ロエベ(LOEWE)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年3月2日(金)に発表された。今シーズンのロエベウーマンは上質な生活を送る知的な女性。持ち物、装いを華美に飾るのではなく、本当にいいものを選択し落ち着きのある生活をおくる女性。そんな女性像にふさわしいワードローブを揃えている。第一印象はデイリーに取り入れやすい、カジュアルさをはらんでいるという印象。ばさっと羽織れるオーバーコートやシンプルなニットトップス、アースカラーに染め上げたジャケットなど“いやらしい派手さ”のないものが揃っているからだ。しかしながら、襟、袖口、ポケットなどディテールに着目すると、クラフツマンシップが光る繊細なデザインが多いのがわかる。ドレスやシャツの袖口からたらりと伸びたリボンは、ロエベらしいアシンメトリーなシルエットを作り出しているし、ポケットの縁を彩るレザーのパイピングはレザーへの造詣の深さを具現化しているように見える。また、気品あふれる女性をミューズとしているからだろうか、センシュアルな一面も散りばめられている。2種類のチェック柄を組み合わせたロング&リーンなドレスは、テキスタイルを細かくパッチワークしてウエストをシェイプ。千鳥格子柄のドレスは、ボリューミーなファー装飾と並んでブラトップがテキスタイルの上から顔を出している。また今季は、日本人アーティストとコラボレーション。人間の身体などをモチーフに独創的な作品がコレクション会場には並んだという。この作品からインスピレーションを得て、カラフルなニットディテールを洋服に配した。ドレスやニットの途中に、色鮮やかな毛糸をくるくると巻いたニッティングパーツがあしらわれている。
2018年03月07日アンダーカバー(UNDERCOVER)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年3月2日(金)に発表された。コレクションピースの中で「TOTAL YOUTH」「GENELATION」といったワードが飛び交う今シーズンは、明るくフレッシュな仕上がり。ラインナップしたのは、スウェットパーカー、スタジャン、デニムパンツなどカジュアルなものが多く、それらを素材とデコレーションで遊びを加えてオリジナリティをもたらした。印象的に取り入れられていたのは、異なる要素のドッキング。共通項のないピースが身を寄せ合うように一緒になり一つの洋服となって登場している。前身頃はポロシャツであるが、後ろを振り返ると作業着のようなオールインワンになっていたり、ボアジャケットの外側からコルセットのディテールが浮き出ていたり、テーラードジャケットの襟元からフーディが顔を出していたりする。また、数種類の洋服を重ね着しているようにみえるトロンプルイユのピースも登場。ダウンの下のニット、Tシャツ、さらにスウェットスカートまで一色丹になったピースは、ユーモラスで個性的に映る。デイリーワードローブも個性的なファブリックを用いて、定番のカテゴリーから脱している。プリント付きのスウェットトップスは、くしゃくしゃとした紙のようなファブリックで立体的にフォルムで展開。ステンカラーコート、ミリタリージャケット、Uのロゴ入りコートも同様に、このくしゃっとした素材でアップデートされている。赤、緑、黄色…鮮やかなカラーがひしめき合っていたランウェイも、フィナーレに向けてモノトーンカラーで統一されて落ち着きのある雰囲気に。ドッキング、パッチワーク同じ手法で作られている洋服であるのに、色彩が違うと放つ印象も大きく変わる。
2018年03月07日イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)の2018-19年秋冬コレクションが、フランス・パリにて2018年3月2日(金)に発表された。コレクションノートに記されたテーマは「サイレント エナジー」。厳しい冬に息を潜めていた命が再び芽吹いていくエネルギーを、螺旋を思わせる有機的なディテールのニット、徐々に力強さを増して行くカラーパレットにより表現した。一面の銀世界を想起させる、オールホワイトのルックからショーは始まる。柔らかなモヘアははらはらと舞い積もる繊細な新雪を思わせた。雪解けを示すかのように、重く重ねられていたレイヤードは徐々に薄くなって行き、ホワイトルックの終わりには大地の色であるオレンジかかった茶が現れた。雪解け水が大地を奔る。カラーパレットにはブラウンと深い青が足され、水の流れを感じさせる曲線が織りや縫製によって立体的にピースに落とし込まれた。多く登場したニッカポッカのように下部が膨らんだパンツは、テキスタイルの錯視効果により、ライン以上に大胆なシェイプに見える。ショーの終盤にはエナジェティックなネオンカラーが花のようにルックに綻んで行く。染め上げられた糸によるステッチは横のラインを強調し、相反するテキスタイルの縦の模様が見るものの目を惑わせる。混沌とした状態をあえて作ることで、自然の制御できない力強さを表現しているようにも感じられた。
2018年03月06日バルマン(BALMAIN)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、2018年3月2日(金)に発表された。フューチャーリスティックな素材が飛び交い、未来へ向けた新しいスタイルを発信しているように映る今季のバルマン。ファーストルックから連続的に登場したのは、大ぶりのスパンコール、ホログラム、光沢のあるオーガンザ、ビニル、シルバーのキルティングなど、キラキラと煌めくファブリックの数々たちだ。見る角度や光によって様々な表情を見せる素材たちは、ピエール・バルマンが築き上げた伝統から影響を受けたシルエットに溶け込んでいく。アウターは、ピンと尖ったショルダーラインのショート丈ジャケットか、ナローなラインのロングコートが基軸に。そこにブロークンスウェットやデニム、キルティングなど現代的な生地で仕上げたクロップドパンツが交わっていく。足元はチェーン型のアーティスティックなヒールシューズを合わせて。ショーが進むと、これら近未来的な素材からネオンカラーへと主役が移る。リボンテープをボディに巻きつけたようなタイトフィットなドレスや、クラシックなツイードの2ピースなどに発色のよいパレットがのる。足元は色のついたトランスペアレントなサイハイブーツで決めて、メゾンが描く力強い女性像と未来的な思考の融合点を見つけ出している。
