第37回PFF(ぴあフィルムフェスティバル)が開催中の東京国立近代美術館フィルムセンターで9月13日、美術監督の種田陽平氏と周防正行監督がPFF講座シリーズ『映画のコツ 21世紀から観る小津安二郎の映画と空間』と題したトークイベントを行った。その他の画像この日、上映されたのは小津監督が唯一東宝に招かれ、オール東宝スタッフで撮ったアグファカラーの美しいオールスター映画『小早川家の秋』。京都にある造り酒屋“小早川”を舞台に、小早川家にかかわる人々の悲喜こもごもを描く本作について「小津さんが得意な暖色系を抑えて、大人の色合い。窓の外の造り酒屋の凝りようがすごい」(種田氏)、「遺作の一本前だからなのか、しっとりとした落ち着きがある。この映画を観て、改めて小津監督は画家なんだと思う」(周防監督)と語った。学生時代から熱心な小津ファンだったふたりの出会いは、今から30年前。低予算のピンク映画にもかかわらず大きな話題を呼んだ周防監督の『変態家族 兄貴の嫁さん』(1984年)で、種田氏が美術を手がけて以来、親交が続いている。小津映画にオマージュを捧げた作品としても知られており、周防監督は「デビュー作だから一番好きなことをやりたくって、小津安二郎を徹底研究した。ちゃんと小津さんの墓参りをして、謝りましたけど(笑)」と当時の思いを明かした。一方、種田氏は「周防さんは、小津監督の写真をプリントしたTシャツを着て、気合い充分。ベテランのスタッフさんも『普段の周防君じゃない』ってビビっちゃって(笑)」と振り返り、「撮影はわずか5日間。美術予算もあまりないから、菓子折り1つで日活スタジオにあった角川映画のセットの一部をお借りした」と苦労を語った。9月23日には『変態家族 兄貴の嫁さん』が“映画のコツ”プログラム関連作品として特別上映される。『第37回 PFF』は9月24日(木)まで東京国立近代美術館フィルムセンターにて開催中(月曜休館)。第37回PFFぴあフィルムフェスティバル9月12日(土)から24日(木)まで 東京国立近代美術館フィルムセンター10月3日(土)から9日(金)まで 京都シネマ10月31日(土)から11月3日(火・祝)まで 神戸アートビレッジセンター11月12日(木)から15日(日)まで 愛知芸術文化センター2016年4月(予定)福岡市総合図書館で開催取材・文・写真:内田 涼
2015年09月14日東京都・表参道の根津美術館は、同美術館コレクションの礎を築いた初代根津嘉一郎の蒐集の軌跡をたどる「根津青山(せいざん)の至宝-初代根津嘉一郎コレクションの軌跡-」を開催する。会期は9月19日~11月3日(月曜・10月13日休館、ただし9月21日・10月12日・11月2日は開館)。開館時間は10:00~17:00。入館料は一般1,200円、学生1,000円、中学生以下無料。同展は、国宝7件、重要文化財87件を擁する約7400件の同美術館コレクションから、初代嘉一郎の蒐集の軌跡をたどり、特に書画と茶道具の名品を展示するもの。同美術館は、明治から昭和にかけて多くの優れた古美術品を集めた初代嘉一郎と、その遺志に従い美術館を創設し戦火を超えてコレクションを守り伝えた二代嘉一郎、二人の「嘉一郎」によってつくられた美術館である。実業家であった初代根津嘉一郎は、明治39年に行われた入札会で「花白河蒔絵硯箱」を破格の値段で落札し、蒐集家としても著名になった。明治42年、米国視察実業団に参加した際、公共の利益のために惜しみなく寄付を行う米国の文化に感銘を受け、また、古美術品が日本で顧みられず欧米に売られている状況を知ってこれを憂い、以後一層蒐集に励みコレクション公開の意志を強めていったという。昭和15年に急逝した初代の遺志を継ぎ、二代嘉一郎は同年根津美術館を設立、翌昭和16年に根津邸で、絵画、墨跡、古筆、彫刻、茶道具など約60件で初の美術展を行ったということだ。また、関連企画として、根津美術館顧問・西田宏子氏による講演会「根津嘉一郎 ―コレクターから茶人へ―」(9月26日14:00~15:30)、山梨大学名誉教授・齋藤康彦氏による講演会「根津青山の茶友たち」(10月24日14:00~15:30)が開催される。参加に際しては事前申込が必要となる。詳細は同美術館Webページにて。そのほか、スライドレクチャー「古経同好会」が10月2日、「永久訣別の茶会」が10月16日の13:30~14:15に開催される。また、ギャラリートークが9月25日、10月23日、10月30日の11:00~11:40に開催される。いずれも、聴講は無料だが入館料が別途必要となるとのこと。なお、特別催事として、茶席「初代根津嘉一郎の茶席 ―大津馬図披露茶会にちなんで―」(10月15日開催) が開催される予定となっている。参加券は同美術館受付で販売中。詳細は同美術館Webページにて。
2015年09月02日12日(土)に東京国立近代美術館フィルムセンターで開幕する第37回PFF(ぴあフィルムフェスティバル)のメインプログラム“PFFアワード”の最終審査員が決定した。その他の画像“PFF(ぴあフィルムフェスティバル)”は、世界最大級の自主映画コンペ“PFFアワード”をメインプログラムに据えている映画祭。今年も全国から集まった577作品の中から20作品が入選作に決定。全作品が映画祭で上映され、各賞が決定する。また、“サミュエル・フラー~誰もが憧れた奇跡の作家~”や、“映画内映画~映画は映画をつくることをどのように描いてきたか~”などの特集も開催される。最終審査員は、俳優で映画監督の奥田瑛二、映画監督の大友啓史、小説家の阿部和重、映画監督の熊切和嘉、プロデューサーの西村義明の5人。審査員は毎年、違う顔ぶれで、討議の上で各賞を決定。24日(木)に東京会場で表彰式が行われる。第37回PFFぴあフィルムフェスティバル9月12日(土)から24日(木)まで 東京国立近代美術館フィルムセンター10月3日(土)から9日(金)まで 京都シネマ10月31日(土)から11月3日(火・祝)まで 神戸アートビレッジセンター11月12日(木)から15日(日)まで 愛知芸術文化センター2016年4月(予定)福岡市総合図書館で開催
2015年09月01日東京・六本木の国立新美術館にて9月2日から14日まで、「第100回記念 二科展」が開催される。1914年、文部省美術展の洋画部に対して新進作家たちが“第二科”の新設を働きかけたが実現できなかったことから、有志が日本洋画の革新をめざして集結して始められた「二科展」。“流派にとらわれず、新しい価値を尊重し、創造者の制作上の自由を擁護する”を信条とし、洋画界の黎明期に多くの著名な芸術家を輩出してきた。これまでの参加者は、安井會太郎、熊谷守一、東郷青児、岸田劉生、梅原龍三郎、小出樽重、中川一政、林武、佐伯祐三、宮本三郎、岡田謙三、藤田嗣治、岡本太郎など。海外からもジェレニェフスキー、マチス、ドラン、ピカソ、デュフィ、ブラック、モネ、ボナール、ブールデル、ゴヤ、ルオー、ロダン、モディリアーニなど、数多くの著名作家の作品が出品された。「第100回記念 二科展」では、同展に多大なる功績を遺した洋画家、彫刻家たちの作品を特別展示。歴代理事長の作品や、デザイン部と写真部の会員による同展に向けた作品も展開される。また、国立新美術館2階にある休憩室A、B、C、Dでは、絵画、彫刻、デザイン、写真の4部の会員有志によるコラボ展を実施。メインテーマは“あそび”、サブテーマは“ネコ100態”と設定され、様々な“ネコ”作品が展示される他、講演会やギャラリートーク、ミニコンサートなども予定している。また、二科の100年の歴史を一覧出来る「伝説の洋画家たち 二科100年展」が現在、東京都美術館で開催中。9月12日から11月1日まで大阪市立美術館、11月7日から12月27日まで福岡・石橋美術館でも行われる予定だ。【イベント情報】「第100回記念 二科展」会場:国立新美術館住所:東京都港区六本木7-22-2会期:9月2日~14日時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)※金曜日は20:00まで入場は19:30まで、最終日は14:00までで入場は13:00まで休館日:9月8日料金:一般1,000円、高大学生800円、中学生以下無料
