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『永遠の人』© 1961 松竹株式会社『カルメン故郷に帰る デジタル修復版』© 1951/2012 松竹株式会社この度、BS松竹東急(BS260ch・全国無料放送)の放送枠「よる8銀座シネマSP」では、3月25日(月)から、高峰秀子の生誕100年を記念した特集を放送いたします。生涯で300本以上の映画に出演。小津安二郎、木下惠介など日本映画界を彩る巨匠監督の名作に数多く出演し、昭和を代表する女優である高峰秀子の出演作から『永遠の人』『カルメン故郷に帰るデジタル修復版』『山河あり』『張込み』『華岡青洲の妻』をラインアップし、5夜連続でお届けします。永遠の愛を求めて三十年…過ぎゆく青春を追って愛し憎んだ女の一生!3月25日(月)『永遠の人』© 1961 松竹株式会社上海事変の頃。阿蘇の小作人の娘、さだ子(高峰秀子)には、隆(佐田啓二)という恋人がいた。隆は大地主の息子・平兵衛(仲代達矢)とともに応召したが、平兵衛は負傷し除隊。そして、かねてさだ子に恋情を抱いていた平兵衛はさだ子を犯してしまう。出演:高峰秀子、佐田啓二、仲代達矢、石浜朗、乙羽信子加藤嘉ほか監督:木下惠介1961年公開田舎に帰ってきたストリッパーが引き起こす騒動を描く、 木下惠介監督による日本初の長編カラー映画3月26日(火)『カルメン故郷に帰る デジタル修復版』© 1951/2012 松竹株式会社ある日、平和な北軽井沢の牧場に一通の手紙が届く。この牧場の娘で、3年前に家出したおきん(高峰秀子)からのものだった。東京で有名な舞踊家となったおきんが、故郷に錦を飾りたいという。数日後、彼女は仲間のマヤ朱実(小林トシ子)を連れて派手な服装で里帰りするのだがー。出演:高峰秀子、小林トシ子、井川邦子、佐野周二、佐田啓二、笠智衆ほか監督:木下惠介1951年公開母と子の、愛と涙と感動の二時間!3月27日(水)『山河あり』© 1962 松竹株式会社井上義雄(田村高廣)・きしの(高峰秀子)夫婦とこれから嫁入りしようとする少女すみ(久我美子)は、ハワイ行きの同じ船に乗り合わせたのが縁で親しくなる。それから10年が経ち、それぞれ仕事も安定して子どもにも恵まれたが、その一方で祖国日本は満州事変、日中戦争へと突き進んでゆく。出演:高峰秀子、桑野みゆき、田村高廣、久我美子、小林桂樹ほか監督:松山善三1962年公開松本清張原作・橋本忍脚色・野村芳太郎監督のトリオが放つ本格サスペンス・ドラマ3月28日(木)『張込み』© 1958 松竹株式会社警視庁捜査一課の下岡(宮口精二)と柚木(大木実)は、東京・深川で起きた質屋殺しの共犯・石井(田村高廣)を追って佐賀県へ向かう。逮捕された主犯の自供によると、石井は佐賀にいる別れた恋人のさだ子(高峰秀子)に会いたがっていたという。出演:大木実、宮口精二、田村高廣、高千穂ひづる、高峰秀子ほか監督:野村芳太郎1958年公開いたわり合いかばい合う、美しき姑と嫁! だがその裏にかくされたすさまじい女の嫉妬と執念!3月29日(金)『華岡青洲の妻』© KADOKAWA 1967加恵(若尾文子)は、幼い頃から憧れていた於継(高峰秀子)に望まれ、息子の雲平(市川雷蔵)に嫁ぐ。夫となる雲平は医学の修業で京都におり、加恵は3年間夫のいない生活を送るが、ようやく雲平が帰ってきた。すると、急に於継が加恵に冷たくなりー。出演:市川雷蔵、若尾文子、高峰秀子、伊藤雄之助ほか監督:増村保造1967年公開【放送スケジュール】・3月25日(月)夕方5時40分よる8銀座シネマSP『永遠の人』・3月26日(火)夜6時2分よる8銀座シネマSP『カルメン故郷に帰る デジタル修復版』・3月27日(水)夕方5時30分よる8銀座シネマSP『山河あり』・3月28日(木)夕方5時32分よる8銀座シネマSP『張込み』・3月29日(金)夕方5時53分よる8銀座シネマSP『華岡青洲の妻』【BS松竹東急(BS260ch)】<全国無料放送> 2022年3月に開局。