演劇集団キャラメルボックスのクリスマスツアーが、11月18日(日)、兵庫・新神戸オリエンタル劇場でスタートする。作家・有川浩とのコラボレーションに注目が集まる新作『キャロリング』の内容を探るため、出演者の阿部丈二と前田綾を直撃した。単に小説を舞台化するわけではない。主宰の成井豊が原案を考える段階から加わっているだけでなく、事前に各キャストと有川が面談する機会も設けられた。さらには、「自分の役名を決めてくるという宿題をいただいた」(前田)というから珍しい。「それからは、皆のもとにメールで1章ずつ、書き上がった小説が送られてきたんです、5回に分けて。まさに連載の感覚で読み進めていきました」(阿部)。自分たちが名付け、それぞれの持ち味を投影した登場人物が織りなす、オリジナル・ストーリー。東京・月島を舞台に、経営難に陥った子供服メーカーと周囲の人間模様が、丁寧かつ軽妙に描かれる。阿部の演じる大和俊介と前田が演じる折原柊子は、その会社の同僚という設定だ。「心の奥に傷を抱えていて、表に出す部分と内面のバランスがとれない人」(阿部)、「温かい家族のもとで伸び伸びと育った普通の女の子」(前田)と語るとおり、両者の個性は対照的。自分にはない部分に惹かれ合う一方で、心の距離をなかなか埋められず、結婚へと踏み出せないでいるふたりが、ある事件に巻き込まれてしまう。有川作品の魅力について阿部が「僕は『シアター!』から読み始めたのですが、一作ごとに作風が異なって、その引き出しの多さに驚かされます。共通しているのは、キャラクターがしっかり描かれていること」と語る横で、前田も大きくうなずく。「そう。読むうちに、どんどん登場人物を好きになっていくんです。一人ひとりに対する作者の深い愛情を感じます」。『キャロリング』について阿部は、「恋愛、親子、夫婦、仲間、恩人など様々な関係が凝縮して描かれている。そして最後には、方向は違っても、全員が次の一歩を踏み出すんです。ファンタジーではないし、シビアな現実も書かれていますが、前向きな気持ちで劇場を出られる作品だと思います」と魅力を語った。キャラメルボックスにぴったりの季節といえば、クリスマスを思い浮かべる観客は多いだろう。「私自身、学生のときにクリスマス公演を観て感動して、入団しよう!と決めたんです」と話すのは前田だ。「皆さんにもぜひ、年に一度のイベントとして楽しく過ごしていただきたいですね。そして『キャロリング』がこの季節に観たくなる定番の作品になればうれしいです」。11月18日(日)から25日(日)まで新神戸オリエンタル劇場、12月3日(月)から25日(火)まで東京・サンシャイン劇場にて上演。チケット発売中。
2012年11月14日岩井俊二監督の最新作で全編英語で外国人キャストを中心に製作された『ヴァンパイア』が、9月15日(土)についに日本で公開。東京・渋谷のシネマライズで行われた舞台挨拶に岩井監督と日本から本作に参加した蒼井優が出席した。自殺願望を抱える少女たちと彼女たちの血を欲する高校教師の姿を描いた本作。岩井監督にとっては『花とアリス』以来、8年ぶりの長編劇映画であり、蒼井さんと共に舞台挨拶に臨むのも同作以来。岩井監督は「気がつけば8年のブランクがあり、自分の中では休んでたわけではなく、駆け抜けていたんですがお待たせしました」と映画の公開を待ちわびたファンを前に挨拶。昨年、発生した東日本大震災に触れ「被災地(宮城県)の出身ということもあり、去年は『自分にやれることをやろう』という思いでこの映画の公開を後ろ倒しにしました。やっとここまで来れたという思いです」と感慨深げに語った。蒼井さんは、人生初のベリーショートのヘアスタイルを初めて公の場で披露。本作への出演は「大河ドラマの撮影の最中で2泊しかできず、楽しいだけではなく眠かったんですが(笑)、いまだに夢だったのではないかと思います。映画が公開になると言われても実感のない、幸せな時間でした」と笑みを浮かべる。2人の関係の始まりは、蒼井さんの映画デビュー作『リリイ・シュシュのすべて』まで遡る。この10年ほどの間での互いの変化について尋ねると、岩井監督は「いろんな成長はしてるんでしょうけど、魂のど真ん中付近は変わらない子だな、と会うたびに感じます」と語る。一方、蒼井さんは岩井監督について「変態度に拍車がかかった」と語り、この新作についても「かなり変態な映画になってます」とユーモアたっぷりにアピールした。これに対し岩井監督は「蒼井さんとは不思議な縁がある」と言い、「僕の作る映画の変態な部分に食いついてくる」と蒼井さんも同様に変態であると指摘する。蒼井さんはすでに今後、映画化予定の岩井監督の手がける新作の脚本に目を通したそうだが「これもかなり変態で面白かったですよ」とすかさず反撃。壇上で互いに“変態”のレッテルをなすりつけ合い笑いを誘っていた。蒼井さんは久々の岩井作品出演について改めて「“監督”岩井俊二さんを見られたのが泣けるぐらい嬉しかった。早く長編映画を観たいと思ってたので、まさかその場に自分がいられるとは思わず、本当に嬉しかったです」と感激を口にする。さらに「こういう作品は作りづらいという現状があります。これが失敗でもしようものなら、これからさらに作りづらくなってしまいます。さらなる変態映画のためにみなさんのお力をお貸しください!」と呼びかけた。同世代の上戸彩が昨日、「EXILE」のHIROとの結婚を発表したこともあり、去り際には報道陣から交際中の俳優・鈴木浩介との結婚について質問が飛んだが、蒼井さんは「うふふ」と笑みを浮かべて劇場を後にした。『ヴァンパイア』はシネマライズほか全国にて公開中。■関連作品:ヴァンパイア 2012年9月15日よりシネマライズほか全国にて公開© 2011 Rockwell Eyes, Inc. All Rights Reserved.
