ドレスドアンドレスド(DRESSEDUNDRESSED)の2018年秋冬コレクションが、「Amazon Fashion Week TOKYO 2018 A/W」2日目の2018年3月20日(火)、東京・渋谷ヒカリエにて発表された。今季のテーマは「I’m sexy」。"Hiding(隠す)"、"Showing(見せる)"、"Alone(孤独)"という3つのキーワードを念頭に置き、大人のロマンスの香るコレクションを展開する。木槌で壁をたたくような合図と共に、ショーは開幕した。ランウェイの始まりを飾ったのは、白ブラウス1枚のみをさらり羽織ったセクシーなルックの女性モデル。続いて登場した男性モデルは、シャツとパンツのフォーマルスタイルでありながら、正面のブリーフラインからシャツをだらしなく出している。デザイナー・北澤武志曰く、このファーストルックは、"男女の密会"をイメージしたもの。一見シンプルに見える女性のシャツは、ブラのワイヤー部分の型を施した、センシュアルなデザインで、隠しているように見せて、ついつい見せたいと思ってしまう、人間の心理を描写している。レオタードのようなスーツや、アンダーバストでカットしたシャツなど、身体のシルエットを強調したアイテム目立つ。また、「I’m sexy」というロゴプリントを配した、遊び心に富んだTシャツやジャケットも展開された。コレクションの世界感をさらに盛り上げるのが、ウェアを飾るディテールだ。ワンピースのサイドの途中までしか留めきれていないジップや、ブリーフラインに切り込みをいれたボトムスのカット部分などによって、モデルたちの肌やウェアはその一部だけ露わとなっている。見えているけれども、全て見せきってはいない、キーワードの要素を体現した。ひと際目を引いたのが、オーガンジー素材のジャケットを彩った、鮮やかなオレンジカラー。ブランド初の採用となるオレンジは、イマージェンシーカラーであると同時に、エナジーカラーとしても知られている、2面性のあるカラーリングだ。ここでは、孤独故に生じる心の叫び、かたやパワフルなエネルギーなど、纏う者によって意味合いの異なるルックを表現した。ラストを飾ったモデルは、ファブリックが剥がれたことで、イラストが露わとなったバックパネルジャケットを羽織っている。わざと異なるテキスタイルを使用することで、昔のブラウン管のテレビを消した時のような様を表現している。
2018年03月23日ユキヒーロープロレス(YUKIHERO PRO-WRESTLING)の2018-19年秋冬コレクションが2018年3月20日(火)、東京・渋谷ヒカリエにて発表された。"高校生の時の夢を叶える"前シーズンの2018年春夏コレクションでは、デザイナー・手嶋ユキヒロの小中学生時代からの夢だったというミュータント タートルズとのコラボレーションを達成。今シーズンは「高校の卒業アルバムに書いた夢を叶える」と公言してのコレクション発表となった。プロレスマスクのモチーフランウェイで目を惹いたのは、マスクのモチーフ。ユキヒーロープロレスのアイコンでもあるプロレスマスクは、ジャケットの胸もとにワッペンとして取り入れられたり、アームにキルティングのように施されたり。スタイリングのアクセントとして、モデルに耳のついたマスクをかぶせるという演出も見られた。パターンはカモフラージュ柄が主流パターンは鮮やかなオレンジを取り入れたカモフラージュ柄が主流。ジャケットやパンツのメインテキスタイルとしてはもちろんのこと、ショルダー、ポケット、裾のワンポイントとしても存在感を放っていた。和田アキ子とのコラボレーションショーの後半には、目玉の一つでもある歌手・和田アキ子とのコラボレーションアイテムが登場。名曲「あの鐘を鳴らすのはあなた」とゴングを掛け合わせたモチーフを配したコーチジャケットを、パーカーやダッフルコートとレイヤードするスタイルを提案した。"モノづくりで世界チャンピオンに"しかし果たして、手嶋ユキヒロが高校生の時に抱いていた夢とは何だったのか。スポットライトは落とされ、ショーミュージックが鳴り止み、誰もが疑問を拭えぬまま会場を後にしようとしたその瞬間。マスクをかぶった手嶋が会場に現れ、「高校生の自分が叶えたかったこと、それは"世界チャンピオン"になること。プロレスラーにはなれなかったから、モノづくりでそれを達成する」とマイクパフォーマンスで宣言。手嶋の合図で幕が開くと、ギネス記録を更新するという巨大なプロレスマスクが出現し、会場を大いに沸かせての幕引きとなった。
2018年03月23日ザ ダラス(THE Dallas)の2018年秋冬コレクションが、「Amazon Fashion Week TOKYO 2018 A/W」1日目の2018年3月19日(月)、東京・渋谷ヒカリエにて発表された。テーマは自分を見つめ直す「ミラー」初めてとなるショー形式でのコレクション発表。ブランドの立ち上げから2年を経て、自分自身を見つめ直したいという気持ちから、コレクションには“ミラー”というテーマが掲げられた。ショーは3部構成自分自自身を見つめる第1部3部形式で行われたショーの1幕目は、リラックスしたムードに包まれている。カラーは、ベージュやオリーブ、ブラウンといったナチュラルなアースカラーが中心だ。また、ケーブル編みのニットベストや、ボリュームのあるニットドレス、フィットシルエットのニットパンツなど、ニットのアイテムが多く登場してリラックスした雰囲気を作り出した。ニットの凸凹したマチエールは立体感に富んでいるが、ニット以外の布帛製品も、奥行き感を見せる加工がされている。表面に毛羽立ち加工を施したものや、フリンジ装飾をあしらったもの、カーリーヘアのウールを用いたものなどがその例だ。そのような素材感はどこか民族的で原始的な印象を与え、デザイナーが1部に設けた、自分の原点を見つめるリラックスした気分を表現した。自分の暗い部分を表した第2部第2部では、自分自身の中に潜む暗い部分を表現。黒と白に統一されたワードローブが、色のない暗い感情を暗示している。スタイリングも、ワンピース1着のみだったり、ベーシックなスーツスタイルだったりと、シンプルにまとめられている。そういったスタイリングの中で際立ったのが、ブランドの原点でもあるアクセサリーの数々。とりわけ、これまでに1万個を販売してきたというイヤリングは、コレクションに登場した35体全てに異なるものが身につけられた。ハッピーな気持ちが戻る第3部暗い2部を乗り越えた第3部では、明るく楽しいムードが戻ってくる。テーマカラーを女性のハッピーな感情を表す“赤”とし、前向きな“白”とともにランウェイを彩った。マチエールは、光沢感のあるシルキーなサテンに変わり、明るく光を反射して幸せな気持ちを伝えてくる。原点に立ち戻る強さを持った女性に似合うワードローブが披露され、ハッピーな雰囲気に包まれてショーは幕を閉じた。
