「第42回日本アカデミー賞」授賞式が3月1日(金)に開催され、最優秀助演女優賞部門で『万引き家族』の樹木希林が受賞。享年75、2018年9月15日に永眠した樹木さんについて、司会の名優・西田敏行が語り掛ける場面があった。優秀助演女優賞には樹木さんのほか、『北の桜守』の篠原涼子、『空飛ぶタイヤ』の深田恭子、『孤狼の血』の真木よう子、『万引き家族』の松岡茉優と人気女優陣がそろっていた。樹木さんの名前が告げられると、4人は一様に温かい笑みを広げ、名優をたたえ、しのんだ。日本を飛び越え、世界で話題になっている是枝裕和監督の『万引き家族』にて、樹木さんは、家族の中で唯一、定収入があった年金受給者の母・初枝を演じた。作中では、自身の入れ歯を外し、白髪を伸ばし、人が朽ちる様子を外見からも見せる演技を披露した。同賞において、一緒に司会をした経験もある西田さんは、樹木さんについて「あなたを真似たいんですが、あなたの真似はできません。唯一無二、本当に素晴らしい先輩でした。ありがとうございました」と心情を絞り出した。ブロンズ像は、樹木さんの娘である内田也哉子が受け取った。スピーチにて、内田さんは「6年前、最優秀(主演女優賞)をいただいた母が、この舞台で『これをいただくと来年司会でしょ、私、冗談抜きで全身がんなので約束できない』と口を滑らせました。何で、こんな祝いの場で言うのとクレームをつけましたが、本人は平然と『いつ死ぬかわからないから、ちゃんと断らないと先方にもご迷惑でしょう』と。なんてまっとうな心を持ったアナーキーストなんだろうと」と、樹木さんへの想いをとうとうと語った。さらに、「不思議だったのが、がんがわかって真っ先にしたのが父に会いに行き、それまでのすべてを謝りに行くことでした。残された時間がわずかだと知ったときに、関わった人たちに謝ってから逝きたい、と。自分勝手な謝罪ですが、実に母らしいなと」と思いを馳せた内田さん。「58年の役者人生において、映画作りという真剣勝負の現場で、彼女の言動がときに人を傷つけたりもしたと思います。すべての映画関係者に彼女に変わって深くお詫びを申し上げます。ひとつひとつの稀なる出会いに心より感謝申し上げます。長い間本当にお世話になりました。ありがとうございます」と御礼の言葉で締めると、会場からはこの日一番の盛大な拍手が送られていた。(cinamacafe.net)■関連作品:万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2019年03月01日第42回日本アカデミー賞で、伊藤健太郎、中川大志、成田凌、吉沢亮、上白石萌歌、趣里、平手友梨奈、芳根京子が新人俳優賞を受賞し、3月1日(金)に行われた授賞式に臨んだ。受賞の第一報を受けたときのことを聞かれ、伊藤さんは「ちょっとパニックでわからなかったんですけど、とにかく“超やべえ!”と思いました(笑)」とフレッシュに、温かい笑いを振りまいた。もともとモデルとして活躍していた伊藤さんは、2014年にドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」で俳優デビューを飾った。『俺物語!!』や『ミュージアム』で注目を浴びながら、2017年『デメキン』で映画初主演を果たす。翌2018年からは、さらに頭角を現し、『ルームロンダリング』、『ういらぶ。』など立て続けに出演、ドラマ「今日から俺は!!」でコミカルながら硬派なツッパリを魅力的に演じ、中高生を中心に絶大なる支持を集めた。受賞対象作『コーヒーが冷めないうちに』では、唯一の映画オリジナルキャラクターを担当。過去に戻る不思議な喫茶店の女主人に、まっすぐな想いを寄せる大学生を等身大で演じた。そんな伊藤さんと『覚悟はいいかそこの女子。』で共演を果たした中川さんは同作と『坂道のアポロン』で受賞。『坂道のアポロン』では、ジャズドラムを叩く日米ハーフの高校生・千太郎演じるために10か月のハードなドラム練習を積み、原作者・小玉ユキも大絶賛のキャラクターを果せた。ブロンズ像を手にした中川さんは、「自分にとって憧れの場所だったので、この景色を見て、この先も映画作りの世界に携わり続けたいと改めて強く思いました」と、心の内を明かす。「MEN’S NON-NO」の人気モデルでありながら、『スマホを落としただけなのに』から『ビブリア古書堂の事件手帖』まで振り幅の広さを見せつけた成田凌は受賞を受け、「映画の現場に未熟さを感じるんですけどこのよなしょうをいただけてありがたくほっとしたのが正直な気持ちです」と安どの表情で語った。また、芳根さんは、これまでの明るくピュアな印象を覆す、欲と嫉妬にかられるダークな役柄で圧倒した『累-かさね-』と、初の時代劇に挑戦した『散り椿』という力作においての受賞。両作品において、「どちらも自分では逃げたくなるような高い壁だなと感じておりました」と芳根さんはふり返りながら、「あのとき真っすぐ、真正面からぶつからせてもらえたので、ここに立てていると思うと、これからもいろいろな人生に挑戦したいです」と意気込む。さらに、目標の女優を「篠原涼子さんです。大好きです」と、会場にいる篠原さんに向かって告げると、篠原さんは、「芳根ちゃんは、謙虚で明るくて現場を和ませてくれるキラキラしている存在。これからもエネルギーをたくさんいただきたいと思います」とチャーミングに視線を絡ませ合っていた。(cinamacafe.net)■関連作品:坂道のアポロン 2018年3月10日より全国東宝系にて公開ⓒ 2018 小玉ユキ・小学館/映画『坂道のアポロン』製作委員会リバーズ・エッジ 2018年2月16日より全国東宝系にて公開© 2018映画「リバーズ・エッジ」製作委員会累-かさね- 2018年9月7日より全国東宝系にて公開ⓒ 2018映画「累」製作委員会 ⓒ 松浦だるま/講談社響 -HIBIKI- 2018年9月14日より全国東宝系にて公開Ⓒ2018映画「響 -HIBIKI-」製作委員会Ⓒ柳本光晴/小学館コーヒーが冷めないうちに 2018年9月21日より全国東宝系にて公開©2018 映画「コーヒーが冷めないうちに」製作委員会散り椿 2018年9月28日より全国東宝系にて公開Ⓒ2018「散り椿」製作委員会覚悟はいいかそこの女子。 2018年10月12日より全国にて公開©椎葉ナナ/集英社©2018映画「覚悟はいいかそこの女子。」製作委員会
2019年03月01日第42回日本アカデミー賞の授賞式が1日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、俳優の中川大志が新人俳優賞に輝いた。映画『坂道のアポロン』『覚悟はいいかそこの女子』の演技が評価された中川。「この場所は自分にとっては憧れの場所だったので、この景色を見て、この先も映画作りの世界に携わり続けたいなと改めて強く感じました」と熱弁する。「いつかお仕事ご一緒したい先輩の皆さんがいっぱいいますので、監督、プロデューサーのみなさんはもし僕のことを思い出していただければ、オーディションに読んでください!」とアピールした。また、「母親とは、いつぶりかわらかないんですけど、すごく久しぶりにハグをしました。恥ずかしかったですけど、両親も喜んでくれて、良かったです」と明かす。「今日も来てるんですけど、本当に、両親の支えがなければやってこれなかったと思うので、感謝しています」と喜びを表した。一方成田は「映画の現場に行くたびに自分の未熟さを痛いほど感じるんですけど、このような賞をいただけて、ありがたく、正直ホッとしたというのが正直な気持ちです」と真摯に語る。「またこの場に帰ってきたいので、帰ってこられる時がきたら、自信を持って立っていられるようになりたいと思います」と心境を明かし、今度は「司会やりたいですね」と野心を見せた。しかし、司会の西田敏行は「アメリカのオスカーは、司会者がいなかったんだよね。多分来年、司会者がいなくなるんじゃないかな」と予想し、会場の笑いを誘っていた。
2019年03月01日第42回日本アカデミー賞の授賞式が1日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、俳優の吉沢亮が新人俳優賞に輝いた。プレゼンターである、昨年の最優秀主演男優賞受賞者・菅田将暉は「よく知ってるやつも何人かそこにいるので、ちょっと照れくさいですけど、やっぱり同世代の方とこういう晴れやかな場所で出会えるのは嬉しいですね。これからも面白いもの作っていきたいなって、すごく僕も刺激を受けました」と受賞者たちにエールを送る。映画『リバーズ・エッジ』での演技が評価を受けた吉沢は、同作で「ベルリン国際映画祭に行かせていただいたりとか、日本の映画祭にいくつか呼んでいただいたりして、改めて映画を愛する方々の前でお話させていただいた」と振り返る。「みなさんの熱を感じる瞬間がすごく多くて、改めて映画ってすごくエネルギーを持っている素敵なものだなと感じることが多い、去年と今年でした」と、感慨深い様子を見せた。同世代の共演者が多かったという同作だが、「ドロドロした雰囲気なんですけど、役者同士はいたってフレッシュ。みんな仲の良い感じで、終わったあとにごはんを食べたりとか、仲良くやってました」と語る。司会の蒼井優から「映画界を盛り上げていこういう話は?」と尋ねられると、「そこまで熱い話はなかなか恥ずかしくてできないですけど、みんな熱いものはすごく持っていて、作品にかける思いも熱かったです」と、照れていた。
