コーチの暴言がひどく、サッカーが嫌いになるのではと心配。試合中も少しのミスで「元のチームに戻れ」「次の試合に来るな」など精神的に追い詰める発言。夏には炎天下の中何度も罰走させたり、体力的にも精神的にも子どもを追い込み、サッカーの指導とはかけ離れている。親として現状を見守るしかないの?というご相談をいただきました。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、悩めるお母さんに改善のための動き方をアドバイスします。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<低学年なのにメンバー固定。意見したいが「面倒な親認定」されたくない問題<サッカーママからのご相談>5年生の息子がサッカースクールの選抜チームに選ばれました。最初は強いチームで戦えることをとても喜んでいたのですが、新しいコーチの暴言が酷く、年中から続けてきた大好きなサッカーが嫌いになるんじゃないか心配です。高学年になればある程度の厳しさも必要だと思いますし、コーチのゲキで子ども達がピリッとすることも確かにあります。今まで何人かのコーチに教えていただきましたが、皆さん信頼できる方々でお互いの立場を理解し、子どもの健やかな成長を信じてお任せしてきました。新しいコーチは、炎天下の中、何度も罰走させたりするだけでなく、発言も問題があります。試合中もベンチの子たちに「アイツ、本当下手くそだな」等と試合に出ている子の悪口を聞かせたり、少しのミスで「元のチームに戻れ」「帰れ」「次の試合に来るな」「親に言うぞ」などと発言。精神的に子ども達を追い詰めるだけで、サッカーの指導とはかけ離れている気がします。子どもたちに対してフォローも褒め言葉も皆無です。ついていけない子や、親がコーチの指導が気に食わないならやめればいい話なのかも知れませんが、コーチに逆らえない立場の子達への攻撃を大人として黙って見ていていいのか考えてしまいます。またスクールの掲げる指導方針・理念と合っていない気がします。あんなに楽しそうにしていたサッカー、仲間、チームが崩れていっている感じがしているし、そもそも小学生を体力的にも精神的にもそんなに追い込む必要があるのか疑問に思います。続ける続けないは子どもが決めることですが、親として現状を見守る以外できることはないのでしょうか?<島沢さんのアドバイス>ご相談いただき、ありがとうございます。メールに「コーチに逆らえない立場の子達への攻撃を大人として黙って見ていていいのか考えてしまいます」と書かれています。悶々としている様子が伝わってきます。このコーチの方の指導を実際見ていないので明確にはお答えできませんが、お母さんがお書きになったことがすべて事実であることを前提にお話ししますね。■現状を学校に置き換えて想像してみると......まずはじめに、今の現状を「学校で担任の先生が行っていること」として置き換えてみましょう。あくまでも、例えばコーチが先生だったら、という想像をしてみてください。●体育の時間に、炎天下の中、何度も罰走させたりする。●体育(図画工作でもOK)の時間に、「アイツ、本当下手くそだな」等と他の子どもの悪口を言う。●授業中に問題を間違えたら「他の学校に行け」「帰れ」「明日は学校に来るな」「親に言うぞ」と脅す。●精神的に子どもたちを追い詰めるだけで、教育とはかけ離れている。●子どもたちに対してフォローも褒め言葉も皆無。●学校が掲げる教育方針・理念と合っていない。もし、上記のような先生が担任だった場合、これらはすべて「教育という名を借りたパワーハラスメント」です。この状況、お母さんは黙って見ていますか?きっと、すぐに本人に抗議するか、学校に訴えませんか?ほかのお母さんやお父さんも、すぐに「担任を替えろ」「教育員会に訴える」と騒動になるはずです。■指導という名を借りたパワーハラスメントところが、ことスポーツの指導現場になると、親御さんたちは指導者に対して非常に寛容です。炎天下の罰走は「こころを強くするため」などと根性論に置き換えられたり、「自分の時代はもっと厳しかった」と過去の悪い指導が肯定されたりします。下手くそ発言は「下手な子はもっと努力すべき」と下手なことが悪いことになり、「帰れ」などの暴言は「少し口が悪いコーチ」とか「厳しくするあまりそういういい方になる」などとかばったりします。すべての受け止めが、非常に大甘です。よくよく考えれば、このコーチがなさっていることは「指導という名を借りたパワーハラスメント」なのです。■学校には厳しいのにサッカー指導のパワハラに鈍感になるのはなぜか担任の先生には厳しく対応するのに、サッカーのコーチのパワハラに鈍感になってしまうのはなぜでしょうか。それはきっと割合の問題だと私は考えます。学校の教育現場ではパワハラをしない先生が今では大多数です。時代にそぐわない、おかしなことをして子どもを傷つけたら、先生たちはすぐに処分されます。それ比べ、少年サッカーの指導者は処分されません。そして、現在でも罰走をさせたり、大声で子どもを叱ったり、暴言を吐いたりするコーチのほうが、子どもを認め自ら考えさせサッカーを楽しませてくれるコーチよりも割合が多いのが現状です。そのため、コーチ自身も、保護者も、選手も、その指導が圧倒的に間違っていることに気づきづらく、気づいたとしても指摘しづらい、抗いづらい。それが実情なのです。数年前の取材になりますが、試合に負けた後に「こいつのせいだと思う人は?」と言って子どもたちに挙手させたコーチがいました。「この中で一番下手な子をみんなで指指してみよう?だ~れだ?」と言って指をささせた人もいました。ともに、当時は指導していましたが、そのうち保護者の中で「それはおかしい」と言う人が現れて辞めさせられました。両者ともに、コーチ資格や審判資格を取得し、毎年講習を受けていました。でも、子どもを前にして最も重要な「人権」について、あまりに鈍感だったと言わざるを得ません。■状況改善のための動き方今回、お母さんが「精神的に子どもたちを追い詰めるだけで、指導とかけ離れている」「フォローや褒め言葉が皆無」といったことに気付かれていることはせめてもの救いです。そこに確信があるのなら、以下の順番で動いてみてください。1)スクール側へ報告スクールの掲げる指導方針・理念と合っていないと思われるのならば、そのスクールの代表者や管理責任者に現状を報告し、コーチを替えてもらいましょう。2)「コーチに言い聞かせます」このようなケースで最も多いクラブ側のレスポンスは、代表者が「コーチに言い聞かせますから」というものです。その場合、コーチにどんな教育プログラムを施すのかを確認したほうがいいでしょう。「スクール」と名がついているのですから、民間なのかNPOなのかはわかりませんがいずれにしても有償(指導料や月謝がある)でしょう。であれば、指導のサービスシステムとして不完全です。そこはきちんと話したほうがいいと思います。3)移籍を考えるコーチの交替がない、もしくはスクールの代表者の対応がかんばしくなかった場合は、息子さんに「お母さんはいい指導だと思えないのでチームを替えたほうがいいと思う」と気持ちを伝えましょう。お母さんのおっしゃる通り、続けるかどうかはお子さんが決めることですが、親として意見はすべきです。月謝を支払い、保護者としての責任があることから丁寧に話してみましょう。■社会に出ると理不尽なことばかり、というが対応を間違えると「事なかれ主義」な人間になる(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)こういったケースの場合、よく親御さんたちがおっしゃるのが「社会に出ると、理不尽なことばかりだから慣れておいたほうがいい」という理屈です。しかしそれは、理不尽に抵抗しない経験を積ませてしまうと理不尽なことを受け入れたり、意見ができない「事なかれ主義」の人間形成につながらないとも限りません。「ここがもし学校だったら?」ぜひこの置き換え習慣を忘れないでください。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。
2021年09月15日「ママいらない」「あっち行って」「大っ嫌い!」など、子どもに言われて傷ついたことはありませんか?幼稚園では穏やかに過ごしていてもママにだけ暴言を吐く子は、意外と多いようです。今回はそんな子どもの心理と対策について、元保育士の立場から考えてみました。ママ友の多くが子どもの暴言で傷ついた経験ありうちの娘は友達に対していつも穏やか。カッとなることはなく、強い口調で話す姿を見たことはほとんどありません。しかし家に帰ると豹変!「ママ~、〇〇どこ?」と娘が今使いたいものの在り場所を聞かれ、「知らないよ」と答えると…。「ねえ!どこって言ってるじゃん!」「ママ!ママーッ!」と突然怒りをぶつけられるのです。最初から怒りモードで向かってくるその理不尽な態度にストレスを感じずにはいられません。その話をママ友にしてみると、意外にも「うちもあるある!」という声が多くありました。事あるごとに「ママなんていらない!どっか行って!」と暴言を吐かれるママも…。友達やパパには言わないので、毎回すごく傷ついているそう。暴言を吐いたり、しばらくジタバタ暴れた後は、子どもは何事もなかったようにしているそうですが、言われた側のママは「気持ちをなかなか切り替えることができなくて…」と話します。暴言を吐くのは信頼しているから私は、娘が理不尽に怒りをぶつけてくる時、保育士をしていた時に学んだことを思い出すようにしています。それは「家庭で充分に自分を出せて甘えられている子は園で頑張れる、甘えが足りない子は園で友達に当たってしまったり集中力がかけたりすることがある」ということです。実際に、保育士時代に「最近友達にいじわるすることが増えたな」と感じる子の保護者と話をしてみると、仕事が忙しく相手をできないことが続いていたということがありました。下の子が生まれたり、ママ自身がストレスを抱えていたり、充分に甘えられない状況が続くと園での子どもの様子が違ってきます。