歌舞伎俳優・尾上松也が、ABEMAにて記念すべき初MCを務めるオーディション番組「主役の椅子はオレの椅子」が9月16日(水)22時より配信スタートとなる。19人の若手俳優たちが、舞台の「主役の椅子」を勝ち取るため、毎日オーディションに挑み、さらには共同生活も送るという内容で、熾烈なバトルが繰り広げられることが想像できる。「もしこの話が来ても…受けません(笑)」と笑顔を交えて話す松也さんだが、彼らと同じ年端の頃は歯を食いしばり、自分の生きる道を必死に模索していたという。歌舞伎はもとより、映像作品やミュージカル、バラエティー番組と躍進が続く裏には、知られざる努力もあった。松也さんの語ってくれた経験は、若手俳優たちの奮起のひとさじになるに違いない。俳優同士の熾烈なサバイバル・オーディション番組「話が来ても、受けない(笑)」――主役の座をかけてサバイバル生活をするというオーディション番組が始まります。内容を聞いたとき、どう感じましたか?松也:19人の俳優がともに生活をして、オーディションを受けて、舞台の主演から何かをつかもうとする、という内容なんですよね。自分は、歌舞伎をはじめ舞台が中心なものですから、最初「舞台の主演を競い合う」ことに、すごく魅力を感じました。少なからず、同じ演劇というものを志す人間として、どのような感じで挑戦するのかを見てみたいな、と思ったんです。――松也さんは、もはやオーディションを受けることはないと思いますが、演劇人として、俳優の先輩として、MCとして、いろいろな気持ちでご覧になりそうですか?松也:そうですね。僕も若い頃には、歌舞伎以外の分野で、オーディションを何度も受けていましたから。この番組に出る方たちは、10代ないし20代前半が中心ですけれど、板の上に立ったときの燃えたぎる情熱は、たぶんどんな立場になっても変わらないですし、逆に言うと忘れてはいけないこと。ですので、単純にドキュメンタリー番組として面白いところもありますが、僕自身は、この番組を通じて、かつて自分がオーディションを受けたときのことを思い返しながら、自分自身のこれまでの役者人生とこれからの考え方が変わるのかななど、照らし合わせながら見ていきたい気持ちです。――実際、その年の頃にこのお話がきていたら、受けていたと思います?松也:いや…これはきついです(笑)。僕なら絶対心が折れるから、もしこのお話しが来ても、僕は受けません(笑)。オーディションは受けに行きましたけど、この「一緒に生活する」ことが過酷だと思う。ただ生活するだけではなく、毎日誰かが落とされていくのでね…。偏見かもしれませんが、芸能活動をする人方、特に第一線で活躍されている方の多くは我が強いですし、そういう方が生き抜いていかれる世界だと思うんです。それで言うと、団体行動に向いている人は早々いないと思いますし、僕自身も決して向いていない(笑)。だから、19人の皆さんは参加を決めただけで本当にリスペクトですよ。歌舞伎界で“主役の椅子”を取るため、松也さんが取った行動とは――松也さんの俳優としてのこだわりや信条など、教えていただけますか?松也:僕の大きなひとつの指針となっている言葉は、「継続は力なり」です。何でも諦めたらそこで終わりなので、自分の夢や理想があり本当につかみたいなら、どんなことがあってもその気持ちを絶やしてはいけないと思っています。…ですけど、続けるって大変に難しいことですよね。僕自身、折れそうになることは何度もありますが、何とかやってこられたのは、周りの人の助けと、やはり死ぬまでチャレンジ精神や向上心を持っていることで。実体験として、まだ何か花開くような兆しもないときから、そう信じてやってきて、結果的には花開いてつながったものが多いので、すごく大事なことかなと思っています。――本番組のMCしかり、歌舞伎以外にも、様々な活動をされていらっしゃいます。どうしてそこまでチャレンジ精神を持ち続けていられるんですか?バイタリティの秘訣は?松也:僕の中では…大きなコンプレックスが作用していると思います。歌舞伎界は世襲制が強いのですが、僕はもともと家柄のない人間なので、恵まれていたわけではなく、フィーチャーされづらい位置にいたんです。父は僕が二十歳のときに亡くなりましたので、なおさら「これは自分でなんとかしなくてはならない」と思いを強くしましたし、父がせっかく作ってくれたレールの上をただ歩くのでは、それこそ“主役の椅子”は取れません。歌舞伎界で“主役の椅子”を与えてもらうためには、歌舞伎以外の活動を通じて、多くの方に見ていただけるようになって、必要とされる存在にならなきゃいけない、という気持ちがあったんです。――歌舞伎以外の選択をする際、前例がなかったのもありますし、怖くはありませんでしたか?松也:おっしゃる通り、今の僕のような立ち位置でやっている人って、いないんですよね。今でも心細いです。それでも、失敗しようがしまいが、そこで動かないことには何も未来が拓けない状況でしたので、周りに何を言われようが「やるだけのことはやってみよう」と決意して始めました。「大丈夫、絶対に俺はこうなるんだ」というイメージを忘れずに継続させていたことが、自分の中では大きな力になったと思います。「穏やかな夜を欲してる」松也さんの意外な今の“推し”は…――情報解禁時のコメントでは「“推し”を探して見て頂ければ」とありました。今、松也さんが“推し”ている人、もしくはモノなど、ありますか?松也:モノになるんですが…この自粛期間中に、キャンドルにどハマりしました。今も絶賛ハマっています。緊急事態宣言のとき、断捨離をしたんですね。その中に、たまにいただくキャンドルがあって、普段はあまり使わないので捨てようかなと思ったんですけど、捨てる前に「せっかくだから1回つけてみようか」と。試しにつけたら、炎から目が離せなくなりました。そこから集め出して、今は毎晩20個近くのキャンドルを焚いて、夜を過ごしています。――一時的なブームで終わりそうですか?続きそうですか?松也:キャンドルに関しては、続きそうなんですよ。全メーカーを網羅したいと思っていますし、それが終わったら自分でも作ってみたくて(笑)。もともと、明るい蛍光灯みたいな色は好きじゃなくて、家の灯りはオレンジっぽい淡い色にしていたんです。だからか、キャンドルの炎は、すごくリラックスできる感じなんですよね。ホッとするんです。――自粛中も今も、1日の終わりに一息つける時間のおともとして役立っているんですね。松也:あまりそういう人間じゃないと思っていたんですけど、自粛期間中は、自分もいろいろストレスを感じていたようでして。「このままだとヤバいな」という感じもあったんです。家の中で、自分の癒やしになるようなこと、ストレス発散になるようなことはないかなと思ったときの出会いだったので、キャンドルは本当に落ち着きますね。…さらに言えば、リビングのテーブルの上にキャンドルを20個ほど載せて、焚いて、その前のテレビには焚火のYouTubeを流しています(笑)。ライトを全部消して、それだけで過ごすという。コロナ渦以前は、自分がそういうことで夜を落ち着いて過ごすなんて想像もしていなかったんですけど、「こんな穏やかな夜を欲してるのか」と思いますよ(笑)。これが今の僕の“推し”です。(text:赤山恭子)
2020年09月16日尾上松也(35以下、松也)えりさんとは家族ぐるみで身内みたいなお付き合いをさせていただいて。渡辺えり(65・以下、渡辺)そうそう、お母さん(元新派女優の河合盛恵さん)とは“えりもりコンビ”で『ぴったんこカン・カン』(TBS系)に出ました(笑)。妹の(春本)由香ちゃんとも今春、舞台『有頂天作家』で共演する予定でしたし。コロナの影響で延期になってしまったけど。松也4年前、舞台『狸御殿』でえりさんと共演させていただいたときは、毎晩のように飲みに行ってましたよね。渡辺あのときは母子役で。新橋演舞場は(故・中村)勘三郎さんゆかりの劇場だったので、私が何度も泣いて演技できなくなる日もあって。そのたびに松也くんがカバーして慰めてくれたんだよね。松也えりさんは大先輩ですけど、本当にどんな新人の方よりも探求心と向上心が強くて、見習わなくてはと驚かされました。渡辺松也くんは明るくて、人を甘えさせてくれる、ドンと来いという大きな親分肌のところがあって、一緒にお芝居してると勘三郎さんのたたずまいを思い出して、すごくうれしいんです。2人は8月21日からの舞台『消えなさいローラ』でも共演する。松也は現在、ドラマ『半沢直樹』に瀬名洋介役で出演中。実は渡辺も大の『半沢』ファンであり、話題は収録秘話へと移っていった。渡辺見てますよ、『半沢直樹』!皆さんの顔芸、すごいよね(笑)。松也ありがとうございます。現場では直前までフェースシールドをつけているので、本番では皆さんのテンションが急にあがるんです(笑)。渡辺7年前の第1作のときから見てたの?松也見てはいましたが、続編への出演が決まってから改めて全部見直しました。やはり、惹かれましたね。香川(照之)さんも(片岡)愛之助さんも、あれだけ大胆な演技をしても『半沢直樹』の中では普通に感じられる。笑えるのに説得力があるじゃないですか。僕も頑張らないとなと心しましたね。今回は残念ながら香川さんと(市川)猿之助さんとは現場が一緒になることがなくて……。渡辺瀬名社長が着ている、あの白いVネックのインナー、すごく似合ってるわよ!松也あの白いインナーはジャイさん(福澤克雄監督)が決めてくださったんです。皆さんスーツが多いなか、瀬名だけがカジュアルなのですが、服装には無頓着、先輩肌ってイメージで選んだそうです。渡辺スティーブ・ジョブズ(アップル社の創業者)をモデルにしたとかあったの?松也いや、原作を読んだ僕のイメージと、ジャイさんの思い描く瀬名像で構築しました。瀬名は正義漢で熱い男ですからね。歌舞伎の諸先輩方の怒った表情を想像したり、どんな演技をされるのかを予想したりしながらつくっていきました。渡辺大和田役の香川さん、第4話ではほんとに泣いてましたよね。松也香川さんは変幻自在ですよね。あの演技力には頭が下がります。原作では大和田は登場していないので、ドラマの演技はオリジナルなんです。渡辺会社のシーンでも何十人もエキストラ使って、緊張しない?松也僕の役は重要な役だとジャイさんから伺っていたので、撮影初日は緊張しましたね。堺雅人さんとの最初のからみでは堺さんがすごい長ゼリフで、それが完璧だった。専門用語がたくさん入ってるのに、まったくかまずに。そんな堺さんに引っ張られ、僕も負けていられないという気持ちになりました。堺さんは緊張してた僕を見て、『歌舞伎、これから先どうなるの?』とかフランクに気さくに話しかけてくださって。渡辺堺さん、私が演出した舞台にも出てくれたことがあったんですが、打ち合わせに20分遅れてきたから思わず雷落としちゃって。もっとやさしくしとけばよかった(笑)。ほかに印象に残ってるシーンある?松也僕が郷田社長(戸次重幸)のオフィスに乗り込んで詰め寄るシーンです。