●連載の目次は こちら から●息子を、発達障害専門クリニックである司馬クリニックで診てもらうことにした私。クリニックを受診するための問診票を書いて、診断日当日を迎えた。診察を受けて、いよいよ診断を「宣告」されると思っていたが…。■診断を受けたときの様子(私の場合)軽度の発達障害専門クリニックである司馬クリニックで、わが家は以下のような流れで診断を受けた。(クリニックによって違いがあると思うので、参考程度に)・臨床心理士の親への聞き取り:約30分・子どもの認知力検査:約1時間~1時間半・医師と子どもの面談、診察(親が同席):約20分・親への話:約30分すべての診察が終わって、親への話の時に、司馬先生は、こんなふうにおっしゃった。「湧太くんをフォローする方法は、いろいろありますよ。クリニックに通って、少しその方法をお勉強してみますか?」いよいよ診断名を宣告されると思っていた私は拍子抜けして、思わず聞いた。「あの、先生、うちの子は発達障害なんでしょうか?」「まぁ、そういうことではありますね」と、サラリと先生はおっしゃった。■診断は、対処法を知るためのもの後になって、司馬先生に聞いてみたことがある。「最初の診断時、先生は私が聞かなければ診断名をおっしゃいませんでしたよね? あれはなぜですか?」と。先生曰く、「診断名を親御さんにお伝えするかどうかは、ケースバイケース」なのだそうだ。発達障害をフォローする方法論は、かなり確立されている。診断があることで「これから何をするのか?」「どんな方法があるのか?」が見えてきやすくなる。司馬先生は言う。「診断名をお伝えするということは、たとえるならば、“ここにいけば、便利な道具がたくさん売っているよ”という○○商店というお店屋さんの名前を紹介するような感じです」けれども、診断がついた(お店の名前を教えてもらった)ということに、とてもショックを受けるお母さんも、もちろんたくさんいる。「いろいろなお母さんがいらっしゃいますから、とくに診断名をお伝えしないのが私のスタイルなんですよ」と、先生は優しく教えてくれた。 ■いちばん最初に抱いた感情は「安堵」私自身は、診断を受けてどう思ったか? それを思い出そうとすると、ある情景が思い浮かぶ。それは、診察(診断)を受ける日の朝の景色だ。司馬クリニックは、ビルの4階にある。4階分の階段を上るので、私はちょっと息切れしていた。階段を上り切って、クリニックの扉が見えた。季節柄だったのだろうか、クリニックのドアが少し、風が入るような感じで開いていた。もし、あのとき、クリニックのドアがピッチリ閉じていたら、私は扉を開く気力があっただろうか? 多分、そんな気力はなかったと思う。深い森の淵にひとりでいるような、そんな心細さがあった。「できうる限りの方法で、湧太をフォローしたい」という気持ちは芽生えていたものの、それは余りにも頼りなく柔らかい“芽”でしかなかった。 それでも、私は自分から息子の診断名を聞くことを選んだ。「思わず聞いてしまった」という方が正しかったのかもしれない。私が息子の診断を聞いたときの気持ちを、的確に表現している文章があったので、引用しておこう。人間は、大人も子どもも、自分自身の欠陥について知ると、なぜか安心する。なぜなら、生まれて初めて、自分が学校や上司などの欲求に対応できずに苦しんでいた理由と、その問題を克服するにはどうすればよいかがわかるからだ。彼らは自分を許せるようになり、(中略)自分を罪人視しなくなった。正しい自己認識は開放であり、許しなのだ。メル・レヴィーン・著/『ひとり ひとり こころを 育てる』より 正しい自己認識は開放であり、許し。まさに、そんな感じだった。ずっと、ずっと、「どうして、(この子の子育ては)上手にいかないのだろう?」と思っていた理由がわかったとき、一番、最初に感じた感情は「ああ、だから、そうだったんだ」という安堵感だった。この経験を通じて、私は正しい自己認識を持っておくこと。つまり、発達障害についての基本的な知識を持っておくことは、当事者(母や子ども)の気持ちを落ち着かせるためにとても重要だと思うようになった。次回以降は、司馬先生の協力を得て「発達障害の基礎知識」について書いてみる。
2016年07月15日●連載の目次は こちら から●「就学相談のお知らせ」に書いてある電話番号(市役所の教育支援課)に電話をして、市の発達相談の窓口である教育支援センターに電話をした私。支援センターで検査をし、結果と今後のサポートについて聞いたが、何となく心もとない。そこで、軽度の発達障害を専門とするクリニックである、司馬クリニックを受診することにした。■診断結果を知りたい!教育支援センターで検査を受けて、検査結果と、湧太に対してのサポートの方法はわかった。けれども、私が知りたかったのは、「湧太が発達障害かどうか?」という「診断」だということに、自分で気がついた。教育支援センターで得られる検査結果だけでは、当時の私には心もとなかったし、支援センターは医療機関ではないので「診断」ができないのも知っていた。このあたりになってくると、表現は変かもしれないが「毒を食らわば、皿まで」という気分になっていた。「この状態が何なのか知りたい。知ったうえで、私ができうる限りの方法で湧太をフォローしたい」という気持ちが芽生えていた。そこで、教育支援センターの方に、軽度の発達障害の専門クリニックである司馬クリニックを紹介してもらったのだ。■「特別支援学級(通級)」と「発達クリニック」ここで「特別支援学級(通級)」と「発達クリニック」について、少し触れておきたい。特別支援学級の保護者会で、そこにいるママ友から、よく「発達クリニックに通っているの? どうして?」「発達クリニックに通って、何をしているの?」といったことを聞かれた。そのとき、私が思ったのは「子どもが特別支援学級に通っているからといって、発達クリニックを受診している家庭というのは、意外と少ないんだな」ということ。私は最初から発達クリニック受診まで突き進んだが、そうでないママたちもたくさんいる。「就学相談のお知らせ」に電話をすると、「発達障害の専門病院に行くのを勧められるのではないか?」と思っている人もいるかもしれない。でも、支援学級に通う子でも、必ずしも発達クリニックを受診しているわけではない。このことを知っていると、「就学相談のお知らせ」に電話をする心のハードルは、少し下がるのではないか? と思う。話を、私のクリニック受診に戻そう。 ■発達クリニックの診断の流れ(私の場合)司馬クリニックを受診するためには、診察の前に14ページにも及ぶ問診表を書いた。診断のためには、小さい頃からの発達の様子、学校での適応などを詳しく知る必要があるからだ。その資料を事前に送った上で、当日は下記のような感じで検査が進んだ。クリニックによって違いはあるだろうから、「こういった流れもあるんだな」という参考程度にして欲しい。・臨床心理士の親への聞き取り:約30分・子どもの認知力検査:約1時間~1時間半・医師と子どもの面談、診察(親が同席):約20分・親への話:約30分 <次回、「息子が発達障害の診断を受けたとき」に続きます。>