2012年09月16日「図書館戦争」や「阪急電車」など次々と著書が映像化されている、人気作家・有川浩。そんな彼女の地元・高知を舞台にした「県庁おもてなし課」(角川書店刊)の待望の映画化がこのほど決定!「関ジャニ∞」の錦戸亮と堀北真希が初共演を果たすことが明らかとなった。すでに発行部数20万部を突破し、雑誌「ダ・ヴィンチ」では“ブック・オブ・ザ・イヤー2011”で総合ランキング&恋愛小説ランキングで第1位を獲得、第3回ブクログ大賞小説部門で大賞を受賞している話題作の映画化となる本作。高知県庁・観光部に設置された観光促進を目的とする「おもてなし課」の職員・掛水とアルバイトの明神が、県出身の毒舌小説家・吉門の助言を元に高知県を新たな観光名所とするべく奔走する姿を描いたラブストーリー。錦戸さんは『ちょんまげぷりん』以来3年ぶりの映画主演となったが、今回演じるのはヤル気はあるが空気の読めない「おもてなし課」の職員・掛水史貴。「生まれも育ちも高知県の県庁職員役です。大阪出身ですが…」と早速不安げなコメント。しかし、初競演となる掘北さんについては「堀北さんとのお芝居はあの透明感に負けないよう、掛水として正面から体当たりで演じられればと思います。実在する『おもてなし課』という一風変わった課に勤務する平凡な男が、堀北さん演じる明神さんと出会い、一人前の“いごっそう”(※土佐弁で「気骨のある男」の意)に成長する姿をたくましく演じられるよう頑張りたいと思います!」と、久々の映画主演にやる気十分といった様子。一方の堀北さんが演じるのは、民間感覚と柔軟な発想力を兼ね備えたデキるアルバイト・明神多紀。「原作を読んで、目の前の壁を一つずつ乗り越えていく姿に元気をもらいました。方言にも挑戦させていただきますが、高知県のことを勉強して、地元の人になりきれるように頑張りたいと思います」と意気込みを語っている。生まれも育ちも東京の堀北さんが、どんな土佐弁を繰り出すのか期待したい。本作は“ふるさと”を舞台にしたラブストーリーとあって、高知県の全面協力の下、高知の色彩豊かな大自然の景色をふんだんに盛り込んだ内容になるようで、錦戸さんからは「パラグライダーにも挑戦するという事なので、空から見下ろした高知県、日本の素晴らしさを掛水と共に、僕自身もたくさん気づけるんじゃないかな? と大変楽しみにしています!」とのコメントも。キャスト陣にはほかにも、高良健吾(毒舌小説家・吉門喬介役)や関めぐみ(伝説の元県庁職員の娘役)など人気・実力ともに兼ね備えた若手俳優の出演も決定している。さらに、本作の製作を務めるのは昨年スマッシュヒットを飛ばした『阪急電車片道15分の奇跡』のスタッフ陣。原作者の有川さんも「気心知れた『阪急電車』チームにまた作っていただけることがとても嬉しいです。ロケハンから楽しく参加させていただきました。後は錦戸さんの掛水や堀北さんの多紀に会えるのが楽しみで仕方ありません!」と期待感でいっぱいのようだ。『県庁おもてなし課』は2013年5月、全国東宝系にて公開。■関連作品:県庁おもてなし課 2013年5月、全国東宝系にて公開
2012年08月30日福岡ソフトバンクホークスの松田宣浩選手が、7日、「夢をささえる食卓~がんばれニッポンのスポーツ人~」(BS日テレ)という番組に出演する。松田選手は、一時期はスランプかとみられていたが、昨年ごろから絶好調ぶりが注目されている。福岡ソフトバンクホークスの公式ページでも、2011年2月時点で「今季から試合で導入されるボールは『飛ばない』と言われており、選手たちからは『詰まった時は失速する』『反対方向の本塁打は激減する』との言葉が聞かれました」「その意味で松田選手の3アーチ、中でもライトへの一発は驚異的と言っていい」(※編集部要約)と、松田の快進撃がつたえられていた。今年は、今年12球団一番乗りとなる本塁打を放った後、開幕から6試合連続安打をマークするなど、ますます絶好調。その裏にあるのが2008年に結婚したKBC元アナウンサーの柴田恵理さんの存在だ。柴田さんは結婚後、退社して松田選手を献身的にサポート。野菜ソムリエの資格をとるなど、率先して夫の健康管理に努めたという。同番組は、「ひたむきにスポーツに打ち込む才能」をもつスポーツ人と、それを「ささえる人」との絆を追うドキュメンタリー。