距離も時間も虚実すら超えた世界を見せてくれる「本」。芥川賞作家の上田岳弘さんと、直木賞作家の島本理生さんが読んできた好きな海外文学作品と、その向こうに広がる世界を語り合います。海外文学を読み始めた頃。島本:小さい頃は海外の児童文学も読んでいましたが、大人向けの海外文学を読み始めたのは中学生の頃ですね。カポーティの『遠い声 遠い部屋』などが好きで、そこからジョン・アーヴィングやカート・ヴォネガットといったアメリカ文学を読むようになりました。日本とは違う土地の広さとか匂い、空気を感じさせるものや、乾いた文体が好きでした。上田:僕は中高生の頃に趣味で海外のファンタジーを読んでいましたが、大学生の時に村上春樹さんが訳したり影響を受けている海外小説を読み始めるというベタな人間で、僕もヴォネガットやカポーティ、フィッツジェラルドを読みましたね。そういえば、春樹さんの『風の歌を聴け』に、デレク・ハートフィールドって作家が出てくるじゃないですか。島本:出てきましたね。上田:彼の作品も読んでみたくて探したら、そんな作家は実在しないっていう(笑)。島本:私も、そういう作家が本当にいるんだって思っていました。上田:あれは、あの頃の文系少年少女がハマるトラップですね(笑)。僕はそれから大学生の時に作家になるために勉強しようと思って、体系的に200冊くらい読んだんです。その時にベーシックなものとしてシェイクスピアやドストエフスキー、ミラン・クンデラなどを読みました。島本:海外のものが多かったんですか?上田:そうですね。夏目漱石も読みましたが海外小説が多かったです。性格的に世界史と日本史だったら世界史を選ぶタイプですし。日本は世界の一部なので、グローバルスタンダードというか、読書も世界の基準に合わせたほうがいいんじゃないかなと思っていました。あまり文体の研究とか今の日本文学に何が起きているかは気にしなかった。今も読むのは海外文学が7割です。島本:上田さんの小説には海外文学の雰囲気があるなと思っていました。少し重力が違うというか、自由な感じがして私、スペインに行く飛行機の中で上田さんの『私の恋人』を読んだんです。それがもう、しっくりきて、それこそ作中の世界の果てまで一緒に行ったような気がしました。上田:ありがとうございます。島本:私自身は海外小説と国内小説の割合は半々くらい。でも文体を学ぶのは海外小説が多かったです。日本の近代文学は私小説が多いですが、私は個人の内面よりも情景描写を書きたくて。それこそ一時はカポーティのような潮騒とかの比喩を書きたくて「さざ波のように」って表現をかなり使いました(笑)。上田:サガンの『悲しみよ こんにちは』は読みました?島本:はい。でも私、サガンよりもマルグリット・デュラスのほうが好きなんですよね…。上田:僕、仕事の必要があって最近読み返したんです。あれって、アラフォーの恋愛を17歳の女の子の目線で描いているじゃないですか。19~20歳で読んだ時は少女の視点で読んだけれど、今読むと40歳のほうの目線になるので、大人たちが打算込みでいろいろやっているのがわかる。17歳からは今の僕もこんなふうに見られているのかな、って怖くなりました(笑)。島本:確かに私も昔、100%少女の視点で読んだので、今読むと感じ方が変わるかもしれない。上田:サガンよりもデュラスが好きというのは?島本:昔読んだ時はサガンの主人公はただ生意気だなと思って。デュラスは同じ恋愛を書くにしても、絶望して達観した中に情熱や官能を秘めている。基本的に恋愛ものは絶望があるものが好きです。上田:絶望のある恋愛もの…。自分好みの海外恋愛小説。島本:上田さんの『私の恋人』もそうですけれど、男の人が一方的に女の人を追いかける話も好きで、アンナ・カヴァンの『氷』は、氷の壁が迫ってくる世界で、超法規的な手段を使って地の果てまで好きな少女を捜しに行っては、フラれてすごすご帰る話。設定の大胆さとリアリティとのバランスが不思議な一冊です。グレアム・グリーンの『情事の終り』は嫉妬深い作家が、自分を振った女性に他の男ができたと思って調べ始める。信仰が絡んでくる話なんですが、キリスト教と恋愛小説の親和性って高いなと感じて、自分も宗教と恋愛というものを書いてみたくなりました。上田:フランスのミシェル・ウエルベックやイギリスのイアン・マキューアンは読みます?この二人は僕にとって、淀んだヨーロッパの2大巨頭なんです。西洋文化はこの500年くらいのトレンドですけれど、今はもう煮詰まっている。その問題を書いている二人ですね。ウエルベックのほうが露悪的で原始的で欲望に忠実。たとえば『服従』はヨーロッパがイスラムのマネーや文化に服従していく話なんですよ。島本:難しいけど面白そう。上田:マキューアンの『土曜日』なんかは、脳神経外科医が認知症の母親をシステマティックに面倒を見たりする様子や、テロの脅威が描かれていく。彼らの作品のように“現実ってこうですよね”と突きつけてくるものが僕は好きだし、影響を受けていると思います。『遠い声 遠い部屋』著:トルーマン・カポーティ訳:河野一郎590円(新潮文庫)『ティファニーで朝食を』などで知られる、戦後のアメリカ文学を代表する作家が、23歳の時に書いたデビュー作。父を捜すためにアメリカ南部を訪れた少年を主人公にして、繊細なその心の内や街の風景を、鮮烈な比喩を用いながら綴った半自伝的小説。『悲しみよ こんにちは』著:フランソワーズ・サガン訳:河野万里子490円(新潮文庫)フランスの女性作家、サガンが18歳の時に発表したデビュー作。17歳のセシルが父と彼の愛人と過ごすコート・ダジュールの別荘にやってきた亡き母の友人、アンヌ。はじめは彼女を慕うセシルだが、父を取られると感じて反発、やがてある計画を思いつく…。『氷』著:アンナ・カヴァン訳:山田和子900円(ちくま文庫)著者はイギリスの小説家で、SFや幻想文学の色の強い作品で知られる。異常気象で寒波が押し寄せるなか、一人の男が異様な執着心で一人の少女を捜し求める。冷たくも美しい氷のイメージの中で、幻想と現実を交錯させながら描き出すディストピア小説。『情事の終り』著:グレアム・グリーン訳:上岡伸雄670円(新潮文庫)第二次大戦直後のロンドン。小説家のモーリスは、知人のヘンリーから妻のサラが浮気をしているのではと相談される。実は以前、モーリスはサラと不倫関係にあり、彼は一方的に別れを告げられた身。サラの今の浮気相手を知ろうと調べ始めるのだが…。『服従』著:ミシェル・ウエルベック訳:大塚 桃920円(河出文庫)センセーショナルな作品を発表し続けるフランスの現代作家の長編。舞台は2022年、極右政党を倒して穏健派のムスリム政党が政権を握ったフランス。文学教授の「ぼく」は、パリを去ることにするが…。テロ、移民といった現実問題を盛り込んだ予言的な作品。うえだ・たかひろ作家。1979年、兵庫県生まれ。2013年「太陽」で新潮新人賞受賞。’15 年『私の恋人』で三島由紀夫賞、今年『ニムロッド』で芥川賞受賞。新作は世界文学的大作『キュー』。しまもと・りお作家。1983年、東京都生まれ。2001年に『シルエット』で群像新人文学賞優秀作に入選。’03年『リトル・バイ・リトル』で野間文芸新人賞、’18年『ファーストラヴ』で直木賞受賞。※『anan』2019年7月10日号より。写真・小笠原真紀取材、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年07月05日今年の再々演でラストステージを迎えた、村上春樹原作、蜷川幸雄演出の舞台『海辺のカフカ』。それに続く村上文学の舞台化第2弾、『神の子どもたちはみな踊るafter the quake』が今夏、上演される。【チケット情報はこちら】原作は阪神淡路大震災をモチーフに、地震のニュースに触れた人々の心の動きが綴られた作品を集めた短編集で、その中から『かえるくん、東京を救う』『蜂蜜パイ』の2編を取り上げて構成。脚本は『海辺のカフカ』を手がけたフランク・ギャラティ。演出は、蜷川演出の舞台『私を離さないで』(2014年、カズオ・イシグロ原作)で脚本を担当した倉持裕が担うこととなった。今回、『海辺のカフカ』のナカタ老人役で海外からも多くの賞賛を得た木場勝己が、“かえるくん”役で出演。再び村上ワールドに挑む思いを聞いた。「『海辺のカフカ』パリ公演の時に村上春樹さんのトークショーがあって、10代の若い女性ファンが作品のテーマなどを質問するんですね。村上さんはテーマのことはおっしゃらずに“僕は物語を作るんです”と主張されていました。僕ら俳優の場合は物語を作るというより、その瞬間、瞬間の場で起こったドラマをつなげることで、最終的に物語になると考えていて。そこが作家とは違うなと思っていたら、さらに“僕は、プロットは作らない。登場人物を置いた後、彼らがどう動くかは書いてみないとわからない”とおっしゃった。その感覚はちょっと近いかな、なんて思いましたね。豊かな物語に負けないよう、その瞬間、瞬間のつなぎをちゃんとやらなきゃと思っています」蜷川との思い出を「ああしろ、こうしろと言われたことは皆無。だから自分の好きなようにやって、それを蜷川さんがニヤニヤして見ていた」と笑いながら振り返る。倉持との舞台作りは今回が初。その期待とともに気になるのは、自身が担うキャラクターである。「何しろ人間じゃなくて、蛙だからね。蛙の気持ちは知らないけれど(笑)、未知な分だけ面白いと思います。村上さんは“総体としての蛙”という言い方をしていたかな。かえるくんは、信用金庫に勤める片桐さんに「みみずくんが東京に大地震を起こそうとしている。一緒に闘ってくれ。あなたでなければいけない」と頼むんです。その片桐さんというキャラクターがとても興味深いんですよ。風采があがらず、腕に覚えもないのに、ヤクザの前でも動じずにこちらの要求を通したりする。そういう嫌な仕事を押し付けられるんだけど、きちんとやり遂げていて。そんな片桐さんを、かえるくんはなぜシンパシーを感じて選んだのか。そこが1番、僕のモチベーションの核になるだろうと思います。僕自身、そういう人がちょっと好きですから」地震をモチーフに人々の繊細な心の揺らぎを描く本作について、「ラストは再生に向かっている、と感じられます」と穏やかな表情で見据える。共演する古川雄輝、松井玲奈、川口覚ら瑞々しい才能たちの頼れる支柱となることは間違いない。“ナカタさん”から“かえるくん”へ、魅惑の村上ワールドを飄々と泳ぐ、熟達の味わいに期待せずにはいられない。取材・文上野紀子
