プロの料理レシピサイト「E・レシピ」がご紹介する今日の夕食にオススメの献立は、 「簡単おいしい!基本の炊き込みご飯 by 山下 和美さん」 「巾着卵」 「大根の合わせみそ汁」 の全3品。 具だくさんの炊き込みご飯に、食べ応えのある煮物と赤だしを合わせました。 【主食】簡単おいしい!基本の炊き込みご飯 by 山下 和美さん 鶏肉とゴボウの入った簡単炊き込みご飯です。冷めてもおいしいので、おにぎりもおすすめです。 調理時間:1時間10分 カロリー:349Kcal レシピ制作:フードコーディネーター 山下 和美 材料(2人分) <具> 鶏もも肉 75g ゴボウ 1/4本 ニンジン 1/8本 シメジ 1/4パック お米 1合 <調味料> 酒 大さじ1 みりん 大さじ1 薄口しょうゆ 小さじ2 だし汁 150~170ml 貝われ菜 適量 【下準備】 お米は炊く30分以上前に水洗いし、ザルに上げておく。鶏もも肉は細かく刻む。 ゴボウはタワシでこすりながら水洗いし、ささがきにして水に放ち、水気をきる。ニンジンは皮をむき、細切りにする。シメジは石づきを切り落とし、小房に分ける。 【作り方】 1. 炊飯器に洗い米を入れ、<調味料>の材料を加え、お米1合分の目盛りまでだし汁を足す。<具>の材料をのせてスイッチを入れる。 2. 炊き上がったら、器によそって貝われ菜をのせる。 【副菜】巾着卵 半熟の黄身があふれ、油揚げからはジュワッとお出汁が染み出ます。 調理時間:15分 カロリー:324Kcal レシピ制作:フードコーディネーター 山下 和美 材料(2人分) 油揚げ (いなり用)4枚 卵 4個 小松菜 1/2束 <合わせだし> だし汁 300ml 酒 大さじ2 みりん 大さじ2 砂糖 大さじ1 薄口しょうゆ 大さじ2 【下準備】 油揚げはめん棒で軽く押さえ、1辺を切り落として袋状に開く。小松菜は根元を切り落とし、長さ4cmに切る。 【作り方】 1. 油揚げに卵を入れ、つま楊枝で留める(4個作る)。小鍋に<合わせだし>の材料を入れて中火にかける。 2. 煮たったらそっと油揚げを入れ3分程煮る。裏返してさらに5分程煮る。残った煮汁で小松菜にサッと火を通し、器に盛り合わせる。 【副菜】大根の合わせみそ汁 いつものみそ汁に赤みそをプラス。コクが出ます。 調理時間:10分 カロリー:48Kcal レシピ制作:フードコーディネーター 山下 和美 材料(2人分) 大根 2cm 白ネギ 1/4本 だし汁 400ml みそ 大さじ1 赤みそ 大さじ1 七味唐辛子 適量 【下準備】 大根は皮をむき、棒状に切る。白ネギは斜めに切る。 【作り方】 1. 鍋にだし汁と大根を入れて中火にかけ、大根が透明になったら、白ネギを加える。 2. 煮たったら弱火にしてみそと赤みそを溶き入れ、器に注ぎ、七味唐辛子を振る。
2023年02月27日プロの料理レシピサイト「E・レシピ」がご紹介する今日の夕食にオススメの献立は、 「ピリ辛タレでお箸が止まらない!鶏もも肉のネギまみれ by 山下 和美さん」 「ゴマ油香る!カニカマの中華風卵焼き by 山下 和美さん」 「セロリの漬物」 の全3品。 ゴマ油のきいた中華の献立。ビールが飲みたくなりそうです。 【主食】ピリ辛タレでお箸が止まらない!鶏もも肉のネギまみれ by 山下 和美さん ジューシーな鶏もも肉をフライパンで焼いて薬味のきいたたっぷりのネギでいただきます。ピリ辛のタレが食欲をそそります! 調理時間:15分 カロリー:698Kcal レシピ制作:フードコーディネーター 山下 和美 材料(2人分) 鶏もも肉 2枚 塩コショウ 少々 片栗粉 適量 青ネギ 1束 塩 少々 <タレ> 砂糖 小さじ2 しょうゆ 大さじ1.5 酢 大さじ1.5 ゴマ油 大さじ1.5 ラー油 少々 ショウガ (すりおろし)1片分 サラダ油 適量 糸唐辛子 適量 【下準備】 鶏もも肉は余分な脂を取り除き、食べやすい大きさに切って塩コショウし、全体に片栗粉をまぶす。青ネギは小口切りにする。 【作り方】 1. 抗菌袋に青ネギと塩を入れ、袋の上から軽くもんでしんなりさせる。<タレ>の材料を加えて混ぜ合わせる。 2. フライパンにサラダ油を中火で熱し、皮を下にして鶏もも肉を並べ入れ、両面をこんがりと焼く。器に盛って(1)をかけ、糸唐辛子をのせる。 【副菜】ゴマ油香る!カニカマの中華風卵焼き by 山下 和美さん カニ風味かまぼこが入った卵焼きの中華風アレンジ。ゴマ油で焼くと風味もアップ!お弁当にもぴったりです。 調理時間:10分 カロリー:145Kcal レシピ制作:フードコーディネーター 山下 和美 材料(2人分) 溶き卵 3個分 カニ風味カマボコ 2本 ネギ (刻み)大さじ1 <調味料> だし汁 大さじ2 砂糖 小さじ1/2 塩 少々 ゴマ油 適量 【下準備】 カニ風味カマボコはほぐす。ボウルにゴマ油以外の材料を全て入れて混ぜ合わせる。 【作り方】 1. 卵焼き器を中火で熱し、ゴマ油を薄くひき、卵液の1/3量を流し入れて全体に広げる。周りがかたまってきたら奥側から手前に巻き、巻き終わったら奥側へ寄せる。 2. 再びゴマ油をひき、同量の卵液を流し入れ、同様に焼く。残りの卵液も同様に焼く。巻きすで形を整え、食べやすい大きさに切って器に盛る。 【副菜】セロリの漬物 急いでいる時は、セロリを薄く切れば味がしみやすくなります。 調理時間:5分+冷やす時間 カロリー:65Kcal レシピ制作:フードコーディネーター 山下 和美 材料(2人分) セロリ 1本 塩 少々 ゴマ油 大さじ1 ニンニク (すりおろし)1/4片分 赤唐辛子 (刻み)1本分 【下準備】 セロリは筋を引き、幅1cmの斜め薄切りにする。 【作り方】 1. 抗菌袋に<調味料>の材料とセロリを混ぜ合わせて袋の外からもみ、しんなりするまで冷蔵庫で冷やし、器に盛る。
2023年02月26日2月に長野・まつもと市民芸術館小ホールと東京・東京芸術劇場シアターウエストで上演される舞台『博士の愛した数式』より、脚本・演出の加藤拓也と「博士」役・串田和美のオフィシャルインタビューが到着した。湖に手を入れたら毒がついていた。そんな美しさがある舞台『博士の愛した数式』が上演される。原作は、第1回本屋大賞を受賞した小川洋子のミリオンセラー小説。脚本・演出は、気鋭の演出家として高い評価を受ける劇団た組の加藤拓也が務め、事故によって80分しか記憶が持続しない「博士」を串田和美が演じる。51歳差の2人の演劇人が名作にどう挑むのか。稽古に入る前の胸の内を語ってもらった。――加藤さんと串田さんは劇団た組の『今日もわからないうちに』(2019年)で初めてご一緒されました。そのときに印象的だったことはなんですか。串田僕にはないものをいっぱい持っていて、それが興味深く感じられましたね。たとえば、加藤くんの作品は、ごく普通に日常にあるものを淡々と描いているようで、そこからだんだんありえない世界が生まれてくる。僕はどちらかと言うと、途方のないものを描いているようで、よく見たらこれって誰もが知っているものだったというタイプなので。自分とまったく違うところがとても面白かったです。加藤串田さんが自分の台詞を全部書かれていて。そうやって覚えるんだっていうのが印象的でした。串田それは作家の書いた言葉を自分のものにしたいからなんですね。自分で書いた台詞は、自分の思考を通って出てきたものだからすっと出てくるんですよ。でも他人が書いた言葉はそうじゃない。自分ではこう言わないというような台詞がたくさんあるわけ。そういうものを、さも自分が思いついた言葉のように思い込もうとするために書くんです。――それで言うと、加藤拓也という作家の言葉はいかがでしたか。串田自分からは距離のあるものでした。でもそれが面白いんですよね。自分から遠い言葉がすっと出る人になろうとする努力が役者の楽しみだから。そういう意味でもとても楽しい公演でした。――そんな加藤さんにとって、小川洋子さんという作家の文体や言葉はどう映りましたか。加藤惚れ惚れしますよね。文章のリズムとか、言葉のチョイスとか、僕にはないものがたくさんあって、そこに非常に魅力を感じながら上演台本にさせていただきました。まるで湖の中にそっと手を入れてみて、水面が揺れないようにゆっくりと手を抜くと、手のあたりに毒がついちゃっていたような、そういう美しさを小川洋子さんの文章には感じます。――湖、というのは今回の演出を語る上でキーになるフレーズでしょうか。加藤なるかもしれないですね。僕は小川洋子さんの小説の美しさを人に説明するとき、常に湖と毒というワードを使っています。そういうイメージが僕の中にはありますね。――では、上演台本にするにあたって、そこに自分のカラーを注入したいという気持ちは。加藤まったくなかったです。結局演劇として構成していくときに、僕が演出をするので僕の主観が入るし、俳優の主観、美術や音響、照明みんなの主観が入ってくるから、やっぱり別の形になるんですね。だから、無理に自分の色を出そうとか、そういうことは一切考えていないです。いかに庭の石のようにそこにいられるか――音楽は、これまで加藤さんが何度も組んできた谷川正憲さんが務めます。谷川さんのギターの生演奏は、加藤さんの演出の特徴の一つです。加藤谷川さんは空気に敏感な人です。今まではずっと俳優から受け取ったものを谷川さんが音にして出すというつくり方をしてきました。でも今回はその逆をやろうと。お芝居をつくる段階から谷川さんに入ってもらって。たとえば、読み合わせからちょっと音を鳴らしてもらったり。そういう遊びを交えてつくりたいなと考えています。――それはなぜそうしたいと思ったんですか。加藤どうなるかわからないからです。俳優の感情がまだ何もできてないときに音が入ると、それに引っ張られることもあると思うんですけど、それが全部ダメなわけではないかなと。今回はもっと自由にアクティングを立ち上げたいなという気持ちがありますね。串田じゃあ稽古だから流す音楽もあるということ?加藤そうですね。本番は流さないということもあります。もちろんぐちゃぐちゃになるかもしれない。でも、俳優だけではなく、みんながこの原作に持っているイメージを1回見てみたいんですよね。『博士の愛した数式』ビジュアル――最後に、お2人はこの作品の中で描かれる「博士」と「私」と「ルート」の関係性についてどんなことをお感じになりますか。加藤すごく不思議な関係ですよね。家族という関係でもなければ、職業的な関係でもないし、非常に美しい関係だなと思います。野生の動物だと、子どもを自立するまで育てる動物もいれば、産んだらぽいってしちゃう動物もいるじゃないですか。じゃあ、どこからが家族なんだろうと考えると、結構不思議で曖昧です。人間のルールだなっていう感じがしますね、家族って。3人は、そこにとらわれてないところが美しいなと思います。串田このお話は、「私」が感じ取らなければ何も起こらなかった。彼女の感性がとても素晴らしいんですよね。特別な人でもなんでもない彼女が、「博士」という人を受け止めたから関係が動いていく。そして、「ルート」はそんな彼女を母親に持ったからこういう子どもになったんだなと頷ける瑞々しい感性の持ち主。逆に言うと、「博士」は何も動かないんです。ただ庭の石のようにじっとしているだけ。そんな「博士」を見て「私」が動くお話です。だから、僕としてはいかに庭の石のようにそこにいられるかが今回のテーマですね。文=横川良明<公演情報>『博士の愛した数式』原作:小川洋子『博士の愛した数式』(新潮文庫刊)脚本・演出:加藤拓也音楽・演奏:谷川正憲(UNCHAIN)出演:串田和美/安藤聖/井上小百合/近藤隼/草光純太/増子倭文江 【松本】日程:2023年2月11日(土)~16日(木)場所:まつもと市民芸術館小ホール【東京】日程:2023年2月19日(日)~26日(日)場所:東京芸術劇場シアターウエスト問合せ:まつもと市民芸術館チケットセンター(10:00~18:00)TEL 0263-33-2200FAX 0263-33-3830公式サイト:
2023年01月28日9月30日(金) より開幕する舞台『スカパン』演出・主演の串田和美と、元オンシアター自由劇場のメンバーでもある小日向文世の対談動画が公式ホームページにて公開された。動画には、和やかな雰囲気のなか二人がリラックスした表情で熱く語る演劇論、そして自由劇場時代の話などを収録。また、串田和美のライフワークとも言える本作についての串田のロングインタビューも到着した。松本を皮切りに水戸、北九州、横浜で上演される舞台『スカパン』。松本城大手門枡形跡広場での野外公演(10月6日〜10日)では、東欧の民族音楽に室内楽の視点を取り入れた全く新しいアンサンブル「ISOLATION ORCHESTRA」の出演が決定。ギデオン・ジュークス(Tuba)、竹内理恵(Sax&Cl)、松本みさこ(Acc)、ふーちん(Per)4人が、開演前と舞台の終盤で生演奏。繊細さと野生味を合わせ持った音楽で舞台を盛り上げる。なお、この特別演出は、野外公演のみのとなっている。『スカパン』串田×小日向インタビュー<串田和美ロングインタビュー>ライフワークに再び挑戦。二世代が揃うユニークな座組み――『スカパン』の原作である、モリエール『スカパンの悪だくみ』の舞台は港町ナポリ。若者たちの恋の手助けをするため、頭の回転が早い召使いスカパンがひと肌脱ぎ、金持ちを手玉に取ったり、威張った主人をとっちめたり……という喜劇です。まずはこの戯曲と串田さんの出会いから伺えますか。串田僕がまだ俳優座の養成所にいた19歳か20歳の頃、戦後初となるコメディ・フランセーズの来日公演(1962年)で観たのが最初です。スカパンを演じたロベール・ウィルシュという俳優が、確か足元はスニーカーで、ぴょんぴょんとはね回りながら曲芸のように芝居をやっていて、とても新鮮だったんですね。その当時モリエールやシェイクスピアといった古典は、言葉を重視した、台詞の言い回しによって客席から拍手が起こるような演技が主流で、この身体的なスカパンは衝撃的でした。余談ですが、養成所の同期、(その後一緒にオンシアター自由劇場を結成する)佐藤信も同じ公演を観ているんです。彼も感動して、終演後に「誰かと話したい」という思いにかられたのに、友達みんながスッと帰っちゃったらしい。