逆に、運動会の練習など園ですごく頑張っている時、家でぐずることが増えたと聞くこともありました。園でいろいろなことに挑戦するためにも、家で言葉にできない園でのストレスを発散するのは、子どもにとって必要なことだと思います。ママにだけ暴言を吐く理由は、「こんな自分を見せてもママには嫌われない」という信頼があるからだと思います。家で自分を出せずにいい子を演じているより、安心してワガママを言える方がずっといいのです。ママがイヤだったことは伝える子どもが暴言を吐く理由が理解できても、イヤな言葉を言われ続けるのはつらいもの。そして、わが子に「人が傷つく言葉を言ってはいけない」ということをしっかり伝えていくのは大切です。少しくらいの八つ当たりは仕方ないけれど、あまりにもひどい暴言を吐く時は毅然とした態度で叱ることも必要ではないでしょうか。もし「ママなんて大嫌い!」と言われたら、時にはママだって本気で、「ひどい!」「悲しい!」と大人げないくらい怒ったり悲しんだりして、その気持ちを伝えてもいいと思います。暴言をはいている奥底にあるのは甘えたいという気持ちその上で、子どもが今抱えている本当の気持ちを聞いていくことが大切だと思います。暴言は決して本心ではなく、その奥底には「抱っこしてほしかった」「一緒に遊びたかった」「もっと自分を見てほしい」などの想いがあるはず。「〇〇ちゃんはどうしてほしかったの?」と聞いて、「抱っこしてって言ったら、してあげられるよ」など、ママを攻撃する言葉以外の解決方法があることを教えていくといいと思います。うちの娘も家でストレスを発散したり甘えたりしながら、園では感心するくらいいろいろなことを頑張っています。先生に「友達にやさしくできてステキですね」と誉められるたび、「ママにもいつもやさしくして~!」とつい言いそうになるのですが(笑)。娘の甘えをできるだけ大きな気持ちで受け止めるよう心掛けつつ、私自身もストレスがたまった時には、夫に助けを求めたり、ママ友にグチを聞いてもらったりと息抜きをしながら、これからもしっかりと向き合っていきたいと思います。<文・写真:ライターnicoai>
2020年11月30日■前回のあらすじ子どもが生まれて変わった妻を受け入れられず、アドバイスと称して指摘し続ける夫。被害者は夫である自分だと思っているが…【妻side STORY】弁護士の無料相談をしてから数ヶ月、夫の暴言の証拠を残し続け着々と準備を続けていましたが、いつしか夫と接するのすらも怖くてたまらなくなっていました。「夫が帰ってくるのが怖い」、「夫を避けたい」…そう思うと、頭痛がしたり動悸が起こったり。そして夜もだんだん眠れなくなるといった原因不明の体の不調が続きました。そんなとき、離婚についてネットで調べていると「モラハラが原因で体調を崩した場合、心療内科などの診断書が離婚時の慰謝料請求で有利になる」という情報を発見。私は子どもを守るために、行動を起こすことにしました。「録音をしている」と告げると…夫はとても驚いていました。そして…夫は態度を急変させました。夫自身、酷いことを言っている自覚があったのかもしれません。夫は怯んだように見えましたが…土下座をしながらボソっと言った言葉…この言葉が聞こえたからこそ自分の中での迷いはすべてなくなり、吹っ切れて前に進むことができました。夫はなかなか離婚に応じず調停を申し立て、離婚が成立するまで約1年半かかりました。夫は泣き言を言っていましたが、自分のしてきたことの結果だと思います。あの時、勇気を出して行動できて本当に良かったです。 【同じテーマの連載はこちら】 教えて!弁護士さん この連載の全話を見る >> 離婚できない妻のモラハラ対処法 この連載の全話を見る >> ※この漫画は実話をべースにしたフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/脚本・ モグ /イラスト・ もちふわ
2020年11月08日■前回のあらすじ育児の仕方も容姿も暴言を吐き続ける夫。妻は離婚を考え始めたのだが…。【夫side STORY】俺は、けいた。妻のかおりにはいつまでも綺麗でいて欲しいと思っている。それなのに子どもが生まれてからのかおりは、いつでも同じような洋服ばかりで、オシャレすることを放棄してしまっている。昔のかおりに戻ってほしい。そのために俺にできることは…かおりが仕事をやめたのは、俺が家庭に入ってほしいと言ったからだ。かおりは当時嫌がったが、俺の両親も「妻は家庭を守るべき」とかおりを説得し、かおりは仕事を辞めた。しかし専業主婦になったかおりは…この有様だ。俺が稼いだ金なのに、かおりは足りないという。かおりだって生き生きと輝いていた頃に戻りたいはずだ。それなのに俺のアドバイスを聞き流し続け、さらには小言まで言うなんて、そんな女性を妻にしたはずではなかった…。妻という立場を放棄したかおりを目覚めさせようと、俺は必死になって「かおりのため」を考え続けた。最近のかおりの泣きそうな顔を見ると、厳しすぎるかなと少し思うことがある。それでも今のかおりの状況は、結婚詐欺と同じレベル。だからといって俺はかおりを見放したりはしない。かおりのためにも、「理想の妻」を追い求めることが正しいことだと信じていた。次回【妻side STORY】に続く!▼「夫はモラハラかも?」と思ったら… 「離婚できない妻のモラハラ対処法」 連載Vol.1 【専門家監修】あなたの夫はモラハラ体質?その特徴や原因とは 【同じテーマの連載はこちら】 教えて!弁護士さん この連載の全話を見る >> ※この漫画は実話をべースにしたフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/脚本・ モグ /イラスト・ もちふわ
2020年11月07日【妻side STORY】2歳になる息子・はやとはイヤイヤ期まっさかり。やんちゃで机や壁に落書きをしてしまったり、物を投げて癇癪を起してギャン泣きをしたり。正直、育児は毎日が戦争状態でした。しかし、夫のけいたは…私の容姿については、「年齢に比べて老けすぎている」、「服が安っぽくてみすぼらしい」、「おばさん体型で俺が恥ずかしい」などと言われ、どんどん自分がみじめに感じるようになっていきました。容姿も育児もダメ出しが続き、次第に私は夫との離婚を考えるようになっていったのです。そのときに、まず始めたがの録音。夫がいつ、どんな風に怒り出すのかわかるように、できるだけ夫との会話が始まった時から録音をするようにしていました。そして夫が私の容姿を貶める次に始めたことが、お金の管理でした…。夫からもらった5万円で、食費、お酒代、日用品、子どもの服、オムツ代を賄わねばならず、自分の化粧品、服、美容院代はとても出すことができませんでした。そのなかでなんとかやりくりをしようとするのですが、なかなか収まらず、結果的に食事が貧相になっていってしまったのです。夫には家計簿を見せましたが、ろくに目を通さず、「あれが高い」「これはいらない」などと指摘をされて。しかし、最も安いオムツを使っているのに、そのオムツ代すら高いと言う夫。市場価格を確認もせずに、自分のモノサシだけで文句をつけていたのです。夫の暴言の録音データと日記は日々溜まる一方。そこで前に進むために、市がやっている弁護士の無料相談に行くことに。弁護士の先生からは、次のようにアドバイスを受けました。●録音などの証拠を集めるのは離婚を有利にする●殴られるなどのDVがあった場合は痣の写真や病院での診断書を取るただ、夫は直接殴ることはないので、暴言だけで離婚できるかは不安だったのですが…。次回【夫side STORY】に続く!▼「夫はモラハラかも?」と思ったら… 「離婚できない妻のモラハラ対処法」 連載Vol.1 【専門家監修】あなたの夫はモラハラ体質?その特徴や原因とは 【同じテーマの連載はこちら】 教えて!弁護士さん この連載の全話を見る >> ※この漫画は実話をべースにしたフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/脚本・ モグ /イラスト・ もちふわ
2020年11月06日スポーツの現場での暴言、暴力、ハラスメントは世界中で大きな問題とされています。7月20日、調査機関ヒューマン・ライツ・ウオッチが、来年開催される予定のオリンピック、パラリンピックに向け「日本のスポーツにおける子どもの虐待」というレポートを発表しました。これは子どものころにスポーツをしていた50人以上へのインタビュー、400人以上へのオンラインアンケート、スポーツ団体へのデータ提供などで調査を行ったもので、日本の子どもたちがいまだにスポーツの場で暴力・暴言などの被害を受けていることがわかりました。また、この問題に対する対処と予防の遅れの原因となっている制度上の不十分な点も明らかに。サカイクではこの調査結果を受け、サッカー界での現状・対策方法などについて、日本サッカー協会(以下JFA)リスペクト・フェアプレー委員会、委員長の山岸佐知子さんにお話しを聞きました。2008年度にリスペクト宣言をし、暴力根絶に向けてとりくんできたJFAの現状とは。(取材・文:前田陽子)親は「我慢が足りない」などと言ってはいけません■サッカー界は他競技に先駆けて2013年に相談窓口を設置ヒューマン・ライツ・ウオッチのリサーチを受けて、山岸さんは「正直そうだと思います」と話します。ただ、日本も少しずつ改善されているとも。JFAでは、暴力行為の早期発見と是正および再発防止をするために2013年に暴力等根絶相談窓口を設置しています。2018年に寄せられた相談総数は120件、2019年は243件と増えています。増えた要因はさまざまなスポーツでの暴力暴言が報道されたことも一因。世間が関心をよせ、暴力や暴言に敏感になったことで相談数も増えているようです。「件数が増えることは決して悪いことではありません。悩みを抱えている人が、内にこもることなく相談というアクションを起こすことができているのは、いいことだと思います。」相談内容は暴力、暴言、そのほかのハラスメントと大きく分けていて、2019年は暴力が43件、暴言が127件と暴言の相談が増えています。