毎年10月も終わりをむかえるころになると話題になるのが「ハロウィン」ですよね。おうちのなかをかわいくデコレーションしたり、お菓子や料理を準備したりとお祭り気分を楽しむ人も増えているようです。そこで今回はハロウィンにぴったりな絵本をご紹介。かわいくて、個性的で、愛にあふれた作品を集めてみました!■あくたれラルフのハロウィン作:ジャック・ガントス/絵:ニコール・ルーベル/訳:こみや ゆう/出版社:PHP研究所 「あくたれラルフのハロウィン」 ある日届いたハロウィンパーティーの招待状。「あなたがいちばんすきなものにへんそうしてきてね」という言葉どおり、セイラとねこのラルフはお互いの格好に変装してパーティーに出かけます。「あくたれ」とつくとおり、いたずら大好きなラルフはやりたい放題。変装のせいでセイラがやったことになってしまい、友だちに「帰ってほしい」といわれたセイラは…。どんな状況になっても変わることのないセイラの大きな愛に、大人はじんときてしまうかもしれません。おばけカボチャに魔女にコウモリ。ハロウィンにふさわしい小道具がたくさん登場しながらも、愛の深さを感じる絵本です。■ハロウィンドキドキおばけの日!作:ますだ ゆうこ/絵:たちもと みちこ/出版社:文溪堂 「ハロウィンドキドキおばけの日!」 男の子とおばけ。同じような表情をした表紙がとてもかわいらしいこちらは、ハロウィン・パーティーが舞台となった作品。こわがりの男の子のもとにやってきたのは、同じくこわがりのおばけ。そんな2人(?)が織りなすストーリーは「おばけはこわいもの」と思っているお子さんに「おばけにも、こわがりやがいるんだ!」と新たな驚きを与えてくれるはず。作中には白いおばけ、黒いおばけ、魔女など変装おばけの作り方や、ハロウィンをする理由、ジャックオーランタンをつくる理由などの豆知識も盛り込まれており「毎年ハロウィンが来るのを楽しみにできそうな絵本」とママからの評価も上々です。■パンプキン作・絵:ケン・ロビンズ/訳:千葉 茂樹/出版社:BL出版 「パンプキン」 こちらは、荷車からあふれたかぼちゃが目を引く写真絵本。かぼちゃの種まきから収穫されるまでの様子や、おばけランタンがつくられるまでの様子などがリアルに紹介されています。日本ではなかなかお目にかかれない大きなかぼちゃの姿や、実際のおばけランタンなど迫力ある実物の写真に圧倒…! 作中ではおなじみの顔以外にも、なんともひょうきんな表情をもつランタンの姿も。イラスト絵本と違い、派手さのない硬派な写真絵本ですが「こんな風景を一度見てみたい」「たくさんのランタンが並ぶ姿はとっても楽しくてかわいくて、親子で見とれてしまいました」などの口コミが多く寄せられています。■ハロウィンのランプ作・絵:小林 ゆき子/出版社:岩崎書店 「ハロウィンのランプ」 ジーナはハロウィンの日にかぼちゃのランプをつくりますが、うまくつくれずイライラ。1人で歩いていると魔女の格好の女の子に出会います。でも連れられていったのは、なんと本物のおばけパーティーで…。ハプニングの行く末だけでなく、ジーナとサリーの2人が仲直りできるかどうかも作品の見どころ。相手を認めて受け入れることはとても難しいけれど、そこから生まれる絆がある。そんなことがやさしく描かれているようです。やわらかいタッチのイラストも魅力的で、ハロウィン模様の住宅街や街のパーティー会場などに見入ってしまう人も多いようですね。■ポルトガルのむかしばなし はしれ!カボチャ作:エバ・メフト/絵:アンドレ・レトリア/訳:宇野 和美/出版社:小学館 「ポルトガルのむかしばなし はしれ!カボチャ」 表紙から「おもしろそう…」と予感めいたものを感じてしまうこちらはポルトガルの昔話がベースとなっています。孫娘の結婚式に出かける途中、オオカミとクマとライオンに出会うおばあさん。「これから結婚式に行くから、帰りにはもっと太っているよ」と機転をきかせてその場を逃れます。事情を知った孫娘はおばあさんが無事に帰れるよう、畑のカボチャをすっぽりかぶせて…。一目散に家に向かって走るおばあさん。網タイツにハイヒールとアグレッシブなファッションにも目がいきます。作中では同じセリフが何度も繰り返され、歌を歌っている気分に。ユーモアたっぷりの逃走劇の結末が気になりますね!絵本を読むだけでも十分ハロウィンの雰囲気が楽しめる絵本をご紹介しました。「ぼく(わたしも)もハロウィンやりたい!」と子どもが興味をもったら、ぜひ家族で「なにをするか」相談してみてはいかがでしょうか。
2017年10月24日食欲の秋、スポーツの秋、そして読書の秋ですねぇ。今日は、うちの真逆な兄弟への絵本の読み聞かせ術(術というほどのものではない…)をお伝えしたいと思います。■絵本好きの長男、全く興味のない次男わが家の長男は生まれた時からおっとりで、絵本を読んでもらうのが赤ちゃんの頃から大好きでした。私に限らず、読み聞かせ会などに行っても、周りの子たちが動き回る中、1人じっと座って読み聞かせに聞き入っているので、お友達からも羨ましがられたものでした。そんな長男のおかげで、毎晩寝る前に絵本を読むのもとても穏やかな入眠儀式になっていて、それが当たり前だと思って4年間漫然と読み聞かせていたところ…。同じように赤ちゃんの頃から見せてみても、次男はびっくりするほど絵本に興味を示さない!!■次男を絵本好きにするために試行錯誤本棚から絵本を投げ落とす、ページをひたすらめくりまくる、カバーをビリビリにやぶる…。それが、絵本を使った彼なりの遊び方です(涙)。でも、2人同時に寝かすためには、できれば一緒に絵本を楽しんでほしい。次男に「絵本を読むって楽しい!」ということを知ってほしい。そんな母のエゴにより、次男を絵本好きにさせるための試行錯誤が始まりました。結果としては、どれも正解でした。じっと動かずに絵を見ながら読み聞かせる母の声を聞くだけ、というのが苦手な次男(というかそれが普通ですよね)には、「真似しやすい音」「体験型」そして「動きがある」ということが楽しめるポイントだったようです。特に大げさに声の抑揚をつけたり絵本を動かしたりすると、キャッキャと喜んで、今では暇を見つけると自分でお気に入りの絵本を出してきて、ごにょごにょ言いながら眺めるほど絵本が好きになりました!!そして今や…。好きな絵本をいち早く取って母の膝を占領するのが目的みたいになってきたので、1人一冊ずつ好きな絵本を読んだ後、2人を無理やり膝に座らせて、大小の仲良しなクマが出てくる『かぼちゃひこうせんぷっくらこ』という絵本を、2人の名前に言い換えて読んでいます。すると不思議と、ムギュムギュになって座りながら仲良く最後まで聞いていられるし、その後も穏やかに眠りにつけるようになりました。無理に絵本を好きにさせる必要はありませんが、もし絵本嫌いな子に、楽しんでもらいたいなぁと思われる方は、よかったら試してみてくださいね。
2017年10月24日大人になると、とんと絵本を読まなくなる人も多いのではないでしょうか。でも短い文章と長くないストーリーのなかには、人生経験を積んだ今だからこそ「奥深さ」を感じる絵本があるもの。また小さいころ読んだときは何てことなかったのに、大人になった今読んでみたら心にずしんと響いた… なんてケースもあるようです。今回は読み終えたあとで、じっと物思いにふけってしまう。そんな絵本をご紹介します。お子さんも楽しめる内容なので、ぜひ親子で読んでみてくださいね。■ときめきのへや作:セルジオ・ルッツィア/訳:福本友美子/出版社:講談社 「ときめきのへや」 モリネズミのピウスは森や海や町のなかで見つけたものを持ち帰り、宝物としてへやにかざりつけています。その宝物を見に大勢の人たちがやってきました。でも「どうしてこれが?」とみんなから首をかしげられ…。一見、なんてことのないように思えるもの。でもそれは、ある人にとってはとても大切で、思い出のつまったものかもしれません。誰かの普通が、ほかの人にも普通であるとは限らない。そんなことを改めて教えてくれる一冊です。大切なものを失ってしまったら、心は元気をなくしてしまいます。自分にとって大切なものが何なのか、考えるキッカケを与えてくれるかもしれませんね。■たまご作・絵:ガブリエル・バンサン/出版社:BL出版 「たまご」 ある日突然姿をあらわした大きなたまご。なぜここにあるのか? なかに何が入っているのか? 謎のたまごは人々の好奇心を刺激し、魅了します。ストーリーの進行とともに次々と浮かんでくる疑問。その答えは本のなかにはないようです。読み手によって色を変えるカメレオンのようなこちらの絵本はボローニャ国際児童図書展グラフィック賞、産経児童出版文化賞美術賞を受賞しています。文章のない絵本ながら、力強く木炭で描かれた迫力あるイラストに圧倒される一冊です。■オオカミくんはピアニスト作・絵:石田真理/出版社:文化出版局 「オオカミくんはピアニスト」 ひとりぼっちのピアニスト、オオカミくんのもとにある日届いた手紙。そこには「ピアノを聴かせてください」とありました。送り主に会うため、オオカミくんは出かけます。道すがらいろんな動物たちに出会い、ピアノを演奏するオオカミくんは孤独というせつなさを背負いながら、演奏によって人を楽しませる喜びを知っていきます。1人だけれど、1人じゃない。そんなことを絵本を通して感じる人が多いようです。「明るく、にぎやかな絵本が好きだけれどこの絵本は特別!」というお子さんもいるようですね。■すきまのじかん作・絵:アンネ・エルボー/訳:木本 栄/出版社:ひくまの出版 「すきまのじかん」 昼と夜の境目。そこに存在する「すきまの時間」はあるとき、よあけのお姫さまに恋をします。ゆうぐれどきにあらわれる、ほんのわずかなすきま時間が美しく感じられるこの作品は、時間に追われていると感じている人こそ、不思議な物語の世界観に魅了されてしまうかもしれません。大判の絵本ながら、ユニークなデフォルメと繊細さが感じられるイラストはストーリーにぴったり。「そろそろ、すきまのじかんかな?」とお子さんと話題にするのも楽しそうですね。■絵本で出会う星の王子さま原作:サン・テグジュペリ/訳:工藤 直子/出版社:ひさかたチャイルド 「絵本で出会う星の王子さま」 小さな星に暮らす王子さまがある日出会ったきれいなバラ。一生懸命お世話をしているのに、バラはわがままばかり。うんざりした王子さまは旅に出ることにしました。いろんな人との出会いのなかで、あるときキツネから大事なことを教わって…。小さなお子さんにも読めるよう、やさしいことばで紡がれた世界中で愛されるサン・テグジュペリの名作。王子さまが出会うものが何を意味するか、それは大人になればばるほど自分に近いものとして捉えられるようになるのではないでしょうか。これまでを振り返って、感慨深い気持ちになる人もいるかもしれませんね。気になる絵本はありましたか? 読み進めていくうちにハッとしてしまう人もいるかもしれません。読んだあと、お子さんと「どう思った?」など感想をいいあうのもおもしろそう。「なんだか最近、いっぱいいっぱいだなぁ」というパパやママにもぜひ読んでほしいです!
