エンダースキーマ(Hender Scheme)の2019年秋冬シーズン、新作小物が2019年6月1日(土)より順次、直営店のスキマおよび取り扱い店舗にて発売される。エンダースキーマから初登場、ピッグスエードのトラックスーツエンダースキーマから、初となるピッグスエードのトラックジャケットとトラックパンツが登場。その名は「ノット トラック スーツ ジャケット(not track suit jacket)」と「ノット トラック スーツ パンツ(not track suit pants)」だ。従来のトラックスーツのようにスポーティではないし、ハイテク技術を兼ね備えているわけでもないが、素材にしなやかなピッグスエードを用いることで、軽やかな肌当たり、高い耐久性と通気性など、本物のピッグレザーだからこその良さを実現させた。ライニングにコットンを採用することで、より快適な1着に仕上げている。ジャケット、パンツともにオーバーサイズで提案。着た時にもたつきがないよう設計されたパターンによって、美しいシルエットで身につけられる。カラーはサンド ベージュとカーキ ブラウンの2色を展開する。今季は豊作!使うほどに“自分らしさ”が出るエンダースキーマのバッグ使うほどに馴染む、2種のレザーを使った上品バッグ今季はバッグの種類が今までより豊富になった。まずおすすめしたいのが、ウシ科の動物、クドゥの革を用いた「アルネ(arne)」。野生の革を使用しているので、キズが多いのが特徴だ。それをあえてキレイなフォルムで、なおかつ口周りに上質なカウレザーを用いることで、使い勝手を重視しながらも上品に仕上げている。オイルをたっぷり含んだレザーなので、使い込むほどに表情豊かになっていくのも魅力。ミニマルで使い勝手抜群なピアノ バッグ使い勝手のいい「ピアノ バッグ(piano bag)」は、ブラックやブラウンのベーシックなカラーに加えて、コーディネートのアクセントとして取り入れたいライトブルーとピンクを用意。ハンドル部分はなじみよく、使い込むことでさらに自分にフィットしてくれる。オリガミがモチーフのナイロンバッグ「オリガミ バッグ(origami bag)」は、その名の通りまるで折り紙のように生地を折り畳むことで完成するバッグ。長方形のナイロン製布をそのまま折り畳み、ナイロンテープで挟み込んで縫い上げてこのフォルムが完成している。中の留め具部分やタグには、エンダースキーマらしく“ヌメ革”を採用している。ファッション雑貨では靴下やヘッドアクセサリーもラインナップヘッドアクセサリーの新作として、トラックスーツと同じくピッグスエードで制作したキャスケットとキャップも展開。キャスケットは、大き目のパターンで制作しており、存在感のあるシルエットが特徴だ。一方、定番の「ピッグ ジェット キャップ(pig jet cap)」は、撥水スエードから今季より素材をシフトした。ステーショナリーやウォレットなどの雑貨・小物も靴型のペンケース「シンデレラ」靴を作る要領で履き口にファスナーをつけたパンプス型のペンケース。片足だけだからと、ドラマティックに「シンデレラ(cinderella)」と名付けられた。デスクの上に置ていると誰かに驚かれてしまうくらいリアルな靴型だが、容量も十分で、口が大きく開くので使い勝手は抜群だ。使い方は自分次第、旅行の味方「パスポート ウォレット」「パスポート ウォレット(passport wallet)」は、パスポートケースと一体になったウォレット。パスポートとともに、コイン、カード、フライトチケットなど空港で必要なものを全て収納することができる。もちろんパスポート以外にも使うことができるので、日常遣いにも適している。ちょっとしたお出かけであれば、これひとつでOK。【詳細】エンダースキーマ 2019-20年秋冬コレクション発売日:2019年6月1日(土)より順次発売取り扱い:直営店のスキマと全国の取扱い店舗■直営店情報・スキマ 恵比寿営業時間:14:00~20:00(不定休)住所:東京都渋谷区恵比寿2-17-20 長谷川ビル 1F・スキマ 合羽橋営業時間:12:00~19:00定休日:月曜日 ※祝日の場合は営業住所:東京都台東区元浅草4-2-10 高橋ビル1F
2019年05月25日エンダースキーマは2019-20年秋冬シーズンの新作シューズを、2019年6月1日(土)より直営店のスキマと全国の取扱い店舗にて順次発売予定。定番&既存デザインを再考する2019年秋冬コレクション今季はタイトルに「INTROSPECTION」を据え、これまでのものづくりを客観的に立ち返り、見つめ直す靴づくりを試みた。コレクションのラインナップには、定番や既存のデザインを再考するようなアイテムが含まれている。ヘイズ(haze)「ヘイズ(haze)」は、チロリアンテイストのデザインながらも機能性たっぷりの1足。オイルを含んだシボタンニンレザーとスエードのコンビで構成されるアッパーは、あえてキュッと絞るようなフォルムに仕上げた。返りの良いビブラム社製のソールと、着脱が簡単にできるドイツ「フィドロック社」のマグネットを搭載したアジャスターを採用している。エピック(epic)「エピック(epic)」は、前シーズンに登場したタープ(tarp)をアップデートしたシューズ。今回は、3レイヤーのナイロンを用いて、止水ファスナーを斜めに施したミニマルかつシャープな印象にシフトした。パンツを上に被せることを想定して制作されているので、足首部分はスリムなシルエット。ブーツのような重厚感と、ハイカットスニーカーのような足当たりを両立させている。タルト(tarte)「タルト(tarte)」という愛らしい名前が付けられた新作は、まるでお菓子の“タルト”のようなフォルム。天然のクレープソールがEVAソールとスエードアッパーを包み込むように巻き上げられている。インポートスエードの柔らかな感触と、返りのいいソールの組み合わせで、軽やかな履き心地を実現する。フルレース トレック ハイ(full lace trek hi)シューレースでモカを縫い上げた「フルレース トレック」を、よりトレッキングシューズのように制作したいと、完成したのが「フルレース トレック ハイ(full lace trek hi)」だ。モカ部分から続くシューレースのデザインがより強調され、コーディネートでも存在感を放つ1足となった。ネーヴル(navel)レザーとファーのハイブリッドが目を引く「ネーヴル(navel)」は、素材のコントラストが絶妙。レザーのカラーにあわせて、ゴートファーまたはラビットファーを用いている。グリップ力抜群のシャークソールによって、定番の外羽もほのかにスポーティーなベールも纏う。オマージュラインからバスケットシューズモデルの新色“ブラック”植物タンニン鞣しの革を使用し、その経年変化をもデザインとして捉える「オマージュライン」。エンダースキーマの真骨頂とも言える同ラインの2018年秋冬コレクションで登場した、カーフレザーのバスケットシューズに新色“ブラック”が登場する。【詳細】エンダースキーマ 2019-20年秋冬コレクション発売日:2019年6月1日(土)より順次発売取り扱い:直営店のスキマと全国の取扱い店舗■直営店情報・スキマ 恵比寿営業時間:14:00~20:00(不定休)住所:東京都渋谷区恵比寿2-17-20 長谷川ビル 1F・スキマ 合羽橋営業時間:12:00~19:00定休日:月曜日 ※祝日の場合は営業住所:東京都台東区元浅草4-2-10 高橋ビル1F
2019年05月25日ブルガリ(BVLGARI)から2019年秋冬新作バッグが登場。2019年6月より順次発売される。2019年秋冬新作バッグブルガリの2019年秋冬アクセサリーコレクションは「エクレクティック グラム(ECLECTIC GLAM)」をテーマに、贅沢で驚きに満ちた新作バッグを展開。ブルガリのアイコニックな蛇モチーフ「セルペンティ」の新作バッグも多数取り揃える。柔らかなレザーが特徴「セルペンティ」カボション今季デビューするのは、表面を滑らかに仕上げる宝石カットの技法である“カボションカット”に着想を得た「セルペンティ」カボションバッグ。最大の特徴は、カーフスキンの柔らかくふんわりとした手触りだ。シャープな斜線が交差するキルティングのような立体的構造も目を惹く。バッグには太めの二重チェーンと長さ調節が可能なレザーストラップが付属しているため、ハンドバッグやショルダーバッグ、クロスボディバッグとして使用可能。ホワイトやブラック、レッドブラウンの「ローマンガーネット」、ブルーグリーンの「ディープジェイド」など、カラーバリエーションも豊富に揃える。「セルペンティ」ダイヤモンド ブラスト ブルー&ブラックで縁取った新色ブルガリローマ本店のシンボルである八角星の星にインスパイアされた「セルペンティ」ダイヤモンド ブラストには、ホワイトのボディを、ブラックとブルーグリーンのカーフレザーで縁取った新作がラインナップ。肩掛けでも、斜め掛けでも使えるよう、ストラップの長さを2段階で調節することができる。夜空に輝く星座を表現したのは「セルペンティ コズミック パイソン」のバッグ。ブラックに染めたパイソンのボディにグリッターや発光塗料を散りばめており、きらきらとした輝きが目を惹く。ハンドバッグやショルダーバッグとして活躍してくれるモデルやチェーンバッグ、バケツバッグなどのバリエーションが用意されている。アイウェアバッグだけでなく、新作アイウェアも発売。レンズ上部にメタリックな装飾を施した未来的なデザインの「ビー・ピュアヴァイブズ」や、うろこをモチーフにした幾何学模様をレンズやテンプルに配した「セルペンティ」のサングラスが登場する。スカーフスカーフは、ニューヨーク、東京、パリ、ロンドン、シドニー、上海、北京、香港、ドバイ、ポルトフィーノ、カプリ、ローマなど世界各国からインスピレーションを得た鮮やかなカラーリングの新作を展開する。【詳細】ブルガリ 2019年秋冬アクセサリーコレクション発売時期:2019年6月より順次 ※アイテムによって異なる。アイテム例:■バッグ・カーフ / ディープジェイド(W27×H19×D11cm) 300,000円<8月発売予定>・カーフ/ ホワイトアゲート(W24×H15×D7cm) 295,000円<8月発売予定>・パイソン / ブラック(W18×H15×D9.5cm) 495,000円<7月発売予定>■アイウェア・「セルペンティ」マグニフィカ(ブラック) 62,000円■スカーフ・シルク/ ホワイトアゲート(70 x70cm) 35,000円【問い合わせ先】ブルガリ / ブルガリ ジャパンTEL:03-6362-0100
