写真家・映画監督の蜷川実花の個展「蜷川実花:Seif-image」が1月24日(土)から5月10日(日)まで、東京都・品川の「原美術館」にて開催となる。「蜷川カラー」と呼ばれる極彩色の鮮烈な作風で知られ、これまでアイドルやモデル、花々を題材にその光と影を捉え続けてきた蜷川実花。本展では、既存の蜷川実花の作品イメージとは異なり、闇や陰の部分に目を向けた新境地シリーズ「noir」や、川面に散る桜を一心不乱に収めた「PLANT A TREE」、そして初期から断続的に撮影されてきたモノクロームのセルフポートレイトを中心に多くの初公開写真を展開。「生身に近い、何も武装していない」と本人が語る特別な写真群(Self-image)を紹介する。そのほか、三面に投影された新作映像インスタレーションでは、映像にあわせ、特別に渋谷慶一郎氏が音楽を、サウンド・ジェネレートシステムをevalaが手掛けた。元邸宅という原美術館の親密な空間の中で展開される作品から、蜷川実花の新たな一面に出合えるはずだ。(text:Miwa Ogata)
2015年01月22日写真家で映画監督の蜷川実花のファッションブランド「エム/ミカ ニナガワ(M / mika ninagawa)」が伊勢丹新宿店本館2階センターパーク/ザ・ステージ#2で、1月21日から27日までポップアップストアをオープンする。15SSからデビューする同ブランドの全アイテムが先行販売される。「MODE RESORT×エム/ミカ ニナガワ」と題された同イベントでは、リゾートシーンをイメージした15SSコレクションを紹介。鮮やかなカラーバリエーションの半袖ワンピース(3万6,000円)やマキシ丈ワンピース(5万円)、スウェットトップス(2万4,000円)、スエットパンツ(1万9,000円)、ブルゾン(3万9,000円)、スカート(2万4,000円から2万9,800円)まで、華やかな蜷川カラーのアイテムがそろう。この他、クラッチやトートバッグ、シュシュなどの雑貨も販売される。会期中、同ショップで1万円以上の購入で、蜷川が編集長を務めるファッションマガジン『エムガール(Mgirl)』、同氏が撮り下ろした写真集『ニナデジ(NINADIGI)vol 2』、同ブランドオリジナルのペン、オリジナルショッピングバッグの4アイテムから一つがプレゼントされる。担当バイヤーは、「15SSでデビューとなる当ストアでは、リゾートシーンにおいて女性がよりカッコよく、より可愛く楽しめるスタイルを提案している。また、蜷川さんのように写真だけにとどまらない“女性が活躍されている場”という社会的意義もこのイベントを通じて発信できれば」と話す。同イベントは、1月28日から2月3日まで日本橋三越本店本館2階スペース2でも開催される。
2015年01月16日渋谷ヒカリエの「8/ ART GALLERY」で、蜷川実花による写真展「noir」が開催される。期間は2月4日から23日まで。蜷川実花は木村伊兵衛写真賞や大原美術館賞など、数々の写真賞で受賞経験を持つ写真家。14年大晦日の紅白歌合戦の審査員を務めたことも記憶に新しい。07年には映画『さくらん』で監督デビューを果たしており、昨年ファッションブランド「M / mika ninagawa」を立ち上げるするなど、現在では多方面に活躍している。そんな彼女が撮る鮮烈な色合いは「蜷川カラー」と呼ばれ高く評価されており、近年では豊かな黒の表現によって死や闇を描いた作品でも人気を集めている。この展覧会は15年春に都内4ヶ所で開催される、蜷川実花による個展の一つ。生と死を表裏一体にとらえた「noir」シリーズの中から、様々な作品が出展される。その他、原美術館では「蜷川実花:Self-image」が、池尻のギャラリー「CAPSULE」と「SUNDAY」では「Portraits & Flowers」が開催されており、様々な側面を持つ蜷川作品のすべてを目の当たりにすることが出来そうだ。【イベント情報】蜷川実花 展「noir」会場:8/ ART GALLERY / Tomio Koyama Gallery住所:東京都渋谷区渋谷2-21-1渋谷ヒカリエ8階会期:2月4日から23日時間:11:00から20:00料金:無料
2015年01月06日東京都・品川の原美術館にて、蜷川実花初のセルフポートレイトを中心とした個展「蜷川実花:Self-image」展を開催する。開催期間は2015年1月24日~5月10日まで、開場時間は11:00~17:00(水曜は20:00まで、最終入館は閉館30分前まで)。入館料は一般1,100円、大高生700円、小中生500円。同展は、華やかで鮮烈な「蜷川カラー」と呼ばれるイメージとは異なる、闇や影の部分に目を向け新境地を開いたシリーズ「noir」(2010年~)と、川面に散る桜を一心不乱に収めた「PLANT A TREE」(2011年)、そして初期から断続的に撮影してきたモノクロームのセルフポートレイトを中心に紹介する蜷川実花の個展。作家自身が「生身に近い、何も武装していない」と語る、特別な写真群(=Self-image)となる。また、床から天井まで室内全体に映像が投影され、鑑賞者は海中を浮遊しているかのような感覚に浸ることのできる新作映像のインスタレーションも公開。音楽を渋谷慶一郎が、サウンドジェネレートシステムをevalaが手がける。さらに、陽光が降り注ぎ、原美術館の中でも特に印象的な階段室の窓が透過性フィルムにプリントされた白黒の蜷川作品で覆われるなど、元邸宅という親密な空間を活かした展示構成となる予定だ。なお、渋谷ヒカリエの8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryでは2015年2月4日より個展「noir」が、また三軒茶屋のCAPSULE/SUNDAYでも2015年2月21日より個展が開催されることになっている。
2014年12月15日数々のシェイクスピア作品を手掛けてきた蜷川幸雄。彼が2015年、80歳を迎える歳に、実に8度目となる『ハムレット』に挑戦する。主演は藤原竜也。2003年、日本演劇史上最年少である21歳でタイトルロール(主人公の名がタイトルになっている作品での主役)を演じて以来、実に12年ぶりに同じ役に挑むこととなる藤原に思いを聞いた。「ハムレット」チケット情報「『ハムレット』を演じたいというのは、実は僕から直接蜷川さんにお願いしたんです」という藤原。そのきっかけはさいたまネクスト・シアターの「2012年・蒼白の少年少女たちによる『ハムレット』」を観劇したことだった。蜷川自ら率いる、若手演劇集団の公演だ。決して有名な役者たちが出ているわけではない。しかしその舞台に彼は感銘を受けた。「観ている間、自分の思いが瞬間的にその場から離れて浮かぶような、時空を超えたような感覚になったんです。キャストの若く疾走感あふれる演技もよかったし、唯一の年輩者であるこまどり姉妹さんも素敵でしたし、何よりも演出がすばらしかった」。その勢いのまま、蜷川に「『ハムレット』をやりたい」と願い出たという。「今思えば、なんて大変なことを言ってしまったんだろうという後悔にも近い思いはあります(笑)。