先行き不透明なこの時代、子どもの将来に不安を感じる親が、わが子になるべくたくさんの教育をほどこそうとする風潮があります。ですが中には、子どもが大きな負担を強いられているようなケースや、課題をさぼったり期待通りの成果を出さない時に、つい強く叱りすぎてしまったり、時には罰を与えてしまったり…。そんな話を聞くことも決して少なくはありません。どこまでが教育で、どこからが虐待なのか? 何が親をそこまで駆り立ててしまうのか?『追いつめる親』『習い事狂騒曲』の著者であり、教育ジャーナリストのおおたとしまささんにインタビュー。第2回は、「教育」と「虐待」の境目についておうかがいします。お話をうかがったのは… おおたとしまささん教育ジャーナリスト。麻布中高卒業、東京外国語大学中退、上智大学卒業後、リクルートにて雑誌編集。独立後、多数の育児・教育関連媒体の編集・企画に関わる。学校や塾などの教育現場を丹念に取材し、斬新な切り口で考察する筆致に定評がある。しつけから中学受験、夫婦関係までをテーマに、講演・メディア出演も多数。中高教育の資格、カウンセラーの資格。小学校教育の経験もある。『ルポ塾歴社会』『名門校とは何か?』『受験と進学の新常識』『中学受験「必笑法」』など著書は50冊以上。 『追いつめる親「あなたのため」は呪いの言葉』 の改訂版が2019年7月に出版予定。■教育と虐待、その境い目の見極め方法――明確な線引きは難しいと思うのですが、「教育的指導」と「虐待」の境目をきちんと知っておきたいです。おおたとしまささん(以下、おおたさん):概念的な線引きとしては、「子どもの人権を尊重しているか」というところです。子どもを親の所有物ではなく、自分と同じひとりの人間だと思うことができているかどうか、それが「教育的指導」と「虐待」の境目だと思います。――具体的な目安はありますか?おおたさん:例えば、1日5時間勉強させても全然平気な子もいるのですが、普通の子にさせたら大抵はつぶれてしまいます。それと同じで、負荷はその子にとっての相対的なものである、ということがまず大前提です。そして、その相対的な負荷が子どもの受忍限度を超えていることに気づくには、なんらかの負荷(勉強や習い事など)をかけた後の子どもの表情を見ればわかると思います。例えば、勉強が終わった後、「つらかったけどやっと終わったぜー!」というふうに晴ればれとした明るい表情になっているのか。それとも宿題が終わった後も「また明日もあるのか…」というふうに全然表情が輝かないのか。それが、ひとつの判断材料になると思います。負荷が終わった後にショボンとしているようでしたら、それは明らかに「これ以上やったらマズイ」というサインです。■「どうしてできないの?」「約束したでしょう?」2つの言葉が子どもを追いつめる――教育熱心すぎる親がやってしまいがちなNG対応はありますか? おおたさん:2つのパターンがあります。1つは、「どうしてできないの?」という言い方。そう言われても、わからないものはわからないのだからどうしようもないですよね。追いつめられれば追いつめられるほど、子どもの頭は真っ白になってしまいますし、「こんな問題ができないあなたはバカ」という含意が子どもを直撃します。――確かに…。ですが、親がつい言ってしまいがちな言葉です…。おおたさん:もう1つは「約束」です。例えば、テストで悪い点を取ると、教育熱心な親御さんは「どうしてこうなったのか?」「これからどうするか?」と冷静に原因と対策について話します。そして、「じゃあ具体的にどうするんだ?」と問いつめます。ヘビににらまれたカエル状態の子どもは、「これからはゲームの時間を減らして毎日勉強する」などと言わざるを得ません。ほとんど誘導尋問なのですが、こうして子どもは約束させられるわけです。でも、約束した時は本気でも、人間はそんなに強くありませんし、ましてや子どもです。ですが、約束が破られた時、「やるって約束したのに! 約束を破ったのか!」と親は理論武装して責め、子どもは言い逃れができず、追いつめられてしまうのです。――身に覚えがあるような…(苦笑)。おおたさん:実は、むやみに怒鳴ったりたたいたりする親御さんは少数で。最近の多くの親御さんは、こうして子どもを叱るに十分な理由をみつけてから、その正論を振りかざして、子どもを追いつめるのです。でも、たとえ、そこに正論があったとしても、相手を傷つけすぎて良いわけがないのです。親がやるべきことは、どうしたら子どもが悪かったと理解してくれるのか、次から改善してくれるのかを考えること。なのに、目的が自分のネガティブな感情を全部吐き出して、子どもにぶつけることに変わってしまっているのです。■体罰は愛ではない! 指導者としての未熟さが原因――「時には、ビシッと親の力を見せつけてやらないとなめられる」という厳しい親の意見も耳にしますが、どう思われますか?おおたさん:家庭において、親は絶対的な強者で子どもは弱者です。親という圧倒的に強い立場を利用して、逃げ場がない子どもを追い込むのは、穴に落ちた犬に石を投げるような卑怯(ひきょう)なことだと思いますけどね。以前、北海道で、親がしつけと称して山中に7歳の子どもを置き去りにした事件(※)がありましたよね? 当時も「親の行為はしつけか、虐待か?」と話題になりましたが、山中に幼い子どもを置いていくなどということがしつけのわけがない。あれは命に関わるような暴力的な行為で、たとえどんな理由があっても絶対にやってはいけないのです。――当時、「似たようなことをやってしまったことがある」という親御さんも少なくなかったですよね。おおたさん:中には、しつけと称して、愛があればたたいていいと体罰を容認する人もいますが、私は、体罰を生むのは愛ではなく、指導者としての未熟さだと思っています。言葉や態度による罵倒も同じです。スパルタ的な指導で子どもが伸びるという人もいますが、罰による成長は一時的なものであり、本質的な成長にはなりません。人は変えられる(外的動機づけ)のではなく、自ら変わる(内的動機づけ)のですから。 ■子どもの言動にイラッ「どうしても怒りが抑えられない時は?」――でも、親も未熟で、怒りの感情が抑えられない時もあります。そんな時はどうしたらよいのでしょう?おおたさん:ひとつ提案があります。子どもの言動にイラッとしてしまった時は、「今、自分は溺れかけているんだ」と考えてみてください。溺れている時、あなたはまず何をしますか? まず、口を閉じますよね? 次に、ジタバタするのをやめますよね? そうやって溺れた時と同じようにふるまったうえで、自分の感じていることをただ言葉にするのではなく、どうやったら子どもが前向きな気持ちで、自らの行動を改めようと思えるようになるか、翻訳するひと手間を考えましょう。いい翻訳が思いつかない時は、そのまま口を閉じていることが最善の策であることも少なくありません。――すでにやってしまった(手を出してしまったり暴言を吐いてしまったり)場合、親はどうやってリカバリーしたらいいのでしょう?おおたさん:間違いに気づいた瞬間から、親子関係をどうつくっていくのか、どんな親になりたいのか、それを考えればいいと思います。大切なことは、起きてしまったことを否定するのではなく、それを糧にするにはどうしたらいいかを考えること。望ましくないことが生じてしまった時、それを今後の糧にすることができるかどうかが、その人の強さだと思います。親も強くならなければいけないし、子どもにもその強さを学んでもらわなければならない。親も子どもも成長しています。親子関係も修復可能です。取り返しがつかないなんてことはないのですから。友人や仕事関係の相手にはきちんと配慮できるのに、わが子となると遠慮なく追いつめてしまう。子どもなら許されると思ってしまう。そこには、どんなに傷つけても結局、子どもは親以外には頼れない、という親のおごりや甘えがあるのかもしれません。でも、おおたさんが言うように、「たとえ、正論だとして相手を傷つけすぎて良いわけがない」のです。怒りが抑えられない時は、せめて「口を閉じる」こと。心に留めておきたいと思いました。次回は、おおたさんが考える「これからの時代に必要な力」についてうかがいます。※2016年、北海道の山中で、親が子どもをしつけのために車から降ろし、置き去りにした事件。7日後、子どもは無事発見された。取材・文/まちとこ出版社N
2019年05月29日先行き不透明なこの時代、子どもの将来に不安を感じる親が、わが子になるべくたくさんの教育をほどこそうとする風潮があります。著者の周囲でも、幼児期から塾に通ったり、毎日が習い事で埋まっているという話はざらです。もちろん、子どもが楽しんでいるなら良いのですが、中には、大きな負担を強いられているようなケースも見受けられます。さらに、子どもが宿題や習い事の練習をさぼったり、成績がふるわなかった時、つい強く叱りすぎてしまったり、時には罰を与えてしまったり…。そんな話を聞くことも、決して少なくはありません。そんな時に知ったのが、「教育虐待」という言葉でした。教育虐待とは、「子どもの受忍限度を超えて勉強させること」、「親の所得格差が子どもの学習権に大きく影響する」状態も教育虐待とされています。もし、上記の話に少しでも引っかかる方がいたら、一度立ち止まって考えてほしい。そんな思いで、『追いつめる親』『習い事狂騒曲』の著者であり、教育ジャーナリストのおおたとしまささんにお話をうかがってきました。著書には、驚くような悲惨な教育虐待のケースも紹介されていますが、それは決してひとごとではありません。本書を読んでいくと、この問題が親個人の問題ではないこと、そして程度の差こそあれ、親であれば誰もが陥る危険性があることがよくわかります。どこまでが教育で、どこからが虐待なのか? 何が親をそこまで駆り立ててしまうのでしょうか?お話をうかがったのは… おおたとしまささん教育ジャーナリスト。麻布中高卒業、東京外国語大学中退、上智大学卒業後、リクルートにて雑誌編集。独立後、多数の育児・教育関連媒体の編集・企画に関わる。学校や塾などの教育現場を丹念に取材し、斬新な切り口で考察する筆致に定評がある。しつけから中学受験、夫婦関係までをテーマに、講演・メディア出演も多数。中高教育の資格、カウンセラーの資格。小学校教育の経験もある。『ルポ塾歴社会』『名門校とは何か?』『受験と進学の新常識』『中学受験「必笑法」』など著書は50冊以上。 『追いつめる親「あなたのため」は呪いの言葉』 の改訂版が2019年7月に出版予定。■「子どもをスーパーマンに」求め過ぎる親たちおおたとしまささん(以下、おおたさん):教育熱心な親が子どもを追い詰めてしまうのは、今にはじまったことではありません。教育虐待という言葉ができる前の1970年代から、教育虐待に関する事件は起きています。ただ、昨今の教育虐待の状況は、以前とは少し変わってきたところがあると感じています。――どこらへんが変わってきているのでしょうか?おおたさん:高度経済成長期はテストで良い点がとれる子を育て、「高学歴」というパッケージ商品さえ手にすれば、それで親は満足でした。いい大学にさえ入れば、そこから先の将来は良い会社に入って終身雇用というレールができていたからです。ですが昨今、高学歴はもう役に立たないと言われるようになりました。とはいえ、学歴が要らなくなったというわけではなく、高学歴があることはもう大前提。それプラス、スポーツも音楽もといった、ほかのオプションもできなくてはいけないという、まるでスーパーマンのような人間を育てなければならないという、ある種の暴走が社会にはびこっているように感じます。それを真に受けてしまった親御さんが、幼児期からいろいろな習い事をさせたり、何かの役に立ちそうなスキルを身に着けさせたりと、躍起になっている傾向があります。――求められるハードルがどんどん上がっているのですね。おおたさん:子どもの特技や強みを伸ばすための習い事ならまだ良いのですが、例えば、英語やプログラミングの場合は、将来の職業スキルとして、幼児期からやらせているわけですよね? 「このスキルを身につけておかないと、将来仕事に就けない」というふうに。そういう面が目立ってきているように感じます。■「教育」とは何? 「人材育成」との混同が引き起こす虐待――子どもの将来に対する、親の不安が押しつけられてしまっているのでしょうか?おおたさん:現在の教育虐待の構造の前提として、教育そのものがビジネスの原理に汚染されている、というところがあります。そもそも、教育とビジネスというのは、全く違う力学として働くものですが、経済至上主義的な現在の価値観で、教育がビジネス的な論理に当てはめて語られるようになってしまったのです。――具体的に、どういうことなのでしょう?おおたさん:「教育」と「人材育成」がごっちゃになっているのですよ。そもそも教育とは、子どもの持つ能力を、その子らしく最大化して自己実現し、かつ、余った力を社会に還元してより良い社会を作ること。つまり、「教育はまずその子ありき」なのです。一方で、人材育成というのは、なんらかの目的に合致した人を育てることです。例えば、「わが社にはプログラムができる人材が必要」というふうに。つまり、「人材は目的ありき」なのです。本来「教育」とは、「どうしたらこの子が輝けるよう育つのだろう?」と、その子を見て考えるべきものなのに、その子を見ずに「これからの時代はこんな人材が求められているから、そういう人材にするためにどうしたらいいのか?」と、型にはめていく発想になってしまっているわけです。■子どもだけではない「追いつめられる親」――時代に求められる「型」に、親が子どもをはめようと躍起になってしまう。その焦りや不安が教育虐待の引き金になっていくのですね?おおたさん:それ以外にも、親が脅迫概念にかられる背景がもうひとつあります。それは、「子どものできは親次第」という社会的通念があることです。例えば、東大に子どもを合格させた親がメディアでチヤホヤされるなど。子育てにおける成功事例は、その子、その親、その関係性があったうえで、その場限りのものでしかないのに、たまたまうまくいった例をあたかも親の手柄のようにいう風潮がおかしいのです。逆に、子どもがひきこもりやニートになってしまった親が「自分の子育てが間違っていたのではないか?」と自分を責めてしまったり、周囲から非難されたり…。本来、親の関わり方と子どもの人生の在り方とは、直線的因果律(結果が生じるには、ある特定された原因が存在するという考え方)で結びつけることはできないのですが。これは、マスメディアの責任も大きいと思います。――確かに、核家族で子育てしていると、子どもの責任が全部親の肩にかかってくるような、そんなプレッシャーは感じます。おおたさん:現代の子育てでは親の責任が大きすぎて、親の方に力が入りすぎているのかもしれません。親こそが、すでに追い詰められているのかもしれません。だとすれば、教育虐待は単なる親の人格的な問題として片づけることはできないのです。「教育」と「人材育成」は似て非なるもの。「本来の意味での教育が、虐待に直結することはありえず、教育虐待のように見えるものの本質は、『人材育成虐待』なのではないか?」とおおさたんは言います。自分が子どもにしているのは、本当に教育なのか? それとも、人材育成なのか? 非常に考えさせられるお話でした。 次回 は、「教育」と「虐待」の境い目についておうかがいします。取材・文/まちとこ出版社N
2019年05月28日こんにちは。1歳の娘を育てていますワーママのみさこです。我が家の娘は1歳から保育所に通っています。そして保育所には癒しがいっぱいで迎えに行くことが毎日の楽しみです! みゆとあきらくん保育所の同じクラスに娘のことを気に入ってくれている男の子がいます。先生も公認で「あきらくんはみゆちゃんのこと大好きだからね〜!」と言われるほど。そんなある日、保育所に迎えに行くと扉越しから娘のグズっている姿が見えました。 なんと泣いている娘をぎゅーっと抱きしめよしよししてくれているではありませんか!見ていた私は大興奮!かわいすぎてキュンキュンしました。そしてあたしが教室に入っていくとあきらくんが私のところまでやってきて「みゆちゃんきたよ!」と教えてくれました。同い年なのに男らしく優しいあきらくんにときめきました。 先生のお膝またある日、保育所に迎えに行くと先生のお膝でオムツを替えているお友達。その前で険しい顔をして仁王立ちしている娘。「どうしたん?なにしるん?」と不思議な私に先生が 先生のお膝に座る順番待ちをしていたそう。小さいながらに順番を待とうとするところに感動しつつ、早くかわってほしくて険しい顔していた娘が愛おしくなる出来事でした。 保育所では成長している娘だけでなく、周りのお友達の行動や発言にも癒しがいっぱいです。これからもっとおしゃべりが上手になったりお友達同士のコミュニケーションが増えていくことが楽しみです。●ライター/みさこ
2019年05月27日今月10日、教育の無償化に関する2つの法案が成立した。幼児教育の無償化が「改正子ども・子育て支援法」、大学などの無償化が「大学等修学支援法」だ。実際には、幼児教育が今年10月から、大学などは来年4月から無償化が始まる。「改正子ども・子育て支援法」について、経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた――。幼児教育無償化の対象は、全世帯の3~5歳児と住民税非課税世帯の0~2歳児、合わせて約300万人。認可保育園や認定こども園などの保育料が無償になります。認可外の保育施設でも、3~5歳児は月3万7,000円まで、0~2歳児は住民税非課税世帯に限り月4万2,000円まで補助されます。保育料の無償化は、子育て世代にはありがたいことでしょう。ですが、「無償なら預けたい」という方が増えると、預けて働かないと暮らしていけない切迫した家庭にしわ寄せがいくかもしれません。というのも保育園不足が解決していないからです。保育園を探す“保活”は激化し、預け先がないために働けないという方もいます。私は女性が安心して働くために、保育園の整備が何より大切だと考えています。預けられない方がいるのに、預けられた方の保育料を無償化すると不公平を助長する、本末転倒といわざるをえません。そもそも保育料は、子どもが幼いほど、世帯年収が上がるほど、高く設定されています。国の上限基準によると、3歳以上の保育料は生活保護世帯の0円、住民税非課税世帯の月6,000円から徐々に上がって、最高は月10万1,000円です。今回の無償化でもっとも大きな恩恵を受けるのは、高い保育料を払っている高所得の世帯なのです。さらに、保育士の待遇が改善されず、保育士不足や保育の質の問題も棚上げされたまま。国は、幼児教育を本気で改善するつもりがあるのかと疑いたくなります。
2019年05月24日今月10日、教育の無償化に関する2つの法案が成立した。幼児教育の無償化が「改正子ども・子育て支援法」、大学などの無償化が「大学等修学支援法」だ。実際には、幼児教育が今年10月から、大学などは来年4月から無償化が始まる。「大学等修学支援法」について、経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた――。大学など高等教育の無償化には、国の姿勢に疑問があります。世帯年収約270万円未満の住民税非課税世帯と、年収約380万円まで世帯の学生、合わせて約75万人が対象(両親・本人・中学生の4人家族を想定)。住民税非課税世帯なら、授業料が国立大学で年約54万円、私立大学で年約70万円が減免され、返済不要の給付型奨学金も支給されるという施策です。もちろん、低所得層への進学支援は重要ですが、今回の無償化はあまりにも限定的です。中間層の親も大学費用には苦労していて、学生の2人に1人が何らかの奨学金を受けています(’18年・日本学生支援機構)。その返済に苦しむ方も多いなか、ごく一部を対象にした支援で無償化とは、看板倒れといわれても仕方ないでしょう。私は、国公立大学の授業料を今の半額にするべきだと考えています。そのうえで、低所得世帯向けの給付型奨学金などを拡充すれば、どんな家庭でも、教育費の負担が軽減されるでしょう。少子化対策にも有効だと思います。2つの無償化は、次の選挙で、現政権の成果だとアピールすることがねらいではないでしょうか。
2019年05月24日子どもにとって初めての集団生活の場となる幼稚園やこども園。地域によってはたくさんの園があり、方針もさまざまで、どう選んだらいいか、親として迷ってしまいますよね。一斉保育型と自由保育型幼稚園やこども園の教育方針を、2種類の分け方ができることを知っていますか?先生が子どもたちに何かを教える時間を重視した園を一斉保育型と呼びます。特徴は、運動会での鼓笛隊やダンス、発表会の練習の時間も多くとるため、行事を盛大に行う場合が多いです。また、英語や体操、スイミング、リトミック、音楽指導、茶道、習字など、専門の講師が教えてくれる時間が保育に組み込まれているなど、カリキュラムが充実していることも。子どもの自主性、自発性を重視するの園を自由保育型と呼びます。特徴は、自由遊びの時間が多く、園の環境にもよりますが、泥だらけになって遊んだり、木登りをしたりと、自然に触れのびのびと遊ぶことが多いです。この2つには明確な基準があるわけではないのですが、説明会や見学などで、園の1日のスケジュールで自由な時間がどれくらいかということや、園の行事の雰囲気を知ると、「どちらの保育型寄りの園か」というのがわかるはずです。教育内容がわかりやすく、筆者のまわりでも人気の高いのは一斉保育型。一方の自由保育型の園は、発表会などもこじんまりとしていることが多く、遊んでいるだけで、学びの経験が少ないと思われていることもあります。自由保育型の園に魅力を感じたポイント筆者の息子は自由保育型の園に3年間通い、この春小学校に入学しました。この3年間を振り返って感じたことをお伝えします。・意欲がある時にするから伸びる息子の園では、自由な時間の中に、子どもの様子に合わせた季節の遊びや成長発達に合わせた遊びが用意してありました。そこには、幼児期に必要な経験を、子どもが自然に「やってみたい!」と思える工夫が。自分のタイミングで取り組むため、遊び感覚で楽しくでき、その結果、得意になったり好きなったりすることが多いと感じました。息子は強制されるのが大の苦手で、いつも動きまわっていているタイプですが、幼稚園の自然な取り組ませ方のおかげで、折り紙やお絵かき、制作などじっと集中して行う作業が大好きになり、家でも夢中でやるほどになりました。好きになれば子どもが自分からやるようになるので、どんどん上手になっていきます。・コミュニケーション能力が伸びる自由な時間の中では、ものの貸し借りや順番、遊びのルールを守ることを子ども同士だけでのやりとりをする機会が多くあります。その結果、ぶつかることも多くなりがち。息子は年少の頃、毎日ケンカをする犬猿の仲!?の友達がいました。取っ組み合いになることもあり、少し心配でしたが、先生の話を聞くと「やりたいことが似ているから」ということがわかりました。年中くらいからはお互いに上手に気持ちを伝えたり妥協することを知り、年長では見ていて微笑ましいほど、息がぴったりと合うように。また異年齢で関わる時間も多くあり、年上の遊びをマネしたり、優しくしてもらう経験、いじわるされる経験も。年長になると、年下の子には優しくしようという気持ちが芽生えました。うまくいかないことがたくさんある中で、子どもたち自身がどうしたらいいか考え、行動し仲直りしていく。小学校よりも先生の目が行き届いている幼児期のうちにそのような経験できる点がよいと感じました。・自分で選んで行動する力がつく自由な時間な中で遊びを見つけるのは子ども自身。指示待ちの子が増えている中で、「自分で選択する力」はとても大切です。息子のようにマイペースなタイプの子は、自分の選んだ遊びにじっくり取り組めるのが楽しくて仕方ないという様子でした。逆に、自発的に行動するのが苦手なタイプの子どもであっても、毎日の生活の中で「自分で選択する力」を身につけていけるのではないかと思います。たくさんの成長を感じた3年間息子の幼稚園での3年間、毎日の自由遊びの中で、たくさんの成長がありました。小学校、中学校、高校、その先への土台になっていくことと思います。もちろん一斉保育型の園にもよさがありますし、合っている子もいると思います。一斉保育、自由保育のどちらもバランスよく行っている園もあります。わが子のタイプや家庭状況にあった園を探してみてくださいね。<文・写真:ライターnicoai>
