ヨハン クー(Johan Ku)の2017年春夏コレクションが、東京・渋谷ヒカリエで2016年10月19日(水)に発表された。今季のインスピレーションとなったのは、イギリスの映画『JUBILEE(邦題:聖なる年)』。1578年、エリザベス一世は大魔術師ジョン・ディーに呼び出された天使エアリエルに、来世の英国を案内される。そこは墜落しきった無法地帯の世界だった、、。パンク調の音楽が鳴り響く中、映画の舞台=英国を感じさせるチェック柄のウェアが登場。レッドやピンクなど鮮やかなカラー使いをし、上にスタッズを散りばめたり、異なるサイズ感の柄を組み合わせたり、またはパンツに空いた穴からパターンが顔を出したりと様々だ。さらに、シルバースタッズが肩や手首から飛び出すガウンや無数の穴が空いたトップス、切り裂かれたスカートが英国の“パンクスタイル”を彷彿させる。そんなスタイルを助長するのが、ヘッドギアのようなアクセサリー。チェーンやトゲが無数に生え、無骨なパンクを完成させる。さらに後半展開される、トップスからシャツ、アウターまであるゆるウェアを染めあげるプリント使い。ロンドン出身のフォトグラファー・Andrew Penkethと共に手掛けたデザインは、映画に登場するエリザベス一世を彷彿させる巨大な王冠や、空き缶・安全ピン・アクセサリー・スタッズなど様々なものが、無秩序にばらまかれた混沌としたもの。まるで映画で登場した来世の英国=「無法地帯」を感じさせた。
2016年10月22日ユキ トリヰ インターナショナル(YUKI TORII INTERNATIONAL)の2017年春夏コレクションが、東京・ラフォーレミュージアム六本木で2016年10月18日(火)に発表された。シーズンテーマは「-花に魅かれて-<Race on Race>」。ファーストルックは、官能的なカクテルワンピースに黒いレースを重ねたトレンチコートを羽織ったスタイル。今季はエレガントなミリタリールックから始まった。続いて、淡いカモフラージュ柄が次々と繰り出されていく。女性らしさは崩さぬように添えられた控えめな遊び心が、花柄の刺繍やビジュー、スパンコールから感じられる。曲調が変わると同時に、ボタニカルシフォンのワンピースが登場する。双子ルックのように現れた2人のカーディガンには、それぞれフラウンスが施されていたり、大きなスリットが入っていたりと、薄手のニットもシフォンと同じく動きの出る工夫が凝らされている。レースは随所に用いられていて女性らしさの基となっている。ムードはずっとフェミニン、ロマンティック、そしてエレガンス。その中で、色柄は迷彩からストライプやドットへ、カーキからソフトピンクやペールブルーへと移り変わる。やがてプレイフルな花柄プリントやマルチボーダーのアイテムが登場し、ガーリーな女性のサマータイムを想わせるコーディネートが主軸となっていた。終盤に差し掛かったころカラーは一変。印象的だったのは、またしても双子ルックでみせた黒のワンピース。ボトムアップ部分にはモノトーンのフラワーモチーフが静かに咲き、裾にかけて動きが出るようにシアーなプリーツをレイヤードしている。さらに動きを予想したアクセントカラーとして、フレアワンピースの裏側にはピンクを差し込んでいるのが面白い。フィナーレにかけてはシアーな素材を多用。さらに自由奔放な躍動感あるロマンティックなワードローブが並んだ。小物では、ワンカラーのルックにゴージャスなイヤリングや、大振りのネックレスを投入。一方で、麦わら帽子を合わせるようなカジュアルガーリーなルックには、ふわりと揺れるスカーフを首元と手元にあしらった。
2016年10月21日まとふ(matohu)が2017年春夏コレクションを2016年10月18日(火)、東京・表参道で発表した。今シーズンのテーマは「うつくし」。「美しい」という意味ではなく、古語での解釈に則った「かわいい」「愛らしい」という意味合い。平安時代の『枕草子』にも「なにもなにも、小さきものは、皆うつくし」という一節が登場するほど、日本では昔からこういった美意識があったようだ。着た人・見た人が「かわいい」と感じることで、心が和らぎ、優しい気持ちになるような服作りをしたとデザイナー・堀畑裕之と関口真希子は語る。まとふのフィルターを通した「かわいい」は、少しファニーなモチーフへ落とし込まれた。無数に並ぶピーナッツや飛び回るツバメ、さらに「小さき人」とデザイナー達が名付けた、小人が踊り回るようなモチーフがジャケットやパンツ、トップスなど、あらゆるウェアに刺繍されている。また、Aラインのワンピースやスカートは、ふんわりとしたドレープやギャザーを採用することで、柔らかく甘い空気感を出した。肌が透けるレース使いのトップスも、そんな雰囲気を助長する。先シーズンも登場した「オートモード平田」の石田欧子デザイナーとのコラボレーションハット。今回は、まるで陶芸品が歪んだような、独特なフォルムが特徴で、着こなしのアクセントに取り入れられた。ここ何シーズンか、“日本の美意識”をテーマに服作りをしてきた「まとふ」。完結した暁には、大きな展覧会を開催し、これまでのウェアをまとめて見られる機会を作るそうだ。
2016年10月21日ティート トウキョウ(tiit tokyo)は、東京ファッション・ウィーク2日目の2016年10月18日(火)、2017年春夏ウィメンズコレクションを発表した。テーマは「leave」。シンプルで飽きのこないデザインに、ノスタルジックなムードや危うい少女性などを溶け込ませ、独自の世界観を構築しているデザイナーの岩田と滝澤。今季彼らは、自分らしく生きられずにもがきながらも前進する一人の女性をミューズに据えた。誰にもぶつけられない孤独感、心の奥底に秘めた焦燥感。そんな複雑な感情は、多種多様なオリジナルテキスタイルで表現する。シルク糸を用いたツイード、ファンシーカラーの糸を織り込んだカットジャカード。豊かな光沢を纏ったシースルー地は、タフなデニム地やハードなレザーと交差し、力強さと可憐さを同じ舞台で共存させる。言葉にするのが難しい不安定な感情は、自由なスタイリングで体現した。バックラインと袖口をレースアップしたシャツは、リボンを緩めて襟を落として着崩したり、床にはうほど長いリボンを袖から垂れ流したり。フェミニンなドレスも左右で異素材を繋ぎ合わせもので、その個性を潰すかのようにさらに異素材パッチワークのドレスをレイヤード。コートだって前身頃をサイドにずらして着こなし、ノーマルからは距離を取った。涙が流れる目元は(メイクでツヤ感を与えた)、衝動的な彼女の姿へとリンクさせる。装いもメイク同様、感情的な要素を持ち合わせていて、服地の上で男性性と女性性が融合されている。ビックサイズのレザージャケットには花刺繍とリボンを、ミリタリージャケットにはフリルを。ツイードのセットアップも、ライダースディテールをぶつけてマニッシュに仕上げた。ただ、その洋服デザインもコーディネートも躍動感という点では長けていて、苦しい中でも歩みを進めるブランドミューズの姿に重なっていく。