がっかりしながらふと横を見たら同じように「誰かと話したい、この気分」という顔をした僕がいて(笑)、夜通し喋った……なんて懐かしい思い出もあります。――串田さんがタイトルロールを演じる『スカパン』の初演は、1994 年シアターコクーンでした。串田もとは喜劇だけど、スカパンという一人の人間が“生きのびる知恵”として口八丁、手八丁で喋りながら動いているというか、人物の根っこや息遣いがうまく出せないかなと考えたのが初演。古い翻訳調の言葉ではなく、内藤俊人さんという大森博史さんの知り合いに新しく訳してもらって、そのテキストをもとに半分オリジナルの脚本を作りました。再演以降は僕が演出してますが、初演は(オンシアター自由劇場のメンバーだった)真名古敬二さんに演出してもらって、劇団みんなで試行錯誤しながらつくったんです。――以前お話を伺った時も「親知らずが奥でうずいているみたいな戯曲」と表現していましたが、串田さんの『スカパン』は、ただ底抜けに楽しい喜劇ではありません。いたずらしたり大騒ぎしたり、スカパンは人々と一緒にいる時は明るく振る舞っていますが、家に戻って一人で食事をする場面などに彼の孤独が垣間見えたり……原作にはない、底辺で暮らす男の「生活感」を感じさせる場面が印象的に挿入されます。串田僕にとってこの作品は、喜劇でなきゃいられないというか、必死で喜劇であろうとする感じがあるというか、奇妙な憂鬱感が感じられる戯曲なんです。スカパンの源流はおそらく、イタリアで16世紀ごろに生まれた喜劇「コメディア・デラルテ」の召使いで、道化役のザンニ、アルレッキーノですよね。ザンニの黒いお面は炭鉱の町出身であることを表していると本で読んだこともありますし、労働者でベルガモ訛りの田舎っぺ……こういったキャラクター造形にはどこか差別的なニュアンスも感じ取れます。そんなことも考えながら、こき使われながらも、たくましく生き抜く術を身につけたスカパンの背景を想像していきました。――原作ではハッピーエンドですが、串田版の終盤でスカパンは、騙されていたことを知った父親二人に雇われた男に襲われてケガを負います。串田原作ではスカパンは死にそうな「フリ」をして主人に赦しを乞いますが、僕の『スカパン』は裏切った仲間に殴られて、最後は孤独の中に死んでいきます。これは『シラノ・ド・ベルジュラック』(エドモン・ロスタン作)の幕切れの場面をイメージしているんです。――そうなんですね!串田瀕死の重傷を負っていることを(長年恋心を抱いていた)ロクサーヌに隠しながら、落ち葉が散る中で死んでいくシラノ……あれも痛切な最期ですよね。『シラノ・ド・ベルジュラック』の台詞に、モリエールの名前が出てくるじゃないですか。――上演ではカットされることも多いですが、確かに戯曲には「モリエールがシラノの作品をパクってる」(※)と茶化したようなユーモラスな会話があります。なるほど串田版『スカパン』のラストシーンには、作家であるモリエールに関連する趣向が引用されているのですね。串田さんはこの作品を何度も上演していますが、繰り返しやりたいと感じる魅力を教えてください。※17世紀に実在したシラノ・ド・ベルジュラックとモリエールは同時代の文化人。『スカパンの悪だくみ』に、シラノが書いた戯曲『愚弄された衒学者』から拝借した台詞があることは広く知られている串田スカパンという人物像、生き方、性分が好きなんでしょうね。いつも一生懸命で、人を面白がらせたり、困った若い人がいると「しょうがないな」と助けてあげる。しかも正義感からではなく、そうせざるを得ない性格というか。ずっと動き回る役なので、僕もいつまで演じられるかわからないけど(笑)、スカパンがすごく年をとったバージョンもありえるかな?なんて考えてみたり。ライフワークと言える作品です。――今回は、元オンシアター自由劇場のメンバーである、大森博史さん(アルガント役)と小日向文世さん(ジェロント役)が参加します。息子たちに翻弄される父親たちですね。また串田さんのご子息・串田十二夜さんがジェロントの息子レアンドル役、小日向文世さんのご長男の小日向星一さんがアルガントの息子オクターヴ役として出演。なんと今作では、2組の親子共演が実現します。串田なんだか歌舞伎みたいになってきちゃいました(笑)。大森さん、小日向さんとは、お互い「演劇勘、鈍ってないだろうな?」とピリッとした緊張感もあるでしょうし、同時になんとも言葉に言い表せない、どこかが通じているような感覚もある。稽古が楽しみです。子どもたちの世代もいつの間にか知り合いになっていて、知らない間に一緒に芝居をしていたり、僕のワークショップに参加したり。不思議ですよね。FESTA 松本 2022での『スカパン』上演――これまでの『スカパン』についても振り返ります。初演の翌年、1995年にシアターコクーンで再演し、同年フランス・アヴィニョンでも上演。2015年にルーマニア・シビウ国際演劇祭にも招待され、ブカレストでも上演と海外でも上演されています。串田アヴィニョンでは、古い教会に自分たちで座席を組んで上演しました。初日の公演が終わって楽屋に戻ったら、客席の方からガタガタっと崩れるような音がしたんです。「客席が壊れた、どうしよう!」と思って舞台に戻ったら、観客が立ち上がって足踏みをしていたという(笑)。あちらの観客は、感動を足踏みで表現するなんて知らなかったので驚きました。ルーマニアでは、近年日本でも演出を手掛ける演出家のシルヴィウ・プルカレーテが「これがスカパンだ!」なんて言ってくれました。国が変わっても通じることがあるんだと、嬉しい思い出も詰まった作品です。――2004年「まつもと市民芸術館」のこけら落とし公演、2013年には芸術館10周年記念の1本にも選ばれ、串田さんの演劇人生と並走する作品に成長しました。2015年、シビウ国際演劇祭の凱旋公演では、信濃毎日新聞社の松本新本社ビル建設予定の更地で“Flying Theatre 空中劇場”と称した仮設舞台、ピカデリーホール(現上土劇場)、松本市美術館の芝生の中庭の3カ所で上演。野外公演はまた格別な楽しさ、生活に身近な感覚があります。今年の松本公演も、まつもと市民芸術館(小ホール)に加え、松本城大手門枡形跡広場で上演されます。串田僕は、「触っちゃいけません」と言わんばかりの近寄り難い作品をつくるのではなく、常に演劇で「事件」を起こしたいと考えているんです。と言っても殺人事件とか物騒なものではなく(笑)、何年か経った後に観客の中で「あの時観た、あの感じ」を思い出してもらえるという意味での事件。「野外公演は、観客側も参加しているみたいな感覚が味わえる」と言ってくださる方もいますし、上演する場所にはこだわりたいですね。もちろん劇場でも事件は起こせますが、道端で投げ銭でやるような芝居にだって事件が起こせると思っています。そうそう、松本に来る直前の2003年の1月から2月にかけて水戸芸術館で毎週末『スカパン』を上演したこともあります。その時は水戸の役者にも参加してもらいました。今年また水戸で出来るのも、なんだか不思議な縁を感じます。――以前『スカパン』の取材で串田さんと、フランスの演出家アリアーヌ・ムヌーシュキン(太陽劇団)が監督した映画『モリエール』のお話をしたことがありますが、あの映画でも、モリエールが野外でお芝居を上演する場面が出てきますね。串田そうそう、野外劇の舞台が風に飛ばされていったりね(笑)。あの時代、モリエールが旅をしながら芝居をしていると、物見遊山の人たちが集まってきたり、訳もわからず眺めている人がいたり。野外はそういった雑多な感じがいいんですよね。1966年に東京・西麻布の硝子店の地下に劇場をつくって僕の演劇人生がスタートしたわけですが、シアターコクーンでやるようになっても「自由劇場のあの感じ」を700人の客席でどう表現できるか、そのことはいつも頭にありました。近頃は、演劇が商品のように扱われている演劇が増えている気がして、それを全否定はしないけれど、「僕が長い人生をかけてやってきたことは、そうじゃないんだよなぁ」とは感じます。こうしたことは、松本で芝居づくりを始めてからより深く考えるようになりました。――今回の『スカパン』は、串田さんが総合ディレクターを務める《FESTA 松本 2022》での上演になります。同フェスは昨年コロナ禍の中でスタートしました。串田《FESTA 松本 2021》を体験してくれた木工家の三谷龍二さんが文章に「共に生きる演劇という印象を持った」と書いてくださったんですが、「フェスタ=お祭り」がなぜ生まれたかを歴史に照らし合わせて考えてみると、災害が起きた時に天に祈ったり、困難な状況の中にあっても未来のことを考えて、元気を出すためですよね。昨年コロナ禍の大変な中で動き出した時も、豪華でなくていいから、とにかくみんなが楽しめるようなものを……との思いでスタートしました。必ずしも演劇に特化せず、道端で絵を描いている人がいてもいいし、路上とか、広場とか、今年もできるだけお金がかからない方法で、市民のみんなが参加してくれる形を見つけたいと思います。――先ほど話題にも出た「商品化された演劇」ではないですけど、観客数や話題性、数字だけを求めた“経済化”ではなく、偶然、その日、その時を一緒に過ごした人たちが熱をもらえるような演劇。串田熱量は数字で測れないからどうしようもないけど(笑)、僕はそういうものが演劇だと思っています。ノーベル賞の授賞式を欠席したボブ・ディランが、「私はパフォーマーとして5万人の前でも、50人の前でも演奏したことがありますが、50人の前で演奏することの方が難しい。5万人の人格はひとつともいえるけど、50人はそうはいきません」と言っていて、なるほどボブ・ディランはいいこと言うな(笑)、と思いました。数字にできないことってね、あるんですよ。文=川添史子<公演情報>『スカパン』『スカパン』メインビジュアル【スタッフ】原作:モリエール『スカパンの悪巧み』訳:内藤俊人潤色・美術・演出:串田和美【出演】串田和美 / 大森博史 / 武居卓 / 小日向星一 / 串田十二夜 / 皆本麻帆 / 湯川ひな / 細川貴司 / 下地尚子 / 小日向文世【松本公演】■まつもと市民芸術館 小ホール9月30日(金) 19:00 ※プレビュー公演10月1日(土) 15:0010月2日(日) 13:00■松本城大手門枡形跡広場(屋外公演)10月6日(木)・8日(土)・9日(日)・10日(月・祝) 全日16:30問い合わせ:まつもと市民芸術館チケットセンター 0263-33-2200(10:00~18:00)【水戸公演】2022年10月15日(土)~16日(日)会場:水戸芸術館ACM劇場問い合わせ:水戸芸術館 ACM 劇場 029-227-8123(10:00~18:00 月曜休館)【北九州公演】2022年10月23日(日)会場:北九州芸術劇場 中劇場問い合わせ:北九州芸術劇場(093-562-2655(10:00~18:00))【神奈川公演】2022年10月26日(水)~30日(日)会場:KAAT 神奈川芸術劇場<大スタジオ>問い合わせ:チケットかながわ 0570-015-415(10:00~18:00)
2022年09月26日串田和美が主宰する劇団「オンシアター自由劇場」で1994年に初演され、その後、串田のライフワークとして上演を重ねている『スカパン』。串田の80歳の節目に上演される今回、自由劇場時代からの盟友である小日向文世の出演が決定した。さらに共演者には、同じく盟友の大森博史や、ふたりの息子・串田十二夜と小日向星一といった顔ぶれも。そこで串田と小日向に、昔話にも花を咲かせつつ、今回の上演に寄せる想いを語り合ってもらった。自分じゃないなにかに、催促されるような感覚――上演回数も多い串田さんの代表作『スカパン』ですが、このタイミングでの上演を決めた理由は?串田まつもと市民芸術館の杮落とし公演や10周年記念プログラムなど、これまで節目、節目で上演してきました。そういう意味では今年度末にまつもとの総監督を退任することがひとつと、あとは80歳になったことがひとつ。そこに初演時に一緒やった、コヒ(=小日向)と大森(博史)とも久しぶりに出来たらいいな、というアイデアがフッと浮かんだんです。――串田さんの中で、『スカパン』の再演を重ねる理由はどんなところにあるのでしょうか?串田若いころは次々と新しいもの、今までにやったことのないものを探すのが楽しかったんです。でもだんだんとやり残したことが体の中に溜まっていって、自分じゃないなにかに、「あれもう一回やってよ」と催促されるような感覚が出てきて。ほら、舞台って生き物だから、いつも同じようには出来ないですよね。この時代、この肉体、外側の条件も内側の条件も折り合いをつけながらやっていくもの。でもだからこそ面白い現象が起きるんじゃないかと思います。――小日向さんにとっては約30年ぶりの『スカパン』になりますが、当時特に印象に残っていることは?小日向まだ少年だった中村七之助(当時11歳)くんが出ていたんですが、彼いつも平気な顔で、本番前も全然緊張していなかったんですね。でもある日突然ビクビクしているから、「どうしたの?」と聞いたら、「今日お父さん(=故中村勘三郎)が観に来る」って(笑)。串田(笑)。小日向七之助くんにとっては客前に立つより、お父さんのほうがよっぽど怖いんだなと。それが一番印象に残っている出来事ですね。――いかに勘三郎さんが厳しい父親だったかがわかるエピソードですね。串田うちは全然怖がられていないと思いますけど(笑)、そちらはどうですか?小日向うちもどうかな~(笑)。演出も美術も出来る串田の一番は、実は役者――今回はそれぞれのご子息、串田十二夜さんと小日向星一さんが出演されることも大きな話題です。小日向星一も結構舞台のお話をいただいているようですが、串田さんの作品に参加するのは初めて。彼にとっては今までにない稽古になるでしょうから、きっといろいろ戸惑うと思うんです。でも本当にいい機会だと思いますし、絶対に経験しておくべきことだと思います。『スカパン』出演者:上段左から)串田和美、大森博史、小日向文世中段左から)小日向星一、串田十二夜、皆本麻帆、湯川ひな下段左から)武居卓、細川貴司、下地尚子串田十二夜は初舞台からまだ1年経っていないですからね。ただ這っているころからずっとお芝居を見て育ってきたわけで(笑)、これは役者としてなかなか面白いパターンではないかなと思います。小日向十二夜くんの芝居を観るの、すごく楽しみです!