2018年03月22日マメ(Mame Kurgouchi)は2018年秋冬コレクションのランウェイショーを、2018年3月19日(月)、東京・AMAZON FASHION STUDIOにて披露した。パリとは異なるスタイリングで今シーズン、プレゼンテーション形式でパリ・ファッションウィークに初参加したマメ。東京コレクションでは、パリとは異なるスタイリングを身に纏ったモデルたちが、インダストリアルなムードに包まれる会場を鮮やかに彩った。"編む"ことの多様性目を惹いたのは、ニット素材のドレスやコート。1つのドレスの中で複数の編み方を掛け合わせることで、リズミカルなパターンを浮かび上がらせたり、ブロケードのコートには多様な模様を組み込み、裾をタッセルのように編み上げたり。インスピレーションの源としたフランス人インテリアデザイナー、シャルロット・ペリアンのカタログ「選択・伝統・創造」の中で紹介された日本の伝統民具に共通する、"編む"という表現を多様なアプローチで試みている。日常に潜む色彩を再構築カラーパレットは、ゴミ袋の色から取り入れたグリーン、事務所の前の落ち葉に着想を得たブラウンなど。普段は見過ごしてしまうような色たちがアイテムの中で再構築され、新鮮なカラーリングを生み出している。揺れるたびにメタリックな煌めきを放つドレスでは、グリーンのフラワープリントとブラウンのストライプをミックス。エレガントなシルエットのワンピースに散りばめられたフラワーモチーフも、事務所の前に咲いた花をスケッチしたものだという。「現代社会の女性のための戦闘服」というブランドのコンセプトにもう一度向き合うことで気づいた、日常に潜む色彩。それらがまるで、何気ない毎日から始まる新しい世界の広がりを教えてくれるかのようだった。
2018年03月22日フライノック(FREIKNOCK)の2018年秋冬コレクションが、2018年3月19日(月)に渋谷ヒカリエにて発表された。今季の東京コレクションのトップバッターとして、幕開けを飾った。今回日本で初めてのランウェイショーを開催したフライノックは、デザイナーのユジュと、ジェネラルマネージャーを務める超新星のゴニルが手掛けるブランド。ゴニルはモデルとしてもランウェイに登場している。今季のコレクションは、ミチェイル・チェルビという作家の手掛けた、イスラエルの写真集からインスパイア。写真集の題材となったのは、ロシアとウクライナの犯罪者たちで、彼らの服装や背景をイメージしたウェアが展開される。カラーパレットには、イエローやオレンジといったイマージェンシーカラーのほか、カーキーや明るいグリーンが採用された。シルエットは、身体のラインを大き目に囲うオーバーシルエットが主流。ダッフルコートからチェスターコート、キルティングコートまで、踝に届きそうなほど長めの丈感で、ドロップショルダー仕様に。トップスに合わせるボトムスも、ゆったりと分量感をとったカーゴパンツが作られ、ラフなムードを描き出す。ウィメンズのルックでは、前後で表情の異なる、特徴的なデザインのスカートが目を引いた。一見、くすんだベージュカラーのロング丈アシンメトリーのスカートは、サイドで生地を切り替え、鮮やかなグリーンを後ろ見頃に採用。フロントから見える、まばらなデザインの印象とは打って変わり、バックでは、真っ直ぐにカットしたファブリックを配したことで、きっちりと整ったルックに。また、素足のちらりと見える、膝丈仕様となっている。散見されたのは、ウェアを飾った細やかなディテールだ。アウターの袖や、裾部分には、ボタンやジップを配して、アクセントをプラス。ブラックのロングコートには、サイドを大きくカットしたスリット箇所に、等間隔でシルバーのボタンを縫い付けたことで、歩く度にきらりと輝く存在感が放たれる。また、スウェットのフロント部分には、ロゴの入ったアップリケや、いくつもの柄を組みあわせた、パッチワークをポイントととして施している。
2018年03月22日ファイブノット(5-knot.....)の2018年秋冬コレクションが、「Amazon Fashion Week TOKYO 2018 A/W」1日目の2018年3月19日(月)、東京・品川にて発表された。ポルトガルの古都から着想今季は、ポルトガルの古都オビドスから着想を得たという。城壁に囲まれたその街は、オレンジ色の屋根の連なりや色彩豊かなタイル、石畳などによって、風情ある空気感にあふれている。コレクションの大きな特徴は、それらのモチーフを元に生まれたテキスタイルやプリントに表れた。タイルや石畳のモチーフをプリントやテキスタイルに落とし込む例えば、プリントには、"アズレージョ"というポルトガルのタイルに描かれるアニマルモチーフや、石畳からイメージしたタイル模様、また、ブドウの葉っぱをモチーフにした植物などが、ペイズリー柄やモザイク柄にアレンジされて登場。さらに、プリントだけでなく、立体的なパイルジャカード素材や、総刺繍のチュールなどでも柄が表現され、テキスタイル自体が街の城壁や石畳の凸凹感を彷彿とさせるようだった。ディテールにはモダンな要素を光らせるプリントやテキスタイルはヨーロッパの古都に着想を得たヴィンテージムードに包まれているが、ディテールにはモダンな要素も光る。ビスチェやジャケットに用いられたエナメルやPVCコーティング、装飾的に用いられたファーなどがその例だ。また、スタイリングや柄の中に見られる、紫×青、赤×緑といった補色同士の色合わせも、大胆でエネルギッシュな印象をもたらす。ブランドらしいミックス感あるスタイリングスタイリングでは、シルキーなワイドパンツやスリッパタイプのシューズといったリゾート風のアイテムに、あえてカジュアルなフーディやミリタリーディテールのジャケットを組み合わせる手法が披露され、ブランドらしいミックス感のあるコーディネートが提案されていた。
