元乃木坂46・高山一実のデビュー小説(KADOKAWA)をアニメーション映画化した『トラペジウム』が、きょう10日に公開される。原作者の高山と、乃木坂46で同期の西野七瀬が、同作で声優に挑戦していることが発表された。高山は自身の原作小説アニメ化で声優初挑戦となった。本作は、アイドルを目指す高校生・東ゆうが、東西南北の美少女を集めながら自らの夢に向かって進む物語。主人公の東ゆうは“絶対にアイドルになりたい”と強い想いを抱き、(1)SNSはやらない、(2)彼氏は作らない、(3)学校では目立たない、(4)東西南北の美少女を仲間にする、というルールを課して高校生活を送る夢にまっすぐな女の子。半島地域「城州」の東に位置する城州東高校に通いながら、西、南、北の高校へ通うかわいい女の子と友達になる計画を進めていく。高山&西野は、その東西南北の美少女たちが参加するボランティア活動で外国語通訳をしている、内村光良演じる伊丹秀一の仲間のおじいさん役を務める。乃木坂46・1期生の仲良しコンビで、“たかせまる”の愛称で親しまれる2人のアフレコが実現した。グループ時代から大親友の2人が仕事で一緒になるのは一昨年の乃木坂46『10周年ライブ』ぶり。今回西野におじいさん役をオファーするきっかけとなったのは、高山が「グループ時代にどちらがおばあちゃんっぽくフレーズを言えるか2人で競っており、なーちゃん(西野)がすごく上手だったと思いだした」ことだという。西野は今回高山と「一緒に収録できてよかった。1人だったら心細かった。とても楽しく演じました」とコメント。また高山も「実際に小説書く時に見たボランティアのおじいさんをイメージして演じました」と振り返った。■高山一実コメント映画を制作するにあたり、スタッフさんとさまざまな話をしていたのですが、おもむろに「ちなみにおじいさんのキャスティングって決まってますか?」という話になりました。老人と言えば、なーちゃん(西野)がおばあさんの声真似がすごく上手だったことを思い出しました。当時から「声優やった方がいいよ!」と話していたんです。演技の仕事もしているし、もしかしたらお願いできるかな?と思って提案したら、スタッフさんからも「いいね!」となりました。さらに、「もう1人おじいさん役がいるんですが…」とのことで、私が演じることになったのですが、このシーンだけは(見る時に)緊張しちゃいます。なるべくおじいさんに近づけるように、前かがみになったりして収録に挑みました。■西野七瀬コメントオファーをいただいて、びっくりしました。でも、一番はかずみん(高山)が提案してくれたことがうれしくて「ぜひ!」とお受けしました。おじいさん役…と言われてもどんな感じかわからないと思いますので、一つの楽しみにしていただけたらうれしいです。1人で収録だったら心細かったのですが、2人で一緒に収録できたので、楽しみながら収録することができました。
2024年05月10日アニメ映画『トラペジウム』(公開中)に原作者の高山一実と、女優の西野七瀬が声優で出演していたことが10日、明らかになった。この度、作中でアイドルを目指す美少女たちが参加するボランティア活動で、外国語通訳をしている伊丹秀一(声:内村光良)の仲間のおじいさん役として、原作者の高山一実と、女優の西野七瀬が出演していることが明らかに。乃木坂46 1期生の仲良しコンビでファンから“たかせまる”の愛称で親しまれる2人のアフレコが実現した。高山は自身の原作小説アニメ化で声優初挑戦。グループ時代から大親友の2人が仕事で一緒になるのは、一昨年の乃木坂46 10周年ライブぶりとなり、劇中の2人の掛け合いに注目となっている。○■高山一実 コメント映画を制作するにあたり、スタッフさんと様々な話をしていたのですが、おもむろに「ちなみにおじいさんのキャスティングって決まってますか?」という話になりました。老人と言えば、なーちゃん(西野)がおばあさんの声真似がすごく上手だったことを思い出しました。当時から「声優やった方がいいよ!」と話していたんです。演技の仕事もしているし、もしかしたらお願い出来るかな?と思って提案したら、スタッフさんからも「いいね!」となりました。更に、「もうひとりおじいさん役がいるんですが…」とのことで、私が演じる事になったのですが、このシーンだけは(見る時に)緊張しちゃいます。なるべくおじいさんに近づけるように、前かがみになったりして収録に挑みました。○■西野七瀬 コメントオファーをいただいて、びっくりしました。でも、一番はかずみん(高山)が提案してくれたことがうれしくて「是非!」とお受けしました。おじいさん役…と言われてもどんな感じかわからないと思いますので、一つの楽しみにしていただけたらうれしいです。ひとりで収録だったら心細かったのですが、2人で一緒に収録出来たので、楽しみながら収録することができました。【編集部MEMO】原作『トラペジウム』は、アイドルを目指す高校生・東ゆうが、東西南北の美少女を集めながら自らの夢に向かって進む物語。2016年から雑誌『ダ・ヴィンチ』で連載され、トップアイドルグループでの活動経験がある高山にしか描けないリアルな描写、共感度の高い内容が好評を得て、これまでに累計30万部を売り上げている。原作者である高山がシナリオ制作など映画制作に深く関わり「アイドル」とは何なのか? 「アイドルが放つ輝き」とは何なのか? という“想い”をさらに追い求め、CloverWorksのスタッフとともに完全版『トラペジウム』としてアニメーション映画化される。(C)2024「トラペジウム」製作委員会
2024年05月10日元乃木坂46でタレントの高山一実が4日、自身のインスタグラムを更新。ウエディングドレス姿を披露した。高山は4月22日発売の海外ウエディング情報誌『ゼクシィ海外ウエディング2024 Summer&Autumn』(リクルート)について「ゼクシィ海外版発売中です」と伝え、オフショットを公開。美デコルテ際立つタイトなドレス、透け感のあるロングドレスなど、複数のタイプのウエディングドレスを着こなし、「幸せでした、、、」と撮影を振り返った。この投稿には「美人すぎる」「結婚報告かと思った」「とても似合ってます!」「すごいきれい!」「見てて幸せ」といった声が寄せられている。
2024年05月04日元乃木坂46でタレント・俳優・作家の高山一実(30)が、22日発売の海外ウエディング情報誌『ゼクシィ海外ウエディング2024 Summer&Autumn』(リクルート)の表紙を飾ることが決定した。『ゼクシィ』からの撮影のオファーについて「もう本当にハッピーです!ブライダルといえば『ゼクシィ』というイメージだったので、もううそなんじゃないかと思うくらい!今までほかの元(乃木坂46の)メンバーが『ゼクシィ海外ウエディング』の表紙をしているのを見て憧れていたので、夢のようにうれしかったです」と喜びをコメント。撮影前には「数年ぶりにエステで肩甲骨回りをきれいにしてもらいました」と意気込んでいたといい、ロケ地となったバリについては「暖かいところが好きなので、到着した瞬間からいいなあっていうふうに思いました。ホテルの皆さんが、目が合うだけでほほ笑んでくださって、バリでのウエディングもいいなぁって思いました」と語っていた。どんな人が好きかという質問には、「異性から言われて一番うれしいのは昔から『顔が好きです』なんです(笑)。なので、お仕事とかで『ずっとファンで握手会に行っていました』という方に出会うと、『え?本当に私のファンですか?本当にですか?」ってめっちゃ確認して、『本当です!』と言ってもらえると仲良くなりたいなってすぐ思っちゃったりとかして」と告白。「好きな女の子の系統が自分と真逆なので、自分のコンプレックスである顔を褒めてくれるような人は安心感につながる気がして、そういう人がいいなっていうのは昔から変わらないです」と話す。結婚相手に求める条件は?という質問には、「言語化してくれる人が良いです」と小説家の一面を感じさせる回答が。「私、話し合いが好きなんです。小学生のときからディベートが好きで、論理的に『こういう理由でこう思うんだけどどう?』って言い合える関係がいいなと思っています。グループを離れてから一人でお仕事をするときにもそういう人とだとやりやすいと感じていて、言語化できる人となら結婚生活でもスムーズにいくのかなっていうふうに思います」としっかりした理由を語った。また、理想の結婚式については、「挙式は海外でこぢんまり、旅行を兼ねてブライダルフォトも撮ったりして、披露宴は国内でたくさん友達を呼んでやりたいです。友人の結婚式に参加したときに、『私から見た友人はもちろんすてきだけど、ほかのゲストから見た友人はもっとすてきなんだな』と感じた瞬間が忘れられなくて。自分もそんな式が挙げられたらなと思います」と結婚式に対する思いを明かした。
