり時間は関係ない。1時間半の映画でも退屈する時はします。きっと人それぞれの好みや思考があると思いますが。昨年公開された『ハッピーアワー』は5時間17分。まだ観ることはできていないんですが、もしかしたらそのくらいの方が気持ちのいい時間なのかもしれない。誰が「映画は2時間」と決めたのかなとは思います。きっと、座って1つのものを観てられる時間はそのくらいなんでしょうね。『七人の侍』(1954年)も途中に休憩が入っていましたし、インド映画で長いものは3日に分けて観るものもあります。そんな作品がある中で「2時間」は1つの基準になってるんだろうなと思います。――これまでの作品は達成感があり、今作は「挑戦」でもあったと聞きました。次作でなんとなくイメージしていることはありますか。この方向でもう1本やっても、もうこれを超えることはないと思うので、次はもうちょっと現実的な世界でやりたいです(笑)。淡々とした映画。やっぱり、振り幅が大きい作家でいたいという思いがあるんですよね。いつやっても「宮藤官九郎っぽい」になっちゃうというのは、みなさんが観たらそう思うのかもしれませんが、僕の中では全然違うものを作りたいという思いが毎回ある。この映画は地獄が舞台で、現実感のない世界。今度は、また別の世界の作品を作っていきたいです。■プロフィール宮藤官九郎1970年7月19日宮城県生まれ。1991年より大人計画に参加。TBS系ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』(00年)で脚本家として脚光を浴び、行定勲監督の映画『GO』(01年)で第25回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞。映画監督デビュー作となった『真夜中の弥次さん喜多さん』(05年)で新藤兼人賞金賞を受賞し、本作は『少年メリケンサック』(09年)、『中学生円山』(13年)に続く4作目の監督作品。(C)2016 Asmik Ace, Inc. / TOHO CO., LTD. / J Storm Inc. / PARCO CO., LTD. / AMUSE INC. / Otonakeikaku Inc. /KDDI CORPORATION / GYAO Corporation
2016年06月24日脚本家の宮藤官九郎が、きょう22日(19:00~21:48)に放送されるテレビ朝日系バラエティ番組『あいつ今何してる?』(レギュラーは毎週水曜19:00~19:56)の3時間スペシャルに出演。番組史上初めて、同級生同士の論争が発生してしまう。ゲストの学生時代の同級生の"今"を調査していく同番組。宮藤は、高校での修学旅行中に同級生とナンパし、その相手の女子と同級生で文通を始めたというが、相手側から終了を告げられてしまったというエピソードを紹介する。文通終了の通告後、ナンパグループ全員が、学校にハガキを持ち寄って報告し合ったそうだが、その中に1人だけ、封書の手紙を受け取っており、そこには「好き」という文字も書かれていたという。宮藤はその彼が「モテるタイプじゃなかったから、悔しかった」と振り返る。番組では、その"勝ち組"同級生の今を調査。宮藤の地元・宮城県を訪ねるが、宮藤と同様に当時を思い出して悔しさをにじませる"ハガキ組"の同級生たちに対し、"勝ち組"の彼の発言をきっかけに、番組史上初めて、同級生同士の論争が勃発してしまう。今夜の放送では他にも、高嶋ちさ子の「天才的にバイオリンがうまかった」同級生の男子や、浜口京子と一緒に茶道のお稽古をしていた女の子、浅香唯に「好きやじ」と告白してきた男子、サバンナ・高橋茂雄と両思いだったはずの女子などの今が調査される。
2016年06月22日6月25日(土)より全国公開される『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』の脚本・監督を務める宮藤官九郎と、来年公開の人気コミック実写映画化作品『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』に出演する本郷奏多が、6月20日(月)今夜放送の「有吉ゼミ」に出演する。同番組は有吉弘行を司会に迎え「アブない芸能人のリアルな実生活から現代社会を学ぶ」新・知的エンターテイメント。毎回出されるテーマについて実生活で体験がある芸能人たちを密着ロケ。リアルな実体験を基に日本社会を分かりやすく学んでいく。今回ゲスト出演する宮藤さんは劇団「大人計画」に所属しながらバラエティ番組で構成作家を務め、脚本家としてドラマ「池袋ウエストゲートパーク」で注目を集めると、その後『GO』、『木更津キャッツアイ』シリーズをはじめ数多くの人気作を手がけ、13年には連続テレビ小説「あまちゃん」を大ヒットに導いた。今期も岡田将生、松坂桃李、柳楽優弥の3人が“ゆとり世代”を演じたドラマ「ゆとりですがなにか」が好評を博した。『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』は宮藤さん4作目の長編監督作。「TOKIO」長瀬智也と神木隆之介を主演に迎えている。神木さん演じる普通の高校生・大助(神木さん)が不慮の事故で“地獄”に堕ち、そこで待ち受けていたのがキラーK(長瀬さん)らの鬼たち。しかし、大好きな女の子のにまた会うために、えんま様の裁きで現世に転生するチャンスをはかる。また今夜の放送では俳優の本郷奏多もゲスト出演。本郷さんといえばキッズモデル時代から映画、ドラマに出演。昨年は『ストレイヤーズ・クロニクル』『進撃の巨人』2部作に『シネマの天使』と立て続けにメインキャストを張った作品が公開。17年公開予定の実写版『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』にも出演が決定している今夜の同番組は「梅雨をぶっ飛ばせ!潔癖イケメン祭!」ということで、“菌が怖い”というキレイ好きイケメンの本郷さんが“汚い”(?)宮藤さんと「対決」するという。対称的な2人にも注目だ。「有吉ゼミ」は6月20日(月)19時~日本テレビ系で放送。(笠緒)■関連作品:TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ 2016年6月25日より全国にて公開(C) 2016 Asmik Ace, Inc. / TOHO CO., LTD. / J Storm Inc. / PARCO CO., LTD. / AMUSE INC. / Otonakeikaku Inc. /KDDI CORPORATION / GYAO Corporation
2016年06月20日会田誠展「はかないことを夢もうではないか、そうして、事物のうつくしい愚かしさについて思いめぐらそうではないか。」が、東京・ミヅマアートギャラリーで開催。会期は2016年7月6日(水)から8月20日(土)まで。50歳という節目の年を迎えた会田誠が、一度も試みたことのない新しい方法・形式・素材に挑戦。本展において、“これまでの会田誠”という作家イメージを根底から覆す。また、新作のイメージを公開することは禁じ、ヴィジュアルに関してはオープン初日まで完全秘密。展示内容は「なんなら今までの僕のファンが総取っ替えになっても構わない」と、会田が言い切るほど予測不可能だ。そんな中でも、彼が目指すものは絵画における「純粋な美」。本展のタイトルは岡倉天心の『茶の本』(浅野晃訳)の第1章 末尾の言葉から採用した。こんな荒んだ時代だからこそ落ち着いて「純粋な美」について再考したい、という思いが込められている。出品点数は、ギャラリーにおける個展としては過去最多となる30点以上になる見通しであり、現代美術コレクターにはきっと満足のいく内容になるだろう。会田は本展開催に向けて「こんな絵画展らしい絵画展をやるのは、これが人生で最初で最後だろう」「ゲルハルト・リヒター、ジェフ・クーンズ、ダミアン・ハーストといった国際的アーティストと、自分との関係を深く考えた末の結論だ」と語る。【開催概要】会田誠展「はかないことを夢もうではないか、そうして、事物のうつくしい愚かしさについて思いめぐらそうではないか。」会期:2016年7月6日(水)~8月20日(土)開館時間:11:00~19:00休廊日:日・月・祝日※夏季休廊:8月9日(火)~13日(土)会場:ミヅマアートギャラリー住所:東京都新宿区市谷田町3-13神楽ビル2FTEL:03-3268-2500
