セリーヌ(CELINE)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月1日(金)に発表された。新セリーヌウィメンが誕生エディ・スリマンによるセカンドシーズンは、デビューショーとは“印象の異なる”新しいセリーヌウィメンのスタイルを提案。エディがクリエーションを進めるにあたり探求したのは、セリーヌの歴史だった。シンボル「トリオンフ」だらけの洋服&小物一つは、1972年に生まれたセリーヌのシンボル「トリオンフ(TRIOMPHE)」。非対称のCが並んだような特徴的なマークは、凱旋門を囲むチェーンをモチーフにしたもの。今季は“セリーヌ印”と言わんばかりに、洋服、バッグ、小物、さらに革小物にまでこの「トリオンフ」を取り入れた。創業時の馬具モチーフのアイコン「モルス」が復活もう一つは、さらに歴史を遡り、子供の靴店として誕生したセリーヌの創業時からピックアップ。ブルジョワのキッズたちが好んで履いたというセリーヌのシューズのディテール「モルス(MORS)」を現代に蘇らせる。これまで様々なデザイナーが、セリーヌの歴史を繋いできたが、この馬具をインスピレーションにした「モルス」を復活させたのは、エディが初めてだという。いまの女性が着やすいデイウェアセリーヌの歴史をヒントに作られたのは、ブランドに伝わるアイデンティティを保持しながらも、現代の女性たちが着やすいウェアラブルなピースだ。シャツやデニム、メンズライクなジャケットなど、デイリーに取り入れやすいデザインが揃っている。スタイルは大きく分けて3種類。いずれも、過去のセリーヌの広告ビジュアルなどのスタイルを参考に生まれたものだ。70年代後半のパリジェンヌたちが好んだ、テーラードのジャケットとプリーツスカートのコンビ。フェミニンさを加えたシックなルックは、当時の趣は持ちながらも、ティアドロップのアイウェアを合わせるなど、ウィットに富んだアイデアで咀嚼され、モダンなデザインに進化している。「カレッジガール・スタイル」と称されたスクールガールイメージのルックは、より日常的に着こなしやすいデニムパンツ、スタジャン、レザーのジャケットなど。どれも膝上のニーハイブーツを合わせて、クールに着こなすのが新生セリーヌ流だ。フィナーレにかけて登場したのは、イブニング、カクテルドレスなどのピース。デビューコレクションでも見られた、アトリエの職人たちの繊細な技術が生かされたドラマティックなドレスが揃う。中には、 1,200時間9人の職人によって作られたクチュールピースも登場している。
2019年03月08日アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月4日(月)に発表された。北のイギリスを旅して…今シーズンは、クリエイティブ・ディレクターのサラ・バートンが生まれた英国の北エリアが着想源。豊かな自然に溢れ、ファッション関連の工場が連なるスポットに、アトリエチームが実際に訪れ、目にしたもの、学んだ技術などをインスピレーションに、クリエーションを始めた。ファッション工場で見た知識をテーラードに落とし込む工場エリアで得たテキスタイルの知識。職人たちの繊細な技術は、テーラードスーツに落とし込まれた。素材はもちろん英国産で、驚くほどやわらかな肌触りのカシミヤや薄く軽いフランネル素材を使ってスーツを仕立てる。スリムなボディに組み合わせたのは、流れるのようなアシンメトリーなライン。男性的な装いに流動的なアクセントを取り入れることで、女性らしさを引き出している。“人工的アクセ”でパンチを効かせる工場の機械が着想源となり、シルバーのハードなアクセサリーが生まれた。クラシックなスーツ、ドレッシーなワンピースには、ハードなシルバーチョーカーをプラス。また、英国ならではのアイデアで、パンクの要素も取り入れ、ドレスにハーネスやスタッズベルトを組み合わせる。豊かな自然を表すローズ豊かな自然が広がる北のイギリスを想起させる、ローズのモチーフも印象的だ。ふわっと広がったフレアドレスには、ローズのモチーフをまんべんなくプリント。ダークなカラーリング仕上げることで、寒い北の地域の雰囲気までもファッションの中に落とし込む。フィナーレにかけて登場したドラマティックなドレスは、まさにローズそのもの。テキスタイルを花びらのように重ねて、芸術品のようなピースを完成させている。マニッシュ×フェミニンのMIXコーデコットンポプリンのホワイトドレス、テープ状のフリルを全面にあしらったロングドレス、一度編んだニットをほぐし、ボーダー状の透かし模様に仕上げたニットドレス。今季は女性らしいデザインのドレスが多く、ショルダーをカットオフして肌みせしたり、センシュアルなディテールも見られた。一方で、フットウェアはザ・イングランドのパンクテイスト。ほぼすべてのルックには、ボリューミーなブーツが組み合わせられていて、パンチの効いた着こなしが提案されている。
2019年03月08日A.P.C.(アー・ペー・セー)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月4日(月)に発表された。キッチンをキーワードに、アトリエでショー開催A.P.C.のショーがアトリエにカムバック。ここ数シーズン別のスポットを会場にしたランウェイショーが続いていたが、今季はホームで再びショーを開催。吹き抜けになった会場上では、A.P.C.スタッフがショーの様子を覗いているなど、温かみのある雰囲気が広がっていた。コレクションのキーワードは「キッチン」。落ち着きや安らぎをもたらすキッチンのイメージをファッションに落とし込んで、リラクシングな雰囲気を作る。ショーの始まり前には、デザイナーのジャン・トゥイトゥのスピーチが行われ、ファッションを通して新しい何かを起こしていきたいというメッセージが伝えられた。他のアーティストと“調理”した限定ピースもまた「キッチン」のキーワードから派生して、他のアーティストと“調理”する共同製作も実施。A.P.C.で長年スタイリングを担当しているスタイリストのスーザン・カラー(Suzanne Koller)、ブレイン デッド(BRAIN DEAD)とタッグを組んだファッションピースも交えて、新しいA.P.C.流ファッションを届ける。スタイルは、シンプルでクラシック。落ち着きのあるカラーリングで仕上げた、ジャケット、シャツ、ワンピースなどオーセンティックなアイテムを主役にしている。そこにアクセントを加えるのが、色鮮やかなピース。パキっとイエローのベルベットトップスやネオンピンクのハイネックトップスなどが、アクセントカラーとなり遊び心をプラスする。また、ブラックレザーを積極的に取り入れたのも印象的。プリーツスカートのセットアップやノーカラーコートなど、上品なアイエムを黒革で仕上げることでシャープな印象に昇華させた。共同“調理”ピースも登場ブレイン デッドと共に作り上げたのは、ストリート色の強いポップなデザイン。胸元にグラフィックパッチを配したボアのベストは、重ねるだけで、フレンチシックを中和させる刺激的なピースだ。A.P.C.のアイコン・デニムを使ったジャケットには、前面にテキストを配置。また、Suzanne Kollerとはカーキのパーカーと、djellabaと呼ばれるダークネイビーのロングコートを作り上げた。カジュアルに着れるロングドレスでフィナーレラストにかけては、カジュアルに着こなせるロングドレスを提案。エレガントなストレートラインを描くドレスにはコットン地を使用し、小さな小花柄を散りばめることで、温かみのあるデザインに仕上げている。