瀬名社長は短気なのでいきなりぶち切れ、堺さんが体を張って止めに入る場面があったんです。そのとき堺さんが「全然遠慮しないで振り払っていいよ」っておっしゃってくださったので、思いきりできました。「これぞ『半沢直樹』!」って感じでした。渡辺半沢さんとの剣道のシーンも素敵だったわね。松也あのシーンは1日がかりで撮ってたんですよ。道場を去るシーンでは、これからいよいよ反撃開始だと。そう思ったら思わず「うおー!」と口から奇声が出ちゃって!渡辺アドリブでしょ?監督から怒られなかった?松也逆にジャイさんが喜んでくださって、褒められたんです。渡辺それは私も鼻が高い(笑)。『消えなさいローラ』は松也にとって7カ月ぶりの舞台になる。松也僕、えりさんが演出される舞台にまた出演したいと言っていたので、今回ようやく夢がかないました。渡辺松也くんは私が演出した歌舞伎『新版 舌切雀』にも出てくださって、あれが初対面。松也あのときは僕はまだ22歳。当初はセリフもないお役だったのが、勘九郎さんが早変わりで2役勤めるはずが間に合わない。それでもう一つのお役を(片岡)孝太郎さんが勤めることになって、そのお役が僕に回ってきた。稽古中はえりさん、僕のことをかなり我慢してくださってましたよね(笑)。渡辺勘三郎さんに「あの子、大丈夫?」なんて失礼なことを言ったら「いい役者んだから我慢して見てやれよ」と怒鳴られて。稽古終わるころには反省してました。松也2人芝居は僕の人生で3回目。最初に稽古場入ったとき、お芝居ができる喜びでグッときました。1月の新春浅草歌舞伎以降、舞台に立っていませんから。渡辺コロナだから握手もハグもできなかったですけど(笑)。松也今回の舞台はミステリアスで、コメディでもあり、深い話なのでぜひご覧いただきたいです。「女性自身」2020年9月1日号 掲載
2020年08月19日編集部:学研キッズネット編集部株式会社 学研ホールディングスのグループ会社、株式会社 学研プラスは、2020年5月21日(木)に「働くって何?」「自分に合った仕事とは?」ごく普通の大学生たちが、悩み、苦しみながらも成長していく姿を描いた『僕たちはまだ、仕事のことを何も知らない。』を発売することを発表しました。子どものころは、大人になったらどんな仕事にだって就けると思っていた…本書は、3人の大学生たちが「就職活動」を通して働くことの意味を考えていく、児童書ジャンルのマンガ作品です。「本当に自分にあった仕事はなんだろう?」「就職するってどういうことなんだろう?」……。人生の岐路に立った3人が、悩み、迷い、苦しみながら自分の進路を見つけていきます。●あらすじ尾上一郎、小林真、菅野智恵は、梅桃大学サイクリング部に所属している仲良し3人組。それぞれ就職活動を頑張っていますが、なかなか思うようにいきません。そこで、学内にある「就職部」のアドバイザーに相談をすることに……。一流とはいえない大学の、ごく普通の大学生たちは、どんな道を進むことになるのでしょうか?就職活動を通して自分自身と向き合い、「仕事」「会社」のことを知り、成長していく姿を描きます。【主な登場人物】・尾上一郎経済学部。自分がやりたい職業はとくになく、アピールできる特技や能力もない。そもそもどんな仕事に向いているかもわからず悩んでいる。・小林 真法学部。大学受験に失敗し、仕方なくすべり止めの梅桃大に進学。就職では絶対に妥協せず、とにかく有名企業に入って周囲を見返そうともがいている。・菅野智恵文学部。お菓子作りが好きなので、お菓子関係の企業に勤める、という目標を持っている。しかし、どうすればその夢をかなえられるのか、おっとりした性格ゆえか、そのアプローチの方法がわからず焦っている。・夢野 輝「就職部」アドバイザー。以前は大手商社に勤務していたエリートビジネスマン。自身の経験と信念にもとづいたアドバイスで、学生たちに寄り添い、就職活動をサポートしている。●テーマは「仕事とともに、どうやって幸せな人生を送るか」本書は、精神論や理想論だけで「仕事」を語るのではなく、かといって、安易な就活ノウハウや面接テクニックなどを紹介する本でもありません。現実に則した厳しい就職活動を描写するとともに、「幸せな仕事人生」をスタートさせるにはどうすればよいかを考えていきます。さらに、社会人としての自覚や責任についても学ぶことができます。●「マンガ作品」としても、感動的で面白いストーリー展開子どもたちになじみのない「就職活動」ですが、メッセージを「物語」で展開しているため、楽しく読み進めることができます。個性的な脇役も多数登場し、彼らの仕事への姿勢から、さまざまな「考え」「価値観」を学ぶことができるでしょう。そこには、説教じみたものはなく、主人公たちとともに悩み、苦しみ、時には笑い、そして最後には、胸が熱くなる感動が待っています。●中学生にとって「近い未来の自分」なので、深く感情移入できる対象読者は小学生・中学生。とくに中学生は学校の「職場体験学習」などを通して、将来の仕事や職業を意識し始める年ごろです。平凡な大学生たちのリアルな悩みは「近い未来の自分」の姿と重なり、深く感情移入できます。「就職活動」がどういうものか、子どもたちにはまだピンとこないかもしれませんが、全編マンガなので、企業セミナーや面接などの様子も具体的にイメージしやすく、それぞれの目的もきちんと説明されています。●保護者世代にも読んでほしい!かつて就職活動を経験した保護者世代には、共感できるエピソードが満載。思わず当時を思い出して、目頭が熱くなるかもしれません。キャリア教育への意識が高まっている今だからこそ、子どもたちに的確なアドバイスをするためにも、保護者の方々にも読んでおいてほしい内容になっています。ぜひ本書を活用して、自身の経験とともに、子どもたちと「仕事」について話し合う機会を作ってください。[商品概要]『僕たちはまだ、仕事のことを何も知らない。』原作:各務展生漫画:糸貫律定価:本体1,300円+税発売日:2020年5月21日判型:A5判/352ページ発行所:(株)学研プラス学研出版サイト:【本書のご購入はコチラ】・Amazon:・楽天ブックス:・セブンネット:■「学研キッズネットFor Parents」のニュース一覧はコチラ■学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年05月20日日本維新の会の代表でもある松井一郎大阪市長(56)が5月5日、Twitterに「共産党に批判されているから大阪モデルは正解」という投稿をした。ネットではツイートを疑問視する声が上がっている。大阪モデルとは、新型コロナウイルス特措法に基づく外出自粛要請や休業要請などを段階的に解除するための3指標のこと。大阪府独自のもので、その動向に注目が集まっている。同日、共産党の大野たかし氏がTwitterで《トレンドに「大阪モデル」と入っていました》と言及。そして《首長はテレビやSNSで目立つが公務日数・時間は少なく、防護服がなくなったら雨合羽を集め、陽性の看護師を勤務させ、現場に話さずに「専門病院」指定をし、その結果、感染者数が増えているという「絶対に真似してはいけないモデル」の事なのでしょうね》とつづった。すると松井市長は、大野氏の投稿を引用しこうつづった。《共産党に批判されるという事は、大阪モデルは正解という事ですね》すると大野氏は松井市長の投稿に対して《大阪モデルが間違っているかそうでないかを、まさか市長さんが私のツイートによって判断されるとは思いませんでした》とし、《政策の検証は、さすがにもっと慎重かつ論理的にやったほうがいいのではないでしょうか。「大阪モデル」によほど自信がないのだな、と思いました》と指摘した。「共産党に批判されているから正解」という松井市長。しかしネットでは投稿を疑問視し、非難する声が上がっている。《なぜ共産党に批判されると正解なのか具体的な説明をして下さい。これでは只のレッテル張り、分断、差別を煽るだけ》《自治体の首長アカウントであからさまな党派争いをするのやめてほしい。しかも批判内容に根拠がなく、単なる嫌がらせ》《私は共産党支持者では無いですが、相手を攻撃する事で勝ちを見出すような言動には、市長としての品格に欠けてると思います》《公人がこの言い回しをリアルでつぶやくとは思わなかった》松井市長は先月23日の会見でスーパーマーケットが混み合っていることに触れ、女性の買い物の仕方について「『これはいい』『あれはいい』とか時間がかかる」とコメント。そして男性について「ぱっぱっぱって買うて帰る」といい、「男性が接触を避けて買い物に行くのがいい」などと発言した。「性別は関係ないのでは」と記者に指摘されたことで「それはそうやね」「わが家では僕の方が早い」と言ったが、その発言はCNNを筆頭に海外メディアでも報じられていた。
2020年05月07日昨年末に新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』での好演が話題を呼んだ歌舞伎界の新鋭・尾上右近(27)。「新しい年もチャレンジングな1年にしたい」という言葉どおり、次に挑戦するのは、現代劇。’17年放送のNHKドラマ『この声をきみに』のスピンオフ舞台『この声をきみに〜もう一つの物語』(大阪公演/3月6〜8日、サンケイホールブリーゼにて。東京公演/3月12〜22日、俳優座劇場にて)だ。「型が決まっている歌舞伎はセリフをほぼ観客に向かってしゃべるけれど、現代劇は相手と向き合う。歌舞伎では感じられない、会話の重要性と難しさを実感しました」(右近・以下同)今作は、ある朗読教室に集まり、声で心を開放していく人たちの交わりを描く心温まる大人のラブストーリーだ。専門外のジャンルにも果敢に挑む姿が頼もしい。祖父と父は六代目・七代目清元延寿太夫。清元という古典音楽の宗家に生まれた右近が、歌舞伎役者を志したのは、3歳のときだった。「おばあちゃんの家に行ったときに、映画監督の小津安二郎さんが父方のひいおじいさん(六代目尾上菊五郎)の『春興鏡獅子』を撮った映画を見たんです。で、歌舞伎の魅力に取りつかれて、『あの役になりたい!』と。あの日の様子をすごく鮮明に覚えていますね。部屋に西日が差していて……あれは僕のなかに残っているいちばん古い記憶です」「女性自身」2020年2月11日号 掲載