けれど、蜷川さんが命を削るようにして作る舞台に自分もあげてもらいたいと思った」藤原といえば、デビュー作である舞台『身毒丸』で蜷川演出を受けて以来、コンスタントに蜷川作品への出演を続けてきた。観客からすれば、蜷川と藤原はすでにツーカーの仲に思えるかもしれない。しかし今年参加した、やはりシェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』で、これまでにないほど絞られたのだという。「蜷川さんに、『生まれ変わった藤原竜也を見せてくれ』と言われたんです。僕はこれまで、自分の感情が動くままに感覚的に演じてきた。それだけでは済まない場所に差し掛かったんだとわかりました」。動きや表情はもちろん、セリフひとつひとつのイントネーション、強弱に至るまで、毎日のように飛ぶ指摘。共演の吉田鋼太郎にお願いをして、自主稽古もつけてもらったという。「デビューしてから、こんなに大変だったことはない。けれどこの経験が、次に『ハムレット』を演じる時に生きてくると思う」と笑う。「感性豊かな満島ひかりさんと共演できるのも大きな楽しみ。キャストもスタッフも場所も整った。あとはもう、全力でやるだけです」公演は、1月22日(木)から2月15日(日)まで埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホール、2月20日(金)から3月1日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演。大阪は2月25日(水)18:00に追加公演が決定しており、チケットぴあでは、プレイガイド独占先行受付を実施。プレリザーブ(先行抽選)が12月15日(月)11:00より受付開始される。一般発売は12月20日(土)より開始。取材・文:釣木文恵
2014年12月15日東京都港区赤坂の東京ミッドタウン・ウエスト フジフイルムスクエアで、蜷川実花さんの写真展「フジフイルムスクエア企画写真展蜷川実花写真展」が行われる。開催日時は11月14日~12月3日、10時~19時(入館は18時50分まで)、期間中無休。入場無料。○蜷川氏の鮮やかな色彩が会場を彩る写真家・蜷川さんは、広告やファッションの分野などでモデル・アイドル・アーティストといった幅広い人々を撮影する傍ら、写真作家として自身の作品も発表し、独特の色彩感覚とセンスで若年層を中心に支持を得ている。今回の展示では国内外の旅先で出会った花々の写真を中心に、風景写真なども織り交ぜた未発表作品を展開。寒くなりはじめ自然界にも色数が少なくなるこの時期に、大胆な構図と鮮やかな色彩感覚で撮影された写真で会場に華やかさと温かさを演出するという。
2014年11月11日アシックスが展開する「オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)」と、写真家・映画監督として活躍する蜷川実花がディレクションを手掛ける新ブランド「エム / ミカ ニナガワ(M / mika ninagawa)」のコラボレーションアイテムが11月8日より発売される。同コレクションは、蜷川が1番こだわりを持つ“色”を追求し、自身の作品から三つの唇の形を組み合わせたインパクトのあるデザインを採用。オニツカタイガーのアイコンスニーカーであるローカットタイプの「MEXICO 66 DELUXE」(2万4,000円)とハイカットタイプの「JAVELIN HIINA」(2万5,000円)加え、ブラックをベースに前身頃全面に唇柄を配したトラックトップウエア(2万円)、片面に同柄を配したバッグ(2万5,000円)がラインアップ。シューズは2型で600足、ウエア100着、バッグ100個の個数限定で、国内のオニツカタイガー直営店にて販売する。
2014年11月07日シアターコクーンで11月7日(金)より開幕する舞台『皆既食~Total Eclipse~』のプレスコールと囲み取材が前日6日(木)に行なわれ、主演の岡田将生と生瀬勝久が取材に応じた。同作は岡田将生演じるアルチュール・ランボーと、生瀬勝久演じるポール・ヴェルレーヌという19世紀フランスを代表する詩人ふたりの運命的な出会いから、別離と破滅までを描いた作品。クリストファー・ハンプトンの作を、蜷川幸雄が演出する。主演を務める岡田は今作が舞台初出演。生瀬はその印象について「新人という言い方をすると失礼かもしれないけど、舞台では新人なので、とんでもない新人が出てきたなと。天才ですね。まるで30年前の俺を見るようです(笑)。これから30年間演劇を引っ張っていっていただきたい」と絶賛。謙遜する岡田に向けて続けて、「図太いんですよ。稽古が始まる前は「僕はダメです、ダメです」って感じで結構シャイだったのに、始まるとそんな素振りも見せない。僕は結構意地悪なんで色々と仕掛けるんですけど、全部受けますからね。とても初舞台とは思えないです」とコメント。作品の内容について問われると生瀬は「男同士のつながりを描いた作品で、男同士の感情、人間愛ということに最初は少し抵抗があったんですが、実際にお芝居に向き合った今ではないですね。戯曲の通りに演じていると、ランボーのことが愛おしくなったし、別れの時は悲しいという気持ちが自然に出ました」と説明。また、同作は長台詞が見所のひとつだが、生瀬は「僕は大変でしたが、(岡田は)稽古初日の読み合わせの時に、台本をめくってはいたけど、読んでなかった。つまり全部憶えていたんですね。なので30年前の自分を見るようだと思ったんです。実際に30年前の僕は今とそんなに変わってないですけど(笑)」とユーモアを交えて語った。演出を務める蜷川が体調を崩していることについて報道陣から聞かれると、生瀬は「最初は心配していたんですけど、お会いしたらパワフルでしたよ。すぐに怒鳴られました(笑)。お芝居がある限りあの方は大丈夫です」と話した。舞台「皆既食~Total Eclipse~」は11月7日から29日(土)まで東京・シアターコクーンにて、12月4日から7日まで大阪・シアターBRAVA!にて上演。
2014年11月07日写真家・映画監督として活動する蜷川実花のファッションブランド「エム / ミカ ニナガワ(M / mika ninagawa)」が15SSシーズンを機にデビューする。本プロジェクトの発端は、2013年にパリで開催された国際生地見本市「プルミエールヴィジョン」にてファブリックメーカーの小松精練から自身の作品を用いたグラフィックテキスタイルを発表したことから。そのオリジナル性は、海外メディアやファッションブランドから高い評価を得たという。その後「アンリアレイジ(ANREALAGE)」「ジーヴィジーヴィ(G.V.G.V.)」などがテキスタイルを商品化。2013年12月、伊勢丹新宿店にオープンした同商品を扱うポップアップストアでは、アイテム約100点が即完売。ファンからはリピートを期待する多くの声が寄せられたとのことだ。この度、それらの声に応えブランドデビューが決定した。10代から40代まで幅広い世代から支持される蜷川独自のアンテナが捉えた“今”の気分、その時々のトレンド感を反映し、蜷川自身が心底「着たい!」と思うオリジナルスタイルを提案する。