2019年03月08日エボニー(EBONY)の2019年秋冬コレクションから新作を紹介。"現代民族"がコンセプト2019年秋冬コレクションは、"現代民族"をコンセプトに、手の込んだ素材をデイリーに着用できるピースを展開。エボニーがブランド誕生時からこだわっている素材選びにより一層重きを置き、オリジナルの素材作りに力をいれた。今シーズンの注目は、ブランド初となるニットウェア。「フリンジ ハンド ニット(Fringe Hand knit)」には、2種のインポート糸を使用。スペインメイドの温かみのある糸と、動物の毛並みを表現したフェイクファー糸を巧みに編み込み、複雑な表情に仕上げている。ボリューミーな袖とリングフリンジも目を惹く。ニットと合わせて着用したい「フリンジ タイト スカート」は、ツイード風のダブルジャージー素材をベースに、ウールレースとフリンジをプラス。"現代民族"を思わせるモダンかつエキゾチックなムードに仕上げている。子羊の毛を用いた軽くて温かいウール素材をベースに、ウールレースとフリンジを加えた「ウール レース ドレス」は、ゆったりとしたシルエットながらも、サイドベルトでウエストを絞ることができ、自分好みのスタイルで楽しむことが可能だ。なお、ウェアの他にも、天然素材と真鍮を使った存在感溢れるアクセサリーも取り揃える予定だ。受注会を大阪で開催エボニー2019年秋冬コレクションの受注会が、2019年4月19日(金)から22日(月)まで、大阪のミッドウエスト オオサカにて開催される。受注会では最新コレクションをいち早く目にすることができるほか、サンプルを試着し、購入予約をすることが可能だ。【詳細】エボニー 2019年秋冬コレクションアイテム例:・フリンジ ハンド ニット(Fringe Hand knit) 49,000円+税・フリンジ タイト スカート(Fringe Tight skirt) 34,000円+税・ウール レース ドレス(Wool Lace Dress) 52,000円+税※価格は全て予定。変更になる場合がある。■受注会日程:2019年4月19日(金)~22日(月)開催店舗:ミッドウエスト オオサカ住所:大阪市北区梅田2-2-22 ハービスプラザエントB1TEL:06-6343-7133営業時間:11:00~20:00※ミッドウエスト公式オンラインストアでも同時開催。4月19日(金) 12:00~22日(月)23:59まで。
2019年03月08日ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。テーマは「ファッションのビジョン」今季、ニコラ・ジェスキエール率いるルイ・ヴィトンが掲げたのは「ファッションのビジョン」というテーマ。自分の可能性を確信しこれが進むべき道であるという信念をもつこと、自分のスタイルに自信を持つこと、といった強いメッセージをファッションを通して伝える。パワーショルダーがポイントそのテーマが持つパワーは、力強いシルエットで詩的に表現された。大きく張り出たショルダーと、肩のラインを強調させるスリムなウエストライン。このコントラストの効いたフォルムは、ほぼほぼ全てのルックに起用されている。プリントドレスは、肩から胸にかけて大きなラッフルがあしらわれ、ウエストは太いベルトでマーク。ライダース風のジャケットは、ボックス型のシルエットに整え、身丈を短くカットオフしてウエストマークしている。スタイリングも相反するものを共存させることで、それぞれの個性を際立たせた。シャツ&タイにパンツを組み合わせた、上品なボーイズスタイルには、懐かしさを感じさせる小花柄のロングベストをレイヤード。ハーフジップのスポーティなトップスには、シンプルなVネックニット&スパンコールスカートを合わせてテイストをミックスさせる。鮮やかなカラーでエネルギッシュにカラーパレットは、エネルギッシュでパンチが効いている。グリーン、ブルー、レッド、イエロー、ピンクなど、鮮やかなカラーパレットを花柄、ストライプ、チェック、ドットなど様々なパターンと自由な発想で組み合わせる。また、パリの美術館ポンピドゥーセンターを一つのキーワードに掲げた今季は、アーティスティックなモチーフも、ブラウスやレザージャケットなどに取り入れられている。
2019年03月08日ビューティフルピープル(beautiful people)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月4日(月)に発表された。新しい視点でクラシックを紐解くテーマは「サイドC」。クラシックなものを特別にする、ビューティフルピープルが提案する新しいものの見方。2019年春夏に続く今季は「ボリューム2」とし、新しい視点でクラシックを紐解く。「洋服の内側」にフォーカス着目したのは、普段隠れている洋服の内側。身体に寄り添い、快適な着心地や安心感をもたらしてくれるインナーを主役に洋服を仕立てた。なめらかな肌触りのサテンや、保温性を高めてくれるウール、温かみをもたらすファーなどが、内から外に飛び出しファッションの新しい楽しみ方を教えてくれる。トレンチコート、モッズコート、フーディコートなどのアウターは、前面でインナーがむき出しに。シルエットはどれもロングで流れるような動きをみせ、まるでドレスのような優美さを醸し出している。また、ライナーと洋服の間に隙間を作り、そこに体を通すデザインも提案。通常は、後ろのライナーが露わになり、サイドシームは縫い合わされず開いたままの状態になっているので開放的なスタイルとなっている。肌と一体化するファッションピース洋服の内側への探求を進め辿りついたのは肌。ニットやドレスは身体に張り付くようなタイトなデザインとなっていて、一体化していると思えるほど自然に肌の上に溶け込んでいる。内臓・血・筋肉を暗喩したフラワー柄さらに探求を進め、皮脂の下に隠れているものにも注目。内臓器官、流れる血液、動きのある筋肉、こういったものを暗喩したようなボタニカルモチーフをドレスやニットにあしらっている。
2019年03月08日シャッツィ・チェン(SHIATZY CHEN)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月4日(月)に発表された。テーマは「ガーディアン」。中国の少数民族・苗族の神話から着想今シーズンの始まりは、中国の少数民族・苗族(モン族)の神話から。龍の頭に魚の体を持つ伝説の生き物やフェニックス、命の花、9つの太陽、蝶など、神話上のモチーフを落とし込み、ドラマのあるデザインを完成させる。神話のストーリーは、シャッツィ・チェンが深い愛情で守ってきた刺繍の技術で表現。アウターやドレスの胸元には、職人たちの手によって命を吹き込まれたアイコニックなモチーフたちが。フーディトップには3D刺繍の蝶をオン、ジャケットにはフラワーのステッチが施されている。フェミニンドレスで可憐さプラスチャイナ服をアレンジしたドレスやマオカラーのトップスなどで、オリエンタルなムードは継続しながらも、フェミニンなムードを交えているのが印象的。レースやオーガンザで仕上げたエアリーなドレスは、ドラマティックな仕上がり。立ち襟になっていて、襟から花開くようにふわっとレースが顔を出していて、可憐な雰囲気を助長する。ダウンを“雲のように浮かせる”テープベストまた、繰り返し登場したブランドロゴ入りテープベストも、今季を象徴するピース。ドレスに重ねるとスポーティさが加わり、カジュアルダウンしたスタイルが楽しめる、優秀な小物だ。ダウンジャケットをひっかけて使い方の”お手本”も披露。ダウンジャケットは雲のようにふわふわと揺れ動き、ユニークなバックスタイルを築き上げていた。
