ヒュー・ジャックマンが、『Ferrari』に主演することになった。フェラーリの創業者エンゾ・フェラーリの伝記映画で、監督はマイケル・マン。マンが20年ほど構想を抱いてきた情熱のプロジェクトだ。映画が焦点を当てるのは、1957年。会社の経営が危機に陥り、私生活でも息子が亡くなるという悲劇を経験した彼は、カーレース、ミッレリアに社運を賭ける。そんな中、彼の妻は、隠されていた秘密を発見していくという物語のようだ。脚本は、ブロック・イェーツが書いた本『Enzo Ferrari-The Man andThe Machine』にもとづいている。撮影開始は来年の予定。マンは、『フォードVSフェラーリ』のエグゼクティブ・プロデューサーも務めている。文=猿渡由紀
2020年06月22日ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『Dune』が、8月に追加撮影を予定していることがわかった。撮影は、昨年7月に終了している。新たな撮影は、前と同じく、ブダペストのスタジオで行われるそうだ。新型コロナで、ヨーロッパでも映画やテレビの撮影はストップされたが、その頃までにハンガリーではゴーサインが出ているだろうと製作側は見ている。北米公開は今年12月18日で、今のところ延期の予定はない。出演はティモシー・シャラメ、オスカー・アイザック、ゼンデイヤ、レベッカ・ファーガソンら。文=猿渡由紀
2020年06月19日今年のプライムタイム・エミー授賞式に、コメディアンのジミー・キンメルが決まった。2年連続でホストなしだったオスカーに続き、エミーも昨年はホストを雇わないで行ったが、今年は逆戻りとなった。キンメルは、オスカーのホストとしても評判が良かったが、オスカーにはもう戻りたくないと語っている。エミーのホストに復帰するにあたっては、エグゼクティブ・プロデューサーの肩書きも得た。新型コロナで先が見えない中、授賞式をどのような形で行うのかを決めていく上でも、彼は強い発言権を持つことになる。エミー賞の中継は、4つのメジャー局が毎年交代で行うのがきまりで、今年はキンメルが深夜トーク番組をもつABCの番(オスカーは毎年ABC)。ホストなしの昨年はFOXが中継した。文=猿渡由紀
2020年06月17日コロナの影響で変更を続ける大作の公開日に、新たな動きがあった。ワーナー・ブラザースは、7月17日の北米公開日を死守し続けてきたクリストファー・ノーランの『TENET テネット』を、2週間後の7月31日に延期。17日には、ノーランの『インセプション』10周年記念上映が行われることになった。ワーナーはまた8月12日に予定していた『ワンダーウーマン 1984』を10月2日に延期している。『ワンダーウーマン』はもともと6月公開予定だったので、2度目の変更だ。ユニバーサルは、トム・ハンクス主演作『Bios』を、10月2日から来年4月16日に延期。一方で、ユニバーサルが世界配給を手がけるMGMの『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の北米公開は、11月25日から5日早めて11月20日に変更されている。アメリカではほとんどの州で映画館の再オープンが許可されたが、いつ、何が公開されるのかは、ギリギリまで変わり続けそうだ。文=猿渡由紀『TENET テネット』北米公開日:7月31日(金)
2020年06月15日ペネロペ・クルスが『On the Fringe』に主演することがわかった。スペイン語の映画で、監督はアルゼンチンのファン・ディエゴ・ボット。彼にとっては今作が長編映画監督デビューとなる。物語は、1日を舞台に、いくつかの別々のストーリーが混じり合う形で展開。クルスが演じるのは、家族と住む家を銀行に取られそうになっており、その日のうちにお金を工面しようと必死になる女性だそうだ。ほかに、ルイス・トサルが弁護士役で出演する。クルスの最新作は、来週日本公開されるペドロ・アルモドバルの『ペイン・アンド・グローリー』。文=猿渡由紀