2019年07月05日人気作家・村上春樹氏(70)が作家デビュー40年を記念し、東京・千代田区のTOKYO FM HALLで、村上氏がDJを務める同局「村上RADIO」の公開収録イベント「村上JAM~村上RADIO SPECIAL NIGHT~」が26日に開催された。各スポーツ紙などによると村上氏はもともと国内であまり公の場に出ることがなく、公開収録は作家人生で初。約1万2,000通の応募から抽選で約150人が無料で招待されたという。ジャズ好きとして知られる村上氏だが、ジャズピアニストの大西順子(52)、ジャズサックス奏者の渡辺貞夫(86)、ジャズクラリネット奏者の北村英治(90)らレジェンドが集結して演奏を披露。また村上氏作品の大ファンを公言する俳優の高橋一生(38)、歌手のスガシカオ(52)もゲストで登場したという。「観客はジャズ界のレジェンドたちの演奏に聞き入っていました。高橋さんは村上さんの作品をあの美声で朗読。スガさんはSMAPに提供して大ヒットした『夜空ノムコウ』を弾き語りで熱唱。出演者たちは村上さんとの軽快なトークで盛り上がり、3時間以上のイベントがあっという間でした」(イベント関係者)村上氏といえば“ハルキスト”と呼ばれる熱狂的なファンがいることでも知られているが、イベントはかなりファン・ファーストだったという。「取材に来たマスコミや出版関係者は会場に入れず、別室でモニター観覧。さらに終了後にはフォトセッションが行われましたが、マスコミよりも前にファンの撮影タイムが設けられました。当選したファンにとっては夢のような時間だったでしょう」(前出・イベント関係者)収録内容は8月25日と9月1日の2夜に分け、いずれも午後7時からTOKYOFMなど全国38局で放送。再びファンたちを沸かせることになりそうだ。
2019年06月27日アイドルグループ・関ジャニ∞の村上信五が27日、自身がパーソナリティを務める文化放送『村上信五くんと経済クン』(毎週土曜 9:00~10:00)で安倍晋三首相と面会し、インタビュー取材を行った。インタビュー冒頭、村上は安倍首相と名刺の交換を行い、和気あいあいとした雰囲気でインタビューは始まった。初めて日本で行われる「G20」のホスト国・議長として臨む安倍首相に意気込みを聞き、米中貿易摩擦の収束をどうリードするか、直球で質問を投げかけた。また、デジタル課税問題への取組みや海洋プラスチック問題についての取り組みも質問。安倍首相からは日本が議長国として新たなルール作りの主役となる決意表明を引き出した。また村上は、日米首脳会談や日露首脳会談での課題と問題点についても聞き、安倍首相からは2国間の首脳会談の難しさと面白さについて語られた。インタビューの様子は29日の番組内で放送される。
2019年06月27日村上春樹の小説を原作にした舞台『神の子どもたちはみな踊る after the quake』が7月から8月にかけて上演される。主人公で作家の淳平を演じる古川雄輝に話を聞いた。【チケット情報はこちら】本作は、阪神・淡路大震災(1995年)後、「地震のニュースを見た人たちの心の中で何が起こったのか」をテーマに書かれた短編小説集『神の子どもたちはみな踊る』(英語タイトル「after the quake」)から『かえるくん、東京を救う』『蜂蜜パイ』を取り上げた舞台作品。蜷川幸雄演出×村上春樹原作の舞台『海辺のカフカ』と同じフランク・ギャラティによる脚本で、2005年にアメリカで初演され、日本では初めての上演となる。演出を手掛けるのは倉持裕。「舞台をやるときはいつも覚悟が必要」と語る古川。「舞台は苦しく感じることも多いです。稽古では“どこまでいけるか”に挑戦していくし、本番では頭からつま先まで観られているのでごまかしがきかない。それはやはり大変なことですから。でも今回は“楽しくやる”をテーマにしたいと思っているんです。ただ、楽しくやるためには成功しなきゃいけないし、成功するためには稽古をしっかりやらなきゃいけないので、結局大変になりそうなんですけど(笑)」と笑いつつも、それだけの覚悟は持っている。自身が演じる淳平の役柄について問うと「それを答えるのが1番難しい」と明かす。「まだ稽古前ということもありますし、村上春樹さんの小説は捉え方が人それぞれですから。今の時点で“こういう人”とは言いにくい。現時点で、シンプルに言うならば、自分の想いを伝えられないちょっと不器用で内気な人かな…。もちろんそれだけでは終わらないので、答えは稽古で見つけることになりそうです」。では作品そのものの感想は?と聞いてみると「もやもやしました。本当はどういう意味を持っているんだろうと(村上によって)思わされる感じ」とコメント。ちなみにヒロインの松井玲奈は「“めでたし、めでたし”だと思った」と語っており(別記事で紹介)、まさに捉え方の「人それぞれ」が表れていた。脚本については「ふたつの物語がミックスしていますし、小説とはまた違うものになっていると思います。読んだだけではイメージできないシーンもけっこうあるので、倉持さんとどうつくっていけるのかが楽しみです」と話した。「村上春樹さんの作品を“読む”のではなく“観る”という感覚が味わえると思います」(古川)という本作は7月31日(水)から8月16日(金)まで東京・よみうり大手町ホールにて上演。スタイリスト/五十嵐堂寿ヘアメイク/藤井康弘
2019年06月25日村上春樹の小説を原作にした舞台『神の子どもたちはみな踊る after the quake』が7月から8月にかけて上演される。ヒロイン・小夜子を演じる松井玲奈に話を聞いた。【チケット情報はこちら】本作は、阪神・淡路大震災(1995年)後、「地震のニュースを見た人たちの心の中で何が起こったのか」をテーマに書かれた短編小説集『神の子どもたちはみな踊る』(英語タイトル「after the quake」)から「かえるくん、東京を救う」「蜂蜜パイ」を取り上げた舞台作品。蜷川幸雄演出×村上春樹原作の舞台『海辺のカフカ』と同じフランク・ギャラティによる脚本で、2005年にアメリカで初演され、日本では初めての上演となる。演出を手掛けるのは倉持裕。「舞台は定期的に、できれば毎年やりたいと思っています。去年は映像が続いて出られなかったぶん、今回は待ちに待ったという感じです」と約1年7か月ぶりの舞台出演を喜ぶ松井。そのタイミングで挑む本作は「挑戦したことのないものがたくさん詰まっている作品。自分がまだ行ったことのない場所に行くような気持ちでいます」と意気込んだ。原作小説を「答えをハッキリとは言わない文章だったり結末だったりするので、読む人によって着目するところが違う。だから人の感想を聞くのが楽しい」と言う松井自身の感想は「簡単な言葉で言うと“めでたし、めでたし”です。小夜子役が決まって読んだというのもありますが、小夜子と(古川雄輝演じる)淳平の長い恋愛のお話なのかなって」と語る。ふたつの短編をミックスした脚本については「最初に読んだときはちょっと難しいと思ったのですが、それはつまり舞台を観る方にもそうだと思うので。そういう方々にも“楽しかった”“観てよかった”と思ってもらえるようにつくっていけたら」夫と離婚し娘と暮らしている女性、という初めて挑む役柄。「小夜子は思っていることをはっきりと口にせず、そこにある空気感を読み取ってほしいタイプなのかなと思います。それに“母親”というよりは“女性”なんだなということもすごく感じました。だけど娘がいるから1歩を踏み出せない。魅力的な人です」と印象を語る。大学時代からの友人である淳平との関係の変化は「なぜ今なのかというところにある心理はまだ見つけられていないのですが、そこは村上さんが読む人に委ねている部分なのではないかとも思うんです。この作品での答えは、稽古の中で見つけていけたらと思っています」公演は7月31日(水)から8月16日(金)まで東京・よみうり大手町ホールにて上演。取材・文中川實穗撮影川野結李歌スタイリスト佐藤英恵[DRAGON FRUIT]ヘアメイク白石久美子
2019年06月18日村上春樹の長編小説が原作の脚本を蜷川幸雄が演出するという、世界が認める日本の才能の“コラボレーション”によって2012年に初演され、以来世界各地で上演が重ねられてきた『海辺のカフカ』。今年2月のパリ公演も好評のうちに幕を閉じた作品の、およそ5年ぶりとなる東京公演が明日5月21日(火)、TBS赤坂ACTシアターにて開幕する。「世界で最もタフな15歳になる」と心に誓って東京の家を飛び出し、分身ともいえるカラス(柿澤勇人)に導かれて旅を始めた「僕」。田村カフカ(古畑新之)と名乗ることにした「僕」は、四国・高松の甲村記念図書館で、司書を務める大島(岡本健一)と管理をしている佐伯(寺島しのぶ)と巡り合う。一方、猫と会話ができる不思議な老人ナカタさん(木場勝己)もまた、何かに導かれるように東京から四国へ。カフカが長距離バスの中で出会う美容師さくら(木南晴夏)、ナカタさんと道中をともにするトラック運転手の星野(高橋努)、星野と高松で出会うポン引きのカーネル・サンダーズ(鳥山昌克)。重なるはずのない時間、出合うはずのない人々は、いつしかひとつの点を結びつつあった――。独特の春樹ワールドを、度肝を抜く視覚的な仕掛けと繊細な演技で描き出す舞台は、今回が“ラストステージ”とのこと。心して目に焼き付けたい。文:町田麻子
2019年05月20日阪神・淡路大震災からの再生を描いた、村上春樹の短編小説集が今夏、舞台『神の子どもたちはみな踊る after the quake』として上演される。舞台版では原作より『かえるくん、東京を救う』『蜂蜜パイ』の2編を取り上げ、ひとつの物語として編み直す。主演の古川雄輝は出演が決まり、初めて村上春樹の小説に触れたと話す。「シンプルで読みやすい反面、かえるくんて何?と、正直分からないことも多くて。じつは何かの比喩で、別に意味があるんじゃないかとか。読み手に考えさせる解釈の多さがハマる部分なのかなと思います」。「神の子どもたちはみな踊る after the quake」チケット情報信用金庫に勤める片桐(川口覚)は、見ず知らずの巨大な“かえるくん(木場勝己)”から突然、「一緒に闘ってほしい」と頼まれる。神戸の震災で眠りを妨げられたみみずくんが怒って東京に大地震を起こそうとしている、というのだ。しかし、片桐はその後病院のベッドで目覚めることになる。一方、小説家の淳平(古川雄輝)は大学時代の友人、小夜子(松井玲奈)に恋をしていた。小夜子とは彼女が共通の友人、高槻(川口覚・二役を演じる)と結婚、離婚を経て母となった今も友人関係が続いていた。原作では別々の短編だが、舞台版では“かえるくんの物語”は淳平が描いた小説という設定だ。「例えば小夜子を演じる松井玲奈さんが、片桐が目覚めた病院のナースとして登場したり、僕も淳平として物語を語りながら、気づけば小説の中の登場人物として存在している。出演者が出ずっぱりで色々な役を演じていく印象です」。淳平との共通点を尋ねると、「自分の思いを伝えるのが苦手。好意がある女性には何となくのニュアンスは伝えられても、ガツガツとはいけないですね」。一方、(古川が)理系という意味では淳平とは真逆とも。「理系は答えを求めるので、今回も演出の倉持さんにお会いするなり『この台詞はどういう意味ですか?』と正解を求めました(笑)」。舞台は役者として成長できる場と捉える。「今回も大変な現場になると思っています。でも苦手意識ばかりでは辛くなるので、“楽しむこと”をテーマに頑張りたい」。観客にも一期一会の舞台を見届けてほしいと話す。「テーマにある震災については、人によって感じ方もさまざまだと思っています。僕が何かを伝えるというよりは、それぞれに思いを持ち帰っていただければいいのかなと。淳平の告白できない様とかは、身近な物語としても楽しめると思います。原作とはひと味違う世界観を、ぜひ観に来ていただきたいなと思います」。公演は7月31日(水)から8月16日(金)まで東京・よみうり大手町ホール、8月21日(水)・22日(木)愛知・東海市芸術劇場 大ホール、8月31日(土)・9月1日(日)兵庫・神戸文化ホール大ホールにて。チケットは発売中。取材・文:石橋法子