2019年03月08日アニエスベー(agnès b.)は、メンズ・ウィメンズの合同ショーで2019-20年秋冬コレクションをフランス・パリで2019年3月4日(月)に発表した。「カーディガンプレッション」を男女で着こなすメンズ・ウィメンズの合同ショーでは、性差を越えたファッションの楽しみ方を提案する。特徴的なのは、男性モデルと女性モデルが同じデザインのアイテムを着用していること。40周年を迎えるブランドのアイコン「カーディガンプレッション」は、男女どちらも様々なアイデアで着こなしている。カーディガンの中にインナーを忍ばせ、首元でカラーコントラストを効かせたルック。パープルのカーディガンに、ブルーのコート、ネイビーのトラウザーを合わせて、クールなスタイルを披露。同じアイテムでコーディネートしても、男性が着るとシックに、女性が着るとポップに見えるのがユニークだ。ストリートのエッセンスを取り入れて、シャツ&カーディガンプレッションの上にフーディコートを重ねたスタイル。さらにキャップを取り入れて、プレイフルに着崩した。ロング丈にしたカーディガンプレッションは、ボーダートップス&ミニスカートを組み合わせて、フレンチシックにスタイリング。フーディ付きの進化版カーディガンプレッションも登場している。アフリカ出身の写真家の作品を再現アフリカ出身の写真家マリック・シディベからインスピレーションを得て、彼の作品を模した男女のルックは合同ショーならではの演出。女性はノースリーブドレスを、男性はホワイトのセットアップに白シャツを組み合わせ。マリック・シディベの作品のように、ランウェイでは2人のモデルがカップルのように楽しく踊る姿も見られた。美しい風景をファッションでも楽しむアニエスベーのプリントシリーズには、アニエスべー本人が撮影した冬の美しいシーンを起用。青空に向かって枝を伸ばす木々や夕陽の落ちる水面、寒風に吹かれながらも、目に入るとほっと安心できる美しい風景が切り取られ、ドレスやスカートなどで花を咲かせている。
2019年03月08日ヴァレンティノ(VALENTINO)の2019-20年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2019年3月3日(日)に発表された。テーマは「愛」テーマは愛。すべてのものの”接着剤”となる、不思議な愛のパワーをファッション、そしてアーティストとのコラボレーションによって表現する。はじまりは、グレタ・ベッラマチーナ、ムスタファ・ザ・ポエット、イエルサ・デイリー=ウォード、ロバート・モンゴメリーの4人の現代詩人が綴った愛のポエムから。その愛おしい言葉たちを、アンダーカバー(UNDERCOVER)の高橋盾が解釈しグラフィックを作成。2019年秋冬メンズコレクション同様に、クチュール×ストリートのコラボレーションから生まれたのは、薔薇、蝶、キスする男女の石像という3つの要素をコンビネーションさせたグラフィックだ。情熱、深み、奇抜さ…など様々な形容詞が当てはまるアイコニックなグラフィックを、ヴァレンティノならではのクチュールのテクニックを使って、上品に描き出す。ファブリックの切り替えやインターシャ、エンブロイダリーなど、熟練の技が光る繊細な技術によって命が吹き込まれ、コートやドレスの上で顔を出している。隠れた愛のポエム高橋盾とのコラボレーションを喜ぶように、グラフィックを用いたウエアには、着想源となった4人の詩人のポエムから一節を切り取って、洋服に配した。フーディトップスのフード部分やニットトップスのバックスタイル、またコートの内側や裾に愛の言葉を忍ばせたものもある。ヒールシューズでエレガントな足元にストリートとのタッグによって生まれた“軽さ”は、ヒールシューズをミックスさせることでエレガンスへ進路を変更。ウエッジソールやチャンキーヒールなど、足をキレイにみせながらも歩きやすい、女性に優しいデザインとなっている。ハッピーなカラーパレットカラーパレットは、愛がもたらす幸福感や高揚感を表現するように鮮やか。カドミウムと名のついたフレッシュなオレンジやネオンピンク、フレッシュなイエローが、ヴァレンティノのならではのシフォン、レース素材のドラマティックなドレスに取り入れられている。
2019年03月08日ジバンシィ(Givenchy)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月3日(日)に発表された。MIXジェンダースタイルを楽しむ今シーズンのキーとなるのは、男性性と女性性の融合。マスキュリンなピースはより男性的に、フェミニンなピースはより女性らしくデザインし、それらを組み合わせることで、「ミックスジェンダー」のスタイルを作り出す。マニッシュにこだわったジャケットジャケットは、ウール、ツイードなど紳士服にみられるオーセンティックなファブリックを使って仕立てた。ハリのある素材の特徴を存分に活かし、肩回りは張り出したラウンドショルダーに仕上げ、力強さを演出。また、MA-1のアームにダウンジャケットのボディを組み合わせたスポーティなアウターも登場している。女性らしさを追い求めたドレスロング丈のドレスは、フラワーのプリントを配したり、プリーツ加工を施したりして、可憐さを増長。袖の周りにフリルをあしらうなど、可愛らしいディテールもポイントだ。相反するものを融合させたスタイリングスタイリングはこれらの要素をコンバイン。パフィーなショルダーのビスチェは、スーツ風のトップス&パンツとスタイリング。甘さと辛さを共存させ、コントラストの強いルックを作り出している。また、コーディネートの幅を広げてくれる3種類の新作シューズも注目。ドレッシーなヒール、ボリューム感のあるメンズライクなブーツ、英国調の厚底シューズがラインナップしている。
