HYKE(ハイク)の2018年秋冬コレクションが、2018年3月23日(金)、東京・中目黒のHYKEプレスルームで披露された。昨シーズン同様にインスタレーション形式での発表である。"ミリタリー クロージング"から着想シーズンテーマを設けず、何かしらのスタイルや古着などをインスピレーションの源に新作コレクションを築き上げているHYKE。今シーズンは"ミリタリー クロージング(MILITARY CLOTHING)"をキーワードに、ダッフルコート、ピーコート、MA-1をはじめとするフライトジャケットを再構築したピースを展開していく。ボアをドッキングしたピーコートたとえばハイネックのピーコートは、アームにボリューミーなボアをドッキング。ダッフルコートは、胸の下ほどまで大胆にカッティングし、新鮮なシルエットを生み出している。フライトジャケットにはフェミニティを加えてN-2Bは、本来ならばフードに施されているはずのフェザーをフロントにたっぷりと配し、裾はボレロのように丸みのあるフォルムで。N-3Bはサイドに深いスリットを入れ、ハードな印象のフライトジャケットにフェミニティをプラスしている。MA-1はミリタリージャケットの裏地のような、鮮やかなオレンジで姿を現した。HYKEとしてはめずらしい、ビビッドな色彩が目を惹く。ザ・ノース・フェイスとコラボカラーリングはブラックが主流また、2018年春夏コレクションに引き続き、ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)とのコラボレーションアイテムも登場。ザ・ノース・フェイスの代名詞とも言えるダウンジャケットは、ブラックを基調としたカラーリングでモードな魅力を纏った。コラボレーションの証として、胸元やバックスタイルにはザ・ノース・フェイスのアイコニックなロゴマークが、袖やポケットにはHYKEロゴが控えめにあしらわれている。ダウンジャケットは新鮮なフォルムでダウンジャケットに落とし込まれるのは、ネックウォーマーを彷彿とさせる存在感のある首回りや、大きなストールを羽織っているかのようなフィルム、ウエストをベルトで絞ったエレガントなスタイルなど。高い機能性を備えた防寒服は、独自の解釈が加えられることによって、モダンなムードを放っていた。
2018年03月26日ミューズ(MUZE)の2018-19年秋冬コレクションが2018年3月22日(木)に東京・渋谷ヒカリエにて発表された。ショーはパラドックス(PARADOX)との合同形式で行われた。内外共に健康であること今季のテーマは「ミラー(MIRROR)」。外見の美しさを求める余り、過度な痩せ過ぎ体型に憧れを持ってしまったファッション業界に"身体の内外共に美しくあること"の重要性を伝えたいという思いから設定されたテーマだ。カロリーメイトとのコラボレーションそして、ミューズはそのメッセージを伝えるために「カロリーメイト」というユニークかつダイレクトなコラボレーション相手を選択。栄養調整食品である「カロリーメイト」のロゴグラフィック、カラーを取り入れたアイテムがショーを席巻した。ブラック×イエローカラーパレットは専らブラックとイエローがメイン。ストリートなアイテムは勿論のこと、ワンピースやドレスといったアイテムまで統一されたカラーで彩られた。このワンピースはフレアな足元に連れて広がっていくフレアなシルエットが特徴的。マットな光沢を放つ素材を用いて、アンダーバストからのイエローの面積を大きく取ることでインパクトのあるレディースアイテムに仕上げた。表現したのはファッションだけかブラックとイエロー、深く考えずともその2色は"危険"のサインだ。色合いでも抜群の相性を発揮する色同士であることは間違いないし、ブランドが表現するストリートのテイストにも抜群に合う。しかし、表現したいのはそのファッションの側面だけでない。新しく生み出されたアイテムを通して、現代における"美しさを求める代償"の大きさに警鐘を鳴らしているように思えた。ストリートとアウトドアまた、今季のストリートウェアで欠かせないのがアウトドアのテイストだ。プルオーバージャケットの小ぶりな襟はジップを首元まで上げた時のアクセント。腹部には「カロリーメイト」のロゴをがストリートらしく大胆に配置され、日常生活で我々に欠かせない食品は、ファッションでもデザインの一部として頼もしく存在感を発揮した。勿論、登場するアイテムはブラックとイエローだけではなかった。随所に現れた、爽やかなブルーを取り入れたルックでは清涼感を表現。白のロングコートとブルーのナイロンパンツのスポーティーな合わせは、不健康なイメージとは無縁な色合いで空と雲のような突き抜けた印象を持たせた。
2018年03月25日G.V.G.V.(ジーヴィージーヴィー)の2018年秋冬コレクションが2018年3月22日(木)、東京ドームシティにて発表された。サイケデリックな柄を異素材で表現会場となったのは広いスケートリンク場。照明が光り出しサンダーキャットの音楽が流れ始めると、モノクロのファーコートがファーストルックで現れた。流線やギザギザ、マーブル…エナメルやファーなどの異素材で様々な柄が表現されている。特に、市松柄の中にさりげなく女性プリントが施されたものはヒステリックグラマー(HYSTERIC GLAMOUR)とのコラボレーションだ。サイハイブーツで新しい着こなしサイケデリックな流線柄のタイツやチェック柄のスカート。歩くたびに揺れて視線が吸い込まれ、だまし絵のような印象を与える。足元の着こなしは、太ももまで覆うサイハイブーツを取り入れた。素肌を全く見せず、パンツよりもブーツが目立たせることで、通常のパンツスタイルと異なる印象を与える。怪しげなカラーパレットショー後半になるとカラーパレットに彩りが。オレンジの花柄や、パープルのファーが怪しげな雰囲気を醸し出す。レッドとブルーを組み合わせたフリンジは袖や裾に施され、プレイフルなスタイルへと仕上げている。NIKEエアマックスをコーディネートシューズには、ナイキ(NIKE)のエア マックス 270がスタイリングされた。シューズには、コレクションピースと同様のチェック柄のバッジがつけられている。毒々しくポップなイラスト派手やかで毒々しいワードローブだが、バックスタイルに遊びも忘れない。ウエストバッグの前後ろを逆にしたり、ドローコードが施されたコートの背中にはアメリカのアーティスト、フランク・コジックの手がけたコミカルなイラストが。色彩も柄も詰め込まれ、ポップで刺激的なコレクションだった。
2018年03月25日TTT_MSW(ティー)は、2018-19年秋冬コレクションを2018年3月22日(木)に、東京プリンスホテル・ガーデンアイランドで発表した。山道に降り立ったマフィアチームTTT_MSWにとって初となるランウェイショー。テーマは「マフィア」だ。席に着くと、1枚のカードが置かれており、ショーの演出の一部となる動画を見るよう促される。動画を見ると、山道を走るマフィアの車が一般の自動車と衝突。マフィアの車は木にぶつかり、一般車は池に落ちてしまう。鋭い衝撃音が会場に響き、中心に設置された池が派手な水しぶきを上げるとともに、ショーがスタート。デザイナーの玉田翔太が作った架空のマフィアチームの一員達が、次から次へと木に突っ込んだ自動車から登場する。年齢やスタイルも様々なモデル達が睨みを利かせながら歩を進めていく。ファーやサテンでセクシーにファーのコート、ベルベットやレザーのジャケット、レオパードのブルゾンや、パイソンのブーツなど、動物的なアイテムは、山のワイルドさを彷彿とさせると同時になまめかしさも見せる。光沢のあるサテン地のシャツを組み合わせたスーツスタイルは、マフィアのストレートな表現であり、艶やかなセクシーさを見せる。端正なアイテムが偶発的な存在感を創出無骨なスタイリングとは対照的に、アイテム1点1点は端正な造形で仕立てられており、素材もしなやかであることに気が付く。それぞれのマフィアが持つ個性と、アイテムの個性が互いに作用することで、唯一無二で偶発的な存在感が完成する。アウトドアテイストアウトドアやストリートテイストのウェアも登場。荒地をサバイブするような、カーゴパンツは身体にフィットする細身のフォルムを描き、クールな印象に。ネオンイエローのフードは鬱蒼とした雰囲気の中でより一層目を惹きつける。ちぐはぐの“悪さ”極端にオーバーシルエットのスーツは、威勢の良さを演出。また、股上の深いパンツに開襟シャツをインしたり、その一方でウォレットチェーンを何重にも着けた“腰パン”スタイルを見せたり…山道にそぐわないちぐはぐした“悪さ”や違和感が、服そのもののオーラを引き立てる。
