一時期どん底に落ち込んだプロレス人気を再燃させ、エースとして今の新日本プロレスを立て直した立役者。その棚橋弘至さんが、なんと新日本プロレスの社長に就任。今後のプロレス界の展望は?“太陽のエース”という異名を持つプロレスラー。棚橋弘至さんが登場すると、文字通り会場は一気に華やかなムードに。派手な入場パフォーマンスは“チャラい”とも言われたが、そのファイトスタイルは愚直でオーソドックス。アクロバティックな技はなくとも、鍛え上げられた肉体とパワー、巧みな試合運びで観客を盛り上げ魅了する。これまでリングからプロレスを盛り上げてきた棚橋さんが、経営者の立場から今後どうプロレス界を盛り上げていくか興味がある。――就任おめでとうございます。話があったのは結構急なんです。昨年秋にオーナーに呼ばれ、ご馳走してもらえるんだろうと思ったら、次期社長の話でした。ちょうど、コロナ禍で沈んだ新日本プロレス(以下、新日本)を、棚橋がもう一回チャンピオンになって立て直してやろうと思っていたので即決はできなくて…。これまでも社長兼現役選手はいらっしゃいましたが、新日本では藤波辰巳さん以来19年ぶりのこと。ここで僕が社長になれば、いち選手のレベルではなく会社の代表として、大きなプロモーションに打って出られるチャンスだと思いました。選手として新日本をV字回復させたように、社長として今度はW字回復を体験したい野心はあります。――現役選手を続けながら経営もとなると、かなり大変になります。生活が大きく変わるでしょうね。これまでは試合で全国を回り、試合がない日はトレーニング…だったのが、これからは練習の時間が出社になり、平日出勤、休日試合、みたいな。ということは僕、365日中360日くらい働くのかな。でも大丈夫です。棚橋はこれまで一度も疲れたことがないので(キッパリ)どんな過酷な労働条件も僕には通用しないんです。もちろん社員には強要しませんけどね。もともと僕、チャンピオンとして君臨しながら、練習も試合内容もプロモーション活動も全部おろそかにしないスタンスでやってきました。だからこれからは事務方の社員たちのことも鼓舞できる存在になれたらと思っています。――引き受けられた理由の中には責任感もあるのでしょうか?社長としての責任感はエースとしての責任感と似ている気がします。プロレスを盛り上げて、会場を満員にして、選手と社員、その家族までみんなを食わせていく。その気概はずっと前から持っていたので、今のポジションも選手の延長線上にあったというか。――責任を背負う恐れなどは?性質的なもので、僕は人に頼られることが喜びで、そこに充実感を覚えるタイプなんです。だから今、やる気はマックスあります。――きっと社長になることで新日本、ひいてはプロレス界にメリットがあるとお考えになられての選択だと思いますが、ご自身ではどんなメリットがあると?イメージ戦略じゃないですけれど、僕は「疲れない」「明るい」「元気」と受け取られていると思うので、コロナ禍を抜けてもう一度会社が盛り上がっていくアイコン的な存在になるのかなと。――コロナ禍がプロレス界に与えた影響は大きかったです。ちょうどプロレスブームが盛り上がってきたタイミングでしたから。ただただ悔しかったです。興行的につまらないものを出しているのであれば、責任は自分たちですけれど、そうではないのに、プロレスというジャンルが声を出して楽しめない状況になってしまった。みんなで力を合わせて、ようやく会社が右肩上がりになり、あともう少しで何かに手が届きそうなタイミングだったと思うんです。後輩にもスター性のある選手が育ってきて、僕は産卵を終えた鮭みたいな気持ちで、流れに任せて流されていったほうがいいかなと思っていた矢先のこと。でも、もう一回川を上らなきゃいけないかなという気持ちになりました。だから今、選手としてももう一回モチベーションが上がっている状態です。――とはいえ、選手と社長の二足の草鞋は大変なはずで…。僕はプロレスラーとして、チャンピオンを目指さなくなったときが引退するときだと思っています。現在、団体最高峰であるIWGP世界ヘビーのベルトを僕はまだ一度も巻けてないですし。と同時に、この立場になったからには、会社全体を見られる社長になりたいし、社員が「うちの社長は棚橋です」って言える営業の看板的存在になれたらとも思う。なんなら、僕自身が直接企業に赴いて仕事を獲得したいとも思うし。両方できたら、こんな心強いことはないですよね。イメージは『パーマン』のコピーロボットみたいに棚橋がふたりいる感じ。棚橋が倍いたら、心強いじゃないですか。――確かに。とはいえ、現役にこだわる理由は、ベルトですか?悔しさですね。コロナ禍で、ようやく盛り上がってきたプロレスブームに水を差されてしまった。その悔しさだけです。――そのためにはやはり棚橋弘至が必要だ、ということでしょうか。そうですね。それは僕だけじゃなく、いま現役で頑張っている全プロレスラーが思っているんじゃないでしょうか。新日本プロレスは、3月6日(水)に大田区総合体育館で「旗揚げ記念日」と題した大会を開催。また翌日の3月7日(木)の後楽園ホールを皮切りに、選抜された選手たちがトーナメント戦で争う「NEW JAPAN CUP 2024 」スタート。山梨、兵庫、愛媛、岡山、大阪、愛知、静岡、福島、新潟と全国を巡業。たなはし・ひろし1976年11月13日生まれ、岐阜県出身。立命館大学法学部在学中に新日本プロレスの入門テストに合格し、卒業後の’99年に入門。若手のホープとして活躍し、2006年に団体最高峰のIWGPヘビー級王座を戴冠。現在まで8回の歴代最多戴冠記録を持つ。昨年12月に新日本プロレスリング株式会社代表取締役社長に就任。※『anan』2024年2月28日号より。写真・宮崎健太郎ヘア&メイク・給田久美子インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2024年02月23日高橋一生と橋爪功が親子役で共演するドラマ「6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱」に、原田美枝子が高橋さん演じる星太郎の母親役で登場することが分かった。本作は、花火師親子の不思議な日常と、彼らと接して影響を及ぼしていく女性の心の成長を、圧倒的な会話劇で描き出す一筋縄ではいかない心温まるファンタジードラマ。今夜放送の第8話では、航(橋爪さん)の別れた元妻で、9歳の星太郎を置いて家を出た、原田さん演じる母・理代子が登場する。理代子が歩んできた決して平坦ではない道のりを、凛とした美しさの中に秘める悲哀で体現。多くを語るというよりも、佇まいで魅了していく。星太郎は、航が遺した日記の内容を見て激昂。その内容は、自分が知らないところで航と理代子が愛人関係を続けていたという。また、これまで星太郎が接してきた航の幽霊は、自身が作り出した都合のいい妄想であることが発覚、本物の航の幽霊が現れたことで、真実はさらに複雑なものになっていく。そんな中今回は、どうして理代子が家を出ていくことになったのか?という重く、切ないやりとり、星太郎が抱える秘めたる思いが語られる。「6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱」は毎週土曜日23時30分~テレビ朝日系にて放送中。(cinemacafe.net)
2023年03月04日女優の石田ゆり子と新日本プロレスの棚橋弘至が出演する、日本スポーツ振興センター(JSC)・MEGA BIGの新CM「新しい技」編が、4日から放送される。エプロンに身を包んだ石田店長のもとに様々な人が訪れる同CMシリーズ。新CMには棚橋が登場し、「今年新しい技に挑戦したい」と「タワーマンション」「プライベートジェット」など、“12億円感”のある派手な技名を披露する。■棚橋弘至インタビュー――本日の撮影の感想は?テレビで何度も見てきたMEGA BIGのCMなので、まさか自分が出られるとはという、本当に驚きと、嬉しさというのがありました。一生懸命やらせていただきましたし、すごくいい雰囲気の中で撮影できました。多少なりともセリフがあるので、僕のターンで時間を掛けてはいけないと思って、昨日の夜から滑舌を良くして噛まないようにということで(練習しました)。今日はばっちり、滑舌も走っていました。練習は1時間くらいですかね。――石田さんとの共演の感想は?本当に最初は直視できないぐらい神々しくて。すてきな方だなと思って。(普段)Instagram とかをどうしても見てしまって、「いいね」をずっと押しているんですけれども。テレビで何度も見ていた方なんですけども、実際に見ると、本当におきれいで。そして何よりチャーミングというかね。本当誰に対しても、丁寧に優しく接せられているので、とってもすてきな女性でした。またMEGA BIGのCMシリーズで、僕の大先輩の長州力さんが以前出られていたので、長州さんの様子を少し(石田さんに)聞いていました。(長州さんが)すごい緊張されていたと言っていて。あの長州力もやはり緊張するんだなというね。――棚橋選手も緊張しましたか?いや、僕、生まれてから緊張したことないんで。――もし12億円あったら何かやりたいことはありますか?12億円をいっぺんに使えるってなかなかないので、まず良いことから言うと、親孝行ね。プロレスラーになって、両親にはやっぱり心配を掛けたので、なんか旅行でも、家でも建ててあげたりとかね。あとは、結婚前とか、結婚してすぐくらいは、2ドアのスポーツカーに乗っていたんですけれども、すぐ子供ができたので、ファミリーカーというか家族で乗れる車にしてしまったので、2ドアのスポーツカーを買いたいです。あとは、自分のジムを作りたいですね。フィットネスジムを作って、僕がお気に入りのマシンをばーっと置いて。そして、ジム経営のほうにも乗り出したいなと思います。12億円を元手にフランチャイズも考えています。――2023年はどんな1年にしたいですか?2020年の2月からかな、コロナになって、プロレスも無観客試合になってね。今は会場で試合はできるんですけども、歓声が制限されていたりして、なかなかプロレスを楽しめる、みんなで騒げるっていう状況ではないので気を付けるところは引き締めながら、それでもやっぱりコロナ禍からの復活、みんなが音楽、スポーツ、その中でプロレスとか、もういろんなものが、楽しんでいけるような1年にしたいし、そうなったときに、先頭を走ってたいですね。ごくごくプライベートな話をすると2年ぐらいずっと太ってるんですよ。なので、2023年は、年始に新日本プロレスの大きい大会があるので、そこに向けてバチッと体を仕上げて、「ああ、やっぱり棚橋、いい体してるな」っていうのを1年キープしたいですね。――今でもすごくすてきだと思います。いやいや、やめてください。そんなの言われたらね、もう明日からダイエットしなくなっちゃうんで。――CMのタイトル「新しい技」編に絡めて、棚橋さんが直近でチャレンジしたことについて教えてください。プロレスファンの人は、あの選手はあの技を使うっていう、やっぱりおなじみの見たい技とかもあるんですけども、今回(CMでは)新しい技で、実際にここ数年は僕自身新しい技が増えていないので、このCMの撮影をきっかけに、新しい技を何か考えようというモチベーションにもなりました。新しく始めたことと言われると、またダイエット関連になってしまうんですけど、むっちゃくちゃね今歩いてます。すごいウォーキングをしていて、1駅前に降りて、1駅分歩いて帰るとかはよくあるんですけど、僕は3駅分は歩いていますね。なので1日平均で、だいたい1万歩ぐらいは歩いています。いいですよ、散歩は。――これから始めたいことはありますか?2018年に僕主演の映画が公開になってるんですけれども、今日MEGA BIGのCM撮影で、演技魂に火が付いたので、映画撮ります。僕の一存で決めました。――視聴者の皆さまに向けて新年のごあいさつをお願いします。皆さん、明けましておめでとうございます。新日本プロレス、100年に1人の逸材、棚橋弘至です。2023年が皆さまにとって、すてきな1年になりますように。MEGA BIGを買って、いいことがあって、みんなでプロレスを観に来てもらってという、みんなが楽しい、幸せな1年にしていきましょう。MEGA BIG、愛してま~す!――『書き初め』新年の抱負は「IWGP世界ヘビー級王者になる!!」今は新日本のトップから遠のいてますけれども、2023年は、新日本のトップのベルト、IWGP世界ヘビー級王者になります。狙います!
