●影響を受けた2人の先輩の生き様俳優の溝端淳平がファルコン役の吹き替えを担当するマーベル・スタジオ最新作『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(4月29日公開)がいよいよ公開を迎える。本作では、最強ヒーローチーム"アベンジャーズ"が分裂し、チーム キャプテン・アメリカとチーム アイアンマンの対立が描かれるが、キャプテン・アメリカの相棒であるファンコンはもちろんチーム キャプテン・アメリカだ。溝端がファルコンの声を担当するのは4作目だが、今回は本格的にキャプテン・アメリカの相棒として参戦。もともと『アベンジャーズ』シリーズの大ファンだという溝端は、「すごくうれしい」と喜ぶ。そんな彼に、4度目となるファルコン役を演じた感想や本作の見どころ、ファルコンがキャプテン・アメリカを慕うように芸能界で尊敬している先輩の話など、インタビューした。――4度目となるファルコン役を演じていかがでしたか?吹き替えはやはり難しいですが、4度目ということもあり今回は楽しむことができました。最初の頃は、人のお芝居に合わせて言葉をはめていくということが、しかも英語のものにはめていくというのが難しく、ちょっとした息づかいや向こうの人たちのお芝居の間に合わせることに苦戦したのですが、今回は自分でもこうやれたらいいなという欲も出てきて、監督と話し合いながら作っていけたのでとても楽しかったです。――具体的にどういう風にしたいという欲が出てきたのでしょうか。言葉の使い方とかですね。和訳するとこういうことなのかなと、英語の口の動きに合う言葉を探さないといけないのですが、そこをこだわって話し合いながらやりました。――今回、「ファルコンがさらにかっこよくなっている」とおっしゃっていましたが、どうかっこよくなっていますか?キャプテン・アメリカのことを思っているということが、多くを語らずとも随所に出ていて、"相棒"感が強く感じられます。キャプテン・アメリカの良き理解者ですね。また、戦闘シーンでさらに強くなっていて、頼もしい存在だなと思いました。――そんなファルコンと自分が似ているなと思う点はありますか?照れ屋なところは似ているかもしれません。ファルコンはシャレをきかせて照れながら話す場面がありますが、そういうところは共感できます。――では、本作でアベンジャーズに初参加を果たすスパイダーマンを含めて、アベンジャーズのメンバーで一番自分に似ていると思うキャラクターは?だれだろう…? キャプテン・アメリカですかね。周りが何を言おうと自分の正義を貫くというか、僕も自分がこうだと思ったら曲げられない性格なので。そういう頑固さが似ていると思います。――俳優という仕事をしている中で、頑固だなと感じる瞬間はありますか?自分がこうだと思ったら、周りの意見も尊重しつつ、ハッキリ言いますね。本来はみんな思ったことをちゃんと言い合うのがいいことなのかなと。なんとなく流れていく仕事が好きではなく、とことん話し合って納得して進みたいと考えています。――なるほど。確かにキャプテン・アメリカと重なります。そのキャプテン・アメリカのことを、溝端さん演じるファルコンはとても慕っていますが、2人の関係のように芸能界で付いていきたいと思うような尊敬している人はいますか?藤原竜也さんや吉田鋼太郎さんにとてもかわいがってもらっているんですけど、生き方がかっこいいなと思いますし、考え方がとても共感できます。2人が好きなことは僕も好きだったり、2人が嫌いなことは僕も嫌いだったり、そういう似ているなと思うことも多いんです。会うといろいろダメ出しされたり、厳しいことを言われたりもするんですけど、愛情を感じますね(笑)――藤原さんや吉田さんから学ぶこととは?お芝居に対してのストイックさですね。そして、きれいにやるというより、なんか昭和っぽい。殴り合うシーンがあったら本当に殴っていいよって言う人で、そういうところが昭和な感じがして、その精神論的なところがかっこいいと思います。また、舞台では今日しか見られないお客さんもいるわけだから、ぶっ倒れるくらい全力で出し切ろうとする。その姿を見ていると、余力を残すようなことをしていたら俳優として終わるよって訴えられている気がして、とても刺激を受けます。(C)2016 Marvel.●デビュー10年目で見つけた自分の"核"――2006年に「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞し、芸能界デビューしてから、今年10年という節目ですね。いえいえ、毎年が節目ですよ!――なるほど! 一年一年というわけですね。そうですね。そうやって積み重ねているのですが、最近は仕事一つ一つがとても楽しく、あまり考え過ぎずにできているというか、いい精神状態で仕事ができています。今年は時代劇にも挑戦するなど、新しいことも楽しんでいます。――何かいい精神状態になるきっかけがあったんですか?年齢…?(笑)――それだけですか?(笑)いや、どうなんでしょう(笑)。昨年から今年にかけて、自分の中で何かあったんですかね。おそらく、舞台で蜷川幸雄さんにしごかれながら女性役を演じたり、寺山修二さんの作品に挑戦したり、経験したことのない世界に飛び込んで、今まで思っていたものが全部覆されたことが大きかったのだと思います。最初はそれがつらかったんですが、できていくうちに楽しくなっていき、自分の可能性を狭めるのではなく、いろんな人に染められるのも大事なのかなと思うようになりました。そして、自分の"核"ができたからかもしれません。――その"核"とは?こうありたい、こうしたいという理想ばかりを追っていると、結局自分にウソをついていることになるので、もっと自分に素直になろう、素直に新しいものを吸収しようと思えたことだと思います。こうなりたいと言っている時点で、自己否定になってしまうと思うんですよね。漠然と人間的におもしろくありたいという思いはありますが、理想に縛られるのはよくないなと。自分の理想なんて狭いということがわかったので。そういった自分の"核"ができたことが、今のいい状態につながっているのだと思います。――考え方としては大きな変化ですね。そうですね。自分の知らない世界でもまれた経験と、そして、鋼太郎さんの一言も影響を与えてくれたと思います。「普通じゃありえないですよね」というようなことを僕が言った時に、「『普通はこうだ』みたいなことを言ったらダメだ! 普通じゃないからお客さんはお金を払って見に来てくれる。普通じゃないということはこの仕事ではいいことなんだ」とおっしゃって、型にはまった考え方をしていてはいけないということを教わりました。■プロフィール溝端淳平1989年6月14日、和歌山県出身。2006年、「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞し、芸能界デビュー。2007年にドラマ『生徒諸君!』で俳優デビューを果たし、2008年には映画『ダイブ!!』でスクリーンデビュー。映画『赤い糸』(08)では、第33回日本アカデミー賞優秀新人賞を受賞した。現在、数々のドラマや映画、舞台に出演するほか、トーク番組『誰だって波瀾爆笑』の司会としても活躍中。5月13日より放送のNHK-BS時代劇『立花登青春手控え』に出演。
2016年04月27日少し先の未来。人類は、世界の人口を激減させた新種のウイルスを克服する代わりに太陽の下で生きられなくなっていた。彼ら新人類・ノクスたちが、科学とテクノロジーの進化を享受する生活を送る一方、従来の人間たちはキュリオと呼ばれ、彼らの管理下に暮らしていた―。前川知大さん率いる劇団イキウメが‘11年に上演した舞台『太陽』。読売演劇大賞を受賞した傑作戯曲が入江悠監督によって映画化された。「こういうSF的で寓話性がある作品って最近の日本映画にはない世界観です。劇場で観た時、映画で発想できなかった悔しさや嫉妬もありつつ、どうしてもこれを映画にしたいと思うくらい衝撃を受けたんです」そこからすぐ映画化に動きだした。前川さんと話し合いを繰り返しながら、脚本の執筆、撮影を含め約3年を経て、映画『太陽』はようやく公開に辿り着いた。「そもそも映画って企画から実現までに何年もかかるんです。その間に中止になることもある。それだけに、何が起きてもへこたれずに付き合えるくらい、掘り下げ甲斐のある題材じゃないとやれないんですよね」しかし、そんな入江監督でも映像化にはかなり苦心したそう。「この作品は舞台の抽象性のなかで成立する部分も大きいんですよね。いまの日本の映画界にはSFの蓄積がないけれど、少しでも生ぬるい表現があれば観客に届かない作品だけに、どこまで描くかにはかなり悩みました。ただその間に、蜷川幸雄さんがこの作品を演出した舞台を観たりもして、徐々に僕らの目指す場所を明確化することができた。そうして時間をかけて少しずつ熟成できたのが結果的によかったと思います」舞台ではノクスとキュリオの両面から描かれたが、入江監督はあえてノクス側のシーンを最小限に絞りキュリオ地区にフォーカスした。主人公は、ノクスに憧れる鉄彦(神木隆之介)と、ノクスに対して反発心を抱く結(門脇麦)。ノクスへの転換手術という選択を前に、ふたりは自らの生き方を模索していく。「僕自身、キュリオとノクス、どっちの選択が正しいかわからないんです。でもわからないからこそ、この作品に惹かれたのかなとも思うんです。ハイテクに囲まれて清潔な空間で美味しい食事をしたいけど、昔ながらのコミュニティにも憧れる。もしかしたらこんなに悩みながら撮ったのは『SR サイタマノラッパー』以来10年ぶりかもしれないです」◇キュリオの鉄彦(神木)はノクスへの転換手術を熱望していたが、結(門脇)が選ばれショックを受ける。一方の結は望まない転換手術に戸惑い…。監督/入江悠出演/神木隆之介、門脇麦ほか4月23日より角川シネマ新宿ほか全国ロードショー。(C)2015「太陽」製作委員会◇いりえ・ゆう1979年生まれ。大学在学中から映画祭で注目を集め、‘06 年に撮った初の長編『JAPONICA VIRUS』が全国公開。‘09年には『SR サイタマノラッパー』が大ヒット。近作に映画『ジョーカー・ゲーム』。◇舞台版では、鉄彦とノクスの青年・森繁との交流を軸にキュリオとノクス、両側の視点から物語が進行する。「近年、作品の強度をどんどん増している前川さんが、いま『太陽』をどう描くのか興味深いです。僕の映画が何か影響を与えることがあればうれしいですね」(入江さん)。三軒茶屋・シアタートラムにて5月6日~29日上演。(写真は初演2011年の舞台より。撮影・田中亜紀)※『anan』2016年4月27日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・望月リサ