2019年03月08日パコ ラバンヌ(paco rabanne)の2019-20年秋冬コレクションがフランス・パリで発表された。”バブル黄金期”の社交場をイメージ今季の起点は、1930年代そして1960年代の”バブル黄金期”。ディスコや軍事イベント、レッドカーペットなど、その時代の華やかな社交場に視点を定め、参加者たちが纏った衣装や愛したファッションにフォーカスを当てた。煌びやかなナポレオンジャケット軍事イベントへの参加者たちからたどり着いたナポレオンジャケットは、襟、袖口に金糸で煌びやか装飾を施し、華やかに仕上げた。ロングコートは、袖口の金刺繍だけでなく、襟から裾までファーをあしらうことでよりゴージャスな雰囲気を作り出した。30’sから蘇るオートクチュール風ピース1930年代のオートクチュールから切り取ったドレスやビスチェには、花々や扇型モチーフのグラフィカルパターンをのせて。前後アシンメトリーなスカートは、パーティードレスのようにバックスタイルがロング丈になっていて、エレガントなムードを放っている。ディスコパンツをより個性的に着こなすディスコシーンから選出されたディスコパンツは、メタリックピンクやパープルの”派手”な配色が魅力。ゼブラ柄のニットやギンガムチェックのロングコートなど、パンチの効いた個性的なアイテムとミックスコーディネートすることで、活気あるナイトシーンを表現している。アイコンバッグ50周年円形のパーツが連なったブランドを代表するバッグからは、誕生から50年を記念したアニバーサリーデザインが登場。また、星のパーツを組み合わせたポップなスタイルも提案されている。
2019年03月08日イーチ アザー(EACH OTHER)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月3日(日)に発表された。ミュージシャンの生歌からスタートミュージシャンのパフォーマンスから幕を開けたショー。生歌の後に披露されたのは、クラシックなルックだった。パンツスーツやストライプシャツ、ミディ丈のスカートなど、オーセンティックなアイテムが並ぶ。模様などの起用は控えめで、鮮やかなカラーのパワーを楽しんでいる。クラシックウェアをプレイフルにアレンジまた、クラシックな装いに遊びをいれたピースも登場。パンツスーツのジャケットに手を加え、ラペルを小さくし、異素材のベルベット地に変化させたものや、腕周りにボタンをぐるっと配して着脱できるようにしたジャケット、胸元にカッティングを入れた白シャツなどがラインナップしている。ニットレイヤードで“平凡打破”オーセンティックなウェアをプレイフルに着るため、ニットを使ったレイヤードピースも提案。着丈が”非常に短い”トップスやアームカバー、スカートの下に重ねるニットパンツなど。どれもユニークな組み合わせでコーディネートされ、クラシックウェアの厳格さを緩和させている。
2019年03月07日クロエ(Chloé)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年2月28日(木)に発表された。オーロラを追い求める旅旅をキーワードに様々なクリエーションを展開するクロエだが、今季は、オーロラの広がる大地やロストフォレストへ歩みを進めた。絶景が望める一方、人には厳しい寒冷な地域。自然の美しさと厳しさを同時に感じられる地に足を踏み入れる、勇敢な女性像を描き出す。男性的なアウターが描く、勇敢な女性像寒冷地への旅に向けて用意したのは、暖かいアウター。勇敢なクロエガールにふさわしいマニッシュなデザインを基調としている。ウールとニットをコンバインさせたロングコートは、どことなくミリタリーな雰囲気も醸し出す。ファー付きのMA-1やチェック柄のダウンジャケット、ムートン、そしてクロエ自慢のケープも用意している。男性的な装いから派生して、ユニフォームのエッセンスも様々なピースから見て取れた。細身ラインのニットワンピースやトップスには、制服の定番モチーフであるアーガイル柄が刻まれている。グラフィックに隠された3つのキーワード今季のキーワードとして挙げられたLOVE、NATURE、commitmentの3ワード。これを表現するピースとしてグラフィカルなプリントのTシャツが登場。豊かな自然で佇む男女のカップルやペガサスのモチーフが、ファンタジックに描かれている。同時に、カップル・ペガサス・自然の絵柄は、トワルドジュイ風のデザインとなり、ブラウス上でも表現された。フェアリーなドレスでフィナーレへフィナーレにかけては、序盤とは一転フェミニンなウェアが勢ぞろい。フェアリーのイメージを投影したというドレスは、刺繍やプリント様々な手法で花々が描られている。スカート部分は、上下左右非対称的なアシンメトリーなシルエットが特徴で、今季はサイドにノットを配したデザインを提案。柔らかな素材をノットで調整することで、より流れるような美しいシルエットが表現されている。
2019年03月07日sacai(サカイ)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月4日(月)に発表された。ボリュームアウターの量感をコントロール今季のsacaiは、シルエットに緩急をつけたボリュームアウターが主役だ。ダウンや厚手のウール、さらに暖かさの象徴でもあるニットなど温かみのあるファブリックを起用。レングスも長めに整えて、寒風から身を守ってくれる女性に優しいピースを完成させた。シルエットは、ふわっと広がったAラインが基本。ふっくら厚みのある素材をAラインにそのまま取り入れてしまうと”大きくなってしまう”が、そこはベルトやギャザーなどによって女性らしいシルエットを形成。太いベルトやロープでウエストをシェイプさせたり、バッグスタイルにギャザーを寄せて、女性らしい砂時計型を作り出したり、メリハリのあるシルエットが印象的だ。遊び心あふれるディテールまた、ボリュームアウターというキャンバスには遊び心のある装飾で、個性という名の色を添えた。ピーコート風のウールコートは、胸下でカットアウトしジップを配して、ボディそのものをアンバランスな姿に変換。ダブルのウールコートには、ビックサイズのポケットを胸元にのせた。ヘムラインや袖口に異素材を配してフリルのようなふわっと広がったフォルムに仕上げているものもある。カラフルペインティングがアクセントにスタイルは、sacaiらしいテイストミックス。ミリタリー、ワーク、エスニック、スポーツ、クラシックなど、様々なスタイルが一つのガーメントの上で重なり合う。カラーはモノトーンやアースカラーなど、落ちつきのある色彩がメインだが、鮮やかなカラーを散りばめられたペインティングでアクセントを効かせている。
2019年03月07日ハイダー アッカーマン(HAIDER ACKERMANN)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月2日(土)に発表された。昨シーズンより合同ショーをスタートしたブランドは、今季も引き続きメンズ・ウィメンズの新作を同時に見せる。黒・白・赤たった3色で作る個性あふれる世界今シーズンは、シックなブラック、ピュアなホワイト、そして情熱的なレッドの3色がメインカラー。ほぼほぼ全てのルックがこの3色によって構成され、組み合わせ方や模様、モチーフの配置の位置を変え多数のデザインを作り出す。カラーブロックのように左右、前後で色を変えたロングコートや、袖口のみ赤を差したホワイトのオーバー、アームラインのみ赤色に染めたブラックのジャケットなど、色の配置を変えることで個性を引き出したルックたち。同じ3色を使いながらも、チェッカーフラッグモチーフをあしらったジャケットやシャツ、ストライプ柄のロングコートなど模様を組み合わせてアレンジしたルックもある。立体ディテールでスリムジャケットに動きをプラススーパースリムな細身パンツにタイトなジャケット。おなじみのハイダー アッカーマンのユニフォームは、折りを使ってアレンジ。胸元のテキスタイルを折り紙を折るように手を加え、立体的なモチーフを施したジャケットは、コンパクトな空間に遊び心のある動きを加えている。ボリュームアウターが充実反して、ハイダー アッカーマンらしい“スリムユニフォーム”と対峙させるように、オーバーサイズのピースも多く提案された。腕周りもゆったりと取ったドロップドショルダーのコートや、羽織り風の総柄コート、肩周りに丸みのあるウールコートなど、ゆったりとしたアウターが揃っている。