2023年01月04日菅田将暉&原田美枝子のW主演で9月に公開された感涙必至の愛と記憶の物語『百花』。この度、本作のBlu-ray&DVDが2023年2月15日(水)にリリースされることが決定した。本作は、映画プロデューサー・脚本家として『告白』『君の名は。』『映画ドラえもん のび太の宝島』など多数の映画を製作してきた川村元気が、2019年に発表した自身4作目となる小説「百花」の映画化。自身の体験から生まれたこの小説の映像化で、長編監督デビュー。第70回サン・セバスティアン国際映画祭で日本人初の最優秀監督賞を受賞、ロサンゼルスで開催されるAFI(アメリカ・フィルム・インスティテュート)映画祭に正式出品され、北米プレミア上映が決定。10月に開催された「ロンドン・イーストアジア映画祭」、「ジャカルタ・ワールド・シネマ・ウィーク」や「香港アジア映画祭」などへの出品がされ、世界からも注目されている。親子の愛と記憶の物語となっている本作。記憶を失っていく母と向き合うことで、母との思い出を蘇らせていく息子を菅田さん。全てを忘れていくなか、様々な時代の記憶を交錯させていく母を原田さんが演じているほか、長澤まさみ、北村有起哉、板谷由夏、神野三鈴、永瀬正敏ら豪華俳優陣が出演している。今回リリースされるスペシャル・エディションには、製作スタッフによる撮影秘話を徹底的に語りつくしたオーディオ・コメンタリー、クランクインの撮影風景や撮影現場でのキャストのコメントなどの秘蔵映像が含まれたメイキングや完成披露舞台挨拶や初日舞台挨拶、また最優秀監督賞を受賞の模様が収められたサン・セバスティアン国際映画祭などのイベント映像集が収録。そして、永瀬さんが撮影現場で共演者を撮影した写真や、雑誌「CUT」のために撮り下ろした菅田さんのアザーカットを掲載した特製のフォトブックが同梱。アウターケース仕様となっており、豪華な内容だ。『百花』Blu-ray&DVDは2023年2月15日(水)発売。(cinemacafe.net)■関連作品:百花 2022年9月9日より全国にて公開©2022「百花」製作委員会
2022年12月07日スペイン最大の映画祭であるサン・セバスティアン国際映画祭においてオフィシャル・コンペティション部門へ正式出品されていた菅田将暉×原田美枝子のW主演映画『百花』。本作の原作者であり脚本も手掛けた川村元気監督が“日本人初”となる最優秀監督賞を受賞、監督と菅田さん、原田さんのコメントが到着した。オフィシャル・コンペティション部門へ正式出品された本作は、現地時間で9月20日(火)に公式上映を実施。原田さん、川村監督が現地へ駆けつけ、上映会に参加していた。サン・セバスティアン国際映画祭は1953年から続いているスペイン最大の映画祭であり、今回は記念すべき70回目として9月16日~24日まで開催。ヨーロッパにおいて、カンヌ国際映画祭やベルリン国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭に次いで重要な映画祭として位置付けられ、前回では『ドライブ・マイ・カー』も正式出品され、大きな話題となった。現地時間9月20日(火)、公式上映に先駆け、映画祭会場であるKursaal Congress Centre(クルサールコングレスセンター)の屋外で実施されたフォトコールと公式記者会見には原田さんと川村監督が参加。冒頭に原田さんは「こんにちは! ドノスティア!(バスク語でサン・セバスティアンの意)この映画が世界の方々にどのように受け取っていただけるのか楽しみです。ありがとうございます」とスペイン語で挨拶を披露、会場は大きな拍手と歓声に包まれた。レッドカーペット公式上映直前のレッドカーペットアライバルで『百花』のイメージカラーである黄色の着物に身を包んだ原田さんは、川村監督ともに大勢の観客を魅了。そして公式上映は、映画祭最大級のキャパシティ・1800席を多くの観客が埋める大盛況の中で実施され、本編が終了すると観客が立ち上がり、会場は拍手喝采の状態に。映画を鑑賞した観客はそのまま劇場ロビーに残り、退場する2人を迎え、ここでも惜しみない拍手と歓声が送られた。その光景に、感動を隠しきれない様子の原田さんと川村監督は最後に観客に深々とお辞儀。原田さんは感極まり、涙を流しながら会場を後にしていた。そんな中、現地時間で9月24日(土)夜、授賞式が行われ、川村監督が“日本人初”となる最優秀監督賞を受賞。同・最優秀監督賞はアルフレッド・ヒッチコック、ダニー・ボイル、チェン・カイコー、そしてポン・ジュノなど、錚々たる名監督たちが受賞してきた由緒ある賞。初監督としての受賞は極めて異例であり、日本人として初めての受賞という快挙となった。受賞を受け壇上に上がった川村監督は「初監督作品を評価してくれた、サン・セバスティアン映画祭に心より感謝したいと思います」と語り、一報を聞いたときには「息が止まりそうになりました」と喜びと驚きをコメント。そして、「この受賞はひとえに主演の菅田将暉くんと、原田美枝子さんの素晴らしいパフォーマンスのおかげだと思っています。彼らの演技が言語を超えて伝わったのだと確信しています。そして初めての挑戦に力を貸してくれた、すべての素晴らしいスタッフ、キャストに感謝したいと思います」と、菅田さん、原田さんらキャスト、そしてスタッフへの深い感謝を語った。また、 菅田さんからは「朝イチに嬉しいご褒美。現場の高揚感が伝わってきて、胸の中が熱気でパンパンです。何より監督の熱意が伝わったことがとても嬉しく、同時に少し安心しました」と言い、国や状況が違っても「感じるものは変わらない証明のように思います」と語る。原田さんは「撮影中に、『川村監督は、私が考えているよりも、ずっと深くて大きな世界を持っている』と、感じた事が形になって現れたようです。これから、世界中の人が作品を楽しみにする監督になるでしょう!一緒に仕事を出来たこと、誇りに思います!」と語り、2人とも祝福の気持ちをコメントした。『百花』は全国東宝系にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:百花 2022年9月9日より全国にて公開©2022「百花」製作委員会
2022年09月26日黒澤明、神代辰巳、深作欣二、実相寺昭雄…日本映画のレジェンドのような監督たちから愛されてきた“ザ・女優”ともいうべき人。でも目の前に現れた原田美枝子さんは、とても軽やかで少女のような可憐さを持った方でした。――まずは新作映画『百花』について伺わせてください。本作は、認知症で徐々に記憶を失っていく母と対峙する中で、主人公の泉(菅田将暉)が封印してきた幼い頃のとある記憶と向き合っていく物語です。認知症と診断される母・百合子という役に、どのような思いで向き合われたんでしょう。私が手がけた『女優 原田ヒサ子』という映画の公開が、ちょうどコロナ禍が始まった時期に重なってしまったんですけれど、その公開初日に(『百花』の原作者で監督の)川村元気さんが観に来てくれたんです。川村さんも映画『百花』を準備していて、私の映画と共有できるものを感じてくれたそうで、出演オファーをいただきました。――脚本を読まれて、作品のどこに惹かれたんでしょう。出演を決めたポイントはありましたか?気になったのは、百合子の過去…そこが物語のキーポイントになるわけですけれど、若い時代をどなたがやるのかなぁということでした。直感的に、両方の時代を同じ俳優が演じたら面白いとは思ったんですが、私がやる自信はまったくないわけです。だけど、監督に「同じ俳優がやったほうが面白いと思うんですよね」と話したら、わりと軽くOKしてくださって、逆に私が「いいんですか?」って(笑)。川村監督が勇見勝彦さんという優秀なヘアメイクの方を探してきてくださって、なんとか成り立つ雰囲気になったんですけれど、当の私は、もう本当にやるしかないのかなと、弱気から始まった撮影でした。――違和感がないどころか、撮影技術以上に、原田さんの表情や雰囲気が全然違っていて自然でした。意識されたことはありますか?撮影に入る前に川村さんとお会いしたときに「40代と60代の違いって姿勢なんですよ」とおっしゃられたんです。ただその頃、腰痛が悪化し、まっすぐ立てない状態になっていて。今の私では到底40代の役はできないと思い、トレーニングしながら腰を矯正するところから始めました。それはなんとか間に合ったんですが、それより大変だったのは、40代を演じても大丈夫だと自分を鼓舞すること。そこにすごく時間がかかりました。私がちょっとでも無理しているのが見えたら、映画をご覧になる方は物語に入れない。作品の邪魔になるのが一番困るので。――息子を演じられた菅田将暉さんとのやり取りはいかがでした?正直、最初の頃は撮影が本当に大変でした。監督のこだわりで、1シーン1カットで撮影していたんですが、とにかく全然OKをくれないものだからテイク数がものすごく多くて、私はヘトヘトになりながらやり続けた感じです。川村さんは最初から長回しで撮りたいと決めていらしたんですけれど、そこに固執しすぎちゃうと逆にうまくいかないんじゃないかという不安がありました。でも途中から、監督はいわゆるわかりやすい芝居を超えたところに滲む何かを撮りたくてそうしたんだなとわかってきて。監督を信頼していいんだと思ってからは楽…ではないけれど、よかったです。ただ、そこに辿り着くまでが大変だったので、菅田くんとは大変な現場を共に戦っていく同志みたいな感覚でした(笑)。――原田さん自身は、この作品のどこに魅力を感じられましたか?この年齢になると、おばあちゃんとかお母さんという若い人を優しく見守る役柄が多くなってくるんです。でもこの『百花』は、理想的な母親像から一歩踏み込んで、シングルマザーである百合子の背景…ひとりの女性として生きてきた姿が描かれているのが面白いなと思います。原田さんが出演する映画『百花』は、川村元気さんが自身の体験を元に綴った同名小説を題材に、川村さん自身が脚本・監督を務めて映画化した。レコード会社に勤務する葛西泉(菅田将暉)と、認知症と診断され記憶を失っていく母・百合子(原田美枝子)との、封印していた過去の記憶と親子の愛を巡る物語。はらだ・みえこ12月26日生まれ、東京都出身。1974年にデビュー。黒澤明監督の『乱』『夢』をはじめとして、増村保造、深作欣二など数々の名匠の作品に多数出演。’98年の『愛を乞うひと』で第22回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞など受賞歴多数。NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』に出演中。自身が監督した短編ドキュメンタリー映画『女優 原田ヒサ子』は、現在、Netflixにて独占配信中。ワンピース¥242,000(インドゥエリス TEL:03・3447・0528)イヤリング¥418,000ネックレス¥792,000リング¥726,000(以上ロイヤル・アッシャー/ロイヤル・アッシャー カスタマーサービス TEL:0120・407・957)シューズはスタイリスト私物※『anan』2022年9月21日号より。写真・樽木優美子(TRON)スタイリスト・坂本久仁子ヘア&メイク・Eita(Iris)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2022年09月16日映画『百花』(9月9日公開)の大ヒット祈願イベントが23日に東京・浅草寺で行われ、菅田将暉、原田美枝子が登場した。同作は川村元気による小説『百花』の実写化作で、川村自身が監督・脚本を手掛ける。レコード会社に勤務する葛西泉(菅田将暉)とピアノ教室を営む泉の母・百合子(原田美枝子)は、過去のある「事件」をきっかけに、わだかまりを感じながら時を過ごしていた。そんな中、不可解な言動をするようになる百合子が認知症だと診断される。その日から、泉は記憶を失っていく母と向き合うことになる。菅田は母役の原田を行き帰りエスコート。浅草寺で行われた祈願に、菅田は「すごい気持ちがよかったです。なんだか物理的に音とか隙間を流れる風とか気持ちよさもあるんですけど、じーっと目を閉じて聞いてるとスーッと溶けてくような」と振り返り、「お祓いとかヒット祈願とかって結構気を張るし疲れるんですけど、全然疲れなかったですね。癒された感じがしました」と普段と違ったという。ワンシーンワンカットと撮影については独特だったようで、原田は「大変でした。何秒間かを集中するのと、3分間~5分間を集中するのとは違って、単に芝居を埋めていくよりは奥にある香りのようなものを引き出すまでOKが出ないので、一体何を撮りたいんだろうというのが謎で、大変でしたけれども、監督が多くのものを映し出そうとしていると感じた時からは、だいぶ楽になりました。理解した、信頼関係ができた感じですね」と苦笑する。撮影は1年前だったために、菅田は「1年越しのプロモーションで『菅田くんってそんな人だったんだね』と言われた時に、現場の時の集中力を感じた」と明かす。原田も「現場では私は百合子として菅田さんの泉を見ていて、菅田さんは泉として百合子を見ているので、そこからほとんど一歩も出てない感じで、普通の会話もほとんどなかったです。芝居が大変すぎて」と語る。「休憩だからって『いやあ、元気?』とかそういう軽い会話ができるような状態じゃなかったので、菅田さんがみんなをぎゅっとまとめるような大きさのある人なんだなというのをキャンペーンをやってる最中に気づいて『いい人だなあ、いい子だなあ』と。『良かった、この人と仕事して』と思ったんです」と言う原田。菅田は「撮影中にどんな人なんだろうって探ることもないので、よかったです。いい人って言ってもらえて」と安堵していた。