2018年03月22日ハハ(ha ha)の2018年秋冬コレクションが、東京ファッションウィーク1日目の2018年3月19日(月)渋谷・ヒカリエにて開催された。今シーズンのテーマは「ワンダーフォーゲルクラブ」。ワンダーフォーゲルクラブとは"野外活動部"の意で、アウトドアをもっと自由に楽しんでほしいとの願いが込められている。ランウェイでは、オールインワンにアウトドアファッションの過去・現在・未来を落とし込んだ自由で新しいスタイルが登場した。また、全アウターはファスナーにより前後を完全分離できるタイプとなっている。クッション性や、収納力、可動域など着る人にとって必要な要素を前後で組み合わせることが可能なのだ。アウトドアの歴史を辿り、そのなかでも特徴的な3つの時代の要素が組み込まれた。まず初めは、1900年初頭に普及した天然繊維を使用したウェア。麻素材のトップスやウールニットに、ゆとりあるシルエットのボトムスを合わせることによってクラシカルな秋の装いを感じさせる。2つ目は、1960~70年代のハイテクウェアの要素をカラーリング、素材に取り入れたウェア。目を引く鮮やかな色の組み合わせや、ポケット収納スペースなどレトロな"機能性"を詰め込みながらもストリートファッションのような雰囲気を持ち、3つの時代の中で最も現代的なスタイルとなった。最後は、未来や宇宙に対しての期待感が高かった1990年代。その時代に生まれた近未来的なファッションアイテムから着想を得たウェアが登場した。大きく丸いフォルムと背後にバックパックを搭載した宇宙着のようなものから、ハイテクスニーカーを連想させるような曲線的なラインや靴ひものようなクロスをあしらったものまで、懐かしくも新しい"テクノ"っぽさを表現。ショーのフィナーレには、3つの時代のウェアが一斉にランウェイを歩いた。各時代の特徴を組み込みながらもカスタマイズできるオールインワンは、アウトドアウェアの過去・現在・未来を融合することに成功し、ウェアの歴史における新たな"未来"となった。
2018年03月22日ティート トウキョウ(tiit tokyo)は、2018年3月19日(月)に、2018-19年秋冬コレクションを東京・渋谷ヒカリエにて発表。ランウェイには松井愛莉が登場し、コレクションの世界を華やかに表現した。今シーズンのテーマは「SOMEWHERE」。インターネットやAIなどテクノロジーに囲まれた社会で未来に向かっていく中で、“リアル”の世界の中の穏やかな理想郷を探しに、自分の足を使って旅に出ていく様子を描き出す。インスピレーションとなったのは現実に存在する自然、空気、音、光の美しさ。前シーズンより考えてきた、ティート トウキョウの未来観を提示する。ブルーやイエローなど鮮やかなカラーリングのファンシーツイードは、広い自然界の中にひっそりと存在する鮮やかな色を抽出して表現。織られた糸の、何種類もの色が混ざり合い、名前の付けられないような、複雑な色彩を放つ。1つ1つの色そのものはヴィヴィッドであっても、その複雑な混合とツイードの織りの柔らかさが、優しい光へと導いていく。様々な編み方のニットも散見された。緩急のあるニッティングによって裾にかけて波打つフレアを描くトップスや、フリンジをあしらったニットセーター、ふわふわとした毛並みのニットをレイヤードしたスタイルなど、その1点1点に細やかな技巧が感じられる。日本各地の職人によるハンドニットならではの手触りにより、温かいオーラが表出する。フェイクハラコで仕立てたレオパード柄のコートや、リアルファーの写真をプリントしたフェイクファーのトップスなど、リアルの表現の中に“虚”が混ざっていく。進化していくテクノロジーを使うことで、逆説的にリアルに近づけていく。重力や動きに逆らわず、流れるようなシルエットが印象的。ロングスカートやワンピースは歩くたびに揺れ動き、優雅なドレープを描いていく。モッズコートやナイロンパーカーのような活動的でカジュアルなウェアも、あるがままのラインを描きながら、身体を包み込んでいく。パーカーはバックにボリュームを取って仕上げているため、空気を含んで空中に舞い、見る者に余韻を残す。格子柄のポリエステルコットンは、グリーンベース、ブルーベースどちらも色調はソフトだが、どことなくデジタル画面の粒子のようにも見え、独特の浮遊感を表す。3つ用意された大きなバッグは、何を持ち帰るかまだ決められていない。明るいグリーンやブルーの生地が光に照らし出される様子は、その“何か”を探しに、外へ出ていく希望や期待を表現しているかのようだ。
2018年03月22日ミツル オカザキ(MITSURU OKAZAKI )の2018年秋冬コレクションが、2018年3月19日(月)に東京・ポリゴン表参道で発表された。デビューシーズンのテーマは"パンク"ミツル オカザキは2018年に創設された新ブランドだ。デザイナーの岡﨑満が記念すべきデビューシーズンのテーマに選んだのは"パンク"。攻撃的かつ挑発的なモチーフが、あらゆるところに散りばめられている。安全ピンで描かれたロゴや柄特徴的なのは、パンク・ファッションを象徴する安全ピンによる装飾だ。シャツのフロント、コートのバックスタイルに大胆にあしらわれた"NO"や"PUNK"のメッセージを構成したり、スウェットにジグザグのパターンを施すのに用いられている。生地を留め合わせて服を構築ハトメやチェーン状の金具モチーフは、生地同士を留め合わせるにも一役買っている。スクエア状のパーツを組み合わせたり、フリンジをつなぎ合わせたりすることによって構築されたドレスが、コレクション全体にリズムを生んでいる。また、テープ状のテキスタイルを編み込むといったアプローチも見られた。ブラック×ネオンピンクの足元カラーはブラックが主流。安全ピン、ハトメ、ジッパーといった金具がメタリックなアクセントを加える。足元には一貫して、ネオンピンクの塗料で荒々しくペイントされたシューズやソックスを合わせることで、独自のスタイルを生み出していた。
2018年03月22日アキラナカ(AKIRA NAKA)の2018年秋冬コレクションが発表された。たくさんのデザインが溢れる世の中で、愛されるのはどんな服か。今シーズン、その答えの一つとしてナカアキラが見出したのが"リアリティ"のある服だ。シルエットはエレガントでシャープ、素材は上質でラグジュアリーでありつつも、デイリーユースできる"リアリティ"を追求した。エレガントなシルエットのアイテムには、落ち着いた質感や辛口のディテールを取り入れることで、"リアル"に着られる服へと昇華した。マチュアな魅力を持つ贅沢なシルクのドレスコートには、マスキュリンな印象をもたらすスタンドカラーやフロントベルトを取り入れ、ラグジュアリーなムードを中和。その姿は毎日を生きる力強い女性像を彷彿とさせる。クラシカルなチェックパターンで彩られた、ロマンティックなシャツワンピースには、襟や袖、ベルトのリボンにスタッズを飾った。一方、ハードな素材にはフェミニンなアレンジを加えて、大人の女性が日常的に使えるアイテムへと進化させている。上質な本レザーを用いたライダースジャケットは、長めの丈にハイウエストのベルトマークを施すことで、気品あふれる佇まいに。今シーズン初めて挑戦したデニムにも、同様のアプローチが用いられている。タフでカジュアルなイメージのあるデニム素材は、繊細な表情を与える染色方法にこだわり、センタープレスのようなスティッチでエレガンスを表現した。