アイテムは、リゾートの華やかさを持つマキシドレス(5万円)や、エレガントなショートスリーブドレス(3万6,000円)、かっちりとしたシャツドレス(3万7,000円)から、カジュアルなスウェット(2万4,000円)、スウェットパンツ(1万9,000円)などまでフルラインアップ。1型あたり約2から6型展開されているグラフィックは、大胆に全面使用されたり、シャツ襟にポイント用いたり、ポケットの裏地に忍ばせたりと様々なアイデアが見られる。蜷川作品のグラフィカルで複雑な色味の表現は、従来生地上で再現するのは難しいとされていた。しかし、小松精練が展開しているデジタルプリントファブリック「モナリザ」を用い、1,670万色の色数を駆使する繊細な技術によって鮮明度と、豊富なカラーバリエーションを実現。その他にも、トートバッグ(7,900円)、クラッチバッグ(6,900円)、ポーチ(4,900円)や、シュシュ(3,000円)、ヘアーバンド(2,800円)などのアクセサリーも数多くそろう。価格帯は幅広い世代層の手に取れるようにと考慮されている。まずは、2015年1月21日から27日まで、伊勢丹新宿店本館2階ステージにてポップアップストアをオープンすることが決定している。フルラインアップを先行発売する。
2014年11月06日「フォリフォリ(FolliFollie)」は、2014年11月5日(火)より、長澤まさみ主演、蜷川実花ディレクションによるスペシャルムービー『A Day with Masami Nagasawa Directed by Mika Ninagawa』を公開。このムービー『A Day with Masami Nagasawa Directed by Mika Ninagawa』は、女優としてトップを走り続ける長澤まさみと、圧倒的な色彩感覚による独自のフィルターで世界観を表現する蜷川実花の魅力が融合されたハッピームードあふれるオリジナルムービー。キーアイテムとなっている4つのハートが象る『ハートフォーハート ネックレス』をはじめ、仕事も恋も充実したハッピー&ラッキーライフを提案する「フォリフォリ(FolliFollie)」のさまざまなアイテムを身につけた長澤まさみがアクティブかつ、自ら幸福を掴みに行く『HAPPY な女性像(女性の一日)』を演じている。また、Shogo Sekineさんのイラストレーションをアニメーションとしてプラスし、さらに明るくアクティブな仕上がりになっている。【概要】スペシャルサイト:問い合わせ先:フォリフォリジャパン電話番号:03-3478-068元の記事を読む
2014年11月05日女優の宮沢りえが25日、東京・六本木ヒルズで行われた第27回東京国際映画祭「コンペティション」部門・日本代表作品『紙の月』(11月15日公開)の記者会見に出席し、7年ぶりの映画主演作『紙の月』への出演を決めた理由を語った。宮沢は「30歳になって野田秀樹さんの『透明人間の蒸気』という舞台に参加させてもらって、あまりに自分の無力さに驚いて、このままじゃいけないと思った」と言い、「40歳になるまでにできるだけ舞台に心も時間も費やしたい」と舞台に専念することを決意。「40代になった時に、舞台に立っていられる役者になりたい」と目標を立てたという。多くの舞台を経験し、「たくさんの発見があって、学んだこと、豊かになる部分がいっぱいあった」と自分を成長させた宮沢。40代になって「バランスよく映像と舞台とやっていこう」と思った時に『紙の月』のオファーがあり、「やろうと思った時に来たというタイミングがすごかったので、この7年間で得たものを映像の世界に返そう、放出しよう」と明かした。吉田大八監督も、宮沢が舞台に専念していた7年間について、「蜷川幸雄さんとか野田秀樹さんとか世界的な舞台の演出家とお仕事されていて、一方で、映画からちょっと距離をとっているように見えていたので、映画の人間としては悔しいというか」とコメント。そして、「一か八かオファーしたらやってくれると言ったので、自信になりました」と宮沢出演の喜びを語った。「タイミングがよかっただけというのはあとで知った」という吉田監督だが、「この映画が勝負できる映画なんだと、自信を改めて持ったのを覚えています」と振り返ると、宮沢は「グッドタイミングなだけではなくて、監督にもちろん興味があった」とフォローしていた。
2014年10月26日東京ミッドタウン・ウエストのフォトギャラリー・ショップ「フジフイルムスクエア」にて写真家・蜷川実花の個展「フジフイルムスクエア企画写真展 蜷川実花写真展」が11月14日から開催される。12月3日まで。広告やファッションの分野で活躍し、モデル・アイドル・アーティストなど幅広く撮影しながらも、自身の作品制作も同時進行し写真作家として作品を発表している蜷川実花。最近でもコスメブランド「シュウウエムラ(shu uemura)」とコラボレーションするなど精力的に活動を行っている。同展では、国内外の旅先で出合った花々を中心に風景なども織り交ぜ、大胆な構図と鮮やかな色彩感覚を持つ同氏の世界観を存分に表現。また今回初披露となる未発表作品も展示される予定だ。【イベント情報】フジフイルムスクエア企画写真展 蜷川実花写真展会場:FUJIFILM SQUARE住所:東京都港区赤坂9-7-3 東京ミッドタウン・ウエスト会期:11月14日から12月3日時間:10:00から19:00入場無料
2014年10月23日富士フイルムは、写真家・蜷川実花の個展「フジフイルムスクエア企画写真展 蜷川実花写真展」を開催する。会期は11月14日~12月3日、開館時間は10:00~19:00(入館は18:50まで)。会場は東京都・六本木 東京ミッドタウン内のフジフイルムスクエア。入場無料。同展は、主に広告やファッションの分野で活躍し、モデル・アイドル・アーティストなどを幅広く撮影する一方、自身の作品制作も行っている写真家・蜷川実花の個展。今回は、国内外の旅先で出会った花々を中心に、風景などを織り交ぜ、大胆な構図と鮮やかな色彩感覚を持つ同氏の「進化形」を表現した未発表作品が展示されるとのこと。なお、蜷川実花は東京都生まれの写真家・映画監督。活動開始から毎年写真集を発表し、現在までに80冊近くを出版。2007年公開『さくらん』は第57回ベルリン国際映画祭および第31回香港国際映画祭の正式出品特別招待作品となった。木村伊兵衛写真賞、大原美術館賞(VOCA展)、ひとつぼ展グランプリなど数々の賞を受賞。2014年には、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事に就任。
