俳優でモデルの村上愛花が3日、自身のXを更新。奥野壮との2ショットを公開した。2人はNHK『超多様性トークショー!なれそめ』に出演した。村上は「今回のお二人のなれそめはいかがでしたか?」とファンにメッセージを送った。また、村上は『王様戦隊キングオージャー』(2023)でヒメノ・ラン/カマキリオージャー役、奥野は『仮面ライダージオウ』(2018)で常磐ソウゴ/仮面ライダージオウ役で出演していた。特撮に縁ある2人だけに写真はそれぞれのポーズを披露。村上は「奥野荘さんとオフショット撮りました」とし「ポーズしてほしいとお願いしたら快く決めて下さいました!ありがとうございます!笑」と感謝していた。この投稿にファンは「我が魔王と我が女王ヒメノ様との共演!素晴らしい共演!」「これは魔王と女王ですね」と反応していた。
2024年05月04日モデル・俳優の村上愛花が3日、東京・国立代々木競技場第一体育館で行われたファッション&音楽イベント『Rakuten GirlsAward 2024 SPRING/SUMMER』に出演した。村上は、イエローのミニ丈セットアップで登場。絢爛な装いで花を添えた。同イベントには、池田美優、生見愛瑠、藤田ニコル、山本舞香らがモデルとして登場。ライブステージではILLIT、乃木坂46、FRUITS ZIPPER、ME:Iなどがパフォーマンスを披露する。南海キャンディーズの山里亮太とフリーアナウンサーの森香澄がメインMC、あのがゲストMCを務める。25回目の開催となる今回のイベントテーマは「TOKIMEKI GALAXY TRIP」。年齢性別を問わず、個性を出したファッションを楽しめる現代を銀河に例え、来場者に新しい自分を発見できるようなときめく宇宙の旅を楽しんでほしいという願いが込められている。
2024年05月03日お笑い芸人の村上ショージ(68)が1日、自身のインスタグラムを更新。新車価格で数千万円する高級車ロールス・ロイスとの2ショット写真を公開した。村上は「私のお友だちの車でロールス・ロイス^_^」と、車を紹介。「天井はプラネタリウムになっており定期的に流れ星が流れるのでお願いをしてました^_^」と、車内の驚きの装備を明かし、流れ星に願いごとをしたと報告した。だが、肝心の車内は、「車内撮るの忘れてた!」と言い、写真はなし。それでも「乗り心地最高でしたよ」と高級車を満喫した様子。最後に「いくらするんやろ!^_^」と好奇心をみせていた。
2024年05月02日濱口竜介監督最新作『悪は存在しない』、『ゴジラvsコング』の続編『ゴジラxコング 新たなる帝国』といった注目作品の公開や、ソフィア・コッポラ監督特集上映、屋外上映イベントなど、今年のGWは楽しみなイベントが目白押し。そんななか今回は、リラックス時間に、おうちでお酒をたしなみながら、おやすみ前のひとときに…など、いますぐ観られるおすすめの“海外ドラマ”を4作品ピックアップしてご紹介。Netflixシリーズ「リプリー」独占配信中「シャーロック/SHERLOCK」『007 スペクター』のアンドリュー・スコットが主演を務めるサスペンスドラマ。名作小説の新たなシリーズ化となっており、アンドリューのほかにも、ダコタ・ファニング、ジョニー・フリンらが出演している。あらすじ特殊な仕事を引き受けたペテン師はイタリアに渡り、富と特権を享受する世界へ。だが、憧れの生活を手にするには、いくつもの嘘を重ね続けなくてはならなかった――。「フォールアウト」© Amazon MGM Studiosビデオゲーム「Fallout」を原作とした、クリストファー・ノーランの実弟、ジョナサン・ノーランが終末世界を描く実写オリジナル・ドラマシリーズ。Vaultの住人をエラ・パーネルが演じるほか、アーロン・モーテン、ウォルトン・ゴギンズ、カイル・マクラクランが出演。なお本作は、シーズン2の製作も発表されている。あらすじ核戦争から200年後、富裕層と貧困層との格差は浮き彫りとなっていた。贅沢な核シェルター「Vault 33」で暮らしていた穏やかな住民たちは、ある日、放射能に汚染された地上に戻ることを余儀なくされる。そんな彼らを待っていたのは、信じられないほど複雑で、奇妙で、そして非常に暴力的な世界だった…。「シュガー」画像提供 Apple TV+行方不明者の捜索を得意とする、アメリカの私立探偵ジョン・シュガーの物語。主演を務めるのは、『THE BATMAN-ザ・バットマン-』などで知られるアカデミー賞ノミネート俳優コリン・ファレル。そのほかカービー・ハウエル=バプティスト、エイミー・ライアン、ジェームズ・クロムウェル、アンナ・ガン、デニス・ボウトシカリス、ネイサン・コードリー、シドニー・チャンドラー、アレックス・エルナンデスらが集結。あらすじハリウッドの伝説のプロデューサー、ジョナサン・シーゲルの孫娘が謎の失踪を遂げ、私立探偵ジョン・シュガーが事件を追い始める。しかし、シュガーは、孫娘の行方を追ううちに、シーゲル家に潜む秘密や、過去、葬り去られていた真実を知ることに…。そして、追い詰められていくシュガーは自らの“秘密”にも対峙しなくてはいけなくなる。Peacock © Peacock TV LLC. Poker Face © MRC II Distribution Company, L.P. All rights reserved.名探偵ブノワ・ブランのミステリー映画シリーズで知られる、ライアン・ジョンソン監督が贈る、ウソを見抜ける主人公チャーリーが暴く倒叙ミステリー。チャーリー役には、「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」のナターシャ・リオン。本作でエミー賞にノミネートされ、自身のAnimal Picturesのもと、製作総指揮および脚本・監督も務めた。エイドリアン・ブロディ、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ステファニー・スーら、各話に登場する豪華ゲストも必見だ。あらすじ他人のウソを感じとる能力のあるチャーリー・ケール(ナターシャ・リオン)は、友人の死の真相を追求したことをきっかけに、命を狙われてしまう。追手から逃れるため、愛車のプリムス・バラクーダで全米を逃避行する先々で、一癖も二癖もある人物たちや奇妙な事件に遭遇。物語の冒頭で犯人が明らかとなり、事件を逆に紐解いていく。(シネマカフェ編集部)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2024年04月30日6月のWOWOW映画は、第71回ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞『偶然と想像』ほか、濱口竜介監督を特集。そのほか、荒井晴彦監督の『花腐し』[R15+指定版]など、俊英監督の新作邦画、さらには劇場版『名探偵コナン』2作、花江夏樹吹き替え主演の中国アニメ、大友克洋の漫画に着想を得た北欧ホラーといった、多彩かつこだわりの詰まったラインアップとなっている。注目は、4月26日(金)より最新作『悪は存在しない』が公開される濱口竜介監督の特集。今回は『偶然と想像』を含む、6作品が集結。いまや世界的な監督として知られる濱口監督が、東京藝術大学の卒業作品として制作した『PASSION』など、貴重な過去作品もある。最新作『悪は存在しない』© 2023 NEOPA / Fictiveそのほかにも6月は俊英監督の邦画が登場。荒井晴彦監督特集では最新作『花腐し』[R15+指定版]をはじめ、『火口のふたり』[R15+指定版]など、荒井氏自身が監督を務めた作品全4本を網羅。梅雨の季節によく合う、しっとりとした大人の人間模様を堪能できる作品。アニメでは、劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』の公開を記念して、第25作『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』と第26作『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』を全編ノーカットで2週連続放送。『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』©2023 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会中国発・獅子舞競技を題材にした3DCGニメーション『雄獅少年/ライオン少年』も見逃せない。日本語吹き替え版の主演は、人気声優・花江夏樹。本国中国では映画満足度ランキング第1位を獲得した大ヒット作。『雄獅少年/ライオン少年』(C)BEIJING SPLENDID CULTURE & ENTERTAINMENT CO.,LTD(C)TIGER PICTURE ENTERTAINMENT LTD. All rights reserved.そして世界各国の秀作を紹介する映画特集「ワールドシネマセレクション」では、今回ノルウェー発のサイキックホラー『イノセンツ』が必見。大友克洋の傑作漫画「童夢」にインスピレーションを受けて作られた本作は、ノルウェーの団地を舞台に、不穏さにあふれた北欧ホラー独特の世界観を描き出す。『イノセンツ』(C)2021 MER FILM,ZENTROPA SWEDEN,SNOWGLOBE,BUFO,LOGICAL PICTURES(C)Mer FilmWOWOW映画 6月の主なラインアップ※黄色マーカーは特集◆6月1日(土)&8日(土)2週連続・『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』 ※放送同時配信のみ・『名探偵コナン 黒鉄の魚影』 ※放送同時配信のみ◆6月1日(土)『雄獅少年/ライオン少年』◆6月4日(火)~6日(水)サスペンス特集:灼熱のフィリピン(3作品) ※放送同時配信のみ・「高級娼婦」・「セカンドチャンス 若返った熟女」・「グッドサマー 肉体解放区」◆6月10日(月)~14日(金)『ジェーンとシャルロット』放送記念!女優シャルロット・ゲンズブール(5作品)・『なまいきシャルロット』・『フェリックスとローラ』・『ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール』・『午前4時にパリの夜は明ける』・『ジェーンとシャルロット』◆6月16日(日)『花腐し[R15+指定版]』 ※放送同時配信のみ【関連特集】『花腐し』放送記念!荒井晴彦監督特集(4作品)6月16日(日)~19日(水)・『火口のふたり』[R15+指定版]・『この国の空』・『身も心も』◆6月23日(日)『偶然と想像』 ※放送同時配信のみ【関連特集】『偶然と想像』放送記念!濱口竜介監督特集(6作品)6月20日(木)~23日(日)・『PASSION』・『親密さ』・『天国はまだ遠い』・『永遠に君を愛す』・『ドライブ・マイ・カー』※『ドライブ・マイ・カー』以外は放送同時配信のみ『偶然と想像』(C)2021 NEOPA / Fictive◆6月25日(火)『イノセンツ』【関連特集】ワールドシネマセレクション(4作品)6月25日(火)~28日(金)・『6月0日 アイヒマンが処刑された日』・『ファースト・カウ』・『サタデー・フィクション』(シネマカフェ編集部)■関連作品:火口のふたり 2019年8月23日より新宿武蔵野館ほかにて公開©2019「火口のふたり」製作委員会偶然と想像 2021年12月17日よりBunkamuraル・シネマほか全国にて公開©︎ 2021 NEOPA / fictive名探偵コナン ハロウィンの花嫁 2022年4月15日より全国東宝系にて公開©2022 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会名探偵コナン 黒鉄の魚影 2023年4月14日より全国東宝系にて公開(C)2023青山剛昌/名探偵コナン製作委員会花腐し 2023年11月10日よりテアトル新宿ほか全国にて公開©2023「花腐し」製作委員会