2020年02月03日ファッションやカルチャー雑誌に連載を持ち、ラジオパーソナリティーも勤める次世代の歌舞伎俳優、尾上右近。名優六代目尾上菊五郎を曾祖父、往年の映画スター鶴田浩二を祖父に持ち、父親は清元節の宗家・清元延寿太夫。昨年、自身も七代目清元栄寿太夫を襲名。現在、歌舞伎俳優にして清元の太夫でもある、初の“二刀流”を貫くパワフルな開拓者だ。「第五回 研の會」チケット情報「20代は特に限界を超えることで伸びしろが出てくる時期。無理と分かっていることも存分にチャレンジしたい」と右近。実践の場として、2015年より毎年上演するのが自主公演『研の會』だ。今年は第5回の節目とあって、四代目市川猿之助が芸術監督を勤める京都芸術劇場春秋座を会場に、シリーズ初となる東京・京都、2都市での開催を実現する。演目は、右近が弁天小僧を演じる『弁天娘女男白浪』と、猿翁十種より舞踊『酔奴』。『弁天娘~』は高祖父の五代目菊五郎が19歳で初演後、代々の菊五郎に受け継がれる音羽屋のお家芸だ。右近が10代前半で今の菊五郎の元へ勉強に入り、舞台袖から初めて観たのもこの芝居だった。「これから自分は尾上右近としてやっていくのだと、子供心にも意識した憧れの根本にあるようなお芝居です」。物語は痛快な義賊もの。5人の盗賊が七五調で名乗りをあげる演出は、秘密戦隊ゴレンジャーなど後のヒーロー番組にも影響を与える。片や『酔奴』は、雪の中で酔っぱらった男がいろんな人間に扮する様を踊りで表現する。右近の義太夫の師匠、鶴澤藤蔵ら文楽座の特別出演で贈る。「猿之助のお兄さんに澤瀉屋のお家芸をご提案いただき、春秋座でやらせていただけることに。ご縁として繋がりがあってありがたいなと。技術としては難しいですが、踊りは見る人の解釈に委ねられるのが最大の魅力。散々おどけていた男が最後はふと正気に戻ったような顔になる。流れる胡弓の音色も絶妙で。僕は田舎育ちの男の寂しさがほんのり香って切なくなるけど、どう感じていただけるのか楽しみです」。共演に中村梅丸ら後輩が出演するのも今回が初めて。20代後半となり、いずれは後輩を引っ張る立場になることも「ほんのり意識し始めた」と笑う。自身の生まれる以前と以後の2つのルーツに由来する演目を得て、さらなる高みを目指す。「『弁天娘~』は何百年も続く歌舞伎の古典が、現代の漫画にもありそうな面白さだったり、衣裳や舞台に見る色彩の美しさなど、歌舞伎を初めてご覧になる方にも楽しめる要素がいっぱい。チラシは『弁天娘~』が東映の任侠映画、洒落の踊り『酔奴』が三枚目なのに色気がある藤山寛美さんのイメージです。まったく違う面白さがあるので、存分に楽しんでもらえたらと思います」。公演は8月28日(水)・29日(木)京都芸術劇場春秋座、9月1日(日)・2日(月)東京・国立劇場小劇場にて上演。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2019年08月23日ロックバンド・サカナクションの山口一郎が5日、東京・銀座の複合商業施設「GINZA SIX」で行われた「ROOF TOP ORCHESTRA -音を奏でる庭園-」メディア先行内覧会に出席した。同イベントは、山口が2016年に立ち上げたプロジェクト「NF」がプロデュースを手掛け、同所の屋上庭園「GINZA SIX ガーデン」に音と光とテクノロジーをミックスさせた空間を演出。「オーケストラの演奏台」をイメージした6つの6面体のモニュメントには、オーケストラが囲うように光の柱を設置。 来場者がモニュメントを打楽器のように叩くことで、 音と光が連動していく。また30分に1回、 約30秒間の特別演出を実施され、オーケストラが演奏前に一斉に調律をするように音と光が会場全体が包まれる。山口は空間を演出するに至った経緯について「僕の職業はミュージシャンですが、ミュージシャンってライブと音源を作ることしか表現する場所がない。時代は、どんどんアップデートするのにミュージシャンが表現する場所が増えないのは違和感でした」と明かし、「こういう取り組みをきっかけで、いろんなミュージシャンの表現する場所が増えていくといい」と展望を語った。また同所でのライブイベントを開催する予定があることを明かすと、「聞いたところによるとここは音量制限がないらしい」と不敵に微笑んだ山口は、「10月までの間に何度かできたら」と銀座屋上ライブを宣言していた。同イベントは、8月6日から10月31日まで開催される。入場料は無料。
2019年08月06日サカナクションの山口一郎率いる「NF」がプロデュースするサウンドインスタレーション「ROOF TOP ORCHESTRA -音を奏でる庭園-」が、2019年8月6日(火)から10月31日(木)まで、東京・銀座の複合商業施設「ギンザ シックス(GINZA SIX)」の屋上庭園で開催される。ギンザ シックス屋上庭園に「NF」のサウンドインスタレーションが出現音楽のみならず、ファッションやアート、テクノロジーなど様々な分野をつなぎ合わせることで新しい“音の可能性”を追求するプロジェクト「NF」。今回彼らは、地上約56mに位置する銀座最大の屋上庭園を舞台に、音と光とテクノロジーが融合した参加型のサウンドインスタレーションを制作した。連動する音と光が空間を包み込む庭園の水盤エリアと芝生エリアには「オーケストラの演奏台」をイメージした6つの6面体モニュメントと、それを小編成のオーケストラが囲っているような構図で光の柱を設置。来場者がモミュメントを打楽器のように叩くと、合計36種類の音と光が連動するインタラクティブな演出がスタートする。各モミュメントは独立しており、複数の来場者がそれぞれ異なるモミュメントに触れることで、まるでモミュメント同士が共鳴し合うように、空間全体を音楽と光で包み込む。30分に1度だけの特別演出もまた、30分に1度だけ全ての光と音がコントロールされ、「NF」が作り出した音と光が空間を“調律”する特別演出も用意されている。サウンドクリエイションを手掛けたのは、「NF」の発起人である山口一郎と、音楽家の黒瀧節也。36種類の音色は、会場となる屋上庭園からインスピレーションを得て作られたものだという。開催概要「ROOF TOP ORCHESTRA -音を奏でる庭園-」開催期間:2019年8月6日(火)〜10月31日(木)※8月26日(月)のギンザシックス休館日も入場可能。※招待制イベントの開催や天候により中止となる場合あり。時間:日没〜23:00会場:ギンザシックス屋上「ギンザシックス ガーデン」入場料:無料主催:ギンザシックスサウンドプロデュース:NF空間演出・制作:博展
2019年07月21日隈研吾×サカナクション山口一郎×アンリアレイジ森永邦彦による「クリエイションの未来展 _ more than Reason」を7月20日から9月24日まで、LIXILギャラリーにて開催する。LIXILギャラリーでは、2014年9月より日本の建築・美術界を牽引する4人のクリエイター、清水敏男(アートディレクター)、宮田亮平(金工作家)、伊東豊雄(建築家)、隈研吾(建築家)を監修者に迎え、それぞれ3ケ月ごとの会期に独自のテーマで現在進行形の考えを具現化した展覧会企画「クリエイションの未来展」を開催している。今回はその一環として「クリエイションの未来展 _ more than Reason」を建築家の隈研吾、ミュージシャンの山口一郎(NF/サカナクション)、アンリアレイジデザイナーの森永邦彦が、建築とファッションと音楽の境界を越境したコラボレーション作品を発表する。意味や解釈、理屈を超えた体験を作ることを目指した作品が展示される。【展示会情報】more than Reason 隈研吾+山口一郎(NF/サカナクション)+森永邦彦(ANREALAGE)展会 期:2019年7月20日〜9月24日会 場:LIXILギャラリー場所:東京都中央区京橋3-6-18 東京建物京橋ビルLIXIL:GINZA 2F時間:10:00〜18:00休館日:水曜日、8月10日〜15日、25日入場無料
2019年07月18日企画展「クリエイションの未来展 more than reason 隈研吾+山口一郎(NF/サカナクション)+森永邦彦(ANREALAGE)展」が、2019年7月20日(土)から9月24日(火)までの期間、東京・銀座のLIXILギャラリーにて開催される。「クリエイションの未来展」は、建築家の隈研吾、伊藤豊雄、アートディレクターの清水敏男、金工作家の宮田亮平の4人のクリエイターが展開する企画展。3ヵ月の会期ごとにそれぞれ独自のテーマを設け、現在進行形のアイデアを具現化した作品の展示を行っている。今回は、そんな「クリエイションの未来展」を、建築家の隈研吾、サカナクションのボーカル・山口一郎、アンリアレイジ(ANREALAGE)のデザイナー・森永邦彦の3者のコラボレーションで実施する。今後も継続的に展開していく3者によるコラボレーションのプロローグという位置付けで開催し、“建築とファッションと音楽の境界を越境する”作品を展示予定だ。【詳細】クリエイションの未来展 more than reason 隈研吾+山口一郎(NF/サカナクション)+森永邦彦(ANREALAGE)展開催期間:2019年7月20日(土)~9月24日(火)開館時間:10:00~18:00会場:LIXILギャラリー住所:東京都中央区京橋3-6-18 東京建物京橋ビルLIXIL:GINZA 2階入場料:無料休館日:水曜日、8月10日(土)~15日(木)、25日(日)
2019年07月13日ロックバンド・サカナクションの山口一郎が、14日と21日に放送されるニッポン放送『三代目 J SOUL BROTHERS 山下健二郎のZERO BASE』(毎週金曜 24:00~)にゲスト出演することが決定した。これは、パーソナリティを務める山下健二郎が、4月にサカナクションのライブを観に行ったことがきっかけとなり、実現したもの。山下は番組を通じ、「せっかくの機会なので、釣りの話に限らずいろいろな話を聞いてみたい。聞いてみたいことはたくさんある」とコメントした。番組では3日まで、2人への質問やメッセージなどを受け付けている。
2019年06月01日山崎育三郎、尾上松也、城田優の3人によるプロジェクト「IMY」お披露目公演『IMY旗揚げコンサート~まだ色々曖昧なトリオの明確な門出~』が20日、東京・Bunkamuraオーチャードホールで行われた。公私ともに仲の良い3人は、1月に「常識に囚われず、今までにない新しい日本のミュージカルや演劇を作り出し、常にチャレンジ精神を持って取り組んでいき、更にはこれからの日本のエンターテインメント界を支える新しい人材との出会いにも積極的に取り組み、演劇界の底上げに少しでも尽力出来たらと思っております」と、「IMY」プロジェクト立ち上げと今回の公演を発表した。オープニングでは、城田が台本を担当し、3人で演出を考えた「IMY」がこの日に向けた企画を練っているシーンをミュージカル調に表現する場面からスタート。尾上が歌舞伎の見得を披露したり、城田がコミカルな演技で客席を笑わせたり、山崎が"プリンス"ぶりを発揮したりと、3人のキャラクターを活かした演出で魅了した。このシーンが終了すると、フォーマルな衣装に着替えた3人が客席から登場。黄色い歓声が上がり、3人が出演したミュージカル『エリザべート』から「キッチュ」「最後のダンス」の2曲を力強く歌い上げた。MCでは、客席にどこから来たのか問いかけ、コミュニケーションを取る場面も。年齢を聞く城田と松也に対し、山崎が「女性に対して年齢を聞くのは良くないよ」と語りかけ、プリンスぶりに会場が沸いた。笑いを取りつつ和やかな雰囲気の中、「これまでの成り立ち」や「今後への展望」を熱弁。「いつか日本のオリジナルミュージカルとして世界にも発信していければ」と意気込み、「今日はそんなIMYの第一歩です」と語ると、客席から拍手が湧き上がった。後半では3人がディズニーメドレーを披露し、その後は3人とも出演経験がある作品『ロミオ&ジュリエット』から「世界の王/ロミオ&ジュリエット」を熱唱した。クライマックスには、城田が作詞作曲した「数多の未来と愛」を披露。尾上と城田はこの日のためにギターとドラムに初挑戦し、山崎もピアノに挑み、見事な演奏で魅了。「これからIMYで作り上げるものを楽しみにしていてください」とステージを後にした。エンドロールでは、2020年2月28日に東京国際フォーラム・ホールAで第2弾のイベントを開催すると発表された。