2016年06月03日女優の宮崎あおいと脚本家で俳優の宮藤官九郎が11日、都内で行われたキリンのアルコール飲料『杏露酒 ひんやりあんず』新CM発表会に出席した。本商品はあんず本来の瑞々しさが感じられ、甘さ控えめですっきり飲みやすい味わいに仕上げたアルコール飲料。イメージキャラクターに就任した宮藤と宮崎は、新CM(4月12日全国放映スタート)に出演。愛妻家の夫とちょっと冷たい妻という"ひんやり夫婦"を演じている。撮影は「テンポも良くて楽しかった」と語る宮崎だが、映画『少年メリケンサック』(2009年)で監督と主演女優という間柄だったいうこともあって「宮藤さんを監督と思ってしまうと緊張すると思ったので、何も考えず、監督だったことは忘れてやっていました」と本音もポロリ。宮藤も「最初は照れ臭かった」そうだが、「(一緒に)お芝居はしたことがなかったので新鮮でした。だんだん楽しくなってきました」とうれしそうに語った。また、「奥様に好かれたい、好かれたいと思ってください」と監督からリクエストされたそうで、それを見事に体現した宮藤に、宮崎は「可愛らしい旦那様という印象でした」と明かし、はにかんだ。また、撮影中の宮崎の"ひんやり"ぶりについて聞かれた宮藤は、「あおいちゃんは(僕が)監督した時もひんやりしていたので、ひんやりはひんやりです」と断言。つまらなそうに見えるのに「楽しくてしょうがない」と言うことがあるそうで、「そういうことがあって(普段から)ひんやりと思っていたので、(撮影中も)いちいち傷つかなかったです」と打ち明け、会場の笑いをさらった。そんな中、宮崎は「自分で思っているより自分の感情が出ていないんだなとわかりました」としみじみ。とはいえ、 自身の"ひんやり"ぶりに自覚はあるようで、宮崎は、「(ひんやり妻は)やりやすかったです」と満足そうな笑みを見せていた。
2016年04月11日ウルトラスーパーピクチャーズは、新海誠氏原作のTVアニメ「彼女と彼女の猫 -Everything Flows-」の制作に使われた資料や原画などを展示する企画展を開催する。会期は4月9日~6月19日(水曜休館、ただし5月4日は開館)。開館時間は10:00~18:00(最終入館は17:30)。会場は京都府・烏丸御池の京都国際マンガミュージアム 2Fギャラリー4(旧・龍池小学校跡地)。観覧無料(ミュージアムへの入場料は別途必要)。同展は、新海誠氏の自主制作アニメーション作品「彼女と彼女の猫」を原作として、今年3月にTOKYO MX・BS11で放送されたTVアニメ「彼女と彼女の猫 -Everything Flows-」(全4話)の制作で使われた資料や原画などを展示する企画展。同アニメの設定資料や背景画、動画(原画や中割も含む)、線撮(アフレコ時に声優が声を当てる映像)、制作スタッフのインタビューなどが公開されるほか、猫をキーワードにしたマンガ特集コーナーが用意されるという。また、5月3日(14:00~16:00)には関連イベントとして、同アニメの監督である坂本一也氏が出演するトークセッション「カノ猫EFができるまで」が開催される。会場は同館1F 多目的映像ホール。参加希望者は、当日10:00よりミュージアム館内にて配布される整理券を入手する必要がある(事前申込不要、定員200名の先着順)。なお、同展の観覧ならびに関連イベントの参加は無料だが、京都国際漫画ミュージアムの入場料(大人800円 / 中高生300円 / 小学生100円)は必要となる。
2016年03月30日『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』の新海誠監督の新作映画『君の名は。』のポスターとシーン画像が公開になった。『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』の田中将賀がキャラクターデザインを手がけている。その他の画像本作は、田舎町で暮らす高校生・三葉と、彼女が夢の中で見た東京で暮らす高校生・瀧が主人公のドラマ。神木隆之介が立花瀧の、上白石萌音が宮水三葉の声を演じ、『千と千尋の神隠し』『思い出のマーニー』の安藤雅司が作画監督を務めている。このほど公開になったポスターは瀧と三葉が美しい風景の中に立っている姿を描いたもので、これまでの新海作品と同様に、徹底的にこだわりぬかれた背景の美しさ、光の処理が印象的な画像だ。新海監督は「田中将賀さん・安藤雅司さんの手により、顔の表情だけでなく、しぐさなども含め、アニメーションとして表情豊かに活き活きとした格好良さや可愛さが表現されていますので、ぜひご期待ください」と語り、神木は「瀧のビジュアルを見ることで、純粋に作品として本編が完成することが楽しみになりました」、上白石は「今回初めて瀧と三葉の顔を見ましたが、ふたりの表情がすごく豊かで、一日も早く三葉を演じたいと思いました」とコメントしている。新ビジュアルを使用したポスターとチラシは4月16日(土)から全国の映画館に順次掲出予定。8月の公開に向けて、注目が高まりそうだ。『君の名は。』2016年8月 全国東宝系公開
2016年03月24日宮藤官九郎脚本のもと“ゆとり世代”の実態に迫る新日曜ドラマ「ゆとりですがなにか」。既にキャストとして岡田将生、松坂桃李、柳楽優弥の出演が報じられている本作だが、このほど放送日が4月17日(日)に決定。新たなキャストとして、安藤サクラ、吉田鋼太郎、太賀らが出演することが明らかとなった。「飲み会?それって強制参加っすか?」「忙しくてメールチェックしてないんスよね、次からLINEでお願いしまーす」「道分かんなくて駅からタクっちゃいました」「うちら、ゆとりなんで」――野心なし、競争意識なし、協調性なし、“ゆとり世代”…社会は彼らをそう名付けた。2002年に行われた教育改正。完全週休2日制。授業内容、時間数削減。絶対評価導入。「ゆとり第一世代」と呼ばれる1987年生まれの彼らは今年29歳。人生の岐路を迎える。高校が休みの土日は塾通い。大学3年生、就活しようとしたらリーマンショック。いきなりの就職氷河期。入社1年目の3月に東日本大震災。「みんな違ってみんな素敵」と教えられたはずが、気づけばここは「優勝劣敗の競争社会」果たして“ゆとり世代”は本当に“ゆとり”なのか…。『ピンポン』『舞妓Haaaan!!!』など数々の映画・ドラマを手掛ける宮藤さんが脚本を務める本作。主要キャストに、入社7年目の主人公・坂間正和役の岡田さんをはじめ、小学校教師・山路一豊役の松坂さん、11浪中の道上まりぶ役に柳楽さんが顔を揃え、リアルな“ゆとり世代”を描いている。今回新たに共演に決定したのは、岡田さん演じる坂間が務める食品メーカーの同期社員・宮下茜役に、『百円の恋』で「日本アカデミー賞」最優秀主演女優賞を受賞した安藤さんが、連ドラヒロインに初挑戦。また、ネットで指名して呼び出すと時間制で悩み相談にのってくれる“レンタルおじさん”・麻生厳役に、現在放送中の「東京センチメンタル」で主演を務めている吉田さん。