――串田さんは80歳にしてタイトルロールのスカパンを演じられるわけですが、小日向さんから見た役者・串田和美の魅力とは?小日向串田さんは演出も美術も全部自分で出来る人ですが、一番は実は役者だと思うんです。いつも嬉々としてやっていますし、コロナになった時もひとり公園で芝居(※2020年6月、長野県内にある公園の四阿で串田が上演したひとり芝居『月夜のファウスト』)をやり始めたでしょ?やっぱりこれだよなと。僕にそんな勇気はないですけど、串田さんはいつでもどこでもやっちゃう。串田バカだね~(笑)。小日向いやいや。本当にすごい人だと思いますよ。――そんな串田さんにとって、改めてスカパンという役を演じる面白さとは?串田毎回新しい発見があるんですよね。再演って面白いもので、役や脚本が自分よりも成長しているのか、それとも自分が成長出来ているのか、その競争みたいなところがあって。だから自分の成長がそのお芝居に見合っているのか、ちょっとドキドキする。それはコヒに関しても同じで、嬉しい、懐かしいって気持ちと共に、ちょっと緊張する感覚もあるんです。小日向僕もそうですよ。串田さんには絶対に“冴えてない”と思われたくないですし、やっぱり串田さんを喜ばせたいなと思います。役と共に年を重ね、目指すは90歳のスカパン!?――小日向さんとは劇団(※オンシアター自由劇場)時代から長いおつき合いになりますが、役者としての魅力とは?串田コヒは面白いですよ。最近昔の動画を見るようになったのですが、コヒが出て来ると面白くなる。大森も面白いし、もちろん笹やん(=笹野高史)も面白い。これに僕と吉田日出子さんも入れた5人がいれば、十分だなって思いますね。小日向当時よく言いましたよ!研究生はもう入れなくてもいいんじゃないですか?って。でも新しい人を入れないと淀むからダメだって。串田えっ、そうだった?(笑)――そういう意味で今回は、串田さん、小日向さん、大森さんと精鋭がそろいますね。小日向いや、みんな年取ったからわかんないですよ(笑)。串田でも自分が年を取るのと同じように、スカパンはちゃんと役も年を取ってくれるからいいなと思うんですよね。小日向僕は今回ジェロントを演じますが、自由劇場に在籍していた時のような、面白い人物像を作っていきたいです。面白いっていうのは愛すべきとか、興味深い人物という意味で。あとは若い人を羨ましがらせたいですね。あれがあるから早く自分も年を取りたい、そんなふうに思わせるなにかを見つけられたらいいなと。70近い俳優がやる素敵さを見せたいですね。串田そうだよ。クリント・イーストウッドなんて90越えてあのカッコ良さだよ。小日向だよね!串田さん、まだ10年あるじゃない(笑)。串田90歳とかで、杖をつきながらスカパンやるのもいいかもしれないね(笑)。――10年後の『スカパン』も期待しつつ……、この作品を通し、今のお客さまにはどんなことが伝えられたらと思いますか?串田わからないことや人と違うことを怖がらないで欲しいですね。逆にそれを自慢するくらい、それぞれの違いを面白いものとして興味を持ってもらえたらいいなと。教わることは、なにも偉い人からだけじゃない。わからないことや違うことから学ぶこと、感動することはたくさんあるんだと、この作品が発見させてくれるのではないかと思います。取材・文=野上瑠美子撮影=源賀津己<公演情報>『スカパン』【松本公演】2022年9月30日(金)~10月10日(月) ※9月30日プレビュー公演会場:まつもと市民芸術館 小ホール、松本城大手門枡形跡広場【神奈川公演】2022年10月26日(水)~2022年10月30日(日)会場:KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオほか、水戸公演(10月15日・16日)、北九州公演(10月23日)あり
2022年09月05日『天才 柳沢教授の生活』ほか人気作品の原画など約150点を紹介する『漫画家・山下和美展 ライフ・イズ・ビューティフル』が7月30日(土)より世田谷文学館にて開催される。自身の父親をモデルに、Y大学経済学部の柳沢教授と周囲の人々との悲喜こもごもを描いた『天才 柳沢教授の生活』や、時間と空間を自由に超える少年の目を通して「人間とは何か」を問いかける『不思議な少年』など、人間の本質に迫る作品で知られる山下和美。2021年には、世界と断絶した山村を舞台に描いた『ランド』で第25回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞している。一方で山下はデビュー直後の作品から、人間が暮らし集う場所としての「家」にも並々ならぬこだわりを持って描いてきた。その思いが募り、日本の伝統的な建築様式で書院造りに茶の湯のための茶室(数寄屋)を取り入れた、数寄屋造りの自宅を建設することに。その完成に至る顛末を『数寄です!』『続・数寄です!』にコミックエッセイとして綴っている。また、2019年には、世田谷区豪徳寺にある明治時代の洋館(旧尾崎邸)を保存するため建築家らとともに行動し、そのドキュメントを『世田谷イチ古い洋館の家主になる』で紹介。さらに最新作『ツイステッド・シスターズ』でも同洋館をモデルにした館を舞台とするなど、「家」に重心を置いた山下作品は進化を続けている。同展では、山下のライフワークである『天才 柳沢教授の生活』『不思議な少年』、『ランド』、そして世田谷の自宅と洋館にまつわる『数寄です!』『続・数寄です!』『世田谷イチ古い洋館の家主になる』『ツイステッド・シスターズ』の原画を展示するほか、柳沢教授のモデルとなった父・古瀬大六撮影の写真、先に漫画家デビューしていた姉たちの作品、さらに学生時代に描いた漫画やイラスト、創作資料や手塚治虫文化賞受賞記念トロフィーまで、約150 点の作品と資料を公開する。『天才 柳沢教授の生活』原画(C)山下和美『続・数寄です!』原画(C)山下和美【開催概要】シーズン展示『漫画家・山下和美展 ライフ・イズ・ビューティフル』会期:2022年7月30日(土)~9月4日(日)会場:世田谷文学館1階文学サロン時間:10:00~18:00(ミュージアムショップは17:30まで)休館日:月曜(祝日の場合開館翌日休)料金:無料展覧会公式サイト:
2022年07月12日フランスの劇作家・モリエールの喜劇『スカパンの悪巧み』を串田和美が独自の解釈と脚色で作り上げた伝説の名作『スカパン』が、10月1日(土)からまつもと市民芸術館 小ホールにて上演開始となる。1994年、串田自身が主宰する「オンシアター自由劇場」として当時、芸術監督を務めていたシアターコクーンにて初演された『スカパン』。翌95年には本国フランス・アヴィニョン演劇祭で上演、芸術監督(当時※現・総監督)を務めるまつもと市民芸術館では2004年の柿落とし記念公演、13年には同館10周年記念プログラムの大きな柱としても再演。さらに15年には、シビウ国際演劇祭に正式招聘され、凱旋公演では松本市内3カ所、屋外でも上演するなど、串田にとってライフワークとも言える人気作品だ。今回の公演でも、串田自身がスカパンを演じる。またオクターヴの父親アルガント役に国内外さまざまな演出家の作品で独特な存在感が光る大森博史、そしてレアンドルの父親ジェロント役をオールラウンドプレーヤーにして、実力派俳優として幅広い世代から支持される小日向文世が演じる。かつて串田が主宰していた「オンシアター自由劇場」でしのぎを削りあい、初演時にも出演した3人の再びの共演となる。さらに串田の息子で昨年、本格的な舞台デビューをはたした串田十二夜がレアンドル役、そして小日向文世の長男で俳優として舞台、大河ドラマ等にも出演、活躍の場を広げる小日向星一がオクターヴ役として出演する点も注目だ。なお、小日向親子の舞台での共演は本作が初めて。ほかにも武居卓、皆本麻帆、湯川ひな、細川貴司、下地尚子と個性豊かなメンバーが集結している。<串田和美・コメント>まだ僕が俳優学校に通っていた19歳か20歳の頃、フランスのコメディ・フランセーズによる来日公演『スカパンの悪だくみ』を観た思い出は、今でも記憶に残っています。それから数十年後、自分なりのスカパン像をつくり上げて演じたのが1994年のシアターコクーン。モリエールの芝居には、喜劇と言い切れない不思議な憂鬱感が漂っていて、そこを面白がることで現代性を発見できたような手応えがありました。その後、フランスのアヴィニョンやルーマニアのシビウ、水戸芸術館など国内外で上演を重ね、芸術監督を務めるまつもと市民芸術館のオープニングでもこの作品を選びました。このライフワークとも言える作品に、今回、オンシアター自由劇場で一緒に芝居をつくっていた大森博史さんと小日向文世さんが参加してくれます。お互い「演劇勘、鈍ってないだろうな?」とピリッとした緊張感もあるでしょうし、同時になんとも言葉に言い表せない、どこかが通じているような感覚もある。しかも小日向さんの息子である星一くん、僕の息子十二夜も出演し、二世代が揃うユニークな座組みになりました。この一座で、FESTA松本を皮切りに、水戸芸術館、北九州芸術劇場、KAAT神奈川芸術劇場をまわります。スカパンはいつも一生懸命で、人を面白がらせたり、「しょうがないな」と言いつつ若者たちのために一肌脱ぐ人間。正義感とも違う「そうせざるを得ない性分」なんでしょう。この生き様は何度演じても飽きないですし、また演じられることに、大きな喜びを感じています。■舞台情報『スカパン』原作:モリエール『スカパンの悪巧み』潤色・演出・美術:串田和美出演:串田和美、大森博史、武居卓、小日向星一、串田十二夜、皆本麻帆、湯川ひな、細川貴司、下地尚子 / 小日向文世<松本公演>10月1日(土)~10日(月・祝)会場:まつもと市民芸術館 小ホール、他<茨城公演>10月15日(土)・16日(日)会場:水戸芸術館<北九州公演>10月23日(日)会場:北九州芸術劇場 中劇場<神奈川公演>10月26日(水)~30日(日)会場:KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ公式サイト:
2022年06月09日串田和美が総監督を勤める「まつもと市民芸術館」が3月、『KING LEAR ―キング・リア―』を上演。末娘の真の愛情を見抜けず、その姉たちの甘言に惑わされたことに端を発する老王の悲劇を描いたシェイクスピア劇を、串田が45年ぶりに主演するのが話題だ。60年代から演劇界の先端を走ってきた彼が今、『リア王』、日本の演劇界、そして松本での活動について思うこととは。近年、最も注目される演出家の一人で、屈指の“シェイクスピアおたく”としても知られる木村龍之介との対談をお届けする。また未発表だった配役も発表となった。――お二人はどんなきっかけで出会われたのですか?木村龍之介(以下・木村)「2017年に僕らのカンパニー(カクシンハン)で『タイタス・アンドロニカス』を上演した時、串田さんが観に来て下さったんです。串田さんの優しさだと思うのですが、終演後“面白かったです”と言ってくださって、嬉しかったです」串田和美(以下・串田)「いろんな人と仕事をしたいなと常にアンテナを張っているのだけど、『タイタス~』は僕の家の近くで上演されていて、行きやすかった(笑)。その翌年、オンラインのシェイクスピア講座でご一緒して、その時、“何か(シェイクスピア劇を)やりましょう”という話をしたんですよね」木村「僕は大学時代、駒場東大前から渋谷まで、電車代を節約するためによく歩いていて、その途中に「シアターコクーン”という劇場があるぞ!」と知っていろいろ見るようになったのですが、串田さんが演出したコクーン歌舞伎『夏祭浪花鑑』を立見で観てびっくりしたんです。最後にパトカーが現れたりして、なんて粋で自由なんだろう、と。まるで“魔法使い”のような演出家だし、俳優としてもいい意味でのへそ曲がりというか(笑)、魅力に溢れたかっこいい方で、まさかご一緒できるようになるとは思っていませんでした」――お二人にとって、シェイクスピア劇とはどんな存在でしょうか?木村「高校三年生の時に9・11(アメリカ同時多発テロ)が起こり、いったい世の中どうなっているんだろう、と僕は衝撃を受けました。大学に入れば何か答えが見つかるかと思いましたが、勉強すればするほど謎が深まるばかり。それがある日、大学図書館で何気なく『マクベス』に出会いまして。冒頭の魔女の台詞を読んで、僕が抱いていた謎が解けるのではないかと思えて、シェイクスピア戯曲を読むようになり、自分でも演出するようになりました。これまで14、15作演出していますが、シェイクスピア劇は面白いとしか思ったことはないです」串田「僕も出会いは『マクベス』。かつて自由劇場という劇団をやっていて、一回目の解散というか、主要メンバーがだーっといなくなってから初めてやった作品です。当時は“本当に芝居やるの?”というような俳優ばかりだったから(笑)、そのままじゃできないと思って、エチュードみたいなものを入れて『阿呆劇 マクベス』というタイトルでやりました。その後、演劇集団・円にいた家高勝さんの演出でシェイクスピア劇をいろいろやって、まだ30ちょっとだった時に(注・34歳)、『リア王』もやりましたね。シェイクスピア劇は難しいという人もいて、確かに人名はややこしい。『マクベス』なんてマクベスにマルカムにマクダフ、なんでみんな“マ”なんだ!って思うでしょ(笑)。でも、話の中身はわかりやすいし、今に通じることがたくさんあります。ギリシャ悲劇もそうだけど、この行き詰った世の中にあって、シェイクスピア劇に触れると“おっ”と思えるような気付きがある。昔の人の作品から世界や人間を読み取り直すことができ、面白いんです。この古典をどれだけ今のもの、僕らみんなのものに出来るか考えながら、これからもシェイクスピア作品に関わっていきたいと思っています」――今回、『リア王』を選ばれたのは…。串田「僕から提案したんだっけ?(笑)」木村「僕が選ぶとしても、やっぱり『リア王』ですね。年齢的に串田さんにぴったりということもありますし、稽古をしながら“今やるべき作品”だな、とますます感じます。世代間で価値観が対立したり、閉塞感があったり、王様の発言に対して取り巻きや家族が物申すようなところにも“今”を感じますね。“良い時代は過ぎ去った。”