2019年04月23日福沢一郎という画家をご存じだろうか?1930年代の日本に初めてシュルレアリスムを紹介し、前衛美術運動のリーダーとして活躍した人物だ。彼は生涯を通じて社会批評をテーマとしたが、その表現方法も独特だった。3月12日から回顧展「福沢一郎展このどうしようもない世界を笑いとばせ」が始まる。謎めいたイメージの中に社会批評が!前衛画家の回顧展。例えば《Poissond’Avril(四月の魚)》という絵画。これはフランスの科学雑誌の図版をコラージュした作品。「何だ、これ?」と思う図案は、科学という尊大な権威を冷やかした彼ならではのカリカチュアだ。ちなみに仏語で「四月の魚」はエイプリルフールのこと。画中の魚モチーフに目を付けた彼は、これを絵のタイトルにしてしまうなど、洒落も利いている。他にも、世論を煽る人物、空虚な動物など、一見滑稽な画風の中には、彼ならではのドライな批判精神が。こんなふうに現代をシニカルに笑いとばした福沢の画業を、約100点の作品で紹介した本展。会場では鑑賞ワークシートが用意される。「なぜここに魚が?」「なぜ科学の実験中にスーツなの?」など様々な「なぜ?」を会場で見つけながら、謎解き気分で鑑賞できる趣向も新鮮だ。1.《埋葬》1957年 東京国立近代美術館蔵ラテンアメリカの埋葬を意味した作品。鮮やかな色面部分と荒々しい筆致が目立つ部分の対比に謎が隠されている。2.《煽動者》1931年 一般財団法人福沢一郎記念美術財団蔵1931年にパリから帰国した福沢が、日本社会にシニカルな視線を向けた作品。3.《Poisson d’Avril(四月馬鹿)》1930年 東京国立近代美術館蔵フランスで刊行された子供向けの本『楽しい科学』に掲載された図版を組み合わせた作品。4.《牛》1936年 東京国立近代美術館蔵画面中央の牛には所々穴があき背景が透けて見え、画面の力強さとは裏腹に空虚さをも感じさせ…。ここにも独特の謎が秘められている。「福沢一郎展このどうしようもない世界を笑いとばせ」東京国立近代美術館1F 企画展ギャラリー東京都千代田区北の丸公園3-13月12日(火)~5月26日(日)10:00~17:00(金・土曜~20:00。入館は閉館の30分前まで)月曜(3/25、4/1、4/29、5/6は開館)、5/7休一般1200円ほかTEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)※『anan』2019年3月13日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2019年03月12日「初世尾上辰之助 三十三回忌追善狂言」として『義経千本桜 すし屋』『暗闇の丑松』『名月八幡祭』を上演する二月大歌舞伎。尾上松緑が、父・初世辰之助(三世尾上松緑を追贈)への思いを、合同取材会で語った。【チケット情報はこちら】「父が死ぬまでの日数を、自分が超えるとは思っていませんでした。死ぬか、役者を辞めるかだと考えていた」と語る松緑。初世辰之助が40歳の若さで亡くなったのは1987年のこと。松緑(当時、二代目尾上左近)は12歳だった。2年後には祖父・二世尾上松緑も他界。2月に44歳となる松緑は「40を超えてから、父だったら、祖父だったらどうだろうと考えるようになりました。33年経ち、父をご存知ないお客様もいらっしゃるかもしれませんが、父という役者がこういうものを演じていた、ということを感じていただけるよう一生懸命勤めます」と意気込む。いがみの権太を演じる『義経千本桜 すし屋』は今回が初役。「権太には不良青年なりに親不孝を償わなければならないという気持ちがある。悪ぶっているけれどシャイなところが僕に近いと思います。祖父のイメージが強い役ですが、父の権太にも若さゆえの魅力がありました。(尾上)菊五郎のお兄さんのもとで音羽屋の権太をいちから勉強しながら、どこかに祖父、父、自分と続く“紀尾井町”らしさを出したいですね」『名月八幡祭』の縮屋新助役については「父は粋でいなせな役のイメージが強く、『名月八幡祭』なら(新助よりも)三次役の人だったかもしれませんが、2度か3度、新助をやった時、朴訥とした、人の良い田舎の商人が、恋をして自分の中で消化しきれなくなるという演じ方をしていました。最後は逆上する凄みもあり、強く印象に残っています。父は“陰”か“陽”かでいうと“陰”の強い役者で、後半に怒りを爆発させる役が得意でした。今回はその父と36年前に共演された(片岡)仁左衛門のお兄さんと(坂東)玉三郎のお兄さんが、三次役、美代吉役で出てくださいます。思いがけないことで有難いですし、おふたりにリードされながら自分なりの新助を作っていけたらと考えています」父が得意とした「後半に怒りを爆発させる役」として、松緑がほかに、自身も国立劇場で一昨年に演じた『坂崎出羽守』とともに例に挙げたのが『暗闇の丑松』の丑松。今回は菊五郎が演じる。「父は丑松や出羽守を演じる時、家でも機嫌が悪かった(笑)。一方、僕も昨年演じた『素襖落』のようなお狂言ものの時は祖父も父も普段からリラックスしていました。役者というのは演目によって変わるんだなと子供心に思った記憶があります。父、祖父が死に、自分も子供ができて感じるのは、実在の人物にしろ歌舞伎のために書かれた役にしろ、他人の人生を演じるのは結構な責任を伴うということ。だからこそ、『名月八幡祭』新助も『すしや』権太もそうですが、人間の心理を細かくえぐる役は面白いし、素敵だなと思うんです」公演は2月2日(土)より、東京・歌舞伎座にて。チケットは発売中。取材・文:高橋彩子
2019年02月01日展覧会「福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ」が、東京国立近代美術館で、2019年3月12日(火)から5月26日(日)まで開催される。福沢一郎の作品約100点が集結福沢一郎は、1930年代の日本にシュルレアリスムを紹介し、前衛美術運動のリーダーとして活躍した作家。時代の変化と共に様々に主題と作風を変え、「謎めいたイメージ」の中に込めた知的なユーモアによって、同時代の社会や人々を諷刺的に描いた。戦時中は弾圧を受けるが、戦後は再び社会批評的な視点から人間群像の大作に取り組み、晩年は文化勲章を受章するなど波乱の人生を歩んだ。「福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ」では、油彩・素描・写真など約100点の作品が集結。福沢が時代の中でどのように社会と向き合い表現したのかを、現代の視点から見直し、再評価していく。会場には鑑賞ワークシートも用意され、福沢一郎のシュールでユーモアに溢れたイメージを謎解き気分で鑑賞できる。パリ留学時代の初期作品から時代順に紹介展覧会では、福沢一郎の作品を時代順に10章に分け、福沢一郎が社会や人間に対してどのような批評の眼を向け、そして持ち前のユーモアのセンスで作品化していったかを紹介する。福沢一郎は、パリ留学時代の初期作品から、既に社会に目を向けて描いた。シュルレアリスムの画家マックス・エルンストの作品に影響を受け、古い雑誌の挿絵を奇妙に組み合わせ、不条理なユーモアに満ちた作品を数多く制作。展覧会には、1931年の独立美術協会展で発表され注目を浴びた《Poisson d’Avril(四月馬鹿)》といった作品も展示される。戦争を経た代表作も戦前、ファシズムに抗して人間精神の自由を守ろうとする“行動主義”の思想に、福沢一郎は美術家として共鳴。所々穴が開けられて背景が透けて見える《牛》のように、力強さと裏腹に空虚さをも感じさせる作品を世に送り出した。戦後、福沢一郎は混乱する世相をダンテ「神曲」に託して連作を描き、その中で代表作《敗戦群像》(1948年)を発表する。戦前から追求していたヒューマニズムの姿勢が、戦時下に経験した作家活動への弾圧を経て、新たな段階へ達したことを表している。また、展覧会では、その後の中南米やアメリカの旅で目にした人や造形物のエネルギーに刺激を受けた作品、古代神話や旧約聖書に基づく晩年の作品まで、福沢一郎の多彩な画業を振り返る。詳細「福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ」会期:2019年3月12日(火)~5月26日(日)時間:10:00~17:00(金・土曜は20:00まで)会場:東京国立近代美術館 1階 企画展ギャラリー住所:東京都千代田区北の丸公園3-1TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)休館日:月曜日(3/25、4/1、4/29、5/6は開館)、5/7(火)料金:一般1,200(900)円、大学生800(500)円※()内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。※高校生以下および18歳未満、障害者手帳持参者とその付添者(1名)は無料。※本展の観覧料で入館当日に限り、同時開催の所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)、「イメージコレクター・杉浦非水展」(2Fギャラリー4)も入場可。