2020年06月11日カリフォルニア州で、映画館がビジネスを再開できることになった。早ければ今週金曜日にもオープンが可能だ。しかし、この日に全部の劇場が再開するわけではない。具体的にいつオープンを許すのかは、各郡のトップの判断にまかされているからだ。州内の感染者の半分以上を出しているL.A.郡や、再開にとりわけ慎重な姿勢を取っているサンフランシスコ郡は、ほかより遅れてのオープンになると思われる。ひとつのシアターに入れる観客の数は、普段の定員の25パーセント、最大でも100人まで。他に、州によるガイドラインには、シートには使い捨てのカバーをかけ、上映が終わるごとに架け替える、チケット販売機や窓口などをまめに殺菌することなどが挙げられている。ポップコーン、ドリンクなども、できるだけ事前にオンラインで予約購入してもらい、劇場では受け取るだけにするよう提案されている。現在、アメリカでは新作が何もなく、焦ってオープンする理由はとくにない。劇場側は、『TENET テネット』や『ムーラン』が公開される来月下旬までに、入場可能な定員が50パーセントまでに増えることを強く願っている。文=猿渡由紀
2020年06月10日アマンダ・セイフライドとケビン・ベーコン主演の心理スリラー『You Should Have Left』が、劇場公開を飛ばして、今週金曜日、アメリカでストリーミングデビューすることになった。製作配給のユニバーサル・ピクチャーズとブラムハウス・プロダクションズが判断したもの。コロナで映画館がクローズしたのを受けて、ユニバーサルは劇場公開が予定されていた新作をオンラインリリースし、劇場主団体から反感を買っている。この映画に関しては、ユニバーサルはもともと劇場公開をするつもりがなかったとのことだが、メジャーなスターが主演する新作がまたもやストリーミング直行することを劇場主が複雑に思うことは避けられないだろう。原作はドイツの小説。監督、脚色は、『宇宙戦争』『天使と悪魔』の脚本家デヴィッド・コープ。文=猿渡由紀
2020年06月09日「カンヌ2020」のラインナップが発表された。この肩書きは、今年のカンヌ映画祭で上映されたはずの作品56本に与えられるもの。カンヌという尊敬される映画祭のブランドをうたえることで、それらの作品が公開される、あるいは配給を探す上で、強みになるというのがねらいだ。また、これらの作品は、トロント、サンセバスチャン、ニューヨーク、釜山、東京など、今年後半の映画祭で上映することも視野に入れている。56本のうち代表的なものは、ウェス・アンダーソンの『The French Dispatch』、ピクサーのアニメーション『ソウルフル・ワールド』、フランソワ・オゾンの『Summer of 85』、河瀬直美の『朝が来る』、深田晃司の『本気のしるし』、トマス・ヴィンターベアの『Another Round』など。スティーブ・マックイーンは『Lover’s Rock』と『Mangrove』の2本でラインナップ入りをした。スパイク・リーの審査員長の役目は、来年に繰り越される。文=猿渡由紀
2020年06月04日AKB48の柏木由紀が5月30日、YouTube公式チャンネル「ゆきりんワールド」に自身初となるメイク動画を投稿。コメント欄には1,700件以上の感想が書き込まれている。5月30日に投稿した「【激変】鼻を細く小さく高く見せるメイク術!!」で、柏木は「コンプレックスをどうにかごまかす」をテーマにメイクを披露。「メイクに対しての私の考えは、とにかくコンプレックスをごまかすため」と苦笑まじりに明かし、「AKBに入って、自分なりに編み出してきた“コンプレックスを隠すメイク”を紹介したいと思います!」。さらに、「まずは鼻なんですけど。私は鼻がとにかくコンプレックスで。鼻の高さもそうだし、一番は幅が人よりも大きいんですよ。結構気にしてて」と吐露。「SNSとか見てたら『鼻だけ整形すればいいのに』みたいに書いてる人、めっちゃいるんですよ(笑)」と明るく打ち明けながら、「でも、この鼻をちょっと高く、細く見せるメイクをし始めて2年ぐらいなんですけど、それからたまに『鼻整形した?』みたいに書かれることもあって、それがめっちゃ嬉しいの!」と笑顔を見せた。「ちょっと鼻を細く見せたいとか、ちょっと高く見せたいと思っている方は、ぜひぜひこのメイクを試してみてほしいなと思います!」と今回の動画に込めた思いを語り、“コンプレックス解消メイク”を公開した柏木。コメント欄には「すごすぎる」「鼻がどんどん高く見えてくる」とメイク術を絶賛する声のほか、「好感度しかない」「人として素晴らしい」「コンプレックスを公言することってとても勇気がいること」「ポジティブ思考が凄い」「私も自分磨き頑張ります!」「勇気もらえた」など、コンプレックスとの向き合い方に胸を打たれた人からの感想も数多く寄せられている。