2019年05月21日5月10日、参議院で子ども・子育て支援法の一部を改正する法案が可決・成立し、10月1日から幼児教育・保育が無償化されることが決定しました。子育て世帯にはとてもうれしいニュースですね。ところで、10月1日からは幼児教育・保育の無償化だけでなく、私たちの暮らしに関わる色々な制度が変わることをご存知でしょうか?そこで今回は、幼児教育・保育の無償化を含め、10月1日から変わるものの中で、特に子育て世帯に影響しそうなもの3つについてお話しします。■ 1.幼児教育・保育の無償化tkc-taka / PIXTA(ピクスタ)まず、0歳児から2歳児までの子どもたちの、認可保育所、認定こども園、幼稚園などの利用料については、「住民税非課税世帯」を対象に無償化されます。3歳から5歳までの子どもたちについては、「収入に関わらずすべての世帯を対象」に、認可保育所、認定こども園、幼稚園(ただし専業主婦[夫]世帯は月25,700円を上限)の利用料が無償化となります。さらに幼稚園の預かり保育や、認定外保育園、ベビーシッターなどについても一定の要件のもと無償化(上限有)されます。ただし、実費として徴収されている費用(通園の送迎費、給食などの食料費、行事費、制服代など)は、無償化の対象外となりますのでご注意ください。■ 2.消費税の軽減税率制度Naoaki / PIXTA(ピクスタ)10月1日からの消費増税に伴い、消費税の軽減税率制度が導入されます。軽減税率制度とは「酒類・外食を除く飲食料品」と「週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)」を対象に、税率が10%ではなく現行と同じ8%に軽減されるという制度です。少し分かりにくく、一部ではあまり評判のよくないこの制度ですが、何かとお金がかかる子育て世帯にとっては家計のやりくりに「賢く」利用したいところです。では、飲食料品について軽減税率が適用されるのはどんな場合なのか例を挙げてみましょう。1. スーパー、コンビニなどで購入する食品(生鮮、加工品問わず)、飲料(酒類除く)ocsa / PIXTA(ピクスタ)軽減税率が適用されるのは肉・野菜・魚などの生鮮食品に限られません。例えば惣菜やお弁当、菓子類など、人の飲用又は食用に供されるすべての飲食物が対象となります(酒類、医薬品、医薬部外品等を除く)。2. 料理のテイクアウトや宅配Job Design Photography / PIXTA(ピクスタ)飲食店から料理をテイクアウトする場合や、料理等を宅配してもらう場合(ピザの宅配や出前など)も軽減税率の適用があります。ただし、ケータリングは飲食物の販売(譲渡)だけではなく、食事の配膳・提供が一体となったサービス(役務の提供)とみなされ、軽減税率が適用されません。3. おもちゃ付きのお菓子など、食品と食品以外のセット販売あすか / PIXTA(ピクスタ)おもちゃ付きのお菓子や、マグカップと紅茶のセット販売など、食品と食品以外がセットで販売されている商品等を「一体資産」といいます。このような場合、セットになっている食品の価格が、セット販売価格(税抜1万円以下に限る)に対する割合の2/3以上であればセット商品全体に軽減税率が適用されます。分かりやすい例でいえば、おもちゃ付きのお菓子価格が300円だとした場合、そのうちお菓子価格が200円以上であれば軽減税率が適用されますが、逆におもちゃ価格が100円以上なら標準税率の10%が課税されることになります。■ 3.住宅ローン減税の控除期間延長(10%課税の場合)もとくん / PIXTA(ピクスタ)これまで住宅ローン減税の控除期間は10年でしたが、10月1日以降にこの制度を利用する場合は控除期間が13年まで延長されます。ただし、この制度は利用できる期間が限定されていることに注意が必要です。この控除を受けるためには、2019年10月1日から2020年12月31日までの間にマイホームを購入(引渡しをうけること)し、入居をしなければなりません。また、この期間に入居したとしても消費税の経過措置(税率8%)を受けた場合や、取引対象が非課税(売主が個人等)の場合には、この措置が受けられませんのでご注意ください!花火 / PIXTA(ピクスタ)今回ご紹介した以外にも「自動車税の引き下げ」や、「中小の小売店で商品をキャッシュレスで購入する際のポイント還元」なども始まる予定となっています。何かと出費が多い子育て世帯ですが、さまざまな「新制度を上手に活用」すれば、家計の負担を少しでも減らすことができるかもしれません。参考※参議院「子ども・子育て支援法改正案を議決」※国税庁「消費税の軽減税率制度の実施」※国土交通省「住宅ローン減税」
2019年05月20日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、保育士の中田さんからメッセージです。 こんにちは、保育士の中田馨です。赤ちゃんが泣くことは、赤ちゃんにとって自分の気持ちを「お話」しているようなものです。とはいえ、あやしても、抱っこしても、授乳しても泣き止まないのに、保育所の先生に抱っこされたらピタリと泣き止む。「どうして?」と思ったことのあるママも多いはず。 今日は、保育士が現場で実践している「赤ちゃんがピタリと泣き止む方法」を話します。 赤ちゃんはなぜ泣くの?赤ちゃんが泣くのは何か理由があることが多いです。 例えば、おなかが空いた、おむつを替えてほしい、眠い、暑い、寒い、かゆいなど。赤ちゃんは不快や欲求を言葉で伝えることができないので、泣いて伝えるのです。まずは「赤ちゃんが泣くのは当然のこと」としてとらえましょう。 ワンクッションおけば気持ちがラクになる赤ちゃんがよく泣いているときの言葉で「火のついたように泣く」という言い方があります。その言葉通り、顔を真っ赤にして力いっぱい大きな声で泣く赤ちゃんを目の前にしたら、ママの気持ちはきっと「どうすれば泣き止んでくれるんだろう」と思ってしまいますよね。 私も、赤ちゃんがあまりに泣くので途方に暮れてしまった経験があります。「思いつくだけの、赤ちゃんの欲求を満たしているのに、どうして泣き止んでくれないんだろう」と思いました。 その時の状況を思い出すと「赤ちゃんと心の距離が近かった」と感じます。赤ちゃんの泣き声がつらく感じるということは、それだけママが赤ちゃんと向き合っているということ。密接なコミュニケーションをしているということでもあります。でも、つらくなりすぎるのは、よくありませんので、まずは赤ちゃんとママの心にワンクッション置いてみましょう。 つまり、泣き止ますことに一生懸命にならなくてもいいということです。 保育士が実践している泣き止ませの方法では、赤ちゃんを泣き止ませるために保育士が実践している方法を紹介します。どの方法が赤ちゃんに合っているか、月齢や泣いている状況によっても違うと思いますので、いろいろ試してみましょう。 胎児のときと同じ姿勢で抱っこ新生児~3カ月ごろの赤ちゃんは、胎児のときと同じ姿勢で抱っこするといいですよ。両腕はwのような形。両足はMのような形がこのころの自然な体勢。そのまま、背中を丸くしてママの両腕で包むように抱っこするのです。そうするだけで赤ちゃんは安心します。 話しかける泣いている赤ちゃんに話しかけます。「どうしたの?」「大丈夫よ。ママがいるよ」「大きな声が出るね」「泣いている顔もかわいいねえ」などなど。「泣いている顔もかわいいね」と思えたら、もうママの勝利です。ママが赤ちゃんを見てかわいいって笑い出したら、赤ちゃんも安心して泣き止みます。 場所を変えて気分転換場所を変えるというのも一つの方法。とはいっても「外に出ましょう」と言っているわけではありません。窓の近くに行って窓から入ってくるそよ風に当たってみる。ベランダに出て気分転換する。それだけでも赤ちゃんの気持ちが変わります。 マッサージ&コチョコチョをしてみるマッサージやコチョコチョなどをして赤ちゃんの体を優しく触ってあげましょう。赤ちゃんは手のひらでさすってもらうと安心します。これは普段からのスキンシップに取り入れてみましょう。いつものマッサージやコチョコチョと分かると、泣き止んで遊びモードになることもありますよ。 おんぶ抱っこもいいですが、おんぶも効果的です。私は赤ちゃんが泣いているときはおんぶするほうが多いです。私自身が子どものころ、親におんぶしてもらったときに感じたことは、背中から聞こえる心臓の音や親の声がとても心地よかったということ。おんぶする機会が多い子は、特におんぶをするとピタリと泣き止みます。 遊びに興味を向ける月齢が大きくなると、泣く気持ちを遊びに向けてあげるのも効果があります。大好きな絵本やおもちゃを見せて興味を示したら、ママが率先して遊んでみましょう。2人で鏡を見ながら「いないいないばあ」をしてみるのも効果があります。 今日は、保育士が実際にしている方法の一部を紹介しました。上記の方法をしているときは、心にワンクッションを置くことが大切。一生懸命になってママが焦れば焦るほど、赤ちゃんにもその気持ちが伝わってしまいます。「いずれ、泣き止むから大丈夫! 大丈夫!」くらいに思いながら実践してみてください。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。
2019年05月20日教育といえば「何かを教える」というイメージが強いですよね。しかし最近では「教えない」教育が重視されています。今回は、教えない教育がもたらすメリットや、家庭でもできる教えない教育について紹介しましょう。詰め込み教育から「教えない」教育へこれまでの教育は、試験や受験に役立つ知識をただひたすら詰め込む形が主流でした。教科書の内容を暗記したり、計算問題をひたすら反復練習したりして知識を蓄えることこそが、正しい勉強方法だと考えていらっしゃった親御さん方も多いのではないでしょうか。しかし、時代は変化しました。今やロボットやAIが人間の代わりに仕事や作業をすることが当たり前になりつつあります。その結果、これからを生きる子どもたちに必要なのは、知識を詰め込むことではなく、物事をより柔軟に、かつ自主的に考える力を身に付けることに変わってきているのです。こうした力を育てるためには、かつての教育とは真逆ともいえる「教えない」教育が有効だとされています。教えない教育がもたらすメリット教えない教育とは、子どもに何も教えずにただ放置することではありません。学びの基礎となる部分をしっかり教えたり、安全な環境を整えたりした上で、その先を子ども自身に考えさせることに重点を置いた教育です。結果として、子どもには以下のようなメリットがあります。・思考力が身につく教えない教育は、言い方を変えれば「子どもに考えさせる教育」です。「どうしたらこれが達成できるのか」「どうしたら前よりもうまくできるのか」などと考えることで、思考力がどんどん身についていきます。・自分の意見を言えるようになる教えない教育では、自分の中の考えをまとめて実行したり、相手にわかりやすく伝えたりすることが必須です。その結果、子どもは、自分の意見を言うことに慣れていき、やがてプレゼンテーション能力が向上していくことも期待されています。・問題解決能力が伸びる子どもが自分なりに試行錯誤することで、納得のいく答えを導き出したり、自分の本意とは違う結果を受け入れたりする場面が、教えない教育ではたくさん存在します。そうした経験をした子どもは、問題にぶち当たった時にも諦めたりせず、どうすれば解決できるのかをしっかりと考えることができるのです。・知的好奇心が伸びる教えない教育を行うと、子どもは新しい発見にたくさん出会います。その結果、自分で考えることの楽しさや、気づくことの喜びを知っていくようになり、知的好奇心がどんどん伸びていきます。子どもが「学びたい」と思える環境づくりのコツ教えない教育を通して、子どもが自ら「学びたい」と思えるようにするために、以下に取り組んでみましょう。・子どもが集中している時は見守る子どもが何かに集中している時間は、まさに「自ら学んでいる」状態です。そんな時はついつい「すごいじゃん!」「ママ(パパ)にも見せて!」などと声をかけたくなりますが、その気持ちをぐっとこらえて見守るようにしましょう。教えない教育では、子どもが行なっていることに親がやたらと手出しをするのではなく、子どもが安心して集中できる環境を整えてあげることこそが重要とされています。・自然の中で遊ばせる自然には、木の香りや太陽の光、土の感触や鳥の鳴き声など、五感への刺激が溢れています。脳科学分野の権威である小泉英明氏は、自然がもたらすさまざまな刺激についてこう述べています。「光、音、様々な形や色、感触――自然は、意図しない刺激に満ちています。一方、人間が与える教育は、意識上の言語で作られたもの。良い教育をしているつもりでも知らず知らずのうちに意識下への刺激がカットされて、刺激が狭められてしまう危険性があるのです」(引用元:日経DUAL|“教えない”早期教育を脳科学者らが勧める理由)さらに小泉氏は、意欲ややる気にかかわっている脳の内側を鍛えるためには、ひらがなや数字を教えるといった知育的な学びよりも、まずは自然に触れることが大切だとおっしゃっています。子どもと自然がいっぱいの公園などで遊ぶのはもちろん、キャンプや農作業体験をするのも、教えない教育の一環として有効です。・子どもの質問にすぐ答えを出さない子どもに「どうしてこれはこうなるの?」と質問されたら、「それはこうだからだよ」と答えを教えて説明する親は多いでしょう。しかし、それでは子どもの考える機会を奪うことにつながる場合もあります。そのため、子どもに質問されたら「どうしてだと思う?」と質問返しをして、子どもなりの考えを引き出しましょう。そうして自分の考えを言えたら「しっかり考えたんだね」と褒めてあげるのがコツです。そんなやりとりを通して、子どもは考えることの楽しさを覚えていきます。***昨今では、低年齢から塾や習い事をする子どもも多く、親はつい「うちの子にも何かさせなければ……」と焦りがちです。しかし、何かを教えたり与えたりする教育だけでなく、あえて教えない教育も、子どもの成長を促すことを知っておきたいですね。文/田口るい(参考)プレジデントオンライン|ペラペラな親ほど早期英語教育に“冷淡”日経DUAL|“教えない”早期教育を脳科学者らが勧める理由プレジデントオンライン|自ら机に向かう子の親が欠かさない習慣日経ビジネス|先生が「教えない」ほうが学力は伸びるぎゅってweb|一生モノの「集中力」は子どものときにベネッセ教育情報サイト|どうなる?大学入学共通テスト小学生のうちから「考える」習慣づけが大切に!?Study Hackerこどもまなび☆ラボ|2020年度から「大学入学共通テスト」がスタート!親が今からやっておくべきことは?
2019年05月17日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、保育士・離乳食インストラクターの中田さんからメッセージです。 こんにちは。離乳食インストラクターの中田馨です。上の子がいると、離乳食と幼児食の両方を作らなければいけない時期があります。私も、娘の離乳食がスタートしたとき、息子はまだ4歳。いかにカンタンにおいしく、短時間で家族全員の食事を作るかを考えて調理していました。 今日は、幼児食と離乳食の両方をラクに作れるコツを話します。 食材は下の子が食べられるものを選ぶメニューを決めるときに、下の子が食べられる食材を選びましょう。例えば、5~6カ月ごろ(離乳食初期)の赤ちゃんがいる場合は、1~2品は5~6カ月ごろ(離乳食初期)の赤ちゃんが食べられる食材中心に考えます。 食材が決まったら、幼児食からのとりわけ離乳食を作りましょう。 【どの時期にも共通する食材選びの3つのポイント】・主食(おかゆ、麺など)があること・豆腐、魚、肉などがあること・野菜があること 幼児食からのとりわけ離乳食の方法では、具体的に幼児食から5~6カ月ごろ(離乳食初期)の離乳食を取り分けるにはどうすればいいかをお伝えします。 【メニュー例】・ご飯・みそ汁(豆腐、にんじん、たまねぎ)⇒離乳食に取り分ける・かぼちゃの煮物(かぼちゃ)⇒離乳食に取り分ける・唐揚げ⇒幼児食のみ・ブロッコリーのサラダ⇒取り分けられる食材だが今回は幼児食のみ こうして、離乳食期に食べられる食材を幼児食メニューから取り分けるのです。 幼児食からのとりわけ離乳食のポイント赤ちゃんが食べられない食材を入れることと味つけは最終工程にします。例えば、肉じゃがを5~6カ月ごろ(離乳食初期)の離乳食用に取り分ける場合は下記のようにします。 【1】牛肉は2cm幅に切る。じゃがいも、にんじんは一口大に切る。たまねぎは縦半分に切り繊維に沿って1cm幅に切る。 【2】鍋に昆布だし、じゃがいも、にんじん、玉ねぎを入れ沸かし、やわらかくなるまで弱火~中火で煮る。⇒ここで、5~6カ月ごろ(離乳食初期)の離乳食用に取り分ける。裏ごしして煮汁でなめらかにして完成。 【3】牛肉と調味料(しょう油、きび砂糖)を入れ、味がしみこむまで煮る。 肉じゃがの場合、5~6カ月ごろ(離乳食初期)に食べられるのは、じゃがいも、にんじん、玉ねぎのみなので、それ以外の牛肉、調味料は取り分けたあとに入れるのです。 大人は幼児食と同じものを食べる手順2つを見ていて「あれ?これって大人にも使えるのでは?」と気づいた人もいるのではないでしょうか? もちろん、大人のメニューも同じ手順で作ることができます。とはいえ、離乳食・幼児食・大人の食事の3種類を作るとなると毎日大変です。だからこそ私は、3〜4歳のお子さんに大人と同じものを食べさせるのではなく、大人が幼児食と同じものを食べることをおすすめします。 最初は「薄い」と感じるかもしれませんが、徐々にだしと食材そのものの風味や味がおいしく感じられるようになります。離乳食や幼児食を通して、普段の私たちの味つけや調理方法の見直しにもなります。また、数年後に赤ちゃんが幼児食を食べるようになったときも、メニューを大きく変えることなく、家族みんなが同じメニューを食べられます。 毎日の食事作りを少しでもカンタンに作れると、ママもラクになりますよね。取り入れられるところからでもいいので、ぜひチャレンジしてみてくださいね! 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。
2019年05月07日教育熱心な親御さんのなかには、「プレイフル・ラーニング」という言葉を耳にしたことがある人も多いかもしれません。いわゆる詰め込み型教育の対極にあるものとして、「遊びながら学ぶ」というイメージを持っているのではないでしょうか。でも、ちょっとだけ、そのとらえ方のニュアンスがちがうようです。では、そもそもプレイフル・ラーニングとはなにか。そして、家庭教育に生かすための方法にはどんなものがあるのかを、発達心理学と認知心理学の専門家である十文字学園女子大学の大宮明子先生に教えてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)楽しんでいるなかに学びがあるプレイフル・ラーニングとは、同志社女子大学の上田信行先生が提唱された概念で、一般には2000年代前半頃から認知度が高まってきました。「プレイ」という言葉から、「遊びながら学ぶ」教育手法だと思われがちですが、プレイフル・ラーニングの根底にあるのは「楽しんでいるなかに、そもそも学びがある」という考え方です。「楽しんでいるとき」ですから、いわゆる「遊び」でない場合もあります。ただ、子どもの場合、楽しんでいるときにしていることというと、基本的には遊びが多いですよね。ですから、必然的に子どもにとっては遊びから学ぶことが多くなるのです。親御さんに意識しておいてほしいのは、大人と子どもの学び方はまったくちがうということ。決定的なちがいは、「目的や目標があるかどうか」という点です。大人が学ぶときには、ほとんどの場合はなにかのスキルを身につけたいといった目的や目標がありますよね。そして、その目的や目標を達成するために本を読んだり講座を受けたりするわけです。大人は、「学ぶこと」とはそういうものだと思っています。でも、子どもの場合は多くの学びがある遊びをするにも、なにかを学びたいといった目的や目標を持っていません。ただ楽しくお人形さんごっこをやっていたら、いつの間にか自分の着替えもできるようになった。これも立派な学びですが、その子は「着替えができるようになりたい」と思っていたわけではないのです。子どもの学び方は、あらかじめほしい結果があるのではなく、楽しく遊んでいたら、結果としてなにかを学んでいたというかたちだと思っていいでしょう。好きなことを追求していた難関突破経験者幼いときのプレイフル・ラーニングは、将来的には学力を大きく伸ばすことにもつながります。以前、先の上田先生、お茶の水女子大学の内田伸子先生とわたしの3人でおこなった研究を紹介しましょう。その研究では、東大や京大といった難関大学合格者、あるいは司法試験や医師試験の合格者という「難関突破経験者」とその親にウェブ調査をおこないました。調査内容は、幼児期になにをしていたことが難関突破につながったか、ということです。結果は、見事にプレイフル・ラーニングでした。普通、そういうエリートと呼ばれる人たちなら、小さいときから塾に通って先取り学習をするなど一生懸命に勉強していたのではないかと考えるのが自然です。でも、実際にはそうではなかった。彼らが幼いときになにをしていたかというと、それぞれが好きなことをとことんやり続けた。そして親は、子どもが好きなことに一緒に取り組むなどして、子どもを応援していたのです。たとえば、ある人は虫が大好きでひたすら網を持って虫取りばかりしていたそうです。他には、とことんサッカーをしていた、野球をしていたという人もいます。いわゆるお勉強からは程遠いことをしていた人たちばかりでした。それがなぜ知的なレベルの学習にもつながったのか?その部分にはみなさんも関心があるでしょう。その答えは、その人たちが幼いときにやっていたことは、親に強制されたものではなく、自分が好きなことだったということ。そして、親がそれを止めることなくやり続けさせた。そうして、持続力や集中力が身についたのだろうと推測できます。また、好きなことを通じて、彼らは自分なりに学びに向かうための方略を身につけていきました。虫好きの子どもなら、知らない虫を捕まえてくれば自分で図鑑を開いて調べる。そして、単にバラバラの知識を頭に入れるのではなく、「この虫とこの虫はここが似ているから、きっとこういう似た場所にいるのだろう」というふうにも考えたりもする。つまり、自ら学ぶ姿勢を身につけ、さらには自分で得た知識を体系立てる、構造化するということも、小学校に入る前からしていたというわけです。そんな学びの姿勢がある子どもの興味の対象が教科になったとしたらどうでしょうか?学力が一気に伸びることは明白ではありませんか。ものを過剰に買い与えることも要注意!大切なことは、子どもにとっては遊びのなかに学びがあるからといって、「はい、これで遊びなさい!」と強制してもなんの意味もないということ。子ども自身が「やりたいと思うこと」を思う存分やらせてあげることがポイントです。すると、「なるべく選択肢が多いほうがいいだろう」と考えて、いろいろなものを買い与えようとする親御さんもいるようです。しかし、その考えは要注意。大人にとっては珍しくもなんともないものでも、子どもにとっては「これ、なんだろう?」と思うものが家のなかにはあふれているものです。それこそ、単なるテレビのリモコンだって、幼い子どもにとっては興味の対象になるのです。それなのに、お店で少しでも子どもが興味を示したからと、あれやこれやと買い与えると、子ども部屋はものであふれかえります。すると、ものがあり過ぎるためにものが風景の一部になり、子どもはどこに注意を向けていいのかわからなくなり、かえってものに対して興味を示したり集中したりすることができなくなるのです。意識的にものを与えなくても、子どもは子どもなりに周囲のものに必ず興味を示します。そして、その興味を邪魔することなく、子どもの行動、遊びを見守ることを心がけてください。『幼児期からの論理的思考の発達過程に関する研究』大宮明子 著/風間書房(2013)■ 十文字学園女子大学教授・大宮明子先生 インタビュー一覧第1回:東大・京大・司法試験・医師試験の合格者たちが、幼児期に共通してやっていたこと第2回:「ママがやって」と言われたら黄色信号。子どもの考える力を奪う親のNGワード(※近日公開)第3回:「親の言葉遣い」に見る、成績優秀な子が育つヒント。語彙力が伸びる会話の特徴(※近日公開)第4回:絵本の目的は学びにあらず。子どもの興味の芽を摘む、読み聞かせ後の「最悪の質問」(※近日公開)【プロフィール】大宮明子(おおみや・あきこ)6月5日生まれ、東京都出身。十文字学園女子大学人間生活学部幼児教育学科教授。1988年、中央大学法学部法律学科卒業。1997年、お茶の水女子大学教育学部教育学科心理学専攻3年次編入学。2001年、お茶の水女子大学大学院人間文化研究科発達社会科学専攻博士前期課程修了。2008年、お茶の水女子大学大学院人間文化研究科人間発達科学専攻博士後期課程修了。人文科学博士。発達心理学、認知心理学、とくに子どもの思考の発達、乳幼児期の親子の関わりを専門研究分野とする。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年05月07日どうもこんにちは! のばらです。いよいよ慣らし保育も最終ステップ。おやつも食べた。給食も食べた。あとはお昼寝をしてくれれば…!!ドキドキの慣らし保育最終日!…うんまぁ実はね。以前から多少触るクセがあるんですよね。男の子あるあるかな? とさして気にしていなかったのですが、多くのお子様を相手にされている育児のプロ(先生)に心配されるレベルで、自分の股間をまさぐっていた息子。えぇと、しばらく様子を見つつも、まぁ今だけだよね…、ということで落ち着きまして。我が家の末っ子、無事慣らし保育終~了~っ!晴れて1日保育園を満喫できるようになった息子なのでした…!