2018年03月05日アンリアレイジ(ANREALAGE)が、2018年秋冬パリコレクションにて、アシックスが展開するブランド「オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)」とコラボレーションしたスニーカー「オニツカタイガー×アンリアレイジ タイガーエムエイチエスシーエル(Onitsuka Tiger×ANREALAGE TIGER MHS CL)」を発表。今季のアンリアレイジのコレクションのテーマは“PRISM”。オニツカタイガーのオリジナルモデル「TIGER MHS CL」をベースに、光を分けて虹色を生み出すプリズム現象を応用して、光源の位置と視る角度により、青〜緑〜黄〜赤と変化する特徴を持つプリズムテキスタイル(分光素材)を新開発。光を虹色に変えて、色が移ろうマルチカラーを発色し、歩いたり、走ったり、日常的な動作によってアッパーに施されたプリズムテキスタイルが変化して多様な表情を魅せるシューズは、今回のショーのために特別に製作された。コラボレーションモデルのデザインは、「MEXICO 66」のアイコンを取り入れながら現代的なデザインへとアレンジされたもの。オニツカタイガーストライプを使用しない代わりに、大胆なラインをデザインへ取り込み、クリーンなイメージに。また、レザーの質感やステッチ加工にこだわり、カジュアルとフォーマルをシームレスに対応できる現代人のためのスニーカーに仕上げている。クラシカルなシャークソールをアップデートして快適な履き心地を追求し、中敷にはオーソライトを採用し足入れ時のクッション性を高めている。
2018年03月05日オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年3月1日(木)に発表された。昨シーズンより大きな方向転換を行ったように見えるオフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー。スーツ、ドレス、スカートと幅広いピースを抱えて、「ラグジュアリーなストリートウェア」といったコンセプトを脱ぎ捨てるようにウィメンズウェアに一途に向き合っていた。今季もその姿勢を感じさせるが、さらにスタート当初のストリートウェアの要素も含ませてより幅広い選択肢を持たせたようにみえる。ドレッシーなテーラードジャケットやホワイトのシャツ、アンダーウェアのように短いパンツでオリジナリティを持たせたジャンプスーツ、フリルをあしらったシースルドレス、ロゴ入りブラトップ、フード付きポンチョ。オフ-ホワイトのピースを全て揃えれば、日常生活のあらゆるシーンをこなせてしまうほどバリエーション豊富なのが特徴だ。アイコニックに登場したのは2つのパターン。一つはファーストルックにも用いられた淡いブルーとホワイトの総柄だ。水辺を描いているのか穏やかな佇まいの模様は、ベアドレスや極短パンツなど、セクシーなピースに起用されている。そしてもう一つは、馬をモチーフにした柄。緑広がるのどかな地で馬を走らせる人々を描いたパターンである。また、ランダムに上に向けた矢印(↑)を並べたパッチを何かの印であるように添えている。ひざ下丈のタイトスカートやワンショルダードレスも、このパッチがあれば、上品さから脱皮しシティライクなピースへと表情を変える。フットウェアはスニーカーが気分のようだ。繰り返し展開されたナイキ(NIKE)のシューズには赤いタグが取り付けられている。
2018年03月05日ルシアン ペラフィネ(lucien pellat-finet)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで発表された。今季の舞台は英国。大きな城にピンクのカーペットを敷き、ライオンをペットとして飼う、実在する破天荒な英国伯爵がインスピレーション源となった。伯爵が好んで来たフリル付きのシャツやボウタイ付きのシルクシャツが、今季のルシアン ペラフィネのコードへと様変わり。上質なカシミヤニットに組み合わされているのは、大きなリボン付きのホワイトシャツ、レジメンタルストライプ柄のシャツである。また、ラグジュアリーなファブリックを用いたアウターは貴族の装いを想起させる。アルパカのジャケットやアストラカンのコートなどは、アメリカから影響を受けていたここ数シーズンのコレクションよりも優雅で気品溢れるムードをもたらしてくれる。アイコンのスカルモチーフのニットは、今季英国仕様にアップデート。スカルは、ユニオンジャック柄のマフラーを巻き、英国紳士さながらのジェントルな装いだ。また、ラグジュアリーな中にも遊び心を差し込むのが、ブランドのスピリット。クラシックなピースに交えて、カシミヤ混のサイドライン入りジャージが登場している。
2018年03月05日ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで、2018年3月2日(金)に発表された。山本耀司の作る黒ーノワール一色にまとめられたその世界はとても静かな始まりだった。ファーストルックから繰り返し続いたアウター群。秋冬らしい暖かみのあるウールで仕立てられたコートは、解体され再構築され独自のフォルムで佇んである。身体を包みこむコート、それとは別に肩から脱ぎかけのようなもう一枚のアウターが、時が止まったように静かに存在する。時間の流れとともにウールコートのシルエットはバリエーションが豊かになる。開ききった襟、デコルテを美しく見せる首回り、アームの下から不可思議に伸びるもう一本のアーム。前身頃に整列したボタンたちと相反して、サイドやバックスタイルのシルエットは自由で開放的だ。そこに現れた印象的なピース。