2015年08月24日東京都・丸の内の三菱一号館美術館は、ヨーロッパ史を彩った巨匠たちの作品群が一堂に会する「プラド美術館展 ―スペイン宮廷 美への情熱」を開催する。会期は10月10日~2016年1月31日(月曜・12月31日・1月1日休館、ただし祝日の場合、12月28日・1月25日は開館)。開館時間は10:00~18:00(金曜および会期最終の平日は20:00まで)。入館料は一般1,700円、高校・大学生1,000円、小中学生無料。同展は、スペインのプラド美術館のコレクションの中から、スペイン3大画家ともいわれるエル・グレコ、ベラスケス、ゴヤを始め、フランドルの巨匠ボスやルーベンス、「スペインのラファエロ」とも称されるムリーリョなど、ヨーロッパ史を彩った名だたる巨匠たちの作品群が一堂に会するもの。1819年に王立美術館として開館したプラド美術館は、歴代国王の美術への情熱と嗜好が色濃く反映された作品群を中核とし、世界でも類い稀な個性を持つコレクションとして知られており、同展は2013年にプラド美術館で開催され好評を博した展覧会"Captive Beauty. Fra Angelico to Fortuny"を、三菱一号館美術館のために特別に再構成したものとなる。なお、同展展示作品の美術様式は、スペイン、フランドル、イタリア、オランダ、フランスの5つの国と地方にまたがり、時代は15~19世紀の5世紀に渡る。作品保護の為に輸送と公開が厳しく制限される板絵35点や、世界で20点しか存在しないボスの日本初公開の真筆なども含まれる。また、展示作品には比較的小さな作品が選ばれており、巨匠たちの生の筆跡、緻密な表現、繊細な質感や多種多様な素材を鑑賞することができるということだ。
2015年08月20日国内有数の東洋・日本美術コレクションを所蔵する大阪の藤田美術館。そのなかからセレクトされた美術館の名品が、はじめて東京に集結。8月5日から、サントリー美術館で『藤田美術館の至宝国宝 曜変天目茶碗と日本の美』展が開催中です。本展で見られるのは、仏教美術や書、絵巻、水墨画、茶道具など、幅広いジャンルの美術品です。なかでも見逃せないのは、展覧会のチラシにも大きく掲載されている国宝《曜変天目茶碗》。中国の福建省で作られたもので、現存する同種の碗は世界に3つしかないという大変貴重な作品です。この作品の特徴は、茶碗の内側に広がる瑠璃色の斑文です。まるで漆黒の宇宙にきらめく銀河のようで、神秘的な美しさに心奪われること間違いなし。藤田美術館でも数年に一度しか公開されないという至宝で、今回は東京で見られるまたとないチャンスです。質・量とも充実した美術品を所蔵する藤田美術館は、明治時代に活躍した実業家の藤田傳三郎とその子息たちが集めた作品をもとに、1954年、大阪で開館しました。藤田美術館の至宝が東京で一堂に公開されるこの機会に、ぜひ足を運んでみてはいかが?イベントデータ:『藤田美術館の至宝国宝 曜変天目茶碗と日本の美』展会期:2015年8月5日(水)~9月27日(日)(会期中、展示替えを行います)※休館日は火曜日。9月22日(火)は開館時間:10:00 ~ 18:00(金・土および9月20日(日)~22日(火・休)は20時まで開館)※入館は閉館の30分前まで会場:サントリー美術館料金:一般 1,300円/大学・高校生 1,000円/中学生以下無料作品クレジット:国宝《曜変天目茶碗》一口中国・南宋時代12~13世紀藤田美術館蔵撮影:三好和義※画像無断転載禁止
2015年08月12日東京都・上野の国立西洋美術館は、黄金に魅了された人類の歴史をひも解く「黄金伝説展 古代地中海世界の秘宝」を開催する。会期は10月16日~2016年1月11日(月曜・11月24日・12月28日~1月1日は休館、ただし11月2日、11月23日、1月4日、1月11日は開館)。開場時間は9:30~17:30(金曜は20:00まで、入館は閉館の30分前まで)。観覧料金は一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円、中学生以下無料。同展は、地中海地域の古代文明がもたらした金の傑作の数々を、金を題材とする絵画とともに展示し、黄金に魅了された人類の歴史をひも解くもの。先史から有史にむかうまでの時代に、トラキア、エトルリア、ローマといった地中海地域に花開いた文明を横断し、金製品を紹介する。中でも、今から6000年以上も前に作られ、ブルガリア・ヴァルナで出土した世界最古の金製品は大きな見どころのひとつであり、発見された出土の状態のまま復元展示し、世界でも類のない古代遺跡の一端を見ることができる。また、黄金は太古の昔から不老不死や富、権力の象徴として人々の憧れであり、ギリシャ神話の世界にも黄金の雨(ダナエ)、金の羊毛(アルゴー船伝説)、 黄金の林檎(パリスの審判)など重要なモティーフとして登場している。これら黄金をめぐる伝説は、絵画の巨匠をも虜にし、数々の名作が生まれてきた。同展では、古代の金製品と、金をテーマとした絵画が併せて展示され、金の持つ輝きと魅力、そして金に魅了された画家たちの歴史がひも解かれる。なお、展示品は、ヴァチカン美術館、オルセー美術館(パリ)、プラド美術館(マドリード)など世界屈指の美術館をはじめ、ソフィア国立考古学研究所・博物館、フィレンツェ国立考古学博物館、ヴィラ・ジュリア国立考古学博物館(ローマ)などから出展されており、日本初公開の作品も含まれるということだ。
2015年08月07日©Singapore Tourism Boardシンガポールで最古の博物館「National Museum of Singapore(シンガポール国立博物館)」。シンガポールの歴史と人々の生活様式を展示する傍ら、年間を通して様々なイベントを催すドーム型の屋根が特徴的な同館は、独自の文化を象徴する、シンガポール人の誇りとなっている。シンガポール最古の博物館©Singapore Tourism Board厳かな外観とドーム型の天井が目を引くシンガポール国立美術館は、1819年にイギリスから上陸したラッフルズ卿が夢見ていた「文学と歴史について学べる機関の設立」という意思を継いで、彼の没後1849年に図書館兼博物館としてスタートしたのが始まり。エントランスのある「旧館」は、1887年に建設された。ラッフルズホテルと同じ、ネオパラディアン様式の旧館は、ロビーの屋根部分を彩るステンドグラスも印象的。無料日本語ガイドツアーも開催!シンガポールを深く知ろう旧館に増築する形で、モダンな新館が誕生したのが2006年。旧館と合わせて18,400平方メートルもの敷地面積を誇り、現在ではシンガポール最大の博物館として、シンガポールの歴史を重んじながらも、常に革新的な展示で人々を魅了し続けている。2015年7月現在「SINGAPURA:700YEARS」と題し、14世紀からのシンガポールの歴史を辿る展示が開催中。(※2015年8月10日まで)館内では、在住日本人ボランティアによる日本語無料ガイドツアーも実施される。月~金の10:30、第一土曜日の13:30に地下のExhibition Galleryに集合すれば、誰でも無料で参加可。せっかくの機会に日本語でシンガポールをじっくりと学ぶのもよいだろう。(※集合場所は季節によって変わる可能性もあるので、公式HPを確認)©Singapore Tourism BoardNational Museum of Singapore(シンガポール国立博物館)・住所:93 Stamford Road Singapore 178897・営業時間:10:00~18:00(最終入場は17:30)・電話:(+65) 6332 3659 / (+65) 6332 5642・入場料金:建物への入場のみは無料。展示の見学は、大人S$6学生S$3・アクセス方法:ブラスバサ駅、ドービーゴート駅からそれぞれ徒歩5分。※国立博物館を含む3か所のミュージアムを巡回するシャトルバスサービス有り。詳しい時刻表や乗り場は公式HP参照。