2018年03月25日パラドックス(PARADOX)の2018-19年秋冬コレクションが2018年3月22日(木)に東京・渋谷ヒカリエにて発表された。ショーはミューズ(MUZE)との合同形式で行われた。ストリートを落とし込んだのは「スポーツ」と「アウトドア」コレクションの軸となるストリートな雰囲気を落とし込んだのはアウトドアとスポーツのウェア。スタンダードかつアウトドアのテイストが強いアノラックには「PARADOX」の文字をポケットに配置することで、ブランドのオリジナリティが演出された一着に。ランナーが穿くウインドパンツのようなボトムスは、足元のジップでシルエットを調整できるディテールを備えた。スタンダードをベースにショーの中で散見されたのが、スタンダードなアイテムをリメイクしたようなピースだ。フリースジャケットはスリーブにオレンジのカラーを挿すことで、一気にストリートの雰囲気を醸成する。ボンバージャケットは定番のオリーブとオレンジのカラーだけでなくサイズ感も変更。極端に大きすぎない絶妙なビッグシルエットは、インナーの着こみ具合やジップの開閉で与える印象に緩急をつけることが出来る。真新しいアイテムもやはり真新しいアイテムはショーにおいて目を惹く。一枚のダウン生地をベルトで体に固定するかのように着用しているこのアイテムはその中でも一際の存在感を放った。ベルトのバックルや長いスリーブ、そして極端に短い後ろ身頃は今まで見たことないユニークかつ斬新なシルエットをルックにもたらしていた。
2018年03月25日ハレ(HARE)の2018年秋冬コレクションが、「Amazon Fashion Week TOKYO 2018 A/W」4日目の2018年3月22日(木)、東京・文化服装学院で発表された。今季のテーマは「ミクスチャー」今季のコレクションのテーマは「ミクスチャー(交錯する)」。本来ストリートスタイルをベースとするブランドのウェアに、ブリティッシュ・ジャポニズム・パンクの3つのキーワードを落とし込んでいく。ブリティッシュスタイル×パンク例えば、「ブリティッシュ」の要素は、大柄のチェック柄プリントで表現する。ブラックのチェックをあしらったセットアップは、一見クラシカルなムードを醸し出すが、ディテールに取り入れたパンキッシュなベルトによって、大きく表情を変えていく。かたや、チェック柄をアームに施した、ショート丈のブラックレザーも登場した。光加減によってチェック柄が浮き上がるプリントによって、ブリティッシュな要素がプラスされている。アイディアを詰め込んだレイヤードスタイル散見されたのはレイヤードスタイル。ニットの上にニットを重ね、コートの下にダウンを忍び込ませる。モッズコートを取り付けた、プレイフルなデザインのジャケットや、生地を繋ぎ合わせたボトムスは、実際に取り外したり、裏表を逆にして着用できる工夫もなされている。1つのアイテムで様々なコーディネートを楽しめる独自のスタイルを発信していく。ビッグシルエットでラフにシルエットは、身体をすっぽりと包み込むようなオーバーサイズが主流。トレンチコートや、ダウン、膝下まで伸びるロングコートは、ゆったりした袖幅をとりドロップショルダーに。グリーンのチェックで彩られたロングコートは、柔らかな色味と相まって、柔和でラフな雰囲気を醸し出している。トップスに合わせるボトムスにも、ゆったりとしたスラックスパンツやカーゴパンツが採用された。
2018年03月25日ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO)の2018-19年秋冬コレクションが、2018年3月22日(木)、東京・恵比寿ガーデンプレイス内「ザ・ガーデンホール」にて発表された。テーマは「ZEN GRAFFITTI」ヒロコ コシノが掲げたシーズンテーマは「ZEN GRAFFITTI」。"禅"の教えは、シンプルで豊かな人生を送るためのヒントをくれるもの。そんな禅の思想に基づいて心を開放し、自由に手を動かしたかのような縦横無尽なグラフィティがコレクションの鍵となる。グラフィカルなプリントまず初めに目を惹いたのは、スクエアの波紋が広がっていくようなパターン。ブラックやグレーをベースに、ビビッドカラーが大胆に配された。この模様はニットのワンピース、カーディガン、そしてタイツにまで施されている。エスニックなニュアンスを纏った柄は、モダンアートのような表情でジャケットやパンツに描かれた。素材の組み合わせで柄を表現グラフィカルなパターンは、カラーリングだけでなく、異素材を組み合わせることによっても表現されている。ライダースジャケットでは、レザーと柔らかな風わいのテキスタイルを掛け合わせて。ニットのロングドレスには、鱗のようなモチーフを重ねている。リラックスしたシルエットシルエットは、ゆったりとしたオーバーサイズが主流。ドロップショルダーのコート、たっぷりとした分量感のドレープスカート、アームホールを大きくとったスリーブニットなど、リラックスしたムードが流れていた。スニーカーでエレガンスを中和足元のスタイリングは、エレガントな雰囲気を中和させるメタリックなフラットシューズや、ハードなレザーブーツ。毎シーズン目を惹くスニーカーは、すっきりとした近未来的なデザインのものを合わせている点が印象的に残った。
2018年03月25日トクコ・プルミエヴォル(TOKUKO 1er Vol)の2018-19年秋冬コレクションが、2018年3月22日(木)に東京・渋谷ヒカリエにて発表された。テーマは"パリ"2019年、ブランド創立30周年を迎えるトクコ・プルミエヴォル。そんなアニバーサリーコレクションにデザイナー・前田徳子が選んだテーマは"パリ"だ。毎シーズン、旅先や世界各国の民族衣装などからインスピレーションを得るという前田だが、今季は原点に立ち返り、自分の住む街"パリ"をモチーフに楽しく自由なスタイルを展開していく。カフェのギャルソンがお出迎えファーストルック、出迎えてくれたのはパリの街に欠かせない"カフェ"のギャルソンルック。ラッフルシャツにエプロンを思わせるスカートを合わせた2人のマドモアゼルが、足取り軽く、観る者を街へと招きいれてくれる。トリコロールのドレス群続いて現れたのは、赤・青・白のトリコロールのドレス群。パリを象徴するエッフェル塔、サクレクール寺院といったシンボルは、アップリケやプリントに姿を変えてドレスを鮮やかに彩っている。ニキ・ド・サンファルを想起させるプリント黒いキャンバスの上で本領を発揮するのは、パリを代表するアーティストや、映画スターをモチーフにしたクリエーション。黒をベースにしたトップス、パンツ、ドレスには、ニキ・ド・サンファルの世界観を想起させるポップなイラストがプリントされた。ブリジッド・バルドーをドットで表現ブリジッド・バルドーのスタイルからインスパイアされたのは、モノトーンの水玉プリント。ドットは集合体になることで瞳や唇といった彼女の表情をリアルに映し出し、モノクロのレンズを通した写真のように感じられた。30周年を祝したハートのTシャツクライマックスに近づくと、鮮やかなカラーパレットが戻ってくる。再び姿を現したトリコロールのドレス群には、さきほどとは異なる刺繍のフラワーが咲き誇る。ラストは30周年を祝したハートがアクセントのボーダートップスに、チュールスカート、ベレー帽を合わせたパリジェンヌたちと手をつないで前田が登場。会場は拍手の渦に包まれた。