2018年03月21日アカネウツノミヤ(AKANE UTSUNOMIYA)が2018-19年秋冬コレクションを発表。
2018年03月18日ヴァレクストラ(Valextra)がイタリア・ミラノで発表した2018年秋冬コレクションを紹介する。アクセサリーで遊ぶ新しいバッグの形ヴァレクストラの最新コレクションは遊び心が満点。アイコン「イジィデ(ISIDE)」にはじまり 、 新作「パスパトート(PASSEPARTOUT)」、伝統的な「ブレラ(BRERA)」「トリエンナーレ(TRIENNALE)」、「ツイスト(TWIST)」など人気のハンドバッグはポップな形にアップデート。レザーストラップやメタルチェーンといったストラップは、編んだロープに替えることができ、「イジィデ」はハンドル部分を好みのウール素材にチェンジ可能に。また“バッグのダウンジャケット”と称される、ボディを包み込むふわふわの装飾も仲間入り。3サイズのラインナップで、メンズ・ウィメンズどの型のバッグ、リュックもカスタマイズすることができる。色で遊ぶハンドバッグアクセサリーと並んで、活気のあるカラーパレットも今季の特徴。ディープグリーンやブルー、チェリー、ディープレッドといった色彩がポケット部分やハンドルから顔を出す。ファブリックはカーフレザー・パリージに着目。セミマットな質感のスムースレザーは、個性的な色彩を豊かに発色させる。隈研吾がデザインしたブティックが“夢の森”に2018-19年秋冬コレクションは、ミラノ市内のヴァレクストラブティックでプレゼンテーション形式で実施。日本の建築家・隈研吾が手掛ける、鏡面と杉の木のプレートを交差するように並べた特別な空間で発表された。イメージしたのは森を意味する「The Forest」。店内はいくかの部屋で仕切られ、それぞれに森の風景を基にした異なるカラーストーリーで展開。スタッフは動物をモチーフにしたシルクTシャツを着用し、森の中からクマや鳥などのアニマルたちのように登場。おとぎ話のようなロマンティックな森で新作ハンドバッグが披露された。【問い合わせ先】ヴァレクストラ・ジャパンTEL:03-3401-8017
2018年03月17日フィロソフィ ディ ロレンツォ セラフィニ(PHILOSOPHY di Lorenzo Serafini)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、イタリア・ミラノで発表された。今シーズンは、ブランドの得意とするロマンティックなテイストが存分に発揮された。細部まで手の込んだ夢のような可愛らしさのクリエーションからは、どことなくノーブルな余裕が感じられる。ブラウンとキャメルがカラーパレットの中心となった序盤は、パンツルックが目立ち活動的な印象を受ける。首元にあしらわれた薔薇のコサージュやリボン、フリルといった甘ったるいディテールを、レザーやデニムといったマテリアルが引き締める。中盤は少し肩の力の抜けた、リラクシングな雰囲気に変化する。ゆったりとしたフレアなミニドレスからは伸びやかに足が投げ出され、素足にはウォーカブルなフラットブーツが組み合わされている。終盤に近づくにつれ、甘さは力を増して行く。チュールのマテリアルが華を添え、カラーパレットはピンクが主権を握る。過剰なマルムークスリーブにバルーンスカート、リュクスなベロア。デカダンスさえ感じられる甘く贅沢なドレスとともにショーは幕を閉じた。
2018年03月17日ジミー チュウ(JIMMY CHOO)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、イタリア・ミラノで発表された。日本での展開は2018年6月下旬を予定している。“アール・ヌーヴォー&アール・デコ”から着想今季のジミー チュウは「気品を漂わせて(INTRIGUING GRACE)」がキーワード。アール・ヌーヴォー、アール・デコなどの芸術様式から着想し、オーストリアの画家グスタフ・クリムトの作品もインスピレーションソースとなった。出来上がったのは、アーティスティックで装飾性の高いシューズ&バッグ。マイクロクリスタルといったデコレーションパーツと、ベルベット、ブロケード、シルクといった光沢のあるファブリックが使用され、ゴールドやブラックといった高貴なカラーで彩られている。「パール」で彩られた新シューズ&バッグポイントとなるのは、大小さまざまなサイズのパール。マイクロヒールのミュール「サマンサ(SAMANTHA)」は、全面をパールで覆い大きなサイズのパールを中央に配置した。ブーティ「ラリッサ(LARISSA)」には、マイクロクリスタルを散りばめたアッパーに、パールを飾ったサーキュラーバックルをブローチのようにセット。人気のバッグ「ロケット プティ(LOCKETT PETITE)」には、大きさの異なるパールを丁寧に並べている。シルクフリンジ&ドット柄チュールで華やかにまた、デイタイムにもナイトタイムにも相応しいフットウェアとして、フリンジやチュールを使ったアプローチも同時に提案。ロングブーツ「マガリー(MAGALIE)」には、膝からかかとまで広範囲にわたって繊細なシルクのフリンジを飾った。歩くたびにフリンジが優雅に揺れ動く。パンプス「リアネ(LEANNE)」には、ポルカドット柄のベールを足首で結ぶ遊び心溢れるデザイン。カラーは、ブラックとマゼンダのスエード、ホワイトのナッパレザーで発表された。【アイテム詳細】ジミー チュウ 2018-19年秋冬ウィメンズコレクション発売時期:2018年6月下旬(予定)【問い合わせ先】ジミー チュウTEL:03-5413-1200