2015年07月26日日本アニメーター・演出協会(略称:JAniCA)は、過去5年間の「アニメミライ」作品の上映会を開催する。日時は8月1日、2日、7日、9日、21日(各日14:00~16:30)で、1日、2日、9日には作品制作に関わったゲストを招いてのトークセッションも開催される。場所は東京都・乃木坂の国立新美術館 3階 講堂。入場無料(事前申込み不要)。「アニメミライ」とは、2010年より始まった、文化庁による若手アニメーターの人材育成プロジェクトの通称(2015年度より「アニメミライ」の愛称が「あにめたまご」に変更となる)。毎年、4社のアニメ制作企業がそれぞれオリジナルの短編アニメを1作品ずつ制作し、作品制作を通じた人材育成や作品発表機会の確保、各種講座の実施やフォローアップを実施している。今回の上映会は、初回から昨年までの5年間の「アニメミライ」の作品を、5日間のわたり上映するものだ。上映スケジュールは、8月1日が「アニメミライ2011」(旧称:PEOJECT A、参加作品:「キズナ一撃」、「おぢいさんのランプ」、「万能野菜 ニンニンマン」、「たんすわらし。」)、8月2日が「アニメミライ2012」(参加作品:「BUTA」、「わすれなぐも」、「しらんぷり」、「ぷかぷかジュジュ」)、8月7日が「アニメミライ2013」(参加作品:「龍 -RYO-」、「リトル ウィッチ アカデミア」、「アルヴ・レズル -機械仕掛けの妖精たち-」、「デス・ビリヤード」)、8月9日が「アニメミライ2014」(参加作品:「アルモニ」、「大きい1年生と小さな2年生」、「パロルのみらい島」、「黒の栖-クロノス-」、そして8月21日が「アニメミライ2015」(参加作品:「アキの奏で」、「ハッピーカムカム」、「音楽少女」、「クミとチューリップ」となっている(上映時間は各日とも14:00~16:30)。また、上映終了後に実施されるトークセッションのゲストは、8月1日が黄瀬和哉(「たんすわらし。」監督/Production I.G)と谷村大四郎(「たんすわらし。」脚本)、8月2日が村川康敏(「ぷかぷかジュジュ」脚本)と谷村大四郎(「わすれなぐも」脚本)、そして8月9日が外﨑 真(「大きい1年生と小さな2年生」プロデューサー/A-1 Pictures)、吉浦康裕(「アルモニ」監督/ULTRA SUPER PICTURES)、稲垣亮祐(「アルモニ」プロデューサー/ULTRA SUPER PICTURES)が予定されている(8月7日と8月21日はトークセッション実施なし)。
2015年07月21日6月29日まで東京・六本木の国立新美術館で開催され、実に34万人を動員した「マグリット展」が、7月11日、京都市美術館(左京区)で開幕した。本展は、ベルギー出身の20世紀を代表する芸術家ルネ・マグリット(1898~1967年)を紹介する大回顧展で、日本では13年ぶりの開催となる。世界10ヵ国以上の美術館や個人が所蔵する初期から晩年の約130点の作品が集められ、頂上に城のある巨岩が宙に浮く「ピレネーの城」は京都展のみ。他には馬に乗って林の中を進む女性が奇妙に見え隠れする「白紙委任状」などが展示される。開館前から並んだファンもおり、今も世界中から高い人気を誇るマグリット独特の世界観を楽しんでいた。また、4月にBS-TBSで放送された「20世紀美術の巨匠 ルネ・マグリットの摩訶不思議な世界」がMBSテレビ(※関西ローカル)で7月19日(日)深夜2:55~3:55に放送される。音声ガイドナビゲーターの石丸幹二さんが謎の山高帽の男に扮して、皆さんを不思議なマグリット空間へいざなう。本展は10月12日(月・祝)まで開催。当日券は一般 1,600円、高大生 1,100円、小中生 600円で販売中。
2015年07月17日NPO法人GADAGOは、都内および関東の美術館・アートイベントの割引チケットを一覧できるスマートフォン向けアプリ「ミューぽん」に関して、首都圏を夏休み期間限定で掲載地域を全国に拡大するとともに、同アプリの価格を7月18日~7月20日に限りセール価格360円(通常480円)で販売することを発表した。「ミューぽん」は、関東発のアートイベント情報サイト「Tokyo Art Beat」がセレクトした美術展やアートイベントで割引を受けることのできるiOS / Android用アプリ。窓口で画面をタップして見せるだけで使える割引チケットをはじめ、新着イベントや開始日、もうすぐ終了のタイミングを、ラベルとプッシュ通知で知らせてくれる機能をはじめ、過去に訪れた展覧会の一覧したり、そのイベントに関するTwitterのツイートをタップひとつで検索したりできる機能を搭載している。通常、都内および関東地区で開催されるアートイベントのみが掲載されているが、2015年の夏休み期間限定で掲載地域を全国に拡大し、北は青森から南は関西までの展覧会やアートフェスティバルの割引チケットが掲載されるという。7月15日の時点で参加の決定している美術館・イベントは、青森県立美術館、十和田市現代美術館、HOTEL GRANVIA OSAKA、堂島リバーフォーラム、六甲ミーツアート、兵庫県立美術館(追加変更の可能性あり)。また、夏の全国展開に合わせて、「ミューぽん」のアプリ価格が7月18日~7月20日に限り、セール価格の360円(通常価格は480円)で販売される。なお、アプリの有効期限は2015年末まで。割引券の使用は1つの展覧会につき1回限り有効。タブレット端末はサポート外となる。