映画、歌舞伎・演劇・音楽、スポーツ、オリジナルドラマのほか、あらゆるジャンルを放送する全国無料総合チャンネルとして、視聴者のみなさまの暮らしに、上質感やワクワク感をお届けします! 平日夜8時からのよる8銀座シネマと土曜夜9時からの土曜ゴールデンシアターで、映画をノーカットで放送。よる8銀座シネマは「一番身近な映画館」、土曜ゴールデンシアターは「魂ゆさぶる映画の時間」をコンセプトに、古今東西の名作・話題作を年間300本以上ラインアップしています。【お知らせページ】 【局公式X(旧・Twitter)】@BS260_officialBS松竹東急をみるには 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年03月20日『高峰秀子生誕100年プロジェクト』製作発表会が2日に都内で行われ、同プロジェクト実行委員会 会長・大江正彦氏、同プロジェクト委員で高峰さんの養女・松山明美氏、東宝 取締役専務執行役員・市川南氏、松竹 執行役員メディア事業部部長・井田寛氏、KADOKAWA 取締役代表執行役・山下直久氏、日本映画製作者連盟 事務局長・星野哲氏、女優の名取裕子が登壇した。たまたま見学に行った撮影所で行われていたオーディションに合格、わずか5歳で子役として映画デビューし、55歳で俳優業を引退するまでの半世紀で数々の名作映画を残した女優・高峰秀子さん。同プロジェクトは、高峰生誕100年となる2024年に向けて、上映会や展示会など様々なイベントを実施していく。○■名取裕子、『高峰秀子生誕100年プロジェクト』製作発表会見に登壇今回の会見に同プロジェクトのサポータ―として登壇した名取。「こんなにすごい席にお声をかけていただいて、本当にびっくりしておりまして……私なんでここにいるんだろうと思ってるんです」と会見出席への驚きを口にする。高峰さんとの出会いについて名取は、「30年くらい前に一度九州の映画祭で同席させていただいたことがあって、軽く会釈をしただけなんですけれども、その当時も70代でいらしたかしらね……本当にお美しくてオーラが全然違って!」と振り返る。「ただ黙礼を交わしただけなんですが、スクリーンで見ていた、またご本を拝見していた高峰さんがそこにいらして。小粒だけどとても綺麗なパールのネックレスと小花柄のワンピースがとても美しくて、本当に素晴らしい女優さんなんだと勝手に憧れておりました」と高峰の印象を感慨深げに語った。続けて、「(今回の会見に)来てくれませんか? とお声ををかけていただいたんですが、本当にその時だけしかお目にかかっていない、片思いのようにお会いしただけで関わりも無く、ただ一ファンなんですっていうお話をして……。ただ、女優としても人としても憧れておりまして、おこがましくも今日のような晴れがましい席に同席させていただきました」と同会見に臨んだ心境を明かしていた。また、イベント終盤に報道陣から高峰さんの出演作の中で思い入れのある作品を聞かれると、名取は「まず『浮雲』。原作も読んでいたんですが、それを再現していく高峰さんの演技、女性の一生として美しさと儚さと強さと弱さと……若い頃に拝見してすごく感動した作品です」と回答。さらに、「『カルメン故郷に帰る』や『二十四の瞳』、『女が階段を上る時』。強さと美しさを体現できる人っていないんだろうなと思いながら、ただただ感動して観ておりました。色んな女性の美しさ、強さ、弱さ……全てを見せてくださる」と力強くその魅力をアピールした。