2024年04月27日映画監督の役割とは何か――?そんな極めて抽象的な質問に、濱口竜介監督は「ある種、自分の生理的な判断によって“OK”と“NG”を振り分けること」と答えてくれた。ヴェネチア、カンヌ、ベルリンの世界三大国際映画祭とアカデミー賞の全てで受賞歴を持ち、いまや新作が発表されるたびに常に世界的な注目を集める存在となった濱口監督だが、彼はどのようにして“映画監督”になったのか? そして、彼はどのように新作を企画し映画として形にするのか?まもなく公開となる『悪は存在しない』は、『ドライブ・マイ・カー』でもタッグを組んだ音楽家の石橋英子のライブパフォーマンスの映像作品として企画がスタートし、制作の過程で当初の作品とは別に1本の長編映画として誕生したという、まさに異色の作品だ。世界を魅了し、驚かせ続ける“濱口映画”の作り方について、じっくりと話を聞いた。映画監督への道「漠然としていました」――濱口監督は、大学で映画サークルに入る以前は、映画をむさぼり観るようなタイプではなかったとうかがいました。それ以前は、どういったカルチャーに触れられていたのでしょうか? また、映画に深くハマるようになったきっかけは何だったんでしょうか?テレビドラマにゲーム、漫画、J-POP…当時の日本のどこにでもあったサブカルはごく普通に触れて楽しんでいましたが、夢中になっていたとは言えないですね。引っ越しばっかりしていたもので、その土地に根ざした遊びはしてなくて、それしかなかったというのが実際だと思います。ただ、映画館に行くのは昔から好きでした。小学生の頃『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を観て、中学生で『ターミネーター2』を観て面白いと思って、高校生くらいになるとミニシアター系やアート系の映画も観るようになって、自分のことを「映画好きなんじゃないか」と思って、大学で映画サークルに入るんです。そこで、自分なんて実は全然観てなかったんだって気づいた感じです。映画自体は好きだったけど、全然足りていなかった…と。――「自分で映画作りたい」という思いで映画サークルに入られたんですか?そうですね。僕は一年浪人して大学に入ったので、浪人期間中は、なかなか映画館にも行けず、すごくつらさもありました。なので、大学に入ったらやりたいことをやろうって思いが強まって、そのひとつが映画でした。とはいえ、いま思うと、映画をどう作るのかということについて、何も知らなかったですね。――その後、大学生活を送りつつ、仕事として“映画業界”を志すようになったのは?大学3年くらいになると就職活動が始まるんですけど、何を大学でやってきたかと振り返るわけです。大学で大して勉強したわけでもないんですけど、何かしら、大学でやってきたことを就職で活かしたいなと思うんです。学科も映画で卒論を書けるところを選んだし(※大学では文学部 美学芸術学専修課程を専攻)、考えたら映画のことしかやってこなかったので、就活でも映像関係の会社ばかりを受けていました。でも、時代が就職氷河期だったからなのか? 私のコミュニケーション能力に問題があったのか…(苦笑)? 映像関係の会社も軒並み落ちまして…。「どうしようか?」と思っていた時、助監督の仕事を紹介していただけたんですね。――その後、しばらくして、東京藝術大学大学院の修士課程に入り直されていますが、そこに至る経緯は?商業映画の現場で助監督の仕事を始めたんですけど、何も知らないまま入ったわけです。助監督としてどう動くかなど全くわかってない状態で、しかも、そんなにコミュニケーション能力も高くなくて、ちゃんと人から教えてもらえないまま、目の前で現場が動き始めているという状況で…。商業映画1本と2時間ドラマの助監督をやったんですけど、端的に言って仕事ができなかったんですね(苦笑)。その時の監督の知り合いの映像制作会社を紹介していただいて「修行してきなさい」となって、そこでそれなりに楽しいと思いながら働きつつ、その会社が作っているのはBSテレビの経済番組などでしたので「楽しい」がちょっと違うわけですね。「自分は映画がやりたかったはずなんだけどな…」と。そうしたら、芸大の映像研究科が映画監督になるコースを開講することになって、2005年に第一期生を募集していて、しかも教授は北野武監督と黒沢清監督だと。そりゃすごい! 自分のこれまでの趣味と照らし合わせても「ここしかないかもしれない」と思って受けました。一年目は落ちて、二度目で翌年の2006年に受かりました。流れ流れてという感じでしたね。濱口竜介監督――当時から「将来、映画監督になる」といことは意識されていたんでしょうか?本当に五里霧中というか「なんも見えねぇ…」って感じでしたね。あの当時、いや、いまも若い人にとってそうかもしれませんが「監督にどうやったらなれるのか?」というのが全然わかんなくて、聞いたところでは「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」で入賞するとプロデューサーにピックアップされるらしいとか、助監督を続けて階段を昇っていくと、30代後半から40代手前くらいで監督の口があるんじゃないか?とか…漠然としていました。ただ自分に助監督の能力がないことは明瞭にわかったので、その線は消えたわけです。PFFに出したりもしたんですが、全部落ちたり。とは言え、そんなに悪いものは撮っていないはずだという思いもあったので、自主映画で撮っていこうと。「職業にする」というよりは、まずは自主映画・学生映画という形で作品をつくらないと、次の段階に進めなさそうだなって感覚でした。それで藝大大学院も受験するわけなんですけど、「職業として映画監督になれるか」というのはどこまでもわかんなかったですね。――その後、自主映画で短編、長編を含めて様々な作品を手掛け、『寝ても覚めても』では商業監督映画デビューを果たしましたが、自分が「映画監督である」と実感がわいたのはいつ頃ですか?これもすごく難しくてですね…、ある意味、意識の中では自分はずっと「監督」ではあるんですよね。その意識は学生時代からあるんですけど、ただそれが「職業」になったのは、本当に最近ですね。それで食べていけるようになったのが本当にごく最近なので。“商業映画”の意識「せめぎあいの中で作品ができていく」――『寝ても覚めても』以前に『ハッピーアワー』が国際的にも非常に高い評価を受けました。ただ、あの時点で無名の若手監督が5時間を超える映画を作り、劇場公開されるというのはすごいことだと思います。企画を通すということや、プロデューサー的な視点でどうやったら多くの人に劇場で映画を観てもらえるか?といった部分は、意識されていたんでしょうか?その意識が全くなかったわけではないですが『ハッピーアワー』に関して言えば、コントロールが全く効いてなかったというのが実際のところですね(苦笑)。クレジットとしても自分はプロデューサーではないですし。『ハッピーアワー』やその後の『偶然と想像』、今回の『悪は存在しない』でもプロデューサーに入ってもらっている高田聡さんという方がいて、(高田プロデューサーが所属する)「NEOPA」という会社は、実はIT企業なんですけど、高田さんは映画サークル及び学科の先輩なんです。その会社の取締役である高田さんの裁量の範囲で、NEOPAから出資していただけることになりました。『ハッピーアワー』最終的に「すいません、5時間になっちゃいました」という感じだったんですが、それでもOKをいただけて、これはプロデューサーである高田さんの度量の広さというのがまずありますね。『ハッピーアワー』は製作に2年くらいをかけていて、僕にとってもスタッフにとっても人生の一部のような存在になるわけですよね。“お祭り”というよりは、生活の一部みたいな感じですね。有名な人も出ていないですし、『ハッピーアワー』の時は、お客さんというよりは、一緒に仕事をした人たちのために最良の形で完成させるというモチベーションが強くて、その結果、あの長さになって、それを受け入れていただいたという感じです。その意味で、プロデューサー的な才覚は自分にはあまりないと思いますね。――『ドライブ・マイ・カー』のような作品の製作プロセスでも、商業的な部分を意識することはないのでしょうか?特に、いわゆる商業映画の枠組みでやるときはプロデューサーという立場の人たちがいて、C&Iエンタテインメントにいた山本晃久さん、その上司の久保田修さん、ビターズ・エンドの定井勇二さんが主にクリエイティヴ面でも関わってくださっているんですけど、その方たちの意見はきちんと聞いて参考にしています。まず、多大な経済的リスクを負っているのはその方たちなので、その人たちの「これでよいか悪いか?」というジャッジは受け入れるんですけど、そこで「自分が面白いと思うことかどうか」という部分はきちんと出すようにしています。ただ、山本さん、久保田さん、定井さんは『寝ても覚めても』の頃から、それぞれの立場から、かなり自分のやりたいことを尊重してくださったので、自分も含めたそれぞれの立場の意見の、そのバランスの中でできていくというか。自分もプロデューサーのジャッジへの信頼があるので、そのせめぎあいの中で作品ができていくという感じですね。『ドライブ・マイ・カー』――本作『悪は存在しない』は、石橋さんからライブパフォーマンス用の映像の依頼を受けて企画がスタートし、そこからさらに枝分かれして長編映画になったという異色の作品ですが、この作品に関しても、クリエイターとしての「これは映画になる」という手応えと、プロデューサー的な目線で「これは(商業)映画になる」という感覚が重なるような瞬間は?それはどこまでもなかったですね。今回、また高田さんにプロデューサーをお願いしていますが、製作中の高田さんの名言で「まあ、できてから考えようか」というのがありまして(笑)。完成してどんな作品なのかわかって、それから考えればいいんじゃないかと。まあ経済的なリスクが自分たちの耐えられる範囲内であるならば、明らかにそれが最良の選択肢なので、じゃあそうしようかとなった感じです。実際、それがこうやって劇場公開までされることになって、本当に運がよかったなって思いますし、高田さんのそのスタンスには心から感謝していますね。――濱口監督にとって、映画づくりのプロセスにおける「映画監督」の役割・仕事はどういうものだと思いますか?ある種のビジョンを提示したり、作品の全体の方向性を示すことが求められる部分もありますが、基本的には撮影の1テイク、1テイクであったり、編集の一工程、一工程に対し「OK」か「NG」かを判断する仕事ですね。単純に「OK」か「NG」かを示すだけでは暴力的なので、必要なら言語化も説明もしますけど、究極的には、個人の生理的な判断で「OK」と「NG」を振り分けていくのが仕事のような気がしますその基準をきちんと守り通せたら、映画になるだろう、という思いでやっています。――繰り返しの質問になりますが、企画を「成り立たせる」という部分や「いかにこの企画を通すか?」という部分に関して、意識されたことはないんでしょうか?これは本当に、僕がプロデューサーに恵まれているんだと思いますが、そういう経験がないんですよね。プロデューサーが「こういうことなら商業映画として劇場に掛けられる」と判断して、商業映画の枠に入れてくれたり、高田さんのように、僕のジャッジを信頼してくださって、とりあえず完成させて、その後のことは、できたものを見て考えればいいと考えてくださる――。もちろん「お金にならなくてもいい」と思っているわけではないでしょうが、そこは自分に対する信頼感をもって「この枠組みの中でやるなら、何をしてもいいですよ」とやらせてくださる方がいるので、「この企画をどうしなきゃいけない」ということは考えず、どちらかというと、その時に自分の中にある課題意識――「現場のここをもうちょっと改善したい」「演出のここをもうちょっとうまくなりたいな」みたいなことに取り組める企画を立てることが多いですね。インプット、キャラクター、ラスト…濱口映画ができるまで――ここから、具体的な作品づくりのプロセスについてもお聞きしていきます。今回の物語はオリジナル脚本ですが、石橋さんの知り合いから実際に起きた問題について話を聞き、それらをベースに物語を構築していったそうですね。物語の組み立てやキャラクターの膨らませ方はどのように行なっていくのでしょうか?脚本に関しては本当に難しくて、いまだに「これが正解」というものがないんですよね。「こうしたら面白い本が書ける」という方式は良くも悪くも確立していなくて、その都度、企画に合わせて七転八倒的な感じで、のたうち回るようにしてできていきます。今回は、まずリサーチをしてみようということで、でも、どこから手を付けていいかわからず、とりあえず、石橋さんの音楽ができる場所の近くでリサーチをすれば、石橋さんの音楽に合うものが何かできるんじゃないか? というくらいのところから、藁をもつかむような思いでリサーチを進めていったら、だんだんと「こういうものが撮れるな」とか「こういうことがあるのか」というのが積み重なっていき、ある時、スーッと筋が通ったということしか言えないんですよね。ある瞬間に突然、組み上がっていくというのは、今回もそうだし『ドライブ・マイ・カー』もそうでした。原作を何度も繰り返し読む中で、ある時、組み上がったという感覚でした。そのために必要なのはインプットをするということですね。インプットが十分にされていれば自然とアウトプットされるんだろうと思います。『悪は存在しない』――今回でいうとインプットにあたるのは…?今回の場合はリサーチそのものがインプットでしたね。使われなかった要素もいっぱいあるんですけど、土地を回って教えていただいた「あの木が〇〇で…」「水はこっから湧いていて…」といった話やその土地の歴史や何かの話のひとつひとつがそうですね。『ドライブ・マイ・カー』では原作そのものもそうだし、「ワーニャ伯父さん」の存在もインプットになったと思います。『偶然と想像」では、喫茶店で隣のテーブルで話されていた会話がインプットになったことがありました。あとは普段の日常の暮らしの細かい感情がインプットになる――「いま、自分の中でザワっとしたこの感覚を覚えておこう」ということもありますね。――キャラクターの膨らませ方に関して、例えば今回の物語で巧(大美賀均)や娘の花(西川玲)を中心に進むかと思いきや、中盤以降で思いもよらない人物が重要な存在になっていきますが、これはどのように…?これは面白くしようと思ったらそうなったって感じですね。単純な映画の好みの話なんですけど、僕自身が不意打ちを食らうのが好きなんですね。「まさかそんなことになるなんて!」というのがすごく好きで、そのパターンのひとつとして「お前、そんな重要なキャラだったのか?」というのがありまして(笑)、急にガツンと来るみたいなのが、映画を見る側の体験としても好きで、自分が作るときもそういうことを起こそうとするんですよね。先ほどのインプットで言うと、映画を観ている時の自分の身体に起こる状態の変化も、ひとつの大きなインプットとしてありますね。『悪は存在しない』――ラストシーンの意図や重要性についてもお聞きします。『ドライブ・マイ・カー』では、ラストで描かれているあの状況はどういうことなのか? という“論争”が起きましたが、そうやってラストシーンの描き方で観る者の心をざわつかせようというのはかなり意図的にされているんでしょうか?それはメチャメチャあると思いますね。映画を観た人は、ラストシーンの印象を引きずって映画館を出るということになるので、ラストシーンというのはかなり大事だと思っています。これも個人的な映画の趣味なんですけど「え? これはどう感じたらいいんですか…?」という気持ちで映画館を出るのが好き、というかかけがえのないことだと思うんですよね。数日途方に暮れますが、気がついてみれば、それが最も残る体験になっている。長く映画ファンでいますが、それが結局最高なのでは、と思っているので、観客にもそういうものを提供したいです。とはいえ、あまりにもわからないと「え? これはどう感じたらいいの?」と感じる“土台”そのものがなくなってしまうので、ある程度の土台を構築した上で、どこかでズレというか、ある種の不条理が入ってくることで「いや、こういうふうに思ってたのに、何なんですか、これは?」