7日は17時30分より30分間、松田選手をささえている人々と、その絆の一環としての「食」にもスポットをあてたものが放送される。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月06日WOWOW連続ドラマW「推定有罪」の初回完成披露試写会が3月14日(水)、都内で開催され、主演を務める俳優の仲村トオルと、演出を手がける鈴木浩介監督がトークショーを行った。仲村さんは、自身が書いた記事で冤罪事件の引き金を引いてしまう雑誌記者を演じ「何をもって過ちを乗り越えたと言えるのか、一体何を目指しているのか…。ゴールが分からない状態だった」と演じる上での葛藤を吐露した。冤罪事件の当事者を始め、遺族、警察、裁判所、弁護士、報道関係者など、冤罪により人生を狂わされた人々の人間模様を重厚なタッチで描き出す社会派ヒューマンドラマ。ドラマW枠で放送され好評を博した「空飛ぶタイヤ」に続く仲村さん×鈴木監督のタッグが実現した。仲村さんは「同じチームで作品づくりができる安心感と同時に、『空飛ぶタイヤ』を超えられるのかという不安もあった」。一方の鈴木監督は「重いテーマをいかに人間ドラマとして描くかが課題。仲村トオルさんとご一緒し、人間ドラマの深さを味わっている」と再びの共同作業に興奮を隠せない様子だった。現場では「これほど監督と話をしたのは、過去にない。どうしても『空飛ぶタイヤ』と比べてしまうこともあって、泣きごとに近いことも言ってしまった」という仲村さん。鈴木監督は、重苦しいシナリオだけに、現場の雰囲気作りを意識したと言い、自ら特製カレーをふるまったこともあるのだとか。「決め手は水を一切使わないこと。その代わりに大根おろしを使います。それにジャガイモを入れるのは邪道。どうしてもイモのでんぷん質が溶け出してしまって」(鈴木監督)。完成には丸2日を要すそうで、仲村さんも「うちのお袋には申し訳ないけど、生涯で一番うまいカレーだった」と太鼓判を押す。今回、取材する側を演じた仲村さんだが、仕事柄、取材されることも多く、特に若い頃は「家の前に怪しげな車が止まっていたことも(笑)」。また、身に覚えのないスキャンダルに巻き込まれそうになる“推定有罪”スレスレの経験もあったと言い「もちろん誤解で、記事になることはありませんでしたが…」と苦笑しきり。「いまは結婚もし、子供も2人いるので安定した平和な生活を送っております」と取材陣にアピールする場面もあった。連続ドラマW「推定有罪」は、WOWOWプライムにて3月25日(日)より毎週日曜22:00~放送(全5話/第1話は無料放送)。連続ドラマW「推定有罪」公式サイト
2012年03月15日俳優の伊勢谷友介が2月18日(土)、8年ぶり2度目のメガホンを取った『セイジ−陸の魚−』の初日舞台挨拶を東京・テアトル新宿で行い、主演の西島秀俊、共演する新井浩文と共に登壇した。完成までの約5年を費やした本作に「積年の思いが詰まっている」と伊勢谷監督。公開規模が決して大きくない中、「大作並みに宣伝を頑張った」と言うが、結果的に「twitterで『もっと上映しろ』って怒られた」とションボリする場面も。現在は「リバースプロジェクト」を立ち上げ、被災地となった東北の支援に奔走しており「いつか東北でも上映できるよう頑張りたい」と宣言した。辻内智貴の同名小説を映画化した本作。バブルの熱が冷め切らない時代を舞台に、夏休みを利用し自転車旅行に出かけた“僕”(森山未来)がひょんなことから訪ねたドライブインで、無口だが人を惹きつけてやまないセイジ(西島さん)や彼を取り巻く個性的な人々と交流し、“人は何のために生きるのか”という命題と向き合う姿が描かれる。西島さんにとっては「いろんな感じ方ができる作品」だと言い、「人間が生きる理由…。きっと、自分の中にある可能性を伸ばしていくことだと思います」と本作から得た思いを語った。一方、ドライブインの常連客を演じる新井さんは「夜、散歩したり、餃子祭りに行ったりした」と栃木県・日光でのロケを満喫した様子。散歩中には露天風呂を覗けるスポット(!?)も発見したと大はしゃぎだったが、「僕らも同じ場所にいたけど、見ていない」(伊勢谷監督)、「そもそも夜、散歩しない」(西島さん)と軽くあしらわれた。本作には裕木奈江が店のオーナー役で出演。実は伊勢谷監督、大学時代にドラマ「北の国から」を見て以来、裕木さんの大ファンだったのだとか。