2015年07月15日東京都・目黒の東京都庭園美術館は、旧朝香宮邸の建築およびコレクターたちが収集したアール・デコの名品を鑑賞する展覧会「アール・デコの邸宅美術館 建築をみる2015 + ART DECO COLLECTORS」を開催する。会期は7月18日~9月23日。開館時間は10:00~18:00(金曜は21:00まで)。入館料は一般800円、大学生640円、中高生・65歳以上400円。同展は、旧朝香宮邸そのものを鑑賞する「建築をみる2015」展と、コレクターたちが収集したアール・デコの名品による「ART DECO COLLECTORS(アール・デコ・コレクターズ)」展の2つによって構成される展覧会。「建築をみる2015」展では、文化財としての"建築"に焦点を当て、その魅力を掘り下げて考える。内装と一体的にデザインされたオリジナルの家具や調度品を用いて竣工当時の邸宅空間の再現を試みる展覧会となっている。なお、会期中の平日は、旧朝香宮邸館内の写真撮影を行うことができる(一部制限あり)。また、同時開催となる「ART DECO COLLECTORS(アール・デコ・コレクターズ)」展では、アール・デコ作品を収集している個人コレクターたちが紹介される。普段は見ることのできない貴重なコレクションを見る事ができるということだ。また、関連イベントとして、同美術館のシンボルともいえる"香水塔"の、3D計測を含む調査結果が公開される。"香水塔"は、長い間内部の構造や仕組みについては謎に包まれていたが、2011年から始まった調査研究と分解を伴う修復作業によって構造や製法、素材が明らかになった。8月21日に開催される講演会「"香水塔"の謎:3D調査報告(仮)」では、3Dデータを元にした映像を交え、"香水塔"の調査結果が解説されるということだ。そのほか、同展の会場である旧朝香宮邸の重要文化財指定記念講演会「朝香宮邸をめぐって-過去・現在・未来(仮)」が開催される。日本近代建築における位置づけや価値、今後の活用の展望について探り、その発見から現在に至るまでの歴史について振り返る。開催日時は7月25日15:00~16:30。さらに、トークイベント「"香水塔"を未来につなぐ:修復家からのメッセージ」が9月13日15:00~16:30、なお、参加費や申込方法の詳細については[同美術館Webサイト]に掲載されている。
2015年07月15日今、美術館が丸裸になっています。’10年「陰影礼讃」展に続く第2回となる、国立美術館5館による合同展「No Museum,No Life?-これからの美術館事典国立美術館コレクションによる展覧会」。約170点の名作が集結していますが、ラインナップはもちろん、その展示方法も要注目なのです!今回のテーマは“美術館事典”。百科事典のようなアルファベットごとのテーマ分けで、それに沿って作品を展示します。面白いのが、普段表舞台に出ない、美術館の裏側もテーマになっているところ。例えば「Wrap(梱包)」では布で包まれて中身の見えないクリスト作のオブジェなど“梱包”にまつわる作品とともに、運搬に用いる梱包材も並び、「Money(お金)」では美術館の収益データまで公開!貴重なアートと、それを支える道具などが一緒に並ぶのは、見たことない光景です。遊園地の裏側を見ちゃうようにがっかりするんじゃ…と思う方、心配ご無用。アートをアートたらしめる美術館という空間そのものについて深く知ることで、作品への見方も変わり、新たな鑑賞体験を得られるはず。36項目の中から、注目テーマをピックアップしてご紹介します!■Artist【アーティスト】権威的な美術界を嫌い、自由な芸術活動を行 おうと画家らに呼び掛けたルソーの絵画。これが今、美術館に展示されるのも皮肉的?アンリ・ルソー ≪第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神≫ 1905-06年、東京国立近代美術館■Beholder【観者】美術館そのものがテーマとなる本展を象徴する“ルーヴル美術館でアートを観る人々”を写した写真作品。他にもミレーの『落ち穂拾い』を鑑賞するタイの農民たちを映した映像作品など。トーマス・シュトゥルート≪ルーヴル美術館4、パリ 1989≫1989年、京都国立近代美術館(C)Thomas Struth■Light【光、照明】上の現代アートをはじめ、“光”にフォーカスするこの項目。美術館で用いられる照明の紹介もあり、絵画の見え方への理解が深まる。ダン・フレイヴィン≪無題(親愛なるマーゴ)≫1986年、国立国際美術館(C)Stephen Flavin/ARS, New York/JASPAR, Tokyo E1582■Earthquake【地震】地震を表現した絵画や写真と並んで、なんと建物の土台に用いられる免震台が。貴重な作品を展示する美術館においても、地震は脅威的な存在。その対策とともに紹介します。■Guard【保護、警備】自身の絵画を展示する際に、柵を設けるなどして作品と鑑賞者の間に距離を設けるよう求めたフランシス・ベーコンの作品を展示。意図して(?)この項目のそばにも監視員さんが。■Storage【収蔵庫】展示されていない作品を保管する“収蔵庫”。この項目では、画家・藤田嗣治の作品を所蔵している4館の収蔵庫内の写真を背景に、本物の4作品を展示します。◇information 東京国立近代美術館東京都千代田区北の丸公園3-1開催中~9月13日(日)10:00~17:00(金曜は~20:00、入館は閉館の30分前まで)月曜休(7月20日は開館、7月21日休)TEL:03・5777・8600一般1000円◇権威的な美術界を嫌い、自由な芸術活動を行 おうと画家らに呼び掛けたルソーの絵画。これが今、美術館に展示されるのも皮肉的?アンリ・ルソー ≪第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神≫ 1905‐06年、東京国立近代美術館◇美術館そのものがテーマとなる本展を象徴する“ルーヴル美術館でアートを観る人々”を写した写真作品。他にもミレーの『落ち穂拾い』を鑑賞するタイの農民たちを映した映像作品など。トーマス・シュトゥルート≪ルーヴル美術館4、パリ 1989≫1989年、京都国立近代美術館(C)Thomas Struth◇上の現代アートをはじめ、“光”にフォーカスするこの項目。美術館で用いられる照明の紹介もあり、絵画の見え方への理解が深まる。ダン・フレイヴィン≪無題(親愛なるマーゴ)≫1986年、国立国際美術館(C)Stephen Flavin/ARS, New York/JASPAR, Tokyo E1582※『anan』2015年7月15日号より
2015年07月14日カリモク家具が、東京・国立競技場のスタンドに設置されていた自由席シートを新たに椅子として生まれ変わらせた、「SAYONARA国立競技場"FOR THE FUTURE" MEMORIAL GOODS デザイナー with カリモク家具」を7月4日から販売している。1958年に開場した国立競技場。1964年には東京オリンピックのメインスタジアムとして使用された後、2014年に閉場した。「カリモク家具」は、解体作業の際に保存しておいたスタンドの自由席シートの座面を使い、デザイナーのドリルデザイン(DRILL DESIGN)、白鳥浩子、鈴木元とともに新たな椅子を設計・製造した。ドリルデザインがデザインしたスツール「TOKYOスツール(3万2,400円)」は350脚、白鳥浩子がデザインした背もたれ付きのチェア「ponyチェア(4万3,200円)」は150脚、鈴木元がデザインした2人掛けのベンチ「KOKURITSUベンチ(5万4,000円)」は200台の個数限定販売となっている。どの椅子も木製の枠組みに、あの青いスタンドの自由席シートが見事に調和し、どことなく心を和ませるデザインに仕上がっている。取扱いは「チケットぴあ」Webサイトにて。
