「デビュー作がこんなに素晴らしい作品で。でも、これが当たり前だと思わずに今後もやっていきたいと思います」と意気込みを会見で語ったのは眞栄田郷敦(19)。父は千葉真一(80)、兄は新田真剣佑(22)という超サラブレッドの郷敦は、昨年10月にモデル活動を始めていた。それから5カ月、3月13日に満を持して映画『小さな恋のうた』(5月公開)で“俳優デビュー”を公表したのだ。千葉家の知人は言う。「郷敦くんはイケメンなのに、という言い方は語弊があるかもしれませんが、とにかくストイックなんです。19歳といえば食欲旺盛な時期です。それにも関わらずいまは“一日一食生活”を続けています。モデルの仕事のオファーも多いので、スタイルを維持するためにかなり節制していますし、日々のトレーニングも欠かしません。真剣佑くんとは、よくいっしょに食事をしていて、仲も良いようですが、『兄には負けたくない』と、もらすこともあります」実はこの兄への強いライバル意識は、父・千葉真一の薫陶によるものだという。千葉に息子・郷敦の俳優デビューについて、電話で取材したところ――。「郷敦が俳優という仕事に興味を持ったのも、真剣佑の影響が大きいのだろうね。真剣佑もすでにハリウッドで活動を始めているけれど、弟のほうもゆくゆくはアメリカでの活動を目指している。でも実は郷敦が芸能界に進みたいと言い出したとき、俺は彼に約束させたんだ」千葉は郷敦にこう言い聞かせたという。「お前は日本でタレントになるという意味を理解しているのか?お前は俺や兄のおかげで、真剣佑よりも“いい環境”で仕事を始めることになる。日本には“二世タレント”という言葉がある。お前の場合は真剣佑の2倍は成功しないと、二世ではなく“ニセ者”と呼ばれてしまうんだ。“ニセ者俳優”と呼ばれたくなければ、俺のことも真剣佑のことも超える覚悟でやれ!それができないのなら、すぐに芸能界を辞めろ!」国宝的イケメン俳優とも呼ばれる真剣佑の“2倍”成功しなくてはならないというのは、かなり厳しい条件だが、郷敦は『絶対に2人を超えてみせるよ!』と、うなずいてみせたのだという。映画『小さな恋のうた』の完成報告記者会見で、郷敦は次のように語っていた。「父には本読みもしていただいて、現場にも一回来てもらって、稽古も細かいアドバイスをいただきました」親子でありながら、千葉は郷敦にとって“厳しい師匠”でもあるようだ。――具体的には、千葉さんはどんな指導をされたのでしょうか?「……息子のことだから、あまり俺の口から詳しくは話しづらいのだが(苦笑)。映画の撮影が始まる前、彼に教えたのは“演技とは何か”“本物の俳優とはどんな存在か”ということにつきるね。台本を理解できない読解力のない俳優は絶対に大成しない、とも伝えたよ。台本を何十回も読み込むことで、登場人物はどんな人間なのか?このシーンで人物は何を感じているのか?……台本にはっきり書かれていないことが理解できるようになるまで読み込め、と教えたんだ」父の愛情と叱咤を受けながら、郷敦の兄・真剣佑の背中を追い越すための闘いが始まった。
2019年03月22日アイドルグループ・乃木坂46の新内眞衣が、13日に東京・ニッポン放送で行われた『オールナイトニッポン』『オールナイトニッポン0(ZERO)』パーソナリティ発表記者会見に出席した。会見では、4月からアイドルグループ・乃木坂46が『オールナイトニッポン』(毎週月曜~土曜 25:00~)水曜日パーソナリティを務め、メインパーソナリティを新内が担当することが発表された。2016年から、新内は『オールナイトニッポン0(ZERO)』(毎週月曜~土曜 27:00~)を担当しており、"昇格"という形に。また、新内はニッポン放送の関連会社のOLとして働いていた過去も。新内は「3年前にも、三四郎さんたちと『オールナイトニッポン0(ZERO)』の記者会見をやらせていただきました。