さらに、正和の後輩で“平成うまれの真性ゆとり”、入社2年目の山岸ひろむ役に、『桐島、部活やめるってよ』など数々の映画・ドラマに引っ張りだこの太賀さんが配役されている。安藤さん演じる茜は、“ゆとり第一世代”でありながら、七転八倒の男子たちとは違い、仕事でも活躍し順調に昇進していくいわゆる“デキる女”。しかし、その一方で長年つきあっている恋人との関係や自分の未来に悩み、素直になれずさみしさを抱えているという、等身大の女性の顔も持つという役どころ。久しぶりのドラマ出演となった安藤さんは「少々緊張気味です。しかし撮影はもの凄く楽しく、宮藤さんの台詞は聞くのも言うのもわくわくします。共感したり、逆に“こんなんじゃねえよ!”と腹を立てたり、爆笑したり、色々な世代の方がこのドラマを観ながらいろんな気持ちになったらいいなと思っています」と宮藤さんとのタッグに喜びを示した。また吉田さん演じる麻生は、正和・山路・まりぶという3人の“ゆとり”男子が出会うきっかけとなる男。実はバツイチで、前妻との間に生まれた息子と同い年の女性と再婚しているという、なかなかの強烈なキャラクターを演じる吉田さんは、「本が大変面白く、早く次の回が出来ないかと待ち遠しい、素晴らしい出来になっております。岡田将生君、松坂桃李君、柳楽優弥君。みんな大好きな俳優さんたちで、公私ともに仲良くしていただき、かつ、大変尊敬している若手の俳優さんたちと三人いっぺんにご一緒できることも、意気込みにつながっております」と語っている。そして「その飲み会って強制っすか?」などと超合理的なゆとり発言を連発して周囲をザワつかせる真性ゆとりのひろむを演じる太賀さんは、「幼い頃から宮藤官九郎さんの作品に多大な影響を受けて育ちました。今回『ゆとりですがなにか』に参加出来る事は大変嬉しく、そして大変、身の引き締まる思いです」とコメントを寄せている。そのほか、高橋洋、吉岡里帆、手塚とおる、青木さやか、中田喜子ら個性豊かなキャストも勢ぞろい。様々なゆとり世代が出演する本作、キャストが口を揃えて話す宮藤さんの創り出す世界観にも期待したい。「ゆとりですがなにか」は、4月17日(日)22時30分~日本テレビ系にて放送開始。(cinemacafe.net)
2016年03月09日宮藤官九郎×長瀬智也×神木隆之介で贈る、“超絶地獄コメディ”『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』が1月27日(水)より開催されている第45回ロッテルダム国際映画祭において「VOICES(円熟した内容・力強さを持った作品が招待され、既に実力を認められた監督による新作が並ぶ)部門」に招待され上映されることを受け、現地入りした宮藤監督が2月2日(現地時間)に舞台挨拶に登壇。主演の長瀬さんを「日本のジャック・ブラック」と讃えた。フツーの高校生・大助(神木隆之介)は、同級生のひろ美(森川葵)が大好き。だが、修学旅行中のある日、大助は不慮の事故に遭ってしまう。目覚めるとそこはホンモノの“地獄”だった!慌てる大助を待ち受けていたのは、地獄農業高校の軽音楽部顧問で、地獄専属ロックバンド・地獄図(ヘルズ)を率いる赤鬼のキラーK(長瀬智也)。彼の“鬼特訓”のもと、“生き返り”を賭けた大助の地獄めぐりが幕を明ける――。世界中からインディペンデント映画や実験映画、視覚芸術分野における新たな才能を発掘し次々と世に輩出し、近年ではカンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭などと並んで最も重要な国際映画祭と位置づけられているロッテルダム映画祭。宮藤監督は、監督デビュー作『真夜中の弥次さん喜多さん』でも本映画祭を訪れており、当時海外映画祭初参加となった思い出深い映画祭に、2006年以来10年ぶりの参加を果たした。上映前の舞台挨拶に登壇した宮藤監督は「日本から10年振りにやってきました、宮藤官九郎です。10年前にこの劇場で上映した『真夜中の弥次さん喜多さん』という映画に主演した長瀬智也くんが今回は地獄の赤鬼を演じています。かなり激しい、ロック青春ミュージカルだと思っています。楽しんでいただけたら、幸いです」と挨拶。上映後に会場が明るくなると、500人の観客によるスタンディングオベーションが起こり、それには宮藤監督も手を振り喜びを噛みしめていた。上映終了後に行われたQ&Aでは、観客から、この役は初めから長瀬さんを想定していたのかと尋ねられると、「はい、僕と彼が地獄を舞台にしたロックのコメディをやりたいねと話していたのが、この映画のスタートだった。僕も長瀬くんも『テネィシャスD』というジャック・ブラック主演の映画がとても好きで、日本では長瀬くんのような良い意味でオーバーな表現をする役者さんが中々珍しいので、彼は日本のジャック・ブラックだと思っています」と明かした。宮藤監督が会場を出ると、監督を待つ観客の波に囲まれ、最後まで興奮状態の中、上映会は終了した。(text:cinemacafe.net)■関連作品:TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ 公開日未定(C) 2016 Asmik Ace, Inc. / TOHO CO., LTD. / J Storm Inc. / PARCO CO., LTD. / AMUSE INC. / Otonakeikaku Inc. /KDDI CORPORATION / GYAO Corporation
2016年02月03日劇場アニメーション『君の名は。』の制作発表会見が12月10日(木)、東京・有楽町の東宝で行われた。会見には、新海誠監督をはじめ、本作で声の出演を務める俳優・神木隆之介、女優・上白石萌音らが出席した。山深い田舎町に暮らす女子高生・宮水三葉(上白さん)と、東京に暮らす男子高校生・立花瀧(神木さん)。夢でお互いと出会い、世界の違う二人の隔たりと繋がりから生まれる、恋と奇跡の物語が描かれている。『言の葉の庭』以来、新海監督の3年ぶりの新作となる本作。キャラクターデザインを務めるのは、『心が叫びたがってるんだ。』のアニメーター、田中将賀。作画監督には『千と千尋の神隠し』や『思い出のマーニー』を手掛けた安藤雅司を迎えた。新海監督は、「今まで憧れていた方たちと一緒に創らせてもらっているので、隣の席から聞こえてくる鉛筆の音、紙の音を聞くだけで泣けてくるほど嬉しい」と感無量の様子だった。『ほしのこえ』以来、述べ14年間ラブコールを送り続けていた、という東宝株式会社・川村元気プロデューサーは、「深海誠のビュジュアルセンスと、田中さん、安藤さんの力がかけ合わさり、今までの日本アニメーションの集大成になるのではないか」と期待を寄せた。立花瀧の声を担当した神木さんは、「深海監督の作品は別の世界へ連れて行ってくれそうな空の色が好きなんです。携われることはとても嬉しいですが、大好きだからこそ、プレッシャーがとてもあります」と話し、『言の葉の庭』を観て以来、舞台である新宿御苑に通い詰めていたことも明かした。オーディションで役を射止めた上白石さんについて深海監督は、「三葉がいる!って思ったんですよね。最初から何のズレもなくハマっていました」と話し、上白石さんは恐縮しながらも、「気が早いですが、もう公開が待ち遠しいです」とにっこり笑顔を見せた。新海監督と二人三脚で制作を続けていたコミックス・ウェーブ・フィルム株式会社・川口典孝プロデューサーは、「新海史上、最高傑作になる」と話し、新海監督も、「分不相応な大きな舞台でプレッシャーもありますが、2010年代の日本を代表するアニメーションになるんだ、と自分たちが確信を持って作っています」と力強く語った。『君の名は。』