2023年10月02日2010年にこの世を去った不世出の名女優、高峰秀子の出演作を上映する特集「没後10年 高峰秀子が愛した12本の映画 ~名女優自ら選んだ、名匠たちとの仕事~」が東京・池袋の新文芸坐で開催されている。高峰秀子は1924年に生まれ、子役として映画界に入り、小津安二郎、山本嘉次郎、成瀬巳喜男、木下惠介、そして私生活では夫婦になった松山善三ら多くの監督の作品に出演。レコードも大ヒットを記録し、エッセイを書けば大ヒット。日本映画史に名を残す人気・実力を共にそなえたトップスターとして現在もファンを増やしている。高峰秀子は生前に自身の出演作の中から“自薦”として13作品を選び、それについて語る本を2010年に出版しており、今回の特集ではその中から上映がかなった12作品を新文芸坐の大スクリーンで上映する。上映されるのは、3年をかけて撮影された感動作『馬』や、公開時に驚異的なヒットを記録した『二十四の瞳』、名作中の名作『浮雲』、松山善三監督の第一作『名もなく貧しく美しく』など。『春の戯れ』はブルーレイで、『雁』は16ミリで上映されるが、その他の作品はすべて35ミリ・プリントで上映される。「没後10年 高峰秀子が愛した12本の映画 ~名女優自ら選んだ、名匠たちとの仕事~」1月22日(水)まで新文芸坐で開催中『馬』『春の戯れ』『雁』『二十四の瞳』『浮雲』『張込み』『無法松の一生』『女が階段を上る時』『名もなく貧しく美しく』『山河あり』『放浪記』『恍惚の人』
2020年01月13日「博多華丸・大吉」の2人とNHKアナウンサー・近江友里恵が司会を務める朝の情報番組「あさイチ」の5月25日(金)放送回に女優の二階堂ふみがゲスト出演。番組では12歳当時の映像も紹介され「天使か」「精神が浄化された」などの声がSNSに投稿されている。番組では大河ドラマ「西郷どん」から二階堂さんが出演しているシーンや、そのメイキング映像が紹介。指導を受けながら黒糖作りに挑戦する場面や、まだ肌寒い海風が吹く奄美大島で歌を口ずさむ場面などが流された。島の男性を引き連れ松明を持って走るシーンの撮影では「火を使っていたからか、本能的なものが掻き立てられた」と当時をふり返った二階堂さん。番組では二階堂さんが撮影中に仲良くなったという奄美のおばあちゃんを取材。「島の昔の女性のような気がした」と言うおばあちゃんと映像で“再会”した二階堂さんは「おばあちゃんたちは愛加那が生きていた時代とそう遠くない時代に生きていて、島の昔のことなどを教えてくださってそれが自分の身になった」と、現地の人との交流秘話も明かしてくれた。話題が芸能界入りのきっかけに及ぶと「12歳のときに沖縄美少女図鑑に載って事務所がスカウトに来て…」と答える二階堂さん。すると当時NHK沖縄が取材した映像が紹介。12歳当時の「将来は女優になりたい」と無邪気に話す映像を見ていた二階堂さんは顔を赤らめ、「映画が好きで母が近くの映画館に連れてってくれた」「高峰秀子さんの『浮雲』が好き」とコメント。これを見ていた視聴者からは「12歳の二階堂ふみちゃん、天使か」「二階堂ふみ12歳に精神が浄化された…」「めちゃめちゃくちゃしっかりしてて可愛いなぁ」などの反応が殺到。また演技する姿やバラエティでの姿以外の“素”の姿に「言葉も綺麗だし聡明」「お話聞いてても面白いそしてコミュ力たかい」「23とは思えないし、とてもクレバーな子」などの声も。「好きな女優が高峰秀子で作品では「浮雲」が一番って。。。末恐ろしい23歳だな」と、映画の好みを賞賛する投稿も寄せられていた。(笠緒)
2018年05月25日「映画出演120本、よく元気でここまでやってこれたと思います。私、子どものころはすごく体が弱くって、1年に1カ月は必ず肺炎になっていたほど。それが『赤胴鈴之助』というラジオドラマに入ってから体が強くなってきて。それで日活に入ってからは、病気なんかしていられないでしょう?今回も撮影期間が半年くらいあるんですが、毎日、芝居よりもなによりもまず体調管理。そればかりに気を配っていますね」 そう語るのは、2018年3月に公開を控える映画『北の桜守』で、映画出演120本となる女優・吉永小百合(72)。