2017年10月10日アクアパーク品川は、人気絵本シリーズ『にじいろのさかな』とコラボレーションしたイベントを、2017年10月7日(土)から12月25日(月)まで開催する。『にじいろのさかな』は、全世界で3,000万部の売上を誇る、作家マーカス・フィスターによる全8作の絵本シリーズだ。にじいろに輝くうろこを持つ、世界で一番美しいさかなが、 わかち合うこと、 勇気をもって戦うこと、 本当に大切なものをみつけるまでを描くストーリーによって、「友情」や「思いやり」を伝える。会期中は、水族館内の企画展示エリア壁一面にプロジェクターでキャラクターを投影し、『にじいろのさかな』の世界を表現する。場内の9つの水槽には、シリーズ全8冊の名シーンとともに、絵本に登場するキャラクターをイメージした魚を展示。物語を読みながらカラフルな魚達を鑑賞することができ、絵本の中に入り込んだような気分を味わえる。また、アクアパーク品川の季節イベント「花火アクアリウム」や、東京タワーのハロウィン演出なども手掛けるデジタルクリエイター集団「ネイキッド」が、本イベントのために制作した特別映像も登場する。【詳細】アクアパーク品川 『にじいろのさかな』コラボレーション会期:2017年10月7日(土)~12月25日(月)場所:アクアパーク品川2Fリトルパラダイス住所:東京都港区高輪4-10-30(品川プリンスホテル内)TEL:03-5421-1111(音声ガイダンス)営業時間:10:00~22:00(最終入場 21:00)※営業時間は予告なく変更になる可能性有入場料金:大人(高校生以上) 2,200円、小・中学生 1,200円、幼児(4歳以上) 700円
2017年10月10日絵本の世界に迷い込んだみたいにメルヘンなうさぎ館ホワイトを基調とした、おしゃれな外観が目印のお店です。店内には、アンティーク調のインテリアや開放的な窓があり、まるで絵本の世界に入り込んだようなメルヘンな世界観が女心をくすぐります。そんな店内でいただけるのは、ガレットとクレープを中心としたメニューの数々。オープンテラスがあるので、外の風を感じながらゆっくりとガレットなどのメニューを楽しむこともできます。子ども連れやペット同伴でも入店可能なお店です。うさぎ館はこだわりのやさしいガレットが自慢!そば粉を使って焼き上げたガレットがメインのお店です。無農薬のそば粉を使っていたり、ベジタリアンメニューがあったりと、体にやさしいメニューを多く取りそろえています。ランチやカフェにおすすめなことはもちろん、朝早く営業している日もあるので、朝食を楽しむのにもピッタリ。モーニング専用のメニューもあるので、曜日や時間を問わず楽しめるお店です。優しい甘さが人気の「カフェ・ジュレ・オレ」ほんのり苦いコーヒージュレにミルクの優しい甘さがベストマッチする「カフェ・ジュレ・オレ」は、ホッと一息つきたいときにオススメの人気メニューです。バニラアイスがトッピングされている見た目が、とってもキュート。ジュレやアイスも一緒に入っているので、小腹が空いた時にもおすすめです。ほのかに香る爽やかなオレンジの香りも楽しんでみてください。看板メニューの「ガレット」は食べておかなきゃ損!ガレットの原料であるそば粉は、無農薬にこだわって仕入れています。北海道産の無農薬そば粉を使って焼き上げるガレットは、香り豊かで優しい味わいです。チーズやキノコと一緒に楽しむ食事系の「フレッシュトマトとキノコのジェノベーゼのガレット」や、スイーツの「シナモンシュガー塩バタークレープ」など、豊富な種類があります。パリッとした外側と、中のモチモチ食感のハーモニーを堪能してみてください。メルヘンでキュートなうさぎ館でガレットを楽しもう!お店の雰囲気やメニューには、沢山のこだわりが詰まっています。ちょっぴり早起きして、朝食にガレットを堪能するのはいかがですか? ゆっくり過ごしたい休日や、デートなどにも。スープやサラダがセットになったお得なガレットランチも、ぜひ味わってみてください。ガレット以外にも、豊富なドリンクやワインなどのアルコールも楽しむことができます。吉祥寺駅から徒歩15分ほどの、井の頭恩賜公園近くにあります。平日なら予約も可能です。小さな子ども連れでも安心の専用シートも用意されています。優しい味わいのガレットが食べたくなったら、ぜひ「うさぎ館」を訪れてみてください。スポット情報スポット名:カフェ・ドゥ・リエーヴル うさぎ館住所:東京都武蔵野市御殿山1-19-43電話番号:0422-43-0015
2017年10月02日こんにちは、島本薫です。吹く風もずいぶん涼しくなり、いよいよ夜の長い季節の始まりですね。今回は、暑さの残る秋の夜長にぴったりの、美しい手づくり絵本の話をお伝えしましょう。■豊かな時間と人の手が生み出した、インドの「手づくり絵本」表紙の絵は版によって異なる。初版に使われた「ドゥーマルの木」は、結婚を祝福する木だという。その本は、手にしただけで胸が震えるものでした。タイトルは『夜の木』。ずっしりした大型本で、厚みのある黒い表紙には、鮮やかな色彩で一本の木が描かれています。うねうねと流れるような曲線の木は、中央インドで暮らすゴンド族の伝統的なアート手法で描かれているのだとか。まだページをめくってもいないのに、こんなにどきどきするなんて――。とても不思議で、新鮮な感覚でした。これが、手をかけ、時間をかけてつくられた本当の「手づくり」の力なのでしょうか。扉を開ける前から、この本にかけられた豊かな時間の流れが伝わってきます。なにも急いで読むことはない。ゆったりと、心ゆくまで時間をかけて、一つひとつの絵や言葉を味わえばいい。そんな絵本との付き合い方を思い出させてくれ、自分のまわりの時間がゆっくり流れ出すのを感じます。2008年の「ボローニャ・ブックフェア」で、優れたデザインの本に贈られるラガッツィ賞を受賞し、世界中の注目を集めたこの絵本。手にしただけで静かで豊かな力が伝わってくる『夜の木』とは、どんな絵本なのでしょう。第2版の表紙の木には、リスの姿が見え隠れ。■絵本『夜の木』には、木にまつわるインドの神話的世界が美しく描かれている第3版の表紙は「12本の角のある木」。『夜の木』は、原題を “The Night Life of Trees” といい、中央インドのゴンド民族出身の3人のアーティストが、木にまつわるインドの神話的な世界を描いたものです。闇夜に光る精霊の宿る木。愛し合う木々。生き物との関わり。昼間は何も語らずそこにいる木々が、夜のしじまの中で見せる不思議な横顔と、どこか懐かしい世界の始まりの頃の物語。黒い紙の上に広がる鮮やかな木々は、大胆さと繊細さがあいまった独特の力強さを放ち、ページをめくるたびに見る者の心を引きつけて放しません。とはいえ高尚で近寄りがたいわけではなく、時に優しく時にユーモラスな語り口で、読み手の五感をゆさぶる絵本なのです。――絵本が「五感」をゆさぶる?そうなんです。絵と言葉だけではなく、ざっくりした紙の手ざわりやインクの匂いも、原初の世界を彩るのに一役買っています。この紙も、『夜の木』のためにつくられた手づくりのものなんです。第4版の「森で踊る孔雀」に使われている若草色は、日本版だけのオリジナルだという。■紙漉き・印刷・製本――すべてが手作業でつくられる『夜の木』は、すべての工程が――なんと絵本に使う紙までが、人の手でつくられています。古いコットン生地の繊維を溶かし、職人が手で漉(す)いて、自然の風で乾燥させた紙からは、なんともいえない独特の風合いが伝わってきます。黒を背景にした『夜の木』のための紙をつくるときは、原料に黒い古布だけを使い、漂白や品質調整のための化学薬品は使わないのだとか。笑いながら、おしゃべりしながら、時には昼寝をするほどのゆとりの中でつくられた紙。この紙ができたら、次は一枚一枚、シルクスクリーンでの印刷作業です。木製のスクリーンにインクを盛って手刷りする人、刷った紙を取る人、刷った紙を乾燥棚に載せる人と、3人1組で一色ずつ色を重ねること数十回。機械を使えば一度に数十ページを印刷できるこの工程も、『夜の木』の場合、なんと1ページにつき82回も刷っては乾かすことを繰り返しているそうです。すべてのページが揃ったら、麻紐でかがり、製本です。人の手でボール紙に貼り合わされた表紙をつけて、ようやく完成。この表紙も版ごとに変えているというから、ニクイではありませんか。一冊の本ができるまでにかけられた長い時間の流れ。これも、『夜の木』に流れる悠久の時間と響き合っているのでしょう。こうしてつくられた絵本の裏表紙には、「xxxx of 2000」などのシリアルナンバー(手書きです!)がつけられ、まさに世界にひとつだけの本となって、読者のもとに届くのです。■世界中の本好きを魅了するインドの小さな出版社、タラブックス第5版の絵は「聖なる木」。2016年4月に販売を開始後、すぐに完売となった。この魅力的な本を送り出しているのは、南インドのチェンナイ(マドラス)にあるタラブックス(Tara Books)という小さな出版社です。タラブックスを立ち上げたふたりの女性編集者は、「手づくり」にこだわった本をつくろうとしていたわけではありません。その根底にあったのは、口承文化を尊ぶ多言語の国インドでは手に入らない、インドの子供のための、インドならではの本――大人の自己満足ではなく、子供が楽しめる本をつくりたいという想いでした。ハンドメイドの本が誕生したのはあくまで偶然。手漉きの紙に手印刷したサンプルページを見た外国の編集者から、「これと同じものをお願い」と言われたのがきっかけだそうです。実際、タラブックスでは機械印刷でつくられた本も多く、こちらも高い評価を得ています。手づくりの本には、手づくりならではのリスクがつきものです。職人を育てる手間も必要なら、ミスプリントもある。この日までに何千部用意してほしい、と言われても、「ごめんなさい、この本は一年待ちです」と伝えることも多いのだとか。それでも、会社を大きくして利益を上げることを優先するのではなく、互いの顔がわかる人数で、ゆっくりじっくり本をつくる選択をとってきた姿勢が、質の高い本を生み出しているのでしょう。タラブックスの本は世界中で愛され、共感を呼んでいます。日本でも『夜の木』のほか約10冊の本が翻訳出版されているほか、タラブックスの本づくりや働き方そのものに注目した本も生まれました。2017年11月からは、板橋区立美術館でタラブックスの絵本や本づくりの姿勢を紹介する展示会も開催される予定です。忙しい毎日に豊かな時間をもたらしてくれる、宝物のようなタラブックスの手づくり絵本。第5版が完売となってから一年近く経ち、2017年9月に待望の第6版が発売されることになりました。がんばっている自分へのご褒美に、大切な誰かへの贈りものに、この機会にぜひお手に取ってみてください。第6版の表紙は「蛇と大地」を描いた木に。完売必須のため、確実に手に入れたい方は書店で予約を。■『夜の木』(原題“The Night Life of Trees”)書籍・イベント情報『夜の木』(原題: “The Night Life of Trees”)著:バッジュ・シャーム、ドゥルガー・バーイー、ラーム・シン・ウルヴェーティ訳:青木恵都発行:タムラ堂大型本:40ページ価格:3456円原著初版:2006年※2008年のボローニャ・ブックフェアで絶賛され、ラガッツィ賞(ニューホライズン部門)を受賞。『タラブックス インドのちいさな出版社、まっすぐに本をつくる』著:野瀬奈津子、矢萩多聞、松岡宏大発行:玄光社単行本:216ページ発売日:2017/6/30価格:2376円※タラブックスの本づくりを紹介しながら、「働くということ」について考えさせられる一冊になっています。絵本はどうも……という人は、こちらから読むことをお勧めします。あわせて読めば、より深い世界に浸れること間違いなし。■展覧会「世界を変える美しい本インド・タラブックスの挑戦」原画や大判のシルクスクリーンが展示されるほか、本ができるまでの過程を記録した映像も公開されるそうです。会場:板橋区立美術館会期:2017年11月25日(土)〜2018年1月8日(月・祝)