2014年10月16日大竹しのぶ、宮沢りえ、そして段田安則主演の舞台『火のようにさみしい姉がいて』が10月5日より大阪・シアターBRAVA!で上演中だ。『火のようにさみしい姉がいて』チケット情報終始張り詰める緊張感、その中でふっと訪れるユーモア、美しい言葉の数々、そして鏡を多用して重層的な世界を作り上げた演出の妙が観客をうならせ、さきの東京公演は連日、好評を博した。段田安則は、妻と“姉”を前にして、夢と現の境界線上でゆらめきながら、記憶を翻弄される男を怪演する。「清水さんの戯曲は、現実と虚構、真実と嘘、正気と狂気といった境界線を行ったり来たりするところが面白い。独特の台詞まわしで、しゃべっていて心地よく、楽しいです」と清水脚本の魅力を語る。人生に疲れ果て、「転地療養」と称して20年ぶりに雪国の故郷に戻ってきた俳優(段田)と、その妻(宮沢)。道を尋ねるために入った理髪店の女主人(大竹)は、いつしか男の姉だと言い張るが、男にはその記憶はない。やがて男の“弟”と称する人物や、謎の老女3人が現れて、男の過去に踏み込んでいく…。緊張と緩和、現実と虚構が絶妙なタイミングで押し寄せる名作舞台をぜひ、体感してほしい。そして、本作品を観る者によって結末が異なるサスペンスとたとえる。「誰の視点で見るかによって、その結末も形が変わって見えてくるかもしれません。姉、妻、男とそれぞれの視点で、捉え方が変わるのだと思います。正解を探そうと思えば思うほど、迷宮に迷い込むような感覚になるのでは」。1978年に劇作家・清水邦夫が、自身が主宰する演劇企画集団「木冬社」で初演し、1996年には清水自ら演出を手がけ再演した舞台で、記憶の迷宮をスリリングに描き、大きな話題を呼んだ。だが、以降は一度も上演されることなく、いつしか人々の間では「伝説的な戯曲」に。そんな“幻の舞台”を蜷川幸雄が2014年、初めて演出を手がけた。「鏡がいっぱいある楽屋のシーンで始まり、後半には遊園地にあるようなミラーハウスも出てきます。鏡に映っているものは左右反対の言わば虚の姿。そこにも現実と嘘と、夢とか真実という意味合いがある。普段、目に見えるもの、自分で理解できるものこそ真実と考えがちですが、本当にそこに真実はあるのか、狂気や嘘の中にも真実があるのかもしれない…と思えてくるような舞台です」舞台『火のようにさみしい姉がいて』は10月13日(月・祝)まで、大阪・シアターBRAVA!で上演。チケット発売中。
2014年10月06日世界中のアーティストを撮り続けてきた写真家ベンジャミン・リーの個展「草間彌生『とこしえの愛の部屋』写真展―ベンジャミン・リーが撮る、草間彌生宇宙―」が東京・表参道のジャイル(GYRE)内アートスペース、アイ・オブ・ジャイル(EYE OF GYRE)で開催される。8月1日から9月6日まで。リーはこの3年間、現代美術作家の草間彌生を追い続けており、展示作品には、パリ、香港、ニューヨーク、東京、長野など、世界各地で精力的に創作活動に取り組む草間の姿が収められている。リーはカナダ・トロントのライアーソン・ポリテウニカル・インスティテュートで写真を学び、1977年にロンドンに自身のスタジオを設立して以来、多方面で活躍。87年より日本に拠点を移し、安藤忠雄、磯崎新、三宅一生などを撮影。02年には写真集『オデッセイ』を出版した他、個展も開催した。03年以降は世界中を旅しながら写真を撮りつつ、写真展も開催。09年より雑誌『pen』にて、熊川哲也、蜷川幸雄など多くのアーティストやクリエーターを撮影した。10年、「写真家ベンジャミン・リーの見た彫刻家 佐藤忠良」を開催し、ムック本『草間彌生を知りたい』(12年)ではメインフォトグラファーを務めた。これまでに、英国デザインアート・ディレクション賞(80年と84年)、日経広告賞グランプリ(94年)、日本写真ビエンナーレ賞‘95(95年)など、多くの賞を受賞している。【イベント情報】草間彌生「とこしえの愛の部屋」写真展―ベンジャミン・リーが撮る、草間彌生宇宙―会場:EYE OF GYRE住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1-3階会期:8月1日から9月6日時間:11:00から20:00入場無料
2014年06月18日演出家・蜷川幸雄がシェイクスピア作品を手掛ける新企画「NINAGAWA × SHAKESPEARE LEGEND」が彩の国さいたま芸術劇場で始動した。第一弾としてオールメール(男性俳優のみ)による『ロミオとジュリエット』を上演する。これまでにも“彩の国シェイクスピア・シリーズ”の中で人気を博してきたオールメールの舞台だが、新企画で注目すべきは、小ホールの緊密空間でシェイクスピアに立ち向かう、成長著しい若手俳優たちの挑戦だ。近年目覚ましい活躍を見せる実力派、菅田将暉がロミオ役を担い、持ち前の瑞々しい表現力で蜷川舞台に初参戦する。そしてジュリエットを演じるのは、数々のオールメールの舞台で艶やかな存在感を放ってきた月川悠貴。蜷川の信頼に応えてさまざまな娘役を体現してきた月川に、シェイクスピア劇の代表的ヒロインに挑む今の心境を聞いた。舞台『ロミオとジュリエット』チケット情報「とてもメジャーな作品なので、観客の皆さんが持っている、キャラクターに対する固定観念が強過ぎて、自分なりのジュリエット像を作っていった時に受け入れてもらえるかどうかが不安ですね」。控えめな発言のようで、その言葉の裏には強気な攻めの視線が隠されていた。「これまでいくつかの『ロミオとジュリエット』の舞台を観てきたけれど、いつも疑問点があって。それを今度の舞台でクリアしたいんです」。そう語る彼が、勝負を賭けて作り上げたいジュリエット像とは……。「一番の疑問点は、ジュリエットは本当に純粋なのかということ。親が決めたとはいえ、婚約者がいながらロミオのもとにいってしまうのは、まったくの純粋とは言えないんじゃないかと思うんですね。ジュリエットのかすかな不純さを出していくほうが、物語の真実に近づけるような気がします。演出家と相談して、自分が考える『ロミオとジュリエット』を見せられればいいなと」俳優として活動する前は演歌歌手だったが、一時は芸能の世界から身を引こうと決意し、蜷川に相談。そこで引き止めてもらえたことで、再び表現者としての自身の可能性を探り始めたという。「やるからには誰にも負けない何かを作ろう、そう考えた時に、娘役を極めようと思ったんです」。以降、出演作の3分の2は娘役として活躍。中でもオールメールの舞台は「特別なシリーズ」と心に置いている。娘役を演じるうえでの信念は「まず、絶対的に美しいこと。そして必ず芯が通っていること」。ブレない姿勢で、誰もが息をのむ美しさを表出する。「お客さんに、“ああ、ロミオとジュリエットはやっぱりこれだよね”と言ってもらえるような作品にしたい」。可憐な容姿から垣間見える魔性。月川が目指すヒロインの、真の姿を見届けたい。公演は8月7日(木)から24日(日)まで彩の国さいたま芸術劇場 小ホールにて。チケットの一般発売は6月7日(土)午前10時より。取材・文:上野紀子
2014年06月03日写真家で映画監督の蜷川実花のデジタルフォトブック『ニナデジ』と、ワコールの百貨店向けブランド『パルファージュ』によるコラボレーションランジェリーが、7月より全国百貨店で発売される。【写真】ランジェリーのカラーバリエーション“ランジェリーを楽しむ女性の特権を存分に満喫し、身につけた人の気持ちが上がるように”というコンセプトのもと誕生したファッショナブルなコラボランジェリー。シンプルなデザインに蜷川ワールド全開の色彩豊かな花柄プリントを用いて女性らしさを表現したシリーズと、モノトーンの刺繍とレース使いでスパイスを効かせたリュクスなシリーズで展開する。なお、現在発売中の『Mgirl(エムガール)』誌面では、同商品を着用したモデル・浦浜アリサを蜷川が撮影した写真が掲載されており、ファッションとして楽しむランジェリーの魅力が表現されている。