は2016年8月、全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年12月10日アニメ界の次世代エースとして、注目を集める新海誠監督の最新作『君の名は。』が2016年8月に全国東宝系で公開されることが明らかになった。12月10日に、東京・日比谷の東宝本社で製作発表会見が行われ、新海監督をはじめ、声優を務める神木隆之介、上白石萌音が出席。現在6月の完成を目指し、現場を指揮する新海監督は「(東宝の夏休み興行という)大きな舞台は身分不相応だが、胸を張って、2010年代を代表する日本のアニメ映画になると確信している」と自信を示した。その他の写真繊細なドラマ性と映像美を追求し『ほしのこえ』(2002)、『秒速5センチメートル』(2007)、『星を追う子ども』(2011)と意欲作を次々と発表。自身最大のヒットを記録した『言の葉の庭』(2013)が独シュトゥットガルト国際アニメーション映画祭で、長編アニメーション部門のグランプリに輝き、国内外の評価を決定づけた新海監督が満を持して、3年ぶりとなる新作『君の名は。』を発表する。寝ている間に見る夢を通して、不思議な出会いを遂げる高校生の男女が、恋と奇跡を経験するという新海ワールド全開の青春ストーリーで、「古今和歌集に登場する小野小町の和歌から着想を得た」(新海監督)。キャラクターデザインを手がけるのは、“あの花”で旋風を巻き起こした田中将賀。また、『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『思い出のマーニー』といったジブリ作品で手腕をふるった安藤雅司が作画を担当する。作品を盛り立てる豪華なスタッフ陣に、新海監督は「憧れの皆さんとご一緒し、鉛筆を走らせる音、ページをめくる音を間近に聞くだけで泣けてきますね。プレッシャーや緊張もありますが、幸せな現場」と感無量の面持ち。宮崎駿、細田守に続く存在として脚光を浴びるが、「お二人とも雲の上の存在。話題に挙げていただくだけで、光栄です」と背筋を伸ばした。宮崎&細田両作品で声優経験をもつ神木は、「大好きな新海監督の作品に携わることができて幸せです」と満面の笑み。役柄の設定上、女性言葉を発する場面もあり「どうしましょう(笑)。まだ具体的には考えていませんが、監督に納得していただけるまで何度でもやります!」と意欲を燃やした。一方、上白石は「不安と期待がごちゃまぜの状態。気が早いですが、公開されるのが楽しみ」と胸を高鳴らせた。『君の名は。』2016年8月 全国東宝系でロードショー取材・文・写真:内田 涼
2015年12月10日宮藤官九郎と大根仁。21世紀を迎えてからこの十数年の日本のドラマおよび映画カルチャーを語る上で外すことができない2人のクリエイター。ついにと言うべきか…彼らのコラボレーションが映画『バクマン。』において俳優と監督という関係で実現した。サイコー(佐藤健)&シュージン(神木隆之介)の高校生コンビが、「週刊少年ジャンプ」のNo.1の漫画家を目指し奮闘する本作において、宮藤さんはサイコーの亡くなった叔父で、ジャンプの漫画家でもあった川口たろうを演じており、回想シーンのみでの出演ながらも、サイコーの心の師として、何とも言えない不思議な存在感を放っている。大根監督は本作で、川口たろうが江口寿史とゆでたまごのファンであるという映画オリジナルの設定を加えているが、これは大根監督自身、江口先生の「ストップ!ひばりくん」、ゆでたまご先生の「キン肉マン」などが連載されていた時期のジャンプに最も熱中していたため。いわば、自らを投影したとも言える役柄を同世代のクリエイターである宮藤さんに託した。宮藤さんにとっては映画版『ゲゲゲの女房』に続く漫画家役。2度目だからというだけでなく「漫画家という仕事を遠いものとは感じなかった」という。「昔読んでた『まんが道』(※藤子不二雄の自伝漫画)にGペンとかケント紙とか漫画を描くための道具が出てくるんですけど、元々、うちの実家は文房具屋でそういうものが全部あったんです。漫画を描きたいという憧れはすごくありました。実際、僕も一時期、漫画を描こうとしてて、でもわりと早い時期に自分より才能がある人間がいることに気づいてやめたんだけど(笑)、そういう意味で漫画家とか絵が上手い人間にコンプレックスも持ってますねぇ。『まんが道』で、藤子不二雄が上京したと思ったらすぐに手塚治虫の手伝いに呼ばれたり、編集者たちが順番に原稿を待っていたりというのを読んでいて、演じる上で全くわからない世界という感じでもなかったですね」。自らも脚本家で、監督を務めることもある宮藤さんだが「僕らの仕事で言うと、脚本を書くというのは漫画で言うネームであり、実際の撮影はペン入れに近いのかな…?」とも。そして宮藤さん自身、「モテキ」などを通じて、大根監督のことは気になる存在として見ていたという。“役者”の顔を持つことについて「いろんな方の撮影現場を見られるというのは僕の特権」と語る宮藤さん。偶然だが、宮藤さん自身、先に紹介した「ストップ!ひばりくん」を思い出の一冊に挙げている。大根組の現場は宮藤さんの目にどのように映ったのか?「どうやったらこういう映像を撮れるのか?というのは気になっていたし、現場を見てみたいという気持ちはありました。実際に参加してみて、“リアリティ”の人なんだと感じましたね。一般的には“エッジの効いた”監督とか、ブッ飛んだ感覚の持ち主と見られがちですけど、実際現場における動きやその根拠になっているのはリアリティなんだなと。作品を見てそうではないかと思ってはいたんですが、実際に拝見して改めてそう感じ、興味深かったです」。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:バクマン。 2015年10月3日より全国東宝系にて公開(C) 2015映画「バクマン。」製作委員会
2015年10月01日1995年に阿部サダヲ、宮藤官九郎らで結成された音楽ユニット、グループ魂。今年結成20周年を迎え、全国4都市5公演でライブツアーを展開中だが、WOWOWではツアーファイナルとなる8月29日の東京・日比谷野外大音楽堂でのライブの模様を独占放送することが明らかになった。彼らにとっては2004年7月以来、実に11年ぶりとなる日比谷野音のステージ。20周年記念アルバム『20名』をひっさげてステージに立つ彼らの弾け飛んだパフォーマンスに注目したい。『グループ魂の納涼ゆかた祭り~雨のノーパン成人式 in 野音~』はWOWOWライブにて10月31日(土曜 22:00~)放送。
2015年08月29日宮藤官九郎が監督・脚本を手がけ、長瀬智也が主演を務める新作映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』が来年公開されることが発表され、監督と長瀬、共演者の神木隆之介がコメントを寄せた。長瀬が映画主演を務めるのは7年ぶりとなる。『TOO YOUNG TO DIE!…』は、宮藤監督が手がける完全オリジナル作品で、“地獄”を舞台に、若くしてこの世を去った少年が、クラスメイトに告白したい一心で、赤鬼と一緒に地獄からの生還を目指して大奮闘する異色青春劇だ。長瀬が演じるのは、地獄農業高校の軽音楽部顧問で、地獄専属のロックバンド・地獄図(ヘルズ)のボーカル&ギター担当の“赤鬼”キラーK。神木は、修学旅行で事故に遭い、弱冠17歳で命を落としてしまう大助を演じる。宮藤監督は「高齢化社会だし、自分もいつか死ぬし“死ぬのが怖くなくなる映画”を作りたいと思ったのが発端です」といい、「意気込みは特にございません。4作目ですからはしゃがず、気取らず、意気込まず、長瀬くん、神木くん、みなさんの魅力を撮りこぼさないよう細心の注意をはらうのみです。すいません。忙しいのでこのへんで」とコメント。長瀬は「“ロック”には怖いイメージがあるけれど、本当は笑えるところもある。地獄や鬼という設定はトリッキーでも、実はそこに深いメッセージが隠されている。ロックの素晴らしいところが凝縮された作品にしたいと思いますし、このような作品に出会わせてくださった宮藤監督とスタッフの皆さんに本当に感謝しています!」と話し、役について「赤鬼・キラーKの扮装は、パッと見るだけでは、僕だとわからないんじゃないかな。衣装も音楽もとてもカッコいいので、期待してください」と明かしている。神木は「大助を演じるにあたっては、一生懸命まじめに、ダサくなりたいと思います。ギターは中学・高校の時、時々弾いていたのですが、今回本格的に練習しました。プレッシャーを感じますが、頑張ります」とコメントを寄せており、劇中では、ロックバンド・地獄図(ヘルズ)の一員として、ギターと歌声を披露する。本作は、5月中旬から都内で撮影が開始されており、夏にクランクアップし、年内に完成する予定。『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』2016年2月全国ロードショー