2016年10月21日トクコ・プルミエヴォル(TOKUKO 1er Vol)が2017年春夏コレクションを2016年10月18日(火)に渋谷ヒカリエにて発表した。デザイナー・前田徳子(Tokuko Maeda)本人が世界各地を旅して得たインスピレーションを落とし込んでいくトクコ・プルミエヴォル。今季のテーマはコートダジュールで、現地の文化・色・雰囲気のエッセンスが詰め込まれていた。コレクション前半はレモンのプリントを施したブラックのワンピースや、イエローのシースルーアイテムで爽やかな印象。これはイタリアとフランスの国境の街、マントンで開催されたレモン祭がヒントになっており、大ぶりな首飾りからピアスまでレモンがふんだんに使われている。音楽が変わると同時にプリントのイメージは、葡萄、さくらんぼ、苺など、ヨーロッパの温暖な気候で育つヨーロッパの果物へと変化。ブラックのレースにアップリケ刺繍で大胆にアクセントを加えていた。さざなみが聞こえ会場が青い光に包まれると思うと、今度はエビやタコ、海藻など海の生き物がアーティスティックなモチーフが現れる。まるで洋服の中に海の世界が広がっているような全面プリントのセットアップなど、ターコイズやペルシャンブルーなど様々な青を組み合わせて幻想的に海を表現していた。シルエットは全体を通してリラックスしたものであり、麦わら帽やサンダルでまるで本当にリゾートに旅しているような気分に。デザイナーが自分の軸をしっかり持ち、流行に左右されず旅の中で見たものを落とし込んだ洋服を見ることで、私たちも同時に旅を追体験できるようなコレクションに仕上がっていた。
2016年10月21日ハナエモリ マニュスクリ(Hanae Mori manuscrit)が、2017年春夏コレクションのウエディングラインを2016年10月18日(火)に東京・虎ノ門ヒルズにて発表した。ブランドのアイデンティティである蝶は、今季も羽根を開いて華麗に舞い続ける。ファーストルックに登場したのは真っ白なエンパイアラインのドレス。歩むごとに背中に背負った大きな蝶々が揺れ動く。角度によって青やシルバーに輝く細やかな刺繍は「モルフォテックス」という蝶の羽からヒントを得た繊維から成るものだ。Aラインやプリンセスラインのドレスが登場し、今回のテーマでもある“重なりあう優美”がさらに姿を現しだす。柔らかな日を浴びて光沢を放つ白いシルクに、刺繍を不規則にあしらったチュールをかぶせて流れるような動きを作る。トレーンを引くほど長い裾では、キラキラ光る刺繍とふわりと揺れる花々が活気をもたらした。モダンなムードは、デザイナー天津優が注目しているという“デジタル”なプリントから強く感じられる。特に象徴的なのは、最初から最後まで用いられていたヘッドドレスである。モデルの去り際に目が行ってしまうのは、V字に空いたバックスタイルが儚げな蝶々を連想させるからだろうか。時にはそこからふわりとレースを躍らせて、その甘美さに浸れるような演出まで施している。2016年9月にメインラインを発表してのちの発表となった今回のショー。どの女性も一番輝ける時「ウエディング」の中で、ブランドが常に追求してるエレガントを最大級に導き出した。それは、日本人デザイナーの世界進出先駆けとして、オートクチュル界に足を踏み入れた森英恵の美しさの表現を受け継いでいる。今後、世界進出も視野に見据えているという天津に期待を寄せたい。
2016年10月21日ウジョー(Ujoh)の2017年春夏コレクションが、2016年10月17日(月)に渋谷・ヒカリエで発表された。ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)による若手デザイナーサポートプログラムの支援を受け、先シーズンはイタリア・ミラノでコレクションを発表したブランドだ。今季は春らしいフラワーモチーフが至る所に。まるでヴィンテージウェアを彷彿させる、スモーキーなレッド・ブルー・ホワイト・パープルの花々がスカートやトップス、パンツの上で可憐に咲く。軽やかな素材感も春の風を運ぶ。歩く度にはらむシフォンや艶やかなシルクを多用し、ウェアはすべてビッグシルエットながら、女性らしい雰囲気を醸し出している。また、パタンナー出身の西崎が作り出す、鮮やかなカッティングは今シーズンも健在だ。春の代名詞とも言えるトレンチコートは、うしろと横の部分に大胆な切り込みが入り、歩く度にリズミカルなフォルムが生まれる。スカートにも大胆なスリットを、シャツはまるで再構築されたように、横から伸びた布がビスチェのように前面で結ばれて、独特の着こなしに。異なる布を貼り合わせたようなウェアも目を引く。そんな中、顔を覗かせるマスキュリンさがスパイスに。ドロップショルダーのセットアップスーツのほか、足元に合わせたメンズライクなウィングチップシューズ、レザーサンダルが全体を締めている。
2016年10月20日ウエムロ ムネノリ(uemulo munenoli)が2017年春夏コレクションを2016年10月17日(月)に東京・表参道にて披露。今シーズンはブランド初のインスタレーションによる発表である。ワードローブの基となったのはアメリカの彫刻家、アレクサンダー・カルダーのモビール。紐につながれた物体達が見せる独特の色使い、時の流れを遅らせるようなゆったりとした動きが少しずつ落とし込まれている。モビールは、風に吹かれ1秒ごとに違うカタチになっていく。美術館をイメージしたという会場に、モデルたちが静かに足を踏み入れ、前、横、後ろと360度のシルエットを私達に堪能させる。モビールと同様時を経て変わる動きに、目を凝らしてその一瞬の時を待つ。透明感や流動感を出すために、スリットやレイヤードを多用している。前は長く後ろは短く。はたまた、片方だけ肩を落として、アシンメトリーな形状を作りだした。流れるような絡み織のシースルーは、レイヤードした色を透かしながら、空気を纏うひとつの作品を構築していく。ワードローブの中に紛れた細い紐は、布と布の狭間に存在して繋ぎ合わせる役割を果たしている。オーバーボリュームのブルゾンにギャザーを寄せたり、あるいはウエストまである長いベンツの切れ目を繋ぎ合わせたり。風に呼応する動きをより流動的にする下支えとなっている。カラーパレットは、活動的に見えるオレンジや赤、スッと心が落ち着くロイヤルブルー、そしてスタンダードなネイビー。寒色と暖色のコントラストは、様々なものを組み合わせてバランスをとるモビールの真骨頂を表しているようだ。