2019年03月06日イザベル マラン(ISABEL MARANT)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年2月28日(木)に発表された。パワーショルダーの80年代を着想源に今シーズンのキーワードは「タイムレス 80’s」。ボリュームショルダーを繰り返し登場させ、80年代の特徴的なスタイルを現代に運んだ。トップスは贅沢に生地を使用し羽根のような広がりのあるショルダーラインに。ベストは斜めにカットアウトすることでツンと張った主張のある肩周りを完成させる。肉厚なニットは、ボディとアーム部分を立体的に組み合わせることで、80’sのシルエットを整えた。ワンピースも2ピーススタイルも、どちらもウエストマークすることで、美しい逆三角形のシルエットを作り上げている。旅人の勇敢さをマニッシュなスタイルで描くまた「旅」も今季を紐解くキーワードの一つである。何が起こるかわからない旅だからこそ、ワークパンツやミリタリーテイストのシャツ、オールインワンなどマニッシュな装いを登場させることで、旅に勇敢に立ち向かうアグレッシブな姿を描き出す。アースカラー×シルバーカラーはアースカラーが基本。ベージュ、カーキ、ブラウンなどほっこりとしたカラーに、キラキラと輝くシルバーを組み合わせた。パンツのサイドには、シルバーの立体的な装飾を並べ、シルバーのネックレスを重ね付け。また、洋服にハトメをあしらったり、ラメ入りのテキスタイルを起用しているルックもあった。
2019年03月06日ロエベ(LOEWE)の2019-20年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2019年3月1日(金)に発表された。クラシックを“軽く”着こなす今季の起点はポートレートから。スマートフォンはおろか、カメラのない時代に、家族写真・結婚写真など、冠婚葬祭や記念日に作られていたポートレートにヒントを得て、情報に溢れたデジタル社会に必要なのは、アナログな感覚ではないか…と思考を巡らせたクリエイティブ・ディレクターのジョナサン・アンダーソン。そこで見つけたのは、クラシックを改めて見直し、現代にアップデートすることだった。ロングコートやテーラードジャケット、ホワイトシャツ、レースドレス。オーセンティックな装いが並んだ今季。伝統的なアイテムをただ蘇らせるのではなく、モダンにアップデートする。キーワードは、クラシックを“軽く”着こなすこと。オーバーサイズアウターでさらっと羽織れるようにコートなどのアウター類は、ラフに着られるようシルエットをアレンジ。無駄なデザインは全てそぎ落とし、サイズはさらっと羽織れるオーバーサイズに仕立てた。ジャケットの袖口には「着物スリーブ」と呼ばれる装飾を施して、シックな中に遊び心を加えている。軽量ファブリックMIXでニットも軽く厚手のニットは、オーガンザ、シルクとコンビネーションさせることで軽さを引き出した。ウエストラインからニットに変わる白のブラウスや、反してスカート部分だけをオーガンザににしたロングドレスなどが提案される。ハイネックニットは首周りにパールの装飾を施すことで、フェミニンな要素をプラスした。レザーの重厚感を緩和する異素材ロエベのアイコニックなレザーは、異素材とミックスすることで、革の持つ重厚感を緩和させた。ブラックのスカートは、途中からシルバーリボンのフリンジをあしらうことで、カチッとしたレザーに動きをプラス。また、大きなポンポンやフェザーのロングストールも、レザーのロエベのハードさを柔らかく見せる効果を持つ。羽根の生えたハット印象的なハットは、サンフラシスコ出身の帽子職人であるコレットからインスパイア。バードキャップと名付けられた帽子は、その名の通り羽根が生えたようなユニークなシルエットとなっている。
2019年03月06日メゾン マルジェラ(Maison Margiela)の2019-20年秋冬「デフィレ」コレクションがフランス・パリで発表された。「デカダンス」をテーマに“本質”を追求コレクションの起点は、先に発表されたオートクチュール・アーティナザルコレクションから。「デジタル デカダンス」をテーマに、情報飽和の現代を表現したコレクションでは、一面鏡張りの空間で、どれか現実でどれが虚構であるか…本物のわからないカオスな空間を作りだした。対峙させるように生み出したのが、この2019-20年秋冬「デフィレ」コレクション。カオスな空間からカッティングなどの技術を使って、あらゆるものをそぎ落とし、純粋なもの=本質を突き詰める。このプロセスを「デカダンス」と呼び、コレクションのテーマに定めた。3Dから2Dへ変化させた洋服1つのアプローチとして、人が袖を通すことを考えて立体的に作られる、洋服の作り方そのものにもメスを入れた。アイテムは3Dから2Dピースへ変化。厚手のニットはふっくらとしたテキスタイルを潰し、平面的なニットに。フラットカットと呼ばれる手法で仕立てられたドレスは、前面と後面をピタッとくっつけたような平たい形に変化している。紳士服・婦人服の境界を取り払うまた、パンツ、スカート、コートなど洋服のカテゴライズを取っ払い洋服そのものと向き合う手法がある。本来男性のトラウザーであったものは、着る位置を移動させてケープドレスに変身。袖口のボタンなどのディテールに、元の形の余韻を残したジャケットも、ドレスへと様変わりしている。洋服の概念そのものを取り去ることで、紳士服・婦人服の線引きさえも消し去っていくのだ。洋服が持つ二面性前後で印象を変え、どちらが本物の服であるか揺さぶりをかける視点もあった。正面から見ると、フェルトやウールのヘリーボーンなど、紳士服に見られるオーセンティックな素材でできているのに、背面ではピンクフラミンゴをモチーフにしたエキセントリックなプリントのネオプレンを起用。二面性を持たせることで、洋服そのものをきちんと見る視点を持つことを訴えかける。
2019年03月06日ノワール ケイ ニノミヤ(noir kei ninomiya)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月2日(土)に発表された。”穴あき”なのにほっこり、温かみのあるピースからスタートショーの幕開けは球体ピースから。毛足の長いファーのような素材に、連続的に円形の穴が開けられている。同じ素材で作られたドレスが続き、あとを追うようにモールで作られた立体的なドレスが現れた。ソフトな素材が使用されているからか、”穴あき”ピースなのに温かみが感じられるフェミニンデザインを積極的に起用この穏やかで優しい雰囲気は、後に続くコレクションピースにも連動した。ジャンパースカートやシースルートップス、プリーツたっぷりのドレスなど、ノアール(黒)の世界にフェミニンなピースが交わる。ハトメいっぱいのレザーアウターやライダースジャケットなど、ハードなピースにスウィートなピースを対峙させるのだ。ロマンティックカラーのドレスリボン状のシフォンを幾重にも重ねて仕上げたものや布を花びらのように並べて束ねたもの、花のようなボンボンを並べたものなど、ドレス群は特に女性らしい仕上がりで、ロマンティックな雰囲気を放っている。カラーも、ベビーピンクやオフホワイトなど、淡いカラーが選ばれていて、可憐なムードを演出する。