その頃は『コネだ、コネだ』と言われましたが(笑)、3年間やらせていただき、乃木坂46として1部(『オールナイトニッポン』)でお話しをさせていただくことになりました。本当に感謝していますし、事の重大さをひしひしと感じています」とあいさつした。さらに「私自身、聞いたのが一昨日でした。めちゃくちゃ私もまだ動揺していると言うか、事がよく分かっていません」と明かしつつ、「1部に上げていただくのはすごいことです。乃木坂だけではなくて、坂道グループも来ていただけたら、もっと盛り上がるんじゃないかなと思うので、若い子の声も届けられるように頑張りたいです」と意気込んだ。
2019年03月13日アイドルグループ・乃木坂46の新内眞衣が、23日深夜に放送されたラジオ番組『乃木坂46 新内眞衣のオールナイトニッポン0 (ZERO)』(ニッポン放送/毎週水曜27:00~28:30)で、アイドルグループ・けやき坂46の振る舞いを絶賛した。19日に神奈川・横浜アリーナで行われたニッポン放送主催のライブイベント『ALL LIVE NIPPON』にて、スペシャルコラボパフォーマンスを披露した新内とけやき坂46。ライブの2日前、新内はダンスの練習をするためにリハーサルスタジオへ恐る恐る足を踏み入れたところ、けやき坂46のメンバー全員が「ピシッと整列して」待ち構えていたのだという。メンバーから「今日はよろしくお願いします! コラボできることは本当にうれしいと思っています!」と勢いよく宣言され、新内は思わず「そんな大丈夫なので…」と挙動不審になってしまったとのこと。その後行われたダンスの練習の時にも丁寧に教えてくれ、また、けやき坂46の衣装姿を披露した時には、メンバー全員から一斉に「かわいいー! 新内さん一番似合ってる!」と褒められるなど、至れり尽くせりの対応を受けたのだとか。イベント終了後、新内はけやき坂46メンバーのブログをチェック。そこで様々なメンバーが自分について言及しているのを見て「もう、お姉さん超ご機嫌!」とうれしかったことを明かしつつ、「もう、ほんとなんてよくできた子たちなの! って思いましたね」と絶賛していた。
2019年01月27日アイドルグループ・乃木坂46の新内眞衣とアイドルグループ・けやき坂46が19日、神奈川・横浜アリーナで行われた『ニッポン放送オールナイトニッポンpresents ALL LIVE NIPPON 2019』で、一夜限りのスペシャルコラボを披露した。イベントのトリを飾ったのは、けやき坂46。「誰よりも高く跳べ!」の歌唱途中には、けやき坂46の衣装に身を包んだ新内が登場した。新内は「一夜限りのコラボレーション、もっともっと盛り上がっていけんのかー!? 横浜行くぞー!!」と観客を煽りつつ、けやき坂46のメンバーと共に、パフォーマンスを披露。歌い終わると「今日は(けやき坂46の)平均年齢を、ガッツリ上げてやりました!」と、乃木坂46最年長メンバーとして姉妹グループとの共演に喜びを露わにしていた。7回目を迎える同イベント。新内とダンス&ボーカルグループ・三代目 JSOUL BROTHERSの山下健二郎がMCを務め、氣志團、Creepy Nuts、けやき坂46、三四郎、SUPER BEAVER、Toshl(龍玄とし)、四千頭身が出演した。けやき坂46 写真:上山陽介
2019年01月20日アイドルグループ・乃木坂46の新内眞衣が、9日深夜に放送されたラジオ番組『乃木坂46 新内眞衣のオールナイトニッポン0 (ZERO)』(ニッポン放送/毎週水曜27:00~28:30)で、昨年12月30日にTBS系で放送された『第60回 輝く! 日本レコード大賞』で号泣した理由を説明した。「シンクロニシティ」で2年連続の日本レコード大賞を受賞した乃木坂46。選抜メンバーとして受賞の瞬間に立ち会っていた新内は、号泣している姿がカメラに映っており、「呼吸がうまくできないくらい泣きました」と当時の状況を振り返った。なお、受賞時だけに限らず、レコード大賞の日は「1日中泣き通しだった」という新内。