2016年10月20日アクオド バイ チャヌ(ACUOD by CHANU)の2017年春夏コレクションが、2016年10月17日(月)東京・渋谷ヒカリエで発表された。東京コレクションの開幕とともに、ブランドのランウェイデビューとなる今回、一体どんなワードローブが披露されるのか、期待が高まる。序盤、ランウェイに登場したのは、シーズンのアイテムを身に纏ったダンサー5人。ブランドらしいストリートの色を反映した力強いダンスで、観衆の心をつかむ。インスピレーションの源になったのは、“シャツ”。古くからその原型が完成し、長く愛されているそのフォルムをベースに、アウターやドレスなどのディテールを落とし込んだ。メインとして採用されているのは、ファスナーを使ったデザイン。肩口に取り付けられ、その開閉でボリューム感を操作できるアイテムや、襟のジッパーからアクセサリーが出てきているもの、レイヤードのような立体感を演出するものなど、幅広い場面でポイントを担っている。また、モデル全員が纏っている口のような形の大きなジッパーマスクも大きな意味が。ユニセックスで楽しめるアイテムであることを強調するために、性別を“隠す”という意味合いを込めて、顔の大部分を覆ったのだという。ラストを飾ったのは、全身がシャツの襟で覆われたドレス。今季を象徴するようなアイテムだ。デザイナーの李燦雨(チャヌ)にとって、幼い頃からの夢であった東京コレクションでのデビューと、自分の武器であるシャツでのデザイン。その熱意と技術が結集したファーストコレクションとなった。
2016年10月20日リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)の2017年春夏コレクションが発表された。今シーズンの製作にあたって、デザイナーの山縣は「どんな時代にも屈することなくまっすぐに生きる女性。特に、戦前~戦後の時代に生きる女性像を思い描きました。そして、どんなファッションも楽しむ女性というのも今シーズンのテーマです。」と語っている。それを表現するために用いたのは花。ひと目みただけでそうだと分かる洋服には、心躍るデザインが散りばめられている。オーガンザに色とりどりのブーケやリースを乗せて表現したのは、混沌とした時代を生き抜く女性たちの結婚式。トップスともワンピースとも言い難いほどまん丸な服には、色とりどりの刺繍で大胆に花を描いた。幾枚も重なったオーガンザは、肌に重なるほどその存在感を増し、おしゃれを楽しむ女性たちの高鳴る気持ちとともに膨らんでいく。細かいところに目を向ければ、ブラウスにはブランケットステッチで柔らかなアクセントが置かれていて、ほとんどのオーガンザを用いた洋服の裏側には“謎の袋”が備えつけられている。山縣曰く「その時代の女性たちが持っていた荷袋をイメージした」らしいが、一握りもないほどの小さな袋の中には、花が詰め込まれていて、幸せな気持ちが呼び起こされる。もうひとつ象徴的なアイテムを挙げるなら、和紙素材を用いたニット。赤い花をランダムかつ立体的に配したカーディガンとスカートは、山縣が日常でふと目にしたほんの数秒のシーンがインスピレーション源だという。ひとつひとつ表情の違う花たちに、ギュッと心を掴まれそうになる。女性に必要なのは、甘さや華やかさだけではない。コットンジャカードで表現した真っ黒と真っ白のルックは、明らかにオーガンザや和紙素材とは違う辛口なムードを放っている。肌と重ねれば、花が浮かび上がる独特のテキスタイルを用いて、ブラウスやワイドパンツ、そしてガウンなどを創り上げた。
2016年10月19日Paris Fashion Weekは世界中からファッション業界人が集うおしゃれ激戦期間。オンタイムのトレンドを探る絶好のチャンスでもあります。全10日間の会場スナップで見つけ出した今すぐ取り入れたいトレンドをご紹介!Part1は小物から。トレンドを自分らしく自由に楽しむ参考にしてみて!足元トレンドはギラギラ!Shoesのトレンドは一目瞭然、とにかくメタリック!シルバーのフラットシューズ&ブーツを筆頭にゴールド、グリーン、レッドなど、様々な色でギラつかせていた足元。全体がメタリックなものもあればヒールが光っていたり、バッグやアウターなどでもSFを連想させるような反射の強いメタリック素材が多く見られました。with デニムデニムから覗くギラギラに思わず視線集中。ちょっとメタリックは攻めすぎかも...という人はデニムと合わせてカジュアルダウンするのがベスト。靴下で遊ぶシルバーは色こそシンプルなので、他の色や異素材靴下とレイヤードして遊んでみるのも面白い。同系色でまとめる素材感で目立ってしまうメタリック。下半身は同系色でまとめてスッキリとみせるのが良さそう。どうやら靴下の色・柄選びがポイント。マスターすべしはさりげないスカーフ使いエレガントにもやんちゃにも演出できる優秀アイテム、スカーフ。今季は定番のバンダナ柄やレトロで大振りの柄などをうまく取り入れているコーディネートが目立ちました。シャツに潜ませる色柄が派手だからこそ、主役に回すのではなくあえて脇役で輝かせる。シャツを第1、2ボタンまで開けて、きゅっとチョーカーのように結んだスカーフをちらりと覗かせるのがコツ。アクセのように大きく巻くさらりと見せる一方で、大振りネックレスのように大胆に使う技も炸裂!ヌーディーカラーのタートルネックの上からシンプルな柄をさらりと巻くのは、大柄アウターを邪魔しないため。ざっくり開いた胸元に輝かせるように真っ赤なスカーフを落とす女っぽさも是非真似したいところ。パイソンが似合う強い女ですもの強さMAXのパイソン柄が人気の模様。さりげなく取り入れられるシューズから大胆なコートまで、パイソンレディーが続出。定番のホワイト・サンドベーシュだと逆にパイソン感が目立ってしまうから、あえてのレッドに挑戦してみる?耳元で揺らすbigピアススタート時間ギリギリになって走ってやってくる来場者の耳元でキラリと光るのが、ちぎれない!?と心配になるほどの大振りピアス。輝くゴールドを片方だけ幾何学模様のような、ぐにゃりとした図形が組み合わさったような、そんな形がトレンドのよう。