2024年04月22日乃木坂46一期生・高山一実による小説『トラペジウム』がアニメーション映画化。映画『トラペジウム』として、2024年5月10日(金)より、全国の映画館にて公開される。高山一実の小説家デビュー作『トラペジウム』アニメ映画化原作小説『トラペジウム』は、乃木坂46一期生・高山一実が小説家デビューを果たした作品。自分の力で仲間を集め、アイドルを目指す高校生・東ゆうが主人公の青春小説だ。2016年から雑誌「ダ・ヴィンチ」で連載をスタートし、2018年に単行本化。現役トップアイドルが自ら描くリアルな描写や、共感度の高いストーリーが人気を呼び、累計30万部もの売上を記録している。そんな『トラペジウム』が、アニメーション映画化。原作者である高山一実がシナリオ制作に携わり、制作陣には『ぼっち・ざ・ろっく!』、『SPY×FAMILY』のCloverWorksのスタッフが集結。“「アイドルが放つ輝き」とは何なのか?”“「アイドル」とは何なのか?”というテーマをより深く追求した完全版『トラペジウム』として、アイドルを目指す少女の10年間を描き出す。主人公・東ゆう役に結川あさき主人公・東ゆうの声を演じるのは、結川あさき。新人ながらアニメ「逃げ上手の若君」の主人公・北条時行役に抜擢された経歴を持つ新進気鋭の声優だ。主人公・東ゆう…結川あさきアイドルを目指す高校1年生。アイドルになるため、自らに「4箇条」を課して高校生活を送っている。1・SNSはやらない、2・彼氏は作らない、3・学校では目立たない、4・東西南北の美少女を仲間にする。東西南北の別々の高校に通う“輝く星たち”を仲間に迎え、夢を追いかける。大河くるみ…羊宮妃那東西南北の“西の星”。西テクノ工業高等専門学校2年生で、高専ロボコン優勝を目指す16歳。華鳥蘭子(かとりらんこ)…上田麗奈東西南北の“南の星”、裕福な家庭で育った天真爛漫なお嬢様。聖南テネリタス女学院2年生。蘭子は、お蝶夫人に憧れてテニス部で活動するが、選手としては戦力外。おおらかでピュアな心を持っていて、グループの中でもお姉さま的立ち位置になっていく。亀井美嘉…相川遥花東西南北の“北の星”。城州北高校1年生。ボランティア活動に勤しみ、子どもたちに勉強を教えている。JO1木全翔也、内村光良が声優キャストに工藤真司…木全翔也(JO1)カメラが好きな男子高校生。“西”の美少女・大河くるみを訪ねた東ゆうと出会い、ゆうの計画をサポートする。伊丹秀一…内村光良東西南北の美少女たちが参加するボランティアで、外国語通訳をしているおじいさん。主題歌はMAISONdes「なんもない feat. 星街すいせい, sakuma.」映画『トラペジウム』の主題歌は、MAISONdesが担当。「どこかにある六畳半アパートの、各部屋の住人の歌」をコンセプトに、楽曲ごとに「歌い手」「作り手」を替えて発表している音楽プロジェクト・MAISONdesによる楽曲「なんもない feat. 星街すいせい, sakuma.」が物語を彩る。映画『トラペジウム』あらすじ高校1年生の東ゆうは“絶対にアイドルになる”ため、「SNSはやらない」「彼氏は作らない」「学校では目立たない」「東西南北の美少女を仲間にする」という4箇条を自らに課して高校生活を送っていた。別々の高校に通う東西南北の“輝く星たち”を仲間にしたゆう。ロボコン大会や文化祭といった青春のイベントをこなしながら、「東西南北」4人の結束を固めていく。そんな中、ボランティアを手伝う活動が注目されたことからゆうたちにテレビ出演のチャンスが舞い込み、それをきっかけに徐々に仕事を得ることに。アイドルデビュープロジェクトの始動までこぎつけ、夢への階段を登り続けていくゆうだったが、大きな問題に直面することになる。【詳細】映画『トラペジウム』公開日:2024年5月10日(金)原作:高山一実(乃木坂46・一期生)『トラペジウム』(KADOKAWA刊/『ダ・ヴィンチ』連載)監督:篠原正寛脚本:柿原優子出演:結川あさき、羊宮妃那、上田麗奈、相川遥花、木全翔也、久保ユリカ、木野日菜、内村光良主題歌:MAISONdes「なんもない feat. 星街すいせい, sakuma.」
2023年12月15日乃木坂46一期生・高山一実の小説家デビュー作『トラペジウム』が、2024年5月10日(金) にアニメーション映画化され劇場公開されることが決定した。原作は高山が2016年から雑誌『ダ・ヴィンチ』で連載を開始し、2018年に単行本化された青春小説。自分の力で仲間を集め、アイドルを目指す高校生・東ゆうの10年間を描く。原作者である高山がシナリオなど映画制作に深く関わり、彼女でなければ描けないテーマ「アイドルが放つ輝き」とは何なのか?「アイドル」とは何なのか?という“想い”を追い求めた本作。制作は『ぼっち・ざ・ろっく!』『SPY×FAMILY』のCloverWorksが担当する。本作の主人公・東ゆうを演じるのは、新人ながら『逃げ上手の若君』の主人公・北条時行役に抜擢された結川あさき。そして主題歌は、「どこかにある六畳半アパートの、各部屋の住人の歌」をコンセプトに、楽曲ごとに「歌い手」「作り手」を替えて発表する音楽プロジェクトMAISONdesが担当することが決定した。結川あさき併せて、ティザービジュアルと特報も公開。ビジュアルには、「わたし一人では、アイドルになれないんだって。」という絶望すら感じさせるキャッチコピーと泣き顔が印象的な主人公・東ゆうが描かれ、特報にはMAISONdesの楽曲と共にアイドルを夢見る少女の苦悩が映し出されている。■原作:高山一実 コメント自分の頭の中にあったものがこうして映画化にまで発展し、嬉しい気持ち・気恥ずかしい気持ち・不安な気持ちと色々な気持ちが溢れています。小説とアニメ制作、全く別の難しさはありましたが、スタッフの皆さんにお力添えいただきながら長い期間にわたり制作に携わらせていただきました。やっと皆さんに観ていただけるということがすごく楽しみです。2024年5月10日(金)、ぜひ劇場にいらしてください。映画『トラペジウム』特報映画『トラペジウム』原作:高山一実 コメント動画<作品情報>『トラペジウム』2024年5月10日(金) 公開公式HP:「トラペジウム」製作委員会
2023年12月12日元乃木坂46の高山一実が1日、オフィシャルファンクラブ『高山でごめん。』(高は、はしごだか)を開設した。高山は、2011年に乃木坂46の1期生としてデビューし、昨年11月に同グループを卒業。バラエティー番組『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』(テレビ朝日系)のMCなどタレントとして活動するほか、グループ在籍時から小説家としても活躍している。先日、自身のインスタグラムで名字の「高」が「はしごだか」であることを明かした高山。「はしごだか」を採用したファンクラブ名には、「素のまますぎるけど許してね!」という意味が込められている。同ファンクラブでは、有料会員に登録するとブログやデジタルカレンダー、会員同士で自由にスレッドを立てて交流するチャットスペース、会員限定グッズの販売やバースデーメールなど特典を多数用意。また、プレミアムコースは、「高山一実 特製グッズセット(オリジナルステッカー4種、アクリルカード、トークボイス付きフォトカード)」もプレゼントされる。
2022年03月01日アイドルグループ・乃木坂46が20日〜21日、東京ドームにて「真夏の全国ツアー2021 FINAL!」を開催。同公演をもって、メンバーの高山一実がグループを卒業した。同ツアーは、今年の7月~8月にかけて地方開催を行ない、当初は9月8日~9日にツアー・ファイナルとして東京ドーム公演を行なう予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、東京ドーム公演は20日~21日へと延期。高山の卒業も延期となっていた。乃木坂46にとって、東京ドーム公演は「真夏の全国ツアー2017 FAINAL!」以来約4年ぶりとなり、今回は、表題曲、アンダー曲、ユニット&ソロ曲、C/W曲と4つのカテゴリーに分け、事前にファンからのリクエスト投票を実施。それぞれ上位TOP10に入った楽曲を中心にセットリストが構築された。オープニングナンバーを飾ったのは、遠藤さくらがセンターを飾った楽曲「ごめんねFingers crossed」。序盤は表題曲で構成され、中盤ではファンの人気投票で上位に入ったユニット曲・アンダー曲・C/W曲を立て続けに披露していく。終盤は、小室哲哉が作曲に携わり話題を呼んだ「Route 246」からスタートし、「インフルエンサー」、「ガールズルール」、そして最新シングル「君に叱られた」まで、乃木坂46の代表曲がズラリ。本編ラストはグループ10周年記念曲「他人のそら似」で締めくくった。そしてアンコール1曲目には、「君に叱られた」C/W曲で、高山初のソロ曲「私の色」を初披露。さらに最後は、高山が初めてセンターを務めた楽曲「泣いたっていいじゃないか?」で幕を閉じた。■乃木坂46「真夏の全国ツアー2021 FINAL!」セットリストM1:ごめんねFingers crossedM2:ジコチューで行こう!M3:太陽ノックM4:おいでシャンプーM5:シンクロニシティM6:ファンタスティック3色パンM7:せっかちなかたつむりM8:錆びたコンパスM9:ひと夏の長さより…M10:ありがちな恋愛M11:日常M12:裸足でSummerM13:全部 夢のままM14:I see…M15:トキトキメキメキM16:アナスターシャM17:失いたくないからM18:Route 246M19:僕は僕を好きになるM20:インフルエンサーM21:きっかけM22:Sing Out!M23:夏のFree&EasyM24:ガールズルールM25:君に叱られたM26:他人のそら似本編終了EN1:私の色EN2:サヨナラの意味EN3:偶然を言い訳にしてEN4:君の名は希望EN5:泣いたっていいじゃないか?