本番前に振付師から「お世話になった人の顔を全部思い出して、想いを込めてパフォーマンスをするように」と言われたことをきっかけに、様々なスタッフへの感謝の気持ちが沸き上がり、涙が止まらなくなったのだと明かした。本番はなんとか涙をこらえていたものの、新内は大好きなドラマ『JIN-仁-』の主題歌「逢いたくていま」を歌っていたMISIAのステージを目の前で観て、「なんて幸せなんだ!」と思い、またも涙がこみ上げてきたとのこと。そして大賞が発表されたのち、新内はステージの傍でうれしそうに見守るスタッフの姿を確認して「乃木坂っていいチームだな…」と思い、号泣してしまったという。大賞受賞後のパフォーマンス中は、アイドルらしく表情を作ろうと考えていたものの、思っていたタイミングよりも早くカメラに抜かれてしまい、「キメ顔どころか、涙を我慢している顔がオンエアに乗っちゃいました」と恥ずかしそうに回顧していた。
2019年01月14日アイドルグループ・乃木坂46の新内眞衣が、10月31日深夜に放送されたニッポン放送『乃木坂46 新内眞衣のオールナイトニッポン0(ZERO)』(毎週水曜 27:00~)に出演し、「埼玉県民の日」の14日に埼玉県の「1日おまつり広報大使」に就任したことを発表した。また、これに合わせて、同日のニッポン放送の朝~夕方の番組に連続生出演し、埼玉県と乃木坂46のニューシングルのPRを行うことも発表された。埼玉県出身の新内は同番組にて、地元・埼玉に関する番組企画を実施していたところ、その話が埼玉県広聴広報課に伝わり、一昨年の「埼玉県民の日」に埼玉県のPR大使的なポジション「埼玉応援団(愛称:コバトン倶楽部)」のメンバーに就任。さらに昨年には、継続的なPR活動が認められ「一日広報課長」にも就任した実績がある。就任3年目となる今年は14日、埼玉県庁にて「まつり」をテーマにしたステージ企画を行うことに際し、「1日おまつり広報大使」の就任が決定。埼玉県庁で開催されるイベント「県庁オープンデー」のステージに登場することになった。当日は乃木坂46の22枚目のシングル「帰り道は遠回りしたくなる」のリリース日でもあることから、新内はニッポン放送の番組『垣花正 あなたとハッピー!』(8:00~)、『ラジオビバリー昼ズ』(11:30~)、「土屋礼央 レオなるど」(13:00~)に連続して生出演し、埼玉県のPRともに、ニューシングルのPRを行う。さらに、同日深夜3時からの『乃木坂46 新内眞衣のオールナイトニッポン0(ZERO)』では、当日のイベントの模様なども放送する予定だ。
2018年11月01日アイドルグループ・乃木坂46の新内眞衣が、25日深夜に放送された自身がパーソナリティを務める『乃木坂46新内眞衣のオールナイトニッポン0(ZERO)』(27:00~)にて、始球式を行うことを発表した。始球式が行われるのは、9月8日(土)、新内の地元でもある埼玉県・メットライフドームで開催予定のプロ野球「ライオンズ対マリーンズ戦」。番組冒頭、「今週は重大発表があります!」と切り出した新内は、「埼玉西武ライオンズ対千葉ロッテマリーンズ戦で、私・新内がなんと始球式を務めることになりました!」と、興奮気味に明かした。しかし「始球式って、名の知れた方々がやるイメージなんですけど、いいんですか新内で? 間違ってません?」と不安げな様子であり、「しかも私、学校のボール投げの測定で、10メートルいったことがないんで、ここから練習をしたいと思っています…」と話していた。また、8月1日深夜の放送では、乃木坂46のメンバーで同じく埼玉県出身の秋元真夏が登場。改めて始球式の話題についても取り上げられる予定だ。