まるで耳から下げるアート。色は一択、輝くゴールド。これでもか!と主張するために髪はあげたり、耳にかけたりするのがマスト。ヘアスタイルと合わせる耳元アートが溢れる中、茶目っ気たっぷりのキュートなモチーフも。ポンポンみたいなイヤリングが結んだカーリーヘアとマッチして可愛さ10倍。一方ショートヘアの彼女は、ストレートヘアの直線を沿うようにすっと落ちるフリンジの合わせがとても美しい。主役級ピアスだからこそヘアスタイルまでぬかりなくコーディネート!miumiuの編み上げシューズに夢中!全会場で見かけたと言っても過言ではない今季の“It”シューズは「miumiu」のリボン編み上げシューズ。ハードな太ベルトで巻かれた革のタイプ、パテントレザーのヒール、サテンのシンプルなバレリーナの3種類をとにかく見かけました。一番人気の革タイプはパリのmiumiu全店で品切れ中で、10日間は入荷待ちというほどの人気だとか。ガーリーな足首リボンにハードなテイストを混ぜるスタイリングは足元以外でも真似したい!メタリック、スカーフ、大振りピアス、パイソン...トレンドキーワードが見えてきたところで、自分らしくファッション調理タイム開始。すぐ目の前の春を先取りして、今日から早速気になるトレンドにチャレンジ!次回はPart2.洋服編①! Photo,Text : Azu Satoh
2016年10月18日アンリアレイジ(ANREALAGE)が、2017年春夏コレクションの新作展示会に、400人限定で一般客を招待。2016年10月30日(日)に青山にて開催される。パリで発表された今コレクションのテーマは「サイレンス」。なかでも、サウンドやAR技術を駆使した実験的な試みは印象的だ。モノクロームで統一されたルックに合わせられた黒い帯のようなものを、iPhoneやiPadを通してみると、洋服の模様が浮かび上がるというユニークな演出は、観客に強いインパクトを与えた。展示会では、このARとサウンドの演出も用意。触覚だけでなく聴覚や様々な感覚を通して、服を感じる体験ができる。このユニークな機会にぜひ応募してみてはいかがだろうか。【開催概要】アンリアレイジ 2017年春夏 新作展示会日程:2016年10月30日(日)時間:開場 11:00 / 終了 19:00会場:青山スタジオ住所:東京都渋谷区神宮前3-3-9 青山スタジオビル■応募方法期間:2016年10月15日(土)12:00~10月22日(土)12:00応募ページ:※時間外の応募は不可※先着400名限定。※先着順にて各時間帯、指定人数に達し次第締め切り。※応募1回につき、1名まで入場可能。※複数回応募した場合は、そのうち最初の1回のみを有効とする。※招待状の発送はなし。予約確認メールをプリントアウトして持参すること。※尚、入場希望者多数の場合、入場を断る場合もあり。
2016年10月17日ティート トウキョウ(tiit tokyo)が2017年春夏コレクション発表に先駆け、女優・松井愛莉主演のショートムービーを公開。ティート トウキョウが大切にしてきたのは、映画のストーリーのような情感。それをデザインに落とし込み、どこか不思議な空気感と上品かつフェミニンな女性像を描きだしてきた。今シーズンのテーマである“leave”の女性像をイメージしたショートムービーは、コレクションで表現する女性像と、感情が変化することで生まれるシチュエーションを演出している。感情的で色っぽく、どこか危うさ漂うぎこちなさ。ブランドが大切にしてきたことを暗に秘めたものである。一方で、松井愛莉は素直で可愛らしく、いわゆる“良い子”という本コレクションとは真逆ともいえるキャラクターイメージをもつ。しかしこのムービーでは、彼女の中に眠る奥底の感情を掘り起こすかのように振り幅を強くつけることで、刹那的な美しさを表現。“leave”に準える女性像を見事に表している。なお、松井愛莉はランウェイでもその姿を見せてくれる予定だ。【ショー開催概要】ティート トウキョウ 2017年春夏コレクション開催日:2016年10月18日(火) 17:00~場所:淀橋教会(東京都新宿区百人町1-17-8)【ショートムービー詳細】出演:松井愛莉、Anna E、Ringaile監督・撮影:⾦⽥聡樹プロデューサー:中⼭稜⼠スタイリスト:町野泉美ヘアメイク:豊⽥健治(SHISEIDO)スチール:⼭⼝こすもPM:品⽥裕介映像プロダクション:CARPE
2016年10月16日タエ アシダ(TAE ASHIDA)の2017年春夏コレクションが、2016年10月17日(月)、グランド ハイアット 東京で発表。ブランド創設25周年となる2016年、四半世紀もの歴史を持つ日本のビッグメゾンが、一体どんなショーを披露するのか、期待が高まった。テキスタイルの個性と真正面から向き合い、その特性やキャラクターを洋服に落とし込むことを得意とするブランドらしく、表情豊かな生地を生かしたワードローブ。ファーストルックには、淡く溶け合うようにホワイトとブルーが滲んだ柄の布を採用したドレスを抜擢した。足元には、その朧げな魅力と相対するように、シルバーやフェイクレザーを使ったハードな印象のピンヒールをぶつける。全体を通して漂う空気感は、肩の力が抜けたような余裕だ。何層にも折り重なったようなオフショルダーのワンピースは、適度にふわりとした柔らかさを携え気品を演出。チェーンのプリントを施したアイテムも、幅の広い編み地ニットとレイヤードすれば、フェミニンな温かみが生まれるのだ。しかしながらただ単にリラクシングなムードがあるわけではない。時折ランウェイを彩るバッグやアクセサリー類は、八角形や六角形のシルエットを採用し、無機質な要素と、直線的なエッセンスをプラス。スパイスのように加えられるこれらの要素があってこそ、ワードローブに満ち溢れるメゾンの魅力が引き立てられているのだろう。テキスタイル自体の魅力と、考え抜かれたパターンの魅力が、気品と余裕を醸し出しているのはもちろんだが、25周年を迎えた自信とものづくりへの熱意がコレクションを下支えしている。斎藤工ディレクションで、発表されたドキュメンタリーと合わせ、タエアシダの魅力について再確認するシーズンとなった。
