澤田空海理(読み:さわだそうり)が主催するツーマンライブ『手 vol.1』が4月5日、渋谷PLEASURE PLEASUREで開催された。ライブタイトルにvol.1とあるように、このツーマンライブは今後シリーズ化する予定。記念すべき初回にあたるこの日は、澤田が敬愛するシンガーソングライター・古川本舗をゲストに招いた。まずは、アコースティックギターを携えた古川本舗が登場。夕焼け色の照明に包まれた古川の爪弾くアルペジオから、1曲目の「ordinaries」が始まった。吸った息をただ吐いただけのように自然な、しかし外の世界には安易に染まらないこの歌声の凛とした存在感は何だろうか。「夜」の空気をまとった古川の歌に、客席にいる一人ひとりが声を上げず、音も立てずに聴き入っている。観客にとっては、歌と自分が一対一になれるような贅沢な時間であり、自分が過去に置いてきたものに想いを巡らせられる貴重な時間だ。古川本舗対バンに呼ばれる機会はあまりないという古川。「今日はわたくし前座です。こういうことを言うと、やつはすごく嫌がるんだけど(笑)」という発言から読み取れたのは、澤田との飾らない関係性だ。MCでは、澤田のことを「アーティストとしてまっすぐで、すごくいいやつ」と称しつつ、「今日呼んでもらって、気恥ずかしいながらも嬉しいです。改めて澤田くん、ありがとう。そして来てくださった皆様もありがとうございます」と語った。古川はその後、4月24日に配信リリースする新曲「三分半 feat. mm.」や未配信曲も披露。ライブ終盤では「緊張しつつも楽しかった」と振り返り、「今年は社会性を身につけたい」「人と一緒にどんどんライブをしていきたい」と展望を述べたあと、澤田や観客へ再び感謝を伝えた。そして「ベイクドパンケイクス」で鮮烈な印象を残して終了。澤田空海理のステージは、SE代わりの朗読音声からスタート。しばらくして登場した澤田は、ステージセットのベンチに腰掛け、アコースティックギターを鳴らしながら「可笑しい」を歌い始めた。澤田の楽曲には主人公の心の声や実際に発した声、思考の足跡や感情の移り変わりが詞になっているものが多い。そしてライブだと、呟くように歌ったり、声を思いきり張ったりといったボーカルの振れ幅によって、それが表現される。観客は、曲の主人公の心情に自分を重ねながら、あるいは重ならない分の距離を内省の種に変えながら、音楽に浸っていたことだろう。澤田空海理「またねがあれば」「薄荷飴」と春の曲を続けて披露したあとのMCでは、古川や来場者、この日のライブをともに作ったスタッフに向けて、「本当にありがとうございます。夢が一個叶ったような気がしています」と伝えた。自分が一番楽しむつもりでいるからMCでは好きなことを喋ろうと、事前に内容を考えてこなかったとのこと。観客へ語りかける時の声色がやわらかかったこと、また、古川について語るときの声色が明るかったことが印象的だった。その後は、ライブの前々日に配信リリースした新曲「作曲」をピアノアレンジで披露。澤田空海理「作曲」MVさらに、古川本舗の楽曲「スカート」「東京日和」を前者はギター、後者はキーボードの弾き語りでカバーするなど、この日ならではの特別な場面が続いた。ライブの終わりが近づく中、「僕はみんなに悲しんで帰ってほしいんです。思い出すこといろいろとあるだろうし。そういうトリガーになりたいと思います」と観客に伝えた澤田。ラスト2曲、「振り返って」「遺書」で拍手もせずに聴き入っていた観客の姿を見るに、この日披露された楽曲の一つひとつは聴く人の心に強く残ったはずだ。深い余韻とともに、ライブは幕を閉じたのだった。Text:蜂須賀ちなみPhoto:星野健太<公演情報>澤田空海理 ツーマンライブ『手 vol.1』4月5日(金) 東京・渋谷PLEASURE PLEASURE出演:澤田空海理 / 古川本舗セットリスト■古川本舗1. ordinaries2. ナイトクルージン3. ライフタイムサウンドトラック4. HOME5. 知らない6. World borderline7. クロエ8. 三分半9. ベイクドパンケイクス■澤田空海理1. 可笑しい2. またねがあれば3. 薄荷飴4. 作曲5. 已己巳己6. 望春7. スカート(カバー / オリジナル:古川本舗)8. 東京日和(カバー / オリジナル:古川本舗)9. 振り返って10. 遺書<リリース情報>澤田空海理 配信シングル『作曲』配信中澤田空海理『作曲』ジャケット【収録曲】1. 作曲2. 作曲(instrumental)配信リンク:公式サイト:
2024年04月08日澤田空海理が、メジャー3rdシングル『作曲』を4月3日(水) にリリースすることを発表。同日20時より表題曲「作曲」Music Videoがプレミア公開されることも決定した。本作は、澤田が生活と音楽の真ん中を手探りで見つける、日常の延長線上を描いたナンバー。澤田にとって作曲は生活そのもので、嘘や誇張なく、自分に誠実に生活することから音楽は生まれるという。本楽曲は、さくら味を表現するための言葉選びよりも、春を食べたいという感情が優先された。併せて、澤田本人のコメントが到着した。■澤田空海理本人コメント私は春を食べたい。曲を作る、で作曲ですがその本質は何なのかと時に考えます。日々の些事を音楽へと昇華することは容易ですが、果たしてそれだけが作曲なのでしょうか。「生活」と「作曲」を切り離す方もいれば、そのふたつは地続きであると考える方もいらっしゃいます。私は間違いなく後者です。裏返せば、「生活」が停滞した時、「作曲」は立ち行かなくなります。では「生活」を「作曲」のための、いうなれば発生装置のようなものとして扱えば良いのでしょうか。日録から歌詞を引っ張り出すのではなく、歌詞にするに値する経験を自ら探し求める姿は求道者のそれに映るかもしれませんが、言ってしまえば本末転倒です。曖昧な境界線の上を歩くことでしか書けない情景が在るはずで、それこそ歌を歌たらしめるものだと私は信じます。さくら味って実のところ何味なのか、私は知りたくありません。私は春を食べたいのです。「作曲」MV※4月3日(水) 20:00 プレミア公開<配信情報>メジャー第3弾配信シングル『作曲』『作曲』ジャケット4月3日(水) 配信リリース【収録曲】1. 作曲2. 作曲(instrumental)配信リンク:<ライブ情報>『手 vol.1』(SOLD OUT)4月5日(金) 東京・渋谷PLEASURE PLEASUREOPEN 18:00 / START 19:00出演:澤田空海理 / 古川本舗公式ホームページ:
2024年03月30日毎日新聞出版株式会社は、2022年7月4日に直木賞作家・澤田瞳子さんの歴史小説『恋ふらむ鳥は』を発売します。『恋ふらむ鳥は』書影(帯あり)「誰かの娘、妻、そして母としてではなく、一人の人間として生きる――」飛鳥の動乱を生き抜いた万葉の歌人、額田王(ぬかたのおおきみ)の激動の半生従来の額田王像にとらわれない物語構成、女性の自立、壬申の乱からちょうど1350年など、2022年の今、ぜひ読んでいただきたい要素がぎっしりとつまった一冊です。【本書の内容】古しへに 恋ふらむ鳥は 杜鵑(ほととぎす) けだしや鳴きし 我が念へるごと時は7世紀。飛鳥の世に生きた一人の女、額田王(ぬかたのおおきみ)は子まで成した大海人王子(おおあまのみこ)と別れ、その兄、葛城王子(かつらぎのみこ)の仕切る宮城で宮人として勤めに邁進する。女の身で、一人の人間として歌詠みとして生きる道を模索するも、葛城の死、大海人の挙兵でその運命は一転する。白村江の大敗、叔父と甥が争う壬申の乱……。動乱の飛鳥の世を生き抜いた額田王の運命はいかに。【書誌情報】書籍タイトル: 『恋ふらむ鳥は』著者 : 澤田瞳子価格 : 2,200円(税込)発行 : 毎日新聞出版判型 : 四六判・上製ページ数 : 568ページISBN : 978-4-620-10857-5 【著者プロフィール】澤田瞳子(さわだ・とうこ)1977年、京都府生まれ。同志社大学文学部文化史学専攻卒業、同大学院博士前期課程修了。2011年、デビュー作『孤鷹の天』で第17回中山義秀文学賞を受賞。13年『満つる月の如し 仏師・定朝』で本屋が選ぶ時代小説大賞2012ならびに第32回新田次郎文学賞を、16年『若冲』で第9回親鸞賞を、20年『駆け入りの寺』で第14回舟橋聖一文学賞を、21年『星落ちて、なお』で第165回直木賞をそれぞれ受賞。近著に『輝山』『漆花ひとつ』がある。