2020年06月03日ライアン・ゴズリング主演で『狼男』がリメイクされそうだ。まだ決定ではなく、ゴズリングが検討している段階だが、ユニバーサル・ピクチャーズと脚本家らは、彼の主演を強く願っているとのこと。映画は、「ネットワーク」や「ナイトクローラー」的なトーンになるとのことだ。ユニバーサルの古典ホラー「狼男」が製作されたのは、1941年。主演はロン・チェイニー・Jr.。2010年にはベニチオ・デル・トロ主演でリメイクされたが、興行面でも批評面でも失敗に終わっている。文=猿渡由紀
2020年06月01日AKB48の柏木由紀が、お笑いトリオ・四千頭身のYouTube公式チャンネルに飛び入り参加し、コメント欄には絶賛の声が相次いだ。柏木が登場するのは、29日にアップされた動画「絶対に笑わなきゃいけない柏木由紀」。「絶対に笑わなきゃいけない」がルールの大喜利をしている最中、同事務所の先輩でもある柏木が突然現れ、3人は「お疲れ様です!」と一斉に起立。柏木が「声聞こえて、絶対YouTubeだと思って来ちゃいました。全部観てるんです、私」と同チャンネルのファンであることを明かし、「えー!?」と3人をさらに驚かせた。柏木も「絶対に笑わなきゃいけない大喜利」に緊急参戦し、「入学式でやってはいけないこと第100位を教えてください」のテーマに回答。その意外な答えに3人は「かわいい! かわいい! かわいい!」と大盛り上がりで、柏木が退室した後にはあるものを巡って熾烈な争奪戦が繰り広げられた。Twitterでも、「四千頭身さんのYouTubeに飛び入り参加させていただきました!」と報告し、「事務所の会議室から信じられないくらいの笑い声が聞こえてきていて、覗いた結果!そのまま参加させていただいちゃいました!!」「ぜひみてください!!(私が部屋に来る前も面白すぎて涙出た)」と呼びかけた柏木。YouTubeのコメント欄には700件を超える感想が書き込まれ、柏木についての「かわいい顔ちっちゃい」「かわいすぎ」「史上最大にかわいい」「肌白っっ!かわいすぎる!」といった絶賛の声も多数寄せられている。
2020年05月30日コロナでキャンセルになったカンヌ映画祭が、来月3日、「カンヌ2020」ラインナップを発表する。コロナがなければカンヌでかかっていたはずのこれらの作品は、今後行われる世界の映画祭で、このレーベルのもと、上映される予定だ。最初に当たるヴェネツィア映画祭とはまだ合意がなされていないが、その後のトロント、サンセバスチャン、ニューヨーク、釜山などの事務局からは、すでに支援の声が届いているという。「カンヌ2020」に入るのはおよそ50本で、賞は与えられない。また、映画館での公開を来年まで延期した作品は、この形でなく、あらためて来年のカンヌ、あるいは来年の別の映画祭に出品されることになる。ラインナップ発表はフランス時間の午後6時。ソーシャルメディアと映画祭のウェブサイトでライブ配信される。文=猿渡由紀
2020年05月29日2018年の韓国映画『コンジアム』が、英語でリメイクされることになった。ハリウッドのマネジメント会社ブラックボックス・マネジメントと、韓国のBHエンタテインメントがパートナーシップを組むことになり、その第一弾として生まれた企画。両社は今後も韓国映画を英語でリメイクしたり、アメリカの映画を韓国で効果的にマーケティングしたりなどのプロジェクトで協力していく。『コンジアム』の舞台は、今は心霊スポットとして有名なかつての精神病院。そこに潜入するライブ配信の企画に参加した一般人たちが恐ろしい状況に直面していくというホラー映画だ。オリジナルの監督はチョン・ボムシク。文=猿渡由紀
2020年05月28日ハリウッドが、いよいよ撮影再開に向けて動き出した。先週、カリフォルニア州知事ギャヴィン・ニューサムは、ハリウッド関係者に、コロナ対策撮影ガイドラインの作成と提出を要請。提出締切は週が明けた5月25日月曜日だったが、それよりひと足早く、22日金曜日には、ジョージア州知事ブライアン・ケンプが、撮影に向けて独自の提案書を発表している。税金優遇制度を設けて積極的に撮影の誘致を行ってきたジョージア州は、近年、アメリカにおける撮影のメッカに成長してきた。最近では、たとえば、マーベルのスーパーヒーロー映画や『ワイルド・スピード』シリーズ、Netflixの『ストレンジャー・シングス』、『ウォーキング・デッド』などが撮影されている。昨年度、映画やテレビの撮影が州にもたらした経済効果は、州にとって史上最高の29億ドル。