2016年04月22日写真家の蜷川実花による初のファッションフォト写真展「ファッション・エクスクルーシヴ(FASHION EXCLUSIVE)」が、4月23日から5月8日まで表参道ヒルズ本館地下3階のスペース オーにて開催される。同展は、これまで様々なテーマや人物を取り上げてきた蜷川実花による、ファッションに特化した初の写真展。「ファッション・エクスクルーシヴ」というタイトルには、ファッションというジャンルを特別に選び、蜷川ならではの感性でファッションの捉え方を示すという意味が込められている。会場では、蜷川実花の写真集『ファッション・エクスクルーシヴ』に収録された写真約85点を展示。女優の柴咲コウや大島優子、前田敦子、俳優の浅野忠信や斎藤工、アーティストからは安室奈美恵、椎名林檎、百田夏菜子(ももいろクローバーZ)など突き抜けた個性を持つ俳優やアーティスト、モデルといった“STAR”とファッションを融合させることで蜷川ワールドを艶やかに彩った。また、限定のクリアファイルやポストカードブック、オリジナルステッカー、DECOチョコなどを販売。蜷川実花とゲストによるトークイベントも開催される。【イベント情報】「ファッション・エクスクルーシヴ」会場:表参道ヒルズ本館地下3階 スペース オー住所:東京都渋谷区神宮前4-12-10会期:4月23日~5月8日時間:11:00~21:00(4月24日、5月1日は20:00まで、5月8日は18:00まで)入場無料
2016年04月22日演出家・蜷川幸雄がシェイクスピア戯曲37作品の上演を目指す“彩の国シェイクスピア・シリーズ”。その第32弾『尺には尺を』で、藤木直人が初のシェイクスピア舞台に挑むこととなった。昨年、蜷川の演出舞台『海辺のカフカ』に出演し、ロンドンやニューヨークほかを巡るワールドツアーを経験。長いツアーが終わる直前に、本作への出演が決まったという。「尺には尺を」チケット情報「ようやく『海辺~』が終わる……と思っていた時だったので、ツアー最終のソウル公演の千秋楽は「でも、まだ終わらないんだな…。半年後にはもうシェイクスピアの舞台に立っているの!?」という気持ちでした(笑)。お客様の前で演じるのは当然エネルギーがいるし、緊張感もありますけど、何よりも蜷川さんの前で演じるほうが緊張するんですよ(笑)。だから、またあの稽古場の緊張感を味わうのか…って思いましたね」喜劇であると同時に、衝撃的な展開から問題劇とも呼ばれる本作。藤木が演じるのは、侯爵(辻萬長)の代理でウィーンの統治を任された青年アンジェロだ。とくに性道徳について厳しく市井を取り締まるなか、アンジェロは不貞の罪を犯した貴族クローディオに死刑を宣告する。しかしクローディオの妹イザベラ(多部未華子)に恋をしてしまい……。「内容が気になってしまって」という藤木は、上演台本を渡される前に、戯曲を購入して読んでみたそうだ。「400年前の本であって、文化も大きく違い、独特な言い回し…。やっぱり難解というイメージがありました。しかも、その後に上がってきた上演台本が、内容は同じでも表現がことごとく違っていたんですよ(笑)。そこが翻訳劇の難しいところだなと。英語の台詞という正解があるのに、異文化である日本語に置き換えて上演するということ。でも、その挑戦を蜷川さんはずっと続けてきて、いろんな意見を言われながら闘ってきて、世界に認められた。『海辺~』のワールドツアーでは行く先々で熱狂的に迎え入れてもらったんですが、それは蜷川さんのやってきたことの証なんだなと感じましたね」前作と違い、今回は主演として稽古場の中心に立ち、蜷川の指揮を真っ向から受けとめる。「蜷川さんがどのような切り口で演出されるのか、その楽しみはあります。まあ、自分が出ない立場だったらその楽しみだけで済んだんですが(笑)。打たれ弱いんですよね」と苦笑いしつつ、覚悟は決めている。「蜷川さんが『この役を藤木がやってもいい』と言ってくださったのだから、応えるしかない。ハードルは限りなく高いし、逃げ出したくなるようなことが待っているでしょうけど、通過すべき時間なのかなと思います。あまり台詞を“独特で難解”と意識し過ぎず、自分の言葉として発せられるように頑張っていきたいと思います」公演は、5月25日(水)から6月11日(土)埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホール、6月17日(金)から19日(日)まで福岡・北九州芸術劇場 大ホール、6月24日(金)から27日(月)大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演。チケットは発売中。取材・文:上野紀子
2016年04月11日今ノリにノっている劇作家・演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、KERA)の最新作が、2017年2月、渋谷・Bunkamura シアターコクーンにて、「シアターコクーン・オンレパートリー+キューブ 2017」として上演されることが決定。主演には井上芳雄、ヒロインには小池栄子が出演することも明らかになった。今年に入り、「第23回読売演劇大賞」最優秀作品賞及び優秀演出家賞を受賞、さらに「第66回芸術選奨」文部科学大臣賞を受賞し大注目を集めるKERAさんが、作・演出を手掛ける新作舞台。KERAさんは、「劇団ナイロン100度」の主宰であり、サブカルチャーから文芸作品まで幅広く作・演出。音楽、美術、演出と独特なセンスで華やか且つ新感覚でこれまで挑戦的な作品を多く産み出してきた。“ナンセンスコメディの旗手”とも言われ、会話のトーンやズレによって、笑いや独特な空気感を生み出す緻密な演出が特徴で、演劇界でもキャストの技量が要求される演出として知られている。主演には、“ミュージカル界のプリンス”として「モーツァルト!」「ハムレット」など多数のミュージカルで主演を務め、近年は蜷川幸雄、串田和美、栗山民也などとも組み、ミュージカル以外の演劇作品でも確かな演技力で評価を得る井上さんが好演し、ヒロインには、KERA上演台本・演出の「グッドバイ」でヒロインを演じ、「第23回読売演劇大賞」最優秀女優賞を受賞したばかりの小池さんが出演する。今回の決定にキャストの2人はこう語る。初めてKERA作品に出演することになる井上さんは、「KERAさんに『何か一緒にできれば』と仰って頂き、一見接点がなさそうな僕に興味を持って下さった事に、半信半疑というか嬉しい驚きでした。今、自分の中で“ミュージカル”と “ストレートプレイ”の垣根がどんどん無くなって来ています。その決定打として『こいつ本当に芝居をやりたいんだな』と思って頂ける作品になればと思います」と抱負を語り、共演の小池さんについては「自分を高めて今がある本物、恐いくらい演技力のある女優さん、という印象です。胸を借りるくらいの気持ちでご一緒したいと思います」と期待を寄せている。一方の小池さんも、「『グッドバイ』に続き大好きなKERAさんの演出を受けられる事、しかも初めてのシアターコクーン、そしてお相手は才能溢れる王子様、井上芳雄さん。今から興奮で鼻血が止まりません (笑)アドレナリン出まくりです。いつも通り『やれるべき事を全力でやる』のみ」とコメントし、公演を心待ちにしている様子だ。さらにKERAさんは、2人のキャスティングについて、「もう何年も前に井上芳雄くんにオファーしました。ストレートプレイだということ以外にはまったく、何一つ、共演者すら誰ひとりとして決まっていないにも拘わらず、彼は快諾してくれました。僕はそういう俳優さんが大好きです。ミュージカル界のプリンスと称されてきた井上くんですが、しかし、一方で非常に生活感を感じます。僕にとってはそこが魅力的」と井上さんとのタッグを熱望していたと話し、小池さんについては、「昨年秋の『グッドバイ』で強烈なキャラクターを演じてもらいました。あの役は、書いた僕が言うのもなんですが、意外性に富んだ当たり役だったと思います。今回はもっとずっと複雑な女性を演じてもらうことになるでしょう。難役をあてがいたくなるのは抜群に上手いからです」と絶賛している。タイトルもストーリーも未発表でその多くがベールに包まれたままの本作は、公演を来年2月、チケット発売は11月を予定しているとのこと。KERAさんとは初タッグの井上さんと黄金タッグの小池さん、この3人が組むことでまた新たに演劇界を賑わせることは間違いなしのようだ。今後明かされる共演者など作品の全貌に期待していて。(cinemacafe.net)
2016年04月08日表参道ヒルズ開業10周年を記念した特別展として4月23日(土)から5月8日(日)までの期間、本館B3F「スペースオー」にて、蜷川実花による初のファッションフォト展「FASHION EXCLUSIVE(ファッション・エクスクルーシヴ)」が開催される。美しく鮮やかな色彩で創り上げられた世界観と、トレンドを先取りする嗅覚で、いまや時代の顔となった蜷川実花。これまで様々なテーマや人物を取り上げてきた彼女だが、「ファッション」に特化した写真展を開催するのは今回が初めてのこと。「FASHION EXCLUSIVE(ファッション・エクスクルーシヴ)」というタイトルには、ファッションというジャンルを特別に選び、蜷川実花ならではの感性で「FASHION(ファッション)」の捉え方を示す、という意味が込められている。本展示では、いまを輝く俳優・モデルなどのスターたちによるファッションとの対話・約85点をダイナミックに展示し、艶やかな蜷川ワールドが披露される。尚、会場では限定オリジナルグッズの販売や、会期中には蜷川実花と豪華ゲストによるトークショーも開催。本展示で、蜷川実花の新たなるチャレンジと、生命力に満ちた世界観を堪能してみて。<蜷川実花「FASHION EXCLUSIVE(ファッション・エクスクルーシヴ)」開催情報>期間:4月23日(土)~5月8日(日)場所;表参道ヒルズ本館B3F「スペースオー」時間:11:00~21:00※4月24日(日)・5月1日(日)は~20:00、最終日5月8日(月)は~18:00入場:無料(text:cinemacafe.net)