2016年07月15日「発達障害の原因分子の発見」という研究成果発表が話題に出典 : 月5日、大阪大学が「神経発達障害群の染色体重複による発症の機序を解明-注意欠如・多動症などの神経発達障害の新治療法に光-」というプレスリリースを発表し、日経新聞をはじめとしたメディア各社が報じました。ADHDや知的能力障害、自閉症スペクトラムといった発達障害は、特定の染色体が重複して存在すると引き起こされるということを、大阪大学の山下俊英先生(分子神経科学)のチームがマウス実験で突き止め、7月5日付で英科学誌「Molecular Psychiatry」に発表したニュースです。出典 : 記事を読むだけでは専門性が強く、理解が難しい部分があります。そこで、今回の研究を実施した先生方にインタビューを行い、その内容をわかりやすく解説していただきました。お話をしてくださったのは、今回の発見をした研究チームの、大阪大学大学院医学系研究科分子神経科学教授兼大阪大学大学院生命機能研究科教授の山下俊英先生と、 兵庫医科大学解剖学講座神経科学部門准教授の藤谷昌司先生です。この記事では、お二人のお話を交えながら、今回の研究発見の背景や内容、今後どのように実用化されていくのかなど、噛み砕いてお伝えしていきます。発達障害の原因について、わかった事は?出典 : 今までの研究成果では、発達障害が染色体の一部分の重複により生じることがわかっており、その領域が「16番染色体の16p13.11領域」だということまでは特定されていました。ですが、詳細なメカニズムまでは解明されていませんでした。今回の山下先生・藤谷先生の研究では、マウス実験を通じてそこから大きく3つの発見がありました。①16番染色体の16p13.11領域の中に、マイクロRNA484が存在する。②16p13.11が重複することで、マイクロRNA484が増加する。③マイクロRNA484が増加すると、脳機能の発達に異常をきたす。(発達障害を引き起こしうる)発達障害の原因分子の1つである、マイクロRNA484が発見され、さらに、マイクロRNA484が要因となる発達障害の発症メカニズムが解明された、というのが今回の研究成果です。具体的な研究方法は、公共のデータベースより得られた患者情報を元に、染色体の重複部位の中の遺伝子に着目し、それらの遺伝子の発現・働きをマウスの脳内で明らかにしました。さらに、BACトランスジェニックという方法を用いて、ヒトの染色体の重複部位をマウスゲノムに組み込み観察し、神経新生異常と発達障害の症状を確認するというものです。Upload By 発達障害のキホン発達障害の発症メカニズムとは?出典 : 領域が重複することで、16p13.11領域の中にあるマイクロRNA484が増加します。すると、プロカドヘリン19蛋白(たんぱく)の機能を過度に減らしたり弱めたりしてしまい、プロカドヘリン19蛋白のバランスが崩れます。プロカドヘリン19蛋白は脳の発達に重要な役割をはたしており、そのバランスが崩れることで、異常な神経回路が構築されてしまいます。その結果、神経発達障害が発症するのです。山下先生、藤谷先生は、この一連の流れ、つまり、発症メカニズムを解明し、その過程でマイクロRNA484が原因分子であると発見したのです。Upload By 発達障害のキホンマウス実験による研究成果、人間への応用可能性は?出典 : 今回発表された研究成果は、マウスを使った実験に基づくものでしたが、人間にも同様の発症メカニズムがあると言えるのでしょうか。この質問に対する山下先生、藤谷先生のご回答ですが、①ヒトの遺伝情報を元に研究している。②ヒトの遺伝子をマウスに入れて異常がおこるか確認している。ということから、人の発達障害に対しても応用可能性が高いと考えることができるとのことです。発達障害の原因解明、気になる今後の治療法開発は?出典 : 発達障害の要因分子マイクロRNA484と発症メカニズムを解明した今回の研究ですが、原因解明は今後の治療方法開発にどの程度貢献するのでしょうか。山下先生・藤谷先生は以下のように答えてくださいました。「発達障害という病態に関わる分子はおそらくたくさんあります。それらの分子が、どのように働いて、脳の機能異常をきたすのかということを理解しなければなりません。本研究成果は、ほんの小さなピースです。膨大な数の小さなピースを組み合わせていくことで、発達障害の全貌が少しずつ明らかになり、治療開発の戦略が生まれてくるのではないかと考えます。」今回の研究成果は一つの原因分子とメカニズムの発見となりましたが、すぐに発達障害の治療に役立つというわけではないようです。しかしながら、こうした小さな発見の積み重ねが、医学のレベルを進歩させ、やがては新たな治療法の開発につながっていくと期待されます。今後の研究の展望について出典 : お二方とも、発達障害の治療に役立つであろう研究を今後も実施していく方針のようです。山下先生は、発達障害に関連する様々な分子に着目し、それらの機能を明らかにし、動物モデルで神経回路の構築と症状を検査していくという方法で、発達障害とは何かという問いに答えていくための基礎研究を進めていくご予定です。藤谷先生は、兵庫医科大学の准教授として、今後は、患者さんのiPS細胞から作った脳細胞を作成し、神経の分化異常に作用する薬剤を探索しようと計画しています。そして、発達障害のモデル動物を用いて薬剤の効果を確かめるといった研究を進めるご予定です。また、山下先生、藤谷先生から発達ナビ読者のみなさんへのメッセージもいただきました。「発達障害は、現在の神経科学の最も重要なトピックスの一つとして、急速に研究が発展しています。それらの中から、治療開発に役立つ研究が、一日も早く出てくることを祈念しています。」編集部としても、今後の先生方の研究に注目していきたいと思います。大阪大学 大学院医学系研究科/生命機能研究家 分子神経科学神経発達障害群の染色体重複による発症の機序を解明|大阪大学ADHDなどの原因、特定遺伝子の重複阪大解明|日経新聞 電子版 chromosome 16p13.11 microduplication causes hyperactivity through dysregulation of miR-484/protocadherin-19 signaling|Molecular Psychiatry
2016年07月15日「うちの子って本当に手がかかって大変!」ママをやっていれば、そう思うことは多々ある。でも、そんな気持ちが続くと「これって普通なのかな? それとも普通じゃないのかな? もしかしたら、うちの子、発達障害かも!?」そんなふうに心配になることがあるかもしれない。■「通級で良い先生に出会えて良かった!」自身の経験から語る発達障害わが家には、小学校6年生の双子の男の子がいる。双子のうちの1人、湧太(仮名)は、幼稚園の年長の秋、「広汎性発達障害」の診断を受け、小学校1年生~2年生の間、特別支援学級(通級。以下「支援学級」)に通っていた。今は通常学級のみの在籍で、楽しそうに毎日学校に通っている。そんな今、思うのは、「早い段階で、専門知識のある先生に出会えて良かった!」ということ。本気でそう思っているので、今回は自分の経験から、子どもの発達障害についてお話ししたいと思う。■「就学相談のお知らせ」がすべての始まり湧太が幼稚園の年長だった年の6月あたり。「就学相談のお知らせ」という紙が幼稚園のお便りに交じっていた。その紙を見たときに私自身、なぜだかとても引っかかった。