これらを支える経験豊かなクルー、立派な撮影スタジオ、ケータリングサービスもそろっている。ケンプ州知事の提案書に盛り込まれた事柄には、現場の人数を極力減らすこと、カメラが回る直前まで俳優同士の間にアクリル板を設置し直前にそれを外すこと、俳優はできれば家でメイクをし衣装を着てくること、オーディションは対面でなくリモートで行うこと、どうしても実際に会ってオーディションをしたい場合は、時間に余裕を持ってアポを入れ、その人の番が来るまでは自分の車の中で待機してもらうことなどがある。他には、レンズのトリックを使って共演者同士の距離を実際より近く見せる、撮影中にクルーが食べるスナックはひとり分ずつ袋に入れシェアさせないようにする、といったことも入っている。しかし、これらの提言、また、カリフォルニアがまもなく発表するガイドラインは、それ自体で成立するものではなく、映画俳優組合(SAG-AFTRA)の了承が必要だ。俳優たちがまだ不安と感じれば、新たな項目が足されることになるだろう。一方で、映画館も、ビジネス再開に向けて期待を膨らませている。大手劇場チェーンは、かなり前から7月頭のオープンを狙い、6月中旬から準備を始める姿勢を示していたが、最近になって、にわかにそのスケジュールは現実味を帯びてきた。新作の公開が次々延期される中、唯一7月17日の北米公開日を動かさないできたクリストファー・ノーランの『TENET テネット』も、ほんの少し前まで「無理ではないか」と言われていたのに、今では一転し、たぶん大丈夫だろうと見る向きが強い。それどころか、さらに状況を楽観したラッセル・クロウの次回作『Unhinged』は、予定より早く7月1日に公開日を変更している。ただし、まだコロナが収束していない状況とあり、どれだけの人が映画館に駆けつけてくるのかは不明だ。映画館側は、観客に安心してもらうため、万全の体制を取り、アピールする必要がある。そのための手段としては、定員は通常の半分かそれ以下に限り、上映回の間には徹底した清掃と除菌のために長い時間を空けること、オンラインでの予約発券をさらに徹底させること、ポップコーンやドリンクなどの販売も事前に決済し、現地で受け取るだけにすることなどが考えられる。外出禁止令の間、Netflixの会員数が増加したことが示すように、コロナで人はこれまで以上にストリーミングサービスに親しむようになった。このことが映画館の命を脅かすのではないかという不安がある反面、散々家にこもらされてきた人々は外に出たくて仕方がないはずだとの予測もある。実際、最近の調査では、映画ファンを自認する人の8割が、「すぐにでも映画館に行く」と答えている。ハリウッドの再起動=“re:START”が、期待どおり順調に進むことを願いたい。文:猿渡由紀
2020年05月27日ピクサーが、同性愛者の青年を主人公にした短編映画をリリースした。Disney +でデビューした『Out』で、監督、脚本はスティーブン・クレイ・ハンター。主人公は、ボーイフレンドと一緒に都会に引っ越そうとしているが、両親に対してカミングアウトすることを躊躇している。そんな彼が、本当の自分を隠す必要はないのだと発見する物語だ。ハンターは、ピクサーで『トイ・ストーリー4』などにかかわってきたアニメーター。今作が監督デビュー作となる。ピクサーの最近作『2分の1の魔法』にもレズビアンのキャラクターが登場したが、同性愛者を主人公にするのは、ディズニー、ピクサーの歴史で初めて。文=猿渡由紀
2020年05月25日『ゲーム・オブ・スローンズ』出身のふたり、ジェイソン・モモアとピーター・ディンクレイジが、映画で初共演を果たすことになった。『Good Bad & Undead』というタイトルのアクションアドベンチャーで、ふたりはプロデューサーも兼任する。ディンクレイジの役はヴァンパイアハンターのヴァン・ヘルシング、モモアの役はもう殺しはやらないと決意したヴァンパイア。本来、敵対関係にあるはずの彼らはコンビを組むことになるが、思わぬ展開が待ち受けているというストーリーらしい。監督はマックス・バーバコウ。モモアの次回作は、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『Dune』。ディンクレイジの次回作はロザムンド・パイクと共演する『I Care a Lot』。文=猿渡由紀