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年07月04日第165回直木賞作家澤田瞳子氏トークイベント「松花堂文化サロン京都やわたで紡ぐ創作の糸」を令和4年3月21日(月・祝)に八幡市立松花堂美術館(京都府八幡市)にて開催致します。イベントURL: 澤田瞳子氏トークイベント「京都やわたで紡ぐ創作の糸」について松花堂美術館は、江戸時代初期を代表する文化人であった松花堂昭乗ゆかりの美術館です。その昭乗が当時の文化人と交流した遺徳をしのび、現代の「松花堂文化サロン」として「創作」をテーマとしたトークイベントを開催。古来から京の都の守護神であった国宝・石清水八幡宮を中心とした、歴史・文化が豊富な「京都やわた」を舞台に、創作について語ります。ゲストは歴史小説家であり直木賞作家でもある澤田瞳子氏、聞き手は松花堂美術館館長と並木学芸員。※コロナ禍であることを鑑み、当館では初となる、オンライン同時配信も実施します。澤田瞳子氏Ⓒ文藝春秋開催概要日時: 令和4年3月21日13時~14時30会場: 八幡市立松花堂美術館アクセス: 京都府八幡市八幡女郎花43-1JR京都駅・大阪駅から最寄駅まで約30分参加費: 会場参加2,000円 オンライン参加1,000円3月上旬刊行予定の新刊「漆花ひとつ」の名前入りサイン本も同時購入可定員: 有お申し込みはこちら : 松花堂美術館とは庭園は約20,000㎡の広さがあり、文化財に指定・登録されている草庵「松花堂」、泉坊書院のほか、小堀遠州が松花堂昭乗と共に創作した茶室「閑雲軒」を含む松隠、千宗旦好みの四帖半の茶室がある梅隠、江戸時代から続く京の数寄屋大工が建てた竹隠の三棟の茶室があります。美術館の主な収蔵品は、草庵「松花堂」や泉坊書院に付属する内装品、松花堂昭乗およびその門人に関連するもの、そして八幡市にゆかりある美術品や資料等です。展覧会は、春と秋に企画展・特別展を開催するほか、年に3回ほど館蔵品を中心とした展示をおこなっています。松花堂庭園(外園部分)美術館展示室本イベントに関するお客様からのお問い合わせ先MKトラベルTel:075-662-1700 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年02月16日看護師になって10年が経つ堤素野子が勤務しているのは〈二子玉川グレース病院〉の東療養病棟。後期高齢者が多く、終末期を活き活きと過ごせるよう尽くしている。南杏子さん著書の『ヴァイタル・サイン』は、素野子を軸に、看護師たちの過酷な日常業務の様子を描いた医療小説だ。看護師が背負う、日常業務の過酷さ。実は、誰もに通じる苦悩と希望の物語。著者の南さんは作家業のかたわら、終末期医療に携わる現役の医師でもある。これまでは女性医師の目線で、医療現場の問題や人間関係の難しさ、患者やその家族との軋轢、女性としての生きづらさなどを描いてきたが、本書は初の看護師視点になっている。「医師と看護師で立場は違えど、悩んでいることはオーバーラップする部分が多々あるんです。作中で起きる出来事は、自分の体験や見聞きしたことから作ったフィクションですが、感情という点ではウソのない物語にしたかったんですね」作中にも出てくる〈ヒエラルキーのミルフィーユ〉や〈感情労働〉という言葉は、素野子が日々晒されているストレスの元凶。「看護師たちは、患者さんにとっていちばん身近で頼れる存在である分、自分の心身をすり減らしてまでも細かな要求にも誠心誠意応えています。それでも、いつもニコニコと“白衣の天使”でいるのが当然のように扱われるというか、そうしたイメージを押しつけられすぎていると感じています」クレーマーのような患者家族、ちょっと自己中心的な後輩看護師、難題を押しつけてくる医師などに振り回され、疲弊していく素野子。あるとき、看護師の本音を綴ったらしいSNSを見つけて、そのどす黒い気持ちにも動揺する。「素野子もそうですが、仕事熱心で責任感が強い人ほど追い詰められてしまうところがありますよね。私はすべての働く人たちに、自分を追い詰めすぎないで、と言いたいです。つらそうな人を見て『なんとかしてあげたい』と思う気持ちを自分に対しても向けてほしいのです」素野子も次第に気づく。自分を慰撫し、ハッピーでいることの大切さを。そういう意味で、描かれているのはとても普遍的な物語だ。