2018年07月26日タレントの眞鍋かをり(37)が4月17日、都内で行われた『ストレスオフ県ランキング2018』の記者会見に出席。そこでメイクが落ちるほど大号泣し、同席したタレント・鈴木奈々(29)を驚かせた。 同会見では、涙を流してストレスを発散する“涙活(るいかつ)”を体験。専門家が用意した闘病中の母親と、母親の帰りを待つ娘の映像が流された。子どもが登場した瞬間から眞鍋はハンカチで目頭をぬぐい、中盤からはボロボロと大号泣。 鈴木も涙を見せていたが、メイクが落ちて目元が真っ黒になるほど泣いている眞鍋を見て「ちょっとやばい!真鍋さんメイクが落ちてる!」と大慌て。「めっちゃハプニング!すごい顔になってますよ!大丈夫ですか!?」と驚いていた。 眞鍋は「子どものやつはダメだ~。親になってから子ども系の映像はすぐに泣いちゃいますね」と苦笑。「最近は『火垂るの墓』を見ていても、節子が出てきた瞬間に泣いてしまう。重ね合わせちゃって、子どもを残して自分が病気になったりとかを想像すると、それがいちばん怖いことなので……」と大号泣した理由を明かした。
2018年04月17日深田恭子と松山ケンイチが妊活に励む夫婦役を、北村匠海と眞島秀和が“同性カップル”を演じる「隣の家族は青く見える」が1月18日から放送開始。北村さんと眞島さんのキスシーンにSNSが騒然とするなか、社会問題に向き合う姿勢への評価の声も上がっている。本作は「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」「ラスト・シンデレラ」「ディア・シスター」などを手がけてきた脚本家・中谷まゆみ氏によるオリジナルストーリー。さまざまな家族が自分たちの意見を出し合いながら作り上げる集合住宅“コーポラティブハウス”に暮らす各家族の葛藤と成長をハートフルに描くヒューマンドラマとなっている。“子どもが欲しいカップル”を深田さんと松山さんが、“子どもが欲しくない女性とバツイチ男性のカップル”を平山浩行と高橋メアリージュンが、“虚栄心の強い専業主婦と失業夫カップル”を真飛聖と野間口徹が、そして“同性カップル”を北村さんと眞島さんがそれぞれ演じる。1話では北村さん演じる青木朔と眞島さん演じる広瀬渉の“ラブストーリー”と、深田さんと松山さん演じる五十嵐夫婦の“妊活”に視聴者の視線が注目した模様。北村さんと眞島さんのカップルには「最高に可愛い」「キャスティングしてくれた方、ありがとうございます」「スピンオフで見てみたい」などの声が殺到。特に北村さんには「若くして新境地ですごい」「こんなかわいい匠海くんが毎週見れるなんてしあわせー」といったツイートも数多く寄せられているほか、「表情がゲイとして描かれやすい「女の模倣」ではなく完全に純粋な「恋する人間」の香りしてる」とその演技を賞賛する投稿も。今作で北村さんを知ったという視聴者からの「めっちゃ可愛い!思って調べたら、北村匠海ってゆう人やった」というツイートもあり、今作で一気に北村さんの俳優としての認知度が上がったのは間違いなさそうだ。また深田さんと松山さん演じる五十嵐夫婦に対しても「不妊治療ってこんなに大変なんだね」というツイートが多数寄せられており、「現代の身近な問題が盛りだくさんで良い内容だった」「現代の日本の社会的問題を全部総括した感じ」などといった声も数多く見られた。次回の2話では朔(北村さん)が奈々(深田さん)と親しくなったことで、自分達の関係に気付かれるのを恐れた渉(眞島さん)と朔の仲に溝が生まれるほか、亮司(平山さん)の息子も登場するなど各家族の事情がさらに描かれていくようだ。現代社会が向き合っている“多様性”にまつわる様々な問題と正面切って向き合った感のある本作。「様々な問題を抱えた登場人物たちがどのような形で幸せを体現していくのか見届けたくなった」というツイートが象徴するように、多くの視聴者が自らを取り巻く環境と重ね合わせながら、物語の行く末を見守っているようだ。「隣の家族は青く見える」は毎週木曜日22時~フジテレビにて放送中。(笠緒)