2018年03月25日グローバルワーク(GLOBAL WORK)の2018-19年秋冬コレクションが、2018年3月22日(木)に東京・渋谷ヒカリエにて発表された。「ツイスト ア トラディション」今季のテーマは「ツイスト ア トラディション(Twist a tradition)」。世界の民族から生み出されてきた伝統をベースに、アイテムには、スポーツやストリートアートなどのセンスが織り交ぜられた。メインパターンに「チェック」コレクションのメインパターンとなったのは世界の様々な民族がルーツにある「チェック」。タータンやマドラス、ハウンドトゥースといったあらゆるチェックパターンがアイテムに取り入れられた。グラフチェックのパターンは英国風ジャケットとパンツのセットアップで。綺麗なボックスシルエットが生み出されるのは、身幅を大きくとる設計によるもの。インナーには季節感のあるニットを合わせてドレスダウンすることにより、デイリーウェアを提案するブランドらしいコーディネートが成立している。グローバルワークの特徴であるキッズラインからもチェックのアイテムが登場。マルチなカラーで構成されたルックはキッズらしいアクティブさを表現。一方でトップス、ボトムス、そしてタイツまで落ち着いた色味のチェックで統一されたスタイリングは、かわいらしさを残しながらも、どこかクールな雰囲気を醸し出す。時には現代的に何体か登場した、足元をダッドシューズで固めたルック。膝下丈のパンツ、ハイソックスの組み合わせは、重くなりがちな秋冬のスタイルに軽やかなモードのエッセンスを落とし込んだ。ストリートアーティストとのコラボレーションもまた、今季はフランスのストリートアーティスト・K-NARFとのコラボレーションによるTシャツがコレクションへ。インパクトのあるグラフィックが大胆に配置されたこちらは、エスニックな雰囲気が漂うショーとは対照的な存在。しかし、今季のテーマにもあるように、エスニックとストリート、お互いのテイストが巧く"ツイスト"することで、ジャンルの融和による新しいファッションの可能性が示された。今、地球の問題を考えて表現したかったのは、表面的な世界の民族文化だけではない。温暖化や生物資源の減少など、今地球で起こっている問題を考え直し、それをブランドなりに解釈。素材には再生素材やフェイクファーが使用された。"ファッションを通じて少しでも地球問題を解決の方向に向かわせることが出来れば"という、ブランドの想いは直接目で見えなくとも、アイテムの上でしっかりと表現されていた。
2018年03月25日アールビーティ(RBTXCO)の2018年秋冬コレクションが、「Amazon Fashion Week TOKYO 2018 A/W」4日目の2018年3月22日(木)、東京・ヒカリエで発表された。テーマは「極楽・混沌」東京コレクションに初参加となるアールビーティは、「問題をまたがない」をモットーにファッション業界が抱える様々な問題に取り組むブランド。今季のコレクションでは、「極楽・混沌」をテーマに掲げ、様々な素材やスタイルを組み合わせたピースを展開する。また、ランウェイに登場するモデルたちの採用にも拘り、あらゆる垣根を超えた者たちが集まる。デザイナー・東哲平は、全ての者がファッションを楽しむ権利があるという強いメッセージを発している。時代も超えて繰り広げられるショー和太鼓の力強い音色が響く会場では、生のボイスパーカッションのライブが行われた。琴の弦を弾くような古代の日本を彷彿させるものから、現代のポップな要素を含んだものまで、音色には様々なアレンジが加えられる。そこに登場するモデルたちの様は、まさに"混沌"だ。神社に仕える巫女のようなピースを纏っている者から、冠を被り、オリエンタルな柄をあしらったドレスを纏う者、Iphoneを片手に歩く現代的なルックの者まで。モデルの出てくる順番に統一性はなく、突如タイムスリップをしたような感覚に陥る。キッチュな絵柄のプリント散見されたのは、キッチュな絵が描かれたプリント。大仏の顔や、苺、スカル、狐、女性の顔・・・。ひとつのファブリックには、あらゆる要素の入り混じったモチーフが広がっている。フラワーモチーフを描いた、オーガンザのファブリックと重ねられたドレスは、まるで全てのものが1つの花畑の中に広がっているかのようだった。ハイブリットなデザインが主流様々な生地を繋ぎ合わせたハイブリッドなデザインも目立った。オーガンザの羽織物には、チャイナブロケード生地を袖元に、サテン生地を裾に配して。また、レース生地を腰元に巻くなど、スタイリングにもアレンジをきかせる。そこには、何の規則にも縛られないブランドの自由な世界観が広がっていた。足元を飾った、ファー付きサンダル今季のアールビーティのスタイルを決めるのは、デコラティブなフットフェア。モコモコのファーを飾ったサンダルやスニーカーは、ピンクやパープル、ブルー、ホワイトといった、様々なカラーリングで彩られ足元にも個性を与えた。
2018年03月25日タエ アシダ(TAE ASHIDA)の2018年秋冬コレクションが、2018年3月23日(金)16:30より、グランド ハイアット 東京にて発表される。ファッションプレスでは、その模様をライブ配信。前回の2018年春夏コレクションでは、モノトーンの幾何学模様がプリントされたドレスや、鮮やかなマルチストライプのドレスなど、エレガントなシルエットにグラフィカルなパターンを施したアイテムを展開。写実的なボタニカルモチーフが描かれたブラウスやスキニーパンツも目を惹いた。最新コレクションは、"生きる力-Power of Life"をテーマに約60点を発表予定。華やかなデイウエアから優雅なドレスまで、どのようなルックで魅了してくれるのか期待が高まる。【詳細】タエ アシダ 2018年秋冬コレクション開催日時:2018年3月23日(金) 16:30~
2018年03月25日エンハンス(ENHANCE)は、2018-19年秋冬コレクションを、2018年3月21日(水)に東京・渋谷ヒカリエで発表した。“強い女性”に向けた服今回展開されたのは「強い女性」がかっこ良く着こなすことを想定して作られた、挑戦的なコレクション。“この服を着ればもっとかっこ良くなる”―社会の中に存在する女性達の潜在的な“かっこ良さ”を引き出すことを確信して仕立てられた服は、その1つ1つが強い存在感を放つ。今回はメンズのモデルもランウェイに登場し、ユニセックスウェアも提示した。繊細な表現登場するアイテムはマニッシュだが、受け取る印象は無骨というよりも繊細だ。それは透け感のある薄手のウール地を使ったカットソーや、毛並みを揃えずあえてバラバラにし、目を粗く編み上げたニット、レースアップや白い糸の刺繍を施して構築したドレス、断ち切りのドレスなど、形を保ってはいるが“破壊”を連想させるような、儚さを孕んだピースゆえだろうか。レザーの花ストールやスカートにあしらわれた無数の花は、手作業で1つ1つ生み出されたレザーの花。硬質なレザーが、ストレートな華やかさとは異なるフェミニティを表現。静かではあるが強さを持って、スタイリングを飾っていく。端正なシルエット目を惹いたのは、仕立ての美しさだ。オーセンティックなテーラードジャケットとパンツのセットアップやメルトンのピーコート、チェスターコートはいずれも端正に仕立てられ正統派の美しさを誇っていた。退廃的なムードの中に存在させることで、王道の美がより際立つ。アシンメトリーなフォルムのブラウスや、流れるような生地感のワンピースは、歩くたびに揺れ動きながら、ゆるやかなドレープを描き出していく。シャツを腰に巻いたようなスタイリングは、身体に服地が馴染むことで自然な印象だ。4本の袖が伸びる変形のシルエットは、浮遊しているかのようだ。ラストを飾ったのは、ランダムな柄を織り込んだロングスカートとジャケットのセットアップ。描かれたうねるような柄は、体内に無数に渦巻く意志や主張の表れのようだ。