2020年05月21日製作準備が進んでいる『スクリーム』の新作に、デビッド・アークエットが出演することがわかった。オリジナルと同じデーウェイの役を演じる。アークエット以外のキャスティングはまだ明らかになっていないが、ほかにもオリジナルのキャストを出す方向でいるようだ。監督は、ホラー映画『Ready or Not』のマット・ベティネッリ=オルピンとタイラー・ジレットのコンビ。撮影は、コロナの状況を見た上で、今年後半、ノース・カロライナにて行われる予定。オリジナルの公開は1996年。その後、続編が3本作られた。それらはすべてウェス・クレイヴンが監督している。文=猿渡由紀
2020年05月19日ライアン・ゴズリングが、フィル・ロード&クリス・ミラーの監督コンビと組むことになった。タイトルは『Project Hail Mary』。原作は『火星の人』(『オデッセイ』の原作)を書いたアンディ・ウィアーが来年出版する、宇宙を舞台にしたスリラーだ。ゴズリングが演じる主人公は宇宙飛行士。MGMが製作する。ロード&ミラーは、『レゴ(R)ムービー』などで知られる。アニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』は、オスカーを受賞した。『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』の監督にも抜擢されたが、撮影途中にして降板させられ、ロン・ハワードが引き継いでいる。ゴズリングは、『ハーフネルソン』と『ラ・ラ・ランド』でオスカーに候補入りした。最近作はニール・アームストロングの伝記映画『ファースト・マン』。文=猿渡由紀
2020年05月18日米映画アカデミーが、次のオスカーに向けて、ドキュメンタリー部門の資格に関するルールを変更した。新型コロナで劇場公開が難しくなっている現状を受けてのもの。新たなルールでは、アカデミーが指定する9つのノンフィクション映画祭のうち2つ以上から選ばれたか、あるいは36の映画祭のうちどれかから最低1つを受賞した場合、資格が与えられる。これらの映画祭が通常通りの形で開催されなかった場合も、関係ない。この春のサウスバイ・サウスウエストやトライベッカ映画祭はヴァーチャルになっており、今後、ヴェネチアやトロントもヴァーチャルと並行する形で開催される可能性が濃厚で、それを踏まえた形。次のオスカー授賞式は、来年2月28日に行われる。文=猿渡由紀
2020年05月15日新型コロナで公開が延期になっていた『The New Mutants』の新たな北米公開日が8月28日に決定した。『X-MEN』のスピンオフである今作は、これまでにも何度となく公開日が変更されており、最終的に4月3日に決まったところで、世界中で緊急事態宣言が起きてしまっている。一時は、このままストリーミング直行なのではないかとの憶測も出たが、劇場公開されることになった。出演はアニヤ・テイラー=ジョイ、メイジー・ウィリアムズら。アメリカの興行主は、7月1日の再オープンを目指しているが、コロナの打撃を強く受けたニューヨークやL.A.で、その頃までに映画館を開けられる状況になっているかどうかは不明だ。文=猿渡由紀
2020年05月14日Amazonが、世界最大の映画館チェーンAMCに興味を示している。イギリスのThe Daily Mailが報じた。それを受け、アメリカ時間月曜日、AMCの株価は40%もアップした。そうでなくても巨額の投資で負債を抱えていたAMCは、新型コロナで映画館が閉鎖して以来、将来の見通しが暗かっただけに、これは朗報だ。ヨーロッパにも劇場チェーンを所有するAMCのオーナーは、中国のワンダ・グループ。ワンダは、この報道を否定しているという。だが、過去にはNetflixがアメリカの中規模劇場チェーンThe Landmarkの買収を試みたこともあり、ありえない話ではない。AMCを含むアメリカの映画館チェーンは、7月には全米でビジネス再開できることを願っている。文=猿渡由紀
2020年05月12日コロナの影響で宙に浮いてしまったカンヌ映画祭が、ヴェネチア映画祭とコラボレーションを検討している。カンヌでの上映が決まっていた作品を、「カンヌ2020」というレーベルで上映するというものだ。ただし、来年春までに劇場公開が予定されている作品にかぎるため、コロナで1年以上公開が伸びたものは、資格からはずれる。今年のヴェネチア映画祭は9月2日から12日まで。ヴェネチアは、イタリアまで来られない海外の記者を配慮し、ヴァーチャルも取り入れる形で行うことを考えている。しかしその頃までにコロナが落ち着いているかは不明。もしヴェネチアがキャンセルになった場合、その後に行われるトロント、サンセバスチャン、ニューヨーク、釜山などとのコラボになる可能性もある。文=猿渡由紀