2014年05月09日「ワコール」は、百貨店向けブランド”パルファージュ”から鮮やかな色彩と魅惑的な世界観で人気を集める蜷川実花氏のデジタルフォトブック『ニナデジ』とのコラボレーションランジェリーを2014年7月より全国百貨店で発売する。「パルファージュ」は、“リアル・リッチ”をコンセプトに、上質感と大人感を表現したデザインで働く女性に支持を得ている。“ランジェリーを楽しむ女性の特権を存分に満喫し、身につけた人の気持ちが上がるように”というコンセプトをもとに、これまでのランジェリーとは違ったファッションにより近いアイテムに仕上がっている。プリントに花柄を用いて、シンプルでありながらも女性らしさを再現したシリーズと、モノトーンの刺繍とレース使いでスパイスを効かせたリュクスなシリーズで展開。また、2014年4月25日(金)発売の「Mgirl(エムガール)」誌面では、蜷川実花氏のフォトグラフと今回のコラボレーションランジェリーを着こなしたモデルの浦浜アリサさんによって、ファッションとして楽しむランジェリーの魅力が表現されている。全国の百貨店の「パルファージュ」取扱い店舗の他、ワコールウェブストアで販売を開始(販売期間7月~12月)。※一部店舗によって発売日が異なる。「パルファージュ」ニナデジコラボ特設ページ【商品概要】■91シリーズ発売日:2014年7月発売シンプルなデザインに大胆な花柄のプリントが映える、鮮やかな色彩表現が美しいシリーズ。ブラジャー:BCL・791価格:7,000円~7,500円(税抜)サイズ:B-F/65~75ソング(Tバッグ)ショーツ:PCL・291価格:3,000円(税抜)サイズ:Mショーツ(ボーイレングス):PCL・691価格:3,200円(税抜)サイズ:M・Lショーツ(ノーマル):PCL・091価格:3,500円(税抜)サイズ:M・Lキャミソール:CCL・291価格:10,000円+税サイズ:バスト80・85カラーは全てOB(オレンジ)、PI(ピンク)、TU(ターコイズ)■46シリーズ発売日:2014年10月発売モノトーンのレースと刺繍を取り入れてコントラストの効いた配色が贅沢な上質感を表現したシリーズ。ブラジャー:BCL・446価格:7,600円+税~8,100円(税抜)サイズ:B/70~75、C-F/65~75ソング(Tバッグ)ショーツ:PCL・446価格:3,700円(税抜)サイズ:Mショーツ(ボーイレングス):PCL・546価格:3,700円(税抜)サイズ:M・Lショーツ(ノーマル):PCL・746価格:3,700円(税抜)サイズ:M・Lキャミソール:CCL・246価格:8,500円(税抜)サイズ:バスト80・85カラーは全てRE(レッド)、BU(ブルー)【『ニナデジ』とは】いま最も注目される写真家・映画監督の蜷川実花氏によるデジタルフォトブックの人気シリーズ。蜷川氏ならではの大胆な構図と鮮やかな色彩が余す事無く収録されている。【問い合わせ】株式会社ワコールお客様センター電話番号:フリーダイアル 0120-307-056(平日9:30~17:00)元の記事を読む
2014年05月09日2010年に映画化もされたカズオ・イシグロの傑作『わたしを離さないで』が、蜷川幸雄演出により舞台化される。そこで日本語版の脚本を手がけることになった、ペンギンプルペイルパイルズの倉持裕に話を訊いた。舞台『わたしを離さないで』チケット情報「カズオ・イシグロさんに最初に触れたのは、映画『日の名残り』(=原作がカズオ・イシグロ)です。その主人公スティーブンスの生真面目さを強調したコメディを作りたいと思い、鎌塚シリーズ(=倉持が作・演出を務める舞台)が生まれました。カズオ・イシグロ作品の魅力のひとつは、その冷静で客観的な筆致。作家の主観が抑えられている、あるいは巧妙に隠されているために、読者は何にも縛られずに想像を膨らませることができる。作品全体に紳士的な態度や品を感じ、とても惹かれます」そんな縁もあり、『鎌塚氏、放り投げる』(2011年)の公演中に今回のオファーがあった際は「運命を感じた」と言う。そして本作『わたしを離さないで』は、日本語訳小説の発売後すぐに購入。そのまま一気に読み終えてしまったらしい。「話が進むにつれ、怒りを覚える対象がまるで別方向へとシフトしていくところに魅力を感じました。始めは、語り部キャシーに意地悪をし続けるルースに、次に、ルースの欠点ばかりを語り続けるキャシーに、最後に、彼女たちを取り囲む社会に対して激しい怒りを覚えます。読書中、ここまで激しい感情の振幅を繰り返した作品は他にありません」もちろん倉持はオリジナル作品を書き下ろす作家でもある。それだけに、原作のある作品を脚本化する上ではこんなことを肝に銘じている。「まず、自分が原作に対して感じている魅力を整理して、純化することです。そうすることで自分の原作に対する個人的な思いに自信が持てます。また今回、原作では語り部のキャシーを客観的に描くことが、最も楽しかったところです。その作業こそが、自分のオリジナリティを発揮できる最大の点だったと思います」また本作の演出を蜷川が手がけること。それは倉持にとって大きな楽しみのひとつだ。「この作品は誰もやったことのない方法で“生きること”について言及しています。そして蜷川さんの演出によって、主人公の3人を始め、登場人物たちは、舞台上で生命力をみなぎらせると思います。そうして生身の生命を見せつけることで、小説よりも映画よりも、このテーマについて強く訴えることができるかもしれません」公演は4月29日(火・祝)から5月15日(木)まで彩の国さいたま芸術劇場大ホール、5月23日(金)・24(土)に愛知県芸術劇場大ホールにて、5月30日(金)から6月3日(火)まで大阪・梅田芸術劇場にて。チケットは発売中。取材・文:野上瑠美子
2014年04月07日コスメブランド「シュウウエムラ(shu uemura)」が、写真家・映画監督として活躍する蜷川実花とコラボレーションしたコレクション「mika for shu イン ビューティー ワンダーランド」を数量限定で3月21日に発売する。3月14日より予約受付を開始する。両者のコラボは、2008年のクリスマスコレクション、2011年の桜コレクションに続き今回で3度目。今回は、シュウウエムラの人気商品に蜷川実花の作品をまとわせた。ラインアップは、クレンジングオイル(4種、450ml/7,500円から1万1,500円)、UV アンダー ベース ムース(4種、3,800円から4,000円)、デュアルフィット プレスドパウダー コンパクトケース(ブラシ付属/1,200円)、アイシャドー スパイラル デュオ(2種、各3,800円)、ミニ ネオ スター グリッツ(つけまつげ、2,800円)、ネイル スティッカー(2種、各1,500円)、ティント イン ジェラート(リップカラー・チークカラー、12色、各2,800円)。※価格はすべて税別