2018年03月16日ポール & ジョー(PAUL & JOE)は、パリ・ファッション・ウィーク最終日となる2018年3月6日(火)に、2018-19年秋冬ウィメンズコレクションを発表した。キーワードとなったのは、デザイナーのソフィーの幼少期の想い出と、ブランドが得意とする70’s要素の掛け合わせだ。今季の気分はちょっぴりギーク。黒ぶちメガネをかけた内向的な雰囲気の女の子が着こなすのは、母のクローゼットから借りてきたかのような懐かしみのある洋服。統一感のない色合いに半端なズボン丈が可愛らしくみえる。子ども部屋を覗いているかのようなプレイフルなモチーフが多く用いられた。キッズ向け壁紙に落書きされてしたようなプリントのコートに子どもが書いた絵のように編まれたニット。絵の具が飛んでしまったのを表現したのか、ニットやマフラーからカラフルな糸が飛び出している。印象的に差し込まれた肉厚のニットには、小さい頃のソフィーの姿とペットのジプシーという名の猫をモチーフにしたものである。民族的なディテールが加えられたアイテムも目立つ。ジャケットの前身頃を横断するように縫い付けられたフリンジやウエスタンな印象のメタルビーズで描かれた模様、ボヘミアンな肩口のビジューの装飾。フレアな裾のパンツや、往年のロックスターのような全身をスパンコールで覆ったルックといったわかりやすいアイコンに加え、ロングからショートに至るまでのブーツやタッセルローファーなど、多く見られた厚底の靴がより70年代の空気感を高めている。
2018年03月11日ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、発表された。フリーハンド、自由な精神、アートフルなどがキーワードとして挙がった今季は、固定概念から逸脱したような開放的な姿勢が印象的だ。ブランドが得意とする美しいジャカード。サテン、ポンジーなどクラシックなファブリックがテクニカルな糸によって再構築される。肌触りのよいカシミヤの中にはナイロン糸を、ラムウールの中にはキラキラと輝くルレックスを。現代技術を駆使した糸が交わることによって、テキスタイルそのものから新しい可能性を見出している。フォーマルな印象のテーラードやトレンチコート、知的な女性を映し出すロングドレス。これらはシルエットとデコレーションによって遊びを加えた。肩の位置から大きくドロップさせてアームを太くとったり、アームそのものにギャザーを入れて膨らませたり。毛足の長いフェザーをランダムに、そしてアシンメトリーに配して動きをつけたりしている。新鮮に映るのは、テーラードの中にメンズのスポーツウェアの要素が溶け込んでいること。パーカ、ウィンドブレーカー、スキューバウェアの一部などが仕立て服の中に溶け込み、優雅に交わっていく。コレクション全体にリズムをもたらしたプリントシリーズ。描かれた様々なモチーフは、すべてドリスのアトリエで手書きされたものだ。ペンやインク、ボールペンなどでなぐり書きのように描かれたペインティングは、アクセントになると同時に、ハンドクラフトのような温もりももたらしている。
2018年03月11日アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで発表された。今季の起点となったのは、女性らしさをどのように変化させるか。大きく分けて3つの観点から女性性に向き合っていく。一つ目のアプローチは、メンズライクな中にフェミニンなディテールを加えること。ブランドのアイコンであるドロップドショルダーのテーラードは、様々なシルエットの変化を繰り返しフェミニンなピースへと昇華する。バックスタイルにブラックのレザーを重ね合わせてティアードドレスが重なっているように見えるジャケット。ブラック地とカラープリントのシフォンをミックスさせて、ワンピースのように仕立てたトロンプルイユジャケットも存在する。2つ目のチャレンジとして起用されたのは、レザーという一つのマテリアルから女性らしい側面を引き出すことだ。ハードなブラックのレザーライダースに、ソフトな質感のホワイトレザーで仕上げたテーラードをドッキングさせたり、裏地にスエードを使ったバーガンディのドレスを融合させたりして、パワフルなレザーからセンシュアルな魅力を引き出している。そして、最後の視点となるのは自然界からのフェミニティへのアプローチ。羽を大きく広げた蝶のモチーフをプリントで描いたロングドレスは、タイトフィットでセクシー。ブラックのテーラードに、赤いファブリックをリボンのように重ねて蝶の羽の形を表現したものもある。ラストにかけては、アレキサンダー・マックイーンならではのクチュールテクニックで自然界とエレガンスを融合。オーガンザに1480個の昆虫モチーフのエンブロイダリーを並べたドレス、グラデーションカラーの糸で刺繍してその先端をフリンジのように伸ばした鳥をイメージしたドレス。どちらも生命力を持った生物を対象としながらも、出来上がったピースはうっとりとするほど美しい仕上がりになっている。
2018年03月10日ビューティフルピープル(beautiful people)2018年秋冬コレクションがフランス・パリにて2018年3月6日(火)に発表された。ブランドが向き合ったのは、相反する要素としての「男女」。ジェンダーを隔てるものとは何だろうか?make/female(男女)で共通しているのmaleを抜き取ったときに現れる「/fe」。交わらない二つのものを結ぶことができる対角線と、顕現する女性性。今シーズンのクリエーションでは、この「/fe」をテーマに男性性をフェミニンに表現する。マスキュリンな印象を持つ装いがバイアスカットを用いることによって女性的なラインを獲得する。フロックコート、テーラードジャケット、レザージャケットの直線は、裁断の遊びによってグラスのような柔らかなシルエットに代替された。服のパーツが装飾の一部として使われていたことにも注目。装飾として2重に重ねられたトレンチコートの襟や、大きく強調されたフードやカラー。肩の印象を強めることでウエストの細さを際立たせ、曲線的なシェープラインを表現することにも一役かっている。全体的にレングスは長め。大きな布を巻いて止めただけのように見えるボトムスや、深くスリットが入ったスカートも、インナーにロングレングスのものを取り入れることで露出が抑えられ、より上品な印象に仕上げられている。小物使いにも注目したい。三角形のころんとしたシェイプのバッグは、持ち手を長めにしたことで歩くたびに揺れ動き、ルック全体に動きを加えている。マフラーはコートやシャツの襟に巻き込ませることでまるで服の飾りの一部であるかのように演出されている。