2019年05月24日クレ・ド・ポー ボーテ(clé de peau Beauté)から、“着物”をインスピレーション源にした2019年秋冬コレクションが登場。2019年7月21日(日)に発売される。日本の伝統装束“着物”の色彩を落とし込んで“Kimono Dream”をテーマに掲げた今季のコレクションは、幾重にも重なる美しい着物の姿をイメージ。ヴィンテージ着物の美しいセピア色から、モダンなムードのビビッド色まで、その豪華爛漫の色彩を落とし込んだ新作リキッドルージュや、美しいグラデーションアイを叶えるアイシャドウが展開される。新作リキッドルージュまずは全2種類からなる新作リキッドルージュを紹介。鮮やか発色×マットな仕上がり1つ目の「ルージュリキッドルミヌ マット」は、ひと塗りで華やかな色付きと、ふっくらとした立体感を叶えるマットリップ。ホイップクリームのように柔らかなテクスチャーは、スルスルと広がり、唇にピタッとフィット。保湿成分も配合しているため、長時間の潤いを期待することができる。カラーバリエーションカラーは、全8色を用意。それぞれ異なるムードを纏っているので、その日のコーディネートや気分に合わせて、使い分けするのもオススメだ。101 クリームクラッシュ 絹糸のように艶めくベージュレッド102 タッチオブブロッサム 麗しい春の花のピンクレッド103 ネクター ピュアで生き生きとしたビビッドオレンジ104 ジェントルドリーム 咲き誇るカメリアのようなピンク105 ミッドナイトマジック 艶やかなバラの女王をイメージしたディープレッド106 クワイエットストーム 優雅な大輪ダリアのようなディープローズ107 シルクキモノ 鮮やかに心を射るドラマチックレッド108 イブニングフレイム 燃える想いを託すディープレッド濃密な色ツヤ×弾むような立体感一方「ルージュリキッドルミヌ ブリアン」は、濃密な色ツヤで、ぷるんと弾ける魅惑的な口元を叶えてくれるリップ。とろけるようなテクスチャーは、均一に唇の上に広がると、弾むような立体感を演出してくれる。カラーバリエーションカラーは、「ルージュリキッドルミヌ マット」同様、全8色がラインナップ。1 セピア 洗練モードのセピアローズ2 シュガージェリー ほんのり愛らしい幸せピンク3 デリシャスドリーム 優しく豊かな深みを讃えるレッド4 チューリップフィーバー 目を惹きつける華麗なローズ5 バードオブパラダイス エキゾチックなオレンジ6 タンジー ビビッドを極めたピンク7 レッドカラント 甘くみずみずしい果実のレッド8 ミッドナイトデュー 妖艶な輝きのディープローズ<以下、直営店限定カラー>508 スウィートジェリーズ 甘く軽やかなスウィートレッド509 オレンジクラッシュ ジューシーなオレンジレッド2色セットのアイシャドーまた自然なグラデーションを叶える2色セットのアイシャドー「オンブルクルールデュオ」には限定2色が追加。ディープなあずき色と赤みがかったベージュを合わせた107と、ディープな青紫に明るいライラックパープルを組み合わせた108が展開される。しっとり滑らかなテクスチャーは、瞼にしっかりとフィット。重ねるごとに、透明感溢れる美しいグラデーションを演出し、軽やかで洗練された眼差しを演出する。【詳細】クレ・ド・ポー ボーテ2019年秋冬コレクション発売日:2019年7月21日(日)取扱店舗:全国の百貨店約220店、化粧品専門店約2,000店アイテム例:・クレ・ド・ポー ボーテ ルージュリキッドルミヌ マット 8g 全8色 各5,000円+税・クレ・ド・ポー ボーテ ルージュリキッドルミヌ ブリアン 8g 全10色(うち直営店限定2色) 各5,000円+税 ※直営店限定色は、表参道ヒルズ店とGINZA SIX店で販売・クレ・ド・ポー ボーテ オンブルクルールデュオ(レフィル) 4.5g 全2種 各4,500円+税<数量限定品>※別売りケース(チップ2本付き) 2,500円+税【問い合わせ先】資生堂インターナショナルTEL:0120-81-4710
2019年05月23日2019年秋冬のネイルトレンドを発表NPO法人日本ネイリスト協会は、2019年秋冬の”ネイルトレンド”を決定。今年のテーマである「蜜柑(みかん)、ほとばしるジャパニーズパワー」を表現するネイルデザインが発表された。心温まる「蜜柑」がテーマ”ネイルトレンド”は年2回、日本ネイリスト協会会員とネイル業界の有識者で構成されたプロジェクトチームにより設定される。2019年秋冬のメインテーマは「蜜柑(みかん)」。どこかノスタルジックで心温まる「蜜柑」の色だ。「蜜柑」は日本でも古来より幸運をもたらす色として知られており、豊かさの象徴ともされていた。そんな「蜜柑」の色をベースに、”Awakening(アウェイクニング)”、”Sustainable(サスティナブル)”、”Dual(デュアル)”そして”Rising(ライジング)”の、4つのカラーバリエーションが用意されている。カラーイメージデザインの一例を紹介すると、”サスティナブル”はオレンジベースのアースカラーを使ったもの。アウェイクニング”はきらめく質感が華やかなオレンジ系のカラー。また”ライジング”はオレンジや赤ゴールドを使ったグラデ-ションで、朝日が昇る姿をイメージしている。(画像はプレスリリースより)【参考】※NPO法人日本ネイリスト協会のプレスリリース※NPO法人日本ネイリスト協会
2019年04月22日チエ イマイ(CHIE IMAI)(CHIE IMAI)は、2019-20年秋冬コレクションを、東京・内幸町の帝国ホテルにて2019年4月15日(月)に発表した。王道のシックスタイルを“地球の色彩”で今季は、チエ イマイのスローガンでもある“Always Authentic Always Chic”を掲げ、自由な発想で自らの審美眼を持つ人々に向けたコレクションを制作。長年使用することができ、最終的には土へと還っていく、エコフレンドリーなファー素材の使用を誇るチエ イマイらしく、テーマカラーにはブラウンやベージュといったアースカラーをセレクト。気品と温かみを備えたコレクションを展開する。「モザイク・ドゥ・チエ」も自然の色にミンクで仕立てた、アイコニックな「モザイク・ドゥ・チエ」は、ダークネイビーに淡いピンク、もしくはベージュ、ブラウン、ダークブラウンといった穏やかな色彩の組み合わせで表現され、包み込むような自然の優しさを思わせる。総レースのパンツスタイルやシアーなドレスなど、繊細なウェアに組み合わせることで「モザイク・ドゥ・チエ」のソフトな質感が際立ち、そこはかとない上品さを漂わせている。素材を生かした仕立て注目したいポイントは、多彩な素材使い。毛足が長く、アイキャッチなボリュームの出やすいフォックスや、優雅な波目模様と光沢感のブロードテープ、深みのある色味が入り混じり、シックな佇まいのチンチラ、細やかなバラを描くウール・シルクのジャカードなど、それぞれの素材特性を生かした仕立てが散見された。森林を思わせるグリーンのグラデーションを描くチンチラのケープは、静かで落ち着いたムードながら、思わず目を引く存在感を放つ。ミンクで愛らしさを表現ミニドレスのように来たオフホワイトのミンクベストや、ブラックチュールのドレスに合わせたジャケットは、柔らかく愛らしさを思わせる仕上がり。モデルが手にしているベアのマスコットがより一層チャーミングさを強める。シャープなスパニッシュラムドレス一方、はっきりとしたグリーンやブラウンのスパニッシュラムドレスはシャープな表情が印象的だ。襟から背中にかけて並べられたきらびやかなビジューや、ボタニカルモチーフを描くゴールドの刺繍は、堂々とした、風格のある華やかさを感じさせる。異素材組み合わせもまた、カシミヤやウール地とファーを組み合わせたアウターや、ラム・フォックスを組み合わせたコートなど、異素材組み合わせのウェアも登場。ミンクで仕立てたダウンジャケットは、ファーの間から覗くシルバーカラーがアクティブなアクセントを効かせている。