「ずっと憧れていたし、今回は大学生目線で、Hに大人の女性を見ていた」と恥じらうことなく、撮影時の“熱い思い”を告白していた。『セイジ−陸の魚−』はテアトル新宿ほか全国にて公開中。■関連作品:セイジ−陸の魚− 2012年2月18日よりテアトル新宿ほか全国にて公開© 2011 Kino Films/Kinoshita Management Co.,Ltd■関連記事:西島秀俊×森山未來『セイジ』で共演、役柄へとたどり着く深遠なる旅路伊勢谷友介「いい子ちゃん役者は1人もいない」西島×森山タッグに自信たっぷり!伊勢谷友介は年上の女性好き?渋谷慶一郎の暴露にタジタジ!西島秀俊×森山未來登壇!『セイジ−陸の魚−』完成披露試写会に20組40名様ご招待【TIFFレポート】西島秀俊、“力石”伊勢谷友介も認める体脂肪ゼロの役作り!
2012年02月20日WOWOWの連続ドラマW「推定有罪」の制作発表会見が2月13日(月)、東京・日比谷の帝国ホテルで開催され、主演の仲村トオルを始め、黒木瞳、ミムラ、本仮屋ユイカ、寺島進、陣内孝則、國村隼ら豪華なキャスト陣が勢ぞろいした。近年、DNA鑑定技術などの進歩で、過去の事件の新事実が発覚することも増える中、冤罪事件の当事者を始め、遺族、警察、裁判所、弁護士、報道関係者など、冤罪により人生を狂わされた人々の人間模様を重厚なタッチで描き出す社会派ヒューマンドラマ。同枠で放送され好評を博した「空飛ぶタイヤ」、「下町ロケット」の脚本家・前川洋一と鈴木浩介監督が3度目のタッグを組んだ。仲村さんは自らの記事によって、無罪の男性を犯人に仕立て上げてしまった雑誌記者を演じており、会見冒頭では「今日はみなさん、WOWOW社員と家族、そして私たちを傷つけないような記事をお願いします(笑)」とアピール。今回の役柄を通して「書くことの怖さを知った」と言い、「特にいまはtwitterやブログなど誰でも情報や思いを書ける。昔から『ペンは剣よりも強し』と言うが、いまはなおさらそういう時代」と語った。ちなみに実生活での“推定有罪”体験を聞かれると、「僕はきれい好きなので、少しでも部屋が汚れると真っ先に片付ける。するといろいろなものが行方不明になってしまって(笑)。良かれと思って片付けたのに…残念です」と家庭内での素顔ものぞかせた。一方、黒木さんは冤罪を生んだマスコミや警察を徹底的に糾弾する弁護士役。“デキる女”の裏で、苦しい過去を抱えるという二面性を持つ女性で「ミステリアスな様子があって、役作りは楽しかった。みなさん(マスコミ)を糾弾するのは、あくまでドラマの中だけなので、宣伝、よろしくお願いします」と笑いを誘った。仲村さんを辛らつな言葉で追い詰めるシーンは「いかに傷つけるかを考えながら、とにかくイヤな言い方にこだわった」(黒木さん)。実際、仲村さんは「僕はまるでサンドバッグ状態だった」と黒木さんとのヘビーな共演シーンをふり返り、「黒木さんのダンナさんに思いを馳せました…」と意味深な発言だった。連続ドラマW「推定有罪」は、WOWOWプライムで3月25日(日)より毎週日曜22:00~放送(全5話/第1話は無料放送)。
2012年02月13日アメリカの劇作家テネシー・ウィリアムズの自伝的作品『ガラスの動物園』が3月より、東京・シアターコクーンで上演される。2月6日、稽古場で会見が行われ、演出の長塚圭史と出演の立石凉子、深津絵里、瑛太、鈴木浩介が登壇した。『ガラスの動物園』チケット情報2011年に生誕100年を迎えたテネシー・ウィリアムズ。彼の戯曲は世界中で頻繁に上演されており、中でも本作と『欲望という名の電車』は日本でもたびたび上演されている。『ガラスの動物園』は、かつて家を捨てた息子トム(瑛太)が、観客に向けて過去の出来事を語りかける、“追憶の芝居”という形で進行する。1930年代のセントルイスでつましく暮らす3人の家族。子供たちの将来に現実離れした期待を抱いている母アマンダ(立石)。ガラス細工の動物たちと父が残した擦り切れたレコードが心の拠り所の内気な姉ローラ(深津)。父親不在の生活を支える文学青年の弟トム。ある日ローラに紹介するため、トムが会社の同僚ジム(鈴木)を夕食に招いた。惨めだった家族につかの間の華やぎがもたらされたかのようだったが……。長塚は「普遍的な家族の話であり、切っても切れない家族の縁、業の部分が色濃く出ている。