2015年05月28日前作『水の戯れ』で夫婦間の不安定な愛情を緻密に描写した岩松了が、新作でも再び夫婦を題材に筆を執った。夫に宮藤官九郎、妻に麻生久美子という初の本格共演のふたりを配したM&O playsプロデュース『結びの庭』が、3月5日夜に東京・本多劇場で幕を開けた。ほかに安藤玉恵、太賀、そして岩松によるこのサスペンスチックな5人芝居の、初日前日に行われたゲネプロの様子をレポートする。舞台『結びの庭』チケット情報財界の大物を父に持つ令嬢・瞳子(麻生)と敏腕弁護士・水島(宮藤)が結婚して1年。5年前、恋人だった男の殺害容疑をかけられた瞳子の裁判を水島が弁護し、無罪を勝ち取ったことがふたりのなれそめだった。結婚一周年を迎えてもなお仲睦まじいふたりを、屋敷に出入りする家政婦の丸尾(安藤)、水島の秘書・近藤(太賀)は温かく見守っている。そんなふたりの前に、5年前の事件の真相を知ると語る謎の男・末次(岩松)が現れ……。セレブな若夫婦の住まいらしいセンスのいいリビングと、隣接する緑豊かな庭のみでほぼ展開。序盤は、いまだ新婚気分の抜けない水島夫妻の浮き足立った雰囲気が、作品全体にも漂ってほほえましい。インテリのエリートという普段あまり演じない役に、三つ揃いのスーツにメガネというカッチリした姿で扮する宮藤が新鮮だ。酒の入ったグラスをカチッと合わせた直後に、瞳子をグッと引き寄せてキス、といった場面も。細身のスーツが綺麗にキマるシルエットや全体的な空気感など、宮藤は不思議な色気を漂わせている。その宮藤扮する水島に「こわいよ、オレは。いつまでたっても、こうやってあいつのことが好きなままだってことがさ」と言わしめる妻・瞳子を演じる麻生。登場時のペールピンクのドレスがよく似合う可憐な令嬢そのものだが、接する人物によって異なる顔を見せたりする多面的な女性だ。多少意地悪でヒステリックな面もあるが、彼女の芯にあるのも夫への強い愛。自覚的か無自覚かはわからないが、その愛ゆえに男を惑わせていく“ファム・ファタル”な存在と言えるだろう。約5年前に岩松作品『マレーヒルの幻影』で初舞台を踏んだ麻生が、持ち前のはかなさと包容力の両面を生かし、魅力的に演じている。この夫婦に翻弄されながらも“仕える者の矜持”を垣間見せる家政婦役の安藤と秘書役の太賀も、少人数の座組において、各々の役割を的確に務め上げる。特に安藤演じる丸尾は、彼女の目線から語られる物語という意味でも、陰の主役的存在。その、それまで現実感たっぷりだったキャラクターの丸尾と、岩松扮する闖入者の末次が、後半のシュールな展開を呼び込む。岩松ワールド独特の眩惑を与えられながらも、最後まで確かに残るのは夫婦の愛。玉虫色のハッピーエンドが、不思議と心地よいのだ。東京公演は3月25日(水)まで。その後、大阪、島根、広島、愛知、静岡、宮城、新潟を巡演。取材・文:武田吏都
2015年03月06日JALは12月15日より、現在ドイツのサッカーチーム「アイントラハト・フランクフルト」に所属し、サッカー日本代表としても活躍している長谷部誠選手を起用したショートムービー、「挑戦を続ける人 長谷部誠篇」をYouTubeで公開している。JALは現在、失敗を恐れず新しいことに取り組んでゆく「チャレンジJAL」を宣言している。チャレンジを続ける企業として、同じく不断のチャレンジによりキャリアを築き上げてきた長谷部選手を応援するとともに、JALグループ全社一丸となって「チャレンジJAL」を推進している。今回の動画は、静岡県藤枝市の全面的な協力のもとで作成。常に勇気を持って新しい道に挑む長谷部選手をその生い立ちから現在、そしてこれからを描くショートムービーとなっている。ストーリーは、長谷部選手が初めてサッカーボールに触れた1985年の静岡県藤枝市から始まる。小学校から高校まで、サッカーが好きで好きでたまらない少年の道のりは決して平坦ではなく、何度も挫折を味わい、周囲の止める声も少なくなかったという。そんな長谷部選手のプロ入りの決意を後押ししてくれたのは、ある人の「男なら挑戦するべきだ」の言葉。それ以来、どんなに苦しくても、どんなに報われなくてもチャレンジしようという強い気持ちがいまの長谷部選手を創り上げてきた。ショートムービーは12月15日より、YouTubeのほか、JALホームページやFacebookでも公開している。
2014年12月16日資生堂ギャラリーは、昨年永眠したグラフィックデザイナー兼アートディレクターの中村真の没後初となる回顧展「中村誠の資生堂 美人を創る」を開催している。6月29日まで。本展では、資生堂のイラスト広告を写真広告へと転換させた中村の創作プロセスを、自宅に遺されていた記録写真や校正刷りポスターなどの未公開資料を交えながら展示。モデルに山口小夜子を起用した香水の広告など、数々のポスターも紹介する。デザイン評論家の柏木博、グラフィックデザイナーの佐藤卓と松永真を迎えてのトークショーも6月22日の14時より資生堂銀座ビル3階の花椿ホールにて実施(申し込み制)。中村は1926年岩手生まれ。東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業後し、49年に資生堂に入社。写真を用いた写真表現で頭角を表し、50年代半ばから80年代まで多くの広告を製作した。資生堂の宣伝部政策室長から顧問までを務め、国際グラフィック連盟などで幅広く活動し、93年に紫綬褒章受章。2013年6月永眠。【イベント情報】「中村誠の資生堂 美人を創る」展会場:資生堂ギャラリー住所:東京都中央区銀座8-8-3東京銀座資生堂ビル地下1階会期:6月3日から6月29日時間:11:00から19:00(日曜日は18:00まで)休館日:月曜日入場無料
2014年06月10日戦前のイラスト広告を写真へ資生堂ギャラリー(東京都中央区)で昨年永眠した中村誠氏の回顧展「中村誠の資生堂 美人を創る」が開催される。中村誠氏は資生堂の広告を数多く手がけてきたグラフィックデザイナーでアートディレクター。1949年に資生堂に入社してから戦前の資生堂のイラスト広告を写真広告へ転換させた人物として知られている。ただ単にイラストから写真へ変えただけでなく、その仕事内容は実に繊細なもの。中村氏は生前「計数に表現することのできない表情とか、雰囲気、空気感を大切にしてきた」と語っていた。資生堂が確立していた独自のイラスト広告の伝統を受け継ぎながら、製版の工夫、大胆なトリミングといった手法により広告を進化させていった。(画像はプレスリリースより)「一業、一社、一生、一広告」中村氏が築いたスタイルは他の人ではできなかったということは、こんなエピソードからうかがえる。「一業、一社、一生、一広告」、これは中村氏が企業デザイナーとして掲げていたモットー。「企業のアイデンティティーをビジュアライズするのがアートディレクターの仕事」と語っており、生涯、企業イメージの創出に力を注いだ。そんな実直な意識のもと生み出された広告だからこそ、見る人に深い印象を与えるものになったのだろう。中村氏の広告は国内だけでなく海外でも賞を得るなど世界的に高く評価されている。回顧展は2014年6月3日(火)~6月29日(日)11:00-19:00 (日曜のみ11:00-18:00) 開催される。【参考】・株式会社資生堂 プレスリリース(PRTIME)