記念碑的作品で彼女が演じるのは、戦中、戦後を息子とともに必死に生き抜く女性。 「体調管理で心がけていることは、しっかりといいかたちの食生活をすること。昼は撮影があるから、おにぎりやサンドイッチを少しつまむ程度ですが、朝はしっかりと朝食を食べます。最近は、クロワッサンに凝っていて、毎朝必ず食べるんです。ハムやチーズ、卵を挟んだりしています。それに、コーヒーと野菜サラダとりんごとヨーグルトと……。とにかく朝はいっぱい食べて、目を覚ますのが習慣です」(吉永・以下同) 今回の映画のために、筋力トレーニングも始めた。 「戦後に担ぎ屋をやる役なので、そのために力をつけないといけないと思ったんです。ふつういないですよね、私くらいの年齢でバーベルを使っている人なんて。でも、それがまた楽しい。水泳も相変わらず続けています。水泳は、鍛えるというより癒し。スポーツが好きなんです」 共演者たちとのコミュニケーションも良好だ。 「撮影の待ち時間では、篠原涼子さんに『ふだんどういうものを食べてるんですか?』と質問されたり、堺雅人さんに『好きな女優は?』と聞かれて『映画では高峰秀子さん。お芝居は杉村春子さん』なんて答えたり。佐藤浩市さんは、初共演ですが、すごくセクシー。佐藤さんのデビューのころから拝見していますし、お父さまとも共演経験があるので、ご一緒できてうれしいです」 映画では、38歳から60代半ばまでを演じる。 「演じるのは、肝っ玉母さん。子どもがいじめられたら『泣いている場合じゃない、殴ってやんなさい』というような。やってみると面白いです。38歳から60代半ばまでを演じるんですが、後半になると逆に息子がお母さんを引っ張っていく。だから2人の人間を演じているような気分もあります。それも新鮮ですね」
2017年06月25日韓国映画の名作『オールドボーイ』のパク・チャヌク監督が最新作『お嬢さん』を携え来日し、2月8日(水)に都内で舞台挨拶が開催。ゲストとして真木よう子が来場し、作品の魅力について語り合った。「このミステリーがすごい!」第1位に選ばれたサラ・ウォーターズの「荊の城」を原作にした本作。財産乗っ取りを企む詐欺師のスパイとして貴族の令嬢のメイドになったスッキだったが、美しき令嬢・秀子に惹かれ、彼女もまたスッキを心から信頼し、2人は身も心も愛し合うように…。本作では1939年の日本占領下の朝鮮半島を舞台にしており、主要登場人物たちは韓国人俳優が演じているが、彼らは日本語のセリフを話している。チャヌク監督は「私なりに考え、解釈した日本文化を表現しました」と語り「韓国人の俳優たちが死ぬ気で長いセリフを覚えて言ってますので、みなさんには中途半端に聞こえるかもしれませんが温かい目で見ていただけると」と語る。真木さんは、これについて「私は観て、全く問題なかった!」と断言。「作品が圧倒的なので、パーフェクトではないかもしれないけど言葉のことは全然気にならなかった」と語る。これにはチャヌク監督もホッとした様子で「世界各国でお褒めの言葉はいただきましたが、やはり日本の方がどう観るかが一番心配でした。日本の素晴らしい女優である真木さんにそう言っていただけて嬉しい。いままでで一番感動的な感想の言葉でした」と喜びを口にした。真木さんは2人の女優をはじめ、俳優陣についても「みなさん、素晴らしかった」と称賛。メイドのスッキ役のキム・テリはオーディションで選ばれたが、監督はキャスティングについて「私は、頭の良い賢明な女性が好みです。ハッキリとためらうことなく自分の主張を表現できる女性が素晴らしいと思います」と語ったが、真木さんもその範囲に含まれるのでは?という質問に「ぴったりです」とニッコリ。真木さんは「『違う』って言えないでしょ(笑)」と恐縮していたが、監督は「従順で静かな女性は好きではありません」と語ると「じゃあ、ピッタリです!」と語り、会場は笑いに包まれた。真木さんも劇中で描かれている“強い”女性像に共感したようで「女性の結ぶ絆が描かれている。