2019年04月19日「将来、子どもが英語を話せるようにするためにはどうしたらよいですか?」これは私が幼児の英語教育に携わってから、一番よく聞かれる質問です。2020年度に全国の小学校で英語教育が必修化することを受け、英語教育を重視するママが増えています。そんな教育熱心なママたちからの質問の中には「あれ?」と感じてしまうものも。今回は私の経験も含めながら、みなさんが勘違いしているかもしれない英語教育のいろいろをQ&A形式で紹介したいと思います。Q. 英語耳・英語脳は6歳までしか育たないの?A. 幼児期(1~6歳)は「聞く」と「話す」がとても得意な時期です。そして、リスニング能力については、やはり早い時期から英語を始めた子どものほうが発音が良いと感じます。でも、6歳を過ぎても英語耳、英語脳を育てることは可能です。私の経験の範囲内ですが、年齢に関わらず、良い耳を持つ人は日本語にない"R"と"L"の聞き取りもできますし、聞き取りができれば、その音を自分で作り出すこともできます。英語と日本語は周波数が違う、音節が違うから聞き取りづらいなどと言われますが、大人になってから環境や勉強法で克服し、ネィティブ並みの発音を身につけている人が私の周りにはたくさんいます。Q. 英語に興味がないわが子。英語を学ばせるのはムリ?A. 子どもが英語に興味がないと悲しんでいる人は、まず自分が英語に興味があるかを考えてみましょう。私が英語を学ぶ上で一番大切だと思うのは、子どもだけでなく、大人も一緒にやってみること。一番効果的なのは、で以前にお伝えした、子どもが好きな遊びを英語で大人が一緒にやることです。でも、それが難しい場合は、自分が好きな海外アーティストの曲を子どもに聴かせたり、海外旅行に行ったときのエピソードを話してあげるだけでも大丈夫。家庭で身近に英語の存在を感じられる環境が子どもの言語感覚を養います。Q. 日本人の親が英語を教えるのはよくないの?A. 発音を重視される保護者にはネィティブの先生とのレッスンをおすすめしています。しかし、「英語を嫌いにならない子ども」を育てたいのであれば、日本人のママやパパが英語を教えることに私は大賛成です。幼少期から英語に触れておけば、子どもが成長してやる気になった時にぐんと伸びます。そのためにはやはり子ども本人が楽しめる形を大人が一緒になって作り上げることが一番。幼少期は「大好きなママやパパ」と一緒に「遊びながら学ぶ」ことが、子どもの心も育てます。Q. お金をかけているのにちっとも上達しない!A. レッスンに通わせているのに、英語が身についていない!」という相談もよく受けます。そのような相談に限って「レッスンにさえ通わせていれば大丈夫」と家庭でのサポートがない場合がほとんど。週に1度、1時間程度のレッスンに通わせているだけでは英語は身につきません。家庭で習い事と連動している教材のCDを聴かせ、DVDを見せるのは大切な親の役目。子どもと一緒にCDを聴いて、DVD鑑賞ができればなおよしです。私が教えているクラスの子どもたちも家庭でのサポートのあるなしで、あきらかに習熟度に違いが見られます。英語教育は年齢があがると、子どもの努力も親の努力もより必要になりますが、幼児期に種まきをしておくと、この努力が軽減されます。「大人も一緒に楽しむ」をキーワードにこの春から親子で英語を楽しんでみませんか。<文・写真:フリーランス記者稲井華子>
2019年04月15日「エデュテイメント」って知ってる?教育の分野でよく使われている言葉で、「学び」という意味の「エデュケーション」と、「娯楽」という意味の「エンターテインメント」を合わせた造語。あんふぁんでは今年度「学ぶって楽しい!エデュテイメント」をテーマに、学びと遊びの関係について考えていきます。入園、進級、おめでとうございます!幼稚園での毎日の中で、子どもたちは大きく成長します。それは、幼稚園での“遊び”が、成長のための“学び”につながっているから。遊びの大切さと、遊びを通して子どもたちがどう育っていくのか、聖心女子大学・教育学科教授の河邉貴子さんに聞きました。お話を聞いたのは聖心女子大学文学部教育学科教授河邉貴子さん東京都公立幼稚園で12 年間教諭として幼児教育に携わった経験を持つ。専門は幼児教育学。著書に『遊びを中心とした保育〜保育記録から読み解く「援助」と「展開」』(萌文書林)ほか。NHK Eテレ「すくすく子育て」でも活躍遊びを繰り返して発達に必要な経験を積み重ねる一見、ただ楽しく遊んでいるように見える幼稚園の日常。しかし、子どもにとってはすべてが大切な学びにつながっています。子どもは生まれながらにして外界の情報を取り込む力を持っています。面白いところに手を伸ばす、新しい刺激を追う…。手や足を動かして感じて、世の中を知る、それを“遊び”の中で体得していくのです。遊びの本質は、自分からやってみたいという気持ち、やっていて楽しいという感覚、やり遂げた達成感にあります。その中で、見通しを立てる力、最後までやり通す力など、さまざまな能力を獲得します。こうした感情や感覚は、大人に押し付けられたり、正解を先回りして教えられても身に付きません。「非認知能力」の重要性が問われていますが、これは幼少期の遊びの中で、興味を持ったものに夢中になり、試行錯誤することで養われます。「認知能力」が高まるには、「非認知能力」が大切との研究結果も出ています。幼児期の遊びが、子どもの自発性を育み、小学校に上がってからの学習への自発的な意欲につながっていくのです。Keyword非認知能力とは目標に向かって頑張る力や自己肯定感を持つといった自分に関する力や、他者への思いやりやコミュニケーション能力など、人間として生きていく上で大切な内面的な心の力のこと。対して、文字が読める、計算ができるなどIQで測れる力を「認知能力」といいます先生や友達との関わりの中で質の高い遊びに日本では初の幼稚園が開園した約140年前から、遊びを中心とした保育を行っていて、「幼稚園教育要領」でも「遊びは幼児にとって重要な学びである」と明記されています。幼稚園に入ると、子どもの世界は広がります。中でも大きく変わるのが「人との関わり」。はじめはひとりで遊んでいる子どもたちも、お友達に影響されて、興味の幅が広がります。もちろん、ケンカになることも多々ありますが、そんなときは、保育者がそれぞれの気持ちを代弁して、相手にも気持ちや意見があることを知ります。「仲よくしましょう」と言われてできるものではありません。ぶつかりあう経験を通して、人との関わり方を学んでいくのです。また、子どもたちを放任していると、同じことをずっと繰り返したり、遊びが停滞することがあります。そんなときは保育者が助言を与え、見守り寄り添うことで、ひとつの遊びがどんどん発展して膨らんでいき、「質の高い遊び」ができるようになるのです。幼児期の遊びで心も、体も、頭も育つ運動会や発表会などの行事を通して、子どもたちが成長した姿を実感することも多いでしょう。しかし大切なのは、当日の成果ではなく、そのプロセス。みんなでひとつのことをやり遂げる、人と一緒に頑張ることの楽しさを、子どもたちは学びます。当日うまくいかなかったとしても、それまでの頑張りをほめてあげてほしいですね。幼児期の遊びで、心も、体も、頭も育ちます。そして遊べば遊ぶほど、能動的な学び手となって成長するのです。幼児期に夢中になって遊んだ経験が、大人になっても持続的に幸せを感じる土台を作ると言われています。幼稚園でたくさん遊んで、どんどん成長していく子どもたちの毎日を、親は見守り、一緒に楽しんでください。読者ママアンケート「小学校に上がる前に幼稚園で身に付けてほしいことは?」(※上位3つを複数回答)1位自分の考えを人にちゃんと伝えることができる74.8%2位先生や親、友達の話をちゃんと聞くことができる51.2%3位最後まで諦めずにやり通すことができる40.2%※あんふぁんWebアンケート2019年1/9~2/5、有効回答数1296人河邊さんからのアドバイス小学校に入ると、子どもたちは人間関係をイチから作り上げる必要性があります。幼稚園時代は毎日を一緒に過ごす中で、お友達とも分かりあえる力が高まっていますが、それがすべてリセットされてしまうのです。その中で「自分の意見を言えること」「お友達や先生の意見を聞けること」が、新しい環境で自分の居場所を見つけるのに重要になってきます。その意味でもこの結果は、とてもいい願いですね。「小学生になったら人の話をちゃんと聞くんだよ」「自分の意見を言いなさい」と親や先生に言われたからといって、できることではありません。幼稚園時代に、人との関わりや遊びを通して、お友達の話を聞くと自分の意見も聞いてもらえることや、イヤなことをイヤと言う大切さなどを、体感することが必要なのです。幼稚園での“遊び”を通して、こんなに成長します!子どもたちは遊べば遊ぶほど、遊びの質がどんどん高まっていきます。幼稚園での遊びを通じて、どのように成長していくのか見てみましょう。◆年少ひとり遊びから始まり、同じことをする楽しさを知る始めは一人ひとりが好きなことをバラバラに遊びます。同じ動作をする他者を感じて楽しい気持ちになる「身体同調」という感覚がありますが、園の環境に慣れてくると、隣のお友達を見て、「楽しそう、やってみようかな」という気持ちが芽生えてきます。ままごとをしていたら、全員がお母さん役になっていても不都合を感じないのがこの時期です。◆年中役割を決めてお友達と一緒に楽しむ友達とのやり取りの経験を積むと、相手に気持ちがあることや、ケンカをしても言葉で解決できることが分かり、その都度、どうしたらいいかを考えられるようになってきます。ままごとをしていても役割分担を決めて一緒に遊べるように。仲良しの友達ができる反面、お互いの主張が対立してケンカになったりもします。◆年長ひとつの遊びを通して、どんどん世界が広がる見通しを立てて遊ぶことができるように。また、友達との関わりの中で、意見を出し合い、ひとつの遊びがどんどん発展したり、みんなで一緒にひとつのことを成し遂げる楽しさが分かるようになります。ままごとでも、見えない部分のシチュエーションを考えていたり、現実を取り入れたり、発想が豊かになり、遊びの世界がどんどん広がります。ママの心配事に答えますQ スマホの動画やゲームが好きでずっと遊んでいますが、遊びといえますか?A この時代に生きていると、スマホ・パソコンはそのうち絶対触れるものです。全てを否定するわけではないですが、遊びは実際の経験の中で楽しみを見つけていくもの。バーチャルで見ただけのことは遊びとはいえず、実は身に付いていないことも。園時代は、べちゃべちゃしたり、どろどろしたりといった、実際の手触りや感覚を大事にしてあげてほしいですね。バーチャルしか知らないと、寛容性が狭まる恐れもあります。見せるにしても時間を決めるなどのルールは必要です。Q 遊びに夢中で、ひらがなや数字に興味なし…、小学校へ行っても大丈夫?A 遊びの中で「看板に文字を書きたい」「お友達にお手紙を書きたい」など、興味を持ったときに教えてあげるのはOKですが、興味がない子に「“あ”を書いて」など無理やり教える必要はありません。また、字が汚いとか書き順が間違っているなど、子どものやる気を奪うようなことは幼稚園時代には言わないで。小学校に入るときに、自分の名前が読めて書けるくらいで十分です。遊びに夢中になれるのは素晴らしいこと!この時期に大切にしてほしいのは、習得ではなく、文字・数字に対しての豊かな経験。ママが本を読んでいる姿を見せたり、一緒に絵本を読んだりする体験を積んであげてください。Q ママにべったりで、幼稚園でママから離れてちゃんと遊べるか心配ですA 幼稚園に入ったのだから、しっかりさせなきゃと思うママもいるでしょうが、新しいところにすぐなじむ子もいれば、時間がかかる子もいます。自分の目で新しい環境をじっくり見て、安心できるところや、自分の居場所はどこかを子どもはしっかり考えています。見るだけで満足している場合もあります。ママは心配もあるでしょうが、「今日は何したの?」「今日はどうだった?」などと、矢継ぎ早に、問いただすようなことはしないで見守ってあげてください。一見何もしていないようでも、子どもたちはいろいろなことを学んでいますよ。ママも実感!幼稚園でわが子が成長したと感じたエピソード● 幼稚園の事を聞いてもいつも「分からん、知らん」と答えていましたが、最近になり、自分から「今日ね…」と話してくれるようになりました。言葉の発達、園生活でのいろんな感情、何よりも楽しんでいるからこそ少しずつ話してくれるようになったのかなーと思えてうれしくなります。(愛知県・年少ママ)● 作品展の制作で、あまりお友達や先生に意見を言う事のない息子が、初めて自分から意見を言い、それがみんなに好評価だったそう。それからは、何かあるたびに「こうした方が良いんじゃない?」とか「こうしたらどうかな?」と積極的に発言するようになりました。(愛知県・年少ママ)● 発表会で、年中までは声が小さくてセリフを聞き取れませんでしたが、年長では堂々と大きな声でセリフを話していて、その姿に成長を感じました。本人の自信になったようで、普段も積極性が出てきたと先生から聞きうれしくなりました。(青森県・年長ママ)● 友達と遊ぶ時、仲間と協力して大きな物を作ったり、新しいルールを決めてみたり。 大人との関係では築けないような、独創性や仲間意識が見られるようになりました。(東京都・年長ママ)● 縦割り保育で、上の学年の子たちから優しくしてもらったり、下の学年の子たちの面倒を見てあげたりすることを通して、自分の妹にも優しくいろいろ教えてあげたりできるようになってきました。(東京都・年中ママ)河邉さんからメッセージ子どもたちは幼稚園でプラスの体験、マイナスの体験を積んで育ちます友達との関わり、ダイナミックな遊び…、家でできないことをするのが幼稚園です。もちろん毎日、いろいろなことは起きるでしょう。まずは何事も、素晴らしい体験をしていると思って、園に委ねてください。子どもはプラスの体験だけでなく、マイナスの体験をして育っていきます。小さな失敗や挫折を乗り越えていくことが子どもを成長させるのです。ママが一緒に落ち込むと、その気持ちは子どもにも伝染します。共に悲しむのではなく、いい経験と前向きに捉えてみてください。入園当初はママも不安なことも多いでしょうが、気になることや心配事はどんどん先生に聞いたり相談してください。また、何かかができるようになることを焦ったり、周りと比べず、子どものできたことに目を向けてあげましょう。幼稚園で子どもたちは思いっきり遊んで、どんどん成長しますよ!イラスト/柴田ケイコ
2019年04月13日近年、子どもを取り巻くお金の環境が大きく変わったことで、学校教育でも間もなく「お金の教育」がはじまります。日本はようやく国としてマネー教育に本腰を入れることになったのです。では、海外のマネー教育とはどんなものなのでしょうか。マネー教育の第一人者である横浜国立大学名誉教授の西村隆男先生にお話を聞きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)いまの日本にもマネー教育はあるが……間もなく実施される新学習指導要領による公教育には、いわゆるマネー教育が組み込まれることになりました。とはいえ、現在も学校においてマネー教育がまったくされていないわけではありません。ひとつは日本銀行が組織している金融広報中央委員会によるもの。金融広報中央委員会のかつての名称は貯蓄増強中央委員会。もともとは、戦後間もない頃に、国民に貯蓄を奨励し、お金を財政と企業融資に使って日本の産業拡大を図るための組織でした。「貯蓄は美徳だ」と国民を教育していたわけです。現在も傘下の組織が各都道府県にあります。主な活動は、小学校、中学校、高校向けのマネー教育の教材をつくること。それから、金融・金銭教育研究校を指定して、「かしこい消費者になり、かしこい買い物をする」という教育をおこなっています。子どもの頃に通っていた学校が、「子ども銀行」の活動をしていたという方もいるかもしれません。それも金融広報中央委員会によるマネー教育の一環です。もうひとつは最近のものです。2012年に消費者教育推進法という法律が制定されました。これは、自分のためだけではなく、「世のなかのためにもいい買い物をしよう」という教育をおこなうための法律です。「世のなかのためのいい買い物」とは、たとえば持続可能な社会をつくるために環境にいいものを買う、あるいは人権のことも考えてフェアトレード商品を買うといったものですね。この法律により、現行の学習指導要領でも家庭科や社会科の学習内容に「消費者教育」という名称でマネー教育が盛り込まれています。たとえば、小学3年生なら、社会科の勉強として商店街や小売店のお金の流れやそこで働く人の視点を学ぶ。これも広い意味ではマネー教育といえます。欧米の教育は「生き方教育」とはいえ、授業時間全体からすれば日本のマネー教育はごく限られたものです。では、海外のマネー教育はどうなのかというと、特に欧米では日本よりもはるかに進んでいるといっていいでしょう。そのちがいは、教育そのもののとらえ方によるところが大きいと感じています。日本の中央集権的な教育の目的は、健全な勤労者を育てて経済のパイを大きくしようとするもの。いわばエリート養成のための「知識注入型教育」が中心です。一方、もともと子どもに自立心や権利意識を持たせることを重視する欧米の教育は「生き方教育」といえます。そのため、特に北欧の教育では、手に職を持たせるという意味もあってか、「ものづくり」を重視する。それどころか、小学4年生になると自分で仕事をつくって生活していくための「起業家精神」を教える授業もあるほどです。そういう教育ですから、当然、マネー教育にも力を入れています。スウェーデンでは子どもたちに生活設計をさせる授業があります。収入がいくらで家賃がいくらで、毎月いくら貯金できるとか、利息が○%だから年末には預金がいくらになるというふうに生活設計をさせる。しかも、面白いことにこれが算数の授業なのです。フィンランドでは図工の時間に広告をつくるという授業を視察しました。図工の授業とはいえ、ただのアートでは終わりません。子どもたちは「これなら商品が売れるだろう」と考えた文言を広告に入れる。売り手がどのように買い手を誘導しようするのか、マーケティング戦略を学ぶわけです。さらに、今度は消費者サイドに立ってそういう戦略に乗せられないための方法を学んでいました。求められる「実生活に根ざした教育」アメリカのマネー教育もわたしのなかでは強く印象に残っています。わたしがアメリカでマネー教育の視察をしたのは1987年頃。少し古い話になりますが、逆にいえばアメリカでは少なくとも30年以上も前から積極的にマネー教育がおこなわれていたということになる。さて、肝心の授業内容です。当時のアメリカは小切手社会でした。すると、小学生が小切手を切る授業を受けていたのです。子どもが「$100」と小切手に書いたら、先生は「それじゃ、駄目だ」という。ただ「$100」と書いたのでは、線を書き足されて「$400」にされるかもしれないし、0をふたつ加えて「$10000」に書き換えられるかもしれませんよね。不正防止のために「$100と書いたら、その下に『one hundred dollars』と書きなさい」と指導するのです。完全に実用的な内容でした。また、高校生になると、中古車ディーラーで車を買うシミュレーションをおこなう授業もありました。走行距離や事故歴、燃費など、車を買うときになにをチェックするべきかを教える。それこそかしこい消費者になるための教育をしているわけです。これは「コンシューマーエコノミクス(消費者経済学)」という教科の授業でした。独立教科でマネー教育をするアメリカ、さまざまな教科で横断的にマネー教育をするヨーロッパというちがいはありますが、学校でリアル経済を教える点では共通しています。そうして、子どもを社会のなかで自立した人間に育てることこそが教育だという思考があるのでしょう。二次関数や因数分解、微分積分を学んで数学の面白さに目覚めた子どもが数学者やエンジニアを目指す――そんな教育もたしかに大事なものでしょう。でも、日本の教育にももっと実生活に直結する内容が必要とされているのかもしれません。『子どもにおこづかいをあげよう!』藍ひろ子 著・西村隆男 監修/主婦の友社(2014)■ 横浜国立大学名誉教授・西村隆男先生 インタビュー一覧第1回:「子どもにお金はまだ早い」ではなぜダメなのか。マネー教育不足はこんなにも危険だ第2回:遅れが著しい日本の「マネー教育」。日本の子どもは“社会のなかで自立”できるのか?第3回:「会議・交渉・契約書」で自己肯定感が育つ。子どもをぐんと伸ばす“おこづかい”のあげ方(※近日公開)【プロフィール】西村隆男(にしむら・たかお)1951年生まれ、東京都出身。横浜国立大学名誉教授。経済学博士。高校教諭を経て、横浜国立大学教育学部で25年教壇に立つ。研究テーマは金融教育、消費者教育、パーソナルファイナンス(家計財務管理)など。金融広報中央委員会委員、金融経済教育推進会議委員、前日本消費者教育学会会長。著書に『消費者教育学の地平』(慶應義塾大学出版会)、『社会人なら知っておきたい金融リテラシー』(祥伝社)、『子どもとマスターする46の金の知識』(合同出版)など。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年03月29日日本という国で育つ子どもたちが、学校教育を受けはじめるのは誰もが小学生になってから。でも、生きていくうえで欠かせない「お金の教育」に関しては、はじまる時期もその内容も各家庭の方針によってまちまちです。正解がないだけに、マネー教育に関して悩んでいるという親御さんも少なくないでしょう。アドバイスをしてくれたのは、マネー教育の第一人者である横浜国立大学名誉教授の西村隆男先生です。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)ようやく動きはじめた日本のマネー教育これまでの日本には「マネー教育」というものは存在しなかったというと、やや語弊があるかもしれませんが、あたらずといえども遠からずという状況でした。それは、日本人の国民性によるものでしょう。古くは日本ではお金は不浄のものと考えられ、家庭の話題に上げない、子どもは口を出すべきではないものとされてきました。お金に対してそういう感覚を持たされ育てられたのがいまの親世代です。ところが、ここ数十年でお金をめぐる状況は一変しました。最近ではキャッシュレス決済が急激に拡大しています。小学生でもスマホを手にしているいま、塾に行くにも「Suica」「ICOCA」などの電子マネーを使って電車に乗る。コンビニでちょっとしたお菓子や飲み物を買うにも電子マネーで支払う。子どもが使うお金を親がコントロールするためです。また、わたしのような60代くらいの世代だと、クレジットカードにはまだ若干の抵抗感があるもの。つい「借金」と考え、罪悪感があるわけです。でも、いまの親世代にとって、クレジットカードはひとつの決済ツールに過ぎません。借金だとは考えず、スーパーで500円の買い物をするにもクレジットカードを使います。こうして、子どもだけではなく、親世代にも現金が見えにくくなっているのです。もちろん、利便性という点ではほんの20年あまりの間に飛躍的に進化したと見ることができるでしょう。でも、まともにマネー教育を受けてこなかった世代が親になっているわけですから、その利便性の裏には子どもに対する大きな危険も潜んでいます。かつては「金融商品」なんて言葉は存在しませんでした。