2014年05月30日宮藤官九郎が作・演出を手がける舞台「大パルコ人2 バカロックオペラバカ『高校中パニック!小激突!!』」が11月24日、東京・渋谷のPARCO劇場で開幕。初日本番前には、出演もする宮藤を筆頭に、佐藤隆太、勝地涼、永山絢斗、川島海荷、三宅弘城、皆川猿時、少路勇介、よーかいくん、坂井真紀、綾小路翔らキャストが会見を行った。大人計画とPARCO劇場が共同プロデュースする、宮藤作・演出のオリジナルロックオペラシリーズ“大パルコ人”の第2弾。向井秀徳、横山剣(クレイジーケンバンド)、上原子友康(怒髪天)ら宮藤と親交のあるミュージシャンが全楽曲を書き下ろし。近未来の渋谷を舞台に、不良高校「聖ファイヤーバード高校(通称ヤバ高)」と「グレッチ工業高校(グレ工)」の抗争を描く。派手な学ラン姿で登場した宮藤は「なめられないために、こんな格好をしているのではありません。こういう役で出ます。今回は未来の渋谷にはヤンキーしかいないというお芝居を作りました」と説明。地方公演を含めると「60回ぐらい公演するらしんですけど、今のところできる気がしません」と宮藤らしいコメントも。かつては幼なじみの親友同士で、それぞれヤバ高、グレ工に進学し敵味方に別れてしまうムカデとカゼギミ役に、宮藤作品ではおなじみ、佐藤隆太、勝地涼。「思いきりバカを演じたい。バカは風邪をひかないというので風邪は大丈夫。ケガのないよう最後まで突っ走る」(佐藤)、「僕は宮藤さんの作品ではバカな役が多いが、今回はタイトルに負けないぐらい、バカをふりきって演じたい」(勝地)と意気込みを話す。永山絢斗、川島海荷、綾小路翔は今回が初舞台。新米熱血教師の駒田、通称小回り先生を演じる永山は「初めての舞台でわからないこともたくさんあるが、間違いを怖れず思い切りできたら」、準ミスヤバ高の地下之チカを演じる川島は「舞台は映像と違って自由な部分が多いくて、毎日楽しくやらせていただいてます。60回の公演、1回1回の公演を楽しんで、毎回違うものにしていけるよう頑張りたい」とコメント。楽曲提供もしている綾小路はグレ工の不良グループ“ゴキブリ連合”のリーダー、宮益坂わたる役。「自分は以前週刊誌に偏差値39と載ったことがありますが、今回は偏差値15。これから1か月、渋谷の偏差値を下げていきたい」と気合を入れた。そのほか、ヤバ高のマドンナ・ウィスパー先生役に坂井真紀。詰め物の胸を強調しながら「私、バスト92センチ、A・B・C・D・E・F……Gカップの役でございます。できれば一生このままでいたい」と笑いを誘った。東京公演は12月29日(日)まで。その後、2014年1月4日(土)・5日(日)に宮城・仙台サンプラザホール、1月11日(土)から19日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホール、1月24日(金)から1月26日(日)まで愛知・ 刈谷市総合文化センター 大ホールで公演。
2013年11月25日男性のためのラグジュアリーブランド、ダンヒルは、サッカー日本代表・長谷部誠選手を起用した「パワースーツ」のイメージムービーを制作し、期間限定で公開している。戦いの場であるピッチにサッカー日本代表が勢ぞろいし、力みなぎるポージングで並ぶ様子は戦闘ヒーローをほうふつとさせる。胸を張った代表18人と監督の強いまなざしは、サッカー日本代表チームのプライドと結束力、そして力強さを表している。同ブランドはサッカー日本代表「SAMURAI BLUE」のオフィシャルスーツを毎年提供しており、今年度で13年目を迎える。毎年この公式スーツと同じ仕様のスーツを、毎日の大切な場面に挑む際に気持ちを高められるスーツ「勝負服」として販売しており、今回のコンセプトは、「パワースーツ」だ。このパワースーツをより多くの人に知ってもらうため、日本代表キャプテン・長谷部誠選手を起用し、コンセプトを表現する「ロボティックスーツ」を着用したイメージムービーを制作。同ブランドのFacebook公式ページにて、8月1日までの期間限定で公開中だ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月25日梶原一騎・ながやす巧原作による伝説のコミックを鬼才・三池崇史監督が映画化した『愛と誠』のジャパンプレミアが13日に新宿バルト9で行われ、三池監督以下、太賀誠役の妻夫木聡、早乙女愛役の武井咲、愛の母親役と本作の主題歌を手掛けた歌手の一青窈が出席した。その他の写真主題歌『愛と誠のファンタジア』を初披露した一青は「ミュージカルにあこがれていたので、音楽劇映画に参加できて光栄です」と女優としての出演について回想。劇中では妻夫木や武井を筆頭にキャストたちも歌い踊るが、「一青さんのようには歌えなくて」(妻夫木)、「曲を聞いていると自分も歌えるような気がしますが、上手くいかないですね」(武井)と口々に苦戦したことを告白すると、「いわゆる映画用音楽でもなく、すべてが当時の歌謡曲のアレンジ」と特殊な世界観を三池監督が説明。「観てもらえれば冒頭からやっちゃったなと思えるので(笑)」と振り切った演出をアピールした。一方の一青は久々の映画出演について「市村(正親)さんの劇団四季仕込みのターンが凄かった(笑)」とコメントした。同日の昼間には三池監督の母校、大阪常翔学園で妻夫木がサプライズ登壇するイベントも行われ、そこで500人の高校生たちが書いた500通の“誠の愛” メッセージと花束が大阪に来られなかった武井へ贈呈された。映画を観た高校生たちの直筆ラブレターの数々に感極まった様子の武井が一通手に取るも、「“ファンではありませんが、とりあえず頑張ってください”。これってラブレターじゃないですよね(笑)!」と予想外のメッセージを引いて会場の大爆笑を誘う一幕も。一方、三池監督と無事にミッションを遂行した妻夫木は「“自分にとって映画とは何か?”という質問が飛び出して、大きい質問だなあと思いましたね(笑)」と高校生たちと熱い時間を過ごしたことを武井と一青、会場に報告した。本作は過去への復讐を胸に東京にやって来た超不良の誠が正真正銘のお嬢様の愛と出会い、登場人物全員の純愛が暴走していくエンターテインメント作品。カンヌで上映された際の観客の反応を収めた映像も上映され、その激賞コメントの数々に三池監督は照れながらも、「観終わった後に元気になれる作品だと思います!」と満足気にアピールしていた。『愛と誠』6月16日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー取材・文・写真:鴇田 崇
2012年06月13日映画『愛と誠』が6月16日(土)の公開に先がけて、自身の名前のどこかに“あい”あるいは“まこと”が入っていれば誰でも参加できる特別試写会を6月1日(金)に実施することを発表した。その他の写真本試写会は、映画のタイトルにちなんで、落合(おち“あい”)さんや、真琴つばさ(“まこと”つばさ)さんなど、名前のどこかに“あい”あるいは“まこと”が入っていれば参加可能。会場は千代田区にある角川映画試写室で、入場は先着50名。当日は、名前が確認できる身分証明書が必要となる。当日にどれだけの人が来場するのかは予測不可能だが、名前に“あい”、“まこと”が入っている人にとっては、映画をひと足早く楽しめる貴重な機会となる。本作は、梶原一騎・ながやす巧のコミックを原作に、三池崇史監督が実写化した純愛物語。超不良の大賀誠(妻夫木聡)と生粋のお嬢様・早乙女愛(武井咲)の恋と青春を描く。『愛と誠』6月16日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー
2012年05月28日昨年の『一命』に続き、2年連続でカンヌ国際映画祭での公式出品が叶った三池崇史監督の最新作『愛と誠』が、5月21日(現地時間)深夜、ミッドナイトスクリーニングにて上映された。深夜での上映にも関わらず大勢のファンが詰めかけ、会場は絶賛の嵐!この盛り上がりを受けて、本作で映画初出演を果たした武井咲から喜びのコメントが寄せられた。梶原一騎・ながやす巧による昭和を代表する伝説的コミックを原作に、妻夫木聡扮する超不良・太賀誠と武井さん扮するお嬢様・早乙女愛の純愛を、三池監督ならではのアクロバティック要素を交えて描く本作。学ランにセーラー服、スケバン、さらに昭和の歌謡曲と、昭和の日本を象徴する要素が満載だが、「また三池監督がやってくれたなあという内容で、ジェットコースターに乗っているような感じで、暴力や血に染まったアクションがあり、楽しい作品だった」といった絶賛の声が、海外の観客から多く寄せられ、エンディングにはスタンディング・オベーションが起こった。本国・フランスの観客からは「まさしくヨーロッパにある“愛”というテーマにふさわしくてびっくりしました」という驚きの声も。残念ながら三池監督始め、キャスト陣の現地入りは叶わなかったが、チームを代表して映画祭で観客と一緒に本作を鑑賞したプロデューサーの山崎美春氏は、観客の反応について「日本のお客様がこの映画を観て笑ってくださるところと全然違う観点で映画を楽しんでくださっていて、すごく勉強になりました」としっかり観察。「何度観ても、(妻夫木さんと武井さんの)おふたりをスクリーンで観るとドキドキしてしまうので、そのドキドキ感はきっとフランスの方にも伝わったと思います」と自信のほどを露にする。また海を越え、会場の模様を見た武井さんは「カンヌという日本ではない場所で上映され、自分がスクリーンに出られる。何か変な感じがしますが、嬉しいという感じかな。ただただ映画に出れたことがまず嬉しかったので、まさかって感じですね」と驚きを隠せない様子。改めて三池作品に対する海外での高い評価を知り、「ほんとに自由に早乙女愛ってキャラクターをのびのびとやらせていただいて、すごく芝居って楽しいなと思わせてくださったぐらい自由な監督。そんな作品が初めての映画で、出演できたことはとっても嬉しいことですね」。映画を鑑賞し終えた観客からは武井さんへの称賛の声も多かったが、今後の海外進出については「まだ想像したことはないですけど…海外の人の感覚とかセンスとか、やっぱり日本人にないものがあると思うので興味はありますね」とまんざらでもない様子?本作での称賛が海外進出への足がかりになるかもしれない。『愛と誠』は6月16日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。第65回カンヌ国際映画祭は5月27日(現地時間)まで開催。特集:第65回カンヌ国際映画祭あなたが観たいのは?「カンヌ映画祭」投票■関連作品:愛と誠 2012年6月16日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012「愛と誠」製作委員会第65回カンヌ国際映画祭 [映画祭]■関連記事:【カンヌレポート】クリステン・スチュワート、15歳の妻を演じた難しさ明かす【カンヌレポート】ブラピ、主演作会見でアンジーとの順調ぶりアピール【カンヌレポート】ショーン・ペンら率いるハイチ支援オークションで高額落札続出【カンヌレポート】加瀬亮、イランの巨匠・キアロスタミ監督と共に喝采浴びる!16本の美脚で世界を股に!平均身長175センチ「モデルガールズ」がデビュー
2012年05月24日宮藤官九郎と夏川結衣が夫婦役で共演する舞台、M&Oplaysプロデュース『アイドル、かくの如し』が12月8日、東京・本多劇場で開幕した。『アイドル、かくの如し』チケット情報この作品は劇作家、演出家、俳優、映画監督と様々な顔を持つ岩松了が脚本と演出を担当する新作舞台。また、夏川は初舞台となる。物語は古賀(宮藤)と祥子(夏川)夫婦が経営する弱小芸能事務所を舞台に展開する。所属タレントのくらら(上間美緒)が人気アイドルとなり、上昇気流に乗り始めていた矢先、くららがスキャンダルに巻き込まれてしまう。稼ぎ頭のアイドルの危機という事務所はじまって以来の大ピンチの中、かかわる人々の個人的窮地が錯綜し、そこに群がる人々の思惑と夫婦の愛の源流が明るみになってくる……。初日前日の12月7日、出演の宮藤、夏川がそれぞれ心境を語った。「こんなに出番が多いのも、こんなに喋るのも、こんな二枚目の役もたぶん初です。僕のビジュアルがお気に召さない方は、脳内で誰か他の男性に変換しながらご覧いただくと、すんなり楽しめると思います。岩松さんにまだ一度も怒られてないのが不安ですが、夏川さんとの夫婦間に不安はないです。まだ嫌われてはいないはずです。たぶん。では劇場でお待ちしています」(宮藤) 。「今回初舞台で、稽古の時から何もかもが新鮮。毎日とても勉強になります。岩松さんのもとで1か月稽古をしてきて、今は自分なりにやることはやったという気持ちです。本番では、その成果を全てお見せしたいと思います。岩松さんの作品に登場する人物は、どの役もとても人間的で必ずチャーミングな部分を持っています。見ていてキュンとしてしまうのですが、それが岩松さんのすごいところ。それぞれの役に込められた愛情を感じていただけたらと思います」(夏川)。公演は同劇場で12月29日(木)まで上演。その後、大阪、福岡、愛知と各地を回る。チケットは一部を除き発売中。
2011年12月09日7月22日(木)、開催中のぴあフィルムフェスティバルにて映画『ゲゲゲの女房』の特別上映が行われ、上映前に主演の吹石一恵、宮藤官九郎、鈴木卓爾監督が登壇した。本作は、「河童の三平」、「悪魔くん」、「ゲゲゲの鬼太郎」など名作漫画を世に送り出してきた漫画家・水木しげるの妻・布枝の自伝を基に、2人の結婚生活を描いたヒューマンドラマ。しげるのことをよく知る間もなく結婚し、思い描いていたものとはかけ離れた底なしの貧乏生活に困惑する布江。それでも互いを想い、支え合う2人の間には強い絆が生まれていく――。主演の吹石さんは「水木しげるさんに比べ、マスコミや世間への露出が多い方ではなかったので、ご健在でいらっしゃる布枝さん自身を演じることに関して特に大きなプレッシャーはありませんでした」とこれまで様々な役柄を演じてきた経験からか、余裕のコメント。しげるを演じた宮藤さんは「役作りにあたって、実際の奥様や、娘さんから『水木しげるは肩の力が抜けている人だから、リラックスして演じて下さい』と言われ、少し肩の力が抜けました」とこちらもリラックスして役に臨んだ様子。また、宮藤さんとの共演について聞かれた吹石さんは「出会って5日で結婚をした夫婦のぎこちなさを生み出すためにも、宮藤さんとは休憩中も少し離れるなどして、役作りをしたりもしました」と告白。一方の宮藤さんは、「しげるさんご本人ともお会いしてお話させていただきましたが、『映画は儲からないだろう、映画は儲からないだろう』と独特のねぎらいを下さいました(笑)」と水木さんとの出会いの秘話を明かしてくれた。これまで水木しげるを影で支えてきた妻・布枝さんにスポットを当てた本作。成功者の影に、支える者あり。誰もが知っている「ゲゲゲの鬼太郎」などの人気漫画も、その裏側に隠された苦労や原点を知ると、いままでとは違った目線で楽しむことができるかも?『ゲゲゲの女房』は2010年11月、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。■関連作品:ゲゲゲの女房 2010年11月、全国にて順次公開© 水木プロダクション/『ゲゲゲの女房』製作委員会