2019年03月06日ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月2日(土)に発表された。お人形モデルがペアで登場今季は”双子ルック”のモデル2名が同時に登場し、2つのデザインを一緒に見せる演出を実施。モデルたちは”ぐりんぐりん”の巻き髪をツインテールにして、まるでお人形のようだ。花柄ワンピースをどう着る?キーピースとなるのは、色とりどりの花々をのせたロング丈のワンピース。軽やかな風を運ぶフレアシルエットのもの、クラシックな印象のプリーツタイプなど、様々なスタイルで提案されているのだが、”何か”が変わっている。どのワンピースも2つのワンピースがドッキングされていて、前後でまたは左右で違う柄、形のワンピースが顔を出している。正面から見ると2枚のワンピースを重ね着しているようだが、バックスタイルをみると、1枚のワンピースになっていたり、見る角度によって驚きがある。中盤からは、ワンピースだけでなく、アウターやニット、スウェットトップスなど、様々な種類のファッションアイテムと花柄ワンピースが交わる。前からから見るとレイヤードしているのに、後ろではセパレートしていたり、やはり見る角度によって表情が違うのが特徴だ。共通しているのは、いずれも洋服をリメイクしたような温かみがあること。MA-1やダブルのコートなどは、2人のモデルが表と裏、リバーシブルで着用。表では、ワンピースの上にアウターを重ねているのに、裏を返すとアウターがワンピースのインナーになっていたりと、洋服をひっくり返すことで、アイテムそのものの役割も変わっている。足元はウエスタンブーツで統一。柔らかさのあるウェアが続いた今季、フットウェアで統一。スタッズをたくさん取り付けられていたり、ブランドらしいパンクな雰囲気を感じられた。
2019年03月06日マメ(Mame Kurogouchi)は、2019-20年秋冬コレクションをフランス・パリで2019年3月1日(金)に発表した。デザイナーの日記から生まれたコレクションテーマは「セカンド ダイアリー」。2019年春夏コレクションよりキーワードにしている、デザイナー自身の日記を中心にクリエーションはスタートした。そのダイアリーは、1日1日記、1写真、1デザインで構成され、事実とフィクションが融合されたユニークな物語。一見相反するフィクションとノンフィクションが出会うことで生まれるのは、異なる時代、文化、言語が融合した夢のようなストーリーだ。キーカラーは「青」今季のキーワードの一つとなるのが「青」。日常の中から見つけた浴槽で溶けて混ざりゆくバスソルト、過去の時代から見つけた歌川国貞らにみられる作品、そして江戸時代に織られた古布などからインスピレーションを受けたシーズンカラーである。藍色に近い深みのある青、淡いライトブルー、晴れやかな蒼色。織り、染め、加工など日本の技術を融合させたテキスタイルの上で、異なる表情を持った「青」が洋服の上で交わっていく。シルバーやゴールド、ブルーのラメ色を交わると幻想的な雰囲気だ。装いは、ややマニッシュな印象を受けるほどパンツルックが多く見られた。パジャマシャツとパンツのコンビ、ガウンコートとスラックスの組み合わせ。セットできるのがベストと言わんばかりに、同じ色柄のピースが同時に提案されている。しかし、どれも一点一点別々に着用できるようにデザインされており、ボタンや紐を巧みに組み合わせると、複雑なレイヤードが完成する、ウィットに富んだデザインである。また、秋冬シーズンらしくボマージャケットやムートンジャケットなど、厚手のアウターも提案。新作はテーブルクロス柄クリアバッグPVCバッグシリーズに加わる新作は、テーブルクロスを着想源に。クリア素材に、万華鏡に広がる複雑な模様をあしらい、クリスタルハンドルをコンビネーションさせている。
2019年03月05日ルメール(LEMAIRE)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年2月27日(水)に発表された。セットアップをユニフォーム化今季のルメールは、トップ、ボトムスをワントーンでまとめてセットアップ風に着こなすのが気分だ。ニットとスカート、ボタンダウンシャツとパンツ、トップス+スカート&レギンスなど、どんな組み合わせも同じトーンでまとめることで統一感を作り出している。また、レングスはロングが基本で、スッと長いシルエットを作っているのも特徴である。スカート、パンツのボトムス群はどれもおへそ上までのハイウエストタイプで、ロングシルエットを強調させている。ディテールアレンジで個性をプラス華やかなデコレーションや個性のあるパターンなど、際立った装飾性は見られないが、襟、ショルダーなどのディテールをアレンジすることで遊び心を加えている。ウールのロングコートは、襟をデフォルメさせて前下がりの大きな襟に整え、ショート丈のジャケットは、肩周りを膨らませて変形型のパフスリーブを作り出している。また、スカートとレイヤードさせたタイトパンツに至っては、膝下をランダムに膨らませてデコボコとしたユニークなラインに仕上げている。再構築して作り出したピースも見られ、トレンチの変形型ポンチョや、ベストを昇華させて作り上げたジャケットなども登場した。
2019年03月05日クリスチャン ワイナンツ(christian wijnants)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月1日(金)に発表された。感情を揺さぶる美しいカラーパレット風をきるように優雅に舞う1着のワンピースから始まったショー。カラーは桜のように優しいピンクで、新しい季節の訪れを祝うかのような優美な印象だ。今季のクリスチャン ワイナンツは、ファーストルックを始め、エモーショナルなカラーが目立った。パキっとしたグリーンやブルー、パープル、オレンジ。ビビッドなカラーたちは、個性的な色彩と出会うことでその魅力をより発揮する。グリーンとブルー、パープルとホワイト、イエローとブラック。ファッションの楽しさやコーディネートの可能性を指し示す、ユニークなペアでコンビネーションされ、ランウェイに現れている。同色・同柄をセットで着る装いは、2ピースまたは3ピースのセットアップスタイルが多く、パンツスーツの正統派コンビに加えて、ハイネックニットとニットスカート、ガウンコートとシャツ・スカートなど、様々なスタイルで登場する。一つの色または柄に絞って、同じ色・模様を組み合わせるのがムードで、中にはジャケットからパンツ、シャツまで同じ花柄、ストライプ模様というルックもあった。パンツスーツは、落ち感のキレイなストレートパンツとややオーバー気味のジャケットをコンビネーション。すっきりとしたラインに仕立てることで、テキスタイルの上の模様やカラーの美しさを強調する。一方ドレスは、サイドスリット入りのボリュームモデルや、ニット地のもの、ウエストをきゅっと絞ったスリムタイプまで、様々なバージョンで展開された。