2019年03月01日『孤狼の血』の松坂桃李が、第42回日本アカデミー賞の最優秀助演男優賞を受賞。本年度の賞レースを席巻してきた松坂さんの受賞ともあって、発表の瞬間、会場からは大きな歓声が上がった。松坂さんは、ときにこみあげる熱いものを抑えながら、「すごく…うれしい!!」と何度もブロンズ像や、目前にいる『孤狼の血』チームを見つめ、感謝を訴えていた。助演男優賞には、『北の桜守』で受賞したベテラン俳優・岸部一徳のほか、『空飛ぶタイヤ』のディーン・フジオカ、『散り椿』の西島秀俊、『検察側の罪人』の二宮和也と層の厚い演技派が顔をそろえていた。『彼女がその名を知らない鳥たち』以来、間を空けず組んだ白石和彌監督による映画『孤狼の血』で、役所広司演じる破天荒なベテラン刑事・大上と対立しながらも、影響を受け、やがて師弟関係のような絆を結ぶエリート新人刑事・日岡となった松坂さん。固定概念を何度も大上に崩され、もがき、苦しみながらも成長する姿を、説得力を持って体現。物語後半では、血相を変え汗や涙でにじむ日岡の様相となり、それは同時に松坂さんの新たな引き出しを見せつけられるかのようで、俳優としての魅力が全開となった。広瀬すずから松坂さんの名前が告げられると、松坂さんの隣に座る役所さんがガッツポーズ!その後、白石監督、役所さんと固い握手を交わし、信じられないような面持ちでステージにあがり、満面の笑みでブロンズを受け取った松坂さん。「いやあ…」とブロンズ像を見つめ、「すごいうれしい」と小声でつぶやいた。「僕にとっては財産のような、そんな作品になりました!この受賞を皆さんで一緒にわかちあいたいと思います」と深々と礼をしていた。(cinamacafe.net)■関連作品:孤狼の血 2018年5月12日より全国にて公開ⓒ 2018「孤狼の血」製作委員会
2019年03月01日第42回日本アカデミー賞の授賞式が1日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、俳優の松坂桃李が最優秀助演男優賞に輝いた。映画『孤狼の血』での演技が評価を受けた松坂。受賞スピーチでは「本当にすごく、嬉しいです。何を言えばいいんでしょうか」と感極まった様子を見せる。「本当に、(監督の)白石(和彌)さんと今回2作目なんですけど、20代の半ばくらいからちょっと違う色の作品に挑戦していきたいとマネージャーさんに相談しているときに、白石さんの『凶悪』を見て、ぜひ『白石監督の作品で出たい』と言っていたんです」と振り返った。最初に白石監督作品に出演したのは、司会の蒼井優が主演を務めた2017年の『彼女がその名を知らない鳥たち』。「とんでもないゲスな役で、『本当に僕でいいんですか』とお尋ねしたんですけど、『お願いします』ということで、全くやったことのない役をやらせていただいて、すごく刺激になって」と語る。さらに「短いスパンで『孤狼の血』という作品に呼んでくださって、役所(広司)さんと再会させていただいて、僕にとって財産のような作品になりました」と喜ぶ。「ええ〜、いや、本当に嬉しいです」と言葉を詰まらせる松坂は、「うまくまとまらないですね」と瞳を潤ませながらも「この受賞を皆さんで一緒に分かち合いたいと思います。本当にありがとうございました」と感謝した。
2019年03月01日米国アカデミー賞が世界最高峰の映画の祭典ならば、日本最高峰の祭典となるのが「日本アカデミー賞」。先日、第42回の各優秀賞および新人俳優賞などの発表記者会見が行われたが、日本のアカデミー賞は米国や他国とどう違うのか、改めて紹介していこう。1.米国アカデミー賞との関係は?米国の映画芸術科学アカデミー(AMPAS:Academy of Motion Picture Arts and Science)の正式許諾を得て日本アカデミー賞協会が1978年に発足、米国と同様に映画人が選ぶ映画賞として日本アカデミー賞が誕生した。米国アカデミーから正式許諾を得ているのは、世界で日本と英国のみ。記念すべき第1回授賞式は1978年4月6日、帝国劇場にて開催。授賞式の模様は日本テレビで放送され、現在も毎年、同局で放送されている。第2回目から日本アカデミー賞協会会員による現在の投票方式となり、第4回から1次選考のノミネート5作品および5人全てを“優秀賞”とし、授賞式ではその中から“最優秀賞”を競うことになった。2.対象となる作品は?第42回日本アカデミー賞は、2017年12月16日~2018年12月15日に東京地区の商業映画劇場にて有料で初公開された、40分以上の新作劇場用劇映画及びアニメーション作品であり、同一劇場で1日3回以上、かつ2週間以上継続し上映された作品が対象。そのため、映画祭のみの上映作品や2週間限定公開作品、イベント上映作品、モーニング、レイトショーのみの上映は除かれる。3.どうやって決める?国内の映画関係者によって構成される日本アカデミー賞協会会員(下記参照)の投票によって行われる。作品賞・アニメーション作品賞・監督賞・脚本賞・主演男優賞・主演女優賞・助演男優賞・助演女優賞・外国作品賞などの正賞15部門と新人俳優賞を含む全16部門を投票で行い、郵送された投票用紙は公正なる第三者機関によって集計され、正賞15部門の優秀賞受賞者・受賞作品(各5名または5作品)と男女各3~5名の新人俳優賞が決まる。さらに、この15部門優秀賞受賞者及び受賞作品を対象に最終投票を行い、郵送された投票用紙は公正なる第三者機関によって集計され、最優秀賞が決定する。なお、日本アカデミー賞で唯一、一般の映画ファンが参加できるのが話題賞。ニッポン放送「オールナイトニッポン」の番組を通じ、一般リスナーがその年の映画界で最も話題を集めたと思われる作品と個人に投票し、決定される。たとえば、いまなお実写邦画歴代第1位の興収記録を持つ『踊る大捜査線THE MOVIE2レインボーブリッジを封鎖せよ!』は第27回(2003年度)優秀作品賞・優秀監督賞などに選ばれていたが、結果的に話題賞・作品部門を獲得。また、第40回(2016年度)は最優秀アニメーション作品賞を『この世界の片隅に』、話題賞・作品部門を『君の名は。』が受賞したことも記憶に新しい。4.日本アカデミー会員の構成は?米国アカデミーの場合、本年度は史上最多で928人が会員に招待され、会員総数は約8,200名にのぼる。俳優部門の会員が最も多く、短編及び長編アニメ部門、プロデューサー部門、監督部門と続く。日本アカデミー賞協会は、2018年度で会員数3,960名。会員の資格は、日本の映画事業に現在も含め3年以上従事していることが前提で、運営・実行委員会または賛助法人より推薦され認められた者となる。内訳は東宝、松竹、東映、KADOKAWAの大手映画製作配給会社(映連)4社で985名となり、俳優/マネージャーが132名、監督が117名。さらに映画関連企業やプロダクション関係、テレビ局、出版社などの賛助法人の社員が多数。その中には声優事務所の青二プロダクションや映像配信サービスNetflixなども名を連ねている。5.女性の司会は前年の最優秀主演女優賞受賞者第42回授賞式で総合司会を務めるのは、日本アカデミー賞協会・組織委員会副会長でもあるベテラン俳優の西田敏行。6年連続9度目となり、それ以前は関根勉が4年連続、その前は関口宏が12年連続で務めていた。注目なのは、女性の司会は前年度の最優秀主演女優賞受賞者が務めること。今回の第42回は、昨年『彼女がその名を知らない鳥たち』で同賞を受賞した蒼井優が人生初の司会に挑戦する。「去年の私にとって、そうであったように、どなたかにとって忘れられない1日になるはずなので、皆さんの喜びを感じつつ、楽しんで司会ができれば」と蒼井さん。同業者の司会となれば、共演経験者や親交の厚い人が壇上に上がることも多く、思いがけない振りがあったり、ツッコミがあったり、思い出話に花が咲くことも。第32回(2008年度)授賞式では、『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』で前年、最優秀主演女優賞に輝いた故・樹木希林さんが司会に。その年は、米アカデミー賞外国語映画賞を受賞した“婿”・本木雅弘主演『おくりびと』が主要賞をほぼ総なめにするという巡り合わせが実現。樹木さんのマイペースな司会ぶりには会場が何度も沸いた。今回は『日日是好日』『万引き家族』の2作品で優秀助演女優賞に選ばれている樹木さん。優秀助演女優賞の歴代最多受賞者だ。追悼セレモニーの中で、そんな在りし日の姿が取り上げられるかもしれない。なお、最優秀賞のプレゼンターは前年度の受賞者が行うことになっており、蒼井さんはじめ、菅田将暉、広瀬すず、役所広司、是枝裕和監督、湯浅政明監督らが務める予定。オスカー像の代わりとなるのが、第1回授賞式より受賞者に贈られている「最優秀賞・優秀賞ブロンズ」だ。その制作者で日本アカデミー賞協会の創設メンバー・流政之氏も2018年に亡くなられた。6.一般客も観覧できるディナー形式レッドカーペットが敷かれた授賞式会場に、華やかなドレスやタキシードなどに身を包んだ最旬の俳優・女優たちが集う様はやはり壮観。また、「ぴあ」会員限定だが、ディナー付授賞式観覧チケットも販売され、一般客も観覧できる。その雰囲気はハリウッドスターがパーティ形式で一堂に会するゴールデン・グローブ賞に似ている、ともいえるかも?7.アニメーション作品賞が独立へ第30回(2006年度)からアニメーション作品賞が独立した部門に。初めての受賞作品は、本年度の米アカデミー賞長編アニメ部門に『未来のミライ』がノミネートされている細田守監督の『時をかける少女』だった。なお、同賞設立以前に、宮崎駿監督の『もののけ姫』(第21回)、『千と千尋の神隠し』(第25回)の2作品が実写作品を抑えて最優秀作品賞に選ばれている。8.新人俳優賞から羽ばたくスター俳優たち新人俳優賞は、劇場映画で主演・助演クラスの役を演じ、印象を与えた俳優が対象。原則として映画初出演ではなくともこれまで日本アカデミー賞の受賞歴がない者、となっている。かつて同じ年(第13回)に新人俳優賞に選ばれた本木さんや深津絵里は、後に主演賞クラスの俳優となり、海外でも評価を受けるまでになった。第37回(2013年度)『共喰い』で選ばれた菅田さんは昨年度、第41回にて『あゝ、荒野』で見事、最優秀主演男優賞を受賞、さらに全くタイプの違う『帝一の國』で話題賞・俳優部門にも選ばれた。同年の新人俳優賞には綾野剛や黒木華らがおり、黒木さんは続く『小さいおうち』(第38回)、『母と暮せば』(第39回)で2年連続の最優秀助演女優賞を受賞。また、広瀬さんは『海街diary』で新人俳優賞を受賞して以来、翌年は『ちはやふる上の句』『怒り』で優秀主演女優賞と優秀助演女優賞、さらに昨年は『三度目の殺人』で最優秀助演女優賞を獲得。『湯を沸かすほどの熱い愛』の杉咲花などのように、最優秀賞(助演女優)と新人俳優賞を同年にW受賞した快挙も。本年度は上白石萌歌、趣里、平手友梨奈、芳根京子、伊藤健太郎、中川大志、成田凌、吉沢亮と、すでに映画・テレビでお馴染みの顔ぶれがずらり。彼らの晴れ舞台にも注目だ。第42回日本アカデミー賞授賞式は3月1日(金)、グランドプリンスホテル新高輪・国際館パミールにて開催される。(text:Reiko Uehara)