これは“追憶の芝居”なので、瑛太が演じるトムの記憶が家族を表出させていき、現代劇として力強い部分になっていくんじゃないかと思う」と語った。また、演出プランとして「家族の思い出とトムが出会う記憶と繋がるモノたち(ダンサー)を入れてみようと思った。彼と家族の隔てた時を繋ぐ細胞のような存在になれば視覚的に面白く見せられると思う」と明かした。姉弟を演じる深津と瑛太はこれが初共演。深津の印象を尋ねられた瑛太は「深津さんがお姉さんというのは幸せです。素敵な方で、誤解を招きそうですが“武士みたいな人だな”と。どうしたらそこまでスっとしていられるのかと思います」とコメント。深津は「武士みたいと言われたのは初めてではないので、そんなに驚きはしないです」と苦笑しながらも、瑛太に対し「(役が)姉弟だからとかで無理に距離を縮めなくてもそこに居てくれて、一緒にいて疲れないから演じる事に集中できます。若いのに落ち着いていて、私とテンションが近いのかなと思います」と信頼を寄せる。また立石と鈴木はそれぞれ「このキャストと演出が長塚さんと聞いて1秒以内に“やります!”とお返事しました」(立石)、「役柄でも深津さんから憧れてもらっているなんて役者の醍醐味です。人生でもこんなチャンスは2度とないと思うので、最後の舞台になってもいいという気持ちで作品に向かいます」(鈴木)と意気込みを語った。公演は同劇場にて3月10日(土)から4月3日(火)まで上演。チケットは発売中。
2012年02月07日1991年、大阪・東海大仰星高校1年1組のクラスメイトだった3名のトップアスリート、上原浩治(MLBテキサス・レンジャーズ)、大畑大介(元ラグビー日本代表)、建山義紀(MLBテキサス・レンジャーズ)が1月12日、東京・なかのZERO大ホールに集結。「ぴあトークバトルスポーツ快楽主義vol.74新春スペシャル~僕らがラグビー、ベースボールから学んだこと~」の開催に先立ってプレス懇親会が行われ、2012年への意気込みを語った。上原、建山、大畑の写真昨年現役を引退し、現在「神戸製鋼コベルコスティーラーズ・アンバサダー」を務める大畑が、「メディア、講演などさまざまな機会でラグビーを広めるために尽力します。メジャーで活躍する同級生二人の応援、あるいは取材という形でぜひ渡米したい」と口火を切ると、現役メジャーリーガーの建山、上原も今シーズンに賭ける思いを表明。建山は「野球に100パーセント力を注ぎます。大畑にアメリカで取材してもらえるよう、何が何でもメジャーにしがみつく」。上原は「昨年のプレーオフのことは振り返らず、完全に気持ちを入れ替えて4月から飛ばしていきたい」と語った。記者から「3人でやってみたい仕事は?」との質問には、そろって「いっしょにコマーシャルに出てみたい」と返答。建山が「あきらめの悪い男が泥まみれになってやっているシーンなんかいいのでは」と言うと、上原は「ビールやドリンク系がええやん」、大畑は「3人ともケガが多かったので、医療器具とか湿布薬も」と加えた。スポーツライター&キャスターの青島健太をホストに迎え、予定の2時間を超える熱き闘いとなった今回の「ぴあトークバトルスポーツ快楽主義」の模様は、日テレG+(CS放送)で2月10日(金)放送予定。なお、チケットぴあトークバトル特設ページでも2月24日(金)に公開予定。取材・文:宮崎俊哉(クルー)
2012年01月13日今年の直木賞を受賞した池井戸潤の「下町ロケット」(小学館刊)がWOWOWの連続ドラマW枠で実写化。主演の三上博史、寺島しのぶ、渡部篤郎と鈴木浩介監督、そして原作者の池井戸さんが8月4日(木)に都内で開催された記者会見に出席した。純国産ロケット生産のために欠かせないある部品は、下町の小さな町工場の特許技術だった――。その特許がなければロケットは飛ばないという状況の中、巨大企業と町の小さな工場のプライドを懸けた熱きドラマが展開する。東日本大震災の後に、急ピッチで制作が進められた本作。三上さんは「3.11の直後、自分に何ができるかとずっと考えていましたが、行き着いたのは本分である役者で何かをすること。そんな中で(オファーの)電話をいただき、時間もなく大変なのは分かってましたが参加しようと思いました」と強い思いを明かす。三上さんと渡部さんの共演は映画『スワロウテイル』(岩井俊二監督)以来。三上さんは「気がついたら15年経ってた。