これまでの変幻自在なシルエットと対峙する、シンプルなロングドレスだ。無駄な装飾は1つとしてない。そしてこのドレスの登場とともに、新しいノワールの世界の扉が開く。続くのは、序盤と同じ解体と再構築、そしてレイヤードを繰り返して生まれたピースだ。しかし先と異なり大きな動きは全くない。静かであるからこそ浮き立つドレープの美しさやタックで作った豊かなボリューム。テキスタイルが見せる優美でなめらかな動きに心惹かれる。フィナーレに向けて山本が投じたのはレザーのシリーズだ。黒の世界に放たれたブラウンのジャケットはパワフルにその存在感を発揮する。そしてそのレザーはスタイルを変え、黒のジャケットへと変わり、さらにコルセットへと姿を変える。始まりは身体を重量感たっぷりのテキスタイルで始まったショー。ラストはそれらの洋服が剥ぎ取られ、女性本来の美しさを浮かび上がらせるようにシンプルでプレーンなものになっている。
2018年03月05日マルベリー(MULBERRY)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが発表された。先日のロンドンコレクションで2018年春夏コレクションのショーを発表し、see now buy nowに取り組んだブランドが、パリに渡り新作を披露。テーマは「エキセントリックな感性」だ。ジョニー・コカの探求は、今季も引き続きマルベリーが生まれた英国に向けられ、さらに英国らしさを追求することとなる。イメージしたのは、貴族社会とそれと相反する反逆者。クラシックで保守的な側面と破天荒な側面を融合させ、遊び心あふれる英国女性の姿を完成させた。貴族社会からインスピレーションを得て生まれたのは、伝統的なスーツスタイル。王族が纏っていそうなフォーマルなスカートスーツには、サックスブルーや深みのあるチョコレートブラウンといったカラーがよく似合う。しかし、クラシックに着こなすのではなく、カラーフェザーを部分的にデコレーションしたり、ダンスシューズから着想したデコラティブなミュール・パンプスなどを組み合わせたりして、遊び心あふれるスタイルを構築する。イブニングとして提案されたのは、ベビードールをモチーフにしたドレス。ふわりと八の字に広がったシルエットの裾には、ふわふわのフェザーがのっている。並んで登場するのはパジャマからインスピレーションを得たシャツとパンツのセットアップスタイル。柔らかなシルク素材の上には、1950~70年代に見られたレトロな花模様を綴って、ヴィンテージ風の温かみのあるピースに仕上げた。新作バッグは、トップハンドルにスカーフを巻き付けた「ハーロウ」、そしてハート型のキルティングレザーを使った「ウィットニー」。パールでハート型を象った大振りピアスやカラフルビジューのリングなどとコーディネートすれば、プレイフルでキッチュな世界観が完成する。
2018年03月05日リック・オウエンス(Rick Owens)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年3月1日(木)に発表された。ギリシャ神話の一説である、「SISYPHUS(シーシュポス)」をテーマにしたメンズコレクション連動したようなディテールを含んだ新作コレクションに仕上がっている。今シーズンのリック・オウエンスは、フーディコートであったり、スナップボタンのコートであったりデイリーワードローブに根差したものが多くみられた。それらのアウターにはライナーで差し色をプラスしている。右袖、左袖の袖口から青と白異なる色彩が顔を出したり、ジップ付きの開閉可能なフードからも鮮やかなカラーが飛び出している。今季はカジュアルに羽織れるコートが多数揃った。それらはどれも異素材のパッチワークで仕上げられていて、ポケットに異素材が取り入れられていたり、一部分にハトメの装飾が施されていたり、同じ一色でも異素材をパッチワークしていたり味のある仕上がりだ。スクエア型のショルダーラインを強調するように、ホワイトのテキスタイルを肩周りに施したピースもある。足元はフラットなスニーカーが基本で、そこに光沢素材を使ったショートパンツをあわせた。カジュアルで躍動的。そんなスタイルの中に、リック・オウエンスならではのウィットに富んだトップスが交わっていく。アースカラーに染め上げたウール素材のテキスタイルは、身体を右往左往に交差する。チューブ状になり立体的に身体を横切り、時にアーム部分となって登場する。ウエスト周りに登場するのはウエストポーチ。ボリューミーで機能的なパーツは、装飾物としてではなく洋服の一部として存在している。
2018年03月05日アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年3月1日(木)に発表された。今シーズンは漆黒に染まったシーズン。間に差し込まれのはほんの少しの白だけで、あとはブラック一色。レザー、シフォン、ムートン、モヘア、スウェット、様々なファブリックを用いて1つの色彩から様々な表情を引き出す。今季のユニフォームのように登場したのは、膝上までのサイハイブーツと肘上までのびた長いグローブ。そして2重・3重に重ねたベルト、コルセットを用いたウエストマークもほぼ全てのルックで統一して取り入れられ、レギンスのようなタイトフィットパンツと組み合わされている。トップスは、テーラードジャケット、レザージャケット、ロングコートなどオーセンティックなピースにシルエットで遊びを持たせた。繰り返し登場するのはヘムラインをドレスのように広げたボリューミーなカットソー。へその辺りでカットアウトしたショート丈アウターのインナーとして差し込んで、楽し気なフォルムを完成させている。唯一差し込まれたホワイトはすべてトップスで統一されていて、シワ加工をしようなくしゃっとしたコットンやシフォンなどが使用されている。黒のピースに比べ柔らかな質感のホワイトのピースは、ドレープやギャザーなどが細かく施されていて、単体でみても豊かな表情を持っている。