2021年11月22日乃木坂46が11月20日・21日に東京・東京ドームで『真夏の全国ツアー2021 FINAL!』を開催。2日目公演をもって高山一実がグループから卒業し、10年間歩んできたアイドル人生に終止符を打った。乃木坂46は『真夏の全国ツアー2021』を約2年ぶりに開催。今年7月から8月にかけて地方公演を行い、当初は9月8日・9日にツアーファイナルとして東京ドーム公演を行う予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として延期となり、高山の卒業も延期となっていた。なお乃木坂46が東京ドーム公演を開催するのは『真夏の全国ツアー2017 FINAL!』以来約4年ぶりとなる。今回の『真夏の全国ツアー2021』は表題曲、アンダー曲、ユニット&ソロ曲、カップリング曲と4つのカテゴリーに分け、事前にファンからのリクエスト投票を実施。それぞれ上位TOP10に入った楽曲を中心にセットリストが構築された。オープニングナンバーを飾ったのは、4期生・遠藤さくらがセンターを飾り、今年リリースされた乃木坂46のシングルの中で最もヒットした「ごめんねFingers crossed」からスタート。序盤は表題曲で構成され、冒頭からライブに勢いをつけた。その後中盤では、ファンの人気投票で上位に入ったユニット曲、アンダー曲、カップリング曲を立て続けに披露し、特にコアファンにはたまらないセットリストを展開。そして終盤では、小室哲哉が作曲に携わり話題を呼んだ「Route 246」からスタート。「インフルエンサー」「ガールズルール」そして最新シングル「君に叱られた」まで、乃木坂46の代表曲がズラリと並び、本編ラストはグループ10周年記念曲として最新シングル「君に叱られた」カップリング曲「他人のそら似」で締め括った。なお「他人のそら似」は、全メンバーが参加し、ダンスが1stシングル「ぐるぐるカーテン」から27thシングル「ごめんねFingers crossed」までの表題曲で特徴あるダンスが全て組み込まれている。そして本編が終わりアンコールへ。アンコール1曲目は最新シングル「君に叱られた」カップリング曲で高山初のソロ曲「私の色」を初披露。そして最後の楽曲は高山が初めてセンターを務めた楽曲「泣いたっていいじゃないか?」で東京ドーム公演が大盛況の中終了した。なお東京ドーム初日公演では、2022年5月14日・15日に日本最大級となる日産スタジアムで『10th YEAR BIRTHDAY LIVE』が開催されることがサプライズ発表された。<公演情報>乃木坂46『真夏の全国ツアー2021 FINAL!』2021年11月21日(日) 東京・東京ドームセットリストOVERTURE01. ごめんねFingers crossed02. ジコチューで行こう!03. 太陽ノック04. おいでシャンプー05. シンクロニシティ06. ファンタスティック3色パン07. せっかちなかたつむり08. 錆びたコンパス09. ひと夏の長さより…10. ありがちな恋愛11. 日常12. 裸足でSummer13. 全部 夢のまま14. I see…15. トキトキメキメキ16. アナスターシャ17. 失いたくないから18. Route 24619. 僕は僕を好きになる20. インフルエンサー21. きっかけ22. Sing Out!23. 夏のFree&Easy24. ガールズルール25. 君に叱られた26. 他人のそら似EN1. 私の色EN2. サヨナラの意味EN3. 偶然を言い訳にしてEN4. 君の名は希望EN5. 泣いたっていいじゃないか<リリース情報>乃木坂46 ベストアルバム『Time flies』2021年12月15日(水) リリース●完全生産限定盤(3CD+Blu-ray+豪華フォトブックレット):8,500円(税込)乃木坂46『Time flies』完全生産限定盤ジャケット●初回仕様限定盤(3CD+Blu-ray):7,000円(税込)乃木坂46『Time flies』初回仕様限定盤ジャケット●通常盤(2CD):3,500円(税込)乃木坂46『Time flies』通常盤ジャケット●Sony Music Shop限定 10周年記念 メンバーカスタムジャケット盤(2CD):3,500円(税込)※商品内容は通常盤と同一【CD収録内容】■Disc 1M1. OVERTUREM2. ぐるぐるカーテンM3. おいでシャンプーM4. 走れ!BicycleM5. 制服のマネキンM6. 君の名は希望M7. ガールズルールM8. バレッタM9. 気づいたら片想いM10. 夏のFree&EasyM11. 何度目の青空か?M12. 命は美しいM13. 太陽ノックM14. 今、話したい誰かがいるM15. ハルジオンが咲く頃■Disc 2M1. 裸足でSummerM2. サヨナラの意味M3. インフルエンサーM4. 逃げ水M5. いつかできるから今日できるM6. シンクロニシティM7. ジコチューで行こう!M8. 帰り道は遠回りしたくなるM9. Sing Out!M10. 夜明けまで強がらなくてもいいM11. しあわせの保護色M12. 僕は僕を好きになるM13. ごめんねFingers crossedM14. 君に叱られたM15. 最後のTight Hug(28th選抜メンバー)■Disc 3M1. 僕がいる場所M2. きっかけM3. スカイダイビングM4. ありがちな恋愛M5. 世界中の隣人よM6. Route 246M7. ゆっくりと咲く花M8. 歳月の轍(生田絵梨花ソロ)M9. あなたからの卒業(新内眞衣ソロ)M10. Hard to say(参加メンバーは下記)1期生:齋藤飛鳥 / 樋口日奈 / 星野みなみ / 和田まあや2期生:北野日奈子 / 新内眞衣 / 鈴木絢音 / 山崎怜奈3期生:伊藤理々杏 / 岩本蓮加 / 梅澤美波 / 久保史緒里 / 阪口珠美 / 佐藤楓 / 中村麗乃 / 向井葉月 / 吉田綾乃クリスティー4期生:金川紗耶 / 北川悠理 / 黒見明香 / 佐藤璃果 / 柴田柚菜 / 林瑠奈 / 松尾美佑 / 矢久保美緒 / 弓木奈於【完全生産限定盤 付属Blu-ray収録内容】・“10th Anniversary”Documentary Movie「10年の歩み」【初回仕様限定盤 付属Blu-ray収録内容】・「最後のTight Hug」Music Video・「歳月の轍」Music Video・「あなたからの卒業」Music Video・「Hard to say」Music Video・「しかちゃん・もっちゃんの動画」【完全生産限定盤・初回仕様限定盤 共通封入特典】・イベント応募特典シリアルナンバー封入・メンバー生写真ランダム封入【Sony Music Shop限定 10周年記念 メンバーカスタムジャケット盤 特典】・メンバー別オリジナルジャケット・メンバー生写真1枚封入※ジャケットを飾るメンバーの生写真。ただし絵柄はジャケット絵柄とは別。乃木坂46「最後のTight Hug」MV関連リンク乃木坂46 公式サイト乃木坂46 Twitter乃木坂46 Instagram
2021年11月22日アイドルグループ・乃木坂46の高山一実ソロ曲「私の色」のミュージックビデオが、9日に公開された。22日に発売する乃木坂46の28thシングル「君に叱られた」初回仕様限定(CD+Blu-ray)盤Type-Cに収録される同曲。7月下旬に東京都立川市の結婚式場で撮影されたミュージックビデオでは、友人の結婚披露宴に出席する高山の姿を通して、気遣いあふれる本人の優しさや人間性を表現した。表情を何度も確認しながら臨んだ歌唱シーンの最後の撮影では、高山の目から涙が。ミュージックビデオではそのテイクが採用されている。また、映像に挟み込まれた写真は、今年の「真夏の全国ツアー2021」開催中に本人が撮影したもの。高山の10年間が詰まった初のソロ作品が完成した。指揮をとったのは、代表作『シュナイダー』で東京学生映画祭グランプリ受賞をはじめ、第31回ぴあフィルムフェスティバルなど様々な映画祭に入選し、ミュージックビデオも数多く送り出してきた映画監督の頃安祐良氏。乃木坂46の作品では「口ほどにもないKISS」「時々 思い出してください」を手掛けている。
2021年09月09日乃木坂46が、グループからの卒業を発表している高山一実の初ソロ曲「私の色」のMusic Videoを公開した。7月下旬に東京都立川市の結婚式場で撮影された同曲のMVは、友人の結婚披露宴に出席する高山の姿を通して、気遣いあふれる本人の優しさや人間性を表現した作品に仕上がっている。歌唱シーンでは、表情を何度も確認しながら撮影に臨んだものの最後の撮影時に高山から涙が溢れ始め、結果そのテイクが採用された。また映像の所々にインサートされた写真は、今年の『真夏の全国ツアー2021』開催中に本人が撮影した写真が使用されている。監督は、『シュナイダー』で東京学生映画祭グランプリ受賞をはじめ、第31回ぴあフィルムフェスティバルなど様々な映画祭に入選。また数多くのMVも手がけ、乃木坂46では「口ほどにもないKISS」「時々思い出してください」を手がけた映画監督の頃安祐良が担当した。なお同曲は、9月22日にリリースされる乃木坂46の28thシングル『君に叱られた』の初回仕様限定盤Type-Cに収録される。乃木坂46「私の色」MV<リリース情報>乃木坂46 28thシングル『君に叱られた』9月22日(水) リリース●初回仕様限定盤Type-A【CD+Blu-ray】価格:1,900円(税込)乃木坂46『君に叱られた』初回仕様限定盤Type-Aジャケット【収録曲】M1. 君に叱られた(28thシングル選抜メンバー)M2. やさしいだけなら(生田絵梨花・賀喜遥香・久保史緒里)M3. マシンガンレイン(28thシングルアンダーメンバー)M4. 君に叱られた~off vocal ver.~M5. やさしいだけなら~off vocal ver.~M6. マシンガンレイン~off vocal ver.~【特典映像】1.