2016年04月02日神木隆之介&門脇麦で実写映画化される『太陽』の原作舞台を生み出した、劇団イキウメの主宰・前川知大が、柳田国男の傑作逸話集「遠野物語」を劇化する舞台「遠野物語・奇ッ怪 其ノ参」の上演が決定。出演に仲村トオル、瀬戸康史ら豪華俳優陣が顔を揃えることが分かった。緻密な構成と筆致で、身近な生活と隣り合わせに現れる異界を描きだし、多くの演劇ファンを唸らせてきた前川氏。これまでに、鶴屋南北戯曲賞、読売演劇大賞の大賞、優秀作品賞、最優秀演出家賞など名だたる演劇賞を獲得。2016年は、自身が主宰する劇団イキウメの代表作であり、蜷川幸雄による演出も話題となった「太陽」の舞台版と、神木さんと門脇さんを迎えて実写化される映画版の同時期公開を控えるなど、より一層の注目を集めている。そんな前川氏脚本・演出による「奇ッ怪」シリーズを、世田谷パブリックシアターでは2009年より継続して上演。第3弾となる今回の「奇ッ怪」では、民俗学者・柳田国男が遠野盆地から遠野街道にまつわる民話を集録した「遠野物語」が原作。河童や天狗といった妖怪たちから、死者、神に至るまで様々な異界のものたちと生きてきた人々の共生を綴った物語を、前川氏の解釈で舞台に表現する。出演は、「チーム・バチスタ」シリーズや「あぶない刑事」シリーズをはじめ数多くのドラマや映画・舞台で幅広く活躍する俳優・仲村さん。シリーズ前2作にも出演した仲村さんは「奇ッ怪」の世界観に欠かすことのできない存在だ。「前川君の作品にかかわっているときは“これは偶然というには確率が随分と低い”と思う出来事がよくあります」「おそらく前川君のもっている此の世とあの世の中間辺りでとんでいる波のようなものをつかまえるアンテナに、僕の中にある、ふだんは只の鉄の棒のようなものが共鳴して何かを受信しやすい状態になるのだと思います」と、その独特の世界観を表現。また、「昔の遠野のことを話しながら、たったいまの真ん中のことを語ってしまう。そんな奇跡をまたやらかす!その力のひとつになり、その場に立ち会いたい」と、意気込みを力強く語った。そして、世田谷パブリックシアター主催「マーキュリー・ファー」で脆さと内に秘めた強さを持ち合わせる難役を繊細な表現力で演じ切った瀬戸さんが、前川作品に初参戦!実はイキウメ作品はほぼ欠かさず観劇するほど、前川作品ファンだという瀬戸さんは「毎日刺激的で精一杯生きているつもりなのに、なんとなく1日が終わっていっている気がする。前川さんの作品はそんな僕の日常に問いかけてくる。『これでいいのか』『自分に見えているものだけが真実なのか』と僕に、そして世の中に対し揺さぶりをかける」と、前川作品の魅力を語り、「今作で初めてお芝居でご一緒でき、喜びはもちろん、妖怪や神が住む森に迷い込んだ遠野の村人のように凄いところに足を踏み入れたようなワクワク感、そして少しの不安や恐怖…いまはそんな心境です」と明かした。また共演者には山内圭哉、池谷のぶえ、銀粉蝶といった日本の演劇界を支える実力派キャストが集結。瀬戸さんは「仲村トオルさんをはじめ素晴らしい演者の皆さんの中でお芝居できることを幸せに思いますし、何が何でも食らいついていきます」と熱いコメントを寄せた。舞台「遠野物語・奇ッ怪 其ノ参」は10月31日(月)~11月20日(日)まで、世田谷パブリックシアターにて上演。(text:cinemacafe.net)
2016年03月23日その過激な内容から実写化不可能といわれていた古谷実の衝撃作を映画化した『ヒメアノ~ル』。「V6」の森田剛が映画初主演にして“最狂”の殺人鬼役を演じ、【R15+】指定を受けたことでさらなる注目を集めた本作の、日常と狂気が交錯するスリリングな予告編がついに解禁となった。平凡な毎日に焦りを感じているお人好しな青年・岡田(濱田岳)。ある日、職場の先輩である安藤(ムロツヨシ)に、カフェ店員・ユカ(佐津川愛美)との仲を取り持つよう頼まれた彼は、ユカが働くカフェで高校時代の同級生・森田(森田剛)と再会する。しかし、ユカと距離を縮めた岡田は彼女の口から、「森田らしき人物からストーキングをされている」と知らされ、不穏な気持ちを抱き始める。かつて過酷ないじめを受けていた森田は、ある事件をきっかけに、欲望のままに無抵抗な相手を殺害していく快楽殺人者になっていた…。世の不条理、屈折した感情、恋愛、友情、ポップなギャグなど、古谷作品が持つ独特な要素を含みながら、過激な内容にファンのあいだで物議を醸していた原作に引けを取らない、過激な描写が盛り込まれた本作。今回解禁された予告編は、本編に基づいた異例の二部構成となっており、その前評判から覚悟して映像を見始めると、思わず拍子抜け!? 濱田さん演じる岡田と、佐津川さん演じるユカ、ムロさん演じる安藤のコミカルな三角関係による、コメディー調のラブストーリーが繰り広げられる。ところが、後半ではトーンが一転、殺人鬼・森田が登場するや、狂気と過激な暴力が手持ちカメラの映像により圧倒的なリアリティをもって描かれる、という真逆の世界観が展開される。穏やかな口調とは裏腹に、血まみれで思わず目を覆いたくなるような所業をやってのける森田さんの姿は圧巻の一言。蜷川幸雄、宮本亜門、いのうえひでのりなど、名だたる演出家の舞台への出演で磨かれた演技力を惜しみなく披露し、“最狂の殺人鬼”役を生々しく演じきっている。吉田恵輔監督も「現場も編集も、まるで2本の作品を撮っているような感覚」と語るほどの振れ幅を感じさせる本作。日常と狂気が交錯する濃密なストーリーの緊迫感を、まずは予告編映像から体感してみて。『ヒメアノ~ル』は5月28日(土)よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月22日ブラッドリー・クーパーが、過去にワケありの天才シェフを演じる最新主演作『二ツ星の料理人』。このほど本作から、“世界一セクシーな男”にも選ばれたブラッドリーの、ミシュラン三ツ星を目指すシェフ姿をとらえたポスタービジュアルが解禁、公開初日が6月11日(土)に決定した。3年前、パリの二ツ星レストランから姿を消した料理人、アダム・ジョーンズ(ブラッドリー・クーパー)。一流の腕を持ちながらも大きな問題を抱えたアダムは、すべてを失った。もう一度、料理人として再起をはかるため、ロンドン美食界の友人トニー(ダニエル・ブリュール)のレストランに乗り込む。「世界一のレストランにしてやる」と自分を雇う約束を取り付け、女性料理人のエレーヌ(シエナ・ミラー)、パリ時代の同僚ミシェル(オマール・シー)など最高のスタッフを集めていくアダム。満を持して、新しくレストランをオープンするが、過去のトラブルの代償は、まだ解決していなかった…。本作は、『世界でひとつのプレイブック』『アメリカン・ハッスル!』『アメリカン・スナイパー』で3年連続アカデミー賞にノミネートされ、演技派としても知られるようになったブラッドリーが主演を務める美食エンターテインメント。『8月の家族たち』のジョン・ウェルズ監督がメガホンをとり、シエナ・ミラーやダニエル・ブリュール、オマール・シー、ユマ・サーマン、エマ・トンプソンら、ハリウッドの豪華キャストに加え、『リリーのすべて』でアカデミー賞「助演女優賞」を受賞したばかりのアリシア・ヴィキャンデルも競演を果たしている。今回到着したのは、“世界一セクシーな男”と評され、世の女性を魅了するブラッドリーが、ミシュランの二ツ星シェフ監修による本格フレンチの厨房にいる姿をとらえたビジュアル。絵画のように美しい料理を披露する、クーパー演じる天才イケメンシェフ・アダムのアツい情熱と才能が伝わってくるかのようだが、「料理は完璧、人生は挫折ー」とのコピーのように、なぜか憮然とした表情なのが気になるところ。ブラッドリーは8才の頃からシェフになるのが夢だったそうで、「おばあちゃんが料理上手で、魔法をかけたみたいに美味しい料理を作ってくれたので、影響を受けたんだ。家族で行ったレストランで、白いコック帽とユニフォームがカッコイイシェフが、子どものころから憧れだったんだよ。だから、料理はよく作っていたし、いまでも趣味なんだ」と明かしている。そんな彼は、オートキュイジーヌ(フランスの伝統的高級料理)界の有名シェフに会い、裏話や役作りのためのヒントを得たという。モデルとなったのは英国の人気シェフ、ゴードン・ラムゼイ。短気な性格で“炎の料理人”とも呼ばれ、スタッフに怒鳴ったり物を投げたりすることで有名な、さながら“料理界の蜷川幸雄”!?「素晴らしいキャラクターだった。生命力の強い人物だった。彼の自伝も読んだし、ミシュランの三ツ星を獲得するまでを描いたTVシリーズ『Boiling Point』も見た」と語るブラッドリー。彼の研究の成果が映画にどう生かされているのか、引き続き続報を楽しみにしていて。『二ツ星の料理人』は6月11日(土)より角川シネマ有楽町、新宿ピカデリー、渋谷シネパレスほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月17日岩井俊二監督の『リップヴァンウィンクルの花嫁』の完成披露試写会が3月16日(水)に開催され、岩井監督と主演の黒木華が上映前のトークに登場。誕生日を迎えたばかりの黒木さんに岩井監督から、人気漫画「東京喰種」の漫画家・石田スイによる黒木さんの似顔絵が贈られた。岩井監督にとっては『花とアリス』以来となる、国内での実写長編映画となる本作。平凡な女性の派遣教員・七海はネットで知り合った男性と結婚するが、彼の浮気が発覚し、しかも罪を着せられ彼女が家を追い出される。苦境に陥った七海は次々と斡旋される奇妙なバイトをすることになるが…。黒木さんは昨年の『小さいおうち』、そして今年の『母と暮せば』で史上2人目となる2年連続の日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞したばかり。白いドレス姿の黒木さんが、岩井監督と共に劇場のバルコニーの階段を下りて登場すると、会場は拍手と歓声に包まれた。本作は一昨年の秋に撮影されたが、七海役は「映画に愛される未来の女優を探す」というコンセプトの下、オーディションで選ばれた。岩井監督は黒木さんについて「会って率直に『この子は撮りたい子だな』と思えた。そのモチベーションだけでここまで来ました。いろんな映画のシーンが頭を巡りました」とぞっこんのよう。「出会ったときは、すでに野田秀樹さんや蜷川幸雄さんに見いだされていましたが、それから山田洋次監督に見いだされ、ベルリン国際映画祭に見いだされ(※女優賞受賞)、とにかく見いだされ続けてる。山田監督とも華ちゃんの話になって『持っているとしか言いようがないですよね』という話になりました」と絶賛していた。一方の黒木さんは、高校時代に岩井監督の『リリィ・シュシュのすべて』を見たそうで「多感な時期で、いろんなことを感じました。いまでも苦しいことがあると、思い出して観たりします」と明かし「自分がその監督の映画に出るなんて思いもよらず、幸せな時間でした」と満面の笑みを浮かべる。映画では現代の日本社会の闇やひずみが鋭く切り取られているが、岩井監督は「震災後にいろんなことがあった中で、いままでと違うムードや景色があり、モヤモヤしたものがあった。