2020年05月11日韓国映画『地球を守れ!(Save the Green Planet!)』が英語でリメイクされることになった。製作は、『パラサイト 半地下の家族』のCJエンタテインメント。監督はオリジナルのチャン・ジュヌァン。プロデューサーには『ミッドサマー』のアリ・アスターも名を連ねる。オリジナルの公開は2003年。釜山映画祭で作品賞、監督賞、主演男優賞などを受賞、カンヌ映画祭でも上映されたが、日本では劇場公開されていない。エイリアンが地球を滅ぼそうとしていると信じる青年が、恋人の協力も得て、地球を守るために大胆な行動に出るSFコメディだ。脚本はこれから執筆される。文=猿渡由紀
2020年05月08日ベネディクト・カンバーバッチの最新作が、8月28日に北米で公開されることに決まった。今年1月のサンダンス映画祭でプレミアしたもので、当時のタイトルは『Ironbark』だったが、『The Courier』に改題される。実話にもとづく冷戦時代のスパイ物で、カンバーバッチの役はソ連に対する諜報活動に参加することになるイギリスのビジネスマン。共演は『マーベラス・ミセス・メイゼル』のレイチェル・ブロズナハン。監督はドミニク・クック。アメリカではコロナの影響で、まだ映画館が閉鎖しているが、北米配給を行うライオンズゲートとロードサイド・アトラクションズは、その頃までには劇場が再開していると見ているようだ。今作にはユーモアもあるらしく、「今、観客が見たいと思うに違いない映画だ」と彼らは語っている。文=猿渡由紀
2020年05月07日AKB48の柏木由紀(28)が5月3日深夜のニッポン放送『AKB482029ラジオ~10年後の君へ』に出演。グループでの現役を続行するため、2つのハードルを自ら設定していたと告白した。ネット上ではファンを中心に、柏木が語った現役アイドルへのこだわりを称賛する声があがっている。かねてより「30歳まで卒業しません」と宣言している柏木。「4年くらい前から決めているのが、どこでも言ったことないんですけど」と前置きしたうえで「『握手(券付きCD)が売れなくなったら。いっぱい売れ残るようになったら』と、『選抜、AKBのシングルで列があるんですけど、一番後ろの列になったら』やめようと思ってるんです」と明かした。柏木の告白に、番組アドバイザーのメイプル超合金・カズレーザー(35)も「アスリートの発想ですよ。実力が落ちたら、ということですから。シンプルに」と驚く展開。柏木は続けて「4年、5年前に決めました。自分で。キリがないから。いつまでもいちゃうから。好きだから。だから自分の実力がなくなったり、求められなくなったらやめた方がいいんだろうなっていうのは、24、25くらいの時に決めていました」と打ち明けた。グループ総監督の向井地美音(22)から「(将来的に)アイドルをプロデュースをしたいとか思いますか?」と尋ねられると、「めちゃめちゃ言われるんですけど、恥ずかしいことに、どうしても“プレーヤー”でいたいっていう気持ちが捨てられないんですよ、まだ。卒業してアイドルをやらなくなったら、やってみたいなというのはすっごいあるんですけど」と現役アイドルでい続けることへの強いこだわりも語っていた。ネット上でも、この柏木の“現役アイドル”への強いこだわりを称賛するコメントが。《ゆきりん、目標設定やメンタルの強さがアスリート級だ…ずっとプレイヤーでいてね!》《ゆきりんこんなにフワフワニコニコしてるのに、内に秘めたる気合いというか軸が物凄い強くて何度でも惚れ直すよね~~!!私もこういう人になりたいと切に思う》《ゆきりん、かっこいい!自分の中で基準をつくって常に向上心を持ち続ける。大人数グループの中で何年間もその高い基準をクリアし続けてるのって本当にすごい、努力家だなぁ。推し始めてから9年くらい経つけどゆき好きな気持ち、日に日に増していってる、、》AKB48グループは新型コロナウイルスの影響で2月から握手会をとりやめていたが、ファンからの「メンバーに会えなくて寂しい」との声に応える形で5月4日よりメンバーの“エア握手”動画「AKB48グループ“おうち握手会”」の配信を開始。