2022年08月23日菅田将暉、原田美枝子、長澤まさみらの共演で贈る映画『百花』から、初解禁シーンが散りばめられた“公開記念特別映像”が公開された。川村元気が2019年に発表した自身4作目となる同名小説(文春文庫刊)を、川村さん自身が監督・脚本を手掛けて映画化した本作。先日、第70回サン・セバスティアン国際映画祭オフィシャル・コンペティション部門に正式出品されることが決定。スペイン最大の映画祭であり、カンヌ国際映画祭やベルリン国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭に次ぐ映画祭として位置付けられている本映画祭への正式出品は、大きな話題となっている。解禁となった映像は、記憶を失っていく母と向き合う息子・葛西泉役の菅田さん、様々な時代の記憶を交錯させていく母・葛西百合子役の原田さん、出産を控える泉の妻・葛西香織役の長澤さんの3人が本作への熱い想いをそれぞれに語ったインタビュー映像と、さらには未解禁映像を含む本編シーンも。初公開の映像がふんだんに散りばめられた1分間の特別映像となっており、『百花』上映予定の一部の劇場において幕間で公開されている。『百花』は9月9日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:百花 2022年9月9日より全国にて公開©2022「百花」製作委員会
2022年08月12日9月9日(金)に公開される菅田将暉と原田美枝子がW主演を務める『百花』の主題歌が、劇中に登場する“ヴァーチャルアーティスト”KOEの楽曲「Hello,I am KOE」に決定した。原作は映画プロデューサー・脚本家として『告白』『悪人』『竜とそばかすの姫』『映画ドラえもん のび太の宝島』など多数の映画を製作してきた川村元気の4作目となる小説『百花』(文春文庫刊)。川村自身の体験から生まれた、ふたりで生きてきた親子の、愛と記憶と忘れられない事件を巡る物語を映画化した本作で、原作者である川村自身が監督・脚本を手がけ、初の長編監督デビューを果たす。記憶を失っていく母と向き合うことで、母との思い出を蘇らせていく息子・葛西泉を菅田将暉が演じ、すべてを忘れていくなか、さまざまな時代の記憶を交錯させていく母・葛西百合子を原田美枝子が演じる。さらに、泉と同じレコード会社で働き、初めての出産を控える泉の妻・葛西香織役を長澤まさみ、百合子の「秘密」を知り、「事件」と深い関わりを持つ男・浅葉洋平役を永瀬正敏が務めるほか、北村有起哉、岡山天音、河合優実、長塚圭史、板谷由夏、神野三鈴が脇を固める。主題歌を歌う“ヴァーチャルアーティスト”KOEは、劇中で泉と香織が携わる、“AI”に数々の音楽の記憶を学習させ、理想のヴァーチャルヒューマンアーティストをデビューさせるという音楽プロジェクトの中で生まれたもの。そんなKOEが『キャラクター』など映画音楽制作や、藤井風などへの楽曲提供など、今最も注目される音楽プロデューサー・Yaffleのプロデュースにより、主題歌「Hello,I am KOE」で映画のストーリー同様、現実にデビューすることが決定した。この主題歌はすでに予告篇の一部に使用されている。さらに、新進気鋭のアーティスト・Doul、大貫妙子など多くのアーティストの作編曲を担当し、この映画のサントラも手掛ける音楽家・網守将平を含む一流のクリエイター陣が、本作の主題歌を含むKOEのデビューアルバムを手掛け、9月7日(水)にデビューすることも発表された。実は、5月末より【100日後に世界デビューするアーティスト】というSNSが開設されており、アーティスト名が不明であるにも関わらず、映画公式アカウントをはじめ出演キャストのアカウントとの相互フォローとなっていることがSNS上で話題となっていた。そのアーティストの正体がこのKOEということになる。主題歌を制作したYaffleは楽曲制作時を振り返り、「お題を聞いた時、とても面白そうだと思いましたし、光栄でした。今の時代ならではのテクノロジーとの向き合い方を自分なりに表現しました。」とコメント。さらに「今回のように複数のアーティストで、存在しない1人のアーティストをつくりあげるというプロジェクトは後にも先にも無いんじゃないかと思うので、とても貴重な経験でした」と語った。川村監督は今回のプロジェクトに関して、「菅田将暉演じる泉が、目の前で記憶を失っていく母を目の当たりにしながら、仕事においては記憶を集めて作るアーティストと向き合っている。覚えていくことと、忘れていくこと。そのコントラストの中に“人間とは何か”を浮かび上がらせたいと思いました」と述べ、「Yaffleを中心とした気鋭のアーティストたちに“記憶のアーティスト・KOE”を創造してもらいました。主題歌となった楽曲「Hello, I am KOE」はどこか懐かしく、儚く、人の記憶を辿るような美しさに満ち溢れており、映画の世界を何倍にも広げてくれました」とコメントした。本作の主演の一人であり、自身も音楽アーティストとしても活動する菅田は、楽曲を聞き、「洗練されていながら、何かが欠けているような、何かを探しているような切なさを感じました。記憶を辿る物語がまた何層にも膨れ上がる楽曲だと思います。」と語った。また、リリースに先駆けて、Yaffle選定のもと、優勝作品がKOEのデビューEPのbonus trackに収録されるREMIXコンテスト実施中。詳細は公式HPまで。<コメント全文>監督:川村元気人間の記憶とはなにか?問いかけを続けながら、その正体に迫る映画を作りたいと思っていました。その時に、「音楽の記憶を集めて作るアーティスト」が映画の中に現れて欲しいと考えました。菅田将暉演じる泉が、目の前で記憶を失っていく母を目の当たりにしながら、仕事においては記憶を集めて作るアーティストと向き合っている。覚えていくことと、忘れていくこと。そのコントラストの中に「人間とは何か」を浮かび上がらせたいと思ったのです。そして、Yaffle を中心とした気鋭のアーティストたちに「記憶のアーティスト・KOE」を創造してもらいました。主題歌となった楽曲「Hello, I am KOE」はどこか懐かしく、儚く、人の記憶を辿るような美しさに満ち溢れており、映画の世界を何倍にも広げてくれました。Yaffle(ヤッフル)お題を聞いた時、とても面白そうだと思いましたし、光栄でした。間違いなく音楽もテクノロジーの進化と共にアップデートされてきたものですし、今後もそうだと思います。ただ、音楽で機械を表現するうえで使い古された、従来の「テクノロジー進歩と共に歩む」というありきたりなものではなく、今の時代ならではのテクノロジーとの向き合い方を自分なりに表現しました。また、今回のように複数のアーティストで、存在しない 1 人のアーティストをつくりあげるというプロジェクトは後にも先にも無いんじゃないかと思うので、とても貴重な経験でした。主演:菅田将暉洗練されていながら、何かが欠けているような、何かを探しているような切なさを感じました。記憶を辿る物語がまた何層にも膨れ上がる楽曲だと思います。【リリース情報】■KOE デビューEP「Hello, I am KOE」映画主題歌「Hello, I am KOE」収録(3,000円+tax) / 9月7日(水)リリース■百花サウンドトラック『百花 -Original Motion Picture Soundtrack-』(3,000円+tax) / 9月7日(水)リリース音楽 網守将平■『百花 -Complete Edition-』2CD+本(9,000円+tax) / 9月7日(水)リリース[商品仕様]・三方背ケース付デジパック仕様・川村元気×網守将平・川村元気×Yaffle 対談付歌詞ブックレット 32P[CD]DISC1:百花 -Original Motion Picture Soundtrack- 7 曲 ※Original Motion Picture Soundtrack 通常盤と共通DISC2:Hello, I am KOE ※Hello, I am KOE 通常盤と共通[小説]百花(単行本版)公式HP: 『百花』9月9日(金)公開
2022年07月20日菅田将暉、原田美枝子のダブル主演で川村元気原作の小説を映画化した『百花』よりポスタービジュアルが解禁された。本作は、『告白』『悪人』『モテキ』『世界から猫が消えたなら』『君の名は。』など、映画プロデューサー・脚本家として多数の映画を製作してきた川村元気が、自身の体験を基に2019年に発表した自身4作目となる小説「百花」(文春文庫刊)が原作。自身が長編初監督をつとめ、菅田将暉と原田美枝子共演で、記憶を失っていく母と、その母と向き合うことで母との思い出を蘇らせていく息子を描く。この度、解禁となったポスタービジュアルは、親子の表情が美しくも胸を打つ1枚。少し切なげな表情で見つめる菅田さん演じる泉と、愛情深い微笑みを浮かべつつも、目の奥に何か秘めた思いを感じる表情をした原田さん演じる百合子の親子を写し出している。物語の重要なシーンが撮影された、長野県・諏訪湖にて撮り下ろしたこのスチールは、本作のテーマカラーでもある「黄色」をあしらった印象的なビジュアルとなっている。『百花』は9月9日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:百花 2022年9月9日より全国にて公開©2022「百花」製作委員会
2022年04月17日菅田将暉と原田美枝子がW主演する映画『百花』が9月9日(金)より公開となる。この度、本作に対して山田洋次、岩井俊二、ポン・ジュノ、鈴木敏夫からコメントが到着した。映画プロデューサー・脚本家として『告白』や『悪人』、『モテキ』、『世界から猫が消えたなら』、『君の名は。』など多数の映画を製作してきた川村元気。映画製作の一方で、数々の話題作を小説家としても生み出してきた。そんな川村が2019年に発表したのが、自身4作目の小説『百花』(文春文庫刊)である。自身の体験から生まれたこの小説は発表後、吉永小百合をはじめとした各界からの絶賛を受け、現在は発行部数18万部を突破。映画版は原作者である川村が監督と脚本を手掛けた初の長編作だ。記憶を失っていく母と向き合うことで、母との思い出を蘇らせていく息子・葛西泉を演じるのは、第41回「日本アカデミー賞」最優秀主演男優賞をはじめとし、数々の映画賞に輝いてきた若手屈指の演技派俳優・菅田将暉。レコード会社に勤務し、社内結婚をしてまもなく子供が生まれようとしている日常から一変。記憶を失っていく母を目の当たりにして、封印していたはずの過去の記憶に向き合うことなる息子を繊細かつ力強く演じる。すべてを忘れていくなか、さまざまな時代の記憶を交錯させていく母・葛西百合子を演じるのは、黑澤明、増村保造、深作欣二など数々の名匠の作品に多数出演し、映画賞を総なめにしてきた日本を代表する女優・原田美枝子。女手ひとつで育ててきた息子と、とある事件をきっかけにすれ違うようになってしまった百合子。記憶を失っていくなか、思い出の奥底にある「秘密」に手を伸ばそうとする母の姿を、圧倒的な存在感と確かな演技力で表現する。昨年、映画化発表と共に解禁となった超特報映像でも「映像を見ているだけでジーンとくる」、「すごく心に沁み入る様な作品だと、映像だけで伝わってくる」、「公開が待ちきれない!」などとSNSで話題になった。そんな本作を鑑賞した映画界の巨匠たちから早くも感想コメントが到着。『男はつらいよ』、『たそがれ清兵衛』、『母と暮らせば』などの名作を監督した山田洋次や『パラサイト 半地下の家族』では「第72回カンヌ国際映画祭」パルムドール最高賞、「第92回アカデミー賞」作品賞ほか最多4部門を受賞したポン・ジュノ。さらにスタジオジブリのプロデューサーとして名作を世に送り出してきた鈴木敏夫、『LoveLetter』、『スワロウテイル』、『花とアリス』ほか、数々の作品で熱狂的なファンを生み出してきた岩井俊二が名を連ねている。