「私は問題提起しただけ。作品を読んだ人が『こう考えることもできる』と新しい視点を見つけて、苦しい思いをしている誰かを救うきっかけになれたら…と思うんです」『ヴァイタル・サイン』南さんは、出版社勤務を経て33歳の時に医学部に学士入学し、医療の道に入った異色の経歴を持つ。現場を知るゆえのリアリティは圧巻。小学館1760円みなみ・きょうこ1961年、徳島県生まれ。作家、医師。2016年『サイレント・ブレス』でデビュー。『ディア・ペイシェント』はNHKでドラマ化、『いのちの停車場』は映画化もされた。撮影:永井守※『anan』2021年10月20日号より。写真・中島慶子(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2021年10月17日アイドルグループ・Hey! Say! JUMPの山田涼介が、映画『記憶屋』(2020年公開)の主演を務めることが15日、明らかになった。同作は第22回日本ホラー小説大賞を受賞し、35万部を売り上げた織守きょうやの同名小説を実写化。大学生の遼一(山田)は、年上の恋人・杏子(蓮佛美沙子)にプロポーズをした翌日から連絡が取れなくなってしまう。数日後に再会した杏子は、遼一の記憶だけがなくなっていた。都市伝説的な"記憶屋"のことを知り調べていくと、遼一は人々の中にある「忘れたい記憶」やその奥にある想いなどに触れていくことに。そして、その先には彼らの運命を大きく変える真実があった。幼馴染として一緒に記憶屋探しを手伝う河合真希は、芳根京子が演じる。一番近くで彼を支えるが、実は遼一への想いを胸に秘める切ない女性となり、広島出身という設定の2人は全編広島弁での演技に挑戦する。また記憶の消えてしまった遼一の元恋人、澤田杏子役を蓮佛が演じ、芳根とは姉妹役だったNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』以来の共演に。さらに、遼一の大学の先輩で弁護士の高原智秋を、佐々木蔵之介が演じる。監督には、映画『ツナグ』『僕だけがいない街』、ドラマ『JIN-仁-』『天皇の料理番』『義母と娘のブルース』など次々と話題作を手がける平川雄一朗が決定。12月よりクランクインし、2019年1月下旬のクランクアップを予定している。○山田涼介 コメント角川ホラー文庫から出ている小説が原作ですが、そこには「怖さ」ではなく、「切なさ」や「人を想う気持ち」が交じり合う普遍的な世界が描かれています。原作は漫画にもなっており、さらに実写化ということで、観ていただけると「記憶屋」の世界観をより理解していただけると思います。芳根さんと佐々木さんとは初共演、蓮佛さんとは二度目の共演ということで、みんなで力を合わせながらこの不思議な世界観を創っていきたいなと思います。愛に切なさに優しさに寄り添っていただけると思います!○芳根京子 コメント自分にとって挑戦の年だった2018年の締めくくりに、平川組で「記憶屋」の撮影に臨めることがとっても嬉しいです。そして今回初めてご一緒させて頂く山田さんにリードしてもらいながら、遼一を幼馴染みとして側で支え、複雑な気持ちを胸に抱える真希という無邪気な女の子を通して、自分なりに沢山悩みもがきぶつかってこの作品を皆さんの記憶に残る一本にできるようがんばります。そして、蓮佛さんと『べっぴんさん』ぶりの共演、とても嬉しいです! 姉妹から、恋の矢印が交錯する複雑な関係へと変わりました。いろんな経験をして成長できた姿を見せられたら、と気合が入ります。また、今まで同じ作品に参加させていただいてましたが、一緒にお芝居をしたことがなかった佐々木蔵之介さんと、やっと直接お会いできるのもすごく楽しみです。○蓮佛美沙子 コメント幸せだった日々から一転、大好きな人のことを全て忘れてしまった杏子。なぜ忘れてしまったのか、そこに在る理由やそれまでの幸せな日々、そして忘れてしまってからの微妙な関係性を、ひとつひとつ零さず丁寧にすくい上げていけたらなと思っています。○佐々木蔵之介 コメント家族と囲んだ食卓、友達と笑い合った放課後、焦がれていたあの人の横顔、故郷の風景…この映画には、誰もの心に刻まれた、美しくあたたかい、時には切ない「記憶」が登場します。皆さまの心にそっと寄り添ってくれる優しい映画になってくれればと思います。