ハリウッドなどではそういう強い女性はいっぱいいるけど、日本ではまだ静かで(男性の)後ろを歩くようなところがまだある。アジアの女性はもっと主張していいし、強い女性が出てきてほしい。だからうれしかったし感動しました」と語った。チャヌク監督は「私が世界で一番好きな女性のキャラクターは、成瀬巳喜男監督の映画に出てくる高峰秀子さんです」と語り、映画の令嬢・秀子の名前もそこから取ったものだと明かした。今回、日本語を話す登場人物を日本人ではなく韓国人俳優が演じたのは、日本語だけでなくそれ以上に韓国語も話さないといけないという事情もあったそうで、監督は「私は韓国国内だけ、韓国人俳優だけで映画を作ろうとは思っていないので、いつでもいいストーリーがあれば、日本人俳優と日本で映画が撮りたいです」とも。真木さんは、この映画の女性のような役について「やってみたい。だいぶつらいでしょうが、やりがいがあると思います」と語る。監督は、真木さんが出演している是枝裕和監督の『そして父になる』を見ているそうで、この映画での真木さんについて「強靭さと優しさ、深みのある美しさと日常の生活感の相反する要素の両方を出すことができる女優」と絶賛。真木さんは「カムサムニダ(ありがとうございます)」と韓国語で返し、会場は再び笑いに包まれた。『お嬢さん』は3月3日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:お嬢さん 2017年3月3日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開(C) 2016 CJ E&M CORPORATION, MOHO FILM, YONG FILM ALL RIGHTS RESERVED
2017年02月08日女優に対して、誰かに「似ている」などと言うのが失礼なのは承知しているが、やはりこの2人、似ている気がする。顔や演技がではない。本能的に女優であること、そして、演じるということへの魂を焦がすような激しさが…。真木よう子は「遠くはないと思いますね。“熱”という部分はどちらも持ってると思いますし、あふれるパワーみたいなものはすごく似てるし、きっと他人からはそう見えるのかなって」とうなずき、さらに付け加える。「そういえばウチの娘がね、写真を見て『ママ。このコ、ママとそっくりだね』って言ってたの(笑)」。二階堂ふみはその言葉に「それはとっても嬉しいです」と柔らかい笑みを浮かべた――。二階堂ふみと真木よう子が、それぞれ金魚と幽霊という“人間ならざるもの”を演じた映画<a href="">『蜜のあわれ』</a>がまもなく公開となる。老作家(大杉漣)をめぐり、互いを牽制し、さや当てを繰り広げ、やがてなぜか友情をはぐくむ。なんとも幻想的で美しく、儚い世界の中で、彼女たちは何を感じたのか?原作は大正から昭和にかけて活躍した作家・室生犀星(むろうさいせい)の晩年の小説。犀星自身を投影したと思しき老作家の“おじさま”と、無邪気な金魚の少女・赤子のコミカルでエロティックな恋が展開する。そこに老作家の過去の女で幽霊のゆり子も加わり、石井岳龍監督の作り出す映像世界の中で、奇妙な三角関係が展開する。実は、二階堂さんにとってこの原作小説は、17歳の時に出合って以来、映像化を望み続けてきた作品。2012年当時、発表したフォトブック「進級できるかな。」の中でも「おかっぱで赤いワンピース」で金魚を演じたいと綴っていた。「小説を読んだとき、ワケの分からない面白さを感じました。こういう“分からないから面白い”作品があってもいいんじゃないかって。石井岳龍監督の現場にも行ってみたいと思っていたので、思い続けたことが叶いました!」。二階堂さんは金魚を演じる上で、その“分からない”ことを無理に説明、解釈しようとはしなかった。「実像のない役ですし、なるべく言葉に意味を持たせたくなかったんです。