あのときはお互いにまだガキんちょでしたが(笑)、いまこうしてオヤジになって顔を突き合わせているのが不思議です」と感慨深げ。三上さん演じる佃の口からは「誇り」、「プライド」といった言葉がたびたび発せられるが、三上さん、渡部さん、寺島さんも、職種は違えど佃と同様に強い思いを持って役者という仕事に打ち込んできた。自らの俳優としての信念や情熱について渡部さんは「ひとつのシーン、作品を作るにはすごく力が必要なんです。『誇りを持っている』ということすら考えずに挑んできたように思います」と語り、寺島さんは「自分が共感できることやビビッと来たものに対して執着はすごくあると思います。といってあれもこれもできるタイプではないんですが(笑)、この作品になら命を懸けられる、という情熱はあります」と胸の内を明かす。そして三上さんは「僕にとって(俳優の)仕事は生きがいなんです。生きがいにするためには、お金のためだけでなく、プライドを持たなくてはいけない。こうして夢中になれるものを持っていることを幸せに思います」と真摯に語ってくれた。この日は、原作者の池井戸さんも出席。「下町ロケット」を出版した後、20件を超える映像化のオファーがあったそうだが「その中でWOWOWさんに決めた理由は、(自身の小説が原作で、以前ドラマWで製作された)『空飛ぶタイヤ』のスタッフが揃うと聞いて、僕自身が見たくなったから」と直木賞受賞決定以前から話が進められていたという今回の実写化の経緯を説明。改めてキャスト陣の苦労をねぎらい、感謝の言葉を口にした。「下町ロケット」はWOWOW連続ドラマWにて8月21日(日)22:00より放送開始(全5話)。なお第1話は無料放送される。■関連作品:岳 -ガク- 2011年5月7日全国東宝系にて公開© 2011「岳 -ガク-」製作委員会 © 2005 石塚真一/小学館 CATERPILLARキャタピラー 2010年8月14日より公開© 若松プロダクション■関連記事:長澤まさみ、小栗旬にヒソヒソ話で下ネタ?小栗旬、怒り全開の長澤まさみにタジタジ?「プリプリ怒ってました」長澤まさみ、天然ボケ告白小栗旬に現場で「お兄ちゃん!」と呼びかける小栗旬が山に本気で挑む!『岳 -ガク-』試写会に25組50名様ご招待『宇宙兄弟』が小栗&岡田で映画化『テルマエ・ロマエ』ほか人気漫画も続々実写映画化
2011年08月04日人気作家、高村薫の直木賞受賞小説をWOWOWで初ドラマ化する「マークスの山」の制作会見が8月25日(水)、東京・港区のニューピアホールで行われ、キーパーソンのマークス役を高良健吾が演じることが発表された。元暴力団員、官僚が狙われた連続殺人事件を追う警視庁捜査一課の警部補・合田(上川隆也)と、捜査線上に浮かんだ、ある事件の生き残りで、時折「暗い山」と漏らす心に闇を抱える青年“マークス”(高良さん)らの姿を描く社会派ミステリー。監督は水谷俊之と鈴木浩介。1995年に崔洋一監督がメガホンを取り映画化されたが、ドラマ化は初。今年4月26日から7月7日まで、南アルプスの高度2,300メートル級の山々を中心に行われた撮影をふり返り、主演の上川さんは「本作の設定が11月ぐらいなので、暑い中、コートを着込んで撮影しました。流した汗は数知れず、過去一番多いかも。男たちの汗で作られた作品を見て」。キーパーソンを演じ、WOWOW作品初出演を飾ることになった高良さんも「居心地の良い現場で、クランクアップが寂しかった。濃くて見応えのある作品。ぜひWOWOWに加入してください」とそれぞれ軽妙にPRし、会場の笑いを誘った。山でのロケ時には、キャスト陣も機材を運搬。“試練”をふり返り、ベテラン俳優陣は揃って苦笑い。警部役の大杉漣は「高山病になりかけました」。弁護士役の小日向文世は「監督がOKを出してくれないので、山の急斜面を何度も登り降りしたよ」と恨み節。共演陣らを笑わせていた。連続ドラマW「マークスの山」は10月17日(日)より放送開始。毎週日曜22:00より放送で、全5話(第1話無料放送)。(text:Yoko Saito)連続ドラマW「マークスの山」公式サイト■関連作品:おにいちゃんのハナビ 2010年9月11日より新潟にて先行上映、9月25日より有楽町スバル座ほか全国にて公開© 2010「おにいちゃんのハナビ」製作委員会蛮幽鬼 2010年10月2日より新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国にて公開© 2010 松竹、ヴィレッヂ■関連記事:高良健吾、藤井フミヤによる主演映画の主題歌ビデオで映画の1年後の物語に出演迫力の映像と音で演劇を堪能せよ!『蛮幽鬼』特別試写会に40組80名様ご招待想いを空へ!高良健吾×谷村美月『おにいちゃんのハナビ』試写会に50組100名様ご招待「殺陣の振り付けを一度で覚えちゃう」上川隆也早乙女太一を大絶賛高良健吾、フォトブック発売でファンとふれあい「最初は、誰が買うんだ?って…」