2018年03月10日イーチ × アザー(EACH X OTHER)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、2018年3月2日(金)フランス・パリで発表された。パンチの効いたピースが多く揃ったシーズン。グリーンのメタリックレザーを使ったパンツや、ヒップラインギリギリでカットオフしたレザーのミニドレス、ビニルのフーディコート、総スパンコールのトレンチコートなど、自由なクリエイティビティから生まれたウェアが揃っている。ロゴのアクセントもキーワードに。ヴィンテージショップに売っていそうな、プルオーバーのスポーティーなトップス、ボリューミーなフォージャケットのアーム周りやボディには、ブランドのロゴが堂々と鎮座している。スタイリングはとにかくプレイフルで、仕上がりは芸術作品のような希少さを持つ。カラーニットの片腕だけ通して、もう片方のアームをぐるぐると首に巻き付けたり。ハードなライダースジャケットをまるでトップスのようにタックインして着たり。スウェットトップスをマフラーのように取り入れてみたり。足元にはカラフルなウエスタンブーツを合わせて。後ろを振り返るとヒールは細いピンヒールになっていて、単体でみても力強いフットウェアを、アグレッシブなコーディネートの仕上げとして添えている。
2018年03月09日サカイ(sacai)の2018-19年秋冬コレクションが、フランス・パリで2018年3月5日(月)に発表された。サカイの作るハイブリットスタイル、今季はマスキュリンなムードを持つ力強いピースの融合によって構築されているように映る。リズミカルな音楽とともに現れたモデルたちが纏うのは、ダウン、MA-1、カウチンニット、レジメンタルストライプのジャケット、テーラードなど見覚えのあるピースたちがドッキングされた新発想のアウターだ。その結合方法は自由奔放。ダウンで作ったボリュミーなアーム、キルティングとウール地を重ね合わせ2重にした前身頃。バックスタイルをのぞけば、ギャザーでウエストを絞っているものもあれば、シフォン素材でふわりと仕上げたものものもある。似通ってみえるのに1つとして同じものはない。パンチの効いたストライプ模様、イーグルのモチーフ、マスキュリンなチェック柄。テキスタイルにのったのは、そういったパワフルなエレメントである。発色のよいカラーストリング、金ボタン、ハトメ付きのリボンといった随所に散りばめられた装飾も、力強さを印象付ける。足元を見てみると装い同様に、ポップな遊び心が満載。サイドゴアブーツ、ピンヒールのブーティ、ストラップサンダルなどには、レオパード、ゼブラ柄などアニマルパターンが描かれていて、左右ちぐはぐの柄のシューズをコーディネートしている。
2018年03月09日ヴァレンティノ(VALENTINO)の2018-19年秋冬コレクションが、フランス・パリで2018年3月4日(日)に発表された。今季追い求めたものは女性のロマンティシズム。可愛らしく同時に強いこの気持ちを驚くほど大きくそして随所に散りばめられた花々が詩的に表現する。アネモネ、ポピー、パンジー。数種類揃えられた花々は、ヴァレンティノの繊細なテクニックによって洋服の上で命を宿す。印象的に取り入れられた大きなフードのケープ。ストンと落ちるシルエットの上には、職人の手仕事を感じさせるインターシャによって、ベルベット、ウール、サテンなど異素材が共存し、生き生きとした花々の形が描かれている。イブニングとして提案されたロングドレスの上では、スパンコールなどを細かく配したエンブロイダリーによって花々が色付き、ドレスの裾や袖口などには花びら(ペダル)のような丸みのあるカーブディテールが取り入れられている。カラーパレットは、先に発表されたオートクチュールコレクションと連動し、ルネッサンス時代からインスピレーションを得たもの。弾けるような赤、トーン違いのグリーン、優しいピンクといった個性的な色彩が、ヴァレンティノが得意とするドレープをより華やかなものへと昇華させる。今季はファーコートは1点のみ。明るいカラーパレットの力もあるが、レースなどを用いたドレスが多く並び軽やかな印象が強い。ボトムスにロングパンツを合わせた着こなしも新鮮だ。なお、ショーミュージックにはビョーク(Björk)が採用されていた。このランウェイショーのために製作された明るい光の差し込む会場と、彼女のサウンドも心地よくマッチしていた。
2018年03月09日アー・ペー・セー(A.P.C.)がランウェイショー形式で2018年秋冬コレクションを発表。30周年を記念して行われた2017-18年秋冬ウィメンズコレクション以来のランウェイショーとなる今季は、メンズ・ウィメンズを同時に展開。ブランド創立から30年が過ぎ、デザイナーのジャン・トゥイトゥは“自分たちが変わっていくべきタイミングではないのだろうか”と、これまでの道のりを振り返るとともにブランドの方向性を語ったという。それを起点にし企画されたランウェイショーは、パリ左岸に位置するアー・ペー・セー本社で実施。オフィス中央に設けられた吹き抜けの開放感を活かし、明るくアットーホームなショーが行われた。キーワードはエレガント。ベーシックウェアを得意とするアー・ペー・セーが提案する、女性のエレガンスはいやらしさのないクリーンな仕上がりである。ショーにはパンツルックは1つとして出ていない。フレッシュな印象のミニスカートと優雅なロングスカートの2択だ。ミニ丈のボトムスには、ピエール・マリーとともに仕上げたというジャカードニットを組み合わせた。左胸から右胸にジグザグとラインを走らせ作り出した幾何学模様がベストを彩る。足元はポインテッドトゥのローファー、インナーにはブラウスをコーディネートして、知的で上品な印象を作り出している。流れるようなロングシルエットのドレスには、小さなモチーフを隙間なく配してオリジナルのフラワーパターンやペイズリー柄をのせた。また、同じくロング丈のトレンチコートは、サイドにスリットを配してドレス同様に風にたなびく美しい動きをもたらしている。バッグはブランドのロゴ入り。クラシックなチェック柄に「A.P.C.」のホワイトロゴがよく似合う。