2018年12月15日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週土曜日は、洋書を専門に扱う原宿のブックショップ「シェルフ(Shelf)」(東京都渋谷区神宮前3-7-4)が選ぶ書籍をご紹介します。■『Substance』澤田育久「無個性な駅構内(公共空間)を切り取っていく行為は、写せば写すほど自分の感情と切り離され抽象さを増し、人工的な被写体の連続する構成は重さねれば重なるほど、物質的なメディウムに還元されていく。普段、私たちが目にする空間をなるべく感情的な高揚や美的な感覚から遠ざけ、淡々と無機質な物質として鑑賞者に提示することで、無個性な環境の異質さ歪さを増幅させていく。この作品集『Substance』は澤田が捉えた写真と、改めて空間に配置された作品を同じ時間軸に並べることで見えてくる視点を中心に構成されている。ページを捲ることによって変化する写真の重なりと構成は作家の視点と見る側の視点がクロスしながら、澤田が常に意識する被写体との距離を体現しているような感覚に落ちていく」(Publisher’s Description)駅の壁や柱、階段、シャッターなどを断片的に撮影した写真を、現代アート作品を見せるかのように提示する澤田育久の作品集。本書は、異なるサイズのページを階段状に綴じ、後ろページのイメージと前ページの重なりがもらたす視覚的効果も含めて体感するスタイルの本となっている。今回、写真集の刊行を機に、東京・恵比寿にある路上から見ることができるディスプレイ型ギャラリー「CAGE GALLERY」と、澤田育久が代表を務める神保町のオルタナティブ・スペース「The White」で展覧会が開催される。「CAGE GALLERY」では、空間に吊るした写真同士の関係性、写真と空間の関係性を考察。「複数の写真に写されている関係性を同時に見ることによって、新しいイメージを獲得することができるのではないか? 」という考えに基づき、空間に配置したプリント、それらイメージが持つ関係性を衝突させて、フレームの外まで写真を拡張させるという展示を試みる。澤田育久は、1970年東京生まれのフォトグラファー/作家。2012から2013年に「The Gallery」、2014年よりオルタナティブ・スペース「The White」を主宰する。これまで、2011年に個展「closed circuit」(TOKI Art Space/東京)、2012年11月から1年間にわたり毎月新作による連続展「closed circuit, monthly vol.1-vol12」(The Gallery/東京)などで作品を発表してきた。書籍は、2017年に自身のレーベル・The Whiteより写真集「closedcircuit」を刊行。2018年10月にRONDADEより今回紹介した最新作を「substance」発表している。【書籍情報】『Substance』写真:澤田育久出版社:Rondadeソフトカバー/120ページ/260×400mm発刊:2018年価格:6,200円■Shelfオフィシャルサイトで『Substance』を購入する【展覧会情報】substance Ikuhisa Sawada会期:11月27日〜2019年1月14日会場:CAGE GALLERY住所:東京都渋谷区恵比寿2-16-8 1F澤田育久展会期:12月3日〜15日会場:The White住所:東京都千代田区猿楽町2-2-1 #202時間:13:00〜19:00休廊日:日・月曜日
2018年11月10日江波杏子さんが10月27日、肺気腫の急性増悪のため亡くなった。76歳だった。各スポーツ紙によると江波さんは肺気腫を長年患っていたが、これまで日常生活に支障はなかったという。しかし先月26日に体調不良を訴え、緊急入院。翌日の午後、息を引き取った。66年の映画「女の賭場」で演じた女賭博師役が評判を呼び、以降“映画女優”として活躍した江波さん。近年では11年「カーネーション」や16年「べっぴんさん」といったNHK朝の連続テレビ小説にも出演し、お茶の間でもその存在感を発揮していた。あまりに突然すぎる死――。Twitterでは驚きとともに、悲しみの声が上がっている。