というものができるのが大事だなと思います。ただそれもあまりやり過ぎると、観客との関係性が切れてしまうので、その塩梅は常に難しいですけど、観客の体験のためにやるのが大事なことだと思いながらやっています。――今回のラストの衝撃に関しては『ドライブ・マイ・カー』以上だと思いますが、監督の中で様々な構築があった上で、あのラストを選ばれたということですか?ああいうのを明確に言語化してやっているかというと、必ずしもそうではないと思います。ただ結局「こうあるべきだ」という基準が言語化されずとも自分の中にあるわけです。ずっと物語を書いてきて「これがこの物語のラストになるんだ」という納得感――自分の中で腑に落ちた感じで書けることがすごく大事で、そういう身体レベルの納得感があると、やはりそれを演じる人にも伝えることができる気がします。そうすると、今度は演じる人も「これはこういうものなのだ」と確信をもって演技をしてくれて、その確信に満ちた演技を見ると「やはりこういうことなのかな」と観客もまた納得ができるのでは……と思っています。(そのラストが)起きたこととして、そこから「じゃあ、なんでそういうことになったのか考えよう」という、書いているときの感覚は、観客の視点とすごく近いと思いますね。――最後に映画業界で働くことを志している人に向けて、メッセージをお願いします。大事なことは二つで、まず「イヤなことは無理にやらない」ということですね。いまの若い人の感覚で「なんかこの映画の現場、おかしいんじゃないか?」、「こういう働かせられ方は変じゃないか?」と感じたら、その感覚は正しいです。そんなところにいる必要はありません。その感覚を大事にして成長してほしいし「何かがおかしい」と思うことに無理に自分を合わせないことはとても大事だと思います。とはいえ、イヤなことから遠ざかるだけでは成長できないのは確かなので、何かしら勉強を続けることが大事だと思います。現場から離れた時期も自分がやっていたことは、「映画を観る」ってことですね。現場の経験があると、「これはこう撮っているのかな」とか「こう撮れるのはすごいことだ」という感覚もより繊細なものになっていきます。映画館に行くのがベストですが、最近では配信サービスも充実して、低コストでたくさんの作品を観ることができる。これはやっぱりすごいことです。現場に行くと、やっぱり映画を観るって大事なことだなというのはスタッフやキャストとのコミュニケーションでもすごく感じます。「勉強する」というと堅苦しいですが、でも勉強して自分の感覚が変わっていくのを感じるって楽しいことなんですよ。そういう楽しみを自分から手離さなければ、イヤなことを拒みながらでも意外と生きていけると思います。保証はできませんが(笑)、自分の人生を振り返るとそういうことなんじゃないかと思います。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:悪は存在しない 2024年4月26日よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、K2ほか全国にて公開© 2023 NEOPA / Fictive
2024年04月26日映画『悪は存在しない』の公開を記念して、シモキタ‐エキマエ‐シネマ「K2」では4月19日(金)より濱口竜介監督特集を実施する。2022年にオープンした、シモキタエキウエ直結のミニシアター、シモキタ‐エキマエ‐シネマ「K2」。今回の特集上映では、来るべき長編映画『FLOODS』のパイロット版でもある『不気味なものの肌に触れる』、奇妙な共同生活を送る、AVのモザイク付けを生業とする雄三と女子高生の三月を描く、クラウドファンディングのリターンとして企画された短編『天国はまだ遠い』。『PASSION(英語字幕あり)』、『何食わぬ顔(long ver.)』、『なみのおと(英語字幕)』、『なみのこえ 気仙沼(英語字幕)』、『なみのこえ 新地町(英語字幕)』、『うたうひと(英語字幕)』がラインアップ。1日1作品、1週間の特集上映となっている。なお、『悪は存在しない』公開初日には、『ハッピーアワー』のオールナイト上映も実施される。『悪は存在しない』は4月26日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シモキタ‐エキマエ‐シネマ「K2」ほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:ハッピーアワー 2015年12月12日よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて公開© 2015 神戸ワークショップシネマプロジェクト何食わぬ顔PASSION悪は存在しない 2024年4月26日よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、K2ほか全国にて公開© 2023 NEOPA / Fictive
2024年04月14日日本のドキュメンタリー史上最も重要な映画作家のひとり、佐藤真監督のレトロスペクティブ「暮らしの思想 佐藤真 RETROSPECTIVE」が、5月24日(金)より開催決定、ポスタービジュアルと予告編が解禁された。革新的手法と映画哲学によって数々の傑作を世に残したドキュメンタリー作家、佐藤真。ありきたりの「日常」を撮り、その中に潜むもうひとつの世界への入り口を探し、言葉にからめとられる前の世界の感触を伝えた。2007年に49歳で突然この世を去ったが、いまなお多くの人たちに影響を与え続けている。佐藤真監督©村井勇今回のレトロスペクティブでは、知的障がい者と呼ばれる7人のアーティストたちの活動を通して芸術表現の根底に迫った『まひるのほし』(1998)。『まひるのほし』(C)1998 「まひるのほし」製作委員会重度の自閉症を抱えた1人のアーティスト今村花子と、彼女を取り巻く家族の物語『花子』(2001)。『花子』(C)2001 シグロパレスチナの窮状と真実を世に伝え、和解と共生の地平を探り続けた知識人エドワード・サイードの不在を見つめた『エドワード・サイード OUT OF PLACE』(2005)の3作品を4Kレストア上映。『エドワード・サイード OUT OF PLACE』(C)2005 シグロまた、日本のドキュメンタリー映画の金字塔といわれている、新潟水俣病の舞台ともなった阿賀野川流域に暮らす人々を描いた長編デビュー作『阿賀に生きる』(1992)とその10年後の人々を捉えた『阿賀の記憶』(2004)。『阿賀に生きる』(C)1992 阿賀に生きる製作委員会『阿賀の記憶』(C)2004 カサマフィルム『ドライブ・マイ・カー』『悪は存在しない』の濱口竜介監督作『寝ても覚めても』でもその作品が引用された、孤高の写真家・牛腸茂雄の作品世界に肉薄する『SELF AND OTHERS』(2000)もあわせて上映する貴重な機会。今回、本レトロスペクティブ開催に際して、日本映画界を牽引する映画監督3名のコメントが到着。『ドライブ・マイ・カー』『悪は存在しない』濱口監督は「一度お会いしたかった」と尊敬の念を滲ませ、『LOVE LIFE』の深田晃司監督は「ノスタルジーから遠く現在と生々しく接続している」と絶賛。『夜明けのすべて』の三宅唱監督は「新たな問いばかり見つかります」とレトロスペクティブ開催に期待を寄せた。『SELF AND OTHERS』(C)牛腸茂雄また、エドワード・サイードと親交の深かったノーベル文学賞受賞作家、大江健三郎氏がかつて『エドワード・サイード OUT OF PLACE』について書いたコメントも解禁となった。到着したポスタービジュアルは『まひるのほし』の登場人物のひとり、「しげちゃん」の画像を配したもの。美術・書籍・音楽・ファッション等の領域で活躍する加瀬透と本田千尋の制作スタジオ「khôra場」によるデザインは、日本のドキュメンタリー史上最も重要な作家の1人と位置づけられながらもこの世を去ってしまった佐藤真の作品群をいまもう一度新たに捉え直すべく、彼が主に作品を製作していた1990~2000年代を彷彿とさせながらも“今”を感じられる斬新なものとなっている。<コメント>敬称略・50音順大江健三郎(作家)エドワード・サイードの「不在」の風景のなかを、ゆったりと美しいカメラが、いつまでも追ってゆく。パレスチナ、イスラエルの苦しみのひだひだが照射される。人々の色濃い思い出を横切るサイード。そしてサイードの「希望」が私らの頭上に現われる。(『エドワード・サイード OUT OF PLACE』について)濱口竜介(映画監督『悪は存在しない』)佐藤真の映画ではカメラが人物の前に回ることが多い。対立でもなく、対峙でもなく、被写体の前で立ちすくむカメラ。そんな印象を受ける。答えのない過酷な生を、人々の声が和らげる。佐藤真はインタビューすることを恐れない。インタビューの一つ一つが説明に堕することがないのは、人の声自体を「できごと」として捉える感性ゆえだろう。一度お会いしたかった。深田晃司(映画監督『LOVE LIFE』)生きていると佐藤真監督の映画のことを不意に思い出す。阿賀の景色、花子の笑顔、パレスチナの難民たち。それら映像の記憶の断片はノスタルジーから遠く現在と生々しく接続している。三宅唱(映画監督『夜明けのすべて』)なぜそう撮ったのか。なぜそう繋いだのか。なにを撮らずにいたのか。なにを撮れなかったのか。あるショットから次のショットへ、そのすべての変化が、新たな発見として、新たな応答として、そして新たな問いとして迫ってくるように受け止めています。自分なりに考えてきたつもりでも、いままた見直すと、まだまだぜんぜん受け止められていないことに気づき、新たな問いばかり見つかります。レトロスペクティヴの開催を嬉しく思っています。「暮らしの思想 佐藤真 RETROSPECTIVE」は5月24日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:阿賀に生きる 2012年11月24日よりユーロスペースにて公開© 阿賀に生きる製作委員会
2024年04月11日タレントの南明奈(34)が9日、自身のインスタグラムを更新。夫でお笑いコンビ・よゐこの濱口優(52)と長男との“家族3ショット”を公開した。南は「時差投稿 昨年7月のお話です」と紹介し、3枚の写真をアップ。「すみだ水族館に行ってきました 息子くん、初めての水族館 ふわふわ漂うくらげが特にお気に入りでした」と振り返り、水族館を楽しむ家族ショットを披露した。この投稿に「1枚目の写真が凄く癒される」「2枚目の息子さんのお口がかわゆいです」「息子くん大きくなりましたね」「パパに似てる」「ママ似ですか?」などのコメントが寄せられている。南と濱口は2018年に結婚し、22年7月に第1子となる男児の誕生を発表した。
2024年04月10日芸能界きっての『おしどり夫婦』として知られる、タレントの南明奈さんと、お笑いコンビ『よゐこ』の濱口優さん。2022年7月には、第1子の男児が誕生し、子育てに励んでいます。2人の並んだ笑顔が…2024年2月27日、南さんがInstagramで公開した、濱口さんとのツーショット写真が話題を集めました。写真がこちら!※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る 南明奈(@akinaminami)がシェアした投稿 最近『似てるね』と言われる事がさらに増えた気がするakinaminamiーより引用南さん自身も「似ている」と自覚する、2人の笑顔。目元や口角の上がり方などが、ツーショットで見比べると、確かに似ていますよね。ネット上でも「そっくり」「兄妹ぐらい似てます」「夫婦って似てくるんですね」など、南さんのコメントに、共感する声が多く上がっています。夫の濱口さんも、南さんとの写真を、同年1月17日に、Instagramで公開しました。 この投稿をInstagramで見る 濱口優(@hamaguchi_masaru)がシェアした投稿 濱口さんのコメントによると、写真は、2023年12月に宝島社から発売されたブランドブック『DOD USAGI YEAR ANNIVERSARY BOOK』の撮影中に撮ったものだそうです。リラックスした笑顔で写る2人からは、言葉にせずとも仲のよさが伝わってきます。これからも、息子さんと3人で、幸せな夫婦生活を過ごしていってほしいですね![文・構成/grape編集部]
2024年02月29日村上春樹の小説「一人称単数」が2月26日(月)本日、Amazon オーディブルにて配信スタートした。現在Audibleでは、村上春樹作品を多数配信中。19作目のオーディオブック化となった「一人称単数」は、2020年に刊行された8作からなる最新短篇小説集。今回、朗読を担当したのは、『夜空はいつでも最高密度の青色だ』『宮本から君へ』『シン・仮面ライダー』などに出演している俳優・池松壮亮。「初めての挑戦で難しかったですが、とてもやりがいのある作業でした」と収録をふり返った池松さんは、「読む人の記憶や感覚に触れ、独り言のような記憶にならない曖昧な記憶、形容し難い個の体験や感情を、言葉を丁寧に紡ぎ、巧みに操つり、魔法のように浮かび上がらせる素晴らしい作品」と本作について語る。さらに「声と音によって、小説とはまた少し違う届き方を試せたのではないかと思います。寝る前に聴いていただくのも、ラジオのように聞いていただくのも、好きなように楽しんで頂けたらと思います」とコメントしている。「一人称単数」あらすじ人生にあるいくつかの大事な分岐点。そして私はいまここにいる。ビートルズのLPを抱えて高校の廊下を歩いていた少女。同じバイト先だった女性から送られてきた歌集の、いまも記憶にあるいくつかの短歌。鄙びた温泉宿で背中を流してくれた、年老いた猿の告白。スーツを身に纏いネクタイを結んだ姿を鏡で映したときの違和感――。そこで何が起こり、何が起こらなかったのか?驚きと謎を秘めた8篇。「一人称単数」はAudibleにて配信中。(シネマカフェ編集部)