2019年02月26日第91回アカデミー賞授賞式が2月25日(日本時間)、米ロサンゼルスで開催され、『グリーンブック』が作品賞をはじめ、3部門を受賞。Netflixが配信する『ROMA/ローマ』は作品賞こそ逃したものの、監督賞、外国語映画賞、撮影賞の3冠に輝いた。異質な存在だった『ROMA/ローマ』アカデミー賞=仲間同士をたたえ合うハリウッドの祭典だという観点では『ROMA/ローマ』は異質な存在だったといえる。メキシコで撮影されたモノクロ作品は、演技経験ゼロの女優が主演を務め、言語はスペイン語と先住民が使うミシュテカ語。何より、ストリーミング配信大手の「Netflix(ネットフリックス)」が配給を手掛け、劇場公開が非常に限定的だったからだ。「ストリーミングサービスのオリジナル映画は、オスカー受賞に値しない」と持論を展開しているのは、かのスティーブン・スピルバーグ監督。確かに、劇場で観客が一体となって楽しんでこそ映画だという考えに、異論を唱えるファンはいないはずだ。昨年の授賞式では、司会者のジミー・キンメルをはじめ、多くの候補者たちが、会場に隣接する映画館にサプライズで“乱入”する楽しい演出もあった。映画館、そして映画ファンに感謝を示すためだ。「世界をひとつの大劇場に」Netflixの野望一方、Netflixはストリーミング配信を通して、国境を超えて、加入者が同じ作品を楽しみ、世界をひとつの大劇場にしようと試みている。もちろん、鑑賞のタイミングや視聴環境は、人それぞれ異なるわけだが、作品を観た人たちの声が、SNSなどで共有されることで、意見や感想、興奮や感動が大きく増幅されれば、映画の新たな価値が生まれるかもしれない(視聴時間やエリアに制限があるテレビ映画との大きな違いだ)。また、より多くの優良コンテンツを求めるNetflixとしても、グローバルな市場を通じて、世界各地に散らばる才能にダイレクトにアプローチし、出資などのチャンスを与えられるというメリットがある(だからこそ、Netflixはアカデミー賞にこだわるのだ)。若いクリエーターがいきなり、世界を相手に勝負できるのもNetflixの強みだ。今年の短編ドキュメンタリー賞を獲得した『ピリオド/羽ばたく女性たち』もNetflix作品である。“垣根”を取り払おうと努めるアカデミー賞興味深いのはNetflix作品に対して、あからさまな拒否反応を見せるカンヌ国際映画祭などとは違い、アカデミー賞がすんなり『ROMA/ローマ』を作品賞候補にした寛容さだ。もちろん、第75回ヴェネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞に輝き、前哨戦である第76回ゴールデングローブ賞で外国語映画賞と監督賞を受賞した実績から考えれば、評価されて当然だが、「そしたら、配信映画部門、作ろうぜ」とならないことを不思議に思う人もあるかもしれない。いま、アカデミー賞は多様性が進む時代に追いつくため、様々な“垣根”を取り払おうと努めている段階だ。作品賞候補となった8本からも、それは明らかで、10年前、いや5年前では考えられないラインアップになっている。監督賞候補も、出身や人種はかなりバラバラ。また、例年以上に、多くの女性がオスカー像を手にしたのも今年の特徴だ。そうした変化の一環として、Netflixをはじめとする配信映画も、ことさら特別視しないというのが、いまのアカデミー賞の考え方なのだろう。それが正しいことなのか、そうでないのかは分からない。それでも、オスカーに吹き荒れた『ROMA/ローマ』旋風は、アカデミー賞が、いまも変わり続けている象徴であることに間違いはない。(text:Ryo Uchida)■関連作品:【Netflixオリジナル】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflixオリジナル】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミングNetflixオリジナル映画「ROMA/ローマ」 2018年12月14日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング開始
2019年02月25日第91回アカデミー賞授賞式が2月25日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、日本でも大ヒット中の『ボヘミアン・ラプソディ』が主演男優賞をはじめ、最多4部門を受賞し、今年の“チャンピオン”に躍り出た。世界的人気ロックバンド「クイーン」のボーカリストで、1991年に45歳で亡くなったフレディ・マーキュリーを描いた伝記ドラマ。移民であり、性的少数者であるフレディの激動の半生同様、本作も監督の降板劇など、完成まで多難な道のりを歩んだ。公開直後、批評家の評判はイマイチだったが、映画ファンは熱狂的に迎え入れ、一大旋風を巻き起こしたことはご存知の通り。ここ日本でも、洋画の音楽映画としては異例の興収116億円を突破し、いまも記録を更新中だ。そんな『ボヘミアン・ラプソディ』は、フレディを“完コピ”したラミ・マレックが主演男優賞をはじめ、編集賞、録音賞と音響編集賞の最多4冠に輝く快進撃!難航した映画製作をふり返ると、やはり編集の力は評価されて当然だと思えるし、迫力のライブシーンを生み出したサウンド面の技術者たちに光が当たったことも喜ばしい。本作は一見、オーソドックスな伝記ものかもしれないが、根底にあるのは、マイノリティが抱える葛藤と苦闘だった。つまり、近年のアカデミー賞でやっと注目され始めた多様性のエッセンスが随所に散りばめられた、現代的な作品だったのだ。そのことにいち早く気づいたのが、批評家ではなく、ファンだった…という点は、クイーンのブレイク伝説にも重なるものがあるだろう。とにかく、まだまだ盛り上がりが収まらない予感の『ボヘミアン・ラプソディ』。特に現在も劇場上映が続く日本では、どこまで興収を伸ばすか注目される。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ボヘミアン・ラプソディ 2018年11月9日より全国にて公開© 2018 Twentieth Century Fox
2019年02月25日第91回アカデミー賞授賞式が2月25日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、作品賞にピーター・ファレリー監督の『グリーンブック』が輝いた。■「トロント国際映画祭の観客賞=アカデミー賞確実」説を立証!第91回アカデミー賞では作品賞をはじめ、主演男優賞(ヴィゴ・モーテンセン)、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)、脚本賞、編集賞の5部門にノミネートされ、3部門に輝いた。近年、アカデミー賞を占う上で最も注目されるトロント国際映画祭で、最高賞にあたる観客賞を受賞したのを皮切りに、賞レースを席巻した本作。第76回ゴールデン・グローブ賞で作品賞(ミュージカル・コメディ部門)、助演男優賞、脚本賞の最多3部門を受賞し、PGA(アメリカ映画製作協会)でも作品賞に輝いていた。ちなみに、この数年だけでも『スリー・ビルボード』(第90回アカデミー賞2冠)、『ラ・ラ・ランド』(第89回アカデミー賞6冠)、『ルーム』(第88回アカデミー賞主演女優賞)、『それでも夜は明ける』(第86回アカデミー賞作品賞含む3冠)などが、トロント国際映画祭で観客賞に輝いている。■『グリーンブック』ってどんな映画?1962年、イタリア系白人運転手トニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)は用心棒の仕事を失い、黒人の天才ジャズピアニストであるドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)の運転手として雇われることに。あえて黒人差別が根深いアメリカ南部でコンサートツアーを敢行するドクター・シャーリーとともに、衝突しながら旅を続け、不思議な友情を育んでいく。実話をもとに、主人公トニー・リップ(本名はトニー・バレロンガ)の実の息子が製作・脚本を手掛け、『メリーに首ったけ』で知られるファレリー兄弟の兄、ピーター・ファレリー監督がメガホンをとった。タイトルの『グリーンブック』とは、当時の黒人が安全に旅をするために欠かせなかった、黒人向け旅行ガイドブックのこと。■受賞コメント「ありがとう!この物語は、まさに愛を描いています。伝えたいのは、いろいろな違いがあったとしても、お互いに愛し合うことができる。そして、わたしたちがみんな、同じ人間だということです。何より、(主演男優賞候補になった)ヴィゴ・モーテンセンなくして、この映画は存在しませんでした。この映画があること、賞を受賞したことも、彼のおかげなのです。」『グリーンブック』は3月1日(金)から東京・TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:グリーンブック 2019年3月1日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開© 2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.