《一本筋の通った女性が持つ美しさ、凛としたかっこよさ。若い頃もお歳を召してからも実にお美しかった》《語り、表情、所作、美しさ、儚さ、今でも忘れられません》《かっこよくて好きな女優さんでした。残念……》公開されているものでは、今年4月に公開された松坂桃李(30)の主演作「娼年」が最後の映画作品。同作で江波さんは松坂演じる男娼を”買う”老女を演じ、その艷やかな演技が大評判。ファン層をさらに広げていた。実は江波さんにとって、同作はターニングポイントだったようだ。「江波さんは年齢のこともあり、『娼年』のオファーを受けるまで引退を考えていたそうです。しかし同作で濡れ場に挑戦し、女優魂が再燃。仕事に対し、さらに積極的になっていました。亡くなった当時は来年のスケジュールも予定にあったと聞きます。ですからファンのみならず、周囲も動揺が隠せないようですね……」(映画関係者)その姿は、観た者の記憶の中で生き続けるだろう――。
2018年11月02日去る2018年10月27日、名女優・江波杏子さんが肺気腫(慢性閉塞性肺疾患)の急性増悪のため、急逝したことが所属事務所より発表された。76歳だった。1942年10月15日生まれ、1960年公開の『おとうと』で映画デビューを果たし、その後初主演作『女の賭場』が大ヒットとなり、『女賭博師』シリーズとして17本がつくられ大映の看板スターになった江波さん。近年では、「女王の教室」「ごくせん」や連続テレビ小説「カーネーション」「べっぴんさん」などに出演。さらに、松坂桃李主演の映画『娼年』では、舞台版に引き続き上品な老女役で出演していた。この度の急逝に関して、所属事務所は「あまりに突然の出来事に言葉もありません」とコメント。さらに、「肺気腫は長年患っておりましたが、日常生活には差し障りなく女優業に励んでおりました。現に10月22日(月)まで、NHKのラジオドラマの収録をしておりましたし、11月以降から来年にかけて、いくつかのドラマのオファーにもお引き受けすべく、私共スタッフとミーティングも重ねておりました」と明かしている。この訃報にネットでは、「また一人、格好良い女優さんが旅立たれた」「江波杏子さんは、この間まで再放送していた朝ドラカーネーションに出ていたからショック。好きな女優さんの一人」「また一人大好きな女優さんが逝ってしまった」「嘘でしょ… ショック…」といった悼む声が後を絶たない。また、舞台版「娼年」で共演した女優・須藤理彩は、SNSにて共演をふり返りつつ「また成長してお会いしたかったです。ありがとうございます」と悲しみの声を寄せている。なお、江波さんが出演したドラマは今後も放送していく予定だという。素晴らしい演技で多くの人々を魅了してきた江波さん――心よりご冥福をお祈りいたします。・「カラスになったおれは地上の世界を見おろした。」11月10日(土)22時~NHKBSプレミアム・「山村美紗サスペンス 赤い霊柩車37 猫を抱いた死体」11月16日(金)19時57分~フジテレビ・「FMシアター 罵詈雑言忠臣蔵」(ラジオドラマ)12月8日(土)22時~NHKFM・「小吉の女房」2019年1月11日(金)20時~(全8回)NHKBSプレミアム(cinemacafe.net)
2018年11月02日グラビアアイドルの一色杏子がこのほど、東京・秋葉原のソフマップで最新イメージDVD『Cream Girl』(発売中 4,104円税込 発売元:Cream)の発売記念イベントを行った。"あんこ"の愛称でファンから親しまれているグラビアアイドルの一色杏子。現在はグラドルの活動と並行しながら、ハードロックアイドルユニット"DISDOL"のメンバーとしても活躍している。そんな彼女の通算5枚目となる同DVDは、今年6月に東京と沖縄で撮影。視聴者が一色と沖縄旅行を疑似体験できるという内容で、これまで見せたことのないセクシーなシーンにも果敢に挑んだ意欲作となっている。「沖縄はすごく暑くて耐えられませんでした。撮影中はずっと『暑い!』しか言ってないです(笑)」と振り返った一色は、内容について「私と一緒に沖縄旅行するという内容で、初めてセリフというものを言わせていただきました」と解説。現在18歳ということで、これまでの作品ではキュートなシーンが多かったが、「今回は黒下着を着て彼氏とベットでいちゃついたりします。