「手を上げることはいけない、よろしくないという認識が大分浸透してきていますが、それまでは暴力をしていた指導が暴言にシフトしている可能性もあるのではないかと考えています。受ける側からすると暴力も暴言も同じこと。特に年齢が低いお子さんにはダメージが大きいです。暴言は暴力と同等、もしくはそれ以上の凶器になってしまうと考えています」■選手の安全や安全を確保する『ウェルフェアオフィサー』JFAでは2013年からウェルフェアオフィサーの設置に取り組んでいます。ウェルフェアオフィサーの主な役割は、サッカーを楽しむために選手の安心や安全を確保すること、リスペクトやフェアプレーを推進することにあります。全試合とはいきませんが、一部の主要な試合でマッチ・ウェルフェアオフィサーを置き、試合でのチームのマナー、声かけの仕方などをアドバイスしています。ウェルフェアオフィサーは規律委員ではないので、罰則を下すことで排除するのではなく、気づきを与え自ら改善するように促すことが役目です。「仲間同士で気づいて、お互いに指摘しあってほしいです。仲間内で改善されていくことが一番いいと思っています。暴力や暴言を続けていくと、監督さんやコーチもいずれはその立場を失うことになるかもしれない。そういうことを互いに話せる環境になっていくと暴力、暴言指導なども自然となくなっていくのではないかと思います」さらに、JFAではクラブで問題が起きた時にクラブ内で解決できるようにする仕組みづくりの一環として、クラブ・ウェルフェアオフィサーの設置を推進しています。■親は子どもの話をよく聞いて、解決ができなければ相談窓口へ子どもが暴力・暴言を受けていると思っても、監督やコーチに直接話をするのは難しいところ。子どもに「あなたがいけないんじゃない?」、「我慢がたりないのよ」などの声かけは絶対にNGです。そんな風に言われたら、子どもの言葉は続かなくなってしまいます。まずは子どもの話をきちんと聞くこと。そして、問題だと感じたらJFAの暴力等根絶相談窓口へ連絡することです。相談は匿名でも受け付けて、必要であれば調査をします。相談は昨年までは電話、FAXの手段でしたが、今年からはJFAのホームページ内にある暴力等根絶相談窓口通報受付フォームから通報が出来るようになりました。「これまでにライセンスの一次的な停止などの処置をしたケースもありました。ですが、起こしてしまったことをしっかりと反省をして、心を入れ替えて再度サッカーに携わるという道もないといけないと思っています。大切なのは過ちを理解して、繰り返さないこと。そのための教育的なプログラムは必要になってくると思います」と山岸さん。■サッカーをプレーしているところに笑顔があふれるようにJFAでは、自分たちの環境を自分たちで守るウェルフェアオフィサーのような役割の人を増やしていく予定です。サッカーに暴力も暴言も必要ありません。プレーしている選手たちが笑顔でサッカーを楽しめることが重要で、そういう環境を守るのは、サッカーに携わる私たち大人です。また、指導者には暴力暴言を使って指導をしていてもいいことはないということを、しっかりと認知してもらくことが大事です。「ただし、古い体質は長い歴史の上にあるもので改善までには長い時間がかかるのではないかと思っています。コツコツと努力を続け、グラスルーツのチームまで浸透させていくことが我々の役割だと思います」■子どもたちは大人の背中を見ています山岸さんは、以前はレフェリーとして多くの試合を担当していました。そんな山岸さんから貴重なお話をうかがいましたので、ご紹介します。「サッカーはコンタクトスポーツです。当然、フェアにチャレンジしていてもコンタクトすれば倒れる場面もあります。その際にすぐに立ち上がってプレーを続けることを促すチームと、倒れたことをアピールするチームでは、特に下の年代ですが、冷静なチームの方が強いです。コーチがレフェリーに対して倒れたことをアピールすることで、選手も煽られてしまい、プレーに集中することを忘れてしまうのです。それが当たり前だと、自分たちがミスをしたりうまくいかないと人のせいにしてしまうようになります。練習の中でレフェリーにアピールするようにという指導はしていないと思いますが、子どもたちは大人の背中を見ている。せっかくいいプレーをする力も持っているのに残念です。倒れてもすぐに起き上がってプレーする習慣があるチームは、仮にその時に優勝する力がなくても、そういう習慣が身に付いている選手は年齢が上がるに連れてたくましくなり、優勝争いができるようになります。自分のやるべきことがちゃんとわかるようになるので。子どもたちは大人の様子を見て、真似ます。大人はそれを自覚して接してほしいですね。」大人になると中々自分を変えることは難しいものです。ですが、選手たちが安心、安全な環境の中でサッカーを楽しむために、JFAへの啓蒙を続けていきます。後編では指導者養成の面でどのような活動をしているのかをお送りします。日本サッカー協会暴力等根絶相談窓口対象となる行為の詳細、通報フォームはこちら>>
2020年09月08日夫から妻への見下したようなモラハラ暴言。前編に引き続き、今回は妻の体調が悪い時や妊娠・出産の時にまで言われた夫からの暴言について見ていきたいと思います。今回もウーマンエキサイトアンケートに寄せられたエピソードの中から、お伝えしていきます!■「俺の飯は? 風邪うつすなよ」驚愕の冷酷発言風邪などで体調を崩した時、いつもより弱っているからこそ、優しい言葉をかけてもらいたいものですよね。しかし、そんな体調の悪い時にも、モラハラ夫から暴言を言われたとの声があがっています。「私が熱を出した時、体調が悪いと言った私に夫が返した言葉は、『俺の飯は? 風邪うつすなよ』。1日で治らないと『役に立たんね』と言われ、40度の熱の中、歩いてひとりで病院へ…」「生活がかかっているので、毎日一人で、家事育児に奮闘していますが、体調が悪くても、決して心配してくれません。『自己管理できないやつが悪い』と。自分は深夜までテレビを見て寝不足になったりして、体調をしょっちゅう崩しては、当たり前のように妻の私に看病してもらっているのに」「更年期で体調が悪く最低限の家事もできない日が多くなったことから、もう少し手伝ってほしいと涙ながらに頼んだところ、『具合悪くてかわいそうだから家に置いてやってるんだ』と言われた。この言葉で旦那を捨てる覚悟ができた」「生理痛で体調が悪く寝込んでいると『夕飯はどうするんだ?』と聞く。別の日に頭痛で具合が悪い顔をしていると『またかよ。体調がいい時あるの?』と言われた」「体調が悪かったとき、何とか夕飯の準備をしたが、『そういう顔してるとこっちまで気分が悪くなる』と言われた」体調が悪い妻を気遣うような発言は一切せず、上から目線な夫からの暴言が多く見られます。一方で、夫自身が体調を崩した時には、妻が看病しているという発言もあり、もはや自分勝手としか言いようがありませんよね。体調不良の時くらい、もう少し思いやりを持ってくれてもいいのに…という妻の叫びが聞こえてくるような気がします。■「妊娠は病気じゃない、甘えるな!」妊娠出産時も暴言また、妊娠中や産後でさえも、モラハラ発言をしてきたというコメントも。「妊娠中、仕事を続けていたこともあり体がキツくて夫に手伝ってくれないかと頼みました。そしたら『帰ってきて何十分休んでんだよ! だるいなら後からやればいいだろ!』と罵声を浴びせられました」「第1子出産後、慣れない育児に体調を崩し協力を求めるも『おれは毎日仕事してる。おまえは育児のために休みをもらってるんだから育児が仕事でしょ? 何でできないの? 周りはみんなやってるじゃん』などと言われました」「高収入だが、家事育児は一切やらない。上の子が7ヶ月で次の子を妊娠。つわりがひどくて家事をせず休んでいると、『妊娠は病気じゃない、甘えるな』と怒鳴りつける。自分は深酒して寝るだけ」「第2子の1ヶ月検診と私の産後検診に上の子も連れて行かなくてはいけないため、夫に付き添いをお願いしてあった。ところが前日夜になって他の用事に行きたいと。こちらがムッとすると、『なんでその都度おまえに合わせなきゃいけないんだ』ですって」確かに、妊娠や出産は病気ではありませんが、子どもを産むのは命がけで、妊娠中も産後も女性の体にはさまざまな変化が訪れます。その全てを理解してもらうのは難しくても、全く理解を示してくれない言動には、ガッカリしてしまいますよね。■モラ夫の暴言とどう付き合うべきかここまで、モラハラ夫の見下し暴言の数々についてエピソードをご紹介してきました。もし夫からひどいことを言われた時、どのように対応するのが正解なのでしょうか。「ガマンの限界で、半年程前に『離婚する!』と騒ぎました。初めは言い返して罵倒されましたが、本気の私にビビりコロリと態度を変え『おまえがいないと生きていけない』と泣きついてきました。まだ出て行けていませんが、モラハラする人はできる相手がいなくなると生きていけないということがよくわかりました」「夫にひどいモラハラ発言をされましたが、その後私がぶちギレて、1年かけて更生させました」「モラ夫はモラハラできる相手がいないと生きていけない」というコメントからは、モラハラ夫の本質が見えてきそうです。こうした場合には、「夫から離れる」ことが最も有効な手立てになるのかもしれません。また、「夫を更生させた」という頼もしいコメントも。夫が自分の発言の問題点に気づいていないという場合には、きちんと指摘して話し合い、モラハラ発言をなくしてもらうよう働きかけることも選択の一つかもしれません。ここからは、 ▼「離婚できない妻のモラハラ対処法」全3話 を元に、モラハラ夫への対処法について抜粋して考えてみましょう。そもそも、妻自身がモラハラをされていることを認識していないケースが多いと言われています。そういう場合は、自分の友だちがその夫から、今の私とまったく同じ扱いをされていたら、どう感じるか?出典: 離婚できない妻のモラハラ対処法 Vol.1 という視点を持つと、夫にモラハラされているかどうかの判断がつきやすいようです。