「株取引をしている」などというと、ギャンブル的な意味合いをもってさげすまれるような印象すら持たれたものです。ところが、ネット証券が広まって「金融商品」という言葉が一般的になり、最近では仮想通貨なんてものも出てきた。「マネーゲーム」という言葉も使われるほどです。それこそ、現金が見えにくくなっている時代に育った子どもがゲーム感覚でマネーゲームに走るようになったらどうするのか――。こうしてようやく日本でも、国策としてマネー教育を進めていこうとする動きが出てきたわけです。マネー教育開始は早ければ早いほどいいしかも、子どもたちがお金をめぐる問題に巻き込まれる危険性はこれからさらに拡大することも考えられます。その要因は成年年齢の引き下げです。明治時代から約120年にもわたって20歳だった成年年齢は、2022年4月から18歳に引き下げられます。18歳になれば高校生であっても自由に契約をすることができる、クレジットカードをつくることもできる時代になるのです。それを受けて、新しい学習指導要領は、高校卒業までに子どもたちに契約意識を持たせる内容になっています。ただ、新学習指導要領に基づく教育がはじまるのは小学校で2020年から。中学校では2021年、高校では2022年からです。高校を卒業してすぐに成人となる2019年度の高校1年生からは前倒しでその教育かおこなわれることになっていますが、それでもやはり遅すぎるように感じるのです。マネー教育をはじめるのは早ければ早いほうがいい――。それがわたしの考えです。それこそ、小学校でマネー教育がはじまる前から家庭ではじめておくべきでしょう。ものの価値もわからない、自分で買い物をした経験もないのに、小学校で売買契約の基礎を教えるといっても難しいというものです。しかも、幼い子どもにマネー教育をするにも現金を使うべきですね。実際に小銭を持って、10円玉10個が100円玉と交換できるものだということを感じたり、あるいは自分で買い物をして支払う金額を間違ったりする経験によって、お金がどういうものかを実感できるようになるからです。実体験としてお金を使ってみないとわからないこともあるはずです。学校でマネー教育をはじめるといっても、教室でシミュレーションするのではピンとこないこともあるでしょう。「魚が切り身のかたちで泳いでいると思っている子どもがいる」という笑い話がありますが、マネー教育も内容次第ではそれに近いことも起こり得るはずです。マネー教育不足が引き起こすさまざまな問題仮にマネー教育をまったく受けないまま大人になると、さまざまな問題に見舞われることが考えられます。何枚もクレジットカードをつくって多重債務を抱えて破産するというのもそのひとつかもしれません。また、現在、大きな問題として取り上げられるのが「奨学金破産」です。連帯保証人になっていた親が病気になるなどして、親が破産するというケースも見られます。まして少子高齢化がますます進むこれからは、老後の生活をイメージして個人でも年金をつくらないといけない時代になる。いま、大企業で必ず導入しているのが確定拠出年金です。個人型だろうと企業型だろうと、その企業に就職すれば必ず加入することになる。大学を卒業した途端に資産運用について選択を迫られることになるのです。どの投資信託にするのか、元本保証の預金にするのか、それとも別の選択肢にするのか……。それぞれがどういうものか理解できなければ、自分の将来を自分で決められないことになってしまいます。あるいは、振り込め詐欺の片棒を担ぐようなことにもなりかねません。「簡単に稼げる」といった犯罪の誘いに乗ってしまうのは、地道に稼いだお金を有効に使うとか、ある程度節約した生活をして計画的にお金をためるといった長期スパンでお金のことを考える姿勢が身についていないからです。公教育でマネー教育がはじまるのはこれから。その教育に臨む姿勢をつくってあげるのは家庭に他なりません。そのために大切だとわたしが考えているのが、「お手伝いの対価としておこづかいをあげる」ということ。責任を持って手伝いという自分の仕事(役割分担)をしてはじめてお金を得る。その経験を幼い頃からさせるのです。「まだ子どもだから」とお金に関する話を子どもに対してシャットアウトしてはいけません。むしろ、子どもだからこそ、きちんと導いてお金に触れさせてあげるべきです。そうでないとお金に対する正しい意識が育たず、将来、自立できない人間になってしまうことを親御さんには意識してほしいと思います。『子どもにおこづかいをあげよう!』藍ひろ子 著・西村隆男 監修/主婦の友社(2014)■ 横浜国立大学名誉教授・西村隆男先生 インタビュー一覧第1回:「子どもにお金はまだ早い」ではなぜダメなのか。マネー教育不足はこんなにも危険だ第2回:遅れが著しい日本の「マネー教育」。日本の子どもは“社会のなかで自立”できるのか?(※近日公開)第3回:「会議・交渉・契約書」で自己肯定感が育つ。子どもをぐんと伸ばす“おこづかい”のあげ方(※近日公開)【プロフィール】西村隆男(にしむら・たかお)1951年生まれ、東京都出身。横浜国立大学名誉教授。経済学博士。高校教諭を経て、横浜国立大学教育学部で25年教壇に立つ。研究テーマは金融教育、消費者教育、パーソナルファイナンス(家計財務管理)など。金融広報中央委員会委員、金融経済教育推進会議委員、前日本消費者教育学会会長。著書に『消費者教育学の地平』(慶應義塾大学出版会)、『社会人なら知っておきたい金融リテラシー』(祥伝社)、『子どもとマスターする46の金の知識』(合同出版)など。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年03月28日ベストセラー書籍 『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』 の著者、のじまなみさんにインタビュー。性教育アドバイザーでもあるのじまさんは「セックスを伝えることは最大の防犯になる」と断言しています。最大のタブーを親子間で共有することは、後々のコミュニケーションにも役立つはず。子育ては長期間に及ぶものなので、リスク管理は欠かせません。第二回目の記事では「具体的な性教育の仕方」をお伝えしましたが、なかなかハードルは高いけれど、それでもトライするメリットが多大にあるということはおわかりいただけたのではないでしょうか。そして今回は、「性教育によってもたらされるもの」についてです。のじまなみ さん性教育アドバイザー。「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会」理事長。防衛医科大学高等看護学校卒業後、看護師として泌尿器科に勤務。自身にも三人の娘がおり「子供達が危険な性の情報に簡単にアクセスできる世界にいる」ことに危機感を抱き、2016年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】アカデミー」を設立し、その後協会を立ち上げ、国内外のお母さんたちに性教育を伝えるべく、日々飛び回っている。 とにかく明るい性教育 パンツの教室協会 のじまなみ ブログ ■性教育は最大の防犯教育である「セックスは素晴らしいもの。でも不用意な妊娠を防ぐためには、避妊の方法も同時に伝えなければいけません」とのじまさん。男女関係なく、性被害は起こりますが、妊娠については、男の子側と女の子側と受けるダメージは違ってきます。前回の記事でもお伝えしましたが、なぜ不用意にセックスをしてはいけないのか、若いうちに妊娠するとどうなるのか、と言うことも含めて包み隠さず話すことが大切です。セックスに対して興味を持つのはごく当たり前のこと。「興味本位ではなくて、セックスの先に伝えたいことを考えるといいと思います。性教育は子どもの笑顔と未来を守るものであり、恥ずかしいことではない、とお母さんが自身に言い聞かせながら、やってみてください」のじまさんによると、性教育を受けている子はセックスの初体験の年齢が上がるというデータもあるそうです。聞けば聞くほどに重要性を持つ性教育ですが、ここで素朴な疑問をもう1つ、のじまさんにお聞きしました。―― これまではお母さんが行うことを基本としてお話が進んできましたが、では、お父さんは性教育にどのように関わってもらえばよいのでしょうか?「ここまでお話ししてきたことからもお分かりいただけるように、性教育は“待ったなし”です。私自身は父親に性教育を受けましたが、基本的にはお母さんが取り組んだほうが良いと思っています。なぜなら、それが一番の近道だからです。繰り返しますが、性教育は“待ったなし”です。いつ我が子が性トラブルに巻き込まれるか分からないのです。 これまで私は4,000人のお母さんに性教育の手ほどきをしてきましたが、親からきちんと性の話を受けたことがあるのはたった4人、つまり全体の0.1%です。お父さんはそれ以上に性教育を受けてきていません。今のお父さんたちは『いずれ知るだろう』というスタンスで、内心子どもを心配していても言えることがない。お母さん自身が、性教育のハードルを乗り越えることに加えて、お父さんの意識まで変えようとするのは、正直言ってなかなかしんどいです。つまり“時間がかかるの”です。まずはお母さんから性教育をはじめれば、自然と家庭内で性教育に対する前向きな意識が育っていくでしょう。もちろん、お父さんが積極的に性教育に関わるのに越したことはありません。でも、最初は“参加してくれたらラッキー”くらいに構えているとよいかもしれませんね」なるほどの意見! 過剰に期待せずに、でんと構えてもらい、夫婦として基本的な考えを合致しておけば、子どもも安心ですね。ちなみに、すでに独自で性教育している方で、今回お聞きしたお話のようにできていなかったと言う方もいらっしゃると思いますが「心配はありません」と、のじまさん。「マイナスの性教育をしてしまった場合は、2倍の性教育をして肯定してあげることです。何しろ自己肯定感を育てることが大切です」自己肯定感を育むということは、子育てにおいては肝となるべきこと。「性」だけを切り抜かず、子育て全体の中のひとつとして捉えて見てはどうでしょうか。■性トラブルは身近にゴロゴロ転がっている!性教育については、ちょっと怖い話も伺いました。「これまでは知らない人からの危険を回避する、というお話でしたが、実は知っている人からの性トラブルも多いという現実があります」。これはなかなかに怖い話。身近な人間からの性トラブルは、子ども自身、母親に話すことを躊躇してしまいそうですが、日頃からなんでも話せる関係性を作っておけば回避できそう。子どもにとって、味方なのだ、ということを常に伝えておくことで安心させるといいのかもしれません。また、ネットが発達した最近では、ライン婚やSNS婚なども増えてきているのだそう。人と人との可能性、出会いも広がりましたが、気軽に人間関係も繋がれるということは、リスクもその分強まったことにもなります。危険はあちこちに転がっているということ。決してそれは、他人事ではないのです。母親として未然にトラブルを防ぐこと。性教育は必須の教育なのだということがわかるでしょう。■アイデンティティーの強要社会性教育の話の延長で、のじまさんが現代の「子育て」の変化について実感していることも話してくれました。「ここまでは子どもへの話でしたが、デジタル時代になって生きづらくなったのは大人も同じ。SNSが広がったことで、得られる情報は増えたけれど、余計な情報も知ることになりました。そのことによって、人は無理やり『アイデンティティ』を持たないといけなくなった。それは子育て中のお母さんにとってマイナスになることもあります」支持されるのは、“素敵なお母さん”。おしゃれなファッションをして、スタイリッシュな家具に囲まれ、家事も上手で、教育にも熱心。比べてはいけない、と思いつつ自分と比べてしまうのが人間の心理というもの。このような必要性が問われる情報が、母親自身の自己肯定感をも奪ってしまう、とのじまさんは指摘しています。筆者も育児と仕事の両立で悩んで挫折した経験があるのですが、その頃はまだそんなにSNSを使ってない時代でした。あの時にSNSがあったらと思うと正直、ゾッとすることもあります。「気にしない」「私は私!」と強い自分を持つこと。そのままの自分を認めてあげること。子どもを大切にできるのは、自分を大切にすることができるお母さんなのではないでしょうか。そういう意味でも、性教育から「自己肯定感」を育むことは、お母さんにとっても得るものはとても大きい。■お母さん同士で共感する時代へ!性について、セックス、生理、命が生まれること。今回ののじまさんのお話は、どれをとっても心を掴まれる事柄ばかり。堂々と性教育していきたいものです。確かに、性教育をすぐにしようと思っても、いくつものハードルがあり、なかなか手がけられないというお母さんもいるかもしれません。日々、性教育の他にたくさんやらなければならないことがあり、なんでもお母さんへ負担がのしかかってしまっている現実はありますが、こういう時こそ、お母さん同士で繋がり、必要なことをシェアしてみてはどうでしょうか。タブーなことからは見て見ぬ振りをして、踏み込まなかった時代から、タブーを打ち破り、共感しあう時代へ。今こそ、お母さんの意識改革の時なのかもしれません。
2019年03月25日性教育アドバイザーで、 「お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!」 の著者であるのじまなみさんに、「性教育」についてお話を伺いながらご紹介する連載の2回目です。前回は日本の性教育の実態を伺い、なぜ性教育が必要なのか、その危険性について述べました。今回は、具体的な性教育の実践法についてご紹介したいと思います。のじまなみ さん性教育アドバイザー。「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会」理事長。防衛医科大学高等看護学校卒業後、看護師として泌尿器科に勤務。自身にも三人の娘がおり「子供達が危険な性の情報に簡単にアクセスできる世界にいる」ことに危機感を抱き、2016年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】アカデミー」を設立し、その後協会を立ち上げ、国内外のお母さんたちに性教育を伝えるべく、日々飛び回っている。 とにかく明るい性教育 パンツの教室協会 のじまなみ ブログ ■性教育は、子どもの「自己肯定感」を育むために必要まずは前回触れた、のじまさんによる性教育の3つのメリットについてお話ししていきましょう。1、自己肯定感が高まり、自分も人も愛せる人間になる2、性犯罪の被害者・加害者にならない3、低年齢の性体験・妊娠・中絶のリスクを回避できる1、自己肯定感が高まり、自分も人も愛せる人間になる1 についてですが、日本の子どもは、世界有数の先進国であるのにも関わらず、自己肯定感が低いと問題視されています。深刻なのは、10代の死因のトップが自殺であること。背景にあるのがこの自己肯定感の欠如だ、とのじまさんは指摘しています。「性教育を通じて、あなたは奇跡が重なって生まれてきたのだ、ということを伝えると、子どもは『愛情』を受けとり、エネルギーにしていくことができます。そして、子どもの自己肯定感を育むことで、親子間のコミュニケーションがスムーズになり、深い絆で結ばれるようになります」2、性犯罪の被害者・加害者にならない2 の性犯罪については、筆者が 「SEIJUKU」 (セイジュク)という性教育ワークショップを始めた理由とも重なっています。社会のトラブルの根幹にあるのは性問題。そのことから身を守るには、きちんと性について知ることが親子で必要だと考え、興味のある方同士でセッションを始めたのですが、この中でよく話題に上るのがいつ自分の子どもが加害者に、被害者になるかわからないという不安についてです。「まだまだ子どもだから」と思っているうちに、子どもはどんどん外からの情報を得て、親が感知できない知識を増やし、危険な領域に入っていきます。善悪を見極められるようになるまで、大人が正しい知識を持ってストップをかけなければいけません。「覚えておきたいのは、性犯罪の被害者は女の子だという思い込み。実は被害者の4割は男の子だという事実です。男の子を好む小児性愛者は一定数おり、とても陰湿です。性犯罪にあった子の精神ダメージは計り知れません。お母さんが積極的に防犯に関わり、女の子も男の子も性犯罪から、身を守る方法を教えてあげてください」3、低年齢の性体験・妊娠・中絶のリスクを回避できる3 の不用意な妊娠については、誰もが避けたい大きな関心事ではないでしょうか。ただ、ここで重要なのはセックスを語らずに性教育はできないということ、とのじまさん。「セックスについては常に説明できるように準備しておく必要があります。そして、今どうしてセックスをしてはいけないのか、デメリットとメリットをお母さんの口から伝えることが重要です。思春期のセックスへの興味本位による行為を防ぐためにも、きちんとした知識を、明確に伝えてください」■性教育は、何歳の時に、何から始めるか3大メリットについては子育てにおいてとても重要であることはご理解いただけたと思います。早速始めいところですが、気になるのが性教育をスタートする年齢です。のじまさん曰く性教育をスタートさせるのに適しているのは「3歳」だというから驚き。「私は、子どもたちが、まだうんこ、おっぱい、ちんちん、が大好きな年齢である3歳から10歳の下ネタ全盛期の時に行うべきだと考えています」性を本格的に意識しないうちに始めるというところがポイント。のじまさんによると、精神分析学の創始者として知られるフロイトが研究した発達段階から考えても3歳から10歳は性教育の適齢期に当てはまると言います。「フロイトの説では、母乳などから栄養を得ることが快感の『口唇期』をへて、幼児はトイレトレーニングがうまくいくようになる『肛門期』に移ります。そして、幼稚園から小学校入学前くらいになる『男根期』を迎え、男の子と女の子の体の違いに気づく。男の子が自分のおちんちんを触ったり、興味を示す頃ですね。この子どもが自分の体に興味を持った時にこそ、声をかけましょう」ここで、のじまさんにある疑問をぶつけてみました。―― 家族構成や、兄弟の有無、一番めか二番目か、そして気になる男の子と女の子では、性教育の仕方は変えたほうがいいのでしょうか?「男の子と、女の子でも基本的には同じことを話します。男の子の体と女の子の体の違いをお互いに知らないと、相手のこともいたわれませんし、自分の身も守れません」男女の違いで大きいのはちんちんとおっぱいなど、体のつくりが違うこと。そして、外せないのが生理のことでしょう。お母さんの中には、異性である男の子に生理の話をするのを躊躇してしまう、という方もいると思います。けれど、生理があって初めて子どもができるのです。そのことを知らずに、ナプキンを持っている女の子をからかうようになっては、お互いに傷ついてしまい、生理が『悪者』として捉えかねません」「よく性教育のデメリットを気にされるお母さんもいらっしゃいますが、性教育を知らない子ほど、外で大人をからかったり、他人との距離を測りかねて、土足で踏み込んだりします。パーソナルゾーンに入ってしまうのは知らないからです。女の子には毎月の生理を楽しみにさせられるのはお母さんの力です。男の子には、毎月生理が女の子にはあり、いたわるように教えてあげる。お互いのことをきちんと理解できれば、やさしい子どもたちに、そしてなんでも話せる親子関係を築くことができますよ」■性教育の伝え方にも順番がある!性教育は、男女の体の違いから、同じことを男の子にも女の子にも始める、ということはお分かりになったと思います。その後は、どんな順序で伝えていけばいいのか、のじまさんに伺ってみました。「まずは体の違いそして次に命の話、最後に防犯の話。この順序ですね。命の話というのは『赤ちゃんはどうやってできるか』というセックスの話です。最初はわからないことも多いと思いますが、話をしているうちに、ちゃんとそれぞれが繋がるようになり、自分で理解できるようになります」性教育を実践するには、まずはお母さんがペニスやセックス、膣といった言葉を恥ずかしがらずに言える必要があります。そのほかに、男の子のマスターベーションや精通についてもお母さん自身が理解していなければいけません。生理や精通を迎えるということは、体の成長の証でとても喜ばしいこと。とはいえ、あれこれ一気には伝えられませんから、焦らず少しずつ伝えていってみてください。「体の話の時に、ぜひ伝えていただきたいのが体にはプライベートな大切な場所・水着ゾーンがあるということです。人には見せても、触らせてもいけない大事な場所があるということを具体的に説明することで、身を守る基準を教えることができます。もし突然身の危険が迫っても、子ども自身がはっきりと『NO』と断ることができるように教育することが大切です。見知らぬ人だけでなく、友達同士でも水着ゾーンに対しては踏み込んではいけないということも教えてください」ちなみに私が娘二人に性教育を始めたのはお風呂の時間です。とっても大事なところである『おまた』を洗おうというデリケートゾーンコスメを使うところから始めました。私はついついお風呂にこだわって話していましたが、「お風呂でももちろんよいと思いますが、場所やシーンは特にこだわらず、日常的に話ができるようになると、性教育のハードルも下がると思いますよ」とのじまさん。ご飯を食べている時や、くつろいでいる時など、さりげない日常に挟み込むことができるようになれば、お母さんの方もよし、やるぞ! と構えなくて済むようになりそう。また、のじまさんは繰り返し伝えることが重要だと言います。「いろんなパターンで、やるなら徹底的に行うことです。1度で済む話ではないので、繰り返し行い、子どもの中で繋がるように話していくことが大事です」性教育をしていくイメージ、少しは浮かんだでしょうか。難しく考えることはなく、わかりやすく少しずつ、長い時間をかけて伝えるということだと思います。そして、この性教育というのは、現代社会を生きるお母さんにとっても実は大きな意味のあることなのです。このことについては、次の3回目で詳しく述べたいと思います。