ほかのプリントと一緒に捨てるのがためらわれ、幼稚園関係の保存用ファイルにとっておくことにした。その後、幼稚園関係の書類を探すたびに、目に入る「就学相談のお知らせ」。ここに電話してみたら、ずっと胸にモヤモヤしている「何か」の解決になるのだろうか? でも、電話をするのは怖い…。「就学相談のお知らせ」を目にするたびに、気持ちは行ったり来たりして揺れた。 ■わが子はマイペースでかんしゃく持ちその書類が気になったのは、湧太がマイペースで癇癪(かんしゃく)持ちだったからだ。幼稚園では周囲への関心が薄く、集団行動をすると、とんちんかんな動きをすることが多いと保育士さんから指摘を受けていた。輪の中に入るのが嫌いで、幼稚園に登園すると1人で絵本を読んでいることが多いので、友達はほとんどいない。そのくせ家庭では、気に入らないことがあると地団駄を踏んで大泣きし、母や兄弟が辟易(へきえき)して折れるまで我を押し通す。そんな湧太を育てることに、当時の私は疲れ切っていた。■お泊り保育で集団の輪を乱す湧太が年長時の7月、幼稚園でお泊り保育があった。園をあげての行事なので、担任以外の先生とも生活を共にしたようだった。翌朝、お迎えに行くと、副園長先生から、こんな言葉をかけられた。「湧太くん、ビックリしたわ。すごく大変ね。お母さん、彼は気をつけてあげないと学校に入ったら大変よ」■ネットで発達障害を調べてみる「やっぱり、そうか……」。長男を育てたときとは違う湧太の子育てには、ずっと不安があった。幼稚園の担任の先生にも何度か「湧太、大丈夫でしょうか? 何か、違和感があるんです。しかるべき機関に相談に行ったほうがよいでしょうか?」と相談はしていた。けれども、ベテラン保育士のその先生は、「お母さん、考えすぎよ。大丈夫、もう少し大きくなれば落ち着くわよ」と、いつも笑って受け流してくれていた。「ベテラン保育士さんが、そう言うんだもの。大丈夫」。ずっと、そうやって自分に言い聞かせていた。今から思えば、もっと早くに自分で調べることもできたと思うが、調べることが怖かった。「もしそうだったら、どうしよう」と思ったからだ。<次回に続く>
2016年07月14日2016年4月1日から、障害者差別解消法という法律が施行されたことをご存知でしょうか?この法律では、行政や事業者へ障害者に対して不当な差別を禁止し、社会のなかのバリアを取り除くべく「合理的配慮」に努めるよう定めています。障害者が必要としている「合理的配慮」とは、いったいなんなのでしょうか?また、この法律ができたことで、障害者の人たちは暮らしやすくなるのでしょうか?そんな問いに答えてくださったのは、「きこえないママ×まちプロジェクト」代表で、自身も聴覚障害があるまつもとまつりさん。耳のきこえないママたちと、地域の人たちをつなぐ活動をしていらっしゃいます。以前、お子さんが夜中に熱性けいれんを起こしたときに自力で救急車を呼べず、近所の人に助けてもらったため、日ごろから地域の人たちとつながっている必要性を感じたのだとか。今回はまつもとさんに、「聴覚障害者」の視点に立ったお話をお伺いしました。■聴覚障害者は想像以上に不便に感じているまつもとさんは以前クレジットカードを落としてしまったとき、母親にカード会社に電話をかけてもらったことがあったのだそうです。ところがカード会社の人に、「本人でないとダメ」といわれてしまったというのです。「だから、わざわざ会社を休んでカード会社に行って手続きをしなければならなかったんですよ。普通の人だったら休憩時間にちょっと電話すれば済むことなのに」(まつもとさん)また、銀行のATMに不具合があっても備えつけの電話が使えないため、窓口に行って事情を話してもう一度列に並びなおさなければならなかったこともあるといいます。それだけならまだしも、障害者割引のある駐車場に入っても出るときにモニターに障害者手帳をかざさないといけないことがわからず、結局は正規料金を払わざるを得なかった……などと不便に感じていることは多々あるそうです。健常者にとっては当たり前にできることだからこそ、聴覚障害者が不便に感じていてもなかなか気づきにくいものなのかもしれません。■行政にはその人に合った配慮をしてほしい「きこえる」人たちは、「耳がきこえない」といわれると、「じゃあ手話で通訳できる人がいればいいのね」と思いがちではないでしょうか。「でも、聴覚障害者のなかには手話を知らない人もいるんです。だから『耳がきこえない=手話通訳の用意』と考えるのではなく、筆談で対応する、ゆっくり話す、流れの決まっている手続きであればフローチャートを用意して指差ししながら説明するなど、その人に合った配慮をしてほしいと思います」(まつもとさん)まず、「聴覚障害者はみんな手話を知っている」という思い込みをなくすことが必要なのですね。■私たちにもできるちょっとした配慮とは?聴覚障害のある人だって、スキルアップのための学びの場や職場の会議、町内会の話し合いに参加する機会を望んでいるもの。しかし、話の流れがわからない、資料を読んでいると知らないうちに話が進んでいる……など、ハードルが高くてなかなか参加しづらいのだとか。そんなとき、「きこえる」人たちが「きこえない」人たちのためにできることはなんでしょうか?たとえば講座に参加するときであれば、前もって資料をもらう、隣に座った人にはいま話しているところを指差ししてもらう、資料を読むのに夢中になっているとき、講師が話しはじめたら肩を叩いて教えてもらう。そういう、ちょっとした「配慮」をしてもらえたらだいぶ助かるとまつもとさんはいいます。「手話通訳になにからなにまで依頼することはできません。でも、『ちょっと配慮がほしい』という場面は日常的にたくさんあります。ちょっとしたことでも協力してもらえたら、とてもありがたいです」(まつもとさん)■障害者差別解消法だけで社会は変わるのか最後に、障害者差別解消法ができたことで障害者が生活しやすくなっていくかどうかについて意見をきいてみたところ、「5分5分」という答えが返ってきました。法律ができたことで、いままで「予算がない」という理由でやらなかったことに対して「やらなきゃいけない」という意識が芽生えることはあるかもしれない。しかし、だからといって具体的になにをすればよいか行政や事業者の人たちにはわからないだろうから、聴覚障害者自身がもっと「こうしてほしい」と声をあげなければいけないといいます。「行政などに直接声を伝えるのはなかなか難しい。だから、まずまわりの人たちに『こういう不便がある』ということを伝えたいと考えています。その話を聞いた人からアイデアを出てくるなど、なにかいい方向につながっていくと思うから」(まつもとさん)現在、聴覚障害で障害者手帳が交付されている人は全国で45万人。でも、手帳交付に至らない軽度の方も含めると、聴覚障害者は1,000万人以上いるといわれています。障害の程度に関係なく、不便に感じる人たちへの配慮が自然にできる社会になれば、障害者もそうでない人もお互いにもっと気持ちよく暮らせるのではないでしょうか。(取材・文/あさき みえ) 【取材協力】※まつもとまつり・・・「きこえないママ×まちプロジェクト」代表。3人の男児の母。横浜市戸塚区にある親子カフェ「こまちカフェ」を拠点に、「きこえないママ」と地域の人たちとの交流会を月1回(第2火曜日10:00~12:00)おこなっている。コミュニティFMラジオ「エフエム戸塚」の番組にゲスト出演経験もあり。 【参考】※ココロもカラダもぽっかぽか※こまちカフェ※障害を理由とする差別の解消の推進-内閣府※厚生統計要覧(平成27年度)-厚生労働省※難聴者の数は、どれくらい?という事で調べてみた-L.S.B.information