そして、夫がモラハラだと気づいたら、夫に攻撃させないような態度をとることも大切だそう。モラハラをする人は、相手が「弱い人間」で「有害」だと思うことが原因で、攻撃すると言われています。「弱い人間」で「有害」だと思われないためには、「自分の感情を隠す」「感情表現を平坦(へいたん)にする」「淡々とした態度を貫く」出典: 離婚できない妻のモラハラ対処法 Vol.2 など、反応を減らして、相手への関わり方を変えることが有効なのだそうです。また、深刻なケースは第三者に相談することも大切です。もし、周囲の人にわかってもらえなければ、公的機関で必死に訴えるのもひとつの方法だとか。被害者になる人にはこういうことが苦手な人が多く、「こんなこと言ってもいいのだろうか?」と、どうしても控えめになってしまうといいます。だからこそ、必死に伝えることで、相手に「何かあるんじゃないか」と思わせることがポイントだそう。出典: 離婚できない妻のモラハラ対処法 Vol.3 ただ、夫がモラハラであると認識した後は、自分はどうしたいのかを考えるのが一番大事なのだそう。「本当の人生は、攻撃が終わってから始まる」と言います。ここがスタートラインであり、本当に大事なのはその先の人生をどう生きるか。幸せは夫や他人が運んでくれるものではなく、自分でつかむもの。モラハラ夫がいたって、状況を変えることさえできれば、自分の望む幸せをつかむことができるのです。出典: 離婚できない妻のモラハラ対処法 Vol.3 別居や離婚をするのか、そのまま一緒に暮らしていくのか、判断は人それぞれですが、どの道を選んでも、自分の心の平穏を保てるような道を選び取ってもらいたいと思います。 【同じテーマの連載はこちら】 モラハラ夫図鑑 この連載の全話を見る >> 離婚できない妻のモラハラ対処法 この連載の全話を見る >>
2020年08月25日「まさかこんなこと言う?」と思ってしまうくらい攻撃的な夫からのモラハラ発言。具体的にどんなエピソードがあるのでしょうか。今回は、上から目線なモラハラ夫による暴言について、ウーマンエキサイトアンケートに寄せられたエピソードの中からご紹介します!■「誰に飯食わせてもらってるんだ」お決まりの!? 上から発言妻を見下す夫からのモラハラ発言。特に夫が稼いだ給料の多さや、働いていること自体をひけらかすような言葉が目立ちます。「『誰に飯食わせてもらってるんだ』『文句を言うなら代わってやるから同じだけ稼げ』と言われた。乳児のお世話でボロボロなのに、『きったねぇ家だなぁ』、産褥ショーツを履いてるだけで 『おい、ババア』と言われ続けた」「共働きなのに、家事をほとんどしない。洗濯機を回すだけでいいからとお願いすると、『じゃあ俺と同じだけ稼いできたら? 対等じゃないんだからそっちがやって当たり前』と」「『給料が発生しないものは仕事と言わない』という夫。普段はあからさまには言わないけど、遠回しに主婦をけなします。稼いだお金を赤ちゃんの横に置いておいても育ちませんよ?」「育児休暇中、夫に『おまえは仕事いかなくて幸せだよ。家で遊んでればいいんだからな』と言われて腹がたったので、育休期間を予定より短縮し、子どもを保育園に入れて職場復帰した。今では夫の年収を追い越し、現在200万円の差がついている」辛らつな夫からの発言が数多く寄せられていて、胸が締め付けられます。協力関係を築くべき夫婦において、マウンティングを取ってしまういびつな夫の思い…。ただ、そんな夫に対して、「お金だけでは子どもは育たない」、「現在年収を追い越した」というスカッとするようなコメントも。こういう夫には、それくらいはっきりとした態度を示す必要があるのかもしれません。■「世の中には美魔女もいるのに」にムカッ!そして、もはやただの悪口のような発言や、容姿について侮辱的な暴言をかけられたというコメントも寄せられていました。「産後、妊娠の度に顔に目立つシミがいくつも現れてまだ消えていません。その顔を見て『汚ねえ顔、世の中には美魔女という40代や50代もいるのに』と言われました」「元夫は一切家事をせず、少しでもできていなかったら『期待外れの嫁』『おまえはこの家の奉公人だ。奉公するのが嫁の務めだ』と言ってきた。私は精神的にボロボロになり、離婚届を置いて家を飛び出しました」「家事を全て済ませ、一息つきながら新聞を読んでいたら、旦那に『偉そうに! 女が新聞読むなんて、おまえは殿様気分か!』と怒鳴られた。別の日に、資格を取るための勉強をしていたら、『おまえみたいなやつが勉強したところで受からん! 偉そうに!』と言われ、勉強道具を蹴飛ばされた」「不妊治療中、『中古のおばさん。もう、おまえなんて誰も相手にしない。太ってるせいで妊娠しないなら許さない』など言われた。あの暴言の数々の恨みは忘れません」「私の夫ですが、産後なかなか痩せられない時に『ブクブク太りやがって!』とケンカの時に言われました」モラ夫の思いやりのかけらもない、耳を疑うような暴言…。こうした言葉をかけられた人が、自尊心を傷つけられ、つらい思いをしていると考えると、胸がざわつきます。最も近い存在であるが故、一緒に過ごすうちについ遠慮なく発言してしまいがちですが、最低限の思いやりや、感謝の気持ちを持つことの大切さをあらためて感じます。ただ、そんな夫のひどいモラハラ発言は、妻の体調が悪い非常時などにも、容赦なく聞こえてくるようで…。後編に続きます。 【同じテーマの連載はこちら】 モラハラ夫図鑑 この連載の全話を見る >> 離婚できない妻のモラハラ対処法 この連載の全話を見る >>
2020年08月24日こんにちは、心理カウンセラーの佐藤栄子です。これまで、子育てや夫婦関係、ママ友トラブルや自分のココロの在り方についてなど、さまざまなテーマを心理カウンセラーの立場で取り上げてまいりました。そういった記事に寄せられた「もっと深掘りした内容が知りたい」「個々のケースで対応は変わるの?」といった皆様のお悩みにお答えする連載「ココロで読み解く『ママのお悩み相談室』」。今回は、 「『専業主婦はいいよな』夫の言葉にイライラ…プチモラハラ夫、どうすれば?」 という記事に寄せられたお悩みです。記事では、「専業主婦っていいよな」という不用意なプチモラハラ発言に対してどう対処すればいいかについてご紹介しました。しかし、記事のアドバイス通り夫に対して笑顔を切り返しているものの、毎日のこととなるとつらくモヤモヤする妻からお悩みのご相談が寄せられました。■質問:夫のプチモラハラに笑顔で切り返すのも限界に…病気を機に退職し、専業主婦になってから 「『専業主婦はいいよな』夫の言葉にイライラ…プチモラハラ夫、どうすれば?」 記事と全く同じ状況になり、ストレスで胃がおかしくなりました。記事での先生からのアドバイスで少し気が楽になりましたが、笑顔で切り返してはいるものの、やはり毎日のように「ずっと子どもと一緒に家にいられていいよなー」と言われるとモヤモヤします…。■回答:夫の嫌味の裏にある感情は「妻への甘え」「ずっと子どもと一緒に家にいられていいよなー」と毎日のように言う夫。そう言われても、妻はどうリアクションすればいいのか困りますよね。病気をきっかけに退職なさったということですから、体調を整えるために専業主婦の道を選ばれたのだと思います。しかし、それでストレスがたまってしまうのでは元も子もありません。アメリカの心理学者 アブラハム・マズローが提唱した「人間の欲求階層説」というものがあります。人間の欲求には以下のように5段階あり、1の低い階層の欲求が満たされると、2、3…と、高次の欲求に向かっていきます。1.生理的欲求(生きたい)2.安全の欲求(生命を安定維持したい3.所属と愛の欲求(社会や仲間に受け入れられたい4.承認の欲求(価値がある存在と認められたい)5.自己実現の欲求(自分らしく生きたい)出典:産業能率大学出版部 A.H.マズロー著 人間性の心理学 改訂新版)日本のような社会が成熟している環境であれば、1と2は満たされていて当たり前なので、人々は3以上の欲求に目が向いているのが日常でした。しかし、今回の新型コロナウイルス流行は「2.安全の欲求」を脅かすものであり、多くの人が今まで経験したことのない精神的な不安を抱えているのではないかと思います。もしかするとあなたの夫は、「仕事のため外出する=感染(生命)の危機にさらされる」という恐怖、心配を強く持ってしまったのかもしれません。または、夫はもともと仕事や人間関係など外の世界に不安や不満を抱えていて、それが新型コロナウイルス流行への不安から顕在化してしまい、あなたへの嫌味という形に変えてはき出されている可能性もあります。もし夫が、これまでは日常的にあなたに対して不満や攻撃的な感情を持っていなかったのであれば、この嫌味は「妻なら聞いてくれるはず」という甘えから生まれた、不安解消の八つ当たりかもしれません。■「仕事をしていない自分には価値がない」という思い込みが潜んでいる?さらに、あなた自身の心の声にも耳を傾けてみましょう。病気を機に退職なさったとのことですが、もしかすると「仕事を辞めた専業主婦の自分、お金を稼いでいない自分は、社会的に価値がない」と心のどこかで感じていませんか?そのため、夫からの「ずっと子どもと一緒に家にいられていいよなー」の言葉に傷ついているにもかかわらず、我慢して何も言い返せずにいるのではないでしょうか。オックスフォード大学の研究者が発表した論文「10年後になくなる職業」(原文:Carl Benedikt Frey and Michael A. Osborne 「THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION?」 )は日本でも大きな話題を呼びました。それに付随して、いろいろな立場から述べられた記事が多くありますので、一度は目にしたことがあるのではないかと思います。その中で「将来も残る仕事」の一つとしてよく挙げられているのが「人の命や感情に働きかける仕事、人と情感を交流させる仕事」です。育児はそのスキルを磨くのに最適な仕事といえます。人間の著しい成長を見守ることができるのは貴重な体験です。