2014年03月06日日本文学の金字塔・三島由紀夫の不朽の名作を、宮本亜門の演出で贈る舞台「金閣寺-The Temple of the Golden Pavilion-」。2月25日(火)、新キャストとなる主演の柳楽優弥、水橋研二、水田航生らキャストらが稽古場にて顔合わせ、稽古始めの台本の読み合わせの模様が公開された。生来の吃音から疎外感に悩みながら育った男・溝口、下肢に障害を抱えながらも不敵に溝口を挑発する柏木、そして溝口とは寺の同朋で、明るさの裏で自死を選ぶ鶴川。「生とは何か?」「美とは何か?」と自問する溝口と2人の友人を軸に、現代にも通じる若者の苦悩や閉塞感を描き出す本作。舞台は俳優の身体だけでなく、映像や声の演出で三島文学を表現し、正式招待された「リンカーンセンター・フェスティバル2011」でのニューヨーク公演では“Fusion Theater(融合劇)”と評され大きな注目を集めた傑作だ。今回の公演で新キャストに抜擢されたのは、主人公・溝口役には独特のオーラを放つ柳楽優弥、柏木役には実力派の水橋研二、鶴川役には昨年の映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』での大抜擢でも注目を浴びた水田航生、さらに溝口の初恋の相手・有為子役とその有為子に存在を重ねるお花の師匠に市川由衣。今回の主演抜擢を受けて、柳楽さんは「今日は稽古初日ということで、めちゃめちゃ緊張していますので、頑張って乗り切ろうという思いです(笑)。初舞台は『海辺のカフカ』で蜷川幸雄さんの演出だったので、演出家の方はみんな、“恐い”という印象だったのですが、取材時にライターさんたちから『亜門さんは優しい』と聞いて、優しい演出家の方もいるんだと思いました(笑)。亜門さんを信じて稽古に励んでゆきます」と挨拶。三島文学のキャラクターとあって、かなりの難役になることが予想されるが「僕は、『僕の内界と外界との間の扉に鍵があり、うまく開いたためしがない。それどころか、その鍵は、錆び付いてしまっているのだ』という(小説の)一節に現れる、溝口の心の変化を精一杯演じていきたいと思います」と力強く語る。さらに役作りについて聞いてみると、「寺の坊主の役なので、役づくりのために、京都の宝泉寺に修行に行きました。座禅をしたり、太極拳をしたり、すごく緊張しました。今は一番“声”のことを意識しています。映画で声が小さいと言われるので(苦笑)。髪型は、今以上にスッキリします!坊主にします!」と明かした。本作は2011年に宮本さんが芸術監督を務めるKAAT神奈川芸術劇場の柿落し公演として創作されたもので、今回再演となるが宮本さんは「今回は、単なる再演ではなく、新しい役者さんもたくさん加わっていますし、自分にしかできない『金閣寺』を一緒に創り上げていきたいと思います」と話す。柳楽さんの起用理由については「非常に面白い役者さんです。溝口を演じるには、溝口に共鳴できるかどうかが重要なんですが、柳楽さんは溝口が好きなんだと聞きました。『海辺のカフカ』も観て思いましたが、柳楽さんにはそこに“存在”できる力がある。舞台では、その“存在”できる力が大切なんだと思います」とも。最後に、「初演時に比べると、それぞれ役の実年齢に近い方が揃っています。『金閣寺」は、テーマがとても深く、時期や自分の置かれている立場によって、見方が変わりますので、自分自身を見つめ直す機会となりうる作品だと思います。3年前とは情勢が変わっています。自分という人間は何ぞや、日本とは何ぞやということを、いま一度、感じ取って頂ければ」と語りキャスト・スタッフともに気合い十分といった様子だった。舞台「金閣寺-The Temple of the Golden Pavilion-」は、赤坂ACTシアターにて4月5日(土)~4月19日(土)公演。(text:cinemacafe.net)
2014年02月26日2月12日、「エトロ(ETRO)」は写真家・蜷川実花とコラボレーションしたカプセルコレクション“エデン(Eden)”の販売をスタートした。これに合わせて、エトロ家長男で今回のプロジェクトを手掛けたヤコポ・エトロ氏が来日。17日まで伊勢丹新宿店1階ザ・ステージにオープンしている同コレクションポップアップストアにて彼に話を聞いた。「作品、人柄共に素晴らしいアーティスト」と蜷川に首ったけの様子だ。「昨年伊勢丹新宿店で彼女に作品の撮り下ろしとディスプレイディレクションをしてもらうコラボを行ったが、もっと面白いこと・商品に関することをやりたいと思い、Edenに至ったんだ」と経緯から説明。商品ラインアップは全30型。バッグ、ショール、小物、ウエアなど様々なアイテムが製作された。特徴的な柄は、エトロのペイズリーに蜷川を象徴するモチーフであるバタフライやストーンが載せられたもの。「実花がミラノに来て、デザインを一緒に決めたんだ。完成したアイテムは若々しくて、楽しくて、フレッシュ、そして可愛い。凄く実花らしい仕上がりだと思わないかい?期待以上のものを作ってくれた。最初に行く所まで行こう、インパクトあるコレクションにしようと伝えたからね(笑)」目を引くのはその柄だが、ファスナーの引き手などの副資材も両者で考えたという。「例えば、僕はクラッチバッグが気に入っているんだけど、ふたを開けると内装は赤、そしてジップやポケットが付いていて機能性にも配慮している。こういう細かいところもディスカッションしたんだ」価格は1万7,850円から10万2,900円と、従来のエトロよりも抑え目。蜷川のポップでファンタジックな世界観と共に、「25歳位の女性達をエトロファンにしていきたい」と若い層へのアプローチにも意気込む。2人は2008年代々木体育館で行われたイベント「エトロサーカス」以来の友人とのことだ。ヤコポ氏はそれ以来彼女の作品に魅せられている。「彼女は映画監督としても素晴らしい。次はエトロのホームページとブティックで流すための、日本とエトロが融合したようなショートフィルムを作ってもらいたいと考えている。彼女も日本も大好きだからね」。彼は日本に度々来日し、着物生地のコレクションもしているという。「日本文化は最も洗練された文化の一つ。だから日本で生まれたアーティストは世界でも通用する。著名な方では写真家の杉本博司さんや画家の奈良美智さんに興味がある。いつかコラボできたら」と、日本への造詣の深さを窺わせた。今後同コレクションは銀座三越(2月18日から23日)、阪急うめだ本店(2月26日から3月4日)、東急東横店(2月27日から3月12日)にポップアップストアをオープン。2月18日よりエトロ銀座本店、3月1日より全国のエトロブティックで扱われる。伊勢丹新宿店では2月15日16時より蜷川と『ヌメロ・トウキョウ』編集長の田中杏子のトークショーを開催予定。
2014年02月14日今夏上演される蜷川幸雄演出舞台『海辺のカフカ』で、主人公カフカ役にオーディションで選出された古畑新之(ふるはた にいの)の出演が決定した。古畑は音楽活動をしながら、CMやアーティストのPVに出演。2013年GoogleのCMで注目を浴びる。本格的な演技は本作品が初めてとなる。舞台『海辺のカフカ』チケット情報同作は村上春樹の同名ベストセラー小説を蜷川が舞台化したもの。2012年に柳楽優弥の主演で上演されている。「世界でいちばんタフな15歳の少年になる」ために家を出たカフカ少年の物語だ。蜷川は新人抜擢の理由を「カフカ役は少年と大人の間を行ったり来たりするキャラクター。揺れ動く少年の心情を表現できる、子供でもなく大人でもない人を探していた。上手い人は他にもいたけれど、演劇的にあまり訓練されすぎない、未完成な魂を持っているところが良かった。心がぶれてバイブレーションを起こせる、危うさを持っている少年というイメージにぴったりだった」と話している。公演は6月1日(日)から7日(土)まで埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホール、6月13日(金)から16日(月)まで大阪・シアターBRAVA!、6月21日(土)から7月5日(土)まで東京・赤坂ACTシアターにて。埼玉・東京公演のチケット一般発売は2月15日(土)、大阪公演は2月22日(土)より。