2018年03月24日キディル(KIDILL)の2018年秋冬コレクションが、「Amazon Fashion Week TOKYO 2018 A/W」3日目の2018年3月21日(水)、東京 スペース・エッジで発表された。着想源は、イギリスのパンクバンド「THE DAMNED」イギリスのパンクバンド「ダムド(THE DAMNED)」をインスピレーション源とした今季のコレクションは、ロンドンの写真家、シーラ・ロックとコラボレーション。「ダムド」のライブシーンやリアルな日常の姿を捉えた、シーラ・ロックの写真は、あらゆるテキスタイルの上にプリントされ、コレクションの象徴ともいえるデザインとなっている。ショーはインスタレーション形式で発表会場として選ばれたのは、ガレージを彷彿させる無機質な空間。そこには、2つの部屋が用意されており、インスタレーション形式で展開する。まず1つ目の部屋に入ると、白いライトで照らし出された部屋に、紙袋をすっぽりと頭にかぶったモデルたちが並んでいる。パンクを象徴するメタリック装飾彼らたちの纏っている洋服には、安全ピンや、スタッズ、チェーンなど、数を挙げればきりがないほど、パンク・ファッションを象徴する、メタリックな装飾があしらわれている。その中でも特に多用されていたのがジップで、ジャケットの袖元や、ボトムスの裾、サイドのラインなどに施されていた。色とりどりのチェック柄も散見されたのは、カラフルなチェック柄のピース。特に目を引いたのが、真っ赤なチェック柄のセットアップで、バックに配したプリントの周りには、無数ものリングやパールネックレスといった、アクセサリーが縫い付けられていた。一見ハードなイメージのある、メンズのパンクファッションに、女性らしい要素をミックスさせた、斬新なスタイルとなっている。ユーモラスなドクロのモチーフ続いて、2つ目の部屋に移ると、今度は目も眩むようなピンクのライトで部屋中が照らされている。そこに佇むのは、ピエロや猿、モンスターなど様々なお面を被ったモデルたち。彼らの纏ったピースは、先ほどよりも装飾を増やし、パンクテイストを前面に押し出した、パンチのきいたデザインだ。特に際立ったのが、スカルのモチーフ。スリーブや胸元にドクロをポイントとして取り入れたトップスのほかに、"骨"のプリントを配した、プレイフルなデザインのボトムスが登場した。
2018年03月24日ヨウヘイ オオノ(YOHEI OHNO)の2018-19年秋冬コレクションが、2018年3月21日(水)に東京・polygon青山にてプレゼンテーション形式で発表された。よりプロダクトに向き合ったクリエーション静かな空間の中に、ミニマルなランプ、椅子、グローブで形作られたオブジェなどが、まるでアートのインスタレーションのように並べられている。モデルも、あたかも展示品の一部であるかのように、静かに佇み、日常とかけ離れているものは一つもないのにどこか非日常的なムードが漂う。デザイナーの大野陽平は、今回ショーからプレゼンテーションに発表の形式を変えることで、よりプロダクトそのものに向き合ったクリエーションをする意図があったという。ミニマルでニュートラルな空気感全体を覆うのは、ニュートラルな雰囲気。グレーのウールのスーツや、デニムジャケットは、極端に何かのカテゴリーに触れることなく均衡を保ち、中性的なムードを描き出していく。コーデュロイのロングコートは、地厚であるはずのボリュームを感じさせないしなやかなパターンによって、クリーンでシックな印象を演出。黒みがかったデニムのブラウスとワイドパンツのセットアップも、既存のカジュアルさとは一線を引いたような、気品を纏う。構築的フォルム構築的なフォルムが、アーティスティックな空間の中に溶け込んでいく。グレンチェックのワンピースの誇張したような袖のフォルムは、服の均整を乱さず自然に服に馴染む。身体性を無視した造形でありながら、それが身体の延長であったかのような錯覚を覚える。スカーフのようなテキスタイルの布地にはギャザーを寄せ、ベルトで布の流れをまとめるとカーテンを彷彿とさせる装飾に。ウエストやブラウスに施された布地の装飾と、スカートのフリンジが同じ方向に流れていき、流動的な形まで計算されている、一種の建築のようなスタイリングが完成。ハイウエストのスカートとチューブトップのセットアップも、プリーツやウエスト部分の装飾、生地の色味、全ての要素が相互に作用しながら、絶妙なバランス感で美しい形に収まっている。螺旋状に形作られたイヤリングや、シンプルなシルバーのブレスレット、ファーで覆われたシューズや、滑らかなスウェードのブーツといった小物も、静かな空間にマッチしながら、知的な空気感を作り上げる。空間の中に存在するもの全てがプロダクトの一部である、という概念を無駄の無い設計で提示した。
2018年03月24日パーミニット(PERMINUTE)の2018-19年秋冬コレクションが2018年3月21日(水)に東京・渋谷ヒカリエにて発表された。デイリーワードローブに歩み寄るパーミニットがランウェイショーを行うのは、2018年春夏コレクションに次ぐ2回目。インパクトで勝負した先シーズンの経験を踏まえ、デザイナー・半澤慶樹の中に生まれたのは、もっと日常に溶け込むような服を作りたいという想い。今シーズンは、デイリーワードローブとの距離感を縮めるようなクリエーションを心掛けた。青春のアイコンを落とし込んでアプローチの仕方は実にチャレンジング。自分が興味を抱いてこなかったテイストや縁遠い青春のアイコンを抽出することで、逆説的に世の中のリアルに歩み寄るような手法を試みたという。高校時代に嫌悪感を抱いていたケバケバしい洋服のカラーリングを、ドレスやコートに落とし込んだ。また現代の若者たちの青春を研究することによって生まれたアイデアも。インスタグラムでの自己主張をやめられない少女たちからインスピレーションを得たのは、存在感のあるピザのクッションや、特大サイズのショッパーといったアイテムたち。みんなが欲しがるゲームを素直に欲しいと言えない少年時代を過ごしたという半澤に対し、欲望に忠実な少女たちが大枚をはたいて買ったモノが、このショッパーいっぱいに詰め込まれることを思い描いた。くつろぎのあるシルエット日常に馴染むような服というコンセプトは、シルエットの生み出し方にも影響を与えている。立体的なカッティングや仕立てが生み出す独自のフォルムは、いつもよりリラックスしたムードで展開される。たとえば、ボリューミーなショルダーのワンピースは、大胆に開けた胸もとと細身のシルエットですっきりとした印象に。ディテールにも、決めすぎない、抜け感のある演出が。コートのポケットやスカートの裾には、くるりと折り返して裏地をみせるようなデザインを取り入れていた。また、今回は各産業に省エネを推奨する「SAVE THE ENERGY PROJECT」に、リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)の山縣良和やリョウタムラカミ(RYOTAMURAKAMI)とともに参加。パーミニットは、エネルギー効率が良い最新の編み機を毎年導入している株式会社エイガールズとコラボレーションし、柔らかな風合いのニットアイテムを完成させた。
2018年03月24日ジョウタロウ サイトウ(JOTARO SAITO)の2018-19年秋冬コレクションが2018年3月21日(水)に東京・渋谷ヒカリエにて発表された。新しい"着物"デザイナー・斉藤 上太郎は、伝統的で古式な衣服であるという着物に対する固定観念に一石を投じた。着物もとい和装への新しいアプローチの手段が表現されたショーでは、全43ルックが登場。新しく生み出されたされた着物の姿は、今までの古風さとは違う、新しく、鮮やかな雰囲気を纏っていた。パターンはクラシカルに、カラーはモダンに本来の姿を変えるような新しさの提案ではなく、あくまで着物としての新しさを追求。多く用いられたパターンはクラシカルな花柄。しかし、そこに用いられるのは花の色を再現した彩りではなく、白や黒、グレーといった落ち着いた色。モノトーンの配色と、複数の着物に見られたラインのデザインはモダンなエッセンスを着物に加えていた。落ち着きのある配色の中にも鮮やかな色彩を取り入れて。着物ならではセクシーさやエレガントさは忘れずに、女性の美しさを引き出すようなパターンも随所に取り入れられた。個性を主張する帯モダンに仕上げた着物と共に和の着こなしを作り上げるのが、帯。千鳥格子に星をあしらった帯はランウェイの中でも個性的だった一本。ポップな印象を与える星と伝統的な千鳥格子のコンビネーションは斬新かつユニークな試みであった。新しい和装着も登場ダウンジャケットハオリ着物のアップデートだけでなく、全く新しいアイテムもランウェイに登場。このダウンジャケットは和装する際のネックである防寒に特化。「どてら」のようなシルエットと和柄の裏地は、違和感なく和の装いに溶け込む。西陣織バッグルックが巾着の代わりに持っていたのが、西陣織を使用したクラッチやトート、ショルダーバッグ。西陣織とレザーのコンビネーションが新鮮な機能性にも長けたバッグは、まさに今までになかった新しさを感じさせるアイテムたちだった。