2017年09月09日絵本って、子供だけのモノと思っていませんか?―――いえいえ、大人だって十分楽しめるんです。■チェコは絵本大国って知ってた?意外と知られていないかもしれませんが、チェコは絵本大国。どこか懐かしいような素朴さや温かさ。色彩豊かなダイナミックなイラスト。洗練されたデザイン。さまざまなタイプがあり、そのどれもが人気です。かつて共産主義時代に、比較的表現の自由が許されていたのが、子供向けの絵本やアニメーションだったそうです。きっと、子供たちに向けた愛情で溢れているのでしょうね。日本でも、たくさんのコレクターがいるんですよ。■「ロボット」の生みの親、チャペック兄弟がつくる絵本チェコの国民的作家であるカレル・チャペック。「ロボット」という言葉を世界へ生み出した人物として有名です。その兄ヨゼフ・チャペックは、カレルが書いた作品の装丁や挿絵を描きました。カレルの『子犬のダーシェンカ』という写真絵本や、ヨゼフの『こいぬとこねこは愉快な仲間』などは日本でもよく知られています。他にも、たくさんの日本語版作品が出ています。ほのぼのとした素朴なお話は、大人の方にこそ手に取ってもらいたいものばかり。■チェコを代表するイラストレーター、ヨゼフ・ラダのつくる絵本続いて紹介するのは、チェコでは知らない人はいないほどの国民的イラストレータであるヨゼフ・ラダの作品。こちらも日本でたくさん目にすることができます。田園風景や動物など、素朴な絵柄と優しい色合い、チェコらしいなと思わせる作品です。彼の故郷、Hrusice(フルシツェ)はチェコの観光名所でもあります。■ズデニェック・ミレルがつくる絵本――日本でもお馴染みの「もぐらくん」もぐらの「クルテク」は、日本でも大人気ですね。「クルテク」シリーズは日本語版も出ていますし、アニメ化もされています。そんな「クルテク」の生みの親、ズデニェック・ミレルの作品は、世界中の子供に届けたい、という思いからあまりセリフが入っていません。その代わり、子供が大好きな色や音を作品に反映しています。かくいう私も、チェコ語がわからない頃から、子供たちと一緒に楽しんでいました。■幻想的な挿絵が美しいオタ・ヤネチェックの絵本こちらは、グリム童話『眠れる森の美女』のチェコ語バージョン。オタ・ヤネチェックの幻想的なイラストが美しいの一言。ふんわりとした独特の作風、日本にもファンが多いです。■おしゃれなタッチのアドルフ・ボルン画家としても有名なアドルフ・ボルンの作品は、ユーモラスでもあり、シュールさも感じさせます。モダンでおしゃれな絵をよく見つめていると、やっぱり大人向けのような気もしてきます。コミックスといっても、日本の漫画とは少し異なりますが、漫画家としても有名です。『ツォウルとツォウレック』という猫の漫画や『ビーテクとなかまたち』(日本語訳版あり)は、チェコでは知らない人はいないほど有名な作品です。■やみつきになるチェコ絵本こんなに愛らしいイラストを目にしてしまうと、大人でもつい手に取ってしまいませんか?その反面、チェコ絵本は、挿絵を画家が描いているものも多く、日本の絵本と比べるとリアルすぎてギョッとしてしまうものもあります。つい、目が離せなくなりませんか?チェコの絵本は、子供の絵本というより、まさに芸術本。お土産やプレゼントにもおすすめですよ。
2017年09月04日ひとつのストーリーの中で喜怒哀楽を感じたり、さまざまな “体験” をすることができる「絵本」。あなたのお気に入りの絵本はありますか?気になるあの人のおすすめの絵本、子育てについてインタビューします!■タレント 関根麻里 さんプロフィール1984年、東京都出身。インターナショナルスクールからアメリカのエマーソン大学に進学。飛び級し、優秀な成績にて首席で卒業。大学卒業後、芸能活動を本格的に開始。明るく元気なキャラクターと英語が堪能な語学力とマルチな才能でバラエティ、ラジオ、ナレーション、舞台などで活躍中。2015年女児を出産。1児のママ。父はタレントの関根勤さん。Instagram: @marisekine HP: (浅井企画)■子どもの頃は「おふざけ」が大好きな活発少女―― 麻里さんといえば「元気で明るい」という印象があるのですが、小さい頃はどんなお子さんだったのでしょうか? 関根麻里(以下:関根):元気で活発な子どもでしたね。おふざけが大好きで、父としつこく遊んでは母に「落ち着いて!」とよく言われていました。 ―― 想像通りのとても楽しい親子関係ですね(笑) 関根:なんだかんだいつもふざけていました。よく「かえるのうた」を父と一緒に歌ったのですが、父が「合唱しよう!」というと、私はわざとずらしてうたい出し、父が「輪唱しよう!」というと、わざと一緒に歌い出したりして。―― 一方で、図書館に足繁く通う「絵本大好き少女」だったとお聞きしました。絵本にまつわる想い出はありますか? 関根:いろいろな絵本を読みました。図書館で絵本や紙芝居も借りていました。寝る前には、父や母に昔話などをよく読んでもらいました。私がふざけて自分の手を絵本の文字の上に重ねると、父が「すると、そこに手がありました……って、ちょっと! お話と関係ないじゃない!」などとツッコミを入れながら、脱線しつつ楽しく読んでもらいました。 ―― その中でも、印象に残っている絵本やお話はありますか?関根: 『もちのまと』 という絵本です。余るくらいのお米を収穫できる村があって、だんだん稲を大切にしなくなり、最後には餅を作って的にして矢で射てしまうんです。そうすると、その餅が白鳥になって飛び去り、やがてその村や長者は滅びてしまったというというお話です。お米を粗末にしてはいけないという大切な教訓を学べる話なのですが、これを読むと、なぜか途中で眠くなってしまい、最後まで読むのに何日もかかかりました。それ以来『もちのまと』というキーワードを聞くだけで、反応して笑っちゃいます(笑)好きな絵本はたくさんあるんですが、その中から挙げると、加古里子さんの 「だるまちゃんとてんぐちゃん」 シリーズは、いろいろな種類の道具が出てきて、絵を観察するのがおもしろくて好きでした。―― 麻里さんは語学がお得意ですが、絵本を通じて外国語にも触れていたのでしょうか。 関根:英語の絵本は、学校の図書館で毎日借りて読んでいました。あと、当時はカセットテープ付きの本を借りて、音楽と絵本を楽しんでいました。とても気に入った英語の歌の本は、図書館で借りて全ページをコピーして、色を塗って楽しんでいたほどです。 ――絵本が大好きだったという麻里さんですが、いまはもうすぐ2歳になる娘さんと図書館のおはなし会にも行かれるとか。 関根:季節にあった絵本や、大型絵本、紙芝居やエプロンシアターなど、さまざまな種類の絵本やお話に触れることができるので、おはなし会にはよく参加します!図書館にお出かけして、お嬢さんと一緒に色々な絵本に触れているという麻里さん。ご自身の少女時代、そして、大人になった今もたくさんの絵本を読んでいるという絵本ツウです。 ■関根麻里さんの「おすすめ絵本」3冊麻里さんが普段からお子さんに読み聞かせている絵本の中から、お気に入りの3冊を教えていただきました。▼1:『だるまさん』シリーズ今、娘が好きなのが、かがくいひろしさんの『だるまさんが』『だるまさんの』『だるまさんと』 です。体を横に揺らしながら、娘と一緒に読んでます。娘は「手」「目」「毛」をこの絵本から覚えました。『だるまさんと』の中に「いちごさんとペコッ、メロンさんとギュー」という場面が出てくるのですが、ペコッ、ギューと読みながら、一緒にやってます。(麻里さん) 『だるまさんシリーズ「が・の・と」(3点セット) 』 作・絵: かがくい ひろし出版社: ブロンズ新社こんな絵本:ページをめくると......あらら、びっくり! 大わらい! さて、おつぎは......? 0歳の赤ちゃんから大人まで、ページをめくるたびわらいの渦に引きこまれる、とびきりゆかいな「だるまさん」シリーズ。(ブロンズ新社サイトより)▼2:『Dr. Seussシリーズ The Cat in the Hat』子どもの頃、英語の本は、Dr. Seussの本をたくさん読みました。おサルやゾウなど動物たちが登場することが多いのですが、言葉のリズムとコミカルな絵がとても面白いです! (麻里さん) 『Dr. Seussシリーズ The Cat in the Hat』 作・絵: Dr.Seuss出版社: Random House Books for Young Readersこんな絵本:楽しいストーリーとライムの効いたリズム感あふれる文章が、アメリカでも大人気。全61ページ、220語の重要単語を使った文章でつくられた子どもはもちろん大人でも楽しめる英語絵本。▼3:『キャベツがたべたいのです』図書館のおはなし会で、この本に衝撃を受けました! ストーリーの展開がシュールで、私は声を出して笑ってしまいました。大人も楽しめる絵本だと思います。(麻里さん) 『キャベツがたべたいのです』 作・絵:シゲタ サヤカ出版社:教育画劇こんな本:忘れたくても忘れられないあの味をもう一度! チョウチョたちが、たどりついたのは一軒の親切な八百屋さん。果たして彼らの願いはかなうのでしょうか?!めくるめく展開、面白さいっぱいの絵本。(教育画劇サイトより) ■尊敬する母のような「母」になりたい ―― 子育てをする日々で「大切にしていること」とは何でしょうか? 関根:娘が生まれて、生活が子ども中心になり、なんでも娘のことを第一に考えるようになりました。そんな中で、家族みんなが毎日元気に楽しく過ごすことが大切だと実感しています。―― ご自身が母という立場となり、お父様やお母様との関係に変化はありましたか? 関根:そうですね、父との間で変わったことは、呼び方くらいです。「じいじ」と呼ぶようになりました。父は孫にデレデレで、すでに娘にコントロールされているんです。じいじは、なんでも言うことを聞いてくれると見抜かれてます(笑) 尊敬する母は、私の目標ですね。どんな時でも支えてくれる、私もそんな「母」になりたいです。娘ともお互いに尊敬しあえる関係が作れたらいいなと思います。■「育児」は「育自」! 子育てから自分も学ぶ麻里さんは、「育児」は「育自」でもあると、助産師さんに教えてもらったのだと言います。日々の子育ての中で、いまそのことを強く実感しているのだとか。 最近娘さんは、何かをすると必ず「できたー!」とうれしそうに言い、でんぐり返しをひとりでした時も「できたー!」と言って、何度も繰り返してやっていた、という可愛らしいエピソードも教えてくれました。 子育てをしながら日々経験すること、その中で気がつくことのすべてが学びだという麻里さん。さらに素敵な女性へと変化する麻里さんに注目です。
2017年07月12日ママと比べてパパが子どもたちとふれあう時間はそう多くない、というご家庭も多いのではないでしょうか。仕事が忙しいときこそ、一緒にいる時間は大切にしたいものですよね。そこで今回は、父と子のふれあいをテーマにした絵本を集めてみました。過ごす時間が短くても、子どもはパパからの愛情をきちんと受け取っています。この絵本を読めば今以上にパパのことが大好きになるかもしれませんね。うちのパパは ウルトライックメン作:きむら ゆういち/絵:にしうち としお/出版社:小学館 「うちのパパは ウルトライックメン」 うちのパパはなにかに似ている。もしかして、パパはウルトラマン!? いつでも一生けんめいなパパは「ウルトライックメン」として今日も地球… ではなく、ぼくたち家族を守ってくれています。家族のみんなが熱を出してしまったときもパパはずっと看病して、バイキンたちと戦ってくれました。ウルトラマンじゃないけれど、子どもにとってパパは誰よりもかっこいいヒーロー! 「いつもありがとう」をいいたくなる絵本です。 みてろよ!父ちゃん!!作:くすのき しげのり/絵:小泉 るみ子/出版社:文溪堂 「みてろよ!父ちゃん!!」 今度の運動会は活躍できる気がする。だから父ちゃんに見にきてほしい。でも棟梁のお父さんは仕事で見にいくことができません。やるせない、くやしい、どうして? いじけるアキヨシでしたが、運動会の前日にテントを点検するお父さんの姿を見て、気づくものがありました。もやもやをバネに「みてろよ!」と走るパワーにかえたアキヨシ。父と子の絆を感じられる一冊です。えいっ作:三木 卓/絵:高畠 純/出版社:理論社 「えいっ」 ポップコーンを買いにまちへとやってきた、くまの親子。お父さんが赤い信号にむかってステッキをふりあげ「えいっ」というと、なんと信号が青に! ほかにも信号が黄色になったり、空に星が出たり…。お父さんのステッキは魔法の杖みたいです。でもくまの子はそのからくりに気づきます。そしてお父さんにむかって「ぼくのいちばんすきなひとをだすよ」と玄関のベルをならして…。なんともほのぼのとした親と子のストーリー。お父さんのオシャレな洋服にも注目してみてくださいね。あそぼう あそぼう おとうさん作:浜田 桂子/出版社:福音館書店 「あそぼう あそぼう おとうさん」 「ねえねえ、お父さん。遊んで」といわれ、なにをしようか考え込んでしまうお父さんも多いかもしれません。こちらの絵本はそんなときにぴったり! 両足でたって足の間に子どもをねかせたら、両手をつかんで「5、4、3、2…」のかけ声でグーンと子どもの体をひきあげます。おんぶにだっこ、かたぐるま…。小さなうちだからこそできるじゃれあいを思い切り楽しめる一冊。新しいおもちゃを買ってあげたり、時間をとってお出かけしたりしなくても家のなかで十分に子どもとふれあうことができると教えてくれる絵本です。パパ、かばになる作:安江 リエ/絵:飯野まき/出版社:偕成社 「パパ、かばになる」 今日はお母さんがお出かけしているから、ごはんもお風呂も寝るのもパパと一緒。夜ごはんを食べておふろにはいっていたら、突然お湯がもりあがり、ざばっとダイナミックにでてきたのはなんとカバになったパパ! 背中に子どもたちをのせて大きな口をあけてみせたり、でんぐりがえししたり…。カバになったパパと遊ぶお風呂時間は、最高に楽しそうです。「明日はパパとお風呂にはいる!」なんて子も増えるかもしれませんね。父親は母親とはまた違う愛情表現で子どもたちを楽しませたり、はげましたりしてくれます。大好きなパパと一緒に絵本を読む時間を、子どもたちはきっと楽しみにしてくれるはずです。