「君に叱られた」「マシンガンレイン」Music Video2. 各形態別での特典映像(収録内容は後日発表)●初回仕様限定盤Type-B【CD+Blu-ray】価格:1,900円(税込)乃木坂46『君に叱られた』初回仕様限定盤Type-Bジャケット【収録曲】M1. 君に叱られたM2. やさしいだけならM3. もしも心が透明なら(梅澤美波・中村麗乃・早川聖来・松尾美佑)M4. 君に叱られた~off vocal ver.~M5. やさしいだけなら~off vocal ver.~M6. もしも心が透明なら~off vocal ver.~【特典映像】1.「君に叱られた」「もしも心が透明なら」Music Video2. 各形態別での特典映像(収録内容は後日発表)●初回仕様限定盤Type-C【CD+Blu-ray】価格:1,900円(税込)乃木坂46『君に叱られた』初回仕様限定盤Type-Cジャケット【収録曲】M1. 君に叱られたM2. やさしいだけならM3. 私の色(高山一実)M4. 君に叱られた~off vocal ver.~M5. やさしいだけなら~off vocal ver.~M6. 私の色~off vocal ver.~【特典映像】1.「君に叱られた」「私の色」Music Video2. 各形態別での特典映像(収録内容は後日発表)●初回仕様限定盤Type-D【CD+Blu-ray】価格:1,900円(税込)乃木坂46『君に叱られた』初回仕様限定盤Type-Dジャケット【収録曲】M1. 君に叱られたM2. やさしいだけならM3. 泥だらけ(遠藤さくら・久保史緒里・齋藤飛鳥・筒井あやめ・山下美月・和田まあや)M4. 君に叱られた~off vocal ver.~M5. やさしいだけなら~off vocal ver.~M6. 泥だらけ~off vocal ver.~【特典映像】1.「君に叱られた」「泥だらけ」Music Video2. 各形態別での特典映像(収録内容は後日発表)※「初回仕様限定CD+Blu-ray盤」共通 封入特典1. 全国イベント参加券orスペシャルプレゼント応募券1枚封入2. 乃木坂46メンバー生写真1点(メンバー39名・各4種=全156種のうち1種ランダム封入)●通常盤【CD Only】価格:1,100円(税込)乃木坂46『君に叱られた』通常盤ジャケット【収録曲】M1. 君に叱られたM2. やさしいだけならM3. 他人のそら似(全メンバー)M4. 君に叱られた~off vocal ver.~M5. やさしいだけなら~off vocal ver.~M6. 他人のそら似~off vocal ver.~乃木坂46「君に叱られた」MV乃木坂46「泥だらけ」MV乃木坂46「マシンガンレイン」MV関連リンク乃木坂46 公式サイト乃木坂46 Twitter乃木坂46 Instagram
2021年09月09日通算選抜回数トップを誇る乃木坂46の中心メンバー、高山一実さん。作家としても活躍する彼女の素顔に迫ります。乃木坂46の特徴は、中身も美しいこと。メンバーになって、それを知れたことがアイドル好きとして幸せです。――アイドルになる前は剣道一筋だったとか。その頃のことも少し伺えますか。高山:剣道は10年やっていました。太っていたし見た目も全然かまっていなくて、その反動でアイドルに憧れたっていうのはあると思います。稽古がほんっとにキツかったから、剣道に比べたらどんな仕事もツラくないです。当時は気づかなかったけど、今思えば「愛のあるムチ」でしたね。愛のない暴言とは違う、自分を鍛えて成長させてくれるものだったと、大人になってわかりました。ただ、そのムチがめちゃくちゃ痛かった(笑)。このあいだ、剣道部の友だちが「仕事でキツイことない?抱え込まないでね」と連絡をくれたんです。で、「掛かり稽古(2人一組で激しく打ち込む稽古)に比べたら、全然大丈夫」って返したら「たしかに~」って(笑)。――2年前に初めて執筆された小説『トラペジウム』はアイドルを目指す女の子の物語ですね。読みごたえがあって最後はグッときました。骨太な文体も魅力的です。高山:ありがとうございます。女の子たちが仲間を集める設定はざっくり決め、あとは書きながら進めて、完成までに2年以上かかりました。書き始めたのは4年くらい前。自分の思いを書き留めたメモを見たり、学生時代の出来事を思い出しながら書いていたんです。それで書き終えて読み返してみたら、文化祭の描写とか、けっこうよく書けているなと思って。その一方で、「せっかくなら難しい言葉を使いたい」というカッコ悪い幼さが見えて絶望もしたんですけど(笑)、それも含め、あの頃ならではの作品だと思いますね。今書いたらまた違うものになる気がします。――「アイドルで作家」という肩書を得たことについては、どう思われていますか。高山:時期も良かったし、アイドルだから書けたのだと思っています。書く機会をもらえたことも、内容もそうです。書きながら何度も壁にぶつかって「誰も読んでくれないだろうな…」と、ネガティブにもなりました。でもアイドルの自分が書くことで、本に興味のない人が本を手に取るきっかけになるかもしれないと思い直して、書き上げることができました。私、ずっと書くことに苦手意識があったんです。でも小説は、書いたものに共感できない人がいても、誰か一人にでも刺さってくれたらいい。そう思ったら気持ちがラクになって。私にとって、自分の思いや書きたいことを嘘をつかずに表現できるのが小説。自分らしい表現を見つけて「文章を書くのが好き」と言えるようになったのが、すごく嬉しいです。――作中の〈初めてアイドルを見た時思ったの。人間って光るんだって。〉という東ちゃんのセリフが印象的でした。あれは、高山さんの実体験ですか?高山:まさにそうです。シチュエーションも同じ感じですね。深夜、テレビでアイドルが歌っているのを見ていた時、本当に発光しているみたいに輝いていて「すごいものを見てしまった!」と。深夜だから伝える相手がいなくて、でもその気持ちを残したくてSNSに書いたと思います。高校生の時です。――アイドルが光を放つというのは、乃木坂46のメンバーを見ても思うものなんでしょうか。高山:今言った光とはちょっと違うけど、メンバーの光を一番感じるのは卒業ライブの時。同じステージに立って、卒業する子を斜め後ろから見ていると、その後ろ姿がめちゃくちゃ光る瞬間があるんです。顔は見えないけど、背中がすっごく輝いて、すっごく遠くに見える。その光は、肩の重荷が取れたきれいな光の子もいれば、葛藤した末の未来への意志を感じさせる強い光の子もいて、みんな全然違うから、それがまた良くて。あの景色はなんていうか本当に、毎回泣いちゃうんですよね。――一緒に頑張ってきた仲間だから見える光なんですね。もうすぐ白石麻衣さんも卒業されますね。(取材は10月中旬)高山:ほんとに、まいやんが卒業したらどんな気持ちになるんだろ…。想像もできないですけど、文章になら残せるかも。――ぜひ書いてください!高山さんは乃木坂46に入って、アイドル観って変わりましたか?高山:内側も美しいと知れたのが大きいですね。それまでアイドルの本当の姿は、仲が悪いとかぐちゃぐちゃしているとか(笑)、見せたらマイナスになるイメージを勝手に持っていたんです。でも、うちのグループはみんな本当にいい子で、「え、こんなに中身までもきれいなの?」って。それに気づけたことは、いちアイドル好きとして幸せなことだなと思います。――最後に、これから叶えたいことを教えてください。高山:やっぱり、いつか卒業ライブをやりたいですね。アイドルになってからずっと持ち続けている目標なんです。道重さゆみさんの卒業ライブに行った時、客席が一面ピンクのサイリウムの世界だったのがすごく印象に残っていて。私は水色が好きだから、サイリウムで水色に染まった景色が見たい。それが今一番叶えたいことです。たかやま・かずみ1994年2月8日生まれ。千葉県出身。1期生。最新の25thシングルまで、通算選抜回数トップを誇る乃木坂46の中心メンバー。2018年に『トラペジウム』で小説家デビューし20万部を記録。番組で乃木坂一のやさしい人に選ばれ、また滑舌の悪さをいじられる愛されキャラでも。今春からクイズ番組『Qさま!!』のMCに就任。レイヤードワンピース[WEBストア限定]¥24,000(ラグナムーン/ラグナムーン ルミネ新宿 TEL:03・3344・3223)左耳イヤカフ¥20,000右耳イヤカフ¥13,000(共にe.m./e.m.表参道店 TEL:03・5785・0760)※『anan』2020年11月11日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・高垣鮎美(LOVABLE)ヘア&メイク・江原理乃インタビュー、文・熊坂麻美(by anan編集部)