2019年01月13日宮崎駿監督のアニメーション映画『風の谷のナウシカ』(1984年公開)が、新作歌舞伎となることが12日、わかりました。松竹株式会社が12月12日、公式ウェブサイト上で公表した公演情報によると、同作は2019年12月、新橋演舞場で上演されます。ナウシカ役を尾上菊之助さん、大国・トルメキア王国の皇女・クシャナ役を中村七之助さんが演じるほか、尾上松也さんに坂東巳之助さん、尾上右近さんの出演も発表されました。宮崎監督の作品が歌舞伎になるのは初めて。ここ数年、大ヒットした漫画作品が新作歌舞伎となる事例は少なくありません。Twitterでは、「ナウシカ歌舞伎化!?ワンピで驚いて、ナルトで納得して、ナウシカでまた驚いた」の声があがっているように、2015年には『ONE PIECE』が『スーパー歌舞伎II ワンピース』に、今年8月には『NARUTO -ナルト-』が新作歌舞伎として上演され、話題を集めました。他にも、「まさかナウシカ原作完全再現(?)化がアニメではなくて歌舞伎で行われる事になろうとは」「ナウシカの歌舞伎、チケット争奪戦だろうなあ」など、期待するファンの声が多数。昼の部・夜の部 通し上演となることから、「アニメしか知らない人は置いてけぼりにならない?しかも昼夜通して、8時間超えとかになっちゃうのでは…しゅごい」と大作を期待する声も挙がっていました。画像/Shutterstock
2018年12月12日大ヒットしたスーパー歌舞伎II『ワンピース』で、市川猿之助さんと共に主役のルフィを演じた尾上右近さん。若手歌舞伎俳優として注目される存在だが、今年2月、清元栄寿太夫を襲名した。清元とは古典音楽の一流派。歌舞伎の舞台で「物語の人物の心の声を節にのせて歌う、ナレーションのような」役割で、右近さんはその家元の家の出身だ。「清元は小さい頃から聴いて育ってきていますから、一番身近な家族のような存在。役者は、歌舞伎役者だった曽祖父・六代目尾上菊五郎の映像を3歳の時に観てからずっと取り憑かれ続け、人生を共にすると決めたパートナー。ふたつにひとつの覚悟で役者をやってきましたが、清元の家元である実家の後継問題もあり、各方面に相談して、ふたつの道を歩ませていただくことになりました」とはいえ、厳しい伝統の世界。この選択には葛藤もあったはず。「ひとつの道だけでも、生涯をかけて追究して大成できるかどうかという世界なわけです。それを両方やるとなれば、2倍速で進んでいかなきゃいけない。それでも、どちらの道も諦めたくなかったんです」失敗は恐れない。むしろ、「失敗したらいいと思う」と話す。「かいた恥も利用していかないと成長のない世界です。そもそも六代目菊五郎も高祖父の五世清元延寿太夫も、伝統の世界で批判覚悟で新しいことを切り拓いていった人。新しいことを平気でやる血が、僕には流れているんだと思います(笑)」11月の歌舞伎座では、清元と役者、両方での出演が決定している。「本来歌舞伎は、大衆を楽しませるために、ぶっとんだことをやって人気を得てきた演劇集団です。知識なんかなくても絵画を楽しめるのと同じように、理屈なしに楽しんでもらえるもの。ぶっとんだ世界を面白がってもらえたらと思います」『歌舞伎座百三十年 吉例顔見世大歌舞伎』東銀座・歌舞伎座11月2日(金)~26日(月)昼の部11時開演、夜の部16時30分開演1等席1万8000円~3階B席4000円ほか(すべて税込み)チケットホン松竹TEL:0570・000・489役者としては、昼の部の一幕目『お江戸みやげ』と夜の部の『法界坊』に娘役で、清元としては、昼の部の三幕目『十六夜清心』に出演する。「こんな日が、こんなに早く来るなんて夢のようです」おのえ・うこん1992年生まれ。初舞台は7歳。芝居心のある子役として評判を得、七代目尾上菊五郎の元で研鑽を積み、’05年に尾上右近を襲名。写真は『石切梶原』の梢(’17年5月歌舞伎座)。©松竹※『anan』2018年11月7日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・白石義人(ima.)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2018年11月01日昨年、新橋演舞場で上演されたスーパー歌舞伎セカンド「ワンピース」では怪我で休演となった市川猿之助の代役として、主役・ルフィを演じた尾上右近。また今年8月には自身初となる現代劇『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル~スプーン一杯の水、それは一歩を踏み出すための人生のレシピ~』で主演するなど活躍の場を広げている右近だが、「清元」として、今年2月に七代目 清本栄寿太夫という名を襲名していたことをご存知だろうか。【チケット情報はこちら】「清元」とは、語りを担当する太夫と、演奏の三味線方で構成された、歌舞伎舞踊の伴奏等を担当する「清元節」という浄瑠璃の一派。高い音域を持って、歌舞伎の世界を彩る詞章を、語る役割を持つ。その清元の家に生まれ、今年2月には清本栄寿太夫の名前も襲名した右近は、この襲名は歌舞伎俳優との異例の両立となるだけでなく、そして自身も「思っていたよりも早く実現した」と語るとおり、11月の歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」では歌舞伎俳優、清元の二刀流で歌舞伎座に立つことになる。今回の俳優、清元の両出演について右近は「父、菊五郎のおじさん、また諸先輩方の胸を借りて初出演ということになりました。菊五郎のおじさんの舞台で初舞台を踏める喜び、父の横に並べる喜び、そして『十六夜清心』という責任の大きい作品で初舞台を踏める喜び、いろんな喜びが重なりました」と語る。『十六夜清心』では太夫(語り)を務める。演目について、「名曲ですよね。お芝居の曲としての一面が強く、脇が清心の気持ちを歌う。役者として修行をつませていただいた、菊五郎のおじさんの気持ちを語る立場を担えると言うのがすごく嬉しい。こんな日が来るとは思わなかったです」と話す。9月末からすでに稽古をはじめており、その音域にのどを慣らしているという。「清元は、歌舞伎に使われる歌の中でも、ナレーションをかねた歌う役のようなポジション。音楽的にもオシャレで、節回しが細かかったり、高音が多かったり、音として楽しめると思います」昼の部では歌舞伎俳優として『お江戸みやげ』お紺役、清元として『十六夜清心』に、出演。夜の部では歌舞伎俳優として『法界坊』におくみ役で出演する。公演は11月2日(金)から26日(月)まで、歌舞伎座にて。チケットは現在発売中。
2018年10月12日ONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』disc2 Produced by TBSの公開ゲネプロが9日にIHIステージアラウンド東京で行われ、尾上松也と大原櫻子が登場、取材に応じた。同作は2006年に劇団☆新感線と宮藤官九郎が初めてタッグを組んでシェイクスピア作品のアレンジに挑んだ作品。舞台を200年後の廃退した近未来と、空前のバンドブームに沸いた1980年代の日本を二重の構造に置き換え、ロックバンドが劇中で生演奏する。2017年3月30日に豊洲にオープンしたIHIステージアラウンド東京で、disc1は橋本さとし&濵田めぐみ、disc2は尾上&大原、disc3は浦井健治&長澤まさみのペアが、原典ではマクベス夫妻に当たるランダムスター夫妻を演じる。劇場に入って4日目という松也は「稽古場では理解できなかったことが体で実感できるようになって、劇場のスペシャルさを肌で感じています」としみじみ。また大原は「先日、disc1のご挨拶に行って、めぐみさんとさとしさんからエネルギーをいただいた」と語る。濱田からは「『死ぬ気で頑張ってね、死ぬ気で応援するから』というメールをいただきました」と内容を明かした。回転する舞台について、松也は「予想以上にハード、裏の方が一番動いてました。ほとんどダッシュですね」と苦笑。また10歳年下となる大原とのコンビについて「私が忘れることが多うございまして。その都度奥様がご指導を、ポンポン、って。『ここセリフ言うところだぞ』と、どんどん引っ張っていただいて、牽引力というか引っ張られている感じ」と語る。「稽古場で作っていく中で、年が上なんだけどグイグイ引っ張られる感じが自然と出てきているので、僕にとっては、心地よくさせていただいています」と感謝した。一方、作中ではかなり弾けた姿を見せている大原は、松也について「優しい方なので。わざと優しくされてるのかな? と思うときあります。それくらい、年上の先輩な俳優さんだから、私がわがままにいろいろやらせていただいている」と互いに感じるところがある様子だった。実はまだ「1幕が全部終わったところくらい」までしか劇場で通すことができていないというが、松也は「あと6日で2幕を仕上げて。必死に今やってます。今日なんとか1幕通すことできますので、舞台機構が特殊なものですから、初日までにはきっちりやります」と意気込む。最後に、先日恋人と報道された"菜々緒似の美女"が観に来るのか聞かれると、松也は「あ、出た!! わかりません!」と苦笑しながらきっぱり語った。公演はIHI ステージアラウンド東京にて9月15日〜10月25日。また10月4日には全国の映画館でライブビューイングを予定している。
2018年09月09日歌舞伎俳優の尾上右近が、現代劇に初挑戦。ピューリッツァー賞戯曲部門賞受賞の翻訳舞台『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル~スプーン一杯の水、それは一歩を踏み出すための人生のレシピ~』が8月4日(土)、大阪・サンケイホールブリーゼにて上演される。「作品が面白かったという声が聞けてうれしかった」と充実の東京公演を終え、大阪で大千秋楽を迎える。「ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル~スプーン一杯の水、それは一歩を踏み出すための人生のレシピ~」チケット情報人生の目的を見失い、薬物中毒にあえぐ人々――。他者とつながりたい願望と切実に避けたい感情が、現実世界とネットの仮想空間を用いて表現される。薬物中毒で育児放棄した母親オデッサ(篠井英介)に代わり、伯母ジニーに育てられた主人公エリオット(右近)。今はバイトで生計を立てるが、過去に出兵したイラク戦争で負った傷を癒すため、モルヒネ中毒も経験していた。一方のオデッサは、ドラッグ中毒者の救済を目的としたサイトを運営中だ。ある日、闘病中のジニーが他界したことで、ふたつ(ふたり)の世界の均衡が崩れはじめる。現代アメリカが抱える問題に材を取った物語だが、「無理に理解しようと努めなくても大丈夫」と言う。「時代や環境が変わっても、問題に付随する人間の心の動きは変わらない。みんな弱虫でみんないいやつ。一歩を踏み出そうともがいているエリオットも完璧な人間ではないから、悲しいけど笑っていたり、黙っているけど心にはいろんな葛藤が渦巻いていたり、多面的な部分にも共感できる。焦らず見つめていただければ自然と1幕で抱いた疑問が2幕で紐解け、最後には心温まる作りになっている。そこが不思議で素敵な作品だなって」。初の現代劇。一番の収穫は演出のG2から、「役者には作品のメッセージを伝える役割がある」と学んだこと。「なぜこの場所に立つのか、なぜこのタイミングでセリフを発するのか、すべてのことに意味がある。