2019年04月18日ジュン アシダ(jun ashida)の2019-20年秋冬コレクションが、2019年4月9日(火)に、青山・草月会館で発表された。インスタレーションのBGMとして、アーティストの渋谷慶一郎がライブパフォーマンスを行った。“現実の増幅”石段で構成された、ミニマルな雰囲気の会場で発表された今季のコレクションは、「amplify」=“現実の増幅”がテーマ。デザインは、リアリズムに基づいていながらも、フォルムや素材使い、ディテールによってどこか異彩を放つような、独特のオーラをまとっている。表現したのは、極限まで増幅された“現実”。現実そのものとは“違う現実”の世界へと導く。静かな気品とダイナミズム象徴的だったのは、イヴニングドレスだ。ヴィスコースベルベット、スパンコール刺繍、柔らかなポリエステルサテンを大胆に切り替えたイヴニングドレスは、スリーブを極端に長く設定し、流れるようなドレープでエレガンスを強調した。マットな輝きのラメツイル素材をリボンのように巻き付けて仕上げたドレスや、バラのようなモチーフのゴールドジャカードをあしらったドレスは、クリエーションのダイナミズムを表現しながらも、静かで確固とした気品を感じさせる。マスキュリンなスタイルマスキュリンなスタイルも目を引いた。ウインドウペン・チェックのストレッチウールカシミアフランネル素材で仕立てたダブルのジャケットには、センタープレスのワイドパンツを組み合わせて、シックでハンサムなスタイリングを構築。柔らかなタイブラウスの上に重ねたツイードジャケットや、ストレッチウールヴィスコースクレープを採用したジャケットとスカートのセットアップなど、グレーやブラックといったダークな色彩の、凛とした表情のルックが散見された。ストライプのブラウスにはノーカラーコートや、優雅な広がりを見せるワイドパンツを合わせ、縦長のラインを強調することで、マニッシュな印象をさらに強めている。しなやかなフォルムのアウターウールアルパカダブルフェイスモッサのコートは、表面をベージュ、裏面をレッドにカラーリング。ポケットの上に腕を通す部分を施したポンチョ型で、肩から腕に沿って馴染む、しなやかなフォルムが魅力だ。その他、直線的なパターンのゆったりとした造形で、身体を包み込むようなストール一体型のコートや、ブラックとグレーのダブルフェイスウールで仕立てたロングコートなども登場した。
2019年04月12日ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)は、メンズ アーティスティック・ディレクター、ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)が手掛ける初の2019秋冬プレコレクションを発表。5月1日の全国発売に先駆け、4月26日よりルイ・ヴィトン 新宿店ならびに阪急メンズ店にて先行発売する。Photographer:Nick Sethiヴァージル・アブローにとって、ルイ・ヴィトンでは初のプレコレクションとなる今回。過去と現在、未来が交差する文化のるつぼ「東京」が全体のモチーフとなり、日本の公共サービスに見られるユニフォームやアウトドアライフ、スポーツといった日常の光景がワードローブステイプルズやカラーのインスピレーション源となっている。またグラフィックには日本へのオマージュが込められている。マルチエンブレムのウィンドブレーカーやシャツ、Tシャツはラジコンボートレースで着用されるジャケットにインスパイアされたもの。トレンチコートやパーカは、ネイビーの日本製ウォータープルーフファブリックやブラックレザーで仕立てられ、ブライトブルーの軽量フーデッドレザーパーカと共に、ウォータースポーツのドレスコードを取入れている。カレッジウエアを連想させるボンバージャケットは、パープルチェックやトープのフォックスファーで解釈され、ブラックレザーのアビエータージャケットは、ホワイトのシアリングやパイソンのテープが際立つ。フリースジャケットを本コレクション風に解釈したブルゾンには、オフホワイトのフェルテッドシアリングにレッドのベロアポケットがあしらわれている。Photographer:Nick Sethi少年時代をテーマの1つに据えたヴァージル・アブローは、アウターウエアやテーラリング、ネイビーやオレンジのハーネスを立体的に表現したアイテムを新たに登場させ、人生の最初のステージで少年の身を包み込むようなウエアというアイディアを反映させている。テーラリングには、すでにシグネチャーとして確立されたクリースとミッドレイヤリングのコンセプトから成る、ブレザーとトラウザーズ、ハーネスが新解釈のスリーピーススーツとして展開。トラウザーズは、アンクル部分のスリットやクラシックなカーゴパンツ、ポケットを裏返しにしたディテールなどさまざまな形で表現されている。左:「チョーク・スリングバッグ」(22万5,000円)、中:「フラット・ヴェルティカルトート」(27万円)、右:「フラット・メッセンジャー」(22万5,000円)(C)Louis Vuitton「アクセサモーフォシス(Accessomorphosis)」は、“アクセサリー”と“モーフォシス(変化)”をミックスした言葉で、ウエアをバッグに変化させて2つの性質を融合させることを意味し、コレクション全体を通じて登場。2019秋冬プレコレクションでは、さらに「コンプレッソモーフォシス(Compressomorphosis)」が披露され、ラッパーバッグが付属したウエアを旅行用に圧縮(コンプレッション)してラッパーバッグの中に収めることができる。また、2019春夏コレクションに手を加えたバッグが、ネイビー×オークル×パープルの「モノグラム・デニム」や、エンボスを施したブラックレザーで登場。フラットなトートやクロスボディメッセンジャーは、ディスポーザブルバッグがインスピレーションに。チョークバッグやミニクロスボディバッグ、バックパックは、エクストリームスポーツに使用されるバッグをさりげなく表現している。左:「LVトレイナー・ライン スニーカー」(16万6,000円)、右:「LVトレイナー・ライン スニーカー」(12万8,000円)(C)Louis Vuittonハイキングブーツとスニーカーをハイブリッドに融合させたシューズ、クラシカルなワークブーツをポインテッドトウに解釈したキャメルのヌバックアンクルブーツも登場。ファッションジュエリーでは、ノームコア(究極のスタンダード)が全体に表現され、パープルやアクアのクリスタル製スクエアシェイプのロゴリングは、従来のエンゲージメントリングを連想させ、チェーンブレスレットは、クリスタルやゴールド、「モノグラム・モチーフ」を模ったもの、ブルーやオレンジのエナメル加工が施された輪が繋ぎ合わされて進化を遂げている。
2019年04月12日スーアンダーカバー(SueUNDERCOVER)の2019年秋冬コレクションが発表された。色彩が生むミステリアスなムードシーズンテーマは“ワンダーランド(Wonderland)”。コレクション全体には、不思議の国“ワンダーランド”を連想させるミステリアスなムードが漂っている。ニットカーディガンやスタンドカラージャケットなど、カジュアルなデイリーウェアが主軸のコレクションに、どこか非日常的なニュアンスをもたらしているのは大胆なカラーリングだ。ベーシックカラーに独特の色彩を巧みに差し込むことで、奥行きのある世界に仕上げている。たとえば、深いスリットの入ったグレーニットからは、魅惑的なパープルのミニスカートをちらりと覗かせて。グレーのトップスとブラックのロングスカートを合わせたルックは、鮮烈なグリーンのカーディガンを羽織った。アイコニックなリボンテープを配してメインモチーフとなったのは、スーアンダーカバーのアイコニックな“リボン”モチーフ。アイテムのウエストや裾から垂らすようにして配置されたこのリボンテープは、歩くたびに揺れ、ルックに躍動感をもたらす。フェイクファーのロングコートには、全体の印象を引き締めるブラックのリボンテープを配して。今季を象徴するペイズリー柄のセットアップや、遊び心溢れるクリア素材のレインコートにも、リボンを印象的にあしらった。
2019年04月02日ミヤオ(MIYAO)の2019年秋冬コレクションが発表された。エレガントなムードデザイナーの宮尾史郎が「“尖ったエレガンス”とも表現できるのではないか」と語るように、今シーズンのクリエーションには、ミヤオらしい遊び心やエッジィな要素はありつつも、エレガントなムードが漂っている。アイテム自体はシャツやボウタイブラウス、セットアップなどクラシカルなものが主流で、どこかノスタルジックな雰囲気を醸し出しているものもある。スタイリングにも、コレクション全体を気品あるムードへと導くアプローチが見て取れる。たとえば2018年秋冬シーズンではカジュアルなトップスを合わせたチュールのロングスカートには、端正な佇まいのシャツやネクタイ、ジャケットを合わせて。ゆったりとしたシルエットのパンツにも、シャツとビスチェをコーディネートし、全体の印象を引き締めている。アクセントを加えるイノセントな輝きカラーはブラックを主軸に、ネイビー、ホワイトを用いた、落ち着きのあるパレット。そこにラメ糸のフラワー刺繍や、グリッターなテキスタイルが、アクセントを加えている。それらの輝きは、確かにコレクションにリズムを生むものではあるが、個性を主張するというよりは控えめで繊細な表情を持ち合わせており、イノセントな印象も受ける。ビックサイズのパーツフォルムで目を惹くのは、オーバーサイジングなパーツ。アウターやブラウスの襟はケープと見紛うほどのビッグサイズで。ストライプが走るウールのタイトスカートやベアトップには、大きな花びらを彷彿とさせる、丸みを帯びたディテールをあしらった。