彼らの熱い賞賛コメントは以下の通り。<山田洋次:映画監督>凝縮された美しさ。奇想天外な物語がある一方、誰もが身に覚えのあるような身近なストーリーもある。認知症がじわじわと進行しつつある母親に、出産を控えた息子夫婦が向き合う、という誰にとっても身につまされるような、悪く云えば日常的なドラマを、思い切って凝縮してみる、何百気圧のプレッシャーをかけてギュウギュウ圧縮すると、透明なキラキラした美しい結晶体に変化する。川村監督の『百花』はそんな映画だ。ワンシーンワンカットで撮影された、いわば「長回し」の大胆な演出スタイルが不思議に飽きさせない。うまい演出とは云いたくない、この作品の力はスタイルではなく、このドラマにかけた監督のエネルギー、情念、憧れ、愛情、といったもの、つまりハートなのだということをしみじみ思わせてくれたし、実は初演出の川村元気君自身が完成した作品を見てそのことに気づき、衝撃的に思いあたっているに違いない。「カットとカットの間に神が宿るんだ、それが映画というもんだよ」と、ぼくに語ってくれた黒澤明監督の温顔をしみじみ思い出す。<ポン・ジュノ:映画監督>映画は最初から野心的であざやかだった。絶妙なロングショットは、非常に繊細かつ鋭敏に演出されていて、最後まで緊張感が続く。何よりも感動したのは、映画の後半で、主人公の泉が母の百合子に「なんで忘れてんだよ、こっちは忘れらんねえんだよ」と叫ぶ場面。そしてラストに、母親が求める「半分の花火」が何だったのか、その本当の意味に彼が気づく。なんと感動する瞬間なのか。改めて、息子と母の親子関係の本質を力強く感動的に描いた作品だ。素晴らしい作品を見せてくれたことに、感謝を伝えたい。<鈴木敏夫:スタジオジブリ・プロデューサー>母の記憶とリンクするピアノ曲と抑制された音楽と。本当に久しぶりに映画に浸った。<岩井俊二:映画監督>記憶とは歪んだイビツな鏡なのかも知れない。母にとって小さな湖が、海と映る。果てなく大きな存在が母であるその息子の鏡には。『百花』9月9日(金)より公開
2022年04月12日第521回日経ミューズサロン『佐藤美枝子ソプラノ・リサイタル』が2022年4月20日(水)に日経ホール(東京都千代田区)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 公式ホームページ 1998年第11回チャイコフスキー国際コンクール声楽部門で日本人初の第1位を受賞以来、意欲的な音楽活動を続けている、日本が誇るプリマドンナ。日経ミューズサロンへは99年第249回公演以来23年ぶりの登場。3つの「アヴェ・マリア」や「狂乱の場」からユー・レイズ・ミー・アップまで聴きどころ満載のプログラム。【プログラム】ベッリーニ/オペラ「海賊」より狂乱の場“ああ、目の前にかかる雲を…その無心の微笑みで”ドニゼッティ/オペラ「アンナ ボレーナ」より狂乱の場“あなた方は泣いているのですか〜私の生まれたあのお城”グノー/アヴェ・マリアカッチーニ/アヴェ・マリアマスカーニ/アヴェ・マリア武満徹/小さな空村松崇継/いのちの歌いずみたく/見上げてごらん夜の星をラヴランド/ユー・レイズ・ミー・アップ不詳/アメイジング・グレイスプロフィール佐藤美枝子(ソプラノ)Mieko Sato武蔵野音楽大学卒業。日本オペラ振興会オペラ歌手育成部修了後、イタリアに留学。留学中に第7回五島記念文化賞オペラ新人賞を受賞し、1997年より(公財)五島記念文化財団の奨学生としてさらに2年間イタリアで研鑽を積む。98年第11回チャイコフスキー国際音楽コンクール声楽部門で日本人初の第1位を受賞し注目を集めた。藤原歌劇団には2000年に最も得意とする「ランメルモールのルチア」のタイトルロールでデビュー。日本を代表するソプラノとして藤原歌劇団、新国立劇場をはじめ、国内外多数のオペラ出演のほか、オーケストラとの共演や全国各地でのリサイタル等、幅広く活躍している。第9回出光音楽賞、第2回ロシア歌曲賞、第10回新日鉄音楽賞(現・日本製鉄音楽賞)フレッシュアーティスト賞、第50回ENEOS音楽賞の各賞を受賞。藤原歌劇団団員。日本オペラ協会会員。河原忠之(ピアノ)Tadayuki Kawahara日本を代表する歌手が共演者に挙って指名する人気ピアニスト。NHKニューイヤーオペラコンサートにも出演した「太メン」男声オペラ歌手4人とのユニット、IL DEVU(イル・デーヴ)のピアノ・メンバー。国立音大及び大学院教授、新国立劇場オペラ研修所シニアコレペティトゥア。開催概要第521回日経ミューズサロン『佐藤美枝子ソプラノ・リサイタル』開催日時:2022年4月20日 (水)18:00開場/18:30開演会場:日経ホール(東京都千代田区大手町1-3-7)■出演者佐藤美枝子(ソプラノ)河原忠之(ピアノ)■チケット料金全席指定:4,000円(税込)主催: 日本経済新聞社 / 協賛: ファンケル※本公演は新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインを考慮し開催します。今後のコロナ禍の影響により公演の開催に変更が生じることもあります。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年03月14日映画『百花』が2022年9月9日(金)より公開。菅田将暉、原田美枝子のW主演作品だ。川村元気の小説『百花』が映画化映画プロデューサー・脚本家として活躍する、川村元気の小説『百花』の映画化が決定。『告白』『悪人』『モテキ』『君の名は。』『映画ドラえもん のび太の宝島』など、数々のヒット作品を生み出してきた川村元気が、自身の体験から生み出したという『百花』は、記憶を失っていく母とその息子の物語だ。親子とは?愛とは?人の記憶の正体とは?女手一つ息子を育ててきた母・葛西百合子が、記憶を失っていく。一つひとつと思い出が消え去り、すべてを忘れていくなか、残った様々な時代の記憶を交錯させていく母。そんな母の姿を目の当たりにしながら、とある事件をきっかけにすれ違うようになってしまった息子・泉は、改めて親子の思い出を蘇らせていくのだった。菅田将暉、原田美枝子がW主演葛西泉(菅田将暉)葛西泉は、レコード会社に勤務する青年。社内結婚の後まもなく子供が生まれようとしていたが、記憶を失っていく母を目の当たりにする中、今までの親子としての時間を取り戻すかのように、母を献身的に支えていく。ある日、母の部屋で、泉が知らなかった「秘密」が記された日記を手にする。息子・泉を演じるのは、菅田将暉。第41回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞し、『花束みたいな恋をした』『キャラクター』など2021年もヒット作に出演した若手屈指の演技派俳優だ。葛西百合子(原田美枝子)葛西百合子は、泉の母。ピアノ教室を営む。女手一つで育ててきたが、とある事件をきっかけに泉とすれ違うようになってしまう。認知症で自身の記憶を失い、大好きなピアノも弾けなくなっていく。そんな中、「半分の花火が見たい…」とつぶやくのだが…この半分の花火とは…?泉の母・百合子を演じるのは女優・原田美枝子。思い出の奥底にある「秘密」に手を伸ばそうとする母親の姿を、圧倒的な存在感で演じきる。葛西香織(長澤まさみ)泉と同じレコード会社で働き、初めての出産を控える泉の妻。浅葉洋平(永瀬正敏)百合子の「秘密」を知り、「事件」と深い関わりを持つ男。KOEヴァーチャルヒューマンアーティスト。泉と香織は、“AI”に<数々の音楽の記憶>を学習させ、理想のヴァーチャルヒューマンアーティストをデビューさせるという音楽プロジェクトに携わっている。その他、北村有起哉、岡山天音、河合優実、長塚圭史、板谷由夏、神野三鈴らが出演する。川村元気「初」の長編監督作品監督・脚本は、原作者である川村元気自身。監督として、2018年カンヌ国際映画祭短編コンペティション部⾨に出品した『どちらを』を手掛けていた川村だが、本作が長編監督デビューとなる。物語について川村は、「徐々に記憶を失っていく祖母と向き合いながら、私自身が様々なことを忘れていたり、記憶を書き換えながら生きていることに気付かされました。人間は体ではなく記憶でできている。どうしようもない瑣末な記憶ですら、それらは複雑にその人に根ざし、その人を形成している。そんな実感から生まれた小説が「百花」でした。」と話す。小説で描かれた母と息子の物語が、スクリーンでどのように描かれるのか。公開まで期待が高まる。サン・セバスティアン映画祭で“日本人初”最優秀監督賞スペイン最大の映画祭であるサン・セバスティアン国際映画祭において『百花』がオフィシャル・コンペティション部門に出品。川村元気が、“日本人初”となる最優秀監督賞を受賞した。同賞はアルフレッド・ヒッチコック、ダニー・ボイル、チェン・カイコー、ポン・ジュノなど、錚々たる名監督たちが受賞してきた由緒ある賞となっており、川村にとっての“初”長編監督作品にして快挙を達成した。主題歌はYaffleプロデュースのヴァーチャルアーティストKOE映画『百花』の主題歌は、劇中に登場するヴァーチャルヒューマンアーティストKOEが担当。プロデュースは、『キャラクター』など映画の音楽制作や、藤井風などへの楽曲提供などで注目を集める音楽プロデューサー・Yaffle(ヤッフル)が務める。映画『百花』あらすじレコード会社に勤務する葛西泉と、ピアノ教室を営む母・百合子。ふたりは、過去のある「事件」をきっかけに、互いの心の溝を埋められないまま過ごしてきた。そんな中、突然、百合子が不可解な 言葉を発するようになる。「半分の花火が見たい・・・」それは、母が息子を忘れていく日々の始まりだった。認知症と診断され、次第にピアノも弾けなくなっていく百合子。やがて、泉の妻・香織の名前さえ分からなくなってしまう。皮肉なことに、百合子が記憶を失うたびに、泉は母との思い出を蘇らせていく。そして、母子としての時間を取り戻すかのように、泉は母を支えていこうとする。だがある日、泉は百合子の部屋で一冊の「日記」を見つけてしまう。そこに綴られていたのは、泉が知らなかった母の「秘密」。あの「事件」の真相だった。母の記憶が消えゆくなか、泉は封印された記憶に手を伸ばす。一方、百合子は「半分の花火が見たい…」と繰り返しつぶやくようになる。「半分の花火」とはなにか?ふたりが「半分の花火」を目にして、その「謎」が解けたとき、息子は母の本当の愛を知ることとなる。作品詳細映画『百花』公開日:2022年9月9日(金)出演:菅田将暉、原田美枝子、長澤まさみ、北村有起哉、岡山天音、河合優実、長塚圭史、板谷由夏、神野三鈴、永瀬正敏監督:川村元気脚本:平瀬謙太朗、川村元気音楽:網守将平原作:川村元気「百花」(文春文庫刊)配給:東宝
2021年12月05日累計発行部数18万部を突破した川村元気の小説「百花」が、菅田将暉&原田美枝子W主演で映画化されることが決定。劇中ビジュアルと超特報映像も到着した。映画プロデューサー・脚本家として多数の映画を製作してきた川村さん。その一方で、「世界から猫が消えたなら」「億男」「四月になれば彼女は」など小説家としても活躍。今回映画化されるのは、2019年に発表した自身4作目となる小説「百花」。ふたりで生きてきた親子の、愛と記憶と、忘れられない事件を巡る物語は、川村さん自身の体験から生まれた。そんな小説を、川村さん自身が監督・脚本を手掛け映画化。今作で初の長編監督デビューを飾る。川村監督は「『あなたは誰?』五年前に私のことを忘れてしまった祖母。徐々に記憶を失っていく祖母と向き合いながら、私自身が様々なことを忘れていたり、記憶を書き換えながら生きていることに気付かされました。人間は体ではなく記憶でできている。どうしようもない瑣末な記憶ですら、それらは複雑にその人に根ざし、その人を形成している。そんな実感から生まれた小説が『百花』でした」と執筆のきっかけを明かしている。菅田さんが、記憶を失っていく母と向き合うことで、母との思い出を蘇らせていく息子・葛西泉。原田さんが、全てを忘れていく中、様々な時代の記憶を交錯させていく母・葛西百合子を演じる。「原作小説を読みながら気づいたら泣いてました」と語る菅田さんは、「一生忘れられないテイクが生まれました。原田さんとふたり、ボロボロになりました。ふと思い出してはニヤニヤしています。公開が楽しみです。皆さまの記憶にこびりつき、明日がより豊かになる事を願っています」とコメント。一方の原田さんは「当たり前だったことが次の瞬間分からなくなる、記憶を失っていく様をリアルにみせていくのは、非常に難しく大変でした」と撮影をふり返り、「なかなかOKが出なかったシーンのロケで、ふと空を見た時、黒澤(明)さんや溝口(健二)さん、私の恩師である増村(保造)さんたちが並んで見守ってくれているような、不思議な感覚を味わいました。みんなで魂を込めて作った作品です。楽しみに待っていてください!」とメッセージを寄せている。そして、夕暮れ時の諏訪湖を背に、微笑む母と見つめる息子の姿が写し出されているビジュアルも到着。また映像では、花火を見つめる2人や幼少期の記憶、お互いを探し駆け出す姿、さらに“花”が登場。現在と過去の記憶が入り混じり、切なくも美しい映像に仕上がっている。『百花』超特報映像『百花』は2022年9月9日(金)より公開。(cinemacafe.net)