2018年03月09日アニエスベー(agnès b.)の2018年秋冬コレクションが、フランス・パリにて2018年3月5日(月)に発表された。イメージしたのは、常にフレンチシックでありつつ、自分らしいスタイルを保つ術を知っている知的な女性。今季のアニエスベーは、ブランドのテイストを日々の様々な場面に合った形で発揮することに挑戦した。序盤はリラクシングなオフホワイトのルックから始まる。ゆるめのシルエットやフラットシューズによってくつろいだ印象を演出し、首元のスカーフなどの小物によってエレガンスが加えられている。ストリートライクなキャップやスウェット、オフィスにも向かえそうなテーラリング、旅スタイルに合わせたくなるスーツケースにウエストバック、エスニカルなターバン。中盤ではあらゆるオケージョンに合うルックをいかにフレンチシックに着こなすかが提案された。後半に集中して登場したのは、美しい風景が毎季取り入れられるプリントテキスタイル。今季は光の美しさを切り取ったような意匠が用いられた。水面に反射する陽光、南国で眺めるサンセット、夜の海に映る街のネオン。光の踊るようなイラストは見るものの気分まで高めてくれそうだ。ラストに向けてルックの華やかさが増していく。裾絞りのパンツでさえもサテンの輝きとはためく布の演出により優雅に仕上げられた。フィナーレを飾ったのは男女のペア。春の訪れを告げるようなペールピンクのドレスを纏った女性が、タキシードを着た男性と連れ立って歩いていく。ウェディングを見ているかのような絢爛なルックでショーは締めくくられた。
2018年03月09日クロエ(Chloé)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年3月1日(木)に発表された。ナターシャ・ラムゼイ・レヴィの2シーズン目となる今季は、クロエのアーカイブやメゾンのコードを巧みに取り入れることにチャレンジしている。ショーの幕開けとともに登場したのは、カール・ラガーフェルドがデザイナーとして活躍した70年代からヒントを得たシルクプリント。ジグザグとしたラインが、柔らかなシフォンの上を幾何学的に走り回る。パレットはカーキやベージュ、ブラウンなどアースカラーでまとめて。これは、創業者のギャビーアギヨンがエジプト出身であることから生まれたブランドを象徴するパレットである。そして、クロエウーマンのワードローブといえば、シフォンブラウスとシャツドレス。それらは、パレットや素材に伝統的なムードを反映しつつも、アンバランスなシルエットに解体してモダンさを纏わせた。シャツドレスは胸元を大きくVの字に開けて、腰や胸の位置で穴をあけるようにカッティング。バックスタイルをウエスト位置でバッサリと切り取り、プリーツスカートを組み合わせた繊細なシルエットもある。大きく空いた胸元からのぞくのは、胸下でカットアウトされたクロップドトップスだ。柔らかなシフォンブラウスや、ブラトップの形にしたレースをアタッチしたニット、フリルをあしらった立ち襟のブラウスなどと、バリエーション豊富なコンパクトトップスとレイヤードされる。アウターには、フィービー・フィロ時代を想起させるオーバーサイズのアウターをセレクトして。フード付きのミリタリーコートには、昨シーズンも登場した馬のモチーフが所狭しと並んでいる。乗馬を1つのキーワードとして受け継いできたクロエならではの発想で、アイコンボトムスはカーゴポケット付きのジョパーズパンツに決定。膝を囲むようにして、クロエのCを意味するステッチが配されている。
2018年03月09日メゾン マルジェラ(Maison Margiela)の2018-19年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。今シーズンのテーマは「リラックスド・グラマー」。昨シーズンの「アンコンシャス・グラマー」の進化版として、アーティザナル2018年春夏コレクション同様のテーマで進行する。クリエーションの対象となったのは、メンズのワードローブだ。テーラードジャケットやトレンチコート、またスポーツアイテムも男性のユニフォームの代表としてピックアップされている。それらは「ドレッシング・イン・ヘイスト(Dressing in haste)=急いで服を着る」のジェスチャーがシルエットに落とし込まれ、上下逆さまに着る発想や、洋服の構造を露わにする「デコルティケ」の技法など、ブランドらしい発想を持って新しい形で解釈され、ユニークなスタイルで登場している。トレンチコートは、ライナーに光に反応して色が変化するリフレクション素材を採用した。カメラのフラッシュなどを浴びると、テキスタイルがじんわり色づく。テーラードジャケットやカウボーイジャケットは、オーバーサイズに。ウールジャケットには、3Dプリンターでアランニットのパターンを象ったディテールが施されている。さらに、スポーツウェアに代表されるナイロンパーカはバイアスカットのドレスへと昇華。カジュアルであるという概念を壊すように予想外のアプローチで取り入れられている。着こなしは、ウィンドブレーカーの上にランジェリーがのっていたり、ジャケットの上からニットを着ていたり…。本来インナーに着るはずの服がアウターとして現れ、ここにもまた「ドレッシング・イン・ヘイスト」のジェスチャーがユニークなレイヤースタイルで登場した。新アクセサリーは、レインコートのようにすっぽりバッグを包み込むクリアカラーのポーチ。ディテールにリフレクションをあしらったシューズやバッグもラインナップしている。
2018年03月09日トム ブラウン(THOM BROWNE)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年3月4日(日)に発表された。ショーの演出がドラマティックなトム ブラウン。今季は「ペインティング」をテーマに、幻想的でユーモラスなショーを展開。会場となったパリ市庁舎内には複数のキャンバスが並んでいる。始まりのベルを鳴らしたのは女学生のようなモデルたちの登場だ。ワイヤーか何かで膨らみを持たせたパンツに、ベージュのジャケットを制服のように纏った複数のモデルが、ブラシを片手に未完成なキャンパスに色を添えている。音楽が鳴るとモデルたちがランウェイへ。纏うのは解体と再構築を繰り返して、新たなフォルムになったテーラードだ。ジャケットは脇の位置に穴をあけてケープのようなシルエットになっていたり、後ろ身頃がシースル素材になっていたりする。スカートやパンツは膝下までずり落ちていて、ベルト位置からボトムスまでは凹凸のある白いキャンバスがを繋いでいる。丸み・曲線・なめらかさなど女性らしい要素は、エロティックに表現されている。ニットドレス、マーメイドスカートのドレスには、ブラトップやコルセットを想起させるリボンテープやパッチなどをのせ、ヒップラインやバストラインを強調させるためパ―ル装飾を配した。繰り返し続く構築的で造形的なピース。その終わりを告げるのは、4匹の犬と女王様の登場だった。グレーのセットアップを着用した犬たちを引っ提げ、立体的なフラワーを散りばめたドレスを纏った女王様が闊歩する。ゆっくりと会場を回り終えると、ランウェイ奥に用意された特別なチェアの前へ。すると犬たちが女王様のドレスを脱がせ、これまでとは相反するシンプルなパンツスーツというマスキュリンな出で立ちで着席した。