2018年03月04日ジバンシィ(Givenchy)は、2018-19年秋冬コレクションを、日本時間の2018年3月4日(日)18:00にパリで発表する。ファッションプレスではその模様をライブ配信。前シーズンは、元クロエ(Chloé)のクレア・ワイト・ケラーを新アーティスティック・ディレクターに迎えた初のコレクション。メンズ・ウィメンズを同時に披露した。メンズとウィメンズが呼応するように寄り添う形で作られたウェアが目を惹く。ウィメンズはショルダーラインを大きく広げると、メンズは反対にストレートなラインを描き、結果的には双方ともシャープなスタイルに。トレンチコートなどの英国文化の要素や、伝統的な「4G ロゴ」の復活など、ジバンシィの新たな幕開けを印象付けるコレクションが展開された。最新コレクションも、メンズ、ウィメンズ合同ショーで発表される。どのようなスタイルがランウェイを飾るのか、期待が高まる。【詳細】ジバンシィ(Givenchy) 2018-19年秋冬コレクション開催日時:日本時間 2018年3月4日(日)18:00現地時間 2018年3月4日(日)10:00
2018年03月04日ツモリチサト(TSUMORI CHISATO)の2018年秋冬コレクションがフランス・パリにて2018年2月28日(水)に発表された。ブランド25周年を迎えるツモリチサト。今季のインスピレーションは中米・グアテマラから。咲き誇る花々の鮮烈な赤、かつて栄えたマヤ文明に馳せる思い、暑さの中で自然とともに生きる人々。デザイナーの津森千里が出会った全てのものがプレイフルなコレクションを形作る。ショーはジャングルを模した小島にモデルが順に立ち止まり動いていくという、特徴的な形式で行われた。荘厳な宮殿から雑然とした市場、神秘的な岩肌の山々にまで背景が変化していくプロジェクションマッピングによる演出も魅力的だ。古代から残る石像やピラミッドは抽象化され、円や三角の集合パターンがプリントされたテキスタイルに姿を変えた。鮮やかな色彩は生命力溢れる草花やアティトラン湖に反射する光の変化が齎したものだ。体を締め付けず、涼やかで機能的な民族衣裳に影響を受けつつも、シルエットはモダンな女性らしさを保っている。
2018年03月04日アンリアレイジ(ANREALAGE)の2018-19年秋冬コレクションが、フランス・パリで2018年2月27日(火)に発表された。テーマは「プリズム」。光を屈折・分散させ、周囲とは屈折率の異なる三角柱の空間という意味を持つ分光をテクニカルテキスタイルを用いてファッションとして表現する。初めに登場したのは、プリズムPVCと呼ばれるシースルテキスタイルを使ったコートドレス。レンズのようにこの素材を通して中をのぞくと、見た像が二重に変化するという。会場中央に設置されたライトにモデルたちが近づくと、インナーが変化。白い光に当たると桃色の光がドレスの中を充満するように広がってみえ、ブルーライトに近づくと青く見える。そしてモデルがくるくると回転すると、合わせてドレスの中のインナーも変化してみえる。続くのは光の三原色赤、緑、青の3色を使った幾何学的な柄のルック。千鳥格子やタータンチェック風にその3色が組み合わされているが、色の重なり方によって黄色や橙色のような本来の3色とは異なる色が現れる。さらに、その上にはレンズコーティング素材と呼ばれるシースル素材をアタッチ。多眼効果を持つレンズフィルムをコーティングしたというこの素材は、幾何学的な模様をより立体的に映し出していく。玉虫色に変化するメタリックヤーンを織り込んだというオーロラカラーのワイドパンツ、万華鏡のような幾何学模様のジャカードニット。そういったパワフルなピースを挟んで、フィナーレに向けて登場するのは、開発したオリジナルのプリズム素材。光の位置と見る角度によって七色に変化するというこのテキスタイルは、明るい光の元では、三角形が羅列した姿や幾何学的な模様をほんのりと映し出すが、ブルーライトにあたると明るく発色。その光り方はソフトで空のようにゆっくりと変化する。
2018年03月03日ラコステ(LACOSTE)が、フランス・パリでメンズ・ウィメンズの2018-19年秋冬コレクションを発表した。パリ・ファッション・ウィーク3日目の2018年2月28日(水)のことである。今シーズンは、ブランドの創業者ルネ・ラコステにまるわる一つのエピソードから始まった。第二次世界大戦初期多くの人が強制労働を強いられるなか、ルネ・ラコステと妻のシモーヌは、地元の人々を集め、ファミリーゴルフコースの設計を計画。当時農林従事者は徴兵制から守られていたため、このルネの試みは多くの労働者たちの安全を確保したといわれてている。共感、親切、希望を示したこのエピソードを起点に、今季はクリエーションを進めた。会場は、大きな1本の木を囲むように芝が広がっていて、ゴルフコースさながらの開放的なムード。モデルたちは、ゴルフを楽しむ人々のように芝の周りをくるくると回ってキャットウォークする。歩みを進めると、マキシ丈のフード付きレインコートやハンティングポンチョは帆をはるように裾を大きく広げてみせ、サイドにスリットを入れたタートルニット、バックスタイルにもう一枚ニットをかませたトップス、アシンメトリーにカッティングされたスカートなどは風をきるように動きまわる。ルネ・ラコステらのゴルフ場製作の思い出は、プリントやモチーフになって綴られる。フーディコートの上にプリントされたのは、ゴルフコースやクラブハウスなどを捉えたフォト。ニットの上にのっているのは、スイングするゴルフ選手の姿だ。足元はラバーブーツが多用されていて、植木職人たちの姿を想起させる。ブランドのアイコンであるワニのワッペン付きポロシャツは、ストリートテイストにアレンジ。生地をスウェット地にして、裾をアシンメトリーにカットアウトし、遊び心あふれるピースへ昇華させている。