2019年03月05日イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月1日(金)に発表された。理想の形を叶える素材「DOUGH DOUGH」がウール地に昨シーズン登場した新素材DOUGH DOUGH 。規律的に並んだプリーツ素材に反して、自由にかたちを遊べるのが特徴だ。ねじる、丸める、折るなど様々な動きを自由にし、パンをこねるように好みの形を作り出せる。イッセイミヤケの仲間に加わったニューカマーが、今季はバージョンアップして登場する。選ばれたのは秋冬らしいウール素材だ。暖かみのあるウールのDOUGH DOUGHを使ってコートやジャケットを作る。自由自在に変形できる特徴を生かして、襟を折り曲げ、裾をめくり理想の形を作りだす。そこには時間が止まったかのような儚い美しさが存在するのだ。万華鏡のように移ろいゆく新素材BLINKデビューまた、新素材BLINKもデビュー。樹脂プリントで仕上げたこの素材は、万華鏡のように光の角度によってコロコロと表情を変えるのが特徴。布全体に八角形のモチーフが隙間なく並んでいて、動きによって、そのモチーフが浮かび上がったり消えたりする。BLINKには、イエローやグリーン、オレンジなど、見ているだけで元気をくれる鮮やかな色彩をのせた。コートやジャケット、ドレスの上にランダムに配置されたカラーは、自分の意思をもって自由気ままに動き回っているようにみえるほど、エネルギッシュに映る。
2019年03月05日クレージュ(courrèges)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年2月27日(水)に発表された。会場はプラネタリウム風の神秘的な空間アーティスティックディレクターヨランダ・ツォーベルのセカンドシーズンとなる今季は、パリのアイコニックなスポットEspace Niemeyer。プラネタリウムのような球体状の開放的な天井が特徴で、神秘的な雰囲気が広がってきた。フューチャリスティックなウェアコレクションピースは、このフューチャリスティックな空間とシンクロ。ホワイトやシルバーで固められたセットアップスタイルやセカンドスキンと称されたシースルー素材のトップスをはじめ、長靴のように太いブーツ、額まで広がったビッグサイズのアイウェア、顔全体を覆うロゴ入りニット棒などのアクセサリーもまた不思議な光を放ち、未来的な空気を作り出している。“浮遊感のある”ディテールまた、浮遊感のあるディテールも、フューチャリスティックな世界観を盛り上げている。コートやジャケットなどにアタッチされたボアパッチは、洋服の上で浮かび上がっているよう。ドレスは2枚布になっていて、外側のテキスタイルをくり抜くことで立体感のあるデザインが完成している。アーティストコラボのモチーフは「人の身体」をイメージ!?印象的に差し込まれたのは、エロティックで遊び心溢れる作品を描く、アーティストVava Duduのデッサンからインスピレーションを得たモチーフ。長く伸びたネイルや華奢な手、唇など、人間の身体の一部を想起させるモチーフは、プリントや立体刺繍となって、パンツやドレスの上に配置された。70年代初頭のスケッチが着想源特徴的なデザインが多く提案されているが、ベースにあるのは、クレージュの長き歴史。フューチャリスティックなコレクションではあるが、クリエーションの起点は、70年代初頭のクレージュのカラフルなスケッチだという。
2019年03月04日オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年2月28日(木)に発表された。テイストチェンジで遊び心たっぷりに今季は、デザイナー ヴァージル・アブローのアイデアによって、シックなものはポップに、煌びやかなものはラフにアレンジされ、プレイフルな形で登場する。ブルーのパンツスーツは、ジャケットの身頃半分に異素材であるシルクを差し込んだ。マットな質感から顔を出すシャイニーな輝きが、フォーマルな世界に遊び心を加えている。ホワイトシャツ&ブラックパンツの正統派スタイルは、ボトムスにメスを入れた。光沢素材で出来たパンツは、別布を重ねることで、ショートパンツとロングパンツをレイヤードさせたような遊び心溢れるシルエットに仕上げている。パーティシーンにぴったりなロングドレスは、コットンのようなカジュアルなテキスタイルで仕立てることで、ドレスダウンさせる。ウエディングドレスのように床を引きずるレングスもまた、非日常的でユーモラスに映る。チェック柄を多用印象的に差し込まれたのはチェック模様。ランウェイ会場の床に配されたチェッカーフラッグと呼応する、リズミカルなモチーフが、コート、ジャケット、ショートパンツ、ドレスなどに度々起用。ネオンカラーでラインを描いたり、ロゴとミックスしたり、様々なデザインで提案された。キラキラシルバーがアクセントカラーは、キラキラと輝くシルバーがアクセントに。ボリューミーなダウンコート、ドレスに合わせたグリッターブーツなど、随所に差し込まれていた。なお、ショーにはジジ&ベラ・ハディッドをはじめ、イットガールたちが登場。フィナーレではモデル全員が立つランウェイに、ヴァージルが現れ、モデルたちにハグする姿も見られた。
2019年03月04日リック・オウエンス(Rick Owens)の2019-20年秋冬ウィメンズコレクションが、2019年2月28日(木)に発表された。“おどろおどろしい”メイクでスイッチオン長く伸びぐるっと丸まった爪、口先でにじんだ赤い血、おでこから飛び出た不思議な突起物。ファッションショーとは似つかわしくない、おどろおどろしいメイクは、意図も簡単に、リック・オウエンスの世界観へ観客を引き込んでいく。さぞ意表を突くルックが飛び出すかと思いきや、今季のリック・オウエンスは静の部分が多く潜んでいるように見える。モデルたちは、地肌にスイムウェアのように露出度の高いレザーのオールインワンを纏う。そのセンシュアルな姿を覆い隠すかのように、何度も繰り返し登場するのは、かっちりとしたアウターだ。尖ったパワーショルダーファーストルックを含み、シックなテーラードは象徴的。テキスタイルのテクスチャーやその気品を楽しむように華美な装飾物はついていない。しかし、シルエットはアイコニック。ぐんと突き出たパワーショルダーが特徴的で、内に強いものを秘めた「静」の姿を表現しているかのようだ。パワーショルダーのアウターは、中盤から、隆起部分が肩から腕全体へと移り変わり、羽根の生えたかのようなコート、ジャケットなどが提案された。いずれも構築的なスクエアシルエットであることは変わらない。また、メンズコレクションでも見られた「機能性」を追求させたような、ジップポケットをアタッチしたモデルも登場した。一つひとつ表情の異なるドレス対峙するように、用意されたのは流線的なドレス。アウター類とは異なるソフトなテキスタイルが取り入れられていて、その柔らかさを楽しむように、身体に巻きつき、左右に広がり、自由気ままな動きを楽しんでいる。ドレスのフォルムは様々。肩が大きく開いたもの、左右にアシンメトリーに裾が広がったもの、ロング丈やショート丈。いずれも共通するのはドレープがきれいに現れていて、生地の柔らかさとともに女性らしさが伝わってくる。