自分の今後の仕事にも何らかの形でつながるかもしれない良い機会ととらえ、この時間には価値があり、子育てをしている自分自身の価値も認めてあげましょう。子育ては大変なことも多いですが、そうやってどっぷりと子どもと過ごす時間を楽しんでいただきたいと思います。■夫の嫌味から逃げず、真っ向から向き合う夫の嫌味が甘えや八つ当たりであると理解しても、あなたがじっと我慢する必要はありません。それこそ、精神衛生上良くないことでしょう。「ずっと子どもと一緒に家にいられていいよなー」と言われたら真顔で「それ本気で言っている?」と聞き返してみましょう。そして、「仕事を辞めてでも本当に毎日子どもと一緒に家にいたい?」と夫に確認します。夫がしどろもどろになったり、「そんなことをしたら生活できないだろう」などとはぐらかすようなら、「冗談でもそのような言い方をされると傷つく」ときちんと伝えてもいいと思います。または「子どもと一緒に家にいるのが楽だと思っているのなら、あなたもそうしたいよね。それなら私も何か社会の役に立てそうなことがないか探してくるから、その間子どもと家にいてね」と伝えて、休日に子どもをお任せして出かけましょう。ハローワークで仕事を検索してみたり、興味が持てそうな資格はないか図書館で調べてみたり、ボランティアの登録をしたり、今できることを探してみてはいかがでしょうか。また、仕事や学習、ボランティア活動ではなくても、子どもの園・学校の役員や町内会の地域活動を夫のかわりに引き受けて、無理のない範囲で外に出かけていき、夫に子どもと過ごす時間を持ってもらうのもいいと思います。どんな形であってもいいので、今自分にできることを精一杯やりつつ、夫の不安な気持ちも理解して「一緒に頑張ろうね」という思いを伝えていけば、嫌味も少なくなってくるのではないでしょうか。夫の言葉をそのまま受け止めて自分を追い込まず、リラックスできるように少しずつ行動してみましょう。これからも皆さんのお悩みに答えていきたいと思います。お気軽に、下の読者アンケートにお寄せください。お待ちしております。
2020年07月31日「彼氏からの体重制限」と題する男性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。トピ主さんは昨秋から、交際中の彼氏に「デブ」「ブス」などと体重や見た目を批判され続けることに苦しんでいます。周囲から心配されるほど痩せた時期もあるそうで、「一日中食事のことを考えて生活する事が苦しい」「褒めてもらいたいから努力するのにどうしてけなされるのでしょうか」と悩める心情をつづっています。「彼に従うこと」は、本当にクリアすべき目標や課題なの?交際相手に体重制限をかけたり、「下剤飲んで」と言ってきたりするのは異常では……とのことですが、確かに第三者から見れば、彼の言動は相当に行き過ぎたものに映ります。それでも、トピ主さんはそんな彼の言動にNOと言えず、関係を絶てないからこそ苦しいのですよね。「体重に限らず彼に言われると私が悪かったのかという思考回路になってしまう」といった記述なども加味すると、トピ主さんは今、「彼が課してくる課題をクリアすること」が、ある種、日々の目標のようになってしまっているのではないかと推測します。他人の指示に従うのはしんどいことに聞こえますが、自分で考えたり決めたりしなくて済む分、見方を変えれば「ラクなこと」でもあります。強権を振るう存在の支配下にいると、人は抵抗することや自分で考えることを放棄し始め、「この人の言うことを聞いてさえいればいい、それが自分の仕事だ」などと思うようになることも知られています。のちの投稿には「私は彼の世界に染まっている」という記述もありますが、トピ主さんも少し、それに近い“思考停止”状態になっている可能性を感じました。彼の暴言を許容し、彼の望む見た目でいることは、本当にトピ主さんがクリアすべき課題なのでしょうか? 交際とは、そのような課題を伴うプロジェクトなのでしょうか。「女性は、悪く育った男性のリハビリセンターになってはいけません。(中略)あなたはパートナーが欲しいのであって、プロジェクトが欲しいわけではありません」。ジュリア・ロバーツさんのこの言葉を、ぜひ自分事として受け止めてみてください。自分の目標を見つけて、そこから満足感や達成感を得ていこう今の状況を抜け出すためには、夢中になれる「別の目標」を見つけることも役立つと思います。仕事に役立つ資格や語学などの勉強をしてみるもよし、何か極めてみたい趣味やお稽古ごとを探すもよし。何でも構いませんが、恋愛以外、つまり「彼の要望に応える」以外の、自分だけの目標を見つけることを勧めます。彼の指示でダイエットをすることで「褒められたい願望」を満たそうとするのではなく、自分が必要だと思うこと、好きだと思うことに力を注いで、達成感や満足感、喜びを得ていきましょう。「温室育ちで人を疑う事、世間を知らない」「昔から自分の芯がない事が短所」とのことですが、そういう自覚があり、それが今の苦しい状況を招いていると思うならば、自分の意思を軽んじず発する勇気を持ち、知りたい世界のドアを自分の手で開けていく姿勢を大切にしていきましょう。就活では第一志望への道をつかみ取れたとのこと。社会に出れば視野が広がり、新しい価値観にもたくさん触れられると思います。無力感を与えてくる存在は、「未来の人生」をも壊していくまた、彼は「お前はいつも中途半端でだらしがない」「総じてお前は女性らしくない」などとも批判してくるそうですが、そのように無力感を与えることで、トピ主さんの人生を支配しようとしている印象も受けます。彼は人一倍熱い家族や友人への想いがある、普段は心優しい……とのことですが、そのように硬軟とりまぜた言動をするのも、デートDVの典型的な傾向です。本当に心優しい彼氏ならば、「だらしない、死ね」など人として一線を超えるような言葉は決して言わないはずです。「これだけやってあげたのに(別れたら)私は報われないと考えてしまう」という記述も見られますが、これは「サンクコスト効果」と呼ばれる心理作用です。その銘柄が損を出していても、これまで投資した額を考えるとなかなか“損切り”ができない心理状態を指しますが、これを放置していると、損失はより拡大していくのが一般的です。つまり、このまま彼と付き合い続ければ、心に癒しがたい深い傷を負ったり、その影響で幸せな人生が送れなくなったり……等々、たとえ別れても、先々まで悪影響が及ぶ可能性も考えられます。両親や友人との関係など、彼といることで多くのものを失った……とのことですが、トピ主さんは「それでも彼と居続けることが、私にとって満足のいく人生なんだ」と胸を張って言えそうですか? 人を好きになり、一緒に過ごす中ではもちろん、嫌なことやつらい出来事に苛まれることもあります。しかしながら、幸福感や嬉しい気持ち、心地よさや安心感といったポジティブな感情よりも、悲しさや辛さ、苦しさが勝るようになったら、その関係は未来に繋がるよいものとは言えず、ご自身のために決断すべきタイミングに来ているようにも映ります。トピ主さんに決心ができさえすれば、実行のための力は、ご両親や友人たちもきっと喜んで貸してくれると思いますよ。一日でも早く心身の健康を取り戻し、笑顔で毎日を過ごせるようになることを願っています。(外山ゆひら)
2020年06月29日今や、さまざまな場面で使われるようになった『ワンオペ』という言葉。『ワンオペ』とは『ワンオペレーション』の略で、『ワン』は1人、『オペレーション』は作業…つまり1人で作業を行うという意味の和製英語です。母親の中には、家事と育児をすべて1人でこなす『ワンオペ育児』で多忙な日々を送っている人が多く存在しています。ヲポコ(@wopocco)さんはこの『ワンオペ育児』には普通の『ワンオペ育児』と『選択的ワンオペ育児』があるとし、漫画にしました。男の子だから仕事のみ出来ればいいとか料理作れなくてもいいやとか子育てに関する知識なくてもいいわとか周りが判断して機会を奪って家庭不和が起きて、最終的に男の子(夫)も妻も不幸にしてる気がするので描きました環境を、社会を変えるって大変だけど声を上げたい! #選択的ワンオペ 辛いです‼️ pic.twitter.com/LOQQK5sePy — ヲポコ魚人系さんと他9,999,999人がいいねしました (@wopocco) May 19, 2020 『選択的ワンオペ育児』に従事せざるを得ない女性の話は、SNS上でよく目にします。性格の問題とするには、あまりにも育児に非協力的な男性が多すぎることから、彼らが成長する環境に問題があるのではと考えたヲポコさん。まずは、男性自身が妻に『選択的ワンオペ育児』を強いていないか考え、改善することが大事だと訴えました。投稿にはさまざまなコメントが寄せられています。・うちの夫も全く育児に関わろうとしません。お義母さんも育児は女が1人でやるものって感じ。男性が育ってきた家庭環境も関係しているのかもしれませんね。・過去のつらかった育児を思い出し、これからの社会から『選択的ワンオペ育児』をなくしていきたいと思いました。・自分の周りを見ると、育児に参加する男性が増えていると感じることも事実です。いい方向に変わってほしいものです。『選択的ワンオペ育児』を強いている男性が、考えを改め育児に参加してくれれば、協力し合う両親を見て育った子供たちが大人になった時、よりよい家庭環境を育んでくれることでしょう。ヲポコさんは『選択的ワンオペ育児』のほかにも、自身の出産、育児の経験から感じたことなどを自身のブログにまとめています。気になった人は、ぜひヲポコさんのブログをチェックしてみてくださいね。ヲポポポコめも[文・構成/grape編集部]