2016年06月25日起きたときに身に覚えのない傷が体にできていたという経験のある人はいませんか? それはもしかしたら睡眠障害かもしれません。睡眠障害は不眠だけでなく、さまざまな症状、タイプがあることで知られています。今回は海外で大きな話題を呼んだニュースから、どのような睡眠障害があるのかを探っていきたいと思います!睡眠障害の4つのタイプ睡眠障害にはいろいろな症状があります。大別すると、以下4つのタイプがあると言われています。不眠寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚めてしまう、予定時刻よりも早く目が覚める、浅い眠りが続くなど。過眠夜にしっかり睡眠時間をとっているのに日中に眠くなる。抗えないほどの強烈な睡魔に襲われることも。リズム異常寝る時間と起きる時間が毎日バラバラになる。寝ようと思った時間に眠れず、起きようと思った時間に起きられない。違和感寝ようとしてベッドに入ると足がむず痒くなる、睡眠中に呼吸が苦しくて目が覚めることがある。一言で「睡眠障害」といっても、このようにタイプがあるということを覚えておいてくださいね。気になる症状がある場合は、早めに医師に相談するようにしましょう。変わった症状もある上記に挙げたものは睡眠障害の一般的な症状ですが、なかには変わった症状が出る人もいるようです。今回はいくつかピックアップして、紹介します。自分の手を齧った!?中国で話題を呼んだのは、「睡眠中に自分の手を齧ってケガを負い、病院に担ぎ込まれた人がいる」というもの。ケガをするほど齧るとは相当の力だったんでしょうね……。このような症状の場合、考えられる睡眠障害は、睡眠中に歩きまわったりする夢遊病や異常行動をとるレム睡眠行動障害などですが、実際のところ、これだけではどの睡眠障害かは確定できないようです。きっと、この人も目が覚めたらシーツが血だらけになっていて、さぞビックリしたことでしょうね……。夢遊病とは上記症状の原因の可能性がある「夢遊病」と「レム睡眠行動障害」について詳しく説明しましょう。まずは、夢遊病から。正式名称は「睡眠時遊行症」で、本人には自覚がない状態で睡眠中に歩き出す症状がみられます。起きたときも、本人には歩きまわっていたという記憶はないそうです。この睡眠障害の怖いところは無意識で歩きまわるので、ケガをする可能性があるところです。家の中ならまだしも、着替えて外に出ていってしまうこともあるというので家族の人は心配ですよね。周囲にこの症状がみられる人がいたら、早めに病院でみてもらうようにしましょう。レム睡眠行動障害とは続いて「レム睡眠行動障害」です。この睡眠障害は浅い眠りであるレム睡眠中に、大声で話をはじめる、手足をバタバタさせる、歩きまわるなどの異常行動をとるものです。物を投げてしまうこともあるので、室内の家具が壊れてしまう場合もあると言われています。このレム睡眠行動障害も、夢遊病と同様に本人に自覚症状はありません。そのため、治療には家族の理解と協力が不可欠です。睡眠中の異常行動がみられた場合は、「いつか収まる」と安易に考えず、ケガをしたり、事故に巻き込まれたりする前に医師に相談しましょう。睡眠障害の検査は?睡眠障害の疑いで病院へ行った場合、症状のタイプによってさまざまな検査が行われます。代表的なものを紹介します。睡眠ポリグラフ検査病院に1泊して、体にセンサーをつけた状態で睡眠をとる。呼吸数や心拍数、夜間の睡眠状態を確認することで、原因を診断するために行うもの。CPAP圧設定検査睡眠中に何度か呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群の疑いがあると診断された場合に行う検査。病院に1泊して、マスクを装着して眠ることで呼吸の状態を調べる。脳波検査頭に電極をつけて、脳波を検査する。これによって、てんかんなどの疾患があるかどうかを検査する。検査は他にもたくさんあります。どれも実施する前には医師からきちんと説明があるものなので、睡眠で悩みを抱えている方は一度病院へ行ってみましょう。photo by acworks
2016年06月24日【ママからのご相談】3歳の息子が他の子に比べて落ち着きがなく、ママ友に「発達障害も考えてみたら?」と言われました。発達障害と簡単に言っても一体具体的にはどのようなものがあるのでしょうか?●A. 小児科医師に聞いた3つの代表的な発達障害をご紹介します。こんにちは。ご相談ありがとうございます。ママライターのmomoです。たしかに発達障害といえども、実際どんなもの?というところがありますよね。今回は小児科医師に発達障害の具体的な特徴について聞いてみましたので、ご紹介します。●発達障害の主な種類3つ●(1)広汎性発達障害一般的に『自閉症』や『アスペルガー症候群』といわれるものが広汎性発達障害です。小児科の医師によると、具体的な特徴としては、・人と上手につきあうことができない・コミュニケーションをとりにくい・強いこだわりを持っている・歩き方や走り方などの動作がぎこちないなどが挙げられるそうです。これらの特徴が3歳くらいまでに現れる ことが多いとのこと。3歳くらいだと判断が難しいところですが、不安に思うことがあったら医師や専門家に相談してみましょう。●(2)注意欠陥多動性障害(AD/HD)自分の欲求など、コントロールをすることが難しくそれが行動に現れることで問題視される障害です。医師によると具体的な特徴は、・ひとつのことに集中することができない・落ち着きがなく、じっとしていることができない(多動性)・突発的な行動をとることが多い(衝動性)などが挙げられるそうです。周りの子に比べて落ち着きがなかったり、幼稚園などでいつもクラスから飛び出してしまったりなど、思い当たることがある場合は相談してみましょう。●(3)学習障害(LD)知的な遅れはない ので一見気づかれにくいのですが、幼稚園や小学校に入ると発覚しやすいのが学習障害です。医師によると具体的には、・聞くことが苦手・話すことが苦手・読むことが苦手・書くことが苦手・計算することが苦手などが挙げられるそうです。学習や日々の生活に困難を感じることが多く、周囲の人が早めに気づいて支援してあげることが大切です。----------発達障害は誰かの努力が足りず起きるものではなく、誰のせいでもありません。周囲の人が障害を理解して支えてあげることが大切です。少しでも自分の子に不安に思うことがあれば、医師や専門の人に相談してみましょう。●ライター/momo(ママライター、元モデル)