2019年03月24日先日、実に興味深い本が発売されました。それは 「お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!」 というショッキングなタイトル。これは、父親から性教育を受け、パンツの教室協会理事として日々奔走していらっしゃるのじまなみさん著書による性教育の本です。これが今、売れに売れているのだそう。表立っては「悩んでいる」とは言えない。けれど、この本を手に取る人がたくさんいると言うことは、つまり、のじまさんが投げかけたこの言葉、この不安要素は、子育て中のママの核の部分に刺さった、ということではないでしょうか。のじまなみ さん性教育アドバイザー。「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会」理事長。防衛医科大学高等看護学校卒業後、看護師として泌尿器科に勤務。自身にも三人の娘がおり「子供達が危険な性の情報に簡単にアクセスできる世界にいる」ことに危機感を抱き、2016年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】アカデミー」を設立し、その後協会を立ち上げ、国内外のお母さんたちに性教育を伝えるべく、日々飛び回っている。 とにかく明るい性教育 パンツの教室協会 のじまなみ ブログ ■「性教育」は子どもたちを危険から守る手段情報氾濫時代。私たちは今、インターネットを通して、あらゆる情報に常に囲まれ、監視し、されながら日常を過ごしています。これはここ10年くらいのこと。スマホやパソコン、タブレット、ゲーム機などは、もはや現代人には欠かせない生活必需品です。でも、ここからどんどん「性」に対しての情報は発信されています。こんなに身近に「性」に対するモノやコトが手に入ってしまうのは、じつはとても怖いこと。特に、子育て中のママたちにとって、これは驚異以外の何者でもありません。一方で、私たちはその「リスク対策」をきちんと取れているでしょうか? そのために今、必要なのは、これまで“なあなあ” にされてきた「性教育」という教育です。これが、親自身にとっても子どもたちにとっても「危険から守る手段」になるのです。子育ての一般常識が30年前とは全く違うように、性教育もまた、新たなステージにきています。■「まだ早い」は「もう遅い」! 性教育は何歳から?筆者は、小さい頃から二人の娘に性教育をし始め、数年前から性教育ワークショップ「SEIJUKU」と言うグループを主宰しています。性教育に関心が高いママたち同士で、性教育についての情報をシェアする活動を行なっているのですが、そのセッションでも、それぞれのママが非常に不安を抱えていることが浮き彫りになっています。ママ自身が受けてきた性教育もバラバラ、性教育の指針がなく、どうやって伝えてよいのかわからない、迷っている人がとても多いという現状は、思ったよりも深刻なのでは? と感じています。ちなみに、のじまさんの話によると、ユネスコが2009年に発表した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」では「性教育の開始年齢」が設定されており、なんと5歳だといいます。そして、のじまさんが行なっているパンツの教室では、「3歳から10歳の間に行うべし!」と伝えています。この年齢を聞いて、みなさんはどう思いますか?そんな世界の指針を尻目に、日本の性教育の現状といえば、全く進んでいない、と言ってよいでしょう。1990年に入りHIV問題が起きた時に、慌てて性教育を推進する動きが始まりましたが、すぐにバッシングが起こって、それ以降は後退する一方。政府も統一した指針は示さず、学校によって応対もバラバラ。熱心に性教育しようとする先生がいれば、それが問題視されると言うネガティブな方向へ進んでしまう。人の前では性教育の話はしてはいけない、それは学校でも同じ。タブー視されているのが「性教育」なのです。「日本でまだまだの性教育事情。なのに、その一方で日本は『性産業先進国』と、なんとも恥ずかしい汚名をいただいています。世界のポルノの6割は日本で生産されており、コンビニでは子どもの目線の高さに堂々とHな本が置いてあります。活発になったインターネットは、子どもと誤った性の情報を簡単につなぎ、子どもが性の対象になった事件を伝えるニュースは、毎日のように聞こえてきます。ママたちも一度はヒヤッとした経験があるのではないでしょうか?」と、のじまさんは警鐘を鳴らします。■「うちの子に限って」が起こり得るスマホやタブレット、ゲームは子育て中のママにとってはありがたいツールです。働きながら子育てをして家事も担って、そして最近では受験する子も増えています。何もかもがママたちの肩にのしかかってきて負担が大きい今の社会で、『ちょっと子どもに動画を見てもらってひと休みする』ことをダメだとは言えないでしょう。しかし、ここに恐ろしいリスクが潜んでいると言うことも自覚しなければいけません。のじまさんによると、2歳でもYouTubeからアダルトサイトに飛んでHな動画を目にしてしまった、と相談してくるケースはたくさんあるといいます。わずか2歳。「まだまだ赤ちゃんだから」と、うかうかしてはいられません。「それだけではありません。自分の裸の動画を撮って相手に送る、と言ったトラブルも多数報告されています。もちろん、撮りたくなるような仕掛けをされているので、子どもにはなんの罪もありません。子どもは面白いからやってしまう。そこにどんな危険があるか知らないから、そうしてしまうだけ。気をつけることができるのは、身近なお母さんしかいないんです」これらはなぜ起こってしまうのか?「交通ルールと同じです。教わっていないから。誰かがストップをかけて、イエス、ノーの判断を教えなければならないのに、教えられる大人が少ないんです」学校で教えられる性教育は20年前から何も進んでいないと言われています。また、教える内容も学校によってバラバラだし、4年生の保健体育では時間数も少なく、肝心なことは教えてくれません。そう、そもそも“母親が性教育について何も知らない状況では、何も始まらない”ということなのです。「性教育にはメリットしかありません!」とのじまさんは力強く断言します。その3大メリットは以下の3つ。1、自己肯定感が高まり、自分も人も愛せる人間になる2、性犯罪の被害者・加害者にならない3、低年齢の性体験・妊娠・中絶のリスクを回避できる子育てに悩むすべての女性が、どきっとさせられる事ばかりです。この3つを読むだけでも、性教育の必要性を感じていただけたのではないでしょうか。詳しくは2回目の記事で「では、性教育を具体的にどう行なっていくべきか」を含め、詳しく触れます。
2019年03月24日どうもあかりです。いきなりですが、「無償の愛」の素敵なところって、軽いのに一番届くところだと思うんです。「見返りにこれがほしい」とか「これをきっかけに好きになってほしい」とかそういうやましさがないおかげで、ビシッと彼に届きます。逆に「重い」気持ちが届かないのは、「あなたを愛したぶん、私を愛して」的な狙いがバレバレだからですね。コレ、大事なこと言ったので、覚えておいてくださいね。ということで今日は、身近で手軽な方法で「無償の愛」を彼に伝えるコツをご紹介します。愛情を伝えて、なんならついでにメチャ愛されたい。そんなときに使ってみてください。■伝えるコツ1:相手を想っての行動を、あえて「言わない」もしも彼に何かをやってあげるときには、それをあえて「言わない」ようにするだけで、もう立派な「無償の愛」です。例えば彼がお泊りにやってきたとき。事前に「パジャマ買っておいたよ」と伝えておくのもそれはそれでいいけれど、彼が来て、お風呂に入っていつものテキトーなジャージを着ようかと思ったところで、バスタオルの横に置かれている「明らかに俺用の」新品パジャマに気が付く。その瞬間の感動ったらないと思います。またそれ以外にも、彼の脱いだコートをかけておいたり、脱いだ服を畳んでおいたり、彼が以前「これおいしい」「これ好き」と言っていたものをこっそり冷蔵庫に入れておいたり・・・な。「彼が喜びそうなことをしても、あえてそれを言わない」というのは、「気付かれなくてもまあそれはそれでいいや」という良い意味で肩の力が抜けている感じがします。「気づいてほしい!そして褒めてほしい!」とガツガツしてない「余裕」が見えるし、温かみも感じられる。今度彼に何かをやってあげたときには、それをあえて彼には言わない戦法を試してみてはどうでしょうか。■伝えるコツ2:LINEでは「返信不要です。」の言葉でキュンとさせるLINEについて「無償」を語るのなら、「返信不要です。」がほぼ唯一にして最強の答えです。彼の体調が悪そうなとき、黙って寝かせておいてあげるのが一番イイと知りつつも、でも何もせずに放っておくことはできなくて、「ちゃんとあたたかくして寝てね。あと水分も取って。返信不要です。」とだけ送る。デート直前に、「明日楽しみにしてます。〇時にハチ公前集合ね。返信不要です。」と送る。長電話をした後に「遅くまで付き合わせちゃってごめんね。すごく楽しかったです。おやすみ。返信不要です。」と送る。LINEに限ってだけれども、この言葉はどんなメッセージにもつけられるし、「返信待ってるからな感」がゼロになるところが本当にイイ。逆に、「返信が来なくても平気に感じられる」おかげで、こっちから言いたいことを素直に伝えやすくするためのフレーズとしても機能するのです。■伝えるコツ3:寝ているときこそ「無償」の愛情表現を彼氏のおやすみ中は、「無償」のボーナスチャンスです。ソファで寝てしまった彼に毛布をかけてあげたり、眼鏡を外してあげたり。遅起きな彼のために朝ごはんを作ってあげたり。再びLINEの話に戻りますが、おそらく彼が寝ているだろう時間を狙って、「寝てると思うけど」から始まる気持ち告白メッセージを送ってみるのもアリ。何をやっても、自動的に「無償の愛」になります。「寝てる」前提で何かをしてあげることは、当然、「彼にはそれをその場で気づいてもらえない」前提であるわけなので、すごく「無償の愛」な感じがします。特に「毛布をかけてあげる」などは、下手したら起きてからも気が付かない可能性だって十分にあるわけだから、実際に彼がウトウトしながらも意識があったり、起きてから「あれ、俺毛布かぶらないで寝たはずなのに?」と思ったりして気が付いたときの、「無償の愛」への感謝は凄まじいものがあります。■おわりに:好きな気持ちを、行動に移して♡「無償の愛」って聞こえはいいけれど、実物がよくわからない。それは自分も、彼も同じです。だからこういう身近なものからわかりやすく実践してみる。彼のためを考えて、愛情を行動に移してみてくださいね(遣水あかり/ライター)(ハウコレ編集部)
2019年03月16日特別支援教育のくふうを取り入れると、どんな子どもにもわかりやすくなる『発達障害に生まれて』(松永正訓著/中央公論新社)ノンフィクションのモデルとなった立石美津子です。「特別支援教育は、発達に課題や凸凹がある子だけが受ける特別な指導」であると、一般的には思われているかもしれません。でも、私はそうではないと考えています。私は30年間、幼児や小学生を指導する現場で仕事をしていました。そこでさまざまな子どもたちと接してきました。また、自閉症のある息子は小学校入学時から特別支援教育を受けてきました。そしてその中で、できることが増えていったことを実感しています。その経験から、どんな子どもにも有効なくふうが、特別支援教育の中にはあるのではないかと感じています。そこで、「子どもが大人の話に集中できる環境づくり」「子どもを飽きさせないための“演技力”」「子どもに指示を出す時のくふう」の3つの観点から、特別支援教育のさまざまな場面での有効性を具体的にご紹介します。子どもが大人の話に集中できる環境づくり例えば、狭い喫茶店にいる時、隣の席に座る見知らぬ人の会話が丸聞こえ…ということがあります。でも、目の前の友人と話を始めたとたん、隣の席での会話は不思議と気にならなくなりますよね。私たちには、自分に向けられている声の主の言葉を「選択的に拾おう」とする脳のシステムがあるようです。ところが、これが難しく、自分に関係のない音がドンドン入ってきてしまうという特性がある子どももいます。例えば、教室で窓際の席に座っていると、校庭で行われている体育の授業での号令が聞こえてきてしまい、気になって仕方がありません。でもこれは、気になる程度は違っても、障害がない子どもにだって同じことが言えるのではないでしょうか。私は保育園の中でひらがなを指導する仕事をしていました。授業中、隣のクラスから音楽や歌い声が聞こえてくると、字の練習をしながら歌を歌う子がちらほらいました。こんな時は指導者側が「隣のクラスが静かな学習をしている時は、歌ではなく絵画制作をする」などのくふうをする必要があると感じました。このことは、家庭生活にも応用することができます。例えば子どもに何かを伝えたい時、兄弟姉妹が遊んでいる声やテレビの音が耳に入ってくると、子どもは集中して話を聞くことができません。こういう時は、テレビを消して物音がしないところに行き、子どもが話だけに集中できる環境を用意するとよいでしょう。聴覚だけでなく、視覚にも同じことが言えます。視界に関係のない情報が入ってくると、子どもは「今はどれを見なくてはならないのか?」と迷ってしまいます。例えば、これは小学校1年生に算数を教える時に使ったホワイトボードの画像です。どちらが集中できますか?Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子後者ですよね。「ホワイトボードを見ましょう」と言われても、そこに関係ないたくさんの情報があると、子どもたちは意識して「今、見るべきもの」を探さなくてはなりません。ADHD(注意欠陥・多動性障害)の傾向がある子どもは、さまざまな刺激に影響されやすいという特性があります。関係ない情報がたくさんある中から、必要な情報を選び取ることが難しいので、「ここを見ましょう」と言われても、全く違う場所を見てしまうこともあります。でも、障害の有無に関わらず、子どもは低年齢であるほど、興味があること以外には集中が続かないものです。教室の壁面や黒板いっぱいに飾りつけをしている学校・幼稚園がありますが、その中で何かを指示しても、子どもは選択的に見るべきものを探せないかもしれないので、くふうが必要です。必要のないものはかくし、必要なものだけにして見せる。シンプルであることが大切です。この考え方も、家庭生活に応用することができます。机の上に物が散乱していたり、部屋に子どもの好きな玩具が散らかっていたりする中で、何かを伝えようとしても、子どもは話に集中することが難しいかもしれません。そういう時は、普段は使っていない(ものが少ない)部屋に連れて行くなどして、気が散らない環境をつくったうえで子どもに話をするほうが話に集中してもらえるでしょう。子どもを飽きさせないための“演技力”幼稚園・保育園時代は、保育者がピアノを弾いて歌を歌ってくれたり、手遊びをしてくれたりします。けれども、小学校ではそういう訳にはいきません。1クラス35名程度の大勢の子どもたちを集中させるには、内容そのものよりも、教師の声の出し方や身体の動き、小道具の使い方などがポイント。ここで「飽きさせないくふう」が必要になります。どんなに良い内容の授業をしていても、モゴモゴ話していたり、話し方にリズムテンポがなかったりすると、集中の続かない幼い子どもにはうまく伝わりません。それでも子どもたちは「授業中45分間はじっとしていなくてはならない」とがんばるのですが、だんだん集中が切れて、よそ見をしたりモゾモゾ動き出したりします。こういう時は、子どもたちに「真面目に授業を受けなさい」と言うよりも、まずは教師側に「退屈させないくふう」が必要だと思います。「発達障害がある子どもは扱いにくい」と言われることもありますが、私はむしろ「こういう子どもたちを集中させることができる教師は、指導力や技量もきっと高いのだろう」と感じます。これも、家庭で取り入れることが可能です。言葉の内容だけで言うことを聞かせようとするのではなく、声のトーン、スピード、テンポにも気を配る。服装も、エプロンを外したり、きちんとした格好をするなど、「いつもと違う」という雰囲気を出すと、子どもは「ああ、聞かねばならない」と察するのです。Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子子どもに指示を出す時のくふう「早くしなさい」「きちんとしなさい」日常生活の中でこうした言葉を発する場面は少なくありませんが、この曖昧な言い方も、もっとわかりやすく変えることができます。例えば大人だって、病院が混雑している時に「もう少しお待ちください」と言われても、10分なのか30分なのかもわからず、すごく待たされている気持ちになってしまいます。でも「診察まで待ち時間あと20分」と言われたら、見通しが立ってわかりやすいので、待つことができます。まだ人生経験が浅い子どもには、漠然とした言い方では伝わりません。「早くしなさい」と言うよりも、具体的にいつどんな行動をするのか写真で示すと伝わりやすくなります。自然と時計も読めるようになり、親に「早く、早く」と急かされなくても自主的に行動するようになるのです。Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子部屋が散らかる原因のひとつは、物の指定席が決まっていないことにあります。片づけをしていない子に「ちゃんと片づけなさい」と言うのではなく、入れてほしいおもちゃの指定席の写真を貼って「同じように入れてね」と伝える方が、どの子にとっても断然わかりやすいと思います。これは、ある保育園でされていた道具箱のくふう。中身が整理整頓された状態の写真を、箱の裏に貼ってあります。保育士がいちいち指示をしなくても、子どもたちが自分で写真を見て整理整頓できるようくふうされています。このように見える化すると、やるべきことがわかりやすくなり、子どもは自分で考えて行動することができるようになります。Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子どんな子どもにもわかりやすく、伝わりやすいくふうを「住みやすい社会を作るためには、社会的立場の弱い人に話をきくのが一番確実」だとよく言われますが、私も子どもや障害がある人が安心して暮らせる社会は、どんな人にとっても快適で、安心して暮らすことができると思います。特別支援教育の中で使われる方法には、さまざまなくふうが織り込まれています。それは、障害がある子どもだけでなく、どんな子どもにとってもわかりやすいものです。幼児教育に携わり、また障害がある子どもを育てる中で、その実感は確かなものになっていきました。ぜひどんな子どもに対しても、活用してみてください。
2019年03月02日それぞれぴったりな男性は異なってくるのですがその中でも保育士の女性にぴったりな男性をいくつか紹介します。子供好きな男性は保育士の女性にとって魅力的保育士の女性におすすめの男性は、子供好きな男性です。子供が好きなだけでなく、世話好きだと尚いいでしょう。もし子供ができた時も母親だけが育児をするのではなく、父親も育児に積極参加してくれる可能性が高まります。それによって、育児の負担を分散させることができるため、円満な家庭も作りやすくなります。精神的に甘えさせてくれる男性もぴったり保育士の女性は常に子供の面倒を見ているので精神的なストレスもしくは負担が発生する時もあります。その時に保育士女性の話をしっかりと聞いてくれる男性は、精神的に甘えられるのでお勧めです。何か問題が発生した時、気軽に話せるようになるために頼もしい存在として頼っていくことができます。そして色んな問題や悩みを話すことで、ストレス解消でき、再び保育士の仕事を円滑に行えるようになるので重要です。家事を手伝ってくれる男性は心強い存在勤めている保育園の状況によっては、急に出勤しなくてはいけない場合もあります。そこで家事を手伝ってくれる男性は、急な仕事が発生した時も代わりに家事をしてくれる可能性が高いです。また保育園や子供の状態によっては、定時を過ぎても仕事をしなくてはいけない時も出てきます。そんな時も代わりに家事をしてくれる男性ならば、家に帰宅した時に少しでも疲労回復できるので、保育士の女性にぴったりです。特に料理や掃除の他に洗濯を行ってくれる男性は、自分が休みたいという時も代わりに家事をしてくれる可能性があり、良好な関係を築きやすく、円満な夫婦生活を続けやすいです。
2019年02月17日保育園に通っていない場合、集団生活のスタートは幼稚園からとなります。3年保育の場合は満3歳になってから。しかし最近では、入園する1年前にプレ保育を実施している幼稚園が増えており4年保育とまで呼ばれることも。プレ保育を選ぶ際はどのようなことに気を付けると良いでしょうか。また、プレ保育のメリット・デメリットはどんなことでしょうか。プレ保育を考える人が増えている?プレ保育は一部の幼稚園で実施されていますが、理由は「園を知ってもらう」「環境に慣れてもらう」「子育て支援をする」などを目的としています。登園頻度は、4年保育とまで呼ばれる程毎日通う場合や、週や月に1回、数ヶ月に1回など様々です。また保育時間も、数時間や半日、1日など園により大きく異なり、母子同伴の場合も分離の場合もあります。2~4歳の子どもを持つ保護者のアンケートによると、利用経験のある人が約3割、利用を考えている人が約2割で、合わせると半数以上となります。また、通わせた場合複数の園を利用した人は約4分の1で、より良い園を選ぶ為にプレ保育を利用する人が増えていることが分かります。本入園とは違い、かけもちが可能とされる園が大半です。週1や月1などの頻度であれば、複数をかけもちして園を比較するのも良いでしょう。プレ保育のメリット・デメリットプレ保育に通わせるにはどんなメリットがあるのでしょうか。幼稚園というのは、子どもが初めて他人と集団生活をする場所です。産まれてから毎日ママと一緒だった子どもが突然ママと離れて幼稚園生活を送るのですから、慣れるまでには時間がかかることが多いでしょう。入園前に少しでも先生やお友だちと触れ合う機会を持つことで、やがて始まる幼稚園生活をスムーズに送ることができやすくなるというのが一番のメリットでしょう。他にもこんなメリットがあります。・幼稚園の雰囲気や先生との人柄が分かる・入園前から先生に子どものことを知ってもらえる・同じ年頃の友達ができる・ママ友ができる・入園後の送迎イメージがわく・家庭ではできない集団行動や季節ごとのイベントなどの経験ができる・優先的に入園できる権利がもらえる実際に通ってから「合わないな」と思っても転園することは難しいですが、プレ幼稚園であれば園を変えることも可能です。しかし園によっては、プレ保育に通うには入園することを条件としている場合もありますし、プレであっても制服等が必要な場合は通ってからの転園は躊躇されることもあるでしょう。「まだプレ保育だから」と考えず、プレ保育が始まる前から近所の幼稚園について調べておくことが必要です。3年保育を考えているなら、2歳になる前から調べておくことが必要です。プレ保育は費用がかかる?プレ保育自体が頻度も時間も様々な為、当然かかる費用も様々です。私立か公立かということもあり、補助金が出るため無料の園もあれば週5日通う園では2~3万必要な場合もあります。通う頻度の少ない場合は、月謝ではなく年会費として徴収することもあります(基本的には途中でやめても返金不可のことがほとんどです)。その他の費用として、入会金・昼食費・バス代などの交通費・保険料などが別途かかる場合もあります。また、必要な持ち物の購入や、プレ保育であっても園指定の服を購入する必要がある場合もありますので確認が必要です。また、幼児教育無償化が始まりますが、対象は3歳以上の為プレ保育では対象外となる期間があります。週5日通う場合の負担をしっかりと把握しておくことが必要です。我が家の場合は、入園を考えている幼稚園が月1回のプレ保育を行っていた為通いました。月1度で1時間、母子同伴の為、入園というよりはたまに行く習い事という感じでしたが、園の雰囲気を知ることは出来ました。しかし別の園で週2~5日を選択できるプレ保育を実施していることを後から知り、知っていたらそこに通うことも検討したかもしれないなと思いました。「幼稚園は3歳から」と考えていると情報収集が遅くなってしまいます。調べるだけなら1歳からでも早すぎることはないと思います。情報収集をしっかり行った上で、気になる園があり費用などの負担が問題なければプレ保育に通わせることもオススメですよ。