2010年08月25日フジテレビ系人気ドラマシリーズの劇場版『ライアーゲームザ・ファイナルステージ』の完成を祝うパーティ試写会が2月2日(火)、六本木ヒルズ展望台で行われ、主演の戸田恵梨香&松田翔太、共演の吉瀬美智子、田辺誠一ら主要キャスト12人が勢揃い。劇中とは真逆の和気あいあいトークを繰り広げた。同名人気漫画を原作に、巨額のマネーを賭けてだまし合う通称“ライアーゲーム”に巻き込まれた正直者の女子大生・神崎直(戸田さん)と直を助ける天才詐欺師・秋山(松田さん)とゲーム参加者たちの、欲望が渦巻く壮絶な心理戦を描くサスペンス。劇場版は2007年、2009年放送のドラマ版の続編で、直&秋山ら準決勝を勝ち抜いたファイナリストたちによる50億円争奪戦を描く。同パーティには一般公募で約150倍の倍率を勝ち抜いたファン100人を招待。劇場版から参加した田辺さんが「架空の世界ですし、映像や音楽が斬新。仲間入りできて嬉しかった。みんなで朝焼けを見ました。朝9時とか10時まで撮影したので」と楽しげに(?)ふり返り笑顔。すかさず戸田さんは「やっぱり外はいいね、太陽は最高よねって…ね!」と同調。密室での撮影の苦労をうかがわせた。同じく劇場版キャストの関めぐみは「私の役は台本に“クールビューティ”と書いてあったので、現場では自分の中で一線引こうかなっていう気持ちで…」と吐露。司会のフジテレビ・中野美奈子アナウンサーから、特に誰と一線を?と尋ねられると「やっぱりキノコ(ヘア=ドラマ版からのレギュラーキャストの鈴木浩介)とか…ユニークな方がたくさんいたので、出会ってちょっとでもテンションが上がらないように」と説明。松田さんは「静かにされているので、無視されているのかと思った」と安堵の表情。もっとも“引かれていた”鈴木さんは「関さんを見てテンション高く上がっていました!」とチラ見を告白していた。さらにキャスト陣で最年少の劇場版キャスト、永山絢斗は「みなさんに可愛がってもらいました。荒川(良々)さんと控室でご飯をおごってもらいました」。ドラマ版と今回の劇場版で双子のそれぞれ兄、弟を演じた荒川さんは、中野アナから「今回はどんな面持ちで演じた?」と珍質問され、「面持ち…?」とソフトに受け流し、「弟は育ちがいいということだったので、地を出せばいいのかなと」と、おトボケ。会場の笑いを誘った。締めでシャンパンの乾杯と主演の2人からメッセージ。戸田さんは「今回、みんなの気持ちや秋山と直の関係性がより深く描かれている。展開が早いんですが、ついてきてもらいたいと思っています。ゲームも個性あふれる演技も面白いです」。松田さんは「すごく複雑なゲームになっていますが、(秋山)深一が全て解き明かします!」と揃って仕上がりに自信を見せた。続いて、同キャスト陣はTOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われた試写会で舞台挨拶し、「直ちゃーん」、「キノコ!」など大声援を浴びた。田辺さんが「mixi、Twitter、回覧板、伝書バトでこの映画を広げて」と呼びかけ、観客の笑いを誘うひと幕も。『ライアーゲームザ・ファイナルステージ』は3月6日(土)より全国東宝系にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:ライアーゲームザ・ファイナルステージ 2010年3月6日よりTOHOシネマズ日劇3ほか全国にて公開© 2010フジテレビジョン/集英社/東宝/FNS27社■関連記事:松田翔太は実戦でも詐欺テクを発揮?「ライアーゲーム」一大プロジェクト本格始動