2019年04月02日コール(koll)は、2019-20年秋冬コレクションをモデルプレゼンテーション形式で2019年3月23日(土)に発表した。60’sフレンチガールの部屋をイメージして…デザイナー楠原麻由は、今季クラシカルな女性像を描き出す。60年代のフランスをイメージした空間では、手紙をしたためたり、リップスティックを塗ったり、椅子に座って読書を楽しんだり…とモデルたちは思い思いの時間を過ごす。映画のワンシーンを切り取ったかのような夢のある空間で披露したのは、遊び心あふれるフェミニンなピースたちだ。クラシックをモダンに着崩すプリーツスカート、フリルのブラウス、レースのトップス、フラワー柄のスカート。今季のベースは、1900年代前半のカルチャーからインスピレーションを得たクラシカルなデザイン。しかし、それらは懐かしさを感じさせる趣はそのままに、モダンにアレンジされる。デコレーション、配色、コーディネートなどで、ピリリっとアクセントをきかせて、楽しくファッションを楽しむのが、今季のムードだ。“近未来的”!?レースブラウストップバッターを飾ったスタンドカラーのブラウスは、胸元に配したレースや袖口、襟元にあしらわれたリボンなど、細部に女性らしさの宿る愛らしいデザイン。しかし、コンビネーションされたのは、ビックサイズのシルバー色アーム。近未来的な配色と“ミスマッチ”なボリューム感が意表をつき、みるものに驚きをもたらす。アンバランスなラップスカートベルト付きのラップスカートは、たっぷりのフリルでフェミニニティを強調しつつも、どこかアンバランスなシルエットが魅力。前下がりのアシンメトリーな丈感や、斜めに曲がって配しされた大きなポケットが大人の遊び心をくすぐる。自由気ままに楽しむ女子コーデまた、ワンピースの上からシースルーのリボン付きドレスを重ねたり、カーディガンの上にブラトップをレイヤードしたり、プリーツスカートの下から裾リブのパンツをのぞかせたり…とスタイリングでも、定番を脱したアグレッシブな姿勢が見て取れた。
2019年03月29日シーロン(SIIILON)は、2019-20年秋冬コレクションを、2019年3月23日(土)に、ポリゴン表参道で発表した。シーロン初のショーを開催アシードンクラウド(ASEEDONCLOUD)出身のデザイナー・Oyuiが手掛けるシーロンは、ヴィンテージをベースにフェミニンなウェアを展開するブランドだ。今季は“CHAIN”と題したコレクション。厳かでクラシカルなBGMとともに、シーロン初のショーは幕を開けた。フリル、ギャザー、リボンなどフェミニンな要素フリルや、ギャザーといったフェミニンな要素を思いっきり駆使したドレスやセットアップは、ブラックや赤のタータンチェックなどパンクなカラーリングによって影を帯び、わずかな毒々しさすら感じさせる。起毛感のあるタータンチェック地で仕立てたブラウスには、ゴシックな襟や、立体的なフリルを配し、インパクトのある雰囲気に仕上げている。また、リボンで生地と生地を繋ぎ合わせるように仕立てたドレスや、立体的な花をあしらったニットカーディガンなど、愛らしくガーリーな要素を極端に際立たせたウェアも目を引いた。柔らかな素材使いファーやベロア、モヘアといった柔らかな素材も散見された。淡いピンクのニットドレスやオレンジのファーコート、フューシャピンクのファースカートなど、ポップなムードを描き出す。加えて、装飾的な要素として用いられたオーガンザもロマンティックな雰囲気を演出。ブラックのドレスには部分使いでアクセントとして用いられ、妖精を模したルックでは、ふんわりとしたペプラムで華やかさをもたらしている。スキャンダラスなスタイリング目出し帽と組み合わせたカットソーには、テキストメッセージを無造作にプリント。装飾的でロマンティックなピースとは一転、ダークな雰囲気を漂わせる。ネグリジェに施されるような、ファンシーな花柄をプリントしたマスクとカットソーは、あえてのミスマッチ感がドリーミーかつキッチュな印象だ。また、アンティーク調のレースを、袖や襟にふんだんに使用したブラウスは、スキャンダラスなレッドのストッキングとスタイリング。また、デフォルメされた骨の装飾をあしらったパーカーのボディスーツ、網タイツにファーコートを羽織ったルックなども、過激さや毒っぽさを主張し、序盤のガーリーな空気感とのコントラストを見せた。
2019年03月28日ポステレガント(POSTELEGANT)の 2019年秋冬コレクションが、2019年3月23日(土)渋谷ヒカリエで発表された。男女ともに楽しめる洋服作り2017-18年秋冬コレクションよりブランドデビューしたポステレガントは、中田優也手掛けるウィメンズブランド。そのブランド名には、エレガントを感じ、高度な技術を含む服づくりの先にあるものを生み出していきたいという意味が込められている。ユニセックスでも着用できる服を提案する中田は、今季のコレクションでメンズも起用したランウェイショーを行った。素材の表情を引き出したミニマルな洋服ショー会場に現れたワードローブは、ほとんど絵柄のないミニマルなデザインが特徴。その分観客の視線が注がれるのは、洋服を象る美しい素材だ。しっとりと落ち感のあるロングコートや、クリーンな表情が引き立つワイシャツ、やわらかな表情のウールパンツ…と、本来日常で見過ごされがちなリアルクローズが、中田の厳選した素材によってエレガントなムードへと昇華している。大きなポケットの並ぶベスト淡いブルーや、グレー、ブラウン、ブラックと落ち着いたカラーが並ぶ中、ひと際目を引いたのが、燃え上がるようなレッドのセットアップである。大きなフラップポケットを4つフロントに並べたベストは、ミリタリーな要素を意識したのかと思いきや、「僕はモノを沢山入れることのできる、ポケットという“存在”が好きだから」と、デザイナーの中田は茶目っ気たっぷりに答える。逆に「機能性のない無駄なディテールは、服に取り入れたくはない」とも。女性らしさ溢れるワードローブもメンズ・ウィメンズモデルで同じワードローブを使用したコーディネートが展開される中で、スカートやワンピースといった女性ならではのアイテムも登場する。ユニセックスで着用できるものは、ゆったりとしたシルエットが特徴的であったが、ウィメンズ限定ウェアは思い切り“女性らしさ”溢れるデザインであるのが印象的だ。淡いピンクの巻きスカートは、サテンのように艶めくテキスタイルとアシンメトリーなシルエットを合わせて、柔らかな動きを演出。タートルネックと合わせた膝下丈のスカートには、そのフロントに大きなスリットを入れて、モデルが歩く度に素足が覗くセクシーなデザインとなっている。
2019年03月26日ジエダ(JieDa)は2019-20年秋冬コレクションのランウェイショーを2019年3月23日(土)に渋谷ヒカリエで開催した。テーマは「レイブカルチャー」コレクションの起点は「レイブカルチャー」。特に、90年代後半から2000年代にかけて流行したカルチャーにフォーカスし、デザイナーの藤田宏行ならではのアイデアで、文化の垣根を超えミックスしてアレンジする。タイダイ柄のビッグフーディ、ツヤのあるエナメルパンツ、総柄のフリースジャケットなどパンチあるピースが並ぶ。肩を並べるのは、ダブルのジャケット、ロングシャツといったオーセンティックなピースたちだ。カテゴライズは要らない、バッグにある時代背景や文化などにもとらわれずに“かっこよさ”だけを突き詰めて様々な要素をかけ合わせていく。前後/左右で非対称「二面性」を持つウェア「二面性をもたせなかった」デザイナーの藤田が放った言葉は、左右・前後非対称なアイテムが物語る。トレンチコートやテーラードジャケットは、身頃半分がプレーンな生地で、もう一方はストライプやチェック柄になっている。デニムパンツは濃淡異なる生地をパッチワーク。前後で繋ぐ位置も変えることで、ショートパンツのようでクロップドパンツのような、だまし絵のような仕上がりに。チェックシャツは色、模様違いのチェック生地をランダムに組み合わせて仕上げてた。デニムジャケットは前からみるとスタンダードなのに、後ろから見るとケープのようなフォルムに。バックスタイル中央でカットしふわりと広げた。よくみると袖口もカットされて、前後で丈の長さが違っている。“着れる”ポーチポイントになっているのは、着用できるスポーティーポーチ。“鞄を持たない、荷物の少ない”男性たちにぴったりなアイデアピースだ。クロスストラップを付けてベスト風にアレンジしたり、スウェットトップスに胸ポケットのようにあしらったり。ストリートでいま人気のウエストポーチタイプも登場していた。足元には、ネオンカラーのスニーカーをチョイス。装いに合わせて、左右で色の配色を変えたユニークなデザインもあった。コラボレーションも満載、ディッキーズ(Dickies)、エレッセ(ellesse)、フルーツオブザルーム(FRUIT OF THE LOOM)とタッグを組んだピースも交えた。「平成最後のトウコレ」でチャーミングに閉幕ショーのラストには、デザイナー藤田が登場。観客席を見つめた後にはチャーミングなパフォーマンスが…纏っていたジャケットの背中には「平成最後の東京コレクション」の文字が刻まれている。ショーの終わりには「僕らしいユニークさを入れたかった」と、このメッセージに込めた思いを話していた。