2020年11月09日トップアイドルで、作家で、人気番組のMC。華やかな肩書を得ても、いたって謙虚で誠実。剣道一筋の生活から一転、夢を叶えた高山一実さんがアイドルになって9年間で見てきた世界とは。アイドルとして輝くすべを模索してきたけど深く考えるの、もうやめました。ここ数年、アイドルの枠を超えた活躍を見せる高山一実さん。穏やかでちょっとおとぼけ、かつ凛とした輝きを放つ“かずみん”に迫ります。――今年はコロナ禍の影響が大きかったと思いますが、ご自身のなかで変化や気づきはありましたか。高山:26歳という自分の年齢を俯瞰して、今後を考えるきっかけになりました。今の状況でこれをするためには何が必要かとか、毎日あれこれシミュレーションして。乃木坂46に入って9年なのですが、年々居心地が良くなってきていて、無意識のうちに挑戦やリスクを避けていたなあとも気づきました。――そういう意味では、『Qさま!!』のMCになったのはいいタイミングだったかもしれませんね。半年ほど経ちましたが、感想を聞かせてください。高山:もともと私はクイズが大好きで『Qさま!!』は憧れの番組だったんです。だから最初の収録がもう、本当に感動して。出演者のみなさんの空気感、スタッフさんの熱量、作問システム、リハーサル風景…、すべてが想像以上でした。でも問題は2回目から。いろいろ考えすぎるようになってしまったんです。私のクイズに関するコメントはクイズファンからしたら「知ったかぶり」になるかもとか。各チームや対戦の見どころを伝える時は、たくさん出演者の方がいるなかで、どなたかに絞って話すのは失礼かなとか…。年上の方がほとんどなので、上から目線にならない言葉選びも難しくて詰まってしまうことがあって。――MCの立ち位置もですし、「好き」ゆえの難しさがありそうです。高山:もう純粋に「好き」だけじゃない気持ちです。クイズの世界は本当に奥が深くて、知れば知るほど魅力を感じます。まだ反省ばかりだけど、チャレンジしながら成長していけたらと思っています。あと『Qさま!!』をやらせていただいて気づいたことがあって。クイズに関わる人はクイズに詳しいほど、そしてそれを語るほどレジェンドになるんです。でも、アイドルはそうじゃないなあと。――どういうことでしょう。高山:たとえば、求められる要素を知り尽くしているアイドルがいても、その人が人気が出るとは限らないし、詳しいと語るほど「でも自分は売れてないよね?」みたいに突っ込まれると思うんです。知っていることが必ずしも武器にならないというか。――なるほど。では高山さんは「こうしたら人気が出る」みたいなことはあまり分析しない?高山:アイドルとして輝くには何をしたらいいか、ずっと考えながらやってきたので、ある程度はわかっています。でもわかったところで「自分にこれはできない」というのが結局出てきてしまうから、深く考えるのはやめました(笑)。昭和のアイドルは設定が細かく練られて好きな色まで決まっていたと聞いて、その時代がうらやましいと思ったこともあるんです。でもよくよく考えると、私は演技ができないし、本音が言葉にも態度にも出ちゃうから、キャラ設定を守れないだろうな、とか。――キャラといえば、高山さんはオーディションからかなり目立っていたと聞きました。巧みなトークで笑いをとったり、急に俳句を詠んで驚かせたり…。高山:あはは。私は変わったことをするのが昔から好きで。本当は、山口百恵さんや道重さゆみさんのようなアイドルに憧れていたんですけど、大人数のグループを考えた時、自分は王道でいっても無理かなというのもあって。オーディションの時は、周りと違うことをしようとしか考えていなかったですね。「この中の誰かがアイドルになるんだ!」と思ったら、ミーハー心がうずいて、みんなが自己PRの練習をしているなか話しかけに行って写メを撮ったり。ひとりだけおかしかったと思います(笑)。――その気負いのなさもよかったのかもしれませんね。高山:でも最初はそういうことを好きでやっていたのに、過剰になってしまった時期があって。本当はやりたくないのに、目立つために不本意だけどやる、みたいな。その時期は全然楽しくなかったし、うまくいかなかったですね。――今は素に近いですか?高山:そう思います。でも素に近いからこそ、振る舞いを批判するようなコメントを目にすると、けっこう傷つきます。キャラを演じていない分、本来の自分にダメ出しされた気になって落ち込んでしまうんですよね。たかやま・かずみ1994年2月8日生まれ。千葉県出身。1期生。最新の25thシングルまで、通算選抜回数トップを誇る乃木坂46の中心メンバー。2018年に『トラペジウム』で小説家デビューし20万部を記録。番組で乃木坂一のやさしい人に選ばれ、また滑舌の悪さをいじられる愛されキャラでも。今春からクイズ番組『Qさま!!』のMCに就任。レイヤードワンピース[WEBストア限定]¥24,000(ラグナムーン/ラグナムーン ルミネ新宿 TEL:03・3344・3223)左耳イヤカフ¥20,000右耳イヤカフ¥13,000(共にe.m./e.m.表参道店 TEL:03・5785・0760)※『anan』2020年11月11日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・高垣鮎美(LOVABLE)ヘア&メイク・江原理乃インタビュー、文・熊坂麻美(by anan編集部)
2020年11月09日アイドルであり小説家としての顔も持つ乃木坂46の高山一実さん。本との出合いや読書の魅力、そして処女作に込めた思いを聞きました。アイドルを目指す女の子を描いた青春小説『トラペジウム』を上梓したのは2年前。「読書好き」ということから見出され、書く側ともなった高山一実さんだが、読書デビューはやや遅く、高校生の時。友人の父に薦められたあのベストセラーが読書の扉を開いた。「湊かなえさんの『告白』です。もうページをめくるたびに先が気になって、一気に読みました。その頃の私は平和ボケしていて(笑)、小説の中にはこんな世界があるんだ!と、本当に衝撃的でした」すぐに湊さんの他の作品を読み、湊さんが傾倒したというアガサ・クリスティへ向かい、ネットでミステリー作品を検索して、ミステリー畑での読書が続いた。そしてある時からジャンルを超え、気になる帯で選ぶようにも。「ちくま文庫の帯が好きなんです。手書きのポップ風で思わず読みたくなる文章だからつい買ってしまう。その帯で出合った三島由紀夫さんの『命売ります』はすごく面白くてアタリで。最近読んだ『三島由紀夫レター教室』も大好きな作品。かなり影響を受けました」この作品はキャラの濃い登場人物たちの人間模様が手紙のやり取りで描かれる異色作。高山さん曰く「好ましくない例」として描かれた人物と自分が似すぎていて反省したり、考え方で納得できる点がたくさんあったり。多くの気づきとともに視野を広げてくれた読書体験だったと、目を輝かせる。「私は昔から頑固で、親の意見はほぼ聞かなかったけれど(笑)、本に書かれたことは不思議と素直に受け止められる。悩みがある時は、登場人物を自分と重ねたり比較したりして救われることが多いし、共感できるセリフと出合うと、作家さんも私と同じことを感じていると思って励まされます。それに本は自分が知らない知識や人間同士の踏み込んだやり取り、心の機微も教えてくれるから人生勉強にもなる。読書の魅力は語り尽くせないですね」高山さんが『告白』から読書にハマったように、『トラペジウム』は「平成世代が買った本」の1位になり、読書離れが指摘される若い世代と本を結ぶ役目も果たしている。それは高山さんが執筆の際に意識した「願い」でも。「私自身、もっと早く本を読んでいればという気持ちが強いんです。だから普段読書をしない人にも読んでほしい、本への入り口として私のアイドルという立場が役に立てばとも思い書き上げました。一人でも多くの人が、私の作品をきっかけに本を読んでくれたら嬉しいです。これからも読書はもちろん、書くことも続けたいです」高山一実さん乃木坂46の第一期メンバーで愛称「かずみん」。’18年に出版した『トラペジウム』は累計25万部を超えるヒットに。『クイズプレゼンバラエティーQさま!!』(テレビ朝日系)のMCを務めるなど、マルチに活躍。ワンピース¥29,000(マサコ テラニシ/アプレドゥマン TEL:03・6274・8533)ワンショルダーベスト¥27,000(イン‐プロセストーキョー/ススプレス TEL:03・6821・7739)イヤーカフ、上¥1,600下¥1,300(共にゴールディ TEL:0120・390・705)ダブルリング¥32,000(ラナスワンズ/ススプレス)※『anan』2020年9月2日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・コギソマナ(io)ヘア&メイク・宇藤梨沙インタビュー、文・熊坂麻美(by anan編集部)
2020年08月30日乃木坂46の梅澤美波、高山一実、賀喜遥香、樋口日奈、与田祐希が11日、東京・浜松町の文化放送メディアプラスホールでラジオ番組『乃木坂46の「の」』(文化放送 毎週日曜18:00~)公開収録イベントを開催した。昨年9月以来、約1年ぶりとなった公開収録イベント。110人の来場者を前に、高山は「こういうイベントも久しぶりだし、しかも女性が多くて嬉しい」と喜び、賀喜が「先輩方の中にポンって入るのも緊張しますし、こういう形で見つめられながら公開収録することも初めてなので緊張します」と興奮を伝えながら番組はスタートした。この日のメンバーについて、「家族っぽくないですか? 与田が娘で……」と話題を振った梅沢に、高山は「私は与田ちゃんが犬とかだと思った!」とすかさず反応し、「日奈がお姉ちゃんかお母さん。カッキー(賀喜)は、しっかり者の長女」と妄想トークを展開して笑いを誘う。また、メンバーのランキングテーマを予想する「乃木坂トップ3」では、賀喜が出題した「1位:北川悠理2位:与田祐希3位:星野みなみ」に対して、「天然なメンバー」「食べるのが遅いメンバー」などの回答が出るも不正解。賀喜から「雲の上に住んでいそうなメンバー」と正解が発表されると、「確かに悠理だわ」と高山をはじめ全員が納得していた。この公開収録イベントの模様は、文化放送では15日と22日に放送される(放送日時は各局異なる)。
2019年09月12日乃木坂46の高山一実が19日、東京・六本木の文喫 六本木で小説『トラペジウム』(発売中 1,512円税込 KADOKAWA刊)のトークイベントを行った。乃木坂46の中心メンバーとして人気の高山一実。昨年11月に発表した初めての小説『トラペジウム』が、全年齢対象の「2019年上半期文芸書ベストセラー」(日販調べ)に3位でランクインし、さらに全ジャンルの書籍を対象とした「平成世代(0歳~30歳)が買った本」としてベストセラー1位(日販WIN+調べ)を獲得した。それを記念した同イベントに、高山がトークショーを実施。トークショー後に報道陣向けの会見を行った。デビュー小説の大ヒットに高山は「ランキングを聞いた時は本当に自分のことのような感じがしませんでした。素直に喜びというか不思議な感じでしたね。短く言えばアメージングです」と具体的な数値を聞いてもまるで他人事のような感覚だというが、「小学校の頃に表彰された子がすごく格好良く、メダルを獲ることに憧れもあったので、ランクインはすごくうれしいです」と満面の笑みを浮かべた。小説の大ヒットということで、報道陣から「先生」と呼ばれた高山は「いえいえ。ポップに呼んで欲しいです。一実でもズーでもいいですよ。四文字(高山一実)を覚えなくてもいいです!」と恐縮しきり。また、実写化された際に主人公を誰に演じてもらいたいかという質問に、「アイドルを目指す女の子のお話なので、実写化されたらアイドルを目指す子がなれば面白いと思います」と新人のオーディションを希望しているという。乃木坂46のメンバーでは、生田絵梨花から「ずっとスケジュール開けてるから」と言われたそうで、「実写化したら『絶対に出して!』と言ってくれたので嬉しかったです。オリジナルでクラスメイトの個性的な役を作れたら面白いと思いますよ」と原作者として生田が演じるキャラクターの構想を持っているようだった。