2019年03月04日アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)の2019-20年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2019年2月28日(木)に発表された。キーカラーは温かみのある「暖色」厳粛な黒と白。このアン ドゥムルメステール独特の世界観から距離を置き、桃色や赤、紫など暖色を基調とした今シーズン。暖かみのあるカラートーンと呼応するかのように、コレクション全体にも穏やかなムードが漂っている。風にのって揺れ動くロングドレス穏やかさの象徴として登場したのは、カフタンを想起させるラフなロングドレス。シフォンなどの風にたなびく軽量な素材が使用され、いずれも量感はたっぷりだ。風にのってたゆたうその様は実に穏やか。ベストとのレイヤードまた、テーラードでかっちりまとめるのではなく、変形型のベストを起用した点も今季のゆったりとしたムードを助長する。紳士服で見られるスーツのベストをロング丈やスリット入りにアレンジ。フェザー付きのシースルー素材のベストを作り出したり、ドレスと共布のベストを仕立てたり。いい意味で少し“気の抜けた”ピースを上から重ねることで、パンツ・ドレスルックどちらもノンシャランなムードをプラスさせた。総柄の光沢素材70・80年代のアントワープを着想源とした2019-20年秋冬メンズコレクションとリンクする部分も多かった。光沢のあるシルクやベロアに総柄をあしらって、エレガントな雰囲気に仕上げたファブリックを繰り返し起用。パンツやロングコート、ベストとして提案されている。メンズコレクションで印象的に投じられたニットは、ウィメンズコレクションでも登場。ほぼほぼほどけてしまったようなブロークンニットは、ノースリーブのロングドレスの上にオン。肉厚のホワイトセーターはロングドレスとマッチさせ、エレガンスの中にカジュアルな要素をプラスしている。また、アン ドゥムルメステールにしては珍しい、フーディトップスなどのカジュアルウェアの登場も印象深かった。
2019年03月04日ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)の2019-20年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2019年3月1日(金)に発表された。ノワールの世界からスタート男女の恋模様を描いた沢田研二の「時の過ぎ行くままに」のサウンドから幕を開けたショー。情緒あふれる歌詞に反して静かな始まりだった。使用するのは黒一色、レングスはロング。2つのキーワードをもってたくさんのデザインが生まれる。生地の立体感と動きを生むプリーツ、テキスタイルの柔らかさを象徴するドレープ、プレイフルな印象を作る別布のアタッチ。ロング丈・黒一色の掟を守っていながらも一つひとつ表情が異なるコート、ドレスが続いた。躍動感あふれる色彩が黒の世界に投じられると…渋みのある重低音が響くと、黒一色の世界が変わる。アシンメトリーなワンショルダーのワンピースには白シャツがプラスさら、その上には赤、黄、青などの鮮やかなカラーで描いたペイントが施された。「手」がキーワードにカラフルな色彩が顔を出するとここからは一転、「手」が一つのキーワードに。ブラックのドレスやコートには立体的な「手」のモチーフを肩やウエスト、バックスタイルにオン。指がおり曲がったり、ピンと張ったり、何かのマークを作ったり。まるですぐ先ほどまでそこに手があったかのようなリアリティがある。「手」仕事を感じられるピース続くのは「手」仕事で作られた繊細なウェア。白い糸が背中からたくさん伸びたドレスや立体的で丸みのあるバックスタイルを持つドレス、先よりもより鮮やかに描かれたペイント、円形や四角形のパッチワーク。ブラックドレスの上で様々な手仕事が生まれ、消え去り繰り返される。しかし、これらのピースを纏うモデルたちの手はポケットに入っていたり、真っ黒に塗られたり、レザーグローブで覆われていたり、隠れていたのが興味深かった。フィナーレは、フードやストール調のもので顔を隠したモデル5名がゆっくりと行進。片目だけ見えているものもいるが、その姿が定かではない。と思うと同時に、一人がパッとフーディを取り、真っ赤なリップと白い肌が見えると、にやっと笑みを浮かべ、立ち去っていった。
2019年03月03日ジャックムス(JACQUEMUS)の2019-20年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2019年2月25日(月)に発表された。「ジャックムスタウン」の街角で…フレッシュなオレンジが山積みになった果物屋、窓辺から洗濯物を干した民家、色とりどりの花々を並べたフラワーショップ。「place du Jacquemus」と記されたショー会場に足を踏み入れると、そこには一つの街が出来ていて、淡いピンクやイエロー、ライトブルーの建物が並びロマンティックな空間が広がっていた。マニッシュテイストでかっちりレディにそんな幻想的な空間とは対象的に、今季象徴的に起用されたのはマニッシュな装いだ。優しいヌードカラーのリネンのパンツスーツや、踝まで届くほどロング丈のウールコートとワイドパンツのコンビ、ワントーンでシックにまとめたシャツ&パンツのセットアップなど、今すぐオフィスへ向かってもOKな“かっちりとした”ルックが多く見られた。シルエットはロング&ボリュームが基本で、量感あふれるシルエットの中に、カラーリング、ディテール、そして組み合わせたアクセサリーによって遊び心が加えられている。トレンチコートは全面アニマル模様になり、ホワイトのパンツスーツには花々が縫い付けられてチャーミングな佇まいに。ビックサイズのポケットが縫い付けられたベストや、左右非対称にめくれあがったポケット付きのパンツ。そして、メンズ服では敬遠されそうなビビッドなピンクや鮮やかなオレンジが、テーラリングを染め上げている。センシュアルなムードも引き続きプレイフルにアップデートされたマニッシュウェアには、色気のある要素をプラス。インナーはヘルシーに肌見せできるアシンメトリートップスが選ばれ、ボリュームジャケットはぎゅっとウエストを絞り曲線美が強調されている。超ミニ、アクセサリー一体型などの新バッグ見逃せないのは、ジャックムスの新アクセサリー。耳元でゆらゆら揺れ動く“ハンカチ風”ピアスやルーズソックスのように弛んだロングブーツなど、ポップな小物がコーディネートに華を添える。特に、バッグは多彩なラインナップで、リップスティックすら入らない超ミニサイズバッグやブレスレット一体型のミニポーチ、複数のポーチが重ねったウエストバッグなど、機能的なのか?と思わず問いたくなるユーモアあふれるデザインで登場している。
2019年03月03日