といった台詞も今っぽいし、(当時流行した)ペストとコロナの流行という相似性、あらすじ、全て含めて、総合的に立ち上る雰囲気として、“今の物語”ととらえてもおかしくないと感じます。僕はいつも、もしシェイクスピアの脳が現代まで保管されていたら、今の風景を見てどう書くだろうと思いながら演出に取り組んでいます。『リア王』はイギリスが“ブリテン”と呼ばれていた時代の話だけど、シェイクスピア自身はこの時代についてあまり詳しくなかったらしく、ある種のファンタジーとして書かれています。僕は今回、この物語を“崩壊しつつある世界の王の物語”として描いていきたいと思っています」串田「一般的に、“主人公”って正しいものを提示していそうだな、と思うでしょう? でもこのリア王は間違ったこともいっぱいしているし、悪役に思われている娘たちの言い分のほうが、現代人には当然に聞こえるかもしれません。昨日も稽古で、最初からリア王がいい人で娘たちが悪者と見えないようにやろう、という話をしていました。そんな迷惑をかけたり過ちをおかした人が、やけくそになって嵐の中に飛び出したりするうち、いろんなものが見えてきます。世の中はいい人だらけならいいけれど、決してそうはならない。それはなぜなのか。私たちが生きて行く上でのヒントのようなものが見えてくる作品だな、と稽古しながら思っています」今回の『リア王』でまた新しい発見がある(串田)――稽古の手応えはいかがでしょうか?串田「何日か本読みをやってそこからは立ち稽古、という感じではなく、立ち稽古の途中で本読みもやり、今やっているところから少し離れた場面もやり、といろんなことがミックスされた稽古で、僕が演出する時と似た作り方です。ひょっとして開幕間際まで“ここ変えようか”と言われるかな、と思っていますよ。『リア王』は30代でも一度やったけれど、今回の稽古で新たな発見は多々ありますね。微妙だけど、(言葉の意味合いの)深さはこっちの方にあったんだな、とか。黙って本を読むだけではわからないことに、集団で(台詞を)発しているうち気づける…というのが、お芝居の面白さ。キャスティングが違えば気づかなかったこともあるだろうし、そのあたりも楽しみながら作っています」木村「串田さんが台詞を発することによっていただくインスピレーションも多々ありますし、松本で創作しているということ自体、僕にとっては刺激になっています。皆でたくさんの扉をノックしながら、どういう形になっていくかな、していこうかな、と試行錯誤していて、ものすごくいい稽古をさせていただいていると感じています。あと、まつもと市民芸術館は僕が東京で芝居をやっている時の環境より段違いに素晴らしく、小道具部屋一つとってもずらりと揃っていて、楽しくて仕方がないです。だからこそ、きちんとした形にまとめあげないとと思っていますが、今のところ、とてもいい創作の旅をしています」一筋縄ではいかない串田和美のリア王(木村)――串田さんの“リア王”像、いかがですか?木村「一筋縄ではいかない人物ですね。シェイクスピアはきっと、人間とは一筋縄ではいかない存在だ、ということを描こうとしていたと思うのですが、串田さんのリア王はまさにそれが、串田さんの肉体、感性を通して滲み出ています。芝居ってそういう“人間”を観るものであって、押し込めるのは違う作業だと思うので、残りの稽古でさらに串田さんの中からふわふわと出てくるものがあるといいなと思っています」串田「劇中、“80歳を超えて…”という台詞があるのだけど、シェイクスピアの時代(16世紀)に80過ぎまで生きる人って、なかなかいなかったですよね。ある意味幻想的というか、80過ぎの人物を主人公とする感覚って、ちょっとSF的だと思うんです。今で言えば、200歳とは言わないまでも、120歳でまだ駄々をこねている親父。僕も今年の夏に80になるけど、自由に生きたいとは思いつつ、(周囲に)迷惑はかけたくない。『リア王』はこの、リアリティに欠けた部分に何かがあって、そこが面白さなんだな、と感じています」――先日、木村さんは今回の上演に関連したレクチャーで、シェイクスピアの原動力の一つには、当時、“熊いじめ”という残酷な見世物が非常に人気を集めており、それがエンタメの主流になってしまうことへの反抗心があったかも、と指摘されていましたが、お二人は今の日本で演劇を上演することの意義をどうとらえていらっしゃいますか?木村「“熊いじめ”だけに熱狂するというのは、あるべき人間の姿ではないと思っていますが、僕ら人間はつい、そういったもので社会を満たしてしまう危うさがあると思います。いっぽう、演劇は全く別のもので空間を満たします。“熊いじめ”的なものより、演劇のほうがもっといいんじゃないかと感じてほしいし、世の中から“熊いじめ”的なものがなくなっていくように、演劇を広めていきたい。そんな思いを持って活動しています」串田「1966年に演劇活動を始めた頃、僕はいつか、東京にたくさん劇場が出来たらいいなと思っていたけれど、だんだんそうなってきた今、理想像とどこか似て非なるものがあります。どういうことかというと、演劇に限らず文化って、多数決で評価するものではないはずですよね。絵や音楽も、その時評価されなくても後で再発見されることもあるし、メジャーはそれぞれにある筈です。僕らが若かった頃も、皆でお小遣いを貯めて芝居をやって、そういうものの中から強い影響力を持つ作品が生まれました。失敗しても、こんな割の合わないことに情熱を燃やしていたんだという自負を持って皆でバイトをしたりしていたけど、今はそういうことに向ける視線が薄れてしまって、多数決主義、商業が中心。個人の努力ではどうにもならない部分があるような気がします。それがいい悪いではなく、もう少し違う価値観があった筈じゃないかな、と思うんですね。調べてみると、シェイクスピアの時代も僕らの体験した“あの頃”に似ていて、彼の一座は劇場が燃えたり追い出されたり、テムズ川をわたって別なところに劇場を立てたり。シェイクスピアもそんなことをやっていた時代があって、どこか親しみを感じます。最後には世間に認められるようになっていくけど、最初の頃の志は忘れないでやっているんですよね。それで地方でもの作りをするのはどうだろうと考えていた時に、ここ(松本)の話をいただいたんです。もちろん東京でも演劇はできるけど、地方都市で何かが見つかるかな、と思って芸術監督をお受けしました。まだまだ(理想には)辿り着いていない気がするけれど、こちらに来て、市民の税金で成り立っている公共劇場なので、芝居をご覧になる方はもちろん、観にいらっしゃらない方からも“ここにこの劇場があっていいね”と思ってもらえるようにならないといけない、ということを発見しました。演劇って刹那的で、映像で記録したとしても、あの“生(なま)”の時間は(終演と同時に)消えてしまう。だからこそ、これから生まれる人たちにも、とっくに亡くなった人たちにも届くようなものを作りたい、と切実に思っています。これを実現するには、あと3回くらい生きないと辿り着かないかもしれないけれど(笑)、そのことに気が付いて、こういうところで喋ったり、次の人にバトンタッチできればいいのかもしれません。公共劇場の役割ってそういうところにあるのかな、と思っています。松本で作った芝居を全国や海外で上演したい(串田)串田「来年度の3月でここの総監督は終わりで、あと1年で何をしようかと考えていますが、松本産のリンゴを自慢するように、もっと松本で作った芝居を全国や海外で上演できたら、と思っています。東京では作れない、地方ならではの舞台。それが本当にひと味違うということが広まっていったら、全国的にも意味があるんじゃないかな。過疎化している町が(演劇によって)元気になるかもしれないし、温泉やお城がなくても大丈夫だよということになるかもしれません。人間の生き方も、経済ばかりを追う風潮も変わるのではないでしょうか。僕らの若い時は“発展”という言葉は素晴らしく聴こえたけれど、今はあまり魅力的ではない、と多くの人が気づいている。そういう中で、ここ松本には芝居という自慢がある。ここに来てからそういうことをたくさん考えるようになりましたね。すぐに出来ることではないけれど、長い旅の一歩、二歩目くらい歩ければと思っています」松本の空、松本の劇場で感じたことで新しい『リア王』が生まれてきている(木村)木村「僕はこれまで生きてきて、“これがいい”と周囲で言われているものがいいと感じられず、演劇をやってきました。シェイクスピア劇をやるというのは、僕にとっては(人間としての)“脱皮”のプロセスで、今回、松本に来て創作しているのもそういうイメージがあります。僕自身、この劇場で何度か観劇していますが、東京での観劇体験とは確実に違いますね。より、演劇の面白さに身を包ませることが出来るような気がします。ここだから見える俳優の姿だったり、世界観というものも間違いなくあります。僕も今回、松本の空、松本の皆さんから感じたもので、これまでにない『リア王』が生まれてきていると感じています。皆さんに御覧いただいて、人間って面白いねと感じていただけるといいなと思っています」串田「今回は松本だけでの上演になるので、もしかしたら首都圏から観に来て下さる方もいらっしゃるかもしれません。もしかしたらチケット代より高い交通費と時間をかけていらっしゃる人もいるかもしれない。いい空気と芝居を体験できた、行って良かったと感じられるものを作らないと、という緊張感は僕らにもあります。きっと何かを感じ取っていただけるんじゃないかな。ぜひ楽しんでいただきたいです」(取材・文=松島まり乃)<公演概要>【公演名】KING LEAR -キング・リア-【日時】2022年3月12日(土)~16日(水) 全5回【会場】まつもと市民芸術館 小ホール【作】W.シェイクスピア【翻訳】松岡和子【演出】木村龍之介【出演】リア王串田和美コーンウォール公爵岩崎ⅯARK雄大フランス王 オズワルド大山大輔コーディリア加賀 凪エドマンド串田十二夜ケント伯爵近藤 隼リーガン下地尚子グロスター伯爵武居 卓道化深沢 豊オールバニー公爵細川貴司エドガー堀田康平ゴネリル毛利悟巳【チケット料金(整理番号付き自由席・税込)】一般:4,000円、U18:2,000円(枚数限定)※未就学児入場不可【お問い合わせ】まつもと市民芸術館チケットセンター(10:00~18:00)TEL:0263-33-2200KING LEAR -キング・リア- | まつもと市民芸術館 : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年02月28日1994年5月に演出家・串田和美と十八世中村勘三郎がタッグを組み幕を開けた“コクーン歌舞伎”。古典歌舞伎を現代に通じる新たな解釈を取り入れた斬新な演出で、話題作を生み出してきた同シリーズの第十八弾『天日坊』が2月1日、渋谷・Bunkamuraシアターコクーンにて開幕した。演出・美術の串田和美と脚本の宮藤官九郎によって練り上げられ、河竹黙阿弥の隠れた名作を現代に蘇らせた本作は観る者の胸に刺さり大きな反響を呼び、2012年の初演時、千穐楽には当日券を求める人々が列をなすほど大変好評を博した。<ストーリー>ふとしたきっかけから将軍頼朝の落胤になりすまし鎌倉を目指す法策(後の天日坊)。旅の途中で盗賊・地雷太郎とその妻・お六と出会い、思いもよらぬ自分の運命を知る・・・「俺は誰だあっ!」狙うは天下! 若者たちは壮大な野望と純粋な希いを胸に疾駆する。彼らの人生を賭けた大勝負がはじまる―開幕に際し、法策(後の天日坊)を勤める中村勘九郎、人丸お六を勤める中村七之助、地雷太郎を勤める中村獅童のコメントと舞台写真が到着。【中村勘九郎】法策という人物を一言で表すなら“無”結局最後まで自分が誰なのかわからない。そうした精神的な複雑さに加えて、ずっと出ずっぱりな上に衣裳も重い。もう毎回、ぐったりでした。今まで生きたなかで一番疲れた役です。その法策としてまた生きる。もう一度“無”になってその場その場で感じることを大切に、その一方でビジュアル部分もしっかりと見せていきたいと思います。【中村獅童】前回ご覧くださった方の中には、コクーン史上最高傑作とおっしゃってくださる方もいらして、再演を望む声も多く本当にうれしかったです。その期待に応えられるよう、今回はさらに進化したものをお見せしたいと思います。江戸時代のアウトローのかっこよさを感じていただけたらと思います。【中村七之助】初演はちょうどスカイツリーがオープンした年でエレベータ―を降りたところに浮世絵が飾ってあったんです。マーメイドドレスのようなシルエットで髑髏柄の着物を着た女性の絵を見ると「人丸お六」と書いてあったんです。衣裳や小道具はそれを参考に作らせていただきました。前回は時間的に間に合わなかった部分もありましたので、今回はこだわっていきたいと思っています。以上、第十八弾「天日坊」本公演プログラムより抜粋公演は2月26日(土)まで、東京渋谷のBunkamuraシアターコクーンにて。