2019年05月17日昨年、兵庫で大好評を博したリーディングシアター『レイモンド・カーヴァーの世界』が今年は兵庫と東京で上演される。昨年から続投の手塚とおる、新たに仲村トオル、矢崎広、平田満を迎え、公演日ごとに組み合わせを変えながら各回2名が出演。村上春樹が翻訳した、レイモンド・カーヴァーのシュールでミステリアスな短編を朗読する。「大先輩と同じ座組で大変光栄に思います」と恐縮する唯一の30代、矢崎広。どうしようもない男女のすれ違いや破綻を描いた作品群の中から、当日は『収集』『菓子袋』の2編を物語る。リーディング・シアター「レイモンド・カーヴァーの世界」チケット情報カーヴァーは80年代のアメリカ文学界にカルト的影響を与え、ピューリッツァー賞の候補にもなった作家であり詩人。『収集』は失業中の男と不在の妻を訪ねてきた見知らぬ男との何気ない会話を描写する。一方の『菓子袋』は離婚した父を成人した息子が訪ねたときの回想録だ。矢崎はレイモンド・カーヴァーの世界に初めて触れ、その“分からなさ”に早くも虜になったという。「これは原作者と訳された村上春樹さんおふたりのすごさだと思います。例えば『菓子袋』なら話している父親や聞いている息子の顔、菓子袋を持つ手の表情までが浮かんでくる。描写力のすごさが想像力を掻き立て、なぜ父はこのタイミングで息子にこの話をしたのか、とか。謎解きの要領で読んでいくと最後は迷路に迷いこむ。その感覚が面白いですね」。出演作は「血が騒ぐか否か」で見極めるという、デビュー15周年の矢崎広。近年はミュージカル『ジャージー・ボーイズ』、『ライムライト』など注目作への出演が続き、存在感を増している。「年々演じる役の大きさに追い付け追い越せという思い。同時に役が付くこと自体有り難いことなので。今の自分はどんな役でも“やってやるぞ!”という気持ちです」。今回も気合十分に挑むつもりだ。「本作への出演が決まると、知人から『やるんだってね。がんばってね。いや、社交辞令じゃなく本当にがんばってね!』と、少し怖くなるぐらいのテンションで激励を受けました(笑)。レイモンド・カーヴァーに思い入れの強い方が他にもたくさんいることを実感したので、その方たちの思いにも応えたいと思います」。カーヴァーは中高年の悲哀に敏感で、行間からその年代特有の悲しみや寂しさの余韻が溢れだす。演出の谷賢一いわく「人生に疲れたことのある聴き手の心にそっと寄り添う」リーディング公演となりそうだ。「読者に答えが委ねられるような作風でもあり、見終わった後に自問自答したり、隣席の方と語り合いたくなる。演劇が好きな方はもちろん、普段は興味がないという方も構えずにお越しいただければ、この楽しくも頭がむず痒くなるような世界から抜け出せなくなると思います」。公演は5月25日(土)・26日(日)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、5 月30日(木)から6月2日(日)まで東京・六本木トリコロールシアターにて上演。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2019年05月14日村上龍の小説をハリウッドで映画化、世界各国の映画祭を騒然とさせセンセーションを巻き起こした『ピアッシング』(原題:Piercing)が、6月に日本公開決定。併せて場面写真も到着した。主人公は自分の幼い娘をアイスピックで刺したいという衝動に駆られる男。彼はその衝動を抑えるため、SM嬢をホテルに呼び出して殺害する計画を立てる。しかし、計画は滑稽なほど思い通りにはいかない。ホテルにやってきた女は、いきなり自分自身を傷つけて倒れこんでしまう。これはリアルな悪夢なのか、シュールな現実なのか?刃を外に向ける者と内に向ける者は、磁石のプラスとマイナスのように交わり、やがて共鳴していくのだろうか…。本作は、愛する者にアイスピックを向ける衝撃的なシーンで幕を開け、ラスト1秒まで緊迫感が持続する、殺人衝動を持つ男と自殺願望を持つ女を描く衝撃のサイコスリラー。原作から強烈なインスピレーションを受けたのは、米インディーズ界の新鋭ニコラス・ペッシェ。デビュー作『The Eyes of My Mother』が2016年のサンダンス映画祭で絶賛され、ファンタスティック映画祭の5部門を受賞。『呪怨』のリブート版に取り組むなど、日本文化を敬愛する監督が、今回洗練されたスタイルで原作のテイストを映像化した。出演には、「GIRLS/ガールズ」『ファースト・マン』のクリストファー・アボットと、『アリス・イン・ワンダーランド』シリーズでアリス役を演じたミア・ワシコウスカ。端整な顔立ちと静かな表情の中に抑えきれない狂気を混在させた男と、些細なことで壊れてしまいそうな危うさと美しさと孤独を抱えた女。2人が繊細かつ圧倒的な演技で魅せる。2018年のサンダンス映画祭では再び衝撃に包まれ、熱狂的な評価が徐々に拡散。スイスのヌーシャテル国際ファンタスティック映画祭では国際批評家賞と未来イメージ賞の2部門に輝いたほか、世界各国で数多くの賞にノミネートされた話題作は、原作者の村上氏も大絶賛。また、劇中のインテリアに荒木経惟の写真を使い、和洋芸術の絶妙な親和性が作品に不思議な深みを与え、オリジナリティあふれる世界観を形作っている本作。到着した場面写真では、本作の世界観が少し覗くことができ、静かな怖さが感じられる。『ピアッシング』は6月28日(金)より新宿シネマカリテほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2019年03月28日村上春樹の傑作小説を原作に、蜷川幸雄が演出を手がけた舞台『海辺のカフカ』。世界に誇る最強タッグによって生まれた本作は、2012年に初演、2014年に再演を迎え、2015年には世界5都市を巡るツアーを敢行して大きな話題を呼んだ。今年実現した再々演は2月のパリ招聘公演からスタートし、現地の観客から熱い賞賛を獲得。この5月には東京で、“ラストステージ”と謳う凱旋公演が行われる。「僕にとっても、カンパニーの皆にとっても特別な作品」と語るのは、主人公の少年カフカの分身のような存在で、彼を見守り、助言を与える謎の少年カラス役の柿澤勇人だ。初演から同役を演じ続けてきた柿澤に、作品への思いを聞いた。【チケット情報はこちら】「再演と今回のパリ公演で、海外の5か国を回る経験ができました。蜷川さんがつねに“世界に目を向けろ”とおっしゃっていたことが、ある意味実現できたように思います」。初演時の取材で、蜷川が柿澤について「整然とした芝居をするから、尖ったガラスの上を転がしてやりたい」と楽しげに語っていたことを思い出した。その話を向けると「その通りですね」と苦笑いが返ってきた。「初演の稽古は地獄でしかなかったです。よく生きてたなってくらい叩きのめされて。でも僕に限らず、蜷川さんの舞台を経験した役者は、埼玉の稽古場のあの独特の匂いを嗅ぐと、ああ~嫌だな~って思い起こすことがあるんですよ(笑)。今回ご一緒している岡本健一さんも僕の比じゃないほどボコボコにされたそうです。辛くて辞めたいと思うのに、なぜか蜷川演出を経験した人たちは芝居を続けていますよね。演劇の魔力に惹きつけられるようにして…」“地獄”の余韻が拭えぬまま、再演時は「もし“柿澤、いつまで経ってもヘタクソだな”って言われたら降板するつもりで」稽古場に入ったという。ところが…。「褒めてもらうばかりで、逆に恥ずかしい気持ちになって(笑)。でも“成長したな”と言ってもらえて、ホッとしたのを覚えていますね。心も自由になり、試したいことにも挑めました」そして巨匠亡き後、再々演の機会が訪れた。岡本や寺島しのぶなど蜷川演出を十分に体感してきた新メンバーも加わり、まずはパリの地で上々の評価を得ることができた。「パリのお客さんは細かいところまでじっくりと見てくれている印象で、本当に芝居が好きなんだろうなと感じました。千秋楽では、この作品をこのカンパニーで、海外で公演できるのは最後だろうな…と思ったり、原作者の村上春樹さんもスタンディング・オベーションしている姿を見たら、胸に来るものがありましたね。でもまだ東京公演があるので、最後まできっちりとやり遂げたいと思います」少年カフカの成長物語は、俳優・柿澤勇人のステップアップにつねに寄り添ってきた物語でもある。「ターニングポイントになった作品。終わった時に何を思うのかな」。彼が表すカラスに込められたメタファー、その集大成を見届けたい。公演は5月21日(火)から6月9日(日)まで、東京・TBS赤坂ACTシアターにて。取材・文:上野紀子
2019年03月25日村上春樹の短編「納屋を焼く」を韓国の巨匠イ・チャンドン監督が映画化した『バーニング 劇場版』。カンヌ国際映画祭で大絶賛され、『万引き家族』や『ROMA/ローマ』とともにオバマ元大統領の“2018年のお気に入りリスト”の1本にも選ばれた本作では、その作品力を裏付ける、確かな演技力を持つ俳優陣にも注目が集まっている。■ユ・アイン、アジア人で唯一「2018年最高の俳優」に選出!本作で主人公ジョンスを演じるのは、世代きっての演技派俳優ユ・アイン。映画『ベテラン』での狂気の財閥御曹司役が印象的だが、本作ではそのイメージを一変、作家志望だが家庭に事情を抱えた田舎の素朴な青年を演じ、演技の幅の広さを見せつけている。持ち前の演技力の高さを評価されたアインは米紙ニューヨーク・タイムズにて「2018年最高の俳優」にアジア人で唯一選ばれ、まさに世界が大注目。■スティーブン・ユァン、全米批評家協会賞など多数受賞!一方、物語の鍵を握る謎の男ベンを演じるのは、ドラマ「ウォーキング・デッド」で世界的人気と知名度を誇るスティーブン・ユァン。劇中で“ギャツビーのようだ”と表現される裕福で都会的な男を、ミステリアスかつ色気たっぷりに演じ切り、LA映画批評家協会賞、全米批評家協会賞ほか各国の映画賞で助演男優賞を受賞し、賞レースを席巻。「ウォーキング・デッド」を去る際には異例の特別映像が制作されたほどの人気キャラクター、グレン役として知られるユァンは、本作で俳優としてのキャリアを鮮やかに塗り替え、今後のハリウッドでの活躍にも期待がかけられている。■「一緒に作品をつくっていく、さがしていく作業が楽しかった」同世代の俳優でありながら、別々の国で活躍してきたため、本作で初共演を果たした2人。共に仕事をした感想をユァンは「最高でした。ジョンスとベンが初めて出会うシーンがありますが、その撮影の時に僕は初めてアインさんに会いました。その時から4カ月を共にし、とても親しい友人になりました」とふり返ってコメント。また、アインは「ユァンさんとの共演はとても楽しかったですし、とても新鮮でした。独特な視点でキャラクター同士ぶつかって完成させていく映画なので、一緒に作品をつくっていく、さがしていく作業がとても楽しかったです」と、互いに交流を深めながら作品を作り上げたことを語っている。それぞれ、巨匠イ・チャンドンのもとで日本が誇る小説家・村上春樹作品のキャラクターを演じ、新たな一面を見せた2人の演技合戦に注目だ。『バーニング 劇場版』は2月1日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:バーニング 劇場版 2019年2月1日よりTOHO シネマズ シャンテほか全国にて公開©2018 PinehouseFilm Co., Ltd. All Rights Reserved