いつもは可愛い感じですが、とてもセクシーで前髪も流して大人っぽい仕上がりになっていますよ」とセクシーアピールするも、「ベッドのシーンでは彼氏に見立てたカメラといちゃつくんですが、あんまりそういうキャラではないので恥ずかしかったです」と赤面した。今年の夏は海やプールに行くなど夏を満喫しているという一色。「この前は由比ヶ浜に行きました。まだまだ夏は終わってないので、これからも海やプールに行きたいですね」という彼女にナンパの有無を問うと「しょっちゅうあります。『可愛いね! 女子だけなの?』みたいな感じで声を掛けてくるんですけど、私は『はいはい』と言いながらスルーしちゃいます。女の子に慣れていて一途な男性ならついていくかも(笑)。女の子なら誰でも良いという男性は嫌いです」と話していた。一色杏子(いっしき きょうこ)1998年3月24日生まれ。埼玉県出身。B型。身長152㎝。スリーサイズはB86・W59・H84。"あんこ"の愛称でファンから親しまれているグラビアアイドル。グラビアは高校3年生だった2015年10月に1stDVD『あんこちゃん』をリリースし、高校生離れしたEカップバストと豊満ボディーを披露して瞬く間にグラドルファンから注目を集めた。現在は同じ事務所の高橋ナツミや辻あいりらとともにハードロックアイドルユニット"DISDOL"のメンバーとしても活動中。特技・趣味はダンス。
2016年09月04日ワコールは、『ヌメロ・トウキョウ(Numero Tokyo)』編集長の田中杏子をディレクターに迎え、期間限定ショップ「WACOAL made in Japan mode in Japan」を伊勢丹新宿店本館1階ザ・ステージで15日から21日の期間限定でオープンする。ダンスユニットのアヤバンビ(AyaBambi)をイメージモデルに起用し、下着をモードに高めるワコールの姿勢を体感してもらう考え。同ショップでは、日本ならではの物作りへのこだわりを感じてもらおうと、日本製の商品の中から田中杏子がセレクトした下着をブランドミックスで提案。また、注目のダンスユニットAyaBambiがワコールの縫製を行う北陸の工場で撮影したオリジナルムービーを披露。このムービーは、ミシンの音がBGMに使われるなど物作りの躍動感を感じられる仕掛け。会場内では、ワコール創業時のブラパットや工場で使用されているミシンが展示される他、下着文化を捉えて表現してきたワコールの斬新な広告コピーをグラフィカルに展示する。15日、18日、19日には、「ワコール ディア(WACOAL DIA)」のクリエイティブスタッフがランジェリー作りのテクニックを実演で披露。20日には田中杏子によるスタイリングトークショーも予定されている。
2015年04月11日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「ナディッフ」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は東京・渋谷の支店 NADiff modern(東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura地下1階)です。■「澤田知子 FACIAL SIGNATURE」澤田知子「顔は印鑑や署名のようなもので、その人それぞれのID、本人を証明するものだと思う」の言葉にあるように、1998年に『ID400』という、400 通りに自身の姿を変えた証明写真の作品を発表して以来、セルフポートレイトを手法として多くの作品を生み出してきた澤田知子。約8年振りとなる今回の新作『FACIAL SIGNATURE』は、作家がニューヨークで生活をしていた体験が元になっている。「人は何を、どこを見て個人を判断しているのか知りたいと思い、様々な東アジア人に見えるように変装した」という考察の下、300点のセルフポートレイトを撮影した。ページを捲るたびにこちらを直視する女達。どこかで見たことがあるような、誰かに似ているような、自分自身を見ているような、人間のアイデンティティの強さと儚さを浮き彫りにし、見る者に正面から問い掛ける。ナディッフ本店を有する複合アートスペースNADiff A/P/A/R/T 2F MEMにて現在開催中の「澤田知子FACIAL SIGNATURE」展は4月19日まで。18日にはナディッフアパートにて、本人を招いた出版記念トーク&サイン会開催も開催される。【書籍情報】「澤田知子 FACIAL SIGNATURE」著者:澤田知子出版社:青幻舎言語:日本語ソフトカバー/320ページ/B6発刊:2015年価格:5,000円