2019年02月04日【ニュース】2019年10月から、就学前の障害児の発達支援を無償化へ!出典 : 年10月から就学前の障害児の発達支援が無償化されます。就学前の障害児の発達支援を含む、幼児教育の無償化については、2017年から検討を進められてきました。2018年12月には関係閣僚会合で制度の具体化に向けて「幼児教育・高等教育無償化の制度の具体化に向けた方針」がまとめられました。対象は、満3歳になった後の最初の4月から小学校入学までの3年間。具体的には、・児童発達支援事業所・医療型児童発達支援事業所・居宅訪問型児童発達支援事業所・保育所等訪問支援事業所・福祉型障害児入所施設・医療型障害児入所施設の利用料が無償化されます。また、幼稚園や保育所、認定こども園をこれらの発達支援と一緒に利用する場合は、ともに無償化の対象となります。認可外保育施設等の場合は上限額があります。就学前の障害児の発達支援には、現行の障害児福祉サービスの制度と同じく、一般財源があてられます。自治体によっては、すでに独自の制度として一部で無償化しているところもありますが、全国的な動きとして、地域間の差がなくなっていくことで、どこで暮らしていても子育てしやすい環境が整えられていくといいですね。幼児教育・高等教育無償化の制度の具体化に向けた方針 | 文部科学省【ニュース】厚労省が「ゲーム依存」の実態調査を実施中!結果から予防や対策を検討出典 : 年1月17日から「ネット・ゲーム使用と生活習慣」についてのアンケートが実施されています!この調査は、2018年6月に世界保健機構(WHO)が、ゲームのやり過ぎで日常生活に支障をきたす依存症を「ゲーム症・障害」という疾患として認め、2019年5月の総会で正式承認する見通しとなったことを受けて計画されました。WHOは、■ゲームをする衝動を止められず、コントロールできない■ゲームを最優先する■日常生活に支障が出てもゲームを続けるといった症状が、12か月以上に渡って続くことを「ゲーム症・障害」という疾患とみなすとしています。2019年度にはネット使用、ネット依存、ゲーム依存等に関するさらに大規模な調査が行われる予定で、今回はその予備的調査の位置づけとされています。今回の実態調査は、厚生労働省依存症対策全国センター調査研究事業の一環で、久里浜医療センターが実施。無作為に選ばれた全国の6,000人が対象です。事前に依頼ハガキが送付され、調査員が直接訪問して行われます。対象となった人は、調査票に記入後、調査員に手渡すか、郵送、またはオンラインで回答することもできます。調査結果は、厚生労働省の政策企画・立案の基礎資料として活用され、予防や治療対策に役立てられます。【期間】2019年1月17日(木)〜2月中旬ごろ【対象】全国の10〜29歳の6,000人「ネット・ゲーム使用と生活習慣についてのアンケート調査」を実施いたします | 久里浜医療センター【ニュース】専門家に相談できる!オンラインの「育児発達相談窓口」を 経済産業省が福利厚生制度として導入Upload By 発達ナビニュース2019年1月から、株式会社WOODYが提供するオンライン育児サービス「育児発達相談窓口」を経済産業省が従業員向けの福利厚生制度として導入しました。「育児と仕事の両立の難しさ」を抱える従業員をサポートし、退職減に取り組むもので、WOODYでは、福利厚生制度として、年内に30社での導入を目指していくとしています。このサービスでは、従業員が周囲に相談しづらい育児の悩みをオンラインで気軽に相談できる機会を提供。臨床発達心理士、作業療法士、言語聴覚士、療育士、子ども向けワークショッププロデューサーといった専門家のカウンセリングを受けられます。WOODYは、発達障害のある子どもが興味を持っている分野の学生や専門家などをマッチングさせ、対面やオンラインでカウンセリングなどを行い、一人ひとりの可能性を伸ばすWEBサービス「Branch」を運営。これまでの経験をいかして、育児や子どもの発達に悩む従業員を対象に、この「育児発達相談窓口」を開設しました。株式会社WOODYの中里祐次代表取締役のコメント「育児に関してすべて相談できる場所というのは中々なく、一人で悩んでいる方が多いです。このサービスを始めたきっかけは、私個人宛に様々な方から育児や発達に関する相談をもらっていたからです。家庭の中の内容なため勤めている場所には相談しづらく、何も伝えないまま転職してしまったり辞めてしまったりということがこれまで多かったです。そういった一人ひとりの悩みをお聞きして、従業員の方を大切にしたい法人様の課題解決の一助となれば幸いです。」【お問い合わせ】Email: contact@thewoody.jp サービスサイト【イベント】自閉スペクトラム症の知覚をVRで体験できるワークショップが開催出典 : 年3月2日(土)と3月3日(日)に、自閉スペクトラム症(ASD)知覚体験ワークショップが開催されます。ワークショップでは、自閉スペクトラム症(ASD)当事者の知覚を、VR装置を用いて疑似体験できます。また、ASD当事者における知覚過敏・鈍麻のメカニズムについての講義や当事者の体験等に関する映像紹介、座談会を通じて、当事者への理解を深めていくプログラムが組まれています。【日時】3月2日(土)13:00~17:30(12時40分受付開始)3月3日(日)12:00~16:30(11時40分受付開始)※いずれの日程も同一内容です。※いずれか1日のみご参加いただけます。※過去に同一内容のワークショップにご参加いただいた方は、お申込みいただけません。ご了承ください。【場所】大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)5F大会議室2京阪「天満橋」駅、Osaka Metro(旧大阪市営地下鉄)谷町線「天満橋」駅 ①番出入口から東へ約350mJR東西線「大阪城北詰」駅下車。②号出口より土佐堀通り沿いに西へ約550m大阪シティバス「京阪東口」からすぐ()【内容】1.講義「自閉スペクトラム症の視覚世界を体験~なぜ対人コミュニケーションが難しいのかを考える~」(情報通信研究機構長井志江 主任研究員)2.ASD視覚シミュレータの体験3.ASD当事者の体験および海外の支援設計事例についての映像紹介4.座談会:学びや気付きの共有、議論【対象】ASD当事者のご家族や支援者、障害者雇用を担当されている方など【参加費】無料【定員】両日ともに60名(抽選)【応募締切】2019年2月11日(月)※当選者の方にのみ、応募期間終了後1週間以内(2月18日(月)まで)にご連絡いたします。【主催】JST CREST「認知ミラーリング」情報通信研究機構脳情報通信融合研究センター東京大学先端科学技術研究センター当事者研究分野株式会社LITALICO【応募方法】下記のフォームよりお申し込みください。参考:CREST特設ページ【イベント】「世界ダウン症の日」「ダウン症啓発月間」直前!キックオフイベントへ参加しよう!(東京都)Upload By 発達ナビニュース3月21日は国連の定めた「世界ダウン症の日」、また3月は日本ダウン症協会(JDS)が定めた「ダウン症啓発月間」です!日本中でさまざまな啓発イベントが開かれるのに先立って、キックオフイベントが開かれます!ステージパフォーマンスやトークセッション、チャリティTシャツのお披露目ファッションショー、さらに関係団体による体験ブースなどなどさまざまなプログラムが予定されています。総合司会は、朝のテレビ番組でおなじみの笠井信輔アナウンサーと、ダウン症のイケメンタレントあべけん太さんが務めます。生き生きと活動するダウン症の人たちに触れながら3月の本番に向けて理解を広げるために、会場へ足を運んでみませんか?【日時】2019年2月11日(月)13:00〜16:00【場所】東京都新宿区立四谷区民ホール(東京都新宿区内藤町87)【対象】どなたでも参加可能【参加費】 1,500円 ※未就学児で大人の膝の上に乗せられるお子さんは無料【内容】・ステージ「TEAM RAMI DREAM TEAM( ゴールデンホークス)」によるチアダンスパフォーマンス玉井邦夫JDS代表理事がダウン症のある人とトークセッションパリコレモデル髙木真理子先生(スマイルウォーキング倶楽部代表)ディレクションのチャリティTシャツお披露目ファッションショー世界ダウン症の日、ダウン症啓発ポスター発表JDSからのアピール文採択・ブースNPO法人アクセプションズハンドスタンプアートプロジェクトによるハンドスタンプ体験東京都自閉症協会による自閉症啓発ブース新宿区手をつなぐ親の会知的障害疑似体験キャラバン「Winds」JDSによる書籍販売、子育て手帳「+Happyしあわせのたね」配布世界ダウン症の日 | 公益財団法人日本ダウン症協会【イベント】障害のある人たちが生み出す作品の"記録"と"伝えること"をゲストと語る座談会「かすかなしるしに耳をすます 」(東京都)Upload By 発達ナビニュースみずのき美術館(京都)、鞆の津ミュージアム(広島)、はじまりの美術館(福島)の合同プロジェクトによる障害のある人の創作物を記録し伝えることについて考える座談会です!各美術館は、障害者支援施設が運営母体となっています。このプロジェクトでは昨年度から、施設利用者の方をはじめ、各地域で生活されている障害のある方や人知れず表現活動を続ける方によって生み出された作品・創作物の調査を三館合同で行ってきました。そして作品をデジタル・アーカイブとして記録・保存・公開しています。これまで三者三様の「アーカイブ」を探りながら合同でプロジェクトを進めてきましたが、よりオープンな議論ができる場として、今回の座談会を開催。ゲストは医学書院で「ケアをひらく」シリーズを編集する白石正明さん。あらゆる領域で「ケア」に向き合ってきた人たちの技法や知を書籍として編み上げ注目されている編集者です。また、プロジェクト設計者である須之内元洋さんがモデレーターを務め、「生きること」の多様さや複雑さを記録し伝えていくための方法や可能性について語ります。【日時】2019年2月16日(土) 14:00〜16:30【場所】日本財団ビル8階(東京都港区赤坂1-2-2)【内容】ゲストスピーカー: 白石正明(医学書院『ケアをひらく』シリーズ 編集者)スピーカー: 奥山理子(みずのき美術館)、津口在五(鞆の津ミュージアム)、 大政愛(はじまりの美術館)モデレーター: 須之内元洋(プロジェクト設計者)【参加費】無料【定員】100 名※要申し込み。定員になり次第締め切り※文字支援のアクセシビリティサービスあり各美術館のアーカイブスは次の通りです。※みずのき美術館は美術館内で「みずのきアーカイブ」として公開福六アーカイブズ | 鞆の津ミュージアムはじまりアーカイブスunico file | はじまりの美術館*みずのき美術館のページに遷移します【ニュース】専門家の講演内容も見られる「サイエンスアゴラ2018公開シンポジウム」開催報告ページを開設!Upload By 発達ナビニュース2018年11月に東京都で開かれた、サイエンスアゴラ2018 公開シンポジウム「地域での発達障害支援を考えよう〜うちの子、少し違うかも...Final」。当日の様子を報告するウェブページが開設されました!当日、会場に行けなかった人も、いつでも専門家の講演やパネルディスカッションの内容を見ることができます!開催報告ページでは、発達障害支援について医療・療育・教育などの様々な視点で、研究者や現場支援者から、エビデンスに基づいた地域支援の実践例が紹介されました。当日の内容を見ながら、さまざまな分野の専門的支援と地域住民の生活支援が、『地域』の中で提供されるための方法について一緒に考えてみませんか。【内容】・講演資料(PDF及び動画)・パネルディスカッション映像及び主な議論・イラストを利用したまとめ(グラフィックレコーディング)・関連情報など*社会技術研究開発センターのページに遷移します【イベント】不登校ライブフェスが開催出典 : 年2月15日(金)、4月の新学期に向けて、「不登校」をキーワードにしたフェスが開催されます。新しい環境で新しい自分に出会うきっかけを、音楽を通して感じてほしいと企画されたイベント。「不登校だったことが、よかった」と思える居場所を見つけた、国立音楽院の生徒たちによる渾身のステージも。生きづらい系シンガーソングライター・風見 穏香さんや、子どものSOSシンガーソングライター・悠々ホルンさんのステージも予定されています。【日時】2019年2月15日(金)15:00開場、 15:30開始【会場】KMAパラダイスホール(〒154-0001東京都世田谷区池尻3-28-8 国立音楽院B1F)【参加費】500円【内容】15:00 開場15:30 弾き語りライブ生きづらい系シンガーソングライター・風見 穏香さん16:05 トーク + ライブ国立音楽院 中等部在校生の本人&お母様16:45 トーク + バンドライブ 不登校経験者としての悠々ホルンさん17:40 参加者全員にプレゼント抽選会 + テーマ曲を合唱【主催】国立音楽院
2019年02月01日藤井聡太七段(*)が幼いころ受けていたことで注目を集めている『モンテッソーリ教育』。その歴史は古く、とくに海外では優秀な人材を育てる教育法として確固たる地位を築いています。一方で、「興味はあるけど、近所にモンテッソーリ教育の幼稚園や保育施設がない……」と諦めている方もいるのではないでしょうか?たしかにモンテッソーリ教育は、専門の知識を身につけた教員のもと、専用の教具を使わなければ学ぶことが難しいと思われがちです。しかし、自宅でもその要素を取り入れて遊ぶことは可能なのです。今回は、モンテッソーリ教育を取り入れた遊びの紹介と、それによって子どものどんな能力が伸びるのか、詳しくご説明します。*…2019年1月現在自立心と自己肯定感が育まれる独自の教育メソッドまずは、モンテッソーリ教育について簡単におさらいしましょう。■モンテッソーリ教育とは?女性医師であり教育家でもあったマリア・モンテッソーリによって、20世紀初頭にイタリアで考案された、子どもの自発性を重視する教育法。「子どもには自分を育てる力(自己教育力)が備わっている」という考え方が根本にあり、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」ことがモンテッソーリ教育の目的。40年以上にわたりモンテッソーリ教育を実践している『愛珠幼稚園』の園長・天野珠子先生は、「子どもの自主性を尊重し、それを大人が気づき、手伝うことで子どもの自立につなげていくことを大切にしています」と話します。つまり、親がすべきことは、「手取り足取りフォローしてあげるのではなく、挑戦する心を育てて応援すること」なのです。天野先生は「一人でできることが増えるほど、子どもの自己肯定感は育ちます」と述べています。モンテッソーリ教育とは、子どもを自立へと導き、自分で考えて物事に対応できるようになる、いわば“生きる力”を育む教育法でもあるのです。■モンテッソーリ教育の特色子どもは、その時期の発達に沿って「一人でやりたいこと」が出てくる。それは、“ある時期”に“ある行為”のみに現れることがわかっており、その時期を『敏感期』と呼ぶ。敏感期には、その時期に合わせた専用の教具を使って遊ぶ。それらの教具を使ったあらゆる学習活動を『お仕事』と呼び、子ども自身が自由に選んで遊ぶことで発育と自立をうながす。天野先生によると、「敏感期に合わせて、夢中になることを満足するまでやらせてあげるという経験が子どもの成長には必要」とのこと。敏感期に適切な環境に出合うと、子どもは集中現象を起こします。そして、集中現象が次々に満たされていくと心が満足し、お腹が空いたのも忘れるほど夢中になるらしいのです。私たち大人は、子どもが夢中になって何かに取り組んでいる様子を見守りたい反面、時間の都合や周囲への遠慮などから「さ、もう充分遊んだでしょ?」と切り上げてしまうことがよくあります。しかし、子どもの“夢中”は、大きな成長につながる重要な鍵です。時間や状況が許す限り、満足するまでとことんやらせてあげましょう。続いて、『敏感期』と『お仕事』について詳しくご説明します。敏感期に寄り添う優れた教育プログラムまず、本格的な『敏感期』に入る前に幼稚園で最初に行うのは【日常生活の練習】です。これはモンテッソーリ教育の基礎にもなるので、しっかりと身につけなければなりません。その後、【感覚教育】【言語教育】【算数教育】【文化教育】と続きます。■日常生活の練習大人のまねをしたがる「模倣期」と、身体が発達する「運動の敏感期」を利用して、自分の体を意志通りにコントロールする能力を身につけることが目的です。・ボタンをかける・室内を掃く・洗濯をする・ものを磨く・縫うなど、日常生活で行うさまざまな動作を大人がお手本を見せながら練習します。「自分のことを自分でできるようになる」という自立心や独立心のベースを築くことができます。■感覚教育言語・算数・文化教育という知的教育分野の基礎となります。感覚器官を使ってさまざまなことを練習し、感覚を洗練させることで、外界からより繊細な情報を収集できるようになり、知性や情緒が発達します。・対にする・段階づける・仲間分けするという3つの操作法が組み込まれた教具を使うことで、「ものを観察する能力」と「ものを考える方法」が身につきます。■言語教育絵カードや文字カードを使い、ことばの発達段階に合わせてきめ細やかなステップを踏んで、語彙を豊富にしたり文法を覚えたりします。「日常生活の練習」や「感覚教育」と合わせて行うことで、自然と文字の読み書きができるようになります。■算数教育算数教具を手で扱いながら、数の概念の基礎、十進法から簡単な計算までを学びます。ビーズを使い、数の具大量や十進法で桁が上がることを体感したり、数種類の切手を交換して掛け算を覚えたりします。■文化教育「ことば」と「数」以外の幅広い分野を学びます。世界地図パズルや時計などの教具に触れながら、子どもの知りたいという要求に応えるのです。分野を統合した「総合学習」のようなものです。幼稚園や教育施設で使用される教具は360種類にものぼり、すべて体系的につながっています。赤、青、黄の三原色をベースにした色鮮やかなものが多く、優れた教育的効果を発揮するだけではなく、子どもが思わず触りたくなるような魅力あふれるものばかりです。モンテッソーリで学ぶ子どもの「お仕事」モンテッソーリは著書の中で、「大人の仕事が生産的労働であるならば、子どもの仕事は人間を形成すること」と述べています。「つまみたい」「並べたい」といった衝動も、子どもの内面からあふれる自立への強い欲求であると言えるでしょう。つまり、家庭の中での自立や人間形成につながる事柄はみんな、子どもが自分自身を創るための「お仕事」でもあるのです。「モンテッソーリのメソッドを家庭で取り入れるためには、何よりも大人の子どもに対する接し方を重視する必要があります」と語るのは、モンテッソーリ教育施設「吉祥寺こどもの家」園長の百枝義雄先生。まずは、子どもをよく「観察」することから始めましょう。親にとっては不可解に見える子どもの行動にも、子どもが大きく成長するヒントが隠されているのです。子どもの “こだわり” と “伸びる能力” の関係性は以下です。同じことを同じ順序で繰り返したい「順序へのこだわり」→段取り力へ発展同じことを同じようにしたい「習慣へのこだわり」→集中力を育てる同じ場所に同じ人がいないと気持ちがわるい「場所へのこだわり」→倫理観へ発展高いところに乗って歩きたい「運動へのこだわり」→バランス感覚をつける3本指を使いたい「指先運動へのこだわり」→器用な手先をつくる(引用元:東洋経済ONLINE|家でもできる「モンテッソーリ教育」のコツ)このように、「こだわりを満足させることで伸びる能力」について理解できていれば、家庭でもモンテッソーリのメソッドを取り入れやすくなるはずです。家庭で子どもの能力を引き出すポイント次に、モンテッソーリ教育を取り入れた簡単な遊びをご紹介します。おすすめは「親指・人差し指・中指」の三指を使うお仕事です。【あけ移し】トングなどを使って豆や石を一方の容器からもう一方の容器に移します。100円ショップでも手に入るシュガートングが、子どもの手にはちょうどいいですよ。慣れてきたらピンセットを使って、大きめのビーズのあけ移しにも挑戦してみましょう。仕切りのあるケースを使えば、色別に分けて入れることもできます。色を認識し、判断して選り分けるという工程が生まれるので、難易度もアップしますよ。【お料理のお仕事】玉ねぎの皮むきや茹でたじゃがいもの皮むき、またはゆで卵の殻をむく、など「むく」という作業は料理を始める最初のステップとして非常に有効です。指先を使うだけの作業なので危険度が低く、すぐに達成感が得られるのもいいですね。また、前出の百枝先生による『「自分でできる子」が育つ モンテッソーリの紙あそび』(PHP研究所)では、モンテッソーリ園と同じ「お仕事」を自宅で再現する方法が紹介されています。この本を参考に、ハサミやのり、とじ針と毛糸などの道具を用意すれば、付属の型紙を使って気軽に「お仕事」に挑戦できます。たとえば、型紙を写して線に沿って「切る」、線に沿って一定間隔で描かれた点を目印にして「穴をあける」または「縫う」など、モンテッソーリのメソッドに基づいた手法で遊ぶことができるのです。そして、あの藤井七段が子どものころ100個作ったことで話題になった「ハートバッグ」の型紙と編み方も載っています。最後に、子どもが興味を抱き「やってみたい!」となったとき、親は次の点に注意しましょう。・親のお手本を子どもが見ているときには話さない・説明するときは動きを止める・手出しや口出しはしない・子ども自身が試行錯誤するチャンスを奪わない・出来ばえを評価しない穴をあける道具(「かるこ」など)や、抜い差し用の針は、初めて使わせるとき「危なくないかな?」と心配になるかもしれません。使うときは危なくないように見守ったり、子どもの手でも扱いやすい小さめの道具を用意したりと、「どうしたら子どもがうまく使えるか」ということを考えて取り組ませるといいでしょう。『「自分でできる子」が育つ モンテッソーリの紙あそび』(PHP研究所)***モンテッソーリ教育を家庭でも取り入れるには、道具を揃えるより先に「親の心がけ」が必要です。子どもが夢中で取り組んでいる様子を黙って見守り続けるーー簡単なようで難しいですよね。しかし、子どもには大人が思っている以上の能力が備わっています。子どもの自己教育力を信じて、見守ってあげましょう。(参考)Study Hacker こどもまなび☆ラボ|藤井聡太六段、Amazon共同創立者ジェフ・ベゾスが幼児期に受けていた「モンテッソーリ教育」とは?日本モンテッソーリ教育綜合研究所|モンテッソーリ教育についてStudy Hacker こどもまなび☆ラボ|子どもの自主性を尊重し、集中力と柔軟な対応力を育む「モンテッソーリ教育」【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】Study Hacker こどもまなび☆ラボ|子どもたちが自ら育つ力を応援する「モンテッソーリ教育」のメソッド【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】産経WEST|天才・藤井四段も学んだ「モンテッソーリ教育」とはー集中力と自分らしさ、周囲に流されず「好きなことをとことん追求する子供」に『できる子になる!0歳からのお手伝い』クーヨンBOOKS12,2015年6月,クレヨンハウス.東洋経済ONLINE|家でもできる「モンテッソーリ教育」のコツ百枝義雄・百枝知亜紀 著(2018年),『「自分でできる子」が育つ モンテッソーリの紙あそび』,PHP研究所.