2019年01月26日アジアの巨匠監督たちが村上春樹の短編小説を映像化する特集ドラマ「バーニング」。その第1弾となる「納屋を焼く」が12月29日(土)にNHK総合でオンエアされる。NHKがアジアを代表する映画監督たちと村上氏の短編小説の映像化に挑戦する本プロジェクト。その第1弾に選ばれた作品は「新潮」1983年1月号に掲載され翌年短編集「螢・納屋を焼く・その他の短編」に収録された「納屋を焼く」。同作を1997年『グリーンフィッシュ』で映画監督デビューを飾ると、『オアシス』でヴェネチア国際映画祭銀獅子賞を、『ポエトリー アグネスの詩』ではカンヌ国際映画祭脚本賞を受賞するなど世界的に高い評価を受ける韓国映画の巨匠イ・チャンドン監督が、韓国を舞台にした謎が幾重にも広がるミステリー・ドラマにアレンジ。若者の将来に希望を持てない“無力さ”や、やり場のない“怒り”を持った3人の若者が織りなすストーリーが展開する。主演は韓国の人気俳優ユ・アイン、ドラマ『ウォーキング・デッド』で知られるスティーブン・ユアン、本作で大抜擢された新人・チョン・ジョンソ。今回の放送にあたり、ユ・アインの吹き替えを村上氏の代表作を映画化した『ノルウェイの森』にも出演、最近では『散り椿』や「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」などで個性的な演技を見せる柄本時生。スティーブン・ユアンの吹き替えは『月はどっちに出ている』『マークスの山』などの映画から「BG~身辺警護人~」などのドラマに「逆境無頼カイジ」シリーズでは声優も務めるなどマルチに活躍、最近では『こんな夜更けにバナナかよ愛しき実話』にも出演している萩原聖人。チョン・ジョンソの吹き替えは「不機嫌な果実」や先日まで放送された「結婚相手は抽選で」などの高梨臨がそれぞれ担当する。特集ドラマ「バーニング」第1弾「納屋を焼く」は12月29日(土)22時~NHK総合でオンエア。(笠緒)
2018年12月29日村上春樹の短編小説「納屋を焼く」が、イ・チャンドン監督により『バーニング 劇場版』として映画化される。来年2月に公開を控える本作の日本版予告編が解禁となった。■あらすじ小説家を目指しながら日々アルバイトに明け暮れる主人公・ジョンス(ユ・アイン)。ある日、幼なじみのヘミ(チョン・ジョンソ)から、アフリカで出会ったという謎の男・ベン(スティーヴン・ユアン)を紹介される。ベンに「僕は時々ビニールハウスを焼いています」と打ち明けたジョンスは、次第に不思議な出来事に巻き込まれはじめる。■村上春樹原作の衝撃作韓国を代表する映画監督、イ・チャンドンが8年ぶりにメガホンを取った本作。村上春樹の原作の設定はそのままに、ストーリーを大胆にアレンジし、映画オリジナルのストーリーを作り上げた。作品全体に張り巡らされた伏線と、見る人によって違う見解を呼び起こすであろう究極のミステリー作品として仕上がった。村上作品の映像化は過去にもいくつか話題となってきたが、外国人監督の映画化はこれが初めてである。主人公ジョンスを演じるのは、映画やドラマで活躍する期待の若手俳優、ユ・アイン。また謎の男・ベンを演じるのは、ドラマ『ウォーキング・デッド』に出演し日本でも人気の高いスティーヴン・ユアン。村上春樹独特の世界観を、イ・チャンドン監督はどのようなアプローチで映像化させたのか、期待が高まる。■ビニールハウスが燃え上がる予告編今回公開された予告編では、ジョンスが幼なじみのヘミと再会する場面から始まる。突然現れた謎の男、燃え上がるビニールハウス、幼なじみの失踪…物語はどこへ向かっていくのか、衝撃のラストを予感させるものとなっている。また、予告編の最後にジョンスが語る「僕には世の中のすべてが謎です」というセリフには、一体どんな意味が込められているのか。『バーニング 劇場版』は2019年2月1日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2018年11月26日様々な分野の第一線で活躍する人物に迫るドキュメンタリー「情熱大陸」の11月25日(日)オンエア回は、俳優の村上虹郎に密着。“サラブレット”として輝きを超え、いまひとりの俳優として強い存在感を放ち出した期待の俳優の知られざる素顔とは!?1997年、俳優の父・村上淳とミュージシャンの母・UAの間に生まれた村上さん。東京に生まれ神奈川県のシュタイナー学園で学び、沖縄暮らしを経てカナダ留学。その留学中に河瀬直美監督の『2つ目の窓』で俳優デビューを飾ると同作でカンヌ国際映画祭デビューを果たし、第29回高崎映画祭・最優秀新人男優賞を受賞。その後2016年夏クールのドラマ「仰げば尊し」では不良グループのリーダー格を演じ新田真剣佑、北村匠海、太賀、佐野岳らと共演、多くの視聴者に感動を巻き起こし、2017年には映画『武曲 MUKOKU』で第41回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞。この夏に放送された「この世界の片隅に」では戦火に翻弄される青年を熱演、来年には映画『チワワちゃん』、舞台「ハムレット」も控えるなど、いま期待の若手俳優だ。村上さんは自身の生まれや育ちについて「親の七光りですか?僕、虹郎っていうくらいなので俳優として七色以上に光りたいです」と明るく答える。母・UAさんの持つ独特でエキゾチックな雰囲気と、父・淳さんの端正な顔立ちを受け継いで若手俳優の中でも群を抜いた存在感を放つ村上さんは、その強い存在感ゆえにとかく「そのままの自分」を求められることが多いのだとか。“自分”を保ったまま“役”という別人格になるというというのは容易ではないが「フィクションを作っているから本当は自分を曲げないといけない。本来、フィクションは全部曲げているって思うんです。でも、だからこそ僕は特に、一番“自分の真ん中”にいなきゃいけないと思う」と語る村上さん。彼にとって演技することや表現することとは何か?若手実力派俳優の知られざる素顔をカメラが追う。村上さんが主演、父・淳さんとの共演も話題となっている映画『銃』は現在公開中。原作は芥川賞作家・中村文則のデビュー作で、同作を数々の伝説的作品を生み出してきた奥山和由がプロデュース、『百円の恋』『嘘八百』の武正晴監督がメガホンをとり映画化。村上さんが拳銃を拾ったことで、その銃に支配され狂気に駆られていく主人公の大学生・西川トオルを演じ、トオルの大学の友人・ヨシカワユウコに広瀬アリス、トオルのもとを訪れる刑事にリリー・フランキー、そのほか日南響子、新垣里沙、岡山天音ら個性派俳優が揃った。「情熱大陸」は11月25日(日)23時~TBS系で放送。(笠緒)
2018年11月25日アイドル離れした抜群のトーク力で人気を集める関ジャニ∞の村上信五(36)。その能力が“ある議論”を呼んでいるという。舞台となったのは11月9日放送の『ミュージックステーション(以下Mステ)』(テレビ朝日系)。乃木坂46や桐谷健太(38)といった豪華メンバーが顔を揃えるなか、この日の目玉は椎名林檎(39)とエレファントカシマシ・宮本浩次(52)による“夢の共演”だった。『NEWS ZERO』(日本テレビ系)のエンディングテーマとしてもおなじみのコラボ楽曲「獣ゆく細道」をテレビ初披露ということもあって、放送前から大きな注目を集めていた。そんななか、出番前のトークコーナーで事件は起きた。司会のタモリ(73)が「どこでそういう話になったの?」とコラボの経緯を尋ねると、少ししどろもどろになる宮本。すると、宮本の真後ろに座っていた村上がすかさず「宮本さん!どこでかを言ってください!」と勢いよくツッコんだのだ。さらに、椎名からのオファーが17年の紅白歌合戦出演時にあったことを明かし「『来年宮本さんどうされてますの?』と林檎さんから聞かれたんです。あ、来年って要するに18年のことなんですけど」と天然トークが炸裂。それに対し「みんなわかってますって!」と村上がまたもやツッコみ、スタジオが笑いで包まれる一幕も。村上が見せた名ツッコミを、関ジャニとエレカシ両ファンも《場を盛り上げようとした村上くんさすがのMCスキル!》《宮本さんのことフォローしてくれてありがとう!》と高く評価していた。しかし、そんな村上に一部エレカシファンが激怒。《MCうまいのはわかるけど、宮本が喋ってる時にしゃしゃりでないでほしい》《村上くんさすがにちょっとうるさい!》と村上が宮本の会話を遮ったと捉えたファンも少なからず登場。ネット上で議論になっていたのだ。「たしかに宮本さんが村上さんに『ちょっとあんた黙んなさい』と言った瞬間は、私も『大丈夫かな?』と思いました。エレカシファンからすると村上さんがしゃしゃり出たように見えるのも仕方ありません。ですが、宮本さんのトークはかなり独特でコントロールするのが難しいのも事実。放送ではタモリさんも少し困っているように見えました。そこで別の音楽番組で共演経験もある村上さんが助け舟を出したのだと思います。実際、去り際に宮本さんが村上さんに向かって『ありがとう』と声をかけていましたが、フォローを感謝してのことなのでしょう」(レコード会社関係者)
2018年11月13日作家の村上春樹氏がラジオDJを務める、『村上RADIO』の第3弾が「村上式クリスマス・ソング」をテーマに、12月16日(TOKYO FM/19:00~ ※各局放送時間が異なる)に放送される。第3弾の放送は、 平成最後のクリスマス目前の12月16日であることから、「クリスマスソング特集」がテーマとなり、村上氏自身が選曲を担当する。村上氏は「クリスマスだからって、 とくに楽しいことなんて何もないよ、 とおっしゃる方もたくさんおられると思います。 それから『クリスマスだからクリスマス音楽をかけるっていうのは、 あまりにも月並みじゃないか』とクールに構えている方もきっとおられることでしょう。 ほんとにそのとおりですね。 僕もそう思います。 この季節になると、 明けても暮れてもクリスマス・ソング…疲れちゃいますよね」としつつも、「でもそういうときこそ、 あまり月並みとはいえない、 クールなクリスマス・ソングをしっかりまとめて聴こうではありませんか」と呼びかける。さらに「だいたいクリスマスにクリスマス・ソングを聴かずして、 いったいいつ聴くんですか?うちにある、 僕の気に入ったクリスマス・ソングを、 ここでまとめて『冬の虫干し』します。 どうかご期待下さい」とコメントした。