2018年03月24日リョウタムラカミ(RYOTAMURAKAMI)の2018-19年秋冬コレクションが2018年3月21日(水)に東京・渋谷ヒカリエにて発表された。大阪のおばちゃん×ガーリー楽しくエネルギッシュにコレクションテーマは「大阪のおばちゃん×ガーリー」。関西出身のデザイナー・村上亮太が久々に帰郷した際に見た、大阪の街並みや、商店街にいるおばちゃん達のファッションから着想を得た。それは“ヒョウ柄”や“ド派手”といった安易な記号を引用するのではなく、おばちゃん達が奔放にファッションを楽しむ空気感や、街にある看板の突出した存在感をデザインに落とし込むことでコレクションを完成させた。極端/過剰なハリボテ感目を惹くのはヘッドピースやバッグ、シューズといった小物の過剰さ。顔面に貼りつけられた平面的なボードからは髪の毛が生えており、大阪の“かに道楽”や“グリコ”の看板、“くいだおれ太郎”のようなハリボテを彷彿とさせる。バッグにも長い髪の毛をあしらい、髪の分かれ目からは顔が現れる。お化け屋敷のような作り物のホラー感を演出した。極端に高いヒールに大きいリボンをあしらったシューズも、おもちゃのようなポップさだ。また、フォルムや素材使いの極端さも目立つ。太いストライプ地を使ったジャケットはショルダーを大きくドロップさせ、袖のボリュームもダイナミックに。襟も大きく仕立て、身体性をあえて無視した造形に仕上げている。ニットは襟ぐり部分を広くとり、肩からずり落ちるようなルーズなシルエットを描く。ファンシーな表現ファンシーな世界観も大胆に表現。ビッグリボン付きのドレスには、オーバーシルエットのコートを組み合わせてボリューミーに。よく見ると細かいリボンでコートとドレスが繋がっており、一体化していることに気が付く。その他、ボトムスを半身のみで作った星柄ワンピースや、金糸とメタリック素材のスペイシーなセットアップ、水着を模したワンピースの双子コーデなど、ギラギラとしたエネルギーに満ちたルックが次々と登場する。その中で終盤に登場したクロシェの花柄ニットと、真っ白なフレアスカートのルックは、エネルギッシュな雰囲気の中で清涼剤のような可憐さが際立った。手編みで作られたニットの編地から放たれる温もりやストレートな“ガーリー”の表現に安心感や親近感を覚える。また、今回は各産業に省エネを推奨する「SAVE THE ENERGY PROJECT」に、リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)の山縣良和やパーミニット(PERMINUTE)とともに参加。リョウタムラカミは、システムを活用してロスを減らしながらも、小ロットでクリエイティブなニットを生産する株式会社サトーとコラボレーションし、レインボーカラーのビッグプルオーバーニットや、インレイ編みの、犬と散歩しているようなニットアンサンブルを制作。初めて自動編み機を導入して作った、強い個性を放つピースが生み出された。
2018年03月24日まとふ(matohu)の2018年秋冬コレクションが、2018年3月20日(火)東京・渋谷ヒカリエにて発表された。日本の美意識を表現する「日本の眼」シリーズ最後のコレクションテーマは“なごり”日本の美意識をコンセプトに2010年よりスタートしたシリーズ「日本の眼」は、今シーズンをもって完結。シリーズ最後のコレクションでは、終わりゆく物を最後まで慈しむ日本の心「なごり」をテーマに、時間の移ろいと季節の終わり、そして新たな始まりを感じさせるワードローブを展開した。秋の植物をモチーフにしたテキスタイルメインモチーフとなったのは、黄色く色づいたイチョウの葉や、紅葉したツツジ、木の実といった秋の植物たち。これらを抽象化し、まとふならではの色彩感覚でテキスタイルに落とし込む。イチョウの黄色は、緑から黄色に変わる中ほど、陽の光を透かしたような明るさ、十分に紅葉した深さなど、様々な色合いで表現されている。次第に寒い冬へ太陽がまだ暖かい楽しい秋のワードローブに、次第に冷たい空気が入り込んでくる。メインカラーは、黄色から青やグレーへと変わり、冬が訪れたことを伝える。ところが、青のワンピースやコートには、黄色やオレンジのアイテムが組み合わされ、暖かな季節への“なごり”を想い続けている。布地自体も、ウールの重厚感を感じさせるツイードやヘリンボーン、起毛素材といった温もりのある質感が主流。対して、服のシルエットやスタイリングは、シンプルで直線的。このようなデザインの選択にも、終わる物と生まれる物との対比が表れている。冬への“なごり”と、新たな季節への希望コレクション終盤は、絹を一点一点ろうけつ染めした一際美しいテキスタイルが彩った。ブランドのコンセプトアイテム「長着」のほか、ノースリーブワンピースなどでも登場。布地は、冬の寒さのようなパープルから、春の気配を感じさせる桃色へとグラデーションに染められている。過ぎ去る季節への“なごり”と、新たに始まる季節への希望が表現された一着に仕上がっている。なお、日本の美意識を抽象的な視点でファッションに落とし込んできた「日本の眼」シリーズを終えて、次シーズンからは、工芸や伝統といった文化とファッションを、より具体的な視点で繋げる試みに挑戦していくという。展覧会や映像など、ショーに限らない方法でもまとふの世界観が披露される予定だというので、今後の展開に期待したい。
2018年03月24日アキコアオキ(AKIKOAOKI)の2018-19年秋冬コレクションが2018年3月21日(水)に東京・ポリゴン青山で発表された。ベーシックとマスキュリンインスタレーション形式で発表された今季のコレクションは、新しく生み出されたアイテムたちをラックに掛けることから始まった。掛けられたアイテムたちは、シンプルな色使いによってデザインされた一見ベーシックなルックス。しかし、テーラードジャケットやネクタイなど、前シーズンまでのフェミニンさとは違ったマスキュリンなテイストを含んだアイテムが並び、コレクションの概観が示された。複雑なカッティング、サイズ感で魅せるグレーで統一されたジャケットは複雑なカッティングにより生み出された一着。側面に入れられたスリットからは、インナーのコットンシャツを出して。コーディネートに独創性をもたらす斬新なディテールだ。ビッグシルエットコートの大きく落ちる肩も計算された設計の上で成り立っているもの。女性の華奢な体格とは対照的なボリューミーなサイズ感は、着る人の体躯とシンクロして全体に美しいシルエットを描く。スプレーアートをデザインにデザイナー・青木明子曰く"街をジャックしているイメージがある"というスプレーアートをデザインに落とし込んだジャケット、シャツ、パンツの3ピースはショーの中でも一際アーティスティックな雰囲気。普段フォーマルな装いに用いられ、堅い印象がある3ピースは、スプレーアートというストリートチックな要素がミックスされたことで、カジュアルさを含んだセットアップウェアに昇華した。