2019年01月29日教育資金は、人生三大資金の1つとされ、子育て世帯の方々からしますと、子供が誕生したことをきっかけに、貯金や資産運用などといった方法であらかじめ教育資金の準備をする方が多いと思います。しかしながら、いざ、教育資金が必要な時期になった際、準備していたお金よりも足りない場合も十分に考えられることから、時には教育ローンなどの借入に頼らざるを得ない場合もあることは確かです。そこで本記事では、教育ローンの借入を検討している方を対象に、教育ローンの総合案内記事として、教育ローンの基本的なポイントから、教育ローンの審査・金利・おすすめなど、多くの方が持っている疑問や教育ローンで押さえておきたいポイントまとめて紹介します。教育ローンとは教育ローンとは、おもに、子供の進学にかかる教育費用や授業料などの支出に充てることを目的としたローン(借金)で、大きく国の教育ローンと民間の教育ローンに分けられます。厳密に解説しますと、教育ローンは、子供の教育資金だけに借入が限られているわけではありませんが、通常、教育ローンは、子供のまとまった教育資金を準備するために活用されることが多くなっているのが現状です。また、基本的に教育ローンは、両親が教育ローンを申し込んだ金融機関からお金を借入することも多いため、教育ローンを申し込む時点において、借入する方が、定職に就いていることや個人信用情報に問題がないことなど、細かな事情も問われることになります。併せて、教育ローンは、完済までの返済期間が長くなってしまうことが一般的であるため、何も考えずに借入するのではなく、ライフプランを考えた借入のメリットとデメリットもあらかじめ知っておくことがとても大切です。以下、教育ローンの基本的な部分から教育ローンのメリットおよびデメリットも紹介した記事が同サイト内で公開されておりますので、そちらも合わせて読み進めてみることをおすすめします。教育ローンの返済計画を立てた借入をしっかりと行いましょう教育ローンは、通常、借入から完済までの返済期間が長くなってしまうことが多いため、あらかじめ、教育ローンの返済計画を立てた借入をしっかりと行う必要があります。特に、教育ローンの返済計画を立てる上で大切なポイントは、家計確認をすること、そして、教育ローンの返済シミュレーションを実行することの2つは絶対に欠かせないポイントと言えます。また、できる限り、教育ローンの繰上返済も考慮した返済計画を立てることができれば、将来のライフプランにゆとりが持てる結果につながるとも考えられます。教育ローンを借入する際は、限度額いっぱいで借入しないこと教育ローンは、いくらくらい借りるのが良いのか?といった疑問を抱えている方も多いと思いますが、こちらの考え方につきましては、住宅ローンの考え方と同じように、限度額いっぱいで借入することは厳禁です。この理由は、借入できるお金を借りたとしても、そのお金を借入から完済までの長い期間に渡って滞ることなく返済できなければ本末転倒だからです。では、どのような考え方で教育ローンを借入する必要があるのでしょうか。それは、ご自身の懐具合に合わせた返済可能額で借入する必要があります。返済可能額とは、その名前の通り、毎月余裕を持って返済していくことができる金額のことを指し、具体的に、毎月の手取収入から家計支出などを差し引いた後の実際に余るお金を考えなければなりません。なぜならば、新たに教育ローンの借入を行うということは、返済時期は別として、毎月の収入から家計支出などを差し引いた後の余るお金から新たに教育ローンの返済が支出されることになるためです。そのため、返済可能額を考えずに教育ローンの借入を行った場合、毎日の生活に支障が生じることが考えられ、多重債務の原因や最悪な場合は、自己破産といった結果を招いてしまう原因にもなり兼ねません。教育ローンと奨学金のどちらを使うのが良いのか?まとまった教育資金を準備するための方法には、教育ローンを借入するほかにも、奨学金を活用する方法もありますが、教育ローンと奨学金のどちらを使うのが良いのか?といった疑問を持たれている方も多いと思います。上記表を見ますと、教育ローンも奨学金も、いずれも教育資金を目的とした借入であることには変わりありませんが、借入する人や資金の受け取り方など、細かな点を比較して見ていきますと、大きく異なることが一目でわかります。ただし、いずれの借入をするにしても、特に、保護者の方には、教育ローンを借りる前に知っておいていただきたいお金の考え方があり、先に解説した返済計画を立てる場合やシミュレーションをする場合も「教育ローンと奨学金を借りる前に知っておきたい考え方とは?金利や損得以前に押さえるべきポイントを紹介」記事を通じて確認することができます。ご自身の将来のライフプランにも活かされる内容となっておりますので、併せて読み進めてみることをおすすめします。教育ローンや奨学金を活用して失敗しないために必要なこと教育ローンや奨学金は、お金を借入する人が異なるものの、いずれも長期の借金でありますから、計画的な準備と対策をしておかなければ、後々、生活が困窮する原因や最悪な場合、自己破産などに追い込まれる危険性があります。このような失敗をしてしまう一番の原因は、お金を借入する本人の考え方や事前行動の欠如にあると筆者は率直に感じておりますが、すでに紹介した返済計画や事前対策をあらかじめ行っておくことで、失敗することは簡単に避けられることは確かです。人の振り見て我が振り直せと言われることもありますが、どのような考え方が失敗することになるのか、以下、教育ローンや奨学金の質問から典型的に失敗する原因を個別に解説している記事がありますので、教育ローンや奨学金を活用する予定がある方は、以下の記事も読み進めておくことを強くおすすめします。教育ローンの審査に通過するためのポイント教育ローンを借入するためには、教育ローンを申し込んだ金融機関の審査に必ず通過しなければなりませんが、どの金融機関でも審査される一般的な審査項目は以下の通りです。個人信用情報に著しい問題がないか安定した収入があるのか教育ローンが、収入に対して多重債務にならないか上記の審査項目に対して、1つでも問題がある場合は、教育ローンを借入することは難しくなる可能性が高くなりますが、これら3つの具体的な解説につきましては、以下記事からそれぞれ個別に確認することができます。将来的に教育ローンの借入をする予定がありそうな方は、特に、読み進めていただきたい内容となっており、中には、教育ローンの借入が必要だからといって、短い期間で一時的に対策しようとしてもどうにもならないこともありますので、要チェックです。教育ローンの借入をするには、どこがいい?教育ローンの借入をするには、どこから借入すれば良いのか気になる方も多いと思いますが、この疑問を解決するためには、国の教育ローンと民間の教育ローンについて、それぞれ特徴を知ることが大切です。また、国の教育ローンや民間の教育ローンは、金利や融資限度額にもそれぞれ違いがあることから、特徴を知るだけではなく、それぞれを比較検討していくことも大切になります。なお、以下、同サイト内で公開している記事では、国の教育ローンと民間の教育ローンの違いについて比較しており、併せて、金利や特徴についても紹介しているため、教育ローンの借入をどこからしたら良いのか疑問を抱えている方にはおすすめです。教育ローンを比較検討するためのポイント教育ローンを比較検討する際のおもなポイントは、以下の通りです。金利は、どのような種類があるのか年利率は、どのくらいなのか保証料や保証人が必要なのか借入金額はどのくらいまで可能なのか返済期間はどのくらいまでなのか融資の対象となる条件はどうなのか上記の内容は、金融機関によってすべて異なるほか、いわゆるメガバンクと呼ばれる有名な銀行だからといってお得な融資条件であるとは限りませんので、やはり、複数の金融機関同士で比較検討することがとても大切です。教育ローンの金利を考える上でのポイント教育ローンや住宅ローンを借入する上で、金利を見て借入を検討することは当然のことである一方、目に見える金利(表面金利)だけで選ぶことは厳禁です。また、教育ローンには、おもに3つのリスクがあると考えられ、教育ローンを借入する前のリスク、教育ローンを借入している在学中のリスク、卒業した後における返済途中のリスクについて考えておくことも大切です。そのため、教育ローンの金利だけではなく、これら3つのリスクについて、どのようなリスクでどのような対策を考えておく必要があるのか、あらかじめ知っておくことをおすすめします。教育ローンを銀行から借入する場合の注意点教育ローンを銀行から借入するということは、民間の教育ローンを借入することを意味し、担保や保証料について、あらかじめ注意しておかなくてはなりません。これは、国の教育ローンに比べて民間の教育ローンは、種類が様々あることに加え、担保の有無によって金利や借入限度額が異なるほか、保証料があるといった特徴があるためであり、結果として、これらは将来返済していくことになるお金に直接の影響を与えるためです。ちなみに、国の教育ローンは、銀行に比べて金利が低く、保証料や担保も必要ないことから、優先して教育ローンの借入を検討されることをおすすめしたいのですが、借入できる金額が少ないことや同居している親族以外の保証人が必要などといった縛りもありますので、この辺の注意点も知った上で、どちらの教育ローンを活用するのが得策なのか検討する必要もあるでしょう。教育ローンについてのおすすめ記事を紹介教育ローンは、借入から完済までの返済期間が長いものであるからこそ、借入計画や返済計画を立てることは、とても大切になりますが、何よりも教育ローンを無事完済し終えた成功者の体験談を知ることは大切だと考えます。成功談、失敗談から学べることはたくさんあるわけでありますから、教育ローンを借入する前は、教育ローンの完済に成功した方の体験談を目通しすることで、これからの借入に活かすことをおすすめします。なお、教育ローンは、住宅ローンの借入と同じように、長い期間に渡って返済をしていかなければならないことが多いため、返済期間中に、借り換えを検討される方もおられると思います。こちらに関しましても、教育ローンの借り換え効果について考察したものを公開しておりますので、併せて読み進めておくことで、より、教育ローンを初めて借入する際の大切さがおわかりになると思います。教育ローンまとめ教育ローンの総合案内記事として、教育ローンの借入から完済までに必要なことを幅広く紹介させていただきましたが、本記事の内容を一通り目通しいただきまして、関連記事を読み進めていただくことで、無理のない教育ローンの借入ができるものと思います。教育資金は、人生三大資金の1つにあたり、多くのみなさまにとって極めて重要なお金にあたりますが、教育ローンを借入する場合は、計画的な借入と返済計画をあらかじめ立てておくことでうまくいくことは確かです。本記事が、これから教育ローンを借入するみなさまにとって有意義なものになっていただければ幸いです。
2019年01月18日「子どもには英語を話せるようになって欲しい…。英語教室に通わせた方がよいのかしら…」これからの英語教育に不安をもつママは多いと思います。2020年度からセンター試験に代わる「大学入学共通テスト」が導入され、英語の試験では「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能が問われます。それにともない、小学校では高学年から英語が教科として正式にスタート、中学校では英語の授業を英語のみで行い、高校では生徒自身が英語で発表・討論・交渉などの活動を行う予定です。幼児期からの英語教育が当たり前になりつつある社会ですが、何から手をつけるべきか悩みますよね。そんなお悩みママに手軽にできる自宅での英語遊びを紹介します。英語遊びは何歳から?自宅での英語遊びには年齢制限がありません。0歳からでも、幼稚園に入ってからでも大丈夫。思い立ったが吉日で、親子で楽しむことが何よりも大切です。なぜなら、将来的な目標は「バイリンガルな子どもを育てる」なんて大それたものではなく、「英語を嫌いにならない子どもを育てる」ですから。ゆったり構えましょう。具体的に何をするの?幼児期はこれから問われる英語の4技能のうちの「聞く」と「話す」がとても得意な時期です。まずはわが子が好きな絵本を用意しましょう。日本語、英語、どちらでも構いませんが、ひらがなが読めると日本語の絵本だと読み始めてしまうので、英語の絵本がおすすめ。「私には英語での読み聞かせはムリ!」というママ、ご安心ください。読み聞かせではなく、絵本を使って質問遊びをしましょう。"What’s this?"から始めよう!"What’s this?"(これなーんだ?)"It’s an elephant!"(ぞうさん!)絵本に出てくる動物やモノを指さして、お子さんに問いかけてみてください。最初は「ママ、何言ってるの?」と思っているお子さんも回を重ねるうちに「エレファント!」と元気よく答えてくれると思います。ここでママがやらなくてはいけないことは、"What’s this?"の正確な発音を覚えること、そして、絵本に載っているモノをすべて英語で覚えること。子どもは数回聞けば、あっという間に覚えてしまいます。お子さんに負けないように頑張りましょう!慣れてきたらほかの質問もしてみよう!"What color is this?" (この色は何色?)"It’s red!"(赤!)お子さんが好きなモノを英語で言えるようになったら、色も一緒に覚えてもらいましょう。これは絵本がなくてもできるので、おやつの時間、お風呂の時間などを利用して遊ぶこともできます。色を覚えたら、次は形(shape)という感じで、日本語と同じように英語でもどんどん質問遊びをしましょう。子どもは大好きなママと英語でコミュニケーションをとることで、「英語って楽しい」と思ってくれます。英語遊びのポイントは「続けること」!子どもが大好きな遊びを英語でやる、ただそれだけです。でも、ここで重要なポイントは「続けること」。幼児期は覚えるのも早いですが、忘れるのも早い時期。自宅で英語遊びを続けることで、「英語=遊び=楽しいもの」と脳に記憶され、小学校からの英語教育にも抵抗なく取り組めると思います。そして、「英語を嫌いにならない」子どもは将来的に英語力を身につけることができます。これは私の実体験からの感想ですが、長くなるのでまた今度。お手軽な英語遊び、ぜひ一度親子で楽しんでみてくださいね。<文・写真:フリーランス記者稲井華子>
2019年01月10日小学校から英語が義務教育化されたんですよ。娘は来年小学3年生なんですよ。何もやってない…! やってないよ!と思っていたところ…まずは英語に対して興味を持つこと、嫌いにならないことが大事らしく子どもの好きなアニメを2カ国語放送で見るのも良いとのこと。それなら、やっぱりディズニーでしょ! と思って調べたところスカパー!ならディズニーのアニメを2カ国語放送で見れるとのことで…圧倒的なチャンネル数「11ジャンル50ch見放題」 3台まで追加料金なし スカパー!基本プランとは? 基本プランだと50ch見放題!なので…結局、日本語のアニメも楽しんでます。 (ディズニーの2カ国語放送も見てるよ!(笑))レコーダーが大活躍です。そして何より…ここからは私の推し番組をご紹介!いろんな番組があるので、寒い寒い外に出たくない季節も楽しみに…!家を楽しくするのは、テレビだ スカパー!基本プランで見られる番組はこちら こちらの記事アンケートにご協力ください PR:スカパーJSAT株式会社
2018年12月27日2020年に日本の教育が大きく変わると言われています。学習指導要領の改訂と大学入試改革が行われます。変わるとは知っていても具体的にどんな風に変わるのか、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。「うちの子はまだ小さいから早いな」と思う方もいるかもしれませんが、小学校の勉強がどう変わるのかを知って、早くから対策をすることは決して無駄にはなりません。まずは改革の概要をしっかり理解しましょう。1. 学習指導要領の大幅な改定学習指導要領とは、日本教育の大まかな指導目標です。都度見直されていますが、2020年には小・中・高校で全面的に見直されます。教科・科目面では、小学校3・4年生で「外国語活動」、5・6年生で「英語」教科化、高校では「公共」「歴史総合」「地理総合」「理数探求」などが新設されます。さらに学びの特徴として以下のようなものが導入されます。(1) アクティブラーニングの導入アクティブラーニングとは「主体的・対話的で深い学び」を示し、教科ではなく授業方法です。正解を先生が教える一方的な授業ではなく、解き方を班ごとに話し合ったり個々に意見を出し合ったり、という双方向、対話的な学びのスタイルを取ります。(2) プログラミング教育の実施小学校でプログラミングが必修化されます。プログラミング言語や技術を学ぶというよりは「プログラミング的思考」を学びます。プログラミング的思考とは、何か問題があるとき解決するための最適な方法を考え、予測し、それをトライ&エラーで解決することです。今までの、知識を詰め込みいかに覚えるかという教育から、覚えたことをどう使っていくかに重点が置かれていきます。解決力や、持っている知識をどう使うかが問われるようになります。2. 英語改革年々進むグローバル化に向けて、英語教育についても改革が行われます。使える英語力を目指し、学習開始年齢の前倒し・4技能(聞く、話す、読む、書く)の取得を求めての改革となります。・小学校3・4年生週1コマ程度の「外国語活動」年間35コマの授業聞く・話すことの言語活動・小学校5・6年生週2コマ程度の「英語」年間70コマの授業成績(数値による評定)がつく活字体の読み書き語順への気付き・中学生・高校生英語の授業は英語で行うことを基本とする高校では「論理・表現」の科目新設(スピーチ、プレゼンテーション、ディベート、ディスカッションなど)覚える単語数も、現状は中学で扱う英単語が1200程度ですが、小学校の間に600~700語学びます。現状の中学生レベルの半分以上を、小学校卒業までに学ぶということですね。そして英語についても、覚える授業から、コミュニケーションを重視とした内容に変わっていきます。より実践的な話す力が求められることになります。但し2020年に向けて既に任意で英語を取り入れる小学校も増えています。私の息子が通う小学校では、外国人講師を招いた外国語活動を隔週1回程度行っているようです。3. 大学入試も大きく変わる2020年の改革では、大学受験も大きく変わります。まだ幼稚園や小学校低学年だとピンとこないかもしれませんが、成長と共に関係してくる部分ですので今の内から理解しておきましょう。大きく変わるのはマークシート方式の「センター試験」が廃止となり、「大学入学共通テスト」に移行します。数学・国語で80~120字の記述があるなど、思考力・判断力・表現力も評価されます。英語についても、今までの「読む・書く」から「読む・書く・聞く・話す」を評価され、民間資格や検定試験も評価されます。活用できる資格・検定試験は「ケンブリッジ英語検定」「TOEFL」「TOEIC」「IELTS」「TEAP」「英検」「GTEC」で、高校3年生の4~12月に受検した2回までの結果が採用されます。今までの知識を詰め込む教育からどのように変わるのかお分かりいただけたでしょうか。ただ、思考・判断するためには当然知識が必要となります。知識があるのはあくまでスタートラインということになり、そこから考える・自分の意見を言う力が必要になってきます。それを試験やテストで発揮するためには、日頃からの勉強方法を少しずつ変えていく必要があるでしょう。大学受験を考えていない場合でも、こういった能力は将来社会で必ず必要となってきます。頭の柔らかい小学生の内から意識することで、無理なく少しずつ力がつくはずです。学校や塾の勉強も大切ですが、一番良いのは家庭でコミュニケーションを取っていくことです。是非会話の時間を多く持ち、子どもにたくさん質問を投げかけることを意識してみて下さい。教育改革に負けない地頭を作っていきましょう。