2016年10月16日シアタープロダクツ(THEATRE PRODUCTS)の2017年春夏コレクションが、2016年10月12日(水)に発表された。“GOLD MINE(宝の山)”と名付けられた今季のテーマ。様々な場所から漂流し、流れついて溜まったゴミの山は、ある人にとっては不必要なものかもしれないが、そこに価値を見出す人にとっては宝の山となる。その様子を、アフリカや中東、アジアの民族的なモチーフや、廃材やごみを象徴するイメージ、また雑多なものが集まるマーケットのイメージを用いて表現した。コレクションを彩るのは、民族性を感じさせるカラフルなテキスタイルだ。マーブル模様、紫や緑のダイダイ染め…。また、日常的なゴミのモチーフを、原色に近いカラーリングでアフリカン風にプリントとした布地など。それらは、ロングシャツや、ギャザーの寄ったゆったりとしたワンピースといった、民族服を連想させるシルエットの服に仕立てられた。頭に被ったムスリム風のヒジャブと、肩からかけたり腰に巻き付けられたサリーは、コレクションに変化をつけ新鮮な空気を運ぶ。これらのアイテムは、スカートとしても着用可能だ。このように、着方が一つに定まらない洋服には、漂流物をどのように身に着けるか自らで考えることで、その物に新たな価値を見出すという、コレクションテーマへとつながる意図が隠されている。アクセサリー類にも、ゴミのモチーフが取り入れられた。たくさんのリップスティックの空き箱を潰してつないだ様子をイメージしたネックレスや、サングラスレンズのパーツやテレフォンカードをモチーフにしたピアスだ。また、再利用する洋服をもっていくためのバッグとして、シアタープロダクツのリサイクルロゴ“TP”がプリントされたバッグが複数のルックに登場した。古着として活用するにせよ、素材を解体して再構築するにせよ、廃材を通して人を次の行為につなげていく。「洋服があれば世界は劇場になる」というブランドのコンセプトが浮き上がるようなコレクションが展開された。
2016年10月15日冬って、夏と違ってファッションでボディーラインが隠せます。つまり、顔さえ「痩せ見え」すれば、まるで「3kg痩せた」風に見せることも可能。トレンドメイクを賢く取り入れながら、「痩せた?」と言われちゃいませんか?コントゥアメイクで痩せる骨格を活かした陰影を顔にコントゥアメイク。このメイクを利用すれば、顔を一回り小さく見せるなんて朝飯前!囲みアイで痩せる目元を囲み、やや切れ長になるようにするとすっきりとした印象になり痩せて見えます。ブラックボルドーリップで痩せる今年のトレンドのブラックニュアンスリップも痩せ見せには効果的!唇に視線が集中するため、フェイスラインに目がいかなくなりますよ。今年の秋冬は、トレンドを賢く取り入れながら、「3kg痩せ」を狙っちゃおう!
2016年10月15日年齢を問わずおしゃれ女子から絶大な人気を集めるブランドTHEATRE PRODUCTS(シアタープロダクツ)が2017年春夏の最新LOOKをインスタレーション形式で公開。宝の山を意味するGOLDMINEがテーマとなったコレクションでは中東やアフリカを彷彿とさせるモチーフやアイテムが多く見られました。そこはまるで異国のマルシェのよう。例え使われなくなったものやガタクタでも、それがどこからやってきたのか何なのかわからない人にとっては、全く違う宝物に映るかもしれない。くるりと視点を変えて世界を見つめ直してみれば、そこには宝の山=GOLDMINEが現れる。想像力を働かせて、過去の価値を問うのではなく自分の目で新しい価値を見出そう、というメッセージが込められています。要らなくなった紙箱を解体したようなパーツ、猫ちゃんテレホンカードのピアス、ハンガーのサイズ表記に使われるパーツを模したブレスレットなど、THEATRE PRODUCTSらしいウィットに富んだアクセサリーたちも必見。ブランド初となるEC先行予約会今回ブランド初となる試みとして、2017年春夏コレクションが予約できるオンライン予約会がオフィシャルオンラインショップにて開催。10月17日(月)〜24日(月)の期間中に予約するとオンライン予約特典として「TP」ロゴ入りショッパー(紙袋)がプレゼントされます。予約はオフィシャルオンラインショップより→ PRODUCTS 2017SS "GOLDMINE"LOOK photo : THEATRE PRODUCTS official
2016年10月15日ボス(BOSS)の2017年春夏ウィメンズコレクションが発表された。今季は大胆な色使いと手の込んだクラフツマンシップの融合で、活気を身に纏ったコレクションとなった。柔らかなカーブを描く斜線によってブロッキングされたトップスやワンピースは、官能をわずかに添えながら、スポーツウェアの要素も内包する。これは、プールをモチーフとしたデビッド・ホックニーの作品群に見られる鮮やかな色合いと建築的なラインをインスピレーションの素としたものだ。先シーズンのランウェイを彩っていたリラックスしたテーラードジャケットは、調節可能なストラップ、大きめのポケットを施すことでスポーティな印象をより強めている。レースにジャカードと手作業で刺繍を施したフローラルなカモフラージュのモチーフを筆頭に、コレクション前半のカラーパレットは、スカーレットやグリーンなどが鮮やかに彩る。後半はブラックのツイードセットアップやホワイトのシースルートップスなどのベースカラー中心になるが、独特な素材を用いることで、様々な表情を見せることに成功している。編目の細かいレッドのニットドレスには、軽やかなレースとシフォンのタンクトップをレイヤード。積極的な色使いのスタイリングを支える足元には、ソールに繊細なレースとビーズと刺繍を配したレザー製のスライドシューズをシンプルに合わせて。アーティスティック・ディレクターのジェイソン・ ウーが手掛けて6回目となる今季は、伝統的なテクニックと革新性が融合した明るいムードが漂っていた。
2016年10月13日ファセッタズム(FACETASM)の2017年春夏ウィメンズコレクションが発表された。今シーズンは、ブランド名の由来であるフランス語でダイヤモンドなどの切り子面を意味する単語「facet」をもとに「様々な顔」「様々な見え方」という意味を込めている。カラーパレットで存在感を放つのは原色のグリーンやイエロー。それらの色は熱を持っているが、トップスに散りばめられたシースルーでクールダウン。また、鮮やかなブルーのドレスもバックコンシャスなデザインで涼しげに。保守的な印象を受けるはずのトレーナーやテーラードジャケット、ステンカラーコートの背中も大胆に空いており、見る角度を変えることによって洋服の違った見え方を表現する。太もも部分はタイトだが、ふくらはぎからフリルの丸みで大きく広がったボリュームのあるパンツや、足元が隠れるほどのフリルが重なるスカートなど、ボトムスは下に下がるほど重みのあるシルエットで登場する。セクシーとスクールテイスト、異なる要素を1つのスタイリングに詰め込むことで新しいシルエットを提案。ブラックのセットアップにはスカートに深いスリットが入り、足元にはラインハイソックスとローファーを合わせて。要素と要素を合わせることで洋服の異なる表情を作り出していた。初心に返り、ブランド名に忠実な洋服作りを続けたデザイナー・落合宏理の自己紹介のようなコレクションだった。