2020年06月16日新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)対策のための外出規制が緩和され始めたアメリカでは、多くの州で経済活動を再開しています。2020年5月8日、マサチューセッツ州にあるアイスクリーム店『ポーラーケーヴ・アイスクリームパーラー』もようやく営業を再開。多くの人たちがおいしいアイスクリームを求めて、店を訪れました。ところが晴れやかな営業再開日となるはずだったこの日が、一部のマナーの悪い客によって悲しい日となってしまったのです。店のルールを守らない客が店員に逆ギレ海外メディア『Boston25 News』によると、『ポーラーケーヴ・アイスクリームパーラー』は「テイクアウトのみの販売です。事前に注文をしてから予約時間に取りに来てください」とSNSで告知をしていたといいます。ところが当日、店が開いていることを知った人たちが事前注文をせずに押しかけ、店は大混雑に。予想以上の多くの客が殺到したため注文を取るのにも時間がかかり、待たされた一部の客が17歳の女性店員に怒りをぶつけたのだそう。店のオーナーのマーク・ローレンスさんいわく、客たちが女性店員に浴びせた言葉は「男子ロッカールームでもいわないほど、ひどいものだった」ということです。そして女性店員はじっと我慢してその日のシフトを最後まで勤め、仕事を終えた後にアルバイトを辞めたのです。この女性店員は3年前から働いていた『もっとも素晴らしい従業員の1人』だったといいます。この出来事に心を痛めたマークさんは翌日から再び店を営業しないことを発表。Facebookに、「19年間店を経営してきて、こんなにも気分が沈んだのは初めてだ」とつづりました。As I turn the key in the lock tonight. My thought is that we shall simply not open to the general public until...Posted by Polar Cave Ice Cream Parlour on Friday, May 8, 2020またこの出来事は地元のテレビニュースでも報道され、多くの人たちから女性店員への同情の声が寄せられました。One day after reopening, ice cream parlor closes to public after employees harassed by customersPosted by WCYB on Monday, May 11, 2020マークさん「一部の客は突然の山火事のように店員に暴言を浴びせ、私たちが決めた安全対策を守ってくれませんでした」「6、7週間も家に閉じ込められた人たちは、他者をどのように扱うかを忘れてしまったのです。彼らはほかの人に対してどうやって敬意を持ったらいいか分からないんですよ」Boston25 Newsーより引用(和訳)辞めた女性店員を支援する輪が広がる数日後、マークさんは辞めた17歳の女性の大学進学費用を支援するための寄付金サイトを設立します。すると事情を知った人たちが続々と寄付をし始め、約3万ドル(約320万円)が集まったということです。一部の客は事前注文をせずに来店し、車の中で待つようにいわれても守ろうとせず、「俺のアイスクリームはまだか」と店員に怒りをぶつけたといいます。しかもその怒りの多くはもっとも無抵抗な17歳の少女に向けられてしまったのです。何週間もの間、自由に外出ができずにストレスを感じていたのは誰もが同じはず。だからといってその怒りを無関係の相手にぶつけるべきではありません。5月23日現在も『ポーラーケーヴ・アイスクリームパーラー』はテイクアウトのみの販売のままとなっており、店のファンからは一日も早い再開が望まれています。世界の多くの国ではコロナウイルスはまだ収束しておらず、人々はウイルスとともに新しいルールにならって生活をしていく必要があります。こういう時だからこそ誰もがお互いに感謝と思いやりを持ち、協力し合ってこの危機を乗り越えていきたいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年05月27日※本記事は外出自粛要請前の取材をもとに書かれたものですこんにちは、心理カウンセラーの佐藤栄子です。これまで、子育てや夫婦関係、ママ友トラブルや自分のココロの在り方についてなど、さまざまなテーマを心理カウンセラーの立場で取り上げてまいりました。そういった記事に寄せられた「もっと深掘りした内容が知りたい」「個々のケースで対応は変わるの?」といった皆様のお悩みにお答えする連載「ココロで読み解く『ママのお悩み相談室』」。今回は、 「子連れでおでかけ『周囲の冷たい視線や態度がつらい』夫もわかってくれない…【ココロで読み解く「ママのお悩み相談室」 第4回】」 という記事に寄せられたお悩みです。記事では、子連れに対して冷たい視線を送る人がいても「できることはやっているのだから、自分を責めることはない。頑張っている自分を労ってあげて」とアドバイスさせていただきました。しかし、周りに迷惑をかけないように気をつかっていたら逆に「あなたが周囲に気をつかい過ぎるから、子どもが親の顔色を見ているじゃないか」と知らない男性から叱られてつらかったというご相談です。■質問:周囲に気をつかっていたら「気をつかい過ぎ!」と叱られて…おでかけ先で、周囲に気をつかいながら子どもに声がけをしていたら「あなたが周囲に気をつかい過ぎるから、子どもが親の顔色を見ているじゃないか」と激しい剣幕で男性に言われたことがあります。気をつかっても気をつかわなくても言われてしまう。じゃあどうすればいいのでしょうか。子連れで外出するのは何もなくても本当に苦痛です。■回答:他人の “余計なお世話” で自分を責める必要はありません!周囲の方に気をつかっているのに、逆にそのことを責められるような言葉をかけられたご経験は本当にやるせなかったと思います。まだまだ家の外に出る経験が少なく、その場でどうふるまうべきか理解できない小さな子どもであれば、不安もあって親の顔色を見るのは自然なことでしょう。この男性のような声がけを子連れのお母さんにしてしまう方は、あなたを責めているのではなく、「育児の先輩として、自分がいい(と信じている)ことを教えてあげているのだ」と思い込んでいるのかもしれません。しかし、誰にでも当てはまる育児の正解などありません。その男性の家庭でうまくいったことも、あなたとお子さんに当てはまるとは限りません。ですから、あなたの対応が間違っていたわけではないのです。この男性はあなたを非難したのではなく、有効なアドバイスをしたつもりでいるのでしょうが、どちらかと言えば「余計なお世話」の部類かと思います。ですから、どうぞご自身を責めたり落ち込んだりなさらないでくださいね。■全員が満足する「正しい子ども連れの対応」はあるのかきっかけとなった記事 「子連れでおでかけ『周囲の冷たい視線や態度がつらい』夫もわかってくれない…【ココロで読み解く「ママのお悩み相談室」 第4回】」 には、そのほかにこういったご意見も寄せられています。「しつけのなってない子どもと親が多すぎて困ります。配慮や寛容を求めるくせに、さらに優遇しろだのお前は何様だ。子なしに、仕事でも公共の場でも負担を押し付けるな」「子育て中って子どもを育てている自分たちが最優先されるべきな方が多い気がします。 もう少し周りを見れば迷惑がられないかと。自分を甘やかすより、他人目線を持って見るのもいいかと思います」このように、今回のご相談で登場した男性とは逆の声も上がっています。一方で、子育て真っ只中のママからは、あきらめの声も寄せられています。「母になったら、あつかましくなった。それぐらいじゃないと心が保てないから。できる限りのことはやって、それでもダメなら気にしないようにしています。非難されるかもしれませんが、そうでなければ母親はつぶれてしまいます。迷惑かけてごめんなさいって姿勢だけ忘れなければ、それでいいのではないかと思います」気をつかっても気をつかわなくても、子連れに対する風当たりは強いと感じるお母さんは多いようです。「子育て中の母親はこうあるべき」「自分はこれだけ子育てに工夫したから周りもそうするべき」といったものは、おそらくその親、その子どもの個人的な経験から生まれた「常識」だと思います。しかも、各々「これは誰にも共通する一般的な常識だ」と信じているのです。そういった方は、「育児に対する常識」は千差万別で、他人が自分とは違う考え、感じ方をしているとは認められないのかもしれません。そう考えると、やはりどんなに気をつかい努力したとしても、世の中の人全員を満足させる「正しい子ども連れの対応」は存在しないのではないかと思います。■育児の常識「他人は他人、自分は自分」誰にもイヤな顔をされない、世の中の人全員を満足させる「正しい子ども連れの対応」が存在しないのだとしたら、お母さんが傷つかないためには「相手の考えはそうなのだ」と割り切ることです。子育てのことで何か言われたとしても、あなたと違う意見なら同調する必要はありません。ただ「この人はそう思うのね。私はそうは思わないけど」と認識するだけでいいのです。子連れの外出に悩むのは、他人に対して気をつかう気持ちを持っているからこそです。ですから、自分がやれるだけの対策をしているのなら、あとは何を言われても気にすることはありません。本来であれば、頑張って子育てをしているお母さんが、子どもとおでかけしただけで責められる理由はありません。しかし、余裕のない社会で、人それぞれの考えもあるので、そこまで期待するのはなかなか難しいのが残念ですね。もし、何か非難めいたことを言われたとしても、「迷惑だと感じさせたのであれば申し訳ないです」という姿勢だけ忘れなければそれでいいと思います。文句を言う一人の背後には、口には出さないものの内心「頑張れ!」と子育てママを応援している何十、何百の人がいます。あまり縮こまらず、伸び伸び育児を楽しんでくださいね。これからも皆さんのお悩みに答えていきたいと思います。お気軽に、下の読者アンケートにお寄せください。お待ちしております。 エキサイトお悩み相談室で佐藤先生に相談する