2021年12月02日3月下旬、外出先から帰宅してきたのは原田美枝子(61)だった。次女で女優の石橋静河(25)とは腕を組んでおり、かなり親子仲は良好なようだ。現在、上映中の映画『女優 原田ヒサ子』もまさに家族の絆を描いている。「ドキュメンタリーで主人公は認知症が進んでいる実母・ヒサ子さん(90)です。原田の初監督作品で、制作・撮影・編集も手がけています。上映時間は24分と短いですが、映像からは原田の母への深い愛情が伝わってきます。3月28日に舞台挨拶も予定されていましたが、小池都知事の外出自粛要請により、その日は休館となってしまいました。作品の特色は“家族3代”が関わっていること。長女で歌手の優河(28)、次女・石橋静河、長男でVFX(視覚効果)アーティストの石橋大河、さらに長男の妻まで出演しています」(芸能関係者)だが“家族総出の映画”にただ一人出演していない人物がいた。夫で俳優の石橋凌(63)だ。映画会社関係者は次のように語る。「出演はおろか、裏方としても作品には関わっていません。また『女優 原田ヒサ子』は昨年11月に山形県で先行披露されていますが、トークショーでも夫については一切ふれていませんし、映画の宣伝のために応じたインタビューでもそれは同様です」なぜ石橋だけ、ファミリー映画を“出禁”になってしまったのか?映画会社関係者が続ける。「実は業界関係者たちの間では、原田に夫のことを聞くのは“タブー”とされているのです」なんとこの10年以上、インタビューで原田が石橋について言及したことはないという。「19年前の’01年5月に写真週刊誌が、石橋にアメリカ国籍の愛人がおり、隠し子もいることを報じたのです。石橋は記者会見で事実を認めましたが、原田の心に深い傷を残したようです。半年後に主演映画の完成会見で、夫の愛人問題について質問をされると、退席し、戻ってきませんでした。離婚はしませんでしたが、“仮面夫婦”状態が続いているといいます。数年前に原田といっしょに仕事をした監督も『あの夫婦はいつ離婚に踏みきってもおかしくないね』と、もらしていました」原田の所属事務所に連絡すると、担当者は次のように答えた。「(石橋凌が)映画に出演していないのは、日程が合わなかったからで、2人は不仲ではありません。この10年以上、インタビューで夫について語っていない?それは取材内容を出演した作品のことだけに限らせてもらっているからだと思います」だが原田は作品の宣伝目的のインタビューであっても3人の子供たちについては、頻繁に話しているのだが……。31歳のときに座禅を始めた原田は不倫発覚の翌年、インドの修行道場の聖者に教えを乞うたという。それから20年近くたつが、彼女は“夫への怒り”を心から消し去ることはできたのだろうか。「女性自身」2020年4月21日号 掲載
2020年04月10日日本オペラ界を代表するソプラノ佐藤美枝子と、人気と実力を兼ね備えたテノール西村悟の初めてのデュオ・リサイタルが、この春、横浜みなとみらいホールで実現する。「実は、ずっと前から美枝子さんと共演したいと熱望していたんです」と胸の内を明かした西村は、今回のリサイタルにかける意気込みをこう語る。【チケット情報はこちら】「美枝子さんは教科書のような声の持ち主で、共演するということはいちばん近くでそのすべてを体験できるわけですからとても勉強になります。と同時に、僕にとっては大きなチャレンジであることも間違いない。このリサイタルが僕自身のステップアップにも繋がると思っています」一方の佐藤も、今回の西村との共演については並々ならぬ意欲を持っているようだ。「初めて彼の歌を聴いた時から、聴衆を惹きつけるカリスマ性に驚きました。華があると同時に、ほとばしる音楽性を持ったテノール。そんな西村さんと私の音楽のいちばん良いところが合わさることで、さらに完成度の高いものをお届けできるのではと考えています」プログラムは、誰もがどこかで1度は耳にしたことのあるようなおなじみの曲が並ぶ。佐藤いわく、「お客様がどれだけ楽しんでくださっているのか、という空気がとても大切なので、皆さんにお耳馴染みのある曲を選びました」と話す。前半は日本歌曲やカンツォーネ、後半はオペラ・アリアが中心で、その中でも白眉はラストに置かれたヴェルディの歌劇『リゴレット』からの二重唱「あなたは私の心の太陽」だろう。「美枝子さんとだったらこの曲をやりたいと思っていた」という西村の熱望が実現した形だ。他にも、最近ミュージカルに興味を持っているという西村による『ウエストサイド・ストーリー』からの「マリア」、そして実は佐藤のレパートリーだという『キャンディード』からの「着飾ってきらびやかに」という2曲のミュージカル・ナンバーも楽しみだ。「曲の間にはざっくばらんにMCを入れたい」と佐藤がいえば、「突然無茶ぶりをして美枝子さんがタジタジになるところが見てみたいかも」と西村が笑うなど、早くも2人の息はぴったりのようだ。日本を代表するトップ歌手ふたりが、名アリアやデュエットなどを次から次へと歌ってくれるこのコンサート。「オペラ・ファンだけでなく、色々な人に気軽に来ていただきたい」というふたりの熱のこもった言葉を聞きながら、たくさんの人の心を幸せな気分で満たしてくれるリサイタルになるに違いない、と確信した。公演は3月20日(金・祝)に神奈川・横浜みなとみらいホール 大ホールにて開催。チケットは発売中。取材・文室田尚子
2020年01月17日「40歳にもなってこんなにも一生懸命になれることがまだ残っていたんだと。それがすごく喜びでしたね」そう話すのは、プロレス界内外に名をとどろかせる棚橋弘至(41)。“100年に一人の逸材”が、今度は映画界に殴り込み!初主演映画『パパはわるものチャンピオン』(絶賛公開中)に挑んだ。「クランクアップでは、息子役の9歳の(寺田)心くんがすごく立派な挨拶をしたあとに、僕は涙で何も言えなくなって2分くらい嗚咽してしまいました(笑)」(棚橋・以下同)大村孝志(棚橋)は元トップレスラーだったが膝に大けがを負い、悪役レスラーに。しかし、孝志は自分の仕事を息子の祥太(寺田)に言えずにいて……。本作は、家族の物語でもあり夫婦の物語でもある。棚橋家が家族円満のために心がけていることは?「棚橋家で子どもに注意をするのはママの役。それで子どもがすねると『こういう理由でママは怒ったんじゃないかな』と、僕がフォローをする。ママを悪者にしない。そうすると子どもは迷わない。これが棚橋家が気を付けていることです」“プ女子”という言葉も生まれるほど、昨今ブームが起こっているプロレス界。棚橋はその牽引役として、SNS発信や、美術展のポスターで肉体美を披露するなど、プロレスの裾野を広げるべく活動に励んでいる。「棚橋を使って面白がってくれたらいいなと。僕は“フリー素材”みたいなもので、なんにでも適応します(笑)」そんな棚橋の息抜き法を聞くと「僕は生まれてから疲れたことがないので」と話し始め、取材陣がリアクションに困っていると……。「そのリアクションで正解です(笑)。やっぱり家族と過ごす時間はホッとしますね。子どもとの何げない会話や、一緒にご飯を食べたり、そういうことで、よし頑張ろうかってエネルギーをもらいます」
2018年09月28日“ 100年に一人の逸材 ” という華麗なるキャッチコピーをもつ新日本プロレスのエース、棚橋弘至さん。デビューから早20年、幅広い層のファンを熱狂させ続けている大人気プロレスラーは、私生活では女の子と男の子、2児のパパでもある。年間約150試合という、多忙な中でも子育てに奮闘する日々の姿が評価され、2016年には第35回イエロー・リボン賞(ベスト・ファーザー)を受賞。このたび、大ヒット絵本を実写映画化した『パパはわるものチャンピオン』で初主演を果たした彼に、家族のこと、子育てのこと、プロレスへの想いについて話をうかがった。海外遠征に行く前にもらった子どもからの手紙に涙試合のとき、奥さんがかける言葉とは……「プロレスが好きだとか、プロレスをもっといろんな人に知ってもらいたいという初期衝動は今も昔も変わらないんです。ただ、若い頃は『かっこよく見られたい』とか『強くなってモテたい』とか、どこか自分のためにやっているみたいなところがあった。それが、家族ができてからは、自然と『ファンに盛り上がってほしい。楽しんでほしい』という気持ちに変わっていって。人は自分のためじゃなくて、誰かのために……って思ったときのほうがすごく力が出るんだ、と実感できたのは大きな変化でしたね」親の仕事は9時から5時までの定時のものばかりとはかぎらない。どんなに子どもと一緒にいたくても、仕事で長く家を空けなければならない場合もたくさんある。「子どもたちが幼い頃は仕事が9割で、とにかく家にいない父親だったんです。まず試合があって、そのオフの間は地方をまわってプロモーションをやって、海外遠征もあったので。家に帰るたびに『あれ?子どもがもう立って歩いている!』、『あ、もうしゃべるんだ!』っていう状況はさみしかったですね。あるとき、海外遠征に行く前に嫁さんが『ふたりがパパにお手紙書いたよ~』って、娘と息子の手紙をパッと渡してくれて。たどたどしい文字で “ パパがんばってね ” “ ケガしないでね ” って書いてあるのを見たときは、ちょっと泣きましたね。いつも家にいないのに、自分のことを思ってくれているんだなぁと思って嬉しかった。その手紙は今でも宝物として大切に取ってあります」数ある格闘技の中でも、とりわけプロレスは何でもありのハードなもの。ケガに対する恐怖心などは、どのように乗り越えていくのだろうか。「プロとして、試合中に自分の命を守るというのは、最低限、それを身につけたうえでデビューしているので、そのあたり心配はないんです。でも、やっぱりアクシデントなど、防ぎきれない部分はどうしてもある。僕も実際にいろんなケガをしてきたけど、自分では『こういう仕事をやっているんだから仕方ない』っていう開き直りがあったんですね。でも、うちの嫁さんは、僕が試合で家を出るときによく『危ないことしないでね』って言うんですよ。プロレスラーに危ないことしないで、って……。う~ん、これから危ないことをしに行くんだけどなぁって、最初は思っていたんですけど。それは『自分の足で歩いて帰ってきなさいよ』という意味なのかなぁと思うようになりました。確かに試合の後、病院にかつぎこまれて家に帰れないっていうのは、プロの技術以前のことだと思うので。試合終了までじゃなくて、家に帰るまでがプロレスラー、ですね(笑)」夫の身を誰よりも案じながら、それをできるだけ表には出さず、夫がいない間の子育てを一手に担う。プロレスラーの妻には強い精神力が必要だ。「地方巡業やプロモーション、海外遠征……本当にプロレスっていうのは家を空けることが多いので。嫁さんが家をしっかり守ってくれている、ということに心から感謝しています。世のパパさんたちも、丸一日、子どもの世話って、なかなかできないですよね。2時間、3時間はかわいいんですけど、それ以上になると『ママ、早く帰ってきて~』ってなっちゃう(笑)。あと、ら、家の中では仕事の話はしないんです。嫁さんも僕の仕事に対して察しすぎない。自然体でいられるのはいいですね」いつも朗らかな母、無口だけど涙もろい父つらい時期も両親の愛情が心の支えになったプロレスラーと聞いて誰もが思い浮かべる、こわもてのイメージとは反対に、棚橋さんは優しい笑顔が似合う人。「生まれてから一度も疲れたことがない」という名言に象徴されるように、とことんポジティブな陽性のキャラクターが、観る者に元気を与えてくれる。「僕の母がすごくよく笑う人なんです。だから、うちのきょうだいは、みんなよく笑う子どもに育ちました。大人になった今でも笑うことが多いし、苦しいなと思っても、顔だけは笑っていられる。僕、子どもの幼稚園の送り迎えをしていたときに気づいたんですけど、パパやママがよく笑う家庭の子どもは、やっぱりいつもニコニコしているんですよ。逆に親御さんがムスッとした表情をしがちだと、子どもも何となくムスッとしちゃう気がするんです。家族って似てくるのかなぁ、というのは感じましたね」よく笑う一方で、涙もろいのも棚橋さんの特徴。主演映画『パパはわるものチャンピオン』のクランクアップのときも号泣してしまった。「最後の挨拶では、映画の撮影中の思い出がブワッとあふれてきて。