2015年07月09日美術館でのアート鑑賞は、慌ただしい日常から離れ、インスピレーションを受けたり、リフレッシュをするのにはぴったりの過ごし方。ですが、ゆったりしたイメージとは裏腹によく歩き回ることになるので、見終わった頃には少し疲れてしまったという覚えがあるのでは?そんなとき、頼りになるのが美術館併設・あるいは近隣のカフェ。建物に歴史があったり、そこならではのメニューがあったりと、疲れを癒やすのみならず、見所も多いものです。今回ご紹介するのは東京駅丸の内駅舎にある「東京ステーションギャラリー」。2012年にリニューアルされ新しくなった重要文化財でもある丸の内駅舎に、美術館とホテルがあるのは知っていましたか?そう、丸の内北口ドームには「東京ステーションギャラリー」、南口ドームには「東京ステーションホテル」があり、日々、たくさんのお客様を迎えています。東京駅丸の内駅舎が、辰野金吾の設計によって創建されたのは、1914(大正3)年のこと。東京駅は、日本の鉄道の上りと下りの基点であり、多くの幹線の0キロポストが設置された「中央駅」として位置づけられ、日本の近代史の舞台として、幾多の激動の時代をくぐりぬけてきました。東京ステーションギャラリーは、1988年に誕生し、東京駅の歴史を体現する煉瓦壁の展示室をもつ美術館として親しまれています。赤煉瓦と絵画のコントラストは、この美術館ならではのもの。当時の煉瓦自体も貴重な歴史の資料で、それを間近に見ることができるのも魅力。煉瓦の凹凸は劣化などではなく、創建当時、漆喰の定着をよくするために、きれいな表面をあえて削った跡。表面に塗られていた漆喰を職人が手作業で取り除いたためにみえる歴史の名残といえるでしょう。そして、東京ステーションギャラリーのある北口ドームの反対側、南口ドーム側にエントランスのある「東京ステーションホテル」があります。そのロビーラウンジが、今回のくつろぎスポットです。東京ステーションギャラリーからは、東京駅の外観を楽しみながらのんびり歩いて約3分。歴史ある東京駅を感じながらお茶を楽しめます。「東京ステーションホテル」は2012年秋、東京駅とともに内装を一新して生まれ変わったホテル。かつての文豪が愛した客室など大正の時代からの伝統が息づく場所として、今もなお国内外からのお客様を迎えています。ロビーラウンジは宿泊客以外も利用ができ、朝は打ち合わせのお客様、昼は会話を楽しむマダム、夜は丸の内で働く皆様が仕事帰りに立ち寄られます」と広報の濱氏。この時期、注目したいのは「ホテル開業100周年記念 マンゴーフレンチトーストセット」(2,650円(消費税込、サービス料別))。もともと東京ステーションホテルのロビーラウンジで人気メニューのフレンチトーストですが、こちらは7月1日からわずか10日間のみ提供される限定メニューで、マンゴー好きには見逃せない一品。シェフパティシエの瀧澤氏によると「この時期にしかお楽しみいただけない国産のマンゴーを贅沢に使用しています。大きくカットしたマンゴーに加えて特製のマンゴーバターも一緒にお出ししていますので、焼きたてのレンチトーストにのせてとろける食感をお楽しみいただければ」とのこと。バターをたっぷり使ったブリオッシュ生地を使用してじっくり焼き上げているため、口に入れた時のリッチな香ばしさもたまりません。また、セットで共されるティーはフランス、パリの老舗高級紅茶ブランドのベッジュマン&バートンとのコラボレーションで誕生した、オリジナルブレンドの「エバーラスティング ストーリー」。チョコレートフレーバーを隠し味にした、ここでしか味わえないフレーバーティーもぜひ堪能してみてくださいね。駅舎創建当時のままの高い天井と大きな窓を持つヨーロピアンクラシックの落ち着いた雰囲気の中、時には贅沢に、アート鑑賞の余韻に包まれながら極上のスイーツを楽しんでみてはいかがでしょうか。「東京ステーションギャラリー」では、7月20日まで、北陸新幹線開業記念として 「没後30年鴨居玲展踊り候え」が開催中。自己の内面を掘り下げた精神性の高い作品を描き続けた金沢出身の画家、鴨居玲。油彩の代表作をはじめ、素描、遺品など約100点を一堂に展示し、その画業を回顧しています。
2015年07月01日東京国立博物館、ブルガリ ジャパン、読売新聞社は9月8日~11月29日、「THE ART of BVLGARI 130 YEARS OF ITALIAN MASTERPIECES / アート オブ ブルガリ 130年にわたるイタリアの美の至宝」を東京国立博物館(東京都・上野)で開催する。イタリア ローマが世界に誇るハイジュエラーであるブルガリは、古代ギリシャ・ローマ文化の美術や建築物からインスピレーションを得たクリエーションを世に送り出してきた。この展覧会では、130年以上にわたるブルガリの壮大なヘリテージコレクションのなかから、貴重なアーカイブ約250ピースが展示される。創業者ファミリーが手掛けた銀の装飾品(1884年製)から、アールデコ様式(1920年代)、イングリッド・バーグマン、グレース・ケリー、ソフィア・ローレンほか、世界に名をはせた女優たちがまとったジュエリーとともにブルガリの過去から現代に至る変遷をたどる。また、ブルガリをこよなく愛したエリザベス・テイラーが映画「クレオパトラ」でまとった衣装や、後に結婚した俳優リチャード・バートンから贈られたジュエリーなども展示される。時間は、9時30分~17時(入館は閉館の30分前まで)。9月の土・日曜、祝・休日は18時まで開館、金曜日は20時まで開館(9月25日、10月9日、16日、23日は除く)。10月2日、3日は22時まで、10月31日~11月2日は20時まで開館している。休館日は、9月14日、24日、28日、10月5日、13日、19日、26日、11月4日、9日、16日、24日。観覧料金は未定。
2015年06月29日東京都・上野の東京国立博物館は、ルーヴル美術館や大英博物館など世界の名だたる美術館・博物館の貴重な所蔵品の数々が一堂に会す「クレオパトラとエジプトの王妃展」を開催する。7月11日~9月23日(月曜・7月21日は休館、7月21日・8月10日・9月21日は開館)。開館時間は9:30~17:00(金曜は20:00まで、土・日・祝・休日は18:00まで)。観覧料は当日一般1,600円、大学生1,200円、高校生900円。同展は、ルーヴル美術館、大英博物館、ボストン美術館、ベルリン・エジプト博物館、ウィーン美術史美術館など世界の名だたる美術館・博物館の所蔵品を中心に、14カ国の所蔵先から貴重な名品約180件が一堂に会す、古代エジプトの粋を集めた展覧会。古代エジプトの王妃や女王たちをメインテーマに、王であるファラオを支え、時に政治的・宗教的に大きな役割を果たした女性たちに焦点をあてる。なかでも「絶世の美女」として語り継がれ、古代エジプト史上、最も著名な女王であるクレオパトラ(クレオパトラ7世)にまつわる名品の数々が来日し、最後の女王・クレオパトラの実像に迫る展示となっている。また、クレオパトラのほかにも、女王として君臨したハトシェプスト、王の寵愛をもとに王朝の絶頂期を支えたティイ、アマルナ時代を代表するアメンヘテプ4世の王妃ネフェルトイティ(ネフェルティティ)など、現代においても魅力にあふれる女性たちが紹介されるということだ。同展は、全5章で構成され、第1章は「王をとりまく女性たち」と題し、王を支えた妻や母そして娘たちが紹介される。第2章は、「華やかな王宮の日々」として、きらびやかな王宮の生活を伝える品々や王に仕えた人々紹介。第3章は「美しき王妃と女神」として、女神にも例えられた美しき王妃やその理想とされた女神を紹介。第4章は「権力をもった王妃たち」と題し、政治や宗教へ対する強い影響力をもった王妃たちの歴史を紹介する。そして第5章は「最後の女王クレオパトラ」と題し、古代エジプト最後の女王クレオパトラ(クレオパトラ7世)とともに、「絶世の美女」、「悲劇の女王」として語りつがれるその姿もあわせて紹介されるということだ。