2016年10月13日アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)が2017年春夏コレクションをフランス・パリで発表した。スコットランド・シェトランド諸島の手つかずの野生と、海岸の風景が今シーズンのソース。息をのむほどの自然の美しさは、これまで幾度となく地元の職人達にインスピレーションを与えてきたという。それは、今シーズンの象徴でもあるシェットランドレースが物語っている。職人たちの精巧な技によるクモの糸のように細やかな模様は、肌に沿えばラグジュアリーに映る。そこに描かれたのは、自然で出会った生命の木、広大な海、そして咲き誇る花々。柔らかな白を基調とした古典的なドレスは、シュミーズのようなものもあればパネル張りの構築的なものもある。一方、真逆のカラーも登場している。官能的な黒だ。肌との重なりによって、レースの柄がより強く感じられ、さらにフリンジを加えることでその表現はまるで自然を生きる動物たちのように自由なものへ。レースの儚さをかき消すようなスタッズ装飾、力強いレザーは相反する強烈な印象を与える。一方で大胆なフリルやラッフル、そして咲き乱れる色とりどりの花々は壮大な大地の誇張表現として役割を担っているように思う。トラッドなフェアアイル柄のニットは、構築的に繋がれて今までとは異なる、ズレから生じる美しさをコレクションに注ぐ。前に述べたレースとは正反対のテクスチャーを織り交ぜて、新感覚のコラージュを生み出している。
2016年10月12日ノワール ケイ ニノミヤ(noir kei ninomiya)の2017年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで発表された。始まりは、円形のオーガンザを幾重にも重ねたドレスから。パーツ中央にはスパンコール、多方向に伸びた裏地のラインが透けている。パーツは花びらのように重なり合い、その集合体は万華鏡のような華やかさがあった。その後も、ライダースジャケットやトレンチコート、デニムアウターなどスタンダードなウェアを、ときに規則正しく、ときに不規則に小さなパーツを組み合わせて再構成していく。帯状のレザーを丸いパールビーズで結合させたボディ、テープ状の素材を格子状に貼り合わせたアーム、正方形のものをパネルのように並べたバッグスタイル。パーツを少しずつずらし地層のように合わせ、ボリュームを孕んだ部位もある。たくさんのピースが複雑にマッチされているが、その重量感を感じさせないほどどれも美しいラインを保てている。素材はシースルーやレース、メッシュ地など軽やかなものをメインに。装飾はパールや花模様、パンツのサイドにはプリーツをあしらって可憐に仕上げた。ブラックアンドホワイト、ベースはスタンダードウェアと制限のある中で、尽きない探求心が新感覚の美しさへと導いている。
2016年10月12日ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS)の2017年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク5日目の2016年10月1日(土)に発表された。昨シーズン数学的なアプローチによって生まれた、多角的なウェア。これが、軽やかなシースルー素材となりバージョンアップされている。エプロンのように前だけのもの、クロスするように布地を重ねたもの、アシメトリースカート状のもの、ポンチョ型のもの。フォルムは様々だが、しかし今季これは主役ではないようだ。シーズンヒロインは、その内側に包み込まれた洋服たち。それらがいくつもの文化を持ち込み、対比し溶け合い、予想外のストーリを綴っている。編タイツにカラーTシャツ、シルバーパンツやロゴ入りパッチワークパンツ、スタッズ付きカーゴパンツ。パンク・ミリタリー・バイカー…と色々なテイストが交差する。そこに小花柄ワンピースに見られるフェミニニティ、テーラードジャケットを主役にしたフォーマルまでが投じられ、無秩序な世界が築き上げられている。全体的にまとまりのあるものではないが、‟透け透けトゲトゲ”の鎧を外せば、ストリートに馴染むのは事実。ショー半ばでアウターを脱ぎ捨てる演出が設けられていたが、事実浮かび上がったのは、スウェットトップスを腰回りをタイトにしたドレスや、ギャザーを寄せたTシャツなど、女性らしいアレンジが加えられたデイリーウェアであった。とにかく駆け抜けるような爽快感のあるランウェイショー。多文化が交わる様は街の縮図を見ているかのようで、いろんなバックボーンの人々に一気に出会ったような充実感で心が満ちた。
2016年10月12日コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)の2017年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィー5日目の2016年10月1日(土)に発表された。キーワードは「Invisible clothes」だという。ここ数シーズン、ファッションシーンではビックサイズが一つの鍵を担っている。大きすぎる肩、長すぎる袖。通常では考えられない位置に凹凸を持たせた、変形型ビッグフォルムを最新ルックとして打ち出すブランドもある。川久保玲が作る、ビッグフォルムはこれらとは大きくかけ離れている、巨大だ。身幅はモデルの3倍ほど(それ以上のものも)あるし、肩周りは羽のように左右に広がっているものもある。腰・肩といった曲線的な要素はほぼほぼ視野には入っておらず、あるときは直線的に、またあるときは頭上部分でカーブラインを描いていることも…。これらの言葉を並べるととても奇想天外、オブジェのように映るが、コレクションピースはクラシックとフェミニティを含んだ、やはり洋服である。ブラックのドレス風ルック。よく観察してみると、シャツの上にジャケット、さらにコートを羽織って…といった具合に、解体されたドレスが幾重にもレイヤードされている。間には白いフリルも挟んでいて可愛らしいし、裾はベルベット地に切替が施され洒落ている。また、船長のようなハットを被ったブラックルックは、ドレスを3段に重ねたような構造。腕は出せてはいないものの、パフスリーブ型の袖は存在しているし、こちらも同様にフリルでデコレーションだ。円形型のルックは、腕周りが大きなだけで身体を通す中央部分はウエストシェイプ。デフォルメされているもののラウンド型の襟もあしらわれ、少女性も香らせている。ビニールのようなシースルー素材のアタッチ、液状のペイントがされたコルセット風ディテール。透け感やランジェリーライクなど、細部にはシーズンの流れを汲んだ要素が溢れている。ナイキとのスニーカーでスポーツテイストを差すのは予想外だが、日常に寄り添ったテクニックでとても好印象だ。