2018年01月19日タレントの眞鍋かをりが、あす3日に放送されるテレビ朝日系バラエティ番組『あいつ今何してる?』(毎週水曜19:00~19:56)に出演。地元・愛媛での学生時代に「東京」というあだ名で呼ばれていた同級生の現在が明らかになる。ゲストの学生時代の同級生の"今"を調査していく同番組。眞鍋は、高校時代まで愛媛・西条市内の学校に通っていたが、そんな中で「東京」というあだ名の同級生の女の子がいたという。その理由は、東京に親戚がいて、当時とてもあか抜けていただからだそうで、ルーズソックスが禁止だったが、靴下を少しルーズにはき、スカートも短め。当時は「超○~」など、少しでも都会っぽい言葉を話すだけで「なにあの子? カッコつけて」と後ろ指をさされる雰囲気だったが、彼女だけは「東京っぽいから」と許される特別な存在だったそうだ。そんな彼女が現在、あだ名のままに東京で生活しているのか、それとも地元・愛媛にいるのか、どう成長しているのかが明らかになる。この日の放送には、タレント・俳優の片岡鶴太郎も登場。アルバイトをしていたプレス工場の機械音がとても大きかったため、その音に紛れて仕事をしながらモノマネの練習をしていたそうだが、その工場は同級生の家の自営だったという。また、中学時代に少しだけ付き合っていたというスポーツウーマンの同級生のエピソードも紹介。この2人の同級生の現在が、明らかになる。
2016年08月02日『これが「買い」だ私のキュレーション術』(成毛眞 著、新潮社)の著者は、マイクロソフトの社長を務めたのちに独立し、投資コンサルティング会社「インスパイア」を設立した人物。現在は早稲田大学客員教授、スルガ銀行社外取締役、そして書評サイト『HONZ』代表としても知られています。そんな著者による『週刊新潮』の人気連載を単行本化した本書は、情報に流されることなく、あらゆるものを的確にキュレーション(情報を集め、まとめる)する術を明かしたもの。最先端IT機器やアプリ、果ては住まいの選び方、あるいはSNS活用法、投資先、遊び場所、接待手段、人物やニュースの見分け方まで、モチーフもさまざま。そして、「手に入れるなら、世間の逆を行け」という“逆張り”の選び方を貫いている点が最大の特徴だといえます。きょうはそのなかから、時間についてのユニークな記述を引き出してみたいと思います。■ぼんやりする時間を持つべし!ご存知のとおり、昨今は電車の中で本や雑誌を読む人が少なくなり、代わりにスマートフォンでゲームをしている人をよく見かけるようになりました。それは悪いことのようにいわれていますが、著者の意見は少し違うようです。「ゲームによっては、脳にとってむしろいいことなのではないか」と思っているというのです。そしてもうひとつ重要視しているのが、「ぼんやりする時間」を持つことだといいます。ボーッとして過ごす時間が大切だということはよく聞きますが、ボーッと草原で大の字になっているとき、温泉に浸かっているときなどには、心身ともにリフレッシュしていると感じられるもの。だから著者もかねがね、ぼんやりする時間をつくってきたそうです。■ぼんやりするためにゲームするとはいえ現実的には、ぼんやりするために草原に出かける時間を捻出したり、温泉を探したりするだけでも大仕事。しかしここで注目すべきは、「なので、私はタブレットでゲームをしている」という著者の記述です。草原で寝転んだり温泉に浸かったりする代わりに、タブレットでゲームをするとは、意外過ぎる発想ではないでしょうか?ただしゲームといっても、一時期流行した脳をトレーニングするようなタイプのものではないだそうです。また、世界征服を企む敵と戦い続けたり、迷宮を探検し続けたりするためにプレーヤーとして成長し、さまざまな決めごとをおぼえ、戦略を練らなくてはならないような複雑なゲームでもないのだとか。かつては長時間拘束されるタイプのゲームにハマり、起きている時間のほとんどすべてをつぎ込んだことが著者にはあるそうですが、そんな経験を持ってしても最近のゲームは複雑すぎ、わからないことが多いのだといいます。