2018年03月03日サンローラン(Saint Laurent)の2018-19年秋冬コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク2日目の2018年2月27日(火)に発表された。昨シーズン同様会場は、エッフェル塔を目の前にしたトロカデロ庭園に設置。ボックス型の会場には小さなライトが無数に取り付けられ、またランウェイ上の天井にも隙間なくライトが散りばめられている。ショーのスタートと共に天井一面に取り付けられたライトが発光。サウンドに合わせて波のように点灯したり消灯したりを繰り返す。そこに浮かび上がるように登場したのは、サンローランのコード、ブラックで統一されたルック。トップスはどれもスリムなシルエットで、アイコンのスモーキングジャケットをはじめ、ベルベット地やスパンコール、ビジューなど光沢ある素材や装飾で彩られたジャケットなどがラインナップ。ボトムスは、アンソニー ヴァカレロが得意とするセンシュアリティを打ち出しているのか、極短のショートパンツで統一だ。続くドレスルックは、ショルダーを強調し胸元を大きく開けたドレス。逆三角形の尖ったシルエットでやはりジャケットスタイル同様に黒で統一されている。ウィメンズのモデルが続くと、次に現れるのはメンズモデル群。スリムフィットなパンツにタイトなジャケットのセットがお決まりのようで、上半身にラメ入りの生地やベルベッドなど光沢素材を取り入れて遊びを加えている。合わせたのは、70年代のロシアンコレクションを彷彿とさせる、ビックサイズのロシアン帽。中には首元にボリューミーなニットマフラーを巻いているモデルもいる。暗転して2章目に映るかのようにパッと明かりが灯ると、現れたのは先ほどとは打って変わって色鮮やかなルックの数々。スパンコールのエンブロイダリーなどで、花のように模様が描かれたジャケット、ドレスが続いた。ワンショルダーであったりボックス型のショルダーであったり、シルエットは様々だが共通しているのはウエストの位置にポケットがあること。そこに両手を入れて同じスタイルでモデルたちはランウェイを颯爽と歩いていく。先までピンヒールだった足元も、チャンキーヒールのブーツで統一されている。
2018年03月03日ジョルネ(JOUR/NÉ)の2018-19年秋冬コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク2日目の2018年2月27日(火)に発表された。ピガール周辺の劇場で行われた今シーズンは、パリのアーティストとコラボレーション。ショーは2部制に分かれていて、間にフランス人ラッパーのライブパフォーマンスが行われた。コレクションのキーワードはパッチワーク。ジャケット、ドレス、スカートあらゆるピースに異なる素材がドッキングされている。ギンガムチェック、花模様のジャカード地、シンプルなブラック生地。そして音楽のインスピレーションからか音符をモチーフにしたプリントシルクも揃った。それらは規則性を持つことなくボディの上で花を開かせている。女性らしさを感じさせるピースが多く、ビスチェやバルーンスリーブのワンピース、フリルのついたロングコート、スリット入りスカートがなどがラインナップ。それらを可愛らしく着こなすのではなく、足元にごついハイキングブーツを合わせてカジュアルダウンさせるのが、今季のジョルネのスタイルだ。
2018年03月03日ディオール(Dior)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク2日目の2018年2月27日(火)に発表された。アメリカン・ヴォーグのエディターとして活躍したダイアナ・ヴリーランドの言葉がコレクションノートには記されている。1963~1971年にかけて“カリスマ”として活躍した彼女は、60年代は自由に溢れ素敵な時代であったこと、そして女性たちは自分自身を進化させていたと語っている。当時のパリといえばデモが多発。多くの人がこれまでの当たり前な事柄から解放されることを求め、自由の獲得を目指していた。ディオールのブティックの前でもプラカードを掲げてミニスカートをはいた女性たちが行進する「ミニ スカート フォーエバー」というデモが起きたという。ロダン美術館に隣接させたショー会場には、当時のあらゆるファッション雑誌の表紙、そして「ミニ スカート フォーエバー」の写真がパッチワークのように組み合わされ、60年代のファッション界を視覚的に表現している。マリア・グラツィア・ キウリが提案するシーズンピースは、こういった60年代の影響を受けながらも現代の女性たちへ向けて、ファッションを自由に楽しもうという強いメッセージ性が込められているもののように映る。序盤は、チェック柄のセットアップスタイルのオンパレード。クラシックなジャケット、プリーツスカートを同じように身に着け軍隊のようにモデルたちが行進する。規則性のある柄、統一されたコーディネート、そういった要素もデモを起こす前の保守的な世界を描いているようにも見える。しかしながら、単調なリズムは少しずつ壊れていく。スカートのレングスが変わり、シースルー素材が取り入れられ、ボトムスがパンツに変化。サウンドがリズミカルに転調すると、音楽の高まりと連動するようにコレクションピースも多彩に変わっていく。様々な色柄を組み合わせたキルトジャケット、数種類のプリントデニムを貼り合わせたスカート、メンズライクなバイカージャケット。どれも個性的で主張が強いピースだ。マリアらしいシースルーのロングドレスの上には、華やかなフラワーエンブロイダリーをのせ、大きなサイズのニットにはメゾンを代表する8を、Tシャツには女性の姿を描いた。それらは、アイテム一つ一つが持つムード、例えばシースルードレスであればフェミニン、バイカージャケットであればマニッシュ、Tシャツであればカジュアル。そういったイメージを破壊するようにコーディネートされる。フリルののったドレスの下にはブランドロゴ入りブラトップを忍ばせ、ウエストは大きなDロゴのバックルベルトをセット。Tシャツにはフレアなスカートが組み合わされている。その姿は自由で開放的。60年代の女性たちが求めていた、何かにカテゴライズされずに自由に楽しむスピリットを体現しているようにみえる。