歌舞伎では何の疑いもなく型通りに演じていましたが、型を役の心の動きと捉えると、以前とは感じ方が全然違う。役者としての心構えはどうだったのか、自分を省みて根っこを育む時間もいただけた」。迎えた本番では、世阿弥が言う『離見の見』を痛感したとも。「熱中していても客観性がないと役の本質を見せることなく、パフォーマンスで終わってしまう。小さくまとまらずに作品のコマとしての役割も果たす。冷静と情熱、そのバランスが難しい。本番になるとつい自分をアピールしたくなるので」と快活に笑う。春には、大阪松竹座にて上演されたスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』で、堂々市川猿之助とのダブル主演を勤めた尾上右近。役者兼清元というふたつの顔を持つ、気力、体力、愛嬌たっぷりの26歳がまたひと回り太くなった幹から、大千秋楽で思いの丈を花開かせる。「泣いても笑っても最後。失うものは何もない」と意気込む彼の冷静と情熱の間、見届けて。公演は、8月4日(土)13時から大阪・サンケイホールブリーゼにて上演。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2018年08月03日舞台『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル 〜スプーン一杯の水、それは一歩を踏み出すための人生のレシピ〜』の公開ゲネプロが行われ、尾上右近、篠井英介、南沢奈央、葛山信吾、鈴木壮麻、村川絵梨、陰山泰が登場した。同作は『イン・ザ・ハイツ』のキアラ・アレグリア・ヒュディス作で、2012年にピューリッツァー賞戯曲賞を受賞した。イラク戦争の帰還兵であるエリオット(尾上)と、その産みの母でコカイン中毒者の集まる掲示板を運営するオデッサ(篠井)、現実とインターネット上の世界が交錯していく。初の現代劇挑戦となる右近は、「ゲネプロという経験もほとんど初めてで、緊張といろんな意識が混ざって、正気の沙汰じゃなく、精神状態としては完全にオーバードーズ」と苦笑。「今の自分の中でできる感情というものを乗せて踏み出して明日を迎えたい」と意気込んだ。歌舞伎では「型に守られ、初役でも先輩に教わることができるし、型が洗練されている」が、今回は「お稽古をしながらすり合わせてぶつけあわせ、自分の型を作っていく」点に難しさを感じているという。今回母親役の篠井が女方として出演することから、右近は「初めての現代劇で、お母さんが女方というのは、安心材料です」と感謝した。南沢は「最初に台本を読んだ時は面白いと思ったけど、読めば読むほどどうなんだろうと謎が生まれてきた」と稽古を振り返る。「ディスカッションしながら理解して演じられた」と周囲に感謝し、右近も「台本の内容をみんなで考えるのも、初めての経験。南沢さんとはずっと一緒にいる役なので、一緒に踏み出したい」と語った。インターネットが題材となるが、右近は「たくさん宣伝してください! 噂もどんどん立ててもらったほうがいい。役者なんだから」と器の大きさを見せる。南沢も「この舞台が盛り上がれば」とクチコミにも期待を寄せた。東京公演は紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて7月6日〜22日、大阪公演はサンケイホールブリーゼにて8月4日。
2018年07月05日歌舞伎座の團菊祭五月大歌舞伎が5月2日に開幕。團菊祭とは、明治の「劇聖」、九世市川團十郎と五世尾上菊五郎を顕彰するために昭和11年に始まったもので、近年は歌舞伎座の五月興行として上演されてきた。今月は九世團十郎の子孫にあたる市川海老蔵が昼の部で『雷神不動北山櫻』鳴神上人・粂寺弾正・早雲王子・安倍清行・不動明王の5役、五世菊五郎の子孫である尾上菊五郎が夜の部で『弁天娘女男白浪』弁天小僧菊之助役を勤めている。その『弁天娘女男白浪』の初日のもようをお届けしよう。【そのほかの画像はこちら】河竹黙阿弥が書いた全5幕の『青砥稿花紅彩画』のうち、「雪の下浜松屋」の場面から「滑川土橋」の場面までを上演する、今回の『弁天娘女男白浪』。本作には、虚構が何重にも張り巡らされている。まず、若党(市川左團次)を伴って呉服屋の浜松屋に現れた振り袖姿の娘(菊五郎)は、自身の緋鹿子を店の緋鹿子の中に忍ばせたあとでそれを懐に入れ直し、あたかも店の品を盗んだかのように見せかけて、これを咎めた店側を強請る。その娘が盗賊・弁天小僧菊之助であることを見破って店を救う日本駄右衛門(市川海老蔵)は、実は弁天小僧と若党に化けた南郷力丸の親分だった。彼らはただのごろつきではなく義賊的要素も持っている……。演じ手はこうした複雑さを内包しながら、華やかに芝居を運んでいくのだ。特筆すべきはやはり、弁天小僧菊之助を数限りなく演じてきた菊五郎の、無駄なく余裕あふれる演技だろう。婚礼前の娘になりすました「浜松屋」の場面では、おっとりとかまえつつ、緋鹿子を忍ばせる際には一瞬の鋭さを覗かせる。そして、正体が露見して居直る際の砕けっぷりの可笑しさ、威勢よく名乗る有名な「知らざあ言って聞かせやしょう」以下の名台詞の心地よさ。初日ながらこなれた演技で、左團次と共にベテランの風格を見せつけた。鳶頭役の尾上松也の眼光の鋭さも印象的。また、丁稚長松に扮した菊五郎の孫・寺嶋眞秀が、丁寧な手つきで茶を出したり草履を揃えたりと立ち働く姿に、客席が沸いた。「白浪五人男」の通称でも知られる本作。日本駄右衛門、弁天小僧菊之助、忠信利平(尾上松緑)、赤星十三郎(尾上菊之助)、南郷力丸の5人の盗賊が、まずは花道、続いて本舞台に、傘を手にずらりと並び、黙阿弥調の台詞を響かせる「稲瀬川勢揃の場」は、大きな見どころ、聴きどころだ。黙阿弥が、三世歌川豊国の絵に触発されてこの作品を書いたというだけあって、鮮やかな世界が楽しめる。さらに極楽寺の屋根の上では、捕手たちを相手に大立ち回りを展開した挙句、覚悟を決め、腹を切る弁天小僧菊之助。ここで、菊五郎を乗せたまま、屋根が倒れて次の場面に変わる“がんどう返し”も、他ではなかなか見られない趣向だ。昼の部は『雷神不動北山櫻』のほかに『女伊達』、夜の部は『弁天娘女男白浪』のほかに『鬼一法眼三略巻』菊畑、『六歌仙容彩』喜撰を上演。 歌舞伎の魅力が詰まった團菊祭五月大歌舞伎は、5月26日(土)まで、歌舞伎座にて。チケットは発売中。また歌舞伎座タワー5階の歌舞伎座ギャラリーでは 「平成歌舞伎30年博」も開催中。取材・文:高橋彩子
2018年05月11日尾上菊五郎が「團菊祭五月大歌舞伎」の夜の部『弁天娘女男白浪』で、音羽屋のお家芸である弁天小僧菊之助を演じる。4月、菊五郎の取材会が開かれた。【チケット情報はこちら】「初めてやらせていただいたのが昭和40年、22歳の時。その後、(菊五郎)襲名もこの演目でやりましたし、節目節目に、様々な劇場でやらせていただきました」と、菊五郎は振り返る。弁天小僧菊之助といえば、婚礼間近の娘として登場し、男であることが発覚して片肌を脱ぐ“見あらわし”で有名。女方と立役の両方が求められるその芸を、菊五郎はメジャーリーグで活躍する大谷翔平選手に引っ掛けて「今流行りの二刀流の究極」と評する。今では押しも押されもせぬ当たり役だが、演じながら悩んだ時期もあったという。「最初は、煙管や赤い鹿の子の布をどう出すか、お金をどこに入れるかといった手順、あとは捨て台詞も難しくて、つい現代語のようにペラペラペラペラと言ってしまい、あとで台詞がなくなって困ったこともあります(笑)。それでも怖いもの知らずで、30代までは勢いでやっていたけれど、40代に入り、あまりに何度もやらせていただくので、悩んでしまって。立役がよくなってくると女方が気になるし、女方を一生懸命やると今度立役が……となるんです。完成品ではありませんから、今回も、色々勉強することになるでしょう」「白浪五人男」の通称でも知られる本作。日本駄右衛門、弁天小僧菊之助、忠信利平、赤星十三郎、南郷力丸の5人の盗賊が並ぶ「稲瀬川勢揃の場」も、本作の見どころのひとつだ。「古い歌舞伎座で五人男をやった時、“10年後にやって、誰も抜けてないだろうなあ”と言ったら“そんなことないよ”と答えた夏雄ちゃん(市川團十郎)が一番先に逝き、それから寿(坂東三津五郎) も逝って、非常に寂しい思いをしました。今回、新しい歌舞伎座の五年祭にあたり、この辺りで一遍やろうかなと。(市川)左團次さんのようにずっと一緒にやってくださっている方もいる一方、(尾上)松緑も(尾上)菊之助も揃うし、(市川)海老蔵くんの日本駄右衛門も初めてだと思う。鳶頭も(故・尾上)松助がやっていたから(息子の尾上)松也にやらせます。(芸の継承を)意識して配役を決めました」若い世代に伝えたいことを問われると、「言葉の間(ま)と、歌舞伎の江戸っ子言葉。“ひゃく“と言わず“しゃく”と言うわけですが、あんまり“しゃくがにしゃくと……”と言われるとゾッとしちゃう。昔の江戸っ子はそう言ったかもしれないけど、歌舞伎としてお客さんの前でやる場合の発音はひゃとしゃの間くらいだと思います。若い人達には、映像だけではなく、一緒に演じることで、感じを覚えておいてほしいですね」今75歳。少年である弁天小僧を演じるにあたり、姿勢に気を使い、体重も落としていると語る。円熟味と若々しさが同居する珠玉の芸を味わいたい。團菊祭五月大歌舞伎は、5月2日(水)から26日(土)まで、歌舞伎座にて。チケットは発売中。取材・文:高橋彩子
2018年05月02日この秋からレギュラー化された「関ジャニ∞」のグルメバラエティ「ペコジャニ∞!」。11月20日(月)今夜は超定番メニュー「ハンバーグ」をテーマに、尾上松也、浅野ゆう子ら豪華ゲストを迎えてオンエア。今夜は誰が「No.1ハンバーグ」を食べられるのか…!?「関ジャニ∞」村上信五が番組MCを担当。「芸能界グルメ四天王」として寺門ジモン。プレゼンターには尾上さん、「関ジャニ∞」安田章大&錦戸亮。ペコラーとして「関ジャニ∞」横山裕、渋谷すばる、丸山隆平、大倉忠義と浅野さん、いとうあさこ、ヒロミが出演する本番組。老若男女“誰もが好きな人気メニュー”をテーマに、芸能界屈指の食通たちが“日本一美味しい”と思う一品を熱くプレゼン。番組認定の「芸能界グルメ四天王」、芸能界の“知られざる”「新グルメスター」、そして「関ジャニ∞メンバー+専門家」の3組がバトルを繰り広げ、腹ペコなパネラーである「ペコラー」が一番食べたい一品に投票。多数決1位になったメニューに投票した人だけがそのグルメを食べられるという“腹ペコ”ガチバトルが展開する。これまで「焼きそば」「オムライス」「生姜焼き」といったいずれも誰もが一度は口にしたことがあるであろう定番メニューでのバトルが行われてきたが、今夜はついに定番中の定番ともいえる「ハンバーグ」が登場。今回プレゼンターとして登場する“チーム・関ジャニ∞”は、安田さんと錦戸さん。究極のハンバーグをプレゼンするべく、今回は究極の肉を求めてロケへ!錦戸さんは初のプレゼンターに挑戦だが、はたして勝利なるか!?六代目尾上松助を父に持ち「鳴神」の鳴神上人、「弁天娘女男白浪」の弁天小僧菊之助などの大役を任される一方、新春浅草歌舞伎の最年長のリーダー役も務めるなど歌舞伎俳優としてはもちろん、蜷川幸雄演出による騒音歌舞伎(ロックミュージカル)「ボクの四谷怪談」や帝国劇場ミュージカル「エリザベート」、今年の大河ドラマ「おんな城主 直虎」の今川氏真役など俳優としても輝かしい実績を誇る尾上さん。この夏には「さぼリーマン甘太朗」にスイーツ男子役で主演しているだけに、尾上さんがプレゼンする「No.1ハンバーグ」にも期待が高まる。一方、80、90年代にはトレンディドラマに、最近では数多くの2時間ドラマに出演。『劇場版 SPEC』シリーズなどの映画作品にも出演し、常に女優として一線で活躍を続ける浅野さん。最近では「真田十勇士」や「ハムレット」など舞台での活動も目立つ浅野さんが選ぶ「No.1ハンバーグ」にも注目したいところだ。今回はどんな対決が繰り広げられるのか、オンエアをお楽しみに。「ペコジャニ∞!」は11月20日(月)22時~TBS系にて放送。(笠緒)