信じていたものが崩れる中で、転がるように、転びながら走る主人公が、誰と出会ったら幸せになれるのか?本当の幸せって何なのか?」を描いていると説明する。2日前の14日は黒木さんの26歳の誕生日だったが、岩井監督からは、監督自身がはまって大好きだという漫画「東京喰種」の石田スイさんの手による黒木さんの肖像画がプレゼントされた。黒木さん自身、「東京喰種」を愛読しているそうで「読んでます!面白いです!」と語り、石田さんの絵とメッセージに「嬉しいです」とニッコリ。これからの1年について「いままでと変わらず、地道に頑張っていきたいです」と抱負を口にした。『リップヴァンウィンクルの花嫁』は3月26日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月16日『スティーブ・ジョブズ』で本年度アカデミー賞「主演男優賞」にノミネートされたマイケル・ファスベンダーと、『エディット・ピアフ~愛の賛歌~』で第80回アカデミー賞「主演女優賞」を受賞したマリオン・コティヤールにより、W・シェイクスピア最高傑作と呼ばれる悲劇を映画化した『マクベス』。このほど、演技派2人が描く狂気的な夫婦愛が映し出された予告編が解禁、公開日が5月13日(金)に決定した。舞台は中世スコットランド。仁徳が高く慈悲深いダンカン王(デビッド・シューリス)に仕える将軍マクベス(マイケル・ファスベンダー)は、反乱軍との激しい戦闘の末、勝利を収める。その岐路、謎めいた魔女が現れ、“マクベスは領主になり、そして王になるだろう”という不可解な予言を囁く。ともに行動していた将軍バンクォー(パディ・コンシダイン)には、“子孫が王になる”と告げた。謎めいた予言を残し霧のように消えた魔女にとまどうマクベスたちの元に、王の使いが到着する。なんとコーダの領主が死亡し、マクベスが領主となるよう勅命が下ったのだ。魔女の囁きによって、忠誠心とは裏腹に王座への野望という炎を心に灯してしまったマクベスを、言葉巧みにマクベス夫人(マリオン・コティヤール)が夫の良心を消し去ろうと画策する。そんなとき、ダンカン王がマクベスの城に宿泊する日がやってくる。マクベス夫婦の野心は、人間の奥底に潜む魔性のごとき“狂気”をむき出しにさせ…。シェイクスピアの四大悲劇の1つといわれる本作は、世界中、そして日本の数々のクリエイターに多大な影響を与えてきた、言わずと知れた至高の名作。その原作は日本でも毎年約10万部の増刷があるといわれ、これまで黒澤明、手塚治虫、蜷川幸雄らも翻案作品を発表。昨年は佐々木蔵之介が1人舞台で演じ、シェイクスピア没後400年のメモリアルイヤーとなる今年2016年は、本作だけでなく、現在公演中の宝塚宙組公演「Shakespeare ~空に満つるは、尽きせぬ言の葉~」、6月には野村萬斎主演の舞台などが予定されている。今回、本邦初解禁される予告編では、圧倒的な映像美の中で、野心と欲望に苛まれながら次第に狂気に満ちていくマクベス夫婦が描き出されていく。特に、マイケルが「私の心はサソリでいっぱいだ」と語るその姿は、人相がすっかり変貌し、これまでに見たこともないほどの狂気を漂わせている。また、マリオン演じるマクベス夫人の「もう元には戻れない」という決意を秘めたような言葉からも、狂気の果てに堕ちてしまった夫婦の“地獄”へ通じるような愛を予感させている。ハリウッド界屈指の演技派俳優の2人が迫真の演技で、映画史上かつてない狂気と愛に満ちた作品に仕上げた本作。21世紀の『マクベス』を、まずはここから目撃してみて。『マクベス』は5月13日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月10日人気の舞台を映画化した『太陽』の完成披露試写会が3月7日(月)に開催され、W主演の神木隆之介と門脇麦、古川雄輝、古館寛治、原作者の前川知大、入江悠監督が舞台挨拶に登壇した。前川さんの主催する劇団イキウメが上演し、その後、蜷川幸雄が「太陽 2068」として上演もしている人気の舞台を映画化。人類が“ノクス”と呼ばれる太陽の下では生きられないが、頭脳で進化を遂げた人類と、旧来のまま太陽の下で生きる“キュリオ”に分かれた近未来で、もがきながら己の未来を探そうとする若者たちを通して「生きる」ことを問う。この日は、約800人の観客が足を運んだが、中には早朝から会場前で並んでいたという熱烈なファンも!神木さん、古川さんらが壇上に現れると、悲鳴どころか雄たけびのような歓声がわき起こった。撮影について尋ねると、神木さんは「いいんですか…?」と念を押したうえで「ホンットに寒かったです!」と述懐。「特に古川さんとのシーンは水辺でホント寒くて…魂を削って頑張りました」と振り返った。その古川さんからは「そう言ってるけど、一番寒くなさそうだった」との証言も飛び出した。神木さん演じる鉄彦は、感情を爆発させるシーンが多く、そういう時は神木さんから“熱”が発せられていたようで「ベンチコートも脱いでた」と古川さんは明かしたが、神木さんは「(熱が)冷えると本当に寒いんだよ」と苦笑。そんなやり取りで2人が視線を交わらせるだけで、客席からは歓声が上がっていた。門脇さんは、寒さに加えて、短期での撮影による「睡眠不足が重なった」と振り返る。「そうなると人間、生命の危機を感じて食欲が増すみたいで、いつもの倍くらい食べて、コロコロになってビックリしました…」と思わぬ苦労を明かした。報道陣用の写真撮影の時間になっても、会場の興奮は冷めやらぬようで、目線を指示するスタッフやカメラマンの声も甲高い歓声にかき消されるほど!TVカメラに向かって神木さんらが手を振ると、客席の800人も一斉に手を振り、最後の最後まで歓声が途切れることはなかった。『太陽』は4月23日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月07日ディズニー/ピクサー最新作『アーロと少年』の日本語吹き替え版に松重豊、八嶋智人、片桐はいりという実力派俳優が集結し、主人公の恐竜・アーロに「恐れの意味」を解くTレックスの一家を好演している。■“小劇場系”俳優3人を結ぶ奇妙な縁恐竜が絶滅を免れた世界を舞台に、臆病で甘えん坊の恐竜・アーロが、怖いもの知らずの人間の少年と出会い、冒険を繰り広げる感動作。松重さんが頼りになる父のブッチ、八嶋さんがその息子で好奇心旺盛な弟のナッシュ、片桐さんがおてんばな姉のラムジーを演じており「絶妙なキャスティングですよ。僕らみんな“小劇場系”だから、『おれたち、恐竜だぞ』って言ってしまえば、恐竜になりきれちゃう(笑)」と松重さん。八嶋さんは「そのうち、生身の俳優が不必要になるんじゃないかって恐怖さえ感じますよ」とディズニー/ピクサー作品に登場するキャラクターたちの“演技力”に脱帽の様子。ちなみに以前、寺山修司没後30年を記念し上演された舞台「レミング~世界の涯まで連れてって~」で松重さんが母親役、八嶋さんが息子役で共演したことがあり、「父であり母である松重さんから、僕が生まれたと言っても過言じゃない(笑)」と奇妙な縁に照れ笑い。一方、片桐さんと松重さんとの間には「誕生日が1日違いの同じ歳」という、これまた奇妙な縁が…。「しかも、私のほうが1日早く生まれているんですよ。それなのに、松重さんがお父さんで、私が娘を演じるなんて」(片桐さん)。意外にも声優初挑戦で「初めての声優が恐竜ですから(笑)。アフレコでは『恐竜の肺活量を意識して』とか、『もっと古代を感じて』とか、なかなかやりがいのある注文をいただきました」と悪戦苦闘の舞台裏を明かす。■大物演出家、先輩俳優、そして『スター・ウォーズ』―忘れられない出会い多くの出会いを通して、アーロが成長を遂げる本作。長年、第一線で活躍する3人にも忘れられない出会いがある。松重さんが挙げるのは、大物演出家の蜷川幸雄氏だ。「僕が演じたブッチどころじゃない、恐竜のように怖い方ですから(笑)。でも、若い頃に叩き込まれた演技の方程式は、僕にとって大きな支えであり自信。いまでも迷ったときは、当時の経験をふり返ります」。それだけにブッチが、アーロに人生の指針を示すシーンは必見だ。一方、八嶋さんは「ズバリ、松重さんです」と即答。「まだ20代だった僕にたくさんアドバイスをくださり、背中を押してもらった結果…、大躍進ですよ!(笑)」(八嶋さん)、「まだバラエティに出る前だよね?当時から、やりたいことがいっぱいある人だって気がしていたから。その後はもう、トントン拍子でね」(松重さん)。ドラマ、舞台、そして『アーロと少年』と共演を重ねるなかで、先輩後輩の関係を超えた友情が築かれている。大の映画ファンで知られる片桐さんは最近、同じく映画好きの親友グループと『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を見に行ったのだとか。1983年、『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』(現在の『ジェダイの帰還』)からずっと一緒に鑑賞した仲だといい、「みんな揃って感動しました。私たち、映画がある人生で良かったわって」と映画がつなぐ出会いと友情をかみしめたそうだ。「しかも今回はディズニーですから。これも縁を感じますよ」(片桐さん)。■大人の視点から感じる『アーロと少年』の魅力は?長年、子どもはもちろん、大人もトリコにし続けるディズニー/ピクサー作品。『アーロと少年』も例外ではない。松重さんは「この作品を見ると、いま世の中がどんなことで苦しんでいるか理解できるはず」と語る。アーロと人間の少年が出会うきっかけとなる“事件”を引き合いに、「真の友情にたどり着くには、相手を許すという気持ちが必要。そんな大切なメッセージを、ゆっくりと、優しく包み込むように描いている」とアピールする。そんな“父”の言葉に、八嶋さんと片桐さんも大いにうなずく。「まるで祈りのような作品。僕も未熟ながら、8歳の息子の父親として何をしてあげられるか改めて考えました。映像と物語、その両輪で進むディズニー/ピクサー作品のすごみも感じる」(八嶋さん)、「松重さんが言う通り、許しはこの作品の大きなテーマ。それに私は『もし地球上に人間がいなければ…』と思わず考えてしまいました。見た目の可愛さ以上に深い映画ですね」(片桐さん)(photo / text:Ryo Uchida)