2019年02月25日第91回アカデミー賞授賞式が2月25日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『女王陛下のお気に入り』のオリヴィア・コールマンが主演女優賞を初受賞した。■オスカーレースの先頭を走り続けた“貫録”の受賞18世紀イングランドの王室を舞台にした愛憎劇で、コールマンは絶対的権力を握りながら、過食による痛風に悩まされるアン王女を演じた。わがままで高圧的な態度と、気まぐれな無慈悲さ。その裏にある孤独をときにユーモラス、ときにグロテスクに表現した演技は、映画の公開直後から高く評価された。第75回ヴェネチア国際映画祭の女優賞を皮切りに、全米映画批評家協会賞、ロンドン映画批評家協会賞、英国アカデミー賞の主演女優賞、第76回ゴールデン・グローブ賞(ミュージカル・コメディ部門)の女優賞にも輝き、終始オスカーレースの先頭を走り続けた。“貫録”の初受賞だ。■『女王陛下のお気に入り』ってどんな映画?第89回アカデミー賞の脚本賞にノミネートされた『ロブスター』で一躍脚光を浴びたギリシャの鬼才ヨルゴス・ランティモス監督の最新作。コールマン演じる“女王陛下”の寵愛をめぐって、アン王女の政治顧問を務め実権を握るレディ・サラ(レイチェル・ワイズ)、サラの従妹で、貴族の地位に返り咲く機会を狙うアビゲイル(エマ・ストーン)が熾烈な女のバトルを繰り広げる。第91回アカデミー賞では作品賞をはじめ、監督賞、脚本賞、主演女優賞、助演女優賞(レイチェル・ワイズ、エマ・ストーン)、撮影賞、衣装デザイン賞、編集賞、美術賞の計9部門(10ノミネート)で候補に挙がっている。■受賞コメント「もー、(待っている間)ストレスがたまるわね。奇妙な話だけど、わたし、オスカー像を持っているわ!感謝を言わなくてはね。まずはヨルゴス・ランティモス監督、そして、レイチェル・ワイズとエマ・ストーン。2人との恋に落ちたくなる女性だわ。そして(受賞を逃した)グレン・クローズ!ずっとわたしの憧れよ。エージェント、両親にも感謝ね。子どもたちは家で見ているかしら…。こんなこと、2度と起きないわ。わたしはかつては清掃員をしていて…、あっ、コメントを締めろって言われたわ(笑)。夫は25年間、支えてくれたわね。あら、泣きそうね。わたしは泣かないわ!」『女王陛下のお気に入り』は全国公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:女王陛下のお気に入り 2019年2月15日より全国にて公開(C)2018 Twentieth Century Fox
2019年02月25日第91回アカデミー賞授賞式が2月25日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、『ボヘミアン・ラプソディ』でフレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックがアカデミー賞主演男優賞に輝いた。本作でフレディを演じたラミ・マレックは、アカデミー賞の行方を占う前哨戦の1つ、第76回ゴールデン・グローブ賞でも主演男優賞を受賞している。役作りのため、体重を約20キロ激増させたクリスチャン・ベイルが有力視されていたが、ラミはアカデミー賞初ノミネートにして、有力候補を抑えての受賞を果たした。■『ボヘミアン・ラプソディ』とは?伝説のバンド「クイーン」のリードボーカル、フレディ・マーキュリーの生き様を描いた本作。日本でも大ヒットを記録し、日本国内興行収入116.6億円を突破(2019年2月18日時点)。2018年に公開された作品の興行収入ランキング第1位にも輝いた。本作のクライマックスで登場するライヴ・エイドは、1985年7月13日に英米で同時開催された20世紀最大のチャリティ音楽イベント。英ロンドンのウェンブリー・スタジアムに登場した「クイーン」は「ボヘミアン・ラプソディ」など計6曲を披露、映画ではそのうち4曲のパフォーマンスが登場し、舞台装置やピアノの上のカップまで完全再現されたことが話題となった。受賞コメント「オー・マイ・ゴッド!今日はお母さんが来ているんだ、どこにいるかな?このとても特別な瞬間に感謝しています。僕にチャンスを与え、こうしてアカデミー賞に導いてくれた(プロデューサーの)グレアム・キング、20世紀フォックスのみんな、そしてクイーンの皆さん、どうもありがとう。こんなレガシー的な作品に、関わることができて感謝します。もちろん、優秀なスタッフなしに、僕はここに立つことができなかった。これは性的少数者であり、移民だった主人公が自分らしく生きたストーリーです。僕自身、エジプト系の移民です。こうしたストーリーを皆さんと共有できたことに感謝したいです」。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ボヘミアン・ラプソディ 2018年11月9日より全国にて公開© 2018 Twentieth Century Fox
2019年02月25日第91回アカデミー賞授賞式が2月25日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、長編アニメーション映画賞に『スパイダーマン:スパイダーバース』が輝いた。ディズニー作品の7年連続となる同賞受賞は実現しなかった。■各映画賞を総なめ、大本命が有終の美!昨年12月に全米で公開されるや、映画ランキングで初登場第1位に輝き、メディアや批評家からも「スパイダーマン映画史上、最高傑作」と絶賛の声が相次いだ本作。アニメ界のアカデミー賞と称されるアニー賞で、長編作品賞をはじめ、候補になった7部門全てを受賞したほか、ニューヨーク映画批評家協会賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞、英国アカデミー賞などで長編アニメ賞を獲得。第76回ゴールデングローブ賞でも、アニメ映画賞を手にしていた。まさに大本命として映画賞レースを牽引した本作が、アカデミー賞で有終の美を飾った形だ。■スパイダーマン、死す!そして“スパイダーバース”って何?“スパイダーマン”ことピーター・パーカーの突然の訃報で幕を開ける本作。悲しみに包まれるニューヨークに暮らす13歳の少年マイルスが、ピーターの遺志を継ぐ新たなスパイダーマンとして、闇社会に君臨するキングピンとの戦いに身を投じる。スパイダーバースとは、キングピンによって時空が歪められたせいで、異なる次元で活躍する“スパイダーマンたち”が集結する世界。彼らとの出会いを通した、マイルスの成長が物語の主軸となる。CGと手描きアニメの融合が生み出す、革新的なアニメーション描写はまさに「動くコミック」そのものだ。製作はソニー・ピクチャーズ アニメーション。『LEGO(R)ムービー』のフィル・ロード&クリストファー・ミラーがプロデューサーを務めている。■来年は早くもディズニーが大本命?第85回アカデミー賞の長編アニメーション映画賞を受賞した『メリダとおそろしの森』を皮切りに、『アナと雪の女王』『ベイマックス』『インサイド・ヘッド』『ズートピア』『リメンバー・ミー』と6年連続で同賞に輝いたディズニー作品は今年、受賞を逃した。ただ、2019年は『トイ・ストーリー4』&『アナと雪の女王』第2弾という超強力なラインアップが控えており、早く「来年はディズニー作品が本命」の声もあがっている。少々、先走った予測ではあるが、果たして結果は?『スパイダーマン:スパイダーバース』は3月8日(金)から全国で公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スパイダーマン:スパイダーバース 2019年3月8日より全国にて公開
2019年02月25日第91回アカデミー賞授賞式が2月25日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『グリーンブック』のマハーシャラ・アリが助演男優賞を受賞した。同賞に輝くのは、第89回の『ムーンライト』に続いて2度目となる。■本作のために、短期間でピアノをマスター本作でアリが演じたのは、実在した天才黒人ピアニストのドクター・シャーリー。「本物の音楽を知るミュージシャン」を演じるため、短期間でピアノをマスターし、劇中でも感動的な演奏を披露した。また、高級マンションに暮らす富裕層でもあるシャーリーが「黒人でもなく白人でもなく…どう生きるのが正解だ?」と葛藤する姿をエモーショナルに演じきった。第76回ゴールデン・グローブ賞で助演男優賞に輝いていた。アリは現在公開中のSF超大作『アリータ:バトル・エンジェル』で、荒廃した下層世界の支配者で、主人公アリータの“破壊”を目論むベクターを演じているほか、長編アニメーション賞に輝いた『スパイダーマン:スパイダーバース』にも声の出演をしている。■『グリーンブック』ってどんな映画?1962年、イタリア系白人運転手トニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)は用心棒の仕事を失い、黒人の天才ジャズピアニストであるドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)の運転手として雇われることに。あえて黒人差別が根深いアメリカ南部でコンサートツアーを敢行するドクター・シャーリーとともに、衝突しながら旅を続け、不思議な友情を育んでいく。実話をもとに、主人公トニー・リップ(本名はトニー・バレロンガ)の実の息子が製作・脚本を手掛け、『メリーに首ったけ』で知られるファレリー兄弟の兄、ピーター・ファレリー監督がメガホンをとった。タイトルの『グリーンブック』とは、当時の黒人が安全に旅をするために欠かせなかった、黒人向け旅行ガイドブックのこと。■受賞コメント「ありがとう。(自身が演じた天才ピアニスト)ドクター・シャーリーに感謝します。彼の人生のエッセンスを、自分の中に取り込みながら、彼の生きた証を表現したかった。パートナーであるヴィゴ・モーテンセン、リーダーシップを発揮してくれたピーター・ファレリー監督にも感謝したいです。そして、常に私を前向きに応援してくれた祖母にも感謝です」。第91回アカデミー賞では作品賞をはじめ、主演男優賞(ヴィゴ・モーテンセン)、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)、脚本賞、編集賞の5部門にノミネートされている。『グリーンブック』は3月1日(金)から東京・TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:グリーンブック 2019年3月1日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開© 2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.