2020年04月20日人気イラストレーターのしばたまさんが、フォロワーのみなさんから募集した実話のエピソードを漫画化!今回は…「スカッとするお話」です!「これは引くわ~」ってほど頭にきちゃいました。byしばたま 『1万人がいいね!した 心ゆさぶる本当の話』 イラストレーターしばたまさんのInstagramに集まった、ほんわかゆるーいストーリーから衝撃的なオチや深く考えさせられる話が書籍化。日常の中で起こる心揺さぶられる珠玉のドラマたち!▼前回の記事を見る 【キュンとする話】妊娠中の夏バテで寝てばかり…呆れた夫に意見したのは! 【スカッとする話】強引な引き止めで結婚退職できない…パワハラ上司に意見したのは! 【感動する話】小学生だった私を助けてくれた彼…10年後にわかったヒーローの正体 \「しばたまさん」の記事が動画になりました!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪
2020年04月08日子ども連れだと、公共の場や乗り物であからさまに嫌な顔をされたり、「うるさい! 子どもを泣きやませろ」「ベビーカー、邪魔だな」など、ママの心にチクチク刺さる言葉を投げかけられることがあります。「私の方こそ泣きたい…」と、モヤモヤ・ウツウツするママは少なくないはず。そんなママたちの心を軽くしてくれる書籍 『「言い返す」技術 ムカつく相手にスパッと言い返す』 が発刊されました。著者は、作家でありカウンセラーの五百田達成さん。公共の場での心ない言葉に、ママはどう対応したらいいのでしょうか? 五百田さんにお話をうかがいました。五百田達成(いおた・たつなり)さん プロフィール作家・カウンセラー。東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂を経て独立。鋭い視点から「コミュニケーション」「人間関係」を分析し、そこから導き出す実践的なアドバイスは高い評価を受けている。「コミュニケーションのプロ」としてメディア出演多数。著書にベストセラーとなった『察しない男 説明しない女』『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』『話し方で損する人 得する人』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)など。米国CCE,Inc.認定 GCDFキャリアカウンセラー。HP: 五百田達成オフィシャルサイト ■公共の乗り物で「うるさい!」と言われたら?――子ども連れだと、通りすがりの人に乱暴な言葉を投げかけられることも少なくありません。こういった時のモヤモヤは、どう解決していけばいいんでしょうか?五百田達成さん(以下、五百田さん):知らない人から「うるさい」とか「子どもを泣かせるな」とか言われる時ですよね。そういう人に対して、「あなただって小さい頃があったでしょ」と注意する人がいますが、実は相手の心には1mmも響かないんですよ。「確かに! 俺も小さい頃があった」って気づいて反省するような人は、最初からそんなこと言いませんから(笑)。――そういう言葉をかけられて、公共の乗り物に乗るのが怖くなったというお母さんもいます。五百田さん:どう言い返すかはさておき、楽になる考え方として「いろいろな人が乗る公共の乗り物は、うるさい・くさいは当たり前」があります。運賃を払っている以上、みなさん利用する権利があって、公平なはずなんです。公共交通機関なんですから、子どもが泣いているのも当然で、それが気になる人は車両を変える、降りるなどの対応をすればいいと僕は思います。でも、女性はそうスッパリとは割り切れないですよね。良い人、良いお母さんにならなきゃいけないと考えている人がほとんどで、他人に迷惑をかけたくないと思ってしまうでしょう。でも、そんなの無理。ですから「子どもが泣いてもそれほど迷惑なことではない。良いお母さんでいる必要はない」くらいの心構えで良いと思います。■通りすがりの人からの暴言、3つの対処法――もし、そういった暴言に何か言えるとしたら、どういう風にしたらいいでしょうか?五百田さん:言われたことに感情的にならず、冷静に言い返すっていうのが基本です。静かな声、静かな対応をしたもん勝ちだと思います。「大きな声、出さないでください」とか「次の駅で降りますから」とか。何を言い返すにしても、静かな声がいいかなと思います。あとは「困っているんですよね、全然泣きやまなくて」と他人事のような返しをするのもいいかもしれませんね。そう言うことでママの気持ちも少しはすっきりするし、事も荒立たないですよね。相手は食い下がってくるかもしれませんが、何を言われても「ですよね〜、そうですよね〜」を繰り返す。すると、攻撃がきかないと思い相手もあきらめるでしょう。子ども連れのママに暴言をはく人って、周囲からも軽蔑されますよね。周りは「そんなこと言わなきゃいいのに」「なんて心の狭い人だ」と思っているでしょうから、その人たちを味方につけるのも有効でしょう。ほかの人に「うるさいですか?」って聞いて周りを巻き込み、味方につけるのもアリだと思います。■子育ての大先輩からの「余計な一言」どう切り返す?――年配の女性から話しかけられる何気ない言葉でも傷つくことがあります。「母乳なの?」とか「最近は紙おむつなのね〜」とか。五百田さん:そういう言葉には「Yes,but」で答えるのはどうでしょうか。「最近は紙おむつなのね〜」と言われたら、「昔は布おむつだったんですよね」と相手の言葉に一旦、イエスを言って、「でも、うちはこれなんです」とノーを言う。これは義両親からイライラする言葉をかけられた時にも使えるテクニックです。――「まあ、こんなに泣かせて」「私たちが子育てしていた時は…」といった言葉にも、どう対処したらいいかわからない時があります。五百田さん:そういう時は「どうすればいいですか?」って聞いてみるといいかもしれないですね。あとは、暴言を受けた時と同じように「ね~、困っちゃいますよね。泣きやんだらいいですけどね」って受け流す。■心ない言葉の予防法「言われる前に言う」――そういった傷つく言葉をあらかじめ防ぐ方法はあるのでしょうか?五百田さん:僕が小さい頃、母がやっていたことは有効な方法かもしれませんね。ある日、満員電車で小さい僕をすみっこに座らせたんです。子どもで小さいから、立たせているより座らせたほうが安全だったと思うんですけど、母は周りに聞こえるように「すみっこに座らせてもらいなさい、危ないからね」って僕に向かって言ったんです。その時の僕は「どうしてお母さんはわざわざ声に出して言ったんだろう」って不思議に思っていたんですが、今から思えば、それは周りに対してのアピールだったんだなとわかります。そういうコミュニケーションもあるなと思いました。ですから、暴言を投げかけられる前に子どもに向かって「周りに迷惑がかかるから良い子にしてようね」と言ったり、「すみません、うちの子うるさくないですか?」と周囲に声をかけて先手を打つのは効果的だと思います。公共の場や乗り物などで投げかけられる心ない言葉には、「冷静に静かな声」「他人事のように受け流す」「そうですね、でも…のYes,butテクニック」「周りを味方につける」などの対応策を教えていただきました。 次回 は、長い付き合いになるからこそ、関係を悪くしたくない夫、両親へはどう言い返せば? 引き続き五百田さんにお話をうかがいます。参考図書: 『「言い返す」技術 ムカつく相手にスパッと言い返す』 (徳間書店)突然キレてくる人。怖いパワハラ。気持ち悪いセクハラ。遠回しに悪口ばかり言ってくる人…。そんなムカつく相手にスパッと言い返す超簡単テクを大紹介! 事を荒立てたくはない。でも、言われっぱなしはイヤだ。あっちに「すみません」と反省させ、こっちもスカッと気持ちが晴れる。そんな魔法のような「言い返し方」を教えてくれる1冊。
2019年09月06日芸能事務所「タイタン」社長の太田光代(54)が4月9日、Twitterで夫婦に子供がいないことに関する暴言を受けて反論した。苦しい胸の内も明かし、ネットでは慮る声が上がっている。太田はあるTwitterユーザーから、夫である爆笑問題・太田光(53)への批判とともに夫婦に子供がいないことが「救い」といった暴言を受けた。それについて太田は《私の胸の鼓動が速くなるのを止められません》と心痛を明かし、《子供を授からなかったことに、なんらかの意味がある事は私たちは少なからず知っていますが、他者に言われる事ではありません》とつづった。さらに、こうツイートした。《神様が子供を授けないという事ではないです。少なくても不妊治療、医学的には、ないです》苦しい胸の内を明かし、暴言に向き合った太田。Twitterでは気遣った上で、賛同する声が上がっている。《子を持つ人、要らない人、欲しいけど持てない人、…どれにも事情がある。「いい」「悪い」は各々夫婦の考えであって他人がどうこういうことじゃないでしょ》《私も、子供がいないから精神的に幼いままなんだ、子供を持って一人前などと言われたことがあるけれど、こういうことを言う人って一体何様なんだろうか?》《世の人は子どもができる事が普通の事と思う人も多いのでしょうけれど、命を育むのは奇跡です。自分ももし出来ていたら今の人生変わってたろうな》本誌は不妊治療に関して、太田にたびたび取材してきた。太田は自身も夫もともに一人っ子だったため、「両親に孫を抱かせたい」という思いから結婚10年目となる36歳のころに不妊治療を開始。そして光の精子の量が足りなかったので、人工授精を始めた。「人工授精後に出血があり、痛みがひどかったんですね。1~2日は寝込んでしまい、精神的にも肉体的にもかなり厳しかった。間をあけて、それでも4回はチャレンジしたんですが」(07年5月8日号)社長業も両立していたため、苦しい思いをしたようだ。「社長業の合間に時間を作り、1ヵ月に20日ほど通院しなければならない。午前中は病院に通うため、仕事の打ち合わせを入れられるのは午後。当時は私も不妊治療のことを公にしていなかったので『太田さんは朝弱いよね』と言われたこともありました。ホルモン剤を飲んだり注射をしたりしたことで、吐き気やめまい、感情のアップダウンがひどくなりました。仕事の移動で電車に乗っても、貧血になって1駅乗っては降りてベンチに座り休憩をとる……それが日常的に起きていました」(10年9月21日号)また不妊治療のさなか「自分の息子(光)がそんなはずはない!」と夫妻の不妊を受け入れることのできない義父の姿を太田は目の当たりにしたという。そんな生活を4年ほど続けたころ、ついに心身ともに限界が。仕事も多忙を極めたためにいったん中断したという。のちに治療を再開した太田は、顕微授精に3回挑戦。しかし結果を明かしていない。不妊治療をめぐり、太田には様々な出来事が起こった。肉体的にも精神的にも疲弊することが続いた。そういった経験をしてきたからこそ、今回の暴言に《鼓動が速くなるほど》堪えられなかったようだ。