2018年11月13日俳優の村上虹郎とモデルで女優のSUMIREが、「ベイクルーズグループ」創業40周年を記念した企業CMで共演。CM楽曲は、村上さんの母・UAの曲を、SUMIREさんの父・浅野忠信がボーカルを務めるバンド「SODA!」がカバーしていることが分かった。アパレルの枠を超え、カフェなどの飲食事業や、家具やインテリア事業などライフスタイルに関わる幅広い事業を展開している「ベイクルーズグループ」。今回初めてとなるTVCM「Not Smart, But Creative.」では、相反する2つの価値観や強い意志が、ぶつかり合い、混ざり合い、1つに溶け合うことで新たな価値が生まれる、というコンセプトを村上さんとSUMIREさんが表現した。村上さんといえば、先日の東京国際映画祭にて期待の若手俳優に贈られる「東京ジェムストーン賞」に選ばれたばかり。「日本映画スプラッシュ」部門にて上映された最新作『銃』(11月17日公開)は、武正晴監督が同部門・監督賞を受賞した。また、「装苑」専属モデルであるSUMIREさんは、映画デビュー作『サラバ静寂』、行定勲監督作『リバーズ・エッジ』に続き、2019年2月には「BABEL LABEL」の藤井道人・山田久人プロデュースによるオムニバス映画『LAPSE』の公開を控えるなど、女優としても活躍の場を広げている。音楽は、村上さんの母として知られるシンガーソングライター・UAさんの楽曲「太陽手に月は心の両手に」を、SUMIREさんの父・浅野さんのバンド「SODA!(そーだ!)」が今回のために特別にカバー。“2つの要素が混ざり合って、新たな価値が生まれる”というストーリーを深め、時代を築き上げてきた“親世代”と、これからの時代を担っていく若き2人のコラボレーションが実現した。監督を務めたのは、人気アーティストのミュージックビデオをはじめ、世界的大企業のコマーシャル、ドラマや短編映画などのディレクションを行い、人間のリアルを捉えることで名高い山田智和。最近では「MTV VMAJ2018」年間最優秀ビデオ賞を受賞した米津玄師のMV「Lemon」を手掛けている。■談笑から一転、役に入り込む切り替えの早さを披露今回のCM制作にあたり、撮影中の村上さん、SUMIREさんの「Not Smart, But Creative.」な様子も到着。2人は直前まで談笑をしているのにもかかわらず、撮影がスタートした瞬間に、役に入り込み、役者としての切り替えの早さを披露。メイキング中の村上さん、SUMIREさんの言葉からは、彼らがこだわって、悩んで、がむしゃらに生きている様子が伝わってくるかのよう。撮影自体も海の中に飛び込むなど、一切の妥協をゆるさないハードな内容ではあったが、村上さん、SUMIREさんは終始、真摯に取り組んでいた。「服は好きですか?」の問いに、SUMIREさんは「好きです。必需品というか、今はつけてないですが、普段はピアスをずっとしていて、どんなジャンルのスタイルの服を着ててもアクセサリーは付けているのでそれらは欠かせない」とコメント。一方、村上さんは「ぱっと見たときにほとんど顔以外服じゃないですか。そうなってくるとその人の、もしかしたら9割くらいの印象を決めるのは服ですよね。だからそこにもちろん無頓着なときもあれば、でもやっぱり服の美意識みたいなものはあるかもしれませんね」と持論を語っていた。BAYCREW’S 40周年企業CM「Not Smart, But Creative.」は11月7日(水)よりオンエア。(text:cinemacafe.net)
2018年11月07日人気作家・村上春樹の珠玉の短編作品を、吉田羊主演で映画化した『ハナレイ・ベイ』。公開を間近に控えたいま、シネマカフェでは本作で特に注目して欲しいプロサーファー・佐藤魁(さとうがい)をご紹介!日本のみならず、世界中で愛されている作家・村上春樹。本作は、2005年に発表され、単行・文庫本の累計が70万部を超えるベストセラーとなっている村上氏の「東京奇譚集」(新潮文庫刊)の一篇を映画化。物語の主人公は、ハワイのハナレイ・ベイで一人息子・タカシ(佐野玲於)をサーフィン中の事故で亡くしたサチ(吉田さん)。彼女は、偶然出会った2人の若い日本人サーファーから“片脚の日本人サーファー”の存在を聞き、自らの人生を変える一歩を踏み出す…という美しき湾“ハナレイ・ベイ”で紡がれる感動の人間ドラマだ。主演の吉田さんをはじめ、「GENERATIONS from EXILE TRIBE」佐野玲於、村上虹郎と、いま映画やドラマで活躍中のキャストたちが登場する本作だが、今回注目したいのは、本作が映画初出演となった佐藤魁。佐藤さんは、JPSA(日本プロサーフィン連盟)公認のプロのサーファーで、東京オリンピックの強化指定選手にも選ばれている人物。また、「TERRACE HOUSE ALOHA STATE(アロハステート)」にも出演し、優しげなルックスと天然でおっとりとした性格で一躍人気者になった。そんな本作での彼の役柄は、日本人サーファー・三宅。村上さん演じる高橋の友人で、2人でハナレイ・ベイを訪れサチと出会うというキャラクターだ。しかしなぜ、芝居経験の無い佐藤さんを本作に抜擢したのか――?その理由は、「作品の中で本物のサーフィンを見せたい」という松永大司監督のリアルを追求した選択だったのだという。劇中ではその実力を発揮しており、おっとりした口調とのギャップも魅力的。また、村上さんとのコンビネーションも抜群で、自由に芝居する自然体の佐藤さんの姿を見ることができる。2年後の東京オリンピックを盛り上げる若手ホープ、佐藤魁。本作を鑑賞の際は、今後、さらに注目が集まるであろう彼の出演シーンも見逃さないでいて。『ハナレイ・ベイ』は10月19日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ハナレイ・ベイ 2018年10月19日より全国にて公開©2018 『ハナレイ・ベイ』製作委員会
2018年10月13日国内映画賞のトップバッターとして注目を集める「第10回TAMA映画賞」の受賞作品と受賞者が決定。是枝裕和監督の『万引き家族』と濱口竜介監督の『寝ても覚めても』という、今年のカンヌ国際映画祭コンペ部門に出品された2作が「最優秀作品賞」に輝き、前者に出演した安藤サクラと松岡茉優が「最優秀女優賞」を受賞した。毎年、晩秋に国内映画賞で最初に発表される「TAMA映画賞」は、多摩市及び近郊の市民からなる実行委員が「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる“いきのいい”作品・監督・俳優」を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰したもの。本年度最も活力溢れる作品の監督及びスタッフ・キャストに対して贈られる「最優秀作品賞」を受賞したカンヌ・パルムドール受賞作『万引き家族』には、受賞理由として「家族という集合体がどのような結びつきなのか、観客に問いかけ、胸に迫る」、『寝ても覚めても』には「人は人のどこに惹かれ、愛する気持ちが生まれるのか。理性の影に潜む愛の奥深さを炙り出し、観客に味わわせた」とのコメントが寄せられた。また、「めくるめく仕掛けによる映画の楽しさと手作り感溢れる疾走感が観客に感染」して大ヒット中の『カメラを止めるな!』、そして、先日逝去した樹木希林さんが山崎努と夫婦役を演じ、「ほっこりとした感動をもたらしてくれた」『モリのいる場所』が「特別賞」に。「最優秀男優賞」には、「二役を演じた『寝ても覚めても』をはじめ、静から動まで役柄を幅広く演じ、躍動的でありながら温もりをも感じさせた」として東出昌大、『娼年』から『孤狼の血』まで「作品ごとにまったく異なる境遇に生きる若者の姿をほとばしる情熱で息衝かせた」として松坂桃李が選出。「最優秀女優賞を受賞」した安藤サクラは、『万引き家族』での演技により「これまで生きてきた時間が体温ごと伝わってくるよう」と評され、「観終わった後の観客の心に確かな実在感を残した」として、また同作にも出演し、『勝手にふるえてろ』で映画初主演を務めた松岡茉優は「こじらせ型のヒロインに血を通わせ、強いシンパシーと共に観客の心をふるわせるバイタリティに圧倒させられた」ことから受賞となった。その年の“ブレイク俳優”ともいえる「最優秀新進男優賞」には、『モリのいる場所』『サラバ静寂』などの吉村界人と、『リバーズ・エッジ』『猫は抱くもの』『銀魂2掟は破るためにこそある』『ママレード・ボーイ』など数々の多彩な作品で印象を残した吉沢亮。吉沢さんは「心の奥に闇を抱えた役から相手を包み込む優しさをもつ役まで幅広く演じ、その奥深い眼差しは観る者を虜にした」と評された。同じく「最優秀新進女優賞」には『パンとバスと2度目のハツコイ』(今泉力哉監督)に主演した元「乃木坂46」の深川麻衣、同作や『榎田貿易堂』に出演した伊藤沙莉が選ばれている。■受賞者一覧最優秀作品賞『万引き家族』(是枝裕和監督、及びスタッフ・キャスト一同)『寝ても覚めても』(濱口竜介監督、及びスタッフ・キャスト一同)特別賞沖田修一監督、及び山崎努・樹木希林はじめスタッフ・キャスト一同(『モリのいる場所』)上田慎一郎監督、及びスタッフ・キャスト一同(『カメラを止めるな!』)最優秀男優賞東出昌大(『寝ても覚めても』『菊とギロチン』『パンク侍、斬られて候』『OVER DRIVE』『予兆 散歩する侵略者 劇場版』)松坂桃李(『孤狼の血』『娼年』『不能犯』『彼女がその名を知らない鳥たち』)最優秀女優賞安藤サクラ(『万引き家族』『DESTINY 鎌倉ものがたり』)松岡茉優(『勝手にふるえてろ』『万引き家族』『ちはやふる -結び-』『blank13』)最優秀新進監督賞今泉力哉監督(『パンとバスと2度目のハツコイ』)三宅唱監督(『きみの鳥はうたえる』)最優秀新進男優賞吉村界人(『モリのいる場所』『悪魔』『サラバ静寂』『ビジランテ』)吉沢亮(『リバーズ・エッジ』『猫は抱くもの』『銀魂2掟は破るためにこそある』『ママレード・ボーイ』『悪と仮面のルール』『レオン』『斉木楠雄のΨ難』)最優秀新進女優賞深川麻衣(『パンとバスと2度目のハツコイ』)伊藤沙莉(『榎田貿易堂』『パンとバスの2度目のハツコイ』『寝ても覚めても』『blank13』)「第10回TAMA映画賞」授賞式は11月18日(土)、パルテノン多摩大ホールにて開催。受賞作品を上映する「第27回映画祭TAMA CINEMA FORUM」は11月17日(土)~11月25日(日)、都多摩市内の3会場4スクリーンにて開催。※11月19日(月)は休映(text:cinemacafe.net)■関連作品:寝ても覚めても 2018年9月1日よりテアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネパレスほか全国にて公開©2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会 / COMME DES CINÉMAS万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.モリのいる場所 2018年5月19日よりシネスイッチ銀座、ユーロスペース、 シネ・リーブル池袋、イオンシネマほか全国にて公開© 2017「モリのいる場所」製作委員会カメラを止めるな! 2018年6月23日より全国にて公開©ENBUゼミナール