2019年02月25日第91回アカデミー賞授賞式が2月25日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、外国語映画賞にノミネートされていた是枝裕和監督作『万引き家族』は惜しくも受賞を逃した。オスカーを獲得したのはアルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』だ。Netflixにて配信中の『ROMA/ローマ』は昨年9月にヴェネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞。モノクロ映像でキャストも無名ながら、ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞ほか、前哨戦で健闘していた。第91回アカデミー賞には作品賞、監督賞、主演女優賞、助演女優賞、脚本賞、美術賞、外国語映画賞、音響編集賞、録音賞、オリジナル脚本賞と最多10部門でノミネートされていた。ノミネート作品の中には日本の『万引き家族』のほかにレバノンの『Capernaum』、ポーランドの『COLD WAR あの歌、2つの心』、ドイツの『Never Look Away』(原題)が候補作として挙げられていた。■受賞した『ROMA/ローマ』とは?『ゼロ・グラビティ』のアルフォンソ・キュアロン監督の最新作であり、脚本、撮影までを手がけた渾身の作品。キュアロン監督自身の幼少期の体験も交え、1970年代のメキシコで中産階級の家庭の使用人として働く若い女性クレオの視点から、激動の1年の出来事をモノクロの映像で描いたヒューマンドラマ。受賞コメント「わたしは幼い頃から、外国語映画から多くのことを学びました。『市民ケーン』『ジョーズ』、(黒澤明監督の)『羅生門』、(フランス映画の)『勝手にしやがれ』などです。すべての作品が、同じ海に属していると言えるでしょう」。キュアロン監督は続けて、祖国メキシコや家族、ロケ地への感謝を述べた。(text:cinemacafe.net)■関連作品:Netflixオリジナル映画「ROMA/ローマ」 2018年12月14日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング開始
2019年02月25日第91回アカデミー賞授賞式が2月25日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『ビール・ストリートの恋人たち』のレジーナ・キングが助演女優賞を初受賞した。■GG賞に続き、本命レジーナが混戦の助演女優賞を制す第89回アカデミー賞で作品賞に輝いた『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督が手掛ける最新作。1970年代、ニューヨークのハーレムを舞台にした本作でレジーナは、婚約者が無実の罪で投獄されてしまった妊娠中の娘を守ろうと奮闘する母・シャロンを力強く演じている。娘への愛と信頼、そしてお腹にいる命をつなぐため、持ち前の強さを発揮し、毅然と行動する姿が印象的だ。『女王陛下のお気に入り』のエマ・ストーン&レイチェル・ワイズ、今回通算5度目の助演女優賞候補にあがった『バイス』のエイミー・アダムスら強豪ひしめく混戦のなか、第76回ゴールデン・グローブ賞で助演女優賞に輝いていたレジーナが一歩抜け出し、オスカーを手に入れた。■『ビール・ストリートの恋人たち』ってどんな映画?原作はオバマ前・米国大統領やマドンナらが敬愛する作家、ジェームズ・ボールドウィンの小説。長年映画化を望んでいたジェンキンス監督が、『ムーンライト』の撮影以前に脚本を執筆し、権利を獲得した念願の企画だ。主人公のカップル、ティッシュとファニーにはオーディションで抜擢された新人女優キキ・レインと、『栄光のランナー/1936ベルリン』でジェシー・オーエンス役を演じたステファン・ジェームス。命をめぐる試練に、若い男女が愛と信念を貫く姿が、情感あふれる圧倒的な映像美と叙情的な音楽で描き出していく。第91回アカデミー賞では助演女優賞をはじめ、脚色賞、作曲賞の計3部門で候補に挙がった。■受賞コメント「すばらしいアーティスト、(原作者の)ジェームズ・ボールドウィンに代わって、ここに立てるなんて、本当に信じられません。(劇中で演じた母親のように)愛とサポートを注げば、こういう結果が生まれるという良き手本になれたと思います。お母さん、心から愛しています。」『ビール・ストリートの恋人たち』はTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ビール・ストリートの恋人たち 2019年2月22日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開©2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.
2019年02月25日日本時間2月25日に行われる「2019 アカデミー賞」の授賞式。世界中で大ヒットし、日本でも大ヒット中のクイーンの映画『ボヘミアン・ラプソディ』だが、現地の状況はかんばしくないようで……。アカデミー賞で『ボヘミアン・ラプソディ』が嫌われる理由を、ハリウッド情報に詳しい、映画ライター・よしひろまさみちさんと、LA在住の映画ライター・猿渡由紀さんが語ってくれた。よしひろ「『ボヘミアン・ラプソディ』は、日本では昨年の興行トップだった『劇場版コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-』を抜き去り、現在も114億円を突破して記録更新中です(2月15日現在)。アメリカでの成績はどうでした?」猿渡「こちらでもヒットしていますよ。製作費が5,000万ドルレベルなのに、北米だけで2億ドルも稼いだから大・大成功です。この映画は、北米以外のほうがヒットしていますよね。総興収8億ドルのうち北米は2億。音楽映画としては『アリー/スター誕生』のほうが北米では評価は高いです」よしひろ「そもそも製作段階で『ボヘミアン・ラプソディ』は暗礁に乗り上げる一歩手前だったとか。いろいろ受難続きだっただけに、これだけヒットすれば十分って感じ?」猿渡「ほんとに奇跡と言っていい話だと思います。しかもアカデミー賞主要部門まで候補入りですから」よしひろ「でも、アメリカやイギリスでの批評家筋の評価はよくないですよね」猿渡「そうです。まさに私も思っていることなんですけど、いいところしか描きたがらずツッコミが弱いことや、事実と若干違っていて、これまた自分たちのいいような話にしたがっているところに批判がありますね。『ラミ・マレックの演技以外は見るところがない』とまで言っている人もいます」よしひろ「完全同意!前哨戦の全米製作者組合賞に候補入り、全米俳優組合賞はラミが受賞しましたが、これはどうしてでしょう」猿渡「全米製作者組合賞の候補入りは、納得なんです。なぜなら、あんなトラブル続きの映画を完成~ヒットさせたのは、間違いなくプロデューサーの力ですから」よしひろ「ホント、崩壊寸前の現場&クイーンの2人をよく束ねたと思いますよ。しかも、出るわ出るわのブライアン・シンガー監督のゴシップ(少年への性的虐待疑惑など)」猿渡「ゴシップ記事のせいで受賞の可能性が減るのか!!とショックを受けている日本のファンは多いようですが、監督の問題行動は『#MeToo』運動の前からありましたし、監督降板もそれが影響していたから、今さら誰も驚いてないんですよ」よしひろ「あの記事で左右されるようなもんじゃないですよね」猿渡「逆に、あの記事が何かの影響を及ぼすとするなら、主演男優賞でラミへの同情票が集まること。現に全米俳優組合賞がそうでしたが、俳優組合に所属する俳優たちならなおさら、ひどい監督に耐えてあそこまでやったことを評価すると思いますよ」よしひろ「しかも、あの受賞後、ラミがついにシンガーと合わなかったことをポロリとこぼしましたしね」猿渡「ラミは業界内の受けもいいし、今回は(主演男優賞を)ラミにとらせてあげていいと思う空気があると思います」
2019年02月24日『第42回 日本アカデミー賞』(3月1日に授賞式開催)の話題賞が、14日深夜放送のニッポン放送『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』(毎週木曜 25:00~)で発表された。話題賞は、『日本アカデミー賞』において唯一、一般の映画ファンが投票に参加できる「オールナイトニッポン」リスナーが選ぶというもの。総投票数5万2,558通の投票により、作品部門で『カメラを止めるな!』が、俳優部門で伊藤健太郎が選ばれた。ニッポン放送では、『日本アカデミー賞』授賞式の模様を、『日本アカデミー賞 話題賞』受賞者のスペシャルインタビューも交えて、1日(22:00~)より生放送する。
2019年02月15日2月24日(現地時間)に開催される第91回アカデミー賞授賞式において、撮影賞、編集賞、短編映画賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞の4つの賞が、コマーシャル中に授与されることが明らかになった。授賞式を主催する映画芸術科学アカデミーの会長ジョン・ベイリーが、メンバーたちにこの計画をメールで伝えたという。「Variety」誌などが報じた。今年のオスカーは、テレビでの生放送の時間を例年の4時間弱から3時間へと大幅に短縮。そのため、アカデミーはどこをどう削るかに苦戦しているとみられ、先日、候補者を集めて行われたランチパーティーでも、ベイリーはこんな“注文”を口にしたという。「(受賞して)舞台に向かうときは急いでください。早く舞台に上がりたいという感じを見せて…」。というのも、受賞者の名前が呼ばれてから舞台に上がり、スピーチを終えるまではたった90秒しかないからだそうだ。また、歌曲賞にノミネートされている5曲中、2曲のパフォーマンスしか行われないといううわさも出た。この件については現時点でアカデミーが5曲中4曲のパフォーマンスの確定を発表しているため、全曲が披露されるとみられる。ベイリーは、テレビの生放送では見ることのできない4部門の賞の受賞スピーチなどは、編集した録画を授賞式後に放送し、オスカーの公式HPやSNSでも公開すると話している。(Hiromi Kaku)