2024年02月26日濱口竜介監督最新作『悪は存在しない』より、予告映像が解禁された。本作は、第80回ヴェネチア国際映画祭・銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞したことで、カンヌ映画祭、ベルリン映画祭のいわゆる3大映画祭のグランドスラムを果たし、アカデミー賞を入れると黒澤明以来の快挙を成し遂げた濱口竜介監督の最新作。『ドライブ・マイ・カー』以降の長編映画とあって公開前から大きな注目を集めている。主演には、当初はスタッフとして参加していた大美賀均を抜擢。新人ながら鮮烈な印象を残す西川玲、物語のキーパーソンとして重要な役割を果たす人物に小坂竜士と渋谷采郁らが脇を固める。そんな本作よりこの度、予告映像が解禁。物語もいまだ多くのヴェールに包まれているが、初解禁となった映像では、ごく緩やかに発展してきた長野県・水挽町で自然に囲まれ慎ましく暮らす巧とその娘・花の穏やかな生活、そしてそこに舞い込むグランピング場建設計画の模様が描かれる。濱口監督とは『ハッピーアワー』以来のタッグとなる北川喜雄が捉える自然描写にも注目だ。『悪は存在しない』は4月26日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シモキターエキマエーシネマK2ほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:悪は存在しない 2024年4月26日よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、K2ほか全国にて公開© 2023 NEOPA / Fictive
2024年02月21日神奈川芸術劇場(KAAT)の2024年度ラインアップ発表会が2月14日に行われ、長塚圭史芸術監督らが出席。気鋭の作家・加藤拓也がキッズ・プログラムのために書き下ろす『らんぼうものめ』、日英共同制作で村上春樹の小説を原作とする『品川猿の告白 Confessions of a Shinagawa Monkey』などのラインアップが明らかになった。長塚芸術監督が2024年度メインシーズンのテーマとして掲げたのは「某 -なにがし-」。ものや人の名前をあえてはっきりさせないための代名詞として使用される言葉だが、SNSなど発信者の“匿名性”が高まる中で「その言葉は誰の言葉でどの立場で語っているのか?」といったことなど「社会と個」の関係性について考えていく中で浮かんだとのことで、“某”が指すのは「あなたかもしれないし私かもしれない。“某”というレンズを通して何が見えてくるのか」と問いかける。気になる上演演目だが、プレシーズンでは沖縄返還50年の2022年に上演され、読売演劇大賞の優秀作品賞を受賞した兼島拓也作、田中麻衣子演出の『ライカムで待っとく』を再演。アメリカ統治下の沖縄で1964年に起こった米兵殺傷事件を基に書かれた伊佐千尋によるノンフィクション「逆転」に着想を得た物語で、6月以降、京都、久留米をまわり、さらに6月23日の「沖縄慰霊の日」には沖縄(那覇文化芸術劇場なはーと)でも上演される。『ライカムで待っとく』 2024年公演チラシ7月からのキッズ・プログラムでは、アンディ・マンリー作による、鳥のさえずりや歌をモチーフにしたノンバーバルパフォーマンス『ペック』を上演。同じくキッズ・プログラムとして、多彩な活躍を見せる加藤拓也作・演出による『らんぼうものめ』が上演される。わがままな少年が神々の世界に足を踏み入れる冒険物語とのことで、加藤は「少し不思議でちょっと怖い話になっている」と語る。長塚芸術監督は加藤について、「クールな視点で人間をグロテスクとも思える視点で描く作家ですが、キッズ・プログラムを手掛けたらどうなるのか? 子どもたちにどんなアプローチをしていくのか?」と期待を寄せる。9月のメインシーズンの幕開けを飾るのはシェイクスピアの『リア王の悲劇』。河合祥一郎翻訳によるフォーリオ版をシェイクスピア初挑戦となる藤田俊太郎が演出する。同じく9月のKAAT EXHIBITION 2024では「南条嘉毅展 | 地中の渦」を開催。美術家の南条嘉毅による、横浜に積み重なった地層に着目したインスタレーション作品を展示する。10月には、ダンサーで振付家の山田うんと人工生命の研究者として知られる池上高志による試みの第2弾となる『まだここ通ってない』(仮)を上演。コンテンポラリーダンスと最先端の科学のコラボレーションを通じて、人間とサイエンスの関係を、またアートとサイエンスの関係に光を当てる。そして11月から12月にかけては、日英共同制作として、長塚がイギリス留学中に出会い、感銘を受けたというアーティスト集団「Vanishing Point」とKAATのコラボレーションで村上春樹の短編「品川猿」「品川猿の告白」を舞台化した『品川猿の告白 Confessions of a Shinagawa Monkey』を上演。Vanishing Pointの創設者で芸術監督であるマシュー・レントンが演出を務める。また気鋭のダンスカンパニー「ケダゴロ」を主宰する下島礼紗と韓国国立現代舞踊団の国際共同制作による『黙れ、子宮』(仮)を上演。2021年に発表された同名の作品を再創作した作品で、18歳の思春期に判明したという下島自身の身体にまつわるある出来事を背景にした物語がダンスで表現される。KAAT神奈川芸術劇場 2024年度ラインアップチラシ2025年2月には、長塚が福田転球、大堀こういち、山内圭哉と共に2017年に始めた「新ロイヤル大衆舎」による新作で、これまで幾度も映像化されてきた芥川賞作家・火野葦平の自伝小説を舞台化した『花と龍』(長塚演出)を上演する。さらに『バナナの花は食べられる』で岸田國士戯曲賞を受賞した、「範宙遊泳」の山本卓卓の書き下ろし新作が益山貴司の演出で上演される。長塚芸術監督の下、4シーズン目を迎えるが、新作に国際共同制作、大反響を呼んだ作品の再演など、充実のラインナップとなった。取材・文:黒豆直樹KAAT神奈川芸術劇場 2024年度主なラインアップ<プレシーズン>■KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『ライカムで待っとく』誰も読もうとしなかった、読まれなかった沖縄(こっち側)の物語。2022年の話題作が、待望の再演&ツアーを経て沖縄での上演が実現。作:兼島拓也演出:田中麻衣子出演:中山祐一朗前田一世佐久本宝蔵下穂波小川ゲン神田青魏涼子あめくみちこ2024年5月24日(金)~6月2日(日) <中スタジオ><ツアー>【京都公演】6月7日(金)・8日(土) ロームシアター京都<サウスホール>【福岡・久留米公演】6月15日(土) 久留米シティプラザ<久留米座>【那覇公演】6月22日(土)~23日(日) 那覇文化芸術劇場なはーと<小劇場>※この事業は令和6年2月の那覇市議会で予算の議決が延期または否決された場合、事業を延期又は中止する可能性があります。■KAATキッズ・プログラム 2024『ペック』鳥のさえずりや歌をモチーフに、“とりのうたごえ”にさそわれて、見て、聞いて、楽しむ、こどもとおとなのためのノンバーバルパフォーマンス!作:アンディ ・マンリー、イアン・キャメロン、ショナ・レッペ音楽:ウィル・カルダーバンク/サウンドコラボレーター:荒木優光出演:アンディ・マンリー2024年7月上旬<大スタジオ>■KAATキッズ・プログラム 2024『らんぼうものめ』気鋭の劇作家・演出家 加藤拓也が初のキッズ・プログラムで描くのは、神さまたちの世界に迷い込んだ少年の、ちょっと怖くて不思議な物語。作・演出:加藤拓也2024年7月下旬<大スタジオ><ツアー(予定)>【福島県・いわき公演】8月4日(日) いわき芸術文化交流館アリオス【長野県・松本公演】8月17(土)・18日(日) まつもと市民芸術館<小ホール> ほか<メインシーズン「某(なにがし)」>■KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『リア王の悲劇』文学の最高峰に、実力あるキャストと魅力的なスタッフと共に新演出で挑む 。作:W.シェイクスピア翻訳:河合祥一郎演出:藤田俊太郎2024年9月<ホール内特設会場>■KAAT EXHIBITION 2024南条嘉毅展|地中の渦太古から現代にいたる自然と人間の記憶と記録。時間と空間の積層に宿る膨大な世界の軌跡を現代に呼び覚ます。美術家の南条嘉毅によるインスタレーション作品。2024年9月22日(日・祝)~10月20日(日)(予定)<中スタジオ>■KAAT×山田うん×池上高志『まだここ通ってない』(仮)いつも、新しいものや考え、動きを探してる。それはあるソフトウェアかもしれない。散歩の途中か、踊っているときかもしれない。でも未来は、きっとそこから一気に始まる。舞踊家と科学者の未知なる競演。身体とサイエンスは未来に共存できるのか。企画・構成:山田うん池上高志2024年10月中旬<ホール内特設会場>■日英共同制作KAAT × Vanishing Point『品川猿の告白 Confessions of a Shinagawa Monkey』「カイハツ」プロジェクトを経て、国際的に活躍するアーティスト集団ヴァニシング・ポイントと日英共同制作で贈る、村上春樹原作のコミック・ミステリー原作:村上春樹(短編「品川猿」「品川猿の告白」より)演出:マシュー・レントン2024年11月29日(金)~12月8日(日)<大スタジオ>【英国公演】2025年2月下旬~ Tramway, グラスゴー■KAAT x ケダゴロ x 韓国国立現代舞踊団国際共同制作『黙れ、子宮』(仮)気鋭のダンスカンパニー・ケダゴロを率いる下島礼紗による、子宮とキンタマを巡る壮大なダンス作品!振付・演出・構成:下島礼紗2024年12月13日(金)~12月15日(日)<大スタジオ>■新ロイヤル大衆舎×KAAT vol.2『花と龍』新ロイヤル大衆舎とKAATが再びタッグを組んで贈る、激動の時代に繰り広げられる骨太で濃密な人間ドラマ。原作:火野葦平脚本:齋藤雅文演出:長塚圭史音楽:山内圭哉2025年2月中旬~下旬<ホール><ツアー(予定)>【富山公演】2025年3月初旬 オーバード・ホール<中ホール>【兵庫公演】2025年3月8日(土)・9日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急<中ホール>【福岡公演】2025年3月15日(土)・16日(日)J:COM北九州芸術劇場<中劇場>■KAAT神奈川芸術劇場プロデュース新作書き下ろし演劇作品(タイトル未定)岸田國士戯曲賞受賞劇作家・山本卓卓による新作書下ろし戯曲を、益山貴司演出で上演!作:山本卓卓演出:益山貴司2025年2月~3月<中スタジオ>■YPAM ‒ 横浜国際舞台芸術ミーティング 20242024年12月上旬<大スタジオ>等(予定)【提携公演】■Baobab:『DANCE×Scrum!!! 2024』4月27日(土)〜5月6日(月・休)<大スタジオ・アトリウム>■CCCreation:『白蟻』2024年6月 新作公演<大スタジオ>■KUNIO:KUNIO16『(Title未定)』2024年6月<中スタジオ>■横浜夢座:横浜夢座25周年・五大路子舞台生活50周年記念『ヨコハマの夜明け~富貴楼お倉の物語~』(仮)2024年9月13日(金)~16日(月・祝)<大スタジオ>■劇団た組:『ドードーが落下する』2025年1月上旬~<大スタジオ>■Co.山田うん:「新作」2025年1月24日(金)~26日(日)<大スタジオ>※各公演の最新情報は、 劇場公式サイト() にてご確認ください。
2024年02月19日ジュエリーブランド「リキュエム(Liquem)」と、アーティスト・村上隆によるコラボレーションジュエリーが登場。2024年2月3日(土)から9月1日(日)まで、京都市京セラ美術館にて開催される「村上隆 もののけ 京都」で先行発売される。リキュエム×村上隆のコラボジュエリー「リキュエム」は、液体を留めたような樹脂製のジュエリーが人気のブランド。イメージソースは“宝石を溶かしたカクテル”で、大ぶりでカラフルなデザインが特徴だ。両者にとって2回目のコラボレーションとなる今回は、イヤリング/ピアスやリング、ネックレスなどがラインナップする。「チェリーブロッサム」シリーズ桜をモチーフにした「チェリーブロッサム」は、イヤリング/ピアス、ネックレスの2型を用意。歩くたびにゴールドのチェーンでつないだ桜の花びらがゆらゆらと揺れる、春の訪れにぴったりなデザインだ。また、チェーンにはクリスタルが配されているので、光によって豊かな煌めきを見せてくれる。「フラワー」シリーズ村上隆の代表作《お花》をモチーフにした「フラワー」は、イヤリング/ピアスのほかリングとピンズの3型を展開。デザインは2種類で、1つは、《お花》の周りに小ぶりなビジューと、大振りなパールをあしらったものだ。もう1つは、キラキラのビジューを大胆に配したデザインで、重ね付けを楽しめる全4色を揃える。「チェリー」シリーズさらに、「リキュエム」のシグネチャーアイテムである「チェリー」も用意。イヤリング/ピアスのみ、全5色展開だ。カラフルなクリア素材のフェイスモチーフに、カラーの異なる目・口を描いた、遊び心あふれる見た目に仕上がっている。【詳細】リキュエム×村上隆発売日:2024年2月3日(土)販売店舗:京都市京セラ美術館「村上隆 もののけ 京都」特設ショップ、Tonari no Zingaro、リキュエムオンラインサイト※Tonari no Zingaro、リキュエムオンラインサイトでの発売日は時期未定※2024年1月30日(火)現在。価格:・「チェリーブロッサム」イヤリング/ピアス 8,580円、ネックレス 8,140円・「パールフラワー」イヤリング/ピアス 8,580円、リング 6,820円、ピンズ 7,150円・「フラワー」イヤリング/ピアス 7,150円、リング 5,720円、ピンズ 6,050円・「チェリー」イヤリング/ピアス 6,600円、ピンク×グリーンのみ 7,700円※「チェリーブロッサム」シリーズ以外は発売日未定。※全て箱入り。