2016年03月07日元宝塚歌劇団トップスターの霧矢大夢が一人芝居に初挑戦する。作家スコット・F・フィッツジェラルドの妻・ゼルダの生涯を描いた『THE LAST FLAPPER』(4月、東京・赤坂RED/THEATER)でゼルダを演じる。舞台『THELAST FLAPPER』チケット情報米国の劇作家ウィリアム・ルースが書いた一人芝居シリーズの代表作である本作は、ジャズエイジのシンボルとして社交界の花形でありながら、繊細な内面を持て余し狂気に落ちていくゼルダの波乱の人生を描いた作品。奔放に力いっぱい生きたゼルダの姿を通して、現代にもつながる多彩な女性の生き方、生命力を提示する。演出は、蜷川幸雄の演出助手を務める大河内直子が手掛ける。霧矢と大河内は、読売演劇賞優秀女優賞を受賞した2014年のミュージカル『I DO!I DO!』でもタッグを組んだコンビ。本作にかける意気込みについて、霧矢からコメントが寄せられた。「初めての一人芝居で、未知な世界に挑戦する気持ちです。今はまず、膨大なセリフと、格闘しています。ゼルダが語りながら、自分の生涯を振り返っていく物語です。ひとりの女性の一生を表現するというのは、エネルギーも使うし、ゼルダと自分がどれだけ歩み寄れるか、不安もありますが、その分、挑みがいもありますね。生ピアノでの音楽も楽しみです。南部の厳しい家庭に生まれた令嬢が、ジャズエイジの象徴の破天荒なフラッパーになっていく。ゼルダは、しばられずに、自由を求めて生きた女性。彼女の持つ激しさ、スコットとの恋愛模様に加え、世間の持つゼルダのイメージとは違う柔らかな少女のような部分など、いろんな姿をお届けしたいですね。そして、精一杯生きたゼルダの中に流れる、だれもが共感できる人間らしさを表現していければと思っています」公演は4月6日(水)から13日(水)まで東京・赤坂RED/THEATERにて。なお、前売チケット好評につき、11日(月)18:30の回に急遽追加公演が決定。追加公演のチケットは2月27日(土)10時より発売開始。
2016年02月25日元宝塚歌劇団トップスターの霧矢大夢が一人芝居に初挑戦する。作家スコット・F・フィッツジェラルドの妻・ゼルダの生涯を描いた『THE LAST FLAPPER』(4月、東京・赤坂RED/THEATER)でゼルダを演じる。舞台『THELAST FLAPPER』チケット情報米国の劇作家ウィリアム・ルースが書いた一人芝居シリーズの代表作である本作は、ジャズエイジのシンボルとして社交界の花形でありながら、繊細な内面を持て余し狂気に落ちていくゼルダの波乱の人生を描いた作品。奔放に力いっぱい生きたゼルダの姿を通して、現代にもつながる多彩な女性の生き方、生命力を提示する。演出は、蜷川幸雄の演出助手を務める大河内直子が手掛ける。霧矢と大河内は、読売演劇賞優秀女優賞を受賞した2014年のミュージカル『I DO!I DO!』でもタッグを組んだコンビ。本作にかける意気込みについて、霧矢からコメントが寄せられた。「初めての一人芝居で、未知な世界に挑戦する気持ちです。今はまず、膨大なセリフと、格闘しています。ゼルダが語りながら、自分の生涯を振り返っていく物語です。ひとりの女性の一生を表現するというのは、エネルギーも使うし、ゼルダと自分がどれだけ歩み寄れるか、不安もありますが、その分、挑みがいもありますね。生ピアノでの音楽も楽しみです。南部の厳しい家庭に生まれた令嬢が、ジャズエイジの象徴の破天荒なフラッパーになっていく。ゼルダは、しばられずに、自由を求めて生きた女性。彼女の持つ激しさ、スコットとの恋愛模様に加え、世間の持つゼルダのイメージとは違う柔らかな少女のような部分など、いろんな姿をお届けしたいですね。そして、精一杯生きたゼルダの中に流れる、だれもが共感できる人間らしさを表現していければと思っています」公演は4月6日(水)から13日(水)まで東京・赤坂RED/THEATERにて。なお、前売チケット好評につき、11日(月)18:30の回に急遽追加公演が決定。追加公演のチケットは2月27日(土)10時より発売開始。
2016年02月25日「行け!稲中卓球部」「ヒミズ」の人気漫画家・古谷実による衝撃の問題作を森田剛が映画初主演務め実写化する『ヒメアノ~ル』。このほど、その衝撃的な描写から【R15+】指定となった本作の場面写真が解禁となった。平凡な毎日に焦りを感じながら、ビル清掃会社のパートタイマーとして働いている青年・岡田。ある日、同僚の先輩である安藤から密かに思いを寄せるカフェ店員・ユカとの恋のキューピッド役を頼まれた彼は、ユカのカフェで高校時代の同級生・森田と再会することになる。その後岡田はユカの口から、彼女が森田らしき人物からストーキングをされていることを知らされ、不穏な気持ちを抱き始める。かつて過酷ないじめを受けていた森田は、ある事件をきっかけに、欲望のままに無抵抗な相手を殺害していく快楽殺人者になっていたのだ…。世の不条理、屈折した感情、恋愛、友情、ポップなギャグなど、古谷作品が持つ独特な要素を含みながら、過激な内容がファンのあいだで物議を醸し、実写化不可能ともいわれた問題作であり伝説的コミックに完全映画化した本作。恋の悩みや将来への不安を抱えた、若者のありふれた日常をコミカルに描いた前半から一転、後半は無機質な連続殺人事件が日常へ浸食するサスペンスに突入する、日常と狂気が交錯する、目が離せない緊迫の展開となっている。人間をターゲット(餌)としか思わない狂気の連続殺人鬼・森田を演じるのは、蜷川幸雄、宮本亜門など、錚々たる演出家の舞台作品で座長を務め、絶賛されてきた森田さん。本日2月20日に37歳の誕生日を迎える森田さんが、観る者を圧倒させる役どころに挑戦している。また、森田との再会によって事件に巻き込まれる岡田役には濱田岳、森田の新たな標的となるユカ役には『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』『グラスホッパー』の佐津川愛美、コメディリリーフとなる安藤役に『幕が上がる』のムロツヨシと、演技派俳優陣が集結している。今回解禁された場面写真は、岡田と安藤との友情(?)カットと、岡田とユカのラブラブな日常カット。どちらもどこにでもあるようなほのぼのとした日常が映し出された写真だ。しかし、そんな日常は突然に終わりを告げる…。場面写真からは想像もつかない“狂気”が、本編ではどう展開されていくのか、ますます本編が気になる。『ヒメアノ~ル』は5月28日(土)よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年02月20日2月18日、彩の国さいたま芸術劇場でマームとジプシーの公演がスタートした。マームとジプシー主宰である藤田貴大が蜷川幸雄を題材とした戯曲『蜷の綿-Nina’s cotton-』を書き下ろし、蜷川演出版を大ホールで、藤田演出版を小ホールで同時上演するというプロジェクトは、発表されるや演劇界の大きな話題をさらった。公演チケットはこちらしかし、年明けに蜷川の体調不良による延期が発表された。その事態に直面し、藤田らが選んだのは『夜、さよなら』『夜が明けないまま、朝』『Kと真夜中のほとりで』という3作を再構成して上演すること。「この空いた期間に何をするかということは、やっぱり少し悩みました。ただ、この期間に蜷川さんのことを上演するというそれ自体は、『蜷の綿』が延期されたからといってなくなってしまうものではない。いかに蜷川さんのことを考えながら待ち続けられるかと考えたとき、いまのこの状況を過去作品で表現するとしたら”夜”のタイトルがついたこの3作だろうと思ったんです」『Kと真夜中のほとりで』は2011年に上演され、マームとジプシーのマスターピースとの呼び声も高い“いなくなってしまった人を待つ”物語。「そのトーンが、蜷川さんを待っているこの特別な時間とすごく似ているなと思った」と語る藤田。しかし単純にこの作品を再演するのではなく、2009年上演の初期作品『夜が明けないまま、朝』、さらには彼がマームとジプシー結成前、20歳の時に書いた『夜、さよなら』(2006年初演)を組み合わせるという発想はどこから来たのか。「僕はふだん、役者さんと企画をどうするかという話はほとんどしない。でも今回は延期が決まってから、すごく話し合ったんですよ。ここ数年、僕らは大きな作品が増えて、『cocoon』をやって、野田秀樹さんの『小指の思い出』をやって、寺山修司の『書を捨てよ町へ出よう』をやって……と、自分たちを振り返る時間なんてなかった。でも今回、急に立ち止まることになったわけです。そこでみんなで話し合って、『Kと真夜中のほとりで』1本を再演するよりは、僕らの10年間を夜というテーマに吹き込もうという話になった。『夜、さよなら』を書いたのは20歳の2月、本当にちょうど10年前なんです」ここ数年、演劇界のレジェンドや他ジャンルの才能とコラボレーションを重ねてきたマームとジプシー。その中でも最大のプロジェクトが延期になったことで、はからずも、ある面で彼らのこれまでを総括するかのような、集大成とも言える作品が生まれることになりそうだ。「もちろん、『蜷の綿』を待っていてくれた人がたくさんいるから、手放しで“よかった”とは言えない。でも結果的に僕らはいま、とてもいい時間を過ごせている。もしかしたらこの状況さえも、蜷川さんの演出のひとつなんじゃないかな、とさえ思います」公演は2月28日(日)まで彩の国さいたま芸術劇場 小ホールにて。取材・文/釣木文恵
2016年02月19日2月17日よりスタートする、三越伊勢丹の春のプロモーション「2016 花々祭」。伊勢丹新宿店では写真家・映画監督の蜷川実花とタッグを組み、メインビジュアル、ウィンドー、本館1階ザ・ステージをダイナミックに演出する。花々祭のテーマは“フューチャー・イズ・ワンダフル”。テクノロジーが広げる可能性を探り、デジタルとファッションの融合でこれまでに見たことのないスタイルを表現する。メインビジュアルでは、自然界を美しく彩る“花”を、デジタル機器により半永久的に新しい生き様として表現。ストロボなどの光を反射することで色や柄が現れる、リフレクト効果を応用し開発された特殊なアイテムを使用した真っ白なドレスに、蜷川ならではの生々しく鮮やかな花の映像を投影し撮影した。17日から23日までの期間は、“DIGITAL FLOWER GARDEN”と題し、本館1階ザ・ステージでスペシャルディスプレイを展示。蜷川が花々祭のために撮り下ろしたエクスクルーシブなビジュアルを、テクノロジーを用いて表現し、キャンペーンのテーマを体感できる空間を作り上げる。ビジュアルはモノクロームの花の写真にカラーの花の写真を重ねるという着想を出発点に、プロジェクションや透過性素材などの各種テクノロジーを用いて生み出した。日本では実例のない最先端テクノロジー「LEDマッピング」を使用したインスタレーションは、蜷川のエモーショナルな作品と最新テクノロジーが融合して生まれた空間を、ドラマティックに演出する。またスペシャルディスプレイの展示時期に合わせ、本館2階センターパークでは、蜷川がディレクションするアパレルブランド、エム / ミカ ニナガワ(M / mika ninagawa)の16SSコレクションを集めたポップアップストアをオープン。花火をデザインしたテキスタイルが初登場し、花をモチーフにした柄を中心に10ものテキスタイルがラインアップされる。アイテムはドレスを中心に、スカートやパンツ、オールインワン、ストール等の雑貨類など、豊富にそろう。ポップアップストアは、銀座三越、日本橋三越本店、名古屋栄三越、ルクアイーレ大阪と、全国の三越伊勢丹グループで開催される。