2016年05月07日【ママからのご相談】長男(10歳)の担任から発達障害を疑っているようなことを言われました。授業についていけていないなど、気になる部分がさまざまあるようです。障害と疑われるほど、うちの子は他と違うのかと不安です。今はただどうしたらいいか分からず悩んでいる状態です。●A. 発達検査を受けることで悩みを軽減させることができます。こんにちは。メンタル関連を中心に書いているメンタルケア心理士の桜井涼です。ご相談ありがとうございます。相談者様が不安になってしまうお気持ちはよくわかります。“障害”という言葉がつくものに関しては、たいていの人が「普通じゃない」と反応してしまいますよね。どうすればいいのかと不安になってしまうのも、親としてお子さんを大切に思っているからなのです。しかし、悩んでいるだけでは解決になりませんから、検査を受けることをおすすめします。●悩む前に発達検査を!こういった問題は、デリケートでショックも大きいものですから、いろいろ考え込んでしまいますよね。でも、悩んでいても解決にはならないと相談者様が一番良くおわかりだと思います。発達障害は、判断するための明確な線引きがありません 。決めるのは、発達障害の基準となる症状がどのくらい強く出ているかというところになります。相談者様にとっても、「うちの子は大丈夫」と思う気持ちと「もしかして……」と思う気持ちが入り乱れ、とても心に負担を感じていることと思います。親と子、両方を気持ちを楽にして、今後どのようにすればいいかの指針となるものがあると、気持ちの楽さがまったく違ってきます。そのため、発達検査を受けることをおすすめします。相談者様は、担任からお話があったということですので、自治体で発達検査を受けることができると思います。●発達検査は、子どもの二次障害や心の負担を軽くする検査を受けること自体、拒否をしてしまう方がいるのは確かです。「障害ではない!」という気持ちが強く表れてしまうのは親として当然でしょう。しかし、認めたくないという気持ちから、子どもに無理をさせてしまいがちになる こともあります。・勉強など本人が苦手としていることを無理にさせてしまう・できないことを叱って、がんばらせようとする・子どもの行動や気持ちを否定しまいがちになる親がこのような行動を取ることで、子どもはどんどん心を壊していきます。子どもも「がんばらなきゃダメだ」という気持ちで最初はがんばります。でも、親に言われたり先生に言われたりして自分が生きている価値のない子どもだと考えるようになります。その結果、精神不安になってしまうことや、うつ病を発症してしまうことがあります。最悪な場合、自殺を考えてしまうこともあるのです。このような心の状態が極端に低下してしまうことを二次障害 といい、発達障害より危険視されています。このような状態にならないように子どもを支えていくことが非常に大切です。●親も家族だけでがんばらない発達障害のような問題は、なかなか他人に相談できないことが多いです。しかし、家族内だけで話すだけでは今後どうすればよいかなどのことを含め、話が先に進まないという現状があると認識しています。相談者様にはできるだけ、ご家族だけでなく学校カウンセラーや自治体の相談窓口などを活用して知識を得て、心の内を聞いてもらうことをしていただきたいと考えています。誰にも相談できない状況は、子どもにプレッシャーを与えることにもつながります。ですから、家族だけでがんばらないで、専門家に頼ることも大切なのです 。----------発達障害であるかどうかを調べずに悩むのは苦しいことです。親も子も気持ちの部分で安定するために、まずは検査を受けていただきたいと思います。早くわかれば早い段階で対処することが可能です。そして、心配事を減らすことにもなります。こういった問題の場合は、親も子も心から楽になることが必要です。ご相談ありがとうございました。【参考文献】・『ストレスから子どもを守る本』富田富士也・著●ライター/桜井涼(フリーライター)
2016年05月04日睡眠障害にはさまざまなものがあり、症状や治療法も複雑なので、素人が自己判断でどうにかできるものではありません。今回紹介するレム睡眠行動障害もそのひとつ。本文のような症状が現れたら、早めに病院へ行きましょう。レム睡眠行動障害ってどんな睡眠障害?睡眠障害のひとつに「レム睡眠行動障害」というものがあります。私たちは夜間、レム睡眠(浅い睡眠)とノンレム睡眠(深い睡眠)を交互に繰り返していますが、この睡眠障害ではレム睡眠時に無意識のうちに体が動いたり、声をあげてしまうといった症状が現れます。通常、レム睡眠の最中は筋肉が緩んでいる状態なので、体を動かせないものと考えられていますが、レム睡眠行動障害の患者は悪夢などが原因で、大声で叫ぶ、手足をバタつかせてしまうなどの行動をとってしまいます。一般的に、高齢の男性に多くみられる睡眠障害で、薬物治療によって改善されることがほとんどだと言われています。周囲はどう対処すべきかレム睡眠行動障害の場合、当人は自分が睡眠中に声をあげたり、暴れているという自覚がないと言われています。そうなると、重要な役割を担うのは当人の周囲にいる人間です。もしも、あなたの家族や同居している人が寝ている最中に突然暴れはじめたら、どうしますか?推奨されている方法は、自然に目覚めるように誘導することだそう。たとえば、部屋の電気をつける、アラームを鳴らす、テレビをつけるなどで、朝目覚めるときと同じような環境をつくるとよいのだとか。強引にゆすって起こしたりすると、現実と夢の区別がつかず、より暴れてしまうことがあるそうなので、注意しましょう。早めに病院へ!レム睡眠行動障害は、加齢による脳内伝達物質の減少と不安定な心理状態が組み合わさったときに起こりやすいと言われています。高齢の方で強いストレスを感じていたり、トラウマを抱えていたり、生活習慣が乱れているときには注意が必要かもしれませんね。もしも、ご自身または周囲の方に上記のような症状が現れたら、早急に専門の病院を受診しましょう。先述した通り、レム睡眠行動障害の治療は薬物治療によるもので、今のところ生活習慣を見直すなどの行動療法では治らないと言われています。ただ、専門医の指導を受ければ、深刻になる病気ではないのだとか。気になる方は早めに病院へ行ってみましょう。photo by Didgeman
2015年12月13日京都大学(京大)は11月10日、重度の先天的障害のある野生チンパンジーを観察し、母親が過去の子育てとは異なる方法で障害児のケアを行っていた点、他個体が障害児に対して恐れや攻撃といった特異な反応を示さなかった点などを明らかにしたと発表した。同成果は、同大学理学研究科博士後期課程 日本学術振興会特別研究員の松本卓也氏、野生動物研究センター 中村美知夫 准教授、伊藤詞子 研究員、鎌倉女子大学学術研究所 井上紗奈 研究員らの研究グループによるもので、近日中に国際学術誌「Primates」にてオンライン公開される予定。今回の研究では、タンザニアのマハレ山塊国立公園に生息するチンパンジー集団において、2011年に重度の障害のある赤ん坊が生まれたことを発見し、その後赤ん坊が消失するまでの約2年間の行動を記録した。この結果、今回観察された障害児の特徴が、過去に報告されたダウン症様の個体の症例に酷似していることがわかった。野生下でダウン症様の赤ん坊が発見され、2年近く生き残った事例が報告されるのは今回が初めてだという。また、他個体からのケアとして、他個体がその赤ん坊に対して恐れや攻撃といった特異な反応を示さなかったこと、母親が腹に掴まった赤ん坊に片手を添えつつ移動するなど、過去の子育てとは異なる方法で障害児を育てていたこと、障害児の姉が母親の代わりによく世話をしており、その姉が自身の子を出産した約1カ月後に障害児が消失したことがわかった。重度の障害のある赤ん坊が野生下で2年近く生き残ることができた要因として、母親による柔軟な子育てや姉の世話といった他個体からのケアが影響を与えていた可能性がある。中村准教授は同成果について「マハレでのチンパンジー研究は今年で50年になりますが、障害のある赤ん坊が観察されたのは今回が初めてです。障害者などの弱者をケアできる人類社会の進化基盤を考察する上でも重要な観察事例だと考えています」とコメントしている。