2014年01月24日北アイルランド紛争を背景に、サッカーに青春を捧げた若者たちの激動の日々を描く『ザ・ビューティフル・ゲーム』。このロンドン発のミュージカルの日本語翻訳版が、1月31日、東京・新国立劇場 小劇場で幕を開ける。そこで蜷川幸雄のもとで長年演出助手を務め、本作でミュージカル演出デビューを飾る藤田俊太郎と、主演の馬場徹、大塚千弘に話を訊いた。ミュージカル『ビューティフル・ゲーム』チケット情報取材前に初の読み合わせを行った藤田は、馬場、大塚について「おふたりとも素材としては真っ白」と分析。「だからこそ稽古を進めていく中で、この作品に必要なものをいろんな観点から色づけしていけるんじゃないかなと。さらにおふたりのまだ開拓されていない部分を発見していくことが、本作における僕の役割だと思います」と語った。ふたりが演じるのは、サッカー選手として将来を有望視されるジョンと、その恋人のメアリー。「メアリーはすごく信念の強い人で、どんなことがあってもジョンのことが大好きなんですよね。彼の優しさに惹かれているし、自分が守ってあげなきゃっていう母性的なところもあって」と大塚が語ると、「ジョンもメアリーのことが大好きなんでしょうね」と馬場。「ただその優しさゆえに流されてしまうところもあって……。だからこそあんなことになってしまったんだと思います」と続ける。カトリックとプロテスタントの熾烈な争いが続いた北アイルランド紛争。馬場が語ったジョンの身に起きた事件も、この激しい紛争の中で起きた事件だ。本作で重要なキーワードとなる“カトリックとプロテスタント”。この関係性を藤田は、ある舞台装置を使い視覚化しようしている。「センターステージにして、その中央にロッカーを並べようと思っています。ロッカーに扉はないので、中を通して向こうの世界が見えるようになっていて。あと信者の数はカトリックの方が多いので、それに合わせて客席の割合も変えようかなと。そうすることで、この対立構造がよりはっきり見えるんじゃないかと思います」。馬場はこう言う。「表面的なものだけが見えてしまうとすごくもったいない作品。その奥底にあるものをきちんと伝えていきたい」と。それが何かと言えば、大塚が語るように「この作品から持って帰るものは、人それぞれみんな違うと思う」ということなのだろう。その中でひとつ、藤田はこれを挙げる。「人と関わる、生きていく喜び。そんなことを少しでも感じてもらえたらいいなと思います」。公演は2014年1月31日(金)から2月11日(火・祝)まで、東京・新国立劇場 小劇場にて。チケット発売中。取材・文:野上瑠美子
2013年12月26日INFINITEエルと蜷川実花が初コラボレーションしたグラビア誌『AJ Vol.02』(ぴあ発行)の表紙ビジュアルが公開された。イ・ジュンギの公演チケット情報同誌は、アジアで活躍するスターがグラビアでコラボレーションする雑誌。アジアをはじめ世界で活躍をする写真家・蜷川実花と、ワールドツアーで世界各国を沸かせているINFINITE・エル。ふたりの感性が“ぶつかり合う”表紙は、蜷川のセクシーでゴージャスな世界観の中で、涼しげだが、憂いを含んだようなエルの眼差しが印象的なビジュアルだ。誌面では、グラビアやインタビュー、撮影メイキングが30ページに渡って展開されている。他にも、豪華ラインナップが顔をそろえる。イ・ジュンギ、ノ・ミヌによる日本カルチャー論、台湾のモンスターズバンド・MayDay(メイデイ/五月天)のアジア戦略、アジアでブレイクした藤井美菜と古川雄輝、岩井俊二とハン・ヒョジュなどが登場。さらに、加藤和樹、水田航生、超新星のユナクとグァンスが、日韓の若手ミュージカル俳優として華麗な“競演”も見せる。また、「アジアに進撃する日本のコミック・アニメーション」と題して、『進撃の巨人』から『黒執事』『イタズラなKiss』までアジアにおける日本のコンテンツブームが特集されている。『AJ Vol.02』は11月28日(木)発売。なお、ぴあBOOKSHOP(では、特製オリジナル・アザーカバー付で予約を受付中。
2013年11月18日舞台『唐版 滝の白糸』が10月8日、東京・シアターコクーンで開幕。開幕にあたり、出演者の大空祐飛、窪田正孝、平幹二朗からメッセージが寄せられた。舞台『唐版 滝の白糸』チケット情報片心中の生き残り、水芸人のお甲。彼女の心中相手の弟・少年アリダ。ふたりはゴーストタウンと化した長屋で出会い、ふたつの孤独な魂を通わせ合う。抒情あふれる唐十郎の傑作戯曲を蜷川幸雄が13年ぶり4度目の演出に挑む舞台だ。お甲を演じるのは大空祐飛。今回が宝塚歌劇退団後、初の舞台出演。「生命そのもののような激しい女・お甲。彼女が自身を昇華して魅せる『奇跡の芸』で劇世界を染め上げられるよう、私のエネルギーを全てこの舞台に解放したい」。少年アリダを演じるのは窪田正孝。「冒頭では何者でもなかったアリダがお甲さんたちと出会い変化、成長していく。僕自身、作品を通してどこまで変化できるか、精一杯頑張りたい」。そして、過去を追い求める謎の男・銀メガネを平幹二朗が演じる。「前衛作品と対峙する機会が少ない僕にとって、この舞台は大いなる挑戦の場。台詞を「てにをは」まで正確に頭と身体に叩き込み、戯曲の求めるスピードとリズムで、まるで今生まれた言葉のように舞台上に再現する。原点に戻って取り込むしかない」とそれぞれ、意気込みを話している。公演は10月29日(火)まで東京・シアターコクーン、11月12日(火)から11月16日(土)まで大阪・シアターBRAVA!にて。チケット発売中。
2013年10月09日2009年の初演、2010年のロンドン、ニューヨーク公演が話題を呼んだ『ムサシ』。かの有名な宮本武蔵と佐々木小次郎の戦いのその後を描いた井上ひさしの戯曲を蜷川幸雄が演出した作品が、彩の国さいたま芸術劇場で上演中だ。今回佐々木小次郎役に抜擢された溝端淳平に話を訊いた。『ムサシ』ロンドン・NYバージョン チケット情報初めて観た舞台が蜷川の『お気に召すまま』だったという溝端。「上京して3か月経ったか経ってないかの僕にとっては、何もかもが初めての感覚で、圧倒されました。ただ階段を上って下りるだけのシーンに、ぐんと惹き込まれたのを覚えています」と蜷川作品の魅力を語る。以来、蜷川作品にいつか参加したいと願いつつも「舞台は力量が露骨に表れる場所。いまの自分にはまだまだだと思っていました」。そんな溝端に『ムサシ』の話が舞い込んだ。今回溝端が演じる佐々木小次郎は、初演で小栗旬が演じた大役。さらに溝端以外のキャストは前回と同じ。全員の芝居が出来上がっているところにひとり飛び込まなくてはならない。「小栗旬さん、藤原竜也さんといえば、僕ら世代の俳優にとって憧れの人。