2018年03月24日ヴィヴィアンノ スー(VIVIANO SUE)の2018年秋冬コレクションが、「Amazon Fashion Week TOKYO 2018 A/W」3日目の2018年3月21日(水)、東京・渋谷ヒカリエにて発表された。また、デザイナー、ヴィヴィアンノ スー直々にオファーしたという、歌手の中島美嘉がモデルとしてランウェイに登場した。"B級SF映画"からインスパイア今季ブランドがテーマとして掲げたのは、「奇妙の混合」。1980年代の"B級SF映画"から着想を得たという、ヴィヴィアンノ スーは、展開するワードローブの色や素材、スタイルに、宇宙の世界観を落とし込んで表現する。カラフルなボブヘア×フェイク&リサイクルファーカラフルなネオンライトが光ると共に、ランウェイに現れたのは6人のモデル。彼女たちのヘアスタイルは、特徴的なボブヘアにセットされているだけでなく、ピンクやイエロー、ブルー、レッドといった、鮮やかなカラーリングで染められている。そんなモデルたちが纏うのは、フェイクファーやリサイクルファーを取り入れたジャケットやワンピース、コートなど。ファーは、ロングコートの全面にあしらったものもあれば、襟元やバックにポイントとして施したものも。いずれも、モデルたちのヘアスタイル同様、多彩なカラーパレットで彩られ、存在感を放つ。ドレスを飾る細やかなディテール踝まで届くほどのロングドレスは、ワントーンで統一。その分、スリーブに配したギャザリングや、袖元に縫い付けたリボン、裾のフリルなど細やかなディテールを多用し、アレンジを加えている。くすんだピンクのドレスは、光沢感のある、滑らかなサテン生地を使用したことで、歩く度に裾が波打つ仕上がりに。中島美嘉をイメージして作られたピースもショーの終盤になると、華やかなネオンライトは消え、代わりに白い光が灯された。そこに登場したのは、ショーのラストを飾る、中島美嘉。彼女をイメージして作ったというピースは、ゴージャスなブラックのチュールドレスだ。フロントからバックにかけては、フリルを重ねてボリューミーに。差し色として採用されたイエローが、ドレスの表情をより豊かに表現し、見る者を魅了した。
2018年03月24日ケイスケ ヨシダ(KEISUKEYOSHIDA)の2018-19年秋冬コレクションが2018年3月21日(水)、東京・渋谷ヒカリエにて発表された。大人になることの"空虚感"シーズンテーマとして見出したのは、大人になっていくことの中にある"空虚感"。デザイナー・吉田圭佑は、クリエーションを積み重ねるうちに、自身やブランドが成熟していくことの必要性に気付いたという。ケイスケ ヨシダを象徴する制服のピースもランウェイから姿を消し、コレクション全体にはエレガントなムードが漂っていた。熟した果実をモチーフに特徴的なモチーフとして取り入れたのは、ぶどう、りんご、バナナといった熟した果実。パッと目を惹く鮮やかさを持ちながら、どこか寂しげな表情のフルーツたちは、コート、スカート、ワンピースなどあらゆるアイテムにプリントされている。シルエットでまどろみやもやつきを表現アイコニックなモチーフがある一方で、シルエットは自身の感覚に基づく抽象的な表現を試みた。成熟する上での"空虚感"は、まどろみやもやつきという、はっきりと言葉にできない感情であると考えたからだ。コートのフロント部分に注目すると、布を体に巻き付けたり、交わるように留め合わせたりと、境界をあやふやにしている。ショルダーはボリューミーで、かっちりとした作りが主流。しかしそこに合わせるのは、裾に向かって消えていくような、儚げなラッフル。大人にならなけらばいけないことはわかっている。それでも、切なさや寂しさを覚えてしまう若者のダウナーな気分を映し出しているかのようだ。シルク×ナイロンのテキスタイルテキスタイルはリッチなシルクと、スポーティな―ナイロンをミックスしたものにこだわった。成熟したエレガンスの中に、フューチャリスティックな新鮮さを取り入れている。空虚の中でもがく若者のまなざしは、きっと未来を見つめている。そんな希望を感じさせてくれるかのように、動くたびに艶やかな煌めきをはなっていた。
2018年03月24日アンブッシュ(AMBUSH)初のランウェイショーとなる2018-19年秋冬コレクションが、東京で2018年3月20日(火)に発表された。ブランド初のランウェイショー“ブランドを立ち上げた東京で出来て嬉しい”とデザイナーYOONが話す、ブランド初のキャットウォークは彼女の思いを汲み取り、故郷シアトルのイメージを投影。東京タワー目の前のスター ライズ タワーに立地した会場は、二手に分かれていて、一つは青々しい芝が埋め尽くされた会場、もう一つはYOONのApple Musicに登録された音楽が流れる空間となり、2つの空間それぞれで全く異なる演出のもとランウェイショーを行った。また、音楽、装飾だけでなくアンブッシュのオリジナルの演出も起用。”お世話になった人に楽しんでもらいたい”そう願ったVERBALとYOONは、シェフ集団 Ghetto Gastroを招き、日本をテーマにしたお弁当をゲストに配布。ファッション、音楽、食を融合させた新感覚のショーを開催した。着想源はデザイナーが幼少期に着ていた「アウトドアウェア」そんな環境のなか発表されたピースは、YOONが幼少の頃着用していた思い出のアイテム=アウトドアウェアがベースとなっている。オレンジやイエローなどビタミンカラーで彩ったナイロンフーディをインナーに、ダウンジャケットをアウターとして取り入れ、テーラードジャケットなどクラシックなピースはナイロン素材を部分的に配して再構築している。アクセサリーのように飾ったディテールアクセサリーから始まったアンブッシュならではのアプローチとして、装飾的なディテールで彩ったウェアもある。ブランドロゴを胸元に配したスウェットトップスのフードからは、様々な色彩で彩られたドローコードが伸びているし、ダッフルコートにはトグルに変わって飾り紐が取り付けられている。パッチワークしてストリートウェアをアレンジ装いはストリートのエッセンスがベース。スウェットトップス、プリントTシャツ、スニーカーがアイコンだ。それらはカットアウトやデコレーションをしてアレンジ。定番のデニムボトムスは、カラフルなニット地を膝の辺りにパッチワークして、ポップなムードに昇華させている。NYシェフ集団とのコラボT&キャップ発売またアンブッシュ初のランウェイショーでコラボレーションした、ニューヨークのシェフ集団Ghetto Gastroの記念アイテムが、2018年3月28日(水)よりアンブッシュ ワークショップ、ウェブショップで発売。ブラックでまとめたキャップ、Tシャツにはそれぞれ「 ’APPETITE, A UNIVERSAL WOLF’」のメッセージが入っている。【詳細】AMBUSH × GHETTO GASTRO発売日:2018年3月28日(水)取扱店舗:アンブッシュ ワークショップ、ウェブショップ・AMBUSH × GHETTO GASTRO T-SHIRT 8,640円(税込)・AMBUSH x GHETTO GASTRO CAP 7,560円(税込)