2019年06月20日アイドルグループ・乃木坂46の白石麻衣、生田絵梨花、高山一実、堀未央奈が出演する「明治 エッセル スーパーカップSweet’s」シリーズの新CM「フローズンマジック マンゴー杏仁」篇(15秒、30秒)が、10日より全国で放送される。新CMでは、妖精姿に扮した白石が宙に浮いたデザートのマンゴー杏仁に「This is Frozen magic!!」と魔法をかけると、エッセルスーパーカップSweet’sの新商品・マンゴー杏仁に変身。その様子を見ていた生田、高山、堀は驚き、高山が「アメイジング!」と両手を挙げる。30秒篇では、白石が「冷たくしてごめん」とカメラを見つめると再びマジックシーンが繰り返される。ビーズカーテンや電飾がきらめくセットの中、透明感あるドレスに身を包んだ白石は、マジックをかける振付を優雅に披露。マジックをかけるスイーツを前にすると「おいしそー!」と声をあげる場面も。生田、高山、堀は、グループメンバーらしく息ぴったりの演技を見せ、三者三様のかわいい表情で驚きを表現した。そんな中、マジックを本気で喜ぶ3人のリアクションを前に、白石は照れ笑い。名刺代わりの「アメイジング!」を決めた高山は、「CMでやるのが夢だった」とご満悦。終始和やかな雰囲気で撮影が行われた。(C)乃木坂46LLC
2019年06月10日アイドルグループ・乃木坂46の高山一実と与田祐希が、29日に放送されるニッポン放送『乃木坂46のオールナイトニッポン』(毎週水曜25:00~27:00)にゲスト生出演することが決定した。放送当日の29日は、乃木坂46のニューシングル「Sing Out!」の発売日でもある。同シングルには、ゲスト出演する高山と与田も選抜メンバーに選ばれている。また、メインパーソナリティを務める新内眞衣と高山は、プライベートでも遊ぶ仲。そして、与田は『オールナイトニッポン』生放送は初めてといい、与田がどんなトークを繰り広げるのかにも注目が集まる。
2019年05月23日アイドルグループ・乃木坂46の高山一実が18日、東京・新宿の紀伊國屋書店新宿本店でデビュー小説『トラペジウム』(発売中 1,512円税込 KADOKAWA刊)のお渡し会を行い、イベント前に報道陣の取材に応じた。乃木坂46の中心メンバーとして人気の高山一実。メンバー初の小説家デビュー作となった『トラペジウム』が、異例の20万部を突破するなど、大きな話題を集めている。イベント前に多くの報道陣を前にして取材に応じた高山は「発売日は囲み取材がありませんでした。今日は囲み取材があると聞いて不安でしたが、こんなにも集まっていただいたことが、20万部達成して変わったのかな? と思っています」と感謝の言葉。新人作家のデビュー作が20万を突破することは極めて異例なことで、「本当にうれしいです。1冊を書き終えた段階で自分の中では達成感があってすっきりした気持ちで、一生の内に本を出せればと思って、それが出せてうれしかったんですけど、今は毎日『トラペジウム』のレビューを見てうれしい気持ちになっております」と満面の笑みを浮かべた。同小説に込めたメッセージを問われた高山は「夢を叶える過程は素晴らしいということを伝えたいとずっと思っていました。私自身はアイドルになりたいという夢を叶えることができて幸せですが、夢を叶えられない方もいると思います。でも、夢に向かう姿は美しいと思っていて、そういう姿を描けたらと思って今回の作品を書きました」と回答。気になる続編については「ゼロではないですね。でも3%ぐらいかな(笑)。主人公にスポットを当てて書いてしまったので、他のキャラクターについて書いてもイイかな? という気持ちが3%です」と語った。また、同小説が映像化される場合のキャスティングを問われて「どうにかしてアイドルになりたい女の子の話ですが、実際にそういう子が全国にいると思うので、オーディションで見つけ出した子がそのまま乃木坂46のメンバーになったら面白いかなとはずっと思っています」とシンデレラストーリーを希望しているという。
2019年03月19日アイドル界屈指の才女、乃木坂46の高山一実(25)にテレビ業界が熱視線を送っているという。高山といえば読書を趣味にあげ、昨年11月に発表した初の長編小説『トラペジウム』が20万部を超えるベストセラーとなるなどまさに才色兼備。そのいっぽうで、その高いバラエティ力にも注目が集まっている。3月5日には、4月6日に放送される『オールスター後夜祭19 春』(TBS系)で高山が司会を務めると発表。本番組は毎年春と秋に放送されている『オールスター感謝祭』の“延長戦”として昨年春から始まったもの。3回連続で司会を務める高山だが、その見事な司会ぶりは毎回大きな話題になっている。昨年4月の初回時には司会初挑戦ながら、100人以上の芸人を相手に堂々かつスムーズな進行で周囲を驚かせた高山。起用した総合演出の藤井健太郎氏は放送終了後にTwitterで「しかし、高山さんにお願いして本当に良かったな」と称賛。メインMCを務めた有吉も「高山さんが小梅さん(編集部注:小梅大夫のこと)の数倍しっかりしてて助かりました……」一風変わったエールを送っていた。その他にも『しくじり先生』(テレビ朝日系)や『水曜日のダウンタウン』(TBS系)などバラエティ番組への進出が続いているが、今後ますます加速していくという。「アイドルはイメージ上言えないことも多いですが、高山さんは頭の回転が早いので無茶ぶりされても場の雰囲気を壊さないと現場から評判です。番組で共演したバナナマンの設楽統さん(45)やオードリーの若林正恭さん(40)らも高く評価していると聞いています。キャラクターも売り出し方も違いますが、その才能から“第2の指原さん”と呼ぶ声もあるそうです。今後はMCなどの仕事もどんどん増えていくでしょうね」(テレビ局関係者)
2019年03月08日乃木坂46の高山一実が27日、東京・新宿の福家書店 新宿サブナード店で写真集『高山一実写真集 独自』(発売中 1,800円税抜き 徳間書店刊)の発売記念イベントを行った。乃木坂46メンバー初の小説家デビュー作『トラペジウム』が20万部を突破するなど、話題を集めている高山一実。2冊目となる同写真集は、憧れ国・フィンランドで撮影された。首都ヘルシンキから古都ポルヴォー、そして森と湖の町ハメーンリンナを旅する過程の中で高山の素顔を切り取り、中にはセクシーなショットも織り交ぜるなど、意欲に充ちた1冊となっている。写真集について高山は「今回は本当に私のすべてが詰まっています。フィンランドはいつか行ければと思っていましたが、こうして行くことが出来て夢が叶いました。宝物になりましたし、紙質や特典などこだわらせていただいたので、自分の中では幸せという気持ちいっぱいです」と満足げ。気になるセクシーなカットを撮影するために努力を惜しまなかったそうで、「乃木坂46に入って一番身体を絞って作り込みました! プロポーションもそうですし、心情的にも一番ベストな状態だったと思います」と胸を張った。京セラドームで開催された西野七瀬の卒業コンサートに出演したばかりの高山。「一昨日まで目がすごく腫れてました。卒業コンサートで泣きはらしたので、昨日はむくみ防止のセロリのドリンクを飲みました(笑)」と西野の卒業には大粒の涙を流したという。「七瀬ちゃんと歌わせてもらいましたが、それが最後にできて良かったと思います。最終日は顔がボロボロになるぐらい泣いて次の日も止まりませんでしたが、2日経って元気になりましたよ」と現実を受け止めている様子。また、小説と写真集、どちらが向いているのかと聞かれると、「本心を語るという意味では文章の方が語りやすいですが、私はアイドルが好きでアイドルになりたくてアイドルになりました。アイドルといえばカメラの前ですごく楽しそうに歌ったり色んな表情をしたりと、そういう表情も大切だと思いますので、乃木坂46にいる間は両方で伝えられたらと思います」と回答していた。