仕事を始めた頃は、それこそおふたりの演技をまねしてみたこともありました。だからものすごく緊張していますし、怖さもあります」と率直に話す溝端。しかし、だからこそ「とにかく飛び込むしかない、といまは少し開き直っています」と笑顔を見せる。「蜷川さんの舞台に出ることも、憧れの藤原さんとの共演も、自分の力がもっとついたらぜひやりたいとずっと思っていた。でもそれは今思えば逃げていたのかもしれません。せっかく機会を与えられたからには、精一杯やりきりたいと思います」と決意を新たにした。今回の舞台では、歴史上の人物をユーモアたっぷりに演じなくてはならない。殺陣も初挑戦となる。「初めてのことだらけですが、僕はいつも、どんな現場でも困ったら先輩方にすぐ聞くことにしています。皆さん本当に真摯に教えてくださる。今回も怖がらず、なんでも聞いて吸収していきたい」と溝端。さいたまでの上演の後、大阪を経てシンガポール公演、そして来年には韓国公演も控えている。「シンガポールにはこの間、ひとり旅で下見に行きました。だから唯一シンガポールに関してだけは、カンパニーの皆さんより詳しいかもしれないですね」と笑った。若手実力派である溝端の初挑戦を、この目に焼き付けたい。10月20日(日)まで彩の国さいたま芸術劇場 大ホールにて。その後、10月25日(金)から29日(火)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティでも上演。取材・文:釣木文恵
2013年10月04日インターネット掲示板「2ちゃんねる」で2,000万アクセスを突破したネット小説『風俗行ったら人生変わったwww』。その後単行本化され、新しい純愛ストーリーとして注目されている。すでに映画化が発表されており、監督とキャストが明らかとなった。チャレンジする前に「自分は無理だ」とあきらめてしてしまう自己完結型童貞男・遼太郎。初めて風俗に行くが緊張のあまり過呼吸になってしい、人のために役立ちたい風俗嬢・かよに介抱される。かよに魅了されていく遼太郎は、なぜ彼女がこの仕事をしているのか疑問を持つ。そして多くの男を相手にしているという事実と嫉妬。遼太郎は男としての決心を行動に移そうとする。遼太郎はネットで知り合った仲間の応援により、かよの人生を救出すべく作戦を決行する。人生が変わるくらいの感動を刺激的なタイトルで表現した『風俗行ったら人生変わったwww』、今までのラブストーリーには無い結末が待っている。人は心に不安や闇を持つ。しかし、自分次第でいつでも成長できる。主人公・遼太郎を演じるのは、若手実力派の満島真之介。NHKテレビ小説『梅ちゃん先生』で注目を集め、蜷川幸雄の舞台にも出演する。ワケあり風俗嬢には、雑誌のモデルをはじめ、CM・バラエティなどで活躍する佐々木希が抜擢された。物語を左右するキーマンには、8月に主演最新作『ガッチャマン』の公開を控える松坂桃李。メガホンを取るのは、映画『荒川アンダー ザ ブリッジ』ほか、脚本・監督をこなすことで独自の世界観を持つ飯塚健だ。映画初主演となる満島さんは、オファーを聞いて「とてつもなく驚きました。役柄、タイトル含めて。新しい挑戦の中に、今まで見えなかった自分を見つけられそうなワクワク感でいっぱいです」と語った。佐々木さんは「今まで想像したこともない役柄なのでどうなるか分かりませんが、楽しんで演じたいと思っています。女の子としては口に出しにくいタイトルですが、中身は感動純愛ドラマなので、ぜひ女の子にも観てほしいです」とコメント。飯塚監督は「最初にオファーされたときの、“すげえ熱い想いがある作品!!”と思った自分の直感を信じて引き受けました。“ヤバいタイトル。やるしかないでしょ、そりゃあ”と思った。跳ねた作品をスクリーンに届けたい」と意気込みを語った。映画『風俗行ったら人生変わったwww』は7月にクランクインを迎え、11月9日(土)より109シネマズほか全国ロードショーとなる。(text:cinemacafe.net)
2013年07月11日『英国王のスピーチ』のオスカー俳優コリン・ファースとキャメロンディアスが主演する映画『モネ・ゲーム』にアラン・リックマンが出演している。重厚な演技で観客を魅了してきたリックマンは本作で傲慢なメディア王を怪演し、劇中ではなぜかヌードまで披露するハジケっぷりを見せている。その他の画像本作の主人公はカタブツで少しだけツメが甘い美術鑑定士のハリー(ファース)が、美人だが天然キャラで少しだけ頭が弱いPJを相棒に、モネの連作『積わら』の贋作を用いた詐欺に挑むも、次々に想定外のトラブルに巻き込まれる様を描いたエンターテインメント作品。リックマンはハリーたちがターゲットにするメディア王シャバンダーを演じている。リックマンは1946年の英国人俳優。ロンドンにある王立演劇学校を卒業し、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーなどで活躍。清水邦夫・作、蜷川幸雄・演出の舞台『タンゴ・冬の終わりに』では主演を務めた。1988年には『ダイ・ハード』でテロリストの首領ハンス・グルーバーを演じて映画ファンから支持を集め、『ハリー・ポッター』シリーズではセブルス・スネイプ先生を演じて圧倒的な人気を得た。一見、重厚な演技が彼の魅力だが、コミカルな役どころもこなせる俳優で、本作でも傲慢で自己愛が強く、ほしいものはどんな手段を使ってでも手に入れようとする億万長者シャバンダーを演じ、コミカルな演技を披露している。ちなみにシャバンダーは、映画サイト・ぴあ映画生活を4月1日限定で買収。サイトのトップ画面を自身の写真で埋め尽くして“自分大好き”ぶりをアピールしている。『モネ・ゲーム』5月17日(金)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー
2013年04月01日7月、東京・Bunkamura シアターコクーンで上演する蜷川幸雄演出舞台『盲導犬』に、古田新太、宮沢りえ、小出恵介の出演が決まった。1973年に唐十郎が櫻社のために書き下ろし、蜷川幸雄が初めて唐戯曲を手がけた記念碑的作品。石橋蓮司、蟹江敬三、緑魔子が出演した伝説の舞台だ。蜷川は1989年に再び同作を手がけ、この時の出演者にはまだ年若かった木村拓哉も名を連ねた。そして今回、人気・実力を兼ね備えた3人の俳優を得て、24年ぶりに同作を再演する。舞台は新宿。盲人の影破里夫(エイ ハリオ)は、伝説の“不服従”の盲導犬・ファキイルを探し求めている。新宿にもうひとり、開かずのコインロッカーと格闘する女、奥尻銀杏(オクジリ イチョウ)がいる。ロッカーの中には、初恋の人タダハルの手紙が入っているのだが、南国で殺害された夫が鍵を持ったままなのだ。盲人と女、ふたりの魂は自ら求めるもののため、新宿をさまよう。はたして銀杏はタダハルと再会できるのか。そして、破里夫はファキイルに出会えるのか。破里夫に古田新太、銀杏に宮沢りえ、そして破里夫とともにファキイルを探し歩くフーテン少年に小出恵介。3人の舞台巧者がスペクタクル性と繊細な叙情性をあわせ持つ唐十郎作品に挑む。舞台は7月に東京・Bunkamura シアターコクーン、8月には大阪でも公演予定。
2013年02月05日