2018年03月24日リロト(liroto)の2018年秋冬コレクションが、2018年3月20日(火)東京・渋谷ヒカリエにて発表された。デビューコレクション、マームとジプシーの藤田貴大が演出ファーストコレクションをランウェイで発表するという挑戦的な試みだったが、デビューコレクションは観客の心をしっかりと掴んだようだ。演出を手掛けたのは、マームとジプシーの藤田貴大。会場には、立方体の棒状のオブジェが3つ設けられ、それぞれに柔らかな光を放つ電球が吊るされている。オブジェの数と同じく、ショーも3部構成に分かれている。ショーは3部構成テーマは“東京らしいクラシック”最初に現れたのは、ボリューミーなドレスを着用した3人のモデル。3人はオブジェの中で立ち止まると、本を手にして朗読を始めた。英文を朗読するあどけない口調が、ガーリーなドレスと相まって少女らしさを強調する。3体のドレスは、クラシカルな柄をプリントしたPVCのベールに覆われているが、クラシカルなスタイルを、どのようにモダンにまた東京らしく表現するかということが、今回のコレクションのテーマになっているという。2部は生命力あふれる表現モノクロのドレスに続いて登場したのは、鮮やかな花柄のテキスタイルを取り入れたピースたち。服のパターンはアシンメトリーかつオーバーフィットな感覚で統一され、その上をフリルの装飾が無作為に這う。そういった、シンメトリックではない無秩序なデザインやボタニカルモチーフなどは、有機的で生命力にあふれた自然の形を思わせる。ダークな一面を見せる3部ところが、第3部は第2部とは対照的にダークなムードに包まれ、再びモノクロの色彩がワードローブを支配した。ここでは、中綿入りのキルティングがメインのマテリアルとして用いられている。ケープ風のアウターやスカート、または大胆にセットアップとしてスタイリングされ、現代的なムードを強調していた。なお、デザイナーの富塚尚樹はコム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)のトリコ・コム デ ギャルソン(tricot COMME des GARÇONS)にて企画・パターンを経験。今シーズンより自身のブランドを本格始動させた。
2018年03月23日ジェニー ファックス(Jenny Fax)の2018年秋冬コレクションが、「Amazon Fashion Week TOKYO 2018 A/W」2日目の2018年3月20日(火)、東京・ラフォーレミュージアム原宿にて発表された。キーワードは、"お母さん"今季ブランドが掲げたテーマは、「家族」。その中でも、デザイナー シュエ・ジェンファンは、自身の"お母さん"をメインに取り上げ、OL時代から現在までの半生を、色彩豊かに描いていく。ランウェイとなるステージには、シュエ・ジェンファンの妹によって描かれたという、4枚の色鮮やかな絵が飾られており、"お母さん"に見立てたモデルたちは、この絵の周りをぐるぐると旋回する。異なる色彩とスタイルで魅せるブラウスショーの始まりと共に会場に鳴り響いたのは、1980年代にリリースされた、ボーイズバンド・BOOWYの「わがままジュリエット」。昭和の空気を醸し出す、アップテンポな曲調と共に、OL時代の"お母さん"が姿を現した。モデルが着ているのは、色とりどりのブラウス。肩に空気を含んだように膨らんだ、パフスリーブを採用したものや、モデルが通している袖とは異なる、もうひとつの袖を配したもの、裾の丈を大胆にショートにしたものなど、ひとつとして同じデザインのないブラウスは、鮮やかなカラーに染まりながら、様々なストーリーを伝えてくれる。フラワープリントを散りばめて散見されたのは、テキスタイルの上に花を咲かせるフラワープリント。ショート丈のワンピースには、四季の花を表すかのように、4色の色違いのプリントを組み合わせた。見る角度から異なる花模様の見える、ロマンチックなデザインは、恋に落ちたひとりの女性の姿を彷彿させる。結婚後の"お母さん"の姿とはショーの中盤に差し掛かると、ウェディングドレスを纏ったモデルが現れる。ハート型のアップリケを縫い付けたドレスは、歩く度にキラキラと輝き、ハッピーなムードを漂わせる。しかし、それ以降に登場するモデルたちは、エプロンをモチーフとしたロングドレスや、”お母さん”の体型を表現したという、前方へ不自然にふくらんだスカートなどを纏う。家庭に入り、"母"として生きる1人の女性の姿が表現された。ウィットに富んだ小物アイテムの展開コレクション全体を通して目を引いたのが、ウィットに富んだ小物アイテム。複数個重ねて首からかけた、お菓子の缶や、赤ちゃんをモチーフとしたポシェット、そしてハイヒールの上に、さらにバンドで留めたデコレーションの"靴"など。この靴型デコレーションは、シュエ・ジェンファンの"お母さん"の足のサイズが非常に小さいことから、ヒントを得て、ユーモラスに体現されたものだ。
2018年03月23日ユキ トリヰ インターナショナル(YUKI TORII INTERNATIONAL)の2018-19年秋冬コレクションが、2018年3月20日(火)、東京・恵比寿ガーデンプレイス内「ザ・ガーデンホール」にて発表された。チェック×レオパードで華やかにまず初めに目を惹いたのは、タータンチェックやレオパードといった印象的なパターンたち。レオパードのブラウスに、チェックのジャケットを羽織り、ツイードのスカートを合わせるといった、柄に柄を重ねるスタイリングが多く提案された。主張の強い柄同士が見事に融合し、華やかでエレガントな世界観を生み出している。プレイフルなカラーは潔く楽しむ音楽が切り替わるとムードは一変、メインカラーを潔く1色に絞ったルックが現れた。イエロー、ブルー、ピンクといったプレイフルなカラーリングのワンピースやコートが、ランウェイを鮮やかに彩った。クラシカルな佇まいのフラワーモチーフ後に続くのは、クラシカルな印象のフラワーモチーフ。セットアップやワンピースにプリントされたり、ニットのアクセントやジャケットの裏地として取り入れられたり。ロマンティックでありながら、どこかはかなげな表情を覗かせる花々が、バッグやスカーフといった小物類まで、あらゆるアイテムの上で咲き乱れている。ベロアやファーでエレガンスを加速ラストに向かうに連れ、エレガントなムードが加速。シルクのボウタイブラウス、上品に煌めくベロアのワンピース、袖にファーをあしらったロングコートなど、上質な素材が品格ある佇まいを演出する。最後に登場したのは、クリーンなホワイト、シックなブラックの2つのドレスルック。ショーを締めくくるのにふさわしい、正当な気品あふれるスタイルであった。
2018年03月23日サポートサーフェス(support surface)の2018-19年秋冬コレクションが、2018年3月20日(火)、東京・表参道ヒルズ スペース オーで発表された。静と動今シーズンは、肉体を静物ととらえた時に、如何に命を吹き込んでいくか?という問いを装いに落とし込んだコレクション。“静”の身体が“動”の衣服をまとうことによって、生きた美しさを体現する。ディテールが服全体を形作る襟元やバックに寄せたギャザーや、立体感を生み出すタックを複雑に施すことで意外性のあるフォルムを作り出す。胸の直下を絞ったり、無数のひだを作り出したり。サイドをギュッと絞り上げたようなユニークなフォルムのスカートや様々な方向に布地が流れていくドレスなど、服の一部であるはずのギャザーやタックが全体に影響を与え、服を形作っていく様子が見える。様々な二面性新たな一面を引き出す生地使いファーを一面にあしらったスカートや、ウールのドット地を施したスカートは、前後で異素材と切り替えられ、平面的/立体的、無地/柄、無彩色/有彩色など、様々な二面性を見せる。また、生地のバイアス使いも散見された。チェック地をバイアスにとると、普段とは異なるアーガイル柄のように見える。ストライプ柄の生地やコート地も、斜めに使用されることで表情が変化していく。わずかなひねりを加えることで、新たな一面を引き出していく。硬質な素材を柔らかく多彩な布地で表現されたコートはいずれも、ワンピースを着ているかのような軽やかさと優雅さが印象的だ。本来は厚く固い生地に柔らかさを与え、うねるような動きのコートに仕立てた。メンズのスーツ地に採用するような、梳毛のウール地を使ったワンピースも同様だ。パリッとした硬質なスーツ地は、カッティングやドレープ感も相まって、しなやかさを表現する。真鍮にダイヤモンドカットを施したネックレスや、ドレスの背中を横断するチェーンがキラキラとした光を放つ。ウール素材の、毛や温かみを感じさせるふわふわとした質感に、鋭利な輝きのアクセントを加え、ルックの全体感を引き締めている。