2019年04月10日在宅介護では暴言や暴力が絶えないともいわれています。このいわゆる虐待は大きな問題でもあります。認知症の人に接するうえで最も大切なことは何か。このような悲劇を招かないために、一度立ち止まって考えてみる必要がありそうです。■ 最も暴力に発展しやすいのは子が親を介護するケース!?平成27年度、家族や親族による虐待数は15,976件でした。これは前年と比べて237件増えています。sakai / PIXTA(ピクスタ)介護者と要介護者の関係を大きく分けると、子が親を介護、妻が夫を介護、夫が妻を介護、妻が姑を介護、という4つのケースがあります。この中で最も感情を乱しやすいのは、子が親を介護するケースです。また認知症の人は感情のコントロールがうまくできないため、何かと怒ったり頑固になったりします。しかも言うことを聞かないうえ、暴言や暴力までふるうこともあります。その結果、介護者がストレスを抱え、今度は介護者による虐待が始まることも少なくありません。■ 虐待で最も多い!息子が親に対して行う暴力平成27年度の虐待事例15,976件のうち、息子が全体の40.3パーセント(7,099件)を占めています。Ushico / PIXTA(ピクスタ)以下、夫の21.0パーセント(3,703件)、娘の16.5パーセント(2,906件)の順に続いています。では、なぜ息子の暴力が多いのか。それは、もともと力の差があるうえ、身内という遠慮のない関係が災いし、暴力をふるいやすいのではないかと思われます。■ 在宅介護で虐待が起こる最大理由はストレス!息子や娘は、自分を育ててくれた親をいつまでも気丈で尊大な人と思いたいものです。しかし、幼児のようにわがままや身勝手な振る舞いをする親に、我慢できなくなり、つい手を挙げてしまうのではないでしょうか。厚生労働省の調査によると、在宅介護で虐待が起こる最大の理由は「介護疲れ・介護ストレス」とのこと。shimi / PIXTA(ピクスタ)徘徊や異常行動を起こす親に振り回されると、疲れ、ストレスが溜まり、やがて冷静に対処することができず、大声で怒鳴ったり、手が出たりします。■ 病に対する理解不足は悲劇を生む根源同じ質問を一日に何十回もされると、多くの人は冷静さを失うでしょう。でも、それが認知症なのです。言ったこと、聞いたことをすぐに忘れる病が認知症なのに、性格が悪いとか頭がおかしいとか、本気で思ってしまう人もいます。shimi / PIXTA(ピクスタ)認知症で最も悲しいことは、こうした誤解による関係性の崩壊です。では、どうすればいいのでしょうか?最大の防止策は、認知症を理解することです。多くの介護者が認知症を理解しないまま介護をしていると考えられます。介護方法は知っていても、病気についての理解がないため基本的な接し方ができない人が多いのです。これは悲劇の根源でもあります。認知症の人は病人である前に人なのです。汚い言葉には汚い言葉で返します。優しい言葉には優しい言葉で返します。■ 認知症を理解し受け入れる寛容さが大切認知症は治らない病気、認知症になったら家庭は崩壊する、などの言葉が独り歩きし、誤解を信じ込んでいる人はたくさんいます。認知症を理解することは相手を理解することであり、それによって憎まない・怒らないにつながります。しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)病を憎んで人を憎まず。難しいことかもしれませんが、病気を理解し真正面から受け入れる寛容さが私たちには必要なのだと思います。【参考】※イリーゼ高齢者虐待を防止するには?介護現場の実態と今後の解決策※厚生労働省医療経済研究機構「家庭内における高齢者虐待に関する調査」概要※厚生労働省平成27年度 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果
2018年09月18日「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」と言いますが、意外とちょっとした口論でもヒートアップしてしまうもの。特に体調が悪かったり、嫌なことがあった後だったりすると、つい夫にひどいことを言ってしまったりすることも…。●ほとんどの人が暴言を吐いた経験アリ!ママテナが独自に行ったアンケート「夫に言って後悔した暴言は?」の結果によると、夫に暴言を吐いてしまったことのある人は、回答者の87.1%。ほとんどの人がケンカの際に、つい暴言を吐いてしまった経験があるようです。そして気になる暴言の内容は以下の通り。1位:姑など夫の肉親にまつわる暴言…42.5%2位:収入など夫の稼ぎにまつわる暴言…32.4%3位:子どもの前で、夫を馬鹿にするような暴言…32%4位:顔、体型など養子に関する暴言…16.9%5位:「クズ」「ゴミ」など、夫の人格を否定する暴言…15.5%6位:夫の学歴に関する暴言…6.1%1位になったのは「夫の肉親にまつわる暴言」で、半数近くの42.5%が言ってしまった経験があるようです。姑問題もそうですが、夫の家族に関する不満は本人にも言いづらく、誰にぶつけて良いのか困るところ。たまりにたまってしまうと、ぶつける相手は夫しかいないのかも。2位は「夫の稼ぎ」に関する暴言がランクイン。日頃欲しいものなどを我慢して家計をやりくりしたりしていると、飲み会などで気軽にお金を使ってくる夫に対して、ケンカをきっかけに不満が爆発してしまうことも多そうですね。3位は「子どもの前で、夫を馬鹿にする」というもの。「パパって本当にだらしないね〜」など、ついつい不満を子どもを利用して伝えてしまうというのはありがちですが、それらが蓄積された結果、子どもが父親を疎むようになってしまって後悔しているママも多いのかもしれません。●暴言を吐いてすっきりするのは2割以下!?一方で、暴言を吐いた後にすっきりしたと回答した人はわずか18.3%で、逆に自己嫌悪に陥ったりと、後悔した人は半数以上の52.5%という結果に。衝動的に言ってしまった言葉で、自分自身も嫌な思いをしてしまっている人はかなり多いようです。つい衝動的に口から出てしまう暴言は、日頃のストレスがたまっていることなどもあり、制御するのは難しいもの。でも後味の悪いまま引きずるよりは、すぐに謝って、お互いにすっきりするのが、良いケンカの後始末方法なのかもしれませんね。(文・姉崎マリオ)
2018年03月18日カナダ出身の歌手ジャスティン・ビーバーが、15日のニュージャージー州アトランティック市でのパフォーマンス中、プレゼントをステージに投げ入れたファンに暴言を吐いたとみられている。自分のキャップを贈ろうとジャスティンに向かって投げたファンだったが、ジャスティンはそれに強い拒否反応を示したようだ。ニューヨーク・デイリー・ニュース紙によれば、ジャスティンはパフォーマンスの中盤に「ステージ上の俺に何を投げようとしようとも、それがお前の帽子だろうとなんだろうと、そんなクソみたいなものはいらない」と発言し、そのプレゼントを蹴ってステージの下に落としたという。とはいえ、感情的になって早まった対応をしたとすぐに気付いたジャスティンは、自身の「きつい」発言を謝罪したと同時に、この1件で曲のフィーリングが損なわれたとも主張した。ジャスティンは以前にもファンの対応に拒否反応を示しており、自身が動物園にいる動物のように扱われているような気分になることから、今後ファンと一緒に写真は撮らないとしていた。また、ここ4カ月ほど「パーパス」ワールドツアーを敢行中のジャスティンはプレッシャーを感じているともある関係者が話していた。「ジャスティンはここ数週間かなりのプレッシャーを感じています。ファンのためにパフォーマンスすることや、作品を作ることがいまだに大好きですが、このツアーには少しプレッシャーを感じています。すでに、ファンとの集いや写真を撮ることを禁止していますが、それでも息苦しく感じているようです」(C)BANG Media International
2016年07月19日ワン・ダイレクションのナイル・ホーラン(22)が家族に対する暴言が書かれた携帯メールの数々に悩まされているようだ。一部のファンがナイルの携帯番号を入手したようで、それ以来、2歳の甥を含めた家族に対する悪意のこもったメッセージが送られてくるようになったという。その様子についてナイルはツイッターで「ここ2週間くらい、一部のファンからメッセージが届くようになって、僕の携帯をメッセージだらけにしてくれている上、一晩中寝かせてくれないんだ」「でも最悪なのは、その内容が暴言だらけだってことなんだ。みんな信じられないような僕や家族のことばかりだよ」「それにうちの小さな甥っ子に対しても最悪なことを言うんだ」「悲しいことに、こうしてツイートしている今も、彼らはグループチャットで僕のことを笑いものにしてるんだよ」と説明した。迷惑な状態を明かしたナイルは、今回の一件が誰にでも起こり得ることだとして注意を促している。「僕のことは心配しないでいいよ。僕は全然気にしないタイプだから。でも誰にでも起こり得ることだからみんなに警告しておきたいだけなんだ」とツイートした。現在ワン・ダイレクションは活動休止期間に突入しており、ナイルは所属事務所傘下で立ち上げたゴルフマネージメント会社での活動のほか、ソロの曲作りに集中していると言われている。(C)BANG Media International
2016年05月30日