2015年11月11日ADDSは11月23日、自閉症などの発達障害がある子どもへの早期支援の普及・啓もうを目指し、情報発信イベント「先輩パパママ100人に訊(き)く! 家庭療育ことはじめ~100から学ぶ1のこと~」を、東京都・青山で開催する。「自閉症」は発達障害の1つで、心の病気ではなく先天的な脳機能の障害である。米国疾病管理予防センター(2010年)によると、「人と目を合わせない」「名前を呼んでも振り向かない」「なかなか言葉が出ない」「特定の物へのこだわりが強い」などの症状があり、発症率は68人に1人とも言われているという。同団体は、自閉症がある子どもとその保護者が、早期の適切な支援によって可能性を最大限に広げられる社会の実現を目指すため、サポート活動を行っている。家庭で取り組める早期療育プログラムを開発し、2009年から約140家庭に提供してきた。その結果、子どもの知能指数や適応行動の向上、保護者の自己効力感の向上など大きな成果が出ているとのこと。同団体によると、自閉症に対する療育は、「応用行動分析(Applied Behavior Analysis: ABA)」という理論体系に基づいて早い段階で行うと、その症状が劇的に改善することが複数の研究で明らかになっているという。アメリカなどでは自閉症への支援モデルとして最も推奨されているが、日本ではまだほとんど知られていないのが実情とのこと。同イベントでは、子どもの発達に悩みを抱え、リアルな情報を求めている保護者に対し、早期療育に実際取り組んできた100人の先輩が実体験に基づいた情報提供をする。同じ境遇にあった先輩保護者がカフェスタッフ、ネイリスト、手作りワークショップの講師に扮(ふん)し、おもてなしをしながら悩みを聞き、早期療育に対する情報提供を行う。場所は、東京都港区青山の「匠ソホラ」。入場券は菓子・ドリンクチケット付で500円(税込)。申し込みはイベント特設ページで受け付けている。
2015年10月24日赤ちゃんの仕事は寝ること。昔からよく言われてきましたよね。心も体も大きく成長するこの時期にしっかり睡眠時間をとる必要があるのは当然です。でも実は今、睡眠障害の幼児が多くいるのです。寝ている間に子どもは育つ「寝る子は育つ」とよく言いますが、実際に子どもの健やかな成長のためにはどれぐらいの睡眠時間が必要かご存知でしょうか?長い人生において体や心が最も成長するのは1歳までの間と言われていて、その一番の成長期である1歳までの間は、12時間以上の睡眠をとったほうがいいと言われています。どうしてそんなに必要かというと、子どもの成長を促してくれる成長ホルモンは睡眠中に分泌されるからです。成長期にしっかり眠って、成長ホルモンをしっかり分泌させることが子どもの成長にはとても重要なのです。赤ちゃんはただ眠っているように見えますが、実はその間にぐんぐん成長しているというわけです。幼児の睡眠障害がもつリスク子どもにとってそれだけ大切な睡眠。睡眠時間が少ないなどの幼児期の睡眠障害は、当然、体の成長を妨げてしまいます。でも、怖いのはそれだけではありません。実は幼児期の睡眠障害は、脳の発達にも悪影響を及ぼし、発話の遅れや、キレやすいなどの情緒不安定を引き起こすことがあるというのです。そんななか、あるアンケート調査では、0歳児の3割以上が12時間未満の睡眠しかとっておらず、さらには全体の25%が10時間未満しか眠っていないという結果が出ました。4人に1人の幼児が大人とあまり変わらない睡眠時間しかとれていないのです。さらにこの問題が深刻なのは、親が子供の睡眠不足に気付いていないこと。同じアンケート調査で、9割の保護者が「自分の子どもの睡眠時間は十分にとれている」と答えているのです。幼児が睡眠不足になるのはどうして?なぜ、寝るのが仕事なはずの子どもが睡眠不足になってしまうのでしょうか?その原因は親の行動スタイルにあるようです。というのも、あるアンケートによると、夜9時以降に赤ちゃんを連れてコンビニやDVDのレンタルショップなど、商業施設に行ったことがあると答えた親が25%もいるからです。夜型のライフスタイルが染みついている大人にとっては、21時はまだ活動時間かもしれません。しかし、12時間以上の睡眠を理想とする幼児にとっては、もう布団に入っていたほうがいい時間です。遅くまで続く残業や深夜までやっているお店の増加。夜型生活の要因は多々ありますが、赤ちゃんの未来を大きく左右する大切な時期に、わが子が安心して眠れるように今一度、生活サイクルの見直しが必要かもしれません。photo by Seth Baur
2015年05月27日優れた若手映画作家の発掘と育成を行うプロジェクト「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」が今年も募集を開始した。本プロジェクトは数々の映画監督を輩出しており、今月末公開の『グッド・ストライプス』の岨手由貴子監督、6月公開の『トイレのピエタ』の松永大司監督も本プロジェクトの出身だ。その他の写真「ndjc…」は文化庁の委託事業で、NPO法人 映像産業振興機構が2006年から行っているもの。団体から推薦を受けた作家の中からワークショップ参加者を決め、同一の課題・条件下で5分間の短編を制作。その中から製作実地研修に参加する作家を決定する。参加者はプロのスタッフやプロデューサーの指導・助言を受けながら2か月かけてオリジナルの脚本を執筆し、約30分のオリジナル劇映画を製作する。ポイントは撮影が35ミリフィルムで行われることで、自主映画では予算の関係からなかなか導入することが困難な35ミリフィルム撮影で新作映画を製作することができる。完成した作品は発表会・講評会が行われた後に一般公開され、国内外の映画祭への出品や劇場での上映の働きかけも行われる。本年度の募集はすでに始まっており、今月21日(木)には募集説明会も開始。今年も映画祭や学校などから推薦された才能あふれる若手映画作家が数多く集まる予定だ。