2018年10月04日『親密さ』『ハッピーアワー』の濱口竜介監督の最新作『寝ても覚めても』が公開されている。本作は同じ顔を持つふたりの男性の間を揺れ動く女性・朝子を主人公にした作品で、劇中には観客が衝撃を受ける展開や、アッと驚く決断が描かれるが、監督はそこで描かれるドラマを「驚くと同時に深く納得する」ものだという。観客は朝子のドラマをどのように受け止めるのだろうか? 濱口監督と朝子を演じた唐田えりかに話を聞いた。大阪で暮らす女性・朝子はある日、麦に出会い、瞬く間に恋に落ちる。彼女は麦とずっと一緒にいることを願うが、ある日、麦は忽然と姿を消してしまう。2年後、朝子は東京にある小さな喫茶店で働いていた。そこで彼女は店の向かいにあるオフィスにデリバリーのコーヒーポットを回収しに行き、麦とまったく同じ顔の男性・亮平に出会う。ふたりの顔があまりにも似ていることに朝子は激しく動揺するが、朝子と亮平は少しずつ距離を縮めていき、ふたりは恋人になる。時が流れ、朝子は亮平と穏かな日々を過ごしていたが、ある日、彼女は麦の行方を知ってしまう。東京藝術大学在学中に発表した『PASSION』で注目を集め、以降、様々な作品を手がけてきた濱口監督は、オリジナルではなく、柴崎友香の同名小説の映画化で商業映画デビューすることになった。「プロデューサーの方と2014年ぐらいから何か映画をやりましょうという話になって、やりたい原作はありますか? と言われたときに僕が出したのがこの小説だったんです。最初に読んだ時から“これは映画になるな”とは思っていたんですけど、当時は自分が映画化したいと思ってもできる状況ではなかったですし、“これは映画化できるな”という印象だけはありました。これは本当にラッキーしかないというか(笑)、これまでは自分で脚本を書きながら考えるしかなかったわけですけど、今回は原作の構造を脚本にしていけば、これまで自分が四苦八苦してきたことをやらなくて済む原作だった。だから、原作と少し変えた部分もありますけど、基本は原作をちゃんと映画化して、そこに説得力をもたせることができるかが大事でした」見た目はまったく同じだけど、タイプはまったく違うふたりの男性に出会う朝子の心は揺れ動き、突然の出来事に翻弄され、想像もしなかった決断をして突き進んでいく。映画化するにあたり、朝子を誰が演じるのか? オーディションが行なわれ、濱口監督は本作が本格的な映画デビューになる唐田えりかを選んだ。「出来すぎた話ですけど、オーディションで“彼女しかいない”って思ったんですよね」一方の唐田も朝子のキャラクターをすんなりと受け入れることができたという。「最初に脚本を読んだ時からすごく感情移入できましたし、朝子がとる行動に対して疑問も感じなかったんです。私も直感で動いてしまうというか、ウソがつけないタイプだし、今という瞬間を大事に生きてきたので、演じていても“朝子は何でこんなことするの?”という場面がまったくありませんでした」それでも唐田は演技の経験が多いわけではない。だからこそ、麦と亮平を演じた「東出(昌大)さんの存在は本当に大きかった」と振り返る。「東出さんは麦の場面と、亮平の場面ではまったく違う感じで、私の感情も違ってくるんですよ。監督から“相手のお芝居をちゃんと見て聞いてください”って言われてたんですけど、東出さんをはじめ、共演者のみなさんのお芝居をちゃんと見ていたら感情が自然と出てきましたし、みなさんに助けていただいたおかげで、あの場所にいることができたという気持ちが大きいです」(唐田)、「演技というのは、相互作用で出来ているはずだから、唐田さんは本当に素晴らしいと思って見てましたけど、それは東出さんのおかげであるとずっと思ってました。お互いが与え合って、返し合っていた気がしますし、今回の映画は常に役者さんたちが先を走っていって、それを追いかけていく感覚がずっとありました」(濱口監督)撮影の裏側は彼女が語った通りだが、物語の世界では朝子の周囲の人間が、彼女のとる行動や選択によって大きな影響を受ける。これから映画を観る人も多いため、詳しくは語れないが、劇中で朝子がとる“選択”に衝撃を受ける人がいるかもしれない。しかし、ここで描かれる行動は決して不可思議だったり、突飛なことではなく、誰もがとり得る選択だ。「小説を読んでいるときも、“まさかそう来るのか!”と思いながら、すぐに“でも朝子はそういう人だよな”って。それは、驚くと同時に深く納得する体験なんですよ」(濱口監督)、「この選択は事前に何かがあって決まったことではなくて、“その瞬間にすべてが決まってしまった”という感覚なんだと思います」(唐田)平凡な出来事の繰り返しだと思っていた私たちの日常には突然、想像もしなかったことが起こる。想像もしなかったような選択をする。そこには予兆も準備もない。それは突然やってきて、私たちの日常を変えてしまう。いや、そもそも日常とはそういうものかもしれない。それは恐怖なのか? それとも希望なのか? 唐田は「もちろん恐怖もあるかもしれないですけど、私は“希望”だと思います」と笑顔を見せる。「自分のことを押し殺したくないし、自分に正直でいたいと思っています。直感で動いた結果、人を傷つけてしまうことが仮にあったとしても、それがあってこその“今”だし、すべてがつながっているわけだから後悔はないだろうし、それを信じてやっていきたいと思います」濱口監督も「人間はいつも最良だと思った選択しかできないと思う」と語る。「現実認識としては、どれだけ幸福であっても、何が起きるかわからないし、すべてがひっくりかえることはあると思っています。でも昔、大学の先輩に“選んだことがいいことになる”って言われて、まったくそうだなって思ったんですよ。人間はいつも自分なりにその時のすべてを勘定に入れて何かを選ぶわけで、それがどんな結果になろうと、やはりそれが最良の選択なんですよね。だから、自分で選択をする限り常に、待っている結果はあり得る最良のものだと思いますし、それを“希望”と呼ぶのかはわからないですけど、基本的に僕は“人生はいい方向にしか進まない”と思っています」『寝ても覚めても』公開中(C)2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会
2018年09月05日作家の村上春樹氏がラジオDJを務める、『村上RADIO』の第2弾と第3弾が放送されることが決定した。第2弾は『村上RADIO~秋の夜長は村上ソングズで~』というタイトルで、10月21日(TOKYO FM/19:00~ ※各局放送時間が異なる)に放送される。8月5日に第1弾が放送され、反響が多かったことから今回の放送が決定。『村上RADIO~秋の夜長は村上ソングズで~』では、「秋の夜長は村上ソングズで」をテーマに自ら選曲を担当する。また番組では、9月9日まで「村上さん、素朴な質問なんですが…」ではじまる「素朴な質問」も募集中。前回同様に、村上氏が選んだ質問を番組内で紹介しながら答えていく。村上氏は「1回目の放送が思いのほか好評で、是非もっと続けてほしいという要望がたくさん寄せられました。ありがとうございます。僕もなかなか楽しかったので、とりあえず2回目をやろうということになりました」と今回の経緯を明かす。また、「今回はとくにこれというテーマはありません。秋の夜長を、村上の選んだ曲で楽しく過ごしてください……というのがテーマです」と言い、「うちから持ってきたレコードやCDをかけます。他の番組ではなかなか(ほとんど)かからない素敵な曲をどんどんかけちゃおうというのが、僕の選曲の基本的ポリシーであります」と語った。そして「それからいろいろとお話ししなくてはならないこともあります。といっても、なにも深刻な話じゃありません。どちらかといえば、どうでもいいような話です。どうか気楽に耳を傾けてください。お楽しみに」と呼びかけていた。
2018年09月03日「関ジャニ∞」村上信五が、「FNS27時間テレビ ~にほん人は何を食べてきたのか?~」内にて放送される国民的アニメ「サザエさん」に出演することが決定。今回“本人役”で出演となる村上さんは、アフレコを終え「手応えしかないですね、笑」と自信を見せている。今年の「FNS27時間テレビ」は、総合司会・ビートたけし、キャプテン・村上信五を迎え、楽しくも奥深い“にほんの食”にたっぷり向き合う。来年50周年を迎える「サザエさん」。今回番組内で放送されるのは、「わが家のみそ汁紀行」「姉さんと花沢さん」「ボクたち起こし隊」の3エピソード。村上さんが登場するのは、その中のひとつ「わが家のみそ汁紀行」。日本の伝統食品“味噌”に詳しい関西弁の青年・村上信五役で、磯野家メンバーとの会話を通して味噌のおいしさや効用を伝えるのだという。アフレコに挑戦した村上さんは、「自分の役をやるというのは不思議な感覚でしたが、アフレコは“楽しい”しかなかったです。素晴らしいストーリーに、自分でも驚くほど溶け込めたなと」と自信満々の感想。また画になった自身を見て、「新鮮でしたね!ディテールの部分までこだわって下さって、よく見ていただいているなと。磯野家の食卓まで一緒に囲ませていただいて、初めてとは思えないなじみ方でしたね」と喜び、「この話を見ていただければ“みそ汁”が飲みたくなる、そんな内容になっていると思います。時間帯的にもこの話をきっかけに夕食にもう1品“みそ汁”を足していただけたらうれしいです。ぜひご家族で楽しんでご覧ください」とメッセージを寄せている。◆「わが家のみそ汁紀行」ストーリー朝、マスオが財布を無くしたと騒いでいる。どうやら昨夜、波平と飲みに行ったとき落としたらしい。マスオと波平は泥酔していて、どこで落としたのか記憶がない。そんなとき、村上という青年がマスオの財布を届けに来る。マスオがどこで拾ったのか聞くが、村上は磯野家の朝食のみそ汁のいい匂いのほうが気になってしまい――。「FNS27時間テレビ ~にほん人は何を食べてきたのか?~」は9月8日(土)18時30分~フジテレビにて放送。※「サザエさん」は9日(日)18時30分~(cinemacafe.net)■関連作品:リズと青い鳥 2018年4月21日より全国にて公開© 武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
2018年09月02日東出昌大(30)主演映画「寝ても覚めても」が話題だ。濱口竜介監督(39)の作品で、今年5月に行われた「第71回カンヌ国際映画祭」のコンペティション部門に選出されている。東出演じる2人の同じ顔をした男と、その間で揺れる女性の物語。各スポーツ紙によると、8月22日に行われた舞台挨拶で東出は「僕は問題作だと思っている」と表現。「でも僕はこの問題作が大好き」と語っていたという。「東出さんは今回の作品で、顔がうり二つの青年を“一人二役”でこなします。1人は奔放で謎めいた青年・麦で、もう1人は誠実なサラリーマン・亮平。パッと見ではどちらがどちらか判断しかねる難役ですが、共演者からはその切り替えぶりが大絶賛されています。好青年のイメージの強い東出さんですが、意外にも麦役の不思議めいたオーラがハマり役だったとも。あまりの凄みに監督も圧倒されたほどだったそうです」(映画関係者)同作で初めてカンヌのレッドカーペットを歩いた東出。俳優にとって憧れの場所を訪れたことで、ある思いが芽生えてきたという。「カンヌ映画祭に参加したことは、東出さんにとっても刺激になったといいます。カンヌでは一流のフォーマルな格好で参加するのが必須。東出さんはその異様な賑わいやキラメキに感動し、『いつかまたカンヌに!』と考えているそうです」(前出・映画関係者)再びのレッドカーペットに期待したい!