子役の寺田心くんがしっかりした挨拶をした後に、僕が涙でしゃべれなくなるっていう……。昔、プロレス仲間にも言われました。『棚橋くんってさ、試合に勝っても負けても泣くよね』って(笑)。涙もろいところは、実は父ちゃんゆずりなんですよ。子どもの頃、テレビの金曜ロードショーでやっていた『ハチ公物語』を家族みんなで観ていたとき、たまたまパッと後ろを振り返ったら、父がボロボロ泣いていて(笑)。ふだんは無口で、怒ると怖い父ちゃんだったので、子ども心にビックリした覚えがあります」おしゃべりではないけれど、子どもたちのことをいつもよく見ていて、ここぞというときにエネルギーのある言葉をかけてくれたのもお父さん。「たとえば、僕が中学生のとき、高校受験でどの学校を受けるべきか悩んでいたことがあって。そうしたら、ある日、父が『ちょっと高校でも見に行くか?』と言って、夜、車で学校に連れて行ってくれたんです。それで『いいか、ひろし。勉強っていうのはな、学校の名前でやるんじゃない。どこに行っても、勉強するのはおまえだからな』って。その言葉はすごく心に残っていますね」棚橋さんが大学を卒業して、プロレスラーを職業にすると決めたとき、両親からは特に賛成も反対もなかった。「ただ、父は『息子がプロレスラーになりたいって言っているんだけど、どう思う?』って、いろんな人に相談していたらしくて。プロレスラーなんて、めずらしいじゃないですか。周囲はおもしろがって『おぉー、いいねぇ。やれよ、やれよ』みたいな反応だったのが、つらかったと後に言っていましたね。悲しくて涙が出たって。どこかで反対してほしかったんじゃないかな」それでも、新日本プロレスに入門するため、新幹線に乗って上京する日には、ちゃんと見送りにきてくれた。「駅で『どうせやるんだったら、日本一になれ』っていう父の言葉で送り出されて。その言葉を心の支えに、すごく苦しいときも耐え抜いてきました。だから10年後、初めてプロレス大賞MVPを受賞したときは、真っ先に父に電話したんですよ。『父ちゃん!MVPもらったよ! 日本一になったよ!』って。でも、ちょうど午後3時くらいだったので『あ、今、仕事中だから後にして』って言われちゃって。そっけなかったですね(笑)」家にいるときは全力で子どもと向き合う!プロレスの真髄には子育てに通じる部分があるふだんは仕事で全国を飛び回っているぶん、家にいるときは、子どもの習い事の送り迎え、お風呂、絵本の読み聞かせ、洗濯など、できるかぎりのことをやってきたという棚橋さん。「子育てする上で心がけているのは、親の気分で怒らないこと。たとえば、トイレに入っているときに、子どもにいたずらで電気をパチンと消されても『このヤロ~』って冗談まじりのリアクションできる。なのに、考え事をしていたり、イライラしているときに同じことをされると、ムカッとして怒っちゃったりする(苦笑)。でもそうすると、子どもにしてみたら、あれ?って。やっていいことと悪いことの判断基準があいまいになりますよね。だから、子どもを迷わせないためにも、気分で怒らないって、すごく大事だなと思います」もうひとつ、棚橋さんが大切にしているのは「母親をぜったいに悪者にしない」こと。「うちはお母さんに怒られた子どもをフォローするのは僕、みたいなところがあるんですね。そういうとき、落ち込んでいる子どもに『コンビニでも行って、お菓子買おうぜ』って声をかけ、歩きながら、なんでママが怒ったのかを分かりやすく説明する。『いやー、さっきのママはひどいよなぁ』みたいに子ども側に立ってママを批判すると、ママが悪者になってしまうので、ママをフォローしながら、ママの本当の気持ちをきちんと伝える。それがベスト・ファーザーの役目ですね(笑)」現在、長女は中3、長男は中1になった。子育てにおけるひとつの時代が終わり、次のステージに進んだところだ。「親として子どもにしてあげられることってたくさんありそうで、実は少ないんですよ。親ができることは、子どもの夢の選択肢を狭めないこと。将来、どんな方向にでも進めるように『勉強もやっておけよ』、『部活もがんばれ』って、選択肢を狭めないための環境を作ってあげることが親の愛情だと思います。夢だったプロレスラーになった自分からしてみれば、子どもがやりたい仕事に就いてくれたら、それが何よりも嬉しいです。人間って、好きなことに全力で向かっていく過程の中で、いろんなものを身につけていくと思うので」学生時代からずっとプロレスを続けてきて、今のプロレス人気の立て役者ともいえる存在になった棚橋さんにとって、プロレスの一番の魅力とは?「プロレスって、人生の縮図みたいなところがあって。やられているほうに声援が集まるんです。人生、いいときばっかりじゃないけど、悪いときばっかりでもないぜ。だから、がんばっていこうぜ、っていうメッセージを試合にこめる。勝つこともあるし、もちろん負けることもあります。でも、その試合までに過ごした時間、試合の中で勝とうとして戦った過程も大事なんですよね。結果だけ見せられても、おもしろくないんです。どういう気持ちで戦い抜いたか。生き様というか、人間としてのエネルギーが問われる。僕の子どもたちも、これから受験もあるし、就職もあるし、挫折ももちろん経験するでしょう。でも、それらをぜんぶ含めて、彼らがどういうふうに生きていくかっていう過程を見ていってあげたいなと思います」映画出演の話に、家族は僕の演技力を心配できれば家族みんなで劇場に観に行きたい9月21日公開の棚橋さんの初主演映画『パパはわるものチャンピオン』は、プロレスラーという一見、特殊な職業を扱っていながら、どんな仕事をしている人も深く共感できる普遍性のある感動作。「プロレスのおもしろさをいろんな人に届けたいなという想いでこれまでやってきて。プロレスというジャンルを飛び越えて、活動の場が広がっているのは僕が望んでいたことなんですけど……さすがに映画の主演の話がくるとは思っていなかったですね(笑)。今、41歳。これだけ報われているレスラーもいないなと思います。本当に幸せです」彼が演じるのは、かつてプロレスの世界でトップまで上りつめながら、ケガのためにすべてを失い、後にマスクをかぶった悪役レスラーとして復活した男という役どころ。「僕はヒールの経験こそないものの、今回の役と同じくらいブーイングを受けていた時代があるんですよ。なので、悪役をやることに関しては、実は免疫があったんです。この映画の脚本を初めて読んだときは、大村孝志という主人公と棚橋弘至というレスラーがすごく重なって見えました。かつてのエースで、でもケガで苦しんで、さらに若い選手が台頭してきて……っていうのが、まんま棚橋だなと思いながら、現在進行形で演じました」妻役は木村佳乃さん、9歳の息子役は天才子役と絶賛される寺田心くん。まさに棚橋さんのために作られたと言っても過言ではない作品テーマに、最高のキャスティング。今回の映画のオファーを聞いたご家族は、さぞかし喜んだのでは、と思いきや……。「心配していましたね。特に嫁さんは『大丈夫?あなたの演技で?』って(笑)。僕、これまでに時代劇や映画『仮面ライダー』に出演したことはあるんですけど、本格的なお芝居は今回が初めてだったんです。ましてや主演だし、セリフは長いし。タイミングが合えば、家族みんなで劇場に観に行こうかなと思っています。え?周囲に気づかれないかって?大丈夫。僕、髪の毛がロングでバサーッとなっていないプライベートでは、棚橋だって、全然気づかれないんですよ(笑)」PROFILE棚橋弘至Hiroshi Tanahashi1976年、岐阜県生まれ。立命館大学法学部卒業。大学時代からアマチュアレスリングを始め、1998年2月に新日本プロレスの入門テストに合格。1999年に大学を卒業し、新日本へ入門。同年10月、後楽園ホールでの真壁伸也(現・刀義)戦でデビューを果たす。日本人離れした肉体で、団体最高峰のベルト、IWGPヘビー級王座に何度も君臨。2009年、プロレス大賞MVPを受賞する。また、バラエティ番組、映画、ドラマへの出演や、執筆業など幅広いジャンルで活躍。著書に『全力で生きる技術』、『棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えることができたのか』、『疲れない男・棚橋弘至が教える! 史上最強のメンタル・タフネス どんなことにもびくともしない「心」が手に入る』などがある。『パパはわるものチャンピオン』9月21日(金)より全国ロードショーかつて人気も実力も兼ね備えたエースレスラーだった大村孝志は、膝に大けがを負って、試合から長期離脱してしまう。それから10年、孝志はマスクをつけた悪役レスラーとなり、客席からブーイングを浴びる日々を送っていた。小さな美容院を営む妻は変わらず応援してくれているが、孝志は自分の仕事のことを9歳になった息子・祥太にどうしても打ち明けることができない。そんなある日、孝志はすべてを知ってしまった祥太に「悪者のパパなんて大嫌いだ」と言われてしまう……。父と息子の絆に胸が熱くなる感動の物語。監督・脚本:藤村享平出演:棚橋弘至、木村佳乃、寺田心、仲里依紗、大泉洋(特別出演)、大谷亮平、寺脇康文原作絵本はこちら!成長過程の子どもが親の仕事を理解することの意味カッコ悪くても、嫌われ者でも、やっぱりパパが大好き!『パパのしごとはわるものです』作:板橋雅弘絵:吉田尚令¥1300/岩崎書店)パパの仕事をこっそり調べに行くと、なんと悪者レスラーだった。覆面をかぶった怖い姿で、試合中、ずるいことばかりして、最後は正義の味方にコテンパンにやられてしまうパパ。観客は大喜び。パパのそんな姿、見たくなかった!でも……。『パパはわるものチャンピオン』作:板橋雅弘絵:吉田尚令¥1300/岩崎書店ぼくのパパの仕事は悪者レスラー。パパがめずらしく「今日は観にきてほしい」と言うので、一緒に行くと、そこはタイトルマッチの会場でした。悪のかぎりをつくして勝利するパパ。ぼくは嬉しかったけど、複雑な気持ちに……。Photo:Toru DaimonText:Keiko Ishizuka
2018年09月20日プロレスラー、棚橋弘至さんは美しい。言葉を変えると、色気がある。鍛え上げられた肉体もそう感じさせる理由のひとつだが、艶っぽい表情にぐっとくるのは、私だけではないだろう。戦いの最中、相手の膝を集中攻撃するとき、棚橋さんは鬼になって、サディスティックな表情を浮かべる。相手の技を受け続けて、ボロボロになっているとき、棚橋さんの表情は切なくて、それでもなんとか希望をつかむんだといった、諦めない感情がにじみ出ている。一方、メディア出演で見せる、爽やかな笑顔。何十本もの取材対応後に行った『DRESS』での取材中にも、「ちょっと飴食べてもいいですか?血糖値を上げたくて(笑)」と、癒やし系の笑顔を見せてくれた。■棚橋弘至さん演じる悪役レスラー「ゴキブリマスク」あの独特のやわらかく、温かい微笑みは、棚橋さんがデビューして約20年、背負ってきたものや戦ってきたものの重さを現していると思う。幾多のつらい経験を乗り越え、自分自身と闘ってきた人の笑みなのだ。膝や肩、首、腕……棚橋さんは体中に爆弾を抱えている。年間150試合を超える戦いを20年近くも続けてくれば、満身創痍の状態になるのも無理はない。それでも戦い続け、夏の祭典「G1 CLIMAX 28」では今年、3度目の優勝を果たした。この戦いを見て涙した人は数多くいるだろう。優勝おめでとうございますと伝えると、「がんばったでしょ?」とにっこり微笑んだ棚橋さんは、9月21日公開の映画『パパはわるものチャンピオン』に主演する。演じるのは、10年前まで団体のトップレスラーだった大村孝志。彼は今、悪役レスラー「ゴキブリマスク」として戦っている。■「かつてのエース」に自分を重ねて「映画の仕事が来ました、と言われたときは『映画?マジすか!?』で1回目、『主演です』と言われて2回目、『パパはわるものチャンピオン』の主演ですと言われて3回目。3回びっくりしましたね」目を細めて優しく微笑んだ。お子さんの学校での読み聞かせ行事で、原作の絵本を読んだことがあり、そこで描かれている白タイツのコスチューム、金髪にメッシュ、筋骨隆々のプロレスラー、ドラゴン・ジョージは棚橋さんそのもの(※)だったことから、驚くのも無理はない。※岩崎書店の『パパはわるものチャンピオン』特設サイトでも、絵本の作者・板橋雅弘さんが「ドラゴン・ジョージは棚橋さんをイメージして描いた」と言及している。ただ、棚橋さんが演じたのは現在のエース、ドラゴン・ジョージ役ではなく、かつてのエースだった大村ことゴキブリマスク。オカダ・カズチカさんという強すぎる次世代の出現や度重なる怪我による欠場で、2015年頃から棚橋さんは自身が望むような結果を出せずにもがいていた。それは大村という、かつてのエースに重なる部分があったのではないか。■好きな仕事を理解してもらえない苦しみ「大村は僕に近かった、というのもあって、大村を演じる意識はあまりなかったです。