2024年02月03日2023年11月に東京芸術劇場プレイハウスで上演された舞台『ねじまき鳥クロニクル』のバリアフリー字幕配信が、本日1月31日(水) より日本初のバリアフリー・多言語対応オンライン型劇場「THEATRE for ALL」で開始された。村上春樹が世界で評価されるきっかけとなった同名小説をトップクリエイターたちの手で舞台化した本作。芝居、コンテンポラリーダンス、音楽が融合した、既成ジャンルを打ち壊す独創的な空間が観客を“ここではないどこか”へいざなう没入感が特徴的で、今回の配信では美しい美術・照明と、躍動感ある身体表現を映像でも体験できるよう、日本の舞台芸術のデジタルアーカイブ化や、映像配信を推し進めているEPADによる高画質・定点収録映像が使用されている。出演者には、成河、渡辺大知、門脇麦、大貫勇輔、首藤康之、音くり寿 松岡広大 成田亜佑美 さとうこうじ、吹越満、銀粉蝶らが名を連ねた。<配信情報>舞台『ねじまき鳥クロニクル』(2023年上演)原作:村上春樹演出・振付・美術:インバル・ピント脚本・演出:アミール・クリガー脚本・作詞:藤田貴大音楽:大友良英【出演】成河/渡辺大知 門脇麦大貫勇輔/首藤康之(Wキャスト) 音くり寿 松岡広大 成田亜佑美 さとうこうじ吹越満 銀粉蝶 ほか【配信プラットフォーム】THEATRE for ALL【配信映像】ノボル首藤康之バージョン(オリジナル版/バリアフリー日本語字幕版)※1月31日(水) 配信開始ノボル大貫勇輔バージョン(オリジナル版/バリアフリー日本語字幕版)※2月22日(木) 配信開始詳細はこちら:
2024年01月31日濱口竜介監督最新作『悪は存在しない』よりポスタービジュアルが解禁された。第80回ヴェネチア国際映画祭・銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞したことで、カンヌ映画祭、ベルリン映画祭のいわゆる3大映画祭のグランドスラムを果たし、アカデミー賞を入れると黒澤明以来の快挙を成し遂げた濱口竜介監督。3年弱の短期間での活躍に世界で最も注目される監督の一人となった監督の『ドライブ・マイ・カー』以降の長編映画最新作品である本作は現在、世界中の映画祭、映画館で上映され、世界の映画業界を席巻し続けている。この度解禁されたのは、親娘の穏やかな生活を描いたイラストを採用したポスタービジュアル。 監督の前作『偶然と想像』のビジュアルと同じく、イタリア版ビジュアルのイラストが使用され、ごく緩やかに発展してきた長野県・水挽町(みずびきちょう)で自然に囲まれ慎ましく暮らす巧とその娘・花のふたりの穏やかな生活が描かれている。『悪は存在しない』は4月26日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シモキターエキマエーシネマK2ほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:悪は存在しない 2024年4月26日よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、K2ほか全国にて公開© 2023 NEOPA / Fictive
2024年01月25日2024年1月21日、情報番組『シューイチ』(日本テレビ系)にVTRで出演した、フィギュアスケートの元日本代表である村上佳菜子さん。「結婚することになりました。イェーイ!」と笑顔で報告し、婚約相手がいることを明かしました。現役引退後、タレントやスポーツの解説者としてマルチに活躍している村上さんの『新たな1歩』に、多くの人から祝福の声が上がっています。村上佳菜子、『婚約相手』とのツーショット写真を公開婚約を発表した翌22日、村上さんは自身のInstagramアカウントを更新。著名人がいわゆる『一般の人』と結婚する場合、プライバシー保護の観念から、相手の顔は非公表にするケースがほとんどです。しかし、村上さんとお相手は、あえてツーショット写真を公開することにした模様。白いドレスとタキシード姿の幸せあふれる写真を投稿しました。村上さんはお相手とのツーショット写真とともに、改めて今の心境や今後について述べています。大好きなかき氷を通じて出会い、交際に発展し、人生のパートナーになりました。今では、2人でかき氷を食べに行く時間も大好きな時間の1つです。お互いを支え合い、そして友達のようにふざけ合える存在です。そんな私たちらしいハッピーすぎる楽しい家庭を築いて行きたいと思っております!!1番の味方がそばにいてくれる安心を抱きながら、今後とも元気よく私らしく明るく!お仕事頑張って行きますので、みなさま!!応援よろしくお願いします♡kanako_m_officialーより引用※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る 村上佳菜子(おかな)(@kanako_m_official)がシェアした投稿 村上さんによると、なんと出会いはかき氷。以前から、村上さんは『大のかき氷好き』で知られており、テレビ番組などでも、かき氷に対する熱意をあらわにしていました。大好きなかき氷が、大好きな人との出会いのきっかけになる…という、ロマンを感じる展開。男性は『かき氷を削るのが得意な人』だそうで、まさに運命の相手といえるでしょう。村上さんのおめでたい報告と、幸せあふれる写真に、多くの人から「自分まで笑顔になれた!」「おめでとうございます!」といった祝福の声がよせられています!婚約を明かした現在は冬ですが、2024年の夏が来たら、きっと2人でかき氷店巡りをするのでしょう![文・構成/grape編集部]
2024年01月22日米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」(SSFF & ASIA)と、外務省が日本文化発信拠点として、また日米交流による人材育成のプラットフォームとして展開するジャパン・ハウス ロサンゼルスは、米国ロサンゼルスのTLC チャイニーズシアターにて、ショートフィルムの映画祭「UNLOCK CINEMA | Short Films, Infinite Possibilities」を開催することを発表した。同映画祭では、SSFF & ASIA 2023グランプリ=ジョージ・ルーカスアワード受賞作『希望のかけ橋』(監督:吉田和泉)、役所広司主演の『ありがとう』(監督:永山瑛太)、アカデミー賞受賞により世界が注目する濱口竜介監督による『天国はまだ遠い』、2018年にアカデミー賞短編部門にノミネートした『ネガティブ・スペース』(監督:桑畑かほる/マックス・ポーター)ほか、日本人若手監督の世界へ向けた無限の可能性が体現されるショートフィルムを上映。さらに特別作品として、ヴィム・ヴェンダース監督が日本で撮影した最新ショートフィルム『Some Body Comes into the Light』も上映が決定。ほかにも、SSFF & ASIA代表の別所哲也と、ヴィム・ヴェンダース監督作『PERFECT DAYS』の共同脚本・プロデュースを務めた高崎卓馬、南カリフォルニア大学の映画配給およびタレント開発部門シニアディレクターのSandrine Cassidyによるトークイベントも行われる。開催にあたって別所さんは、「動画と情報があふれる今だからこそ、映像、とりわけシネマの持つチカラを信じて、ショートフィルムが映像文化と映像産業の歴史と未来をつなぐ結節点となると信じています。今回、エンターテイメントの世界の都であるハリウッドで再びSSFF & ASIAを開催できる光栄を胸に、映画祭とクリエイターたちの飛躍を目指します」とコメントを寄せている。「UNLOCK CINEMA | Short Films, Infinite Possibilities」は2024年1月11日(木)TCL 6 Chinese Theaterにて開催(※現地時間)。(シネマカフェ編集部)
2023年12月20日スペインの名匠ビクトル・エリセ監督の31年ぶりの最新作『瞳をとじて』から、叙情的な余韻を残す予告編が解禁。監督を敬愛する濱口竜介、岩井俊二、細田守ら映画監督や著名人のコメントも到着した。1985年、伝説のミニシアター“シネ・ヴィヴァン・六本木”で公開されると記録的な動員を打ち立て、いまもなおタイムレスな名作として多くの映画ファンの「人生ベスト」に選ばれる『ミツバチのささやき』のビクトル・エリセ監督が、第76回カンヌ国際映画祭で31年ぶりの長編新作としてカンヌプレミア部門にて発表した本作。長らくの不在を経て語られるのは、元・映画監督と謎の失踪を遂げたかつての人気俳優、ふたりの記憶をめぐる【人生】と【映画】の物語。この度、その予告が完成。映画監督を引退した主人公ミゲルは、22年前、映画の撮影中に突然姿を消した俳優で親友のフリオの失踪事件の真相を辿り、旅に出る。ミゲルの人生を大きく変えてしまった出来事の記憶を遡る中で、彼が見つけ出した答えとは――。【人生】と【記憶】をヒントに、エリセが長年見つめ続けてきた変わりゆく時代と人々の営み、そして【映画】への想いが詩情豊かに綴られたヒューマンミステリー。映像では、『ミツバチのささやき』から50年の時を経て再び“アナ”の名を持つ、フリオのひとり娘を演じたアナ・トレントの姿もとらえている。また、予告編にはひと足先に本作を鑑賞した著名人のコメントも到着。日本のミニシアターブームを牽引したビクトル・エリセの作品には多くの映画人が影響を受けたとを公言していることでも知られているが、予告でも細田守、岩井俊二、濱口竜介と日本を代表する映画・アニメーション映画監督たちがコメントを寄せる。さらに、映画監督の三宅唱、岨手由貴子、スタジオジブリの鈴木敏夫、作家の池澤夏樹、ゲームクリエイターの小島秀夫、さらには『ミツバチのささやき』を日本で初上映し、1館のみの上映で約5万人の観客を動員した“シネ・ヴィヴァン・六本木”の元支配人・塚田誠一氏など、映画を心から愛する人々からエリセの帰還に歓喜し、最新作を絶賛している。『瞳をとじて』は2024年2月9日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:瞳をとじて 2023年2月9日よりTOHO シネマズ シャンテほか全国順次公開© 2023 La Mirada del Adiós A.I.E, Tandem Films S.L., Nautilus Films S.L., Pecado Films S.L., Pampa Films S.A.
2023年12月08日2023年11月下旬、お笑いコンビ『よゐこ』の濱口優さんがInstagramを更新しました。濱口さんの妻は、『アッキーナ』の愛称で知られる、タレントの南明奈さん。2022年7月に第1子の男児を出産し、濱口さん夫婦は子育てに励んでいます。今回、濱口さんと南さんは、1歳の我が子にある初体験をさせたのだとか。それは…記念すべき『東京ディズニーリゾートデビュー』でした!濱口優&南明奈、1歳息子の『東京ディズニーリゾートデビュー』千葉県浦安市にある、日本を代表する巨大テーマパークの『東京ディズニーリゾート』。『東京ディズニーランド』と『東京ディズニーシー』があり、ディズニー作品の世界を再現したアトラクションや建造物は、来場者を夢の世界にいざなってくれます。きっと、幼い我が子を少しずつ人混みや長時間の移動に慣らす目的も兼ねて、楽しい気持ちになれる『東京ディズニーシーデビュー』をさせることにしたのでしょう。Instagramに投稿された写真には、我が子を大切に抱く、濱口さんの姿が写っています。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る 濱口優(@hamaguchi_masaru)がシェアした投稿 この投稿をInstagramで見る 濱口優(@hamaguchi_masaru)がシェアした投稿 大好きな両親に抱きかかえられ、『東京ディズニーシー』内を満喫した、息子さん。顔は写っていませんが、後ろ姿からは『夢の国』を楽しんでいることが伝わってきますね。南さんのInstagramによると、パーク内での移動はベビーカーを活用したのだとか。列に並ぶ時は、ほかの人に配慮するためか、抱っこをするようにしていたそうです。息子さんは、『トイ・ストーリー・マニア!』の入り口を見て、一番喜んでいた模様。その喜びは、写真からもよく分かるでしょう!濱口さん一家のほほ笑ましい外出風景に、多くの人が笑顔になりました。・濱口さんが『パパ』をやっている…!朝から心が温まりました。・写真から幸せと家族愛があふれ出ていて、つられて笑顔になっちゃった。・息子さん、大きくなりましたね!楽しんでいるのが伝わって来るよー!幼い頃の思い出は、印象的な出来事ほど、歳を重ねても記憶に残るもの。きっと息子さんの記憶の中で、この日の『デビュー』は輝き続けることでしょう![文・構成/grape編集部]