2017年06月02日童心へ帰る、エリック・カール展開催中!2017年7月2日(日)まで、東京・用賀の世田谷美術館で開催されている「エリック・カール展The Art of Eric Carle」。緑の色のユーモラスな表情のあおむしが印象的な絵本『はらぺこあおむし』で知られる絵本作家エリック・カールの原画や立体作品など、約160点が展示されています。カラフルで繊細な配色が可愛い♡ エリック・カールの世界観に浸ろう今年88歳を迎えるアメリカ人絵本作家エリック・カール。世界的ベストセラー『はらぺこあおむし』が日本で刊行されたのは今から約40年前のこと。大胆で豊かな色づかいが現在にいたるまで、子どもから大人まで幅広い世代から愛されています。ちなみに、この色彩はコラージュという「貼り絵」によって表現されているとか。薄い紙に色を付けて貼り重ね、クレヨンや色えんぴつで仕上げることにより、微妙な色合いが作られているんだそう。そうしたテクニックも原画から見て取ることができます。「色の魔術師」の創造活動の原点&足跡を辿る展示展示は、“動物たちと自然”“昔話とファンタジー”などのモチーフをメインにした「エリック・カールの世界」と、絵本と共に歩んだ人生を紹介する「エリック・カールの物語」の2部構成となっています。なかでも、動物を描いた絵本は真骨頂。ニューヨーク生まれ、ドイツ育ちのエリック・カールはドイツの森で遊びながら動物や昆虫に興味をもち、観察眼を養ったとか。鋭い視点とユーモア、そしてやさしさを織り交ぜたタッチで描かれた絵は、私たちの心を惹きつけてやみません。画風に影響を与えたアンリ・マティスやパウル・クレーの貴重な作品も登場また、あまり知られていませんが、絵本画だけではなく図柄のデザインも魅力的。子どもたちが絵を見ているうちに自然に数字や文字が覚えられるよう、工夫がされているそう。今回の展覧会では、エリック・カールに影響を与えたアンリ・マティスやパウル・クレーといった画家の作品も展示。また、絵本以外の立体作品なども多数展示。作家としての幅広い活動を知ることができます。絵本作家として、多くの作品を世界中の子どもたちに残してきたエリック・カールの絵本の世界にきっと魅了されるはず♪取材・文/末吉陽子イベント情報イベント名:エリック・カール展The Art of Eric Carle催行期間:2017年04月22日 〜 2017年07月02日住所:東京都世田谷区砧公園1‐2 世田谷美術館電話番号:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2017年05月23日誰かに伝える感謝の気持ち。「ありがとう」は人をあたたかく、やさしい気持ちにする魔法の言葉ではないでしょうか。けれど、まだ小さなうちは「ありがとう」がどんなものか、どんなときにいえばいいのか、いまいちピンとこないこともありますよね。そこで今回は「ありがとう」にちなんだ絵本を集めてみました。絵本の登場人物たちと一緒に、ありがとうの気持ちを感じてみましょう!ありがとまと作:わたなべ あや/出版社:ひかりのくに 「ありがとまと」(絵本ナビ紹介ページ) 水色のアイマスクと手袋に黄色のマントをひるがえし、困っている野菜たちを助けるニューヒーロー。それがトマトマン! 泥だらけになってしまっただいこんちゃん、木から降りられなくなってしまったブロッコリーちゃん、池におもちゃを落としてしまったたまねぎちゃん。ピンチを救ってくれたトマトマンにみんなは感謝の言葉を伝えます。「ありがとう」ってどんな気持ちかな? を考えるのにピッタリな一冊。野菜の名前もついでに覚えることができますよ。おさるのジョージ イルカさんありがとう原作:マーガレット・レイ&ハンス・アウグスト・レイ/訳:山北 めぐみ/翻案:ボラナ・グレク&アレッサンドラ・プレジオーシ/テレビアニメ脚本:ジャスティン・トリー& レイ・ランクフォード/出版社:金の星社 「おさるのジョージ イルカさんありがとう」(絵本ナビ紹介ページ) 仕草が愛らしいおさるのジョージシリーズの一冊。海へやってきたジョージは友だちのマルコと一緒に砂浜に宝物をうめることに。でも潮が満ちてきて、宝物は海の底へ…。「ひきしお」「みちしお」「月のいんりょく」といった説明が難しい話も自然にストーリーに盛り込まれているのがうれしい! 知りたがりのジョージと一緒なら、遊びながら世の中の不思議を感じることができそうです。ありがとうっていいもんだ作:森山 京/絵:ささめや ゆき 「ありがとうっていいもんだ」(絵本ナビ紹介ページ) 公園にいく途中、ころがってきたボールをひろってあげたブタの子。いわれた「ありがとね」の言葉がかっこよくて、自分もマネしてみたくなりました。でもうまくいかず、行き違いで友だちにそっぽをむかれてしまって…。「ありがとう」をかっこよくいいたかっただけのブタの子。やさしいイラストとほっこりするストーリーに、子どもではなく自分があたたかい気持ちになれたという人も。自分が伝えたい「ありいがとう」の気持ちが見つかる一冊。ありがとうもぐらのゲンさん作:内田 麟太郎/絵:古川 麻澄/出版社: 童心社 「ありがとうもぐらのゲンさん」(絵本ナビ紹介ページ) 自信がなく、恥ずかしがり屋の子牛のモー。そんなモーの前にあらわれたもぐらのゲンさん。遠くにいるお母さんが病気だと知ったモーは会いにいきたいと願いますが、道中通らなければならない夜の森はとってもおそろしい。でもモーは決心します。ゲンさんはモーをそばではげまし、ずっと声をかけ続けてくれました。頼もしく、動じないゲンさんと一緒に過ごしたことで自分に自信がもてるようになったモー。子どもの「自己肯定感」を高めるにもおすすめの一冊。あいしてくれてありがとう作・絵:宮西 達也/出版社:ポプラ社 「あいしてくれてありがとう」(絵本ナビ紹介ページ) 涙なしに読めないと話題の「ティラノサウルスシリーズ」第7弾がこちら。穴のなかに閉じこもっていたひとりぼっちのティラノサウルスのもとへ、ある日あらわれた目の見えないパウパウサウルス。2匹の間には確かな友情が芽生え、楽しい時間を過ごします。けれど、パウパウサウルスの目が見えるようになって…。愛されるだけじゃなく愛すること。先入観なく人をみること。気持ちを伝えること。一瞬の出会いで人生はかえられること。絵本から受け取るメッセージは人それぞれですが、誰しも胸に残るものがあるはずです。助けてくれてありがとう、そばにいてくれてありがとう、愛をありがとう。いったほう、いわれたほう。その両方を幸せにしてくれるのが感謝の言葉なのかもしれませんね。データ協力: 絵本ナビ
2017年05月18日「絵本原画展 いもとようこの世界」が、東京・上野の森美術館にて2017年5月19日(金)から6月11日(日)まで開催される。日本を代表する絵本画家・いもとようこ。彼女は、貼り絵に着色する独自の技法による柔らかな色彩で絵に息吹を宿し、温かな物語を創り上げる。独特の世界観は、親からこどもへ世代を超えて愛されてきた。日本の昔話である『さるかにがっせん』『おむすびころりん』、世界の名作である『あかずきんちゃん』『おやゆびひめ』など、彼女の手掛けた作品の数々は、誰もが一度は目にしたことのあるのではないだろうか。また、『こびとのくつや』や『てぶくろをかいに』などの絵本、NHK教育テレビの「いないいないばあっ!」に登場する童謡のソフトアニメも、彼女の手掛けた人気作品としてあげられる。本展では、“日本むかしばなし”から14タイトル、“日本の名作”から11タイトルという風に、これまで出版された300あまりのタイトルの中から314作品を選定し、6つのコーナーに分けて展示。挿絵画家だけでなく創作童話の作家でもある彼女の画業を、オリジナル画を通して全貌を明らかにしていく。【詳細】「絵本原画展 いもとようこの世界」会期:2017年5月19日(金)~6月11日(日)場所:上野の森美術館住所:東京都台東区上野公園1-2入場時間:10:00~17:00※入場は閉場の30分前まで。入場料:高校生 1,000(800)円、中学・小学生 600(400)円、小学生未満 無料※すべて税込み価格。※()内は前売料金および20名以上の団体料金。※障害者手帳の持参者とその介護者1名は無料。【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600
2017年05月14日「走る!跳ねる!ちひろ・子ども百態」展と「ちひろ美術館コレクション 子どもの世界・世界の子ども」展が、長野・安曇野ちひろ美術館で開催される。開催期間は2017年5月13日(土)から7月4日(火)まで。子どもに焦点を当てて生涯子どもを描き続けた絵本画家・いわさきちひろ。彼女の心のふるさと、長野にたてられた安曇野ちひろ美術館では、その開館20周年を記念して「子ども」に焦点をあてた展覧会を開催する。いわさきちひろ作品を中心とする「走る!跳ねる!ちひろ・子ども百態」展のほか、世界の子どもを描いた様々な絵本画家の作品を展示する「ちひろ美術館コレクション 子どもの世界・世界の子ども」展も同時開催される。「走る!跳ねる!ちひろ・子ども百態」展躍動感のある子どもの姿をいきいきと表現する、ちひろの作品。その表現力はわが子のスケッチの積み重ねや実験的な画材の使用など、数々の挑戦によって得られたものだった。「走る!跳ねる!ちひろ・子ども百態」展では、1940年代の活動開始から書き溜めた膨大な子どものスケッチ、パステルを線描に初めて用いた1970年の『となりにきたこ』の作品、後期の水彩表現など、ちひろの子どもの動きの表現方法の変化を約100点のいわさきちひろ作品とともに紹介する。「子どもの世界・世界の子ども」展平和な暮らしがある一方で、戦争や貧困に巻き込まれ苦しむ子どももいる。「子どもの世界・世界の子ども」展では、イタリアの画家キアラ・パッチ―ニやドイツの画家クラウス・エンヅィカートら海外作家の作品や、1950年代から2000年代までの時代背景のことなる様々な作家による作品を紹介する。歴史や文化・環境・社会情勢などの異なる地域で世界の絵本画家がどのように子どもをとらえ、描いてきたか。26,900点以上のちひろ美術館コレクションの中から約100点をピックアップし、時代や地域を超えて共通する子どもの心情や夢、子どもの姿を通して描かれる社会情勢や国の歴史についても焦点をあてた展示がおこなわれる。親子で楽しめるイベントやギャラリートークも展示の他にもさまざまなイベントも行われる。音楽を楽しみながら親子で体を動かせるリトミック体験や、あかちゃんといっしょに楽しめる「ファーストミュージアムデー」など子どもと一緒に楽しめる企画や展示のみどころをじっくりと聞くことができるギャラリートーク、ちひろの親しんだ松川村について知ることのできる「北アルプスパノラマウォーク・春」などファンにはたまらない企画なども。親子でたのしめるゆったりとした休日を過ごしてみては。【詳細】「走る!跳ねる!ちひろ・子ども百態」「ちひろ美術館コレクション 子どもの世界・世界の子ども」期間:2017年5月13日(土)~7月4日(火)※休館日 6月28日(水)時間:9:00~17:00場所:安曇野ちひろ美術館 展示室 1・3・4住所:長野県北安曇郡松川村西原3358-24入場料:大人800円、高校生以下無料※団体(有料入館者20名以上)・65歳以上・学生証提示のいずれかの場合は700円※障がい者手帳提示で400円※視覚障害がある場合には無料※年間パスポート2,500円
2017年05月12日何世代にもわたって語り継がれる絵本、というものが存在します。両親が小さいころに読んでいた絵本に自分も親しみ、今度はわが子のお気に入りに…。そんな名作はそう多くありません。今回は20年以上愛され続けるロングセラー絵本を厳選して紹介します。しょうぼうじどうしゃじぷた作:渡辺 茂男/絵:山本 忠敬/出版社:福音館書店 「しょうぼうじどうしゃじぷた」(絵本ナビ紹介ページ) はしご車ののっぽくん、高圧車のばんぷくん、救急車のいちもくさん。そして古いジープを改良した、ちびっこ消防車のじぷた。小さいじぷたをみんなはバカにします。けれどあるとき、隣村の山小屋が火事になって…。誰でも自分にないものを嘆き、誰かをうらやましくなることがあります。でも自分だけができることが、きっとある。そのままの自分で大丈夫、とささやいてくれる名作乗り物絵本です。三びきのやぎのがらがらどん(大型絵本)絵:マーシャ・ブラウン/訳:せた ていじ/出版社:福音館書店 「三びきのやぎのがらがらどん(大型絵本)」(絵本ナビ紹介ページ) 体の大きさが違う3匹のヤギが草を食べて太るため、山へ出かけることに。でも途中の橋の下には不気味なトロルが…。はたして3匹のヤギは無事に橋をわたることができるのでしょうか。北欧の民話をもとにつくられたこちらの絵本は、あらあらしさとユーモラスといった相反する要素がこれでもかとつまっています。ハラハラ・ドキドキの展開はいつの時代も子どもたちを虜にしてしまうようです。かいじゅうたちのいるところ作:モーリス・センダック/訳:じんぐう てるお/出版社:冨山房 「かいじゅうたちのいるところ」(絵本ナビ紹介ページ) マックスはおおかみのぬいぐるみを着てイタズラし放題。お母さんはそんなマックスを寝室に放り込みます。するとそこはいつの間にか違う世界。かいじゅうたちの王さまになったマックスは、個性的なかいじゅうたちと一緒に楽しく過ごしていましたが…。少ない文章だからこそ活きる月の光やかいじゅうたちの表情がとても印象的。親に怒られてくやしい、さみしい、悲しい…。そんなときほんの少しの間だけ、違う世界へつれていってくれる子どものための絵本です。スイミー 小さなかしこいさかなのはなし作:レオ・レオニ/訳:谷川 俊太郎/出版社:好学社 「スイミー 小さなかしこいさかなのはなし」(絵本ナビ紹介ページ) 兄弟たちはみんな赤いのに自分だけ真っ黒のスイミー。ある日兄弟の魚たちはみな大きなマグロに飲み込まれてしまいます。逃げたスイミーは海の中にいるいろんな生き物と出会いながら、自分とそっくりな赤い魚を見つけて…。学校の教科書で読んだことのあるこちらは「1人ではできなくても、みんなとならできる」と力強く勇気づけてくれる名作。「虹色のゼリーのような」「ドロップみたいな岩から」といった表現も想像力をかきたててくれますね。おおきな木作・絵:シェル・シルヴァスタイン/訳:村上 春樹/出版社:あすなろ書房 「おおきな木」(絵本ナビ紹介ページ) 少年のそばにはいつでも木があった。木は見返りを求めない、惜しみない愛情を少年に与え続ける…。シンプルな言葉、シンプルなストーリーは読み手によってさまざまな感情を呼び起こします。リンゴの木に自分を重ね、わが子に無償の愛を与え続ける幸せを感じるのか。少年に自分を重ね、甘えてばかりだった親にしてやれたことはあるのかと自問自答するのか。「与える」ことの意味を、静かにやさしく語りかける名作絵本。誰しも読んだことのある一冊があるはず。読み返し、あのころとは違った感じ方をする人も多いようです。ぜひ、親子で不朽の名作を楽しんでみてくださいね。