2018年03月03日ラコステ(LACOSTE)は、2018年秋冬コレクションをパリにて日本時間2018年2月28日(水)18:00より発表する。ファッションプレスでは、その模様をライブ配信。前回の2018年春夏コレクションは、85周年を機に再びパリへ帰還してショーを開催。創業より大切にしてきた"タイムレスでヘリテージ"をキーワードに、スポーツをインスピレーションの源としつつもストリートを意識した現代化を図り、新たなラコステワールドを築き上げていた。前シーズンから引き続き、パリで発表される最新コレクション。ラコステがどんな新しい世界を魅せてくれるのか、注目したい。【詳細】ラコステ 2018年秋冬コレクション開催日時:日本時間 2018年2月28日(水)18:00現地時間 2018年2月28日(水)10:00
2018年03月02日トッズ(TOD’S)の2018-19年秋冬コレクションが、イタリア・ミラノで発表された。テーマは「イタリアン アティテュード」。レザーから多彩な表情を引き出し、日常の中にあるエレガンスを追い求めている今季のトッズ。今シーズンは、ワックス加工を施したスプリットグレインレザーと、ニスのような光沢感を持つポリッシュ加工のバーニッシュレザーを加え、レザーから艶っぽい雰囲気を引き出している。さらにはニットの上にレザーをのせてプレスし、リブのような細かな立体模様を配したクラフツマンシップが光るものも。トッズの秋冬の定番といえばバイカージャケット。その男性的なムードを受け継ぐ、ムートン仕上げのライダースやフード付きのロングコートなどがアウター群にラインナップ。また、革と布帛の組み合わせを楽しむトレンチコート、アウター代わりになりそうなほど重量感のあるバルキーニットなども、トッズの秋冬を彩るピースとして登場している。カラーはブラック、ホワイトとモノトーンカラーの中に、トーンの異なるイエローやブラウンなどのオータムカラーをなじませ、色遊びを楽しんだ。注目のレザーグッズは、アレンジ次第で様々なコーディネートが楽しめるウエストバッグ「カプセル ベルト」。ベルトと数種類のポーチが用意され、組み合わせ次第で自分好みのスタイルにチェンジが可能だ。アイコンシューズ「ゴンミーニ」は、かかとまでラバーぺブルを配した冬仕様「ウィンター ゴンミーニ」へとアップデートされ、ルーズソックスのように量感を楽しむロングブーツも揃っている。
2018年03月02日サルヴァトーレ フェラガモ(Salvatore Ferragamo)がメンズ・ウィメンズの合同ショーを開催。2018年2月24日(土)、メンズ・ウィメンズ共に2018-19年秋冬コレクションがイタリア・ミラノで発表された。ウィメンズは、これまでシューズに携わっていたポール・アンドリューをクリエイティブ・ディレクターに迎えたファーストシーズン。自身でもシューズブランドを手掛けているほど靴に熱心なポールはシューズとの相性を考えクラシックなピースを製作。基軸となるのは、見慣れたフォルムをアップデートすること。イタリアンウールやカシミヤのニット、ソフトコットンなど上質なファブリックで仕上げた、コードやドレス。中にはアーカイブのスカーフから着想したシルクドレスもある。共通するのはどれも丈が長くあえてルーズにみせていることだ。襟付きのロングドレスは生地を贅沢に使い、丈とともに量感もとり、優雅なドレープを描くように設計した。また、差し込まれたフード付きのケープコートは、驚くほど薄いレザーでロング丈を作り、歩みに合わせてふわりと広がる優美な姿を演出した。また、メンズと合同で新作を披露することで、男性服に見られる要素をウィメンズに落とし込む方法がとられている。象徴的なのは、カフスやピンなど紳士のアクセサリーを、襟や袖口に配していること。またスーツ生地で作られたピースもある。新シューズは、ブロックヒールシューズ。艶っぽく輝くメッキ部分は車の工場で仕上げられているという。ヒールの高さは全3パターン。度々登場したクロップド丈のパンツからは新シューズがよく見える。
2018年03月02日マルニ(MARNI)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、イタリア・ミラノで2018年2月25日(日)に発表された。1月のメンズ2018年秋冬コレクションからの延長線だというショー会場のデザインは斬新。毛布や布団、ポリバケツ、段ボールなど日用品などが、来場者の椅子となり、それらをうねるように配置することでくねくねと曲がったオリジナルのランウェイを製作している。コレクションノートに記された「重なり、切断し、つまむ。ボタンで留めるのではなく、包んで纏う」というワード。確かに膝丈スカートは左右を縫い合わせるのではなく、端を軽く留めて巻き付けたような形をしているし、さらに端をつまんでスカートに縫い合わせたミドル丈スカートもある。フランチェスコ・リッソによる3シーズン目のマルニは、基礎、基本といった意味をもたせるため「エレメンタリー」をテーマに捧げた。このキーワードは素材の選び方、カラーリング、洋服の作り方など様々な場面で用いられている。また“やりかけ”のようなアンフィニッシュのスタイルも多く起用されている。コートやスカートにはたらりと糸がのびたステッチが施され、ジャケットの袖口は一度縫製したものをほどいたような切りっぱなしのテキスタイルが顔を出している。シューズのヒールに巻き付けたレザーパーツもホッチキスでとめたかのような簡易的なもので、製作途中のような独自のもろさをはらんでいる。ショーの中盤から登場したコートや、女性らしいシルエットのドレスは、2つのスタイルを融合させたもの。構築と再構築を繰り返して、ウールとレザー、異なるプリント同士などを組み合わせピースはどこかミスマッチでユーモアがある。そういった要素に交えてフューチャリスティックな一面も投影させた。オーバーサイズのコートやフレアスカートに用いたのは、ビニル加工を施したツヤっぽいテキスタイル。それらはリッソらしい鮮やかなカラーで染められていて、未来的な様子とともに女性の強さも具現化しているようにみえる。