2017年11月20日アートを介して人が出逢う場「MEET@ART」が、スマイルズ運営の中目黒高架下のコンテンポラリーフード&リカー、パビリオン(PAVILION)にて10月21日に開催され、ロックバンド、サカナクションの山口一郎が音のない新曲『ANDON』を初披露した。今回披露された常設展示の『ANDON』は、山口とNFチーム(各界のクリエイターとコラボレーションを行いながら音楽と様々なカルチャーが混ざり合うコンテンツを企画・運営し社会貢献や、より良いライフスタイルの提案を実現させるチーム)が音楽的アプローチで制作した常設展示。50mに及ぶパビリオンのエントランスの回廊に現れた10基以上の行灯のようなオブジェだ。中目黒の高架を電車が通過するとその音に反応し色鮮やかに光を放つ。20日夜のレセプションでは、山口とスマイルズ代表の遠山正道との対談も開催。山口は『ANDON』について、「例えば、冷蔵庫の機械音、隣人が出す雑音、そして電車が通過するときの音など、日常生活で邪魔な音、不快な音というのは、これまではそれを消すことやさらに音を重ねることでごまかしていた。この考えを変えて、そうした音を視覚化できれば新しいものが生まれるんじゃないかという発想です。パビリオンを訪れる際、エントランスで光る『ANDON』を見てから店内で食事を楽しむ。その時に電車の音が聞こえてきたら、“あ、いま光ってるな”って想像しますよね。騒音が美しいビジュアルを生む。邪魔なものが必要なものになってくるのです」と語った。同イベントでは、この他にも出逢いをテーマにしたインスタレーションが会場を彩った。パラソル状のスクリーンに映像が流れ、さらにゲストの顔を認識しその映像にランダムに現れるという、クリエイティブラボ「LENS」によるインスタレーションが話題になった他、現代的なフラワーアレンジメントを得意とする「FLOWERS NEST」とスマイルズによる「一夜限りの花屋」も登場。花の洞窟のようなスペースに並べられた一輪の花が挿された小ぶりなガラス瓶を、ゲストが一つセレクトして首から下げるのがイベントの“ドレスコード”となる。会場内の同じ花を持つたった一人に出逢えればちょっといいことがある、という仕掛けを楽しむ姿が多く見られた。パビリオンでは、「MEET@ART」は終了したが、『ANDON』をはじめ名和晃平や西野達などさまざまな作家の作品を鑑賞しながらフードを楽しめる。
2017年11月01日TBSアナウンサーの安住紳一郎と女優の松たか子が、最新の生命科学から見えてきた人体の神秘について紹介する「生命38億年スペシャル人間とは何だ…!?医療革命が始まった!健康・長寿の最新常識」がゲストに岡田将生、芦田愛菜、古田新太、山里亮太らを迎え、8月14日(月)今夜20時~TBS系でオンエアされる。新たな発見が相次ぐ生命科学の分野では、疫学データ解析が進んだことで“健康・長寿”に関する常識がどんどん変化。従来は不要と考えられていた「盲腸」に大切な役割が発見され、栄養価が低くムダだと言われていた「ある食べもの」が体にとてもよいことがわかるなど従来の「常識」が「非常識」になりつつあるという。本番組では数々の番組を取り仕切ってきた名アナウンサー・安住さんと、TBS系「カルテット」が今年上半期大ヒット、11月からは不朽の名作SFを舞台化する「メトロポリス」にも出演する松さんを司会に迎えるほか、4月クールのドラマ「小さな巨人」も好評のうちに幕を下ろし、現在公開中の映画『銀魂』『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』がいずれも大ヒット、俳優としてさらなる注目を集める岡田さんと、声優を担当した『怪盗グルーのミニオン大脱走』がこちらも大ヒット公開中の芦田さん、映画から舞台まで幅広く活躍する古田さんらら豪華ゲストを迎え、私たちが生活するうえで気になるいくつかのテーマを取り上げ、最新の研究から導き出された健康へのヒントを探っていく。テーマの1つ「長寿」では長寿の双子として人気者だった成田きんさんと蟹江ぎんさんの子孫を取り上げ、きんさんぎんさん同様皆長生きだという一族の秘密を探る。また“近視大国”と言われる日本だが、従来テレビやスマホが原因などと言われてきた近視の原因が「太陽光不足」だということがわかったという。強度近視のまま歳をとると失明の危険もあるという近視について“近視先進国”中国の実態も取材する。テーマ「肥満」では話題の「糖質制限ダイエット」の効果を検証。血糖値が高くなることで起きる体への影響や糖尿病が特に日本人にとって危ないことなど、そもそも肥満の何がいけないのか、やせれば健康になれるのかについて開設。「脳と心臓」では元気で賢く天寿を全うしたが実はアルツハイマーだったという修道女がなぜ普通に生活できたのかについて迫る。そしてテーマ「がん」では、がん細胞の遺伝子に直接働きかけ自分の免疫力を最大限に発揮させることでがんを倒す最新治療「免疫チェックポイント阻害療法」について、番組がその治療の過程を追う。テーマ「免疫力」ではアマゾンの先住民から“長寿・健康”のヒントを学ぶ。「生命38億年スペシャル人間とは何だ…!?医療革命が始まった!健康・長寿の最新常識」は8月14日(月)20時~TBS系にて放送。(笠緒)
2017年08月14日歌舞伎俳優の尾上松也が連続ドラマ初主演を務めるグルメドラマ「さぼリーマン甘太朗」。このほど、本作のゲスト俳優として、尾上さん演じる主人公・甘太朗が働く出版社のエースであり、ライバル役に健太郎、販売営業部の新人役に八木将康の出演が決定した。吉朝出版で営業マンとして勤務する飴谷甘太朗(あめたにかんたろう)は、独身のメガネイケメン。仕事をテキパキこなし周囲の信頼も厚いが、ひた隠しにする秘密があった。それは仕事をサボってする、甘味巡り!甘味なるサボりの世界を堪能するべく、飴谷甘太朗は今日も仕事を手早く終わらせ、外回りに出向くのであった――。松也さんが独身のメガネイケメンながら、超絶“スイーツ男子”に扮することで話題を呼ぶ本作。このたび、さらに本作を盛り上げるゲストが発表。まず、第4話(8月3日(木)放送)から登場するのは、dTV・FOD共同製作ドラマ「パパ活」に現在出演中、WOWOW連続ドラマW「春が来た」、映画『先生!』や主演を務める『デメキン』が待機する注目俳優・健太郎さん。演じる吉朝出版・販売営業部で営業職として働く財部豊は、営業成績を甘太朗に抜かれたことにより、彼をライバル視している。「出演が決まり原作漫画を読んでみたらとても面白く、甘太朗独特の世界観を味わえると思うとワクワクしました」と語る健太郎さん。「財部はずっとニコニコしているのですが、内心では甘太朗へのライバル心が強く、秘めた思いと裏腹の笑顔は顔がつりそうになることも多々あり苦戦しました」とそのキャラクターに言及、見どころは「やはり毎回でてくるおいしそうなスイーツだと思います。甘いものが好きな方は深夜には観ない方がいいかもしれません(笑)」と明かす。さらに、「甘太朗のライバルとしては、特に妄想シーンで最高に楽しませていただきました。ライバル2人が魅せる妄想シーンをぜひ注目してご覧ください!」とアピールした。また、第5話(8月10日(木)放送)に登場するのは、「劇団EXILE」の一員として、舞台やドラマで幅広く活躍する八木さん。吉朝出版・販売営業部で営業職として働く、新人社員・五ヶ瀬宏樹役を務める。根性だけはある元高校球児で、甘太朗を慕っている役どころだ。「撮影期間が3日間という短い時間でしたが、松也さんをはじめキャスト皆様、スタッフの皆様の現場の雰囲気が本当に良くて、それに押される感じで自分も楽しく終えることができました。五ヶ瀬はプロ野球選手を目指していたということで、自分も高校までは同じく野球一筋でした。そういう面でも五ヶ瀬と自分がリンクするところが多くて最後にクランクアップしたときはもう終わってしまうのかと思い、とても寂しくなったのを覚えています」とふり返っている。彼らのほか、主人公・甘太朗を取り巻く同僚に石川恋、上司に皆川猿時らが出演している本作。個性豊かなキャストが、さらに盛り上げてくれそうだ。木ドラ25「さぼリーマン甘太朗」は毎週木曜日深夜1時~テレビ東京にて放送中。BSジャパン放送にて毎週火曜日23時~放送中。Netflixにて毎週金曜日先行配信中。(text:cinemacafe.net)
2017年07月20日歌舞伎俳優・尾上松也が連続ドラマ初主演を務める、木曜深夜ドラマ枠“木ドラ25”第2弾「さぼリーマン甘太朗」。この度、松也さんが甘味に情熱を燃やす様子を垣間見ることが出来る、本作の予告編が到着した。甘味なるサボりの世界へようこそ。吉朝出版で営業マンとして勤務する飴谷甘太朗(尾上松也)は、独身のメガネイケメン。仕事をテキパキこなし周囲の信頼も厚いが、ひた隠しにする秘密があった。それは、スイーツ…!甘味なるサボりの世界を堪能するべく、飴谷甘太朗は今日も仕事を手早く終わらせ、外回りに出向くのであった…。主演の松也さんが演じるのは、吉朝出版の営業マンだが、実は仕事をサボってスイーツを食べることが趣味の独身メガネイケメン・飴谷甘太朗。そして、甘太朗の同僚・土橋香奈子役に石川恋、スパルタ営業部長・三宅徹役を皆川猿時が扮する。本作で注目なのが、老舗の甘味処から知られざる名店まで、ドラマで甘太朗がスイーツを堪能するのは全て実在する店ということ。また、ハイスピードカメラを多用した映像の数々や、VFXで表現される「スイーツに酔いしれる甘太朗の脳内イメージ」も見どころの一つ。従来のグルメドラマとは一線を画す、異次元スイーツドラマとなるようだ。このほど到着した予告編では、あんみつやガトーショコラ、メロン、抹茶ババロア…と様々な甘味の登場からスタート。そんな美しく繊細な甘味たちに目を奪われていると、松也さん演じる甘太朗が満面の笑みで水天宮前の甘味処「初音」のあんみつを食べる姿や、ルンルンと足取り軽く甘味の園へ向かう様子が映し出される。そして、ハイスピードカメラで捉えた小麦粉に卵が落とされる瞬間、あんみつの寒天と小豆がはじけ踊る瞬間と、テレビ東京が得意とするグルメドラマの新たな真髄を垣間見ることができる。また、すっかり甘味の園に浸った甘太朗は、その甘味のおいしさに白目で昇天し、思わず顔がメロンに!と、これまで見たことのない、新たな松也さんが覗ける映像となっている。木ドラ25「さぼリーマン甘太朗」は7月13日(木)より毎週木曜日深夜1時~テレビ東京にて放送予定。BSジャパン放送にて7月18日(火)より毎週火曜日23時~放送。Netflixにて7月7日(金)より配信開始予定。(cinemacafe.net)