2017年04月29日表紙、イラスト、ストーリー、文章…。絵本を選ぶときはさまざまな要素が決め手になりますよね。けれど「いつも似たような本を選んでしまう」という人はたまには変わった基準で本選びしてみるのもおすすめです。たとえば「製作者」に注目してみるのはいかがでしょうか。今回はラインナップのなかから有名人が製作にたずさわった絵本を厳選して紹介していきましょう。ブーアの森作:せがわきり/絵:忌野 清志郎/出版社:TOKYO FM出版 「ブーアの森」 ロックミュージシャン・忌野清志郎さんがイラストを描いたこちらの絵本は環境保護がテーマ。木登りが好きなしょうくんは危険に応じて目の色が変わる不思議な生き物ブーアに出会い、人間がしてきたこと、これからしなければならないことを知ります。環境がテーマでありながら、かたくるしさはなく少年と森の精とブーアの会話で物語が進行していくため、小さな子どもたちにも理解しやすい内容です。危機感をもちにくい環境問題について、親子で話してみるキッカケになるかもしれませんね。オルゴールワールド著:にしのあきひろ/出版社:幻冬舎 「オルゴールワールド」 舞台は700年後の地球。空に住むカンパネラ少年は地上に住む少女に恋をしたけれど、それが叶わぬものと知る。でも諦めきれない少年は50年かけてラッパをつくり続け…。お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣さんがつくったことで話題となったこちらの絵本は、なんとペン1本で描かれています。目をみはる精密なタッチのイラストと、ちょっぴり切なくてやさしさにあふれたストーリーは大人をも魅了してしまうはず!マボロシの鳥作:太田 光/影絵・文:藤城 清治/出版社:講談社 「マボロシの鳥」 お笑いコンビ・爆笑問題の太田光さんのベストセラー小説『マボロシの鳥』を影絵と融合させた人気絵本。ストーリーは5部構成になっており2つの異なる世界を軸に展開されていきます。人間の欲望、他人と自分との関わり…。内面的な部分がテーマになっていますが、そのイメージを具現化したような影絵はとても美しく、まるで画集をみているよう。藤城さんは40枚の影絵をなんと約3ヶ月で製作したという裏話もあとがきで楽しめます。お話自体は少し長めなので小学生以上のお子さんの読み聞かせにおすすめです。(デジタル)パパコ絵本 バイバイねこバイ作・歌・朗読:博多 華丸(博多華丸・大吉)/構成:川端 明成/絵:大嶌 美緒/出版社:アイフリーク 「(デジタル)パパコ絵本 バイバイねこバイ」 「パパが本当に子どもに読みたい絵本をつくろう!」という思いから生まれた、吉本興業のパパ芸人&電通クリエーターの「パパコ絵本」シリーズのひとつ。親元を離れて自分探しにでかけた「ねこまる」は「○○になれたら、よかろうもん!」と叫びながら、変身を繰り返します。「ねこまる」のモデルと朗読はお笑いコンビ・博多華丸・大吉の華丸さん。方言を使った内容に「どれだけ子どもたちに届くかなと思うところもありますが、マネしやすいフレーズなので楽しんで頂けると思います」と語っています。まわりもステキだけど、自分もステキ。そんなことを伝えてくれる絵本です。南の島の星の砂作・絵:Cocco/出版社:河出書房新社 「南の島の星の砂」 歌手、Coccoさんが製作、イラストを手がけた一冊。小さな島の暗い夜空にかがやく無数の星たちはうさぎの形をしていたり、さかなの形をしていたり…。無限の色をたたえる星たちはいつしか地上に落ちて、砂になってしまいます。けれど砂になった星たちはとてもキレイで…。Coccoさんが12色のクレヨンで描く自然の豊かさはどこかなつかしく、そして幻想的です。文章は子守唄のようにやさしく「素直な気持ちになれる」と感じる人も。子どもたちのなかには「星の砂って本当にあるの?」と思う子もいるよう。本物の星の砂をみせてあげれば、絵本のことがもっと大好きになりそうですね。有名人が製作にたずさわった絵本はまだまだたくさん! テレビなどで日ごろから親しんでいる人がつくる絵本は、読むことでその人の人間性を垣間見ることもできそうです。いつもとは少し違った選び方で絵本を楽しんでみるのもいいかもしれませんね。
2017年04月20日ひねりのきいた問題で回答者を困らせる「なぞなぞ」。小さなころに親しんでいた、という人も多いのではないでしょうか。発想力や想像力の向上が期待できるなぞなぞは、頭のやわらかい子どもたちだからこそ、存分に楽しめるものかもしれません。今回は 絵本ナビ 協力のもと、おすすめの「なぞなぞ絵本」を選んでみました。なぞなぞのみせ作:石津 ちひろ/絵:なかざわ くみこ/出版社:偕成社 「なぞなぞのみせ」(絵本ナビ紹介ページ) 文房具屋さん、本屋さん、ケーキ屋さん…。昔なつかしい挿絵のなかに迷い込み、1人のお客さんになった気分にさせてくれる絵本。50問のなぞなぞの答えも、実は挿絵のなかにあります。大きなヒントが難しい問題にも挑戦しやすくしてくれるので、幼稚園の年長さん~小学校低学年のお子さんのなぞなぞデビューにもおすすめ。おばあちゃんと買い物した「あのころ」を思い出すママもいるかもしれませんね。なぞなぞえほん 1のまき作:中川 李枝子/絵:山脇 百合子/出版社:福音館書店 「なぞなぞえほん 1のまき」(絵本ナビ紹介ページ) ぐりとぐらシリーズの生みの親であるふたりがつくったこちらの絵本は、リズムを刻むような文章に、思わず歌いだしたくなります! 衣類や、衣類をしまうタンス、めだまやきといった卵料理が登場し、まるでおうちにいるかのようなリラックスした雰囲気で「なぞなぞ」とふれあえる一冊。ふわっとしたやさしい言葉と挿絵の虜になる親子も少なくありません。シマウマしましまなぜあるの?作・絵:リラ・プラップ/訳:松田 素子/出版社:アノニマ・スタジオ 「シマウマしましまなぜあるの?」(絵本ナビ紹介ページ) 登場するのは14種類の動物たち。「なぜかな? なぜかな?」と繰り返されるなぞなぞには珍解答がどんどん飛び出して、子どもとおしゃべりしながらなぞなぞを楽しめる絵本です。あくまでも、なぞなぞに読み手が参加することを大事にしており、答えは次のページではなく巻末に。読後は「子どもの意外な発想力に驚いた」なんてママもいるようです。なぞなぞのたび作:石津 ちひろ/絵:荒井 良二/出版社:フレーベル館 「なぞなぞのたび」(絵本ナビ紹介ページ) 100問のなぞなぞの答えを指し絵のなかから見つけだす『なぞなぞのみせ』と似たタイプの絵本ですが、こちらは不思議な世界に迷い込んだような雰囲気。なぞなぞがとけなくても、答えを知ったあとで挿絵から探し出す作業が楽しい! というお子さんも多いようです。絵から答えを探し出せるなぞなぞは、案外、難しさは関係ないのかもしれませんね。絵本からなぞなぞを覚えて、友だちやパパに披露してみるのもいいですね。おいしいなぞなぞ作:片山 令子/絵:久本 直子/出版社:教育画劇 「おいしいなぞなぞ」(絵本ナビ紹介ページ) ストーリー仕立てになっている絵本の主人公は、クマのハニーちゃん。誕生日のお祝いに3人の友だちがプレゼントをもってやってきて…。「いいもの もってきたんだ」「おいしい なぞなぞ あててごらん」実はこれ、お菓子のなぞなぞなんですね。ふんわりした砂糖菓子のようなやわらかいタッチの挿絵に、親子で「ほぅっ」とうっとりしてしまいそうです。なぞなぞが大好きだったママも、苦手だったママも、わが子と一緒に楽しむ絶好のチャンスです。ぜひ家族みんなで、ステキな「なぞとき」に挑戦してみてくださいね。データ協力: 絵本ナビ
2017年04月20日透きとおった瞳と小さな耳。ごろごろとのどを鳴らしながら甘える「ねこ」。ペットとして飼われている人も多いことでしょう。その愛くるしさは、絵本の世界でも健在です。今回はねこの魅力をこれでもかと味わってもらうため 絵本ナビ 協力のもと、さまざまな「ねこ絵本」を選んでみました。ねこが好きな子もそうでない子も、ぜひ楽しんでみてくださいね。11ぴきのねこ作:馬場 のぼる/出版社:こぐま社 「11ぴきのねこ」(絵本ナビ紹介ページ) おなかがぺこぺこの11ぴきのねこは、ひげの長いじいさんねこに山の向こうの湖に怪物のような大きな魚がいると聞き、湖めざしでかけます…。みんなの力をひとつに合わせて大きな魚を捕まえる姿にびっくり! 読み聞かせをしたことのあるママは「最初に小さな魚を11ぴきでわける姿」が印象に残っている人が多く、ほほえましく感じるシーンも。ちょっとユニークで、かわいらしいねこたちの冒険劇。お魚を食べた日に読んでみてくださいね。ちいさなねこ作:石井 桃子/絵:横内 襄/出版社:福音館書店 「ちいさなねこ」(絵本ナビ紹介ページ) 部屋からとびだした「ちいさなねこ」。自動車にひかれそうになったり、大きな犬に追われて木の上に逃げたり…。まるで本物の子ねこの1日を追いかけているかのよう。次はどこにいっちゃうの? とハラハラドキドキの連続です。子ねこをわが子のように感じてしまうママ、子ねこを自分とおきかえるわが子。人間の親子もねこの親子も、似たようなものかもしれませんね。丁寧で力強いイラストにも注目です。ねこだらけ作:あき びんご/出版社:くもん出版 「ねこだらけ」(絵本ナビ紹介ページ) 一見すると、ねこ図鑑。でも普通の図鑑とはなにかが違う…。ギラギラと輝きを放つ目をしたねこたちが表紙のこの絵本は、ロシアンブルーやペルシャ、アメリカンショートヘアなど世界各地の個性的なネコたちが400匹登場します。存在感の強いねこたちばかりなので、誰しも惹きつけられる1匹が見つかるはず。ぼくや私、パパやママ、友だちに似ているねこを探してみるのもいいですね。ぼくのにゃんた作:鈴木 康広/出版社:ブロンズ新社 「ぼくのにゃんた」(絵本ナビ紹介ページ) にゃべ、まにゃいた、バニャニャ、ニャッフル、ドーニャツ、ビスキャット。いつも仲良しのにゃんたは、少し風変りのねこ。でもある日、友だちがぼくにいった言葉に驚き、いなくなってしまった…。ユーモラスたっぷりでちょっと切ない少年とねこのお話は、気持ちをゆる~くさせる不思議な世界観をかもしだしています。人気現代アーティスト、鈴木康広さんの初めての絵本です。ヨクネルとひな文:LEE/絵:酒井 駒子/出版社:ブロンズ新社 「ヨクネルとひな」(絵本ナビ紹介ページ) ひなちゃんの家にやってきた、やせほそったのらねこ。からだをきれいにふいてあげると、あらわれたのは大きな青い瞳。ひなちゃんは、子ねこをそうっとだいてみます…。絵本のなかから抱き上げ、やさしく包んであげたくなる子ねこが愛らしく、自然と顔がほころびます。「ヨクネル」の名づけにもほっこりしますね。絵本なら「ねこ」の特徴や習性、種類もすんなり頭にはいってきそうです。ストーリーを読み進めるうちに「自分と似ているなぁ」と感じたり、危なっかしさにはらはらと心配になったりすることもあるかもしれませんね。魅力たっぷりのねこたちに、ぜひ会いにいってみてくださいね。
2017年03月29日展覧会「リサとガスパールの絵本の世界展」が、新宿髙島屋と大阪髙島屋にて開催される。期間はそれぞれ、2017年4月5日(水)から4月17日(月)までと、4月26日(水)から5月8日(月)まで。本展は、「リサとガスパール」シリーズから登場する新刊『リサとガスパール とうきょうへいく』の刊行を記念して開催されるもの。会場では約10年ぶりとなる日本がテーマの新刊の内容が初公開され、リサとガスパールの“TOKYO”に迷い込んだような展示コンテンツを楽しむことができる。さらに、作者にゲオルク・ハレンスレーベンとアン・グットマンによる他作品「うっかりぺネロぺ」と、最新シリーズ「こねこのプーフー」を含む、約120点もの原画が展示される。また、会場では新刊『リサとガスパール とうきょうへいく』が先行発売され、いち早くその内容を詠むことができる。【詳細】「リサとガスパールの絵本の世界展」■新宿髙島屋会期:2017年4月5日(水)~4月17日(月)時間:10:00~20:00※4月7日(金)、8日(土)、14日(金)、15日(土)は20:30まで。最終日4月17日(月)は18:00まで。※いずれも閉場30分前までの入場。会場:新宿髙島屋店 11階特設会場住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目24番2号TEL:03-5361-1111(大代表)■大阪髙島屋会期:4月26日(水)~5月8日(月)会場:大阪髙島屋 7階グランドホール住所:大阪府大阪市中央区難波5丁目1番5号TEL:06-6631-1101© 2017 Anne Gutman & Georg Hallensleben / Hachette Livre