2018年03月02日アツシ ナカシマ(ATSUSHI NAKASHIMA)の2018-19年秋冬コレクションが、イタリア・ミラノで2018年2月26日(月)に発表された。ネオクラシックーブランド誕生以来追い求めてきた一つのテーマであるが、今季はよりクラシックの部分にフィーチャーしてクリエーションを進めたと、デザイナーの中島篤は話す。中島が考えるクラシックのイメージ、それは過去に生まれ、人々の生活スタイルの変容に合わせて変化しながら現代に残る本当にいいもの。軍服として生まれ現代はファッションとして愛されるミリタリージャケットやモッズコートといったピースを、日本人ならではの“より良い状態にしよう”という発想のもと調理を加えてモダンなデザインに生き返らせた。ショーに登場したモッズコードは、ポストカードがボディ、アームなどあらゆるところに散りばめられたようなデザイン。一見ワッペンなどを張り付けているように見えるが、実は一枚織りのジャカード地で、カッティングを加えることで上から張り付けているような立体感を生み出したという。また、クラシックのイメージからスーツも提案。museとのコラボレーションによるセットアップスタイルは細身でシャープな印象だが、鮮やかなイエローを取り入れたりフラップポケットを大きく配置するなどして、遊び心を加えている。ミラノデビューより音楽を担当している堂本剛。今季はサウンドだけでなく、コレクションピースでもコラボレーションした。堂本剛が音楽活動をする「ENDRECHERI」のロゴがサスペンダーやプリントTシャツに配されている。この「ENDRECHERI」は古代魚を意味することから、魚をモチーフにしたトップスも登場させた。なお、今回アツシ ナカシマは、ショー終了後1時間後から最新コレクションを公式オンラインショップにて販売をスタート。クリエーションのみならず、洋服の届け方にも変化をもたらし、新たなチャレンジを進めている。
2018年03月02日ウジョー(Ujoh)の2018-19年秋冬コレクションが、ミラノファッションウィーク最終日の2018年2月26日(月)に発表された。今季もブランドの得意とする斬新なパターン、カッティングの魅力が存分に発揮された。ブリティッシュ・トラディショナルが素材やピース分けの遊びによって品良く崩されていく。前シーズンに引き続きアシンメトリーのディテールが目立つ。片足のみ重ね履きされた着脱可能なテーラリングパンツ、片方のみ襟の広げられたジャケット。変則的なパーツを組み合わせつつも美しいシルエットを保っている。特徴的に用いられたマテリアルはダウンとジャガード。ダウンの弾むようなラインはルックに軽やかな印象を与え、ジャガードは繊細な縫製の仕掛けによりチェックが立体的に見えるよう工夫されている。今回ブランドが初めて取り入れたデニムは、老舗デニムブランドポプソン(BOBSON)とのコラボレーションだ。ゆるやかなシルエットは「着崩し」を楽しんでいた80年代の日本のファッションシーンからインスパイア。ずり落ちているかにも見える太いオーバーレングスのパンツや肩に引っ掛けたように見えるアウターを現代的な空気感のまま取り入れている。
2018年03月02日MSGM(エムエスジーエム)の2018-19年秋冬コレクションが、イタリア・ミラノで2018年2月25日(日)に発表された。テーマは「ALLESANDRO」。イタリアの詩人・作家のアレッサンドロ・マンゾーニがキーワードとして挙げられている。スローガンロゴの多いシーズン。肌触りの良いソフトなファブリックの上には、アレッサンドロ・マンゾーニの作品の中から引用した様々なワードが散りばめられている。並んで登場するのはイタリアへの愛を込めた、Milano!の文字。それらを連続的にプリントとしてシーズンテーマとアレッサンドロの祖国への愛を綴っている。コーディネートはミックス&マッチを共通項に、様々な要素を混在させた。光沢あるパテントレザーで仕上げたジャケットやパンツ、フレアスカートなど主張の強いピースが、プリントTシャツやサイドライン入りフーディ、デニムパンツなどラフなアイテムと交わる。きゅっとウエストシェイプしたドレスにライン入りソックスを組み合わせたり、ハードな印象のパイソンパンツにネオンカラートップスを合わせたり。また、ピンヒールやサイハイブーツなど、挑発的で女性のセンシュアルな一面を打ち出すフットウェアを足元に添えたらスポーティなウェアでカジュアルダウン。反対に、ドレスにスカーフを巻いたフェミニンなコーディネートなどには、ボリューミーなスニーカーなどをマッチさせている。
2018年03月01日ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)の2018-19年秋冬コレクションが、2018年2月25日(日)にイタリア・ミラノで発表された。今シーズンは、モデルではなくバッグが宙を舞ってランウェイに登場する新感覚の演出から幕明け。ライゾマティクスとのコラボレーションにより、赤、黒、白3色のバッグがドローンにつるされキャットウォーク。ターンをしたり上下に動いたり。その姿はモデルがポージングしているようにチャーミングで、近未来のファッションショーを見ているようだった。モデルたちによるランウェイショーもまた、パワフルなピースが揃い明るい未来を感じさせる。特に、10代など若い世代がデイリーワードローブとしているデニムジャケットやTシャツといったピース、またヒップホップやスポーツスタイルといった要素を感じさせるカジュアルウェアが、ドルチェ&ガッバーナらしい煌びやかな装いに姿を変えているのが印象的である。デニムジャケット、モッズコート、スカジャンは、ビジューやファー、刺繍をたっぷりとあしらってデコラティブなアウターにチェンジ。フーディはシースルー素材を、サイドラインパンツはベルベット地を用いることでラグジュアリーな表情に変化させた。様々なパターンを詰め込んだスウェットトップスには“AMORE"というメッセージ忍ばせて、愛に溢れたドルチェ&ガッバーナらしいスタイルに。また、ブラックのレースドレスやシフォンワンピース、イタリアのモチーフを乗せたプリントドレスなど得意とするドレスルックも、コーディネートを変えてモダンにアップデート。カラータイツを合わせたり、ネオンカラーのパンプスを合わせたり…と、ポイントカラーを足元に添えパンチの効いた着こなしを提案している。