2019年03月26日チノ(CINOH)は、メンズ・ウィメンズの2019-20年秋冬コレクションを、2019年3月23日(土)に渋谷ヒカリエにて発表した。ブランド初のランウェイショー、テーマは「グランジ」ブランド初となるランウェイショー形式での発表を行ったチノ。そんな記念すべきコレクションで、デザイナー・茅野誉之は「グランジ」をテーマに掲げた。とはいえ、彼の定義する“グランジ”は、通常イメージするヨレヨレとした古着のようなものではない。大人でも気軽に楽しめる、“エレガント”な空気を纏った新しいグランジスタイルがランウェイの上に姿を現した。こだわり素材を使用してエレガントなムードを作るために、茅野が最もこだわったのは素材選び。ワードローブを彩るペイズリー柄、ボーダー柄、レオパード柄、チェック柄…と、グランジスタイルで多用される柄は、艶めくシルクや光沢を帯びたビスコースにのせて、ラグジュアリーなムードへと昇華させる。例えばウィメンズでは、本来ラフなイメージの強いオンブレチェックシャツに、落ち感のあるレーヨンポリエステルを使用することで、フェミニンで柔らかなムードに仕上げた。またロックな印象の強いオーバーサイズのシャギーコートは、メイドインイタリーの深みのあるキャメル色を採用し、温かさと光沢を添えている。一方メンズでは、ブラックとホワイトのカラーコントラストが印象的なジャケットが登場。レトロなムードさえ漂うデザインでも、スポーティーなナイロン素材で仕立てることで、シティライクな一着に仕上がっている。フリンジを多用したウィメンズルックグランジルックを象徴するディテールである“フリンジ”は、主にウィメンズルックに多用された。カシミヤ混メルトンで仕立てたフリンジスカートや、サテン生地を使用したフリンジ付きドレスなど、それらもベースとなる素材に拘ったことで、グランジ独特の“野暮ったい”印象を感じさせない、洗練されたムードに満ちている。中にはフリンジを拡張させたテープが裾になびく、アイボリーのドレスも登場。その下には、同幅のフリンジをあしらったキャメル色のパンツをレイヤードして、遊び心溢れるルックを完成させた。足元もクリーンにエレガントなグランジルックを作り出すために、足元まで抜かりなく。メンズは、クリーンな印象をもたらすホワイトのスニーカーをメインに。ウィメンズは、エッジな角度のつま先がシャープな印象をもたらす、ショートブーツを採用している。
2019年03月26日レインメーカー(RAINMAKER)は、2019-20年秋冬ウィメンズ&メンズコレクションを、2019年3月23日(土)に渋谷ヒカリエで発表した。京都の香り漂う衣服工芸や美術など、様々な文化が凝縮された街・京都を拠点にしたブランドであるレインメーカー。着物を意識し、洋服の構造に和風の表層を組み合わせたピースや、その反対に、洋の表層に和の構造を合わせたウェアを展開している。レインメーカーにとって初となる今回のショーでは、時折過去のアーカイブピースも織り交ぜながら、ブランドのアイデンティティともいえる京都の香りを漂わせ、独自の品格を見せた。羽織りのようなアウター象徴的なのは、羽織りのようなシルエットのコートやジャケット。スーツやワンピースなど、端正なウェアの上から着用し、ウエストの紐を無造作に結ぶことで抜け感を演出する。しなやかな落ち感の素材で仕立てているからか、着方がラフでもどこか上品さが漂っているのが印象的だ。その他、着物を思わせる縦長のシルエットを描く、ジャカードのステンカラーコートやノーカラーコートも展開。静かで穏やかながら、ウェアの1つ1つがしっかりとした存在感を放っている。肩をドロップさせ、襟を大きくとってゆったりと仕立てたロングコートは、チェックプリント、ヘリンボーンなど温かみのあるウール地を採用。目の大きいチェックプリントのコートは、縫い目をあえて表に出し、裁ち切りで仕上げることで、ミニマルな雰囲気の中にクラフト感をプラスした。服地の流れに変化をコートの上からニットを着用したり、ベルトやストールでウエストマークしたりと、服地の流れを変えメリハリをつけたスタイリングも多数登場。緩やかなドレープ感のグレーのセットアップは、華奢なベルトを締めることで凛とした表情に。オーバーサイズのアクティブなフーデッドジャケットにも細めのベルトを組み合わせ、全てのアイテムを黒に統一することで、優雅でシックなスタイルを構築している。鮮やかな蝶の刺繍鮮やかな色彩の蝶のモチーフは、以前のコレクションでもコラボレーションしてきた、京都の絵師とタッグを組んだデザイン。流れるようなガウンコートのバックスタイルや、サコッシュバッグに刺繍で表現され、スタイリングに華やかなアクセントをもたらしている。
2019年03月26日セイヴソン(Seivson)の2019年秋冬コレクションが、2019年3月23日(土)に発表された。TWICEなどが愛用、台湾発の「セイブソン」日本で初めてのファッションショーを行った台湾発のセイヴソンは、台湾出身のジーチン・シンと韓国出身のソン・ミジンの2人の女性デザイナーが手掛けるブランド。韓国の音楽グループ「TWICE」をはじめ、アジアのセレブリティ達に愛用されている。宇宙船から着想した"グレー"で構成シーズンテーマは「スペースシップ(SPACESHIP)」。静寂の中を旅する宇宙船に思いを馳せ、グレーを主軸としたクリエーションを展開していく。ショーは会場の天井に星空を映し出す幻想的な演出からスタート。音楽がフューチャーリスティックなミュージックに切り替わると、ランウェイにモデルたちが姿を現した。アウターは、宇宙服を思わせるボリューミーなダウンジャケットや、生地をジップで繋ぎ合わせることで完成する構築的なコートなど。オーバーサイジングで構築的なアウターには、フェミニティ香るアイテムをスタイリングすることで女性らしさを演出している。たとえばフリルやプリーツをあしらったドレスをレイヤードしたり、ボディコンシャスなランジェリー風アイテムをプラスしたり、といった具合だ。パンプスやグローブといった小物類は、グレーを基調としたコレクションにアクセントを加えるシルバーカラーがメイン。メタリックな輝きが未来的なムードを加速させる。またパンプスには宇宙船を構成する金具のようなディテールが打ち込まれていたり、工具箱風のバッグが登場したりと、遊び心も感じさせた。
2019年03月26日ビューティフルピープルの2019年秋冬コレクションが、2019年3月23日(土)に経済産業省本館にて発表された。なお、同シーズンは2019年3月にパリで発表したものに加えて、メンズコレクションが登場している。新たな概念「サイド シー」の提案ビューティフルピープルの新たな試み「サイド シー(SIDE C)」は、左右、表裏、内外など二面性をの概念を取り払うこと。その上で、デザイナーの熊切秀典は、服に隠れている、袋状の部分に目を向けた。普段は服として当たり前に存在する内側を見直し、新たな意義を見出すことで、ひとつのアイテムに多大な存在価値を与える。今回のショーでは同じアイテムが形を変えて何度も登場している。例えば、コートは3、4通りの着こなしができる。通常ならライナーというべき白いコットンのレイヤードは、スタンダードなトレンチコートを裏返すまたは表返すことで主役になる。あるいは、白いコットンと、ベージュの生地の間に体を通すことでポンチョのような機能も発揮する。どれが主であるかは決まっていない。着る人次第だ。ジャケットも同じような構造で、表裏は言わずもがな存在しない。もう1通りの着方として、通常なら袋構造になっている、後ろ見頃の2枚重ねになった、その生地の間に体を通すことができる。ジャケットのデザインが変わってしまうだけでなく、プルオーバーのように被って着ることで、ジャケットにインナーを合わせているような着こなしを楽しめる。普段洋服の表裏を意識することがないことと同じく、私たちは、身体の内蔵や血管の存在を意識することがない。今シーズンは、それら体内の目に見えないものにもフォーカスしている。ロマンティックな花柄は、まるで内蔵の配置や筋肉の構成を表すよう。ニットは、シンプルだからこそ何気ない体の動きを大きく感じさせ、プリーツスカートは脈々と身体を巡る血液のように流動感がある。そして、ショーを絶えず演出していたのは鼓動と、モデルたちの足音。生きてるという実感を五感で感じらせるランウェイを演出した。若手デザイナー支援コンソーシアムの1周年記念イベントとして今回のショーは、経済産業省の「若手デザイナー支援コンソーシアム」1周年記念イベントの一環として開催された。メイドインジャパンのデザイナーとしてこれまでパリでショーを発表し、世界でも活躍の場を広げつつあるビューティフルピープルとの活動を経て、今後はさらにファッション分野においての活動または若手デザイナー支援の機会を増やしていければという。地域の繊維産業が縮小傾向にある今、日本の若手デザイナーたちの活躍の場を増やせるきっかけに、そして地域産業の活性化になる場として今後も活動が期待される。