2017年03月26日今年のGWは親子で絵本の世界を楽しみませんか?4月28日(金)~5月7日(日)の期間中、福音館書店「こどものとも」創刊 60 周年記念イベント「絵本とおともだち」が開催されます。会場は世田谷の玉川高島屋S・Cで、入場は無料。家族のお出かけにピッタリのイベントです。「絵本とおともだち」はどんなイベント?絵本や児童書でおなじみの福音館書店は、1956年から月刊絵本シリーズ「こどものとも」を発行しています。「こどものとも」からは700冊以上の絵本が生まれました。創刊60周年を記念し、今回のイベント「絵本とおともだち」が開催されます。絵本を読むだけでなく、さまざまな角度から体験して楽しめる企画が盛りだくさんです。大人も思わず夢中!見どころをチェック●ふれあい&体験コーナー●絵本の世界体験コーナー誕生50周年を迎える『だるまちゃん』の等身大ぬいぐるみが登場!全長約4mの『しょうぼうじどうしゃ じぷた』の実物大再現車両も展示され、いつも読んでいる絵本の世界に入り込んだ気分を味わえます。「なりきり写真館」では、大人気絵本『グリトグラ』の「たまごのくるま」に乗って撮影できますよ。●読書コーナー親子でのんびり絵本を読めるコーナーです。約500冊もの絵本がそろっていますよ。読み聞かせステージも設けられ、「多言語による読み聞かせ」や本ではなく語り手による「昔話の素話(すばなし)会」がおこなわれます。●ワークショップコーナー●絵本の工作で遊ぼう!会期中は毎日、ワークショップが開かれます。かわいい絵本キャラクターを使い、オリジナルTシャツやバッジを作りましょう。親子で工作をしませんか?※ワークショップは有料です。●ギャラリーコーナー●「こどものとも」の記念原画展示2016年度に出版された、絵本作品の原画が展示されます。原画だから分かる、優しい色合いやタッチを間近で鑑賞できます。●特別書き下ろし色紙ギャラリー人気絵本作家20人が特別に描き下ろした色紙が、作家紹介とともに展示されます。参加する作家は、『はじめてのおつかい』の林明子さんや筒井頼子さんなど。「ありがとう、子どもたちへ」をテーマに描かれた色紙は、作家たちの想いがあふれる貴重なものばかりです。●『ぐりとぐらとすみれちゃん』ものがたりができるまでステキな絵本がどのようにできあがるのか、興味がわきますね。『ぐりとぐらとすみれちゃん』(こどものとも 2000年4月号掲載)のストーリー直筆原稿、ラフ画から製本までの過程をパネル展示で解説します。子どもにも分かりやすい展示なので、親子で一緒に楽しみましょう。●イベントあの絵本作家に直接会えるかも!?人気絵本作家を招き、トークショーやサイン会、ライブペインティングをおこないます。ぜひ日程をチェックして、会いに行ってくださいね。<来場作家と日程>4月29日(土)本館 1F グランパティオ「なかのひろたか トークショー&サイン会」 ※『ぞうくんのさんぽ』の作者4月30日(日)西館1F アレーナホール(絵本とおともだち会場内)「きくちちき ライブペインティング」 ※『もじもじこぶくん』などで知られる画家・絵本作家5月5日(金)本館 1F グランパティオ「西内ミナミ トークショー&サイン会」 ※『ぐるんぱのようちえん』の作者子どもも大人も夢中になれる、絵本の世界が待っています!参加すれば、どこか懐かしく温かい気持ちになるイベントです。開催概要福音館書店「こどものとも」創刊60周年記念「絵本とおともだち」開催日時:2017年4月28日(金)~5月7日(日)10:00~19:00 ※最終入場は閉場の30分前まで)会場:玉川髙島屋 S・C 西館1Fアレーナホール料 金:無料 ※ワークショップは有料主催:玉川髙島屋 S・CURL:(玉川高島屋S・C)
2017年03月26日あれも欲しい、これも欲しい! そんなわが子に「お金はとても大切なもの」なんて話したことはありませんか? お金は大事なものだけれど、理解させるにはちょっと難しいテーマでもあります。そこで今回は絵本ナビ協力のもと「お金の価値がわかる絵本」を選んでみました。お金とじょうずにつきあう本作:ローラ・ジェフェ ローラ・サン=マルク/訳:永田 千奈/出版社:晶文社 「お金とじょうずにつきあう本」(絵本ナビ紹介ページ) 欲しいものは買えばいい。でもお金がないときは…? この絵本では「お金ってどこからきて、どこへいくんだろう」という子どもの疑問に、やさしくよりそってくれます。「働くことで得られるお金」「ものの値段と価値」「お金では買えないもの」など、難しく思える話題の説明が丁寧です。お金で買えないものの存在にも気付かせてくれる、親子で読みたい一冊。おかねのきもち作:やまもとゆか/絵:ヨシヤス/出版社:KKベストセラーズ 「おかねのきもち」(絵本ナビ紹介ページ) 著者は「カリスマ主婦トレーダー」の異名を持つ山本有花さん。自動販売機の下に捨てられていた1円玉は、ある日「あみちゃん」に拾われて…。なんとお金がキャラクターに変身! 意思を持って自分のこと(お金のこと)を話す姿はファンタジーですが、話していることは現実的。そのギャップが、奇妙なおかしさを誘います。お金の本質は、実際に「お金の気持ちになって考える」ことで実感しやすくなるのかもしれませんね。なるほど! お金のはなし著:マーティン・ジェンキンス/絵:きたむら さとし/訳:吉井 一美/出版社:BL出版 「なるほど! お金のはなし」(絵本ナビ紹介ページ) 自給自足で暮らしていた昔の人々は、物々交換をするようになり、自分の財産を記録するために粘土でおはじきのようなものを使うようになった…。大人でさえ知らない人も多いお金の誕生やこれまでの歴史が、子どもにも理解しやすい言葉で紹介されている一冊。文章だけでなく図解による説明もあるので、理解を深める手助けをしてくれます。お金ってなんだろう出版社:岩崎書店 「お金ってなんだろう」(絵本ナビ紹介ページ) お金とはいいものなのか、悪いものなのか…。人間にとってお金は、実はとても危うい存在であると教えてくれるのがこちらの絵本です。普段目にしている100円玉や1000円札はただものを買う道具ではなく、人と人をつなぐ存在であること。お金と社会が密に関係する大切さなどを伝えてくれます。まさに、お金との向き合い方を知るチャンス! 正しい使い方をしっかり教わりたいですね。買物絵本作・絵:五味 太郎/出版社:ブロンズ新社 「買物絵本」(絵本ナビ紹介ページ) たくさんの人に愛されてきた五味太郎さんワールド。今回のテーマは「お金」です。ほかと一味違うのは「お金で買えるもの」について心理的な考察をしているところです。たとえばお菓子を買うと「うれしい」と感じますが、食べ過ぎて虫歯になると治療でお金が必要になります。つまりお菓子を買うことは虫歯の治療費を買うことと同じ…? お金で買えるものには良い面もあれば、悪い面もある。買い物はいろんな感情や時間、出来事を買うことと同じなど、ものを買うことの深みを感じさせてくれる一冊です。ちょっと難しい「お金」のこと。年齢によっても伝え方を考えなければいけないテーマですが、今回ご紹介した絵本のサポートがあれば大丈夫! 子どもの好奇心を刺激しながら、楽しくお金の価値を伝えることができるはずです。ぜひ、参考にしてみてくださいね!
2017年03月15日隠れているものを見つける作業って、なんだかワクワクしますよね。「探して見つけ出す」遊びはたくさんありますが、絵本の世界にはバラエティに富む楽しい「かくれんぼ絵本」がいっぱい。まずは簡単なものから挑戦して、見つける喜びをわが子に体感させてあげましょう。みつけてかぞえて どこどこどうぶつ著:ルース・ラッセル/訳:小林 美幸/出版社:河出書房新社 「みつけてかぞえて どこどこどうぶつ」(絵本ナビ紹介ページ) ゾウ、トラ、ペンギンにオウム、カメレオン、ちょうちょ…。こちらは動物たちがたくさん登場する絵さがし絵本です。「見つかるかな?」という問いかけの文面は優しく、小さなお子さんにおすすめ。クイズの数も多くないので、ユニークなイラストをゆっくり楽しむ余裕があります。最後に「何がどこにあったか」答え合わせできるので「あれはどこにあったんだろう?」なんてモヤモヤすることもありません。絵本を読んだあとは動物園や水族館にお出かけしたくなるかもしれませんね。さがしえ12つき作:なかざわ くみこ/出版社:白泉社 「さがしえ12つき」(絵本ナビ紹介ページ) 昔懐かしい風景とともに、四季のある日本の風習や文化を学べるのがこちらの絵本。季節ごとの行事や、知識が自然と身に付くテーマ性を持った一冊です。ほのぼのとした家庭の風景に心を癒されながら、日本に根付く暮らしの様子を遊びながら知ることができます。パパやママとだけでなく、おじいちゃん・おばあちゃんとも会話しながら読むことができます。ミッケ!1作:ジーン・マルゾーロ/絵:ウォルター・ウィック/訳:糸井 重里/出版社:小学館 「ミッケ!1」(絵本ナビ紹介ページ) 色とりどりの雑貨やおもちゃの写真からお目当てのものを探すこちらは、ご存じの方も多いはず。「1」は、数あるシリーズの中でも「初心者さん向き」で見つけやすいと評判です。思いもしない場所に隠れているから集中力との勝負! この本を開くと宝物を探すように子どもたちの目が輝いてしまうので、寝る前の読み聞かせにはおすすめできません(笑)。探しものがある程度見つかったら「○○はどこ?」なんて、親子でオリジナルクイズを出し合うのも楽しいですね。どこどこ?セブン(1)著:藤本 真/出版社:自由国民社 「どこどこ?セブン(1)」(絵本ナビ紹介ページ) 同じように見える世界、でもよく見ると7つの間違いがあるんです。何気なく並べられているようで、絶妙なセンスを感じる石ころでできた「LOVE」の文字はアート作品のよう! 子どもに頼まれたけれど探すのが面倒というママも、「まるでオシャレな写真集を見ているみたい」とリラックス気分にさせてくれるのでおすすめです。表紙がかわいらしいので、ギフトにも向いています。どこ? めいろで さがしもの作:山形 明美/出版社:講談社 「どこ? めいろで さがしもの」(絵本ナビ紹介ページ) 「どこ?」シリーズの最新作! 今回のテーマは「迷路」です。部屋、森の中、水の中など、細やかに作りこまれた立体ジオラマ写真を目にしていると自分が壮大な冒険ストーリーの主人公になった気がしてきます。探しもの絵本はちょっとまだ難しいかな? というお子さんにもちょうどよく、もし探しものが見つからなくても、簡単にゴールできる迷路があるのでお遊び要素は万全。奥行きを感じさせる魔法のような配置に、ママも思わず「これはすごい…」とうなり声をあげてしまうはずです。自分で探して自分で見つける「かくれんぼ絵本」は、子どもの集中力を楽しくきたえてくれます。どちらが先に「あった!」といえるか、ぜひ親子で競争してみてくださいね。データ協力: 絵本ナビ
2017年03月08日春になると環境がガラッと変わる人も多いですよね。わが子が幼稚園・保育園、小学校に入園・入学する家庭では、名づけや指定品の準備などでバタバタしているという人も多いかもしれません。そんな準備と並行して気にしたいのが、子どものメンタルケア。「友だちできるかな?」「本当に楽しいところかな?」今回はそんな不安を楽しみへと変えてくれる絵本をご紹介しましょう。ようちえんのいちにち作:おか しゅうぞう/絵:ふじた ひおこ/出版社:佼成出版社 「ようちえんのいちにち」(絵本ナビ紹介ページ) 幼稚園ではどんなことをするのでしょう? こちらは幼稚園1日がとてもよく分かる絵本です。友だち同士で乗る通園バス、朝の外遊び、お楽しみのお弁当の時間… など、園での過ごし方が描かれているので「何をするのか分からない」不安もやわらぎます。お誕生日月の子には首飾りをかけてあげるなどのイベントも紹介されているので、入園あとの「これのことか!」という感動もありそう。今、幼稚園に通っているお子さんも共感しながら楽しめる内容です。コッコさんのともだち作・絵:片山 健/出版社:福音館書店 「コッコさんのともだち」(絵本ナビ紹介ページ) 保育園で1人ぼっちのコッコさん。うまく仲間の輪に入ることができなくて、寂しい気持ちになっています。でもある日、気の合う友だちが見つかって…。クラスに溶け込むのは勇気がいるもの。最初はうまくできなくて必要以上に落ち込んでしまうこともあるかもしれません。でも、1人お友だちができれば毎日はどんどん楽しいものに変わります。恥ずかしがりで、内気なお子さんを応援してくれる絵本です。みんなともだち作:中川 ひろたか/絵:村上 康成/出版社:童心社 「みんなともだち」(絵本ナビ紹介ページ) 卒園がテーマとなっているこちらは「みんなともだち ずっとずっとともだち」という言葉が印象的。大好きな友だちと園で過ごした楽しい時間は終わりになってしまうけれど、人とのつながりをこれからも大事にしてほしい、という願いが込められています。まだ「別れ」がよく分からない年齢でも、いつか「ずっとともだち」の意味が分かるときがくるはず。そのときまで側においておきたい絵本です。6さいのきみへ作:佐々木 正美/絵:佐竹 美保/出版社:小学館 「6さいのきみへ」(絵本ナビ紹介ページ) この絵本では、ある男の子の小学校入学までの成長の記録が描かれています。それはまるで、わが子の成長の軌跡をたどっているかのよう。子育てに悩みはつきもの。ママもわが子の育児と重ねあわせて「そうそうそう」と共感しながら、その優しい文章に思わずグッときてしまうかも。あのときの悩みも、気付かない間にかけがえのない思い出になっていることを改めて実感させてくれる絵本です。巻末には著者の方からおとうさん、おかあさんに向けたメッセージつき。卒園・入学のお祝いに贈るのもおすすめです。1ねん1くみの1にち写真:川島 敏生/出版社:アリス館 「1ねん1くみの1にち」(絵本ナビ紹介ページ) 小学校ってどんなところ? 口頭で「こんなところだよ」と教えてもらっても、イマイチイメージがわかない…。そんなお子さんにおすすめしたいのがこちら。登校、朝の会、国語、算数、休み時間と、小学校1年生の1日がリアリティを持って写真におさまっており、教室の中で起こっている小さなドラマも再現されています。ランドセルの中身や給食の内容なども紹介されているので、学校生活をのぞき見しているみたい! この絵本を読むことで「早く1年生になりたい!」と目を輝かせるお子さんも少なくありません。初めての入園、入学は緊張しながらもドキドキ・ワクワクでいっぱいになるものですよね。そんな子どもの気持ちを、優しく後押しする絵本をご紹介しました。ステキな毎日&出会いが待っていることを願っています!データ協力: 絵本ナビ