柏木も「全員分の握手動画を見ることができるので、推し変(応援するメンバーを変えること)されてしまわないか心配」と意気込みを語っていた。だがその心配は杞憂のようで、ファンからは喜びの声が上がっている。《ゆきりん、握手会も劇場公演も行けなくて寂しいけどこうして画面越しに会えて嬉しい》《必死になってファンにゆきりんを届けてくれてる気持ちが大好き》《AKBおうち握手会始まったね、ゆきりん姫楽しみです。今朝はやドキ見てたらおうち握手会の様子やってましたよ。ゆきりん姫でした。やっぱゆきりん強いよな……癒されたよー。これから半日出勤がんばります》現役アイドルとして、ファンへの“神対応”を続ける柏木。その手腕に、今後も注目が集まりそうだ。
2020年05月05日インドの名俳優イルファン・カーンが亡くなった。2018年3月に、神経内分泌腫瘍と診断されており、ロンドンで治療を受けていた。その後、仕事に復帰したが、今週、結腸感染症でムンバイの病院に入院したという。53歳。1967年生まれ。80年代からキャリアを積み、2006年、ミーラ・ナイール監督の『その名にちなんで』で注目される。ハリウッドでの出演作に『スラムドッグ$ミリオネア』『アメイジング・スパイダーマン』『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』『ジュラシック・ワールド』『インフェルノ』などがある。1995年に結婚した妻との間にふたりの息子がいる。文=猿渡由紀
2020年04月30日ニューヨーク映画祭は、今年も予定通り。全米最大規模のコロナ被害に遭う中でも、事務局は、そう考えていることがわかった。今後2、3週間のうちにも、映画祭についての「エキサイティングな情報」を発表するとのことである。ニューヨーク映画祭は、9月25日から10月11日まで。コロナの影響で、5月のカンヌ映画祭は、延期された日程でも難しくなり、キャンセルの可能性が濃厚だ。9月頭のヴェネチア映画祭は、現状、実施の方向だが、海外から記者が来られない状況を踏まえ、デジタルを取り入れることも検討しているという。ヴェネチア開始のすぐ後に、並行する形で始まるトロント映画祭も、様子見の段階ながら、デジタルの利用を視野に入れているようだ。ニューヨークが、コロナが本格化する前に行われたベルリン以来初めての「従来通り」の映画祭になるのか、注目される。文=猿渡由紀
2020年04月24日映画、テレビ、舞台で長いキャリアを誇ってきた名女優シャーリー・ナイトが亡くなった。83歳。自然死で、息を引き取ったのは、テキサス州の娘の自宅だった。カンザス州生まれ。1960年『階段の上の暗闇』でオスカー助演女優部門にノミネート。その2年後にも、ポール・ニューマン主演作『渇いた太陽』で同部門に候補入りを果たした。その他の出演作に『エンドレス・ラブ』『エンジェル・アイズ』『恋愛小説家』『50歳の恋愛白書』など多数。テレビでは、『NYPD BLUE〜ニューヨーク市警15分署』『デスパレートな妻たち』などに出演している。葬儀は来年、ロサンゼルスで行われる予定。文=猿渡由紀
2020年04月23日パラマウント・ピクチャーズで、『セイント』のリブート企画が進められているようだ。クリス・パインが主演の交渉をしているようである。監督は『ロケットマン』のデクスター・フレッチャー。脚本はセス・グレアム=スミスが手がけた。原作小説が出版されたのは20年代。60年代にはロジャー・ムーア主演でテレビ化され、97年にはヴァル・キルマー主演、フィリップ・ノリス監督で映画化された。パインの次回作は、『ワンダーウーマン1984』。コロナの影響で、北米公開は8月に延期されている。文=猿渡由紀
2020年04月22日コロナでイタリアが大打撃を受ける中、9月頭に予定されているヴェネチア映画祭は、まだ実施を諦めていないようだ。ベニス・ビエンナーレのプレジデント、ロベルト・チキュートが、イタリアの通信社に対して語ったところによると、映画祭は、今も通常のプログラムのまま準備を進めているとのことである。入国、出国規制やエアの欠航で現地に来られない海外の記者のために、デジタルで見せることも検討するとのこと。一方で、フランスのカンヌ映画祭は、コロナで元々の日程の5月から6月下旬または7月頭に延期を決めたものの、その新たな日程でも開催が難しいとの結論に達したばかり。ヴェネチア事務局は、カンヌと共同でやることを、現段階では考えていないそうだ。文=猿渡由紀
2020年04月21日