2018年08月23日9月8日(土)から9日(日)にかけて放送される「FNS27時間テレビ ~にほん人は何を食べてきたのか?~」の番組「旅する落語」に「関ジャニ∞」の村上信五が登場。千原ジュニアとビートたけしの前で、初の落語に挑戦することが分かった。「旅する落語」は、自身の舞台でも落語を披露する腕前の千原さんとぶらり旅をして、そこであつめたネタを、後日自分の落語に仕上げて、スタジオで披露するという番組だ。「FNS27時間テレビ」で放送する今回は、噺家ゲストに村上さんが登場し、テーマである「食」になぞらえて、平安時代に親しまれていた「蘇(そ)」というチーズのもとになった食材を体験するところから旅はスタート。東京・大泉学園の町を千原さんと2人で歩く。実は大泉学園に通ったことがある村上さんはこまめにメモを取るなどし、ジュニアさんに「やりよった!ガリ勉出たでー」といじられつつも真面目にネタ探しにいそしんだそう。道中では、ドラマの撮影中だった村上さんの大物先輩にばったり会うなどうれしいハプニングも。そんな2人をロケの3週間半後にスタジオで待っていたのは、総合司会のたけしさん。村上さんにとって自分で落語を作るのも、テレビで披露するのももちろん初めてのことで、スタジオにはなんともいえない緊張感が走る。村上さんは、大泉学園で出会った人たちの関係性をベースに架空の人物でストーリーを展開し、ところどころに町で見つけたトピックスを盛り込んだ落語を披露する。先日行われた「FNS27時間テレビ」の記者会見で、村上さんは「スタジオ収録の時に、“ビート”が客席から聞いているわけですよ!一生に一回しかない緊張感でした。動いていないのに汗びっちょりで。どんな顔していたのかオンエアで見たくないです」とたけしさんの前で落語を披露した心境を語った。千原さんもたけしさんの前で落語を披露するのは「ペレの前でリフティングをするようなもの!」と、いまなお緊張を隠せない様子だった。果たして村上さんの初落語はたけしさんにどのように映ったのか?気になる内容は番組放送で。「旅する落語」は9月8日(土)18:30~の「FNS27時間テレビ ~にほん人は何を食べてきたのか?~」内にて放送。(text:cinemacafe.net)
2018年08月22日村上虹郎(21)が8月10日放送の「A-Studio」(TBS系)に出演。母であるUA(46)からの深すぎる愛について明かした。俳優デビューが決まった当時、カナダに住んでいた村上。村上を日本へ送り出す際、空港でUAは心配のあまり泣きながら説教したという。UAの思いが次々と溢れた結果、予約していた飛行機に乗り遅れるというハプニングも。さらに村上は「親子じゃなかったら結婚してるのに」とUAから言われたとも明かした。「村上さんのデビュー作『2つ目の窓』を手がけたのはカンヌ国際映画祭の常連・河瀬直美監督(49)。それまで演技経験のなかった村上さんですが、河瀬監督は主演に大抜擢。村上さんの唯一無二の存在感を大絶賛しています」(映画関係者)様々な人々を魅了してやまない村上は、今年に入ってからもウェス・アンダーソン監督(49)の「犬ヶ島」や現在放送中のドラマ「この世界の片隅に」(TBS系)といった話題作に出演。評価は右肩上がりだ。小泉今日子(52)も村上に魅了されたうちの1人。小泉は16年12月の舞台「シブヤから遠く離れて」にちなんだ本誌のインタビューで、共演者である村上について「すてきな声」と絶賛。またその魅力について、役柄も踏まえてこう語っている「ベテランの人たちの中で、ちゃんとそこに立つ男らしさや男気のようなものを感じますし、すごくまじめなんじゃないかな。いろいろなことを考えてその場に立っているというか。思春期の少年が持っている揺れや、実在感のない、触ろうとしたら透けてしまうような危うさを持つナオヤという役を、一生懸命表現しようとしている姿がすてきです」これからも魅了してほしい!
2018年08月13日村上春樹が翻訳して日本に送り出し、今でもカルト的人気を誇る作家・レイモンド・カーヴァーの短編小説が、リーディング公演『レイモンド・カーヴァーの世界』として9月1日(土)、2日(日)に兵庫県立芸術文化センターで上演される。日によって朗読作品と俳優が異なる本公演で、1日に出演する水夏希に話を聞いた。「レイモンド・カーヴァーの世界」チケット情報シンプルで乾いた大地のような力強い文体が特徴のカーヴァーは短編小説の名手として知られ、今年で没後30年を迎える。「私は初めて読んだのですが、描写がワンクッションあってストレートじゃない。文体も変わっていて何回も読み直しました」と話す。水が朗読するのは『足もとに流れる深い川』という短編。アメリカで平凡な生活を送る主婦のクレアは、夫のスチュアートが、ある死体遺棄事件に遭遇したことを知る。そこで取ったスチュアートや友人たちの奇異な行動は、夫婦間に大きな溝を作り出す。「作品の背景は、男性が絶対的な存在で、女性の地位が低かった時代。例えるなら、スチュアートは『欲望という名の電車』に出てくるスタンリーで、田舎のマッチョな労働者というイメージです。クレアは子どももいて家族を大事にするあまり、彼には何も言えない。でも彼のしたことは、彼女にとってどれだけ衝撃的だったか。私だったらはっきり言うんですが(笑)、『言いたいけど、これ言ったら関係が壊れちゃうかな』というクレアの気持ちは分かりますね」。物語が淡々と進み、これといったオチがないのもカーヴァー作品の特徴だ。水も「えっ、これで終わり?と驚きました」と笑う。しかし、読後にはザラリとした感覚が残り、頭から離れない。「『こんなにたくさんの水が流れているんだもの、何も聞こえはしない』という言葉があって、すごく好きです。私はクレアの存在の薄さを表すような言葉なのかなと思います。クレアの不安を、タイトルにもあるように水の音がかき消してくれる。お客さまも自由に発想してもらい、言葉だけで、言葉だけだからこそ、脳を刺激する世界を楽しんでほしいです」。演出は劇作家でもある新進気鋭の谷賢一が手掛ける。谷は「水さんの持つ知性と芯の強さ、たおやかさ。カーヴァーを読みこなすための資質のすべてを彼女は持っています」とコメントを寄せる。「谷さんはロックな作品も書きますが実はマニアックで、オチがなくて話が盛り上がらない作品が好きなのだそうです(笑)。アイデアが泉のように湧き出てくる方なので、楽しみです」と言う。公演後には水と谷、『コンパートメント』を朗読する渡辺いっけいとのアフタートークが行われる。また、9月2日は山路和弘が『愛について語るときに我々の語ること』、手塚とおるが『ダンスしないか?』『もうひとつだけ』を朗読する。チケットは発売中。取材・文:米満ゆうこ
2018年08月08日東出昌大が一人二役に挑戦し、芥川賞作家・柴崎友香による同名恋愛小説を濱口竜介監督が実写化した『寝ても覚めても』。この度、本作の本ビジュアルと、tofubeats(トーフビーツ)による主題歌に乗せた90秒予告が公開された。第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、海外メディアに絶賛された本作から公開された本ビジュアルには、東出さん演じる男の寝顔を、唐田えりか演じる朝子が幸せそうな顔で見つめている一方、ビジュアル内の場面写真には緊迫した面持ちでお互い見つめ合う様子も映し出されている。果たして、朝子の目の前にいるのは、麦(ばく)なのか、彼と瓜二つの亮平なのか。「愛に逆らえない。」のコピーも合わさり、男女の未来が揺れるデザインとなっている。併せて公開された90秒予告では、朝子への想いを率直に伝える亮平に、戸惑いつつも惹かれていく朝子、恋に落ちていく2人の姿が映し出される。幸せそうな2人だが、「朝子には秘密があった」の言葉と同時に、朝子の過去の恋が明かされていく。8年前、大阪で麦と一生に一度の恋をした朝子。亮平は、その麦に顔がそっくりだったのだ。「似てなかったら、好きにはならなかったってこと?」と友人に問いただされる朝子。「どうして好きになったの?」「あなたの何を愛しているの?」ーー幸せだった2人の関係は思わぬ方向へ。波乱を予感させる予告となっている。さらに、本作の主題歌と劇伴を手がけたtofubeatsの主題歌タイトルが「River」に決定。予告でも使用された主題歌は、彼にしか表現できないセンチメンタルな音に仕上がり、映像と合わさることによって、より一層感情を揺さぶる切なくも深い愛に満ちた珠玉のラブソングとなっている。tofubeatsは本作で初めての映画音楽に挑戦しており、映画の情感を盛り上げる劇伴にも注目したい。なお、「River」のリリース情報については後日発表される予定。『寝ても覚めても』は9月1日(土)よりテアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネパレスほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:寝ても覚めても 2018年9月1日よりテアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネパレスほか全国にて公開©2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会 / COMME DES CINÉMAS
2018年06月26日東出昌大を主演に迎え、芥川賞作家・柴崎友香による同名恋愛小説を新進気鋭・濱口竜介監督が映画化し、第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品された『寝ても覚めても』。東出さんは、初めての一人二役に挑んだ本作をはじめ、映画化されるという先の月9ドラマ「コンフィデンスマンJP」、現在公開中の『OVER DRIVE-オーバードライブ-』など、2018年は出演作が目白押し!そのラインナップを一挙にご紹介しよう。2012年、『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビューし、第36回日本アカデミー賞新人俳優賞ほか多くの映画賞を受賞した東出さん。連続テレビ小説「あまちゃん」や「ごちそうさん」、映画『クローズEXPLODE』『アオハライド』『GONIN サーガ』などで注目を集めてきたが、昨年放送のドラマ「あなたのことはそれほど」での怪演、そして『関ヶ原』での熱演でさらに評価を高めた。今年は、4月から放送されたフジテレビ“月9”ドラマ「コンフィデンスマンJP」が好評を博し、映画化も決定。それに加え、『寝ても覚めても』を含め6本もの映画に出演するなど大活躍。過密なスケジュールの中でも人一倍芝居について考え、セリフや動作まで完璧な演技を目指す東出さんは、さまざまな作品で挑戦を続けている。■全てを掛けた兄弟の熱き思いが走り出す!『OVER DRIVE-オーバードライブ-』真面目で確かな腕を持つメカニックの兄・檜山篤洋(東出さん)と、世界ラリー選手権へのステップアップを目指す天才ドライバーの弟・檜山真純(新田真剣佑)。