2018年03月08日ノワール ケイ ニノミヤ(noir kei ninomiya)の2018-19年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。今季は、フラワーアーティストの東信とコラボレーション。ノワール ケイ ニノミヤの漆黒の世界に花々がヘッドピースとなって色彩の命を宿し、美への探求心をより感じさせられるシーズンである。クリエーションのキーワードは、様々な要素を融合させること。テキスタイルを縫うのではなく、パズルピースのようなバーツをハトメを使って留め合わせることで服を作るデザイナーの二宮啓。ブランドのカラーは黒と決まっていて、制約がたくさんある中で、素材、組み合わせ方などを変えて、一つひとつのピースから個性を引き出している。キーワードとなったのは通常だとミックスされることのない“レアなパートナー”と同居させること。例えば、秋冬シーズンに多く用いられる温かみのあるフェザーを、春夏っぽいオーガンザと組み合わせて一つにしたり。アコーディオンや扇子のようなジャンバラ型のシースル素材に毛足の長いファーを取り付けたり。洋服の原型となるパーツそのものを異素材で融合。作り上げたパーツをパズルのように組み合わせて出来たドレス、ジャケット、コートといった装いは、ふわふわ、ひらひらととにかく動きまわり躍動的。漆黒で染まっているのに軽さがありエレガントだ。ボリューミーで存在感抜群なピースが揃うなか。ボトムスも負けじと重量感のあるピースを組み合わせた。象徴的なのは、フェイクレザーのキルティングやオーガンザなどで仕上げたフレアなスカートの起用だ。
2018年03月08日ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS)の2018-19年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。キーワードは、ベーシックになっているものを新しく構築すること。新しい着眼点から洋服と向き合うことで洋服そのものにより豊かな表情をもたらしているように映る。テーラードジャケットやトレンチコート、MA-1、ダウンジャケット、スカジャンなど男性的な要素の強いピースが主役。かっちりとしていて知的、またはスポーティーでワイルド。そういったアイテムそのものの印象は壊れていないが、シルエットそのものは原型を維持することなくアレンジされる。アームはストンと落ちるストレートなラインは消え、テキスタイルをふんだんに使ったドレープ、フレアなシルエットといったフェミニンなスタイルで登場する。かと思えばボディよりずっと長くアームをとってシャープに決めたもの、斜めにカットアウトしてフレンチスリーブ風にしたものもある。ジャケットと相性のよい白シャツ。クラシックなピースは、昨シーズンもブランドが取り組んでいたプリーツ加工によってベーシックから距離をとる。アームラインとボディの一部分にランダムにプリーツを配して、アシンメトリーなフォルムとアンバランスなシルエットを構築させた。テーラードのピースが多い中、印象的に差し込まれたフラワーファブリック。どこか懐かしみを感じさせるレトロなフラワープリントは、ソフトな質感のワンピースに取り入れられた。やはりここでも定番を崩すことがキーワードに。本来は首下~胸元で止まっているはずの襟口がデコルテを強調するように、大きく開かれている。今季のニュースは2つのブランドとのコラボレーションシューズの登場だ。ドイツのバッファローとのコラボレーションでは厚底スニーカーを提案。リアルパイソンで仕上げたシューズはエッジの効いた仕上がりだ。またリーボック(Reebok)とは、スタッズ付きのハイカットスニーカーをデザインしている。
2018年03月08日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)2018-19年秋冬コレクションが、フランス・パリにて2018年3月3日(土)に発表された。コレクションノートに綴られたのはアンドレアスからヴィヴィアンへのラブレター。2人が出会ってからアンドレアスが見てきた彼女のクリエイションに、敬意を込めてオマージュを捧げたのが今季だ。会場はブランドのアイコンカラーである赤色で染められ、設置された3つの舞台では、テーマの一つである「ユニセックス」に相応しい、アンドロジナスなダンスパフォーマンスが行われた。ショーの始まりはヒジャブのように布を纏ったルックが続く。多く合わせられているのは変形テーラリングだ。インスピレーション源は70年代、ヴィヴィアンがテディボーイスタイルをリスペクトした服を作りながら「レット・イット・ロック」を開いた時代の作品だ。ショップの壁紙やカーペットから取られたフラワーモチーフが華を添える。80年代から90年代のヴィヴィアンのマスターピースとも言えるクリエーション、たとえばクロールシャツ、ボディラインを大幅に強調するシルエット、上流階級スタイルを皮肉ったようなハリスツイードコレクションが現代的に再創造される。かつては曲線で表現されたシェイプは直線的に、フィットはタイトからリラクシングに。過剰を削ぎ通し洗練させつつも、強さと甘さを感じさせるブランド独特の雰囲気は健在だ。後半になるにつれ両性的な魅力を持つルックが増えていく。男性モデルが着こなす丈の短いドレス、オーバーニーブーツ、ぴったりと体のラインを出すストレッチ素材のパンツ。フィナーレに近づくにつれ、プレーンだったルックはよりデコラティブに。豪奢なホワイトドレスに続きラストを飾った花束をささげ持ったルックは、アンドレアスのヴィヴィアンに対する想いを象徴したかったのかと思えた。
2018年03月07日