むしろ、怪我の苦しみを誰よりもわかっているぶん、無理なく大村になれたというか。自分がエースだったという過去の栄光に引っ張られて、悪役のゴキブリマスクとして戦うことに誇りを持てない感覚は出せるかな、と感じていました」自分の役割を当の自分が受け入れられない、という状態はしんどい。正義のヒーローから悪役へという流れは、見る人によっては「落ちぶれた」と感じるかもしれないし、悪役の必要性を知らない子どもからすると、「正義のヒーローのほうがカッコいい」となるのも無理はない。実際、息子の祥太(寺田心)から「悪者のパパなんて大嫌いだ」「(悪者の)仕事なんてやめてほしい」など、純粋な気持ちをぶつけられるつらいシーンもある。プロレスが好きだから戦っていて、それを仕事にできているから、家族と生きていける。にもかかわらず、仕事を理解してもらえない苦悩を抱える大村の姿を見るのは悲しかった。■仕事に誇りを持ち始める……心境の変化も見てほしい「家を出る前に、家族から『危ないことしないでね』と言われることがあります。いやいや、これから危ないことしに行くんですよ、って思うんですけど(笑)、どんな試合をしてもいいけど、自分の脚で歩いて帰ってきてね、というメッセージだと捉えています」棚橋さんには、ふたりのお子さんがいる。彼らは幼いころから「お父さんはプロレスラー」だと理解していて、大きな試合はときどき見にきていたという。そんな棚橋家とは違い、大村家では祥太に自身がプロレスラーであること、加えて悪役をしていることを隠していたが、ひょんなことから大村=ゴキブリマスクだと、祥太にバレてしまう。劇中で、祥太から否定の言葉を投げかけられ、祥太の部屋の前に立ち尽くす大村の背中は、とても大きいはずなのに妙に小さく見えて、やりきれない気持ちになった。ただ、タッグパートナーのギンバエマスク(田口隆祐)や祥太、彼の友達とのやりとりのなかで、少しずつではあるけれど、大村は悪役の仕事に誇りを持ち始める。「(大村の)そんな心境の変化が伝わればいいなと思います」と話す棚橋さんに、どのシーンがそれを象徴しているのか尋ねると、少し間があった。棚橋さんは言葉を一つひとつ、丁寧に選ぶ。厳選した技を一つひとつ、見る者にわかりやすく繰り出す棚橋さんの態度は、リング外でもリング内でも変わらない。とても真摯な人なのだ。「あぁ、治療院でのシーンですね。担当医から『先のことを考えて』と言われたとき、食い気味に『先なんてない!』と返したら、監督からOKが出たんですよね。本当は静かな声で『先なんてない』でも良かったんですけど。アドリブだったので、やるじゃん、俺!って思いました」あははと朗らかに笑う。目尻にできる笑いジワが、やっぱり温かくて、太陽みたいで眩しい。■過去の栄光に引っ張られない先なんてない!は棚橋さんの心の奥底にある感情が、無意識に流れ出たものかもしれない。来年にはデビュー20周年、11月に42歳を迎える棚橋さんにとって、一つひとつの試合はもちろん、一瞬一瞬が貴重だ。プロレスが他の競技と比べて、“現役”でいられる期間が長いとはいえ、10年後もリングに立っていられるのか。ファンはデビュー30周年目の棚橋さんも見たいと望むけれど、未来のことは誰にもわからない。「20年近くプロレスをしてきて変わってきたのは、今の自分を受け入れるというか、今持っているハイフライフロー、ドラゴン・スクリューなどの得意技を活かしてどう戦うか、ということ。あれもこれもできたのに……という過去の自分に引っ張られるんじゃなくて、これだけ使えばいいとわかっていたら戦略を立てられる。G1もそういう感覚で戦ってきました」プロレスの話になると、表情がきりりと引き締まる。棚橋さんはプロレス界の今のトレンドを「足し算、掛け算みたいなプロレス」と表現する。たしかに、いろいろな技を繰り出し、「えっ、こんな技もあるの!?」と観客を沸かせるレスラーは少なくない。引き出しの多さに圧倒されることもある。■チャンピオンはみんなに“次”を見せる立場一方で、棚橋さんが目指すのは「引き算、割り算みたいなプロレス」だ。自身を「反骨心がすごい。それは昔から」と話す。時代に逆行したそのプロレスはシンプルで、わかりやすい。いろいろなものを削ぎ落とし、一つひとつ磨き抜かれ、高められた技を見せているとも言える。「G1でチャンピオンになった僕は、“次”を見せないといけない。周りはトップをとった後は何をしてくれるんだ?と期待していますから。一番になるのはゴールじゃなくてスタート。一番になった者はそこから波風を立てないといけないんです」取材中、『パパはわるものチャンピオン』の劇場が75館になった(2018年8月22日時点)と聞いて、「えーっ!そんなに増えたんですか!嬉しい!」と無邪気な表情を見せた棚橋さん。映画でも“トップ”をとったら、第二弾、第三弾を期待してもいいですか?編集後記棚橋さんは映画初主演について「日々、プレッシャーとの闘いでした」と振り返った。監督がOKと言うまで気が抜けないのは当然だが、自分のなかに「演技の正解」がなく、何が正解なのかわからない状態で演じるのは、暗い夜道を明かりなしで歩くようなものだろう。「めちゃくちゃ不安でしたよ」と強調した。それでも座長だからこそ、演技力では引っ張れなくても、現場を盛り上げて良い空気づくりに注力し、できることを全力でやりきったという。正解は見えてきましたかと問うと、「正解は見えてこなかったです。たぶん見つからない」。演技にもプロレスにも人生にも、正解なんてものはないのかもしれない。無我夢中で走っているとき、正解なんて見えてこないのかもしれない。それでも力を出し切って向き合うことで、自分がしてきたことを正解にしていけばいいのだ。そう思わせてくれたひとときでした。Text・Photo/池田園子■作品情報映画『パパはわるものチャンピオン』2018年9月21日(金)より全国公開出演:棚橋弘至、木村佳乃、寺田心、仲里依紗、他原作:『パパのしごとはわるものです』『パパはわるものチャンピオン』(作:板橋雅弘、絵:吉田尚令)監督・脚本:藤村享平主題歌:高橋優『ありがとう』(ワーナーミュージック・ジャパン/unBORDE)配給:ショウゲート(C)2018『パパはわるものチャンピオン』製作委員会
2018年09月18日1998年6月。世界三大コンクールのひとつ、チャイコフスキー国際コンクールの声楽部門を制したソプラノの佐藤美枝子。優勝に限らず、3位以内に入賞した日本人声楽家はいまだに彼女だけだ。10月1日(月)に東京・紀尾井ホールで優勝20周年記念のリサイタルを開く(ピアノ=河原忠之)。【チケット情報はこちら】コンクール参加を決めたのは、開催のわずか半年ほど前。「松本美和子先生からやっとお許しが出て、それから受験できるのはチャイコフスキーだけでした」。急遽ロシア語の発音を学ぶところから始めた。おそらくは短すぎる準備期間。しかし一次予選で大きな手応えを得る。今回の演奏曲にもあるチャイコフスキーの歌曲《子守歌》のあと、客席の大拍手が鳴り止まず、次の曲を歌い始めることができなかった。「実はこの曲の最後の高いラ♭の弱声を克服できたのは、モスクワに入ってから。それからは、いくらでも長く延ばせるぐらい自信を持って歌えました」。そこで喝采を浴びて気持ちも乗った。ところが予期せぬ困難も。二次予選通過後、事務局の不手際で、事前に登録済みの本選の2曲のうち1曲を変更させられたのだ。代わりに指定されたリムスキー=コルサコフのアリアを中1日の急ごしらえで暗譜。それでも栄冠を獲得したのだからすごい。もう1曲の本選曲《ルチア》の狂乱の場の圧巻の素晴らしさは、当時発売された実況CDでも聴くことができる。彼女の代名詞とも言えるコロラトゥーラの超絶技法を駆使するこの難曲は、もちろん秋のリサイタルでも聴ける。今回の選曲は、自分の表現、自分の声の色に徹底的にこだわった。「叙情だったり、激しさだったり、自分が今できることを最も出せる曲を選びました」。声の色やニュアンスだけで情景が浮かぶような表現者になりたい。高校時代にマリア・カラスのレコードで衝撃を受けて以来、その思いは変わらない。「ずっとそれを追い求めて、できることの幅も広がって自信もついて来たけれど、まだまだ勉強。たぶん歌手人生が終わっても、自分の生徒たちにそれを求めてゆくことになるのだろうと思います」もうひとつ、今回の大きな挑戦だというのが声質とレパートリーの拡大だ。彼女が最も得意とするのは、ソプラノの中でも一番軽いレッジェーロの声質のレパートリーだが、年齢とともに声はふくよかに、重くなってゆく。今回はその重い声のための曲も加えた。「レッジェーロが歌えなくなってレパートリーを変えるのではなく、常に両方を歌えるような歌手でいたい。今年、オペラ《夕鶴》を歌わせていただいて、そのイメージが具体的に見えて来ました」つまり、《ルチア》や《ラクメ》のようなレッジェーロの歌と、《ノルマ》や《エフゲニー・オネーギン》のような少し重いソプラノの歌の両方が並ぶ。両者をどう歌い分けるのか、あるいはどう共通の表現で聴かせるのか。20周年の集大成のリサイタルはまた、さらなる円熟に向けての新たな地平を拓く機会にもなりそうだ。取材・文:宮本明
2018年06月06日プロレスラー・棚橋弘至(新日本プロレスリング)が、テレビ東京系ドラマ『石川五右衛門』(2016年10月スタート 毎週金曜20:00~)に出演することが13日、わかった。同作は、2009年に海老蔵主演で公演が行われた新作歌舞伎『石川五右衛門』に潤色を加え、映像化。テレビ東京で、ゴールデンタイムで連続放送の時代劇が復活するのは、8年ぶりとなる。原作・脚本は、漫画『金田一少年の事件簿』『神の雫』原作者である樹林伸が手がけた。“100年に1度の逸材”と呼ばれる棚橋は、冷徹な謎の剣豪・榊基次役で出演。豊臣秀吉の家臣・石田三成のもとで暗躍する殺し屋として石川五右衛門の前に立ちはだかる。海老蔵と初共演の棚橋は、最初「うわー海老蔵さんだ!」という気持ちで対面。「海老蔵さんは目ヂカラがすごくて、グッとこられたら『ううっ』と押され気味になりました」と撮影時の気持ちを告白した。しかし棚橋は「プロレス界のエースでやってきてますので、『押されてたまるか! 五右衛門を直接対決で倒したい!』という変な意地がありました」と気持ちの変化を語った。また、初の時代劇については「ゆっくり話すこと」「低い声で話すこと」を意識したという。棚橋は「プロレスラーは遠くの観客に見えるように派手に動きますが、武道はすり足など日舞的な動きも大事だったので、その辺はすごく苦労しました」と語り、「棚橋を温かい目で見てやってください!」とアピールした。(C)新日本プロレス
2016年07月13日『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』が3月5日(土)に公開を迎え、ドラえもん、のび太、しずかちゃん、ジャイアン、スネ夫に加え、ゲスト声優のプロレスラー、棚橋弘至、真壁刀義、お笑い芸人の小島よしおも駆けつけ、映画の誕生を真壁さんの手作りケーキで祝った。1989年に公開され、シリーズ歴代No.1の動員数420万人を記録した『のび太の日本誕生』を新たに生まれ変わらせた本作。映画を応援するために新日本プロレス所属のイケメンレスラーの棚橋さん、“スイーツ真壁”でおなじみの真壁さん、小島さんに、キッズモデルのエヴァちゃんで「ウンタカ!ドラドラ団」が結成され、異色の原始人ユニットとしてCDデビューも果たした。この日も、棚橋さん、真壁さん、小島さんが原始人スタイルの衣裳で登場し会場を盛り上げる。棚橋さんは最初の挨拶から「楽屋で何回も練習してた」(小島さん)にもかかわらず、「ウンタカ!ドラドラ団」がうまく言えずに噛み噛みで爆笑を誘う。真壁さんは初挑戦の声優について「難しかった!」と漏らしたが、スネ夫が「プロレスより難しいよ!」と“挑発”し、これに真壁さん、棚橋さんが「スネ夫、ちょっとこっち来いよ!」と一触即発のムードに…!?小島さんは「僕が声優で出てたところ分かった?」と会場に問いかけるも、パラパラと手が挙がるのみ…。「半分もいない!」と嘆きつつも「そんなの関係ねぇ!」と伝家の宝刀を抜き、会場は再び爆笑に包まれた。ドラえもんたちは、ノリノリで棚橋さんらにお願いやムチャぶりを連発!しずかちゃんが棚橋さんに「あの決めゼリフをお願いします!」と言うと、棚橋さんは「しずかちゃんの頼みなら」と「映画を観に来てくれたみなさん、愛してます!」と決めて会場をわかせる。なぜかアグレッシブが止まらないスネ夫は、小島さんに「なんか面白いギャグ」を要求!しかも「いままでどこでも見せたことのないやつを」と語り、しずかちゃんも「期待しちゃうわ」とかわいらしい口調でハードルを上げて、小島さんを追い詰める。小島さんは、しばし思案ののち「どこでもドア」にひっかけ「どこでもピア~」とギャグをかまし、会場は微妙な空気に包まれ、思わず司会の女子アナウンサーは「おつかれさまでした」と声を掛けた。