2018年03月01日エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)の2018-19年秋冬コレクションが、イタリア・ミラノで2018年2月25日(日)に発表された。テーマは「ポスト ミディアム」。ナイトタイムが一つのインスピレーションとなったという今季は、光沢のあるファブリックや輝きのある装飾を用い、艶っぽい仕上がり。パンツのセットアップには、ラメを織り交ぜたストライプ柄のテキスタイルを、マスキュリンなジャケットにはベルベットを使い、ドレスやミニスカートには、小さいミラーパーツを並べた。シルエットは、細身でシャープな印象。ブラックジャケットの数々は、腰の位置できゅっと絞りボディラインを強調させている。センシュアルなジャケットにはあえて、極短のパンツやスカートなどミニ丈ボトムスとウエスタンブーツを組み合わせて、カジュアルダウンさせた着こなしを提案している。また、随所に散りばめられたブランドロゴも快活なムードを盛り上げる。EAの2文字をニットトップスやスカートの中央に配したり、アルファベットをワッペンにしてジャケットの上に散りばめたり、エンポリオアルマーニのロゴ入りテープをボトムスやスウェットトップスのサイドにあしらったりしている。カラーパレットは夜のムードを盛り上げるブラックを基軸に、グリーンを差し色として取り入れた。漆黒の中に浮かぶグリーンは、夜の街に輝くネオンのように美しく、パキッとした発色が特徴的である。
2018年03月01日ミッソーニ(Missoni)の2018-19年秋冬コレクションが、イタリア・ミラノで2018年2月24日(土)に発表された。たくさんの色柄が溢れたガーメンツ。ボーダー模様、チェック柄、ジグザグラインなどあらゆるパターンがパッチワークされるように掛け合わされている。柄と柄がひしめき合うように組み合わされたニット地は、ボディラインを露わにするロングドレスや、リラクシングなガウン、肉厚なカウチンニットなどに姿を変える。ミックス柄ニットの世界にアクセントとして取り入れられたのは、ラメを混ぜ込んだ煌めきのあるニット地と肌を透かしてみせるほど薄手のニット。網目の荒いクルーネックトップスやワイドパンツ、ロングドレスなどになって登場し、コレクション全体にリズムをもたらしている。また、ソフトなニット地の上にのった細かなディテールも特徴的だ。トグルまた石のようなボタンがアウターを飾り、またパンツのサイドには、レッド、イエロー、ブラックのマルチカラーのボーダーテープが配された。メンズはニットにスムースレザーやスエードのピースを混ぜ込む。革パンツはタフなスパイスとなり、パッチのついたスエードジャケットは暖かみをもたらす存在に。ウィメンズはシアリングのボリュームコートを足している。
2018年02月28日ジル・サンダー(JIL SANDER)の2018-19年秋冬コレクションが、イタリア・ミラノで2018年2月24日(土)に発表された。ルーシー&ルーク・メイヤーの2度目となるランウェイショーは、人類の未来を示す「ヒューマン ヒューチャー」がテーマだ。彼らが示す未来は、ほっこりと安心感に溢れている世界のようだ。ルレックスのニットオールインワンや、アームカバーのついたジャケットなど神秘性をははらんだウェアを揃えフューチャリスティックな部分を魅せつつも、身体を保護してくれる暖かみをもたらすアクセサリーたちが主役となっている。ロングな丈感がポイントのコートやジャケット。その小脇には、ふわふわとソフトな質感の中綿入り枕風のアクセサリーを抱えている。また、クロスボディバッグのように取り付けられた幅広のアクセサリーは、ブランケットのようにボディを包み込んでいる。ファブリックは、コレクション発表に向け約200通り試した中からこだわりのものを厳選。長いものをコンパクトに凝縮する、この作業がルーシー&ルークの心を掴んだようで、たっぷりと取った生地をぐっと圧縮させたニット地をワンピースなどに変換させ、ストレッチ性の高いドレスを提案している。また、シルクを編みこんで麻のような質感に仕上げたストライプ模様のファブリック。さらに糸を色付けしてチェック模様を作り、さらにその上からプリントを施して和風の格子柄をあしらったテキスタイル、アーカイブのキャンペーンビジュアルから着想したジャカードなど、こだわりの素材が縦長なフォルムの中に落とし込まれている。
2018年02月28日ヴェルサーチ(VERSACE)の2018-19年秋冬コレクションが、イタリア・ミラノで2018年2月23日(金)に発表された。今季のテーマは、スコットランドで一族などを意味する「THE CLANS」。ブリティッシュカルチャーを象徴するチェック模様が溢れた。赤や青、黄色など力強いカラーで彩られたパターン。その上に、パイプを吹く男性やユニコーンなどの紋章風モチーフをのせたものもある。ドレスやトップス、プリーツスカートなどバリエーション豊富に揃えたワードローブは、柄と柄の重なりを楽しむように組み合わせてコーディネートする。上からビスチェを重ねたり、タックインしてベルトでウエストマークしたり、様々な着こなしのテクニックを起用させて、ボディラインを強調し、ヴェルサーチウーマンらしいセクシーさを演出した。アウターは、タフなレザージャケットやウールコートなど様々だが、共通して大ぶりなチョーカー、ブレスレット、ピアス、ブローチなどのアクセサリーを重ねづけしている。スタイルも着こなしも一人一人異なるが、アクセサリーの取り入れ方が共通しているため、モデルたちは群をなしたヴェルサーチ一族のように見えてくる。後半には、ジャンニ・ヴェルサーチが愛していた頭を包み込むスカーフ使いからインスピレーションを得たという、スカーフ一体型のドレスやトップスが登場。また、ジャンニへオマージュを捧げた昨シーズン同様に、総柄タイツと同柄シューズを合わせたコーディネートも提案されている。
2018年02月28日