2016年02月18日東京・押上の銭湯2016年2月11日(木・祝)~3月31日(木)まで、ヘアケアブランド「TSUBAKI」10周年記念企画として写真家・映画監督の蜷川実花さんとコラボレーションし、東京・押上の銭湯を椿をモチーフに華やかに飾り付けた「TSUBAKI湯(つばきゆ)」がオープンしている。蜷川さん全面プロデュースヘアケアブランド「TSUBAKI」の「これからも自分らしく美しく開花し続ける女性たちを応援したい」というコンセプトに共感した蜷川さんが全面プロデュースした「TSUBAKI湯」は、「TSUBAKI」が試せるたくさんの椿が咲いた浴室、蜷川さんが撮り下ろした椿の写真展示(脱衣所)、華やかな椿の暖簾など、華やかさで満ち足りた気持ちになれる空間装飾となっている。是非、足を運んで、「TSUBAKI湯」を体感してほしい。また、10周年記念アイテムなども販売されている「TSUBAKI」誕生10周年記念サイトも要チェックだ。【TSUBAKI湯】会場:押上温泉 大黒湯(天然温泉)(東京都墨田区横川3-12-14 03-3622-6698)アクセス:半蔵門線、東武伊勢崎線、都営浅草線、京成押上線「押上駅」B2出口から徒歩6分営業時間 :平日 15:00~24:00土 14:00~24:00日・祝 13:00~24:00※2月の定休日は2/22。3月の定休日は大黒湯HPにてご確認ください。大黒湯公式サイト: (プレスリリースより)(画像はプレスリリースより)【参考】・TSUBAKI ブランドサイト・「TSUBAKI」誕生10周年記念サイト
2016年02月16日資生堂は、写真家・映画監督の蜷川実花氏とのコラボレーションによるコラボさんの世界を体感できる銭湯「TSUBAKI湯(つばきゆ)」を、期間限定でオープンしたことを発表した。会場は東京都・押上の「押上温泉 天然温泉 大黒湯」。期間は3月31日まで。営業時間は平日 15:00~24:00/土 14:00~24:00/日・祝 13:00~24:00(2月の定休日は2月22日) 。料金は大人460円/中人160円/幼児80円。このたび3月31日までの期間限定でオープンした銭湯は、資生堂のヘアケアブランド「TSUBAKI」の誕生10周年を記念して、写真家で映画監督の蜷川実花氏とのコラボレーション施策の一つとして開催されるもの。蜷川氏の全面プロデュースにより、東京都・押上にある銭湯「押上温泉 天然温泉 大黒湯」が、女性の身も心髪も艶やかに美しく開花させる入浴体験ができる空間としてデコレーションが施されている。また、銭湯の外観では華やかな花柄の暖簾が出迎え、ロビーには「TSUBAKI」の10周年メッセージと限定商品が紹介される。脱衣所の壁やロッカーには、蜷川氏が撮り下ろした椿の花々が展示されるほか、浴室の壁などにも沢山の椿が描かれるとともに、天井からは椿が降りそそぐ。また、銭湯絵の定番である"富士山"にも椿が加わり、コラボレーションしているということだ。なお、洗い場では「TSUBAKI」を実際に試すことが可能となっている。なお、TSUBAKI湯の2月の定休日は2月22日。3月の定休日は大黒湯公式サイトで確認のこと。
2016年02月15日マイケル・ファスベンダーとマリオン・コティヤールを迎え、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲を映画化する『マクベス』。吉本興業が初の洋画配給を手がけることでも話題となった本作からこの度、ポスタービジュアルが解禁された。舞台は中世スコットランド。仁徳が高く慈悲深いダンカン王に仕える将軍・マクベスは、反乱軍との激しい戦闘の末、勝利を収める。その岐路、謎めいた魔女が現れ、“マクベスは領主になり、そして王になるだろう”という不可解な予言を囁く。ともに行動していた将軍・バンクォーには、“子孫が王になる”と告げた。謎めいた予言を残し霧のように消えた魔女にとまどうマクベスたちの元に、王の使いが到着。なんとコーダの領主が死亡し、マクベスが領主となるよう勅命が下ったのだ。魔女の囁きによって、忠誠心とは裏腹に王座への野望という炎を心に灯してしまったマクベスを、言葉巧みにマクベス夫人が夫の良心を消し去ろうと画策する。そんなとき、ダンカン王がマクベスの城に宿泊する日がやってきたのだが――。人類史上最も偉大な作家・シェイクスピアが没後400年にあたる2016年初夏公開される本作。何世紀もの時を超えて現代人の心を激しく揺さぶり続け、「ハムレット」「オセロー」「リア王」と並ぶシェイクスピアの四大悲劇の1つで、王座をめぐり野心に取り憑かれた将軍・マクベスと、夫の野心を操る妻の心理をリアルに探究しされ、手を血に染め野心と欲望に苛まれながら次第に狂気に満ちていくマクベス夫婦の姿が、まざまざと描かれている。『スティーブ・ジョブズ』でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、その卓越した演技力が注目を集めているマイケルと、『エディット・ピアフ~愛の賛歌~』でアカデミー賞主演女優賞に輝いたマリオンが、マクベス夫妻の狂気にも似た愛の形を鮮烈に体現。そして監督には、オーストラリア出身のアーティスティックな映像に定評のある気鋭ジャスティン・カーゼルが務めている。今回解禁されたポスタービジュアルは、マイケル演じるマクベスの前に、マリオン演じるマクベス夫人が跪いて顔に手を添えるポスター。夫婦の“地獄に近い愛”と、濃密な関係性を的確に表現する仕上がりとなっており、また「夫が王になった時、2人の運命が狂い出す。」という強烈なストーリー性を感じさせるコピーが、さらに物語の想像掻き立てる一枚となっている。世界中のクリエーターに多大な影響を与え、黒澤明、手塚治虫、蜷川幸雄らも翻案作品を発表してきた至高の名作を映画化した本作。迫真の演技と破格の映像美に彩られ、まさに誰も観たことのない21世紀の『マクベス』に注目が集まる。『マクベス』は初夏、TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2016年02月12日秋元松代の脚本と蜷川幸雄の演出により、36年前の初演から多くの観客に愛され、上演が重ねられてきた名作舞台『元禄港歌―千年の恋の森―』が、市川猿之助、宮沢りえ、高橋一生、鈴木杏、段田安則ら新たな出演者をえて、1月7日より東京・シアターコクーンにて開幕。前日の6日には報道陣に向けて公開舞台稽古が行われた。【チケット情報はこちら】物語は、活気あふれる元禄時代、播州の大店・筑前屋を舞台に、結ばれない男女や、哀しい秘密を背負った親子の姿が描かれる。筑前屋の次男・万次郎(高橋)の起こした揉みあいを、5年ぶりに江戸の出店から戻った長男・信助(段田)が居合わせ、それをいさめる。母親である筑前屋の女将・お浜(新橋耐子)は信助を出迎えるが、その態度はどこかよそよそしい。そこに現れたのが、手引きの歌春(鈴木)を先頭に、座元の糸栄(猿之助)、そして初音(宮沢)ら、年に一度この港町を訪れる瞽女の一行だ。公開舞台稽古で披露されたのは、その晩、筑前屋にて瞽女たちが三味線で「葛の葉子別れ」を弾き語る場面。千年の昔から森の奥に棲む女が白狐となって恋人に逢いに来るが、人里の男に恋をした罰として、生まれたばかりの我が子を残して森に帰らなければならないという悲しい歌だ。涙ながらに弾き語る糸栄の姿に胸に迫るものを感じ、自身の出生に疑いを持っていた信助は初音に、糸栄は子を産んだことがあるのではないかと問いただす…。今回の上演にあたり、蜷川は「秋元松代さんの作品に登場する女たちは、いつも激しく、ストイック。それはどこかで破滅や不幸とつながってゆき、近代が何を犠牲にし、何を捨ててきたのかを証明している。(今回)猿之助さんが、美空ひばりさんの歌で『元禄港歌』をやりたいと言ってくれた。猿之助さんの糸栄なら見てみたい。久々にあらたな気持ちでこの作品をやってみたいと思った」とコメント。また、猿之助は開幕にあたり「蜷川さんは客席との一体感を大切にされる演出ですから、初日が開いてみないとわからない。稽古場で7割、あとの3割はお客様と共に創る感覚。でもその7割はキッチリ100%と自信があります!糸栄という役は、白い狐が化けたような、どこか非現実的な、幻想的な存在。だから女形なのだと、女形という特異性が役の特異性に呼応しているように感じています。初春、お芝居を楽しんで頂ければ」と意気込む。宮沢も自身の役について「ひとりの女の運命だったり、思いだったり、未来だったりが、とても刺激的です。生まれながらの罪をしっかり受けとめて、それでも愛することを止まない女。自分の存在を蔑み、原罪を受け止め、でも溢れ出る想いに揺れる。その姿にものすごく色気を感じますね。今回は“惜しまない表現”を目指します!」と語った。公演は1月7日より東京・シアターコクーンにて。2日6日(土)から14日(日)まで大阪・シアターBRAVA!でも上演。ほぼ完売状態の東京公演は、チケットぴあにて立見券を発売中。
2016年01月07日アシックスは1月8日、「オニツカタイガー」ブランドから、写真家・映画監督として活躍する蜷川実花氏のディレクションブランド「M / mika ninagawa」とコラボレーションしたシューズ2品番3タイプを国内の直営店「オニツカタイガー」の表参道、渋谷、神戸、名古屋で発売する。「オニツカタイガー大阪心斎橋」では12月23日から先行発売している。同商品は、スリッポンタイプの「TIGER SLIP-ON DELUXE(タイガースリップオンデラックス)」がベース。蜷川氏ならではの色彩や魅惑的な世界観が表現された写真の中から、日本らしさを表現した「和柄」と2種類の「花火」の計3タイプを選び、アッパー(甲被)や中敷きに大きくプリントした。「和柄」タイプは、蜷川氏独特の鮮やかなレッドを基調に、障子や和傘、提灯、桜を写している。「花火」タイプは、右足にレッド、左足にグリーンとブルーと、夜空に浮かぶ大きな花火を写したものと、花火が持つ幻想的な輝きをホワイトで引き立たせたものがある。サイズは25.0cm~28.0cm(0.5cm刻み)、29.0cm、22.5cm~24.5cm(0.5cm刻み)。価格は各1万6,000円(税別)。