2019年02月28日平成カルチャーにどっぷり浸かった古市憲寿さんと乃木坂46の高山一実さん。青春期に夢中になったものを振り返りながら、去りゆく平成を、愛をもって語ります。平成って、昭和のツケをずっと払い続けてきた時代なんですよ。社会学者でテレビのコメンテーターとしても活躍中の古市憲寿さんと、国民的アイドルグループ・乃木坂46の人気メンバー、高山一実さん。平成最後の冬、ふたりが小説家デビューを果たした。“死と恋愛”をテーマにした古市さんの『平成くん、さようなら』はなんと、デビュー作にして芥川賞にノミネート(発表は1月16日)。“アイドル”を題材にした高山さんの『トラペジウム』は初版即完売、発売から1週間で8万部超まで増刷が大決定!文芸シーンでもまたたく間に注目の的となったふたりが、「平成カルチャー」を振り返り、未来について語り合った。古市:僕は昭和60年生まれで、物心ついた頃がちょうど平成元年。高山さんは平成6年生まれだから…平成8年の「たまごっちブーム」は経験していないですよね。とにかく本物が入手困難で、偽物ばかりを集めてしまった記憶があるけど(笑)。高山:私が子供の頃も、手に入れづらかった記憶があります。ショッピングモールで、整理券をもらって並んで買っていた友達がいたような。古市:今、グーグルで調べてみたら、「たまごっちブーム」って平成で3回起きていた。第2期のブームが平成16年みたいです。確かに、ブームってリバイバルしますよね。平成8年は安室奈美恵ちゃんがきっかけで「厚底ブーム」もあったけど、最近はメンズファッションで「ダッドスニーカー」が流行っている。高山:なんですかそれ!?古市:BALENCIAGAとかGUCCIがここ最近出しているスニーカーって、全体的にゴツくてでかいし、厚底なんだよね。おしゃれで履いていることになってるけど、背が高く見えて、脚が長く見える。高山:そのやり方、賢い!(笑)古市:僕は‘90年代から‘00年代にかけての、平成前半のJポップが大好きなんです。安室ちゃん、あゆ(浜崎あゆみ)、TRF、globeあたりは聴いていました?高山:聴いていたのはあゆと、くぅちゃん(倖田來未)ですね。詳しい子が、おすすめの曲をガラケーの「着うた」に設定してくれたんです。古市:めっちゃ懐かしい。「着うた」だと30秒しか聴けないんですよね。その後、1曲200円で全編ダウンロードできる「着うたフル」ってサービスが出てきた。高山:音楽でいうと、私が最初にハマったのはモーニング娘。さんです。『LOVEマシーン』(平成11年)はリアルタイムで聴いていたかも。父親が好きだったんですよ。たくさんいる中から自分の推しを見つける、みたいなことは物心がついた頃からやっていました。古市:誰推しだったんですか?高山:加護(亜依)ちゃんと辻(希美)ちゃんが大好きでした。古市:ふたりの今を思うと、時の流れを感じますよね。高山:映画だと、『ハリー・ポッター』シリーズ(平成13~23年)が大好きです!1作目の『賢者の石』が公開されたのは、私が小学校1年生の時で。映画の台詞を暗記するっていうのがクラスで流行って、今でも覚えているくらいです。古市:ジェネレーションギャップだ。『賢者の石』の頃は高校生だったから、そんなに思い入れがない。じゃあ、テレビゲームはしましたか?僕はプレイステーション(平成6年)から始まって、家庭用ゲーム機は結構通ってきています。『ドラクエ』とか『FF』(『ファイナルファンタジー』)とか。高山:私は「NINTENDO64」(平成8年)にハマりました。対戦型のゲームをやることが多かったんですよ。『マリオパーティ』と『スマブラ』(『大乱闘スマッシュブラザーズ』)と。小学校の登校班が同級生4人組だったので、4つのコントローラーを使って遊んでいました。古市:仲良し4人組がいたんですね。高山:今でも仲良しです。古市:僕は大学以前に友達だった人と、ひとりも連絡を取ってない。高山:えっ!?古市:携帯電話を最初に持ったのって、何歳の時ですか?高山:中学1年生です。親が渡してくれたんですけど、端末を1円で買えることが信じられなくて、親に怒った記憶があります。「なんでそんな嘘つくの?1円で買えるものなんて世の中にないよ!」って(笑)。古市:家の電話かポケベルしかなかった時代から、ガラケーをみんなが持つようになって、今はスマートフォンの保有率が6割近く。平成の大きな変化の一つは、みんなが当たり前のようにインターネットを使えるようになったこと。高山:ネットで買い物も簡単にできるようになりました。昔はアイドルのグッズが欲しくなったら、地元の千葉から電車で東京へ出て、専門店に買いに行ってたんです。「109‐2」(現「109MEN’S」)の下が、ハロプロショップだったんですよ。古市:そんな高山さんが、乃木坂46の1期生になったのは……。高山:平成23年です。古市:なでしこジャパン、パンケーキブーム、『人生がときめく片づけの魔法』。一気に“現在”って感じがする。だってパンケーキってまだブームじゃないの?高山:そうですよね(笑)。私自身は、7年前のことはあんまり記憶がないんです。オーディションに受かってから1年ぐらいはバタバタでしたし、東京での生活に慣れることにも必死で。お金もなかったので、欲しいものがあっても買えなかったし、カルチャーを楽しむ余裕もなかった。古市:何が欲しかったんですか。高山:洋服と、あとはいい化粧水も欲しかったです。上京して、肌が一気に荒れちゃったんですよ。古市:千葉の水と東京の水って、そんなに違うの!?高山:違うんですよ!実家にいた頃は湧水を汲んで使っていたので。古市:湧水?世代の違いももちろんだけど、地域の違いによっても、生きてきた現実がぜんぜん違うんだね。そこを無視して一括りにしようとする議論がありますよね。平成の若者といえば「ゆとり世代」だ、とか。上の世代からのそういうラベリングって、ピンときてました?高山:悪く思われているなぁという意識はありました。でも、私は高校生の時に『高校生クイズ』にハマって、今も毎年録画して見ているんです。頭が良くて、頑張っている同世代の子たちの活躍を見ると、「この人たちになら日本を任せられる!」って希望が持てるんです。その人たちのことを知っているからか、同世代の悪いところに目を向けようという気にならないんです。古市:よく「ゆとり世代」は協調性がないとか言われるんですけど、見方を変えたら、自分で物事を判断して自分で動ける子たちが多いってことなんですよね。アイドルに関して言えば、平成は昭和に負けてないって思います。古市:高山さんの小説『トラペジウム』、面白かった。すごく好きな台詞があるんです。主人公が言う、「私たちってさ、未来のことばっかり話してるよね」。青春の本質だと思うんですよ。若いってことは未来の話ができるということ。今日は、平成の昔話ばかりさせちゃってごめんね(笑)。高山:私も、古市さんの小説『平成くん、さようなら』の主人公が大好きでした。常に社会を分析しているというか、俯瞰で見ているじゃないですか。「平成くん」に気になることをちょっと質問したら、ばばーっといっぱい返事をもらえる生活って楽しそうだな、と(笑)。古市:すぐに飽きるかもしれないけどね。「昔は良かった」って、下の世代に古い価値観を押し付けてくる大人ってどう思いますか?高山:あんまり共感できないです。私は、昭和のアイドルも好きなんですね。レジェンド感があるし、平成のアイドルは負けている気がしていたんです。でも、自分がアイドルになって、平成のアイドル事情を詳しく知っていくうちに、魅力に気づけたんですよね。今はもう、平成は昭和に負けてないなって思っています。古市:平成って、昭和のツケをずっと払い続けてきた時代なんですよね。5月に新しい元号に変わったら、今度は平成のツケを払わなきゃいけない。そう考えると、平成っていい意味でも悪い意味でも、ずっと終わらないのかなって思います。高山:どうせならいいイメージを持ちたいなって気がします。もっと平成のことを知っていいところを見つけて、「平成っていい時代だった」という気持ちで新しい元号を迎えたほうが、ハッピーじゃないですか。古市:すごい前向き(笑)。ふるいち・のりとし社会学者、作家。小誌連載「紙のラジオ」でおなじみ。平成の記号をちりばめた小説『平成くん、さようなら』が話題沸騰。たかやま・かずみ乃木坂46メンバー。雑誌『ダ・ヴィンチ』で連載した初めての小説『トラペジウム』(KADOKAWA)が大反響。※『anan』2019年1月16日号より。文・真島絵麻里(by anan編集部)
2019年01月17日女優の高畑淳子が5日、主演舞台『土佐堀川近代ニッポン―女性を花咲かせた女広岡浅子の生涯』顔寄せイベントに、赤井英和、南野陽子、田山涼成、葛山信吾、小松政夫、三倉茉奈、紫とも、篠田光亮、越智静香、芋洗坂係長、矢部太郎、武岡淳一、演出の田村孝裕とともに登場した。同作はNHK連続テレビ小説『あさが来た』の原作としても知られる、古川智映子の『小説土佐堀川』を舞台化。明治時代の女性実業家で、大同生命保険、日本女子大学を設立した広岡浅子の激動の生涯を描く。もともとは高畑と藤山直美が主演の『ええから加減』を上演する予定だったが、藤山の乳がん治療のため、同スタッフを中心に演目を変更した。顔寄せイベントでは、南野が「九回転んで、十回起きる浅子さんのように、お身体に気をつけてがんばってくださいませ」と藤山のコメントを代読した。高畑は「大同生命の社長さんが実は『広岡浅子さんは女優さんで言うなら藤山直美さんなんです』とおっしゃったんです」と明かし、「広岡浅子さんのお力、藤山さんのお力、ここにいる皆さんのお力、スタッフ・キャストのお力を借りながら、みなさんが劇場に来てよかったなという作品を作っていけたら」と意気込んだ。藤山について、高畑は「すごく責任感が強くて、名優として生まれた自分の宿命を非常にいつも抱えていらっしゃる方」と表現。「まっすぐ舞台に立つことだけを考えてらっしゃる方で、こういう形でお出にならないことはさぞやご無念だと思います」と言葉を詰まらせた。「念だけ、京都から送って下さい! どうぞ心配なさらずに、次のお芝居でご一緒できることを楽しみにしています」「私たちに任せて下さい」とメッセージを送り、涙を拭った。また高畑は「今回は、朝のドラマ『波瑠が来た』……」と言い間違えてその場を笑わせる。改めて「『あさが来た』でおなじみの、波瑠さんが演じた広岡さんの一生です」と紹介し、「最初の若い頃はちょちょっと片目をふさいでください。後半の老いてからは十分見ごたえがありますので!」とアピールした。