2010年02月02日勝てば大金を獲得、負ければ巨額の負債――。“ライアーゲーム”と呼ばれる、心理的トリックゲームに翻弄される人々を描いたスリリングTVドラマ「ライアーゲーム」。週刊ヤングジャンプ誌で連載中の人気漫画を原作に、一昨年、戸田恵梨香&松田翔太を主演に迎え人気を博した本作が、続編ドラマ「シーズン2」と映画化となってカムバック!8月13日(木)、この連動プロジェクトの製作会見が行われ、松山博昭監督始め、戸田さん、松田さん、鈴木浩介、吉瀬美智子、渡辺いっけいに加え、原作者・甲斐谷忍ら製作陣一同が集結した。11月に放送されるドラマの撮影に先駆けて、現在、映画の撮影真っ只中だが、松山監督は「シーズン1とは比べものにならない、ファイナルステージという名にふさわしいスケール感の映画になってると思います」と自信を見せた。ドラマに続き、主人公の女子大生・神崎直を演じる戸田さんは、「本当に面白い作品になることを確信していますので、これか4か月間頑張ります。(今回は)すごく強くなった神崎直に成長しています。騙されてるばかりではないことが分かるはずです」と積極的にアピール。シーズン1では騙されてばかりの直だったが、自身との共通点を聞くと、「全然違うと思います。私は“こいつ騙してるな”ってすぐ分かっちゃうので。現場でも、みんなで直ちゃんはどうしようもないねって笑いながら撮影してます」と流暢に語り、思わずネタバレまで飛び出した。ひときわ派手なピンクの衣裳とおかっぱ頭で目立っていたのは、フクナガ役の鈴木さん。実は前シーズンでも使っていたカツラを記念に持ち帰っていたそうで、「まさかまたこれを被ることが出来るとは思ってなかったので、感謝の気持ちでいっぱいです。全身全霊をかけて演じさせていただきます!」と気合いを込めた。対照的に、全身黒の出で立ちで登場したのは、ライアーゲーム事務局員・エリー役の吉瀬さん。「自身もクール?」との質問には思わず無言になるも、「めちゃめちゃクールな部分もあるし、大爆笑するときもあるし、いろんな要素を持ち合わせていると思います」と謎を秘めた答えでかわした。また、この日登壇陣と報道陣が一体となって、質問に対して少数派が勝つというライアーゲームの実戦が行われたが、キャストで唯一、見事最後の2人に残ったのが、さすが天才詐欺師・秋山役の松田さん。惜しくも最後のじゃんけんで勝利を逃したが、曰く「人の裏の裏をかくような意識」を発揮し、余裕の笑顔も垣間見せた。また、シーズン1から2年ぶりの続編放送・映画公開に向けて、「すごく新しい作品だなと思いながら楽しんでやっていました。やっぱりもう一度続きをやってみたいと話していたのが現実になったので、松山監督の頭の中のイメージを僕も俳優部として味付けしていきたい。2年前とは違う、新しい『ライアーゲーム』になると思います」と確信を語った。一方、1か月ほど撮影が続く中、一人この日がクランクインとなった渡辺さんは、恐縮気味に「なんかすみません。自分でも感覚を忘れて困ってたんですけど、2年前と同じ金歯をつけた途端、スッと入った気がしました…入れそうな気がしますよ!」と、金歯を光らせながら自身に喝を入れ直した。ちなみに、ドラマ「シーズン2」ではゲームトーナメントの準決勝、さらに映画では決勝戦が描かれるが、その優勝マネーはなんと50億円。キャスト陣全員に「もし50億円が手に入ったら?」と聞くと、戸田さんは「沖縄に家を買いたい」、吉瀬さんは「ベッドにして50億の上に寝てみたい」との答え。続いて松田さんが、「映画館を作って、タダで僕が撮った映画を流したい」とかなり具体的に展望を語ると、対照的に渡辺さんは「宮崎駿監督に自分のためだけの映画を作ってほしい」と夢を披露。純粋な願望かと思いきや「友達が少ないので、それがあれば友達ができるかなと」とのオチも。そして「足を踏み出しそうなので、貯金だけして利息で食べていきたい」と最も堅実的だったのは鈴木さん。「5億円だったら?」と質問を変えても「将来の子供の学費や家のローンを払っていきたい」となおも謙虚な姿勢を変えず、会場を沸かせた。TVドラマ「ライアーゲームシーズン2」はフジテレビ系列にて11月、毎週火曜日21時よりスタート。映画『ライアーゲームザ・ファイナルステージ』は2010年2月6日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ライアーゲームザ・ファイナルステージ 2010年2月6日より全国東宝系にて公開
2009年08月16日