2019年02月12日27日夜(現地時間)、ロサンゼルスの「シュライン・オーディトリアム」で、アカデミー賞を占う賞としても注目を集める全米映画俳優組合賞の授賞式が行われた。司会は女優のメーガン・ムラーリーが務めた。最高賞にあたるキャスト賞は、アカデミー賞の作品賞にもノミネートされている『ブラックパンサー』が獲得した。受賞リストは以下の通り【映画部門】キャスト賞『ブラックパンサー』主演男優賞ラミ・マレック『ボヘミアン・ラプソディ』主演女優賞グレン・クローズ『天才作家の妻 40年目の真実』助演男優賞マハーシャラ・アリ『グリーンブック』助演女優賞エミリー・ブラント『クワイエット・プレイス』スタント・アンサンブル賞『ブラックパンサー』生涯功労賞アラン・アルダ【テレビ部門】男優賞(テレビ映画/ミニシリーズ部門)ダレン・クリス「アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺」女優賞(テレビ映画/ミニシリーズ部門)パトリシア・アークエット「Escape at Dannemora」(原題)男優賞(ドラマ部門)ジェイソン・ベイトマン「オザークへようこそ」女優賞(ドラマ部門)サンドラ・オー「キリング・イヴ/Killing Eve」男優賞(コメディ部門)トニー・シャルーブ「マーベラス・ミセス・メイゼル」女優賞(コメディ部門)レイチェル・ブロズナハン「マーベラス・ミセス・メイゼル」アンサンブル賞(ドラマ部門)「THIS IS US 36歳、これから」アンサンブル賞(コメディ部門)「マーベラス・ミセス・メイゼル」スタント・アンサンブル賞「GLOW:ゴージャス・レディ・オブ・レスリング」(Hiromi Kaku)■関連作品:ブラックパンサー 2018年3月1日より全国にて公開© Marvel Studios 2017 MARVEL-JAPAN.JP/blackpantherクワイエット・プレイス 2018年9月28日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C) 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.ボヘミアン・ラプソディ 2018年11月9日より全国にて公開© 2018 Twentieth Century Foxグリーンブック 2019年3月1日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開© 2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.天才作家の妻 -40年目の真実- 2019年1月26日より新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開(c)META FILM LONDON LIMITED 2017
2019年01月28日第91回アカデミー賞にて歌曲賞、作曲賞など4部門にノミネートされた『メリー・ポピンズ リターンズ』。この度、本作の完全日本語吹替版でメリー・ポピンズ役を務める平原綾香が、アカデミー賞ノミネート曲「幸せのありか」、さらにワクワクのミュージカルナンバー「本は表紙じゃわからない」を歌う本編シーンの映像がシネマカフェに到着した。日本語吹替制作には、30年以上に渡りディズニー・キャラクター声優監修の総指揮を務め、全世界における外国語版のキャスティングを指揮するリック・デンプシーが来日、収録現場に立ち合うという力の入れっぷり。平原さんらキャスト陣は、劇中のアカデミー賞ノミネート楽曲「幸せのありか」を含む9曲すべてのミュージカルナンバーも吹き替えており、まさに完全日本語吹替版というに名にふさわしいクオリティーに仕上がった。特にエミリー・ブラント演じるメリー・ポピンズ役を務めた平原さんはミュージカル版でも同役を演じており、メリー・ポピンズとしての演技力と歌声の実力は日本でも知られるところだ。そんな平原さんが劇中で披露するバラード曲「幸せのありか」と、軽快で華麗な歌とダンスで贈るミュージカルナンバー「本は表紙じゃわからない」の映像2つが解禁。「幸せのありか」はメリー・ポピンズがバンクス家の子どもたちのために歌う曲。母親を亡くし、寂しさを感じる子どもたちにメリー・ポピンズは「永遠に消え去るもの、この世に何一つないわ。この場所にいないだけなの」と優しく歌う。目には見えないだけで、大好きな母は子どもたちの心の中で生きている、ということを歌で伝える、愛情が伺える感動的なシーンとなっている。そして、もう1つ解禁された楽曲は、トニー賞受賞者リン=マニュエル・ミランダ演じる街頭点灯夫ジャックとともに歌って踊るミュージカルナンバー「本は表紙じゃわからない」。ジャックと一緒に激しいダンスを踊りながら「表紙の美しさに騙されちゃだめ、中身が何より大切」とカラフルな衣装で歌うのだ。表紙を見て本を読んだら、想像していた中身と全く違うということを歌っているが、実は“人は見かけによらない”という教訓ともなっている。さらに実写とアニメーションが融合した映像美も見どころ。前作にも登場したキュートな4匹のペンギンたちも再び登場し、ファンにはたまらないワクワクするシーンとなっている。また、ジャックの日本語版声優を務めたのは俳優の岸祐二。「レ・ミゼラブル」や「ロミオとジュリエット」など数多くのミュージカル経験を持つ岸さんの歌声にも要注目。先日、主演のエミリー・ブラントが初来日して行われたジャパンプレミアで、日本版エンドソング「幸せのありか」を披露した平原さん。エミリーは平原さんの歌声に感動し、「本当に素晴らしい。もし平原さんが先に歌っている楽曲を聞いていたら、とても怖くて歌えなかったと思います。歌声を含めて平原さんがメリー・ポピンズ演じてくれて大変光栄です」と大絶賛を贈っていた。『メリー・ポピンズ リターンズ』は2月1日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:メリー・ポピンズ リターンズ 2019年2月1日より全国にて公開Ⓒ2018 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
2019年01月28日1月22日、第91回アカデミー賞のノミネート作品が発表された。日本からは外国語映画賞に是枝裕和監督(56)の『万引き家族』と、長編アニメーション映画賞には細田守監督(51)の『未来のミライ』の2作品がノミネートを果たした。長編アニメーション映画賞に日本からスタジオジブリ作品以外がノミネートするのは史上初。さらに『万引き家族』が外国語映画賞を受賞した場合、09年に受賞した滝田洋二郎監督(63)の『おくりびと』以来10年ぶりの快挙となる。早くも日本では2作の結果に大きな期待が高まっている。だが、『万引き家族』の前に立ちはだかる強力なライバルの存在が――。それは現在動画配信サービス・Netflixで配信中の『ROMA/ローマ』。本作は無重力空間を圧倒的な映像美で見せた宇宙映画『ゼロ・グラヴィティ』でアカデミー監督賞を受賞したアルフォンソ・キュアロンが監督を務めるなど、強力な布陣。また同時に作品賞にもノミネートを果たしており、動画配信サービスの映画では史上初の快挙。さらにスペイン語制作の映画として初めて作品賞にノミネートするなど、まさに映画史を更新し続けている作品だ。アカデミー賞の前哨戦ともいわれるゴールデングローブ賞でも外国語映画賞を受賞。同じく同賞にノミネートされていた『万引き家族』を一歩リードした形だ。さらに、ライバルはまだいるという。「今年の外国語映画賞は近年稀に見る激戦です。『ROMA/ローマ』以外にも、昨年のベネチア国際映画祭でも高い評価を受けたドイツの『Never Look Away』が。さらに、昨年のカンヌ映画祭で監督賞を受賞したポーランドの『COLD WARあの歌、2つの心』も要注意でしょう。ただ、カンヌでパルムドールを受賞した『万引き家族』の前評判はアカデミー会員にも好印象を与えると思います。『万引き家族』が受賞する可能性も決してゼロではないと思います」(映画会社関係者)授賞式は2月24日(現地時間)にロサンゼルスで開催される。栄光は一体誰の手に――。