2018年12月21日ICTとは、Information and Communication Technology(情報通信技術)のこと。広く知られているIT(Information Technology)に代わって使われつつある言葉です。「ICT教育」や「教育のICT化」といった表現を耳にしたことはありませんか?高度に発達したテクノロジーを利用し、より効果的に教育を行おうとすることは一般的になっています。そこで今回は、教育現場でどのようにICTが使われているのか、保護者の皆さんにご紹介しますね。教育におけるICTとは小学校学習指導要領が改正され、2020年度から施行されるのはご存知のとおり。「小学校でプログラミング教育が行われる」として、大きな話題になっていますね。新たな学習指導要領には、以下のような記述があります。第3学年におけるローマ字の指導に当たっては、(中略)コンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な操作を習得し、児童が情報や情報手段を主体的に選択し活用できるよう配慮することとの関連が図られるようにすること。(国語)児童がコンピュータや情報通信ネットワークを積極的に活用する機会を設けるなどして、指導の効果を高めるよう工夫すること。(国語)コンピュータや情報通信ネットワークなどを適切かつ効果的に活用して、情報を収集・整理・発信するなどの学習活動が行われるよう工夫すること。その際、コンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な操作を習得し、情報や情報手段を主体的に選択し活用できるよう配慮すること。(総合的な学習の時間)(太字による強調は編集部で施した)(引用元:文部科学省|小学校学習指導要領)このように、コンピュータを積極的に用いた学習が公立小学校でも行われるようになるのです。文部科学省の資料「幼稚園教育要領、小・中学校学習指導要領等の改訂のポイント」では、「コンピュータ等を活用した学習活動の充実」「コンピュータでの文字入力等の習得」「プログラミング的思考の育成」が重要事項として挙げられています。文部科学省は教育におけるICTの活用を推進しています。2016年に策定された「教育の情報化加速化プラン」では、ICT教育の必要性が以下のように述べられました。現代社会において、身の回りのものにICTが活用されていたり、日々の情報収集やコミュニケーション、生活上の必要な手続きなど、日常生活における営みを、ICTを通じて行ったりすることが当たり前となっている中では、子供たちには、ICTを受け身で捉えるのではなく、手段として積極的に活用していくことが求められている。(太字による強調は編集部で施した)(引用元:文部科学省|教育の情報化加速化プラン~ICTを活用した「次世代の学校・地域」の創生~)現代はスマートフォンを持つのが当たり前の世界。スマートフォンは多くの便利な機能や楽しい娯楽の詰まった利器ですが、SNSを媒介とした犯罪、ソーシャルゲーム依存など、スマートフォンによって起こる問題は皆さん知っての通り。ICTとのつき合い方は、ぜひ学校で教えてほしいですよね。2016年度~2020年度を対象とした「教育の情報化加速化プラン」においては、具体的に以下をはじめとした施策が取り組まれるそう。-教員自身が自在にICTを活用して授業を設計できるようにする。-児童生徒に一人一台ずつ教育用コンピュータが行き渡るようにする。-デジタル教材等の開発を官民連携で進める。-情報モラル教育に関する教材や研修を充実させる。-文書の電子化など、ICTを利用した校務効率化を促進させる。このように、「教育でICTを活用する」とは、ただ授業でタブレットを使う・プログラミングを学ぶといったことではないのです。子どもはICTそのものを学び、またICTを利用して従来の教科を効果的に学習します。一方、先生はICTの導入によって学習効果のより高い授業を行え、事務仕事の負担を軽減することもできるのです。幼児教育におけるICT内閣府が2017年、0~9歳の子どもの保護者を対象に実施した調査によると、1歳でタブレットを使う子は2.5%でしたが、2歳になると13.5%に急上昇。その後も年齢が上がるにつれ増加傾向にあり、9歳では28.6%にもなりました。タブレットやスマートフォンなどの機器でインターネットを使う目的として最も多いのは「動画視聴」(85.4%)。平均利用時間は60.9分で、2歳の子ですら65.1分だったそう。また、24.2%の保護者が「注意しても子どもがインターネットをやめない」という経験を持っていたとのこと。読者の皆さんにも、就学前の子どもがインターネットを使うことに抵抗を覚える人が多いのではないでしょうか。しかし、ICTが幼児教育の分野でうまく活用されている事例があります。有名なのが、鹿児島県の「つるみね保育園」。「9割のアナログ保育と1割のデジタル保育」をモットーに、豊かで広大な自然のなか子どもを育てる「アナログ保育」と、タブレットとプロジェクターを使う「デジタル保育」を組み合わせ、個性的な保育が行われています。つるみね保育園の「デジタル保育」では、園児がタブレットとプロジェクターを使って写真を大きく投影し、プレゼンテーションを行うそう。県外や海外の人たちとリアルタイムでおしゃべりしたり、Google EarthやYouTubeを利用して楽しく学んだりしているそうです。園長の杉本正和氏によると、「デジタル保育」は週に1回・15分でも充分な効果が上がっているそう。また、発表会の背景として使う大きな絵を、従来は職員が描いていたところ、プロジェクターで写真を壁に映すようになったとのこと。これによって、職員の負担が大幅に減ったそうです。杉本氏は、タブレットとプロジェクターを用いた保育の魅力を以下のように述べています。プロジェクターを使ってお遊戯で使うコンテンツを大きく映すと、子どもたちからは大きな歓声が上がります。これまでは、A3サイズの紙でコンテンツを表現して見せていましたが、なかなか大きな反応は得られませんでした。やはり、子どもたちにとってプロジェクターから映る大画面のコンテンツは、与える印象が違うのです。(太字による強調は編集部で施した)(引用元:リコー|お客様事例(社会福祉法人上名福祉会 つるみね保育園 様))「大きい」ということは子どもにとって、大人が思う以上に魅力的なのですね。直感的に操作できるタブレットを用い、大画面で画像や動画を共有する。シンプルですが、これもICT。このような使い方であれば、従来のアナログな教育とも組み合わせやすいですね。佐賀県の「高岸幼稚園」も、教育にICTを取り入れています。「創造力・表現力を育む」こと、「グループ活動の中で協力と貢献を意識付け、お互いを認めあう関係を築く」ことを目標とし、「ICTタイム」を実践しているそう。活動内容としては、パズル、プレゼンテーション、別の園とのリアルタイム通信など。「絵本創り」の活動の際は、グループで1台のタブレットを用い、絵本を制作したそう。完成したものは印刷・製本し、ほかのグループと交換して読み合ったそうです。このような活動の結果、子どもたちの集中力が高まり、協調的な活動ができるようになったのだとか。タブレットは直感的に使えるため、子どもの創作活動を後押ししてくれるツールといえるでしょう。アナログの画材ではできない表現を楽しみ、お友だちとコミュニケーションすることは、「カラフルな絵を描きたい」「みんなで楽しみたい」という子どもらしい欲求に合致しているといえます。英語教育におけるICT2020年度から施行される新学習指導要領によって、小学校での英語学習も大きく変わることは、「あなたのお子さんの年は移行期?全面実施期?3分でわかる『小学校英語教育』」でもお伝えしたとおり。新たな学習指導要領には、「外国語科」の目標が以下のように書かれています。外国語の音声や文字、語彙、表現、文構造、言語の働きなどについて、日本語と外国語との違いに気付き、これらの知識を理解するとともに、読むこと、書くことに慣れ親しみ、聞くこと、読むこと、話すこと、書くことによる実際のコミュニケーションにおいて活用できる基礎的な技能を身に付けるようにする。(太字による強調は編集部で施した)(引用元:文部科学省|小学校学習指導要領)つまり、いわゆる「英語4技能」の基礎を小学生のうちから身につけることが目指されているのです。文部科学省による2019年度概算要求において、「英語4技能育成のためのICT活用普及推進事業」として新たに2億5,000万円が計上されました。「新学習指導要領の全面実施に向けて、自治体が民間機関と連携し、各地域の実態に応じた効果的なICTの活用法について事例を創出し、全国各地に普及する」とのことです。では実際、小学校での英語教育においてICTはどのように活用されているのでしょう?英語教育で有名なのが、京都府の立命館小学校。朝の15分間を「モジュールタイム」とし、その一部を英語の発声練習(音声ドリル)にあてています。PowerPointで作成した、英単語の書かれた140~230枚程度のスライドを電子黒板に次々と写しつつ、児童に発声させるのだそうです。同校の英語科アドヴァイザー・田縁眞弓氏によると、ICTをうまく使ったこの活動は「児童の集中を切らすことなく、緊張感を与えながらスピーディに多量のインプットが与えられる」のだとか。たくさんの資料をテンポよく次々と見せるのは、アナログ環境ではできないことですね。また、立命館小学校の英語の授業では、英語の絵本をスキャナーでデータ化し、電子黒板に大きく映しながら読み聞かせているそう。物語の魅力だけでなく、「紙媒体の絵本と比べてデジタルでみる絵本の大きさやカラフルさ、その迫力」が児童を引きつけ、やがて児童全員が絵本のテキストを自然と目で追うようになったそうです。英語の音とスペルが一致して頭に入ってきそうですね。つるみね保育園の例でもそうでしたが、プロジェクターや電子黒板を使って教材を大きく映すということは、想像以上に子どもを集中させやすいようです。また、小学校英語教育などを研究する高橋美由紀教授(愛知教育大学)らは某小学校の6年生を対象に、Skypeを使った英語活動を実践しました。1グループ3~4人で1つのタブレットを使い、「Can you ~?」など特定のフレーズを使ってSkype越しにネイティブ講師とやりとりをしたのです。この活動には以下をはじめとする効果があったそう。①子ども達一人一人の発話機会が多くなったこと、②ネイティブ講師達は目の前の子ども達に合わせて彼らの理解できる表現を使用して授業を行えたこと、③子ども達の英会話を行うことへのモチベーションが高まったこと(太字による強調は編集部で施した)(引用元:愛知教育大学学術情報リポジトリ|ICTを活用した小学校英語教育 ― スカイプを使用した事例研究を基に ―)ICTを利用することにより、少人数で効果的な会話練習ができた、というわけですね。児童の数に応じたネイティブ講師をそのつど学校に呼ぶ、というのは費用などの面から現実的ではありませんが、Skypeならば可能になるというわけです。特別支援教育におけるICTICTの利用は、障害を抱える子どもの教育において非常に有用だと考えられています。目が見えなかったり、耳が聞こえなかったりといった不便さを、デバイスやソフトが補ってくれるからです。独立行政法人・国立特別支援教育総合研究所が、障害のある児童生徒の教育におけるICT活用事例を収集したところ、弱視(視力が正常に発達せず、眼鏡をかけてもよく見えない状態)の小学生がタブレットと漢字練習用アプリケーションを用いて書き取り練習を行う例があったそう。同研究所の共同研究によると、弱視の子はそうでない子に比べ、漢字を正確に書くのが困難なのだとか。文字を間違って覚えていたり、「点画が外れている、二重書きの線がある、不要な突出部分ができてしまうといった傾向」があったりするそうです。そこで、学習アプリケーション「常用漢字筆順辞典」で学ばせたところ、画面を拡大することで、線と線がつながっているか・離れているかなど、漢字の細部を確認しながら漢字を書く練習ができたそう。直感的な操作で画面を拡大でき、画面に直接書いて勉強できることは、タブレット学習の大きな利点ですね。発達障害がある子の学習支援にも、ICTの導入は効果的です。文部科学省の調査によると、アスペルガー症候群・学習障害(LD)・注意欠陥多動性障害(ADHD)などを含む発達障害を抱え、通常学級において教育支援を必要としている子は各学級に少なくとも2~3人いると推定されるそう。ICTを利用すれば、彼らの困難さを取り除きやすくなるのです。たとえば、授業中に集中しづらい子がいる場合、大型ディスプレイを用いるとよいそう。子どもたちの視線が自然と前のほうに向かうほか、それぞれの表情が教員からよく見えるようになるので、集中していない子どもに教員が気づきやすくなるそうです。また、集中が困難だったり聴覚過敏だったりして、教員の指示を聞きもらしがちな子もいます。そのような場合には、タブレットやICレコーダーで教員の話を録音することにより、重要な連絡事項をあとから確認できます。また、ノイズキャンセリングヘッドフォンを装着すれば、人間の声以外の雑音を軽減することが可能なので、空調設備や自動車の音などに煩わされにくくなるのです。さらに、病気や障害などの理由により学校に通えない子が、ICTを利用して自宅や病院から遠隔授業を受けることもできます。公益財団法人・日本財団で行われている「難病の子どもと家族を支えるプログラム」は、2017年から鳥取県で遠隔教育事業を行っています。カメラ・マイク・スピーカーを搭載した、高さ21.5cmのロボット「OriHime」を利用することで、実際に教室にいるように授業を受けられるのだそう。タブレットなどに専用アプリケーションをインストールすると、カメラを通して現場の風景を見たり、「OriHime」を自分の分身のように動かしたりすることができます。2018年4月時点で、鳥取県の養護学校および院内学級で3台の「OriHime」が稼働しているそう。重度の心臓病を持つ小学生のAさんは、感染予防や体調を考慮して先生が自宅に訪問して授業をする訪問学習を受けています。(中略)OriHimeが来たことで、これまで先生のお話でしか聞けなかった学校行事や大人数での授業など、OriHimeのおかげで、「見る」「参加する」「経験する」ことができるようになりました。(中略)また、治療により入院前と違う自分の姿を見られることに抵抗を持つ子どもも多い中、OriHimeが分身になってくれるおかげで、自分の姿を相手に見られることなく友だちと勉強ができることは、子どもにとって大きな安心につながるという効果もあることがわかりました。(太字による強調は編集部で施した)(引用元:日本財団|分身ロボットで、学校へ通えない子ども達に学習の機会を!鳥取県での実践)このような遠隔授業が一般的になれば、事情により学校に通えない子どもたちの大きな助けになりますね。文部科学省は2018年11月、今後の政策の柱のひとつとして「遠隔教育の推進による先進的な教育の実現」を掲げました。病気療養しているなど「特別な配慮」を必要としている子どもや、人口の特に少ない地域に住む子どもたちにも質の高い教育を届けるためです。教育分野において本格的にICTが活用されれば、都会の子も地方の子も、高度な学習をしたい子も学習の苦手を補いたい子も、それぞれが恩恵を受けられそうです。教育のICT化を支援する企業これまで述べたような「教育のICT化」は、先生の個人的な努力や政府の意向だけで成し遂げられるものではありません。教育の現場で使えるデバイスやソフトウェアを開発したり、システムを提供したりする民間企業あってのもの。企業が教育現場向けに打ち出しているICT関連の製品やサービスは「文教ソリューション」と総称されています。たとえば富士通株式会社は、児童生徒向けのタブレットを開発しています。そのひとつ「ARROWS Tab Q506/ME」には、以下をはじめとした特徴があります。-机から落ちにくい設計。-落としても衝撃が伝わりにくい。-家庭科室や屋外でも使いやすい防水・防塵。-鉛筆のように書けるペン入力。-薄暗い体育館でも撮影時にブレにくいカメラ。教育のICT化に意欲的な岐阜県岐阜市では2016年度、このタブレットが全ての市立小中学校に配備されました。児童生徒3.4人に1台の割合だそうです。タブレットを授業で使いはじめたところ、以下のような効果があったのだとか。-言葉での説明では難しいことを、デジタル資料で視覚的に示せる。-大量のプリントをコピーするなど教員側の負担が減った。富士通は文教ソリューションとして、子どもの個別学習をサポートする「手書き電子ドリル」も提供。国語・算数・英語など各教科の問題をタブレットに書き込んで解答すると、自動で採点されます。漢字のテストでは書き順をチェックしたり、計算問題ではかかった時間を計測して前回と比較したりできるのが、紙のドリルにはない大きな特徴。前回間違えた問題のみを表示したり、全問正解すると「合格」マークが表示されたりなどの要素は、子どもの積極的な反復学習につながります。また、教員はテンプレートに沿って自分で問題を作ることが可能。教員の手間を大幅に削減しつつ、子どもが楽しく効果的な学習を行える電子ドリルのメリットは大きいといえます。教育ITソリューションEXPOとは上記のような文教ソリューションを提供する企業が一堂に会する「教育ITソリューションEXPO」という展示会があります。東京・大阪で毎年開催されており、2018年5月に東京ビッグサイト(江東区)で開催された第9回には、ベネッセや東芝など450社以上が出展し、学校関係者など約3万2,000人が来場しました。市場調査を手がける株式会社富士キメラ総研が、教育機関向けICT関連の国内市場規模を2017年に発表したところによると、2021年度は1,920億円の見込みで、2015年度と比べて41.8%増えるそう。市場は大きく「ハードウェア」「教材/コンテンツ」「校内設備/インフラ」「業務支援システム」の4つに分かれ、特に無線LANシステム(2015年度比4.1倍)とタブレット端末(同3.4倍)の市場の伸びが著しいようです。2018年6月に閣議決定された「第3期教育振興基本計画」は、2018年度~2022年度を対象としており、教育政策の目標のひとつとして、「ICT利活用のための基盤の整備」が挙げられています。測定指標として示されているのは「学習者用コンピューターを3クラスに1クラス分程度整備」「普通教室における無線LANの100%整備」など。このように、政府によって教育のICT化が促進されるのであれば、関連市場はますます拡大していくでしょう。「教育ITソリューションEXPO」もさらに活気を呈しそうです。2019年度の開催は、東京で6月19日~21日、大阪で9月25日~27日。あくまで商談の場なので、子どもと見学に行く、というわけにはいかないのですが、教育をもっと進化させてくれる最新ICTが一堂に会しているかと思うと、わくわくしますね。教育におけるICTの課題教育にICTを導入することは、子どもにとっても教員にとっても大きなメリットがあり、政府も推進していることがわかりましたね。とはいえ、教育のICT化のために解決するべき課題は山積しています。上で紹介した事例のように教育現場でICTを活用するには、教室で無線LANが使えることと、できるだけ多くの子どもにコンピュータが行き渡っていることが必要です。文部科学省の「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」によると、2017年度における「教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数」は5.6人(前年度5.9人)、「普通教室の無線LAN整備率」は34.5%(前年度29.6%)でした。これを見ると、ICT利用環境は順調に整備されつつあるように思えますが、実は大きな地域差があるのです。「教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数」が最も少ないのは、佐賀県の1.8人。一方、最も多いのは埼玉県の7.9人でした。東京都は平均に近い5.4%です。1台当たりの児童生徒数が多いと、ひとりひとりが充分にコンピュータを利用することができず、狙い通りの教育効果を上げられないかもしれません。また、「普通教室の無線LAN整備率」が最も高かったのは静岡県の68.6%。最低は福岡県の9.4%でした。ちなみに、東京都は47.3%です。普通教室で無線LANが利用できないと、コンピュータは従来どおり、コンピュータ室のデスクトップPCを使うことになるでしょう。そうなると、いつもの教室にタブレットを持ち込んでインターネットに接続することができず、遠隔授業も実現できません。教育のICT化を促進するために、やるべき施策は多くありますが、「教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数」および「普通教室の無線LAN整備率」の地域間格差を是正することが目下の課題だといえるでしょう。***あまり知られていない、教育現場におけるICT事情についてお伝えしました。「タブレット教育」「プログラミング教育」ばかりが注目されがちな昨今ですが、最新テクノロジーを教育に導入することには、もっと多様なメリットがあるのです。お子さんの通う幼稚園や学校ではどうなのか、調べてみてはいかがでしょうか?(参考)コトバンク|ICT文部科学省|小学校学習指導要領文部科学省|幼稚園教育要領、小・中学校学習指導要領等の改訂のポイント文部科学省|教育の情報化加速化プラン~ICTを活用した「次世代の学校・地域」の創生~文部科学省|2019年度概算要求のポイント文部科学省|発達障害のある子供たちのためのICT活用ハンドブック文部科学省|発達障害とは文部科学省|遠隔教育の推進に向けた施策方針文部科学省|「新時代の学びを支える先端技術のフル活用に向けて ~柴山・学びの革新プラン~」について文部科学省|教育振興基本計画文部科学省|学校のICT環境整備について文部科学省|平成29年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)内閣府|低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査リコー|お客様事例(社会福祉法人上名福祉会 つるみね保育園 様)つるみね保育園学校法人高岸幼稚園|園紹介ムービーJ-STAGE|幼稚園におけるICT を活用した保育の検討-高岸幼稚園の事例より-J-STAGE|小学校英語と ICT ―私立小学校での実践から愛知教育大学学術情報リポジトリ|ICTを活用した小学校英語教育 ― スカイプを使用した事例研究を基に ―独立行政法人国立特別支援教育総合研究所|ICTを活用しよう独立行政法人国立特別支援教育総合研究所|弱視児童生徒の特性を踏まえた 書字評価システムの開発的研究日本弱視斜視学会|弱視日本財団|分身ロボットで、学校へ通えない子ども達に学習の機会を!鳥取県での実践分身ロボット「OriHime」富士通|ARROWS Tab Q506/ME 製品詳細富士通|岐阜県岐阜市教育委員会様/岐阜市立岩野田北小学校様富士通|手書き電子ドリル教育ITソリューションEXPO富士キメラ総研|『エデュケーションマーケット 2017』まとまる(2017/5/16発表 第17041号)
2018年12月19日