2017年03月02日五感の中でも視覚から得られる情報はとても多いといわれています。それは目で楽しむ要素の多い絵本にもあてはまるかもしれません。勉強して賢くなる。運動して運動神経を養う。同じように感覚的な部分を磨くのに役立つのが絵本ではないでしょうか。今回は 絵本ナビ 協力のもと、子どもの五感を刺激する一風変わった「アート絵本」を選んでみました。あおくんときいろちゃん作・絵:レオ・レオニ/訳:藤田 圭雄/出版社:至光社 「あおくんときいろちゃん」(絵本ナビ紹介ページ) パパとママと暮らす主人公・あおくんには友だちがたくさん。仲良しのきいろちゃんと遊びたくて留守番中に遊びに出かけてしまいます。街角で会ったきいろちゃんとくっついて、みどりちゃんになってしまった2人はパパとママから「うちのこじゃない」といわれ…。色を登場人物にするという発想はなんとも斬新! でも読み進めていくと登場人物に命が宿って見えてくるから不思議です。「色は混ざると別の色に変化する」ことに興味を持つお子さんもいるようですね。きりのなかのサーカス作・絵:ブルーノ・ムナーリ/訳:谷川 俊太郎/出版社:フレーベル館 「きりのなかのサーカス」(絵本ナビ紹介ページ) ブルーノ・ムナーリは独創的な発想を開花させ続けたイタリアのアーティストです。子どもの創造教育に力を尽くしてきた彼はこの絵本でことば、色、かたち、素材の魅力を伝えています。トレーシングペーパーという透ける素材が霧にけむるミラノの街を表現し、読者はページをめくるたびに異国の街中をさまよっているような感覚に…。一転してあらわれるカラフルでゆかいなサーカスの場面が強烈なインパクトを残すのは、前半シーンとのギャップの大きさゆえなのかもしれません。せんをたどって作・絵:ローラ・ユンクヴィスト/訳:ふしみみさを/出版社:講談社 「せんをたどって」(絵本ナビ紹介ページ) 表紙からのびる1本の線を指でたどっていくと、どこまでもどこまでも続いていく…。絵本のすべてがたった1本の線で描かれているこちらの絵本では町から村へ、空から海へと線の旅が楽しめます。風景、木々、人の顔、車、飛行機など「ここまで1本で描けるんだ!」という驚きと美しい絵がページをめくるたびに広がり、線をたどり続けたお子さんからは「ちゃんと全部つながってる!」なんて感動のひと言が聞こえてきそう。表紙の見える本棚にかざって眺めたい、デザインもおしゃれな絵本です。イルミネイチャー絵:カルノフスキー/文:レイチェル・ウィリアムズ/出版社:河出書房新社 「イルミネイチャー」(絵本ナビ紹介ページ) 3色のマジックレンズをのぞくと別世界があらわれる仕掛けを盛り込んだこちらの絵本はミラノに拠点を置くデザイン・デュオが完成させたもの。ジャングル、砂漠、山脈、森林、草原、大海など動物の多様性に富んだ10の地域をレンズをのぞきながら探検! 登場する180の野生生物たちは昼・夜と活動時間帯で分けられており、習性などの説明文もあるため、知らない知識を深めることにもなるよう。色彩の美しさと迫力、その両方を仕掛けとともに楽しめる絵本です。まるまるみっけ作:アンディ・マンスフィールド/出版社:ひさかたチャイルド 「まるまるみっけ」(絵本ナビ紹介ページ) 仕掛けを駆使して問題に挑む、三次元ポップアップパズル絵本がこちら。赤、オレンジ、黄、青、水色、緑、紫の7色のまるを押したり、引いたり、はたまた持ち上げたりして隠されたまるを見つけます。シンプルな仕掛けに見えますが正解するには頭をひねらなければなりません。挑戦が難しい小さなお子さんには、まず大人がお手本を見せてあげましょう。意外なところから見つかる「まる」は子どもの好奇心を刺激してくれるはず。工夫する大切さを学び、発想力を養う知育絵本の役割も担っています。豊かな感性を育むためには難しい遊びに取り組ませたり、特別な場所や環境に身をおかせる必要がある、と感じる人もいるかもしれません。でもそれではママも疲れてしまいますし、何より子ども自身が楽しめなくなってしまうことも。外に出て泥だらけになるまで遊ぶ、いろんな味の料理を一緒に作ってみる、家族でいろんなことを話す、たくさんの声や音を聴く…。五感はそうした日常生活の中で自然に養われていく部分も少なくないのではないでしょうか。データ協力: 絵本ナビ
2017年02月16日絵本の中には読み手を驚かせる「しかけ」に凝った作品がたくさんあります。一見シンプルなようで精密に計算されたしかけの数々は「これってどうなってるの?」と大人もうならずにはいられません。今回は 絵本ナビ 協力のもと、一風変わったおもしろい「しかけ絵本」を選んでみました。不思議の国のアリス作・絵:ロバート・サブダ/原作:ルイス・キャロル/訳:わく はじめ/出版社:大日本絵画 「不思議の国のアリス」(絵本ナビ紹介ページ) 「紙の魔術師」の異名をもつロバート・サブダが表現したのは「不思議の国のアリス」の世界。複雑なしかけが閉じた本にきちんとおさまる様子に目を疑います。外国らしい独特のイラストと迫力あるしかけに、大人のほうが夢中になること間違いなし! ファンタジーな夢のある一冊は子どもだけでなく自分、友人へのギフトにする人も多いようです。オセアノ号、海へ!作:アヌック・ボワロベールとルイ・リゴー/訳:松田 素子/出版社:アノニマ・スタジオ 「オセアノ号、海へ!」(絵本ナビ紹介ページ) 世界6カ国で翻訳されているこちらの絵本は海面に浮かぶ赤いオセアノ号とその下の深く、大きな海の中の世界が描かれています。本と垂直に海面が立ち上がるポップアップのしかけからは、海面からは想像できないことがたくさん起こっているようです。読み終われば帰ってきた冒険者のような気分に…!「自分の部屋があたたかく輝いて思えるような本を」という発行元アノニマ・スタジオさんからのメッセージにもほっこり。パパ、お月さまとって!作・絵:エリック・カール/訳:もり ひさし/出版社:偕成社 「パパ、お月さまとって!」(絵本ナビ紹介ページ) ある晩、お月さまと遊びたくなったモニカは「パパ、お月さまとって!」とお願いします。長いはしごを高い山のてっぺんにたて、月へとのぼっていくパパ。モニカはお月さまと遊べたのでしょうか。横4ページ分のはしご、縦横4ページ分の大きなお月さまなど、子どもたちも歓声をあげる壮大なスケールのしかけ絵本です。「わが子のためならやってやるか!」と腰をあげる、パパの愛情も感じられる一冊です。ふしぎなにじ作:わたなべ ちなつ/出版社:福音館書店 「ふしぎなにじ」(絵本ナビ紹介ページ) 本を90度に開くと、浮き上がるような虹の姿が目に映ります。つながったり、増えたり、バラバラになったり…。平面なのに立体的に見えるのは、鏡のように反射する紙でできているから。両側のページが互いに映りこむことでイラストが三次元的に見えます。ツヤのある虹の姿もとってもキレイ! 中には寝っころがり、いろんな角度から見て楽しむお子さんも。小さなお子さんに読み聞かせする場合はちょうどいい角度を保つお手伝いをしてあげるといいですね。よこながきしゃぽっぽ作・絵:リチャード・スキャーリー/訳:きたむら まさお/出版社:大日本絵画 「よこながきしゃぽっぽ」(絵本ナビ紹介ページ) 本のタイトル通り、横長のこちらの絵本は開いてみるとびっくり仰天! 長さ3メートルにもなる機関車が描かれた、おりたたみ式のしかけ絵本となっています。車内の様子を窓を開くことで確認できたり、クレーンを動かしたりなど小さなしかけ要素も豊富。絵本を開き、ひっぱりながら電車ごっこしたり、丸く広げて輪の中にはいって遊んだりと遊び方もいろいろ。乗り物好きのお子さんにはたまらない一冊となっています。飛び出したり、広げたり、特殊な紙を使用するなど、ひとくちに「しかけ絵本」といってもその形態はさまざまです。親子で楽しめるお気に入りの一冊を、子どもと一緒に探してみてはいかがでしょうか。データ協力: 絵本ナビ
2017年02月09日「もうこんなことができるようになったんだな」と、子どもの成長を強く感じることのひとつに「おてつだい」がありますよね。初めてのおてつだいは、ちょっと前まであんな小さかったのに… と涙ぐんでしまうママもいるかもしれませんね。でも中には何をおてつだいしてもらうか迷ってしまったり、おてつだいに無頓着な子にどう促していいか分からなかったりする人もいます。そこで今回は 絵本ナビ 協力のもと「おてつだいができるようになる絵本」を選んでみましたので、ご紹介していきましょう。できること おてつだい作:くすのき しげのり/絵:市居 みか/出版社:廣済堂あかつき 「できること おてつだい」(絵本ナビ紹介ページ) 一緒に遊んでいるのはリスくんと、クマくんと、ウサギさん、サルくん。運動会の準備のおてつだいを申し出る4人でしたが「ぼくが(わたしが)やる!」とちょっと険しい雰囲気に。でも、かごをおろしたり、ダルマを運んだり、狭いすき間にはいってしまった球を拾いにいったり…。実は、みんなちゃんと自分の得意なことをすすんでやれていました。自分にできることは何かを考え、お互いに認め合って協力すればとってもスムーズ! 誰かの役に立てる「おてつだい」の良さも知ることができる一冊です。おてつだいの絵本作:辰巳 渚/絵:すみもと ななみ/出版社:金の星社 「おてつだいの絵本」(絵本ナビ紹介ページ) 子どもがしてくれるおてつだいには何があるでしょう。こちらの絵本では子どもにもできるおてつだいのやり方が、イラストで分かりやすく紹介されています。掃除や洗濯、食事の準備、植物の水やりにゴミの仕分けの仕方などパターンもさまざまなので「これ、やってみたい!」と子ども自身がやりたいと思うおてつだいが見つかります。子どもの生活力向上にも役立ちますね。はじめてのおつかい作:筒井 頼子/絵:林 明子/出版社:福音館書店 「はじめてのおつかい」(絵本ナビ紹介ページ) 5才のみいちゃんはママに頼まれて初めてのおつかいに出かけます。100円玉を2つにぎりしめて坂の上にあるお店に向かう途中、転んでしまったり、大きな声で呼んでもお店の人に気付いてもらえなかったり…。ドキドキ緊張している主人公と同じ目線になるのか、読み聞かせると真剣に見入っているお子さんも多いようです。ママと一緒のときは起きないアクシデントも1人で乗り越えたみぃちゃん。最後に坂の下で待っていたママと赤ちゃんを見つけます。ママのわが子を心配する気持ちも伝わってくる絵本です。こじかかじっこ おてつだいのいと作:さかいさちえ/出版社:教育画劇 「こじかかじっこ おてつだいのいと」(絵本ナビ紹介ページ) 森の中にあるお裁縫屋さん。そこに住んでいる子鹿の三姉妹のうち、いちばん上のお姉さんが今回の主人公「かじっこ」。刺しゅうの糸を届けるため、かじっこちゃんは山の上にあるおばあちゃんの家へ向かいます。その道中、ケンカしている3匹のこぶたや困っている虫さんたちに出会い、山のお茶会に参加することに。幻想的で可愛らしいイラストはとてもメルヘンチックです。こんな世界なら入り込んでみたいかも…? 眠そうなまぶたのかじっこちゃんの表情がなんともいえずキュートです。ケロちゃんケケちゃんケロロちゃん おてつだいおてつだい作・絵:長野 ヒデ子/出版社:ひさかたチャイルド 「ケロちゃんケケちゃんケロロちゃん おてつだいおてつだい」(絵本ナビ紹介ページ) お父さん、お母さん、ケロ、ケケ、ケロロの3匹兄弟がおりなすハートフルなこちらの絵本には、家族それぞれに大切な役割があることを気付かせてくれます。特に生活に欠かせないのが「お母さん」の存在。どんなときも家族を支え、子どもたちを優しくサポートしてくれるお母さん。そんなお母さんが大好きな子どもたち。何気ない毎日をみんなで過ごせることが家族の幸せなんだ、と改めて感じさせてくれる一冊です。素朴でほっこりするイラストもいいですね。いかがでしたか? お手伝いへの興味を抱かせてくれる絵本をご紹介してきました。イラストの雰囲気がそれぞれ異なるので、子どものお気に入りが見つかりやすいかもしれません。絵本を読んで、おてつだいに積極的になってくれればママも大助かりですね!