そして、『日本誕生』の公開日=誕生を祝って、スイーツ真壁さんの手作り巨大ケーキも登場!代表して小島さんが真壁さんに「あーん」してもらいながら食べて「おいしい!」と顔をほころばせていた。ケーキ製作中の真壁さんの写真も公開されたが、原始人スタイルの上にエプロンを着けると裸エプロンのようにも見え、会場はどよめいていた。『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』は公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年03月05日人気アニメの劇場版シリーズ第36弾『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』の完成披露試写会が21日(日)都内で行われ、新日本プロレスの人気レスラー・棚橋弘至選手、真壁刀義選手、お笑い芸人の小島よしお、キッズモデルのエヴァが参加した。これまでの「映画ドラえもんシリーズ」の中で観客動員数歴代1位を誇る、1989年公開の劇場版映画『のび太の日本誕生』を新たにリメイク。7万年前の日本を舞台に、家出を決意したのび太たちが繰り広げる友情と冒険を描く。ゲスト声優出演する棚橋選手、真壁選手、小島さんは、エヴァちゃんと共に本作応援のために結成された「ウンタカ!ドラドラ団」として2月24日(水)にCDデビューする。「ウンタカ!ドラドラ団」としての目標を聞かれた小島さんは「紅白です」と明言し「出場したいというか、確実だと思う。もし選ばれなかったら、(NHKに近い)代々木公園で同時間帯にフリーライブをやります」と強気でブームを確信。ナルシストキャラの棚橋選手は「2番目の歌詞では自分のボーカル部分があって、その経験を活かして次なるステップに行きたい」と野心を燃やすも、真壁選手から「お前、本当に自分大好きだな」と呆れられていた。そんな真壁選手は「(テレビ朝日の)“Mステ”に決まってんだろ!」と挑発的で「そこを決めて、年末の紅白だよ。その合間にMTVとかスペースシャワーTVとか音楽番組を制覇したい」と宣言。ただこの日観客の前で披露したダンスについては「リハはバッチリだったのに、本番は間違えまくった。MVも自分の中では相当大きく体を動かしたつもりだったけれど、実際にはこじんまりしていた」と肩を落としていた。一方のエヴァちゃんは「緊張したけれど、上手に踊ることが出来たと思う。90点くらいかな」と自己採点。棚橋選手、真壁選手、小島さんの中で誰が一番優しいかと聞かれると、小島さんから小声で「ピ~ヤ!が大好きで、楽屋でもやっています」とコメントを耳打ちされるも「それは言わへん!自分で言ったらええやんか!」とつっこみ、報道陣を笑わせた。また欲しいドラえもんの道具は“もしもボックス”といい「もしもこの世界がお菓子の世界になったら」とエヴァちゃんは可愛らしく想像した。『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』は、3月5日(土)より全国公開。(text:cinemacafe.net)
2016年02月21日3月5日公開の劇場アニメ『映画ドラえもん新・のび太の日本誕生』で、ゲスト声優を務めるプロレスラー棚橋弘至らがスペシャル応援団「ウンタカ!ドラドラ団」を結成し、24日にCDデビューすることが明らかになった。デビュー曲となる「ウンタカダンス」は、テレビ朝日系にて毎週金曜19時より放送中のアニメ『ドラえもん』のエンディング曲として10月30日よりオンエア。一度聴いたら癖になる曲調が話題になり、視聴者からも問い合わせが寄せられているという。「ウンタカ!ドラドラ団」は棚橋をはじめ、情報番組で"スイーツ番長"としても活躍するプロレスラー真壁刀義、お笑い芸人の小島よしおに加え、キッズモデルのエヴァちゃんで構成。映画の舞台である7万年前の原始時代の世界をイメージした衣装を身につけ、ちょっとヘンテコなダンス「ウンタカダンス」を披露している。棚橋は「『ドラえもん』作品に関わることができて光栄なうえに今回…CDデビュー!うれしいです」と喜びを語り、収録については「自分のソロパートは緊張しましたが甘い歌声が披露できました」と満足気。「『ダダダイダイダイダダダイスキ!』の部分のパートも担当しているはず!?」と、自身の歌のポイントを説明している。『映画ドラえもん新・のび太の日本誕生』スペシャル応援ソング「ウンタカダンス」は、「ウンタカダンス」ミュージック・ビデオと小島よしおによるダンスレッスンが収録されたDVD付きで2月24日発売。価格は1,500円(税込)となる。(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2016
2016年02月03日大人気アニメ『ドラえもん』の劇場版シリーズの36作目となる『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』(2016年3月5日公開)で、新日本プロレスの棚橋弘至選手と真壁刀義選手、お笑い芸人の小島よしおがゲスト声優を務めることが21日、発表された。本作は、映画シリーズ歴代1位となる動員数420万人を記録した『ドラえもん のび太の日本誕生』(1989年公開)のリメイク版。『新・のび太の大魔境 ~ペコと5人の探検隊~』(2014年)を手がけた、八鍬新之介監督がメガホンを取り、新たな作品として描く。3人のゲスト声優は、劇中に登場する原始人"クラヤミ族"役を担当。7万年前の中国に住む、猿人に近い種族でゴリラのような顔が特徴のクラヤミ族は、嵐と雷を操る不死身の精霊王"ギガゾンビ"の部下・ツチダマのしもべというキャラクターだ。アフレコは12月に実施予定。また3人に、人気子役のエヴァちゃんが加わり、本作をヒットに導くべくスペシャル応援団"ウンタカ! ドラドラ団"を結成。これも、クラヤミ族をイメージしたビジュアルで、オリジナル楽曲に合わせ、"ウンタカダンス"を歌い踊って映画を盛り上げる。「ウンタカ」という謎の言葉を繰り返しながら展開されるこのダンスは、ゲスト声優の男性陣3人は原始人風の衣装、エヴァちゃんは原始人風ワンピースに身を包んで行われる。初声優挑戦となる棚橋選手は、「子どもたちと一緒に『ドラえもん』を見ているのですが、見るたびに人と人のつながりや温かい人間味がじーんときます」と前置きした上で、「そんな『ドラえもん』に出演できるなんて、棚橋家の歴史にも残ります」と感慨深げ。ただし、ダンスについては、「間違いなく足を引っ張るのは自分と真壁さんだと思いましたので、プレッシャーの中、頑張りました」と吐露している。真壁選手も「自分が小さい頃からある人気アニメに出演だなんて、真壁家の歴史に残る光栄なこと」「覚えるのにとても苦労したこのダンスにあるクイックな動きはプロレスにも生かせる」と口をそろえる。一方の小島は「ダンスの曲中に自分のネタ『そんなの関係ねぇ!』が入ってるんです」と打ち明け、「このネタはエヴァちゃんが生まれる前、8年前から存在しているので、それが今7歳のエヴァちゃんと一緒にミックスされるなんてとってもうれしい」と歓喜。「ゲスト声優の件も含め、小島家一族に伝えたい」と満足気に話した。エヴァちゃんは「ドラえもんはいつも優しいから大好き」で、「『どこでもドア』でハワイに行きたい」そう。ダンスは、両選手同様に「覚えるのが大変だったので、頑張ってお家で練習してきました」と話した。なお、リハーサルを何度も重ねたというウンタカダンスは、30日放送のTVアニメ『ドラえもん』(テレビ朝日系/毎週金曜19時~)のエンディングでの披露を予定している。(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2016
2015年10月21日扶桑社は6月8日、新日本プロレスのエース、棚橋弘至選手の初フォトブック『1/100 The one-hundredth(ジ・ワンハンドレッス)』(税別1,944円)を発売した。フォトブックには、鍛え上げられた「強い男の色香」が漂うグラビア、"傾奇者(かぶきもの)"・前田慶次をモチーフにした衣装をまとったグラビアなど50ページもの撮り下ろしグラビアを収録。他には、プロレス界の先輩・小橋建太さんや後輩・飯伏幸太選手との対談企画、書店員コスプレ「もしも棚橋弘至が書店員だったら」、占いで棚橋弘至を徹底検証、ド真剣なんだけど笑える"迷言集"、人生や家族、プロレスについて熱く語ったロングインタビュー「迷路があるからプロレスは面白い!」などが掲載される。お笑い芸人のレイザーラモンRGさん、弁護士でタレントの角田龍平さんによる「証言」も。棚橋弘至(たなはしひろし)選手は1976年、岐阜県生まれ。1999年、立命館大学法学部卒業後、新日本プロレスに入門。同年10月10日、真壁伸也(現・刀義)戦でデビュー。その日本人離れした肉体と、飾らないキャラクターで団体最高峰のベルト、IWGPヘビー級王座にも何度も君臨。第56代IWGPヘビー級王者時代には歴代最多防衛記録である"V11"を達成した。団体のエースとして、幾多の名勝負を繰り広げている。
2015年06月10日映画『蜩ノ記』に出演する役所広司と原田美枝子が、長年の映画界への貢献を称えられ、東京・日比谷の「合歓(ねむ)の広場」にその手形が飾られることになり、10月4日(土)、共演の岡田准一、堀北真希らに見守られながら舞台挨拶の場で手形作りを行なった。「合歓の広場」は東京・日比谷シャンテ内のある広場で、同館がオープンした1987年以来、映画界に名を残したスターの手形が飾られてきたほか、ゴジラのミニチュア像も設置されている。これまで73名がここに手形を残しており、役所さんにとって師匠にあたる仲代達矢の手形もあるが、日本人俳優として、同所に手形が飾られるのは、1992年6月の緒形拳以来、22年ぶり。また、同一作品出演の2名の俳優が同時に手形をとるのは、今回が初めてのこととなる。壇上で、観客が見守る中での手形作りに原田さんは「照れくさいですね」と語り、役所さんは「光栄です」と喜びを口にする。岡田さんは、本作の撮影、そして劇中の役柄を通じて“師”と仰ぎ、その背中を見つめてきた役所さんが日本映画界の殿堂とも言える合歓の広場にその名と手形を残すことに「僕も嬉しいです」と満面の笑み。堀北さんは劇中の“両親”を前に「歴史的瞬間に立ち会えて嬉しいです」と語る。岡田さんは「僕たちもいつか…」と改めて思いを口にするが、役所さんも「いつか(本作の)家族で並ぶ日が来ると良いですね」と語り、会場は期待を込めた温かい拍手に包まれた。手形を取り終えた役所さんは「横綱になったような気持ちです(笑)」と感想を口にし、原田さんと共に作ったばかりの手形を掲げて写真撮影に臨んだ。なお、こちらの完成した手形は今年11月に合歓の広場に飾られる予定だという。『蜩ノ記』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:蜩ノ記 2014年10月4日より全国にて公開(C) 2014「蜩ノ記」製作委員会
2014年10月05日人気キャラクター「豆しば」と「新日本プロレス」の棚橋弘至のコラボレーションプロジェクトが始動。2013年7月6日(土)ダイバーシティ東京プラザにて発表会を行なう。7月6日(土)に開催される発表会では誰でも参加する事ができ、当日会場内では「棚橋弘至」×「豆しば」のコラボグッズや、ブシロードの人気トレーディングカード「キングオブプロレスリング」の最新作「RETURN OF THE CHAMPIONS」の先行発売を行なう。また、対象の商品を購入すると、棚橋弘至&豆しばとの3ショット撮影会やサイン色紙争奪じゃんけん大会に参加できる。【イベント概要】新日本プロレス棚橋弘至× 豆しばコラボプロジェクト発表会2013年7月6日(土) 14:00~15:00 (予定)ダイバーシティ東京プラザ4階エンタメスペース東京都江東区⻘海1-1-10<イベント内容>■棚橋弘至トークショー■「サイン色紙争奪じゃんけん大会」当日会場横の特設販売コーナーにて「棚橋しば」グッズ、豆しばグッズなど対象商品どれが一つの商品の購入すると、じゃんけん大会参加券がもらえる。■棚橋弘至×棚橋しばとの3ショット撮影会当日、『キングオブプロレスリング』第4弾を1ボックス、または、「イベント限定オリジナル棚橋しばTシャツ・グッズセット」を購入した先着100人のみ。※対象商品の『キングオブプロレスリング』第4弾は、ダイバーシティ東京プラザ5階「ね~ね~STORE」にて電話での事前予約を受け付けている。Tel.03-6457-1353 (受付時間:10:00~21:00)※撮影会で使用するカメラは自身で用意元の記事を読む
2013年06月30日