2010年07月22日宮藤官九郎が黒澤明を語る――。一見、意外なシチュエーションに見えるが、宮藤さんに言わせると黒澤作品は「ある意味、かなりパンク」であり、自身の手による舞台やドラマ作品において、多大なる影響を受けたという。特に、宮藤さんが愛してやまない作品が、黒澤監督が還暦を迎えた1970年に公開された、黒澤監督にとって初のカラー作品『どですかでん』。山本周五郎の「季節のない街」(新潮文庫刊)を原作に、とある町のはずれに暮らす人々の姿を、知的障害を持つ“六ちゃん”を中心に描き出す。日本映画専門チャンネルでは、「メモリーズ 我が心の黒澤明」と題して、生誕100周年を迎えた黒澤明について、ゲストがその思いを語る特別番組を放送中。7月は宮藤さんが先述の『どですかでん』をテーマに黒澤明の“凄まじさ”を語る。放送を前に、宮藤さんに話を聞いた。まずは単刀直入に、映画人・黒澤明の魅力とは?宮藤さんは「いびつでどこか壊れてる感じ」とまさに“パンク”な要素を挙げる。「『用心棒』から『椿三十郎』、比較的新しい作品で言うと『影武者』とか王道の娯楽映画を撮ってて、ああいうのはすごく“男子”の合戦願望とか、戦いたい欲望みたいなものを満たしてくれる部分があって、それはそれで好きです。でも、それとはまた違うタイプの作品、例えば『どん底』とか『羅生門』とか…すごく好きですね。どこか歪んでる…例えば『用心棒』の出だしの(居酒屋の親父役の)東野英治郎さんのセリフの聞き取れなさとか。説明してるセリフなのに聞き取れないってすごいなぁって。何となくは分かる。『この人、すごく怒ってる』ってことは分かるんだけど、とか。そういう部分での、『いいや、聞こえなくて』みたいな感じがすごく好きです。それは、黒澤さんの中でわりと最後まで一貫してそうだったのかな。『まあだだよ』もある意味、壊れてる映画ですからね。結局、猫が居なくなって、帰ってきたという話かって(笑)。そういうところもすごい好きですね。なんか、冷めてるのか、客観性がないのか、計り知れないんですよ」。続いて話題は黒澤映画の影響を受けた上での宮藤さんの創作について。黒澤作品に限らず、過去の様々な作品から多大なる影響を受けてきたという宮藤さん。これまで手がけてきた舞台、ドラマや映画においても“オマージュ”と見受けられる部分も多々あるが、宮藤さんは、他人の技術や手法をどのように自らの作品に取り込んでいくのか?「僕は結構、すぐやっちゃいます(笑)。見えるところ、見えないところ含めて。いま、自分が好きなもの、世の中でどうのっていう以前に、自分の中で勝手に気になっているものを入れることもあるし、それこそ『どですかでん』のようにずっと好きなものを入れちゃうときもあるし。正直、周囲が知ってるか知らないかも関係ない。少しでも周囲を気にすると、大抵は失敗するんです。演出のときも、『どですかでん』のあの感じでお願いします、っていうのはわりとすぐ言っちゃうんですよ。あと、多いのは『爆裂都市 BURST CITY』。そこで『ゴッドファーザー』みたいに、とか言えればいいんですけどね(苦笑)。最近、怖いのは自分で気づかずに自分の作品をマネしてることがあるとき。それ『マンハッタンラブストーリー』のあれだよね?とか、それって『キャッツアイ』のあれだねとか言われて『あぁ、それもうやってたね。どうりで面白いと思った』って(笑)」。余談だが、宮藤さんの脚本・演出による刑事ドラマ「うぬぼれ刑事」がまもなくスタートするが、これまで、いろんなメディアでビートたけし主演の刑事ドラマ「刑事ヨロシク」への愛を訴えてきた宮藤さん。もしかしたら随所にオマージュも…?オマージュという言葉が出てきたところでもう一問。監督としてであれ、脚本家としてであれ、もしも好きな黒澤作品を自身の解釈でもう一度作り直せるとしたら?「リメイクは相当、難しいですよね、そのまま作るにしろ、思い切り変えるにしろ。『隠し砦の三悪人』を『スター・ウォーズ』に変換したというのがすごいし(※『スター・ウォーズ』はこの作品を元に着想されており、アンドロイドのC-3POとR2-D2のコンビも本作の人物をモチーフにしている)、『用心棒』に自分の解釈を入れて西部劇にした(※セルジオ・レオーネ監督『荒野の用心棒』)っていうのが凄まじいことですよね。自分でやるなら、全く違うエピソードで『どですかでん』作ってみるのとかはいいかも。(オリジナル同様に)“どですかでん”って言ってる登場人物はいるけど、全く別の話とかね。やっぱり黒澤映画は好きな人が多いだけに難しい。僕にとってはせいぜい飲み屋の話題で“いま、『七人の侍』やるなら誰で作るか”とかで…(笑)」。1998年に黒澤監督が亡くなったとき、宮藤さんは「もう、芝居の仕事はしてましたね」という。さらに「亡くなられたってことも驚きましたが、88歳という年齢にもびっくりしたのを覚えています」とも。黒澤監督をはじめ、この世代の“巨匠”たちのバイタリティに改めて感服したようにこう続ける。「新藤兼人さんとかもすごいですよね。僕、新人監督として“新藤兼人賞”いただいて、授賞式でお会いしたんですが、そのときで90歳は超えてらして、挨拶で『映画の95%は脚本です!』っておっしゃってました。(一昨年、亡くなった)市川崑監督も、すごい量のタバコ吸ってて、でも九十幾つまで映画撮り続けて。すごいですよね」。映画の話が続くうちに、“監督”としての本性、映画を撮りたいという願望がどうにも隠せずにニョッキリと顔を出してきたようだが…。「いや、やりたいとは言ってるんですけどね。もちろん、それだけじゃやらしてもらえない。『じゃあ書いてください』と。当然ですね(笑)。まぁ多分、自分で書くんだと思いますが」。飄々というか、ノラリクラリと言うべきか…。とは言え、最近観たというある映画を引き合いにこんな言葉も。「韓国の『息もできない』っていう映画がすごい面白くて。元々、監督ではなく役者さんが、どうしてもやりたいっていうことで始めて、途中でお金がなくなって、家を売ったりして作ったと。そういう話は観た後に聞いたんですけど、やっぱり強い思いによって撮られた映画っていうのはそれだけすごいパワーがあるんだなと思った。だからって家は売らないですけど(笑)。そういう人がドーンってああいう傑作を作っちゃうわけで、僕みたいに『次どうする?』ってを考えてること自体が不純なのかな、とも思って。『あ、これ映画になるんじゃないか?』っていう感じが早く来ないかな、と思って待ってます。なかなかそれが来ないんですが(笑)」。(photo:Ryusuke Suzuki)「メモリーズ 我が心の黒澤明」は日本映画専門チャンネルにて放送。※初回放送は7月3日(土)15:40〜日本映画専門チャンネル公式サイト■関連作品:少年メリケンサック 2009年2月14日より全国にて公開© 2009「少年メリケンサック」製作委員会■関連記事:国内賞レースも本格化『ヴィヨンの妻』『沈まぬ太陽』など日本アカデミー賞最多受賞DVD発売記念クドカン&「少年メリケンサック」メンバーから特別メッセージ到着!ユースケ、宮崎あおいの「胸の感触が忘れられない」主役を差し置きまたも独壇場宮藤官九郎の衝動!「子供以下のおっさん見て、若い人がどう思うか興味ありますね」クドカン、宮崎あおいからのチョコにほのかな期待「もらえなかったら悲しい…」
2010年07月02日