はじめたとしても、悶々としながらスタート地点に佇むことになるだろうから、脳は休まることがないわけです。ちなみに余談ですが、そんななか、新版になってもさほど難易度を上げない任天堂の『ゼルダの伝説』シリーズは評価に値するそうです。■予定調和的なゲームでぼんやりしかし、将棋やオセロのように、コンピュータや対戦相手と真剣勝負をするようなものもしないのだといいます。その理由は、著者がビジネスを対戦型ゲームだと思っているため。つまり実際に対戦型ゲームをはじめたら、つい本気になってしまって「間違いなくぼんやりできない」というのです。そこで著者が移動中や待ち時間にしているのは、まず『Hidden Object Games』と呼ばれるジャンルのゲームなのだそうです。なかでも好ましいのは、一枚の大きなイラストのなかに潜んでいるアイテムを探すタイプ。と聞くと思い出すのは、樹木のシルエットのなかに隠されている動物を探すような昔ながらのゲーム。しかし、それよりもずっと単純だというのです。なぜなら、画面になにが隠れているのか、文字でヒントが表示されるから。そのため、文字を見ると反射的に手が動くというわけです。正直なところ、そう説明されても、なにが楽しいのかわからない部分はあります。でも、予定調和的に身をまかせることは、思いのほか快適だというのです。つまり、気分よくぼんやりできるということ。■ぼんやりのための手間をかけるなにもしない、ぼんやりできる時間をつくるのは、意外に難しいもの。しかし著者は、ゲームというツールを用いることによってそれを確保しているというわけです。そして、そんなことをしているからこそ、「いろいろなものに追われる現代日本では、せめて電車のなかくらいは、ぼんやりするためにゲームをしてもよいのではないか」という発想になるというわけです。だから著者自身も、ゲームをするのはたいてい移動中。そして飽きたら、ボーッとするための新しいゲームを懸命に探すのだそうです。そして、「ぼんやりするため、この程度の手間は惜しんではならない」とも記しています。*このトピックからもわかる通り、著者の発想は実にユニーク。適度のユーモラスでもあるので、他の項目も含め、リラックスしながら読み進めることができるはずです。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※成毛眞(2016)『これが「買い」だ私のキュレーション術』新潮社
2016年07月25日『ビル・ゲイツとやり合うために仕方なく英語を練習しました。 成毛式「割り切り&手抜き」勉強法』(成毛眞著、KADOKAWA)の著者は、株式会社アスキーなどを経て、日本マイクロソフト株式会社設立に参画したという人物。そう書くといかにも華やかに思えますが、現実的にそれは、「30歳を前にして、英語がなんとしてでもできるようにならなければいけない状況に追い込まれた」ことを意味していたようです。マイクロソフトという外資系企業に勤める以上は、必要不可欠な条件だったということ。しかも「コツコツやるのが嫌い」な性格なので、徹底的に手を抜きたかったのだとか。そこで生み出されたのが、本書で紹介されているメソッド。ちなみに本書は、・仕方がなく英語を身につけなくてはならなくなった。・でも、英語学習に時間をかけたくない。・とはいえ、外国人はもとより、日本人の前でも臆せずに英語を話せるようになりたい。という考えを持っている人に最適なのだそうです。結果的に著者自身が、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツとやりあったり、ジョークをいい合ったりする程度の英語は身につけることができたというのですから、そこには妙な説得力があるといわざるを得ません。■手抜き勉強法の核になる5つのポイントそんな著者が編み出した「成毛式『割り切り&手抜き』勉強法」の核になっているのは、次の5つ。