2015年06月22日ディオール(Dior)が6月16日に東京・国立新美術館にて15-16AWコレクションのファッションショーを開催。 館内の2階のスペースに、メゾンのキーカラーのひとつ、ピンクの絨毯を敷き詰めて、一夜限りのランウェイを特設した。顧客やメディアなどを招待して披露したのは、3月にパリ・ルーブル美術館で発表したコレクションのリピートショー。ルックはアマゾンやサバンナの動物、爬虫類を思わせる強烈なアニマル柄のプリントやフェティッシュなエナメルのハイサイブーツなど、開放的で毒っけのある色彩が印象的だ。メイクやヘアは少しアレンジされていた模様。フィナーレに、映画『ディオールと私』にも登場したラフ・シモンズの10年来の片腕ピーター・ミュリエーが現れ、挨拶した。アフターパーティには、フロントローでショーを観覧した歌姫リアーナや、クリスチャン ディオール クチュール社長兼CEOシドニー・トレダも参加した。他にも、女優の夏帆、初音映莉子、モデルの菜々緒やローラ、森星、水原佑果、シンガーの加藤ミリヤ、DJのマドモアゼル・ユリアやブロガーのMappyなど日本のヤングセレブたちも来場。昨年秋、銀座で開催した「エスプリ・ディオール東京2015」展に始まり、12月に両国国技館で行ったフォールコレクションのファッションショーに続く、ビッグイベントとなった。
2015年06月18日東京都・清澄白河の東京都現代美術館は、ブラジルのモダニズム建築の父、オスカー・ニーマイヤーの回顧展「オスカー・ニーマイヤー展 ブラジルの世界遺産をつくった男」を開催する。会期は7月18日~10月12日(7月21日・9月24日・月曜休館、7月20日・9月21日・10月12日は開館)。観覧料は一般1,100円、大学生・専門学校生・65歳以上800円、中高生600円、小学生以下無料。同展は、2012年に104歳で亡くなる直前まで精力的に設計を続けていた伝説的なカリスマ、ニーマイヤーのほぼ1世紀にわたる建築デザイン活動の全貌を、図面、模型、写真、映像などによって紹介するもの。会場では代表的な建築物を様々なサイズの模型で展示し、代表作のひとつであるイビラプエラ公園の30分の1の模型は、約500平方メートルのアトリウムの大型空間でダイナミックに展開される。また、会場デザインはニーマイヤーに大きく影響され、彼を敬愛してきたSANAAによるもので、ブラジルの光をおもわせる白を基調として、ダイナミックでモダンな有機的曲線で会場を構成しているという。そのほか、ニーマイヤーの日常や創造の秘密をみせる映像資料、壮絶ともいえる首都ブラジリア建設の詳細なドキュメントも展示されるということだ。オスカー・ニーマイヤーは、ブラジル国内の主要な建築の設計を手がけ、そのユニークな創造性によって、内外で高い評価をうけ、アメリカ建築家協会ゴールドメダル、プリツカー賞、高松宮殿下記念世界文化賞など数々の建築賞やレーニン国際平和賞を受賞。代表的な仕事としては、首都ブラジリアの設計が挙げられる。1950年代国家の大プロジェクトである、首都ブラジリアの主要な建物設計(国民会議議事堂、大聖堂など)にたずさわり、ニーマイヤーは創造性豊かな都市をつくりあげた。この成功は建築という概念を超えた歴史的イベントとして、ブラジルの名を世界に知らしめ、ブラジリアは1987年世界遺産に登録された。「建築にとってアートはとても大切です」と語っていたニーマイヤーは、幼いころからドローイングを得意とし、描いた絵をじっとながめてそれが存在するようにたちあらわれると感じていたという。ニーマイヤーのデザインは、フリーハンドの大胆さと自由さ、女性の身体に例えられるように有機的でダイナミックな曲線、生命感とモダニズムの幾何学の調和を特徴としており、その未来的な形は日本の建築家にも多くの影響を与えてきたということだ。
2015年06月15日近年、東南アジアのアートシーンの拠点となりつつあるシンガポールでは、2015年に2つの美術館が誕生する。パリを代表する美術館の初の分館として、2015年5月に開館した「シンガポール ピナコテーク・ド・パリ」と、10月にオープン予定の「ナショナルギャラリー シンガポール」だ。©Darren Soh and National Gallery Singapore「シンガポール ピナコテーク・ド・パリ」の見どころは「ピナコテーク・ド・パリ」は、2007年にパリのマドレーヌ広場に開館した私立美術館。美術館としての歴史はまだ浅いものの、立地と敷地面積の広さ、展示作品のバラエティと質の高さに定評がある、フランスを代表する美術館の一つである。ギリシア語に由来する「絵の収蔵庫」という意味を持つ「ピナコテーク」。その言葉通り、美術収集家のコレクションルームを思わせるような、年代や作風にとらわれない多様なコレクションを特徴とする。この「ピナコテーク・ド・パリ」の初めての分館に、シンガポールの「フォートカンニングパーク」が選ばれた。実はこの美術館、かつてイギリス軍施設であった「フォートカンニングセンター」を改装して造られている。その重厚な歴史的建造物も見どころの一つ。©Singapore Tourism Board館内は3つのギャラリー(The Collections Gallery、The Features Gallery、Heritage Gallery)から成り、The Collections Galleryではピカソやモネなどの有名画家たちの作品を、The Features Galleryでは期間限定のコレクションを、Heritage Galleryでは、東南アジアの歴史や宗教をテーマに展示がされる。ミュージアムショップ(La Boutique Pinacothèque)では、カタログ、絵葉書、マグネット等、定番のお土産の他に、ローカルアーティストによるユニークなアクセサリー等も販売されている。2015年10月オープン予定の「ナショナルギャラリー シンガポール」©National Gallery Singapore64,000平方メートルのシンガポール最大面積を誇る「ナショナルギャラリー シンガポール」は、シティーホール駅付近に2015年10月オープン予定。8,000点を超える東南アジアのアーティストによる作品を保有する。2015年に開館するこれら2つの美術館周辺には、「シンガポールアートミュージアム」や「ナショナルミュージアム」、美術学校「SOTA(School of the Arts)」などの美術関連施設が集まり、アジア、シンガポールアートを感じるのにもってこいの地区となっている。独立50周年の歓喜に沸くシンガポールでは、アート界からもますます目が離せなくなりそうだ。
2015年06月10日東京大学(東大)と国立天文台は6月9日、アルマ望遠鏡と重量レンズのかけ合わせで、117億光年の距離にある銀河の内部構造を解明したと発表した。同成果は東京大学理学系研究科の田村陽一 助教と大栗真宗 助教および国立天文台の研究グループによるもので、6月9日付けの「日本天文学会欧文研究報告」に掲載された。重力レンズとは、質量が時空の歪みを介して光を曲げる減少で、非常に重い天体の周囲で生じ、その向こう側の天体の見かけの姿を拡大・増光する性質がある。今回の研究では、今年2月にアルマ望遠鏡がとらえた117億光年の距離にあり、爆発的に星を生み出しているモンスター銀河「SDP.81」の画像を、同研究グループが提案した重量レンズ効果モデルを用いて解析した。その結果、「SDP.81」では差し渡し200~500光年の塵の雲が、およそ長さ5000光年の楕円状の領域に複数分布していることがわかった。この塵の雲は、巨大分子雲と呼ばれる、恒星や惑星が生まれる母体だと考えられるという。また、重力レンズ効果を引き起こしている手前の銀河に質量が太陽の3億倍以上におよぶ超巨大ブラックホールが存在することも判明した。今後、アルマ望遠鏡と重力レンズの組み合わせで、なぜモンスター銀河が形成されるのか、どのように超巨大ブラックホールが成長するかの解明につながることが期待される。