2017年09月05日10月に開幕する高畑淳子主演の舞台『土佐堀川近代ニッポン―女性を花咲かせた女 広岡浅子の生涯』。その製作発表が行われ、出演者の高畑淳子、赤井英和、南野陽子、田山涼成、葛山信吾、三倉茉奈、紫とも、篠田光亮、越智静香、演出の田村孝裕が登壇した。舞台『土佐堀川』チケット情報本作は、NHK連続テレビ小説「あさが来た」(15~16年)でもお馴染みの女性実業家・広岡浅子のドラマチックな人生を描く舞台。「あさが来た」の原案でもある古川智映子の小説が原作で、主人公の浅子を高畑が演じる。製作発表は、浅子が「女性にも学問を」という思いから設立に貢献した日本女子大学が会場となり、冒頭では同大学の講師による“広岡浅子ミニ講義”も開かれた。浅子の波乱万丈の人生を、17歳から亡くなるまで演じる高畑は「最初(十代の頃)はお客さんに特殊眼鏡を渡したいくらいですが(笑)、晩年のほうのシーンはすごくよくて。(脚本を読んでいると)涙でぐしょぐしょになります」と明かし、浅子について「“女性はこう生きなければいけない”という時代に、“なぜ?”と思える人だったんでしょうね。商売に長けた三井家の中で、自分も(男性と)同等に商いをしたい気持ちもあったんだと思います」と印象を語る。演出の田村は「淳子さんは走りだしたら止まらないというか、止まれないというか(笑)。広岡浅子さんと重なる部分がすごく多くて。前を向いたら突き進んでいく印象があるので、僕はすごく(浅子と)重ねやすいです。新しい淳子さんというかそのままの淳子さんというかが見られるんじゃないかと思います」。浅子の旦那・広岡信五郎役の赤井は「大阪の商売人の役なので、それならピッタリやな!と脚本を読ませてもらいました。『涙は悲しいときに出すんやなく、嬉しいときに出すんや』という小藤の台詞に胸を打たれましたね」と劇中の印象的な台詞を披露。広岡家の女中・小藤役の南野は「小藤は浅子の幼いころから晩年までずっとそばで支え続けた、いや逆に支えられた…そのくらい密で、近くにいた人間です。(同じように)高畑さんにいろいろ教えていただきながら、支えていきたいです」と高畑との共演を心待ちにしている様子。広岡正秋役の田山は、実年齢は8歳下である赤井の弟役を演じることに「どう料理しよう」と笑いつつ「浅子さんのような人の影には、その人の気持ちを受け、支える人が必ずいるんだなと感じました」と、今作で描かれる浅子と正秋の関係に思いを馳せた。高畑が「メランコリックにならないで、目の前にあるものを追いかけていきたい」と語る本作は、10月4日(水)から28日(土)まで東京・シアタークリエにて上演後、全国7か所を巡演。取材・文:中川實穂
2017年08月25日転職回数が多いというだけで、飽きっぽい、仕事が長続きしない人というイメージを持たれることがあります。でも、最初の就職先で「天職」に就く人はそれほど多くないはず。自分が満足できるような職業に就きたいなら、今、何をすればいいのでしょうか。現役のビジネスマン(35歳にして、大学卒業後4社目!)でもあり、「キャリアの仕込み方」の著者でもある広岡一実さんに、ポジティブに働くためのヒントをおうかがいしました。■キャリアシートの中の「自分」――広岡さんが著書のタイトルにも使われている「キャリアを仕込む」というのは、具体的にどういうことをするのでしょうか?「転職経験のある人なら、職務経歴書(キャリアシート)というものを書いたことがあると思います。僕は転職活動のときに書いた職務経歴書の中にいた自分が、思い描いていた自分と違っていることに違和感を覚えました。実は、その『理想の自分』と『現在の自分』とのギャップを埋めていくことがキャリア形成なのです。自分のためだから、やる気にもなるし、ポジティブに考えることもできます。『キャリアを仕込む』という行動の本質は、『何をやるか』ではなく、『どれだけ自分が好きなのか』ということを問われているのです」確かにそう考えると、何をすればいいかが見えてきそうです。自分自身を客観的に見ることが大切なのですね。■過去を掘ると見えるもの――新しいことを始めるときや、何かをやめたくなったときに「過去を掘る」ということをされているそうですが、どんな効果があるのですか?「『過去を掘る』というのは、自分がどんなタイプの人間で、どんな物事に興味や関心があるのか、どんな環境で喜びを感じるのか、ということを客観的に理解するための方法です。昔、自分が興味のあった物事、中でも、ポジティブに取り組んでいた2つ以上の対象を、活動していた理由など、さまざまな角度から掘り下げてみると、そこには共通項があるのです。僕の場合、それが『サッカー』と『DJ』という2つの対象でした」――まったく共通点がなさそうに思いますが、共通項は何だったのですか?「共通項は、『個人よりチームが好き』『ゼロから何かを作り上げるクリエイタータイプではない』『誰かを生かすことに喜びを感じる』『完全な裏方は好きではない』ということです。この共通項を見ると、『何かをプロデュースするのが好き』、『外部からかかわるだけでは物足りない。プロジェクトの当事者でありたい』という、自分が満足できる仕事や理想的な居場所が浮かんできます」――自分が何に対して喜びを感じるのか、どんな環境で能力を発揮するのかということの原型となるものが、過去の自分の行動の中にあるということですね。「実際に、僕はこれまでブランドマーケティングの仕事には長期間携わってきたけれど、商社営業などのクライアントビジネスは長く続きませんでした。人間は自分にとって居心地のいい空間でなければ長くはいられないし、続かないということです。また、あこがれや嗜好(しこう)は、自分の本質的な欲求と必ずしも合致しません。過去を掘ってみて、『人を喜ばせることが好き』という結果が出た人にとっては、アパレルショップの販売員という仕事は面白くてやりがいもあり、居心地のいい空間になるでしょう。でも、『何かをコントロールすることが好き』という人が、『アパレルが好き』という理由だけで、ショップの販売員の仕事に就けば、そこは不満だらけの居場所になってしまうかもしれません」そうですね。好きなものを扱ったり、好きな業界にいるのに「仕事が楽しくない」という人は、意外に多いような気がしますね。■ビジネスマンは「武器」を持て――キャリアを仕込むための具体的な方法として、「自分の武器を創り出せ」ということをおっしゃっていますが、広岡さんの武器は何ですか?「持っている情報や知識領域の『広さ』だと思います。『広く、浅く』ですが、『広さ』なら負けません。学生時代、歴史の流れは何でも知っているけれど、年号なんかはまったく知らなかったので、歴史の点数はいつも悪かったですよ。でも、ビジネスの世界では、あふれる情報や業務の中から、何が肝なのかをスピーディーに察知できる能力は大いに武器になっています。まあ、器用貧乏と言っているようなものですし、M&Aから広告実務まで、いいように使われちゃいますけどね」――でも、いいように使われることで、また新たな知識や実戦力も身につくはずですし、武器はますます強くなりますね。最後になりますが、現在の会社とお仕事には満足されていますか?「実は上場企業で仕事をするのは、この会社(インフォコム)が初めてなんです。仕事としては、新しいメディア事業を企画して立ち上げることができましたし、アンドロイドアプリ『TABROID』のブランド・ステイタスも確立されつつありますので、現状には満足しています」数年後には海外を拠点に仕事をしていたいし、自分でブランドもつくりたいとのこと。広岡さんのキャリアシートは、まだまだ更新されそうです。キャリアを仕込むには、何をするかではなく、どれだけ自分を好きなのか……という言葉に尽きるのかもしれません。あなたは「今の自分」が好きですか?広岡 一実(ひろおか・かずみ)1976年生まれ。大学卒業後、商社で海外化粧品ブランドのマーケティング業務、溶剤営業。某大手グループ会社でBPO営業。某企業の社内ベンチャーとしてGPSゴルフナビ「Walkalong」の事業立ち上げ、ビジネス構築に従事。2010年からインフォコム・ネット事業本部(現職)。著書「キャリアの仕込み方」(インプレスコミュニケーションズ/デジカル)は、Amazon Kindle ストア、楽天kobo、紀伊國屋書店Book Webで発売中。TABROID 布施裕子)
2012年11月27日作・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)と、女優・広岡由里子との演劇ユニット「オリガト・プラスティコ」。その第5弾となる『龍を撫でた男』が、2月3日(金)、東京・本多劇場にて初日の幕を開ける。初日前日の2日、通し稽古が行われた。『龍を撫でた男』チケット情報精神病医の佐田家則は、妻の和子とその弟・秀夫、義母との4人暮らし。かつて事故でふたりの子供を亡くしており、そのショックから義母は精神に異常をきたしてしまっている。正月、そんな佐田家を訪れた、家則夫婦の知人で劇作家の綱夫と舞台女優の蘭子兄妹。綱夫は和子に、秀夫は蘭子に気があり、また蘭子と家則はちょっとワケありの様子だ。5人の思惑が交錯する中、「異常心理学会創立準備委員」と名乗る男たちまでもが現れて……。作・福田恆存、演出・KERAという、なんとも意外かつ、ワクワクする組み合わせが実現した。福田は評論家としても著名なだけに、硬い文章を想起する人も多いかもしれない。だが『龍を撫でた男』というタイトルからも分かるように、その文体はどこかユーモラス。さらに人間という愚かな生き物に対する優しい眼差しが、セリフの端々から感じることができる。恐らくKERAが本作に惹かれたのも、そんな点にあったのではないだろうか。そしてKERAは、その福田の世界観を過度に現出させることなく、それでいて行間には彼らしい過剰さもしっかり忍ばせる。もちろんそれを体現できる、KERA作品おなじみの役者陣が担ったものの大きさは言うまでもない。夫として、そして精神病医として妻を見守り、そして苦悩を募らせていく家則を演じるのは、山崎一。彼の中に積み重ねられていった、佐田家の負の要素。それゆえの微妙な変化を見せられるのは、やはり山崎の高い演技力あってこそだろう。和子役の広岡由里子、綱夫役の大鷹明良、蘭子役の緒川たまきは、感情の起伏、間合い、話し方など、正気と狂気の境界線上にいる人間ならではの見せ方が絶妙。狂気をさまよう人間の、切なさまでもが伝わってくるようだ。また秀夫演じる赤堀雅秋は、いい意味での気持ち悪さを醸し出し、その存在を強く印象づけた。本作の登場人物たちは、山崎演じる家則以外、何かしら皆精神を病んでいる。ゴーリキーの『どん底』の歌詞のように、暗い牢屋の中で、鉄の鎖に捕らえられてしまっているのだ。だが果たして牢屋にいるのは自分なのか、相手なのか。そして人生で真に望むべきものは、新しい冒険なのか、日々の繰り返しなのか。狂気と正気の差はまさに紙一重。辛辣なラストに、その答えを見た気がした。公演は同劇場にて2月12日(日)まで。チケットは発売中。文・野上瑠美子
2012年02月03日