2022年02月02日まつもと市民芸術館総監督を務める串田和美がシェイクスピア四大悲劇の「リア王」を演じる舞台『KING LEAR -キング・リア-』の宣伝ビジュアルが公開されました。44年前、自由劇場時代に「リア王」を演じ、その後も多くのシェイクスピア作品を手がけてきた串田自らが舞台に立ち、全身全霊で挑むーその舞台を演出するのはシェイクスピア作品を上演し続けてきたカクシンハンの木村龍之介。裏切られ狂気に囚われていく孤独な老王リア。誰もが知る本作で、互いにシェイクスピアを追求し続ける木村龍之介×串田和美がどのような化学反応を起こすのか…ご期待ください!串田和美 コメント「リア王」は、当時、何を考えていたのか思い出せないくらい昔、今から44年前の自由劇場時代に演じたのですが、その時とはまた違う解釈が沸いてきて、長く生きていくのは良いことだなぁと感じています。この作品は若いころに感じた魅力とは全然違う、かといって歳を重ねたから悟れるものじゃない。分からないものは分からない、怒りはさらに沸いてくるし、それが虚しいことも感じながら、それでも怒りしかない。そんな風に感じていて、そう感じさせるシェイクスピアは、すごい作家だと改めて思います。演出の木村さんは、僕が育った時代のおっかない演出家とは違い(笑)紳士的でとても丁寧。でもきっとそういう人ほど、芯が強くて心の奥の方には絶対に譲らないものを持っていると思っています。老王リアが娘たちに裏切られていく話です。騙したり、騙されたり、そしてそこに「怒り」を覚え、その先に悲しみがある・・・そういう物語は、現代でも実感できると思います。今までにはない新しい舞台が生まれると思います。是非、ご期待ください。串田和美プロフィール1942年生まれ。俳優、演出家、舞台美術家。まつもと市民芸術館総監督。TCアルプ座長。1966年、劇団自由劇場を結成(後のオンシアター自由劇場)。『上海バンスキング』など数々の作品で人気を集める。85年~96年まで東京のBunkamuraシアターコクーン初代芸術監督を務める。2003年4月、まつもと市民芸術館館長兼芸術監督に就任(08年から芸術監督、21年より総監督)。まつもと市民芸術館での主な作品は『信州・まつもと大歌舞伎』『空中キャバレー』『K.テンペスト』など。劇場を自由自在に使いこなす演出や地域を巻き込んだ企画など、“松本ならでは”の事業を次々と実現。16年には「Flying Theatre 空中劇場」、17年「トランクシアター」シリーズを始動し、劇場以外での上演にも精力的に取り組んでいる。07年に第14回読売演劇大賞最優秀演出賞受賞。08年に紫綬褒章、13年に旭日小綬章を受章。15年には代表作のひとつである『スカパン』がルーマニアのシビウ国際演劇祭に正式招聘され、同年にシビウ・ウォーク・オブ・フェイム賞を受賞。木村龍之介プロフィール1983年生まれ。演出家・作家。カクシンハン主宰。東京大学で英米文学を専攻し、シェイクスピアを研究。シェイクスピアシアター、蜷川カンパニー、文学座附属演劇研究所などで俳優・演出を学び、劇団カクシンハンを立ち上げ、『ハムレット』『夏の夜の夢』『リア王』『タイタス・アンドロニカス』『薔薇戦争 〜ヘンリー六世 + リチャード三世〜』『マクベス』など、シェイクスピア作品を連続上演し、全作品の演出を務める。外部作品では、『新作能 鷹姫』や『ローマ帝国の三島由紀夫』を演出。公演概要【公演名】KING LEAR -キング・リア-【日時】2022年3月12日(土)~16日(水)全5回公演【会場】まつもと市民芸術館 小ホール【作】W.シェイクスピア【翻訳】松岡和子【演出】木村龍之介【出演】串田和美/岩崎MARK雄大、大山大輔/加賀 凪、串田十二夜、近藤 隼、下地尚子、武居 卓、深沢 豊、細川貴司、堀田康平、毛利悟巳【チケット料金(整理番号付き自由席・税込)】一般:4,000円、U18:2,000円(枚数限定)※未就学児入場不可【チケット一般発売日】2022年1月29日(土)10:00~【お問い合わせ】まつもと市民芸術館チケットセンター(10:00~18:00)TEL:0263-33-2200KING LEAR -キング・リア- | まつもと市民芸術館 : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年01月21日波瑠主演の月9ドラマ「ナイト・ドクター」第3話が7月5日放送。北村匠海演じる桜庭が抱える問題に共感の声が上がるとともに、本郷との意外な関係に驚く視聴者も多数。また桜庭と美月を繋ぐ“ドナー”の謎にも注目が集まっている。病院スタッフの働き方改革を目指し「柏桜会あさひ海浜病院」に夜間勤務専門の救命医チーム“ナイト・ドクター”が設立。ナイト・ドクター結成のために集められた年齢も性格も価値観も全く異なる医師たちが、夜は命に、昼はそれぞれの人生に向き合いながら唯一無二の絆を紡いでいく青春群像医療ドラマとなる本作。あさひ海浜病院のナイト・ドクターとなる朝倉美月を波瑠さんが演じ、美月の先輩でナイト・ドクターとして再会する成瀬暁人に田中圭。内科医からナイト・ドクターに転属することになった深澤新に岸優太。生まれつき心臓に病を抱える桜庭瞬に北村さん。頭の回転が早く責任感も兼ね備えている高岡幸保に岡崎紗絵。ナイト・ドクター結成のために日本へと無理やり呼び戻され、美月たちの指導医となる本郷亨に沢村一樹といった面々も共演する。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。美月が患者の斎藤に襲われる。美月を助けるため桜庭は斎藤を突き飛ばすも、揉み合いになり刃物で傷つけられる。だが、そのことが桜庭の母親で柏桜会会長の麗子(真矢ミキ)の知るところとなり、救命救急センターに現れた麗子は、息子の身を案じ桜庭にイギリス留学を言い渡し、主治医の宮本守(東根作寿英)からも、心臓の治療のため仕事を休むよう言われる。さらに麗子は本郷に無理やり桜庭の転科届を渡す。出勤して次週の勤務シフト表から自分の名前が消えていることに気づいた桜庭は…というのが今回のストーリー。自分の生まれもった身体、育った環境と折り合いをつけながらこれまで生きてきた桜庭の境遇に「今日のナイトドクターの北村匠海くんのセリフ同感でしかなくて泣いた」「桜庭くんの言葉は切ないけど真理だよね」「私も身体のことで、やりたい事を諦めた1人。普段は忘れてるけど、色々思い出した」など共感の声が上がる一方「生まれつき運命が決まってる…でも変えれる運命もあると信じたいな」といった投稿も。また桜庭と本郷が知り合いで、幼い頃、本郷がに水族館に連れて行ってもらい、そこで急病の子どもを助ける本郷を見たことが、救急医を目指した理由だったことも明かされた。自らの手で患者を救った桜庭に、本郷から子どもの頃と同じように「よくやった」と声をかけられ涙ぐむ桜庭に「桜庭先生と本郷先生にあんな物語があったとは…」「尊敬する本郷先生の元働くという関係性も素敵」といった反応も。そして成瀬は美月の部屋で「ドナー様へ」と書かれた1通のハガキを見つけ、そこに書かれた字の筆跡が桜庭のものと似ていることに気づく…視聴者からも「桜庭が置きっぱにしていた勉強ノートの伏線が繋がっていく...!」「点と点が繋がった感じして面白かった」「朝倉がバッグ落とした時に桜庭は朝倉母がドナーってことに気づいてたんやね」などの反応が続出。「ああ、続きが気になる!」と今後の展開に期待を寄せる視聴者からのツイートも多数投稿されている。(笠緒)
2021年07月06日女優の桜庭ななみ(さくらば・ななみ)さんが、2020年8月11日にインスタグラムを更新。から揚げを頬張る写真を公開し、「かわいい」と話題になっています。桜庭ななみのもぐもぐ姿が「たまらん…」 View this post on Instagram からあげ大好き‼︎ A post shared by 桜庭ななみ (@nanamisakuraba_official) on Aug 11, 2020 at 2:22am PDT「からあげが大好き!!」という桜庭ななみさんは、大好物のから揚げに舌鼓。おいしそうに頬張る姿が食欲をそそりますね。おしゃれなワンピース姿とから揚げがかもし出すギャップもあり、多くのファンが「最高にかわいい!」「こういう彼女が欲しい」と絶賛のコメントを寄せています。・めっちゃかわいい!食べてる姿は貴重だね。・から揚げを豪快に食べる、ななみちゃんのことが大好き。・二の腕がたまらん。ワンピースもとてもお似合いです。2020年8月現在、放送中のドラマ『13(サーティーン)』(フジテレビ系)で主演を務めている桜庭ななみさん。本作では13歳から行方不明となり、過酷な人生を送ってきた相川百合亜役を演じており、桜庭ななみさんの鬼気迫る演技が注目されています。皆さん「13」第1話、観ていただけましたでしょうか?この痛々しい傷の裏には、一体何が隠されているのでしょう。。 #13サーティーン #オトナの土ドラ #桜庭ななみ pic.twitter.com/woRaLRDPqg — 桜庭ななみマネージャー【公式】 (@nanami_spmg) August 1, 2020 大変なシーンが多いとは思いますが、たくさん食べてスタミナをつけて、元気に撮影を乗り切ってほしいと思います!桜庭ななみの幼少期の写真に「おい、マジか…」『理想の彼氏』を聞かれると?[文・構成/grape編集部]
2020年08月12日「その瞬間、現場は凍りつきました。吉高さんが起き上がると、柄本さんたちがすぐ異変に気づいて……。対応に追われるなか、『彼女がいないと、撮影は続けられないよ』と心配の声も上がっていました」(ドラマ関係者)現在放送中のドラマ『知らなくていいコト』(日本テレビ系)で、主演をつとめている吉高由里子(31)。週刊誌記者という役どころを熱演し、視聴者から好評を博している。2月19日放送の第7話は、吉高扮する主人公・真壁ケイトが刺されるという衝撃の展開だった。逆恨みした三倉茉奈(33)演じる桜庭和美に襲われ、床に倒れこむケイト。さらに和美が追い打ちをかけようとしたとき、柄本佑(33)扮する尾高由一郎が身を挺して守る――。そんな迫真のシーンは大きな話題を呼んだ。だが実は、このシーンの裏で現場騒然の事態が起きていたのだ。「この日、吉高さんの演技はいつも以上に鬼気迫るものがありました。刺されるシーンでも勢いよく倒れたのですが、床に頭を強く打ちつけてしまって。さらに、鼻から血が出てきたんです……。脳へのダメージを心配して、撮影は中止に。吉高さんはスタジオから救急車に乗り、病院へと搬送されていきました」(前出・ドラマ関係者)撮影当初から吉高は、このドラマに並々ならぬ熱意を見せていたという。「吉高さんは『このドラマは絶対にヒットさせたい』と言って、役作りにもこだわっていました。週刊誌記者が不規則な生活を送っていると聞いて、あえて寝不足になったこともあったそうです。“問題のシーン”でも、三倉さんに対して『思いっきりぶつかってきてくださいね!』と自ら提案していたのですが……」(テレビ局関係者)そんな熱い役者魂が、“流血騒動”へとつながってしまったようだ。ただ幸いにも、大事には至らなかったという。「吉高さんが病院で検査を受けたところ、特に内出血などは見つからなかったそうです。翌日には『ご心配おかけしました!』と言って笑顔で復帰したため、みんなが胸をなでおろしていました。彼女は主演としてスタッフやエキストラと積極的にコミュニケーションをとり、若い共演者にも『緊張してない?』と話しかけてくれています。おかげで、現場の士気もますます上がっていますね」(前出・テレビ局関係者)ドラマは、間もなく佳境を迎える。復帰した吉高の熱演によって、ますます盛り上がりそうだ。「女性自身」2020年3月10日号 掲載
2020年02月25日シェイクスピアの「テンペスト」を“K.(串田版)”として串田和美が再構築する「K.テンペスト2019」が5月16日より開幕。演出・潤色・美術を手掛ける串田に話を聞いた。【チケット情報はこちら】2014年、2017年に続く三度目の上演となる本作は、串田が「この芝居は最初から決まっていることはなくて、ワイワイ話すなかでつくってきました。今回もそうやって話したい」と語るように、キャストと共に約6週間のワークショップ・創作期間を経てつくりあげる作品。話す内容は毎公演違うそうで、「今回は“許すってなんだろう”という話をしようかなと思っています。この作品でプロスペローは実の兄弟であるアントーニオに裏切られた復讐をしようとしているけれども、最後には許さなきゃいけない。じゃあ“許す”とか“謝る”ってなんだろうという話がしたい」と構想を語る。ベーシックなものとは違う、「出演者がお客さんと喋ったり、シェイクスピアの本を読んだりしているうちにだんだんお芝居になっていって、ときどきまたフッと喋っている状態に戻ったりするようなスタイル」(串田)で上演される本作は、広場で自由に演劇を観るようなカタチの場がつくられ、座る席も自由。これまでの手ごたえとしては、観客の「“こんなん“で”いいんだ” “これ“で”演劇なんだ”という反応」が印象的だったと串田は振り返る。「演劇が苦手な人って“理解できなかったらどうしよう”とか“あれ?みんな笑ってるけど…”とか、そういうのがあるでしょう。だけどそれは自由だし、なによりそこに“居合わせた”という感覚“で”いいんだってことを感じ取った人がたくさんいた。前回、僕の隣にいる人がそわそわしているから“どうしたの?”って聞いたら“なんだか嬉しい気持ちになって。なんでしょう、この気持ち!”って子供みたいになってて。嬉しかったな」と明かす。「演劇って、このごろは“商品をつくっているんだから”という意識が強い人も多いけど、すべて“作品”だし、僕は“作品”というより“事件”…小さなね、だといいなと思いながらつくっています」初めて観る人にとってはもちろん、新キャストが参加することで前作、前々作を観た人にとっても新しい体験となる。そんな本作は、5月19日(日)まで長野・まつもと市民芸術館 特設会場、5月22日(水)から26日(日)まで東京・東京芸術劇場 シアターイーストにて上演後、ルーマニアとセルビアを巡演。写真・文:中川實穗(なかがわみほ)
2019年05月17日串田和美が演出を手掛け、安蘭けいが出演するベルトルト・ブレヒトの喜劇『マン イスト マン』が1月26日に開幕した。【チケット情報はこちら】物語は、英軍隊の機関銃隊のおバカな4人組が寺院で賽銭泥棒をはたらき、ひとりが逃げ遅れてしまうことから始まる。鬼軍曹にひとり足りないことがバレないよう何とかしたい3人は、酒屋のおかみにキュウリを運ばされるお人よしの男に助けを頼み――。人間とは何か。笑いとユーモアの中でアイデンティティをめぐるストーリーだ。S席はテーブルがあって料理付き、A席も座席で飲食ができる“キャバレーシアター”。客席には振るとパチパチ拍手音が鳴る“パタパタ”が配られ、開演までコック姿のキャストたちが“ブーイング笛”を販売。上演中に拍手もブーイングもできるカジュアルな雰囲気だ。安蘭と串田が登場して挨拶すると、物語はスタート。作品は“S席の料理を作ったコックたちによるお芝居”として始まり、登場人物の名前も料理にちなんだ名前に変更されている。客席からは舞台袖も丸見え。コック達が次のシーンの準備をしているのも、舞台上の芝居を見てブーイング笛を鳴らしている(!)のも見え、「難解」と言われるブレヒト作品への構えが自然と取り払われていく。出演者は、おかみベグビック役の安蘭、鬼軍曹役の串田、そしてコックとして物語の登場人物を演じる武居卓や小椋毅、海老澤健次らオーディションで選ばれた12人のメンバー。前半ではコックたちの場面と『マン イスト マン』の物語を行き来しながら彼らが案内役として客席を引っ張るが、S席の観客が食事を終えた頃には物語は一直線に進み始める。劇中には歌やダンスがちりばめられ、『リトル・ナイト・ミュージック』(2018年4~5月)ぶりとなる安蘭の歌や、串田のクラリネット演奏も見どころ。音楽・ピアノ演奏を担当する元ボ・ガンボスのDr.kyOnによる歌にも注目だ。ここでしか体験できないものがたくさん詰まった本作。ブレヒト作品に初挑戦したい人にもオススメしたい。KAAT 神奈川芸術劇場とまつもと市民芸術館による初の共同プロデュース作品『マンイストマン』は、2月3日(日)まで神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオで上演中。その後、2月8日(金)から13日(水)まで長野・信毎メディアガーデン1Fホールにて上演。取材・文:中川實穗