2023年11月30日『ドライブ・マイ・カー』で第74回カンヌ国際映画祭3冠、第94回米アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した濱口竜介監督による最新作『悪は存在しない』の凱旋JAPANプレミアがメインロケ地・広島で行われ、2024年4月26日(金)より日本公開されることが発表された。今年、第80回ヴェネチア国際映画祭・銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞したことで、カンヌ映画祭、ベルリン映画祭の3大映画祭のグランドスラムを果たし、アカデミー賞を含めると黒澤明監督以来の快挙を成し遂げた濱口竜介。本作は、3年弱の短期間での活躍に世界で最も注目される監督の1人となった濱口監督の『ドライブ・マイ・カー』以降の長編映画最新作品であり、現在、世界中の映画祭、映画館で上映されている話題作。ジャパンプレミアは広島国際映画祭2023にて開催された。国内で初の上映となり、満席となった会場には上映後の盛大な拍手の中、レッドカーペットを歩きながら、濱口監督、企画・音楽の石橋英子、出演の大美賀均、西川玲、小坂竜士、渋谷采郁らが舞台挨拶トークショーに登壇しティーチインを含んだ1時間のトークを行った。国内初のジャパンプレミアを終えた感想を聞かれると、濱口監督は「広島では自分の初期の作品から上映していただき、また『ドライブ・マイ・カー』のメインロケ地として石橋さんと出会い、素晴らしい仕事ができて、その続きとして『悪は存在しない』のジャパン・プレミアでまた広島に来られて本当に心から嬉しく思います」と応じる。企画・音楽担当の石橋さんは「『ドライブ・マイ・カー』の時は広島に来ることができなかったのでようやく来ることができたという気持ちでして、こうして広島の地で皆さんと作品を共有できて嬉しいです」と喜びを伝えた。キャストの大美賀さんは「いろんな映画祭を巡って映画を紹介していただく経験は初めてで、このような作品に関われて嬉しいです」と語り、大美賀と親子役を演じた西川さんは「こうやってマイクを持って大勢の前でお話することも初めてで、お弁当を食べたりしてすごく楽しいです」と元気いっぱいに回答。続いて小坂さんは「自分も広島で『ドライブ・マイ・カー』でスタッフとして参加していたので大変嬉しいです」と、渋谷さんは「初めて広島に来たのですがこんなに広い会場で大きな拍手で迎えていただいて、あたたかい雰囲気ですごく嬉しいです」と、それぞれに語った。『悪は存在しない』が生まれるきっかけを作った石橋さんは「海外のプロモーターの方から、映像と一緒にライブをやらないか?と言われた時、あまりピンとは来なかったんですが、映像と音楽がそれ自体面白くて独立したものが作れれば、ライブでも毎回演奏の計画とかを色々変えていくことができて飽きずに演奏していけるんじゃないかと思って、人柄もチャーミングで作品も大好きな濱口さんにお願いしました」とコメント。濱口監督は「お話をいただいて、初めは『どうしよう!』と思いました」と言いながらも、「ライブでの映像は結構抽象的な映像のイメージがあったので。その後石橋さんから『濱口さんのいつものやり方で』とおっしゃっていただき、そこから普通に脚本を書いて劇映画を作る、そうすれば自由に使える映像素材が得られると思い、『GIFT』というライブパフォーマンス用映像が完成しました」と話す。そして「ただ自分自身が役者さんのセリフの声を聞いてしまうと感動するところもあったので石橋さんに確認を取ってもう1本、『悪は存在しない』を作ることになりました」とふり返えると、「すごく嬉しかったですね。それこそ<GIFT>でした」と石橋さんも応じた。さらに、濱口監督は、「そしてもう一つ入り組んでいることを説明しますと、主演の大美賀さんは、元々スタッフとしてシナハン(脚本を執筆する際のロケハン)時の運転手をやってもらってたところ、そのうち『あら!いいじゃない!』という気持ちになりまして(オファーしました)」と言い、場内の笑いを誘った。大美賀さんは「こんなふうに映画祭を回るなんて全く想定していなかったんですが、濱口監督の元でそういう経験をするのはすごく大事だなと思って受けました」と答え、その返答を受けて濱口監督は「大美賀さんは来月に監督作が控えてますんで」とフォローした(大美賀均監督作品『義父養父』は12月15日より下北沢のK2にて公開)。撮影や映画本編で印象に残っていることに話が及ぶと、小坂さんは、映画の中の説明会のシーンをあげ、そのシーンを演じて以来、「テレビなどの記者会見で叩かれてる人を見ると、気になるようになった」と答え、同じく渋谷さんも説明会のシーンでの他の役者の切迫した演技や声のトーンなどを感心しながら、「幸せな時間を過ごせた」と明かした。また、濱口監督は小坂さんについて、『ドライブ・マイ・カー』の車両部スタッフをやっていた時からチェーホフが好きなドライバーと認識しており、印象に残っていたという。そんな小坂さんは、『悪は存在しない』に出演が決まり当初はサイレント映画だと知らされていたが、届いた台本で自身のパートで6ページもあったことに驚いたことも打ち明けた。最後に、企画者の石橋さんは「自分が企画させていただいた作品なんですが、私自身が他人ごとのように大好きな作品なので、こうやってあたたかい時間を過ごさせていただいてありがとうございました」と言い、濱口監督は「正直、完成した自分の作品を何度も見ることはあまりないんですが、この『悪は存在しない』は珍しく何度も見てます」と明かし、「本当に飽きがこない作品なので、皆様にもぜひ何度もご覧いただいていただけたら大変嬉しいです」と締めくくった。『悪は存在しない』は4月26日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シモキターエキマエーシネマK2ほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:悪は存在しない 2024年4月26日よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、K2ほか全国にて公開© 2023 NEOPA / Fictive
2023年11月27日村上春樹の傑作長編をかつてない形で舞台化し、20年の初演時に大きな話題を呼んだ『ねじまき鳥クロニクル』。その待望の再演が、11月7日(火)、東京芸術劇場プレイハウスで幕を開けた。それに先駆け行われた公開ゲネプロ、およびキャスト取材会の模様をレポートする。突如飼い猫が姿を消し、謎の女からの電話ののち、妻のクミコも姿を消した。岡田トオルは、クミコの兄・綿谷ノボルが彼女の失踪に関わっていると確信。隣家の涸れ井戸の底へと降りて行くのだが……。演出・振付・美術を手がけるのは、世界的に活躍するインバル・ピント。脚本・演出のアミール・クリガーと共に、膨大な文字で編み上げられた『ねじまき鳥クロニクル』という小説を、総合芸術という形で見事舞台上に現出させている。役者の身体はもちろん、歌、美術、照明、そして大友良英による音楽(しかも生演奏である)のすべてが観る者の五感に直接訴えかけ、言葉以上に雄弁に語り出す。主人公の岡田トオルを演じるのは、初演と同じく成河と渡辺大知。ふたりでひとりを演じるという難役に再び挑むことになったわけだが、成河は「複雑なものを複雑なまま見せるってことですよね。ただそれを言語化してしまうと非常に説教臭くなるけれども、インバルの視覚的なイメージで、複雑性を体験出来るようになっている。だから僕はただただ複雑なものなんだと思いながらやっています」と語る。また渡辺は「演劇というものの固定概念を壊してくれるような、すごくワクワク出来る舞台だという自信があります。なにか刺激が欲しい人にはぜひ観て欲しいです」とアピールした。トオルと不思議な縁で結ばれる高校生の笠原メイ役には、こちらも続投となる門脇麦。彼女が「ねじまき鳥さん」と呼ぶトオル宛の手紙を読むシーンは、本作の中でも異色のかわいらしさがあり、強い印象を残す。そんな門脇にとって唯一残念なことが、「自分が出ているシーンは見られないこと」だと明かし、「いろいろ考えずに楽しんでください。もし話がわからなくても、見たことのないシーン、びっくりするくらい美しいシーンがたくさんあるので、それだけでいいと思います」と自信に満ちた表情で言い切った。門脇の言葉は決して過大ではなく、目の前に広がるシーンはどれも美しい。前出したようにそれを形作る要素はさまざまだが、中でも最大の賛辞を、“特に踊る”にキャスティングされた8人の素晴らしいダンサー陣に贈りたい。取材・文:野上瑠美子
2023年11月08日村上春樹の小説を原作に、意識と無意識を融合させたキュートかつダークな世界。ダンス、音楽、美術、衣装、全てにおいてセンスを感じる舞台『ねじまき鳥クロニクル』は、観客を極上の観劇体験にいざなった。イスラエルのインバル・ピントが演出・振付・美術を手掛け、大友良英率いるバンドが生演奏を行った。初演は好評を博したが、コロナで全公演の上演は叶わず、3年ぶりに再演が実現。門脇麦さんは初演に続き、17歳の笠原メイを演じる。五感を使って演出意図をキャッチして体に落とし込む作業をしてました。「インバルは、視覚センスが突出している人。人物の立ち位置から場面を組み立ててみたり、時間をかけて振り付けても、やはり違うと思ったら、潔く一から作り直したり。ニュアンスや空気感をとても大切にされていて、その創作過程は稽古場で見ていても刺激的でしたね」原作は全3巻もある長編小説である。門脇さんは村上作品の大きな魅力の一つは文体にあると感じていた。「ただ、あの日本語のニュアンスは翻訳ではおそらく伝わらないと思います。だから、私が原作を読んで感じ取った空気感やメイという少女を表現することよりも、イスラエル人のインバルが日本文学の村上作品を読み、どんなエッセンスを受け取り表現したいと思ったのか。それを体現することの方がこの舞台では大事なんじゃないかなと思いました」稽古場での、言葉に頼らないコミュニケーションは性に合ったらしい。「文学作品の舞台というと、言葉が一番大切なように思うけれど、日本語を介さない創作現場では、削ぎ落とした骨組み、本質だけが残ります。インバルたちがどうしたいのかを五感を使ってキャッチして、体に落とし込む作業を稽古場ではひたすらしていた気がします。私もたいてい勘で生きているので、全く違和感はなかったです(笑)」14歳まではバレエダンサーを目指していた門脇さん。フィリップ・ドゥクフレや野田秀樹など、これまでも身体的な表現を得意とする演出家の舞台に多く出演してきた。そんな経験が、インバルの創作現場を楽しむ力を蓄えていたのかもしれない。「もともと身体先行の感覚人間なので、言葉を使うと、どう説明しようという方に気持ちが傾いて、そっちの方が意味を限定してしまい、かけ違うことがあるように思いますね」最近では、映画『ほつれる』や『渇水』などの映像でも言葉以外の、表情や佇まいでその人物を強く印象づける豊かな表現をしている。「映像は日に3~4シーン撮らなければいけないので迷っていられません。想像以上に感情が高まってしまったなと後から思うような時もあります。その点、舞台は稽古期間があり、試行錯誤できます。基盤がある状態で本番を迎えられるから映像より自由度は高いかもしれないです」最近特に表現に深みが増して見えると伝えると、年齢のせいじゃないですか?と笑う。「一応、毎日一生懸命生きているので、ちょっとは深まってもらわないと困るんですよね(笑)」どんな現場でも、能動的に楽しもうと取り組めば楽しみは必ず見つかる。そう気づいてから演じることがますます面白くなってきたらしい。「楽しむパワーって、大きいんですよね。客観視して没入しすぎない方法を今は楽しんでいますけど、また気が変わるかもしれません(笑)」舞台『ねじまき鳥クロニクル』飼い猫捜し、女子高生の笠原メイとの出会い、謎の女からの電話、妻の失踪…。岡田トオルの身に次々と不可解な出来事が起きる。現代の世田谷から戦時中の満州まで、時空を超えて世界が繋がる。11月7日(火)~26日(日)池袋・東京芸術劇場 プレイハウス原作/村上春樹演出・振付・美術/インバル・ピント脚本・演出/アミール・クリガー脚本・作詞/藤田貴大音楽/大友良英出演/成河、渡辺大知、門脇麦、大貫勇輔・首藤康之(Wキャスト)、音くり寿、松岡広大、成田亜佑美、さとうこうじ、吹越満、銀粉蝶ほかS席1万800円(土・日・祝日1万1800円)、サイドシート8500円ホリプロチケットセンター TEL:03・3490・4949(平日11:00~18:00)大阪、愛知公演あり。かどわき・むぎ1992年8月10日生まれ、東京都出身。2011年ドラマデビュー。主な出演作に映画『愛の渦』(’14)、『浅草キッド』(’21 Netflix)、『あのこは貴族』(’21)、『ほつれる』(’23)、ドラマ『リバーサルオーケストラ』(’23)など。台湾映画『Old Fox』が台湾にて公開。モヘアニットトップス¥45,100中に着たカットソー¥11,000スカート¥39,600(以上オーラリー TEL:03・6427・7141)ブレスレット¥53,900左手のリング¥32,400右手のリング¥35,200(以上サピア バハール/フィルグ ショールーム TEL:03・5357・8771)※『anan』2023年11月8日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・高野智史ヘア&メイク・伏屋陽子(ESPER)インタビュー、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年11月05日外見は、人と接する際に入ってくる情報の1つ。視覚的に得ることのできる情報のため、重要なポイントといってもいいでしょう。しかし、外見が人のすべてではありません。いわずもがな、人というものは内面もあってこそでしょう。外見にとらわれすぎてしまうと、無理なダイエットや醜形恐怖症につながってしまい、心身の調子が崩れてしまう危険があります。13kg増加の村上佳菜子、正直な想いを明かす2023年10月25日、フィギュアスケートの元日本代表である、村上佳菜子さんがInstagramを更新しました。プロ引退後、タレントやスポーツの解説者として、幅広く活躍している村上さん。引退したことで、内面だけでなく、外見にも大きな変化が現れたといいます。それは、体重の増加。フィギュアスケートをする上で、どうしても痩身である必要があり、現役時代は厳しく食を制限していたのだとか。子供の頃から、食べることに罪悪感すら覚えていたという村上さんですが、引退後は体重が13kg増加。そのため、周囲の人から「太った」といわれることもあるといいます。多くの人の悩みといえる体重の増加について、村上さんはこのように自身の考えをつづりました。引退してから解放されて、沢山食べて13キロぐらい太っちゃって…ありがたい事にテレビのお仕事でたくさんの人に見てもらうんだけど、多くの人に太ったね〜って言われる事も増えて、笑って誤魔化していたけど昔の感覚から、その言葉に敏感に反応してしまってかなり自信をなくしていました。特に日本では細いことが、『美しくて綺麗で可愛い』みたいなのが、感覚的に植え込まれているような気がしていて、自分の身体が恥ずかしかった。だけど、私は、足は太くて短いし、お尻は下がっているし、お腹も細くないし、胸も綺麗な訳でもないし、顔も小さくないし、可愛い訳でもないけど…どんな自分でも自分らしさを大切にして『コレが私なのよ!!!』って力強く思っていけばそれはもう輝いて輝いて仕方ないと思うんです。(まだ私も全然出来てないけど)そりゃ足長くて細くて顔ちっちゃい人に生まれ変われまーす!って言われたら瞬発力活かして1番に手を上げて変わりたいけど、無理なので…でもただ、何もしないんじゃなくて、諦めてダラダラするんじゃなくて、自分なりに少しずつ努力して楽しんで自分らしさを手に入れて自信をつけて行こうよっていうのを伝えたかった!kanako_m_officialーより引用スタイルに自信がなく、引退後の体重の増加も恥ずかしく思っていたという、村上さん。若い世代を中心に根付いてしまっている『ルッキズム(外見至上主義)』の影響もあり、「細くなくてはならない」というあせりを感じていたといいます。しかし、村上さんは考えた末、ありのままの自分を受け入れ、無理のない程度の努力をした上で、楽しく生きることが重要と認識。投稿を通して、同じ悩みを持つ人たちに「私も自分の太ももを愛したいと思います。『見て!私の太ももを!』ってね!」と呼びかけました。村上佳菜子の『体型論』に共感の声村上さんの明かした想いに対し、多くの人から「1回の『いいね』じゃ足りないくらいに同意!」「心が軽くなりました」といった共感の声が続出。どうやら、自分の体形にコンプレックスを抱いていたり、必要以上にダイエットを意識してしまったりする人は少なくないようです。反響を受け、村上さんは同月29日にInstagramを更新し、「同じ悩みを持つ人たちと想いをシェアできて、とても嬉しかった!」とコメントをしました。きっと、村上さんの投稿によって、苦しみから解放され、ありのままの自分を受け入れられるようになった人もいるでしょう。[文・構成/grape編集部]