篤洋の助言を無視して、無謀で勝手なレースを展開する真純はラウンドごとに篤洋と衝突を繰り返し、いつしかチームにも険悪なムードが漂い始めていく…。本作では「“役者バカ”になれ」という羽田英一郎監督の言葉通り、キャスト陣には役づくりへの“課題”がそれぞれ用意されていたそうで、東出さんは約1か月にわたり車をいじり倒すメカニック訓練を行った。その成果もあってか、技術だけでなく専門用語、工具の名前まで完璧に覚えるほどの“メカニックバカ”に。プロのメカニックが認めるほどの腕を身に着けた東出さんの“泥臭い”演技に、誰もが胸を熱くするに違いない。現在公開中。■世紀のハッタリ合戦。最後に斬られるのは誰だ!?『パンク侍、斬られて候』ある日、とある街道に1人の浪人があらわれ、巡礼の物乞いを突如切りつける。自らを“超人的剣客”と言うその浪人の名は、掛十之助(綾野剛)。掛は「この者たちは、いずれこの土地に恐るべき災いをもたらす」と語るが…。次々とあらわれるクセもの12人。ある隠密ミッションの発令によって始まる前代未聞のハッタリ合戦。そして1人の猿が語り出す驚きの秘密。想像をはるかに超える、驚天動地の戦いがはじまる!東出さんが演じるのは、超堅物で機転が利かない“ザ・お殿様”黒和直仁。真面目過ぎるがゆえの空気の読めなさが絶妙な笑いを生み出す。ふだんはあまり観られない、コメディ感満載のキャラクターが誕生する。6月30日(土)公開。■同じ夢みて戦った! 世界に揺さぶりをかけるアナーキー青春群像劇『菊とギロチン』物語の舞台は関東大震災直後、戦争の足音が聞こえる時代。かつて、実際に日本全国で興行されていた「女相撲」は、当時困難な人生を生きざるを得なかった女性たちにとって、「強くなりたい」という、願いを叶えられる唯一の場所だった。様々な過去を背負った彼女たちが、少し頼りないが「社会を変えたい、弱い者も生きられる世の中にしたい」という大きな夢だけは持っている実在したアナキスト・グループ、ギロチン社の若者たちと運命的に出会う。次第に心を通わせていく彼らは、「自由な世界に生きる」という同じ夢を見て、それぞれの闘いに挑んでいくが――。『友罪』『64 -ロクヨン-』の瀬々敬久監督が30年ほど前から構想してきた本作。詩人の正津勉が「ギロチン社」の中浜哲について書いた記事を読んだことがきっかけであり、監督の一番の思い入れのある中濱鐡(中浜晢)役に東出さんが抜擢された。中浜が乗り移ったかような全身全霊の演技に期待が集まる!7月7日(土)公開。■製作期間8年! まだ見ぬ日本に出会う111分、極上の映画体験『ピース・ニッポン』数年間に一度だけ、“一期一会”でしか出会えない風景を8年もの歳月を費やし追い求め、全国47都道府県・200か所以上で撮影した映像を厳選し、4K解像度で映画化。空からとらえた見たこのない絶景の数々、そして知っているようで知らなかった日本人特有の精神やルーツも紐解いていく、111分の日本をめぐる旅に観客を誘う。2020年東京オリンピックを控える中、「日本人にもっと日本のことを知ってほしい、もっと日本に恋してほしい」という思いがこめられた、日本の精神と絶景が凝縮された“ベスト盤”といえるドラマティックな映画。東出さんは、新たな日本に出逢う壮大な旅のナビゲーターを小泉今日子と共に務めるが、実は本作が映画ナレーション初挑戦。落ち着いたトーンで、映像に優しく寄り添う東出さんのナレーションは、美しい映像をさらに際立て、より一層の彩りを添えている。7月14日(土)公開。■すべては1冊の本をめぐる祖母の遺言から始まった 『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズ累計640万部を突破した三上延原作のベストセラーミステリー小説を完全実写映画化。五浦大輔(野村周平)は祖母の遺品から夏目漱石の直筆と思われる署名が入った「それから」を見つけ、鑑定してもらうため北鎌倉の古書店「ビブリア古書堂」を訪れる。店主である若い女性・篠川栞子(黒木華)は極度の人見知りでありながら本に対して並外れた情熱と知識を持っており、大輔が持ち込んだ本を手に取って見ただけで、大輔の祖母が死ぬまで隠し通してきた秘密を解き明かしてしまう。ある日、足を怪我してしまった栞子のために古書堂で働き始めた大輔だったが――。東出さんは、大輔の亡くなった祖母・五浦絹子に惹かれる小説家志望の田中嘉雄を演じる。知的な雰囲気で東出さんにぴったり。現代から30年以上前の人物を演じるが、物語のカギを握る重要なキーパーソンとなるに違いない。11月1日(木)公開。■初の一人二役で180度考えが変わった!?『寝ても覚めても』『OVER DRIVE』のような内に秘めた熱血タイプや、『菊とギロチン』のような実在の人物から、『ピース・ニッポン』では初の映画作品ナレーションを務めるなど、各作品においてまったく色の違う役を演じ分ける東出さん。その中でも本作は、「考え方が180度変わった」と言わしめる作品だ。初の一人二役となるだけに、クランクイン前は自分がいままで培ってきた演技力で勝負しようと思っていたという。しかし、演技について濱口監督に意見を求めると、「ニュアンスはなし。東出昌大という“楽器”から出る声を聴きたい」と言われたことから、シンプルにそのままの自分で、まるで別人格の2人を表現した。濱口監督が引き出したかったのは、“作られた”ものではなく、素直に人が反応して出る声や感情だ。独特な演出方法から生み出された東出さんの演技は、先日のカンヌ国際映画祭でも「東出は『寝ても覚めても』にとって大変素晴らしい仕事をした!」(ガーディアン)と絶賛されるほど。これまでとはひと味違った“俳優・東出昌大”を目にすることができそうだ。『寝ても覚めても』は9月1日(土)よりテアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネパレスほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:寝ても覚めても 2018年9月1日よりテアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネパレスほか全国にて公開©2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会 / COMME DES CINÉMASOVER DRIVE-オーバードライブ- 2018年6月1日より全国東宝系にて公開© 映画「OVER DRIVE」製作委員会パンク侍、斬られて候 2018年6月30日より全国にて公開ⓒ エイベックス通信放送ビブリア古書堂の事件手帖 2018年11月1日より全国にて公開© 2018「ビブリア古書堂の事件手帖」製作委員会
2018年06月24日熱愛が発覚してから4年、ついに結婚を実現させた濱口優さんと南明奈さん。結婚報告として公開された和装姿のツーショット写真は微笑ましい限りですが、実は濱口さんも芸能界のモテ男として知られており、過去には女優、タレントとの噂も絶えなかったというのは有名な話。ということで、次は濱口優さんと南明奈さんのホロスコープを分析していきます!占いサイト『前世からの約束』の監修者である占い師・波木星龍先生に解説いただきましょう。■浮気報道で一時騒然…、ついに結婚◎濱口優さん×南明奈さんの場合2014年2月に交際が発覚し、2018年5月に結婚した“よゐこ”の濱口優さんとアイドルでタレントの南明奈さんのホロスコープです。テレビではおバカなキャラで人気の濱口さんですが、普段の気さくで優しい人柄に周囲の女芸人をはじめ女優やタレントにも大人気のモテ男と言われています。そんなモテ男がたどり着いた南さんとの結婚は、占星学的にはどんな意味があるのでしょうか?さっそく二人のホロスコープを見てみましょう。◎相性の良さは?お二人のホロスコープを見ると、濱口さんのほうは、太陽と火星が72度、火星と海王星が135度、金星と天王星が150度、木星と土星が150度アスペクトです。それに対して南さんは太陽と火星が45度、火星と海王星が180度、金星と天王星が150度、木星と土星が150度アスペクトです。注目すべきは、お二人共に金星と天王星、木星と土星は150度アスペクトであるという点です。つまり、お二人の場合、ともに衝動性が強いため、仕事で海外に出掛けるとか、海辺で過ごすようなことが続くと、そこで恋の出逢いや新たなロマンが生まれる可能性が出てきやすいのです。相性そのものは良いのですが、運命的な観点から言えば「予期せぬ恋愛の発生」と「愛のトラブル」に巻き込まれやすい惑星配置の典型です。長期ロケなどで浮気や不倫のトラブルに巻き込まれぬよう注意しましょう。◎夫婦としての縁・運命の絆次に夫婦の「縁(絆)」という観点から見ますと、妻の水星と夫の太陽が120度、妻の太陽と夫の水星が120度で相互に一致するアスペクト。また妻の火星と夫の太陽が150度、妻の太陽と夫の火星が150度で相互に一致するアスペクトです。これらから考えると、お二人の場合には「会話」と「SEX」が大変重要で、それらが継続していく限りは愛情も継続していくと考えられます。ただ「すれ違い」と「不倫」には要注意。◎結婚のタイミング結婚の時期に関しては、南さんのほうはトランジットの冥王星が出生時の月に120度、同じく冥王星が金星に対して135度、同じく土星が火星に180度です。濱口さんのほうはトランジットの海王星が出生時の金星に0度で一体化、同じく冥王星が月に180度、火星に90度。お二人共に金星へのアスペクトがあることから、まさにこの時期が婚期だったと言えます。濱口さん、南さんも婚期のタイミングぴったりに結婚を実現させたようです。今後は、愛のトラブルに巻き込まないよう、温かな家庭を築いていかれるよう見守っていきたいところです。あなたも、気になる相手との相性や結婚の可能性を知りたいなら…、まずはホロスコープをチェックしてみませんか?波木星龍先生監修の占いサイト『前世からの約束』をぜひご覧ください。~古今東西のあらゆる占いに精通し、確かな実績と実力を持つ本格占い師~波木星龍(なみきせいりゅう)公式サイト:鑑定暦30年以上、延べ5万人以上の鑑定実績をもつ本格占い師。古今東西のあらゆる占術に精通している。対面鑑定のほかに「正統占い教室」という占い教室を主宰し、数多くの有名占い師を生み出している。『占星学秘密教本』(魔女の家BOOKS)、『江戸JAPAN極秘手相術』、『神占開運暦』、『この占いがすごい!―神聖開運占術大全〈2017年版〉』(八幡書店)など著書・監修書籍も多数。『この占いがすごい!―神聖開運占術大全〈2017年版〉』★鑑定所「波木星龍」波木星龍による本格鑑定を受けられる鑑定所です。あなたの悩める「人生&運命」と真摯に向き合い、各種の占術を通じ“最良の選択肢"をアドバイスいたします。住所:札幌市中央区南1条東7丁目2-2 ラピスアクアシティー大通1205※札幌地下鉄東西線「バスセンター前」駅10番出口から徒歩3分。▼鑑定のご予約はこちら電話:011-231-3344メール:namiki.s@jcom.home.ne.jp
2018年06月19日