2019年01月28日ガラス作家・辻和美の展示「between visible and invisible」が、7月29日まで、青山・スパイラル内のcallと、ミナ ペルホネン 代官山店で同時開催中。辻和美が探り表現する、“見えると見えないの間”。ミナ ペルホネン(minä perhonen)が提案する心地よい暮らしのためのショップcallには、乳白色の「opaque」シリーズをはじめとする優美なかたちの作品が、そしてミナ ペルホネン 代官山店には、透明感のある「color」シリーズのグラスが並ぶ。以下、作家・辻和美のコメント。「今回考えた展覧会タイトルは、『見えると見えないの間』とでも訳せばよいだろうか?ひとつの素材を長年扱っていると、否が応でも、その素材が持ついろいろな特性を知り、付き合っていくことになる。そう、私のパートナーであるガラスの大きな特徴は、二面の相反する性質を合わせ持っていることかもしれない。熱いと冷たい。柔らかいと硬い。無色と有色。そして、透けると透けない。などいつも、その振り幅に翻弄させられるのだが、、特に私はその中の『有色による透けると透けない』に興味がある。そして、その『透ける』から『透けない』までのたくさんある幅、『見えそうで見えない、または、目を凝らすと見える』などは、無限にあり、毎回、制作の度に新しい出会いがある。それは人間の持つ感情の様に、言語化できない曖昧さが魅力でもある。結局見えることや、話したこと、書いたことではない、よく見えないこと、うまく話せなかったこと、書いた文章の行間に大事なことが潜んでいたりする。今回はミナ ペルホネンの2018-19年秋冬新作に合わせた色をベースに、無限の『見えると見えないの間』を目を凝らして見に来ていただけると幸いです」【展覧会情報】kazumi tsuji + factory zoomer exhibition “between visible and invisible”「opaque」乳白色のガラスシリーズ会期:7月21日〜29日会場:call住所:東京都港区南青山5-6-23 SPIRAL 5F時間:11:00〜20:00「color」透明感のあるガラスシリーズ会期:7月21日〜29日会場:minä perhonen 代官山店住所:東京都渋谷区猿楽町18-12 HILLSIDE TERRACE G棟1階時間:11:00〜20:00
2018年07月24日17日、都内で行われた映画『マンハント』(公開中)の公開記念舞台挨拶に福山雅治、桜庭ななみ、池内博之が登場。本作のために車の免許を取得したという桜庭が「(運転シーンを)カットされちゃった」と切ない想いを告白し、福山や会場を驚かせた。本作は、西村寿行の小説を高倉健主演で映画化した『君よ憤怒の河を渉れ』を、ジョン・ウー監督が再映画化したサスペンス・アクション。何者かにハメられた弁護士と、彼を追いながらも無実を確信した刑事が事件の真相に迫っていく姿を描く。壮絶なアクションシーンが話題となっており、福山は水上バイクのチェイスシーンのために免許を取得。ガンアクションに向けては「自分でも持ち慣れていない感じがあったので、撮影に入る前から銃を借りて、ずっと持ち歩いていた。家でも触ったりしていた」とクランクイン前から撮影用の銃を携帯して過ごしていたという。福山によるとウー監督の現場は「とにかくスケールが大きい」そうで、監督のひらめきによってシーンやセリフが変化していくことも多いとのこと。福山は「ものづくりの現場として純粋だと思う。僕はそういうのが結構、好きで。いつも新鮮な気持ちで現場にいられる」とコメント。「桜庭さんは2回、クランクアップしていますもんね」と予測不可能な現場について、桜庭に話を振った。桜庭は思い出し笑いをしながら、「大きな花束をいただいて『終わった、ありがとうございました!』と東京に帰ったんです。でも1カ月くらい経ってから『もう一回、岡山に来てください』と言われて。2回もクランクアップしました」と述懐。さらに桜庭は「今回、車の運転をするシーンがあったので、免許を取りに行かなければいけなくて。でもカットされちゃって…」と本作のために免許を取得したにも関わらず、バッサリとカットされてしまったことを激白。福山が「この作品のために!? 車の免許を!?」と驚くと、桜庭は「私、ブレーキを踏むと車が止まると思っていたんです。(撮影のときも)ブレーキだけ踏んで、車から出て行っちゃったんです」と天然な一面を見せて会場の笑いを誘っていた。
2018年02月17日●『マンハント』大抜てきを経て成長事務所スタッフが「鹿児島に美少女がいる」という噂を聞きつけてスカウトし、2008年にデビューした桜庭ななみ。10年の時を経て25歳になった桜庭は、中学生から大人への外見的な変化だけでなく、女優として大きな転機に差し掛かっているとも言えるだろう。ジョン・ウー監督作の映画『マンハント』に大抜てきされたのだ。高倉健主演でも映画化された西村寿行の小説『君よ憤怒の河を渉れ』を、日本映画ファンのウー監督が再び映画化した本作。何者かにはめられて殺人事件の被疑者となったドゥ・チウ(チャン・ハンユー)と、彼を追いながら無実を確信した大阪府警の刑事・矢村(福山雅治)が、事件の真相に立ち向かっていく様を描く。桜庭は、矢村の部下で新人刑事の里香を演じる。桜庭は2013年に台湾の映画『あの頃、君を追いかけた』を観たことがきっかけで中国語に興味を持ち、2015年に台湾へ短期留学。2016年には台湾ドラマ『戀愛沙塵暴』で全編中国語のセリフに挑み、最近も『マンハント』の海外プレミアで通訳なしの取材に応じるなど、今の魅力は「鹿児島の美少女」には収まらない。取材をしてみると、並々ならぬ強い意志と覚悟がその原動力になっていることが分かる。○ジョン・ウー監督は「夢の夢の夢」――日本で撮ったとは思えないスケールの映画でした。そうですね。日本での撮影でしたが、アジアのいろいろなスタッフの方々が集まって下さっているおかげで、日本だけでは実現できないような迫力やアクションのキレにつながっているんだと思います。――ブログを見てきたんですが、結構前に撮り終わっているんですね。ありがとうございます(笑)。撮影は2年前になります。――ジョン・ウー監督作に出演することについて、「夢の夢の夢」と書いてありました。それほどの感激だったんですね。そうですね。それまでもジョン・ウー監督の作品はたくさん観ていたんですが、男らしい物語が多い中でも、女性が輝いているように見えて。監督が描くその「女性の輝き」がすごく好きで、次第に「いつか参加したい」という気持ちが強くなっていきました。――監督とは撮影後も映画祭などで再会したそうですね。映画祭のほかにも、先日北京でイベントがあって、そこでもお話させていただきました。お会いする前は作品の世界観に引っ張られていた印象だったのですが、現場ではすごく穏やかで優しくて。俳優のお芝居の意見を尊重してくださるようなすごく優しい方です。――実際にそういうシーンがあったんですか?終盤にアクションシーンがあるんですが、福山(雅治)さん演じる矢村さんの単独行動だったので部下である里香がそこにいるのはおかしいという話になって。でも、里香は矢村さんを支えたくて、任務を全うしたいとも思っている。だから、「里香がそこにいないのはちょっとさびしいです」と監督にお話したら、その意見を受け入れてくださいました。現場に入ると他の俳優さんもそうなんですが、監督と話し合う時間が設けられていました。――自分の考えや思いを相手の国の言葉伝えられるメリットは役者としてもありそうですね。監督だけではなくて、中国スタッフの方々とも会話できたのは楽しかったですし、コミュニケーションを取ることができて、現場も明るい雰囲気になったのかなと思います。○「武器」を探しに台湾留学――北京のプレミア試写会出席後、ブログには「景色が違いました」という感想がつづられていました。以前の北京と比べてどのような違いを感じたんですか?6年前、2泊3日の仕事で北京に行く機会がありました。その時は中国のことをあまり知らなかったんですが、それからの6年間で中国のことを勉強したり、文化を学んでから実際に北京に行くと、たくさん発見があってすごくキラキラして見えたんです。本当に「景色」が変わって見えました。――最近は語学力が話題になっています。好きな台湾ドラマがきっかけで留学したそうですね。決断力がすごい。時間を無駄にしないように、「武器になるもの」「自信になるもの」を身に着けたかったんです。そう思うようになったのは、実は最近のことで。この世界に入ったばかりの頃は、台本をもらって楽しくセリフを覚えて現場に行くというような感じだったんですけど、周りの俳優さんを見ているとそれぞれの「武器」に感動することがたくさんあって。私も、ただただセリフを覚えて現場に行くだけじゃなくて、自分の強みを見つけないといけないと感じるようになりました。事務所の方々も応援してくれたので、がんばることができたんだと思います。●『西郷どん』『かぞくいろ』地元への思い――台湾の留学はトータルで約6カ月と聞きました。親日家が多いと聞きますが、肌身で感じた国民性はいかがでしたか?「みんなが家族」のような距離感でした。初対面でもすぐに友達になったり、そういう温かさが台湾にはありました。行ったばかりの頃は中国語も全然できなかったので不安もあったんですが、台湾の方々のそういう「優しさ」に引き込まれて、すごく居心地が良い空間でした。それまでは人見知りで壁を作ってしまうこともあったんですが、台湾ではそういうことが全くなかったので不思議ですね。――日本に戻ってきてもそれは続いたんですか?いろいろな人とコミュニケーションを取ろうという気持ちにはなりました。ご飯を食べに行ったりとか。それまでは家で一人でいることが多かったんですが、今は以前よりは外に出るようになりました(笑)。――「仕事の武器」を作ることが目的だったはずが、内面も磨かれていたと。そうなっていればいいです(笑)。○中国語・韓国語の習得法――映画では「友情」も大きなテーマでした。留学中でそんなことを感じる人物はいましたか?ホームステイ先の方とは、台湾に留学して初めてお会いしました。親戚でもなければもともと知り合いでもない関係性だったわけですが、1つ1つすごく丁寧に説明してくださったり、言葉が分からない映画を観ている時でも分かりやすく教えてくださったり、そういうところからも優しさを感じました。「人情」というんですかね? 「心の底から優しい」というのは、こういう人のことを指すんだと実感しました。――事前の勉強や現地での交流で覚えたんですか?ホームステイ先や友達になった方とお話しながら、覚えていきました。まだまだ知らない単語もありますので、これからも勉強していきたいです。――今後も語学力を磨くとして、それを踏まえてどのような将来像を思い浮かべていらっしゃるんですか?海外作品に出演できるように引き続き学んでいきたいです。それから、日本の作品も大好きなんです。小さい時から日本のドラマや映画を見て育ちました。日本の作品にもさくたん出演できるように頑張ります。――出身地である鹿児島を舞台にした大河ドラマ『西郷どん』にも出演中ですね。はい。今は鹿児島が舞台の映画『かぞくいろ』の撮影もしています。――今年は鹿児島と縁がある一年ですね。地元のスターじゃないですか!いえいえ! そう言ってもらえるように頑張ります。■プロフィール桜庭ななみ1992年10月17日生まれ。鹿児島県出身。身長162.5センチ。O型。特技は中国語と韓国語。2008年に映画『天国のバス』でデビュー。2009年にはNHKドラマ『ふたつのスピカ』で主演を務め、劇場アニメ『サマーウォーズ』では初めて声優に挑戦した。その後、2010年の『最後の忠臣蔵』で第35回日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめ、映画新人賞を総なめ。現在、NHK大河ドラマ『西郷どん』に出演中。鄭義信監督の映画『焼肉ドラゴン』(18年初夏公開)、「RAILWAYS」シリーズ最新作で鹿児島を舞台にした『かぞくいろ』(18年公開予定)に出演。
2018年02月17日ジョン・ウー監督の映画『マンハント』(2月9日公開)に出演する女優・桜庭ななみの新たな場面写真が10日、公開された。『マンハント』に出演する桜庭ななみ高倉健主演の『君よ憤怒の河を渉れ』(1976年)を、日本映画ファンのウー監督が再び映画化。何者かにはめられて殺人事件の被疑者となったドゥ・チウ(チャン・ハンユー)と、彼を追いながら無実を確信した大阪府警の刑事・矢村(福山雅治)が、事件の真相に立ち向かっていく様を描く。。桜庭が演じるのは、矢村の部下・百田里香。今回公開された場面写真は、助手として捜査のアシスタントを務める重要なシーンを捉えたもので、キリリとした表情からも新人刑事として悪戦苦闘しながら徐々に矢村の信頼を得ていく姿が浮かび上がる。「ジョン・ウー監督とご一緒することは一生の宝になると思う。本当に幸せな時間だった」と語る桜庭。中国語と韓国語を得意とし、日本とアジアの100人以上の映画プロデューサーが制定する「APNアワード2016」を受賞するなど、海外に向けても活躍の場を広げている。(C)2017 Media Asia Film Production Limited All Rights Reserved.