意味を意識することなく、おじさまと言葉遊びをするような感覚で、好きな漫画の動きを参考にしたりしながら作っていくのが楽しかったですね」。「ワケわかんない」と感じたのは、真木さんも全く同じ。「いや、もうホントに、5~6回、読んでも分からなくて、真っ白なまま現場に行きました。ゆり子について、石井監督に言われたのは、『生きてない。でも感情を持っている』ということ。『生きている人間が出すのとは違った複雑な感情でやってくれ…』と。正直、難しかったですね」。映画の完成に二階堂さんは「感無量」と感慨を口にし、老作家と金魚の関係性に触れつつ、名だたる文豪たちの時代を生きた犀星の人生に思いを馳せる。「犀星は長く生きた人ですが、太宰に芥川しかり、すごい作品を若いうちから生み出た文士たちは、自ら命を絶っている。映画の中でも、おじさまは芥川の死について『純粋に文学的な死だったと思う』と言ってるけど、それはあの時代の犀星の気持ちがそのまま出ていると思うし、いろんな死を見送りつつ、書き続けてきた犀星だからこそ、晩年にこういう作品を書くことができたんじゃないかって思います」。真木さんも、完成した作品の中で、高良健吾が演じた若かりし芥川龍之介が登場するわずかな回想シーンが強烈に印象に残ったという。「文学小説を1ページずつめくりながら読んでるような気持ちで見てましたね。言ってみれば、全ては作家の幻想のようなところでもあって…。一番好きなのは老作家と金魚がケンカするシーンで『僕が書くことをやめたら、きみは存在しなくなるんだがね』と言うところ(笑)。作家が作家であるが故の狂気や危うさ――作家の物語を見せつけられた気がします」。作家が紡ぐことで生まれ、動き出すドラマ。それは、ある意味で男の勝手な欲望や女性に対する願望の産物とも捉えられる。それでも、二階堂さんは犀星をこんな言葉で弁護する。「犀星は、決してエゴだけで女性を理想化してない気がするんですよね…理想化してるところもあるんですけど(笑)。やはり、晩年の作品ということもあってか、理想だけでなく、そこに同じだけ“経験”があって、リアルに描かれている。そういうところが細やかで、昔の文士は違うなって思います」。「同じく」と二階堂さんの言葉にうなずく真木さん。図らずも、カウンターパンチとなり、現代の男たちの前に強烈な拳が繰り出されているのかもしれない…。逆に、時代を颯爽と駆け抜ける2人にとって、理想の女性像とは?「真っすぐに生きたい」と二階堂さんは語る。「高峰秀子さんが好きで、彼女が書かれたエッセイを読むと、芯がしっかりと通っていて憧れますね」。真木さんが続ける。「独立して強い女性を、これからきちんと日本の男が認めていくべきだなって思います。それこそ“草食系”なんて呼ばれる、つまんない男たちが多いですが、きちんと自分の足で立っている女性が本当にいい女なんだって認められる社会になってほしいです」。そう語る2人の顔は、やはり同じように熱を発し、そしてまぶしく光り輝いている。(photo / text:Naoki Kurozu)
2016年03月28日映画『蜜のあわれ』のプレミア試写イベントが3月14日(月)、東京・浅草橋ヒューリックホールにて行われ、二階堂ふみ、大杉漣、永瀬正敏、石井岳龍監督らが着物姿で登壇した。本作は、近代文学史作家の室生犀星が晩年に発表した小説「蜜のあわれ」を映画化。犀星自身を投影しているといわれている老作家(大杉漣)と、犀星の理想の“女(ひと)”の結晶といわれ変貌自在の金魚の姿を持つ少女赤子(二階堂ふみ)との無邪気かつエロティックな触れ合いを艶やかに描く。原作を高校生の頃に読んだという二階堂さんは、「当時から、感覚的に体の中に入ってくる素敵な作品だなと思っていたんです。この作品が映画になったら見たいと思ったし、いつか作品を作ってみたいと思い続けていたので、今日は胸がいっぱいです」と喜びを語った。