2018年03月23日ミドラ(MIDDLA)の2018-19年秋冬コレクションが、2018年3月20日(火)、東京・渋谷ヒカリエにて発表された。テーマは「Birds of a Feather」今季初めて東京コレクションに参加したミドラ。シーズンテーマに据えたのは「Birds of a Feather」だ。羽根を持つ鳥たちが群れをなすかのように、ミドラの"日常着"が一連の流れでランウェイに現れることによって、非日常的な世界観を創り上げることを目指した。パターンは千鳥格子をメインに目を惹いたのは、千鳥格子のパターン。レッドカラーのプリーツスカートをはじめ、アイスブルーのワンピース、ダークカラーのテーラードジャケットまで、色や格子の大きさを変えることで異なるニュアンスを生み出していた。ゆったりとしたシルエットが主流シルエットはロング丈のシフォンワンピースやゆったりとしたワイドパンツなど、全体的にリラックスしたムードが漂う。また、コートの背中にはプリーツが施されていたり、軽やかなチュニックは後ろ下がりのデザインになっていたりと、バックスタイルでエレガンスを魅せる表現も目立った。ラストはピュアホワイトのドレスショーのラストを飾ったのは、ピュアホワイトの繊細なドレスたち。何層にも重ねられたプリーツやレーシーなテキスタイルが歩くたびに揺らめき、群れをなした鳥たちが羽ばたいていくかのようだった。
2018年03月23日マドモアゼル・ユリアが展開するグローイング ペインズ(GROWING PAINS)の2018-19年秋冬コレクションが2018年3月20日(火)、東京・コスモプラネタリウム渋谷で発表された。今シーズンのテーマは「メテオール(METEOR)」。これまでテーマに沿った女性像を描いてきたブランドだったが、デザイナー・ユリアの意向によって、性別や年齢など様々な要素に捉わられることのないファッションと世界観を展開した。「メテオール」「メテオール」は日本語で"流星"という意味。ユリアが幼いころから憧れを抱いていた「宇宙」がデザインのベースだ。『美少女戦士セーラームーン』、『マクロス』シリーズなど幼少期に見ていた「宇宙」に関連するアニメや映画のフューチャリスティックな世界への羨望をアイテムに落とし込んだ。また、RMK(アールエムケー)とのコラボレーションによる煌びやかなメイクがルックに施され、さらなる"宇宙感"がラインウェイに演出された。宇宙空間からのインスピレーションラメを使ったセットアップは流れ星や宇宙の輝く恒星を連想させるアイテム。ブラックなど暗めの色がアイテムのメインカラーとして使用されるショーの中で、このセットアップには光沢のあるオレンジが採用され、一際大きい存在感を放った。「メテオール」と並ぶキーワード「ダークマター」も併せてアイテムにデザイン。ショーの随所で登場したロングスリーブTシャツは、今シーズンのメインビジュアルのグラフィックと、片仮名のスリーブプリントによって、ストリートなテイストを含んだアイテムに仕上げられた。変形MA-1やジャケットなど、宇宙服から着想を得たアイテムが多数登場する中でも目を惹いたのが、このロングダウンコート。襟が開き、身幅は上から下へと向かっていくに連れて広がっていく全体のシルエット。ユニセックスサイズであるため、女性が着ればビッグシルエットになり、男性が着れば、ジャストの袖丈と広がった裾によって不思議なサイズのコントラストが生まれてくる。ありそうでなかったシルエットは、まさに"未知なるもの"を表現したかったと話すユリアの構想と合致するデザインだ。ファッションの自由また、ルックがアクセサリーとして持っていたのがPVCトートバック。現代的かつ実用的なこちらのアイテムは、片面を『ポプテピピック』など大量の日本アニメの缶バッジでカスタム。それは、アグレッシヴな雰囲気のショーの中で異彩を放ちつつも、違和感なくスタイルの一部として取り込まれていた。「好きなものを好きなように飾り付ける。」「ジャンルの垣根を越えてデザインに作用し合う。」―カスタマイズされたPVCトートバッグの存在は、ブランドが"何かに縛られることのないファッション"を提示する手段だったのかもしれない。
2018年03月23日メミューズ(MEMUSE)の2018-19年秋冬コレクションが2018年3月20日(火)、東京・ラフォーレミュージアム原宿にて発表された。現役アイドル・でんぱ組.incのメンバーでありメミューズのデザイナー・相沢梨紗が掲げた今シーズンのテーマは「クラス」。前シーズンは自身の持つ世界観を自由に表現したというが、今回は「クラス」、「学校」といった校則やしきたりに捉われた世界の中で自らの感性を展開させた。ランウェイは、全体的にアカデミックな要素を取り入れたスタイル。メミューズオリジナルのチェック柄を用いたワンピースに、セーラー襟を組み合わせるなど学生服をイメージしたルックが目立った。実は、登場した全ルックには1クラスの"生徒"と"先生"というキャラクター設定を持たせている。例えば、中世ヨーロッパを彷彿とさせる花柄布地やレースを使用したロングワンピースは、古典的で規則に捉われた"先生"なのだ。また、クラスメイトにも多様なパーソナリティーが設定されている。眼鏡をかけ、キルティング生地でできたスカートとファーシューズを履いているのが、クラスの主人公。ランウェイにおいて、眼鏡とキルティングスカートを着用しているのはこのルックのみであり、特異な存在だということがわかる。さらに、もう1人特異なのがクラウンメイクを施したルックだ。彼女は、クラスで問題が起こった時に冷静に解決しようとする"学級委員長"のようなポジション。この"クラス"での重要性を表すかのように、スタイリングのベースとなる生地にはキルティングを施し、唯一メミューズのロゴが刺繍されている。自らのパーソナリティーを保つために着る鎧、それがメミューズのコンセプトでもある「バトルドレス」。多様なキャラクターに個性を与えたスタイリングは、どんなパーソナリティーやポジションの女性でも可愛くなれる、そんな相沢梨紗の理念が感じられた。
2018年03月23日ドレスドアンドレスド(DRESSEDUNDRESSED)の2018年秋冬コレクションが、「Amazon Fashion Week TOKYO 2018 A/W」2日目の2018年3月20日(火)、東京・渋谷ヒカリエにて発表された。今季のテーマは「I’m sexy」。"Hiding(隠す)"、"Showing(見せる)"、"Alone(孤独)"という3つのキーワードを念頭に置き、大人のロマンスの香るコレクションを展開する。木槌で壁をたたくような合図と共に、ショーは開幕した。ランウェイの始まりを飾ったのは、白ブラウス1枚のみをさらり羽織ったセクシーなルックの女性モデル。続いて登場した男性モデルは、シャツとパンツのフォーマルスタイルでありながら、正面のブリーフラインからシャツをだらしなく出している。デザイナー・北澤武志曰く、このファーストルックは、"男女の密会"をイメージしたもの。一見シンプルに見える女性のシャツは、ブラのワイヤー部分の型を施した、センシュアルなデザインで、隠しているように見せて、ついつい見せたいと思ってしまう、人間の心理を描写している。レオタードのようなスーツや、アンダーバストでカットしたシャツなど、身体のシルエットを強調したアイテム目立つ。また、「I’m sexy」というロゴプリントを配した、遊び心に富んだTシャツやジャケットも展開された。コレクションの世界感をさらに盛り上げるのが、ウェアを飾るディテールだ。ワンピースのサイドの途中までしか留めきれていないジップや、ブリーフラインに切り込みをいれたボトムスのカット部分などによって、モデルたちの肌やウェアはその一部だけ露わとなっている。見えているけれども、全て見せきってはいない、キーワードの要素を体現した。ひと際目を引いたのが、オーガンジー素材のジャケットを彩った、鮮やかなオレンジカラー。ブランド初の採用となるオレンジは、イマージェンシーカラーであると同時に、エナジーカラーとしても知られている、2面性のあるカラーリングだ。ここでは、孤独故に生じる心の叫び、かたやパワフルなエネルギーなど、纏う者によって意味合いの異なるルックを表現した。ラストを飾ったモデルは、ファブリックが剥がれたことで、イラストが露わとなったバックパネルジャケットを羽織っている。わざと異なるテキスタイルを使用することで、昔のブラウン管のテレビを消した時のような様を表現している。
2018年03月23日