2023年10月30日村上春樹の傑作長編小説を、イスラエルの奇才インバル・ピント(演出・振付・美術)とアミール・クリガー(脚本・演出)、藤田貴大(脚本・作詞)、大友良英(音楽)らトップクリエイターたちが舞台化。2020年の初演はコロナ禍で公演期間の短縮を余儀なくされながらも高い評価を受け、村上からも賛辞が送られた。その伝説の舞台が11月に再登場する。猫の失踪から始まった数々の奇妙な出来事が、やがて時代や空間を超越した世界へと広がっていく魅惑の村上ワールドを、フィジカルの想像力を主軸として構築。主人公・岡田トオルに扮する成河と渡辺大知、一役を共に息づかせるふたりの再演に向けた新たな課題とは!?3年経っても体が覚えている――まずは初演時、創作過程での体験を振り返っていただきたいと思います。成河大知は本稽古の前にものすごく準備していたよね。半年くらいだっけ?渡辺10ヶ月くらいです。ダンス、歌、芝居をうまく絡み合わせて、独特の世界観を作っていくということで、まず自分はまったく知らなかったダンスについて、10ヶ月事前稽古をさせてもらったんです。「そもそも、なぜ人は踊るのか」というところから始まって……。成河ハッハッハ!渡辺まず体を使ってどれくらい言語を表現出来るのか、ということを学んだり。村上春樹さんの世界を見た目としての美しさで置き換えていく、小説をなぞるのではなく体と歌を使って、新たな美しさを模索していく作業だったかなと思っています。毎日刺激的で、知らなかったことを知れるのは幸せな時間でしたね。ただ悔しいのは、知るばかり、受けてばかりで自分からは何も出せなかったなという実感があったので、今回は3年経って、わずかでも自分からアイデアを出せるようになっていたらいいなと。成河僕は、演出のインバルとの出会いは『100万回生きたねこ』(2015)が最初だったんです。大知と同じようにその公演の準備としてコンテンポラリーダンスの基礎を半年間くらい教わって。ただその舞台は再演だったんですよ。だから『ねじまき鳥〜』でまたインバルとご一緒するとなった時に、「彼女とゼロから舞台を作るのは超大変だよ!」って話はよくよく聞いていたので、それを楽しみに稽古に入ったら、まあ〜やっぱり大変でした(笑)。大知が「悔しさがある」と言ったけど、それはみんながそうだったんですよ。結局一人ひとりが、自分のやりたいことを押し出すまではいかない状態で、本番を迎えてしまった。インバルでさえ、そうだったと思います。彼女にとっては、共同演出のアミール・クリガーとも初仕事だったし、脚本の藤田貴大さん、音楽の大友良英さんもそう。中枢のクリエイター4人が初めて一緒に創作するので、ぶつかり合いもあったし、お互いに納得できる線を見つけるのに相当時間がかかったのかなと思います。――そう伺うと、インバルさんにとっては一度お仕事をご一緒している成河さんの存在が心強かったのでは?成河そうでしたよ!(一同笑)僕は性格的に、あいだに立つ人間ですから。まったく違うふたつの真ん中に立って、どうやって両者が結びつく点にたどり着くか、そういう場所が僕、好きなんです。渡辺今のお話を伺っても、本当に成河さんは頼りになります。――再演の稽古に入られて一週間(取材時)だそうですが、感触はいかがですか?成河この一週間は前回の“思い出し稽古”をしていて、今日やっとインバルが稽古場に現れるんですよ。稽古をどう見て、何を発言するのか、いい意味でワクワクします。一週間かけて前回作ったものを全部起こして、今日初めてインバルに「こんなだったけど、覚えてる!?」ってボーンと投げるので、スリリングですよ〜。全部ひっくり返すかもしれないし、「とりあえず今日は遊びに行きましょう」なんて言うかもしれないよね(笑)。渡辺この一週間は、成河さんとふたりで絡むシーンをまず念入りに当たったんですけど、不思議なもので、3年も経っているのに体の使い方を覚えていて。頭で考えずに出来ちゃう瞬間もあって、体のすごさを知りました(笑)。体が覚えているからこそ、今回はもっと細かいところに目が向けられるかなと思っていますね。初演の時は、自分や成河さんの体を知ることで精一杯だったから。ふたりで表現することで見えてくる、人間の多面性――おふたりによって“岡田トオル”というひとりの人物が表現されますが、前回はそれぞれがどういう意識で役を立ち上げていったのでしょうか。渡辺前回、ふたりが同一人物を演じていることを見せるのに「どこで合わせるべきですかね?」と話をしたら、成河さんが「全然違うように見えたほうが面白いと思う。むしろ、すり合わせないほうがいいんじゃない?」と言ってくれたので、そうだなと。そこから自分も楽になったところがあるので、感謝しています。今回、初演の映像を見てみたら、全然違うとはいえ、無意識のうちに似た発声になっている瞬間があるんですよね。同じ人物のように見える瞬間もあって、素敵だなと思いました。それは作為的なものを超えたところで生まれるものというか、観る側が見つけてくれる部分だったりするのかな、と思って。だから今回も、もっと多面的な、違う部分を見せられたらいいなと思います。成河ふたりが付いて、離れて、付いて、離れて……ある瞬間グッと同期してひとりの人間になるタイミングがあると思えば、全然違う人格になってくる、というのがすごくリアリティがあるなと。そこが初演ではよく作用したと思います。見返してみて、自然とひとりの人間に見えてくるものだな〜と思いました。――おふたりは3年ぶりに本作でまた再会して、稽古場でお互いの変化などを感じていますか?成河初演の時に初めて大知と体を合わせた時……、“体を合わせた”っていうのは、ダンスにもいろんな形があるけれど、「コンタクト」というコンテンポラリーのひとつの技で、特にインバルがやるのは人と触れ合うことでその個人が見えるのではなく、そこで起きていることが見える、そういうダンスなんです。そのコンタクトを初演で初めて大知とやった時、体を合わせた時の、大知のハリネズミのような反応!(一同笑)「触れちゃってごめんなさい!」みたいな。その時のことを思うと、この一週間の作業はとてもスムーズに運んだね。渡辺ハハハ、そうですね。成河人を信頼するというのは、双方向で初めて成り立つということですよね。片方だけが信頼していたって何の意味もなくて。ふたりで一緒にやることの意味とか価値を、あらためて噛み締めた一週間でございました。(一同笑)渡辺成河さんが自分のことを知ってくれている、それが体を合わせた時に伝わって来て、人間って神秘的な生き物だなって思いましたね。別に話し合うこともなく「やってみよう」だけで出来た。体の中に共通言語が既にあるんです。成河そう、僕は本当にこの数日間ずっと感動していて……っていうのは、やっぱりいみじくもコロナ禍からの再演なわけですよ。つまり、ダンスって言ってもあまり人には伝わらない感覚だと思うんですけど、人と触れ合って、体も心も寄っ掛かるという、そういう身体性を僕たちは生活の中でどんどん失っているんです。演劇界は近年、ハラスメントに対する問題意識も高まっていて、人と距離をとって、心も体も離れた状態でも一緒にいられる方法を探さなきゃいけない。お互いに傷つけ合わないためにはそうあるべきだと思います。でもそこにはひとつ大きな見落としがあって、その見落としを言語化することは難しいんだけど……。渡辺わかります!成河体の価値とか存在、さっき神秘的って言葉が出たように、そういうものがどんどん置き去りにされてしまってきた。もともとそうだったものが、コロナ禍でグッと加速しましたよね。渡辺本当に。コンプライアンス的なこと、やってはいけないことは、みんな理解しているんです。ただ、そこに至る信頼が足りていないという話で。成河どっちも必要だという感覚が一番正しいよね。新しい時代に向けての準備とか覚悟、危機感というものも必要だけど、人間の双方向の信頼関係も欠けていてはいけない。これは言葉では共有できないもので、寄っ掛かってみればわかる。つまり、人に寄っ掛かるというのは人に迷惑をかけるってことですから。渡辺うん!成河自分が迷惑をかける分、人からもかけられて、やっと釣り合う。それが理屈の上ではなくて、体でそれが出来るんだよっていうのが、ある意味ダンスの芸術的表現の価値だったはず。そもそもダンスとか体を動かして人と触れ合うことの価値は、そこにあったはずなので、その芸術性こそがインバルの創作の核心なんですよ。だから、それを使って村上春樹の世界を表現するってことは、結構すごいことをしているな!っていうのは実感していますね。探り探りだった初演を経て、表現はさらに自由に大胆に――あらためて、クリエイターとしてのインバルさんの印象をお伺いしたいです。渡辺何も知らないけれど「あれしたい、これしたい!」が詰まっている子供のような感じと、いろんなものに出会って、吸収して、嫌なものもたくさん見てきた大人の目と、両方持っている感じがします。そういう人でありたいな〜と思いましたね。すごく楽しそうにしていたのに、急に楽しくなさそうになったりする感じも信頼できるなあって(笑)。成河正直ってことだと思います。それは芸術の根本的な概念で、ものすごく正直になるためには、経験も苦労も、孤独も必要。インバルを見ていると、あ、正直に至った人だなってすごく思います。渡辺わがままとは全く逆ですよね。だから周りは、この人のために何ができるだろうと考える。――インバルさんも合流してのこれからの作業で、どんな再演が立ち上がるのか、本当にワクワクします。渡辺舞台って本当に生き物なんだなということを、前回の公演で知りました。稽古場でインバルやアミールと一緒に作り上げたことも、お客さんの前に立つと、やっぱり日々変わるものなんだなって実感して。そうして作っていったなかで、ようやく次のフェーズに行けそうなところで終わってしまった気がするんですよ。あともう一歩で、本当にすごいところに行けるんじゃないか、と。成河うん、ゴールではないけどね、まだ何かがありそう、そうやってずっと手を伸ばしている感じだよね。渡辺もう一歩、次へ。今回はそこからスタートできたらいいなと思います。成河そうだね、要するにどれだけ演者が自由で、確信を持ってやれるか。初演はみんなで探り探り作ったから、本当にフラジャイルなものとして丁寧に扱っていった良さがあったんですけど、それを一層大胆に、自由に扱えるようになった時に、見え方はずいぶん変わるんじゃないかなと思っています。表現の幅がぐっと増えればいいなと。インバルの作品はやっぱりダンス表現が主人公。だから、いかに僕ら言葉を扱う人間が、言葉の野暮ったさみたいなもので、それを損なわないかが肝心なんですよ。村上春樹の小説の30ページ分ぐらいがひとつふたつの動きで済んでしまう、そんな恐ろしい瞬間が出てきたりする。そこに言葉を差し挟むなんてすっごい野暮! それでも言葉を使うなら、どういう発語の仕方が一番それを邪魔しないか、あるいはそれをさらに豊かなものにするか。そこは非常に実験のし甲斐がありますね。取材・文:上野紀子撮影:石阪大輔★成河さん×渡辺大知さんのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント!ぴあアプリ限定!アプリで応募プレゼント★成河さん×渡辺大知さんのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント!【応募方法】1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。こちら() からもダウンロードできます2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!<公演情報>『ねじまき鳥クロニクル』原作:村上春樹演出・振付・美術:インバル・ピント脚本・演出:アミール・クリガー脚本・作詞:藤田貴大音楽:大友良英【演じる・歌う・踊る】岡田トオル:成河/渡辺大知笠原メイ:門脇麦綿谷ノボル:大貫勇輔/首藤康之(Wキャスト)加納マルタ/クレタ:音くり寿赤坂シナモン:松岡広大岡田クミコ:成田亜佑美牛河:さとうこうじ間宮:吹越満赤坂ナツメグ:銀粉蝶【特に踊る】加賀谷一肇、川合ロン、東海林靖志、鈴木美奈子、藤村港平、皆川まゆむ、陸、渡辺はるか(五十音順)【演奏】大友良英、イトケン、江川良子【東京公演】2023年11月7日(火)~26日(日)会場:東京芸術劇場プレイハウス【大阪公演】2023年12月1日(金)~12月3日(日)会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ【愛知公演】2023年12月16日(土)・17日(日)会場:刈谷市総合文化センター大ホールチケット情報:公式サイト:
2023年10月25日俳優・多部未華子が朗読するAmazonオーディブル「カンガルー日和」(著者:村上春樹)が、10月20日(金)本日配信スタートとなった。Audibleは、オーディオブックおよび音声コンテンツ制作・配信サービス。プロのナレーターや俳優、声優が読み上げる豊富なオーディオブック、ニュースからお笑いまでバラエティあふれるプレミアムなポッドキャストなどが揃う。本日配信されたのは、「ノルウェイの森」「1Q84」などで知られる村上さんの作品集「カンガルー日和」。18の短編が収録された本作を朗読するのは、「私の家政夫ナギサさん」「マイファミリー」などに出演し、現在放送中の「いちばんすきな花」では、主人公のひとりを演じている多部さん。多部さんは、「さまざまな物語が含まれているため、いろんなキャラクター登場し、面白いと思いましたが、それをどういうテンションで朗読すればよいのか探り探りでした」とふり返り、「『鏡』を朗読しながら頭にさまざまな映像が浮かび上がり、声に出して読んでいて楽しかったです」と感想を語った。「カンガルー日和」イントロダクション「ねえ、あの袋の中に入るって素敵だと思わない?」…表題作/「ねえ、もう一度だけ試してみよう。もし僕たち二人が本当に100パーセントの恋人同士だったなら、いつか必ずどこかでまためぐり会えるに違いない」…「4月のある晴れた日に100%の女の子に出会うことについて」村上春樹が「毎月一篇ずつ楽しんだり苦しんだりしながら産みだしてきた」、都会の片隅のささやかな18篇のメルヘン。Amazonオーディブル「カンガルー日和」は配信中。(シネマカフェ編集部)
2023年10月22日ジム・ジャームッシュ、濱口竜介らも絶賛した話題作『ファースト・カウ』(原題:First Cow)が12月22日(金)より公開されることが決定した。物語の舞台は西部開拓時代のオレゴン州。アメリカン・ドリームを求めて未開の地にやってきた料理人のクッキーと、中国人移民のキング・ルー。ともに成功を夢見る2人は自然と意気投合し、やがてある大胆な計画を思いつく。それは、この地に初めてやってきた“富の象徴”である牛からミルクを盗み、ドーナツで一攫千金を狙うという、甘い甘いビジネスだった…!現代アメリカ映画の最重要作家と評され、いま世界中で最も高い評価を受けている監督のひとりであるケリー・ライカート監督。1964年、フロリダ州マイアミで生まれ、1994年の『リバー・オブ・グラス』でデビュー。その後長らく、日本で彼女の作品を観られる機会は限られていたが、2021年にケリー・ライカート監督特集上映が行われると、その作品性の高さから異例の満席回が続出し、大きな話題となった。そんなケリー・ライカート監督の“日本初”全国公開作となる本作は、各国の映画祭でお披露目されるやいなや、たちまち絶賛の声が上がり、第70回ベルリン国際映画祭金熊賞にノミネートされたほか、世界中の映画祭で計15部門にノミネート、27部門を受賞した注目作だ。映画人からも高く評価され、『パラサイト 半地下の家族』ポン・ジュノ監督は、「私には決して真似のできないものであって、とてつもなく、うらやましい」と、その才能を羨望。ほかにもジム・ジャームッシュ、トッド・ヘインズ、濱口竜介ら、世界の名だたる監督たちも本作を称賛している。本作の本国配給は、世界中の映画ファンに最も愛される配給会社A24。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でアカデミー賞を席巻したことも記憶に新しいが、作家ファーストでありながらオスカー常連で大ヒット作を続々と世に送り出し続けているA24と、独自の視点を追求し一貫したスタイルで映画を撮り続けているケリー・ライカート監督のタッグが初めて実現した。原作は、これまでケリー・ライカート作品の脚本を多数手掛けてきたジョナサン・レイモンドの小説「The Half-Life」(2004年発表)。男同士の友情を描いた物語に監督が惚れ込み、映画化を熱望。長年の構想の末、ついに本作を完成させた。映画の冒頭には、詩人ウィリアム・ブレイクの言葉「鳥には巣、クモには網、人間には友情」が引用され、ドーナツ作りを通して2人の男の間に少しずつ友情が芽生えていく過程を美しく描いた。さらに、豊かな自然が息づく原風景を切り取ったアメリカンカルチャーを体現した映像美や心地よい音楽が2人の物語を彩り、観客は本作を通して「友情とは何か」という本質を知り、これまでに見たことのない新しいアメリカを発見することだろう。ケリー・ライカート監督の最高傑作との呼び声も高い本作に大きな注目が集まる。『ファースト・カウ』は12月22日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)
2023年10月20日村上春樹原作の長編アニメーション映画『めくらやなぎと眠る女』が、2024年7月26日(金)にユーロスペース他にて劇場公開される。村上春樹原作の長編アニメ映画『めくらやなぎと眠る女』音楽家でアニメーション作家のピエール・フォルデスが手掛ける映画『めくらやなぎと眠る女』は、村上春樹による6つの短編(「かえるくん、東京を救う」、「バースデイ・ガール」、「かいつぶり」、「ねじまき鳥と火曜日の女たち」、「UFOが釧路に降りる」、「めくらやなぎと、眠る女」)を原作に、1本の長編作品としてまとめた作品。村上作品を原作にした映画は、近年では濱口竜介監督による『ドライブ・マイ・カー』や、イ・チャンドン監督による『バーニング』などが知られるが、アニメーション映画化されるのは今回が初となる。6本の短編小説を1本の長編アニメーションに監督のピエール・フォルデスが脚本と音楽も同時に手がけた本作では、上述した6本の物語とキャラクターたちを絡み合わせつつ、長編アニメーションに翻案。アニメーションは実写撮影をベースにした「ライブ・アニメーション」と呼ばれる制作技法で作られており、2Dと3Dが融合した独特のタッチで、村上作品の摩訶不思議かつ生々しいリアリティを表現している。映画『めくらやなぎと眠る女』あらすじ2011年の東京。東日本大震災から5日後、刻々と被害を伝えるテレビのニュースを見続けたキョウコは、置き手紙をのこして小村の元から姿を消した。妻の突然の失踪に呆然とする小村は、図らずも中身の知れない小箱を女性に届けるために北海道へと向かうことになる。同じ頃のある晩、小村の同僚の片桐が家に帰ると、そこには2メートルもの巨大な「かえるくん」が彼を待ち受けていた。かえるくんは迫りくる次の地震から東京を救うため、こともあろうに控えめで臆病な片桐に助けを求めるのだった。めくらやなぎ、巨大なミミズ、謎の小箱、どこまでも続く暗い廊下。大地震の余波は遠い記憶や夢へと姿を変えて、小村とキョウコ、そして片桐の心に忍び込む。人生に行き詰まった彼らは本当の自分を取り戻すことができるのだろうか...。【作品詳細】映画『めくらやなぎと眠る女』日本公開時期:2024年7月26日(金)監督・脚本:ピエール・フォルデス原作:村上春樹(「かえるくん、東京を救う」、「バースデイ・ガール」、「かいつぶり」、「ねじまき鳥と火曜日の女たち」、「UFOが釧路に降りる」、「めくらやなぎと、眠る女」)声の出演:ライアン・ボンマリート、ショシャーナ・ビルダー、マルセロ・アロヨ、スコット・ハンフリー、アーサー・ホールデン、ピエール・フォルデス2022/109分/フランス、ルクセンブルク、カナダ、オランダ合作原題:「Saules Aveugles, Femme Endormie」/英語題:「Blind Willow, Sleeping Woman」
2023年10月19日村上春樹原作、フランス・ルクセンブルク・カナダ・オランダ合作の長編アニメーション映画『めくらやなぎと眠る女』(原題:Saules Aveugles, Femme Endormie)の公開時期が、来年初夏に決定。場面写真も公開された。2011年の東京。東日本大震災から5日後、刻々と被害を伝えるテレビのニュースを見続けたキョウコは、置き手紙をのこして小村の元から姿を消した。妻の突然の失踪に呆然とする小村は、図らずも中身の知れない小箱を女性に届けるために北海道へと向かうことになる。同じ頃、小村の同僚の片桐が家に帰ると、そこには2mもの巨大な「かえるくん」が彼を待ち受けていた。かえるくんは迫りくる次の地震から東京を救うため、こともあろうに控えめで臆病な片桐に助けを求めるのだった。めくらやなぎ、巨大なミミズ、謎の小箱、どこまでも続く暗い廊下――大地震の余波は遠い記憶や夢へと姿を変えて、小村とキョウコ、そして片桐の心に忍び込む。人生に行き詰まった彼らは本当の自分を取り戻すことができるのだろうか――。本作は、音楽家でアニメーション作家のピエール・フォルデス監督が、村上さんの6つの短編(「かえるくん、東京を救う」、「バースデイ・ガール」、「かいつぶり」、「ねじまき鳥と火曜日の女たち」、「UFOが釧路に降りる」、「めくらやなぎと、眠る女」)を翻案した作品。村上春樹作品が、アニメーション映画化されるのは、これが初となった。監督が“ライブ・アニメーション”と名付ける実写撮影をベースにしたアニメーション制作技法で作られており、村上春樹作品の不思議かつ生々しい、リアリティを再現することに成功。アヌシー国際アニメーション映画祭でプレミア上映され、審査員特別賞を受賞したほか、新潟国際アニメーション映画祭でグランプリに輝き、レザルク・ヨーロッパ映画祭では作曲賞を受賞するなど、世界各国の映画祭で高い評価を得ている本作。近作では、『ドライブ・マイ・カー』や『バーニング』などと並べて紹介されるほか、東日本大震災を背景にした作品として、ヨーロッパでは『すずめの戸締まり』と併映されるなど、世界公開後も広がりを見せている。日本公開にあたってフォルデス監督は、「私が村上春樹の小説を読んでいるときに感じたような、そしてこの映画を作っているときに感じたような大きな刺激を、観客に感じてほしいと思っています。私にとってこの映画は、控えめに言っても近年作られた最も革新的な長編アニメーションなのです。この映画が、優れたアニメーションを生み出すことで知られた国で公開されることに興奮しています」とコメントしている。なお、フォルデス監督は早稲田大学国際会議場で行われる国際シンポジウム「世界とつながる日本文学~after murakami~」にパネリストとして、コンペティション長編部門に選出された「第10回新千歳空港国際アニメーション映画祭」での本作上映にゲストとして登壇予定だ。『めくらやなぎと眠る女』は2024年初夏、ユーロスペースほか全国にて順次公開予定。(シネマカフェ編集部)
2023年10月16日長編アニメーション映画『めくらやなぎと眠る女』が、2024年初夏に日本で公開されることが決定した。『めくらやなぎと眠る女』は、音楽家でアニメーション作家のピエール・フォルデス監督が村上春樹の6つの短編(『かえるくん、東京を救う』『バースデイ・ガール』『かいつぶり』『ねじまき鳥と火曜日の女たち』『UFOが釧路に降りる』『めくらやなぎと、眠る女』)を翻案した作品。なお村上の作品がアニメーション映画化されるのは今回が初となる。監督にとって初の長編アニメーションで、2022年6月、アヌシー国際アニメーション映画祭でプレミア上映された本作は、審査員特別賞を受賞。2023年3月に新しく始まった新潟国際アニメーション映画祭では見事第1回目のグランプリに輝いた。同映画祭の審査員を務めた押井守は本作の受賞理由として、「現代文学を表現する最適のスタイルなんじゃないかということで、3人の審査員の意見が一致した、唯一の作品」とコメントしている。また、本作は監督が「ライブ・アニメーション」と名付ける実写撮影をベースにしたアニメーション制作技法で作られており、村上作品の不思議かつ生々しいリアリティを再現。近作では『ドライブ・マイ・カー』(濱口竜介監督)や『バーニング』(イ・チャンドン監督)などと並べて紹介されるほか、東日本大震災を背景にした作品として、ヨーロッパでは新海誠監督の『すずめの戸締まり』と併映されるなど、世界での公開後も広がりを見せている。■ピエール・フォルデス監督 コメント『めくらやなぎと眠る女』が日本で公開されると聞いて、とても幸せな気分です。この映画は、純粋なひらめきと野心の両方から生まれました――史上最も偉大で最もインスピレーションに溢れた作家の作品から得たひらめきと、アニメーションにおいてテクニックだけではなく語り方をも一新しようとした野心の産物なのです。この映画は、様々な物語とキャラクターを絡み合わせつつ、2011年の地震と津波という大きな出来事が、登場人物たちをいかに目覚めさせ、自分の人生を生きようと試みさせるのかを探っていきます。私が村上春樹の小説を読んでいるときに感じたような、そしてこの映画を作っているときに感じたような大きな刺激を、観客に感じてほしいと思っています。私にとってこの映画は、控えめに言っても近年作られた最も革新的な長編アニメーションなのです。この映画が、優れたアニメーションを生み出すことで知られた国で公開されることに興奮しています。私はこの映画の脚本を、新幹線の中でお弁当を食べながら書き終えたのですから、なおさらです!<作品情報>『めくらやなぎと眠る女』2024年初夏 公開公式サイト: Cinéma Defacto – Miyu Prodcutions – Doghouse Films – 9402-9238 Québec inc. (micro_scope – Prodcutions l’unité centrale) – An Origianl Pictures – Studio Ma – Arte France Cinéma – Auvergne-Rhône-Alpes Cinéma
2023年10月16日