2015年04月02日アニメーション映画『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』より、佐倉杏子が浴衣姿でフィギュア化され、「GOOD SMILE ONLINESHOP」にて予約受注がスタートしている。2015年6月発売予定で、価格は9,074円(税別)。『佐倉杏子 浴衣Ver.』は、少し大人っぽい浴衣姿の杏子を1/8スケールで立体化。特徴的なポニーテルの髪の流れ、頬を薄っすら赤らめた表情なども細かく造形されている。手に持っているのはもちろんリンゴ飴で、発売済みの『暁美ほむら 浴衣Ver.』や『鹿目まどか 浴衣Ver.』、2015年4月発売予定の『巴マミ 浴衣Ver.』などと合わせてディスプレイしたいフィギュアに仕上がっている。全高は約200mm。商品価格は9,074円(税別)で、「GOOD SMILE ONLINESHOP」の受注締切は、2015年2月12日21:00。商品の発売および発送は、2015年6月を予定している。なお、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』浴衣シリーズのラストを飾る『美樹さやか 浴衣Ver.』も追って案内されるという。(C)Magica Quartet/Aniplex・Madoka Movie Project
2015年01月15日温水洋一と江波杏子が劇団「はえぎわ」のノゾエ征爾の演出の下、カナダの劇作家モーリス・パニッチによる皮肉に満ちたふたり芝居に挑む『ご臨終』。初日まで10日ほどに迫った10月下旬、静かな熱気に包まれた稽古場に足を運んだ。何十年も音信不通だった叔母からの「もうじき死ぬ」との手紙を受け取り、中年の甥は仕事をやめてまで彼女の元に駆けつけ、共同生活を送ることにするが、彼女は寝たきりながら一向に死ぬ気配がない。やがて、ある驚愕の事実が判明し…。叔母の寝室というワンシチュエーションで物語は展開するが、生活感に満ちたふたりのやりとりをよそに、セットは「人物をより浮き立たせたい」というノゾエの狙いもあって抽象的な作りとなっている。本作が“異色の”と表現される最大の要因は、ふたり芝居でありながら、ほとんどのセリフを甥が話し、叔母はほとんど言葉を発しないという点。膨大なセリフを抱える温水はもちろんだが、「病気のため寝たきり」という設定の中で甥の言葉を受け止め、時にスルーし、わずかな動きや表情、視線、そして沈黙でもって感情や寝室の空気を伝えなくてはならない江波の苦労もかなりのものである。ノゾエは演出席でふたりの芝居を見つめるが、シーンが終わるごとにふたりの元に駆け付け、壇上で3人が細かくディスカッションし、試行錯誤を繰り返しながら作り上げていくという光景が繰り広げられた。仲が良いとは言えない叔母と甥が、死や老い、孤独といった人生で避けられない現実と向き合うさまを描くが、全体に漂うのはシニカルで辛口のユーモアに満ちた空気。温水は、親から愛されずに育ち、“生きづらい”人生を送る甥を体現しており、明るい口調で葬儀の段取りや棺桶のサイズを決めたかと思えば、急に泣き出したり、というひねくれた情けない中年を文字通り感情豊かに演じる。そんな彼の姿をも通じて、謎の叔母の姿が浮かび上がってくるが、ふたりの関係性や空気感を伝えるためにノゾエ、温水、江波が徹底的に話し合い、細部にわたって詰めていたのがセリフの間や動作のタイミング。食事に塩を振る動作、ふと顔を上げる瞬間、ちょっとした視線など小さな動きの積み重ねが、独特の空間を作り上げていることが分かる。やがて判明する衝撃の事実――。人生の終盤を迎えた者たちの哀愁と人間臭さに満ちた静かな空間をじっくりと味わえる舞台になりそうだ。新国立劇場にて11月5日(水)開幕。取材・原稿・撮影:黒豆直樹
2014年10月31日