2015年05月19日更年期障害と聞いて、みなさんはどんなことを想像しますか?アラサーのみなさんにとっては、まだまだ遠い先のことと感じる人が多いでしょう。でも実は30代で更年期障害のような症状があらわれる、「若年性更年期障害」の人が増えていることをご存知でしょうか?すぐに疲れてしまう、イライラして寝つきが悪いなど、病気とは言えない体の不調を感じたことはありませんか?これらは更年期障害の症状のひとつ。アラサーのうちから気をつけたい、若年性更年期障害について紹介します。そもそも更年期障害って何?更年期障害とは、閉経をはさんだ前後10年の間に起こりやすい心身の不調のことです。女性が閉経する年齢は平均で50歳前後といわれているので、一般的には45~55歳くらいの期間を更年期と呼びます。この期間は閉経に向けて、女性の体が大きく変化する時期。卵巣機能が低下するために女性ホルモンの分泌が少なくなる一方で、脳からは女性ホルモンを出し続けるように指令が送られ、このアンバランスが様々な症状を引き起こすのだとか。代表的なのは次のような症状です。【体調面】・月経不順・頭痛やめまい・のぼせ・寝つきが悪くなる・動悸や息切れ・手足の冷えやむくみ・汗が急に出る・食欲不振・肌のくすみやシミ、たるみ・便秘【心理面】・イライラして怒りっぽくなる・不安感が強く、落ち込みやすい・物忘れがひどくなる病気のようにはっきりした症状はないものの、こうした症状が重なるために、ひどいときは生活や仕事に支障をきたすこともあります。では、なぜ30代で更年期症状があらわれてしまうのでしょうか?生活環境とストレスが、アラサーに更年期障害を引き起こす30代の女性に更年期のような症状が現れる原因として、生活環境やストレスなどが関係していると言われています。不規則な生活や過剰なストレスがかかると、自律神経の働きが狂ってホルモン分泌にも影響を及ぼすことがあります。これが更年期障害のような症状を引き起こす原因になります。実際には30代で閉経する人は、ほとんどいません。そのため、生活習慣を改善してホルモン分泌が正常に戻れば、症状は改善します。無理なダイエットを繰り返して、一時的に生理が止まってしまう人がいますが、これも若年性更年期障害の原因になります。美しくなるためのダイエットが、更年期障害を招いてしまっては意味がありませんよね。「心地よい睡眠」で、若年性更年期を撃退できる!まずは快眠をしっかり確保することが大切。睡眠不足は疲労やストレスを増幅させて、症状を悪化させてしまいます。できれば10時までにベッドに入りたいところですが、難しい人も多いと思うので、次の点を心がけてみてください。「就寝前に湯船につかる」湯船にゆっくり浸かって、心身ともにリラックスしましょう。また体温が下がるときにに眠気を感じやすくなることから、入浴時に体温を上げておくと入眠しやすくなります。「就寝の2時間前までにスマホやパソコンの使用をやめる」スマホやパソコン、タブレットなどのブルーライトは、刺激がとても強いため睡眠の妨げになります。また睡眠の1時間前には、部屋の照明を落として暗くすることで、眠りに入りやすくなります。「起床時間を固定する」就寝時間の固定が難しい場合も、起床時間だけは固定するように心がけましょう。朝起きる時間をそろえるだけでも、生活が規則正しく整いやすくなります。早起きして朝食を食べると、便秘解消効果も期待できるのでおすすめです。休日も同じ時間に起きることで、週明けも睡眠リズムが狂いにくくなります。心地よい睡眠を得るためのヒントは、ピーリング麻里子さんのこちらの記事にも詳しく書かれています。こちらも、ぜひ参考にしてみてください。やっぱり女はデリケート・・・女性でも、バリバリ仕事をしている姿はカッコいいですよね。でもどんなに仕事のポジションが上がっても、体まで変化するわけではありません。女性らしさを極端に主張する必要はありませんが、女性としての心と体を丁寧に扱うことは、やはり大切なこと。「女はデリケート」それは昔も今も変わりません。忙しさにかまけて、あなたは女であることを忘れていませんか?
2015年02月11日テレビや雑誌などで「睡眠障害」という言葉を目にしたり、聞いたりしたことはないでしょうか?睡眠障害とは、その名称の通り、睡眠に関する何らかの障害のことで、日中に眠たくて仕方がなかったり(過眠症)、眠っているときに無意識に体が活動してしまったり(睡眠時随伴症)、呼吸が止まってしまう(睡眠時無呼吸症候群)などの総称として用いられます。なかでも、眠ることができなったり、睡眠の途中で目をさましてしまったりする「不眠症」は、日本国民の5人に1人がかかっているといわれており、よく知られています。国民病といわれている睡眠障害「不眠症」の4つのタイプ眠ろうと思ってもなかなか寝つくことができない「不眠症」には、大きく分けて「入眠障害」「熟眠障害」「中途覚醒」「早朝覚醒」の4タイプに分類することができます。入眠障害不眠症の中で、もっとも多いといわれているのが「入眠障害」です。ベッドや布団などに入ったものの、なかなか寝つくことができない状態が続く症状のことをいい、個人差はありますが、睡眠にはいるまでに30分から1時間近くかかる人もいます。「日常的にストレスを抱えている」「直前までテレビやパソコンなどの光を見ていた」「体内時計が乱れている」などの原因があると考えられています。熟眠障害入眠障害とは対照的に、十分な睡眠時間をとっているにもかかわらず、満足感を得ることができない症状を「熟眠障害」です。睡眠には、体が休眠していながら脳は活発に動いている「レム睡眠」、脳も体の機能も深く休眠している「ノンレム睡眠」の2つの種類があるといわれています。「熟眠障害」は、この「ノンレム睡眠」の量が少なくなってしまうことをいい、長期化すると、体調不良の原因になったり、自動車を運転している時に無意識に寝てしまったりといった、重大な事態に陥ってしまうことも考えられます。中途覚醒心理的理由、環境的理由などが原因で、睡眠の途中で目が覚めてしまう症状のこと。この状態が数日間続くと「一過性不眠」、1~3週間ほど持続すると「短期不眠」、1か月以上継続すると「長期不眠」といいます。とくに「長期不眠」の場合には、喘息、心不全、神経症などの重大な病気が背後に隠れている場合があるので、長期化している場合には、少しでも早く専門医師に相談することをオススメします。早朝覚醒会社や約束ごとで起床しようと目覚ましをセットしていても、いつもその時間よりも早く目覚めてしまう症状。日本人の8%は、この「早朝覚醒」を体験しているといわれています。とくに高齢者に多く見られる症状だと思われていますが、近年では、比較的若い世代においても目立ってきている症状です。日頃の生活で可能な対処法とは?日常生活でできる対処法としては、生活習慣を改めることです。夜更かしや寝坊、昼寝のしすぎを控えて「就寝や起床時間を一定にする」ように心がけたり、体内時計を調整するために「太陽光を積極的に浴びる」ようにつとめたりするだけでも効果的です。その他にもさまざまな日常生活の改善点があるので、簡単に紹介しておきましょう。・睡眠時間にこだわらない・自己流のストレス解消法をみつける・就寝前にはリラックスできる時間をつくる・寝酒を控える・眠りやすい環境づくりを心がける自分で「不眠症かな?」と実感できたら以上のことを実践してみるといいでしょう。ですが「不眠症」の裏には複数の原因が隠れている場合があるので、それぞれの原因に合わせた対処法が必要になってきます。他の睡眠障害でもある「睡眠時無呼吸症候群」「睡眠時随伴症」などが原因で、何らかの不眠症を併発している場合もあります。医師の診断や治療、専門施設での検査や診断が必要になってきます。自分ですべてを解決しようとは考えず、医師の判断を仰ぐようにしてください。参考:厚生労働省e-ヘルスネット