2016年01月05日初演から36年が経った伝説の名作『元禄港歌―千年の恋の森―』に、宮沢りえが挑む。『近松心中物語』で知られる秋元松代の戯曲を初演と同じく蜷川幸雄が演出するこの舞台。許されない恋を抱えた瞽女を演じる宮沢は、情感あふれるこの物語にどう命を吹き込むのか。舞台『元禄港歌 -千年の恋の森-』チケット情報物語の舞台となるのは、江戸は元禄の時代の播州の港町。秘密を背負った母子、結ばれない男女など、瞽女の一行と大店の人々をめぐる幾重にも重なった宿命が、哀しく切なく描かれる。「野田秀樹さんや唐十郎さんといった、自分がこれまでやってきた舞台とはまったく異なる世界観の作品。女の情念みたいなものをそのままさらけ出すような、演じたことのない役でもあるので。蜷川さんがまた私にハードルを与えてくださったなと受け止めています」。演じる瞽女の初音は、これまでに太地喜和子や富司純子が演じてきた役。盲目の女芸人として生きる純粋な覚悟や女性としての激しさ、さまざまな情感を体現することを求められる。「目が見えない人間には何が見えるのか。目に映らないものが心にどう映るのか。そういう探求がこれから待っているかと思うとすごく楽しみなんです。深く考えれば考えるほど見えてくるものがあると思うから、その思索を大事にしたいですね」。瞽女一行をまとめる母のような存在を市川猿之助が演じるが、女方の共演はかつて坂東玉三郎と経験している。「女方の表現とどう交われるのかっていうのは、今度も緊張しますけど、だからこそ楽しみです。学ばせていただくこともきっといっぱいあるだろうなと思いますし、私も私なりにお返しできるような表現ができたらいいなと思いますし。ただ、お芝居というのは肉体ではなく魂の問題だと思うから。男性の猿之助さんも女性の私も同じところにいるんじゃないかなと思っています」。まさしくその魂が自由な人なのだろう。「お芝居のなかでは、誰を愛しても殺してもいい(笑)。不思議な仕事だなと思うけど、そういう意味では、お芝居をしているときがいちばん、身も心も自由になれて、深く呼吸ができる気がします」。今の時代にはない人間の関係や感情が描かれるこの舞台でもきっと、自在にあふれるものを見せてくれるはずだ。「今この作品をやる意味、私が参加させてもらう意味というのがあると思うので、それをちゃんと自覚しながら、この時代の人たちの思いを伝えることに試行錯誤したいです」。伝説の舞台は、心震わせるものをもたらしそうだ。公演は2016年1月7日(木)より東京・シアターコクーン、2月6日(土)より大阪・シアターBRAVA!にて上演。現在、ほぼ完売状態の東京公演は、チケットぴあにて立見券を発売中。取材・文:大内弓子
2015年12月11日テクノロジーとエンターテインメントを融合させた、アメリカン・スタイルの大型ファンイベント「Tokyo Comic Con(東京コミコン)2016」のキックオフ会見が12月4日に、都内で行われ、イベントの生みの親であるスティーブ・ウォズニアック氏をはじめ、『スター・ウォーズ』シリーズで、パルパティーン皇帝/ダース・シディアスを演じたイアン・マクダーミド、ダース・モール役のレイ・パークが出席した。映画、TV、ゲーム、最新テクノロジーといったポップカルチャーを軸に、新たなビジネスの創造を目指す「Tokyo Comic Con(東京コミコン)2016」。2016年12月3日~4日、千葉・幕張メッセで開催され、期間中は世界的に活躍するセレブリティを数多く招致し、サイン会、撮影会、トークイベント、コレクターズアイテムの販売、最新テクノロジーの展示など多岐にわたるコンテンツが一同に会する予定だ。アップル共同創業者にして、“Apple I”を生んだことでも知られるウォズニアック氏は、「携帯電話、ロボット・アシスト、自動運転車といったテクノロジーは、今や世界の人々によって喜びをもたらすポップカルチャーになっている。日本は人を感激させるテクノロジー、オリジナリティに富んだ創造性、そして人として最も重要な優しさを持ち合わせている国。そこでセレブリティとファンが直接交流できる機会を作るコミコンを開催できることに、とても興奮している」と成功への意気込みと自信を語った。また、 マクダーミドは「以前、ロンドンで蜷川幸雄さんの舞台を見て、役者たちの発声法が強く印象に残った。ダース・シディアスの役作りにも影響を与えてくれたよ」、パークは「ダース・モールを演じる上で、日本の忍者アクションを参考にしたんだ」とともに日本文化からの影響に言及し、日本でのコミコン開催に、歓喜していた。会見には、かつてジョージ・ルーカスからオビ=ワン・ケノービ役をオファーされた経験をもつ故・三船敏郎さんの娘でタレントの三船美佳、女性コスプレイヤーの御伽ねこむが駆けつけた。Tokyo Comic Con(東京コミコン)2016年12月3日~4日、千葉・幕張メッセで開催
2015年12月04日まさに、彗星のように現れた、とは彼のような人のことを言うに違いない。藤田貴大さんが、自身で作・演出をつとめる演劇ユニット、マームとジプシーを立ち上げたのは、‘07年のこと。それが瞬く間に話題になり、新聞や雑誌の劇評を賑わすようになった。そして旗揚げから4年目には劇作家にとって最高の栄誉とされる岸田國士戯曲賞を受賞。つねに挑戦的な姿勢と、尖ったセンスで演劇界に新たな潮流をもたらし、いまや現代演劇シーンの中心人物のひとりとなっている。その藤田さんの生み出す舞台は、いわゆる“小劇場”のイメージとは大きくかけ離れている。デザイン性の高いチラシやパンフ。シンプルで美しい舞台装置。そして、いまやマームとジプシーの代名詞のようになっている、同じシーンを何度も繰り返し物語のなかに挿入し、印象を重ねていくリフレインの手法。どれもが圧倒的に洗練されているのだ。anan読者には、この春まで連載していた、女子へのフェチ的な妄想を綴ったエッセイ「おんなのこはもりのなか」でおなじみの人でもある。―――蜷川幸雄さん、野田秀樹さんという演劇界の頂点にいるおふたりがともに、いま、藤田さんのことを新しい才能として高く評価しています。とくに蜷川さんとは、来年上演する、蜷川さん自身の半生を描いた舞台『蜷の綿 -Nina‘s Cotton-』の脚本を手掛けてもいます。そんないまのご自身の状況を、どんなふうに感じているんでしょうか。藤田:確かにお世話になっているし、いろんなことを学ばせてもらってはいるんですよ。でも、これは昔から言ってることだけど、この人たちと同じやり方で頑張れば、同じくらいの成功を収めることはできる可能性はありますけど、超えることはできない、とは思っています。そういうことを僕は直接本人を前に言っちゃうから、かわいがられている一方で、生意気だとも思われているんじゃないかな。―――むしろおふたりは、それを面白がっているのかもしれません。藤田:僕は、昔から彼らにコンプレックスを感じていて、それが作品の原動力になっていたところがあるんです。一回の舞台に使える予算が圧倒的に違うわけですけど、だからクオリティが違うとは絶対に言われたくない。じゃあ、お金もコネもない自分がどう対抗するかを考えて、彼らが美味しいごはんを食べているような時間まで稽古をしたり、寝ている時間にも作品のことを考え続けたりしてやってきたんです。でも、ある時から僕の作品を観てもらえるようになって、話してみると、それまでの印象とは全然違いました。意外と地味だし、湯水のようにお金を使っているわけでもなく、とても謙虚に作品に向き合っているんです。野田さんと僕は少し似ていて、自分の才能を信じている部分があるけれど、蜷川さんは、自分へのコンプレックスが強くて誰よりも謙虚な人。そういうことがわかってよかったですね。―――原動力だったコンプレックスは解消されてしまったわけですが。藤田:それまでの僕は、自分の表現を誰かに評価してもらうにはどうしたらいいかを考えていたんです。でも、26歳の時に岸田賞をもらって、そこは満足できてしまった部分があった。演劇界なんてそもそも小さな業界ですが、そこにおける地位にはこだわってないし、そのなかでの評価を高めていきたいとは、もう思わない。僕が貪欲に求めていきたいのは、作品をつくる環境がどれだけ良くなるかということなんですよね。「お金」というのは、やりたいことを実現できる環境が揃えられるという意味でのたとえなだけで、それ自体が欲しいわけではない。そこへの努力をしているだけなんで、僕、じつは意外に地味だと思いますよ。ただ、周りは僕をそうは見ていないかもしれないですけど。まあ、同世代とか少し上の世代にはウザがられてると思うし。――それは藤田さんがつくる舞台のセンスの良さだったり、その整ったルックスと無関係じゃないように思います。なにも演劇のような時間も手間もかかるジャンルにこだわらなくてもいいじゃないか、と同業者からやっかみが入るのも、少しわかる気がします。藤田:僕自身の見た目のこととかはまったくわからないですけれど、今度演出する寺山(修司)さんの舞台『書を捨てよ町へ出よう』でミナ ペルホネンとコラボするとか、来年、蜷川さんと一緒に舞台をやるとか、何となく派手なことをしているように見えるんでしょうね。でも、じつはそこに辿り着くために、地味な努力を続けてきたんだけど。結果がすべてなんで、そんなことは語ってもしょうがないし、そう思われてても別にいいんですけど。――彼らはもう、眼中にない?藤田:そもそも最初からないです(笑)。でも、どうもこだわっている人がいるとは聞きますよね。ただ、ディスるならもっと面と向かってやれとは思うんですよ。ツイッターのエアリプとかじゃなくて。夜道を歩いていたら刺しにくる、とか。そういうくらいの感じとかないんですかね。――いきなりのバイオレンス!?藤田:いま、寺山さんや蜷川さんのような、‘’60年代、‘70年代に演劇で戦っていた方々の舞台の準備をしている真っ最中だから、思考がどうしても過激な方向にいっちゃうんです(笑)。僕らの時代に置き換えたら、どうなんだろうとか。◇寺山修司作品初演出の舞台『書を捨てよ町へ出よう』は、12月5日より東京芸術劇場にて上演( 東京芸術劇場ボックスオフィスTEL:0570・010・296)。新作『蜷の綿 -Nina‘s Cotton-』は、蜷川幸雄さん演出と藤田さん演出の2バージョンで来年2月に彩の国さいたま芸術劇場にて上演( 彩の国さいたま芸術劇場TEL:0570・064・939)。◇ふじた・たかひろ1985年生まれ、北海道出身。‘07年にマームとジプシーを旗揚げし、ハイペースで新作を発表。‘11年に発表した『かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと、しおふる世界。』で岸田國士戯曲賞を受賞。‘14年には野田秀樹の戯曲『小指の思い出』を演出し、大きな話題となった。◇演劇界の芥川賞といわれる岸田賞を26歳で受賞。今年、次代を担う人として雑誌の表紙も飾り、ジャンルを超えて注目を集める藤田貴大さん。穏やかな容姿には似合わず発言は意外に過激!?※『anan』2015年12月9日号より。写真・小笠原真紀取材、文・望月リサ