共演者の大杉さんについて、「たくさん引き出しをあけてくださって赤子はできあがっていった」と二階堂さんが感謝を伝えると、大杉さんも「逆に僕自身の引き出しや、気持ちの扉を二階堂さんが開けてくれて、撮影が終わってしまうのが寂しい程いい時間でした」と現場でも相思相愛だった様子を話した。また二階堂さんについて監督も「年齢的には若いのですが、『放浪記』の高峰秀子さんに見えることがあったくらい、大女優さんでした」と大絶賛。その言葉を受け、「高峰さんは日本映画の中で一番好きな女優さんなのでとても嬉しいです。頑張ります」と二階堂さんも笑顔を見せた。最後に「このような豊かな原作を、今までにない程のベストスタッフ、ベストキャストと作れたことをありがたく思っています」と監督が自信に満ちた表情で挨拶を行った。『蜜のあわれ』は4月1日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月14日西島秀俊主演でイランの名匠アミール・ナデリがメガホンを取った『CUT』のジャパン・プレミアが第12回東京フィルメックスにおいて11月23日(水・祝)に開催。ナデリ監督に西島さん、ヒロインを演じた常盤貴子が舞台挨拶と上映後のQ&Aに出席した。共に2005年のフィルメックスの審査員を務めた関係で知り合い、意気投合したナデリ監督と西島さんが念願かなって作り上げた本作。自分のために借金を重ねて命を落とした兄の残した借金を返すために、やくざを相手に殴られ屋を始めた映画監督の男の姿を描く。監督は「6年かけてこの場に至りました」と感慨深げ。「西島さんに常盤さん、菅田俊さんに笹野高史さん、でんでんさんら多くの素晴らしいキャスト、クルーと一緒に仕事をすることができました」と感謝の思いを伝えた。さらに「西島さんや常盤さんのこれまでの演技を一切忘れて、新しい目、新しい心で彼らの演技を見てほしい」と訴えた。西島さんは「2006年に監督と『一緒に作ろう』と話をしてからこの日、この時をずっと待ってました」と晴れ晴れとした表情。客席を見渡し「この700人のみなさんに観ていただくことで何か大きな流れが生まれること、『我こそは秀二(※西島さんが演じた主人公)だ!』という方が現れることを願っています」と呼びかけた。常盤さんは「いろんな挑戦が詰まっている作品です。ナデリ監督だからこそできた、新しい挑戦でした。ある意味、映画界に殴り込みをかけるような作品です」と期待を口にした。上映後、西島さんらは改めて大きな拍手で迎えられニッコリ。映画では、数々の過去の名作に対するオマージュに加え、行き過ぎた商業主義に対する厳しい批判が展開されるが、ナデリ監督は「映画の中でも言ってますが、かつて娯楽映画と芸術映画は一致していました。その中でインディペンデント映画を作る余裕が必要なんですが、いまでは高い技術が金儲けの道具になっている。シネコンの席巻で優秀な監督たちの作品を上映する機会がなくなってしまうというのは恥ずべき状況だと思います」と改めて訴えた。最後に「これだけは観ておくべきと思う映画は?」という質問を投げられると、一同「難しいですね」と思案顔。西島さんは、本作『CUT』が、ナデリ監督が敬愛する名監督ジョン・カサヴェテスについて描いた作品であるということを踏まえ、「僕が映画ファンとして観て、生まれ変わるような体験をしたのがジョン・カサヴェテスの作品なんです。だから釜山映画祭で監督から『この映画はカサヴェテスについての映画だ』と告白されたときは人生最大の衝撃を受けました。自分の人生を変えた人物を知らずに演じていたわけですから」と述懐した。常盤さんは「私は古い日本映画が好きで、特に女優さんが大好き。高峰秀子さんも好きだし岡田茉莉子さんも好きだし…でもその一方でコン・リーも大好きなんです(笑)。ここにいらしている方はおそらく多くの日本映画を観てらっしゃるかと思いますが、中国映画も素晴らしいです。