(1)発音の基礎(2)「物まね」という筋トレ(3)英語以外の知識(4)道具の活用(5)優先順位を明確にした暗記これらについて考える際に重要な意味を持つのは、著者の目的です。本人の言葉を借りるなら、目指していたのは「ビル・ゲイツの英語っぽい英語」。そのため、発音はいやでも鍛えなくてはならなかったわけです。そこで思いついたのが、体力づくりのような(1)「発音」と、応用編にあたる(2)「物まね」との併用。どちらかひとつでは飽きてしまう可能性がありますが、(1)と(2)を行ったり来たりすることで、「今度はこっちで試してみよう」という心がけも生まれたのだといいます。■ネットスラング「kwsk」に説得力がなお発音に関してのトピックは、著者が母音よりも子音の重要性を強調している点にあるでしょう。中高生時代には誰しも母音について細かく教わったことがあると思いますが、むしろ大切なのは子音だというのです。この点について強い説得力を感じさせるのは、ネットスラングの「kwsk」を引き合いに出している点。いうまでもなく「kuwashiku=詳しく」の略ですが、もしもこれが子音ではなく母音を取り出して「uaiu」だったとしたら、なんのことだかさっぱりわからないはず。ここからもわかるように、子音さえしっかりしていれば、相手に汲み取ってもらうことができるというわけです。■英語の日常会話ほど難しいものはない!(3)「英語以外の知識」の必要性は、著者に英語が求められるようになった時期が、ちょうど転職した直後だったため気づくことができたのだそうです。いいかえれば、英語だけが使えるようにあっても仕事はできないということ。そこで気をつけるべきは日常会話。「せめて日常会話ぐらいはできるようになりたい」という人は少なくありませんが、日常会話ほど難しいものはないというのです。しかしターゲットをビジネスに絞ると、知らなくてはいけない英語の範囲はぐっと縮まるという考え方です。■英語の練習ツールは本からSiriまで(4)「道具」については、英語を練習するために便利なツールとして著者は本を勧めています。ただし、いわゆるテキストではなく、英語をテーマにした読みもののこと。それらは英語学習に直結するものではないものの、英語を練習し続けることへのモチベーションを保ってくれるというのです。また、テレビの副音声、「NHK WORLD RADIO JAPAN News」のポッドキャスト、グーグル音声入力なども有効だとか。iPhoneユーザーには、秘書機能アプリSiriを英語に設定することもいいとか。■決まり文句は「割り切って丸暗記する」(5)「暗記」はいわずもがな。決まり文句は、割り切って丸暗記するに限るというのです。しかも重要なのは名詞。特にその業界の専門用語は、英語でいえないとお手上げ。だからこそ最初は名詞だけを暗記し、動詞は後回しにするということです。なお上記のNHKのニュースやポッドキャストを聴く際にも、「これは経済のニュースだな」「あの事故の話だな」というような判断材料になるのは「聞き取れる名詞」、特に固有名詞が大半。つまり名詞は、聞き取りのキーになるわけです。*こうした基本を軸としながら、他にもオリジナリティ豊かなアイデア満載。本書を活用すれば、これまでとはちょっと違った手段で英語力を身につけられそうです。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※成毛眞(2016)『ビル・ゲイツとやり合うために仕方なく英語を練習しました。 成毛式「割り切り&手抜き」勉強法』KADOKAWA