2016年10月12日シャーロット オリンピア(Charlotte Olympia)の2017年春夏コレクションは、50年代にハリウッドで活躍した女優「カルメン・ ミランダ」を称賛したワードローブ。“ブラジルの爆弾娘”と称された彼女を思わせるような、ジューシーな魅力が弾け飛ぶ、ハピネスなアイテムが多数登場した。ニーハイレースアップサンダルの“カーニバル”や、ゴールドレザーで作られた蘭の花が咲き誇る“ボタニカ”プラットフォームサンダルは今季を象徴するスタイル。モンステラの葉は、コレクション全体を通じて採用されており、バッグやウェッジ、ミュールなどにあしらわれている。終盤、目に飛び込んでくるのは、立体的にフルーツを表現した衣装の数々だろう。バナナモチーフをハイライトに、スイカやブドウ、イチゴなどたくさんの果物がランウェイで美しく輝く。着こなすモデルたちの表情にも笑顔がこぼれ、楽しげなランウェイが演出される。バナナが横たわるパンプスや、フルーツのアップリケがセッティングされた“フルーツサラダ”シングルソールサンダルなど、シーズンのコンセプトはダイレクトにアイテムへと落とし込まれる。日常をエキゾチックでプレイフルにしてくれるようなアイテムを、宝石箱のように詰め込んだ。
2016年10月10日バレンシアガ(BALENCIAGA)の2017年春夏ウィメンズコレクション。デムナ・ヴァザリアを迎えて2シーズン目となるランウェイショーをパリ・ファッション・ウィーク6日目の2016年10月2日(日)に行った。デムナのデビューは、多くの人々に衝撃とチャレンジスピリットを与えるものだった。原型から離れたフォルムの作り方、ストリートからモードへの転身。自身の長所を活かした、メゾンの内側からの改革は斬新な形の造形へと繋げた。2度目となる今季も、デムナのスピリットは変わっていない。「クチュールとフェティシズム」これがシーズンキーワードである。フェティシズム、これが何を指しているかは定かではないが、少なくとも‟スパンデックス”という素材に着目していることは確かである。伸縮性に富んだ素材の特性を生かして、シューズと一体になったパンツを提案している。また‟肩を抜く”オリジナルの着こなしを提案していた昨シーズン同様、今季もコーディネートにはこだわりがあるようだ。ランウェイでは一方向のアプローチしか見せていないが、実際ウェアは様々な着こなしを楽しめるようになっている。例えば、ストライプ柄のコートはそのまま纏えば綺麗なライン。ただ内側にもう一枚かませていて、スカートとセットになっている。そのため、ボタンを留めればコートに、ボタンを空ければアシンメトリーに、はたまたスカート部分もオープンにして着ることも可能だ。また、終盤にかけて差し込まれたダウン風ベスト。実はこれは空気で膨らむ構造で、空気量に応じて変形させることもできるギミックなウェアだ。また、買った人にしかわからない仕掛けが施されているのもポイント。真っ赤なフード付きトップスの袖元にあしらわれたURLにアクセスすると、メッセージが受信できる。これはコマーシャルピースにも応用され、それぞれに違うナンバーが配され、アクセスすると異なるメッセージが流れるという。昨シーズンは‟バザールバッグ”で話題をさらったメゾン。今季は街中で布団が売られているときに着想を得たのだろうが、毛布のような懐かしい刺繍が施された‟ブランケット バッグ”がデビュー。さらに、クッション着想の円形型‟クッション”もバッグラインに仲間入りしている。
2016年10月09日ポール & ジョー(PAUL & JOE)は、フランス・パリのセーヌ川沿いで2017年春夏ウィメンズコレクションを発表した。パリ・ファッション・ウィーク8日目の2016年10月4日(火)のことである。定刻は夕方6時半。まだ陽の落ちていないセーヌ川沿いには涼しい風が流れていた。寄り添うように並んだ家々、赤いルーフが目印のカフェ。川向こうにはパリ特有の町並みが広がっている。川沿いをランニングする人、橋の上から会場を覗く人々。そこにはフランスの生活感が溢れていて、まるで街全体でランウェイを行っているような特別な空間であった。しかし、ショーピースはフレンチシックとは異なるワーク・ストリートを題材にしている。ミリタリーシャツやカーゴパンツ、デニム、オールインワンといったものが主役で、それらの男性性を打ち消すように、デコラティブな装飾が施されている。ミリタリーシャツはポケット部分に立体的な花刺繍をデコレート。合わせたワイドパンツも、ロールアップした裾に同様の刺繍をあしらっている。デニムパンツには、宝石のようなドーム型ビジューを散りばめ、白Tシャツにはチュールを配した。一方、フェミニンウェアには刺激を投じる。フリルブラウスは胸下でカットオフし、ストライプのキャミソールブラウスには蛍光色を差した。花柄のワンピースにも、赤×白の縞模様パンツをマッチさせて躍動的に。可愛いものには相反するものをミックスさせてアレンジを繰り返している。足元はフラットサンダルまたはスニーカーが気分だ。シルバーのチェーンネックレスやバケットハットなど、ロックorストリートのぶつけ方も面白い。