その中でも『紅夢』(チャン・イーモウ監督/コン・リー主演)は素晴らしい作品」と語った。監督は「良い映画こそ良薬」と語り、映画を愛する人々で埋まった客席は温かい拍手で包まれた。『CUT』は12月17日(土)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて順次公開。■関連作品:CUT 2011年、シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて順次公開© CUT LLC2011■関連記事:ヴェネチア、モントリオールにトロント…世界の映画祭での邦画の奮闘に期待!常盤貴子&筒井道隆が急接近!?「圭史くんに言いつける」とベテラン女優が釘をさす?西島秀俊、主演作『CUT』監督との出会いの場で「本性見せろと言われた(笑)」西島秀俊、イランの巨匠作品主演!共演の常盤貴子は13年ぶりショートヘア
2011年11月24日女優の中谷美紀が「第3回 プラチナ・ミューズ アワード」を受賞。その受賞式が7月14日(木)に都内で開催され、トロフィーとプラチナのネックレスが贈呈された。プラチナ・ジュエリーの国際的広報機関である「プラチナ・ギルド・インターナショナル」が雑誌「Domani」(小学館刊)とのコラボレーションで、プラチナのように光り輝く“ワーキング・ウーマン”を表彰するというもので、過去には米倉涼子、滝川クリステルが受賞している。映画やドラマなど女優としての活躍に加え、エッセイや紀行文など多彩な活躍で広い年代に支持されているということで今回、中谷さんが選ばれた。プラチナ・ギルドのハンキンソン尚子代表は「知性あふれる凛とした佇まいがプラチナ・ミューズにふさわしい」と中谷さんを絶賛。トロフィーを手渡し、“プラチナ・アラベスク”と呼ばれる、宝石を使わずにプラチナだけで制作されたネックレスを中谷さんの首に掛けた。中谷さんは「プラチナってこんなに輝く美しいものだったのか、と改めて実感しています。年齢と共に肌の輝きは減っていくものかもしれませんが、プラチナを身につけて輝きを増すことができたら。プラチナのように輝き続けられるように自分磨きに努めたい」と喜びを語った。この日は、大胆に肩を露出しつつも、下は黒のパンツスタイル。「シンプルな服が大好きなんですが、プラチナもシンプルで控え目な輝きを持っていて気に入っています」と微笑んだ。いわば、働く女性の理想として今回の受賞に至ったわけだが、中谷さん自身が憧れる女性像を聞かれると「日本の女性は空気を敏感に読み取り、和を保つことができてすごく素敵だと思います。女優として、亡くなられた高峰秀子さんを素敵だなと思いますが、憧れの女性に近づくのにあと何十年かかるのかな、とも思っています」と明かした。映画にドラマと活躍する中谷さんだが、今年は舞台に初挑戦。井上靖原作の「猟銃」がまずカナダのモントリオールで上演され、その後、10月に日本で凱旋公演が行われる。中谷さんは初舞台で一人三役をこなす。一人の男性の不倫の愛が、妻、愛人、愛人の娘の手紙で浮かび上がってくるという物語で「日本の女性の心のマグマのようなものが表現できるのでは?と思いました」と語り、初舞台で三役、しかも初演がモントリオールという点についても「自分に試練を与えるときなのかも、と思っています」と不敵な笑みを浮かべていた。さらに「演じるときに、年齢を(役を)あきらめる理由にするのではなく挑戦し続けたい。つい惰性で日々を過ごしがちですが、常に新鮮、純粋な気持ちで演じていきたい」とさらなる飛躍に向けた決意を口にした。■関連作品:源氏物語 千年の謎 2011年12月10日より全国東宝系にて公開© 2011 「源氏物語」製作委員会■関連記事:生田斗真の恋の相手は…?『源氏物語』に真木よう子、多部未華子、田中麗奈ら出演生田斗真主演『源氏物語』に中谷美紀、窪塚洋介、東山紀之が出演!
2011年07月14日