2018年02月10日公開初日を迎えた映画『絶壁の上のトランペット』の舞台あいさつが17日、東京・新宿 シネマート新宿で行われ、桜庭ななみ、L.Joe(TEENTOP)、辰巳琢郎、久保田悠来、ハン・サンヒ監督が出席した。沖縄の石垣島を舞台に、女子大生のアオイ(桜庭ななみ)とトランペットを奏でる神秘的な青年ジオ(L.Joe)が織りなす感動のラブストーリーを、日韓合作に意欲的な韓国のハン・サンヒ監督が繊細なタッチで描いた本作。公開初日となったこの日は、主演の桜庭ななみをはじめとするキャスト陣とハン・サンヒ監督が登壇して舞台あいさつを行った。繊細な女の子・アオイを演じた桜庭は「何か1つ欠けているというか、寂しいものがある女の子だったので、演じることは難しかったですが、魅力的な女の子を演じられて嬉しかったです。本当に繊細な性格だったので、微妙な感じを監督と相談しながら演じました」とコメント。台本を読んだ時の印象を「なかなか人に思いを伝えられないところは似ているかなと思いました」と自身との共通点を挙げていた。桜庭の相手役を務めたL.Joeは、本作で日本語の演技に挑戦。冒頭のあいさつでは「公開を迎えてワクワクしています。今日来てくれてありがとうございます」と流暢な日本語であいさつすると、熱い韓流ファンから黄色い声援が飛んで照れ笑いを浮かべるも「当然のことながら日本語での演技は難しかったです。何が何でも日本語をしっかりと覚えて撮影に臨もうと思いました。辛うじて無事撮影を終えることができました」と安堵の表情。これに桜庭は「L.Joeさんが一生懸命演じて下さって素敵な演技で助けていただきました」と感謝しながら、L.Joeがお気に入りだという2人で自転車に乗ったシーンについて「本当に景色もキレイで空気も美味しく、運転も上手だったので乗り心地がよかったです」と好印象の様子。最後には「短い撮影期間でしたが、温かい作品を作って下さった監督にも感謝しています。たくさんの方に届くといいなと思います」とアピールしていた。
2016年09月18日9月17日公開の映画『絶壁の上のトランペット』の完成披露上映会舞台あいさつが17日、東京・お台場シネマメディアージュで行われ、桜庭ななみ、L.Joe(TEENTOP)、辰巳琢郎、ハン・サンヒ監督が出席した。沖縄の石垣島を舞台に、女子大生のアオイ(桜庭ななみ)とトランペットを奏でる神秘的な青年ジオ(L.Joe)が織りなす感動のラブストーリーを、日韓合作に意欲的な韓国のハン・サンヒ監督が繊細なタッチで描いた本作。そんな本作の舞台あいさつに、主演の桜庭ななみをはじめ、桜庭の相手役を務めたL.Joe、アオイの叔父を演じた辰巳琢郎、そしてハン・サンヒ監督が登壇した。主演の桜庭は「この日を迎えることができて本当にうれしいです。1年前に撮影したんですが、ようやく皆さんの目に留まることになると思うと胸がいっぱいです」と感慨深げで、「この映画は大切な人との時間を大切にしようと考えられる映画です。皆さんも今日見終わったら、大切な人と大切な時間をお過ごしください」とアピール。演じたアオイというキャラクターについて「台本を読んだ時は明るくて元気なイメージでしたが、監督から温かくて優しい女の子を演じて欲しいと言われたので、その点を考えながら一つの切なさを持って演じました」と明かした。そんな桜庭をハン・サンヒ監督は「桜庭さんは考えていたよりも考え方とかが深い女優さん。現場ではどこから元気が出るのかと思うくらいいつも元気で、芝居も完璧でしたね」と褒めていた。また、相手役のL.Joeについて桜庭は「一緒に写真を撮ったことがあったんですが、L.Joeさんが私の顔を見て『クレヨンしんちゃんのしんちゃんに似ている』と言ったんです。初めてしんちゃん似と言われ、それは喜んでいいのかと(笑)。だからこの場をお借りしてお聞きしたいんです」と迫ると、L.Joeは戦々恐々としながらも「僕はしんちゃんが大好き。しんちゃんに似ていたのですごく嬉しかったんですよ」と説明していた。映画『絶壁の上のトランペット』は、9月17日より順次全国公開。
2016年08月18日桜庭ななみ(23)、土屋太鳳(21)、高月彩良(18)といった女優が主演を務めてきたことでも知られる映画『人狼ゲーム』シリーズの最新作『人狼ゲーム プリズン・ブレイク』(7月2日)の製作が決定し、小島梨里杏(22)が主演することが26日、明らかになった。小島は本作で映画初主演を飾る。小島は、『烈車戦隊トッキュウジャー』(14年テレビ朝日系)のヒロインを経て、映画『先輩と彼女』(15年)、『オオカミ少女と黒王子』(16年)、ドラマ『表参道高校合唱部!』(15年TBS系)、『みんな!エスパーだよ!~欲望だらけのラブ・ウォーズ~』(15年)といった話題作に多数出演。さらに6月4日スタートの東海テレビ・フジテレビ系連続ドラマ『朝が来る』(毎週土曜23:40~)、今週放送のBS時代劇『子連れ信兵衛2』にヒロインとしての出演が決まるなど、次々とオファーが舞い込んでいる。本作は、『人狼ゲーム』(13年)、『人狼ゲーム ビーストサイド』(14年)、『人狼ゲーム クレイジーフォックス』(15年)に続く作品。正体を隠しながら"村人"を皆殺しにしようとする"人狼"と、協力し合いながらその"人狼"を処刑しようとする"村人"との頭脳戦が繰り広げられる。このシリーズを機に、桜庭は映画『進撃の巨人ATTACK ON TITAN』(15年)のサシャ役、土屋はNHK連続テレビ小説『まれ』(15年)に出演。高月も現在放送中のTBS系『重版出来!』の東江絹役の好演で、注目を集めている。乾朱莉役で映画初主演を飾る小島は、「『人狼ゲーム』のバトンをしっかり受け継ぎ、力強い素晴らしい作品だったからこそ、打ち勝っていきたいと思います」と気合十分だが、「人狼ゲームは正直苦手です」と吐露。「みんな望んでここに存在し、ゲームに参加しているわけではないのに生きていくために誰かを殺していかなくてはなりません。誰も悪くないのに」と不条理な展開に心を痛めながらも、「当たり前の葛藤を抱え、どう朱莉がみんなが変わっていくのか、どう人と向き合っていくのか、人狼ゲームとの戦いにいい結末を願っていてください」と見どころを交えて呼びかけている。メガホンを取るのは、前作に引き続き綾部真弥監督。共演には、フジテレビ系トーク番組『ワイドナショー』の出演で話題になった雑誌『Seventeen』専属モデル・岡本夏美(17)をはじめ、渡辺佑太朗(22)、山谷花純(19)、清水尚弥(21)といったフレッシュな俳優陣が脇を固める。(C)2016「人狼ゲーム プリズン・ブレイク」製作委員会
2016年05月26日藤沢周平原作の時代小説を映像化した『果し合い』の初日舞台挨拶が11月7日(土)、東京・東劇にて行われ、出演する桜庭ななみと杉田成道監督が登壇した。監督が「桜庭さんには吉永さゆりさんみたいになってほしい」と伝え、桜庭さんが照れて顔を覆うような場面も見られた。『果し合い』は、部屋住みとなった老武士・佐之助(仲代達矢)が、おいの娘・美也(桜庭さん)が思う相手に果し合いを申し込まれたことを知り、刀を手にする物語。10月30日に文化勲章を受章したばかりの仲代さんの最新作としても注目を集めている。日本が誇る名優・仲代さんとの共演について、桜庭さんは「本当に幸せなことだと思いました。本当に、本当に、本当に宝物になりました」と、感激もひとしおだった。さらに、桜庭さんが「仲代さんと原田(美枝子)さんが30年ぶりの共演だとおっしゃってて、私も何十年後とかにまた共演したい」と思いを馳せるも、監督がすかさず「もう、お墓の下ですけどもね」と鋭いつっこみを入れ、桜庭さんも思わず苦笑い。また、桜庭さんが今後どんな女優になってほしいかとMCに尋ねられた監督。即答で「吉永さゆりですね」と答えると、場内からは拍手が沸き上がり、桜庭さんは嬉しそうに顔を覆った。監督は「清楚な感じで日本っぽい。最近、洋風の顔の方が多いんですが、さゆりちゃんになってほしい。作品でも着物がなんせ似合ってびっくりしました。竹林に立っているときは『美しいな、かぐや姫の再来か』と思い…ませんでしたけども(笑)」と最後はジョークで締め、場内を賑わせた。『果し合い』は11月7日(土)~13日(金)まで東劇にて朝10時より1回上映。(cinamacafe.net)
2015年11月07日時代劇『果し合い』の劇場公開を記念した舞台あいさつが7日、東京・東銀座の東劇で行われ、桜庭ななみ、杉田成道監督が出席した。同ドラマは、10月31日にBSスカパー!で放送された仲代達矢主演の時代劇。視聴者からの好評を受け、東劇で11月7日から1週間特別上映することになり、同ドラマにヒロイン役で出演した桜庭ななみと杉田成道監督が登壇して舞台あいさつを行った。桜庭は「この作品で仲代さん演じる佐之助が美也を助けてくれます。どういう過程で佐之助が助けてくるのか、彼の過去にも注目して欲しいし、美也の恋にも注目してください」とアピール。大御所・仲代の共演については「本当に幸せなことだと思いました。今回共演できて宝物になったし、先日の舞台あいさつでご一緒した時に仲代さんから演技を褒めていただきました。それと原田美枝子さんと仲代さんが30年ぶりの共演したと聞いて、私も何十年後に共演したいと思いましたね」と願望を。すると杉田監督から「もう(仲代は)お墓ですね」という指摘に観客がどよめき、改めて桜庭は「何年後かに共演できるように私も頑張っていきたいと思います」と慌てて言い直して会場の笑いを誘った。また、桜庭について杉田監督は「(今後)吉永小百合さんになって欲しいですね。最近洋風のお顔の方が多い中、清楚な感じで日本的ですから。皆さんもしてあげてくださいね!」と観客に要望も。桜庭とは2010年公開の映画『最後の忠臣蔵』以来で「17歳の時の『最後の忠臣蔵』から5年経って、ちょっとスリムになったし着物が似合ってビックリしましたね。竹林に立っている時は本当に美しいなと。かぐや姫の再来とは思いませんでしたけどね」と笑わせると、桜庭は「思いましたよね?」と杉田監督に迫るなど、終始和やかな舞台あいさつで観客を喜ばせた。
2015年11月07日10月8日(木)、藤沢周平原作の時代劇「果し合い」の完成披露試写会が開催され、主演の仲代達也をはじめ、桜庭ななみ、柳下大、原田美枝子、杉田成道監督、司会のえなりかずきが舞台挨拶に登壇した。10月よりBSスカパー!にて、藤沢周平原作のドラマが4作品の放送される「藤沢周平 新ドラマシリーズ」。一作目となる「果し合い」では、仲代さん演じる厄介者の庄司佐之助が、桜庭さんが演じる唯一彼の相手をし、面倒をみる甥の娘・美也の窮地を救うために刀を抜く姿が描かれる。試写会終了後、司会のえなりさんの進行のもと桜庭さん、柳下さん、原田さん、杉田監督が登場。仲代さんは会場後方の扉から登場し、多くの来場者に求められた握手や声援にこたえていた。試写の間、会場の2階で作品を鑑賞していたという仲代さんは、思わず涙を流してしまったと述懐。「このようなすばらしい作品の大事な役をさせていただいて、幸せ者だと思います」と、監督とキャストに感謝を述べていた。1985年の黒澤明監督作『乱』以来、30年ぶりに仲代さんと共演した原田さんは、「同じ黒澤組の仲間に会えて嬉しかった」と感慨を語る一方で、本作での仲代さんに対しての、意地悪な役どころを苦笑まじりに話すと、仲代さんは『乱』の際も原田さんの役どころには散々いじめられた事実を話し、会場からは笑いが沸き起こった。公開中の『進撃の巨人ATTACK ON TITAN』にも出演している桜庭さんは、今回の役どころである美也の女性としての強さへの憧れを吐露。桜庭さんについて杉田監督は「子守をしてるようなもの(笑)」と冗談を飛ばすも、杉田監督作の『最後の忠臣蔵』出演時には17歳だった桜庭さんが、「竹林での立ち姿は、遠目から見ても美しいなあと、いつのまにこんな鶴のようになってしまったんだろう」と、桜庭さんの美しさを讃えていた。「果し合い」は、BSスカパー!にて10月31日(土)15時・19時放送。11月7日(土)から13日(金)東京劇場にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年10月09日アニメーション映画『ドットハックセカイの向こうに』のヒット祈願イベントが1月12日(木)に東京・神楽坂の赤城神社で執り行われ、主人公の声を担当した桜庭ななみと松山洋監督が出席した。