2016年06月20日(c)Enric Fraderaかねてより知人から「一般常識が欠けている」という注意を受けることの多い私なんですが、みなさんは新幹線の「のぞみ」と「こだま」のちがいって理解していますか?恥ずかしながら齢28のワタクシは、これは機体の種類か何かがちがうだけだろうとつい最近まで思い込んでいたのです。先日、到着時刻をよく調べずにその場で来た「こだま」にテキトーに乗ったら、大阪での待ち合わせに1時間遅刻するという失態をやらかしました。みなさんも気を付けて。さて、一般常識が欠けているアラサ―女性というのはどう考えてもヤバイので、私も世間様の顔を窺いつつオロオロしているのですが、代わりに日常生活で役に立たないムダ知識なら、脳に腫瘍ができるほど溜めこんでおります。「常識ないのはどうなの」という突っ込みはひとまず横に置いていただいて、今回はおひとりさまの人生を何倍も面白くするムダ知識の溜めこみ方について、少し思うところを語ってみます。ムダ知識の溜めこみ、あなたはどこから?私は本からまずは「ムダ知識とは何か」という定義から入りますが、今回はこれを「今すぐには役に立たない知識」くらいの意味で使うことにします。「のぞみ」と「こだま」のちがいを知ればその瞬間から新幹線に乗り間違えるというミスはしなくなりますが、カンボジアでポル・ポトが行なった虐殺の歴史をひも解いても、研究者でもない限りその知識はすぐには役に立ちません。で、こういった「今すぐには役に立たない知識」の大切さを語ってきた人は別に私に限らずいくらでもいるのですが、じゃあこれを一体なんのために溜めこむのかというと、「教養」とかいい出すヤツはアホ、と私は思っています。だれかにひけらかしたり偉ぶったりするために溜めこむわけじゃなくて、「あくまで自分が楽しむためのもの」「自分のまわりの人を楽しませるためのもの」です。異論は認めますが、自分が面白くないんだったらいくら高尚なこと考えててもしょうがないよなー、と個人的には思います。そんなムダ知識、きっとみなさんも日々いろいろな場所からくわえこんでいると思うのですが、鉄板の確保場所はやはり「本」ですよね。というわけで私のおすすめ本の紹介を……といこうと思ったのですが、ここでシュミを爆発させて私の意外にロマンチストな一面が漏れてしまうと恥ずかしいので、今回はおそらくこのコラムを読んでくれている方の8割に楽しんでもらえるだろうと思う最終兵器を1つ出しておきます。HONZという書評サイトの代表・成毛眞さんがまとめた、その名も『面白い本』。歴史に科学に民俗学に、良質なノンフィクションが100冊紹介されているブックガイドです。今すぐには役に立たないムダ知識に救われる面白い本 (岩波新書)成毛 眞 (著)こちらの本で紹介されている、死海文書だとか、ヴォイニッチ手稿だとか、ロゼッタストーンだとかの話は、普通に日常生活を送っていたら本当にまじで必要のないムダ知識だと思うんです。だけど、そんなムダ知識をたくさん抱え込むと、今の自分の視点をボールみたいにポーンと遠くに投げられるんですよ。紹介されている本を1冊実際に手に取ってみることももちろんおすすめなんですが、本の紹介文を読んでいるだけでも、地球の果てから果てまでを何往復も連れまわされている気分になれます。私がこちらで紹介されている100冊のなかからマイベストを選ぶとしたら、定番ですがジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』ですかね。これ、読むのに徹夜したんですよ。世界は広い。歴史は長い。25mサイズのプールだと思っていたものが実は海だったと知ったとき、一瞬足元がふらつくような感覚を覚えますが、その眩暈はとても心地いいものです。私たちの生きている世界は、こんなにも面白かったのか!詐欺だ!……と気が付いたら、きっとひとりでいる時間は今までの何倍も楽しくなるんじゃないかな。ちなみにこの『面白い本』、以前私の部屋に遊びに来た彼氏が、本棚から引っ張り出して私の話をまるで聞かずに読みふけっておりました。みなさんも、本の魅力に負けないで。あと、「のぞみ」と「こだま」のちがいに注意です。Text/チェコ好き
2015年10月22日