2019年01月23日第91回アカデミー賞のノミネート作品が1月22日(現地)に発表され、是枝裕和監督の『万引き家族』が外国語映画賞に、細田守監督の『未来のミライ』が長編アニメーション部門にそれぞれノミネートされた。日本映画のダブルノミネートは、オスカー史上初!日本人にとっては“平成最後”の米アカデミー賞となる今回だが、まず、同じ年に日本映画2作品が、外国語映画賞と長編アニメーション部門の候補にあがるのは、アカデミー賞史上初めてのこと。映画界最大の祭典において、日本映画の躍進を感じさせるノミネーションは、素直に喜ばしい結果だ。どちらの作品も、現代日本が抱える問題を背景に、“家族”のあり方を作家性あふれるアプローチで描き切っており、それが海外で評価を得た点も見逃せない。ちなみに、外国語映画賞が正式に設置された第29回以来、同賞に輝いた日本映画は滝田洋二郎監督の『おくりびと』(第81回)のみ。長編アニメーション部門は2001年の第74回から設置され、翌年の第75回に宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』が受賞。以降、5度にわたって、スタジオジブリ作品がノミネートされるも受賞は逃している。外国語映画賞は『万引き家族』と『ROMA/ローマ』の一騎打ち昨年5月、第71回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞して以来、各国の映画賞で旋風を巻き起こしている『万引き家族』。第76回ゴールデングローブ賞では、惜しくも外国語映画賞を逃したが、その後に発表された第44回LA映画批評家協会では外国語映画賞に輝いており、賞レースでの勢いに衰えは見えない。是枝組の常連であり、本作でも圧倒的な存在感を放った樹木希林さんが昨年この世を去ったのは残念だが、今回の朗報を喜んでいるのは間違いない。きっと天国から強力なエールを送ってくれるはずだ。最大のライバルは、アルフォンソ・キュアロン監督のメキシコ映画『ROMA/ローマ』。こちらはヴェネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞し、その後は各映画賞の外国語映画賞を次々と手にしている。ゴールデングローブ賞でもこちらに軍配があがった。なお、『ROMA/ローマ』は作品賞候補にもあがっており、これはNetflix配給の作品としては初の快挙。アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』、ギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』に続いて、「メキシコ出身のキュアロン監督に作品賞をあげたい!」という思いから、外国語映画賞は『万引き家族』に…という可能性は少なからずあるのではないだろうか。もちろん、これは“棚ぼた”では決してなく、実質的に今年の外国語映画賞は『万引き家族』と『ROMA/ローマ』の一騎打ちなのだ。ジブリ以外の作品が初ノミネート!真価を問われる『未来のミライ』昨年夏に公開され、国内では、批評的にも興行的にも正当な評価を得たとは言い難かった『未来のミライ』。しかし、海外での評判は上々で、第76回ゴールデングローブ賞アニメ映画賞にノミネートされた。同賞候補に日本の作品が挙がるのは、意外にも初めてのこと。そして、第91回アカデミー賞では、ジブリ作品以外で初めて長編アニメーション部門にノミネートされ、まさに真価を問われることになった。長編アニメーション部門の候補は『未来のミライ』に加えて、『インクレディブル・ファミリー』『犬ヶ島』『シュガー・ラッシュ:オンライン』『スパイダーマン:スパイダーバース』の計5作品。アニメ界のアカデミー賞と言われる第46回アニー賞(2月発表)では、『インクレディブル・ファミリー』『シュガー・ラッシュ:オンライン』がそれぞれ11部門、10部門にノミネートされ、強さを発揮しているが、第76回ゴールデングローブ賞では下馬評を覆し『スパイダーマン:スパイダーバース』が最優秀長編アニメーション映画賞を受賞したばかり(『未来のミライ』も候補だった)。その上で過去6年間、ディズニーアニメーション作品が栄冠に輝き続けた同賞が、そろそろ安定したブランド力から離れ、より革新的でユニークな映像表現にスポットをあてるべき転機を迎えているのは事実。確かに『未来のミライ』は最有力候補ではないが、『犬ヶ島』同様にそのオリジナリティは評価に値するはずである。第91回アカデミー賞授賞式は2月25日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターにて開催される。(text:Ryo Uchida)■関連作品:未来のミライ 2018年7月20日より全国東宝系にて公開ⓒ 2018 スタジオ地図万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2019年01月23日クイーンのボーカルであるフレディ・マーキュリーの生き様を描いた映画『ボヘミアン・ラプソディ』が、第91回アカデミー賞で作品賞、主演男優賞、音響編集賞、録音賞、編集賞の5部門でノミネートされた。アカデミー賞の前哨戦となるゴールデン・グローブ賞では、クイーン本人も、フレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレック自身も驚いた、最優秀作品賞(ドラマ部門)と最優秀主演男優賞(ラミ・マレック)をダブル受賞。世界中の映画ファン、クイーンファンを歓喜させ、同時に、公開当初には賛否両論だった映画批評家たちをもうならせる大躍進となった。日本では公開11週目にして週末ランキング2位をキープ。2018年映画興収入ランキングNo.1の記録を更新、衰え知らずの興行を続けている。(C)2018 Twentieth Century Fox
2019年01月23日1月22日(日本時間)、第91回アカデミー賞のノミネーションが発表され、外国語映画賞の候補対象作に選出されていた是枝裕和監督の『万引き家族』がノミネートを果たした。細田守監督の『未来のミライ』も長編アニメーション部門にノミネートし、日本からは2作品がアカデミー賞候補入りとなった。昨年12月にアカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは、外国語映画賞の候補対象となる9作を選出。その中にはコロンビアの『Birds of Passage』、デンマークの『THE GUILTY/ギルティ』、ドイツの『Never Look Away』(原題)、カザフスタンの『Ayka』(原題)、レバノンの『Capernaum』、メキシコの『ROMA/ローマ』、ポーランドの『COLD WAR あの歌、2つの心』、韓国の『バーニング 劇場版』が対象作として挙げられていた。『万引き家族は』アカデミー賞前哨戦として注目を集める第44回ロサンゼルス映画批評家協会賞で外国語映画賞に輝き、1月13日に発表となったパームスプリングス映画祭でも、外国語映画に贈られるFIPRECI賞(国際批評家連盟賞)を受賞している。今回の発表ではレバノンの『Capernaum』、ポーランドの『COLD WAR あの歌、2つの心』、ドイツの『Never Look Away』(原題)、メキシコの『ROMA/ローマ』の5作品がノミネート入りを果たした。さらに長編アニメーション部門には細田守監督『未来のミライ』がノミネート。そのほか『インクレディブル・ファミリー』、『犬ヶ島』『シュガー・ラッシュ:オンライン』『スパイダーマン:スパイダーバース』がノミネートを果たしている。第91回アカデミー賞授賞式は2月25日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターにて開催される。(text:cinemacafe.net)■関連作品:万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2019年01月22日日本時間2月11日(月・祝)にアメリカ・ロサンゼルスで開催される「第61回グラミー賞授賞式」の司会に、歌手のアリシア・キーズが決定した。日本では、WOWOWで独占生中継も決定している「第61回グラミー賞授賞式」。音楽界で最も権威ある賞として、全世界の音楽ファンやミュージシャン、音楽関係者が注目するこのグラミー賞授賞式の司会を担当することになったのは、過去に15度もグラミー賞の受賞歴を持つアリシア。彼女が司会を務めるのは今回が初めて。「私は今までアーティストととしてステージに立ってきたので、同じような雰囲気とエネルギーをもたらしたいと思います。世界最高峰の音楽の祭典の司会に選ばれてとても興奮しています」と司会に決定した喜びと意気込みを語ったアリシアは、「特に、今年ノミネートされている全ての女性たちにも期待しています!」とコメントを寄せている。「生中継!第61回グラミー賞授賞式」は2月11日(月・祝)9時~WOWOWプライムにて放送/2か国語版(同時通訳)。「第61回グラミー賞授賞式」は2月11日(月・祝)22時~WOWOWライブにて放送/字幕版。(cinemacafe.net)
2019年01月16日第42回日本アカデミー賞の正賞15部門各優秀賞および新人俳優賞・正賞外賞が1月15日(火)に発表された。■『万引き家族』『北の桜守』『孤狼の血』が最多12部門第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で最高賞のパルム・ドールに輝き、先日発表されたLA映画批評家協会賞では、日本映画として33年ぶりに外国語映画賞を受賞した『万引き家族』をはじめ、『北の桜守』『孤狼の血』が最多12部門を受賞(『万引き家族』は13賞)。池井戸潤作品を初めて映画化した『空飛ぶタイヤ』が9部門、国内興収30億を突破した『カメラを止めるな!』が8部門で続いている。第42回日本アカデミー賞は、2017年12月16日~18年12月15日に東京地区の商業映画劇場にて有料で初公開され、1日3回以上、2週間以上継続して上映された40分以上の劇場用劇映画及びアニメーション作品が対象になっている。■6年連続司会の西田敏行、『孤狼の血』の役所広司は「ライバル」東京・グランドプリンスホテル新高輪で行われた発表会見には、授賞式の総合司会を務める西田敏行、昨年『彼女がその名を知らない鳥たち』で第41回最優秀主演女優賞を受賞し、今回初めて司会に挑むことになった蒼井優が出席した。6年連続で総合司会を務める西田さんは「また、この時期が来たと思うと、いろいろな思いが去来する」としみじみした表情。優秀作品賞に選ばれた『孤狼の血』について、「ライバルの役所(広司)くんが出ているから、なるべく受賞してほしくない」と笑いを誘ったほか、「これだけ褒められた作品ですから、日本アカデミー賞だけは外すこともあるのかな…」と『万引き家族』の受賞結果にも興味津々。『カメラを止めるな!』にも「これだけ稼いでくれたんだから」と関心を寄せていた。■初司会の蒼井優は白石和彌監督にエール「肩入れしてしまう」一方、「人生初の司会が、日本アカデミー賞という大きな場で緊張しています」と語る蒼井さんは、「去年の私にとって、そうであったように、どなたかにとって忘れられない1日になるはずなので、皆さんの喜びを感じつつ、楽しんで司会ができれば」と意気込み。