「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズで知られる貞本義行がキャラクター原案を務めたことでも話題の本作。オンラインゲームに入り込んだ少女の戦いに恋、成長を描き出す。御祈祷が行われた赤城神社は、700年の歴史を持ちつつも近年のリニューアルで社殿をガラス張りにするなどした話題の神社で、“パワースポット”としても人気を呼んでいる。映画は古き伝統を残した街・柳川とゲームの世界が舞台となっており、古いものと新しいものを融合させた赤城神社と映画の世界観がマッチするということで、ヒット祈願が行われた。美しい着物姿の桜庭さんは「今年初めての着物で神社に来られて嬉しい」と笑顔を見せた。これまでにも声優として様々な役を演じてきたが、桜庭さん曰く今回演じた主人公・そらは桜庭さんにそっくりだとか。「監督が事前に細かい人物設定を書いたものを渡してくれたんですが、好きな色やお店なども全部当てはまりました。流行りに疎いところも同じです」と明かした。あえてゲームをしたことがない女の子を主人公にした監督は、してやったりの表情で「性格も含めてピッタリです」とニッコリ。公開に向けて「手応えを感じています。楽しみです」と頷いた。桜庭さんは今年、20歳を迎えるが、仕事面での目標は「これまで学生の役が多かったけど、学生じゃない私も見てほしい」。とはいえ、まだ20歳になることがピンと来ない様子で「20歳って大人のイメージでしたが、自分がなる実感がない(苦笑)。大人な自分になれるように気配りとかできるようになりたい」と語った。正月は実家で過ごしたそうだがその際、同級生が自動車を運転するのを目にして「信じられない思いでした(笑)。置いてかれそうで不安なので、私も免許を取りたい!」と10代での免許取得をプライベートでの今年の目標に掲げた。『ドットハック セカイの向こうに』は1月21日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。■関連作品:ドットハックセカイの向こうに 2012年1月21日よりテアトル新宿ほか全国にて公開© 2012.hack Conglomerate
2012年01月12日シリーズ累計300万本を売り上げた人気ゲームを3DCGアニメーションで映画化した『ドットハック』の製作発表会が8月23日(火)に都内で開催され、声優を務める桜庭ななみ、松坂桃李、田中圭らが出席した。アクションロールプレイングゲーム「.hack(ドットハック)」を原作に、現実の世界と「THE WORLD」と呼ばれるオンゲームの中の虚構の世界を行き来する主人公たちの、2つの世界を救うための戦いを描き出す。桜庭さんが演じるのは、主人公の中学2年生の女の子・そら。「頑固なところもありますが、芯の通った女の子です」(桜庭さん)とのこと。『サマーウォーズ』に続く声優挑戦となったが、「難しかったです」と感想を漏らした。松山洋監督によると今回のアニメーションは「リアルな動きを再現している」こともあって、声優陣には先に製作されたアニメの動きにかなり精密に合わせたセリフが求められ「何度もやり直してやってもらった」(監督)という。松坂さんと田中さんは声優初挑戦。そらの同級生の翔を演じた松坂さんは「普段と違うアプローチが求められた」と述懐。翔はクールな少年ということで抑え気味の演技が求められた。「(監督から)『元気がありすぎる』と言われるのは初めてで新鮮でした」と笑顔を見せた。そらの幼なじみの智彦を演じた田中さんは声だけの演技について「難しかった」と漏らしつつ、「慣れてくると自分でできないことをアニメがやってくれるのが楽しくなった」と初挑戦とは思えないほどアフレコを楽しんだ様子。「中学生役ということで年を意識してかわいこぶってやりました(笑)」と明かし会場の笑いを誘った。桜庭さんは初共演の松坂さんの印象を尋ねられると「初めて会った気がしない。いとこみたい」と親近感を口にしたが松坂さんは「どうリアクションしていいのか…」とやや困惑気味。映画にちなんで、もしもゲームの世界に行くなら?という質問に「魔法が使いたい」(田中)、「人間じゃない恐竜とかになって空飛んだりぶっとんだことをしたい」(松坂さん)、「男の子になりたい!」(桜庭さん)とそれぞれ希望を明かしてくれた。『ドットハック』は2012年1月、全国にて公開。■関連作品:ドットハック 2012年1月、全国にて公開
2011年08月23日映画『ランウェイ☆ビート』が3月19日(土)に公開を迎え、主演の瀬戸康史をはじめ、桜庭ななみ、桐谷美玲、IMALU、田中圭、加治将樹、小島藤子、大谷健太郎監督らが、都内の劇場で行われた舞台挨拶に登壇。舞台挨拶後には震災被災者のための募金活動も行われた。震災の影響で映画の公開、舞台挨拶の実施も危ぶまれていたが、震災からの復興に何か力になればとの思いから、チャリティを兼ねての舞台挨拶実施を決めた。瀬戸さんは「いまもなお、大変な思いをされている方がたくさんいらっしゃいます。僕たちができることは少ないですが、作品を通して元気やパワーを与えられたら」と真摯に語った。桜庭さんも「映画を観て、ひとりでも多くの人が笑ったり、元気になってくれたら」と語り、桐谷さんも「映画を観てくださったみなさんがちょっとでも幸せな気持ちになって、笑顔で帰っていただければ嬉しい」と語りかけた。IMALUさんは「こんなときだからこそパワーを送れたらと思います」、小島さんも来場した観客への感謝の思いを口にした。この日登壇したキャストの中で最年長で“兄貴分”の田中さんと、現場で“ムードメーカー”だった加治さんは、撮影中に男子だけで銭湯に行ったエピソードを明かすなど、この日も会場のムードを盛り上げた。大谷監督も、仲の良いキャスト陣の様子に目を細めつつ「映画人は映画を通して夢と希望を与えるのが仕事」と語り、映画の持つ“力”を訴えた。最後にマイクを握った瀬戸さんは「“自分を信じること、勇気を出して一歩を踏み出すこと”がこの映画のメッセージですが、こういうときだからこそ、このメッセージが大事だと思う。下を向くのではなく、上を向いて進みたい」と力強く語り、その後、自らが先頭に立って募金活動を開始。場内には長蛇の列ができ、瀬戸さんら登壇陣はひとりひとりに丁寧に感謝の言葉をかけていた。集まった募金は「日本赤十字社」を通して寄付され、さらに本作からトートバッグ5,000個、Tシャツ300枚が、中央区を通じて被災地に送られる。『ランウェイ☆ビート』は一部の映画館をのぞいて全国にて公開中。■関連作品:ランウェイ☆ビート 2011年3月19日より全国にて公開© 2011「ランウェイ☆ビート」製作委員会■関連記事:ファッション×青春!『ランウェイ☆ビート』スタッフTシャツを3名様プレゼントシネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第12回)ガーリー服が似合うオシャレ男優は?瀬戸康史、神戸コレクションのランウェイに緊張!ファンモンの熱唱に観衆大熱狂瀬戸康史天才的デザインセンスを持つ役に「運命と言っていい」自分を変えるファッションショー!『ランウェイ☆ビート』試写会に10組20名様ご招待
2011年03月22日Aメロ、Bメロをすっ飛ばして、いきなり“サビ”から入る極端で個性的な男女を描いたオムニバス『サビ男サビ女』が1月15日(土)に公開初日を迎え、桜庭ななみ、中村蒼、友近、お笑いコンビ「たんぽぽ」の川村エミコと白鳥久美子が東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で舞台挨拶に登壇した。何事も励まさずにはいられない女子大生(桜庭さん)の奮闘を描く「ハゲマシガールズ」、地味な高校生(中村さん)が写真部部長の美少女に近づくため、女装に挑む「Boy?meets girl.」、電力会社にクレームをつける独身女(友近さん)と、苦情処理責任者のバトルを描く「くれえむないと!」、そして行き場のないリストラ男を次々と自宅に連れ帰ってしまう主婦(小泉今日子)の日常劇「せびろやしき」の4本仕立てで贈るショートムービー。桜庭さんは「台本を読んだときは、どういう風になるんだろうって思っていたんですが、予想を超える面白さの映画になった。冬の寒さを吹き飛ばしてくれるはず」と笑顔でアピール。映画の中では川村さん、白鳥さんと共に奇妙な“肉食ダンス”も披露し「コメディ演技も楽しかったです」と新境地の開拓に満足そうな表情だった。一方、人生初の舞台挨拶に緊張した川村さんは開口一番「こんじつは」と挨拶。“こんにちは”と“本日は”がミックスされた斬新な(?)第一声で会場を笑いに包み、それに釣られた白鳥さんも“レッスン”と“練習”が混じってしまい、「ダンスのレッ習は大変だった」と爆笑を誘った。女装に初チャレンジの中村さんは「気持ち悪くて、最悪ですよ」と自分の“美貌”に厳しい採点。しかし、自宅で自ら腕や足など脱毛処理したといい「ツルツルになって気持ちよかったです」と実は新たな一面に開眼してしまった?友近さんも「すっごくかわいい。声も仕草も女性以上に女性らしい」と太鼓判を押していた。その友近さんは「普段から『これはおかしい』と思ったら、バンバン言うタイプなんで。文句じゃないんですよ!あくまで世直しのつもりなので(笑)。だから役作りはあまりしていない」とあくまで自然体。とはいえ、劇中では“お色気シーン”もあり、「ダイエットしたしたと言っても、こんな大きなスクリーンだと恥ずかしくって」と恐縮しきりだった。『サビ男サビ女』はヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開中。■関連作品:サビ男サビ女 2011年1月15日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開© 「サビ男サビ女」製作委員会
2011年01月15日桜庭ななみが12月18日(土)、東京・有楽町の丸の内ピカデリー2で行われた、ヒロインを務める映画『最後の忠臣蔵』の初日舞台挨拶に、主演の役所広司、佐藤浩市らと出席。感極まって号泣した。赤穂浪士の中で死を許されず、生きて使命を受けた武士・瀬尾孫左衛門(役所さん)が、大石内蔵助の隠し子・可音(桜庭さん)を大切に育て上げていく歳月を描く物語。初日を祝って、サプライズでキャスト陣それぞれに宛てて手紙が読み上げられ、桜庭さんには「ある人から」としてメッセージが紹介された。現在18歳、撮影当時17歳で時代劇初挑戦となった桜庭さんの奮闘に「ずいぶんと年の離れた大人たちの中で、誰ひとり同年代の友達もなく、緊張と孤独に打ち震え、暗闇を手探りで進んでいこうとしている君の姿は…」と称える言葉が続くと、桜庭さんは大粒の涙をポロポロ。最後に手紙の差出人が、この日も同席している杉田成道監督から、と知ると、右手で顔を覆って号泣した。そのまま泣きじゃくりながら「オーディションのときは、ただ台本を読んで絶対落ちたと思った。撮影に入る前、1か月くらいリハーサルをやってくださり、1シーン、1シーン丁寧に教えていただきました。誕生日(10月17日)も夜中11時くらいまでやって『このヤロー』って思ったんですけど」。素直な言葉に、キャスト陣と杉田監督は爆笑。桜庭さんは「こうやって初日を迎えられて、拍手をいただけると、本当に監督のお陰だなって」と感謝の弁を述べた。杉田監督は「私はそういう立場なので、全員にどう思われても何とも思いません」と顔をくしゃくしゃにして苦笑い。役所さんは、桜庭さんに「鼻をフンとしなさい」と言ってハンカチを手渡し「こんなベタな演出が用意されているとは知らず、ビックリです。さすが杉田組だなぁ」と感心。会場の笑いを誘っていた。『最後の忠臣蔵』は丸の内ピカデリーほか全国にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:最後の忠臣蔵 2010年12月18日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010「最後の忠臣蔵」製作委員会■関連記事:桜庭ななみクリスマスは「友達と集まろうとか話してます(笑)」『最後の忠臣蔵』役所広司インタビュー“生かされた男”の矜持を語る『最後の忠臣蔵』リアリティを追及し世界文化遺産でも撮影敢行!役所広司&佐藤浩市で描かれる“その後”『最後の忠臣蔵』試写会に50組100名様ご招待役所広司&桜庭ななみ、『最後の忠臣蔵』ハリウッド試写盛況で笑顔マシ・オカも出席
2010年12月18日