2017年01月26日その言葉を耳にしようものならニヤニヤ、ゲラゲラと笑い出し、いつまでもはしゃぐ子どもたち。みんなを瞬時に笑顔にする魔法の言葉、それが「うんち」です。今回は 絵本ナビ 協力のもと、「うんちから学ぶ知育絵本」を選んでみました。おもしろさだけじゃなく、うんちの新たな一面と出会える良作ぞろいとなっています!みんなうんち作:五味 太郎/出版社:福音館書店 「みんなうんち」(絵本ナビ紹介ページ) うんちの大きさや形は動物によって違うことを、ユーモアたっぷりに分かりやすく学べる絵本です。リズミカルに並べられた文章はとても読みやすく、絵本の雰囲気にもぴったり。読み始めはニヤニヤしていた子も最後には「いきものは食べるからうんちをする」という新たな発見に納得顔。トイレトレーニング中のお子さんをもつママからは「絵本を読んだら自分からトイレに座ってくれるようになった!」なんてエピソードも寄せられています。うんぴ・うんにょ・うんち・うんご作:村上 八千世/絵:せべ まさゆき/出版社:ほるぷ出版 「うんぴ・うんにょ・うんち・うんご」(絵本ナビ紹介ページ) 「いいうんちをするためには、どうしたらいい?」この絵本では冷たいものを食べたら下痢になる、野菜をしっかり食べるといいといった、うんちにまつわる知識がつきます。カチカチのものは「うんご」、水っぽいのは「うんぴ」など、この絵本ならではの呼び方でうんちを呼び分けているのもおもしろいところ。この絵本を読めば「元気なうんちをすることの大切さ」を知ることができるので、園や学校でうんちをするのが恥ずかしい、というお子さんの読み聞かせにもおすすめです。親子の間で「今日のうんちはどうだった?」なんて会話ができるようになるかもしれませんね。うんちがぽとん作・絵:アロナ・フランケル/訳:さくま ゆみこ/出版社:アリス館 「うんちがぽとん」(絵本ナビ紹介ページ) 主人公・まあくんがおばあちゃんにもらったのは「おまる」。でもどうやって使うのか分からずに帽子にしてみたり、花瓶にしてみたり…。イスラエルの作家が描いたこの絵本はトイレトレーニングがうまくいかず焦りを感じているママに「ゆっくりやっていこう」と思わせてくれる、いい「ゆるさ」があります。うんちにまつわる絵本はユーモアにあふれた作品が多い中、こちらは愛らしい挿絵と少し長めのストーリーが特徴的。まあくんの素朴で素直な表情にもほっこりします。いっしょにうんち作・絵:ふくだ いわお/出版社:フレーベル館 「いっしょにうんち」(絵本ナビ紹介ページ) うんちがきらいないっちゃんは逃げ回ってばかり。そこへ動物たちがおまるを借りにきます。なんだか気持ちよさそうにうんちする動物たちをみて、いっちゃんは「ぼくもちょっとやってみようかな」とくまさんと一緒におまるに座り…。嫌がる子どもにどうトイレを覚えさせていくか、途方にくれてしまったときに読んであげたい絵本。自然なトイレトレーニングへと子どもを導いてくれる一冊です。うんち でるかな?作:新井 洋行/出版社:講談社 「うんち でるかな?」(絵本ナビ紹介ページ) こちらは片観音ページが下に広がるしかけ絵本。ころころうんち、迫力のうんち、飛びながらうんち、細長いうんち… など、さまざまな動物のうんちがページをめくることで露わになるというお楽しみ要素がつまっています。最後はぼくの番! トイレに座って「うーん うーん」として出てきたうんちはどんなのだろう? 自分のうんちに興味がもてるようになりそうですね。うんちはいきものによって違いがある、食べものによっても変化するといった学びがありながらも、うんちすることの楽しさ、おもしろさも教えてくれる絵本たち。今回ご紹介した知育絵本はトイレトレーニングのサポート本として活用できるだけでなく、子どもたちの笑顔をもっと増やしてくれるはずです。ぜひ、親子で楽しんでくださいね。データ協力: 絵本ナビ
2017年01月12日ベストセラー絵本『はらぺこあおむし』で知られるアメリカの絵本作家、エリック・カール(Eric Carle)による展覧会「エリック・カール展The Art of Eric Carle」が、17年4月22日から7月2日まで東京・世田谷の世田谷美術館にて開催される。カラフルな絵と驚きに満ちた仕掛けが満載の絵本で、世界中の子どもたちを魅了し続けているエリック・カール。アメリカ・マサチューセッツ州にあるエリック・カール絵本美術館の全面協力を得て開催される同展では、カールが絵本作家として活躍するきっかけとなった『くまさん くまさん なにみてるの?』や、超人気作品『はらぺこあおむし』の原画など、厳選した約160点以上の貴重な資料が展示される。また、パウル・クレー(Paul Klee)やレオ・レオニ(Leo Lionni)など、影響を受けた作家の作品も同時に紹介。日本の作家のいわむらかずおとの共作絵本の原画や、舞台の衣装デザイン、立体作品なども展示され、カールのアーティストとしての側面にも迫る。なお、東京会場閉幕後は美術館「えき」KYOTOへの巡回を予定している。【イベント情報】「エリック・カール展The Art of Eric Carle」会場:世田谷美術館住所:東京都世田谷区砧公園1-2会期:17年4月22日~7月2日
2017年01月11日子どもへの学びや気付きを促す絵本の中には、大人の涙腺を刺激する絵本もたくさんあります。「思いがけずグッときてしまった」なんて不意打ちをうけたという人も少なくないのではないでしょうか。そこで今回は 絵本ナビ 協力のもと、大人が泣ける絵本をご紹介しましょう。だいすきなパパへ作:ジェシカ・バグリー/訳:なかがわ ちひろ/出版社:あすなろ書房 「だいすきなパパへ」(絵本ナビ紹介ページ) 会えないお父さんに船をつくって海に浮かべ、きっと届いているはずと信じるバークリー。優しくわが子を見守るお母さん。母子のお互いを思う気持ちはいつもあたたかく穏やかです。悲しい話が苦手、というお子さんもその結末に悲しみ以外の何かを感じとってくれるかもしれません。シンプルで短く、美しい文章も魅力的です。おこだでませんように作:くすのき しげのり/絵:石井 聖岳/出版社:小学館 「おこだでませんように」(絵本ナビ紹介ページ) ぼくはいつもおこられてばかり。なぜかいつも僕だけ怒られる…。そんなぼくが七夕の短冊に書いた願いごととは? 子どもの心の中をのぞきこんでみると思わぬ答えを発見する、親にとって気付きのある一冊として知名度のある絵本です。忙しくても少し手を止めて「この子は今、何を思っているのかな?」と考える時間を与えてくれる一冊。だいじょうぶだいじょうぶ作・絵:いとう ひろし/出版社:講談社 「だいじょうぶだいじょうぶ」(絵本ナビ紹介ページ) ぼくの優しいおじいちゃんはいつも「だいじょうぶだいじょうぶ」といってくれる。大人になるにつれ、怖いこと、逃げだしたいこと、不安なことって増えていくものですよね。そんなときに思い出すのは、誰かがくれた励ましの言葉ではないでしょうか。誰かの優しさに救われた経験を思い出させてくれる一冊です。ずーっとずっとだいすきだよ作・絵:ハンス・ウィルヘルム/訳:久山 太市/出版社:評論社 「ずーっとずっとだいすきだよ」(絵本ナビ紹介ページ) ぼくとエルフィーはいつも一緒。でもエルフィーは僕よりずっと早く年をとっていく。「大好きだよ」と、ぼくはいつも伝えていた。愛するものに言葉で愛を伝え、想いをしめすこと。日ごろからできている人は少ないかもしれません。「いなくなってしまえば、もう何も伝えられない」いつも心の隅においておきたいことを教えてくれる絵本です。ちょっとだけ作:瀧村 有子/絵:鈴木 永子/出版社:福音館書店 「ちょっとだけ」(絵本ナビ紹介ページ) お姉ちゃんだから、とできないことをちょっとだけ頑張ろうとする健気な「なっちゃん」。下の子が生まれ、上の子をかまってあげられていないと感じるママは胸をつかれる思いがするかもしれません。子どもだって「がんばろう」と前向きに物事をとらえ、一生懸命に日々を過ごしているんですね。甘えたいときは「ちょっと」じゃなく「いっぱい」がいい。最後のシーン、なっちゃんの気持ちをめいっぱい受け止めるお母さんもステキです。本当は分かっている、頭では理解しているはず。だけど忘れてしまったり、見失ってしまったりするときもあります。大人が泣ける絵本は、もう一度「大切な気持ち」を見つめ直すキッカケになるかもしれません。気になる一冊があればぜひ読んでみてくださいね。
2017年01月05日新しい年が始まる期待感で胸がいっぱいのお正月。久しぶりに会う家族や親せきと楽しい時間を過ごす人も多いですよね。そこで今回は 絵本ナビ 協力のもと、読めば盛り上がるお正月絵本を選んでみました。大人数で読むとよりいっそう楽しい時間が過ごせるはずです!おえかきしりとり作:新井 洋行 鈴木 のりたけ 高畠 那生 よしなが こうたく/出版社:講談社 「おえかきしりとり」(絵本ナビ紹介ページ) 絵だけでしりとりが進んでいく物語をつくったのは大活躍中の若手絵本作家4人。全員でストーリーを考え、それぞれが完成させたイラストがしりとりでつながっている、とても豪華な一冊です。前見返しにはルール、最後にはしりとりの答えがちゃんと描いてあります。読んでいくうちに難易度があがっていくので読み応えもあり! ユーモアあふれるしりとりに親子で挑みたい一冊です。ルージュベックのだいぼうけん作:アガット・デモワ ヴァンサン・ゴドー/訳:うちだ さやこ/出版社:アノニマ・スタジオ 「ルージュベックのだいぼうけん」(絵本ナビ紹介ページ) 絵本と一緒についてくる赤いセロファンがはられた「まほうのルーペ」。そこをのぞきながら絵本をめくると、別の世界が見えてくるしかけ絵本シリーズです。のぞかなければ分からない思わぬ出来事、隠されている物語…。不思議なこの絵本は「こんなところにこんなものが!」という驚きをくれ、読んでいる人の想像力をたくましくしてくれます。ウォーリーをさがせ! クイズ&ゲームブック作・絵:マーティン・ハンドフォード/訳:唐沢則幸/出版社:フレーベル館 「ウォーリーをさがせ! クイズ&ゲームブック」(絵本ナビ紹介ページ) ご存じ大人気の絵本シリーズ「ウォーリーをさがせ!」のゲームブックバージョンは、たくさんの人が集まるお正月シーンにぴったり。定番の探し物をみんなで楽しむもよし、迷路やパズル、クロスワードなどのゲームにいそしむもよし! とにかく遊べる絵本なので、飽きるヒマを与えません。永遠の名作と一緒にこちらのゲームブックも手に入れておきたいですね。トントン紙ずもう作・絵:COCHAE(コチャエ)/出版社:コクヨ 「トントン紙ずもう」(絵本ナビ紹介ページ) 紙で人形をつくり箱の上にのせ、トントンとたたきながら相撲させる「トントン相撲」。子どものころに友だちと戦いを繰り広げた人もいるのでは?「トントン紙ずもう」には力士39体が収録され、桃太郎と金太郎など昔話のキャラクター同士、夢の対決をさせることも可能です。たくさんの力士の中からお気に入りの1体を選ぶ作業も楽しく、無地の台紙やシートもついてくるので、自分だけのオリジナル人形をつくることもできますよ。たべものかるた あっちゃんあがつく原案:みね よう/作:さいとう しのぶ/出版社:リーブル 「たべものかるた あっちゃんあがつく」(絵本ナビ紹介ページ) 見るからにおいしそうなイラストが人気の「たべものあいうえお」絵本。その「あっちゃんあがつく」のカルタ版となっているこちらは、取り札・読み札が各69枚。予備の札も3枚ずつあるのでなくしても安心です。50音だけでなく「を」や「ん」の札もあるのはさすが! 絵札だけでなく、読み札もイラスト入りで楽しい工夫が満載です。カルタで遊んだ後は、おなかがすいてしまうかもしれませんね。いかがでしたか? 読めばみんなで盛り上がること間違いなしのお正月絵本をご紹介しました。ずっと家の中にいると子どもたちも退屈してしまいます。そんなときも、みんなで読んで遊んでリフレッシュ! 楽しいお正月を過ごすことができますよ。データ協力: 絵本ナビ
2016年12月29日お出かけ前にテレビで見た「今日の運勢」。結果がいいものなら「いいことあるかも!」とちょっぴり幸せな気持ちになりますよね。実は絵本の世界にもそうした運にまつわる作品がたくさんあるのをご存じでしょうか。そこで今回は 絵本ナビ 協力のもと、運気の上がりそうな開運絵本を選んでみました。絵本を読んで、幸せを呼び込みましょう!どんぶらどんぶら七福神文:みき つきみ/絵:柳原 良平/出版社:こぐま社 「どんぶらどんぶら七福神」(絵本ナビ紹介ページ) まるで歌を歌っているような文章で、「七福神」という神さまを紹介してくれる絵本。子どもたちの中には初めてそんな神さまと出会う子もいるかもしれません。大人の私たちの中にも「誰がどんな神さまか」と問われると悩んでしまう人は少なくないはず。この絵本を読めばそれぞれの神さまの顔と特徴がよく分かります。親しみやすく、かわいいイラストと神さまの笑顔にこちらも思わずほっこりしてしまう一冊です。開運えほん作:かんべ あやこ/出版社:あかね書房 「開運えほん」(絵本ナビ紹介ページ) 今年の夏にお母さんが入院したり、遊園地で迷子になったり、仲良しの友だちとけんかして仲直りもできていない「はなちゃん」。おばあちゃんはそんなはなちゃんに「いやなこと、悲しいことは疫病神の仕業」と教えてあげます。この絵本は、はなちゃんが年神様に疫病神を追っ払ってもらおうと奮起するお話です。だるまの目は最初は片側しかいれない、まねきねこは右足でお金をまねき、左足で人をまねく…。開運にまつわるかざりものの説明が分かりやすく、たくさん描かれています。説明の難しい日本のならわしも、子どもにも楽しく理解できる一冊です。おもちのきもち作:かがくい ひろし/出版社:講談社 「おもちのきもち」(絵本ナビ紹介ページ) たれた眉、つりあがった目、まあるい体に腕を組んだ「かがみもち」が表紙の絵本。毎年お正月になると登場する、かがみもちが主人公となっているこのお話はとっても斬新! ほかのおもちが人に食べられていく姿に身の危険を感じ、家から飛び出したかがみもちの大脱走劇の結末は…。おもちの一大事ではありますが、コミカルな語り口とイラストが大人と子どもの笑いを誘います。最後はしっかりオチのつく、新年にぴったりの一冊です。おたんじょう月おめでとう1月生まれ おめでとうおめでとう作:中川 ひろたか/絵:あおき ひろえ/出版社:自由国民社 「おたんじょう月おめでとう1月生まれ おめでとうおめでとう」(絵本ナビ紹介ページ) あたらしい年を「しんぴんのとし」と表現する主人公の男の子がとてもいとおしく思える絵本。新年は新品の洋服を用意して身に付けたりする家庭もありますよね。この絵本にはいつもと変わらない見慣れた景色もあたらしく見え、1月がとくべつである理由がたっぷり描かれています。新年のハッピーな気持ちをおすそ分けしてくれる絵本なので、どの月に生まれたお子さんでも楽しめます。あけましておめでとう作:中川 ひろたか/絵:村上 康成/出版社:童心社 「あけましておめでとう」(絵本ナビ紹介ページ) 「あけましておめでとう」というお正月は、普段と何が違うでしょう。お正月前から日本の文化やお正月の風景を子どもに伝えることができます。お正月はカルタやすごろく、福笑いなど楽しい遊びもたくさん! でも羽子板の勝負で負けると、墨で顔にバッテンを書かれてしまう…。お正月ならではの伝統遊びをする機会が減った今だからこそ読んであげたいお正月絵本。文章はシンプル、大きなイラストで小さなお子さんの読み聞かせにもぴったりです。新しい年の始まりを全身で感じながら「今年はいいことがありますように!」とお願いする…。お正月は日本の文化や習慣を改めて感じられるときでもあります。みなさんの一年が今年も良いものでありますように。データ協力: 絵本ナビ
2016年12月26日