2019年03月26日アーネイ(ANEI)の2019-20年秋冬コレクションが、2019年3月23日(土)に発表された。同ブランドにとって初のランウェイショーとなる。ブランド初のランウェイアーネイは、2019年春夏コレクションよりスタート。デザイナー・羽石裕は、ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)でヨウジヤマモト オムやY-3(ワイスリー)の企画、パタンナーを経験した経歴を持つ。その後、ビズビム(visvim)などを経てブランドを立ち上げた。初のランウェイショーのタイトルは「ファースト」。会場に足を踏み入れると、浜辺に打ち寄せる美しい波の音が響き渡っていた。上品な質感のリアルクローズアイテムはスポーティーなフーディーや、アクティブなボアジャケット、ミリタリーコートなど、デイリーウェアが主軸。ただし、それらはリアルクローズとしてのカジュアルな一面を持ちながら、素材感を生かしたエレガントな表情も備えている。ブラックとグレーでコントラストを効かせたジップ付きのプルオーバーには美しい光沢を称えて。オーバーサイジングなウールジャケットも上品な質感に仕上げている。細部にこだわったフォルムデザインは全体的にミニマルな印象だが、そのこだわりは細部に見て取れる。たとえばアウターの襟は胸元で止まることなく裾まで長く伸びており、和装の羽織りを彷彿とさせる。ホワイトのワンピースには、胸元に大胆なVのカッティングを施し、裾には深いスリットを入れた。色彩で奥行きを生む羽石がこだわる素材感やフォルムを強調するため、柄は潔く排除し、無地で勝負。その代役としてコレクション全体に奥行きを生んでいるのがカラーだ。ショーはグレーから始まり、絶妙なニュアンスのイエロー、グリーン、オレンジ、バーガンディ、ベージュ、ホワイト、ブラック...へと移ろう。色によって奥行きを生むというアプローチはスタイリングにも見て取れ、たとえばイエローのジャケットにはオレンジのパーカーをレイヤードし、ブラウンのパンツを組み合わせている。カーキのボアジャケットにはイエローグリーンのトップスを差し込み、足元にはブルーを効かせたスニーカーをスタイリングした。
2019年03月26日メアグラーティア(meagratia)の2019年秋冬コレクションが、2019年3月22日(金)に発表された。美しい花々に魅せられて今季も昨シーズンに引き続き、デザイナー・関根隆文の心を突き動かしたのは美しい花々のようだ。会場の中心には奥底から湧き上がる強さを感じさせる木々が生い茂り、その周りを囲むようにして花々が咲き乱れている。モデルたちが纏う洋服にも、ダブルブレストのコートを筆頭に、ロングシャツやパンツなど様々なアイテムに鮮やかなフラワーパターンが落とし込まれた。自由なスピリットでシーズンテーマは「ABREACTION」。"解放反応"という意味を持つこの言葉が示す通り、今季のクリエーションには、これまでメアグラーティアが築き上げてきた秋冬コレクションと比較すると、何かから解き放たれたような自由な空気が流れている。湧き上がる情動に素直に向き合い、新境地へと進んでいるかのようだ。自由なムードを創造するのに一役買っているのは、グラフィカルなプリントを配したフーディーやデニムジャケット、複数のポケットが付いた機能的なベスト、デッキパーカーといったストリート風のウェア。さらに、スポーティーなサコッシュやチェストガードを彷彿とさせるクロスボディアイテム、カジュアルなベルトといった小物類が、アクティブなムードを加速させる。ブランドの秋冬シーズンを代表するセットアップも、いつもより自由な精神で仕立てられていて、細い布地をストライプ状に貼り合わせたような斬新なテキスタイルが起用された。温かみのあるムードは健在新鮮さはありつつ、メアグラーティアらしい温もりやクラフト感も残っており、それはミリタリージャケットに軽やかなロングシャツを繋ぎ合わせたアイテムや、裾から切れ端がぶら下がっているようなアウターから感じられる。カラーはカーキやバーガンディなどニュアンスのある秋冬らしいダークカラーが主流で、そこに温かみのあるオレンジやイエローといった花々を咲かせた。
2019年03月25日ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO)の2019年秋冬コレクションが、2019年3月22日(金)に恵比寿ガーデンプレイス内 ガーデンホールにて発表された。ファッション、音楽、アートがクロスする、今ここにしかないひと時ファッションと音楽、アートが混ざり合う今季のコレクション。コシノヒロコは、デザイナーとして、そしてアーティストとしてあらゆる創造性をクロスして、ショーの創作に挑んだ。音楽はピアニスト横山幸雄による即興的インスピレーションの生演奏。今、この時にしかない音とシンクロする服のカタチを披露した。今季は、3Dの構想を2Dで練り直し、その後3Dに戻すという作業から製作している。完成した服は、途中過程の2Dの名残がある。平面的部分が多く、中には折り紙のように折り重なるディテールも見受けられる。ワンピースは一枚の布を巻きつけたようなものもあれば、すっぽりかぶるようなものもある。袖の部分は、敢えて縫い合わせることをせず2D要素を残したままだ。ストールはわざと平面を強調するかのようなスタイリング。立体と平面が混ざり合う構造は、体にまとう服の概念を超越する。そこに乗せられていく、コシノヒロコ流の絵画。俯瞰して見るとまるで美術館を巡っているかのようなショーだった。油絵のように濃厚な色味から柔らかな水彩画の色味まで、すべてが存在する。現代アートのような奇抜な表現も、モダンなグラフィックも、印象派のように優しい表現も、時代を超えて並列されているみたいだ。金色の糸がとびでた、和の要素を匂わせるトップスやチュニック、オブジェのような、赤色の立体的ジャケットは、シアー素材やニットなど滑らかなテクスチャーのファブリックとともに合わせられた。その異素材の組み合わせから生まれるデザインやフォルムは、前衛的なニュアンスを醸し出している。
2019年03月25日まとふ(matohu) 2019-20年秋冬コレクションが、2019年3月22日(金)に表参道ヒルズ「スペースオー」にて発表された。テーマは「雪の恵み」。「手のひらの旅」再び前シーズンに続き、映像+プレゼンテーション形式でコレクションを発表したまとふ。前回と連動したプロジェクト「手のひらの旅」は、夏の青森・津軽から冬の津軽へと舞台を移す。“冬ごもり”の時期に生まれた伝統工芸品に目を向けて会場に映し出されたのは、思わずため息がでてしまうような雪国の風景。しかし雪国の人にとって、雪とは本当に厄介なものであるらしい。デザイナーの堀畑裕之と関口真希子は、“外部”の人間であるからこそ、「近くにいると見えにくい」雪国の魅力に目を向ける。そしてその目線のまま彼らが着目したのは、この時期だからこそ生まれる伝統工芸品。外には出ることのできない“冬ごもり”の時間をたっぷりと使って完成した、伝統的な刺繍「こぎん刺」や江戸時代から続く漆塗り「津軽塗」を、今季のコレクションに使用した。ウール×ウールのこぎん刺前シーズンもこぎん刺のワードローブが登場したが、今季はウールの生地にウールでこぎん刺を施すという、温もり溢れる羽織が到着。真っ青に彩られた羽織の胸元には、美しいコントラストを描く白のこぎん刺が施されている。また着心地の良さそうな、そのふんわりとした質感は、仕上げに縮絨を丁寧にかけて実現したものだ。新雪に水が落ちた様子をイメージした「長着」ブランドのアイコニックなワードローブ「長着」からは、新雪のような純白の一着が登場。よく目を凝らすと見えてくる不思議な“窪み”は、雪の上に水がポツポツと落ちた“後”の様子を表現したという。その下には、雪の結晶をモチーフにしたポップなワンピースをレイヤードしている。雪の結晶をレースで表現したワンピースひと際会場の目を惹いたのは、総レースで仕上げた真っ白なワンピース。ワードローブを象る六角形の集合体には、異なる表情の雪の結晶があしらわれている。またレースの図形をそのまま残した裾は、手作業でカットしたというアシンメトリーなデザイン。職人ならではの温もり溢れる手仕事と、エレガントなデザインが融合した、まとふならではの一着となっている。「津軽塗」のアクセサリーまた日常ではあまり馴染みのない「津軽塗」は、スタイリングのアクセントとなるアクセサリーやボタンになって登場。モデルの耳元で煌めく「津軽塗」のピアスは、シャープな三角形のモチーフがアクセントとなるエッジなデザインだ。古き良きものを現代に蘇らせる、伝統とモダンをミックスさせたまとふの旅は、これからも続いていくようだ。
2019年03月25日ハハ(ha ha)は、2019年秋冬コレクションを2019年3月22日(金)に渋谷ヒカリエにて発表した。ユニバーサルデザインを“モード”に昇華これまでもずっとユニバーサルデザインに向き合ってきたハハだが、今回もそのベースは同じくして、モダンなスポーティーなアイテムに目を向けた。テーマは「アシスモーション」だ。動作を補助する服、車いす使用時の使いやすさを考慮した服、そして着用することで背中や腰にかかる負担を減少させる服。この3つの観点からこれまでにない未来的なワードローブを考案した。今回、まずひとつにコルセット着用時でも、お洒落に見えることを意識している。あるいは、通常は隠してしまうコルセットをお洒落アイテムのひとつとして取り入れられないか、と考えた。例えば、トレンチコートやブルゾンには、肩甲骨あたりにジッパーが取り付けられていて、開くことであえてコルセットとのレイヤード感を出せるようにした。また、コートは中にコルセットを一体化できるような仕組みのものもあり、一体化するとコートを変形することもできる。車いすでの着用時のことを考えて、変形ができるアウターは今シーズン特筆すべき点だ。腰丈あたりに取り外し可能なジッパーが付けられていたり、半分に折り返して形を変えることができたりと、長さ調節も自由自在。さらに、ほとんどのコートのバックシルエットにはクッション性のある素材を配置している。着席時のシルエットの崩れを防げるアイテムもあり、テーラードジャケットは、座ったときでもフォルムが美しく見えるようにと、本来ならダーツを施す場所にコンシールファスナーが隠されている。ウィメンズのスカートは、座った時でも美しく見えるように、バックスタイルのみバルーンのようなラインを築く。車いすの人のため、腕の可動域を考慮したアウターの袖ぐりの太さも特徴として挙げられる。そして、肘あたりまで施されたジッパーもまた、着脱のしやすさとともに、腕の動きを軽やかにしてくれる仕掛けのひとつだ。