2017年06月28日歌舞伎俳優・尾上松也を主演に、原作・萩原天晴(漫画・アビディ井上)による人気コミックを実写ドラマ化する「さぼリーマン甘太朗」。この度、主人公・飴谷甘太朗を取り巻く同僚・上司に石川恋、皆川猿時が出演決定。また、甘太朗がスイーツを食べたときの脳内を表現した衝撃のポスタービジュアルが解禁された。甘味なるサボりの世界へようこそ。吉朝出版で営業マンとして勤務する飴谷甘太朗(尾上松也)は、独身のメガネイケメン。仕事をテキパキこなし周囲の信頼も厚いが、ひた隠しにする秘密があった。それは、スイーツ…!甘味なるサボりの世界を堪能するべく、飴谷甘太朗は今日も仕事を手早く終わらせ、外回りに出向くのであった…。原作は、「中間管理録トネガワ」で話題の原作・萩原氏(漫画・アビディ井上)による人気コミック「さぼリーマン 飴谷甘太朗」。主演を務めるのは、本作が連続ドラマ初主演となる尾上さん。演じる主人公・甘太朗は、営業マンとして勤務する独身のメガネイケメン。仕事を完璧にこなし周囲の信頼も厚いが、彼は、周りにヒミツで「仕事をサボってスイーツを食べること」。そんな“さぼリーマン”な甘太朗の勤務する吉朝出版の社員でミステリアスな同僚・土橋香奈子役に、石川恋がキャスティング。大ヒット書籍「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」の表紙モデルに抜擢され、話題となった彼女。本作への出演に「ヒロインという形で参加することができ本当に嬉しいです」と述べ、「一番の見どころは、原作をそのまま実写化したようなシュールな『さぼリーマン』独特の世界観、そして、きっと誰も見たことのないスイーツの素晴らしさを表す新しい描写…!個人的には甘太朗と土橋の謎めいた関係にも注目です!」と、期待をつのらせた。そして、スパルタ営業部長・三宅徹役に皆川猿時。「正直に申し上げます。しょっぱいのが好きなんです。ええ。辛いのも好きなんです。そんな普通のおじさん、皆川猿時、46歳です。なんかでも最近、甘いのも気になってきました。影響されやすいんです。そんな自分が嫌いじゃないです。あと、尾上松也くんってホントに綺麗な顔してるんですよ、奥さん。そんなわけで、キュンキュンしながら撮影しております。お楽しみに」と個性あふれるコメントを寄せた。木ドラ25「さぼリーマン甘太朗」は7月13日より毎週木曜日深夜1時~テレビ東京にて放送予定。BSジャパン放送にて7月18日より毎週火曜日23時~放送。Netflixにて7月7日(金)より配信開始予定。(text:cinemacafe.net)
2017年06月06日ディズニー・アニメーション最新作『モアナと伝説の海』で、海に選ばれた少女モアナと伝説の英雄マウイを、沖縄出身の新星・屋比久知奈と多方面で活躍中の歌舞伎俳優・尾上松也が声優として演じている。2人は劇中で素晴らしい歌声を披露するとともに、それぞれモアナとマウイが抱いている希望や葛藤、情熱や挫折など、ありとあらゆる感情を繊細に演じ切っている。「誰もが共感する作品」と口をそろえるふたりに、作品のことを聞いた。――モアナとマウイは一緒に行動していますが、友人や師弟関係とも違う、ちょっと不思議な関係ですよね? どういう関係だと理解して演じましたか?屋比久:一緒に海を旅するにつれて支えあう関係というか、お互いの欠点を補いあっているような感じがしました。モアナにとってもひとりで海に出て行く気持ちは、どういう感じかなって思ったりもしたのですが、頼もしいマウイといることで安心したと思うんです。彼なしでは達成できないことのような気がしました。松也:兄弟、友人、いろいろな見方ができると思いました。全体的に観ると、ライバルのような感じがします。僕自身も彼に似ていて、近しい友だちが一生懸命に頑張っている姿を見ることで、自分自身を鼓舞して高めていける。モアナが懸命に生きていてくれるからマウイも成長できると思ったので、ライバルだと思います。屋比久:また、マウイにとっても心を開くきっかけを作ってくれた人がモアナだと思うので、そういう意味ではふたりは補いあう、支えあう関係なのかなって思いました。松也:だからこそ、いろいろなことを教えあうんですよね。おそらくマウイもモアナも、お互いが懸命に生きていてくれないとお互いを支えられないと思うので、僕はよきライバル関係だと思いました。――モアナは海に選ばれた少女ですが、選ばれただけじゃダメで、自分の力で運命を切りひらかなければいけないですよね。これは待っているだけのヒロインじゃないという、最近の能動的なディズニー・ヒロイン像を継ぐキャラクターでした。屋比久:そうですね。いままでのディズニー・ヒロインとは、まったく違うなって思いました。いままではお姫様で、キラキラした世界に観ていてあこがれちゃうような、ちょっと遠い存在だったと思います。わたし自身、そう思っていました。でも、今回のモアナは人間らしくて、より身近な女の子。等身大の16歳の女の子という感じがしました。松也:僕たちが観ていたヒロインは、おっしゃったとおり素敵な王子様がいて、苦労を乗り越え、最終的にはハッピーで終わりますよね。もちろん自分の中でも葛藤があるけれども、周囲の影響や助けもありました。最近では『アナと雪の女王』がそうでしたが、ヒロインが一番頑張っている。それは時代の流れや女性像の変化にもよると思います。屋比久:もちろん世界を救うために海に出ることは、私たちにしては考えられない大きなことですが、モアナをひとりの少女として観た時に、彼女の想いをすごく感じて、共感できると思うんです。外の世界に対するあこがれなどはわたしたちの思う将来のことと似ていて、それに対する不安や葛藤も似ています。モアナと同じ16歳の方だけでなく、それを乗り越えた方、これから立ち向かう方も共感して、身近な存在として勇気をもらえると思いますし、彼女に背中を押してもらえるような、そんな魅力のある女の子だと思います。松也:今回のモアナはマウイのサポートを受けはしますが、彼のほうが弱いものを抱えていて、最後までしっかりと自分を持って(使命を)成し遂げようとするのは、モアナのほうなんですよね。これはとても、現代的なことであると感じました。あと、体格がいいマウイ、小さなモアナ、すべてが逆のような感じもする。そのギャップを感じると、見栄えや体の大きさ、男か女かなどが関係ない時代に来ている気がします。誰もが勇気を持って踏み出せば、物事を変えられる。考えすぎかもしれないけれど、人は見た目で判断しがちですが、その内実には皆いろいろなことがあるというメッセージもあると思いました。――そういうメッセージを声だけで表現するという大仕事でしたね。どういうことを意識して表現していたのですか?松也:僕はミュージカル、映像作品など何をするにも同じですが、表現方法は違っても、根本的に演ずるということは、すべてが一緒だと思っています。例えば今回のマウイで言いますと、その人生の一部分を切り抜いて表現しますので、そこにいたるまでのなんとなしの背景は見えるべきだと思っています。マウイは生まれた時が描かれていないので、僕の中では、そこを想像する作業をしました。本来なら体でも表現することを声だけで演じるので、そういう制限があればあるほど、おなかの中で何を思い、何を伝えたいかをしっかりと構築していないとできないのかなという気はしていましたね。屋比久:私は、相手がいて初めて表現が成り立つのかなと思ったので、すごく相手のことを考えるように意識して収録に臨むようにしました。でも、技術的なことや知識的なことなどで足りないこと、わからないことがたくさんあったので、想いだけでやってはみたけれど、あらためて声だけの表現について繊細なところがあることを知りました。――ところで、最初にうかがうべきでしたが、『モアナと伝説の海』でディズニー・ファミリーになった気分はいかがですか?松也:僕はもう、ただただうれしい、感慨深いですね。小さい頃からディズニー・アニメーションで育っていたので、僕の幼少期はディズニーなしでは語れませんし、これで夢が叶ったと言ってもいいです。僕自身、大人になっても作品で流れた曲やシーンを覚えているほどなので、もしも今回の『モアナと伝説の海』を観て、そういう風に思ってくださる方がいるなら、これほどうれしいことはないです。屋比久:本当に幸せで、光栄な経験をさせていただいています。最初は不安で、私で大丈夫かな? と思ったりもしましたが、選ばれた以上はモアナと一緒に成長したいなと思って収録もしていました。本当に多くの方々に愛される作品になったと思うので、早く観ていただきたいです。松也:僕は、例えば『モアナと伝説の海』がアトラクションになった時に、声が変わることだけは避けたいですね。マウイの声は全部演じたい。でも、もしも僕が演じていなかったら大人の事情だと。ただ、全部演じたい気持ちはありますので(笑)■プロフィール屋比久知奈1994年生まれ、沖縄県出身。東京や沖縄でのミュージカル作品への出演を経て、ディズニーのヒロイン史上最大級のオーディションで大抜てきされ、デビュー作となった『モアナと伝説の海』で初めて声優として主人公モアナ役を好演。力強く、透き通った歌声も披露した。4歳から続けているクラシックバレエは指導も行えるほどの腕前。現在、琉球大学法文学部に在学中(3月現在)。尾上松也1985年生まれ、東京都出身。父は六代目尾上松助。『伽羅先代萩』(90)の鶴千代で、二代目尾上松也を襲名・初舞台。以降、次代を担う若手俳優の一人として活躍を続けるほか、自身が主催する歌舞伎自主公演『挑む』は、2009年以降年1回のペースで継続中。また、歌舞伎以外では、蜷川幸雄演出『ボクの四谷怪談』(12)、帝国劇場ミュージカル『エリザベート』(15)などのほか、NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』(17)では、今川氏真役で出演。
2017年03月16日