「どうしても、白石監督に肩入れしてしまう」と、『彼女がその名を知らない鳥たち』『孤狼の血』の白石和彌監督にエールを送っていた。主な優秀賞受賞リストは、以下の通り。◇優秀作品賞『カメラを止めるな!』『北の桜守』『孤狼の血』『空飛ぶタイヤ』『万引き家族』◇優秀アニメーション作品賞『ドラゴンボール超(スーパー)ブロリー』『ペンギン・ハイウェイ』『未来のミライ』『名探偵コナンゼロの執行人』『若おかみは小学生!』◇優秀監督賞上田慎一郎『カメラを止めるな!』是枝裕和『万引き家族』白石和彌『孤狼の血』滝田洋二郎『北の桜守』本木克英『空飛ぶタイヤ』◇優秀主演男優賞岡田准一『散り椿』舘ひろし『終わった人』濱津隆之『カメラを止めるな!』役所広司『孤狼の血』リリー・フランキー『万引き家族』◇優秀主演女優賞安藤サクラ『万引き家族』黒木華『日日是好日』篠原涼子『人魚の眠る家』松岡茉優『勝手にふるえてろ』吉永小百合『北の桜守』◇優秀助演男優賞岸部一徳『北の桜守』ディーン・フジオカ『空飛ぶタイヤ』西島秀俊『散り椿』二宮和也『検察側の罪人』松坂桃李『孤狼の血』◇優秀助演女優賞樹木希林『日日是好日』樹木希林『万引き家族』篠原涼子『北の桜守』深田恭子『空飛ぶタイヤ』真木よう子『孤狼の血』松岡茉優『万引き家族』◇優秀外国作品賞『グレイテスト・ショーマン』『シェイプ・オブ・ウォーター』『スリー・ビルボード』『ボヘミアン・ラプソディ』『ミッション:インポッシブルフォールアウト』◇新人俳優賞上白石萌歌『羊と鋼の森』趣里『生きてるだけで、愛。』平手友梨奈『響 HIBIKI』芳根京子『塁かさね』『散り椿』伊藤健太郎『コーヒーが冷めないうちに』中川大志『坂道のアポロン』『覚悟はいいかそこの女子。』成田凌『スマホを落としただけなのに』『ビブリア古書堂の事件手帖』吉沢亮『リバーズ・エッジ』授賞式は3月1日(金)にグランドプリンスホテル新高輪の国際館パミールで行われ、各部門の最優秀賞が発表される。(text:cinemacafe.net)
2019年01月15日「第42回日本アカデミー賞」優秀賞発表記者会見が15日に行われ、3月1日の授賞式で司会を務める西田敏行(71)と蒼井優(31)が登壇した。毎年アニメーションが多いなか実写が豊作だったという2018年。優秀作品賞は、『カメラを止めるな!』『北の桜守』『孤狼の血』『空飛ぶタイヤ』『万引き家族』(50音順)の5作品が受賞。『カメラを止めるな!』は作品賞をはじめ、監督賞、脚本賞、主演男優賞、撮影賞、音楽賞、録音賞、編集賞、と8部門の優秀賞を受賞した。いっぽうカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを獲得した『万引き家族』は、助演男優賞以外の11部門で優秀賞を受賞。昨年末に亡くなった樹木希林さん(享年75)は『日々是好日』と『万引き家族』の2作品が優秀助演女優賞を受賞した。6年連続で司会を務める西田は、「6回もやらせていただいていると、今年もまたアカデミー賞の季節が来たのだ、と胸に去来するものがある。今年の優秀作品賞5作品、映画館で見ることができなくて、これからゆっくりとDVDで見ようと思ってます」昨年に最優秀主演女優賞を受賞し、今回初めて司会を務める蒼井はこう語った。「学生時代もなにか学級会みたいなもので司会をやったこともない私が、人生で初めて司会をするのがこの大きな舞台ということでとても緊張しています。私にとってもそうでしたけど、どなたかにとって忘れられない1日になることは間違いない。幸せを一緒に感じつつ、西田さんと楽しんで司会を務めたいと思います」また西田は、気になる作品に関して次のようにコメントした。「『カメラを止めるな!』は、あれだけでのバジェットでよく稼いだな!と。『孤狼の血』は私のライバルの役所(広司)くんが……。これも気になる。なるべくなら取らないでほしい。『空飛ぶタイヤ』は『釣りバカ日誌』を撮っていた本木(克英)くんが撮っていまして、縁があるんでこれもちょっと獲って欲しいな。『万引き家族』においては言うことはない。おそらく来るんだろうなという感じがするけど、日本アカデミー賞だけは外すのかな(笑)。これだけほめられたらケチもつけたいな。新人俳優に関しましては、感じがいいなあと思っているのは上白石萌歌ちゃんですかね。男の子は興味ありません」蒼井は「私の出た作品は入ってない」と切り出し「『孤狼の血』の白石和彌監督に少し肩入れしてしまうところがある」と続け、『カメラを止めるな!』に関しては「『フラガール』で呼んでいただけた、あのときの興奮を思い出します」と語った。そして新人俳優賞に関しては「また一つスタートラインに立ったという気持ちだと思いますので、その表情を見るのを楽しみです」と語った。さらに蒼井は昨年の受賞時に「映画界ってよくないですか?」とコメントしたものの滑舌が悪く、「映画館」なのか「映画界」なのかで物議を醸した経験も。それを振り返り、「(受賞者は)滑舌良くしゃべっていただけると」とアドバイスを送った。また優秀アニメーション作品賞は、『ドラゴンボール超 ブロリー』『ペンギン・ハイウェイ』『未来のミライ』『名探偵コナンゼロの執行人』『若おかみは小学生!』が受賞した。
2019年01月15日1月13日(現地時間)、レディー・ガガが放送映画批評家協会賞授賞式で見事主演女優賞を獲得した。『アリー/ スター誕生』でアリーを演じたガガは、ゴールデングローブ賞でも主演女優賞にノミネートされていたが、惜しくも大ベテランのグレン・クローズ(『天才作家の妻 40年目の真実』)に敗れ、受賞を逃していた。今回の放送映画批評家協会賞では、そのグレンとともに主演女優賞を受賞し、喜びを分かち合った。ガガは受賞スピーチの初め、同じ舞台上でやさしく見守るグレンに対し、「うちのママがグレンと友達なの。だから今夜、あなたが受賞したことはとってもうれしいわ」と同時受賞となったグレンを祝福。その後、涙を流しながら婚約者のクリスチャン・カリーノや、『アリー/スター誕生』の共演者で監督のブラッドリー・クーパーらに感謝の気持ちを伝え、受賞したことを「光栄」と喜んだ。この日ガガは主題歌賞も受賞した。授賞式が終わるとグレンと一緒ににこやかに写真撮影に応じたガガだったが、その後はパーティーなどに参加せず、瀕死の状態にあった愛馬のもとへと駆け付けた。ガガのインスタグラムによれば、アラベラにお別れを言うことができたようだ。(Hiromi Kaku)■関連作品:アリー/ スター誕生 2018年12月21日より全国にて公開© 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
2019年01月15日是枝裕和監督の『万引き家族』が、アカデミー賞前哨戦として注目を集める第44回ロサンゼルス映画批評家協会賞にて、日本映画としては33年ぶりとなる外国語映画賞を受賞、是枝監督が現地で行われた表彰式に駆けつけた。ロサンゼルスを拠点に活動する映画批評家で構成された“ロサンゼルス映画批評家協会”のメンバー投票によって決定する同賞。今年は、村上春樹の短編小説「納屋を焼く」をもとにしたイ・チャンドン監督による韓国映画『バーニング 劇場版』も『万引き家族』と並んで外国語映画賞を受賞している。なお、日本映画では黒澤明監督の『乱』以来、33年ぶりの外国語映画賞受賞となる。過去には『君の名は。』(新海誠監督)、『かぐや姫の物語』(高畑勲監督)、『千と千尋の神隠し』(宮崎駿監督)がアニメーション映画賞に輝いており、本年度のキャリア功労賞には宮崎駿監督が選ばれている(日米合作映画としてはクリント・イーストウッド監督『硫黄島からの手紙』が作品賞を受賞)。表彰式では、割れんばかりのスタンディングオベーションに包まれる中、是枝監督が登場。トロフィーを受けとると、「この賞を頂いたお礼を一言述べたくて、10時間飛行機に乗って、今朝この街に着きました。本当にありがとうございます」と喜びの挨拶。「5月にカンヌの映画祭で賞を頂いたときに、審査委員長のケイト・ブランシェットさんがこの作品のことをインビジブルピープル、目に見えない人たちを目に見える形にしたというところをすごく評価していただきまして、とても嬉しかったんですね。この映画に限らず、いつも映画を作る時には、見えないもの、声にならない声をどういう風に映画にするかという事をいつも考えているのでとても嬉しかったです」と語った。さらに「映画にはある力があると思っています」と続けると、「例えば日本と韓国とか、アメリカとメキシコとか隣り合う国と国、人とひとの間に大きな力が、壁を作りお互いがお互いを見えなくしようとするときに、その壁を取り払ってお互いを見える形にしていく、そういう力が映画にはあると思っています。なのでこの賞を友人でもあり、韓国の最も尊敬する監督でもあるイ・チャンドンさんと同じ賞を受賞できたことが本当に嬉しいです」とスピーチ、大きな喝采を浴びていた。また同日、1月13日に発表となったパームスプリングス映画祭でも、外国語映画に贈られるFIPRECI賞(国際批評家連盟賞)を受賞。こちらにも是枝監督が駆けつけた。本作は、先日発表された英国アカデミー賞やアジアン・フィルム・アワーズなど、現在56の海外映画賞各部門でのノミネート、30の受賞歴を重ねている。第91回米国アカデミー賞の外国語映画賞部門・最終ノミネーション発表前の候補リスト9本にも選ばれており、1月22日(火)に行われるノミネート発表に向けても大きな弾みとなっている。『万引き家族』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.バーニング 劇場版 2019年2月1日よりTOHO シネマズ シャンテほか全国にて公開©2018 PinehouseFilm Co., Ltd. All Rights Reserved
2019年01月13日