2016年10月08日カラー(kolor)は、パリ・ファッション・ウィーク中にインスタレーション形式で2017年春夏ウィメンズコレクションを発表した。阿部潤一の優しい気持ちが投影されているシーズンである。リラックス&スポーティー、変わらぬDNAを保持しながらも、エスニックな要素、フェミニニティを象徴的に採り入れ、可愛らしく心に残るコレクションピースを完成させている。阿部が目指したのは、とてもシンプルだが平和主義に重きを置いたものだ。様々な世界情勢がある中、日本人デザイナーがフランス・パリでコレクションを展開し続ける義務。強い形ではないが、そんな彼のスピリットが豊かなクラフツマンシップで表現されている。これまでとのイメージチェンジを支えるのは、小花の模様。機械で施したとは思えないほどに繊細な花々が刺繍になってシースルー素材を彩っている。また、花びらを広げる瞬間は写実的に捉え、プリントとで繊細に表現。シースルー地のスカートやトップスに落とし込まれ、テキスタイルが重なり合うと3Dのような効果を発揮して、より活き活きと快活に花の生命を映し出している。民族的な要素は、大胆かつわかりやすい形で表現されている。ミリタリーシャツにドッキングしたチャイナボタン、花柄を襟元だけに差したフレンチシック、紙のように薄いメタリック素材に乗ったアジア風の模様。ぱっと見、どこかで出会ったことのあるトラディショナルな佇まいであるが、色使いやコンビネーションが新鮮さを与えている。カラーならではのバリエーション豊かなディテール・デザイン特性は今季も健在。特に今季はレイヤード風のアイテムを多く提案している。スカートとパンツのドッキング、スカートオンスカートの打ちだし方。どれも異なるアイテムが交際しているのだが着心地がよく、穏やかで特別感に満ちた仕上がりである。
2016年10月07日オランピア ル タン(Olympia Le-Tan)の2017年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク7日目の2016年10月3日(月)に発表された。テーマは「Turn on,turn in,drop out」。このワードでヒットするのは心理学者のティモシー・フランシス・リアリーの言葉である。この関連は定かではないが、彼が考える個人の自由や意識を重んじた姿勢は、今シーズンの自由主義のスピリットに通じるところがある。サイケデリックでどこか60’s、それでいてポップ。色使いや洋服のコンビネーションなどは、トウキョウ・カワイイにシンクロしている部分もあるように感じられた。パリ市内のクラブハウスで行われたショーには、とにかく柄が多数登場した。真っ赤なリップスティックを塗った口元、たばこのようなものが噴き出るレインボーの煙、それからマッシュルームのモチーフ、宇宙のような星と彗星が混じり合う空間。それらの妖しくってキュートなモチーフが隙間を埋め合うように服地を飾っている。コーディネートは、スーパーミニ丈パンツ・スイムウェアのような刺激的なウェアが現れたと思えば、ラップスカートやフレアドレスなどクラシックなものが共存している。アイキャッチで少しコミカルな色柄に囚われがちであるが、ロールアップデニム、スウェットパーカー、デニムシャツ、スタジャンなど、とても日常的なウェアが展開されている。タックインまたはウエストマークして、腰のラインを強調させるのが今季のムードであるが、そんな女性らしいアプローチに対して小物遊びは相変わらずユーモラス。アイコンのブック型クラッチには、洋服と同じサイケなデザインをあしらった。スウェットパーカーのフード部分だけをネックレスにしたり、袖部分だけをアームカバーにしたものもある。バッグの2個持ち、クロスボディも旬なようで、パステル&ラメ加工の「Olympia」ロゴが象徴的でとてもキュートだ。
2016年10月07日ヴェロニク ブランキーノ(Veronique Branquinho)の2017年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク7日目の2016年10月3日(月)に発表された。黒でまとめたゴシックな雰囲気からは解放され、春の訪れを告げるほど開放感に満ちたシーズンである。ランウェイにはフェミンな要素が溢れ、ロマンチックなムードに統一されている。温かな季節を迎え、蕾を開いた花々は様々な手法で表現されている。アンティーク調のプリント、鮮やかな糸で仕上げた立体的な刺繍、青々とした草木と共存したレース。それらは、フリル・レース・リボンと可愛らしいディテールを存分にのせたドレスの中で、生き生きと大きな花を咲かせている。シルエットはロング&フレア。ほとんどのドレスは前後でアシンメトリーに整えられていて、バッグスタイルでゆるやかな動線を描く。ノースリーブトップスに至っては、後ろ身頃に別布の一枚かませ、床をはうかのような余韻を残したバッグスタイルを完成させた。ランウェイには、ドレスに加えて、マニッシュ・カジュアルといったカテゴリーも登場。テーラードのロングジレは、サイドやポケットラインに刺繍を施して、スウェットパーカーは胸元・ショルダーラインにフリルをのせて、少女性溢れる世界に浸透する。足元はソックス&パンプスに見えるが、すべてトロンプ・ルイユのブーツ。ここにもカッティングやパンチングで、細やかな刺繍デザインが施されている。
2016年10月06日ハイダー アッカーマン(HAIDER ACKERMANN)の2017年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク5日目の2016年10月1日(土)に発表された。サイレンス - 今季のハイダー アッカーマンは引き続き、闘志を持った強い女性を描いている。ただ、昨シーズンとは異なり静寂の中で戦う、より強いメンタリティを持った人物をミューズに据えた。ロングラインのコート、タイトフィットなパンツ、ウエストラインを強調するショートジャケット。ブランドらしいストロングな要素はもちろん散りばめられているが、イエローやピンク、オレンジといったアシッドカラーが柔らかく中和する。今季は、オリジナル素材の開発に力を入れた。ランウェイでたなびくドレスは、約14メートルもの生地にシワを加え、さらに2度に渡ってプリーツを施した力作だ。贅沢な生地使いが優しい動線を生み、あえて不均衡に配されたプリーツラインが親しみを感じさせる。イエロー&ブラック、レッド&ブラックなど、意表を突くカラーコンビネーションのウェアはすべて手染めで仕上げたもの。ドレスやジャケットの所々に、プリーツ&スモック技法という刺繍を施したモチーフをパッチワークして、フェミニニティを加えている。アイコンのレザーレギンスとのコンビネーションもよく、綺麗な縦長のシルエットを描いている。ジャケットやドレスに混じって、スウェットパーカーが登場しているのが面白い。「science soldier」、今季の精神をストレートに表現したロゴが中央で輝る。
2016年10月06日