2015年06月09日京都府京都市の京都国立近代美術館4階・コレクションギャラリーで6月6日から8月16日の間、ハリウッド・ミュージカルの世界をポスターで伝える展示会「ポスターにみる ミュージカル映画の世界」が行われる。○オリジナル版のポスターを中心に展示同展は、トーキー技術の到来とともにハリウッドで高度な発達を見せ、20世紀の大衆娯楽の代名詞として君臨した「ミュージカル映画」に光を当てるポスター展。「アニーよ銃をとれ」(1950年)、「バンド・ワゴン」(1953年)、「雨に唄えば」(1952年)、「パリの恋人」(1957年)、「足ながおじさん」(1955年)などの54点のポスターが展示される。また、6月27日と28日には映画上映会や、7月12日にはギャラリー・トーク「映画史からポスターを読み解く!」などの関連イベントも予定している。開催日時は6月6日から8月16日の9時30分から17時まで。なお、会期中の金曜日は20時まで開館(6月12日を除く)。毎週月曜日は休館日(7月20日は開館し、翌21日休館)。観覧料は一般430円/大学生130円/高校生・18歳未満無料。関連イベントの詳細については、同展のサイト内資料を参照。
2015年06月04日東京・六本木の国立新美術館で開催中の「マグリット展」の累計入場者数が20万人に達したことを記念して5月25日、20万人目のお客様への記念品贈呈のセレモニーが行われた。「マグリット展」チケット情報20万人目の来場者となったのは、東京都武蔵野市在住の紺野敏江さんとあすかさんの親子。運動会の振替休日に本展に足を運んだとのことで、国立新美術館の青木保館長から記念品が贈られた。紺野さんは、一緒に来場したという娘さんとともに写真に収まり、「だまし絵風の絵が楽しめるので意味を考えながらゆっくり回りたい」と笑顔でコメントした。東京では13年ぶりとなる、ルネ・マグリット作品約130点が集結した大回顧展「マグリット展」は国立新美術館 企画展示室2Eにて、6月29日(月)まで開催中。同美術館は毎週火曜が休館日だが明日の5月26日(火)は臨時開館。5月30日 (土)、31日 (日) は毎週金曜日と同じく午後8時 (最終入場は午後7時半) まで開館。当日券は一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生 800円で販売中。
2015年05月25日東京都・竹橋の東京国立近代美術館は、事典をひもとくようにAからZまで36のキーワードにそって、多面的に美術館そのものを紹介する展覧会「No Museum, No Life?―これからの美術館事典」を開催する。会期は6月16日~9月13日(月曜休館、ただし7月20日は開館し、7月21日に休館)。開館時間は10:00~17:00(金曜は20:00まで)。観覧料は一般1,000円、大学生500円、高校生以下および18歳未満無料。同展は、事典をひもとくようにAからZまでの36のキーワードにそって、作品はもちろん美術館の設備や活動、そこに集う人々まで多面的に美術館そのものを紹介する展覧会。「No Museum, No Life? 」というタイトルには、美術館を楽しむことで人生が豊かになることと、過去の作品を未来へと守り続けていく美術館が持つ役割が込められている。展示作品は、国立美術館5館(東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立西洋美術館、国立国際美術館、国立新美術館)の所蔵作品の中から厳選した、ルノワール、ロダン、マルセル・デュシャンや岸田劉生など、幅広い作品約170点が展示される。なお、作品を鑑賞するだけでなく、「名画を鑑賞する人たち・・これもアート?」、「なぜ、美術館のなかはやたらと寒いのか?」、「作品はどんなふうに保管されていて、どんなふうに運ばれるの?」、「裸体ってアートなの?」といった、観覧者が持つ疑問にも、展示を通して答えるような構成となっており、作品が持つ高い芸術性はもちろん、そこに新しい楽しみ方を掛け合わせることで、美術館初心者から上級者までがそれぞれの目線で楽しめる展覧会となっている。会場構成はトラフ建築設計事務所、グラフィック・ デザインは建築設計事務所アトリエ・ワンに在籍したこともあるデザイナー neucitora 刈谷悠三氏が担当。まるで美術館をテーマにした巨大な事典の中を歩くような感覚が味わえる展示空間が創り上げられている。また、関連イベントとして、本展企画者である桝田倫広氏(東京国立近代美術館研究員)と新藤淳氏(国立西洋美術館研究員)によるギャラリートークが開催される。開催日時は6月26日18:00~19:30、7月11日14:00~15:30、8月28日18:00~19:30。申込不要、参加費無料。ただし、展覧会の観覧券が必要となる。そのほか、7月31日~8月2日の間、夏の週末に美術館を楽しむ特別イベントとして、シンポジウムのほか、美術館前庭での映画上映会や飲食の提供などが企画されている。詳細は後日発表されるということだ。
2015年05月21日東京都・六本木の国立新美術館は、1989年から現在までの25年間に焦点をあて、日本のマンガ、アニメ、ゲームを総合的に展望する展覧会「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」を開催する。会期は6月24日~8月31日(火曜休館)。開館時間は10:00~18:00(金曜は20:00まで、入場は閉館の30分前まで)。観覧料は当日一般1,000円、大学生500円。同展は、意識やライフスタイルがめまぐるしく変化してきた日本社会を概観するため、世相の変化や進化するテクノロジーの進化を映し出す日本のマンガ、アニメ、ゲームを展望するもの。手塚治虫が亡くなった1989年以降のおよそ25年間に焦点をあて、作品と作品の関係性、そして同時代の社会やテクノロジーと作品との関係を、8つの章で構成した展示で解説する。展示内容は、「王道」たる熱気あふれるテーマの作品を紹介することに始まり、テクノロジーやネットワーク社会を背景とした世界観を持つ作品や、制作技法として3次元CGなどのデジタル映像技術を駆使した作品、アイドルの卵・プロ野球選手・歴史上の人物などさまざまな「キャラクター」たちの生きる「世界」を表現した作品、「日常」と「非日常」が交差した作品など、様々な視点から分類したマンガ、アニメ、ゲーム作品を紹介。また、3つのジャンルのなかでも特に世相に素早く反応するマンガに着目し、その時々に応じた多彩な題材を作品として描き、働くこと、作ること、日本の伝統文化を継承することなど、現実とリンクした多様なテーマを持つマンガを中心に紹介する章も設けられている。また、インターネット上での情報共有やコミュニケーションが新たな作品を生み出す土壌となっている実例として、個人・同人制作や二次創作など、ネット社会を背景とした、新たな創作プロセスの中で生み出された作品を紹介。そのほか、ゲームのプレーヤー自身が遊ぶだけに留まらず、作品の実演者としての役割を持ち、作品の「完成形」を押し広げる役割を担い、周りの観衆を巻き込んだ体験の共有へと導く「コミュニケーションの場」と呼ぶべく進化したゲーム作品など、「コミュニケーション」視点からも作品紹介がされている。さらに、展覧会の最終章では、アニメの動きやゲームにおけるリアルな映像表現の作り手に注目。ITや映像技術の進化だけでは実現できない技術を使う作り手の「ワザ」や「思い」、その「手業」を、作品を通して紹介するということだ。