2019年03月25日トクコ・プルミエヴォル(TOKUKO 1er Vol)の2019年秋冬コレクションが、2019年3月22日(金)に渋谷ヒカリエにて発表された。東欧民族たちのハッピーな衣装を着想にまるでおとぎの国に迷い込んだかのような今シーズンは、デザイナーの前田徳子が、エストニア、リトヴィア、リトアニアのバルト3国を他の知る中で出会った、自然の移ろいにあわせて装いを楽しむ、民族たちのハッピーなワードローブから着想を得た。ブラウスに長いスカート、そしてエプロンを身に着ける東欧の民族衣装。まるで色鉛筆をひっくり返した時みたいに色に溢れたテキスタイルは、心躍るようにハッピーな雰囲気だ。特に、カラフルなストライプはその代表的なファブリックのひとつで、ショー序盤には、鮮やかな小花柄とともに登場した。手には春の野に咲くたくさんの花をもって、春の訪れを喜び合う。夏の訪れを喜ぶのは黒のレース。柔らかな風に舞うシースルーのロングスカートと、ランダムヘムのトップスの組み合わせ。黒で統一されたルックには、繊細な草花のレースやパッチワークなど、民族衣装を象徴するディテールも垣間見える。足元のバレエシューズには、たくさんの花を咲かせて。胸元に添えた、大振りの花もまたこの夏の軽やかな装いに彩りを加える。うつろう季節は、やがて秋を迎えたのだろう。次に登場したのはドット柄だ。モノトーンを基調に、プリントやカットワークでドットを配した。寒い冬に備えて足元を彩ったポンポン付きのブーツは、白いステッチで花を描いたジャケットやスカートの足元で存在感を放った。花の色彩は消え、黒へと変化し、さらには冬に備えてファーがあしらわれている。冬のために準備した、かぎ針編みのニットは、まるで天使の羽根のように繊細で、今までのどのアイテムよりも温もりにあふれている。それをスポーティーなフード付きトップスの上に羽織ることで、エスニックとモダンを融合させた。トップス自体は、ただスポーティーなだけでなく、繊細な刺繍を施し、レースをあしらって素朴な民族意識を思わせる。足元にはノルディック柄のシューズをあわせて、冬への備えは万全、といったところだ。フィナーレでは、とびきりプレイフルな色の世界が待っていた。マルチカラーのボーダーニット、万華鏡みたいにカラフルなワンピース、そして花の形をしたフェルトの帽子。ハッピーな民族衣装を表現したおとぎの国のランウェイは、日本の春の到来とともに、再びあたたかな季節を迎えた。
2019年03月25日アカリ ミヤヅ(AKARI MIYAZU)の2019年秋冬コレクションが、2019年3月22日(金)、東京・渋谷ヒカリエにて発表された。テーマは「lost&found」。“生命”を再びキーワードにブランドのデビューコレクションを発表した前季に引き続き、2019年秋冬コレクションも“生命”が1つのキーワードに。無垢な少女が、痛みを知りながらも本質を探る旅に出るという物語を思い描いたデザイナーの宮津が、世に翻弄されていく少女の様子をワードローブで表現していく。ワードローブを波打つギャザー少女の不安定な心模様を描いたのは、今季のワードローブにふんだんに使用されたディテールの“ギャザー”である。トップスやボトムスからアウターまで、波打つように抑揚のついたギャザーがあしらわれている。中には、キャミソールドレス×パンツのレイヤードスタイルにも、ギャザーをふんだんにあしらったルックも。本来シンプルな洋服さえも、このディテールを重ねることで、予測不能なフォルムを描き、複雑な構造に見せている。相反する要素のドッキングもまた軽やかな素材に、かっちりとしたウールを重ねるなど、相反する要素の素材が1つのピースまたはルックに使用されていたのも今季の特徴である。前身頃を繰り抜いたような厚地のカーキのロングコートには、ヌーディーで軽やかなスカートをスタイリング。またコートの下には、裾がちぎられてしまったかのようなベストのようなものがレイヤードされていて、風を含むたびに、痛々し気にその裾がひらりと舞っている。純白のシフォンドレスでラストを飾ってカーキー、ベージュ、グリーン、アイボリー、レッド…複数のカラーと素材の組み合わせがみられたショーだったが、その終盤には純白のシフォンドレスを纏った少女のモデルが現れる。山あり谷ありの人生を潜り抜けた自分の少女時代も反映していると語るデザイナー宮津だが、その困難を乗り越えた時、どうやら少女は何かの答えを見つけ出したようだ。軽やかシフォンは、後ろの壁を映し出すほどクリアで、前述した波打つようなギャザーのうねりはすっかりと姿を消していた。
2019年03月25日ウィシャラウィッシュ(WISHARAWISH)の2019年秋冬コレクションが、2019年3月22日(金)に渋谷ヒカリエにて発表された。タイの伝統工芸をモダンなファッションにウィシャラウィッシュは、タイのあらゆる地方の様々な伝統工芸を、現代的なデザインに昇華し発信するブランド。デザイナーのウィシャラウィシュ アカラサンティスックは、2008年に東京新人デザイナーファッション大賞を受賞、2012年にはMango Fashion Awardsでグランプリを受賞している。2019年秋冬シーズンは、「Complex SimpliCity」をテーマに、タイの多様性を尊重し、その多くの個性を喜び合うコレクション。デザイナー自身がタイを巡り、各地で出会った伝統的なハンドメイド素材を集めて製作した。最も目を惹いた鮮やかなボタニカルなモチーフは、「バティック デ ナラ」というもの。ムスリムの女性職人がハンドペイントで仕上げるテキスタイルには、キクの花やシダ科植物の柄が入り乱れるように配されている。透き通るように薄い素材は、スリット入りのロングワンピース、メンズシャツやボトムスに採用されている。また、タイダイ染めシルクなどの名産地でもあるタイ東北部のコーケン県の「マイ テーム ミー」は、大胆な色合いが主張する鮮やかな色味が魅力だ。今回はメンズスーツや、ウィメンズのクロップドトップとサブリナパンツの組み合わせに用いた。クラシックなチェック柄は、現地でターバンや腰布に使われる「パーカオマー」という素材。まるで水彩画のように色が滲んで見えるテキスタイルも同じ技法によるもの。ウィメンズでは、裾でフリルが遊ぶボリューミーなワンピースやチュニックで、モダンに昇華した。一方メンズでは、一見ブリティッシュ調のシャツとショートパンツの組み合わせ、2ピースのスーツスタイルにも採用している。
2019年03月25日パラドックス・トーキョー(PARADOX TOKYO)の2019-20年秋冬コレクションが、2019年3月21日(木・祝)渋谷ヒカリエで発表された。今季もミューズとの合同ショーである。共通テーマは、ファッションの本質を追求すること。思考を巡らしデザイナーが辿り着いたのは、洋服の下に眠る「肉体」にフォーカスを当てることで、内なる美をファッションを通じて発信する。「肉体美」日体大バーベルクラブとのコラボクリエーション探求の起点となる「肉体」。人間の身体の美しさを表現するため、昨シーズンに続き今季も日本体育大学とコラボレーションした。今季のテーマは、ボディビルダーなどが所属するバーベルクラブ出演のオープニングアクトにより視覚的に表現。音楽とともにランウェイに舞い降りたのは、筋肉ムキムキの学生たち。盛り上がる胸筋、ふくらみのある上腕二頭筋。“ファッションショーとは似つかわしいない”パワフルな演出が、パラドックス・トーキョーの世界へ観客を引き込む。「躍動感のあるコレクションにしたかった」「躍動感のあるコレクションにしたかった」ショー終了後にデザイナーからこぼれ落ちた“温度のある”フレーズ。日本体育大学との演出はもちろんだが、とにかくポジティブでリズミカルなコレクションピースからも既存の枠組みを超えたモードウェアを提案するパラドックス・トーキョーの姿勢が伝えられた。ブルー、レッド、ピンク、オレンジ、グリーン。単体でエネルギーのあるカラーがランウェイを駆け巡り、自由気ままに混じり合っている。スポーツ、ストリート、ドレス、カジュアル、日頃は肩を並べていないテイスト同士が気ままに混じり合いアンビバレントな世界を築き上げる。フレアなワンピースは、エレガントで女性らしいシルエットを保ちつつも、胸元にはスイムウェア・スポーツウェアさながらの大胆なロゴをオン。テキスタイルの上で咲くボタニカル模様もやや野性的で、ボディにフィットした伸縮素材がスポーティな雰囲気を助長する。スタジアムジャンパーは、レッド×イエローのチアフルなカラーリングはそのままに色っぽく変形。身丈は胸のラインで大胆にカットされ、ギャザーを寄せることでフェミニンなピースに昇華している。「アドミラルアスレチックス」とのコラボまた、コレクションの中ではイギリス発祥の「アドミラル」の新ライン「アドミラルアスレチックス」とのコラボレーションウェアも展開。スポーツ・ファッション・ライフスタイルの枠を超えたクロスオーバーなピースとして、ロゴ入りのフーディコートなどを提案していた。アスリート&ドラッグクイーンもランウェイに参戦モデルの選定もジャンルの垣根を越えて、個性豊かなメンバーで。テニスプレイヤーの宇野真彩・佐藤久真莉、アイスホッケー日本代表パラアスリート堀江航、さらにドラッグクイーンの山田ホアニータがモデルとしてランウェイに登場している。