2015年01月08日元ディズニー・アイドルで歌手のデミ・ロヴァートは摂食障害や双極性障害、自傷癖といった様々な問題を抱えて2010年にリハビリ入りし、その明るく自信あふれるイメージとのギャップから世間を大いに驚かせた。休息期間を終えた後、彼女は以前よりさらに精力的に活動を行い、若者や同じ病気に苦しむ人々のための素晴らしいお手本であり続けている。そんなデミがTwitterにて摂食障害や精神障害についてのよくある誤解を語り、人々を啓蒙する力強いメッセージを発信した。彼女は以下のように語っている。「摂食障害であることが“強さ”を示すわけではないわ。強さとは、長いこと戦ってきた自分の中の怪物を乗り越えられるということよ」。「飢えることはダイエットではないし、吐くことは極端に痩せている人のみがすることではないわ。摂食障害は人を選ばないの。そのほかの精神病も同じ。それらは致死性の病気で、日常的に人の命を奪っている。だから、どうか摂食障害や精神病について語る時の言葉には慎重になって」。「拒食症や過食症は単なる選択の問題だと広く誤解されているわ。人々はよく“とにかく食べればいいじゃないか”“吐くのをやめればいいじゃないか”と言うけれど、その精神障害への無知・無学が精神のケアを後回しにさせている原因よ。この病気の流行はこの国を風靡し、毎日のように悲劇を生んでいるというのに」。壮絶な苦しみを乗り越え現在も病気と闘い続けているデミの言葉には大変な重みがある。実際に心の病気は目に見えない分、体の病気よりも軽視されることも多いだろう。ネガティブなイメージを恐れて公表しないという選択もあっただろうが、デミは自分の問題を共有しメッセージを発信し続けている。デミのように影響力あるセレブが問題に向き合い続けている事実は、世界中の同じ病気に苦しむ人々を勇気づけていることだろう。(text:cinemacafe.net)
2014年11月14日ベビーフット株式会社リベルタは、勤労感謝の日に向けて、「シンデレラプロジェクト」をおこないます。「シンデレラプロジェクト」は全国7都市で「ベビーフットイージーパックDP60分タイプ」を無料配布するもの。がんばっている女性の足をケアします。販売個数850万個「ベビーフット」は、削らない角質ケア。足の裏にたまった角質を、削らずに落とします。使用方法は、ジェルローションに足を浸し、洗い流すだけ。日がたつにつれ、余分な角質がはがれ、つるつるな素肌に。2005年5月の販売開始から、現在にいたるまで、累計販売個数は、850万個。日本以外の国々(45カ国)でも人気の商品です。シンデレラプロジェクト「シンデレラプロジェクト」は「普段“シンデレラ”のように足を酷使してがんばっている全国の女性たちに、ガラスの靴が似合うような“美人足”になってほしい」という願いからおこなわれるもの。福岡・広島・大阪・愛知・東京・神奈川・宮城の全国7都市で、2000個の「ベビーフット」を無料配布します。また、「ベビーフット」を受け取りの際に、「シンデレラ」という合い言葉を言うと、「ベビーフット」に加えて、嬉しいプレゼントがあるとのこと!あなたも「シンデレラプロジェクト」に参加してみませんか。(画像はプレスリリースより)【参考】・勤労感謝の日シンデレラプロジェクト 削らない角質ケア「ベビーフット」2,000個を全国で無料配布 ― 毎日がんばっている女性たちへ ―
2014年11月08日エムオーテックスは10月27日、情報漏えいの解決や防止に貢献する啓発プロジェクト「NO MORE 情報漏えいプロジェクト」の開始を発表した。同プロジェクトは、企業の情報漏えいを「自分ごと化」することを目的としており、その解決や防止に貢献していくという。プロジェクトの監修としてHASH コンサルティングの代表を務める徳丸 浩氏を迎えており、社会問題解決に向かえた活動を展開していく。具体的には、啓発プロジェクトの発足に合わせて「NO MORE 情報漏えいプロジェクト」の特設サイトをオープン。サイトでは、情報漏えいのリスクがどれほどあるのか、どういった原因で発生してしまうのかについて、事例や徳丸氏のコラムを通じて紹介していく。また、情報漏えいリスクの実態を把握するために、情報漏えいに関する一般公開アンケートも実施し、定期的にレポートを公開する予定だ。一方で、情報漏えいの対策ツールとして、プロジェクト第一弾「LanScope An Free」の提供を11月末から提供開始する。同社によると、日本初のスマートデバイス紛失・盗難対策ツールの無償提供で、MDM製品「LanScope An」から紛失・盗難対策機能を抜き出した形の製品となる。LanScopeシリーズのLanScope CatがIT資産・PC構成管理ソフトウェア部門で10年連続トップシェア(フジキメラ総研調べ)となっているなか、LanScope Anは国内7500社が導入する同シリーズから登場したスマートデバイス管理ツールとなる。「LanScope An Free」では、iOSやAndroid、Windowsのスマートフォン、タブレットのリモートロック(遠隔ロック)とリモートワイプ(遠隔データ消去)、パスワードポリシーの3つの機能を提供している。また、無償アプリでありながら、電話やメールサポートも無償で提供しており、インストールや操作方法がわからない場合でも問い合わせができるため安心だ。
2014年10月29日これまで、女性だけの症状と思われていた「更年期障害」。実は男性にもあるってご存じでしたか?更年期障害とは、加齢によりホルモンバランスが崩れることで、さまざまな不調が現れること。体だけでなく、心にも影響を与えます。閉経を迎える40代~50代の女性特有のものと考えられていましたが、近年、男性にも更年期障害が起こることがわかってきました。しかも中には、30代で更年期障害の症状を示す男性も!詳しい説明を、私のクリニック目白の平田雅子院長にお聞きしました。(以下、平田雅子先生)女性の更年期障害の場合、閉経前後に卵巣の機能が低下し女性ホルモンの分泌量が減少することで起こります。それと同じく男性の場合も、加齢による男性ホルモンの分泌が低下が原因と考えられています。まず、男性の場合、脳の視床下部から出されるホルモンの刺激で、性腺刺激ホルモンが分泌されます。性腺刺激ホルモンが分泌されると、男性ホルモンである「テストステロン」が睾丸(こうがん)から分泌されるのですが、テストステロンは、45歳くらいから緩やかに減少していきます。ですから、一般的に男性に更年期障害の症状が見られるのは、40代半ばからといえますが、若くても無縁ではないのです。それは、ストレスなどが原因で、30代でもテストステロンの分泌が減少してしまい、更年期障害の症状が現れる場合があるんです。症状は人それぞれで多岐にわたりますが、代表的なものはこちら。・ほてり、のぼせ・手足の冷え・頭痛・めまい、耳鳴り・肩こり・筋肉痛・便秘・腹痛・頻尿or残尿感・動悸(どうき)・不眠・倦怠(けんたい)感・不安・性欲低下・勃起(ぼっき)不全このように、身体面、精神面の両方にさまざまな症状があるにも関わらず、男性には女性の閉経のような分かりやすい変化がない上に、どれもすぐに病気につながるような症状でないため、見過ごされがち。また男性の場合も、更年期障害による身体的な変化により精神的に落ち込み、うつ状態になることが多いんです。もし症状に心当たりがあるのなら、男性の更年期障害について扱っている病院を受診してみましょう。(ビューティ&ダイエット編集部)
2012年03月18日