2015年05月19日東京都・上野の東京国立博物館は、26年度に寄贈を受けた、または購入した文化財の中から40件を公開する特集「26年度新収品」を開催する。会期は5月19日~5月31日。開館時間は9:30~17:00(金は20:00まで、土・日・祝日は18:00まで)。入場料は一般620円、大学生410円。同展は、東京国立博物館が26年度に、篤志家の方々から寄贈されたもの、購入したものを含め、数多くの文化財を新たに収集した中から厳選した40件を展示するもの。同博物館は、国立博物館として、日本文化の理解のために、日本や東洋各地の古代から近代に及ぶ質の高い文化財を保有し、広く公開してきたが、今回初公開される新収集品も、いずれも日本や東洋の文化を探る上で見過ごすことのできない意義を持つ貴重な文化財だということだ。主な出品作品は、「林逋帰亭図屏風」池大雅筆江戸時代・18世紀藤森まつる氏寄贈、「融通念仏縁起絵断簡」(重要美術品)橋本辰二郎旧蔵 南北朝時代・14世紀、「古今和歌集巻第一断簡(関戸本)」伝藤原行成筆平安時代・11世紀、「円形切子碗」イラン ササン朝時代・6世紀 百瀬治富美子氏寄贈、「押出如来立像」堂本尚郎旧蔵飛鳥~奈良時代・7~8世紀 堂本尚郎氏寄贈、などが挙げられる。また、関連企画として、講演会"書の楽しみ―特集「新収品」の関戸本古今和歌集を中心に"が開催される。会場は同博物館・平成館大講堂。開催日時は5月23日13:30~15:00。当日受付。
2015年05月15日東京・六本木の国立新美術館で開催中の「マグリット展」の累計入場者数が10万人に達したことを記念して4月30日、10万人目のお客様への記念品贈呈のセレモニーが行われた。「マグリット展」チケット情報10万人目の来場者となったのは、東京都品川区在住の女性。国立新美術館館長の青木保氏から記念品の公式カタログと「光の帝国Ⅱ」の額絵を渡され、一緒に来場したという弟さんとともに恥ずかしそうに写真に収まった。東京では13年ぶりとなる、ルネ・マグリット作品約130点が終結した大回顧展「マグリット展」は国立新美術館 企画展示室2Eにて、6月29日(月)まで開催中。当日券は一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生 800円で販売中。
2015年05月01日東京都現代美術館は、トップモデルとして活躍すると同時に、クリエイター、パフォーマーとしても実験的な試みを行っていた山口小夜子の軌跡をたどる「山口小夜子未来を着る人」展を開催している。開催期間は6月28日まで(5月4日を除く月曜、5月7日は休館)、開場時間は10:00~18:00、入場料は一般1,200円、大学・専門学校生・65歳以上900円、中高生600円、小学生以下は無料。同展は、コラボレーションを通じて、世代やジャンル、東洋と西洋など異なるものを繋ぎ、"SAYOKO"という1つのジャンルを打ち立てた山口小夜子の軌跡をアーカイブとともにたどる。1970年代初頭より、神秘的な東洋の美を体現するアジア人初のトップモデルとして世界のモードを席巻する一方で、晩年の数年間、彼女が若い世代の表現者たちと、ファッション、音楽、映像、演劇、朗読、パフォーマンス、ダンスなどが混在する実験的な試みを行っていたことは、あまり知られていない。宇川直宏、山川冬樹、生西康典、掛川康典、エキソニモという、彼女の身辺で活動し、現在のシーンにおいて大きな影響力を持つ表現者たちが、小夜子に捧げる新作インスタレーションを発表するほか、彼女が急逝する直前に、新聞紙上での往復書簡が予定されていた森村泰昌も新作を出品する。なお山口小夜子は、1949年生まれのモデル、クリエイター、パフォーマー。1972年にパリコレクションに参加して以来、トップモデルとなりパリおよびニューヨークコレクションで活躍。1974年には、米ニューズウィーク誌において「世界の4人のトップ・モデル」として紹介される。1977年、寺山修司の舞台「中国の不思議な役人」に出演して以降は、女優としても多数の舞台、映画に出演。2000年代に入り、六本木のSuperDeluxeなどアンダーグラウンドなスペースを舞台に、ファッション、映像、音楽、文学、舞踏などさまざまな表現が融合するパフォーマンスを展開。2007年に急逝。
2015年05月01日ニューヨーク近代美術館MoMAのミュージアムショップ「MoMA DESIGN STORE」(東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F)は、4月23日から5月10日までの期間、母の日スペシャルイベントを開催中。期間中は、表参道駅近くに本店を構えるフラワーショップ、青山フラワーマーケットとコラボレーション。特設スペースには、青山フラワーマーケットの空間デザインブランドparkERsによる花と緑のインスタレーションが登場する。また、5月4日までの期間、MoMAショッパー入りの母の日フラワーアレンジメント(3,800円)の予約販売を実施。フラワーアレンジメントには、MoMAで人気のアクセサリーブランド「デザインシックス ロンドン」の、誕生石をイメージした全12色のビーズリング“BIRTH RING”からひとつを選んでがセットにできる。さらに期間中、フラワースペースの10%オフキャンペーンを行う他、5月8日、9日、10日の3日間は、カーネーションの生花(1本ラッピング済み・500円)を店頭で販売。日頃の感謝を、花と共に伝えてみてはいかがだろう。
2015年04月30日東京都・竹橋の東京国立近代美術館は、鮮烈な色彩、大胆にデフォルメされた形、力強い筆使いの画風で知られる日本画家・片岡球子の展覧会「生誕110年片岡球子展」を開催している。会期は5月17日まで(月曜休館、5月4日は開館)。開館時間は10:00~17:00(金曜は20:00まで)。観覧料は一般1,400円、大学生900円、高校生400円、中学生以下無料。同展は、代表作約60点によって球子の画業をたどるとともに、遺されたスケッチ、資料類約40点もあわせて展示するもの。球子がどのように眼の前の世界と向き合い、どのようにその世界をとらえたかを示すことで、作家の芸術の本質に迫るとともに、その今日的意味を探る構成となっている。球子の制作は対象をじっくりと観察し、対象を咀嚼するかのように、自分の眼に映るものを自分の感覚に引きつけ、独特の色使いと形のとらえ方によってつかみ取るという。歴史上の人物のように眼の前に存在しない対象を描く場合も同様にして捉えられ、現代を生きる人間として描かれる球子の歴史人物画は、他の作家たちが描くものとは全く性格が異なっている。さらに、晩年には裸婦という新たな主題に取り組み、その形や重量感を線と色彩によってとらえようとする態度からは、描くことの意味を常に問い続ける球子の意欲がうかがえるという。球子のこうした姿勢は、創立当時の日本美術院の作家達の制作態度にも通じるものがあるということだ。また、関連企画として、球子の教え子である国立国際美術館長・山梨俊夫氏による講演会「片岡球子の破格と正統」が開催される。開催日時は5月2日14:00~15:30。聴講は無料で、申込不要となっている。
2015年04月27日