2019年03月24日ミューズ(MUZE)の2019-20年秋冬コレクションが、2019年3月21日(木・祝)渋谷ヒカリエで発表された。テーマは「パーソナル」。今季デザイナーデュオが追い求めたのは、ファッションの本質。特に、古き良きもの、伝統的なファッションを掘り下げることで、ファッションが持つ美しさやパワーなどを見つめ直したという。“福助人形”でおなじみの老舗とのコラボレーション浮かび上がった「伝統」というキーワード。これを具現化するために行ったのは、明治15年創業のソックス・足袋ブランド福助とのコラボレーションだ。ブランドの顔である福助人形の“AKAMARU”ロゴをデザインとして落とし込む。コンビを組むのはフーディーやキャップなど、ストリートと馴染みの深いカジュアルなピース。意外性のある出会いだが、テキスタイルから顔を出す“AKAMARU”ロゴはフレッシュな印象で、モダンなアイコンのように登場している。古き良きものを知るブランド&バイヤーともタッグまた、古き良きものの代表としてアメリカンブランド、ブリティッシュカーキ(BRITISH KHAKI)ともタッグ。英国調トラッドとアメリカンカジュアルのミックスした、ブリティッシュカーキのアーカイブを、「ミスタークリーン」のヴィンテージバイヤーとともに復刻させた。今っぽさ×奥深いクラシックランウェイでは、旬なストリートとクラシックがいい塩梅でミックスされていた。肩が落ち身幅をたっぷりととった、いわゆる“今っぽい”フーディコート、コーチジャケット、ショート丈ブルゾンなどと、チェック柄ブルゾンやベロアのジャケットなど“味わい深い”ピースが共存している。中には、1つのピースの中でその融合が行われ、暖かみのあるウールの上に、テクニカル素材の大きなポケットがアタッチされたジャケットも提案された。ブランドのアイコンカラー「ターコイズ」を主役にキーカラーは、ミューズのテーマカラーである「ターコイズ」。深みのある蒼色がライダースジャケットやパンツスーツ、スポーティなジャンパーなど、テイストを横断して様々なルックで起用されている。パキっとしたレッド、深みのあるブラウンなどと交わると、より一層ターコイズの奥深さが強調されている。このキーカラーの「ターコイズ」はジュエリーでも提案。ジュエリー作家小寺康友のターコイズジュエリーをバーニーズニューヨーク中野光章監修のもとデザインし、ランウェイショーに登場させた。テリー伊藤がモデルにサッポロラガービール「赤星」、大塚製薬「カロリーメイト」など様々な企業のタッグとはじめ、セレブリティとのコラボレーションで、これまで話題になってきたミューズ。今季は、再びテリー伊藤をモデルに迎えた。テリーは、チェック柄のセットアップに、ニットパーカー&ハンチングを合わせたクラシカルな装いでウォーキングを披露。また、フィナーレでは、ショーの中で度々登場した解体ライダースのベストに、福助のパーカーを合わせる今季を象徴するコーディネートで登場していた。
2019年03月24日コシェ(KOCHÉ)の2019年秋冬コレクションが、2019年3月21日(木)に、渋谷のスクランブル交差点前に位置する「SHIBUYA TSUTAYA」にて発表された。「SHIBUYA TSUTAYA」のルーフトップを舞台に会場に選ばれたのは、「SHIBUYA TSUTAYA」のルーフトップ。パイプや鉄筋がむき出しになった無機質な空間には、コシェのコレクションを一目見ようと集まったファッションピープルたちがひしめき合い、賑やかなムードへと様変わりしている。ユニフォームが再びキーワード東京で約2年ぶりにコレクションを発表する今季は、ブランド発祥の地・パリと東京を繋げたい想いから、生地選びから工程に至るまでメイドインジャパンにこだわったという。手間暇をかけて、デザイナーのクリステル・コシェールが作り上げたのは、2018年春夏コレクションを想起させるフットボールのユニフォームをアレンジしたワードローブ。当時のように複数のユニフォームをパッチワークして作るトップスには、レースや煌めくスパンコール、リボンなどを飾って、本来のアクティブな印象を軽減。フェミニンな雰囲気に引き寄せている。またユニフォームの丈を長く設定したワンピースやドレスには、たっぷりのフリルをあしらったり、裾をアシンメトリーにカッティング。ドレスとスポーツという相反する要素が1つのピースの中で交わることで、唯一無二のオリジナルの存在感へと導いている。映画『名探偵ピカチュウ』とコラボ様々な表情の“ユニフォームドレス”で溢れたランウェイから一転、会場には目が覚めるようなイエローやレッドのモノトーンに彩られたドレス郡が登場し、人々のざわめきが漏れる。何故なら会場に訪れた観客が目当てにしていた大きな理由の正体がコレ。ハリウッドで実写化される映画『名探偵ピカチュウ』とのコラボレーションがランウェイに現れると聞きつけたからだ。イエローやレッド、ブラックといったピカチュウを作り上げるアイコニックなカラーは、やがて1つのピースに現れ、黒の稲妻模様をレースでセンシュアルに表現したイエローのドレスやトップスが登場。また再び現れたユニフォームには、ピカチュウの模様が胸元にあしらわれていたり、「TOKYO」「PIKACHU」のロゴが大胆に入っていたりする。「第一世代からのポケモンのファン!」と目を輝かせるクリステルによる、“ポケモン愛”がたっぷりと込められたアイテムによって、会場は楽し気なムードに包まれる。多様性に溢れたモデルたちラストに会場に流れたのは、意外にも坂本九の「上を向いて歩こう」。その歌詞通り上を向いてみると、いつの間にかランウェイにいたモデルたちがルーフトップの高い場所に位置する細い足場に一列に並んでいる。こうしてじっくりとみて見ると、髪の毛の色から、身長、人種まで、多種多様なモデル達がいたことに気付かされる。そして彼らは、そんな互いの容姿を気にすることもなく、肩を組んだり、手を繋いだり、ハグをしたり…と、愛に満ちたピースフルな様子が伺える。国籍も関係なく1つのチームで一致団結してプレイするフットボールのユニフォームが、何故1つのキーワードとなっていたのか、その答えがなんとなく分かった気がした。
2019年03月24日ミュウミュウ(MIU MIU)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。ヒーロー、戦士になってミュウミュウガールは戦う政府への抗議活動、地球環境の雲行きの悪さ。毎日世界各国で取り上げられるニュースに耳を傾けたミウッチャ・プラダは、現代の不安定な世の中をデモ活動の盛んだった自身の若かりし頃と重ね合わせた。思考を巡らし、ミュウミュウというブランドを通して、ミウッチャが届けるのは、女性を“プロテクトする”ウェア。不安定だからこそ自分自身で我が身を守って欲しいという強いメッセージを込めて、新作ウェアを発表する。テーマは「エコヒーローとロマンティックな戦士」。ボディを守る「ケープ」身体の保護ーこのキーワードから生まれたのは、バリエーション豊富なケープである。この世に初めて誕生した18世紀には知識階級が纏っていた“インテリなピース”を現代で戦う女性たちに届ける。ただ身を守るだけでなく、女性だからこそデザイン性を楽しんで欲しいと、様々なファブリック、カラー、装飾を使って作り出した。共通しているのはロング丈であることのみ。ムートン素材のケープは、外からみるとハードで頑丈。ただし、纏うものには優しくほわほわのテクスチャーでボディを包んでくれる。袖を通すことのみが知る至福のとき。淡いピンクカラーで内側を染め上げれば、テンションアップのドレスアップピースの完成だ。ウールのケープはクラシカルに着こなすのが鉄則。テキスタイルの豊かな落ち感を楽しませてくれるロングレングスと、気品を象徴する金ボタンがポイントだ。カモフラージュ柄をロマンティックに着るまた、プロテクトの観点から今季はカモフラージュ柄も多様された。ミリタリーテイストを想起させる男性的なモチーフであるが、ここはミュウミュウらしく、可愛らしくアレンジする。もこもこのファーコートはフレアなラインに整えることで、可憐さを纏い、カモフラージュ柄のセットアップもニットカーディガン&ニットパンツで表現すれば、温もりのあるピースへと昇華する。ケープを脱げば“花々の楽園”対象的に投じられたのは、シフォンのロマンティックドレスやタフタのエレガントなドレス。女性らしさを強調するそれらのピースには、プリント、エンブロイダリーなど、様々な手法を使ってフラワーモチーフがあしらわれている。しっかりと身体を守ってくれるケープやカモフラージュ柄アウターを脱ぎ捨てれば、そこはミュウミュウガールの楽園。首にくるっと巻いたボウタイも、キラキラ輝くグリッター装飾も、丸みのあるバルーンスリーブも、すべて女性たちをうっとりとした気分にさせるために存在している。40’s風シューズ&ボストンバッグで決めて新作バッグは、柔らかなカーフ素材のボストンとフラワープリント付きのバックパックを用意。シューズは、40年代を想起させるレトロなデザインで、ユニークなヒールが特徴だ。
2019年03月24日