2015年12月02日“マンガの神様”手塚治虫や“世界のNINAGAWA”こと演出家の蜷川幸雄、そして“映画界の巨匠”黒澤明も題材として取り上げ、今年は佐々木蔵之介の舞台でも話題になったウィリアム・シェイクスピアの戯曲「マクベス」。このほど、マイケル・ファスベンダーとマリオン・コティヤールの競演により映画化されたシェイクスピア没後400周年の記念作『マクベス』が、2016年初夏、日本公開されることが決定。本作で、吉本興業が初の洋画配給を手がけることになった。「ハムレット」「オセロー」「リア王」と並ぶシェイクスピア4大悲劇の1つとして知られ、中世のスコットランドに、欲望と野心にとらわれた勇敢で有能な戦士・マクベスが、最愛の妻“レディ”マクベスと共に歩んだ激動の生涯を描いた本作。今年5月に開催された第68回カンヌ国際映画祭で、コンペティション部門のクロージング作品として上映された際には、その圧倒的な映像美とドラマ性の高さが絶賛され、約10分間にもおよぶスタンディングオベーションが起こった。マクベスを演じるのは、主演作『SHAME-シェイム-』にて第68回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門で「俳優賞」を受賞、また、ブラッド・ピット製作で話題となった『それでも夜は明ける』では2013年の第86回アカデミー賞「助演男優賞」にノミネートされたマイケル・ファスベンダー。米映画サイト「TC Candler」による 「世界で最もハンサムな顔」第1位(2013年)のセクシーな容姿とともに、“世界最高の演技派”の一人として注目されており、ダニー・ボイル監督のもとでアップル創業者スティーブ・ジョブズを演じることでも話題となっている。また、物語のカギを握るマクベスの妻を演じるのは、マリオン・コティヤール。主演映画『エディット・ピアフ~愛の賛歌~』で第80回アカデミー賞「主演女優賞」受賞をはじめ、第65回ゴールデングローブ賞、第33回セザール賞などを受賞、『サンドラの週末』でも再びアカデミー賞にノミネートされたフランスを代表する女優。彼女もまた、「世界で最も美しい顔100人」第1位に選出された美貌と実力を兼ね備え、本作ではファスベンダーと共に、手を血に染め、野心と欲望に苛まれながら次第に狂気に満ちていく夫婦を演じている。「シェイクスピア史上最高傑作」とも言われる原作に忠実な解釈を行いながらも、そんな夫婦の心情を圧倒的かつ繊細な映像表現で描き出したのは、オーストラリア出身のジャスティン・カーゼル監督。共演には、『コードネーム U.N.C.L.E』のエリザベス・デビッキ、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネーション』で悪役を演じたショーン・ハリス。また、全米での配給を行うのは、『英国王のスピーチ』などアカデミー賞常連作品を多数製作し、ハリウッドで絶大な影響力をもつザ・ワインスタイン・カンパニー。日本では、吉本興業が『るろうに剣心』3部作や『許されざる者』の製作アイアトン・エンタテインメントとタッグを組み、初めての洋画配給に乗り出す。本作の製作スタジオStudioCanalからは、「吉本興業及びアイアトン・エンタテインメントの新しい事業である洋画の映画配給に関して、喜びをもって協力いたします」とコメントが寄せられており、作品の高評価とともに日本公開に期待が寄せられている。『マクベス』は2016年初夏、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年10月19日愛媛県松山市では10月1日、道後地区を中心に開催中のアートフェスティバル「蜷川実花×道後温泉 道後アート2015」の第3弾作品が公開される。松山市は2014年、道後温泉本館の改築120周年を記念し、温泉とアートの祭典「道後オンセナート 2014」を開催した。結果、道後温泉の宿泊者は過去10年間で最高の88万7,000人に達し、現在開催中の「道後アート2015」でも「道後オンセナート 2014」 のテーマ「最古にして、最先端。」を継承。アーティスト・蜷川実花さんとのコラボレーションを目玉として打ち出している第3弾作品の目玉である『道後温泉本館インスタレーション』では、道後温泉のシンボル「道後温泉本館」の障子やガラスが、蜷川実花さんが撮影した花の写真によって彩られる。夜間はライトアップと映像の投影が施され、日中とは違った幻想的な空間を楽しめるとのこと。10月1日~2016年2月29日の期間中、終日の展示で、ライトアップは日没~22時に行われる。また、セレクトショップ「BEAMS」とのコラボレーションによるオリジナルエコバッグを道後地区限定で作成。イベント参加者等に、ノベルティとして11月1日から配布する。なお、「蜷川実花×道後温泉 道後アート2015」の会期は2016年2月29日まで。(C)mika ninagawa,Courtesy of Tomio Koyama Gallery
2015年09月30日東京スカイツリータウン内のすみだ水族館で9月9日、写真家・映画監督として活躍する蜷川実花がプロデュースする「蜷川実花 × すみだ水族館 クラゲ万華鏡トンネル」がお披露目された。蜷川実花、すみだ水族館双方にとって初のコラボレーションとなる同企画は、映像と音楽、生き物のみならず、アロマや照明をも駆使して来場者の五感を刺激するというもの。壁と天井の3面に約5,000枚の鏡を敷き詰めた、全長50mにもおよぶトンネル状の空間は色鮮やかな極彩色の蜷川カラーに彩られ、空間に投影された写真や映像は、トンネル内に設置された8つのクラゲ水槽の上と壁面とを自在に行き来する。すみだ水族館の担当者は、今回のコラボレーションに対して「東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事に就任されている蜷川さんに、東京、そしてすみだ水族館をさらに盛り上げてもらえたら」と期待を寄せる。“万華鏡”に使用されている映像はすべて今回の企画のために制作された新作で、力強い太陽を感じさせる南国の花や海を切り取った「昼」、高速道路やネオンといった都会的な「夜」の2パターンを用意。後者の中には、東京スカイツリーを含むものもあるという。イメージの異なる2つの世界がくるくると回り続ける空間は、まさに万華鏡そのもの。その中を浮遊するクラゲたちを“内側”から眺める、まさに芸術の秋にぴったりの幻想的な体験を味わうことが出来るはずだ。開催期間中は、「蜷川実花 × すみだ水族館」オリジナル年間パスポートを販売。また毎週金曜の夜には、女性限定の大人向け鑑賞プログラム「ふわふわクラゲ」も開催される。【イベント情報】「蜷川実花 × すみだ水族館 クラゲ万華鏡トンネル」会場:すみだ水族館住所:東京都墨田区押上1-1-2東京スカイツリータウン ソラマチ5階、6階会期:9月9日~12月27日すみだ水族館営業時間:9:00~21:00(入館は20:00まで)すみだ水族館入館料金:一般 2,050円:高校生 1,500円:小中学生 1,000円:幼児(3歳以上) 600円
2015年09月09日舞台『タンゴ・冬の終わりに』が9月5日に東京・PARCO劇場で初日を迎えた。開幕前日、公開舞台稽古が行われ、演出の行定勲、キャストの三上博史、倉科カナ、神野三鈴、ユースケ・サンタマリアが囲み取材に出席した。【チケット情報はこちら】同作は清水邦夫の書き下ろし、演出蜷川幸雄で1984年に初演。今回30年の時を超えて、新たな演出とキャストで蘇る。突然引退して古い映画館の実家に引きこもってしまった俳優、盛。彼を追ってきた妻、ぎん。そこへある日、新進女優の水尾が姿を現し、彼女を追って夫の連もやって来る。壊れゆく盛と、彼をとりまく人間模様が渦を巻き・・・。盛役を務める三上は「俳優という役どころなので、セリフのひとつひとつが客観的に演じられない。自分自身を置いてやろうと思っているんだけど、役に乗っかっちゃう。辛いけど、でもそれが喜びでもある」と話した。新進女優の水尾役を務める倉科は「台本をいただいた時に自分の中でイメージしていたのと、実際に稽古に入った時の水尾が180度違ったので最初は凄く戸惑ったんですが、稽古が凄く楽しくて。共演の皆さんのお芝居に向かう姿勢、そして惜しみなく色々おしえてくださるので、毎日真摯にお芝居に向かうことができました」と稽古を振り返った。盛の妻、ぎん役を務める神野は「私の役どころから言うと、ひとりの才能ある人を最後まで見つめ、見届けた女の話、という側面もあると思っています。女性の方のみならず、誰かの人生を見届ける人にはぜひ観て頂きたい。また、宝石のようなセリフがたくさんあるので、様々な状況の人に届くと思っています」と語った。水尾の夫、連役を務めるユースケは「リスペクトする諸先輩方が“あの芝居やるんだって?絶対観に行くから。お前、どうすんだよ。凄い作品だけどできるのか?”って言って来て、そんな作品初めてだな、と。大人のカンパニーで、良い緊張感の中、稽古を重ねて来ました。あとは何とか降板しないように初日を迎えたい(笑)。まだまだ作品と闘っている最中です」と笑いを交えて語った。会見中も仲の良い様子を見せていた出演者。報道陣から稽古場での様子を問われると、神野が「三上さんは集中型なので、稽古のときも周りが気を使っていたんですが、自分の携帯のバイブが鳴っている時だけ聞こえてないふりをしてて、“この野郎!”(笑)と思いました(笑)」とエピソードを明かした。三上は「30年前、この劇場でこの芝居を見たんです。その時に盛を演じていた平さん(平幹二朗)が素晴らしくて、いつかこの役をやりたいなと思ってました。そんな想いがあったんですが、今回改めて台本を読んだら「失敗したな」と思うぐらい大変(笑)。でも命がけでやってます」と力強く語った。舞台『タンゴ・冬の終わりに』は9月27日(日)まで東京・PARCO劇場にて上演。
2015年09月08日